第2号 平成26年2月21日(金曜日)
平成二十六年二月二十一日(金曜日)午前九時四十分開議
出席委員
委員長 柴山 昌彦君
理事 関 芳弘君 理事 平 将明君
理事 橘 慶一郎君 理事 西川 公也君
理事 平井たくや君 理事 近藤 洋介君
理事 松田 学君 理事 高木美智代君
青山 周平君 秋葉 賢也君
小田原 潔君 鬼木 誠君
勝俣 孝明君 川田 隆君
小松 裕君 新谷 正義君
田所 嘉徳君 田中 英之君
高木 宏壽君 豊田真由子君
中川 郁子君 中谷 真一君
中山 展宏君 長島 忠美君
野中 厚君 福山 守君
簗 和生君 山田 美樹君
吉川 赳君 大島 敦君
後藤 祐一君 津村 啓介君
若井 康彦君 遠藤 敬君
中丸 啓君 百瀬 智之君
山之内 毅君 輿水 恵一君
大熊 利昭君 赤嶺 政賢君
村上 史好君
…………………………………
国務大臣
(国家戦略特別区域担当)
(地方分権改革担当)
(地域活性化担当)
(道州制担当) 新藤 義孝君
国務大臣
(内閣官房長官)
(国家安全保障強化担当) 菅 義偉君
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 古屋 圭司君
国務大臣
(海洋政策・領土問題担当) 山本 一太君
国務大臣
(女性活力・子育て支援担当)
(消費者及び食品安全担当)
(少子化対策担当)
(男女共同参画担当) 森 まさこ君
国務大臣
(行政改革担当)
(公務員制度改革担当)
(再チャレンジ担当)
(クールジャパン戦略担当)
(規制改革担当) 稲田 朋美君
内閣官房副長官 世耕 弘成君
内閣府副大臣 西村 康稔君
内閣府副大臣 関口 昌一君
外務副大臣 岸 信夫君
農林水産副大臣 江藤 拓君
内閣府大臣政務官 福岡 資麿君
内閣府大臣政務官 伊藤 忠彦君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 武藤 義哉君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 二宮 清治君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 谷脇 康彦君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 加藤 進君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 北村 博文君
政府参考人
(内閣法制局第一部長) 近藤 正春君
政府参考人
(内閣府大臣官房長) 幸田 徳之君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 中村 昭裕君
政府参考人
(宮内庁次長) 山本信一郎君
政府参考人
(金融庁総務企画局参事官) 坪内 浩君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 下川眞樹太君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 高島 泉君
政府参考人
(農林水産省大臣官房参事官) 高橋 洋君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 住田 孝之君
政府参考人
(観光庁次長) 佐藤 善信君
政府参考人
(防衛省防衛政策局長) 徳地 秀士君
参考人
(日本放送協会専務理事) 石田 研一君
内閣委員会専門員 室井 純子君
―――――――――――――
委員の異動
二月二十一日
辞任 補欠選任
大岡 敏孝君 簗 和生君
田所 嘉徳君 小田原 潔君
中谷 真一君 野中 厚君
杉田 水脈君 百瀬 智之君
志位 和夫君 赤嶺 政賢君
同日
辞任 補欠選任
小田原 潔君 田所 嘉徳君
野中 厚君 中谷 真一君
簗 和生君 中川 郁子君
百瀬 智之君 杉田 水脈君
赤嶺 政賢君 志位 和夫君
同日
辞任 補欠選任
中川 郁子君 大岡 敏孝君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十五回国会閣法第一九号)
国家公務員法等の一部を改正する法律案(渡辺喜美君外三名提出、第百八十五回国会衆法第一〇号)
幹部国家公務員法案(渡辺喜美君外五名提出、第百八十五回国会衆法第一五号)
国家公務員法等の一部を改正する法律案(津村啓介君外四名提出、第百八十五回国会衆法第一六号)
国家公務員の労働関係に関する法律案(津村啓介君外四名提出、第百八十五回国会衆法第一七号)
公務員庁設置法案(津村啓介君外四名提出、第百八十五回国会衆法第一八号)
内閣の重要政策に関する件
栄典及び公式制度に関する件
男女共同参画社会の形成の促進に関する件
国民生活の安定及び向上に関する件
警察に関する件
――――◇―――――
○柴山委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会専務理事石田研一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣参事官二宮清治君、内閣官房内閣審議官谷脇康彦君、内閣官房内閣参事官加藤進君、内閣官房内閣審議官北村博文君、内閣法制局第一部長近藤正春君、内閣府大臣官房長幸田徳之君、内閣府大臣官房審議官中村昭裕君、宮内庁次長山本信一郎君、金融庁総務企画局参事官坪内浩君、外務省大臣官房参事官山田滝雄君、外務省大臣官房参事官下川眞樹太君、厚生労働省大臣官房審議官高島泉君、農林水産省大臣官房参事官高橋洋君、経済産業省資源エネルギー庁資源・燃料部長住田孝之君、国土交通省観光庁次長佐藤善信君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○柴山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘慶一郎君。
○橘委員 おはようございます。
万葉集で始めさせていただきたいと思います。
大変な大雪で驚かされたわけですけれども、何とか三度目の大雪はないようで、ほっとしております。そろそろ梅の花も見たいなという、そういう春を待つ気持ちを詠んだ、万葉集巻八、一千四百三十四番を詠ませていただいて質問に入らせていただきます。
霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに春日の里に梅の花見つ
それでは、よろしくお願いします。(拍手)
過日、所信をお伺いしたわけでありまして、大変多岐にわたる内閣府、内閣官房でございます。オムニバス型でちょっと細切れになりますが、質問させていただきながら、後半、時間の限り、電子政府実現への取り組みについて、IT戦略の方でいろいろお伺いしたい、このように思っております。
冒頭、当委員会の直接の所管というわけでもないのですが、やはり今申し上げた大雪、関東甲信地方の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
今までとは異なる雪害であったと思います。今復旧に全力を傾注いただいております。どうかよろしくお願いを申し上げながら、やはり今までにないタイプの災害、どういうふうに備えるか、あるいはどういうふうに予防していくか、いろいろな教訓がこれから引き出されるものと思っております。
現状について、お忙しいところですが、西村副大臣、お願いいたします。
○西村副大臣 お答えを申し上げたいと思います。
まさに、今回の大雪、山梨県などでは観測史上最も深い積雪となっておりまして、多くの方が被害を受けておられます。心から私もお見舞い申し上げたいと思います。
御指摘のとおり大変な被害が出ているわけですけれども、例えば、中央自動車道、東名高速道路、一旦通行どめになりました。これも復旧をいたして全面開通しております。それから、長野新幹線、JR中央線、これもとまりましたけれども、今はもう動いております。それから、サプライチェーンが寸断をされたこともありましたけれども、これももとに戻りつつあるという状況だと思います。農業被害も、ビニールハウスの倒壊を初め、大変な被害が出ております。
御案内のとおり、政府の方では、十四日の金曜日に警戒会議を開きまして、週末の雪が予想されるということで、不要不急の外出を控えて、早期に帰宅することを含めて、関係省庁に、体制の確保、交通障害の対応に万全を期すことを確認したわけであります。
その後のことは御案内のとおりでありまして、十八日の段階で、週の中ごろですけれども、さらにまた雪が降るんじゃないかということもありましたので、総理の御指示もあって、非常災害対策本部を設置してその対応に臨んでいるところであります。現地には亀岡政務官が常駐をして、現地対策本部長として対応に当たってくれております。
その後、孤立集落も相当程度減少して、けさの段階で、四都県で四百十二世帯まで来ております。停電なんかもほぼ解消して、人のいない別荘なんかで一部ありますけれども、住んでおられるところはもう解消しているということでありますので、相当程度改善をされてきておりますが、引き続き、こうした孤立集落の方々がおられますので、早期解消に向けて懸命に努力をしているところでありますし、ぜひ一日も早くもとのような生活ができるように、復旧に向けて全力を挙げていきたいというふうに思っております。
ちなみに、燃料とか食料とかは、全て連絡がついて手配をしておりますので、ここは万全を期しております。
ただ、この週末、気温が上がるものですから、逆に雪崩が心配をされますので、きのうの夜も、山梨の現地の亀岡本部長、亀岡政務官とも相談をして、相当程度呼びかけをしておりますし、きょう閣議後の記者会見で、恐らく古屋大臣がもう言われたんじゃないかと思いますけれども、注意をするようにということで呼びかけをしております。
いずれにしましても、これだけの大雪が降ったわけで、いろいろ対策を講じたわけでありますけれども、しっかりと検証も行って、今後の対策、将来同じようなことが起こらないように、ぜひ、直すべきところがあれば直して、より災害対策を進化させていきたいというふうに考えております。
○橘委員 ぜひ早く復旧をしていただくこと、さらに全力を尽くしていただくことをお願い申し上げながら、いろいろな教訓があると思います、なかなか全てブルドーザーを用意すればいいというものでもないでしょうし、どんな予報を出せば、警報を出せばいいのかとか、いろいろな教訓についてはこれからぜひまた引き出していただければと思っております。どうぞ。これで結構でございます。
続きまして、山本国務大臣にお伺いいたします。
今国会では、科学技術イノベーションあるいは健康科学に係る調整機能をいろいろな形で内閣府の方に移してさらに強力に取り組むという法案の方も予定をされているわけであります。過去、宇宙の方も、かなり力強く内閣府でやることになってまいりました。私のように昔からいろいろ霞が関に多少出入りしていた人間とすれば、以前の科学技術庁に似たような機能がだんだん内閣府に戻ってきたようにも実は見ているわけであります。
内閣府は、審議官、参事官、スタッフ制ということをずっととっておられるわけですが、これだけいろいろな機能になってまいりますと、やはりある程度ライン的なものも入れていかないとなかなか大変ではないか、こんなことを私なりに思うわけでございますが、このあたり、山本大臣の見解をお伺いいたします。
○山本国務大臣 橘委員の万葉集に大変感銘を受けました。
内閣官房、内閣府の総合調整を担当する組織については、先生も御存じのとおり、今、政治主導のもとで、高度な判断が必要となるその時々の内閣の重要課題に対して、機動的かつ効率的に対応できる体制が必要だというふうに考えております。
このため、現在では固定的な、今おっしゃった局、課という制度ではなくて、政策統括官及び参事官等から成る事務体制とすることで組織の機動性及び弾力性の確保を図っております。
また、科学技術イノベーション政策、宇宙政策、海洋政策等については、今私のもとで司令塔連携・調整会議というものをやっておりまして、ここで相互連携の緊密化に努めております。
委員のおっしゃった問題意識は、もちろん頭に置いておきますが、引き続き、これらの組織体制を最大限活用して、所管するさまざまな重要課題に対してやはり効率的かつ効果的に対応していきたいというふうに考えております。
○橘委員 ありがとうございました。
後からも触れますが、内閣官房、内閣府についてこれからどうしていくかということは、今いろいろこれから議論もあるわけでありまして、私が申し上げたような視点についても、また心にとめていただければ幸いと思っております。
続きまして、地方分権の方に移ります。
四次一括法案というのが今回提案されているわけでありまして、その後の進め方について、懇談会等では、今度は全国一律ということではなくて、自治体からの提案募集方式、あるいは、あるこういうことについてどうですかということで、手挙げ方式、こういったことも検討されているというふうに伺っております。
また、道路、河川管理の国、地方の分担でありますとか、あるいはハローワークの仕事の進め方等については、今いろいろと、閣議決定に基づいて、国、地方でいろいろな議論がなされているということを伺っております。
四次一括法案の後、どのようにこの地方分権を進めていくのか。スケジュール感等、今あるものがございましたらお示しいただければと。伊藤政務官、お願いいたします。
○伊藤大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。
地方分権改革につきましては、課題のうち、民主党政権下におきまして、第一次、第二次一括法案を成立していただきまして、第三次につきましては、昨年、自公政権におきまして成立をさせていただきました。
残されました課題である国から地方への事務権限の移譲等に加えまして、第三十次地方制度調査会答申で示されました都道府県から指定都市への事務権限の移譲等をあわせた第四次一括法案を今国会に提出することとなっておりまして、これによりまして、第二次地方分権改革は、ようやく一区切りを迎えることになるわけでございます。
今後は、新藤大臣が常々示させていただいておりますが、総務省のミッションの一つでございます、個性を生かして自立した地方をつくるため、従来からの課題への取り組みに加えまして、地方の発意と多様性を重視いたしまして、ただいま委員が申していただきましたとおり、地方公共団体からそれぞれ全国的な制度改正の提案を広く募る方式でございます提案募集方式の導入でございますとか、あるいは、地方公共団体の発意に応じて選択的に移譲する方式でございます手挙げ方式の導入等をさせていただきますと同時に、ただいま申しました提案募集や手挙げ方式によっていただきました案を受けとめさせていただきまして議論する場といたしまして、地方分権改革有識者会議の専門部会の活用などをいたしまして、政府の推進体制の整備をしっかりさせていただき、新たな局面を迎える地方分権を強力に進めていく所存でございます。
法改正の方式につきましては、各府省所管の複数の法律を改正することとなった場合には、必要に応じて一括法案を提出することも、ただいま検討しているところでございます。
また、直轄道路、河川の権限移譲につきまして、委員も熱心にしていただいておりますが、昨年閣議決定をいたしました見直し方針を踏まえまして、国と都道府県、指定都市との間において、関係する市町村の意見も聞きつつ、権限移譲にかかわる個別協議を行っているところと承知をいたしております。
また、これらの権限移譲にあわせまして、直轄事業の対象につきまして、昨今起こっております大規模な災害の発生等、社会資本をめぐる状況の変化を踏まえまして、地方管理道路、河川の直轄編入につきましても、同時に必要な見直しを行うことといたしているところでございます。
また、ハローワークにつきましては、その求人情報を地方公共団体にオンラインで提供する取り組みを、費用負担を極力抑えながら、積極的に推進をいたしてまいります。また、国の無料職業紹介所と地方公共団体の業務の一体的な実施やハローワーク特区など、地方公共団体と一体となった雇用対策をこれまで以上に推進することとさせていただいておりまして、これらの取り組みの成果と課題を検証し、その結果等を踏まえて、事務権限移譲について引き続き検討と調整をし、実行ができるようにしてまいりたいと思っております。
橘先生、大変万葉の歌に造詣が深いのでございますけれども、大伴旅人という方が、「世の中は空しきものと知る時しいよよますます悲しかりけり」、こういう歌が載っております。
私どもは、こんな思いにさせたくない。「空しきもの」ではない改革をしっかりと進めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
○橘委員 万葉集で返されるとは思わなかったのですけれども、旅人が太宰府にいたときに詠んだ歌を返していただきまして、どうもありがとうございました。
この後、五次一括法になるのかわかりませんけれども、また逐次お取り組みいただき、また、昨今そういう状況でございますので、ぜひ地方から逆にここは国でお願いしたいということも、真摯に出ている部分もあります。ハローワークについては、これはまた市役所等自治体と連携していくことも非常に意義があると思います。どうかそれぞれよろしくお願い申し上げて、結構でございます。
それから、稲田クールジャパン戦略担当大臣、後から行政改革の方はまた別にお伺いするわけですが、いつも福井の鯖江の眼鏡のフレーム、いろいろなものを活用いただきながら、大臣みずからクール・ジャパンの発信に努めておられる、このように承っております。
クール・ジャパン、いろいろな分野が、アニメがあったりコンテンツがあったり、伝統工芸があったり、いろいろするわけですが、やはり、何か日本というものを一体として知っていただくためには、例えば、世界無形文化遺産になった和食、和食を出せば、食もわかるし、器もわかると。それで、茶の湯になれば、書道もわかるし生け花もわかるし、漆器や銅器、金属、いろいろなものがまとめて紹介できるという、そういう何か、まとめてこういうものなんだという紹介の仕方というのが私はあるように思っております。
たまたま今ちょっと伝統的なことを申し上げましたが、そういう何か、組み合わせをしてうまく総合的に日本というものをクール・ジャパンとしてアピールしてはいかがかと思うのですが、見解をお伺いいたします。
○稲田国務大臣 私は初代のクールジャパン戦略担当大臣なんですが、それまで各府省がそれぞれ取り組んでいたクールジャパン戦略を、まさしく横串を刺して、みんなで一緒にやっていこうというのが私の役目だというふうに思っています。
そして、今先生が御指摘になったように、和食なら和食という、その食材だけではなくて、いろいろな、文化やら器やら、そして敷物であったりとか家具であったり、いろいろなものを、特に茶の湯であれば、もう本当に総合的な日本の文化、そしてその空間とか、そういったものを一緒に出していくということが非常に重要だというふうに思っています。
これまでには、昨年開催したクールジャパン推進会議で取りまとめたアクションプランに基づいて、例えばクール・ジャパンとビジット・ジャパンの連携、また、食、物、サービスなどの発信のイベントについて、さまざまな分野や府省が連携した、日本のトータルな、すてきとか、いいものを発信していこうというふうに思っています。
それと、私は、このクール・ジャパンというのは、それぞれの考えているクールな、すてきなところを、発見をして発信をしていく国民運動、または社会ムーブメントというふうに捉えております。先ほど、眼鏡のことを言っていただきましたけれども、きょうは朝日新聞に鯖江の厚さ二ミリのペーパーグラスが紹介されていましたけれども、それぞれの持っているクールというものを発信していく運動にしていきたいなというふうに思っています。
今後とも、各府省の連携をさらに強化して、さまざまな魅力を、先生がおっしゃるように、まとめて世界に向けて発信できるよう、効果的な発信ができるよう頑張ってまいりたいと思っております。
○橘委員 ぜひよろしくお願いいたします。鯖江の紹介もありがとうございました。
そして、このオムニバス形式の質問、最後に森大臣にお願いするわけですけれども、きょうも実は私ども自由民主党の方ではテレワークの会議をやっていたわけであります。在宅勤務、いろいろなことがあるんですけれども、例えば大都市圏ということで考えると、やはり通勤が長い、なかなかおうちで過ごす時間が短い。では、一週間に一日でも在宅勤務というものを入れていけば、この霞が関の役所の方々、今後ろにずらっと並んでいる方々の生活も変わるんじゃないか、このように思うわけであります。そう思って、きのうも私の質問通告は午後二時半にさせていただいているわけでありますけれども。
ぜひ、中央省庁におけるこのテレワークについて、一応やろうということにはなっているようでございますが、もう一度、可能性のある分野、こんなことができるじゃないかということを含めて洗い出して、チャレンジをされてはと思います。IT戦略本部の担当ではあるのですが、ここは男女共同参画、少子化の観点から森大臣に、森大臣もお勤めになったこともあるわけですから、お伺いをしたいと思います。
○森国務大臣 ありがとうございます。今の御質問で、橘委員、霞が関、女性全員のハートをキャッチしたんじゃないかと思いますけれども。
私も金融庁にいたときは、保育園と小学校の子供を抱えながら、国会当番ですと朝まで、そして、朝来る大臣のレクをするということで、ほとんど家に帰れない仕事ぶりでありましたけれども。
きょう、私は朝四時に起きてきたんですけれども、委員会がある日は、家族の朝御飯をつくって、お弁当をつくって、それから来るということで、四時起きでございまして、もうそろそろおなかがすいたなあなんて、さっき稲田大臣にお話をしていたんですが。
そういう中で、やはり、テレワークという働き方が霞が関の中でもできますと、これは民間の方にも、隗より始めよということで、お示しをしていくことができると思います。
日本再興戦略においては、このテレワークなど、多様で柔軟な働き方を推進すると決めておりますし、山本一太大臣のところで取り組んでおられます世界最先端IT国家創造宣言においても、内閣官房において、各府省におけるテレワークの取り組み実績を、可能性のある業務の洗い出しを含む調査を今行っていただいておりますので、先ほど山本大臣の方にも、男女共同参画の観点からもしっかりと洗い出しをしてくださいとお願いしたところであります。
安倍内閣では、女性の活躍、アベノミクスの三本目の矢の中核にしておりまして、隗より始めよということで、霞が関の中の改革も進めております。
私、閣議のときに、通信簿を各大臣にお渡しをして、一学期、二学期、三学期と渡し終わりました。その中に、女性の採用、登用、数値で出しますと、この一年で、今までの三倍の伸びで安倍内閣では女性官僚の活躍が進んでおります。それと同じように、テレワークについてもしっかりと、数値目標等も決めて推進をしてまいりたいと思います。
○橘委員 前へ進むような、本当に、そういう御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。ぜひまた山本大臣にもよろしくお願いしたいと思っております。
いろいろお伺いしていますけれども、やはり、内閣府というのは非常に広いと。細切れの質問で申しわけなかったんですが、この広い内閣府のいろいろな仕事は全部大事、でも、何かを絞っていかなければ、やはり、内閣府としてだんだんだんだん仕事が忙しくなるばかりということであります。肥大化ということも言われるわけですが、これを改善しようとしますと、どうしても、この横串を刺している機能、それをどこかの省庁にお返しをしなきゃいけない、こういうことになってまいります。
しかし、考えてみますと、橋本行革から始まって、今の体制というのは、内閣府はもちろんそうなんですけれども、各省庁でも、場合によっては横串を刺そうということがもともとの考えだったと私は思っております。これから見直しをかけていく場合には、どうしても、各省庁でも横串を刺していただかなきゃいけない、そういう気持ちで各大臣に頑張っていただかなきゃいけない、こういうことになるんだろうと思うんですが、この辺、今、橋本行革を振り返られて、これから前に進むに当たってどういうふうに考えていらっしゃるのか。これはまた、立場を変えましての、稲田朋美行政改革担当大臣の方からお願いいたします。
○稲田国務大臣 御指摘の内閣官房、内閣府の組織の問題については、やはり、橋本行革の原点に立ち戻るというのはすごく重要なことだと思います。そして、委員は北海道開発庁で総合調整を担っておられましたし、やはり、橋本行革においては、省庁間における政策調整システムということを定めていて、各省が自律的に縦割り行政の弊害を排して、政策の一体的、効果的、効率的な実施を図っていくことが望ましい、その上で、内閣官房、内閣府における総合調整ということがあるんだということが橋本行革の基本にあるのだと思います。それから考えて今はどうなのかという視点は、やはりきちんと踏まえて考えていかなければならないと思っています。
あと、私、公務員制度改革担当大臣もやっております。この委員会でも審議をいただくことになっておりますけれども、内閣人事局をつくることによって、縦割り行政の弊害を排して、また、幹部候補育成課程などで、省庁だけではなくて、横串を刺す、国益の立場から働く官僚がふえることによって各省調整に費やすコストというのも少なくなっていくのではないかなというふうに思っております。
いずれにせよ、内閣官房、内閣府は、国の統治機構における中核組織であり、そのあり方については、橋本行革の理念に立ち戻った、丁寧な議論が必要であるというふうに考えておりまして、現在、まずは与党内で検討をしていただくということを注視しつつ、私としては、目下の改革の集大成である公務員制度改革、そして独法改革の仕上げに向けて全力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○橘委員 ありがとうございました。
内閣人事局あるいは内閣の国家安全保障局と、絶対内閣官房でやらなきゃいけないことについて、さっきの議論に戻ると、スタッフ制も入れながらされていく、そのかわり、時の政権、政権で大事なものを、また内閣府、内閣官房でやっていく、ある程度目鼻がついたら各省へ戻されて、そこでまた横串を刺していただく、何かそういうことをいろいろと組み合わせていかなきゃいけないということを、きょうは申し上げたかったのでありまして、ぜひ橋本行革を踏まえてよろしくお願いしたいと思います。
大臣の皆様方、本当にしっかり御答弁いただいているので、私もいつものペースの配分で行くとまだまだ行くんですけれども、だんだん時間が限られてまいりました。幸田官房長、二宮参事官にも来ていただいているんですが、まことに申しわけございませんが、電子政府の方、やはり少し話をさせていただきたいと思っております。
電子政府もいろいろなものがあるわけですけれども、国民との関係でいうと、納税とか、登記とか、社会保険とか、そういったいろいろな申請を行うこと、特に企業のいろいろな申請をまとめて行うことをオンライン化したりしていくことが非常に大事だ、このように思っております。
関税のNACCSとか、あるいはe―Taxとか、かなり進んでいるものもありますし、社会保険、例えば年金やハローワークの関係などでは、まだまだこれからというものもあるわけであります。非常にばらついているわけですけれども、やはりこういったものをしっかり進めていくということは非常に大事であろうと思っております。
本当は、きょうはそのあたりの進展の状況でありますとか、あるいはその際にどういうことが大事か、そういうことを聞きながらということで、最後、山本大臣にお願いをしようと思っていたんですが、当然、レクも全部、全体をされていることかと思います。
こういった電子政府の現状を踏まえながら、日本はそれなりに進んでいるんだ、ぜひいいところを生かしながらもっと進めていくんだと。そして、行政内部ではもっとペーパーレス化も進めていただきたいですし、電子政府をやることによって業務の整理、効率化もできると思います。積極的行政管理を目指していただくことについて一言いただいて終わりにしたいと思います。
○山本国務大臣 全部お答えするとかなり長くなるので、ペーパーレス化の話をさせていただきたいと思います。
ITの利活用による成果を最大限にするためには、従来の制度、業務プロセス、慣行、職員の意識などもあわせて改革する必要があると思っております。従来、電子政府の進展が進まなかったのは、実はIT分野というよりもIT以外の部分に問題があったというふうに考えています。
今、遠藤CIOを中心に各府省からヒアリングを精力的に行っていますけれども、民間の経験を生かしながら、IT化に当たって、BPR、業務改革の徹底、こういう有益なアドバイスを今していただいています。IT担当大臣としても、CIOの活動をしっかりとサポートしてまいりたいと思いますし、これは橘委員も何度かおっしゃっていますが、IT以外の部分、特にBPR、この点についてはしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○橘委員 どうもありがとうございました。
○柴山委員長 次に、中丸啓君。
○中丸委員 日本維新の会の中丸啓でございます。
本日は四十分というお時間を頂戴しておりますので、しっかりと質疑をさせていただきたい、このように思います。
まず初めに、きょうは二月二十一日でございまして、あすは二月二十二日、竹島の日でございます。竹島が韓国によって不法占拠されたままの状態がずっと続いてる中で、竹島の日の記念式典があす島根県で開催されるということになっていると思うんですけれども、山本大臣にお尋ねします。これは主催はどこでしょうか。
○山本国務大臣 主催は島根県でございます。
○中丸委員 そのとおりでございます。できれば、これは将来的にはぜひ政府主催でやっていただきたい、このように思っております。
昨年の第八回に初めて政府から島尻政務官が式典に入られまして、ことし、あすは亀岡政務官が第九回に伺うというふうに聞いております。前回が政務官で今回も政務官、ぜひ第十回はもう一つステップアップしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 言うまでもなく、竹島は、歴史的事実に照らしても、国際法上も、明らかに我が国固有の領土でございます。政府としては、竹島をめぐる領土問題に関する我が国の立場を明確にする上で、より有効な方策を不断に検討してまいりました。
今委員がおっしゃったように、あす二十二日に開催される島根県主催の第九回竹島の日の記念式典には、政府から海洋政策・領土問題担当の亀岡偉民内閣府大臣政務官が出席することになりまして、それもそのような方策の一環として判断をさせていただきました。
今後の当該式典への対応については、政府としては、諸般の事情を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○中丸委員 ぜひとも、しっかりと、毅然として我が国の領土であるということを対外的にも発信できるように、もちろん、対外的だけでなく、国内においてもそれがはっきりわかるような方策を今後ともとっていただきたいと思います。
そういった領土問題も含めて、去る二月十八日、日本テレビの深層NEWSで、山本大臣が、昨年末から強化されている中国政府の歴史や領土、主権問題に対する世界各国への発信に対抗するために、近々に主要国の日本大使を東京に集めて戦略を練るべきだという持論を発せられたと思うんですけれども、この発言について、私は、ぜひ率先して取り組んでいただきたいと。
テレビ番組のコメンテーターの方が言われたわけではなくて、担当大臣として発信されたわけですから、ぜひとも中心になって推し進めていただきたいと思うんですけれども、その御決意をお伺いしたいのが一点。
もう一点は、領土問題だけでなく、せっかく世界の各領事館から集めてそういう会議を開く、その調整は外務省とかがされるんだと思うんですけれども、そういったことをされる中で、領土問題だけではなくて、昨日の予算委員会で我が党の山田宏委員からも質問があったように、例えば慰安婦問題の曲解されている部分、捏造されている部分、厳密な証拠がない部分、こういうものも、日本の誇りのためには非常に大事な部分だと思います。本当に、将来の我々の子供たちや、孫や、まだ見ぬ未来のそういった世代に対して、どういった誇りを残していくのかという意味でも非常に重要な部分だと思うんですけれども、その御決意をお聞かせください。
○山本国務大臣 深層NEWSを見ていただいてありがとうございました。
我が国の領土主権をめぐる情勢が大変厳しさを増している状況の中で、我が国の立場に関する正確な理解を国内外に浸透させていく、これは委員のおっしゃったように喫緊の課題だというふうに思っています。
こうした認識に基づいて、安倍内閣は、発足とともに歴代内閣で初めての領土担当大臣を置くということで、領土主権をめぐる国内外への発信の強化に向けた体制を構築いたしました。私は、領土担当大臣として、安倍総理の考えのもと、政府全体としての領土主権に係る戦略的な対外発信というものを行うべく、関係府省庁と緊密に連携しつつ努力をしてまいりました。今委員からも御激励をいただきましたが、今後ともこのような対応を強化していきたいと思います。
御指摘の二月十八日に放映されたBS日本テレビのニュース番組に私が出演して申し上げた、主要国の日本大使を東京に一度呼んで対外発信の戦略を練るという考えについても、これも領土主権をめぐる対外発信の強化に向けた取り組みの一環として、外務大臣と緊密に相談しつつ、その具体化について今考えております。
もっと言うと、実は、二月中だったと思いますけれども、アジア太平洋地域の大使会議というのがありまして、かなり多くの大使が日本に戻ってこられます。それについては、岸田外務大臣の方から、その会議のどこかに参加をして激励の挨拶をしてくれないかということでしたので、できれば時間をいただいて、そこで私の方から直接大使の方々を激励し、私の考えを述べさせていただきたいというふうに思っています。
その際は、先生が今おっしゃいましたけれども、領土主権にかかわらず、日本の対外発信についても恐らくきちっとこの中で議論をされることと思いますが、その点については、私も改めて、外務大臣にお目にかかったときに、総合戦略、まさに日本の対外発信全体についてもやはり議論するべきではないかというお話は、提案としてさせていただきたいというふうに考えています。
○中丸委員 ありがとうございます。ぜひとも本当に中心になってやっていただきたいと思います。
それにあわせて、外務省も、いろいろ聞くと、やはり予算の問題とかもあると思うので、そういう総合的に、兵たんの部分もできるような流れでつくっていただければということを申し伝えさせていただきます。
せっかく山本大臣に来ていただいているので、ちょっと領土問題とは違うんですけれども、昨年、内閣委員会で、何度もマイナンバー法案についての審議をさせていただき、私も何度も質問に立たせていただきました。その中で、昨年の十二月、私、ちょっとアメリカのサンフランシスコのオラクルの本社に行ってまいりまして、今世界の最先端と言われているデータシステムがどういったもので、オラクル社は他社に比べてどういったメリットがあるのか、役員の方から説明をお伺いして、オラクルの代表の社長と、CEOとも少しお話をさせていただきました。
そういった中で、昨年の私の質疑のときも申し上げましたが、実際にオラクルの説明を聞いてみて、確かに、今現状で世界最高と言われるものであることは、なかなか認めたくない部分もありつつ認めざるを得ないというような感想を持ったんです。しかし、まだ入札も行われていない時点で、二千億円を超えると言われる多額の投資をするわけですから、アベノミクスで国内の経済を発展させるという与党の方向性からしても、去年の質疑の中であったのは、特許庁のページをつくるときに国内でなかなかうまくいかなかったというお話もあるんですけれども、一社じゃなくて、国内にはやはりIT産業がたくさんありますので、JVでもいいと思うんですけれども、オール・ジャパンでやるということも、入札の前に一つの選択肢として、ぜひともそういうことこそ政府の呼びかけでやっていただくという考え方もあると思うんですけれども、御所見をお伺いできればと思います。
○山本国務大臣 委員の今のオラクルの話は大変参考になりました。
大規模な情報システムの整備については、国内経済の活性化、それから今、オール・ジャパンという話がありましたが、国内企業の技術力の向上にも資するというふうに考えております。さらに言うと、社会保障・税番号のような国民の重要なデータを預かる大規模システムの整備、運用に当たっては、委員の方からも以前あった気がしますが、安全保障の観点からもセキュリティーの確保というものは大事だというふうに考えております。
ただし、同時に、こうした情報システムの整備に当たっては、WTOの政府調達協定に基づいて内外無差別及び透明性の確保というものも図っていかなければいけないというのも、よく御存じだと思います。
社会保障・税番号制度に関するシステムの調達についても、これは政府調達協定に基づき、内外を問わず競争入札を行うということになっていると承知をしております。
例えば、内閣官房の社会保障改革担当室がやっている情報提供ネットワークシステム等の設計・開発等業務の調達仕様書においては、複数の事業者による共同提案も可能になっているというところも、いろいろそういうことも考えながら対応していきたいというふうに考えております。
○中丸委員 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
それでは、官房長官にお越しいただきましたので、官房長官にちょっと質問をさせていただきたいと思います。
昨日の予算委員会での山田委員の質問もそうなんですけれども、アメリカで慰安婦像であるとかそういう碑がたくさん建っている大きな原因の一つに、きのうは我が日本国の当時の官房長官であった河野元官房長官の、俗に言う河野談話をもとに質疑が行われたと思うんですけれども、石原参考人も来られて。その中で、あの談話については、韓国政府との話の中でさまざまなことがあり、確とした証拠はなかったということだったと思います。
しかし、二〇〇七年のアメリカの下院決議百二十一号、マイク・ホンダ議員が出されたというふうに言われていますけれども、この中身について、ちょっとその和訳した部分を一つ挙げますと、さきの大戦で日本政府は慰安婦と呼ばれる若い女性たちを性的奴隷にし、集団強姦、強制流産、身体切断、自殺に追い込む性的暴力等、残虐性と規模において前例のない二十世紀最大の人身売買を行ったというような内容になっているということなんですけれども、この件について御存じですか。
