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第4号 平成24年2月3日(金曜日)

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平成二十四年二月三日(金曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十四年二月三日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)

 平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)

 東日本大震災に対処するための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後一時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

太田和美君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 太田和美さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)

 平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)

議長(横路孝弘君) 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長中井洽君。

    ―――――――――――――

 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)及び同報告書

 平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔中井洽君登壇〕

中井洽君 ただいま議題となりました平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)外一案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、補正予算の概要について申し上げます。

 この補正予算二案は、国民の安心、安全を確保する観点から、必要性、緊急性の高い財政需要に対し必要な措置を講ずるとともに、東日本大震災の被災者の二重ローン対策のため、政府保証枠を設定しようとするものであります。

 一般会計については、歳出において、災害対策費等の義務的経費等のほか、高齢者医療・子育て・福祉等関係経費、中小企業金融関係経費等や地方交付税交付金を計上する一方、国債費の不用など既定経費の減額を行うこととしております。

 また、歳入においては、税収及び税外収入の増加等を見込んでおります。

 この結果、補正後の平成二十三年度一般会計予算の総額は、一般会計第三次補正後予算に対し歳入歳出とも一兆千百十八億円増加し、百七兆五千百五億円となっております。

 関連して、特別会計予算についても所要の補正を行うこととしております。

 この補正予算二案は、去る一月二十四日本委員会に付託され、同月三十日安住財務大臣から提案理由の説明を聴取し、二月一日から質疑に入ったものであります。第四次補正予算の意義、社会保障・税の一体改革、東日本大震災被災者への支援、TPP関連、沖縄防衛局における講話問題などについて、熱心に質疑が行われました。質疑の詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。

 昨日質疑を終局し、本日、討論、採決を行いました結果、平成二十三年度補正予算二案はいずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 委員各位には、四次にも及ぶ補正予算審査に当たり、精力的な審査と円滑な委員会運営に御協力をいただきましたことに対し、改めて感謝を申し上げ、御報告といたします。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 両案につき討論の通告があります。順次これを許します。笠井亮君。

    〔笠井亮君登壇〕

笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、二〇一一年度第四次補正予算二案に反対の討論を行います。(拍手)

 本補正予算に盛り込まれた被災者支援、高齢者医療などへの助成は、当然必要な経費です。

 同時に指摘しておきたいことは、被災者支援の二重ローン対策では、再建を目指す全ての被災業者が救済されるよう、選別の姿勢を改め、金融機関への徹底が求められることです。

 また、被災地では、除染、医療、食品検査などに思い切った予算を必要としています。こうした予算の不足が、福島県内でも思い切った取り組みの足かせとなっているのであります。

 高齢者医療、ワクチン接種、妊婦健診などへの助成は、これまで補正予算で延長していますが、本来、恒久措置として予算計上すべきです。

 次に、本補正予算は、見過ごすことのできない重大な問題があります。三点、述べたい。

 第一は、南スーダンPKOへの自衛隊派遣経費です。

 政府は、昨年十二月、陸上自衛隊施設部隊三百三十人の派遣を決定し、既に先遣隊を送っています。首都ジュバ周辺の道路や橋梁の整備を担うとしていますが、自衛隊派遣は、米国のアフリカ戦略に基づき、米国言いなりに行われるものです。

 南スーダンは、いまだ南北両国間の紛争や部族衝突などが頻発しています。このような紛争地域への自衛隊派遣は、憲法上、断じて許されません。

 また、本補正予算には、海賊対処を口実としたソマリア沖・アデン湾での自衛隊の活動経費を盛り込んでいますが、海賊問題は、軍隊の派遣では解決しません。アフガニスタン国軍への財政支援もやめるべきであります。

 憲法九条を持つ日本がやるべきことは、自衛隊の派遣や軍事支援ではなく、和平努力への支援であり、民生支援です。

 第二は、米軍のグアム移転経費です。

 米軍の司令部庁舎などをグアムに建設するためのいわゆる真水予算を繰越明許費として来年度も使用可能としていますが、そもそも、米国が自国内で行う米軍基地建設の費用を日本の国費で負担すること自体、憲法上も、財政法上も、重大な問題があります。

