衆議院

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第12号 平成26年3月28日(金曜日)

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平成二十六年三月二十八日(金曜日)

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  平成二十六年三月二十八日

    午後一時 本会議

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本日の会議に付した案件

 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑


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    午後一時二分開議

議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明

議長(伊吹文明君) まず、内閣提出、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣森まさこ君。

    〔国務大臣森まさこ君登壇〕

国務大臣(森まさこ君) ただいま議題となりました不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案の趣旨を御説明申し上げます。

 食品表示等の不正事案の多発や高齢者等の消費者被害の深刻化などにより、消費者の安全、安心が揺るがされています。消費者の安全を確保し、その不安を払拭するためには、事業者の法令遵守意識を高めていくことに加え、地方を初めとする消費者行政の基盤を着実に強化していく必要があります。

 このため、国及び都道府県の不当表示等に対する監視指導体制を強化するとともに、事業者に表示等に係る適正な管理体制の整備を義務づけるほか、地域の消費者を見守るため、関係機関の間で消費生活相談等により得られた情報を共有して利用できる仕組みを創設し、消費生活相談体制を強化するための所要の規定を整備するため、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、不当景品類及び不当表示防止法に関しては、事業所管大臣等に対して調査権限を、都道府県知事に対して措置命令権限等を付与することができるものとします。また、事業者が表示等を適正に管理するために必要な体制の整備等の措置を講じることを義務づけます。

 第二に、消費者安全法に関しては、地方公共団体が、見守り等の活動を行う消費者安全確保地域協議会を組織できるようにし、消費者の利益の擁護または増進を図るための活動等を行う消費生活協力団体または消費生活協力員を委嘱できるものとします。

 消費生活相談等の事務については、都道府県が、市町村に対して助言及び協力するほか、事務の共同処理等に関する必要な調整等を行うこととし、都道府県及び市町村が事務の一部を一定の基準に適合する者に委託できるものとします。

 消費生活センターについては、新たに規定する消費生活相談員資格試験に合格した者等である消費生活相談員が消費生活相談の事務に従事することとし、消費生活相談員資格試験を実施する登録試験機関制度を設けます。

 第三に、不当景品類及び不当表示防止法につき、政府は、この法律の施行後一年以内に、課徴金に係る制度の整備について検討を加え、必要な措置を講ずるものとします。

 以上、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第です。(拍手)

     ――――◇―――――

 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

議長(伊吹文明君) 国務大臣の趣旨の説明に対して質疑の通告がありますので、順次これを行います。まず、郡和子君。

    〔郡和子君登壇〕

郡和子君 民主党の郡和子です。

 ただいま議題となりました不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)

 本法律案は、昨年発生した外食メニュー表示の虚偽表示問題や、近年深刻化を増している高齢者等の消費者被害問題を背景に提出されたものです。

 我が党は、こうした問題に対して実効性ある措置を早急に講じ、全ての消費者が安全、安心の消費活動、消費生活が送れる社会を構築するべきであり、ひいては、事業活動の適正な発展を促すことにつながり、健全な経済発展に結びつくものと考えています。

 したがって、本法律案は、消費者の目線、国民の目線に立ち、慎重な審議を強く望むものであります。

 では、森消費者担当大臣と新藤総務大臣に質問をいたします。

 まず、森消費者担当大臣にお尋ねいたします。

 今回改正する二つの法律、景品表示法と消費者安全法は、消費者にとって、消費生活に深くかかわる重要な法律ですが、それぞれ目的の違う法律です。なぜ、一本にまとめて改正することとしたのか、その理由とその狙いについて、お答えください。

 外食メニュー表示の虚偽表示問題が発覚した昨年の十月、森大臣は、特定秘密保護法案の答弁の担当要員の任を優先し、消費者担当大臣としての職を後回しにされました。消費者問題を専門に扱ってきた数少ない弁護士と胸を張っていらっしゃいましたが、特定秘密保護法案のために消費者行政をないがしろにした姿勢は、厳しく問われるものでした。委員会開催のたび重なる要求にもお応えいただけなかったことは、残念で残念でなりませんでした。

 遅きに失した感は否めませんが、対処すべきとして検討された今回の景品表示法の改正について、森担当大臣に伺います。

 景品表示法は、食品のみならず、全ての商品やサービスに関する不当な表示を禁止する法律です。一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると誤認される表示、いわゆる優良誤認表示についての規定がありますが、その禁止規定の解釈基準が曖昧で、わかりにくいとの指摘がなされています。

 景品表示法に係るガイドライン等が既に示されていて、今なお誤った表示が繰り返されているのはなぜだとお考えですか。また、この問題に対して、どのような対応策を講じられるのですか。

 行政の監視指導体制強化についてお尋ねをいたします。

 昨年来の食品虚偽表示、この問題に対応するため、農林水産省の食品表示Gメン等の職員に対し、一時的に消費者庁職員への併任を行って、研修等を実施した後、景品表示法に基づく外食店への監視業務を行うこととされました。

