第18号 平成16年6月2日(水曜日)
平成十六年六月二日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 山本 公一君
理事 今津 寛君 理事 大村 秀章君
理事 河本 三郎君 理事 山本 拓君
理事 宇佐美 登君 理事 鎌田さゆり君
理事 中山 義活君 理事 大口 善徳君
岩屋 毅君 江崎洋一郎君
河井 克行君 西川 公也君
西村 康稔君 葉梨 康弘君
早川 忠孝君 平田 耕一君
平沼 赳夫君 宮腰 光寛君
村上誠一郎君 石毛えい子君
泉 健太君 市村浩一郎君
大畠 章宏君 島田 久君
園田 康博君 原口 一博君
山内おさむ君 山花 郁夫君
横路 孝弘君 太田 昭宏君
吉井 英勝君
…………………………………
議員 長勢 甚遠君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 小野 清子君
内閣府大臣政務官 西川 公也君
内閣府大臣政務官 宮腰 光寛君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 山本信一郎君
政府参考人
(警察庁長官官房長) 吉村 博人君
政府参考人
(警察庁交通局長) 人見 信男君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房統計情報部長) 坂田 稔君
政府参考人
(経済産業省製造産業局次長) 中嶋 誠君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 小前 繁君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 佐藤 信秋君
内閣委員会専門員 小菅 修一君
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委員の異動
五月二十七日
辞任 補欠選任
江崎洋一郎君 岸田 文雄君
河井 克行君 八代 英太君
太田 昭宏君 福島 豊君
同日
辞任 補欠選任
岸田 文雄君 江崎洋一郎君
八代 英太君 河井 克行君
福島 豊君 斉藤 鉄夫君
同日
辞任 補欠選任
斉藤 鉄夫君 太田 昭宏君
六月二日
辞任 補欠選任
泉 健太君 園田 康博君
島田 久君 山花 郁夫君
同日
辞任 補欠選任
園田 康博君 泉 健太君
山花 郁夫君 島田 久君
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六月一日
国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外四名提出、衆法第一四号)
五月二十八日
日本国憲法の改正反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六〇八号)
憲法の改悪反対に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六七一号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)(参議院送付)
国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外四名提出、衆法第一四号)
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○山本委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官山本信一郎君、警察庁長官官房長吉村博人君、警察庁交通局長人見信男君、厚生労働省大臣官房統計情報部長坂田稔君、経済産業省製造産業局次長中嶋誠君、国土交通省大臣官房技術審議官小前繁君及び国土交通省道路局長佐藤信秋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○山本委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。早川忠孝君。
○早川委員 おはようございます。自由民主党の早川忠孝でございます。
時間が限られておりますので、早速質問に移らせていただきます。
平成十五年中の交通事故による死者数が、統計によりますと七千七百二人と聞いております。昭和四十五年当時一万六千七百六十五人にも上っておりました死者数が、八千人を下回ったということは極めて意義深いことでありますし、第七次交通安全基本計画に基づく諸施策の推進の結果によるものと考えております。
しかしながら、いまだ年間に八千人近いとうとい人命が失われている現状は重く受けとめなければならないと考えております。政府が新たに掲げられた十年間で交通事故による死者数を五千人以下にするという目標に向けた不断の取り組みが求められておりますけれども、今回の道路交通法の改正により、どのような効果があると考えておられるのか、まず警察庁にお伺いしたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
今回の道路交通法の改正案は、いまだに八千人近くの方々が交通事故により亡くなっているという現状を重く受けとめ、十年間で交通事故死者数をさらに半減させるという政府目標の達成に向けて、交通事故防止対策の一層の推進を図るために立案されたものでありまして、その主な内容は、違法駐車対策、運転者対策、暴走族対策、運転中の携帯電話等の使用に対する罰則の見直し、飲酒運転対策等となっております。
違法駐車対策についてでございますが、都市における慢性的な交通渋滞の原因になりますとともに、交通事故の原因にもなっておりますので、違法駐車対策を推進することにより、駐車車両への追突事故や歩行者が駐車車両の陰になることによる事故の防止、こういったものが期待できると考えております。
また、運転者対策についてでございますが、これは、運転免許制度を改正することによりまして、貨物自動車の運転者の知識、技能の向上を図るものでありますので、大型貨物自動車等に係る事故の防止が期待されます。
また、運転中の携帯電話等の使用に対する罰則の見直しにつきましては、運転中に携帯電話等を使用することにより、運転操作が不安定となったり、周囲の状況に対する注意力が低下したりすることによって引き起こされる交通事故の防止が期待されます。
このほか、暴走族対策や飲酒運転対策を図ることによりまして、それぞれ、暴走族の暴走行為に起因する交通事故あるいは飲酒運転による悲惨な交通事故の減少が期待されるところであります。
警察といたしましては、このように、改正法の施行によりまして相当の交通事故抑止効果を上げることができるもの、こう考えておるところでございます。
○早川委員 今回の道路交通法改正案には、これまでの交通行政の概念を打ち破るような斬新な内容が含まれていると考えております。
まず、違法駐車対策の柱として、車両の使用者に係る責任を法律に明記した件についてお伺いいたします。
今御説明があったとおり、都市部での違法駐車対策は重要な都市問題であると考えております。聞くところによりますと、違法駐車ステッカーを取りつけられても警察へ出頭しない者が増加している、悪質な者に至っては、取りつけられたかぎつきステッカーをペンチなどで切って捨ててしまっている者もいるというふうに聞いております。運転者が自主的に警察に出頭しない場合は、警察が自動車の使用者に連絡したりして運転者を捜査、特定していると思いますが、それに要する労力も大変なものと思われます。
そのような背景の中で、違法駐車をした運転者の責任が追及できない場合に、車両の使用者に違法駐車の責任を追及し、使用者から放置違反金を徴収することができるようにするというのが今回の改正の柱の一つと考えております。
しかしながら、違法駐車をした者はあくまで車両の運転者である、車両の使用者ではないわけであります。違法行為をした当人ではない者に放置違反金の納付義務を負わせることについては、これは極めて異例な立法に属すると思われます。いわゆる使用者責任を導入することについての法制上の問題があるのかないのかについてお伺いいたしたいと思います。
○人見政府参考人 車両の使用者につきましては、車両の使用によって大きな社会的便益を得、また車両の包括的運行支配を有する立場にございます。現行道路交通法上も、このような立場に着目いたしまして、車両の使用者には駐車違反の防止について一定の運行管理義務が課されているところであります。言いかえますと、車両の運行を管理している車両の使用者は、駐車違反を防止できる立場にありまして、また、その運行による便益を享受している者として駐車違反の防止の責任を負うべき者であると現行法上も位置づけられております。
そこで、放置駐車違反につきましては、取り締まりの現場に運転者がいないために違反行為に対する責任追及を十分に行い得ない現状がある一方で、その発生を抑止する社会的要請は大変大きなものがあろうと思います。このような状況にかんがみれば、現行道路交通法上、駐車違反防止のために車両の使用者が負っております運行管理義務、これを強化しまして、放置駐車違反について原因行為者である運転者の責任を追及できない場合に使用者の責任を追及する制度を導入することは法制的にも妥当であり、必要であると考えておるところでございます。
○早川委員 例えば、車両が盗まれた場合などを考えますと、このような場合にまで車両の使用者ということで放置車両についての責任を追及するということは当然厳しいのではないかと思われます。盗難車の場合は果たしてどのようになるのかについてお伺いいたします。
○人見政府参考人 車両を盗難された者、この者につきましては、その盗まれた車について放置駐車違反が行われた時点では、車両の運行を管理することはできない状態となっておりますので、新制度において放置違反金納付命令の対象となる使用者ではなくなっていたもの、こう考えております。
したがって、車両を盗難された者に対しては納付命令は行わないというふうに考えております。
○早川委員 今回の違法駐車対策の柱の一つとして、放置車両の確認及び標章の取りつけに関するいわゆる違法駐車取り締まり関係事務の民間委託の推進があろうと承知しております。
現在、都市部に違法駐車があふれておりますのは、膨大な数に及ぶ違法駐車に警察の取り締まりが追いつかないということが大きな原因であり、そのために違法駐車取り締まり事務の執行力を強化することが必要であろうと考えております。
しかしながら、刑法犯が増加している現状にかんがみますと、民間委託可能な事務は民間に委託する、警察官は事件あるいは事故捜査といった警察官でしかできない業務を行うべきであると考えます。
したがいまして、違法駐車取り締まり関係事務の民間委託の推進は基本的に望ましいと考えておりますけれども、一方で、民間委託を行いますと、逆に放置車両確認機関あるいは放置違反金に関する事務の受託機関の監督等の新たな業務が生ずることになるのではないか、委託によってかえって警察の仕事がふえるのではないかという疑念がありますけれども、いかがでしょうか。
○人見政府参考人 放置違法駐車車両の確認事務の委託を行った場合、先生御指摘のとおり受託者の監督等の業務が発生いたしますが、街頭を巡回する駐車監視員の数よりそれを監督する者の数の方が多くなるということは考えにくいことでございますし、委託契約を締結する事務等にもさほどの人手は必要としないことから、新たな放置違反金制度に必要となる弁明手続や命令手続などに要する事務量を踏まえましても、全体としては業務の合理化、効率化になるものと考えております。
そうは申しましても、今回の制度改正の趣旨、すなわち駐車違反対応業務に要する警察の執行力を十分に確保する仕組みを構築すると同時に、警察の負担を軽減し、警察力を合理的に再配分するという改正の目的にもかなう運用が図られるように都道府県警察を指導してまいりたい、こう考えております。
○早川委員 違法駐車車両のレッカー移動についてお伺いいたします。
今回の改正で、車両を引き取りに来ない場合の放置車両について、保管期間一カ月で評価、売却するということが出ております。今まで三カ月だったものを一カ月にする理由、それから、万一、車両所有者が海外旅行をしていて引き取りに行けなかったような場合には一体どうなるのか、お伺いいたします。
○人見政府参考人 現在の保管車両の返還状況を見ますと、保管後一カ月経過した時点においては、返還できる車両のほぼすべて、九九・九%は返還を完了しております反面、その時点で返還できない車両は、保管が相当長期間に及び、またそのまま放棄される場合も相当多く、このような長期にわたり引き取りがなされない車両が増加してきているところでございます。
以上のような状況によりまして、車両を継続して保管することによる警察の負担が過重なものになっていることから、これを解消するため、保管後一カ月を経過した時点において、保管車両の価額に比べまして保管に不相当な費用を要する場合、この場合には車両を売却し、その代金を保管することができる、こうするものでございます。
なお、車両の売却は、保管車両の価額に比べて保管に不相当な費用を要する場合に限って行うものでございますので、最終的には車両の使用者等が負担することとなる保管費用をいたずらに費やさず、使用者等の利益に資するという側面も有しているものでございます。
次に、保管された車両の使用者等が海外旅行をしていた場合についてのお尋ねでございますが、警察としては、こういった場合には使用者の家族等に連絡することになりまして、この家族等を代理人として保管車両を引き取らせることができるものであります。現在も、運転者が所有者等にかわって引き取っているのが実情でございます。
また、警察としては、これは引き取りに来てもらいたい、こう考えておりますので、保管された車両の使用者等が旅行から戻れば車両が確実に引き取られるということが確認できた場合には、その後の評価、売却手続は行わないことといたしております。
保管車両の返還につきましては、これまでと同様、個別の事情を踏まえて適切に対応するよう都道府県警察を指導してまいる所存でございます。
○早川委員 今回の改正案で、携帯電話の使用等に関する罰則の見直しが盛り込まれております。国民生活に大きな影響を与える問題でありますし、そういう意味では、その改正の必要について十分に議論をしていく必要があろうと思います。
現行法でも運転中における携帯電話の使用等については禁止されているわけでありますけれども、まず、携帯電話の使用等による事故がふえているのであれば、現行の範囲での罰則の強化をすることが適当なのではないか。今回の改正法のように携帯電話の使用そのものを禁止するということになりますと、国民のほとんどが犯罪を犯すという結果、評価になりかねないというふうに思います。その辺についてはいかがでありましょうか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、運転中における携帯電話等の使用に係る現行規定の施行前後における交通事故の発生状況を見ますと、施行直後は大幅に減少したわけでありますが、その後増加に転じまして、平成十五年は平成十二年の約二倍、こうなっております。
これは、運転中における携帯電話等の使用に係る現行規定については、無線通話装置を手で保持して通話のために使用すること、画像表示用装置に表示された画像を注視することが禁止されているものの、罰則が科されるのは、本規定に違反し、よって道路における交通の危険を生じさせた場合に限られているため、規範としての感銘力が低下していることによるものと考えているところであります。
現行の罰則を引き上げることのみをもっては、依然として罰則が科されますのは、本規定に違反して、よって道路における交通の危険を生じさせた場合に限られますことから、道路における携帯電話等の使用に係る事故防止の観点からは不十分である、こう考えております。
そこで、今回の改正では、現行規定により禁止される行為のうち、無線通話装置を手で保持して通話のために使用すること、画像表示用装置を手で保持して表示された画像を注視することという行為自体をとらえて、五万円以下の罰金を科すとともに、反則通告制度の対象とすることと考えております。
○早川委員 最後でありますけれども、交通事故防止のためには道路交通法の改正の罰則の強化だけでは有効ではないと考えております。そこで、内閣府にお伺いしたいんですけれども、今後、交通事故の発生防止のためにどのような施策を講じられるのか、お伺いしたいと思います。
また、あわせて、これは大臣にお伺いしたいんですけれども、今回の改正案は、携帯電話の使用に対する罰則の強化など国民生活に重大な影響を与える内容が含まれております。今回の改正法の施行に当たって、どのように国民にその内容を周知徹底していくのかについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○山本政府参考人 死者数の半減を目指しまして、今後、道路整備、信号機の設置などの道路交通環境の整備、それから交通安全思想の普及徹底、車両の安全性の確保、こういったような諸施策を関係省庁と連携をとって総合的に推進してまいりたいと考えております。
○小野国務大臣 御指摘のとおり、今回の改正案では、放置違反金制度の導入や携帯電話等の使用に関する罰則の見直し、こうした、国民生活に大変密着をしており、密接に関係する自動車等の運転に係る違反行為に対する対策を強化することといたしておるわけでございます。
これらにつきましては、いずれも道路における危険防止、あるいは交通の安全と円滑を図ることによりまして、交通事故の減少を目的としているものでございますから、国民の皆様方の理解と協力がなければならず、改正法が円滑に施行されますように、施行の節目節目、年月が違っておりますので、その節目節目でパンフレットの配布それから積極的な広報啓発活動を行いまして、あるいは更新時の講習のときあるいは各種の講習の機会を通じまして改正内容の周知徹底を図りますように警察を督励してまいりたい、そのように考えております。
○早川委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○山本委員長 次に、山花郁夫君。
○山花委員 民主党・無所属クラブの山花郁夫でございます。
小野国家公安委員長には、過日、児童虐待の問題で、原口一博委員とともに申し入れをさせていただきましたが、民主党も新体制になりましたけれども、引き続き、子供の政策については原口委員とともに担当者ということになりましたので、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
その上で、今回のこの道路交通法の改正の中には入ってはいないんですけれども、子供の生命あるいは身体を守るという意味で大変重要な課題だと思われることにつき、提案も含めて質疑をさせていただきたいと思います。
国家公安委員長も町中でごらんになったことがあるのではないかと思いますけれども、世上、世に言うママチャリといいましょうか、それに補助いすをつけてお子さんを乗せている自転車をごらんになることがあるのではないかと思います。原則的には前か後ろかどちらかにつけるという話なんでしょうけれども、時として前後につけ、あるいは、前後につけた上、おんぶして運転している方も見ることがございます。ただ、これが仮に適法に走行しているものであっても、大変危険であるという指摘が最近なされておりまして、四月にも、おばあちゃんが普通に自転車を引いていて、後ろに子供が乗っていて、それが倒れたということだけで子供の命が一人失われるという大変痛ましい事故も起きております。
このことについて、私がいろいろ調べて、またお話を伺って大変びっくりしたことがあるんです。都立の墨東病院というところの宮本先生という脳神経外科の先生なんですけれども、お話を聞いてびっくりしたんです。車で事故に遭って頭をやられてという子供を診るケースよりも、自転車で頭を打って大けがをする子を診るケースの方がはるかに多い、そんな話をされておりました。この先生はいろいろお調べになって、都内の幼稚園などの御協力も得ながら調査をしております。実に三八・八%の親が、自転車補助いすに乗せてけがをさせた経験を持っていたということであります。
