衆議院

メインへスキップ



第5号 平成20年10月8日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十年十月八日(水曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十年十月八日

    午後五時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十年度特別会計補正予算(特第1号)

 平成二十年度政府関係機関補正予算(機第1号)

 地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案(内閣提出)


このページのトップに戻る

    午後五時三十二分開議

議長(河野洋平君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

谷公一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 谷公一君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十年度一般会計補正予算(第1号)

 平成二十年度特別会計補正予算(特第1号)

 平成二十年度政府関係機関補正予算(機第1号)

議長(河野洋平君) 平成二十年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二十年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長衛藤征士郎君。

    ―――――――――――――

 平成二十年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書

 平成二十年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書

 平成二十年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔衛藤征士郎君登壇〕

衛藤征士郎君 ただいま議題となりました平成二十年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 この補正予算三案は、去る九月二十九日本委員会に付託され、十月二日中川財務大臣から提案理由の説明を聴取し、同月六日から質疑に入り、本日質疑を終局し、討論、採決を行ったものであります。

 まず、補正予算三案の概要について申し上げます。

 この補正予算三案は、八月二十九日に決定された安心実現のための緊急総合対策を実施するために必要な措置等を講じようとするものであります。

 一般会計予算については、歳出において、緊急総合対策関連として、生活者の不安の解消、住まいと防災対策、低炭素社会の実現と強い農林水産業創出、中小企業等の活力向上及び地方公共団体に対する配慮について所要の経費を計上しております。あわせて、国債整理基金特別会計への繰り入れを計上する一方、既定経費の節減、予備費の減額を行っております。

 また、歳入において、その他収入の増加及び前年度剰余金の受け入れを計上するとともに、公債金の増額を行うこととしております。

 この結果、補正後の平成二十年度一般会計予算の総額は、当初予算に対し歳入歳出とも一兆六百四十一億円増加して、八十四兆千二百五十五億円となっております。

 特別会計予算については、国債整理基金特別会計、社会資本整備事業特別会計など十四特別会計において、所要の補正を行うこととしております。

 政府関係機関予算につきましては、株式会社日本政策金融公庫について、所要の補正を行うこととしております。

 次に、質疑について申し上げます。

 質疑は、経済の現状及び景気対策を含めた経済政策のあり方、年金・医療等社会保障問題、道路特定財源の一般財源化、公務員制度改革、地方分権推進、事故米不正転売等食の安全問題、行政改革、燃料高騰対策、雇用問題等、国政の各般にわたって熱心な質疑が行われました。

 かくして、本日質疑を終局し、補正予算三案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党及び公明党を代表して鈴木恒夫君から賛成の意見が、日本共産党を代表して笠井亮君から、社会民主党・市民連合を代表して保坂展人君からそれぞれ反対の意見が述べられました。討論終局後、採決の結果、平成二十年度補正予算三案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、二〇〇八年度補正予算三案に反対の討論を行います。(拍手)

 福田内閣が政権を投げ出し、その結果誕生した麻生政権に対して、ただすべき国政の基本問題は山積しております。にもかかわらず、予算委員会をわずか三日間で終わらせ、補正予算案を採決することに強く抗議するものです。

 今、日本社会は貧困と格差が拡大し、労働者、高齢者、障害者、農民、中小業者など、国民のあらゆる層の暮らしと営業が深刻な不安と危機に見舞われています。

 自公政権が進めてきた構造改革路線のもとで、働く貧困層は今や一千万人を超えました。社会保障費二千二百億円削減を継続する政策によって、必要な医療や介護が受けられない事態が各地で生まれています。原油、原材料、物価などの異常な高騰に多くの国民があえいでいます。国民の苦しみはかつてなく広がり、内需が冷え切っているのであります。

 ところが、政府にはこうした事態を招いたことへの反省が全くありません。しかも、世界の金融と経済は極めて危機的な事態にあります。だからこそ、今、一層必要なことは、一部の輸出大企業のもうけの応援だけを追求し、国民には痛みだけを押しつける政治を根本から正し、内需主導、家計に軸足を置く経済に切りかえることであります。

