衆議院

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第11号 平成22年4月28日(水曜日)

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平成二十二年四月二十八日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 田中けいしゅう君

   理事 井戸まさえ君 理事 大泉ひろこ君

   理事 小宮山洋子君 理事 松本 大輔君

   理事 村上 史好君 理事 井上 信治君

   理事 平井たくや君 理事 高木美智代君

      石毛えい子君    磯谷香代子君

      市村浩一郎君    打越あかし君

      小原  舞君    緒方林太郎君

      大島  敦君    岡本 英子君

      岸本 周平君    小宮山泰子君

      後藤 祐一君    阪口 直人君

      瑞慶覧長敏君    菅川  洋君

      園田 康博君    田村 謙治君

      高井 崇志君    津村 啓介君

      中島 正純君    中林美恵子君

      仁木 博文君    橋本 博明君

      平山 泰朗君    福田衣里子君

      三宅 雪子君    矢崎 公二君

      山崎  誠君    渡辺 義彦君

      甘利  明君    小泉進次郎君

      橘 慶一郎君    中川 秀直君

      長島 忠美君    塩川 鉄也君

      浅尾慶一郎君

    …………………………………

   議員           塩崎 恭久君

   議員           山内 康一君

   国務大臣

   (公務員制度改革担当)  仙谷 由人君

   内閣官房副長官      松野 頼久君

   内閣府副大臣       大島  敦君

   内閣府大臣政務官     田村 謙治君

   内閣府大臣政務官     津村 啓介君

   総務大臣政務官      階   猛君

   総務大臣政務官      長谷川憲正君

   外務大臣政務官      吉良 州司君

   財務大臣政務官      大串 博志君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   農林水産大臣政務官    佐々木隆博君

   政府特別補佐人

   (人事院総裁)      江利川 毅君

   政府参考人

   (人事院事務総局給与局長)            尾西 雅博君

   政府参考人

   (警察庁長官官房長)   米田  壯君

   参考人

   (日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長)   坂  篤郎君

   内閣委員会専門員     上妻 博明君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十六日

 辞任         補欠選任

  岡島 一正君     中林美恵子君

同月二十八日

 辞任         補欠選任

  石毛えい子君     仁木 博文君

  市村浩一郎君     高橋 昭一君

  逢坂 誠二君     橘  秀徳君

  岸本 周平君     渡辺 義彦君

  笹木 竜三君     小宮山泰子君

  園田 康博君     橋本  勉君

  田村 謙治君     山尾志桜里君

  津村 啓介君     皆吉 稲生君

  寺田  学君     菅川  洋君

  中島 正純君     山口 和之君

  橋本 博明君     高井 崇志君

  浅尾慶一郎君     山内 康一君

同日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     笹木 竜三君

  菅川  洋君     平山 泰朗君

  高井 崇志君     橋本 博明君

  高橋 昭一君     小原  舞君

  橘  秀徳君     江端 貴子君

  仁木 博文君     石毛えい子君

  橋本  勉君     矢崎 公二君

  皆吉 稲生君     岡本 英子君

  山尾志桜里君     福田衣里子君

  山口 和之君     宮崎 岳志君

  渡辺 義彦君     岸本 周平君

  山内 康一君     浅尾慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  江端 貴子君     山崎  誠君

  小原  舞君     市村浩一郎君

  岡本 英子君     阪口 直人君

  平山 泰朗君     寺田  学君

  福田衣里子君     三宅 雪子君

  宮崎 岳志君     中島 正純君

  矢崎 公二君     園田 康博君

同日

 辞任         補欠選任

  阪口 直人君     津村 啓介君

  三宅 雪子君     田村 謙治君

  山崎  誠君     瑞慶覧長敏君

同日

 辞任         補欠選任

  瑞慶覧長敏君     逢坂 誠二君

    ―――――――――――――

四月二十六日

 憲法九条改悪反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第八一九号)

 憲法の改悪反対、九条を守ることに関する請願(笠井亮君紹介)(第八二〇号)

 非核三原則の法制化を求めることに関する請願(高木義明君紹介)(第九一三号)

 同(服部良一君紹介)(第九三一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)

 国家公務員法等の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第九号)

 幹部国家公務員法案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第一〇号)


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案並びに塩崎恭久君外四名提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案及び幹部国家公務員法案の各案を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各案審査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社取締役兼代表執行役副社長坂篤郎君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として人事院事務総局給与局長尾西雅博君、警察庁長官官房長米田壯君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 民主党の後藤祐一でございます。

 本会議での質問に続き、そして先週の参考人質疑に続き、三度目の本法についての質問となります。

 国家公務員法改正案そのものについては、閣法と衆法と、若干の違いはありますが、長い、この十年ほど続けている国家公務員制度の改正という意味では大筋それほどの違いはない、ただ、その進め方において若干の意見の違いがあるということではないかなというふうに考えております。

 そして、与党も野党も、これをとにかく進めなきゃいけないんだ、できるだけお金は節約しながら行政サービスとしては質の高いものを提供していただくということにおいては、与野党ほとんど差がないんじゃないかなと思っております。

 先週木曜日の参考人質疑では、この与野党の法案の差、これについてむしろ明らかにするために質問をさせていただきました。ですので、若干政府側に味方したような、そういう質問が当然多くなるわけでありますが、本日はむしろ政府に対して厳しい質問をぶつけていきたい、このように考えております。

 もちろん、法案を変えろ、そういうことではありません。これから公務員制度をしっかりと国民のための公務員制度としていくために、これを実際、制度として実現していくときに気をつけなきゃいけないところ、特に、総人件費二割カットの話、天下りの禁止の話、幹部人事の運用の話、この三点について本日は絞ってお伺いしたいと思っております。

 まず、総人件費の二割削減、一・一兆円カットの話でございますが、この総人件費というのは、大まかに言うと人数掛けるお金であります。これを、人数を減らすのか、お金、すなわち給与ですとかボーナスですとか手当ですとか、こういったものを減らすのかという二つの方法があるわけでありますけれども、まずは、人数の減らし方についてお伺いしたいと思います。

 国家公務員の人数については、定員削減、これが計画的に決まっておりまして、平成十八年度から二十二年度までの五年間、これは十七年度末の定員が三十三万二千三十四人でありました。そこから結果的に五年間でどれだけ減ったかといいますと、結局、九千五百四十五人、つまり、実質的には二・九%しか減っておりません。これは、いわゆる独立行政法人に移すという、これはこれで意味のあることなのかもしれませんが、実質的に税金から給料が行っているという意味においては総人件費削減に入れてはいけないんじゃないかなという分は除くと、二・九%しか減っていないわけであります。

 そして、この定員純減計画というのは、今年度が最後になっております。つまり、来年度から、平成二十三年度から新しい定員純減計画を定めなくてはなりません。でも、過去の成果を振り返ったときに、五年間で二・九%、一年にならすと〇・六%しか減らない。これから先、こんなペースで総人件費二割カットができるのか。これは私は、大変深刻な事態だと思っております。特に、総人件費二割削減というのは平成二十五年度までに実現するというふうに約束しているわけであります。つまり、平成二十三年度、二十四年度、二十五年度の三年間で、できるだけ人を減らし、できるだけお金を減らしと、これをどうやっていくか、どうその二つに分けてやっていくかということを整理しなければなりません。

 ここで、これは総務省、階政務官になると思いますが、来年度から始まる定員純減計画を一体どうやって、どういう理念に基づいて定めていくつもりなのかということについてお聞きしたいと思いますが、以下の三点に触れながら御説明いただきたいと思います。

 まず一つ目は、今申し上げたように、今までの純減計画は五年計画だったんですが、むしろ今度のものというのは、二十三、四、五の三年間でどうするかというのが大変重要だということで、三カ年計画にすべきじゃないのかという点が一つ目。

 二つ目は、この純減計画、人の数というものが例えば一〇%減ったら、残りの一〇%はお金を下げなきゃいけないわけです。つまり、純減計画の削減割合が小さいと、その分、給与カットの方が厳しくなってくるわけであります。そう考えたときに、二割カットとの関係を考えながら純減計画の数字をつくっていかなきゃいけないんじゃないかというのが二点目。

 それと三つ目は、これから天下り禁止で、役所の中で抱えなきゃいけない方がふえてきます。そうしますと、高齢スタッフ職というものをある程度つくらなければ多分もたないでしょう。この分は、ある程度、定員としてはどうしてもふえざるを得ない部分があると思います。

 この三点に触れながら、来年度から始まる定員純減計画、どのようにつくるつもりか、お答えいただければと思います。

    〔委員長退席、小宮山(洋)委員長代理着席〕

階大臣政務官 お答えいたします。

 今、定員純減計画をどのように策定するつもりかということで三つの論点をお示しいただきました。

 まず一つ目、二十三年から二十五年の三年計画とすべきではないか。

 これは、まさにごもっともの指摘でございまして、私ども、平成二十五年度までに総人件費二割カットというところで、二十五年度というのが一つの区切りになると思います。また、二十六年に入ってまいりますと、定年の延長が年金の支給時期との関係で始まってまいりますので、そういった意味でも二十五年度が一つの節目になるのではないかと思っております。ですから、今委員のおっしゃったような三年計画というのは、私もそのとおりだと思っております。

 それから、二つ目でございますが、定員純減率がマイナス一〇%であれば、給与カットをマイナス一〇%としなければならない。これは、〇・九掛ける〇・九で約〇・八、こういうことだと思います。

 これは、おっしゃるとおり、定員純減率が甘ければ甘いほど給与の方にしわ寄せが来るわけでございまして、確かに、働いている方のモチベーションという意味では、給与の方で余り過度な削減はしない方がいいということはあるわけでございます。

 そうしますと、定員純減をどのように積極的に進めていくかということでございますが、今、一般職の公務員三十万人のうち、二十万人が出先機関でございます。二十万人の出先機関をこれからどのようにしていくかというのが、まさに今、地域主権の関係で議論がされている。きのうもそういう議論があったというふうに伺っておりますけれども、その二十万人の方をどれだけ地方に移管し、また、どれだけ配置転換していくかというところにかかわってくるかと思いますので、その議論が早急に進むことを我々も期待するわけでございますけれども、その出先機関の改革と歩調を合わせながら、迅速に進めていければと思っております。

 それから、三点目ですけれども、高齢スタッフ職がふえるということは、その分、定員削減の足かせになるのではないかという問題意識だと思います。

 今、まだこれはオーソライズされたことではありませんが、高齢スタッフ職がふえた分、やはり、外に出て働いていただく方、現役出向、官民人事交流などで働いていただく方、これもふやさなくてはいけないということで、高齢スタッフ職の増加に見合うというか、それを上回るような形で人事交流が進むように、これから具体的な対策をとっていかなくてはならないと考えております。

 以上です。

後藤(祐)委員 新しい内容を含む積極的な答弁、ありがとうございます。ぜひ、しっかりと、ごまかしのない、わかりやすい純減計画をつくっていただければと思います。

 二つ目でございますが、人数を減らしていくという面で、今、一番先に出てきているのは新規採用の削減であります。

 昨日の閣議後の懇談会でしょうか、五割削減を目標に各省と調整に入るというような発言が総務大臣からあったというふうに報道もされております。これは大変な話であります。各省庁、寝耳に水という状況だというふうに伺っておりまして、実際、私も役所の中で働いておりまして、二年生になったときというのは実はすごくうれしいんですよ。ようやく、これ頼むという相手ができてくる。これが各省いなくなるわけですね。

 ただ、これは地方公共団体ではもう当たり前にやっていることでありまして、これについては、むしろ、今これだけ民間の雇用が厳しい中で公務員の雇用を削るのはどうかという厳しい意見もありますけれども、やはり公務員総人件費二割カット、これを実現するためには、新規採用抑制、私は、やむを得ない、五割削減やむを得ずというふうに考えておりますが、これを断行する決意、各省から抵抗されてもこれは断行するんだという決意をぜひお示しいただきたいと思います。

階大臣政務官 総務省としてお答えします。

 今回の人員削減といいますか新規採用の抑制につきましては、総務省の原口大臣、今ここにいらっしゃる仙谷大臣、枝野行政刷新担当大臣、そして官房長官、この四大臣で協議を行いながら抑制方針というのを決めてまいりました。

 やはり、今後、人口減少社会に進み、また国の公共事業の予算なども削られる中で、出先機関を初めとして公務員の人数、これからはそんなに多くは必要ないのではないかということで、未来を見据えた形でこの抑制というものを定めてきたわけでございます。

 ぜひ、単に、天下りあっせんを禁止したことで高齢者がふえる、それの反射的効果として、いわば数合わせで採用抑制したということではなくて、これからの日本の社会のあり方に合った公務員の組織のあり方というものを見据えて今回の採用抑制の方針を定めたということを皆様に御理解いただいて、この方針に対して各省の御協力を仰ぎたいということを強く思っているところでございます。よろしくお願いします。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、各省に負けず、総務省主導で五割削減、実現していただくよう、よろしくお願いいたします。

 三つ目でございますけれども、先ほどから政務官からもお話が出ております。出先機関が多い、これを地方公共団体に移していく、あるいは、むしろ人を減らしていく、こういった工夫が必要になるんだというお話がございました。いわゆる地方移管分、あそこで聞いておられる小泉進次郎さんも何度も聞いておりますけれども、これは、与野党、皆さん、この四十時間に及ぶ質疑の中で総人件費二割カットの話にたくさん触れられております。その中で一番のテーマになっておりますのが、地方に移すというのは一体どういうことなんだ、はてなという状態になっているわけです。

 これについては、私も本会議での質問で最初から触れさせていただきました。そして、二十一日の岸本委員の質疑のときに、原口大臣からこのような発言がありました。「地域主権改革における出先機関改革、これは絶対にやらなきゃいけないことなんですよ、権限仕分け。二重になっている、三重になっている、そしてやらなくていいことをもやっている。こういったことについても減少要因としてあります。」と答弁がありました。この減少要因というのは何でしょうか。これを私は因数分解したいと思います。

 国から地方に人が移るとします。ある権限が地方に移ったとします。国家公務員は国税から給料をもらっているわけです。それが、地方に権限が移って、地方公務員になって地方税から給料をいただけば、同じ給料額であれば、これは一・一兆円という総人件費をカットする上ではカウントゼロのはずであります。もし一千万円の給料が八百万円になるんだったら二百万とカウントしてもいいかもしれませんけれども、そうならない場合、これはカウントしちゃいけないと思うんですね。

 つまり、国の定員が仮に今言ったような形で一純減になりました、それによって給料が一千万円減りましたといっても、その分、国から地方に財源移譲、それは税源が移譲する場合もあれば補助金の形で行く場合もあるでしょう、お金の移り方は別として、お金が移って、その移ったお金で地方公共団体がお給料を払ってしまったら同じなんですね。

 ところが、総人件費という目で見ていった場合、公務員制度の方の目で見た場合、一個一個の補助金とか、一括交付金だとか税源だとか、こんなのは抑えられるわけがないんですよ。なので、総人件費カットという観点から見た場合に、地方移管分というのは、今言ったような税源が移るようなものについてはそもそもカウントしちゃいけないというのが私の意見なんであります。もちろん、地方支分部局をある程度少なくして人が減って、その分が地方公共団体に行っていないような場合、これはカウントすべきだと思うんですね。

 なので、そこをしっかりそれこそ仕分けする必要があって、地方移管分というものを含め一・一兆円を積み上げていくといった場合のルールを細かく文字で、閣議決定までして定めるべきだというふうに考えておりますけれども、地方移管分についての対象、総人件費カットの中の対象として地方移管分の中のどの部分は入れるのか入れないのか、これについて御答弁いただければと思います。

仙谷国務大臣 今、出先機関の整理、統廃合といいましょうか地方移管の問題、それから権限の方からいえば権限の移管という問題になるんだろうと思いますが、例えば、できるかどうか、これからの綱の引き合いでありますが、ハローワークを地方に移管せよと。

 雇用の問題、あるいは地域の労働市場とマッチングの問題というのは、むしろその方がスムーズにいくというか、地域の特性に対応した職業紹介なり就職というものができやすいだろうと。あるいは、ここをワンストップサービスにすることによって、ある種の、派遣村のような状況をつくらないで、一気通貫で生活保護のようなところまで寄り添い型で手当てのできる行政サービスが行えるんじゃないか、こういうお話もございます。こういう官庁の場合には、事業移管すると同時に国家公務員を地方に移管する場合が多いと思いますけれども、そういう場合は人件費も後藤議員がおっしゃるように総額として減るわけではない、こういう計算になります。

 しかし、今の日本の補助事業的仕事の中で、地方の出先と地方公共団体が、補助金の交付、あるいは事業の認可から検査までを含む手続に双方の職員がかかわって、それから、そこに陳情のあれこれというふうなものがあると仮定しますと、こういう業務が移管をされる、あるいは、地方の出先からその業務がなくなって地方自治体の固有の業務として地方自治体の方がこなしていくということになりますと、これは多分、事業費分は移管をしなければいけないんでしょうけれども、それに携わる職員の二度手間というのはなくなるというふうに私は思っております。

 三位一体改革の前後に都道府県知事や市町村の首長さんにお伺いしますと、多分その分で今の事業費、補助金として掲げられている分の二割ぐらいはやはりカットできるのではないかという議論は随分あったように記憶をしております。

 だから、後藤議員がおっしゃるように、仕分けをしてというか、どういう事業を移管して、どのような人々がどのような仕事ぶりとして担うのか、公務員の単価だけではなくて、そこが人件費にも響いてくると思います。

 もう一つ例を申し上げれば、昨日も埼玉県の上田知事が来られて、国道事務所でのメンテナンスというか維持管理の運営では、十六人といいましたか、同じ距離を国がやったら十六人で、例えば三億円なら三億円、しかし、同じような距離を県がやっている場合には、その三分の一の人数で、公務員の人件費をすべてカウントしてもやはり三分の一か四分の一の費用でできている、だから、効率化といいましょうか税財源の有効使用のためにも早くこんなものは移管してもらった方がいいんだという意味のことを、きのうの地方主権戦略会議でも発表されておりました。

 どうもこれは、車の使い方から始まって、国の出先の仕事の中には相当無駄があるのかなというふうに、つまり、今地方公共団体の首長さんでそういう改革に取り組んでいらっしゃる方々の目から見れば、やはり国の出先の仕事は相当、人数といい、それから手間暇のかけ方、経費のかけ方も、少々、自治体に比べたら無駄が多い、こういう議論になると思います。

 そこは、今度は、国の方に、事業だけ自治体に渡して、公務員は残ったとしましても、そうしますと、仕事がない公務員ができる、形式的にはそういうことになるので、ほかの仕事をやっていただくか、そこは、先ほどの純減計画といいましょうか、ある種の、年数を経ながらの減少につながらせていくことができると私は見ております。その種のものをはっきりと仕分けして、そして、それを人数の減それから経費の減少というものに確実に結びつけていかなければならないと思っております。

後藤(祐)委員 半分納得しておりません。

 その説明責任は各省に負わせてください。つまり、地方支分部局から地方に移ったことが本当の純減につながっているのかどうかの説明責任は各省に負わせるような計画にしてください。その分をすべて純減みなしにしてしまったら、結局ごまかされちゃうと思います。(発言する者あり)そのとおりなんです。

 一人一人について、本当に減っているのかどうか。それは、実際にはそこに働いていた人がどこに行ったかを見ればわかるはずです。その人のポストがなくなって、その人をどうしたか。結局、地方公共団体に移っていたら、それは実は純減じゃないんです。その人がその後どこに行ったかを追跡して、ほら、これは純減でしょうという説明責任を各省に負わせることをルールとしてつくっていただくよう要望いたします。(発言する者あり)ありがとうございます。

 では、ちょっと時間が限られておりますので、きょうは十六問予定しておりますから、大臣、速目でお願いします。

 次は、総人件費カットと天下りとの関係であります。

 天下りとの関係でいいますと、これは本会議の質問でも申し上げたんですが、例えば、独立行政法人や公益法人に役員として天下っている、そうすると、秘書がつき、車がつき、要らぬ調査費がつき、例えば三千万、五千万といったものがついてくる。これをやめて、天下りをなくして役所で抱えると、例えばスタッフ職ポストで六百万、七百万だったとしますと、三千万が七百万になれば二千三百万浮くわけです。私は、そういうものを丁寧に積み上げていって一・一兆円をつくるべきだという意見であります。

