衆議院

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第2号 平成14年2月27日(水曜日)

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平成十四年二月二十七日(水曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 大畠 章宏君
   理事 逢沢 一郎君 理事 阪上 善秀君
   理事 渡辺 具能君 理事 渡辺 博道君
   理事 藤村  修君 理事 細野 豪志君
   理事 河合 正智君 理事 工藤堅太郎君
      岩崎 忠夫君    奥山 茂彦君
      嘉数 知賢君    亀井 久興君
      実川 幸夫君    谷川 和穗君
      近岡理一郎君    西川 公也君
      平井 卓也君    望月 義夫君
      山本 明彦君    石毛えい子君
      大谷 信盛君    野田 佳彦君
      山元  勉君    横路 孝弘君
      太田 昭宏君    吉井 英勝君
      北川れん子君
    …………………………………
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 村井  仁君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   国務大臣
   (科学技術政策担当大臣) 尾身 幸次君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   内閣官房副長官      上野 公成君
   内閣府副大臣       熊代 昭彦君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   内閣府大臣政務官     奥山 茂彦君
   内閣府大臣政務官     嘉数 知賢君
   内閣府大臣政務官     亀井 郁夫君
   内閣委員会専門員     新倉 紀一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十七日
 辞任         補欠選任
  小野 晋也君     山本 明彦君
  谷本 龍哉君     平井 卓也君
  仙谷 由人君     大谷 信盛君
同日
 辞任         補欠選任
  平井 卓也君     谷本 龍哉君
  山本 明彦君     小野 晋也君
  大谷 信盛君     仙谷 由人君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 内閣の重要政策に関する件
 栄典及び公式制度に関する件
 男女共同参画社会の形成の促進に関する件
 国民生活の安定及び向上に関する件
 警察に関する件


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     ――――◇―――――
大畠委員長 これより会議を開きます。
 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
 まず、福田内閣官房長官・男女共同参画担当大臣から所信及び平成十四年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算の説明について、次に、村井国家公安委員会委員長から所信及び平成十四年度警察庁予算の説明について、それぞれ聴取いたします。また、尾身科学技術政策担当大臣、竹中経済財政政策担当・情報通信技術担当大臣及び石原規制改革担当・行政改革担当大臣から、それぞれ所信を聴取いたします。福田国務大臣。
福田国務大臣 内閣官房及び内閣府の事務を担当する大臣として、所信の一端を申し述べます。
 二十一世紀の我が国にふさわしい新たな行政システムの構築を目指した中央省庁改革から一年が過ぎました。小泉内閣におきましては、総理の改革断行に向けた強い意思とリーダーシップのもと、聖域なき構造改革に取り組んでいるところでございます。昨年は、内閣を直接支える内閣官房、内閣府を中心に、いわゆる骨太の方針、特殊法人等整理合理化計画等を取りまとめ、構造改革が着実に動き出した年でありました。本年は、動き出した改革を軌道に乗せ、さらに大きな流れをつくり出す改革本番の年であり、内閣の総力を挙げてその実現に力を注いでいかなければなりません。
 また、現下の経済問題につきましても、政府といたしまして強い決意で取り組んでいく必要がございます。
 私は、内閣官房の責任者として、また、内閣府の事務全般を取りまとめる立場から、総理のリーダーシップのもと、各大臣と緊密な連携を図りつつ、国政全般を見渡した総合的、戦略的な政策判断に基づき各種施策が機動的かつ的確に実施されるよう、全力を尽くす所存でございます。
 続きまして、内閣官房及び内閣府の所管行政について申し上げます。
 内閣官房におきましては、大規模テロ、武装不審船、大規模自然災害など、国民の安全を脅かす各種の緊急事態に対する国の備えに万全を期するとともに、武力攻撃の事態に対処するための法制の整備を進めてまいります。
