衆議院

メインへスキップ



第37号 平成22年6月16日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十二年六月十六日(水曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十二年六月十六日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 菅内閣不信任決議案(谷垣禎一君外五名提出)

 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員辞職の件

 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙

 国土審議会委員の選挙

 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案(参議院提出)

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件(参議院送付)

 母体保護法の一部を改正する法律案(参議院提出)

 国家基本政策委員会及び懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに災害対策特別委員会外六特別委員会において、各委員会から申出のあった案件について閉会中審査するの件(議長発議)

 国会審議の活性化のための国会法等の一部を改正する法律案(小沢一郎君外六名提出)及び衆議院規則の一部を改正する規則案(小沢一郎君外六名提出)は、議院運営委員会において閉会中審査するの件(議長発議)


このページのトップに戻る

    午後一時五分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 谷垣禎一君外五名提出、菅内閣不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 菅内閣不信任決議案(谷垣禎一君外五名提出)

議長(横路孝弘君) 菅内閣不信任決議案を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。赤澤亮正君。

    ―――――――――――――

 菅内閣不信任決議案

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔赤澤亮正君登壇〕

赤澤亮正君 私は、自由民主党・無所属の会の赤澤亮正です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました菅内閣不信任決議案について、提案の趣旨を御説明いたします。(拍手)

 この不信任案は、政権担当の資格と遂行能力を著しく欠いているにもかかわらず、国民の脱小沢の期待感だけで選挙に臨もうとする破廉恥な国民愚弄内閣である菅内閣のみに向けた不信任案ではなく、選挙優先の無責任な政策を反省することなく、党利党略むき出しの国会運営を繰り返す、民主党の政権与党としての資質そのものも問うものでございます。今の政権与党の存在が長引けば長引くほど、我が国が最大不幸社会になることは目に見えております。

 まず、決議案を朗読します。

  本院は、菅内閣を信任せず。

   右決議する。

 以下、提案理由の説明をいたします。

 正統性なき内閣ということでございます。菅内閣を信任しない第一の理由がこれでございます。

 総理の首をすげかえたら衆議院の解散・総選挙により国民の信を問えというのが、今の政府・与党が野党時代に一貫して主張してきたことです。民主党は、過去、政権のたらい回しという言葉で、選挙を経ていない新内閣を攻撃してきました。菅新内閣は、政権のたらい回しにより誕生した、国民の信を得ていない正統性なき内閣ということになります。

 菅総理が、衆参同日選を実施しない、参議院選挙で国民の信を問うという考えを明らかにされている以上、菅新内閣は、過去の民主党の主張に照らしても、正統性なき内閣であることは当然であります。

 これが菅内閣を信任しない第一の理由です。

 本来は、この一事だけをとっても菅内閣不信任案の理由として十分だと考えますが、これ以外にも、主要なものだけに限り、少なく見積もってもなお合計で十の理由があります。

 以下、順次御説明いたします。

 菅内閣を信任しない第二の理由は、前内閣から引き続く言葉の軽さであります。

 政治の世界に生きる我々にとって最も大切な箴言は、論語の信なくば立たずでしょう。改めて説明するまでもなく、政治にとって何より大切なものは、国民との信頼関係だということであります。我々は、このことを肝に銘じて、有言実行、国民への説明責任をしっかりと果たしながら、国民との約束は確実に実行する、みずからの言葉をたがえずに、言ったことはきちんとなし遂げなければなりません。政治家の言葉は重い、綸言汗のごとしとも言われますが、有言実行を通してのみ国民は政治家を信頼し、政治家の言葉も重くなる、そういうものだと思います。

 言葉の軽さは、政治家個人にとっても、政党にとっても、政権にとっても致命的なものであり、国民との信頼関係を築き、維持することを不可能にし、確実に政権の崩壊をもたらすという意味で、最大級の菅内閣を信任しない理由となります。言葉の軽さについては、特に丁寧に御説明をさせていただきたいというふうに思います。

 昨年夏に政権交代して以降の二人の総理の言葉に、全く重みはありません。

 まず、鳩山前総理について申し上げますが、就任演説の「命を守りたい」は、国民に鮮烈な印象を残しました。声も裏返りました。しかしながら、その後の八カ月半で、鳩山前総理に命を守ってもらったと思う国民はどれだけおられるでしょうか。命を守ってもらえないどころか、鳩山前総理の言葉の軽さのために大きな被害をこうむったのは、日本国民だけではありません。トラスト・ミーと言われてうっかり信じた同盟国の国家元首は、手痛い目に遭われました。

 オバマ大統領以外にも、鳩山前総理が安全保障の基礎中の基礎である抑止力について一生懸命お勉強している間に、普天間基地移設問題の迷走で傷つけられた関係者は膨大な数に上りました。鳩山前総理が抑止力についてのお勉強の成果を発表されると、約束をほごにされた連立を組む社民党の福島党首は閣僚を辞任するとともに、社民党は連立を離脱されました。

 そして、鳩山前総理は、何よりも大切な沖縄県民の理解などと言いながら、我が国のために米軍基地の負担に耐え、戦後の日本の発展を支えてこられた沖縄県民の気持ちを踏みにじり、徳之島関係者の皆様に突然の不安の一撃を見舞ったわけであります。沖縄県民の怒りが臨界点に達するまで直接言葉をかけることもしなかった鳩山前総理は、その後、普天間基地移設問題に命をかけて取り組むと唐突に発言し、沖縄県民は、命をかけて抵抗すると応じられました。どちらの言葉に重みがあるかは歴然としています。

 命をかけて取り組むはずだった鳩山前総理は、沖縄県民や徳之島島民の声は全く聞かなかったにもかかわらず、ムクドリならぬヒヨドリに呼ばれると、その声に従い、あっさりと政権を投げ出して去っていきました。

 政治と金の問題についての鳩山前総理の言葉の軽さも尋常ではありませんでした。

 一体私の知らないところで何が起こっていたのかという発言も、国民にはそらぞらしさのきわみと響きました。きわめつけは、母上からいただいた毎月一千五百万円の子ども手当の使い道などについて、さんざん言を左右にしたあげくに、勝場秘書の裁判が終わり次第すべての資料を整えて説明すると、一たび国会で約束したにもかかわらず、個人のプライバシーにかかわるなどという理由で、この約束もほごにされました。

 鳩山前総理から、大切な問題について、トラスト・ミー、信じて待てと言われた人間は裏切られ続けてきました。これでは、政権を維持できなくなることは当然であります。最後はだれからも信頼されず、当然のごとく退場を余儀なくされたわけですが、去り際も、みずからの不徳を恥じることなく、国民が聞く耳を持たなくなったという信じられない暴言を吐いて、政権崩壊の責任を被害者の国民に押しつけました。

 最後の最後まで、自分がうそをつき続けたために、政権発足当初、高支持率で信頼を寄せてくださった国民が愛想を尽かした事実さえ認識しない、このような人物をリーダーに選んだ民主党の体質、責任も問われなければなりません。一年で政権がかわるのはけしからぬと他人を批判しながら、自分たちの政権は八カ月半で崩壊した事実、これをしっかりとかみしめるべきであります。

 菅総理の言葉の軽さも、前任と何ら変わるところがありません。

 政治と金や普天間問題など八カ月半の失政の結果、鳩山政権が崩壊したことについて責任を痛感すると所信を表明しながら、何らの責任もとらないまま総理の座におさまっておられます。副総理や財務大臣として支えるはずの鳩山政権を崩壊させた菅総理の責任を一切問わず、選挙に勝てそうならそれでよしとして流してしまう民主党の体質も異様と言わざるを得ません。今後、国政の重要課題について、責任を痛感するという発言を連発しながら一切責任をとらない菅総理の姿が今から目に浮かびます。

 菅新政権発足直後の国民新党との連立合意の中で、郵政法案の国会中の成立を約束したにもかかわらず、わずか数日で約束をほごにして亀井大臣の辞任を招いたことは、まるでデジャブのようであります。公党同士の約束をいとも軽く扱い、政治的破綻を招く言葉の軽さは、先月末に社民党との約束をほごにして、福島党首の辞任を招いた鳩山前総理と一体何が違うのでしょうか。

 十年の歴史を誇る自公連立政権当時、自民党と公明党は公党同士の信義を守り、約束違反に抗議しての党代表の辞任などは一切ありませんでした。選挙目当ての野合ではなく、しっかりと政策をすり合わせてから連立を組み、公党同士が言葉を大切にしてきたからこそ、自公連立政権は安定していたわけであります。我々はそのことを誇らしく思います。

 昨年夏の政権交代後、総理はかわっても、約束違反による党代表の辞任が繰り返される言葉の軽い今の連立与党とは際立った違いがあることは、あえて申し上げておきます。

 菅総理は、過去の自分の発言に苦しめられるという、いわゆるブーメラン効果も鳩山前総理からしっかりと引き継いでいます。

 秘書が罪を犯したら政治家本人が辞任するのは、我が党、すなわち民主党では当たり前のことですという趣旨の国会発言や街頭演説を野党時代にさんざん繰り返しておきながら、自分の秘書の罪については、私、鳩山は私利私欲は追求していませんなどという、理由にならない理由でほおかむりを決め込んだ鳩山前総理をやゆする、鳩山バーサス鳩山という動画がインターネット上を駆けめぐったのは記憶に新しいところであります。

 菅総理、あなたは、「大臣」という著書の中で、内閣の任期は衆議院議員の任期と連動すべきで、不信任が可決されたときと総理が交代したとき以外、衆議院の解散はやたらとするべきではない、国政の重要な問題点について、主権者たる国民の判断を仰ぐという意味での解散は認められる、したがって、政策的に行き詰まったり、スキャンダルによって総理が内閣総辞職を決めた場合は、与党内で政権をたらい回しにするのではなく、与党は次の総理候補を決めた上で衆議院を解散し、野党も総理候補を決めた上で総選挙に挑むべきだと書いています。

 鳩山前総理が、普天間問題という政策的な行き詰まり、そして政治と金のスキャンダルによって交代し、政権の枠組みも変わっているのだから、菅総理の持論に従えば、解散・総選挙を断行するのが当然ではありませんか。

 口約束ですらきちんと守るのが政治家に求められるモラルであると思います。ましてや、書き言葉で明言し、それに基づき自公連立政権を批判し続けたあなたが、持論のとおり解散・総選挙を行えないのは、昨年夏の衆議院総選挙ほどには勝てないことがわかっているからでしょう。

 菅総理、要するに、あなたにとっては選挙が最優先で、日ごろ語り、したためる主義主張は単なるきれいごとで、都合が悪くなればいつでも破るという体質を露呈しているわけです。国民はあなたの言葉を信じられません。もし参院選で信を問うとおっしゃるとおりであるのならば、もし参院選に負けた場合には潔く退陣されますね。

 菅総理、あなたの言葉に少しでも重みがあるのなら、それが当然の帰結であることは覚悟しておいていただきたい。

 過去二日間の代表質問に対し、再三にわたり、国会のことは国会がお考えになると答弁した菅総理は、同じ著書の中でこうも書いています。

 例えば、与党の代議士に金銭的な疑惑が持ち上がるとする。野党は証人喚問を要求し、国会は委員会審議がストップする。コメントを求められた総理は、国会のことは国会に聞いてくれ、私は政府の人間で、あれこれ言う立場にないと言うであろう。しかし、総理は国会議員でもあり、同時に与党の党首である。自分の党の議員が疑惑を持たれているのであれば、党首として何らかの措置をとるべきだ。三権分立だから、総理は国会に口を出せないと決め込んでいる。しかし、総理は議員の一人であるのだから、国会に対する発言権はある。