 ただ、形式的な国家公務員の総人件費という定義を余り縛りをつけて考えると、もともと公務員の総人件費に入っていなかったものを削ることになりますから、一・一兆円の中に入る入らないというところが非常につまらない議論になっちゃうんですね。形式的な公務員の総人件費だけを見ると、今の話でいえば七百万円膨らんじゃうわけです。これは非常に非生産的だと私は思います。

 つまり、これから一・一兆円を削っていく上で、もう少しターゲットを広げて、税金からお支払いする額が少しでも減ればいいじゃないか。そういったものをいろいろな形で、今申し上げたように、秘書、車とかそういったものも含めて、国の外側のものも含めて、いろいろな手段で積み上げたものが一・一兆円になるような計画を私はつくるべきだというふうに考えております。

 これについて、たしか一度答弁があったと思うんですね。菅財務大臣からは、本会議答弁で、今のところについて、秘書とか車、談合、随契による過大な費用がそこにかかっている、「この分をしっかり削減することによって、それにかかる、定年まで役所にいることによってふえる見かけの公務員の人件費を賄うことは、いろいろな工夫をすれば十分可能だと私も思っております。」このように答弁しております。

 見かけと工夫、まさに今私が申し上げたことを既に菅財務大臣、答弁いただいていると思いますが、これについてもう少し明確な答弁をお願いしたいと思います。

仙谷国務大臣 私の所掌でないかもわかりませんが、この間、事業仕分けあるいは独法仕分け、政府関連公益法人の仕分けの準備というふうなものを見てきたり、あるいは独法のガバナンス改革というふうなものを少々かじってきますと、おっしゃるとおり、私は、こんな人数でないとガバナンスというかマネジメントができないのかということをつくづく感ずるような組織といいましょうか団体がこの種のものには大変多いなと。

 さらに、独法でいえば、理事とかという正式な役職になるんでしょうけれども、それをやめた後に顧問とかあるいは名誉総裁とかというのが残っておって、部屋を持ち、車を持ち、多分、顧問料とかなんとかということで人件費に含まれるようなものも出ているんだと思うんですね。そういう方々も多いし、どうも職員の活動も、まさに霞が関の方々の勤務状況よりもはるかにゆったりとした働き方でなさっているようなところが多いなと。

 つまり、こんな人員体制でやることが必要なのかと思うようなところがあります。そこに、実質的な人件費を含めて運営交付金がおりたり、あるいは、先ほどからおっしゃられるような委託金がおりたり、随意契約が落とされるということになっておりますから、そういうものすべてに、やはり厳しい仕分け手法で行うのか、あるいは所管の大臣の厳正な管理運営、指導で行うのかはともかくとして、それは後藤議員がおっしゃるように、そこからも人件費あるいは予算という面から締めていかなければいけない、そういうふうに考えております。

後藤(祐)委員 ぜひ、これについては厳しく対応し、手段については緩く、やり方については厳しくルールを定めてやるということではないかなというふうに思っております。

 今の関連でもう少し聞きたいところがあるんですが、かなり時間がたってしまっているので、総人件費管理計画についてお伺いしたいと思います。

 これはまだ、あるものではありません。つまり、人員掛けるお金といった掛け算の積を管理していかなくてはいけないんじゃないかというふうに考えた場合に、今まで、こういった総人件費を管理する仕組みはないわけです。人数を管理する仕組みはあるわけですけれども、給与については、それぞれが人勧で決まっていく、給与法で決まっていくという形になっていて、掛け算に関し我々は非常に無責任なのであります。

 この掛け算としての総人件費を、先ほど申し上げたような、総人件費の定義というのを余り厳しくとらずに、非常に広目に、削減分をいろいろなところからとってくるという方法論については多様に認めた上で、だけれども、一・一兆円を三年間で積み上げるということについての三年計画、これをぜひ閣議決定するような形で、しかも、先ほど申し上げたような、地方移管分については説明責任が負わされる、天下りのところについては、これこれこういうのが減って、こういうところにスタッフ職をつけた、こういったものを全部わかるようなルールでもって定めた総人件費管理計画が必要だというふうに考えますが、これについて今後どうしていく予定か、御答弁いただきたいと思います。

階大臣政務官 お答えいたします。

 総人件費削減計画ということで、私の総務省では、定員の部分、委員御承知のとおり、定員はクオンティティー、Q、それから、給与といいますか単価の部分はプライス、それは人恩局で持っています。ですから、総務省が人件費削減ということではやはり中心的な役割を担わなくてはいけないということだと思います。

 プライス、給与の方は、今、公務員の労働基本権という問題がありますので、いましばらく待たなくてはいけないと思うんですが、Qの、定員の方は、先ほども申し上げましたとおり、三年をめどに、二十五年度までの三年計画でこれから定めていかなくてはならないと考えております。

 その第一弾といいましょうか、まず、一・一兆の削減計画を始める前の第一弾として、きのう総務大臣の方からは新規採用の抑制ということも出たわけでございまして、今回のような、総務大臣がイニシアチブをとりつつ、四大臣で協議しながら、これからも、定員削減あるいは給与削減、あわせてやっていき、そして総人件費の削減というところにつなげていくということで、引き続き四大臣で連携をとりながら進めていったらいいのではないかなというふうに総務省としては考えております。

後藤(祐)委員 今のところは結構大事だと思うんですね。

 四大臣で連携しながらやるのはもちろん大事なんですが、この総人件費の話を質問するとなって通告すると、ぞろぞろぞろっと二十人ぐらいの方が来られるわけです。これについてはだれ、これについてはだれ。要は、全体を統括している役人はいないんです。これは大変問題だというふうに思っておりまして、総人件費をこれから削減していく、計画的にやっていくという上で、どこが旗振り役になるのか、司令塔になるのか。

 今の階政務官の答弁で、私は非常に勇気ある答弁だなと思ったのは、総務省中心になってということをおっしゃっていただきました。これは実は歴史的答弁であります。予算については本来財務省であり、給与についてはある意味人事院も関係するわけであります。

 今のとおり、総務省が中心になるなら総務省でいいです。ぜひ、ここが全部をわかっているんだという体制をしっかり、責任をはっきりしていただいて、もちろん、ほかの、財務省、人事院あるいは内閣官房、内閣府、すべては、今のことであれば総務省に協力する形で、一元的な体制でこの総人件費管理を、削減を進めていただきたいというふうに思っております。

 では、天下り禁止の問題に移りたいと思います。

 天下り禁止については、午前中の公聴会の中で、民主党も甘いんだというようなお話がありましたが、これは私はやや憤慨しております。

 自公政権のときに年間二千五百人のあっせんをしていたものを我々はやめたわけです。この差はやはり大きいんです。そこから先、さらに、あっせん禁止だけではとめられない天下りを一体どうするのかという議論、これはもちろん議論しなきゃいけないんです。しかし、自公政権のときそこはできていなかったわけですから、一歩というか、かなり大きな進歩はした上で、その先の余ったところ、さらにやらなきゃいけないところをどうするかという議論を今ここでしているんだというふうに私は理解をしております。

 そういう意味で、きょう午前中もありましたが、あっせんはしていない、先輩が引っ張り込んだんだというような形で、独立行政法人あるいは公益法人の役職員の中に公務員出身者がいっぱい行っています。これは大変問題だと私は思います。

 特に、年金をいただいている世代、六十五以上の世代、今はもう少し下なんでしょうか、仮に六十五としましょう、六十五歳以上の方というのは全員おやめいただくべきだと私は思います。強制的にやめさせることはできませんから、今ついていらっしゃる方の任期が終了したところで終わり、新規で六十五以上の方はつけない、これをしっかり定めることが必要だというふうに考えております。

 実際、これについてはルールがありまして、公益法人については、出身省の方は理事の三分の一以下にすることというのが閣議決定で、平成八年九月二十日に決まっております。特殊法人及び独立行政法人については、常勤役員については公務員OBを二分の一以下にするということが、平成十六年三月十五日、事務次官懇談会、二橋内閣副長官発言のポイント、こんないいかげんな形で決まっております。

 こういうやり方を前政権がしていたのが若干私は残念なんですが、こういう大事なことはしっかり閣議決定した上で、今申し上げた、六十五以上の方は新規につかないということと、あともう一つ、あわせて、六十歳以上六十四歳までの方、この方々も給料が高過ぎるわけであります。通常、民間企業であれば、こういう方というのは再任用みたいな形になってかなり低い給料に、四百万円とか、そういう形に下がるわけです。

 きょう午前中の前田公述人のお話にもありましたけれども、あくまで、こういった処遇については民間レベルに直していくべきだというふうに私は考えますが、今の、六十五以上の方はもう二度とつけないということと、六十四以前の方についても民間レベルの給与水準に変えていくということを閣議決定で定めるべきだというふうに考えますが、これについてどうお考えでしょうか。

階大臣政務官 お答えいたします。

 同様の御質問を、二十三日のこの委員会で大泉委員からも御指摘があったと思います。

 まず一点は、六十五歳でやめていただくということでございますけれども、今現在、総務省では、七十歳の公務員OBの就任状況について調査をしておりまして、さらに追加して、それ以外の公務員OBの年齢構成と給与水準を追加的に調査をするということで、その実態を把握した上で政府としての対応を決めるということを前回もお話ししたかと思います。

 私も委員と同じような問題意識を持っていまして、これから現役の方が定年まで働くということであれば、その方たちの現役出向で行く場所もつくっていく必要もあるでしょう。そういう中で、六十五歳を過ぎてもなおそういうポストにとどまっていると、なかなか人材がしかるべきところに行っていただけないというところだと思いますので、そういったことについてはこれから積極的に進めていきたいと思います。

 それから、二点目の御指摘で、六十四歳までの方の給与水準をもっと引き下げるべきではないかということがありました。

 これについては、よくよく考えてみますと、行った先の独立行政法人や公益法人の、もとからいたプロパーの方の役職員とのバランスも考える必要があるのではないかと思います。ですから、同じ仕事をしているのに公務員OBの人たちだけやたら処遇が低いという問題もあるのかなと考えておりますので、この点についてはちょっと引き続き検討したいと思います。

後藤(祐)委員 前段については、はっきりと、六十五以上はやめるということについて積極的に進めていきたいと。これも非常に前向きな答弁をいただき、ありがとうございました。

 六十から六十四の話については、おっしゃるとおりだと思います。民間の方が一千万で公務員から来た人は五百万です、同じ仕事をやっていてこれはあり得ないですね。なので、実はここは対応がすごく難しい話なんです。

 私は、この方々は長い時間をかけてやはり官で引き取るしかないんじゃないかなと思うんです。すなわち、六十以上の、独法、公益法人の役職員というのは全部最終的にはおやめいただいて、これは時間をかける必要があると思います、すぐは無理だと思います。おやめいただいて、その分、だんだんだんだん役所で抱えていく。

 役所で本当に抱えるのかという議論はあると思います。これは、定年延長の中で、年金をいただける世代までは何とか働けるようにするという議論との整合性の中で、再雇用レベルの、かなり低い給料で役所で抱えるという長期的なお話にうまく吸収していく話じゃないかなというふうに考えておりますけれども、階政務官、これについてはどうお考えでしょうか。

階大臣政務官 今の点につきましては、正直言って、まだ具体的な検討を進めているわけではございません。今の委員の御指摘を踏まえて、これから鋭意検討してまいりたいと思います。

後藤(祐)委員 これは、そう簡単には答えが出ないと思いますが、これこそ長期計画できちんと、長くかかってもいいですけれども、しっかりと方向性を定めるということが大事だと思いますので、これは我々としても引き続き検討していきたいというふうに考えております。

 後は、五代連続問題。

 独法、公益法人の役職員ポストに同一省庁から五代連続行っている方がいらっしゃいます。あっせんはないといっても、結局行っているということは、事実上のあっせんがあるのではないかというふうにみなして、例えばこういったところの六代目は認めないと。これは事実行為として、もうそうなっている以上、六代目は認めないということを明言することで、あっせん禁止だけでは届かない天下り禁止をしっかりやっているんだということを天下に明らかにすべきだというふうに考えております。

 この五代連続については、六代目はつけないということとともに、三代連続ということについても調査をすべきではないかということについて先日質問がありまして、総務大臣からも前向きな御答弁がありました。この三代連続についても調査をされるおつもりでしょうか。そして、それが明らかになった後、四代目以降はつけないというところまで踏み込めるんでしょうか。ぜひ御答弁いただきたいと思います。

階大臣政務官 五代連続のポストについては、今調査を進めているところですが、三代の調査についても、先日原口大臣が御答弁申し上げたとおり、今調査を開始する方向で検討しております。その調査の結果を踏まえて、退職管理基本方針等でも言及してまいりたいと思っております。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 それでは、時間がたってしまっているので、次は幹部人事の話に参りたいと思います。

 四月六日の本会議での質問で、幹部人事の政治主導の目的というものを、主に縦割り行政の是正にあるのではないかという観点から、例えば幼保一体化を進めていくという政権としての姿勢を明らかにするために、厚生労働省と文部科学省の担当部局をひっくり返しにする、最近では内閣府に一元化するという話もありますけれども、当面、それが変わるまでの間、そこを入れかえるべきではないかというような質問をさせていただきました。

 個別のポストはともかくも、局長だけかえるとか部長だけかえるとかすると、外されるんですね。私も省庁で働いていたときに、出向者というのは、課長補佐以下はそれほど不愉快ではないんです。ところが、管理職になってきますと、あいつに情報を渡すのはやめておけみたいな感じになって、例えば、局長がほかの省から来ますと、その下の審議官が実質上の局長みたいになっちゃって、局長には大事な情報が上がらなかったりするんです。これは、国全体の行政サービスという意味においては非常に不幸なことだと私は考えます。

 つまり、出向で人事をかえる場合には、一人だけかえちゃだめなんです。ぜひチームでかえる必要がある。局長、審議官、部長、できれば課長補佐、係長ぐらいまで、ぞろっとかえたらいいです。そこまでやらないと、この幹部人事の一元化という趣旨は、少なくとも縦割り行政の是正という目的からすると、私は中途半端になってしまうというふうに考えております。

 今、二つのことを申し上げましたが、政策に注目をして、例えば幼保一体化という目的からこのポストとこのポストをかえるというところは、ぜひ、どんどん政治主導でやるべきだというふうに考えております。ここをかえるというようなことをやられるのかどうかというのが一つ目で、チームでかえるべきじゃないかということが二つ目。これについてお答えください。

    〔小宮山(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

仙谷国務大臣 具体的には、各省庁の任命権者とその時点での総理大臣、官房長官がどのような方針を立てるかということにもよりますが、私は、実感としても、後藤議員がおっしゃるように、そっくりそのまま全部かえなくても、局長とその局の枢要な課長、あるいはそれを支える課長補佐、三人から五人ぐらいのチームで乗り込まないと、例にお示しになったような、ステークホルダー同士が利害を角突き合わせているようなところで、それを止揚するようなというか統合するような政策を立案して遂行するというのは、それはもうとても無理だということはおっしゃるとおりで、やはり一人だけ行っても、浮かされると言うと語弊がありますけれども、雲の上の存在として丁重に扱われて、はい、おしまい、こういうことになるというのは御指摘のとおりだと思います。

後藤(祐)委員 明確な答弁、ありがとうございます。ぜひ、実際に幹部人事の場でこれを実現に移していただくよう、強く希望をいたします。

 これに関連してなんですが、この法律の施行がおくれております。本来であれば四月一日施行を目指して頑張ってきたわけでありますが、本日は四月二十八日であります。きょうでもう四十時間になるそうでございますが、この法律が通った後、できるだけ早く、この幹部人事を今おっしゃったようなやり方でやっていただきたいんですが、いわゆる霞が関の幹部人事異動は六月の末から七月にかけて行われるのが通常であります。

 この夏の幹部人事に間に合わせるタイミングで、この新しい幹部人事をやるのかどうか。今の時点になっては大変厳しい状況でもあると思います。実際に、いろいろな適格性審査をされたり、あるいはポストごとの適性のチェックをやったり、きちんとした手続が必要になるということを考えると、なかなか微妙なタイミングになっていると思いますが、この夏の人事でやるのかどうか、これについてお答えいただければと思います。

仙谷国務大臣 私が日常、官房との関係で、あるいは総務大臣も、それから行政刷新大臣もそうでありますが、この種の問題を議論している過程では、ぜひともこの夏の人事から行いたいと。あるいは、先ほど話に出てまいりましたけれども、独立行政法人や特殊会社の人事がそこに到来してくる組織がもしあるとすれば、この夏からぜひ行いたい、こういうふうに考えていらっしゃるようにお見受けをいたしますというか、そういう意向が伝わってきているということは間違いございません。

後藤(祐)委員 強い意思をお示しいただきまして、ありがとうございます。ぜひともこの夏から、幹部人事、新制度でお願いしたいと思います。

 その際に、先ほど御答弁あったような、この局長ポストは部長とともにかえるんだとか、こういった部分を早目に示される必要があると思うんですね。こことこことここは内閣にくれとか、内閣でこれだけのポストがあるから厚生労働省はこれだけ、局長クラス何人、部長クラス何人よこせとか、そういう、ポストのどこを動かすのかという調整は相当早目にやらないと、そこのポストに見合った人材というのはこの人だよねというのをイメージしながら実は各省の人事当局というのは人事をはめていくことになりますので、どのポストを省をまたいで動かすのかということを早目に準備されることを意見として申し上げておきたいと思います。

 それと、この幹部人事に関しては、中立性の確保ということがこの委員会の中でも大変何度も指摘をされております。私も、どのポストを動かすかということについては政治主導でどんどんやるべきだと思いますけれども、この人はけしからぬとか、この人は気に食わないとか、こいつが好きだとかいうことを極力行えないような運用が必要になるというのは、どちらかというと、この委員会の中では、多くの方がおっしゃっておられます。

 実は、今でも局長以上については、人事異動をするときに閣議決定により内閣の承認というのを必要としております。平成十二年十二月十九日の閣議決定でこの内閣承認が必要になっております。これは、いかなる目的でそういうルールになっているんでしょうか。

 私が思うに、恣意的な人事、すなわち、大臣が任免権を持っているわけですけれども、この人は気に入らないといって飛ばすといったようなことのないように、局長人事以上については内閣でチェックをしているというふうにお見受けをいたすんですけれども、この平成十二年十二月十九日の閣議決定、次官、局長その他幹部職員の任免に際し内閣の承認を得るということの目的、これについて御答弁いただきたいと思います。

仙谷国務大臣 閣議決定といいましても、日本の場合には、多分、閣議という場に一人一人の人事を出して、さらして、それを協議するということではなくて、閣議が開かれる事前に関係大臣と官房が協議をし、調整をして、そして閣議に出していくということで、そこで閣議に出ればそれを決定するということなんだろうな、実質上はそういう運用がされてきたんだろうなと思います。

 それは、ある意味で、官房長官なり総理大臣、それから任命権者である所管の大臣とが半分牽制をし合いながら議論をして、いいところに落ちつかせるという事実上の作用をしてきた。つまり、任命権者だけでの、勝手なことをできないようなチェック、それは官房長官と総理大臣の方で目を光らせてする。それから、官房長官、総理大臣の方が役所の中にある意味で手を突っ込んで極端なことをされようとする場合には、そんなことはないんだろうと思いますが、ちょっと待ってくれということで調整が行われるということが、相互チェックがなされてきたのではないかと思います。

 今度の改正法案でも、私どもは、両方から協議を申し入れて、そこで実質的な協議が幹部人事についてはできるということにさせていただいたのは、従来は多分実質的にやられてきたんだろうけれども、それを形式的というか法的にも可能ならしめるような仕組みをつくった方がいいだろうということで、こういう規定ぶりにさせていただいているということであります。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 つまり、各省の大臣が勝手なことをしないように総理なり官房長官なり内閣として相互にチェックしているというのは、現行でもあるわけであります。そして、現行の、実際に行われている個別の人事が、では、非常に恣意的で中立性を害した、公正性を害したようなものかというと、私は必ずしもそうでないと思うんです。

