第15号 平成27年6月19日(金曜日)
平成二十七年六月十九日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 井上 信治君
理事 秋元 司君 理事 亀岡 偉民君
理事 田村 憲久君 理事 谷川 弥一君
理事 中山 展宏君 理事 泉 健太君
理事 河野 正美君 理事 高木美智代君
青山 周平君 池田 佳隆君
石崎 徹君 岩田 和親君
越智 隆雄君 大隈 和英君
岡下 昌平君 加藤 寛治君
神谷 昇君 木内 均君
小松 裕君 鈴木 隼人君
武部 新君 寺田 稔君
長尾 敬君 平口 洋君
古川 康君 松本 洋平君
宮崎 政久君 若狭 勝君
近藤 洋介君 佐々木隆博君
津村 啓介君 古本伸一郎君
山尾志桜里君 小沢 鋭仁君
高井 崇志君 升田世喜男君
輿水 恵一君 濱村 進君
池内さおり君 塩川 鉄也君
…………………………………
国務大臣
(行政改革担当) 有村 治子君
内閣府副大臣 赤澤 亮正君
内閣府副大臣 平 将明君
総務副大臣 二之湯 智君
内閣府大臣政務官 越智 隆雄君
内閣府大臣政務官 松本 洋平君
内閣府大臣政務官 小泉進次郎君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 増田 和夫君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 富屋誠一郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 谷脇 康彦君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 林 伴子君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 吉川 徹志君
政府参考人
(内閣官房原子力規制組織等改革推進室長) 中井徳太郎君
政府参考人
(内閣官房行政改革推進本部事務局次長) 山下 哲夫君
政府参考人
(内閣官房法曹養成制度改革推進室長) 大塲亮太郎君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 能化 正樹君
政府参考人
(内閣府大臣官房独立公文書管理監) 佐藤 隆文君
政府参考人
(警察庁長官官房総括審議官) 沖田 芳樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房情報政策・政策評価審議官) 安藤 英作君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 藤井 康弘君
内閣委員会専門員 室井 純子君
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委員の異動
六月十九日
辞任 補欠選任
木内 均君 小松 裕君
松本 洋平君 鈴木 隼人君
若狭 勝君 古川 康君
同日
辞任 補欠選任
小松 裕君 木内 均君
鈴木 隼人君 松本 洋平君
古川 康君 若狭 勝君
―――――――――――――
六月十八日
全ての子どもの権利が保障される保育・教育、子育て支援の制度の実現に関する請願(田村貴昭君紹介)(第二九〇七号)
特定秘密保護法の撤廃に関する請願(池内さおり君紹介)(第二九〇八号)
同(梅村さえこ君紹介)(第二九〇九号)
同(大平喜信君紹介)(第二九一〇号)
同(笠井亮君紹介)(第二九一一号)
同(清水忠史君紹介)(第二九一二号)
同(畑野君枝君紹介)(第二九一三号)
同(藤野保史君紹介)(第二九一四号)
同(真島省三君紹介)(第二九一五号)
同(本村伸子君紹介)(第二九一六号)
同(塩川鉄也君紹介)(第三二三七号)
同(本村伸子君紹介)(第三二三八号)
TPP交渉からの撤退を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二九一七号)
憲法違反の推進法を廃止し社会保障の拡充を求めることに関する請願(畑野君枝君紹介)(第二九一八号)
近畿地方の国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願(清水忠史君紹介)(第二九一九号)
同(宮本岳志君紹介)(第三二三九号)
中部地方の安全・安心を支えるために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願(島津幸広君紹介)(第二九二〇号)
四国地方の安全・安心を支えるために必要な国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願(小川淳也君紹介)(第三〇六二号)
特定秘密保護法を廃止することに関する請願(吉川元君紹介)(第三一三六号)
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者と遺族に対する立法措置に関する請願(池内さおり君紹介)(第三一三七号)
国の出先機関と独立行政法人の体制・機能の充実に関する請願(藤野保史君紹介)(第三一三八号)
特定秘密の保護に関する法律の廃止に関する請願(本村伸子君紹介)(第三二三六号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
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○井上委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官増田和夫君、内閣官房内閣審議官富屋誠一郎君、内閣官房内閣審議官谷脇康彦君、内閣官房内閣参事官林伴子君、内閣官房内閣参事官吉川徹志君、内閣官房原子力規制組織等改革推進室長中井徳太郎君、内閣官房行政改革推進本部事務局次長山下哲夫君、内閣官房法曹養成制度改革推進室長大塲亮太郎君、内閣官房内閣審議官能化正樹君、内閣府大臣官房独立公文書管理監佐藤隆文君、警察庁長官官房総括審議官沖田芳樹君、厚生労働省大臣官房情報政策・政策評価審議官安藤英作君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若狭勝君。
○若狭委員 おはようございます。自由民主党の若狭勝でございます。
本日は、今回審議されています法案について、国民目線で聞いていきたいと思います。
まず、今回の法案は、内閣官房、内閣府のスリム化と言われております。国民が聞くと、スリム化とは何だ、何なんだろうというふうに思うんですよね。その辺のところをまず聞きたいんです。
私も役所に三十年近くおりまして、手いっぱいになると、やはり、問題事象を聞く耳を持たない、見えない、あるいは感づけないというような弊害が出てくるわけですから、ある意味、スリム化ということは大事なんですが、手いっぱいはよくないということは言えると思うんです。
しかしながら、他方、無理なダイエットというのがよくないのと同じように、少なくとも、単純にスリム化といっても、国民としては不安があるわけですよね。単に荷が軽くなるというだけでも困ると思うんです。
これまでの内閣官房、内閣府が担ってきた政策を、いわば各省に移管するということによって、重要な機能が失われてしまう、あるいは、政府全体として見た場合、結果として、政策の推進機能が低下してしまうということでは困る、そういう懸念もあるわけですよね。
そこで、有村大臣にまずお聞きしたいんですが、今回のこうした法案というのは、そのようなことではないと私は思うんですが、その辺の国民の問題意識というものについて、国民にわかりやすく説明していただければと思います。
○有村国務大臣 若狭委員にお答えをいたします。
今御指摘いただきましたように、スリム化によって何をとるのかということを、冷静に向き合っていくべき課題だと思っております。やはり、私たちが狙うべきは、戦略性であり、機動性であり、即応性であろうかというふうに思います。
内外の情勢が刻一刻と変化するその状況にあって、国民の負託に応え続けていくためにはいかなる行政組織が適切かという本質的な問いに向き合っていくことになろうかというふうに思います。
行政組織が現在の布陣になる大もとは、平成十三年の省庁再編でございます。このときに、内閣、内閣総理大臣の指導性を強化するため、これを助ける機関として、内閣官房、内閣府が位置づけられました。その後の十四年間で、社会情勢、経済の変化などにより、省庁横断的な対応を要する内閣の重要政策課題がどんどんふえてきました。これに伴ってさまざまな事務が結果的に内閣官房、内閣府に集中してきています。
例えば、人員に限って申しましても、内閣官房については、省庁再編時、十四年前ですね、千百人であった人員が、現在では二倍以上の約二千九百名となっています。内閣府についても同様に、二千四百人だった人員が三千百人になっています。
そういう意味では、内閣総理大臣が引き続き強大、強力なリーダーシップを発揮し、国政の重要課題に戦略的に対応していきたいがゆえに、その機能を最大限発揮するキャパシティーを確保できるようにしておくということが大事だと思っています。
そのため、今回の法案では、内閣官房、内閣府の事務の一部を各省に積極的に移管をすること、加えて、現在、内閣官房、内閣府に限られている総理、内閣を助ける役割を各省にもしっかりと広げていくことで、移管した事務も含めて内閣の重要政策を政府全体で強力に推進していけるような措置、布陣を講じたいと考えております。
○若狭委員 ただいまの、戦略性、機動性、即応性の観点からこうしたいわゆるスリム化を図っていくということはよくわかりました。
今のは総論的なところでございますが、国民としては、では具体的にどのような事務が移管されることになったのか。これまでのいわゆるすみ分けですけれども、内閣官房、内閣府が担っていた役割を今度は各省に担わせるというわけですから、その事務の移管についてはどのような認識のもとで移管になったのか。移管すべきものと移管しないもの、残すべきものというのがどういうような考え方で整理されたのかということについてお聞かせ願いたいと思うんですが、これは政府参考人で結構でございます。
○山下政府参考人 お答えいたします。
内閣官房、内閣府の役割につきましては、今大臣からも答弁申し上げましたように、基本的には、内閣の総合性、戦略性を支える役割でございます。これに対しまして各省は、それぞれ行政事務を分担管理しておりまして、それぞれ現場に近いところで現場に即した行政を行っているところでございます。
今回は、これを踏まえて見直しを行いまして、より現場に即した取り組みなどが必要となる事務については各省が中心となって行うことで、より強力かつきめ細かく推進できるであろうということで、今回、内閣官房から内閣府に知的財産戦略推進事務局など五つの事務を移管するとともに、内閣府から各省には食育推進など九つの事務を移管することとしております。
このように移管することによりまして、移管した事務について各省が中心となって強力かつきめ細かく政策を推進できるようにすること、それと、一方で、内閣官房、内閣府は、その機動性を確保して、本来の役割である重要政策の方向づけに専念できるようにするということでございます。
○若狭委員 そのような考えで、移管すべきものと残すものというのを振り分けた、整理したというのは、よくわかりました。
ただ、国民としてはここで一つの疑問を抱くと思います。
と申しますのは、いわゆる縦割り行政の弊害とか、あるいは省庁の権限争いとかいうのがかつてありました。今回そうした形で各省庁に振り分けたとしても、これまでは特命担当大臣が中心となって、いわばそういう施策、政策については円滑な調整がされてきたと思うんですけれども、今度はそういう形で振り分けてしまうと、以前のようなそうした縦割り行政、権限争いという弊害がまた起きてくるのではないか、そうした不安とか疑問が国民の中にあると思うんです。
そういうことに対してはどのような対処をしているのかということについて、お聞かせ願いたいと思います。
○山下政府参考人 複数の省庁にまたがる案件につきまして、関係省庁と相互に連携を図り、一体となって施策を進めていくことが求められることについては、内閣府も各省も同じでございます。そのため、各省に移管する事務についても、移管先の省がこれまでどおり関係省庁と調整し施策を進めていくことになるわけでございますが、先生御指摘のとおり、内閣府と各省で現在、制度的に異なる部分がございます。
それは、現在、内閣府は、内閣が一体となって施策を推進していく際に、内閣府設置法の規定により、総合調整機能というものを発揮して、政府全体の見地から各省間の施策の取りまとめをすることができるということにされているものでございまして、これは現行法制上、内閣官房、内閣府に限られているものでございます。
そこで、今回の法案におきましては、政府全体で内閣を支えていけるよう、国家行政組織法、各省等設置法を改正いたしまして、各省においても、必要に応じ、閣議で決定した基本的な方針に基づいて総合調整を行えるというようにしております。
また、御指摘の特命担当大臣の関係でございますが、特命担当大臣は各省大臣に対する勧告などの権限を持っておりますが、今申しました、各省が総合調整機能を発揮する際には、特命担当大臣と同様の各省大臣に対する勧告などの権限を各省大臣にも与えるということを盛り込んでいるところでございまして、こういう仕組みを活用することにより、しっかり連携して政策を進めていくことが可能となると考えております。
○若狭委員 続いて、越智政務官にお聞きしたいんです。
今のようなお話で、機動的、戦略的に内閣総理大臣を支えていけるような体制を組んでいるということはよくわかりました。
ところで、五年後のオリンピック・パラリンピックに向けて、今後は、テロ対策とかテロ対応、要するに、即応体制をとらなければいけないようなものが出てくるおそれというか可能性が高いと思うんです。そうしたものに対しては今後どのような考えのもとでどのように対応していくのかということについて、簡単で結構ですけれども、教えていただければと思います。
○越智大臣政務官 若狭委員から、これから社会情勢、経済情勢も含めて、さまざま変化する中で、そういう中での内閣府、内閣官房のあり方についてどう考えていくのかという御趣旨の御質問だというふうに思っております。
私どもも、総理あるいは内閣を支えていくということは、社会情勢の変化に応じてさまざま状況が変わってくるというふうに思っていまして、どんな状況においてもリーダーシップが発揮できるように対処していかなきゃいけないというふうに思っております。
今回の見直しはそういう意味では第一歩でございまして、先ほどお話があったとおり、内閣官房で五事務を内閣府に移管、一元化して、内閣府については九事務を各省等へ移管することとしたわけでございます。
今後については、社会情勢、経済情勢の変化に応じて随時、内閣官房、内閣府の事務について点検をして、政府全体が有する機能を最大限発揮して重要政策に取り組むことができる体制を整備していかなければいけないと認識しておりまして、そういう考えに基づいて、ことし一月に閣議決定をいたしましたけれども、次回は三年後をめどとして全面的な見直しをするということを予定しているということでございます。
○若狭委員 そういう意味では、こういういわゆるスリム化をしたとしても、今後の体制については万全を期せるというふうに国民が考えてよいということだと思うんです。ありがとうございます。
続いて、私も法曹家なので、最後の質問として、法曹養成制度の関係でちょっとお聞きしたいんです。
法曹養成制度改革推進会議というのが今回、期限をもって廃止されるということになると思うんですが、今後は法曹養成制度改革には政府としてどのように取り組んでいくのか。
特に、今後、法曹界というのは非常に社会的には重要な役割を担っていく。今、法務委員会において刑事訴訟法の改正というのを審議しております。その中で、いわゆる司法取引というのも改正の一つの事項として審議しています。その司法取引においては、弁護士が協議の場に立ち会わなければいけないということですから、ある意味、弁護士がきちんとした真実を見抜く力とか、あるいは意思がしっかりとした有能な人材がやはり法曹界には必要だと思うんです。
その意味では、決して斜陽業界になってはいけないんですが、有能な法曹界の人材を獲得する、社会において必要なことだと思うんですが、その辺の体制は、改革推進会議が廃止された後にどのような形で政府としては取り組むのか、その辺について教えていただきたいと思います。
○大塲政府参考人 委員御指摘のとおり、質、量ともに豊かな法曹というのをこれからも出していかなきゃいけないということは、おっしゃるとおりでございます。
私たち、法曹養成制度改革推進会議及びその庶務を担います私ども内閣官房の法曹養成制度改革推進室、これまでの法曹養成制度改革に関する施策の実施及び検討を間もなく終えまして、法曹養成制度改革に関する今後の取り組みを決定の上で、本年七月十五日の期限を迎える見込みであります。
具体的には、法科大学院の制度だとかあるいは司法試験制度、そういったことについての取り組みを決定いたします。そこで、どこの役所がいつまでに何をやるということを決定していただきたいと考えております。
そして、その七月十五日の期限を迎えた後のことにつきましては、推進会議で最終的にお決めになることではありますけれども、法曹養成制度改革に関する決定内容につきまして、司法制度を所管する法務省及び法科大学院を所管する文部科学省におきまして、連絡、協議等の環境を整備して、関係機関、関係団体の必要な協力も得て、各取り組みの進捗状況等を適時把握しながら、着実に実行していくことになると考えております。
