衆議院

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第15号 平成26年4月23日(水曜日)

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平成二十六年四月二十三日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 柴山 昌彦君

   理事 関  芳弘君 理事 平  将明君

   理事 橘 慶一郎君 理事 西川 公也君

   理事 平井たくや君 理事 近藤 洋介君

   理事 松田  学君 理事 高木美智代君

      青山 周平君    秋葉 賢也君

      大岡 敏孝君    鬼木  誠君

      勝俣 孝明君    川田  隆君

      小松  裕君    新谷 正義君

      田所 嘉徳君    田中 英之君

      高木 宏壽君    豊田真由子君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      長島 忠美君    福山  守君

      山田 美樹君    吉川  赳君

      大島  敦君    黄川田 徹君

      後藤 祐一君    篠原  孝君

      若井 康彦君    今村 洋史君

      浦野 靖人君    杉田 水脈君

      田沼 隆志君    中丸  啓君

      西岡  新君    輿水 恵一君

      浜地 雅一君    大熊 利昭君

      赤嶺 政賢君    村上 史好君

    …………………………………

   議員           衛藤征士郎君

   議員           務台 俊介君

   議員           安住  淳君

   議員           藤井 孝男君

   議員           漆原 良夫君

   議員           柿沢 未途君

   議員           鈴木 克昌君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   国務大臣         山本 一太君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   甘利  明君

   国務大臣

   (行政改革担当)     稲田 朋美君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   農林水産副大臣      吉川 貴盛君

   内閣府大臣政務官     小泉進次郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  由木 文彦君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山崎 和之君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  武藤 義哉君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北崎 秀一君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  佐々木裕介君

   政府参考人

   (内閣官房行政改革推進本部事務局長)       宮島 守男君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房長)   幸田 徳之君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房原子力災害対策担当室長)

   (原子力規制庁放射線防護対策部長)        黒木 慶英君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 佐々木克樹君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   倉持 隆雄君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   武川 光夫君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            池田 唯一君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 萩本  修君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 杵渕 正巳君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          小川 秀樹君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 長谷川浩一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           山脇 良雄君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房技術総括審議官)       三浦 公嗣君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           神田 裕二君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    蒲原 基道君

   内閣委員会専門員     室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  津村 啓介君     篠原  孝君

  若井 康彦君     黄川田 徹君

  遠藤  敬君     田沼 隆志君

  杉田 水脈君     今村 洋史君

  山之内 毅君     西岡  新君

同日

 辞任         補欠選任

  黄川田 徹君     若井 康彦君

  篠原  孝君     津村 啓介君

  今村 洋史君     杉田 水脈君

  田沼 隆志君     浦野 靖人君

  西岡  新君     山之内 毅君

同日

 辞任         補欠選任

  浦野 靖人君     遠藤  敬君

    ―――――――――――――

四月二十二日

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律案(内閣提出第七七号)

 独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第七八号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(衛藤征士郎君外九名提出、衆法第九号)

 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)(参議院送付)

 内閣の重要政策に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

柴山委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官由木文彦君、内閣官房内閣審議官山崎和之君、内閣官房内閣審議官武藤義哉君、内閣官房内閣審議官北崎秀一君、内閣官房内閣参事官佐々木裕介君、内閣官房行政改革推進本部事務局長宮島守男君、内閣府大臣官房長幸田徳之君、内閣府大臣官房原子力災害対策担当室長・原子力規制庁放射線防護対策部長黒木慶英君、内閣府大臣官房審議官佐々木克樹君、内閣府政策統括官倉持隆雄君、内閣府政策統括官武川光夫君、金融庁総務企画局審議官池田唯一君、法務省大臣官房審議官萩本修君、法務省大臣官房審議官杵渕正巳君、法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君、外務省大臣官房審議官長谷川浩一君、外務省大臣官房参事官山田滝雄君、文部科学省大臣官房審議官山脇良雄君、厚生労働省大臣官房技術総括審議官三浦公嗣君、厚生労働省大臣官房審議官神田裕二君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長蒲原基道君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

柴山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、三点にわたる質問となっております。端的に時間を使っていきたいと思います。

 最初に、日本軍慰安婦問題について、オランダ人を慰安婦として強制連行した事件、いわゆるバタビア裁判について法務省と外務省に質問をいたします。

 一九九三年八月四日の慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官談話、いわゆる河野談話が発表されたときに、当時の内閣官房内閣外政審議室は、調査の結果、発見された資料の一覧表を発表しております。この中には、軍関係者がオランダ人女性を強制連行して慰安婦として裁かれた、「バタビア臨時軍法会議の記録」という法務省関係の資料が含まれております。

 法務省に聞きますが、この「バタビア臨時軍法会議の記録」は公式文書ですか。

小川政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘いただきました記録につきましては、記録中の決定書を含めまして、その取得または作成の経緯などに関する当時の資料が確認されていないなど、当時の状況が明らかでないため、お答えすることは困難でございます。

赤嶺委員 当時、法務省の出した文書の中にも、当該裁判国から公式に入手したものではないという文書がついておりましたが、外務省に今度は聞きます。

 オランダ人女性を旧日本軍人らが強制連行して慰安婦とした事件は、一九九二年七月にマスコミによって大々的に報道されました。最近、情報公開が行われましたが、平成四年七月二十三日、西欧第一課作成の対外応答要領が情報公開をされておりますが、この事件を裁いた「バタビア臨時軍法会議の記録」について、「ハーグ公文書館保存の裁判記録については、我が方在蘭大使館を通じて入手する予定」と記されております。

 外務省は、この裁判記録をオランダの公文書館から入手したのですか。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の裁判に関する文書は、在オランダ大使館を通じて入手したとの記録が残されております。

赤嶺委員 入手したとの記録が残されています。

 同じく最近の情報公開で入手した、一九九二年、平成四年七月二十八日という日付のある西欧第一課が作成した「オランダ人従軍慰安婦問題」という文書に、「入手した」このように書かれております。

 入手したとすれば、内閣官房に提出したのですか。

長谷川政府参考人 お答えいたします。

 外務省において調査をしましたところ、当該文書ないしその写しを引き渡したかどうかは確認できておりません。

 ただし、同文書についての外務省の考え方を当時の内閣外政審議室へ伝えることとする旨の決裁書が保存されておりますので、何らかの形で、本件について、外務省から内閣外政審議室へ情報提供がなされているものと考えております。

赤嶺委員 内閣外政審議室には、何らかの形で情報提供がされたと。

 法務省の資料には、原資料との同一性が確認されたものではないというただし書きがありました。政府は原資料そのものを入手していたことになります。

 河野談話までに発見した資料は、河野談話発表時に、一覧表の目録にして公表してきました。このバタビア裁判記録の原資料そのものは、発見した資料の一覧表にあるのですか。

佐々木(裕)政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど外務省より、当時入手した記録がある旨及び何らかの形で内閣官房外政審議室に情報提供があったと考えられる旨答弁がございましたオランダ公文書館保存のバタビア軍事裁判の記録につきまして、当時の内閣官房外政審議室が入手したということは確認されておりません。

 ただし、当時の政府の包括的調査におきまして、法務省より、当時法務省で保管しておりましたバタビア軍事裁判の関係資料を調査した結果及び慰安婦問題に関連した同裁判の事件の判決等に係る結果の報告を受けており、その旨、文書一覧に載せているところでございます。

赤嶺委員 文書一覧には、留保条件がついた法務省のバタビア裁判の記録が載っていると。今、外務省からは受け取っていないという認識なんですか。何で載せなかったんですか。

佐々木(裕)政府参考人 お答え申し上げます。

 当時、何らかの形で情報提供を受けた旨が考えられますけれども、当時の外政審議室が入手したということは、原資料として確認はできておりません。

 ただし、同様の事案に係る調査につきましては、法務省から別途資料提供があった旨お答えしたとおりでございます。

赤嶺委員 繰り返しているように、法務省の資料は留保条件がついているんです。外務省は原資料を入手していたわけです。当時、何でそれが発表されていないのか、法務省の分しか発表されていないのか。

 そうすると、外務省は、この原資料を保管しているのですか。

長谷川政府参考人 お答えいたします。

 これまでのところ、当該文書が保存されているかどうかについては確認できておりません。

 一方、当該文書は、本件裁判の判決文等であると推察されます。また、同裁判の内容については、報道その他も含めて広く紹介されているところでございます。

赤嶺委員 外務省に原資料はまだ確認されていないと。

 今回、公文書館の情報公開請求で得たものですが、バタビア裁判記録により、軍及び軍関係者による慰安婦の強制連行があったということは、河野談話発表時にも既に明確であったわけです。