実は、墨田の区議会議員の堺井ゆきさんという方も、この墨東病院のあるところの区議会議員さんなんですけれども、公園で、公園にいるお子さんを連れたそういうお母さんたちに自分でアンケートをして、同じような傾向の、つまりは、三十数%の方が実際に子供をけがさせた経験を持っているということ、また、けがはさせていないけれども、ちょっとひやっとした思いをしたことがありますかというのに対しては、実に九割以上の方がそういう経験を持っているという答えをしたということであります。
ところで、ケースによっては大変重篤な形になるケースもありまして、このお医者さんも、硬膜外出血、つまり脳のところに血がたまって緊急手術を行った場合であるとか、あるいは、回復したけれども後遺症が残ってしまったお子さんだとか、そういったのを診るうちに、これはやはり問題ではないかということで、論文を書かれております。先日、警察の関係の方にもぜひ読んでほしいということで、また、決算行政監視委員会の方でも質疑をさせていただいたときに、ぜひこういう先生からも話を聞いてほしいということを申し上げさせていただきました。
ところで、警察庁の交通局長にお伺いしたいと思いますけれども、そもそも、自転車の補助いすに乗車していた子供がどういうけがをしたのかとか、あるいは人数がどれぐらいかとか、そういったことについて把握しておられるでしょうか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
昨年一年間の六歳未満の子供の交通事故による死傷者数は二万一千七百八十五人、うち死者は七十一人でございますが、このうち、自転車同乗中の死傷者数は二千三百二十九人、うち死者数は二人となっております。なお、自転車同乗中の幼児の死傷者のうち補助いすに乗っていた子供さんが何人いるかという統計については、残念ながら持ち合わせてはおりません。
○山花委員 いい悪いは別として、恐らく今まで、こういった視点でとろうということでもやらない限り、統計というのはないんだろうなと思います。
また、警察は警察として届け出なりなんなりがあればそういった数字に入ってくるんでしょうけれども、大概、他人との接触であれば多少届け出るかという意図は働くとしても、親御さんが、あるいはおばあちゃん、おじいちゃんが連れて歩いていてけがをさせてしまって、そのまま病院に、あるいは近所のお医者さんに行くというようなケースだと、恐らく統計には入ってこないのではないかと思うんですね。
そこで、むしろそういった医療機関の方で統計はとっておられるのかなと思ったら、どうもないような感じなんですけれども、厚労省にお伺いしたいんです。同じ質問です。補助いすに乗車していた子供の亡くなったりけがしたりというような、数量的な何か把握はされているでしょうか。
○坂田政府参考人 厚生労働省におきましては、全国の病院と診療所を利用する患者を対象として、三年に一回、患者調査というものを実施しております。この調査では、病気やけがの種類といったことは把握しておりますが、御指摘のような事故の態様等については把握をしておりません。
○山花委員 国家公安委員長、特にこれは政治家たる国家公安委員長にもよく御認識をいただきたい問題だと思うんです。
今のお二方の御答弁、別にこれでけしからぬと言って追及しようという話ではありませんで、つまり、持ち場持ち場があってそこで統計をとっているんでしょうけれども、いわば、野球でいえばセカンドとファーストとライトですか、その間に球が行って、お互いお見合いをしていて、記録上エラーではないんだけれども塁に進んでしまうというような話でありまして、まあヒットという例えがいいかどうかというのは多少問題だと思うんですけれども。
ということで、これは目的意識を持って実態調査なりなんなりをどこかが責任を持ってやらなければいけない課題ではないかと思っております。
ただ、この問題、なかなか根が深いといいましょうか、これ、危ないんですけれども、実際子供にけがをさせたことがあるというお母さんに話を伺いますと、これも堺井議員のアンケート調査なんですけれども、普通、一回でもけがをさせたら懲りるだろうと思うんですけれども、二回三回させている親御さんがいる。どうしてですかということになると、必要性に迫られている。つまりは、保育所まで、アンケートの対象の人がそうだったということですけれども、平均して大体十五分ぐらいのところに保育所がある。子供が二人いて、小さい子をとてもじゃないけれども置いていけない。私ごとで恐縮ですが、私も一歳と三歳の子供がおりますので、三歳の子供を連れていくからといって一歳の子をそのままほっておくわけにはいかない。実態はそういう事情があるようです。
厚生労働省の平成十四年の統計でも、例えば男性の育児休業の取得率が〇・三三%といいますから、実際に男性が子育てに対して参加できている日本の社会だとは言えないと思いますし、また、では危ないから一人ずつ連れていくということを、国の方が一生懸命、連れていけ連れていけと言ったら、家庭の中では、じゃ、パパ会社休んでよとか、そういう世界になってしまうわけで、それが本当に現実的かという問題であります。
そうであるとすると、私どもとして一つ考えましたのが、欧米ではヘルメットを子供に、子供だけではないんですけれども、装着させている国があるという話なんです。と申しますのも、補助いすつき自転車でけがをしているお子さんは、頭か足か、どちらかのケースが多いんですけれども、最近、補助いすについては足をガードする形のものが随分売られておりまして、まあ、足についても、だから安全だということには決してならないんですけれども、特に頭です。側頭部というのは骨が必ずしも厚くないものですから、割と大けがに至りやすいということ。
あと、実際の統計で、これは驚くんですけれども、走行中に事故を起こしているケースというのは四割しかありません。停車中であるとか押し歩き、発進時、つまり、とまっていたりスピードの遅いときにけがをさせております。子供というのはじっとしておりませんので、足をぶらぶらさせたり、立ち上がろうとしたり、だから停車中に倒れてしまったり、あるいは、自転車というものはそもそもスピードが出ているときに安定している乗り物ですから、押し歩きをしたり発進時にけがをしてしまう。
実は、これは所轄は経産省なのかもしれませんけれども、補助いすにシートベルトというのがついておりまして、つけていればもちろん走行中立ち上がったり飛び出したりしないということではいいんですが、停車中とかに横に横転すると、かえってそれがあるばかりに、投げ出されずにまともに頭を打つということがあるようであります。したがって、道交法の改正ということで申しますと、今回私たちは、補助いすに子供を乗せるときにはヘルメットを装着するように義務づけたらどうかということを検討してきたわけであります。
ところで、道交法の世界ですと、自転車については割と都道府県の公安委員会の方にルールをゆだねているケースが見受けられますが、国土交通省にお伺いをしたいと思います。
つまり、なぜ公安委員会にゆだねるかというと、道路事情だとかあるいは交通事情で、非常に人口が過疎な町と東京のど真ん中とで自転車で走るに当たってはそのリスクが違うという、恐らくそういう発想もあるんでしょう。ただ、今指摘をさせていただいたように、停車中あるいは発進時に頭を打つというようなケースを想定しますと、これは公安規則にゆだねるべきことなのか、あるいは法律事項なのかということで確認をしたいんです。
道路の舗装について、例えば都道府県で特色があるであるとか、つまりは、多少違うんでしょうけれども、今回の視点で申しますと、例えば学校の校庭でラバー舗装になっているような道路を、地域によって我が県ではもうそういうもので統一していますという話がもしあるのであれば、それは公安規則にゆだねるという話もあり得るのかなと思いますけれども、実際はそんなことはないわけですよね。何かそういう違いはございますか、国土交通省。
○佐藤政府参考人 先生のお尋ねは、舗装なんかについて全国的な基準があるのか、都道府県ごとぐらいでいいか、こういうお話かと思います。
そういう意味で二点からお答え申し上げたいと思うんですが、基本的に、車を通すということになりますと、県によって、重たいトラックが通れないような道路がどこにでもあっても、またこれも困る。こういう点から申し上げますと、輪荷重に基準を置いて、一定の重さ以上のものを通せるような舗装にしましょう、これは基準として道路構造令、政令と省令で決めています。
もう一つ申し上げるべきことは多分、そのときに、どのぐらいの車が通るかというのは道路にもよりますから、そこの判定はそれぞれの県がやる。そうすると、車がほとんど通らない場合に、あるいは通さないという道路についてはどうするんだということでいえば、今度は、そこの舗装そのもののあり方は、車を通さないという前提でいえばどうしても舗装しなければいかぬことでもないので、そこの自由度は持つ。
つまり、全国的に、車を通す場合には基準がありますよ、その車の通り方、重さみたいなものをどのぐらいに考えるか。一定以上のものを通そうというのならこういう基準でやりましょう。そうでない場合、車をほとんど通しませんというような場合には、またそれぞれの使われ方によってそれぞれの管理者が判断して決める。
こういう二通りのことを申し上げるべきかと思います。
○山花委員 つまりは、転倒したりとかしたときに都道府県で何か違いがあるということではもちろんないという話なわけであります。
ところで、私たちがヘルメットをつけることを義務化したらどうかということも、これは突然言われても、実際、需給の関係というか、義務化してしまうと、需要はふえるんでしょうけれども供給サイドがとてもではないけれども実態として追いつかないのではないかと思います。この議論をしていると、少し勘違いをされている方もいらっしゃって、子供用のヘルメットを想定して、子供用というか学童がかぶっているようなものを想定して、いや、あれは重いしサイズがどうのという方もいらっしゃるんです。
経産省にお伺いをしたいと思います。幼児用のヘルメットをつくっている日本の会社の数といいましょうか、どれくらい、恐らく二けたはないと私は認識しているんですけれども、いかがでしょうか。
○中嶋政府参考人 ヘルメットを生産している企業が会員となってございます団体に、日本安全帽工業会というのがございます。そこに照会いたしましたところ、自転車用のヘルメット全体では生産個数が十五年度で約十一万個でございますが、そのうち幼児用のヘルメットというのが恐らく一、二万個と推測されます。それから、実際に、現につくっている企業として確認できましたのは、その会員企業二十三社のうちの一社でございました。
○山花委員 そんな実態でありまして、日本では一社程度ということです。
ところで、子育てなんかについてのNGOというか、そういう方なんかが推奨しているのは、実際日本で売られているものは輸入品が多くて、実は自転車屋で余り売っていないんですよね。大型のおもちゃ店であるとか、あるいは西松屋、余り特定のあれを出していいかどうか、そういう児童用のものを多く取り扱っているところに売っておりまして、ASTMマークであるとかCPSCマーク、あるいはCEマーク、つまり、アメリカだとかヨーロッパですと既に装着しているのが一般ですから、それについての安全基準を満たしたものがある、そういうものをぜひということで推奨をしております。ちょっと日本でまだそういう基準がなくて、こういった方々が外国のこういうマークを信用しなさいよという話は少し寂しい気がするんでありますけれども。
したがって、私どもも、義務化をすべしということについては、三年程度の猶予期間を置かなければいけないのかなというふうに思っております。
ところで、経済産業省については、過日決算行政監視委員会の第三分科会で、坂本副大臣の方から、「経済産業省としましては、自転車の安全に向けた対策を講ずるように、自転車の生産、販売に携わる業界を指導しているところであります。」という答弁に引き続きまして、「御指摘の自転車用の補助いすについても、この安全基準におきまして、取扱説明書に幼児を乗せたまま駐輪しないことなどを記載し、購入者に周知するよう求めているところであります。 また、当省といたしましても、いろいろと実態を把握した上で、こうした安全対策の周知徹底を図るなど必要な措置を講じていきたい、こう思っておるわけでございます。今後、実態把握、それから自転車安全基準の周知徹底、ヘルメットの使用方法に係る周知等々についてやっていきたい、こう思っております。」このように前向きな御答弁をいただいているところでございますが、ぜひ、警察としても、この問題についてきっちりと取り組んでいただきたいと思います。
小野国家公安委員長そして人見交通局長にお伺いしたいと思いますが、国家公安委員長、もう最後ですので、今の少し議論を聞いていただいて、どういう所感を持たれたのか、またそれと、事務方としてという言い方は失礼かもしれませんけれども、警察庁として、今後どういう方針でこの問題について取り組んでいかれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小野国務大臣 山花先生からのお話、一つ一つ非常に貴重なものだと思います。
自転車の補助いすに座っている子供の状況というのは、前にいる子は、かごに頭が入るくらい寝込んでいるときがありますし、後ろにいる子は、首が折れ曲がるほど寝ているのがおります。そういう場合に、前と後ろとおんぶしてというのは結構見かける風景でもございまして、危ないなと思っておりますけれども。あと、ベルトをつけた場合に、あれが倒れたら、まさに側頭部、そのままいってしまいますし。
ですから、やはり親に対しても、自転車、自分がおりて買い物をするときに子供をそのまま乗車させておいてはいけないなどということくらいの、親としての安全ルールというんですか、そのようなものをどのように認識して協力していただくかということもあります。子供は一人でいても、すこんと頭の後ろをよく打ちますし、前もこぶだらけになりますし、私も思い起こすと、こういう太い、何というんでしょうか、鉢巻きにクッションを入れたものを子供につけていた時期があるんです、余りにも頭を打ちますので。
ですから、自転車もそうですし、日常生活もそうですし、そういうこともあわせて見ますと、先ほどからのお話で七十一人の死亡事故があるということは大変なことでございますし、二万一千七百八十五人のけが人、先生おっしゃったように、ここに入っていないけが人もまだまだ多いだろうということを考えますと、これはまさに放置しておけない重大な問題である、そのような認識を持っております。
ですから、ヘルメットの件に関しましても、既に警察庁におきましては、先般の先生からの御指摘を踏まえまして、関係団体あるいは有識者との意見交換をもう始めておりますので、そういった観点から、私といたしましても先生の御提案を真摯に受けとめさせていただきまして、検討を進めるように警察庁を督励してまいりたいと考えております。
○人見政府参考人 警察庁といたしましては、先般の先生の御指摘も踏まえまして、ヘルメットの販売台数や現行の規格について確認をしたところでございます。また、ヘルメットによる被害軽減効果についての資料収集を始めますとともに、先日、先生の御示唆を踏まえまして、都立の墨東病院でアンケート調査をされた宮本先生のお話を担当者に伺わせたところでございます。また、関係機関・団体と連携を図りつつ、安全な自転車用ヘルメットの普及方策についても私どもなりに検討してまいりたいと考えております。
それから、既に行われているアンケート調査などの結果を用いるなどしまして、自転車の補助いすに幼児を乗せた場合の事故の危険性、これにつきましては、正確な事故統計の有無にかかわらず、保護者の注意を喚起することができるのではないかというふうに考えております。
○山花委員 終わります。ありがとうございました。
○山本委員長 次に、市村浩一郎君。
○市村委員 民主党の市村でございます。
きょうは、二つのテーマに絞って質問を進めさせていただきます。二つというのは、駐車違反対策と、携帯電話等の使用に関する罰則の見直しということでございます。
まず、携帯電話の方から先にやらせていただきたいと思います。
このたび、法改正を行って、運転中の携帯電話の使用というものに対して見直しを行う。もともとしちゃいけないということなんですが、その取り締まりを強化するということでございますが、具体的に、運転中携帯電話を使っている方を発見した場合、どんなような形で取り締まろうとされているのか、ちょっと具体的な方法といいますか考えていらっしゃるものがあれば教えていただきたいと存じます。
○人見政府参考人 お答えいたします。
実際の取り締まりに当たりましては、取り締まりの公正性、公平性を勘案しつつ、悪質、危険な違反行為に重点を置いた取り締まりを行ってまいりたいと考えておりますが、具体的には、複数の警察官を異なる場所に配置するなどの方法で、運転者の動作を確実に確認した上で検挙等の措置、取り締まりをしていきたい、こう考えております。
○市村委員 例えば、運転中に携帯電話を使用しているところを見た。シートベルトなんかの場合は特に現認とかおっしゃっていることを、私がたまたま、友人が運転していたときに横に乗っていましたら現認ということで取り締まりされたこともあるんですが、携帯電話を運転中に使用しているのを見て、現認しますよね。ということは、とめるとかいう作業が発生してくるんですが、例えば急停車させると余計かえって危険だといった場合もあると思います。そういった場合については、どのような対策を考えていらっしゃるんでしょうか。
○人見政府参考人 今回の改正によりまして罰則の対象となる行為というのは、携帯電話等を手で保持して通話のために使用する、あるいは携帯電話等を手で保持して電子メール送受信等のための画面に表示された画像を注視するという行為でありますので、これは外形的に判別することが十分可能だと思っております。
なお、実際の取り締まりに当たって複数の警察官を配置するのも、そういった、急にとめると危険だということも勘案しまして、複数の警察官によって安全にとめる、安全を図りつつ取り締まりをしていく、こう考えておるところでございます。
○市村委員 安全にとめるというのもちょっとなかなかよくわからないところなんですが、じゃ、とめたと仮定しましょう。とめたと仮定して、はい、おまえ運転していただろう、運転中に携帯電話していただろう、現認したぞと言ったところで、本人が、いやそんなもの見ていない、していない、こう言った場合に、私がちょっと心配しておりますのは、じゃ、通信記録があるか見せろ、携帯電話を見せろ、例えばこういうことがもし行われたとすると、やはりこれはプライバシーにかかわる問題でもありますし、たとえ任意であったとしても、そういうことは常識としてしてはならないと私は思っておりますが、そういうことは想定されているんでしょうか。
○人見政府参考人 通話中であったことを確認したり、表示された画像を注視していたことを確認する、これは先ほど申し上げましたように警察官が複数でやりますので、外形的に十分確認は可能であると思います。
なお、受発信記録等の確認でございますが、基本的には、必要によりまして、運転者の方の御協力をいただいて任意に受発信記録等を確認させていただく場合はございます。ただ、これは場合によってでありますが、違反を警察官が確認したが運転免許証を提示しないとか、あるいはその場を立ち去ろうとする、こういった場合で逮捕の要件に適合する場合、こういう場合は現行犯逮捕をすることもあり得べしでありまして、現行犯逮捕に伴う捜索・差し押さえということで携帯電話を差し押さえ、発信または着信履歴等の確認をとる場合もあるところでございます。