○若狭委員 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○井上委員長 次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 おはようございます。公明党の高木美智代でございます。
早速質問させていただきます。
内閣官房、内閣府につきましては、二〇〇一年の省庁再編時、これは明治維新以来、また戦後最大の改革などと今も言われておりますが、このときに、内閣機能強化の観点からその充実が図られまして、政府が対応すべき政策テーマについて、内閣官房は機動的、弾力的に課題を処理する、また内閣府は恒常的に課題解決に取り組む、こうした整理がなされまして、重要な役割を果たしてきていると認識しております。
他方で、ただいまもお話ありましたとおり、年々組織と業務が増大しておりまして、内閣官房はIT戦略も、また今質問がありました法曹養成も含めて約三十分野、また内閣府は三十分野をやはり超えるということで、指揮命令系統も複雑化し、副大臣、政務官の兼務も複雑化しておりまして、大変いつも御苦労さまですと思っております。
私も、公明党内閣部会長を六年務めてまいりましたが、所掌範囲は年々広がりまして、内閣委員会も常に法案や重要課題が立て込んでいるという状況でございまして、業務量の増大をいつも実感している一人でございます。
そこで、政府が取り組むべき重要政策課題につきまして、より機動的に対応できるように、自民、公明、力を合わせまして点検、見直しを行い、ことしの一月二十三日に総理に提言を申し入れいたしました。それが、その後の閣議決定また本法案に反映されたと認識をいたしております。
二〇〇一年の省庁再編のときは、内閣府の設置も含めて、政策の企画立案また重要政策についての総合調整力の向上を目指したわけですが、今回、こうした改革の考え方をさらに進めて、今度は、各省庁にありましても、個別事業の利害や制約にとらわれることなく、国政全体の観点を踏まえた一定の総合調整機能が果たせるよう制度を構築すべきというのが、自民、公明の提言の趣旨でございました。今後、分担管理を担う中心的な省庁が調整機能を発揮して、さらに専門性を生かして、従来と遜色のない、むしろ効果を上げる取り組みが大事だと考えております。
その成否の鍵は、私は、何といいましても、移管された後の事務が円滑に行われるように、人員と予算、人とお金、これに尽きると思っております。これが適切に確保できるかどうかというところが一番の大きな肝ではないかと思っております。
一方で、これはさまざまな懸念の声もございます。内閣府については、移管する事務について、重要政策課題じゃないような誤解が生まれて重要度の認識が下がるのではないかとか、また各省庁に渡すものがそのような認識の低下につながるのではないかとか、また、内閣府が担ってきたいい面が失われる側面があるのではないか、こうしたお声もあるところでございます。
大臣のこうした御認識と対応策を伺いたいと思います。
○有村国務大臣 高木委員にお答えいたします。
先ほど御言及いただきましたように、内閣委員会において、本法案の前提となる戦略的な整理に御党及び与党において大変な御貢献をいただいていることに、まずもって心からの敬意と感謝を申し上げます。
御紹介いただきましたように、平成十三年の省庁再編においては、総合性、戦略性の確保という観点から、内閣機能の強化を目的として、横断的な企画、調整を担う機関として新たに内閣府が設けられました。それ以降、内閣府は、恒常的、専門的な対応が必要となる特定の内閣の重要政策について総合調整を行い、その司令塔機能は本来の役割を十分発揮してきた、それゆえに膨大化してきたというところも言えるかと思います。
御指摘のように、この成否の要諦は、移管された後の事務機能が、今までと変わりなく、あるいは、それ以上にしっかりと遺憾なく、戦略性も含めて、機動性も含めて発揮されるかどうかを国民は見ておられますし、立法府の先生方も、当然、行政官も見ているということになります。
そういう意味では、予算、マンパワーも含めて、その権能が落ちるようなことがあってはならない、そしてそれが、省庁再編の信用、あるいは機動的な行政のありように不断に手を加えていくというリーダーシップにもかかってくるというふうに思いますので、御指摘の点を肝に銘じて、また、その問題意識を最大の課題の一つという共有をいたしまして、進めていきたいと考えております。
○高木(美)委員 そこで、早速、具体的な大きな課題があります。来年四月に厚労省に移管される自殺対策につきまして伺いたいと思います。
平成十八年に自殺対策基本法が施行されまして、自殺対策が大きく前進をいたしました。都道府県に地域自殺対策緊急強化基金が造成されまして、自治体また民間団体などの取り組みにより、毎年三万人を超えていた自殺者数が、やっとこの五年連続で減少してきておりまして、平成二十六年には二万五千四百二十七人となりました。
しかし、まだ二万五千人いらっしゃるわけでございます。しかも、十五歳から三十四歳の若い世代では、死因の第一位が自殺ということになっておりまして、これは先進七カ国では日本のみということで、継続的な強化する取り組みが求められるところと考えております。
これについて、去る六月二日、参議院の厚生労働委員会で、自殺総合対策の推進について決議が行われました。そのポイントは、先ほど大臣からも御答弁いただきました、移管業務に係る機構・定員、併任者等人員の確保、また二つ目に、恒久的財源の確保という、この二点が主な趣旨と私は受けとめております。
これには私も全く同感でございまして、御存じのとおり、これまで自殺対策の予算はずっと補正予算で賄ってまいりました。一度も本予算に組み込まれたことがないという状況で、これは移管する前に、とにかくことしの概算要求、そしてまた来年度の本予算のところに、きちっとこれは本予算として確保していかなければ、根っこがないものを渡しても、では、厚労省が補正でどこまで対応できるか、そんな根っこのない話では、シーリングの枠の中にも入れない、はじかれてしまうと懸念しております。年間必要なのは約三十億円と私は認識しております。
こうした自殺対策の人と予算の確保につきまして、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
御指摘のとおり、自殺対策については、与野党の先生方の御協力が、本当にいい形で進めていただいている政策だと認識をしています。また、その思いが民間の心ある活動としっかり連携をしていただいてここまで進んでいること、ゆえに、平成十年以降、自殺者が三万人を超え続ける深刻な社会状況に向き合っていただいて、声を上げていただき、平成十九年六月に閣議決定をした総合対策大綱に基づく取り組みの推進によっても、御指摘いただいたように、昨年やっと二万五千人まで減少する、そういうトレンドは出てまいりました。
しかしながら、毎年二万五千人以上の方々がみずから命を絶たねばならない状況というものに関しては、引き続きの危機感を持っております。
先ほど御紹介いただきました参議院厚労委員会での決議ということも踏まえ、今後さらに自殺対策を推し進めていくためには、地域において自殺対策の中核を担っている自治体の保健福祉部局、経済的な自立を支えるハローワークなど、最も現場との密接な連携が可能と考え得る厚生労働省に事務を移管することとしておりますけれども、それによって手続や事務機能に遺漏なきよう、手抜かりなきよう、しっかりと連携を移行期間にも図っていかなければならないというふうに思っております。
とりわけ、予算や体制についても必要な措置を講じていく必要があると強く認識をしておりまして、御指摘をいただきました平成二十八年度概算要求、この夏に向けて、しっかりと内閣府、厚生労働省の間の連携の調整を強化していきたいというふうに考えております。
○高木(美)委員 大臣、ぜひともこの予算の確保、ただいまも御答弁いただきましたが、私どももしっかりと後押しをさせていただきたいと思いますので、形をちゃんとつくって、それがそのまま厚労省に移管できるとなってこそ初めて、厚労省もさらに総合調整機能、受けとめて発揮できると思っております。ここは私も正念場という思いで取り組ませていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
消費者委員会、それから食品安全委員会につきましては、引き続き内閣府に置くこととなりました。
中でも、消費者委員会につきましては、今般の見直しを検討する過程におきまして、消費者委員会を消費者庁に移管すべきという議論もありましたが、我が党は、第三者機関としての独立性、中立性が大事だと考えまして、内閣府に残すように強く主張してまいりました。引き続き、そのような形で閣議決定がされまして本法案となったと考えております。
これは、消費者委員会が独立した第三者機関であればこそ、消費者庁を含む関係省庁の消費者行政全般に対して監視機能を発揮し、意見表明も行うことができると思っております。今後も、専門的な見地から、監視や提言機能が抑制されることなく、消費者の利益増進を目的として、重要な役割を果たすことが必要かと思っております。
大臣のお考えを、恐れ入りますが、簡潔にお述べいただければと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
消費者行政が高い信頼を持っていくことは、国家国民にとって大変大事なことだと思っています。
本法案の提出の前に整理をいただきました与党提言においても、基本的に、食品安全、消費者問題については消費者庁に移管、ただし、消費者委員会及び食品安全委員会の事務は現状維持というふうに与党、とりわけ御党から、公明党さんから御指摘をいただきました。その趣旨を踏まえて今回の法律のたてつけをしています。
御指摘いただきました、リスク管理機関からの独立性を確保することの重要性を鑑みて、内閣府本府に引き続き置きますので、その趣旨を踏まえて進めてまいりたいと存じます。
○高木(美)委員 ありがとうございました。
大臣、これは通告させていただいていないのですが、ちょっと昨晩、この担務表を改めて拝見をしながら、今、青少年の健全育成担当といいますのは、この中にはっきりと文字としては書かれていないのですが、有村大臣の所管でよろしいのでしょうか。
○有村国務大臣 御指摘のとおりでございます。所管でございます。
○高木(美)委員 大臣に一つお願いがあります。
それは、今、JKビジネスということが、多分、大臣、御認識かと思うんですが、これは、いわゆる女子高校生ビジネスで、深刻な事態が始まりつつありまして、私のところにも今、その支援をする団体の皆様から多くの、検討してほしいとか、実態を把握してほしいとか、そうした要請が届いているところです。
これは、要するに、今まで、売春とかそうしたことははっきりと法律にも明記されていますしわかるのですが、やはり女子高生が、例えば、ガールズ居酒屋とかガールズバーとかリフレとか、このリフレというのは個室でマッサージや添い寝をするとか、また、お散歩といって、デートや観光案内、客の家の掃除とか、本当に売春ぎりぎりのところ、もしくは売春に踏み込んでいる、また、強姦されてもそのことを誰にも言えないとか、こうした事態が広がっております。
こうした居場所のない、また普通の女子高生でも知らず知らずこうした深みにはまっていくこのJKビジネスにつきまして、ぜひとも、大臣、また実態調査等を警察庁と力を合わせて進めていただきまして、特にこうした青少年の問題は、なかなか声が上がらない、しかし国の将来を担う、大事な課題であることから、私は目を離すべきではないと思っております。ぜひともお取り組みをお願いしたいということを、きょう申し添えさせていただきます。
もしよろしかったら、一言御答弁いただけますでしょうか。
○有村国務大臣 時間の制約上、短くいたします。
リフレ、JKビジネスなど、実態とかけ離れた優しい言葉で少女あるいは未来を担う子供たちが実害を得て一生背負わなきゃいけないという状況を回避するために、全力を尽くしてまいりたいと存じます。
○高木(美)委員 ありがとうございました。
以上で終わります。
○井上委員長 次に、泉健太君。
○泉委員 民主党の泉健太でございます。
本日は、スリム化法案ということでありますけれども、私も内閣府の政務官をさせていただいていたことがありまして、やはり、内閣府は大変業務量が多くなっているなとそのときにも感じておりましたが、今も恐らくそういう状態であろうかと思います。
特に、大臣も大変お忙しい、担務がずらりと並ぶ、恐らく有村大臣も一番多い部類に入ると思います。また、副大臣、政務官は、一人の副大臣や政務官が何人もの大臣に仕えるということで、いわゆる逆ピラミッドの組織というふうにもよく言われたわけであります。
そういった意味では、大変な状態を何とかしなければならないということであろうと思う中での今回の法案かなというふうに考えておりますが、改めて大臣にお伺いしたいんですが、現在の内閣府や内閣官房、どんな問題が発生をしているのかということについてお答えいただきたいと思います。
○有村国務大臣 泉委員にお答えをいたします。
政務官として大変御活躍をいただいて、行政組織のありようについても、強い関心でリーダーシップを発揮されたということを伺っております。敬意を表します。
端的に申し上げれば、やはり省庁再編時に目指した戦略性あるいは総合性の確保ということで、官邸、内閣機能の思い切った強化を目的として省庁再編が行われました。内閣府の新設がなされたわけでございます。
その内閣官房と内閣府のすみ分けという機能を、冷静に役割分担を明確にしてきましたけれども、その理念に十分な機能を果たしてきつつも、この十四年間で、社会経済情勢の変化に伴って政策課題が複雑化、高度化していく、またそれぞれに絡み合っていくということで、多くの省に関連する新たな政策課題が増加の一途をたどっております。
その中には、与野党の先生方による議員立法で国民的課題だということを、内閣官房、内閣府がそのお仕事を引き受けさせていただくということで、省庁横断的な対応が多いという認識があります。
けれども、しっかりと国民の負託あるいは立法府からの負託ということを行政が請け負うと同時に、司令塔機能としての本来の内閣官房、内閣府のありようという意味ではしっかりと新たなキャパシティーを設けておきたいということで、この内閣官房、内閣府の事務を見直すということでの法律の改正ということに踏み込ませていただきました。
○泉委員 業務がふえていけば、それは業務をスリム化するか、あるいは、今大臣おっしゃったようにキャパシティーを広げていくという考え方もあろうかと思います。
先ほど公明党の高木先生からもお話がありましたが、やはり、一段高い内閣府、これが位置づけとして一段高いわけでありますし、総理直轄の内閣官房、当然ながら、そういったところに直轄で政策課題を対応していただきたいという国民の声は大変大きくて、これまでも、さまざまな議員立法等々も、総理大臣を長とするだとか、あるいは官房長官を長とする、そういうような仕立てを皆さんが好んで求めてきたというところもあろうかと思います。
そういった意味で、内閣官房、内閣府、多くの国民はやはり拡大も望んでいるのかなというふうには思うわけですが、しかし、省庁の建物のキャパシティーというものもありますので、そこには一定限界があるということであろうと思います。そういった意味でのスリム化だということで理解をさせていただきたいと思います。
これはある意味、与野党ともに行革の必要性を長年提唱してまいりまして、ちょうど、直近で言うと、平成二十四年の野田内閣のときでありますけれども、内閣官房と内閣府の業務見直しということについて見解を取りまとめて、閣議決定をされた経緯があります。そのときには、国家公務員雇用調整本部の廃止、あるいは、銃器対策を内閣府から警察庁へ移管ですとか、省エネルギー・省資源対策推進会議を内閣府から経済産業省へ移管、国の機関等移転推進連絡会議を内閣官房から国土交通省へ移管等々、その他さまざまな会議体についても廃止をしたり、あるいは各省庁に移管をしたということがございました。
そういったものを、具体的にスリム化ということを第一弾として行われて、今回第二弾かなというふうに思っておりますけれども、この野田内閣のときの考え方、例えばサンセット化、一定期間の経過後の見直しを基本とする等々含めて、そういった考えが踏襲されて今回第二弾という考え方でよいのかということについて確認をしたいというふうに思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
御披露いただきましたとおり、民主党政権時、野田内閣のときにも、基本的な理念ということをそこで明確にしていただいております。
内閣がその時々の国政の重要課題に戦略的、機動的に取り組むために、内閣官房、内閣府は担うべき機能にふさわしい事務を重点的に担い、それ以外については、ほかの省庁、関係の深い省庁に移管するなど整理合理化を進めていくことが必要との認識を示されて、内閣官房、内閣府の本来の機能を向上させる観点から事務分担を見直されて、閣議決定に基づき、会議等を対象として整理合理化が図られたものと理解をしております。
その野田政権の後、二十四年十二月に第二次安倍内閣が発足したわけでございますが、民主党政権下で行政改革担当でいらっしゃいました岡田大臣から稲田新大臣に対して、やはり内閣官房、内閣府の見直しに関して、今後、法律レベルで規定される事務について、整理方針を決定して法案を提出する必要があるとの引き継ぎがあったということを私も承知をいたしております。
結論からすれば、やはり民主党政権時の取り組みと基本的な課題認識や理念や方向性は共有しているもの、それを受けて、今回の法律改正に臨ませていただいているというふうに理解をいたしております。
○泉委員 ありがとうございます。