 また、都市の魅力と国際競争力を高めるため、都市再生本部が中心となって、関係省庁とも連携を図りつつ、東京湾臨海部における基幹的広域防災拠点の整備を初めとする都市再生プロジェクトを着実に推進してまいります。
 さらに、情報収集衛星の導入など、情報の収集及び分析機能の強化に万全を期してまいります。
 内閣府におきましては、経済財政、科学技術などの重要政策について、経済財政諮問会議や総合科学技術会議などを活用し、知恵の場としての機能を発揮するとともに、特命担当大臣の強力かつ迅速な政策調整機能などにより、内閣府の担当する各般の施策に適切に対処してまいります。
 男女共同参画社会の実現は、内閣の最重要課題の一つであります。私は、男女共同参画担当大臣として、また、男女共同参画会議の議長として、基本法や基本計画にのっとり、男女共同参画社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ってまいります。男女共同参画会議におきましては、総理からの指示を受け、女性がさまざまな分野において主導的な立場を担い、新たな分野に活躍の場を広げることを目指す女性のチャレンジ支援策について、精力的に審議を進めてまいります。また、本年四月に全面施行となる配偶者暴力防止法の的確な運用に取り組んでまいります。
 さらに、すべての国民が社会の重要な担い手として活躍し、互いにいたわり合い、安全で安心に暮らせる社会を実現するため、次代を担う青少年の育成に係る骨太のビジョンづくりなど、青少年健全育成、高齢社会対策、障害者施策及び交通安全対策に総合的に取り組んでまいります。また、今国会には、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための一括法案を提出いたします。
 また、内閣府は、我が国が国際的に求められている責任や義務を果たしていくための施策や、国際的な連携、交流の推進に取り組んでまいります。
 国際平和協力業務については、先般の国際平和協力法の改正も踏まえ、国連平和維持活動等に我が国として今後とも積極的に参加していく所存であります。来月には、自衛隊施設部隊を東ティモールのPKOへ派遣することとしております。
 中国における遺棄化学兵器の問題につきましては、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を誠実に履行するため、引き続き廃棄処理事業を進めてまいります。
 アフガニスタンの復興支援を行う上では、女性の地位向上、女性のニーズへの配慮が不可欠であり、男女共同参画の視点からそうした援助のあり方について早急に検討を進めてまいります。
 また、今年は、ESCAPが定めたアジア太平洋障害者の十年の最終年に当たり、十月に我が国での開催が予定されているハイレベル政府間会合に向けて積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
 このほか、栄典行政については、二十一世紀を迎え、栄典制度を社会経済の変化に対応したものとすることが必要であり、栄典制度の在り方に関する懇談会から昨年十月に提出された報告書の内容を踏まえ、栄典制度の改革に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
 政府広報については、政府の重要施策に関し、国民の理解と協力を得ることにより、その円滑な遂行を図るため、構造改革の推進など重要施策に重点を置いた広報広聴活動を機動的かつ効果的に実施いたします。
 昨年六月から始めたタウンミーティングは、四十七都道府県を一巡し、小泉内閣は、多くの国民と活発な対話を行うことができました。今後も、雇用創出、国民の暮らしを初めとする政策テーマ別の実施や政府と国民の共催など、多様な形で対話を継続してまいります。
 私は、ここに御列席の各大臣と協力して総理を支え、内閣官房及び内閣府がその機能を十全に発揮するよう万全を期してまいります。委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
 引き続きまして、平成十四年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 皇室費の平成十四年度における歳出予算要求額は七十億一千三百万円でありまして、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十三億七千八百万円、皇族に必要な経費三億一千百万円を計上いたしております。
 次に、内閣所管の平成十四年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、情報収集衛星のシステム開発、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費八百三十七億七千四百万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十億九千百万円を計上いたしております。
