衆議院

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第1号 平成17年2月18日(金曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(平成十七年一月二十一日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 松下 忠洋君

   理事 木村 隆秀君 理事 河本 三郎君

   理事 増田 敏男君 理事 山本  拓君

   理事 宇佐美 登君 理事 須藤  浩君

   理事 玉置 一弥君 理事 田端 正広君

      江渡 聡徳君    大村 秀章君

      川上 義博君    木村  勉君

      佐藤 剛男君    桜井 郁三君

      土屋 品子君    西村 康稔君

      萩野 浩基君    早川 忠孝君

      宮澤 洋一君    石毛えい子君

      泉  房穂君    市村浩一郎君

      小宮山洋子君    今野  東君

      島田  久君    藤田 一枝君

      牧野 聖修君    太田 昭宏君

      吉井 英勝君

平成十七年二月十八日(金曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 松下 忠洋君

   理事 木村 隆秀君 理事 河本 三郎君

   理事 増田 敏男君 理事 山本  拓君

   理事 宇佐美 登君 理事 須藤  浩君

   理事 田端 正広君

      江渡 聡徳君    大村 秀章君

      川上 義博君    木村  勉君

      佐藤 剛男君    桜井 郁三君

      鈴木 淳司君    土屋 品子君

      萩野 浩基君    早川 忠孝君

      宮澤 洋一君    石毛えい子君

      市村浩一郎君    小宮山洋子君

      今野  東君    島田  久君

      藤田 一枝君    牧野 聖修君

      吉井 英勝君

    …………………………………

   国務大臣

   (青少年育成及び少子化対策担当)         南野知惠子君

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (男女共同参画担当)   細田 博之君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長) 村田 吉隆君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   竹中 平蔵君

   国務大臣

   (規制改革担当)

   (産業再生機構担当)   村上誠一郎君

   国務大臣

   (科学技術政策担当)

   (食品安全担当)     棚橋 泰文君

   内閣官房副長官      杉浦 正健君

   内閣官房副長官      山崎 正昭君

   内閣府副大臣       七条  明君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   内閣府副大臣       林田  彪君

   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君

   内閣府大臣政務官     木村  勉君

   内閣府大臣政務官     西銘順志郎君

   内閣委員会専門員     高木 孝雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  泉  房穂君     藤田 幸久君

二月十八日

 辞任         補欠選任

  西村 康稔君     鈴木 淳司君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 淳司君     西村 康稔君

    ―――――――――――――

一月二十一日

 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(保利耕輔君外四名提出、第百五十九回国会衆法第一四号)

 食育基本法案(小坂憲次君外五名提出、第百五十九回国会衆法第四九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

松下委員長 これより会議を開きます。

 この際、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 国政に関する調査を行うため、本会期中

 内閣の重要政策に関する事項

 栄典及び公式制度に関する事項

 男女共同参画社会の形成の促進に関する事項

 国民生活の安定及び向上に関する事項

 警察に関する事項

以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

松下委員長 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 まず、細田内閣官房長官・内閣府特命担当大臣から所信及び平成十七年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、次に、村田国家公安委員会委員長から所信及び平成十七年度警察庁予算について、それぞれ説明を聴取いたします。また、竹中内閣府特命担当・郵政民営化担当大臣、村上内閣府特命担当・行政改革担当・構造改革特区・地域再生担当大臣、棚橋内閣府特命担当・情報通信技術担当大臣及び南野内閣府特命担当大臣から、それぞれ所信を聴取いたします。

 それでは、最初に細田国務大臣。

細田国務大臣 内閣官房及び内閣府の事務を担当する大臣として、所信の一端を申し述べます。

 昨年は、豪雨や台風による災害、新潟県中越地震による甚大な被害、インドネシア・スマトラ島沖での大地震と津波による未曾有の災害がありました。被害に遭われた方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。また、我が国政府として、復旧復興及びその支援に向けて全力を尽くしてまいります。

 小泉内閣発足から四年近くがたちました。これまで、小泉内閣においては、構造改革に全力を傾注してまいりましたが、引き続き、郵政事業の民営化、三位一体の改革、北朝鮮問題等、内外の困難な課題に内閣を挙げて邁進しなければならないと考えております。

