衆議院

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第5号 平成24年11月15日(木曜日)

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平成二十四年十一月十五日(木曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第四号

  平成二十四年十一月十五日

    午後一時開議

 第一 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

 第二 年金生活者支援給付金の支給に関する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

 第三 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 議員松下忠洋君逝去につき弔詞を贈呈することとし、弔詞は議長に一任するの件(議長発議)

 小渕優子君の故議員松下忠洋君に対する追悼演説

 日程第一 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

 日程第二 年金生活者支援給付金の支給に関する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

 日程第三 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)

 国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(渡辺周君外四名提出)

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案(渡辺周君外六名提出)

 公職選挙法の一部を改正する法律案(第百八十回国会、参議院提出)

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案(第百八十回国会、細田博之君外二名提出)

 公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案(安住淳君外三名提出)


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    午後四時三分開議

議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 弔詞贈呈の件

議長(横路孝弘君) 御報告することがあります。

 議員松下忠洋君は、去る九月十日逝去されました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。

 つきましては、松下忠洋君に対し、弔詞を贈呈いたしたいと存じます。

 弔詞は議長に一任されたいと存じます。これに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。

 弔詞を朗読いたします。

    〔総員起立〕

 衆議院は 多年憲政のために尽力し さきに内閣委員長の要職にあたられた国務大臣議員松下忠洋君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます

 この弔詞の贈呈方は議長において取り計らいます。

    ―――――――――――――

 故議員松下忠洋君に対する追悼演説

議長(横路孝弘君) この際、弔意を表するため、小渕優子さんから発言を求められております。これを許します。小渕優子さん。

    〔小渕優子君登壇〕

小渕優子君 ただいま議長から御報告のありましたとおり、本院議員松下忠洋先生は、去る九月十日、御逝去されました。

 郵政民営化担当・内閣府特命金融担当大臣の重責を担っておられた中での余りにも突然の訃報に、私は、言い尽くせぬ驚きで言葉もなく、いまだこの現実を受け入れることができずにおります。

 まして、奥様、章子夫人を初め御家族の悲しみを思うとき、万感胸に迫り、お慰めの言葉も見つかりません。

 私は、ここに、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べさせていただきます。

 松下忠洋先生は、昭和十四年二月九日、現在の薩摩川内市に、農家の六人兄弟の次男としてお生まれになりました。

 薩摩川内市は、川内平野のもと、東西に九州第二の流域面積を持つ川内川が流れ、山麓部には地盤の弱いシラス台地が分布しております。戦中戦後の日本が最も苦しかった時代にこの地で幼少期を過ごされ、先生の御実家も幾度となく台風や土砂災害に見舞われました。

 豊かな自然の恵みと相反する自然の脅威の中で、多感な少年期を育んでくれたのは、そこに暮らす人々の人情味あふれる深い郷土愛でありました。

 先生は、子供ながらに、地域の無残な光景を目の当たりにしながらも、嘆くことなく、安全な国土をつくることが自分の一生の仕事だと心に深く刻んでおられました。

 先生は、鹿児島県立川内高等学校を経て、京都大学農学部に御進学されました。京都大学では、持ち前のよく通る大きな声で応援団長として体育会を縁の下から支える一方で、幼き日に夢見た初志を貫徹すべく、崖崩れや土砂崩れを防ぐための専門知識を熱心に勉強されました。

 昭和三十七年、京都大学を卒業後、建設省に入省され、関東地方建設局を皮切りに、本省砂防課長等を歴任され、さらにこの間、外務省経済協力局に出向、その才量を国内外で遺憾なく発揮されました。

 昭和四十八年、インドネシア公共事業省に派遣された先生は、「海外協力とは、ただ援助の手を差し伸べることではない。ともに働き、ともに汗を流して実行するのが私のやり方」という現場を第一に優先する御信念のもと、JICAの最優秀プロジェクトにも選ばれた火山砂防技術センターの創設や、後のネパールでの治水砂防技術センターの創設などに取り組まれました。

 昭和五十一年、これらの事業が高く評価され、砂防界のノーベル賞とも呼ばれる赤木賞を受賞されたのです。弱冠三十八歳という異例の若さで砂防界最高の栄誉に浴したのであります。(拍手)

 そんな松下先生にとって大きな転機となったのが、平成三年に起こった雲仙・普賢岳の災害です。

 先生は、砂防部長就任早々にもかかわらず、すぐに現場に足を運び、不眠不休で各種調整に奔走し、指導力と決断力を発揮されました。

 しかし、法的制約により十分な対策を講じることができない状況に直面し、災害のない安全な国をつくるためには国政の場で働かなければならないということを痛感し、それが政界進出の契機となりました。

 平成四年、先生は、官僚生活に別れを告げられ、翌年七月、第四十回衆議院議員総選挙に立候補、見事初当選の栄冠を獲得されたのであります。(拍手)

 本院に議席を獲得されてからの先生は、主に農林水産委員会、災害対策特別委員会理事として御活躍になり、平成十六年から翌年にかけては、内閣委員長として立派にその職責を果たされました。

 また、政府においては、平成十年に農林水産政務次官、十三年には、新たに設置された内閣府の副大臣に御就任されました。

 殊に、発足間もない内閣府にあって、経済財政政策、男女共同参画、防災など多岐にわたる重要政策を御担当された先生は、今日の内閣府の礎をお築きになったと言っても過言ではありません。

 平成十七年、先生にとって大きな節目となる第四十四回総選挙がありました。郵政民営化に伴うこの総選挙では、無所属で臨んだものの落選を余儀なくされ、潔く後進に道を譲ろうと、一時政界からの引退を御決断されました。

 しかし、大きな志の実現を目指す気持ちの高ぶりを抑えがたく、四年の空白の後、平成二十一年、第四十五回総選挙において、見事再選を果たされたのであります。

 その後の松下先生の御活躍は目覚ましく、平成二十一年から二年半にわたり経済産業副大臣を務められ、その後、平成二十三年三月に発生した東日本大震災では、原子力災害現地対策本部長として、さらに本年二月は復興副大臣として、福島第一原子力発電所事故による災害の復興に取り組まれました。

 松下先生は、このときも現場第一主義を貫かれ、誠心誠意、全力で対応に当たられました。

 福島の原発事故直後から現地に入り、大部屋の真ん中に席を構え、職員とともに汗を流しながら、昼夜を分かたず指揮をとり続け、福島県内をくまなく歩き、常に、「一人の苦しんでいる人を助けられずして、一億三千万人を助けられない」という政治信条をもとに、全身全霊で事に当たり、強いリーダーシップを発揮されました。(拍手)

 また、被災地への職員派遣に際しては、未曽有の災害にともするとくじけそうになる職員を叱咤激励し、ともに泣き、ともに笑おうと、チーム一人一人への声かけや気遣いを忘れませんでした。

 困難な状況の中、政府と地元との連携を何とか保つことができたのは、ひとえに松下先生個人に対する各方面からの揺るぎない信頼があったからこそであります。(拍手)