 つまり、今度新しい制度をつくる上で、今も当然のごとくチェックされている中立性、公正性を引き続きこの新しい制度でチェックしていただくということだと思いますけれども、これに関して人事院が関与すべきではないかという御意見もこの委員会の中でありました。

 私は、少なくとも個別の人事について人事院が中立公正の観点からチェックするというのはややおかしいと。少なくとも現行制度においては行われていないはずであります。新制度においても、この幹部人事の少なくとも個別の人事に関して人事院が関与するというのはおかしいと思いますけれども、これについて、きょうは人事院から給与局長に来ていただいていますが、専門ではないかもしれませんが、お答えいただけますでしょうか。

尾西政府参考人 幹部職員につきましても、国家公務員法第三十三条の成績主義にのっとった公正な人事が担保されることが肝要でありまして、そういった幹部人事における成績主義、公正性を確保するためには、やはり異動に関する一般的なルールが必要だというふうに考えております。

 具体的には、つけようとする官職の職責に応じた能力、専門知識、経験等を踏まえて適性の厳正な検証を行う、そういった場合には人事評価も活用するということでございます。そしてまた、組織法令上、下位の官職に転任させる場合には、適当な方法によりまして職員に対して異動の理由を明らかにするなどの措置をとること。こういったことなどにつきまして明らかにしていくことが必要であると考えておりまして、人事院としましては、こういったルールにつきまして人事院規則で明らかにしていきたいと考えております。

 ですから、我々としましては、こういうルールづくりを中心として役割を果たしていきたいということでございます。

大島副大臣 お答えさせていただきます。

 これは個別人事の案件でございますので、人事院が個別の幹部人事の実施に関与する必要はないと考えております。

後藤(祐)委員 人事院にもう一度聞きます。

 個別人事については関与しないということでよろしいでしょうか。

田中委員長 人事院尾西給与局長、明確に。

尾西政府参考人 今後、制度の詳細設計があると思うんです。それで、今の時点でははっきりは言えませんけれども、我々としましては、ルールづくりを中心としてかかわっていきたいということを考えております。(後藤(祐)委員「明確に答弁してください」と呼ぶ)

 ルールづくりを中心でございます。ちょっとまだ制度の全体像がわからない中で……。

後藤(祐)委員 個別人事については全く関与しないということでよろしいか、明確に答弁してください。

尾西政府参考人 はい。個別にだれがいいかどうかということについては、我々、関与するつもりはございません。

後藤(祐)委員 ありがとうございます。

 もう時間が最後になりました。最後の質問にしたいと思います。

 この幹部人事、中立性、公正性を担保しながらやるには、人事評価が大変重要になってまいります。これについて、四月九日の委員会の質疑で、能力評価は難しいんじゃないかというような御答弁がありました。しかし、これは私はおかしいと思っております。私自身、実は経済産業省の人事評価制度をつくる仕事をやっておりました。このときに、実は業績評価というのはかえって難しいんです。

 例えば、ある法律が通ったとします。この法律が何で通ったか。それは与野党一致だったから通ったんだよとか、あるいは、それは簡単な法律だから通ったんだよとか。あるいは、ある法律が通らなかったとします。それは難しい調整があって、局長はすごい努力したけれども、だめだったかもしれない。でも、業績だけ見ると法律は通っていないわけです。努力はしているわけです。こういったものを評価するのは、局長がよかったからなのか、課長がよかったからなのか、大臣が頑張ったからなのか、筆頭理事が頑張ったからなのかわからないわけです。そういったものの総合チームで政治、行政の仕事というのは動いているわけで、特定のある方がそのうちどれほどやったかというのは、実はこれは結構難しいんですね。

 これに対して、能力評価というのは、標準職務遂行能力のあの記述だけ見ると、何だこれということが書いてありますけれども、実は、少なくとも私がつくった経済産業省の能力評価基準では、局長は、例えば部下を督励するといっても、こういう形でやっているかとか、かなり細かくつくることはできるんです。もちろん、省庁ごとに若干違うところもあると思いますが、幹部クラスになってくると、求められるものというのはかなり近づいてきます。それを共通要素で標準職務遂行能力で書くのは確かに難しいかもしれませんが、実際に幹部人事の評価をする上では、各省で今働いていらっしゃるわけですから、その方々を、その省なりの基準でいいと思うんです。

 いろいろな細かい基準で厳密な、特に能力評価、これをやっていただく必要があると思いますけれども、ぜひこの業績評価、能力評価、とりわけ能力評価をしっかりやっていくんだということについて、前回ちょっとあやふやな答弁だったので、これについての姿勢を示していただければと思います。お願いします。

仙谷国務大臣 私は、今の民間の会社が、幹部試験、あるいは、そこから先の執行役、取締役というふうに抜てきをし、張りつけをする際の形式的にも試験と呼ばれている部分、あるいは、試験とは呼ばれていないけれども、そういう評価を、能力評価、業績評価をしながら抜てき、配置をしている、その手法というのは、これは公務員の世界にも、とりわけ幹部人事をする場合には通用すると。

 それは、多分、定性的なものとか、あるいは上司の方から見て直観的に感じられることを数量化するような手法とか、そういうものもあるというふうに聞いておりますので、できる限り民間のそういう能力評価、業績評価にも学びながら、適切な評価ができる、そういう仕組みをこれからつくっていかなければならないし、つくっていく。

 多分、そろそろ人事院の方でもそういう研究がされているのではないかと思いますし、人事局ができましたら、一番最初に取りかからなければいけないのはそのことだというふうに考えております。

後藤(祐)委員 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、幹部人事のこの夏での断行、新規採用の五割削減の実施、総人件費一・一兆円を削るためのいろいろな手法、これを明確に閣議決定で定めること、そして、来年度、通常国会に恐らく提出されるであろう労働基本権の回復及びこれを踏まえた各種いろいろな法律、この準備は大変だと思いますけれども、私は、長い目で見れば、与野党、意見の違いはそれほどないと思っております。

 ぜひ、この国の行政サービスを最高のものとして、そしてお金ができるだけかからないようなものにするために、みんなで協力してこの制度をつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日はどうもありがとうございました。

田中委員長 次に、甘利明君。

甘利委員 公務員制度というのは、国民全体にとってのいわば共有財、インフラであります。それぞれの政党の後ろには、それぞれ考え方を一にする国民が控えているわけであります。特定の国民の声だけを聞いた制度ではなくて、共通財、インフラである以上は、できるだけ多くの国民の声、その声を代表する政党の賛成のもとにつくるというのが正しい道だと思います。

 私が担当していたときにも、かなり積極的に与野党でのよりよいものにするための努力というのが、理事の間でも、あるいはそれぞれの党を代表する修正責任者の間でも積極的に協議が交わされました。ですから、基本法、今審議をしている法案のもとになる基本法も、圧倒的多数の国会議員の賛同を得て成立したわけなんですね。全部ではありませんでした、たしか共産党と国民新党さんが反対されたと思いますけれども、それ以外はすべてが賛成をして基本法が成立をしたわけであります。その基本法の具体的な指示項目が法案の中に書いてあるわけであります。その指示項目に従って今回の法案が審議されているわけであります。

 でありますから、そういう経過を考えて、できるだけ強硬突破というようなことがないように、対案がないのであるならばともかくとして、対案を出して、その間の修正協議というものが今理事間で行われているはずでありますから、ぜひこれは、まず最初に委員長にお願いだけさせていただきたい。

 国民共通のインフラの整備を今しているわけであります。これは強行突破をしてつくるようなものではない。そのことは、委員長、長い政治経歴の中でよくおわかりをいただいている。バランス感覚のある方だと思っておりますし、私も田中けいしゅう委員長とのコンビネーションはいろいろな場面でさせていただきました。そういう政治的なバランス感覚のよさというのも私はよく評価をしているつもりでありますから、委員長におかれましては、与野党で協議が進んでいる以上、それが成就するようにぜひお骨折りをしていただきたいというふうに、まずお願いだけをさせていただいておきます。

 法案に入っていきますけれども、この国公法の改正というのは、先ほども申し上げましたし、前回の質問でも申し上げましたけれども、公務員制度というものを時代に取り残されないようにしていこう、時代の変化や世界の変化に日本がついていけるように、政府のいわば機動性を上げていこうというための挑戦なのであります。新たに課題が出てくる、その課題に迅速に対応できるような人材とポストの再配置、それを内閣主導のもとにできるようにする。これも実は、この基本法の中で、与野党修正で極めて重点を置かれたところであります。

 それから、今までの人事制度というのは、もう入ったときから将来が決まっちゃっているよと、キャリアをノンキャリが追い抜くことは絶対できないという仕組みになっているし、キャリアであるならば、どんな、まあ、ぼんくらとは言いませんけれども、キャリアで入ってくるんだからそこそこ優秀なんでしょうけれども、その後の対応がどういうものであっても、少なくとも課長までは必ず行くわけですね。そういう、入ったときからもう将来が決まっちゃっているというのではなくて、その能力と実績によって、年次を超え、試験の種目別を超えて、有能な人材が抜てきされていく、能力と実績で昇進ができるようにする。抜てき人事もその中で大いに行われるでしょう。

 それから、客観評価で、一定基準の評価がなされる中で、その中であれば、だれをどこへ使おうとそれは政府の責任で行える、これが政治主導という意味で、基本法や国公法の中では政治応答性というふうに呼んでおります。政治応答性が今までよりはもっと発揮できるようにする、そのための改正として取り組んできたわけなのであります。

 今回、この法案だけに参画している人はそんなに違和感がないのかもしれませんけれども、基本法のころからやってきた、参画してきた人間にとって、今回の国公法の改正というのは、本当にこれはどうしちゃったのという感じがするんですね。

 基本法は渡辺大臣がつくられたわけであります。そのときに、与野党で精力的な、前向きな協議がなされて、かなりの部分、修正をされた。そして九割以上の人が賛成して通った。そこの指令を受けて、こういうことをやりなさい、こういうことをやりなさいという指令を受けて、今、これから各論がスタートするわけであります。

 私が提出した案につきましては、水面下ではかなり詰めた話をいたしたつもりであります。強行突破するような案件ではないからできるだけ多くの人に参画してもらいたい、それででき上がって、今、議運委員長が、私が何を言うか監視に来ていらっしゃるかもしれませんけれども、大変によくやっていただきました。私は非常に、人間性もそうですけれども、協力的な対応に感謝し、評価をしているつもりであります。だから、かなり胸を張って、いいものができたという自負があったんです。ただ時間が足りなかったから成立しなかっただけというはずなんです。

 ところが、そういう立場からすると、今回出てきた法案というのは、要するに、幹部職を一層にします、それから組織等の改編のみ後の面倒を見ます、それしか書いていないような気がするんですね。残りはちゃんとやるとおっしゃっているから、それに期待をしたいと思っているんですけれども、少なくとも第一段階で出てきたもの、あれは、前回私が提案したものを、もう合意はほぼできていたはずですから、それを迅速にやっていれば、まだやらなくちゃならないその後の問題はいろいろありますよ、すぐそれに取っかかれたと思うんですけれども、本当にあの同じ政党だったのかなというような違和感を感じるんです。

 だから、申し上げたのは、今回初めて参加される方はそういう違和感はないかもしれないけれども、基本法のときからやっている人間にとってみると、物すごい違和感があるんです、どうしちゃったのと。実際、当事者でやりとりしてきましたし、質問にも答えて。私が大臣だったときの問答がいっぱい流れているんですね。私は、今の政権党からの質問を受けて対応してきたつもりなのでありますけれども、そこが、つながりが全然ないんじゃないかと思うような気がいたすのであります。

 具体的なことに入っていきますけれども、その前に一点だけ確認だけさせていただきたいんです。

 実は、従来、幹部職の定義を決めるときに、一つだけちょっと議論がかみ合わない点がありました。それは主計官の取り扱いです。

 今回の法案の書き方も、前回私どもが提出させていただいたときの書き方も同じでありますので、そこの部分、幹部職の定義については同じだと理解をしているんですけれども、ただ、主計官というものは、当時の議論を振り返りますと、主計官というのは特別だ、予算編成に携わるという意味では政治の根幹にかかわる部分だという議論がありました。だから幹部の扱いにすべきだという議論がありましたけれども、これはどういう扱いになっているんですか。

仙谷国務大臣 今回の法案におきましては、課長級の官職でございます主計官を幹部職員の範囲には含めておりません。

甘利委員 ということは、そこの部分は前回の提出法案と一緒だという理解でよろしいということだけ確認をさせていただきました。これが入ってくるとちょっとまた複雑になってきますね、課長級の中で特別扱いということになりますから。それはそれで整理をいただいたということであります。

 そこで、幹部候補者名簿の作成についてちょっと伺いたいんですけれども、これは四月九日でしたね、橋本議員の質問に対して大島副大臣からの御答弁だったと承知しておりますけれども、「この六百人の適格性審査を終えた幹部職員の名簿に基づきまして官房長官が府省横断的に幹部候補者名簿の作成を行うことができることとなっております。その範囲は、これは考え方ですから、六百人すべてなのか、あるいは府省に任せるところ等々あるかと思います。」という御答弁であります。

 これはどういうことなんでしょうか。重要なところは官房長官中心でやるけれども、それ以外は事務作業の点等々から府省に任せるという意味ですか。

大島副大臣 お答えをさせていただきます。

 私の説明が不足していたところを、まずおわび申し上げます。

 今、甘利先生から、例えば、合格者がもしも九百人だったとすれば、幹部職員は六百人ですから、今回の法案ですと、首相及び官房長官がこういう配置という案をつくれますし、あるいは各府省においてこういうような幹部人事の配置をしたいという、両方がつくれることになっています。そのときに、極端な例として、首相、官房長官が、この九百人の名簿の中から幹部職六百人についてすべてを配置しようと思えばできるということをちょっと例示を挙げさせていただきました。

 でも、なかなかこういうことは、理論上の話ですので、恐らくは、首相及び官房長官がそれぞれ考えている各幹部職の一定の方たちの、ここの局長、ここの部長にはこういう方という配置をして、任命権者たる大臣も、こういう配置、それを了とすればそのままですし、大臣が違う考え方を持っているとすれば、その任命権者たる大臣と官房長官あるいは首相の間で話し合いが行われて一つの人事が行われる、そういうことでございます。

 今回の法案における任免協議には、先ほど述べましたとおり、内閣総理大臣及び内閣官房長官から、内閣の重要施策を実現するために内閣全体の視点から各任命権者に求める任免協議と、任命権者が一義的に人事案を考えた上で行う内閣総理大臣及び内閣官房長官との任免協議の二つの方法が規定されておりまして、この二つの方法をどのように組み合わせて幹部職員の人事を行うかは時の内閣の判断次第であるという趣旨で答弁をさせていただきました。

 以上でございます。

甘利委員 この問題、ちょっと見過ごしがちですけれども、とても大事なんですよ。

 恐らく、内閣人事局が極めて小さい機能でスタートしていますから、スタッフがそんなにいないんだと思うんです。そこで、全体の人数を、何百人という人数を全部そこで配置ができない、だから各府省の手をかりるということになりがちなんですけれども、ここで大事なことは、もともと、この公務員制度改革というのは、省庁縦割りをなくすということでスタートしているんですよ。その省庁縦割りをなくすということからスタートしているのに、省庁縦割りで依頼していたら何の意味もないんです。だからこそ、中央人事機関である内閣人事局、その事務部門で補佐をして、各府省からは独立をして、そういう、省庁を超えた人事ができるようにとわざわざしているわけです。

 ところが、恐らく、内閣人事局の機能がほんの少ししかないものだから、事実上できない、そうすると、割り振るということになってしまう。そうすると、この縦割り行政の打破という、何のためにこれがスタートしたんだっけというところに戻っていくと、それは全然解決になっていないじゃないということになってしまうんですよ。だから、私は確認をしたんです。

 基本法の審議過程において、各府省に名簿をつくらせないために、各府省が幹部職員の候補者名簿の原案を作成する旨の規定を、修正でですよ、修正でわざわざ変えたんですよ、基本法のときに。「内閣官房長官が、その適格性を審査し、その候補者名簿の作成を行う」とした趣旨に変えたんですけれども、それに反するわけなんですよ。だから、これは与野党修正で、基本法の審査過程において変えているはずです。

 それは、各府省に任せたら今までと何ら変わらないじゃないか、省庁横断人事をやるんだから、そうしちゃだめだということで、わざわざ、各府省に名簿をつくらせない、縦割りの弊害の排除をするということを決めているわけですから、だから、そこはよくこれから考えていただかなきゃならないと思います。でありますから、今確認をさせていただいたわけであります。

 次に、個々の官職への任命について伺います。

 階大臣政務官が答弁されたことの確認をさせていただきたいと思うわけでありますが、政務官は、二十三日、我が党の橘慶一郎議員の質問に対して、「名簿から各ポストに任命する段階では、職務の適性をしっかり見ていく。有識者の方にも面接に参加していただきながら、しっかりと見ていく。」というふうに答弁をされています。

 しかし、これまでの政府答弁では、適格性審査において有識者等に意見を聞くなどの手続を経るとの答弁はありましたけれども、その先の、個々の官職に任命する場合については、有識者に関与させるという旨の答弁はなかったと記憶をしているんですが、この点はいかがですか。

階大臣政務官 私の四月二十三日の答弁についてのお尋ねでございました。

 私が申し上げたのは、今委員御指摘のとおり、適格性審査で名簿にリストアップされ、その後、個々のポストに対する具体的な任命行為ということになってくると思うんですが、その任命行為というものも、より子細に見れば二つぐらいに分かれるのかなと。

 一つは、その職務の適性を見るための審査というのがあるんだろうと思います。その職務の適性を見るという段階では、これは、有識者も交えて面接なりしていただくということは、特に公募などで任命していく場合は通常あり得ることだろうというふうに考えております。そういった意味で、その任命の段階でも、最終的に任命するのは任命権者でございますが、職務の適性を見るという段階では有識者の方に加わっていただくということは、当然に予想されるといいますか予定されているというふうに考えております。

甘利委員 ということはつまり、名簿をつくる段階でも有識者に関与させる、それから、その名簿から各ポストへ配置をする際にも有識者の意見を聞くということでいいんですね。

階大臣政務官 これは具体的な制度設計はまだ詰めてはおりませんけれども、必要に応じてそれはやっていけばいいというふうに考えております。

大島副大臣 甘利先生、済みません。

 有識者の関与なんですけれども、有識者の関与については二つあります。適格性審査をどういう手順で行うか、適格性審査の手順の運び、内容について有識者の意見を聞くということが一つ。もう一つの有識者は面接官的な有識者でございまして、適格性審査を受けたときに、公募もあります、あるいは役所からの適格性審査もあります。そのときに、書類だけではなくて、その有識者たる面接官が多分想定されるんですが、その方の意見も聞いて、その人を適格性審査にパスさせるかどうかという、この二つのかかわり方です。

 幹部の名簿ができてから、この名簿からだれを任命するかというところについて、個別、個々、その面接的な意見、有識者の意見が入るということは想定されていないと考えておりますけれども。

甘利委員 ちょっと副大臣と政務官の答弁が違うように私には思われるんですけれども。

大島副大臣 主として適格性審査については民間有識者等の関与を想定しているということと、任命権者が幹部候補者名簿に記載された者を個々の官職に任用する際に、官職についての適性を判断するに当たっても、必要に応じて民間有識者等に参加していただく場合もあると考えております。

 以上でございます。

甘利委員 ちょっと時間があれですから、まだこれから、きょうだけで質疑は終わらないそうですから、またその差異については質問していきますが。

 次に、まず政府に伺いますけれども、人事院がこの幹部人事に関して、どこの部分にどの段階で関与してくるんですか。

仙谷国務大臣 今回の法案におきましては人事院の担う機能のあり方について見直しを行っていませんので、国家公務員法第三十三条三項に基づく人事院規則を定める対象として、幹部職員を適用除外していないというふうにいわば解釈をされます。