 私は、小泉内閣総理大臣の強力なリーダーシップのもと、各大臣と緊密な連携を図りつつ、改革断行のため全力を尽くす所存であります。

 内閣官房におきましては、内閣を直接支える立場から、内外の特に重要な政策課題に強力に取り組んでまいります。

 大規模自然災害や大規模テロなど、国と国民の安全を損ない、重大な被害を及ぼすおそれのある各種の緊急事態に対しては、内閣官房を中心に政府が一体となって対処する態勢の整備に一層努めてまいります。

 国際犯罪及びテロ対策につきましては、昨年末に策定したテロの未然防止に関する行動計画に掲げた施策の着実な実施を政府一丸となって努めてまいります。

 また、情報の収集、集約の重要性がますます高まる中、情報収集衛星について、所期の目標である四機体制を確立すべく、平成十七年度中に予定している打ち上げに向けて、準備に万全を期してまいります。

 北朝鮮による拉致問題につきましては、内閣の重要課題であり、引き続き、政府一丸となってその解決に全力を注ぐとともに、拉致被害者等の支援に努めてまいります。

 知的財産立国の実現を目指し、模倣品、海賊版問題についての対策を一層強めるとともに、映画、アニメなどのコンテンツを活用した事業の振興やファッション、食の分野での魅力ある日本ブランドの発信の強化などによる文化、芸術を生かした豊かな国づくりを進めてまいります。

 また、都市再生に関する施策については、関係府省とも連携を図りつつ、民間、地域の力も結集し、重点的に推進してまいります。

 我が国の象徴である天皇の地位の安定的継承は、国家の基本にかかわる事項であります。このたび、内閣総理大臣の懇談会として、皇室典範に関する有識者会議を設置いたしました。皇位継承を安定的に維持するための制度のあり方について検討してまいります。

 内閣府におきましては、経済の活性化、科学技術の振興などの重要課題に関し、経済財政諮問会議、総合科学技術会議などを活用して英知を結集し、総合的、戦略的な政策のもとに、各般の施策を的確に実施してまいります。

 男女共同参画担当大臣として、政府の最重要課題の一つである男女共同参画社会の実現のために、総合的かつ計画的な施策の推進を図ってまいります。男女共同参画基本計画については、経済社会情勢の変化等を踏まえ、新たな分野の取り組みを積極的に盛り込んだ次期基本計画を平成十七年度中に策定します。また、女性のチャレンジ支援策として、女性若年層に対するセミナーや、女性の進出がおくれている理工系等の分野に関する意識啓発等を実施します。最近、女性が中心となった活動による地域活性化など、各地で新たな動きが起こっています。こうした取り組みを全国に広めるため、女性が輝く地域づくりを支援してまいります。

 年齢や障害の有無にかかわりなく国民が安心して生活できる社会の実現を目指し、高齢社会対策、障害者施策、バリアフリー施策等を総合的に進めてまいります。

 交通安全対策については、平成十五年に立てた十年間で交通事故死者数を五千人以下とするとの政府目標の達成はもとより、交通事故の発生件数及び負傷者数の減少を図るため、諸対策を一層強力に推進してまいります。

 国際平和協力業務につきましては、現在、ゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊へ自衛隊の部隊等を派遣しており、今後とも国連を中心とした国際平和のための努力に積極的に参加していく所存であります。

 中国における遺棄化学兵器の問題につきましては、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を誠実に履行するため、引き続き廃棄処理事業を進めてまいります。

 栄典行政については、平成十五年の秋から実施している制度改革の趣旨に沿い適切な運用に努めてまいります。

 政府広報については、政府の重要施策に関し、国民の理解と協力を得ることにより、その円滑な遂行を図るため、構造改革の推進などの重要施策に重点を置いた広報広聴活動を機動的かつ効果的に実施いたします。タウンミーティングについては、開始以来の参加者が合計で五万人を突破いたしました。今後も国民との積極的な対話をすべく、引き続き多様な形で開催してまいります。

 国家と社会の歩みを記録する貴重な歴史資料である公文書を国民共有の財産として将来の世代に確実に伝えることは、未来に向けて国の説明責任を果たす上で重要です。公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会の報告書を踏まえ、公文書の適切な保存や利用のための体制を充実強化します。

 私は、内閣官房及び内閣府がその機能を十全に発揮するよう万全を期してまいります。

 松下委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。

 引き続きまして、平成十七年度における皇室費、内閣及び内閣府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。