○菅国務大臣 そうした決議が行われたということは承知しております。
○中丸委員 こういったことだけでなく、さらに、日本政府に謝罪を要求するだけでなく、教科書に入れて日本の子供たちに教えるように求めるという決議の内容です。
これは完全な内政干渉だと思うんですけれども、官房長官、いかがお考えですか。
○菅国務大臣 そうしたことが言われていることは私ども承知しておりまして、日本の立場は全く異なる、そうした事由について外交当局を通じてそこは説明をさせているところであります。
○中丸委員 説明はもちろんしていただかなければいけないんですけれども、私、昨年十二月、サンフランシスコに行ったときにロサンゼルスにも立ち寄りまして、そこでグレンデール市にも行ってまいりました。我々は今、歴史問題検証PTというプロジェクトチームを党内で立ち上げていまして、こういった活動をしているわけですけれども、その中で、俗に言う設置に反対している日系人とか在米の日本人の方々とももちろんお話をさせていただきました。ではなくて、反対側に、設置を推進している日系アメリカ人の方ともお話をさせていただきました。
どういう人たちかというと、マイク正岡さんというロビイストの人が立ち上げにかかわっていたJACLという日系アメリカ人団体がありまして、これはどんな団体だったかといいますと、もともと日系人の強制収容が米国において行われたときに、それに対する人権運動として、レーガン大統領のときに日本円で一人頭二百万円ぐらいの賠償金をかち取ったということをやっていた団体でございます。かち取った後に、次にこの団体が何をしたかというと、アパルトヘイトの問題、それからこの慰安婦問題なんです。この人たちは民間団体ですから、どこかから資金を得ながらそういった活動を続けていっているわけですね。
我々がロサンゼルスでお会いしたのは、どういう御関係かまでは調べられませんが、先ほど申し上げたように、この団体を立ち上げたロビイストがマイク正岡、我々が会った女性リーダーはキャシー・マサオカさんです。そういった方々が、さもお仕事のようにこういった活動を続けられている。
キャシー・マサオカさんと話をして、では、あなた方がアメリカにおいて主張する論拠は何ですかと。これが、まず一つが下院決議百二十一号、さらに言うと、もう一つは日本政府が発表した河野談話、この二つだと。それ以外に、それには具体的な話は河野談話にはもちろんなかったわけですから、では、二十万人だの何だのかんだの言っているのはどこからの情報かというと、元慰安婦と知り合いの韓国人とゴルフ場にゴルフに行ったときに、ゴルフをしながら聞いた話だと。その程度なんですよ。
アメリカの公文書館に、一九四四年にフィリピンで、実際に日本軍と一緒にいた当時の慰安婦の人たちが捕虜になったときのインタビューというか調査があるんですね。一九四四年といったら戦時中です。アメリカは、戦時広報、プロパガンダとも言われますけれども、そういったことが非常にうまい国です。一九四四年にしっかりと調査をして、彼女たちが一体、一回どのランクの兵隊の相手をしたら幾らもらっていたかというところまで完璧に調べられています。休みの日は兵隊と一緒にピクニックに行ったり、化粧品を買いに行ったり、服を買いに行ったり、そういうことも、米軍が取材してできたものが一九四四年の報告にあります。これは、アメリカの公文書館に問い合わせればわかることです。
そういうものがあったにもかかわらず、今のこの下院決議のような内容を、プロパガンダとして当時利用しようと思えば、捏造もできたわけですよね、アメリカだって。しかし、真実がそうじゃないから、当時はしなかったわけです。今これをやっている理由は、先ほども申し上げたように、その談話と、向こうの活動家たちがやっているところからアメリカでは始まっているというところでございます。
こういった問題があったんですが、二〇〇七年に決議があった後しばらく、余り表に出てこなかった。それが、二〇一四年に、下院のイスラエル議員が歳出法案に盛り込もうという動きをされたわけですね。これによって再燃してきた状態が、今につながっているというふうに私は思っているんです。
これからも、お答えにくい部分もあるでしょうけれども、これはきちんとした形で、まず国内において、もう既にサンフランシスコ講和条約のときにプレスコードは破棄されているわけですから、言うべきことは言う、正しいことは正しい、何が真実か、はっきり発信していくべきだと我々は考えているんですけれども、官房長官、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 私の国会答弁の中でも、日韓の基本条約の中でこの問題は全て解決済みである、そういうことは政府の認識としても当然でありますし、そうしたことも私どもは発信をしているということも事実でありますけれども、ただ、今日まで、戦略的に、こうした問題に対しての広報、宣伝というのが相手と比較をして余りにも足りな過ぎた、そうしたことについて私ども反省をしておりますし、新政権になりましてから、この予算等も拡充しまして、戦略的に対応させていただきたい、このように思っています。
○中丸委員 ぜひとも実効力のある対応をしていただきたいと本当に思います。
これは、今いる我々だけではなくて、未来の国民の皆さんのためでありますから、ぜひとも我々の世代のうちに解決をしていただきたい。というのも、証人の方が御存命のうちにやらないと、これはできなくなりますから、もうそんなに時間はないというふうに思います。
それでは、少し質問をかえまして、菅官房長官は、所信において、外交・安全保障戦略については機動的、戦略的に遂行していくということをおっしゃられています。それ以外にも、「世界一安全な日本」創造戦略について、総合的な犯罪対策の推進等も取り組んでいくという強い決意を所信でお伺いしました。
犯罪といえば、従軍慰安婦の問題は先ほど触れましたけれども、従軍慰安婦はコンフォートウーマンだと。コンフォートウーマンというのは、これは皆さん、要は売春をなりわいにしている方々だというふうな理解だと思うんですけれども、平成二十一年から平成二十四年まで、外国人による売春防止法違反の検挙件数と人数を警察庁の方からデータでいただきました。
その中で、平成二十一年、検挙件数が全部で九十八件あったんですけれども、この九十八件のうちの四十三件は韓国です。そして、三十七件は中国です。九割近くがこの二カ国によって検挙の中で挙げられているということは、外国に関しては、潜在的にはこの二カ国がそういった女性による仕事を我が国の中で一番行っているということが言えると思います。この比率は、実は、平成二十四年になったときに、韓国が十三件、中国が四十五件。やはりこの二カ国で八割、九割を占めているという比率は変わりません。
来る二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピックがございます。世界一の治安、治安というのには公序良俗もかかわってきます。世界からどういう国か見られます。
外国人の方がそういった売春、潜在的には、国内に韓国からだけでも十万人いるのではないか、そういうような数字も出ています。これは、実は我が国だけではなくて、私が昨年末に訪れたアメリカ・サンフランシスコ、ロサンゼルスに在住の方からも同じような意見をお伺いしました。これは今、世界じゅうで広がっているという話もあります。
他国のことはおいておきまして、東京で日本の未来をつくっていく大きな大きなイベントが開催される中で、ぜひともこういったものを徹底的に取り締まっていただきたいということと、五人、十人ではなくて万人単位で来るということは、必ず、向こうから送り出す組織、受け入れる組織というのがあるはずなんですね。これは要は管理売春じゃないかという話なので、公安委員長、ぜひともこれは徹底的に取り締まっていただきたい。特に東京だけに限らない。東京で取り締まればほかに逃げますから、国内でやっていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○古屋国務大臣 委員御指摘のように、二十一年の外国人の売春事案による検挙件数、あるいは二十四年、御指摘いただきましたけれども、件数と人員、例えば二十四年、八十八件で八七%ですね、外国人の中に占める中国と韓国の割合。あるいは、人員で六十八人で、中国、韓国の占める割合が八五%。確かにおっしゃるとおりだというふうに思います。
我々警察としても、やはり、世界一安心、安全、治安のよい国ということを私は当然所信でも申し上げていますが、特に、今委員御指摘の東京オリンピック・パラリンピックに向けての対応は、極めて重要ですね。
そこで、我々警察としては、平成十七年度以降、健全で魅力あふれる町づくり、こういう視点のもとで、官民一体となった繁華街だとか歓楽街対策を行っていまして、その一環として、売春等の風俗関係事案の取り締まりを強化しています。
今、外国人の犯罪が百件ということでございますけれども、実際にトータルで見ますと千七十九件ということでありまして、これは、外国人の犯罪以外にもこういう売春事案があるということであります。
したがって、オリンピックが開催されたときには、外国人、日本人問わず、徹底的な売春の、あるいは風俗関係事案の取り締まりを強化していく、これは、委員御指摘のように極めて重要だというふうに、人道上の見地からも重要でございますので、徹底した対策を講じるよう、私からも警察に改めて督励をしてまいりたい、そして、環境浄化対策に取り組んでいきたいというふうに思っています。
○中丸委員 ありがとうございます。
ぜひともこの環境浄化を徹底的にやっていただいて、我が国は、どこかの国と違って、おもてなしにそういうものは本当に必要ないんです。きちんとしてできるような体制をとっていただきたい、このように思います。
ちなみに、管理売春でいえば、場所提供、管理する管理売春、資金提供、あっせん、これは全て刑事罰で懲役刑になりますので、しっかりとやっていただき、入管とも連携しながら、実態調査も含めて行っていただきたいと思います。警察の方も、そこだけに員数は今のところそんなに特別割けていないみたいですから、やはり、増員も含めて人の異動とかをやっていただければと思います。
それでは、今国会の中で安倍総理が非常に力を入れられている集団的自衛権の憲法解釈変更についてお尋ねいたします。
菅官房長官にお尋ねします。
集団的自衛権を、我が党は基本姿勢としては容認というふうになっているんですけれども、この集団的自衛権の意義と解釈のポイント、どういう解釈をしてそういうふうにするのか、簡潔に御説明いただければと思います。
○菅国務大臣 まず、この集団的自衛権の前提でありますけれども、委員御承知のとおり、我が国を取り巻く国際環境、安全保障の環境というのは極めて厳しい状況にあるということは事実であります。そして、脅威は国境を越えてくるわけでありまして、もはや、どの国であっても、一国でみずからの国の平和と安全を守ることというのはできない状況になっていることは事実だというふうに思います。
その中にあって、国際社会と協力をして地域や世界の平和を確保していく、このことが極めて大事だという前提の中に立って安全保障の法的基盤を再構築する必要があるという中で、今、安保法制懇という中で、集団的自衛権と憲法との関係について懇談会が行われておるところであります。
そして、ここの懇談会において議論が行われ、その報告書を私ども受けた後に、これはまず与党と調整をしながら、しっかりと議論をし、この問題について何が課題であり何を目指しているのか、また具体的な事例、そしてわかりやすく国民の皆さんにも説明し、理解が一層進むような形の中で対応していきたいというふうに思います。
いずれにしろ、報告書を受けてからと思っています。
○中丸委員 ぜひとも、この憲法解釈変更に伴うさまざまなことを早期に取り組んでいただきたいと。私は安全保障委員会の理事もやらせていただいていますので、細かな内容については安保委員会の方でやらせていただきたいと思っているんですけれども、一つだけ気になっていることがございます。
今の官房長官の御答弁にもありましたけれども、総理ももう三回、四回ぐらいおっしゃられていると思います。自分の国を一国で守る時代ではなくなった。各国を見ても、現実的にそういう面もあるとは思います。しかし、国を守るということは、我々日本は独立国ですから、自分の国は自分で守るというのは大前提だと思うんです。
自分の国を自分で守れないなんと言っている独立国というのは、どこかほかに御存じですか、官房長官。
○菅国務大臣 自国の防衛については、世界どこについてもその権利は有しておるわけでありますから。委員から言われましたけれども、当然、自国は自国で守るというのが、それは大前提の上に立って、今の我が国を取り巻く安全保障の環境を考えたときに、そこはなかなか難しいということもこれは事実ではないでしょうか。ただ、基本はそこであるということであります。
○中丸委員 事実は事実としても、やはり、国を守るというのは、治安であれば警察であったり、消防、消防団の皆様であったり、国防であれば自衛隊の方々であったりというのはありますが、大事なのは、やはりそこに命令を下す、指示を出すのは政治でございますから、毅然とした態度というのは非常に、これは対外的な抑止力としても私は必要だと考えますので、政治家の発言というのは。ですから、弱気ととられるような発言、別に強気でがんがん攻めてくれという意味ではなくて、すきをつくらないように、そういった御発言もぜひとも、前後の言葉のつなぎとか、御配慮いただければというふうに思います。
この集団的自衛権の中で、いろいろ、どういった解釈をしていくかという考え方とかあるんですけれども、そもそもなぜやるかというと、自衛権を発動するというときのためにやるわけですけれども、発動要件として、我が国に対し急迫不正の侵害があること、これを排除するためにほかに適当な手段がないこと、これは発動要件。
それで、実際に行使するとき。これは恐らく、いろいろなマスコミさんも含めて誤解が生じやすいのは、よく言われる、地球の裏側まで米軍と一緒に行って戦争をするんじゃないのかとか、そういったいろいろな拡大解釈というか、昔の本当にGHQのつくったプレスコードのように、軍ということに触れないようにさせるような報道も非常に多いんですけれども。
この行使要件の中に、必要最小限の実力行使にとどまることというのが自衛権発動の三要件の一つにあると思うんですけれども、これは昭和六十年九月二十七日の政府答弁書からのことなんですが、必要最小限の実力行使にとどまるということは、どの程度が必要最小限かという分析ができていて初めてできることだと私は思います。
言葉尻で言えば、必要最小限と言っている方が、非常に、昔、PKOとか行くときに、銃を持っていくのは一丁なのか二丁なのかという、豆腐を数えているようなくだらない議論もあったぐらいで、それは一丁だけ持っていって壊れたらどうするんだという話になれば、絶対控えでもう一丁要るわけですよ。そういった議論が、最小限という言葉からたびたび我が国では起こっているわけですけれども。
集団的自衛権の解釈変更に伴って、この最小限の実力行使というのをどういった定義づけでお考えなのか、官房長官の御所見をお伺いしたいと思います。
○菅国務大臣 まず、先ほど来申し上げていますけれども、前提として、安保法制懇の中で結論を出していただいて、報告書を受けて、それを、与党と当然調整をしながら、そこで具体的なことを行っていくわけでありますけれども、例えば今委員の御指摘の、集団的自衛権の行使に当たって必要最小限度にとどまっているか否かについては、個別具体的な判断が必要であるというふうに思っていますので、一概にお答えをすることは困難であるというふうに思います。
ただ、これは政府の考え方としまして、やはり国民の皆さんに理解をしていただくということが極めて大事なことでありますので、これは報告書を受けた後に、具体的にどういうことか事例を挙げながら理解を求めていく、そこはしっかりと行っていきたいというふうに思っております。
○中丸委員 ありがとうございます。
国民の理解は非常に大事でございます。しかし、国民の皆様に理解をしていただくのに、実際にこの行使を行う場合に、その最前線に立つのも我々と同じ日本人でございます。命をかけ、家族と離れ最前線に向かっていく、血を流すのは彼らなんだということも、国民の理解を求めるときにぜひともしっかりと訴えていただきたいと思うんですね。
少な目だったらいいとか、多目だったらいいとか、ダイエットしている話ではないので、本当に必要最小限、余分なものは要らないとは思いますが、やはり最適なものをきちんとできるような、これは政治が決断するしかないと思うんです。それがまた彼らの命を守ることになりますし、いざというときの、最悪の事態にならないための抑止力にもなると私は考えているんですけれども、官房長官、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 いずれにしろ、その報告を受けた後に、そこは具体的に議論をさせていただくことになるわけでありますけれども。
ただ、基本は、先ほど来委員からの発言にありますように、やはり自国は自国で守ることが基本であって、しかし、そこを今、この安全保障の環境が厳しい中であって、そこは一国で平和を守ることはできない状況になってきている。そういう中で、この集団的自衛権の問題というのが出てきているわけでありますので、そこはしっかりと慎重に取り組んでいきたいというふうに思っています。
○中丸委員 何か、あっという間に、時間が余りなくなってきたので、ちょっと、全部ができなくなりそうな感じでございますけれども。
この解釈変更というのは、あくまで私は通過点だというふうに考えております。実際にやっていくには、憲法九条改正も含めてやっていかないといけないですし、自衛権の発動三要件を考えるだけではなくて、実際に発動した後、事後処理をどうするのかということも考えないといけないというふうに思います。
というのも、今の自衛隊法であれば、例えば、それが正当防衛か否か、適切な行使だったか否かという判断は、地方裁判所で普通の裁判と同じように扱われる可能性が高いというふうに認識しておりますけれども、本来、そういった軍事として動くのであれば、軍事司法裁判所等の軍事司法の整備が私は必要だと考えております。それに伴って、自衛隊というのは軍ではないから自衛隊という名前だと思いますし、ですから駆逐艦でなくて護衛艦という言い方をしたりしているわけでございますけれども。
自衛権解釈の先に、やはり、九条の改正と自衛隊の名称変更、国防軍がいいのか防衛軍がいいのかという議論もあるみたいですが、要は、軍としてきちんと認めて、きちんと彼らが仕事をして、きちんと法的にその根拠をとれるには、軍事司法制度も必要だというふうに思うんですけれども、官房長官、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 まず、先ほど来申し上げていますけれども、その懇談会から報告書が出された後に、ここは詰めの議論が行われていくというふうに思いますので、そこでしっかり議論をさせていただきたいと思いますし、なお、憲法改正の是非については、国民的な議論の深まりの中に行われることが大事だろうというふうに思います。
自民党としては、自民党の憲法草案というものも既につくっております。それぞれの政党の考え方もまとめていただいて、憲法審査会の中で、できるだけ早く議論をしていくということは、私は大事だというふうに思います。
○中丸委員 ぜひともよろしくお願いいたします。非常に大事な、本当に国の未来を占う、本当に国を左右するものでありますので、これは党派を超えて進めていかなければならない内容だと私どもも思っております。
時間が本当になくなってまいりましたので、古屋公安委員長に一つお尋ねをいたします。
北朝鮮による日本人の拉致問題で、総理も含めて、本当に、今、御両親の皆様とかが生きているうちに一目でも会えるようにと御尽力されていることは重々承知をしております。
今回は、公安委員長としてお伺いします。
拉致犯罪の実行犯であろうと言われる人がこれだけ、これは大臣も見られたことがあると思うんですけれども、これに対する捜査。要は、これだけの日本人が拉致されたわけですから、警察としては守れなかったという見方もできると思うんですね。被害者を守れなかったということに対して、それはやはり捜査をすべきであるというふうに思うんですけれども、こういったことで逮捕者が出たとかという話は、ここ最近、特に耳にすることがなかなかないですが、現状、どのような状況か、おわかりになれば教えていただければと思います。
○古屋国務大臣 今委員の御指摘は、実行犯、要するに犯人について、どういう対応をしているかということですね。
たしか十九人という数字だったと思いますが、ちょっと今、事前に通告、正式な数字は、今多分事務方が持っているかも。それはお許しください。その上で、やはり、今後も、実行犯については、法と証拠に基づいて、厳正に逮捕をしていくという姿勢は一切変わっておりません。その上で、警察として、拉致の事案については……。ああ、ありましたね、十三件十九名ということであります。
それ以外にも、例えば、拉致の疑いを払拭できない事案というのがありまして、これは私が公安委員長になりましたときに、昨年の春先に、特別指導班というものをつくって、もう徹底的に洗い直しをしています。それで、ホームページにも、あるいはDNA鑑定も、家族の皆さんにお願いをして、情報をどんどんとっていますよ。そうしますと、数十年たった事案でも、実は情報が来ているんですね。具体的な中身は、ちょっとこれは踏み込みますのでお答えはできませんけれども、それぐらい徹底をして、この拉致問題解決のために警察としても取り組んでいるということを御報告申し上げたいと思います。
○柴山委員長 中丸君、質疑時間が終了しております。
○中丸委員 はい。
ありがとうございます。被害者の奪還に関することもそうですが、そういう、証拠とかという意味でも、捜査というのは非常に大事だと思います。
本当は、きょう官房長官に、昨年私が質問をさせていただいた広島の碑文のお話ももう一回お伺いしたかったんですけれども、ちょっと時間がないので、また次回させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○柴山委員長 次に、村上史好君。
○村上(史)委員 生活の党の村上史好でございます。よろしく。
きょうは、IR推進について、また内閣府の肥大化について、そして警察庁に昨年設けられました特別指導班の捜査、活動の進展状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。
私自身、IRの推進議員連盟に名前を連ねております。安倍内閣総理大臣もお名前を連ねていただいております。安倍総理も、このIRについては大変強い関心、そして期待を持っていただいていると認識しておりますけれども、このIRの推進について、何点か質問をさせていただきたいと思います。
既に本委員会に超党派の議員立法として付託をされ、今継続審議の扱いではありますけれども、この法案の担当大臣は決まりましたでしょうか。お伺いいたします。
○菅国務大臣 一月二十四日に内閣委員会に付託をされました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるIR法案でありますけれども、これは議員立法でありますから、ある意味で、政府としての所管大臣は決まっておりませんが、法律が成立をしましたら速やかに決定をしたい、こう思います。
○村上(史)委員 ありがとうございました。
また、アベノミクスの成長戦略も、内外ともに大きな関心の的となっております。あわせて、二〇二〇年のオリンピック東京開催を受けまして、このIR推進は大いに期待できる、また貢献できるのではないかな、そのように考えておりますけれども、政府として、そういう視点からどのようにお考えになっているのか、お尋ねします。
○菅国務大臣 委員御指摘のように、このIR法案、カジノですよね、その中のカジノについては、産業振興をもたらす、経済的には大きな効果があるということは承知をいたしております。
ただ一方で、治安、青少年への悪影響を懸念する声もあるという、これも事実でありますので、この法案をきっかけとして、その利点と課題、そうしたものを、これから議員立法の中でぜひ議論をしていただければというふうに思っております。
〔委員長退席、関委員長代理着席〕
○村上(史)委員 今官房長官が言われましたように、プラスの部分、そしてまた懸念される部分、当然ございます。そういうことも整理をしながら、なおかつ推進をすべきだと私は思っておりますけれども、具体的に、IR推進による経済効果、どのように認識をされているのか、また、政府として試算をされているのかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
○加藤政府参考人 IRの推進による経済効果についてのお尋ねでございますが、内閣官房で承知している限りでは、政府におきまして、統合型リゾート、いわゆるIRを推進することによる経済効果を試算したものはございません。
○村上(史)委員 もちろん、まだ法律が通っていないということで、なかなかそこまで踏み込めないのかもしれませんけれども、民間でありますけれども、大阪商大の佐和教授らによる経済効果の調べでは、市場規模が二兆円からおよそ三兆円、経済波及効果は四兆数千億円から七兆円、また誘発雇用人員は四十九万から七十八万人という試算が出ております。
これほど大きな経済規模があるということで、当然、我が国にとって大きな意味を持ってくると思うんですけれども、欧米では、このIRの推進、観光振興という側面だけではなくて、課税をすることによって国が潤うという考え方があるようでございます。
経済効果は試算をされていないので、この点についての、いわゆる課税効果という面での試算はあるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○加藤政府参考人 お答え申し上げます。
IRに対する課税に関するお尋ねでございますが、これも内閣官房で承知している限りでは、政府において、IRに対する課税による税収を試算したものはございません。
○村上(史)委員 また一方、この課税効果というのは相当見込めると言われております。残念ながら今、政府にはほとんど、経済効果あるいは課税効果についての具体的な数値はないということではありますけれども。
しかし、政府として、何も今のところ決まっておりませんけれども、昨年の六月十一日に、観光立国推進閣僚会議、これは総理主宰でございます。その中で、観光立国実現に向けたアクション・プログラムを決定し、その中で、統合型リゾートについて、IR推進法案の制定の前提となる、必要な制度上の措置の検討を関係府省庁において進めるとされております。
では、現在、政府は、このIR法案の制定に向け、具体的にどのように取り組みをされているのか、その進捗状況についてお尋ねをしたいと思います。
○菅国務大臣 委員御指摘のとおり、昨年の六月十一日に、観光立国推進閣僚会議でこのアクション・プログラムを決定し、いわゆるIRについても、今、法的措置というものを、そこで、各省において検討を進めるということであります。それに基づいて、この推進法の、これから審議に備えて、関係府省において必要なことについては検討を進めている。
例えば、具体的には、警察、文科、法務、厚労省、こうしたところでは進めているということであります。
○村上(史)委員 警察、文科などで進めているということですが、具体的には恐らくないんだろうなと思うんですけれども、具体的な動きはございますか。
○菅国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、青少年問題だとかあるいは犯罪だとか、一方で、産業振興に資する面、マイナスの部分、そういうものについてどういう対策が必要だとか、そういうことについては検討しているということです。
○村上(史)委員 ありがとうございました。
議員立法でございますので、どうか本委員会で制定に向けて努力を、委員会としてもお願いしたいなというふうに思います。
いずれにしましても、今注目されている日本の成長戦略、また、先ほど申し上げましたけれども、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、それほどの時間的余裕はないと思います。そういう意味で、政府におかれましても、IR法制定に向けてさらなる取り組みと推進を望みまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
それでは、内閣府の肥大化についてお尋ねをしたいと思います。
先ほども若干、橘委員からも、内閣府のことで御議論がございました。御承知のとおり、二〇〇一年の橋本行革、省庁再編で発足をしたのが内閣府でございます、そして今、十数年を経まして、肥大化しているとの指摘があるのも事実でございます。
そういう指摘がある中で、組織、人員、予算等で、発足から現状、どのように推移をしているのか、お尋ねをしたいと思います。
○幸田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、大臣、副大臣、政務官の数でございますけれども、発足当初の平成十三年一月におきましては、内閣官房長官のほか、五名の内閣府特命担当大臣、三名の副大臣及び三名の大臣政務官でございましたけれども、現在は、内閣官房長官のほか、九人の特命担当大臣、六人の副大臣及び七人の大臣政務官という体制になっております。
次に、内閣府本府の人員でございますけれども、定員ベースで申し上げますと、平成十三年度が二千二百十名、平成二十五年度が二千二百七十三名ということでございますが、併任者が、平成十三年度が二百二名であるのに対しまして、平成二十五年度におきましては六百六十名となっております。
予算でございますけれども、平成十三年度が当初予算額四千三百五十四億円に対しまして、平成二十五年度におきましては四千五百七十億円という状況でございます。
〔関委員長代理退席、委員長着席〕
○村上(史)委員 所掌する事案がどんどんふえてきているということで、それに伴って、人員あるいは予算、また政府の三役が充実しているというふうに申し上げますけれども、いずれにしましても、私も長く内閣委員に所属しております。恐らく内閣委員の方々も、所掌する範囲が広くて、また、扱う法案も多岐にわたっているということで、内閣委員会としてはいろいろと仕事が多いなという思いも持っておられる方もいらっしゃるかもしれません。
現実に、行政改革あるいは規制改革、マイナンバー、そして国際戦略特区だけではなくて、本当に重要な案件を抱えておられるということで、充実という部分はあろうかと思います。横串を刺して総合調整をしていく、国として一元的に政策を推進していくという意味においては、内閣府、内閣官房の役割というのは十分認識をしておりますけれども、官房長官が十四日の予算委員会で、府省庁横断的な仕事、課題が多くなっている、内閣府、内閣官房に仕事量が集中しているという御答弁をされ、危機感を示されたと聞いております。
閣僚の中には、出口のない掃除機だ、いつかパンクするということを言われる方もいらっしゃると聞いております。官房長官の問題意識をお伺いしたいんですけれども、単に物理的に仕事量がふえるということだけではなくて、具体的に何か支障が出てきているのではないかなという思いがするんですけれども、その点について、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
○菅国務大臣 今、事務方から、いかにふえているかということを説明させていただきました。特に、一つの象徴として、大臣が六人から十人でありますから、そこをここの内閣府で支えるわけであります。やはりこれは大きな時代の流れだと思います。府省庁横断的に対応しなきゃならない事案というのが数多く出てきていることだろうというふうに思います。
例えばTPP、今、甘利大臣が最終交渉を始めていますけれども、これも各省庁からたしか数百人の人が集まって内閣府に置いています。あるいは、さきの国会で成立をさせていただいた国家安全保障会議、この事務局も同じようにあるわけであります。
これは、内閣官房、内閣府もそういう意味の仕事がどんどんふえていくわけでありますから、ふえるだけでなくて、一つの結論が出たもの、そうしたものの見直しというものも物すごく大事だと思うんですね。それについては、各省庁あるわけですけれども、皆さんなかなか受けてくれないわけですけれども、そこは、そういう最も関係のあるところで引き取ってもらうとか、そういうことをやるのと同時に、やはり、もう一度、発足当初と比較して、これだけ巨大になりましたので、もっと効率的な、外から見てもわかるような組織にすること、このことが私は大事だろうというふうに思っています。
○村上(史)委員 今、官房長官からお答えいただきましたけれども、やはり、一度は内閣府で抱えますけれども、それをまた各省庁に戻すということは必要であろう。もちろん、横串を通した後は、そこまでは内閣府でやるとしても、やはり本来のところに戻していくという作業も今後必要になってくる。
特に、官房長官が抱える仕事がどんどんどんどんふえてきますから、官房長官のように有能な方ばかりではありませんので、やはりパンクすることだってあると思います。
そういう面で、組織がどんどん充実することはいいんですけれども、不必要な肥大化は、やはりそれに対しては是正をしていくということは必要でないかな。行革の面でもそういう観点が必要だと思います。
そこで、稲田大臣にお伺いをいたします。
今、官房長官とのやりとりがございました、内閣府の業務の見直し、簡素化、あるいは省庁の再々編についても改革として視野に入れるかと思いますけれども、現状認識を含めて、内閣府の肥大化について、行革担当大臣としてどのようにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○稲田国務大臣 先ほど官房長官がお答えになったように、内閣府については、平成十三年の省庁再編当時に比べて、所管する業務が膨大になっていると思います。そして、それは、横串を刺さなきゃいけない、そういう政策課題も多くなっていることだと思いますし、また、省庁再編時の理念に立ち戻って、そのときは、内閣機能の強化という観点から、内閣官房を戦略の場、内閣府を知恵の場というふうに規定をしたわけですけれども、そういった理念に照らして、不断の改革というのは必要だし、その重要性ということは認識をいたしております。
そして、省庁再々編までというお話でございますけれども、やはり、統治機構のあり方というのは非常に重要な、国家の基本にかかわるものであることですから、私は、あるべき国会の姿であったりこの国の将来というものを見据えて、丁寧な議論が必要であるというふうに思っております。
○村上(史)委員 ありがとうございました。
省庁の再々編というのはちょっと先走った考え方だと思いましたが、ただ、やはりいろいろな形で、ふだんから絶えず行革の、組織あるいは効率化ということを視野に入れながら、政府の組織がどうあるべきなのかということはふだんから研究、そして課題にしていかなければならない問題だと思っておりますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
それでは、最後の質問に移らせていただきます。
昨年、古屋大臣肝いりで、特定失踪者の方々の捜査をしっかりやっていこうということで警察庁に設置されました特別指導班ですけれども、この捜査の進展状況についてお伺いをしたいと思います。
○古屋国務大臣 委員御指摘のように、昨年の春先に、警察庁の中に特別指導班をつくりました。これは、いわゆる特定失踪者、我々は拉致の疑いを払拭できない事案と言っていますが、これについては第一義的には都道府県警が対応しておりましたけれども、やはりしっかり警察庁としてもチェックをしていく、関与をしていくという視点で、これは捜査の進展と解決に向けてという明確な目的があるわけでございますが、私の指導のもとで設置をしまして、その後、都道府県警がその指導班と相当有機的な連携をとって、情報の交換あるいは戦略的なアドバイス等々も行っております。
実は、一番最新の状況では、六百十三人の方々について、家族の同意を得まして、DNA鑑定資料の採取を既に行っています。
それから、昨日までに、都道府県のウエブサイトに四百十五人、それから、警察庁のウエブサイトに四百四人の情報を掲載している。これも、いろいろ工夫しまして、統一フォーマットになるように、非常に一覧でわかるような形で、やはり見ていただく方の視点に立ってそういうホームページをつくっております。そういうものを開設しますと、やはり情報というのは来るんですね。数十年前の事案であっても情報が来ております。それが具体的にどういう情報かというのは、これは個別事案に踏み込む話ですので、ちょっとここでお答えするわけにはいきませんけれども。
引き続き、そういう形で、拉致の疑いを払拭できない事案については、徹底的な捜査の推進に警察を督励していきたいと思っています。
○村上(史)委員 まず情報を収集する、そしてそれに基づいてDNA鑑定などを実施して特定していくということだと思うんですけれども、現実に拉致事案として判断される件数がふえているというふうには承知をしていないんですけれども、何か問題点がどこかにあるんでしょうか。ふえない理由はどういうことでしょうか。
○古屋国務大臣 拉致の疑いを払拭できない事案、八百六十一件ですけれども、これはもうある意味で最大限なんですね。もしかしたらこの中に拉致じゃない事案も入っている可能性は否定できないですよ。それぐらい疑いを払拭できない案件はまとめていますので、今のところそれ以上ふえていくということはないと思っています。
ちなみに、いわゆる特定失踪者問題調査会の皆様あるいは学識経験者等がリストアップしている数字よりも私たちが出している八百六十一件の方が多いですし、一方では、そういう皆様がリストアップした方々は全て実は八百六十一件の中にも入っているということであります。
○村上(史)委員 わかりました。
過去にさかのぼるわけですから、捜査の進展もなかなか難しいと思いますけれども、特定失踪者並びに拉致と特定をする中で、少しでも早くこの問題が解決できるように、今後ともお取り組みをお願いしたいと思います。
そういう中で、この十七日に、北朝鮮の人権に関する国連調査委員会が最終報告を公表いたしました。この中で、北朝鮮の侵害、拉致のことも含めてでございますけれども、北朝鮮の人権侵害は人道に対する罪であり、国連安保理に対し、金正恩第一書記を含む北朝鮮指導部の個人責任を追及するため国際刑事裁判所へ付託することを勧告するという内容でございます。さらに、一部の特殊機関の者の行為と言い張る北朝鮮の公式説明に反し、最高指導者の関与を明確にしたということで、大変重要な報告だと思います。
