衆議院

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第10号 平成27年3月13日(金曜日)

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平成二十七年三月十三日(金曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十七年三月十三日

    午後五時 本会議

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十七年度一般会計予算

 平成二十七年度特別会計予算

 平成二十七年度政府関係機関予算

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案(古川元久君外三名提出)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後五時二分開議

議長(町村信孝君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

橘慶一郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(町村信孝君) 橘慶一郎君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 平成二十七年度一般会計予算

 平成二十七年度特別会計予算

 平成二十七年度政府関係機関予算

議長(町村信孝君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。予算委員長大島理森君。

    ―――――――――――――

 平成二十七年度一般会計予算及び同報告書

 平成二十七年度特別会計予算及び同報告書

 平成二十七年度政府関係機関予算及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔大島理森君登壇〕

大島理森君 ただいま議題となりました平成二十七年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、予算三案の概要について申し上げます。

 平成二十七年度一般会計予算の規模は九十六兆三千四百二十億円であり、前年度当初予算に対して〇・五%の増加となっております。

 歳出のうち、国債費を除いた基礎的財政収支対象経費の規模は七十二兆八千九百十二億円であり、前年度当初予算に対して〇・四%の増加となっております。

 歳入のうち、公債金は三十六兆八千六百三十億円で、公債依存度は三八・三%となっております。

 特別会計予算については、十四の特別会計があり、会計間の取引額などの重複額等を控除した歳出純計額は百九十五兆八百十五億円となっております。

 政府関係機関予算については、株式会社日本政策金融公庫など四機関の予算を計上しております。

 なお、財政投融資計画でありますが、その規模は十四兆六千二百十五億円で、前年度当初計画に対して九・六%の減少となっております。

 この予算三案は、去る二月十二日本委員会に付託され、同月十八日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、翌十九日から質疑に入り、基本的質疑、一般的質疑、集中審議、石川県と島根県における現地視察及び地方公聴会、中央公聴会、分科会を行うなど、慎重に審査を重ね、本日締めくくり質疑を行いました。

 審査においては、経済・財政・金融政策、アベノミクスと地方創生、社会保障・雇用政策、格差問題、外交・安全保障政策、歴史認識問題、東日本大震災からの復旧復興対策、農協改革問題、エネルギー政策及び原発再稼働問題、政治資金をめぐる諸問題など、国政の各般にわたって熱心に質疑が行われました。その詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。

 かくして、本日、質疑を終局いたしましたところ、維新の党及び日本共産党から、それぞれ、平成二十七年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨の説明がありました。

 次いで、予算三案及び両動議について討論、採決を行いました結果、両動議はいずれも否決され、平成二十七年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。小川淳也君。

    〔小川淳也君登壇〕

小川淳也君 民主党の小川淳也でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出、平成二十七年度予算三案について、反対の立場から討論いたします。(拍手)

 まず初めに、三月も半ばに差しかかった今、既に予算の年度内成立は困難な情勢であり、いまだ本院において予算案を議論していること自体が政治の停滞であります。これはそもそも、昨年の解散・総選挙が強引、無理筋のものであり、いわばこうした党利党略が国民生活を人質にとったものにほかならず、改めて苦言を呈し、反省を求めたいと思います。

 加えて、予算案の審議に際しては、閣僚席からのやじが円滑な審議を妨げ、質問には直接関係のない答弁が延々と続けられ、議論の深化も妨げられました。さらに、あろうことか、総理みずからが閣僚席から事実誤認の不規則発言を繰り出し、後日訂正、謝罪するという前代未聞の事態に至りました。国会の歴史に大きな汚点を残すものであり、まことに遺憾、大いに反省を求めるものであります。

 さて、予算審議開始早々に、西川前農林水産大臣が政治資金問題に関連をして辞任、下村文部科学大臣にも不透明な政治活動の疑惑が連日報じられています。また、西川前大臣の辞任当日には、同じ農水省の中川政務官が軽率な行動で政権への信任を傷つけるなど、予算の中身以前の問題として、内閣の資質について大いに議論せざるを得なかったことは、まさに国民にとって不幸であり、巨大与党の緩み、おごりのあらわれではないか。猛省を促したいと思います。

 政治と金の問題をめぐっては、昨日も、補助金を受けた四十五の企業から自民党の政治資金団体国民政治協会に資金が流れている実態が明らかとなりました。

 結局、自民党は変わっていない、変わったように見えてもなかなかその本質は変わらない、改めてそのことを実感します。

 そして、政権与党、ましてや補助金交付に影響を及ぼす閣僚が補助金交付先から資金を得たのでは、政策決定や予算執行に疑念を持たれるのは当然です。総理は事の重大性を深く認識し、西川前大臣や下村大臣、また、過去問題となった事案の当事者に対しても、真相究明、説明責任を果たすことを求め、関係者の出処進退を含め、断固たる決意でみずからの任命責任を果たしていただくことを求めます。

 同時に、政治と金の問題をめぐっては、新たなルールづくりも必要です。

 我が党も党内論議を加速しており、野党からの建設的な意見、提案に対しても、謙虚に耳を傾け、改革の実現に御協力をいただくことを強く要請いたします。

 さて、予算案についてです。

 政府は、これを経済再生と財政再建の両立を図るものとしています。しかし、実際には、消費増税が先送られる一方で、膨らんだ公共事業費はそのまま温存され、財政規律には既に緩みが見られます。二十六年度補正予算には粉飾まがいのつけかえが多数盛り込まれ、それでも本予算の歳出規模は九十六兆三千億円と、史上最大に膨れ上がりました。

 そして、この膨大な予算を陰で支えるのは、日銀による国債の大量購入です。

 もはや、これは財政ファイナンスというほかなく、こうした異常な事態は財政規律を麻痺させ、やがては国債価格の暴落、長期金利の上昇、財政破綻や金融システムの毀損、そして悪性インフレと、国民生活を根底から脅かす要因となりかねません。

 同時に、株価操作かと疑われるような、年金資金による大量の株式購入も大問題です。

 目先の株価や経済指標にとらわれる余り、国民の暮らしと財産を質入れするかのようなアベノミクスには限界があり、もはや、経済政策というより、国を挙げてのかけごと政治、まさにアベノリスクともいうべき事態が進行しています。政府がこうしたリスクについて国民に真摯に説明しようとしないこともまた、大きなリスクです。

 実体経済に目を転じても、国民が感じる景気回復への実感は極めて乏しいものと言わざるを得ません。

 昨年の経済成長率はマイナスであり、実質賃金も十九カ月連続で低下、相対的貧困率は先進国最悪の水準、不安定な非正規雇用もふえ続け、今や全勤労者の四割に達しました。

 しかも、こうした問題への政権の感度は極めて鈍く、暮らしの不安、都市と地方の格差、大企業と中小企業の格差に立ち向かうという熱意は、全くもって感じられません。

 個別論点についても指摘をします。

 まず、国民生活に直結する社会保障関連予算です。

 本予算では、消費増税の先送りと同時に、社会保障の機能強化までも先送られました。特に、低年金生活者に対する月額五千円の追加給付、年金受給資格の十年への短縮といった、かつて三党で合意したはずの重要施策があっさりと見送られています。介護報酬の大幅な引き下げ等と相まって、高齢弱者の暮らしを直撃することになります。

 一方、富裕層には贈与税の非課税枠がさらに拡大されます。住宅、結婚、子育て、教育、合計五千五百万円が無税でその子や孫に贈られます。

 近年、親の経済力が子供の学力に大きな影響を及ぼすという調査結果も見られ、また、一人親家庭の子供の貧困問題も深刻です。日本では経済的に恵まれない家庭の子供は平等にスタートラインに立つことすらできないのか、そんな社会に夢や希望があると言えるか、社会の健全な発展は果たして可能か、党派を超えて真剣に考えなければならない問題です。

 さらに、地方創生関連予算。都市部の大企業に恩恵をもたらす法人減税が決まる一方、地域経済の柱、雇用のよりどころとなる中小企業への外形標準課税が強化されます。地方創生の看板とは裏腹に、中小企業の負担増はさらなる地方の疲弊につながることは明らかです。