 皇室費の平成十七年度における歳出予算要求額は六十八億七千二百万円でありまして、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十二億七千八百万円、皇族に必要な経費二億七千万円を計上いたしております。

 次に、内閣所管の平成十七年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、情報収集衛星システムの運用、開発等、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費八百三億八千二百万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十一億一千六百万円を計上いたしております。

 次に、内閣府所管の平成十七年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、経済財政政策、科学技術政策、暮らしと社会の政策、国民の安全の確保、沖縄の振興及び沖縄対策、北方対策への取り組み等の推進のための経費四千五百六十一億四千五百万円、宮内庁に係るものとして、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる事務等のための経費百七億七千百万円を計上いたしております。

 以上をもちまして、平成十七年度の皇室費、内閣及び内閣府関係予算の概要の説明を終わります。

松下委員長 次に、村田国務大臣。

村田国務大臣 国家公安委員会委員長として、一言、ごあいさつを申し上げます。

 最近の治安情勢は、刑法犯の認知件数が、一昨年に引き続き昨年も減少し、近年の犯罪の増加傾向に一定の歯どめがかかったものの、昭和期の約二倍に上るなど、依然として厳しい状況にあります。

 こうした状況のもと、世界一安全な国日本の復活を図るため、緊急治安対策プログラムや犯罪に強い社会の実現のための行動計画等に沿って、引き続き総合的な治安対策を強力に推進してまいります。

 第一は、犯罪抑止のための総合対策の推進であります。

 国民が身近に不安を感じている街頭犯罪や侵入犯罪の発生を抑止するため、発生水準の高い犯罪に重点を絞った街頭犯罪等抑止計画に基づき、街頭活動を一層強化するとともに、空き交番の解消を含めた交番機能の強化や、平成十七年度予算に盛り込んでおります地域安全安心ステーションモデル事業による地域住民の自主防犯活動に対する支援の充実など、犯罪抑止対策を推進してまいります。

 日々被害が発生している振り込め詐欺については、預金口座の売買等を処罰する改正本人確認法を活用するなどして、捜査を徹底するとともに、被害防止のための広報活動や、関係省庁等との連携による使用者不明の携帯電話への対策等を講じてまいります。

 国民が大きな不安を感じている重要凶悪事件については、DNA型鑑定等の科学技術を活用し、事件の早期検挙を図ります。

 さらに、最近の少年非行等の情勢は、少年による凶悪な事件や少年が被害者となる性犯罪、凶悪犯罪が多発するなど、極めて厳しい状況にあります。少年の健全育成は国民すべての願いであり、関係機関や地域の住民との連携を強化し、少年の非行防止と保護の両面にわたる対策を推進してまいります。

 また、さきの臨時国会で成立した犯罪被害者等基本法の趣旨、目的を踏まえ、犯罪の被害者や遺族が一日も早く立ち直り、安心して日々の生活を送ることができるよう、相談や情報提供などの諸方策を積極的に講じてまいります。

 第二は、組織犯罪対策の強化であります。

 治安悪化の大きな要因となっている暴力団や来日外国人等による組織犯罪に対しては、国内外の関係機関等への積極的な働きかけを行い、連携強化を図るとともに、情報の集約と分析を進め、犯罪組織の壊滅に向け、資金源犯罪の取り締まりを強化するなど、諸対策を推進してまいります。

 特に、日中間にまたがる犯罪については、閣僚レベルでその情勢についての認識を共有し、犯罪対策に関する協力を強化するため、過日、私が中華人民共和国を訪問し、周永康公安部長らと意見を交換したところであり、この会談の成果を今後の治安対策に生かしてまいります。

 また、全国各地の歓楽街において、違法な性風俗店が乱立し、治安の悪化に影響を及ぼしているほか、人身取引の被害者である外国人女性の性風俗店での不法就労が問題となっており、これを防止するため、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出するとともに、風俗関係事犯や人身取引事犯の取り締まりを推進してまいります。

 第三は、テロ対策の強化であります。

 我が国をめぐるテロ情勢は依然として厳しい状況にありますが、昨年八月に策定したテロ対策推進要綱に基づき、テロの未然防止に万全を期するとともに、テロや大規模災害等が発生した場合に備え、緊急事態に迅速的確に対処する態勢の強化に努めてまいります。

