第3号 平成21年11月20日(金曜日)
平成二十一年十一月二十日(金曜日)午前九時三十二分開議
出席委員
委員長 田中けいしゅう君
理事 井戸まさえ君 理事 大泉ひろこ君
理事 小宮山洋子君 理事 松本 大輔君
理事 村上 史好君 理事 井上 信治君
理事 平井たくや君 理事 高木美智代君
荒井 聰君 石毛えい子君
泉 健太君 磯谷香代子君
市村浩一郎君 今井 雅人君
大島 敦君 逢坂 誠二君
岡島 一正君 岸本 周平君
後藤 祐一君 笹木 竜三君
菅川 洋君 園田 康博君
田村 謙治君 玉木 朝子君
玉木雄一郎君 寺田 学君
中島 正純君 橋本 勉君
福嶋健一郎君 古川 元久君
森本 和義君 和嶋 未希君
渡辺 義彦君 甘利 明君
伊東 良孝君 金田 勝年君
鴨下 一郎君 小泉進次郎君
橘 慶一郎君 中川 秀直君
長島 忠美君 塩川 鉄也君
浅尾慶一郎君
…………………………………
国務大臣
(国家戦略担当)
(経済財政政策担当)
(科学技術政策担当) 菅 直人君
国務大臣
(内閣官房長官) 平野 博文君
国務大臣
(消費者及び食品安全担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 福島みずほ君
国務大臣
(行政刷新担当)
(公務員制度改革担当) 仙谷 由人君
内閣府副大臣 大島 敦君
内閣府副大臣 古川 元久君
内閣府大臣政務官 泉 健太君
内閣府大臣政務官 田村 謙治君
財務大臣政務官 大串 博志君
内閣委員会専門員 上妻 博明君
―――――――――――――
委員の異動
十一月二十日
辞任 補欠選任
津村 啓介君 橋本 勉君
寺田 学君 玉木 朝子君
中島 正純君 福嶋健一郎君
橋本 博明君 菅川 洋君
古川 元久君 森本 和義君
小泉進次郎君 伊東 良孝君
同日
辞任 補欠選任
菅川 洋君 橋本 博明君
玉木 朝子君 寺田 学君
橋本 勉君 今井 雅人君
福嶋健一郎君 和嶋 未希君
森本 和義君 古川 元久君
伊東 良孝君 小泉進次郎君
同日
辞任 補欠選任
今井 雅人君 津村 啓介君
和嶋 未希君 玉木雄一郎君
同日
辞任 補欠選任
玉木雄一郎君 中島 正純君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
内閣の重要政策に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川秀直君。
○中川(秀)委員 中川秀直です。
昨夜は二時近くまで、半分徹夜のような国会でした。私も与党の国対委員長を三年以上させていただきましたが、定例日以外に参考人質疑をやり、そのまま強行採決をして緊急上程をする、しかも第一発目の法案からそのようなことをやるということは、長い私の三十年の国会生活でも前例のないことであります。
そういう意味では、極めてひどい国会運営ではなかったか、このように考えますが、しかし、不正常になる前の約束である当委員会、この大臣所信に対する質疑は、しっかり我々も質疑に立たせていただこうということで、きょうは野党議員、我々は出席をして質疑もさせていただく、こういうことでございます。
では、内閣の重要政策に関する件について、菅直人副総理に質問をさせていただきます。
菅さんも私も名前に直という名前が入っておりまして、その意味では直直討論で、率直に、素直に、わかりやすい議論をぜひさせていただこうとお願いを申し上げます。ちょっとストップウオッチでもはかっていますので、説明的な答弁は要りませんから、少なくとも私の質問時間の範囲内で答えていただきたいと思います。
私は、公式のホームページ、動画で今月から始めているんですが、それとSNSのミクシィで、きょうの質問で菅さんに私はいろいろ聞きたいんだけれども、皆さんはどういうことを聞きたいかと募集をしました。ミクシィの方は、マイミクというのが一万七千人ぐらいいらっしゃるんですが、その他ブログの方の数千の毎日見ていただく方々から、わずか二日間で百五件の意見、質問でこれを聞いてほしいということが参りました。
全部伺うことはできないので先ほどのような時間のことを申し上げたわけですが、できるだけそうした国民の皆さんからの質問項目を菅さんにたださせていただこうと、国民の思いを代表して質問します。ぜひとも菅副総理にも、政治主導の、そういう政治の確立に向けて捨て身で頑張ってほしい、そういう意味の期待も込めて質問しますので、よろしくお願いしたいと思います。
そして、これは全部聞けませんので、後で質問が終わったら差し上げますから御参考にしていただきたい、このように思う次第です。
まず、国家戦略室についてでございますが、国家戦略の関係では、そうした意見募集あるいは質問募集の中で、外国人参政権の問題や普天間基地の質問も国民の皆さんからメールでいただいています。しかし、私は、まず国家戦略室について御担当でありますから伺いたいと思います。
民主党が政権をとりましてからもう二カ月以上たつわけですが、いまだにこの国家戦略室が表に出てこない、一体何をやっているのか、そういうメールでの質問がございました。
私は、国家戦略のビジョンが出てこないことに、この鳩山連立政権の政策優先順位、プライオリティーがわからないまま、これから予算編成に進もうとしている、そこがさまざまな迷走を生んでいるように思うんですね。民間経営でも事業計画を策定するのは当たり前ですし、そうしないと責任の所在がわからなくなります。国民が大変苦しんでいる不況のときに、海図なき航海というのは許されないわけで、どんな状況、どんな難しいことであっても、ちゃんと指針を示して、挑戦して、堂々と責任を果たすべきだと思います。
そこで、菅副総理、国家戦略のテーマ、スケジュール、そしてまた、やはり達成目標というか数値目標も必要だと思うんです。それから、何を評価基準にするか、そしてだれが担当するか、そしてまた予算計画が入った、そういう全体の国家戦略のロードマップのようなものをやはりつくるべきだと思います。そういうものをつくり、そして公開をするつもりはないか。詳しい内容はまだ決まっていないんでしょうから結構です。そういうロードマップを、ちゃんとテーマから、スケジュールから、予算計画の入ったものをつくって公開するつもりはないか、お考えがあるならばいつ出すか、そこをまずお伺いします。
○菅国務大臣 中川秀直委員にこういう形で質問いただくのは大変光栄だと思っております。
昭和五十一年に私も初めて衆議院選挙に出て落選をしたとき、中川議員が初当選され、この間、いろいろな機会にはお話をすることもありましたが、こういう形での議論は初めてかと思っております。いろいろとエールを送っていただいて、まずはありがとうございます。
まず、国家戦略室についての御質問ですが、私、実は大臣になったときの最初の記者会見で、半分の国家戦略室をつくった目的は既に達成されているんだということをその場で申し上げました。
つまり、この国家戦略室がつくられたのは、鳩山総理が、今までの官僚主導の政治を政治主導に変えていく、その大きなエンジンとして国家戦略室といわゆる行政刷新会議をつくられた。私があえてそういうふうに申し上げたのは、その時点で事務次官会議を廃止して、閣僚委員会をつくって、官僚主導の閣議というものを根本から変えたこと、さらには、各役所の中で大臣、副大臣、政務官が政務三役チームをつくって、それまでの、大臣の周りを官僚が取り囲んで、いわば洗脳して官僚の言いたいことを大臣に言わせる、そういう仕組みを根本から変えたこと、それが進行し始めるということがわかっておりましたので、あえてそのように申し上げたところであります。
そういう中で、しかし、半分が終わったからそれで終わったということではありません。国家戦略室としては、もちろん国家戦略と呼ばれるにふさわしい問題にしっかり取り組んでいきたいと考えておりますけれども、まずは制度的に、簡単に言えば、税財政の骨格等幾つかの課題プラス総理から特に指示があったものについてやってほしい、こういう仕組みになっているところです。
現状、もし細かいことは御質問があればあれしますけれども、今、民間から六名の方を入れ、官僚出身の方五名、十一名のスタッフですが、できれば二倍から三倍ぐらいまではして、あらゆる問題に対応できるようにしていきたいと思っております。
ですから、テーマという意味では、今取り組んでいること、例えば雇用対策本部の私が本部長代行、あるいは環境問題の実質的な責任者もやっておりますし、また予算に関連しても、今、マニフェストに関する予算については国家戦略室の方が取りまとめを行うことになっております。
そういったいろいろなことはやっておりますけれども、まさにきょうの議論になると思います、これからの日本のあり方について、既にこれまで発表した例えば緊急雇用対策本部の提案などにも考え方は盛り込んでおりますが、これから、例えば成長戦略等については、ことしじゅうになるか、来年に少しまたがるかわかりませんが、国家戦略室の方でしっかりと取りまとめて国民の皆さんに伝えていきたい、このように思っております。
○中川(秀)委員 余り細かいことを言って申しわけないんですが、今の御答弁で三分四十五秒。私は二分で質問したつもりで、そういうロードマップをつくるおつもりがあるかどうか、つくるとすればいつなのか、つもりはないというならばそれだけで、わずか十秒で済むわけです。
中央公論で菅さんが言われていることに、マニフェストで実現できない、そういうことになった場合はそこでどうするか議論していく、しかし、その過程の中で、場合によったら我々の思い描く国家ビジョン、国家戦略というものを整理して示していく必要があるかもしれない、そしてそのとき、場合によっては国家戦略室の仕事になるかもしれない。
歯切れのいい菅さんにしては、場合によっては、場合によっては、あるかもしれない、なるかもしれない。要は、国家ビジョンとか国家戦略というものを正面からつくる、そういう組織ではないという印象を受けましたが、今の御答弁でもやはりそうなんだなと私は受けとめました。少しやる気を疑うところもあるわけでございます。それは勝手な私の感想を申し上げた次第です。
さて、質問ですが、科学技術担当大臣でもあるわけですね。そこで、国家戦略の観点からの基本姿勢をひとつ伺いたいんですが、やはり、事業仕分けについても、国家戦略というそういうビジョンがないまま進められていることに、先ほどのメールでも、百五件の中でも多くの疑問や不満が寄せられているんですが、特にスーパーコンピューターについて菅さんが、民主党の同僚議員が発したとされる、コンピューター性能で世界一を目指す理由は何か、二位ではだめなのか、一番じゃなくてもいい、こういうことで凍結が決まったということですが、それについて菅副総理御自身はどう考えているのか。一言でいいです。
○菅国務大臣 私は、スーパーコンピューターは大変重要なものだと考えておりまして、仕分けで決まったのは、決して、仕分けの段階での意見ということでありまして、これから行政刷新会議の本会議で扱いは改めて決めることになっている、こう認識しております。
○中川(秀)委員 それでは、認識で、そしてそれはあなたもメンバーですから、行政刷新会議のメンバーでしょう。(菅国務大臣「そうです」と呼ぶ)重要だということですから、それはちゃんとやるということですか。
○菅国務大臣 私は、科学技術担当大臣として、また、総理も科学技術こそがある意味で日本のこれからの将来をつくっていく上でも極めて重要な柱である、そういう認識を総理ともともにしていると思いますので、そういう基本的な考え方の中でこの問題も対応していきたいと思っています。
○中川(秀)委員 はい、わかりました。
次に、政治主導の確立についての基本姿勢の問題で菅副総理に聞いてほしいと国民から寄せられた御意見の中で最も痛烈なのが、やはり残念ながら鳩山総理の偽装献金問題なんですね。
後で差し上げますが、このメールによりますと、野党時代の発言と全く違う現在の鳩山総理を、副総理として総理を補佐する、そしてまた場合によっては代理をする、その立場として菅さんはどう受けとめているかということです。ここで私は鳩山総理の発言を一々取り上げません。よく菅さんは御存じだろうと思います。
この問題は、政権交代可能な二大政党を定着させていく上でも大変重い問題であります。繰り返しますが、野党時代の発言と全く違う現在の鳩山総理御自身の偽装献金問題、これをどう受けとめているか、この問いにどうお答えになりますか。
○菅国務大臣 鳩山総理御自身のいろいろな政治資金をめぐって、総理みずから認められている間違いといいますか、そういう面もあったということは私も総理からいろいろな機会に発言を聞いております。
そういう中で、従来の発言とかなり矛盾があるのではないかという御指摘ですが、やはりそこも含めて総理の判断の中でお答えになっているのではないか、このように思っております。
○中川(秀)委員 これについてはきょうたくさん伺おうとは思っていませんが、簡単に言えば、原資未解明、五年で五億円、あるいは株式の所得申告漏れは七千二百二十六万。普通ならば、これは民間だったら、申告漏れではありませんよ。脱税告発を受けるところですね。
それからまた、私は一点だけどうしても伺いたいと思いますことが、例の明らかになっている偽装献金で鳩山総理も認めた百九十二人の偽装、これを認めて削除、訂正されたわけです。簡単に申し上げますけれども、税務申告でこれによって政治資金の還付を受ける、政治資金ですから還付制度がありますね。この還付の書類を請求したのが六十数名分あるともう既に出ていますが、現実にその還付を受けてしまった、こういう方々が数名いらっしゃる。今わかっているだけで数名いらっしゃる。十名近い数名いらっしゃる。こういう確実な情報があります。我々も確認中でありますが、確実な情報があります。これはいずれ明らかになります、国税庁ですぐわかることですから。
そうなってくると、これは政治資金規正法の問題ではない。公文書偽造、同行使、そして脱税というよりもこれは詐欺罪に当たるんですね。そしてそれを鳩山事務所は、鳩山総理は幇助したということになるんです。これは大変なことですよ。政権がもつ、もたないの話ではありませんよ。こういう事実がこれから明らかになります。いずれ明らかになります、本当に。
こういう事実関係があるということ、これについて、菅副総理、もしそうなって明らかになったときには、あなたはどういうふうに思いますか。
○菅国務大臣 やはり、こういう席で中川議員のようなベテランの議員の方が言われるときに、確実な情報があるというのであれば、その確実な情報を示されて質問されるべきではないか。仮定の問題に答える、この問題については答える立場にはありません。
○中川(秀)委員 菅さんが野党時代も私と同じような質問は何回もなさっておられるので、あえてそのままお返ししますが、これは本当に明らかになりますよ。これは私はあえていろいろな要素を考えて具体名まではきょうは挙げませんが、こういうケースの場合は単なる政治資金規正法違反ではない、まさに刑法の言う公文書偽造、同行使、詐欺罪に当たる、この事実認識はよろしいですね。