 まさしく、菅総理、あなたが書いているとおりであります。

 野党が長らく要求し続けて、かつ政府・与党から無視され続けている、鳩山前総理、小沢前幹事長、石川、小林両代議士の証人喚問や参考人招致について、菅総理、あなたは、過去に書かれたとおり、党首として何らかの措置をとるべきであり、政治家の言葉の重さを自覚しておられるのであれば、国会のことは国会がお考えになるなどとほおかむりは決してできないはずです。

 あなたの言葉は、解散や政治と金という重大な問題についても、余りに軽いのです。

 野党時代に主張して、当時の与党を追い詰め、名声を博したきれいごとは、それこそきれいさっぱり忘れ果てて、過去の発言を百八十度転換して保身を図ろうとする、菅総理、あなたの今の姿は見るにたえないという言葉で形容する以外にありません。

 現在の菅総理の国会答弁は、野党の質問者を挑発するときだけは身ぶり手ぶりも加えて突然興奮し、それ以外のときはひたすら官僚の作文を棒読みして顔を上げることもほとんどないという、大変情けないものです。鳩山前総理と比べても格段にひどい内容である上、総理の品格などみじんも感じられません。

 なるほど、これでは野党が要求している予算委員会の開会に応じたくない菅総理の気持ちもわかると思いましたが、同情の余地はありません。言葉の軽い総理には退陣いただく以外ありません。

 以上が、菅内閣を信任しない第二の理由です。

 菅内閣を信任しない第三の理由は、七月十一日の参議院選挙の実施最優先の、国民不在、党利党略のみの国会運営です。

 菅新政権は、通常国会会期中に民主党の都合で政権が突然交代したにもかかわらず、現在、予算委員会も一切開会しないで国会を閉じようとしています。

 これまで会期中に首相が交代したときは、必ず予算委員会を衆議院、参議院、それぞれ三日ずつ開いて、新内閣の考え方を国会で国民に対し明らかにしてきました。

 今回は、当初、民主党側から衆参各一日ずつの予算委の開会を提案しておきながら、野党側が慣例に従い衆参三日ずつを逆提案したところ、与党側は一方的に予算委を開会しないとの通告を行ってきたものです。

 あげくの果てに、菅総理は、衆議院における代表質問の答弁の冒頭、野党が予算委の開会の提案を断ったから予算委を開かずに国会を閉じるのだという趣旨の信じられないうそをつきました。野党側は、衆参一日ずつの予算委では足りないから三日ずつにしてほしいと対案を申し入れたのであって、これを受けて与党側が、当初衆参一日ずつの予算委を提案しておきながら、野党側が衆参三日ずつという対案を出すなら衆参ともゼロ日にする、すなわち予算委を開会しないというのは、常軌を逸した不誠実な対応です。

 そこには、少しでも国会審議を充実させて国民への説明責任を果たそう、参院選前に政府・与党の考え方を少しでも明らかにして国民の審判を仰ごうという姿勢は全く見られません。

 菅総理は、代表質問への答弁の中で、衆議院を解散しない理由として、参議院選挙で国民の審判を問えば足るという趣旨の答弁を繰り返しています。

 しかしながら、予算委員会も開会せず、今や詐欺の代名詞となったマニフェストのどこを撤回するのかなどの重大な政府・与党の政策の選択について、ほとんど、全くと言っていいほど判断材料を与えられずに、国民は一体どうやって審判を下せるのでしょうか。国民に無理を強い、事実上の白紙委任を求める、このような政治姿勢は、民主主義社会において決して許されることのない、言語道断なものであり、極めて遺憾なことです。

 選挙目当ての国会運営により、強行採決までして一院を通過させながら成立しなかった法案も枚挙にいとまがありません。いわゆる国家公務員制度改革法案、放送法等改正法案、郵政民営化見直し法案、地球温暖化対策基本法案、国会法改正法案、政治主導確立法案、地域主権関連三法案、高速道路無料化法案、インターネット利用選挙解禁法案などなどです。鳩山前総理が政権を投げ出すことがなければ政治空白は生じず、成立していただろう法案の数々であります。

 多くの国民の期待を無視した、選挙優先、政策無視の暴挙と言わざるを得ません。政策よりも選挙、国益よりも党利党略の無責任は、責任放棄の国会運営を行う今の政府・与党を信任できるはずがありません。

 以上が、菅内閣を信任しない第三の理由です。

 菅内閣を信任しない第四の理由は、脱小沢の欺瞞にあります。

 小沢前幹事長が辞任し、菅総理は、小沢幹事長はしばらく静かにと発言をし、脱小沢の立場を鮮明にしたとして一時的に国民の支持を集めていますが、長続きしないでしょう。というのも、小沢氏にかわって、その側近中の側近である民主党の輿石東参院議員会長が実権を譲り受けただけだからであります。

 現在、輿石会長を七月の参院選で勝たせることを最優先にして、与党のすべての国会運営が行われています。鳩山前政権当時、敗北必至と報道されていた山梨選挙区の民主党公認候補輿石会長は、鳩山退陣で息を吹き返しました。現時点では、輿石有利とする報道機関の予想が出ています。これが、民主党が特に菅政権誕生後に政治と金の疑惑などから逃げ回り、逃げ切るために予算委も開かないまま国会を会期延長せずに閉じようとする事実上の最大の理由であります。

 落選を覚悟し、瀕死の状態にあった輿石会長は、現在、降ってわいた有利な状況を少しでも変えないよう、変わる前に参院選に突入できるようということしか考えていません。菅新政権誕生後の御祝儀相場のうちに参院選に突入したいという発想と、政治と金の問題などを追及されると御祝儀相場が一瞬で冷めてしまうので逃げ回るという行動原理です。国益や政策に一切思いをいたさず、強行採決までした法案を多数廃案にし、今や党利党略以前の自分の延命、私利私略に血道を上げているのが現在の輿石会長であります。

 恐るべきことに、現在、菅総理は、この輿石会長の言いなりなのです。

 既に言葉の軽さの例として挙げましたが、菅総理は、就任直後、国民新党との連立合意で、今国会中の郵政法案の成立を約束したにもかかわらず、輿石会長の了解が得られないとあっさり数日後に撤回し、同法案は廃案となりました。これを受けて、国民新党代表の亀井大臣は辞任しました。今国会で郵政法案を成立させるためにはどうしても国会の会期延長が必要ですが、この選択肢は、輿石会長の私利私略に反するということであっさりと葬り去られたということであります。

 たとえ、強行採決してまで衆議院を通過させた郵政法案であっても、同法案を今国会で成立させると菅新総理が高らかに宣言したとしても、輿石会長の一言でつぶれてしまうということであります。これでは、鳩山前総理を小沢前幹事長が操縦していたように、菅新総理を輿石会長が操縦しているだけのことであります。そして、輿石会長は小沢氏の側近中の側近であることに思いをいたせば、菅新政権の一体どこが脱小沢なのでしょうか。我々は、菅新総理と輿石会長がそろって身を引いていただくことが国家国民のためになると確信をしております。

 以上が、菅内閣を信任しない第四の理由であります。

 菅内閣を信任しない第五の理由は、政治と金の問題についての不適切な対応、身内への甘さであります。

 民主党は、政権交代後一貫して、政治と金について、自民党よりも身内に甘い体質を露呈しています。菅新政権後に、荒井大臣、蓮舫大臣、川端大臣の事務所費の疑惑が大きくクローズアップされました。同様の問題は自民党政権当時にもあったわけですが、事務所費の疑惑を指摘されながら、領収書を公開しなかった大臣は、いずれも閣僚を辞任するなど、その職にとどまることはできませんでした。指摘を受けて、実際に一円以上の領収書をすべて公開した自民党の大臣もおります。

 これらの対応と比べて、民主党の身内に対する甘さは際立っております。

 特に、荒井聰大臣の事務所費について、民主党は、過去三年分の領収書を公開したと強弁するとともに、党の細野豪志幹事長代理が、架空、違法な支出はないと断言しました。しかしながら、まことに驚くべきことに、この領収書には漫画、衣服、下着、マッサージ治療費など、政治活動とは関係のない多くの支出が含まれていました。

 細野幹事長代理が、領収書を見てもらえば支出実態があったことが確認できると説明する一方で、荒井聰大臣は、多忙をきわめる女性秘書が息抜きのため自費で漫画を購入し、そのレシートが混入していたと発言しており、公開した領収書が実際の支出と違うことを認めています。

 そもそも、身内の調査の信憑性を国民が認めるはずもありませんし、会計書類の提出や説明を逃げながら、民主党の大臣のケースは自民党の大臣のケースと違うから問題ないなどと言い逃れようとすることこそが、身内に大甘な体質を如実に示しています。案の定、民主党の内部調査は全く信用できないものであることが白日のもとにさらされたわけです。大醜態であります。

 大臣本人でもないのに、大臣は就任したばかりで政務で多忙だからというとんでもない理由で、根拠もなく身内をかばい、国民の目を欺こうとした細野幹事長代理の責任も、そのような対応を許した民主党の責任も当然問われなければなりません。もし、政治と金の疑惑を指摘されながら、政務多忙を理由に国民への説明ができない大臣がいたとすれば、直ちに辞任すべきです。国民をばかにするにもほどがあります。

 そして、何よりも、事務所費の疑惑を指摘された閣僚は、直ちに二つのこと、すなわち、領収書の公開と、本人による誠意ある説明を行わなければならないことを、現閣僚一人一人が、そして閣僚の任命責任を負っている菅総理は肝に銘じるべきです。

 民主党が公開と強弁するところの、一部のマスコミ関係者だけに対する、コピーも認められないわずか二時間の領収書の閲覧では、一般国民の疑いは一切晴れないばかりか、すべての領収書の合計額も算出しようがなく、支出された事務所費の金額と比べて、領収書が大幅に足りないのではないか、それこそ何百万円分も欠けているのではないかという合理的な疑いがいまだに全く払拭されていません。

 荒井大臣が、女性の下着を買っていたことを国民にわびたから済むような単純な問題では全くないのです。領収書を公開しなかった自民党の大臣は、いずれも職にとどまることができなかったと、繰り返しはっきり申し上げておきます。今のままでは、政府・与党の政治と金の対応は、自民党政権当時よりもはるかに劣るということを明言しておきます。もし、閣僚が領収書の公開を拒むのであれば、菅総理は直ちに罷免すべきであります。

 荒井大臣の後援会には、国民の税金が原資である政党交付金が、民主党本部から政党支部を通じて流入しています。菅総理が、そして民主党が政治と金に関してクリーンな政治を掲げるのであれば、荒井大臣は、速やかに会計帳簿、領収書など一切の会計資料を公開し、事務所費の使途などの諸問題について誠意ある説明を行うべきであり、それができないのであれば、直ちに辞職すべきです。