 一方で、幹部職員の任用等に係る特例に関する事項については、幹部職員の適格性審査や幹部候補者名簿の作成等の仕組みが法律、政令で定められるものであることから、当該事項について人事院規則を定めることは私どもは想定をしておりません。

甘利委員 今の大臣の答弁は、大島副大臣が四月二十三日に答弁されている内容ですよね。つまり、適格性審査の客観的かつ公正な実施を確保することを考えていることから、人事院の関与については、この段階、つまり、適格性審査、標準職務遂行能力の点に関しての人事院の関与については考えていないということですね。

 その先に、江利川総裁が答えておられますよね。つまり、適格性審査、標準職務遂行能力というのは一つしかない、今までは三つの職制、つまり、次官それから局長そして審議官、部長、三つの職制にその客観評価がちゃんと分かれていた、ところが、部長以上次官までを一つにしてしまった、客観評価が一つである、だから、それから先は人事院が関与していくんだという可能性が高いという答弁だったですね。

江利川政府特別補佐人 現在の国公法に基づきます任用に関する規定は、標準職務遂行能力の評価と、それから任命しようとする官職についての適性の評価を同時に行うという形になっているわけでございます。それが、今回、幹部人事につきましては、標準職務遂行能力を一回評価して名簿をつくる、その名簿の中から、今度は官職についての適性を評価して任用するというふうになるわけでございます。

 それで、私どもとしましては、幹部名簿の中から任用するに当たりまして、その際の任命権者の考えていただく一般的なルール、先ほど仙谷大臣からございましたけれども、国公法三十三条に基づいて人事院規則が定められるようになっておりますので、その規則に基づいて、例えば、官職に求められる能力であるとか専門知識、経験などを考慮して適性を厳正に検証してもらいたいとか、あるいは転任させるような場合には、特に下位に転任させるような場合には、適当な方法によって職員に対してその理由とか考え方を明らかにしてもらいたいとか、そういう趣旨のことを、一般的なルールのことを人事院規則の中で書こうということを考えている次第でございます。

甘利委員 前回、総裁が御答弁なさったのをそのまま読み上げますと、「標準職務遂行能力の評価は、部長、局長、次官が一括して同一の基準で行われますので、その分、具体的人事の発令の際には、個々により厳正に適性を審査するということが大事になります。すなわち、次官、局長、部長、それぞれの具体的な官職ごとに、充てるべき人材の適性をしっかりと評価して人事が行われなければなりません。」

 つまり、その役割を人事院が果たしていくんだという御答弁じゃないんですか。

江利川政府特別補佐人 個別の人事権の発動は各任命権者でございます。それについて人事院の方から何か申し上げるということはございません。

 ただ、人事に当たりまして、一般的なルール、先ほど申し上げましたような二点が中心でございますけれども、一般的なルールが要るのではないか、それを人事院規則で定めることを検討したいということでございます。

甘利委員 私がこの点を聞こうと思ったその前に、後藤さんがかなりきつく追及をしました。恐らく同じ懸念があったからだと思うんですよ。何のことはない、政治主導で改革をしたと思ったら、さじかげんはみんな人事院がやっているんじゃないか、官主導がもっと強くなったじゃないかということになりかねない。そのことを私は心配しているから、今までるる、みんな、それぞれ副大臣、政務官にも伺ってきた。そして、人事院に聞いたわけであります。

 どういうふうにかんでいくのか。個々の人事に人事院はかんではいけない。救済ですよ、中立公正の際から、どう見ても理不尽なことがあったら、それを救済する役目が人事院だと思いますよ。最初から人事の任免にかんでいくというのは言語道断だと私は思います。

 要するに、これは根本的な問題は何があるかというと、幹部職の職制を一個にしちゃったわけですよ、一個に。一個にした時点から、その一個の適格性審査に受かっていれば、だれが次官をやったっていいんですよ、これは、理論的には。部長の能力しかないかもしれない。でも、職制が一個でフラットなんですから。縦じゃないんですから、横なんですから。この横の異動というのは単なる通常の人事異動だとおっしゃっているんですから。だから、そこのバスケットに入った途端に有資格者なんですよ、有資格者なんですよ。それからだれを選ぼうと、それは政治応答性の世界に入っていくんですよ。だから申し上げているんですよ。

 つまり、政府案が幹部職の三つの職制上の段階というのを同一にしちゃった。これで確かに政治応答性というのは最大に高まりましたよ、政治応答性は。客観基準は一つしかないんだから。あとは、みんな任にたえるという判こを押してくれているわけですから、だれを選ぼうといいんですよ。だから、政治応答性は最大に高まりますよ。

 高まるというと、いや、そんなに恣意的にやられたらたまらないから、人事院が個々の部門についてはちゃんとかんでいくことが大事ですと総裁は答弁をされている。書いてあるじゃないですか。あなたが答弁したとおりのことを書いてあるんですよ。そうすると、今度は逆に政治応答性なんかなくなりますよ。ちゃんと、この人はフラットな中でも全部順番がついている、そうしたら、その順番から外れたらどうやって説明をするんだということになるんです。

 ですから、私が出したときの法案というのは、職制を三つに分けます、それは客観基準です、次官の中に入る人が何人もいる、でも、その人は、だれを次官にしようとも立派な次官の仕事ができる人なんです。だから、そこから先の政治応答性はだれを選んだっていいんです。局長の項目には、局長ならきちんと務まる人しか入れないんですから、その中からだれを選ぼうと、とやかく言われる筋合いはないんですよ。部長、審議官もそうです。

 ところが、これを全部一緒にしちゃったことの問題点が、政治応答性はどうだというと、一つにしましたから、横の異動で全部済むんですから、横の異動で済むということは、少なくとも横の異動である限り説明責任なんか必要ないんじゃないですか。その中に、余り恣意的になるから今度は細かくずっと順番をつけましょうといったら、何のための改革かわからないということになるんです。

 そこで、皆さんにお配りしていますけれども、私が大臣のときの、松本剛明先生とのやりとりです。さっきまでおられましたけれども、いてもらった方がよかったんだけれども。いいですか、読み上げますよ。

 私の答弁。

  先ほども申し上げましたけれども、能力、実績において幹部職を担うに足るというのは客観的な審査で上がってくるわけです。それから先について、だれを任命するかということは、任命した者がどういう能力があるということを立証する責務は私は負わないんだと思います。

  例えば、大臣から見て、適性はこっちの方があるぞという、ある種のそこは主観的判断というのも当然入ってくると思います。だれを選んでも大丈夫な人ということで、スクリーニングをかけて上がってきて登載されるのは客観基準ですから、このうちからだれを何局長に、あるいは何次官にしても、その任を負うに足るだけの能力がある。それから先は、もちろんその大臣との相性もあるでしょうし、大臣の感性もあるでしょうし、それは政権が任命した、内閣が負うわけでありますから、そこについては、まさに、それから上はある種政治任用の世界の感覚が入ってきていいんだと思いますけれども。

松本委員。

  私もそのとおりだと思うんです。政治任用の感覚とおっしゃいました、政治的任用というか。政治任用という言葉もいろいろありますから、今のおっしゃったようなイメージで私も全くいいと思います。

全くいいと思われているんですよ、民主党の代表者の方に。その全くいいと思われたものが、今度は全く違うものが出てきたということなんです。

 これは大変だと思いますよ。余り、同一の職制で年次の若い人がいきなり上に行ったことを説明するのが大変だ、だから個々にまたやろうと言っていると政治応答性なんかなくなりますから。だから、これは、政治応答性と客観基準と、どこでどこをどうすり合わせるかということはさんざん議論したんですよ。その結果、こういう制度をつくったわけなんです。それが、今度は職制が一個になってしまった。

 皆さん、何か勘違いされていると思いますけれども、公務員制度改革で、例えば次官から局長、局長から審議官に外すときに、これは能力が劣っているから外すんだと。ではないんですよ。職責を全うしても、ちゃんとそのポストの仕事をなし得たと客観基準があっても、下げられる場合にはどうするんだということを決めたんですよ。それは、次官なら次官の能力はちゃんとあります、でも、もっと優秀な次官が来ちゃった、だから外す。そのために基準を幾つか決めたんですよ。それが三つもあって多過ぎるとか言われましたけれども、まあ二つでもよかったんでしょうけれども。

 これは、要するに、能力がないから落とすとか、その局長の仕事が客観的に見てできていないから落とすという話じゃないんですよ。その仕事を、合格点をもらっても外れるという仕組みなんですよ。だからいろいろ難しかったんです。

 それを、職制を一つにしちゃったから、これはもう基本的にその仕事をちゃんと全うしたとしても落とす仕組みですから。それを横異動する。しかも、職制が一つなので、それに説明責任をどうつけようなんといったら、これはもともとの基本法の理念から極めて逸脱したことになりますよ。どうやってこれは説明するんですか。

仙谷国務大臣 大臣のときに御苦労なさったんでしょうけれども、今の御質問を聞いておりまして、何がおっしゃりたいのか、全く私にはわからない。

 つまり、今、アメリカの財務長官、ガイトナーという人がおりますけれども、この人があの年で財務長官を、一足飛びか二足飛びかわかりませんけれども、やっていらっしゃる、立派にやっていらっしゃるということを見て、私どもは、今、日本のいわゆる霞が関のキャリアと言われている人を中心に、審議官、部長以上の方々を見ておりまして、彼らは一年後じゃないと局長になる能力が生まれてこない、その一年後じゃないと次官になる能力が生まれてこない、もしこういうばかばかしい年功序列のようなところで差をつけて評価をしているとすれば、これこそ日本の霞が関のシステムの、ある種、年功序列、終身雇用、そしてそこに天下りがついていくという今までの悪癖を表現したものにしかすぎない。

 したがって、私どもは、適格性審査で職務遂行能力をしっかりと審査して、この人たちはもう十分幹部としてやっていけるということであれば、それは全く、今、甘利先生がおっしゃったように、フラットなワングループの中から、あとは政治応答性を持って、選ぶ方が大臣としていらっしゃるのか、そのことについて総理大臣、官房長官が待ったをかけるのか、かけないのか、あるいは、総理大臣の方が、今度のこの局面では、この政策のプライオリティーのために、この人を、クロスに配置するのかどうなのかわかりませんけれども、これをこの局長に使おうじゃないかと言い出す。そのことが、配置できるかどうかは、あるポストをあけなければいけませんから、それができるかどうかの調整協議に入っていく。私は、むしろこういうことをするために幹部人事の一元化ということがあるんだろうと思っております。

 先ほどから、何か議論を立てるに当たって、人事院がどうのこうのという話がありますけれども、人事院が個別の任用人事に当たって何かくちばしを出すとか出さないとか、そういう話をしていますけれども、そんなことはあらかじめあり得ないということを人事院総裁もおっしゃっているわけですから、なぜ人事院の話を引っ張ってきて、何か意味が違うとか、逆さまになったみたいなお話をされているのか、私は本当にさっぱりわからないんです。

 そんな何か奥深い専門的な話が、今のこの幹部人事の一元的管理と、さらに個別的任用の問題にあるのかどうなのか。私は、私の経験上はそんなことは余りないんじゃないか、こう思っているだけでございます。

甘利委員 失礼ですけれども、大臣はほとんどわかっておられませんね。

 階層を、職制を一つにした、それは客観基準で一つにしているから、それからどれを引っ張ってこようとも抜てき人事なんです。だから、もしそうであるならば、人事院が言っているように、階層が一つしかないから、それじゃ極めて恣意性が高くなるみたいな、だから、それから先の個別についてはまた細かく能力の比較をする必要があるんですなんて言う必要はないんですよ、もしそうならば。

 だけれども、もし、職制が一つで、そこから本来の部長の能力の者を次官にしたというのはおかしいからということでその縛りをかけようとするんだったら、なぜ階層を一つにするんですかという議論をしているんですよ。

 客観基準と政治応答性との関係というのはわかりますか。客観基準というのは、だれも侵すことができない公明正大な基準なんですよ。政治応答性というのは、その中から選ぶのであるならば、自由自在に、大臣の感性で、大臣の相性で選んでいいということなんですよ。

 だけれども、それを、本来部長の人を次官にしちゃうというようなことが政治応答性ではやり過ぎじゃないか。だとしたら、客観基準でちゃんともっと、次官、次官を置く置かないという議論はまたしていただければいいんですけれども、次官とか局長そして部長ということでこれは客観基準で決めて、部長の中から手を突っ込んで次官は採れませんよということが人事の公正性になるし、その同じ階層の中からどれを選んでもいいというのは人事の政治応答性になるんですよ。そのことを私は言っているんですよ。

 だから、ここでの議論は、階層を一つにしちゃった、だったらそれに胸を張ればいいじゃないですか。部長になる人を選んでも、それは政治応答性ですからと。ところが、恣意性を排除しなきゃならない、排除しなきゃならない、その中をまた細かく分けて、では、何で一つの階層にしたんですかという話を私はしているんですよ。ここは理解をしてくれなかったら議論にならないと思いますよ。

 そこで、時間がなくなっちゃうんで大臣にもちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、仙谷大臣は、浅尾委員それから我が党の橘委員それから長島委員の質問に関して、公務員庁の設置の可能性について触れられています。

 これは、公務員庁というのは、これからの課題として、つくっていかれるんですか。

仙谷国務大臣 これは、今回つくっていただきます内閣人事局とどういう関係になるのか。

 これからの、公務員の労働基本権の付与、それを前提にした労使関係、さらには、いわゆる当局といいましょうか、当事者主義の中での一つの当事者、つまり民間では使用者側と言われているわけでありますが、それをマネジメントする、つまり使用者として労務人事をマネジメントする部局をどうしてもつくらなければならない。

 これは、名称を仮に公務員庁というふうに今表現をしているわけでありますけれども、そういう部局はつくらなければマネジメントできない、ひいてはガバナンスのありようがない、こういうふうに私は考えております。

甘利委員 前の基本法の議論のときに与野党修正で、公務員に協約締結権を、それから先の話はそのときはなかったと思いますけれども、付与するかどうか、自律的な労使関係を措置するということについて、これは与野党でやはりかなりもめた部分ですよ。

 そのときに私は思ったんですけれども、自分の働く環境の整備を、交渉する、協約を締結する、それを、基本権の問題を労働者側に、公務員側に与えた場合に、これは、労使交渉というのは結構大変なんじゃないかなと思ったんですよ。当時、民主党さんも、建前では基本権を付与するんだ、付与するんだと。だけれども、これは、我々が政権のときはともかく、あなた方が政権をとったら大丈夫か、どうするのと。かなりタフな交渉をやっていかなきゃならない。そのときの使用者側というと大臣、一番の使用者が総理大臣。事務体制というか使用者機関をきちんとあるロットで整備しないと、これは大臣が相当、ノイローゼになるんじゃないかなと思いました。

 ただ、そのときに、これは基本法でどういうふうに読むかというと、官房長官の説明責任なんですね。基本法では内閣人事局でありますけれども、内閣人事局について、「内閣官房長官は、政府全体を通ずる国家公務員の人事管理について、国民に説明する責任を負う」ための広範の事務を所掌するということが想定されているんですね。つまり、ここで使用者側機関というのは、基本法上は内閣人事局なんですよ。

 今、なぜ大臣に伺ったかというと、公務員庁を使用者側の機関、事務体制の部門にするとおっしゃると、内閣人事局、基本法が想定しているその機関は内閣人事局でありますから、二つができるということになりますよ。だから、そこのところは基本法と整合性が合うように、基本法を多分変えなきゃならないと思いますから、だから公務員庁とするのか、内閣人事局にその体制を持つのか、それは基本法にかかわる問題ですから、そこは慎重にされた方がいいと思います。ありますか。

仙谷国務大臣 当然のことながら、慎重ということのみならず、日本の政府の中に労務人事のマネジメントの総本山を置くことになるわけでありますから、人事局の中に、幹部人事を扱う部局とその余の方々の労務人事を扱う部局をつくるというやり方もございましょう。そして、その事務だけ特命担当大臣をつくる、あるいはつくらない。あるいは、人事局長は多分副大臣格でありましょうから、そこが責任者になって当事者として対峙するという考え方もありましょう。あるいは、二元的に、幹部人事だけを人事局で扱う、そしてその余の三十数万人の方々の労務人事管理の総合的なマネジメントを扱う部局をつくる。それを公務員庁と名づけるかどうか、これはまた別途の話であります。

 私どもは、今、いずれにしても、仮称として公務員庁をつくって、その中に、幹部人事とその余の人たちの労務人事を扱う部局をつくる、そういう構成にするのか、あるいは、さっき申し上げました、人事局にさらに、幹部人事を扱う機能のほかにもう一つ機能をつくるのか、これからじっくりと、これは、労働基本権を付与するという、極めてある意味で画期的な、今までの政府が全くアンタッチャブルにしてきた部分、つまり、多くの公務員諸君に対するマネジメントをいわば放棄してきたというか、全くやるつもりもなければやる機構もなかったところに手をつけるわけですから、これは慎重かつ多角的に、あるいは多層的に考えて、そこのところは構築をしなければならないな、こういうふうに考えております。

甘利委員 政府に公務員制度全体のマネジメントをする意思も機能もなかった云々というお話がありましたけれども、この内閣人事局は、基本法で、単に幹部公務員の人事云々ということだけじゃないんですね。管理職についてもこういう制度をつくる、あるいは一般職についても府省横断にこういう基準をつくる、あるいは、将来の幹部職、管理職を、入省した際の試験の区分を超えて幹部候補を育成していく仕組みをつくる等々、いろいろなことを要請しているわけであります。

 それに、この委員会で、人件費の二割削減の問題がたびたび言われています。それは部分的にどこかをいじっただけじゃどうにもならないので、トータルに人事制度全体をいじって、どこかの司令塔のもとにやっていかないとこれはうまくいかないわけですよ。そういうことをするために、内閣人事局に総務省の機能、人事院の機能そして財務省の機能、それらを集めて、全体のマネジメント、人事管理、人件費管理の中でやっていくしかないと思うんですよ。そのために内閣人事局がそういう機能を持っている。

 そういう機能を持っている人事局をつくるということで最初の法案を出したわけでありますから、そこから全体のマネジメント機能がそっくり抜け落ちているわけでありますから、だから、このことは早急に手当てをしていっていただかなきゃならないというふうに思うんです。

 私が大臣をやっているときに、早期退職勧奨と就職あっせんの問題、それについてどういうふうにやっていくんだと。私は、これはフェードイン、フェードアウトの関係ですということを答弁したことを思い起こします。全体設計ができるに従ってそこの部分は縮めていくんだし、いきなりそれを全部とめちゃったって、どこかにひずみが出てくるわけですよ。定年まで勤め上げられる、そうすれば肩たたきの必要性はない。だけれども、真っ当にこのままの体制で定年まで勤め上げちゃったら、たしか総務省試算がありますね、今の体制のまま定年まで勤め上げることにしたとしたら総人件費は五%膨らみますという試算がもう総務省から出ているはずですよ。

 それを二割削減していくとしたら、定年まで勤め上げられる体制をつくる、だから勧奨退職はなくす。しかし、円柱型の人件費になってしまってはべらぼうに膨らんでいくから、ある時点でピークアウトして、またすぼんでいくような人件費体制にしていかなきゃいけない。ポストについても、専門職ポストというのが今ありますけれども、局長なりを外れた人、あるいは部長なりから局長に行かない人、それが同じ給料でずっと退職するまでという体制じゃない組織図をつくっていく、ポストをつくっていく、その再配置をしていく、そういう中で人件費管理をしていかないと、こんなことはできないんですよ。

 だから、総合的に全部をマネジメントしていかなければ、こんなことは絵にかいたもちになるんです。だから、どこかだけあしたから全部とめちゃいますと言ってそれは済む問題ではない。我々もそれはわかっていますけれども、それを与党はより感じていただかなきゃならないから、我々が出している法案についても、皆さんから見たらこの部分はちょっと過激かと思うようなことを提案しているけれども、これは問題提起の話なんですね。