まさに、今お話のあった岡田大臣から稲田大臣へのそういった引き継ぎがあった。特に野田内閣における見直しというのは、閣議決定レベルというか、そういったところでできることをさせていただいて、より大がかりな、法律の改正が伴うようなところということについて引き継ぎをして、そしてそれが今回の法改正につながっているということで、その考え方については基本的に我々も賛同しているというふうに考えております。
さて、そういう中で、事務方にもちょっとお伺いをしたいことで、質問通告はしていないんですけれども、わかればということでですけれども。
平成十年に、行政改革会議の最終報告の提言を踏まえて、中央省庁等改革基本法案というものが成立をした。これは平成十年ですね。平成十一年に、基本法に基づいて内閣法の一部改正ですとかさまざまな設置法が成立をして、平成十三年から施行されることになった。そこで、内閣府は各省庁より一段高い立場ということであり、他の行政機関の所掌に属さない事務は総務省がつかさどるということになったということでありますが、これは現在もそういうことでよろしいんでしょうか。
○山下政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○泉委員 この、他の行政機関の所掌に属さない事務で総務省がつかさどっているものとして何か、これはまた次回お伺いをしたいと思います。
それでは、やはり具体的な中身に一個一個入っていかなければいけないと思っています。
先ほども高木委員からお話がありましたように、この担務表というのをよく我々は役所から頂戴するわけですが、頂戴しても、なお実はこの担務表の中にさらに細かな分担があるということで、先ほどの青少年の健全育成というものも、有村大臣においては共生社会の中に入られるんでしょうかね。あるいは定住外国人施策とかそういうものも、頭出しはされていないわけですがどこかに入っている。そういうものがいっぱいあるというふうに認識をしておりまして、私も、辞令をいただいたときには、余りの多さに覚えられなかったというぐらいのことを思い出します。
そういった意味では、各役所と国民においては、一つ一つの室があること、それが大きな意味を持っているはずですし、役所の方にとっても、その職場で懸命にお仕事をされておりますので、まさに行く末がどうなるのかだとか、自分たちの業務が理解されてこの議論が進んでいるのかということは大変重要だと思っておりますので、事務方への確認も含めて、一つ一つ、少しお伺いをしたいと思います。
今回、いずれは廃止をされるグループに属する部局の中で、郵政民営化推進室がございます。こちらの方ですけれども、改めて、現在何名の専従の方がおられて、どのような業務を行っているか、御説明ください。
○山下政府参考人 郵政民営化推進室の常駐の職員は、現在十九名でございます。
この推進室は、内閣に置かれました郵政民営化推進本部に係ります郵政民営化の推進に関する総合調整、郵政民営化の推進のために必要な法律案及び政令案の立案、その他郵政民営化に関する施策で重要なものの企画に関する審議及びその施策の実施の推進というものを担当しております。
○泉委員 これが、いわゆる郵政民営化が実施されたことをもって廃止されるものというふうに認識をしておりますが、そうしますと、株売却というのは非常に政治的なものでもあると思うのですが、ひたすら株売却のタイミングを待ちながら、あるいは、年一回なのか数回なのかわかりませんが、恐らく本部の開催も先月ぐらいに行われたというふうに認識をしておりますけれども、いわゆる株売却の準備とその本部のセットということで一年間業務を続けられているということでよろしいんでしょうか。
○山下政府参考人 こちらの株売却その他、その辺の予定については郵政民営化推進本部の方で検討をされていることと存じますけれども、先生から御指摘のとおり、これは郵政民営化法の中で、先生おっしゃったようなときまで置かれるということで規定をされているものでございます。
今回は、実は一月に行いました政府の閣議決定の中で、これは期限到来をもって廃止ということで書いてございますが、この場合は郵政民営化法という個別の法律の中で廃止期限が定められておりますので、それについてはそのとおりにするということを書いているだけでございまして、したがいまして、この部分については今回の法案に盛り込んでいるわけではございません。今回の法案でこの部分について何かいじるというものではございません。
○泉委員 続いて、社会保障改革担当室なんですが、こちらは現在何名専従で、また、どのような業務を行っていますでしょうか。
○山下政府参考人 社会保障改革担当室でございます。社会保障・税一体改革担当大臣のもとに、一体改革の担当の部署と番号担当の部署で構成されております。一体改革の担当として六名、番号の担当として十八名、合計二十四名の職員が常駐をしております。
行っている業務でございますが、一体改革担当の部署は、消費税率引き上げと一体として行う社会保障改革の推進に係る企画立案や総合調整、それから、社会保障改革プログラム法に基づき改革推進体制として設置された社会保障制度改革推進本部、社会保障制度改革推進会議に関する事務を行っております。
それから、番号担当の部署でございますが、マイナンバー制度の導入に向けた準備を行っておりまして、具体的には、制度設計に係る企画立案や総合調整等を行うとともに、行政機関等が情報のやりとりを行うために必要なシステムの構築を行っております。
○泉委員 マイナンバー制度導入後は、引き続きこの皆さんは、籍は、担当室に残られるのか。マイナンバーの本格導入の後は人員はどのようになるんでしょうか。
○山下政府参考人 お答えいたします。
マイナンバーについては、現在施行準備中でございますし、施行後またその状況を見つつということになろうかと思いますので、今現在、その後どうするかというところは決まっているものではございません。
○泉委員 この内閣官房機能の見直しの中で、任務終了または存置期限をもって廃止するものというのがありますが、組織としてはそういった形で当面存続するということであろうと思いますが、その規模、これをぜひ柔軟にお考えいただいて、状況に応じて、仕事の量に合った人員体制ということは常に心がけをしていただきたいというふうに思います。
続いて、総合調整機能が引き続き必要、重要であるため内閣府に残すものということのグループの中でいうと、総合海洋政策本部事務局であります。
この総合海洋政策本部事務局、これも、現在何名の専従体制で、どの省庁からの職員で構成されているのかということもお伺いしたいと思います。
○山下政府参考人 現在、常駐職員数は十九名でございます。
十九名の職員の出身は、国土交通省、外務省、文部科学省、防衛省、農林水産省及び経済産業省でございます。
○泉委員 現在の海洋基本計画の中で、内閣が事務局を担うということになっているんですかね。それで、この海洋基本計画が平成二十九年度末に終わるということでありますが、その後はどちらに移管をされるということになりますでしょうか。
○山下政府参考人 現在、総合海洋政策本部は内閣に置かれておりまして、その事務局は内閣官房に置かれております。
今回の法案では、これを二十九年度末、したがいまして三十年四月に内閣府にこの事務局を移管するということにしてございます。
○泉委員 済みません、次の通告が、私がちょっと勘違いをしていましたので、内閣府に移るということであります。
次に、知的財産戦略推進事務局、こちらの方も同じく、何名が専従で、どの省庁からの職員で構成されているか、お答えください。
○山下政府参考人 知的財産の事務局でございますが、現在、常駐職員は十七名でございます。
どこから来ているかという点につきましては、総務省、文部科学省、経済産業省、特許庁、それから公正取引委員会、法務省、財務省、農林水産省でございます。
○泉委員 総合海洋政策本部あるいは知的財産戦略推進事務局でありますが、総合調整機能が引き続き必要、重要であるということはよくわかるのでありますが、これは、せっかくですのでという意味でいうと、内閣府以外に、これを担う、まさに今回の法案では、総合調整機能を各省に持たせるということをもってこの法案をつくり上げているということでございますので、そういった意味で、これを内閣府に移管するということが終着点なのか、それとも他省庁への移管ということがあり得ると考えられているのか、そこはいかがでしょうか。
○山下政府参考人 今回の法案におきましては、御指摘の海洋につきましても知的財産につきましても、引き続き恒常的、専門的な総合調整を行う必要がある、ただ、それが恒常的、専門的であることから、内閣官房から内閣府に事務局を移管するということにしているものでございます。
今後につきましては、今時点で確定的なことはございませんけれども、先ほどの答弁の中でもございましたように、また、内閣官房、内閣府の機能というのは、社会経済情勢の変化に応じて検討していくことが必要と考えられますので、本年一月の閣議決定にありますように、今後も随時見直しがなされることになると考えております。
○泉委員 ありがとうございます。
続いて、現在の政治状況等を踏まえ現状を維持するものということで、内閣官房にそのまま残るものということですね。こちらの方としては、情報通信技術総合戦略室、あるいは地球温暖化対策の推進、沖縄連絡室等々があるわけですが、この情報通信技術総合戦略室、現在何名専従で、これもどの省庁からの職員で構成されていますでしょうか。
○山下政府参考人 こちら、情報通信技術総合戦略室、常駐の職員数は、特別職であります遠藤内閣情報通信政策監を除きまして三十四人でございます。
出身省庁は、数が十二とちょっと多くなっておりますが、総務省、経済産業省、法務省、厚生労働省、財務省、農林水産省、警察庁、内閣官房、内閣府、消費者庁、国土交通省、国立印刷局でございます。
○泉委員 これはなぜ内閣官房に残すのか、そしてどのような選択肢が検討された中でこういう結論になったのかということをお伺いしたいわけです。
特に、先ほど紹介をした総合海洋政策本部や知的財産戦略推進事務局を、お言葉どおり捉えれば、これは恒常的かつ専門的な対応が必要だということで、まさに恒常的に安定的に内閣府でその業務をしていく。一方で、そうではないということで現状を維持するということについては、時限的ということなのかなと思っておりますが、この例えば情報通信技術総合戦略室は、どれぐらいの時限を考えて、あるいはどんな到達目標を考えて、この間、内閣官房に残しているのかということについてお答えください。
○山下政府参考人 現時点で、時限でいつまでということを念頭に置いているものではございません。
この情報通信技術総合戦略室につきましては、IT総合戦略本部の事務局としまして、現在、IT、情報資源の利活用によって未来を創造する国家ビジョン、世界最先端IT国家創造宣言や、これを実現するための工程表の改定などを行っているところでございます。
このような戦略的な部分をやっておりまして、IT政策の大きな方向づけを各省横断的に行っているというものであること、また、IT利活用の前提条件といたしましては、サイバーセキュリティーを確保することが極めて重要でございまして、サイバーセキュリティーは内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンターで行っておりますので、そことの緊密な連携のもとに議論、検討を行う必要がある、こういう観点から、引き続き内閣官房に置くということにしたものでございます。
○泉委員 その意味では、これはまさに今、年金の情報流出でも大変問題になっていて、サイバーセキュリティー対策というのは重要だということは誰しもが認めることだというふうに思います。
そして、この間、特に内閣官房の組織での大きな変化の一つとしては、例えば内閣情報通信政策監、これがしっかり置かれたということは大きな変化の一つだと思います。そういった意味では、この情報通信に関しては、大変重要であるということは一致しているところでありますし、そういった意味で、常にこれから存在していく組織であろうかなというような気もしております。
だからこそ、内閣府で恒常的に扱うということがあってもよいのかなと思いますし、そうすることの何か弊害というか問題が、内閣府に移管をするということになると、逆に何か弊害みたいなものがあるのかどうかというのをお答えいただけますか。
○山下政府参考人 若干、繰り返しにはなりますけれども、先ほど申し上げた内閣官房のサイバーセキュリティセンターとの連携という点がございます。弊害という意味ではございませんけれども、緊密に連携をとる必要があるという観点から、今回は内閣官房に残すということにしたものでございます。
むしろ、弊害ということよりも、先ほど申し上げました、今、政策の大きな方向づけを行っている段階であるということで、それは内閣官房、そういう考え方で整理をしたものでございます。
○泉委員 そのとおりで、実際には、内閣官房には基本的な機能として情報というのがありますので、そういう形で今回振り分けられたということであろうと理解をしております。
続いて、地球温暖化対策の推進、これは現在何名専従で、どの省庁からの皆さんで構成されていますでしょうか。
○山下政府参考人 地球温暖化対策の担当でございますが、これは、内閣官房副長官補のもとで行っておりますが、現在、常駐の組織や人員は配置しておりませんで、担当の職員がほかの業務を兼務しながらこの事務を行っているところでございます。
○泉委員 そうなんですよね。担当の専従者はゼロということであります。
だとして、我が国には環境省という立派な役所も新たにできて、そこが司令塔となって地球温暖化対策、それは当然外務省にも、文科省にも、国交省にもかかわるかもしれないわけですが、専従者がゼロ、皆さん併任ということの中で、それを内閣官房に引き続き置かなければいけない理由というのをもう一度教えていただけますか。
○山下政府参考人 地球温暖化対策につきましては、現在、二〇一五年十二月のCOP21までに、二〇二〇年以降の新たな枠組みを策定するための精力的な議論が行われているということ、それから、東日本大震災等の状況変化によるエネルギーミックスについての検討を行っているというところでございます。
これらについては、政策の大きな方向づけを行うものであり、機動的、弾力的に議論、検討を行うことが必要であるということで、内閣官房に引き続き置くということにしたものでございます。
○泉委員 当然、総理大臣のもとに環境大臣も置かれているわけですので、機動的にだとかということについては同じように実施できるのではないかと思うんですけれども、違いますかね。
COP21までに云々という話もありましたが、私が学生のころにCOP3がありましたから、これはずっと毎年やっているわけで、COPの数を数えたら幾らでも続いていくわけですよね。
そういうことを考えても、専従者はゼロということでありましたけれども、併任されている方々は、ふだん、この地球温暖化関連のこと以外にどんなことをされておられるんでしょうか。
○山下政府参考人 もともと、内閣官房副長官補の部屋に、環境行政を担当する職員やエネルギー行政を担当する職員がおりまして、そういう職員が本件を担当しております。
○泉委員 そういう方々が各省と連絡をとることは当然できるわけで、やはりこの地球温暖化対策というのは、出だしのころは、私は、最初は官邸が主導してということでよいと思うんですけれども、ある意味、地球温暖化対策というのは政府の主要な仕事の一つにもう既になっているわけであります。
大臣、これはぜひそろそろ、私は、ある意味恒常的な政策分野になったからこそ、しっかりと環境省も存在をしておりますので、この地球温暖化対策、国際会議でも大変重要な政策課題ですから、機動的な、総理大臣の意向がしっかりと入るようにということは大事だと思うんですが、それを言ってしまえば全ての政策課題は大事なわけでありまして、特にこういう環境省があるということを鑑みても、ぜひ、旗振り役はやはり環境省ではないのかなというふうに思いますが、大臣、その点、御答弁いただけますでしょうか。
○有村国務大臣 泉委員の問題意識に大変敬意を持って拝聴いたしておりました。
御指摘のように、環境省も大変専門的な知見や経験を発揮していただいております。
今、議論を拝聴いたしておりまして、やはり恒常的に地球温暖化対策というのは努めていかなきゃいけない国家の課題であり、国際社会の要請ということも理解をいたします。それゆえに、恐らくは、専門的知見を持っている環境省のみならず、例えばCO2の削減ということを考えますと、エネルギーベストミックスということでは経済産業省でございますし、外交交渉という意味では外務省でございますし、またそこにはまさに総理直轄の強いリーダーシップがおのずから求められます。
そういう意味でも、恐らくは、対外的にもこれを日本が重視しているというメッセージも含めて現在の布陣になっているというのが、よりベターだという認識でのポジショニングだと思います。
委員御指摘のとおり、確かに、どこにどういう機能を持たせてどういう布陣で取り組むのかということに対して、唯一絶対の正解答というのはあるわけではございませんので、その時々の政局あるいは国内外の情勢、そして世論の関心ということ、さまざまな要因を鑑みてのポジショニングということを考え続けることになろうかと考えます。
○泉委員 ありがとうございます。
政府として、総理、首相官邸として直轄的に行いたいというわけでありますが、今お話をしたように、専従者はゼロでありまして、そういった意味では、ある種形骸化してしまっているのではないのかな、いわゆる看板の組織になっている。これは内閣官房にはよくある話で、一つの部屋に二つも三つも看板がかかるなんということの風景も毎度のことだったわけでありますが、そういった意味で、私は、この専従者ゼロの組織についてはやはりよくよく御検討いただきたいというふうに思っております。
