第9号 平成19年12月21日(金曜日)
平成十九年十二月二十一日(金曜日)午前十時開議
出席委員
委員長 中野 清君
理事 江崎洋一郎君 理事 櫻田 義孝君
理事 萩生田光一君 理事 村田 吉隆君
理事 大畠 章宏君 理事 平岡 秀夫君
理事 田端 正広君
赤澤 亮正君 遠藤 宣彦君
大塚 拓君 加藤 勝信君
木原 誠二君 高市 早苗君
戸井田とおる君 土井 亨君
中森ふくよ君 西村 明宏君
藤井 勇治君 泉 健太君
吉良 州司君 楠田 大蔵君
佐々木隆博君 西村智奈美君
森本 哲生君 吉井 英勝君
…………………………………
国務大臣
(内閣官房長官) 町村 信孝君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 泉 信也君
国務大臣 岸田 文雄君
国土交通副大臣 松島みどり君
防衛副大臣 江渡 聡徳君
内閣府大臣政務官 加藤 勝信君
内閣府大臣政務官 戸井田とおる君
内閣府大臣政務官 西村 明宏君
外務大臣政務官 中山 泰秀君
政府参考人
内閣府大臣官房審議官
兼大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長 西 正典君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 荒木 二郎君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 片桐 裕君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 新保 雅俊君
政府参考人
(外務省大臣官房広報文化交流部長) 山本 忠通君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 菊川 滋君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術参事官) 林田 博君
政府参考人
(防衛省運用企画局長) 高見澤將林君
政府参考人
(防衛省経理装備局長) 長岡 憲宗君
内閣委員会専門員 杉山 博之君
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委員の異動
十二月二十一日
辞任 補欠選任
市村浩一郎君 森本 哲生君
同日
辞任 補欠選任
森本 哲生君 市村浩一郎君
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十二月七日
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(阿部知子君紹介)(第八四七号)
同(大畠章宏君紹介)(第九五四号)
同(小宮山泰子君紹介)(第九五五号)
同(西村智奈美君紹介)(第九五六号)
同(鳩山由紀夫君紹介)(第九五七号)
憲法第九条を変えないこと、国民投票法の廃止を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第八九二号)
憲法の改悪反対、九条を守ることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第八九三号)
同(志位和夫君紹介)(第九五三号)
非核法の早期制定を求めることに関する請願(重野安正君紹介)(第九五二号)
同月十日
憲法の改悪反対することに関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九八三号)
憲法改悪反対に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第九八四号)
ともに生きる社会のための公共サービス憲章の制定を求めることに関する請願(原口一博君紹介)(第一〇二三号)
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(佐藤剛男君紹介)(第一〇二四号)
同(土肥隆一君紹介)(第一〇二五号)
戦時性的強制被害者問題解決促進法の制定を求めることに関する請願(石井郁子君紹介)(第一〇四八号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一〇四九号)
憲法の改悪反対、九条を守ることに関する請願(吉井英勝君紹介)(第一〇五〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
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○中野委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官兼遺棄化学兵器処理担当室長西正典君、大臣官房審議官荒木二郎君、警察庁生活安全局長片桐裕君、外務省大臣官房審議官新保雅俊君、大臣官房広報文化交流部長山本忠通君、国土交通省大臣官房審議官菊川滋君、大臣官房技術参事官林田博君、防衛省運用企画局長高見澤將林君、経理装備局長長岡憲宗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○中野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田端正広君。
○田端委員 おはようございます。公明党の田端正広でございます。
きょうは、銃規制の問題で質問をさせていただきます。
先般、長崎県佐世保市での猟銃乱射事件というのは大変に衝撃的な事件でございました。これまで、どちらかといいますと暴力団対策としての銃刀法の改正等を主にやってまいりましたが、一般人が合法的に猟銃等を所持して、そしてそれが事件、事故につながるということについては、これは今回の事件を通して大変大きな問題提起がされましたから、ここは国としても政府としても、また議会においても議論を進めていかなきゃならない大問題だ、こう感じます。
それで、ことしになって、例えば二月に埼玉で散弾銃による射殺事件というのがありました。また、五月には鹿児島で金融業者が弟さんを射殺するというような事件も起こっていましたし、この十二月には東京で子供さんがライフルを誤射して弟さんのとうとい幼い命が奪われる、こういう事件等が相次いでおります。
つまり、猟銃、散弾銃、ライフルあるいは空気銃、これらによる事件が近年どのぐらいあったのか、そしてまた、今許可されているのは十七万五千人ぐらいだと聞いておりますし、また三十万丁ぐらいあるというふうに聞いておりますが、その辺についてお尋ねしたいと思います。
○片桐政府参考人 お答え申し上げます。
まず、猟銃等の許可丁数でございますが、平成十八年末現在、三十三万九千百九丁でございます。これは、御参考までに平成十四年末と比較いたしますと、四万三千二百五十八丁減少いたしております。
それから、猟銃等を使用した事件、これは刑法に該当する罪でございますけれども、この件数につきましては平成十八年が七件でございます。御参考までに申し上げますれば、平成十四年が十三件でございました。
さらに、猟銃等の事故の件数でございますが、これは猟銃等を使った自殺も含めてでございますけれども、平成十八年が四十八件でございます。ちなみに、平成十四年は五十四件ということになっております。
○田端委員 今も、事故の数等も大変多いわけであります。
この問題で問題なのは、猟銃、空気銃の所持許可の申請手続から許可をもらうまで、この縦系列といいますか、まず申し込みをして、筆記試験があって技能検査があって、そして実施の講習とテストがあって、そして交付の、所持許可が出る、それから実際に猟銃の確認ということで番号等が警察で確認される、こういう約五段階ほどの段階があります。
それで、平成十八年で当初講習を申し込んだのが五千二百四名だと聞いておりますが、最終的に所持の許可になった方との間で千二百三十五人が交付されなかったということで、そういう意味では、申請の数から実際には二割前後の人が許可を受けられなかった、こういうことになると思いますが、しかし、この間が大体三カ月だと聞いています。こういう手続のあり方でいいのだろうか、この段階と手続のあり方、これが一つです。
そしてまた、一たん受けたら、更新の期間というのは三年だと、生年月日等から計算するそうであります。原則、猟銃は二十以上、そして空気銃は十八歳以上、こういうことであります。いろいろな精神的な病気とか欠格事項がない限り、それらは三年でまた更新ということになりますが、この三年という期間が果たしてそれで妥当なんだろうか、こういうことも感じます。
以上、手続の段階が今の状況でいいのかどうか、そして三年という状況が果たしていいのだろうか、この辺のところ、警察庁の方ではどういうお考えでしょうか。
○片桐政府参考人 お答え申し上げます。
猟銃等の許可の流れは今委員御指摘のとおりでございますが、重ねて申し上げますと、まず猟銃等の講習会、これは法令とか取り扱いに関する知識について行いますけれども、あと射撃教習等、これは実技でございますが、これによって一定の知識とか技能を身につけているかどうかということを確認いたしまして、認められれば、その上で、今お話があった統合失調症とかうつ病とかといった病気にかかっていないかどうか、かかっていれば、これは欠格事由になります。
それから、暴力団等の関係者でないかとか、また、他人の生命等に危害を及ぼすおそれのある者でないかどうかといったようなことで欠格事由の審査を行って、これに該当しない者に対してのみ許可を与えるという形になっております。
許可後でございますけれども、主に三年ごとに更新が必要でございまして、更新の申請があれば、今申し上げました欠格事由に該当するに至っていないかどうかとか、また、銃砲が許可の用途に使用されているかどうか、使用実態があるかどうかといったことについて審査を行いまして、取り消し事由に該当するということが判明した場合には取り消しを行う、また不更新を行う、また、引き続き三年以上銃砲を使っていないということであればこれも取り消すことができるという形になっておりまして、大変厳しい規制になっているというふうに考えてはおります。
それから、有効期間、更新期間の短縮をすべきではないかという御指摘でございますが、猟銃等の許可の有効期間は、昭和五十三年の銃刀法改正で、それまで五年であったものが三年に短縮されております。これを短縮するということは、一方で不適格者を早期に発見、排除できるという効果もございますけれども、他方で、許可を受けている方の御負担の問題のほかに、私どもの体制の問題とか、またきちんとした審査を毎年毎年行うことができるかどうかといったような問題もありまして、そういったことも踏まえて検討しなければならない。