○菅国務大臣 私もいろいろ議論を中川議員とも野党時代にさせていただきました。それは、中川議員に対して質疑をしたつもりであります。私は、今のように確実な情報と言われても、その情報なりその確実なものが私に示されたわけでもありませんし、それに対してコメントする、そういう立場にはないと思っております。
○中川(秀)委員 私は、事実関係ではなくて、例えば、仮にということではありますが、そうなったらまさに法律的にはそういうことですねと、これを聞いているわけで、事実関係云々くんぬんであなたに今それを確認していますかと聞いているわけではありません。認識を聞いているわけです。
○菅国務大臣 例えば、私が、菅さん、あなたが選挙違反をしたらそれは法律違反ですよねと言われれば、ある意味で当たり前のことですよね。しかし、選挙違反であるかないかというのは、まさにそれは争いがあるかもしれません。
ですから、幾ら仮定の話だと言われても、事実関係がないものを私があれこれ言う立場にはない、そのように申し上げます。
○中川(秀)委員 前段の答えで、仮定であってもそれが選挙違反ならば公選法違反ですねと、私のお尋ねしたこと、つまり、刑法その他で言う公文書偽造、同行使、詐欺罪、詐欺幇助に当たるということは半分以上お認めになった、このように私は伺いました。
野党時代と全く違う発言というのは、偽装献金問題に限らないんですね。深刻な問題に、やはり天下り問題があります。
天下りについて、副総理から、以下の二つの国民の皆さんからいただいたメールに菅さんの言葉で答えていただきたいと思います。
第一、鳩山政権では脱官僚、政治主導の国政をうたっていますが、先日の郵政事業の後任人事で官僚出身者を任命されましたが、これが脱官僚政治の姿なのでしょうか。
第二、政治家主導と言われているにかかわらず、なぜ、日本郵政社長を含めて偉いさんたちに、郵政の関連会社もそうですが、財務省出身の方が多いんでしょうか。
菅さんの言葉で答えてください。
○菅国務大臣 冒頭申し上げましたように、脱官僚という考え方の中で、私は、内閣が官僚のもとにある官僚内閣制を変えるというのが、ある意味で新しい内閣としての最も大きな課題だということで申し上げたところです。もちろん、天下りについても、従来から我が党の方針としてそれは認めないということにいたしております。
郵政のことについて、私も率直に申し上げて、新しい社長の名前を聞いたときには若干びっくりいたしました。
ただ、考え方としては、もうそれぞれの立場の方が申し上げているように、いわゆる天下りの弊害というのは、そこに、自分たちのそういうOBが天下ったところにある意味では必要もない補助金を出したり、あるいは高い値段でいろいろな発注をしたりということによって、税金の無駄遣いが生じているということであります。
そういう意味で、今回の場合は、担当大臣が、この人物が適切だと判断して、まあ、ある意味では指名したというんでしょうか、表現はいろいろですが、そういうことでありますから、いわゆる天下りとは私は性格を異にしている、このように思っております。
○中川(秀)委員 今の答弁に、メールをよこされた多くの方々は納得されたでしょうかね。むしろ、私はがっかりされたんじゃないのかと思いますね。
それでは、さらに各論を伺います。
十一月の十七日には、日本郵政傘下の郵便事業会社の社長に元郵政官僚の鍋倉さんが就任するという人事が固まったわけですが、そのように報じられてもいるわけですが、日本郵政の正副社長、この人事に続きます郵便事業社長人事によって、日本郵政株式売却凍結法案というのは、私は一面、大蔵官僚・郵政官僚天下り先確保法案、こう言ってもいい、そんな内容になってきてしまっているのではないかと。
天下り根絶は菅さんの長い間の信念、信条であったはずですね。そういう菅さんの立場として、大蔵官僚・郵政官僚天下り先確保法案である日本郵政株式売却凍結法案、こんなものをきのうのように強行採決してでも成立させるんですか。撤回する考えはないんですか。
○菅国務大臣 撤回する考えはありません。
○中川(秀)委員 天下り先確保のための強行採決、そんなのは民主党に入れた人は見たくもないはずですね。
鳩山連立政権が天下り全面解禁に向かっているのは、この大蔵官僚・郵政官僚天下り先確保法案だけではありません。
私は、鳩山連立政権のもとで、まあ、三つのKなのかもしれないけれども、国の選任、それから公募、官僚OB、いずれもKがつくから三つのKと言っていますが、これが民主党の新天下りルートとなって政治主導でつくられて、結果として天下り全面解禁になることをとても懸念しています。
まず、こうした観点から政府の天下りの定義についてただしたいと思います。
先般、官房長官がいろいろ議運で示された中に、菅さんもそれはよく御存じだと思いますから繰り返しませんが、天下りの定義は、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させることをいうと。そして、このあっせんする府省庁について、閣僚、副大臣など政務三役や官僚OBは該当しない、こういう見解を表明しました。
菅さんは同じ考えですね。
○菅国務大臣 先ほど、郵政のあり方について若干触れられましたが、かつて、小泉総理あるいは小泉議員の主張が、郵政と当時の大蔵とのある種の確執と言っていいのか、ある種の考え方の違いと言っていいのか、そういうものが背景にあったというふうにも理解しております。
そういった意味で、私も、必ずしもいつの時代、一〇〇%とは申し上げませんけれども、少なくとも、郵政に関して大きな見直しが必要であるということで我が党と国民新党の間で合意をいたしまして、その線に沿って政権がつくられ、今、その線に沿っての見直しが進んでいる。そういう中におけるいろいろな人事だ、このように受けとめておりまして、私は、いわゆる天下り、つまり、先ほど申し上げたように、天下りの弊害というものを指摘いたしましたけれども、そういうものに当たるものではないと。
その中で、今、天下りの定義について私も言葉一つ一つを覚えているわけではありませんけれども、私の認識で言えば、そうした政治家が政治的な判断として任命するものは、それは天下りとは性格が違う、こういう認識では一致をいたしております。
○中川(秀)委員 私は、なるべく短く伺うために、三つのK、国の選任、公募、官僚OB、これはいいんだと。そして、さらに官房長官は、府省庁が、つまり役所が退職後の職員を企業、団体、公益法人に再就職させるのは天下りだ、その府省庁の中には、閣僚、副大臣、政務三役や官僚OBは該当しない、こういう見解であった。それと同じ考えですねと聞いただけで、今のはちゃんと答えになっていないですよ。
○菅国務大臣 いや、十分に答えたつもりですが。私は、先ほど申し上げたように……(中川(秀)委員「同じ考えかどうかと聞いているんです」と呼ぶ)いや、言葉じりの、何といいましょうか、この部分、この部分と言われるのであれば私も資料を取り寄せて言いますけれども、基本的には同じ考えです。
○中川(秀)委員 それは極めておかしいんですね。菅さんも法律はもう長年の政治キャリアでおわかりのはずですが、言うまでもなく、国家行政組織法、これによれば、各省、府省庁の長は、それぞれ各省大臣として、内閣法で、もう一つ、主任の大臣として、それぞれの行政事務を分担管理する、つまり、各省の長が府省庁に属していないなんということはあり得ないわけです。
府省庁があっせんすることを天下りというんだ、しかし閣僚がやるのはいいんだ、こういう官房長官の見解なんですが、各省の長としての省庁大臣は府省庁に所属するのは当たり前じゃないですか。それを、府省庁がやることは天下りなんだ、大臣が、閣僚がやるのはいいんだ、そんなばかな理屈はありませんよ。法律論からいって、ありませんよ。(発言する者あり)全く詭弁ですよ。省庁の長として、各省庁の大臣のあっせんは府省庁のあっせんであるのであって、閣僚によるあっせんも府省庁のあっせんなんです。天下り禁止の対象にならないというのはおかしいです。
菅さん、ここでそのことは認めなさいよ。法律的にそうじゃありませんか。省庁の長としての各省大臣のあっせんは府省庁のあっせんである、したがって天下り禁止の対象である、これを認めなければ、法治国家として、国家行政組織法なり内閣法、おかしなことになるではありませんか。
○菅国務大臣 中川議員の方から、当初、ざっくばらんという表現がいいかどうかわかりませんが、大いに個人としての考え方を述べてくれと言われましたので、できるだけそういう姿勢で今お答えしているつもりです。
ただ、あえて申し上げますと、この問題、私は直接は所掌はいたしておりません。御存じのように、この問題は、官房長官がもともとそういう立場にあって、今言われたいろいろな文案も、もちろん、私もいろいろな機会には聞いておりますが、手元に持っているわけでもありません。
ただ、何度も申し上げますように、私がわかる範囲で言えば、つまり、大臣、副大臣、政務官がやっていいというふうに官房長官が言われているのではないと私は思います。そうではなくて、大臣、副大臣、政務官が内閣の方針に沿っている限りはそんなことをやるはずがないし、もしそんなことをやった大臣や副大臣があったとすれば、それは内閣の方針に反することですから、そういう意味では、当然、内閣としてのそういう方針に反する行動に対しては、それはとらないであろうという前提で話をされている、このように私は思っております。
○中川(秀)委員 やはり答弁になっていないと思いますね。私は法律論をちゃんとやっているわけで、そういう、閣僚はそういうことをしないはずだ、政務三役はしないはずだ、だからそれは、閣僚は、天下り、府省庁のあっせんには該当しない、これが政府見解では、これは法律論として成り立ちませんよ。
私は、確かに担当は、副総理直接の御担当ではない、官房長官であるというのはわかります。でも、総理、副総理そして官房長官、やはり内閣を代表している順番はこういう順番です。やはり全部を総括しておられるお立場ですから、これはちゃんと政府見解をもう一回出してもらわなければ質問が続きませんね。だって、法律論からいって、府省庁に所属しないなんということはあり得ないからです。
○菅国務大臣 ですから、そういう御質問をいただくのであれば、どうしてもであれば、私も十分用意をしてきます。しかし、先ほど来申し上げているように、決して逃げるつもりはありませんから、できるだけお答えしているんですよ。しかし、直接の所掌は官房長官ですので。
それが法律の解釈としてどうだというのは、法律の仕組みによります。
例えば、官房副長官補というポストがあります。これに国会議員を任命することができるかどうか、これは国会法三十九条の方から禁止されています。つまり、いろいろな法律が重なっていることは、中川議員はよく御承知だと思うんです。内閣法がかぶさっている問題もあります。せんだっての公務員法の改正がもしなされていれば、我が国家戦略室にも国会議員を採用することができました、いわゆる戦略スタッフとして。
そういうふうに、いろいろなポストがあって、それぞれが、いろいろな法律がかかわっておりますので、そういう御質問を本当に細かいところまでということであれば、どうしてもであれば幾らでも準備をしますが、私のところで申し上げられるのは、先ほど申し上げましたように、政務三役については内閣の方針に従うということを、この内閣ができるときのいろいろな指示が総理から出ておりますので、それに沿って活動するもの、このように考えております。(発言する者あり)
○田中委員長 それぞれの問題について、個々の問題として、委員会として、それぞれ正式にお願いしたいと思います。正式に政府見解を、菅国務大臣、もう一度お願いします。
○菅国務大臣 ですから、正式な見解は、官房長官が既に明らかにされているとおりです。
○中川(秀)委員 それは法律論として成り立たない、だから聞いているわけで、その官房長官の見解がそうだというのであるならば、それは、そんなものはあり得ませんよ。法律に違背しているというか、合致していない政府見解なんということはあり得ません。その点も含めた政府見解を出さなきゃ、質問はできません。(発言する者あり)
○菅国務大臣 私も余りやじにお答えするつもりはないんですが、一方で信念を述べろと言われたり、一方で、今中川委員がおっしゃったように、その見解が法律に反していると。そうすると、どの法律のどの部分に反しているかというのは、まさに先ほど申し上げたように、私も、この問題、普通の議員と同じ程度には知っているつもりですが、非常にややこしい法律が二重、三重にかかわりますので、きちんとそういうことをお聞きになるならば、ちゃんと準備をしてきますし……(発言する者あり)
○田中委員長 静粛にしてください。
○菅国務大臣 もし、場合によれば、担当されている官房長官にお尋ねになるのがより適切ではないかと思います。
○中川(秀)委員 これは委員長にもお願いしますが、ここはやはり国権の最高機関の常任委員会ですから。
今お聞きになっておわかりのとおり、官房長官が言われた見解、議運で言われたという、口頭でのものですが、そういうものでは済まない話ですよ、これは。やはり現在ある国家行政組織法あるいはまた内閣法、内閣の副総理ですよ、その内閣委員会で今私たちは尋ねているわけです。そういう法律と全く合致しない、府省庁に所属しない閣僚なんてあり得ないわけで、政務三役なんてあり得ないわけで、その府省庁があっせんするものをいう、閣僚や政務三役はいいんだと。そういうような法律論になじまないようなことをそのまま、政府見解は政府見解だ、そんなことで通るんですか、国民に対しても。
私は、これはちゃんと委員会として、政府見解を出すように要請をします。委員長から政府に対して要請していただきたい。
その際、幾つか申し上げます。
国の選任ということについての定義、これ以上菅さんもきょうは用意はしていなかったでしょうから、きょう、これについて即答いただこうとは思いませんが、まとめて、先ほど言った点。
それから、国の選任ということについて、政府見解は、まあ官房長官ですが、国の選任であって、そういうものは天下りではないと。例えば日銀総裁人事は、国の選任であって天下りではない、こう言ったんですね、これは政府の口頭見解です。このことは、政権交代前後で民主党としての見解は一貫しているんでしょうか。全く違うんです。
鳩山さんは、前の日銀総裁人事のときに、いや、財務省にとって日銀総裁は究極の天下り先だ、国民主導の国家をつくりたいと。日銀総裁人事を天下りだと言ったんです。あのときだって国会同意人事ですよ。国の選任じゃなくてこれは天下りだと言ったんです。鳩山総理はまた、渡辺さんのときの副総裁同意人事についても、財務省による日銀ポストへの天下り人事に対してノーと示すことが国民の理解を得られる、そういうことで判断した、民主党としては、天下り禁止についてにしきの御旗を掲げていると。