 これをなし得たのは、先生の熱意、識見はもちろんですが、先生御自身が、薩摩の人間である自分が、戊辰戦争で苦しんだ福島県の復興に身命を賭すと心中かたく御決意されていたことを、私は後に知りました。

 このように、純粋な情熱と大いなる優しさを内に秘めた松下忠洋先生こそ、薩摩武士の気質を備えた、まさに薩摩隼人であったと私は思うのであります。(拍手)

 そして、本年六月、郵政民営化担当・金融担当大臣として初入閣を果たされました。まさに先生が政治生命をかけた課題「郵政」を担当する行政のトップとしてその手腕を期待されたそのやさき、先生は忽然といなくなってしまわれたのです。

 松下先生の座右の銘に「動くろくろに動かぬ心」という言葉があります。これは、ろくろの中に潜んでいる陶工の哲学から学ばれたもので、ろくろは絶えず同じ方向にぐるぐる回るけれども、心棒は動かない。不動の一点に心を置き、適切な逆の力を加えてこそ土は延び、壺はできる。人間も同じ。流れに抵抗する力を持って生きよという薩摩焼宗家第十四代沈寿官先生の言葉であります。

 沈寿官先生は、平成元年に日本人初の大韓民国名誉総領事を承認された陶芸家であり、作家司馬遼太郎さんの「故郷忘じがたく候」の主人公になった方でもあります。

 松下先生は、日ごろから人生の師と仰ぐ沈寿官先生の哲学や御偉業を通じて日韓関係にも心を砕いており、両国が互いに真の理解者となることで、近くて遠い国から、近くて近い国にならなければならないと御主張され、善隣友好の構築に力を注がれておられました。

 同じく第十四代沈寿官先生と親交のあった、当時内閣総理大臣である小渕恵三は、松下先生の日韓を思うこの熱意に打たれ、それが、平成十年十一月、鹿児島県で開催された初の日韓閣僚懇談会につながったのです。

 当時鹿児島では、同時に、遠い昔朝鮮半島から連れてこられ、高度な焼き物技術を持った陶工たちによる薩摩焼四百年祭も開かれており、その中心となったのが沈寿官先生でありました。

 閣僚懇談会終了後、小渕首相と金鍾泌首相は、薩摩焼発祥の地を訪問、見知らぬ薩摩の地で祖国をしのびながら、その技術を生きる糧としてしか生きてこられなかったかつての陶工たちに思いをはせ、親睦を深められました。

 この年は、十月に日韓両首脳によって、歴史認識問題に区切りをつけ、二十一世紀に向けて新たな日韓パートナーシップを構築しようと日韓共同宣言がなされ、韓国における日本の文化の開放や、二〇〇二年日韓共催のサッカーワールドカップの成功を誓い合った年でもありました。(拍手)

 その後、平成十三年、松下先生の呼びかけで、日本と韓国の市民が二千人集う、韓日職能文化交流会が市民レベルで実現しました。

 当時まだ初当選から間もなかった私もその交流会に参加をし、新たな日韓パートナーシップを築こうとした亡き父の思いを胸に、万感の思いを込めて、日韓新時代への期待を述べたのを覚えております。

 松下先生は、日韓関係ばかりでなく、建設省から外務省経済協力局へ出向したことをきっかけに、長年ODAを見続けてこられました。途上国での技術協力はもちろんのこと、人材育成や国境を越えた交流にも心を砕いておられました。

 特に、現地の第一線で働く若い青年海外協力隊員たちの努力と御苦労に共感し、彼らを支援するとともに、現場に行こうと、東南アジアや遠くアフリカの地にみずから足を運ばれました。

 そうした数々の出張に、私は、縁あって、松下先生と御一緒する幸運をいただきました。

 松下先生は、決して派手ではない、朴訥とした風貌の中に、控え目な語りの中に、日本人の信を伝えておられました。信頼が、言葉を超え、国境を越えてつながり合う、それこそが松下外交の真骨頂でありました。(拍手)

 そのような旅の傍らには、いつも優しくほほ笑む奥様、章子夫人の姿がありました。二人でいつも二人三脚、どんな困難も乗り越えてきたお二人は、特別な信頼で結ばれていました。家族のすばらしさ、大切さを教えてくださったのも、松下忠洋先生でありました。

 温容で愛情深く、誰に対しても優しかった松下先生のそのお姿を、もはやこの議場で目にすることはできません。

 松下先生、願わくば、あなたがこよなく愛した御家族をどうぞ温かく励まし、天国からお見守りください。そして、いつも日本の輝かしい未来を信じて突き進んだあなたのその不屈の精神が、いつまでも私たちの心に残りますように。

 我々議員一同は、松下先生の御遺志を継ぎ、震災からの復興、地域経済の安定と発展、諸外国との相互理解、そしてこの国の未来を担う子供たちのために全力を尽くしてまいりますことをお誓い申し上げます。

 ここに、ありし日の松下先生の面影をしのぶとともに、その御功績をたたえ、心からの御冥福をお祈りし、松下忠洋先生を愛し、支えてくださった多くの皆様に心からの感謝を申し上げ、追悼の言葉といたします。(拍手)

     ――――◇―――――

 日程第一 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

 日程第二 年金生活者支援給付金の支給に関する法律案(第百八十回国会、内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第一、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案、日程第二、年金生活者支援給付金の支給に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長長妻昭君。

    ―――――――――――――

 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案及び同報告書

 年金生活者支援給付金の支給に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔長妻昭君登壇〕

長妻昭君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、平成二十四年度及び平成二十五年度における基礎年金の国庫負担割合について、年金特例公債の発行による収入金を活用した財源の確保により二分の一とする等の措置を講ずるとともに、年金額等の改定の特例措置による年金額等の水準について、平成二十四年度から二十六年度の三年間で段階的に適正化しようとするものであります。

 なお、本案は、去る七月三十一日、基礎年金の国庫負担の財源等について内閣修正が行われております。

 次に、年金生活者支援給付金の支給に関する法律案について申し上げます。

 本案は、高齢者や障害者等の生活を支援するため、年金収入等が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者等に対し、福祉的な給付として年金生活者支援給付金を支給しようとするものであり、

 第一に、前年の年金収入等が老齢基礎年金満額を勘案した額以下である等の要件に該当する老齢基礎年金の受給者に対し、保険料納付済み期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金を支給することとし、所得基準を一定程度上回る所得の者に対しても、補足的老齢年金生活者支援給付金を支給すること、

 第二に、前年の所得が一定の基準以下の障害基礎年金または遺族基礎年金の受給者に対し、障害年金生活者支援給付金または遺族年金生活者支援給付金を支給すること

等であります。

 両案は、第百八十回国会に提出され、継続審査となっていたものであり、今国会においては、昨十四日三井厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。

 次いで、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対し、民主党・無所属クラブ・国民新党より、特例水準の年金額について、段階的に、平成二十五年十月分から一%、平成二十六年四月分から一%、平成二十七年四月分から〇・五%適正化すること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取し、両案及び本修正案について質疑を行いました。

 質疑終局後、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対し、みんなの党より、基礎年金国庫負担割合二分の一を確保する財源として年金特例公債を活用する旨の規定を削除すること、特例水準の年金額について、段階的に、平成二十五年四月分から一・三%、平成二十六年四月分から一・二%適正化すること等を内容とする修正案が提出され、趣旨説明を聴取いたしました。