 にもかかわらず、日本政府は、二〇〇九年にグアム移転協定を締結し、〇九年度、一〇年度と米国に資金提供をしてきたのであります。しかし、実際には、米国の基地増強計画はほとんど進捗せず、昨年末、米議会は、国防予算からグアム移転関連経費の全額削除を決定したのであります。

 今や、グアム基地増強計画の破綻は明らかです。米軍グアム移転経費の負担そのものを直ちに中止することを求めます。

 このほか、宇宙を軍事利用するスパイ衛星の研究開発経費を計上していることも問題です。

 宇宙の軍事利用の拡大とともに、武器輸出三原則を形骸化する野田内閣の決定は、憲法の平和理念と国会決議に反するものであり、到底許されません。

 以上、指摘し、討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 若泉征三君。

    〔若泉征三君登壇〕

若泉征三君 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第四次補正予算案に賛成の立場から討論を行いたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)

 まず冒頭、東日本大震災や昨年の台風・豪雨被害により犠牲になられた皆様、仮設住宅や新しい土地で避難生活を余儀なくされている皆様、福島第一原子力発電所事故によりふるさとを離れざるを得なかった皆様、今冬の豪雪にて被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興に向けて、私ども国会議員は、会派の別なく、子細に皆様のお声をお聞きしながら、全力でお支えしていくことをお誓い申し上げます。

 さて、政府におきましては、東日本大震災や台風や豪雨被害からの着実な復旧復興、不安定な為替相場やタイ洪水被害による我が国経済への影響など、本年度予算を編成して以降発生した各課題に対応するため、適宜、補正予算を編成しております。今回提出された第四次補正予算も、年度末を迎えるに当たり、各種事業が遺漏なく実施できるよう、追加で必要となった支出に対応するため、編成されたものであります。

 具体的には、東日本大震災で自宅を失った方々のため、既に五万二千強が建設された仮設住宅建設費、昨年七月の新潟・福島豪雨、八月から九月に上陸した台風十二号により被害を受けた公立学校、社会教育施設、社会福祉施設、農林水産業共同利用施設、廃棄物処理施設などの公共施設を復旧させるための事業費が盛り込まれております。

 また、進行している円高やタイの洪水被害を受けました日本企業支援のための中小企業金融関係経費や、環境対策と景気対策を進めるエコカー補助金、新規就農者支援、耕作放棄地の再生利用、六次産業化のための実証実験などの食と農林漁業の再生に必要な経費が盛り込まれております。

 そのほか、妊婦健康検査や子宮頸がん予防ワクチン接種などを平成二十四年度も継続するための経費、国際機関分担金などが盛り込まれております。

 なお、総額二兆五千億円余の歳入につきましては、税収の上振れ分、政府資産の整理収入、税外収入などを用いることで、新たな国債を発行せず、市場の信認を確保いたしております。

 東日本大震災から一年がたとうといたしております。この震災からの一年間、国、そして私たち国会議員の役割が期待され、問われた年はないでしょう。国民の皆様は、国会が一致結束して日々の課題に向き合うことを願っております。ただ争うのではなく、与野党がしっかり組み合って議論を進めることを願っております。

 るる御説明申し上げましたように、本補正予算は、東日本大震災や台風・豪雨被害など、今、日本が抱える課題の解決のために必要不可欠なものでございます。国民の皆様の期待に応えるため、一人でも多くの方々に御賛同いただきますようお願いを申し上げ、討論といたします。

 よろしくお願いいたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) 橘慶一郎君。

    〔橘慶一郎君登壇〕

橘慶一郎君 自由民主党の橘慶一郎です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、平成二十三年度第四次補正予算案について、以下の重要な問題点を指摘しつつ、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)

 野田内閣が発足して約五カ月が経過いたしました。昨年夏の代表選の際、御自身が披露されたように、野田総理は富山県の孫であります。富山県民の一人として、就任当初の低姿勢な態度や、正心誠意という信念には共感を覚えました。それだけに、最近の総理の言動から、当初国民が期待した丁寧さ、誠実さが失われつつあるように思えるのは、残念であります。