古屋大臣、この報告を受けまして、国家公安委員長として今後どのように取り組むおつもりなのか、最後にお尋ねをして終わりたいと思います。
○古屋国務大臣 国家公安委員長としての見解ということですけれども、むしろ、ややもすると、これは、拉致問題担当大臣としての答弁は本来なら特別委員会でやらなきゃいけないんですけれども、ほかならぬ村上先生の御指名でございますので、前例にしないということで、やや踏み込んで答弁させていただきます。
まず、この報告書は、我々、数年間にわたって国連に働きかけてきたんです。何とかこういう人権委員会の、COIの報告書をつくってほしい、そして、北朝鮮の拉致という具体的なテーマで取り組んでほしいというこの取り組みが、結果的に、国際社会に働きかけた結果、御理解を得て、報告ができた。
それで、その中身も、今御指摘のように、金正恩第一書記を名指しで指名をしている、そして批判をしているということでありまして、これは、国連が特定の国に対して踏み込んだ報告書を出したというのは私は初めてじゃないかなと思うんですけれども、極めてまれであるということは間違いないというふうに思いまして、そういう意味では、非常に有意義でございます。やはり、これは国際社会が連携をして北朝鮮に対して圧力をかけていく、いわば北朝鮮包囲網の一環としてこの報告書が出た。
問題は、この報告書をいかにフォローアップしていくかということに尽きると思いますので、引き続き、我が国におきましても、主体的にその取り組みのフォローアップをしっかりしていきたいというふうに思っております。
ちなみに、いわゆるピレイ人権高等弁務官も高い評価をしていますし、また、潘事務総長も非常に高い評価をしていますよね。一部の北朝鮮と国交がある国々は、こういう報告書が出た以上、国交断絶ということも含めて考えていかなきゃいけないんじゃないかという報道も出ていますので、そういう意味では、この報告書の効果は極めて高いというふうに考えています。
○村上(史)委員 ありがとうございました。
ぜひ、問題解決に向けてお取り組みをいただくことを強くお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○柴山委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党の津村啓介でございます。
本日は、原子力委員会の同意人事、皇族の減少の問題、そして内閣府のあり方、GDP統計、主にこの四つのテーマについて御質問をさせていただきます。
まず、原子力委員会の同意人事でございますが、先般の衆議院本会議におきまして、三人の新しい委員の皆さんの同意人事採決がございました。私たち民主党は、新たに提示されました岡さん、阿部さん、中西さん、このお一人お一人の大変すぐれた識見、お人柄、そういったことを議論もいたしましたけれども、その議論以前のところで、今回のこの同意人事の提出のあり方に瑕疵があるのではないか、そうした手続の面でこれは賛成できないということで、反対の立場をとらせていただきました。
と申しますのは、原子力委員会設置法の第三条に、原子力委員会、「委員会は、委員長及び委員四人をもつて組織する。」「2 委員のうち二人は、非常勤とすることができる。」こう定められておりますが、今回、五人の委員の方々が本来必要である中、三人の方だけの提示ということで、これは、この原子力委員会設置法が五人で組織すると書かれているにもかかわらず、それだけの数を提示されないということは、法律を正しく執行されていないのではないか、そう考えるからであります。
山本大臣、なぜ五人任命されないんでしょうか。
○山本国務大臣 津村委員、恐らくいろいろなことを御存じの上で御質問だと思うんですけれども、おっしゃったとおり、原子力委員会の話ですが、原子力委員会につきましては、廃止、改編も含めてそのあり方を抜本的に見直すということで、有識者会議における検討を先般から行っておりました、もう既に一応報告が出ましたので。昨年末に有識者会議の報告書が提示をされて、原子力委員会は、機能、規模を縮小して存続するという方針が示されました。
これを受け、現在、原子力委員会の機能縮小等を含む改正法案を今国会において提出予定でして、現在の原子力委員会が存続するのは、ごく限られた期間になるということが想定されます。
こういう状況にあって、現行法に基づく原子力委員会の委員を引き受けていただける候補者を見出すことにはかなり困難な側面がありまして、これ以上の候補者を見つけることは、率直に申し上げまして、できなかったということがございます。
先般提案した人事については、原子力委員会が存続する方針、あるいは職務継続規定による在任期間の延長が一年を超えたということも踏まえて、これまでと同様の形で会議を開催し、議決をすることにより機能を果たすことができるように、三人を任命する、こういうことにした次第でございます。
○津村委員 原子力委員会は昨年、非常勤の委員の方がお二人、それぞれ事情があっておやめになって、常勤委員三人でこれまで一年間運営をされてきたわけですけれども、原子力委員会設置法の第八条には、「委員会は、委員長が招集する。」「2 委員会は、委員長及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。」とありまして、三人以上いないと開けないということになっております。
昨年、海外出張に行かれた委員の方が何人かいらっしゃったと思うんですが、どのくらい海外出張に行かれたのか、また、現在の委員の方々で、今後、新しい委員が任命されるまでの間にどのくらい海外出張の予定があるか、教えてください。
○山本国務大臣 原子力委員会委員の海外出張については、平成二十五年三月に委員が三名となって以降、計十三回行っております。
また、現在の委員の海外出張については、今後四回を予定しております。
○津村委員 海外ですから、一回当たり一日、二日ということにはなかなかならないと思うんですが、その十三回の出張。それから、これからの四回の出張期間中に原子力委員会を開くことはできますか。
○山本国務大臣 原子力委員会は、原子力の研究、開発及び利用について、企画、審議及び決定しているものの、迅速な事故対応あるいは安全確保のための措置を実施する役割を担う他の行政機関とは異なっておりまして、委員会を数日開催できなくても、必要な行政実務が滞ることはないというふうに考えております。
また、委員の海外出張中においても、委員間の連絡を密にとることで、企画、審議、決定に係る作業を進めることは可能であるというふうに考えておりますし、必要に応じて、海外出張を早目に切り上げることも可能だというふうに考えております。
こうしたことを踏まえると、委員の海外出張によって原子力委員会の役割を果たすことに支障が生じることはないというふうに考えております。
○津村委員 今の御答弁はちょっとどうかと思うんですよね。確かに連絡はとり合えるでしょうし、今の時代、非常に連絡手段が密になっていると思いますが、やはり議決をすることができない状態が一年間にかなりの日数発生しているわけで、そのことを是とされるというのは、ちょっとにわかに理解しがたいです。
さらに、今回、三人の常勤委員がいらっしゃったわけですけれども、今回の同意人事では、常勤は二人だけ、非常勤がお一人ということで、さらに人数が減るわけですよね。非常勤の方はなかなか日にちを合わせにくいんだと思います。さらにこれは危機管理上のリスクが高まると思いますが、大臣はこれを善処されようとはされないんですか。
○山本国務大臣 先ほど申し上げたように、津村委員の問題意識は私も理解をいたしますが、今の状況の中で、もう機能縮小等の改正法案を今国会において提出予定だということもありますし、原子力委員会の存続はごく限られた期間の中ということで、今、現行法に基づく原子力委員をまずこれ以上見つけることはなかなか難しかったということがございまして、やはりこれは、現在の規定に基づいて、三人きちっと仕事をしていただければ、原子力委員会の職務を果たすことについては支障がないという判断で、こういう対応をさせていただいたということです。
○津村委員 今国会中に新しい法案を出すということを前提に今回の人事をという御説明ですけれども、今回の通常国会で新たに法律が施行された場合、もう一回同意人事が発生するという理解でよろしいですか。
○山本国務大臣 原子力委員会については、先ほど申し上げたとおり、廃止、改編も含めて、そのあり方を抜本的に見直すこととして、有識者会議による検討を行っておりました。昨年末に報告書が提出されて、原子力委員会は存続するという方針が示されました。今後、この方針を踏まえて原子力委員会設置法改正案を国会に提出して、法案審議をお願いするということです。
今回提案した人事については、こうした原子力委員会が存続する方針、あるいは、先ほど申し上げたとおり、職務継続規定による在任期間の延長が一年を超えたことを踏まえて、現在の原子力委員会の仕事を引き続き継続していただく観点から、三人の新たな委員を提案したということでございます。
おっしゃったとおり、改正法案が成立した場合には、改めて、新しい原子力委員会の委員について国会同意人事をお諮りしたいというふうに考えています。
○津村委員 この通常国会は六月までのはずです。また、仄聞するところによりますと、委員の先生方、やはり三月、四月が人事の時期だと思いますので、これから数カ月のうちに新たな委員にかわるということですけれども、だとすれば、本当に数カ月のことですよね。それをわざわざ今回、人数を縮小する形で同意人事を提出された意味が余りよくわからなくて、今、現にいらっしゃる委員の方もいらっしゃるんですから、その方々にも引き続き加わっていただいて、何とか五人の体制をつくるべきだと思うんです。
現に今やっている方がいらっしゃるわけですから、その方々の次のお仕事ということもあるとは思うんですけれども、まだ時間はあるわけですから、残り二人をこれから引き続き探されるということでよろしいんですか。先ほどは、探しているけれども困難だとおっしゃったんですけれども、引き続き探していかれるということでよろしいんですか。
○山本国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、この改正案はきちっと今国会に提出しようというふうに考えております。改めて国会同意人事を提案させていただくということになれば、そこできちっとまた新たな同意人事案を出させていただきたいというふうに思っています。
今、津村委員のおっしゃった、これまでやってこられた方がおられるというお話だったんですけれども、現在の委員の方々については、原子力委員会の小委員会での検討における不適切な運営についてかなり厳しい批判を受けて、原子力委員会見直しに至った経緯があります。これは、御存じのとおり民主党政権のときに始まったことで、こうした経緯で国民の信頼を損ねる状況となったことを真摯に受けとめる、こういう声明も一応出しておりまして、委員会として、再度の任命をちょっと引き受けていただくということは非常に困難だったということでございます。
○津村委員 今、現にいらっしゃる委員の方以外でも結構ですが、やはりあと二人探していく努力は続けられるべきだと思うんですが、お探しになる気はもうございませんか。
○山本国務大臣 繰り返しになりますけれども、今、原子力委員会の機能縮小等を含む改正法案を提出予定でございまして、ごく限られた期間しか今の原子力委員会は存続しないということでございますので、今の状況で、津村委員の問題意識は私はよくわかりますが、現行法に基づく原子力委員を引き受けていただく候補者をこの時点で見出すというのはかなり難しいというふうに考えております。
改めて同意人事は出させていただくことになるので、現在委員が三人であっても、原子力委員会の役割を果たす、これに支障が生じないように、しっかりとそこは担当大臣としてもできる限りサポートさせていただきたいというふうに考えています。
○津村委員 ありがとうございます。
それでは、次のテーマに移らせていただきます。皇室の問題でございます。
きょうは、宮内庁から山本次長にお越しいただきまして、私は、このテーマ、もう何年も、毎年取り上げさせていただいているテーマでございまして、菅官房長官にも昨年、何度か御答弁に立っていただいております。
男子の皇族の方というのが非常に御高齢になっていられる方が多いという中で、女性の方々は結婚されると皇籍を離脱されるというのが現在のルールでございますから、これから中長期的には、皇族の数が減少して、現在行われている皇室の御公務を維持することが難しくなってくるのではないか。これは広く多くの方が御指摘になっていることだと思いますけれども、宮内庁としては、こうした事態に対してどのような展望を持っていらっしゃるんでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘のように、今後、将来的に婚姻により皇族の人数が減少していく、皇室の御活動を維持することが困難になることが懸念をされている、このことは御指摘のとおりと考えておるところでございます。
現状では、まだ皇族の方の数が減っているわけではございませんので、それぞれの御活動をしていただいている。我々は、きっちりそれをお支えしているという現状でございます。
○津村委員 かつて、前宮内庁長官であります羽毛田さんが、記者会見で天皇陛下の御病気について触れられたときに、皇統の問題を初めとしてさまざまな御心労がある、そういったことが健康を害された一因ではないかということに言及をされたと報道があります。
また、二〇一一年の十月の五日には、やはり羽毛田長官が野田前総理にお会いになられて、火急の案件ということで、皇族の数が減少していく中での、皇族の皆様の負担がふえていくことについて御説明になられて、それをきっかけに野田前総理は有識者会議を設置されて検討を進められた、そういう経緯があると認識しておりますが、その事実関係で間違いございませんか。
○山本政府参考人 今委員お話しのとおり、平成二十年の十二月に、ちょうどこの時期、陛下は不整脈、それから胃炎、十二指腸炎ということで、一部行事等をお取りやめになったころでございますが、今御指摘のように、当時の長官が会見において発言をしておられる。
それから、平成二十三年十月五日には、皇族の減少といったような緊急性のある課題があるということを御説明しているというところでございます。
○津村委員 昨年十二月二十六日の記者会見で、現在の風岡宮内庁長官が、記者から女性宮家の動きについて質問された際に、私どもの方から何か特段のお願いをするとかいうことはしておりませんとお答えになっています。これは、羽毛田さんと随分姿勢が変わられているように思うんですが、風岡長官、山本次長の体制では、この問題について政府に状況を御説明するということはお考えになっていないということですか。
○山本政府参考人 今委員御指摘のとおり、昨年十二月二十六日の風岡宮内庁長官の定例記者会見で、風岡長官が記者から、官房長官とのお話の中で女性宮家のお話はあったでしょうかと問われた際、これは別件について御報告していたもので、女性宮家等については話題に上らなかったということを述べたところでございます。
これはもう委員御承知のとおり、女性宮家等のこういった制度論につきましては、政治、国会の議論に委ねるべきと考えておりまして、宮内庁の立場としては、内閣に対して具体的に検討の要請を行う、こういうことではございません。そういう点では、羽毛田前長官当時と現在とで考えが変わっているわけではございません。
ただ、一言申し上げておかなければならないと思いますが、天皇陛下におかれましては、平成二十四年の二月に心臓の手術をされまして、一年、二年と経過をされ、ちょうど今週の十八日で二年がたったわけでございますが、御健康を回復されまして、平成二十四年のお誕生日に際しての記者会見に引き続いて、二カ月ほど前の平成二十五年の記者会見におきましても、御活動の役割分担についての質問に対しまして、今のところしばらくはこのままでいきたいというお考えを示されたところでございます。
私どもといたしましては、基本的にそのお考えを踏まえて対応していく必要があると考えております。したがって、当面は御活動の御様子をお見守りしながら、あらゆる面できめ細かくお支えをしていく、こういうことが今私どもに一番大事なことであろうと考えて仕事をしておるところでございます。
○津村委員 次長は今、おわかりになってお話をすりかえられたと思うんですが、最後にお話しになったことは御公務の負担軽減の話でありまして、私が申し上げているのは皇族の数が減ってしまうことについてでございます。論点が違うと思います。
先ほど、制度については今まで、羽毛田長官以来説明してこなかったとおっしゃいましたけれども、先ほどの御答弁で、野田前総理に対して十月五日に会って説明をされたという経緯があって、これは制度の話だと思いますが、なぜ御説明をされないんですか。
○山本政府参考人 再度御説明を申し上げますが……(津村委員「同じ話は結構です」と呼ぶ)はい。
若干敷衍をいたしますと、平成二十四年の御誕生日会見のときも、もう少し正確に申し上げますと、「今のところしばらくはこのままでいきたいと考えています。私が病気になったときには、昨年のように皇太子と秋篠宮が代わりを務めてくれますから、その点は何も心配はなく、心強く思っています。」とおっしゃっておられます。
すなわち、今先生おっしゃいましたことと関連いたしますけれども、今直ちに陛下の御活動を他の皇族に分担をしてもらう考えはない、そういうことを述べられたところでございます。
したがいまして、もちろん皇族が減少していきますときに種々難しい課題が生じてくる、その認識は同一でございますけれども、このような状況の中で、今直ちに何か対応策をといったようなことよりも、今のお務めの御状況を見守りながら、きめ細かくお支えをしていく、そういったことが求められる時期ではないのかというように考えておるところでございます。
そういう意味では、平成二十四年の二月の心臓の御手術によって、それ以前の、平成二十年から二十三年当時の御健康とは、現状、大いに健康の状況がお変わりになっているという、環境も変わっている、これも事実でございまして、そういう中での我々の認識でございます。
○津村委員 定足数に足りていないようなんですけれども、時計をとめていただけませんか。
○柴山委員長 それでは確認をしてください。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○柴山委員長 それでは、速記を起こしてください。
質疑を続行いたします。津村君。
○津村委員 それでは……(発言する者あり)ちょっと静かにしていただけますか。
○柴山委員長 御静粛に願います。
○津村委員 この件につきまして、過去、昨年も何度か議論させていただきましたが、正確に言いますと、これから検討に着手しながら方向性を打ち出していくということを御答弁いただいています。あのときはまだ政権交代から時間がなかったわけですけれども、あれから一年たちました。今の検討状況、あるいはこれからの取り組みの方向性についてお答えいただきたいと思います。
○菅国務大臣 まず、きのうの衆議院予算委員会において安倍総理から答弁されました。この問題については慎重かつ丁寧に対応する必要があり、男系継承が、古来、例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえつつ、今後、安定的な皇位継承の維持や将来の天皇陛下をどのようにお支えしていくかということについて考えていく必要があるという、そうした答弁を総理がいたしました。
皇族の減少に今後どのように対応するかについては、これまでの議論の経緯を十分検証するなど、政府内で検討を行っているところでありますし、それ以上のことについては、現時点では申し上げることは控えさせていただきたいと思いますけれども、津村委員が何回となく言われていますので、事務方に命じて、皇族の減少に伴い、将来、皇室活動の維持が困難になるのではないかという問題について、これまでの議論を検証しながら、国民各界各層に受け入れられる方策としてどのような選択肢があるのか、そういう形の中で、現在慎重に、丁寧に検討しているということです。
○津村委員 この件、もうこれ以上申しませんけれども、私は、女性宮家創設がいいとか、旧皇族を復帰させる方がいいとか、そういう中身のことを申しているのではなくて、やはり、これは時間との闘いの問題ですから、将来の世代への責任として、今政権与党でいらっしゃる菅官房長官が未来への責任を果たしていただく必要がある、そういう観点で何度もお呼びしているわけです。
今後について、もう一言答えていただけませんか。
○菅国務大臣 その認識について、私ども、十分にいたしておりますので、そこはしっかりとした体制をつくることができるように行っているということは、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○津村委員 それでは、次のテーマに参ります。
内閣府のあり方について、これも昨年の内閣委員会そして科学技術特別委員会で取り上げさせていただきましたし、十一月二十一日には、衆議院本会議で、国家戦略特区の議論の際に、内閣府の機能強化の問題についてあえて触れさせていただきました。
最近では自民党さんの党内の議論で内閣府のあり方について随分議論があるようですけれども、どうも、そのお話を仄聞する限りでは、ちょっと、機能をスリム化というか、方向性が見えてきたものについてはもとの省庁に戻す、そういう観点の議論が先行しているように思うんですけれども、私はやはり、横串官庁として内閣府なり内閣官房がこれから現体制でさらに機能を進めていくためには、今の体制でもできることがまだまだあると思っています。
一つは、政務三役の皆さんが密に連携をとられること。兼務が非常に複雑になっていますので難しいと思いますけれども、むしろ、いろいろな会議を整理統合して、今、山本大臣が非常に効果的なことをされていますけれども、科学技術とかITとか知財とか、そういう関連部署を、連絡会合のようなことを昨年からされていますが、すばらしい取り組みだと思います。そういった取り組みを今の体制でもできると思いますし、また、この三月末には合同庁舎八号館が完成をするわけで、非常に使い勝手がよくなるんじゃないかなというふうに思っています。
まず、西村副大臣に、この内閣府の機能強化の方向性について、前回もお伺いしましたけれども、自民党さんが進めている議論も踏まえて、最近の受けとめをお聞かせください。
○西村副大臣 ありがとうございます。
前回にも津村委員から御指摘をいただきまして、私も、その後も心がけて、政府三役での意思疎通含めて行っているところでありますけれども、日本の内閣というか政府の最もよく言われる欠点は、やはり縦割りが過ぎることでありまして、これを打破していくということは物すごく大事なことでありますので、そういう観点から、これまで、内閣官房、内閣府、総合的な司令塔機能あるいは総合調整機能を強化しようということで、特に内閣府の業務を集中、増加してきているところは、もう委員御指摘のとおりであります。
一方で、多過ぎてうまく回っていないんじゃないかという御指摘もいただいておりますので、自民党で、御指摘のような、もう役割の終わった部分についてはもとの省庁に戻す、そうした方向性の議論も行われておりますが、やはり、最初に申し上げた総合調整、総合司令塔機能はますます重要になってきておりますので、各省庁縦割りではできない横断的な事柄がふえております。そういう意味で、一方で機能強化しなきゃいけない部分もあると思います。
いずれにしましても、政府全体として効率的に行政が行えるように、強化する部分とそうでない部分とにめり張りをつけながら、不断の見直しを行って、より効率的な組織になるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○津村委員 その件に関連しまして、西村さんと山本大臣に一つずつ御質問いたします。
それでは、西村さんにまず伺いますけれども、八号館のレイアウトの話でございます。
まず一つお伺いしたいのは、西村さんの今御担当になっている部局は一体幾つの建物に分散をされていて、それを今回、幾つぐらいに集約ができるとお考えになっているのか。八号館のレイアウトの議論にどれぐらいコミットされているのかということをお聞きしたいと思います。
○西村副大臣 この点も前回、津村委員から御指摘をいただいて、私も何度か事務方ともやりとりをしまして、全体の整理をしてきたところでありますけれども、私の今所管、担当しておる部局は七カ所に分かれております。これが六カ所になります。
ただ、今の本府棟の隣に八号館ができますので、これは渡り廊下で一体的になりますから、事実上八号館と本府は一緒になるということでありますので、そういう意味でいうと、五カ所になるんだと思います。
いずれにしても、一定の建物の制約はありますから、どうしても八号館に入り切らない、あるいは本府に入り切らない部分がありますので、その点はぜひ御理解をいただきたいというように思います。
○津村委員 ちょっとびっくりしました。
事務方の方と話をしていると、例えば、合同庁舎なので、そこを所管している役所が実は財務省さんであったり、こっちの建物は内閣府であったりと、そういう所有権みたいなもの、貸し借りみたいなこともあるようですし、また、御担当になっている部署が内閣官房であるか内閣府であるのか、一体のようにも見えるんですけれども、厳密に言うと違うということで、それを余り近くにできなかったりできたりという、いろいろな、事務方のロジックで言えば制約はあると思うんですけれども、そこは、大臣、副大臣が工夫されることで相当程度さばける話なんじゃないかなと思っていまして、だからこそ、まだ検討の途中だろうと思われた昨年秋の段階から何度も、ここは政治家が動く場所ですよと。
私は、西村さんや山本さんの仕事を応援したいと思って言っているんです。その方が必ずやりやすいと思いますし、四号館に行くのにも、一方通行があって物すごく遠回りじゃないですか。ああいうことで物すごくロスされていると思うので、ぜひ、本府と八号館でほとんどの仕事が完結できるような環境をつくられることが内閣府の機能強化に非常に資すると思っているから、何度もお伺いしているんです。
もう既に、先ほど数字が出ましたけれども、八号館のレイアウトはほぼ固まったということでよろしいんですか。もう動かせないんですか。
○西村副大臣 おおむね固まってきてはおるんですが、実は、法案審議もお願いしている部局もありまして、その部局の動向いかんによってはまた若干変わるということでありますが、おおむね固まってきております。
あわせて、今御指摘ありましたけれども、私の実働の、これは私の感覚的な答弁で申しわけないんですけれども、実際行っている仕事の九割方は今後、八号館と本府で済むようになりますので、今、四号館、五号館に移動している時間のロスは、私も含めて、あるいは支えてくれている官僚、事務方も含めて、相当程度これは効率化されるというふうに思っております。
○津村委員 山本大臣にも同じことを聞かせていただきます。
今、幾つの建物がこれからどうなっていくのか。特に山本大臣は、これから科学技術イノベーションの司令塔強化ということで、まさに今触れられましたけれども、法案も出てくるということで、既に準備会合もされているということですけれども、私の感触では、知財、ITは内閣官房ですよね。総合科学技術会議は内閣府ですので、いろいろな法律の事情もあって、なかなか一体化が進んでこなかったという経緯があると思うんですが、今はとてもチャンスだと思います。どういう検討状況でしょうか。
○山本国務大臣 私が所管している部局は、日本学術会議を除くと、今五カ所に分散されています。
それで、今津村委員のおっしゃったお話は非常に大事だと思っていまして、去年の五月に科技特でこのお話をされて、やはり、特に科学技術政策の政務官をやっておられたので、科学技術イノベーション、科学技術関係をきちっと、できるだけ一カ所に集めるということは非常に大事だ、そういう意識を持っていただいて、実は、あの質問の後、すぐ官邸に行って、官房長官に会ってお話をしました。その後、うちの部局の担当者も呼んで、以来、一応ずっと、今ほとんど固まったということなんですけれども、八号館のレイアウト等々については私なりに関心を持って働きかけております。
私の担当する部局について、特に司令塔機能を果たす部局については、できる限り八号館及び隣接する内閣府本府庁舎に集約するように今指示をしていますし、ぎりぎりまで努力をしたいというふうに考えています。
○津村委員 大臣がお持ちのもののうち、司令塔強化の法案にも入ってくるはずの総合科学技術会議と知財、IT、この三つを八号館に移すことはマストだと思いますが、いかがですか。
○山本国務大臣 現段階でこれがどうなるかということは、大体、ほぼ決まりつつあるというふうな、今西村副大臣の方からありましたが、現段階でなかなか細かいことを申し上げるわけにいかないと思うんですけれども、できる限り努力をしていきたいというふうに考えています。
○津村委員 ぜひ頑張ってください。
終わります。
○柴山委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
きょうは、特定秘密保護法について伺っていきたいと思いますが、その前に、官房長官に対して官房機密費、これから最初に伺っていきたいと思います。
いわゆる官房機密費でございますけれども、一昨年末に安倍内閣がスタートいたしました。安倍政権は、発足以来、官房長官が取扱責任者となっている官房機密費、これは一体幾ら使ってきたのですか。
○菅国務大臣 第二次安倍内閣が発足をした平成二十四年十二月二十六日から現在までの間に、国庫から支出した内閣官房報償費は約十六億九千万円であり、このうち、内閣官房長官が取扱責任者である内閣官房報償費については十四億三千万円であります。
○赤嶺委員 官邸分が十四億円ということでありますが、これは一体何に使ってきたのですか。
○菅国務大臣 内閣官房報償費に基づいて、国の事務または事業を円滑、効果的に遂行するために、内閣官房長官の判断と責任により、最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費ということでありますので、それに基づいて使用してまいりました。
○赤嶺委員 何に使ってきたかということを具体的に伺ったつもりであります。
安倍総理が官房長官時代の官房機密費の使途について、情報公開裁判が行われております。
その中で、内閣官房内閣総務官は、機密費を使う場合、「相手方の氏名等の情報が将来明らかにされないことが保証されない限り、相手方との間で信頼関係を十分に構築して、真に必要かつ的確な情報を得たり、合意形成などに向けて真に実効性のある協力を得たりすることは不可能なのです。」と証言されております。これは、情報や協力を得るために誰に配ったかを隠す必要があるということについての説明であるわけです。
特定秘密保護法では、特定秘密に当たる人的情報源に関する情報、これは六十年を超したら秘密に指定することはできません。これ自体、特定秘密を半永久的に秘密にできる規定で、私たちとしては認められないわけですが、少なくとも、官房長官、六十年経過したものは公文書館に移管するということになっているわけですが、官房機密費、誰に配ったか、そういう人的情報源に関する情報、これは官房長官において適切に使われているというお話ですが、何年たったら公文書館に移管するのでしょうか。
○菅国務大臣 内閣官房報償費の透明性の確保を図る方策については、機能の維持に最大限留意しながら、どのような透明性を高めていくかという観点から検討しているということを申し上げていますので、現在もその基準について検討しておりますので、それ以上のことは控えさせていただきたいと思います。
○赤嶺委員 透明性について今検討中だというお話ですが、少なくとも、特定秘密保護法では六十年たったらというお話もあるわけです。
そもそも、官房長官が使用した官房機密費は、誰に、いつ、何の目的で、幾ら支払ったのか、そういう記録は全部残っているんですか。
○菅国務大臣 内閣官房報償費の執行に当たっては、取扱責任者である私が決定をした内閣官房報償費取扱要領に基づいて、報償費の支払い時期、支払い金額及び目的類型等を記載した記録簿を整備するとともに、報償費の支払いに当たっては、所定の様式の文書を作成し、その管理を行っており、全体としては適正な記録が行われている、このように考えています。
○赤嶺委員 今、記録が残っていることについて、官房長官の活動関係費あるいは調査情報対策費とあるとおっしゃいましたけれども、官房長官がお使いになっている政策推進費というのがありますよね。これは記録は残っておるんですか。
○菅国務大臣 この支払いに関しては、先ほど申し上げましたように、所定の様式の文書を作成し管理するとともに、支払いの相手方から受領した領収書等もあわせて保管しているところであり、全体として報償費の適正な執行を担保するに十分な記録というのは残されている、このように考えています。
○赤嶺委員 秘密保護法で一番問題になっているのは、秘密の範囲を恣意的に定めていく、恣意的なものでありました。官房長官は、機密費について、それは適正に判断して、適正に執行しているというお話でありましたが、そういう考え方そのものが秘密保護法のときには問われたわけですね。余りにも恣意的に過ぎるんじゃないか、こういうことで、前国会のときには秘密指定解除のルールや期間の論議が問題になりました。今、文書が残っているということでしたけれども、我々は、その記録があるかどうかというのもはっきりいたしません。
官房機密費について、それに携わってきた方々がいろいろな発言を残されております。例えば、九八年の沖縄県知事選挙に使いましたということを鈴木宗男元官房副長官が証言しております。また、野中広務元官房長官は盆暮れに総理経験者に配ったと証言しています。国民から見たら、こんな使い方が許されるのか、余りにもでたらめではないかという思いですが、これを検証不能にしているのが機密費の記録のあり方です。
先ほど記録はあるとおっしゃいましたけれども、こういう使い方、当事者が証言している使い方についても記録はちゃんと残っているということでよろしいでしょうか。
○菅国務大臣 今、お二人からのお話がありましたけれども、そうしたものについて、私が知り得る立場にありません。
○赤嶺委員 やはり疑問が募るわけですね、官房機密費について。
我々は、特定秘密保護法は最悪の秘密保護法だと言ってまいりました。しかし、それは、国民からはまだ、秘密の記録を前提としているわけです。今官房長官の答弁を聞いていても、今の官房機密費のあり方というのは、特定秘密保護法以上に、それを上回る最悪の秘密制度だ、このように指摘しておきたいと思います。
次に、特定秘密保護法自体について聞いていきます。
いわゆる重層的なチェック機関については、その概要が、十二月四日、特別委員会で安倍総理によって示されました。皆さんのお手元に資料も配付してあります。情報保全諮問会議、あるいは(仮称)保全監視委員会、(仮称)独立公文書管理監、(仮称)情報保全監察室、このようになっております。
特定秘密保護法の最大の問題点の一つは、大臣や行政機関の長が恣意的な秘密指定を行わないか、自分に都合の悪いものを秘密にしないかということであります。
安倍総理や菅官房長官が提案をいたしましたこれらのチェック機関で、こうした恣意的な秘密指定のチェックができるのか。そもそも、この法律の枠組みで、そうした恣意的な秘密指定のチェックは可能なのか。本来、十分な審議が前国会で必要でありました。ところが、提案したらすぐに、審議すらしないで強行採決をされ、衆議院では全く審議されておりません。
そこで、総理や官房長官が示したこれらのチェック機関について、まず、内閣官房に設置する(仮称)保全監視委員会は、個別の特定秘密をチェックするに当たり、個別の特定秘密を実際に見てチェックすることができるんですか。
○森国務大臣 お答えいたします。
特定秘密の指定、解除等が運用基準に従って行われることを確保するために、特定秘密保護法第十八条第四項は、内閣総理大臣が特定秘密である情報を含む資料の提出等を求めることができる旨規定をしております。そして、その上で、特定秘密の指定、解除等について、内閣総理大臣がチェック機関としての役割を果たすことに資する組織として、保全監視委員会(仮称)を内閣官房に設置することを予定しております。そして、同委員会において、特定秘密保護法第十八条第四項に基づき提出された特定秘密である情報を含む資料にアクセスすることを予定しております。
○赤嶺委員 個別の秘密の内容にアクセスすることができる、その根拠は十八条四項だということで、今の答弁、よろしいですね。
そうしますと、今度は、もう一つのチェック機関があるわけですね。これは資料にもありますが、独立公文書管理監(仮称)、情報保全監察室(仮称)。この二つの機関は、先ほどの保全監視委員会(仮称)、十八条四項に基づいて、同じように秘密にアクセスすることができる、このように考えてよろしいですか。
○森国務大臣 附則第九条に規定をいたしております特定秘密の指定等について、独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関として、本法の施行までに、内閣府に審議官級の独立公文書管理監(仮称)と二十人規模の情報保全監察室(仮称)を設置することとしております。
この独立公文書管理監(仮称)とそのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)においては、各行政機関による個別の特定秘密の指定及び解除の適否を検証及び監察し、不適切なものについて是正を求めることや、各行政機関による個別の特定秘密の有効期間の設定及び延長の適否を検証及び監察し、不適切なものについては是正を求めること等を行うことを想定しております。
独立公文書管理監(仮称)とそのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)がアクセスできる情報の範囲については、この組織が行う事務に必要かつ十分なものとなるように今後検討してまいりたいと思います。
○赤嶺委員 四党合意では、アクセスできることが前提になっていると思うんですよね。
今の森大臣の答弁ですと、附則に基づく各行政機関による個別の特定秘密の指定の解除の適否を検証及び監察し、不適切なものについては是正を求めるという場合に、これは、個別の秘密を実際に見ないで個別の特定秘密の指定の解除の適否を検証及び監察することはできないと思いますが、監察することができるというのであれば、その法的根拠はどこにあるんですか。
○森国務大臣 四党合意では、先ほど御答弁申し上げたように、特定秘密の指定及び解除の適否を検証及び監察し、不適切なものについて是正を求めること等を権限とするものとなっております。