 次いで、両修正案について内閣の意見を聴取した後、討論、採決を行った結果、みんなの党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、民主党・無所属クラブ・国民新党提出の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決し、年金生活者支援給付金の支給に関する法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案(内閣提出)

議長(横路孝弘君) 日程第三、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長五十嵐文彦君。

    ―――――――――――――

 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔五十嵐文彦君登壇〕

五十嵐文彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、最近における国の財政収支が著しく不均衡な状況にあることに鑑み、平成二十四年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めるとともに、平成二十四年度及び平成二十五年度において、基礎年金の国庫負担の追加に伴いこれらの年度において見込まれる費用の財源を確保するため、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行によって増加する消費税の収入により償還される公債の発行に関する措置を定めるものであります。

 本案は、去る十一月八日当委員会に付託され、翌九日、城島財務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りました。

 昨日、民主党・無所属クラブ・国民新党、自由民主党・無所属の会及び公明党の三会派共同提案に係る、平成二十四年度から平成二十七年度までの間の各年度における公債の発行に関する特例措置等を定める修正を行うとともに、当該公債を発行する場合において、政府は、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、各年度において当該公債の発行額の抑制に努めるものとする規定の追加を行うほか、附則に、政府は、平成二十四年度の補正予算において、政策的経費を含む歳出の見直しを行い、同年度において当該公債の発行額を抑制するものとする規定を追加する修正案が提出され、提出者から趣旨の説明を聴取した後、本案及び修正案について、野田内閣総理大臣に対する質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって修正議決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 討論の通告があります。順次これを許します。玉城デニー君。

    〔玉城デニー君登壇〕

玉城デニー君 私は、国民の生活が第一・きづなを代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。(拍手)

 討論に入る前に、まず、野田政権の沖縄に関する政策や対応について、強く抗議を申し上げなければなりません。野田総理を初め閣内閣僚は、野田政権の発足以来、これまで、国家の主権者たる沖縄県民の声にほとんど耳を傾けようとせず、それどころか、県民の人権をも大きく毀損するようなことを繰り返してきているからであります。

 米海兵隊MV22オスプレイの普天間基地強行配備に対し十万余の県民が反対の声を上げた九・九県民大会の決議も、県議会並びに県内四十一全ての市町村が決議した反対の意思も、総理は一顧だにしていないではありませんか。

 米海軍兵士による女性暴行事件、空軍兵士による住居侵入、中学生殴打、器物破損事件などが連続して発生する異常な状態は、国民がひどく傷つけられているというように、総理御自身が国民を守らねばという強い危機感を持って、米軍のみならず米国政府に対しても、国家の領袖としての厳格な申し入れができるはずであります。しかし、残念ながら、総理から、その思いは全く伝わっておりません。

 県民がこれまでも強く求めている我が国の民を守るための地位協定の抜本改正についても、総理自身が責任をとる決意は見えてこないのです。片方の舌で基地の負担軽減を言いつつ、もう片方の舌で日本がどうこう言えることではありませんと言ってしまうことが、その真意とは別に、県民に大きな政治不信の波を広げてしまっているのです。

 総理、ことしの五月二十五、二十六日に沖縄で開催されました第六回太平洋・島サミットのことを覚えておいででしょうか。太平洋にある十三の島嶼国家の元首をお迎えして開催される一大外交イベントのスタートを飾る、総理が主催した晩さん会のことです。一通り挨拶や乾杯が進み、会場も笑顔と和やかなムードのうちにフィナーレとなり、各国首脳の皆さんと、総理も、総理の奥様も御一緒になって思い思いに踊った沖縄伝統のカチャーシーのことを。

 そのときの様子は、プレス民主六月八日増刊号の表紙の写真に見られるように、国の区別もなく打ち解け合い、国の違いを超えて晴れやかに、これから始まる島嶼サミットの成功を誰にも思わせる、すばらしい外交の一場面ではなかったでしょうか。

 総理は、後日、御自身のブログで、太平洋をつなぐ島国精神、互いに酒を酌み交わし、ともに踊り合うことで、確かに心が通じ合えた気がします、島国を生きる者同士が共通に持っている何かに響くものがあったからかもしれません、その関係を支えるのは、太平洋を分かち合う友人としての信頼関係にほかなりませんとつづっておられます。

 信頼得ずして為政なし。総理には、いま一度、この言葉の持っている深甚な思いを、飢餓や災害や戦争の歴史をも乗り越えんと努力してきたあまたの沖縄県民の声なき声として、心にとどめていただきたいと思います。

 さて、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案、いわゆる特例公債法案は、本来は、既に成立している本年度予算と一体として速やかに審議、可決されるべき一体関連法案です。

 本年度予算案は、私も、採決当時は与党の議員として予算案に賛成いたしました。しかし、さきの国会で廃案となり、今回の国会に提案されているこの特例公債法案は、民主、自民、公明の三党合意により修正提出され、年金特例公債に係る規定が新たに追加されました。

 しかし、この新たに追加された年金特例公債については、平成二十四年度及び二十五年度分をつなぎ国債として発行し、さらに、二十六年度以降については消費税の増税をもってその償還分の財源とするもので、消費税増税に反対する我が党としては、到底賛成できるものではありません。

 そして、さらに、昨日十四日財務金融委員会へ提出された三党合意による修正案に至っては、憲法と財政法に定められた財政の原則を逸脱し、財政規律の歯どめを外すことにつながる重大な問題を持つものであります。

 特に、平成二十四年度から平成二十七年度まで立法措置なしに赤字国債を発行できるとすることは、予算の単年度ごとに国会がチェックする機能をも奪うものであり、到底容認できるものではありません。

 その問題だらけのでたらめな修正案もわずか二時間余りの審議で採決に持ち込むという愚かな事態に至っては、我が国の民主主義と国会の審議を冒涜するに値する蛮行だと言わざるを得ません。

 そもそも、今後の我が国における経済情勢をしっかり監視しなければ消費税を増税できるのかどうかも極めて不確実なのであり、経済の好転をもってそのときの政府が決定すると法文で規定されているはずの消費税増税のための重要な必要条件が付されているにもかかわらず、まるで、既に増税が決まったかのように、それこそ先食いするような形で年金の財源に充てるということは、極めてこそくであり、国民に対して甚だ不誠実であると言わざるを得ないのであります。

 先般、総理への代表質問で、国民の生活が第一・きづなの牧議員から、この法案原文から消費税増税分を担保とする年金特例公債の発行に関する条文の削除を提起させていただくという質問提起があったとおり、我が党は、特例公債の発行について、当初の内容であれば反対する理由はありませんでした。

 しかし、安定財源を求めるが余り、インフレは冷やす、デフレは温めるという、経済においての原則中の原則をもひっくり返すような、厳しい状況を逆に深刻化させていくことが明らかである消費税増税をその財源とする特例公債法案について、賛成することはできません。