 肝心の地方創生予算、政府は次元の異なる大胆な政策と豪語しますが、内実は、関連七千二百二十五億円の九割近くが従来予算の焼き直しにすぎません。自治体にまたぞろ総合戦略を策定させ、国が認定して補助金を交付する。異次元でも何でもないではありませんか。旧態依然、霞が関主導のもと、地域の自主性、自立性を脅かす仕組みがまた一つふえただけではありませんか。

 加えて、基地建設をめぐって緊迫する沖縄に対して、知事との面会に応じないばかりか、交付金の削減という仕打ちをもって迎えるなど、民意を無視した強権的な手法が目に余ります。こうした政権の姿勢が、真に地方創生を促すはずがありません。

 十年で農家の所得を倍増する、農業についても威勢のよい言葉が躍ります。しかし、実際には戸別所得補償の支払いは半減し、昨年来の米価の下落は農家の経営に暗い影を落としています。所得倍増どころか、廃業すら考えざるを得ないのが実情ではありませんか。農業を魅力あるものにするためには、戸別所得補償制度の復活を含め、セーフティーネットの再構築が必要不可欠です。

 政府の掲げる地方創生は、まさに統一地方選挙目当ての、看板倒れ、見かけ倒しと言われても仕方ないのではありませんか。人口減少や超高齢化の最前線で闘う地方を真に応援するものとはとても言えません。一括交付金を初めとした本格的な地域主権改革こそが真の地方創生策であり、その早期復活を含め、抜本的な改革を求めます。

 以上、わずかにその一端を述べたにすぎませんが、本予算案は、経済再生、財政再建、地方創生に資するものとはほど遠く、むしろ、国民生活を大きなリスクのもとに置き、景気回復の実感は乏しく、さらなる格差拡大、地方の疲弊を助長するものであり、到底賛成することはできません。

 景気回復や地方創生には一向に本気度が感じられない一方で、集団的自衛権や憲法改正など、安倍カラーと言われる政策は着々と進んでいます。ここに安倍政権の隠し切れない本質がかいま見え、これに不安を感じる国民も多数存在します。

 改めて、民主党は、こうした国民の声にしっかりと応え、むしろ、人口減や高齢化といった社会の構造変化に真っすぐなまなざしを向けたいと思います。まやかしの金融緩和に依存せず、困難な現実を含めて国民と真摯に語り合い、厳しい現実を乗り越えて、未来を切り開いてまいります。

 公平公正な社会、経済の成長と社会保障の安定、高齢者の安心と若い世代の希望の両立を図るべく、これからも真摯に取り組んでまいる決意を申し上げ、私の本予算案に対する反対討論とさせていただきます。

 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 平口洋君。

    〔平口洋君登壇〕

平口洋君 自由民主党の平口洋です。

 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となっております平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案に対しまして、賛成の討論を行います。(拍手)

 政権発足以来、安倍内閣は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略から成る三本の矢を全力で打ち込んでまいりました。アベノミクスは着実にその成果を上げています。

 具体的に申し上げます。

 経済指標を見てみれば、中小・小規模事業者の倒産件数は、昨年、二十四年ぶりの低い水準となりました。就職内定を得て新年を迎えた新卒予定者は八割を超えました。大卒で六年ぶり、高卒で二十一年ぶりに高い内定率です。有効求人倍率は一年以上にわたって一倍を超え、仕事を探す人の数よりも人を求める仕事の数の方が多くなっています。正社員の有効求人倍率は、十年前の調査開始以来、最高水準であります。

 また、昨年は、過去十五年間で最高の賃上げが実現しました。個人消費等には一部弱さが見られるものの、足元では、十月から十二月期の実質GDP成長率が三四半期ぶりに前期比プラスとなるなど、景気回復の兆しがしっかりと見え始めています。

 平成二十七年度予算は、先月成立した補正予算とともに、景気回復の兆しをより確かなものとし、アベノミクスの温かい風を地方に広く早く行き渡らせることを目的としています。

 以下、平成二十七年度予算三案に賛成する主な理由を申し述べます。

 賛成する第一の理由は、地方の創生や子育て支援など、我が国が抱える諸課題への対応を強力に推進する予算となっている点であります。

 安倍内閣は、昨年夏以降、豊かで明るく元気な地方の創生を内閣の最重要課題の一つとして位置づけ、急ピッチで取り組みを進めてきています。この地方創生に関して、来年度予算においては、魅力あふれるまちづくり、人づくり、仕事づくりを推進するべく、まち・ひと・しごと総合戦略等を踏まえた個別施策に七千二百二十五億円が措置されるとともに、地方創生の取り組みに要する経費について、地方財政計画の歳出に一兆円を計上しています。

 また、女性が輝く社会の実現に向け、消費税増収分等を活用し、子ども・子育て支援新制度をスタートさせ、待機児童解消加速化プランや放課後児童クラブの充実等を推進しております。

 介護制度については、持続可能な社会保障制度の確立の観点から、事業者の安定的経費の確保に配慮しつつ、介護保険料の上昇抑制や利用者負担の軽減などの国民負担の軽減を図っています。また、一万二千円の介護職員の処遇改善を行い、事業者、国民、介護職員それぞれについて考慮した改定を行っています。

 公共事業関係費については、自然災害に対応するための事前防災・減災対策の充実や老朽化対策など、国土強靱化を推進することにしているほか、東日本大震災からの復興や福島の再生につきましても、財源を確保しつつ、さらに加速化することにしています。

 さらに、外交、安全保障の立て直しの観点から、海外での日本研究支援等を通じて戦略的対外発信を強化するとともに、在外公館新設等を通じて外交実施体制を拡充しております。防衛関係費についても、中期防衛力整備計画に基づき必要な手当てを行い、警戒監視能力を強化するとともに、沿岸監視体制を整備し、島嶼部攻撃への対応も強化しています。また、沖縄の基地負担軽減等のための在日米軍再編事業についても着実に推進しております。

 これらは、いずれも我が国が抱える最重要課題であり、こうした課題への対応に思い切って歳出を重点化している点は大いに評価されるべき点であります。

 賛成する第二の理由は、二〇一五年度の国、地方の基礎的財政収支の赤字の対GDP比率半減目標を達成する予算となっている点であります。

 安倍内閣は、これまで二カ年の予算編成において、経済再生に向けた取り組みや消費税率の八%への引き上げにより税収を増加させる一方で、生活保護の見直しや診療報酬改定を通じ、社会保障の自然増を徹底的に見直すなど、歳出の重点化、効率化を進めてきています。

 消費税率引き上げは十八カ月延期することになりましたが、平成二十七年度予算では、歳出の徹底的な重点化、効率化を行うことにより、二〇一五年度の財政健全化目標の達成が見込めることとなりました。この結果、二〇二〇年度の国、地方の基礎的財政収支の黒字化目標に向けて、二十七年度予算は大きな第一歩を踏み出すものとなっております。

 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。

 経済再生と財政健全化の両立、この道しかありません。そして、来年度予算は、まさにこの道しかない予算であります。議員各位の圧倒的な御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げ、私の賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 井坂信彦君。

    〔井坂信彦君登壇〕

井坂信彦君 神戸から参りました井坂信彦です。

 維新の党を代表して、平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算及び平成二十七年度政府関係機関予算につき、反対の立場から討論いたします。(拍手)

 ことしの予算委員会は、最初から最後まで大臣の政治と金問題で大荒れに荒れました。

 補助金を受け取った企業が、その補助金を出した役所の大臣や総理大臣に違法献金を行う。違法献金を受け取りながら、知らなかったので違法ではないと反省すらしない。

 ここははっきりさせなければいけませんが、補助金を受け取った企業がその一年以内に献金を出すことは、これは、出した側は明らかに違法であります。

 そして、総理みずからが大臣規範を破って、大規模な資金パーティーを繰り返す。さらに、文書通信交通滞在費、領収書なしで毎月百万円使われている議員活動経費の公開から逃げ続けているわけでありますから、こちらも何に使われているのか、わかったものではありません。

 維新の党は、政治と金の疑惑を根本から断ち切り、政党助成金と企業・団体献金の二重取りを解消するために、企業・団体献金の受け取り禁止を既に決定いたしました。また、このままでは、あの号泣県議以下になってしまう。国会議員の文書通信交通滞在費についても、維新の党は、領収書のインターネット公開を独自に始めております。