このように、総選挙前の民主党は、政府の選任であっても天下りだと言っていたわけです。それが今度は違う。これも、ちゃんとした見解を出さなければ済みませんよ。余りに御都合主義である。それからまた、ちゃんとそれは、変わったのなら変わったんだと国民におわびしなければいけないはずですよ。
それからもう一つは、例えば官僚OBのあっせんもいいというわけですね。官僚のOBであっせんしていい。それでは、今度日本郵政の副社長になった坂さんの後任に、損保協会の副会長だったわけですが、その後任の副会長にまた財務官僚の牧野元国税庁長官がついたわけですが、これは元大蔵官僚の指定ポストではありませんか。郵政も同じようなことであります。こんなことを菅さんが今までの主張で認めていたとは信じがたい、全く天下り、わたりではないかと思います。
そして、あなたの同僚の長妻さんが、こういうことこそが天下りの裏ルートなんだ、一回天下ったOBの方が後輩をそこに呼んで、その団体に後輩を引っ張っていって、脈々とわたりの指定席で、天下り団体に指定席としてわたり続ける。これは中央省庁は関知しないことになっているが、あっせんしていないということで、これはないことになっている裏ルートだ、こう言って追及したんですよ。
それを、今度の口頭見解では、それも天下りではないんだと言っている。菅さん自身も、いろいろな今までの質疑でも同じようなことを聞いておられます、あえてもう時間がないから聞きませんが。そんなことで、果たしてこれほど御都合主義に総選挙前に主張していたことと違う天下りの定義あるいは考え方、これは今のようなお話を全部一括して、ちゃんとした政府見解を出していただかなければ、我が党としてはこの内閣委員会でこういう質疑はもうできません。
○田中委員長 後刻理事会で検討させてもらいます。
○中川(秀)委員 結局、現行の国家公務員法では、総理が再就職等監視委員会の委員長と委員を国会の同意を得て任命することになっています。しかし、官僚OBのあっせんの有無なんかをどう確認するかというのは、この監視委員会をちゃんとつくるしかないんですね。だから、これを防ごうと思えば、再就職監視委員会を早急に立ち上げることなんです。菅さん、今すぐ政府として人選して、しっかり監視したらどうですか。
○菅国務大臣 この委員会については、たしか選挙の前にも相当予算委員会等で議論になったことを、私も予算の理事をしておりましたのでそばで聞いておりました。我が党としては、たしか、この監視委員会そのものの意義を認めていないという立場だったというふうに記憶をいたしております。
それから、余り個々のことをお答えしても、委員長の方で取り計らっていただいたので仕方がないかと思いますが、確かに、言葉として天下りというのがいろいろな形で使われてきた中で、今回官房長官が、多分、そういうことを含めて、野党の皆さんの指摘もあったので、ある意味での統一的なことを言われたのではないかと思っております。
日銀人事については、私の理解では、日銀と大蔵省の関係、いわゆる財務省との関係というのは、いろいろな観点がある中で、政治的な判断としてふさわしい、ふさわしくないを当時の民主党は判断したのであって、もちろん、それは天下りという表現があったかもしれません、正確ではありませんが、少なくとも、判断の基本は今申し上げたようなことです。
私は、先ほど来言っておりますように、なぜ天下りというものがやるべきでないかということ、ある意味で、そこから考えないと形式論議になってしまうと思います。私は、天下り先にまさに必要もない発注をしたり、あるいは事実上の官製談合がはびこったりする、そういうことの原因になるからやめるべきだということであって、つまりは、国民にとってなぜ天下りがマイナスなのか、そういう部分の改革として、これからもそういうものにつながる天下りは廃止していかなきゃいけない。この姿勢は変わりません。
○中川(秀)委員 そういう姿勢が変わらないのであるならば、まさに今まで野党時代にあれだけ鋭く問題意識を持って質問されていた菅さんですから、いつものめり張りのきいたように、この基準というものだってもっとクリアに、もうマスコミだって世論だってみんな、あいまいだ、御都合主義だ、そういうふうな評価をしているではありませんか。そういうものをしっかり出すべきではないんでしょうか。
私は、先ほど委員長のお取り計らいをいただきましたので、それをちゃんと文書で出していただきたいと思いますが、公募の問題についても同じようにちゃんと出していただきたいと思いますね。やはり、公務員OBからの公募を認める、こういうことですし、また天下りの機関への現役出向も、これも民主党は容認しているわけですね。
では、出向した後、公募を受ければ天下りは十分できるわけです。今、独法の二十八法人の応募状況を見ましても、国との交渉能力とか、えらい高いハードルをして、民間なんかとても手を挙げられない状況であるときょうもどこかの報道にありました。まさに裏ルートですよ。
そんな偽装公募、天下り追認公募、そんなことをしたって何にも、今までのあなた方の御主張とは違う。私は、そういうこともちゃんと出していただきたいと思います。これはお願いで、質問ではありません。
この関連で、最後にもう一つ、公務員制度改革について質問しますが、これも菅さん、直接の御担当ではないかもしれないが、御自身が今までも、官僚の人事権も実質上事務次官やその経験者など官僚組織自身が握っている、つまり日本の官僚組織は大臣など政治家から独立した自己完結型の権力組織になっていると。これは菅さんがいつも言われていたことです。間違いございません。政治主導のためには人事権が一番必要なんです。
その意味で、与野党が合意した公務員制度改革基本法、与野党で合意したんですよ、菅さん、お忘れないようにしてください。与野党で合意して成立したのが基本法ですよ。その基本法では、内閣人事局を一年以内、一年以内というのはことしの六月までですよ、これを目途に法制上の措置をする、こう決めていた。法案が、先国会、審議を十分得られなくて廃案になった。既に期限が過ぎている。なぜ今国会で、内閣人事局を出す法案を鳩山内閣として出さなかったんですか。
○菅国務大臣 せっかく天下りとか公務員のことについていろいろ議論をいただいたので、ちょっとだけ時間をいただきますが、私、イギリスに行って、なぜ天下りがないのか調べてきました。人事制度がかなり違います。
一つのポストが、例えば現職でも、あくと全部公募です。それは、同じ役所の下の人が公募しても、隣の役所から公募しても、民間から公募してもいいことになっています。ですから、一つの役所に入ったらずっとその役所で、出向しても戻ってきて、最後は天下って、最後まで面倒を見てもらうというようなことはほとんどイギリスではないそうであります。
ですから、縦割りもないし、ある意味で天下りもない。やめる人はたくさんいますけれども、やめたときは自分の力で次の仕事を普通の民間人と同じように探してくる。私は、そういう仕組みにするにはどうすればいいかということを、今、国家戦略室の中で、最初の取り組みの一つとして取り組もうと思っております。
それから、今、公務員法の改正について、私も先ほど触れましたが、当時の政府の方から出された案についてかなり賛成できる部分があると思っておりました。例えば、戦略スタッフを三十名というのが入っておりまして、まさにこれなどは、成立していれば、その中から国家戦略室のスタッフも、これは国会議員であっても民間人であっても採れるわけであります。しかし、今は民間人を採ろうにも定数管理があって、内閣府は定数がいっぱいだから一人も採れない、こういう言い方で制約を受けております。ですから、私は、国家公務員法については、基本的にはできるだけ早い段階で必要な改正は行わなければいけない、こう思っております。
人事局については、決して逃げるわけではありませんが、この間の人事院総裁の辞任のされ方、あるいは新しい方の選任のされ方を含めて、当時の内閣の中でも議論がいろいろ分かれていたところがあったようでありますので、私も、もしその問題について見解を詳細に述べろというのであれば、改めてこの人事局のあり方について私なりに調べてみたいと思いますが、今は、この問題は官房長官が所管されておりますので、そこまで深くは突っ込んで見解を申し上げる用意がありません。
○中川(秀)委員 率直な御答弁なんだけれども、最後の一言で答弁は尽きるわけで、御見解を伺いましたが、あえて言いますならば、イギリスでは、やはり内閣総理大臣が各省の次官なんかは事実上選任できるんですよ。だから、同一人物が、時期は違いますよ、四つの省庁の事務次官をしているケースまであるわけです。あなたも行って聞いてきたはずですよ。そういう日本にしていかなければ、先ほど紹介しましたあなたの御持論だって実行できないわけですね。
そういう意味で、今からでも遅くありません。人事局もしっかり勉強してください、副総理なんですから。超党派でちゃんと取り組んでいくべきですよ。今国会に幹部公務員法のような法律を私たちがもし提出したら、賛成していただけますか。そういうこともしっかり勉強しておいていただきたいと思います。即答はできないでしょうが、私はそういうことも真剣に考えてもらいたいと思います。
次に、副総理は、経済財政担当、つまり昔で言う経企庁長官のお仕事もしておられるわけです。そこで、幾つかのお話を伺いたいと思います。
財政運営の中で、今、事業仕分けが行われているのは印刷局の体育館ですね。メールで来ておりますのは、今、民主党政権が行っているのは、政治主導政治ではなくて財務官僚主導政治ではないでしょうか、こういう質問が来ています。その象徴が、事業仕分けが行われている場所が、独法国立印刷局の市ケ谷センターの体育館だということです。(パネルを示す)ここですね。これが今、印刷局の本局、工場があるところ。それから、大手町に膨大な土地を持っています。東京駅からわずか一、二分のところです。空地です。更地です。
大体、印刷局に体育館がなきゃ仕事ができないんでしょうか。私は、自民党の政調会長時代から、ここの国立印刷局の資産は処分すべきだと言ってまいりました。ホームページでもこれはオープンになっています。こういう大物が、なぜ事業仕分けの対象になっていないんでしょうか。財務省所管の独法その他は、事業仕分けの対象に一切入っていません、全く。なぜですか。そして、この印刷局は、七人の役員のうち四人が財務省OB。七人のうち四人が財務省OB。
菅さん、鳩山政権のもとではこの印刷局の資産の売却をどうしますか。大手町のこの遊休地だけで、大体、路線価で千八百八十五億円あります。虎ノ門のここで二百五十億円ぐらい。市ケ谷センター、この体育館、今やっているところ、これで八十三億円です。何で印刷局に体育館がなきゃいけないんでしょうか。そんなことも含めまして、この資産処分をどうされますか。
メールでも来ています。北海道の方ですね。たしか、事業仕分けをしているこの建物その他空地など大変な資産は、我々の自公政権時代に、渡辺君が行革大臣のころですが、売却する法案を提出したんです。当初は、これは資産を売却しても二分の一しか国庫に返納できない、そういうことでしたが、当時の内閣は、独法通則法改正案というのを出しまして、そして売却価格全額を国庫返納できるようにしたんです。そういう法案を出した。ところが、民主党が審議に応じず、廃案にしてしまったんです。これを北海道の方が、なぜそんなところで事業仕分けをやっているの、その前に、そういう資産をちゃんと売却できる法律を民主党が政権をとったんだからやるべきではないですか、そういうことも言ってきているんです。
全体の御感想をどうぞ。
○菅国務大臣 まず、財務省主導ではないかと言われましたけれども、従来の予算編成過程は、多分、概算要求が出た後、かなりの期間、財務省の主計局と各省庁の担当の間での議論であって、国民からはほぼ全く見えない中での議論であったと思います。そして、最終場面で、政治家といいましょうか大臣が、いわばかなりセレモニー的に出ていく場面もあったというふうに私も厚生大臣のときに承知しております。
そういった意味では、この事業仕分けあるいは行政刷新会議、また今、私の国家戦略室の方でマニフェストに関する課題に取り組んでおりますが、予算編成が財務省の中で行われてきたところのプロセスを、少なくとも政治主導でやっている大きな変化が今進んでいると基本的に思っております。
その上で、国立印刷局について、なぜ事業仕分けの対象にならないのか。私も、一般的に言えば、対象からわざわざ外す必要はないと思っております。昨日の会議でもそういった議論も出ておりますので、多分近いうちには事業仕分けの対象として扱われるのではないか、このように理解しています。
○中川(秀)委員 ともかく、こういうものの資産もしっかり売却をして、それで全額国庫返納できるようにこれは通則法を改正しなきゃいかぬのです。今は二分の一しか国庫返納にならないんですから。そういう法的措置をちゃんと政府で提案して進めるべきですよ。そのことも含めて、うなずいていただいているから、今の御答弁で前向きにやっていただくと理解をいたします。
あとは、いろいろ経済のことをいっぱい伺いたいんですが、菅さんは、来年の税財政、税収や経済成長を見通して国債をどれぐらい発行するか、こういうことについて、歳入面を最初に把握して臨みたいということを中央公論で言っていますね。私はそれは当然のことだと思います。
さて、今、政府から国債発行額を四十四兆円以下に抑える、そういう方針が漏れ伝わってきますが、これは逆に言うと、あれは本当に、麻生政権のときに、一次、二次補正、その他、まさに百年に一度の経済対策として歳出総額を合計百二兆円まで膨らませた、その対応する数字であって、ちょっと菅さん、これは甘いんじゃないかと僕は思っているんです。
皆さんは、つまり民主党の皆さんは、国民に、二百兆円を超える総予算のうち一割をカットできる、その二十兆円の無駄はすぐ出てくる、こう言ったはずです、選挙前にさんざん言われました。そして、その中でいろいろ政策をやっていくんだと言ったはずです。
私は、二つ聞きますが、麻生政権以上に財政再建に真剣に取り組む姿勢を見せるために、この二十兆円を公約どおり削減なさったらいい。そして、今年度当初予算の国債発行額を当初の予算である三十三兆円以下に抑える指示を今すぐ出されたらどうかと思います。これはもうまさに菅さんの御担当の仕事です。