 また、昨年十二月に国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部において策定されたテロの未然防止に関する行動計画を踏まえ、関係機関との連携を強化しながら、テロ防止対策法制の整備を初めとする諸対策について検討を進めてまいります。

 さらに、北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、引き続き、関係機関と連携し、全容解明に向け最大限努力してまいります。

 第四は、総合的な交通事故防止対策の推進であります。

 昨年の交通事故による死者数は、一昨年をさらに下回り、七千人台前半まで減少するに至りました。しかしながら、交通事故発生件数は五年連続で九十万件を超えるなど、交通情勢は引き続き厳しい状況にあります。

 十年で交通事故死者数を五千人以下とするという政府目標の達成に向けて、交通安全教育の推進、交通安全施設の整備充実、重点を指向した交通指導取り締まりなど、総合的な交通事故防止対策を一層強力に進めてまいります。

 以上、警察行政の当面の課題と対策について申し述べましたが、厳しい治安情勢に的確に対応していくためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。

 平成十四年度以降、計画的な地方警察官の増員を図ってきたところでありますが、今後三年間を目途にさらに一万人を増員する必要があることから、平成十七年度予算には三千五百人の増員を盛り込んだところであります。

 今後とも、人的基盤の強化や処遇の改善に取り組むとともに、警察改革の一層の推進を図ってまいります。

 平成十七年度警察庁予算については、歳出予算要求額二千五百七十四億七千万円を計上しております。これは、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費であります。

 なお、警察の会計経理をめぐる事案につきましては、関係者に対する処分、所要額の早期返還など必要な措置をとるとともに、会計経理の適正化を一層推進するよう、警察庁に対し指導してきたところであります。今後とも、監査の充実強化を図るとともに、適正経理の重要性に対する職員の意識を一層高めるなど、再発防止の徹底を図り、真に国民の信頼にこたえることのできる警察の確立に努めてまいります。

 次に、犯罪被害者等基本法の施行準備を担当する国務大臣として申し上げます。

 国民が安心して安全に暮らせる社会の実現のためには、国民のだれもが犯罪被害者等になる可能性が高まっている今、犯罪被害者等の視点に立った施策を総合的かつ計画的に推進していくことが極めて重要となっております。前臨時国会で犯罪被害者等基本法が成立しましたが、今後、同法の速やかかつ円滑な施行に向け所要の準備を急ぐとともに、施行後は、総合的かつ長期的に講ずべき施策の大綱等を定めた犯罪被害者等基本計画を策定するなど、関係方面と協議しつつ、各般の取り組みを進めてまいります。

 以上、所管行政について申し述べましたが、国民の皆様がこれまで以上に安全で安心して暮らせる社会を実現するため、全力を尽くす覚悟でありますので、委員長、理事並びに委員各位におかれましては、よろしく御指導と御鞭撻を賜りますようお願いする次第であります。

松下委員長 次に、竹中国務大臣。

竹中国務大臣 経済財政政策を担当する内閣府特命担当大臣及び郵政民営化担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 小泉内閣は、発足当初の数年間を集中調整期間として位置づけ、改革なくして成長なしとの信念のもと、過去の負の遺産の解消に全力を挙げてきました。

 構造改革は着実な成果を上げつつあり、昨年は、日本経済が長い低迷から脱し、その先にある成長の姿が見え始めた年となりました。平成十六年度は二・一%程度、十七年度は一・六%程度の実質成長が見込まれるなど、財政を着実に健全化しながら、民間需要中心の景気回復が実現されます。デフレ克服に向けた動きも着実に進みつつあります。

 私は、不良債権問題の終結が見えた今、もはやバブル後ではないと明確に申し上げたいと思います。同時に、二十一世紀の日本の新しい成長基盤をつくる道のりは依然極めて厳しいことを改めて実感します。平成十九年度までの二年間を重点強化期間と位置づけ、攻めの改革に取り組まねばなりません。

 平成十七年において、私は以下の三つの方針で経済を運営し、また経済財政諮問会議での検討を進めてまいります。

 第一は、攻めの改革を具体的な形にすることを通じ、一層の経済活性化を実現することです。

 民間でできることは民間で行うことは極めて重要であり、その象徴となるのが、後述する郵政民営化であります。同時に、これに関連する政策金融の改革、国債管理の新しいあり方等についても、経済財政諮問会議の重要な検討課題と考えます。