 既に七人もの大臣が政治と金の問題で辞任をしている安倍政権だからこそ、この問題を真摯に反省して、小手先ではない抜本的な改革をする必要があるのではないでしょうか。

 さて、政府提出予算の中身について、以下、五点の反対理由を述べます。

 まず第一に、歳出削減が不十分であります。

 安易な増税に頼り、歳出削減を後回しにした国は、その多くが財政再建に失敗しております。

 経済成長が実質二%、名目三%、税収が今後五年で十四兆円もふえるという政府の楽観的な見通しでも、二〇二〇年の単年度赤字は九・四兆円となり、今後、厳しい歳出削減が避けられない状況です。しかし、政府提出予算案では、歳出が昨年度当初予算からまた四千五百億円ふえており、三年連続の増加となっております。ふえ続ける予算に歯どめがかかっておらず、中期的な財政再建の見通しが見えません。補正予算も含めたいわゆる十五カ月予算ベースでいえば、三年連続百兆円規模の予算となっています。

 国の借金は、子供や孫の世代が返済することになります。世代間格差是正のため、歳出の増加を食いとめる必要があります。

 反対理由の二つ目は、国会議員と公務員の身を切る改革がないことであります。

 歳出削減で国民に痛みを求めるならば、その前に国会議員と公務員の身を切る改革を行うべきであります。しかしながら、震災復興のために減額していた国会議員歳費と公務員給与を昨年度予算でもとに戻し、さらに、来年度予算で国家公務員給与はまた五百億円ふえています。これでは、歳出削減にも増税にも国民の理解は到底得られません。

 維新の党は、国会議員の定数三割削減、国会議員の給与三割カットの法案を既に国会に提出済みで、皆様の御賛同をお待ちしているところであります。

 反対理由の三つ目は、無駄の削減が足りないということであります。

 安倍政権が国土強靱化の名目で、平成二十五年度は一五%、平成二十六年度は一二・九%もの増額、二十七年度予算でもふえている公共事業費。しかし、平成二十五年度決算でも三兆八千四百億円が繰り越され、三千百億円が不用となっています。

 特別会計も、例えば平成二十七年度の労働保険特会の積立金見込みは、労災勘定が七兆七千九百億円、雇用勘定が五兆八千四百億円、合計で十三兆六千三百億円にも上る。一般会計からの繰り入れは当面不要で、保険料減免さえ可能な状況であります。

 独立行政法人も、平成二十五年度には、GPIFを除く全ての独法の流動資産の合計は百七兆九千六百億円、純資産の合計は三十二兆八千億円となっている。にもかかわらず、来年度予算案では、運営費交付金として一兆四千百億円を投入することになっています。

 補正予算で各党が指摘した基金も、来年度は二千九百七十億円が返納予定ですが、事業費が基金の規模に比べて著しく小さいのに、返納対象になっていない基金が数多く残っております。

 予算の目玉のはずの地方創生七千二百二十五億円も、予算措置を伴うものだけで百七十以上の事業が詰め込まれておりますが、めり張りが全くなく、既存事業の継続にすぎないものや事業の重複も見受けられます。何より、国が総合戦略や政策パッケージを決めて、それに沿う地方版戦略をつくらせるやり方は、地方分権に逆行しているわけであります。

 反対理由の四つ目は、身を切る改革なしに国民に痛みを強いているところであります。

 年金額の少ない高齢者向けの給付金、低所得者の介護保険料軽減、年金受給資格期間の短縮、いずれも、消費税一〇%増税のときに実施するという理由で、来年度予算には計上されませんでした。この程度の財源は、さらなる消費税増税によらずとも、身を切る改革で捻出すべき規模であります。

 反対理由の五つ目は、消費拡大の経済政策が不十分であることであります。

 アベノミクスの副作用として、国民の実質賃金は十九カ月連続で下落をしています。また、安倍政権は、教育資金、マイホーム資金、出産・子育て資金と、裕福な祖父母から子や孫への贈与を次々と非課税にして、子育て世代の格差を拡大させています。

 低所得者と一般の子育て世帯のために、家計を温める施策が必要です。家計が確実に消費に回してくれるような、保育、子供向け医療、そして教育、福祉、いずれかで使用可能なクーポン制度を導入すべきです。商品券と違い、バウチャーを直接利用者に交付して、そのバウチャーで利用者が施設を選べるようにするというやり方で、事業者間の競争でサービスの質の向上も見込めます。

 以上、身を切る改革も無駄削減も不十分な中で国民に痛みを押しつけ、家計の消費をふやす政策は不十分、またその他にも、地方政策、エネルギー政策、復興政策が不適当な政府予算案には賛成することができません。

 反対だけではいけませんので、維新の党は、対案として予算編成替え動議を提出いたしました。

 維新の党が提案する歳出削減の一つ目は、議員と公務員が身を切る改革。

 国会議員の給与三割カット、また、昨年とことしに公務員給与がアップした分の削減、国の出先機関事務を地方に移管することによる人員削減で一兆六千三百億円を削減いたします。

 二つ目は、公共事業です。

 来年度予算五兆九千七百億円の二割、一兆二千億円を削減します。

 三つ目は、特別会計。

 既に十三兆六千三百億円の積立金がある労働保険特別会計で、来年度予算で予定されている一般会計から一千四百五十億円の繰り入れを中止します。

 四つ目は、独立行政法人であります。

 GPIFを除いても百八兆円の流動資産を持つ独立行政法人に対して、運営費交付金一兆四千億円の半分、七千億円を削減します。

 五つ目は、基金です。

 事業費が少ないのに多額が積まれている基金を中心に、補助金三千三百九十六億円の二割弱、六百億円を削減し、さらに六百億円を返納させます。

 以上の歳出削減三兆八千億円に、効果が見込めない地方創生七千億円を加えて、四兆五千億円が捻出をされます。この財源で、以下、五つの実のある改革を提案いたします。

 まず、子供に回すツケを減らす。

 財源のうち一兆円は、使わずにそのまま歳出削減として、ふえ続ける予算や借金に歯どめをかけたいと思います。

 二つ目に、国民負担の軽減です。

 今回の予算で先送りされた年金額の少ない高齢者向け給付金、低所得者の介護保険料軽減、年金受給資格期間の短縮など、八千四百億円かけて予定どおり実施いたします。

 三つ目に、家計を温めるクーポン制度です。

 残る財源のうち二兆円で、クーポン制度に限定した地方向け交付金を導入します。

 保育、子供向け医療、教育、福祉のいずれかについて利用可能として、どの制度を利用するかは地方の選択に任せるものとします。

 先ほどの低所得者対策とクーポン制度で、今問題となっている格差の解消と、景気回復のための消費拡大を同時に進めたいと考えます。

 四つ目に、復興予算です。

 執行率の低さが指摘され、来年度予算でも自衛隊ヘリなど関係ないことに流用されている復興予算のうち、今年度増額分二千四百億円を福島再生加速化交付金または東日本大震災復興交付金に組み替え、不足している災害公営住宅事業に重点化させます。

 五つ目に、エネルギー改革です。

 原子力発電のフェードアウトと自然エネルギー立国を実現するべく、電源立地対策費や余っているエネルギー需給勘定の予算を削減し、自然エネルギー固定価格買い取り制度の地域間調整や、発送電完全分離に向けたインフラ補助に充てます。

 以上、政府の予算案に反対する理由と、維新の党の対案を具体的に御説明申し上げました。

 維新の党は、問題の先送りや目先のつじつま合わせではなく、将来を見据えた現実的な政策を議員立法で提案し続けます。

 企業・団体献金の禁止や文書通信交通滞在費のネット公開など、法律が通る前でもできることは他党に先駆けて即実行いたします。

 国でも、そして地方でも、維新の身を切る改革、そして実のある改革を徹底的に行うことをお約束申し上げまして、私の討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 上田勇君。

    〔上田勇君登壇〕

上田勇君 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました平成二十七年度予算三案に対して賛成の立場から討論いたします。(拍手)

 安倍内閣再発足から二年三カ月間、日本経済は、長引くデフレからの脱却に向けて大きく前進し、経済の見通しも明るさが戻ってきています。

 三年目を迎える本年が正念場です。当面の景気回復、雇用改善の流れをさらに進めるとともに、中長期にわたる日本の潜在力を引き出す成長戦略を着実に遂行していくことが重要です。

