衆議院

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第20号 平成19年5月18日(金曜日)

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平成十九年五月十八日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 河本 三郎君

   理事 木村  勉君 理事 後藤田正純君

   理事 戸井田とおる君 理事 西村 康稔君

   理事 平井たくや君 理事 泉  健太君

   理事 松原  仁君 理事 田端 正広君

      遠藤 宣彦君    小里 泰弘君

      岡下 信子君    嘉数 知賢君

      木原 誠二君    杉田 元司君

      谷本 龍哉君    寺田  稔君

      土井  亨君    中森ふくよ君

      長崎幸太郎君    林田  彪君

      松浪 健太君    村上誠一郎君

      市村浩一郎君    小川 淳也君

      佐々木隆博君    武正 公一君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      渡辺  周君    石井 啓一君

      吉井 英勝君

    …………………………………

   議員           馬淵 澄夫君

   議員           武正 公一君

   議員           泉  健太君

   議員           鷲尾英一郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君

   国務大臣         渡辺 喜美君

   内閣府副大臣       林  芳正君

   総務副大臣        大野 松茂君

   経済産業副大臣      渡辺 博道君

   内閣府大臣政務官     岡下 信子君

   内閣府大臣政務官     谷本 龍哉君

   財務大臣政務官      江崎洋一郎君

   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君

   農林水産大臣政務官    福井  照君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      谷  公士君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  勝則君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  株丹 達也君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  雅彦君

   政府参考人

   (人事院事務総局総括審議官)           川村 卓雄君

   政府参考人

   (人事院事務総局職員福祉局長)          吉田 耕三君

   政府参考人

   (総務省人事・恩給局長) 戸谷 好秀君

   政府参考人

   (法務省大臣官房長)   池上 政幸君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   杉本 和行君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   鈴木 正規君

   政府参考人

   (財務省理財局次長)   藤岡  博君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮島 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           黒川 達夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           白石 順一君

   政府参考人

   (経済産業省製造産業局長)            細野 哲弘君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        藤田 伊織君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  冨士原康一君

   内閣委員会専門員     堤  貞雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十八日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     小里 泰弘君

  市村浩一郎君     武正 公一君

  小宮山洋子君     細野 豪志君

  横光 克彦君     馬淵 澄夫君

同日

 辞任         補欠選任

  小里 泰弘君     杉田 元司君

  武正 公一君     市村浩一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  杉田 元司君     長崎幸太郎君

同日

 辞任         補欠選任

  長崎幸太郎君     赤澤 亮正君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九六号)

 国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出、衆法第二七号)

 特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案(馬淵澄夫君外四名提出、衆法第二八号)

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(馬淵澄夫君外四名提出、衆法第三〇号)


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     ――――◇―――――

河本委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案並びに馬淵澄夫君外四名提出、国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化等のための国家公務員法等の一部を改正する法律案、特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限等に関する法律案及び独立行政法人通則法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原勝則君、株丹達也君、原雅彦君、人事院事務総局総括審議官川村卓雄君、事務総局職員福祉局長吉田耕三君、総務省人事・恩給局長戸谷好秀君、財務省大臣官房長杉本和行君、理財局次長藤岡博君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮島俊彦君、大臣官房審議官黒川達夫君、白石順一君、経済産業省製造産業局長細野哲弘君、国土交通省大臣官房長竹歳誠君及び海事局長冨士原康一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河本委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西村康稔君。

西村(康)委員 おはようございます。自民党の西村康稔でございます。

 いよいよ公務員改革法案がこの委員会で審議されるということで、大変喜んでおります。昨今の天下りしたOB職員を中心とした官製談合を初めとして、公務員制度のあり方、新しい時代に合った公務員のあり方が求められている中で、公務員改革を早急にやらなきゃいけないということで、この法案、しっかりと審議をさせていただいて、一刻も早く公務員改革を実現していくということできょうは時間の許す限り質問をさせていただければと思います。

 まず、渡辺大臣におかれましては、党内外の抵抗、各省庁内外の抵抗、さまざまある中で成案を取りまとめられた、その突破力に心から敬意を表するものであります。ただ、役所の官僚の皆さん方も不安な点もあると思いますので、その点、後ほど議論をさせていただければというふうに思います。

 それから、きょうは民主党の提案者の方々にもお越しをいただいております。民主党が対案を出されることは大歓迎でありまして、我々自民党も改革政党として生まれ変わってきた中で、改革の競争をするということは大歓迎であります。また、志をともにする仲間と一緒に、例えば今国会でも、この委員会で地理空間情報という各省庁をまたがるような話を議員立法で一緒にやらせていただきましたし、国交委員会では海洋基本法というものも、政治がリーダーシップをとるべきだということで、与党、自民、公明と一緒になって、民主党の皆さんともやらせていただきました。

 そういう意味で、改革の方向が同じであれば、これは大歓迎でありますし、ともにやれる。それから、改革を競争するということも大歓迎であります。ぜひ競争をしながら、それは我々与党内にもある抵抗する勢力にも、我々は改革しなきゃいけないんだということで言いやすくなりますから、大歓迎でありますけれども、今回の民主党案はいただけない。公務員を最後まで公務員で縛りつける法案である。その点、しっかりと議論をさせていただきたいと思いますけれども、かつ、裏返せば、公務員を公務員のまま守り続けるという過保護の法案ではないかというふうに認識をしております。

 そこのところを民主党の提案者の皆さんに、まず決意をお伺いしたいと思うんですが、我々自民党は、我々を支持してきた例えば郵政の関係の皆さん方についても、これは時代が変わってきたから民営化しなきゃいけないと。物すごい抵抗がありましたけれども、これに対して我々は民営化法案を、二年前ですか、出させていただいて、実現をしてきている。民主党も、支持母体である労働組合に対して、その意向を配慮しながらこの法案をつくったんじゃないかというふうに思いますけれども、その点、組合の意向にかかわりなく改革をやっていく、むしろ組合の意向に反してでもやるべきことをやっていくという決意があるかどうかをまず民主党の提案者のお二人に、きょうはお二人ですか、お伺いしたいと思います。

馬淵議員 今、西村委員の方から御質問をいただきました。私どもの決意ということでお伝えをさせていただきたいと思います。

 まず冒頭、この委員会で政府法案に対して私どもは対案を提出させていただいた、その対案の決意を伺っていただいたということで、大変光栄に思っておりますが、私ども民主党が出した今回の提出法案に関しましては、公務員のあるべき姿、これをしっかりと国民に示していこうということであります。公務労働、少なくとも、公のために働こうという決意を持って働かれる皆さん方が、早期退職勧奨制度といういわゆる肩たたき、この慣行制度のもとに、定年まで勤めることもできない、そして、それがあるがゆえに組織的なあっせんという形で天下りを行ってきたというこの根本を正すことが、まず問題の本質であるということを私たちは訴えてまいりました。

 その上で、私たちは、公務員制度のあるべき姿をしっかりととらまえた上で、私たちなりにしっかりとこの制度の中で、今組合のお話もありましたが、私たちは一切のしがらみを断ち切った中であるべき姿を御提示してきた、その自負を持っております。

 繰り返しますが、組合等と今組織のお話もされましたが、私どもは、あるべき姿をまず最大限掲げながら、この法案を提出したということをお伝えさせていただきます。

西村(康)委員 そのあるべき姿が、本当にそれがふさわしいものなのかどうか、これから民主党案についてもぜひ議論を深めていきたいと思います。

 我々は、新しい時代にふさわしい公務員像というものをしっかりとらえて国づくりをやっていきたい、そのための第一弾としての公務員改革、この法案だというふうに認識をしております。今しがらみとおっしゃいましたけれども、我々、もう何年も前から自民党は生まれ変わってきておりますので、全くしがらみなく改革に邁進をしていくという点でぜひ競争ができればいいんですけれども、余り支持団体、支持母体の意向に配慮をされないようにお願いをしたいと思います。

 まず、この民主党案についてお伺いをしたいと思います。

 我々は、簡素で効率的な政府をつくるために、公務員の数が膨らんでいく、公務員がずっと居座るという姿は望ましいとは思っていなくて、むしろ、公務員としての経験を民間で生かせる場面もあるんだと思いますし、やはり一定程度はどんどん新陳代謝も図っていかなきゃいけない。外に出ていただくということは必要な仕組みだというふうに認識をしておりますけれども、民主党案は、本来退職すべき人までずっと残していく、これは繰り返しになりますけれども、いわば縛りつけ法案、そんなような認識をしております。

 これをやると、物すごく大きな政府になってしまう、本来出ていってしかるべき人も居残ってしまう。これこそはまさしく、裏返せば、過保護で公務員を守り続ける、そういう法案ではないかというふうに思いますけれども、この法案を実施することによってどのぐらい大きな政府になるのか、どのぐらい人件費が上がると見込まれるのか、まずその点をお伺いしたいと思います。

馬淵議員 人件費が上がるというお話をされておりますが、私どもは、先ほど来申し上げているように、あるべき姿を実現するために、まず、問題の本質である肩たたきをなくすということを最大のポイントとして掲げました。それによって人件費が上がるという御指摘でありますが、当然ながらに、今回の公務員制度改革は、大リストラを私たちは敢行するという意識であります。したがいまして、この公務員制度改革の中では、おおむね三年程度は新規採用の抑制等でしっかりと人件費を抑えていく。

 また、民間でも、当然ながら定年まで勤めることができるわけです。そうした民間の企業の中で、新陳代謝が起きない、そして組織の活性化ができないなどというその御発言は、私からすれば、民間企業が全く、今のお話でいえば組織の活性化が図られないままになってしまっているということ。公務員は新陳代謝が図れないからだめになる。民間企業はどうなるかといえば、民間企業はどんどんどんどん、マネジメントの新たな活性化の策によって、すばらしい勢いで伸びているわけです。

 こうしたことを考えれば、今御指摘の部分、人件費が上がるのではないかというお話、これは私どもは、早期退職勧奨制度を廃止することによって、まず新規の採用抑制等をおおむね三年程度行うことによって抑えることができる。

 さらには、役職定年あるいはまた人件費の抑制等々、これはある一定年齢の中で専門職等スタッフ制度を採用することによって抑えることができるということで、今の御指摘の部分、私たちの案であれば総人件費並びに大きな政府という形でのお話がありましたが、全く的外れであると言わざるを得ないというふうに思っております。

西村(康)委員 どうやって大リストラするんですか。

馬淵議員 これは、公務員制度改革というものが、この大きな大リストラの考えにあって私どもはつくったということであります。

 したがいまして、今申し上げたように、新規採用の抑制を図ることによる、おおむね三年程度、これは民間でも当然ながらに行っています。こうした新規の採用抑制を行うことによって、これは抑えることができる。今お話にありますように、私どもの案がただ単に公務員の組織を守るという話では全くない。この法案によって肩たたきを禁止することによって、民間と同じように、定年まで希望すれば勤めることができるんです。

 これはイコールフッティングを図るということですから、この中において、新規の抑制や、あるいは先ほど申し上げたように役職定年制度、スタッフ制度の充実によって抑制を図ることができる、このように申し上げております。

西村(康)委員 まず、新規の抑制を図る、これは大反対であります。

 やはり新しい人材を、国のことを思っていろいろな制度、新しい制度に変えていこう、こういう有能な人材をぜひ取り込んでいく、そしてしっかりとした政府の枠組みの中で働いてもらう、これはぜひとも必要なことで、新陳代謝がないと、定年までずっとその公務員の方々がおられて、しかも若い人が入ってこない、こんな組織でどこが大リストラなんでしょうか。

 リストラする、一定程度の人をやはり外に出していきつつ、あるいは新しい人も採り、後ほどまた議論しますけれども民間からも途中でも採用していく、この流動化こそが組織を活性化する、そういうふうに思いますけれども、今のお答えでも、新規抑制が答弁でありまして、これは私は反対ですけれども、リストラするという点についてはお答えがなかったというふうに思います。

 その点、渡辺大臣にぜひお伺いをしたいと思いますけれども、政府は既に、公務員の定数削減、それから人件費の抑制について大胆に取り組んでいこうということで方針を出されておりますけれども、その方針、そして渡辺大臣の御決意をぜひお伺いしたいというふうに思います。

渡辺国務大臣 安倍内閣においては、行政の無駄ゼロを目指しております。簡素で効率的かつ筋肉質の政府をつくっていこう、こういう強い決意が安倍内閣の基本方針であります。

 この方針は、昨年、小泉内閣時代に閣議決定をされた「国の行政機関の定員の純減について」、これも引き継ぐものでございます。これによりますと、平成十八年度から五年間で、国の行政機関の定員を五・七%純減するということを閣議決定いたしております。人数ベースにいたしますと一万八千九百人、これ以上の純減を確保するという目標を設定し、例えば、農林統計五千人の定員のところを五年間で二千四百人以上の純減を果たすとか、社会保険庁一万七千四百人のところを三千人以上の純減を図るとか、具体的に数値目標を決めて、もう既に取り組んでいるところでございます。

 また、業務の大胆かつ構造的な見直しを行い、めり張りをつけながら真に必要な行政需要に適切に対応し、給与水準についても、現在進めている給与構造改革の着実な推進を通じて総人件費を限りなく削減していくという方針で臨んでおります。

西村(康)委員 民主党には、この定数削減あるいは人件費抑制の目標はありますか。

馬淵議員 私ども、公務員制度改革に関しましては、昨年の行政改革推進法案の中でも提出をさせていただいておりまして、これは三年二割という目標を掲げております。

 また一方、政府案の方は、先ほど来、人件費の削減等、抑制を図っていくというお話でありましたが、例えば年金機構のように、独立行政法人化して、公務員ではないといいながらも、しかしながら人件費は運営費交付金等で税金で支払っている、こうした現実があります。今お話しになられるような政府案の、縮小させていくというお話は、単に見かけのお金の出方を変えているだけなんですね。

 私どもは、先ほど来申し上げているように、民間とのイコールフッティングを大前提に掲げる。先ほど来委員から新陳代謝が図られないというふうにお話がありますが、新陳代謝を図るために天下りをするというのは全く逆の論法であります。私どもは、まずマネジメントとして組織を活性化すること、それはその長たるものの行うべき仕事であると考えておりますので、今、定年まで勤めることができる、希望すれば勤めることができるのは民間でも同様であります。

 このことを前提にしない、一方で、ふえるから天下りをさせるというのは、この天下りバンク法案というのは、天下りを公然と行う、組織化で行うことを国民にごまかしているという形にしか私には見えない。西村委員は民間の御経験がおありでないかもしれませんが、私から見れば、民間では当たり前のことを、今回、公務員制度改革の中で実現しようと図っているわけであります。

西村(康)委員 これからその通称人材バンクのお話もしていきますけれども、全くの誤解があります。天下りを我々は奨励するものではなくて、全く出身省庁とは断ち切って、その人の人材としてのキャリアあるいは経験を評価して、客観的に再就職を促していこうというものであります。それは後ほど議論をしますけれども。

 それから、私も一回目の選挙に落選しまして、三年八カ月、浪人のときに民間の仕事というか、アルバイトも含めて食いつないでおりましたので、苦しい思いもしておりますから、その点は取り消していただければというふうに思います。

 大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、今、人材バンクのお話が出ましたので、この点を少し議論したいと思います。

 各省の縦割りの弊害が物すごく大きいわけでありまして、つまり、公務員は終盤、年齢がいくにつれて、この先自分の人生はどうなるのかという心配をするわけですけれども、これまでは、各役所が人事の一環で、退職をした後はここに行きなさい、その次はそこに行きなさいというこの人事の一環で、生涯その出身省庁に面倒を見てもらう、世話をしてもらうというこの人事の一環の仕組みがあったがゆえに、どうしてもその出身省庁に対する忠誠が強くなり、よく言われるように、省あって国なし、省益あって国益なしと言われるような状況になったわけであります。

 今回、そこをまず廃絶しようということで、再就職については官民人材交流センター、いわゆる新人材バンクに一元化をしていく。出身省庁の呪縛を解き放つというところ、これが最も大きな効果が見られると思いますけれども、大臣に、各省縦割りの弊害を打破する、その決意をぜひお聞かせいただければと思います。

渡辺国務大臣 例えば、私が仰せつかっている仕事、規制改革とか地域活性化とか行政改革とか、こういったことは各省横断的にやらなければ解決できないものばかりでございます。少子化対策なんというのもそうですね。

 したがって、そうした包括的、横断的に取り組む必要のある仕事が山のようにございます。総理官邸主導型の体制をつくって、二十一世紀、スタートしたわけでございますが、残念ながら、この官邸主導体制、包括横断体制がどうも不十分にしか機能していない面があるのではないかという思いがございます。

 大変優秀な方々が、各省から内閣官房あるいは内閣府に集まってきています。こういう優秀な人材が、今のシステムでいきますと、結局、最後、退職するときには各省人事当局のあっせんによって、人事の延長線として非営利法人やその他の受け皿に再就職をしていく、これが天下りなんですね。

 したがって、この天下りあっせんをやっている間は、各省の省益、自分を最後に守ってくれる役所に対する忠誠心、こういうものがなかなかなくならないのではないか、そういう問題認識を持って、やはりこの際、各省のあっせんというのは全面的に禁止をしよう、そして、これは中立的な機関に一元化をしよう、こういう決断をしたところでございます。

 このことによって各省割拠主義というのが打破をされていくはずでございますし、優秀な人材が、省益にとらわれることなく、日の丸の方を向いて、国家と国民の方を向いて仕事ができるようになると確信をいたしております。

西村(康)委員 私も役所の出身でありますけれども、今回、いろいろな先輩方からもいろいろな働きかけがありましたけれども、そのしがらみを断ち切って、もちろんそれぞれの省の皆さん方、一生懸命国のためを思っている方もおられますし、立派な仕事をされている方は先輩、仲間にもたくさんおられますけれども、やはり最後、この国、国民が本当に一番幸せになる姿を優先しなきゃいけないという点で、ぜひこの各省縦割りの打破を実現していただければと思います。

 民主党の案は、各省縦割りの打破についてほとんどというか全くできないんじゃないかというふうに見込みますけれども、その点、どういうふうにお考えですか。

馬淵議員 各省縦割りの弊害というのは、今日のように肩たたきがあるがゆえに、その肩たたきでやめていただく方々の再就職先をあっせんしなければならないということで各省縦割りの弊害というものが起きている。私どもは、この肩たたきをなくします。繰り返し申し上げますが、肩たたきをなくして、そして、公のために働こうという皆さん方には全力で仕事をしていただく。

 また一方で、天下りあっせん、これは厳しく規制をしております。事前規制という形で五年間の規制を図るということで、これによって、そもそも、中央官庁あるいは各省庁ということではなく、お話にありますように、縦割りということ自体が、私どもの法案で完全にこの弊害をなくすことができる、このように考えております。

西村(康)委員 基本的に、その役所にずっと最後までいるわけでありますから、その人の視点は、その役所の考え方、その省庁の方針に最も忠実になるはずでありまして、これは圧倒的に政府案の方がすぐれているというふうに思います。

 それから、先ほど民主党の答弁者の方から、これも大きな誤解がありますから、ぜひ大臣にお答えいただければありがたいんですけれども、我々、政府・与党は、独立行政法人、それから公益法人改革も、これは当たり前のようにもう既にやっております。つけかえるといったような全くの誤解の発言がありましたけれども、これも徹底的にやっているわけでありますので、この点についても、独法改革、公益法人改革を徹底的にやるというところの御決意を大臣にお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 独立行政法人の改革についてはもう既にスタートをしております。さらに、つい先日の経済財政諮問会議において、総理のブレーンの方から、百一法人のゼロベースの見直しという提言がございました。それを受けて、私に対して総理から、抜本的な見直しとなるよう指示がございました。これは大変に重い課題でございますが、全力投球で頑張りますという決意を申し上げたところでございます。

 また、既に公益法人改革についても進んでおります。各主務大臣の許可によって公益というのが決まっていた時代から、主務大臣の権限を剥奪してしまっているんです。そして、公益認定委員会というのをもう既につくりました。公益法人改革の中で、行政委託型法人と称する分野がございます。こういったものについてもさらなる改革を進めるよう、私の方からは強い指示を出しているところでございます。

西村(康)委員 御決意、お伺いをいたしました。総理も相当強い決意で臨まれているんだろうと思いますし、独法、公益法人改革は当たり前でありまして、さらに上乗せして我々は公務員改革をやるということで、歳出の削減を図り、本当に無駄のない効率的な政府をつくっていく。そして、野党が主張するような、安易な増税には走らないというのが我々の方針でありますので、徹底的な改革を、ぜひ大臣、引き続きリーダーシップをとっていただいて推進をしていただければというふうに思います。

 それから、先ほどの新人材バンクの話に戻りますけれども、引き続き大臣にお伺いをしたいと思います。

 私も役所の出身でありまして、いろいろな仲間と話をしたり先輩と話をしますと、これまで、役所のあっせんで、自分の出身省庁のあっせんで再就職をしていく。このことについて、もちろん請われて行って、責任を立派に果たしておられる、あるいは公務員としての経験を生かして民間で活躍しておられる方もたくさんおられますけれども、何となく、天下りだというふうに批判をされて、後ろめたい気持ちで再就職をされておられる、そんな方もおられるんだろうと思います。

 今回、官民人材交流センターという新しい新人材バンクで、その人のキャリアなり特性なり経験なりを評価して、むしろ堂々と再就職をしていける。各省庁のあっせんで行くのではなくて、御自身の経験、公務員としての経験を生かして、それを評価されて堂々と再就職できる。これもまた新しいセンターの、人材交流センターのよさではないかというふうに評価をしたいと思いますけれども、なかなか難しいところがあって、各省のトンネル機関にならないようにという配慮もされて、批判もありますから、それをやると全くこれまでと同じことになってしまいますから、そこは断ち切ってやらなきゃいけない。

 一方で、このセンターが有効に機能しなければいけない。その人の評価をして民間の人とうまくつないでいく、これは相当難しい運営になると思うんですけれども、この運営をどういうふうに効率的かつ適正に行っていくのか、この点について大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 官民人材交流センターというのは、もうこれは、まさしく今までやってきた従来型の人事の延長線としての天下りを根絶するものでございます。人事の一環から再就職支援という、コンセプトの大転換を図ります。再就職支援でありますから、当然のことながら、再就職ニーズに十分対応したキャリアコンサルティングなどを充実していくことを考えております。

 また、先ほど申し上げたように、各省縦割り型から内閣一元化へという大転換も同時にやってまいります。

 今までは、人事の一環でございますから、御指摘のように、本人も嫌だ、受ける方もううんと思いながら受ける、こういう実態があったわけですね。したがって、これは、本人の能力と実績が正当に評価をされて、そして、裏でこそこそやっている、そういうやり方ではなくて、透明性と規制をきちんと確保して堂々と再就職ができる、こういう方が、霞が関にはせっかく優秀な人材が集まっているわけでありますから、この人材が今のやり方では死蔵されかねない、そういう問題があるわけです。ですから、こういう問題を一気に解決していくのがこのセンターであります。

 また、これがトンネル機関になるんじゃないかという御疑問でございますが、トンネル機関にさせないように、大原則をもう既に閣議決定してあるわけでございます。例えば、出身省庁の職員のあっせんはさせない、あるいは人事当局と企業等との直接交渉は禁止をするといった原則を決めているわけでございます。ですから、こういうことによって、まさしく天下り根絶センターができるということを申し上げておきたいと思います。

西村(康)委員 御決意承りました。公務員の皆さん方も、自分の仕事に没頭して、再就職する希望が出てきた場合、あるいはそういう年齢になったようなときは、安心して相談できるセンターであっていただきたいというふうに思いますし、ぜひ有効に機能するように、今御答弁のあった方針で臨んでいただければというふうに思います。

 キャリアコンサルティングの話が出ましたので、少しそのことも伺い、能力主義のお話もしたいと思うんですけれども、いわゆる能力・実績主義、これは、今回の早期退職慣行の減少にもつなげていく、年功序列を打破する最も大事な点の一つだというふうに思います。

 御案内のとおり、同期横並びで上に上がっていく仕組みを役所はとっておるわけでありますけれども、一定程度になるとポストの数が減ってきますから、どうしても外に出さなきゃいけない、このことが、早期退職あっせん、人事の一環で外に、いろいろなところに再就職をさせていくというこの仕組みがあったわけでありますので、能力主義をとることによってこの部分は改善をしていけるということ。

 さらに言えば、今、公務員の志望がすごく減っている、優秀な人の希望が特に減っているというふうに伺っておりますけれども、能力主義をとることによって、能力のある人、実績のある人、実績を積めばしっかりとキャリアを積んでいけるという仕組み、これは物すごく大事な点であります。いま一度志のある若い人たちが公務員を目指すということにもつながっていくんだろうと思いますので、ぜひ優秀な若い人をさらに採用していくためにも、そして天下り問題の根源にある年功序列を打破するということで、能力・実績主義を徹底していただければというふうに思います。

 一点ちょっと心配なのは、役所の中にも心配する向きがあるのは、大臣、三十歳で局長が出て、三十代で局長が出て、四十歳で次官が出ますよ、各省の次官になりますよ、こういう言い方を時々されるようであります。そういうケースも今後出てきて当然だと思いますし、あり得るんだと思いますが、どちらかというと極端な例でありまして、多くの公務員の皆さんは、地道に仕事をして、自分の与えられた仕事をしっかり責任を果たしておられる。

 特に、1種の職員の話ばかりがどうしても脚光を浴びるわけでありますけれども、実際は2種、3種の皆さん方も縁の下の力持ちとしてしっかりと役所を支えてくれているわけでありまして、その人たちにとってみれば、三十歳で局長、四十で次官、おれたちの話と違うなとちょっとさめたようなところも多分出てくるんだろうと思いますし、能力主義でやって自分たちの将来は大丈夫なのかというところも危惧があるんだと思うんですね。

 この点について、ぜひ大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、もちろん、能力・実績主義も大事ですし、あっせんの一元化も大事だろうと思います。一方で、2種、3種の方に限らず、1種の人も含めてですけれども、自分自身のキャリアをどういうふうに積み上げていくのか、専門知識をどうやって蓄積していくのか。場合によっては、資格を取ったりということも公務員でもあってもいいと思うんですね。そういったことを支援していく、あるいは経験を積んでいく、その可能性を広げていく、そういうキャリアコンサルティングをぜひ充実させていただいて、今回の改革に対して不安を持っている公務員の皆さん方に、しっかりと経済設計できるんですよというところを示していただければと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いできればと思います。

渡辺国務大臣 今回の改正では、御案内のように、採用試験の種類や年次にかかわらずに、能力と実績に応じて人事を行うということにいたしております。したがって、キャリアとかノンキャリアとかいう区分は意味をなさなくなると考えております。能力、実績に応じて職務が与えられ処遇がなされるという、単純明快なことが行われるようになるんですね。

 そういたしますと、例えばノンキャリで本省局長になった人というのは、私の記憶では一人しか知りませんが、実例はどれくらいあるのかは今調べてもらっているのでございますが、例えば、昭和五十年代の半ばにお札の改刷をやったことがございました。そのときに、聖徳太子のお札から福沢諭吉先生にかわったときでございますが、印刷局の仕事が倍にふえるんですね、旧札を刷りながら新札を刷るわけですから。そうすると、印刷局長というのはやはり現場の人心収らんのできるやつがいいじゃないかと当時の大蔵大臣が考えたわけですね。

 そこで、だれかいないか、ノンキャリでいいのがいるだろうというので、当時、東北財務局長をやっておられた石井直一さんというノンキャリの人望の厚い人を本省局長に大抜てきをした。その結果、印刷局の改刷の仕事は実にスムーズにはかどって、一年後には労働組合も含めて留任運動が起きた、そういうことがございました。

 したがって、これからは能力・実績主義でございますから、ノンキャリの本省局長はできないんだなどという岩盤のような実態的なルールはなくなると考えております。

西村(康)委員 もちろん、そういうすばらしい方が登用されてきた例もこれまであるんだと思いますし、今後幅広く、公務員になられた方が自分のキャリアを積んでいける仕組みをぜひおつくりいただいて、もちろん登用もあるし、地道に自分の専門分野を積み上げていく、そういうこともできる、そういう制度をつくっていただければというふうに思うんです。

 この能力の評価というのは物すごく難しくて、人事評価については、例えば党内でも不満のある人もいるでしょうし、役所でも不満のあることもあるでしょうし、なかなか客観的な評価というのは難しいわけであります。能力主義をとっていく上で人事評価をどういうふうにやっていくのか、ぜひお伺いをしたいと思いますけれども、これは林副大臣にお伺いしたいと思います。

林副大臣 大変大事なポイントであろう、こういうふうに思っております。

 能力・実績主義を入れるということは、その能力・実績主義をどういうふうに評価して、それを評価される方とする方がちゃんとコンセンサスをつくっていくのかというのが基本になる、こういうふうに思うわけでございます。

 実は、この議論はもう五、六年ずっとやっておる議論でございますので、霞が関の方でも、試行、いわゆるトライアルを既に積み重ねていただいております。実際に任用、待遇に結びつけないという前提ではございますけれども、実際にやってみてどういうところに問題点があるのかということを既にやっていただいておりまして、現在、十九年の一月から六月までの六カ月間、今まさにやっておるわけでございますけれども、二次試行に入っておりまして、本府省一般行政職の課長、課長補佐級、係長級、係員級まで、およそ九千人の方が評価の対象、そして評価する方が約二千人という規模で、既にいろいろと評価をやっていただいておるところでございます。

 大変よくやっていただいているな、こう思いますのは、課長級ですと、例えば、高い視点に立ち基本方針を示すとか、明確な根拠を持ったタイミングのよい判断を下すといったような、どういうものが課長に求められるのかという基準をつくるんですが、この基準をつくるときに、実は、どういうものが要るのかというのをあらかじめヒアリングをして、課長というのはやはりこういうことができなきゃいけないだろうということをつくった上で、その項目で評価を実際にやってもらっている。こういうことを既にやっていただいておりまして、知見も大分たまってきておるようでございます。

 今後、さらにこれを拡大していきまして、第三次試行みたいなこともやって、実効性ある人事評価制度の構築をやっていきたいと考えておるところでございます。

西村(康)委員 これまで既に取り組んでおられるということであります。若い人たちが公務員を目指す上で、実績をしっかり評価してもらえるということも大事ですし、それから、中におられる方々も、やはり自分は評価されているんだなということでまたやる気が出てくるわけでありますので、新しい時代にふさわしい能力主義、世の中、もう民間企業も当たり前になっているわけでありますし、こういう時代に合った仕組みを取り入れていただければと思いますが、ぜひ公平公正に、みんなが、できるだけ多くの方が納得できるような仕組みを構築していただければと思います。

 民主党の提案者の方にお伺いをしたいと思いますけれども、民主党案では、能力、実績に応じた処遇の徹底を可能とする人事管理制度を導入という、このことが附則に書いてあるだけでありまして、年功序列を変える気が全くないのではないかというふうに思います。

 最初、組合に対する決意も述べていただきましたけれども、実は、このふわっとした規定にとどめているのは、組合に対する配慮もあるんじゃないか。つまり、能力や実績に劣るという言い方はあれですけれども、問題のある方は、やはり降格とか減給とか、場合によっては免職もあり得るということは当然だと思いますけれども、これが受け入れられないのではないか。民主党案ではそういうことができないんじゃないか。

 免職の規定も、附則の中では免職した場合に保障の仕組みも導入とか書いてありまして、これもよくわからないんですが、いずれにしても、結局は、建前、格好いいことを言っておられますけれども、組合に配慮をして、過度に保護をする、そういう法案になっているんじゃないか、こんなふうに思いますけれども、提案者の方、いかがですか。

馬淵議員 私どもの案では、能力・実績主義、これにつきましては、今御指摘ありましたように、附則の方に記させていただいております。

 これは、昨年の通常国会で行革特の中で、行政改革推進法案、私どもが提出をいたしました。その法案の中に記させていただきましたように、行政刷新会議を設置いたしまして、強力な権限を持って、まず国の事務事業、これを全国どのような形で行うべきかということをしっかりと見直していく、こうした形の中で能力・実績主義というものを私どもは取り入れていくんだということを掲げております。また、こうした処遇の中では、当然ながら、今お話にありましたように、能力、実績が伴わない方々に対しても、厳しい人事管理制度の中でこれにしっかり対応していくということでありまして、御指摘のような組合云々ということは全く当たらないということであります。

 そしてさらに、政府案でございますが、先ほど御答弁の中には事細かなお話をされておりましたが、本法案の中では、政府案においても、能力・実績主義を単に行っていくという方針を示したにすぎません。逆に、今日までこの能力・実績主義というものは、民間ベースでいえば一九八〇年代、二十年前に能力・実績主義を採用し出した企業があらわれて、そして、今日においてはこの能力・実績主義を見直すという機運すら今起きているわけであります。余りにも遅きに失し過ぎたこのような公務員制度改革、これを放置してきたのは今日の政府であります。

 このような形の中で、私どもは、まずは全般的な見直し、行政刷新会議でまず国の事務事業を含めて、各地方の支分部局も含めて全面的に見直すんだ、それこそ私どもは、NPOを含め、さまざまな形で委託すべきは委託をしていくという形の中で、能力・実績主義並びにさらに次なる人事管理制度というものを構築していくべきだということをこの附則の中に込めて書いております。

西村(康)委員 附則ですから、本当の大事な大方針を附則に書くというのは信じられない話であります、威勢のいい答弁をされましたけれども。

 確かに、我々政府・与党、自民党も、これまで改革ができなかった面、これはもう我々は認めて、新たに小泉構造改革、そして今の安倍政権、この数年間で物すごい勢いで加速をして改革をしているわけでありますので、もちろん昔の反省は、我々よくわかっています。反省の上に立って、すべてのしがらみを断って今改革に取り組んでいるわけでありますので、そういった御指摘は当たらないと思います。

 いずれにしても、公務員の……(馬淵議員「補足しますよ」と呼ぶ)今は質問中でありますので。公務員の仕組みが世の中の時代に合わないものになってきている。それは、先ほど申し上げたような、最後の最後までそれぞれの出身省庁が人事の一環でしていく仕組みを初めとして、同期が一斉に上がっていって、ポストが少なくなったらその仕組みが始まっていくという、これを変えていくことが今回の改革の第一歩である、肝であるというふうに思います。

 もう一点、これは民主党にぜひお伺いをしたいと思うんですけれども、提案者にお伺いをしたいと思いますが、公務員として最後まで残していく、定年まで残るというやり方、そして一方で、そろそろ自分は別の仕事につきたい、こんなことを思いついたからやりたいと思っても、あっせんをしてくれるところがないわけでありますので、これは答弁の中で過去どこかで言われていますけれども、質問の中でも言われていますけれども、ハローワークに行くか、ハローワークもそうですけれども、自分で職探しをしていかなきゃいけない。

 公務をしながら職探しをしていく、これは当然支障が出てくるんだろうと思いますし、このことについての規定がないわけでありますけれども、勝手に隠れて職探しをしていく、こういう事態になってしまうんではないかと思いますけれども、この点、どういうふうにお考えですか。

馬淵議員 お答えの前に、先ほどの能力・実績主義のところで補足で追加させていただきますと、そもそも、今回の法案に対しては、天下りというもの、これが談合やあるいは政官業の癒着の大きな温床になっているということでありますから、これを正すのがこの法案の主たる目的であります。そこにトータルのパッケージ論を持ち出すというのは、これは、改革の中でこれを進めたくないがゆえに個別の論点から目をそらすというやり方の典型例でありますので、私どもから見れば、パッケージ論を持ち出すというのは天下り規制というものを本気でとらえていないのではないか、こう申し上げざるを得ないと思っております。

 そして、今御指摘の部分でありますが、では公務員の方々がみずから職を探すのかという御指摘でありますが、逆に言えば、この国の中で、みずからの人生をみずからが切り開く、この当然のことを行わないで、そして税金によって自分たちのその次の人生をどうか探してくれという、そうした根源的な甘えの体質を許してしまっていること自体が問題なのではないんでしょうか。

 私どもは、専念義務というものについてもこれは厳しく見てまいります。しかし、本来、個人の能力が高ければ、あるいは世間的に高く評価をされる部分があれば、これはそのスキルやノウハウというものを周りが評価していく。その中で、当然ながらに新たな人生を切り開く、次なる志を持った方々であれば、独立される方もいらっしゃるでしょう、あるいは一緒に起業しようという方、ともにやろうという形で転職される方、いっぱいおられると思います。