 なお、荒井大臣は、代表質問に対する答弁の中で、繰り返し、現在、監査法人や弁護士による領収書などの精査中と説明していますが、それにより、直ちに会計資料を公開し、誠意ある説明を行う閣僚の責務を免れられるはずもありません。同様の説明を行いつつ疑惑の追及から逃げ回った鳩山前総理が、結局、何の資料も提出せず、何の説明もしないまま国民への説明責任を果たさずに逃げ切ろうとしている例は記憶に新しいところです。荒井大臣は、この例に倣って疑惑から逃げ切ろうとしている疑いが極めて濃厚と言わざるを得ません。

 荒井大臣は、国民に対する政治と金の疑惑に関する説明責任を果たさず、また、民主党は、政治と金の真相究明に全く後ろ向きで、野党が求める予算委員会での審議、証人喚問等に一切応じようとしないまま国会を閉じようとしています。

 政治腐敗根絶と政治倫理向上のため、このようなことは断じて許されません。

 思えば、民主党の政治と金の問題に関する身内への甘さは、そもそも鈴木宗男外務委員長就任当時から明らかでありました。

 野党側が、賄賂に関する罪で一審、二審とも有罪の判決を受けて上告中の刑事被告人なので、委員会を代表して円滑かつ公平な運営に携わる役職にふさわしくないと反発したにもかかわらず、与党側は、推定無罪の原則を盾に譲りませんでした。仮に禁錮以上の有罪が最高裁で確定すれば失職することとなる同委員長の就任は、やはりガバナンス上、大きな問題があると言わざるを得ません。

 民主党には、そして今の政府・与党には、法令的にも、道義的にも、政治が越えてはならない一線を守るという意識が余りにも希薄であります。自民党政権当時は、起訴されなくても、逮捕された時点で議員を辞職するのが例であり、あえて言わせていただけば、その当時の野党の民主党もそのような対応をしていました。起訴されて有罪判決が出てもなお自民党の議員の職にとどまっている例はないものと私は承知をしております。自民党内の自浄作用が働いていた結果です。たとえ推定無罪の原則があっても、道義的に、法令的に政治が越えてはならない一線を自民党は自覚していたと思います。政権交代後、このような慣例が真っ向から破られたことは極めて遺憾であります。

 その後、国民の約七割、八割の声を受けて、野党が一貫して、鳩山前総理、小沢前幹事長、石川、小林両代議士の証人喚問や参考人招致を求め、石川、小林両代議士の議員辞職勧告決議案の採決を申し入れてきたにもかかわらず、与党は、この国民の七割から八割の声を完全に無視しました。松本議院運営委員長が、議員辞職勧告決議案は適時適切な時期に採決をすると確約したにもかかわらずの暴挙であります。民主党は、政治と金の問題を国民の目の届かないところでこそこそと封じ込めてしまおうという意図がありありとしております。ここにも民主党の身内に甘い体質が露呈しています。

 脱小沢と言いながら、小沢前幹事長とその秘書であった石川議員が特別扱いを受けているのも大きな問題です。小林議員は、鳩山前総理の辞任表明時に、名指しで議員辞職を求められ、鳩山前総理も次の衆院選には出ないと明言されていますが、小沢前幹事長とその秘書であった石川議員は、辞職を求められていないと承知をしております。なぜ小沢グループには復権の余地を残すのですか。ひょっとして、党代表に選ばれた際の小沢幹事長はしばらく静かにという発言は、この特別扱いと符合しているのですか。

 菅総理、まだ業績もないあなたを国民が支持しているのは、脱小沢の期待の一点であります。あなたは国民のこの期待にこたえなければなりません。党の代表として、あなたが堂々と小沢前幹事長及び小沢グループの石川代議士にも議員辞職を求め、かつ証人喚問を受けるよう強く勧めてこそ、国民は菅総理の脱小沢の決意を確信するはずであります。

 にもかかわらず、あなたは、この点でも一定のけじめはついたと言って、小沢前幹事長の復権の余地を残すことに固執をされておられます。これでは、国民は、あなたの政治と金の問題を一掃するという決意も、小沢前幹事長と完全にたもとを分かつという決意も感じることができません。

 繰り返しになりますが、菅総理、あなたが小沢前幹事長の証人喚問と議員辞職を求めることこそが、脱小沢の試金石であります。国民の脱小沢の期待にかんがみれば、このテストにたえない菅総理、あなたを信任することは到底できません。

 以上が、菅内閣を信任しない第五の理由であります。

 菅内閣を信任しない第六の理由は、民主党の政権担当能力の欠如であります。

 これまで、国政上の重要課題について、自民党政権や自公連立政権の到達点を無視して、民主党の能力を過信し、無謀にもゼロからスタートして破綻することの繰り返しであります。

 国政の重要課題といえば、外交・安全保障、経済財政、危機管理などが思い浮かびますが、そのいずれの分野でも、今の政府・与党が当初打つ政策よりも自民党政権当時の政策の方が正しいことが次々に証明されています。

 まず、外交・安全保障分野の目下の最大懸案である普天間問題については、改めて申し上げるまでもないでしょう。

 八カ月の迷走により、沖縄県民、徳之島島民、社民党、日米関係に多大な不義理を働きながら最終的に到達した地点は、自民党案そのものでした。今の政府・与党としては何とかして自民党案と違うと強弁したいでしょうが、ただただ見苦しいだけです。

 次に、経済財政分野の目下の最大懸案は財源問題です。

 政権交代までの間、民主党は、無駄を省けば財源は何十兆円でもすぐに出てくるから消費税を上げる必要はないと主張しました。この主張は、国民にとって大変魅力的に映り、政権交代実現の大きな要因の一つになりました。

 一方、自民党は、政権交代前から愚直に消費税率の引き上げの必要性を主張し続けて選挙に大敗しましたが、今から思えば、選挙にとって不利になるとわかっていながら、自民党は勇気と真心で国民に真実を語っていたのだなと理解してくださる国民も多いはずです。結果は自民党の正しさが証明されたからです。

 言葉の軽い菅総理は、所信表明演説において、超党派で消費税率引き上げを含む税制抜本改革の話し合いをすることを野党に呼びかけました。さも自分の提案であるかのように話す菅総理の姿を目の当たりにして、私は怒りを通り越して半ば笑ってしまいました。与野党で消費税率引き上げなどの話し合いを行うことは、既に二月の党首討論で谷垣総裁から鳩山前総理に申し入れて断られたものであります。

 鳩山前総理が退陣し、その後を継いだ菅総理が、来年の予算編成もおぼつかない状況の中で、やむにやまれず超党派の取り組みを野党に呼びかけたい気持ちはわからないではないですが、それであれば、公党間の仁義としても、政治家個人の信義則としても、これまでの政策の誤りを潔く認めた上で、既に自民党が提出している財政健全化法案の内容の検討から着手するのが筋でしょう。幾ら何でも言葉が軽過ぎます。

 以上のとおり、外交・安全保障と経済財政という国政の二大分野の、それぞれ目下最大の懸案である普天間問題と財政再建問題について、民主党は、これまでの主張を捨てざるを得ず、自民党案を丸のみせざるを得ない状況に追い込まれております。

 さらに、国政のもう一つの分野においても同様の事態が起きております。それは、危機管理分野であり、口蹄疫への対応の問題であります。

 四月二十日に第一例目の疑似患畜が確認されてから、自民党は、直ちに対応を開始し、幾度にもわたり政府・与党に提言を行いました。

 口蹄疫の恐ろしさを知り尽くしている自民党は、十年前に発生した口蹄疫を七百四十頭の殺処分で封じ込めて世界的に絶賛されたそのノウハウを余すことなく政府・与党に伝えようと全力を挙げました。しかしながら、今の政府・与党の反応は、口蹄疫の恐ろしさも十分に認識しておらず、そして何よりも、自民党の提言は聞きたくないという態度がありありでした。そうでなければ、自民党の提言を直ちに実施したはずであります。

 自民党の提言の具体的内容には、予防的全頭殺処分を行うこと、現地対策本部を設置すること、直ちに自衛隊の出動を求めること、一般車両の消毒も行うこと、被害に遭われた農家の補償や再生産開始のための財政支援を行うための十分な予算の確保などが含まれておりましたが、いずれも即日行われることはありませんでした。

 特に重要な予防的全頭殺処分と現地対策本部の設置に至っては、実現したのは、自民党が提言してから約一カ月後のことでした。そのころには、初期に口蹄疫を封じ込めることは手おくれ、不可能となっており、その後、自民党政権の殺処分頭数である七百四十頭の数百倍の家畜の殺処分を余儀なくされました。まさに人災であります。

 菅総理、あなたは、自分が手塩にかけて育てた家畜が殺処分をされ埋却されるときに、自分も一緒に埋めてくれと言う畜産農家の気持ちがわかりますか。

 さらに、その後、自民党の案を丸のみして口蹄疫対策特措法を制定しましたが、いまだにその法案が求める予算措置はできていません。ここにおいても政権の責任は明らかであります。今の政府・与党に危機管理の能力は全くないということであります。現地対策本部長として責任を果たせなかった山田当時の副大臣が幾ら大臣に昇格しても、全く危機管理に期待はできません。

 民主党の皆様、菅内閣の閣僚の皆様は、事実から虚心坦懐に学んでいただきたいと思います。外交・安全保障の目下の最大懸案である普天間問題、経済財政分野の目下の最大懸案である財政再建、危機管理の目下の最大懸案である口蹄疫対策についても、皆様が取り組みを進めると、最後はすべて自民党案に収束するではありませんか。

 皆様の重要な業績は、公務員の税金の無駄遣いを指摘する事業仕分け以外、本当に何もないのではありませんか。これこそ、今の政府・与党の政権担当能力のなさを如実に示しているものはないと思います。

 以上が、菅内閣を信任しない第六の理由であります。

 菅内閣を信任しない第七の理由は、法令的にも道義的にも政治が越えてはならない一線を守るという意識が決定的に欠如していることであります。

 習近平国家副主席が中国から来日した際に、天皇陛下の三十日ルールを破りました。

 また、政治と金の問題についての捜査に関して、検察批判をするグループが民主党内に次々と立ち上がりました。

 選挙目当ての外国人地方参政権付与法案についても、いまだに将来の不安は消えません。在日外国人の皆様に子ども手当を差し上げて、地方参政権も付与すれば選挙に勝てるだろうという、選挙目当てのとんでもない政治行動であります。

 菅内閣が、そして民主党が、法令的にも、道義的にも、政治が越えてはならない一線を守るという意識が決定的に欠如した体質をしていることは明らかであります。

 以上が、菅内閣を信任しない第七の理由です。

 菅内閣を信任しない第八の理由は、マニフェスト違反と政務三役が説明しない事業仕分けの欺瞞です。

 マニフェストは、もはやだれも信じていません。本来、マニフェストは、しっかりとした財源の裏づけのある政策しか書いてはならないというのが本国イギリスでのルールであります。サッチャー当時の首相は、何度も、マニフェストの命は財源であると話されております。財源の裏づけのあるものしか記入できないマニフェストだからこそ、財政規律を守る大事な政治ツールとして機能できるわけであります。そして、マニフェストに書いてある政策しか言ってはならない選挙に意味が生じるわけであります。

 しかしながら、今や、本来財政規律を守るためのマニフェストが、財源の裏づけのないばらまき政策を選挙目当てで行うための免罪符と化し、財政規律にとっての最大の脅威となっています。