 この任命は、二月二十六日付で、合計二百九十人の職員に半年間の併任発令を行ったものです。

 わずか二百九十人程度の職員で全国の外食店への監視業務を担うというのは、十分な監視体制と言えるのでしょうか。また、本改正案の施行までの間、継続した監視業務体制をつくっていくべきですけれども、消費者庁はどのように考えますか。

 本改正において、都道府県知事に対して措置命令権限を付与することとされていますが、各都道府県において、迅速、適切に同執行権限に当たるための環境整備もあわせて必要だと考えています。具体的にどのような施策をお考えでしょうか。お答えください。

 また、改正第十二条第十一項の、政令に基づく都道府県への委任権限とは、具体的にどのような内容を規定される予定か、お答えください。

 次に、事業者の表示管理体制の強化と不当表示再発防止策について伺います。

 事業者の表示管理体制の強化として、事業者が講ずべき表示等管理上の措置が規定され、この構ずべき措置について必要な指針を定めることとされておりますが、この指針は、実効性を担保し、再発防止策を示すことが重要と考えられますが、いつまでに、どのような内容の指針を策定するお考えでしょうか。

 課徴金制度の導入に係る検討規定について伺います。

 本法律案第四条に、課徴金制度の導入に関して、施行後一年以内に検討を加え、必要な措置を講ずると規定されております。現在、同制度については、内閣総理大臣からの諮問を受けて、消費者委員会の専門調査会で議論がなされており、夏ごろをめどに答申を出すとされています。

 課徴金制度は、不当表示により得られた利益を事業者から剥奪し、公正で健全な経済活動を行うためにも有意義であると考えています。

 我が党は、可及的速やかに検討がなされ、同制度導入に係る法改正を早期に行うべきと考えますが、答申後の日程をお答えください。

 また、課徴金が課されるに当たっては、故意なのか、過失なのかなど、賦課要件を明確にし、事業者の経済活動を萎縮させることがないよう配慮する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 次に、第百八十三回国会で成立した食品表示法との兼ね合いについてです。

 表示は、消費者が自主的な選択をするためにも、重要な情報です。消費者は、事業者から提供された情報を信じるしかありません。今回の消費者の信頼を裏切る食品虚偽表示問題の重大性を踏まえますと、全ての違反表示に対し、早急に厳正な対応を講ずる必要があると考えます。

 政府は、本改正案において、景品表示法の見直しで対処しようとしていますが、同改正のみならず、平成二十七年六月施行予定の食品表示法の中食、外食においても、虚偽表示を許さないと明確に禁止する規定を盛り込むなどの検討もあわせて行う必要があると考えますが、いかがでしょう。

 そして、消費者安全法の改正についてです。

 高齢者からの消費生活相談は、高齢人口の増加率を大きく上回るペースで急増しており、悪質商法の手口も巧妙化しています。さらに、二次被害に遭う高齢者も増加していて、相談一件当たりの契約金額やその支払い額も高額化するなど、深刻な問題となっています。

 こうした問題に対処するため、消費者庁は、本改正案に、消費者安全確保のための地域の見守りネットワークを構築するとし、関係機関により構成される消費者安全確保地域協議会を設置し、地域で見守り活動を行う消費生活協力員や消費生活協力団体ほか、病院、教育機関その他、関係機関、関係者を必要に応じて構成員とするとしています。

 しかし、これが、それぞれの特性を生かし、本当に機動的な運営ができるのか心配しています。

 そこで、伺いたいと思います。

 実効性ある被害防止策の観点から、具体的に、どのような組織を構成し、人材を活用し、見守りネットワークとして機能させていくおつもりか、高齢者ばかりでなく、障害者などへの対応についても十分に配慮した施策とする必要があると考えますが、あわせてお答えください。

 消費生活相談員の法的位置づけについて、これまで不明確であったところ、本改正案で、地方公共団体において消費者の相談業務及びあっせん事務を行う者として、消費生活相談員職が明記されることとされました。

 このことは、消費者が安心して相談することができ、また、事業者とのあっせんを円滑に図ることにもつながるもので、行政内においては、その職務に係る理解を深め、処遇の改善、雇いどめ防止、質の向上にもつながるものと、高く評価できると考えます。

 本改正案では、消費生活相談の全国的な水準の確保と質の向上を図るため、資格試験制度を設けることとされています。

 この新たな制度については、一部消費者団体から反対の意見も出されています。このような中で、消費者と向き合い、事業者と交渉する現場の消費生活相談員の活動に無用な混乱や不安が生じないよう、どう対応を講じるおつもりですか。

 現在も、消費生活相談員の資格試験を行っている団体がありますが、この三団体と今回創設の資格制度との関係性がわかりにくく、現場において混乱が生じる可能性も考えられます。現在の資格保有者が引き続き円滑に消費生活相談業務が担えるよう、その経過措置についてもお答えいただきたい。