 また、我が国の少子高齢化はさらに進行しており、安心できる社会を実現するためには、社会保障制度を安定した信頼できるものにしていかなければなりません。

 経済の本格的な再生、持続可能な社会保障制度の確立、財政の健全化という三つの大きな課題に的確に対応していかなければなりません。

 本予算は、こうした課題に適切に対処する内容となっています。

 本予算に先行して、緊急経済対策の実施に必要な補正予算が成立しました。切れ目のない経済政策を実行していくためにも、本予算の一日も早い成立と迅速な執行が求められています。

 以下、公明党の主張が随所に盛り込まれている平成二十七年度予算について、主な賛成理由を申し上げます。

 第一に、社会保障と税の一体改革が遅滞なく実行される予算となっている点です。

 足元の経済情勢を考慮し、本年十月に予定されていた消費税率の引き上げを一年半延期したのは、適切な判断であったと考えています。

 一方、公明党の主張どおり、子ども・子育て支援新制度について、平成二十七年四月から予定どおり開始されることになります。保育の受け皿となる施設、人材確保に向けて早期執行が望まれます。

 また、地域包括ケアシステムの基盤づくりに向けて、介護のかなめである人材確保は喫緊の課題です。介護職員の報酬について一万二千円引き上げることが盛り込まれており、平成二十一年から合わせて四万二千円の処遇改善を実現したことは、一歩前進と評価しています。

 さらに、消費税増収分を活用し、医療、介護専門職による認知症初期集中支援チームを平成三十年度までに全市町村に配置することとしており、国家課題の一つである認知症対策が着実に進むことを期待するものであります。

 第二に、東日本大震災からの復興を加速化するために必要な予算であるという点です。

 東日本大震災の発災から四年が経過をしました。五年間の復興集中期間が平成二十七年度で終了しますが、本予算において、復興特別会計の歳出規模が前年度並みの水準が確保されています。復興の形が整い始め、被災者の生活の安定が少しずつ戻りつつありますが、いまだ道半ばです。本予算によって、おくれている住宅再建や就労、健康、生活、心の復興等々全ての面で、よりきめ細かな支援が行われることが期待されます。次の新たな復興五年に向けて、復興財源の確保と適切な執行を含め、国として万全の対応を講ずることが重要です。

 公明党は、これまで以上に被災地と被災者に寄り添い、復興に取り組んでまいります。

 第三に、地域経済の活性化と地方創生を後押しする予算であるという点です。

 特に、公明党の「活気ある温かな地域づくりをめざして」と題した提言の多くが盛り込まれました。地域で仕事をつくり、生活ができるようにする観点から、本予算には、新規就農・就業者への支援などが盛り込まれております。また、地域の活力向上に向けて、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえられるよう約一千億円の個別施策が計上されることも、公明党の主張が反映されたと評価しています。

 地方創生では、地方独自の取り組みが求められていることから、地域の実情に応じたきめ細かな政策が講じられるよう、自治体の予算編成の指針、地方財政計画に、地方創生に向けた経費として一兆円を計上しており、地域の創意工夫に応える予算となっています。

 また、本予算は、財政健全化を着実に進める内容ともなっています。

 プライマリーバランスについて、平成二十六年度及び二十七年度の各年度四兆円程度改善とされた中期財政計画の目標を上回る改善が図られています。また、新規国債発行額は、二十六年度と比較して四・四兆円の減額となっており、同時に、公債依存度は、昨年度の四三%から三八・三%へと低下しており、平成二十一年度当初予算以来の三〇%台という水準であります。

 引き続き、財政の健全化を着実に達成していくため、経済の安定した成長、適切な歳入の確保、思い切った歳出の合理化に努めていく必要があります。

 以上、賛成する主な理由を申し述べました。

 多くの経済指標が景気が回復過程にあることを示しておりますが、まだまだ実感に乏しいのが実情です。経済成長の成果を家計へ、地域へ、中小事業者へと拡大する好循環をつくり出すことが重要です。

 特に、本年、賃金引き上げがどの程度実現するかが大きなポイントとなります。政府においては、引き続き、政労使会議の場などさまざまな機会を通じて、積極的に、賃金の上昇、中小事業者等への支払い価格の引き上げに向けた取り組みを促すことを改めて強く要請いたします。

 公明党は、当面する最優先課題である東日本大震災からの復興の加速化と、国民の皆さんが経済成長を実感できる政策の推進に全力で取り組んでいくことをお約束し、私の賛成討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 畑野君枝君。

    〔畑野君枝君登壇〕

畑野君枝君 私は、日本共産党を代表して、二〇一五年度予算三案に反対する討論を行います。(拍手)

 第一に、二〇一五年度政府予算案は、昨年の消費税増税による景気の悪化で国民生活が深刻な影響を受けているにもかかわらず、社会保障を一層削減し、その一方で、大企業を優遇する減税と軍事費の拡大を推し進め、国民生活を犠牲にする予算となっているからです。

 円安で史上最高の利益を上げている大企業に対して、法人実効税率を二年間で三・二九%引き下げ、一・六兆円もの減税と研究開発減税等の優遇減税を進めようとしています。これでは、大企業の巨大な内部留保をさらにふやすだけではありませんか。

 しかも、総理は、国民の家計や景気がどういう状態であれ、二〇一七年に消費税率を一〇%へ引き上げるとしています。国民の生活を無視した暴挙と言わなければなりません。消費税率一〇%の引き上げをきっぱり中止し、国民本位の経済政策に転換すべきです。

 今必要なことは、雇用の七割を支える中小企業に対して、社会保険料の事業主負担分への財政支援を行い、最低賃金を抜本的に引き上げるなど、国民の懐を直接暖める政策です。

 第二に、社会保障について、国民負担増と給付額の削減という全面改悪を推し進めるものだからです。

 消費税増税は社会保障の充実のためといいながら、昨年の骨太方針で、社会保障予算の自然増をばっさり削減する方針を打ち出しました。

 このもとで、来年度予算案は、マクロ経済スライドの発動による年金削減、高齢者医療の窓口負担増、介護報酬の大幅削減、生活保護の連続削減まで行おうとしています。社会保障の大改悪の中止を強く求めます。

 雇用はどうでしょうか。全雇用者に占める非正規雇用者の割合は、二〇一三年の三六・七%から、二〇一四年には三七・四%にふえ、直近の昨年十二月の数字では三八%にまでふえています。非正規労働者を拡大し、低賃金と長時間労働の蔓延を招き、格差を拡大してきた安倍内閣の責任は重大です。

 にもかかわらず、正社員ゼロに道を開く労働者派遣法改悪、過労死と長時間労働を加速させる残業代ゼロ法案など、労働法制の大改悪を行うことなど、断じて認めることはできません。

 残業を月四十五時間に制限する大臣告示を法制化するなど、長時間労働の是正こそ行うべきです。

 第三に、教育予算、子育て対策も不十分です。

 少人数学級は、保護者、教育関係者、国民の長年にわたる願いです。ところが、予算案は、公立小中学校の教職員定数を二年連続で純減し、三十五人学級は、法律では小学校一年生でとまったままです。

 安倍総理は、予算委員会で、三十五人学級の実現に向けて鋭意努力していきたいと答弁しました。子供たち一人一人に行き届いた教育をするため、今こそ全学年にわたる三十五人学級を早期に実現すべきです。

 子育て対策、子供の貧困対策は急務です。子供の医療費無料化を国の制度とし、認可保育所を増設し、保育料や幼稚園授業料の減免、児童手当の十八歳までの拡大など、子育てに係る経済的負担の軽減を、国の責任で図ることを強く求めます。

 第四に、東日本大震災から四年たちましたが、いまだに二十三万人にも及ぶ人々が避難生活を強いられ、震災を原因とする関連死は三千人を超えました。

 こうした中で、復興事業に対する被災地の負担を求めようとする安倍内閣の動きは、許されるものではありません。急ぐべきは、被災者生活再建支援金を五百万円へ引き上げること、そして、住宅となりわい、地域社会の復興に国が最後まで責任を負うことです。

 原発事故は、収束どころか、原因究明もされていません。汚染水の漏出事故や労働者の死傷事故が相次ぐなど、事態はむしろ深刻化しています。今なお、多くの方々が苦しんでいるもとで、原発再稼働などあり得ません。