 次に、内閣府所管の平成十四年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、経済財政政策、科学技術政策、沖縄対策、沖縄振興開発、男女共同参画社会の形成の促進、青少年の健全育成、国民生活行政、防災行政、原子力安全対策、北方領土問題の解決促進、国際平和協力業務、化学兵器禁止条約の実施、京都迎賓館(仮称)の建設、政府広報等のための経費四千百三十四億百万円、宮内庁に係るものとして、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる事務等のための経費百二十一億六百万円を計上いたしております。
 以上をもって、平成十四年度の皇室費、内閣及び内閣府関係予算の概要の説明を終わります。
大畠委員長 次に、村井国務大臣。
村井国務大臣 国家公安委員会委員長として、所信の一端を申し上げます。
 最近の治安情勢を見ますと、強盗などの凶悪犯罪が増加しているほか、少年による凶悪犯罪、女性や子供を被害者とする犯罪、あるいはひったくりなどの街頭犯罪等、国民の日常生活を脅かす犯罪が多発しております。加えて、国際的な組織犯罪やハイテク犯罪が発生するなど、極めて厳しい状況にあります。また、米国同時多発テロ事件や不審船事案等の発生により、国際テロへの懸念が高まっております。
 警察は、こうした状況のもとで、真に国民の期待と信頼にこたえる力強い警察の実現と、世界一安全な国、日本の復活に向け、全力を尽くしていかなければなりません。
 私は、このような基本的認識のもとに、国内治安維持の第一義的責任を負う者として、警察行政の推進に最大限の努力を払ってまいります。
 以下、概要について御説明いたします。
 初めに、犯罪情勢と対策について申し上げます。
 その一は、犯罪の未然防止と取り締まりの強化であります。
 昨年の刑法犯認知件数は、戦後最多を記録しており、中でも、強盗等の凶悪犯や窃盗犯が増加しております。また、ピッキング用具を使用した侵入盗や組織的な自動車盗、銃器・薬物犯罪など、国民生活に大きな脅威となる犯罪が多発しております。
 私は、全国警察における犯罪の未然防止と取り締まりの両面にわたる取り組みを一層強化し、良好な治安の確保に最大限の努力をしてまいります。さらに、犯罪被害者やその遺族に対する支援や保護のための諸施策を積極的に講じてまいります。
 その二は、少年非行等への取り組みの強化であります。
 最近の少年非行等をめぐる情勢は、少年によって引き起こされる凶悪、粗暴な事件が後を絶たない一方で、少年を被害者とする犯罪や児童虐待が増加するなど、極めて深刻な状況にあります。
 二十一世紀を担う少年の健全育成は、国民すべての願いであります。私は、少年の非行防止と保護の両面にわたる総合的な対策を一層強力に推進してまいります。
 その三は、国際組織犯罪等への対策の強化であります。
 不法滞在等の来日外国人による犯罪の凶悪化、組織化は、我が国の治安を根幹から揺るがしかねない大きな問題の一つであり、昨年七月、政府に国際組織犯罪等対策推進本部を設置して、取り組みを強化しているところであります。
 今後も、国内外の関係機関との連携を強化するなど、総合的な対策を推進してまいります。
 次に、交通情勢と対策について申し上げます。
 昨年の交通事故による死者数は、二十年ぶりに九千人を下回りましたが、交通事故発生件数及び負傷者数は、いずれも過去最悪を記録しており、依然として厳しい情勢にあります。
 悲惨な交通事故を抑止することは、国政上の重要課題であります。
 私は、効果的な交通指導取り締まり、交通安全意識の高揚等、交通事故抑止のための諸対策に鋭意取り組むとともに、道路交通のIT化や交通環境のバリアフリー化を通じて、都市機能の再生や高齢者、身体障害者の安全確保にも取り組んでまいります。
 次に、警備情勢と対策について申し上げます。
 昨年の米国同時多発テロ事件の発生以来、国際テロの脅威が高まり、生物・化学テロ、サイバーテロの発生も懸念されるなど、国民の不安が増大しております。
 警察としては、こうした卑劣なテロの未然防止に万全を期するため、テロ関連情報の収集、関係機関との連携を強化するとともに、引き続き、国内重要施設の警戒警備等の諸対策を推進してまいります。
 目前に迫っております二〇〇二年ワールドカップサッカー大会の開催に当たりましては、テロの未然防止とフーリガンによる不法行為の封圧に総力を挙げて取り組んでまいります。
 さらに、極左暴力集団や右翼は各種抗議行動等に取り組んでおり、オウム真理教は依然として反社会的な本質を変えていないことから、警察は、引き続き情報収集活動や警戒警備活動を強化し、違法行為に対する事件捜査を徹底してまいります。
 また、各種自然災害、事故災害の発生に際し、迅速的確に対応し得る体制の整備に努めてまいります。