 全く制度の当初の目的とは正反対の事態を招いているのは、民主党の責任であります。直ちにマニフェストを撤回して、国民に謝罪の上、政策上の選択肢を再度示してから、衆議院を解散して国民に信を問うべきであります。

 また、政治主導が本当ならば、事業仕分けに政務三役に出てきていただきたいと思います。現在は、ごくたまに大臣政務官が参加しているだけです。その数はどんどん減っていっております。政治主導と言いながら、国民への最も大切な説明責任、税金を使う必要性の説明について官僚任せなのは本当におかしいではないですか。

 本当に政治主導を実行するというのであれば、もはや聖域でも何でもなくなったマニフェストの目玉施策の実施に反対する国民の代表も仕分け人に加えて、民主党の誇るスター閣僚が実施の必要性を説く真の政治主導と呼べる事業仕分けを見せてほしいと思います。例えば、国民の反対の多い子ども手当の必要性について、ぜひとも長妻大臣に説明していただきたい。そのようなイメージの、国民が本当に求める、国民の期待する事業仕分けをどうかやっていただけないでしょうか。これこそ、国民の期待するところだと思います。

 菅総理は、このような事業仕分けの政治主導とはかけ離れた実態を放置しつつ、かつ、政治家と官僚は役割分担が大事だとおっしゃいますが、事業仕分けにおいては、都合により自分たち政治家の役割を官僚に押しつけているだけのことではないですか。このような政治主導のかけ声倒れの内閣を信任することは到底できません。

 以上が、菅内閣を信任しない第八の理由であります。

 菅内閣を信任しない第九の理由は、最小不幸社会という考え方が、国民の一部の利益しか代表しないものであり、かつ、今の日本株式会社は、取締役である閣僚に労働組合の意向を受けて動く者が多過ぎるからであります。

 最小不幸社会という考え方は、非常に後ろ向きで、国のリーダーとして採用すべきものではない上、野党時代からおつき合いしてきた国民の一部を念頭に置いていることが明らかであります。そこには、大企業や公務員、さらには自民党関係者など、今の政府・与党から幸せという烙印を押された国民のグループとは没交渉で、これらの幸せと烙印を押されたグループは基本的に無視するという今の政府・与党の姿勢が浮かび上がってまいります。

 最小不幸社会という発想には欠けるところがあります。そこには、不幸な人ももちろん幸せにするが、幸せな人ももっと幸せにするという最大多数の最大幸福、ただし最大多数に漏れた国民へも最大の配慮をするという、国民全体の利益の実現を目指す政治にあるべき意識がうかがえません。このことは、今の政府・与党がいわゆるお友達ばかりを優遇してきたことからも明らかであります。

 さらに、今の内閣には労働組合の影響下にある閣僚が多過ぎるため、日本株式会社の取締役である閣僚が、取締役会に相当する閣議において、日本株式会社の成長や売り上げの増加を論じるよりも、手当の話ばかりするという事態に陥っております。取締役会に労働組合代表を多く参加させ過ぎれば当然起こるであろうことが起きているだけであります。

 労働組合代表の議員を多く抱え、労働組合から経済的支援を受けている民主党が政権与党である限り、この体質を変えることは不可能と思えます。

 以上が、菅内閣を信任しない第九の理由であります。

 菅内閣を信任しない第十の理由は、菅総理に国家国民を守る気概を期待できないということであります。

 拉致問題の実行犯である辛光洙の助命嘆願書に署名した菅首相に、国家国民を守る気概など一切期待できません。菅総理、あなたは拉致被害者とその家族の皆様の気持ちを考えたことがあるのですか。このことは一切多言を要しないと思います。

 以上が、菅内閣を信任しない第十の理由であります。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

赤澤亮正君(続) 菅内閣を信任しない第十一の理由は、菅総理に国を背負う気概を期待できないということであります。

 一昨日、サッカーのワールドカップ大会において、カメルーンを見事破った日本チームは、キックオフ前の国歌斉唱で全員で肩を組んで歌ったそうであります。それを提案したのは闘莉王選手だったそうです。

 国旗・国歌法案に反対し、国歌を歌わない菅総理に、日本チームの選手の気持ちはわからないでしょう。特に、国歌はもっと元気が出るものの方がよいのではないかという趣旨の発言を繰り返している菅総理は、最も元気を出さなければならないキックオフの直前に、国歌の持つ重みをかみしめようとした日本選手たちの気持ち、そのことで国を背負う気概、やる気を奮い立たせた日本チームの心意気は到底理解できないでしょう。

 この記事を読んで、私は、日本選手の勝利を二重にも三重にも祝いたい気持ちになりました。それと同時に、君が代では余り元気が出ないという菅総理の発言を思い出して、本当に暗たんたる気持ちになりました。

 菅内閣の閣僚は、全員で肩を組んで君が代を歌うことができますか。日教組出身の国会議員や、日教組を含む連合出身の国会議員を多数含む今の政府・与党は、一体となって与党の議員の皆様が全員で肩を組んで君が代を歌うことができますか。国家を背負う気概をみなぎらせて、本当に、今の菅内閣、そしてそれと一体とされる民主党を初めとする政府・与党が日本を勝利に導けるのでしょうか。

 我が自民党は、全員が肩を組んで力強く国歌を歌えると断言できます。国民の皆様に誇りを持って申し上げたいと思います。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

赤澤亮正君(続) 自由民主党は、選挙のもとで割れることはあっても、国旗・国歌のもとで割れることは決してありません。菅総理の率いる新内閣と民主党は、選挙目当てでまとまることはあっても、国旗・国歌のもとでまとまることは決して期待できないのではありませんか。私は、どちらの党が我が国の将来を担うべきか明白であると考えます。

 以上が、菅内閣を信任しない第十一の理由であります。

 以上述べてきましたとおり、菅内閣を信任できないことは明らかであります。菅総理が一国の指導者として最低限の見識と責任感を持つのであれば、かねてからの民主党の主張のとおり、そして御自身の本で書かれたとおり、一刻も早く国民に信を問うべきであります。

 議員各位の御賛同を心からお願いし、以上で、私が本決議案を提出する理由の説明を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。鈴木克昌君。

    〔鈴木克昌君登壇〕

鈴木克昌君 民主党の鈴木克昌であります。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました内閣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論をいたします。(拍手)

 昨年の総選挙で三百八議席という圧倒的国民の皆様の支持を受けて誕生した民主党を中心とした連立政権、この九カ月の足跡を振り返れば、決して平坦な道程を歩んできたわけではありませんでした。それは当然であります。我々の政権が挑戦し続けているのは、長きにわたる自民党政権が築き上げてきた既得権益構造がはびこる政治、行政を根底から覆す大改革であるからであります。

 自民党政権下の内閣は官僚の実効支配を許し、与党議員は族議員として隠然と影響力を行使することに奔走し、主権者たる国民の声は遠く届かなかった官邸と霞が関。我々は、ここに国民、生活者の息吹を強く吹き込むことに挑み続けているわけであります。

 多くの抵抗があります。場合によってはサボタージュもあるでしょう。そして、日々膨大なエネルギーを必要とする難事業であります。しかし、政治家が主導し、責任をとりながら、行政の英知を束ね、活用し、我が国の新しい道筋を切り開き続けているのです。

 昨年の政権交代後、直ちに事務次官会議を廃止して、閣僚が政策を直接協議、調整する仕組みに改めました。各府省においても、大臣、副大臣、政務官の政務三役が政策決定を行う仕組みを導入し、政治主導の体制整備を進めました。

 これまでは、丸投げされた官僚が事前に省庁間で根回しをして、閣議は、議論もなく、ただサインをするだけのセレモニーでした。自民党の諸君は、本当にこれが内閣のあるべき姿と今もお考えなのでしょうか。

 官邸においても、省庁においても、政治家が責任を持って議論を重ね、政策を決定する。スマートなセレモニーとはほど遠くとも、時には手間取ることがあっても、まだまだ未熟な部分が残っていても、本当の政治の姿はこちらの方にあるのではないでしょうか。

 政治家が国民、生活者から負託された責任を貫く、その結果、事業仕分けに象徴されるように、税金の使い道の透明性が高まり、これまで見過ごされてきた無駄遣いに切り込むことができました。

 また、今年度の政府予算は、公共事業費を一八・三%減とする一方で、社会保障費は九・八%増、教育費も五・二%増など、予算配分を大きく見直し、国民の命と暮らしを守る予算とすることができました。これは、官僚支配の自民党政権では到底でき得なかった、大改革を象徴する一例であります。

 厳しい経済情勢を背景とした税収の落ち込み、そして自民党政権が無責任に積み重ねてきた巨額の財政赤字、この過酷な条件の中でも、民主党マニフェスト政策を中心に、既に多くの実績を上げてきています。

 子ども手当、高校の無償化、農業の戸別所得補償、数々の雇用政策、支援、また生活保護の母子加算復活や父子家庭の児童扶養手当給付、そして肝炎被害者、水俣病被害者、被爆者の方々の視点に立った政治判断、これらはいずれも、自民党政治ではあり得なかった施策の数々であります。国民の皆様からお預かりした税金を、必要としている当事者に無駄なく活用する施策。当たり前のようですが、実は、これは改革の大きな特徴でもあります。

 これまでの事業は、税金が当事者に届くまでに幾重にも不透明な仕組みや団体などが介在し、利権や天下りの温床となっていました。言葉をかえれば、使われた税金の多くが、政策や事業の目的とはかけ離れた不透明な世界に吸い取られていたのであります。

 自民党政権の強大な負の遺産に決してひるむことなく、民主党政権は、改革の険しい道を一歩一歩その歩みを重ねているのであります。

 国民の皆様の期待を受けて誕生した前鳩山総理は、結果としては申しわけないことになったわけでありますが、新しいリーダーシップのもとでもろもろの課題を進めていく、このように判断をいたしました。そして、身を引く勇断をされたわけであります。

 菅内閣は、この勇断を受けて、民主党が進めるこの国の大改革、再生の歩みを決してとめることなく、さらに加速するために発足いたしました。

 菅総理は、既に所信表明において、強い経済、強い財政、強い社会保障の一体的実現で元気な日本を復活させる道筋を具体的に説明いたしました。

 そして、民主党は、予算委員会の開催や党首討論開催を野党に呼びかけ、国会の場での政策討論実現を提言いたしました。しかしながら、野党は、これを拒んだのであります。全くもって驚くべき暴挙であります。あげくの果てが、この内閣不信任決議案であります。

 国民の前での正々堂々とした政策議論からひたすら逃げて、相も変わらぬ日程闘争という旧態依然とした国対戦術、そしてアリバイ闘争に、国民の信は到底あり得ません。野党の諸君は、真摯に国民の声に耳を傾け、猛省すべきであります。

 反対のための反対、批判のための批判を弄するのではなく、政策を持って論を闘わす、責任ある政党に脱皮することが今何よりも国民から求められていることを受けとめるべきであります。

 民主党が進める大改革は、歴史の必然であることを確信します。そして、議題となった内閣不信任決議案を否決することは、未来から託された使命であると確信をいたしております。

 議員各位、決して時計の針を逆に戻してはなりません。ともに、これまでの既得権益構造との決別を誓い、政治家が国民、生活者から負託された責任を全うする政治を再生させようではありませんか。