またさらに、今現在、少なくとも年に一回は直接に許可を受けた方においでをいただいて、面接をしながら、また銃の使用実態とか銃の状況とかを確認しておりますので、こういった制度等もあわせ考えて総合的に検討していく必要があるというふうに考えております。
○田端委員 例えば欠格事由については、精神病等で適正な取り扱いができないおそれがある者、または認知症である者、こうなっています。これは、果たして自分でそういうことを言ってくるのかどうかということについては、公安委員会が医師の診断ということで判断するとなれば、みずから自分がおかしいんですということを、現実問題、そんなことを言うでしょうか。だから、欠格事由についての該当事項はたくさん並べてありますが、どこでどういうふうに判断するかということが非常に難しい問題だ、こう思います。
それで、今の三年等についてもこれはぜひ御検討いただきたいと思いますが、もう一つは、今回の馬込容疑者は、散弾銃三丁と空気銃一丁、そして、自宅で管理できる実包の弾数が八百発であるにもかかわらず、二千七百とかという実包を所持していた、こういうことが言われています。
そうしますと、この管理のあり方ということも非常に大きな問題をはらんでいるんではないか。特に今後は、例えば実包については銃砲店に預けておいて、使うときだけ借りに行くとかいただくとか、そういうやり方、あるいは、今回のように事件が起こりますと、銃の管理も、第三者機関かあるいは警察かどこかにきちっと管理しておいて、そして使うときだけ自分の銃を使うとか、ちょっと面倒かもわかりませんが、何かそういうことでもしない限り、これは非常に難しい問題だと私は思います。
そこで大臣、今申し上げたことをぜひ御検討いただきたいと思います。例えば、今ちまたで言っていることは、もし自分の家の隣の人が猟銃を持っているということがわかれば気持ち悪いというんですね。物の言い方も気をつけないといけないし、うっかりともし何かで変なことになったら怖い、そういうことを国民の皆さんは思っているわけでありますから、銃の管理のあり方、これは一刻も猶予のないところにあるんではないか、こう思います。
まず、今回の事件から出てきている問題提起がたくさんあると思いますので、この実態をきちっと整理していただいて対応すべきだ、こう思いますが、特に所管の大臣として国民の皆さんにきちっと御決意を表明していただくことが国民の皆さんの安心にもつながる、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○泉国務大臣 今回の事件は、まさに市民の憩いの場所で乱射をするという、想像を超えた事件でございまして、我々としても大変大きなショックを受けております。お亡くなりになりました方々お二人に対する御冥福を祈りますとともに、けがをなさいました六人の方々に一日も早く立ち直っていただきたい。特に、お子さんの二人はまだ十歳前後のお子さんでございますので、心の傷を後まで残さないようにしていただきたいと思っておるわけでございます。
委員御指摘をいただきましたように、国民の皆さん方は銃に対する不安を大変お持ちになったということは疑えない事実でございます。本事件を契機に、私どもとしては、世界一厳しいと言われております我が国の銃規制に対してそうした不安をお持ちいただいたことを大変真剣に受けとめまして、これをどうやって払拭していくか、信頼を回復するかということに取り組まなければならないと思っております。
実は、このため、本日開催されました犯罪対策閣僚会議におきまして、許可を受けた猟銃等とその所持者すべて、いわゆる十七万人、三十万丁総点検のための一斉検査を可及的速やかに実施するということ、そしてさらにもう一つは、警察庁内にプロジェクトチームを立ち上げまして、年度内に銃砲行政の総点検を実施することについて発言をし、総理からも早急に作業を進めるようにという御指示を受けたところでございます。
これらを踏まえまして、今回のような痛ましい事態を招来しないように、銃規制の厳格化のための対策を早急に進めてまいりたいと考えております。
その中には、先ほど御指摘ございました、実包の八百発というのが二千七百発もあったという実態、あるいは、これまでも言われておりますようにどこかに銃を預けるというような方法はどうかというような事柄も含めまして、全部見直して取り組みたいと思っておるところでございます。
○田端委員 国民の一刻も早い安心した社会が実現するように、警察庁あるいは関係省庁においてぜひ御努力をお願いしたいと思います。
以上で終わります。
○中野委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。
私も、佐世保のスポーツクラブでの銃乱射事件につきまして、まず、犠牲となられた方の御冥福をお祈りし、負傷者の方また御家族の方に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
きょうは、その銃器規制の問題について質問をいたします。
あの事件で国民がみんな衝撃を受け、不安に思った一つは、何だ、銃器の保管というのは、事実上、ほったらかしといいますか、野放しと言ったら言い過ぎかもしれませんが、そんな状態じゃないかということに驚いているわけです。
昨年一年間の猟銃、空気銃の所持許可件数は二万件で、不許可になったのは十一件です。ですから、申請すればほとんど許可されているというのが事実ですし、二〇〇二年二月からことし十二月十四日までの約六年間に許可猟銃を使用した事件を見てみますと二十一件、犠牲になった方が、これは本人が自殺した分も含めると二十三件になりますね、殺人事件で。ですから、やはりこの保管をきちんとしないと安心して住めないじゃないかというふうに思うんです。
最初に政府参考人に伺っておきたいと思うんですが、私も車に乗るときは運転免許証はもちろん取るし、それと別に車を持つときに車庫証明が必要で、ですから、私の家もちゃんとガレージがあるかどうか、車庫証明を警察の方が、警察関係のOBの方が来る場合もありますけれども、一軒一軒きちんと調査に来ているんです。
猟銃等の使用許可を受けた人でも、実際にきちんと、どういうところに保管しているのかということ、その保管については実は調査されていないと思うんですが、調査していますか。
○片桐政府参考人 猟銃の許可時と更新時、それからあと一斉検査時とございますが、許可時の場合には、これは各県によっていろいろ運用に差はあるようでございますが、現場に行って確認をする。現場というのは、猟銃については堅固なロッカーに保管しなければならないという銃刀法の規定がございますので、そういったロッカーであるかどうかということを確認する。それから、一斉検査のときにも、その保管の状況についてはこちらから質問をして、場合によっては保管庫の写真を見せてもらうとかいう形で確認をするとか、また更新時にもやはり同じように確認をするというふうな運用はいたしております。
○吉井委員 あらかじめ伺ったんですけれども、車庫証明のときのように現場にきちんと行って、こういうところで銃器の保管をする保管庫があるとかやっているという確認なしに、現実にはまかり通っている。だから、そこは本当に、普通の国民は皆持っていないわけですから、それがまかり通っていること自体が心配な話なんです。
猟銃というのは、先台という部品を外して、これを警察か銃砲店か射撃場の保管庫でふだんは預かるようにすれば、これがなければ通常の猟銃は使えないわけですし、ライフルなどになってきた場合に、スプリングと撃鉄とか、こういうものをきちんと分離して預かるということにすれば、そうすれば、いよいよ猟に行く、このときに、何日から何日まで猟に行きますからということで届け出て保管庫から取り出す。猟が済んだら、何発弾丸を使ったのかとか、あらかじめ購入した場合にはさらにそれに幾ら購入したかとか、弾の員数がきちんと確認されるようにして、そして管理をきちんとするようにすれば、本来これは解決できる話じゃないかと思うんですね。
ただ、お話を伺っておりますと、全部の銃そのままだったら大変だと、それはまあ大変だろうと思うんです。ですから、私が言っていますように、先台とか部品にしてしまえば、きちんと管理するのにそれほど場所もとらずにできるわけですし、ただ、そのときに法的根拠がないとこれはできないというお話ですから、あくまでもお話しして御協力いただくしかないというわけですから、私は、この機会に猟銃等の銃器について、許可されたものについてもやはり保管について法的根拠をきちっと持って、そして市民生活の場に銃器が存在しないようにする、そういう法整備が必要だと思うんですが、ここは大臣に伺っておきたいと思います。
○泉国務大臣 銃あるいは実包の管理につきましては、これまでもそれぞれの警察でやってきたというふうに私は思っておりますが、そういう中で今回のような事件が起き、今御指摘のような、銃あるいは部品をある場所に預けることによってこうした暴発事故を防ぐという方法もあるのではないかという、確かに一つの考え方だと思っております。ただ、直ちにそのことに向かうかどうか、これは、もう少し実態を調べさせていただきました上で、必要があればそのような対応をとらせていただきたいと思うわけです。
なお、今回の件に限って言いますと、容疑者自身も銃を安全に保管するというような、いわゆる銃庫というんでしょうか、そういうものを備えておったということは確認しておりますが、何しろ、それだけでは問題を防ぎ得なかったというのも事実でありますので、御指摘の点を踏まえて、なお検討させていただきたいと思います。
○吉井委員 実態をよく調べていただく、これは当然のことで、やってもらいたいと思うんです。ただ、要するに、銃というのは狩猟のときしか要らないわけですよ。あるいは射撃場で使うときしか要らないわけですから、それまでは、ふだんは、銃の本体は仮に家で保管庫に持っていたとしても、先台の部分とかあるいはスプリング、撃鉄に相当する部分とか、その部分を外してそれを保管しておいてもらって、使うときにそれを持ち出して、また終わったら返すとか、それをやろうと思ったら、法整備をしないとできない。それはそうだと思うんですね、人の所有物ということになりますから。だから、それは私は、調査の上やはり速やかにそれを実現していくという取り組みが今緊急に求められていると思うんです。みんな心配しているんですよ。
もう一度伺っておきます。
○泉国務大臣 先ほど申し上げましたように、十七万人、三十万丁総点検、あるいは銃砲行政の総点検ということをやらせていただきまして、御指摘のような点の対応を考えたい、このように申し上げたいと思います。
