衆議院

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第21号 平成27年4月28日(火曜日)

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平成二十七年四月二十八日(火曜日)

    ―――――――――――――

 議事日程 第十五号

  平成二十七年四月二十八日

    午後一時開議

 第一 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案(内閣提出)

 第二 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案(内閣提出)

 第三 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 日程第一 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案(内閣提出)

 日程第二 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案(内閣提出)

 日程第三 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)


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    午後一時二分開議

議長(大島理森君) これより会議を開きます。

     ――――◇―――――

 日程第一 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案(内閣提出)

 日程第二 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第一、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案、日程第二、平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。

 委員長の報告を求めます。文部科学委員長福井照君。

    ―――――――――――――

 平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案及び同報告書

 平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔福井照君登壇〕

福井照君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 初めに、平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法案は、大会の円滑な準備及び運営に資するため、大会推進本部の設置及び基本方針の策定について定める等、特別の措置を講じようとするものであり、また、国務大臣を大会推進本部が置かれている間一名増員しようとするものであります。

 次に、平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法案は、大会の円滑な準備及び運営に資するため、特別の措置を講じようとするものであります。

 両案は、四月十七日本委員会に付託され、二十二日下村文部科学大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。

 二十四日、質疑終局後、討論を行い、採決の結果、東京オリンピック・パラリンピック大会特措法案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 なお、本案に対し附帯決議が付されました。

 次に、ラグビーワールドカップ大会特措法案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) これより採決に入ります。

 まず、日程第一につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

 次に、日程第二につき採決いたします。

 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。

     ――――◇―――――

 日程第三 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

議長(大島理森君) 日程第三、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長渡辺博道君。

    ―――――――――――――

 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案及び同報告書

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

    〔渡辺博道君登壇〕

渡辺博道君 ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。

 本案は、持続可能な医療保険制度を構築するため、医療保険制度の財政基盤の安定化、医療保険の保険料に係る国民の負担に関する公平の確保等の措置を講ずるほか、患者申し出療養の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は、

 第一に、都道府県は、当該都道府県内の市町村とともに、国民健康保険を行うものとすること、

 第二に、国民健康保険への財政支援を拡充すること、

 第三に、被用者保険等の保険者が負担する後期高齢者支援金の額について、平成二十九年度以降はその額の全てを標準報酬総額に応じたものとするとともに、高齢者医療への拠出金負担の重い保険者の負担を軽減する措置を拡充すること、

 第四に、医療費適正化計画において、医療に要する費用の目標に関する事項を定めるものとし、実績が目標を著しく上回ると認める場合には、その要因を分析し、必要な対策を講ずるものとすること、

 第五に、患者の申し出に基づき厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養を保険外併用療養費の支給の対象とすること

等であります。

 本案は、去る四月十四日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。

 本委員会におきましては、翌十五日塩崎厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、十七日から質疑に入り、二十三日には参考人から意見を聴取するなど審査を行い、二十四日質疑を終局いたしました。

 質疑終局後、自由民主党及び公明党より、施行期日についての修正案が提出され、趣旨説明を聴取いたしました。

 次いで、原案及び修正案について討論、採決を行った結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。

 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 以上、御報告申し上げます(拍手)

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。阿部知子君。

    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 民主党・無所属クラブ、阿部知子です。

 私は、民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。(拍手)

 まず、冒頭、二点申し上げます。

 本日未明、ニューヨークで開かれた2プラス2で、新たな日米防衛協力ガイドラインが決定されました。我が国の安全保障の根幹にかかわる法案の審議はおろか、提出さえもされていない中で日米の合意がなされたことは国会軽視であり、言語道断です。民主党は、立憲主義と法治主義に反する安倍政権のやり方に強く抗議し、徹底した論戦を挑んでまいります。

 さらに、今国会でも大きな焦点となった政治と金の問題についても一言申し上げます。

 昨年の十月十七日の経済産業委員会において、小渕優子前経済産業担当大臣は、みずからの疑惑に関し、国会への説明と資料提供を約束したにもかかわらず、それを果たされないまま辞任されました。今般、その小渕前大臣が東京地検特捜部の事情聴取を受けていたことが判明しましたが、将来ある政治家として、あわせて国民への説明責任を果たすよう強く求めます。

 さて、そもそも、今回の持続可能な医療保険制度を構築するためをうたった国民健康保険法等の改正が、真に持続可能性を見据えたものであるのかが問題です。

 まず、国民健康保険制度については、制度発足以来の保険者である市町村から、その保険財政運営主体を県単位とするもので、必要な財政支援も含めてそうした方向性は民主党として賛成するものでありますが、医療現場に身を置く私からは、同時に幾つかの留意すべき点があることも指摘してまいりました。