 ただ、政府がこの裁判の公文書も入手していたことが今回初めて明らかになったわけであります。ところが、その原資料は、河野談話時に発表された政府発見資料一覧にないし、その所在さえ今のところわからない、行方不明になっている。これはとんでもないことだと思うんですよね。

 外務省には、この原資料及び関係資料の提出を求めたいと思います。その上で、情報公開で明らかになっているほかの文書も含めて、次の機会にさらに議論をしていきたい、このように思っています。

 次に、NSCと閣議の記録の公表の問題について官房長官に伺います。

 NSCの議事録について、官房長官は、昨年十一月二十二日の参議院国家安全保障特で、このように答弁されておられます。「近年、米国のこのNSCについては、会議の結論について簡潔にまとめた文書が作成をされ、事後、これが公開されることもありますけれども、詳細な議事録は作成されていないというふうに承知をいたしております。」こう答弁されております。

 ところで、私が国会図書館に調査を依頼しましたところ、国会図書館の調査結果は非常に明快で、米国のNSCの議事録は作成されるということでありました。その証拠に、公開されているNSCの議事録を資料としていただいております。それは、一九七四年八月十日のNSCの会議の記録で、菅官房長官が答弁されたように、そこには結論について簡潔にまとめた文書もありますが、その後に、発言者名が記載された詳細な議事録がついております。

 アメリカは、NSCの議事録を作成しているのではありませんか。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘がございました文書でございますけれども、一九六〇年代や七〇年代の米政権のNSCの議事録と思われる文書が発見されていることは承知しており、政府としてもそのコピーは入手はしております。

 一方で、ただいま御指摘ございましたように、昨年十一月に官房長官から答弁をされておりますけれども、米国の現政権の方針は官房長官が昨年十一月に答弁されたとおりであるという米国からの確認を昨年受けておりますので、現在の米国政府の方針は、これまで答弁させていただいたとおりであるというふうに考えております。

赤嶺委員 国会図書館の調査でも、いろいろ議事録は作成されているというお話が出ている。

 官房長官は参議院で、あのときはケネディの大統領時代の議事録が参議院で示されたと思うんですよね。私が示しているのはフォード大統領のもので、それぞれ皆さんも手に入れているということでありますが、長い間議事録は作成されていた。しかし、問い合わせたら、今作成されていない。

 アメリカが長期にわたって作成されていたことははっきりしています。皆さんも確認いたしました。それでは、官房長官、いつ、どういった事情で作成をしないことになったのか、これはさらに詳細な説明が必要だと思いますが、もう一度、そういう世の中に広がっている議事録も含めて、いつ、どのような意味で作成されなくなったのか、あるいは作成しているのか、問い合わせる必要があると思いますが、いかがですか。

菅国務大臣 今政府委員から答弁をいたしましたけれども、昨年十一月に米国の現政権の担当者に直接確認した上で、私はそのように述べたものであります。

 過去の政権を含めて、米国NSCがどのような形に基づいてどのような文書を作成したかについては、米国独自の政治行政の制度、また、時代背景等に基づき、独自に判断されているものだというふうに理解しておりますので、我が国としては論評する立場にはないということをまず申し上げたいというふうに思います。

 米国の現政権のNSCの記録に関する方針は、会議の結論について簡潔にまとめた文書が作成され、事後にこれが公開されることもあり得るが、詳細な議事録は作成しない、このようなことであります。

 過去の米政権の方針について、日本の政府の立場としてコメントすべきじゃないと思いますし、また、そのことについて調査する考えもないというふうにお答えしたいと思います。

赤嶺委員 大変納得のいかない答弁であります。

 日本政府は、常々、アメリカを同盟国と呼び、そして情報を共有するために日本もNSCが必要だと強調してまいりました。そのアメリカのNSCのいろいろな判断について、何か判断のプロセスに入っていこうということではなくて、外形的に詳細な議事録が出ているわけですから、それが、いや、日本は知らないよということではなくて、国民に説明責任を果たすということは、念のためにもう一度確認してみる、こういう答弁が官房長官に必要だと思いますが、時間がありませんので、そういうことを申し上げておきたいと思います。

 山本大臣に伺います。

 この間、内閣委員会において、科学技術政策のあり方に密接に関連する法案が相次いで審議されました。参考人質疑等も行われて、特に京都大学の山中教授からは、イノベーションを生む研究環境整備についてこのようなお話を聞くことができました。一つの答えは、やはり研究支援の人をもっと充実させる、研究者は研究に専念できる、それが非常に大切だと考えている、特にボトムアップ型の方は芸術と言っていい、真っ白なところから、ほかの人が考えつかないことを初めてやるという作業、このようにおっしゃっております。科学の最先端を切り開いてこられた方の言葉として大変印象深く聞きました。

 指摘されているように、ボトムアップ型の研究は重要だと思いますが、大臣のお考えはいかがですか。

山本国務大臣 今委員がおっしゃったのは基礎研究のことだと思いますが、このボトムアップ型基礎研究は、人類の新たな知の資産を創出するとともに、世界共通の課題を克服するための鍵となるものと思っておりまして、独創的で多様な基礎研究の推進、これは世界で最もイノベーションに適した国づくりに不可欠だというふうに考えております。

 このため、科学技術イノベーション総合戦略で、イノベーションの担い手の活躍の場となる大学、研究機関において、独創的で多様な世界トップレベルの基礎研究の推進を国として一層強化するということが必要だというふうに書いてあります。基礎研究の推進を図るべきだという意図でございます。

 今後とも、中長期的視野から、すぐれた基礎研究の推進を科学技術担当大臣としてしっかり進めてまいりたいと思います。

赤嶺委員 基礎研究を一層強化するというお答えをいただきました。

 そこで、基礎研究の役割を担っている科研費、この問題について文科省に伺いますが、実は、山本大臣の意気込みとは逆方向を向いておりまして、この科研費は、予算ベースでも助成額のベースでも減少しております。助成額のベースでは、二千三百十八億円、これは二〇一三年度ですね。そして、二千三百五億円、二〇一四年度に十三億円も減少しております。

 文科省から資料をいただきました。一九九六年度から今年度まで、十九年間の科研費の推移が示されておりますが、一九九六年度から今年度までで実質的に科研費が減少したのは今年度が初めてではありませんか。

柴山委員長 文部科学省山脇大臣官房審議官、質疑時間が終了しておりますので、端的に御答弁ください。

山脇政府参考人 御指摘の科学研究費助成事業の助成額につきましては、平成二十六年度、二千三百五億円となっておりまして、実質的には前年度とほぼ同額とはなっておりますが、委員御指摘のとおり、減額になったのはその期間で初めてでございます。

柴山委員長 赤嶺君、質疑時間が終了いたしました。

赤嶺委員 山本大臣には、あと一問聞きたいところだったんですが、もう聞きたい中身は御存じだと思いますので、科研費は減っているということで、質問を終わりたいと思います。

柴山委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 おはようございます。民主党の大島です。

 まず冒頭、一問、農水省に質問をさせていただきたいと思います。

 二月の二十一日に、二月の十四日の午後から降り始めた積雪災害について官房長官に質問をさせていただきました。その後の対応につきまして、官房長官の御尽力がありましたこと、感謝をいたします。ありがとうございました。

 それで、今、各市町村で、政府が決めた積雪災害の詳細について、各農業関係者の皆さんとお話し合いが持たれております。ありがとうございます。

 その中で、一つ農業関係者から聞かれていることがありまして、新しく、ハウスを撤去し、そしてハウスをもう一度設置をするんですけれども、今極めて工事が混んでいます。部材が集まらない、あるいは、施設をつくられる業者の皆さんも、農家の方から見ると、ちょっと足元を見られているかなという発言もあったりもして、大分混んでいまして、一応政府としては、今年度中ですから、来年の三月までに施設の設置を終わらせないと助成金なりあるいは補助金が受け取れないことと聞いております。

 その点につきまして、冒頭、来年の三月三十一日までにはつくらなければいけないんだけれども、それを超えたとしても対応がとれるかどうかについて、農水省吉川副大臣に御答弁をお願いいたします。

吉川副大臣 大島先生の御地元であります埼玉も、このたびの雪害で大変な被害をお受けになられました。心からお見舞いも申し上げたいと存じますし、また、大島先生の御対応に対しましても敬意を表したいと存じております。