 次に、消費生活相談員の守秘義務規定と罰則について伺います。

 本改正案では、消費生活相談員に対し、守秘義務規定と、違反した場合の罰則が規定されています。これまでも行政職員としての守秘義務は当然かかっていたわけですけれども、本改正案において、守秘義務規定と、懲役または罰金による罰則規定が明記されました。その理由をお尋ねします。

 また、この守秘義務に関しては、ガイドラインを策定することとしていますが、被害の未然防止、再発防止の観点から、情報の共有が有用であることも十分に踏まえ、消費生活相談員の活動に支障が生じないよう、明確なガイドラインの策定と周知徹底が重要であると考えます。

 今後策定するとしている同ガイドラインはどのような内容を予定しているのか、お答えください。

 消費生活相談員の処遇改善について、新藤総務大臣に伺います。

 相談員の処遇改善については、消費者庁と総務省とがしっかりと連携をし、都道府県、市町村の首長や職員に対し、消費生活相談員の職の重要性等について理解を深めてもらうことが重要と考えます。

 民主党政権下において、消費生活相談員の処遇改善や雇用期間の制限、いわゆる雇いどめについて、松原仁担当大臣名や阿南消費者庁長官名で総務省及び地方公共団体の長に対し要請を行い、また、消費者委員会の建議においても示されてきたところです。

 総務省は、これらの要請、建議を受けて、これまでにどのような対応を講じてこられたか、また、今後どのような処遇改善策を講じるおつもりか、あわせてお答えください。

 本改正案においては、都道府県、市町村における消費生活相談等の体制整備規定、消費生活相談員職の法的位置づけ、消費生活センターを設置していない市町村に対し消費生活相談員設置の努力規定、都道府県に、市町村の消費生活相談等に係る援助等を行う指定消費生活相談員設置の努力規定などが盛り込まれました。

 地方行政を所管する総務大臣としては、本改正案の趣旨を踏まえ、どのように受けとめておられるか、地方行政を所管する総務大臣、ぜひお答えいただきたいと思います。

 また、総務省として、本改正の趣旨を最大限実現するために、具体的にどのように取り組まれるおつもりか、答弁を求めます。

 消費税増税を前に、消費者の自主的かつ自立した消費活動を支援することは、これまで以上に強く求められていると思っています。

 本法律案は、消費者の選択に資するための正確な情報の提供や、高齢者等の消費者被害を未然に防ぐための、重要な法改正だと思っています。十分な審議がなされ、実効性ある法改正になることを期待し、私の代表質問を終わります。(拍手)

    〔国務大臣森まさこ君登壇〕

国務大臣(森まさこ君) 郡議員にお答えをいたします。

 景品表示法と消費者安全法を一括して改正する理由と狙いについてお尋ねがありました。

 本法案は、消費者庁及び消費者委員会設置法附則第四項において、「地方公共団体の消費者政策の実施に対し国が行う支援の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずる」とされていることなどを踏まえ、消費者被害を防止し、消費者の安全、安心を確保するという統一的な政策のもと、不当表示の多発や高齢者の消費者被害の深刻化といった現下の課題に対応し、地方消費者行政の基盤強化等を図る観点から、両法において必要な措置を講ずるものであります。

 両法の改正部分が相まって、国、地方公共団体、関係する団体や個人の連携、協力を確保することにより、消費者被害を防止し、消費者の安全、安心を確保してまいります。

 繰り返される不当表示への対応策についてお尋ねがありました。

 景品表示法の考え方については、これまで、過去の執行事例をもとに各種ガイドラインを作成するとともに、説明会の開催等による普及啓発に努めてきておりますが、残念ながら、不当表示の事案は後を絶ちません。

 そこで、引き続きこれらの普及啓発活動を強化するとともに、本法案において、事業者の表示等の管理上の措置を義務づけ、かつ行政の監視指導体制の強化を図ることにより、違反行為の未然防止力や、違反行為が生じた場合の執行力を強化します。

 加えて、不当表示への抑止効果を一層高める観点から、将来的に、課徴金制度についても必要な措置を講じます。

 食品表示等問題への監視体制についてお尋ねがありました。

 今般の併任発令は、緊急的措置として、表示の監視指導体制を強化する観点から、機動的に活用できる人員として、二百九十人の農林水産省の職員に発令を行ったものです。これにより、全国的に、幅広く事業者を巡回して、景品表示法の違反摘発に必要な事実関係の調査が行えるものと考えています。

 関係省庁の協力を得ながら、切れ目なく、必要な表示の監視が行われるよう、体制の強化に努めてまいります。

 都道府県知事に対する権限の付与についてお尋ねがありました。

 改正後の景品表示法第十二条第十一項の、政令に基づく都道府県知事の権限としては、調査権限、合理的根拠提出要求権限及び措置命令権限を規定することを予定しています。

 それらの権限を迅速、適切に行使できるようにするため、都道府県担当職員に対し、日常的な協力、連携をさらに密に行いつつ、消費者庁が示している法運用の考え方や具体的な執行事例について、一層の周知を行います。