 第二は、社会の諸制度の持続可能性について、国民の信頼感をより高めるための改革を進めることです。

 二〇一〇年代初頭に基礎的財政収支を黒字化するための道筋の明確化に向けて、歳入歳出一体となった改革の検討を開始するとともに、サービスの質を確保し、かつ経済力に見合った社会保障給付とするための具体的仕組みについての検討などを進めてまいります。

 第三は、政策プロセスの一層の透明化と説明責任の強化を行うことです。

 改革の先にある経済社会の長期的な姿を示すべく、今年春ごろを目途に、日本二十一世紀ビジョンを取りまとめることとしております。

 以上に加え、国民の安全、安心の基盤を整備するために、消費者政策の強化とNPOの活動基盤の整備に引き続き努めます。また、個人情報保護法の本年四月からの全面施行に向けて取り組んでまいります。

 郵政民営化は、日本の政府と民間がともに二十一世紀型の市場経済システムに移行することを示す象徴であり、私はその責務を誠心誠意果たしてまいりたいと思います。

 現在、昨年九月に閣議決定した郵政民営化の基本方針に基づいて、より詳細な制度設計と法案作成を行っています。今後、真に国民のためになる民営化を目指し、与党とも十分に調整を行いながら、関係法案を今国会に提出し、その確実な成立を期してまいりたいと考えております。

 断固たる決意と周到な準備をもって小泉改革をさらに進めることこそが、日本経済のさらなる発展を可能にする唯一の道です。見え始めた新しい成長の姿をより確かな強いものとし、さらに地域、中小企業にすそ野を広げていくことを粘り強く目指してまいります。

 松下委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いし、所信の表明といたします。

松下委員長 次に、村上国務大臣。

村上国務大臣 規制改革、産業再生機構を担当する内閣府特命担当大臣、行政改革、構造改革特区、地域再生担当大臣として、所信の一端を申し述べます。

 まず、規制改革については、昨年末に、厚生労働大臣と折衝を行い、少ない患者負担でより多くの先進的な医療技術や医薬品を利用できるよう、安全面に十分配慮しながら、混合診療を解禁することになりました。また、年間三十兆円を超える医療費を審議する中央社会保険医療協議会のあり方については、公正、中立、透明性を確保する観点から見直しを行うことになりました。

 これらの改革を初め、昨年末に取りまとめられた規制改革・民間開放推進会議の答申内容が迅速かつ着実に実施されるよう、今年度末に規制改革・民間開放推進三カ年計画を改定し、改革を強力に推進してまいります。

 市場化テストについては、来年度から、ハローワーク、社会保険庁、行刑施設関連の三分野八事業二十三カ所を対象としてモデル事業を実施するとともに、本格的導入に向けた検討を積極的に進めてまいります。

 二番目の産業再生機構については、本年三月末の債権買い取り申込期限を控え、再生支援に取り組んでおり、これまでにカネボウ、ダイエー、ミサワ等の四十一件の支援決定を行い、うち三十二件について買い取り決定を実現しております。

 本年四月以降は、買い取った債権等の三年以内の売却等に向けて、支援決定した事業者の事業の再生を行い、事業再生市場の活性化に貢献すべく引き続き全力を尽くしてまいります。

 三番目の行政改革については、昨年十二月に閣議決定した今後の行政改革の方針に基づき、さらに積極的に推進してまいります。

 公務員制度改革については、同方針に基づき、制度設計の具体化と関係者間の調整をさらに進めるとともに、当面、評価の試行や適切な退職管理等に重点的に取り組むこととしております。

 公益法人制度改革については、同方針の中で改革の基本的枠組みを決定したところであり、今後、この基本的枠組みに基づき、関係府省との連携のもと、さらに法制化に向けた検討を進めてまいります。

 特殊法人等については、今後とも、特殊法人等改革推進本部参与会議を通じ、改革の着実な実施について、厳格な監視に努めてまいります。また、独立行政法人については、昨年、三十二法人を二十二法人に再編し、新たに約八千三百人の職員を非公務員化するなどの改革に取り組んできたところであります。来年度末に中期目標期間が終了する残り二十四の独立行政法人についても、組織、業務全般の厳格な見直しに取り組んでまいります。