 本院が良識を持って圧倒的大差で菅内閣を信任し、日本の政治をさらに一歩二歩進めることを切に願い、私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 大村秀章君。

    〔大村秀章君登壇〕

大村秀章君 自由民主党の大村秀章です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、ただいま議題となりました菅内閣不信任決議案に対しまして、断固賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 六月二日、鳩山前総理が八カ月の迷走を続けたあげく、政治と金、普天間、口蹄疫、経済無策などで行き詰まり、突然、政権をほうり投げました。無責任のきわみであります。

 会期末に十日間もの政治空白、与党による前代未聞の無責任な審議拒否とも言えるありさまです。

 ただ、新政権ができたら代表質問と一問一答の予算委員会をやる。そこでの議論で論点を掘り下げて、国民の皆様に各党の政策を判断していただく。当然のことであり、準備をしておりました。

 しかし、ここでまた、突然、与党から審議拒否されてしまいました。

 何と、予算委員会を全く開かずに何が何でも国会を閉じる、そして一切議論せずに参院選に突っ込む、菅総理の答弁は危なっかしくて、政策も準備不足で、とても議論にたえるものではない、一問一答の予算委員会はもたない、荒井大臣に至っては、事務所費問題の説明が全くできない、これ以上不祥事が出てきたらたまらない、とにかくさっさと国会を閉じて議論にふたをしてしまえと、民主党参議院側が、輿石会長を先頭に、強硬に主張したと報道をされております。

 菅総理に申し上げます。

 なぜ逃げるのですか。なぜ逃げるのですか。なぜ国会の議論から逃げるのですか。なぜ予算委員会の議論から逃げるのですか。そんなに国会の議論が怖いのですか。国会で議論を重ねれば、次から次へとぼろが出て、化けの皮がはがれて、もたない、国会論戦にたえられない、だから逃げるのですか。いつからそんな腰抜け、ひきょう者になったんですか。あなたは何のために総理大臣になったのですか。議論から逃げるためですか。恥ずかしくありませんか。恥ずかしくありませんか。

 そもそも、不十分とはいえ、予算委員会を衆参一日ずつでもやろうと提案してきたのは、民主党ですよ。樽床委員長ですよ。それが、先ほど言った理由で、参院の輿石会長のツルの一声で、とにかく選挙のためには国会を閉じろといって、予算委の提案を今週になって突如、撤回してきました。

 これが事実のすべてでございます。にもかかわらず、先ほどの鈴木議員のあの発言は何ですか。盗人たけだけしいとは、このことでございます。十分反省していただきたい。うそを言わないでいただきたい。うそを言わないでいただきたいと申し上げたいと思います。

 新政権になって、選挙を前にして予算委員会を開かなかったことはありません。国会の慣例、ルールを、民主主義を踏みにじる、まさに暴挙であります。ぼろが出ないうちに選挙との、党利党略そのものであります。

 この一連の経過のどこに、菅総理、あなたのリーダーシップがあるのですか。いきなり輿石参議院会長の言いなりではないですか。小沢・輿石ラインのなすがままではないですか。あなたが所信表明の最後で強調した、政治的リーダーシップが最も欠如している総理があなたではないですか。このことだけで、あなたに総理大臣の資格がないことが満天下に示されたと言えます。

 さて、鳩山政権がすべてに行き詰まって退陣しても、選挙目当てに表紙を変えただけで、国政のすべてに停滞と混乱をもたらした民主党政権の本質は何ら変わりません。この九カ月間、日本の政治経済を著しく劣化させた民主党亡国政権の大罪を指摘したいと思います。

 まず、政治と金、違法献金の問題。

 鳩山前総理の、六億円の脱税、元公設秘書二人が有罪。小沢民主党前幹事長の、四億円の不動産を政治資金で購入した際の政治資金規正法違反事件、石川知裕議員を含む秘書三人が逮捕、起訴。小沢氏自身も、検察審査会で起訴相当とされました。また、小林千代美議員の選対幹部の元連合札幌会長が公選法違反事件で有罪。さらに、北海道教職員組合からの違法献金事件で、自治労、北教組関係者も有罪。

 これだけ政治と金、違法献金問題が頻発したにもかかわらず、民主党は、鳩山前総理、小沢前幹事長らの証人喚問等にふたをし、議員辞職勧告決議案をも握りつぶしてきました。信なくば立たず、政治に一番大事な信頼を踏みにじってきたのが民主党政権であります。

 そこに、荒井、川端、蓮舫、三閣僚の実態のない事務所費問題。たった二時間だけの限定説明では、事実確認のしようがありません。なぜ全面公開できないのですか。これでは、疑惑がさらに深まったと言わざるを得ません。特に荒井大臣の事務所費には、少女漫画や下着まであるとの報道がありました。その説明も支離滅裂です。

 荒井大臣を隠すために予算委員会をやめて国会を閉じるんだと言われています。汚名返上というなら、荒井大臣、ぜひ全面公開して説明してください。それができないなら、菅総理がかつて言っていたように、潔くやめてください。川端、蓮舫両大臣も同じです。

 次に、沖縄の普天間基地移設の問題も、あいた口がふさがりません。

 最低でも県外移設、沖縄の青い海を埋めることは自然への冒涜、腹案がある、五月末に決着すると言い続けてきたのに、このありさまです。八カ月迷走を続けたあげく、名護の辺野古の現行案そのもの。我々の政権が誠意を持って積み上げてきた沖縄の方々との信頼は、こっぱみじんにぶち壊され、沖縄では、民主党政権に対する怒りが沸騰しています。

 この間、アメリカとの信頼関係は地に落ちました。オバマ大統領を、トラスト・ミーと言って翌日裏切り、その後、まともな会談も開けません。戦後日本の平和と安定、経済発展は、この日米同盟があったればこそ。これをずたずたにし、ゼロどころかマイナスにしてしまった民主党政権の責任は、国の安定の基盤を揺るがし、経済、産業を含め、はかり知れない国益を損なったという意味で、まさに万死に値します。

 菅副総理は何をしていたんですか。所管外だからだんまりですか。鳩山総理がこけるのを待っていたのですか。副総理は共同責任ではないのですか。

 岡田外務大臣、前原沖縄担当大臣、北澤防衛大臣も同罪です。嘉手納統合案から徳之島まで、実に多くの閣僚が思いつきも含めて無責任な発言を繰り返し、迷走を続けたあげく、頓挫しました。鳩山内閣の閣僚全員の責任です。

 しかし、関係閣僚は、そろいもそろって留任です。全く理解できません。菅内閣には、この問題についての責任感のかけらもないと言わざるを得ません。

 さて、口蹄疫の問題では、宮崎県の畜産農家を初め関係者に心からお見舞い申し上げます。国会としても万全の対策を講じることをお誓い申し上げます。

 しかし、民主党政権は、ここでも驚くべき危機管理能力の欠如、無能ぶりを露呈いたしました。

 宮崎県で四月二十日に感染が確認されてから、鳩山前総理を本部長とする対策本部を立ち上げたのが、一カ月おくれの五月十七日。赤松前農水大臣は、あろうことか、四月三十日から九日間も中南米を外遊。この間、山田副大臣も一週間農水省に出勤しておりません。無責任のきわみであります。

 そして、政府の対策は後手後手に回り、今や三十万頭に上る殺処分をしなければならない状況に追い込まれました。山田副大臣自体、五月の半ば、初めの埋却処分がおくれ、感染拡大を招いてしまったと述べ、初動のおくれと責任を認めています。にもかかわらず、大臣に昇格。

 菅内閣には責任という概念があるんですか。今や、感染は宮崎県全域に広がり、九州及び日本の畜産の危機です。非常事態を宣言して国会を延長して毎日審議をして対策に万全を期すべきとの申し入れを、十一日、仙谷官房長官に行いましたが、ナシのつぶてです。民主党政権の無策による人災にもかかわらず、危機感も責任感もゼロと言わざるを得ません。

 さて、日本経済は、リーマン・ショック後、私たちの自民党政権下で講じた経済対策によりようやく持ち直してきましたが、今まさに瀬戸際、正念場に来ております。

 経済効果の少ないばらまきで財政を悪化させ、成長回復に向けた処方せんもない、鳩山政権の経済無策は看過できない、経済政策を大転換し停滞を打開せよと読売社説が指摘をしておりますが、そのとおりだと思います。

 今の日本に必要なのは経済の成長戦略、大事なのは企業と生産基盤を国内に残すこと、そのための政策を我々自民党政権では進めてまいりました。

 しかし、今の民主党政権の政策は真逆であります。昨年十月、三兆円も景気対策のための補正予算を執行停止、今年度予算で二割も公共事業を削減、デフレを推進、円高を放置し産業の空洞化を促進、CO2の二五%削減を強行採決しました。本当にこれを二〇二〇年に実行すると、日本国内では、製造業、物づくりも、鉄鋼、セメント、鋳物といった素材産業も、エネルギー産業も、成り立ちません。まさに企業の追い出し政策です。

 この間、事業仕分けなるもので、科学技術予算を無駄と決めつけ、大幅に削減しました。蓮舫大臣の二番じゃだめなんですかとの発言が全世界の科学者、教育関係者、産業関係者から失笑と怒りを買ったのは記憶に新しいところですが、それだけでは済みません。日本はとうとう将来の成長の種になる科学技術まであきらめたのかという、誤ったメッセージとなってしまいました。

 今回の「はやぶさ」の帰還も同じです。世界に冠たる快挙と菅総理も口では言いながら、後継機の開発費を、我々の政権で十七億円で要求していたものを、事業仕分けでばっさり切って、何と三千万円。今後のめどが立たず、関係者は途方に暮れています。これが菅前財務大臣と川端文科大臣の成果ですか。確かなのは、民主党政権に成長戦略は全くないということであります。

 また、先日強行採決した郵政改革逆戻り法案も象徴的です。郵政を国営に戻して、受け入れ限度額を倍に、マネーを民間から国に還流させて国債に積むだけ。経済成長に何ら寄与することなく、財政規律を麻痺させ、財政破綻のそのときまでただ国債を買い続け、ある日突然、国債暴落とともに崩壊、破綻します。

 こんな愚かな間違いだらけの政策しか出てこない国に、だれが投資しますか。日本企業もどんどん海外に逃げ出しています。ギリシャの次は日本。そして、日本が破綻したときは、だれも助けられません。世界経済が恐慌に陥るときです。こんな破綻シナリオを回避するためには、参院選で民主党亡国政権に鉄槌を下し、我々自民党の成長戦略を断行するしかありません。

 このほかにも、繰り返されるマニフェスト違反のオンパレード。脱官僚をあきらめ、公務員改革は天下りフリー、年金も二年で集中的にやらない、医療制度は先送り、診療報酬も実質マイナス、B型肝炎訴訟は和解を先送り、子ども手当も満額断念、暫定税率の廃止もやらない、無料化と言っていた高速料金は多くは値上げ。今や、民主党マニフェストは、うそと詐欺の代名詞とまで言われる始末でございます。

 十回の強行採決を繰り返したあげく、法案の成立は戦後最低の五〇%台、政権運営の責任はみじんもありません。

 そして、連立政権も、鳩山前総理が辞職し、福島党首も県外、国外の約束をたがえられたあげくに更迭、亀井代表も郵政法案成立の約束を裏切られて辞職。政権発足当初の三党首は、すべて閣外に去りました。もはや連立政権の体をなしておりません。