 もう時間が来ましたから、大臣に最後に、基本法が要請している残っている部分の案件はきちんと今後対応していきますね。

仙谷国務大臣 当然のことだと思います。

甘利委員 終わります。

田中委員長 次に、長島忠美君。

長島(忠)委員 自由民主党の長島忠美でございます。

 きょうは、発言の機会、質問の機会を三十分ちょうだいいたしましたので、仙谷大臣に少し、この前の続きで恐縮ですけれども、お考えをお伺いしたいなと思います。

 先日の質問、冒頭、私は、政治家にとって何が必要かという話をさせていただいたときに、知らなかったことに対する責任も政治家にはあるのではないですかという話を実はさせていただきました。きのう、検察審査会が、ある意味一つの結論を出していただいたようであります。

 もう一つ、私はあえてここで申し上げさせていただくとしたら、決められないことの責任は政治家がどうとっていくのか、これがまさに今、我々国会に臨んでいる政治家に求められているような気が実はいたします。共有の認識として、ぜひ、決められないことに対する責任を与野党問わず考えていただきたい、そんなふうに思うところでございます。

 質問に入らせていただきます。

 先日も少しお伺いをさせていただきました、国家公務員の幹部人事に対する政治家の関与のあり方ということを冒頭少し聞かせていただきたいと思います。

 我々が、政治家として、役人の能力、あるいは国民の奉仕者として役人の仕事、そのことを高めてあげることは、政治家に課せられたやはり大きな役割の一つである、私はそんなふうに認識をするところであります。

 今回改正をしようとしている、改革をしようとしている国家公務員法改革の中で、天下りを根絶する、あるいは公務員の中に踏み込めなかった部分に政治家が関与をしていこうという意思を感じさせてはいただいているわけでありますけれども、さりとて、能力査定あるいは人事査定ということ、ごく客観的に見ていくことを、我々政治家がどういう注意を払ってやっていくべきなのかということが課題として一つ残っているんだろうと私は思うんです。

 仙谷大臣そして衆法の提出者に、国家公務員の幹部人事に対する、政治家がどう関与をすべきかということについて、基本的な考え方を少しお聞かせいただきたいと思います。

    〔委員長退席、小宮山(洋)委員長代理着席〕

仙谷国務大臣 この間、政治家も公務員も何が問題になってきたのか、何が問題になってきたのか。ここから、これを原点にこの公務員評価の問題も考えなければいけないと私は本当にまじめに思っております。

 つまり、市民目線とか国民目線とか、国民の感性とか感覚というのがございます。つまり、仕事のしぶりや、あるいは、そのことについてのある種のマネージというか指揮命令の仕方、上司というか上役になると、そういうことも含めて、あるいはスピードとかそういうことも含めて、やはり評価の対象になってくる。

 せんじ詰めて言えば、多分、民間のうまくいっている会社といいましょうか、業績が順調に伸びて、会社の玄関から受付へ入り、その職場を我々が見たときに、ああ、この会社は伸びているはずだ、あるいは、こんなにはつらつとして働いているフロアがあるというところもあれば、そうじゃなくて、お通夜の中へ行っているようなところもなきにしもあらずですよね。私は、やはり、ある部とか課の責任者になった人々の能力というのはそこに出てきているんだろうと思いますし、あるいは、役所でいえば局長になった人の能力もそこに出てくるんだろうなと思っております。

 したがって、今度の幹部試験の適格性審査についても、今準備中でありますけれども、民間はどうやって能力を見きわめて、そして配置していくのか。

 つまり、多分、民間会社の場合ですと、社長あるいは副社長、専務、常務という人の中から、人事担当とかいう方々が、いろいろな専門的なアドバイザーであったり、それ専門の会社の研究とか調査に基づいて基準とかマニュアルがあって、そういうことも勉強しながら、それから部下の評価、つまり三百六十度評価法というふうなものがどうやれば適正にできるのか、そのことも踏まえつつ、やはり最後は幹部間の協議で、この間の業績とかそれから能力とか、開発された能力というものもあれば、そういうものを見て何点につけようよというようなことで点が決まってくる。あるいは、それこそスケートのフィギュアの点数じゃありませんけれども、それぞれがつけて、平均点を出す、加重平均を出すということも考えられるでしょう。

 そういう種々の方法を今度の幹部試験でもしっかりと我々が学んで、民間並みの……(長島(忠)委員「それを政治家がやるということですね」と呼ぶ)もちろん。政治家が、私が申し上げているように、それを官僚的にやったのでは意味がないんですよ、多分。政治家も、政治家が有識者の意見を聞きながらそれをやるというのが今度の体制だ、幹部の適格性審査だと私は思っております。

塩崎議員 そもそも論に戻った方がいいと思うんですけれども、もともと公務員制度改革を何でやるのかということを考えてみれば、やはり、議院内閣制のもとで、新しい時代にふさわしい、国家の意思決定の仕組みを変えよう、そのときに、公務員制度もそれに合ったものにしなければいけないということだったと思うんですね。

 それはやはり、選挙で選ばれた、政権をとった与党が国民に約束をしたこと、これを実行していくということが、国民が政治から離れないで、一体となって国家をつくり、国民の暮らしをみんなで組み立てていく、こういう民主主義の基本に立ち返ると、やはり公務員制度改革をしていかないと、それまではうまくいっていたかもわからないけれども、かつては、大臣は官僚の人事には口を挟まないというのが不文律だみたいなことが堂々と言われていましたけれども、いや、それはどうだろうかねということも出てきたと思うんです。

 それは何かというと、本来、政治家の好きこのみで人事をかえるようなことはあってはならないことは間違いない。だからこそ、我々は、一般職といわゆる政治任用との中間形態を選んでいて、なおかつ適格性審査もやり、そして幹部候補者名簿をつくり、なおかつ総理大臣、官房長官、任命権者の協議をやるという、今もちょっとお話がありましたけれども、そういうことを担保しているわけで、決して何の基準もないことは絶対にあり得ない。

 ですからこそ、政府案では、標準職務遂行能力というのは三ランクあるものが一個になってしまうという、奇っ怪なことをやろうとされていますけれども、それはそうじゃない、やはり客観的に見てそれぞれのランクにはそれぞれのふさわしい資質というものがあるだろう、そういう客観的なことを我々はやっていかなきゃいけないと思うんです。

 一方で、内閣との一体性を我々は入れるというのは、今申し上げたように、国家の意思を決める際に、選挙で国民が発した声をどう実現するかというときに、必ずしもそれに従わないということが今まではしばしば起きていたわけですから、それはやはりちょっとまずいよねということで、変えていくべきことでありますが、しかし、みだりに、やはり秩序を乱すような形で、ルールなき関与は絶対にしてはいけないということで、我々はその一線はしっかりと守っているということであります。

長島(忠)委員 三十分なので、聞いているうちに時間がなくなっちゃいそうなので、できるだけ答弁を短目にお願いしたいと思います。

 私は、政治家が責任を持ってこの国の形を考える、そして時によって公務員のあり方も変えていくということは必要なことだと思うんです。ただ、国民の意識として、公務員というものが余り国民の意識から乖離することのないように、やはり政治家が主導する体制をきちんと守っていく、そこには、必要以上の、政治主導という名のもとの恣意性がない、きちんとした客観的評価を受けられるものがやはりある意味で必要なのではないかなと思うので、そこのところだけは、両法案について、やはりきちんと留意をして進めていっていただきたいなと思うんです。

 実は、きょう一番聞きたかったことは、この前の質問の中で、やはり幹部人事を考える上で、公務員の基本的なもの、すべてのことを、ある意味方向性を出した上で幹部のことを法律として審議していくことの方が我々にとっては正しいやり方なのではないかということで、その方向性について少し聞かせてくださいということを質問させていただきました。具体的に言うと天下りの防止だとか総人件費二割削減だということの中で、政府はどういう方向として歩こうとしているのかということをお聞かせいただいたつもりです。

 そのときに、原口大臣から、月末あたりに四大臣が共通認識としてきちんと皆さんにお示しをするからそれは待ってくださいということだったものですから、委員長に、理事会で、それが出たときには資料として提供してくださいというお願いをこの前させていただいたつもりです。

 そうしたら、先ほども話題になっておりましたけれども、きのうの新聞、きのうのテレビで、来年、国家公務員の採用を半分抑制するという記事が出ました。これは総理が指示をされてその方向だということなんですが、当然仙谷大臣は、このことについて事前に協議をして、方向は、一つの認識としてお持ちなんでしょうかどうでしょうか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

仙谷国務大臣 原口大臣が質問を受けて答えたのは、新規採用の問題あるいは退職管理の問題であったのではないかというふうに思います。

 昨日、閣議で原口大臣は、今後の採用抑制を、つまり、来年度採用の採用方針としては、地方出先機関について、今、出先機関の廃止、移管というものを地方主権戦略会議で検討作業を進めているわけでありますが、そのことも踏まえて、新規採用数については平成二十一年度と比べて原則二割以内に抑制をする、その他の新規採用についても、真に必要な国家機能は確保しつつ厳しい抑制を行う必要があると。

 そこで、国家公務員試験の採用区分をもとに大きく四つのグループに分類し、それぞれのグループに応じた抑制案を作成したいと。地方出先機関に属するグループ、本省において企画立案に携わるグループ、専門職種でその専門的な知識を生かして行政サービスを提供するグループ、再任用職員や官民の人事交流の受け皿となる任期つき職員などのグループ、これに分類して、それぞれの抑制率を定めて、一般職の国家公務員全体の平成二十三年の新規採用数を、平成二十一年度の新規採用数と比べておおむね半減させることを目標として、今後調整を進めたい、各省庁と調整を進めたい、こういうことでございます。

 特別職の国家公務員のうち、自衛官を除く防衛省の職員についても、一般職に準じた対応を検討する必要がある、したがって、各省庁の大臣以下は御協力をいただきたい、こういうお話であります。

 さらに、総理大臣は、これに続けて、官を開き、国を開き、そして未来を開くという観点から、官の方も、いわば公共サービスの提供、行政サービスと言われてきたものの提供が官僚や役所しかできないという意識を捨てて、できる限り、マーケットというか民間にということではなくて、私どもが最近申し上げている新しい公共というふうな分野に移行をするということも含めて、行政サービスが落ちるよりも、かえってそれを受ける人たちにとって好ましいような形になるように、そういう官を開くというのもあるのではないかということをおっしゃっているわけであります。

長島(忠)委員 二回聞いたらもう二十分近く過ぎてしまいました。

 私は、今、定数半減を指示したことを仙谷大臣も共有した認識としてお持ちなんですねと聞いたつもりだったんです。

 ですから、丁寧にお答えをいただいたので、このことは、認識を共有しているんだとしたら、総理は、幹部公務員人事と違ったところで、将来の公務員改革の第一歩だと思ってこのことをやられるのかどうなのか、お答えをいただきたい。

仙谷国務大臣 今、総合的には、地方主権改革がまだ、各省庁の抵抗に遭って、全体的に一挙に進むというところまで行っておりません。それは、それぞれの都道府県、市町村にもまだまだ色合いの違いがあります。つまり、どういうふうに行政サービスを受けることができるのかどうなのかという迷いもあるし、自信の問題もあるでしょう。

 そのことと、この出先機関の問題というのは当然のことながら関係しておりますので、事実上の第一歩を踏み出す、つまり、二十年後、三十年後の産業構造や就労構造、あるいは我々の次の世代の方々の生活のあり方、仕方というものから考えますと、今の各省庁が持っている定員に、そのまま、続いた行政サービスが二十年後、三十年後に必要、あるいは続いているということは、考える方が荒唐無稽だと私は考えております。

 今就職する人は二十年、三十年お勤めになる方も多いでありましょうから、それは今の段階で柔軟性を持たせるとか、将来のことをおぼろげながらでも絵をかいて新規採用を進めなければならない、こういうふうに総理も考えているはずですし、私も考えております。よりシビアに原口総務大臣はお考えになっていると思います。

長島(忠)委員 だとしたら、公務員を半減していくのがこれから続くんだとしたら、その上に乗っかった幹部公務員人事制度でなければならないんじゃないか、私はそう思うんです。

 だとしたら、総理が考えていることを、国の形、これからの役所のあり方をきちんとこの場で説明をして、その上でこの議論を進めていくことの方が、我々は、将来の民のあり方、官のあり方、そのことをぜひ皆さんと議論をして、やはりいい形で国民の奉仕者としての役所のあり方を議論していきたいと思うんです。

 だから、もし総理が本当にこれが第一歩だと、それは多分、我々が考えたら、しばらくは逆三角形になってしまう人事の構造になってしまう。そのことを乗り越えても、なおやらなければいけないことを総理が考えているんだとしたら、そのことをぜひ仙谷大臣からお伝えをいただいて、この場に来ていただいて説明をしていただきたい、私はそう思います。

仙谷国務大臣 逆三角形とおっしゃいましたか。(長島(忠)委員「だって、そうなるでしょう」と呼ぶ)

 今、いわゆる幹部人事と言われる方々は六百人、さらに、幹部候補生を含めてキャリアと言われる人々は、私の知っている限りは三千八百人ぐらいですか、三千六百人、それを含めて、今、出先と、幹部と幹部候補生を含むキャリアの方々と、それを含んで全体は三十万人ですよ。何で、どこから逆三角形になるのか、私は全くそういうことがわかりません。

 それで、先ほども申し上げましたように、本省において企画立案に携わるグループと、地方出先機関に属するグループというのは、明らかに、基本的には、企画立案は、政策マターに専門知識も生かしながら、あるいはトータルな感覚も、全体性を持ったところから政策形成に寄与するということで、時の政権に従うというか、時の政権とともに政策形成をするというのがその時点での役目であります。地方出先にいていただいている方々は、基本的には、決まった政策の執行ということになるんじゃないんでしょうか。したがって、それは、全体の絵図として、定員管理とか新規採用の問題も、そこは分けて考えられる。

 とりわけ、この間の公務員制度改革でも一番難しかったのは、三十万人弱といいましょうか、この大多数の、地方の出先で働いていただく、本省にもいらっしゃいますけれども、その執行に携わっていただく方の労働基本権の問題をどうするのか、勤務条件の問題をどうするのか、どのように、だれとだれが決めるのかということの解決がつかないから、公務員問題が最終的に前へ向いて進まないんじゃないですかと私は思っておるんです。

長島(忠)委員 そこで出てきたのが新規採用を半減するということでしょう。ということは、半減するからには何らかの形の方策がなかったら、半減する理由がないじゃないですか。そうでしょう。だって、先を見ているから半減するわけでしょう。たった、財政難だから思いつきで半減するわけじゃないでしょう。

 だから、そこの、公務員のあり方を、総人件費二割削減の中で、人件費を下げることは非常に難しいとさっきからずっと議論しているじゃないですか。そうしたら人員を二割削減するのかといったら、定年延長していく、天下りはやっていかないといったら、それは、今はピラミッドだけれども、将来的に、何年か繰り返してきたときに、イメージ的に今よりはずっと台形に近い形、ひょっとしたら、私のイメージする形にしたら、逆三角形とは言わないけれども、そういう形になる公務員の形で国のことをやっていけるのかなと思ったから、私は、総理の基本的な考え方を聞かせていただきたいなと言ったんです。それについて大臣はどう思いますかと聞いたのであるんですよ。

 だから、中央省庁で企画立案に当たるとか出先ではなくて、総公務員の中で人的割合をどうするのかと聞いたんですよ。

仙谷国務大臣 いまだに逆三角形になるという前提で総理がどうのこうのと言われても、それは先生、前提が全然違うんじゃないでしょうか。

 例えば、現時点で、先ほど申し上げたような新人採用の抑制方針を出した、そこで抑制された枠ができたときに、重要なポジションにつけるということだって考えなければいけない。

 つまり、早い話が、前原大臣が、観光庁というか、成長戦略の一つとして観光を、今、日本に入ってくる観光客が六百七十万人ぐらいですか、これを三千万人にしようとしているわけですよ。本当に、六百五十万人なら六百五十万人が倍の千三百万人になっていったときの税関、入管、植物検疫、こういうところの公務を国がやるということになったら、そこの公務員をどのようにふやしていくのかという、そのことも考えなければいけないわけですね。

 そういう執行部隊の増減というのは時代とともに変えなければいけないんじゃないんでしょうかという、その事実上の第一歩として、今の段階で新人の採用を控えていただいて、これから柔軟性を持った人事配置ができるような方向でいきましょう、こういうことで、今、第一歩に取りかかっている。

 これはしかし、先生がおっしゃるように、できれば絵図をかいた方がいいかもわかりません、いいんだろうと思います。それは、これから公務員になろう、そういうことを考えている方々に対しての、予測可能性が出てくるという意味では、かいた方がいいのかもわかりません。だけれども、例えば裁判所も含め、あるいは刑務所も含め、どのような人員構成にするのかというのは、今のところはまだそこまで考えられていないということであります。

    〔小宮山(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

長島(忠)委員 私が言うのは、これが何年続くのかも含めて、やはり総理や四大臣が合意をしたときに、絵姿の基本というのはあるんじゃないかなと私は思うんです。だって、なければこんな大胆なことを一方的にやれるわけがないじゃないですか。絵姿があったからしたんだと思うんですよ。思いつきでやったことじゃないでしょう。

 だとしたら、その絵姿を総理がみずからここにおいでになって我々にお話しいただくか、その四大臣が合意したことの資料について我々に提示をしていただいて、そのことの議論をさせていただきたい、私はそう申し上げているんです。

仙谷国務大臣 長島先生も新潟県の御出身というか、選挙区が新潟県でございますからよく御存じだと思いますが、新潟県のこの間の新規採用の抑制方針で、新潟県が既存の職員の人数、定数をどのぐらい減らして、どのぐらい人件費を減らしてきたか。それは、別に行政サービスを減らすことなくそういうことをやってこられたのかというのはよく御存じだと思うんです。

 これは、人件費とかあるいは定数の問題からいえば、常識的な言葉の使い方としては自然減、自然減という言葉であらわされているわけで、それほど大胆かつ不敵な話でもない。どこででも、都道府県でも市町村でも、あるいは会社でも、相当この手法でなさっている部分があると思います。それこそ、まさに選択と集中を行う場合の一つの手法だと私は考えております。

長島(忠)委員 時間がないので。

 私も、小さな村ですけれども村長をしていましたから、当初は総務省から人事の目標数値を設定されて、そこに向かって努力をしていく、あるいは、国と違って、組合と話をして一〇%給料を削減していく、そういう努力はずっとしてまいりましたよ。

 ただし、国家公務員の採用を四千五百人抑制するのはほんの一義的なことでそんなに意味のないことだとは私は思っていないんです。これから国をつかさどる国家公務員、国民の奉仕者である公務員のあり方をどうするかという入り口だろうと思うから、大事なことだと思うんですよ。だから私は議論を続けさせていただきたいし、場合によっては総理みずからここにおいでをいただいて、このことについて我々に直接説明をしていただく、あるいは資料をいただいて、我々議論をさせていただくという場所を設けていただきたいと思います。

 ぜひそのことを理事会にお諮りいただきたいと思います。

田中委員長 理事会で検討させてもらいます。

長島(忠)委員 時間が参りましたので質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、平井たくや君。

平井委員 委員長の御決裁によりまして、予定どおり参考人も来ていただいて質疑をさせていただきますことに、まずもって、心から感謝を申し上げたいと思います。

 昨日の検察審査会でも、起訴相当の議決が民主党の幹事長に決まりました。これは国民感情として、やはり疑わしい、そういうものに納得していないということだと思うんです。そして、私は、やはり今我々に求められているのは、疑わしいことに対してより一層の説明責任を果たす、そのことは恐らく民主党の先生方も同じ思いであろうと思います。

 きょう午前中の屋山公述人はおもしろいことをたくさん言われていましたけれども、印象的だったのは、郵政の人事、これは要するに、天下り根絶とか、天下り、わたりあっせんは全面的に禁止とマニフェストに記していた民主党が、最初に最もやってはならないことをやった、つまり、民主党の看板に泥を塗ったということをはっきりおっしゃっていました。それを民主党の議員の先生方は今どのようにお感じになっているかと私は問いたいと思います。