 総理には、社会保障・税一体改革をなし遂げたいという志、また、そのために相当の覚悟があるものと信じたいのであります。しかし、この大きな課題をなし遂げるための前提となる経費削減の段取りが整わない。いや、かえって、後期高齢者医療保険の廃止や歳入庁の設立、行政改革実行本部の立ち上げなど、手つかずの課題まで、あれもこれもと持ち込み過ぎて、目的の達成自体が危うくなっております。

 また、野田内閣は、ことしに入り、「適材適所」と自負しておられた内閣を解体し、「最善、最強の布陣」にいたしましたが、これまでの国会審議を見ていると、本当に最善、最強の布陣なのか、大いに疑問であります。このままでは、最善、最強の内閣は民主党最後の内閣となることでしょう。

 あえて、富山ゆかりの総理ゆえに、直言させていただきます。

 なぜ、昨年末の臨時国会を延長せずに閉じさせたのですか。労働者派遣法を初め前内閣からの案件の幾つかは、あと数日で成立する局面でありました。

 また、御自身の二〇〇九総選挙の際のマニフェストのルールに関する発言について、谷垣総裁のさきの代表質問に対し、現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません、したがって公約違反ではありませんと、開き直ったような答弁をされました。なぜ、正心誠意、みずからのマニフェストの限界を認められないのですか。

 与野党協議が続いている国家公務員給与引き下げ等の案件についても、早期解決に向けたリーダーシップを発揮されるべきであります。とりわけ、国会において一つ一つの案件を審議するためには、一定の時間が必要なことは常識であります。

 さきの臨時国会では、いわゆる空転がなかったのに、内閣提出の法案成立率が四割弱と異例に低い水準にとどまったことを、ぜひ重く省みていただきたいのです。内閣として、何を第一になし遂げたいのかを、何を後回しにするのかを、持てる力を集中されるよう、強く求めます。

 なお、予算委員会でも指摘された議事録未作成問題と年金試算の隠蔽問題について、一言ずつ申し上げます。

 議事録の未作成は、政策決定過程の文書作成を義務づけた公文書管理法に抵触するものです。総理も、財務大臣として、そして首相として継続的に災害対策本部に出席されていたはずであり、当然、責任を問われる立場にあります。

 また、最大七・一%もの消費税の引き上げがさらに必要となる新たな年金制度の試算について、なぜ公表を見送ったのですか。年金制度の抜本改革は、二〇〇三のマニフェスト以来、民主党の一丁目一番地であり、一体改革素案にも、来年の国会に法案を提出すると書いてあります。それならば、試算を含め全体像を国民に堂々と示し、議論を交わそうではありませんか。野田総理・代表に強く求めます。

 本論に入ります。

 平成二十四年度予算政府案については、今後詳しく審議が行われるわけですが、まずは二つの素朴な疑問を申し上げます。

 第一に、六年ぶりに一般会計総額が前年度を下回ったというのは本当でありましょうか。

 第二に、中期財政フレームで定めた歳出の大枠約六十八兆四千億円と、新規国債発行約四十四兆円を堅持できたというのは本当でしょうか。

 答えは、どちらもノーです。

 このからくりは、基礎年金国庫負担割合三分の一から二分の一への引き上げ経費約二兆六千億円を交付国債に求めたことと、一部経費を第四次補正予算につけかえ、隠れみのとして利用したことから成り立っております。

 二十四年度当初予算については、今からでも遅くありません、見かけの数字だけを気にするのではなく、根拠のある確実な予算書を出し直すべきであります。

 消費税の増税を提案するのであれば、これまで以上に厳しく歳出の削減を図る姿勢を見せるべきであります。安易な補正予算へのつけかえは問題外であります。

 そもそも、四次補正予算の目的は、財務省の補正予算のポイントによれば「整理整頓のため」と書かれております。復旧復興に向けての取り組みとも経済対策とも言えない、多方面に配慮した計数整理、いわば技術的な補正を行うことが、この局面で真に適切でありましょうか。内閣には厳しい問題意識を持って事に臨んでいただきたいのであります。