そういった意味では、同じく専従者ゼロの組織でありますが、沖縄連絡室、こちらも専従者はゼロというふうに伺っております。皆さん併任だということですね。
この沖縄連絡室というのは、民主党政権のときに発足をしたというふうに認識をしております。ただ、私は、民主党政権のときにできたからそれがベストの仕組みだとかそういうことは思いません。当時の政治情勢の中で設置をされたものでありまして、現在に合わせてどうかということは検討されなければいけないと思います。
きょうは資料をお持ちしました。「内閣府沖縄関係部局」という組織図を持ってまいりました。
この間、内閣委員会で質疑をしていますと、例えば年金の個人情報の流出では、山口大臣はじくじたる思いをされているだろうなと思うんです。一応、情報通信担当、IT政策担当ではありますが、危機管理ということでいうと官房長官の方に話が回っていって、情報の収集に関しては、情報の担当大臣でありながら後塵を拝するような、そういうような立場になっている。
同じように、沖縄の担当大臣、これはまた山口大臣なわけですが、これも、よくよく担務表を見ますと、沖縄基地負担軽減担当というのは官房長官なんですね。内閣官房で基地負担の軽減担当というのが行われているということでありまして、官房長官もかなり沖縄には直接的な関係を持っている。翁長知事が先日東京に上京した際も首相官邸で杉田官房副長官と面会をするだとか、官房長官と面会をするというようなこともありまして、この沖縄担当大臣というのは何なのかという話はよく聞くわけです。
これは我々のときも、沖縄のセンシティブな問題に関しては官邸がやっています、そして、沖縄の振興に関しては沖縄担当大臣がやっています、振興とセンシティブな問題についてはあくまで別であります、そういうある種の建前でずっとこの二元体制が繰り返されてきたわけです。
この部局の機構図を見ていただくと、総理大臣があって、官房長官が横に引っ張られていって、そして、真ん中に沖縄北方担当大臣、副大臣、政務官、事務次官、そして府審があって、政策統括官等々があるわけですが、これは内閣府の組織図ですから仕方がないわけですが、沖縄連絡室というのはここには出てこないわけですね。しかし、この機構図の中に沖縄連絡室を表現するとすれば、恐らく、官房長官の下に線が引かれて、そして沖縄連絡室というものがあって、そこから沖縄県の各自治体、県も含めて、直接線が引っ張られてしまうのかなと思います。
一方で、沖縄連絡室には分室というのがありまして、これは、この機構図でいいますと一番下の右側、地方支分部局の一番上に書いてある沖縄総合事務局、こちらの方の事務局長がたしか沖縄分室長という形になっておりまして、行き着く先は一緒ということであります。
平成二十二年の発足時には、沖縄連絡室というのは、室長が内閣官房副長官、これは事務の副長官であります、そして沖縄分室長が内閣府沖縄総合事務局長、こういう仕立てになっているわけです。
はてさて、沖縄と政府が連絡をとる場合に、今現在、沖縄連絡室はどんな役割を果たしているのかということなんですね。
これを引き続き内閣官房に残すということでありますけれども、いわゆる担務表でいうところの基地負担軽減のために沖縄連絡室があると考えてよいのか、それとも、もろもろの沖縄政策全般について連絡をとるために沖縄連絡室があると考えればよいのか。お答えいただけますでしょうか。
○山下政府参考人 御指摘の沖縄連絡室でございますけれども、沖縄連絡室は、沖縄県内の各自治体との連絡を行うため二十二年に内閣官房に設置されたものでございまして、現在、沖縄県に関する重要な課題に関して、沖縄県及び県内市町村等と政府の間の連絡窓口ということで置かれているものでございます。
基地負担軽減の方につきましては、負担軽減に関してできることは全て行うという政府の方針を実行に移すために、担当大臣を設けて、特に関係の深い大臣とともに、沖縄大臣と連携しつつ取り組んでいる、そういうものでございます。
○泉委員 いや、ですから、沖縄県の各自治体と連絡をとるということは内閣府沖縄関係部局の仕事ではないんですか。
○山下政府参考人 もちろん、内閣府に沖縄の担当がございますので、そういうところはございますけれども、先ほど申し上げた沖縄連絡室のそういう業務につきましては、官邸の意向も踏まえて、機動的、弾力的に対応することが必要であることから、内閣官房に沖縄連絡室を置いているものでございます。
○泉委員 専従者ゼロですよね。専従者はゼロ。そして、室長は事務の副長官、室長代理は副長官補、室員五、室員の数はまた今は変わっているかもしれませんが、みんな併任ですよね。
そこまで、ふだんの沖縄部局を使うことなく、直接地方公共団体の意見を聞くということを目的とされていたとして、現在も、直接、沖縄部局をすっ飛ばして電話がかかってきていると。それはどれぐらい電話があるんでしょうか。
○山下政府参考人 申しわけありません、ちょっと電話の件数は承知しておりませんけれども、現在も内閣官房の沖縄連絡室で沖縄との連絡をとってございます。
○泉委員 だから、わからないんですね。日常的にこれだけ大きな、この組織図でお見せしたような、沖縄振興局もあり、そして沖縄総合事務局もある中で、なぜに官邸直結の沖縄連絡室というものを設けなければならないのか。
これは、確かに、設けないことと設けることを比べたときに、設けた方が重きを置いているように思えるし、そして、もしこれをなくしてしまえば、沖縄とのパイプを壊すのか、そういう御意見、そういったものも出てくるのかもしれません。
しかし、私は、ある種政治的なメッセージも含めてこうして置かれた連絡室が、いわゆる内閣府の沖縄関係部局で本当にできないことなのかどうなのかということを考えていただきたいんですね。
沖縄担当大臣もおられるわけです。では、沖縄の各自治体の首長さんたちは、大臣には連絡できないんですか。大臣には直接言えないけれども、官邸にだったら直接申したいことがあるというのは、まあ、あるかもしれませんけれども、しかし、沖縄担当大臣がいる中で、部局を全てすっ飛ばす形で官邸に直結をして、確かに、沖縄というのはそれぐらい大事な場所だということは私は理解はします。理解はしますが、だからこそ大臣もおられるわけです。だからこそ大臣もいる。
そういうことを考えると、逆に言うと、大臣を余り軽く使っていただきたくないんですね。沖縄担当大臣がいる以上は、やはり大臣にそういったものを集中させて、官邸と大臣をしっかり結んでいくということがあってもよいのではないかというふうに思うんです。
この点について、沖縄連絡室、専従者はゼロでありますので、事実上、官房副長官に直接電話がかかるということでありますが、繰り返しになりますが、そうすると、官房副長官に何か連絡があれば、それが官房長官に伝わり、そして総理に伝わって、その中の情報の必要なものが沖縄担当大臣である山口大臣に伝えられるという理解でよろしいですか。
○山下政府参考人 確かに、常駐職員数はゼロなわけではございますが、先生もおっしゃられましたように、併任者はおりまして、それで連絡をとっているということでございます。
それから、内閣府の沖縄関係部局につきましては、先生からお配りいただきました紙にもございますように、政策統括官と沖縄振興局が政府全体を通じた振興策を推進するというところが、内閣府の沖縄関係部局のメーンの仕事でございます。そのため、沖縄の自治体との関係、もろもろの連絡をとるための連絡室として内閣官房にそういう部屋を置いて、併任をかけておりますけれども、その中には、当然、内閣府からの併任もいるということでございます。
○泉委員 結果的には余り変わらないというのは私も何となく理解をしているわけですが、担務表を見ますと、沖縄振興と沖縄政策というのが別に書かれています。
ここで言うところの沖縄振興以外の沖縄政策というのが、今御説明になられた部分と何が違うのか。これはわかりますか。どなたか説明できますでしょうか。
○山下政府参考人 確かに、この担務表、沖縄政策、沖縄振興とございますが、済みません、ちょっと今お答えできません。申しわけありません。
○泉委員 そういうことなんですね。もちろん、この沖縄政策という文字を読み込んでいくと、ああ、ここは実はあるんですよということが後で答えられるのかもしれませんが。
私としては、大臣がいるということの意味を、今回、年金の情報流出の問題でもやはり感じました。IT担当の大臣がいるけれども、実際にサイバーテロが起こってみたら、その大臣は日常的なサイバー戦略のみを担当していて、サイバーテロに直接対応する大臣ではなかったとか、沖縄大臣がいるけれども、沖縄の基地問題についてはかかわれなかったとか、次回の質問に回しますが、拉致問題の担当大臣がいますが、実際には御家族の対応だけに限定されているんじゃないかですとか、少し、内閣府特命担当大臣のせっかくのお立場が、何か実は名前に伴わない業務しか与えられていないんじゃないかということを私は感じるわけです。
こういうことは問題意識として私も強く感じながら内閣府の業務というものを見てまいりましたので、この次の質問のときにも、また、そういったことを詳しくお伺いしてまいりたいというふうに思います。
ですから、今回、スリム化法案が出されて、他の法案の審議が続きましたので審議まで少し時間もあったわけですが、私が思うのは、今回のスリム化法案というのは完成形ではないということであろうと思いますし、政府として、もう一段、もう二段、やはり踏み込むべきところがあったんじゃないかというふうにも思っております。
努力を多としながらも、さらにさまざまな組織の改革を行い続けていくということではないかという指摘をさせていただいて、まずは、私が用意した質問、現在で半分程度まで終わったかなと思っておりますので、本日の質問はこれで終わらせていただきますけれども、一つ一つの組織を重視しながら質問をさせていただきたいというふうに思いまして、本日は終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 おはようございます。民主党の津村啓介でございます。
本日は、お忙しい中、三人の大臣、副大臣、政務官にお越しいただきました。ありがとうございます。
きょうは、内閣府のあり方につきまして、るる御質問をさせていただきたいと思います。
まず、前提として、私の問題意識といいますか現状認識について少し敷衍させていただきますと、私は、今回の内閣府スリム化の前段にある内閣府というものをつくった二〇〇一年の省庁再編、橋本行革というのは、橋本元総理の大変強いリーダーシップのもと、二十世紀から二十一世紀に時代が大きく変わる中で、日本の官僚機構のあり方、そして政と官のあり方について、これは大きく大なたを振るった歴史的な改革であったというふうに考えております。
時代に即したものであったと思いますし、あの改革があったからこそ、その後の小泉総理のリーダーシップであるとか、あるいは、毀誉褒貶ございますけれども、民主党政権の政治主導、そして今の安倍総理の強いリーダーシップ、こういったものの制度的な背景になってきたというふうに思っております。
そうした中で、省庁再編から十五年がたちまして、先ほど泉君の質問に有村大臣がお答えになっていましたけれども、業務の拡大ということが積み重なってきて、ここら辺で少し整理をというのが今回の内閣府のスリム化ということでありますけれども、やはりこのスリム化というのが内閣府の機能強化につながるものでなければならなくて、スリム化イコール解体の方向に行ってしまっては、これは橋本行革の意義というものを否定するだけになってしまうわけで、ここは非常に中身を詰めて、峻別していかなければいけない。そういった意味で、先ほどの泉議員の質問というのは、るるそれを一つ一つ問いただしていたのだと思います。
私は、もう少し総論的な御質問をさせていただこうと思っています。
私自身も内閣府に所属したことがあるんですけれども、大変複雑な担務になっているわけで、大臣、副大臣、政務官、非常に御苦労が多いと思うんですが、一つ感じましたのは、後で時間が許せば御紹介いたしますけれども、いろいろな本部とか事務局のヘッドといいますかトップのポストがいわば各省庁の固定ポストになってしまっていて、もともとは各省庁の縦割りではさばき切れないものを内閣府に持ってきて、省庁中立的に、省庁横断的にさばいていくという趣旨でつくった内閣府が、実は各役所からの出先機関の集積になってしまっていて、結局、出先が集まっているだけの、そしていずれはその役所に戻っていく人たちの集まり。そうすると、当然、省庁中立的な判断ができない。そこが内閣府の業務の拡大というよりは内部調整コストの拡大ということにつながって、業務のボリュームではなくて、内部調整コストが大きく発生していること自体に私は問題の本質があるのかなと。
ですので、内閣官房から内閣府に移管するということの本質はよくわかりませんけれども、そういった組織図の変更だけではこれは解決できない問題なのではないか。
平さんも、また小泉さんも、きょうお越しでない西村さんも、内閣府の政務三役は、ほかの方に比べて経験の多い方、続投されたりとかあるいはほかの役所で経験を積まれた方が今内閣府の政務三役に配されていまして、優秀な政務三役の方が大勢いらっしゃると思うんですが、それは、逆に言えば、そういう経験値の高い方でなければ務まらない大変なお仕事に今なっているわけで、にもかかわらず、ほかの委員会の場でお聞きしましたけれども、必ずしも会議に十分御出席ができないほどの御多忙である。これは何とかしなければいけないと思うわけです。
これからるるブレークダウンしていきますけれども、私はきょう、七つほど御提案をさせていただきたいと思っています。
省庁中立的な政策判断、総合調整をしていくために、先ほど申し上げたように、いずれそのもとの役所に帰っていく官僚の皆さん、そういう方も大事なんですが、そういう方々に責任ある判断、最終判断をさせるということはやはり制度的に無理がありますので、私は、本部事務局のトップに、もちろん政務三役がしっかりとした判断をなされることは前提ですけれども、例えば民間人を登用するということ。これが一つです。
それから二つ目は、例えば、知財事務局はずっと経産省出身とか、あるいは海洋は国土交通省であるとか、固定的になっていますけれども、そういったところを、たすきがけがいいのかわかりませんけれども、ある程度人事をシャッフルしていくということが二つ目。
それから三つ目は、内閣府のプロパーの人材を充実させていくこと。もともと経企庁出身者あるいは科技庁の出身者が内閣府のプロパーとしているわけですけれども、それは省庁再編前の人事ですから、現在の内閣府としてプロパーの人材を育てるであるとかあるいは中途採用するとか、そういう形で、ほかのどこの役所にも帰っていかない人材をしっかりと集める、これが三つ目です。
それから四つ目は、昨年、山本大臣が科学技術の分野で取り組まれたことですが、平さんもその後の様子をごらんになっていると思いますけれども、幾つかの司令塔機能を束ねていらっしゃる大臣が、それぞれの会議の重複を排して、連絡調整会議というものを設けて、横串を内閣府の中でも刺していく努力をされる、これも一つの工夫だったと思います。これが四つ目。
それから五つ目は、以前、小泉政務官とも議論したことがあると思いますが、建物の物理的な集約ですね。八号館が供用開始されましたので、これで随分、内閣府のそれまで分散されていた事務が統合されたのかと思いきや、後で御紹介しますけれども、かなり集約が実は進んでいなくて、まだまだ改善の余地があるのではないかという点、これが五つ目。
それから六つ目は、政務三役が実質的な人事権をお持ちでないということを改善すべきだと思います。これも後で御質問させていただきますが、統括官であるとか事務次官の人事に副大臣や政務官がタッチされていない。人事権を持たない上司というのは非常にもろいものだと思うんです。こういったところも本質的な問題だと思います。
そして最後に、大臣の数よりも政務官、副大臣の数が少ない。これでは組織として非常におかしなことになっていると思います。
そういったことをこれからるる伺わせていただきます。
冒頭、有村大臣に伺いますが、私は、先ほど申し上げましたように、橋本行革の意義を損ねるような今回の法改正であってはならない、そう考えているわけですけれども、橋本行革は歴史的に見てどう評価されるべきだとお考えですか。
○有村国務大臣 津村委員におかれましては、政務官の御経験も交えての説得力のある問題意識の御提議をいただきました。敬意を持って拝聴いたしております。
刻一刻と変化し続ける社会情勢に対応し続ける政府のありようはいかにという意味では、常に行政組織がいかに布陣をしくべきかという本質的な問いに向き合っていかなければならないというふうに思っております。そして、これは日本の行政組織のみならず、世界各国の行政組織が常に意識をしていることだろうというふうに思います。森羅万象ある中で、全ての事象を受けとめていかなきゃいけない、受けとめていこうとする政府にあって、常にその組織のありようということは見続けていかなきゃいけないし、当然変化もあるというふうに思っております。
その中で、平成十三年に行われた省庁再編の大なたを振るわれたスタートの橋本行革においては、「総合性、戦略性の確保という観点から、基本的な政策の企画・立案や重要政策についての総合調整力の向上などを目指して官邸・内閣機能の思い切った強化を図る」ということを行政改革会議の最終報告で出しておられまして、私は、その視点で内閣府の新設、内閣官房の機能の充実を目指されたところは本当に炯眼に値するというふうに思いますし、十四年、十五年たとうとする現在においても、その趣旨、崇高な理念というのは全く陰りが出ないというふうに思っております。