○市村委員 私は、そこの運用については大変慎重であっていただきたいと思います。
やはり、プライバシーというものに関しては日本は特に意識が低いと私は思っておりまして、確かにこれは大変重要な問題かもしれません、運転中に携帯電話をしているということは大変危険だということがあってこの法改正かもしれません。しかし、だからといって、それが結果として、確かに中にはいろいろ抵抗される方とかいろいろ議論される方もいらっしゃると思います、そのときに、ああわかった、じゃ、おまえちょっと来い、そしてこれは押収だ、証拠だ、こういうことになってくると、たかだかと言ってはいけませんけれども、そんなことでプライバシーをさらけ出すような、またさらけ出さなきゃいかぬようなことになるというのは、これはやはりよくよく考えて慎重に対応していただきたいと思いますので、そこについての配慮は重々行っていただきたいと思うわけでございます。
それと、私がこのことについて心配しておりますのは、携帯電話というのは非常に便利だ、どんなときでも受信できる、みんなその利便性をとって使っているわけでありまして、それは運転中だろうと何だろうと、使っている側からすれば、かかってきたらとりたいというのが心理でありますよね。特に今どうしても出る必要がないということがあればそれはほっておくかもしれませんけれども、やっぱり友人からかかってきたとしたら運転中でも出たい。特に高速道路とか長時間運転する場合は、なかなかおりられないという場合、人情としては出たくなると思うんですよね。
それについて今回危険だからということで取り締まりさせるのですが、例えば、私が心配しているのは、急に、じゃ、とまればいいんだろう、とまって通話ならいいんだろうということで、意識もせずに、鳴った、お、出たいといって、そっちの方に気をとられて急ブレーキをかけて路肩にとめようとするという行為が、多分しばらく私は出てくると思っています。これは逆に非常に危険なんですね。後ろから走っている車にとってみれば、突然前の車が路肩に寄るから、多少スペースとしてはあるとしても、狭い道であればよけて通らなければいかぬようなことも出てくるかもしれない。
でありますから、こういうところの危険性を、シミュレーションをぜひともしていただいて、前から、自分がユーザー、皆さんだって使っていらっしゃるし車も運転されると思いますから、法の運用に当たっては、執行に当たっては、施行に当たっては、ぜひともそういういろんなケースをシミュレートしていただいて、そして事前に、半年間と聞いておりますので、周知徹底をしていただきたいと思っております。
また、例えば、イヤホンマイクの使用はいいというふうに伺っていますが、かえって、イヤホンマイクを使用するにしても、あれは鳴って、例えばイヤホンを耳に差し込む、そして、どの電話にも出るわけじゃないですね、やっぱり出たくない電話の場合もありますから、画面を一応見るわけですね、だれかな、どこからかなといって。その見たりイヤホンを差し込んだりする作業というのも、結局これもまた危険といえば危険なわけですね。
だから、その辺のところもよくよく考えていただいて、もしこの法律が通った場合は半年の間ということですから、ぜひともその辺のところ注意を喚起していただきたいと思うわけでございますけれども、そういうことを、また局長の方からよろしくお願い申し上げます。
○人見政府参考人 この法律が通った際には、半年以内に施行となりますので、それまでの間、十分広報周知はしてまいりたい、こう考えております。
また、私どもとしては、携帯電話の使用による交通事故を防止するために、自動車等の運転をする際には携帯電話の電源を切ったりドライブモードに設定していただく、そして呼び出し音が鳴らないようにするということが望ましいと考えておるところでございまして、これは「交通の教則」等にもそのような記載をしておるところでございます。
なお、イヤホンマイク、これを用いて携帯電話を使用するのであれば、これは現在規制の対象となっておりませんが、私どものお勧めとしては先ほどのようなことでございます。
また、自動車等の運転者が運転中に携帯電話等を使用する必要が生じた場合、これは、自動車等を停止させた上で使用しなければなりませんが、自動車等を停止させるに当たって、急停車することなどによって他の自動車に危険を生じさせたり、道路交通法上の駐車または停車の禁止の規定に違反してはならないというのは、これは当然のことであろうと考えております。
○市村委員 ぜひともその辺のところを、よくよく周知徹底をお願いします。
これはもう質問というよりも要望になるんですが、もともと携帯も自動車電話とか言われた時代もありました。やはり移動中に連絡をとりたいという要望があるわけですから、例えばイスラエルなんかはそういうふうにしているともお聞きしていますから、もともと自動車にそういう装置を組み込んでおくことが望ましい。だから、例えば走行中に目の前に表示が出て、音声認識が今発達していますから、出ると言ったらつながるし、切ると言ったら切れる、そういうことも日本の技術をもってすれば十分可能だろうと思います。
では、そのコストをどうするのかといったら、これは、携帯会社とかと話し合えばいろんな知恵が出てくると私は思いますので、いろいろその辺のところをまた検討いただいて、やはり車の中でも通話をしたいという要望、ニーズというのは十分あるわけですから、その辺のところも今後また検討を加えていただきたいと思います。
携帯電話の件については以上で終わります。
次は違法駐車対策の方なんですが、これについて、やはり今回、この道路交通法の一部を改正する法律案なんですが、いろいろ改正点があります。違法駐車対策以外の改正点については、さして私としては強く異論を差し挟むつもりはないんですが、どうしてもこの違法駐車対策に関しては問題が多いというふうに私は思いますので、その観点からちょっと御質問をさせていただきます。
まず、基礎的なデータとして、近年における違法駐車の標章といいますかステッカーの取りつけ後の運転者の出頭率というのと、それから、例えば告知を受けた反則者の納付金というものの納付率がどうなっているか、ちょっと基礎的なデータとして教えていただきたいと思います。
○人見政府参考人 全国における違法駐車標章の取りつけ件数と放置駐車違反の取り締まり件数を比較いたしますと、平成十年には約八六・四%であったものが、平成十五年には約七六・六%となっていることから、運転者出頭率は低下傾向にある、こう認識しております。
また、告知を受けた反則者の納付率につきましては、駐車違反に係るものだけの統計は集計しておりませんが、全違反に係る告知総数に対する反則金の納付件数でお答えいたしますと、平成十四年度は九七・六%であり、近年横ばいになっております。
○市村委員 ということは、近年においては、大体四分の三ぐらいの方しか運転者の方は出てこないということでありますから、逆に別の言葉で言えば、四分の一は逃れているということですね。出てきたら、九七・六%ですから、ほぼ一〇〇%に近い方が反則金を払っていらっしゃる、こういう認識でよろしいわけですね。
すなわち、ある意味では四分の一逃げ得といいますか、こういうことになっているかと思います。私は再三申し上げているんですが、やはり納得いく取り締まりをしてほしいわけですから、そもそもの段階で納得いかないような、何かノルマ主義的で、ここにいればたくさん来るだろうというところにわざわざ張っていて捕まえることはそもそもしてほしくない。ただ、そうはいっても交通の安全ということは大切ですから、そのためにはやっぱり取り締まらなければいかぬときもある。私は、ほぼ取り締まりはちゃんと合理的な取り締まりがされていると、前提ですけれども、取り締まってみたら四分の一出てきていないということでありますから、四分の三の払っている人からすれば、そうか、そういうことが許されるのか、こういうふうな、じゃ、私も逃げてもいいんだな、こういうふうになってくると、これは、モラルの問題としても大変問題になってくる。
恐らくそういうことで今回の法改正があると私は理解をしているんですが、私の認識が正しいかどうか、局長の方からお願いします。
○人見政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のように、いわゆる逃げ得、これが不公平感を募らせておりますので、私どもは、今回、このような使用者責任の拡充と、それから民間委託ということの御提案をさせていただいている次第であります。
特に逃げ得、これは、警察が、大量の違反を前にしまして、警察の体制上の限界から、なかなか、出てこない者、そういった者の捕捉ができず、そのことが違反者等に周知されましてさらに出頭率の低下を招くという悪循環が起きていますので、今この時期に手を打たねばならないのではないか、こう考えて御提案させていただいた次第でございます。
○市村委員 今局長の方から出ました、まさに今回、使用者責任を問えるということが特に大きな改正点だというふうに思います。日本の場合なんか、所有者と使用者と運転者と、いろいろわけがわからない。私からすれば、何でそんな難しく分けるのかなということなんですが、いずれにしても、今回は使用者ということで、実際に車の、登記上といいますか、車検に名前の載っている方を使用者ということで今回概念を決めて、そしてその方の責任を問う。
これまでは結局、運転した人にその責任を問うということで、いや、おれはこの車を貸していたんだから、私は知りません、だれが運転したか知りませんでしたということで多分あったのを、今回は、いや、知らなくてもあなたの車なんだから、あなたの車がここにとまっていたんだからあなたが責任をとりなさい、多分こういうことで使用者責任を問うということだと思います。それはそれで、特に今回、行政制裁金という概念を法律に盛り込む最初の法律だということで、私は大変それは評価をしたいと思うんです。
しかしながら、今回はこうなっているわけです。ところが、ではすべてを、例えば駐車違反というのはやっぱり一応刑罰なんですね、これは犯罪なんですよ、犯罪になっている。だから、犯罪だから警察が取り締まっていたわけですけれども、私は、行政制裁金を科すということであるならば、それならそれで、例えば諸外国でも例が見られるように、一切もう駐車違反というのは刑罰の対象から外す。つまり、非犯罪化させて、そして、もう駐車違反というのは犯罪ではなくて、いわゆる地域に対する迷惑なんだと。その地域、その場所に対する迷惑だ、また道路を通行している方の迷惑だということで、例えば迷惑料という形で取り締まりをし、取り締まりといいますか、違反を見つけてその分の迷惑料を払っていただくという考え方にしておけばよかったんです。
だからつまり、それだけの、非犯罪化して、使用者責任を問うて得る、この場合は違反金ですね、反則金じゃなくて違反金を払わせる。この一本のラインにこの法律がなっているんだったら、私は賛成です。
ところが、これまでのラインも残っているんですね。これまでの反則金を払うというラインもここに残したままなんです。つまり、非犯罪化でもないんです。犯罪だ、犯罪のままのラインも残して、犯罪だから取り締まって反則金を払えというラインを残しつつ、そっちはいわゆる運転者責任を問う場合ですね、運転者責任を問う場合は残している。一方では、こっち側は、新しいのは、今度は使用者責任を問うて、これは行政制裁金、違反金でいいですよと。つまり、二本の流れをつくってしまったんですね。
これは非常にまたわかりにくいし、もともと警察の事務量を軽減させたいという意図があったというふうに聞いておるんですが、結局減らないんですよね。警察からそうした駐車違反の業務を切り離したいという意図があったと私は思うんですけれども、残してしまっているということなんですが、何でこうなったのか、ちょっと具体的に経過を御説明いただけますでしょうか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
駐車違反をした、これは運転者の行為として駐車違反がなされておりますので、まず、駐車違反をした責任というのは運転者が負うべきであろう。
しかも、これは非犯罪化云々との関係でございますが、駐車違反が交通事故の原因となったり、あるいは交通渋滞をもたらしたり、緊急自動車の通行を妨害している。この駐車違反の危険性、悪質性に対する国民の批判、これは依然として大変大きいものがございます。これは一一〇番の件数等々でもわかりますし、また警察に寄せられる要望、苦情等でも私ども肌身に感じておるところでございます。そういうことも背景にしまして、むしろ駐車違反をもっと罰則を重くせよ、そういう声もあるところでございますので、他の道路交通法違反につきましても行為者に対して罰則で臨んでいるわけでありますので、それとの比較におきましても、放置駐車違反を行った運転者に対しては引き続き刑事責任を追及することは適当であろう。
しかし、その一方、先ほど申し上げましたように、放置駐車、運転者のいない駐車違反形態でありますので、これにつきましては、運転者の特定は多大な労力をかけてもなかなか難しい。しかも、今日のような治安情勢のもとにおいて多大な労力をかけるのかという御指摘等々もございますので、今回、使用者責任というものを導入いたしますとともに、使用者と運転者の責任の関係は補充的なものと。したがいまして、運転者の責任が問われれば、これは使用者の責任は問わないというように、補充的に考えておるところでございます。
○市村委員 では、これは具体的に法律が施行されてどうなるのか。これは二年間と聞いております、二年間かけて、施行まで二年以内ということでしょうけれども。
例えば、私はそういうことはしませんけれども、人のことよりも自分のということでやはり言った方がいいと思いますから、私が駐車違反をしてしまったと。乗ってみると、どうもステッカーを張られていたということですね。そこで私が出ていってしまうとどうなるか。おまえが運転者だろうということで、私はその責任を問われて、反則金を払った上に点数を引かれるんです、点数を。
ところが、私が、その場で、あっ、まずい、張られていると思って、出ていかない場合。出ていかなかったら今度は、後からある日、委託されたところから送られてきて、あなたの車が違法駐車されていました、運転者はだれかわかりませんけれども、あなたの車なんだから、ナンバープレートからあなたの車とわかっているから、あなたは罰金を払いなさいということですね。罰金はどっちにしても払うんです。罰金といいますか、こっちは反則金、こっちの場合は違反金を払うんです。しかし、こっちの違反金の場合は点数を引かれないんですね、これは。
となると、どうなるかというと、恐らく、みんな出ていかないんです。また、運転者責任を問われたくないんです。みんな使用者責任が問われたい、こういうふうになってくる可能性が高いと私は思って。補充的と局長はおっしゃいましたけれども、補充的どころか、多分こっちが主になって、こっちの反則金の方が従になるというのが人情ですね。ということなんです。
だから、主従が逆転してしまうんですね。しかも、こっちは反則金、さっき申し上げた。この一本のラインなら大分事務量も軽減されるでしょうけれども、委託もしますし。しかし、こっちは残っているんですよ。もっと重大な犯罪等に警察官の力を回したいという趣旨が何かあいまいになってくるんですね、ここで。
これについて、これは公安委員長、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
○小野国務大臣 新制度における違反金納付命令が使用者に対するいわゆる車両の使用制限命令の基礎となりますので、この辺は一概に使用者として責任を負った方が得だということにはならないと考えております。
現行制度では、事実、いわゆる違反をした運転者であっても、みずから出頭しないで、先生今おっしゃったように、あるいは出頭しても違反事実を否認した場合には、その者に何らかの制裁を科すこともできない状況に今はあるわけなんです。
この法案が通りますれば、新制度におきましては、その者が使用者として放置違反金を納付することになれば、反則金を納付した場合と同程度の金銭的制裁を受けることとなりますから、車両の使用制限命令の基礎となることとあわせて、その者に対して一定の感銘力が及ぶということにもなりますし、いわゆる逃げ得が生じている現状を考えますと、より確実な責任追及が可能になるので、現行制度よりも放置違法駐車の抑止に資することになると私どもはそういった点から考えておるわけでございます。
また、運転者の責任追及についてでございますけれども、新制度におきましても、違反行為者である運転者の責任というのは存続させるということにいたしておりますし、現在は、悪質な運転者ほど出頭を拒む等により責任追及を逃れているのが現状でございますが、今後は、使用者責任を追及する一方で、交通事故の原因となりました違反あるいは企業ぐるみの常習的な違反等、真に悪質な違反につきましては、警察力を集中的に投入いたしまして、十分に責任追及を行い得ていないいわゆる悪質運転者に対する責任追及というものをしっかり行っていくように、私ども、警察を督励してまいりたいと思っております。
○市村委員 いろいろ論点がありまして、本当に、細かくもっと議論したいんですが。
逃げ得はもちろんなくなると思います、これで。ほぼ、行政制裁金の方にいけば、罰金だけの問題ですから、違反金だけの問題ですから、お金は取れると思います。しかし、いわゆる駐車違反をした方に対する責任の問いかけが多分弱まってくるだろうと思います。ただ、それは私は考え方だと思うんです。
やはり、だから先ほど申し上げたように、駐車違反というのは犯罪じゃないという考え方にして、つまり、地域に対する迷惑だということであれば、今度は、地域の警察署の方で、地域の方と話し合ってガイドラインをつくって、その上で取り締まりをやるということも伺っておりますから、そういう中で、ガイドラインの中で、地域の良好な環境に資するような駐車違反の、違反というか駐車の取り締まりということになっていただきたいと私は思うんです。
本当は、いろいろ議論したいんです。だから、指摘しておきたいのは、やはり私は、非犯罪化をして、駐車違反に関しては非犯罪化として行政制裁金一本の流れをつくるべきだ。ただ、その駐車違反が原因で重大な事故が起こった場合は、それはそれでまた別個の判断で取り締まるというか、別個の考え方でその責任を問うということの方が私はいいと思います。
その中で、昭和四十五年でしたかに制度ができている交通巡視員制度というのがあるんですね。実は、この交通巡視員制度ができた背景を見ると、今と余り変わらないんです。今と同様の理由で交通巡視員というのはできているんですね。
これが、本当は質問したかったんですけれども、私の方で申し上げますと、最近、この交通巡視員というのがどんどん減っていまして、ほぼ、もう風前のともしびに近いというような状況になっています。法律上、根拠法としては道路交通法の第百十四条の四に、都道府県に「交通巡視員を置く。」となっておるわけです。これは、きょうは本当は法務省さんに来ていただいてこの「置く。」の解釈を聞きたかったんですが、置かなければならないのか、置いてもいいのかということが出てくるんですけれども、多分、その辺についてはきょうの議論じゃありませんから。「置く。」となっています。
「置く。」となっているものが全国に五百五人しかいないという状況の中で、本来であれば、私、ここの交通巡視員というものを、さっき、もし非犯罪化しないのであれば、やはり駐車違反が重大な事故につながるということであれば、警察力として、警察力の中に交通巡視員制度があるんですから、これをもっと発展拡充させて、ここの増員を図る。この増員については、例えば警察のOBの方とか地域の方に、ある種ボランタリーベースで、ボランタリーな形で入っていただくのがよいかというふうに私は思っています。