 以上、当面の諸問題について申し上げましたが、現下の厳しい治安情勢に的確に対応していくためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。警察におきましては、必要な人的体制を整備するため、平成十四年度予算政府案に、地方警察官一万人緊急増員三カ年計画の初年度分として四千五百人の増員を盛り込んだところであります。そして、全警察職員が誇りと使命感を持って職務に精励できるよう処遇の改善に取り組み、国民の負託にこたえることのできる警察の確立に努めてまいります。
 次に、平成十四年度警察庁予算について、その概要を御説明申し上げます。
 警察庁の平成十四年度における歳出予算要求額は、二千六百三十七億八百万円を計上しております。これは、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費であります。
 以上、所管行政についての所信を述べるとともに、平成十四年度の警察庁予算の概要について申し上げましたが、国民の皆様が、これまで以上に安全に、かつ、安心して暮らせる社会を実現するため、全力を尽くしてまいる覚悟でありますので、委員長、理事及び委員各位におかれましては、よろしく御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第であります。
大畠委員長 次に、尾身国務大臣。
尾身国務大臣 科学技術政策担当大臣として、私の所信を申し上げます。
 現在、我が国の経済情勢は大変厳しい状況にあり、経済の構造改革が必要であります。このため、小泉内閣の掲げる改革なくして成長なしとの方針のもと、一刻も早く国際競争力を回復し、日本経済全体の活性化を図っていくことが必要であると考えます。
 そのための重要なかぎとなるものが科学技術であります。日本再生の命運が科学技術の振興にかかっていると言っても過言ではありません。
 現在の日本は、先進国に追いつき追い越せというキャッチアップ時代からフロントランナー時代に移行しており、これからは、道なき道をみずからの手で切り開いていくことが求められております。換言すれば、新しい原理原則の発見などにより、新しい技術、新しい商品、新しいサービスなどをつくり出し、新規産業、成長産業の創出に結びつけていくことが必要であります。また、これらを支える基礎研究につきましても、一層その質を高め、国際的な成果を生み出せる環境を整備することが重要であります。
 私は、これを基本姿勢とし、実のある科学技術政策を展開してまいります。
 先日、私は、米国、英国のトップクラスの大学等を訪問し、百三十名を超える方々と意見交換をしてまいりましたが、両国においては、競争的環境のもとで産学官連携に向けたインセンティブが強く働いていることを痛感いたしました。
 したがいまして、まず第一に、競争的環境のもとで、産学官連携を進めるための環境の整備を進めます。このため、大学発ベンチャーの育成を全国的に展開するとともに、競争的資金の大幅な拡充を行ってまいります。また、昨年秋から、全国で産学官連携サミットを開催しているところであり、本年六月には、第一級の研究者や専門的な実務者などを集め、産学官連携推進会議を開催するなど、産学官連携を実質的かつ強力に進展させてまいります。
 第二に、産業の空洞化により疲弊の度を強めている地域経済を再生させるため、地域の大学の頭脳で中小企業の活力を生かして、世界に通用する新事業や新製品を生み出すことが必要であり、このため、地域の大学の研究成果を生かした起業家の育成、地域における中小企業を含めた技術開発力の強化等、地域における科学技術の振興に強力に取り組んでまいります。
 第三に、我が国全体として、研究開発投資の拡充に対応した成果の創出と確保を図り、国際競争力の強化に結びつけていくためには、知的財産に関する適正なシステムを構築することが強く求められています。このため、総合科学技術会議に専門調査会を設置し、知的財産の保護と活用に関する総合的な戦略の策定に取り組むとともに、内閣総理大臣が開催する知的財産戦略会議との連携を図ってまいります。
 第四に、人の遺伝子情報の医療への応用、極めて微小なレベルでの新材料開発、デジタル時代の高度な情報通信技術開発、環境分野における技術開発など、産業競争力と質の高い国民生活の基盤となる科学技術分野への戦略的な研究開発投資の促進に取り組みます。
 第五に、宇宙開発利用の産業化や宇宙利用の拡大、促進に関するめり張りのきいた戦略の取りまとめや、生命倫理に関する社会的コンセンサスの形成に努めるなど、科学技術に関する重要課題に適切に対処してまいります。
 国際熱核融合実験炉、ITER計画に対する参加、誘致につきましては、科学技術の総合的かつ計画的な振興を図る観点から、速やかに判断を行ってまいります。
 一方、原子力につきましては、我が国の基幹電源であり、平和利用を堅持し、安全確保を大前提に、国民の理解を得つつ、核燃料サイクルの確立に向けて研究開発利用を推進してまいります。私としては、原子力委員会及び原子力安全委員会が着実にその役割を果たしていくよう最大限努力いたします。また、プルサーマル計画は、我が国のエネルギー政策にとって必要不可欠なものであることから、国民の理解を深め、着実に推進するように努力してまいります。