 収入が乏しい低所得層への対策や、価格に転嫁できない中小零細企業への対策などの議論も先送りになった不安なままで、国民の皆さんは果たして納得できるというのでしょうか。

 内閣官房社会保障改革担当室が八月に成立した増税法をもとにしてまとめた試算では、四十歳以上の夫、専業主婦の妻、二人の小学生がいる世帯で年収三百万の場合、消費税で年間八万二千円、家計全体負担額で何と二十七万三千円の負担増と出ています。四十歳未満の単身世帯でも、年収三百万世帯で、消費税負担額が年間六万二千円、社会保険料などを加えた家計全体では十一万円という試算が出されています。

 仕事が減る、収入がふえない、こういう景気の中で、それだけの負担を国民に強いるということが現実となっていいんでしょうか。

 今月十二日に内閣府が発表した二〇一二年七月から九月期のGDP(国内総生産)速報値は、実質で〇・九%減、年率換算で三・五%減となっており、三四半期ぶりのマイナス成長です。残念ながら、景気が後退局面に入ったとの見方を強める結果ということになりました。我が国の景気全体は、やはり、いまだ成長の緒についていないという現実であります。

 今ここで行うべきは、消費税大増税に走らずに、まず真っ先に、その不況の状態から脱するため、国を挙げての金融経済政策を行うことであり、ひいては税収増へとつなげていくことを明確な目標にする、確実な成長戦略の実行に尽きるのではないのでしょうか。国民の生活が第一の目標を掲げ、内需拡大によって経済活動を伸ばし、市場等に活況を起こすような政策を真摯に議論して、果敢に進めていくことではないでしょうか。

 以上の点を申し上げ、本特例公債法案に反対の意見を述べて、私の討論を終わります。

 ニフェーデービタン。(拍手)

議長(横路孝弘君) 斉木武志君。

    〔斉木武志君登壇〕

斉木武志君 民主党の斉木武志です。

 民主党・無所属クラブ・国民新党を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律案について、賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 まず、野田総理、きのうの決意表明、私は、本当に感銘を受けました。

 国民に、これから消費税の負担をお願いしていく。そして、きょう、こうした形で将来の世代に国債の発行をお願いしていく。国民に負担をお願いするのであれば、まず我々こそが身を切らなければならない。まさに身を切る解散ですね、総理。

 本当に身を切る覚悟を持っているのはどの政党なのか、来る衆議院選挙で国民の皆さんの判断を仰ぎたいと思います。

 さて、ことし、平成二十四年度の予算が動き出してから既に八カ月です。年末を目前にして、いまだその財源が成立していない異常な状態が続いています。予算の執行を抑制せざるを得ず、多くの地方自治体が借り入れをしてしのいでいる状況です。

 特例公債法案の成立を政権を揺さぶるための駆け引きにこれ以上使い続けることはできない、国民の生活そのものが成り立たなくなる、この危機感を多くの議員に共有していただけた結果が、本日の採決だと思います。

 今回、民主、自民、公明の三党が特例公債の発行に関して合意に達したことは、評価されてしかるべきです。

 今日、我が国の財政は、公債発行なしには成り立ちません。これは、どの政党が政権を担おうとも、変わらぬ事実です。

 したがって、向こう三年間の特例公債の発行、これを認めた合意は、与野党ともに、国民生活の安定を最優先に考え、今後は公債発行を政争の具にはしないという宣言であります。この衆参のねじれが続く中で、決めるべきことを決めていく、ねじれを超える仕組みづくりの第一歩として評価されるべきだと考えています。

 しかしながら、これによって無制限に公債が発行されて、さらに国の借金が膨れ上がるようなことは、断じて許されません。

 特例公債の発行は、あくまで、財政法、特に財政法四条の特例であり、たとえ多年度発行が認められたとはいえ、我々国会議員が、国の借金が積み重なっていく状況を傍観しているわけにはいきません。財政規律を維持するためには、国会議員が緊張感を持って国の財政状況を注視し続け、国会において十分に審議して、その上で予算と一体で公債の発行を認めるというあり方が必要です。

 さらに、特例公債の多年度にわたる発行を認めたことが、財政健全化を諦めたかのように受けとめられることがあってはなりません。

 我々民主党政権では、プライマリーバランスの赤字対GDP比を、二〇一五年度までに二〇一〇年度水準から半減し、二〇二〇年度までには黒字化をさせるという目標を掲げています。また、自民党が提出されていた財政健全化責任法案においても、同様の目標を掲げていたと承知しています。

 政府におかれては、予算財源の安定的な確保が決して財政規律を緩めるということにつながらないよう、財政健全化目標の実現に向けた厳格な財政運営を行うことを強く求めます。

 先日、ことしの七月から九月期の実質GDP、三期ぶりのマイナス成長となったことが発表されました。景気の状況は極めて厳しいものとなっています。

 今、我々がなすべきことは、景気の失速を回避し、回復基調に転ずるためにあらゆる努力をすることです。厳しい国民生活を放置して、いつまでも政治的な駆け引きに明け暮れている場合ではありません。特例公債法案を速やかに成立させて、予算の執行抑制を一刻も早く解除することが必要です。

 野田総理は、きのう、まず身を切る覚悟を示しました。そして、我々は、この後の総選挙の結果にかかわらず、特例公債を政治の駆け引きには使わない、国民生活を優先して政争を封印するというルールをつくりました。

 我々政治家は、国民生活のために存在します。それを最優先に考えてきたのは誰なのか、来る総選挙で国民の皆様に訴えていくとともに、国民生活のための政治家という我々の原点を、いま一度ここにいらっしゃる全ての議員に思い出していただいて、本案が満場の賛成をもって成立することを祈念して、私の賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 佐々木憲昭君。

    〔佐々木憲昭君登壇〕

佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表し、公債特例法案に対し、反対の討論を行います。(拍手)

 野田内閣は、さきの通常国会で廃案となったものと全く同じ内容の法案を提出したのでありますが、その後、民自公三党の合意によって、重大な修正が加えられました。

 公債特例法案は、予算と一体のものであります。

 野田内閣による今年度予算は、消費税増税を前提としており、さらに、年金の支給額の削減、子ども手当の削減など、社会保障の連続改悪を進めるものとなっております。

 これは、国民の暮らしも、経済も財政も破壊する道に踏み出すものであり、このような予算には賛成できませんし、この予算を支えるために多額の赤字国債を発行することは、到底認めるわけにはいきません。

 議員立法による修正部分について言えば、民自公三党で確認書が交わされ、議員立法として昨日提案されたばかりであります。しかも、提案したその日に、財務金融委員会で質疑を行い、質疑終局、採決を行ったのであります。余りにも乱暴であり、委員会における充実した審議を否定するこんなやり方は、到底受け入れられる話ではありません。厳しく抗議するものであります。

 やり方も乱暴ですが、修正内容にも重大な問題が含まれています。

 修正案では、二〇一二年度から二〇一五年度までの四年間、特例公債の発行を自動的に認める内容となっております。

 憲法八十三条は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定めております。どこから財力を調達するかも含め、主権者である国民を代表する国会の議決に基づくものとしているのであります。

 憲法八十六条は、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」と、予算の単年度主義を規定しております。