 国は、東電の賠償打ち切りをやめさせ、事故原因の究明と事故収束、汚染水対策に全力を挙げるべきです。

 第五に、過去最高額の軍事費は、安倍政権が進める戦争する国づくりを具体化するものです。

 集団的自衛権行使容認の閣議決定と一体で、自衛隊を海外派兵型軍隊につくりかえようとしていることは極めて重大です。垂直離着陸機オスプレイ、水陸両用車両などの導入は、日本版海兵隊の創設を進めるものにほかなりません。F35ステルス戦闘機、無人偵察機、イージス艦などの軍備拡大とあわせ、周辺諸国との緊張を高め、東アジアの平和環境づくりに逆行するものです。県営佐賀空港をオスプレイの拠点基地化する計画の白紙撤回を求めます。

 沖縄・辺野古への米軍新基地建設反対の民意は、昨年の県知事選挙と総選挙を通じて明確に示されました。沖縄県民の意思を一顧だにせず、問答無用で基地建設を強行することは、断じて許されません。昨日再開した海底ボーリング調査は、直ちに中止すべきです。

 辺野古新基地建設の撤回と普天間基地の閉鎖、撤去を強く求めるものです。

 最後に、政治と金の問題が起きるたびに、政治家は国民に疑惑を持たれてはならない、大もとである企業・団体献金を禁止しようという議論が行われてきました。

 ところが、二十年前の政治改革で、企業・団体献金は、政治家個人に対しては禁止されましたが、政治家が支部長を務める政党支部への献金と政治資金パーティーの形で温存されました。この二つの抜け道のもとで、二〇一三年の企業・団体献金の総額は二百五十億円に上ります。

 また、政党助成金は、企業・団体献金を禁止するとして導入され、毎年三百二十億円もの税金が政党に配分され、政党運営資金の六割、七割を税金に依存する実態を生み出しています。

 今こそ、政治腐敗の根源である企業・団体献金を全面禁止し、政党助成制度の廃止に踏み出すべきことを強く主張いたします。

 以上をもって、日本共産党を代表しての私の反対討論を終わります。(拍手)

議長(町村信孝君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 平成二十七年度一般会計予算外二案を一括して採決いたします。

 この採決は記名投票をもって行います。

 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。

 氏名点呼を命じます。

    〔参事氏名を点呼〕

    〔各員投票〕

議長(町村信孝君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。

 投票を計算させます。

    〔参事投票を計算〕

議長(町村信孝君) 投票の結果を事務総長から報告させます。

    〔事務総長報告〕

 投票総数 四百七十一

  可とする者(白票)      三百三十一

  否とする者(青票)        百四十

議長(町村信孝君) 右の結果、平成二十七年度一般会計予算外二案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)