 きょう、お手元の資料、ぜひ皆さん、よく読んでいただきたい。これはもう本当に、会議録の抜粋ですから、そのときの民主党の議員、そして、それぞれの方々の発言内容です。このことを十分に見ていただいた上で、今回、質問に答えていただきたい、そのように思います。

 これまでの審議の中で、鳩山内閣発足以降、千二百名もの裏下りの疑いのある退職勧奨が明らかになっています。鳩山内閣では、表向きは、天下りあっせんはやっていないと言っています。しかし、千二百二十一名に退職勧奨を行って、退職勧奨を拒否したのはたった二人なんですよ。天下りあっせんがセットになっていなくてほぼ全員が退職勧奨を受けるなどということが本当にこの世の中であり得るのか。これは常識で考えれば、水面下で天下りあっせんがなされているのではないか、これはだれもが疑う。皆さんもそう思っているはずです。

 また、その一千二百名というのは、役所を退職していわば一回目の裏下りをしている疑いのある人たちでありますが、これ以外に、わたりの裏下りというものもあると思います。

 これは、これまでこの委員会でも、また予算委員会でもさんざん議論になった日本損保協会副会長のケースです。このケースはたびたびここで議論が出てくるから、また当然その中で坂さんの名前も出てくるので、きょうは参考人ということで来ていただいて、正々堂々と話していただかないと。日本郵政というのは国有の公的機関ですよ。代表権を持つ副社長というのはそこの最高幹部なんです。ですから、後ろ指を指されるようなことがあってはだめなんです。正々堂々とテレビカメラの前で身の潔白を説明しないと、これは民主党さん自身が困る、そう思いませんか。

 そういうことで、私は、民主党さんにエールを送る気持ちできょうの参考人を要求させていただいた。委員長の御英断でこうしてきょう来ていただけることになって私は非常によかったと。結果、民主党さんもよかったと思われるんだと思います。

 そこで、いろいろなお話をさせていただきたいんですが、まず、野党時代の民主党の長妻議員は、天下りの実態を調査していただきたい、取り締まっていただきたい、それも裏ルートということをよく言われていました。ところが、鳩山内閣の現状は、再就職等監視委員会は立ち上げない、かわりに調査権限を有する総理の権限も行使しない。実態解明とは全く逆の、実態うやむやというパターンに入ってしまったんです。

 皆さん、お手元の資料を見ていただいたらわかるんですが、野党時代の長妻議員の主張は一体どうなったのか。私は、これを読んでいただいたらおわかりのとおりだと思いますが、そして、その資料の下に書いてある総理の施政方針演説、裏下りとやゆされる事実上の天下りあっせん慣行にも監視の目を光らせて国民の疑念を解消する、こう高らかに言っておられるわけです。この長妻さんのかつての主張、そして総理の答弁、これは皆さん忘れてはならない基本的なことだと思います。

 先回りするようですが、この資料の次のページ等々も見ていただければいいと思います。

 これは、みんなの党の江田議員の質問でありますが、「昨年十一月に、社団法人損保協会副会長に元大蔵官僚、国税庁長官が再就職」しました云々とあって、これは要するに、「裏下りに当たるんですか、天下りに当たるんですか、」という仙谷大臣に対する御質問です。そして仙谷大臣は、裏下りになるかどうか、これから厳しく調査をしたい、こう言っているわけです。

 また、その後、下線部を読んでいただいたらわかるんですが、松井内閣官房副長官は、「組織的な再就職あっせんがないという御返事ですが、例えば退職したOBがあっせんをしている可能性もあるわけで、そういうことも含めまして、しっかりと事実関係を精査し、判断していきたい」ということを言っています。

 そして、最後の三ページ目の下線部を見てください。「役所のあっせんにかわってOBがかわりにあっせんをしているようなケースであれば、それは我々がこれからとる措置に対する脱法的な措置ですから、しっかり事実関係を精査して、監視していく」、このように言われているんです。

 この前提でこれから質問をさせていただきたいと思っています。

 まず、田村政務官、おいでですね。お聞きしたいんですが、日本損保協会に、坂前副会長が協会に対して牧野氏を推薦し、協会として検討した結果、牧野氏を選任したという経緯、この間の質疑でありましたけれども、金融庁の担当課から損保協会に、三月下旬というような話があったと思いますが、改めて確認をします。

 確認をしたのは三月下旬ですか。

田村大臣政務官 お答えいたします。

 中川委員から御質問をいただいて、その後確認をいたしました。

 三月二十三日に再就職等監視担当室からの依頼がありまして、その日に、金融庁の監督局保険課の担当者から損保協会の窓口担当者に対しまして、電話及びメールによりまして確認すべき事項を伝達したということです。

平井委員 そして、さっきの配付資料で説明したとおり、二月八日の予算委員会で仙谷大臣は、「厳しく調査をしてみたい」、松井長官は、「しっかりと事実関係を精査し、判断していきたい」と答弁して、その後一カ月以上も調査をせずに放置した理由は何ですか、田村政務官。

田村大臣政務官 先日の中川委員に対する答弁でも若干申し上げましたけれども、金融庁としましては、その公益法人を所管する立場として、今回、再就職等監視担当室からの依頼がありましたので、その依頼を受けて損保協会に対して事実関係の確認を行ったということでございます。

平井委員 いつ、だれから依頼があったか、お答えください。

田村大臣政務官 先ほども申し上げましたように、三月二十三日に再就職等監視の担当室から金融庁に依頼がありまして、その同じ日に金融庁の監督局保険課の担当者から損保協会の窓口担当者に対して確認すべき事項を伝達したということでございます。

平井委員 これは、一体だれの責任で、そんなふうに遅くなったというのは、では金融庁の責任ではないということですね。

田村大臣政務官 責任逃れをするつもりは毛頭ございませんけれども、金融庁としては、もともと調査権限があるというわけではございませんので、あくまで協会を所管する立場で、再就職等監視担当室から依頼があって、その依頼にこたえたということでございます。

平井委員 それでは、担当室はサボっていたということを認めるわけですね。

田村大臣政務官 いえ、決してそのように考えているわけではございません。

平井委員 それでは、要するに、今回、だれが責任者かよくわからないんですけれども、さっき、この調査は官僚にお願いしてやりとりをしたという報告がありましたけれども、この裏下りの調査を官僚にやらせるという判断はどなたがなさいましたか。

田村大臣政務官 そこは私は存じ上げておりませんけれども、あくまでも依頼を受けて確認した、特に官僚が確認をするようにという依頼を受けたわけではなくて、協会に確認をしてくれという依頼があったので、担当者がそれに対応したということです。

平井委員 政治主導をやるんでしょう。これは、はっきり言って、いつ、だれが保険課に指示を出したかと。

 そして、もう一つ聞くと、何でそれを自分でやらないんだという話ですよ。政治主導を本当にうたいながら、それも、要するに官僚が官僚を調べるなんということはできないでしょう。そんなときには自分がみずからやらないと。これは、忙しかったなんという理由は言えないと思いますよ。だって、この問題は民主党のマニフェストの一丁目一番地じゃないですか。ですから、本当にやる気があるのかどうなのか、そのことが私は大変疑問に思います。

 これ以上、田村政務官にいろいろ言っても、同情する点もありますからやめておきますけれども、本当にこれは政治主導でやるべきだと私は思うんですよ。こういう問題については、大ペテンを今民主党はやろうとしているわけですから、それぞれ立場のある人はちゃんとやってほしいですよ。このまま行っちゃうと、これは詐欺法案と言われますよ、後々。(発言する者あり)大うそつき法案ということになると思います。

 それで、きょう、せっかく、すったもんだのあげく坂副社長に来ていただいておりますので、坂さんにお聞きしたいと思います。

 まず、坂副社長、郵政の副社長、代表権つきで、御就任おめでとうございます。心から祝意を表したいと思います。

 郵政の今回の副社長就任に当たり、どなたから連絡があり、あっせんがあったかどうか、亀井大臣からどのような連絡があったか、そのあたりをまずお聞きしたいと思います。

坂参考人 どういう経緯で私が選ばれたかというのは実は私はわかりませんで、十月の二十八日に株主である国が、亀井大臣が来られていましたけれども、株主総会をなさって、それで私を取締役に、ほかの方たちと一緒に選任をしていただいた、そういうことでございます。

 亀井大臣から事前に何か御連絡があったかということでございますが、ございませんでした。

 ただ、会社から、二十八日の何日か前になるんですけれども、ちょっと覚えていませんが、二十八日の何時だったかにちゃんと出頭せよという連絡がございまして、そのころに何か新聞にもいっぱい出ていましたから当然わかりましたけれども、ということでございます。

平井委員 昨日は、私の部屋までごあいさつに来ていただきまして敬意を表していただきましたので、この一問でお帰りいただくと失礼だと思いますので、今からちゃんと質問させていただきたいと思います。

 まず、きょうは、金融庁が確認したところ、これは田村政務官の答弁でもあったんですけれども、坂さんが牧野さんを推薦したということになっていますが、それは間違いないですか。前職のことですが。

坂参考人 お答え申し上げます。

 推薦と申しますか、私が、先ほど申し上げたように、割合急に損保協会の副会長をやめるということになりましたので、急にやめて大変申しわけないんだけれどもということを、専務理事とか、半田さんとおっしゃいますけれども、それからあと、当時の会長でありまして、今もそうかな、佐藤会長にごあいさつに行って、それで、ところで坂さんやめちゃうけれども後どうするのみたいな話に当然なりまして、そのときに、実は牧野さんは損害保険料率算出機構、つまり保険業界の中にいたわけで、当然社長さんたちも牧野さんのことは御存じでございますが、手近に牧野さんがおられますよねなんという話で、ああ、そうですねというふうになった、そういう経緯でございます。

平井委員 大体こういうときには、有能な人とか知識があるとか適材適所だというようなことが言いわけになってどんどん天下りが進んでいくんですけれども、要するに、坂さんのいた損保協会副会長というポストのうちの一つのこの常勤ポストは、何代にわたって大蔵省、財務省のOBが務めてきたか御存じですか。

坂参考人 お答え申し上げます。

 随分何人もおられたということは知っていますが、正確に何人かということは存じ上げておりません。

平井委員 さっき質問していた後藤議員にも聞いていただきたいんですが、これは七代連続なんですよ。どうですか、七代。さっきは三代、五代で問題になっていたんだけれども、これは、私の知る範囲で少なくとも七代連続なんですね。

 国会審議などで、こんなに委員会なんかで所管OBの固定的な指定ポストが問題になっているのに、なぜ牧野さんを選んだか、これは非常に私は疑問に思うんですが、そういうことが問題になっていたことを御存じなかったんですか。

坂参考人 私は、当時民間人でございますので、どういうふうになっているかは余りよく存じませんでした。ただ、選ばれたのは、私がそういうふうに申し上げたのは先ほど申し上げたとおりでございますが、最終的に決めてお選びになったのは協会の方々でございまして、会長や専務理事ほか、いろいろな方が相談されてお決めになったものだというふうに思っております。(発言する者あり)

平井委員 かつての同僚の塩崎先生、やじらないようにしてください。一緒に働いていた過去、いろいろなあれがあると思いますが。

 結局、今回の人事について後ろめたい思いが本当にないのかということなんです。さっきのようにすっすっといろいろな答弁をされますとやはりあれですけれども。

 坂さん、よくよく考えてみると、今回、今までの経歴を考えてみると、二〇〇五年に退官して農林漁業金融公庫副総裁、それから内閣官房副長官補、これは安倍内閣と福田内閣でやっていました。私も一緒に仕事させていただきました。その後は損保協会副会長。これはもう天下り、財務省の指定席をすっすっすっと。

 これは、私は計算していないです、だれかに計算してほしいですけれども、これで生涯の収入は一体幾らになるんだと。これで無事に郵政の副社長をお務めになって、要するに、おやめになる日がいつ来るかわかりませんよ、しかし、幾ら常識で考えたって、坂さんほどの資産家が余りにも国費から給与を取り過ぎなんですよ。こんなのはあり得ない。だから、いいかげんにしなきゃいけないんですよ。

 我々は、与党じゃなくなって野党になりました。しがらみを断ち切るから、私はこのような立場でこのような質問をしているんです。民主党は、天下り根絶、やめると言った。だから、我々がしがらみを断ち切って本気でやろうと言えば全部なくなるはずなんですよ。それがなくならないというのが一番の問題だ。皆さん、そう思いませんか。そう思いませんか、本当に。ですから、今回の、天下りとかこんな裏下りというのはやめなきゃいけない。

 ところが、なぜこれがやめられなくなったか。皆さん、考えてみてください。これは、役所の職員があっせんすると皆さん懲戒処分になるんですよ。ところが、上司の特別職、政務三役、この場合は亀井大臣かもわかりません、部下がやったらアウトで上司がやったらセーフ、これでたがが外れたんです。だから、きょうの公述人も泥を塗ったと言ったんですよ。

 これは、皆さん、本当に考えてください。我々がこのスタンスで公務員制度改革に取り組んでいるから、かつての自民党だとできなかったんですよ。認めます。今は野党になって、こっぴどくたたかれて、そして新たな自民党として生まれ変わろうとして、民主党、やろうよと言っているんですよ。それなのに、どうですか。坂さんがここに出席するということに関して、民主党の議員が、やめてくれ、こんなことはできないと。逆じゃないですか。皆さん方が呼んでやらなきゃいけない立場じゃないですか、本当は。そのことをぜひ考えていただきたいと思います。

 坂さん、私は個人的な恨みがあるわけじゃないですから。ただ、これから、要するに政府の出資した会社、また国費が入っている会社、そんなところに行くと、こういうところに来て顔をさらして、そして皆さん方の前で、これは裏下りではないとか天下りはないというような言いわけをしなきゃいけなくなる。そういう覚悟を持って、国民から白い目で見られない、そういう自信のある方しかつけなくしなきゃいけないんですよ。私はそのように思っています。

 これは、さっき言いましたけれども、予算委員会の議事録にもう一回返ってみましたら、「役所のあっせんにかわってOBがかわりにあっせんをしているようなケースであれば、それは我々がこれからとる措置に対する脱法的な措置」だと言っている。これはちゃんと議事録に残っています。

 このことに対して、田村政務官、どのように取り組まれますか。

田村大臣政務官 そこは政府全体の問題だと。そこは委員の御指摘のとおりでございますので、金融庁としてももちろんでありますけれども、政府全体として、そこは仙谷大臣も先日もお答えになっていましたように、新しい委員会ができたらそこでしっかり調査をするとか、そういったことも含めて取り組んでいくというふうに考えています。

平井委員 仙谷大臣が答弁するのは、嫌なのは答弁が長いから。

 一つだけお答えください。イエスかノーかでお答えください。今回の牧野さんの人事は裏下りか裏下りじゃないか、イエスかノーかだけでお答えください。

仙谷国務大臣 その前に、坂さんが損保協会の副会長になったのは自民党政権時代だということだけは確認をしていただきたいと思います。(平井委員「だから、後任の話をしているんです」と呼ぶ)

 牧野さんがその後任になられているというのは、損保協会の歴史的な実情から見て、私どもがこれは少々問題があるなと疑わしい事案にかかわる、そういうふうに私は考えております。

平井委員 疑わしいというふうに言われますと、いすに座っていてもけつがこそばゆいですよ、これは。

 ですから、大臣、ちゃんとやりませんか。徹底的に我々はこの天下りとか裏下りという問題には全力で取り組みたいと思っているんですよ。そういう意味で、本当に、きょう坂さんに来ていただいたことがある意味で一つの転機になって、民主党の方々も本気で取り組む姿勢に転じていただくことを私は心から願いたいと思います。

 ただ、きょうはこの問題だけだと、ほかの、厚生労働関係も、山井政務官が来られているようですから、次の質問に移らせていただきます。

 鳩山内閣になってから、課長、企画官以上で十六人、課長補佐以下では六百八十三人に対して退職勧奨を行っております。これは社会保険庁廃止に伴うものと承知しますが、これらの退職勧奨に関して、厚生労働省の職員によるあっせんは行われていますか。

山井大臣政務官 平井委員にお答え申し上げます。

 社会保険庁の廃止に伴い離職した職員は千百五十九人でありまして、勧奨退職は六百三十一人、自己都合退職は三人、分限免職処分は五百二十五人というふうになっております。

平井委員 職員からあっせんが行われているかどうか。

山井大臣政務官 あっせんといいますか、そのことに関しては、厚生労働省としては承知をしておりません。

平井委員 それは、調査もしていないということですか。あっせんを調査もしていないということですか。

山井大臣政務官 そのことについては、今私も急に御質問いただきましたので、承知をしておりませんと答弁しております。

平井委員 これはぜひ確認してくださいよ、職員のあっせんがあったら大変だから。それも、さっき言ったような役人任せじゃなくて、山井さん、我々が与党だったときあなたはいつもそういう厳しい追及をされておられました。ここは、みずからちゃんとそういう調査をしていただきたいんですが。

山井大臣政務官 お答え申し上げます。

 官民人材交流センター以外ではあっせんはしておりません。

平井委員 この話は、法律上の調査権限行使に関しては、次回、官房長官を呼んでゆっくり聞きたいと思いますが、さっき言われた、官民人材交流センターであっせんを行っている、これはどのような経緯だったか説明してください。

山井大臣政務官 平井委員にお答え申し上げます。

 組織の改廃に伴うもののみにおいてあっせんを行うということで行ったものでございます。

平井委員 今回のケースは、分限免職ではなくて、なぜ退職勧奨という手法をとったのかということです、一人ですけれども。その理由を聞いているだけですから。

山井大臣政務官 分限回避努力というのが課せられておりますので、その分限回避努力義務に伴って行いました。

平井委員 分限回避努力義務。要するに、厚生労働省というのは、今回のケースは勧奨退職をやったんですよ。これはイレギュラーなことですよね。

仙谷国務大臣 自民党内閣時代に社会保険庁の廃止を決められたので、行き先がなくなった方については分限回避努力をしなければならない、こういうことでございまして、三月の末までに再就職の確認ができた者、これは、官民人材交流センターの支援によって再就職の確認ができた者は九十五人であると私は聞いております。

 これをもう少し詳しく言いますと、九十五人のうち、旧政権下で官民人材交流センターのあっせんを受けて再就職をした者は二十九人、そして鳩山政権下において、三月三十一日まで、つまり、昨年の九月十七日から三月三十一日までは六十六人ということでございますので、旧政権下から引き続いて行われていた再就職あっせんを官民人材交流センターで行って再就職をした、こういうことであります。

平井委員 これは、課長、企画官以上の一名だけしたわけですよね、センターを使って。そういうことですよね。私は、これは課長補佐以下でも、退職勧奨に関してセンターであっせんをどんどんしていると思います。さっき言われた数字がよくわかりませんが、後で人数をぜひ委員会で報告していただきたいと思います。

 それと、私が言いたかったのはそういうことではなくて、退職勧奨に関してセンターでのあっせんというのがあって、今回の法案では、分限免職に際してのセンターあっせんはできるが、退職勧奨としてのセンターのあっせんはできなくなっていますね。これは、今後、できなくなったということですから、厚労省の今回やった件というのは本来やるべきことじゃなかった、厚労省の対応は不適切だと考えたから退職勧奨に関してのセンターあっせんはできなくするということですか。

仙谷国務大臣 何を聞かれているのかわかりませんけれども、もう少し事実を確定してからおっしゃって指摘をしていただかないと、お答えのしようがありません。

 退職勧奨は、これは社保庁の職員ですか。(平井委員「そうです」と呼ぶ)社保庁の職員で分限免職対象者だったんですか。

平井委員 いや、分限免職で皆さんやられているならよかったんですが、分限免職以外の方が一名いらっしゃるから、その内容について聞いているわけです。しかも、そのあっせんをセンターでやっているから聞いているんですよ。