 本補正予算案は、あくまで従来の経済政策にしがみつき、多少の取り繕いをするものにすぎず、賛成できません。

 今、緊急に求められている対策は、第一に、後期高齢者医療制度を直ちに廃止し、社会保障の充実を図ることであります。

 七十五歳以上に年齢を重ねただけで別枠の制度に追い込むなどという差別医療制度は、世界のどこにもありません。国民の怒りは、まさにこの制度の根本に向けられているのであります。制度の説明や小手先の手直しで納得が得られるものではありません。廃止しかありません。

 第二に、労働者派遣法を一九九九年の原則自由化前に戻し、雇用の安定を図る対策をとることであります。

 相次ぐ労働法制の規制緩和によって、多くの労働者が安定した雇用を奪われ、若者は生きる希望を奪われているのであります。偽装請負を告発した労働者が職を奪われるという理不尽きわまる事態も起こっております。麻生総理は、事実であれば極めて不当と答弁した以上、直ちに是正すべきであります。その根本にある労働者派遣法の抜本改正はいよいよ急務であります。

 さらに、原油、原材料、物価などの異常な高騰に対して、投機マネーの規制に踏み出すべきであります。直撃を受けている中小業者などの経営を守る緊急対策が必要です。また、食の安全を確保し、安全な食料は日本の大地からの立場から、農業、漁業の再生に取り組むことを強く求めるものであります。

 道路特定財源の地方減収分についていえば、そもそも本年度の総予算審議の際、政府・与党が、暫定税率の廃止と道路特定財源の一般財源化を求める広範な世論を踏みにじったことによるものであります。しかも、政府はその後、五月に一般財源化を閣議決定しております。地方に補てんするとしても、使途を限定しない一般財源として交付すべきであり、道路特定財源に固執することは認められません。

 以上で、私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 岩永峯一君。

    〔岩永峯一君登壇〕

岩永峯一君 自由民主党の岩永峯一であります。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました平成二十年度補正予算三案に対しまして、賛成の討論を行うものであります。(拍手)

 今、国民生活は困窮の度を深めております。世界的な原油価格高騰により、農林水産業や運輸業に携わる方々はもちろん、一般の消費者も食料品の値上げに苦しんでおります。

 金融システムにおいては、本日も株価は千円に迫る下落を示しており、日本はもとよりでありますが、世界においても、あの世界恐慌以来八十年ぶりとも言われる不安定な動きを見せているのであります。

 また、地方経済の悪化に伴い、建設業を初めとした多くの中小企業の経営も悪化し、倒産件数は増加傾向にあるのであります。大型倒産も目立ち始める中、資金調達への不安も高まっており、事業者の自助努力だけでは限界になってきております。

 このような状況に対し、我々は手をこまねいて見ているだけで許されるわけがありません。これは、国民生活を思う国会議員であれば、与野党ともに意見を異にすることはないはずであります。

 日本だけではありません。海外に目を向ければ、アメリカを初め、欧州や新興国など世界経済全体において成長が鈍化し、資源価格も高い水準に高どまりし、アメリカ発の国際金融市場の動揺により、世界経済の先行きは不透明感を示しているのであります。

 今回の補正予算は、八月二十九日に政府が決定した安心実現のための緊急総合対策の裏づけともなるものであり、国民の皆さんが感じている痛みや不安に対処するため、国費一・八兆円、事業規模で十一兆円超の規模となる、まことに重要な予算であります。麻生総理も一貫して本案の成立を強く望まれているのであります。

 以下、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べます。

 本補正予算を賛成する第一の理由は、経済対策を速やかに実施し、物価高、景気後退の直撃を受けた人々や農林水産業、中小零細企業、雇用や医療に不安を感じる人々に安心をもたらすことが当面最も重要であると考えているからであります。特に、緊急総合対策の決定後も国際金融情勢が大きく変動しており、本補正予算を早期に成立させる必要性は一層大きなものになっているのであります。

 本補正予算は、まず第一に、生活者の不安の解消を目指しております。そのため、生活、雇用の支援を行うとともに、高齢者医療の円滑運営対策、医療体制の確保など、医療、年金、介護の強化を図ります。また、新待機児童ゼロ作戦など、子育て、教育の支援を実施することとなっております。