 以上、民主党政権九カ月の、恐るべき無能、無策と迷走、混乱を指摘いたしました。

 それは、鳩山内閣から菅内閣にかわっても、表紙がかわっただけで、本質は変わりません。今や、民主党政権、菅内閣の存在そのものが、日本にとって災いのもととなっています。その存在が一日一日と続いていくことが、日本に最大不幸社会をもたらすことは明らかであります。

 鳩山前総理は、平成の脱税王でルーピーでした。小沢前幹事長は不動産王で、閣僚には、マニフェスト違反王からスキャンダル王まで盛りだくさんであります。

議長(横路孝弘君) 大村秀章君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。

大村秀章君(続) それを統括して恥じない菅総理、あなたは、さしずめ、日本に最大の不幸をもたらす大魔王、不幸の大魔王であります。究極の王様です。しかし、国民にとって、すべてこんな王様、願い下げであります。一刻も早く退治できるよう、断固闘います。

 そして、日本を不幸のとりこにするあなた方、あなた方、あなた方民主党を追い払い、我々の手で、自民党の手で、もう一度、夢と希望にあふれる一番の国にいたします。すべての人が、地域が、安心、希望、誇りを持てる社会をつくります。

 そのためにも、不幸の大魔王である菅総理、おのれを知って退陣した鳩山前総理と同様、一刻も早い退陣と衆院総選挙で国民に信を問うべきことを申し上げます。

 どうか、議員の皆さん、特に与党の皆さん、良心のかけらでもあるなら、この不信任案に賛成し、日本を救おうじゃありませんか。

 特に、沖縄、鹿児島の皆さん、普天間でこれだけ裏切られてもいいのですか。宮崎の皆さん、口蹄疫対策に万全を期して、農家の皆さんの心にこたえませんか。そのためにも、これらの施策にすべて後ろ向きな菅内閣をかえて、倒して、新しい体制をつくりませんか。

 与野党の枠を超えて賛成を賜りますよう、議員の皆様の良心に心から期待をして、私の菅内閣不信任決議案の賛成討論といたします。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 遠藤乙彦君。

    〔遠藤乙彦君登壇〕

遠藤乙彦君 公明党の遠藤乙彦でございます。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題になりました菅内閣不信任決議案に賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 まず冒頭申し上げたいのは、六月八日に菅新内閣が発足し、つい先日、十一日に総理の所信表明を伺ったばかりであります。

 まさか、本日、菅内閣不信任決議案が提出され、それに賛成せざるを得ないというのは、まことに遺憾と言うほかありません。内閣発足後わずか九日間で内閣不信任案が出されるなど、前代未聞、憲政史上初の珍事であり、言葉をかえれば、菅内閣がいかにまれに見る異常な強権内閣であったかの証左でもあります。

 結論から申し上げれば、菅新内閣は、残念ながら、全くその任にたえない内閣であり、即刻退陣を求めるものであります。

 以下、その理由を端的に申し上げます。

 第一に、菅内閣は、平気で人をだます裏切り内閣であります。

 これまで国会では、政権がかわった場合、直ちに予算委員会を開会し、国民の前で新しい総理の政治姿勢について与野党で議論を行うのは当然のことであり、憲政の常道でありました。ところが、菅政権は、あろうことか、衆参で予算委員会を全く開かずに、国会を本日閉じようとしております。

 そもそも、野党の強い要求で渋々衆参一日ずつの予算委員会の開催を提案したのは与党の方じゃありませんか。その提案をみずから突如撤回し、会期を本日で閉じてしまう行為は、まさにペテン師そのものであり、言論の府を土足で踏みにじる行動にほかなりません。

 さらに、昨日は、参議院において、問責決議案等の上程を避けるため、ひそかに本日の参議院本会議立てを見送り、閉中審査手続を含め、すべての議案の審議を与党みずから放棄しようとたくらんだのであります。野党の強い抗議で断念したものの、もはや正気のさたとは言えないと思います。

 一方、菅総理は、郵政改革について、六月四日の国民新党との連立政権合意において、郵政改革法案を速やかに成立を期すとしましたが、それを、舌の根も乾かぬ、わずか数日でほごにしてしまいました。この裏切りによって、国民新党亀井代表を閣僚辞任に追い込んだわけであります。これが政権与党のすることでしょうか。

 郵政改革法案そのものには重大な問題がありますが、ここで申し上げたいのは、菅総理は、連立のパートナーでさえもいとも簡単にだますということであります。社民党もまた、同様の憂き目に遭わされたのであります。まさに、約束は破るためにあるというのが菅民主党内閣のモットーのようであります。

 このように、平気で相手をだまし、裏切る。そんな人間に一国の総理が務まるわけがない、国政をゆだねるわけにはいかないと断言するものであります。

 第二に、菅内閣は、疑惑隠し内閣であります。

 そもそも、菅総理、あなたは、鳩山前政権の中で、副総理兼財務大臣として、政権の中枢として大変重要な位置にありました。政治と金の問題や普天間問題など九カ月間にわたる鳩山失政の責めは、鳩山総理のみならず、当然、あなたにもあるわけであります。そのあなたが、総理になられた最初の所信表明の中で、私も前内閣の一員としてこうした状況を防げなかった責任を痛感していますとおっしゃいました。

 ところが、実際には、菅新政権は、この言葉を翻し、わずか数日のうちに全く逆のことを行ってきたわけであります。

 すなわち、小沢氏の元秘書で逮捕、起訴された石川知裕議員や、北海道教職員組合から違法な企業・団体献金を受け取り、選挙対策の資金管理責任者に有罪判決が下った小林千代美議員に対する辞職勧告決議案についても、幾ら野党が採決を迫っても、今日までたなざらしのままであります。

 また、鳩山総理は、実母から提供された資金の使途について、裁判が終われば書類の返還を求めて、そしてそこで皆様方に見ていただきたいと国会で答弁しておりました。しかし、いまだに、その資料の提出に全く応じようとしておりません。

 菅総理が本当にクリーンな民主党に変わるというならば、すぐにでも、党代表として、党に、具体的な行動として、疑惑解明を指示すべきではありませんか。ところが、あなたは、役職を退いて責任はとったと言い逃れをするだけで、全く疑惑を解明しようとしておりません。

 さらに、菅総理、あなたは、民主党代表選の出馬会見で、小沢氏について、小沢幹事長は、国民のある種の不信を招いたことで、しばらくは静かにしていただいた方が、本人にとっても、民主党にとっても、日本の政治にとってもいいと発言をいたしました。

 あなたは、小沢幹事長が国民の不信を招いたことを認めているならば、静かにしてもらうのではなく、国会や国民の前で小沢氏に堂々と説明してもらうのが筋ではないのか。それでは、ほとぼりが冷めるまで、選挙に勝つまでは隠れていてくださいということではありませんか。それこそまさに小沢隠し・疑惑隠し内閣そのものであると言わざるを得ません。

 また、先ほど触れたように、菅代表率いる民主党は、選挙前に国会で追及されたくないばかりに、予算委員会を開会せずに今国会を閉じようとしております。臭い物にはふたとばかりに、あなたは逃げてばかり。三十六計逃げるにしかず、まさに逃げる奇兵隊であります。その姿は選挙至上主義そのもので、すべての疑惑にほおかむりをしたまま選挙に逃げようとしております。

 こんなことを国民がわからないと思っているんでしょうか。この民主党の浅ましい対応には、新聞各紙も、到底容認できないなどと、厳しく糾弾いたしております。まさに党利党略の疑惑隠し内閣であると強く指摘するものであります。

 第三に、菅内閣は、マニフェスト詐欺内閣であります。

 昨年の民主党マニフェストで掲げられた高速道路の無料化についてであります。これは、菅総理が、平成十五年、民主党代表であったときから、あなたが最も強く推進してきたと認識をしております。

 ところが、高速道路の無料化をめぐる混乱ぶりは、本当にひどい。本来高速道路料金の割引の原資となる財源の一部が高速道路建設に充てられることになり、無料化どころか、一律二千円という負担増を国民に押しつける案を提示。さすがにこれには民主党内からも異論があり、とうとう、うやむやにしてしまいました。まさに国民を愚弄しております。

 マニフェスト違反は、これ以外にも、高校生の所得税特定扶養控除の縮減や、十五歳以下の扶養控除について住民税分の廃止、自動車関係諸税の暫定税率の廃止の撤回など、数え上げれば切りがありません。

 長妻厚生労働大臣は、先日、子ども手当二万六千円支給は難しいと発言し、子ども手当の満額支給を事実上撤回いたしました。これこそ、うその典型ではありませんか。この一点だけで、長妻大臣は辞任に値します。

 財源の目当てもなく、国民にうその公約で選挙民をだまし、政治不信を招いたその罪は、日本の歴史に残る巨悪と言わざるを得ません。

 ところが、所信表明演説で、菅総理は、これらマニフェストが実現できなかったことを何ら総括もしようとしていない。私を信頼していただきたいと述べていますが、そんな総理の言葉にだれが耳を傾けるというんですか。まさに菅内閣は、マニフェスト詐欺内閣、国民だまし内閣と言わざるを得ません。

 第四に、菅内閣は、そもそも閣僚の任にたえ得ない、資質なし内閣であります。

 まず、昨日まで衆参代表質問でも糾弾され、本日参議院で問責決議案が提出された荒井国家戦略担当大臣であります。荒井大臣は、政治団体の事務所費経費で、事もあろうに、女性の下着や少女漫画を政治資金で購入していたというのだから、ただただあきれるばかりであります。恥を知るべきであろうと思います。

 荒井大臣は、菅総理、あなたの側近中の側近であり、北海道選出議員でありながら、その事務所は、あなたの選挙区である東京・府中市にあるというではありませんか。その事務所は、実体のない名ばかりのものであることが明らかになっております。荒井大臣は、合法だからいいとか、領収書を出さなかった自民党よりもましとか、言いわけをしておりますが、そんな言いわけに国民はだれも耳をかしません。

 荒井国家戦略担当大臣の身体検査はしたんですか。任命した菅総理は責任を明らかにするべきであると強く申し上げておきたいと思います。

 また、蓮舫行政刷新担当大臣についても、男性公設秘書が、深夜、痴漢を働き、警察の事情聴取を受けました。まさに言語道断であります。この秘書を直ちに解雇することなく、記者の追及にも秘書をかばうなど、倫理観欠如も甚だしい。秘書の罪は議員の罪。あなたには行政刷新を語る資格はないと指摘せざるを得ません。

 そして、一番資質が問われるのは、菅総理、あなたであります。

 総理は、六月四日の代表選前の演説で、私も一〇〇%真っ白というところまで自信はありませんがと発言しました。自分が真っ白でないから、他の疑惑の議員にも厳しく対応できないんですか。そんなあなたを総理としなければならない国民こそが、あなたの言葉をかりて言えば、まさに最大不幸ではありませんか。

 政治の要諦を示した中国の古典「貞観政要」に、次のような言葉があります。「君は舟なり、人は水なり。水はよく舟を載せ、またよく舟を覆す」とあります。船出したばかりの菅船の船底には、はや不信という巨大な穴がぽっかりあいており、転覆は時間の問題と自覚すべきであります。