 指針の策定時期と内容についてお尋ねがありました。

 指針は、公布後できる限り早期に、事業者、消費者の意見を幅広く聴取しながら、パブリックコメント等の手続を経た上で、策定します。

 その内容としては、法執行の透明性や事業者の予見可能性を高めるため、表示等を適正に管理するために必要な体制の整備に関する事項など、事業者内部において必要な措置を示す予定です。

 課徴金制度導入に関する答申後の日程についてお尋ねがありました。

 消費者庁としては、消費者委員会での御議論をにらみながら、課徴金制度導入に係る法案提出に向けた作業を同時に進めており、六月にも予定される答申を踏まえ、できる限り早く法案を提出したいと考えております。

 課徴金制度のあり方についてお尋ねがありました。

 課徴金制度のあり方については、現在、内閣総理大臣からの諮問を受けた消費者委員会において御議論いただいているところであり、消費者庁としても、事業者による正しくわかりやすい表示を促進し、消費者の自主的かつ合理的な選択に資する制度となるよう、御指摘の観点も含め、制度設計について検討してまいります。

 食品表示法に虚偽表示を禁止する規定を盛り込むことについてお尋ねがありました。

 食品表示法は、食品について、事業者の自主性に任せていては十分な情報提供がなされない事項の表示を義務づけようとするものであるのに対し、景品表示法は、事業者がさまざまな創意工夫によって表示を行うことは認めつつ、その不当な表示をした場合に禁止をするものであって、そもそも両者は、その趣旨、目的が異なります。

 また、不当な表示は、食品以外の多様な商品、業種でも発生しているため、すき間なく消費者利益を守るためには、景品表示法違反に対する執行力の強化によって対処していくことが必要かつ適切であると判断しました。

 消費者安全確保地域協議会を機能させていくための方策についてお尋ねがありました。

 消費者安全確保地域協議会の構成員や具体的な活動内容は、地域の実情に応じてそれぞれの協議会で決定できる仕組みとなっていますが、その際の参考とすべく、消費者庁において、全国の効果的な取り組み事例を収集し、広く発信していくこととします。

 また、消費生活上特に配慮を要する消費者を見守る現場において、消費者の見守りと他法令に基づいて実施されている支援活動等との有機的な連携を促進するため、消費者庁から関係省庁や関係機関に対して、それぞれの所掌事務と消費者行政との連携の強化を働きかけていきます。

 消費者安全確保地域協議会における障害者等への対応についてお尋ねがありました。

 消費者安全確保地域協議会においては、消費生活上特に配慮を要する消費者に対して見守り等の活動を行うこととしており、地域の実情に応じて、見守り活動の対象を判断することとしています。

 障害を持つ消費者に対しては、障害の特性に応じた適切な方法による情報の提供が必要であり、高齢者とともに見守りの対象とすることは、大変意義のあることと考えております。

 今回の新たな資格制度に対する現場の対応策についてお尋ねがありました。

 新たに資格試験制度を設けることに対して、既存の資格試験制度との兼ね合いから、消費者団体等からさまざまな御意見を伺っています。

 消費生活相談員の職や資格試験制度を法律に位置づけることは、まさに、現場の消費生活相談、あっせん業務の実効性を向上させ、消費生活相談員の処遇改善にもつながるものであることを引き続き説明し、御理解を得られるよう努力してまいります。

 また、現行の三つの資格保有者の将来の職への不安を払拭できるよう、本法案施行後も引き続き任用され得るよう所要の経過措置を設けてまいるほか、御意見や御不安に丁寧に対応してまいります。

 現行の三資格の保有者の経過措置についてお尋ねがありました。

 現行の三つの資格のいずれかを保有する者を位置づけることを念頭に、本法案附則第三条において、事務に従事した経験のある者については、消費生活相談員資格試験合格者とみなし、それ以外の者については、講習会の課程を修了した場合には、施行後五年に限り合格者とみなす規定を置いています。

 なお、経験する必要のある事務については、関係者の意見を聞きつつ、内閣府令で定めてまいります。

 消費生活相談員に守秘義務を課すことの理由についてお尋ねがありました。

 消費生活相談員の約半数は特別職の地方公務員であるため、現状、地方公務員法上の守秘義務が課されていません。

 そのような中でも適切に相談業務が行われているものと承知していますが、今般、消費生活相談等により得られた情報を地域で行う見守り活動において活用するためのルールづくりを行うことから、その一環として、消費生活相談の事務に従事する者に対しても罰則つきの守秘義務を規定することとしたものです。