 第二に、持続可能社会、低炭素社会を実現するための省エネ・新エネ設備の導入加速等の取り組みや、学校等耐震化などの住まい・防災対策の推進、強い農林水産業の創出などを進められることになっております。

 第三に、新価格体系への移行と成長力強化のため、原材料価格高騰対応等緊急保証の導入と政府系金融機関が行うセーフティーネット貸し付けの拡充による総額九兆円規模の事業を実施し、中小零細企業の資金繰りに万全の対策を講じることとなっております。

 賛成の第二の理由としては、財政規律を確保し、財政健全化路線を堅持した点が挙げられます。

 今回の補正予算は、旧来型の経済対策とは一線を画するとの緊急総合対策の基本的な考え方を踏まえて、既存の歳出を見直す中で最大限の経費の節減を行うことなどにより、特例公債は発行せず、財政規律を維持したものになっております。

 以上、補正予算三案に賛成する主な理由を申し述べました。

 最後に、麻生総理大臣も所信表明演説の中で、政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿に終始と指摘した民主党は、今回も、補正予算案提案前に出口の提案を与党に持ちかけたり、実際の日程協議では一転して、質疑を見てからでないと出口の話はできないと主張したり、お得意の政局第一主義の片りんを見せたのであります。最終的に、本補正予算に賛成をお示しになっているのは、その重要性を御理解いただいたものとあえて評価をさせていただきたく存じますが、一刻も早い成立こそが国民から求められているということを重ねて強く申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(河野洋平君) 日森文尋君。

    〔日森文尋君登壇〕

日森文尋君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、二〇〇八年度補正予算案に反対の立場で討論を行います。(拍手)

 日本経済は全治三年とするのであれば、治療に当たっては、しっかりとした原因究明が不可欠です。しかし、今回の総合対策は、「景気回復は総じて外需依存型であり、家計全体は賃金増を通じてその恩恵を実感するにはいたらなかった。」と指摘はするものの、その原因の分析がありません。

 この間の景気回復は、労働者派遣事業の自由化による低賃金労働者の創出、規制緩和路線によって激化した企業間競争を口実にした賃金抑制策などをてこにしたリストラ景気にほかなりません。このような実態を放置したまま、ばんそうこうを張ればいいというものではありません。構造改革路線と決別し、痛みの直撃に苦しむ労働者や社会的弱者、中小企業、地域経済を守ることです。

 GDPの六割を個人消費が占めており、地域や農林水産業、福祉、環境を重視した内需、個人消費の活性化が求められています。賃金の増加、格差の是正、国産品中心・自給率向上の推進、自然エネルギーへの転換、福祉、医療、子育て、教育分野への投資の増大、雇用や社会保障の根本的立て直し、所得再配分的な税制への改革など、将来を見据えた政策が必要です。

 定率減税の廃止、構造改革路線が家計の疲弊や内需の縮小をもたらし、アメリカ発の金融危機がこれに追い打ちをかけているという認識に立って、抜本的に治療法を練り直すべきです。

 以下、反対の理由を申し上げます。

 第一に、後期高齢者医療制度の廃止ではなく、選挙対策のまやかしの負担軽減にとどまっていることです。

 第二に、燃油高騰の大きな原因である投機マネーへの有効な規制がないばかりか、漁業者などへの燃油費補てんも条件や制約が厳しく、使い勝手が悪くなっています。

 第三に、地方税の減収補てんは当然ですが、地方財政への支援が弱いことです。五兆円以上削減をされた地方交付税の復元を図るべきです。

 第四に、減税や各種控除の復活など、国民の痛みを和らげる政策がとられていない一方で、東アジア経済統合研究協力拠出金、投資環境関連情報発信事業費、出入国管理システム設備整備費、市町村合併体制整備費補助金など、問題のあるものも大変多いことです。そして、何よりも、大幅な下落を続ける株価が、この補正予算に対する評価を見事に示しているのではないでしょうか。

 最後に、今回の補正予算案には、中小企業への融資拡大、ネットカフェ難民への支援、公立小中学校の耐震化、アスベスト対策、離島航路確保、消費者政策の強化、地方バス路線の維持対策などが盛り込まれておりますが、どれも内容、規模とも極めて貧弱と言わざるを得ません。