 どうか、総理、あなたが本当に国民生活のことを思うのであれば、即刻、辞任をするか、あなたが野党時代に言ってきたように、衆議院を解散して国民に信を問うべきであると強く申し上げ、私の賛成討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) 穀田恵二君。

    〔穀田恵二君登壇〕

穀田恵二君 私は、日本共産党を代表して、菅内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)

 政治を変えてほしいという国民の期待とみずから掲げた公約を裏切ったことに対する国民の大きな怒りの前に、鳩山内閣は退陣を余儀なくされました。

 鳩山内閣の副総理だった菅総理は、その政治のかじ取りに共同の責任を負っているのであります。ところが、菅総理には、その自覚も反省も見られません。

 菅氏は、民主党代表選の出馬会見で、普天間基地問題と、政治と金について、二つの重荷を総理みずからがやめることで取り除いていただいたと言い放ちました。そして、所信表明演説において、これと同様の認識を繰り返したのであります。前任者がやめたことをもって、これだけ重大な問題を一件落着として水に流そうとする姿勢は、鳩山内閣を退陣させた国民の声を愚弄するものだと言わなければなりません。

 国民に背を向ける菅内閣の姿勢は、この間の短期間の議論、論戦を通じても浮き彫りになっています。

 第一に、政治と金の問題です。

 代表質問で我が党は、菅総理に対し、民主党代表としてのリーダーシップを発揮し、小沢氏の証人喚問に応じるようただしました。しかし、菅総理は、民主党幹事長職を辞したことでけじめをつけた、国会招致は国会が決めることとの答弁を繰り返すだけでした。鳩山内閣を含め、政治と金の疑惑究明に一切応じようとしない民主党政権の対応は、自民党政権時代と比べても、異常なものです。

 菅氏は、これまで、政治と金の問題が起こったとき、時の総理に証人喚問の実施を求めてきたではありませんか。手のひらを返したような態度をとる菅総理に、クリーンな政治を語る資格はないと言わなければなりません。

 第二に、普天間基地問題です。

 沖縄県名護市辺野古に巨大な新基地を建設する、米軍の訓練を徳之島初め全国各地に分散する、これが、移設先探しの迷走、逆走の果てに日米合意として鳩山内閣が残したものでした。自公政権時代の方針にUターンしたというだけでなく、より悪いものになったと言わざるを得ません。

 ところが、首相指名を受けた菅氏は、真っ先にオバマ米大統領と電話会談し、県内移設の日米合意について、しっかり取り組んでいきたいと誓約したのです。どこの国の総理かと言いたい。

 この態度は、菅氏みずからのこれまでの言明に照らしても、筋が通らないものです。民主党の要職にあった菅氏は、海兵隊撤退論、抑止力否定の主張を繰り返してきました。なぜ、みずからの主張を翻したのか、総理の本会議での答弁では、心変わりについてまともな説明はありませんでした。

 県内たらい回しは許さない、移設先探しでなく基地撤去を、この沖縄県民の声は、後戻りのない不動の総意であります。日米合意後に行われた琉球新報、毎日新聞の合同世論調査では、辺野古移設に反対が八四%と、圧倒的な声となっているのです。日米合意の撤回、無条件撤去しかありません。この声を米国政府にぶつけることこそ、日本政府がなすべき仕事ではありませんか。逆の方向を向く菅内閣の姿勢は、不信任に値するものだと言わなければなりません。

 第三に、国民生活と経済財政の問題です。

 菅総理は、強い経済、強い財政、強い社会保障を掲げましたが、だれにとっての強さなのかが問われています。

 経済のあり方についてはどうか。

 大企業を強くすれば暮らしも経済もよくなるとした自民党流の経済政策の破綻は、今や明白です。労働者、中小零細企業に犠牲が押しつけられ、経済成長もとまりました。この大企業応援から国民生活応援の経済運営にかじを切るのかどうか、菅総理から明瞭な答弁はありませんでした。

 そればかりか、試金石の一つである労働者派遣法改正問題では、製造業派遣、登録型派遣の原則禁止を言いながら、政府案は、穴だらけのざる法になっています。我が党はその抜本修正を求めてきましたが、菅総理は、内容を変更する考えはないと拒否したのであります。人間らしい労働のルールをとの願いに背を向けるものであります。

 社会保障はどうか。

 強い社会保障を掲げるなら、少なくとも、自公政権が進めた社会保障削減路線がもたらした傷跡を直すことに全力を挙げるべきです。ところが、傷跡の象徴たる後期高齢者医療制度について、菅総理は所信表明演説で一言も触れませんでした。民主党は、政権についた途端、直ちに廃止という公約を投げ捨てて、先延ばししました。そればかりか、うば捨て山の入山年齢を七十五歳から六十五歳に引き下げる新制度まで検討する始末です。公約違反と国民への裏切りそのものです。

 財政のあり方についてはどうか。

 日本経団連の四月の成長戦略に掲げられた法人税減税、消費税増税という方向を、民主党の選挙政策に盛り込むことについても否定しませんでした。

 大企業減税の穴埋めに消費税増税という道は、財政再建にも社会保障財源にも役立たず、国民生活と日本経済を危機に導くものであり、我が党は断固反対するものであります。

 以上、短期間で浮き出てきた菅政権の基本姿勢は、端的に言って、アメリカには忠誠を誓い、財界の求めにこたえるものだと言わざるを得ません。

 予算委員会の論戦もやらず、ぼろが出ないうちに選挙に逃げ込もうとする菅政権の姿勢は、党利党略以外の何物でもないことを最後に厳しく指摘し、賛成討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(横路孝弘君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(横路孝弘君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百六十八

  可とする者(白票)       百五十三

  否とする者(青票)       三百十五

議長(横路孝弘君) 右の結果、菅内閣不信任決議案は否決されました。(拍手)