    ―――――――――――――

平成二十七年度一般会計予算外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名

あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君

青山  周平君   赤枝  恒雄君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君

秋元   司君   秋本  真利君   麻生  太郎君   穴見  陽一君

甘利   明君   安藤   裕君   井野  俊郎君   井上  信治君

井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君   伊藤 信太郎君

伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君   池田  道孝君

池田  佳隆君   石川  昭政君   石崎   徹君   石田  真敏君

石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君   稲田  朋美君

今枝 宗一郎君   今津   寛君   今村  雅弘君   岩田  和親君

岩屋   毅君   うえの賢一郎君   江崎  鐵磨君   江渡  聡徳君

江藤   拓君   衛藤 征士郎君   遠藤  利明君   小倉  將信君

小此木 八郎君   小里  泰弘君   小田原  潔君   小野寺 五典君

小渕  優子君   尾身  朝子君   越智  隆雄君   大岡  敏孝君

大串  正樹君   大隈  和英君   大島  理森君   大塚  高司君

大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君

大見   正君   岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君

加藤  鮎子君   加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君

勝沼  栄明君   勝俣  孝明君   門   博文君   門山  宏哲君

金子  一義君   金子 万寿夫君   金子 めぐみ君   金子  恭之君

金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君   神山  佐市君

亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君   河井  克行君

河村  建夫君   神田  憲次君   菅家  一郎君   木内   均君

木原  誠二君   木原   稔君   木村  太郎君   木村  弥生君

城内   実君   黄川田 仁志君   岸   信夫君   岸田  文雄君

北川  知克君   北村  茂男君   北村  誠吾君   工藤  彰三君

熊田  裕通君   小池 百合子君   小泉 進次郎君   小島  敏文君

小林  鷹之君   小林  史明君   小松   裕君   古賀   篤君

後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君   高村  正彦君

國場 幸之助君   今野  智博君   左藤   章君   佐々木  紀君

佐田 玄一郎君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   齋藤   健君

斎藤  洋明君   坂井   学君   坂本  哲志君   櫻田  義孝君

笹川  博義君   塩崎  恭久君   塩谷   立君   柴山  昌彦君

島田  佳和君   下村  博文君   白石   徹君   白須賀 貴樹君

新谷  正義君   新藤  義孝君   菅   義偉君   菅原  一秀君

助田  重義君   鈴木  馨祐君   鈴木  俊一君   鈴木  淳司君

鈴木  憲和君   鈴木  隼人君   瀬戸  隆一君   関   芳弘君

薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君   田中  和徳君   田中  英之君

田中  良生君   田野瀬 太道君   田畑  裕明君   田村  憲久君

平   将明君   高市  早苗君   高木   毅君   高木  宏壽君

高鳥  修一君   高橋 ひなこ君   竹下   亘君   竹本  直一君

武井  俊輔君   武田  良太君   武部   新君   武村  展英君

橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君   谷垣  禎一君

谷川  とむ君   谷川  弥一君   津島   淳君   辻   清人君

土屋  品子君   土屋  正忠君   寺田   稔君   とかしきなおみ君

土井   亨君   冨樫  博之君   渡海 紀三朗君   冨岡   勉君

豊田 真由子君   中川  俊直君   中川  郁子君   中谷   元君

中谷  真一君   中根  一幸君   中村  裕之君   中山  展宏君

中山  泰秀君   永岡  桂子君   長尾   敬君   長坂  康正君

長島  忠美君   二階  俊博君   丹羽  秀樹君   丹羽  雄哉君

西川  公也君   西村  明宏君   西村  康稔君   西銘 恒三郎君

額賀 福志郎君   根本   匠君   根本  幸典君   野田  聖子君

野田   毅君   野中   厚君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君

橋本   岳君   橋本  英教君   馳    浩君   鳩山  邦夫君

浜田  靖一君   林   幹雄君   原田  憲治君   原田  義昭君

比嘉 奈津美君   平井 たくや君   平口   洋君   平沢  勝栄君

ふくだ 峰之君   福井   照君   福田  達夫君   福山   守君

藤井 比早之君   藤丸   敏君   藤原   崇君   船田   元君

古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君   古屋  圭司君

星野  剛士君   細田  健一君   細田  博之君   堀井   学君

堀内  詔子君   前川   恵君   前田  一男君   牧島 かれん君

牧原  秀樹君   松島 みどり君   松野  博一君   松本   純君

松本  文明君   松本  洋平君   三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君

三原  朝彦君   御法川 信英君   宮内  秀樹君   宮川  典子君

宮腰  光寛君   宮崎  謙介君   宮崎  政久君   宮澤  博行君

宮路  拓馬君   宮下  一郎君   武藤  貴也君   武藤  容治君

務台  俊介君   宗清  皇一君   村井  英樹君   村上 誠一郎君

望月  義夫君   茂木  敏充君   盛山  正仁君   森   英介君

森山   裕君   八木  哲也君   保岡  興治君   簗   和生君

山際 大志郎君   山口  俊一君   山口  泰明君   山口   壯君

山下  貴司君   山田  賢司君   山田  美樹君   山本  公一君

山本  幸三君   山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君

吉川  貴盛君   吉野  正芳君   義家  弘介君   若狭   勝君

若宮  健嗣君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君   赤羽  一嘉君

井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君   石井  啓一君

石田  祝稔君   稲津   久君   上田   勇君   浮島  智子君

漆原  良夫君   江田  康幸君   大口  善徳君   太田  昭宏君

岡本  三成君   北側  一雄君   國重   徹君   輿水  恵一君

佐藤  茂樹君   佐藤  英道君   斉藤  鉄夫君   高木 美智代君

高木  陽介君   竹内   譲君   角田  秀穂君   遠山  清彦君

富田  茂之君   中川  康洋君   中野  洋昌君   浜地  雅一君

濱村   進君   樋口  尚也君   古屋  範子君   真山  祐一君

桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君   園田  博之君   平沼  赳夫君

小泉  龍司君   長崎 幸太郎君   野間   健君

否とする議員の氏名

安住   淳君   阿部  知子君   赤松  広隆君   荒井   聰君

泉   健太君   枝野  幸男君   小川  淳也君   緒方 林太郎君

大串  博志君   大島   敦君   大西  健介君   大畠  章宏君

逢坂  誠二君   岡田  克也君   岡本  充功君   奥野 総一郎君

金子  恵美君   神山  洋介君   菅   直人君   吉良  州司君

黄川田  徹君   菊田 真紀子君   岸本  周平君   黒岩  宇洋君

玄葉 光一郎君   小宮山 泰子君   小山  展弘君   後藤  祐一君

郡   和子君   近藤  昭一君   近藤  洋介君   佐々木 隆博君

階    猛君   篠原   孝君   鈴木  克昌君   鈴木  貴子君

田島  一成君   田嶋   要君   高木  義明君   武正  公一君

玉木 雄一郎君   津村  啓介君   辻元  清美君   寺田   学君

中川  正春君   中島  克仁君   中根  康浩君   長島  昭久君

長妻   昭君   西村 智奈美君   野田  佳彦君   原口  一博君

伴野   豊君   平野  博文君   福島  伸享君   福田  昭夫君

古川  元久君   古本 伸一郎君   細野  豪志君   馬淵  澄夫君

前原  誠司君   松原   仁君   松本  剛明君   宮崎  岳志君

本村 賢太郎君   山尾 志桜里君   山井  和則君   柚木  道義君

横路  孝弘君   笠   浩史君   鷲尾 英一郎君   渡辺   周君

足立  康史君   青柳 陽一郎君   井坂  信彦君   井出  庸生君

井上  英孝君   伊東  信久君   石関  貴史君   今井  雅人君

浦野  靖人君   江田  憲司君   遠藤   敬君   小熊  慎司君

小沢  鋭仁君   太田  和美君   落合  貴之君   柿沢  未途君

河野  正美君   木内  孝胤君   木下  智彦君   坂本 祐之輔君

重徳  和彦君   篠原   豪君   下地  幹郎君   鈴木  義弘君

高井  崇志君   谷畑   孝君   馬場  伸幸君   初鹿  明博君

牧   義夫君   升田 世喜男君   松木けんこう君   松田  直久君

松浪  健太君   松野  頼久君   丸山  穂高君   水戸  将史君

村岡  敏英君   横山  博幸君   吉田  豊史君   吉村  洋文君

赤嶺  政賢君   池内 さおり君   梅村 さえこ君   大平  喜信君

穀田  恵二君   斉藤  和子君   志位  和夫君   清水  忠史君

塩川  鉄也君   島津  幸広君   田村  貴昭君   高橋 千鶴子君

畑野  君枝君   畠山  和也君   藤野  保史君   堀内  照文君

真島  省三君   宮本  岳志君   宮本   徹君   本村  伸子君

小沢  一郎君   玉城 デニー君   照屋  寛徳君   吉川   元君

浅尾 慶一郎君   亀井  静香君   川端  達夫君   仲里  利信君

     ――――◇―――――

橘慶一郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(町村信孝君) 橘慶一郎君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。総務委員長桝屋敬悟君。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 地方交付税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔桝屋敬悟君登壇〕

桝屋敬悟君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、総務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、地方税法等の一部を改正する法律案は、法人税改革の一環として法人事業税所得割の税率の引き下げと外形標準課税の拡大等を行うとともに、地方創生に取り組むための地方団体に対する寄附金に係る個人住民税の寄附金税額控除の拡充、経済再生と財政健全化を両立するための地方消費税率引き上げの施行日の変更及び個人住民税の住宅借入金等特別税額控除の延長等を行うほか、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税及び軽自動車税の特例措置の見直し等、また、平成二十七年度の評価がえに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、猶予制度の見直し等の納税環境の整備、税負担軽減措置等の整理合理化等所要の措置を講じようとするものであります。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、地方交付税の総額の確保に資するため、所得税等に係る地方交付税の率の変更等を行うとともに、平成二十七年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるほか、地方交付税の単位費用等の改正、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保、公営競技納付金制度の延長等の措置を講じようとするものであります。

 両案は、去る二月二十六日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、本委員会に付託されました。

 委員会におきましては、三月五日高市総務大臣から提案理由の説明を聴取した後、九日から質疑に入り、本日これを終局いたしました。次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、両案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、委員会において、地方税財政基盤の早期確立及び東日本大震災への対応に関する件について決議を行いました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) これより採決に入ります。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

橘慶一郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 古川元久君外三名提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。

議長(町村信孝君) 橘慶一郎君の動議に御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。

    ―――――――――――――

 格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案(古川元久君外三名提出)

 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(町村信孝君) 古川元久君外三名提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。財務金融委員長古川禎久君。

    ―――――――――――――

 格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案及び同報告書

 所得税法等の一部を改正する法律案及び同報告書

 関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号(二)に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔古川禎久君登壇〕

古川禎久君 ただいま議題となりました各法律案につきまして、財務金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 まず、内閣提出の所得税法等の一部を改正する法律案は、デフレ脱却と経済再生、地方創生への取り組み、経済再生と財政健全化の両立、税制の国際的調和、震災からの復興支援などの観点から、国税に関し、所要の施策を講ずるものであります。

 次に、古川元久君外三名提出の格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案は、格差の是正とその固定化を防止するとともに、雇用の拡大等により経済成長を促す観点から、消費課税等に関し講ずべき措置を定めるものであります。

 内閣提出の法律案は去る二月二十六日、古川元久君外三名提出の法律案は三月三日、それぞれ当委員会に付託され、四日、麻生財務大臣及び提出者古川元久君から提案理由の説明を聴取した後、両案の質疑に入り、本日、安倍内閣総理大臣に対する質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、古川元久君外三名提出の法律案について内閣の意見を聴取した後、両案を一括して討論を行い、順次採決いたしましたところ、古川元久君外三名提出の法律案は賛成少数をもって否決すべきものと決し、内閣提出の法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、内閣提出の法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 次に、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、指定薬物を関税法上の「輸入してはならない貨物」に追加するとともに、関税率等について所要の改正を行うものであります。

 本案は、去る三月十日当委員会に付託され、十一日麻生財務大臣から提案理由の説明を聴取し、本日、質疑に入り、質疑を終局いたしました。次いで、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) 三案中、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案につき討論の通告があります。順次これを許します。鷲尾英一郎君。

    〔鷲尾英一郎君登壇〕

鷲尾英一郎君 民主党の鷲尾英一郎です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました政府提出、所得税法等の一部を改正する法律案に反対、民主党提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)

 我が国は、少子高齢化、巨額の財政赤字という超難問を抱えています。この難問を解決するには、与野党の垣根を越え、国家国民のために知恵を結集しなければならない、何としても持続可能な社会保障制度の確立とそれを支える財源を確保する社会保障と税の一体改革をなし遂げなければならないという共通の認識があり、その共通の認識こそが、過去行われた三党協議を支えてきたのだと理解しています。

 しかし、このような共通の認識、思いは、安倍総理により踏みにじられました。消費増税に先立ち議員定数の削減を行うという公党間の約束をほごにし、消費税率引き上げの延期について三党協議の場に報告することもなく、衆議院を解散、総選挙を実施いたしました。

 そもそも、消費税率引き上げの延期は、国民にとってみたら甘い言葉に映るでありましょう。それ以上に、政治の側には、選挙を前にして、増税先送りが強い誘惑となるのは当然であります。だからこそ、国家の重大な利害も顧みずに、ただ人気取りと選挙の上首尾だけを願う行動は、歴史の前に深く非難すべきものと見なければならないのであります。

 国民は、かつてないほど、国民負担の増大に理解を示しております。少子高齢化と国家財政の問題は人口に膾炙し、常識的に考えれば、国民の理解を全く得られないような状況ではありません。