だから、何か中途半端なんです、今回の法律改正。非犯罪化するなら非犯罪化で一本のラインをつくる。もしくは、やはり犯罪だというのであれば、例えば、せっかく交通巡視員制度があるんですから、これをもっと発展拡充させる方がいい。何かそういう形でこの法律案は改正をされた方が実はよかったんじゃないかというのが私の提言なんですが、いかがでしょうか。
〔委員長退席、大村委員長代理着席〕
○人見政府参考人 お答えいたします。
運転者の特定が困難であり、逃げ得という不公平が生じているという放置駐車違反の根源的な問題を考えますと、使用者責任の導入という手法を導入することにより駐車違反を抑止していく必要があると考えておるところでございまして、制度の改革を行わずに交通巡視員を増員しても問題は解決しないのではないかと考えております。
また、放置違反金制度を導入の上ということであれば、先生御指摘のとおり、民間委託ではなく、交通巡視員を増員して執行力を確保するという方策も考えられなくはないところではございますが、交通巡視員などの警察職員の増員につきましては、民間企業でリストラが進み、地方公務員も大幅に削減される中、徹底した合理化を行ってもなお不足する人員について行われているものでございます。
このような状況におきまして、また現下の治安情勢や規制改革の流れ、厳しい地方財政状況を踏まえれば、良好な駐車秩序を確立するという政策課題に対応するため、確認事務の民間委託を通じて、駐車違反対応業務に要する警察の執行力を十分に確保するとともに、より効率的、効果的な事務執行を可能とする仕組みを用意することが必要である、こう考えております。
○市村委員 リストラが進んでいる状況だということですけれども、やはり必要なものは必要なんです。だから、警察官は三年で一万人を増員すると言っているわけですから、別にすべてを切るという話じゃないと思います。やはり、めり張りをつけて、ふやすべきはふやす、減らすべきは減らすということだと思いますから、必要なものに関しては、私はもっとふやしてもいいと思います。
ただ、そのときに、正規職員ということではなくて、先ほども申し上げましたように、OBの皆さんにボランタリーベースでやっていただくとか、やはり、こうした工夫は、知恵はあると私は思います。
本当はもっとこれも議論したいんですが、ちょっと、どうしてもきょうは議論したいことがありますから、先に進みます。
人見局長に確認なんですが、局長、参議院の質疑の中で、取り締まり件数が二倍になるだろうという御発言をされていますが、これについてちょっと確認だけさせてください。そういう発言をされたのか、意図はどうだったのか、本当にそういうお考えなのか。
私はむしろ、この法律改正が行われた場合は、取り締まりは減るだろう、減るためにやるんだろうと思っておりますので、二倍になってまた違反金がどんどん入っていって、これで一体何なのかというふうに思っていますから、その辺、ちょっと簡単にお答えください。
○人見政府参考人 先般の参議院の内閣委員会におきまして、現在の二倍程度の駐車違反取り締まりを行いたい、こう申し上げましたのは、施行後における状況を試算する上で、現状の取り締まりが良好な駐車秩序を確立するには必ずしも十分ではない、こういう認識のもとに申し上げたわけでありまして、平成三年にも現在の一・八五倍程度の取り締まりは行っていたこと等を踏まえたものでございまして、これは件数を計上すること、二倍を目標としてやるわけではございません。あくまで、将来の取り締まり件数は、その時々の地域の駐車実態等において決まっていく、左右されていくものであると考えております。
○市村委員 ぜひとも、ただ一応、局長のこの答弁を見ると、「二倍程度の駐車違反取締りを行いたいと。」という形になっていますし、また、「たい」というのは意思ですから、ぜひともこれは、そうではなくて、むしろ取り締まりを減らすという、それが目的ですよね、ちゃんと駐車違反をなくすというのが目的だと思いますから、そういう目標を立てないでいただきたいなと思うんです。
というのも、今からが最後の議論なんですが、株式会社の方に実は民間委託、法人であれば今回どこでも委託できるということなんですが、特に株式会社への委託というのは本当に重要な問題があると私は思っています。
諸外国の例を含めて、株式会社がそうした駐車違反取り締まりを請け負っている例はあるんでしょうか。あれば具体的に教えてください。
○人見政府参考人 お答えいたします。
すべての国を掌握しているわけじゃございませんけれども、例えばスイスのベルンなどの諸都市、各都市にございますけれども、こういったところでは、警察が取り締まりを行いつつ、警察が取り締まり権限を持っていながら民間企業に、これは具体的には警備会社でございますけれども、そこに委託しておるというようなことは承知しております。(市村委員「具体名を」と呼ぶ)会社の名前ですか。
会社の名前は、スイスのベルンの場合には、セキュリタスAG、こういった会社でございます。
○市村委員 ドイツの例を出されていたんですが、ドイツの例はどうされたんでしょうか。
○人見政府参考人 ただいま私申し上げましたのはスイスの例でございまして、ドイツについては承知しておりません。
○市村委員 おかしいですね。事前にはドイツの会社、ドイツの会社と一生懸命あったんですが。イギリスの会社。
○人見政府参考人 どうも失礼いたしました。
イギリスのロンドン等では、これはAPCOAグループというんでしょうか。これは親会社がAPCOAパーキングAGというドイツの会社でございます。そこが請け負っておると承知しております。
○市村委員 私、構造改革特区の一部改正案のときにも御指摘申し上げたんですが、民営化というのは二つあるんですね。一つは今の株式会社に代表される営利企業なんだけれども、もう一つがNPOなんです。こうした場合の民営化というのは、やはりNPOにとどまるべきなんですね。
今、外国にも株式会社でやっている例があるじゃないかとおっしゃいました。私調べました、そのイギリスの例。これはやはり純民間じゃないんです。私は最初からおかしいと思っていました。そんな純民間がやっていることではあるはずがないと僕は思うんです、常識的に。
このAPCOAパーキングAG、ドイツの会社ですけれども、がイギリスに持っているのがAPCOAでありますね。ところが、これを調べていくと、時間がないけれどもこれを説明させてください。非常に複雑なんだけれども、このドイツのAPCOAパーキングAGという会社がどういう会社から出資されてできているかというと、ドイツの電力業に関連した公的企業、OEWと、フランスの国営ですよ、国営電力会社のEDFIが、二つの会社を経由して、このAPCOAパーキングAGに対して間接的に出資しているんです。
ドイツの電力会社に関しては、公的企業、OEWというのは、これは今日本で言う第三セクターのようなものであって、非常に公的性格が強いんです。州の財務官僚が監査役として派遣されているということで、公的部門とは人的な面でも結びつきが強いんです。
今度はフランスの方ですけれども、EDFI、これは国営企業です。
この両社が中心になって、ドイツの上場電力会社であるEnBWというところに出資しているんですね。それが六九%。そのEnBWがドイツの持ち株会社サラマンダーAGに対して出資して、これが九五%。その持ち株会社サラマンダーAGの下にAPCOAパーキングAGがぶら下がっていて、その出資比率は九八%です。
非常に複雑なんですが、結局、純粋な民間じゃないんですよ。国営企業とか公的部門の会社が出資して、非常に複雑な関係になっていますけれども、その子会社といいますか関連会社がイギリスにあるんです。これは株式会社として確かに運営しているんですが、その母体、母体、母体をたどると、やはり国営企業であったり公的機関なんですね。
私はもう直感的にそう思っていたんです、これはおかしいと。だから、今回株式会社に委託ができるというスキームになっていますけれども、僕はこれは絶対認められないと思います。
こういうことを、例を残してはならない。やはり民間という場合はNPOでとどめていただきたい。例えば社団法人とか財団法人でも構いません、あれもNPOですから。純粋民間に、例えば警備会社に委託するなんという話がどこかで出ていますけれども、これはあってはならないことだと私は思います。純粋民間にそうした公的取り締まりを任せるという例はないんです。スイスの例についても今調査中ですけれども、これも多分純粋民間でないと私は思います。
ですから、もし通った場合、この法の運用に当たっては、株式会社にはこれはやはり任せてはならないというふうに私は指摘をして、本当はいろいろまだ議論したかったんですが、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○大村委員長代理 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 おはようございます。御苦労さまでございます。
私の悲願であります、オートバイの二人乗りが高速道路で可能になるという道路交通法なんですが、八項目のうち七項目賛成ですが、一項目、先ほどから市村議員を中心に質問させていただきました民間委託の問題があるので、我が党としては、後ほど反対討論もしますけれども、賛成ができないという非常に悲しい状況であります。その悲しい状況をさらに悪化させているのが警察庁の一連の不正経理疑惑であり、会計文書等が気軽に破棄されている状況でございます。
先日、五月二十日そして二十一日に、警察庁から「警察における会計文書の不適正管理事案について」、そして五月二十日以降に新たに判明した、翌日なんですけれども、全部で既に十部局十七所属において、三月二十四日の警察庁の指示連絡以降に平成十年度の会計文書などを破棄されている状況でございます。
これら破棄された書類の詳細について、まず官房長からお答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 ちょっと長くなりますが、よろしゅうございますか。
まず、廃棄文書は、三月二十四日指示以降廃棄したというのが十部局十七所属でございまして、子細には申し述べませんが、まず、会計文書に限って破棄したというのはほとんどございません。ほとんど不用文書と一緒にやったということで、その中で、会計文書が紛れ込んでいるケースが相当ありましたので、その会計文書の名前を今から申し上げます。
皇宮警察本部は、警備二課の平成十年度国費の現金出納簿であります。
青森県警察は、交通機動隊の、以下平成十年度でありますが、国費の旅行命令簿。それから、大間警察署の県費の物品購入調書、支出負担行為票、支出命令票、支出負担行為兼支出命令票、調定票であります。
宮城県警察は、機動隊の旅行命令簿、旅費交付簿、それから県費の旅行命令票であります。
警視庁は、荏原警察署の国費の旅行命令簿。
神奈川県警察は、教養課の旅行命令簿と旅費請求書。
兵庫県警察は、相生警察署の国費の旅行命令簿及び県費の旅行命令簿、支出負担行為証拠書類、旅費支出明細書。
岡山県警察では、警察学校の旅行命令簿。
広島県警察は、広報課の国費の旅行命令簿、旅費請求書、物品供用がえ通知書及び県費の旅行命令簿。銃器対策課の平成十年度国費の旅行命令簿、旅費請求書、物品供用がえ通知書、それから県費の旅行命令簿。鉄道警察隊の国費の旅行命令簿、旅費請求書、物品供用がえ通知書、それから県費の旅行命令簿。交通規制課の国費の旅行命令簿、旅費請求書及び県費の旅行命令簿。広島南警察署の県費の支出負担行為兼支出調書であります。
九州管区警察局は、これは御承知だと思いますので。それと、最後に、長崎県の通信部で、これは平成九年度国費の物品管理計算書、それから十年度、同じく国費の、これは物品関係でずらっとあります、物品関係で十五冊ほどございます。
それから、福岡県警察で、厚生課の十年度県費の年間契約関係書類。
以上でございます。
○宇佐美委員 二十一日の時点でいただいているものだと長崎県警というのは入っていないかと思いますが、もう一度、ちょっと詳細、お願いします。
○吉村政府参考人 二十一日の書類では、一番上に九州管区警察局広域調整第一課ほか二所属とありますが、ここの、ほか二所属の中に、広域調整二課とそれから長崎県の情報通信部が入っております。
〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
○宇佐美委員 というと、他のところは福岡県警とかそういう形ですけれども、管区警察局ではあるけれども、これは長崎県警とはまた別にというふうな理解でよろしいですね。わかりました。
とすると、長くなって当たり前だという同僚議員の声もありますけれども、そのとおりでございまして、特に、広島県警広報課ほか四所属、これは旅行命令簿等ということなんですけれども、非常に大量に破棄されているようなんですが、その分量など、官房長、把握されていたらお答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 お答えを申し上げます。
広島県警察は、これは分量にして、広報課で、厚さでいいますと四センチ、銃器対策課が三十センチ、鉄道警察隊が十五センチ、交通規制課が三センチ、広島南警察署で十三センチと報告を受けております。
これは、広島南警察署は別として、本部の、広島県警本部の広報課と銃器対策課と鉄道警察隊それから交通規制課の四課にわたっているわけでありますが、三月二十四日に本部の各課で廃棄文書を、業者と委託契約をして、ここへ、車両に全部積み込んだということで、今申し上げましたのは会計文書でありますけれども、これらも含めてその他の大量の廃棄文書をこの日に一斉に廃棄した、その中に入ったということであります。
○宇佐美委員 今、まさに大切な答えを言いました。三月二十四日以降に、契約をされて三月二十四日にということでよろしいですか、トラックに積み込んだと今おっしゃったと思いますが。
全体として、今まで言われました十七所属について、いわゆる三月三十一日までに破棄をされたもの、もしくは四月一日以降破棄されたものというのは。分量の少ない方をお答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 広島のケースでは、三月二十四日に積み込んで、業者のトラックですから、翌日二十五日に廃棄になったようであります。
分類でちょっとしていないのであれですけれども、皇宮は四月一日です。それから、青森県の交通機動隊は三月三十日、大間警察署は五月の一日。それから、宮城は三月三十日。荏原は四月の三日。教養課は四月の六日。兵庫の相生については三月の二十五日。岡山県では三月三十一日。広島は、今申しましたように三月の二十五日に業者が溶解廃棄を行った、それから南署は四月五日から十二日の間にやったもの。それから、九州管区は、御承知のとおり三月三十一日。長崎県の通信部は四月の一日。福岡の厚生課は四月の一日です。
○宇佐美委員 原因の詳細について、各地域違うんでしょうけれども、類型的に何かありましたら、その原因の詳細をお答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 十部局十七所属におきまして、まず第一は、警察庁からの保存期限延長の指示連絡が届いていたにもかかわらず、その後行われた保存期間満了文書の廃棄作業中に誤って他の文書に混在、廃棄をされたというのが第一類型としてあろうかと思います。例えば青森あたりはそうです。
それから第二は、保存すべき会計文書が何であるかについて担当者が誤った認識を持って廃棄をしてしまった。広島の南署や荏原がそうであります。これは捜査用の文書だけを残せばいいと勘違いをしたようにも見受けられます。
それから第三は、指示連絡が伝わらなかった、あるいは遅延したことで廃棄をしてしまった。この典型は九州管区の広域調整部があろうかと思います。
第四は、指示連絡を受けた所属からの問い合わせに対して警察本部の会計課員が適切な対応をとらなかったため廃棄をされてしまった。これは広島の各課がそうなろうかと思います。
第五として、指示連絡は届いたものの担当者が失念をしてしまった。神奈川の教養課。
それから第六として、警察本部の会計課からの指示連絡が遅延した上に、担当者が保存期限を誤認した。兵庫の相生とか福岡の厚生課です。
最後に第七として、所属内での指示連絡の不徹底で担当者が廃棄をしてしまった。
類型化するとこの七つぐらいになろうかと考えております。
○宇佐美委員 今お伺いするのにも驚いてしまうんですけれども、広島県の場合だと、指示連絡が警察庁から届いたので、警察庁に質問が来ているんですよね。質問というか、どうなっているのかと。今の官房長のお答えだと。それに対して指示がうまくいかなかったと言われていますが、広島県警は、先ほどおっしゃったように三月二十四日に委託をされ、トラックに積み込んでいるんですね。
そうすると、その状態がよくわからないんですけれども、もう積み込んだ後、問い合わせが来て、やはりそれは積み込みをやめてくれと言うべきだったところなのか、ちょっとよくわからないんですが、そこをもう少し詳細にお答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 三月二十四日に、本部の廃棄文書の車両への、この三月二十四日が積み込み日と指定をされていたようでありまして、それで、三月の二十四日というのは、普通は、警察の文書の場合は年度保存の場合と暦年保存と二色ありますので、暦年保存で十二月三十一日をもって満了する文書について一斉に廃棄をしようということで計画をしていたようでありますけれども、ここに、保存期間満了まで残り一週間足らずだということもあったと思いますが、積み込んだ。
積み込んだ後、あれはまずいんじゃないのかということで会計課の係官に関係課から問い合わせがあったようなんですけれども、会計課の係官は、二十四日、もう既に積み込んでおりますから、あるいはその時点で手を打てばという気もいたしますけれども、手を打たなかった。
ということで、二十五日の日にトラックがスタートをして、廃棄をされたということのようであります。
○宇佐美委員 今のを伺うと、会計課の係官というのは警察庁の方ですよね、広島県警ではなくて。(吉村政府参考人「広島です」と呼ぶ)広島県警の。では、警察庁へ問い合わせがあったというような、先ほど私は、それは違うんですね。広島県警の中で、これはどうしようかと。会計課の係官が、いいんじゃないのという話だと思うんです。
まずもって、前回も聞かせていただいたんですが、例えば旅行命令簿の保存期限は各都道府県違うのかもしれないですけれども、それぞれ捨てられている県、恐らく五年前後だと思うんですけれども、それをちょっと教えていただきたいと思います。
○吉村政府参考人 まず広島のケースですけれども、今までの調査状況では、当該担当官が、二十四日が積み込み日となっておりますから、二十四日の夕刻か夜相当遅くになって各課から問い合わせがあって、既にもう廃棄されてしまったと誤解した向きがあるようでして、もういいとは思っていないとは思いますけれども、既に廃棄されたと思って措置を何らとらなかったというのが、結果として翌日の廃棄につながったと思われます。
それから、旅行命令簿の保存期限でございますが、国費に関する旅行命令簿につきましては、警察庁訓令で五年と定められております。各都道府県警察においても、国費の旅行命令簿については、それぞれの文書管理規程において国に準じて五年保存。
都道府県の、県費の旅行命令簿につきましては、これはそれぞれの県の規則の問題でございますが、ちょっと今手元にございませんけれども、三年から五年の保存期限だと思います。
○宇佐美委員 とすると、今回破棄された旅行命令簿は、多くは国費だというふうに事前に聞いているんですけれども、その認識でよろしいですか。
○吉村政府参考人 ちょっと整理をしていないものですからあれですが、国費の旅行命令簿は、先ほどの繰り返しになりますけれども、青森の交通機動隊、宮城県の機動隊、警視庁、神奈川の教養課、兵庫の相生署、岡山県の学校、広島の広報課、銃器対策課、鉄道警察隊、交通規制課。それから九州管区は、これはもちろん国費でありますが、その広域調整一課と広域調整二課。