    ―――――――――――――

谷垣禎一君外五名提出菅内閣不信任決議案を可とする議員の氏名

あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君   赤澤  亮正君

秋葉  賢也君   麻生  太郎君   甘利   明君   井上  信治君

伊東  良孝君   伊吹  文明君   石田  真敏君   石破   茂君

石原  伸晃君   稲田  朋美君   今村  雅弘君   岩屋   毅君

江渡  聡徳君   江藤   拓君   遠藤  利明君   小里  泰弘君

小野寺 五典君   小渕  優子君   大島  理森君   大野  功統君

大村  秀章君   加藤  勝信君   加藤  紘一君   梶山  弘志君

金子  一義君   金子  恭之君   金田  勝年君   鴨下  一郎君

川崎  二郎君   河井  克行君   河村  建夫君   木村  太郎君

岸田  文雄君   北村  茂男君   北村  誠吾君   小池 百合子君

小泉 進次郎君   古賀   誠君   後藤田 正純君   河野  太郎君

高村  正彦君   近藤 三津枝君   佐田 玄一郎君   佐藤   勉君

齋藤   健君   坂本  哲志君   塩崎  恭久君   塩谷   立君

柴山  昌彦君   下村  博文君   新藤  義孝君   菅   義偉君

菅原  一秀君   田中  和徳君   田野瀬良太郎君   田村  憲久君

平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君   竹下   亘君

竹本  直一君   武田  良太君   武部   勤君   橘  慶一郎君

棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君   谷川  弥一君

谷畑   孝君   徳田   毅君   中川  秀直君   中谷   元君

中村 喜四郎君   永岡  桂子君   長島  忠美君   長勢  甚遠君

二階  俊博君   西野 あきら君   西村  康稔君   額賀 福志郎君

野田   毅君   馳    浩君   浜田  靖一君   林   幹雄君

平井 たくや君   平沢  勝栄君   福井   照君   福田  康夫君

古川  禎久君   古屋  圭司君   保利  耕輔君   細田  博之君

町村  信孝君   松浪  健太君   松野  博一君   松本   純君

三ッ矢 憲生君   宮腰  光寛君   村上 誠一郎君   村田  吉隆君

茂木  敏充君   森   英介君   森   喜朗君   森山   裕君

柳本  卓治君   山口  俊一君   山本  公一君   山本  幸三君

山本   拓君   山本  有二君   吉野  正芳君   赤松  正雄君

井上  義久君   池坊  保子君   石井  啓一君   石田  祝稔君

稲津   久君   漆原  良夫君   江田  康幸君   遠藤  乙彦君

大口  善徳君   佐藤  茂樹君   斉藤  鉄夫君   坂口   力君

高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君   遠山  清彦君

富田  茂之君   西   博義君   東   順治君   古屋  範子君

赤嶺  政賢君   笠井   亮君   穀田  恵二君   佐々木 憲昭君

志位  和夫君   塩川  鉄也君   高橋 千鶴子君   宮本  岳志君

吉井  英勝君   浅尾 慶一郎君   柿澤  未途君   山内  康一君

渡辺  喜美君   園田  博之君   平沼  赳夫君   与謝野  馨君

衛藤 征士郎君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿知波 吉信君   相原  史乃君

青木   愛君   赤松  広隆君   東   祥三君   網屋  信介君

荒井   聰君   五十嵐 文彦君   井戸 まさえ君   池田  元久君

石井   章君   石井 登志郎君   石毛 えい子君   石関  貴史君

石田  勝之君   石田  三示君   石田  芳弘君   石津  政雄君

石原 洋三郎君   石森  久嗣君   石山  敬貴君   泉   健太君

磯谷 香代子君   市村 浩一郎君   糸川  正晃君   稲富  修二君

稲見  哲男君   今井  雅人君   内山   晃君   打越 あかし君

生方  幸夫君   江端  貴子君   枝野  幸男君   小川  淳也君

小沢  一郎君   小沢  鋭仁君   小野塚 勝俊君   小原   舞君

緒方 林太郎君   大泉 ひろこ君   大串  博志君   大島   敦君

大谷   啓君   大谷  信盛君   大西  健介君   大西  孝典君

大畠  章宏君   大山  昌宏君   太田  和美君   逢坂  誠二君

岡島  一正君   岡田  克也君   岡田  康裕君   岡本  英子君

岡本  充功君   奥田   建君   奥野 総一郎君   奥村  展三君

加藤   学君   加藤  公一君   鹿野  道彦君   海江田 万里君

柿沼  正明君   笠原 多見子君   梶原  康弘君   勝又 恒一郎君

金森   正君   金子  健一君   神山  洋介君   川内  博史君

川口   浩君   川口   博君   川越  孝洋君   川島 智太郎君

川端  達夫君   川村 秀三郎君   菅   直人君   木内  孝胤君

木村たけつか君   吉良  州司君   城井   崇君   黄川田  徹君

菊田 真紀子君   菊池長右ェ門君   岸本  周平君   北神  圭朗君

京野  公子君   工藤  仁美君   櫛渕  万里君   楠田  大蔵君

沓掛  哲男君   熊谷  貞俊君   熊田  篤嗣君   黒岩  宇洋君

黒田   雄君   桑原   功君   玄葉 光一郎君   小泉  俊明君

小平  忠正君   小林  興起君   小林 千代美君   小林  正枝君

小宮山 泰子君   小宮山 洋子君   小室  寿明君   小山  展弘君

古賀  一成君   古賀  敬章君   後藤  英友君   後藤   斎君

後藤  祐一君   郡   和子君   近藤  和也君   近藤  昭一君

近藤  洋介君   佐々木 隆博君   佐藤 ゆうこ君   斉木  武志君

斉藤   進君   齋藤   勁君   斎藤やすのり君   坂口  岳洋君

阪口  直人君   笹木  竜三君   階    猛君   柴橋  正直君

下条  みつ君   城島  光力君   白石  洋一君   神風  英男君

首藤  信彦君   瑞慶覧 長敏君   末松  義規君   杉本 かずみ君

菅川   洋君   鈴木  克昌君   鈴木  宗男君   仙谷  由人君

園田  康博君   空本  誠喜君   田島  一成君   田嶋   要君

田名部 匡代君   田中けいしゅう君   田中 眞紀子君   田中 美絵子君

田村  謙治君   平   智之君   高井  崇志君   高井  美穂君

高木  義明君   高野   守君   高橋  昭一君   高橋  英行君

高松  和夫君   高邑   勉君   高山  智司君   滝    実君

竹田  光明君   武正  公一君   橘   秀徳君   玉木  朝子君

玉木 雄一郎君   玉城 デニー君   玉置  公良君   樽床  伸二君

中後   淳君   津川  祥吾君   津島  恭一君   津村  啓介君

辻    惠君   筒井  信隆君   手塚  仁雄君   寺田   学君

土肥  隆一君   道休 誠一郎君   富岡  芳忠君   豊田 潤多郎君

中井   洽君   中川   治君   中川  正春君   中島  政希君

中島  正純君   中津川 博郷君   中塚  一宏君   中根  康浩君

中野  寛成君   中野   譲君   中野渡 詔子君   中林 美恵子君

中山  義活君   仲野  博子君   永江  孝子君   長尾   敬君

長島  昭久君   長島  一由君   長妻   昭君   長安   豊君

仁木  博文君   西村 智奈美君   野木   実君   野田  国義君

野田  佳彦君   羽田   孜君   萩原   仁君   橋本  清仁君

橋本  博明君   橋本   勉君   畑   浩治君   鉢呂  吉雄君

初鹿  明博君   鳩山 由紀夫君   花咲  宏基君   浜本   宏君

早川 久美子君   原口  一博君   伴野   豊君   樋口  俊一君

樋高   剛君   平岡  秀夫君   平野  博文君   平山  泰朗君

福嶋 健一郎君   福島  伸享君   福田  昭夫君   福田 衣里子君

藤田  一枝君   藤田  大助君   藤田  憲彦君   藤村   修君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細川  律夫君   細野  豪志君

本多  平直君   馬淵  澄夫君   前原  誠司君   牧   義夫君

牧野  聖修君   松岡  広隆君   松木けんこう君   松崎  公昭君

松崎  哲久君   松野  頼久君   松原   仁君   松宮   勲君

松本  大輔君   松本  剛明君   松本   龍君   三日月 大造君

三谷  光男君   三村  和也君   三宅  雪子君   三輪  信昭君

三井  辨雄君   水野  智彦君   皆吉  稲生君   宮崎  岳志君

宮島  大典君   向山  好一君   村井  宗明君   村上  史好君

村越  祐民君   室井  秀子君   本村 賢太郎君   森岡 洋一郎君

森本  和義君   森本  哲生君   森山  浩行君   矢崎  公二君

谷田川  元君   柳田  和己君   山尾 志桜里君   山岡  賢次君

山岡  達丸君   山口  和之君   山口   壯君   山崎  摩耶君

山崎   誠君   山田  正彦君   山田  良司君   山井  和則君

山花  郁夫君   山本  剛正君   柚木  道義君   横粂  勝仁君

横光  克彦君   横山  北斗君   吉川  政重君   吉田   泉君

吉田 おさむ君   吉田  公一君   吉田  統彦君   笠   浩史君

和田  隆志君   若井  康彦君   若泉  征三君   鷲尾 英一郎君

渡辺 浩一郎君   渡辺   周君   渡辺  義彦君   渡部  恒三君

阿部  知子君   重野  安正君   辻元  清美君   中島  隆利君

服部  良一君   吉泉  秀男君   亀井  静香君   下地  幹郎君

田中  康夫君   松下  忠洋君   小泉  龍司君

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) この際、暫時休憩いたします。

    午後三時十五分休憩

     ――――◇―――――

    午後六時十二分開議

議長(横路孝弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 御報告することがあります。

 永年在職議員として表彰された元議員中馬辰猪君は、去る四月十八日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 中馬辰猪君に対する弔詞は、議長において去る十日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに地方行政委員長の要職につき また国務大臣の重任にあたられた従三位勲一等中馬辰猪君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員辞職の件

議長(横路孝弘君) お諮りいたします。

 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員牧義夫君から、予備員を辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出を許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。

     ――――◇―――――

 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙

 国土審議会委員の選挙

議長(横路孝弘君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、国土審議会委員の選挙を行います。

高山智司君 裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員及び国土審議会委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。

 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に福田昭夫君を指名いたします。

 なお、その職務を行う順序は第二順位といたします。

 次に、国土審議会委員に森本哲生君を指名いたします。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 参議院提出、戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案(参議院提出)

議長(横路孝弘君) 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長近藤昭一君。

    ―――――――――――――

 戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔近藤昭一君登壇〕

近藤昭一君 ただいま議題となりました戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、戦後強制抑留者が、戦後、酷寒の地において、長期間にわたって劣悪な環境のもとで強制抑留され、多大の苦難を強いられたこと、その間において過酷な強制労働に従事させられたこと等の特別の事情にかんがみ、及び戦後強制抑留者に係る強制労働の実態がいまだに十分に判明していない状況等を踏まえ、これらの戦後強制抑留者に係る問題に対処するため、戦後強制抑留者の労苦を慰謝するための特別給付金を支給するための措置等を講じようとするものであり、その主な内容は、

 第一に、本邦に帰還した戦後強制抑留者で日本の国籍を有するものに、本人の請求により、独立行政法人平和祈念事業特別基金が特別給付金を支給することとし、その帰還時期の区分に応じ、二十五万円から百五十万円の間の額を一時金として支給すること、

 第二に、政府は、戦後強制抑留者に係る問題のうち特別給付金の支給により対処するもの以外のものに対処するため、強制抑留の実態調査その他の措置を総合的に行うための基本的な方針を定め、これを公表すること、

 第三に、特別給付金の支給に必要な費用に充てるため、独立行政法人平和祈念事業特別基金の資本金の一部を取り崩すことができるものとし、同基金の解散の期日を平成二十五年四月一日までの間において政令で定める日に改めること

等の措置を講じようとするものであります。

 本案は、参議院提出に係るもので、去る五月二十一日本委員会に付託され、本日参議院総務委員長から提案理由の説明を聴取し、討論、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 参議院送付、特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件、国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件(参議院送付)

議長(横路孝弘君) 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件、国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。外務委員長鈴木宗男君。

    ―――――――――――――

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鈴木宗男君登壇〕

鈴木宗男君 ただいま議題となりました両件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、国際移住機関特権免除協定は、本年二月二十三日、ジュネーブにおいて署名されたもので、我が国と国際移住機関との間で、同機関並びに加盟国の代表者及び職員等の特権及び免除等について定めるものであります。

 その主な内容は、国連専門機関の特権及び免除を定めた専門機関特権免除条約の一部規定を準用し、国際移住機関等は、我が国において、構内及び文書の不可侵、訴訟手続からの免除、通信に関する便益の供与、関税及び直接税の免除等の一定の特権及び免除を享有すること等であります。

 次に、国際再生エネルギー機関憲章は、平成二十一年一月二十六日、ボンにおいて採択されたもので、再生可能エネルギーの持続可能な方法による利用の促進等を目的として国際再生可能エネルギー機関を設立するために必要な事項について定めるものであります。

 その主な内容は、

 同機関は、加盟国の利益のため、再生可能エネルギーに関する実例の分析、把握及び体系化等の活動を実施すること、

 主要な組織として、総会、理事会及び事務局を設置すること、

 加盟国の義務的な分担金等を財源とすること

等であります。

 以上両件は、参議院先議に係るもので、去る五月二十五日本委員会に付託され、本日岡田外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、質疑終局後、引き続き採決を行いました結果、いずれも承認すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 両件を一括して採決いたします。

 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認することに決まりました。

     ――――◇―――――

高山智司君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 参議院提出、母体保護法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 高山智司君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 母体保護法の一部を改正する法律案(参議院提出)

議長(横路孝弘君) 母体保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長鉢呂吉雄君。

    ―――――――――――――

 母体保護法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔鉢呂吉雄君登壇〕

鉢呂吉雄君 ただいま議題となりました母体保護法の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が受胎調節のために必要な医薬品で厚生労働大臣が指定するものを販売することができる期限を五年間延長し、平成二十七年七月三十一日までとするものであります。

 本案は、参議院提出に係るもので、去る五月十二日本委員会に付託され、本日参議院厚生労働委員長から提案理由の説明を聴取し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 委員会の閉会中審査に関する件

議長(横路孝弘君) お諮りいたします。

 国家基本政策委員会及び懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに災害対策特別委員会外六特別委員会から、閉会中審査をいたしたいとの申し出があります。

    ―――――――――――――

    〔閉会中審査案件は本号(一)末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 各委員会から申し出のあった案件中、まず、文部科学委員会から申し出の教育公務員特例法の一部を改正する法律案、厚生労働委員会から申し出の障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律案、安全保障委員会から申し出の国際平和協力法案、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、各委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、内閣委員会から申し出の政府の政策決定過程における政治主導の確立のための内閣法等の一部を改正する法律案及び国家公務員法の一部を改正する法律案、総務委員会から申し出の地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案、国と地方の協議の場に関する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律案、厚生労働委員会から申し出の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案及び国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案、経済産業委員会から申し出の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案、国土交通委員会から申し出の高速自動車国道法及び道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する等の法律案、安全保障委員会から申し出の防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律案は、各委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、内閣委員会から申し出の地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案、法務委員会から申し出の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案は、各委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

 次に、国土交通委員会から申し出の離島の振興に関する施策の拡充のための離島振興法等の一部を改正する法律案、離島航路航空路整備法案及び北海道観光振興特別措置法案は、同委員会において閉会中審査をするに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立総員。よって、そのとおり決まりました。

 次に、ただいま閉会中審査をすることに決まりました案件を除く他の案件について、各委員会において申し出のとおり閉会中審査をするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) お諮りいたします。

 いまだ委員会に付託されていない国会審議の活性化のための国会法等の一部を改正する法律案及び衆議院規則の一部を改正する規則案は、議院運営委員会において閉会中審査をすることといたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、そのとおり決まりました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) これにて散会いたします。

    午後六時三十分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  菅  直人君

       総務大臣  原口 一博君

       法務大臣  千葉 景子君

       外務大臣  岡田 克也君

       財務大臣  野田 佳彦君

       文部科学大臣  川端 達夫君

       厚生労働大臣  長妻  昭君

       農林水産大臣  山田 正彦君

       経済産業大臣  直嶋 正行君

       国土交通大臣  前原 誠司君

       環境大臣  小沢 鋭仁君

       防衛大臣  北澤 俊美君

       国務大臣  荒井  聰君

       国務大臣  玄葉光一郎君

       国務大臣  自見庄三郎君

       国務大臣  仙谷 由人君

       国務大臣  中井  洽君

       国務大臣  蓮   舫君

     ――――◇―――――

 昨十五日は、会議を開くに至らなかった。


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.