 昨年一月六日の省庁再編に伴い、内閣府に総合科学技術会議が発足し、一年が経過いたしました。この間、内閣総理大臣の出席のもと、月一回本会議を開催し、第二期科学技術基本計画に係る総合戦略の策定、予算編成過程を通じての科学技術関係予算の充実と重点化などに取り組み、科学技術政策のかじ取り役を着実に務めてきたと考えております。そのような意味で、科学技術政策における歴史的な転換がなされた一年間であったと思います。しかしながら、科学技術政策を取り巻く重要課題は山積しており、今後とも、総合科学技術会議の機能を最大限に発揮することが必要であると考えています。
 私は、二十一世紀の我が国を担う総合的な科学技術政策の責任者としての使命を自覚し、世界最高水準の科学技術創造立国の実現を目指すとともに、日本経済の真の再生を図るべく、全力を傾注してまいる所存でございます。委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。
大畠委員長 次に、竹中国務大臣。
竹中国務大臣 本日、内閣委員会が開催されるに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。
 日本経済の現状については、平成十一年初からの回復は短命に終わり、景気は悪化を続けています。
 このため、政府は、昨年十二月に、構造改革をさらに加速しつつ、デフレスパイラルに陥ることを阻止するため、緊急対応プログラムを決定するとともに、第二次補正予算を編成いたしました。
 さらに、デフレ問題への対応につきまして、今月十三日の総理からの指示も踏まえ、不良債権の一層の処理、金融システムの安定、資本市場対策はもとより、実効ある中小企業への貸し渋り対策などについて、月内を目途に早急に検討し、政府としてできる限り早く実行に移すこととしております。今後、政府、日本銀行は、一体となって強力かつ総合的にデフレ克服に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、本年一月、「構造改革と経済財政の中期展望」を策定しました。
 構造改革が目指すのは、人を何よりも重視する国です。経済社会の仕組みを全体として変化させることにより、日本の持つ潜在力が発揮され、経済の好循環がもたらされます。これらの結果、当面の集中調整期間後は消費や投資が安定的に拡大し、二〇〇四年度以降は実質一カ二分の一%あるいはそれ以上の民間需要主導の着実な成長が可能であると考えます。
 また、財政も持続可能なものとしてまいります。
 財政構造改革を推進し、歳出における質の改善と抑制を図ることにより、簡素で効率的な政府を実現します。今後約五年の間、政府の大きさは、一般政府支出規模のGDP比で見て、現在の水準を上回らない程度とすることを目指します。この結果、プライマリーバランスの赤字は、GDP比で見て、二〇〇六年度前後には現状の半分程度に低下するものと見込まれます。さらに、その後も同程度の財政収支改善努力が続けられ、民間需要主導の着実な経済成長が継続するならば、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスは黒字化するものと見込まれます。
 「改革と展望」の初年度である平成十四年度において、政府は、以下の二項目を重点として経済財政運営を行ってまいります。
 まず第一は、聖域なき構造改革のさらなる推進であります。
 第二は、世界経済の持続的発展への貢献であります。
 なお、構造改革を推進していく中で考えられるさまざまなリスクには十分留意し、経済情勢によっては大胆かつ柔軟な政策運営を行ってまいります。
 以上のような政策運営によって、平成十四年度の日本経済は、国内総生産の実質成長率は〇・〇%程度と見通されます。
 聖域なき構造改革の重要なねらいの一つは、消費者、生活者本位の経済社会システムを実現するとともに、国民の安全を確保し、安心して暮らせる社会を保障することです。このため、NPO等ボランティアの活動促進、我が国の高コスト構造の是正、消費者政策の推進により、国民が構造改革のメリットを享受できるよう努めてまいります。
 暮らしの改革という視点に立ち、未来に夢と希望が持て、安全で安心な暮らしがどのように実現していけるのか、いわば構造改革によって実現される国民生活の具体的姿を明らかにしていきたいと思います。
 IT革命の推進としては、本年は、二〇〇五年までに世界最先端のIT国家となることを目指すという政策の柱となる情報通信インフラ整備の推進、教育の情報化・人材育成の強化、電子商取引等の推進、電子政府の実現、情報セキュリティーの確保を着実に実施し、さらなる加速、前倒しを図ります。特に、電子政府の実現について、二〇〇三年度末までのできる限り早い時期に、実質的にすべての申請、届け出等手続をインターネット等で行うことができるようにし、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化などを積極的に進めます。IT社会の基盤法制の一つとして、個人情報の保護に関する法律案を国会に提出しているところでありますが、国民が安心してIT活用のメリットを享受できるよう、今後とも個人情報保護の推進に努めます。