 今回の法律では、センターでやらないとなっているわけですね、できなくなっている。なぜその一人をセンターであっせんしたのか。それ以外にも、課長補佐以下でもそういう方がいらっしゃる。それを私が知らないんじゃなくて、大臣、もうちょっと、次回までに事実関係を調べて御答弁をいただかなければならないと思います。

 私、時間がもう足りなくなってしまいましたけれども、次回の予告編だけ出させていただいておりますが、やはり答弁には時間をかけていただく必要があろうかと思います。ゴールデンウイークもありますので、ぜひこれから、いや、もう答弁は結構です。内閣人事局についての質問とか、監視・適正化委員会とセンターとの関係、キャリア制度の扱い、また、自律的労使関係制度について、定年まで勤務できる環境。

 そして、最後にもう一つだけ。

 これは、お願いしておくんですが、政策グランプリというのがあったんですよ。政策グランプリ、公務員制度に関して官僚からいろいろなアイデア、これに関して、これは枝野さんが担当なのかな、枝野さんが、その内容を開示するということに関して拒否しているんですね。

 これをぜひ委員長、要するに、官僚の中からすばらしいアイデアが出ているにもかかわらず、それが無視されるという可能性がありますので、それを委員会として、資料として要求をさせていただきたいと思います。

田中委員長 その前に、階政務官。

階大臣政務官 先ほど、改正後には、分限免職になった場合でなければセンターでのあっせんはできないのではないかという御指摘がありましたけれども……(平井委員「そうでしょう」と呼ぶ)いや、改正後の十八条の四というところで、「離職を余儀なくされることとなる職員の離職に際しての離職後の就職の援助を行う。」とありますので、離職を余儀なくされる状況になれば、実際に分限免職処分になっていなくても再就職の援助は行うことはできるということを指摘させていただきます。

平井委員 この話でまた一段と今度質問しなきゃいけないことがふえたんですが、要するに、整理解雇の話と分限免職の話とさっき言ったあっせんの話がごちゃごちゃになりました。次回の委員会で整理をさせていただきたいと思います。

 以上です。

田中委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 まずお伺いしたいのですが、先ほども長島議員からお話がありました。昨日の新聞報道によりますと、総理が来年度の一般国家公務員の新規採用数を五割減とする方針を固めたとありました。当然、これにつきましては、それぞれ閣僚の中からも、これはあくまでも報道でございますが、例えば前原大臣、「二割以下、早期勧奨も止めると、一気に来年度採用にしわ寄せがくる。現実対応の中で相談してもらいたい」と注文をつけた。また、直嶋経済産業大臣、「民間企業にも(雇用確保を)要請している時に、「何人削減」という打ち出し方は考える必要がある」、また、川端文科大臣、「全体像がないと、勤める人も不安だし、有為の人が来てくれるかという問題もある」、まさに御指摘のとおりであると思っております。

 私は、本来であれば、人件費の抑制が可能なシステムの構築をした上で、その上で来年度の新規採用をどのようにしていくのか、そのような決定がなされるべきと思っております。先ほども屋山先生から、手順前後という言葉がありました。順番が逆ではないかということを改めて指摘させていただきます。

 この報道につきまして説明を求めます。答弁は簡潔にお願いいたします。これは総務省階政務官でしょうか。

階大臣政務官 お答えいたします。

 事実関係の説明ということでよろしいですか。

 これは、きのうの閣僚懇談会の話ですけれども、総理が来年度の一般国家公務員の新規採用数を五割減とする方針を固めたということは、事実でございます。

 そして、総理からは、来年度に新規採用した職員が今後長期間勤務することになる政府組織が二十年後、三十年後にどのような機能、役割を果たすのか、定員の過半を占める地方支分部局の統廃合をいかに進めるかといった視点も含め、将来に責任ある改革を進める必要があるというふうに述べられまして、原口大臣を中心に各大臣が協力して積極的な取り組みを行ってほしいという御発言がありました。

高木(美)委員 今お話がありましたのは、ほとんど新聞に掲載されている内容でございます。

 ただ、今までもこの質疑の中で、一つは、公務員の人件費の抑制を進めなければならない、また、天下りのあっせんを根絶しなければならない、また、定年まで勤務できる環境の整備に向けた改革を進めなければならない、こういう三つの方程式をどのように解いていくかということが今大きな焦点となっております。

 改めて、こうした全体像をしっかりと示した上で、人件費抑制が可能なシステムの構築をしっかりされた上で進めていくべきではないかということを指摘させていただきます。

 その中に、「退職管理基本方針において、」という記述がございます。先ほど総務大臣発言要旨という紙をいただきましたので、議員の皆様にもお知りいただきたいと思い、読ませていただきます。

 一つは、天下りのあっせんの根絶を図るため、再就職あっせん禁止等の規制遵守、再就職に係る情報公開推進など任命権者がとるべき措置、二点目として、官を開くとの基本認識のもと、職員が公務部門で培ってきた専門的な知識経験を民間等で活用するとともに、他分野での勤務を経験することにより公務員の意識改革を進め、変化の激しい多様な行政ニーズへの公務員の対応能力を高めるため、官民の人事交流等の拡充を図るための措置等を定める必要があります、この基本方針につきましては、近く原案を取りまとめますので云々、このような書きぶりになっております。

 さまざま、この委員会におきまして、専門スタッフ制であるとか給与カーブを見直すべきであるとか、多様な意見もございました。また、私も提案をさせていただきました。

 そうした総合的な退職管理基本方針、四月いっぱいというお話でございましたが、これは、四大臣会合の開催等、最終的にスケジュールはどうなっているのか、再度確認をいたします。

階大臣政務官 四大臣会合の中で大体の方針は固まってきたところではございますけれども、これから各省で調整をかけまして、そして、スケジュールでいいますと、きのう二十七日に閣僚懇談会で原口大臣からそういう発言があったわけでございますけれども、採用抑制の方は五月の中ごろを考えておりますけれども、この退職管理基本方針の方は、今各省で協議を行って、そして閣議決定をするタイミングはこの改正国家公務員法の施行時期に合わせて行おうというふうに考えております。

高木(美)委員 採用抑制の方は五月中旬、各省の調整を行った後に、閣議決定はいつとおっしゃいましたか。再度答弁を求めます。

階大臣政務官 退職管理の方ですけれども、国公法の施行時期に合わせてというふうに今考えているところでございます。

高木(美)委員 今までも、退職管理の基本方針は四月いっぱいに出る云々でございましたが、それが延びて延びて、これが施行される時期といいますと、施行期日は、はっきり申し上げて、この国家公務員制度改革は二十二年四月一日になっておりまして、これをこれから修正するという話になっていると思うのですが、その施行というのは、では、総務省は、何日、いつというふうにお考えなんでしょうか。

仙谷国務大臣 できるだけ早くこの改正案を、衆議院を通過し、参議院で成立させていただきたい。それに合わせるということを申し上げておるんですから、よろしくお願いしたいと思います。

高木(美)委員 私は、全体像、工程表をしっかり示していただきたい、そうでなければこの制度改革に責任を持てないということを何度も申し上げてまいりました。それに対して、四月いっぱいにまとめるという答弁がございました。しかし、今は施行に合わせてというお話なんでしょうか。余りにもそれでは不誠実というふうに言わざるを得ません。

階大臣政務官 総務省としての案は大体できているんですけれども、これはまだ四大臣の協議の場でしか提示していないものでございまして、これから各省で協議をしていこうという段階でございます。

 ですから、全く何もしないで四月末を迎えているということではございません。ちゃんと作業は進んでいるということを御理解いただければと思います。

高木(美)委員 作業といいますのは、スケジュールがあって作業ですし、スケジュールがあって仕事なのではないでしょうか。

 四月いっぱいという答弁、何度も……(仙谷国務大臣「委員長」と呼ぶ)総務省が所管ですので、私は階政務官と今質疑をさせていただいております。総務省、再度答弁を求めます。

仙谷国務大臣 総務省さんが主として担うわけでありますが、四大臣会合ということで、四人の大臣でこの方針を適宜定めて、いよいよ、昨日からでしょうか、各閣僚とそれこそ政治レベルでの折衝、調整を行って、いろいろ先ほど高木議員も御指摘になりましたけれども、各閣僚は、それはそれで要求官庁としてのお立場もおありになるでしょう、それぞれの官庁の優先順位をつけた政策の展開もおありになって、こういうふうに来年度の新規採用、新人採用については考えているんだ、だからこの辺は減らすからこの辺でふやしてくれとか、そういう具体的な展開になっていくんだろうな、こう思っております。

 高木先生、そうおっしゃるんですが、これは例年、予算が上がり、国会が終わったころから冬にかけての総務省の行政管理局と各省庁の折衝の中で決まってきた事柄じゃなかったんでしょうかと私は思っております。

高木(美)委員 再度伺います。退職管理基本方針はいつですか。政務官。

階大臣政務官 四月中ということは原口大臣もおっしゃっていましたし、私もそれを引用して申し上げたかと思います。

 ただ、四月中に退職管理基本方針を出すというのは、あくまでも、当初、この法案が順調に進んでいったということが前提になっていたと思います。ですから、今のこの審議の状況の中で、施行の時期に閣議決定するとなると四月を過ぎてしまうということはやむを得ないことだと思いますし、また、施行のタイミングでは必ず出せるようにこれは準備をしておりますので、必ずしも今までの方針と変わっているということではないと思います。

高木(美)委員 それは大きな変更です。であれば、当然そうした説明が当初からあってしかるべきかと思います。最初から、そういった条件つきの話は一切ありませんでした。

 四月いっぱいということでしたから、この委員会の大泉理事も、何度も何度も役所にかけ合ってくださりながら、こちらの要望にこたえていこうという姿勢を示してくださっていたわけです。それが、四月いっぱいと言ったけれども総務省だけの段階であってという、それは余りに無責任な話だと思います。

 私は、これは、とりもなおさず、先ほど申し上げた三つの方程式を解くための道筋がはっきりと見つかっていないと言わざるを得ません。

 来年度に、通常国会におきまして第二弾、三弾を取りまとめた総合的な国家公務員法の改正を出したいというお話がありました。でも、それをやるには、もう既に、秋ぐらいにはすべての骨格が決まり、必要なパブコメ等は終わる、こういうことが行われなければならないわけでございまして、今、退職管理の基本方針すらも決まっていないという状況では、来年、そのようなお約束をされても、それもとても信用することができないということを改めて申し上げさせていただきます。

 私は、本日、あともう一つ、再就職監視・適正化委員会につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど来、田村政務官でいらっしゃったでしょうか、裏下り、天下りの根絶に向けてこの委員会で厳しく調査を行う、そうした答弁もあったかと思います。この再就職監視・適正化委員会につきまして、仙谷大臣は何度も、機能を強化したと再三御発言をされております。私は、本当にそうなのかという疑念を抱かざるを得ない状況にあります。そのことにつきまして、順次質問をさせていただきます。

 まず、再就職等監視委員会と再就職監視・適正化委員会、長い名前ですので現委員会と新委員会と略称で言わせていただきたいと思います。その違いにつきまして、簡潔に答弁を求めます。

仙谷国務大臣 最大の違いは、新しい委員会は、各府省による再就職あっせんの承認権限を付与されていない、承認権限なんかはないということであります。

 さらに、再就職等の規制の遵守に関する任命権者への指導助言、この機能を追加しておりまして、監視機能を強化したということでございます。

 加えて、規制等の適切な運用確保に必要な措置について調査審議をしてセンター長に建議できるという再就職適正化機能を付加いたしているところでございます。

 中立で公正な第三者機関である点、再就職等規制違反行為の調査を行い、違反行為に対して懲戒処分等の措置を勧告する機能を有する点は、旧委員会と新委員会は同様でございます。

 以上です。

高木(美)委員 例外承認は新しい委員会に付与されておりますが、その認識でよろしいんでしょうか。

大島副大臣 求職承認と働きかけ承認で、あっせんの承認はございません。

高木(美)委員 再就職等規制につきまして、例外承認、例えば、身内の企業に就職をするとか、それが利害関係のあるところであるとか、そうした意味での例外承認、これはこの委員会に付与されているというふうに書いてありますが、それでよろしいのでしょうか。

大島副大臣 そのとおりでございます。

高木(美)委員 重ねまして、現委員会、これは、以前の国家公務員法の、古い方ですが、第百六条の五、また内閣府設置法第三十七条に規定をされております。新しい委員会につきましては、独立した機関であり、国会同意人事にする、このような法、そしてまた大臣からの答弁もいただいております。

 国家公務員法第十八条の五におきまして、監視・適正化等の機能につきましては、内閣総理大臣が民間人材登用・再就職適正化センターに事務を委任する、そして、そのセンターは、第十八条の七により、さらにその権限を委員会に委任する。要するに、これは二段階の法の構成になっております。

 私は、この委員会をセンターのもとになぜ置くのか、これが大変おかしいと今までもずっと思ってまいりました。本来であれば内閣府に設置をする、独立した機関とおっしゃるのであれば、それが適正ではないかと思います。

 なぜセンターのもとに置くのか、そのことにつきまして答弁を求めます。(発言する者あり)

仙谷国務大臣 不思議でしようがないと今おっしゃいましたけれども、昨年の、消費者庁をどこにどのように置くのか、消費者委員会をどこにどのように置くのかというのは、これは日本の今の内閣法それから内閣府設置法、国家行政組織法等々から見まして、大体、てんやわんやの大騒ぎになって、スパゲッティの中へ潜り込んで何かひっつけるみたいな、こういう話になるんですよ。

 監視機関のような機関をどのように位置づけるのか。憲法上位置づいていないものを、適切な監視をやらせるためにどうするのか。本件の場合には、全般的なマターを扱うということよりも、再就職についての監視でありますから、センターの下に置く、しかしながら独立性の強い、そういう権能を与えるということが最もおさまりがいい、そういう判断をしたということであります。

高木(美)委員 すごく今の答弁は、大臣は本当にこの細かいたてつけを、法律の専門家でいらっしゃるので十分御存じかと私は思っておりましたが。

 例えば、これは第十八条の八の二の三です。みずから調査審議し必要と認められる事項を「センター長に建議し、」及び「センター長の諮問に応じ調査審議すること。」今までは内閣総理大臣に対して勧告することができていたんです。その勧告機能をなくしているんです。なくして、センター長に事項を建議する。これは、強化とはとても言えないと私は言わざるを得ません。

 当然、このセンターは内閣府設置法における特別の機関です。そのもとに審議会等は設置できないというたてつけになっております。ならば、新委員会は直接内閣府に置くべきではないでしょうか。不自然と言わざるを得ません。

大島副大臣 高木委員にお答えをさせていただきます。

 今回の法案により、内閣総理大臣に対する勧告はセンター長が行うことといたしましたが、これは、委員会が有する規制の監視等に基づく知見のみならず、内閣の方針を踏まえたセンター長の政策的な判断をあわせた内容の勧告を行うことが適当であるとしたためでございます。

高木(美)委員 それは独立機関とは言わないのではないですか。しかも、ここで厳しく調査するとおっしゃいますが、厳しい調査と言われましても、例えば、この委員会において調査する、そして、これがおかしい、そうしたことをセンター長に報告する、センター長は握りつぶすかもしれないじゃありませんか。独立機関と言っていること自体が私は耳を疑わざるを得ないと申し上げさせていただきます。

 しかも、この新委員会につきましても、本来であれば、この上にあるセンターはどういう機能を持っているかといいますと、私はさんざん、こんなセンターは要らないというふうに言わせていただきました。組織の改廃時についてはここで再就職のあっせんができるというのがこのセンターの持つ機能です。支援をする機関のもとに調査をする機関を置く、これは不自然ではありませんか。(発言する者あり)

仙谷国務大臣 支援をできるといったって、支援は極めて限られたケースなんでしょう。できる場合にしかできないことになっているわけでしょう。つまり、あなたの言う旧委員会のようにあっせん支援をすることが仕事になっていないんですよ。原則としてそんなものはしないことになっているんですよ、この新委員会は。そんなことで、何でずぶずぶになるんですか。

高木(美)委員 ちょっと大臣に誤解があられるようです。

 センターのもとにこの監視する委員会があるんです。センターは組織の改廃時についてはあっせんできるという機能がありますね。これは、私は、分限のときはそれはそうだけれども、それはアドホックに各省庁でいいではないか、なぜここに総理大臣挙げてこんなセンターを置いてやるんだ、不要じゃないかということを申し上げました。いや、そうじゃないという答弁でした。

 しかし、そうしたあっせんする機関のもとに調査機能がある。おかしいと思ったその内部告発はどこに持っていけばいいんでしょうか。

仙谷国務大臣 中身の問題として、独立性があって、独立の権限行使ができるというたてつけにしてありますので、先生がおっしゃられることは全く心配がないと思います。

 そういう言い方をすれば、例えば公正取引委員会にしても、なぜ内閣府の中にあるのか、内閣府の外に出さないと本当の独立性はないじゃないか、こういう議論と同じなんですよ、今おっしゃっていることは。

高木(美)委員 それであれば、せめてこの委員会を内閣府に置けばいいじゃないですか。こんなセンターのもとで、まさに恣意性が疑われるような、そんなところに置くべきではありません。

 しかも、これを、強い調査機能を持った独立機関、これが天下り根絶の切り札ですと。私は、そうした考え方は成り立たないということを指摘させていただいているんです。

 しかも、総理大臣に対する勧告機能がなくなったわけですから、これはやはり内閣府にきちんと置いていただく、しかも内閣府設置法の中にも位置づけていただく、そうした権限がなければ機能しないということを重ねて申し上げさせていただきます。

 それで、先ほど、平井議員の質問に対しまして、最後に階政務官が、このセンターの機能につきまして、離職のときも再就職のあっせんをすることができるということをお示しされておりましたが、第何条のどこでしょうか。

階大臣政務官 お答えいたします。

 先ほど私が読み上げた条文は、改正後の国家公務員法第十八条の四でございまして、「内閣総理大臣は、第七十八条第四号に掲げる場合において離職を余儀なくされることとなる職員の離職に際しての離職後の就職の援助を行う。」ここを読ませていただきました。

高木(美)委員 この場合の「離職を余儀なくされることとなる」という、ここはどういう事例で読めばよろしいんでしょうか。

階大臣政務官 ここは、「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」というのが七十八条の第四号でございます。この場合を指して「離職を余儀なくされることとなる」というふうに言っているというふうに解しております。

高木(美)委員 わかりました。

 ということは、その範囲であればできるということであれば、ほとんどがその範囲に重なってくるのではないかなという懸念がありますが。

階大臣政務官 「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」というのは、国のいわばリストラによって、廃職というのは職を廃されるとか、あるいは過員、定員オーバーになってしまったという場合ですので、まさに国の一方的な都合でその職にとどまれなくなった場合ということですので、こういった例は、過去を振り返ってみましても、直近では社会保険庁の問題がありましたけれども、それ以外はほとんどなかったというふうに承知しておりますので、今委員がおっしゃったように、ほとんどこの場合に当たるのではないかということではないと思います。

高木(美)委員 今の答弁につきましては、勧奨という話ですね。要するに、「離職を余儀なくされる」という条項につきまして、勧奨の場合というのは、定員オーバーになったからあなたはもうこれ以上だめですよというのは、余儀なくなのか、それとも勧奨、これはどちらの話なんですか。

階大臣政務官 先ほど読み上げた条文のとおりでございますけれども、まず七十八条四号に掲げる場合に該当するかどうかという問題があります。そこに該当するのは、先ほど申し上げたように、国の一方的な都合でもうその職にとどまれなくなった場合ということです。

 その場合において、「離職を余儀なくされることとなる職員」というのは、分限免職であるかそれとも勧奨退職であるかによらず、職を離れざるを得ないというようなことでございまして、別に分限免職だけとか勧奨退職だけという場合に限らず、先ほど申したような七十八条四号の場合であって、配転とかで引き続き仕事がある場合はいいんですけれども、離職を余儀なくされる場合は広くこの十八条の四の対象になる。(発言する者あり)