 構造改革路線と決別し、投機ではなく実体経済を支えるための政策への転換、個人消費を中心とした内需重視への転換を強く求め、反対討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) 上田勇君。

    〔上田勇君登壇〕

上田勇君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております平成二十年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 世界経済は、今やあらしの真っただ中にあると言っても過言ではありません。アメリカ発の金融危機は世界全体に波及し、世界同時株安が進行しており、日本においても株価の大幅下落や円高を招き、実体経済への影響は免れない極めて厳しい状況下に立たされております。あらゆる経済指標を見ても、先行きの不透明感は増すばかりであります。

 世界経済をどん底へと落としかねない未曾有の事態に対し、米国を初めとするG7など関係諸国、当局が緊密の連携を図り、協調して事に対処し、断じて今そこにある危機を乗り越えなければなりません。

 とともに、国内においても、欧米に比べて影響は少ないとは言われているものの、既に中小企業等への貸し渋り、貸しはがし、さらには貸しどまりが起こりつつあり、あらゆる政策を総動員して、金融が目詰まりを起こさないよう、さらには実体経済への影響を最小限に抑えるべく、政府は一丸となって取り組むべきであります。

 本補正予算案のもととなっている安心実現のための緊急総合対策の決定は八月二十九日でありました。いわゆるリーマン・ショックを初めとする金融不安の顕在化はその後のことでありました。予想を超えた今般の非常事態に対し、私たち立法府に身を置く者としてとるべき行動は、景気対策、経済対策を最優先して、迅速に対処していくことであります。

 まずは、本補正予算案を早期に成立させ、速やかな執行を図るとともに、麻生内閣としては、新たな事態に対応した新たな追加的な景気経済対策の骨格をできる限り早急に策定し、その上で、さきに決定した所得税、住民税の定額減税の実施などを含めた第二次補正予算の編成、税制改正等の措置を講じていくべきである、このことを強く申し上げるものであります。

 以下、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べます。

 世界的な原油資源価格、食料価格の高騰の影響は、家計を初め日本経済に大きな影響を与えています。家計においては、食料や燃料などの生活に欠かすことのできない物価が著しく上昇し、生活防衛に走らざるを得ない状態となっています。さらには、価格の転嫁が困難な立場にある中小企業を初め、燃油高騰などで農林水産業、トラック等運送業などは直撃を受けています。こうした国民の声、中小企業者の方々の叫びに耳を傾け、適切に対応していくことが求められているのであります。

 今般の補正予算は、まさに当面する緊急事態に対しての要請にこたえるとともに、医療や防災など国民の安全、安心に大きく資するものとなっていると考えています。

 まず第一に、生活者の不安の解消についてであります。

 具体的な施策として、高齢者医療について七十歳から七十四歳の医療費一割自己負担の継続及び長寿医療制度における低所得者の保険料の軽減、医師養成数の増大を含めた医師確保対策の拡充、さらには、新待機児童ゼロ作戦の集中、重点実施など子育て支援の拡充などが盛り込まれております。

 第二に、低炭素社会実現に向けて、省エネ・新エネ設備等の導入加速などを講じるとともに、国公私立学校、文化施設等の耐震化事業の加速化で二千億円を超える予算を計上しております。また、対策の中で食料自給率五〇%を目指すことを明記しましたが、農林水産業の供給力、競争力強化等についての対策を講じております。

 第三に、中小零細企業の資金繰りに万全の対策を講じている点であります。

 新たな保証制度として、セーフティーネット保証よりも対象事業業種を倍増以上へと大幅に拡充する原材料価格高騰対応等緊急保証の導入及びセーフティーネット貸し付けの拡充で、総額九兆円規模の事業を実施することとしております。

 これら国民生活を守る観点で極めて重要な施策が盛り込まれた補正予算の財源については、既存の歳出を見直す等により、赤字国債の追加発行は行わないこととしており、財政規律の観点から評価できるものであります。

 以上、主な賛成理由を申し述べました。

 最後に、私は、本補正予算案を速やかに成立させること、そして、今般の経済非常事態に対して、麻生内閣が国民の声に耳を傾けながら果敢に取り組んでいくこと、以上、二つの点について切に御期待申し上げ、私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)