 そもそも、医療保険制度は、医療提供体制と相まって、地域住民の暮らしと健康を支えるものですが、少子高齢化と人口減少、過疎化、貧困化の進行する今日、保険財政の持続可能性とともに、医療提供体制についても極めて深刻な状況が広がっています。今回の改正でも、国保病院・診療所は市町村の運営に残され、県による医療提供体制の計画策定も今後に委ねられており、さらに、予防保健の取り組みや身近な家庭医などの配置も十分ではありません。

 人口減少という時代の大転換点に当たって、生存の基本を支える医療と保険体制は、同時に地域存続の基盤でもあります。そうした視点に立つと、現状の国民健康保険制度では子供にも応益負担を求めるため、有子世帯、子のある世帯の負担が他の保険制度に比べて格段に大きく、また、妊娠、出産など女性の人生にかかわる重大事を支えるための出産手当や保険料の減免制度もなく、あるいは国保加入者の大半は育児休業制度や所得の保障がないことなどは、早急に検討されるべきです。女性の活躍を掲げる、あるいは子供の貧困対策国民運動を提唱する安倍政権がこれを放置していることは、内実を伴わないかけ声倒れと思います。

 次いで、後期高齢者医療制度についても、二年前の社会保障制度の三党実務者協議以来、民主党が求め続けてきた中長期的視野に立つ制度改革がありません。

 そもそも、この制度は、他の医療保険制度と比べて保険料の上昇スピードが著しく速く、後期高齢者支援金を受けてもなお持続可能性がありません。民主党は、後期高齢者に対する診療上の差別をなくすことは実現いたしましたが、それのみにとどまらない保険制度としての区別、差別をなくすべきと考えます。その意味で、今回の改正案はびほう策にすぎません。

 さらに、この後期高齢者医療制度に他の保険者から投入される支援金の全面総報酬割の導入についても問題があります。

 本法案は、被用者保険者の後期高齢者支援金について、段階的に全面総報酬割を実施し、それによって生み出される財源を国保に充当するとしています。確かに、国保は、非正規雇用の労働者や失業者などが多く加入して、厳しい財政運営を余儀なくされる等、構造的な問題を抱えていますが、その効率化のための取り組みは必ずしも十分に行われているとは言えません。まずは、諸般の問題を抱えた国保の改革を徹底的に行うべきです。それなしに後期高齢者支援金の全面総報酬割で生み出される財源を国保に投入するのは、本末転倒です。

 次に、協会けんぽの国庫補助の見直しについてです。

 本法案では、協会けんぽの準備金が法定準備金の水準を超えた場合、超過分の一六・四%に相当する額を翌年度の国庫補助から削減するとしています。準備金が一定以上に積み上がって、協会けんぽの財政に余力が出たのなら、国の都合で国庫補助の一部を取り上げるのではなく、国庫補助を維持して、労使の保険料を引き下げるよう再検討すべきです。

 次に、国保組合の国庫補助の見直しについてです。

 本法案では、被保険者の所得水準の高い国保組合の国庫補助を削減するとしていますが、ゼロにするのではなく、一三%の国庫補助を残すとしています。民主党政権時の事業仕分けでは、所得水準の低い国保組合に対しては、従前どおりのしっかりとした国庫補助を行う一方、所得水準の高い国保組合については、国庫補助を行わないことも含めて検討するといたしました。今後、限りある財源を有効に使うためには、国庫補助をゼロにすることの再検討を避けては通れません。

 次に、患者申し出療養制度についてです。

 本制度は、本来の国内外の治験にのっとった薬剤の承認や販売という我が国の保険診療の基本から大きく逸脱しています。新たに患者の申し出という枠をつくることで、本来製薬会社が保険収載に向けて傾注すべき開発努力やPMDAの審査体制の充実がおろそかになる結果、保険収載がおくれたり、なされない事態となれば、多くの患者さんたちがかえって重い負担を負うことが生じます。

 おまけに、治験制度の中では、ヘルシンキ宣言やGCP省令で守られている患者さんの権利が患者申し出療養にあっては保障されず、適応の妥当性、安全性や有効性についてもわずか六週間という短期間で審査されるという余りにも安易な制度設計です。

 もちろん、この間、ディオバンの販売促進のためのデータ改ざん等の背景として指摘されている医療界と医薬業界の利益相反については、これを規制する明確な法律もありません。

 さらに、患者の申し出を起点とするため、万が一、この制度によって未承認の医薬品や医療技術を用いて重篤な副作用が起きたり、医療事故が起きた場合、被害救済の仕組みも不透明です。

 加えて、患者申し出療養は、保険が適用されずに全額自己負担となる医薬品の使用等の治療と、保険適用となる治療を一緒に受けることができるというものの、先行する保険外併用療養費制度である先進医療の場合ですら、その重い費用負担に耐えられる人はごくわずかです。費用負担の軽減については、これまでのところ、その具体性は全く見えません。