 その中で、これをなぜ公務員だけが、人材バンクとおっしゃっていますが、この天下りバンクのような形で公的なあっせんを受けなければならないかということが、むしろ国民から見れば極めて異質に映るんだということを申し上げざるを得ない。今のお話では、公務員はみずからの人生を切り開くのを放棄しているんだ、このようなお話だと私は受けとめられるわけであります。

 民主党は、決して公務員の再就職そのものを規制するものではありません。自由に御自身の人生観を持って切り開いていただきたい。ただし、その権限が及ぶようなところに関しては、天下りという形でこれまでの弊害があるがゆえに、五年間の禁止を行う、そして、その前提にある肩たたきをストップさせる、問題の本質に切り込んだ法案であるということを改めてお伝えさせていただきます。

西村(康)委員 政府案でも一定の規制をかけておりますけれども、もちろん、自分自身で切り開くことはできるわけです。私自身も公務員をやめて政治の道に、自分で切り開いたわけでありますから、全くその御指摘は当たらないわけであります。

 それから、最後のところまでその省庁に公務員であり続ける、このことを目指している法案、やはりこれはいただけないわけであります。官民人材交流センター、人材バンクは、民間からの人材も取り入れる、そして、公務員の人材も民間で活躍できる人に行ってもらう、この交流を進めるところ、これも大きな改革でありまして、自分の出身省庁に縛られるというところが公務員の最大の問題点でありますので、これを改革していくこの政府案をぜひ推進していただきたいと思います。

 官民交流の点についてもぜひお伺いをしたいと思います。

 人材の有効活用という観点、あるいは、民間からも官の世界に来ていただいて、民間の発想、新しい時代の発想をどんどん取り込んでいく。そして、もちろん新規採用もあって、若い新しい発想の人たちもどんどん役所に入ってもらう。それでこそ公務員の世界も活性化するわけでありますし、古いしがらみ、前例にとらわれない新しい公務員像というのができ上がるんだろうと思いますけれども、この民間からの採用拡大についてどういうふうにお考えか。これについても、大臣、公募制なんかも含めて提案をされておられますけれども、ぜひお伺いをしたいというふうに思います。

渡辺国務大臣 経済財政諮問会議で私が提案をした公募制については、いわゆるポリティカルアポインティーというのとはちょっと違うのかもしれません。アメリカ流のポリティカルアポインティーというのは、政権がかわるたびにごそっと政権と一緒に来られる方々で、政権とともに去っていくということであろうかと思います。日本流のやり方でいきますと、公募制というのは、公務員になればいわゆるメリットシステムのもとで身分保障という問題が出てまいります。したがって、これは政権がかわったら自動的にいなくなるんですよというのとは違うんだろうと思います。

 いずれにしても、我々、全部アメリカのまねをして改革をやっていくんだなどという気持ちは毛頭ございませんので、日本に合った改革というのはどういう制度だろうかという模索をしてきております。

 やはり今、官の世界が官のまま新しい血を入れませんと、相当時代の流れについていけなくなってしまっているという問題がたくさんあると思うんですね。例えば、金融庁なんというのはその典型例でございまして、証券監視委員会には既に三分の一を超える民間の人たちが公務員として入っております。

 そういう時代の流れというものを考えれば、やはり官から民へだけでなくて、民から官へというゲートウエーをつくる必要があるのではないかと考えまして、この官民人材交流センターというものを提案させていただいたところでございます。やはり、民間からの人材募集の情報をまとめ、広く情報提供を行っていく、そういう窓口が絶対に必要だということではないでしょうか。

西村(康)委員 大臣御指摘のとおり、ぜひ民間からも新しい今の時代の、現場でいろいろな発想、いろいろな新しい仕組みに取り組んでいる人たちも採用して、公務員の古いしがらみにとらわれる、あるいは前例にとらわれてしまうところを改革していく仕組みに、この人材交流センターを活用して、していただければと思います。

 それから、今の官民交流の話でありますけれども、いわば官官交流というか、例えば一昨年、二年前の郵政改革のときには、内閣官房に百人を超える人を各省から集めて、郵政改革は大事、これをやっていこうということで大異動したわけであります。

 例えば今、FTAなんかでも、各国間でFTA競争、要はWTOがなかなかまとまらない中で、各国でFTA競争していく。その中で、日本は人材が、数も含めて足らないのでなかなか進まない、こんな面も指摘をされるわけであります。

 比較的人員に余裕が出てきている省庁、例えば私の出身でありますけれども経済産業省も、かつてのように個別業界の指導をやってきた体制から、それはもうなくして、むしろ今は特許とかエネルギーとか中小企業政策、そういったところの、いわば外局の方が重要になってきているような側面もありますので、人の余裕が出てきているとすれば、最近の課題である社会福祉制度、医療制度、年金制度を含めて、例えば厚生労働省の課題が多いということであれば、官僚大異動というか、大胆な省庁間の異動も含めて考えてみてはどうか。

 このことがまた、自分の出身省庁だけにとらわれるのではなくて、いろいろな経験をする。もちろん専門分野を積み重ねていくということも大事ですけれども、その時々の行政ニーズに合った形で人材配置を考えていく、こういう仕組みも大事じゃないかと思いますけれども、この点について大臣のお考えをお伺いできればと思います。

渡辺国務大臣 人材の流動化というのは大変大事なことだと思います。官から民へだけでなく、民から官へ、さらに官から官へという異動も必要だと思うんですね。

 これは柳澤厚労大臣がおっしゃっていた事例でございますが、ドイツでは、社会保障制度の抜本改革を行うときに、厚生省の事務次官をほかの役所から持ってきたそうでございます。恐らく、今のような年功序列で終身雇用で、同じ役所から年功に従って昇進していく、こういうやり方ですと、大胆な改革というのはなかなか頭がそこまで回らない、決断がそこまでできないというしがらみが出てきてしまうわけでございます。したがって、官から官への異動というのも大いに考えていかなければならないと考えております。

 また、今御指摘の、人員に余裕のある省庁からますます繁忙になると見込まれる省庁への人材異動という御指摘でございますが、この点は、公務員制度改革の範囲を超えて、さらに、府省ごとの定員管理を今後どうしていくのかといった問題に波及するわけでございます。したがって、行革担当大臣として検討すべき課題を御指摘いただいたと強く受けとめております。

西村(康)委員 ありがとうございます。ぜひ御検討いただければと思います。

 もう一点、これは各省庁縦割りの打破にもつながる話でありますし、大臣がおっしゃる官官交流の一つになると思うんですけれども、一定レベル以上の公務員を内閣で一元管理していく。まずは新人材バンク、人材交流センターでは、再就職について一元化をしていくことで各省のしがらみを解き放つということだと思いますけれども、今、局長クラスあるいは幹部クラスでの各省庁間の交流も非常に盛んになっているということをお伺いしております。

 一遍にはなかなかできないんだと思いますけれども、ぜひ各省の呪縛を解き放つ意味も込めて、あるいは官官交流を促進する、いろいろな視点の考えを取り入れていくということも含めて、ある一定レベルの職員については内閣で一元管理していく人事、そういう仕組みも大事じゃないかと思いますけれども、この点についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 今回、公務員制度改革の全体パッケージとして、総理のもとに有識者から成る懇談会を設置する方針でございます。この懇談会のもとで、今のような御指摘の問題についても検討が行われていくものと考えております。

 私としては、御指摘の人事の内閣一元化というのは、再就職あっせんの一元化を進めていくわけでございますから、各省のためという視点が大転換されるわけですね。そういたしますと、国家と国民のために働く公務員の具体化を進めていくというからには、非常に重要な検討課題だと認識をいたしております。

西村(康)委員 ありがとうございます。

 一たん着たユニホーム、ずっとそのユニホームでいるというのではなくて、今や人材は流動化する、活用していく時代でありますので、能力のある人はいろいろな仕事に挑戦をしていってもらう、あるいは国全体のために貢献をしていただくという視点からも、ぜひ御検討いただければというふうに思います。

 時間がなくなってまいりましたが、公務員改革の話をきょう御議論、政府案と民主党提案の案について、その違いもお伺いをしてきたつもりでありますけれども、公務員の皆さん方も、新しい時代にふさわしい仕組みに変わっていってもらう、そして我々国会議員も、やはり新しい姿に変わっていかなきゃいけない。

 自民党は、既に改革政党として今生まれ変わってきているわけでありますけれども、この国会議員の定数も、内閣委員会は所掌の割には人数が少ないという御指摘もありますけれども、全体、国民の目からすれば、国会議員の数は多いという御指摘も多々あると思います。私自身も、定数削減をやるべきじゃないかという考えを持っておりますけれども、これは大臣、個人的な見解で結構でございますので、ぜひお答えをいただければというふうに思います。

渡辺国務大臣 これは、私が政府に入る前の話でございますが、たしか〇三年に私が発表した幻のマニフェストというのがございまして、ここではたしか国会議員を半減すべきだという提案をしておったかと思います。

西村(康)委員 心強いお言葉であります。きょうは野党の席からも出ておりますので、ぜひ半減目指してまたみんなで取り組んでいければと思います。

 新しい時代にふさわしい公務員制度をつくっていくということであります。いろいろな抵抗もあると思いますし、いろいろな誤解も多々あると思いますけれども、公務員の皆さん方が安心して、まず公務員になろうと就職をし、そしてその後も、安心して自分の仕事に打ち込める。その中で、いろいろなキャリアの相談も受けながら自分自身のキャリアを磨いていく、積み上げていく。そして最後も、どこかにほうり出されるのではなくて、あるいは民主党案のように最後の最後まで公務員に縛りつけるのではなくて、人材交流センターを通じて公正、適正な形で再就職ができる、そういう仕組みをつくり上げていただければというふうに思います。

 大臣の突破力に御期待申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

河本委員長 次に、平井たくや君。

平井委員 自由民主党の平井たくやであります。

 きょうは、公務員法改正案について、政府案、そして民主党案に質問をさせていただくんですが、大臣、副大臣が参議院の本会議で途中お抜けになるということでございますので、その間に民主党の提案者の方にはたっぷりと質問をさせていただくということであります。

 この問題は、考えてみれば、二〇〇五年、一昨年の総選挙では、自民党も民主党もマニフェストの中に公務員制度改革を掲げていました。ですから、自民党、政府からも、民主党からもこの改革案が出るということは当然の成り行きでありまして、今回、公務員制度改革を、その両案を比べながら議論を深められるというのは、非常にいいことだと思います。

 政治改革、行政改革に続くこれは第三の大きな改革で、どうしてもここを改革しなければ全体としての新しい日本の形が見えてこないということは、過去の行革会議の報告の中でも言われていました。内閣機能の強化とか省庁再編、またその人材の任用に係る制度改革というものは、もうパッケージで進めていかなきゃいかぬということですし、人材の一元管理、一括管理の導入とか、内閣総理大臣を支える内閣官房、内閣府の人材の強化とか、そういうことはいろいろな流れで議論をさせていただいてきたと思います。

 しかし一方、公務員改革というと、どうしても人件費の問題であるとか定数とか天下り、個別のテーマにスポットを当てることはあっても、全体像というものに対しての哲学を共有するにはなかなか至っていなかったというのが私は本当のところだと思います。

 今回、特に自由民主党におかれましては、資料としてお配りさせていただきましたが、公務員制度の全体像、この全体像というものを見ながら、要するに、今回の法案の提出ということに踏み切ったということを私は大変に大きく評価をさせていただきたいと思います。一時は、パッケージ論というのは先送りになるというような懸念もありましたけれども、しっかりとした公務員制度改革の全体像というものに対する強い決意があれば、今回の改革法案は一丁目一番地になり得ると私は思っております。

 ですから、後ほどですが、民主党さんにも、公務員制度改革の全体像についての哲学を明確にしていただいた上で、今回の法案を説明いただきたいというふうに思っています。

 これは、将来像を見据えた大きな改革でありますし、最終的には、小さく効率的な、大臣がよく言われる筋肉質の政府を目指すということ、そのためには、官民交流とかそういうものも重要だということは何度もいろいろなところでお話をしていただいておりますけれども、基本的には、公的セクターの役割とか公務員のあるべき姿とか、つまり、小さな政府を目指すのかどうなのか、官民はどうあるべきなのかというような問題は非常に重要だと思います。

 法案の審議を始めるに当たり、我が国の行く末を見据えて、今後の国家の公務員のあるべき姿というものについての哲学を大臣にお聞きしたいと思います。

    〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

渡辺国務大臣 今回、安倍内閣の基本方針として改めて申し上げますことは、目指すべき方向性は、小さくて効率的な政府である、筋肉質の政府をつくることであるということであります。

 そのために、政府を支える国家公務員というのは、高い気概と使命感と倫理観とすぐれた企画立案能力、管理能力を持った者でなければならないということであります。こういう公務員像を実現することこそ、今回の公務員制度改革の目指すところであります。

 官民のあり方についても、今お示しになったこのポンチ絵の中で、本来、定年まできちんと勤められるのが、これが単線型の公務員人生としては真っ当なところでございます。それが、全員ではございませんが一部、こっちの天下りというルートに曲がってきてしまう、これはちょっとおかしな現象ではないかと我々は考えたのでございます。

 そこで、複線型の公務員人生があってもいいではないか、官民の交流をもっと促進をしていっていいではないかというのが、これは小泉内閣時代からの継続的な課題でございました。

 官官の公募制というのは、もう既に導入をされております。課長級以上のポストについて、一割は官官公募でやっていこう、これはもう既に達成をされています。そこで、私が財政諮問会議で次期提案をさせていただいたわけでございます。

 スタッフ職制については、これは村上大臣のときに創設が決められておりまして、人事院の方に俸給表をつくってほしいという要請をしているところでございます。

 定年延長という問題も、民間ではもう既に取り組みが始まっておりますけれども、公務員の世界ではまだ始まっていない、こういう問題も抱えております。

 天下り規制をかけて、各省のあっせんを全面禁止し、あっせんの一元化を図るということになれば、当然これは採用のあり方という問題にも行き着く話でございますから、これについての検討もしていかなければなりません。

 能力・実績主義を導入するということであれば、当然これは労働基本権の問題が出てまいりますので、私の方からは、一般職といいますか、一定の範囲で、基本権のフルセットでの付与という方向で一定の範囲を考えてほしいということを専門調査会の方には申し上げているところでございます。

 こういった全体パッケージの中で、今回、その能力・実績主義と天下り規制、この二本立てでいくわけでございますが、基本的に、官民のあり方について、我々は、民間人はずっと民間人でいいんだ、役人は死ぬまで役人なんだという発想はとりません。大体、国家公務員法ができました昭和二十二年の日本人の男性の平均寿命は五十歳でございます。今はもう女性が八十六ですか、そういう長寿社会を迎えて、人生五十年の時代につくられた制度設計がそのまま当てはまるとは到底思えないのでございます。

 したがって、我々は、官民交流、官と民の垣根をもっと下げていこう、そして、民間企業から中途採用で入ってくる、そういう人がまた役所から民間に出ていく、そういう官民交流をもっと促進していこう、役所の世界で固まって、特殊な世界をつくるようなことがあってはならない、そう考えて今回の制度設計を考えたところでございます。

平井委員 この総論といいますか哲学の部分は、非常に重要だと思っています。

 先ほど大臣のお話にありましたとおり、あくまでも公務員制度改革の全体像の中での第一歩を果敢に踏み出していくんだというのが今回政府案のスタンスだと思います。この全体像のペーパーを見ていただいても、ポンチ絵を見ていただいてもわかると思うんですが、これは、それぞれやはり公務員制度にかかわる重要な問題点がこの中にあると思います。

 例えば、中央においては人事院の強過ぎる権限、また、地方においては弱過ぎる人事委員会、公平委員会のあり方とか、労働基本権、またその代償措置としての人事院の問題であるとか、スタッフ、定年延長、いろいろありますが、先ほどお話を聞かせていただいたとおり、官から民へ、また中央から地方へ、そして官民交流の中で効率的で筋肉質な政府をつくっていくという強い決意のもとに公務員制度改革に取り組むということがよくわかりました。

 この総論の部分は、民主党の提出者の皆さんにもまずお聞きしておきたいと思いますが、どのような公務員像を、全体像を描いた上で今回の法律を提出なさっているのか、その点についてお聞かせ願いたいと思います。

鷲尾議員 お答えをいたします。

 民主党といたしましては、政府のあり方、国のあり方について、政権政策の基本方針において基本的な方針を述べさせていただいております。

 明治以来の中央集権制度を抜本的に改めて、地方分権国家を樹立するということであります。地方のことは権限も財源も地方にゆだねる仕組みに改めまして、国会議員も国家公務員も国家レベルの本来の仕事に専念できるようにする。中央政府の役割を、外交、防衛、危機管理、治安、そして食料、エネルギーを含む総合的な安全保障、教育、社会保障の最終責任、通貨、市場経済ルールの確立、国家的大規模プロジェクトなどに限定するというふうにしているところであります。

 また、先ほど来、馬淵議員も述べさせていただきましたが、民主党は、昨年の通常国会におきまして行革推進法案を提出させていただきました。各省庁や自治体に対して情報提供を求めることができる強力な権限を持った行政刷新会議を設置いたしまして、国の事業を集中的に見直し、地方、民間、NPOなどに移譲することを提案させていただいておるところであります。つまり、分権に基づく事務事業の見直しが先にあって、その結果、国家公務員の規模も決まるという考え方でございます。

 その上で、民主党が提案している法案に即しまして公務員制度改革を論じるということであれば、口きき、談合の温床となります天下りのない公務員制度をつくるということが第一の特徴というふうに言わせていただきたいと思います。

平井委員 確かにわかりました。中央から地方へ、官から民へ、そして、行政改革を進めていく中で、公的セクターの役割を明確にした上で公務員のあり方を論じていくということだと思うんですが、そうはいっても、公務員制度改革というのは天下りだけの問題ではありませんので、全体像に対してもう少し具体的な御答弁をいただければと思うんです。

 先ほど、私の前の質問者もお聞きしたと思いますが、例えば、能力・実績主義ということに関しても、なぜ附則に定めて今後の課題にとどめているのか、なぜ本則に定めないのかというのは、私、単純な疑問として持ちます。

 また、政府案のように、人事の基本原則として、採用年次や採用試験の種類にとらわれてはならないということを明言されないのか、そのことについても疑問を持つわけであります。いわば、採用試験の種類にとらわれずにポストと給与を決めると定めれば、いわゆるキャリア制という慣行はなくなってしまうわけで、組合の方もキャリア制の廃止を求められると思うんですが、なぜ民主党はそこにもう一歩踏み込んでいかないのか、そのことが私としてはちょっと不思議です。

 民主党案の附則では、「能力及び実績に応じた処遇の徹底を可能とする人事管理制度の導入」とありますが、これは実は現行制度でも、能力・実績主義で人事をやることは可能なんです。現行の国家公務員法のどこにも、能力・実績主義でやってはいけないとも年功序列にしなければならないとも書いていないわけで、現実に年功序列がとられてきたということだと私は思うんです。だからこそ、政府案では、採用年次や試験の種類にとらわれてはならない、能力、実績に係る人事評価に基づいて行わなければならないとして義務づけをしているわけです。民主党案では現在の年功序列を変えることに全くならないというふうに思うんです。

 今、私はいろいろお聞きしたい点をちょっとまとめて指摘させていただきましたが、提出者の方にコメントをいただきたいんです。

鷲尾議員 幾つか御質問をいただきましたけれども、まず、附則にあるという話をいただいたと思いますが、この法案では附則ということでさせていただいておりますが、行革推進法案の方に明記をさせていただいておるところでございます。

 能力・実績主義に関してのコメントをいただきました。実際、今の状況でもできる、けれども、その状況になっていないという御指摘に対しましては、やはり責任を持って政府が取り組まなきゃいけないのではないか。今の現状を放置するということは、やはりこれは看過できない問題であります。この点については、政府がより積極的に取り組むべきであるというふうに申し述べさせていただきたいと思います。

 公務員制度改革に具体的な規定を盛り込めばよかったということが御質問の趣旨かとは思うんですが、国のすべての事業を詳細に見直すことができるというのは、やはりその事業の実務に携わっている政府以外にはないのではないかというふうに思います。さらに言えば、族議員と官僚の既得権益に切り込めない自民党政権にはなかなか不可能なのかなというふうに思っております。

 私たちといたしましては、総理大臣、議長のもとに、行政刷新会議でそれを含めて具体的にしっかりと決めさせていただきたいと思っておるところでございます。

平井委員 何だかんだ言って、今のお話を聞いていると、結局は、能力や実績の劣る役人は降格や減給、場合によっては免職もあり得るというようなことが民主党さんは受け入れられないんだろうと。つまり、このことに関して一歩踏み込まない限り、労働組合に配慮して、仕事のできない役人とか仕事をしない役人を保護しようという気持ちがにじみ出る法案だというふうに我々は受け取ってしまうのですが、いかがですか。

馬淵議員 先ほど来、私ども申し上げているように、徹底的に人事管理に対しては厳しく見直していくということを申し上げております。行政刷新会議において、事務事業を分権化して見きわめていく、その上で能力・実績主義を図っていくわけですから、御指摘のように、当然ながら仕事をしない職員に対しては厳しい態度で臨むわけでありますし、現行のキャリア制度を廃止する。すべて、そこにおいては、今日まで二十年間、ある意味、先ほど申し上げたように、能力・実績主義が民間では当たり前のようにされてきたのに放置してきた政府が、何も行わない、手をこまねいてきたという状況の中で、おっしゃっているのは、甚だ私は天につばする言葉ではないかというふうに思います。

 私どもは、政権を持てば、行政刷新会議のもとに徹底的な見直しを図って、そして完全な能力・実績主義を実現する。そして、それは何よりも天下りという問題の本質を正さねばならないのだということで、私どもは法案の中に肩たたき禁止というのを設けているわけです。

 繰り返しのお話を聞いておりますと、与党案というのは、結局はパッケージ論、先ほど委員がみずからお話しになったように、パッケージ論で先送りするのではないか、そういった議論もあったというお話でありますが、パッケージ論にごまかされて、天下りの禁止、なぜ公務員が税金でみずからの再就職をあっせんされなければならないのかという国民の純粋な、単純な疑問には何らこたえることなく、能力・実績主義もあるんだ、これもあるんだと並べ立てるということであれば、全く、与党内の議論であった、先送りをやっておられるということにほかならないのではないかということを申し上げたいというふうに思います。

平井委員 いや、いいんです。そういう言い方もあるかとは思いますけれども、結局は、天下りだけ出して、あとのところは、どうせ民主党の法案は否決されるだろうから難しいところには手をつけずに、ここらでファイティングポーズをとろうという、これは私の所感で今話しておりますのでお聞きください、そういうことだと思うんですが、結局、最終的にはいっぱい踏み込まなきゃいけないところがあるんですよ。

 先ほど大リストラというお話が言葉の中にありましたが、どうやって大リストラをするんだという話になったときに、2種、3種、例えば政府の中においたら、官房五業務に携わっている方々の定数というものを間違いなく今後減らさざるを得ないといったときに、民主党はそこに踏み込めるのかどうなのか。大リストラというのは、やはり業務の見直し、今の仕事のやり方というものを根本的に見直した上で踏み込んでいくとなると、組合とはもう本当にガチンコ勝負になるんですが、大リストラを掲げる以上はそういう覚悟がなきゃいけないし、その覚悟もにじみ出るような言い方をしないと、天下りという言葉だけで逃げたんじゃ、もう何にも、行革法案もポーズだけ、これもポーズだけというようなことでは説得力がないと私は思いますが。どうぞ。

馬淵議員 私ども、先ほど申し上げたように、昨年から三年二割削減というのを掲げているんですね。組合云々とおっしゃいますが、私ども、あるべき公務員制度を掲げながら、三年二割。政府はそんな数字をよう出さないじゃないですか。結局、我々が訴えている、あるべき公務員制度の姿を示して、そして数値目標を掲げ、行政刷新会議という形で全国の事務事業も含めてすべて見直しを図る、この中で、能力・実績主義、さまざまな人事管理制度、キャリア制度の廃止も含めて、私どもが公務員制度の改革を掲げているわけです。

 その中で、御指摘がありましたが、天下り一点でこれは何だか後退しているのではないかというお話でありますが、そもそも、この法案の提出の根本原因にあるのは、天下りがあって、談合やあるいはそこでの随意契約、不透明な契約、さらには贈収賄事件といったことがたびたび起きるから、国民がこれは放置できないという声を受けて政府も立ち上がったんじゃないのでしょうか。このことにふたをして、能力・実績主義だ、パッケージだということを殊さらに掲げる方が、よほどこの天下りに目を向けていない、本来の公務員制度、あるべき姿を掲げていないということにほかならないと申し上げざるを得ないと思っております。

平井委員 これはもう私から余り言うことではないと思うんですが、行政改革に係る今までの政府決定の系譜を見ると、平成十二年七月十八日の閣議決定では、少なくとも一〇%の計画的削減。平成十六年十二月二十四日の閣議決定では、平成十六年度末の定員の一〇%以上を十七年度から二十一年度までの五年間で削減をするというようなこと。そしてまた、先ほど私が少し触れましたが、新システムといいますか、コンピューターシステムを導入するに当たり、実質的に四割以上の効率向上を図り、当該業務に係る定員の三割を削減するということを決めているんです。

 それだけではなくて、平成十七年十二月二十四日の閣議決定では、国家公務員の総人件費の対GDP比を今後十年でおおむね半減するということと、国家公務員の定員を五%以上純減させるということも決めています。また、これは行革法でありますが、平成十七年度末の総数の五%以上を純減するということですし、平成十八年六月三十日の閣議決定では、業務の大胆かつ構造的な見直し及び厳格な定員管理により五・七%以上の純減をこの五年間でやるということを宣言しているわけです。

 そういうことで、根拠なく二割、三割という話と、きっちり内容を踏まえた上で、過去の長い議論の中で物事を進めてきている。

 これはちょっと質問の趣旨と大分話が変わってきてしまいましたが、例えば、今我々が取り組もうとしているのは、官房業務と言われるような、旅費の精算、給与計算、謝金であるとか物品調達に幾つの決裁があって、そこに何人の人が携わっていて、それをどのように業務効率化して人員を削減していくか。つまり、人を減らしても業務を減らさなかったら現場の負担は大きくなるだけで、民主党の言っているようなことはできないわけですよ。そういうことをちゃんと考えながら進めていかないといけない話を、簡単に、口先だけで数字を言うというのは、私は、長年その問題に取り組んでいる議員の一人として今非常にじくじたる思いがあると思いますが、これ以上話が脱線するとまずいので、ちょっとほかに行きたいと思います。

 官民交流を拡大するという問題に関して、少しお聞きをしたいと思います。

 民主党案では、関係業界への再就職は五年、官民の人材交流センターもない。関係業界に再就職してはならないと手足を縛った上で、自分で職を探せ、ハローワークに行け、甘えるなということになるんだと思いますが、民間企業ならば、普通は、再就職する際は知識とか経験のある関係業界に行くのが当たり前だと思うんですよ。つまり、これでは、人材流動化というものが民主党案ではできない。役所に一回行った人は最後まで役所から足抜けできない、役所にいろということになってしまうと思うんです。

 要するに、私の評価では、政府案は天下り根絶法案なのに対して、民主党案はすべての再就職根絶法案でしかない。官民の垣根を高めるだけで、役所に行った人は外に出さないという、大きな政府、大きな抱え込み法案である、これは一番わかりやすい表現ではないかなというふうに私は思います。

 また、一たん役所に行った人の再就職がこれだけ厳しく制限されて、民間の人が来ますか。民間人の政治任用などということを口先だけで言っているようですが、一回入ったら地獄、もうずっと縛られるのに、だれが民間、来るんですか。およそあり得ないじゃないですか。

 それで、民主党案では役人の大リストラを想定していると言われますが、能力、業績の思わしくない者に対して退職を勧奨したり分限免職を適用したりすることは、これはもう世の中、民間も含めて一般常識ではないかと私は思うんですよ。同様のことをやはり政府もある程度考えていかなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。

 先ほど馬淵議員は、大リストラを想定しての公務員制度改革だというお話でしたが、仮にリストラを想定しているなら、そういう場合にハローワークに行けということですか。その場合はそれで労働組合はよいと言うんですか。そのことを、これ以上民主党が労働組合をいじめるというか公務員をいじめるというのは、私はちょっとこれは問題ではないかなというふうに思います。

 年功序列の維持についても、過度に役人を保護していると思ったが、今回は急に極端な役人いじめというふうにシフトしていて、考え方が実は本当は民主党内部で整理されていないんじゃないかというふうに思います。

 要は、リストラするつもりがあるのかないのか、どんな政府を目指すのか、少しお聞かせ願えませんでしょうか。

馬淵議員 先ほどの御質問のときにコメントとして発されたことについて少しお答えさせていただきたいんですが、政府が進めてこられた定員の削減というお話でありますが、私ども、これは総人件費でとらえております。

 定数の削減、これを頭数でやりますと、先ほど申し上げたように、独立行政法人化によってどんどんどんどん、定員は減ったということで見かけは減っていきますが、人件費そのものにインパクトを与えるかどうかというのは全く別物であります。したがいまして、私どもは、三年二割、これは総人件費で見ているんだということ、明確にそのことを申し上げたいと思います。

 その上で、当然ながら、委員が御指摘のように、業務を見直すのは、これは当たり前の話であります。頭数を下げるということではなくて、私どもは、まず、業務の徹底的な分析を行うことは当然である。この業務分析を行って、さらには、本当にその業務プロセスが今必要なものかどうかを見直していくといういわゆるビジネス・プロセス・リエンジニアリングは当然の手法でありまして、そのことを私どもが想定していないとされるのは甚だ遺憾でございます。業務分析を行った上で、あるべき姿、一体そもそもこの業務は何のために行われるのかということをしっかりと把握した上で、例えば電算化を含め、さまざまな方法によってよりコストを下げ、効率的な方法を考えるということが大前提になっております。

 また、大リストラというふうに申し上げたことについてでございますが、今回の公務員制度改革については、先ほども申し上げたように、ただ単に縛りつけて公務員の人件費を拡大させるのではないかということに対しては、そうではないと。私どもは、この公務員制度改革は、あるべき公務員制度の姿を示した上で、そして肩たたきという慣行を禁止していく中で、今後私たちが行うのは、おおむね三年間の新規の採用抑制であったり、あるいは役職定年を設ける、あるいはスタッフ制度を設けるということでの大リストラ的な改革であると申し上げたわけでありまして、決して、再就職をさせない、縛りつけるといったことがこの法案の中に明記されているわけではありません。

 繰り返し申し上げますが、なぜ、公務員が再就職あるいは新たな人生を切り開くときに、国民の税金を使って、そして談合や随契、あるいは、本当に必要なのかわからない、税金の無駄遣いと呼ばれるようなさまざまな法人等への就職、こうしたものを含めて、公務員だけがそれを人材あっせんという形に名をかえて、いわゆる天下りバンクのような形で行うことが公然と行われていくのかということに対して、大きな疑問が起きているわけであります。だから私どもは、その問題の本質に切り込んで、肩たたきを禁止するということを申し上げたわけであります。

 そして、ハローワークに行けというのかということでありますが、再就職の方法は、さまざまな形で公務員の皆さん方がみずから切り開いていただくわけであります。民間の方がハローワーク、そして公務員の方がまた別のところ、こうした切り分けこそが逆に官民の垣根を高めるものであって、私どもは、民間とそして官とのイコールフッティング、これを大前提にしているわけであります。

 自分の人生を六十年、八十年というその長きにわたって設計していくのは、個人の責任において行うんですね。それを政府が、いや、公務員においては特別に何らかの手当てをしなければならないというのは、まさに公務員を守り、逆に言えば、族議員や官僚の抵抗に遭って骨抜きになった法案と言わざるを得ません。

 私どもは、一切のしがらみを断ち切って、先ほど来申し上げているように、このあるべき姿を掲げてきたわけであります。突然降ってわいたような法案でもなければ、私どものマニフェストには、二〇〇三年の段階で既に載せ、二〇〇五年の段階で、総人件費の抑制という具体的な明確な目標値、三年二割を掲げて今回の制度をつくったわけでありますから、先ほどの御指摘というのは全く的外れであると言わざるを得ません。

平井委員 今の話を聞いていると、恐らく民間の人は、民主党案が通った場合には政府には絶対来ないね。そのあたりは皆さんもそのように思われると思います。幾ら何でも、こういうような形にしてしまったら、民間の有能な人が自分のキャリアパス及び自分のキャリアを生かして政府のために頑張ろうという気にはならないと思うんです。

 民主党案で、年功序列を残した上で早期退職勧奨は禁止する規定を置くということになると、これはやはりどう考えても、大きな政府の方に足を踏み出すことになるのはもう間違いありません。人件費を抑制する観点では、民間企業でも能力や実績の伴わない従業員に対し、いきなり免職というのではなくて、早期退職勧奨を行うことは多いです。民主党案では、こうしたことができなくなってしまうのではないかということと、結局、役人のリストラというものは口先だけで実際は想定していないということと、過員が生じた場合は除くとの規定がありますが、これは部局がなくなる場合などの限定的なケースだと思うんですよ。

 こう考えると、一歩譲って、どう考えても大きな政府になる危険性がある法案だというふうに言うと、それはお認めいただけますか。

馬淵議員 先ほど来申し上げたように、私どもは、民主党案の中では、行政刷新会議で国の事務事業はすべて見直すんですね。それが前提になっています。政府は、現行、今日まで続いてきた肥大化した官の組織の中で、事務次官をトップとして、同期入省組がたった一人しか残らないという仕組みを温存する中で、今つくられた天下りバンクという法案の中でそれをやり遂げようとするからこうした無理が発生するわけでありまして、私どもが政権を預からせていただければ、行政刷新会議のもとにすべての事務事業を見直していく。

 ですから、その上で、当然ながら公務員については、これは地方、国、この大きな垣根のところを見直すわけですから、今おっしゃっているような部分については全く当てはまらないということであります。

 繰り返し申し上げますが、私どもは、この法案によって、公務員のあるべき姿をしっかりと国民の皆さんに示していく。みずからの人生はみずからで切り開くんですよ。なぜ公務員だけが守られなければならないのか。

 そして、その上で、公のために奉仕しようとする方々が、六十年、その定年まで勤め上げようというお気持ちがあれば、特別の事情がない限りそれを全うしていただこうということは、これは民間企業でも、例えば、大手の大企業、一部は別ですけれども中小企業等、同期の社長と現場の社員がともに三十年、四十年同じかまの飯を食った、普通にあるんですね。このことを、いや、これは人材が活性化しないんだ、沈滞化してしまうなどというのは全く詭弁でありまして、同じ組織の中にいてもそれぞれの能力を発揮できる仕組みをするのは、まさにマネジメント、長の仕事であります。今日それができないから天下りバンクをつくるというのは、みずからの職務放棄以外何物もない、こう申し上げざるを得ません。

 繰り返し申し上げますが、私どもは、縛りつけるのではなく、個人の裁量、個人の自由によってみずからの人生を切り開いていただくための官民イコールフッティングの法案だ、このようにお伝えをさせていただきます。

平井委員 官民イコールフッティングというのは、今の説明を聞いているとあり得ないというふうに私は思います。

 それと、やはり年功序列とかそういうものを打破して能力・業績主義というのを導入しなければ、実際は今言っていたようなことはできないでしょう。だから、そこをきっちりと法案の中に書き入れるべきです。できれば、修正するなら大リストラすることも中に書き込んだらいいと思います。そうすると、民主党らしい、中途半端ではなくて参議院選挙を控えてもっといいマニフェストになるんじゃないですか。私が言うのもおかしいですが、中途半端にするから自民党との差がはっきりしないんじゃないですか。もっと踏み込んで大胆にやればいいという私のアドバイスですから、答えていただかなくて結構でございます。

 何でもお答えいただけるようですので、外部監視機関についてちょっとだけ聞いてよろしいですか。

 行為規制のところは政府案とほとんど一緒なんですよ。唯一違いというのは、なぜか外部監視機関だけが入っていないんですね、行為規制のところ。これはなぜかということが一つと、それを公務員倫理審査会でやればよいというふうになっておりますが、公務員倫理審査会は、会長を含めてわずか五人しかいないんですよ。これでは、怪しい事案がないかをみずから監視することなど当然できない。怪しいかどうかもできないし、結局、事務局の役人に任せてもう一度監視するということになってしまって、倫理事案と異なり、天下り事案は組織ぐるみだから身内の監視では無理だということと矛盾すると思うんです。