ですので、独立公文書管理監(仮称)と、そのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)がアクセスできる情報の範囲については、その予定されている権限、事務に必要かつ十分なものとなるように、今後検討してまいりたいと思います。
実際に、今もう立ち上がっております、有識者で構成される情報保全諮問会議の御意見も伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに思います。
そして、今御質問いただきました条文でございますけれども、独立公文書管理監(仮称)等の権限について、今申し上げたとおり検討中でございますけれども、一般論として申し上げれば、本法に基づき行政機関の長が他の行政機関の長に特定秘密を提供する場合、第六条に基づく我が国の安全保障上の必要による特定秘密の提供か、第十条に基づく公益上の必要による特定秘密の提供によることとなると思います。
○赤嶺委員 先ほどの法律の第十八条四項であれば、それは秘密の中身にアクセスできるような仕組みになっているわけですね。今の森大臣が答弁された第六条、第十条、これでは、行政の長の判断によってアクセスできないものも出てくるのではありませんか。あるいは、一切アクセスさせないかもしれない。第六条、第十条というのは、あくまでも行政の長の判断ですよね。求められたら必ずやるということではないですよね。できる規定ですよね。この点、いかがですか。
○森国務大臣 第六条はできる規定、第十条はするものとするというふうに規定をされておりますけれども、独立公文書管理監(仮称)と、そのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)が、高い独立性を有しつつ、かつ実効的に機能するように、本年一月に立ち上げました、外部の有識者で構成される情報保全諮問会議の御意見も伺いながら検討を進めてまいりたいと思います。
○赤嶺委員 秘密にアクセスできる法的な根拠は、先ほど森大臣が答弁されたように、第十八条四項だけなんですよ。それ以外の条項を根拠に使おうとすれば、それは行政の長の判断によって提供しない場合もあり得る。提供しないかもしれない。そういう中身の法文なんですね。
特定秘密保護法の中では、提供する場合には、十八条四項か、あるいは十条か、六条かということになっていくと、十八条四項以外のものを根拠にするとなれば、個別の秘密の内容にアクセスできないことになるのではありませんか。これは、そういうぐあいに聞いても、いや、今から検討していくんですというぐあいにしかお答えにならないと思うんですけれども、検討したって、法律の仕組みがそうなっている以上、これはアクセスできる、幾ら附則の考え方に基づいてやっていくということになっても、法律そのものが根本的に見直されなければ、私はこれは無理じゃないかなと思います。
この資料に、(仮称)保全監視委員会あるいは(仮称)独立公文書管理監、(仮称)情報保全監察室も、これは内閣総理大臣のもとに置かれているわけですね。
そこで確認ですが、(仮称)保全監視委員会を指揮監督する担当大臣、これはどなたですか。
○森国務大臣 独立公文書管理監(仮称)とそのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)は、内閣府に設置することを予定しておりますので、内閣府の長は内閣総理大臣でありまして、内閣府設置法第七条第一項で、内閣総理大臣が内閣府の事務を総括することと規定をしておりますので、内閣総理大臣ということになります。
○赤嶺委員 もう一つの(仮称)保全監視委員会、内閣官房に設置されるのも内閣総理大臣ということでいいですね。
○森国務大臣 はい、そうです。
○赤嶺委員 いずれも内閣総理大臣であります。現在は安倍総理。つまり、いずれの機関も内閣総理大臣の指揮監督のもとに置かれます。
附則第九条は、設置を検討する新たな機関について、独立した公正な立場において検証及び監察するとしております。内閣総理大臣の指揮監督を受ける公文書管理監、情報保全監察室が、独立した公正な立場において検証及び監察する機関に該当するんですか。総理大臣の指揮監督下に置かれてですね、どうですか。
○森国務大臣 諸外国におきましても、例えば米国の情報保全監督局も、行政機関の中の国立公文書館の一部門であり、その局長は大統領の承認を得て任命されるものでございます。
独立公文書管理監(仮称)とそのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)は、特定秘密を指定するインテリジェンスコミュニティーに所属する行政機関とは別の内閣府に置かれるものでありまして、これら組織が高い独立性を有しつつ、かつ実効的に機能するように、情報保全諮問会議の御意見も伺いながら検討を進めてまいりたいと思います。
○赤嶺委員 内閣府が情報コミュニティーの枠の外にあるから高い独立性を持っているというのは、どうも説明として納得できませんが、ちょっと聞いてまいります。
安倍総理は、内閣官房が運用する情報収集衛星の画像が特定秘密になることを何度も答弁しておられました。情報収集衛星の画像を特定秘密に指定する大臣はどなたですか。
○森国務大臣 内閣官房が保有する情報収集衛星の画像情報については、内閣総理大臣が行政機関の長として特定秘密の指定を行います。
○赤嶺委員 安倍総理になるわけですね。
安倍総理は、特別委員会でも、新たに設置される予定の国家安全保障会議の、NSCですね、審議をより効果的に行うためには、秘密保全に関する法制が整備されていることが極めて重要である、このように認識しております、こう国会でも答えてまいりました。
それでは、国家安全保障会議に係る情報を特定秘密に指定する大臣、これはどなたですか。
○森国務大臣 国家安全保障局が扱う情報については、他の行政機関が特定秘密として指定した情報の提供を受ける場合と、国家安全保障局がみずから収集等をした情報について内閣総理大臣が行政機関の長として特定秘密の指定を行う場合とがございます。
○赤嶺委員 他省庁から秘密が寄せられる場合もあるけれども、独自に収集して秘密を指定していくと。
特定秘密に指定されることが明確になっている情報収集衛星の画像、これを特定秘密に指定するのは内閣総理大臣。国家安全保障会議に係る情報、この中にも特定秘密に指定する内閣総理大臣の役割があります。
みずから秘密に指定し、それをみずから指揮監督する保全監視委員会、あるいは独立公文書管理監、情報保全監察室、いずれも仮称でチェックする。
みずから決めて、みずからチェックする。これでは、自分で秘密を決めて、それが適切かどうか自分がチェックするということになるのではありませんか。
○森国務大臣 そもそも、特定秘密の指定が適切かどうかをチェックする、そのチェックには専門的、技術的な判断を要しますので、行政機関がこれを行うことが適当であるというふうに思います。
諸外国においても、先ほど申し上げましたとおり、例えばアメリカでもチェック機関が幾つかございますけれども、それを参考に今組織をつくっているわけでございますが、これは全て大統領が指揮監督し、そして、例えば先ほどの情報保全監督局についても、その局長は大統領の承認を得て任命をされるものでございます。
そのような関係にございますけれども、独立公文書管理監(仮称)とそのもとに置かれる情報保全監察室(仮称)は、このような諸外国の状況も参考にしながら、しっかりとその高い独立性を有しつつ、実効的に機能するように検討を進めてまいります。
○柴山委員長 赤嶺君、質疑時間が終了しております。
○赤嶺委員 情報収集衛星や、私は、日本政府の具体的な事例に照らして、これでは、総理自身が秘密を指定し、総理の監督下にある機関がチェックするというのは、これは幾ら何でもそんなひどい話は通らない。この秘密保護法の仕組みが改まらない限り、秘密の範囲が恣意的にどんどん広がっていく、こういう仕組みになっているということを指摘しまして、質問を終わります。
○柴山委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時二十三分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○柴山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。近藤洋介君。
○近藤(洋)委員 民主党の近藤洋介でございます。
今国会、内閣委員会最初の質疑、大臣所信に対する質疑であります。どうぞよろしくお願いいたします。
早速、貴重な時間でありますし、質問に入りたい、こう思います。
まず、菅官房長官にお伺いをいたします。
官房長官、内閣総理大臣補佐官についてお伺いしたいんですが、内閣法二十条では、「内閣総理大臣補佐官は、内閣の重要政策に関し、内閣総理大臣に進言し、及び内閣総理大臣の命を受けて、内閣総理大臣に意見を具申する。」と規定されております。これは非常に重要な役割でありますが、官房長官は、内閣総理大臣いわゆる首相補佐官は広い意味で内閣の一員であると認識をされておりますか。
○菅国務大臣 そのように認識をしています。
○近藤(洋)委員 その上で質問したい、こう思うわけでありますが、その内閣の一員たる首相補佐官の衛藤晟一参議院議員が、御案内のとおり、十六日に、ホームページを通じて動画サイトに、首相の靖国神社参拝に関連して、米国が失望したと言ったことに対して、むしろ我々の方が失望したといった趣旨の発言をされております。
委員長のお許しを得て、資料を配付させていただいております。残念ながら、この動画サイト、もはや削除されておりますので、二十日付の朝日新聞、発言要旨というものを添付させていただいております。
もう広く報道されている内容でありますので、説明するまでもないと思いますが、この発言、この動画サイトは、報道によりますと、菅官房長官の指示で削除されたとされておりますが、官房長官、お伺いしたいと思います。
衛藤晟一首相補佐官が動画サイトでこうした発言をしたことをいつ知り、そして、本人にいつ削除するよう指示をされたのか、経緯をお答えいただけますか。同時に、この動画サイトには、内閣総理大臣補佐官衛藤晟一とタイトルづけがされております。当然、個人的発言ではなく、補佐官の発言として菅官房長官は認識し、極めて不適切だから削除を命じたということになりますが、そういうことでよろしゅうございますでしょうか。
○菅国務大臣 まず、十九日の朝、報道でそのことを承知しました。そして、私も公務がありましたので、記者会見が終わった後に総理ともしかるべき相談をさせていただいて、衛藤補佐官に電話をかけて、真意をただして、本人は個人的見解だと述べたということでありましたけれども、内閣補佐官は、まさに先ほど申し上げましたが、広く内閣の一員でありますので、個人的な見解はないということを私、申し上げまして、それで取り消しをしてもらったということです。
○近藤(洋)委員 ありがとうございます。
そこで、お伺いしたいのですが、仮に個人的見解であったとしても、その発言が内閣の一員として適切であれば別に削除は命じないわけでありまして、内閣の一員として不適切であったから削除を官房長官として命じた、こういうことだと思います。具体的にどこが不適切だったのか、お答えいただけますでしょうか。
○菅国務大臣 靖国、まあ全体でありまして、総理が靖国を参拝した後に総理が国民の皆さんに述べたこと、総理自身は、この国のために犠牲になられた方に手を合わせて尊崇の念を表明した、それと同時に、二度と再び戦争のない平和な国を築き上げていきたい、そういう趣旨の話をしたところであります。
そして、他の国々について、いろいろな問題があるところについては、総理の靖国参拝というものについては、謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って、先ほど申し上げました趣旨を説明するということになっておりましたので、それとこの動画というのは違っていましたので取り消しを指示したということです。
○近藤(洋)委員 恐らく、おっしゃる趣旨は、総理が靖国に参拝したその是非の話ではないということなんだろうと思うんですね。私は立場を異にするものでありますが、それは理解をします。
もうちょっと具体的に伺いたいと思うんです。
問題は、この資料を配付しているとおり、衛藤補佐官の発言の中で、発言要旨の二段目、「米国がディスアポインテッドと言ったことに対して、むしろ我々のほうがディスアポイントだ。米国が同盟関係の日本を何でこんなに大事にしないのか。米国はちゃんと中国にものを言えないようになりつつある、と。」この認識が違うということではないですか。
あわせて、幾つかちょっと看過できない発言があるわけでありますが、米国がディスアポインテッド、失望したということに対して、むしろ我々が失望しているという、ここのくだりについて、内閣の一員としての発言としては、これは外交にかかわることでありますから、靖国云々ということよりも、こういう発言自体が相当問題だと認識されたということではないでしょうか。いかがでしょうか。
○菅国務大臣 今御指摘の点も含めて、外交にかかわる部分というのもかなり本人は発言もされていますので、総理は、先ほど申し上げましたけれども、礼儀正しく、謙虚に、誠意を持って、総理の真意というものをそれぞれの国に対して説明させていただいたわけですから、そこと違っていたということであります。
○近藤(洋)委員 要は、もう一つ気になるのは、官房長官、総理は先日の予算委員会で、衛藤補佐官の発言について、個人的発言だから問題はないんだという趣旨の答弁をされています。
先ほどの官房長官の御答弁は、内閣総理大臣補佐官というのは内閣の一員であるし、また、内閣総理大臣補佐官衛藤晟一とタイトルされたものが個人的発言というふうに言えるはずもないわけであって、その辺は、総理の認識は、少なくとも昨日の答弁は官房長官の御認識と相当ずれがあると思われますが、いかがでしょうか。違いがあるんじゃないでしょうか。
○菅国務大臣 きのうの答弁の詳細を、私、ちょっと今持ち合わせていません。ですけれども、私が衛藤補佐官に電話をして指示をしたのは、総理と相談をした上で、ここについてはやはり取り消しをすべきということでありました。
○近藤(洋)委員 衛藤補佐官は当初、記者団に対して、何が問題になるのかわからないと発言をされております。
そもそも、こうした認識を持つこと自体が、外交にかかわることについて、何が問題になるかわからないというふうに発言すること自体が、相当、内閣の一員たる政府要人としては問題なのではないか、私はこう思うわけであります。
安倍首相は、自民党政権になってから日米関係は大変よくなったということをたびたび発言されておりますが、官房長官、むしろ最近は、事態は逆なのではないでしょうか。
NHKの会長の議論をここではいたしませんが、NHKの会長の御発言、さらには、資料も配付をさせていただいておりますが、米国のウォールストリート・ジャーナル紙に本田内閣参与のこの御発言、これは見ようによっては、日本の強い経済を取り戻すのは、より強力な軍隊を持って中国に対峙できるようにするためだというふうに語ったと報じられている。これは水かけ論で、訂正を求めると言いますが、ウォールストリート・ジャーナルは訂正しないということになっております。ウォールストリート・ジャーナルは自信を持って報道している、こういうことであります。米国の有力紙がこのように報じている。
非常にナショナリスト的な発言が政府要人から相次いでいることについて、結果として日本の外交にマイナスの影響を与えるという認識を、官房長官は、この一連の発言が次から次と出てくる事態に対して危惧すべきではないか、こういうふうに私は思いますが、どのように受けとめられていらっしゃいますか、お答えください。
○菅国務大臣 本田参与の発言、本田参与は記者に抗議をしたということであります。私、本人からその件についても意見を聞きましたけれども、本人は強く抗議をしております。それと同時に、衛藤内閣補佐官の発言でありますけれども、すぐ取り消しをいたしましたので、十九日のアメリカのハーフ副報道官は、問題のビデオは削除され、日本政府は、この発言は個人の資格でなされたもので、政府の見解を表明したものではないと説明したと理解しており、本件に関する他のいかなる質問も日本政府に照会してほしいということを会見でされたということであります。
いずれにしろ、私どもの政権になってから、日米同盟はまさに最優先、極めて重要な国ということで対応してきておりますので、当時、日米の首脳会談でオバマ大統領から総理に要請のあった、TPP交渉参加、あるいはハーグ条約締結、そしてまた沖縄普天間の辺野古への移設、こうしたものを結果としてこの一連の中で私どもは約束を果たしてきておるわけでありますから、日米同盟は全く揺らぎない、このように思っています。
○近藤(洋)委員 官房長官、萩生田総裁補佐官も、報道によると、オバマ政権になって非常にまずくなっているといった趣旨を、私はそれは議事録は今持っておりませんから、報道しか知りませんので、報道をされておりますね。いずれにしろ、非常にそうした発言がここのところ相次いでいる。これは事実であります。
私は、日米同盟、私も大事だと思っています。しかしながら、こうした発言が相次ぐこと自体は、先ほど、みずから、まずい発言だと思ったから官房長官はすぐ即時に取り消させたわけです。本人はまずいと思っていなかったわけですよ。記者団に、何がまずいんだかわからない、こういうふうに言っていたのに、官房長官が削除させたわけですから。
これは、私は、靖国の参拝云々ではなくて、米国がディスアポインテッドと発言したことに対してディスアポイントだ、我々の方が失望した、こういうくだりも含めて問題だという判断をされて削除させたわけですから、外交上問題があると思って削除させたこと、発言が相次いでいるということは、非常にやはり危惧すべきだ、こう思います。
大変立派な閣僚の方々がいる前で恐縮でございますけれども、靖国論をここで展開するつもりはございませんが、私も、祖父は戦死をいたしました、職業軍人でございました。海軍でございました。父も海軍兵学校であります。戦争遺児として初の衆議院議員でございました、父は。ですから、そういう意味では、私も個人的には靖国神社というものに対してのいろいろな思いはございます。
ただ、官房長官、おわかりのとおり、釈迦に説法でありますが、政治は、別に美学でやってもしようがないわけであって、やはり実学というんでしょうか、多少かたい言葉で言えば、それは責任倫理の世界であって、格好いいからとか、美学とか信条だけで済むものではないというのは、恐らく菅官房長官が誰よりも一番よくわかっていらっしゃることであって、美学で格好いいということの発言が要人から次から次と出ていることが、今実態としてどういうふうな影響を与えているのかと私は危惧いたします。
もう一度伺います。
やはり、こうした発言が相次いでいることに対して、改めて、広い意味での内閣の方々に、総理補佐官も含めて、閣僚に対して、特に日米関係に対して発言を注意するようにということを、このことを受けて注意喚起すべきではないか、こう思いますが、官房長官、いかがですか。
○菅国務大臣 日米関係だけでなくて、いわゆる政府要人と言われる役職にある者は、やはりみずからの発言については注意をする必要というのは極めて大事だというふうに思っていますし、私どもの閣僚懇とか、そういう中では、やはりしっかりとお互いに対応していこう、そういうことになっております。
○近藤(洋)委員 それは紋切り型です。それは常にそうなんですけれども、こういったことが続いているという、私は、ちょっと緩んでいると言わざるを得ません。支持率が高いというところにあぐらをかかれているとは思いませんが、非常に危惧をいたしますね。それは日本の国家にとって非常によくないことではないかと改めて申し上げますし、非常に感度が鈍いのではないか。総理がそういう注意喚起をしないのであれば、それを促すのは菅長官の役目ではないかということを重ねて指摘をしてきょうのところは終えたい、こう思います。
続いて、今回の豪雪災害にかかわる政府の危機対応、そして今後の対策についてお伺いをしてまいりたいと思います。
まずもって、いまだに多くの被害の全容、特に農作物も含めて確定をしておりませんけれども、被災をされた方々にお悔やみを申し上げたい、こう思いますし、現地で奮闘を続けられている全ての方々に敬意を表したい、こう思います。
大雪は間違いなく災害でございます。ふだん雪の降らない地域での雪は、少ない量でも災害になるわけであります。私は、雪国選出の代議士であります。米沢に住んでおりまして、雪国で育った人間であります。自宅の前は今も一メーター五十センチ積雪があります。家族は雪の中で生活をしておりますが、まさに雪と格闘しておるわけでありますけれども、それでも、この一日に百センチを超えるという雪は、豪雪地帯の米沢でもそうありません。大変な雪であります。だからこそ、今回の豪雪、山梨甲府で百センチと聞いたときに身震いがいたしました。大変なことになるな、こう思いました。実際、多くの方々が被害に遭われたわけであります。
まず、危機管理を担当されている菅官房長官、そして防災担当の古屋大臣にそれぞれお伺いをいたします。
この十四日からの豪雪情報でありますけれども、こうした豪雪の情報を、特に甲府で一メーターを超える積雪がありそうだ、一メーター近くなりそうだ、大変な豪雪になりそうだという報告を受けたのはいつであったのかというのをお答えいただけますでしょうか。
○菅国務大臣 十四日の昼に、古屋防災担当大臣が、この大雪の対応に関する関係省庁災害警戒会議を開催するということ、そうした連絡の中で、私はこれからの大雪というものを承知したということです。
○古屋国務大臣 私も、防災担当大臣として気象庁の情報は常にとっておりますが、極めて異例な大雪が降るという予測も聞いておりましたので、十四日の日に、関係省庁災害警戒会議、これは内閣府設置法四条において設置できるわけですけれども、これで関係省庁の幹部を全て寄せまして、そしてそこで、まず情報の収集の徹底と、それから、特に山梨県の知事、私は実際に電話をしていますけれども、そこの連携を密にするようにというような指示を出して、自来、十四日から、いわゆる災害警戒会議、これを設置して取り組みを始めたというところでございます。
○近藤(洋)委員 委員長のお許しを得て配付させていただいている資料の二枚目をごらんいただければ、こう思いますが、時系列対応の概略だけを、政府の資料を添付させていただいておりますが、今、両大臣から御答弁があったように、十四日の十二時に関係省庁会議が開催をされています。ですから、それを設置する前の段階で、当然のごとく大臣には報告が上がり、菅官房長官にも報告が上がって、こういうことだろうと思います。
そこで、お伺いしたいのですが、まず古屋大臣、翌十五日、土曜日でございます。事実、十四日は、大雪警報がありまして、金曜日でございましたから、既に東京にも日中から雪が降っておりました。夕刻は、雪が降ってまいりまして、私も、これは大変な雪になる、こういうことで、金曜日、本会議が終わってすぐの新幹線で地元に帰りました。遅くなると、これは新幹線が動かなくなる、危ないと思ったものですから、早目に地元に帰りました。ですから覚えているんですが、金曜日の夕刻から夜にかけてはどんどん雪が降り積もっていったわけであります。
降り積もって、翌十五日でありますけれども、十五日は大臣は基本的には東京におられたというふうに日程で聞いておりますが、このとき、十五日、公務は特段なかったと伺っていますが、防災担当としてどういう行動をとられておったのか。官房長官とはどういう連絡をとられたのか、お会いになったのか。また、総理にはお会いになられたのか。十五日の動きについて、お答えいただけますでしょうか。
○古屋国務大臣 十五日については、私は東京にとどまっておりました。やはり雪がございましたので、ほかの行事はございましたけれども、全てキャンセルしてとどまっておりました。
何をしていたかというと、まず、携帯で、あるいは回線電話で、秘書官あるいは関係の府省、特に内閣府の幹部との連絡を密にしておりました。そして、山梨県知事等からも直接電話で聞いて、被害状況、どういった状況になっているかというようなこともヒアリングをしながら、警察、消防、自衛隊の活動状況につき報告を受けつつ、なおかつ、その日の十一時二十分に山梨県知事が自衛隊に対して発動要請を出しております、こういったこともしっかり確認の上、そして、その状況の情報収集に当たらせていただいた。
そのことは、携帯では官房長官に連絡をしております。直接会ってはいませんが、携帯で連絡をさせていただいております。
その後も、電話を通じまして現地の状況を、情報を入手しておりました。御承知のように、そのときは非常に雪が降っておりまして、ヘリコプターも飛べない、実際に行けないというようなことで、情報の確実な収集には相当障害があったということは否定できないというふうに思います。
○近藤(洋)委員 大臣、その情報の携帯での収集は、合同庁舎というか役所でされていたんですか。場所はどこでやられていたんですか。
○古屋国務大臣 私は、議員宿舎で連絡をとってやっておりました。
○近藤(洋)委員 官房長官、官房長官は、十五日の御日程をいただきましたが、特段大きな公務は十五日は官房長官も入っていなかったような気がするんですが、どこにおられて、古屋大臣とは連絡をとられ、その後、総理に対しては、その状況をどのように報告されたのか。しなかったのかも含めて、どうでありましたか。十五日、一日についてお答えください。
○菅国務大臣 私は、在京でありました。そして、古屋大臣から、状況については連絡をいただきました。私の方から総理には直接申し上げませんでした。古屋大臣は本部長でありましたので、私というよりも古屋大臣の方から直接だろうというふうに思っています。
○近藤(洋)委員 続けて伺います。
十六日でありますが、ようやく十六日になって各省庁連絡会議を開いているんですね、政府は。第一回、十六日十三時半から……(古屋国務大臣「違います」と呼ぶ)対策会議ですか、対策会議は二月十六日じゃございませんか。各省庁対策会議第一回は十六日に、本部は十八日ですけれども、対策会議は十六日。古屋大臣、山梨県知事のテレビ会議による意見交換、こういうことになっております。
私は、いずれにしろ、両大臣、この十五日というのは非常に大事だ、こう思っているんですよ。実際に、十四日に雪がどんと降って、そして十五日未明には甲府には一メーターの積雪です。亡くなっている方のほとんどは、十五日に亡くなっております。この十五日、要は、大臣は議員宿舎で情報収集した、非常にされたんでしょう。ただ、それで終わっているわけですね、この十五日、特段の動きはない。そして、政府の動きは、十六日、ようやく対策会議を開いております。
ここでお伺いしたいのは、まず、本部を十八日に、ようやく対策本部が、十八日の火曜日にまでずれている。これは一体何なのか。十五、十六、十七とあいて、しかも、十五日に何も会議体も開かずに、十八日まで延びてしまった理由を、古屋大臣、お答えいただけますか。
○古屋国務大臣 改めて、ちょっと時系列的に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、十四日に関係省庁災害警戒会議を開きました。これは、先ほど申し上げましたが、内閣府設置法四条に基づくものでありまして、私が総合調整権を持つ責任者として関係省庁を集めました。
そして、実は、昨年、その名称等々を変えたんですが、実際災害が起きた後は、これは統括官決定の内規によりまして、次が災害対策会議という、中身は全く変わっていません、そういうふうに名称を変えただけでございまして、もう十四日から既に同じような会議は開会されています。そして、十六日も、災害が起きた後でございますので、同じ根拠法で、内閣府設置法四条に基づいてやっているんです。
その後、十六日以降、非常に厳しい状況であるということがはっきりしてきましたので、今度は組織をバージョンアップしたんです。バージョンアップしたのがいわゆる災害対策基本法二十四条に基づいたものでありまして、これは総理にも御報告を申し上げましたところ、そういう対応で行こうということでございましたので、総理の指示を受けて、私がいわゆる本部長を務める。
そして、何が違うかというと、実は、災害対策法二十四条の設置によりますと、私は知事に対して指揮命令権ができるんです。だから、ここが大きいんです。ですから、例えば、今回の例ではないですが、ほかの知事が自衛隊の派遣は必要ありませんとお断りするとできませんけれども、私が指示、命令をすることができる。そういう意味でバージョンアップでございます。実質的には、ほとんどそういうことはありませんでしたので、変わってはおりません。
そして、十八日にはそういう形で会合をさせていただく。すなわち、十四日からは組織はずっと稼働して、なおかつ、各省庁の幹部あるいは局長、十八日以降は局長ですけれども、が全部そういう対応をしているということでございまして、十八日になって初めてそういう対策本部ができたということではないということをひとつ御理解いただきたいというふうに思います。
○近藤(洋)委員 では、古屋大臣、お伺いしますけれども、十五、十六、総理に直接お会いになって、順次、そうした話を御報告はされたんですか。先ほど官房長官からは、この話は官房長官から上げる話ではなくて担当大臣が総理に直接やるべき話だ、こういうお話でしたので伺いますが、いかがですか。
○古屋国務大臣 十五日には官房長官に連絡をした上で、十六日には総理に直接電話をしております。それで、十六日には、御承知のように、電話会議も開きまして、そして山梨の横内知事とも連絡をして、そして県選出の国会議員も東京に見えた方は来ていただきました。
そして、情報収集、あるいは現地に戻っている地元選出の議員も見えましたので、それは携帯で連絡をして、そして同時に、その日には内閣府で、SNS、フェイスブック、ツイッター等々を全部開きまして、実際に孤立をされている方とか、そういった方でSNSを使っておられる方はたくさんいらっしゃいますので、そういった方からの情報もどんどん入れて、そして現地からの情報、そして知事からの情報も入れながら、私は、十六日は恐らく六時過ぎまで災害対策本部にいて、各省庁への指示、そしてまた防災統括官初め内閣府の幹部と情報収集に当たっておりました。
その間に総理大臣にも私は連絡をさせていただいて、こういう対応をさせていただいておりますと報告しております。
○近藤(洋)委員 大臣が一生懸命やられているのは理解しますし、ただ、何でこういうことを細かく聞くかというと、大臣、十六日は東京にいらしたわけですね。当然、災害対応が重要ですから。総理の御日程を見ても、基本的には特段大きな公務、外国の要人との会合も書かれていませんから、時間はあった。同じ都内にいて、危機管理をするというなら、なぜ官邸に行かれて直接対処のことをしなかったのか。電話で済む話なのかもしれません。私は、電話で済むような、軽い、つくりますからよろしくというレベルの話では全くない、こう思うんですね。
ここで、世耕副長官に来ていただいていますけれども、世耕さんならおわかりいただけると思うんですね、本部設置の重要性が。
世耕副長官は、平成二十三年九月二十八日、予算委員会の質疑において、当時、野党であられましたけれども、与党の、当時野田内閣でございましたが、こういう質問をしているんですね。
議事録を全部読ませていただきました。本部設置が遅い、遅いということを、もっと細かく、執拗に追及されております。当時、台風十二号、これは紀伊半島を襲った大変な災害でございましたが、その大変な災害の政府の対応、各大臣が何をしていたかということをきちっと詰めた上で、そして、五日目に、当時の政府の対応も、大臣おっしゃるとおり、連絡会議を即座につくり、そして台風上陸と同時に連絡会議をつくり、翌日には本部設置をしているんですけれども、でも、台風上陸から翌日では遅いと世耕さんは指摘をしておるんですよ。
そして、こう言っているんですよ。政府が本部を立ち上げたということは、やっぱり被災地にとって大変大きなメッセージになるんですと。これは非常に大事なんです、危険だというメッセージにもなるし重要なんだ、一刻も早く本部というものを立ち上げる、総理のもとで本部を立ち上げることが重要だと世耕副長官は繰り返し指摘をしておりますが、副長官、今回の対応について、副長官は何の意見具申もしなかったんですか。
○世耕内閣官房副長官 二〇一一年の九月に紀伊半島が台風十二号で甚大な被害を受けました。あのときは、私の地元和歌山県でも多数の死者が出たところであります。そういったことを受けて、地元の声も受けて、私は当時、野党議員として質問に立たせていただきました。今御指摘の議事録、三年前のことではありますが、私もよく覚えております。
ただ、あのときの私の質問の趣旨は、一番入り口のところで指摘をしているんですが、当時、菅内閣から野田内閣への移行期にあったわけですね。そのときに、当時、野田総理が菅内閣からもう既に移行のための首班指名を受けておられて、直ちに組閣をできる状況であったにもかかわらず、そこを、ちょっと今、何日かは正確には忘れましたけれども、数日間、組閣をされなかった。その間は、もうやめることの決まっている菅内閣が職務執行内閣として対応された。その間にやはり台風の状況が刻々と深刻になっていったということで、そこに大きな問題があったんじゃないかということを、私は当時、質問の一番根幹として質問させてもらったつもりであります。
また、台風による豪雨水害というのは、あの前の何年かの間に何回か、類似と言うと変ですけれども、同じようなパターンの災害が幾つもありまして、それと比べて、上陸をしてから何日以内に災害対策本部が立ち上がってというものを比較したときに、やはり二〇一一年の台風十二号に関しては対策本部の立ち上げとかが遅かったということで、そういう意味で、遅かったということを私は指摘させていただいたわけであります。
ですから、あの当時私が質問していた趣旨が今回のこの豪雪被害にそのまま当てはまるとは、私は考えないわけであります。
○近藤(洋)委員 副長官、全くそれは認識が違いますよ。同じですよ。大変な被害が起きたときに迅速に対応しろということの趣旨においては全く同じでありまして、台風上陸から二日後に本部を設置して、世耕さんは、上陸よりももっと前から雨が強くなっていたじゃないか、雨が強くなってから四日目では遅いという指摘をしているんです。
私は、未曽有の百センチというすさまじい豪雪が降ってから五日目というのは、同じ五日で、同じじゃないですかと。しかも、大雪になってから、その空白の十五日のときに多くの人命が失われているんですよということも指摘をさせていただきました。
何でこんなことを言うかというと、私は雪国だからわかるんですよ。雪国だから、雪が降れば、危ないと思うから避難するんです。百センチだったら外出を控えます、我々雪国の人間は。備えます。だけれども、雪の降らない人はわからないんですよ、百センチだからといったって。どうなるかわからないんです。想像できないんです。
だから、ウオーニングが必要なんです。世耕さん、副長官がおっしゃったとおり、官邸で本部ができて、古屋大臣が官邸に行かれて総理と会って、こういう状況で大変だと。もし、菅長官もその場にいて協議をする場面がテレビに流れていたら、これは大変なことだということで、さらに注意が喚起されるんですよ。そういう効果もあるんです。そして、世耕さんはそのことをまさに指摘しているんですよ。メッセージだということで指摘もしているんです。
特に豪雪は、知らない地域にとってみると大変な被害だから、だからそのことを指摘しているんです。だから、遅かったんじゃないかと申し上げているんです。詭弁を弄するのはやめていただきたい、危機管理として。
世耕副長官は、この週末、どこで何をされていたんですか。お答えください。
○世耕内閣官房副長官 私は、まず十四日は、これは平日ですから、官邸で執務をしておりました。そして十五日の土曜日は、一日じゅう都内に、東京におりました。宿舎の自宅におりました。十六日日曜日は、午前七時半から午後十一時過ぎまでの間は、東京を離れまして、政務で和歌山県内に赴いておりました。十六日の午後十一時以降は、本日までずっと在京をしているところであります。
○近藤(洋)委員 あれほど危機感のことを認識されている世耕副長官だから申し上げているんです。
官房長官、副長官、それぞれ回り番があって、官邸に全員ががん首をそろえる必要はないということは、平時はわかります。しかし、こういう状況は、まさに危機管理に強い安倍内閣であれば、やはり官邸にきちんといて、そして情報を集めて。古屋大臣、議員宿舎で情報収集するのも結構でしょう。しかし、役所に出られて、そしてきちんと対応する、そして状況についてきちんと総理にも報告をして、そしてそのことを国民に知らしめるという対応が私は極めて重要だったと思います。
官房長官に伺います。
官房長官は秋田の御出身だ。雪の多いところの御出身だ。安倍首相は東京生まれ東京育ちだから、雪のことを、感覚を持てというのは、これは無理なことです。でも、官房長官ならわかったはずです、この雪の恐ろしさを。何で、そのことに気づいて、もうちょっときちんとした対応をしろ、こういうことを指示できなかったのか。今後に生かしてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○菅国務大臣 先ほど古屋大臣から答弁されておりましたけれども、十四日の段階で古屋大臣が本部長のもとにそうした会合を開いて対応をしていたというふうに思っていますし、十五日には自衛隊も派遣をしているわけでありますから、そして消防、警察とも連携をとっているというふうに、十四日の段階からそういう対策をしていただいているというふうに私は理解をしております。
ただ、百センチというのは、私のところも非常に雪の多いところですけれども、一日に百センチというのはなかったと思います。
○近藤(洋)委員 何でこんなことを言うかというと、そのことを世耕副長官も含めて、災害対応が大変なのはわかります、我々も政府にいましたから。大変なんです。でも、やはり私はこの本部設置を早目にすべきだったと思います。
NHKの専務に来ていただいております。
NHKに対しての多くの苦情が寄せられている、この報道について聞いております。何で、オリンピックの番組を変更して、もっときちんと知らせなかったんだ等々の苦情が寄せられているという話も伺っております。大変多くの苦情が寄せられているということについて、特に十五日、オリンピックの番組が流れているのに、何で被災のことが流れていないんだということも寄せられております。これについてどう受けとめているのかということ。私は、それなりにNHKも流されたとは思いますが、その受けとめ。