○吉井委員 次に、神奈川県警の警備課長に係る霊感商法事件、これについて一言伺っておきたいと思うんです。
霊感商法というのは、三十年ぐらい前の統一協会のつぼとか印鑑売りが有名ですけれども、その後もカルト教団がいろいろ出てきて、信じないと罰が当たるとか、信じたら前世の業が消えるとか功徳が得られるとか、精神的脅迫の言辞を弄して教団へ連れていったり物を売りつけたりということがあったわけですが、そういう点では、今回の神世界霊感商法も同じだと思うんです。
問題は、オウムの問題にしても今回の霊感商法の団体にしても、警備課長はもとより警察の幹部の方というのは、そういう団体から被害が発生している事実に基づいて捜査したり、被害者発生を食いとめるのが仕事だと思うんですね。ところが、そこがかかわっていたわけですから、深刻だと思うんです。
公安委員長に最後に一言伺っておきたいのは、こうした警察内部での被害状況と霊感商法に走った警察官の実態はどうなのか。神奈川県警の警備課長は解任したというふうに伝えられておりますが、公安委員会としてどういう対処をしておられるのか、また、どう臨んでいかれるのか。このことを最後に伺って、質問を終わりにしたいと思います。
○泉国務大臣 霊感商法については先生のお話のとおりでございまして、この件については、実は神奈川県警が、けさ、二十一日の朝、午前五時まで約百十名態勢で、東京都内のヒーリングサロン等に対する捜査、調査をやっておるところでございまして、これから事件の解明がなされると思っております。
それで、先生が言われておりますように、この件に神奈川県の警察官の幹部が、本来指導するべき立場にある人間が関与していたとすれば大変残念なことであり、このことについては国家公安委員会としても厳重に対処したい。国民を惑わすような事柄があってはならないわけでございますので、厳しく指導してまいる所存でございます。
○吉井委員 終わります。
○中野委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。
私は、遺棄化学兵器処理事業の問題について全般的にちょっと取り上げていきたいと思います。
まず最初に、中国の遺棄化学兵器の処理事業についてでありますけれども、せんだって十八日に、閣議後の記者会見で岸田大臣は、中国の遺棄化学兵器処理事業については一般競争入札で決めていくんだというようなことを話されたというふうに報道されていました。そういうような方針を決められた理由とか経緯というのはどういうことなんでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘の中国における遺棄化学兵器処理事業ですが、この事業につきましては、事業の特殊性から随意契約により民間企業に業務を委託してきましたが、こうした業務の進め方は特定の企業に依存する体質を生み、不透明であるという御批判をちょうだいするに至った、これは御承知のとおりでございます。
大量の遺棄化学兵器を処理する本事業、未知の要素が多く、膨大なリスクを伴う特殊な事業であったため、当初は内閣府におきまして、随意契約により、特殊なノウハウを持つ民間会社に対して業務委託を行ってきたところです。しかし、この事業も、調査研究の段階からですと平成十二年から続けられています。そして遺棄化学兵器処理機構に委託して調達を始めてからも、もう三年が経過をしています。こうした蓄積によりまして、さまざまな事業における知見が蓄積されたという判断から、この事業の新たな実施体制をとることが可能かつ適切であるというふうに判断した次第でございます。
来年度からは、内閣府が直接この事業を実施、全般にわたる監督をする、こうした体制を強化しまして、本件事業に関する各種の調達に当たっては一般競争入札により事業を選定することとした次第でございます。
○平岡委員 来年度からそういうふうにするというお話でありましたけれども、具体的には入札というのはいつごろ行われるのかということと、あわせて、これまでは余り知見がなかったのでというようなことで随意契約だというふうに言われましたけれども、果たしてそれが本当に随意契約をする理由として納得がいくものであったのかどうか、ちょっと私も疑問には思うんですけれども、仮に入札をする場合は、入札予定価格というのは一体どんなふうにしてこれから決めていくことになるんでしょうか。
いつごろからかということと、入札予定価格についてはどう取り扱うのか、この二点についてお伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、時期につきましては、来年度から、本事業に関する各種の調達を行うに当たりましては、一般競争入札により内閣府自身が直接業者を選定する体制をとることとしております。
これは、さまざまな業務あるいは機材の調達が必要になるため、多くの入札が行われることになると予想しております。それぞれの事業の実施に支障のないような準備を進めて、適切なスケジュールを組んで実施しなければいけない、そのように考えているところでございます。
そして、入札に係る予定価格につきましては、専門的な知見、必要な情報、従来から蓄積していたものも含めて、こうしたものをしっかり検討した上で策定するということになると認識しております。
○平岡委員 いろいろと疑惑を持たれてきた事業でございますから、しっかりとこれから対応してもらわなきゃいけないことは当然のこととして、これまでの疑惑についてもしっかりと晴らしていくための努力を、この国会も含めてこれからも続けていきたいというふうに思っております。
そこで、中国の話は中国の話として、国内でも遺棄化学兵器をめぐっていろいろな疑惑が発生しているというようなことでございまして、この点についても検証しておかなければいけないというふうに思います。
最初に、国内の遺棄化学兵器の問題については、日米文化振興会、現在は日米平和・文化交流協会というふうになっているようでありますけれども、これの安全保障研究会、安保研というところがいろいろかかわってきているということがいろいろと報道もされていますし、この委員会でも取り上げられてきているということでございます。
これに関連して、十八日の参議院の外交防衛委員会で外務副大臣が、外務省は日米平和・文化交流協会に対して早急に立入検査をすると答弁をしておられるところでございますけれども、ちょっと、かつての検査の方をまず先に振り返ってみたいと思います。
平成十七年に外務省は当時の日米文化振興会に対して検査をしていますけれども、どういう経緯で検査に入ったんでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
外務省を含みます各府省が所管する公益法人に対しましては、関係省庁の申し合わせによりまして、立入検査を少なくとも三年に一回実施するということになっております。
当時の社団法人日米文化振興会に対しましては、平成十七年度は四月と五月に立入検査を実施しておりますけれども、その前回は平成十四年九月に実施しておりましたので、三年に一度立入検査を行うということで実施した次第でございます。
○平岡委員 これは事前に通告している話なので、そんなのはちゃんと政治家で答えてくださいよ。用意されたものまで答えられないというんじゃ、これから呼びませんからね、政府参考人は。
今のでは定期検査であったということでありますけれども、検査自体は平成十七年の四月ぐらいから始まって、検査結果が出て、その後いろいろな検査結果報告というのも出されており、命令も出されており、それに基づいていろいろなことが行われて、最後は名前の変更まで含めた改善措置がとられているということで、それが平成十八年六月二十六日までずっと続いていたんです。
この日米文化振興会の立入検査から改善措置の完了までの間、これは政治家については何か、口ききとか依頼とかあるいは介入とか、政治家の何らかの関与はあったんですか。
○中山大臣政務官 平岡先生、先ほどは失礼しました。
ないというふうに承知をいたしております。
○平岡委員 これは事前に通告していなかったので、わざわざ答えてくれたのはあれなんですけれども。
それは、省内で調査をした結果として、ないというふうに今断言されたんですか、どうですか。
○中山大臣政務官 政務官として、また、副大臣、大臣、そういった外務省の政府高官に対しての説明というものがないということは、承知を外務省としてはしていないということでございます。
○平岡委員 政治家レベルで外務省に所属している人たちに対して事務方から説明がなかったということで何らの介入もなかったというのは、ちょっと根拠として私は非常に希薄なような気がしますね。一度省内でしっかりと、何か介入があったかどうか調査をしていただきたいと思います。いかがですか。
○中山大臣政務官 御指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○平岡委員 そこで、これは外務副大臣が答弁されたので、大臣政務官がどこまで責任を持たれるというかわかりませんけれども、立入検査をすると答弁している点については、いつから立入検査をするということになるんでしょう。
○中山大臣政務官 社団法人の日米平和・文化交流協会に対する御指摘の部分のいわゆる立入検査ということに関して、現時点で具体的な日程というのは決定いたしておりませんが、検査の実施に向け準備を整え、そして手続を進め、早期に実施をいたしたいと考えております。
○平岡委員 体制を整えて実施したいとかというと、何か早期というよりは大分後になってからのような気がしますけれども、大体いつごろですか。来年早々、一月には立入検査に着手すると理解していいんですか。
○中山大臣政務官 来年という形で考えております。(平岡委員「一月」と呼ぶ)一月かどうかはわかりませんけれども、もう年内、日にちもございませんし、来年、先生の御指摘を踏まえて早期に行いたいと考えております。
○平岡委員 早期に早期にといって、早期というのは人によって大分幅がありますから、具体的にそういうふうに副大臣が答弁しているんだから、もうそろそろ、大体、省内でも相談した結果として、いつごろからやりましょうというのが出ているはずじゃないですか。いつまでも早期早期と言われたら、やりたくないということで、とりあえず早期と言っておけばいい、そんなことにしかすぎないような気がしますね。ちょっと私はその点、猛烈に抗議をしておきたいと思います。
そこで、これは調査に入ったときの話なんですけれども、例えば十一月二十二日の参議院の財政金融委員会でも、この日米平和・文化交流協会についていろいろな疑惑があるということで指摘がされているんですね。
