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第10号 平成16年4月23日(金曜日)

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平成十六年四月二十三日(金曜日)

    午前十時二分開議

 出席委員

   委員長 山本 公一君

   理事 今津  寛君 理事 大村 秀章君

   理事 河本 三郎君 理事 山本  拓君

   理事 宇佐美 登君 理事 鎌田さゆり君

   理事 中山 義活君 理事 大口 善徳君

      岩屋  毅君    江崎洋一郎君

      河井 克行君    西川 公也君

      西村 康稔君    葉梨 康弘君

      早川 忠孝君    平田 耕一君

      平沼 赳夫君    宮腰 光寛君

      村上誠一郎君    石毛えい子君

      泉  健太君    市村浩一郎君

      大畠 章宏君    島田  久君

      原口 一博君    山内おさむ君

      横路 孝弘君    太田 昭宏君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣         金子 一義君

   内閣府副大臣       佐藤 剛男君

   内閣府大臣政務官     西川 公也君

   内閣府大臣政務官     宮腰 光寛君

   内閣委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  吉井 英勝君     高橋千鶴子君

同日

 辞任         補欠選任

  高橋千鶴子君     吉井 英勝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 構造改革特別区域法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇五号)


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     ――――◇―――――

山本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、構造改革特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本案に対する質疑は、去る二十一日既に終局いたしております。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。市村浩一郎君。

市村委員 市村浩一郎です。

 私は、民主党を代表しまして、このたびの構造改革特別区域法の一部改正案に対しまして、反対の立場から討論をさせていただきます。

 まず、民主党の規制緩和、特区制度に対する基本的な立場を改めて申し上げます。

 国民の生活の質の向上を図る観点から、構造改革、すなわちこの国の形を時代に合わせて変えていくこと、その一つの方法として、行き過ぎた規制を緩和していくこと、特に経済規制については撤廃をしていくこと、また、その規制緩和・撤廃の方向性として、民営化をして、民の知恵を取り入れ、民の迅速性、柔軟性、機動性を生かしていくことには基本的に賛成であります。この場合の民には、言うまでもなく、NPO、非営利組織が含まれています。

 ですから、これまでも、本来であれば規制緩和の実施は全国一律に行うべきところではありますが、特区制度の手法にも一定の理解を示してきたところでございます。

 しかしながら、その立場に立ちましても、このたびの一部改正案には賛成をいたしかねる部分が含まれています。

 株式会社に病院等の設立を認めるという規制緩和案があります。

 民主党は、株式会社という業態を排除するものではありません。しかしながら、医療特区におきまして、医療の質がきちっと保てるのかどうか、経営が厳しいときでもしっかりとした患者のケアがなされるのかどうか、懸念されます。また、高度かつ先進的な医療サービスを受けられるのが、結局、金次第になるのではないかという心配がありまして、国民がひとしく命にかかわる医療を受けられるという国民皆保険の崩壊の不安が払拭されていません。

 一方で、当該医療機関では自由診療以外できないため、その医療費は全額患者負担のままです。高度医療限定のハードルとあわせて、そうした条件下で新規参入する株式会社があるのかどうか、結局絵にかいたもちに終わるのではないかという可能性が強いと言えます。これでは規制緩和と言いがたいものがあります。

 さらに、教職員特区につきまして、民主党は、免許法そのもののあり方も含め、まずは全体的な理念を明確にすべきと考えております。政府案のように、市町村の教育委員会が認めればだれにでも教員免許が与えられるというのは、どうしても疑問が残ります。

 これらの問題点につきまして、国会審議を通じまして、政府から十分な説明がなされたとは言えません。

 以上の理由から、民主党は、国民の立場から本法案に反対することを表明して、私の討論を終わります。(拍手)

山本委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 私は、日本共産党を代表しまして、構造改革特別区域法の一部改正案に対し反対の討論を行います。

 初めに、我が党の規制緩和の基本的な考え方についてでありますが、利権を維持するための規制や社会の実情に合わなくなった古い規制、これらの規制を緩和し、廃止することは当然だと考えています。同時に、国民の生活、福祉、安全、環境などを守る規制は、しっかり守り充実させるということが我が党の基本的な立場であります。

 次に、本案で改正される医療法の特例についてです。

 高度医療に限るとして株式会社の病院等の開設を認める特例は、高度の医療に限ろうとも限るまいとも、確保しなければならない医療の公益性を否定するもので、国民の健康や生命を守る医療を利潤追求の目的にするものです。医療分野での利潤追求は、不採算部門の切り捨てと高収益部門への集中、患者の経済的格差をそのまま医療に持ち込むものとなります。また、高度の医療という新たな枠組みは、皆保険制度の趣旨にも逆行します。今、医療制度に必要なことは、国民の生存権、健康権を保障する皆保険制度を充実させ発展させる方向で改革することです。

 次に、教育職員免許法の特例についてです。

 市町村教育委員会に特別免許の交付を認めようとするものでありますが、大学での教養・専門教育、教職・教科教育は、憲法、教育基本法に支えられた公教育にとって不可欠の教員養成制度です。この重要性は、特区であろうとなかろうと変わりません。特区による特例は、将来の全国展開も視野に入っていますが、市町村による特別免許交付が全国展開されれば重大であります。この特例は、教員のあり方に大きな変化をもたらし、教員免許制度そのものを形骸化させ、将来的には制度の崩壊にもつながるおそれがあります。

 なお、漁港漁場整備法並びに狂犬病予防法の特例には賛成であることを申し添えて反対討論を終わります。

山本委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山本委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、構造改革特別区域法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

山本委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、山本拓君外一名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山本拓君。

山本(拓)委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、自由民主党及び公明党の各会派を代表いたしまして、案文を朗読し、その趣旨の説明をいたします。

    構造改革特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の事項について十分配慮すべきである。

 一 株式会社による医療参入に係る特例措置については、高度医療の範囲を限定することとし、経済的波及効果、国民医療の進展効果等の実証を行い、その結果を公表すること。

 二 株式会社による医療参入に係る特例措置について経済的波及効果、国民医療の進展効果等がない場合には、構造改革特別区域における株式会社の医療参入について、議論をし見直しを行うこと。

以上であります。

山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山本委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金子国務大臣。

金子国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法案の実施に努めてまいりたいと考えております。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

山本委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

山本委員長 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 警察に関する件の調査のため、来る二十八日水曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る二十八日水曜日理事会及び委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時十二分散会


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