 四番目の構造改革特区については、数多くの分野で規制改革を実現し、既に全国で四百七十五の特区計画が誕生しております。また、昨年九月に初めて規制の特例措置の全国展開を決定し、今月九日にも新たに二十の特例措置の全国展開を決定したところであります。

 今国会におきましては、監獄法等の特例措置等を追加する特区法改正法案を提出することとしており、今後とも、特区を活用した地域活性化等を一層推進してまいります。

 五番目の地域再生については、平成十七年度予算において、戦後初めて、複数の省庁に所管がまたがる同種の補助金を内閣府に一括計上し、新たな交付金を設けることにしておりますが、地域の主体的な取り組みを総合的かつ効果的に支援するため、同交付金の交付や、地域再生に資する事業への民間資金の誘導のための課税の特例等を内容とする地域再生法案を今国会に提出しております。これらの法律上の特別の措置を講ずること等により、地域の知恵と工夫による競争、すなわち地域のアイデア合戦の一層の活発化を図ってまいります。

 松下委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願いします。

松下委員長 次に、棚橋国務大臣。

棚橋国務大臣 科学技術政策、食品安全を担当する内閣府特命担当大臣並びにIT担当大臣として所信の一端を申し述べさせていただきます。

 科学技術は、我が国の経済発展はもとより、国民生活の質を高めるためにも極めて重要な未来を切り開くかぎであり、科学技術創造立国の実現を目指してその振興に努めます。平成十七年度予算案では、予算編成過程において、すべての科学技術関係予算をチェックし、優先順位づけを実施するなどその改革を進め、対前年度比二・六%増の科学技術振興費を計上いたしました。また、競争的研究資金も、対前年度比二九・六%増と重点的拡充を図ることができました。引き続き、施策の不必要な重複の排除、連携強化を図るため、科学技術連携施策群を推進するとともに、基礎研究の推進、ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野への戦略的重点化を進めます。さらに、競争的研究資金の制度改革など科学技術システム改革等を進め、科学技術の成果の国民への効果的な還元に努めてまいります。

 十七年度内に策定する次期科学技術基本計画の検討に当たっては、総合科学技術会議を中心に、国民の科学技術に対する夢などの幅広い声を取り入れた上で、国民の目線に立って取り組んでまいります。

 次に、原子力政策について申し上げます。

 原子力の研究開発利用に当たっては、安全の確保が大前提であります。原子力安全委員会の独立的、専門的な機能を最大限に生かすなど、原子力の安全確保に万全を期してまいります。

 また、エネルギーの安定供給、二酸化炭素排出量の削減に寄与する原子力発電を基幹電源として位置づけ、引き続き推進してまいります。原子力長期計画については、原子力委員会において、本年中の取りまとめを目指して新計画の策定作業を進めます。

 さらに、ITER計画については、引き続き、国際協力のもと、政府全体で積極的に推進し、日本への誘致を目指して取り組みます。

 次に、食品安全行政について申し上げます。

 BSE問題などにより、食品の安全性の確保に対する国民の関心が高まっており、食品の安全とそれに対する信頼の確保は今後も国政の重要な課題です。

 このため、食品安全委員会においては、科学的知見に基づき、中立公正にリスク評価を実施するほか、国民にわかりやすく情報を発信するとともに、消費者など関係者とのリスクコミュニケーションの積極的かつ効果的な推進が必要です。

 こうした取り組みにより、国民の健康の保護を最優先に、科学に基づく、国民から信頼される食品安全行政の推進に最大限努力してまいります。

 IT分野では、我が国は二〇〇五年までに世界最先端のIT国家になるという目標を掲げており、ことしはその目標年に当たります。

 これまでの官民を挙げたさまざまな取り組みの結果、我が国のIT化は大いに進展し、世界で最も低廉で速いインターネットを実現するとともに、例えば、個人の株式取引額に占めるインターネット取引率も約七割となるなど、国民生活に大きな変化を与えつつあります。また、昨年秋の臨時国会において成立させていただいたe―文書法に基づき、この四月より書類の多くが電子データで保存できるようになり、文書保存のコストが大幅に節減できるようになります。