 せっかく厳格な行為規制を置いても、今の民主党の公務員倫理審査会という案ではこれは不十分、ざるになってしまう可能性があると思うんですが、いかがですか。

    〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕

馬淵議員 お答えさせていただきますが、政府案においては新たな監視機関の設置とありますが、これはまた別の大きな組織をつくってしまうということになりかねない。

 だから私どもは、この倫理審査会において、この委員会においてしっかりとした監視を図るとしております。ただ、そこで委員をふやすということが果たしていいのか。ここに関しては、事務局の若干の強化ということは必要かと思っております。

平井委員 つまり、今の公務員倫理審査会の機能だけではやはり心もとないということはお認めいただけますか。

馬淵議員 現行の倫理審査会の事務局体制では不十分である、そこに関しては、我々は、事務局機能を高める。ただし、これは委員をふやすということになれば、これまたさらに頭でっかちの組織をつくってしまうことにもなりかねないということですので、私どもは、この監視機関に関しては、事務局機能の強化という形を考えております。

平井委員 中途採用で、民間の方々をあるポジションで採用するというようなことを民主党さんの場合はやはり想定をされて今回の案をつくられているのかどうなのか、ちょっとお聞かせ願えますか。

馬淵議員 官民の人材交流というのも、当然ながらに組織の活性化のためにこれは行わねばならないと考えております。ですから、これに関しては、官民人材交流の形で中途に入ってこられた方、また本籍を持っての方々は、戻ることに関しては、今回の規定からは除外するという考えを持っております。

平井委員 要するに、いろいろな形で今民間の方が政府で働いておられますが、しかし、一たん公務員の資格になってしまった場合は当てはまる、今回の民主党案が当てはまるということでよろしいですか。

馬淵議員 お答えさせていただきます。

 先ほど申し上げたように、人材交流という観点から、例えば民間からある一定の期限つきで来られた方に関しては、これは除外をしております。こうした方々が、当然ながら、組織の活性化のために、現在でも任期つきで来られている方はいらっしゃると思いますが、こうした方々については除外をして、そして私どもが言っているのは、公務員として就職された方、こうした方々を対象としているわけでして、今お話しのように、任期つきで来られた、ある特定の能力を持った、スキルを持った方々が専門官として来られた場合に戻ることについては、これは何ら規制をしないものです。

平井委員 恐らく、民間でいろいろな専門分野を持たれた方が、これから政府のために一肌脱ごうという方はふえると思うんですよ。そういう方を政府がやはり積極的に活用するというのは非常に重要なことだと思います。

 先ほど資料で配らせていただきました「公務員制度改革の全体像」というのがありますね。我々は、この全体像を議論する中で今回の法案にまず手をつけたということですが、民主党さんの場合は、全体像というのではなくて、まず一番重要なのが要するに天下り規制であるということで今回のことを出されたというところが違いだと思うんです。

 さりとて、例えば労働基本権の問題とか人事院のあり方、特にスタッフ職制と定年延長の問題に関しては当然想定内の話だと思うんですが、その辺について民主党の所見を聞かせていただければと思います。

馬淵議員 これも先ほど申し上げたように、民間で行われているようなスタッフ制、専門職制度、あるいは定年延長の問題も、これは民間がこれから取り組まねばならない課題です。これについても、民間のその状況を見ながら、当然ながら制度を構築していかねばならないという形で法案には盛り込んでおります。

平井委員 大臣がお戻りになりました。今までずっと民主党さんとやっておりましたので、私の時間も限られておりますので。

 これは皆さん方がやはり一番気にするところだと思うんですけれども、今回の法案は、能力・実績主義と再就職規制が基本的な内容なんですが、能力・実績主義を導入するねらいはとなりますと、最終的に年功序列をなくしていこうということだと思うんです。能力、実績によっては例えば給料に影響するということも、下がるということもあり得ると思うんですが、その辺について大臣、どのようにお考えでしょうか。

渡辺国務大臣 今回、能力・実績主義を導入いたしますと、評価が給料とポストに結びつくということが行われるわけでございます。今まで、評価をやっても、それが給料、ポストに結びつかないという現実がございました。したがって、今回の法改正によってその点を明確にするということでございます。

 能力・実績主義を導入するねらいというのは、採用試験の区分とか年次によらずに、優秀な人には若いころから政策の企画立案などの仕事のチャンスを与えよう、公務員のやる気や情熱、モチベーションを高めていこう、そういうことによって、公務員に対する国民の信頼回復にもつながっていくだろうということでございます。

 今回は、分限の規定も改正をいたします。人事評価または勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合には本人の意に反する降任を行うことができると明確にしております。人事評価に照らして、勤務実績がよくない場合には下のポストに降格されることもあります。あわせて、給料の面で下がるということも当然あるわけでございます。

平井委員 先ほど民主党さんとやりとりしていたのは、早期退職勧奨の禁止という民主党さんの案の規定なんですよ。これは大きな政府につながる懸念があるのではないかというふうに私は指摘をさせていただいたんですが、今回の民主党案の退職勧奨全面禁止ということについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。

渡辺国務大臣 能力・実績主義を導入して年功序列がなくなってしまえば、勧奨退職をやる理由もなくなるでしょうね。

 つまり、今なぜ勧奨退職が行われているのかといったら、これは年功序列で人事をやっているからですよ。ですから、スーパー護送船団方式になっているわけです。同期が自動的に持ち上がって、課長になるのに二年かせいぜい三年ぐらいしか差がつかないということでありますから、ポストがあるうちはいいけれども、ポストがなくなったらもう外側に押し出すしかないじゃありませんか。ですから、まさに今回の能力・実績主義の導入というのは、こうした法律に書いていない慣行も同時に是正をしていくということにほかならないわけでございます。

 退職勧奨という制度は、一方において、人員の規模とか人件費の制約のもとで用いるべきツールの一つでありまして、そういうことは民主党の方ではどう考えているのかは全くわからないということではないでしょうか。

平井委員 今回の法案、聞けば聞くほど、能力・実績主義こそ重要なポイントである、要するに天下りだけの問題ではないということがよくわかります。

 そういうことも含めまして、大臣にお聞きをしたいのは、多くの方々がもう一つ指摘をなさっていることですが、官民人材交流センターが機能するのかどうなのか、機能させるためにどのように取り組んだらいいのか。官民人材交流センターが行うあっせんであれば押しつけ的とはならないと担保できる理由をもう一度確認させていただきたいと思います。

渡辺国務大臣 これは押しつけにはなりません。

 今やっております天下りあっせんというのは、人事の一環としてやるわけですよ。各省において、受ける方も含めて人事の一環でありますから、二回目、三回目のあっせんも人事で動かすわけですね。ですから、これはまさしく、国民のサイドから見ると、予算と権限を背景にした押しつけ的あっせんによる再就職だと見えてしまうわけでありますから、だったら、これを根本から断ち切ろうということで、各省によるあっせんというものを全面的に禁止するわけでございます。

 その前提で官民人材交流センターはあっせんを行うわけでございまして、これはまさしく中立的な機関なんですね。各省の予算と権限を背景にしてやっているものではなくて、全く再就職の支援、こういう観点から行われるわけでございまして、ですから、当然のことながら、これは再就職をする職員のキャリアコンサルティングもやりますし、求人開拓も行いますし、まさしく今までのやり方とは全然違うということでございます。予算、権限と隔絶された機関でやるわけでございますから、およそ押しつけ的などということはあり得ないということでございます。

 また、間違ってもこれがトンネル機関にされては困りますので、このセンターの原則として、まず、センター職員は出身省庁の職員のあっせんは行わないということを明確に打ち出しております。人事当局と企業等との、企業等というのは非営利法人も含むということですよ、直接交渉を禁止するわけでございます。業務の透明性を確保して、外部監視機関による厳格なチェックも同時に受けるということでございますから、これはまさしく天下り根絶、押しつけ的なあっせんの根絶ということが言えようかと思います。

平井委員 先ほどの、一つ前のテーマに戻りますが、退職勧奨全面禁止という話なんですが、民主党案のように早期退職勧奨全廃を行った場合にどのようなことになるのか、これはちょっと政府参考人にお聞きしたいと思います。

戸谷政府参考人 お答えいたします。

 早期退職勧奨を全面的に取りやめるということになりますと、勧奨により退職するはずであった職員が引き続き公務にとどまりますので、現在、総人件費改革に基づいて定員の縮減等々の作業を行っている現状におきましては、新規採用、中途採用の大幅な抑制、これに伴う人事の停滞等が避けられないということで、組織活力の維持等について心配をするところはございます。また、高齢の職員の割合が上昇するということでございますので、人件費についてもどういうふうに考えていくかということも考えられると思っております。

平井委員 つまり、新規採用はできない、人件費は膨らむ、高齢化するというようなことになってしまうんですね。これはもうしようがないと思います。

 民主党さんは、どうせその後、要するに、数年間をもって大リストラをして、業務を見直して、根本的にやり変えるという話でしょうが、一時的にはそうならざるを得ないというのはもう事実だと思います。

 もう一つ、口きき期間の問題です。これは何年がいいのかというような問題なんですが、離職後二年間と設定をされておりますが、大臣、この根拠といいますか理由について、少し御説明を願えませんでしょうか。

渡辺国務大臣 離職後二年間と設定をいたしましたのは、元職員が現職職員に対して有する影響力によって公務の公正さが損なわれるおそれと、元職員の有する職業選択の自由等とのバランスを考えまして、現行の事前承認制度が離職後二年間の規制としていることも踏まえて、離職後二年間の規制としたものであります。

 今回の口きき規制というのは、当初は、不正なものだけに限っておりました。しかし、それでは余りにも不十分であろうということで、元職員の現役職員に対する働きかけを外形的に禁止したところでございます。これは、既に民間人となっている元職員の職業選択の自由や勤労の権利に対する非常に強い規制となるわけでございますから、規制期間については、必要かつ合理的な期間に限定をされる必要があると考えて、二年間にしたわけでございます。

 さらに、官民の闊達な交流というものも今回促進をしようと考えているわけであります。したがって、民間から経験を積んだ方が公務の世界に入ってくるという場合に、その後再び民間に戻って活躍してもらうという場合に必要以上に長い期間の規制をかけるというのは、こうした官民交流も阻害する要因になって望ましくないということで、離職後二年間の規制としたわけでございます。

平井委員 わかりました。そうだと思います。

 もう一つ、先ほどの、官民人材交流センターの話に戻させていただきたいんですが、この独立性、透明性を確保するというのは、国民の側から見て非常に重要だと思います。

 そうなりますと、その詳細設計を行う有識者懇談会が極めて重要になってくるんだと思うんですが、こういうものは、お手盛りになってしまうと、またクローズな議論になってしまうと、非常に私はこの法案の趣旨からいって問題だと思うんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

渡辺国務大臣 まさに御指摘のとおりだと考えます。

 したがって、この有識者懇談会で、実務といいますか具体的な詳細設計を行っていただくのに、閣議決定で出されました大原則の抜け穴になるようなことばかり考えるような人がたくさん集まっては困るわけでございまして、そういうことにならないような人選を進めるべきだと考えております。

平井委員 人選もさることながら、その議論もできるだけオープンにしていただきたいなということを要望させていただきたいと思います。

 もう一つ。この法案を我々が今通そうとして努力していますが、せっかくいい法案を提出させていただいても、法案が通るまでに駆け込みの天下り的なものが横行しては法案のイメージダウンになってしまうんではないかというふうに思うので、その辺のことに対する一定の気配りというのが必要ではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 御指摘のように、移行期間は各省あっせんを残しております。しかしながら、こういう画期的な制度改正が行われるというのであれば、当然その精神は前倒しで実践をしていくべきものと考えます。したがって、予算や権限を背景にした押しつけ的なあっせんを駆け込み的に今のうちからやってしまおうというような考えがあるとすれば、これは心得違いも甚だしいと言わざるを得ません。

 昨今、いろいろな具体的な事例がにぎわわしておりますけれども、個別の問題については言及はいたしませんけれども、一般論として、新法が施行されて一元化後は、各省あっせんがOB人事についても行われたというのであれば、これはアウトになるわけでありますから、その精神は前倒しで実践をしていく必要はあろうかと思います。

平井委員 今回の法案といいますか、これは本当の大改革なので、霞が関にとればまさにパラダイムが変わるような大きな話ですから、民間の方々もまた内部の方々も、これは一生懸命、一緒に知恵を出し合って頑張っていかなきゃいかぬのだというふうに思います。

 それと、先ほど「公務員制度改革の全体像」というペーパーで民主党さんともいろいろお話をさせていただいたんですが、やはり今回の法案だけでは不十分だ。来年の通常国会に予定されているプログラム法、引き続き、あとは減量会議の方でやられている、要するに公務員の仕事を減らしていくということが非常に重要だと思うんです。

 これは民主党さんも賛同していただいていて、それがないと最終的な、総人件費、GDPに対する人件費の問題とか、定数とか実員の問題とか、定員の話だけではなくて実数の問題、そういう問題の要するに具体的な公約というものが実現できないんだと思うんです。私は、ぜひ、この公務員制度改革全体をやる流れの中で、そういう徹底した業務の見直しと、あるべき公務員の姿というものをもう一度明確にしていかなければならないと思います。

 この法案は非常に重要である、しかし、多くの方々が不安に思う面もあるというのは、やってみないと結果がわからない部分も正直あります。そういう中で、一番重要なことは、ぶれない強い決意だと私は考えています。その意味で、この国会でぜひ本法案を通していただきたい。そして、法案を通した上で、来年の通常国会に向けて全体像をさらに明確にし、そして、先ほど言われたとおり、小さな政府、筋肉質の政府という明確な方向に向かって具体的なアクションプランを起こしていく。このあたりをトータルパッケージで、強いリーダーシップのもとに進めていただきたいと思うんですが、大臣の御決意を最後に聞かせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

渡辺国務大臣 安倍総理の決意、本気度、これはすごいものがございます。これを我々は肝に銘じてやっているわけでございまして、この点を見誤る人は大変なことになるかと思います。

平井委員 私の質問を終わります。ありがとうございました。

河本委員長 次に、後藤田正純君。

後藤田委員 きょうは質問の機会を与えていただきまして、渡辺大臣、ありがとうございます。また、民主党さんは、スナイパーの異名をとる馬淵さんに質問をさせていただく機会を与えていただいて、大変光栄でございます。

 先ほど来の議論を聞いておりまして、法律というのはいつも完璧とは限らない、完璧な法律というのは多分全会一致で決まるんだろうし、また時間軸というものも大変大切だと思います。まだまだ現状分析ができていない、しかし、そういう大きな目標は持つんだということ、それぞれ民主党案にも政府案にもあると思うんですよ。だから、それをお互い先送りだ何だと、そういう議論というのは非常に意味のない議論だ、私はそう思います。いわゆる慎重に審議するというのは、見方によっては先送りみたいに言われる、この批判のし合いというのは国民にとって絶対よくないというふうに思いますので、これからの議論は、内閣委員会はこの公務員改革法案、ぜひそういう議論を皆さんでしていただきたいというふうに思います。

 私は、身内にも役人出身で政治家がおりまして、常に言っていましたのは、昔の内務省というのは常に天下国家を憂えて、そしてまた滅私奉公、これは当たり前のこととしてやっていたと。出身省庁の予算の要望が来ても非常に厳しかったらしいんですね。ただ、そうじゃない政治家が結構多い。また、役人の方も、先ほどの議論でもございましたが、今回、天下りの問題、そしてまたそこに発生する随意契約、そしてまた談合の問題、その他不正、これがあったからそもそもこういう議論になっているわけでありまして、でも、実は、公務員倫理要綱ですか、あそこにはしっかり書かれているんですけれども、やはり倫理を守らないとまた法律をつくらなきゃいけない。

 政治家も、いろいろな事件が与野党ともにあって、そういった問題が起こるたびに法律をつくって縛り上げる。また民間と公務員が飯を食えなくなって、それで情報交換もできなくなってというのも、いろいろ出てきている。だから、倫理とか道徳というのを、本当に今の日本人というのはほとんど法律で縛ってしまう。

 刑法だってそうですね。まさに、つくった人間が自分でつくった刑法で捕まってしまったという歴史もあるわけでございまして、ぜひ、改めて、省益を忘れて国益を思えという先輩公務員出身の人間が言った言葉を国家公務員の方々がもう一度考え直せば、そもそもこんな法律をつくらなくてもよかったんじゃないかな、私はそう思うわけです。

 今、公務員批判をいろいろ皆さん、メディアも含めてやるわけであります。また、医者に対してもいろいろな批判をしますね。もうけ過ぎだとか、やれ事故があったら、これは本当に過失責任が問われるものは厳正なる処分をすべきですけれども、何も事故を起こそうと思って、殺そうと思って医療をやっている人はいません。人の体を切ったら我々一般人は傷害罪ですけれども、人の体を切ることをお医者さんというのは医師法で認められているわけです。そういった方をまた批判して、今はお医者さんの中でも難しい医療をやろうとする医者がほとんどいなくなっている。

 国家公務員の中でも、ある省庁にはある大学から志望者がゼロだったとか、あと、政治家もそうですね、議員宿舎がどうのこうのと言って、いろいろな批判を浴びて、いろいろなパフォーマンスやいろいろなことをして、いろいろやっている。私はそろそろ赤坂に引っ越そうと思っていますけれども。

 そしてまた同時に、学校の先生もそうですね。いろいろな、ちょっとした問題があると、学校の先生批判をして、教育再生会議も、私ら実は有志で意見書を出させていただきましたけれども、あんなふうに、また寄ってたかっていじめる。

 つまり、何が言いたいかというと、やはり民主主義のコストはかかるんですよということを国民の皆様と再契約しなきゃいけない。ぜひ与野党ともに一緒になってその理念を我々は議論すべきだと思うし、議院内閣制という中で、そして議会制民主主義というものがあって初めて日本という国が動かされているわけですから、そこにコストというのはかかるんですよということを国民の皆さんに改めて考えてもらいたい。

 そして、きょうはちょっと資料提出をさせていただきました。尊敬する村上誠一郎先生がある新聞に投稿されまして、その中の資料で人事院調べですがコストというのを一つ、一元的な見方かもしれませんが、年金額の試算についての資料を添付させていただきましたので、これは今、この三十分の間、お時間があったら見ていただきたいと思います。

 そんな中で、まず最初に、あるべき公務員像ということについてそれぞれ質問をさせていただきたい。

 私がいつも引き合いに出すのは憲法第十五条なんですよ。憲法第十五条には、公務員の選定、罷免というのは国民固有の権利であると書いてある。その次に、「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と書いてあるんですね。だから、参議院の職域代表候補というのは厳密にはちょっと違反するんじゃないかなと一瞬思ったこともあるんですよ、これは与野党ともにですけれども。そんなことを言ったらある先輩に怒られたんですけれども。要は、その基本があれば、僕は公務員の方の再就職というのはやってもいいのではないかなと。

 今回の議論を今まで聞いていると、天下りの見直し、禁止という議論がそれぞれ与野党出ているんですけれども、与党の場合は、天下りというものを再就職という、新たな人材バンクという一つの皿をつくってやったらどうだと。そこで能力がなくて変に売れ残っちゃった公務員というのは、これは大変悲惨なんですよ。そういう公務員になったらもう恥ですね、恐らく。だから、そういう人は多分努力しますよ。そういうモチベーション、インセンティブも与える一つの案だなと思いますし、それは一定の評価を私はしたい。そしてまた、それを見ながら、それが本当に機能しないのであればまた見直していけばいいというふうに思うんです。

 民主さんの方は、天下りすべて禁止、つまり、言いかえれば再就職をも禁止だということですよね。でも、これは、僕は思うんだけれども、国民の税金を使って厚生行政、農水行政、外交もずっとやってきた人を十年間もたなざらしにして、何にも世の中がこれを利用しない、活用しないというのは、本当に国家としてはちょっと損失になるんじゃないかなと。そこで、さっき言ったような随契とか談合とか不正とか、それがなければ大いに活用してもらいたい。ただ、民主さんはそれを自分でやりなさいということなんですかね。

 ただ、それは不得意、得意も結構あったり、ニーズのマッチングとか、こういうのも結構やはりありますよね。民間は、それで派遣業とか請負業とかが今どんどん上場したりなんなりしてぼろもうけしているわけですよ。ハローワークも機能している。ハローワークは、ほとんど八割方民営化したんだけれども、あと政策的なものだけが残って、それまで市場化でやれと言われて今大変なことになっていますけれども。ただ、そういう人たちが介在しない、自分で売り込めない人というのもやはりいると思うので、その点は私は、ある一時的なといいますか、人材バンク政策というのは重要だなというふうに思います。

 それで、先ほど来、馬淵議員も官民のイコールフッティングというふうにおっしゃるんだけれども、公務員というのは、民間企業と違って一部の奉仕者にはなれないんですよね。全体の奉仕者である、憲法に書いてあるとおり。全体の奉仕者である公務員と民間を、何かいつも、官民イコールフッティングだ、イコールだというんだけれども、そこのやはり矛盾というのが当然出てくると思うので、済みません、長くなりましたが、その点を含めて、大臣と民主党提案者に、あるべき公務員像についてどのように考えているか、御意見をいただきたいと思います。

渡辺国務大臣 我々は、官と民の垣根は低くしようと考えております。一方において、公務員が定年まで働ける、そういうルートもしっかりつくっていこうという方針でございます。

 やはり我々の進むべき方向性は、小さくて効率的な政府であり筋肉質の政府であるということは変えようがございません。このコンセプトを支える国家公務員は、高い気概、使命感と倫理観、すぐれた企画立案能力、管理能力、これを持った人たちに集まっていただかなければならないわけでございます。

 では、こういう資質を備えた人たちは、学校を出てからずっと公務員でなければいけないのかというと、必ずしもそうではないと思います。民間にも優秀な人材がいます。今、成績優秀な人が国家公務員試験をパスして霞が関に来るかといえば、必ずしもそうでない状況が起こっているというのは、もう随分前から言われていることであります。やはりそういうことを考えれば、優秀な人材が集まるためには魅力的な職場でなければいけない。国民から見て信頼の集まる、そういう職種でなければいけないと思うのでございます。

 まさに、こうした国民の信頼をかち得る、そういう観点からも今回の国家公務員法改正は考えたところでございます。

馬淵議員 お答えします。

 委員御指摘のように、まさに公務員という職を選ばれた方、全体の奉仕者としてその使命を全うされるために職務に精励されているわけですから、こうした方々が本当に公のために働く環境というものをつくる、これが公務員制度改革のあるべき姿、私もそれは一に考えなければならないと思っております。

 その上で、しかしながら、今日における天下りに端を発する随契、先ほど申し上げたように、さまざまな事件に発展するもの、また税金の無駄遣い等々が起きるにつけ、国民の目からは、もはやこうした状況の中では、国家公務員がどんなに立派な仕事をされているといっても信用ならぬという声が、これは世論一般の声なんじゃないでしょうか。天下りについては大変な批判が起きている、だからこそ、政府・与党もこれに重い腰を上げて皆さん方が取り組んでおられると私も理解をしております。

 そうなったときに、本当に本質的な問題に我々は取り組まねばならない。全体のパッケージ論もありますけれども、私どもは、その中では、これはまずは肩たたきの禁止。慣行、制度として早期退職という制度があるがゆえに、勧奨制度があるがゆえに、その方々の再就職を何とかしなければならないという本末転倒が起きているわけでありまして、我々は、何もこれで縛るという話でもなければ再就職をさせないという話でもありません。離職前の五年間にかかわる、その権限に基づいたところでは就職はできないということで五年間の天下り禁止を定めていますが、離職前五年間の権限にかかわらないところであればこれは可能なわけですから。

 繰り返し申し上げますが、官民のイコールフッティングというのは、つまり、自分たちの人生は自分たちみずからが切り開くんだというこの当たり前の意識を公務員の皆さん方に持っていただくべきではないのかということを申し上げているわけでありまして、全体の奉仕者と一部の奉仕者との違いというのは重々理解をしながら、その上では能力・実績主義やあるいは役職定年等々、総人件費の抑制、これは我々は、定数ではなく総人件費で三年二割という目標数値を掲げてやろうとしておりますので、委員の御指摘の部分は、むしろ私ども民主党案の方が実現できる法案に近いのではないか、このように考えています。

後藤田委員 今、民主党さんのお答えで、総人件費、先ほど来、二割のリストラというのは……(馬淵議員「三年二割削減」と呼ぶ)削減ですか、これは人員の削減……(馬淵議員「人件費」と呼ぶ)人件費ですね。

 あと、これは通告していないですけれども、その二割の根拠というのは、当然、省庁再編も含めて、そしてまた、実際に地方公務員と国家公務員というのが海外に比べて人口比で多いのか少ないのかも含めて、そしてまた、国会の中でも、質問を当日出してきて、それまで夜中に徹夜させるような、そんな政治家がいっぱいいるから国家公務員は仕事がふえるわけだよね。同時に、それぞれ政策調査会があるんだからそこで聞けばいいのに、またそれぞれ国対を開いて、特に我が党は、一回生議員は国会対策委員になって、そこでまたわざわざ説明させられて、これはもう役人もたまったものじゃないと思う。

 だから、そういうことも含めて絵をかいて、削減をするということなんでしょうか。それだけちょっと教えてください。

馬淵議員 お答えいたします。

 先ほど御指摘の部分は、三年二割、この人件費、当然ながらに、この国の行政のあり方ということを考えた上でこれは我々は目標を設定しているわけでして、先ほど申し上げたように、我々が政権与党となった場合には、行政刷新会議というのを設けて、事務処理、事務職について徹底的な見直しを図る。これは平井議員にもお答えをしましたが、当然ながら、業務プロセスそのものから見直さねばなりません。それなくして、単に金額を削るんだという話ではありません。そもそもこの仕事が何のために必要なのかというところから見直しが必要なわけでありまして、それを行政刷新会議の中で行うということであります。

 これは与党の中でもお考えの部分かもしれませんが、私の方から見れば、総人件費、私どもはこれを申し上げているわけでありますが、与党は、政府案においては定数削減のみでありまして、また一方で、GDP比率の話もありますが、これは郵政公社の部分をそこに盛り込んでしまったり等々、いささかその目標設定には問題があると私どもは考えておりまして、我々は、明確に総人件費を削減するんだという目標のもとに掲げた法案であります。

後藤田委員 そういう意味では、では省庁再編の全体像とかはまだこれからということですね。

 だから、そういう意味で政府案も、先ほど平井議員が出された資料にありますとおり、優先順位から段階的にやっていくという意味では、やはり法律というのは時間がかかるもので、経過というものはやはり必要だなということを改めて今回わかったんですけれども。

 だから、政府・与党としては、社保庁の問題も含めて、リストラという言葉は僕は余り好きじゃないけれども、削減というのは今まで言ってきましたよと。今回ないだけで、それは今まで言ってきた。今回は、天下りというものを再就職という形にして、なおかつ人材センターというのもつくって、あと人事管理もしますよということ。また民主さんは、再就職も禁止だけれども、さっきお答えがあったように、それは物によっては認めますよという話と、リストラ、総人件費抑制。そういう違いなので、そんなに違いがないのかなという気もしないでもないんですけれどもね。

 そんな中で、僕がちょっと個人的にやっている、これは通告していませんので感想だけ聞かせてもらいたいんですけれども、例えば社会保険庁の問題で、社会保険庁というか、いわゆるわたりですよね。わたりというのはよく言われる言葉で、何か七十過ぎてもいまだに、どこかの公益法人だか何だか知らないけれども、そういうところにどんどんどんどん三つ、四つ渡っている、偉い局長級というか事務次官級の人。これは大臣、来年にはなくなるんですか。ちょっとそれだけ聞かせてください。

渡辺国務大臣 政府案では、わたりあっせんについて、現職の人事当局が絡んでやっているという場合には、そのかかわった者については懲戒処分の対象としております。したがって、これは公務員の世界では大変厳しい制裁でございますから、当然、優秀な公務員がそういったことをしなくなるというのはあろうかと思います。

後藤田委員 ぜひ一般的な天下りの中でも、多分、先ほど来大臣がおっしゃった、国民の信頼をかち得るために国家公務員はあるべきであって、そしてまた今回政府案でやる気を、誇りを取り戻させるという観点、これは民主党さんにはない部分で、僕は、これはやはり重要である。ただ、そういう公務員の方々に、さっき言ったように、本当にだらしない国会議員のために時間を使わせるようなことはしないように、ぜひ安倍総理にもその点、それは極めてわかりやすいから。

 それと同時に、先輩の、ある幹部になった以上の人たちがわたりで本当に何千万も給料をもらって、やめるたびに退職金をもらって、こんなのを聞いたらみんなやる気がなくなりますよ。もしかして、でも、そこに到達するための競争がそこで働くのかもしれませんけれども。

 それで、社保庁問題。政府も与党も一生懸命やっている割に、僕はあの社会保険庁問題というのは大問題だと思っていますし、林副大臣も当時、党にいるころ、大変な御活躍をされて改革されましたけれども、当時の問題を起こしたであろう社会保険庁長官経験者がいまだにわたりをしているんですよ、理事長とかどこかに。これは何度となく言ったんですよ、僕は自民党の党の部会で。

 だから、百歩譲って、問題がなかったら、今までの制度だったら仕方ないかもしれないけれども、あれだけの問題を起こした社会保険庁長官経験者が、あの問題を起こしたんだから、はっきり言って能力ないですよ、当然罰せられるべきだし、財産権の問題があるからあれですけれども、給料全部差し押さえでもいいぐらいですよ。

 その人間をいまだに、大臣には資料を渡していますね、そのことを、必要があれば厚生省の審議官にもう一回聞いてください、資料を持っていますから。プライベートだということでいろいろ最初は抵抗しましたけれども、与党ですら抵抗するんだから、民主党さん、これは本当に大変ですよ。そんなことをやっているから、こうやって罰が当たるわけです、公務員改革で。

 それをぜひ、これはいいことですから、民主党さんに申しわけないけれども、しっかり参議院前に発表して、そいつらを全部首にしてください。それぐらいの気持ちが大臣になければ、この法案を出す資格はないと思います、失礼かもしれませんけれども。それをぜひ厚生省、厚生大臣また総理と、もう一回資料を読んで、これはおかしいと思う。もちろん、実力でどこかのメーカーに入った人は、それはおとがめしてもかわいそうだ。だけれども、関係するところにいっぱいまだいましたよ、私がつい最近調べたら。これは、質問するぞと言っていてしないからなめていたんだけれども、きょうこういう機会を与えていただいたので、質問をさせていただきました。

 それと、林副大臣にお伺いしますが、新たな任用制度におきましては、これまでになかった採用昇任等基本方針というものを新たに作成することになっておりますけれども、その趣旨についてお伺いしたいと思います。

林副大臣 ありがとうございます。

 今回の法案では、今委員が御指摘になりましたように、人事を行うに当たっては、採用年次や採用試験の種類にとらわれてはならない、これは大臣からも先ほどお話があったとおりでございまして、人事評価に基づいて適切に行わなければならないと明確に法案で規定をして、そして、標準職務遂行能力等を任用に当たっての判断基準とする能力本位の任用制度を構築する、こういうふうなことによって能力・実績主義の人事管理を徹底する、こういうことで書いております。この人事管理は各任命権者が具体的にはおやりになるので、これを徹底するため、採用昇任等基本方針というのを全体として定めまして、そのとおりに各任命権者においてはやっていただく、こういう趣旨でこういう採用昇任等基本方針を策定するということにいたしたところでございます。

後藤田委員 それでは、これに関連しまして総務省さん、この新たな任用制度の導入に伴いまして、新たな人事評価制度の確立というものがもう一つ大きな柱になっていると思うんですけれども、人事評価については現在試行を進めていると聞いているんですが、その状況と今後のスケジュールについてお伺いしたいと思います。

戸谷政府参考人 人事評価システムでございますが、評価の試行は、平成十八年に本府省の課長級及び課長補佐級の職員を対象にまず第一次をやっております。本年一月から、対象範囲を本府省の係長、係員クラスまで拡大して、約九千人の職員を対象に、六月までを評価期間として第二次の試行をやっております。

 今後でございますが、第二次試行までの対象職員はまだ本府省の職員のみということでございますので、今後、地方機関、専門職種、こういうところにつきましても対象範囲を拡大して試行を行い、評価項目、評価基準等の検証を行う必要があるということで取り組んでいきたいと考えております。

後藤田委員 またこれに関連して人事院さんに、現在行っているのがまさに事前の承認制度だと思うんですが、その現状と評価についてお伺いしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 現行の国家公務員法百三条では、職員は、人事院の承認を得た場合を除いて、離職後二年間は、その離職前五年間に在職していた国の機関等と密接な関係にある営利企業に就職してはならないというふうに定めております。

 現在の手続では、人事院が具体的な承認基準を定めまして、本府省課長相当職以上の職員については人事院がみずから承認を行い、それ以下の職員につきましては、役員につく場合を除きまして、各府省の長に権限委任を行っております。年間の承認件数は、昨年の場合ですと、人事院承認分で七十件、各府省承認分で六百十一件となっております。

 人事院といたしましては、この制度につきまして、公務に対する国民の信頼を確保するという観点に立って厳正な運用の確保に努めてまいりました。この制度というのは、その趣旨の実現に向けて一定の効果があったというふうに考えております。

後藤田委員 民主党さん、このように人事評価というのはなかなかグレーなところがあって、正直難しいなという気がするんですよね。

 民主党案では、営利企業以外の事業の法人その他の団体の地位につくことを原則禁止していますね。では、例えば環境省の職員が、離職後に自然保護のNPOに参加する場合も規制されるんでしょうか。こうした規制によりまして民間公益活動が阻害される可能性もあると思うんですが、その点なんかどうなんですか、一つの例として。

    〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

鷲尾議員 お答えいたします。

 民主党の予備的調査によって、国と密接な関係にある公益法人等への天下りによって膨大な税金が無駄遣いされておるということが明らかになったわけですけれども、だからこそ民主党は、営利企業以外の事業の法人その他の団体への天下りも規制しなきゃならない、まずこれは基本的にそう考えておるわけです。

 委員が挙げられた例でございますけれども、当該NPOが、職員の離職前五年間に在職していた国の機関等と一定以上の契約を行うなど密接な関係にある場合には、そのNPOには原則として参加できないということになります。ただ、そのような密接な関係にない場合は、人事院の承認を得て再就職することは可能であります。

 ですから、民間公益活動が阻害されるということはあり得ないと考えておるところです。

後藤田委員 政府もこれからその評価制度を導入する。今の民主党さんのお話、今までの人事院の評価、これは本当に難しいところが結構あると思うので、ぜひこの点、政府案もこれからしっかりとした評価のあり方、これは竹を割ったようにできるのかな。

 例えば警察庁出身の人で、いろいろな会社の顧問をやっていますよね、いっぱい。でも、これは何だかんだ、何で警察の人を入れるかというと、やはり安心ですよね、企業にとってみたら。それは、いろいろな情報とかいろいろなお願いとか、でもそれが、ではいいか悪いかというのは非常に微妙だったりすると思うんです。(発言する者あり)用心棒代みたいな、そんな気もしないでもないので。

 だから、そこら辺が非常に微妙だと思うので、そういう意味では、いろいろな形で縛り過ぎると、本当に余りよくないのかなという気がします。

 最後、ちょっと時間になりましたので、我々政治家もそうですが、公務員さん、世の中全般、やはり人間は理想だけじゃ動けない時代に、昔と比べると相対的に、理想と利益があって、理想の方が上回るのは多分、昔の方が国民的にそうだったような気がします、僕は。今は利益主義が盛んになった。理想と利益というのは利益の方が何か上回る、これが村上であり堀江でありみたいなものですね。お金がないからひがんで言うわけじゃないですけれども、格好悪いと思うんですよね、お金はあるけれども彼らの活動というのは。はっきり言って、人として。

 だから、やはり公務員で女の人にもてるみたいな、そういうのも若い公務員には必要だと思いますよ、僕ははっきり言って。お金を持っているああいうベンチャーの人たちがおねえちゃんをはべらせているような世の中はおかしいわけであって、国家公務員とか本当に、勤務医の問題もありますけれども、本当に寝る時間もなく働いている者が世の中に評価される、自衛隊の職員だってそうですよ、警察の職員だってそうです、こういう世の中にしていっていただきたい。