あともう一つ。専務、私は、やはりラジオ。テレビはなかなか難しい。難しいというのは、雪が降ったときに頼りになるのは実はラジオなんですね、車の中でも。台風のときも、やはりラジオが役に立った。ラジオは臨機応変に対応できるはずです。ですから、もっとラジオを活用して、この地域では渋滞がこうなっている、凍結がこうだ、避難所はどうだと、ローカルの地域の情報を、もっと多く情報を収集するということに今後力を注いでもらいたい。
今回の被災情報の対応はどうだったのか、皆様方の苦情も含めて、どう受けとめているのか、そして、今後についての提案ですが、私はぜひラジオの活用を徹底的にやるべきだと思いますが、いかがですか。お答えください。
○石田参考人 お答えします。
今回の大雪については、前日の十三日の木曜日から繰り返し大雪の警戒を呼びかけました。
それで、十五日の土曜日ですが、未明から特設のニュースを放送しまして、定時のニュース枠の拡大に加えて、オリンピック放送の最中に、番組を七回にわたって中断し、全国放送で大雪関連のニュースを放送しております。それから、十六日日曜日にも、オリンピックの番組を一回中断し、全国放送で大雪関連のニュースを伝えております。
また、オリンピック番組の放送の最中に、首都圏の放送では十四日金曜から十五日土曜にかけておよそ三十時間、それから山梨県では十四日の金曜日からきのう二十日にかけておよそ七十時間、画面を縮小して、青い、僕らはL字と呼んでいるんですが、そこにいろいろ交通情報とか大雪の被害をスーパーで常時流すようにしました。
それから、今ラジオについてお話がありました。
災害時におけるラジオの役割は大変大きいと認識しております。
十四日午前から毎正時前に関東甲信向けのローカルニュースに加えて、毎時二十分過ぎからローカル枠を設けて特設ニュースを行ったほか、夜になって余計雪が激しくなってきましたので、ローカルの特設を一時間に二回という形でお伝えしました。
もっと大雪の情報を放送すべきだったという視聴者からの御意見を真摯に受けとめまして、今後とも、国民の安全、安心を守るため、正確で迅速な災害報道に努めていきたいというぐあいに考えております。
○近藤(洋)委員 土曜日、日曜日の動きについてくどく言ったのは、これは報道にも影響があるからなんですよ。
もし古屋大臣が総理官邸に行かれて、総理とこのことについて報告をし、場合によっては、菅長官も入られ、官房副長官なり西村副大臣、本当はいろいろ聞きたいことがあったんですけれども、何も会議を開かなくても、そこで報告をして、そういう場面があったら、私は昔新聞記者をやっていたからよくわかりますよ、官邸に大臣が来た、官房長官も来た、豪雪対策だ、これについて報告だ、これはニュースで流しますよ。それだけでニュースで流すんです。そして、通常ニュース枠で加わるんです。さらに報道が広がるんですよ。そういうこともあるんですよ。そして、報道側は、だからこそなおのこと、では、この雪の情報はどうだと、さらに加速するんですよ。そういうことも含めて申し上げているんです。
宿舎で動くだけが能じゃないですよ。あえて申し上げて……(新藤国務大臣「僕に聞いて」と呼ぶ)総務大臣に伺います、これから大事な話を。(新藤国務大臣「消防のことで」と呼ぶ)消防、では、総務大臣、どうぞ。簡潔にお願いします。
○柴山委員長 それでは、まず、新藤総務大臣。
○新藤国務大臣 委員がこの豪雪そして災害に御心配いただいていることは、私は当然感謝します。それから、報道機関にいらっしゃったわけですから、いろいろな経験もあると思います。なので、現場がどう動いていたかということをやはりよく御理解いただいた方がいいと思います。
実際には、十四日に災害警戒対策会議を置きました。私どもも、十四日の十五時には都道府県に対して警戒体制の強化を出しています。そして、その段階で、今度は各県に連絡をとって、被害状況の早期把握に努める。
実際に救助が始まったのは、雪が降って積もってからですから、十五日の十四時二十五分、山梨県から消防防災ヘリの応援要請が初めて出ました。私どもは、四十九分に横浜にヘリコプターを頼んで即時出動させて、甲府で雪崩発生があったところの、道路が寸断されて孤立した四名を十五時四十六分に救出しました。
それ以降、延べでもって、広域航空応援を含めて、十三機の消防防災ヘリコプター、合計百十九回出動、六十四名救助、五十三人救急搬送、大概は、これは今委員が問題にされている土、日、月、火のあたりです。
しかも、委員が先ほどからおっしゃっている、豪雪地帯の人たちは経験がある、確かにそのとおりなんです。今回お亡くなりになっている方で、秋田県でお亡くなりになっているのは一人です。そして、亡くなった方が多いのは、群馬と、私たちの埼玉も三人亡くなっているんです。それから、山梨が五名です。これらはいずれも、例えば、埼玉は雪になれていないから、屋根の下を歩いていて、雪が落ちてくるのを気にしていない方が下敷きになって亡くなってしまったとか、それから、ビニールハウスで作業中に、カーポートの下敷きになった方もいらっしゃいます。
ですから、今回の災害救助体制の不備によってではなくて、それぞれ皆さん、生活の中で予期せぬ状態で被害に遭われた方があるということであります。これは、いつの時点でも、我々は人命を最大限やっておりますし、これは消防だけでありますけれども、これに防衛省それから警察、どれだけの現場が動いていたか、これは完全に十四日中から準備をして、十五日以降グリップをしていた、私どもはそう思っておりますし、必要な会議をその都度やって連絡をとった、こういうことでございます。(古屋国務大臣「誤解なきように、ちょっと」と呼ぶ)
○柴山委員長 指名しますので、古屋大臣、短くお答えいただいて、そして、近藤君。
○古屋国務大臣 誤解なきように、十四日に、私は本部長として全省庁に対して、例えば学校の対策であるとか、あるいは、今、新藤大臣からありました消防の対策、自衛隊への支援要請、交通機関への対応、それから各市町村の連携等々、徹底指示をさせていただいております。これは全部マスコミも入っております。しっかりそういう報道もしていただいておりますので、十四日からもう実際にこれはスタートしているということで、十八日になって初めてやったじゃないかというのは、それはやや誤解だと思いますので、ぜひその辺は、我々は十四日からぴしっと始めているということを御理解いただきたいと思います。
○近藤(洋)委員 大臣、それはよくわかっています、別に。ただ、私が申し上げたいのは、今、新藤総務大臣がおっしゃったように、雪の災害というものの基本的なものは、それは台風もそうだと思うんですけれども、特に雪は、大雪だとなったら、我々雪国の人間は外に出ないんです、危ないから。大変な地吹雪で、もうとにかく出ないんです。身を守る手はそれが一番なんです。
そういうことも含めて、注意喚起だから、多くの報道も必要だし、その意味において、本部の立ち上げとアナウンス効果は余計必要なんじゃないかという指摘をしているということを申し上げているということです。
最後に総務大臣、いずれにしろ、これで大変雪対策、しかも、きょうは本当は経産省に来てもらったんですけれども、ガソリンも高くなって、今、僕の地元だって、灯油代で大体月額、灯油代だけでですよ、一家五万、六万ですよ。それで自治体も、灯油代の補助をしたり、大変いろいろなことをしています。この雪対策費で、本当に地方自治体は苦労しています。これからも交付税等々の要望は来ると思います。万全を期していただきたいということ。
あわせて、なかなか答弁の時間はあれですけれども、やはり人口減少社会、これから国全体で起きてくるわけです。そういう中で、やはり人口が少なくなる、だけれども集落をどう維持していくかということも含めた地域ビジョンというのを、これは、かつては国土庁というものがあって、全総というものがありました。今、省庁再編で国土庁はなくなっちゃって、グランド国家地域ビジョンというのがなくなっちゃったものですから、ぜひその辺を、地域活性化統合事務局なのか、総務省なのか、どこだかわかりませんけれども、そういう地域のビジョンというのを打ち立てていくべきではないかと思いますが、その二点を伺って、質問を終わりたいと思います。
○柴山委員長 それでは最後に、新藤総務大臣、短く御答弁をお願いします。
○新藤国務大臣 今御指摘の灯油購入費の助成は、これを含む原油高騰対策の地方団体の財政需要を調査しています。そして、しっかりと三月の特別交付税で必要な措置をしたい。地方の実情を踏まえてやります。
それから、除排雪の経費については、これは交付税措置を段階的に、普通交付税、特交、そして特に豪雪のあったところについては、私は、これは前倒し交付をするということで指示を出して、今精査しているところであります。
それから、二点目の過疎対策。これは、過疎の対策はその現状維持のための支援で終わってはならない、過疎地であっても元気になる、そういう地域活性化策が必要だと。二十六年度の私たち政府は、それを、総務省だけじゃありません、各省がそれぞれの仕事を持ち寄って地域活性化ができないかという、地域の活性化のプラットホームというのをつくって、予算を持ち寄り、制度を持ち寄って総合的に複合的な対策を打っていこうと。
その中で、今委員が問題意識を持っていただいた人口減少社会、特に過疎地域においてそれは激しくなります。ここの部分をどういうふうに対応していくか、いろいろな施策を出していきたい、このように考えております。
○近藤(洋)委員 終わります。
○柴山委員長 次に、松田学君。
○松田委員 日本維新の会、松田学でございます。
今通常国会、内閣委員会最初の質問でございますので、私どもが重要と考えている論点について、できるだけ満遍なく御質問させていただければと思います。
先般、予算委員会の基本的質疑で私も総理以下に申し上げたんですが、言葉が大変巧みな政権ですね、レトリックが上手な政権であると。そのレトリックにふさわしい、本当に実効のある改革をぜひやっていただきたいということを申し上げたつもりでございます。
まず最初に、道州制なんですけれども、安倍政権は道州制も掲げているという認識をしているんですけれども、この道州制というのは、これから日本が世界のいろいろな潮流の中で、都市集積を競い合うようなこのグローバル化時代、そういう時代においてはどうしても必要な設計だろうということで、私ども維新は、やはり地方から国を変えるという政党でもありますので、経済成長も、地方の成長戦略ということを、これからいろいろな地方で自主的に取り組むというのを応援していこうと思っているんです。
先日、私ども維新の会で私がやっておりますPTがございまして、経済維新PTというのがありまして、大阪でちょっといろいろな経済界の方と意見交換をした際に、集積をつくっていくというのが大事なのはよくわかるけれども、これからリニア新幹線がもし大阪まで通じると全部東京に一極集中になってしまう、こういう懸念を表明される方もいらっしゃいまして、だからこそ、今のうちに大阪に求心力をつくらなきゃだめなんじゃないか、大阪都構想というのもそういう意味があるんだという話も、いろいろるるさせていただいたんです。
ただ一方で、集積をいろいろな広域経済圏ごとにつくっていきますと、集積の裾野を広くとるのが道州制ですから、周辺が吸収されていく。そうなっていくと、やはり集積地とそれ以外との格差が大きくなるというのが、どうもこの辺が、自民党内でも反対が多いんじゃないか、安倍政権がなかなか道州制というのを進められない理由の一つなんじゃないかというふうにも想像します。
道州制の検討は、政府は道州制国民会議で三年間検討するというようなことが報道されていますが、この間、丸投げしてしまうのか、安倍政権としてどういうイニシアチブを具体的にとろうとしているのか、とっているのか、お聞かせいただければと思います。
○新藤国務大臣 私は、道州制担当大臣を拝命しておりますから、その立場、また総務大臣としての役目も含めてお話をしたいと思います。
まず、前政権においては道州制担当大臣は存在しなかった、そして安倍内閣としては、地方分権を進め、地方の自立とそして国の統治機構の強化、こういったものの観点から道州制を進めていきたい、こういう思いで私が拝命しているということであります。
そして、最大の問題は、今、都市への集積、その集積地、全国に拠点都市をつくるべきだと。我々も、今回、拠点都市構想というのを出しました。しかし、委員もぜひこれは共有してもらいたいんですけれども、これから人口減少社会の中で、二〇五〇年には、一キロメッシュで人口を切りますと、全国で自治体が形成できない地域が今から二割ふえる。現状で千七百を超える地方自治体がございますけれども、そのうちの七割は五万人以下であります。今、三割の地域に八割の人間が住んでいる。そして、さらにそれを加速化させたとするならば、都市は人口が集中することによる都市問題が起き、過疎地は自治体を維持できないような形になってしまう。
ですから、道州制で大切なことは、全国に拠点都市をつくるとともに、今現在、自治体を形成しているところの力を強くしていかなくてはならない。それは、昔のように、十把一からげに制度を何か一つ直して、一つのもとでもって全部金太郎あめのように同じことをやってくださいではないんです。千七百自治体には千七百通りの活性化策が必要だと私は思っています。
ですから、過疎地ならば過疎地なりに元気にさせる、そして、過疎地でありながら、人口の定着そして社会増をふやしていく、こういう政策を我々は打たなければいけない。現実に、総務省としては、地域の元気創造プランというのはそういう観点からもうプロジェクトが始まっております。そして、過疎に対しても、単なる、お金が足りないから現状を維持するために支援しましょうねではなくて、皆さんの工夫で皆さんの町を元気にするための政策を出してください、そういうものに御支援をさせていただきます、こういう形のものをつくっていく。
その中で、住民自治をさらに高めていくために、それぞれの地域ごとに合った統治のスタイルがあってもいい。だから、権限も移譲しましょう、規制も緩和しましょう、そして地域の自治体を基礎自治体と一定の関連のある地域でもって道州というものを組んでいけば、そこでより魅力的なものができるだろう、こういう枠組みを組んであるわけであります。
そして、これは、何といいましても、国民的議論が必要です。ちょっと試しにやってみて、修正していきましょうでは済みません。税制から都市計画権限からあらゆることが移ってしまうんですから。ですから、周到な準備を行って、銀行のソフトが、システムがぱんと変わるのと同じように、道州制というのは、どこかで準備してきちんとやらないととんでもないことになる。したがって、これはきちんとした対応をしていきます。
それにはまず、国民の議論が必要だ。それは、国会において、今、与党においてもそういった法案の準備をしていただいております。
一方で、何かをやろうとすれば、心配や不安が出てまいります。実際に、町村会や市長会やいろいろなところから御懸念が出ている。ですから、推進したいという方と心配だという人たちのいろいろな意見をきちんと捉まえた上で、我々とすれば、着実に、しかもこれは断固たる決意を持って進めていきたい、このように考えております。
○松田委員 今大臣おっしゃったことには、異論は全くありません。まさにそのとおりだと思います。
私は、大事だと思うのは、基礎的自治体だと思うんですね、道州制の前に。これは、まさに大臣おっしゃったようにそれぞれの地域ごとに実情が違うので、それぞれが自分の将来を選択していく、そのために住民参加を促すというのがかなり重要な要素だと思っています。
その点で、維新の会というと、すぐ皆さんに、橋下大阪市長の、大変ですね、こういうふうに、心配はそこなわけなんですが。
大阪都構想自体はまだ余りよく理解されていないんですが、私は、基本的に住民自治をやるものだと思っていまして、東京都では、区会議員がいて区長さんがいる。横浜市もこれは同じなんですけれども、区長さんもいわゆる市役所の職員ですし、区会議員がいるわけではない。でも、大阪では、東京のように、それぞれの地域のことはそれぞれの政治参加を住民ができるようにしようというのは、これは非常に重要なことだと思って、そういう話をすると、ああ、そういうことなんですかという人も結構いるんです。
そういう意味で、いろいろな意味で、統治機構の改革に向けて、今、政府は、道州制を表に出さなくても、今おっしゃったように、いろいろな工夫をしながら、道州制が成り立つような環境を整備しているんだというふうに受けとめたんですけれども。
そういう意味で、維新の会も、具体的な行動ということでいえば、大阪都構想と掲げて、あれだけ全国を騒がせてまでやろうとしている。こういう行動をとっているわけですが、大臣はこの大阪都構想についてはどういうふうにお考えになるか、お聞かせいただけますでしょうか。
○新藤国務大臣 これは、大阪の皆さんがまずそういったいろいろな御意見を持っている、そして現実に行動しているということであります。それを受けて、国会においても法律ができました。大都市地域特別区設置法、こういったものが既にできております。
ですから、今後の取り組みについては、これは大阪の住民の意思の決定、こういったもので行政の手続が進んでいくと思いますし、私どもとすれば、その手続が法律にのっとって進んだ、その状態に対応して適切に我々も対応していきたい、このように考えているわけでございます。
○松田委員 では、次の別の話に移らせていただきます。
新藤大臣、どうもありがとうございました。
安全保障の関係で、官房長官、安全保障強化担当ということでございまして、何点かお聞かせいただければと思います。
沖縄問題で、実は、維新の会に沖縄PTというのがございまして、私も座長として何度かこの一年は行かせていただいて、つい先日行ったのが、石垣市の方に行きまして、あと西表島と見てまいりました。
そのきっかけになったのが、漁業関係で日台漁業取り決めというのがあって、これに対して、地元の漁業関係者が台湾から大量の漁船に悩まされてきたわけなんですが、昨年の春に結んだ協定で、日本側のルールを適用しない水域が、お手元の資料にございますように、法令適用除外水域、これは一応地理的中間線の日本側になっているんですけれども、ここのところが、これは日本の法令を適用しない。
そして、真ん中に二つ穴があいていますが、ここは尖閣とその周辺の領海ということになっているわけでございますけれども、ここのところではいわゆる日本側のルールを適用しない水域ということになって、これではあんまりだというので、ことしの一月にもう一度取り決めが結ばれて、この右の方の日本のルールで操業する海域というところが、この三角形のところと四角形のところ、そこでは日本の漁船の操業を行いやすくするルールが決められた。
これが決められたので、ここはちょうど、はえ縄漁業ですが、たくさんマグロがとれる場所だろうということで、私も事前に水産庁の説明を聞いたんですが、沖縄のこういった方々にすごく配慮したんだという話を聞いて行ったんですが、全く逆でございまして、非常に大きな不満があるということがございました。
これも含めて、今回こういった場所を我々PTとして視察してみまして、漁業の問題だけじゃなくてほかにも、後でも議論いたしますが、中国人による不動産買収の話もいろいろある。それから、やはり尖閣諸島に最も近い、日本のいわば安全保障の最前線のような場所、ここでいろいろなことが起こっているという実態について国民がもっと認識を深めるべきだな、少なくとも非常にそういう感じがいたしました。
その上で、この問題について、今、水産庁所管のところがいろいろと地元との間でもやっているようなんですけれども、やはり、総理や官邸として、あるいは官房長官として、この点についてもいろいろな御所見を聞かせていただきたいと思うんです。
まず、そもそも、この日台の漁業交渉というものが結ばれた背景として多くの関係者が認識しているのは、尖閣諸島をめぐっていろいろ中国との外交的な配慮があるんだという話がありますが、これについての官房長官の御所見をお聞かせいただければと思います。
○菅国務大臣 ぜひこのことは御理解をいただきたいんですけれども、この日台漁業交渉、これは民間の窓口機関の間で十七年間協議をされてきていたんです。私たちが政権の座に着いたときに、やはり日台の間にこの漁業交渉というものは、何としてもこれはできる限り早く締結する必要があるだろうという判断を実はいたしました。そうした中で、海洋資源の保存、利用や操業秩序等について共通認識が得られたもので、署名に至ったということがこれまでの事実であります。
尖閣諸島をめぐって、昨年の二月の時点で、台湾は中国とは連携しない、こういう立場を表明しておられました。この漁業交渉の妥結というのは四月ですから、その前に台湾はみずからの立場を明らかにしたということはぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
いずれにしろ、この今回の日台間の実務的協力関係の充実、ある意味では歴史的にも意義があるというふうに私ども考えておりますので、今後、この取り決めがさらに円滑に実施をされていくということが大事だというふうに考えています。
○松田委員 外交的にいろいろなことがあるんだろうというふうに関係者は思っているんですが、でも、それにしても、地元の方々からすると、非常に多くの不満というかが寄せられていたのも事実でございます。
私は直接、漁業関係者、漁協の方とかあるいは漁民の方と随分対話をさせていただいたんですけれども、例えば、三角水域とされる日本側のルールが適用できるようになった海域に入ろうとするには五日前に申請しなきゃいけないけれども、漁業というのは五日前に申請してやるものじゃないんだとか、あるいは、台湾漁船というのは一マイル間隔で、これが非常に日本の漁船にとって障害なんですが、四マイル間隔でやってくれというルールが設定されても台湾がそれを守らないとか、そもそも何で自分たちが操業していたところができなくなったんだ、漁場を返せというような、相当大きな不満が私どもに寄せられたわけであります。
私どもとしても、これはやはり国会で一度、政府の見解をたださざるを得ないということになったわけでございますけれども、総理官邸として、この問題について、地元漁民の方々の不満、反発、それをしっかり認識していることについてメッセージを出していただきたいと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 まず、こうしたいわゆる政府というか民間の協力の窓口によって締結をされた、その後に、沖縄の漁業関係者、台湾の漁業関係者、そうした双方の参加を得て、先月参加をされた日台漁業委員会において、今後どういう形で遵守していくか、そうしたルールについて一致することに至ったということもこれは事実であります。こうした日台の漁業関係者の皆さんが協議に参加して、こうしたルールについてお互いに妥結をしたということ、このことは本当に漁業関係者の皆さんに敬意を表したいというふうに思います。
さらに、今回合意されたこの操業ルール、その中でトラブルが起きないような形で漁業が行われることを期待したいというふうに思いますし、今委員が現地に行っての懸念、そうしたものについて、政府としても真摯に受けとめて、そこはこれから慎重に見守っていきたいと思います。
○松田委員 それから、このあたりは中国の船も、このあたりというか、この地図で見ると、宮古島の方に近い方が多いみたいなんですが、結構中国の船も来てサンゴ漁をしているといって、これがいわゆる資源管理というか資源保存の面でもいろいろな問題を起こしている、多いときには二百隻ぐらい来ているとか、そういう話がありまして、これも、北緯二十七度以南の、これは日中漁業協定があるということで、中国船が来ても手も足も出ないんだと。中国がこういうところに入るには、中国側は申請する必要はない、どうも外務大臣同士の協定書があるんだということでそうなっているんだということですね。
ここにどっと中国船が押し寄せてくることについても、またこれから押し寄せてくるんじゃないか。今は余りたくさん、サンゴ漁以外は来ているようではないんですけれども、でも、将来のことを考えると、この辺もいろいろな懸念があるんじゃないかという意見もありました。
こういう状況についてどういうふうにお考えになっているか、御認識をお聞かせいただければと思います。
○菅国務大臣 日中間のこの漁業に関する具体的な問題については、今御指摘がありましたけれども、北緯二十七度以南の水域における操業の秩序の維持等も含めて、ここは、日中漁業協定に基づいて設置されている日中漁業共同委員会を通じて、これからも適切に協議をしていきたいと思いますし、中国側に対して、今言われました問題、そうしたものをしっかり提起をしていくようにしたいと思います。
○松田委員 西表島に我々渡りまして、ここにウ離島というのがございまして、海岸からすぐ見えるところなんですが、東西百メートル、南北四百メートルぐらいの小さな島でございまして、日本政府が尖閣諸島を国有化してから、ここの島をめぐって、中国の企業が買いたいというような話が随分動き出したということで、買いたいと言っている企業を調べると、人民解放軍の関係とか、かかわりの強い企業であるという話がございまして、これも数億円で売られるんじゃないかというような話もありました。
ちょうどこの位置が、石垣の海上保安部の動きが非常によく、丸見えになるような、軍事上、重要な戦略的な位置にあるということもございまして、それも含めて、あちこち回ると、ここも中国人が買おうとしているんだとか、このマンションのここから海保の動きが全部見えるんだ、ここも中国人が買おうとしているんだとか、いろいろな話があるんです。
事の真偽はさておき、やはりこの問題は考えていかなければいけない、こういった動きはやはり政府としても規制しなきゃいけない。日本維新の会も、我が国の平和及び安全を維持する上で重要な土地等に係る取引等の規制に関する法律案というのを出しておりますけれども、こういった動きに対してどういうふうに対処していくか。
これは古屋大臣の御担当でよろしかったでしょうか。山本大臣ですね、失礼しました。よろしくお願いいたします。
○山本国務大臣 私が担当しているのは海洋政策ということなので、海洋政策の観点から申し上げたいと思います。
平成二十一年十二月に総合海洋政策本部において決定された海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針に基づいて、今、領海の外縁を根拠づける離島を対象として、土地所有状況の調査を進めております。
今委員がおっしゃったように、御党からは、昨年、国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案でしょうか、これが議員立法として提出され、現在、国会において継続審議になっていると承知しております。
先日の予算委員会等で同様の質問があって、安倍総理の方からも答弁があったと思いますが、国家安全保障上重要な土地等に係る取引規制のあり方については、まさに国会において議論されていくものと思いますけれども、あえて申し上げれば、財産権の保障と公共の福祉との整合性について、しっかりとした議論が必要だと考えています。
これも委員御存じだと思いますが、この本件は、海洋政策にとどまらず、安全保障上の重要性、個人の財産権の保護、それから国際約束との整合性等を総合的に考慮する必要があるということで、もうこれも御存じだと思いますが、例えば、防衛施設周辺の土地の所有状況の調査は防衛省、外国人土地法、不動産登記法となると法務省、国際約束は、当然、WTOも含めて外務省、国家安全保障戦略ということだと国家安全保障局ということで、全体を考慮しなければいけないということなので、政府全体の検討が必要だと考えております。
私は海洋政策担当大臣として、国境離島の調査、これをしっかりと精力的に進めてまいりたいと思います。
○松田委員 この質問を、最初、私どもはそういう法案を提出している立場で、立法措置が必要ではないかというふうな通告をさせていただいたのですが、どうも、所管省庁がどこかというのは大変もめたみたいで、この点に対して総合的な司令塔がきちっとあって政府が対応できているのか、この一事をもってもちょっと不安を感じたものですから、ぜひこの辺の体制をきちっと組み立ててやっていただきたいなというふうに思っております。
それから、これはもう少し基本的な話になりますけれども、そもそも、こういったいろいろな問題で注目されているこの八重山諸島近辺でございますけれども、問題の発端の一つとして、野田政権が尖閣諸島を国有化したということがいろいろなことにつながっているような気もしますけれども、その後、政府はこの尖閣諸島に対して何をしているのか。
自民党は、一昨年の総選挙及び昨年の参院選で、これは一応J―ファイルというところに、公務員を常駐させるなど実効支配を強めるということを盛り込んでいるんですが、そういうことを盛り込んでいる以上、ただ国有化しただけで何もしないわけではないというふうに読めるんですけれども、どうもその後何かが行われたようなことも、形跡があるようにも思われないんです。
この辺、どういうふうにしていくのか、そもそも国有化したことについての評価も含めて御見解をいただければと思います。よろしくお願いします。
○菅国務大臣 尖閣諸島は、委員も御承知のとおり、歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であります。そういう領土でありますから、前政権の判断で国有化した、そうしたことについて、日本国内の所有権の移転でありますから、本来、他国との間で何ら問題があるようなことではないというふうに考えています。
私ども自由民主党でありますけれども、この尖閣諸島及び周辺海域を安定的に維持管理するための具体的方策について、さまざまな選択があるわけであります。そういう中で、J―ファイルにはそのようにも書いたわけでありますけれども、実際どのような状況でこれを検討していくのか、戦略的観点から、しばしここは検討していきたいというふうに思っています。
○松田委員 今すぐにこうだと言えないことはよくわかっておりますので、これはこの辺にしておきます。
あと、この海域を見て、やはり島嶼防衛ということからいろいろなことを考えますと、今も、予算委員会でもいろいろ議論されていましたが、日本が武力攻撃を受けた場合というのは、防衛出動、そういうものが発令される、自衛隊の出動を内閣総理大臣が命令する。これは自衛権の行使である。自衛権の発動には、もうこれもさんざん議論されているように、三つの要件があって、日本への急迫不正の侵害である、他に適当な手段がない、必要最小限の実力行使であると。
ここで想定されているのは組織的、計画的な武力行使だろうと思うんですが、それ以外のグレーゾーンみたいな話がこの周辺ではしょっちゅう起こり得るのではないか。そういったときに、武力攻撃に至らないような侵害に対して武器を使用する規定が不十分であるということで、これからいろいろな議論もなされると思います。
官房長官にお聞きしたいんですが、例えば、日本の離島に国籍不明の漁民を装った武装集団が上陸した場合に、武器を使って強制退去させられるのかどうかが不明確であるという話もあります。また、外国の潜水艦が日本の領海に侵入してとどまったままの状態はどうなのか。あるいは、海保では対処できないような武器を持った外国船舶が侵入してきた場合に、武器が使用できる範囲はどうなのか。
このあたりについて、もしこういう事態が起こったときにどういう対応を行うことになるのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
〔委員長退席、橘委員長代理着席〕
○菅国務大臣 離島を含む陸上及び海上における各種事態に際しては、まず警察機関が第一義的には対応します。警察機関によって対応が困難な場合、それは自衛隊法に基づいて、海上警備行動や治安出動によって自衛隊が対応することになっています。例えば、我が国領海内を潜没航行する外国の潜水艦への対処に関し、海上警備行動が発令された場合、自衛隊は当該潜水艦に対し、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げる旨を要求するとともに、当該潜水艦がこれに応じない場合は、我が国の領海外への退去要求を行うことになっています。
いずれにしろ、政府としては、平素よりさまざまな事態を想定して、関係機関が連携をし、各種シミュレーションや訓練を行っておるわけでありますけれども、今後とも、国民の生命財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守るために、こうしたいわゆるグレーゾーンと言われることも含めてしっかりと研究をし、対応していくことができるようにしたいと思います。
○松田委員 今の私の質問に対する答えにはなっていませんけれども、これから検討していただくということで、よろしくお願いしたいと思います。
それから次に、実は日本維新の会は、今年度予算の際にもそうしたんですが、来年度予算についても今準備をしていますのが修正予算をつくるということでして、各省庁が嫌がっている中、我々は今そういうことを作業しています。
こういう作業をやっている中で、ちょっと予算について細かく見ていって幾つか気がついた点もございますので、それも含めて御質問させていただければと思います。
先ほど、拉致の問題をうちの中丸議員も質問させていただきましたけれども、古屋大臣も答弁されていましたが、国連人権理事会の調査委員会の最終報告書、そこでは、北朝鮮が認めた十三人以上に少なくとも百人余りの日本人が拉致されている可能性があるというふうなことが書かれているということが報道もされています。こういう状況を見ますと、本当に捜査当局はどの程度きちっと捜査していただいているんだろうかというふうに、やはり国民の不安が出ると思うんですね。
この不安を少し払拭していただくようなお話もしていただきたいのと、それと同時に、これは本当は拉致特がないと答弁できないという話があったんですが、でも、そんなことを言っていると、拉致特もそんなにしょっちゅうやっていられないみたいなので、あえてここで聞かせていただきますが、拉致問題対策関係予算の毎年度の執行率が非常に低いんですね。見てみますと、三〇%とかそういうのが続いていて、執行率が低いからといって全然削られていない。削ると拉致対策に対する姿勢が問われるということで、何か見せ金みたいについているとしたらこれも不幸なことなので、これをちゃんと執行できるようないろいろな工夫もしていただきたいと思うんですが、古屋大臣、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 まず一問目は、COIが発表しまして、それで百人以上ということも言及されていますけれども、実はCOIの発表については、政府としても、また拉致議連、御党の平沼先生が会長をやっておられますけれども、あるいは私も自民党の対策本部として、数年間、相当熱心に働きかけました。外務省とも連携をとって、外交チャネルも通じてやった結果、このCOI、国連の人権調査委員会の報告書が、正直言って非常に評価できる中身になりましたね。
一国の指導者、金正恩をあれだけ厳しく批判した報告書というのは、国連の中でも多分私は初めてだと思うんですけれども、外務省に言わせますと、いや、初めてと言ってもなかなかあれなので、極めてまれだと言ってくれということなんですけれども、実際、実質上は初めてだというふうに思います。
だからこそ、今後はこれをいかにフォローアップしていくかということに尽きると思いますので、ぜひ御党におかれましても、そのフォローアップについての御協力をお願い申し上げたいというふうに思います。
今ちょっと御指摘がありましたように、私、国家公安委員長ならここで何でも発言できるんですが、拉致問題担当大臣という立場ですと、特に予算関連は副大臣がやってもらわなきゃいけないわけでございますが、ほかならぬ松田委員の御質問でございますので、あえて、前例にしないということで答弁をさせていただきたいというふうに思います。
確かに、拉致問題の予算は、二十二、二十三、二十四、我々が野党の立場にあったときですけれども、予算が十分に執行されていないというケースがありました。特にそれは情報費に関するものでありました。これは使い切りということではなくて、必要に応じてということでございましたけれども。
我々が今度政権を担うことになりまして、拉致対策本部も大幅強化しました。全ての閣僚は全部副本部長等で入ってもらったり、政府・与野党拉致問題連絡協議会、野党の皆さんも、拉致問題で解決しようという組織がある政党は、どうぞ総理官邸に入っていただいて一緒にやりましょうと。御党も代表が入っていただいておりますけれども、そういった取り組み。
そして、我々は政府の基本方針を八つ決めましたけれども、その八つ目が、その他あらゆる拉致を解決するための方策に取り組むということでございまして、その一環として、海外との積極的な連携、あるいは広報活動の徹底強化、それから情報収集活動の強化、こういったものに取り組んでおりますので、予算がむしろ足りなくなるというぐらいの状況がもしかしたらあるかもしれませんが、それは、そういった許された予算の範囲内で、できるだけ効率的に、効果的にこの拉致問題解決のために取り組んでいるという一つのあかしでございますので、引き続きの御協力をよろしくお願いします。
○松田委員 力強いお言葉をいただきまして、どうもありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
それから、特定秘密保護法に関連して。
特定秘密というのは、その大半を占めると見られているのが宇宙衛星からの画像だと言われておりますけれども、この画像というのは、よくよく予算を見ますと、内閣官房予算に計上されているわけですね、情報収集衛星と。結構巨額の予算が計上されていて、これもただ更新するというんじゃなくて、どんどんシステムを強化して、それで性能をアップさせるためにという部分が結構あるんですね。
これでどういうふうな性能がアップして、どういう効果が日本の安全保障上出るのかという、実は特定秘密だから、こういう性能がこうなるんだとなかなか言えないという面はあるかもしれませんが、やはり予算を投じる以上、国民に対して少しわかりやすい説明をしていただければと思うんですが、いかがでしょうか。官房長官。
〔橘委員長代理退席、委員長着席〕
○菅国務大臣 実は私も、予算が巨額でありましたので、現場を視察してみました。
まず、政府全体の情報を収集し、分析する、ここが極めて大事であるということは御理解いただけると思います。
そういう中にあって、この情報衛星により得られる画像情報というのは、例えば、北朝鮮のミサイル発射に係る情報だとか、あるいは我が国の安全保障に対して脅威になっている部分についての画像だとか、あるいは、大規模災害への対応の危機管理の観点から情報収集、そのために四基体制というものを確実に維持していく。そういう中で必要な予算を確保しているところであります。