以上です。
○宇佐美委員 今お伺いするとほとんど国費だというわけでございますけれども、文書保存期間五年だとすると、この三月二十四日の保存継続を求めないとしても、三月三十一日まで保存するというのが法律で定められている話でございます。
これは前回も同じことを九州管区の問題について申し上げたんですが、九州管区は三月三十一日に、翌日異動するからということで破棄をしていますけれども、この広島県警の三月二十四日、ここが非常に目立つところなんですけれども、先ほど官房長がおっしゃったように、暦年、つまり三カ月前、十二月三十一日までの書類を基本的に破棄しようという契約で三月二十四日に来ています。そこに年度別になっている書類を一緒くたにして捨ててしまおうということ自体が既にもう違法性が高いというふうに私は理解するんですが、いかがですか。
○吉村政府参考人 ですから、委員おっしゃるように、三月三十一日の日が満ちてから廃棄をすべきもの、加えて今回はそれも残すようにということで指示をしたわけでありますけれども、たとえそれがなくても三月三十一日満ちてやらなければならないのは当然だと思います。
したがって、それがどういう原因関係でそのようなことになったのかということを今それぞれの県で調査しておりますので、しかるべく行政的な責任なりが考えられるべきではないかと思います。
○宇佐美委員 これは、四月三十日に、この会計文書の適正な保管管理を行うよう官房長通達を発出したということでございます。それが五月二十日及び二十一日に報告をされているわけでございますが、前回の三月二十四日の会計文書の保存継続を求める指示連絡というものもそうだったんですけれども、この通達方法、当時は電話で行われたというふうに聞いておりますが、この官房長通達はどのような形でどこに対してなされましたか。
○吉村政府参考人 四月三十日の官房長通達についてのお尋ねでございますが、警察庁には警察庁警察文書伝送システムというのがありまして、これは警察内部のネットワークを使用して、警察庁と各管区、それから各都道府県警察本部の各課に設置をされた端末に文書を伝送する、ファクス機能に類似をしたシステムと言えようかと思いますが、このシステムを使って四月三十日に、あて先は庁内の各局部課長、それから各附属機関の長、各地方機関の長、それから各都道府県警察の長あて、「会計文書の適正な保管・管理について」を送付した。それぞれの受けたところは、同じ端末がありますから、それで文書としてプリントアウトして、いわば紙の状態になっているというものであります。
○宇佐美委員 そうですよね。伝送システムを警察庁さんは持っていらっしゃるわけです。ちょっと細かい話で恐縮なんですが、今後の議論に必要なのでお尋ねさせていただきます。
その伝送システム。送られた、今いろいろな、各管区とか各課とか言われましたけれども、全部で何千とかですかね、何万にはならないですよね、千とか二千かな。それは送っている人がいたらわかるんですけれども、官房長、わかりますかね。
その上で、四月三十日、それを出されて、その日のうちに着くものなんですか。メールですから着くと思うんですけれども、その確認というのはどういう形でされているんでしょうか。つまり、受信しましたよというようなリメールを要求するようなソフト的な構造もつくることができるわけですが、恐らく、警察の方でありますから、そういうところはしっかりと確認もできるような形ができていると信じているんですけれども、いかがでしょうか。
○吉村政府参考人 この警察文書伝送システムでは、最大、キャパシティーとして二百数十所属まで一遍に送れるそうでありまして、全国の管区、都道府県警察本部の会計課あるいは総務課、それからそれぞれの県警本部の各部の庶務担当課あてであれば、約四百所属ぐらいにはなります。警察の所属全体の数字を言いますと、大体三千を超える数字ぐらいになろうと思います。
この四月三十日の文書等については、今申しましたようなあて先に送っているわけでありますので、相当数になりますが、受信をした所属では、至急文書ということで送りますので、到着時に当該文書を確認するまでベルが鳴りまして、自動音声で至急文書が入った旨を知らされるわけですので、恐らく、送ってすぐぐらいに受けた方は端末で見ることができる、見るべしということになろうかと思います。
○宇佐美委員 その伝送システムというのは、いつぐらいからできて、それはどれぐらいの頻度で使われるものなんでしょうか。大体でいいですから。
つまり、何を聞きたいかというと、三月二十四日の時点でも存在しているはずなんですね。平成十二年か三年でしたよね、たしかできたのは。平成十二年ぐらいに伝送システムが全国で確立されたというふうに思っているんですが、その中で、三月二十四日の一番大切な会計文書の保存継続を求める指示連絡は電話でしたとこの前言われていたんですね。これは伝送システムでは送られなかったわけですか、三月二十四日については。お答えいただきたいと思います。
○吉村政府参考人 警察文書の伝送システムというのは、今申しましたように、警察庁から通達等あるいは指示を流すとして、それぞれの管区あるいは都道府県警察の課には行くわけであります。実際は、所属が、今申し上げましたように三千を超える所属がありますが、これは各警察署ですとかいろいろ、警察署が全国で千二百数十あります。したがって、一度受けたものは、県警の会計課なら会計課から、さらに各所属に、各警察署には流さなきゃいかぬわけです。それを一斉に警察庁からやるわけにはいかない。システム的にそういうものであります。ですから、一度、本部の会計課に流して、会計課がまた適宜の方法で連絡をするということであります。
それで、三月の二十四日の電話連絡の是非論でありますけれども、これは以前も申し上げたかもしれませんが、年度末まで残り数日しかないということで、実際問題として、機械的にそれが着いたということで反応はしているわけですが、それよりむしろ電話で送って、電話で読み上げるわけですね。受けた方は電話受けを必ずとります。そこでメモになるわけです。それで、今度はそのメモをまた各警察署に、所属に連絡をしていくということでありますから、一概に電話連絡――それともう一つは、三月二十九日に、ぎりぎりになりますけれども、臨時の全国の総務・警務部長会議を既に予定をしておりましたから、ここでもきちんと言おうということを考えておりましたし、こちらとしては、三月三十一日満ちて、四月一日以降普通廃棄をされると思っておりますから、三月二十九でもぎりぎり間に合うということもありますし、ここで口頭できちんと言う。その前に、三月二十四日に電話で言って、電話で言ってもそれは音声ではなくて受けた方は文字にいたしますから、そこで指示をするということで、その方がスピーディーであろうということでその方法をとったわけであります。
いずれにせよ、大臣からも何度もおしかりを受けておりますけれども、その確認がきちんとできなかった、されなかったということが一番の問題だったのかなとは思っております。
○宇佐美委員 おっしゃりたい意味はよくわかるんですね。急いでいるときに電話をかけるというのも一般的な考え方であると思いますけれども、この大切なものを、確実性を高めるというときに、別に電話で言うのもいいでしょう、しかし、伝送システムは別に並列して動くわけですから、並列システムで、伝送システムで送っておいて、後ほど電話でも通告しますとか、それでも全然できるわけですよ。
一般の企業で、例えば大切な契約に関して電話ですべてやりとりするなんということはあり得ませんし、ファクスでも送る、メールでも送る、電話もする、こうやって確実性を高めていくんですね。確実性を高めないでいるような話、つまり、三月二十九日の全国何とか会議というので言うにしても、これは九州管区のときもそうですけれども、三月三十一日の朝九時から九時半にシュレッダーにかけるために、数日前からそのファイルを外してシュレッダーにかける準備をしていたと。恐らくその方は、意図的だったかどうかわからないけれども、準備をするんですね、シュレッダーにかけるにしても。当たり前ですよ。とすると、三月二十九日に会議があるからいいという話ではなくて、事前に三月二十四日に電話もする、伝送システムでも送る。先ほどおっしゃったように、ベルも鳴り続けるんですよ、各区で。
これはどう思われますか、皆さん。与党の皆さんだって、各事務所で連絡が党から来るときに、ファクスは来たけれども、見られなかった、大切な両院議員総会とか出られなかったという話があるけれども、警察の伝送システムはその受信が確認されるまでその端末は鳴り続けるんですよ。それにもかかわらず、電話でしているというのは、公安委員長、これはどう思われますか。大臣、いかがですか。
○小野国務大臣 今の議論を伺わせていただきながら、かつまた私としての責任も感じているところでございますけれども、とにかく、確認という問題が今回の件に関しては一番私といたしましては気になるところであり、この確認がとれていなかったということがすべての原因ではないか、そのように認識しているところでもございます。
○宇佐美委員 公安委員長、責任を感じていると前もおっしゃったんですけれども、一体、では何をされていますか、今、これについて。
○小野国務大臣 文書廃棄事案が発生いたしまして、既に警察庁といたしましては厳正な処分が行われたところでございますけれども、四月二十二日の国家公安委員会におきまして、私から、このような事案が今後二度とないようにすべきである、再発防止のための対策を立てるべきである、そのような旨の指示をしたところでございます。
さらに、その後、再発防止等を進めるためには、警察のしかるべき者が廃棄した本人から直接事情を聞くということ、これも必要ではないかということを申し上げまして、指示をいたしましたところ、警察庁の文書管理の責任者であります官房長が、廃棄した本人から直接事情を聞いたものと報告を受けているところでございます。
また、四月の三十日には、全国の総務・警務部長の会議の席上、私から、現在警察が抱えております重要な問題の一つとして、会計文書の厳正な保管管理、こういうものの徹底と誤廃棄、亡失の絶無について指示をさせていただいたところでございますが、その後、五月二十日に開催されました国家公安委員会におきましては、警察庁の指示連絡以降に会計文書が破棄された事案についての報告を受けまして、私からは、指示した後にそれを確認するという基本的な事柄がきちんと行われていないということは責任感を欠いているという旨、各人がみずからの責任を全うしてほしいということをさらに厳しく指摘させていただいたところでございます。
今後とも、国家公安委員長として、その職務を適切に果たしていけるように督励してまいりたいと考えております。
○宇佐美委員 公安委員長、またちょっと私の質問を取り違えているようでございますけれども。
九州管区については二十二日に処分をされたんでしょうけれども、先ほど官房長がおっしゃっているように、ほかの十六所属についてはまだ行政処分されていないんですよ。行政処分か刑事処分か、特に三月三十一日までに廃棄をしているところ、九州管区も含めてですけれども、ここは、当然法的な処分をなされて、つまり刑事処分も含めて考えるべきだと思いますけれども、公安委員長、どうですか。
○小野国務大臣 当然そのように考えておりますので、内容がきちんと判明したことにおきまして、随時対処されるものと承知をいたしております。
○宇佐美委員 きょうは道路交通法関係でございますから、これ以上この問題、また集中審議も今週もしくは来週、この国会中にさせていただくということでございますので、やめさせていただきますけれども、いずれにしても、この旅行命令簿というのがどういったものなのかというのを聞いていくと、一番の、つまりどこどこに出張しろという原型的な資料なんですね。これを捨てられてしまっていると、旅行費の請求書や領収書が出てきても、それと突き合わせるもとのデータがないわけですから、一番肝心な資料なんですよ。この一番肝心な資料を保存していなければいけないうちの三月三十一日、そしてさらに、連絡をしてから、四月三日、四月六日に、警視庁や神奈川県警でシュレッダーにかけられたりしているわけでございます。
これは、日本でこれから裁判員制度、いわゆる陪審員制度の形が取り入れられていったら、だれがどう見たって意図的に捨てられていると考えてしまうんですよ。思われるようなことが、特にこの旅行命令簿などなどで行われているんですよ。だから、公安委員長は、責任を感じると言っていただいているわけですから、きちっとした処理。
特にこの旅行命令簿、なぜ五年前かというと、二〇〇一年の警察刷新のあの後は比較的振り込みで個人口座にされるようになったんですが、このころはまだ多くの警察署において振り込みではなくて一括でやっていて、そこから裏金づくりがされていたんじゃないかという、今非常に注目をされているもしくは疑念を持たれている文書が堂々と捨てられているわけですから、ここは公安委員長、この国会中もそうですけれども、任期の間しっかりと厳しい処分なり対応をしていただきたいと思います。
続いて、きょうの道路交通法の話に入りたいと思っております。残り三十分ですから、急ぎでやっていきますけれども、ちょっと順番が違うかもしれませんので、よく聞いておいていただきたいと思います。
まずは、私の一番の、冒頭にも申し上げました、高速道路のオートバイ二人乗り解禁から入っていきたいと思いますので、お願いします。
ライダーとしては、私は別にまだ免許を持っていないんですけれども、友人が山ほどいる。この国会の冒頭の公安委員長に対しての質疑のときにも申し上げたように、六十歳、六十五歳で会社をリタイアされて悠々自適になる中、御夫婦でドライブに出かけよう、それもオートバイで北海道、これから六月、もうきのうからなりましたけれども、ラベンダー畑を一緒にツーリングしよう、そんな方も大変ふえているんですね。
それは、九三年の改正で大型バイクが教習所で取れるようになって、それまでよりも免許が比較的取りやすくなったということで、六十代、七十代の方の免許取得者がふえ、かつ、その方々は、百万、二百万する大型バイクを購入していただいてツーリングを楽しんでいた。例えば自民党の小里先生も、サイドカーに奥様を乗せてドライブされたりしているわけでございます。そういった中で、遠方に行くときにやはり高速道路に乗っていきたい、これは当然であります。残念ながら、無条件での解禁がベストであったけれども、安全担保措置も、それが合理的なものである限りおろそかにはできないというのは理解できる範囲でございます。
今回、二人乗りの条件を、二十歳以上かつ免許経験三年以上とした理由について、局長からお願いしたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
年齢が二十歳以上、免許を受けていた期間三年以上という条件は、一般道路における自動二輪車の事故の実態及び自動二輪車の一人乗り、二人乗りの別による運転特性の違いに関する実験などを踏まえたものでございます。
まず、年齢が二十歳以上という条件でありますが、これは、平成十一年から十五年までの一般道路におきます自動二輪車の二人乗りでの死亡事故件数の五九・一%を未成年者が占めていること、また、未成年者の一般道路における自動二輪車二人乗りでの死亡事故率は四・二%で、成人の一・二倍となっていること、それから、共同危険型暴走族の六七・四%が未成年者となっておりまして、暴走族が高速道路において二人乗りで暴走行為をすることを防止するためには未成年者対策が不可欠であること、こういったことを踏まえたものであります。
次に、免許を受けていた期間が三年以上という条件でありますが、これは、平成十一年から十五年までの一般道路における自動二輪車の二人乗りでの事故件数の六六・七%が免許取得後三年未満の者によるものであること、また、自動二輪車の二人乗りの運転特性に関する実験におきまして、運転経験が三年未満の者と三年以上の者とでは、急加速、急制動、急な乗り移り、そういった限界的な運転において差が見られたこと、こういったことを踏まえたものであります。
このようなことから、警察といたしましては、年齢が二十歳以上、免許を受けていた期間が三年以上という条件は、高速道路を自動二輪車の二人乗りで利用する者の利便性を図りながら、道路における交通の安全を確保するために必要なものであると考えております。
○宇佐美委員 先ほども申し上げたように、無条件の解禁がベストなんですが、確かに事故率もある。ただ、先ほどの話の中で、暴走族、共同危険暴走行為という中では、免許を持っていない人がいっぱいいるんですね。それが高速道路に入ってくるかどうかというのも別の意味で規制の対象にすべきだということは、一言申し上げたいと思います。
今回の解禁では法律上は二人乗りできない高速道路、自動車専用道路はないはずですけれども、首都高速などについて、都道府県の公安委員会が規制をかけるなどといううわさというか話があるわけです。
今回の二人乗りの解禁の後に、こういった公安委員会が特定の路線について二人乗りの禁止規制をかけることは、道路交通法の考え方や高速道路の性格、つまりネットワークでつながっていくという高速道路の性格上、首都高速はだめ、でも首都高速の先の中央高速、東名高速はいいですよという話ではないんだと私は思います。
例えば、その合流などで危険性が高いと言われている部分、首都高速に現実にあるわけでございますけれども、それはオートバイ、もしくはオートバイの二人乗りに限るわけではございません。恐らく道路構造上の問題があるわけですので、基本的には、この二人乗りの禁止規制を都道府県の公安委員会がかけるべきでないというふうに、かけるべきでないというか、なじまないというふうに私は考えていますが、局長、いかがでしょうか。
○人見政府参考人 都道府県公安委員会は、道路交通法の第四条第一項の規定によりまして、道路における交通の規制を行うことができることとされておりまして、また、この第四条第二項の規定によりまして、当該規制は道路の区間などを定めて、対象を限定して行うことができますことから、自動二輪車の二人乗りによる交通事故が多発するような路線におきまして、区間を定めて自動二輪車の二人乗り禁止規制を行うことも理論的にはあり得るところでございます。
都道府県公安委員会が実際に二人乗り通行禁止規制を設けるかどうかは、これは、一般道路から区別され閉鎖性が高く、また相互にネットワーク化している高速道路の特質を十分に考慮した上で判断するべきものと考えております。
○宇佐美委員 道交法の四条の二項はよく勉強しているところでございます。理解できるところでございます。局長言われたように、高速道路の閉鎖性、ネットワーク性を考えたら、基本的には規制になじまないということで進めていっていただきたいと思います。
一方で、いまだ解決されていない二輪車の問題もあるんですが、問題のあったETC、私は根本的には、我が党もそうですけれども、高速道路は無料化すべきだという理解ではありますし、それを熱心に推進している立場でございますが、現状の中で自動二輪についてもETCを導入することについて、私はどんどん積極的にやっていくべきだと思います。
私も、車を運転していて、大体一番左側にオートバイの方が入っていったりすると、例えばグローブをとってお金を出して払ってとか、そしてまた戻して、グローブをまたはめてということで、大変時間がかかるということもあって、まさにこういう人たちこそ、つまりオートバイに乗っている方こそETCのメリットを享受されるべきだというふうに思うんですが、国土交通省の取り組みについて、状況いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 ETCの自動二輪車に対する導入についてのお尋ねでありました。
まず、ETC全体で申し上げますと、おかげさまで装着台数が三百万台を超えまして、利用の割合も全国で一八%ということになってまいりました。