 歳出の中身ですが、三次補正予算ないし二十四年度当初予算に計上すべきものが大半であります。問題点を三点申し述べます。

 第一は、中小企業への資金繰り支援であります。

 中小・小規模事業者への資金繰り支援は不可欠でありますが、なぜ、三次補正で思い切った計上をしなかったのですか。

 復興に加え、円高等足元の景気下振れリスクを含め万全を期すべく、我が党は、三次補正の閣議決定前の十月二十日に、一兆円規模への拡充を求めておりました。にもかかわらず、三次補正には約六千五百億円しか計上せず、年度末が迫ってからタイの洪水対策などという名目で四次補正に計上することは理解しがたい。後手後手の対応の見本のような事例であります。

 第二に、高齢者医療、子育て、福祉等への対策であります。

 二十四年度末までの基金の延長、さらには、二十三年度当初予算に計上されていた経費の基金回しなどにより、約五千億円もの金額が四次補正に盛り込まれておりますが、いずれも二十四年度に必要となるものであり、本来は本予算で対応すべきであります。

 また、基金の延長決定がずれ込んだことは、事業を執行する自治体や国民に無用の心配を与えたものであり、政府の反省を求めます。

 第三は、食と農林漁業の再生に必要な経費や環境対応車普及促進対策費であります。

 政府・民主党は、農業基盤整備予算等を今回の補正で八百億円程度復活させておりますが、自公政権の政策を否定し、大幅削減しておきながら、ここで復活させるという、政策迷走の最たる例であります。

 また、強い農業づくり交付金は、二十四年度当初予算案ではわずか二十一億円程度しか計上していないのに、四次補正で二百四十五億円を措置しております。そもそも、こうした項目は当初予算で計上すべきであります。年度内に消化できるのかも甚だ疑問であります。

 エコカー補助金については、自公政権時に導入された政策であり、一定の成果を上げてまいりました。しかし、民主党政権は、平成二十二年九月に、補助金の役割は終了したとして廃止した経緯があります。なぜこの時期に三千億円程度で復活させるのか、明確な説明が必要であります。

 また、税制のグリーン化の一環として、自動車課税を見直し、政策減税の形で実施すべきではないでしょうか。

 最後に、今回の第四次補正予算の財源は、税収の上振れ分と国債費の下振れ分によって賄うこととされております。しかし、この先、東日本大震災からの復興のためには、被災地の実情を踏まえたきめ細かい対応が必要となります。剰余金は、復興のための財源に優先的に充てるべきではなかったでしょうか。

 以上、第四次補正予算には納得しづらい疑問点があります。しかし、私どもは、被災地の一日も早い復旧復興、そして日本経済の再生、持続可能な社会保障制度の構築に向け、全力を傾注し、邁進することを決意しておるものであります。ここに、我が党は、本補正予算案については、不本意ではありますが、賛成するものであります。

 野田総理、私ども富山県民は、一度は立山登山を経験いたします。全員で頂上を目指して、一歩一歩、細心の注意で山道を踏みしめてまいります。

 これから野田内閣が登る山が、進む道が、これで正しいのか。あの山に登らねば、いや、この山にも登らねば、いや、そっちの山にも登らねば、ねば、ねば、ねば、ねばでは、山は登れません。今こそ、足元を見詰め、みずからの目的に対して何をするべきか、しっかりと定める正念場ではないか、このことを申し上げ、私の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 高木陽介君。

    〔高木陽介君登壇〕

高木陽介君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第四次補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 以下、本補正予算案に賛成する主な理由を申し上げます。

 第一に、これまで公明党が推進してきた、健康、医療、介護、子育て支援等に関する各種事業の継続が盛り込まれている点であります。

 保育所や放課後児童クラブなどの整備を推進する安心こども基金、妊婦健診の負担を軽減するための妊婦健康診査支援基金、そして、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスの充実を図る障害者自立支援対策臨時特例基金、これらは、私たちが政権与党にあるときに創設し、関係者からも高い評価を受けております。

 本来ならば、恒久的な仕組みを検討し、当初予算において対応すべきと考えますが、必要性、緊急性に鑑み、今般の延長措置はやむを得ないものとして評価をいたします。

 一方、子宮頸がん、Hib、小児用肺炎球菌のワクチン接種を支援する基金については、公明党は、単年度ごとの予算措置ではなく、早急に予防接種法を改正して、法律に基づく安定した制度とすべきと主張してきました。単年度ごとの不安定な支援措置では、子供や女性の健康に対する不安を払拭することはできません。法改正を含め、二十五年度以降も継続することを明確にするべきであることを申し上げておきます。