 済みません、広くというのは、今の法文の要件を満たす限りにおいてという意味でございます。広くということはそういう意味です。

高木(美)委員 素朴な疑問ですが、広く読むと全部該当するという話になるのではないでしょうか。もしくは、そのような条件を整えればすべての方がそこの範囲の中に入るのではないかと言われても私はそれは否めないと思いますが。

階大臣政務官 ですから、七十八条四号の要件がまず前提として満たされなくてはいけません。そこでかなり絞られているということですので、その後が勧奨であろうがあるいは分限免職であろうが、それは非常に限られた範囲の中でのことですので、委員がおっしゃるような、広く再就職の支援が認められるということではございません。

田中委員長 高木さん、時間が参りました。

高木(美)委員 恐れ入ります。

 次回やらせていただきます。この四号の「官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」、どのような役所でもこういう事態はしょっちゅう起こり得る話であって、こういうことがあるから早期退職勧奨をどうするかということも当然リンクをしてくるわけです。

 ただいまの答弁、私は大変遺憾でございますし、このことにつきましては、今後また質問をさせていただきたいと思います。

 時間が参りましたので、以上で終了させていただきます。

田中委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 幹部人事の弾力化に関して質問いたします。

 先日、大島副大臣は、適格性審査、幹部候補者名簿の作成に当たって人事院の関与があるのか、人事院が何らか定めるものがあるのかということについては、人事院規則を定めることは想定していないという御答弁でございました。

 それを踏まえてですけれども、実際に幹部候補者名簿から個々の幹部に任用する、任免に当たりまして人事院の関与はどうなのかということですけれども、中立公正性を確保するという観点で、人事院としての任用に当たっての原則的なルールづくりというのを想定しているのか。つまり、人事院規則を定めることを想定しているのか。その点についてまずお聞かせください。

大島副大臣 先生おっしゃるのは、幹部人事のところで人事院の規則を想定しているかどうかという問いでございますか。これについては、人事院の規則について、決めるかどうかというのは、基本的には決めない方向、想定をしていない方向かなと考えております。

塩川委員 決めない方向だというお話であります。

 きょうは、人事院総裁、人事院は呼んでおりませんけれども、この間の一連の質疑でも、人事院の方は、実際の幹部の任用に当たっては二つの対応がありますと。一つは任命権者がやる話と、人事院がやる話。

 人事院がやることについては、三十三条との関係で、何らかの中立公正な客観的基準が必要だということを言って、ルールづくりについて検討したいと言っていましたが、それについてはお考えでないという話でございました。

 その点で、もう一つの対応として、任命権者側についての対応の話であります。そういう点でも客観的な基準がどうかということが問われてくるわけですが、幹部の任用に当たりまして、人事の公正性を担保するために、国公法の規定する官職に対する適性を持っているかどうか、そういうのを評価することが必要なわけですけれども、実際にその任用に当たって適性を見る際に、その評価の客観的な基準というのはどのようにお考えなのか、お聞かせいただけますか。

大島副大臣 お答えをさせていただきます。

 一たん適格性審査を通った後に個々の官職に充てる場合だと思います。

 個々の官職に充てる、その能力を評価して、これは、これまで答弁させていただきました人事評価もあるでしょうし、公募の場合には公募における成績等、専門性等を加味しながら個々の官職に充てていくことになると考えております。

塩川委員 客観的な基準ということで、これは橘委員が御質問になりまして仙谷大臣もお答えになっていますけれども、何らかの客観的な基準が必要ではありませんかという問いに対し、仙谷大臣からは、人事の公正性を担保するという点で何らかのコードをつくるとか、閣僚の共通の認識とか理解とか、こういうものが必要なんじゃないのかというお話がありましたけれども、それは何らかの客観的な基準を定めるという趣旨なんでしょうか。

仙谷国務大臣 適格性審査については、当然のことながら、その審査の方法あるいはある種の評価の仕方というものについては、その審査に携わる方々について、そういう基準を示すということになろうかと思います。

塩川委員 いや、ですから、適格性審査を踏まえて幹部候補者名簿に載りました、そういった方々を任用するに当たりまして、その際に公正性を確保するための客観的な基準というのはお考えなのか。何らかのコード云々ということを前回おっしゃっておられたので、その趣旨でどうかとお尋ねしたわけです。

仙谷国務大臣 公正性がどうのこうのというのを何か大変疑念を持ってお考えのようでありますが、これは、総理大臣、官房長官と任用権者が協議する、そこの牽制といいましょうか、そこでチェックをしていただくということだと私は考えております。

塩川委員 いずれも、任命権者も総理大臣も官房長官も政治家ですから。

 この議論の中心というのは、まさに政治家の関与について、その恣意性をどう排除するのか、情実人事、党派的人事にならないようにするためにどうするのかということを議論してきたわけですけれども、実際そのポストに張りつける際に、人事院が基準を定めることは考えておりません、政府側、任命権者の方で何らかの基準を考えるかという点についても、きちんとしたお答えがないということになってくると、これは、実際その任用に当たりまして、ある局長のポストがあって、現局長がいて、部長職の方がいて、公募で入ってきた名簿登載者の方がいて、そういう中から局長にふさわしい方を選ぶということについて、だれがそのポストにふさわしいのかということについては、やはり、政治家の恣意性が入らないで決まるんでしょうか。

仙谷国務大臣 政治家、政治への官僚の方々の応答性というのを先ほど甘利元大臣は大変強調されておりましたね。そことの関係はどうなるんでしょうか。

 つまり、年功序列ではやらない、あるいは、陰のOB、元次官どもの使嗾による人事であってはならない、しかし、表面的というか、世間向けにはこの人が力があるとして次官、局長になってくる、そこは全く政治家はむしろタッチさせないという前提になってきたのがまずいということで、公務員制度改革基本法ができて、政治への応答性ということが強調をされてきたんじゃないんでしょうか。

 適格性審査に合格するということは標準職務遂行能力はある、あとは、できるだけ党派性、党派的な偏りなどというものは除いて、その時点での政治の担当者、任命権者、それと総理、官房長官の相互のチェックの中で選んでいく、そのことをするために幹部人事の一元管理ということが重要になってきたということなんじゃないんですか。

 それを、結果論としてこれは非常に恣意的だというのであれば、争っていただくしか、不服を申し立てていただくしかないと私は割り切って申し上げたいと存じます。

塩川委員 最後は争ってもらうしかないということ自身も制度として乱暴なんじゃないかなというのは率直に思いますし、甘利委員は、立場は違いますけれども、お話しになっていた点でなるほどと思ったのは、政治応答性と客観基準というのはなかなか両立させるのは難しいという点について、客観基準についてもそれなりのものを定めないと政治応答性がきちんと……(仙谷国務大臣「そんなこと言っていない」と呼ぶ)いやいや、そういう趣旨ですよ。それは、先ほど階さんと大島さんの答弁が食い違うというのは、そのどちらにウエートを置くかというニュアンスの違いとして甘利委員は受けとめていたわけですから。

 いずれにせよ、客観的に基準が定められなければ最終的には政治家の判断という点で、要は、政治任用という話につながらざるを得ないわけであります。

 そこで、この委員会でも議論になっていました、国家公務員制度改革推進本部事務局の体制の問題について質問をいたします。

 ここで、仙谷大臣が着任をされたときに体制の入れかえが行われたわけですけれども、退職をされた方は何人で、その方たちはどのような官職の方だったのかについて御説明をいただけますか。

仙谷国務大臣 いわば、発令としては免というふうになっていらっしゃる方は民間から来られたお二人、それからもう一人、退職というふうになっていらっしゃる方が、これがいわば次官級以上の方、あるいは次官それから局長級ということになろうかと思います。

 公務員制度改革本部の、その他の審議官級といいましょうか、審議官、参事官クラスの方々は、昨年の十二月十七日付で、各省庁からの出向でございましたので、これは審議官と参事官ですが、事務局の併任を解除して、それぞれの出身省庁にお戻りをいただいたということであります。

 民間からこちらの方に来ていただいた方については、そのままお願いをして、現在も大変熱心に働いていただいております。

塩川委員 特に上の方、事務局長さん、それから事務局次長さんがお二人、そういう方で、事務局次長さんのお一人は退職、その他のお二人の方が職を免ずるということであったわけですけれども、このお三方というのは一般職ということで承知をしておりますが、それでよろしいでしょうか。

仙谷国務大臣 一般職の非常勤がお二人、それから常勤というふうになっていた方がお一人であります。

塩川委員 幹部職の総入れかえを行ったわけですけれども、その理由は何なのかについてお聞かせください。

仙谷国務大臣 公務員制度改革を、公務員の労働基本権を付与する方向で構築する、そういう政権交代に伴う方針によりまして、方針が変わったのでお引き取りいただきたいのですが、こう申し上げたら、おやめいただいた、こういうことでございます。

塩川委員 この間の質疑の中でお答えになっていますけれども、今お話ございましたように、政権交代に伴い方針が変わったのでおやめいただきたいということで引き取っていただきましたということでした。

 そういう点で、身分上は一般職だけれども実質的にはポリティカルアポインティーだと見ていたというふうにおっしゃっておられるわけですけれども、実質的にポリティカルアポインティーだと見ていたというのは、どういう意味なんでしょうか。

仙谷国務大臣 その時点での、その時点でのというのは渡辺公務員制度改革担当大臣でしょうか、それか甘利大臣でしょうか、そういう方々のある種の御意向によって、わざわざ民間からお二人、事務局長と事務局次長、一人ずつ、それから、既にもう総務省の事務次官をやめられた方をまたまたそこに再張りつけをするということは、やはりその時点での担当大臣あるいは内閣の方針のもとに、こういう方々がいいだろうということで、非常勤という格好で二人任用された。それから、旧来、一度総務次官までなさった方をまたまたそこに持ってきたというのは、やはり、それなりの能力もおありになったと思いますが、それなりの、その時点での内閣の方針に、あるいは担当大臣の方針に割と合う方がいらっしゃっていたんだろう、こういうふうに私は考えましたし、そのとおりだったんじゃないんでしょうか。

 そこで、内閣がかわるというよりも、歴史的な、政権が交代し、そういうことが実現をし、六十年間手がついていなかった公務員制度改革を、労働基本権を付与するという全く前提の違うコンセプトのもとに行うわけでありますから、当然ここは、私が担当になったときに、そういう前提でスムーズに企画立案し、あるいは他省庁との調整ができ、あるいは、ほとんどが出先の方だと思いますけれども、労働組合、職員団体の方ともきちっと折衝ができる、将来的には折衝もできる、こういう体制をつくらなければ新しい公務員制度はつくれない、こういう発想で先ほど申し上げたようなお願いをした、こういうことであります。

塩川委員 おやめいただいたお三方は一般職であります。当然、しかるべく選考を経て任用された方々であるわけで、そういう点では、その能力、適性を踏まえて任用されたわけですけれども、実際、今お話をお聞きしますと、政権交代に伴い方針が変わったのでというお話ですから、その能力、適性ではなくて政治的な理由で幹部の入れかえ、おやめいただいたということになるわけで、国公法上の任免の原則であります成績主義、能力、適性で選んだ幹部職を政治的な理由で入れかえるということが可能なのか、そのことが問われるんですが、その点いかがですか。

仙谷国務大臣 公務員制度改革推進本部事務局のような、アドホックなこういう事務局については、そういうことを前提にそもそも任用がされていると私は思っておりますし、そして、政権が交代したときに、そのアドホックな構成の組織を今度はまたアドホックに構成し直すということがなければ、前の内閣、前の政権の、あるいは前の政治の色のついたお仕着せの官僚機構を使って何かできるんでしょうか。そのことの方が問題だと私は思っております。

    〔委員長退席、小宮山(洋)委員長代理着席〕

塩川委員 確かにこのお三方というのは、御本人たちも、一般職であり国公法の身分保障がかかっているわけだけれども、事実上の政治任用、実質的にポリティカルアポインティーだと思っているから、この辺が潮どきかなというのでおやめいただいたんだと思いますけれども、これは、今度の国公法の改正では、意に反して、転任という形でポストからのいてもらうということもできかねないような中身でありますから。

 私、その点で、では最後に伺いたいのは、今回の国公法成立以後では、幹部職は官邸の承認を受けた幹部職となり、また政権がかわった場合に、その後の政権から見れば、幹部職は全員実質的にポリティカルアポインティーだということに見られることになる。そうなれば、政権がかわるたびに、あるいは政権交代でなくても、同じ与党の中での政権担当者がかわった場合、あるいは大臣がかわったとしても、こういった実質的なポリティカルアポインティーということを理由にして恣意的な人事がまかり通ることになってしまうんじゃないのか、そういうことを強く懸念するわけですが、その点、最後いただいて。

仙谷国務大臣 それが恣意的であるのか、合理的かつ合目的的であるのかは、それは評価する人によって違うのかもわかりませんけれども、例えば同じ与党の中でも内閣がもしかわるというような事態の中で、政策のプライオリティーのつけ方が違う内閣が出現をすれば、当然そこは、まあ、おやめいただけるというふうな場合は少ないでしょうけれども、この間から言っているように、横異動してもらって、そのポストを、優先順位の高い政策を担当するポストを、総理大臣あるいは官房長官そして担当、任命権者が協議の上そういう人事配置をするということは、当然私はあるのではないか、そのためにこの幹部人事の一元化、一元管理ということはなされるのではないか、そういうふうに考えております。

塩川委員 一般職であって、本来、人事の公正性を担保するような客観基準が必要なのに、それもない中でのやり方というのはやはり猟官運動にもつながることにもなりかねないということも含めて指摘をして、きょうの質問を終わります。

小宮山(洋)委員長代理 次に、浅尾慶一郎さん。

浅尾委員 この委員会でも何回か議論になりました、鳩山政権が誕生した後の早期退職勧奨につきまして、どういう経緯で早期退職勧奨が行われたのかということについてきょうは伺いたいと思います。

 実は、内閣官房の中で三名早期退職勧奨がなされております。その該当の方々についてはリストで出していただいておりますが、その該当の方々に、内閣官房のどなたが、どういう経緯で、そろそろおやめになったらいかがですかという話をされたのか。そのどなたが話をされたかということと、そのときに再就職先についてはどういう話がなされたかということについて、まずは松野官房副長官に伺いたいと思います。

松野内閣官房副長官 浅尾委員にお答え申し上げます。

 何か、こういう形で質問者と答弁者となってやるのも不思議な感じがいたします。

 今のお尋ねの件でございますけれども、三名に退職勧奨をしてございます。これは、官房長官が行政の刷新、人事の刷新ということで行ったというふうに承知をしているところでございます。

浅尾委員 済みません、一点だけ確認で。この確認が終われば松野副長官は御退席いただいて結構です。

 そうすると、官房長官は、早期退職勧奨はしないというそもそもの民主党のマニフェストをもちろん承知をしておりましたけれども、そのことはあったけれども退職勧奨をしたという理解でよろしいですね。

松野内閣官房副長官 お答え申し上げます。

 今、浅尾委員がおっしゃったように、早期退職勧奨というふうにおっしゃいましたけれども、一人の方は、事務次官を経て一度退官をされてこの職につかれた方、また一人は、国税庁の長官をして一度退官をされた方、もう一人は、ずっとお勤めでありますけれども、もうずっと、六十四歳ということでございまして、そういう意味では、早期に当たるのかというと、私は当たらないのではないかというふうに思っております。

 また、もう一点の再就職の件でありますけれども、再就職に関しては全くあっせんをしてございません。

浅尾委員 では、官房副長官、結構でございます。

 続いて、外務省が一人、会計課長、大分若い方が早期退職勧奨のリストの中に入っておりますが、どういう経緯で、どなたがそのことを言われたのか、伺いたいと思います。

    〔小宮山(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

吉良大臣政務官 お答えを申し上げます。

 今御指摘のあった会計課長については、これはいわゆる省としての早期退職勧奨ではなくて、自主的に実はやめられております。今特定の御指摘のあった会計課長については自主的でございます。

浅尾委員 自主的ということでありますが、実は、質問主意書で、早期退職勧奨の対象者を出せという一覧表の中に含まれているんですね。もう退席されましたから松野さんにとやかく言うあれはありませんが、先ほどの三名の内閣官房の方も、その一覧表として、鳩山内閣として、この人たちは早期退職勧奨の制度にのっとって早期退職勧奨をした人だということでありますので、今の吉良政務官のお答えだと、質問主意書に対する答えが虚偽だったと、きつい言葉になりますが、そういう理解でよろしいですか。

吉良大臣政務官 定義の問題があるとは思いますけれども、繰り返しになりますけれども、御指摘の会計課長については、確かに若くして退職をされておりますけれども、いわゆる、省から積極的に勧奨したというよりも、自主的にやめられているというのが実態でございます。

浅尾委員 これは委員長にお願いしますが、内閣として一覧表を出していただいたものが、その当該役所がそうではないということであるとすると、どういう経緯で一覧表の中にそれが含まれていたのか、その理由を出していただきたいと思います。

田中委員長 追って理事会で検討します。

浅尾委員 では、政務官、結構でございます。

 次に、農林省の政務官もお越しをいただいております。農林省の該当の方は生産局付となっておりますが、どういう理由で、どなたが早期退職勧奨をされたか、伺いたいと思います。

佐々木大臣政務官 お答えいたします。

 どなたかということについては、課長補佐以下の人間でありますので定かではありませんけれども、当省の場合は、任命権者の委任に関する訓令に基づいて、該当する機関の長、いわゆる本省であれば局長、地方であれば農政局長が退職勧奨に関する事項を行う権限が委任されておりまして、退職勧奨はこれらの職員が行っているところでございます。

浅尾委員 退職勧奨を行うことについては、事前に政務三役は承知していたという理解でよろしいですか。

佐々木大臣政務官 農水省の場合は、地方の機関を中心に、職員の年齢構成が非常にいびつになってございまして、そういうことから、人事の刷新を図り職員の適正な配置を図るという観点から、高年齢層の退職勧奨が必要不可欠となってございます。

 このため、再就職のあっせんは行わないという政務三役の方針のもとに、退職後は実家の就業等が見込まれる高齢職員について退職勧奨を行っているところでございます。

吉良大臣政務官 申しわけございませんが、ちょっと先ほどの答弁を訂正をさせていただきます。

 私の方で自主的というふうに申し上げましたけれども、ちょっと個人的な事情はあるにせよ、退職勧奨に従って退職をしたということでございますので、前回の答弁を撤回させていただいて、新たに、退職勧奨リストの対象であるということを述べさせていただきます。

浅尾委員 では、個人的な事情は別として、どなたかが退職勧奨をされた。どなたがその方に退職勧奨をされたんでしょうか。

 要するに、個人的に自主退職ということは早期退職にならないわけですね。どうぞそろそろおやめくださいと言わないとならないので、もともとの質問は、どなたが早期退職の勧奨をされたんですかという質問でありますので、外務省の中でどなたがその方に早期退職勧奨をされたのか、お答えいただきたいと思います。

吉良大臣政務官 任命権者、大臣でございます。

浅尾委員 ちょっとそこは、余り言葉じりをとらえたくないんですが、自主的にやめたいというふうにおっしゃっておられる方に、任命権者の大臣がわざわざ会計課長に早期でやめなさいと言うのは、何となく非常に論理的に成り立たないような気がして、このリストに載せたのが間違いだったら間違いであるということで訂正してあげればいい話なので、そこは、答弁が正確でないのであれば、別途検討して委員会に提出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

田中委員長 吉良外務大臣政務官、明確にしてください。

吉良大臣政務官 申しわけありません。御指摘のとおり、別途報告をさせていただきます。

浅尾委員 委員長、別途しっかりとした、質問主意書は、正確なものを、各省でも検討した上で内閣総理大臣名で答えが出ているはずでありますので、そこに書いてあることが二転三転するようでは非常に困るということだと思いますので、そのことを指摘させていただいて、委員会に対して、正確な理由、そして、その件についてなぜそういうふうになっているのかということも含めて提出をいただきますようにお願いしたいと思います。

田中委員長 吉良君、しっかりと精査をして、それでちゃんと委員会に報告してください。

浅尾委員 終わります。

田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時六分散会


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