例えば、ステファン・リーブス准将に国土交通省が発注した五千三百何万かのうちの、金額は確定できていませんけれども、そのお金が流れたんじゃないかとか、あるいは交流協会の理事であるシュナイダーさんに対してお金が流れたのではないかとか、こういうような疑惑も含まれているんですけれども、文化交流協会が、安保研が受け取ったお金がどういうふうに使われているか、これも当然調査の対象に入っているというふうに思いますけれども、そういうことでいいですね。
○山本政府参考人 立入検査に際しましては、ガイドラインというのが関係省庁間でございまして、そのガイドラインに従いまして、当然のことながら、会計処理、収支及び資産の状況については検査いたします。
他方、あくまでも立入検査は日米平和・文化交流協会に対してでございます。安保研の方は、実はこれは今、平和・文化交流協会とは全く関係のない独立した存在でございますので、そちらの方については私どもは検査するという立場にはございません。
○平岡委員 ごめんなさい、別の組織だと言われたんですけれども、じゃ、今この安保研というのはどういう組織なんですか。
○山本政府参考人 安保研につきましては、もともと、日米文化振興会、今の日米平和・文化交流協会の前身の組織の附属機関ということで最初説明を受けておったわけでございます。
それで、私どもは、その関係がはっきりしないということで、その関係はどうなっているんだと、関係を明確にするようにずっと要求してきております。十七年の立入検査のときにも、そこのところがよくわからなかったので、はっきりするようにという大臣命令を書面で出しました。その結果、向こうの方から、これはもう附属機関とはしないこととしますということを言ってきておりまして、そこで離れておりますので、ここで別の組織になった、そういうことと我々は理解しております。
○平岡委員 ちょっと今の説明は、私もしっかりと検討していないので、ちょっと後で検討した上でまた質問もさせていただきたいというふうに思います。
次に、国内で実際に行われた遺棄化学兵器関係の事業の状況について質問をしたいと思います。
この関係については既に質問主意書でも出しておりますので、それの回答も含めて質問させていただきたいと思います。
せんだって、この委員会で、松島国土交通副大臣の方から、安保研への業務委託契約に先立って業務方針について打ち合わせを行い、安保研から研究員五名が出席した、また、平成十四年度業務報告書によれば、この業務について七人の担当者が配置されているというふうに答弁がありまして、これの具体的な氏名とか専門分野、担当分野というのも質問主意書で聞きましたら、一応名前が入ったもので、何が担当かということも返事をいただきました。
しかし、その名前を見ますといろいろな、インターネットなんかで検索しますと、とてもその分野の専門家とは思えないような人たちの名前が何人か出てきているというふうに私としては思っております。
そういう意味でいくと、国土交通省は、どうしてそういう人たちがその分野の専門家というふうに認識したんでしょうか。
○松島副大臣 おっしゃるとおりに、この業務委託のときに人名が、研究員五人、挙がっております。名刺の写しもございます。
ただ、我々としては、国土交通省としては、この方たちが、業務の担当者が特定分野の専門家であるということを確認していたわけではありません。
○平岡委員 確認もしないのに、どうしてそんな随意契約なんかできるんですか。やはり、そういう体制とか人員がそろっているからこそ、随意契約という形で契約できるというふうに私は思いますよ。そういう意味では、国土交通省の方でこういう、えたいが知れないと言うと言葉が悪いかもしれないけれども、しっかりとした体制とか組織が整っていないところに対して随意契約をしたことの背景というものに、私は依然としてやはり疑問を感じます。
それはそれとして、答弁書で出てきたのは平成十四年度の業務報告書の部分だけなんですけれども、平成十五年度と十六年度の業務報告書を見ますと、業務担当一覧に山田康夫氏というのが登場してくるわけですね。名刺の方では康夫の夫が英雄の雄になっており、業務報告書では夫の方になっているということで、この人は同一人物なのかどうか私もよくわかりませんけれども、この人は今話題になっている株式会社山田洋行の社員であったというような話も聞くんですけれども、そうなんでしょうか。
○松島副大臣 国土交通省としては、この人が、山田康夫さんが山田洋行の社員であったのかなかったのか、どっちか、全く承知しておりません。
○平岡委員 それは、今から国土交通省でこの安保研に対して、この人はそういう立場にあったのかどうかということについて聞くということはできないんですか。私は、それをやってくれというふうに事前には要望しておいたんですけれども。
○菊川政府参考人 お答えいたします。
私ども、このときの研究員として報告書に記載されているということしか承知しておりませんで、それ以上、この方がどういう方かということは承知しておりません。(平岡委員「私の質問は、聞いてくれるように頼んだけれども、やってくれるんですかと聞いている」と呼ぶ)これから検討したいと思います。
○平岡委員 この委員会で何で取り上げられているかというのは、松島さん、よくおわかりでしょう。いろいろ疑惑を持たれているんですよ。だから皆さんは、疑惑を持たれていることに対してちゃんと、自分たちはそんな意図があったわけじゃないんだ、そのためには要望されたことについてはしっかりと調べて答えていきます、そういう姿勢を持たなければ、私は、国土交通省がこの問題についてぐるになってやっていたとは思いませんけれども、ああ、やはり一緒になって隠そうとしているな、ぐるになっていろいろやろうとしていたんだなというふうに疑いの目を持たざるを得なくなっちゃうじゃないですか。
やはり我々がお願いしたことについてはちゃんとしっかりと対応していただきたい、こういうふうなことを要請して、先ほどのこと、検討結果をまた近いうちにお伺いしたいというふうに思います。
そこで、ちょっと時間がないので、この処理事業についても、調査委託の方は安保研がやりました、そしてその結果に基づいて処理事業が行われて、その処理事業については神戸製鋼が受注をしたというふうに聞いておりますけれども、この神戸製鋼はやはり下請を使っているんでしょうか。下請を使う場合には発注者の了承を得るということに普通はなっているわけですけれども、同じように、そういう仕組みの中で下請が行われていたんでしょうか、どうでしょうか。
○松島副大臣 下請につきましては、請負契約書において主たる業務の一括外部委託は禁止しておりますが、それ以外の場合は外部委託できることになっております。
どんな会社に下請してもらったかということは、一覧表もばっちりあります。全部読みますか。(平岡委員「いやいや、時間がないからいいです。後でください」と呼ぶ)はい。
○平岡委員 下請の一覧表があるということなので、その一覧表をまた後でいただければというふうに思いますけれども、その中に、例の苅田港の事案で話題になっている山田洋行は下請に入っているんでしょうか、どうでしょうか。
○松島副大臣 入っていません。四次下請までちゃんと調べていますけれども、全然ありません。
○平岡委員 それでは、ちょっと時間がないので、苅田港の方に移っていきたいと思います。
苅田港の事案についても安保研が調査の受注をしているわけでありますけれども、この安保研が調査の受注をしたときの人員体制というものを質問主意書でお伺いいたしました。こういう人たちがいますよということであったんですけれども。
その答弁書では、日米平和・文化交流協会から説明を受けた内容としてあるんですけれども、安保研が受注したときは文化交流協会じゃなくて日米文化振興会であったというふうに思うんですけれども、これはいつ、この体制をどうやって確認したんでしょうか。
○中山大臣政務官 外務省といたしましては、安全保障研究所が福岡県苅田港事案を受注した平成十五年当時の人員体制及び職員の専門分野別、出身別を把握しているわけではございませんが、社団法人日米平和・文化交流協会からは、安全保障研究所は社団法人日米文化振興会の秋山直紀専務理事が代表を務める団体であり、安全管理・環境評価、化学解析処理技術評価、地域対策評価の各部門にそれぞれ研究員を一名ずつ配置し、この他に事務局員として一名配置していた旨の説明を受けております。また、研究員及び事務局員は安保研が独自に採用した職員であったという説明を受けております。こうした内容は、本年十二月五日に法人に対して照会をし、説明を受けたものでございます。
○平岡委員 さっき外務省の政府参考人が、あれは関係ない組織なんです、調査の対象にもなっていませんと言っておきながら、その安保研のことについて平和・文化交流協会に対して聞くというのは、何か変じゃないですか。全く矛盾した答弁をされていますよ。
しかも、先ほどから話題になっていた平成十七年の外務省によるこの日米文化振興会に対する検査のときも、こういうくだりがありますよね。安全保障研究所についてはその実態が不明瞭である、構成員なんかについてもよくわからない、だから文書にて明確に説明しなさい、こう書いてあって、この文書もまたいただきたいと思いますけれども、そういう状況にあるようなところに対して、その当時どうだったんですかとまた今月の五日に問い合わせをするというような、そんな何かいいかげんな対応をしておるというのは、私はちょっと信じがたいですね。そういうような状況の中でこの安保研に対して発注が防衛庁の方から行われたということに対しては、私は非常に疑問に思います。
それはそれとして、ちょっと時間がないので、次に移ります。
せんだっての委員会のときに、私が、メガフロートの関係についての委員というのはこれに載っていないんじゃないですか、私が持っている調査報告書には載っていませんねというふうにお聞きしたら、副大臣の方から、有識者委員会で二回目から入江功という九州大学工学部教授が名簿に上がっていて、同委員からの発言等々というものも記述が見受けられるというふうに言っておられます。
どういう報告書なのかというようなことで、ちょっといろいろ見せてもらいましたけれども、どうも、見ていると、入江教授がこの評価委員会のメンバーになっていたという確たる証拠もない、この委員会に出席して発言したという痕跡もない。
結局、この入江さんというのは、実際は、評価委員会のメンバーにもなっていなければ、その評価委員会で発言したこともないんじゃないですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