 消費生活相談員の守秘義務に関するガイドラインについてお尋ねがありました。

 ガイドラインについては、関係者の御意見を踏まえ、相談者等を匿名化して消費生活相談の事例研究を行うことは可能であるなど、具体的な例を挙げつつ、適切な情報の取り扱い方法を明確に示すとともに、このガイドラインの周知徹底を図ってまいりたいと考えております。(拍手)

    〔国務大臣新藤義孝君登壇〕

国務大臣(新藤義孝君) 郡議員から、二点のお尋ねをいただきました。

 まず、消費生活相談員の処遇改善などについて。

 総務省といたしましては、消費生活相談員を含む臨時、非常勤職員の任用について、制度の趣旨、勤務内容に応じた任用、勤務条件となるよう、これまでも必要な助言を行ってきたところであります。

 また、特に消費生活相談員につきましては、その専門性に配慮した任用と処遇がなされるべきとの要請や建議がなされたところであり、総務省としては、この要請に留意するよう、各地方公共団体に対し呼びかけてきたところでございます。

 総務省といたしましては、今後とも、消費生活相談員を含む臨時、非常勤職員の任用や処遇について、地方公共団体に対し必要な助言等を行ってまいります。

 次に、本改正案の趣旨を最大限実現するための総務省の取り組みについてお尋ねをいただきました。

 私といたしましては、今回の消費者安全法改正案において盛り込まれた消費生活相談員の法的位置づけの明確化などについては、地方における行政サービス充実の観点から重要であるというふうに認識をしております。

 総務省としては、これまでも、地方において消費生活相談業務の重要な一翼を担っている臨時、非常勤職員について、適切な任用と処遇が確保されるよう、必要な助言等を行ってきたところでございます。

 今後、本改正案の趣旨を最大限実現するための方策については、所管省庁である消費者庁とよく相談しながら取り組んでまいりたいと存じます。(拍手)

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議長(伊吹文明君) それでは、次の質疑者、椎木保君。

    〔椎木保君登壇〕

椎木保君 日本維新の会国会議員団の椎木保でございます。

 不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律案について、日本維新の会を代表して質問させていただきます。(拍手)

 森大臣、大臣が金融庁に出向していたとき大臣みずからの体験を語った新聞記事を拝見した記憶があります。大臣が中学生のころ、お父様が御親族の借金の保証人となり、負債を抱えられ、連日連夜ドンドンドンと自宅のドアをたたく借金取りの余りの怖さに、御家族で布団をかぶって震えていたという内容です。

 そのときに出会った弁護士の姿を見て、大臣は、弱者救済を胸に刻み、弁護士となり、とりわけ消費者問題に精力的に取り組まれてきたことは、私たちも理解しております。

 そうした御経験をお持ちの森大臣が、今回、この法案を提出され、制度設計、環境整備を進められることは、消費者、生活者、市民が主役の社会づくりを目指す私たち日本維新の会とも同じ地平を共有しております。

 去年、著名なホテル、百貨店、レストラン等で相次いで発覚したメニューの偽装表示問題を、単なる不祥事で終わらせてはなりません。消費者の信頼を著しく裏切るばかりか、アレルギー情報が伝わらないという安全、安心上の問題、真面目に料理に取り組んでいる方、食材を提供してきた生産者にさえも疑念を持たれてしまいます。

 こうした問題を放置するならば、食品サービス産業全般のモラルハザードを招き、食文化をおとしめ、ユネスコに登録されている、和食の世界無形文化遺産認定にも水を差す事態にも発展しかねない、ゆゆしき事態だと私たちは認識しております。

 景品表示法の改正について伺います。

 今回の一連のメニュー偽装問題における悪質なケースの中には、本来提供すべき料理を提供しなかった点で、民事上の債務不履行や不当利得、また、消費者を錯誤に陥らせて利益を得た点で、刑事上の詐欺罪が成立する可能性があるものがなかったのか。もしあるとすると、今回の法改正のみで、今後、悪質なケースを本当に防止することができるのか。お考えを伺います。

 国の執行体制の強化について伺います。

 消費者庁長官の調査権限を各事業所管大臣等に委任するとありますが、主な省庁は管区や地域に出先機関を持ちますが、消費者庁そのものには、出先機関はありません。

 消費者庁がつくる基準や運用について、各地域や現場で連携がとれるのかどうか、体制構築が可能かどうか、十分な監視や取り締まりができるのかどうかをお伺いいたします。

 都道府県の執行体制の強化について伺います。

 現行の景品表示法に基づく法的措置件数の推移を見ていきますと、二〇〇三年度から二〇一三年度までの間、一件も法的措置を行っていない県が、青森、富山、石川、福井、山梨、三重、岡山、広島、鹿児島と、九県あります。現行でも都道府県ごとに執行実績のばらつきがあるのが現状です。