 政治家と公務員というのは国民の生命財産を守るというのが第一義の使命でありますけれども、やはり守る側の、我々国会議員もちょっと加えてもらいたいけれども、公務員の財産権、生命、これをしっかり守る見立てにしていっていただいて、新しい日本の公務員制度改革をぜひ渡辺大臣、歴史的な事業でございますので、しっかりおつくりいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

戸井田委員長代理 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一です。

 先日の本会議の代表質問に続きまして質問させていただきます。

 代表質問でも申し上げたんですけれども、まず、天下りの抜本的改革。政府の定義でいうと、天下りというのは予算や権限を背景にした押しつけ的なことだから、今回の法案で天下りはなくなる、こういうことかもしれませんけれども、再就職改革ということになるかもしれませんが、私は、天下りあるいは再就職をしなくて済む人事のシステムを構築することが極めて大事だというふうに思っております。

 これは渡辺大臣も本会議で答弁されていましたが、能力・実績主義の人事を導入すれば、従来のように、同期が横並びで順次昇進していく、だからラインのポストがなくなるとやめなきゃいけないというような形は、この能力・実績主義が徹底されていけば恐らく少なくなっていくと思いますので、それを期待すると同時に、あわせて、定年年齢の引き上げ、そして重要なのは、ラインのポストにつけなくても専門スタッフとして勤務し続けることができるという専門スタッフ職を整備していく。このことによりまして、早期勧奨退職、これは制度ではなくて慣行でございますね、慣行をなくしていくということが重要かと思います。

 大臣の御見解を伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 まさに石井先生御指摘のとおりだと思います。やはり、今の早期勧奨退職が年功序列人事の延長線で行われているというのは大現実でございます。したがって、この年功序列という法律に書いていないプラグマティックルールを変更することによって、霞が関国家公務員カルチャーは大転換をしていくものと考えております。

 同時に、定年までそれぞれの能力を生かした仕事ができるようにすることも大事であります。国家公務員には優秀な人たちが集まってきているわけでございますから、この専門スタッフ職というものを、創設を決めたのが平成十六年でございました。安倍内閣においては、昨年に、人事院に対して早く俸給表をつくることを要請しているところでございまして、こういった専門スタッフ職がきちんとできるようになれば、定年まで公務員人生を全うできるという線ができるかと存じます。

 いずれにしても、専門スタッフ職や定年延長、それから採用から退職までの人事制度全般の課題につきましては、総理のもとに有識者会議を設け検討を進めることにいたしております。

    〔戸井田委員長代理退席、後藤田委員長代理着席〕

石井(啓)委員 ぜひお願いしたいと思います。

 続いて、ことしの四月二十四日付の閣議決定の「公務員制度改革について」、これによりますと、今申し上げた専門スタッフ職については「早期導入を目指す。」というふうにされておりますけれども、これはいつごろの導入を目指しているのか確認をしたいと思います。

 また、今、人事院の方で専門スタッフ職の俸給表を検討されているというふうに承知をしておりますが、その検討の状況、特に専門スタッフ職の具体的なイメージと人事院の方の勧告の予定の時期を伺いたいと思います。

林副大臣 今委員からお話のありました専門スタッフ職、これは大変大事なものでございまして、政府といたしましては、昨年の十月に、専門スタッフ職の俸給表の新設に関しまして、早期に具体化について検討を進めるように人事院に要請をしているところでございまして、平成二十年度から導入を目指したいと考えておるところでございます。

谷政府特別補佐人 人事院といたしましては、かねてより、行政の多様化、複雑高度化に対応いたしますために、公務において職員が培ってまいりました高度の専門的な能力や経験を活用いたしますとともに、ただいま御指摘ございました在職期間の長期化に対応する観点から、複線型人事管理の導入に向けての環境整備といたしまして、専門スタッフ職を対象といたしました俸給表の新設の検討を進めてまいりました。

 この専門スタッフ職を対象といたします俸給表の具体化に当たりましては、まず、各府省において、複線型人事管理の具体的内容でありますとか専門スタッフ職の対象職務について詰めていただく必要がございますので、現在、御検討いただいております。この各府省における御検討を踏まえまして俸給表の具体的な内容の検討を行っているところでございますが、現在考えておりますあらましの仕組みといたしましては、俸給表の適用対象につきましては、例えば、特定の行政分野に関する調査研究、分析、それをいたします。それから、ライン職の職員が政策立案を行うに当たりましての助言、提言を行うという職務、また、国際交渉の準備でございますとかライン職の交渉担当者のサポートを行う職務といったものを考えており、また、俸給表の級構成につきましては、三級構成程度の簡素なものとするというふうなイメージでございます。

 引き続き、各府省における検討の進捗状況を踏まえながら、本年夏の勧告も視野に入れまして、鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 ぜひ、早期の勧告とそれに基づく導入というのをお願いいたしたいと思います。

 この専門スタッフ職、どれぐらいの数をやるかということが実はこれから重要になってくると思うんですけれども、当初は本府省から導入するというふうに承知をしておりますけれども、私、先ほども申し上げましたように、やはり天下りをしなくても済むということが重要でございますから、少なくとも、キャリア組の相当数が定年まで勤め続けられるぐらいのスタッフ職はつくる必要があるだろう。そういうふうに当初からは一遍にふやせないかもしれませんけれども、徐々にふやしていく必要があるだろうと思います。

 それから、まず本府省からで結構かと思いますけれども、将来的には地方支分部局、特に東北とか関東とか、そういうブロック単位の地方支分部局にも導入してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

林副大臣 今総裁からもお話があったとおりでございますが、どういう職種をつくっていくか、調査分析、シンクタンク的機能、国際交渉、いろいろあると思いますし、また、我々、大事なことは、三級程度というお話でございましたけれども、このスタッフ職に枝分かれをしていく時期でございますね。例えば課長補佐段階なのか、課長なのか、このあたりも非常に大きなポイントだと思っております。

 また、環境といたしましては、スタッフ職を最初導入したときに、こちらへ出ていくのが、もう事務次官競争に敗れた、こういうようなイメージではなくて、こちらはこちらで非常にやりがいのある、また尊敬を集める仕事であるというような位置づけをきちっとしていくということが大変大事ではないか、こういうふうに思っております。

 そういういろいろな議論を、今委員が御指摘がございましたが、閣議決定をいたしまして、「専門スタッフ職の実現」という項目は、総理のもとに置かれる検討の場でもやっていくことになっておりますので、そういう場などを通じまして議論を深めて、今委員が御指摘になった方向に沿うように検討してまいりたいと思っておるところでございます。

石井(啓)委員 続いて、大臣にお伺いいたしますが、これも本会議で申し上げたところなんですけれども、来年、公務員制度の総合的な改革を推進するための基本方針を盛り込んだ法案を通常国会に提出される方針でございますが、私、公務員制度改革をパッケージとするためには、その法案に盛り込まれる具体的施策の施行時期は、官民人材交流センターが本格的に稼働する時期までに可能な限り施行すべきだと思うんですね。特に、退職にかかわる、専門スタッフ職の導入ですとか、あるいは定年年齢の引き上げですとか、こういったことについては、やはりなるべく時期を合わせてやるべきだというふうに考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 大変適切な御意見だろうと思います。今回、先行して能力・実績主義と天下り規制を導入するわけでございます。これがかなり強烈な処方せんであることは御案内のとおりでございまして、全体パッケージというものを、来年の通常国会を目指して、プログラム法案として国会に提出できるよう、総理のもとに有識者懇談会を置いて検討するわけでございまして、委員御指摘のような観点からも、スケジュール間隔は詰めていく必要があろうかと思います。

石井(啓)委員 続いて、公募制の導入と官民交流の拡大について伺いますけれども、公募制については、幹部職員について他府省及び民間を含めた公募による任用を推進すると思いますけれども、この対象になる幹部職員というのがどのクラスになるのか、また、その対象になる幹部職員のどの程度の割合を公募制の対象にするのか、そういう目標についてはどういうふうにお考えになっているのか。

 また、官民交流の方は、現状がどういう実態の数になっていて、閣議決定の方は「抜本的拡大」というふうに示しておりますけれども、抜本的な拡大の目標なり、あるいはそれに向けての課題というのがどういうことになっているのか、これを伺いたいと思います。

株丹政府参考人 二点、御質問をちょうだいいたしました。

 まず、公募制でございますけれども、四月の二十四日に閣議決定をされました「公務員制度改革について」の中で、「意欲と能力のある多様な人材を確保するため、幹部職員について」云々ということで、幹部職員という言葉が入ってございます。何割程度の対象という部分は入ってございませんけれども、閣議決定の中ではそのように触れられてございます。また、そういう点で考えますと、全体といたしまして、総理のもとに置きます有識者から成る検討の場で総合的、整合的な検討を進めるということとなってございますので、公募制をどのように導入するのか、それから、目標設定の取り扱いも含めて、どのように公募制を持っていくのかということにつきまして、この検討の場において検討が進められるというふうに承知してございます。

 なお、一つ参考でございますけれども、幹部候補職員の公募制の導入につきましては、ただいま申し上げましたように、意欲と能力のある多様な人材を確保するために推進をするということでございますけれども、これまでも、縦割り行政の打破等の観点から、各省の幹部の一割を目途で人事交流を行ってきてございます。その対象につきましては、本府省の課長クラス以上を基本、こういうことをやってきているということがございます。

 それから、官民の交流の状況でございます。双方向で今やっておるものとしましては、官民人事交流法で官民の人事交流をやってございます。直近、十八年の数字で申しますと、官から民へ交流派遣をしてございますのが十六名、民から官へ交流採用というのが七十二名ということで、官から民の派遣というのが、受け入れ側と比べますと少数にとどまっておるというのが一つの課題であろうかと思います。若干、最近、官側と経済団体とが共同して協力をしているということから増加傾向ではございますが、全体としてはまだ少数だと。

 それから、もう少し官民交流を広くとりますと、民間から国への採用というものは、今申し上げました官民人事交流法以外にも、任期つきで職員を採用する、研究員を採用する、こういう制度などがございます。そういう広い意味で見てまいりますと、直近、十八年の八月現在で、採用といたしまして二千三百九十三名という数となってございます。

石井(啓)委員 公募の目標なりあるいは官民交流の目標なりについては、目標設定の取り扱いも含めて検討ということのようでありますけれども、大臣、私、目標自体は設定した方がいいんじゃないかと思うんですね、どういう目標を設定するかというのはこれからの議論だとしても。この点についてはいかがでしょうか。

渡辺国務大臣 そのあたりも含めて、総理のところで設置します有識者懇談会で検討してまいりたいと思います。

石井(啓)委員 続いて、大臣に労働基本権について伺いますが、仮に基本権を付与した場合、大臣はそういう方向で積極的なお立場というふうに認識しておりますけれども、公務員の身分保障についてはどうすべきというふうにお考えなのか、御見解を伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 公務員の身分保障については、御案内のように、公務の中立性、安定性の確保のために設けられているものでございます。そういう概念整理からいきますと、地位の特殊性と職務の公共性から制約がなされている労働基本権の問題とは直ちに対比して論じられるべき事項ではないと理解をしております。

 また、政治任用とメリットシステムとの違いも、この概念整理の上に行われているものと思います。つまり、メリットシステムにおいては、公務の中立性、公正性、こうしたことを担保するために身分保障というものが置かれており、政治任用においてはそういうものがないということであろうかと思います。

石井(啓)委員 わかりました。この点については理解をいたしました。

 続いて、能力・実績主義の人事管理に移らせていただきますが、今回の法案の中でも、採用試験の種類や年次にとらわれない人事管理をするというふうにされていますけれども、このとらわれないというのがどういう意味なのか。

 例えば、専門職がございますよね。前からたくさんいろいろな専門職があると思いますけれども、そういう専門職だとかあるいは1種、2種、そういうことに全くかかわらずに人事管理を行うことになるのか、その点について伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 とらわれないというのは、字義どおりのことだろうと思います。採用試験の種類、年次にとらわれずに能力と業績評価だけに基づいて人事管理を行うというのが原則でございます。

 例えば、国家公務員採用1種試験合格者、キャリアだからという理由で、人事評価がよくないにもかかわらず同期横並びで昇進させるような人事管理は否定をされます。また、優秀な人材については、キャリア、ノンキャリアを問わず、若いころから政策の企画立案等を担う機会を与えられることになります。

石井(啓)委員 そういたしますと、将来的には、1種、2種、3種の試験区分というのをなくす方向でお考えでいらっしゃいますでしょうか。

渡辺国務大臣 そのあたりを含めて、先ほど来申し上げております総理のもとにつくる有識者懇談会で、採用から退職管理に至るまでの全体パッケージを議論していただくことになっているわけでございます。

石井(啓)委員 ますます公務員制度の全体的な改革像の重要性が示されたと思います。ここら辺は私どもも非常に注目をして、関心を高く持って見守らせていただきたいと思います。

 続いて、人事院の方に、先ほども若干答弁がありましたが、今試行されております人事評価の中で、平成十八年一月から実施された第一次試行の結果の検証と今後の課題について伺いたいと思います。

川村政府参考人 人事院は、総務省と共同で、平成十八年一月から六月にかけて、本府省課長級とそれから課長補佐級の一部を対象としまして、新たな人事評価の一次試行を実施しております。

 試行結果につきましては、試行の参加者を対象にアンケート調査を実施するなどしまして検証を行ったところでございます。アンケートの結果でございますけれども、おおむね肯定的な回答が多かったところでございます。

 今後の改善や検討を行うべき点といたしましては、評価の手法につきまして、業務が目標設定になじまないとか評価項目が職場にマッチしないなどの意見、それから自己評価や面接につきまして、負担感が大きいといった意見、それから評価内容のフィードバックにつきまして、期末面談などの場での指導とか助言が行われていないということで不満足といった意見が出されております。

 こうした第一次試行の結果を踏まえまして、評価基準等について必要な見直しやあるいはフィードバックにおきますきめ細かい指導助言を徹底しまして、本年一月より、本府省の係長級とそれから係員級にも対象を拡大しまして、第二次の試行を実施しておるところでございます。

 今後の課題でございますけれども、地方機関やそれから専門職種に試行の対象を拡大するということとともに、評価結果の活用のあり方ですとか、あるいはその開示、フィードバックのあり方、それから苦情に対処する仕組みなどにつきましてさらに検討を深める必要があると考えているところでございます。

 人事院といたしましては、実効性のある評価制度の整備に向けまして、今後とも努力してまいりたいと考えております。

石井(啓)委員 今の課題の中でも若干触れられておったと思うんですけれども、この能力、実績に基づく人事評価というのを任用や給与にどういうふうに反映をさせたらいいのか、そこの部分はこれからの検討だと思うんですが、それはどういうふうな方向で考えていらっしゃるのか。また、この評価ということの公平性や客観性をどういうふうに担保されるのか、評価に対する不服申し立ての制度というのはどういうふうに仕組まれていくのか。この点について確認いたしたいと思います。

林副大臣 大変根幹的な部分であろう、こういうふうに思っておりますが、まず、任用、給与へどう反映させていくのかということがございました。

 現在の試行ではまだそこまでいっておらないわけでございますけれども、本格的に導入されますと、任用におきましては、任命しようとする官職に必要な標準職務遂行能力及び適性の有無というのを人事評価に基づいて判断するということになってまいるわけでございます。

 また、給与については、一般職の給与法の八条による勤務成績に応じた昇給、また同じ法律の十九条の七でございますが、勤務成績に応じた勤勉手当の支給というものがございまして、この額の決定というものにこの人事評価が活用されるということになっていこうかというふうに考えております。

 まさにこういうふうに任用、給与等の基礎となるツールでございますので、職員の人事評価は、委員が御指摘がありましたように、公正に行われなければならないということでございまして、その旨を人事評価の根本基準として法定をしようということにいたしたところでございます。

 そして、この基準を具体化するために、人事評価の基準や方法等に関して必要な事項を今後政令で定めていくことになろうか、こういうふうに思いますけれども、先ほどお話がありました評価の試行によって、実際にやってみて、どういうふうにしていったらいいのかというのを今繰り返しやっていただいておりますので、そこから得られました実証的な知見というものを踏まえながら、評価者が行った評価結果というのを調整する仕組み、三百六十度評価というのを民間でよく言われておりますけれども、そういうことも参考にしながら、この調整をする仕組み等を定めていくということを検討しておるところでございます。

 また、この政令の制定に当たっては、職員が人事行政をやるに当たって公正にやってもらうということを所掌しておられます人事院の御意見も聞くということにしておりまして、こういうことと相まって、評価は公平、客観的にやられる、こういうことを確保してまいりたいと思っております。

 また、三つ目に、公平、客観性を確保していきながらも、評価でございますので、いろいろな不満、不服、疑問というような、苦情というものは出てくることも想定をされるわけでございますので、こういったものにきちっと対応していく仕組みをつくっておくことは大変大事だろう、こういうふうに思っておりまして、今、総務省さんが評価の試行の中心になっておられますので、そことよく連携して、きちっとしたものをつくってまいりたいと思っております。

石井(啓)委員 新しいことを導入するときにはやはりいろいろ課題が出てきますので、こういった課題に的確にこたえていただきたいと思います。

 それから、官民人材交流センターの方ですが、このセンターの設置、発足が平成二十年の年末までとなっております。そうしますと、これは二十年度の政府予算案に盛り込まなきゃいけませんね、人員あるいは予算等を。そうしますと、センターの制度設計というのは、これは相当、ことしの秋深くぐらいまでに決定をして、年末の予算案に盛り込まなきゃいけないという大変忙しいスケジュールになるんですけれども、このスケジュールで間に合うのかどうか、確認をしたいと思います。

渡辺国務大臣 そのスケジュールに間に合わせていただくには、ぜひとも今国会でこの法案を成立させていただきたいと思います。その上で、夏の概算要求に間に合うように有識者懇談会を立ち上げ、さらなる詳細設計を行ってまいりたいと考えているところでございます。

石井(啓)委員 私も、逆算して考えたら、いや、このスケジュールをやるには、この国会でぜひとも成立させないととても間に合わないというのがわかりましたので、これはぜひ与党としても頑張りたいと思っております。

 それから、最後の質問になるかと思いますけれども、これも本会議で指摘いたしましたが、センターの再就職支援業務の処理能力は本当に大丈夫なのかということが強く懸念をされているわけでございます。円滑な業務運営に向けまして、十分な人員や体制を整えていくべきだというふうに考えますが、大臣の御見解を最後に伺いたいと思います。

渡辺国務大臣 官民人材交流センターの体制や業務の仕組みは、再就職のニーズに十分対応できるものにする必要がございます。御指摘の点も含めて、官房長官のもとに置かれる有識者懇談会において具体的な制度設計を行ってまいります。

石井(啓)委員 今回の法案、特に人材交流センターにおける再就職管理の一元化については、野党の皆さんから大変な批判を受けておりますけれども、今回の決定のプロセスを見ると、やはり各省の事務方の相当な抵抗がございましたよね。相当抵抗するということは、これがいかに抜本的な改革かということの証明であるというふうに私は思っております。

 そういう意味で、法案を取りまとめた渡辺大臣には本当に敬意を表したいと思いますし、この法案、ぜひ実現をさせて、新たな公務員制度の構築のための大きな一歩としてまいりたいと存じます。

 以上で終わります。

後藤田委員長代理 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時一分開議

河本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房長池上政幸君、財務省主計局次長鈴木正規君及び国土交通省大臣官房官庁営繕部長藤田伊織君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河本委員長 質疑を続行いたします。細野豪志君。

細野委員 民主党の細野でございます。

 本会議に引き続きまして、主に大臣に、法案についての審議をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、大臣、私が本会議で質問させていただいたときに、かなり強調して天下りの根絶という話をされました。質問の最後の答弁についても、天下りの根絶ということで締められています。

 私どもの理解では、今回政府が提出された法案というのは、天下り、今まで各省庁でやっていたものを、新人材バンクという、政府が言う官民交流センターというのをつくって、そこで行うという理解でございまして、到底天下りの根絶というのに当たらないと思うんですが、渡辺大臣がお考えになっている天下りというのは一体何なのか、その定義について、まずお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 天下りというのは、広辞苑によりますと、下の者の意向や都合を考えない、上からの一方的押しつけ、特に、官庁で退職後の幹部などを民間企業や団体などに受け入れさせることという表現が書いてございます。

 総理が常々申していることは、予算や権限を背景にした押しつけ的なあっせんによる再就職を根絶する、こういうことを言っております。すなわち、これが天下りということなんですね。押しつけ的なというのは、まあ、役所サイドから見れば押しつけ的には見えないものもあるでしょう。しかし、予算や権限を背景として人事の一環としてはめ込むようなことをやっておれば、これは国民サイドから見ると、これって押しつけに見えちゃうよなということなんですね。したがって、私流に敷衍をして言えば、まさしく、こういう人事の一環としてはめ込んでいく、そういうものを天下りというわけでございます。

 したがって、これを根絶するためには、まさに各省のあっせんというものを全面禁止する、そういう点からスタートをしております。

細野委員 これは天下りということをテーマにするわけですね、大臣。これからいろいろ議論する中で、定義はしっかりしておいた方がいいと思うんですね。

 再度確認いたしますが、広辞苑の引用はわかりました。政府としては、天下りというのはこういうものだと、どういうふうに定義をされるのか、再度お伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、各省が人事の一環として退職した職員の再就職先のあっせんを行ってきております。予算や権限を有する各省が行うわけですから、国民から見れば押しつけあるいは受け入れさせていると見えてしまうわけでございます。これが、まさに天下りの実態であります。

細野委員 実態ではなく定義を聞いたんですが、要するに、押しつけ的な要素があったら天下りと政府は言う、そういう理解でよろしいんでしょうか。

渡辺国務大臣 押しつけがあればじゃなくて、各省が予算と権限を背景にして人事の一環として行う再就職のあっせんのことを天下りというんです。

細野委員 要するに、人材バンクという、内閣府でやれば各省の権限とは関係ないので、もう天下りには当たらない、もうこれから人材バンクが行うのは天下りではない、そういう理解でよろしいですか。

渡辺国務大臣 官民人材交流センターは、中立的な機関であります。予算や権限を背景にはいたしておりません。人事の一環としてはめ込むわけでもありません。まさに再就職の支援、そのためにはキャリアコンサルティングもやります。まさに職員本人の能力や業績、こういうものを正当に評価をしてもらって再就職をするということでありますから、これは天下りではありません。

細野委員 昔、各省庁も同じことを言っていたんですよね。予算や権限に基づく押しつけ的な天下りはないと各省庁は言っていたんです。それが、今や政府はもうお認めになって、押しつけ的なあっせんになっておるわけですね、これは天下りだからいかぬと。

 今回、新人材バンクをつくって、こっちは予算と権限に基づく押しつけ的なことはしませんと今おっしゃっているわけですが、これは今言っているだけであって、そうなるかどうかは、過去の省庁でやっていたまさに押しつけと、権限と人事で押さえてきたのと実は全く同じなんですよね、論理は。そういうことについてはどうお考えになりますか。昔は、各省庁は予算と権限に基づく押しつけ的なあっせんはやっていないと言っていたわけですから。

渡辺国務大臣 恐らくそれは、何年か前に出てきた質問主意書の中での回答を引いて言っておられるのかと思います。押しつけしたものは確認されていないとたしかその主意書の答弁では言っているわけでございまして、押しつけ的なものが全くないとは答弁していないのではないでしょうか。

細野委員 この議論は恐らく水かけ論になりますのでこの辺にしますが、私どもは、内閣府がやろうが各省庁がやろうが、政府があっせんをする以上、押しつけ的な面ももちろん残るでしょうし、受け入れる側の意識というのは変わらないと思います。

 したがいまして、我々は天下りというふうに今も言っておりますし、これからも言いますので、大きくそこは立場が違うんだろうなということを、ある意味、確認はできました。これは水かけ論になりますし、法案の審議の中でまた機会があればやりたいと思いますが、これはここでおきます。

 続いて、わたりなんですけれども、これも何度かしつこく私は質問させていただいたんですが、大臣は、各省庁は二回目、三回目のあっせんをしないと言った後、人材交流センターにおいては基本的にはあっせんは行わないと。基本的にはという言葉を入れていらっしゃるわけですよね。基本には必ず例外があるわけで、どういう場合は二回目、三回目以降のあっせんもするのでしょうか。御答弁いただきたいと思います。

渡辺国務大臣 官民人材交流センターは、あくまで職員の離職に際し行う離職後の就職の援助に関することを行うものでございます。したがって、今委員が御指摘のような、二回目のあっせんとか三回目のあっせんとか、そういうことは全くいたしません。

 通常、二回目以降の再就職というのは、離職後、長期間にわたっているわけでございます。二年とか三年とか、そういう長期間にわたっているわけでありますから、職員の離職に際しという時間感覚とはまるで違うわけでございますから、今のわたりのようなことはやらないと申し上げているわけです。

細野委員 では、大臣がおっしゃる長期間というのはどれぐらいの期間を指すんでしょうか。

渡辺国務大臣 法案では、先ほど申し上げたように、職員の離職に際し、離職後の就職の援助に関することを行うということでございますから、当然、これは常識的な期間というのはあるわけでございます。(発言する者あり)

細野委員 今、天下りは非常識だという話がありましたが、私は天下りも非常識だと思うんですね。二回目、三回目のわたりは、これがあっせんによって行われればさらに非常識だと思うんですよ。それを基本的にということでおっしゃっているので、これは大臣、はっきり答弁していただいた方がいいと思うんですね、これは大事ですから。

 民間であれば、例えば試用期間なら三カ月ぐらいで本採用に至るわけですよね。二回目、三回目は長期間にわたるからやらないとおっしゃるんだけれども、では、常識的な期間とは一体どれぐらいなんですか。大臣、ここはきちんとまず答弁していただきたいと思います、わたりの問題は大事ですから。あれだけ声を大にして答弁をされたわけですから。いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 特段の例外というのは想定はしておりません。この詳細な制度設計は有識者懇談会で行います。

 先ほど来申し上げますように、離職に際してということでございますから、常識的な期間というのは当然あるわけでございます。

細野委員 いや、大臣、ここも有識者会議と言うと、非常に心もとないんですよね。何でここでこの質疑をしているのか。大臣にきちっと御答弁をいただいて、わたりがないということを確認したいのに、有識者会議が出てくるというのは、正直、答弁としては大変心もとないな。常識的な範囲、非常識にこれまでも天下りをやってきたわけですよね、わたりもやってきたわけですよね。それに対する問題点を指摘して質疑をしているのに、今の答弁だと非常に心もとないなという印象を受けました。まあ結構です、これは何度もやりとりしてきましたから。

 大臣に、わたりについて本会議で聞いた調査、四月十三日に出てきました二回目以降の再就職のあっせんに関する調査結果、これについて質問をしたいと思います。

 大臣は再三、これからは二度目のあっせんを各省庁ではやらないので問題ではないんだというふうに開き直っていらっしゃいましたが、私は、この調査結果自体に大きな問題があると思っています。まず、何でこんな調査をしたのか、その調査をした目的をお伺いできますでしょうか。

渡辺国務大臣 二回目以降の再就職のあっせんに関する調査は、押しつけ的なあっせんによる再就職を根絶するための制度設計に資するため、各府省等において行われている、いわゆるわたりのあっせんの概況を把握するために実施したものでございます。

細野委員 制度設計に資するため、再就職の概要を把握するためということですね。

 大臣、この数字を見て、本会議の答弁の中でも少な過ぎると言っていますね。この調査結果で概要、概況は明らかになったんですか。

渡辺国務大臣 この数字自体を見れば、私のみならず、だれしも少な過ぎるなと思うのは当然ではないでしょうか。ですから、本会議でもたしか申し上げたと思いますけれども、これがすべての実態でございますということには多分なっていないんですね。

 先ほどの、押しつけ的なあっせんがあったのかなかったのかという御質問に対して、確認されたものはないという答えをしているわけでございまして、恐らくこれも、確認されたものは十六件だったということではないでしょうか。

細野委員 では、大臣、当初の目的である概況はこの調査によっては把握をできなかった、そういうことですね。

渡辺国務大臣 確認されたものはなくとも、だれしも何となく、それ以上にあるよなということはわかるわけですね。ですから、これは再調査をせよとこの前おっしゃられましたけれども、こういうものは一回やってもまた同じものが出てくるわけですね。ですから、今回はもうそういうことを抜きにして、二回目、三回目のあっせんは当然これは禁止ですよ、そういう法案を出したわけでございます。

細野委員 大臣、ここは開き直る話じゃないんですよ。制度設計に資するために概況を調査すべく調査したわけでしょう。私が聞いているのは、何となく背景にありますというそんないいかげんな話を聞いているんじゃなくて、この調査結果で概況がわかったんですか、この調査結果は当初の目的を達成したんですかということを聞いているんです。それについて答弁してください。

渡辺国務大臣 確認されたものは十六件だったというだけのことでございます。

細野委員 聞いているのは、それが概況ですか、十六件が概況なんですかということを聞いているんですよ。

渡辺国務大臣 ですから、これは少な過ぎるなと申し上げているんです。

細野委員 ということは、概況を把握するという当初の目的を達成していませんね。

渡辺国務大臣 確認されたものが十六件で、これは少な過ぎるなという認識は持つことができました。

細野委員 私、初めに目的を聞いたんです、何のために調査したんですかと。概況を確認するためとおっしゃいましたよね。私が聞いているのは、十六件が少な過ぎるか多過ぎるかという話ではなくて、この調査目的を把握するのに、十六件というのは、これは確認できていませんねということを聞いているんです。

渡辺国務大臣 いずれにしても、あっせんを全面禁止にするという制度目的の、そういう新たな制度改革を行う資料にはなりました。

細野委員 大臣、これは税金をもらって調査したんでしょう、税金をもらって。当然、調査したのは職務で調査をされたわけでしょう。職務で調査をしておいて、概況はわかりません、目的を達せませんでしたと、うその調査結果を出してそれで事足りるというのは、これは大変ふざけた話ですよ。

 大臣、聞きますが、私が聞いているのはシンプルな話です。この調査目的は、わたりの概況を把握するための調査ですね。これは大臣が御答弁されたのでよろしいですね。その目的は達したんですか、十六件というのは概況なんですか、そうじゃないんですかという極めてシンプルな質問をしています。

渡辺国務大臣 従来、わたりあっせんをやっていると認めたことはなかったんですよ。今回、十六件も存在することが白状されたわけですね。私は少な過ぎると思いますよ。十六件存在することが確認されただけでもこれは大進歩ですよ。(細野委員「全然さっきから同じことを聞いているんですから、ちゃんと答えてくださいよ」と呼ぶ)ですから、先ほども答えていますように、我々が制度改革を行う資料にはなったということです。

細野委員 制度設計に資する概況の把握をするためにやったんでしょう。では、制度設計に資するというのは百歩譲っていいとしましょう。一件でも二件でも出てきたという意味では、なかったよりはあった方が、確かに半歩前進という大臣の答弁を認めるとして、概況を把握することにはつながっていませんね。それはしっかりお認めになった方がいいですよ。そうじゃないと、これだけしかなかったことを前提にわたりの問題をこれから扱うことになりますよ。

 この調査では概況を把握することはできなかった、これをきちんと御答弁いただきたいと思います。

渡辺国務大臣 今まで全く認めていなかったのを認めたわけですから、これは大変な大転換ですよ。わたりあっせんをやっていると言わなかったわけですから、今までは。ですから、十六件確認された、どうもこれは氷山の一角らしいということがわかっただけでも大進歩じゃないですか。

細野委員 いや、これを各省庁に振って、内々うそだとわかっていながら大臣は公表したわけですね。確認されたんじゃなくて、この数字はうそですよ、概況というんだから。

 これは私はふざけた話だと思いますよ。私は委員会で聞きましたが、経済産業省は、確認された時点でと、まだあるということを示唆しました。

 一方で、外務省はゼロなんです。外務省がゼロなんということはあり得ると思いますか。歴代の事務次官を筆頭に、各大使がどういうところに天下っているか、これは大臣も知っていると思うけれども、我々も知っているわけですよ。何と答えたかというと、調査結果のとおり、ありませんと答弁しています。これは、外務省はうそをついているじゃないですか。うそをそのままに許しておいて、これからやるんですか。うそを言っているんですよ、うそを認めているんだから。

 これは内閣の行革事務局がなめられているんですよ。概況を理解できていないんだから、やり直せばいいじゃないですか。どうですか。

渡辺国務大臣 ですから、氷山の一角があらわれただけでもすごいことじゃないですか。水面下に隠れていたのがぽっこりと出てきたんですよ。だから、この下にはかなり大きな塊があるだろうな、そういう想像がつくわけですから、我々はまさに、この資料をもとにして、今回、いや、そうか、では、もうこれは二回目、三回目のあっせんも禁止だ、そういう決断をしたんです。

細野委員 大変残念な御答弁です。ただ、わたりの問題は、これはもう大臣もおっしゃっているとおり、今まで相当行われてきて、さっき大臣もおっしゃったとおり、制度設計に資するためには実態の把握、概況の把握が必要なんですね。

 行革事務局がやらないということですから、私はこの委員会でやるべきだと思います。全部調べるのは行革事務局でも無理だったんですから、我々にはできませんので、少なくとも一九九〇年以降、各省庁の事務次官がどこに再就職をして、そしてその次にどこに行って、中にはもう引退された方もいらっしゃるかもしれませんが、どうされているのかというわたりの状況をきちっとこの委員会に提出をしていただきたいと思います。

 加えて、それが果たしてあっせんによるものなのか、わたりのあっせんがあったのかどうかということもあわせてこの委員会に提出をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。委員長にお願いします。

河本委員長 理事会で諮るようなことかい、これ。(細野委員「当たり前じゃないですか」と呼ぶ)そんな結果が出ているの。(発言する者あり)

 細野君、ちょっともう一度おっしゃってください。

細野委員 いや、もうちゃんと言ったつもりなんですけれども。

 要するに、わたりのあっせんについては、今まで大臣も盛んにおっしゃいましたね、今まで出ていなかったのが初めて出てきたという話だったんです。出ていないんです。各事務次官のわたりの状況は世の中には出ていません。委員長、これは出ていないんです。

 ですから、少なくとも、一九九〇年以降、その前さかのぼってもいいんですが、期間を限定しないと大変ですから、九〇年以降で、どういうふうにわたりをしていて、そこでどういう給料をもらっていて、退職金をもらっているのか。そして、それが果たしてわたりのあっせんによるものなのかどうかというのをきちっと調べて、委員会として調査をして、資料を提出願いたい、これを委員長に御裁可いただきたいということです。

河本委員長 理事会で協議いたします。

細野委員 これは最低限だと思うんですね、わたりについては。犯人捜しをしてもしようがないですから、それぞれの省庁で相当わたりをやっているわけですから、皆さんの、この人が悪いとかあの人が悪いなんて話をしてもしようがないですから。事務次官であればある程度公平に、恐らく非常にいい天下り先に行っていらっしゃると思うんですが、状況を把握できますので、ぜひ理事会の方でその方向で御検討いただきたい、決定をしていただきたい、そういうふうに思います。

 続きまして、ちょっと資料に基づいて質問させていただきたいと思いますので、事前に配っておりますので、それをごらんいただけますでしょうか。

 今回、私の方で配らせていただいて、つくりました資料というのは、国土交通省所管の財団法人建築保全センターという公益法人がございまして、そこがどういった状況になっているのかというのを模式的にあらわしたのがこの表でございます。

 まず、この財団の一つの大きな特徴は、国土交通省からの天下りの役員の方々を大量に受け入れているということです。左側に書いてあります。設立当時から四十七名、歴代の理事長は全員天下りです。常勤の理事も全員天下りです。

 もう一つ大きな特徴は、こういう組織の大体同じようなパターンなんですが、出版物をつくっています。これは社会保険庁の下の外郭団体もそうでしたし、今、緑資源機構で問題になっている財団も、林野弘済会なんかも談合の一番元締めみたいになっていたところですが、そこも出版をしています。

 ここは出版で一億六千万も稼いでいまして、ほとんど国土交通省の中で監修をしていましたから、監修をして、親方日の丸で、これでということで、判こを打てば売れるわけですね、こういう出版をしています。

 最大の問題は、ここがどういう業務を受けているかなんですが、これは国土交通省に資料を要求して、建築保全センターが、公的な仕事、どういうものを受けているのかということについて調べた資料です。

 上から、法務省等の中央合同庁舎の六号館、そして厚生労働省などの五号館。その下は、独立行政法人物質・材料研究機構ですから、これは科技庁の元所管ということになると思うんですが、ここ。