私、素人でありますから、その画像というものを国民の皆さんの安全、安心のために公開すべきじゃないかという話を実はしたわけでありますけれども、実は、この衛星の画像というのは、どこの角度からどうしたかということによって衛星の性能だとか軌道というのがわかるらしいんですね。それによって妨害されたり撃ち落とされたりするおそれがあるということの中で、公開、提供することは困難だということを、現場に行ってきて、私自身も、私なりに実は納得をして帰ってきたわけであります。
ただ、大規模災害のときには、できる限りこれは公開すべきだという考えは今も変わっておりません。今日までの間で、例えば、東日本大震災、このときには、この情報収集衛星の情報を、内閣情報調査室において被災地の推定地図を策定し、各省庁に配付をしたり、また、フィリピンの台風被害、これは莫大なものがありましたので、こうしたことにも活用させていただいておるところでありますけれども、さらに、こうした災害にやはりできる限り多く活用することが大事だというふうに思っています、偵察だけでなくてですね。
そうしたことも含めて、国民の皆さんに理解を得られることができるような対応は、その秘密保持というものを前提にする中で、それは取り組んでいく必要があるだろうと思っています。
○松田委員 どうもありがとうございました。
ここで、特定秘密保護法のことなんですが、臨時国会のときには維新の会の中でもいろいろな議論がございまして、我々がやはり一番重点を置いたのは、私なんかも思ったのが、要するに、論点になっているのは、国民の知る権利とどう折り合いをつけるかということで。
それは、もしアメリカからの要請だとしたら、アメリカと同じことをやればいいじゃないかと。要するに、国民の知る権利との折り合いをどういうふうにバランスをとっているか。いろいろな国が工夫している中で、アメリカの場合は国立公文書館情報保全監察局ですか、第三者機関がやっている。これで個別の情報がきちっと、指定の状況を個別にチェックしているということをやっていることによって知る権利についての要請が満たされているのであれば、それをほとんどそのままやればいいじゃないかという提案をしてきたんです。
先ほども森大臣も御答弁されていて、日本がそれに近いものをつくっているんですという御答弁なんですけれども、内閣府なり内閣官房の中にあると、アメリカと違って、第三者的なイメージがどうしてもやはり薄いと思うんですね。やはりその外側につくるというのが国民にも理解されやすいと思うんですが、この点についての森大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
○森国務大臣 御指摘の機関については、昨年十二月、日本維新の会を含む四党協議がなされました。その結論に従って今組織をつくっているところでございますけれども、諸外国の中でも、米国の国立公文書館の部局として設置されている情報保全監督局なども参考にしてまいりたいと思っております。
我が国にも公文書館がございますが、これは内閣府の中にございます。米国も、この国立公文書館の部局の情報保全監督局というのは、大統領が任命するものであり、行政機関の中にございます。その中でも独立した立場でチェック機能を効果的になされている側面があるということでございますので、そういった例を参考にしながら、本法の施行までに、内閣府に審議官級の独立公文書管理監(仮称)と、その下に二十人規模の情報保全監察室(仮称)を設置しまして、行政機関による個別の特定秘密の指定等をチェックすること、さらに、その上で、法令の改正により、できる限り早期に情報保全監察室(仮称)を局へ格上げすることをさきの臨時国会においてもお約束をしたところでございます。
この組織が、四党合意にもありますように、高い独立性を有しつつ、かつ実効的に機能するように、本年一月に設置した外部の有識者会議である情報保全諮問会議の御意見も伺いつつ、検討を進めてまいります。
○松田委員 また内閣委員会でいろいろと議論をさせていただければと思います。
この情報ということに関してもう一つ官房長官にお伺いしたいんですけれども、最近、いろいろと世の中を見ていますと、情報を集めるといっても、情報というのはギブ・アンド・テークなので、やはり日本側にも、ギブをできるような情報をきちっと集められるような、そういうことが必要なんです。
私は、実は大昔、財務省で国際的な密輸情報の、そういう情報に携わったことがありまして、やはりあの世界はマフィアと言われてきていまして、お互い、人間関係で飲んだり食ったりしながら情報を交換しているんですね。信頼関係の中で非常に大事な情報が流れているというのはやはりあるんですね。我々のようなキャリア職員はそういうマフィアにはなれないんですけれども、そういう支えているベテラン職員はたくさんいらっしゃるわけですね。そういった人たちが活動しやすくする必要がすごくあるなという気がしたんですね。
それから、今、日本の外務省の定員というのは、先進国の中でも非常に少ない。もちろん、アメリカと比べるわけにはいかないんでしょうけれども、主要のヨーロッパ諸国に比べても少ないだけでなくて、いろいろな意味での諜報活動とか、あるいは、世論をつくるためのいろいろなつき合いもあるでしょうし、そういった機密費的なもの、これがもう少し、こういうものは大事なので、何も領収書がないとだめだとか言わないで、そういうのをどんどんつけてやるようなことも本当はもっと必要なんじゃないか。
これは櫻井よしこさんがどこかで書いていましたが、中国の対外広報予算は、ざっと見て年間一兆円というような話もありますけれども、これは幾ら何でも大げさにしても、でも、そういった中国、韓国に完全に情報で負けているわけですね、国際世論の面で。この辺についてはもう少し特別の配慮を、我々維新の会はそういうことを言う政党なのであれなんですけれども、ぜひ官房長官にお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 大変温かい、御理解をいただくような御指摘をありがとうございます。
我が国の国益を守り、国民の安全を守っていくために、それはやはり情報収集能力を強化する、極めて大事です。そして、日本の立場を海外に広報していく、そして理解をしてもらう、このことも大事であります。
こうした観点から、政府の情報機能関連及び国際世論対策については、去年よりはかなりふやしましたけれども、しかし、まだまだ、今言われた国と比較をすると、はるかにそれは脆弱であるということは事実でありますので、少なくとも最低限、我が国の主張をしっかりと相手国に伝えることができるような、そうしたことに対しては対応していきたいと思います。
○松田委員 もう時間なので、最後に森大臣にお伺いしたいんです。
ヒラリー・クリントンさんが、女性の労働参加の障壁を減らすことは日本のGDPを一六%引き上げると。そんなに上がるのかなという気がしないでもないんですが、いずれにしても、総理が成長戦略の柱として、女性の活用を単なる社会政策を超えて考えているというのであれば、所信表明では指導的立場にある女性三割とありますけれども、経済成長の過程なら、やはり指導的立場にある女性以外の全ての女性が対象になると思うんです。
これを成長戦略として考えていくとすれば、労働力人口がどんどん減っていく中にあって、どういうふうな就業率の見通しを立ててやっていくかという、ある程度の目安というのを政府として持っておく必要があると思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
○森国務大臣 ヒラリー・クリントン氏の発言は、ゴールドマン・サックス証券のアナリストが主要各国について試算した数値を引用したものであると承知をしておりますけれども、女性の就業率が男性と同水準に到達することなど、一定の仮定を置いて算出された推定値であるようでございます。いずれにせよ、女性の活躍による経済活性化への期待のあらわれと受けとめております。
我が国で女性の就業希望者が三百万人以上いるというふうに言われておりまして、我が国最大の潜在力である女性の力を最大限発揮することは、我が国経済の持続的成長のために不可欠であると考えまして、成長戦略にも盛り込んでいるところでございます。
御指摘の目標値でございますけれども、さまざまな施策を出しておりまして、先ほど御指摘の指導的地位に占める女性の割合の増加だけではなく、出産、子育て等による離職の減少等も施策を盛り込んでおりまして、幅広く、全ての女性が活躍できるようにということで、施策を展開しております。
そして、目標値については、二十五歳から四十四歳の女性就業率を、二〇二〇年には七三%に引き上げるという目標を設定しております。ちなみに、二〇一二年は六八%でございます。企業による取り組みがこのほど進みつつありまして、二〇一三年は六九・五%と、対前年比で一・五ポイント上昇しております。
こうした経済界の動きを一層加速するために、現在、日本再興戦略の着実な実施及び成長戦略進化のための今後の検討方針に基づく施策の推進を進めておるところでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○柴山委員長 質疑時間、終了です。
○松田委員 ありがとうございました。
就業率を高めても、労働力人口の減少を打ち消すというのはなかなか大変なことだと思いますので、ぜひ一生懸命取り組んでいただければと思います。
どうもありがとうございました。以上です。
○柴山委員長 次に、山之内毅君。
○山之内委員 日本維新の会の山之内毅です。
まず、質疑の冒頭に当たりまして、今回の豪雪におきましてお亡くなりになられた方々、また被害に遭われた方々に御冥福とお見舞いを申し上げます。
先ほど、初動に関しては民主党の近藤委員の方からされました。私も災害特別委員会に所属しておりまして、昨年であれば伊豆大島の方に視察にも行かせていただきました。やはり、災害が起こる際というのは、未曽有の、ある意味、その地域においてふだん起きないような災害、そういったときにより被害が拡大するということだと思います。伊豆大島におかれても、たしか一日に八百ミリを超える降水量があった。今回も一メートルを超える積雪が山梨ではあられた。
その中で、まず、今後、こういった災害に対しての対応、政府の対応について、きょうは西村副大臣にお越しいただいています。西村副大臣に、今後の災害に対する対応について、山梨の件の教訓を踏まえてコメントいただけますでしょうか。
○西村副大臣 今回の大雪の被害も、気象庁の情報によって、我々も特に先週末、警戒をすべきということで、十四日の日に古屋大臣を本部長として関係省庁の対策会議を開きまして、警戒を呼びかけたところでありますし、各省庁に対して対応、体制を十分にとるようにということで準備を備えたところでございます。
その後、御案内のとおり、現地に今、亀岡政務官がおります。きょうも一旦戻ってくることになっておりますが、現地の対策本部長として、連絡を緊密にとりながら対応しているところであります。
余りこれまで雪の降らなかったところで今回大きな雪が降ったということで、周辺の県、あるいは北陸の地方整備局からも応援を得て、全力で対応に当たっているところであります。相当程度孤立集落も解消してまいりましたけれども、まだ孤立しておられる集落がございます。
連絡は緊密にとらせていただいて、飲み物、食べ物、そして燃料等、万全を期して供給をしているところでありますけれども、今回のこうした事柄、ある意味、我々が予想しなかったような、立ち往生が何百台も出たりしました。強制的に排除することなく、レッカーの移動ぐらいで何とか解消できましたけれども、これでも何日かかかっておりますので、こうしたことの反省もしながら、今後、地震、火山、津波、こうした雪害、そして台風、さまざまな災害がいつ起こるかわかりませんので、万全の備えをして対応してまいりたいというふうに考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
やはり、私もそうでしたが、伊豆大島に行くとき、実際に我々立法府の人間は、行って、救助に直接かかわることはなかなかできない。むしろ邪魔になってしまう。実際現場でされる方は、自衛隊の方々、警察の方々、消防の方々、そういった方々が全力で対応に当たっていただける。我々の役目は、ある意味、事前にそういったことを想定して、備えることだと思っております。
その中で、十七日に、菅官房長官におかれまして、車両を強制的に排除する場合の、こういった災害対策基本法の改正を目指す考え方を表明されたというのがあられました。損失補償に法的根拠が現在存在していないと。私も、今後起こり得る災害、一番大きな災害と言われているのは首都直下、南海トラフ大地震、そういったときに際して、やはりこういったものがある程度必要になるんじゃないかという思いではございます。
そこで、この法改正、恐らく災害特別委員会になると思いますが、この法改正の進捗状況、もしくは今議論されている点がございましたら。これは、西村副大臣、菅官房長官でしょうか。
○菅国務大臣 今回の大雪の中で、やはり、道路にそのまま放置された車両が除雪をする際に極めて大きな障害になったという事案が数多く実はありました。そして、今委員御指摘されましたように、直下型地震等、そうしたものが発生をしたときにも同じような状況になるんだろうというふうに思います。
そうしたものを、もう帰りましたけれども、古屋防災担当大臣から私にその問題が提起をされまして、私も、政府としてもこうした方向について取り組んでいこうということで、今、西村副大臣のところで取り組んでいるというふうに思いますので、現実的な問題点は西村副大臣から答弁してもらいますけれども、ただ、政府として、そこはしっかりやっていこうということの意思統一はできているということであります。
○西村副大臣 補足をさせていただきたいと思います。
今回の事象、まず検証をしっかりやりたいと思っておりまして、先ほど少し述べましたけれども、現実的にはレッカー車の移動ぐらいで済んでおりまして、強制的に何らかの形でのけるということはやらずに解消できました。ただ、それにも何日か時間を要しておりますので、いざというときにどうすればいいのかということをぜひ考えたいと思っております。
実は、道路法で、今回もレッカー車の移動なんかもできるわけですけれども、五十メートル以内であればそうした移動ができる、災害時には緊急の除雪のためにできるということにもなっておりますので、こうした条文で足らないところ、これまでの法制で足らないところを含めて、しっかりと今回の事例を検証して、法改正も念頭に置きながら、関係省庁、国交省、警察庁とも連携をして検討を進めていきたいというふうに考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
今回の事例で多くあったと聞いているのが、車両がとまる、そうすると、車両と車両のすき間に雪が積もる、これが五十センチ、一メートル積もってしまうと、もう身動きがとれない。道路は、交通が円滑に流通している状況だとなかなか積もらないんですけれども、一旦とまってしまうと、そういう状況になってしまって全体がとまってしまう、こういった問題があると聞いております。もちろん、所有権、財産権の問題もあると思いますけれども、こういったことをまた進捗していって、今後とも委員会で質疑させていただきたいと思います。
続きまして、今まさに、本日も甘利担当大臣がTPPの交渉の方に行かれていらっしゃると思います。先日、このTPP、皆さん、特に農畜産関係の方々、国民の方々は御関心があられるとは思いますけれども、いわゆる五項目の関税、五百八十六品目、こちらなんですが、一部報道によりますと、甘利大臣が、全部守れなんというのは無理だという御指摘もあられたということなんです。
今実際、言えることと言えないことがあると思いますけれども、このTPPの進捗について、西村副大臣、よろしくお願いいたします。
○西村副大臣 TPPの交渉におきましては、御案内のとおり、昨年十二月にシンガポール会合がありまして、私も出席をさせていただきました。そこで、年内でまとめようということがまとまらずに、幾つかの課題を残して持ち越しになっておりまして、今回は、いわば、それを受けての最終的な局面にある閣僚会合だということだと思います。
そうした状況を受けて、甘利大臣は、これまでさまざまな交渉に携わってこられた長年の御経験を踏まえてそのような発言をされたんだというふうに認識をいたしておりますが、重要五品目についての衆参の農林水産委員会での決議、これは私ども十分に承知をして、それをしっかり受けとめて全力で交渉に当たっているわけでございまして、その方針に全く変わりはございません。
我々としては、農産物の交渉だけではありませんので、それ以外のさまざまなルールの交渉もやっております。そうした全体の中で、攻めるべきは攻め、そして守るべきは守るということで、国益を最大化すべく全力を挙げて交渉してまいりたい、こういう決意でございます。
○山之内委員 ありがとうございます。
私はTPPは原則賛成、我が党もそうですけれども、やはりどうしても内容が当然秘密、国際的に情報が出せないということは存じておるんですが、どうなるかわからない、こういったところが一番国民の方々、関係者の方々は不安なところだと思います。
また、そういった進捗状況、いつになるのか、四月にオバマ大統領が来日される、こういったことを機に進めるのかどうかという話もございますが、こういった点について、今後の進捗状況、今話せる範囲で結構でございますが、もしありましたら、西村副大臣、お願いいたします。
○西村副大臣 この交渉は、昨年から、昨年末には一定の合意を目指してやろうということで首脳間で合意をして進めておりましたし、今回も閣僚が集まって議論をするということでありますので、もう最終の局面に来ていることは間違いないと思いますけれども、交渉事であります。まだまだ閣僚レベルで詰めなきゃいけない点も残されているという中で、今回、現地で、シンガポールでどういう交渉がなされるか、そこは予断の許さないところであります。
いずれにしても、このアジア太平洋の地域に、そうした高いレベルの貿易・投資のルールをつくっていこうという有志が集まっておりますので、妥結をしていこうという方向性はみんな持っているわけでありますけれども、交渉でありますので、この交渉の結果については予断を許さないということだと思います。
○山之内委員 ありがとうございます。
続きまして、話題をかえさせていただきます。
二月上旬に、いわゆる国家公務員評価が示された。人事評価ですね。人事評価に関する検討会というものがあられた。こちらの中で、新聞報道でもあるんですが、S、A、B、C、Dという評価、これは一般の方々。また、局部長級は三段階評価、事務次官は二段階評価、こういったのもあるんですが、その中で、S評価というのは五・八%、A評価は五三・八%、B評価は三九・八%、Cは〇・五%、Dは〇・一%。やはり指摘があるのは、A、Bが、合計するとほぼ大半ということの状況です。
今後、内閣人事局を設置していかれまして、評価をされていくと思うんですが、まず、こういった、ある意味、過半数以上が優秀というような状況の評価、この評価制度について、今後、国家公務員制度改革を担当される稲田大臣、この評価について御意見いただけますでしょうか。
○稲田国務大臣 国家公務員の人事評価ですけれども、他の職員との比較ではなくて、職員一人一人の職務遂行能力また勤務実績をできる限り客観的に把握し、適切に評価する仕組みとする必要があることから、絶対評価により行うということとされております。
私は、これは適切であろうと思っております。また、あらかじめ適当な分布が決まっているものではないというふうに承知をいたしております。
とは申しましても、やはり人事評価制度の適切な運用の確保は大変重要な課題でありますし、先般、人事評価に関する検討会が取りまとめられ、そこで提言もなされております。そして、その提言を踏まえ、現在、総務省において必要な検討がなされていると承知をいたしております。
そして、先ほど先生御指摘のように、内閣人事局発足後にも、対応が必要な事項があれば、引き続いて行っていくことになろうかと考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
評価制度、今後、内閣人事局で各省から上がってくる評価というのも、ある程度差があると思うんですね。何々省はこういった評価をして、何々省はこういった評価をしている。そういったのを取りまとめる、こういったところで、いろいろさまざまな課題もあると思いますけれども、こういった取りまとめをしていただきたいと思っております。
その中で、本来は森大臣にもお話を聞くべきなのかもしれないですが、女性管理職、こちらの方ですが、平成三十二年、二〇二〇年までに約三〇%程度、指導的地位の女性を登用すると。その中で、今現在、女性管理職の方々は三%というデータをいただきました。これは各省さまざまあると思います。一番多いと言われる消費者庁で一一・一%、最低は警察庁と内閣法制局のゼロという状況です。
さまざまばらつきはあるんですけれども、こちらを三〇%までするとなると、実際に指導的地位の方々になり得る方というと、やはり課長補佐の方々、もしくは係長級の方々なんですね。実際、今、手元にあるグラフなんですが、平成二十三年度時点で課長補佐の女性は五・八%しかいないんですね。となりますと、女性管理職の方、現在の三パーに、仮に単純に計算して、五・八だと、八・八。これは、ある意味、六年後、七年後に達成するには極めて厳しい数字だと思っております。さらに、係長級の方々が一八・一%ということであります。そうなりますと、三プラス六プラス一八。それでもちょっと厳しい。
このような状況になっておりますが、この件について、稲田大臣、やはり特に仮に係長級の方々を登用するにしても、飛び越えていかないといけない、女性のパーセントを達成するには。もしくは、外部の方を入れないといけないというふうに思うんですね。その際には、やはり公募という制度の現実的な運用も必要になってくるんじゃないかと私は思うんです。
二〇二〇年までに三〇%を達成する、こういったことに対して、まさに女性の活力を最大限に生かすという安倍内閣におかれまして、まず隗より始めよで、霞が関の方々がされていく。この件に当たって、まず、こういった現状について、またその対策について、御所見ありましたら教えていただけますでしょうか。
○稲田国務大臣 委員御指摘のように、平成二十六年の一月三十一日に公表された女性国家公務員の登用状況の臨時フォローアップにおいて、国の本省課室長相当職以上に占める女性の割合が三・〇%、指定職相当に占める女性の割合は二・二%。随分低いなと思ったんですが、ともにこれでも過去最高のようでございます。
他方、女性のチャレンジ支援策の推進についてにおける、社会のあらゆる分野において二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%程度になるように期待する、第三次男女共同参画基本計画における、国の本省課室長相当職以上に占める女性の割合を平成二十七年度末までに五%という目標とは、いまだ乖離があるのは事実だというふうに思っております。
これらの数値は、過去の採用の動向に左右される面もあろうかと思います。そもそも女性の数自体が少ないという面もあろうかと思いますが、いずれにせよ、今後とも女性の登用拡大に向けて一層の努力が必要であり、公務員制度改革の立場からも、今の先生の御指摘のように、しっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。
○山之内委員 私も、必ずしも、女性だから入れないといけないというのはいかがかと思っております。もちろん、女性の活力は最大限に生かした方がいいと思いますが、管理職になりたくない方を無理やりしてもそれはいけないことですし、ただ、この二〇二〇年ということは、近々、もう六年、七年後の課題でございまして、やはり現実的に可能かどうかも含めて検証していただきたいと思います。
その中で、やはり我々日本維新の会は、今回、国家公務員制度、また法の方でも質疑させていただきたいと思いますが、特例降任から特別降任、そういった、一段階おりるというのではなくて、ある程度柔軟な弾力的な人事評価、人事の降任も含めて、人事制度を主張しているわけでございます。
やはりこの女性の登用の面からしても、特例降任ではなくて、一段階ずつではなくて、ある程度ドラスチックにしないと、なかなかその目標を達成できないんじゃないかと思いますが、この点に対して、稲田大臣、いかがお考えでしょうか。
○稲田国務大臣 幹部職員を全部特別職にして、例えば次官からいきなり課長におろすとか、局長からいきなり係長におろすとか、そこまでのことをしなくても、今回、法案の中に盛り込まれている特例降任という制度で、一段階落とすということで、ポストをあけることで、さらに柔軟な人事というか、適材適所ということを私は実現することは可能であろうというふうに思っております。
○山之内委員 ありがとうございます。
続きまして、プライマリーバランスの黒字化、財政健全化、こちらについて質疑をさせていただきたいと思っております。
アベノミクス、我々も、一本目の矢、二本目の矢、賛成で、やはり三本目の矢も含めた、こういった完成されたアベノミクス、こうすることによって、都市部だけでなく地方も活力を取り戻すと。安倍総理も所信の方で言われておりました。ことしは、地方を活性化させる、全国津々浦々までその効果を波及させるとおっしゃられていました。私も、それが極めて重要な課題であると認識しております。
その中で、もちろん経済成長も大事ですが、やはり財政健全化と、この両輪、両立をしていかなきゃいけない。極めて厳しい、簡単ではないことに挑戦しなきゃいけないなという認識でございます。
やはり、特に財政健全化。国と地方の借金を合わせると、もう一千兆円を突破している。これはやはり、将来、若い世代へのツケ回しと言われても過言ではないと思っております。
その中で、やはり中期財政計画があります。こちらについて、改めて、西村副大臣、どういった内容のものか、御説明をお願いいたします。
○西村副大臣 お答えを申し上げます。
中期財政計画は、昨年の八月に策定をいたしたものでありますけれども、まず、二〇一五年までにいわゆる一般会計のプライマリーバランスと言われる基礎的財政収支を改善し、二〇二〇年に黒字化をさせるということを目標に、二〇一五年にGDP比半減をさせるということで今進めております。
御指摘のとおり、歳入歳出両面での取り組みが重要でありまして、歳入面では、何より経済成長を遂げることによって税収を上げていくということでありますし、歳出面では、無駄の排除、徹底的な行政の効率化、今、公務員改革のお話もございました。社会保障の効率化もあります。それから、PFIなどを通じて公共事業においても税金の投入額を減らしていく。
こうした不断の努力をすることによって道筋をしっかりと描いていきたいと思っておりますけれども、二〇二〇年黒字化目標の達成については、二〇一五年における財政状況等を踏まえて経済財政をしっかりと展望して、その後五年間についての道筋を描いていくということにしておりますが、中長期試算においては、我々、経済再生ケース、成長するというケースにおきましても、二〇二〇年度における国、地方の基礎的財政収支は、対GDP比、まだマイナス一・九%程度ありますので、まだ黒字化目標が達成できないという絵姿になっておりますから、今申し上げたような、歳出歳入両面での取り組みをさらに強力に加速をして進めていく必要があるというふうに考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
今、西村副大臣もおっしゃられたとおり、やはり二〇二〇年までに黒字化というのはなかなか厳しい、マイナス一・九となっているというグラフが出ております。
私も、もちろんなかなか厳しい現状であるのは思うんですけれども、やはり目標を掲げたからには、それを達成するような何か施策を考えなければいけない。歳出を削減するのか、何か成長戦略、規制改革も含めて策を打たないといけないと思っております。
と同時に、今回も、プライマリーバランス、もちろん改善はされております。ただ、こちらは、よく指摘があられます。今回、三%の消費増税分が約四・六兆円ほどですか、こういったものがある。大半が消費増税で今後プライマリーバランスの黒字化をされるということでは、それはちょっといかがかと。
そういった中で、去年の年末、麻生太郎財務・金融担当大臣がおっしゃられました。消費増税一〇%の引き上げ段階に、今、中期財政計画は閣議決定ではなくて閣議了解というふうに認識をしております。この決定に至っては、今後八%から一〇%へ消費増税の引き上げを国民に対しもう一回お願いせねばならないことになる、その際に検討することになると説明した、こういった記事があります。
ですので、今、閣議了解でとまっている健全化計画、これをやはり、そもそも、国と地方のプライマリーバランスの黒字化、二〇二〇年に目指すのは、消費増税を前提にしているのか、それとも、していないのか。こういった点について、西村副大臣、お答えをお願いいたします。
○西村副大臣 私ども、この四月からまず八%への消費税引き上げを決定いたしまして、それに向けての、経済が落ち込まないように経済対策も打って、補正予算を成立させたところでございますので、まずは、この消費税増税を乗り越えて、安定的な成長軌道に乗せていくということを第一に今考えております。
さらには、最近の経済情勢を見ておりますと、駆け込み需要もあるんですけれども、内需は非常に堅調なんですけれども、海外の動向によって非常に左右されるという状況でありますので、こうした海外の経済情勢も見ながら、次の消費税一〇%への引き上げはそうした経済情勢を見ながら判断するということになっておりますので、これはもう少し時間を見て判断をしていくことになります。
いずれにしても、黒字化目標は、目標でありますので、これを達成すべく、先ほど申し上げましたけれども、成長軌道にしっかり乗せて、収入をしっかり上げていくということが第一でありますし、一方で歳出面での改革をしっかりやっていくということも大事だというふうに考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
今私が、消費増税八%から一〇%、ようやく四月から八%ですけれども、これを申し上げるのは、この四月から八%に上がる、やはり地方の中小零細企業というのは極めて厳しい状況だと思います。これはもう皆さん共通の御認識だと思っております。
私は、このアベノミクス、今の現状確認だと、確かに、日銀短観等、指標は上がっているところはありますが、日銀短観の中でも、中小零細では、ある意味、そのグラフに反映されていない、数値に反映されていない零細企業もたくさんある。やはりアベノミクスというのは、物価上昇に対して、給料がそれを追い越すかどうか、こちらが極めて大事なポイントであると思っております。
その中において、やはり都市部の方は、それを追い越し得る。ボーナスもそうですが、ベースアップもそうです。今回、税制の方でも、給与を上げた企業に対してはある意味インセンティブを働かすような税制改革もあられると思いますけれども、やはりこういった消費増税の負担というのはそういった地方の方に来やすいという点に関しまして、国と地方の借金、プライマリーバランス黒字化のため、そういった施策をしていくのであれば、それに見合った、地方に対する、ある意味活力を与えるような具体的なプランがないと厳しいと思っております。
安倍首相も言われておりました。「ことしは、地方の活性化が安倍内閣にとって最重要のテーマです。地方が持つ大いなる可能性を開花させてまいります。」ということもおっしゃられていました。また、「自主性と自立性を高めることで、個性豊かな地方が生まれます。」「地方に対する権限移譲や規制緩和を進めます。」こう所信でも述べていらっしゃったと思います。
そこで、新藤大臣にお伺いさせていただきたいと思うんですが、国家戦略特区についてです。
臨時国会で、これは我々日本維新の会も、新藤大臣にはしつこいぐらい言わせていただいたと思うんですが、やはり法人実効税の引き下げ、特区内においてということでしたけれども、そういったものをお願いさせていただきました。年末の税制大綱で決定するということでしたが、残念ながら、今回はその対応が見送られたというふうに認識しております。この点について、新藤大臣、コメントいただけますでしょうか。
○新藤国務大臣 これは、前国会における国家戦略特区法の審議におきまして、委員の皆さんから、特に維新の皆さんからは御要望を強くいただいておることは私はよく承知をしております。また、それに対して、私としても、これは、そういった地方の税も含めた、新しい、そして地域の力を高めていくような、そういうものについて取り組みたい、こういうお話をさせていただいたわけでありまして、その気持ちは変わっておりません。
現状においては、この二十六年度改正で、即時償却を含む設備投資減税、それから、研究開発税制の特例、固定資産税の特例、この固定資産税の特例は、特にほかの特区では使われていない、そういう新しいものも入れ込んで、我々とすれば、できる限りの大胆な施策はとらせていただいたつもりであります。
問題は、今後、国家戦略特区を進めていく上で、これ以上何かをやるのには、具体的な場所と、何の仕事をやるのか、そして、それに対してどういう効果が出るのか。したがって、その効果、成果を得るためにこういう規制緩和が必要であり税制が必要である、こういうものをつくらなければいけないわけであります。
ですから、その意味で、これからいよいよ戦略特区の第一弾を決めるための作業、今、順次進めております。そして、特区が決まりますと、それで特区会議というのが設けられるんです。そこでいろいろなものをどんどんとまたふやしていって、そして成果を上げていこう、こういう設計になっているんです。ですから、その中で、さまざまなこれまでの懸案についても解決策を見出していきたいと思います。
ただ、この地方税の減免分の補填措置については、これは特区内だけではなくて、その他全般の地域にもかかわることになるということになると、これはやはりさらに広げた検討が必要だということであります。
また、法人税を下げることにつきましては、経済財政諮問会議においても重要な議題として、政府内でも今議論をさせていただいております。
さまざまな観点からの議論を進めて、いずれにしても、我が国の産業競争力を強めていく、このための方策は必要である、このように考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
今、新藤大臣からもお話ありました。まず、どこを指定するのかということが大事になってくると思います。
その中で、菅官房長官におかれまして、大体、大都市から二、三カ所、まずは地方から一、二カ所という発言もあると聞いております。
今現時点で特区に対するいわゆる候補地、そういったものがあられましたら教えていただきたいというのと、まだ言えないのであれば、今後、どういった場所が適正か、どういった場所が今検討され、具体的ではなくてもいいですけれども、こういった場所がいいというお考えがありましたら。
○菅国務大臣 私は、去年の十月ぐらいに、たしか三から五カ所という話をさせていただきました。それは、都市とか地方とかそういうことでなくて、漠然とした数字を申し上げたところであります。
これからは、新藤戦略特区担当大臣のもとで、当然、ヒアリングを行い、そしてまた会合を行う中で適切な場所が決められていくんだろうと思います。
○新藤国務大臣 都市で二、三カ所、地方で一、二カ所、これは官房長官の発言ではございません。そうではなくて、一月に行われた戦略特区のワーキンググループの打ち合わせの際に、八田座長の方から私案としてそのような提案があった、こういうことであります。私は、担当大臣として、これまで一度も箇所数について申し上げたことはありません。
そして、現在、昨年に募集を行ったところで二百を超える御提案がありました。その中から順次ヒアリングを進めておりまして、三月中にはこの特区の第一弾を指定したい、このように思っております。
それは、特区としての指定をする内容が整っている、またやる気がある、そして準備ができている、こういう観点から絞られていくことになるというふうに思いますし、いまだに決まっておりません。しかし、今鋭意いろいろな作業をしながら、まずは仕事をきちんと進めていけるようにしたい、このように考えております。
○山之内委員 ありがとうございます。
今後、三本目の矢の目玉の一つであるこの国家戦略特区、やはりアベノミクスに対する期待、これは国内外からあると思います。この期待が失望に変わらないようにやはり進めていただきたいと思います。
さらに、先ほど申し上げました大都市圏の特区ももちろんそうです。東京だとか大阪、愛知等、そういったところもいいと思いますが、やはり地方における特区制度、先ほど、安倍首相も言われた、地方におけるこういった特区が必要だと。もちろん、実効法人税の引き下げも含めた特区が望ましいんですけれども、先ほど新藤大臣もおっしゃられましたが、そこを下げるとどこかで埋めないといけない。前の私の質疑でも言われたのがペイ・アズ・ユー・ゴー、どこか下げるのであれば上げなきゃいけない、そういった観点もあると思います。
その中で、我々の党、日本維新の会は、税制に対しても、なるべく可能な限り簡素な税制と。やはり税制がわかりやすく、それによってインセンティブが働きやすい税制にしていきたいと。
私は、国家戦略特区においてもそうなんですけれども、例えば、こういった地域の実効法人税を五%なり一〇%下げる、そうするとわかりやすい。それによって、選択と集中ができやすいだとか、そういったものを国家の戦略とした特区としていただきたいという気持ちがあるものですから、それに近づけるように、もちろん、これで終わりではない、今後さらに進めていかれて練られるということなんですけれども、大体数カ所をめどに、さらにそれを広げ得る可能性というのはありますでしょうか。新藤大臣、お願いします。
○新藤国務大臣 これは、私は前回の法案の審議のときにも何度も御説明いたしましたが、どこからか上がってきたものをマル・バツで決める、あとは、決めたらばそれを進めてくださいではないんだということです。
まず、準備の整っているところから、これは厳選しますけれども、国家戦略特区にふさわしいテーマと事業規模をもって選択、選定いたします。それをやった結果、効果があるならば、その規制は特区ではなくて全国に展開していいものも出てくるかもしれません。それから、特区自体は鳴り物入りで始めたけれども成果が上げられない、であるならば、その地域の指定を解除することもあり得るというふうにもしてあります。
一方で、これは、この特区が、最初の第一弾を見て、そういうことができるのなら我々もやりたい、この地域でもこんなことをやりたい、であるならば、第二弾、第三弾は、私はずっとそれは続けていきたいというふうに思っていますし、その動きはとめません。