 政策運営を考えるに当たり、改めて問われなければならないのは、そもそも、なぜ日本経済が十年もの長きにわたってこのような低成長に甘んじてきたのかという問題です。その要因は、決して需要の一時的な不足、短期的な落ち込みにあったのではなく、日本全体の生産性が中期的なトレンドとして低迷してきたことにありました。抜本的な構造改革なくして日本経済の再生と発展は絶対にあり得ません。
 過去の成功に固執して、また目の前の小さな利害の喪失に固執して改革をおくらせれば、停滞の十年が停滞の二十年、三十年とさらに長期化し、国民全体の利益が大きく損なわれることを認識しなければなりません。二〇〇二年は、その意味で、将来の日本経済を左右する分水嶺の年になると認識をしております。
 改革本番の年となる本年、経済財政諮問会議においては、これまでの作業に加え、経済の活性化のための戦略対応や税制のあり方、政府系金融機関の見直しといった課題について集中的な検討を進めます。今後、こうした検討を通じて、時間のかかる改革について長期の工程表を作成します。
 現実に経済社会を活性化していくのは国民であり、政府が行うべきことは、国民が持てる力を十分に発揮できるための環境整備です。国民とともに、民が主役の経済を目指してまいります。委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いし、所信の表明といたします。
大畠委員長 次に、石原国務大臣。
石原国務大臣 行政改革・規制改革担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
 行政改革、規制改革は、小泉内閣の進める聖域なき構造改革の中でも最も重要課題の一つでございます。
 この課題に取り組むに当たって、競争の導入を一つのキーワードにしたいと考えております。競争は、できるだけむだを省き、効率性を高めよう、商品やサービスの水準をできるだけ高めようといった取り組みを導き出す原動力となるものです。公的分野、民間分野に広く競争を導入し、効率的な行政、活力ある経済社会を実現すべく、引き続き行政改革、規制改革に取り組んでまいります。
 政府は、平成十七年度までの集中改革期間に各般の行政改革を実施することとしておりますが、昨年末までに、改革の具体化を図るための閣議決定を行うなど、大きな進展を得ることができました。ことしは、これらを軌道に乗せ、さらに大きな流れをつくり出す改革本番の年であります。私は、行政改革・規制改革担当大臣として、今後とも改革断行に全力を尽くしてまいります。
 さて、特殊法人等改革については、昨年十二月に特殊法人等整理合理化計画を策定いたしました。その内容は、道路関係四公団の民営化や都市基盤整備公団、住宅金融公庫、石油公団の廃止等、これまでにない踏み込んだ内容になっております。
 特に、道路関係四公団については、これらにかわる新たな組織及びその採算性の確保について第三者機関において一体として検討し、その具体的内容を平成十四年中にまとめることとしております。この第三者機関を設置するため、今国会に道路関係四公団民営化推進委員会設置法案を提出いたしました。今後、民営化推進委員会において十分な審議をしていただく観点からも、本法律案の早期成立に向け、関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 このほかの特殊法人等についても、整理合理化計画に基づき、平成十四年度から事業見直しについて講ずべき措置を具体化するとともに、組織形態についても、原則として十四年度中に法制上の措置その他必要な措置を講じ、遅くとも十五年度には具体化を図ることとしており、改革の実を上げていくために、私としても引き続き全力を尽くしてまいります。
 さて、公務員制度改革については、昨年十二月に公務員制度改革大綱を閣議決定いたしましたが、政府としては、真に国民本位の行政の実現を図ることを基本理念として掲げ、国民の立場から公務員制度を抜本的に改革することにより、行政のあり方自体を改革することを目指しております。今後は、内閣官房を中心に制度の詳細な設計を進め、制度全体の基礎となる国家公務員法の改正案について、平成十五年中を目標に国会に提出することとし、あわせて関係法令の整備を十七年度末までに計画的に行い、十八年度を目途に新たな制度に移行することを目指しております。
 また、行政委託型公益法人の改革については、民間にできることは民間にゆだねるとの考え方に立ち、国の関与を極力少なくするための厳しい見直しを進めています。昨年十二月には、補助金等について中間的な取りまとめを行いました。今後、検査・検定・資格試験事務など、国からの委託に関するものについて検討、調整を進めます。年度内には、これらをあわせて実施計画を取りまとめ、決定いたします。
 さらに、行政委託型公益法人の改革にとどまらず、公益法人全般を通じた制度の抜本的改革の基本的方向とそれに向けた改革のプロセスなどを年度内に公表し、改革を進めてまいります。