御指摘のこの入江教授につきましては、評価委員会設置後の名簿に氏名が記載されておりまして、苅田町における第二回評価委員会において浮体構造物の使用の可否につきまして同教授から意見を得た旨の説明が安全保障研究所によりなされていることから、前回の、十一月二十八日のこの委員会におきましてその旨を答弁させていただいたというところでございます。
この点につきまして、委員会で答弁させていただいた翌日にですけれども、念のために、この評価委員会を運営しておりました当時の関係者の方に確認させていただきましたところ、この御指摘の入江教授は、評価委員会への出席が困難であったことから、オブザーバーという形になりまして、結果、九州大学に複数回お伺いして説明、相談を行った旨ということを確認させていただいております。
このような事情から、実際、御指摘の教授という者は委員会には出席しておらず、苅田港等老朽化化学兵器処理に関する調査等委託報告書には氏名が記載されていなかったというふうに承知させていただいております。
○平岡委員 だから、そういう人を評価委員会の委員に置いたものを、多分、防衛庁との関係では、こういうものをつくりましたよということで契約後に提出し、いかにも体裁を整えているというような形でやっているのは、やはりどうも何か私としては納得いかないものがある。本当にこの安保研がそういう調査する能力があってやっていたのかということについても、私は非常に疑問だと思いますね。
時間がないので、この苅田港の処理事業について、ちょっと報道されているので、お聞かせいただきたいと思います。
神戸製鋼が多くの事業を多くの企業に下請に出しているということでありまして、この件についても質問主意書で伺わせていただきましたけれども、答弁を見ますと、下請に出す場合には承認を得ることにはなっているけれども、承認に係る書類については確認されていないというような、何か人ごとのような答弁が返ってきたんですけれども、これは承認をしたんですか、していないんですか、どっちなんですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
今委員の御指摘のとおり、神戸製鋼所が下請にさせる場合においては、当時、防衛庁と同社との契約に基づきまして、防衛庁の管理局会計課の支出負担行為担当官から書面による承認を得ることというふうにされておりましたけれども、当該承認に係る書類については確認されておりません。
それゆえ、事実上承認していたかというのは別といたしまして、正式の書面による承認というものはなされていなかった、そのように私は考えております。
○平岡委員 やっていなかったということですよね。
その後、この処理事業を引き継いだのは国土交通省ですよね。国土交通省は、やはり同じように、下請が入る場合には、承認とは言っていないみたいですけれども、それを認めるか認めないかという判断をしているということなんですね。国土交通省はそれはやっているんですか、下請についてちゃんと認めるか認めないかという判断をしているんですか、どうですか。
○松島副大臣 国土交通省は、契約書条項に基づき、下請状況について、業務の全部を一括して、あるいは設計図書に指定した主な部分を請け負わせていないかなどを確認の上、承認しております。
具体的に申し上げますと、株式会社神戸製鋼におきましては、爆弾を発見し持ち上げる業務、潜水作業ですけれども、これをATSCという株式会社に、さらに環境モニタリング業務をアメリカのGEOMET社に……(平岡委員「細かい実績についてはいいです」と呼ぶ)いいですか。つまり、こういうことをどこにやらせるというのは、全部きちっと確認しています。
○平岡委員 そういう仕組みの中で行われていて、防衛庁が承認をしなければいけないという時期になっていたときには、問題となっている山田洋行が下請に入っているということなんですよね。
国土交通省が認めるということになってから、山田洋行は神戸製鋼の下請に入っていますか、どうですか。
○松島副大臣 入っていません。
○平岡委員 多分、国土交通省が下請を認めるか認めないかというときには、これまで、以前の段階として、防衛庁がやっていた段階としてどういうところが下請に入っているのか、あるいはどういう理由で入っているのか、それらを見ながら、自分たちが下請を認めるのがいいのかどうなのかという判断を普通はするんだろうというふうに私は思うんですよね。
その問題について言えば、防衛庁の時代には山田洋行が入っているのに国土交通省が担当になってから山田洋行が入ってきていないというのは、やはり何か不自然な感じが私はするんですよね。国土交通省はしっかりした役所だから下請についてしっかりとチェックをするだろうから、ここからは入ってきちゃいけないんだろうな、防衛庁の場合は山田洋行に対しても甘いだろうからいいんじゃないか、神戸製鋼についてはもっともっと甘いだろうというような安易な気持ちが、神戸製鋼とかあるいは山田洋行にあったんじゃないですか、この点については推測でしかありませんけれども。
神戸製鋼がそうした承認を得ていないということに対しては、防衛省としてはこれからどういうふうに対処するんですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
その点につきましても、今、神戸製鋼の方に当時のこと等について確認をとっている最中でございまして、我々の方も、それらの調査をしっかりさせていただいてから、どのような形にするかということで対応を考えてまいりたいと思っているところでございます。
○平岡委員 今、神戸製鋼とちゃんと事実関係を確認した上でこれからのことを考えていきたいという話であると思いますけれども、もう一つだけ聞くと、新聞報道によれば、神戸製鋼から山田洋行に対する下請が途中で打ち切られてしまった、だけれどもまた復活したということがあったようでありますけれども、この件についての事実関係は確認されていますか、どうですか。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
今のお尋ねの山田洋行への下請契約の打ち切り、このことにつきましては、現時点においては、まだ防衛省としては確認されておりません。一応神戸製鋼の方には連絡はとっておりますけれども、まだ、今現在においては回答が来ていないというところでございます。
○平岡委員 先ほどの下請全体の話もいろいろと問い合わせしているということでありますから、この打ち切りの問題についてもちゃんと確認をするということでお約束していただけますか、どうですか。
○中野委員長 簡明に答弁してください。
○江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。
一生懸命頑張って、努力したいと思っております。
○平岡委員 時間がないのでこれで終えますけれども、遺棄化学兵器の問題については、中国だけの問題じゃなくて、国内でもいろいろな問題が起こっているということなので、引き続きこの問題については私たちとしても関心を持っていきたい。場合によっては捜査機関の方からの捜査というものもあるかもしれませんけれども、そういうことと関係なく、関係なくと言うと変だけれども、そういうことと並行してということなのかもしれませんけれども、我々は我々としてしっかりとこの問題について取り組んでいかなければいけないということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○中野委員長 次に、大畠章宏君。
○大畠委員 民主党の大畠章宏でございます。
佐世保の散弾銃使用によるスポーツ施設における殺傷事件について質問をさせていただきます。
質問に入る前に、亡くなられました倉本さん、藤本さんの御冥福をお祈りしたいと思いますし、また六人の方が重軽傷を負われていますので、一日も早い御回復をお祈りしたいと思います。
さて、非常に残念な事件が起こったわけですが、実はきのう、この質問に先立っていろいろと、どういう質問をするかということを事前に通告させていただきましたが、きょう、銃器対策推進本部というのが政府にありまして、その本部長が内閣官房長官だ、そして副本部長に岸田内閣府特命大臣が当たられておる、そしてまた国家公安委員長もその副本部長でありまして、私は、きょうは主に泉大臣にお伺いしようと思っておりましたが、やはりこれは、官房長官が銃問題の責任者だというお話をいただきましたので、官房長官の時間をいただきましたので、今回の事件発生を受けて、官房長官として、あるいは政府の銃器対策推進本部の本部長として、どのようにこの事件を受けとめているか、最初にお伺いしたいと思います。
○町村国務大臣 今、大畠委員御指摘の猟銃の乱射事件、私からも、亡くなられた方にはお悔やみを申し上げ、けがをされた方にはお見舞いを申し上げたいと存じます。
福田内閣発足のときから、安全、安心を重視する社会をつくりたい、こういうことでいろいろな政策を展開しているわけでございますが、けさ閣僚会議がございました。これは銃器対策ではなくて、もう少し広い犯罪対策閣僚会議というのがございまして、けさはそれを開催したわけでございますが、その中でも、総理の指示ということで、こうした事件が発生したことを重大に受けとめなければならないという御指摘があったところでございます。
もとより、私も同じ考えでございまして、目下、警察を中心に事実関係の解明ということをしっかりやっていただいているもの、こう思いますが、そうした解明の結果を踏まえながら、こうした事件が起きない、再発しないためには本当にどうしたらいいだろうかということを、思い切って、しかもできるだけスピーディーに答えを出して、それを実行していくというふうに考えております。
銃の保管であるとか弾の保管でありますとか、どうもいろいろな問題点も少しずつ浮かび上がっているような気がいたします。ただ、正確なことがまだちょっとわかりませんので、その辺をしっかり受けとめながら、万全の対応をしてまいりたいと考えているところでございます。
○大畠委員 一斉に新聞、マスコミ関係が現状について随分調べて記事にしていただいているようでありますが、警察庁の発表等では、日本に三十万丁、散弾銃が二十六万三千七百二十五丁、ライフル銃が四万一千四百五十四丁、空気銃が三万三千九百三十九丁、これだけ日本国内にあるということでございます。