 その上で、財政法第四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」としているのであります。公債や借入金は、財政法では認めていないのであります。これは、過去の戦争で、戦費調達のために大量の国債を発行し、国家財政と国民生活を破綻させた、痛苦の経験があったからであります。

 財政法第四条で辛うじて認めているのは、公共事業等のための公債発行と借入金だけであります。それも、返済計画を提出するなどの条件つきなのであります。

 かつて、大平正芳大蔵大臣は、一九七五年十二月、衆議院大蔵委員会で、赤字国債発行について、こう述べたことがあります。

 財政法は、公債の発行は四条国債以外認めていないわけでございます、特例国債の発行が習い性となっては困るわけでございますので、異例の措置であればその年度限り、その特定の目的のためにこれだけのものをお願いするというように限定しなければならぬと。

 公債特例法案は、閣法として出し、その都度国会の承認を得るというのが原則であり、単年度に限定したのは、財政規律を保つための最低限の措置だったのであります。

 一体、民自公三党は、この重みをどのように受けとめているのでしょうか。公債特例法案を政局の駆け引きの道具にし、そのあげく、もう邪魔だからという理由でその限定を外してしまうのは、余りにも御都合主義ではありませんか。

 もしも四年にわたって特例公債の発行を認めれば、財政規律はどうなるのか。二〇一三年度、一四年度、一五年度の予算は、まだ、全く影も形もないではありませんか。どのような内容の予算が組まれるかわからないのに、赤字公債の発行だけを先に認めてしまう。まさに、赤字国債発行自由化法案ではありませんか。

 中期財政フレームで歯どめをかけるとか公債の発行額の抑制に努めるという努力規定を入れても、全く歯どめにはなりません。フレームは、単なる枠組みであり、入れ物であります。

 予算編成の内容はそのときの政権の判断で決められますから、赤字国債は、予算の組み方によっては、幾らでも自動的に発行できるのであります。

 しかも、国会のチェック機能を今後三年にわたって奪うことになるのであります。議会制民主主義の重大なじゅうりんであります。

 自民党の国土強靱化計画によれば、十年で二百兆の大規模投資を行うとしております。その上、最初の三年間を集中期間とし、十五兆円を追加投資すると書かれております。つまり、三年間の投資は毎年二十五兆円となり、法案の骨子には、日本再生債を創設すると書かれております。これは、赤字国債の増発ではありませんか。

 総選挙後に仮に自民党政権ができると仮定すると、二〇一三年度から二〇一五年度までの三年間は、どんな大規模な予算を組んでも自由に赤字国債を発行できることとなるのであります。これは、消費税増税前に際限のない無駄遣いに道を開くことになり、財政破綻の危険性をますます高めることになるのであります。

 なお、民自公の三党合意に基づいて行われたさきの内閣修正は、本年度分の基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げるための財源を、当初案の交付国債から年金特例国債に変えるというものであります。

 そのような修正を加えても、償還財源に消費税増税分を充てることに何ら変わりはありませんので、賛成できません。

 以上で反対討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) 齋藤健君。

    〔齋藤健君登壇〕

齋藤健君 自由民主党の齋藤健です。

 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、賛成の立場で討論を行います。(拍手)

 本法案は、平成二十四年度予算の財源のうち、全体の四割、三十八・三兆円の赤字国債発行を法的に担保し、予算執行を財源の面で裏づけるものです。

 我が党は、平成二十四年度予算に反対いたしました。本来であれば、予算と一体のものである公債発行特例法案には賛成できないことは言うまでもありません。

 しかし、今回、我が党が賛成するに至りましたのは、我が党がかねてから主張してきた、平成二十四年度予算の膨張した歳出を見直し減額補正を行うこと、及び、予算案と公債発行特例法案の一体処理の必要性を、与党民主党が認めて、本法案を修正することで合意したからであります。

 昨年八月にも、自公民の三党合意により、平成二十三年度の国債発行特例法案の成立の道筋をつけましたが、その際も民主党は今回と同じように歳出見直しの約束をしましたが、高校無償化の政策効果の検証を怠るなど、平成二十四年度予算においても約束は守られず、水膨れ予算となりました。あげくの果ては、我々との真摯な政策協議を避け続け、公債発行特例法案成立の遅延を招きました。どうして民主党の皆さんは、こうも約束を守れないのでしょうか。

 ところで、国の歳出である予算案と、歳入を確保するための本法案は、同じタイミングで成立させるのが今までの慣例でありました。そのため、自公政権では、当初予算案と公債発行特例法案を同時に成立させるように、最大限の努力をしてまいりました。

 ところが、民主党政権においては、そのような、真摯で責任感ある態度が全く見られません。

 昨年に続き、今年度も、憲法上規定された衆議院の優越規定を使って予算のみを通す一方で、政府・民主党は、公債発行特例法案は野党が反対しているから通りませんと言うばかりで、与野党が一致して賛成できるような知恵を示した上で成立を図ろうとする働きかけや努力をしてきませんでした。

 政府・民主党は、本年三月末の時点で、公債発行特例法案を参議院に送ったら否決される可能性があるから予算案と分離して処理するという判断をいたしました。それなのに、この夏の通常国会の会期末に、成立まで何の展望もないまま、この法案を強引に参議院に送付したあげく、廃案にしてしまったのはなぜでしょうか。意味がわかりません。

 野田総理は、衆参両院で与野党の賛同を得られるような環境整備に努めていきたいと三月の時点で述べておられました。それから既に八カ月が経過いたしました。今回、自民、公明、民主三党政調会長会談において、ようやく本法案を修正することで合意しました。

 しかし、余りにも遅過ぎませんか。政府・民主党は、なぜ、予算の執行を抑制して地方自治体等に迷惑をかける前に今回のような案を我々に提示しなかったのでしょうか。政権を担う者の責任感と能力が余りにもなさ過ぎる。政権与党として恥ずべき醜態だと私は思います。

 ところで、今、議場に席を占めている民主党議員の皆さんは、無駄をなくせば十六・八兆円の財源が捻出できる、そうすれば消費税を上げずとも月額二万六千円の子ども手当の支給、高速道路無料化、農業者戸別所得補償、高校無償化のばらまき四K政策の実施は可能だと言って当選してきたのではありませんか。違いますか。その責任をどう感じていますか。

 結果は、本年度においては、その四分の一以下の約三・九兆円しか捻出できていません。結局、民主党が政権をとってから編成した予算は、三年連続で、税収より借金が多いという無残な姿となりました。

 これに対し、我が党は、現実を直視した上で、政権与党時代から、消費税率の引き上げはやむを得ないと訴えてきました。

 これに反対し続けた当時の野党民主党は、政権交代後も、菅前総理が財務大臣時代の予算委員会で、消費税率の引き上げについては、逆立ちしても鼻血も出ないというほど完全に無駄をなくしたと言えるところまで検討しないと言っていました。

 ところが、突然、方針転換をされ、さきの総選挙で、マニフェストについて、書いてあることは命がけで実行する、書いていないことはやらないんです、それがルールですとまで断言した野田総理が、書いていない消費税率引き上げを命がけで実行することになったのです。これは、明らかに、国民に対する裏切りではありませんか。あの夏の日の演説は、一体何だったんでしょうか。