 しかし、先行きの期待感ばかりで景気の実感が伴わず、悪い物価上昇により実質賃金は低下し、名前を変えた旧来型の財政政策が繰り返される一方、海外の情勢頼みの為替安、株高だけが突出する状況は、国民にとって困惑と期待のないまぜでしかありません。

 事実、アベノミクスがもたらした昨年のGDPは実質年率でマイナスとなったことを考えれば、増税先送りもやむなしという空気になります。加えて、財政の必要以上の膨張は、増税分が社会保障目的で使われているかどうかという根本的な問題に国民の疑念が及んでいます。

 国民の抱く先行きの不安は、株高という一時的な現象のみで決して打ち消すことはできません。総選挙で圧勝した多数の与党の上にあぐらをかき、みずからの失政に見て見ぬふりをする、あるいは不都合な真実に目をつぶろうとする安倍総理の態度は、至極残念であります。

 以下、本法律案に反対する理由を具体的に述べます。

 第一に、消費税引き上げの際の景気判断条項を削除することです。

 安倍総理は、消費税率引き上げを確実に実施するための経済状況をつくり出す決意だと答弁されましたが、政権発足後、既に二年がたっております。日銀の事実上の財政ファイナンスと大規模な財政出動によってでも経済状況の好転が弱々しいことを踏まえれば、景気判断条項は必須であります。

 あるいは、みずからがそうであったように、景気判断条項のみでは選挙を考える政治の側が増税を先送りする誘惑に負けてしまうがゆえに、あえて法律に規定する意味なのかもしれません。しかし、それと経済は生き物であるという現実とは全く関係ありません。

 第二に、成長戦略に反する法人実効税率引き下げであります。

 国際競争力、財政健全化などの観点から、適切な代替財源を確保できるのであれば、法人実効税率は引き下げるべきと考えます。

 しかし、今回の改正には、不適切な代替財源が含まれています。研究開発税制の圧縮や受取配当の益金不算入割合の縮小は、国内産業の成長に悪影響を与えます。

 最もマイナスなのは、外形標準課税の付加価値割に対する税率引き上げであります。付加価値割の大半は賃金であり、付加価値割の税率を重くするということは、すなわち、雇用を抱えた企業への増税を意味します。企業の収益増を賃金上昇につなげる経済の好循環という、政権の掲げる目標と矛盾いたします。

 第三に、逆進性対策の問題です。

 所得の少ない家計ほど消費税負担率が高くなるという逆進性について、今回の法案でも方向性すら示されておりません。

 複数税率では、高額所得者の負担軽減額が大きくなるばかりか、食料品を対象とするだけでも、三兆円もの財源が必要となります。対象品目の選定は利権化し、事業者の事務負担が大幅にふえるといった問題もあります。

 必要な世帯にだけ消費税の負担を払い戻す給付つき税額控除の方が逆進性対策としてすぐれているということは、多くの専門家が指摘するところであります。

 我が党は、抜本改革法七条の規定に基づき、給付つき税額控除について政府の検討資料を請求いたしました。出てきた資料は、昨年六月の政府税制調査会の議事録だけであります。そこにおいて、給付つき税額控除は逆進性対策として有効との指摘があります。法律にのっとり、給付つき税額控除についてもより深く検討を行うことが政府の責任です。

 第四に、自動車関係諸税の問題です。

 自動車は、特に地方において生活の足です。しかし、自動車取得税は、消費税導入時には整理されず、二重課税が放置されてきました。同様に、自動車重量税の当分の間税率も、道路特定財源の廃止に伴い、本来整理されるべきものでした。

 我が党は、自動車取得税の廃止、自動車重量税の当分の間の特例税率の廃止など、車体課税の抜本見直しを求めてきましたが、今回の改正案は、抜本見直しを先送りし、軽自動車については、二十六年度税制改正の際に講じた措置のまま増税するというものになっております。

 第五に、格差是正に対する視点が欠けていることであります。

 機会の平等を損ねるほど大きな格差は、不利な状況に置かれている個人の教育機会を奪い、技能開発を妨げるため、労働生産性の足を引っ張り、中長期的な成長に悪影響を及ぼすとOECDも指摘しています。格差是正と経済成長は、二律背反ではありません。そうした観点からの検討が欠けています。

 第六に、医療、介護等の控除対象外消費税の問題についても、国民に良質な医療を提供する観点などから、早急に解決策の提示を求めてきましたが、いまだ案が示されていません。

 以上のように、今回の法案は、大いなる矛盾と検討不足、問題先送りに満ちているため、賛同しかねます。

 そこで、我が党は、消費税の社会保障目的税化をより明確化し、景気判断条項を維持、議員定数削減・行政改革条項を追加する、成長戦略に反する形での法人実効税率引き下げを中止する、格差是正等のために逆進性対策を導入する、軽自動車税増税を中止し、自動車取得税、自動車重量税の特例税率を廃止するといった内容の対案を提出いたしました。

 賢明な皆様におかれましては、ぜひ民主党案に賛同いただくようお願い申し上げて、私の討論を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 丸山穂高君。

    〔丸山穂高君登壇〕

丸山穂高君 維新の党の丸山穂高です。

 維新の党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 以下、その理由を申し述べます。

 今回の法改正で一番に注目すべき大きなものは、消費税増税延期の問題ですが、一七年四月の一〇%増税時にいわゆる景気条項なしで必ず実施するとされていることについて、本会議や委員会での質疑を通じて何度総理や大臣の答弁を伺っても、残念ながら、到底国民の皆さんの理解を得られる内容であるとは思えません。

 安倍総理も麻生大臣も、景気は生き物だとおっしゃっている。そして、リーマン・ショックや東日本大震災のような大きな経済的事情の変更があれば別だという答弁がありました。だとすれば、景気条項を外して一七年四月に必ず上げると言い切るのはおかしな話です。

 経済次第で上げない可能性も想定しているが、法文から景気条項を外すというのは非常に矛盾しているし、逆に、総理が信認を得たいとおっしゃる市場や国際社会、何よりも、国民への説明として不誠実なものです。

 そして、本法律案では、税も含めて、地域のことは地域で決めるべきだという観点が根本的に欠落しています。地方の独自性を発揮するために、地方分権とそのための財源移譲の改革が急務であるにもかかわらず、全くその視点が含まれていません。

 例えば、今回の税制改正における本社機能の地方移転促進のための税制は、その最たるものではないでしょうか。

 東京二十三区、大阪市などの都市圏から本社機能を地方に移した場合の法人税の軽減措置が盛り込まれていますが、東京一極集中の是正は、これまで何十年も言われてきて、できていないものであり、何よりまずは、多極化に向けて二極目、三極目の世界と競争できる都市を成長のエンジンとしてつくっていくことこそ、国家的な優先課題なはずです。

 いきなり企業に対し、税制を少しだけ優遇するので東京からインフラの整っていない地方に行けというのは限界がありますし、残念ながら、今回の税制措置も、長期的な視野に立った、実質的に効果のある政策とはなり得ません。

 さらに、特に、我が国における財政赤字が大きく膨らむ中で、歳出削減は待ったなしの状況です。しかしながら、今回の法案審議を通じても、政府の考える具体的な財政再建の考え方が見えてきません。

 また、残念なことに、前国会に続き、今国会でも政治と金の問題で騒がれています。

 西川農水大臣が献金問題で辞任し、下村文科大臣が政治資金問題で国会での追及を受ける中で、国民の皆さんへは、既に消費税の八%への増税をお願いし、次は一七年四月にさらに一〇%に上げるという。同じく国民にお約束したはずの国会議員の定数削減は行われず、逆に、議員歳費が上がる中で、政治と金の疑惑も晴らさず、先に国民負担を求めるというのは、どう考えてもおかしな話です。

 維新の党が主張するように、まずは、議員、公務員自身の身を切る改革、そして歳出削減、その先に、それでも足らないのであれば、増税をお願いする、そういう形が筋で、本法律案のような、歳出削減の視点、そしてまずみずからの身を律していくという姿勢の欠けた法案は、国民の皆さんの納得を得られるものではありません。