それから来年度は、補正予算も含めて、年度内を通して国債発行額は、二段階ですが、四十四兆円以下に必ず抑える、これが正しいメッセージだと思います。下手をすると、来年度予算は戦後初めて、国債収入、つまり借金が税収を上回る、そういうことになるとも言われています。私が見るところでも、三十七兆いくかいかないかの税収だと思います。しかし、九十五兆から事業仕分けで一兆、私は三兆円もいかないんじゃないかと思いますが、それをへずったところで九十二兆。そうなってくると、国債発行だけで五十五兆円ぐらいになりますね。十四兆円ぐらい財源が足らないわけです。そんなものをそのままやったら、まさに菅さんがことしの五月七日に予算委員会で言ったとおり、危機を通り越してまさに財政破綻そのものの予算になりますよ。これはあなたの言葉ですよ。それが現実のものになりますよ。
菅副総理、もし来年度予算の国債収入が税収を超えた場合、財政破綻宣言をなさいますか。それとも、ここで、歳入に見合う歳出に歳出を抑制することで財政破綻予算を絶対に組まない、そういう決意を表明されますか。先ほど、五月に危機を通り越してまさに財政破綻そのものになると言われた言葉ももう一度思い起こしていただいて、今、最初に伺った二つも含めて御答弁ください。
○菅国務大臣 四十四兆円という数字について、今中川さんからは甘いと言われ、また、ほかの方からは辛過ぎると言われているところで、そういう状況にあることは十分御承知のことだと思います。
また、税収よりもいわゆる国債の方が多くなると言われました。その危険性を私もひしひしと感じております。
ただ、これも、余り前の内閣の責任にはしたくありませんが、少なくとも平成二十一年度の予算で六十四兆の税収見通しを立てて予算を組まれておりますが、残念ながら、来年が三十七兆程度になりそうだと言われましたが……(中川(秀)委員「六十四兆じゃない、四十六兆」と呼ぶ)失礼しました。四十六兆の税収を見通されていますが、そして来年の税収についても三十七兆程度になりそうだと中川さん御自身が見通しを述べられましたが、ことしの税収も、四十六兆ではなくて、それを大幅に下回ることはよく御承知の上で言われたんだと思います。つまり、その穴埋めをすれば、いや応なく平成二十一年度の予算が、少なくとも税収見通しを大きく下回った税収しかないものを国債で補てんしたとすれば、まさに税収よりも国債発行が多くなる、そういう結果になることはよく御承知のことだと思っております。
私は、そういうこと自身を含めてまさに大変厳しい財政状況にあることは十二分に認識をいたしております。その中で、四十四兆という数字が甘いと見る見方、辛いと見る見方はありますけれども、少なくとも現在の内閣では、この数字、一〇〇%内閣で確定したわけではありませんが、財務大臣御自身が、何としてもこれは守りたいという認識を示されておりますし、私もその線は守っていきたい、こう思っております。
それに加えての議論はいろいろありまして、きょうは実はそういう議論を中川議員としてされるのかなと思っておりましたが、中川議員が長年、上げ潮派と言われているいろいろな構造改革推進の立て役者であったこともありまして、私としては、構造改革前の、財政依存の、余りにも過度に依存した政策も正しくなかったし、しかし同時に、いわゆる上げ潮派と言われた人たちが、規制緩和さえすれば経済が伸びると言ったことも、結局は外需依存であって、そうではなかった。
私は、実は、きょうはせっかくの機会ですから第三の道を御披露しようかと思っていたんですが、その議論ができなくて残念だったことを申し上げておきたいと思います。
○中川(秀)委員 確かに時間がもうなくなりましたが、今のあなたの御答弁だけでも三分十秒ぐらいやっておられるんです。
もう時間が参りましたからあれですが、百歩譲って、私だって経済状況は大事ですから、第二段階として補正も含めて四十四兆、そういうことは、経済がさらに二番底まで向かえば、先ほど冒頭で言ったとおりです。百歩譲ってそうであっても、十四兆円ぐらい財源が足らないんですよ。
私、これだけは伺いたいと思うが、まさか、国債整理基金への繰り入れ停止ということ、これは九三年から九四年に一回あったんですが、そんな会計上の操作でこの十兆以上の財源が足りないものを操作する、そんなことはしないでしょうね。そんなことをしたら、次世代に対する責任は物すごく大きなものになりますよ。そのことを、しっかりと無駄を省いて、二十兆、無駄であるんだからできるんだとおっしゃった、それをやることが本当であって、そんな会計上の操作で、無駄も省かず、財政破綻をそのまま認める、そんなことは絶対阻止する、その決意だけ、最後に菅さんから伺います。
○菅国務大臣 もう一つ、中川議員がこの間提起された問題が埋蔵金論争だったと思っております。
当初、自民党の当時の内閣メンバーは埋蔵金などないと言われたのを、中川議員がそんなはずはないじゃないかと言って指摘をし、その後、埋蔵金が続々と、掘り出されたというべきなのか、出てきて、それがかなり大きな財源として、歴代、この数代の内閣で使われたわけであります。そういった意味では、今、財政規律、そういう小手先でやるべきではない、一般論としては私は全くそのとおりだと思っております。ただ、そういうやりくりの中で、そういった埋蔵金といったものにある程度依存しなければならないところもあり得るということは申し上げておかなければならないと思います。
○中川(秀)委員 終わります。
○田中委員長 次に、高木美智代さん。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。内閣委員会では新米でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、昨晩といいますか、けさ未明まで、国会、本会議が続いておりました。昨日の賛成討論、反対討論の中で論議は網羅されておりますけれども、私は、一つ、きのうあったエピソードをぜひ与野党の皆様に知っていただきたいと思いまして、あえて申し上げさせていただきます。
それは、昨日、衆議院の財務金融委員会で採決がございました。そのときに、亀井大臣が十二時過ぎにその委員会にお入りになったんだと思います。その前に、参議院では総務委員会が開かれておりました。そこの場で、我が党の澤参議院議員が手を挙げて、委員長と、自分の発言の、質問の番であるということで立ち上がったときに、委員長はそれを無視されまして、民主党の筆頭理事と何か話をされ、そして突然、職権休憩をそのときに言い渡されたそうでございます、ただいまより休憩に入るということで。
実は、朝の理事会のときに、亀井大臣が十二時少し前に退席したいとおっしゃっているけれどもいいか、こういうことが民主党の筆頭理事から澤参議院議員のもとに話があった。そのときに、それは困りますと。自民の筆頭理事も、それは困ると。そのときに民主の理事は、わかりました、このようにお話をされ、普通、わかりましたと言えば、このことは取りやめていただいたのだな、このように解釈をしていたそうでございます。
ところが、発言の番になり、私が委員長と手を挙げましたように挙げたときに、ここで突然、職権休憩、私はこの職権休憩ということを、議員になってまだ六年でございますけれども、初めてこのときに聞いた次第でございます。
これは、私は大変なことになる。やはり、私どもの民主主義は、君の意見には反対だ、しかし話は聞こう、これが理念であるはずでございまして、ましてや、それはさまざま、立てていた委員会の時間が変わる、また、そのために協議をしながらお互い譲り合う、配慮をし合う、そういうことは委員会における常でございますけれども、ただ、決めたことをそのような形で、職権休憩として遮られる、こうしたことはやはり不測の事態であり、また今後あってはならない。これは、与野党を超えまして私どもが守らなければならないルールというのははっきりとあるということを、私は昨日、澤参議院議員は私と同様東京所属の参議院議員でございますので、大変強い怒りとともに改めて、また議員としての発言を封じられる、こういう一つの背筋が冷たくなるような思いをした次第でございます。
今回、さまざま、きょうも委員会におきましては不測の事態の委員会もあるやに聞いておりますけれども、きょうは、この内閣委員会、どの委員会よりも早く、田中委員長のもとで理事予定者打ち合わせというところから始めましてきょうの予定となりましたので、私も決意をしてきょうは出席させていただきましたが、このようなことを許してはならない、私は、このことをぜひとも与野党のきょう御出席の委員の皆様にはお知りいただきたいと思いまして、あえて冒頭にお話を申し上げる次第でございます。
それで、実は私の前の部会長の田端前議員から、地域の安全、安心を守る町づくりについて、法律を、これは自民、公明で、そしてまた民主党さんに呼びかけながらつくった、これをぜひとも今国会で何とか結論を出してもらいたい、こういう依頼を受けて、部会長に就任もいたしました。これは、地域住民の方たちにとりまして、安全、安心の町づくりを提供していく大事な法律でもございますし、また、このような姿勢といいますのは政治の第一義の課題であると思っております。国民の生命と財産を守るという点から、私は、まずこの法律案につきまして少しお話をさせていただきたいと思います。
その前に、民主党のマニフェストも拝見をいたしました。総理も、所信の中で「私たちが目指すべきは、単純に昔ながらの共同体に戻るのではない、新しい共同体のあり方です。 スポーツや芸術文化活動、子育て、介護などのボランティア活動、環境保護運動、地域防災、そしてインターネットなどでのつながりなどを活用して、だれかがだれかを知っているという信頼の市民ネットワークを編み直すことであります。」このように述べておられまして、また、インデックスの中にも「コミニュティの再生・強化」また「子どもたちが安心・安全に生活できる環境整備」。このように民主党のマニフェストの中にも書かれており、総理の所信も承ったところでございます。
そこで、官房長官にまずお伺いをさせていただきたいのですが、こうした地域のきずなの復活、また地域住民がお互いにだれかがだれかを知っている、このような町づくりをどのような形で推進していくのが望ましいとお考えか、まず官房長官のお考えを伺いたいと思います。
○平野国務大臣 おはようございます。
今、高木さんの方から御質問がございました。民主党として、どのように地域のきずなを高め、今御指摘のありました安全、安心の町づくりをしていくのか、こういうことでの御質問でございます。
政治は、やはり国民が平穏に安心して暮らせる社会、これは一番望んでおられることだと思っております。そういう思いから、政府としても重要な政策課題だ、こういう認識でございます。
これまでも、政府としては、安全、安心、こういうためにも、これは私の所掌ではございません、きょうは中井公安委員長が欠席をさせていただいておりますので代理の立場で申し上げたいと思っておりますが、特に警察による安全、こういう意味での街頭活動をより強化していこう。いま一つは、やはり、先ほど先生が御指摘されましたように、地域の住民の皆さんの協力によって、ボランティア活動を含めて、地域ぐるみでこの問題について取り組んでいこう、こういう考え方も一つございます。もう一つは、防犯性という概念から見たときに強い、住宅街の防犯に対する整備をやっていこう、こういう一つの考え方。さらには、子供さんというのは非常に大事でございますから、通学路における安全性の確保等々取り組んできたところでございます。
特に、高木先生おっしゃられるように、公明党さんの皆様方が強くそのことをやってこられたことには私は心から敬意を表したい、このように、同じ認識に立っているところでございます。
今後は、これまでの取り組みに加えて、私どもは、防犯ボランティアのすそ野をやはり広げていく、そのことによって、一つには安全性を高めていくと同時に、その地域でのきずなをより太くしていこう、こういうこともやっていこう、そういう意味では、官民共同体としてこういう仕組みをつくっていきたい、このように考えているところであります。また、学校の安全性については、地域ぐるみの安全性を確保していくための整備を進めてまいりたい、このように考えています。
鳩山政権としては、何よりも人の命を大切にして、国民生活を守る政治を進めていくことを基軸といたしております。国民の安全確保は政府の基本的責務と認識をいたしております。警察による犯罪の取り締まりや防犯対策のみならず、地域の自主的な取り組みを支援する、こういう考え方に立っております。
私の地元でも、現役をリタイアされた地域のコミュニティーの方々が自主的にパトロールをしていただいたり、また警察の方からもその取り組みに表彰をいただいたり、いろいろな意味で今拡大をいたしておるところでございますので、先生の御指摘を真摯に受けとめて政府としても取り組んでいきたい、このように考えているところでございます。
○高木(美)委員 大変御丁寧な答弁をいただきまして、ありがとうございます。
私は、この法律につきまして少し説明をさせていただきたいと思います。
今、防犯ボランティア団体、ただいま官房長官のお話ございましたが、四万一千団体ございます。地域防犯活動への国民的機運が高まっているという背景があります。また、地方公共団体におきましても、既に条例として、安全、安心町づくりにかかわる条例、今現在で四十四都道府県、また千四百七十三市区町村が制定をしたところでございます。こうした地域の自主的な取り組みを今しっかりと支援をいたしまして、自主的な防犯活動を促進する。予防は地域の構成員にお願いをする、取り締まりは警察が行う、こうした官民協同が大事であると思っております。
そこで、今回のこの法案におきましては、基本理念、また国、地方公共団体の責務、また地域住民等の役割を明らかにすることから、施策の基本となる事項を定めて、安全で安心して暮らせる町づくりを総合的に推進し、もっては、一つの核といたしまして、またこういう方たちが軸となって、福祉、環境、そうしたコミュニティーをつくり上げる力となっていただければという、このことを目指した法律でございます。
盛り込まれた内容につきましては、例えば、民間の団体による活動に対する支援。これは、民間団体との連携協力体制の整備、また、活動拠点、例えば民間交番を設置するときにその土地また場所を貸すことができる。そしてまた、腕章等の活動に必要な物品の貸与支給、また、ボランティア保険の助成、情報の提供等が盛り込まれております。
また、児童の安全の確保の点では、教職員また保護者との連携協力体制の整備、またスクールガードリーダーの配置、これが、この法律がその根拠となると考えております。保護者に対する情報の提供。
また、国、地方公共団体におきましても、例えば駅等の地域生活関連施設、ここでの犯罪の防止。また防犯訓練の実施、防犯機器の設置、そしてさらに、民間事業者等の管理する施設、これは例えば廃屋とか、そういうところに子供たちが閉じ込められるとか、そこで死亡事件とかあります、そこの管理を当然行えるように、そのための措置をさせる。
また、地域住民による自主的な取り組みの促進等ということから、防犯に資する商品また役務、かぎとか、また今さまざま防犯サービスがございます、そうした情報提供等々。