そこで、二輪車についても、どうしているか、こういう御指摘でありますが、二輪車につきましては、平成十五年度、今のETCの、言ってみれば車の中にセットするのと、自動二輪の場合には雨風が直接当たる、こういう問題もありまして、自動二輪にETCそのものをつけた場合にどんなふうに正確に作動し得るか、それともう一つの方式として、非接触ICカードを用いましたタッチ・アンド・ゴー、この二つのモニター実験を昨年から始めております。
かなりこの実験が積み上げられてきておりますので、この結果を踏まえて、利用者の皆様それから関係公団、それぞれ広く意見を今伺いながら、今後のあり方について検討を進めているところであります。
○宇佐美委員 金額の話ですよ。オートバイの道路の占有面積は当然小さいわけですね。サイドカーだとちょっと大きいにしても、小さいわけですから、この自動二輪車を、ETC導入と私は実は別でもいいと思っているんですけれども、自動二輪車について例えば四輪車の半額、普通自動車の半額とかでも私はいいというふうに思っていますが、同時に、先ほど申し上げた、国土交通省はどうしてもETCを何か普及させたいようですから、それとセットでも構いませんから、自動二輪車の高速料金の引き下げというのは非常に大きい話だと思うんですが、見解はいかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 自動二輪車の高速料金を引き下げることができないか、こういうお話であります。
そういう意味では、高速自動車国道につきまして、平成の元年でございますが、それまで三車種区分、普通車と大型車と特大車だったものを、普通車を三つに分けて、軽と普通と中型に分けまして、さらに軽の中に自動二輪を入れさせていただいて、現在は、普通車に対しては〇・八ということで料金を決めさせていただいているところであります。
料金の考え方自体は、占有者の負担の問題、要するに、空間的な、時間的な制約、占有ですね。それから、原因者負担ということで、建設、管理に要する費用に与える影響、これは特大車は物すごくあるわけですね。それから受益者負担、これは道路を利用することにより生ずる便益。この部分を、三つをいろいろ取り合わせて考えていくべきであろう、こんな考えから、それまでの、昭和四十七年以来三車種だったものを、五車種にさせていただいたということであります。
いろいろな考え方がそういう意味ではあるわけでありますが、先生先ほど来お話しのETCの普及、あるいはまた現在国会で審議をいただいておりますが道路関係の四公団の民営化、こういう中で、特に民営化に関しましては、民営会社になりましたら弾力的な料金設定というものをできるだけまた進めてもいただこう、こういうふうに考えておりますので、ETCの普及の割合、あるいはまた会社の経営方針といいますか、できるだけお客様に活用していただきたい、そういうような面から、今後とも検討を進めてまいりたいと思っております。
○宇佐美委員 今回、通告してないので質問しないですけれども、この前、ゴールデンウイークのとき、関越自動車道の下り車線を走っていました。大渋滞している中で、路側帯を走る四輪車がいました。そこでオートバイも結構路側帯を走っていたんですね。一方で、渋滞、のろのろしている中で、私は一番左側もしくは真ん中の車線に、三車線ですから、いたんですが、中の車線をオートバイが結構なスピードで走ってくるんですね。ここは追い越しオーケーの白線の点線のところですから、それは法的にはオーケーのことをやっているんだと思うんですけれども、実は、路側帯を勝手にオートバイだけ走ってもらっていた方が安全なんですよ。我々が、車が渋滞しているから、ちょっとでも右が早いかな、左が早いかなと思いながら動いているときにぼんと後ろから来るというケースも少なくないというふうに思うわけです。
そんな中で、オートバイ、自動二輪車の走行について、これからもっともっと柔軟にかつ広範な議論、そして適用をしていただきたいというふうに思っています。
そして、もう一つ、通告しております二輪車の駐車スペースの確保についてでございます。
今回のここの部分は、私は改正じゃなくて改悪だと思っていますが、駐車違反の取り締まりの強化、民間委託によって、二輪車の駐車禁止も、もちろん今でもできるんですけれども、強化される可能性がある、もしくは高いと言っていいと思うんです。
二輪車の駐車スペースというのは本当に限られているんですね。とめちゃいけないんですけれども、歩道にとめておくと、シートを真ん中切られたり、ヘルメットを持っていかれたり。車道にとめていたらまさに邪魔なわけですから、どこにとめていいんだろうということで、非常に苦労している二輪ライダーの方が多いわけですけれども、この二輪車の駐車スペースの確保について、国土交通省の取り組みを教えていただきたいと思います。
○小前政府参考人 御指摘のように、二輪車も含めた駐車スペースの確保というのは、円滑な交通や都市活動のために不可欠であると認識してございます。まずは、交通需要を発生する開発者がみずから確保することが重要であると考えております。
一方、公的主体は、駅周辺等において必要な駐車場の整備が困難な場合に、民間を補完する観点から、駐車場を整備してきたところでございます。このことにつきましては、国土交通省も、補助事業等によって、二輪車を含む駐車場の整備について支援をしてきたところでございます。
駐車場の整備に当たっては、今後とも、地区の特性や二輪車を含めた駐車需要等に留意しながら、地方公共団体や公安委員会等と連携を図りながら、適切な内容の駐車場整備を推進する所存でございます。よろしくお願いいたします。
○宇佐美委員 どんどん積極的に国土交通省もアプローチ、後押しをしていただきたいと思います。
二輪関係については以上で終わらせていただきますが、繰り返しますけれども、一刻も早い解禁、高速道路での二輪車の二人乗りということを。きのうもあるところで食事を夜していましたら、どうなったのと、初めてお会いした方だったんですが、我が党は残念ながら道交法は反対だけれども、これはちゃんと通りますよと。全体通るんですけれども、通ってしまうんですけれども、二人乗りはこの国会で通るんだということをお答えしたんですが、非常に期待をしている方が多いということを重ねて申し上げたいと思います。
続いて、交通指導取り締まりについてでございます。
交通違反というのはしたことがない、例えば自動車免許を持っている方で、人生の中、何十年、ペーパードライバーで運転していなければ別ですけれども、運転されている方で違反をしたことのない人、捕まったことのない人ではなくて違反をしたことのない人は、私はゼロだと思っています。
例えば、運転前点検といいまして、運転前にはブレーキランプをパートナーに見てもらうとかそういうことをやるんですけれども、恐らく、警察の方だって、警察車両はやられるかもしれないですけれども、自家用車で家を出かけるときにブレーキランプがついているか見てもらうなんということはほとんどないと思います。これを交通違反というかどうかは別にしても、違反的な行為を、日常すべての皆さんが、自動車免許を持ってかつ運転されている方すべての皆さんがやっていると言っても私は過言ではないと思っているんですが、そんな中で、だれでも交通違反の対象になり得るからこそ、国民の皆さんの関心も高いわけでございます。
速度取り締まり、速度違反になりやすそうな場所で行っているケース、すごく見るんですね。うちの地元でも、私の地元の環状七号線、平和島流通センターから第一京浜の間、そうそうと国家公安委員長言われるように、そこで先々週の日曜日ですかね、私、あいさつ回りで城南島に行かなければいけないとき、内回り、外回り両方に白バイがいて、信号で一番最初に飛び出ている車、全部スピード違反でやっていくんですよ。それ、行きも帰りも見ましたから。
知っている人は、そこを五十キロ制限、六十キロ制限、ちょっと忘れましたが、七十キロぐらいで走っているんですよ。それも違反なんですよ、七十キロぐらいで走っているから。捕まっている人は、トップを走っている七十五キロから八十キロで走っている人。百キロで走っているのなんて捕まえてもしかるべきだと思うんですけれども。
あそこに、例えば警察の方、パトカー一台あるだけで、スピード出さないんですよ、みんな。基本的に、私は、あそこ、事故が多いかなとも考えたことがあるんですが、確認をとっていないので明確には言えませんけれども、そう事故の多いところでもないんです。私の知る限り、免許取って、大田区の地域で運転してもう既に約二十年になりますけれども、あそこで事故を見たことは一度もないです。
もう一つ、環状七号線でいえば、中原街道から目黒通りに行くところで最高速四十キロになっているところがまだあるんですね。これも東京都の公安委員会に言わなければならないというふうに思うんですけれども。そこにいつもと言ってもいいぐらい地元の警察署の覆面カーが走っていて、その地域を知らない、地域以外の方が六十キロ、七十キロで走っているとどんどんどんどん捕まえていくというのを、特に土曜の夜とか頻繁に見るわけでございます。(発言する者あり)
こういった中で、本当に同僚議員の言うように、納得いかないというか、許しがたい。一般的に、日本の警察は一生懸命やられているし非常に信用されているんです。泥棒が入ったら一一〇番するというのは、ほぼ一〇〇%の方がされるぐらい、信用されているんですよ。ところが、この交通警察が、取り締まりを受けて、特に納得のできない取り締まりを受けると、ふざけるなというふうに思う方がいっぱいいるわけですよ。そういった中で、取り締まりのための取り締まりになっているのではないかというような疑念がどうしても生まれてしまうんですが、この点、交通局長、どういうふうに認識していますか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
取り締まりのための取り締まりと言われると、甚だ私どももつらいものがありますが、例えば、最近の交通死亡事故の減少、これを見ますと、飲酒に起因する死亡事故の減少もありますが、最高速度違反に起因する死亡事故の減少も大きく寄与しているところであります。最高速度違反は、今さら言うまでもございませんが、死亡事故発生の大きな原因でありまして、その意味でも取り締まりの必要性は極めて高い、これまでもそういう意味で重点違反として取り締まってきたところであります。
ただ、取り締まりに当たりましては、交通事故の発生状況等を綿密に分析した上で取り締まり場所を選定し、最高速度違反に起因する事故が多発しているような危険な場所、時間帯に効果的に実施することが大切でありまして、そういう方向で都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
○宇佐美委員 局長はもう何か、多分専用車がついて余り御自身で運転されないのでわからないかもしれないですけれども、東名高速で夜十二時ごろ、例えば東京―厚木とか走ってみてくださいよ。平均百二十キロから百四十キロでみんな走っていますよ、トラックから。それは、走らないと荷物が間に合わない、仕事で間に合わないということもありますけれども、そこを制限速度百キロでなんか走っていたら逆に怖いぐらいの状態なんですよ。それが現実です。現実に合わせた形で高速道路の速度設定をされるべきですし、河本先生が言われたように、捕まったのは運が悪いと言ったら、私なんか運がよくない人ですから、七年も浪人していた男ですから、こんなのが運悪くて捕まったなんというのは許しがたいわけですよ。
特に、隠れての取り締まりというのが、やっぱり納得できないということが多いと思います。スピード違反は、今オービスとかは事前に出ていますけれども、交通事故防止のために違反を抑止するのであれば、まず私は指導すべき。
例えば今、スピードだけではなくて、右折禁止。これは右折していいかどうかちょっとわかりづらいところで右折したら、そこにお巡りさんが立っていて、はいはいはいとか。地元の公安委員長もわかると思いますが、荏原町商店街のところに行く細い路地なんですけれども、ここも、右折していいかどうかわからなくて右折してしまうと、そこにお巡りさんが立っている。今回書類を破棄した荏原警察署ですよ。
こういったことをやっていると、交通警察の問題から、違うだろう、その前に立っていてくれて教えてくれればいいじゃないかという気持ちが私は一般的なんだと思います。それで、そこがまた警察の大切な書類を捨てている、処分とかしていたら、ますます不信感が高まっていってしまうわけです。
私は、今やるべきことは、交通警察をもしも維持もしくは拡大するならば、事故が起きたときに、例えば物損事故は現場に今行かなくてもよくなったんですよね。何か通達ですか、御存じですか、公安委員長。現場にもう行かなくて、物損事故だったら電話で受けて、ああそうですか、こうですか、じゃ、両方が納得されているんだったらいいですねと。現場確認されないんですよ、されなくてもいいようになっている。その後、物損事故だったのが、やっぱり首が痛いとか人身事故になったときに、大体次の日とかですよ、緊張していて事故のときにはわからなくて、翌日に、ああ首が痛い、やっぱりこれ届けよう。
現場確認なんというのは早ければ早い方がいいというのが私は警察の皆さんの常識だと思います。にもかかわらず、現場に行っていないからどういった状態かもわからない。その車の傷がその後生まれたものかどうかもわからないという中で、私は、交通警察を拡大していくならば、まさに事故に対してきちっと現場を確認すること。
そして、それについて、今三週間以内のけがの場合には基本的には起訴されない状況の中で、点数は引かれるけれども反則金は払わなくていいというケースがほとんどだというふうに聞いているわけでございますので、この事故との関係も含めて交通警察のあり方そのものを、やはり局長、警察庁から各都道府県警に対して、何かノルマみたいに駐車禁止をやったりレッカー移動をやったりしているというのを、みんな恐らくここの中で運転されることが今もある方だったら同感だと思いますよ。
皆さん方だって、車を運転されていて、これは何だと。もしくは駐車して、郵便局に郵便物を出しに行った。そうしたら、局員がいなくて時間がかかって、出てきたら車に輪っかがかかっていた、これは駐車禁止と。そういったような話がもう山ほど出てくるわけですよ。一方で、よく言われるように、空き巣とか盗難とか、こういったものについて十分に捜査してもらえているのかなと、検挙率も下がっている中で非常に皆さん疑念を持っているわけです。
ですから、私は交通警察の拡大というのは不要だというふうに、現状の中では必要ではないと思います。それよりも、優先順位はそういった治安関係に回すべきだと思いますけれども、百歩譲って、交通警察について維持すべきだというならば、こういった取り締まりのための取り締まりではなくて、事故が起きたときの現場確認などについてもっと力を注ぐべき。もしくは、ひき逃げとか当て逃げとか、こういったものについてきちっと捜査をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
年間交通死亡事故で亡くなる方が八千人近い、七千七百二人、しかも、けがをされる方は百十八万人を超えている、こういった状況を踏まえますと、交通事故の防止、交通の安全と円滑を図っていくということは、非常に極めて重要な仕事であると私ども思っております。
交通事故を防ぐためには、交通のルールを守る、しかもこれは自主的に守っていただくのが一番理想でございまして、これは警察官が隠れて取り締まったとか表に出ていたとかということでなく、ぜひ自主的に国民の皆様に守っていただきたい。また、それが、交通の秩序を確保し、公平公正な取り締まりをしていき、かつ交通事故防止に資するものではないか、こういうふうに考えております。
我々も、いろいろな御指摘は承っておりますので、常に、取り締まりが適切、公平公正に行われるよう、都道府県警察を指導してまいりたい、こう考えております。
○宇佐美委員 その延長上なんですけれども、ある意味、警察官にもある程度裁量権は必要なんだと私は思っています。同じ軽微な交通違反であっても、ふだんから安全運転しているドライバーと違反常習者で、その社会的意味というのは違うんだと思います。そういった中で、私は、例えば警告措置というものがあってしかるべきなんだと思います。
というのは、例えば免許の番号を見て確認してもらえば、事故があったり違反があったりというのはすぐ無線でわかるんですよね。だとしたら、その中で、どう見ても、どう見てもというのもその判断が非常に難しいんですけれども、まず、さっき言った四十キロ道路を勘違いして七十キロで走っていました、スピード違反で取り締まるんではなくて警告をする。まず警告をして、その警告が記録に残る形にしておいて、次に同じようなことをやったら、もうそれはだめですよというような、いわゆる警告制度。いきなり反則金や点数のつく取り締まりではなくて、その前段階として警告をする。それを登録しておいて、一定の回数に達した者を厳しく取り締まるということが、私は、取り締まりのめり張りをつけるという意味でも必要だというふうに思うんです。
特に初心者、もしくは免許を取って何年かたっているけれどもペーパードライバーで運転をしていない、もしくは地域がかわる。首都圏で運転しているのと地方で農道的なものを運転しているのと、特に大型農道だと信号がついていなかったり一時停止が両側ないようなところもある。そういった中で、取り締まりについて、私はこの警告制度というのをぜひ検討していただきたいと思いますが、局長、いかがでしょうか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
交通指導取り締まりにつきましては、国民からいろいろな御意見、御批判があることは承知しておりますが、なかなか限られた警察力をもって交通の安全と円滑を確保するためには、悪質、危険性の高い違反に指向した取り締まりを行い、また、国民が納得して交通ルールを守ることができるように、交通規制についても不断の見直しによりまして合理的なものとすることが大切である、こう考えております。
道路交通法は、悲惨な交通事故から国民の生命、身体を守り、交通の円滑を確保するために一定の交通のルールを設けているものでありまして、御指摘のように、警告措置を制度化し、これまで罰則や交通反則制度の対象となっていた者を警告にとどめることとした場合には、結果的に、これらのルールを無視する者が増加し、交通秩序が損なわれるおそれがあると思われます。
依然として悲惨な交通事故が後を絶たない現状におきましては、現在の取り締まりの考え方によることが適切であると考えております。
○宇佐美委員 時間が来ましたので終わりますけれども、警察全体の話で申し上げると、今、警告制度を否定的におっしゃいましたけれども、だったら、文書破棄している人たちはどうなんですか。こんなもの、警告とか訓告とか戒告をやっていたって、どんどん、続々出ているじゃないですか。それも、法律を最もわかっている人たちと言われる行政の人たちが、自分たちの書類、最低でも三月三十一日まで保存をしなければならないものを捨てている。これで、また訓告とか戒告とかやったって、納得されませんよ。
公安委員長、最後に、これはどうですか。
○山本委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○小野国務大臣 厳粛に受けとめさせていただきます。
○宇佐美委員 どうもありがとうございました。
○山本委員長 次に、太田昭宏君。
○太田委員 治安情勢が悪化している現状におきまして、駐車違反の取り締まりというのに警察力というものを投入することについては限界があるというふうに思いまして、そういう点では、民間委託を推進する必要があるということを私は常々言ってきたものですから、非常に結構なことだと思います。しかし、具体的にどういう事務を委託していくのか、またその流れ、そしてさらに、委託費というものが、具体的に、標章の取りつけ件数に応じて委託費を払うというようなことでいきますと、インセンティブはそれはできるかもしれないけれども、逆に、むちゃな取り締まりということにならないかというような観点があろうというふうに思います。