 また、これら三ワクチンに加えて、高齢者向けの肺炎球菌ワクチンについても、予防接種法に位置づけ、財政支援を行うべきと考えます。

 第二に、デフレ、円高による日本経済の先行きが不透明な中で、追加的な景気・経済対策として、エコカー補助金が盛り込まれました。

 今般のエコカー補助金は予算枠が三千億円でありますが、状況によっては、前回実施したときのように、予定期間の途中で予算枠を使い切り、補助制度を打ち切らざるを得ない事態も想定されます。景気対策として一定の効果が期待されることから、実施する以上は、万全に対応することを強く要請いたします。

 第三に、二重ローン問題に関して、公明党を初め野党が強く主張し実現した、被災中小企業や農業・漁業者の再生支援のための東日本大震災事業者再生支援機構による債権買い取りのための政府保証枠五千億円が盛り込まれている点であります。

 この二重ローン問題に関しては、当初、政府・民主党の対応は極めて腰の引けたものであり、その結果、二重ローン問題の解決が大幅におくれてしまったことは、被災地の方々の心情を思うにつけ、極めて遺憾であります。

 いずれにしても、ようやく三月から事業が開始される予定ですが、支援に当たっては、被災事業者にとって使い勝手がよく、さらには支援の対象を可能な限り広げるよう、最大限の努力を求めます。

 以上、賛成する主な理由を申し述べました。

 この際、採決に先立って、何点か申し上げたいと思います。

 ことしに入って、日本海側を中心に、観測史上最大の豪雪を記録しております。大型の寒波の影響により、既に各地で被害が多発し、除雪作業の人手不足も深刻さを増しています。

 今後さらなる被害の発生が懸念されますが、豪雪被害への対応は四次補正では手当てをされておりません。予備費の活用などにより災害対策には万全な措置を講ずるよう、強く政府に要請いたします。

 次に、デフレ脱却と円高対策への適切な対応であります。

 今、日本経済は、長期にわたるデフレと欧州の債務危機等による歴史的な円高によって、先行きは極めて不透明です。特に日銀による金融政策については、欧米などの動きに呼応し、より一層の金融緩和、デフレ脱却に向けた明確なメッセージを発するべきと考えます。

 また、大震災を契機に日本列島全体が地震活動期に入っている中で、国民の防災に対する意識は急速に高まってきております。こうしたときであるからこそ、自助、共助による防災意識の啓発とあわせて、安心、安全の社会の構築に向けた、全国における防災・減災対策を緊急かつ集中的に講じるべきであると考えます。

 次に、今回の震災関連の政府が設置した十五の会議のうち、十の会議で議事録を作成していなかったことが明らかになりました。

 民主党は、野党時代から情報公開に熱心でした。さらに、昨年四月には公文書管理法が施行され、議事録を含め、公文書の作成及び管理が法的にも拡充してまいりました。にもかかわらず、民主党政権は、議事録作成をおろそかにしてきました。

 民主党の三代の総理は、歴史という言葉をよく使います。その歴史にたえ得るのかどうか。そのためには検証するデータが必要となりますが、そのデータを残していませんでした。

 私は、この問題に対して、民主党は隠蔽体質だという言い方はしません。震災のさなか、混乱もあったと思います。しかし、民主党には余力がなかった。余力がないということは、政権担当能力がないということにつながっていると申し上げたいと思います。

 さて、東日本大震災より間もなく一年が経過いたします。二月十日には復興庁も設置され、いよいよ、復興に向けて、加速的な対応が求められます。

 被災地では例年にない厳しい冬を迎え、今なお避難生活を余儀なくされている住民に対し、極めて細かい支援が必要です。現地では、復旧復興事業に従事する作業員の不足や仮設住宅の設備格差など、課題が山積しております。