 ただいまの件でありますけれども、もう先生よく御承知のとおりでありますので、くどくどと御説明を申し上げる必要もないと思いますけれども、今回の豪雪により産地が壊滅的な被害を受けていることに鑑みて、早急に産地の復旧を図る観点から、特例的な措置を集中的に講じてまいりました。今もそれを進行中でもございます。

 このために、農業ハウス等の被災施設の再建を支援する被災農業者向け経営体育成支援事業でありますけれども、これは平成二十五年、そしてさらには平成二十六年度予算を活用して復旧が速やかに行われるように支援していく必要があると考えておりまして、先生も今御指摘をいただきましたようなスキームにさせていただいております。

 これを二十六年度末までに行うのが基本と考えておりますけれども、これで対応ができないということになりますれば、事情はそれぞれあろうかとも思います、それは例えば資機材の用意ができない、あるいは業者が見つからないというようなこと等も考えられますので、そういった事情をよく伺った上で検討をしっかりとしてまいりたいと思っております。

大島(敦)委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 デジタルに来年の三月三十一日と決めると、吉川副大臣御承知のとおり関東全域が被害を受けていますから、部材の調達あるいは人手が集まらない等ございますので、その点につきまして、来年の三月三十一日を超えても理由があればその対応をとっていただけるという、そういう理解でよろしいでしょうか。そういう理解でよろしいということでうなずいていただきましたので、ここで農水省に向けての質問は終わらせていただいて、副大臣、退席していただいて結構でございます。ありがとうございます。

 続きまして、今後、この場をおかりいたしまして何点か質問をしていきたいと思います。

 外国人の労働者の問題あるいは外国人の受け入れについて、これまで政府内でも検討をされたり、あるいは、今回も民間の有識者の方から外国人の労働者の問題につきましての御指摘もあると伺っております。

 外国人といいましても、これまで日本の外国人の施策としては、一つには、入管法が平成元年に改正をされまして、そのとき、日系のブラジル人、ペルー人の方に多く日本に入っていただいております。もう一つは、これは技能実習生、研修生の制度。外国人の労働問題といったときに、大体この二つがこれまで国会でも取り上げられたテーマだと思います。

 外国人のこの問題につきまして、私も国会議員になるまでに営業で北関東をずっと一軒一軒会社を訪問しておりまして、例えば太田とか大泉、群馬県に行きますと、お昼御飯をどこで食べるかなというと、ブラジル料理を食べていたりするわけですよ。これは、太田、大泉町ですと、当時は私はよく存じ上げなかったんですけれども、ブラジルの方が多く集まっていて、全くブラジルと同じような料理を食べさせていただけるレストランが極めて多いんです。ですから、どうしてこういう町があるのかなと思っておりまして、国会議員になってからさまざま現地視察をしたりしながら、結構多くの問題をはらんでいるなと考えております。

 この問題につきまして、まず法務省の方に、平成元年に入管法を変えて、多くの日系人の方が日本に入国をされていらっしゃると思うんです。その経緯につきましての御答弁をいただければ幸いです。

杵渕政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二年施行の入管法改正当時の状況を見ますと、我が国の経済社会等の国際化の進展に伴いまして、我が国に入国し、在留する外国人の数が著しく増加しておりました。

 こうした中で、我が国で就労する者が増大し、その職種も多岐にわたるようになっておりましたが、外国人が行うことのできる活動の範囲が不明確であるという指摘もございました。また、このような状況の中で、不法就労外国人も増加し、その削減が求められているといった状況がございました。

 このような中で、この状況に的確に対処し、適正な入管行政を実施するために、在留資格の整備拡充を行うといった点が一点目、それから、不法就労問題に対処するための関連規定の整備、こういったものを平成二年施行の入管法改正で行ったということでございます。

 いわゆる日系二世、三世の方につきましては、法改正以前から受け入れがございました。ただ、この法改正以降におきましては、当時の経済情勢というものがございますが、そのほかに、この法改正によって、日系人としての受け入れが明確になったといったようなことが要因の一つになっていたと思われます。

大島(敦)委員 これは平成元年でよろしいですか、入管法の改正は。多分平成元年だと承知をしているものですから。平成元年だとすると、ちょうど日本でバブルが崩壊するかしないかぐらいで、極めて経済的に過熱していた時代だと思うんです。

 ですから、当時の日系ブラジル人あるいはペルー人の方については、多くは、間にブローカーというんですか、ブラジルから、あるいはペルーから日本へ要は派遣する、あるいは仲介する業者の方が入っていらっしゃったのかなと私は認識をしておりまして、その点につきまして法務省として認識があるのか。

 あるいは、入管法を改正してから、多分、多くの日系ブラジル人、ペルー人の方が日本に入ってきていらっしゃると思うんですけれども、その人数についてお答えいただければ幸いと存じます。お答えください。

杵渕政府参考人 お答え申し上げます。

 法改正につきましては、平成元年に法改正をいたしまして、施行が平成二年ということでございます。

 それで、人数につきましてでございますけれども、一九九〇年当時の入国、日系人につきましての統計でございますけれども、日系人、日系ブラジル人、日系ペルー人といったような形での統計は有してございませんが、日系の方は、日本人の配偶者、定住者、永住者、永住者の配偶者といった四つの在留資格で入国、在留する場合が多いと思われますので、これらの統計、数字でお答えいたしますと、九〇年において、このような在留資格での入国はブラジル人九千人でございます。それから、在留者については五万三千人、それで、ペルー人についての入国については二千三百人、在留者につきましては九千五百人ということでございます。

大島(敦)委員 審議官、済みません、法務省からいただいた資料が手元にありまして、ブラジル人、ペルー人、新規入国者数とあって、一九九〇年、法が施行したときは六万三千四百六十二人、ペルー人の方が一万九百四十二人ということで、一九九〇年以降、多くの方が日本に入国をされているという事実があると思います。その点について。

 もう一つは、今何人ぐらいの方が、日系のブラジル人、ペルー人の方で日本に住んでいらっしゃるのか、あるいは在留されているかについての御答弁をお願いいたします。

杵渕政府参考人 お答えいたします。

 先生今御指摘いただきました数字につきましては、ブラジル人の入国者の総数でございまして、それからペルー人の総数ということでございます。先ほどお答え申し上げましたのは、そのうち、日系人と考えられる四つの在留資格についての数字でございます。

 現在の在留状況でございますけれども、同じようなベースでお答えいたしますと、ブラジル人につきましては十八万人。先ほど申し上げましたのが一九九〇年当時五万三千人でございましたので、約三・四倍になってございます。また、ペルー人につきましては、現在、四万八千三百人になります。ですから、一九九〇年当時の数字に比べますと、五・一倍になってございます。

大島(敦)委員 官房長官あるいは西村副大臣、ブラジル人、ペルー人については、御承知だとは思うんですけれども、日系であれば無条件に入ることができるんです。おじいさん、おばあさんが日本人であれば、それが証明できれば入れるので、日本に入りやすい、日本に帰国しやすいというのかな、日本に在留しやすい資格です。

 経済成長が非常に盛んなときには、日本の経済が過熱しているときには、多くの方が日本の各製造業の現場に入っていらっしゃいます。その後、経済が要はピークアウトをして停滞してくると、その日系ブラジル人とかペルー人の方はそこから、職場を離れるわけです。ですから、相当大きな問題が、すぐに帰国できればいいんですけれども、なかなかそうもいかないものですから、各都道府県、市町村について、あるいは、今、内閣府の中でも部局を設けて、このことについて丁寧に施策あるいは対応をとっているという事実があります。

 ですから、会社側にとっては、短期的な利益を考えれば、できるだけクオリティーが高くて、あるいは安い賃金の方に日本に入っていただくということはわからないでもないんですけれども、その後のケアというのは行政がしなくちゃいけないというところがこの問題の本質だと思っているんです。

 これは実は戦後のドイツでもあったんですけれども、戦後のドイツ、六〇年代については、労働力が不足をしておりましたから、トルコから多くの方に入ってきていただきました、ガストアルバイター、外国人労働者として。一九七〇年代には帰国政策に移るわけです。飛行機に乗って帰ってもらおうという帰国政策をずっとドイツは行っております。中には、定住をされて連邦政府の国会議員になるトルコ系の方もいらっしゃるんですけれども、本人にとっても御家族にとっても結構負担になることをした、そういう施策を実施したということがありました。