 以下、これから下が国土交通省管轄ですね。日本博覧会の政府館、国土地理院、以下、独立行政法人がずっと並んでいますが、これは平成十七年度のものですが、ここがすべて随意契約で、いわゆる建物の管理、庁舎の管理を受けて、合計すると平成十七年、九億二千八百万をすべて随意契約で受けています。さかのぼれるのは限度があるんですが、数年間さかのぼってもらいましたところ、ずっと随契で受けてきた。大変ひどい。

 ちなみに、最近の資料がようやく出てきましたので、付加的な話をいたしますと、一番上の、法務省の入っている六号館。平成十七年度、十八年度までは随契でやっているんですが、十九年度に一般競争入札をしていまして、建築保全センター以外のところが受注をしています。その前の年が二億四千八百万だったのが二億一千六百万、三千万円以上値段が下がっているんですね、一般競争入札。要するに、きちっと入札すれば値段が下がるものを、ずっと随意契約でしているという典型的な例ですね。

 まず、法務省に政府委員として来ていただいていますので伺いますが、平成十八年度までは随契でしていて、なぜ十九年度に一般競争入札にしたのか、その理由をお聞かせいただけますでしょうか。

池上政府参考人 お答え申し上げます。

 この契約は、中央合同庁舎第六号館の執務環境を良好に維持するために、動力設備、照明設備、受変電設備、自家発電設備、中央監視制御設備、防災設備、昇降機設備、空調設備等の運転監視、日常点検及び保守管理を常駐して行うほか、これらに付随する数多くの作業を委託する契約でございます。これは、中央合同庁舎の統一的管理者であります私ども法務省の官房会計課長が他の入居庁の支出負担行為担当官とともに契約をしているものでございます。

 お尋ねの随意契約から一般競争に変わった理由でございますが、平成十八年度の契約までは、ただいま申し上げましたとおり、この業務の対象設備が多種多様であり、また施設の延べ面積が二十三万平米、東京ドーム五個分という非常に大きな規模であること、あるいは機械設備がそれぞれ相互に連動して全体の執務環境を維持しているため、細部にわたる機器等の配置を熟知している者が行う必要があることなどを理由に随意契約とさせていただいておりました。

 しかしながら、平成十八年に、政府で統一的に公共調達の適正化について見直しが行われた際、私どもとしましてもさらにこの点を見直したところでございまして、機械器具等の詳細なデータを入手して整理し、あるいは仕様書の全面的な見直しを行い、また入札条件におきまして、全省庁の統一資格、役務の提供でAランクまたはBランクに格付されており、五万平米事務棟の設備機器の保守管理業務を過去五年間に複数年連続で受け取っていること、あるいは、本社または業務主体となる支店等がISO9001あるいはISO14001の資格を保有していることなどを条件として一般競争に付することにしたものでございます。その結果、委員御指摘のような金額で契約がなされたものでございます。

細野委員 ここでちょっといろいろ詰めて聞いてもいいんですが、ここは国土交通省のまさにお庭先の天下り団体ですから、法務省は法務省で、法務省がそういうことをやっているというのは大変残念ですけれども、とりあえずちょっとおくとして、国土交通省の方にも確認をしたいと思うんです。

 先ほど指摘したとおり、地球博のパビリオン以下、そのほかはすべて国土交通省の所管ですが、これを平成十七年度、聞くところでは十八年度までは随意契約にしてきて、十九年度から、ことしから全部一遍に競争入札にしたというんですね。今法務省は何か個別のことについて説明がありましたが、国土交通省は、ここで一遍に競争入札に変えたというのは、これまでどう考えても会計法違反をしてきた。すなわち、「契約の性質又は目的が競争を許さない場合、」一遍に状況が十九年度で変わるわけないわけですから。

 国土交通省は、これは天下りしていた団体だから今まで会計法違反をしてきたという明白な事案だと思うんですが、国土交通省、御答弁をいただきたいと思います。

竹歳政府参考人 国土交通省の庁舎管理のうち、大きく分けて二つがございまして、清掃とか警備、こういうものは昔から一般競争でやっていました。したがって、このセンターが受注することはありませんでした。それから、国土交通省が今入っている第三号館と第二号館、ここは一般競争でやっておりまして、このセンターがとっておりません。それで、ここに大体書いてありますのでは、つくばの国土地理院とか国土技術総合センターとかそういうところ、政策研究所なんでございますけれども、ここは一般の事務所庁舎とは違いまして研究所であるということで、このセンターが随意契約で受注していた。

 このセンター自身、若干御説明申し上げますと、官公庁施設等の建築物の保全に関する総合的な調査研究、技術開発及び庁舎管理業務の受託等を行うことを目的として設立された公益法人です。そして、各施設設備の構造、機能及び運転監視等について熟知しておりますし、異常、故障時等にも速やかに対処できる、それから技術者もいますということで、ここが受けてきたということでございますが、今法務省の方からも御答弁ございましたように、いろいろな理由があったとしても、随契については、できるだけ随契は例外で、今会計法違反というような御指摘がございましたけれども、随意契約は例外だ、政府の契約は競争入札が原則だということでございますので、ここについても、実は十八年度上半期の契約までは随契でしたけれども、下半期からは一般競争入札にしたところでございます。

細野委員 この財団についてはまたちょっと改めたいと思うんですが、やはり一つだけ確認をしておく必要がありますので、もう一問、国土交通省に。

 実は、国土交通省からこの財団法人建築保全センターに天下っている歴代の理事長は、六代ずっと、旧建設省の大臣官房の歴代の営繕部長が理事長でずっと天下っているんですね。さっき答弁でノウハウがあるとおっしゃったけれども、ノウハウがあるのは当たり前で、発注する側の親分がずっと天下っているんじゃないですか。これを指定席にしてきて、ノウハウを知っていましたからそこに出すなんというのは、これは笑っちゃうわけですが、お手盛り以外の何物でもないですよね。六人連続、営繕部長が天下っていますが、これはどういうことですか。

竹歳政府参考人 これは、まさに今の公務員制度改革で議論をされている点だと思います。

 従来は、一定のルールのもとにこういう財団法人に行くことも許されました。しかしながら、その点について今御指摘の点とかいろいろな問題があるから、再就職の官民人材交流センターを通じてやろうということです。

 今まではルールの範囲内でノウハウがある人たちが行くということが認められてきたということで、歴代の営繕部長がこのポストについてきたということだと思います。

細野委員 今、国土交通省に対して、今後のことは聞いていません。これまでのことをどう総括するんですか。なれ合いでやってきて営繕部長が天下ってきた指定ポストだったわけですよね。これをどういうふうに責任を感じるのか。結果として、これは入札にならないとわかりませんが、例えばこの庁舎の六号館では年間三千万ですよ。五年間にすると、今まで一億五千万、税金が無駄に使われていたわけじゃないですか。そういう責任を国土交通省としてはどういうふうに感じるのかということを聞いているんです。

竹歳政府参考人 営繕部長というのは、やはり官庁の施設整備について一番詳しい人である、そういう方が再就職をルールの範囲内で行ってきたという点が一つです。

 それから、今御指摘の点は、そういう人たちが天下った、再就職した先のセンターが随意契約という方式で仕事をとったために、一般競争の入札の場合と差が出たのではないかという御指摘だと思います。結局、この問題は競争契約をどうするかというような点にあるわけで、その点について、政府として昨年、随意契約について、私どもだけでなくてかなり幅広く行われているんじゃないか、それが再就職の問題と結びついているのではないか、いろいろな指摘もあって、政府としては、まず契約については随意契約を極めて例外的なものにするとしたところだと思います。

細野委員 ここからちょっと法案の質疑に入りたいんですが、その前に大臣に、こういう事案については大臣はどういうふうにお感じになるか、まずそれをお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 この事案はよく把握しておりませんけれども、一般的に、典型的な子会社、関連会社的存在になっているこういった公益法人みたいなものがあるということですね。子会社、関連会社をつくっても、民間だったらいいですよ。しかし、税金をもらって、その税金を流して子会社感覚にして、税金の無駄遣いがもし行われているとすれば、それはとんでもない問題だと思います。

細野委員 とんでもない話だという話がありまして、大臣、ここから問題にしたいのは、こういうとんでもない事例は今後なくなるのかどうかということなんですね。

 まずお伺いします。こういう財団法人は、人材交流センターであっせん対象ですか、それとも違いますか。

渡辺国務大臣 今回の法案では、企業、それから非営利法人、独法、特殊法人、認可法人、公益法人、こういったものすべてを規制対象にいたしております。

 また、官民人材交流センターにおいては、こういった営利法人のみならず非営利法人にもあっせん対象は広げておりますけれども、外部監視機関が厳格な監視を行います。それ以前に、これは先ほど申し上げている有識者懇談会において詳細設計を決めることになりますが、人材バンクがあっせんをする先に対して一定の制限をかけるかどうか、これについても有識者懇で検討をしていただく予定になっております。

細野委員 大臣、今議論しているのはこの法案ですね。

 確認しますが、この法案上、こうした公益法人、財団はあっせん対象ですね。確認させてください。

渡辺国務大臣 あっせんの規制の対象になっております。

細野委員 あっせん対象なんですね。

 私がこういう財団を見ていて感じるのは、押しつけて行くという言葉は当たらないということなんです。彼らは押しつけでここに入っているのではなくて、この財団の方からぜひ来てくれとお願いをされて行くんですね。当たり前ですね、ノウハウを持っている営繕部長に来てもらいたい、来てもらうことによって仕事が欲しい。依頼をされてここに天下っていることは間違いありません。

 確認をしますが、こうした財団が新人材バンクに対して人を欲しいと言ってきた場合に、この法律上、それを阻止する方法というのは何がありますか。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、具体的な制度設計については、官民人材交流センターの有識者懇談会で検討することになっているんですよ。(細野委員「その答弁では、委員会質疑をやる意味がないですよ。それでは意味がない」と呼ぶ)いや、意味がないんじゃなくて、意味があるんです、これは。

 ですから、まさにそういう詳細な制度設計の中で、先ほど申し上げたように、センターのあっせん基準の中で、どういう範囲で制限をかけるか、例えば補助金交付業務をやっていた人が対象先に行くのはどうかとか、今の御指摘のように、営繕担当の部長がその営繕関係のところに行くのはどうかとか、そういった制限、基準をまさに有識者懇談会で決めるんですよ。

細野委員 では、確認しますが、有識者懇で決めるのはわかりました。この法律上、それを妨げる制限はありませんね。大臣、これは確認させてください。

林副大臣 事前承認を暫定的に残す、これは内閣に人事院から持ってまいります。今まで人事院でやっておりましたいわゆるクーリングオフ規制、これは営利法人だけが対象になっておりましたけれども、今回、暫定的に内閣でやるものは非営利法人に拡大をしておりますから、密接に関係があった、今委員が引かれた営繕と、この営繕を今度受ける方のところがそういう関係になれば、そういうことは事前承認の対象になるのではないかというふうに考えております。

細野委員 申しわけない、林副大臣が優秀なのもわかっていますし、御見識があるのもわかりますが、最初の質疑なので、大臣にということで伺っていますから、大臣に御答弁いただきたいと思います。

 事前規制が……(林副大臣「訂正させてください」と呼ぶ)わかりました、訂正だけ。

林副大臣 ちょっと済みません、私は御指名をいただかなかったので、想定がございませんでしたので、ちょっと訂正させていただきますが、今、事前の承認は暫定的なもので、今やっているものを残すということで、非営利法人は含まれていないということでございます。

細野委員 大臣、暫定措置というのは新人材バンクができるまでですね。新人材バンクができたときには、この法律上は、こういう財団からのあっせんがあった場合に、それを拒否する法的な根拠はないですね。有識者会議で検討するのはわかりました、今の法的な枠組みの中でそれはあるかないかということを聞いています。いかがですか。大臣に聞いています。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、どういう実態的な制限をかけるかというのは、まさにこの法律によって有識者懇談会の方で決めることができるようになっております。

細野委員 有識者会議ではなくて、有識者会議でどういう検討をされるかは、我々はここの国会では審議のしようがないわけですよ。それを言ったら、ここで法案を審議する意味はないんです、大臣。

 いいですか、聞きますよ。こういう財団から天下りのあっせんがあったときに、今の皆さんが出していらっしゃる法案にそれを阻止する法的な規定はありますか、それについて聞いているんです。

渡辺国務大臣 今回の法案では、官民の垣根を低くするということと同時に、官民の癒着防止についてのかなり厳格な規制を導入しているんですよ。(細野委員「ないじゃないですか」と呼ぶ)いやいや、厳格な規制を導入しているんですよ、口きき規制とか。ですから、現職だったら求職規制というのもかかります、退職した後は口きき規制がかかりますよ。いいですか、今、口きき規制なんかないじゃないですか。だから、この口きき規制に対しては、刑事罰も一緒にかかるんです。

 ですから、そういう法の趣旨を体して、有識者懇談会がいろいろな詳細な制度設計をやるんです。その設計に当たっては、国会の審議も踏まえた検討をやるんですから、だから、この国会の審議がまるっきり無駄になることはないじゃありませんか。

細野委員 大臣、随分初日から開き直っていらっしゃいますけれども、行為規制とおっしゃるんですが、要求や依頼と書いてあるんですね。この建築保全センターも、毎年随契で受けてきて、この営繕部長が毎年お願いしますといって後輩の営繕部長に頭を下げていると思いますか。そんなものはあうんの呼吸でやってきたんじゃないですか。行為規制なんて、全くこういう例に当てはまらないじゃないですか。当てはまるんですか。御答弁ください。

渡辺国務大臣 ですから、先ほど来申し上げているように、人材交流センターがあっせんする先、どこからどこまでできるのか、こういう制限をかけることについては、有識者懇談会で国会の議論も踏まえて検討することになっているんですよ。

細野委員 大臣、あっちこっち論点を外さないでください。私が、できるんですかできないんですか、天下りが規制できるんですかということを聞いたら、今度は行為規制の話をされたわけでしょう、できないんじゃないですかということを聞いたら。行為規制について、こういう財団法人建築保全センターのような例では、わざわざ要望や依頼はしないわけだから、行為規制は歯どめにならないでしょう。大臣、今そうおっしゃいましたよね。これは確認させてください。

渡辺国務大臣 いずれにしても、こういう官民の癒着の問題から出てくることに関しては、公務員制度改革だけではなくて、公益法人改革や独立行政法人改革も通じて、あるいは入札制度の改革も通じて、これは総合的に解決をしていく必要があるんですよ。その一端として、この公務員制度改革においては、官民癒着防止の規定を置いてあるという概要を御説明しただけの話です。

 そして、御指摘のこういう営繕部長が関係先に再就職ができるのかどうかという点に関しては、人材交流センターがあっせんする先の制限をどこからどこまでかけるのか、そういう問題は、国会の議論も踏まえて有識者懇談会で決めると言っているじゃありませんか。(発言する者あり)

細野委員 大臣、私の方が整理するのも変なんですが、整理しますね。こういう財団法人に対する天下りは、有識者会議では検討するけれども、今この法律には規制はありませんね。できます。有識者会議で検討するけれども、法律上、それを妨げる規定はありません。大臣、これはいいですね。まずこれを確認します。

渡辺国務大臣 ですから、先ほど来申し上げているように、この国家公務員法改正案は、官民の垣根を低くするということと同時に、官民癒着の防止の精神も盛り込んであるんです。そういった精神に基づき、また国会の議論も踏まえて、官民人材交流センターがあっせん対象先にできる、あるいはあっせんできない対象範囲を決める、そういうのを有識者懇談会でやると言っているじゃありませんか。(発言する者あり)

河本委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

    〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕

    〔戸井田委員長代理退席、委員長着席〕

河本委員長 速記を起こして。

 細野君。

細野委員 大臣、整理しますが、では、有識者会議で検討するのはわかりました。有識者会議で検討するのはわかりましたが、この有識者会議でどう結論が得られるかは、この委員会ではわからないわけですね。わかるのはこの法律に書いてあることだけですよ。

 この法律上はこういった財団法人への天下りを規制する、再就職を規制する、そういう条文はありますか、ありませんかということについて聞いています。大臣に伺います。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、営利企業等の中には、当然、非営利法人を含んでおります。したがって、規制はかかります。人材交流センターのあっせん対象の中に、当然これは入るんですよ、営利企業も非営利法人も。ですから、そんなことは法律に書いてあると言っているじゃありませんか。

細野委員 あっせん対象には含まれるけれども、規制も含まれると。

 では、規制はできるんですか。この法律上、この天下りを規制できるんですかということについて再度お伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 ですから、その規制の対象となる具体的な詳細設計は有識者懇で決めますが、いいですか、その条文には書いていないですよ、そんなところまでは。書いていないけれども、その精神について私は話しているじゃありませんか。

細野委員 大臣、法律にないと答弁をされましたが、そこはよかったんですが、そんなことはというのはないですよ。それを書くのが法律なんですよ。おかしいでしょう、こういう天下り団体は。大臣、おかしいとおっしゃいましたよね。そのおかしなことについて、法律に書いていない。そんなことって、どういうことですか。こういうのを書くのが法律なんじゃないですか。明らかに不備があるじゃないですか。大臣に聞きます。(林副大臣「ちょっと補足」と呼ぶ)大臣に聞きます。

河本委員長 林副大臣。

細野委員 委員長、だめですよ。事前に大臣と言ってあるんだから。(林副大臣「補足だけ。ちょっと事実関係の補足をさせてください」と呼ぶ)

河本委員長 補足だけ。林副大臣。(発言する者あり)

林副大臣 私がちょっと整理をさせていただいた上で。登録はいただいておりますので……(細野委員「事前に私、副大臣を登録していないですからね」と呼ぶ)いやいや、登録はいただいております。

 今、条文のお尋ねがありましたので、天下りといいますか、センターのあっせんの規制はかかります。それは大臣が先ほど委員に答弁されたとおりで、それで委員から、あっせんがなくても……(細野委員「あっせんの対象」と呼ぶ)あっせんの対象になります。しかし、あっせんがなくても行くじゃないかというふうに御指摘があって、しからば行為規制がありますと。

 行為規制には二種類ございまして、行った人が親元に働きかける口ききの規制と在職中にやる求職活動、こういう行為規制があるわけでございまして、確かにそこは対象にはなっておりませんから、我々としては、先ほども説明があったように、随契でなくて、きちっと一般競争入札をやっていって、コストとサービスでこのサービスを受注してもらうようにするという、そちら側の改革と、それから今大臣から御答弁のありましたものをあわせて、そういう能力がない人が行けば、行っただけで随契でいくということをなくしていこう、相まってやっていこうというのが全体の精神であるということを補足させていただきたいと思います。

細野委員 委員長と理事の皆さんに申し上げますが、委員長、よろしいですか。

 私は、今回、大臣と質疑をしたいので、内閣官房、内閣の方には政府委員をお願いしませんでした。副大臣もという話もありましたが、それは申しわけないけれども、最初の質疑なので大臣にということで、御答弁いただかなくて結構ですということを事前に言ってありました。それがああいう形で、委員長の御裁可で勝手にそうやって答弁されるようでは、これは質問者の意図が伝わりません。これは厳重に抗議をして、こういうことはもうないということを御答弁いただきたいと思います。

河本委員長 承りました。

細野委員 では、大臣に伺います。

 さっき、そんなことはという話がありましたね。そういうのを規制としてきちっと、有識者会議じゃなくてこの法案に書くべきではないか。

 今、この例を一つ示しました。これ、行けちゃうんですから。どうでしょうか。

渡辺国務大臣 ですから、これはもうまさに、そのような問題を根絶するために我々は法案を出しているんです。いいですか。ですから、事細かなところまで条文に書いていないからこれは欠陥だなどと言わないで、もっと前向きにいろいろ議論をしていただきたいと思いますよ。国会の議論も踏まえて、有識者懇談会は詳細な制度設計をやることになっているんですよ。そのことを私は最初から申し上げているわけです。

 ですから、官民交流人材センターはそのあっせんをした、そのあっせんをする際には、どこからどこまであっせん対象になるか、その制限が当然かかります。その後で外部監視機関の事後チェックもかかるんですよ。いいですか。今はそんなやり方は全然やっていないわけであります。

 また、一番大事なのは、その問題は何で起こったんだと。個別の話は私は知りませんけれども、一般論ですよ、一般的にそのような天下りと税金の無駄遣いが行われているのは、全部、人事当局が人事の一環として、わたりあっせんまで含めて押しつけ的にやっているからなんですよ。ですから、そういう人事当局のあっせんを全部根絶しちゃおうというのが今回の法案なんですから、法の精神はぜひわかっていただきたいと思います。

細野委員 大臣、いろいろ聞きたいことがあるので、もう一つ今、答弁から聞きますが、外部チェックが働くとおっしゃいましたね。恐らく、この何とか検証委員会のことをおっしゃっているんだと思いますが、こういう個別の事例について検証委員会というのはストップできるんですか。外部チェックが働くとおっしゃったから。

 大臣、外部チェックが働くとおっしゃいましたね、こういう問題について。どういうふうに外部チェックが働くのかということについて聞いています。

渡辺国務大臣 ですから、先ほど申し上げたように、今回の法案では、各省のあっせんというものを全面的に禁止をしている……(発言する者あり)いや、ちょっと聞いてください。いいですか、各省のあっせんがあって、例えば独法から公益法人に転々と天下っているケースがあるんですよ。ですから、そういうケースについて、各省のあっせんがなかったかどうか外部監視機関がチェックをするんです。これは立入検査までやるんですよ。本人を呼んで事情聴取までやるんですよ。ですから、そこまで厳しい行為規制をかけているということを先ほどから申し上げているじゃありませんか。

細野委員 いや、事後規制は大甘なんですよ。各省庁にはチェック入りますよ、あっせんしていないか。今私が例として取り上げているのは、そんなんじゃないんですよ。この財団法人建築保全センターから直接人材バンクに対して、それは保全業務やりたいですから、あっせんするでしょう、直接天下りますよね。こういうケースで、おっしゃる外部チェックというのはどういうふうに働くんですか。さっき、省庁やっていないかと、やっていなかったらどうするんですか、そのままなんですか。それを聞いているんです。

渡辺国務大臣 ですから、一つ一つのものを小さくとらえて大きく拡大して話すと、全体像が見えなくなっちゃうんですよ。我々は、外部チェックもある、人材交流センターのチェックもある、そして、各省のあっせんは全面的に禁止をされている、そういう全体像を語っているんですよ。先ほど来申し上げているように、随契の見直しもやります、公益法人や独法改革も進めていきます、そういう総合的な観点から、こういう問題を根絶していこうと言っているじゃありませんか。

細野委員 委員長、聞いていただけばわかると思うんですが、私はこの問題について聞いているんです。大枠は結構です。こういう、個別に、各省庁のあっせんを受けずに直接財団法人から言われて天下ったこの個別の事例を、これはおかしいじゃないかと外部チェックできるんですかということを聞いているんです。大臣、これは大事なところですよ。

渡辺国務大臣 ですから、事後チェックは当然かかりますよ、これは。(細野委員「どこに書いてあるんですか」と呼ぶ)いや、ですから、各省のあっせんがあったのかなかったのか、そういうところをちゃんと外部監視機関がチェックできるようになっているんです。これはOBじゃないんですよ。まさに外部の人たちがチェックをするんですよ。そういうことを申し上げているんです。

細野委員 この質問はこれで最後にしたいと思います。これで答えなければ、私、これ以上質問できません。

 各省のあっせんがなかった場合、直接財団から人材バンクに対して天下りのあっせんの依頼があって、そこに具体的に天下った場合に、その事例についてはおかしいじゃないかと外部チェックが入るんですかということについて、具体的に聞いているんです。

渡辺国務大臣 具体的にお答えをしております。今、このケースはどうかわかりませんけれども、通常は、各省の人事当局があっせんをして、そういうところに人事の一環としてはめ込んでいるんですよ。それが実態なんですよ。ですから、そういう実態を根絶していくには、まさに各省あっせんの禁止と、各省のあっせんがあったかなかったか、そういうことについての外部監視機関のチェックを入れる、法案ではそういうことを言っているんです。ですから、各省のあっせんなしに今そういうことが行われているなんという実態は、恐らくほとんどないだろうということを言っているわけです。(発言する者あり)

河本委員長 速記をとめて。

    〔速記中止〕

河本委員長 速記を起こしてください。

 細野君。

細野委員 もう一度整理をして質問させていただきたいと思います。

 先ほどの図で、国土交通省から財団法人建築保全センターへの天下り、今は確かに、恐らくは国土交通省のあっせんのもとにやっています。ただ、これからは、新人材バンクになって、国土交通省はこれは関与しませんね。関与したら法律違反はわかりました。しかし、関与せずに、ここはこれからも営繕作業をやりたい、営繕の仕事をとりたいですから、直接、新人材バンクに対してあっせんを依頼して、国土交通省がかまない形で実際に人が来ましたと。その場合に、それがおかしいということをどうやって外部チェックできるんですか。外部チェックとおっしゃったから聞いているんです。答弁をお願いします。

渡辺国務大臣 ですから、外部チェックの前に、先ほどから申し上げているように、そういうところに再就職のあっせんがまずできなくなる可能性があるわけですよ。

 そして、いいですか、あうんの呼吸とおっしゃいますが、再就職監視委員会は、国家公務員法、今回の改正法の百六条の五第二項の第一号と第三号において、要するに、調査を行うことができると第一号で書いてあります。三号においては、その権限に属された事項を処理することができると書いてありますから、この外部監視委員会、つまり再就職等監視委員会は役人のOBじゃないわけですから、ですから、このチェック機能というのはそういうところにまで及ぶと私は申し上げているんですよ。

細野委員 この監視委員会の条文を今私は読んでいるんですが、調査というのは何ですか。これができるのは十八条の四の規定ですよね。この調査できるというのは、一体どういう調査ができるんですか。

渡辺国務大臣 国家公務員法、今回の改正法の十八条の三の第一項の調査に関し必要があると認めるときは、当該調査の対象である職員もしくは職員であった者に出頭を求めて質問をし、または当該職員、さっきの例でいくと元営繕部長ですね、この勤務する場所に、職員として勤務していた場所を含むに立ち入り、帳簿書類その他必要な物件を検査し、もしくは関係者に質問できるという規定があるんです。

細野委員 大臣、伺いますが、この建築保全センターでやっていた営繕部長の仕事は違法行為ではないですよね、毎年手続を受けているんですから。随意契約で役所がいいですよと言って、恐らくは直接的な要望も依頼もしていないと思います。普通にやっています。そういう事例を、これは天下りでおかしいじゃないかと、こういう調査で、権限で立入検査できるんですか。

渡辺国務大臣 ですから、そういう調査に至る端緒があればやりますよ。

細野委員 事務方はいいんですか。違法行為を何らしていないですよ。行為規制もない。天下りも通った、人材バンクを。それで本当に立ち入って検査できるんですか。ちょっと答弁を整理してくださいよ。

 できるとしたら、すごいですよ。違法行為がないのに、全くそういう端緒もないのに、普通に仕事をしていて、天下りでおかしいかもしれないと立ち入れるとしたら、これは大変なことですよ。

渡辺国務大臣 ですから、申し上げているじゃないですか。端緒があればできるんですよ。必要があればできるんですよ。

細野委員 私の例で聞いているんです。天下って、そこで仕事を毎年受け続ける、税金の無駄遣いは行われているけれども、何ら違法行為はない、この法律の規制にも違反していない、そういう例で立ち入れるんですか。

渡辺国務大臣 ですから、端緒があればできるんです。必要があればできるんですよ。そのケースの個別の話は知らないとさっきから申し上げているじゃないですか。

細野委員 要するに、天下ることによって税金が無駄遣いをされている、そういうもう半ば定着した状況が復活をした場合に、これはおかしいじゃないかということを調べられるんですかということについて聞いているんです。

渡辺国務大臣 百六条の十八に「職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、任命権者に対し、当該再就職等規制違反行為に関する調査を行うよう求めることができる。」という規定がございます。

 そして、百六条の十九でございますが、再就職委員会は、「必要があると認めるときは、再就職等規制違反行為に関し、監察官に任命権者と共同して調査を行わせることができる。」と書いてあります。

細野委員 要するに、違法行為をしたときですよね。この営繕部長は違法行為をしていないんですよ、別に。普通に天下りをして、普通に税金の無駄遣いをしているんです。これは違法じゃないんですよ。そういうものは規制できないでしょう、この法律上。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、百六条の十八には、「職員又は職員であつた者に再就職等規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、」できるんですよ。ですから、そういうことを言っているんです。

 だから、個別の話は知りませんと申し上げているじゃないですか。ですから、一般論として、私は、こういう法の厳格な規定を盛り込んでありますと答えているじゃありませんか。

細野委員 法律違反があれば、それは、立ち入って天下りを取り消したり、それについて意見を言ったりすることはできる形になっています。

 ただ、そのもので……(渡辺国務大臣「法律違反じゃないですよ」と呼ぶ)じゃ、もう一度答弁してください。

渡辺国務大臣 疑いがあるときはできると申し上げているじゃありませんか。法律違反があった、そのときしかできないなんて言っていませんよ。

細野委員 大臣、何度も言っていることを聞いてください。

 要するに、今行われている天下り先での税金の無駄遣いは、法律の違反でもなければ法律違反の疑いもないんです。会計法違反は、発注する側は疑われるけれども、受ける側は、随契でいただければ喜んで受けるんですから、法律違反をしていないんです。疑いすらないんです。

 そういう不適切な例を、これは例としてはおかしいぞということで立ち入ってチェックをするような権限は、この何とか委員会にはないんじゃないですかということを聞いているんです。

渡辺国務大臣 新法が施行されますと、再就職規制というのは物すごく厳しくなるんですよ。いいですか。こういう国会質問が出たとしますね、それは当然疑いに入ってくるんですよ。これは端緒になるんですよ。(発言する者あり)いやいや、国会質問で、要するに、再就職規制違反の疑いがあるではないかという疑問が出されたとしますね……(発言する者あり)端緒になるじゃありませんか。

細野委員 大分やじに答えていらしたので、では大臣に確認しますが、この天下りはおかしいということでこれから国会で問題になった、それが端緒でこの検証委員会のチェックがきちっと入る、大臣、これは確認しますが、間違いないですね。

渡辺国務大臣 ですから、先ほどから申し上げているじゃありませんか。今度の再就職規制というのは厳しいんですよ。再就職規制に抵触する疑いがあると思料するときは外部監視機関が動くんですよ。それを申し上げているんですよ。

細野委員 まあ、国会の質疑というのはそういう意味では大きな意味がありますから、それは我々もどんどんやりたいと思いますので、大臣、今のお言葉、決して忘れないでいただきたいというふうに思います。

 もう一つ、時間が来ましたので、そろそろ同僚委員に譲らなきゃならないんですが、これは委員長にもぜひお願いをしたいと思います。

 これは、有識者会議で検討するというのは物すごくよく出てくるわけですね。今私が例を挙げたものでも、この財団法人に対して天下りができるかどうかは、これは有識者会議で決めます、有識者会議の議論を経ないとわからないわけですよね。どういうふうなところに天下りができるのかわからない。この法律は私は不備だと思います。そのほかも、本会議でも支所の数についても質問をしましたし、新人材バンクの規模についても伺いました。それも大事だけれども、私、きょう質問させていただいて、どこに天下りをするかという範囲すら有識者会議に丸投げをしているというのは、正直びっくりしました。

 私どもも幾つか質問を整理いたしますので、ここの質問で、同じように、これからも大臣が、いや、それは有識者会議ですとうなりを上げていただいても、全くこの法律の中身は詰まっていきませんから、ある程度責任のある答弁を紙に書いて、答弁じゃないですね、きちっとした見解を行革事務局として出していただきたい。それを前提にさらなる充実した質疑をしていかないと、正直言いまして、きょうの大臣の答弁だと、全部有識者会議ということになってしまいますから、意味がないと思います。そのことを私ども整理をしてやりますから、ぜひ委員会として、理事会として、それを確認した上で質疑を続けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

河本委員長 理事会で協議いたします。

細野委員 また質疑の機会もあると思いますので、再度立たせていただきますが、率直に言って、きょうの大臣の御答弁では、この法律をきちっと運営をして天下りを規制するということについては大変心もとない、そんな感想を持ったということを最後に申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 どうもありがとうございました。

河本委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 午前中は、民主党案、私は答弁をさせていただきました。与党の、自民党の議員の方々から私どもの案について御質問をいただきました。政府提出の天下りバンク法案に対して、私どもの天下り根絶法案、全く基本認識、そもそもの理念が違うということをお伝えさせていただいたわけでありますが、今回は、午後は場をかえて、政府案に対しての質疑をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、この政府案、質疑をさせていただく前に、午前中の、私に質疑をいただいた後藤田委員、渡辺大臣にはわたりの問題を指摘されておられました。私も答弁席に座りながら、このわたりの問題は本当に深刻である、そう感じておりましたが、そこでの御指摘の中には、社会保険庁長官、さまざまな問題を起こした、あるいはさまざまな批判を受けていた社会保険庁長官の方々がその退官後もわたりをされているという実態について、後藤田委員は大臣に、これについては厳正なる対応をということをはっきりと述べられておりましたが、大臣は、それに対しては何も御答弁をされておられません。私ども民主党からも、思わず、このことについては、そうだという同意の声が上がっておりましたが、大臣、ぜひここでしっかりと確認をさせていただきたいと思います。

 こうした社会保険庁長官のわたりの問題、これは大きな国民の批判を受けておりました。国民の関心事でもありました。こうした問題をこのまま放置するのか否か。単にこの法案で新たな制度ができるということのみならず、今日において、年金機構法案も含めて、今厚生労働委員会では審議がなされております。これに対して大臣はどのような対応をされるのか、この委員会の場で明確に御答弁をいただけますでしょうか。

    〔委員長退席、後藤田委員長代理着席〕

渡辺国務大臣 個別の問題ではなくて一般論でございますが、二回目、三回目のわたりをやっているということは、新法施行後どうなるか。それは、わたりにかかわった人事当局者は懲戒処分になるんです。

 ですから、先ほども申し上げたように、そういった再就職規制違反があった場合には外部監視機関が動くんですよ。先ほども申し上げたように、立入検査もやる、事情聴取もやる、そういうすごい法案であるということでございますから、恐らく、わたりあっせんなどということは根絶をされていくことになるかと思います。

馬淵委員 新法施行後ということではなくて、今の、現時点における問題意識として、大臣はこれをどのように、今後政府内で、そのお立場の中で発言、発信あるいは行動していこうかということをお尋ねさせていただいているんですが、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 ですから、こういう法案が成立をするということになれば、これは当然それぞれの人事当局において何らかの自主規制というものがあっていいと思いますね。ですから、これは私の一存で決めるわけにはまいりませんけれども、やはり余りにも目に余る、そういう行為が、法が実効性を持つ前に行われるようなことがあれば、それは内閣として、法の精神を前倒ししていくことも考える必要はあるかと思います。

馬淵委員 前倒し、先ほど、それは午前中のお話にもありましたが、今私がお尋ねしているのは、現状においては何らかの措置をとられる、あるいは何らかの措置をとるような大臣としてのお立場からの発言、行動、これをとる思いはお持ちでしょうかということをお尋ねさせていただいています。再度御答弁いただけますでしょうか。

渡辺国務大臣 ですから、個別の問題はよくわかりませんので、私はあくまで一般論を申し上げているわけです。私が一般論として申し上げていることまでわからないということはないでしょう。

 ですから、まさにこの法の精神が、余りにも目に余る事例が頻発をするのであれば、内閣として何らかの措置は考えなければいけないということを申し上げているわけでございます。

馬淵委員 今の御答弁の中では、政治がみずから襟を正す、その精神を前倒しするという話じゃなくて、こういった具体例、まさに政府・与党から、与党の委員から指摘をされたことに対して何ら手をこまねくということであれば、政治がみずから襟を正すということにはほど遠いのではないかという気がいたします。

 さて、政治がみずから襟を正さねばならないという観点から、私、きょう、委員長のお許しをいただいて皆様方にお配りをした資料から質問をさせていただきたいというふうに思います。

 お手元に資料が配付されていると思いますが、この一枚目、1をごらんいただきたいと思います。

 これは、公開情報でございます、ホームページに出されている、藤井基之参議院議員のプロフィールの部分でございます。藤井基之参議院議員、昭和四十四年に国家公務員の上級職・薬学、これをパスされて、そして同年、厚生省に入省されました。そして、職歴をごらんいただきますと、この藤井基之参議院議員は、厚生省で薬務局、主に薬学を専攻されたということで、薬務局の専門家として仕事をされてこられました。平成九年、厚生省を退官され、同年、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団専務理事というところにつかれたわけであります。