 また、今回の税制改正では、格差の固定に対する配慮も欠けています。

 非常にもうかっている大企業や資産のある富裕層には恩恵が大きい一方で、そうではない大多数の企業、そして大多数の国民の皆さんにとっては、非常に不公平感の残る内容が多いということです。

 例えば、住宅贈与非課税枠の拡大や子育て資金の非課税制度の拡充などによって、資産の多い富裕層からその資産が子孫へそのまま継がれる。この格差の固定に対して、政府の見解では問題だとしながらも、実際の今回の税制も含めた具体的な政策は逆の内容となっており、また、審議を通じても、政策達成を図る数値目標等についての政府の見解はありませんでした。

 低所得者層に配慮する給付つき税額控除や軽減税率についても、不透明なままです。

 一七年度からの導入を目指すとしているにもかかわらず、オープンな議論も現状は先送り。特に、給付つき税額控除についても検討をすることが法に盛り込まれているにもかかわらず、進捗が見られません。

 どちらも、国民にオープンな国会での議論を早く始めなければならないのに、いつも与党の検討を見守ると答弁を先送り、その割に、二年後の導入を目指すと言われても、国民の皆さんへの説明が間に合いません。

 残念ながら、法人税改革についても踏み込み不足です。

 法人実効税率を二〇%台後半にまで下げたとしても、まだまだ、法人税率の下げ幅について、諸外国は日本の先を走っているのです。英国は二三%、中国や韓国は二〇%台半ばで、日本が二〇%台後半へこの先に下げたとしても、諸外国のレベルに満たない税率の引き下げでは効果は限定的となってしまいます。

 なお、民主党提出の格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案については、法の施行日までに国会議員の定数削減並びに国家公務員の総人件費の改革、各府省が所掌する事務及び事業の見直しや国の不要な資産の売却等の行政改革を図るための必要な措置を講ずるものとするなど、政府案に欠ける改革の観点が含まれていることなどから、一部我が党の政策と思いを共有するところでありますが、法人税改革などその他の点において我が党の観点と異なり、残念ながら審議も深まりませんでしたので、反対とさせていただきます。

 いずれにしましても、政治と金の問題が表面化し、大臣の辞任にまで発展する中で、国民の皆さんに御負担をお願いする税制のあり方についても、より厳しい視線が注がれているのは間違いありません。

 何度も申し上げるように、まず、みずからを律し、議員、公務員自身が先に身を切る改革と歳出削減を行うこと。具体例には、今問題となっている企業・団体献金の禁止、国民とお約束したはずの国会議員の定数削減をまず行うこと。

 そして、独立行政法人や政府機関、基金、官民ファンド、特別会計等の徹底的な見直しと天下り根絶、幹部公務員の特別職化、能力・実績主義等による公務員制度改革の断行です。

 国、地方合わせて、公務員総人件費の削減も含めて予算の削減計画を立てて、財政規律のメカニズムの導入によって財政赤字の解消する道筋をつけて、生まれる財源を成長戦略や次世代のための政策に投入する。

 税制も、他国に負けない法人税の減税や自由償却等の税制抜本改革で、日本を選ぶ内外企業の立地促進をより進める一方で、社会保障財源として、マイナンバー制度の活用による広く薄い相続課税と、給付つき税額控除制度の導入を通じた最低生活保障を実現する。

 そして、国が、東京が全てを決めるのではなく、地方の財政的自立を確立し、道州制を前提に計画を立てて、道州間の財政力格差について水平的財政調整を行う中で、最終的に消費税を道州の基幹財源として移譲していく。

 我々維新の党が目指すのは、そうした国の形、税のあり方です。

 先ほど来述べてきたように、今回の法案は、みずからの身を律せず、大事な問題は先送りし、国民の皆さんへ御負担ばかりお願いする残念な内容であり、到底納税者の納得を得られるものではないということを申し述べまして、党を代表しての反対討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

議長(町村信孝君) 宮本岳志君。

    〔宮本岳志君登壇〕

宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部改正案に対し、反対の討論を行います。(拍手)

 本法案に反対する理由の第一は、消費税一〇%への増税を延期した上で、二〇一七年四月には完全実施するものだからであります。

 消費税は、応能負担、生計費非課税という税の原則に反する大衆課税であり、低所得者ほど重い負担となる逆進性を持ちます。消費税が逆進性を持ち、貧困と格差をさらに広げることは、予算委員会での私の質問に、総理も認めざるを得ませんでした。

 三月二日に経済産業省が公表した消費税の転嫁状況に関するモニタリング調査でも、二割前後の業者が、転嫁できていないと答えています。申告の時期を迎え、価格転嫁ができなかった全国の中小零細業者は、今、廃業の危機に直面しています。

 このような過酷な税金をさらに引き上げることは、断じて許されません。

 昨年四月の消費税八%への増税は、低所得層ほど収入も消費も落ち込ませ、個人消費下落と不況の原因となっていることを、ミニ経済白書で政府自身が認めました。この上、一〇%への増税を行うならば、家計を圧迫して消費を弱め、さらなる生活破壊と景気悪化をもたらすことは、火を見るより明らかであります。

 景気判断条項まで削除して、経済状況や国民生活を一切配慮せず問答無用に増税を進めることには、断固反対するものであります。

 反対する理由の第二は、財界の要求に基づいて、主に大企業が納める法人税の実効税率を二・五一%も引き下げるものだからであります。

 政府は、本年度だけでなく来年度も法人税率を引き下げ、実に二年間で一兆六千億円もの法人税減税を行うばかりか、さらに数年にわたる改正で二〇%まで引き下げるなどとしています。

 政府はあたかも、大企業減税をすれば、賃金引き上げや下請企業にも恩恵が及ぶかのように喧伝しますが、この間のたび重なる大企業減税の結果が示したことは、どんなに大企業が高水準の利益を上げても、巨額の内部留保が積み上がるだけだということであります。

 大企業がもうかればやがて下にも滴り落ちてくるというトリクルダウン政策の誤りは、もはや明らかではありませんか。

 一方、政府は、実効税率引き下げの財源は課税ベースの拡大等で確保するといいながら、その実態は、差し引き二千六十億円の大幅減税。研究開発減税については、縮減どころか、批判の強い総額型を事実上拡充しています。

 日本の大企業の実質的な税負担率は、実効税率などよりはるかに低いものです。にもかかわらず、財界の要求に応えて、国際競争の口実で法人税引き下げ競争にのめり込むならば、そのツケを際限のない消費税の増税に押しつける結果になるばかりか、我が国財政を破壊し、国際的にも歯どめのない減税競争をもたらすことになりかねません。

 第三に、家計の零細な資産をリスクにさらすNISAの拡充に反対だからであります。

 NISAは、貯蓄から投資へという政府方針のもと、二〇一三年度税制改正で導入されました。

 庶民の微々たる預金の利子にさえ二〇%もの課税をする一方で、株式投資の利益は非課税として優遇することは、課税の公平性に反するものでしかありません。ましてや、ジュニアNISAなどといって子供まで貯蓄から投資への政策誘導の口実に使うなどというのは、到底まともな政策とは言えません。

 本法案に盛り込まれている、富裕層の国外転出による税逃れに課税を強化するなどの措置は当然です。

 なお、民主党提案の対案も消費税の増税を前提としており、賛成できないことを申し添えて、反対討論といたします。(拍手)

議長(町村信孝君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(町村信孝君) これより採決に入ります。

 まず、古川元久君外三名提出、格差是正及び経済成長のために講ずべき税制上の措置等に関する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。

 本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立少数。よって、本案は否決されました。

 次に、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(町村信孝君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、関税法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(町村信孝君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(町村信孝君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後七時散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       内閣総理大臣  安倍 晋三君

       財務大臣    麻生 太郎君

       総務大臣    高市 早苗君

       法務大臣    上川 陽子君

       外務大臣    岸田 文雄君

       文部科学大臣  下村 博文君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君

       農林水産大臣  林  芳正君

       経済産業大臣  宮沢 洋一君

       国土交通大臣  太田 昭宏君

       環境大臣    望月 義夫君

       防衛大臣    中谷  元君

       国務大臣    甘利  明君

       国務大臣    有村 治子君

       国務大臣    石破  茂君

       国務大臣    菅  義偉君

       国務大臣    竹下  亘君

       国務大臣    山口 俊一君

       国務大臣    山谷えり子君


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