議長(河野洋平君) 下地幹郎君。

    〔下地幹郎君登壇〕

下地幹郎君 国民新党の下地幹郎です。

 私は、国民新党・大地・無所属の会を代表して、平成二十年度補正予算案に対して、いささかでも国民生活に役立てばという思いで、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 麻生総理、今、国民が政治に期待している政策は景気対策であります。アメリカのサブプライムローンに始まり、リーマン・ブラザーズの倒産がもたらした金融不安によって、日本の株価もアメリカの株価も値下がりしております。金融不安と経済不況が同時に日本に押し寄せるのではないかと国民は心配しているのです。

 また、八月の完全失業率は前月を〇・二ポイント上回る四・二%に悪化し、外資系金融機関においては総従業員数の四%に当たる一千百人がリストラされました。政府の労働経済動向調査でも、四月から六月に人員削減や残業規制などの雇用調整をした企業は一四%にも上ります。さらに、九月の日銀短観では、業況判断指数が大企業・製造業において五年三カ月ぶりにマイナスに転じたのです。

 麻生総理、今の日本経済は非常に厳しいのです。しかし、この補正予算の原案は八月につくられ、今の経済状況を反映していないものであるだけに、十一兆八千億円、実質、真水一兆八千億円の小規模なものとなってしまいました。果たして、この予算が国民生活にどれほどのセーフティーネットになるのか、大きな疑問を持ちながらも、国民生活に少しでも少しでも役立てばと思い、国民新党・大地・無所属の会はあえて賛成することにいたしました。

 麻生総理、私ども国民新党は、生活に苦しむ弱い立場の人々の顔を思い浮かべながらつくった、総額二十兆円の暮らしを守る緊急経済対策を提案しております。その財源は、一般会計と特別会計の一体運用、議員定数の削減、特殊法人改革による節約によって捻出しております。

 医療は、治す医療から予防医療に変わりつつあります。景気対策も、もう対処療法ではなく、構造的な改革の見地から、大きな経済の損失が起こる前に、予算、税制度など、あらゆる政策を駆使して経済不安を解消しなければなりません。そのことが、生活者を守り、子供たちの笑顔をつくることになるのです。

 そして、その後、構造的な改革を実行するには、政治の安定をつくることが必要であります。今、国会は衆議院と参議院がねじれており、政治の安定をつくるには、衆議院を解散して国民の信を問うしかありません。

 しかし、麻生総理。私は、いつ解散するかとか、解散すべきだと言うつもりはありません。ただ、国家国民のために、解散する勇気を持つべきであるということを申し上げ、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 三案を一括して採決いたします。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

     ――――◇―――――

谷公一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(河野洋平君) 谷公一君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(河野洋平君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案(内閣提出)

議長(河野洋平君) 地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長赤松正雄君。

    ―――――――――――――

 地方税等減収補てん臨時交付金に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔赤松正雄君登壇〕

赤松正雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、地方税法等の一部を改正する法律等が平成二十年四月一日後に公布されたことにより生じた地方税等の収入の減少に伴う地方公共団体の平成二十年度の減収を補てんするため、地方税等減収補てん臨時交付金の交付その他の必要な財政上の特別措置を定めようとするものであります。

 本案は、昨七日本委員会に付託され、本日鳩山総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(河野洋平君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(河野洋平君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(河野洋平君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後六時九分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  麻生 太郎君

       総務大臣  鳩山 邦夫君

       法務大臣  森  英介君

       外務大臣  中曽根弘文君

       財務大臣  中川 昭一君

       文部科学大臣  塩谷  立君

       厚生労働大臣  舛添 要一君

       農林水産大臣  石破  茂君

       経済産業大臣  二階 俊博君

       国土交通大臣  金子 一義君

       環境大臣  斉藤 鉄夫君

       防衛大臣  浜田 靖一君

       国務大臣  甘利  明君

       国務大臣  小渕 優子君

       国務大臣  河村 建夫君

       国務大臣  佐藤  勉君

       国務大臣  野田 聖子君

       国務大臣  与謝野 馨君


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.