何よりも、ぜひ委員に御理解いただきたいのは、決めたらそれで終わりじゃないんです。決めたところからスタートでありますから、やってみて、どんどんと参加者を募る、それは世界からも参加していただけるようなものにしていくわけでありますから、これはローリングといいますけれども、進めながらどんどんと大きくしていく、そして、いつでもチェックをしながら、PDCAを厳しく回して、最適の、そして最大の成果が得られるような、そういう事業を進めたい、これが国家戦略特区でございます。
○山之内委員 ありがとうございます。
ぜひ、所信にあられますとおり、「世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備するため、」「スピード感を持って国家戦略特区の推進に努めてまいります。」まさにスタートということでいらっしゃると思いますが、今後とも引き続きこちらを進めていただきたいと思っております。
続きまして、こちらも新藤大臣が所信でおっしゃられております、道州制の導入に関してでございます。
「道州制の導入は、国のあり方を根底から見直す大きな改革であり、住民に対する行政サービスの向上や行政の効率化を図るとともに、国家の統治機能を集約、強化することを目指すものです。国会等における議論を踏まえつつ取り組んでまいります。」という所信をいただきました。
新藤大臣、道州制を今後進めていく、もしくは、今、新藤大臣がどうお考えなのか。所信では、取り組んでまいりたいとありますが、今の所見をお聞かせいただけますでしょうか。
○新藤国務大臣 先ほど松田委員からの御質問にもお答えいたしましたが、これは、国、地方のあり方を大きく変える国家的なテーマであります。一方で、地方分権は待ったなしだと思っています。
ですから、ほかの方から御質問いただいたこともございますけれども、道州制をやることを前提にして、それのみに集中するのではなくて、まず今できるところ、分権や権限移譲を進めていきましょうと。それから、地域の活性化は、過疎地も含めて待ったなしでやらなきゃならないわけであります。そういうものを進めていきながら、望ましい統治のあり方として、この道州制というのが大きな一つのテーマになっているというふうに理解をしております。
そして、まずどこかでやってみて、それを波及させましょうでは済まないんです。これは、税源の保障から調整から、全てが変わってきますし、権限が変わってきてしまいますので、これは国民的議論を十二分にやった上で、そして、それは何よりも国民の代表である国会の御議論も踏まえた上で、我々は対応をしていこう、そして、行政としては、いつでもそれに対応できるように、さまざまな研究を進めながら、最適な国と地方の統治形態というものを決めなければいけない、このように思っているわけで、責任重大なんですけれども、これはとにかく精いっぱい全力で取り組んでいく、こういうことでございます。
○柴山委員長 山之内君、質疑時間が終了しております。
○山之内委員 はい。時間が参りました。
おっしゃるとおり、簡単なことではないと。全国町村会からこういった疑問点を提出させていただいているところもあります。なかなか厳しいという状況だとは思うんですけれども、やはり自民党さんの道州制推進本部でも、導入するの文言が、あり方を検討するにトーンダウンされたというのも聞いております。
いずれにしろ、議論を前に進めて大きく喚起しながら、一つずつでも前に進んでいけるような検討をお願いいたしまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○柴山委員長 次に、大島敦君。
○大島(敦)委員 民主党衆議院議員の大島です。
これから四十分間の時間をいただきまして、今回の豪雪災害を中心に質問をさせていただきます。
私は、埼玉県選出の国会議員でして、五十七年間生きてきまして、これだけ多くの雪が降った経験はございません。群馬県も、空っ風の群馬県と言われているとおり、三国峠で湿った雪は、申しわけないんですけれども新潟県で雪となって、そして群馬、埼玉県は非常に乾燥した地域です。ですから、その地域、ふだんは雪が降らないところで多くの雪が降ったこと、それも、雪ですから、局地的ではなくて平面的に、全地域が降っていることが今回の災害の大きな特徴だと思っています。
甲府盆地もそうだと思います。甲府盆地も、ふだんは雪が降らないところに平面的に多くの雪が降ったことによって、これから、私の埼玉県でも多くの被害があります。さらに雪が多い地域は被害が拡大するおそれが多分にあると考えておりまして、その点について、私が気にしている点、私も地元の農家の皆さんのところに伺って、一軒一軒お話を伺いながら、そして昨日は深谷まで出向きまして、これは埼玉県でも北部です、深谷の農家の皆さんのお話も伺いながら、何点か質問をさせていただきたいと考えております。
農家といってもさまざまな農家がありまして、それぞれの考え方が違います。米農家についても、十町歩以上、二十町歩以上の大きな米農家もあるかと思えば、一町歩未満の小さな農家もありまして、大きな農家の考え方と小さな農家の考え方は違います。また、果樹ですね。キウイとか梨とか桃とかブドウとかプラムとか、果樹のそれぞれの農家の考え方。そして花卉、花です。野菜についても、施設園芸をしているところ、これはハウス農家です。あるいは、露地物を栽培されているところ、酪農もあれば肥育農家もあります。それぞれの考え方、農家といっても、一概にこういう考え方だということは言えない。私たちは、一概に一つの考え方でくくるということは難しいと思います。
ですが、私が歩いてみて、果樹あるいはお花、野菜、酪農、そして肥育農家については、あるいは米農家についても、大きな取り組みをしているところについては後継者がいらっしゃることも確かなんです。ですから、今回の豪雪被害、これから雪が解け、その被害状況が明らかになる中で、できるだけ農家の皆さんに対して支援を送って、今悩んでいるんですよ、どうしようかと。結構な設備投資が必要です。
ハウスといっても、さまざまなハウスがあります。一概には、よく言われているビニールハウスという、ごく普通のハウス、これはパイプハウスというんですけれども、そういうハウスもあれば、エコノミークラスの鉄骨ハウスというのもあって、一番ちゃんとしているのが、ガラス張りの温室のようなしっかりとしたハウスもございまして、それぞれの設備投資の金額が違うわけです。
農家はどのくらいの収入が、十アール、一反当たりあるかということをまず念頭に置かなければいけないなと思っています。
施設園芸農家ですから、トマト、キュウリ、イチゴ、あるいはお花をつくっていらっしゃる農家さんの一反当たり、三百坪当たりの売上金額は、キュウリだと大体五百万ぐらいだと思います。そこから燃料代を引いたり、あるいは種とか苗の費用を引いたり、そしてロープとか資材の費用、肥料の費用を引いたりして、人件費を除いた一反当たりの残りの金額は、大体百万から二百万ぐらいです。これはレンジがあります。しっかり取り組んでいるところ、その品種によります。そして、私がヒアリングすると、人件費も含んで大体百万から二百万の範囲内かなと。
ですから、一反で百万から二百万。百万とすれば、三反やれば三百万ぐらいの収入。これが農家の一つの基準として、私たちとしては、念頭に置かなければいけないなと考えております。
そして、官房長官、今回は、特に、一つのハウスをつくるときにどのくらいの金額がかかるかというと、先ほどのパイプハウス、一番よく言われているビニールハウスというもので坪二万円ぐらいです。ですから、二万円掛ける三百坪ですから、一反分のハウスをつくるとすれば、大体六百万ぐらいの設備投資金額です。そこには暖房機の費用も入ります。そして、中間のエコノミークラスの鉄骨ハウスですと、四万から五万。ちゃんとしたガラスの鉄骨のしっかりとしたものだと七万ぐらいかかりますから、一反当たりでも二千百万ぐらいの投資規模になるわけです。
ですから、それを前提に考えると、今悩んでいらっしゃるのは、本当に設備投資をして農家としてやり抜くかどうかということにまず悩まれているんです。あとは、後継者がいるかどうかの問題、御自身の年齢の問題です。六十五歳、七十歳になって、今回、自分のハウスが豪雪によって潰れてしまって、それをやるかどうかという判断を今悩まれていると思います。
そして、一番最初に必要なのが、当座の運転資金も必要だということです。今、埼玉県ですと、十一月ぐらいからボイラーをたき始めて、十一月、十二月、一月とボイラーをたいて、ようやくこれから、この二月から出荷、イチゴとかあるいはトマトとか、ちょうど出荷のタイミングに来たときにハウスが潰れてしまって、その後、要は、イチゴだと大体一つの苗で五月ぐらいまでは収穫が可能です。トマトですと、トマトは何本も房が出てきまして、二十数回、房が出ますので、八月ぐらいまで、長いと九月ぐらいまでは収穫が可能だと思います。
そこの利益が全く出ないまま、今回は、ボイラーのA重油の費用とそして購入した苗の費用等がかさんで、ここで今後得べかりし利益がないまま災害に遭ったわけですから、結構、皆さん、茫然としているというのが今の実態だと考えていただきたいと思います。
それで、官房長官に一つお伺いしたいのは、今回の農業災害、特にこれまで雪が降らなかった地域の農業災害にぜひ政府として全体での取り組みをしてほしいと考えています。農水省、もちろん国交省もあれば、環境省もあります。そして、きょうは金融庁からも福岡大臣政務官に来ていただいているんですけれども、金融庁の取り組みをやりまして、農業について政府全体としての取り組みをまずお願いしたい。その点についての御所見をいただければ幸いと存じます。
○菅国務大臣 今度の大雪、まだ全容が明らかになってきていませんけれども、特徴はやはり、従来雪のほとんど降らないところに大量の雪が降った、ですから、今委員が指摘をされましたような、こうしたビニールハウスが大変な被害になってきている。従来そうした被害のないところでありましたので、それに対して対応できる政策もないというのも事実であります。
しかし、今委員から御指摘もいただきました。現在農業を続けていらっしゃる方が今後も農業をしっかり続けることができるように、政府として万全の対応策をそれぞれの省庁に指示したいと思います。
○西村副大臣 補足をさせていただきます。
もう委員御案内のとおりだと思いますけれども、内閣府に、古屋防災担当大臣を本部長といたしまして非常災害対策本部を設置しております。ここで、関係省庁全て入って、現在の被害の状況、対応について対策を講じているところでございますので、もう既に政府全体として対応しているということでございます。
まだ雪が残ったりしている地域も多いものですから、被害の全容はわかっておりませんけれども、官房長官からの御指示もございます。しっかりと対応していきたいと思いますし、農水省の方でも、順次、被害の調査に当たっているというふうに思いますので、支援に万全を期してまいりたいというふうに思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
私、お手元の資料を皆さんにお配りしまして、人が写っているのは、スケール感がないものですから、人が写っている写真を使わせていただいております。
二ページ目を見ていただきますと、ハウスの全景1として、これは先ほど申し上げましたパイプハウス、よく言われているビニールハウスです。そして、全景の2の方が同じくビニールハウスで、ハウス全景3というのが、これがガラス張りでしっかりとしたハウスでして、このように壊れてしまっていて、これを全部撤去して、もう一度再生しなければいけません。その撤去の費用というのが大体、一反、三百坪当たりですが、百万かかるそうなんですよ。
その撤去の費用について、まず国として、制度として、環境省所管だと思うんですけれども、そのような制度もあるかと聞いています。ですから、まずは撤去の費用について、国として前向きに取り組んでいただきたいと考えております。まず、撤去の費用がこの百万。ですから、大体、施設園芸農家ですと、一反よりも二反から三反ぐらい、ですから、二百万から三百万ぐらいの費用をしっかり国として出せるような施策がまず必要だと考えています。その点について、農水省からまず御答弁をください。
○江藤副大臣 大変大切な御指摘だと思います。
正直に申し上げますが、撤去に対する支援というものは今までも行ったことはありませんし、制度としてありません。
しかし、農水省としても、撤去した後にしか再建はできませんので、このことに対応できないかどうか、農水委でも議論になりましたので、今検討中でございます。
○大島(敦)委員 農水省以外でも、環境省で災害等廃棄物処理事業費補助金とかありまして、使い勝手の問題はあります。ですから、農水省の事業、環境省の事業、それぞれの事業をしっかり見ていただいて、官房長官としては、まず撤去の費用について、農家の負担がもう茫然としていますので、できるだけ、その費用についてタイムリーに、早く大丈夫だというメッセージを出すことが必要だと思っています。
もう一つは、運転資金です。
運転資金は、借り入れて、苗を買い、そしてボイラーをたいていますから、当座の運転資金について、これは金融庁かと思うんですけれども、金融行政として、この対応についてどういう対応をとられているのか、ぜひ、その点についての御説明をしていただければ助かります。
○福岡大臣政務官 お答え申し上げます。
金融庁としましては、ただいまおっしゃったように、応急資金の需要等を勘案いたしまして、災害救助法が適用された各地域の被災者に対しまして、融資相談所の開設を行ったり、融資手続の簡便化、融資の迅速化、既存融資に係る返済猶予等の貸し付け条件の変更など、災害の影響を受けている顧客の便宜を考慮した適宜的確な金融上の措置を講ずるよう、関係金融機関等に要請を行わせていただいております。
既に、一部の金融機関等におかれましては、復旧支援融資であったり、特別の相談窓口といったものを設けて対応していただいているというふうに承知しておりますが、引き続き、適切な対応を行っていただくよう、指導していきたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 金融円滑化法が、これは去年ですか、三月三十一日に切れて、その後も融資態度については、政府の働きかけもあって、金融円滑化法が切れた後も融資態度は変更ないと私は考えておりまして、金融円滑化法案については、特に、中小企業、小規模企業の皆さんに対するこれは貸し出しの変更でした。ですから、農業者についても柔軟な対応をお願いしたいんです。その貸し付け条件の変更を柔軟に対応していただくこと。
もう一つは、私も役所から、金融庁が取り組まれているこの通達の文章を読ませていただきました。ただ、政治の側として、銀行協会とか金融機関に対して直接行かれてお願いすると、大分違います。私も政府にいたときに、直接お願いすると、誠意がつながる、通じていくものですから、紙を出すことも物すごく大切なんですけれども、大臣は忙しいと思うので、政務官そして副大臣が金融機関に伺いまして、ぜひ、この点について、全国で柔軟に対応してくれということをお願いしていただきたいので、やりますよという答弁をいただけると助かります。
○福岡大臣政務官 委員御指摘のとおり、もう既に、財務局長名であったり、日銀の金融機構局長名で書面は出しておりますが、さらに強い促し方として、今御指摘いただいたこともしっかり踏まえて対応させていただきたいと思います。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
官房長官、この金融の貸し出し変更というのも結構大切でして、もう一つは、先ほどの三百坪、一反当たり百万を超えるその廃棄の費用について、そしてもう一つは、これは埼玉県ですと、徐々にもう解けていますから、被災状況というのは明らかになってきています。ただ、埼玉でも北部、県北の方に行きますと、まだ雪が解けていませんから、まだ明らかじゃないです。群馬とか山梨に行くと、まだまだその被害状況がわからないと思います。
ですから、政府の対応として、最後まで見るのではなくて、やはり一陣、二陣、三陣で、タイムリーな対策を政府として検討していただけるとありがたいんですけれども、その点についての御所見をいただければ助かります。
〔委員長退席、関委員長代理着席〕
○菅国務大臣 当然だと思いますので、そのようにします。
○大島(敦)委員 ありがとうございます。
そして、もう一つ、今度は副大臣の江藤さんに答弁を求めたいと思うんですけれども、やはり農水省としての今後の働き方が、やはり農家の皆さんは注目をされているんです。
農水省としてどういうことをやっていただけるかなということについて、その点について、私としては、いろいろと聞かせていただくと、経営体育成支援事業というのがあります。これは、地域の中心経営体等に対し農業用機械等の導入を支援するということで、十分の三あるいは二分の一ですか、二分の一が農家に直接これは助成されるわけですよ。この制度を柔軟に対応していただきたいと思うんです。
これから、廉価なパイプハウスでも六百万の投資が、一反、三百坪、必要だと。そのときに、この経営体育成支援事業を使って、例えば三分の一の二百万は国が助成してくれる、あるいは半分の三百万は国が助成してくれるとなったときに、農家の取り組みとしては、大分先が見えるようになるわけなんです。
今回の予算は五十億円です。ぜひその点についての御所見をいただければ幸いと存じます。
○江藤副大臣 昨年から農政の転換を図っておりますので、これから新たな担い手をつくっていく上でも、先生の御指摘はごもっともだと思います。
この事業も、やはり使い勝手がいいかどうかということはとても問われることでありますので、その点は十分考えていきたいと思います。
今御指摘の事業もそうですけれども、例えばそのほかにも、強い農業づくり交付金、今度の当初予算は二百三十億ぐらいだったと思いますが、これもあります。これであれば、例えば耐候性ハウスをつくる場合、一定の条件はあります。例えば、五戸以上、みんなで共同利用しなきゃいけないとかそういうのはありますけれども、そうなると、これも、いわゆるハウス本体、それから加温機、加湿機、自動開閉装置、それから給水措置、そういった中の施設も含めて二分の一の補助を受けられます。
こういったものも、残念ながらことしの補正についてはもう締め切りが済んでしまいましたけれども、ぜひこういった事業も広く御紹介をさせていただいて、担い手の方々がこの雪の被害によって、次はもうやめるんだというのではなくて、今回かつてない被害を受けたということが認定されれば、十分の三の補填が出ます。それに、共済事業に入っていれば共済の分のお金も、加入率が低いことはわかっていますよ、これも出ますし、それに加えて、災害復旧というのは、もともとはもとに戻すことが基本原則でありますけれども、この際は、さらに前に進んだ施設に変更したい、これから雪も降るかもしれませんけれども、そういった場合も対応できるように、省内での運用等についても注意を払っていきたいと思いますので、また御指導をよろしくお願いいたします。
○大島(敦)委員 前向きの答弁をいただきました。
農家については、わかりやすいということが必要でして、役所からさまざまな制度について伺いまして、私でもこれを理解するのは物すごく大変でした。使い勝手のいいものにしないと、農家の皆さんは戸惑ってしまうと思うんです。
ですから、今回の認定の仕方もあるかと思います。農業者についても、農業をやる方については一応あまねくカバーする、その中でさらに経営体質の改善をしたいところについては、一定の水準、例えば補助率を変えていく、十分の三を十分の五にしていくとか、そういう方策もあるかと思うんです。
要は、まず一番最初にメッセージとして、国は施設園芸農家に対して十分の三から十分の五はしっかりと助成をしていくということをまず明確にしていただけると、今悩んでいらっしゃる方が、特に若い人が多いんです、施設園芸農家は。
若い人というのは、私も何軒かの農家にお伺いしてみると、大体お父さんが六十五から七十歳ぐらいです。四十前後の息子たちが、サラリーマンをやめて、農業大学校で一年から二年勉強をして就農しているんです。ですから、彼らにとっては、四十ですから、今、ここで諦めてもう一回サラリーマンに戻るのか、せっかく農業を継いで、これからやっていくかという瀬戸際なものですから、そこのメッセージをぜひ明確に出してほしいと思うんです。その点についての再度の御答弁をお願いいたします。
○江藤副大臣 私の地元も、実は竜巻でハウスがやられたり、台風でやられたり、いろいろなことを経験してまいりました。
やはり、これからの若い者の心が折れない、国も我々のいわゆる地域を担っていこうという気持ちに応えてくれるんだということをこれからの担い手の方々が感じていただけるように、どんなにいい制度をつくっても、それが皆様方に御理解されず、そして理解もされず浸透せずということであれば全く意味がありませんので、周知徹底することと、なるべく手続も簡便に、使いやすくすることもやっていきたいと思っております。
スーパーL等については、認定農業者であることの要件等もついておりますけれども、今回は、過去にない災害であれば、五年間の、例えば融資を受けた分については、利子補填もすることも前向きに今検討しておりますので、そういったこともぜひ御地元に帰られたらお伝えをいただければと思います。個別に何かありましたら、個人的にも御相談いただければと思います。
○大島(敦)委員 副大臣からは、一つには、国として十分の三とか十分の五の助成をしっかり農家にまずは直接的にするというのが一つ。残っている十分の七なり十分の五がありますから、ここは要は融資を受けることになるわけですよ。このときの返済の年限というのが結構大切なわけです。
さっき申し上げましたとおり、一反、仮に六百万の投資をするとして、六百万借り入れて、十年間で返済ですと、毎年六十万ずつ返済しなくちゃいけない。でも、農家の上がりというのは百万から二百万ですから、一反当たり、そんなに多くはないわけですよ。ちゃんとした施設を整備するとすれば、ほとんど施設の整備費で、人件費も含んだ売り上げが全部そちらに充てられることになります。
ですから、まずは、この返済の期間というのを、要は、二十五年とか三十年、もちろん、若い方、あるいはその年も見なければいけませんけれども、このローンの返済の期間をできるだけ延ばしていただく、まず、そのことについて、さまざまな制度があるんですけれども、大臣としての御所見を伺えると助かります。
〔関委員長代理退席、委員長着席〕
○江藤副大臣 現在、スーパーLは二十五年になっております。二十五年で借りると〇・九まで金利が上がるんですよ。短い場合ですと、大体、調べてみますと、今借りている方は十一年ぐらいで返済計画を立てている方が多いです。そうすると、〇・六五から六八ぐらいの金利になりますので、ですから、経営者の判断で年限を延ばしさえすれば楽になるかというと、その分金利が上がるという二律背反的な側面もありますので、もちろん、期間を二十五年以上に延ばすことが有効であるかどうかは若干議論があるところがあると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、今回、過去に経験のないような被害であるという認定をきちっととれれば、最初の五年間は利子補給を国としてするという方針で対応させていただきたいというふうに思っております。
○大島(敦)委員 そこの最初の五年間の猶予、ありがたいと思うんですけれども、二十年、三十年たっているハウスですと、これはもう償却、返済は終わっていますから、この方は五年間の猶予でいいかもしれないんです。ただ、最近新しくハウスをつくられた方もおりまして、まだローンの返済が残っているわけです。そうすると、今の借りたローンを返した後に、改めてローンを返さなくちゃいけないものですから、そこのところ、最初の五年、プラスアルファも五年、十年ぐらい見ていただくことも必要かなと思っています。
もう一つは、先ほど申し上げましたとおり、金融機関から借りるときに、二十五年だとしても、それはそれぞれの償却の期間に合わせながら、短くなるおそれも多分にあるわけです。その点の工夫が必要だと思うんです。
ハウスというのは結構もちます。補償の、要は、共済とか民間の損害保険とか、その入り方によっては原状復帰しているものもありますから、二十年、三十年は平気でもつと私も考えておりまして、ですから、そこのところを柔軟にこれから省内で検討していただいて、やはり二十五年でも、二十五年は借りられるにしても、銀行、金融機関等と話し合うと、十年とか十五年に抑えられてしまうおそれがあるものですから、その点も柔軟に対応していただいて、やはり、四十であれば六十五、二十五年間しっかりと、要は平たんに返せることが一つ。
金利負担についても、県として金利負担を見ているところもございます。ぜひ金利負担についても、今回の災害の状況を見て、ゼロということを目指していただけると助かるんですけれども、その点についての、ある程度の金利で、要は、先ほど言ったコンマ九%の金利負担は、今低金利だからコンマ九%なんですよ、今借りると。これは日々変動しています。これから金利が高くなってくれば、コンマ九%が一%、二%に上がることも確かじゃないですか。今金利が低いからコンマ九%なんですよ。これから金利が高くなってくるとこれは上がってくるわけです。
だから、今だと二十年借りたとしてもそんなに金利負担はないかもしれないけれども、これから金利が上がってきたときには金利負担が大きくなってくるわけですよ。その点について、農家の立場での御発言をお願いします。
○江藤副大臣 それは私の立場では、そういうふうに財務の方は言っていただければ、それはいいと思いますが、しかし、これまで災害に遭った方々と公平感とかそういうものもやはりあると思うんですよ。確かに、埼玉の皆様方は今まで御経験をされなかった被害に遭われて、このことについてはもう心から我々はお見舞い申し上げる立場にありますけれども、しかし、では、これから二十五年組んで、全く金利負担ゼロよということが果たして社会のモラル上許されるのかというのは、考えてみます、考えてみますが、正直難しいのではないかというふうに私の感想としては思っておりますので、御理解いただければと思います。
○大島(敦)委員 被災された農家の立場に立つと非常に気持ちがわかるものですから、副大臣の冷静な御判断もわかるんですけれども、そういう気持ちを酌み取りながら、対応が、農家の皆さんにとって、特に新しく担い手となられた農家の皆さんにとって、やる気が、具体的にイメージが湧いて、できるな、そういう施策を行っていただけると助かります。
それで、今度は新藤大臣に、同じ埼玉県なものですから。
これから、各都道府県、特に市町村から総務省には特別交付税についての申請があると思います。今回、埼玉県は比較的豊かな県なものですから、特別交付税は全体の中のシェアは二・一%ぐらいだと聞いておりまして、ほとんど受け取ることがなかった県でございます。ただ、今回の場合には、町としても直接的な見舞金をお支払いしたり、さまざまな今回の対応の制度を考えていることも確かなんです。それは群馬県もそうですし、恐らく山梨県、多くの県がそういうことを考えていらっしゃると思います。
ですから、その点について、所管をされている新藤大臣から、どのようにお考えなのかという点について、御所見をいただければ幸いと存じます。
○新藤国務大臣 総務省としても、まずは農業関係の被害については、農林水産省が被災状況を把握した上で対応をしているわけです。そして今、さらに官房長官からも、今回のことに関しても政府として全体として考えたい、こういうような御答弁がありました。我々とすれば、農水省の対応を踏まえた上で、地方団体からのやはり実情をよく聞かなきゃならない、このように思います。特に今回、秩父地域については大きな雪が降りましたので、こういったものについての除排雪の経費、これは精査しておりますけれども、そういったものはやはり規模に応じて、量に応じて対応することになります。
それから、特別交付税では、通常、干害、冷害、それから霜、ひょう、雪害も含む、こういったものに対する特別の財政需要というものを特交で見ておりますから、実情を精査しながら、自治体の財政運営に支障の出ないように、私たちもそれは取り組んでまいります。
○大島(敦)委員 日本国全体を見なければいけない総務大臣ですから、これはえこひいきがあってはいけないとは思うんですけれども、その事情についてはしっかり見ていただいて、公平な御判断と御配慮をいただければ幸いと存じます。
私から皆さんにお配りしているこの資料を最後に見ていただくと、これは梨の農家、一ページ目なんですけれども、屋根はビニールになっておりまして、梨ですと、まだ棚まではおりてきていません。恐らく山梨の方に行くと、これが下まで、ブドウとかは、棚まで落ちてきているのかなと思います。
トマトについても、そしてイチゴについても、ちょうど収穫間際なものですから、ここで被害を受け、そして、特に花卉農家についても、設備投資の金額が非常に多いものですから、ぜひこういう対応を、こういう事情を御判断していただき、そして、これよりもさらに被害を受けている地域がまだまだあると思っていますので、その点についてもこれから私も取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ政府側としての取り組みもよろしくお願いいたします。
最後に、内閣府の担当大臣としての新藤大臣にお伺いをしたいんですけれども、特に、農業を考えてみると、首都圏の農業とその農政の問題は非常にリンクしているところがありまして、農業を守らなければいけないというのが一つあります。
ただ、地域としての発展を考えると、これは、今、圏央道が、あと数年すると、成田の飛行場からずっと神奈川県の藤沢までつながりますから、その沿線については、多分、これからさまざまな特区の制度の中で、この首都圏をどうやって産業集積を図っていくかの観点がございます。
その点について、最後に新藤大臣からの御所見をいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○新藤国務大臣 これは、国家戦略特区において、農業について大胆な規制緩和を取り入れたい、そのための試行的な場所を決めたらどうか、こういうのはテーマの中の一つになっております。
そして、今委員が御指摘いただきましたように、農業といっても千差万別であります。特に、埼玉などは、都市農業という、既成市街地内の農地、こういったものも含めてどう対応していくかという課題もあるわけであります。
ですから、まずは、国家戦略特区において新たな試行的な取り組みをやってみて、その成果を踏まえて、そして、それがいろいろなところに波及できるように、それを私どもも心がけてまいりたい、このように考えております。
○大島(敦)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○柴山委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただいたことに対しまして、心より感謝を申し上げます。
また、先ほど来、今回の大雪のそういった被害、本当に、お亡くなりになられた方に対しまして心からお悔やみを申し上げるとともに、被災者の皆様にもお見舞いを申し上げる次第でございます。
私も埼玉に住んでおりまして、本当に現場のハウス、施設園芸の皆様、さあ、今から、若手がこれから頑張ろう、そんなときにこの被害ということで、一日も早い再建を心からお祈りし、また、できる限りの支援をしてまいりたい、このように決意をさせていただいているところでございます。
それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
初めに、拉致問題対策の取り組みについて伺わせていただきます。
古屋国家公安委員長におかれましては、誰よりも真剣に拉致問題の解決に向け、不撓不屈の取り組みを進められてきたことに対しまして、心より敬意を表するものでございます。
まず、そこで、古屋委員長に、北朝鮮による拉致容疑事件等の捜査、調査の状況、並びに北朝鮮に関する情報収集・分析等の取り組み、所信で述べられましたけれども、その辺の状況につきましてお聞かせ願えますでしょうか。
○古屋国務大臣 まず冒頭に、お答えする前に、今委員から豪雪災害のことについての言及、私も、今、災害の本部長として、この対策徹底、そして、一日でも早く住民の皆さんが普通の生活に戻れるよう今全力を挙げて対応しておることを、まず冒頭に御報告を申し上げたいというふうに思います。
その上で、今御質問ありました北朝鮮の拉致容疑事案についての状況はどうなのかということですけれども、これまで警察は捜査をしてきまして、十三件十九名を北朝鮮による拉致容疑事案と判断をして、このうち八件については十一名の逮捕状の発付を得て、今、国際手配を行ってきているところでございます。
そのほかには、やはり拉致の可能性を排除できない事案がございます。これは、具体的には、私ども八百六十一件ということで数値を出しておりますが、昨年の春先に、私の指示で警察庁の中に特別指導班をつくりました。それは、こういった拉致事案は、基本的には各都道府県警が対応しておりますが、やはり警察庁がしっかりその把握をして、そして、警察庁の専門的な知識、ノウハウをしっかりその都道府県警察が対応してきたことで間違いないのかというようなことも含めて再検証していく。
そして、その流れの一環として、例えば、将来、行方不明者のものとする資料が出てきた場合に本人を特定するというために、DNA鑑定資料の採取を、家族の御同意をいただいた方々にはしているところでございまして、それが、現在で六百十三人の方は家族の方の同意をいただいております。
それから、ウエブサイトに掲載をしまして、御了解をいただいた方が約四百十五人いらっしゃいます。警察庁のウエブにも載せていいといって御了解をいただいたのが四百四人でございまして、基本的に統一フォーマットにして、どこから入っても一覧性があるようにというような、相当ウエブも工夫しまして対応しています。
これによって、数十年前の事案でも実は情報提供がございます。どういう事案でどういう情報提供があったのかは、これはちょっと個別事案に踏み込みますので、そのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、こういった取り組みを通じて、拉致問題の全面解決に向けてこれからも全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
この拉致問題におきましては、本当に、途絶えたままの政府間協議あるいは六カ国間協議、この再開のめどが立たないような状況でありますけれども、しかし、拉致被害者全員の即時帰国そして真相究明、そのための糸口をしっかりとつかむために全力を尽くしていただければと思います。
ここで、先日、国連人権理事会の国際調査委員会による、北朝鮮の人権侵害行為が人道に対する罪に当たると非難する最終報告が公表されました。この報告では、北朝鮮の日本人を含む外国人の拉致について、一部の特殊部隊の暴走行為ではなく、最高首脳レベルの命令に基づいた犯行と結論づけています。そして、拉致された被害者の所在地など全ての情報を家族と出身国に提供し、生存者は帰国させるべきと迫っております。
このように、国連が特定の国の蛮行について踏み込んだ内容を公表するのは異例であります。拉致被害者家族や脱北者ら数多くの証言によって、北朝鮮の最高首脳ぐるみの人権侵害をつまびらかにした意義は非常に大きいものがあると思います。今こそ、関係国や国連と連携を深め、国際圧力を高める役割を日本が積極的に果たさなければならないと考えます。
当面は、来月に開催予定の国連人権理事会で北朝鮮の人権状況の改善を求める決議が採択されるよう各国に働きかけを強めるべきだ、このように考えております。
そこで、政府の今回の報告書に対する見解並びに拉致問題に対する国際世論の喚起に向けての考えをお伺いいたします。
○柴山委員長 古屋委員長。
○古屋国務大臣 今、委員長から、古屋委員長という立場でございまして、これは委員長という立場より、むしろ拉致問題担当大臣としてお答えをすることになるんですけれども、そうしますと、本来なら拉致問題の特別委員会で答えることになるんですが、私はこの問題について何年にもわたって取り組んできていますので、ぜひこれは前例としないということで、私の方から、ほかならぬ先生からの御依頼でございますので、質問に答えさせていただきたいというふうに思います。
COI、いわゆる国連調査委員会がああいう形で報告書を出したというのは、本当に私は高く評価したいと思います。その背景には、まず、日本が数年前からこの取り組みを、政府を挙げて、あるいは議員連盟、あるいは我が党、あるいは御党も働きかけをしてきた、こういう成果なんですね。
昨年、カービー委員長を初めCOIのメンバーが来たときにも、総理にも会っていただきましたし、総理にも一時間近く会談をしていただいた。あるいは私も、昼食を挟んで、この拉致問題ということに対して相当詳細に訴えさせていただきました。
最終的に、いわゆる人権侵害という一般的なことではなくて、拉致問題と特化をしてああいう記述になったというのは、私は、恐らく極めて異例だと思います。かつ、やはり金正恩という指導者を名指しで批判している。これは、今委員がおっしゃるように、恐らく例がない、私はそう思います。極めて異例というふうに申し上げておきましょう。
そういうことでございますので、今後、この報告書をいかにフォローアップしていくかということですね。そのためにも、やはり日本が主体的にいろいろな取り組みをして、場合によってはアジアの地域にリエゾンオフィス等をつくって、そしてそのフォローアップをしていく必要があろうかと思います。引き続き、そういう取り組みにしっかり私らも取り組んでいきたいというふうに思っております。
それから、警察という立場でも、これは、こういう形で報告書が出たことは、私は、情報面での国際協力という視点からも極めて意義があるものだというふうに思っております。
最近の情報では、例えば、国連の人権保護機関のトップであるピレイ人権高等弁務官、この高等弁務官が非常に高い評価をしていますし、また、潘基文国連総長も同様に高い評価をしていただいています。一方では、北朝鮮と国交のある国々の中にも、こういう問題があるならば国交断絶をすべきだというようなことを主張している国も出ている。
要するに、世界各国、国連加盟各国がスクラムを組んで北朝鮮に対してそういう圧力をかけているということは、拉致問題解決に対しても大きな前進があるというふうに私は思っておりまして、引き続き、オール・ジャパンで、世界各国と連携をして、この拉致問題解決のために我が政府としても全力で取り組んでいきたいというふうに思っています。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