公平性とか全国でのある基準とか、さまざまなことの判断というものが民間委託の場合極めて重要だというふうに思いますが、今申し上げました、どのような事務を委託し、そして流れはどのようにし、また、インセンティブということはわかるけれども公平性をどう確保するかということについてお聞きをしたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
今回の制度改正では、放置された違法駐車車両があるという事実の確認と、その事実を確認した旨を記載した標章の取りつけ、この二つを民間に委託できることとするものでございます。
委託による確認事務の流れは、およそ次のような形で検討を進めておるところでございます。
まず、確認事務を受託した法人は、警察署長の指示に基づきまして巡回計画書を作成いたします。警察署長の認可を受けた上で、この計画に従い、駐車監視員を巡回させることといたします。
駐車監視員は、日々の業務開始の前に警察署において指示を受け、計画書に従い、二名一組で地域を巡回いたします。駐車監視員は、警察より貸与された専用の資機材を用い、マニュアルに従って、放置車両の確認、その証拠化及び標章の取りつけを行います。巡回を終了いたしました駐車監視員は、警察署におきまして、巡回中に行った確認に係るデータを警察に報告、これはデータ転送になろうかと思いますが、いたすわけであります。
受託法人は、活動結果報告書を作成し、警察に提出するわけでございます。
次に、公平な取り締まりというか、公平性はどうかということでございますが、放置車両の確認、これは、先ほど申し上げましたように、地域の巡回計画に従って行うわけでありますが、この巡回計画をつくるに当たりましては、地域の実情や地域の方々の御意見を踏まえたガイドライン、これに沿って作成されるものでございます。
委託事務の中心は、巡回計画に基づきまして地域を巡回する、その途上で放置車両があればこれを確認することとなりますので、このような巡回に要する人件費が委託費の中核をなすものと考えております。
したがいまして、インセンティブということでありますが、単に確認をした数量に応じて委託費を算定することとすると、受託法人が不適正な確認や偏った確認を行うおそれがありますので、そのように人件費を委託費の中核とした上で、巡回の重点路線などを定めた指針にのっとって巡回が行われる、それによりまして放置車両の確認は公平、的確に行われるでありましょうし、また、私どもも、受託法人に対する監督を厳格に行ってまいる考えでございます。
○太田委員 公平な取り締まりということが非常に大事なことなので、その辺は、具体的な現場の作業の中でもいろいろ考えて手を打っていただきたいということを留意していただきたいというふうに私は思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それと、今、宇佐美先生もそうですけれども、東京にいますと、やはりもう少し駐車できる場所をきちっと確保するというようなことが非常に大事になってくるわけで、そうしたこともあわせて、取り締まりを強化したりあるいは民間委託をするというだけでなくて、道路局長は帰っちゃったらしいが本当はとどまっていた方がよかったんだが、駐車場所の確保ということについてぜひとも努力をしてもらいたいと思います。その辺の話し合いとか、そういうことは進んでいるでしょうか。
○人見政府参考人 ただいま先生御指摘いただきましたように、より良好な駐車秩序を確立するためには、取り締まりのみならず、駐車スペースの確保もあわせて推進する必要があると考えております。
駐車スペースの確保につきましては、駐車スペースが、平成五年から十五年までに、東京都では五〇%増加しております。また、大阪府の場合ですと約六六%増加しております。相当の成果を上げておりますが、その一方で、違法駐車が存在する一方で、例えばピーク時に満車になる駐車場は、利用率の高い休日でも約四〇%にすぎないことから、駐車場の一層の有効利用も期待されるところであります。
警察庁におきましては、このような状況を踏まえまして、本年一月に通達を発出しまして、納得のいく取り締まりをしていくためにも、まず個々の交通実態を踏まえた駐車規制の見直しを行う、それとともに、路外駐車施設の整備などを働きかけるように都道府県警察を指導しているところでありますし、また引き続き国土交通省とも連携をとりながら対策を推進してまいりたいと考えております。
○太田委員 同じ質問ですが、大臣も東京でよくその辺はわかっていると思いますが、本当に駐車が、パーキングがあったり百円駐車があったり、最近はいろいろな小型の駐車場もあるわけですが、そういうところがあると僕らはほっとします。そうしたことについて、どうしても縦割りということがありますから、国土交通省や各地域の警察、そういうことを本当に連携をとって、現場に即して駐車場の確保ということをあわせて取り締まりとともにやってもらいたいと思いますが、再度、大臣、お願いします。
○小野国務大臣 車を利用する方にとりましては、駐車場がどこにあるかということが、活動、これは家族旅行にしてもそれから仕事上でも、それぞれの立場において非常に大事な点であり、東京の中心的地域におきましては、このごろは大分そういった施設が多くなってはきております。
しかし、考えてみますと、例えば休日の場合に銀行などの広いところが禁止事項の中で受け入れられていない等々考えますと、今後の考え方によりましてはまだまだ解決といいますか利用すべき点も多々ございますし、そういった意味でのマップのつくり方やら、そういった方々の利便性というものも考えた中で、もう少し開発できていく部分があるんではないか、そんなふうにも考えております。
○太田委員 ぜひとも努力をしていただきたいと思います。
自動二輪車の二人乗り規制の見直しというのは、政治家の中からも強い要請があったと思いますが、やはり、首都高なんかを使っている私などにとりましてみると、首都高速でのすり抜けとか割り込みとか、自動二輪のマナーの悪さというのは相当感じるわけですね。しかも、道路は非常に狭いし曲がっているということの状況は、全体的ではこれで結構なんですが、二人乗りの安全教育ということについて、運転者はもちろんとして、同乗者の教育ということも含めて、私は本当に必要だというふうに思っておりますが、この辺の考え方、手の打ち方というのをひとつよろしくお願いいたします。
○人見政府参考人 自動二輪車の安全教育ということでございますが、まず、マナーの悪さはいろいろ指摘される面がございますので、私どもとしては、マナー教育というのも必要であろう、こう考えております。
また、同乗者の教育でございますけれども、自動二輪車の二人乗りの運転特性に関する調査研究や有識者の方からヒアリングした結果によりますと、自動二輪を二人乗りで安全に運転するためには、運転者と同乗者が、同乗者の同乗方法について十分なコミュニケーションをとることが重要である、こう伺っておるところであります。
現在、自動二輪車の二人乗りに関する安全教育のあり方について、私どもは、有識者あるいは二輪車関係団体などから成る委員会を設けて検討を行っているところでありまして、その中で、運転者のマナーの向上、同乗者が心得ておくべき事項、あるいは運転者と同乗者のコミュニケーションの方法などについても取りまとめることといたしております。
いずれにしましても、そのようにして安全教育をさらに一層充実させたいと考えております。
○太田委員 携帯電話の使用に関する罰則の見直しというのは非常に影響力が大きいというふうに思いますが、この罰則の見直しを行う理由、原点に返って、その辺のことについて考え方を説明していただきたいことと、それから、駐車規制の問題とか、駐車違反の対策の問題とか携帯電話の問題、今回のこの法案の影響力というのは、いわゆる重要法案というふうに言って国会的には区別する場合があるけれども、国民生活にとってはこれは物すごい重要法案であるわけですね。
どういうふうに変わって、いつごろどういうふうに展開していって、具体的にどうなのかということは、ほかの法案以上に本法案は説明とか徹底とかいうことが非常に大事な法案だというふうに思っておりまして、そういう意味では、改正法の円滑な施行に向けて、大臣並びに当局の決意というものを伺いたいと思います。
○小野国務大臣 平成十一年の道路交通法改正によりまして規制が設けられたわけでございますけれども、現行規定の施行前後における携帯電話等の使用に係る交通事故の発生状況を見ますと、施行直後は大幅に減少しましたけれども、その後増加に転じまして、平成十五年は、平成十二年の二倍、二千五百九十七件となっておりまして、現行規定につきましては感銘力が低下していると言わざるを得ず、さらなる対策が必要になったわけでございます。
現行規定により禁止されております行為の中でも、いわゆる片手運転となり運転操作が不安定となるという点、あるいは、会話に気がとられたり画像を注視することによりまして運転に必要な周囲の状況に対する注意を払うことが困難となる、そのような状況で、特に危険な行為である、このようなことから考えさせていただいておりまして、今回の改正におきましては、これらの行為自体をとらえて、五万円以下の罰金を科するとともに、反則通告制度の対象とすることといたしておるところでございます。
○人見政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、道路交通法は国民生活に大変密接に関係した法律でありますから、円滑に施行することが重要であると認識しております。特に、今回の改正は内容が大変多岐にわたっておりまして、また順次施行されていくということになっておりますので、改正法の公布後、節目節目をとらえて積極的な広報啓発に努めてまいりたいと考えております。
○小野国務大臣 決意をということでございまして、失礼いたしました。
今局長からもお話ございましたけれども、大変多岐にわたっておりまして、順次施行されていくということが今後行われるわけでございますから、いわゆる節目節目というものを大事にとらえながら積極的な広報啓発に努めてまいりたいと考えておりますし、現場で取り締まりをいたします警察官に対しましても、改正法の運用につきまして十分な指導それから教育を行うことといたしております。
改正法の円滑かつ適切な施行に努めますとともに、幼児、児童から高齢者までを対象といたします交通安全教育の推進と、それから交通安全施設等の整備充実、さらには交通事故に直結いたします悪質な、危険な行為、こういったものに重点を指向いたしました交通指導取り締まりをするなど、総合的な交通事故防止対策を進めることによりまして、交通事故のさらなる減少に努めてまいる所存でございます。
○太田委員 終わります。
○山本委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
私は、最初に、違法駐車対策をどう進めるかという問題から聞いていきたいと思います。
朝の質問にもございましたが、現在、年間駐車違反標章取りつけ件数というのが二〇〇二年で二百九万件、それに対して放置駐車違反取り締まり件数は百六十万件で、七六・六%ということですが、そうすると四分の一はいわば逃げ得、その逃げ得という表現がいいかどうかは別として。
現行道交法では、車両使用者には管理責任はありますが、法的罰則まではありません。つまり、努力義務にしかなっていないんですね。その理由は、法的に処罰する対象としては適当でないと判断したものであったと思いますが、まず、現行法における考え方というものを最初に伺っておきたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
現行法におきましても、車両の使用者には一定の責任を負わせているところでございます。これは例えば、努力義務とか、それからまた、そういう運行管理をしっかりとしていない場合には公安委員会から指示を受け、指示を守らない場合には例えば自動車の使用制限を受ける、こういった点で使用者の一定の責任を認めておるところでございます。
○吉井委員 車両運転者には罰金を科すけれども、管理責任はあるんですよね、当然それはあるんです、しかし、法的な罰則まではつけていなかったんですよ。そういうことであったのに、今回は、刑法罰ではないけれども行政処分としての違反金を納付するとなるわけですね。車両使用者責任を刑法罰では実際上は問えないと思うんですが、実際に犯罪を犯していないんですから当然問えないんですね、しかし、行政罰として違反金を納付させることになる。
支払う方は、なぜそうなるのかというふうに思うのは当然だと思うんですが、車両の使用責任者が放置車両の責任を問われる根拠というのはどういう考えからくるのかということです。つまり、現行法だったらこれは法的には処罰はない、今度は行政罰として違反金を納付。これは少し、どのように整合性をとっていくのかという問題がありますね。これをお答えいただきたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
車両の使用者は、車両の使用によって大きな社会的便益を得、また、車両の包括的運行支配を有する立場にあります。また、現行道路交通法上も、このような立場に着目して、先ほど申し上げましたように、車両の使用者には駐車違反の防止について一定の運行管理義務が課されているところでございます。
今回の改正におきまして、この車両の使用者の運行管理義務を強化いたしまして、放置駐車違反について、原因行為者である運転者の責任を追及できない場合には使用者の責任を追及する制度を導入することとしたものであります。
放置違反金は、車両の使用者に対して行政制裁として科されるものでありまして、運転者の場合は行為責任でありますので刑事罰、実際上はほとんどは反則金処理がなされているのが実態でございます。
以上でございます。
○吉井委員 大体、七十五条を中心に、今のお話ですが、違法駐車の運転手を特定して確保することができない、特定するには捜査にコストがかかる、そうすると、一定期間がたてば自動的に使用者に通知が来るわけですが、それで捜査は事実上終了ということになりますね。
今回の改正は、警察力を悪質重大犯罪に向けるため、いつまでもかかわっておられない、だからだということも指摘されておりますが、運転実行者と使用者が同一人物ならともかくとして、運転者イコール使用者でない場合、このときに、使用者に違反金を支払わせれば終わりとなる、警察は金を取って実行犯捜査はしないということになってしまうとなると、悪質な違法駐車犯の逃げ得を許してしまうということになるのではないかと思うんですが、この点についてどうお考えですか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
現在、放置駐車違反につきましては、原因行為者である運転者に対して刑事罰を科すこととしておりますが、違反行為を現認していないことに起因しまして、悪質な運転者ほど責任追及を免れている、そういったいわゆる逃げ得が大きな問題になっているところであります。
そこで、新しい制度におきましては、運転者の責任を追及することができない場合には、使用者に対して放置違反金納付命令を行うことによって、違法駐車の抑止を図ることとしているものであります。
車両の使用者は、車両の運行を管理する立場にありますから、その責任を強化することにより、車両の運行管理が改善され、違法駐車の抑止を図ることができると考えられます。また、運転者が使用者であるとき、これは放置違反金の納付を命ぜられ、また、運転者が使用者でないときは、放置違反金を納付した使用者から求償をされるなど、そういうことで運転者に対しても感銘力が及び、違法駐車の抑止を図ることができるものと考えております。
なお、新制度におきましては、使用者に対する違反金納付命令を行うことにより放置駐車違反の抑止を図っていく一方で、交通事故の原因となった違反や企業ぐるみの常習的な違反など悪質性、危険性、迷惑性が極めて高い違反に対象を絞り込み、これらに警察力を投入して、現在十分な責任追及を行い得ていない悪質な運転者の責任追及を図っていくこととしております。
このような制度と運用によりまして、違法駐車を抑止するに足りる公平で効果的な違反取り締まりが可能になるものと考えております。
○吉井委員 事務方のつくった答弁書などきっちり全部読んでもらわぬでもいいですから、簡潔でいいですから。
大体、悪質な運転者にはもともと貸さないようになるだろう、使用者の方が。それは、そういうことはあると思うんです。しかし、使用者が金を払えば、悪質運転者への追及がそこでとまってしまうと、別な逃げ得といいますか、許すことにもなるから、そこはしっかりしなきゃならぬということを言っておきたいと思います。
次に、民間委託の問題ですが、現行法による駐車禁止場所での駐車は犯罪とされているのではないかと思うんですが、これは、扱いはどうですか。――現行法上、駐車禁止場所での駐車は、これは犯罪、捜査の対象となりますか。
○人見政府参考人 犯罪でございます。ただし、反則通告制度の対象にはなっております。
○吉井委員 それで、警察官は、違法駐車事実を確認し、標章を違法駐車車両に取りつけ、警察署長に報告し、その後、運転者の責任を追及する。これは道交法の仕組みですし、この一連の行為が捜査活動なんですね。そして、駐車違反の車両の写真を写し記録をとる、このような証拠保全もまた捜査だと思うんですが、この点、確認しておきたいと思います。
○人見政府参考人 駐車違反は犯罪ではありますが、現在、例えば交通巡視員が……(吉井委員「いえ、捜査です、私が聞いているのは」と呼ぶ)交通巡視員も告知まではできますので、その部分は捜査とは言い切れないものがあろうと思います。(吉井委員「聞いたことは、写真を撮ることとか、そういうのは皆捜査でしょう」と呼ぶ)写真を撮ったりすることは、そこまでは、反則金を取るための準備行為ということであるなら、普通は、捜査とは必ずしも言えない。(吉井委員「いや、民間の話はちょっと置いておいて、現在」と呼ぶ)現行法においても、捜査の部分もございますけれども、必ずしも、反則金は罰金ではございませんので捜査ではありません。最終的に捜査に使い得るものもございます。
○吉井委員 要するに、駐車違反は犯罪だとして、犯罪となれば捜査する、いろいろ証拠を集めたり確認しておくこと自体は捜査の一環ということになるわけですから。
刑事訴訟法は、捜査を行える者を一般司法警察官、検察官、検察官の指揮を受けた検察事務官、特別司法警察職員に限定しておりますが、刑訴法がこのように捜査の対象を限定しているのはやはりわけがあるんですね。捜査権が国家の刑罰権に根拠を持ち、人権と対立が生じるということが出てくるからです。したがって、この捜査は国家の刑罰権と無関係な民間機関が担ってはならないというのが刑訴法の原則的な考え方であります。
そうすると、民間機関が違法駐車の捜査の一端を担うということについては、これはやはり問題として考えておかなきゃいけないところだと思うんですが、この点について伺っておきたいと思います。
○人見政府参考人 お答えいたします。
放置駐車の現認や標章の取りつけ、これは、現在でも交通巡視員が行っております。交通巡視員は、先生御承知のとおり、これは司法警察職員ではございません。新制度におきましても、そういう意味では、放置車両の確認と標章の取りつけ、これは犯罪の捜査ではなく、公権力の行使にも当たらない、これらの事務はいずれも使用者の行政責任追及の準備行為、こう位置づけておるものでございます。