同時に、現在、十四年経て、やはり時代の変化とともに、政府に求められる、行政に求められる要請も異なってきますから、これが膨大化していくときには、しっかりと機動性を持たすためのキャパシティーを維持するためにも法改正も辞さないというメッセージを出す上でも、今回の法案の改正ということは極めて大事なメッセージがあるというふうに思っております。
省庁編成時に期待された機能を十分発揮してきていると思いますけれども、未来を見据えての布陣というのはこれからもやり続けるというメッセージがこの法案改正には込められているというふうに理解をしております。
○津村委員 以下、先ほど七つ申し上げた論点について伺ってまいります。
一つ目は、民間人の登用でございます。
内閣官房の定員は、省庁再編直後は三百人台だったものが、今一千人を超えております。それだけ業務が拡大をしたということだと思いますが、そうした中で、円滑に人材配置する観点から、内閣官房には柔軟化枠という、定員のバッファーのようなものがございます。
私は、民主党政権ができたときに、国家戦略室というものを年度途中にいきなりつくろうとして、なかなかその定員が、そもそも想定されていない中で、この柔軟化枠を活用して民間から人を採ろうということを、政権交代は九月でしたので、年度途中にやろうとしたときに、勉強させていただいたんですけれども、この柔軟化枠というのは、省庁再編直後は二十だったものが、その後四十、そして民主党政権期に八十までこれはふやしまして、また少し、六十人台に減ったんですが、ことしから八十人にふえています。
私は、先ほど申し上げたように、省庁中立的な政策判断をする上で、民間人のお知恵をかりるというのは非常に重要だと思いますので、内閣官房の定員が全体で一千あるとすれば、そのうち八十というのは、むしろ少ないぐらいだと思うんです。
この八十人の柔軟化定数のうち、これは私から御紹介いたしますが、現在、民間から採用といいますか、この八十人の枠のうち、実際に使われているのは一人だけであります。これは、内閣情報調査室の鈴木内閣審議官、お一人であります。そして、御参考までに申し上げますと、内閣府の指定職ポストに民間から採用されている方は現在お二人でありまして、科学技術・イノベーション担当の審議官松本さんと、官民人材交流センターの副センター長の華房さんという方。計三名しかいらっしゃいません。
きょうは、時間が余りないので、数字をいただきまして私の方から御紹介させていただきますけれども、では、内閣官房の枢要な、例えば副長官補室でありますとか、あるいは、内閣府設置法十八条に重要政策に関する会議と定められている経済財政諮問会議の部局、総合科学技術・イノベーション会議の部局にはどの程度民間の方がいらっしゃるかといいますと、補室には、実員八百十八名中、現在百五十五名、一九%、日本経済再生総合事務局には四十六名中六名、一三%、それから経済財政諮問会議部局には五・五%、総合科学技術・イノベーション会議には一六・八%、非常に少人数にとどまっていると思います。
この民間人の登用の数について、とりわけ事務方幹部に民間人の方は余り採用されていないことについて、有村さん、どういう御判断でこういう人事をされていますか。
○有村国務大臣 お答えいたします。
民間からの人材登用については、官民人事交流法に基づく交流採用、あるいは任期を区切って職員法に基づいて採用すること、それから、国家公務員法に基づく選考採用、非常勤職員といったさまざまな制度が設けられております。御指摘の機構・定員についても、内閣官房、内閣府においては柔軟化枠を設けるなど、柔軟な運用が可能な仕組みを導入しております。
その一方で、御紹介をいただきましたとおり、民主党政権で実際に内閣官房の柔軟化定数ということでそれを活用しておられる数は現政権よりは人数が多いということもございますけれども、安倍政権になりましても、こうした制度を利用して、毎年度、実際に一定数の民間人を登用してきておりますので、こういった実績に鑑みますと、必ずしも制度的な問題が民間からの人材登用の制約になっているとは考えておりません。
私のもとでも、民間の優秀な、女性の方も含めて、民間の方が実際に幹部についていただいておりまして、民間の視点ならではの、御経験が生かされているなというふうに思いますので、この趣旨を大事にしていくということは安倍内閣でも引き続き堅持されるものと理解をいたしております。
○津村委員 おっしゃられたように、今回、柔軟化枠をまたふやされています。去年まで六十五だったものをことし八十にふやされているということは、これはこの制度を活用していこうというお考えだと思いますし、財務省や総務省の当局と内閣官房が折衝されてこの数字が出てきているわけですから、現政権が、こうした人材の流動化といいますか政治任用も含めて、意欲をお持ちだということだと思いますので、現在はしかし一人しか活用されていませんけれども、これからまだ年度は続いていきますので、有村さん、平さん、小泉さん、ぜひこの制度はしっかり活用していただいて、省庁中立的な判断ができる体制を築いていただきたいということがこの質問の趣旨です。
次に、二点目のたすきがけ人事の話に移りたいと思いますが、これも私の方から御紹介をさせていただきますけれども、今回、九つの事務が各省庁に移管をされました。そして、五つの事務が内閣官房から内閣府に移管をされました。
先ほど申し上げたように、私は、残念ながら、こうした事務は、これまで各事務局は各省庁が固定的にポストを独占してきたために、実際には出先というか植民地というか、そういうような存在だったと思っておりまして、そこをしっかりと見直していただくことが、移管するということではなくて運用で改善されるべきことではないかと思うんです。
具体的に申し上げますと、今回、内閣官房から内閣府に移管された五つの事務局があります。一つは知財、これは省庁再編からこれまで六人の事務局長がいらっしゃいますけれども、五人が経産省で、一人が文科省。海洋本部は、設置されましてからこれまで五人の事務局長がいらっしゃいますが、全員国土交通省。そして、地域活性化統合事務局は、設置されてからこれまで六人の事務局長がいらっしゃいますが、全員国土交通省。宇宙本部の事務局は、これまで四人のうち、二人は民間、一人は財務省、一人は経済産業省。バラエティーという意味ではほかとは違います。道州制特区に関しては補室付ということなので、特にトップがということではないようです。
移管することも結構なんですけれども、これから内閣府に移管して、こうした人事を見直していかれる、固定的なポストとしていくことを見直していくお考えがあるかないか、有村さんに伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
御指摘のとおり、人事の運用に当たっては、出身の省庁にとらわれず、当該職員の能力、適性を見きわめ、適材適所の人事を行うことが何よりも肝要であると私も考えます。その前提に基づいて内閣人事局というものがつくられたのだと理解をいたしております。今後の運用に当たっても、引き続き、この観点から行われるべきものであり、そして、その趣旨はより、実際の人事を見てもそのメッセージが貫かれなければならないというふうに思っています。
先ほど津村委員から御紹介いただきましたように、幹部の出身の省庁を見ますと、固定的なポジションというのも随分あります。これも含めて、見える化、公表をされていますので、そういう意味では、国民の目線、立法府の目線、それから内閣人事局のみずからの自省ということからも、やはり、出身省庁だからそのポジションにつくというのではなくて、適材適所がなされているかという監視の目も強くなるし、その負託に応えていかなければならないというふうに思います。
○津村委員 三点目の、内閣府のプロパー人材をしっかり育成していくべきだという点について、小泉さんと平さんに伺わせていただきます。
今の時期、ちょうど、いわゆるキャリア官僚ほか国家公務員の皆さんの新卒採用の時期に当たっていると思います。役所を訪問される方、官庁訪問されている方の姿をちらほら霞が関かいわいで見かけるわけです。
この新卒採用に当たって、内閣府に少しでもいい人材を採っていただくのが、これは政務三役の大事なお仕事でもあるというふうに思うんですけれども、内閣府の所掌が大変多岐にわたっていて、消費者庁であるとか、食品安全であるとか、知財もそうですし、科学技術もそうですし、経済もそうですし、一体、自分が内閣府に入ってどんな仕事をするのかというものが、学生さんから見て非常によくわからない。
昔であれば、旧経済企画庁に就職する、旧科学技術庁に就職をするということであれば、自分が原子力であるとかあるいは景気分析であるとか、非常に夢を持って、大学の経済学部の優秀な学生あるいは理系の優秀な学生が勇んで応募してきた、志望してきたということだと思うんですけれども、今、内閣府には文系が向いているのか理系が向いているのか、いろいろな職種があるとはいえ、自分は一体どういう仕事をするのかということが、非常にキャリアパスが見えにくい官庁になっていると思います。
人事のことですから余り具体的な数字は申し上げませんが、志望者の数あるいは志望者の内訳を見て、中には、以前に比べて志望者の数が減っている、あるいは、応募してくる学生のタイプが少し変わってきているということをおっしゃる方も内閣府の中にもいらっしゃると思います。
こうした現在の新卒採用の実態について、小泉さん、平さんが、それぞれ、経済財政あるいは科学技術の御担当ですけれども、どういった感想といいますか問題意識を持っていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○平副大臣 まず、志望者のところについては、ここ数年、安定的に推移をしているという認識でございます。1種試験の官庁訪問者数の推移というのも安定をしている。
ただ一方で、所掌がとても広いので、スペシャリストを目指す人からは、キャリアパスが見えないというところはあると思います。
他方、私も内閣府に入って再認識をいたしましたが、国家の重要課題を解決するための、時の政権の重要政策を担うことが非常に多いわけであって、私も、内閣府の副大臣をやっていますと言うと、地元で、何をやっているの、中身がわからないと言われるんですが、地方創生、アベノミクス、クールジャパンなどなどをやっていますと言うと、何か大事なのを全部やっているんですねというふうに言われます。
ですから、そういった、やはり重要な政策、その時々の重要テーマを司令塔として扱う役所なんだというところの学生さんに対する発信はちょっと足りないと思っておりますので、そういったことはしっかりとこれから発信をしていきたいと思っております。
○小泉大臣政務官 志望者については、平副大臣から数字の紹介もありましたが、もう少しそれを数でいいますと、昨年が百五十二人というのは、官庁の訪問をしてきた方の数ですね。それは、それまでの平成二十三年とか四年とか五年と比べると、約二十名ぐらいふえている、そういった状況にあるので、安定的には推移しているとは思います。
ただ、やはり、問題意識として、キャリアパスがなかなか見えにくいというのは率直に受けとめなきゃいけないと思います。
それ以前に、平副大臣も申し上げましたが、政務の中でも誰がどの所掌なのかというのは大変複雑で、私も今、三人の大臣のもとにお仕えをしていますが、その大臣の所掌の中の副大臣と政務の関係も必ずしも一本に通っているわけじゃありませんので、そこの明確化をどうやってやっていくかということもあわせてやらないと、そこに働く公務員の皆さんのキャリアパスの明確化というのにもなかなかつながらない部分もあると思うので、問題意識としては、津村議員と同じ危機意識と問題意識は持っております。
○津村委員 小泉政務官と同じ危機意識を共有できて大変光栄でして、いや、笑う話じゃなくて、これはぜひ、与党なんですから、一つは、運用で、内閣府の大臣、政務官の所掌が入り繰りになっているのは、それは人事の問題ですから、法律事項じゃありませんから、ぜひ人事で工夫されたらいかがかなということが一つありますし、今回これだけの法案を出されるのであれば、ぜひ、政務官や副大臣の増員であるとか、あるいは、後で触れますけれども、大臣補佐官の制度を活用されていないわけですからね、皆さんは。そういったところをもっともっと工夫ができるはずなんですよ、皆さんのお立場なら。だから、そこがちょっと努力が足らないんじゃないですかということを私は申し上げたいんです。
同じく、内閣府のプロパー人材の育成という観点で、これは平さんに伺いたいと思いますけれども、なかなかプロパーが、省庁再編からまだ時間も十五年しかたっていませんので、プロパーの人材が必ずしも育ってきていない。旧何庁ということがまだつきまとうわけで、これから色を少しでも薄めていくといいますか、多様な人材を育てていくという意味では、各省庁の中堅クラスの方を片道切符で、もとの省庁には戻さずに、内閣府に来てくれ、内閣府で骨を埋めてくれという形で採用するであるとか、あるいは、民間から積極的な中途採用を行っていくべきだと思うんです。
今、現状の数字をいただきましたけれども、年間数名しかそうした中途採用はしていないようですけれども、ここを拡大されていってはいかがですか。
○平副大臣 昨年、公務員制度改革をいたしまして、幹部人事については内閣人事局で省庁の垣根を越えて登用ができるというような仕組みをつくりましたので、津村委員の御指摘はその手前の話だというふうに思います。
まず、片道切符は、いい部分と悪い部分があると思います。片道切符になった瞬間、いい人材は出さない可能性があって、まち・ひと・しごとは、おかげさまで、エース級を各省庁から出していただいておりますので、そこをどう考えるか。ですから、そういった意味では、流動性を確保し、柔軟性を確保というところでは、片道切符と決め打ちするのはちょっと厳しいかなと思います。
一方で、若手の人事交流の拡大は、まさに、さらに進めていくべきだと思います。
積極的な中途採用、先ほど、さまざま制度があるにもかかわらず、最大限活用していないんじゃないかという御指摘がありました。それは我々も反省をして、中途採用を含めて検討してまいりたいと思っております。
○津村委員 四つ目の論点に行きたいと思います。会議の統合運用であります。
これは、山口大臣と議論をさせていただいて、平さんも聞いてくださっていたと思うんですけれども、今、大変兼務が多い状況でいらっしゃるわけですけれども、今回話題になっている知財であるとか海洋、そして総合科学技術・イノベーション会議、宇宙、原子力、こういったものを、それぞれの会議に毎週全部なかなかお出になることは難しいと思います、かなり熱心にお出になっていますけれども。
その議論を、各省の、知財だったら経産、海洋だったら国交、さっきもあったような固定的なあれになっているわけですけれども、だからこそ、事務局長たちは余りこの調整連携会議を好んでいらっしゃらないように私は思うんです。そこはまさに政務三役がリーダーシップを発揮して、一堂に会してイノベーションについて語ろうじゃないかということをやれば、政務三役がしっかりと一元的な形で議論に参加できる、そして適切な指示もできるでしょうし、重複も省けると思うんです。
そのことを、これは山本大臣とも何回もやりとりして、実際、山本大臣は二年前にその会議を設けて、一年以上運用されましたが、残念ながら山本大臣の退任とともに、この制度は引き継がれずに、今では開かれていないと聞いております。平さんはなぜこの会議をやめられたんですか。
○平副大臣 まず、これを御指摘いただきまして、もう一度確認をさせていただきました。
一般論ですが、私も十年間政治家をやっていて感じるのは、役所は政務三役を分断統治したがるんですよね。都合のいいときに都合のいい政務官とか副大臣とか大臣のところへ行って、それで道をつくっていくというところがあります。
民主党政権時代に、唯一ではないですけれども、よかったなと思うのは、政務三役会議をやられていましたよね。あれは非常にいい手法だったと思います。
ちなみに、私もそういう問題意識を持っているので、石破大臣、平、小泉進次郎政務官のところは、政務三役会議のようなものを定例化し、そこに役所を呼んでいます。ですから、ここは政治主導がかなりうまく回っていると思います。
司令塔のところですけれども、山本一太前大臣、やはり非常にいい提案を出されていると思います。津村議員との議論の後で、私、事務方に聞いて、山口大臣にちゃんと引き継ぎをしたのかと。一応事務的にはしたと言うんですが、実際、やはり役所からとると、余りおもしろい話ではないので、ちょっと引き継ぎが弱かったんじゃないかなと率直に思います。
私は、やはりこういうような司令塔間の、室長が集まって、できれば大臣の下というより政務三役の下で情報を共有し、政治主導をし、横軸を入れていくことは重要だというふうに認識をしておりますので、どういうやり方にするかはまだ決まっておりませんが、あの後も、山口大臣含め、こういうような仕組みをつくっていきましょうということを今取り組んでいるところでございます。最終的には山口大臣の御判断になりますが、そういう方向で私は今取り組んでいるということは御報告させていただきたいと思います。
○津村委員 全く今、平さんのおっしゃったとおりだと思うんですよね。まさに分断統治そのもので、統治されているんですよ。人事もタッチされていないわけだし、本当に残念なポストになっちゃうわけですよね。
平さんや小泉さんが石破さんと一緒に政務三役会議的なことをされているのは、いつもフェイスブックとツイッターで拝見させていただいておりますけれども、よく発信されていますけれども、これはぜひ、そういう、政務三役が一体となって意思疎通するということと同時に、まさに文字どおりの横串を、今本当に平さんおっしゃったとおりですけれども、事務局の方々は嫌がることですから、政務三役が意識してやらないと、それはやりませんよ。政務三役が割ところころかわることをいいことに、引き継ぎのところでさっと省いているわけですから、そこはぜひしっかり問題意識を持っていただいて、またいずれの日か副大臣、政務官も退任される時期が来るわけですけれども、しっかり次の方にも引き継いで、いいことは残していただきたいなというふうに思います。