 景品表示法は、その対象、適用範囲があらゆる商品とサービスにわたる上、基準や判断も大変難しいという認識は、私たちも共有しております。あらゆる商品とサービスにわたるからこそ、現行でも執行実績にばらつきが見られることからこそ、統一的、組織的に対応することが求められています。

 都道府県による監視指導体制の強化とうたいますが、ワンストップ体制で適切な対応を図ることができるように、法解釈、運用基準の明確化、地方公共団体からの問い合わせへの対応、財源と人員確保、相談員のスキルアップ等、これらの点についてどのような方策をお考えなのかを教えてください。

 今般の食品偽装問題では、実は、アレルギー物質が含まれていた食材を使用していたことが発覚しております。食物アレルギーのある消費者本人はもちろん、一緒に食事をする家族や友人にとっても、快適で豊かな消費生活を送るための重要な課題です。

 外食、中食へのアレルギー表示について、可及的速やかに義務づける必要があると思います。大臣の御決意を披露していただきたいと思います。

 法改正の施行後一年以内に必要な措置を講ずるとした、課徴金制度についてお伺いします。

 不当表示等の不祥事案撲滅に向けた実効性のある抑止策、取り締まりの基準をしっかり策定した上で、一罰百戒の効果があらわれるよう、早期に導入する必要があると考えます。また、その使途は、消費者被害回復のための訴訟制度等の基金創設に利用することなどが考えられます。

 ココ山岡事件やオレンジ共済事件の被害者救済に奔走された御経験を持つ大臣です。課徴金制度の導入を早めるお考えをお持ちでしょうか。

 消費者安全法の改正について伺います。

 改正案の主な項目を拝見いたしますと、確かに、一歩前進と感じる点もあります。

 改正案には、消費者安全確保地域協議会の組織化、消費生活協力団体及び消費生活協力員の委嘱、地方公共団体の長に対する情報提供等、消費者保護に向けた取り組みの文言が並んでいます。

 しかし、一方で、私が今述べた文言がなぜ今まで実践できなかったのか。とりわけ、おじいちゃん、おばあちゃんを狙った悪質商法の被害がここまで広がるまで、なぜ立法府で、もっと真剣に議論し、取り組むことをしなかったのか、できなかったのか。今回改めて消費者行政の現状を検証し、私は、立法府に身を置く者の一人として、今この議場で、心からの反省を感じていることを、まず皆様に申し上げておきます。

 各都道府県は指定相談員をどのような基準で任用するのか、その基準要件は明確になっているのかをお伺いします。

 相談員の確保、スキルについてお伺いします。

 消費生活相談員の地域別資格保有率は、南関東や近畿ブロックでは八割以上ですが、五割程度の地域も存在し、偏在しています。

 全国一律で同じ水準の相談を受けられる体制を整備する観点から、これまで地方の相談体制について明確な整備目標を示すことがなかったことも問題だと思いますし、来年度当初予算では三十億円の地方向け財源を確保したのですから、地域偏在についてどのような対策をお持ちなのかを教えてください。

 消費生活相談員は、法律や経済の知識だけではなく、福祉に関する知見、日々報道されるニュース、交渉力、説得力等、極めて多岐にわたる能力、そして反射神経も求められる立場です。いわば、その人の人生経験全てをもってして相談に当たる業務であるとともに、法律を含めた最新の情報、状況への対応も求められます。

 こうした相談員のスキルアップ、全国一律での技能研修や、最新情報の共有ができるのかどうか、いま一つわかりません。

 今回設置が予定されています消費者安全確保地域協議会は、消費相談を受ける場としての位置づけなのか、それとも、悪質商法や事故の情報が全国で共有できる閲覧システム等や相談員のスキルアップができるような、総合的な、地域の消費者行政拠点として位置づけ、運用していくという視点をお持ちかどうか、大臣のお考えを教えてください。

 また、協議会の事務従事者や、消費生活協力団体の役職員、消費生活協力員には、秘密保持義務が課せられています。秘密を守ることはもちろんですが、秘密保持の面ばかりが余りに優先され、消費者保護のための必要な情報が伝わらないという事態が起こらないようにするために、どのような方策をお考えですか、お聞かせください。

 次に、相談業務の民間委託のあり方についてお尋ねします。

 行政と民間の協働は、消費者問題だけでなく、暮らしの安全、安心を確保していく上で、今後ますます進めていかなければなりません。

 現在、全国で七十八の地方公共団体が相談の民間委託を行っているとのことですが、委託した地方公共団体は受託者に対して定期的な検証や評価を行っているのかどうかを教えてください。

 消費者教育の推進について伺います。

 先般、消費者庁は、二〇一三年に発生した悪質商法や誇大広告等による消費者被害額を約六兆円とする推計値を公表しました。国内総生産の約一%という巨大な額に上り、件数は一千十万件、単純計算で、国民の十三人に一人がトラブルに遭遇し、一人当たり、平均で五十九万円を支払ったことになります。