このようなことが盛り込まれており、あとはまたお読みいただければと思いますが、政府が基本方針を定め、都道府県が計画を立てる、そして市町村が計画を策定する、このような形となっており、またそのための協議会を地域で設置する、このことも盛り込ませていただいております。
当然、ここまで、四十四都道府県まで今条例ができておりますので、一部には、ここまでできていて果たして国としてこうした法律が必要なのか、こういう御意見も承っておりますが、ただ、やはり、そういう中にありまして、関係の市の方たちに伺いますと、法律のバックアップがあった方が行政の取り組みが違うんです、また防犯ボランティアの方たちにも大きな励みになりますと。またさらに、条例がありましても、その条例の内容はばらつきがあります。やっとつくった条例もあれば、質の高いものもあります。それを一定レベルに引き上げまして、今ここまで盛り上がっているものの継続性を支援していく、これができると思っております。また、計画ができればフォローアップも可能となります。
またさらに、こうしたことが地域力を後押しするものといたしまして、中には、インパクトがないとか具体性が弱いとか、そういう御指摘もありますけれども、ただ、これはあくまでも薄く広く地域力を引き出すサポートでございますので、ここであえて強制力があるということは反対に地域力をそいでしまう、自主的な力をそいでしまうと考えております。そういうことから、国が一歩引いて、そして地域力を支援していく、このような法律を議員立法で今各党に持ちかけているところでございます。
例えば、国でできることといたしましても、国は海岸また道路等を所管しております。そこにガードレールが一本あれば、そのおかげで連れ去り事件が少なくなるとか、また、都道府県につきましてもそうです。奈良の事件もそうだったようですが、そこに歩道と車道と分離され、フェンスが一つあればあのお子さんは連れ去られることがなかったとか、そういう事例も伺っておりますし、そうしたさまざまな、警察の能力をおかりしながらこの対策をしっかりと立てていく、計画を立てていく、このような内容を提案させていただいているところでございます。
これは、こういう議員立法でございますので、この所感を官房長官に求める筋ではないと思っておりますが、いずれにしましても、また民主党さんにおきましてもこうした点につきまして、これは与野党を超えて、まさに地域の力を支えていく。しかも、NPO等もいろいろありますけれども、NPOは一・五%、残りの九八・五%はNPO以外の団体が行っている、こういう事実から、しっかりとそうしたNPO等を支えていく、このことも含めまして、このような流れをつくらせていただければと思っております。
そこで、恐れ入ります、きょう実は財務省の大串政務官にお越しいただきました。済みません、私の質問は一つだけなんです。
今、地域安全安心ステーション事業を進めております。大変好評で、大きな広がりを見せておりますが、この事業の予算につきまして、これを財務省が査定で切ることはないですねという、この確認だけさせていただきたいと思っております。
○大串大臣政務官 御質問いただき、ありがとうございます。いつも高木委員には御指導をいただき、本当にありがとうございます。
今、地域安全安心ステーション推進事業の御質問をいただきました。今お話のあった法案とも密接に関連するというところからの御質問と思うわけでございますけれども、十七年度から行っている、自主防犯体制、これを強化していこうというモデル事業でございまして、現在、これまでのところ、全国で八百カ所行ってきているということでございます。
モデル事業でございますので、今、これは平成二十二年度予算においていろいろな検討を行わせていただいているところでございますが、今委員から話のありましたニーズそして必要性等々も踏まえながら、一方でモデル事業として行うことの意義あるいは効果、そして、今四万一千主体まで広がってきている、これは実際、資料等を見せていただいて、相当な広がりを見せてきているなというふうに思っております。こういう意味からすると、国と地方の役割分担みたいなものもあるのかなというふうに思っておりますので、この辺を見据えながら、安全、安心の社会をどうつくっていくか、しっかり議論させていただきたいというふうに思います。
○高木(美)委員 ぜひとも大串政務官、頑張っていただきたいと思います。
次に、国家戦略室等の今後の流れにつきまして少し質問をさせていただきたいと思っております。
まず、これは官房長官に伺わせていただきたいのですが、今、国家戦略室、それから行政刷新会議、財務省、この役割分担というのがなかなか見えなくなっているというのが率直な実感でございます。予算と税の方針はどこが立てて、どのように取りまとめていくのか、だれが責任を持って行っていくのか、その主体、そしてまた今後の流れにつきまして御説明をいただければと思っております。
恐らく根拠となる話につきましては、先ほども中川委員からお話がございました、当然、総理の決定事項であるということで、その項目も伺っております。税財政の骨格、また経済運営の基本方針、その他総理からの指示に基づく事項、このような国家戦略室の内容も伺っておりますけれども、ただ、経済財政諮問会議の中には明確に予算編成の方針、これがはっきりと法律の中に盛り込まれておりました。ところが、今回国家戦略室の方には、予算編成という言葉はその中には入っておりません。
しかし、私は、流れを見ておりますと、第一次補正予算の凍結のときにも、何か基準があって明確に方針があり、そしてそのもとに凍結をされたというよりも、不要不急であるという事項が多かったわけでございますけれども、こうした、今後の役割分担、そしてまた予算と税の方針、どのようにお考えか、答弁を官房長官に求めます。
○平野国務大臣 今の御質問の前に、冒頭、先ほど財務省政務官の方からお話ございましたが、私も大阪でございまして、田端先生が一生懸命取り組んでおられるということについてはよく承知をしておりますし、逆に言いますと、今先生申し上げられたことについては同感でございます。
あくまでも、これはやはり地域社会が主体的にやっていかなきゃならないということでございますし、私どもとしても、地域主権、こういうことの中に、やはりそれは、住んでおられる方々が安心して暮らせる、そういう行政施策をそこが主体的にやっていくんだ。国の立場でいえば、それをどういうふうに、やれる環境をどうつくっていくかということでしっかり頑張りたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
さて、今のことでございますが、国家戦略室、行政刷新会議、官邸含めて、どういうところがどういうふうにやっているのか、ややもするとばらばらではないか、こういうことの御質問でございます。
やはり鳩山内閣、新しく、すなわち官邸主導、政治主導で物事を行っていく、これが基本でございまして、改めて、総理の指示によって、中長期あるいは重要案件については国家戦略の中でしっかりと起案をし推進をしていただきたい、こういう総理の指示に基づく国家戦略室と、今まで肥大化した国のあり方について、やはり行政を見直していこう、無駄遣いがないかどうか、こんなことも含めてやるのが行政刷新でございまして、ある意味では相反するアクションがあるかもしれませんが、その中で、真の意味の日本の行政体、真の意味の必要な予算をつくっていこう、こういうことでございます。
菅副総理のもとに、予算については、骨格予算を、しっかりその方針を決める、この役割でございますし、それ以上に、国にとって必要な仕組みについては国家戦略室で担当、こういうことでございます。一方、今新しく内閣が誕生したわけでありますから、無駄をそぎ落としていくということと、しっかり行政評価をしていこう、こういう役割を兼ね備えているのが行政刷新でございます。
総理と、またその中においての関係閣僚については密接に連関をしてやっているということでございますので、一体的に連携をとっておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○高木(美)委員 私がなぜそのような質問を申し上げるかといいますと、今ちまたでは鳩山不況というふうに言われております。経済の展望が見えない、そして、やはりその方針がない。方針がないところから……(発言する者あり)それは一般的にマスコミでも言われている事項でございます。ですから、ちまたではと私は今申し上げました。
そういう中にありまして、私は、明確に方針をはっきりと打ち出していくということが日本のこれからの経済成長戦略の策定につながっていくとも思いますし、今、経済危機の真っただ中ですので、やはり、成長戦略をどう描くか、一つ一つの予算で何をどのように目指していくのか、その目指すもの。
そしてまたその上で、今官房長官がおっしゃった、これは無駄だと。それは、方針があればこれが無駄だとなるわけでございますが、ともすれば、事業仕分け、この後重ねて質問させていただきますが、どうしても、予算が足りないからそれを捻出するために本当に荒っぽい手法で、私は、この事業仕分けそれ自体は、我が党も早くから提唱しながら、マニフェストにも書いております。また、これはもうすべての政策にわたって、また鳩山総理がおっしゃる、今年度で終わりではなくて継続して進めていくべきものと思っておりますが、ただ、もとになる、経済財政そしてまた予算、この方針がはっきりと内外に示せなければ、当然、海外からの経済の投資、それもやはり引き揚げざるを得ない、またこれがどうしてもGDPの低下等につながっていく。
こういうことから、あえて私は、分担をはっきりとしていただきながら、方針はしっかりと固めていただきたい、その方針のもとにこの三者が、また官房長官が御差配をされましてその上でそれぞれが働く、こういう仕組みを一日も早くつくるべきではないか、こういう意味で申し上げております。
○平野国務大臣 そこは議員、ちょっと認識の違いでございます。国家戦略室、菅副総理のもとで、予算の重点指針、こういうことを出しておられます。具体的には菅副総理からお聞きをいただいたらいいと思いますが、現下の経済、雇用、このところに対しては、私どもとしては、非常に厳しい環境にある、その上で、戦略的な経済対策、切れ目ない財政運営をやろう、こういう指針、基本方針を出してやっているところでございますので、方針がない、こういうことは少し、我々としては認識をいたしておりません。しっかりとした方針のもとにやっているということでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
具体的には菅副総理の方にお聞きをいただきたいと思います。
○菅国務大臣 経済財政あるいは予算の方針が見えにくいと言われるんですが、私は全く逆だと思うんですね。これほどはっきりと見えている内閣はこれまでなかったのではないか。
つまり、これまでの長年の財政出動の中身が間違っていると私たちは思っておりますので、その中身の変更を本格的に始めたのが、まずは第一次補正の見直しからであります。その中で、いろいろ議論はありますけれども、国交大臣が八ツ場ダムの問題やいろいろな飛行場の問題などを指摘されました。
つまりは、これまで、私の目から見ると、六〇年代でいえば投資効果のあった公共事業が、八〇年代後半から、投資効果がないにもかかわらず、ある意味はあったんです、地方に仕事を流し、お金を流し、雇用を生んだという意味はあったんですが、投資効果は非常に低いものをやってきましたから、結果的に財政赤字がたまる一方で、長年の経済成長の低迷につながっているわけです。
ですから、まずやらなればいけないことは、財政の中身を変えるということが必要であって、それを、例えば二%成長だとか四%成長という文書をつくることはできないわけではありませんが、私も戦後のいろいろなものを調べてみました、いろいろな方針が出ておりますが、残念ながら、この二十年、三十年、その方針が実現をしたことはありません。骨太方針と言われるものもたくさん出されましたが、それが実現したことはほとんどありません。
ですから、私の立場からすれば、まずは財政の中身を変えるということについては、私は、国民の皆さんに、コンクリートから人へという方向で見えておりますし、これまでの方針がなぜ実現しなかったかということを今徹底的に検証いたしております。
余り長くなっても恐縮ですから多くを申し上げませんが、あえて一言申し上げるとすれば、これまでは、財政出動による景気刺激効果はカウントするけれども、雇用創出による景気効果というものを余りカウントしておりません。介護のような分野、つまりは、人手不足の分野に新たな雇用が生まれれば、雇用の効果だけではなくて、そこで仕事をすることによってサービスが生まれますから。そういう効果を見ておりません。
逆に、生産性が上がれば日本の経済が高くなるという見方ばかりが強かったわけですが、しかし、完全雇用でない状況で一つの企業が生産性を上げても、場合によったらリストラによって失業者も同時にふえるわけですから、会社は確かに利益が上がるかもしれないけれども、日本全体がそれによって果たして生産性が高まったか。
こういうところの見方が私は間違ってきたと思っておりますので、そういう根本的なところの考え方を改めた中で成長戦略を打ち出していきたい、このように考えております。
○高木(美)委員 意図するところは当然かと思います。
しかし、例えば海外の投資家から見た場合、企業を経営している方から見た場合、やはり、鳩山政権が何%のどういう成長を目指しているのか、その政策の経済効果というものがある程度数字であらわされないということは、先ほど中川委員が、最初に、この数値というのをはっきりと示すおつもりありますかというふうに質問されましたが、その中に私は全く同感でございます。
もし菅国家戦略室担当大臣がそのように、これをコンクリートから人へ、そして例えば介護の雇用と。では、それは、例えば外から見たときにどのような経済効果を生むのか、この数値はやはりぜひ示していただきたいと思います。そこがないということを私は方針がないということで申し上げているわけでございます。
済みません、ちょっと具体的に、次に行かせていただきたいのですが、例えば、これから第二次補正予算、そこで方針をお立てになられると思うのですが、この第二次補正予算のための方針というのはどうなんでしょうか。いつ、どのような形で発表されるんでしょうか。
○菅国務大臣 まず、十月二十三日に出しました緊急雇用対策の中で、十万人の新規雇用、そしてそれの多くの部分を、介護や、場合によっては森林再生などに振り向ける、それに必要な財源については、これまで前政権が積み上げたものも使わせていただく。そういう意味では、数値目標を、少なくとも雇用に関しては打ち出しているところです。