 日本においても似たような施策を実はとっています。これは多分、リーマン・ショックが起きた後だと思うんですけれども、日系人の方について、日本国政府が旅費をお支払いして本国に帰ってもらうという制度がありましたので、その点につきまして政府参考人から答弁をいただきたいと思います。

武川政府参考人 お答えいたします。

 帰国支援事業につきましては、平成二十年に発生いたしましたリーマン・ショックに伴いまして、多くの日系人が失業等により生活困難な状況に陥りましたため、当分の間、同様の身分に基づく在留資格による再入国を認めないことを条件に、本国への帰国を希望する日系人に対し帰国支援金を支給したものでございます。

 支援事業は、平成二十一年の一年間に実施され、出国者数は二万一千人強、支援総額は六十八億円でございました。

大島(敦)委員 ですから、日本国に入っていただいた後は、これは個々の国籍を持たれている方の人権の問題がありますから、丁寧に対応しなければいけないんですけれども、そもそも、経済が過熱をしているときに労働力が不足しているからという、それで多分ブローカーあるいは仲介業者の方が、多くのブラジル人、ペルー人の方に来ていただいた。会社の方からお話を伺うと、非常に皆さん真面目でよく働いていただいたということはございます。不幸なのは、日本人じゃないものですから、日本の教育制度には乗れないという問題もあるわけなんです。

 ブラジル人、ペルー人、国籍は向こうの国籍です。日本の国籍を取得したくても、御両親が日本人であれば日本の国籍はたやすく取得できるそうです。御両親というのは、御両親が日本人であってブラジルに住んでいる、そして、その土地で生まれればブラジル人になれますから、そういう方ですと、すぐに日本人になれるんですけれども、二世、三世の方が日本に来て、日本国籍を取得したり、あるいは日本で生まれたお子さんが日本国籍を取得したりするのも結構難しいんです。

 今、複雑な問題として、もう二十六年間たっていますから、生まれた子供も非常に多くて、それは今政府で、あるいは各市町村でのその対応について頭を悩ませているところでして、ですから、この問題につきまして、今後、政府の中でさまざまな議論が行われてくるかと思います。

 そうしたときに、私たちの施策として、要は丁寧な施策が必要だと思っています。安易に、短期的な利益を追うために外国人の方に入っていただくというよりも、慎重に対応をした方がいいという立場をとっておりまして、今後、このような施策を検討する場合には、一つには、平成元年の入管法の法改正、そして平成二年からの施行後のこの流れについて。そして各都道府県、市町村がどういう対応をしているのか。恒久的な部局を設け、要は恒久的にその対応をとっているわけです。

 今後も、この問題につきましては時々この場で議論をさせていただきたいと思うんですけれども、その点につきまして、まず、きょうは西村副大臣から、慎重に対応してほしいということについてのお答えをお願いいたします。

西村副大臣 大島委員から大変貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。

 外国人の労働者の受け入れについては、私ども、御指摘のように、経済の活性化とかイノベーションを促進するという視点から、いわゆる高度人材については、研究者を初め、ポイント制を設けて優遇措置をとりながら、積極的に受け入れていこうということでありますが、一方で、四月四日の諮問会議、競争力会議の合同会議で総理から御発言があったわけですけれども、総理は、移民政策と誤解されないように配慮するようにということを御指示をされまして、私どもとして、日本にとどまって定住する外国人を新たに拡大していこう、受け入れを拡大していこうという政策を推進するものではないということをまず最初に申し上げたいと思います。

 その上で、こうした基本的な考え方に立ちながらも、今後、御指摘のあった外国人人材について、どのような形で受け入れをしていくのかいかないのか、これについては、御指摘のように、短期的にも中長期的にも、メリット、デメリットをよく考えて、やはり長い目で見てメリットが大きくなるような形で受け入れることが可能かどうかを検討して、国民的な議論を行いながら取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

 御指摘のありました日系人につきましては、特別の日系人ということで、特別の在留資格で五年を上回らない範囲で居住をできるような仕組みがあるわけでありますけれども、過去のそうした残念な歴史、経緯がありますので、余儀なく帰国をされたという方がたくさんおられたわけでありますので、また、そこに財政も投入したということでありますので、そうした経緯も十分踏まえて、留意しながら、今後、関係省庁とも連携して、議論をしっかりしてまいりたいというふうに考えております。

大島(敦)委員 西村副大臣の御答弁、ありがとうございました。

 その点につきまして、菅官房長官からの御所見を伺えればありがたいと思います。

菅国務大臣 西村副大臣の今の答弁に尽きるわけでありますけれども、少子高齢化社会で人口も減少していく、その中で、我が国の経済を持続可能なものに保っていく、そのためには、やはり労働力を確保する、その上で、質も量もこれは必要なことであります。

 そういう中で、今委員からいろいろな御指摘がありました。実は、私もかつてこの問題に議員立法として取り組んだ経緯もありますので、当時、小学校の問題だとか犯罪の問題、いろいろな問題がありました。そうしたものを踏まえて、政府として対応していきたいと思います。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 時間となりました。

 この問題というのは、結構、文化的な問題も含めて根が深いと思っておりますので、慎重な御対応をお願い申し上げ、今後も時々質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

柴山委員長 次に、今村洋史君。

今村(洋)委員 日本維新の会の今村でございます。

 それでは、早速、きょうは放射線災害と法律の関係についてお伺いいたします。

 原子力事業所の原子炉の運転等に起因する原子力緊急事態の場合は、原災法の適用となります。今般の福島原発事故などがそのようなものだと思いますけれども、同じように放射線災害で、核物質攻撃、いわゆるダーティーボムとか、そういった核物質のばらまきや、もしくは大規模な核攻撃、そういった原子力事業所の原子炉運転に起因しない放射線災害については原災法の対応にはなっていないのだろうと思います。

 そこには国民保護法また災対法による対応を考えておられると思いますけれども、原子力事業所に対するテロ等の破壊活動等、外部的要因を直接の原因とする場合は、武力攻撃事態対処法による緊急対処事態対処方針また緊急対処事態対策本部の設置が閣議決定され、それにより国民保護法による緊急対処保護措置が実施されるというふうに思いますけれども、こういう場合、原子炉の運転等に起因する原子力緊急事態というものを来していれば、同時に原災法の適用も行われると思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

黒木政府参考人 そのとおりでございます。

今村(洋)委員 それでは、また質問に移ります。

 原子力災害対策特別措置法、原災法によって、緊急被曝が起きた場合、そういう医療というものの治療計画と、あとは国民の保護計画というものがあると思いますけれども、原災法また災対法、それから国民保護法、いろいろな法律がありますけれども、それぞれ、緊急被曝医療についてどのような対策をとられて、どのような方針をとられているのか、お話しください。

黒木政府参考人 原子力災害対策特別措置法について申し上げます。

 原子力災害対策特別措置法は、今御指摘のとおり、原子力事業者の原子炉の運転等により放射性物質または放射線が異常な水準で当該原子炉事業者の原子力事業所外へ放出される事態に対しまして、国民の生命、身体及び財産を保護することを目的といたしております。

 したがいまして、原子力規制委員会におきましては、原子力災害対策指針及び防災基本計画に基づきまして、原子炉の運転等に伴って生じる原子力災害のための対策の一環として、関係省庁とも連携して緊急被曝医療体制を構築しており、現状、原子力事業所が所在する関係自治体におきまして、地域の実情も踏まえた緊急被曝医療体制が整備されているものと認識いたしております。

 以上でございます。

今村(洋)委員 原災法において、原子力災害対策本部、これは本部長は内閣総理大臣が務められるというふうになっておると思いますけれども、その副本部長を原子力規制委員長が務めるというふうになっています。

 ちなみに、原子力規制委員会は、武力攻撃事態において、国民保護計画で定めるところの警報の対象となった地域内に発電用原子炉を設置する原子力事業者に対し、直ちに原子炉の運転停止を命ずるものとするというような大きな権限を持たれているようです。

 先ほどお聞きした緊急被曝医療に関して、例えば指針で出されている沃素の配布とか、そういったものに関しての治療、そういった、ここに書かれているのは、オフサイトセンター医療班において、「安定ヨウ素剤担当業務」として、「官邸チーム医療担当が決定した安定ヨウ素剤服用方針の現地での地方公共団体への説明」また「避難住民等が安定ヨウ素剤を服用できるよう、安定ヨウ素剤、医師・薬剤師の確保等を実施」というふうに書かれておりますけれども、こういったものも規制委員長が指導してやる。