 それでも、我が党は、一体改革関連法案は、国家国民のために、苦しくとも通すべきと判断し、加えて、野田総理自身が、マニフェストで国民を裏切ったことを重く考え、法案が成立した暁には近いうちに国民に信を問うと約束したため、自公民三党合意がなされ、この歴史的な法案は成立しました。

 暁どころか、三カ月余りが経過いたしました。総理は、あす、この約束を、人として実行しなければなりません。

 近いうちに返すからという言葉を信じてお金を貸したのに、いつまでたっても返してくれない、そういう状況になったら、誰でも、一体いつ返してくれるのか、そう聞くのは当たり前ではないでしょうか。そして、いつ返すのかはっきりしてくれと申し上げたら、今度は、これをやったら返してやると、新しい条件をつけてくる。

 これが正直者のやることでしょうか。学校の先生がどう言ったか知りませんが、一つだけ確かなことは、そういう方に二度とお金を貸す人はいないということです。(発言する者あり)

議長(横路孝弘君) 静粛に願います。

齋藤健君(続) それでもなお、我が党は総理が突然追加的に出された新条件に誠実に対応することといたしましたが、信頼関係は崩壊しております。野党の協力を得なければ物事が進まないねじれ国会のもとでは、このことは致命的であります。

 もはや、野田政権には、あす衆議院を解散する以外に、我が国の国政を前進させる道はなくなりました。

 民主党政権のこの三年二カ月の間、日本の外交はどうなりましたか。

 日米関係はどうなりましたか。インド洋での給油、給水活動から撤退し、普天間で迷走し、アメリカ大統領にトラスト・ミーと悪ふざけをし、元首相がイランを訪問する。

 日中関係はどうなりましたか。日韓関係はどうなりましたか。いずれも戦後最悪ではないですか。

 日ロ関係はどうなりましたか。日本の領土はどうなっていますか。

 経済はどうなりましたか。アンチビジネス対策のオンパレードで、企業が雪崩を打って海外に出ていってしまっていませんか。

 震災復興は進んでいますか。増税までして確保した復興予算は、ちゃんと使われていますか。自分でつくった予算を自分で仕分けするなんていう茶番を、税金を使ってまでまさかやらないでしょうね。

 不適任な大臣は、一体何人出ましたか。

 あきれ果てて離党した仲間は、一体何人いますか。それも自民党政権の負の遺産ですか。

 マニフェストはどうなりましたか。ガソリンは下がりましたか。年金通帳は配られましたか。高速道路は無料になりましたか。これも自民党政権の負の遺産ですか。

 今、マニフェストを準備されているそうですが、そんなものを受け取る有権者はおりません。もはや、これ以上、言葉のやりとりは必要ない。あとは剣を交えるのみ。

 終わります。(拍手)

議長(横路孝弘君) 平智之君。

    〔平智之君登壇〕

平智之君 私は、みんなの党を代表して、特例公債法案に反対の立場で討論いたします。(拍手)

 特例公債法案の成立がおくれることで国民に大きな支障が生じることは、異論の余地もありません。各種地方公共団体等の一時借入金六千三百億円と金利負担七千五百万円は、看過できるものではありません。

 みんなの党も、こうした支障が地方に生じることは決して許されることではなく、一刻も早い予算の執行が必要であると考えております。

 しかしながら、一昨日十三日に確認された民自公三党合意に基づく特例公債法案修正案には、賛成することができません。この三党合意は、重大な問題をはらんでいるからです。

 周知のとおり、赤字公債は、財政法第四条第一項で禁じられており、したがって、特例公債法とは、本来発行してはならない赤字公債を、毎年度国会で議決して、特例中の特例として発行するための法律であります。

 ところが、三党確認書には、平成二十七年度までの間、特例公債の発行を認めるものとするとし、これを本年度の特例公債法案の本則に規定するものとしました。つまり、我が国の財政の基本法たる財政法に、本年度を含めて今後四年間毎年違反すると明記するのが、このたびの特例公債法修正案であります。

 ただいまこの場で決議されようとしている特例公債法修正案は、財政規律はおろか、法治国家の根幹を揺るがす重大な法律違反を法律に規定するという法律である点で、立法府の国会が決して認めてはならないことを強く主張いたします。

 今私たち国会に課されているのは、いかにすれば財政規律と法をゆがめずに各種地方公共団体等に向けて一刻も早い予算執行を実現するかであります。そのための方法として、既に政府は、財務省証券、または日銀からの一時借入金の活用を国会から授権しております。

 財政法第七条第一項には、国庫金の出納上必要があるときは、財務省証券を発行し、または日本銀行からの一時借入金をなすことができるとしており、この規定に基づいて、本年度は、予算案において、二十兆円までの証券発行または一時借入金ができることを、この衆議院の本会議の場で、本年三月八日に既に決議しているのであります。

 なぜ、政府は、法が認め、国会から授権した二十兆円を使わずに、あえて財政規律と法を著しくゆがめる特例公債法案を通そうとするのでしょうか。

 それは、野田総理のお考えにあります。

 一昨日十三日の衆議院予算委員会において、みんなの党の江田憲司委員の質問に対し、総理は、こう言われました。

 残念ながら、この特例公債法の扱いが、政局的に、余りこういうことは言いませんが、なかなか物事が進まない実情の一つの大きな要因になっているという現状を鑑みて、予算と特例公債、当面発行せざるを得ないのですから、それは一体処理した方がよいという私の思いで提案させていただきましたと。

 総理は、御答弁の中で、明確に、政局のために法をゆがめますと言われたのです。政局より政策と一貫して主張してこられた総理が、政局のためには法に抵触してもよいと答弁されたのです。票の格差が違憲状態のままで政局のために解散・総選挙を御決意になったのと、同じ構造ではないでしょうか。

 私は、このような、財政規律と法をゆがめる特例公債法修正案ではなく、既に国会で決議した、財務省証券、または日本銀行からの一時借入金二十兆円を活用して、直ちに各種地方公共団体等に予算を措置することを強く主張いたします。

 その上で、減額補正をし、復興予算等の無駄遣いを解消し、消費税増税を担保としたつなぎ国債発行規定の削除をすれば、私どもみんなの党としても直ちに特例公債法案に賛成することを申し上げまして、反対の討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 竹内譲君。

    〔竹内譲君登壇〕

竹内譲君 私は、公明党を代表して、特例公債法案に対する民主、自民、公明三党提出の修正案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)

 私は、これまでも、政府・与党が水膨れの予算にかたくなにこだわり続け、何ら事態打開への方策を示さずに放置したままでは、国会での膠着状態を突破できるはずはないと指摘してまいりました。

 しかし、ようやく一昨日に至り、事態を打開するため、特例公債法案の成立に向けて、民主、自民、公明の三党が知恵を出し合い、合意を得て、修正案が提出されました。

 以下、合意及び修正案の具体的内容に沿って考え方を申し述べます。

 第一には、合意、修正案では、今後編成される補正予算において、政策的経費を含む歳出の見直しを行うこととし、具体的には、既存の予算を見直して減額補正する旨が規定されている点は率直に評価します。