本当に今までの努力がこういう形で花開いて、またここから、まだまだここからがまた勝負、そんな思いでしっかりと、私も拉致議連の一員でございますので、しっかり取り組ませていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、核兵器廃絶への取り組みについてお伺いを申し上げます。
昨年の内閣委員会で、核兵器廃絶への取り組みについて質問をさせていただき、今ちょっといらっしゃらないんですけれども、菅官房長官より前向きな答弁をいただきました。
本日は、さらに一歩踏み込んで、国家の安全保障と国際平和協力の推進に関して質問をさせていただきたいと思います。
昨年の八月、シリアで化学兵器が使用され、多くの市民が犠牲になったことに対し、国際社会で強い非難が巻き起こりました。このシリアでの事件を受け、国連の安全保障理事会でも、シリアのいかなる主体も、化学兵器を使用、開発、生産、取得、貯蔵、保持もしくは移転してはならないと強く宣言をし、化学兵器を迅速に廃棄することを求める決議を採択いたしました。
化学兵器が現実に使用され、その非人道性が改めて浮き彫りになる中で、誰であろうとも保有も使用も許さないとの原則が安全保障理事会で厳格に示されました。ここで、化学兵器が現実に使用され、その非人道性が改めて浮き彫りになる中で、大量破壊兵器の最たる存在である核兵器に対して、同じ原則が適用されずにいるのはおかしいのではないでしょうか。
憲法の前文にも、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」とあります。核兵器はまさに全ての国民の生存を脅かす最大の脅威であり、国家としても、積極的、機動的に、さらに戦略的に、核兵器廃絶に取り組むべきと考えます。
そこで、核兵器廃絶については、今春、被爆地の広島で開催される核兵器を持たない十二カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ外相会合で、例えば核兵器を持たない国に核弾頭を向けることを禁止するなど、世界をリードする提案を行い、核兵器のない世界の構築に向けた取り組みを加速させることも大事かと思いますが、見解を伺います。
○岸副大臣 御質問にお答えいたしたいと思います。
今委員のおっしゃられた軍縮・不拡散イニシアチブ、いわゆるNPDIの外相会合でございますけれども、ことし四月十二日に広島で岸田大臣のリードのもとで行われる、こういう予定になっております。
おっしゃるとおり、核兵器の使用の悲惨さというものを最もよく知っております我が国、唯一の被爆国として、核兵器のない世界に向けて国際社会をリードしていくことは、まさに我が国の道義的な責務でもあるわけでございます。
この外相会合におきましては、NPDIのメンバー国の外相が集って核兵器のない世界に向けた政治的意思を発信する、大変いい、貴重な機会でございます。核兵器の非人道性に関する問題も含めまして、参加いたします外相と率直な意見交換、そして会合の直後に行われます、二〇一五年の核兵器不拡散条約、いわゆるNPTの運用検討会議に向けた最後の準備委員会に対するNPDIとしての有益な提案を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
また、被爆地広島におけます市民社会との交流も通じまして、参加各国に核兵器の影響とその実相を直接肌で感じていただく、そして、我が国の核兵器のない世界の実現に向けた思いを積極的に発信してまいりたい、こういうふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
化学兵器をはるかに超える、空間的にも時間的にも閉じ込めておくことができない、そういった核兵器の脅威の排除に向けて、唯一の被爆国としてさらなる取り組みをお願いしたい。
そこで、来年二〇一五年は、広島、長崎に原爆が投下され七十年の節目を迎える、そんな年でございます。この核兵器廃絶の取り組みをさらに加速するために、核兵器廃絶サミット、このようなものも開催をし、世界をリードする、日本の平和国家としてのイニシアチブを本当にしっかりとっていくべきだと考えますが、その点についての見解もお聞かせ願えますでしょうか。
○岸副大臣 まさに来年、被爆から、原爆投下から七十年、こういう節目の年でございます。この問題につきましては、まさに外務大臣、岸田大臣も、大変強い思い入れを持って取り組んでおられるわけでございます。
現在、この節目の年に当たって、広島におきまして、国連と広島市の協力のもとで、国連軍縮会議を開催することを今検討中でございます。
この意義でございますけれども、我が国の軍縮に対します積極的な姿勢を国の内外に示していきますとともに、軍縮に関します国際的な議論を活性化するという意味での国際貢献をみずから努めていく、こういう意義がございます。
また、日本の地方都市で開催することによりまして、軍縮に対します関心を国民に広く浸透させる、そして、意識の高揚を図るということにもつながる、こういうふうに考えております。
こうした取り組みを通じまして、我が国として引き続き国際的な核軍縮・不拡散の体制強化に貢献をしていきたい、こういうふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。ぜひ、また積極的な取り組みをよろしくお願い申し上げます。
それでは、続きまして、国家戦略特区の具体的な取り組みにつきまして質問をさせていただきます。
さきの国会で国家戦略特区法案が成立し、国家戦略特区諮問会議も立ち上がりました。世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備するため、三月の区域の指定に向け、スピード感を持って国家戦略特区の推進に向けて取り組みを進められると、所信を新藤大臣より伺いました。
そこで、まず、特区の指定において特に留意している点も含め、進捗状況についてお聞かせ願えますでしょうか。
○新藤国務大臣 これは、今御質問いただきましたように、きょう、これから特区諮問会議を開催いたします。そして、その中で、まず、特区としてどのようなテーマを選ぶべきなのか、それから、どのような区域設定をすべきなのか、こういう議論がきょうも行われます。
それから一方で、御提案いただいた自治体や企業からのヒアリング、こういったものも順次、さらにまた進めております。
そして、今後は各省に対してもヒアリングを行って、地域からの御提案に加えて、国としてそういった特区に参加できる事業があるか、こういったものも各省からのヒアリングを行って、その上で、国、そして地域、民間、これが一体となって新しい我が国の経済の扉を開く、そして世界から経済を引き込む、そして私たちが世界に出ていく、こういう新たな実験場として、また、経済成長戦略のいわばシンボル的なプロジェクトとしてのこの国家戦略特区、これを進めていきたい。
三月中に指定をしたいというのは、総理がそのようにお話をされておりますから、その線に沿って私たちも今作業しているということでございます。
○輿水委員 ありがとうございます。
昨年の審議の中で、ある部分でいうと、これはスタートであると。これからは、この国家戦略特区法というのは、現在のメニューで完成ではなくて、さらに必要なこと、また、やるべきことを随時追加しながら進化していく、そういったものであると私も理解をさせていただいているんです。
まさに今後、新しいメニューの追加や、新たな区域の指定の進め方というんですか、これがやはりここで終わるのではなく、さらにどういったものでどういったやり方でしていくのか、その辺をお聞かせ願いながら、国が全体としてこの国家戦略特区の法案を活用しながら新しいビジネスを生み出せるような機運を高めるべきと考えますが、その点についての考えをお聞かせ願えますでしょうか。
○新藤国務大臣 まず、世界一ビジネスのしやすい環境をつくる、このように申し上げておりますけれども、このビジネスという言葉をもう少し広義に捉えていただいて、仕事というふうに考えていただきたいと思うんです。
ですから、まずは先端的に、しかも準備の整っている、そういう集積地に指定される可能性というのはございます。でも、あわせて、それは日本経済を刺激する新たな成長戦略の引っ張り役、こういうふうになるんだとするならば、それは都市に限らない。地域においてもそういった取り組みができるところもあるということであります。
したがって、まず三月中に第一弾を指定しますが、その後にまた第二弾、第三弾、こういうものができるのではないか、このように考えておりますし、第一弾の成果を見ながら、さらに、そういうことであれば私たちも参画したい、こういう方たちも加わってくるのではないか、このように思っているわけであります。
それから、新たな規制というのは、今、場所もテーマも決まらない中で、規制緩和をできるものはないかと、これは極めて精力的なヒアリングの中で、各省との折衝において、今幾つかのメニューをつくりました。今後は、それに加えて、もっと追加で規制緩和の項目を必要なものは入れていこうではないかと。そして、総理は、今後二年間を集中改革期間として、岩盤規制と言われるものについては全てテーブルにのせて、自分のドリルから逃れることはできない、こういうことをダボスで発言されているわけであります。
ですから、私たちはそういうコンセプトにのっとって、最大の問題は、それは、規制緩和は目的ではない、ツールなんです、ですから、何をそこで達成するのか、どんな成果を受け取れるのか、それによって必要な規制はここを破っていこう、こういうふうにやっていかなくてはならないということでございまして、この特区というものを、国家戦略特区を起爆剤に使いたい。
そして、言わずもがなでございますけれども、これは全てを国家戦略特区に指定するものではありません。しかし、今現在で、総合特区制度もありますし、構造改革特区制度もあります。たくさんの御提案があります。特区でなくても規制緩和の項目として取り入れられるものもあるというふうに思っておりますから、せっかくいただいたものは、いろいろなメニューは受けとめて、それぞれに適宜使えるように展開をしていきたい、このように考えているわけであります。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
これはあくまでもツールであるという話の中で、本当に、全国的ないろいろな特区を進めるに当たって、自分たちもこういうことができる、ああいうことができる、提案も出てくると思うんですね。それをまたうまく受けとめて、それを活用できるような、そんな仕組みも明確にしていただきながら、この国家戦略特区が本当に日本の雇用を、また成長を大きく支える、そういった事業となるように期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
大変にありがとうございました。
○柴山委員長 次に、大熊利昭君。
○大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本年もよろしくお願いをいたします。
私の方も、国家戦略特区の関係から始めさせていただきます。通告は官房長官宛てなんですが、この後入られるということで、先に国家戦略特区について。
この法律は、昨年成立をいたしまして、私どもも、珍しくといいますか、賛成をさせていただいたところでございまして、非常に期待感を持って三月の指定に向けて待っているところなのではあるんですが、具体的に、指定の後、どういうふうに進められていくのかを、ちょっとケーススタディー的にぜひ大臣にお伺いしたいと思っています。
例えば、では、仮の仮の話、東京という地域、東京都ということになるんでしょうか、の指定ということになったとして、私のところの地元、上野公園の一帯地域について、地元はちょっと盛り上がりがございまして、というのは、もともと文化庁さんの方で進められていらっしゃる世界遺産への登録という、西洋美術館という建物があるんですが、ところが、なかなかこの世界遺産登録というのがいろいろ難しいということもあり、それでは、今回、国家戦略特区の法律が通ったということであれば、西洋美術館という単体の建物だけではなくて、上野公園一帯というのはいろいろな、西洋美術館もそうなんですが、博物館もあります。実は余り日が当たっていないんですが、私、下町生まれ下町育ちの者としては、江戸時代からの建造物がいろいろありまして、五重塔とか、それから寛永寺とか、江戸のものが本当にあるんですね。
そういうものは、行っていただくとおわかりになるんですけれども、明治以降の西洋的なものがどどんとメーンのところを占めていて、江戸のものというのが非常に虐げられたような場所にあって、こういうものをもう少し日を当ててもいいんじゃないかなということも思っていて、そういう中で、歴史的建造物の活用ということでの特区、非常に期待をしているわけなんですが、済みません、横道にそれてしまいまして。
では、東京というふうに指定があった場合に、さらに上野の地域という、さらに東京の中の一部ということになると思うんですが、東京という指定の中で、上野とか、どこどことか、そういうサブ指定ができて、それぞれで区域会議が立ち上がる、そんなようなイメージを持って、大体合っているのでしょうかということをまずお伺いしたいと思います。
○新藤国務大臣 私も、上野公園周辺にはたびたび出かけたことがあります。特に、寛永寺のお墓の奥の方に徳川の歴代将軍の立派なお墓があります。しかし、やはり、明治維新後はどういう扱いになっていたのかというのは想像ができます。(大熊委員「虐げられているんです」と呼ぶ)虐げられているとは言いませんが、それは秀吉の豊国廟も同じことでありまして、そういったことに光を当てるというのは、とても歴史的な価値のあるものを世界にアピールしていくことは重要だ、このように思います。
その上で、これは本当に仮であります。どこに決めるかは全く決めておりませんし、ましてや、委員の地元が決まるかどうかということは、さらにこれは不確定要素なわけでありますが、でも、いずれにしても、どこかの区域が決まったとすると、そこで国家戦略特区会議というものができます。今、全体の区域指定は諮問会議というもので決めていくわけですね。諮問会議で絞り込んだものを、全閣僚が参加をして閣議決定をして、国として決めます。
その上で、今度は、特区会議という特区ごとの会議ができていく。そこの構成員は、国家戦略特区の担当大臣とそして関係地方公共団体の長、それから内閣総理大臣が指定をした民間事業者、こういうことになります。ですから、関係する自治体の長の方々というのは、全部または一部が含まれる都道府県、市町村の長ということになりますから、その方々が構成員になることであります。
しかし、それが例えば県レベルやもしくは広域で決まったときには、数十の市町村、自治体になる可能性もありますね。そういった場合には、会議の運営に当たって、代表の選出であるとか、それは今後、運用上の工夫をしなくてはいけない、このように思っているわけであります。
それから、民間事業者につきましても、これは公募その他の方法により選定されるということでありまして、公正中立、透明な代表によって民間事業者の代表というものも決めることになる、このように思っています。
そして、戦略特区自体は、先ほど申し上げましたように、本日、諮問会議が行われますし、三月中に区域指定の第一弾を決めたい、こういうことで鋭意作業中ということでありまして、まずはできるだけ多くの方に参加をしてもらう、それから、特区が決まった、そこから、それならば自分も参加する、そういう人も募らなければ、最初に提案した方だけで終わってしまっては広がりに欠けるのではないか、そういうふうに、フレキシブルに、そして発展性を持った仕事にしたい、このように考えているわけであります。
○大熊委員 ありがとうございました。
済みません、一点だけ。自治体の長という場合に、東京の場合、東京都知事になるのかなというふうに伺っていたんですが、それに加えて特別区の区長というのも入るのか入らないのか、そこだけ一点、ちょっと御確認をいただければと思います。
○新藤国務大臣 これは都道府県及び市区町村の長でございます。
○大熊委員 ありがとうございました。入り得る、そういう理解をさせていただきました。ぜひ、三月以降の展開に期待をさせていただきたいというふうに思います。
それでは、次に移らせていただきます。
森大臣にお伺いいたします。所信の中で、働き方の改革、そういうお話がございました。まず、働き方の改革、これは一体どういうものなのか、教えていただければと思います。
○森国務大臣 働き方の改革は、長時間労働の抑制など、女性の就業継続はもとより、男女がともに仕事と育児を両立できる環境を念頭に置いております。私も海外にいた経験があるんですが、やはり、戻ってきますと、日本はそういう意味では働きにくい環境にございます。
現に、内閣府のアンケートでも、女性が妊娠、出産を機に退職する理由として、就業時間が長い、勤務時間が不規則が多く上げられておりますし、二〇一三年の週の労働時間六十時間以上の雇用者の割合は八・八%と、長期的には低下しているものの、依然として高い状況にございます。
○大熊委員 いろいろな改革があるんでしょうが、その大きな一つの要素として長時間労働というお話でありまして、私もそうだというふうに思うわけでございます。
というのは、議員になる前、サラリーマンをやっておったんです。自分の会社もちょっとやっておったんですが、いろいろなタイプの組織で働いてまいりました。霞が関にも一年ちょっと出向していたりして、最初、大学を出て丸紅という商社だったんですね、普通の日本の会社ですね。あるいは、アメリカの銀行というのも働いておりました。あと、未上場のオーナー会社なんかにもおりました。
私なりに比較をいたしますと、確かに、役所というのはやはり、上司が帰っていないと部下の人は帰りづらい、非常にそういう雰囲気がございます。皆さんもそうかなというふうに、大臣が帰っていないのに絶対にこれは下の者は帰れない、こういうカルチャーといいますか、あると思うんですね。
一般の日本の上場会社、丸紅なんか、やはりそれと全く同じような雰囲気がございます。課長が帰っていないと絶対に帰れないという中で、私だけ一人で帰って、非常に異端児扱いをされたというのがあります。
もう一つは、アメリカの会社がいいとは言えないんですが、アメリカの企業の場合は、若干あるいは大分そういったところのカルチャーがなくて、上司が残っていても、自分のジョブが終わったら、失礼しますということで帰るというカルチャーがあって、これは何ゆえそうなのかなと。
いろいろな要素があるとは思うんですね。アメリカの会社の場合は、それぞれの人の、公務員改革の表現じゃないですが、ジョブディスクリプション、これが明確になっていまして、これをやれ、あるいはこの目標だということがはっきりしているということで、それが終わったら、上司が残ってやっていても、上司は上司の仕事で、彼のジョブディスクリプションが達成できていないんだったらそれは上の人が悪い、自分のは終わった、帰る、これはもうはっきりしている、こういうところがあるんじゃないかと思うんです。
この辺、日本の企業やあるいは霞が関、どういうふうにやってその改革を、そういうカルチャーを変えていけばいいのか。一つの切り口としてはジョブディスクリプションだと思うんですけれども、今回の公務員法に入っていないんですけれども、その点、どうでしょうか。ざっとでも構わないですが、大臣の御感想、御意見としては。
○森国務大臣 私、特に子育て期に当たる三十代の男性が長時間労働が長いというところ、少子化対策という点でも問題視をしておりまして、これはやはり、委員の御指摘のとおり、直近の上司の自分に対する評価をどのように受けとめているかということによっていると思います。
今年度の内閣府の調査によれば、労働時間が長い正社員ほど、上司は残業している人を肯定的に評価している、頑張っているなとか、責任感が強いなというふうに評価をしているというふうに回答をしています。
このことから、長時間労働の抑制には、評価の仕方、短時間で質の高い仕事をした者を評価する仕組みを職場で構築し、そのように管理職が意識を変えていくことが必要だと思っています。
このため、私のもとで、二十六年度新規で予算を組ませていただいたのは、企業の経営者や管理職の意識改革を促し、評価のあり方について手法を共有するためのセミナーの開催ということで、育ボス研修と私は呼んでおりますけれども、ボスの意識を変えていくという取り組みを始めました。
また、働き方、休み方の見直しを行う労使ともに対するコンサルタントによる助言等の実施、労働政策審議会における、ワーク・ライフ・バランスや労働生産性向上の観点からの労働時間法制の見直しの検討等に継続して取り組んでいるところでございます。
これらの取り組みを通じて、労使とも連携し、長時間労働の抑制など、働き方の改革にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○大熊委員 私も、今大臣がお話しになったところ、およそ、なるほど、そうだなというふうに思います。なかなかこのカルチャーの転換というのは難しいとは思うんですけれども、何とか、先ほど、私の考えですと、ジョブディスクリプションのようなものを達成したら帰るんだということを意識づける、そういう制度の方からの応援といいますか、そういったものが必要なのではないかなというふうに思ったり、あるいは、本当に、ボスの意識改革、これをやらないと下の人は絶対無理ですから、そういうふうに思います。ちなみに、私の事務所で、私よりとにかく先に帰れ、こういうことを本日現在も実践しているわけでございます。
引き続き、どうぞよろしくお願いをいたします。
官房長官いらっしゃったので、ぜひ、ちょっと戻りまして、お伺いしたいと思うんです。
一番目に通告させていただいている、補正予算五・五兆に対する経済効果はどのぐらいですかという、これは実は、二月三日の予算委員会でお話し申し上げて、官房長官じゃなくて麻生大臣の方が答弁されて、これは財務省の試算じゃありません、内閣府の試算です、財務省に聞かれても困りますからという、そういう前提つきでお話しいただいたということで、その後、内閣府さんの方に、では計算根拠をお願いしますというふうに、二月三日でしたか四日でしたか、申し上げたところ、なかなかいただけないということなので、きょうこの場で細かい話はお伺いしませんが、ぜひ、私どももこれを検証させていただきたいので、特段、別に特定秘密とかそういうことではないと思うので、御協力をお願いできないか。
具体的には、恐らく産業連関表というものを使って計算なさっているんじゃないかと思うんですが、この辺を、三百とか四百とか業種ごとの表になっているもの、通常、多分エクセルのようなもので計算されていると思うので、それをぜひ頂戴できないか。
私どもの方でも、もう一回計算をし直してみて、というのは、民間の試算が半分ぐらいなんですね。政府の試算が五兆で、民間の試算が二・五兆というので、これは二割ぐらいの幅で違うならともかく、倍違うというのはちょっと何か変だな、しかも、二週間も三週間も出せないというのは何か変だなというふうに余計に思っちゃうわけでございます。別に変なことはないんだと思うので、ぜひこの点お願いしたいんですが、いかがでございましょうか。
○菅国務大臣 内閣府もしっかりした根拠の上に計算をしてその数字を出しているというふうに思っていますので、出せるものについてはしっかり出させていただきたい。
○大熊委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
続きまして、もう一問、所信の中でおっしゃられたものの一部でございますが、これも、昨年もこの場でもお伺いしたんですが、サイバー攻撃に対する危機管理対応でございます。
と申しますのは、やはり、霞が関全体でサーバーのバックアップが物理的なものがないというのが本日現在なっているわけでございまして、これは、万が一のことがありますと、防衛省におきましては防衛機密が全部吹っ飛んでなくなってしまうということにも、確率は小さいわけでございますが、起こったときには大変なことになるわけでございます。
これは、私ども、よく予算を小さくするというようなことを言っている政党なんですが、ここの部分についてはしっかりと予算を、本年度は無理だと思うんですが、つけていただき、サーバーのバックアップを全省庁持たれた方が、万が一のこういうときに、これは物すごい回数攻撃されているようでございますので、いいのではないかなと思うのですが、この点、一言、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 ここについては、私どもも問題意識を持っておりまして、そういう中で、現在については、二十一の本府省の中で十一の府省庁において遠隔地にバックアップセンターを設置している状況です。一番遠いところが沖縄であります。
さらに、二十六年度の予算で、遠隔地へのバックアップセンターの新規の設置状況でありますけれども、これについては、四機関が遠隔地へのバックアップセンターの設置を予定しているところであります。それで十五になるわけでありますから、できれば二十六年度中に全部の府省庁、ここはしっかり対応したいというふうに思います。
○大熊委員 ぜひそうすべきだと思います。
特に、市谷の防衛省はまだないわけでございまして、ぜひ、防衛機密が全部入っているわけでございますので、私が言うのもなんでございますが、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思うわけでございます。
残りの時間を、行政改革、公務員改革の方に移らせていただきます。
まず、独法のスリム化というのは意外と最近言われなくなっていると思うんですが、今回、独法通則法の改正というのが出てくると思うので、この部分について、どのように取り組まれるのか、一言お願いしたいと思います。
○稲田国務大臣 独立行政法人改革ですけれども、これは、民主党政権下では、独法をそもそも廃止して、それを特殊法人、行政法人などに見直すという方針でありましたが、政権交代、第二次安倍内閣のもとでは、独法制度本来の趣旨にのっとって、政策実施機能の向上と官のスリム化のための抜本的な改革を行うという基本方針を昨年の末に閣議決定したところでございます。
官のスリム化という観点から、まず組織面については、政策実施機能の向上と業務の効率化と質の向上という観点から、法人の統廃合、存続の必要のない法人は廃止をし、法人の内部の組織のスリム化、役職員の非公務員化などにより、組織の整理合理化を推進いたします。
また、個々の法人の事務、業務という面におきましては、民でできることは民でという原則を踏まえ、官民の役割分担を明確化して、民間の委託を推進いたします。また、共同調達の実施や業務の共同実施を行うことといたしております。
さらに、複数の法人間で事業実施の連携を強化することなどによって、業務のスリム化、効率化を図るなど、きめ細やかに見直すことといたしております。
さらに、事務事業の見直しとあわせて、役職員数の削減、関係会社の削減なども実施をすることといたしております。
これらの見直しについて各法人において着実に取り組むことによって、法人の政策実施機能を向上させつつ行政のスリム化を図ってまいりたいと思っております。
○大熊委員 ありがとうございました。
至極もっともなお話なんですが、一点、今、私ども、党の方で、独法全部見直しということで勉強をしているところなんですが、数字の方、バランスシート、お金の方を見ますと、例えば、ある独法は、譲渡性預金というのを二千数百億持っておりまして、年間のキャッシュフローステートメントを見ると、五兆円、有価証券を買って売っていると書いてあるんですね。要するに、二千数百億を二週間に一遍買ったり売ったり買ったり売ったり、二十五回ぐらいやっていて、二千億掛ける二十五で五兆円売ったり買ったり、要するにお金が余っているんですね。
今、人員のことをおっしゃられましたが、お金の面では、先ほどから議論があったように国単体はなかなかもちろん厳しいんですが、独法は結構、余資の運用、お金が余っているところがそれなりにありまして、その辺、数字的なところ、これは私どももきっちり見ていきたいと思うんですが、大臣の方でもぜひよろしくお願いできないかと思うんですが、ちょっと一言お願いします。
○稲田国務大臣 今委員御指摘の独法について、どこであるのかということもまた御指摘をいただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、事業そして事務の見直し等もきちんと進めてまいりたいと思っております。
○大熊委員 私どもも、全部見直して、数字的なところをまた機会がありましたら示させていただきたいというふうに思います。
時間が余りないので、個別の公務員制度のお話をちょっと最後にやらせていただきたいと思うんです。
今回の政府案は、私どもの法案とも違っているわけなんですが、五年前のいわゆる甘利法案とも違って、国家戦略スタッフについて、国家戦略スタッフじゃなくて既存の補佐官のままなんですね。公務員改革基本法では国家戦略スタッフと書いてあるにもかかわらず、国家戦略スタッフがなくなっちゃっているんですね。五年前の甘利法案、麻生内閣のときの甘利大臣のもとでの自公政権のときの法案は、国家戦略スタッフと書いてあるんですね。今回、なくなっちゃっているわけです。
それがなくなっているということは、全くこれは違いがないわけじゃないので、どの点が機能縮小できなくなったということなのか、それとも、いやいや、変わっていないんです、名前だけ単に補佐官のままにしただけであって、五年前の甘利法と違いはないんですということなのか、それはどっちなんでしょうか。
そこをちょっと明確に教えていただければと思います。
○稲田国務大臣 改革基本法における国家戦略スタッフは、あくまで内閣総理大臣を補佐する職の略称として用いられているものというふうに考えております。
今回の法案において、基本法の略称である国家戦略スタッフという呼称にかえて補佐官という呼称を使っているわけですけれども、基本法との関係で変わるということではないというふうに考えております。
○大熊委員 私がお尋ねしているのは、基本法との関係じゃなくて、五年前の甘利法との関係でどうかとお尋ねしているんです。
○稲田国務大臣 原則的に変わるところはないと考えております。
○大熊委員 この原則的にというのがひっかかるんですが、変わるところはあるんでしょうか。
というのは、五年前の甘利法は何で補佐官のままじゃなくて国家戦略スタッフと書いたか。これは五年前の政府の逐条でも書いてあるんですが、違いがあるから国家戦略スタッフというふうにしたんですが、違いがあるんですよね、それとも、名前だけ補佐官のままで違いはないのか。この点、もうちょっと明確にお願いしたいんです。
○稲田国務大臣 違いはありません。
○大熊委員 そうしますと、今度は五年前の政府の解釈が違っちゃうということになるんですね。なぜならば、五年前は、違いはあるから補佐官のままじゃなくて国家戦略スタッフにしたんです。
例えば、私の記憶が正しければ、今回の法整備では内閣総理大臣補佐官のようなハイレベルのポストを多数整備することは予定していないとか、むしろ、国家戦略スタッフのチームにより総理の補佐やその前提となる調査研究等を行うことを可能とするものであると。このことから、補佐官の増員ではなく、国家戦略スタッフを創設し、内閣総理大臣補佐官はこれに統合するというのが五年前の政府の逐条、これは私が申し上げているわけじゃなくて、政府の逐条なんですね。
違わないと大臣は答弁されているけれども、違うからこういうふうになっているわけで、どちらが正しいか。では、五年前の政府の逐条は間違いであった、こういうことになるんでしょうか。
○稲田国務大臣 平成二十一年法案の逐条解説で御指摘のような指摘があるということは、今回の法案の検討当初から承知をしているところでございます。
平成二十一年法案においては、課長級から事務次官級まで処遇に幅を持たせ、複数のスタッフによるチームで活動することも想定していて、定数は柔軟かつ機動的にその数を定められるよう政令で定めるということにしておりました。
今回の法案については、現に内閣総理大臣補佐官の仕組みが活用されていること、行政の肥大化防止やいわゆる政治任用の濫用をめぐりさまざまな議論があるということを踏まえて、平成二十一年法案から今回のような規定にしたところでございます。
今回の法案では、国家戦略スタッフたる内閣総理大臣補佐官については、総理を直接補佐する事務次官級の個人スタッフとして措置し、定数についても法定し、国会が関与するとしたところでございます。
なお、内閣総理大臣補佐官を総理を補佐する体制の中核として、内閣官房の一般職に命じて補佐官をサポートさせること、また、予算や定員の範囲内で民間人等の必要なサポートのための人材を任用することなど、弾力的な運用が可能と考えており、今、基本的には差異はないというふうに考えております。
○大熊委員 ちょっと時間がないので言ってしまいます。
今大臣、総理を個人で支えるとおっしゃいましたね。それが補佐官なんですよ。さっき私がお話しした国家戦略スタッフの方は、チームで支えることが可能なんです。それが大きな違いで、今回の政府案はそれができなくなっちゃっているんです、簡単に言うと。
NSCの審議のときに、長官には通告申し上げていないんですが、お答えいただかなくて結構なんですけれども、たしか、時の内閣がいろいろ柔軟的に対応できるような制度が望ましいというお話があったと思うんですね。それからすると、この補佐官のままでいくというのは柔軟性をかなり縮めちゃっている。つまり、組織で活動できなくなっている制度なんです。霞が関からすると、この国家戦略スタッフというのは非常に困る制度でして、困るんですよ、ラインからすると。余計なチームが、要するにセカンドオピニオンをやるチームができますから。こういう機能をなるべく縮小させていきたいという力が今回物すごく働いてしまったなというふうに思わざるを得ないんですね。
もう一回申し上げますが、昨年のNSCの審議なんかでも、長官は、内閣府にとって、総理がいろいろ選択肢が多い、柔軟的に対応できる、そういう制度が望ましい、そういうお話があったと思うんですが、この補佐官のままですと、チームをつくって総理を支えるということが法制上できない。それが今回の政府案、そこまで、そういうふうに大臣が認識されていらっしゃるかわかりませんが、だからこそ、五年前の逐条ではこのように書いてある。
要するに、五年前のときになぜ、五年前だって補佐官という制度は活用されていたわけで、その説明だと説明になっていないわけなんですが、何で補佐官をやめ、国家戦略スタッフというふうな書きぶりに変えるかというと、やはりチームで支える、それから人数的にも相応の人数、多くする、そういうことが政策的に想定をされていたからなんですね。それを引き継ぐとなると、人数的にも余り多くできない、チームでも支えられない、そういうことになってしまいます。
いろいろ、今回の制度の機能が限定、すごく小さくなっちゃったというのがほかもあるんですが、ちょっと時間となりまして、ぜひこれは、内閣にとってもこの機能が大きい方がいいわけで、霞が関は絶対反対ですから。これは機能が大きい方がよりいいので、ちょっと今回は間に合わないのかもしれませんが、引き続きお考えになっていただいた方がいいのかなと思いまして、時間となりましたので、終了させていただきます。
ありがとうございました。
○柴山委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。
――――◇―――――
○柴山委員長 次に、第百八十五回国会、内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案並びに第百八十五回国会、渡辺喜美君外三名提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案、第百八十五回国会、渡辺喜美君外五名提出、幹部国家公務員法案、第百八十五回国会、津村啓介君外四名提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案、国家公務員の労働関係に関する法律案及び公務員庁設置法案の各案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
各案につきましては、第百八十五回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
国家公務員法等の一部を改正する法律案(第百八十五回国会、内閣提出)
国家公務員法等の一部を改正する法律案(第百八十五回国会、渡辺喜美君外三名提出)
幹部国家公務員法案
国家公務員法等の一部を改正する法律案(第百八十五回国会、津村啓介君外四名提出)
国家公務員の労働関係に関する法律案
公務員庁設置法案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○柴山委員長 この際、第百八十五回国会、内閣提出、国家公務員法等の一部を改正する法律案に対し、西川公也君外七名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の共同提案による修正案が提出されております。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。近藤洋介君。
―――――――――――――
国家公務員法等の一部を改正する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○近藤(洋)委員 ただいま議題となりました国家公務員法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
第一に、国家公務員法等の一部を改正する法律案の附則に検討条項を加えることとし、政府は、平成二十八年度までに、公務の運営の状況、国家公務員の再任用制度の活用の状況、民間企業における高年齢者の安定した雇用を確保するための措置の実施の状況その他の事情を勘案し、人事院が国会及び内閣に平成二十三年九月三十日に申し出た意見を踏まえつつ、国家公務員の定年の段階的な引き上げ、国家公務員の再任用制度の活用の拡大その他の雇用と年金の接続のための措置を講ずることについて検討するものとすることとしております。
第二に、その他所要の規定を整理することとしております。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○柴山委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時五十五分散会