 さて、この藤井基之参議院議員が御自身のプロフィールに続けて書かれている、二枚目、2をごらんいただきますと、御自身が「厚生省を退官して」というメッセージを書かれております。ここを読みますと、「私は厚生省を五十歳の時に退官して、その後は財団法人ヒューマンサイエンス振興財団に勤務を致しました。」このように書かれております。

 五十歳という年齢でやめられているわけでありますが、さて、事務方で結構ですが、藤井基之参議院議員、五十歳のときに退官、このように書かれておりますが、これは早期退職勧奨によるものでしょうか。お答えいただけますでしょうか。

菅原大臣政務官 省庁の退職者に係る退職理由につきましては、個人情報でございますので、公開するに至っては御本人の同意が必要でございます。御本人に同意を求めましたところ、藤井基之議員からは、厚生省を退職したのは勧奨によるものである、このような回答をいただきました。

馬淵委員 今、御本人の同意を得て確認をさせていただいたということでありました。藤井基之参議院議員は、自民党の参議院議員の方でいらっしゃいますが、平成九年、五十歳で早期退職勧奨を受け、この早期退職勧奨制度によって厚生省を退官されたわけであります。

 さて、その平成九年、同年に財団法人のヒューマンサイエンス振興財団専務理事につかれました。さて、このヒューマンサイエンス専務理事につかれる中で、役所のあっせんというものは、あるいは人事管理の一環としての情報公開も含めた、そうしたものはあったでしょうか。お答えいただけますか。

白石政府参考人 お答えいたします。

 藤井議員の財団法人ヒューマンサイエンス振興財団への再就職につきましては、当省のあっせんがあったか否かということについては把握していないという状況でございます。

馬淵委員 これは把握をしていないということでありますが、具体的にどういうことなんでしょうか。把握をしていない。私はお尋ねをさせていただいたわけでありますが、具体的にどういうことなんでしょう。把握をしていないということの意味をお答えいただけますでしょうか。

宮島政府参考人 厚生労働省における再就職のあっせんでございますが、人事院の承認を必要とする営利法人に再職する場合、これは記録があるんですが、それ以外のもの、公益法人などは、あっせんによるものなのか、あるいはみずから探したのかというようなことを退職時の書面に記録していないということですので、あっせんがあったのか否かについて把握していないというようなお答えをしている、そういうことでございます。

馬淵委員 これは、あっせんをしたのかどうかがわからない、それが書面に残らない仕組みになっているというお話でありますが、では御自身で探されたんでしょうかね。厚生労働省、これについては把握されていますか。

黒川政府参考人 お答えいたします。

 私どもといたしましては承知しておりません。

馬淵委員 あっせんがあったかどうかも書面に載っていないのでわからない、そして御自身が探したかもわからない。しかし、こうした法案、今回、天下りに対して多くの国民の方々の批判が集まる中で、これを何とかしなければならない、これは政府も重い腰を上げたわけです。我々もかねてより行政改革というものは必要であるということから強く主張をしてきたこの天下りの禁止、こうした法案が出るという背景は、当然ながらに、こうした場面ではあっせんがあった、だからこそこうした法人に就職をされたのではないか、これがなければ、今提出された法案、審議の意味がないわけです。

 さて、この藤井基之参議院議員がヒューマンサイエンス振興財団専務理事につかれたわけでありますが、ヒューマンサイエンス振興財団の業務と藤井氏の経歴との関連性について、これも事務方で結構ですが、簡単に、端的に。

白石政府参考人 お答えいたします。

 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団の業務でございますけれども、保健医療、医薬品、あるいは医療機器、福祉機器、生活衛生等に関する先端的、基盤的科学技術の振興を目的といたしまして、官民共同研究であるとか、あるいは特にヒト組織の保管、増殖、あるいは研究者への提供を行います研究資源の供給、あるいは厚生省、今は厚生労働省になっておりますが、そこの所管の国立試験研究機関等の保有する特許権等の民間事業者への技術移転等を行っておるという財団でございます。

    〔後藤田委員長代理退席、委員長着席〕

馬淵委員 ヒューマンサイエンス、この財団に流れている厚生労働省の補助金、各研究事業ですね、これはどういったものになるんでしょうか。

白石政府参考人 直近の十八年度の予算で申し上げますと、この財団の事業予算三十五億ほどでございますけれども、うち厚生労働科学研究費の補助金二十三億余でございます。

馬淵委員 この財団には、研究補助金として、各研究事業、これは幾つか私も確認させていただきましたが、幾つかの研究事業が進められておる。大きなものであれば、例えば政策創薬総合研究事業、これは政策的に必要な創薬、薬をつくるという事業の研究費として、研究開発、先端的な、基盤的な技術の開発を目的として事業を推進する、これに関しては十五億、大変大きなお金が流れているわけであります。

 また、ヒトゲノム、再生医療、さらには感染症の研究、こうした事業そのものは非常に大事な事業だとは思いますが、こうした、まさに厚生省における、藤井参議院議員が当時厚生省の仕事の中で薬務局に勤められながらかかわってきたことについて、退官後に、この仕事が流れているヒューマンサイエンス振興財団専務理事として勤められたわけであります。

 さて、現行、ヒューマンサイエンスのこの財団に今厚生労働省のOBとして勤められている方は、どういうお立場でどういう方が行っておられますでしょうか。

白石政府参考人 若干細かくなりますけれども、申し上げます。

 役員の中で、厚生労働省を退職したものの再就職をした者というものでありますれば、現在、常勤の理事長それから常勤の専務理事一名の計二名、それから非常勤の方もちょっと見ましたらば、非常勤の理事の中に四名おります。

馬淵委員 今も理事長になっておられる方、厚生省にこの方も勤められて、そして厚生省から厚生労働省となった後、健康局長をやめられた後、社会福祉・医療事業団の理事に行かれたんですね。そして、これが独立行政法人に変わったんですか、福祉医療機構理事になられ、さらにそこからヒューマンサイエンス振興財団の理事長につかれました。

 また、専務理事、これはちょうどこの藤井さんと同じお立場で行かれた方でありますが、この専務理事の方も、これも厚生省にお勤めになられ、厚生省の医薬局での課長を最後にこのヒューマンサイエンス財団にお勤めになられています。つまり、厚生労働省のまさに指定席としての位置づけの財団であるわけであります。

 こうしたヒューマンサイエンスの財団から、今度は藤井参議院議員は、プロフィールを見ますと、平成十二年に社団法人日本薬剤師会の常務理事につかれております。日本薬剤師会常務理事、ここはまたどのような形で厚生労働省の所管として関係があるのか、これも端的にお答えをいただけますでしょうか。

黒川政府参考人 日本薬剤師会の業務内容という趣旨でお尋ねのことと思います。御説明申し上げます。

 社団法人日本薬剤師会は、国民の厚生福祉の増進に寄与するため、薬剤師の倫理的及び学術的水準を高め、薬学及び薬業の進歩発展を図ることを目的とした法人であり、薬学の進歩の助成及び薬業の発達の促進、薬剤師の職能の向上、薬事衛生の向上普及、優良医薬品の普及及び医薬品の流通の適正化等に関する事業を展開しているところと承知しております。

馬淵委員 薬務局として薬をつくってきたところを審査する立場から、今度は薬をつくる側の財団に行かれ、そして今度は薬剤師、今お話にありましたように、今度は薬を供給する側にまた再度移られていったわけですが、この社団法人日本薬剤師会、こちらに厚生労働省から行かれている方というのは、どういう立場のどういう方がいらっしゃるんでしょうか。これも端的に。

黒川政府参考人 お答え申し上げます。

 日本薬剤師会の現役員のうち、元厚生労働省職員であった者は、常勤一名、非常勤一名でございます。

馬淵委員 常勤の役職はどういった立場でしょうか。

黒川政府参考人 専務理事でございます。

馬淵委員 こちらも、薬剤師会に行かれている方、厚生省から常勤、非常勤と行かれているわけですが、専務理事をお務めになられている。これも、そのお二方を見ますと、それぞれ、厚生省を退官した後直接行かれた方と、それからもう一方は、国立医薬品食品衛生研究所というところに行かれ、これは厚生省の中ですか、厚生省の中から、その後薬剤師会に勤められた方であります。

 藤井参議院議員が、厚生省をこうしたいわゆる肩たたきによってやめられて、そして、その後ヒューマンサイエンス振興財団、さらには薬剤師会にお勤めになる。薬剤師会にお勤めになる中で、日本薬剤師連盟の副会長にもつかれました。

 この日本薬剤師連盟というのはどういう団体でしょうか。厚生労働省、わかる範囲でお答えください。

黒川政府参考人 日本薬剤師会については先ほど申し上げましたとおりでございます。

 日本薬剤師政治連盟につきましては、政治資金規正法第三条に定義される団体ということは私承知しておりますが、それ以上のことは承知しておりません。

馬淵委員 お手元の資料のプロフィールをごらんいただきますと、厚生省を退官した後に、先ほど申し上げた、繰り返し申し上げますが、非常にかかわりの深い財団に専務理事でお勤めになられた後に、今度は薬剤師会に入られるわ、薬剤師会に入られて常務理事になられたと同時に、今まさに御説明のありました日本薬剤師連盟副会長、このように書いていますが、これは政治団体、そこの副会長につかれたということかと判断されます。

 そして、平成十三年に参議院選挙に自民党から立候補され当選をされる。平成十六年、厚生労働大臣政務官、厚生労働委員会の委員、また自民党の厚生労働部会の副部会長をなされているということであります。

 さて、先ほど来、私は渡辺大臣に、こうした法案の提出をしなければならない状況、我々、これは国民の声を聞いて、何とかせなならぬ、このことで、まず天下りの根絶を図らねばならないということで、与野党ともにこうした法案を提出してきたわけでありますが、その前にまず政治が襟を正さねばならない。単なる官僚たたきあるいは公務員たたきではないんだ、真っ先にあるべき公務員制度の姿を浮かべ、その上で、政治が最もリーダーシップをもってこれは図らねばならない。このことは午前中の答弁の中でも繰り返し私は説明をさせていただきました。

 ところが、藤井参議院議員、これを見ますと、まさに役所のわたりであります。役所から関係する法人にわたりをされ、そしてそのわたりの結果、どうなっているか。藤井参議院議員が平成十三年の選挙に出られたときの各団体の力というものが新聞にも載せられておりましたが、すなわち、役所から法人に渡り歩く、そして、最後には、その中で参議院議員という議席を、まさに、天下りなのか天上がりなのかわかりませんが、その議席をまず指定席として、厚生労働省の所管の中で、当然ながら権限、権益が及ぶ範囲の団体から推されて議席を得る。

 私は、このことについて、実は多くの官僚の方々からも、ある意味ぐちのような、ぼやきのような言葉を聞きました。

 公務員として、公のために働こうとする者が、一生懸命に、それこそ自分は大学を出るときに民間を選択することもできるわけです。民間に行けば、それなりに自分の思いを果たすことができる。それは金銭なのか、あるいは社会的な形の中で製品やサービスを提供するといったものもあるのかもしれない。

 しかし、そこで、目には見えないけれども、公のために働くということを選択した方々、こうした方々が、自分の仕事を全うすることが六十まではできなくて、もちろん御自身の事情によってやめられる方もいらっしゃるかもしれないが、肩たたきという制度のもとにやめなければならない。

 そして、やめた後は、それを補償するがために、渡り鳥のように幾つも渡り歩いて、そして天下りを繰り返して、退職金やあるいは年収幾らということを、それを喜びにしているなどとはとんでもない、いや、それをもって公務員バッシングが起こるというのは、これは自分としても甚だ耐えられないんだという声を多数聞きました。

 そして、その中で最も出てくるのは政治家の問題なんですよ。結局、最もひどい天下りは何かといえば、こうした役所からの、団体から団体へ渡り歩いた後に、議員として、その役所の命を受けた形の指定席のような議席を得るということが公然と行われている。これは、まさに政府の、皆さん方の政党の中で行われていることなんです。政府みずからがこれを正すことなくして、なぜ公務員制度改革という公務員の話ばかりになるんでしょうか。

 これは渡辺大臣、真っ先に政府がこのことを改めなきゃならないんじゃないですか。政府が、すなわち与党が、こうした役所の天下りのなれの果てのような形で、なれの果てというよりはむしろ天上がりなんでしょうか、議席を得ることができるような仕組みになってしまっているこの現実。これははっきりと藤井さんもおっしゃっているわけですね。五十歳で退官した後にわたりをされて、あっせんがあったか否かはわからない、これは厚生労働省が把握していないというふうにおっしゃっていますが、こうした現実。

 これは何も藤井参議院議員だけに限るものではありません。同じように、各省庁が指定席と呼ばれるような形で議席を得る。参議院の比例区という形で議席を得る。このことが、天下りを、公務員を正すということをする前に、真っ先に与党がやらねばならないことではないんですか。それこそ、今夏の参議院選においても、こうした天下りを規制するならば政治家みずからが襟を正す、そして与党が、このことに対して、これは変えねばならない、そうした決意をお示しにならねばならないんじゃないんでしょうか。大臣、いかがお考えですか。

渡辺国務大臣 我々は、役人であった者が死ぬまで役人でなければならない、そんな立場はとりません。

 役人であっても、一転、志を持って政治家になられる人は幾らでもいるんじゃないんですか。それが悪いことなんでしょうか。私は全くそう思いませんね。中には過去官僚などと言われる人もいるかもしれませんけれども、しかし、私は、役人としての経験や能力を政治家となって大いに発揮する、そういうルートがあったって全くおかしくないと思いますし、まさに我々政治家は選挙の洗礼を受けてしか政治家になれないのであります。

 どこかの天下りの押しつけみたいに政治家になれるなんということがあるんですか。それはあり得ないことじゃありませんか。したがって、政治家が選挙の洗礼を経て政治家になった、そのことまで否定をするということはあり得ないことだと思います。

馬淵委員 役人の方が志を持って政治家になられること、私はこれは決して否定するものではありません。きょうも私に質疑をいただいた委員の方もそうした志を持って政治家になられたわけであろうし、また、私どもの同僚の中にも多数おります。

 しかし、私、今回これで取り上げているのは、まさに役所から、そのお立場の中で、早期退職勧奨の制度の中でやめられた後、法人を渡り歩いて、そして、その法人の中での政治連盟という大きな政治的な力を背景に持った、バックに持った団体から出てくる。そして、その後のお立場としての振る舞いは、省の代表、あるいはまさに省益で動かれたかどうか、この辺はまたいろいろ検証しなければならないかもしれませんが、省の代表としての動きをされる可能性がある。これを天下りと同じ観点で国民は見るのではないかと私は申し上げているんですよ。政治家になろうとする志を否定するものではありません。

 しかし、このような経歴で政治家になっていく方が多数現実に生まれているのが今の自民党の参議院の比例区じゃないんですか。私が申し上げているのは、このような形で政治家がみずから襟を正す、そのことができなければ、公務員に対してどんなに大きなことを言っても、これは説得力ないんじゃないですかと申し上げているんですよ。大臣、いかがですか。

渡辺国務大臣 とにかく政治家というのは選挙の洗礼を受けるんです。国民がこの人はだめと言ったら政治家になれないんですよ。いいですか。今、政党名簿で政治家になる例は、衆議院の場合にはあり得ますけれども、参議院の場合は厳正拘束名簿式比例代表制ではないんですよ。本人のフルネームを書いてもらわないと当選できない、そういうシステムに変わっているんです。

 そういう中で、例えばこの藤井基之さんも、どれぐらいとったのか覚えておりませんけれども、フルネームを書いてもらって政治家になった方じゃありませんか。この藤井基之さんが、では、この人はかつて官僚だったから自民党の会合で今回の公務員制度改革に反対したか。この人が反対の発言をしたなどという話を私は聞いたことありませんよ。政治家になったら政治家としてのまさにミッションがあるんです。ですから、私は、かつて官僚であった人が政治家になって何か問題があるんですかと先ほども申し上げたのでございます。

馬淵委員 官僚が政治家になるのが問題だと申し上げているのではありません。こうした業界団体を背景に政治家になってこられる方がまさに天下り、わたりをされていく、こうしたことがかつて日歯連の問題、また医師会の問題も含めて、さまざまな政治と金の問題に発展してきたこともありました。この国会でも審議がなされたこともございます。厚生労働委員会でもたびたび問題となった。

 このように、天下りという形が実は政治家にも及んでいるんだということ、国民はこれを見ているんですね。私が申し上げたいのは、こうしたことを正そうとせずに、単に公務員の制度を小手先で変えようとするのであっては全く信頼を得られないのではないかということを申し上げているわけであります。

 渡辺大臣であれば、当然ながらに、こうしたことに対して憂慮をされているのではないか、私はそう伺っておったわけでありますが、お考えとしては、いや、これはいいんだ、このような形で役所からわたりをして、また、業界団体をバックにして役所の代表のような議員を誕生させていく仕組みの中で、それでいいんだということであるんでしょうか。

 重ねてお尋ねをいたしますが、この問題に対して、大臣が総理に、あるいは御党の方で、これは正さねばならない、公務員制度を変えていく上ではこれも一つの大きな問題なんだ、そうした認識というのはお持ちにはならないですか。いかがですか。再度、最後にもう一度お伺いします。

渡辺国務大臣 参議院の改革の問題については、私は、今回政府の立場でございますから、一々発言は控えたいと思います。参議院の問題については参議院の方できちんと対処をされると思います。

馬淵委員 大臣が大変活発な御発言をされると期待をしておったんですが、そうではないということがわかりました。

 さて、この藤井参議院議員のお話を厚生労働省に伺っておりましたところ、先ほど来答弁にもありました、把握をしていないということであります。再々就職も含めて、これは把握されていますか、そういう事実はありますかということを尋ねたところ、これもわからないということであります。

 お手元には3で資料をつけておりますが、これは昨日、質疑の準備でやりとりをする中で厚生労働省の調整官の方からお話しいただきまして、私の事務所で説明したときには、あっせん等はない、このようにおっしゃっていたわけですが、これはわからないの間違いだということで、正確な答えということで書面でいただきましたが、わからない、こう言い続けておられます。厚生労働省はこのようにおっしゃっています。

 ところが、ことしの三月二十日の内閣委員会、これは参議院でございますが、我が党の松井孝治参議院議員は、再々就職等を含めて、こういったものは業務上行われているのかということについて質疑をされています。三月二十日の内閣委員会、松井孝治参議院議員が、「そういう御紹介、情報提供、先方からの要請もあって提供される。これは業務上行われていることですか。」という質問に対しまして、政府参考人は、「私どもの人事管理の一環として実施をしております。」このように明確に答弁をされています。これは経済産業省であります。

 経済産業省は明確に、人事管理の一環として実施をしている、こう述べられている。さらに、OBにつきましても、当該企業、団体等に紹介するということは事例としてはございますということで、つまり、OBの再々就職、わたりのあっせんも含めて、経済産業省は組織として、人事管理の一環として行っているんだ、こうお答えをされているわけですね。

 これは公務員の職務上、専念義務も含めて、職務上の一環として、人事管理の一環として行うのは果たして適切なのかということを松井孝治参議院議員は質問しております。「職務上そういうことを行ってよろしいんでしょうか。」こう聞いているわけですね。これに対しては、「照会に応じて一般的な情報提供を行うということは行為としてあると思いますし、それをもって私どもとして直ちに職務以外であると、職務専念義務に違反するようなものであるというふうには直ちには当たらないのではないかと考えております。」ということで、職務専念義務違反に当たらないんだ、これは人事管理上の仕事なんだと明確におっしゃっています。

 きょうは財務省も来ていただいておりますが、私は同様な質問を昨日もレクの中でさせていただきましたが、財務省、いかがでしょうか。

杉本政府参考人 お答えいたします。

 財務省といたしましては、個別の企業や団体等から人材についての情報の求めがあった場合には、在職中に培った能力に対する需要にこたえる観点から、必要に応じて情報提供することはございます。一般論でございます。

 ただし、その情報をどのように活用するかはそれぞれの企業等の判断であると考えておりますし、最終的に就職するか否かについても、あくまで本人と企業との合意に基づくものだというふうに考えております。

馬淵委員 経済産業省も、今御披瀝した議事録にはっきりと述べられている。そして、財務省も今お話しの中で、職務上そういったこともあるんだということを述べられています。

 厚労省、重ねて繰り返しお尋ねしますが、厚労省はこれはわからないとおっしゃっているんですね。他の省庁は把握をされているわけですが、厚労省は、これはわからない、把握できていないということですが、再度お尋ねいたします。厚生労働省は、こうした事実について、把握をしよう、あるいは人事管理上の形の中でも把握をしよう、あるいは記録に残そうということも一切されてこなかったのか、それとも、わからないままに放置してきたのか、これはいずれなんでしょうか。厚生労働省。

宮島政府参考人 企業などの求めに応じて、こういう人間がいるというようなそういう情報提供、これは行っております。行っておりますが、個別の人について、過去のこういう人が、ではその人は、そういうことで再就職したのか、あるいはみずからその職を見つけて再就職したのか、それはわからないということでお答えしたものでございます。

馬淵委員 私への説明とちょっと食い違ってくるんですが。今お話しいただいたのは、情報提供はやっていると今お話しされましたね、言われましたね、情報提供はやっていると。だから、それについては情報提供をしているということは、これは把握されているわけですか。

宮島政府参考人 個別の人について、そのときに行っていることはあるということでございますが、それを記録として残しているということはないということを先ほどから申し上げているということでございます。

馬淵委員 個別でやっているけれども記録には残していない、だから、結果として問われたらわからないと言うしか答えようがない、こういうことでよろしいんですか。

宮島政府参考人 そういうことでございます。

馬淵委員 先ほど私の前に質疑をされた細野議員が、このわたりについては十六名、これは随分と少ない数字じゃないか、いや、逆に言うと、当初の調査の目的からいえば、概況を知るんだということについて当初の目的を達成していないのではないか。委員長には理事会で、この問題について、これは少なくとも調べていただきたいんだということを理事会協議で上げていただきました。

 渡辺大臣、今のお話のように、厚労省は、個別にやっている事実だけを把握しているけれども記録には残していないという話なんですよ。だから、今回の十六人の中には厚労省は入っていませんよ。ところが、財務省については明確に御答弁をいただいています。それについては把握をされているわけですね。そして、その把握の中で三名という、今回のわたりのその十六人のうちの三名が上がってきたわけです。

 つまり、このような実態、今、各省庁においても全く把握する意図がない、意思がない、あるいは何とか記録に残っているものが三名程度というような状況の中で、繰り返しになるかもしれませんが、このわたりの調査、わたりについての認識というのは、これはもう全省庁ほとんどあるにもかかわらず、私、今、藤井さんの例を挙げました。あるいは、ヒューマンサイエンスや薬剤師会のその法人に行かれている厚労省のOBの方々のわたりの状況もここでもお伝えをしました。

 現状あるにもかかわらず、全く把握がされていない。この状況の中で、わたりについて、氷山の一角が出たからいいんだというのは、これは私は、本来の目的を達成できていないですし、このような状況でこの天下りバンク法案を出されてきたというのは、実態を把握しないまま、とにかく、めくらめっぽう今あるものを一つにまとめればいいんだという発想にしかならないと思うのですが、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 先ほどもお答えしたわけでありますが、十六名というのはやはり少ないと思いますよ。恐らくこれは氷山の一角であろう。しかし、今回の法案をつくるときに、一体どれくらいあるんだろうと、正直私も興味を持って、関心を持って、数字が出てくるのを待っておりました。しかし、こんな程度でありますから、そうすると、これは氷山の一角は出たが、実態はわからぬということだなということでありますから、だったら、官民人材交流センターにおいては二回目、三回目のあっせんは一切やらないという、いわば逆手をとってそういう決断をしたわけでございます。

 つまり、官民人材交流センターをつくるんだったら、それをトンネル機関にしたいという方もいらっしゃいましたので、そこで二回目、三回目のあっせんもやってくれというような意見も実際あったんですよ。でも、もうこんな数字しかないんだったら、やめたっていいじゃないかと逆に、逆手をとって我々はそういう決断をしたわけでございます。

馬淵委員 概況を見て、その実態がもっとあるだろうというにもかかわらず十六名しか出てこない、だから逆手をとったというお話でありますが、制度設計をする上では、本来ならば、しっかりとした実態把握というのがやはり大前提なんじゃないでしょうか。先ほども、午前中、私も答弁をさせていただく中で、質疑者からは、業務の見直しというのは一体どういうものがあるのかを細かく分析していかねばならない、当然ながら、実態を把握することが最も重要だということを御指摘いただいたわけですね。

 でも、今の大臣のお話では、例えば今答弁いただいた厚労省は、個別にやっている事実はわかっているが把握はしていない。財務省は、記録に残っているんでしょうね、しっかりとお答えをいただきました。経産省も同様です。人事管理の一環として行っていると言われている。これほどまでにばらばらな状況の中で、この実態把握なしに、いや、これは氷山の一角でもわかったんだから、これはとにかく一切だめだという話で持っていこうというのは、制度設計としては、先ほど私に質疑をされていた方からの論から見ても、これは全くおかしいのではないかと思うわけであります。

 大臣、改めてお聞きをいたしますが、この氷山の一角がこんなものだから、とりあえず再々就職、これはあっせん禁止だということを天下りバンクの中で決めたということでありますが、国民が知りたいのは、それで天下りバンクで再々就職を禁止にしたんだという話ではなくて、どういう実態があって、だから、そもそも天下りというこの仕組みそのものを絶たなければならない。我々が訴えている肩たたきの禁止というものが本来求められている制度なのか、それとも、大臣がおっしゃるように、何となく氷山の一角で頭がぽこっと見えたけれども、その下にたくさんあるだろうなということが考えられるので、とりあえず禁止にしたんだ、この仕組みはいいんだ、こういった乱暴な説明で国民の皆さん方は納得できるんでしょうか。

 お尋ねさせていただきたい。制度設計を行う上においては、詳細な実態把握というのは当然求められるわけです。各省庁ばらばらなわけですよ。自分のところではっきりとわかっているところもあれば、全くわからないと言っている厚労省もあるわけです。こうしたところに対して何らかの形で、これは先ほど同僚議員も申し上げましたが、事務次官、少なくとも次官級の方々に対しては、これは明確な調査を行うべきではないか。全部というのは大変かもしれないが、このわたりの実態というものがどの程度に及ぶのか、これを把握しなければ、それこそ、その先、制度設計でとにかく全部閉じればいいんだという話は、あくまで天下りバンクということを大前提にされているからであって、私どもが提示している肩たたきを禁止すべきなんだというところの論点もしっかりと国民の皆さん方は見ておられるわけですから、実態把握がまず先に必要なのではないか、このように私は思うわけであります。いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 先ほど来申し上げているように、官房長官のもとに有識者懇談会を立ち上げ、ここにおいて詳細な制度設計を行います。その詳細な制度設計の中で、必要があれば関係者のヒアリングもやるでしょう。それはまさに有識者懇の判断ということになるわけでございます。

馬淵委員 私どもは対案を示しております。国民の皆さん方にわかりやすく、問題の本質は肩たたきにあるんだ、何度も申し上げるように、これは公務員で縛る話でも何でもありません。皆さん方に自分の人生をみずから切り開いていただくという自己決定をしていただこう。公務員の方々にも、公のために働くんだから、そのためにはみずからの人生をみずからで切り開いていただこう。しかし、一方で、何の法的な根拠もないままに途中でやめさせられるというこの慣行はおかしい。民間と同じように、同様に、これはまさに公務員の方々が生き生きと働けるような組織にしていくためにも必要だろうということで、我々は肩たたきの禁止というのを掲げているわけですよ。制度設計でいうと大きく違うんですね。

 しかし、大臣は、いや、この再々就職について、氷山の一角でこれが出てきたから、まあとりあえず全部禁止なんだ、だから天下りバンクなんだと言われても、国民からすれば、いや、そうじゃない、肩たたきが本質ならば、政府案も肩たたき禁止から入るべきではないかという意見が出てくることも十分に考えられる。その意味において、実態をなぜ明らかにしようとしないのですか、こうお尋ねをしているわけです。

 天下りバンクを前提とすれば、確かにおっしゃるように、もうそこで全部とめるんだという一言で終わらせようということはできるかもしれません。しかし、我々は、明確に入り口が違うよ、肩たたきということがあるから今の問題が起きているんだから、ここを正すんだという提案を、対案を出しているんですよ。これに対して国民は、どっちがまともなことを言っているのかなという当然ながらの疑問を持つと私は思うんですね。それに答えるのは、やはり実態を明らかにすることではないんでしょうか。

 さまざまな問題が発生したときに、常に、その再発防止、それはまず実態を把握することです。これは小泉総理もよく言われていたんじゃないですか。安倍総理もたまに言われていますよね、まず事実を把握することだと。事実の把握なくして制度設計はないわけです。それを有識者懇で、とにかく詳細についてはそこで決めるんだというのは余りにも乱暴だ。いや、むしろ本来の問題の本質を見きわめるために、これはやらなければならないことを放棄している。私は、今回の法案の審議に際して一番大きなポイントだ、このように思っておるわけです。

 大臣、重ねて、繰り返しの質問でありますが、今私が申し上げたように、我々は対案の中で明確に肩たたき禁止ということ、これがそもそも問題の本質であると訴えているわけですよ。だからこそ実態の把握が必要なんだと。わたりのような形で、どのような幅広で、どのような根深さでこの天下りの問題が国民生活の中に影響を及ぼしているのか、これを押さえなきゃならぬ。これについて、大臣、あなた方は御自身の中で、天下りバンク法案だからそれはそれでやっつけるんだということでいいかもしれないが、国民から見れば、税金使って天下りバンクをつくられるのは何かおかしいなと感じたときに、なぜ実態を調べようとしないんだ、何か覆い隠そうとしているんじゃないのかという気持ちになるのは普通じゃないんでしょうか。大臣のお考え、いかがですか。

渡辺国務大臣 まず実態を把握しなければいけない、私もそう思いました。したがって、総務大臣にもお願いをし、天下りあっせんの実態を調べていただきました。これはたしか三月の末か四月の初めぐらいにその数字が出てきて公表されていると思います。

 なお、再就職のわたりあっせんについて、これは行革本部から各府省庁にお願いをして調べていただきました。それで出てきたのがこの数字でございまして、私は正直がっかりいたしております。しかし、もうこれ以上確認できない、こういうわけでございますから、この数字をもとに制度設計をやらなければいけない。

 早期勧奨退職が元凶であるとおっしゃられました。ではなぜ早期勧奨退職が起きるのか。それは、まさに年功序列人事があるから早期勧奨退職が起きるんですよ。だったら、もっと根本的なところからメスを入れるべきではないか。そこで我々は、まさしく能力・実績主義という年功序列を打破する制度を今回導入し、提案をしているところでございます。

馬淵委員 るるおっしゃいましたけれども、最後のところの部分で私は反論をさせていただきたいと思うんですが、年功序列人事、これがあるから早期退職勧奨制度があるんだというのは、これは私は大きな見当違いだと思いますよ。民間でも同様に年功序列人事があるんです。年功序列人事を、もちろん、経営者がさまざまな方法を考えて、組織に対して揺さぶりを与えていく。時には能力・実績主義というブームもありました。また今、日本式経営という形で終身雇用も含めて考えていったらどうかといった形で、能力・実績主義を大きく大転換している企業もあります。分社をしていこうという場合もあれば、これを統合していこうという場合もある。

 つまり、組織に対していかに刺激を与えるかがマネジメント、経営者の能力、手腕なんですよ。年功序列の制度があるから肩たたきが起きたんではないんです。これはあくまでたった一人しか置いてはならないという、ある意味、世界でも例を見ないと人事院でも称すようなピラミッド型の人事制度、たった一人、同期入省組は一人しか残しちゃいけないんだという、まさにヒエラルキー、権力を振るう側はたった一人でなければならないという発想から生まれた、まさにお上の意識から生まれた制度の結果なんですよ。年功序列制度の問題ではない、私はこう申し上げたい。

 だからこそ、早期退職勧奨制度をやめることによって、仮に同期の方々が同じように役所におられたとしても、同じかまの飯を食った同期がそれぞれの専門性を生かして頑張っている、あいつはおれと一緒だったけれども、同期入省だったけれども、次官にまで上り詰めた、大したやつだと。その中でお互いに切磋琢磨し合いながら、ともに役所、いや、もっと言えば国のために働こうという意識を持たせるのがトップマネジメント、経営者としての手腕が問われているということじゃないんでしょうか。

 大臣が今おっしゃっている、その年功序列型の制度で肩たたきが生まれているんだというのは、これはそもそも本末転倒だ。国民の皆さん方から見れば、多くの民間企業に勤められる、あるいは自営業の方々から見れば、そんなもの、全く逆ですよ。年功序列の中でいかに組織活性化することに力を注ぐかを日々やっておられるわけです。

 今のお話であれば、私は、繰り返し申し上げますが、肩たたきという本質、この部分が問題の本質なんだという議論に対して一切目を向けようとしない政府案というのが、我々の提案した案に対して、それこそ今の仕組みをそのまま残して、たった一人しか残さないという制度をそのまま残して、逆に組織の硬直化、非常に厳しいヒエラルキーのもとで行われる公務員の仕事の仕組みを全く変えないということになってしまうのではないかということを懸念いたしますが、もう時間もありませんが、最後に、今私が申し上げた論点について、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

渡辺国務大臣 民主党は年功序列制度を擁護するということが今の説明でよくわかりました。年功序列を擁護した上で肩たたきをやめさせるということでございますから、これはもうまさしく組織は上司高齢化、もう新入社員を採れなくなる、そういうとんでもない組織の劣化を招く案である、大きな政府そのものだということがよくわかりました。

 我々はそういう大きな政府論はとりません。政府は、簡素で効率的な政府を目指す、組織はぴちぴちとして、生き生きとして、筋肉質の政府を目指す、そういう大きな哲学の違いがあるということがよくわかりました。

馬淵委員 全く理解をされていないようであります。

 繰り返し申し上げておりますが、年功序列型、その元凶、それがあるから肩たたきがあるんだという、それは大臣がるる申し上げられましたが、私ども申し上げているのは、年功序列型が問題で、それで肩たたきをやるんではないんだ、たった一人しか置かないという今の仕組みがおかしいんだと申し上げているんですよ。ともに働く者がいて、その中でいかに組織を活性化させるかというのが最大のポイントなんです。経営者として問われる手腕はそこにあります。もちろん、やめられる方もいらっしゃるわけですよ。その中で組織をいかに活性化させるか、そのことを私どもの法案では最も重視して、そして肩たたきという最大の元凶をなくすんだ、こう申し上げてまいりました。

 民主党がうたっているのは、活性化をより高める、民間の方々が考えているのと同じベースでつくっていく制度だということを最後に申し上げて、また質疑の機会をいただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

河本委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一でございます。

 政府案への質疑を行わせていただきます。

 今、馬淵さんのやりとりを聞いて二つほどちょっと冒頭申し上げたいんですが、なぜ官僚出身の方が国会議員にということで馬淵議員がこだわられたかという一つの理由は、やはり日本は三権分立であるということがまず根底にございます。行政と立法府のチェック・アンド・バランス。そのときに官僚出身者が国会議員になる、それは職業選択の自由でしょう。ただしかし、時として選挙が、よく言われる省庁挙げての選挙などということがまかり間違って行われているとすれば、これはやはりこの三権分立からはあってはならない、こういう思いがあるということを私からも補足をさせていただきます。

 それと、先ほどやりとりさせていただいていたのでちょっと気になっているんですが、この十六名のわたり、これは私の質問項目にはないんですが、私、これまで何度かいろいろな大臣にお聞きをいたしました、官僚OBの再就職について、どうなんだと。そうすると、皆さん異口同音に、プライバシーだから、それぞれ省庁はどこにOBが行かれたかなどという記録は一切持っていません、大臣、みんなそういうふうに言うんですよ。

 渡辺行革担当大臣が全省庁にということで、行革本部がやられたようですけれども、どこの省庁にもOBがどこに就職したかという記録がない中で、十六名しか出てこないというのは、もし本当にそうだったとすれば、そういうふうになってしまうんじゃないですか。ちゃんと記録はそれぞれあったんでしょうか。OBがどこに行って、こういうわたりをしているという、そのデータベースとなる全記録は各省持っていたんでしょうか。まずそれを、質問通告にはありませんが、大臣にお聞きしたいと思います。