今、第二次補正についての御質問ですから、それについては、三つのK、雇用、環境、景気、こういう観点から編成をしよう、方針は既に明確にいたしております。その中で、財政規模等については若干の議論がありますが、第一次補正の見直しの中で凍結している財源について、それを前倒し、つまりは来年度ではなくて今年度の間にそういうものを使って二次補正をつくっていこう、この方針は明確にさせていただいております。
○高木(美)委員 私は、方針をいつ発表されるのかということで申し上げたのですが、その方針につきましても、やはり数値をはっきりと、GDPの何%の成長を目指していくのか、どのようなことを盛り込んでいくのか、その数値をあらわしていただきたいと思います。
そこで、第一次補正予算凍結による景気への影響、たしか、先般菅大臣は、〇・二%引き下げるというふうに発表されたと思うのですが、再度確認をさせていただきます。
○菅国務大臣 実は、数値ということを言われましたのであえて申し上げますが、どういう計算式か私も徹底的に聞いてみました。今御質問のことをお答えしますと、約二兆九千億の凍結をした中で今年度に響くものが〇・九兆だとカウントされて、それを約五百兆のGDPで割りますと〇・二%。つまりは、財政出動が減った分だけGDP引き下げ効果がある、これがこれまでの計算式です。
しかし、先ほども申し上げたように、雇用についてどうなんだというと、雇用についてはそういう計算式がありませんというんですね。私は、雇用についても、新たな雇用ですよ、今いる人がやめて新しい人が入るんじゃなくて、新たな雇用が介護の分野のように生まれたときにはそれも経済効果があるはずなので、例えば十万人の人が年間三百万円の生産を上げたときには三千億のGDP引き上げ効果があるのではないか、こういうふうに言いましたら、いや、それはそういう計算も成り立ちます、こういうことであります。
今のお答えは、今までの、従来型の計算では〇・二%のマイナスの、景気というよりはGDP引き下げ効果というふうにカウントされておりますが、私は、それにかわって、雇用が増大することによる引き上げ効果も生まれてくる、このように見ております。
○高木(美)委員 それでは伺わせていただきますが、緊急雇用事業というふうに先ほどお話がありました。第一次補正予算の中には、緊急人材育成・就職支援基金、また雇用調整助成金、これは、私どもが足で、本当に現場で稼ぎながら、多くの方の御意見をまとめて一つ一つやってきた内容でございます。これと緊急雇用事業とどのように違うのでしょうか。その差を、答弁をお願いいたします。
○菅国務大臣 皆さん方もいろいろ努力されたんだと思いますが、私たちも、昨年の暮れにトランポリン法というのを当時の野党三党で出しまして、まさに、雇用保険を受けられなかった人が一挙に生活保護、ないしはそれも受けられないような、ある人が滑り台社会と言っていましたが、そういうことにならないように、中間的なセーフティーネットが必要だということでそういう法案を出しました。残念ながら、当時の与党によって廃案になりましたが、内容的には、確かに一次補正の中に相当程度盛り込んでいただいたことは私たちも認めております。
ですから、そういった中身については、少なくとも今年度のものについては、あるいは来年度の当初のものについては凍結の対象にしておりませんで、そういうものも十分に活用させていただき、さらには、自治体に積んでありましたいろいろな資金も前倒しで活用する中で、先ほど申し上げたような緊急雇用対策の十万人の新規雇用、まさにこの人材育成事業もうまく組み合わせて実現していくというのがこの中身となっております。
○高木(美)委員 第一次補正の凍結なんですけれども、一部を執行停止して、その分を第二次に盛り込む、そしてまた、そこで生まれた二・九兆円だったでしょうか、それをもとにして第二次補正を組んでいく。当然金額が少し変わるかと思いますけれども、私が一番心配するのは、その間の経済のタイムラグです。ですからやはり、そこで一たん、どうしてもタイムラグが生じたときに、そういうことであれば、そのまま第一次補正予算を継続した方が景気、経済を支える役割が果たせたのではないか、こういう声も今多く生まれております。今、大部分も入っているというお話で、雇用につきましてはそうですが、そういう意味ではつけかえになっている事業も多いのではないかというふうに私は認識をしております。
第一次補正予算の凍結の中で、特に、今まだお声をいただいておりますのは、子育て応援特別手当でございます。
これは私、仙谷大臣にお伺いしたいのですが、実はDV被害の方とか、もう申請が始まっておりまして、年末の三万六千円、これがあれば子供の来年のランドセルが買える、そうやって安心して喜んでいらした。本当に残念です、ひどいです、そういうお声もありました。
新聞で拝見をしたのですが、それに対して、子育て応援特別手当の廃止について、仙谷大臣は、公明党がやったものだからそんなのやめればいいんだという発言があったやに報道されております。
これは私は、我が党の、また、恐らくこれは仙谷大臣に釈明の機会をお与えさせていただきませんと余り芳しくないかなという思いもありますが、と百歩譲って今申し上げているわけですが、このことについて仙谷大臣、本当にそのようにおっしゃったのかどうか、答弁を求めます。
○仙谷国務大臣 子育て応援特別手当は公明党さんが主導して、嫌がる自民党さんを説き伏せて、選挙前であるということで説き伏せて実現をさせたというふうに私は認識をしております。
そして、その応援手当は三歳から五歳まで、それから、なぜか一カ月三千円という計算を根拠にしながら、一時金で三万六千円を渡す。そしてまた、最初はこれが景気対策として出てこられたということでございまして、最近はDV被害に遭われた気の毒な女性とかお母さんというお話が前面に出てきておるようでありますが、私が知っている限りは、最初はそうではなかった。
私どもは、子ども手当、何とかこれを実現したいという思いが強うございますので、余り中途半端なお金を支給するというふうなやり方、つまり恒久的でもなければ継続的でもない、つまり臨時ボーナスみたいな話を、国がそういうことをやるというのはできるだけ控えるべきであるというのが私の考え方でございますので、選挙前に出てきたそういうものについては、我々、政権がかわったんだから、つまり政権がかわったということは、そのことが大方の批判といいましょうか、支持が少なかったことであろうから、いっときお返しいただいて、来年度から本格的に子ども手当をやろうじゃないか、そういう説得を厚生労働省の政務三役に私がしたことは間違いがございません。
そのことについて御批判や御非難があるとすれば、すべて私がお受けいたします。
○高木(美)委員 これは、今、月三千円計算というお話をされておりましたが、内閣府のアンケートに基づいて、幼児教育の無償化を求めるというそのお声が若い御両親から多かったわけです。それに基づいて、第一歩として、本来はもっと多額にやりたかったけれども、そこまで予算が伴わないということから、このような形で第一歩をやらせていただいたというのが実は子育て応援特別手当のそのもとでございます。
そのアンケートのことは、大臣御存じだったんでしょうか。
○仙谷国務大臣 正確に存じ上げませんけれども、幼稚園に行かせるのに大体月三千円だというお話は聞いておりました。
第一歩というか、継ぎはぎのこういう施策は余りよくないと私は思っているんですね。現に、もし補正で第一歩を踏み出すとしても、これはもう少し、あれだけの施設整備費を、要するに、中央諸官庁関連諸施設の建てかえやいろいろな名目での建設費に三兆五千億も積み増したぐらいでありますから、もう少し頑張って、一年分でも二年分でも三年分でもちゃんとおとりになる、そういう施策であれば、我々もこの三万六千円を執行停止しようというふうには思わなかったかもわかりません。
○高木(美)委員 まさに、経済の緊急対策の一環として、第一歩を踏み出したというのが大きな意義であると思っております。あかない岩盤に穴をあけたというのがこの内容でございます。
私は、次に子ども手当につきまして伺いたいのですが、児童手当を廃止して子ども手当、そうなりますと、総額税でやるというふうに聞いております。しかし、この児童手当は、既に社会で支えるという理念が入っておりまして、企業が千七百九十億、地方自治体五千七百億、国は約二千七百億で、総額約一兆円少しでやっているというのがこの児童手当です。ですから、地方自治体また企業、合計約七千五百億だと思いますが、その分をなくして、税で、国民の負担につけかえる、こういう内容であると思っておりますが、このことにつきましてはどのようにお考えか、福島大臣に答弁を求めます。
○福島国務大臣 子ども手当の創設に関して、ぜひ御協力をいただきたいというふうに思っております。
おっしゃったとおり、児童手当が事業主それから地方自治体負担部分があることはそのとおりです。
子ども手当については、少子化担当、厚生労働省、さまざま、菅副総理のもとでもいろいろな議論を今現在しているところです。
基本的には国の税金でやるということになると思いますし、児童手当の部分の、例えば事業主負担部分などは、御存じ、保育所やさまざまな点に今まで使われてきましたので、そこは子供のために使ってもらうような制度を何とか残すことができればと私は思っております。そのことも含めて、おっしゃったとおり、みんなで子供たちを支えていく、事業主も支えていく、そういう形をこの子ども手当の中でも、児童手当はなくなってもその部分をどう今後生かしていくかを子ども手当の創設の議論の中でしっかりやっていきたいと思っております。
○高木(美)委員 大変残念な答弁ですが。
今配偶者控除、扶養控除を廃止するという話が出ております。国民の皆様から多くの不安のお声が出ているわけです。今申し上げたように、企業の千七百九十億、地方自治体七千五百億、これがあれば、扶養控除というのは廃止をしなくても、そこまで切り込まなくても何とか支えられるのではないかという思いがあります。
実は、この扶養控除は、障害者の方はそのまま残すという報道も承っておりますが、例えば障害手帳をもらえないけれども就労に至ってはいない、また事故や交通事故で長期療養をされている、そういう二十三歳から六十九歳の方、御家庭またシングルの方も含めまして多くいらっしゃるわけです。大変微妙な家庭の事情がしんしゃくされている税制であると私は思っております。
現実、おととい私が懇談した方たちも、この控除の廃止によって何が一番困るか、課税所得がふえる。課税所得が上がることによって、これは大きな影響があります。例えば公営住宅、そしてまた国民健康保険料、そしてまた東京であればシルバーパスを千円で受け取れるかどうか、こうしたさまざまな影響があるのもこの扶養控除。また、今は住民税につきましても検討されているやに伺っておりますけれども、こういう扶養控除の廃止につきまして、これはそのままの方向性、廃止をするという方向なのかどうか答弁を、これは菅大臣、よろしいでしょうか。税財政ですから。
では……。
○大串大臣政務官 ありがとうございます。今御質問をいただきました。
控除から手当へという考え方を、私たち民主党そして政府としてこれを打ち出しておりまして、控除からできるだけ、控除という形はどうしても高額所得者の方々により手厚くきいてしまう、こういう性格があるものですから、これを手当という形で、よりニーズの高いところに適切に支給できるようにしていこう、こういう考え方でやっております。
扶養控除のあり方、具体的に今政府税調の中で議論しております。その中の意見の中でも、今御指摘のありました、成年の部分の皆様の扶養控除をどうするか、あるいは課税最低限が上がってしまう、この点をどうするかというような議論も出てきております。この辺は受けとめまして、税制調査会の中でしっかり議論させていただきたいというふうに思います。
○高木(美)委員 私は、この扶養控除の廃止は断固反対をさせていただきます。これは、さまざまそういう仕組みをつくられましても、この税というのは本当に微妙です。なぜここまで扶養控除、配偶者控除が残ってきたのか、その今までの、いつもおっしゃる検証をしっかりとやっていただいた上で最後の結論を出していただきたいと思っております。私のところには、高木さん、もう本当に命をかけてこれを阻止してもらいたい、こういうお声もいただいているところでございます。
したがって、先ほど申し上げたこの七千五百億、児童手当のここの負担分をそのまま残せばここのところはもっと軽く済むわけでございますので、そこも大きな観点でごらんいただきたいと思っております。
ちょっと時間も迫ってまいりましたので、私は、事業仕分けにつきまして最後伺わせていただきたいと思います。
事業仕分けにつきましては、ちょっと時間も余りありませんので、必要な点だけ質問をさせていただきます。
この仕分け自体は私は賛成をするものです。しかし、この手法に疑問の声が多く寄せられております。
まず、この事業仕分けにつきまして法的根拠がないということも指摘をされております。特に、仕分け人の方たちが科学技術関係、社会福祉関係、そしてまたさまざまな分野について網羅して本当に納得をされているか、周知されているかといいますと、そこの判断に大変難しい点があるというのも率直な感想でございます。
しかも、まず事業をピックアップしたのはだれかということを今よく指摘されるわけですが、これは財務省というふうに考えてよろしいんでしょうか。
○仙谷国務大臣 昨日その点について参議院の方でもお話し申し上げたのでありますが、実は、民主党は昨年、衆議院の予備的調査をかけまして、ことしの三月には二千七百の事業シートが各省庁から出てきておりました。それをもとにして、それから衆議院の、いろいろな各事業に対する予算委員会での議論あるいは決算委員会での議論、あるいは会計検査院の指摘というふうなものを種々勘案しながら、これは具体的に言いますと行政刷新会議の事務局の方ででございますけれども、もちろん、査定当局といいましょうか財務省の主計局のお持ちの資料も提出をしていただいて、あるいは御意見も伺って、現時点で四百四十七でございましたか、この仕分けの対象事業を選択した、こういうことでございます。
○高木(美)委員 これは菅科学技術担当大臣にお伺いしたいのですが、例えば、先ほどお話ありましたスーパーコンピューターですが、これを一年凍結という最終的な評価でございました。
一年凍結になりますと、当然、このスーパーコンピューター、世界一を目指す必要はないというお話もあったようでございますが、やはり、科学技術の世界で一番を目指さなくて、オリンピックであれば金メダルを目指さなくてどうしてスキルアップができるか、そういう課題もあります。また、研究者、技術者は、一年のうちに恐らく日本から皆さんいなくなってしまう、そのことを私は強く懸念しております。