 私が記憶しているのでは、委員会の委員を現地に派遣するというふうになっておったと思いますが、その方が実際の現場で指揮をとる。沃素剤もそうですし、この原子炉の停止とかなんとかということも判断するということなんでしょうか。

黒木政府参考人 原子力発電所の稼働の停止に関しましては、当然、原子力規制委員会の判断でございますので、現場に赴く原子力規制委員会の委員が判断するということでございます。

 それから、現場において、沃素剤の問題に関しましては、それは今のところ、原子力規制委員会の委員が派遣されるのは、主として今考えておりますのは、原子力事業者の本店におきまして、そこにおいて、要するに現場における原子炉の鎮圧でしょうか、そういったオペレーションを担当しますので、そこに派遣することも一つのあり方として考えておるところでございまして、現場における沃素剤の配布等については、現地に置かれます現地対策本部、そこの本部長の指揮のもとにおいて所要の指導等を自治体に対して行うということでありまして、原子力規制委員会の委員が行うということは考えておりません。

今村(洋)委員 わかりました。また後で少しお聞きいたします。

 次に、あと二つの法律、国民保護法、災対法、それぞれについて、緊急被曝医療についての対処というか、そういうことをお答えいただけますか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 国民保護法制におきましては、武力攻撃に伴って原子力事業所外へ放出されます放射性物質または放射線による被害、これを武力攻撃原子力災害と私どもは称しております。この武力攻撃原子力災害への対処の一環として、緊急被曝医療についても位置づけをさせていただいているところでございます。

 武力攻撃原子力災害における緊急被曝医療につきましては、例えば、武力攻撃が継続しておって、安全確保の面から所要の医療チームの現地派遣が困難な場合もあり得るなど、そういった点を除きますと、原則として、通常の原子力災害における対処と異なるところはございませんで、私どもはそれに準じて行うことを原則としております。

 以上でございます。

佐々木(克)政府参考人 原子力災害につきましては、災害対応の一般法である災害対策基本法に加えまして、その特殊性に鑑み、特別法である原災法が制定されておりまして、両方相まって原子力災害対策の強化が図られているということでございます。

 まず、災害対策基本法に基づきまして、防災基本計画の原子力災害対策編というのがございますが、その中におきまして、緊急被曝医療体制の構築あるいは被曝医療を担当する医療チームの派遣など、関係者の役割分担等を定めております。

 次に、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、その防災基本計画に適合する形で作成されております原子力災害対策指針におきまして、安定沃素剤の予防服用、あるいは初期対応段階における医療処置などについて、より詳細に定めているということでございます。

 さらに、防災基本計画それから原子力災害対策指針に基づきまして、地方公共団体の地域防災計画におきまして、緊急被曝医療について必要な事項が定められているということでございます。

 原子力災害発生時には、この一連の体系をなしております防災基本計画、原子力災害対策指針、地域防災計画等に基づきまして緊急被曝医療を実施することになっております。

今村(洋)委員 今のお話をお聞きしますと、安定沃素剤の服用等々もチームが派遣されて指導するというか対処するというふうに理解いたしますけれども、そうすると、先ほどお聞きしたオフサイトセンター医療班と、役割としては、やることとしては一緒のような気がするんです。

 これは一緒のチームということですか、それとも別建てなんでしょうか。

佐々木(克)政府参考人 一緒のものでございます。

今村(洋)委員 では、もうメンバーもその組織も一緒ということでよろしいでしょうか。

佐々木(克)政府参考人 災対法に基づきます原子力災害は、原災法の特別法と一緒になって対応するということでございますので、一緒の対応ということになっております。

今村(洋)委員 では、その原災法と災対法で対処する放射線災害というものの条件、つまり、先ほど申し上げた原子力事業所の原子炉の運転等にかかわる事故とか故障とか、そういったものにかかわる放射線災害に今おっしゃった医療チームの係とかなんとかは限られておるんですね。

黒木政府参考人 事故だけではございませんで、原子力施設に対するテロ攻撃、これによって原子力発電所が破壊され、中から放射性物質が放出するといった事態も当然のことながら原子力災害対策特別措置法の射程範囲内でございますので、そういった事態についても同様の対応が行われます。

今村(洋)委員 わかりました。つまるところ、原子力事業所にかかわるもの、そこにテロ攻撃があるとかないとかというものは想定してはおるけれども、原子炉にかかわるものということだと理解いたしました。

 そうすると、私が最初にお聞きしたいわゆる核テロ、核物質のばらまきみたいなものによって起こる放射線災害というものは国民保護法で対処するということでございましょうか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 そういうこと、例えば緊急対処事態に当たるようなものでございます。ですので、そうなりますと、認定をした上で、国民保護の法制の世界で対応することになると承知をしております。

 以上でございます。

今村(洋)委員 わかりました。

 この法律によって放射線災害に対する治療というか対処というものが、それぞれの法というか、大きく分けて災対法と原災法というものと、あとは国民保護法というものに大きく分かれて対処されていると思いますが、医療側から見ると、放射線災害というものは、その成因には余り関係がない。全く関係がないとは言いませんけれども、放射線災害に対する治療というものは同じ原理に基づいて治療されるものだと思うんですね。

 ですから、今後予想されるものとしては、核テロとかそういった放射性物質のばらまきというものが起きた場合に、今おっしゃった災対法とか原災法とか原子力規制委員会の機能というものが、同じことをやるわけですから、ただ、問題は、事業所にかかわる都道府県にその対象が定められている、日本全国には行き渡っていないということが問題なんだろうと思うんですね。

 そこで、官房長官に一言お聞きしたいんですが、国家安全保障戦略で、「国際テロ対策の強化」というところに触れておられまして、その中には「原子力関連施設の安全確保等の国内における国際テロ対策の徹底はもとより、」云々とありますけれども、私が申し上げる、原子力関連施設の安全等以外の、場所を選ばない核物質のばらまきというものに関しても、ここの中にはそのニュアンスが含まれていないのかなと思いますが、今後、そのあたりの検討というのは、なされるおつもりとか御予定はおありになるでしょうか。

菅国務大臣 核攻撃だとか、あるいは核のテロ、そうした問題に対しての医療というのは、さまざまな事態を想定して対応していくということが極めて大事だというふうに思っていますので、そうした全体も含めて、政府として、医療体制の整備、そういうものが必要だという認識の上に立って対応していきたいと思います。

今村(洋)委員 ありがとうございます。そうしますと、緊急被曝医療の面から、統一した医療計画というものも考える余地はあると。

 ですから、先ほど申し上げたように、法律によって違うたてつけになっているんですけれども、それを、災対法と原災法は一緒のチームだ、国民保護法も一緒の、もう少し規模は大きくなるかもしれませんけれども、範囲を広げて、同じようなシステムをつくる必要があると僕は思っています。

 そういうことも、一応、一顧だに値せぬということではなくて、少しは考える余地はあるというふうに受けとめましたけれども、そういう考え方でよろしいでしょうか。

菅国務大臣 まず、今申し上げましたように、原子炉等の通常運転時における災害と、また、核兵器だとか委員から御指摘されていましたダーティーボムの攻撃、そうしたものについて、放射性物質の拡散の抑止は異なるものがありますけれども、しかし、原子力規制委員会において整備された被曝の医療体制というのは、他の災害対応においても活用できる部分もあるわけでありまして、先ほど申し上げましたように、政府としては、関係機関が連携して取り組んでいく、このことが大事だというふうに思っています。

今村(洋)委員 ありがとうございました。

 もう一つ、原子力災害医療という観点から、メンタルヘルスといったところにも、中長期的な計画としてはいろいろ文言が、アフターケアとして見守りをやるということとして書かれているんですけれども、ごく初期、いわゆるパニックが起きた、事故が起きたというときのメンタルヘルスケアというものに関しては、余り考慮がなされていない。記載がないので、そういうふうに考えざるを得ないんですが、そういった面については、何か、今後検討とかお考えはおありになりますでしょうか、原災法とかそういう中で。お願いします。

蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

 先般の東日本大震災のときの例を申し上げますと、震災直後、やはり、当該地域の対応力が落ちているということがございまして、被災地以外の都道府県の、いわば心のケアチームという専門家の人に入ってもらいまして、その方々にいろいろな心のケアを行ってもらっていた、こういうことでございました。その間に、一方で当該地域の体制整備をしていく、こういうことでございます。