○吉井委員 使用者が、放置違反金で刑罰でなく行政制裁を受ける、そういうことになるわけですね。ですから、そのことによって、行政制裁の範囲と運転者の刑事罰の問題とは一応そこには仕切りがされるということは私もわかった上で聞いているんですけれども。運転者が刑事責任を追及されるとき、放置車両確認機関、駐車監視員が行った確認や収集した証拠が犯罪事実認定に使用されるということもあるわけなんですよ。この場合、民間委託機関の確認、証拠化の作業は捜査の一環だったということにやはりなるわけなんです。
そこで、現行刑事訴訟法上問題ないか。やはりこれは慎重に検討していく必要があるし、そういう立場でこの法の執行ということに臨まないと、確かにさっき言うてはったように仕分けして臨むのはわかった上なんですよ、しかし、そこはきちんとした対応をしないと問題を生ずることがあるということをきっちり考えておかなきゃいかぬと思うんです。大臣、そのことはきちっとわきまえて臨む、こういうことでいいですね。
○小野国務大臣 結構でございます。
○吉井委員 次に、民間委託の問題について聞いておきたいと思います。
警察庁は、ある程度のインセンティブを与えるという話なんですが、そうすると、違反件数を上げるために効率的に件数を上げやすい地域を集中的に取り締まるという問題が起こり得ることです。
駐車といっても現実にはいろいろあるんですね。商用や駅への客の迎えなどから短時間のやむを得ないものもあります。地域の特性や条件もあります。しかし、民間企業だから、営利追求で違反件数を上げるのに走っていくというのは、普通で考えたら自然にやはりあることなんですね。
参議院で参考人として質疑した違法駐車問題検討懇談会の宇賀座長が、歩合制のような形にした場合に無理な取り締まりが行われるのではないかということを発言しておりますが、そういうことはないという立場ですか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
今回考えていますのは、民間委託でございまして、いわゆる民営化とは違いまして、民営化ですと歩合制あるいは出来高制ということで不公正な取り締まりあるいは偏った取り締まりが行われるおそれがあるということで、駐車問題懇談会でも、そういう民営化はしないよう提言をいただいているところでございます。
○吉井委員 民営化であっても民間委託であっても、要するにインセンティブを与えることによって効果を上げようということなんですから。だから、単純な出来高制であれ、複雑な出来高制の仕組みをつくるにしても、結局、違反件数を上げれば一定の割り増しがつくというシステム。そこからやはりまず確認しておきましょう。
違反件数を上げれば一定の割り増しがつくというシステムになっているんでしょう。
○人見政府参考人 私どもは、今回の民間委託におきまして出来高制はとっておりません。また、インセンティブにつきましても、これはむしろディスインセンティブと申しましょうか、きちっと仕事をしていない場合にむしろ減らされることはあり得べしというような制度とか、いろいろ検討しておるところでございます。
○吉井委員 きちっと仕事をするということは、要するにしっかり行政制裁としての放置違反金を納付させるようにするとか、やはりそういうことに取り組むわけですから、そうすると、成績を上げようと思えば思うほど、それはしっかりやっていかなきゃいけない、こういうことになるわけです。
ですから、ここでよく考えなきゃいけないのは、駐車取り締まりが国民の権利や義務にかかわる公共性の分野なんだということをしっかり考えなきゃいけないわけで、だから、こうした分野は、基本的に公共機関がこれまで対応してきているわけですね。単純であれ複雑なやり方であれ、出来高制という表現をとるか、あるいは歩合制という表現をとるか、インセンティブという表現をとるか、それは別として、やはりここには公平性という問題が非常に出てくると思うんですね。
地域の優先順位を地域の要望を聞いてそれで考えていくようなものなのか、ここは成績が上がるからということで業者の方がやっていくのか、ここのところが問われてくるところだと思うんですが、公平性の面でどういうふうに考えていくんですか。
○人見政府参考人 お答えいたします。
まず、放置違法駐車車両の確認、これは地域の方々の御要望や地域の駐車実態を踏まえ、重点的に確認を行う場所あるいは時間帯などを定めたガイドラインを策定しまして、これを一般に公表いたしまして、これに即した巡回計画に基づいて行うことを予定しております。
したがいまして、委託事務の中心は、このガイドラインに即した巡回計画に基づいて地域を巡回し、その途上で放置違法駐車があればこれを確認するということでありますので、受託法人に支払うこととなる委託費の中心になりますのは、このような巡回に要する人件費であります。
私どもは、取り締まった件数に応じて払うというのは、出来高制とかそういったものは考えておりません。
○吉井委員 ある程度インセンティブを与えるというのは警察庁の方が言っていることなんです。検討懇談会の宇賀座長自身が、やはり歩合制のような形にした場合に無理な取り締まりが行われるのではないかということを指摘しておられるんです。どういう形をとるにしろ、インセンティブを与えるというところから、今もおっしゃったガイドラインの作成のことも言っているわけですよ。
ですから、ガイドラインの作成そのものについて私は否定して言っているわけじゃないんですが、しかし、ガイドラインを作成しても、やはり営利とか採算性ということが企業の場合は出てきますから、その本質が変わるわけじゃありませんから、運用をきちんとする、公平性、そういうものがきちんと保たれるということをやらないことには問題が出てくる。だから、それをきちんと公平性を確保するように取り組まなきゃならぬということを申し上げまして、次に、天下り問題についても伺っておきたいと思います。
小野公安委員長は、警察の裁量の働く余地がないような制度とさせていただくと何度も参議院段階以来答弁をしておられます。
例えば、登録制にして競争入札するから大丈夫だとか、いろいろな問題がありますが、公共事業の場合で見ても、ゼネコンもそれ以外の業者も登録制で指名競争入札をやって、そうした企業にも官僚の天下りは幾らでもいるわけです。ですから、警察の裁量の働く余地がないような制度などと言っても天下りしない保証にはならないし、今この問題で多くの国民の皆さんが余り信用していないんです。
ですから、これは大臣に伺っておきますけれども、警察OBの再就職先に専ら使われることになってはいけないと宇賀座長も言っておられるんですが、天下り禁止措置をとらなかったら、これはどうにもならないんですね。実際には、形としては事実上天下り団体が委託先になってしまう。ですから、どういう形でこの天下り禁止あるいは規制をやっていこうとお考えか、この点だけは大臣に伺っておきます。
○小野国務大臣 具体的な委託先の選定につきましては、一定の要件を満たす法人の中から、地方自治体及び各都道府県の財務規則にのっとりまして、一般競争入札を原則として決定されるものと思っております。
いわゆる先生おっしゃいました天下りのふえる結果になるのではないかという件でございますけれども、委託先の選定に当たりましては、選定過程の透明性の確保が極めて重要である、そのように思料いたしておりまして、御懸念のことがないように、また国民から疑念を抱かれることがないように、手続の透明性が確保されますよう努めてまいる所存でございます。
○吉井委員 大体、一般競争入札といっても、指名業者に入る入らないからあって、登録されて、そして指名競争入札とかやっていくんですが、その業者に天下りの人が行くことによって、その業者は非常にたくさんの仕事が得られるということが今問題になっているときですから、透明性を高めていくということは、本当に相当のことをやらないと、これはもう全然言葉だけに終わってしまう、透明性を高めることにならないので、私は、やはりきちんとした規制というものを考えていかなきゃいけないということを申し上げまして、次に、高齢者講習手数料問題について伺っておきます。
高齢運転者の交通事故が増加しており、これに対する有効な手だてが今求められているときで、その必要性はもちろんなんですが、しかし、その一方で、高齢者講習について、非常に負担が高いという声が寄せられております。
高齢者講習の手数料、六千百五十円なんですね。これに更新手数料二千二百五十円を合わせると、合計八千四百円かかる。さらに高い人の例でいくと、最初にチャレンジ講習を受けて、うまく合格すればいいんですが、不合格だった場合に、高齢者講習に行って、さらに更新手数料で、合計一万一千百五十円になってくる。チャレンジ講習でうまく安くいった人でも、更新手数料を入れると六千四百円かかってくる。
これは大変高いものになっていると思うんですが、念のために確認しておきますが、どのコースによるかはありますが実際にこれだけかかるんですね。
○人見政府参考人 どのコースによるかにもよりますが、先生先ほどおっしゃいましたように、一般的には、まず高齢者講習で六千百五十円、それから免許の更新時に二千二百五十円、合わせて八千四百円かかるものと承知しております。
○吉井委員 それで、全国の高齢者の方から、実際に自分たちも注意をして運転をし、高齢者の方の場合、長いことずっと運転してきている方の場合、技量も相当あれば、同時に、若い時代と違って非常に慎重ですから、慎重な運転をされるんですが、ところが更新手数料で八千四百円になる。
ちょっと見てみると、高齢者講習は、講義と運転適性診断、実技で、それぞれ六十分の合計三時間で、受講料が六千百五十円なんですが、高齢者にとってのこの受講料は、一般の優良運転者の更新時講習料七百円と比べても物すごく高いですね。私もおかげさまでゴールド免許を持っていますから、それほどお金はかからずに済むんですが、しかし、これ、合計八千四百円、これはやはり負担は特別重いものになっていると思うんですが、大臣、どうですか。
○小野国務大臣 一般受講者の場合には、講師一人に対して五十人なり何十人なりという多数の人間が受講することができますけれども、高齢者受講につきましては、なれている方もいらっしゃいますし、また、その他の交通機関がなくてどうしても運転しなきゃならないという方々もいらっしゃいますし、それぞれの受講者の特性、いわゆる運転の実技及び適性検査が、三人に対して一人の指導員が必要であるというふうな具体的な例がございます。また、車の中に例えば受講者がおりまして、指導者がおって、その後ろに二人また座っていただくなど、ほかの方々の、同じ年代の方々の、とまれといういわゆる信号に対してきちんととまれたのかとまれなかったのか等々、自分のことを他人との比較もしながら、やはり相当衰えているということも自覚をしながら、非常に丁寧にこの講義をしているというわけでございますから、一対五、六十、あるいは一対百という一般受講者から比べますと、一対三人という形の中で行われておりますところに、どうしても費用の点が、手数料が高くならざるを得ないというのが実情でございます。
いわゆる手数料につきましては、実際に要する経費を下回る額を標準とすることは、各都道府県に財政負担を求めることになり困難と考えられるわけでございまして、その内容に見合った効果をもたらすものでありますことから、御理解をぜひいただきたいということでございます。
○吉井委員 私、これは、基本の問題はコストの問題じゃないと思うんですね。
運転免許を持つ全国の七十歳以上の人は約四百七十二万人です。二〇〇三年の受講者は百五万人。ですから、高齢者が高齢者講習に支払う受講料というのは年額約六十五億円になるというふうに試算されますが、かなりの額です。これに対して識者は、こうした高額な高齢者講習手数料は、高齢者に運転免許証の返納を暗に促して強いるようなものと思えるという批判も出ています。
高齢者の事故がふえたから負担はやむを得ないと警察庁の方はよく言うんですが、言っているように聞こえてくるんですが、しかし実際は、免許保有者十万人当たりの第一当事者となる事故件数を見てみますと、七十歳以上よりも、十六歳から三十九歳の方がまだ高齢者の倍以上多いというのが事実だと思うんですが、この点、確認しておきます。
○人見政府参考人 お答えいたします。
十六歳から二十四歳の場合ですと、平成十五年、第一当事者の年齢層別免許保有者十万人当たり交通事故件数は二千百二十九・七件。これは、六十五歳以上の場合ですと一千十三・七件、七十歳以上ですと千三十一・二件でございます。
○吉井委員 ですから、二倍も若い方が多いんです。
そこで大臣、私は講習会いいと思っているんですよ。講習会がどうだとかこうだとか言っているんじゃないんです。所得の減っている高齢者の人で、そして安全に運転もしてもらい、また、地域によりますけれども、都市部でもニュータウンの場合とかあるいは農村部の場合とか、車がないと生きていけないという時代になってきているんですね。そういうときに、高齢者の方たちの講習会についてはもっと負担を軽くするように、これはやはりしっかり考えていく必要があると思うんです。最後に、これを大臣に伺っておきたいと思います。
○小野国務大臣 先ほども申し上げましたように、非常に個人差の多いのが高齢者の現状でもございますので、一律にこの価額を安くしたから大勢の方がということにもならないだろうとは思いますけれども、こうした現状をかんがみましたときに、経費を下回る額を標準とするということは困難であるという各都道府県の要請に対しての御理解をぜひ賜りたい、そのように考えております。
○吉井委員 御理解を賜る方ばかりじゃなくて、やはり高齢者の人たちに本当に理解も納得も得られるような、所得が減ってくる中で本当に負担が重いわけですから、軽くするということを、これは公安委員長としてしっかり考えてもらいたい、このことを申し述べまして、時間が参りましたので終わります。
○山本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○山本委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。宇佐美登君。
○宇佐美委員 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。
まず、民主党は、本改正案における自動二輪車の二人乗り規制の見直しや運転者対策、暴走族対策などに関しましては賛成です。また、行政改革という点から見て、一般的な行政事務の民間委託を進めることによるコスト削減の趣旨は理解できます。しかしながら、政府案の違法駐車対策の民間委託といった点は到底賛成できるものではございません。この一点につき、民主党は本改正案に反対し、以下の理由を申し述べます。
第一に、刑事罰である駐車違反の対応業務を民間に委託するということ自体、重大な問題を含んでいると言えます。
現在の日本における違法駐車問題は、特に大都市部などにおいて深刻な状況であること、そしてその対策が必要とされていることは十分に理解できるところでございますが、現在行われている駐車違反の取り締まり自体不完全であり、迷惑駐車の実態に即した妥当なものとはなっていません。すなわち、市民の立場に立った公正公平な取り扱いがなされているとは全く言えない状況にあるということであります。また、犯罪にかかわる事実認定の証拠化作業等を民間法人にゆだねることにより生じ得る恣意的な取り締まりを招く危険性を完全に払拭することはできません。そうした観点から見ても、民間委託は明らかに時期尚早であると言わざるを得ません。
同僚議員の質問でもありましたように、昭和四十五年に導入されています、現在形骸化、弱体化している交通巡視員制度を充実させることが本筋のはずでございます。もしくは、今国会でも提案されました構造改革特区などにより、一部地域によって対応すること、導入することから始めるべきであったというふうに考えております。
第二に、政府は、民間委託することにより交通警察官の人員削減効果があると主張していますが、参議院の質疑等でも判明しているように、その規模は極めて限定的であることが想定されています。また、たとえ人員削減効果が生じ、交通警察官の他部門への振り分けが可能となったとしても、その委託先が新たな天下り先となる懸念を完全に取り除くことができなければ、市民の立場に立つ公正公平な改正案にはなり得ません。このような新たな天下りの温床となり得る民間委託は今般避けるべきであり、全くのところ容認はできません。
政府提出法案はまさにこれらの点で難点があり、欠陥や弊害に対し解決がないまま性急に民間委託を可能とすることは極めて問題が多いことを指摘いたします。
以上申し上げた理由により、民主党・無所属クラブは本案件に反対の立場を表明いたしまして、討論を終わります。
以上です。(拍手)
○山本委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○山本委員長 これより採決に入ります。
内閣提出、参議院送付、道路交通法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○山本委員長 次に、保利耕輔君外四名提出、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。長勢甚遠君。
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国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○長勢議員 ただいま議題となりました国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
六十有余年に及ぶ昭和の時代は、我が国の歴史上、未曾有の激動と変革、苦難と復興の時代でありました。今日我々がある平和と繁栄の日本は、まさにこのような時代の礎の上に築かれたのであります。
二十一世紀を迎え、我が国は今また新たな変革期にあります。昭和の時代を顧み、歴史的教訓を酌み取ることによって、平和国家、日本のあり方に思いをいたし、未来への指針を学び取ることは、我が国の将来にとって極めて意義深いことであります。
このような観点から、この法律案は、昭和の時代に天皇誕生日として広く国民に親しまれ、この時代を象徴する四月二十九日を、昭和を記念する昭和の日として新たに祝日とすることといたしております。
また、現在、四月二十九日はみどりの日として国民の祝日とされております。その祝日とされる趣旨は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ。」とされており、緑豊かな我が国にとって極めて有意義であり、国民の間にも定着しているところであります。こうしたみどりの日の意義にかんがみ、しかも祝日の増加による影響にも配慮しつつ、青葉若葉の時節であり、ゴールデンウイークの一日である五月四日をみどりの日とすることといたしております。
なお、祝日と日曜日が重なった場合の現行の振りかえ休日について調整することといたしております。
次に、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。
第一に、国民の祝日として、新たに昭和の日を加え、昭和の日を四月二十九日とし、その意義を「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。」とすることといたしております。
第二に、みどりの日を五月四日とすることといたしております。
第三に、国民の祝日が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い国民の祝日でない日を休日とすることといたしております。
なお、この法律は、平成十八年一月一日から施行することといたしております。
以上が、本法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○山本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十七分散会