 そもそも、どんな薬剤や技術がこの患者申し出療養の対象になるのか自体がわかりません。

 安倍総理は二月の施政方針演説で、患者申し出療養について、「困難な病気と闘う患者の皆さんの思いに応え、その申し出に基づいて、最先端医療と保険診療との併用を可能とします。」と述べておられますが、しかし、難病患者の団体からは、患者申し出療養に対して、さまざまな問題があることを指摘しているにもかかわらず、一度もヒアリングをしてもらっていないとの声が上がっています。一体どうしたことでしょうか。それでは、困難な病気と闘う患者のための制度と言いながら、当事者不在、患者の権利保護は曖昧にされたままで、一体誰のための制度かと思わざるを得ません。

 以上、もろもろの問題を抱えた今回の改正案が十分な審議もなく数の多数で可決されていくことには反対をいたします。

 最後に、民主党は、生活者の立場に立って生活の充実を目指す生活起点の理念のもと、医療を含め、社会保障の充実と安定化に全力を挙げて取り組む所存であることを申し述べて、私の討論を終わります。

 ありがとうございます。(拍手)

議長(大島理森君) 堀内照文君。

    〔堀内照文君登壇〕

堀内照文君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。(拍手)

 初めに、国民健康保険法案は、制度創設以来の大改定であり、内容は多岐にわたるにもかかわらず、参考人も含め二十二時間足らずで委員会審議を打ち切り、採決しようとしていることに強く抗議をするものです。

 本法案は、この間の自公民三党合意の社会保障と税の一体改革や、それに基づくプログラム法などと一体のものであり、国民の自助、共助へと社会保障を変質させるものにほかなりません。

 国保法第一条には、国民健康保険事業の健全な運営の確保とともに、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると明確にうたっています。国民皆保険制度を縮小させるこの法案は、憲法二十五条に規定された社会保障に対する国の責任を放棄するものであり、断じて許せません。

 以下、具体的に反対する理由を述べます。

 第一は、今でさえ耐えがたい国保料の引き上げや徴収強化を招くことです。

 市町村は都道府県に納付金を納めますが、保険料の収納状況に関係なく一〇〇%納付が義務づけられます。都道府県は市町村に標準保険料率を示しますが、これは将来的な保険料負担の平準化に向けた地ならしであり、一層の保険料引き上げや徴収強化につながりかねません。

 国は三千四百億円の財政支援を新たに行うと言いますが、国庫負担は、この数十年の間の連続した引き下げで、一年当たり実質一兆円から二兆円規模なくなっています。そのために、各市町村で一般会計からの繰り入れをしてもなお国保料が高く、滞納世帯が三百六十万を超えています。

 医療にたどり着けず重度化、死亡する事態、一方的な差し押さえなどで生活苦をも強いられる深刻な事態が後を絶ちません。国民に医療を保障する制度が、国民の生活苦に追い打ちをかけ、人権や命を脅かすことがあってはなりません。

 住民の暮らしと健康を守る国保制度を再建するために、国庫負担の抜本的増額を求めるものであります。

 第二に、都道府県が、医療費適正化計画で医療費削減の目標を持ち、毎年その進捗を検証することが規定されていることは重大です。

 地域医療構想とセットで、病床機能の再編、削減等を促進することになります。国保の都道府県管理によって権限を強め、さらなる医療費抑制を都道府県の責任で行わせるものであり、必要な医療を公的保険で受けることができる皆保険制度を縮小させるものです。

 第三に、患者申し出療養は、保険診療の例外を広げ、混合診療に道を開くものです。

 安全性、有効性を確保する審査体制の見通しがありません。有害事象が発生しても、公的補償制度からは除外されている上に、患者申し出が起点だとして患者に責任を負わせるものです。難病団体は、保険の外にとめ置かれる治療や薬がふえ、患者の負担が途方もなく増大し、手が届かなくなると懸念をしています。

 困難な病気と闘う患者のためというのなら、患者申し出療養は白紙に戻し、確実に保険に結びつく仕組みを充実させていくべきです。

 最後に、公平を口実に、現役世代にも高齢者にも新たな負担増を強いることも重大です。

 入院時食事療養費引き上げ、紹介状なしで大病院を受診した場合の定額自己負担の義務づけ、後期高齢者医療制度の保険料特例軽減の廃止は、深刻な受診抑制を招くものです。協会けんぽへの国庫負担率下限の引き下げは、中小零細企業労働者の保険料率引き上げにつながります。

 その上、今後、費用の適正化、保険給付の範囲など、さらなる負担増の検討まで盛り込んでいることは断じて容認できません。

 以上、国民がいつでもどこでも安心して医療を受けられる国民皆保険の原則を大もとから揺るがす本法案は廃案にすべきことを強調し、討論を終わります。(拍手)

議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

議長(大島理森君) 採決いたします。

 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。

     ――――◇―――――

議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十六分散会

     ――――◇―――――

 出席国務大臣

       文部科学大臣  下村 博文君

       厚生労働大臣  塩崎 恭久君


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