 ばらまきのマニフェストを初め、水膨れの歳出構造になっている予算の見直しは不可欠であり、この点が法的にも担保されました。解散・総選挙により国民の信任を得た新政権が速やかに補正予算の中で見直しを行うことを期待します。

 第二には、予算と特例公債法案の一体処理に関する新たなルールとして、平成二十七年度までの間、特例公債の発行を認めることとした点です。

 我が国財政の健全化が内外における緊急の課題であり、また、当分の間、特例公債を発行せざるを得ない財政状況であることに鑑みれば、特例公債法案の多年度化という手法は、国民生活の混乱を招くことなく、予算との一体処理を行うための一つの方法であると考えます。

 また、歳入面で、多年度にわたり歳入を確保するための法律を定めることは、税法と同様に、必ずしも憲法八十六条に定める予算の単年度主義の趣旨に反することではありません。

 しかし、そもそも財政法の理念からすると、特例公債の発行は、あくまでも建設公債の原則の法律上の例外として、単年度に限定することによって、財政規律を重んじる姿勢を示すことであったと認識しています。

 さらに、立法府の立場からすれば、毎年度の予算審議に際し、財政法上の特例措置である特例公債の発行が国会のチェックを受けることなく素通りすることは財政規律を緩めるとの懸念が出てくるのは、当然であります。

 よって、今般の措置については、あくまでも時限的な、特例中の特例であることを深く認識しなければなりません。

 その上で、政府は、本修正によって財政規律が緩むことのないよう、これまで以上に厳格に予算の編成作業に取り組むべきであります。

 また、プライマリーバランスについて、平成二十七年度までに赤字の対GDP比を平成二十二年度の水準から半減し、平成三十二年度までに黒字化する目標について、その実現に万全を尽くすため、中長期の財政健全化計画を立案し、速やかに法制化を行い、国会に提出することが不可欠と考えます。

 一方、国会としても、毎年度の予算案あるいは決算等を通じて厳しくチェックしていくとともに、中長期の財政健全化法案の成立に尽力すべきです。

 私は、本修正案が持つ本質的な意義は、行政府と立法府が、一体となって取り組まなければならない財政健全化というまさに国を挙げた難事業、イバラの道に向けて、一致して踏み出す覚悟を共有することではないかと考えます。

 以上、本修正案に対する意見を申し述べましたが、今般の合意及び修正案も、政府・与党が主導したのではなく、むしろ、野党である自民党、公明党が主導し、事態打開へと導いたと言っても過言ではありません。

 結びに、公明党は、このたびの解散・総選挙を通じて、日本再建のために財政健全化に全力を尽くすことをお誓いし、私の討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(横路孝弘君) 中島隆利君。

    〔中島隆利君登壇〕

中島隆利君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、公債特例法案について、政府原案及び民主党、自民党、公明党提出の修正案のいずれにも反対の立場で討論を行います。(拍手)

 反対の第一の理由は、地方財政や国民生活に影響が出ないように手だてを講じる責任は政府・与党にあるにもかかわらず、民主党の強引な国会運営によって前国会で廃案となり、また、あすの消費税の増税を優先させ、きょうの歳入を脇に追いやったことへの反省が見られないことです。

 反対の第二の理由は、一般会計のうち四〇%を超える部分を赤字国債で賄う異常な構造となっているのに、所得税、法人税、資産課税における不公平税制の是正を行う姿勢や、大型公共工事や防衛関係費、原発関係予算などの抜本的な見直しが不十分であることです。

 反対の第三の理由は、年金特例公債が、国債発行額を約四十四兆円以下に抑えるという財政健全化目標との帳尻を合わせるためのびほう策であり、また、その償還財源が、国民の反対の強い消費税増税になっていることです。

 その後、民自公の政策責任者の協議により、二〇一五年度まで立法措置なしに赤字国債の発行を認めるなどの修正がなされましたが、到底認められません。

 第一に、またもや民自公三党の協議の結果の押しつけによる修正であるにもかかわらず、他の党に十分な審議の時間や機会を保障しないまま押し通そうとすることです。

 第二に、憲法と財政法上の財政原則を逸脱し、財政規律の歯どめを外すことです。

 憲法八十六条は、財政規律を保つ観点から予算の単年度主義を定め、また、財政法第四条第一項として、公債不発行主義を原則としています。そこで、赤字国債は、財政法上の特例として毎年度議決されてきたのです。

 しかし、今回の修正は、予算の単年度主義、公債不発行主義の原則に反するものにほかなりません。

 第三に、毎年度の特例公債発行法案の審議、採決という国会のチェック機能を棚上げすることは、官僚依存を強めるとともに、赤字国債の大量発行につながる可能性が十分にあることです。財政法第四条第一項ただし書きで認められている建設国債でさえ毎年度議決することになっているのに、財政法で認められていない特例公債を毎年度議決から外すのは問題です。

 最後に、昨日の党首討論を受け、民主、自民、公明の三党の談合で、来年にも衆議院議員の定数削減を決めることで合意したことは、選挙制度改革で各党合意を目指してきたこの間の経過からしても、断じて容認できません。

 野田内閣の姿勢は、消費増税の三党談合、原発再稼働や新規増設の容認、TPP交渉参加への急傾斜、オスプレイ配備の強行など、政権交代に託された国民の期待から大きくかけ離れています。

 社民党は、来る総選挙で、脱原発、消費増税反対などを鮮明に打ち出し、平和で安心して暮らせる社会を取り戻すために全力を挙げて戦うことをお誓い申し上げ、私の討論とさせていただきます。(拍手)

議長(横路孝弘君) 石関貴史君。

    〔石関貴史君登壇〕

石関貴史君 私は、日本維新の会を代表して、公債発行特例法案修正案に対して、賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 賛成の立場と申しましたが、重大な問題を含んだこの公債特例法案に対しての我が党の懸念を申し上げ、やむを得ない選択による賛成であることをまず明言いたします。

 私たち日本維新の会は、財政健全化の観点から、赤字国債の発行を現行水準で行っていくことには反対です。特例の名が示すとおり、言うまでもなく、国債発行は常に抑制的であらねばなりません。

 野田総理が訴えておられるとおり、財政健全化はまさに爛頭の急務であります。行政の無駄を排し、同時に、人口減少、高齢社会という国情に合わせた政治、行政の仕組みを大胆につくり上げる、それが現下の日本政治最大の課題であります。

 民主党が野党時代に主張していたことは、まさしくこれでした。時代環境に適した国づくりを行おうという民主党の理念に私も共鳴し大いに期待した一人であり、野田総理も、政治、行政のあり方を根本から見直そうという理想を持っていたと信じております。

 しかし、残念ながら、民主党政権は、マニフェストに掲げた政策に予算計上を重ねる一方、本来行うべき財源確保の根本的改革には手をつけることなく、結果として野方図な財政運営を続けた責任は大きなものであります。