今回の事案、事件について、いろいろ事実関係が少しずつ明らかになってまいりましたが、どうもその内容を見ますと、警察の対応に問題があったんじゃないか。近所の人からの通報や、お母さんまで、息子が言うことを聞かない、何を考えているかわからない、こういう話があったにもかかわらず、彼が銃を持ち続けたというところに、官房長官といいますか、今、対策の本部長からもいろいろと問題があったようだというお話がございましたが、明らかに問題があったのではないかと私は思うんです。
私たち代議士も、あるいは政治家も、あるいは政府も、国民の、いわゆる納税者の方々の期待にこたえるのは何かというと、国民の生命財産を守るという一言に尽きるんですね。ところが、不十分だったということが今回、この事案でわかったわけなんです。
したがって、この間警察庁からもいろいろ話を聞きましたが、私たちには特に問題はなかったんです、きちっとやっていましたという趣旨の説明があったので、私も、それは違うんじゃないか、自分の自己保身を図るんじゃなくて、国民の立場に立って、今回の事案をベースに、何が問題だったのか、自分たちに不備があればこういうところは不備があったとはっきり言うべきじゃないかということを強く申し上げたわけでありますが、国家公安委員長として、今どのようにこの問題についてお受けとめなのか、お伺いしたいと思います。
○泉国務大臣 今回の事件は、先ほど官房長官からもお話がございましたように大変痛ましい事件でございまして、あってはならない事柄だと思っております。特に、国民の皆様に不安や心配をおかけすることになったことを私どもは大変深く受けとめて、早期に信頼回復をすることが喫緊の課題である、こう認識しております。
このため、本日開催されました犯罪対策閣僚会議において、許可を受けた猟銃等とその所有者すべて、十七万人、三十万丁総点検のための一斉検査を可及的速やかに実施いたしますとともに、警察庁内にプロジェクトチームを立ち上げて、年度内に銃砲行政の総点検を実施することについて発言をし、総理から早急に作業を進めるようにという御指示を受けたところでございます。
これらを踏まえまして、今回のような事件が二度と起こることがないように、しっかりと銃規制の厳格化のための対策を立ち上げてまいりたいと思っておるところでございます。
○大畠委員 先ほど、田端委員からもそういう御指摘があって、泉国家公安委員長がそうお答えになっておったわけですが、そこで、年度内に三十万丁の銃の点検を行うということでありますが、ここら辺からはどうも岸田担当大臣の範疇ではないかと私は思うんです。
これは銃器対策の担当大臣というのですから、まさに銃問題については岸田大臣ということで、きのういろいろ話したときには岸田さんのお名前は出てこなかったので、科学技術の方かなと思って、きのうは答弁は結構ですと私は言ったんですが、けさになって、新聞を読んで岸田大臣が銃器対策の担当大臣とわかりましたので、改めて、岸田大臣、今の国家公安委員長の発言を受けて、どんな銃の点検を行うのか。三十万丁を年度内に行うというのですが、どんな点検を行うように指令を出しているのか、お伺いしたいと思います。
○岸田国務大臣 銃器対策担当大臣の役割、ちょっと整理をさせていただきたいと思いますが、まず、こうした具体的な事件の発生を受けて、今回の佐世保市の銃器乱射事件を受けて、今、泉大臣からも答弁がありましたように、泉大臣のところでは、まずは全容解明に努力をされておられる、また銃規制のあり方につきましても再点検をされておられる、そういった努力をされておられるわけですが、一つのこの事案を受けて、関係各省庁がそれぞれの所掌において具体的な検討や努力をされる。その中で、省庁横断的に総合調整をするという段階になりましたら、銃器対策担当大臣が総合調整を行う、これが銃器対策担当大臣の役割だというふうに認識をしております。
今、具体的なその規制のあり方、それから点検、こういったことは、まずは泉大臣のところでしっかりやっていただき、その結果を受け、また、他の省庁での検討等も行われましたならばそういった結果を受け、それを総合的に調整するという段階になりましたら、私が担当大臣として総合調整をしなければいけない、こういった役割を担っていると認識をしております。
○大畠委員 「銃器対策推進本部の設置について」という文書、ホームページから出したものをいただきましたけれども、今のようなお話だから、結局、だれが責任者でやっているんだかわからなくなっちゃっているんですよ、これは。泉大臣のところなのか。銃器対策、内閣府特命担当大臣とついているんですから。具体的なものは泉さんのところだというんですね。
警察庁の方でも、三十万丁、これは指令を受けてどういうことをやるのか。先ほどのお話を伺っていると、どういうところに保管しているのか写真を持ってこい、どうやっているのだと面談をするのかわかりませんが、この際、やはりきちっと立入調査をするということが私は必要じゃないかと思いますよ。
同時に、更新のとき。お母さんまで、息子が言うことを聞かない、何を考えているかわからないと不安を訴えているわけですね。近所の人からも通報が何回かあったというんですよ。にもかかわらず更新手続をしているということが、どうもおざなりの管理体制になっているんじゃないか。
実は幾つかの新聞の中に、かつて、この方は米ルイジアナ州で過って射殺された十六歳の留学生のお父さんが、一生懸命、今、銃を何とかアメリカ社会からなくしてもらいたいという運動をしているわけでありますし、ニューヨークでも二十二歳の長男が射殺されたということで、福岡の砂田さんもストップ・ガン・キャラバン隊というのを組んでやっているんですが、その方は、銃を持って何が悪いんだと抗議のメールを何度も受けたり、あるいは、若者から銃を撃ってみたいと聞くことも多く、海外の射撃場は日本人であふれているというような記事も目にしました。
私は今、日本は安全はただというような安全神話というのがありましたけれども、ここまで来れば、日本の国の安全というものは非常に損なわれたということで、認識そのものを変えなきゃいかぬと思うんですね。
そこで、泉大臣は先ほど、銃の総点検を命じたと。岸田さんは、泉大臣のところの所管だ、こういう話なんですが、何をどういうふうにやるのか、どういう指示を出したんでしょうか。
○泉国務大臣 これまでも、三年おき、そして毎年、それぞれの銃の所持者の状況あるいは実包の保有状況等を調べてまいったわけですが、今回は、すべての許可猟銃及びその所持者を対象に行うものでありまして、具体的には、きょう実は都道府県の関係担当課長を呼んでおりまして、きめ細かな、具体的な通達を踏まえた指示をいたす予定でございます。
従来のやり方で足りなかった点、そういうものを反省した上で、今回通達を出すわけでございますが、この中で、例えば、十分な時間をかけた面接の実施等に相応の時間を要すると考えられる、これらに見合う十分な期間を設定することというふうに、ただ三十万丁を、あるいは十七万人の方に面接をするだけではなくて、十分成果が上がるようにということも含めて通達を出すことにしておるわけでございます。
また、先ほど申し上げました銃行政全体の見直しにつきましても、これは銃の預かり方、実包の預かり方、あるいは検査期間等も含めたすべてを見直すということでございまして、今まで行ってきた銃行政をもう一度第一歩から見直すという姿勢で臨みたいと思っております。
なお、今さら申し上げることはございませんけれども、今回の長崎・佐世保の事件につきましても、一応、警察としては、周辺の方から電話をいただき、そしてその周辺の方にお話を伺う、また、本人へ電話をする、あるいは診断書に書いてある事柄を確認する、そうしたことはやらせていただいておるわけでございまして、形式的に流れておったということではございません。
ただ、今日こうした問題が起きたということは重大なことでございますので、先ほど申し上げましたように、原点に返って徹底的に見直しをしていく、その上に立って、法律の改正等が必要であればまた御相談をさせていただきたい、このような取り組みをいたしております。
○大畠委員 報道機関でのお話でありますが、男は銃を持って自宅の周りを歩き回るようなことをしていた、もともと変わった男という印象を持たれていたようだ、近所の人が不安を抱いて、危ないんじゃないかと警察に訴えた、ところが警察は取り合ってくれなかったと。こうした不審な情報が寄せられた場合、許可の更新を見合わせたり、銃を取り上げたりすべきではなかったかという指摘がありますが、私も全くそのとおりだと思うんですよ。
ところが、精神科のお医者さんの診断書がないから更新をしたとか何かという話だけれども、これは、こんな情報が言われて、私が警察官だったらやはり取り上げますよ、しかし、取り上げるルールがないんです。許可するルールはあるんですよね。これはいろいろ見ると、許可するルールはある、更新時もあるんでしょう、精神科の医者が許可しなければだめだとか。でも、一回許可してしまうとそれを取り上げるルールがないところに問題があるんですよ。警察官だって、ルールがないのに、むやみに、はい持っていきますよというわけにいかないんです。だから、そのルールがないところに法的な欠落があったんじゃないかと私は思いますよ、今回の事件。
少なくとも二人が亡くなっているんですから、泉大臣。二人亡くなっているんですから。それも、何か問題があったりなんかじゃなくて、一般市民なんですから。私たちは生命財産を守る責務を負っているわけですよ。だから、泉大臣にもぜひそこら辺、単なる国家公安委員長として全国に指示を出したというだけじゃなくて、どんなことをやるのか、そして、それをやれば再発が防止できるのかという、そこまで突っ込んでもらわないと国家公安委員長の責任は果たしていないと私は思いますよ。指令を出すのが国家公安委員長じゃなくて、国民の生命財産を守るのが国家公安委員長ですよ。三十万丁も日本国内にあるんですから。
具体的に先ほど提言も出ていましたが、例えば、先台というんですか、銃の一部を預かる、これも大事なことだと思います。本当は全部預かるのがいいでしょうけれども、保管場所のスペース問題がある。その預かり先としては、例えば警察署も考えられる一つでしょうし、協会あるいは射撃場、猟友会、そういう第三者機関のところに預けて、使用するときだけ先台というのを持ち出して使うという形に最低限でも改めてもらいたいと私は思う。
あるいは、そのときに保証人というか、取り出すときには銃一丁につきどなたかが一人、銃を持つときには保証人を必ず置いて、その人と一緒にとりに行くとか、そのくらいにしていただかないと、こういう事件が私は重なってくると思うんですね。ニューヨークとかアメリカの方で一生懸命銃規制を訴えたって、日本国内でこういう同じようなことが起こるんじゃ、どうなんだろうというような意見も出てきていますよ。