 本年は、これらの成果を踏まえ、世界最先端のIT国家に向けて、利用者の視点でラストスパートをかけてまいります。

 このため、e―Japan重点計画二〇〇四の着実な実施を図るほか、二月末を目途に政策パッケージを策定し、行政サービス、医療、教育など国民に身近な分野におけるIT化の取り組みをさらに強化するとともに、情報セキュリティー対策を一層推進します。

 松下委員長を初め理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

松下委員長 次に、南野国務大臣。

南野国務大臣 少子化対策を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し上げます。

 我が国は、今や世界で最も少子化の進んだ国の一つとなっておりますが、少子化が急速に進行し、若い力が減少することは、国の基盤に影響を及ぼすことにもなりかねません。子供を安心して産み、子育ての喜びを実感できる社会を実現し、少子化の流れを変えていくことは、喫緊の課題であります。

 こうした中、政府は、昨年六月には少子化社会対策大綱を定め、我が国の人口が減少していくこれからの五年程度をとらえ、集中的な取り組みを進めることとしております。また、その具体的実施計画として、昨年十二月には子ども・子育て応援プランを決定しました。これに基づき、子供の誕生前から成長、自立に至るまで切れ目のない子育て支援を行うため、待機児童ゼロ作戦、育児時間を確保するための働き方の見直し、地域の子育て支援、若者の就労支援などの施策を関係省庁が一体となって着実に実施するなど、少子化社会対策に全力で取り組んでまいる所存であります。

 松下委員長、理事及び委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。

松下委員長 以上で各大臣の所信及び予算説明は終わりました。

 この際、杉浦内閣官房副長官、山崎内閣官房副長官、西川内閣府副大臣、林田内閣府副大臣、七条内閣府副大臣、木村内閣府大臣政務官、江渡内閣府大臣政務官及び西銘内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。杉浦内閣官房副長官。

杉浦内閣官房副長官 内閣官房副長官の杉浦正健でございます。

 松下委員長を初め諸先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら、山崎副長官とともに細田官房長官を補佐してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

松下委員長 次に、山崎内閣官房副長官。

山崎内閣官房副長官 内閣官房副長官の山崎でございます。

 松下委員長初め諸先生方の御指導、御鞭撻をちょうだいいたしまして、杉浦副長官とともに細田官房長官を補佐してまいりたいと思いますので、皆さん方の御指導と御協力をお願い申し上げたいと思います。

 ありがとうございます。

松下委員長 次に、西川内閣府副大臣。

西川副大臣 内閣府副大臣の西川公也でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 経済財政及び郵政民営化関係の政策を担当いたしております。

 大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、松下委員長を初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。

松下委員長 次に、林田内閣府副大臣。

林田副大臣 内閣府副大臣の林田彪でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 行政改革、構造改革特区、地域再生関係の施策を初め、産業再生機構、規制改革、男女共同参画、少子化対策、栄典及び国際平和協力業務等の広範な施策を担当いたします。

 官房長官を初め関係大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えております。

 松下委員長初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願いいたします。

松下委員長 次に、七条内閣府副大臣。

七条副大臣 内閣府副大臣の七条でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。

 科学技術政策、食品安全行政及びIT関係の政策を担当してまいります。

 大臣を支え、力強く頑張ってまいりますので、松下委員長初め理事、委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

松下委員長 次に、木村内閣府大臣政務官。

木村大臣政務官 内閣府大臣政務官の木村勉でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。

 西川内閣府副大臣とともに、経済財政及び郵政民営化関係の政策を担当しております。

 松下委員長初め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。

松下委員長 次に、江渡内閣府大臣政務官。

江渡大臣政務官 内閣府大臣政務官の江渡聡徳でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 林田内閣府副大臣とともに、行政改革、構造改革特区等を初め、規制改革、男女共同参画、少子化対策、栄典及び国際平和協力業務等の施策を担当いたしております。

 松下委員長初め理事、委員各位の御指導、御協力をよろしくお願いいたします。

松下委員長 次に、西銘内閣府大臣政務官。

西銘大臣政務官 内閣府大臣政務官の西銘順志郎でございます。

 七条内閣府副大臣とともに、科学技術政策、食品安全行政、IT関係の政策を担当いたしております。

 委員長初め先生方の御指導、御協力よろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

松下委員長 次回は、来る二十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五十分散会


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