 被災地から寄せられる課題に対し一つ一つ迅速に対応するためにも、これまでの補正予算を含め、復興関係の予算が早急かつ円滑に執行されるよう、政府が万全の体制をとることを重ねて申し上げたいと思います。

 公明党は、いつまでも、どこまでも、被災者に寄り添いながら、東日本大震災からの復旧復興に全力で取り組む決意です。そして、日本が直面する難局を乗り越え、国民が希望を持てる日本の再建に向けて力を尽くす決意である旨を申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 中島隆利君。

    〔中島隆利君登壇〕

中島隆利君 社会民主党の中島隆利です。

 社会民主党・市民連合を代表し、二〇一一年度一般会計補正予算及び特別会計補正予算につきまして、賛成の立場で討論をいたします。(拍手)

 冒頭、沖縄防衛局長の講話問題、福島第一原発事故をめぐる政府会議の議事録未作成、さらには年金改革の試算公表をめぐる政府の対応は、極めてずさんと言わなければなりません。政府として国会と国民に対する説明責任をしっかりと果たすよう、厳しく指摘しておきます。

 さて、今回の第四次補正予算は、東日本大震災被災者らの二重ローン対策費の設定や生活保護費等の負担金の追加、中小企業金融関係経費による支援などが盛り込まれていることから、賛成するものですが、多くの問題点を抱えていることも指摘しておかなければなりません。

 まず、歳入面において、税収及び税外収入の増加等によって約二・五兆円の財源が確保されていますが、国債費の過大見積もりを是正すれば、第三次補正予算で復興増税の軽減を図ることが可能だったのではないでしょうか。また、年金交付国債という奇策を用いることなく、二〇一二年度分の基礎年金の国庫負担の二分の一引き上げの財源とすることなども検討できたはずであります。

 次に、来年度予算の歳出の大枠や新規国債発行枠を表面上クリアするために、来年度予算の先取り、前倒しや、来年度予算から漏れたものの復活という項目も多く盛り込まれています。

 高齢者医療の負担軽減や安心こども基金、子宮頸がん等ワクチン接種基金、妊婦健康診査支援基金、障害者自立支援対策の基金の延長なども、政策内容としては必要だと考えますが、本来、制度の抜本的見直しとあわせて、本予算できちんと手当てすべきであります。

 さらに、アフガニスタン支援経費や国際熱核融合実験炉研究開発、南スーダンPKO関係、衛星関係経費など、補正として組むべき緊急性に欠けると考えられるものや、党として、疑問が多く、認めがたいものも含まれています。

 以上、指摘したように、問題の多い補正予算となっていることについて政府の猛省を促すとともに、震災と原発事故からの復旧復興を急ぎ、東北地方や日本海沿岸を中心とした記録的な大雪に対し万全の対策を講じることを求め、私の討論を終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 両案を一括して採決いたします。

 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

     ――――◇―――――

太田和美君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、東日本大震災に対処するための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 太田和美さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 東日本大震災に対処するための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 東日本大震災に対処するための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長原口一博君。

    ―――――――――――――

 東日本大震災に対処するための平成二十三年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔原口一博君登壇〕

原口一博君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、平成二十三年度の第二次補正予算により増額された同年度分の地方交付税五千四百五十五億円のうち千億円及び平成二十三年度の第四次補正予算により増額された同年度分の地方交付税三千六百八億円の全額を、同年度内に交付しないで、平成二十四年度分として交付すべき地方交付税の総額に加算して交付できることとするものであります。

 本案は、昨二日本委員会に付託され、本日、川端総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時四十四分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  野田 佳彦君

       総務大臣    川端 達夫君

       法務大臣    小川 敏夫君

       外務大臣    玄葉光一郎君

       財務大臣    安住  淳君

       文部科学大臣  平野 博文君

       厚生労働大臣  小宮山洋子君

       農林水産大臣  鹿野 道彦君

       経済産業大臣  枝野 幸男君

       国土交通大臣  前田 武志君

       環境大臣    細野 豪志君

       防衛大臣    田中 直紀君

       国務大臣    岡田 克也君

       国務大臣    自見庄三郎君

       国務大臣    平野 達男君

       国務大臣    藤村  修君

       国務大臣    古川 元久君

       国務大臣    松原  仁君


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