次の問いに立てているのはこの話の延長だったんですけれども、この問いは省きます。
今回、知的財産権のところを初め五つの事務が移管されるわけです。
私、司令塔連携・調整会議的なことを民主党政権のときにもやろうとして、実際的にはやったんですけれども、それが制度化できない一つの理由として、内閣官房にあるものと内閣府のラインにあるものを制度的に一緒に運用するのには問題があるという議論がありました。ただ、今回、これが内閣府に移管されるわけですから、少なくともその制度的な制約は取り除かれるので。
実務的に内閣官房から内閣府への移管が何を意味するのか非常に疑問です、それでスタッフがふえるわけでも減るわけでも恐らくないので、ここは運用面で何か工夫をされないと、単に法律を書きかえただけの話に終わりますので、ぜひ工夫をしていただきたいなというふうに思います。
次に、五つ目の、物理的な建物の議論をさせていただきます。
有村さん、お手元に多分、八号館整備に伴う庁舎の集約状況についてという紙を大臣にもお持ちいただいているはずなんですけれども、現在、内閣官房、内閣府の事務局というのは、建物でいうと何カ所に分散されていますか。
○有村国務大臣 お答えいたします。
現在、内閣官房及び内閣府の事務棟は十三カ所に分散をしています。行政棟もございますし、民間のビルもございます。
○津村委員 私は、これは何回か問うたことでありまして、実は私自身が内閣府の政務官だったときに、政務官は三人いたんですけれども、そのうちの一人である私のかかわる事務局だけでも十五個の建物に分散していまして、お正月に各事務局を激励に、御挨拶に回ったんですけれども、十五カ所回って、これはなかなか大変だなと思ったわけです。やはりそこも、先ほどの司令塔連携・調整的なことがなかなか進まない物理的な制約になっているという問題意識を持ちました。
そうした中で、昨年から内閣府の合同庁舎八号館が供用開始になりまして、その直前まで十三カ所に分散されていたものが十一カ所に、わずか二つですけれども集約が進んだと思いきや、また一年たって二カ所ふえて、全然これは状況が改善されていないんですね。
今、四号館から八号館に大分移りましたから、四号館は、今免震工事をしているんだと思いますけれども、大分あいているはずです。私は、本府庁舎も建てかえが近いと聞いていたと思ったんですけれども、きのう確認したら、余りそうじゃないようです。
いずれにいたしましても、この十五カ所を、免震工事後の四号館の活用も含めて、もっともっと集約を進めていくべきだと思うんですが、どういう問題意識をお持ちで、今後どう取り組まれるお考えか、有村大臣のお考えを聞きたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
先ほど御言及いただきました政務三役が顔を合わせることもそうですし、やはり、政治家が夜な夜な一緒に食事をとるというのは、物理的な近さで、マイクのない中で、お互いの腹を割って考えを共有していくというのは極めて大事な営みだと思います。
そういう意味では、内閣官房及び内閣府の事務棟ということも、現在十三カ所に分散してございますけれども、できるだけ会議が早くできるように、あるいは意思決定ができるようにという、物理的なアドバンテージが生かせるように集約化していくことは極めて大事なことだと思っています。
具体的に申し上げますと、平成二十八年一月には、現在、山王パークタワーに入居しております消費者委員会事務局が、第四号館に移転する予定でございます。そして、この見直し法案をお認めいただけますならば、この法案に盛り込まれた組織の移管に伴って、現在、合同庁舎五号館に入居している、子ども・子育て本部、児童手当管理室を、八号館に移転したいと考えております。
こうしたことを一つ一つ実現することを通して、今後もさらなる集約を図っていきたいと考えております。
○津村委員 平さん、質問にはしませんが、一つ御提言申し上げますけれども、今、尚友会館にあるIT担当室は、ぜひ八号館に移すべきだと思います。科学技術・イノベーションの分野で、これは何回も議論させていただいて、前向きにされると言っていたのが、そうなっていないんですけれども、明らかに物理的に離れ過ぎていますし、八号館にはまだスペースがあるはずですので、御検討いただければと思います。
六番目の論点ですけれども、政務三役の人事権が非常に制約されていることについてです。
ほかの役所でも、大臣が人事権を持っていることになっていて、それに副大臣、政務官は直接かかわれない仕組みになっていると思いますが、内閣府におかれては、官房長官が人事権を持って、各特命担当大臣すらこれは人事権を持っていないということで、非常におかしな姿だと私は思うんですけれども、小泉さんと平さんに伺わせていただきます。
小泉さんは、平成二十五年の九月に政務官に着任をされまして、その後、御担当の事務の中で、平成二十六年一月に松山事務次官、そして、平成二十六年七月に前川、田和両政策統括官が就任をされています。
この人事について、大臣、副大臣、政務官それぞれが、この発令前のどのタイミングでこの人事をお聞きになったか、とりわけ、大臣、副大臣と政務官の先後関係、どちらが先だったかということについて伺いたいと思います。
○平副大臣 今御指摘のとおり、我々には人事権がありませんが、発令前に人事について説明を受けたと承知をしております。政務官と私、どっちが前後かはわかりませんが、ほぼ同時期だとは思います。
○津村委員 今、私は、松山次官と前川、田和両統括官の人事について、小泉政務官が、西村さんや甘利さんと比べてどちらが先に聞かれたかということを伺いました。
○小泉大臣政務官 結果として、平副大臣がお答えになったのと同じような感じですけれども、私もほぼ同時期だったんじゃないのかなと。
具体的に、その人事の話があったときに、一体この案件は副大臣に何月何日のいつに行ったのかとか、そういったことは確認することがないので、こういったことの人事になります、ああ、そうですか、頑張りましょう、そういった形で話が進みますので。私として、田和さんと松山次官が発令となった時期というのは出ていますけれども、先生はお持ちですけれども、私のもとに何月何日に来たのかというのは、ちょっと私も今はわかりません。
○津村委員 これは大変重要なことなので、事前通告を丁寧にさせていただいております。ですので、事務方からきちんと伝わっていないのであれば大変遺憾なんですけれども。
具体的な、何月何日何時までは聞きませんが、問題の本質は、どういう順序であるべきで、どういう法律的な根拠があって、そのとおりしっかり運用されているのかということです。大体同じだったんじゃないですかねという問題じゃないですよ。人事権がきちんと行使されているかどうかの話を、法的根拠も含めて問うているわけですから。大体同じじゃだめです。どちらが先かが大事なんですよ。いかがですか。
○小泉大臣政務官 先ほど津村先生も御自身で言及されたとおり、内閣府は、特命担当大臣ですら人事権はありません。そして、副大臣、政務官も、同じく人事権もありません。制度的に言えば、内閣総理大臣が人事権者ということになりますので、私たちは、人事の話が来ても、人事権がないわけですから。
そういった中で、人事は、内閣府特有のあり方というのはあるかもしれませんが、先生がおっしゃるように、確かに、政治家にとっては、人事権というのはリーダーシップを発揮する一つの大きな力だとは思います。
ただ一方で、だからこそ、では、組織の中で、副大臣や政務官にまで人事権があることが、組織の運営、運用の観点からいいのかどうかというのは、やはりそれなりの議論が必要な話だとは思います。特に内閣府の場合は、大臣のもとに仕えている官僚も、何人もの大臣に仕えている官僚もいるわけで、仮に、さっき先生がおっしゃったような、大臣の方の数が多くて政務官が少ないとか、そういった所掌の複雑な人事の中に人事権をどういうふうに議論するかというのは、しっかりとした議論が必要だな、そう感じております。
○津村委員 おっしゃるとおりだと思います。
これは私の御提言ですけれども、先ほど、石破さんと平さんと小泉さんが、地方創生の部分ですか、一緒に時々会議を持たれている、すばらしいことだと思うんですが、例えば、その分野に関する人事については、もちろん、法律上それは官房長官が決裁するわけで、お三方に人事権そのものはないわけですけれども、事務方が官房長官に、あるタイミングでそれを持っていくわけですよね。大臣や副大臣、政務官が陪席するなり、あるいは了解するなりして、了解という言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、事前にそれを聞いておくということは別にあってもいいことだと思います。
大体同じじゃなくてぜひ同じタイミングで、政務三役会議の場で説明はしろよと、官房長官に人事案を持っていくなり内閣人事局長に持っていく際には、別に自分たちに人事権はないかもしれないけれども、しっかりと情報としては通せということを運用としてされるだけでも意識は変わっていらっしゃると思いますし、非常に意味のあることだと思いますので、このことは本当に重要なことだと思うんです。
政治主導をしっかりやっていくためには、この府省設置法のあり方を変えて、本当は政省令で行政機構を変えられるような仕組みにするというのも重要な議論だと思うんですが、きょうはそこまで申しませんけれども、運用面で相当いろいろな工夫ができると思いますので、ぜひ問題意識を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
最後に、もう一点。こうした人事的な工夫でやるべきことがまだされていないことのもう一つの問題が、私は、大臣補佐官の制度を皆さんが活用されていないことだと思います。
これだけ御多忙で、これだけ煩雑な、そして業務のスリム化をしようというときに、せっかく、安倍政権になってから、皆さんの政権で大臣補佐官を各大臣が一人ずつ置けるということになったわけで、こんなにありがたい話はないと思うんですけれども、有村大臣は補佐官を置かれていないし、平さんのラインである山口大臣も置かれていない、甘利さんは置かれていますが。これはどういうことですか、有村さん、平さん、お二人に伺います。
○有村国務大臣 御指摘のとおり、内閣府設置法においては、内閣府に、特に必要がある場合において大臣補佐官を置くことができるとされています。
私自身も補佐官を持てる立場にございます。実際にそれを試みまして、具体的な人事のアプローチを行ったことも三度ほどございます。ですが、そもそも、きょう申し上げて来月来てくださいというような方で、本当にその課題を解決するに値する人とのマッチングがなかなかにうまくいかないという現実にも直面をしております。
現在のところ、やはり大臣補佐官というのは指示系統、命令系統の中に入っておりませんので、しっかりと、命令系統、指示が出せる、組織が動かせる赤澤副大臣及び越智政務官、本委員でもいらっしゃいますが、その指示系統をしっかりと持っていらっしゃる政務三役の連携をすることで、私は何ら不足を現在感じているところではございませんので、それぞれの大臣によってその採否をお決めになられるものと理解をいたしております。
○平副大臣 公務員制度改革で大臣補佐官が置かれることになりました。昨年、まさに私はここの法案修正担当理事で、近藤洋介さんと後藤さんとぎりぎりやって成立をさせていただきました。本当に大臣補佐官の制度は、有効に活用すれば物すごい政治主導になると思います。
一方で、山口大臣がなぜ置いていないのか、その理由は承知をしておりません。
○津村委員 いろいろ僣越なことも申し上げましたが、せっかく優秀な政務三役の方々がいらっしゃって、大変激務の中頑張っていらっしゃるので、今ある制度をより活用していただいて、よりよい仕事をしていただければと思って御質問させていただきました。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。
本日は、議題となっております、いわゆる内閣府スリム化法案に関連して質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、本法案は、名前にあるとおり、内閣の重要政策に関する総合調整等の機能強化が目的のものだというふうに考えております。したがいまして、本法案の担当大臣は、内閣官房、内閣府、それぞれにおいて事務を統括している内閣官房長官がこの法案の担当かというふうに思っておりました。菅官房長官が担当大臣として質疑に当たられるのではないかなというふうに認識していたところでありますけれども、政府の見解を有村大臣に伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
この法案につきましては、内閣総理大臣から、内閣官房、内閣府の業務の見直しに関する事務を行政改革担当大臣に担当させるとの指示を指示書に基づいていただいていることに基づいて、私、行政改革担当大臣の職にある者が取りまとめております。
なお、内閣官房の主任の大臣は内閣総理大臣とされているため、本法案の閣議請議は内閣総理大臣が行われましたが、申し上げましたとおり、この見直しの担当は私であるため、この法案に関する国会審議も私が担当させていただくことになっております。
御参考までにでございますが、この慣行は、民主党政権においても幾つかの例があるというふうに承知をしております。
○河野(正)委員 了解いたしました。
内閣官房、内閣府の見直しは、安倍内閣の前の野田内閣によって、平成二十四年十一月、内閣官房及び内閣府の本来の機能を向上させるための事務分担の見直しの基本方針が閣議決定され、それをもとにして、翌十二月、多くの組織が改廃されました。
本法案の内容を見ますと、平成二十四年十一月の閣議決定で示された基本方針を踏襲し、それを法案にまとめたものと思われます。本法案は、そうした取り組みの延長にあるものと位置づけられるのでしょうか、または、これまでの取り組みでは不十分という認識で検討されたものであるのでしょうか、政府の見解を伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
御指摘いただきましたとおり、民主党政権時にも同じ方向性の問題意識がなされていたようでございます。内閣がその時々の国政の重要課題に戦略的、機動的に取り組むためには、省庁再編時の考え方ということに立ち返って、担うべき機能にふさわしい事務を重点的に担うということで、それ以外については、最も関連の深い省庁等に移管するなど整理合理化を進めていくことが必要というふうに認識をされて、そのもとで、官房及び内閣府の本来の機能を向上させる観点から、必要な措置を講じるように試みられたというふうに理解をしております。
そういう意味では、今回の見直しにおいても、内閣官房と内閣府の重要政策に集中する機動性を堅持すること、本来の司令塔の役割を発揮できるようにすることということを狙いにしておりまして、民主党政権時に考えられた基本理念あるいはその取り組みと志を一つにしているものだと理解をいたしております。
○河野(正)委員 これまでの取り組みについて伺いたいと思います。
二〇〇一年の中央省庁再編では、一府二十一省庁を一府十二省庁へと体制が大きく変わることとなりました。その目的は、先ほど来お話もいろいろありますけれども、省庁のスリム化、縦割り行政の打破、内閣機能の強化であったというふうに思っております。中でも、目玉の一つが、内閣府の創設による内閣の機能強化であったものだと思います。
複数の省庁にまたがる政策課題に対応して、首相の指導力、リーダーシップを高める組織として内閣府を創設し、内閣官房とともに他の省庁より一段高い位置から企画立案、総合調整機能を持たせることになったというふうに認識をいたしております。
この改革から十五年目を迎えたことし、内閣機能のかなめである内閣官房、内閣府の機能を見直す法案が現在提出されたわけでございます。
中央省庁再編後の十五年を振り返って、内閣官房、内閣府のあり方を初め、どのように評価されているのか、政府の見解を伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
省庁再編時にうたわれました総合性、戦略性の確保、そして官邸、内閣機能の思い切った強化を図るという趣旨での内閣官房の機能の充実と内閣府の新設、その趣旨は連綿と受け継がれているというふうに思います。
それがゆえに、一定の機能、信用が内閣官房、内閣府に集中して、この十四年余り、肥大化をしてきた。これは本来の趣旨ではないですけれども、おのずから、その実績、あるいは省庁横断的な事案というものが時代の経過とともにふえてきた、そういう、別の言い方をすれば、信用の証左であったのかもしれません。
そして、この理念は機能しながらも、十四年ぶりに法改正を伴う改正をしていくわけでございますから、今後も、そういう時代の変化に基づいて適切な行政組織のあり方を見直していくという意思を明確にするためにも、この法案をぜひ通させていただきたいというふうに思っております。
○河野(正)委員 内閣の機能強化と同様の文脈で、政治主導の確立ということも主張されてきました。特に、民主党への政権交代では、国家戦略室の設置や行政の事業仕分けなどを通じて、いわゆる政治主導の取り組みが進められてきたのかと思います。
内閣が重要な政策課題に取り組む上で、内閣総理大臣が強力なリーダーシップを発揮して、戦略的に対応することが重要という本法案の提案理由を読みますと、民主党政権による政治主導の取り組みと今回の安倍内閣の考え方は、一見、方向性にそう大きな違いはないように感じるところであります。