 規制改革は、不要な規制を取り除き、民間の自由な競争によって生活者、消費者が安い値段で質の高いサービスを受けられることを目指すとともに、民間のビジネスチャンスを拡大し、経済を活性化するものであり、これを強力に推進する必要があります。このため、昨年十二月には、総合規制改革会議が取りまとめた規制改革の推進に関する第一次答申を政府として最大限尊重する閣議決定を行ったところであります。
 これを受け、現在、第一次答申の御指摘事項を規制改革推進三カ年計画に盛り込むなど、年度内の計画改定に向けた作業を行っているところです。引き続き、経済社会の変化に適切に対応し構造改革を進めるため、スピード感を持って思い切った規制改革を推進してまいります。
 委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。ありがとうございました。
大畠委員長 以上で所信及び予算説明は終わりました。
 この際、安倍内閣官房副長官、上野内閣官房副長官、松下内閣府副大臣、熊代内閣府副大臣、奥山内閣府大臣政務官、亀井内閣府大臣政務官及び嘉数内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。安倍内閣官房副長官。
安倍内閣官房副長官 内閣官房副長官の安倍晋三でございます。
 大畠委員長を初め諸先生方の御指導、御鞭撻をいただきながら福田官房長官を補佐してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いします。(拍手)
大畠委員長 次に、上野内閣官房副長官。
上野内閣官房副長官 内閣官房副長官の上野公成でございます。
 大畠委員長を初め諸先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら、安倍副長官とともに福田官房長官を補佐してまいりたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)
大畠委員長 次に、松下内閣府副大臣。
松下副大臣 内閣府副大臣の松下忠洋でございます。
 内閣府本府の事務のうち、経済財政政策、防災、栄典、男女共同参画、青少年の健全育成及び国民生活などの政策を担当してまいります。あわせて、内閣府に係るIT関係の政策を担当いたしております。
 引き続き、官房長官及び特命担当大臣を支え、力を尽くしてまいります。委員長初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
大畠委員長 次に、熊代内閣府副大臣。
熊代副大臣 このたび、内閣府副大臣を拝命いたしました熊代昭彦でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 内閣府本府の事務のうち、規制改革、沖縄及び北方対策を担当するとともに、内閣府に係る道路関係四公団民営化推進委員会関係の政策を担当いたしております。あわせて、内閣総理大臣補佐官を拝命いたしました。石原行政改革担当大臣を補佐して、行政改革を推進する諸施策を担当いたしております。
 官房長官並びに石原大臣、尾身大臣等特命担当大臣をお支えし、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、委員長初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
大畠委員長 次に、奥山内閣府大臣政務官。
奥山大臣政務官 このたび、内閣府の大臣政務官を拝命いたしました奥山茂彦でございます。どうぞよろしくお願いします。
 内閣府本府の事務のうち、栄典、男女共同参画、青少年の健全育成、防災及び国際平和協力業務等の政策を担当いたします。
 委員長初め理事、委員各位の御指導、御協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)
大畠委員長 次に、亀井内閣府大臣政務官。
亀井大臣政務官 このたび、内閣府の大臣政務官を拝命いたしました亀井郁夫でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 内閣府本府の事務のうち、経済財政政策並びに国民生活に関する政策を担当いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
 委員長、理事並びに皆さん方の御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
大畠委員長 次に、嘉数内閣府大臣政務官。
嘉数大臣政務官 このたび、内閣府の大臣政務官を拝命いたしました嘉数知賢でございます。よろしくお願いいたします。
 内閣府本府のうち、総合科学技術政策、沖縄北方対策及び原子力を担当いたしております。
 尾身大臣を支え、全力を尽くしてまいりたいと思います。委員長を初め理事、委員各位の御指導をよろしくお願い申し上げまして、あいさつにさせていただきます。(拍手)
大畠委員長 次回は、明二十八日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前九時三十七分散会


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