渡辺国務大臣 正確さを要求されるのであれば事務方から答弁をさせていただきたいと思いますが、十六という数字しか出てこなかったということは、本会議でも答弁申し上げましたように、それだけしか確認されなかったということですから、資料が残っていなかったと理解をしております。

武正委員 私が聞いたのは、これまでどの大臣も、官僚のOBの方が再就職したとか、あるいはどこに行っているとか、それはもうOBだから、官庁として、任命権者として相あずからぬことですと。そういう記録がないんですかと皆さんに聞くと、ないと言うんですね、もうOBの記録はないんだと。そういうことで、今回十六名を捜し当てたということでよろしいんでしょうか。つまり、各省は、どこにだれが行っているというOBの記録は持っていなかったということでよろしいですか。

渡辺国務大臣 要するに、我々が調べましたのは、いわゆるわたりあっせんを行ったかどうかということでございまして、だれそれさんがどこそこに行っているということを出せと言ったわけではございません。

武正委員 そうすると、各省にそうした記録があるということでよろしいですか、だれがどこに就職しているかという。だって、その十六名を出すに当たっては、当然各省も過去を調べて、この人はここに行って、その後また連絡が来てあっせんをしたんだと、人事担当者が追っかけているわけですよね。ということですから、当然、データベースとしてあるわけだということでよろしいんでしょうか。

渡辺国務大臣 私、各省大臣を兼ねているわけではございませんので、各省がどういうデータベースを持って人事管理を行っているかは承知をいたしておりません。

武正委員 十六件しかない、困っているというお話だったので、今、ここが大事なんですよ。各省がちゃんとそうしたデータベースを持っているんだったらば、担当大臣として、それ全部見せてみろ、おまえ、これとこれはわたりじゃないのか、どうなんだと、それをチェックするのが担当大臣で、十六件しかなくて、ああ困ったじゃないんじゃないでしょうか。各省がそういったデータベースを持っているかどうかを把握しないで、十六件しかないと言っているとすれば、それは所管大臣としていかがなものかと言わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。

渡辺国務大臣 二回目以降の再就職についてあっせんを行ったことが確認をされた人数が十六人だということでございます。また、その際、予算、権限関係にある企業等への再就職あっせんも、同時に出していただいております。

 いずれにしても、そのデータベースなるものについて、私が全部把握をしておればまた別でございますが、それは、我々は各省に聞いてこういう数字を出してもらったということであって、そこから先、データベースがどうのこうの、だれそれさんがどこそこに行っている情報があるかないか、そういうことは承知をいたしておりません。

武正委員 ということは、行革担当大臣は、各省に、いや十六件じゃ少ないから、あなたたちが持っているとされる、あるいは持っているかもしれないそうしたOBのデータを集めてくれ、見せてくれ、そしてチェックをするからと。とても十六件じゃ少ないと国会で言っているから、おれがみずからチェックするよ、みんな出してくれということをお願いすることはできないんですか。

渡辺国務大臣 お願いをすることはできますが、お願いをして出していただいた数字があれでございまして、強制力は残念ながらないということでございます。

武正委員 だれだったらあるのでしょうか。

渡辺国務大臣 それぞれの大臣だったら、出せと言えばお出しになるかもしれません。しかし、大臣が出せと言っても、多分、同じ答えが返ってくるのではないでしょうか。つまり、私があれだけ誠意を持ってお願いをして、この数字しか出てこないわけでございますから、大臣だったら別の数字が出てくるということはないと思います。

武正委員 だとすれば、やはりその力がある方、内閣の、総理に出ていただくのが一番いいんですが、もし総理が最初から出てこられないとすれば、やはり内閣官房長官に出ていただいて、先ほど来、懇談会、懇談会というお話もあります。私は、やはり内閣官房長官から各省大臣にきちっと、渡辺大臣は十六件と言っている、でも、そういったデータベース、それぞれ大臣が言わないと出てこない、あるかないか、あるいはそういったデータベースも、あればそれも全部で精査ができると。

 やはり私は、官房長官がここへ御出席いただいて、こうしたことを国会としてもきちっとお願いをしなければならないというふうに思いますので、委員長には改めて、官房長官の当委員会への出席をお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 独法の随意契約率の高さについての認識を聞きたかったんですが、これはこれまでの質疑の中でも大臣についてもいろいろと述べておられますので、質問を次に移らせていただきます。

 経済産業省、お見えでございます。副大臣、ありがとうございます。

 私ども民主党、独立行政法人の予備的調査を行いまして、その中で経済産業省の日本貿易振興会、平成十八年四月、財団法人デジタルコンテンツ協会と財団法人ニューメディア開発協会、そことの契約形態等というところでお答えをいただいたこの独立行政法人の予備的調査の報告書を見ると、公募と書いてあるんですね。

 我々が一番問題意識を持っているのは、やはり随意契約率が独立行政法人は高いということ。あるいは、昨年、全省庁、五百万円以上の全契約に占める随意契約率を出していただいたら、何と七割を超えている。一番高かったのは環境省、九三%でしょうか。それで政府、内閣は挙げて随契の見直しに取り組んできた一年だというふうに理解をいたしますが、ただ、今回、独法の予備的調査で、随意契約率がやはり七割を超えているわけなんですね。

 そこで、随意契約率がなぜ高いのかという問題意識なんですが、お答えいただいたところが公募と書かれているんですが、公募というのは随意契約のことではないんでしょうか。

渡辺(博)副大臣 御指摘のありました、ジェトロからの財団法人デジタルコンテンツ協会及び財団法人ニューメディア開発協会への委託事業につきましては、予備的調査の段階では公募という形で表示をさせていただいておりますが、これは、実は、民間の発意に基づきます多様なテーマを広く募集いたしまして、すぐれたテーマを採択するため、複数の候補からの企画提案を得て、複数の事業を選定するというものであります。ジェトロからは、ホームページ上で公募を行った上で、外部有識者から成る審査委員会により委託先を選定しておりまして、その上で随意契約を行うというプロセスを採用しております。

 したがいまして、これは、いわゆる一般的な随意契約、特定のものに対して、一社に対して契約を行う、そういった随意契約とは基本的には異なる、そういう趣旨でございます。

 なお、公募を行った上で随意契約を行っているにもかかわらず、現在、先ほど申し上げましたとおり、予備的調査に公募を行ったと記しているわけでありますが、この点につきましては、当時、衆議院の調査局とも確認した上で、このような事例は公募と記入することとして整理されたものとして認識をされているわけであります。

 なお、予備的調査においては、ジェトロの支出件数等の総件数は七百十件ございますが、うち四百七十件が随意契約件数、そのうち公募型の随意契約が五十一件でございます。実際には、御指摘の案件については、この随意契約の案件として含めて集計しております。

武正委員 今回の予備的調査をもとに私の方で分析しますと、全省庁の随意契約率が七一・四%なんですね。ただ、今言われたように、公募というのは私ども、随意契約率に入れていないんですよ。この後、農水省さんとお話をする委託金、これもはじいているんですよ。それでも七割なんです。だから、いかに独立行政法人の随意契約率が高いかということがおわかりいただけるんですが、ぜひ経済産業省さんにまずお願いしたいんですが、もう一回出し直してほしいんですね、独法の随意契約のところの仕分けを。随意契約なら随意契約とやはり書いてほしいんですよ。それをお願いできませんか。

渡辺(博)副大臣 先ほども申しましたけれども、集計上は随意契約に含まれております。ただ、表現上に公募というふうになっておりますので、この辺は整理をさせていただきたいと思います。

 ただ、御理解をいただきたいのは、一社に対して随契をしているというものとは違って、アイデアを募集している、こういう点で極めて一般的な随契とは違うし、しかも、外部の有識者による審査委員会を経ての選定であるということを御理解いただきたいと思います。

 ちなみに、財団法人のニューメディア協会というのが、実は地球環境・プラント活性化事業、この中で公募をした中の一つであります。実際には二十二の採択案件がありますが、そのうちの一社が財団法人であって、あとはみんな民間でございます。そのような形で進めておりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。

武正委員 整理をされるということなので、御提出をぜひよろしくお願いいたします。では経済産業副大臣、どうぞお帰りください。ありがとうございます。

 そこで、農水省お見えですので、福井政務官、お答えをいただきたいんですが、お手元に、理事会のお許しを得て資料を配らせていただきました。前から二枚目、三枚目をごらんいただきたいんですが、これは農水省の独立行政法人の契約形態ですね。これをお手元に資料として配らせていただいております。

 これを見ていただくと、委託金というのがずらっと二ページ目、三ページ目に並ぶんですね。委託金ということは、これも随意契約ということではないんでしょうか。お答えいただけますか。

福井大臣政務官 私もいろいろ調べさせていただきましたが、十八年の調査様式というか文書では、補助金、委託金、随意契約、指名競争入札、一般競争入札ということで、補助金、委託金と随契、指名、一般競争というのがパラレルになっておりまして、何も農水省がメーキングでこういう分類をしたわけじゃなくて、そういう様式で記入しなさいということで、委託金ということで整理させていただきましたというのが事実関係でございます。

 今、武正先生御指摘、お見込みのとおり、この委託金の中にも契約形態としては随意契約が含まれているということでございます。

武正委員 調査票一ページ目にありますように、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の契約形態でございます。

 予備的調査には、確かに委託金、交付金というのが書いてありますが、先ほどの公募と同じなんですね。特に農水省さん、先ほど触れましたように、全省庁七一・四%の随契、農水省さんは低いんですよ、四〇・六%です。もう大変すばらしい。全省庁の中で飛び抜けて低い随意契約率なんですね。先ほど、国交省頑張ったというお話がありまして、五一・八%ということですが、四〇・六%。

 でも、これは委託金で、我々、随意契約に数えていないんですよ。これは一部じゃなくて、全部随意契約なんじゃないですか。

福井大臣政務官 今、副大臣の方からも御答弁ございましたので、横並びで再度調査ということになれば、もちろん御協力というか、喜んでデータは出させていただきますけれども、今のところ、それ以上の手持ちのデータもございませんし、誠意を持ってお答えをさせていただいたところでございます。

 ついでに申し上げますと、農水省といたしましても、今、武正先生お持ちの問題意識を共有させていただきまして、ことしの二月に、委託金も含めた随意契約の見直し、それから一般競争入札の拡大というのを要請したところでございまして、今後、その対応状況のフォローアップを本省としてもすることにしております。

 また今後、各法人の評価に当たっては、競争入札と随意契約の件数、金額、落札率、随意契約によることとした理由等々を具体的に把握して事後評価を的確に実施するということを、本省としてアクションを今予定しているところでございます。

武正委員 お手元に、四ページ目、五ページ目、これはちなみに文科省の独立行政法人科学技術振興機構なんですね。これを見ていただきますと、公の団体あるいは国立大学なども並びますが、委託研究契約ということで、全部随意契約で挙げているんですよ。ですから、他省庁でこうやって挙げられておりまして、ちなみに文科省さんの随意契約率は、そういうこともあって八七・一%でありますが、こうやって、やはり随契なら随契ときちっと書いていただいているんですね。

 ですから、農水省さんが本当に四〇・六%なのか、やはりここはきちっと出していただきたいというふうに思うわけであります。今のこの独立行政法人の業務方法書というのを見ると、全部、委託試験研究契約ということで契約を締結すると書いてあります。ですから、きちっとやはり随意契約ということもその独法の業務方法書で書いてありますので、農水省所管の全独法の、随意契約のこの答えのところは、いま一度精査をしていただいて、資料の再提出をぜひお願いをしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

福井大臣政務官 他省庁のことを、私ども、まだ調べておりませんけれども、二、三、当たってみると、農水省だけではなくて、ほかの省庁も同じように補助金・委託金という欄に書き込んで、いわゆる契約形態別には整理しておらないということもあるかと思いますので、そういう実態も踏まえて、また委員会の御命令なり、あるいは横並びで考えさせていただきたいというふうに思っております。

武正委員 考えさせていただきたいというか、きょうから委員会の審議が始まったばかりでありまして、私どもは独立行政法人通則法の改正案を出しておりますし、私どもの提案は、独立行政法人あるいは特殊法人等、すべてやはり天下りの規制対象にしているわけでありまして、一方、政府は、それは必要ないということで特殊法人等を省いたり、あるいは独立行政法人でも非国家公務員型の、百一のうちの九十三は省いたりしておられますので、やはりここは、政府案、民主党案を比較する大変大きなポイントになろうというふうに思うんですね。

 ですから、我々が衆議院調査局に衆議院の総務委員長名でお願いしたのは去年でありますから、もう半年たっている報告でありますので、ぜひ速やかにこの委員会に御提出をいただきたいというふうに思いますが、委員長、お取り計らいをお願いします。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 そうしましたら、財務省も江崎さん、お見えでございますので、やはりこの随契の問題、昨年来、行革委員会でもやっております。財務大臣とも何度かやりとりさせていただきました予決令のことも、相みつを一切とっていないということもびっくりしました。

 財務省は、こうした会計法、予決令などを所管するわけですが、独法はその対象外なんだということをやはり皆さんおっしゃられます。それぞれ会計基準を会計規程ということでつくっているんだよ、こういうふうに言うわけなんですが、会計規程を見ると、結構みんなばらばらで、いいかげんなんですよ。結局、独立行政法人だといっても、三兆五千億円の運営費交付金など、税金が一般会計、特別会計から出ているんですよ。その対象に対して、いや、これは会計法、予決令の対象外だよと言い切っていいものかどうか。

 あわせて、今こうやって見ていただくと、随意契約なのに、公募だとかあるいは委託金だとか、調査局に相談したらそうだというけれども、私、調査局に聞いたら違うと言っていますから、果たしてどうか、それは真偽のほどはわかりませんが、それこそ独立行政法人の会計基準には、まず一番最初に真実性が来るんですね。やはり説明責任ですよ。情報開示ですよ。だから一応、会計法、予決令の枠外にしようということでやったんじゃないですか。でも、やはり財務省ですから、そのことについてどのように考えられるか、お考えをお聞きしたいと思います。

江崎大臣政務官 まず、今独法のお話が中心でございましたけれども、国におきましても、随意契約につきまして国民の納得が得られるよう、その透明化、適正化に政府を挙げて全力で取り組んでやっていくということが方針として出されまして、昨年の二月に公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議を設置して、一般競争入札が原則であるというルールをつくったわけでございます。

 それを受けて、独法についても、こうした国の取り組みを踏まえて、一般競争入札の拡大、契約に係る情報の公表等を通じて調達の効率性、透明性の向上に取り組むという方針を出して、総務省、また所管大臣から要請されているということで、今おっしゃるような形で、変化は起きているということでございます。

    〔委員長退席、西村(康)委員長代理着席〕

武正委員 ただ、独法のそれぞれの会計規程まで見直しがされているということは承知されていますか。

江崎大臣政務官 これらについては、所管大臣からの要請ということでございまして、財務省としての現在のかかわりということにつきましては、所管大臣のもとで行っていただいているというところでございます。

武正委員 把握されていないということだと思いますが、実際、見直しされていないんですね。ここの独法を見ても、一般競争入札が原則であるとはこの研究機構は書いていませんし、やはりそれぞれの会計規程の見直しというものもあわせてやっていかなければならないということだと思います。

 江崎政務官、どうぞ御退室をいただければ。

 渡辺大臣、ちょっとここで、今のやりとりを聞いておられて、どう思われましたか。我々、随意契約を問題にしているんですけれども、予備的調査への答えが、公募だとか、委託金だとか、それこそ大臣と同じですよ。各省に、わたりはどうだと言ったら、十六名しか答えてくれない。我々も、副大臣もすぐに、あしたにでも、あしたは土曜ですから、来週月曜日にはもう出していただけると思いますが、やはりきちっと返ってこられないんですね。多分同じ気持ちだと思うんです。

 やはりこの随意契約というのは、私は談合の一種というふうに認識しています。一社単独だ、ほかにない、ここしかないんだというところは。しかも、額を見ると、一億だとか二億だとか、非常に切りのいい数字でずらっと並ぶんですね。それで内閣も、去年、これはまずい、前総理も一般競争入札が原則だと、時の官房長官、現総理が指示をして取り組んでおられるというのは、そういう問題意識を持っておられるからだと思うんですが、独法に関してはこういうことなんですね。財務省の枠外みたいな形になって、調べてみると、それぞれの独法の会計規程があるんだけれども、そこが見直されていないわけですよ。それぞれの大臣に任せられている。

 総務省に来ていただかないと、またその独法の担当ということで、わかりませんので、私はそれこそ、実は私、総務委員会の筆頭理事ですから、もともと国家公務員のさまざまな担当というのは総務委員会ですから、今、何でも内閣府、何でも内閣委員会という、内閣委員会の皆さんには大変な御尽力をいただいていますが、やはり国会のチェック力という点でいうと、何でも内閣府に政府がしていくというのはいかがなものかなというところもあるんです。私は、やはりそれこそ総務委員会あるいは内閣委員会合同審査なんかもぜひ御検討もいただきたいというふうに思っておりますが、委員長、よろしくお願いいたします。

西村(康)委員長代理 既に理事会で協議をしているところであります。

武正委員 もう既に御協議いただいて、ありがとうございます。お願いをしておきます。

 それで、どうですかね、この随意契約、独立行政法人。今予備的調査でいただいて、七割ですよ。でも、今の公募とか委託金とかを見直したら、多分これは上がっていくと思いますよ。でも、さっき言った財務省の枠外なんです。大臣として、感想はいかがでしょうか。

渡辺国務大臣 何とか委託費とか、随意契約か一般競争入札か、このあたりがちょっと今一気には理解できないぐらい入り組んでいるなという印象を受けました。やはりこれは通常の契約形態に即して分けるべきだろうと思います。

 ついでながら、会計基準の方は、別問題ではありますが、これは統一的にもう既にでき上がっております。私の方からは、独法とその子会社的な公益法人との連結の財務諸表をつくってもらうよう指示を出しております。そしてこれらを、すべての独法について、一覧性のある財務諸表にできないかという指示をしているところでございます。

 また、随契の契約率の高さでございますが、早い話が、今お話を聞いておりまして思ったのは、基準をつくっていないところが非常に多いということなんだろうと思います。そこで、政府の方としては、平成十八年の三月でございますが、やはり契約方法の適正化、透明性の確保が必要なわけでありますから、まず第一に、法人の随契の基準をつくれという方針を出しております。つまり、基準をつくっていないからやたら随契が多い、こういうことがあるわけですから、ちゃんと基準をつくって、一体随契はどれくらいなんだ、それを公表しなさいということでございます。そして第二に、当該基準額以上の随契を行った場合、その理由を公表せよということを独法に要請いたしております。

 本年の二月には、各独法における一般競争入札の範囲の拡大、契約の見直し、契約に係る情報公開等を通じた業務運営の一層の効率化を求めております。毎年度の評価や、中期目標期間終了時の見直しにおける随契の実情の把握、公表、その後の事後評価を総務省の方から各府省に要請をしたところでございます。

武正委員 ちょっと先の方のあれを私も聞いてしまったようで、また副大臣にもお答えをいただければと思ったんですが、ちょっと先の質問であったようであります。

 そこで、農水省、福井さん、また聞きたいんですが、資料の一ページ目ですね。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構から他の法人への再就職、この丸をつけた方ですね、ちょっと名前は二文字抜きました。報告書には出ています。この方は、独立行政法人の野菜茶業研究所野菜研究官から、平成十五年六月、株式会社サカタのタネ掛川総合研究センター技術顧問に再就職をした。平成十五年六月ですね。それで、随意契約の十七年度を見ますと、株式会社サカタのタネに、四回、合計千三百九十八万五千円の委託金。ですから、委託金、先ほどの随意契約ですよね。随意契約、委託金が払われているということなんですね、四回で合計千三百九十八万五千円。

 まず、これは随意契約ということでよろしいでしょうか。これは質問で聞いておりますので。

福井大臣政務官 失礼しました。

 今、事実経過を整理してお話をさせていただきますと、確かに、御指摘の千三百九十八万五千円につきましては随意契約という契約の形態でございますが、その前に、先ほど経産省のお話もありましたように、私どもは、競争的研究資金制度というのが、これはホモジニアスに各省庁ありますけれども、この制度を使いまして研究課題を公募して、それで各大学、各社から提案がいっぱいありまして、その提案を、外部評価委員会による審査を経て、採択された課題に対して委託契約を結ぶものですから、最後の契約は確かに随意契約になっておりますけれども、その途中で、選ぶときに、あるいは応募するときに、あるいは公募するときに、一般にゼネラルなテーマで公募しているということでございます。

 ちなみに、せっかくでございますから事実経過を御紹介しますと、三行目、四行目にございます難しい名前の研究ですけれども、これは実は公募はインターネットで平成十六年の一月十六日から四月十四日、それに加えて説明会も、平成十五年の十一月上旬から十二月上旬で、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、熊本ということで、独立行政法人、民間企業、大学、各々、千四百機関に周知徹底をした上で、広報をして公募をして、それで募集が平成十六年三月十五日から四月十四日の約一カ月間、書面審査もその後あって、ヒアリングもしてということで、採択課題を平成十六年の七月二十一日に決めております。外部評価委員も各学識経験者でございます。

 応募が七十三ありまして、そのうち六課題が採択された、その六つのうちの一つが、サカタのタネという会社が出した、バイオセンサーを用いたピシウムオリガンドラム(PO)適応土壌の解明、こういう研究で行ったということで、その研究を行う際の最後の契約形態は確かに随意契約でございますというのが事実経過でございます。

武正委員 ちなみに、これは三月で二つに分かれていますよね、六百万と二百六十八万五千円。同じ月で、今言った同じ研究調査委託費、なぜこれは二つに分かれているんでしょうか。

福井大臣政務官 まことに誤解を招きやすいことで、先ほど私も戸惑ったんですが、実に単純なお話でございました。

 まず、六百万円は年度当初の予定でございまして、最後に三月の支出額の確定をさせていただいたということでございます。

 二百六十八万五千円につきましては、平成十七年度の途中で評価をさせていただいて、もう少し研究のスピードを上げろという御命令が下ったので、具体的に言いますと、解析装置、土壌分析機を購入することを追加させていただいたので変更契約をさせていただいたという、その変更分が二百六十八万五千円ということで、別に二行に分けて書く必要もなかったんですけれども、丁寧に二行に書かせていただいたということで、もちろん同じ調査で、同じ受委託関係でございます。

武正委員 できれば契約書を御提出いただけますでしょうか。

福井大臣政務官 もちろん、委員会の理事会で御協議いただければというふうに思っております。

武正委員 では、委員長、お願いしたいと思います。

西村(康)委員長代理 理事会で検討します。

武正委員 後ろの二件は別なのかもしれませんが、前の二件も含めて、ちょうど二年前に先ほどの方が再就職をされているわけなんですが、この総額千三百九十八万五千円、これがいわゆるお土産というものに当たるのではないのかなというふうに見たわけなんですが、これについてはどうお答えになりますか。

福井大臣政務官 私もいわゆるお土産を疑われる省庁の出身でございますので、古きよき時代の、よきと言ったら怒られますけれども、そういう古い先輩方の本当に古い古い常識から見て、多分、想像ですけれども、その会社に就職された方は、五百万とか七、八百万とかいうお給料を例えば得たとして、その金額だけ、あるいはその一・五倍ぐらいの金額のようなものを例えば本当にお土産につけたとして、その会社全体が喜ぶだろうかということで、そういう金額ベースだけ見ても、これは、就職をされたということと、それから、まさにそういう客観的な、広報があって、公募があって、外部評価委員会の審査があってという手続を経た上での契約、受委託、研究実施という事実関係と考え合わせた上で、それが直接的に必要十分条件であったというふうにはどうしても考えられませんので、まさに善意を持ってぜひ先生にも考えていただきたいというふうに思っております。

武正委員 そうしましたら、前の二件はどうですか。後の二件は、一応先ほどの説明を伺って、だから随意契約なんだということですが、前の二件はいかがでしょうか。

福井大臣政務官 前の二件につきましても、同じような手続を経て、公募で研究課題をその会社が出して、そして、審査委員会で審査した結果として当選したということでございます。同じ手続でございます。

武正委員 これも委員会に資料を御提出いただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。お取り計らいをいただきたいと思います。

西村(康)委員長代理 何の資料ですか。

武正委員 委員会に、この契約書あるいは公募等の仕様書、御提出をいただきたいと思います。

西村(康)委員長代理 理事会で検討します。

武正委員 ただしかし、やはり随意契約なんですね。さっき渡辺大臣は、十八年三月に徹底したんだと。もう一年ですよね。

 ですから、二年前に再就職をして、二年後に、千四百万円近い委託金を四件受けている、やはり随意契約とするとお土産じゃないのかな、こういうふうに疑われても仕方のないところがあると思うんですね。やはりまず随意契約を見直していくということが必要であって、その点を改めて指摘させていただきたいと思います。

 福井農水大臣政務官、お帰りいただいて結構です。

 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、私どもの予備的調査で、十八年四月一日現在、全独立行政法人に、それぞれの所管省庁から四千八百八十八名出向していることがわかりました。現役出向です。百一の独立行政法人に四千八百八十八名の現役出向者がいる、このことはどう認識されていますか。

 御案内のように、もともと独立行政法人というのは、国でやらなきゃいけないけれども、やはり民間の知恵を生かそうじゃないかと。さっき財務政務官が言ったように、財務省の直接の会計法とか予決令が及ばない、そんな制度設計にもなっているんですね。でも、そこに、百一の独法に四千八百八十八人の現役出向をしているんですね。これは何かおかしいなというふうに思うんですが、どうですか、御感想は。

渡辺国務大臣 独法というのは、本来行政が直接やらなくてもいいものを外側に出す、しかし、これを全部民間に任せてしまうとうまくいかないと思われるものを、独立行政法人という形態をつくって、そこで行っていく。イギリスのエージェンシーのようなものを最初は想定をしたかと思います。

 したがって、これは独立の法人格ではあるけれども、行政を行う法人でございますから、こういうところに現役の公務員が出向するということは問題はなかろうと思います。

武正委員 予決令とか会計法の枠外にしているんですよね。その考え方というのは、国でやらなきゃいけないけれども、民間の知恵を使って、ある面、自由度を、裁量権を独法には与えている、そういう制度設計なんですよ。でも、そこに五千人近い現役出向が行って、いろいろ聞いてみると、大体二、三年で帰ってくるんですよ。

 ということは、国家公務員の人事管理の中の一つの組織にその独法が使われて、二、三年で人事のローテーションをされている。本当にこの人じゃなきゃできない、そういう人が行って、そんな二、三年ではとても帰れませんよね、普通。企業だって、就職して二、三年でようやくなれたということじゃないですか。私は、やはりこの出向というのはおかしいなというふうに思うんですね。

 しかも、その省庁からの出向者が、去年、百十三の独法で調べたとき、ですから、おととしの四月一日現在は四千二百十四人だったんですよ。今回調べたら、六百人またふえているんですね。出向がさらにふえ、多くなっているということなんですね。拡大をしているわけなんです。いや、これはいいんだと大臣は言われましたけれども、私は、やはりこれはおかしいというふうに思います。

 そこで、今回、政府案百六条の三、二項二号、現役出向者が出向先でその就職活動をすることを例外にしている、その官職を政令で決めるというふうに書いてあります。そして、内閣府の説明では、それは係長以下級なんだと。係長以下の方は出向先で就職活動していいよ、こういうふうにしているわけなんですが、この理由は何ですか、大臣。

    〔西村(康)委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、独立行政法人というのは、公共性の高い事務事業のうち、国が直接実施する必要はないが、民間の主体にゆだねると実施されないおそれのあるものを実施する機関でございます。したがって、そういうところに知識経験を有した現職の公務員が出向するというのは、その必要性、合理性がある範囲で私は許されるものと思います。

 したがって、そういう出向先で求職活動を認めているというのは、そこへ行って求職をやりなさいという意味では全くなくて、これはまさに、独立行政法人という、しかも非公務員型の法人をつくり、そこで業務の効率性、質の向上、法人の自律的業務運営の確保、業務の透明性の確保、こういうことが図られるのであれば、非公務員型にして公務員の世界と区別をしていこうということでございますから、そこへ出向している人にスポットライトを当てて求職活動を解禁しているという趣旨では全くございません。

武正委員 百六条の三には、このように書いてあります。「職員は、利害関係企業等(営利企業等のうち、職員の職務に利害関係を有するものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)に対し、離職後に当該利害関係企業等若しくはその子法人の地位に就くことを目的として、自己に関する情報を提供し、若しくは」云々ということですね。いわゆる在職中の求職の規制、国家公務員の職にあって、職を求めてはいけない。そのときに、現役出向をしているときは、これから省令、政令で定めるけれども、係長以下だったら就職活動していいよ、そういう例外があるということなんですね。

 今、大臣いみじくも非特定独立行政法人のことも言われましたが、そうすると、利害関係企業等には非特定独立行政法人も含まれるということでよろしいですか。

林副大臣 委員が今おっしゃっているものは、まず、係長以下は政令で、多分そのぐらいになるだろうという答弁をどこかでいたしましたが、これは全体の求職活動にかかわるものでございまして、求職活動の規制というのは一般的にかかります。これは、現役出向であろうと役所の中にいようと、まずかかるわけです。それを、ことし入った人まで全部というのはおかしいではないかと。基本的にはそういうことは、民主党さんの案でも、個人で行くのはいいんだ、こういうことであったと思いますが、そういうことで、まずそういう政令で定める。

 それから、現役出向をする場合はまた別途定めておりまして、今言ったような趣旨から、規制の範囲が必要かつ合理的な範囲であるという必要がございますので、まず現役出向をする職員が出向先の法人に対して行う場合、また在職する局等の意思決定の権限を有しない官職、係長以下の職員が行う場合等については、公務の正当性などに影響を与えるものではないということで、適用除外としている、こういうことでございます。

武正委員 時間が来ましたので終わりますが、私はそれは抜け穴ではないのかなというふうに思うんですね。しかも、これは「政令で定める」だから、では、係長だったけれども、もっと低くしましょうということも幾らでもできる。あるいは、係長以下じゃなくて、もっと高くする、課長級でも現役出向者、そこで再就職していいよと。しかも、その隣には子法人もある。子法人に対しての就職活動も例外という、ここは私は抜け穴ではないかなと思っています。

 それで最後に、平成十八年四月一日現在、やはりこれは出向者をちょっと明らかにしてほしいんですね。現在、中央省庁からの出向者が各省庁別に何人で、そのうち特に係長以下が何人か。また、出向先の組織形態、営利企業なのか、特殊法人等なのか、今言った非特定独立行政法人も含めて、出向者数とともに明らかにしてほしい。また、平成十八年四月一日現在で一体何年出向しているのかを教えてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

林副大臣 人事院で、平成十七年度における一般職の国家公務員の任用状況調査報告というのをつくっていただいておりますが、これによりますと、平成十七年度において、退職手当の支給を受けず、辞職後、特定独立行政法人以外の独立行政法人に属する職などへ引き続きついた一般職の国家公務員であった者及びつくことが予定されている一般職の国家公務員の数は三千三百二十人であるというふうに把握をしておられます。

 その所属府省別の数については、細かく申し上げさせていただきましょうか。(武正委員「いや、いいです」と呼ぶ)いいですか。会計検査院から人事院、ずっと来まして、環境省まででございまして、このうち、係長以下の者や出向先の組織形態別の数字は把握をしておられないということでありまして、詳細については人事院にお尋ねいただければと思います。

武正委員 係長以下を例外としている法案を出されていますので、私はやはり本委員会に、今わからない人事院の数字ではなくて、行革本部として、担当大臣としてしっかりと調査をしていただいて、今言った私の項目について資料を委員会に御提出いただけるよう、これは委員長にお取り計らいをお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。

河本委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太です。

 初日でありますが、長時間の質疑となっております。ぜひ、大臣には気を抜かずにしっかりと御答弁をお願いしたいというふうに思います。

 多くの論点がございますが、まず最初に私の方からは、我々民主党としてぜひ資料の要求をさせていただきたいと思います。それは、やはりかつてから指摘をされておりましたいわゆる公営ギャンブルについてでございます。公営ギャンブル系、例えば競輪、競艇、オートレース、競馬あるいはサッカーくじがあるわけですが、これのそれぞれの団体から補助金が、さらに細かく公益振興という目的で出されております。

 例えば競輪でいいますと、自転車振興会の方から多くの団体に対して補助金が出ているわけですが、同等に、競艇、オートレース、競馬、サッカーくじについて、その補助先上位三十社、これの天下りの状況、それは、役員名簿及び天下りの最終官職、役員報酬規定、これの平成十八年度分の資料の請求をまずさせていただきたいと思います。理事会でお諮りいただきたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

泉委員 ありがとうございます。

 それでは私は、早期退職勧奨、このことについてまず触れさせていただきたいと思います。

 我々民主党は、今回、とにかく肩たたきをやめさせるべきだ、肩たたきを禁止すべきだということを、私たち民主党案の中で盛り込みました。その趣旨といえば、大臣は、どうやらそれが公務員の保護だ、公務員の既得権益の保護で人件費が膨らむという言い方をされているようですが、我々はそうではないと。

 一方で、この肩たたきによって職員が早期に退職をし、そして事実上、それは各種天下り団体に天下り、そこに対して流れている税金の額が五兆九千億円。それだけのお金が各種団体に流れている状況を見れば、何の財政削減効果があるのか、これを疑問に感じざるを得ない。少なくとも、これまではその天下りの職員とお土産がほぼセットになって動いてきたという実態を我々は重く受けとめているわけです。その意味で、この早期退職勧奨というものそのものが、もう制度というか慣行として成り立たなくなっているのではないかというような認識から、これを続けていてはならないという観点で、この早期退職勧奨については民主党案では禁止ということをさせていただいております。

 それについて、まず、改めて渡辺大臣、御見解をいただきたいと思います。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、早期勧奨退職という法律のどこにも書いていない慣行がなぜ起こってきたのか。これを考えるときに、やはりこれまた法律のどこにも書いていない慣行、年功序列人事制度、これがあることは紛れもない事実ですよ。同期入省して、課長ポストぐらいまでは二、三年おくれで昇進をしていく。しかし、それから上に行きますと、ポストがなくなってしまうわけでありますから、同じように昇進ができない。そこで、割り増し退職金をくっつけて受け皿を探して、その受け皿と話をしてあっせんをするというわけでございますから、これはもうすべて人事の一環として行っているわけでございます。

 したがって、こういう制度をなくすためには、やはり、根本的に年功序列人事をやめよう、年功でなくて能力と実績、これが人事のポイントでしょうということで、今回この法案を出し、なおかつ、各省のあっせんという根本的なところを全面的に禁止をしたわけでございます。したがって、我々の法案をお認めいただきまして、こういうことがしんを食って行われていくようになると、自動的に早期勧奨退職慣行というものはなくなっていくわけでございます。

泉委員 そうしますと、政府は、現在、早期退職勧奨についてはうまく機能していると考えているのか、そして今後どうしようとしているのか、お答えいただきたいと思います。

渡辺国務大臣 ですから、いろいろな問題があるわけでありますから、その問題の是正に今までも取り組んできております。

 例えば、小泉内閣の時代に、退職年齢の引き上げということをやってまいりました。民間では定年延長の試みが始まっておりますが、公務の世界では、まだそういうことに手がついてない状況にございます。したがって、やはり定年まで少なくとも働けるようにしようということから、ラインではない別の線、つまりスタッフ職、専門職、スタッフ専門職というものをつくって、そっちの方で定年まで専門能力を生かして働けるような制度にしようということは、平成十六年にもう既に決めているんです。

 安倍内閣においても、人事院に対して俸給表を早くつくってくださいという要請をしているわけでございまして、我々が早期勧奨退職を推奨しているとかいうことでは全くございません。

泉委員 そうしますと、私たち民主党が提案をしている早期退職勧奨の禁止には賛成ということでよろしいですか。

渡辺国務大臣 ですから、いきなり禁止をするよりも、問題の根本にメスを入れた方が抜本的な解決になるのではないですかと申し上げているわけでございます。

泉委員 その区別がよくわからないんですが、今、我々は禁止の方向に持っていこうとしている、そういう法案を出しているわけですね。政府の方は早期退職勧奨についてというか、渡辺大臣の方は、少なくとも、徐々に変えていくけれども、今現在もこの退職勧奨については続いているわけですね。