現内閣は、民主党政権による取り組みを厳しく批判してこられているわけでもありますけれども、この点を踏まえて、民主党政権による政治主導の取り組みをどのように評価して、今般の考え方がどのように違っているのか、実際に現在政権を担っておられる立場から、安倍内閣の見解を有村大臣に伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えをいたします。
大臣の一人という立場で安倍内閣の全ての政治主導を代弁できるかどうかというところはそもそもためらいがございますけれども、時の政権が、やはり総理大臣の権能ということが遺憾なく発揮できるように主導権を発揮したいと思うことは、おのずから無理からぬことというよりは当然のことだというふうに思います。
恐らくは、民主党政権で考えられました政治主導ということの理念と実態、そして御実績ということを考えれば、必ずしも安倍内閣、自民党、自公政権がそれをそのまま踏襲しているとは思いません。けれども、その実態、実績は別にして、政治主導を確立するための行政組織がいかなる形であるべきかということは志をともにしているところでございますので、共通する部分での組織改編ということはぜひ進めたいと思っております。
○河野(正)委員 有村大臣は、本当にさまざまな分野の所管大臣として御活躍をされていると思います。内閣府特命担当大臣として、規制改革、少子化対策、男女共同参画を担当されている一方で、女性活躍担当、行政改革担当、国家公務員制度担当という役割もお持ちでございます。
特命担当大臣と担当大臣では役割や権限にどのような違いがあるのか、簡単に教えていただきたいと思います。
○山下政府参考人 お答えいたします。
内閣府特命担当大臣は、まず、担当する業務が内閣府の業務でございます。それから、内閣府設置法に位置づけられた役職でございます。
内閣府特命担当大臣は、内閣の重要政策課題のうち、恒常的、専門的に取り組むべきもの、そういうものは内閣府の担当となっているわけでございますが、そのために必要がある場合に、内閣府設置法の規定に基づき置かれているものでございます。
他方、いわゆる担当大臣につきましては、これは、内閣府以外の内閣の重要政策に関しまして、内閣府設置法等の法規定はございませんで、内閣総理大臣の命を受けて、特定の分野における重要案件の推進のため、関係行政機関の事務が円滑に行われるようバックアップし、その実施の推進を要請するなどの事務を行う、そういうものでございます。
○河野(正)委員 内閣府には、現在八名の特命担当大臣がおられると思います。一方で、先ほど来もお話ありましたが、副大臣、政務官はともに三名ずつということで、大臣の数の方が多い状況となっております。それぞれの政策課題ごとに大臣、副大臣、政務官の政務の意思決定のラインが異なっているのかというふうに思います。
以前もこれは伺ったかと思いますが、担当表を見ますと、極めて複雑になっています。そんな中で、政務の間でどのように意思の疎通を図っておられるのか、有村大臣の担務において具体的にはどのように取り組んでおられるのか、伺いたいと思います。
○有村国務大臣 御指摘のとおり、ほかの省庁とは異なりまして、内閣府の副大臣や大臣政務官が複数の特命担当大臣を支える体制にあることは現実のところでございます。
私のもとでも、赤澤副大臣、越智大臣政務官、ともに極めて多忙な中でいらっしゃいますが、御本人が前にというわけではないんですが、職務遂行能力、またその遂行能力を発揮していくための信用や人格、ピカ一の方々とコンビが組めるというのは本当にありがたいことだと思っています。
そのアドバンテージということを大変ありがたいと思うと同時に、制度的に、森羅万象、全てを人工的に区切る組織図でちゃんと解決できるのかどうかといえば、おのずから、いろいろな溝やむらや無駄というのが出てきます。そして、どこにも落ちなかったものが内閣官房や内閣府に、重要であればやはり引き取るというような側面もあると思いますので、そこは制度面で、あるいは実践面で努力をしますけれども、そこのおのずからの制約というのはあるなということを日々感じるのも率直な、偽らざる思いでございます。
○河野(正)委員 赤澤副大臣におかれましては、有村大臣の担務のほか、山谷大臣が担当する防災、拉致問題、海洋政策・領土問題、国土強靱化のほか、麻生財務大臣が担当しておられる金融、さらに賞勲などの内閣府固有の事務の一部も担当されていらっしゃるかと思います。また、越智政務官におかれましては、赤澤副大臣とは異なって、山谷大臣の担務は担当されていないというふうに思います。
このように大臣、副大臣、政務官が担当する分野が異なっている現状で、政治による意思決定や意思の疎通にそごが生じないのかどうか、確認させていただきたいと思います。
改めて、越智大臣政務官、赤澤副大臣から、御自身の通常の職務を踏まえて、現状認識、課題についての御見解を伺いたいと思います。
○赤澤副大臣 内閣府の組織の特徴として、内閣総理大臣のリーダーシップを支える存在として、内閣の重要政策に関して、必要な場合には複数の特命担当大臣を置けると。一方で、副大臣、大臣政務官は、今御議論あるように、内閣府設置法でそれぞれ三と定数が定められていて、結果、非常に広範な課題を担当して、複数の大臣を支える状況がある、全く委員御指摘のとおりでございます。
その現状をどう考えているかということでありますが、私は、現在、四人の大臣にお仕えをしており、指導力のある非常に魅力的な大臣のもとでとても貴重な経験をしていると受けとめております。
今回の法案において、各省が中心になることでより強力かつきめ細かい政策推進が可能になる事務について、議論になっています事務の移管をするとか、各省も総合調整を行えるようにすることで、内閣府と各省の適切な役割分担を図ることができるようになるものであって、今御議論の問題についても意義があるというふうに考えております。
今後とも、各大臣のもとで、十分意思疎通しながら、全力で職務に邁進してまいりたいと思います。
○越智大臣政務官 私は、今御指摘ございましたとおり、三人の大臣、有村大臣、麻生大臣、そして菅官房長官にお仕えしておりまして、一方で、副大臣は、私がお仕えしているのは赤澤副大臣お一人ということでございます。
今、全体の議論については副大臣からお話ございましたけれども、私も、各大臣のリーダーシップのもと、副大臣と連携しながら、十分意思疎通しながら、全力で職務に邁進していきたいというふうに思っております。
所感を述べさせていただきますと、三大臣いらっしゃるわけでございますが、その中で、他省と兼務のない特命担当大臣は有村大臣、そして他省と兼務のある特命担当大臣、麻生大臣、そして官房長官、この三人の大臣に仕えているわけでございます。繰り返しになりますが、副大臣は一人ということで、私にとりましては、副大臣、政務官ラインというのは一つでございます。
一方で、内閣府全体を見てみますと、先ほど担当表のお話もございましたけれども、いろいろと複雑であるのは確かでございますが、ある程度、副大臣、政務官ラインというのは決まっておりまして、その中で多くの業務をこなしているということでございまして、複雑な中で、さまざまな工夫をしながら、今業務を遂行しているということでございます。また、本法を成立させていただければ、先ほど副大臣からもお話ございましたけれども、見直しの中で、そういった業務の遂行について、よりしやすくなるというふうに考えているところでございます。
○河野(正)委員 きょう、担当の副大臣ということで赤澤副大臣に来ていただいたんですけれども、実は、昨日も口永良部島が噴火したということで、私も、九州出身ということもありまして、党の現地対策本部長ということで、赤澤副大臣が屋久島に行かれてすぐその後に屋久島の方を訪問させていただきました。
きょう、参議院の方で、今まさに山谷大臣の方で副大臣の業務があるということだったんですが、こちらの方も担当ということで、あえて来ていただいてしまいましたので、もし、よろしければ退席されても結構でございます。本当にそういう、システム的に極めてお忙しいということを認識しております。どうぞ御退席ください。
そういった、副大臣、政務官のラインというのが非常に厳しい状況にあるんじゃないかなということでございます。政務の間で連携を考慮し、大臣の数に合わせて副大臣、政務官をふやしていくという考えもあり得るのではないかというふうに思います。東京オリンピック・パラリンピックを控え、近いうちに大臣もふえるというようなことも聞いておりますし、改めて、大臣政務官や副大臣に関して、その必要性を含めて政府の見解を伺いたいと思います。
○越智大臣政務官 副大臣、大臣政務官の数についての御質問でございます。
御存じのとおり、内閣府の副大臣、政務官の数は法律でそれぞれ三名とされておりまして、一人の副大臣、政務官が複数の大臣を支える状況になっていることは御指摘のとおりでございます。
このような中で、幾つか改善の試みがされておりまして、平成二十四年には、内閣府のガバナンスを確保するために内閣府の設置法が改正されまして、各省の副大臣などが内閣府の副大臣等を兼職できるということにしたという一つの改善でございます。
今回につきましては、各省への事務移管や総合調整機能を付与するということを企図した法案を提出させていただいているわけでございまして、事務移管については、御存じのとおり、内閣府から十の事務が各省に移管されて、そのことで、特命担当大臣、副大臣等の事務負担が軽減されるというふうに考えております。また、従来であれば特命担当大臣が担うこととなる総合調整については、今後は各省大臣に担わせるということも可能となるということでございます。
そんな中で、今後も、必要に応じて事務の見直しを行うとともに、各省大臣の総合調整機能の活用を含めて、特命担当大臣、副大臣等の担務を整理していくということによって、状況の改善が図られていくというふうに考えているところでございます。
オリンピック担当については、副大臣、大臣政務官の増員は考えていないということでございます。オリンピックの担当大臣は、推進本部の副本部長として本部員である閣僚との調整を行うものとして増員するものでございまして、行政改革の観点も踏まえて、必要最低限の措置をとろうとするものであるというふうに承知しております。
○河野(正)委員 本日、時間も余りありませんので、先に行きたいと思いますが、追加されたいろいろな業務を見ていますと、有村大臣の担務の中で、すべての女性が輝く社会づくり本部が内閣官房に設置されているかと思います。本部の構成員は全ての国務大臣となっておりますが、平成二十六年十月に設置されて以来、本部会合が開かれていないのではないかと思います。
このように、全閣僚が構成員の会議体は一体どの程度あるのか、そうした会議体の開催頻度はどの程度であるんでしょうか、その実態を伺いたいと思います。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
内閣総理大臣を本部長とし、全ての国務大臣を構成員といたします本部につきましては、法律に基づくものが十八ございます。
それぞれの本部につきましては、その目的や内容が異なっておりますので、開催頻度に関して一律に比較をすることは難しゅうございます。
○河野(正)委員 会議を立ち上げますと、いわゆる絵や設計図が描かれることになりまして、政府がその課題に一生懸命取り組んでいるという姿勢をアピールすることができるんじゃないかなと思います。政権にとっては一定の効果があるかもしれませんが、その原資は税金でありますし、経費もかかるわけであります。
本当に必要なことは、会議体をつくっていくことではなく、政策課題を解決することだというふうに思っております。セレモニーのような組織があるならば、そういったものは極力減らして、実質的に政策課題解決に取り組む組織を動かしていく方が優先されるのではないかというふうに考えます。政府の認識と見解を伺いたいと思います。
○越智大臣政務官 本部のあり方についての御質問でございましたが、私たちは、内閣に置かれる本部は、内閣を構成する全ての国務大臣をメンバーとして、内閣の重要政策課題について閣僚レベルで政府全体を調整するという役割を担う機関であるというふうに考えております。
社会経済情勢が変化する、そういう中で、省庁横断的な対応を要する内閣の重要課題が増大するという状況の中で、内閣総理大臣の強力なリーダーシップのもとで、関係府省間の調整や連携を図りながら内閣を統一して、政府全体として重要政策を強力に推進していくための体制として本部は重要な役割を果たしているというふうに私たちは考えているところでございまして、このような本部の機能を活用しながら政府一丸となって時々の重要政策課題を解決していくということが重要だと考えております。
したがいまして、政策課題を解決する手段としてこの本部というものは今機能しているというふうに認識しているということでございます。
○河野(正)委員 実質的に課題に取り組む組織をつくるためには、国家行政組織法や各府省の設置法によって組織を定める現在の仕組みでは、若干柔軟性、機動性に欠けるんじゃないかなというふうに思います。法律ではない形で行政組織をもっと柔軟に編成できるようにすべきではないかと思いますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○山下政府参考人 お答えいたします。
現在は、国務大臣をどれだけ置き、また大臣にどのような行政事務を分担させるかということについては、国会による行政府の統制の観点から、直接に法律で定めるべき事項であると解されているところでございます。
今、分担管理事務と申しましたけれども、これは、今回各省にいろいろ規定をいたします総合調整などの事務とは異なりまして、国民に対する行政処分のようなものも多く含まれております。これらは、その根拠となる個別法においてその権限者、責任者を明示する観点から、個別のいわゆる行政作用法という中で○○大臣の事務というふうに法律上規定されている、そういう事情もございます。これとの関係も含めまして、慎重に検討する必要があろうかと考えております。
○河野(正)委員 これまでも内閣委員会でもう何度も質問に立たせていただきましたし、いろいろ議論をさせていただいたところでありますけれども、内閣府、内閣官房、全員ではありませんけれども、時として、これはここの省の担当ではありませんとか、いろいろ、そういった責任論がはっきりしない、所在が曖昧であるなというようなことを思った場合が少なからずあります。こうした消極的な職員の姿勢もあるわけですけれども、前身の総理府などがホチキス官庁とかクリップ官庁というふうにやゆされていたというふうに伺っております。
現在の内閣府がちゃんとそういったことで機能されているのか、各省庁から上がってくる施策や課題を単に取りまとめているだけの官庁になっていないのかどうか、確認させていただきたいと思います。
○越智大臣政務官 総理府時代にホチキス官庁とやゆされていた、その後、内閣府になって変わったのかという御質問でございます。
まず、内閣府は、平成十三年の省庁改革におきまして、内閣の重要政策に関する企画立案、総合調整を行うとともに、総理大臣がみずから担当するにふさわしい事務を担当するというたてつけで発足したところであります。
そういう中で、現状でありますけれども、一つには、総理大臣のリーダーシップのもと官房長官や特命担当大臣が連携しながら、また一方で、経済財政諮問会議等の重要な会議においては民間知見を活用して、積極的に総合調整機能を発揮できている、発揮して成果を上げてきているというふうに認識しているところでございまして、内閣府が期待される役割、機能を十分に発揮していくことができるようにしていくことが重要だと考えております。
また、本法案を成立させていただいた暁には、そういった総理、内閣のリーダーシップがさらに十分に発揮されることを企図しておりまして、そういう意味では業務の見直しが重要だというふうに考えているところでございます。
○河野(正)委員 残り時間が余りありませんので、ちょっと先に進ませていただきます。
個別政策への対応について伺いたいと思いますが、ことし一月の閣議決定で法改正によらずに見直された業務があると思います。その政策課題について幾つか伺いたいと思います。
まず、原子力規制組織等改革推進室が廃止されることとなりました。これまでこの推進室は国会へ設置した東京電力福島原子力発電所事故調査委員会報告書のフォローアップを取りまとめられていたりとかしていたところでありますが、この事務が廃止された後、このフォローアップは誰が責任を持って担当していくのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○中井政府参考人 お答えいたします。
原子力規制組織等改革推進室が廃止される際におきましては、国会事故調報告書のフォローアップ業務も含めまして、継続する業務を適切に引き継ぐこととしておるところでございます。
○河野(正)委員 また、原子力規制委員会はことし九月で発足三年を迎えます。委員会設置法の附則では、法施行後三年以内に必要な見直しをすることが定められています。今後原子力規制委員会の見直しが議論に上がるタイミングでこの事務を廃止するということは、政権がこの課題にちゃんと重点を持っているのかどうかというふうにも思えますけれども、この点について、今後の進め方を含め、安倍内閣の御見解を伺いたいと思います。
○中井政府参考人 原子力規制組織等改革推進室におきましては、原子力規制委員会設置法附則で定められました三年の見直しの業務が終了するとともに廃止ということでございますが、国会事故調報告書のフォローアップ業務につきましては、適切な部署に引き継ぐことということで今後調整してまいる方針でございます。