 この心のケアチームというのは、当時は割と各地域にお願いをしてやっていたんですけれども、やはりこれは事前にそういう体制をとっておくことが大事だというふうに考えまして、実は、一般的な災害が発生したときに、一定の災害派遣、精神医療のチームを派遣できるように、事前に研修等をやって体制を整えておいて、被災地の都道府県知事の要請によってそれを派遣するということをいわば制度的な仕組みとしてつくって、これはDPATといいますけれども、こういう仕組みを設けて、その研修体制等を充実する形でその体制整備をしている、今こういう状況にございます。

今村(洋)委員 ありがとうございました。

 私が、ごく初期のメンタルヘルスケアというか、放射線災害に関するメンタルヘルスケアに、ちょっと気になりますのは、実際は安定沃素が備蓄されていて用意されていても、今般の福島事故の場合は、配った市町村と配られなかったところがある。あとは、福島県立医大の職員だけが服用して一般の住民が服用できなかった等々の報道がなされております。

 こういった住民の不安、放射線というのは見えませんので、そういったものに関する不安というものを担保してあげるということでも、ごく初期の不安、パニックに対する、メンタルヘルスケアに対する対処というものも十分にお心配りをいただく必要があるかなというふうに思います。

 では、きょうは質問を終わります。ありがとうございました。

柴山委員長 次に、田沼隆志君。

田沼委員 日本維新の会の田沼隆志でございます。

 きょうは、十分ということなので、簡潔に質問、御答弁もいただければと思います。

 質問に先立ちまして、官房長官、先日、河野談話の見直し署名、御対応いただきまして、ありがとうございました。快く、温かくお迎えいただきまして、本当にうれしかったです。

 それと、あと、私が地方議員出身ということで、官房長官も優しくお声かけいただいて、本当にありがとうございました。日本のために頑張りたいと思います。

 きょうは、祝日、山の日の祝日化法案というものが議員立法で出ているということに関してお尋ねをしたいと思います。

 この山の日祝日化なんですが、私個人としては反対でありまして、党としては、私のほか、いろいろな皆さんの意見もあり、自主投票ということで決定をいたしたんですが、どうしてこんなに山の日に私が反対なのかというのをお伝えするという意味もありながら、いろいろ御質問をさせていただきたいと思っております。

 官房長官、私、実は、去年もよく、祝日の問題で何度もお尋ねをしているんですが、かなり思いが強いものですから、質疑をさせていただければと思います。

 まず、祝日の定義、祝う日でございますけれども、この祝日の定義について、官房長官、御見解をお聞かせいただければと思います。

幸田政府参考人 お答え申し上げます。

 国民の祝日の定義でございますけれども、祝日法第一条に、「美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、」「国民こぞつて祝い、感謝し、又は記念する日」という形で定義をされていると承知をしております。

田沼委員 今、一条で「国民こぞつて祝い、」とありましたけれども、官房長官、私は、戦後のほとんどの祝日は、国民こぞって祝っているだろうか、祝っている祝日じゃなくて、ほぼ休日になっていないか、祝日じゃなくて休日になっているんじゃないかという懸念がどうしてもあるんですね。ちょっと、御見解ありましたらお答えいただければと思います。

菅国務大臣 私が官房長官の立場で答えることは控えたいというふうに思いますけれども、祝日制定に私も議員になってから携わりました。

 いろいろな意見がある中で、そこを何となく、思想的背景だとかいろいろなことがある中で、それを成立させるために、妥協というんですか、そういういろいろな意味の中で祝日ができたものについて、なかなか、委員が指摘のような、わかりにくいとか、いろいろな意見があるということも私は事実だというふうに思いますけれども、私が見解を述べることは差し控えたいと思います。

田沼委員 妥協があったということで、私は、非常に、そのあり方自体に大変残念というか、やはりそれでいいのかという思いが強うございます。

 皆さん、お手元にこの私の資料は行っていますかね、参考資料で。評論家の福田恒存さんの書籍からちょっと抜粋いたしましたけれども、表面で「祝祭日1」とありますが、これでも「戦後の祝日の名称はまつたくでたらめで、抽象的な浅薄さをもつてゐる。」ということで、それぞれ、成人の日とか挙げながら、非常に消極的防御姿勢だというふうに言っております。

 裏面が特に私がお伝えしたいことなんですが、「紀元節」とありますけれども、そこで傍線を引かせていただきましたが、「戦後の「祝日」と称するものは殆どすべて「休日」に過ぎない。」と。それだったら、もう全部、全廃して毎週土日連休にした方がよいと書いていますけれども、これは当時、土曜はまだあったころですから、あれなんですけれども、まあ、今そうなっていますけれども。

 その次の行が一番核心でありまして、「祝祭日が休日と違ふのは、それに儀式や行事が伴ひ、それを通して国民、或は集団が連帯感を確認する事にある。」ということで、国民みんなが覚えている、例えば、東京オリンピックの開会式が体育の日になったとか、儀式として、建国記念の日で、さっき第一条ありましたけれども、国民こぞってお祝いする、そういう行事ですとか儀式ですとか、そういったものを通じての連帯感の確認が極めて大事だと思っております。

 一方、この山の日は、問題が非常に多い。

 まず、いろいろ、るる申し上げますが、八月の十一日である、この十一日の日付である理由、根拠がないんですね。もともとは十二日を考えていた、十三から十五のお盆につなげる、その発想自体もあれですけれども、それで、航空機事故があったから十二を十一にする。そんないいかげんな決め方で本当に国民に定着するかという非常に強い疑問がございます。もともと、山岳会は六月ぐらいがいいと言っていたんですよね。なのに、何で八月十一なのかわかりません。それがまず一点。

 それから、これはちょっと時間があればあれなんですが、日本は休日が多い国ですね。今も十五、今回山の日が通れば十六です。例えば、アメリカだと十、イギリスは八、ドイツは十、フランスは十一ということで、これは今日本がアベノミクスで景気回復しなくちゃというときに、また祝日がふえちゃったら、官房長官、お尋ねしませんけれども、経済団体も反対していますね。ですので、私としても、今、意義の薄い祝日、意義があるならわかりますけれども、意義が薄い祝日をふやすことに非常に反発がある。それが二点目です。

 それから、三点目が、何で山なのかわからないですね。私は千葉市出身で、山がないからというわけじゃないんですけれども、海の日があって山の日というふうに始まったと聞いているので、これもそんな安易な発想でいいのかと。だったら、沼の日も必要だろう、太陽の日も大地の日も必要だろうと。

 要は、これは冗談で言っているんじゃなくて、田沼の沼で沼なんですけれども、それはいいんですけれども、やはりきちんとした理由がないと定着しないんですよ。だから、今、日本の祝日のほとんどは、戦後、休日になっちゃっている。やはりしっかりとした理由、背景がないと、国民は、ああ、また一日祝日ふえた、よし、休日ふえたと思って、ただ遊びに、だから、ハッピーマンデー、私は反対なんです。そういう、なぜ山なのかが不明、これが三点目。

 それから、四点目、これは先ほども申しましたが、この福田恒存の資料にありますけれども、「連帯感を確認する事にある。」と、この連帯感を確認していこうという一貫した文化政策がやはり必要だと思うんですね。かつては、宮中祭祀と一緒だったわけです。春分の日、秋分の日だって、春季皇霊祭、秋季皇霊祭だったわけです。勤労感謝の日が一番大切な新嘗祭だったわけで、非常に宮中祭祀と一体化して、君民一体での国づくりをしていた、委員長もうなずいているんですけれども、その大事な節目だと思うんです。だから、一貫した文化政策がやはり背景にあってこそ祝日ですよ、祝う日ですから。そこがどうかなと。山の日が何で山なのか、まだやはりその背景がわかりません。なので、そこに対してどうしても私は納得がいかないわけでありまして、それが四点目。

 五点目が、山の日の祝日より先に、いろいろ直すべきことがあると思うんです。先日も官房長官にお尋ねした、例えば明治の日とか、文化の日は何かよくわからない、あれは明治天皇陛下の誕生日でしたから、明治の日にするべきだとか、先ほど言った、勤労感謝の日は、もともと一番大事な新嘗祭でしたから、新嘗祭に直した方がいいんじゃないかとか、建国記念の日も紀元節に戻すべきじゃないかとか、そんないろいろな議論を、もっと先にすべきことがあって、今やるべきとはどうしても思えない、先にやることがある、これが五点目ですね。

 以上五点ありまして、さまざまな反対の理由を挙げさせていただいたんですけれども、ちょっと時間もあれなので、最後に官房長官、この山の日に関しての御見解があれば、お尋ねしたいと思います。