しかも、このスーパーコンピューターにつきましては、法律をつくりまして、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づいて、あと三年で最終的な製品化が終わる、そこまででき上がるもので、例えば経済効果を見ましても、総額投資千二百三十一億ですが、三・四兆円の回収ができる、こういうものです。
こういう、法律に基づくような事業は、法律が上なのか事業仕分けが上なのか、これはどちらなんでしょうか。
○菅国務大臣 先ほど仙谷大臣からもありましたように、この事業仕分けの持つ意味というのは、まさに公開の場で、一般国民の目から見て本当に効果的にお金が使われているであろうかという疑問を呈して、その中で一定の判断を出していただくという意味だと理解をしております。
ただ、それは、それが最終結論ではありません。行政刷新会議、私もメンバーですが、その場に、一応事業仕分けが終わった段階で改めて出された中で判断をすることになるというふうに理解しております。
特にスーパーコンピューターについては私も極めて重要なものだと認識しておりますので、そういった中での判断でもう一度考えなければならないと私は思っております。
○高木(美)委員 このスーパーコンピューターそれからSPring8、ロボット予算また科学予算、やはりこれは未来への大事な投資ですので、これで子供たちの将来の夢が広がる、また日本の未来が豊かに広がる、こういう大変効果が高い内容につきまして、ぜひとも菅科学技術担当大臣、頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
あわせまして、福島大臣に、国立女性教育会館、これも予算の削減というお話でございました。どのような感想をお持ちか、またこれからどのようにこれをフォローされるのか。福島大臣に答弁を求めます。
○福島国務大臣 国立女性教育会館が全国の女性たちのナショナルセンターとして男女共同参画に大変役立ってきたことは高木委員も御存じだと思いますし、皆さん存じ上げているところです。
国立女性教育会館が、第二次男女共同参画基本計画にその事業の充実が明記をされて、我が国唯一の女性教育のナショナルセンターとして役割を果たしてきました。実は私自身も何度も宿泊をしたりいろいろな研修をしたり、国際会議などもされてきたところです。
私自身は、今回の事業仕分けは、これほど透明化され、あるいは国民の皆さんに明らかになる、いろいろなさまざまなことが透明化されたり議論の対象になることで、大きな成果、大きな一歩だと思っています。
ただ、この国立女性教育会館については、改善をする必要があることは確かだと思います。ただ、このことが果たしている役割や歴史的に果たしてきた役割、それから全国の女性センターなどに与えるシンボリックな意味も含めて、改善はもちろん必要なんですが、役割や取り組みを十分考慮していただきたいというふうに思っております。
先ほど児童手当のことで高木委員がおっしゃったことは、そのとおりというか、あの部分の、特に事業主負担部分は、地方主権はどう考えるかもあるんですが、それは、私自身、少子化担当とすれば、子供たちのために何とかゲットし続けて、その部分はやはり子供たちの保育所や学童クラブに使えるよう、仕組みをつくる上で知恵を絞りたいと思っております。
ただ、子ども手当の創設、ぜひ御協力をよろしくお願いいたします。
○高木(美)委員 答弁ありがとうございました。
私も、国立女性教育会館、今福島大臣から大変力強い御答弁をいただきましたが、稼働率という言葉を聞きまして、ホテルじゃないんだという、いろいろな思いがあります。確かに遠いところにありますから、なかなかそこで稼働率といいましても厳しい場合もありますが、やはり日本で唯一のナショナルセンターでございますし、国際的にもまた通用する研修施設と思っております。二年前に、やはり独立法人改革でこのことが話題になりまして、そのときも二百十一団体から単独存続を求める要望があり、これが結局は取り下げられた、そういう経緯もございます。ぜひとも守っていただきますように、重ねて仙谷行政刷新大臣にもお願いをさせていただきます。
続きまして、子どもゆめ基金、それから子ども読書活動の推進事業、これもやはり事業仕分けの中で出ておりました。これにつきましてはどのようにお考えか、福島大臣に答弁を求めてもよろしいでしょうか。
○福島国務大臣 これについては仕分け作業の中でさまざまな議論が出ております。それも踏まえて、今後これをきっちり見守っていきたいというふうに考えております。
○仙谷国務大臣 きょうは事業仕分けについての御質問を個別にもいただくと思って少々用意してきていたのでありますが、一般的に、ちょっと高木先生にお願いもしたいのでありますが、前半部分で、第一弾で、この仕分けシートの冊子が十冊あります。それから、事業仕分け第一弾、これは仕分けの評価結果が出たのがこの一冊にまとまっております。きのうできました。これを先生の事務所にも後でお届けいたしますので、じっくりと読んでいただきたいというのが一つ。
それから、先ほど、荒っぽい、こういうお話がございましたが、ぜひ、一こまで結構ですから、二十四日からもう一度始まりますから、現地で一時間通しをぜひ見ていただいて、荒っぽいか荒っぽくないか、丁寧に行われているか。あるいは、専門的な観点と一般的な国民の視点、これは両方必要だと思うんですね、事業をどのようにやるのかというのは。こういうことも御判断をいただきたいと思います。
そして、今質問いただいたゆめ基金とか、子供関係でありますが、私は、この種のものが基金という格好をとって行われたり、あるいは独立行政法人なり公益法人というところにお金が行きながらやられると、麗しい名称、看板、そして本来の目的とは違って、途中でお金が消えていっているという部分が大分あるんじゃないか、そういう目で今度の仕分けも行われておりますので、ぜひその点も御判断、御考慮いただきたいと思います。
○高木(美)委員 ただ、その無駄を省くということと、事業自体をしっかりと守るということと、これは立て分けていただきたいと思っております。
なぜ子どもゆめ基金ができたかといいますと、恐らく福島大臣はこの団体にも所属をされているかと思いますけれども、議連でつくり上げたものでございます。八年前に、子供たちの未来をはぐくむということから、やはり地域で行う草の根のボランティアにも配慮をして、地域に密着した、そのような草の根的な団体が財政的に厳しい、これらを応援しようということで。
私のもとには、ある県からの、これをしっかり守ってほしいという要望が来ておりますが、この行われている中身も、本当に夢が、もうだれでもわくわくするようなそういう事業が実はそれぞれ地方で行われております。これを、国ではなくて地方でやるべきだというふうに渡して、果たして本当に地方ができるかといいますと、これがなかなかできない。むしろ国会議員がしっかりリードしながらつくったそれなりの理由があるという、ここのところをしんしゃくしていただきたい。
こうしたことを加味して、その上で、最終的にこの事業自体が効果をどのように生んでいるかということが最終的な判断になるのかと思いますけれども、こうした今までのいきさつ、そしてまた、このいきさつをそのまま価値あらしめるためにどのようにこれから手だてをしていけばいいのか、そうした大きな目で一つ一つまた見ていただきたいと思っております。
時間になりましたので、以上で終了させていただきます。ありがとうございました。
○田中委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也でございます。
きょうは平野官房長官に、内閣官房報償費、いわゆる内閣官房機密費についての質問をさせていただきます。
このいわゆる官房機密費をめぐっては、これまでも国会でたびたび問題となってまいりました。新政権になっても改めて注目をされております。この官房機密費の使途には重大な疑惑がこれまでも指摘をされてまいりました。我が党も、二〇〇二年の四月に、機密費の重要な部分について使途を詳細に明らかにした政府の内部文書を独自に入手し、志位委員長が公表してきたところでございます。
これは、一九九一年の十一月から九二年の十二月、宮沢内閣で加藤紘一氏が官房長官を務めていた時期の内閣官房機密費の会計記録の一部で、それを見ると、この期間に、国会対策費という分類で三千五百七十四万円支出されている。政治家に高級服を仕立てて贈ったり、政治家のパーティーなどへの支出が記載をされています。自民党の中曽根康弘元首相の出版記念に三十万円とか、江田五月参議院議員、現参議院議長のパーティーに五十万円などが記載をされています。
使途を明かさない官房機密費を使って、国会対策やせんべつ、パーティー券などに使うのは国民の理解を得られないと思います。平野長官、伺いますけれども、この内閣官房機密費を国会対策費やせんべつ、パーティー券に使ってきた前政権のあり方は国民の理解が得られないのではないかと思いますが、大臣の御認識をお伺いします。
○平野国務大臣 議員の指摘が事実なのかどうかということも私確認をいたしておりませんので、それに対するコメントは控えたい、かように思っております。
ただ、国民の皆さんから見たときに、本当に疑念、疑惑を抱くような支出は私はすべきでない、このように考えております。
○塩川委員 事実かは確認していないという話でしたけれども、これは、当時それぞれの関係者の証言でも裏づけられている中身であります。
先ほど紹介しました江田五月参議院議員につきましても、江田議長のホームページで、江田五月パーティーについてのコメントというのが載せられておりまして、この中に「一九九一年十一月二十六日、「全国江田五月会設立総会」というパーティーを開催したことはある。」「加藤氏がパーティー券購入かお祝いかの形で、協力をしてくれたことはあると思う。その金額は、五十万円と言われれば、それを否定する根拠はない。江田本人は記憶していないが、事務担当者は五十万円との記憶がある。」このように述べておられます。事実上認めておられるわけですし、江田氏は「官房機密費は廃止すべきものと思っている。」このようにも述べておられるわけであります。
そこで、重ねて伺いますけれども、当時、二〇〇一年、二〇〇二年、国会で随分議論がございました。その際に、民主党の岡田克也議員、現外務大臣が、二〇〇二年二月の予算委員会で、村山総理のときの野坂浩賢官房長官のインタビューを引いて、次のように質問をしています。「常時金庫には八千万の現金が入っていた、百万ずつ封筒に入っていて、一日で五百万から一千万ずつ配った、翌朝には減った分が自然に補てんされる、最も多い使い道はせんべつだ、国会議員が海外に行く場合に渡した、そして、国会対策委員会幹部に渡したこともあった、領収書はもちろんない、こういうことを述べているわけですが、今も同じような状況ですか。」と機密費の不透明な使途をただしておられます。過去、民主党としても、官房機密費の使い道について明らかにすべきではないかと求めております。
自民党政権下の官房機密費の使用実態を現政権で徹底的に調査すべきではありませんか。
○平野国務大臣 そもそも、官房機密費という言葉は私は報償費というふうに認識をいたしておりまして、それについての使途については、使い方というのは、やはり国益のために、国家、官邸を運営していくために必要な情報収集、必要な支出、こういうものがあると。
私、官房長官を拝命して以来まだ二カ月そこそこでございますが、いま一度、そういう状態の中で、今の点については検証していきたいと思いますし、過去のことについてどういう状況であるかということについては私はコメントを控えたい、このように思います。
○塩川委員 過去の政権の官房機密費の使い方については検証される、その中身についてはどういう状況かというのは現段階では申し上げられないと。
検証されるということでよろしいですね。
○平野国務大臣 過去の、どういう状態までできるかどうかということについても、今、現時点で、検証する、こういうことについては私は申し上げておりません。コメントを控えたいと思います。
○塩川委員 当時、岡田議員が質問したときにも福田官房長官が同じようなあいまいな答弁をされて、岡田議員は「結局、機密費について私がこれだけ言うのは、これは税金なんですよね、国民の払った税金。それに対して、幾ら多少必要があるからといって、領収書もとらずにそれを配分しているということは異常だという、そういう認識にやはり立たないとおかしい」と。これは当然の発言であります。
自公政権時代の官房機密費について、それぞれその当時の内閣官房長官が取扱責任者となっている官房機密費の分がございます。そこで、確認でお伺いしますけれども、官房長官が取扱責任者となっている官房機密費というのは、この間年間およそ何億円で、これがそれぞれ一回当たり引き出される請求額というのがおよそどのぐらいか、その点についてお聞かせください。
○平野国務大臣 年間の予算が計上されておりますから、年間の予算の幅の中で出されていたものだ、過去のことについてはそう思っております。したがって、どれだけ出されているかということは、これは情報公開法によって、請求されればおのずと、支出について、どれだけ国庫から出されているかということについてはわかるはずでございます。
いま一つは、その当時の岡田議員が中身について云々と。全く恣意的に使っている、全くその中身をブラックボックスにしているということではなくて、国会で同意をいただいた方々によって、この中身について開示すべきか不開示かということについては、不開示でよい、こういう結論のもとに今執行、運営をしているということも付記をしておきたいと思います。
○塩川委員 御質問は、官房長官が取扱責任者となっている官房機密費についての年間の予算額、それと、それぞれ毎回のいわば引き出し額、請求額ですね、それが幾らかという点なんですけれども。
お手元に資料をお配りしました。これは、内閣官房からいただいた資料に基づいて、支出負担行為即支出決定決議書というものの写しをもとにつくったものであります。ここで見ていただいてもわかりますように、例えば二〇〇四年度以降二〇〇八年度までを見ますと、年度末に当たる二月で若干の数字のずれはありますけれども、基本は毎月一億円引き出されている、そして年間は約十二億円、こういう現状だと思うんですが、これでよろしいでしょうか。
○平野国務大臣 今この資料を見せていただきまして、年度予算としてはおおむねその金額だと私は認識をいたしました。
これだけ詳細におとりになっていることは、私きょう初めて見せていただきましたし、過去の政権において月々ほぼ一億円ずつ出している、こういう数字だと思いますが、今初めてこの数字は知りました。