 こうした状況のもと、一昨年八月、消費者教育の推進に関する法律が成立し、国及び地方公共団体は、消費者教育の推進に係る方針、計画を策定し、消費者被害の防止に向けた消費者教育の総合的かつ一体的な推進を図るとされました。

 今回の消費者安全法改正案四条六項では、「消費者教育を推進し」と盛り込まれています。

 まず、消費者教育推進法の、一年半の総括を述べてください。

 また、今回の改正案で目指す消費者教育の推進とは、具体的にどういう内容なのか、消費者教育推進法との違い、整合性を教えてください。

 さらに、単に商品知識や法律を知る消費者教育だけではなく、消費者の自立や、持続可能で、環境に配慮し、公正公平な経済活動を目指すエシカル消費教育についてもあわせて取り入れる方針をお持ちかどうかも教えてください。

 この消費者安全法改正案を改めて検証しますと、私は、せっかくの法改正がテクニック論に終始していると総括せざるを得ず、少し残念な気持ちもあります。

 しかし、森大臣、大臣が胸に刻まれている弱者保護という旗印のもと、社会的包括戦略という大きな視点で、孤立から、支え合いの社会、それらを実現するため、寄り添い型の相談支援事業を展開していくため、何よりも、安心と共生の市民社会に向けての消費者行政の一層の推進を図ることは、我が日本維新の会は、何でも反対の野党ではなく、良識ある政党としての判断をして、維新の良心に基づき、心から賛同いたします。

 我が党も、悪質商法の撲滅、消費者への啓発運動を展開していくことを、この場でお約束いたします。

 ゆえに、これまで述べてきた質問に対し、具体的かつ前向きな御答弁を重ねてお願いし、日本維新の会の代表質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

    〔国務大臣森まさこ君登壇〕

国務大臣(森まさこ君) 椎木議員にお答えをいたします。

 本法案により悪質なケースを防止できるのかということについてお尋ねがありました。

 個別の事案については、民事上の債務不履行や不当利得、刑事上の詐欺の成立いかんについて判断する立場にはないことを御理解いただきたいと思います。

 本法案は、事業者に表示等の管理上の措置を義務づけるとともに、行政の監視指導体制の強化を図ることにより、違反行為の未然防止力や、違反行為が生じた場合の執行力を強化するものです。

 加えて、不当表示への抑止効果を一層高める観点から、将来的に課徴金制度についても必要な措置を講ずる旨の規定を本法案において盛り込んでおります。

 これらによって、偽装表示の防止を図ってまいります。

 国の執行体制の強化に係る連携体制のあり方についてお尋ねがありました。

 各事業所管省庁やその出先機関と協力して法執行を行っていくために、あらかじめ、担当職員への研修等を通じて、景品表示法の考え方や個別事案の処理手続等が、担当する出先機関まで行き渡るようにするとともに、具体的に調査を委任するに際しては、委任先省庁との間で、連絡調整窓口や情報伝達経路を明確化するなど、必要かつ十分な連携体制を構築して、効果的な法執行を確保いたします。

 都道府県による監視指導体制の強化のため、景品表示法の統一的な運用等に関して、適切な対応を図るための方策についてお尋ねがありました。

 法解釈、運用基準の明確化については、法執行に係る情報共有システムを活用して必要な情報交換を行うほか、相談員のスキルアップも含め、消費者庁が示している法運用の考え方や具体的な執行事例について、都道府県担当職員に対し、日常的な協力、連携をさらに密に行いつつ、一層の周知を行っていきます。

 財源については、相談員への研修や法執行等の強化を図るための施策として、地方消費者行政活性化交付金を活用していただくことも考えられます。

 人員確保については、今回の措置命令権限の付与が全国知事会の要望に応えるものであり、各都道府県の御努力に期待しますが、合理的根拠提出要求権限をあわせて付与することにより、調査の効率化が見込まれます。

 都道府県からの問い合わせの対応については、今後も、引き続き、消費者庁が日常的にその都度相談に応じていくことといたします。

 外食、中食におけるアレルギー表示の義務づけについてのお尋ねがありました。

 食物アレルギーは、場合によっては命にかかわることもあるため、アレルゲン情報が適切に提供されることが望ましいと考えます。

 一方で、外食、中食では、注文に応じてさまざまなメニューを手早く調理することも求められ、調理器具等からの意図せぬ混入を防止するための対策を十分にとることが難しいという課題などがあります。

 こうしたことを踏まえ、アレルギー患者や事業者団体等から幅広く意見を聞きながら、実行可能性のあるアレルゲン情報の提供促進のための方策について検討を行ってまいります。

 課徴金制度導入に係る措置を行う時期についてお尋ねがありました。

 課徴金制度のあり方については、現在、内閣総理大臣から諮問を受けた消費者委員会において御議論いただいているところです。

 消費者庁としては、消費者委員会での御議論をにらみながら、課徴金制度導入に係る法案提出に向けた作業を同時に進めており、六月にも予定される答申を踏まえ、できる限り早く法案を提出したいと考えております。