菅国務大臣 あればといえば、私は答えるべきじゃないと思うんですけれども。ただ、田沼委員の祝日にかける熱い熱意だけは私も感じさせていただきました。

 いずれにしろ、これは、国民の意思を決定する代表であります国会で大激論していただいて決定をしていただければと思います。

田沼委員 では、ぜひ激論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

柴山委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 みんなの党の大熊利昭でございます。本日もよろしくお願いをいたします。

 最初に、安全保障関係を官房長官にお伺いをいたします。

 安保法制懇あるいは政府の中でも、集団的自衛権行使の検討というのが進められているのではないか、それだけじゃないんでしょうけれども、というふうに理解をしております。先の話かもしれませんが、仮に朝鮮有事だという場合において、当然、そうした場合は、韓国の承認だとか、あるいは米国との調整あるいは要請等、こういったことが前提になろうかとは思うんですが、その上で、朝鮮半島そのものでの陸上部隊の展開、こうしたことも検討の中に含まれているのかどうか、後方支援も含めて、この点についてお伺いしたいというふうに思います。

菅国務大臣 いずれにしろ、集団的自衛権と憲法との関係については、現在、安保法制懇で議論しているわけでありますけれども、今言われたことという具体的なことは、私はなかったというふうに思っています。

大熊委員 確認ですが、なかったというのは、検討の対象外ということなのか、それとも、具体的なことはこれからやるんだと、どちらということなんでしょうか。

菅国務大臣 ここは、安保法制懇の中で、報告を受けるのはこれからでありますから、その報告を受けた中で政府としての基本的な方針というものを決めていこうというふうに思っておるところでありますので、朝鮮有事の際の問題については、特定の国等に言及した形で議論ということは、この国会では内容を披露するのは差し控えますけれども、議論が行われた集団的自衛権や集団安全保障に関する具体的な事例というのは、総理がよく国会で例えとして話させていただいていますけれども、例えばミサイル防衛のために日本近海の公海上で警戒に当たっているアメリカのイージス艦が攻撃を受けた場合、我が国はこのイージス艦を守ることができないがそれでよいかとか、そういうことをこの安保法制懇の中では議論していますけれども、具体的な形で、朝鮮半島有事、そういうことについてはなかったというふうに思います。

大熊委員 それでは確認ですが、朝鮮半島におけるということについては安保法制懇においても検討対象外である、こういう理解をさせていただきましたが、それでよろしいでしょうか。

菅国務大臣 直接具体的な話はないということであります。

大熊委員 朝鮮半島についての直接具体的な話はないんだ、こういう理解をさせていただきました。

 その関連で、せんだって、四月十八日ですか、日経新聞の大きな特集のような記事で、日経新聞によりますと、安保法制懇、政府関係者の話に基づきということで、朝鮮有事の際の、集団的自衛権の行使の幾つか類型に分けた考察というのが記事になっているわけでございまして、この中では、先ほど議論させていただいた上陸をしてというのはバッテン、ないんだ、こういう記事になっていたわけでございます。

 一方、このような事態、要は、朝鮮戦争の再開、今、休戦協定になっているわけで、終戦になっているわけじゃないので、もし再開というふうになった事態というのは、これは集団安全保障の事態とも考えられるのではないかというふうに思います。

 これは、国際法上の観点それから国内法上の観点、それぞれあるいは両方でも結構なんですが、集団安全保障、要は、朝鮮戦争というのは、一応、正規の国連軍じゃないにしても、安保理決議があった上での国連軍として出ていっているわけですから、集団安全保障の事態なのではないかとも言えるんじゃないかと思うんですが、御見解をお願いいたします。

菅国務大臣 仮定の質問には答弁するのは控えたいというふうに思います。

 その上で申し上げれば、ある事態が集団的自衛権の行使と評価されるか、いわゆる集団安全保障措置と評価されるかは、個別具体的な状況によるものでありますから、一概にはお答えはできないだろうというふうに思います。

大熊委員 それでは一般論でお伺いしますが、両方を兼ね備えている、つまり、ある事態があって、一般論で結構なんですが、集団安全保障の状態になっていて、なおかつ、どこか、X国からY国、あるいはYからXでもいいんですが、集団的自衛権の発動である、こういう兼ねた事態というのは考えられる、そういう理解でよろしいでしょうか。

菅国務大臣 そのことについても、個別具体的な状況によるものであり、一概に答えることはできないというふうに思います。

大熊委員 長官じゃなくて結構なんですが、政府参考人の方でいいんですが、法律上、国際法上どのように考えられますか。外務省になるんでしょうか、お答えいただければと思います。

山田政府参考人 お答え申し上げます。

 この点については、かねてより国会で御質問をいただいておりまして、政府としましては、安保理事会がいわゆる集団安全保障の措置をとった場合において、それ以降、国連加盟国が、国連憲章第五十一条に定める個別的または集団的自衛権の権利を行使し得なくなるか否かについては、個別具体的な状況によるものと考えられるというふうに申し述べてきております。

大熊委員 それは、個別具体的な状況によっては、共通集合といいますか、両方の事態ということはあり得るよ、こういうふうに受け取ったんですが、そういうことで、確認のため、よろしいでしょうか。

山田政府参考人 政府の立場は、今おっしゃられたとおりでございますけれども、それの論理的な帰結ということで、今おっしゃったような点があるということはそのとおりだと思います。

 ちなみに、憲章五十一条は、集団安全保障措置をとる以前の問題について述べておりますが、その後については何も言及をしておりません。

大熊委員 五十一条は、その以前のものについてのみというので、その後のことは何も書いていないので、総合すると、一般論としては、共通する事態というのはあり得るんだ、こういう理解をさせていただきましたということでよろしいですよね。何かあれば。

山田政府参考人 政府として、そのような可能性を否定する答弁をしたことは一度もございません。

大熊委員 一般論として、本日はそういう理解をさせていただきました。ありがとうございました。

 続きまして、いつもの独法の財務の話に移らせていただきます。

 官房長官、以上で結構でございます。ありがとうございました。

 きのうも本会議で稲田大臣に御質問させていただきました。独法の財務の適正化、これは、数値基準、これを法律でやるべきじゃないかという質問に対して大臣は、いやいや、それは非現実的なんだ、こういう御答弁でございました。

 それは、今回の独法通則法が出てくる以前の状態、つまり、本日現在の状態であれば、独法を一律に規定していれば、そういうことで、つまり、なかなか難しい、非現実的ということかもわかりません、きのうの大臣の答弁どおり。

 しかしながら、私が申し上げているのは、きのうの代表質問で申し上げた、業務特性に応じて分類すればできるんじゃないですか、こういう趣旨なんですね。何も一律、画一的にと言っているわけじゃ、それをやろうとすると、大臣のおっしゃるように非現実的かもしれませんが、そういうことじゃなくて、業務特性に応じて分類すればいいんじゃないかということなんですね。

 業務特性に応じて分類すると何でそういうことができ得るかというと、私は、実際に、やってみてできるかどうか、それは試してみないといけない部分もあるんですが、何ででき得るかと言っているかというと、通常、これは民間企業、事業ですね、業務特性に応じて資金特性というのが出てくるわけです。もう一回言いますと、いろいろな業務がありますね、いろいろな事業があります、食品とか半導体とか自動車、病院とか。その事業の業務の特性が決まると、それに応じた資金フローの特性というのが決まってくるわけですね。

 例えば、前回まで三回ぐらいやりました病院ですね、病院機構。病院というのはすごい変わったキャッシュフローの事業形態ですよね。要するに、毎日チャリンチャリンとお金が入ってくる、つまり、患者さんがお金を払ってくれる。あるいは、保険料の収奪というのはいつごろなのか、要するに、チャリンチャリンと入りが入ってくる。ところが、出ていく方、医療機器を買ったり薬を買ったり、これはかなりまとまって、期末ですとか九月末とか、そういうときにまとまって出ていくはずなんです。要するに、キャッシュフローが年じゅう入りがある、出る回数は少ないけれどもまとまって出る、そういう事業形態。

 あるいは、例えば飲食業なんというのは日銭ですよね。スーパーなんかも日銭ですよね。こういう事業形態を押さえると資金フローの形態も出てくる、こういうことなんですね。

 だから、独法を、三年とか一年とか、そういう単年度で分けるというのも、そういう考え方もあるかもしれません、今回の法律で一部そうなっている。だけれども、業務特性に応じてやっていけば、それを否定するものじゃないんですが、それに加えて業務特性についても分類すれば、資金フローについても特性に応じて管理できるのではないか、そういうことなんですね。