○塩川委員 これは、情報公開請求に基づいて、かつて読売新聞が二〇〇三年の段階で、一九九七年から〇一年にかけての機密費の毎月の引き出し額を明らかにしております。
こういう中で、当時、通常一回五千万円ぐらいの引き出しであったのに対して、二〇〇〇年十一月の二十日には二億円が福田官房長官に引き出されている。読売新聞は「同月二十日から二十一日未明には、自民党の加藤紘一元幹事長が、野党の提出した森内閣への不信任決議案に同調する構えを見せ不発に終わった「加藤の乱」があった。」と指摘をしています。つまり、二億円が引き出されたときに加藤の乱があったと読売新聞は指摘をしています。「また、額賀福志郎・元防衛長官の問責決議が参院で可決された一九九八年十月」、このときにも「通常の月より多い二億円の官房機密費が引き出された。」と指摘をしています。
読売新聞の指摘は、二億円を引き出されたのが、それぞれ、加藤の乱や、あるいは元防衛庁長官の問責決議が参議院で可決をされた、そういう政局の局面で多額の金額が請求されているということを指摘しております。
そうしますと、この間、二〇〇四年度以降で見ますと、このような詳しい資料は長官初めてごらんになったということだと思うんですけれども、これをごらんになっていただいて、二億円を上回る、そういう金額が出ているのは二〇〇九年度の九月の一日に二億五千万円ということになると思いますが、そういうことでよろしいでしょうね。
○平野国務大臣 これは、今私数字を見ましたが、九月に二億五千万を支出しているということについては今初めて承知をいたしましたが、これは私が担当したときではございません。
○塩川委員 九月一日、二億五千万円が引き出されています。これは、この間ずっと一億円が引き出されていたものが、九月の一日に二億五千万円が引き出されている。一回の引き出し額では最高の額になります。
二〇〇九年九月一日というのはどういう日付か、それは総選挙の投票日の翌々日であります。しかも、その時点では麻生総理は退陣を表明しておられます。これからやめていく内閣がどうして通常引き出し額の二・五倍もの機密費を必要とするのか。九月一日以降のための引き出しではなくて、八月までに使ったものの後払いのために二億五千万円を充てているのではないのか。
河村前官房長官が九月一日に引き出したこの二億五千万円の使途も解明していただきたいと思いますが、長官、いかがですか。
○平野国務大臣 どういうふうに使われたかというのは前官房長官にお聞きいただきたいと思います。
○塩川委員 この機密費問題を取り上げている著作のある評論家の方は、歴代の政権によって官房機密費が選挙対策に使われてきたことは永田町ではいわば公然の秘密だ、ここで一発ぶち込めば圏内に滑り込めるというときは、官邸にSOSを送れば三百万円、五百万円の金を出してもらえる、重点選挙区ともなれば官邸から出る金は億単位だと自民党のベテラン議員が言うと書いております。
こういった二億五千万円の使途を解明すべき、これこそ国民の声にこたえるべきではありませんか。このように答えられないと言うのではなくて、しっかりと使途について明らかにすべきだ、改めて申し上げます。
長官、そもそも、政権を引き継いだときに、金庫の中は幾ら残っていたんですか。
○平野国務大臣 コメントはしたくありませんが、全くございませんでした。
○塩川委員 前政権の官房機密費使用に関する記録というのは、つまり、麻生政権を含む旧政権の官房機密費の使い道、使途、使用について、記録は残されていませんでしたか。
○平野国務大臣 過去の記録については引き継ぎをいたしておりませんから、承知いたしておりません。
○塩川委員 今、民主党中心の政権のもとで、例えば、外交問題で、核密約の解明のチームを立ち上げる、そういう点でも、過去の、旧政権によどんださまざまなうみを明らかにしていく、これこそ新しい政権が行うべき仕事として国民の期待があります。そういう点でも、この官房機密費の問題についても、こういう核密約解明チームと同様な解明チームをつくって、歴代自民党政権の官房長官ですとか、あるいは首席内閣参事官や関係する事務職員など官房機密費に関連する人から聞き取りをして使途を解明する、そういうお考えはありませんか。
○平野国務大臣 私は、そういうことよりも、どうしても必要なものは必要である。ある意味では、やはり、官邸として、あるいは国益のために必要な情報をとらなきゃならない。相手様がいる。そういうことがもしオープンになるということであれば本当に日本にとって重大な影響が出る、こういうことも多々あるのではないか。
ただ、私はまだ二カ月しか担当しておりません。したがいまして、私は、本当にこの問題、今委員が指摘される、あるいは国民の皆さんからのお声もある、そういうことですから、この時点でとかこういうことじゃなくて、年度の考え方のもとに政権を運営していく、あるいは官邸の中でどんなものが起こってくるのか、一度このことをしっかり私は見きわめた上でこの問題については対処したい、このように考えているところでございます。
○塩川委員 今後の問題についてはこの後またお尋ねしますけれども、過去の政権が行ってきたことについてしっかりとした調査も行い、解明をする、国民の疑念、疑惑にこたえるということが必要だ、まともな調査検証も行わないで、自民党政権のやみを葬るようなことがあってはならない、二億五千万円の使途も含めて解明すべきだということを改めて申し上げます。
その上で、長官、お尋ねしますが、この官房機密費の額、十二億円でございますけれども、今年度十二億円でございますが、来年度、官房長官が取扱責任者となる官房機密費については、概算要求で幾らを要求されておられるんですか。
○平野国務大臣 どういう使途でどういう云々ということが、年度として通して私担当しておりませんから、従前と同じ考え方での概算要求をさせていただきました。
しかし、やはり国民の皆さんの目線で私はこの問題を取り上げたいと思っておりますし、支出についてもそういう考え方で対応したい、こういうことでございます。したがって、次年度におきましては、これは必要なかったということであれば、次の予算、概算についてはそういう対応を検討するかもわかりません。
○塩川委員 従前と同じ考え方で対応して同額を要求されたということですけれども、従前と同じ考え方といいましても、先ほどのお話のありますように、記録は引き継ぎをしていない、また金庫は空だという状況の中で、同じ金額を請求するという妥当性というのが問われるのではありませんか。どのような従前と同じ考え方で対応されたのか、その中身を教えていただけますか。
○平野国務大臣 したがいまして、新しい年度当初から一年間通じて、本当に必要なのかどうかということを、支出の対応の中を十分にみずから踏まえて、国民の信頼を得る支出を踏まえた結果として改めてこの問題について対応したい、こう申し上げているところでございます。
○塩川委員 今後のことについてはまた後でお尋ねしますけれども、まずは、概算要求の積算根拠は何なのかということをお聞きしているわけですけれども、それが、先ほど長官自身がおっしゃったように、従前と同じような考え方で対応されるとおっしゃったので、その中身を聞いたんでしたけれども、お答えがありませんでした。
前政権の官房機密費の使途も不明で、そのまともな調査や公表も行わない、調査や検証も行わないのに前年度と同額を要求するという、その根拠そのものが問われてくる。
○平野国務大臣 当然、前年がこうだから数字だけを載せているということでやっているわけではございません。今までのできる限りの範囲の中で、そのことを、私の判断のもとに積算をして、概算をしたところでございます。
○塩川委員 しっかりとした検証もなしに同額を請求した、その妥当性そのものを国民はよく見ていると思っております。
その上で、平野長官自身の官房機密費の使い方のお話をお聞きしますけれども、この資料で確認していただければわかりますように、平野長官となってからは、九月の二十四日に六千万円、十月の十五日に六千万円、このように請求をされておられる、支払われている、これでよろしいですね。
○平野国務大臣 間違いございません。
○塩川委員 何にお使いになったでしょうか。
○平野国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、相手様のあることでございますし、適切に、かつ厳正に対応しております。
○塩川委員 過去、問題となりましたように、これは民主党としても、当時、この官房機密費の中身の使途の問題として、国会対策費ですとか、あるいはせんべつとかパーティー券とか、こういったものに使われているということを重大な問題だということで、こういうのは官房機密費としてあってはならないことだということは、批判をされておられたのは長官もよく御存じのことだと思いますけれども、では長官自身、この使い道として、官房機密費を国会対策や議員の海外視察などのせんべつ、こういうのに使わないとはっきり言えるんでしょうか。
○平野国務大臣 せんべつでありますとかそういうところに使う、こういう考え方はございません。あくまでも、やはり国益のために、あるいは官邸を運営していくために必要なものとして支出をしたい、このように考えています。
○塩川委員 せんべつには使わないということですね。
その他はどうなのか。例えば手当という項目で、長官室手当とかSP手当とか県議手当、地元の県会議員さんでしょうか、そういう手当とか、そういった形での不正常な支出、あるいは国会対策費という名目で背広代とか商品券、こういうものにも使わないということは約束できますね。
○平野国務大臣 そういうのには使っていたんですか。
○塩川委員 これは、江田議長も当時お認めになった、その資料に掲載をされている項目でございます。
その点で、今後の話ですから長官自身の対応をお聞きしているわけですけれども、このような背広代だとか、こういうお金の使い方はしないということはお約束できますか。
○平野国務大臣 先ほども申し上げましたように、国益のため、官邸を維持していくための必要経費という中に背広代が入っているとは私は思いません。
○塩川委員 その必要な経費にパーティー券購入も入っていないということでよろしいですね。
○平野国務大臣 私は、先ほど来何回も申し上げておりますが、パーティー券がどうだとか云々というよりも、国益のために、より官邸主導の政治を実現していくために必要な経費については支出をしたいと思っております。
○塩川委員 必要な経費について支出をするということですけれども、それが妥当なものかということについて、支払い記録がなければ証明もできません。
平野長官になってから、この機密費の使用に関する記録というのは、何に使ったか、そういう費目、金額、記録は残されているんでしょうか。
○平野国務大臣 私の頭の中にございます。
○塩川委員 その頭というのは、ほかの人が見ることができるんでしょうか。
民主党は、二〇〇一年の六月に、機密費の使用に係る文書の作成、公表等に関する法律案を議員立法で国会に提出をいたしました。そこでは、機密費の支払い記録の作成と保存を義務づけ、機密の程度の高い文書は二十五年、それ以外は十年後には公表しなければならないとしています。
この法案の立場で、機密費の支払い記録の作成や保存、公表をする考えはございますか。
○平野国務大臣 そもそも、民主党が過去そういう法案を準備したことも、これは事実でございます。当然これは、その当時いろいろな事件、案件が起こって、これでは国民の皆さんの不満、政治に対する不信が高まる、こういうことからのお考えのことだと思っております。
私は改めて、官房長官を拝命し、この報償費という問題については、途中からの政権交代でございますから、新しい年度を踏まえて、本当に必要なものなのか、このことをしっかり検証した上でこれからの報償費のあり方については対応してまいりたいし、また皆さん方にも問いたい、このように思っているところでございます。
私が、自分ひとりが、官房長官ひとりがこの使い方の使途云々ということでありますが、先ほど来何回も申し上げますが、報償費の具体的使途が明らかにできない、このことについては、国会の同意を得て選ばれている情報公開審査会の中においても、その不開示について決定処分というのは妥当である、それだけ機密性の高いものである、こういう御判断のもとでの報償費であるという考え方のもとに、適切に、なおかつ、されど私は国民の目線に立って支出対応をしている、こういうことでございます。
○塩川委員 来年度一年間を通じて実際の支出状況を見て、検証を行って、しかるべく対処していきたいという話でございました。
その点について、そもそもそういう目安となる法案というのは出しておられるわけです、十年とか二十年後には公表しましょう、そのためにもしっかりと記録、保存を行いましょう、記録作成、保存を行うと。でも、今の長官のお話ですと、頭の中にあるだけですから、これは記録の作成、保存に当たらないですね。この記録作成、保存ということも行わないんですか。
○平野国務大臣 当然、年度がかわって新しくなったときに、そんなことも含めて、自分でしっかりそのことが検証でき得る対応は検討したいと思います。情報というのは、非常にインテリジェンスの高いものと、共産党さんが情報をよく収集されますので、しっかりと守らなきゃならない情報は守っていかなきゃならない、このように考えているところであります。
○塩川委員 民主党は、八月の選挙のマニフェストで「税金の使い途をすべて明らかにして、国民のチェックを受ける。」「決算に関する情報公開を徹底する」と掲げています。前政権時代の官房機密費の使途を明らかにし、新政権においても公表することがこれまでの民主党の主張からも当然で、それをお聞きしたところ、自民党政権下の使途を解明、公表もしない、新政権になっても公表の明確な約束も現段階でできない。これでは国民のマニフェストに対する期待を裏切るものになる。
官房機密費については、行政刷新会議ではありませんけれども、一たん御破算にして、その上で必要なものを積み上げていくという立場で臨んでこそ国民の声にこたえることになる。そういう公表ルールなど、国民の納得するものをしっかりとつくることを強く求めて、質問を終わります。
○平野国務大臣 今の御発言だけでいきますと、私があたかも何もしない、こういうことになるわけであります。
したがって、来年度、年度でもって、そのことを含めて、しっかり国民の皆さんから御理解のいただける、ただ、官房報償費というのは、国会の中においても、必要な経費である、こういう認識は御理解いただいていると私は思っております。その上で適切に対応する、これが私の使命、責任者としての役割だと認識をいたしております。
○塩川委員 鳩山総理大臣が当時、官房機密費は一たん廃止すべきだと言っていたことを改めて申し上げて、質問を終わります。
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時七分散会