 指定消費生活相談員の指定要件についてお尋ねがありました。

 本法案では、都道府県の指定消費生活相談員の指定要件として、新たに定める消費生活相談員資格試験に合格していること、消費生活相談員としての一定の実務経験を有することの、二点を規定しています。

 このうち、必要な実務経験の具体的期間については、今後、関係者の意見を聞いた上で、内閣府令で定めます。

 消費生活相談員の地域偏在についてお尋ねがありました。

 当初予算における地方消費者行政活性化交付金の大幅な増額を踏まえ、本年一月、地方消費者行政活性化基金を通じた当面の政策目標としての地方消費者行政強化作戦を定め、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制を全国的に整備することとしています。

 本強化作戦では、消費生活相談員の配置率や資格保有率の目標値を具体的に定めており、都道府県ごとにその達成を目指してもらうことにより、消費生活相談員の地域偏在の解消を目指します。

 消費者安全確保地域協議会の位置づけについてお尋ねがありました。

 消費者安全確保地域協議会は、基本的には、その地域において、高齢者等の、消費生活上特に配慮を要する消費者を見守り、消費者被害の防止や被害への迅速な対応を行えるようにするため、見守り関係者間で必要な情報を共有することを可能とする拠点として位置づけるものです。

 具体的な運用方針は各協議会が定めることとしているため、議員御指摘のように、地域の消費者行政拠点としても活用していただくことは十分考えられます。

 消費者安全確保地域協議会の構成員及び消費生活協力団体、消費生活協力員に対する守秘義務の運用についてお尋ねがありました。

 消費者安全確保地域協議会の構成員及び消費生活協力団体、消費生活協力員は、消費者安全の確保のため、見守り等の地域に密着した活動を行う中で個人情報を取り扱うことがあり得るため、個人情報保護のための義務を課すこととしました。

 これをしっかりと守っていただきながら、これらの方々の本来の活動の目的が達成されるよう、消費者庁において、適切なガイドラインを整備してまいりたいと思います。

 消費生活相談業務の民間委託の検証についてお尋ねがありました。

 消費生活相談業務の民間委託について、地方公共団体自身が検証した内容まで把握しておりませんが、消費者庁では、民間委託を行っている地方公共団体に対して、昨年六月に消費生活相談業務の民間委託の実態調査を実施し、その効果等を検証したところです。

 本調査によれば、民間委託の効果として、消費生活相談の質の向上や、土日祝日開所の実現などの体制の充実等といったことが挙げられる一方で、電話がつながらないなどの、サービスの低下等も指摘されています。

 いずれにせよ、消費生活相談等の事務を委託しても支障が生じないよう、必要な基準を整備します。

 消費者教育推進法が成立してからの、一年半の総括についてのお尋ねがありました。

 消費者教育推進法の成立後、二十四年十二月には、消費者庁に消費者教育推進会議を設置し、二十五年六月には、「消費者教育の推進に関する基本的な方針」を閣議決定いたしました。

 その後、その基本方針に掲げられた「今後検討すべき課題」について、消費者教育推進会議において議論しています。

 また、地方において、その基本方針を踏まえ、現在までに、八都府県一政令市で消費者教育推進基本計画が策定され、十四都府県二政令市で消費者教育推進地域協議会が設置されたところです。

 誰もが、どこに住んでいても、生涯を通じて、さまざまな場で消費者教育を受けることができる機会を提供するため、地域の取り組みを積極的に支援します。

 消費者教育の推進に関し、消費者教育推進法との整合性についてお尋ねがありました。

 本法案において消費者教育の推進を明記した趣旨は、消費者安全の確保を図る上で、被害に遭わない、合理的な意思決定ができる消費者を育成するためには消費者教育を推進することが不可欠であることを明らかにするものです。

 具体的には、今般の法改正により創設する消費者安全確保地域協議会の活動や、消費生活協力団体及び消費生活協力員を含めた多様な主体の連携などの地域の取り組みを、消費者教育の推進に関する基本的な方針に基づき、積極的に支援してまいります。

 エシカル消費教育への取り組みについてお尋ねがありました。

 消費者教育推進法においては、消費者が、みずからの消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境にも影響を及ぼし得るものであることを自覚して、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会を、消費者市民社会と定義しています。

 議員御指摘のような教育への取り組みについては、消費者市民社会の形成に積極的に参画する消費者を育成する取り組みに包含されており、今後とも、こうした観点に十分配慮しながら、消費者教育を推進してまいります。(拍手)

議長(伊吹文明君) 以上をもって、予定されております質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

議長(伊吹文明君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時五十七分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       総務大臣    新藤 義孝君

       国務大臣    森 まさこ君

 出席副大臣

       内閣府副大臣  岡田  広君


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