 こうした政権運営により、公債発行特例法案の取り扱いそのものが政局に直結する事態を生んでいます。

 菅総理は、みずからの退陣の条件の一つに公債法の成立を挙げ、今また野田総理も、公債特例法の成立に政権の命運をかけざるを得ない事態に立ち至りました。

 そして、何より私たちが危惧するのは、公債特例法案が政争の具となることにより、国民経済に大きな不安と負担を与え、地方公共団体などに実質的な損害を出していることであります。

 私のふるさと群馬県でも、九月に三百二十六億円を受け取る予定でしたが、分割払いに伴う不足が生じ、九月に二百十七億円、十月に百九億円を銀行から借りる、まさに異常事態となっています。

 こうした国内各方面に影響が出ている状況で、これ以上、本法案の成立を先延ばしにするわけにはまいりません。

 私たちは、国民経済を混乱に陥れている不健全な予算執行の状態を是正するために、本法案に賛成するものであります。

 しかし、今回の修正案は、予算と特例公債の発行を一体として四年間自動的に発行を認めるという、特例を常態化させるものであり、財政規律のモラルを崩壊させかねない極めて問題のある法案であると考えます。

 予算と特例公債発行が初めからセットであれば、国家財政について、我々政治家の役割とは、そして国会の役割とは一体何なのか、根本から問い直さなければならないのではないかと考えます。

 三木内閣の大蔵大臣大平正芳先生が、赤字国債発行のための特例法案を恒久法案化することに強く反対をされたことはよく知られておりますが、単年度二兆円の赤字国債発行の決断でさえ、これをひどく恥じ、万死に値するとおっしゃっておられます。

 いわんや今回の法案は。

 三党談合によって、赤字国債を垂れ流しできるシステムを構築したことは、将来の財政健全化の道をも狭めるもので、本来であれば到底容認しがたく、今回の私たちの決断は苦渋のものであります。

 私たちは、この機会に、財政健全化の厳格な枠組みを別につくることを求めます。

 そのためには、国家財政に対しての公会計制度の本格導入が図られなければならないと考えます。国の一般会計、特別会計並びに連結対象の独立行政法人を含めて、公会計基準のもとに連結、精査し、財政運営の明確化を図る必要があります。

 例えば、さきに参議院で提出されている国の財政運営の透明性の向上等に関する法律案に示されるように、国家財政の規律ある運営を確保するために、国の財政運営に係る基本方針や目標を策定し、同時に、予定財務書類及び決定財務書類の作成と国会への報告等を定めることにより、国の財政運営の透明性を図っていくことが肝要であります。

 こうした財政健全化の仕組みを導入することの重要性を強く訴え、私たちの主張を十分に御理解いただいた上で、今回はやむなく賛成することを改めて表明し、日本維新の会を代表しての討論といたします。(拍手)

議長(横路孝弘君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

早川久美子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 渡辺周君外四名提出、国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、渡辺周君外六名提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 早川久美子さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案(渡辺周君外四名提出)

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案(渡辺周君外六名提出)

議長(横路孝弘君) 国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。議院運営委員長高木義明君。

    ―――――――――――――

 国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書

 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔高木義明君登壇〕

高木義明君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案は、我が国の財政状況や国民世論等を踏まえ、政治家みずから身を切る姿勢を示すことが求められていることから、本年四月に制定された国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律を改正し、国会議員の定数削減による歳出の削減の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、各議院の議長、副議長及び議員の受ける歳費及び期末手当をおのおの二〇%減額するものであります。

 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案は、同様の趣旨から、各議院の役員等に支給される議会雑費等を廃止するものであります。

 また、今国会の分の議会雑費等につきましては、国庫への自主返納ができることとしております。

 両法律案は、本日、当委員会に付託され、提出者渡辺周君から提案理由の説明を聴取した後、討論を行い、採決いたしましたところ、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、国会議員の歳費及び期末手当の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び裁判官弾劾法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

早川久美子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。

 第百八十回国会、参議院提出、公職選挙法の一部を改正する法律案、第百八十回国会、細田博之君外二名提出、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、安住淳君外三名提出、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(横路孝弘君) 早川久美子さんの動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(横路孝弘君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。

    ―――――――――――――

 公職選挙法の一部を改正する法律案(第百八十回国会、参議院提出)

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案(第百八十回国会、細田博之君外二名提出)

 公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案(安住淳君外三名提出)

議長(横路孝弘君) 公職選挙法の一部を改正する法律案、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長加藤公一君。

    ―――――――――――――

 公職選挙法の一部を改正する法律案及び同報告書

 衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案及び同報告書

 公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔加藤公一君登壇〕

加藤公一君 ただいま議題となりました各法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、参議院提出の公職選挙法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、参議院の一票の格差を是正するため、参議院選挙区選出議員の各選挙区の配分につきまして、神奈川県及び大阪府の議員定数を六人から八人に、それぞれ増員し、福島県及び岐阜県の議員定数を四人から二人に、それぞれ減員するとともに、平成二十八年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院のあり方、選挙区間における議員一人当たりの人口の格差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得るものとすることとしております。

 本案は、第百八十回国会の参議院提出に係るもので、本院において継続審査となっていたものであります。

 今国会においては、本日、参議院議員一川保夫君から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、平成二十二年の国勢調査の結果に基づく衆議院の小選挙区の改定案の作成に当たり、各小選挙区間における人口格差を緊急に是正するため、衆議院議員の定数を四百七十五人とし、小選挙区選出議員を二百九十五人とすること、また、衆議院の小選挙区は、別に法律で定めることとするとともに、いわゆる一人別枠方式を廃止し、都道府県ごとの小選挙区の数を〇増五減とし、格差二倍未満とする等、衆議院議員選挙区画定審議会が作成する改定案の作成基準等を定めることとしております。

 なお、本法の施行期日は公布の日からといたしておりますが、小選挙区選出議員の定数を五人削減することについては、衆議院の小選挙区を定める別の法律の施行の日から施行することとしております。

 本案は、第百八十回国会に提出され、継続審査となっていたもので、本日、提出者細田博之君から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 次に、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。

 本案は、衆議院の一票の格差を是正するため、いわゆる一人別枠方式を廃止するとともに、都道府県ごとの小選挙区の数を〇増五減とし、格差二倍未満とする等、衆議院議員選挙区画定審議会が作成する改定案の作成基準等を定めるとともに、衆議院議員の定数を小選挙区選出議員五人、比例代表選出議員四十人、計四十五人削減し、これに伴い民意が過度に集約されないようにするために比例代表の一部に連用制的比例枠を導入する等の臨時の措置を講ずることとするものであります。

 本案は、昨十四日に本委員会に付託され、本日、提出者松本剛明君から提案理由の説明を聴取した後、民主党・無所属クラブ・国民新党より、一票の格差是正に関する規定を削除し、定数削減及び民意が過度に集約されないようにするための臨時措置に関する規定のみとすることを内容とする修正案が提出され、修正案の趣旨の説明を聴取した後、質疑、討論、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(横路孝弘君) これより採決に入ります。

 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(横路孝弘君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(横路孝弘君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後五時四十三分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    樽床 伸二君

       財務大臣    城島 光力君

       厚生労働大臣  三井 辨雄君


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