これは、いろいろ聞いていたら、やはり国家公安委員長の責任みたいですね。岸田さんはそういうセクションじゃなくて、どうも全体的なことだというから、やはり最終的には国家公安委員長の責任になってくると思うんですが、今申し上げた銃の管理のあり方、更新のときの手続、あるいは銃を所持することの認可の取り消し、このところのルールが明確じゃないというところに、今回の事件が起こったんじゃないかと私は明らかに思うんですが、再度、国家公安委員長の御所見を伺いたいと思います。
○泉国務大臣 先ほど御指摘がございました、私の立場は指示するだけではなくてまさに国民の生命財産を徹底して守るという事柄は、重く受けとめてこれからも努めてまいります。
幾つか具体的な事例を出していただきました。それらもすべてこれからの作業の中で、これまでも衆参の委員会でも御指摘をいただいておる事柄でございますので、きちんと答えを出して対処してまいりたいと思います。
また、ストップ・ガン・キャラバンという、この砂田さんにも直接お話を聞くなどして、アメリカの銃社会がいかにひどいことであるか、そういうことにならないように私ども懸命に努力させていただくことをお約束したいと思います。
○大畠委員 二十五分に官房長官が退出するということでありますから、最後の質問になりますけれども、今質疑をいろいろやりましたけれども、やはりこれは、最終的には政府の責任になりますよ、国家国民の生命財産を守るというのが政府の責任ですから。今回の事案を受けて、銃の対策の本部長としてどういう対応をされようとしているのか、最後にお伺いして、御退席いただいて結構でございます。
○町村国務大臣 御配慮、感謝いたします。
今、両大臣からお話がありました。また、強い決意を持って臨むと。確かにこれは、決意、指示だけではありません、実効を上げなければいけないという委員の御指摘、そのとおりだろうと思います。
二度とこうした悲惨な事件が起きないように、いろいろなことは、結構建前としてはしっかりできているんですね。しかし、もう一度見直してみると、意外とここに法律の穴があったとか、運用に穴があったとか、あるいは、確かに、一人の警察官がいろいろなことをやっているんですね。銃砲のことばかりやっているわけではない、麻薬のこともやったり、いろいろな事件を担当する。警察官の数も率直に言うと足りないということもありまして、今、全体の数は減らしておりますけれども警察官の数は、逆にここ何年かかけてふやしているというようなこともやっておりますが、なかなかそれでも、数千人単位でありましょうが、まだまだ不足しているのかもしれません。
そうしたことを総合的に考えながら、トータルとして、やはり安全な国日本というのが神話にならないように、もう一度それが本当に、文字どおり安全な国日本が復活できますように、最大限努力をしていきたいと思っております。
○大畠委員 どうぞ御退席いただいて結構でございます。
さて、そういうことでありますけれども、泉大臣も、皆さん退出ですか。そうですか。泉大臣に最後にちょっと聞きますが、今官房長官がおっしゃったように、数の問題だと思うんですね。今、教育分野では七千人増員というものを政府の方で決めましたけれども、この際、銃対策に当たって、私はやはり警察官の増員が必要だと思うんですが、この点について一問、泉大臣にお伺いして、後は退席していただいて結構です。
○泉国務大臣 警察官の増員について温かいお話をいただきました。
確かに、ルールをきちんと守っていく上において、必要な警察官は当然ふやさせていただかなきゃならないと思います。これは、全体の計画をつくりました上で、必要な増員要求をまたお願いしてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大畠委員 大臣の皆さんは退出していただいて結構でございます。
そうすると、私はだれに質問をするのか。政府参考人がお二人、警察庁の片桐さんと内閣府の荒木さんがおられますから、そのお二人に質問することに当然なるわけでありますが、警察庁の片桐さんからまだ御答弁いただいていないので、片桐さんと荒木さんに、今大臣と質疑をいたしましたが、それぞれ、もしも何か言い残すことがありましたら、お一人ずつ決意を述べていただきたい。
○片桐政府参考人 お答え申し上げます。
私ども、従来、銃器の規制については相当厳しくやってきたつもりではおりますが、にもかかわらず、残念ながら今回こういった痛ましい事件が発生したということは、大変重く受けとめておりまして、そういった観点から、今大臣からも御答弁申し上げましたように、これまで許可したものが果たしてそれでよかったのかどうか、問題ないのかどうかということで、十七万人、三十万丁について、すべて点検をいたしたいということでございます。
これは、従来やっている一斉点検の延長上ではなくて、質的にも、中身を変えて、例えば欠格事由があるのかないのかについて十分時間をとって担当者が面接をするとか、あと、今問題になっております弾の数の確認とかいうものについても、相当詳細に事情を聞くとかいうことをいたしたい。加えて、そこで問題点が残れば、今御指摘があったように、立ち入りを積極的にやっていくというふうなことをあわせてやってまいりたいと思っております。
きょう、私どもで一時から担当者、先ほど大臣が担当課長と申し上げましたけれども、直接担当する者をきょう集めておりますけれども、担当者に直接私の方から話をして、指示をいたしたいというふうに考えております。
あわせて、年度末までに銃砲行政の総点検、こちらも総点検でございますけれども、各県からいろいろな意見を聞くとか、関係団体の方々の意見を聞くとかしながら問題点を洗い出して、早急に対策をまとめてまいりたいというふうに考えております。
○荒木政府参考人 お答えをいたします。
内閣府では、銃器対策につきまして、長崎の事件等を受けまして実はプロジェクトチームをつくりました。関係府省が集まりまして、より一層進んだ政策はないかということで、先般通していただきました銃刀法の改正、厳罰化のものでございますけれども、そうしたことを政府全体で取り組んできたところでございます。
今回の事件は、けん銃ではなくて許可銃でございますので、先ほど大臣の方から答弁がありましたように、まずはやはり担当省庁でございますところの警察において総点検をしていただきまして、その上で、政府としてもやるべきことがあれば適切に対応してまいりたい、かように考えております。
○大畠委員 以上で終わります。
○中野委員長 次に、萩生田光一君。
○萩生田委員 自由民主党の萩生田光一でございます。
私も、佐世保の事件に端を発した銃の許可また管理の問題につきまして、質疑をさせていただきたいと思います。
質問に入る前に、佐世保の銃乱射事件でとうとい命を落とされた犠牲者の皆さんに心からの御冥福をお祈りするとともに、けがをされた皆さんには心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
大臣がいない中での質疑ですから、野党の皆さんからも御心配をいただいておりますけれども、議会制民主主義、また議院内閣制ですから、だれが答えるかじゃなくてだれが質問するかに大きな重みがあるんだと私は思いますから、与党第一党、自由民主党を代表して質疑をしてまいりたいと思います。
まず初めに、今回の事件を振り返って、警察庁から答弁いただいていますのは、法令、政令の定めたきちんとした検査、点検は行っていたということが繰り返し答弁されておりますけれども、その検査、点検が実効せしめなかったということに私も大きな問題があるんだと思います。多くの委員の皆さんから御指摘のあったとおりでございます。
私も、今回質疑をするに当たりまして、定期点検とはどういうものなのかというのを地元の署やあるいは猟友会の皆さんからお伺いをしてまいりました。お聞きをしますと、一年間に一回の定期点検でありますけれども、許可証と銃を持って所管の警察に出向いて、そこで担当者に質問事項を聞かれて、また銃の点検をするそうなんですね。
ところが、銃の許可をとるに当たりましては、例えば銃刀法の第五条の二の第一項、知的要件ですとか、第五条の二の第三項、技術的要件、すなわち、銃を持つ以上は銃の専門的な知識、機械的な知識、あるいはその銃を扱うに当たってのさまざまな技術的な問題をクリアしないと、銃を持つ許可がもらえないんですね。
そういう専門的知識を持った皆さんが銃を持って警察署に行くわけですけれども、対応される警察官というのは、多分生活安全課の方で、一日に何人も見られる。お聞きをしますと、短い人ですと三分ぐらい、長い人でもまあ五分から十分ということなんですね。それで、許可証と銃が合っているかどうか、メジャーで寸法をはかったり何かするらしいんですけれども、実際にその銃に何らかの技術的な支障があったとしても、多分、失礼ながら警察官の方はそのことを御存じないんじゃないかというふうに思います。
あるいは、欠格事項につきましてはさまざまな要件が示されているんですけれども、警察官の皆さんが二、三分のやりとりの中で、その人が例えば精神的に病んでいる、うつ状態にあるとかということを本当に確認できるのかどうかというのが私は疑問でなりません。毎日一緒に働いている警察官がけん銃で自殺をする事件が後を絶たないんですよ。一緒に働いている同僚の変化もわからない警察の皆さんが、一年に一回、三分の間で本当に欠格条件をクリアしているかどうかということがわかるかというと、私は、ここは余りにも、法令、政令には合っているかもしれませんけれども、実態としてはこれはきちんとした制度になっていないんじゃないかというふうに思います。
そこでお尋ねしたいんですが、警察官の皆さんは銃についての専門的な知識を本当にお持ちなのかどうなのか。あるいは、メンタルサポーターのような専門的な方に補助していただいて今後はこの定期検査をしていかないと、実効が上がらないんではないかというふうに思いますけれども、御所見をお伺いしたいのです。
○片桐政府参考人 お答え申し上げます。
議員御指摘のように、銃の真の意味での専門家といいますか相当詳しい人間というのは、確かに余り数は多くはないと思います。ただ、各警察署で銃器を担当している職員に対しては、そういった職員がきちんと教育をして、研修をして、知識を持たせるようにという努力はしてまいったところでございます。
それから、短時間の面接で、また専門的でもない警察官に欠格事由がわかるのかという御指摘でございますけれども、検査のときには、銃が今、中心になっておりますので、警察官の方で面接はしなければいけない。