 政府の方向性としては、先ほど小泉総理の話がありましたが、確かに、平成十四年ですか、まさに我々とここの部分では主張を一にするわけですが、「いわゆる「天下り」の弊害を是正し、公務員が志を持って行政に専念できる環境を整備するため、公務員制度改革の観点をも踏まえ、政府としての早期退職慣行是正の基本方針を、以下のとおり取りまとめることとする。」ということで、閣僚懇談会の申し合わせがございます。これを見ると、政府は早期退職慣行の是正を今進めているというような考え方だと思うんですが、もう一度、その認識で変わっていないということでよろしいですか。

渡辺国務大臣 先ほど来申し上げているように、退職年齢の引き上げとか、それから定年まで働けるスタッフ職制の導入とか、早期退職慣行から生まれてくるさまざまな弊害の是正に取り組んできているということを申し上げているわけであります。

泉委員 それであれば、まさに我々が言っている主張とほぼ一緒なのかなという気がいたします。我々民主党も、定年まで勤め、今現在も実は定年まで勤めている職員の方というのはたくさんおられます。約三割、二七%ぐらいの方が定年までお勤めになられているという現状があります。これまで、特に1種、幹部職員の方々の勧奨退職による天下りの弊害が特に大きく指摘をされてきたわけですが、それも、これまでは政府も徐々に退職の平均年齢を上げつつあるという状況であります。それをさらに今後も引き続き行っていく。

 そして、我々が言うように、我々は肩たたきの禁止ということを今回法案で提案をしているわけですけれども、今のお話を聞いていれば、まさにそれでいいんだなということを思わせていただきますし、これまでの午前中の議論なんかでは、人件費が膨れるとかいろいろと何か我々民主党案のことを攻撃されていた与党があったようですけれども、どうもその与党と大臣のおっしゃっていることは違うという気がいたします。

 そういったことであれば、肩たたきの禁止の方向へ今向かっている、それは、いきなり禁止じゃない、徐々に肩たたきをなくしていく方向で、定年を延ばしていく方向で進めているんだという理解でよろしいわけですね。

渡辺国務大臣 ですから、我々が出している法案がしんを食って、新しいプラグマティックルールを形成していくようになると、従来型の、今やっているような早期勧奨退職慣行は自然になくなるということを申し上げているわけでございまして、これを禁止しようということは言っていないわけでございます。

泉委員 済みません。自然になくなる、どういう理由からそれは自然になくなるとお考えなんですか。

渡辺国務大臣 ですから、当然、これは年功序列が是正をされていくわけですよ、年功序列人事が能力・実績主義に変われば。ということは、要するに、後輩に追い抜かれてもしようがないというカルチャーが生まれるということなんです。今は、後輩に追い抜かれるのはだめなんだというカルチャーがあるがゆえに、一定ポスト以上になると肩たたきが起きるわけじゃありませんか。しかし、後輩に追い抜かれることもあり得べしというカルチャーが生まれ、しかし専門能力にすぐれているんだから専門スタッフ職という別の線があるではないかということになれば、定年まで勤められるようになるということでございます。

 しかし、一方において、公務の世界よりも別のところに行った方がいいですよ、あるいは、あなたは成績が余りよくないよという人を何で税金で養っておく必要があるんですか。そういう人をなぜ定年まで勤めさせなきゃいけないんでしょうか。ですから、逆に、あなたは公務以外のところで新たな人生をスタートさせた方がいいですよという人がいることは否定できないことであって、今民主党は、だれでもかれでもとにかく年功序列で定年まで勤めさせろ、こういうことだから、さっき私が、これは上司高齢化で組織老朽化の論理でしょうと申し上げたわけでございます。

泉委員 いや、年功序列ですとか、あるいは能力のない者まで抱えるというのは民主党案に書かれているわけですか。まあ、それを大臣に聞いてもしようがないわけですけれども。そういう印象を受けた、そんな、印象でお話をされても困るんですけれども。印象を受けたというのは全くの妄想の世界じゃないのかなという気がしてなりません。

 我々民主党が言っているのも、今大臣がおっしゃっているようなこととその意味ではほぼ一緒なのかなと。逆に、定年までおられるような方はたくさんいていいし、もちろん、役職や仕事において、あるいは給与において部下に抜かれるケースがあってもそれはいいという前提で我々も議論をしています。

 私は、午前中の議論から話を聞いていますと、どうも何かおかしいなと。政府が民主党案を攻撃する割には、民主党の言っていることに対して大臣は賛成をしているというか、ほぼ同じ意見を持たれている。どうやら印象でお間違いになられていたようですけれども、我々民主党も、給与体系ですとか、そういったことについては、当然、大臣のおっしゃったようなシステムは取り入れていいものだというふうに思っておりまして、その意味では差はない。

 あともう一つお伺いしたいのは、我々民主党案に対して、例えば人件費の問題あるいは定員の問題で、すべて官が抱えてしまえばそれも問題なんだという言い方をしました。もちろん我々も、前提として、能力のない職員は、分限という形になるでしょうか、おやめいただくということは当然だというふうに思っております。我々の言っていることと大臣の言っていることはほぼ一緒じゃないでしょうか。

渡辺国務大臣 ですから、当然、公務に適さない、成績が不良である、そういう人には、公務以外のところで新たな人生をスタートさせていただいた方が本人のためにもなるわけですよ。ですから、そういう人が早期退職のルートに乗ることは大いにあり得ることではないんでしょうか。

泉委員 この話ばかりしていても仕方がありませんが、事実確認をちょっとさせていただきたいと思います。

 この法律をつくるに当たって、その提案理由のところに、これまでも再三議論されましたが、押しつけ的なあっせんというものの言葉が入っております。改めて、この押しつけ的なあっせんというのは、各省庁でどれほど、何件あったものか、それを御報告ください。

渡辺国務大臣 要するに、押しつけ的あっせんが確認された事例はないというたしか質問主意書に対する答弁がかつてございました。

 この押しつけ的というのは、これは見方の問題なんですね。押しつけのように見えるという意味で理解するとすれば、それは役所サイドから見るのと外側から見るのとでは全然見られ方が違うわけですよ。したがって、今回は、まさに国民の目から見て押しつけ的に見えるというのは、まさに各省が予算と権限を背景にして人事の延長線でやっている天下り、あっせんは、これはもう全面的に禁止をしようということでやったわけでございます。

泉委員 今、件数が何件というお話をしたわけですが、確認されたのはゼロ件であったと。それは、見方の問題、見られ方が違うと。官僚の見方、国民の見方が、今の時点では違っていたということがよくわかったわけですね。そうすると、今度やらなければならないのは、どっちの見方が正しいんだということをもって判断して、そしてまたさらに調査を進めていく必要があると私は思うんですね。

 果たして、大臣、これまでの省庁の見方が正しかったのか、国民の見方が正しかったのか、いずれでしょう。

渡辺国務大臣 ですから、これは再三申し上げるように、今からとにかく過去の事例が一体どれくらいあったんだ、引っ張り出してこいといっても、これはもう本当に出してこないことが予想されるわけでありますから、だったら、悪いけれども、国民の目から見て押しつけのように見えるそういう天下りあっせんについては、もう全面禁止をしますよという決断をしたわけでございます。

 したがって、この総理の決断が極めてドラスチックであったがゆえに、各省とも大変な反発と摩擦と反対運動が起きたということでございます。

泉委員 国民は、まさに押しつけ的なあっせん、国民の見る押しつけ的なあっせんというものを、ぜひ政府、やはり大臣や安倍総理に再定義していただいて、再調査していただくべきじゃないか、そして、官僚がさらに抵抗するようであれば、その姿がより明らかになって、皆さんの、政府の改革姿勢もよりはっきりするのではないかということに期待していると思うんですね。ですから我々は、再三、再調査をすべきだと。しかも、その再調査は、より具体的に定義を定めて、そして、こうこうこういう事例に当たるものはすべて挙げてみろということによって、さらにしっかりとした件数が挙がってくるものではないか、今そういう期待をしているわけです。

 そういう調査を、もうどうせ出てこないからやらないんだというような御判断を今されているようですが、再調査をされる気はございませんか。

渡辺国務大臣 実は、調査は二つやっているんですね。一つは行革本部が行いましたいわゆるわたりあっせんについての調査で、これは先ほど来数字が出ております十六件が確認されたということでございます。一方、四月六日に総務省から発表されております再就職あっせんに関する調査結果によりますと、平成十六年から平成十八年までの三年間に、各府省において職員の再就職につきあっせんを行ったことが確認されたものの人数は約二千人、正確に言うと千九百六十八人となっているという調査結果が出ております。

泉委員 再調査の話を今しましたが、もう一回、その必要性はお感じになられていませんか。

渡辺国務大臣 ですから、これはもう既に我々としてはしかるべき決断をし、原理原則を盛り込んだ法案を提案しているわけでございます。閣議決定もいたしました。あとの運用についての詳細な設計は、官房長官のもとに有識者懇談会をつくってそこで行うということでございますから、この有識者懇談会において、必要があれば関係者のヒアリングは行うものと思います。

泉委員 早速、官民人材交流センター、そして官房長官も来られましたので、そちらの方に議論を移していきたいと思います。

 まず、官民交流ということがあります。この官民の人材交流という言葉もいろいろな使われ方をしておりますが、政府の提案における、政府案における官民交流というものは何を指すか、もう一度、渡辺大臣、はっきりと定義を言っていただきたいと思います。

渡辺国務大臣 官民交流とは何かということでございますが、官民人材交流センターは、官民の人材交流の円滑な実施のための支援を行う機関でございます。この官民の人材交流とは、官民人事交流法に規定する交流派遣、あるいは民間企業等に現に雇用され、または雇用されていた者等の職員への選考採用等を指すものでございます。

 機会があれば国で働きたいと考えているビジネスマンは多数存在しております。官民人材交流センターが一元的に情報提供を行うことによって、優秀な人材が集まってまいります。そのことが民から官への交流の増加につながっていくものと考えます。

泉委員 官房長官にお伺いをいたしますが、この法案では官房長官が官民人材交流センターの長という位置づけをなされております。まずその決意をお伺いしたいと思います。

塩崎国務大臣 一日も早く、この法律について御審議をいただいて成立を図った際に、施行になった場合に私がそういう立場になるということでございます。

 今回の国家公務員法の改正をお願いしている最大の哲学の変更は、一つは能力・実績主義でありますが、もう一つは、再就職あっせんについて、各省によるあっせんを根絶する、もうやめる、廃止して、官民人材交流センターに集約をして、役所が直接再就職先とは接することなく、このセンターを通じて再就職のお世話を必要であればする、こういうことでありますので、優秀な官の人が民に行き、また優秀な民の人が官に来れるような、そういうきちっとした機能するセンターをつくり上げるために、いろいろと知恵を出していかなきゃいけないなというふうに思っておりますし、そのために有識者による懇談会を設けて、会議を設けて、そこで中身、制度設計については詳細を詰めていこうということになっているところでございますので、一日も早くこの法律を通していただいて、制度設計をさらに詰めていきたい、このように思っております。

泉委員 その官民人材交流センターですが、その前身と言っていいのかどうかわかりませんが、試行的に行われているとされている、現在総務省が行っている国家公務員人材バンク、こちらの方は、もう御存じのとおり成立が一件という状況でございます。

 こういう状況の理由の一つとして、例えば、かなり相手に対する情報提供の限定がなされているとか、今後この官民人材交流センターでも予想されるようなというか、どこまで情報提供をして、どこまで理解をいただいて人材のあっせんができるのかというところについては、これまで全く機能してこなかった国家公務員人材バンクと新しい官民人材交流センターにどれぐらいの違いがあるのかというところは明確にしておかなくてはならない。でなければ、きっとうまく機能しないだろう、また同じ機関ができてしまうだけだということにつながるんだと思います。

 その意味で、これから長になられる官房長官と、この法案の担当である渡辺大臣のお二人の御所見をお伺いしたいと思います。

塩崎国務大臣 先生、何といっても、今の人材バンク、既存の人材バンクと、今度我々がつくろうとしている官民人材交流センターの最大の違いは、各省によるあっせんを禁止するかしないか、ここが最大の違いであって、むしろ、この人材バンクそのものの仕組み以前の問題として、今先生おっしゃったように、実績は一件しかないというのは、それぞれの役所がそこを使わなくても再就職ができちゃう、こういう状態が続いているからこそ使われていないということだろうと思うんです。

 したがって、今回は、段階的とはいいながら、三年後には各省によるあっせんは完全に禁止をするということになるわけでありますので、当然、まず状況は全く違う。その中で、今先生がおっしゃったように、どういう情報をきちっと持っていれば民間に行けるか、あるいはまた逆に、民間から官の方に来る際の情報もどうしたらいいのかというふうなことは、さっき申し上げた有識者の会で制度設計をしようということでございます。

 当然、情報なくして再就職のお世話はできないわけでありますので、必要な情報はやはりバンクになければいけないということでございますが、なお、細かい制度設計はこれからにしても、何よりも最大の変化は、各省によるあっせんを禁止する、これがもう状況を全く変えてしまうということだと思います。

渡辺国務大臣 今官房長官がおっしゃられたことに加えて、現人材バンクが機能していない理由として、一つは求人開拓が十分でなかったということ、もう一つは登録者を課長級以上に限定していたということ、それから、企業が求めるスペック、条件に、登録している職員の経歴、能力等が完全に一致しないと情報提供が行われないというようなことが挙げられております。

 したがって、官民人材交流センターが機能するには、こうした失敗の教訓に学んでいくことが必要でございます。

泉委員 そもそも論を少しお伺いしたいんですが、そもそも、内閣総理大臣は、職員の離職に際しての離職後の就職の援助を行うものとすること、なぜ職員の離職に際して就職の援助を内閣総理大臣は行わなければならないんでしょうか。

渡辺国務大臣 今回の法律では、各省による天下りあっせんを全面的に禁止いたしております。また、在職中に求職活動を行うことに対して罰則も含めた厳しい制約を課しております。こういう制約のもとで再就職に当たり何らの支援も行わないということになりますと、公務員法に規定されています身分保障を盾に職にしがみつき、そのために行政の減量、スリム化、それから効率化、こういうことを妨げる要因になりかねないんです。だから、官民人材交流センターが透明な仕組みによって再就職の支援を行うということにしたわけであります。

泉委員 身分保障を盾にというふうにおっしゃられますけれども、それは、例えば民間にはハローワークがあり、もちろんハローワークだけじゃありません、民間のさまざまな派遣会社、人材バンクに登録をすることもできるわけですね。これは、そういう手法のみで、人材バンクをつくらなければ何かの法律に違反をする、例えばこの身分保障という項目に抵触をするということになるんでしょうか。

渡辺国務大臣 ですから、身分保障を盾にしがみつくことは可能なわけですよ。ですから、いきなり、あなた、ハローワークに行きなさいと言っても行く人はいらっしゃいますか。これはなかなか出てこないと思いますよ。

 ですから、今ハローワークというのは市場化テストにさらして改革を進めるわけでございます。一方、各省が法律にも書いていない人事の一環としてのあっせんをやって大問題を起こしているわけでありますから、まずこっちの方を根絶するということが求められるわけでございます。

 一方、行政のスリム化、効率化を図ろうとすれば、とにかく全員定年まで働いてもらうということにはすぐにはならないわけでありますから、そういうことを考えれば、再就職の支援をやるということは合理性があるのではないでしょうか。

泉委員 まさに塩川さんがおっしゃられた、母屋でおかゆ、離れですき焼きという話がありましたけれども、その母屋というのが政府だとすれば、離れというのは、当時の話でいうと特別会計の話だったと思いますけれども、そういう離れにぶら下がっている各種団体ですき焼きを食べているという状況です。

 まさにこの新人材バンクというものは、その母屋と離れの間にわざわざ渡り廊下をつくるような話じゃないかという気がしてなりません。これまでは、その渡り廊下がなく、勝手に母屋を、勝手にというか母屋を追い出していって、そして追い出すかわりに離れまでどうぞと手を引いてあげていたという状況があったわけですが、それでは各省庁は好き勝手なことをするから、いよいよ、そういったことをせずに真ん中に渡り廊下をつくってあげようという形であります。

 そうなると、我々はこれまで指摘をしてきましたけれども、やはりどうしても国という母屋の権威は変わらないわけですね。母屋の権威は変わらない。幾ら新人材バンクが中立公平だといっても、母屋の権威はそれぐらい重たいものだ。民間にとっては、離れやそこにぶら下がるさらに周辺の人たちにとっては、母屋の存在というのはかなり大きいんだということを考えれば、この新人材バンクが何かしらの権威というか圧力を持って就職のあっせんという形に、やはりならざるを得ないんじゃないかという気がいたしております。

 きょうは時間がないために中途で質問を終わらせていただきますけれども、引き続き、この法案については充実審議、徹底審議を我々は進めてまいります。そういったことで、どうぞよろしくお願いをいたします。

 質問を終わらせていただきます。

河本委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。

 官房長官が何か七時から御予定がおありということですから、当初通告しておりましたのより順番を変えて質問するようにしたいと思います。

 この法案で各府省の押しつけ的天下りを根絶すると強調してきているわけですが、私は、そういうふうになっているとは思わないんです。そこでまず法案の十八条の七の三項、ここでは、官民人材交流センター長は官房長官をもって充てるということですから、官房長官がまず長になられるということですが、次の十八条の七の五項で、「官民人材交流センター長は、」「関係行政機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求め、又は意見を述べることができる。」としています。

 この規定は、私、渡辺大臣の、経済財政諮問会議でのポンチ絵というのを出してそこで説明したりしていらっしゃるのを見たんですが、最初のポンチ絵の方では、これで要するに職員の方は各府省の人事当局から完全に離れるわけですね。この職員の人とそして人材バンクとの関係ということになってくるんですが、しかし、十八条の七の五項で、官民人材交流センター長は関係行政機関の長に対してということですから、要するに、もともとの人事当局にかかわるところへ意見を求めたりとかすることになるわけですね。

 ですから、この法案の規定は、最初の経済財政諮問会議のときのポンチ絵による説明とは、そこになかったものが入ってきているわけですから、これはどういう経過で入ったのかということを最初に渡辺大臣に伺っておきます。

渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、これは再就職の支援をやる機関であります。したがって、トンネル機関にならないような仕掛けはきちんととった上で、再就職を希望する職員についての情報はその職員が属している府省庁が一番よくわかっているわけでありますから、そういう再就職支援のために情報をとるということをこれは規定しているわけでございます。

吉井委員 三月の十六日とか二十七日とか、ここの経済財政諮問会議ではこの話はなくて、この規定はなくて、ポンチ絵にもあなたの説明は出てこないわけです。マスコミ報道などでは、結局これは政府・与党の協議の中で入ってきたということですが、それはそういうことで入ってきたものというふうに見ていいわけですか。

渡辺国務大臣 せっかく再就職支援の機関をつくってもこれが機能しないということであれば、今の人材バンクと同じになってしまうわけですね。したがって、今の人材バンクの失敗の教訓も考えながらいかにマッチングを図っていくかということになれば、やはり情報をとるというのは決して間違ったことではないのではないでしょうか。

吉井委員 私、間違ったこととかそうでないとか、それを言っているんじゃないですからね。余り興奮してそういうふうに言ってもらうと、話が全然進まないから。僕は非常に冷めた議論をしているんだから。

 それで、政府・与党の合意については、報道によると、自民党や省庁の懸念は、一つは、省庁の関与がどの程度認められるのか、二つ目に、天下りの原因となる早期退職を促す慣行が崩れて人事が滞留しないかの二点だったが、今回それが担保されたというのがマスコミの伝えているところなんですね。

 この点については、法律上は今度、官房長官の方が、要するに各関係行政機関に対していろいろ協力を求めたり意見を述べるようにする、法文上そうなっているんですけれども、その後、与党との合意については、我々は伝えられていることになるんですが、今回、それが担保された、自民党や省庁の懸念はこのことによって担保されたということを報じているわけですが、塩崎長官、あなたの評価としては、大体、担保されたな、こういう評価でいらっしゃるかどうかを伺っておきます。

渡辺国務大臣 委員が御指摘になられた規定のもとになった文言は、閣議決定の文章に出てまいります。その表現は「あっせんの対象職員に関する必要なキャリア及び人的情報の把握のため、」こういうことでございまして、まさしくマッチングのために必要な情報をとるということでございます。

吉井委員 閣議決定の文章では、官民人材交流センターに関する方針の制度設計の原則について、「退職勧奨を行う人事当局からの依頼も受け付ける。」とか「センター職員は人事当局等と必要に応じて協力するものとする。」としているわけですね。ですから、法案の十八条の七の五項はこうした原則を担保する制度、法文だ、これはそういうふうに見ていいわけですね。

 これは渡辺大臣に聞いておきましょう。

渡辺国務大臣 そのとおりでございます。

吉井委員 それで、官房長官がいらっしゃる間にということで、全体の流れを変えなきゃいけない。質問というのは流れというのがあるから、なかなか大変なんだけれども。

 ちょうど問題の出てきた東証天下り問題、これについて、あなたも記者から質問されたことについてコメントされたり、いろいろしておりますから、それをこの機会に伺っておきたいと思うんです。

 直接、府省と企業の交渉を幾ら禁止しても、そこから逃れられるという前例がこれはできたんじゃないかと思うんですが、東証が新設する自主規制会社の理事長に財務省の元事務次官が天下ったという問題で、官邸はブレーキをかけたようなんですが、財務省は、東証がみずからの判断で適切な人物を選定したとして押し切ったというふうに言われていることですね。

 そこで、官房長官に伺っておきますが、民間から請われたという形さえとればすり抜けられるということになってくるんじゃないか、それを一つ示しているんじゃないかと思うんですが、これは官房長官、どうなんですか。

渡辺国務大臣 一般的に、新しい法律が通って実施されますと、まず、各省あっせんが全面禁止されているわけでございますから、各省あっせんがもしあったりすると、これは懲戒処分の対象になります。また、先ほども申し上げましたように、外部監視機関が再就職規制違反のチェックを行いますので、端緒があれば、まさに立入検査や事情聴取が行われるということになるわけでございます。今までとはまるで違う規制がかかってくるようになるということを申し上げます。

吉井委員 私が言っているのは、財務省が圧力をかけてとか押しつけ的の話じゃないんですよ。東証の方、民間の方から請われて行くという形をとれば、これはすり抜けることができるということになるんじゃないですかと。官房長官は、この問題について記者の皆さんから聞かれたときに、いろいろなこともおっしゃっておられるから、それを官房長官に聞いているんです。

塩崎国務大臣 法律立てとしては、今、渡辺大臣がおっしゃったとおりで、今回は、各省による再就職あっせんはOBについてもやってはいけない、こういうふうになっているわけでありますから、当然、それを破れば罰則があるということでございます。

 私が記者会見などで申し上げているのは、東証の人事のことでございますので、東証がいろいろ改革をしている中で、今回の人事がその改革の流れに沿ったものかどうかということを、これは東証が御説明をすることじゃないんでしょうかねというようなことを申し上げているわけでございます。

吉井委員 ですから、法律の話はわかって聞いていますけれども、要するに、押しつけ的あっせんはだめなんですよ。そうですね。押しつけ的あっせんじゃなくて、それはだめだけれども、民間の方が直接求めてきた、請われて行くという形をとれば、これはいいことになっているんでしょうということなんです。東証のような民間の人事は、今もとめられないし、とめる権限はないわけですし、請われた形をとれば、今度の、官房長官が長になられる人材交流センターでもそれはとめることはできないんでしょうということを聞いているんです。

塩崎国務大臣 今先生、請われた形をとれば、こういう御質問でございました。

 請われた形をとればというのは、まさに、本当はあっせんをしているのに等しいということでありましょうから、外形的にはこれは、請われた形であったならば、それはやはり新しい法律の中での事実上のあっせんということになりますから、それはアウトということになるんだろうと思いますね。

渡辺国務大臣 つまり、請われた形をとっても、あっせんをすればアウトだということですよ。ですから、これはあっせんがないと言い張った場合に、いや、それはおかしいだろうと、外部監視機関が端緒に基づいて動き始めるということは大いにあり得ることでございます。

吉井委員 仮に、実際にあっせんはなかったとして、請われて行く場合、これは問題ないわけですね。どうなんですか。

渡辺国務大臣 ですから、今まで、実際にあっせんなしで行っているケースもないとは言いませんけれども、大体、固定ポストになっているところは、ほとんどあっせんがあると見るのが常識ですよ。ですから、こういうことから考えれば、固定ポストになっているところに請われて行ったという形をとっても、やはり外部監視機関はきちんとチェックの目を光らせるということでございます。

吉井委員 今、渡辺大臣のそういうお話ですから、要するに、ほとんどあっせんだ、押しつけだということになりますと、官房長官に確認しておきますが、東証の今度の天下り問題、官邸としては、これは何やかんや言うても結局押しつけだったんだという、この考え方でいらっしゃると見ていいんですね。

塩崎国務大臣 官邸に何らの権限があるわけでもなし、また個別の事案でございますので、判断等々、コメントは差し控えたい、こう思います。

吉井委員 コメントを差し控えて、それで結局、そうしたら、財務省がこれは押しつけをしたと見るのか、あるいは、財務省のことだから官邸としてはあずかり知らぬ、つまり、事務次官が東証に天下っていくと言われているこの問題については、これは結構です、どうぞ行ってください、こういうお考えと見ていいんですか。

塩崎国務大臣 先生御案内のように、御存じでお聞きをされているんだろうと思いますが、今回のケースは、金融庁に対して届け出をすればいいという人事でございます。官邸は何の権限もありません。

吉井委員 だから、結局、届け出すればいいということで、今までの例からすれば、大臣はほとんどそれは押しつけだというお話ですから、今回の人事は押しつけでやっているということを政府としては考えていらっしゃるんだなというふうに思うわけです。

 そうすると、今回のような例というのはこれまでにもあって、今回もこういう問題が出ているんですが、これをこのままにしておくと、いろいろ議論されている渡り鳥人事、一度行ってしまうと、そこから先はもう違う話になってきますから、次々と渡っていくということも、これは今回の問題についても何ら規制も何もなく行けるというのが官房長官のお考えなのか、最後にそのことだけ、出ていかれる前に聞いておきます。

塩崎国務大臣 先ほど渡辺大臣からも答弁があったように、請われた形で行くような形であったならば、それは外形的にそうであったとしても、実質はそうじゃないということでありますから、新法でいけば、これはあっせんをしているということになるということでございますので、これは法律違反ということになるんだろうと思いますけれども、今回は別に法律がまだ成立しているわけではございません。

河本委員長 吉井先生、いいですか。

吉井委員 七時からほかの日程ということですから、結構です。

 ただ、これからのこの委員会審議におきましては、泉さんの質問も途中だったように、やはり提案している担当大臣と、センター長になるのは官房長官でもありますし、全体にかかわるものですから、これはやはり担当大臣と官房長官がきちっとそろっていただいての審議が進められてこそ正常なものとなると思いますから、それを、これは委員長の方でぜひ強力にその立場で臨むようにお願いしたいと思います。

河本委員長 理事会で協議いたします。

吉井委員 では次に、先日の本会議で、私は官製談合と天下りが不可分の関係にあるということを取り上げたわけですが、それは、この間の防衛施設庁の官製談合事件でも水門談合事件でも、改めて明らかになっております。

 こうした官業癒着を防止するために、天下り規制を強化しなければいけないという認識を大臣は持っていらっしゃるかどうか。このことを伺います。

渡辺国務大臣 まさしく官製談合のようなケースが天下りのシンボリックな弊害として起こっているわけでございます。

 したがって、我々は、こうした官民癒着の防止を図ると同時に、官と民が余りにも高い壁に隔てられて全く交流がないというのも異常なことでございますから、官民交流を図りながら官民癒着の防止を行っていくという今回の法案を提出したところでございます。

吉井委員 もう一遍確認しておきますけれども、交流の話はまた後から聞きますから、官業癒着を防止するためには、これは天下り規制は必要、こういう認識に立っていると見ていいんですね。それはどうなんですか。

渡辺国務大臣 まさしく今回の天下り規制において目指している弊害の打破の一つが、官製談合に見られるような官民癒着の構造であります。

吉井委員 それで、渡辺大臣のせんだっての本会議答弁を思い起こしてといいますか、会議録で改めてまた見ましたが、天下りというのは、人事の一環として、それぞれの省庁が押しつけ的にやるやり方だと答弁にありました。それから、国民の側から見ると、人事の一環というのは押しつけのように見えてしまう、こういうことが問題だというお考えのように、改めて読みながら感じたわけです。

 防衛施設庁が退職幹部を押しつけ、企業側が、その退職職員を抱えるコストに見合う分を防衛施設庁から仕事をもらおうと官製談合を仕切ってやってもらう、これが押しつけの方の話ですね。民間企業の側が、押しつけられるんじゃなくて、自発的に退職幹部の再就職を要請して引き抜きを図る、この社員に元幹部としての人脈とか影響力を行使して談合を仕切ってもらうとかそういうふうなことになってくると、談合の問題はともかくとして、そっちの方の天下りというのは、確かに官から民への天下りであるんだけれども、これは押しつけではない、押しつけでない場合ですね。この場合は問題ないという考えですか。この点はどうですか。

渡辺国務大臣 後者の場合に、それぞれの省庁の人事当局が予算と権限を背景に再就職のあっせんをやっているという場合には、新法ではまさに禁止の対象になります。

吉井委員 いや、だから、それは前者の方の押しつけだから禁止の対象なんですよ。

 民間企業側が自発的に、別に官から頼まれるわけじゃないんだけれども、しかし、退職幹部を、こういう人を採用しておくと、その人の人脈だとか影響力を使ってうまくいくんじゃないかということで、それでそういう職員採用を行う。この場合は、天下りの押しつけじゃありません。答弁でも問題にしていたのは、省庁が押しつけ的にやるやり方が問題だということですから、今みたいな押しつけでない天下りであれば、それは別に構わない、こういう発想ですね。

渡辺国務大臣 今回の政府案では、それも禁止されます。つまり、各省があっせんをすることを全面的に禁止しているわけであって、その営利企業が役所に対して人が欲しいという依頼を行い、それにこたえる、あっせんを行ったということだけで、これは懲戒処分になるわけであります。また、その営利企業に天下った職員がどこそこの工事でという口ききを行ったら、これは刑事罰がかかってまいります。

 したがって、委員の御指摘のようなことがまかり通るということでは全くございません。

吉井委員 省庁があっせんした場合は、あなたのおっしゃるとおり。別に全くあっせんがなくて、しかし、民間企業の側が、この幹部の職員の人に我が社へ来てもらったら、その人の何十年間かの間の人脈だとか影響力を使って、我が社の企業にプラスになるということで、それで就職をしてもらうように求めて就職をする。このようにあっせんという関係がなかったら、これは別に、あなたのお話によると、省庁が押しつけ的にやるやり方が天下りで問題だということですから、その天下りは押しつけでないから問題ないということになってくるのかなと思うんですが、いや、これも、要するにそれも含めた、それもあっせんだ、こういう解釈でいくということでいいんですか。

渡辺国務大臣 それは、あっせん規制のほかの問題だと思います。

 例えば、その職員が当該会社に対して求職活動を行ったという場合には、当然これは規制の対象になって、制裁が加えられます。また、そういう規制をクリアできて再就職に至ったという場合に、先ほども申し上げましたが、口ききを行ったという場合には、口きき規制がかかってまいります。

吉井委員 今の問題というのはまだ余りよく研究されている分野ではないように思いますから、改めてまた取り上げますけれども、要するに、口ききだとか談合だとかをやれば、それは当然いろいろな法律があって対象となるわけですが、省庁からの押しつけでない天下りについては、これは対象とされていないということで扱われているんじゃないかなと思いますので、これは改めてまた質問するようにします。

 これまで、私たちが天下り規制強化を主張すると、いつも決まって政府・与党の側からは職業選択の自由という論が展開されてきましたが、今度は官民人材交流センターで行うという答弁なんですね。現行法を強化して規制を強めようとなぜしないのかと聞くと、総理も大臣も、官民の人材の闊達な交流を損なうこととなるから賛同できないという答弁でした。官業癒着の防止だったら天下り規制の強化だと思うんですが、官民交流の促進という話になってくると、逆に、天下りも天上がりも両方とも進めようという話になるわけですよ。

 渡辺大臣は本会議でも、天下りは根絶されるということでございますと何度も答弁したわけですが、天上がりも天下りも両方とも進めるという立場だったら、天下り根絶ということにはならないと思うんです。官民の交流だ交流だという話になってくると、これはそういうことになってくるんじゃないかと思うんですが、どうなんですか。

渡辺国務大臣 私たちは、民間から中途採用をするというルートは大いに広げるべきであると考えております。それを委員のように天上がりと呼んでさげすむことは考えておりません。

 やはり今の時代にあって、民間の経験を活用しなければ行政が成り立たないという分野すら出てきているわけでございます。例えば、証券監視委員会においては三分の一が民間出身者でございます。民間で、例えば弁護士さんあるいは公認会計士として活動した、あるいは金融機関でデリバティブを扱った、そういう専門的な知識を持った人たちが、今度は逆に、証券監視、事後チェックの方の仕事をやるというのがその人たちの役回りでございます。

 そういうことを考えれば、やはり官と民の垣根というのは低くしていく、しかし、官民癒着の防止はやっていかなければいけないので、今回は行為規制という形で、事前から事後に至る厳格な規制をかけたわけでございます。

吉井委員 別に天上がりとかさげすんで言っている話じゃないんですけれども、もう少し言葉というのはきちんとしゃべってもらった方がいいと思うのです。

 要するに、問題になったのは、天上がり問題では九〇年代、とりわけ九八年ごろにかけて、MOF担の問題とか、銀行、証券から大蔵、金融への天上がり問題で、随分、何とかしゃぶしゃぶとかといったことも含めて問題が出てきたわけですね。それから、東京電力からですと、例えば二十人ぐらい天上がりして、そういう中で東京電力の不正事件とかが次々に続いているわけですよ。

 だから、私は、経験のある人が経験を生かしてということ、一般的には、別にそれ自身は、経験を生かすということは大事なことだと思っているんです。しかし、それが、企業の利益を役所の中へ持ち込むとか、あるいは全体の奉仕者という考え方がゆがめられるようなものになっちゃいけない、そこが一番大事なところであって、そこを簡単に議論するようなやり方というのは私はよろしくないと思っているんです。

 最後、時間ですから終わりますが、あなたのさっきの話で、混乱の根底にあるのは、やはり官業癒着の防止という課題に官民交流の促進という全く異質な問題を今持ち込んできているんですよ。天下り対策を進めようというときに、天上がりも天下りも自由にするという問題を持ち込んだら解決しないのは当たり前なんですね。だから、官業癒着で問題になっていることについてはどうするのかということをきちっとやる。天上がりの中で出てきている、かつてのMOF担問題とか、あるいは東京電力の天上がりの問題の中で東京電力のデータ改ざん不正事件が横行するとか、こういうものをどうきちっとするかということをやらないことには、本来の正常な形の制度の議論になってこないと思うんです。

 最後に、一言だけ。

 官業癒着の防止に官民交流の促進という異質なものをくっつけるこの議論がやはり私は混乱のもとだと思うんだけれども、あなたはそれについてはどう考えていますか。

渡辺国務大臣 我々は全く違う発想で物を考えております。

 今委員がおっしゃられたような事例は、かつて護送船団方式という、とんでもない、誤った、ゆがんだ金融行政が行われていた、その中で出てきた話なんです。我々は、もう既にそういった金融行政とはさよならしているのでございます。したがって、我々はまさに今、事後チェックの金融行政をやっているわけであって、これを役人だけでやれといったって無理なんですよ。だから、民間の知識と経験を生かして金融行政をやっているんじゃありませんか。

 ですから、役人は死ぬまで役人なんだ、そういうパラダイムはとらないわけであって、今、人生八十年の時代に、役人が再就職することがあったっていいだろう、民間人が役人になったっていいだろう、民から官へ、官から民へ、官から官へ、いろいろなルートがあったっていいじゃありませんか。そういう人材が流動化して、そしてそれぞれの分野で共通の方向性、共通の哲学を持つようになった方が、はるかに日本の活性化のためにとっていいのではないかと考えているわけでございます。

吉井委員 あなたのそういうお話の中で官業癒着というのはどんどん深まってきて、今、大問題になってきているわけですから、そういうあっけらかんか、かんからかんか何か知りませんが、気楽なことを言っておったんじゃ全く話にならないということを申し上げて、次の機会に質問を続けます。

 終わります。

河本委員長 次回は、来る二十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後七時十八分散会


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