 これについて、長々としゃべりましたが、大臣の御見解、非現実的だというきのうの答弁はちょっと、なかなか、どうなのかなということで、もうちょっと深掘りした答弁をいただければというふうに思います。

稲田国務大臣 一般論としては、昨日、大熊委員から御質問を受けて、お答えをしたとおりであります。

 今、大熊委員が、今の法律だったらそうかもわからないけれども、今回の改革ではどうなのか、業務特性に応じてそういった数値目標とかもつけることができるのではないかというお尋ねだというふうに思います。

 今回の独法改革で、三つに分類をして、それぞれの特性に応じた対応をする、そして横串を刺す形でのガバナンスの強化ということをやります。と同時に、やはり独法自身の自主性とか独立性というのは確保しなければならないというふうに思っております。

 そういう意味において、今回、法律を改正しても、不要資産の国庫納付の実績が実際に上がってきておりますので、まずは各省、各法人が引き続き通則法の規定などに沿った対応をしていただくことが重要ではないかというふうに考えております。

大熊委員 先ほど長々と私がしゃべったところをちょっと細切れにして、もう一度確認させていただきますが、確かに四百数十億の国庫納付がありましたという話なんですが、それは個別にやっていらっしゃるということなので、それを別に否定するわけではないんですが、私が申し上げた、業務特性に応じて独法を分類する、あるいは先ほどの病院みたいに、一つずつ見ていけば資金特性もわかる。この点、同意できませんか、大臣、いかがですか。

稲田国務大臣 一般論として業務特性に応じてその資金の特性はあるということは、一般論としてはそのとおりではないかというふうに思います。

大熊委員 その一般論を入り口として、ぜひ、具体的にいろいろ、もうちょっと深掘りをしていただければなというふうに思います。

 それでは、残り五分ぐらいで、いつもの各論をやらせていただきます。前回の続きでございまして、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の有価証券の件でございます。

 この間、前回、答弁をいただきました、なかなか処分用有価証券の処分が進んでいない、それは売れる状況にないからであると。持っている有価証券というのは、JRの九州、あるいはJRの四国、その他。これは、JRといっても未上場の有価証券であるから売れないんだ、処分できないんだ、こういう認識なのでしょうか、お答えください。

宮島政府参考人 JR四社の株式につきましては、平成七年二月の閣議決定、「特殊法人の整理合理化について」におきまして、経営の自立を図った上で、上場により、できる限り早期に完全民営化を図ることとされており、株式上場による売却が前提とされていると理解をしております。

大熊委員 要は、未上場の段階にあるから売れないんだと。

 では、伺いますけれども、上場を目指すんだという閣議決定、では仮に、一つ具体的にいきましょう、現在のJR九州、これは東証の上場基準を満たしていないんでしょうか。

宮島政府参考人 具体的な九州の現状につきましてお答えすることは今現在ちょっとできませんが、いずれにしても、経営状況から見まして、現在の株式を早急に売却することは困難であるというふうに、国交省を通じて聞いているところでございます。

大熊委員 国交省を通じて聞いたことを確認されましたか、内閣官房として。JR北海道はちょっといろいろ問題あるのかもしれませんが、JR九州はそんなに経営状況に問題あるんですか。

宮島政府参考人 JR九州につきましても、経営自立計画というものをつくりまして、今現在、平成二十八年度を目標期限にして努力しているところであるというふうに聞いております。

大熊委員 きょうは、ちょっとJR九州の財務諸表を全部持ってきていません。たしか、現金二百数十億あって、毎年の話、営業利益黒字、経営所得も黒字のはずですよね。寝台列車なんですか何か豪華列車みたいな、いろいろな新しい企画もやっておられる。なかなかいい経営をされていらっしゃるんじゃないですか。

 これは改めて聞きますけれども、上場審査に入れるんじゃないですかね。それ、国交省から言われました、はい、そうですかとこの場で答えられても困るんです。内閣官房さんというのはあれですよね、もうちょっと管理をして、しっかり各担当の役所がやっているかどうかというのをチェックしなきゃいけない、そういう役目を果たさなければ、それは意味ないですよね。上場できる、審査に入れるんじゃないですか、立派な数字を出していらっしゃるんじゃないですかね、JR九州。できると思いますけれども、どうなんですか。

宮島政府参考人 申しわけありませんが、繰り返しの御答弁になりますが、JR九州におきましても、まだ経営の自立ということに至っておらず、経営自立計画というものを策定して、平成二十八年度を目標に努力しているところであるというふうに承知をしております。

大熊委員 経営の自立とおっしゃって、経営の自立の定義というのは、そうすると、どんななんですか。営業利益百億円出すとかそういうことですか。経営の自立というのは、どういう定義なんでしょうか。

宮島政府参考人 具体的な経営自立計画の中身を今御説明することは困難でありますが、いずれにしても、自立計画の目標達成に向けて努力しているところでございます。

大熊委員 では、次回、ちょっとJR九州については具体的に数字を持ってきますので、やらせていただきたいと思います。きょうはそのぐらいで。

 もう一つ、前回もお尋ねした土地ですね。処分用の土地ですから、土地を処分してからだんだん簿価が、このBS上の数字が減っていくんじゃないかと。ところが、処分用の土地のBS上の額がどんどんふえていっているのはどうしてと言ったら、これはいろいろな工事とかなんとかをやって、その分簿価はふえていっているということなんですが、これは何年間で処分、何年後に処分をする、そういう処分計画、こういったものをつくっていらっしゃるのか。一言だけ、終了ということなのでお願いしたいと思います。

柴山委員長 宮島事務局長、質疑時間が終了しておりますので、端的にお願いします。

宮島政府参考人 何年度までということは承知をしておりませんが、もう間もなく、かなり工事が最終段階に至っているというふうに聞いております。

 ただ、一つ、仙台の長町につきましては仮設住宅として使われている部分もありまして、そこの部分はちょっと除かれているところでございます。

柴山委員長 大熊君、質疑時間が終了です。

大熊委員 ありがとうございました。

 間もなくということであれば、では、間もなくこのBSの数字はゼロになるというふうに期待をいたします。

 終わります。

柴山委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。

     ――――◇―――――

柴山委員長 次に、内閣提出、参議院送付、株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。甘利国務大臣。

    ―――――――――――――

 株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

甘利国務大臣 ただいま議題となりました株式会社地域経済活性化支援機構法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 日本経済はデフレ脱却に向けて着実に前進しており、今後は、景気回復の裾野をさらに広げていくことが重要な政策課題となっております。

 地域経済も含めた成長力の底上げと好循環の実現を図るためには、それぞれの地域における中小企業、小規模事業者に対する支援の担い手である株式会社地域経済活性化支援機構の機能の拡充を図る必要があることから、本法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明を申し上げます。

 第一に、民間事業者のノウハウを活用した事業再生や地域経済活性化の支援が一層効果的に進められるよう、機構の業務として、地域経済の活性化に資する資金供給を行う投資事業有限責任組合の有限責任組合員となるための出資を追加することとしております。

 第二に、経営者の保証債務の整理を通じた再チャレンジ支援を強化するため、機構の業務として、経営者の保証つき債権の買い取りを追加することとしております。

 第三に、機構の既存の業務による支援の実効性を高める観点から、金融機関等が機構に信託することができる債権の範囲の拡大、機構の専門家の派遣先の拡大等を図ることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

柴山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

柴山委員長 速記を起こしてください。

     ――――◇―――――

柴山委員長 次に、衛藤征士郎君外九名提出、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。衛藤征士郎君。

    ―――――――――――――

 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

衛藤議員 ただいま議題となりました国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 この法案は、国民の祝日として、新たに山の日を設けようとするものであります。我が国の国土の大半は山であり、我々は日々、多くの山の恩恵を受けて生活しております。大自然の根本たる山と向き合い、その恩恵に感謝し、山との共存、共生を図ることは極めて有意義であります。

 次に、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。

 国民の祝日として、新たに山の日を加え、山の日を八月十一日とし、その意義を「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。」とすることといたしております。多くの国民がお盆休み、夏休みでもあるこの期間に、大人も子供も、こぞって山に親しみ、山を考える日となるものと考えております。

 なお、この法律は、平成二十八年一月一日から施行することといたしております。

 以上が、本法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

柴山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

柴山委員長 本案につきましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

柴山委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

柴山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

柴山委員長 次回は、来る二十五日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時四十三分散会


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