ただ、あわせて、御指摘があったように、例えば心理の専門家とか精神科のお医者さんとかそういう方に立ち会っていただくことで効果的な部分があるのかどうかについては、今ちょっと考えているところでございまして、その辺について、専門家の意見も聞きながら、これから検討してまいりたいというふうに考えております。
○萩生田委員 検討途上だということですけれども、私は、局長、ぜひこれは専門家を、先ほどから警察官の増員というお話がありましたけれども、増員をしても専門職でなければ、なかなかやはり銃の変更事項などが瞬時にわかるという方はいらっしゃらないと思います。ですから、これは直接の警察官じゃなくても私はよろしいんじゃないかというふうに思いますので、何らかの形で、専門的な知識を持ち、国が許可を与えた人が検査をしていただいた方が、警察業務も助かるんじゃないかというふうに思います。
こういう機会ですから、どうしたら検査能力が上がるかということはぜひしっかり精査をしていただきたいと思いますし、特に、ストレス社会ですから精神面の問題、いろいろ出てきました。これは本当に大事な問題なので、そういった専門職を同席させて検査をするような仕組みというものをぜひ検討していただきたいなと思います。
例えば、視力が落ちてきた方は免許証の更新ができません。しかし、免許証の更新ができない人でも猟の更新はできるというのが今の実態なんですね。すなわち、かなり視力が落ちて視界が狭まっている人であっても、今の検査項目の中ではそれをチェックすることができませんから、実際には物すごく視力が落ちている人でも銃を持って猟に出かけることができるという実態があって、実はお仲間の皆さんでも心配されている方がいらっしゃいます。警察にそういうことを相談しても、今の条件の中ではその人から銃を取り上げることはできないということになっています。こんなことも考えますと、この機会にしっかり精査をしていただきたいと思います。
そこで、今回の長崎の件では、先ほど他の委員からも御質問がありましたように、近所の皆さんから通報があって、所管も動いたという経緯がございます。そのときに先台を預けるようにという指示をしたんだけれども、結果として預からないまま、今回の事件が起きてしまったということを考えますと、これはもしかしたら抑止ができたんじゃないかというふうに思わざるを得ません。
そこで、長崎県は、猟友会を中心に自主管理で、この先台の提出というのをちゃんと自分たちでルールをつくっていらっしゃるそうなんですね。このことがもし本当に機能していれば、先台さえ預かってしまえば、何とかこの問題はクリアできたのかもしれないということを考えると、残念でならないわけでありまして、これをこの際、制度上きちんとしてしまった方がいいんじゃないか。
猟の期間以外は、銃を撃つ機会は練習以外はないわけですから、先台さえ預かってしまえば、あるいは、すべての人というと、まじめに銃を扱っている皆さんには負担になるかもしれませんから、何らかの危惧があった場合には、それぞれの都道府県の公安委員長の判断で先台を預かることができるというような、こういうルールをつくったらいかがかなというふうに思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○片桐政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘ございましたように、長崎県では、これは独自の施策として、事件、事故の発生を防止するために、できる限り先台を預けていただくというふうな推奨をずっとしてきたというふうに聞いております。
これも御指摘のように、確かに先台を預かるということは一つの有効な方法ではあろうかというふうに思っておりますけれども、ただ、これが今すぐにできるかどうか。私もちょっと即答しかねるのでございますけれども、関係の団体の方々とか、いろいろな意見も聴取しながら、また、ほかにコストの問題とか責任の問題等ございますので、さまざまな問題をこれから検討してまいりますけれども、いずれにしましても、この銃とか弾の保管管理のあり方については、今申し上げました銃砲行政の総点検の中で、各県の意見も聞きながら、十分に点検をしてまいりたいと考えております。
○萩生田委員 これも他の委員から既に御指摘がありましたけれども、実包、実弾の所持方法についてであります。
既に報道でも繰り返しされていますけれども、自宅で所持が可能な弾の数というのは八百発ということになっています。この八百発の根拠も私はよくわかりませんけれども。たまたま、弾を買いに行った人が千発買いたいということで、証明書をちゃんと出して購入をする。お店の人が、二百発は練習でちゃんと使ってくださいよ、八百発しかうちに持って帰れませんよというやりとりはするんだけれども、例えば一週間たってまた千発買うことは可能だということなんですね。そうしますと、実際には、買った弾と手元に残った弾は、一体だれがどうやって確認できるのか。今回の容疑者も、自宅に数千発という弾を所持していることが確認をされております。
性善説に立って、多くの皆さんが練習や何かで弾を撃って、また、猟が終われば猟友会などで自主的に、残った弾はきちんと処分しようということをやっている団体がたくさんある中で、こういう不届きな人がいることによって規制が強化されることは気の毒だとは思うんですけれども、実際に今の弾の買い方、保管の仕方というのは、ある意味では幾らでも弾を所持することができる、こういうざる法になっているんじゃないかというふうに思います。
この辺については今後どうされるお考えなのか、お示しいただきたいと思います。
○片桐政府参考人 弾の消費の状況、保管の状況、これは更新の際とか一斉検査の際に一応事情は聴取をするのでございますけれども、そのほとんどは自己申告に頼っている部分がございますので、したがって、消費したと偽ってそれをため込んでいる、保管をするというケースは結構あるんじゃないか。そういった意味で、我々も実は問題意識を持っているところでございます。
そこで、今回、先ほども申し上げましたけれども、十七万人、三十万丁総点検の中では、特にこの実包の保管の問題については相当詳細に我々も事情を聞いてまいりたいと考えております。我々の持っているデータもございますから、それと突き合わせながら話を聞いていく、そこで問題が残れば、実際に立ち入ってその状況を確認するとかいうことをとりあえずやってまいりたいと思っています。
なおまた、今後のあり方については、銃砲行政の総点検の中でもって十分に点検をしながら、また関係方面の意見も聞きながら検証し、そしてまた今後のあり方について検討してまいりたいと考えております。
○萩生田委員 局長の答弁に尽きるんだと思います。すなわち、自己申告と法令、政令に定まった検査、これは何も警察に瑕疵はないんですよ。だけれども、やはりこの状況は、新たな犯罪を生む大きな素地が十分あるんだというふうに言わざるを得ないと思います。
先ほど吉井先生でしたか、管理状況のお話をされました。ロッカーで、弾と鉄砲は分けて保管をしなきゃいけない。しかも、そのロッカーといいますか保管場所は固定をしておかなきゃいけないというんですけれども、固定をしてあるかどうかというのはだれも確認をしていないわけですよね。過去にそうやってロッカーごと盗まれている事件があるわけじゃないですか。
だったら、やはりそういう初期の許可を与える段階での保管管理状況がどうなっているか。それを、写真を持ってこいと言われて、所管の警察で写真を見て、ああ、ちゃんとやっていますねという程度では、やはりきちんとした管理だとは国民からは思えないんじゃないかと思います。
今の弾の話もそうなんですけれども、実際には、譲り受け書を出して、銃砲店できちんと何発買ったかという管理をされることになっているんですけれども、他方、例えば猟友会などで有害駆除で使っている皆さんは、無許可で譲り受けが三百発までできる、こういう証明書ももらっているわけですね。
そうしますと、先ほど照らし合わせてとおっしゃいましたけれども、売れた弾の数と、だれが買ったのか、いつ何発使ったのかというのは、それこそ年金じゃないですけれども、突合するのは大変だと思いますよ。本当にその弾を使ったのかどうか、本当に何発残っているのかどうかということをもう少し一元的に管理できるようにしておかないといけないんじゃないか。
一般の家庭に何千発という火薬が保管されることというのは、これは多分経済産業省の所管だとおっしゃるのかもしれませんけれども、この辺もやはりゆがんだ銃社会をつくってきた大きな要素の一つだというふうに私は思いますので、この際、世の皆さんが銃のあり方について疑問を持っているときに、きちんと精査をしていただきたいと思います。
クレー射撃を初めとする、オリンピック競技ですから、まじめにスポーツとして一生懸命努力されている皆さんや、あるいは、地元の猟友会で地域の農業を守るためにさまざまな行政のお手伝いもしていただいている、こういう皆さんもいらっしゃるわけですから、いたずらに規制を強化して、そして何が何でも銃の所持そのものが世の中でいけないことなんだというような風潮はつくってはいけないというふうに思いますけれども、他方、やはり銃を許可される、銃を持っている人というのは、きちんとしたルール、しかも、法律にも政令にもきちんとチェック機関があって正しく管理ができるという形をつくっていかないと、今回のように、法令、政令では問題がない検査をしていたけれども、予測を超えた事故、事件が起きてしまったということになってしまうんだと思います。
今回の事件を受けまして、警察庁としては今後具体的にどのような取り組みをしていく御決意なのか、それをお伺いしたいと思います。
○片桐政府参考人 私どもとしましては、銃器の規制をこれまで相当厳しくやってきたつもりでおりますけれども、残念ながら、さきの佐世保市の事件が発生いたしました。大変残念であるとともに、この事件については重く受けとめているところでございます。
そこで、これまでやってきたことの総点検という意味でも、現在所持をしている方十七万人と許可銃三十万丁について、これは早急に、一月、二月の範囲内で総点検をいたしたいと思っています。
今後の問題としては、これまでの銃砲行政のあり方、ここに問題がないかどうかということをきちんと点検する。各県の担当者の意見も聞き、また関係団体の方々の意見も聞きながら、年度末までにその総点検を済ませたい。
そういった二つの総点検に基づいて、今後どういったことをやるべきなのかという対策について早急に取りまとめてまいりたいと考えております。
○萩生田委員 ぜひ具体的な検討を進めていただくことをお願いして、質問を終わりたいと思います。
○中野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時四十六分散会