○河野(正)委員 厚生労働省に移管される事務として、自殺対策や薬物乱用対策というのがあります。いずれも省庁を横断した取り組みが不可欠であり、内閣府が内閣の重要政策として取り組んでいた事務が厚生労働省という一つの省庁に移管されていくことになります。これによって政策課題への取り組みが後退しないのか、不安がないとは言い切れないと思います。
また、厚生労働省それ自体が規模や所管、所掌事務の大変多岐にわたる役所であり、移管される事務について各省庁との総合調整に当たるだけの人員や組織がきちんと確保されているのか、そういった点からも、不安の声は尽きないというふうに思います。以前のように、厚生省と労働省の二つの省庁に戻したらどうかという意見もあると思いますし、今回、漏れた年金情報というのを見ていましても、本当に厚労省、大丈夫なのかという国民の不安の声があるかと思います。
移管の前後でスムーズに事務が継承できるのか、移管後の厚労省には事務を担うだけのそういった仕事ができるのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○越智大臣政務官 自殺対策及び薬物乱用対策の移管についての御質問でございました。
まず、自殺総合対策につきましては、内閣府において、自殺対策基本法の施行から今日に至るまで、国を挙げた対策の推進に取り組んできたところでございまして、平成十年以降三万人を超えた状態で高どまりを続けてきた自殺者数は、昨年は約二万五千人まで減少するなど、着実に成果が出てきていると認識しております。
一方で、薬物乱用対策につきましては、平成十三年一月の省庁再編以来、内閣府を中心に国を挙げた総合的な対策を講じてきたところでございまして、この間、四次にわたる薬物乱用防止五カ年戦略や昨年策定しました危険ドラッグに関する緊急対策に基づいて関係省庁が連携して取り組んできたところで、その中で一定の成果が見られるというふうに認識しております。
御質問の件でございますけれども、厚生労働省への移管に当たっては、両施策の推進に支障が生じないように、予算や体制面についても必要な措置を講じるとともに、円滑に業務を引き継ぐ必要があると認識しておりまして、厚生労働省としっかりと連携を図りながら調整を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。
内閣府からの業務移管につきましては、私ども、本年一月の閣議決定におきまして、先生御指摘ございますように、移管後の業務に支障が生じないよう、移管業務に係る機構・定員あるいは予算は移管後の省庁に移すということにされておりますので、今後、私どもとしても、内閣府と連携しながら、必要な機構・定員、予算が確実に移管されるように調整をしてまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 時間が来たので終わらせていただきますが、また残った質問は改めて機会を得てやりたいと思います。
どうもありがとうございました。
○井上委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 維新の党の高井崇志でございます。
きょうは、内閣官房、内閣府のスリム化法案ということで、実は私、この件は非常に思い入れがございます。私は総務省の出身なんですが、その前は旧郵政省でございました。ちょうど、橋本行革が行われた中央省庁等改革基本法ができるときに、当時郵政省の大臣官房総務課におりまして、組織の担当、まさにこの中央省庁改革を郵政省の側で受ける立場でございました。あの一年間の議論をずっとつぶさに見てまいりました。
郵政省は、当時、通産省と一緒になるとか、あるいは運輸省と一緒になるとか、いろいろな案がある中で、最後は総務省という決着になった。政治決断だったと思いますし、一府二十二省が十二省に半減するという大改革であったというふうに思います。
また、当時の橋本総理の秘書官だったのが我が党の江田憲司前代表でございまして、あの報告書は江田憲司首相秘書官がかなりの部分を書いたとも言われており、そしてまた、その報告書では、やはり最大の目玉は、省庁スリム化と同じくらい、内閣官房、内閣府の権限を強化する、特に内閣府をつくるというところが大きな目玉であったわけでございますので、その点についていろいろ御質問したいのはやまやまなのでございますが、やはり、今国民の皆さんにとって一番の関心事であり、そして緊急を要する事態として、年金情報の流出の問題。
特に、この内閣委員会は、私は、厚労省やあるいは年金機構の対応がまずかったのは事実だと思うんですが、しかし、ただそこを責めるというだけでは解決をしないし、また、この問題は、日本年金機構に限らず、我が国のサイバーセキュリティー全体に大きくかかわる重要な問題だと思いますので、お時間をいただいてその質問を、特に内閣官房の皆さん、きょう谷脇審議官も来ていただいていますが、連日、厚労委そして内閣委、そしてきのうは予算委員会でまで答弁されて大変だと思いますけれども、ぜひちょっとお時間をいただきたいと思います。
まず、きょう御質問したいのは、内閣サイバーセキュリティセンター、NISCが、標的型メールを想定した職員の模擬訓練というのを、二〇一一年、一二年、一三年と毎年実施しております。しかし、日本年金機構はこの訓練には参加していなかったわけでございますが、これはなぜ参加していなかったのかということについて厚生労働省にお聞きしたいと思います。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの模擬訓練でございますが、NISCでは行政機関を対象として参加を呼びかけたと私ども認識しております。そういったこともございまして、厚生労働省では本省が参加したということでございまして、日本年金機構等の特殊法人あるいは独立行政法人につきましては呼びかけは行わなかったということでございます。
○高井委員 それでは、NISCにもお聞きしたいと思いますけれども、これは行政機関だけが対象だったんでしょうか。日本年金機構が参加するということはできなかったんでしょうか。
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
本教育訓練は、標的型メール攻撃に関する教育あるいは意識啓発のために、巧妙な標的型メールを装った模擬メールを通じまして、その脅威であるとか手口を実際に職員に体験させるということを目的といたしまして、平成二十三年度から二十五年度まで実施をしたところでございまして、特に、平成二十五年度におきましては、十八府省庁、約十八万人を対象として実施をいたしました。
NISCといたしましては、まずは政府機関の職員を対象として標的型メールをモデルケースとして行いまして、そこで得られた経験や知見を各府省が生かし、各府省においてその後の教育訓練を独自の企画により行いながらその裾野を広げていくということを企図したものでございまして、政府機関があくまで対象であったということは事実でございます。
○高井委員 政府機関からまずという趣旨はわかるんですけれども、この間、厚労委や内閣委員会での議論を聞いていても、先日、参考人を呼ばれて、参議院の方だったと思うんですけれども、セキュリティーの専門家の方にも来ていただいて議論しているのを、私も議事録を読みましたけれども、やはり訓練というのが非常に大事だったのではないか、年金機構がこれに参加していなかったということが非常に今回の問題が発生してしまったという原因ではないかと思います。
また、実は、サイバーセキュリティ基本法というのを読みますと、十三条というところに、「国は、国の行政機関、独立行政法人及び特殊法人」、今回、日本年金機構は特殊法人に該当するわけですが、ちょっと省略しますが、「サイバーセキュリティに関する演習及び訓練」云々と続いて、「施策を講ずるものとする。」というふうに書かれています。
これは、行政機関だけじゃなくて、独立行政法人、特殊法人も入っていますので、この十三条に照らせば、年金機構は、そこに反しているんじゃないかと思ったんですが、実は、このサイバーセキュリティ基本法というのはことしの一月に施行された法律でございまして、もうちょっと早くに施行しておけばよかったんだなというふうに思ったわけです。
しかし、ちょっとこれは通告していなくて申しわけないんですが、ことしの三月にも各省で訓練をやったという話をちょっと聞いたんですけれども、そこに日本年金機構は参加していないんでしょうか。
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の訓練でございますけれども、政府機関でございます十二省庁を対象といたしまして、実際のLAN環境を使いまして、標的型メールを着信したところから、実際にインシデントの対応、分析といったところまでコンテスト形式で行ったものでございまして、これはあくまで政府機関が対象でございまして、今委員御指摘の特殊法人等は参加はしていなかったというのが事実でございます。
○高井委員 これは、この十三条に照らして法律違反ということにはならないんですか。
○谷脇政府参考人 お答え申し上げます。
今回の訓練に使いましたのは総務省が整備しておりますCYDERと呼ばれる研修設備でございますが、実はこのキャパシティーの問題などもございまして、そういった意味で関係を政府機関に限ったということでございます。
今後は、この範囲の拡充、拡大についても当然検討していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○高井委員 谷脇審議官も、あるいは官房長官も、今後拡大を検討しなきゃいけないという前向きな御答弁はほかの委員会でもいただいていますので、サイバーセキュリティ基本法もあるわけでございますから、今後は当然入ってくるのかと思います。
ただ一方で、やはり予算額の問題、非常にこの演習なり訓練というのは予算も必要で、対象が広がれば広がるほどお金もかかるということでございますから、これをしっかりとらないといけない。そういうことからも、やはり法整備をしっかりしていくということが必要じゃないかというふうに思って、ちょっとそのことは後からまた申し上げたいと思います。
それでは、私は、この委員会でたびたび問題点を指摘しておりますけれども、年金機構の問題だけじゃなくて、もっと実は重大な、今後心配しなければいけないのは地方自治体ではないかと。地方自治体に非常に個人情報は集積しているわけでございますから、地方自治体の対応はどうなのかということを、きょう総務副大臣に来ていただいていますが、地方自治体はこの模擬訓練には参加されているんでしょうか。
○二之湯副大臣 お尋ねのNISCが実施いたしました訓練につきましては、あくまでも政府機関が対象でございまして、地方自治体は参加しておりません。
○高井委員 私は、ここも非常にしっかりと今後対応していかなければならないと思っているんです。
総務副大臣にせっかく来ていただいていますので、では、総務省としては地方自治体に対してどういう、今、セキュリティーの対策について、指導という言葉がいいのか助言という言葉がいいのか、しかし、いずれにしても千七百以上ある自治体の、小さな村まであるわけですから、やはり全ての自治体がひとり立ちしてセキュリティーを全部やれよというのは私は不可能だと思っていますので、総務省としてどういう対応をされているんでしょうか。
○二之湯副大臣 総務省は、地方公共団体における情報セキュリティーガイドラインを通じまして、地方公共団体のセキュリティー対策の強化を推進してきました。そして、このガイドラインでは、自治体は、定期的に情報セキュリティーに関する研修、訓練を実施しなければならないと定めておりまして、自治体に対し、情報セキュリティーポリシーの遵守を要請しているところでございます。
総務省でも、毎年、全国地方公共団体職員を対象に情報セキュリティー対策セミナーを実施しておりまして、昨年度においては、標的型攻撃の対策を含めた情報セキュリティー対策セミナーを全国五ブロックで開催し、情報セキュリティー対策の向上を図ってまいりました。
また、NISCから発出されるIT障害等に関する情報や地方公共団体で発生したIT障害等に関する情報については、全地方公共団体に情報を提供いたしまして注意喚起を行っておりまして、今後とも、NISCを初めとした関係機関と連携して、地方公共団体のセキュリティー対策強化に努めてまいりたい、このように思っております。
○高井委員 それなりの対策はやっているということでありますけれども、今の話を聞いても、やはり私は不十分だと思っておりまして、せっかくNISCでこういう訓練をやっているわけですから、もちろん全自治体から集まるというのは難しいとしても、実は、地方自治体のネットワークというのは、先般できたJ―LIS、地方公共団体情報システム機構という、地方自治体からの出資を募って立派な機構をつくっているわけです。やはりそういったところがこの訓練に参加するとか。
あるいは、今回、これもほかの委員会で取り上げていますから、もう聞きませんけれども、GSOCと言われる監視機能が、厚労省が対象になっていたから、そこと、旧社会保険庁時代から日本年金機構のネットワークがつながっていたので、今回検知できたわけです。
しかし、そういう形ではなくて、国の機関だけをGSOCで監視するのではなくて、私は、日本年金機構のような特殊法人も、全ての特殊法人をやる必要があるかどうかは、これは政策的判断をすればいいと思いますけれども、日本年金機構なんかは少なくともやるべきだし、あるいは地方自治体も、全自治体が無理でも、このJ―LISという、ここをやれば十分対処できるわけです。
しかし、今現在、法律上もそういう位置づけにはなっていないと思いますし、法律で位置づけられていないから、予算的にも、なかなか獲得するのは難しいと思っています。
そこで、我が党では、今、サイバーセキュリティ基本法、できたばかりの法律、議員立法ではありますけれども、これをもう一度修正というか改正をしてはどうかということを検討しております。
具体的には、法の十三条、先ほど申し上げましたところに、国は、行政機関、独立行政法人、特殊法人は訓練ができるわけですけれども、あるいは監視、分析とかもありますけれども、これは地方自治体が入っていないんですね。ですから、この第十三条に地方自治体というのを入れる。
あるいは、十四条に、重要社会基盤事業者等、これは、重要インフラ事業者といって、鉄道とか航空機とか、電力、ガス、そこの横並びで地方自治体が位置づけられているんですが、これでは不十分ではないかと思いますので、この十三条、十四条あたりの改正。
もう一つは、二十五条というところで、きょう皆さんに条文をお示ししていなくて申しわけないんですが、ここも、国の行政機関及び独立行政法人におけるサイバーセキュリティーに関する対策の基準の作成や施策の評価というのを、サイバーセキュリティ本部、NISCが事務局をやっている本部がやるということになっています。こういったあたりは行政機関と独立行政法人にとどまっているんですね。
ですから、ここは、特殊法人を入れてあげないと日本年金機構がカバーされないと思いますし、もっと大事なのは地方自治体。ですから、地方自治体全部が無理でも、J―LISという組織はこの法律上どこにも位置づけられないので、運用で何とかなるよということなのかもしれませんけれども、しかし、そこは、やはり予算がそれで本当に確保できるのかという問題もあるので、我が党としては、ぜひここの改正案をお示ししたいと考えています。
この件について、きょうは、本当はセキュリティ本部長の官房長官に来ていただければ一番いいんですけれども、ルール上難しいということなので、セキュリティーの担当の副大臣ということで平副大臣に来ていただいていますので、ちょっとこのあたりについて、政府としても御支援、御賛同いただけないかということをお聞きしたいと思います。
○平副大臣 サイバーセキュリティー担当の内閣府副大臣でございます。
本当に御指摘のとおりだというふうに思います。
今回の事例は、NISCが不審な外部通信をモニタリングしていますから、そこから判明をしたということだというふうに思います。ですから、そういう体制をどうつくっていくかということになるわけでありますが、日本年金機構は厚生労働省と一体に運用していますので、今の法律でも読み方によってはNISCが関与できるというふうに思います。
一方、地方自治体の方は、地方自治の原則などもありますので、今の法律からいっても、そういうフルサポートを受ける体制にはなっていません。特に、今後、マイナンバー等の運用などがありますので、ここのサイバーセキュリティーは極めて国家的重要課題になってくると思います。不審な外部通信のモニタリングもするところは、今、現状は想定をされていません。ですから、日々サイバーセキュリティーは進んでおりますので、ぜひ議論をしっかり重ねていきたいというふうに思っております。
具体的な条文等、もうできていらっしゃるかどうかわかりませんが、しっかりと議論してまいりたいと思いますので、御提案をいただければと思います。
○高井委員 ありがとうございます。
やはり、実はこの年金機構に限らず、ほかにも探せばというか、いろいろあるんじゃないかと思うんですね、個人情報なり、アタックがあったら困るというような。そういったものを、法律に一々全部書き込むのが難しければ政令なりに委任してやるとかいう形にして、何かそこをはっきりさせていかないと、曖昧なままでは、今回もやはりNISCと話をしていると、いやいや、そこまでは権限じゃないですから、法律に書いていませんのでなかなかこちらから出しゃばってやるわけにはいきません、要請があったらやりますと。
しかし、要請をするのは厚生労働省ですけれども、その要請をする対応力がなかったということでもあると思いますので、ここは私はしっかりと法律を改正してでも位置づけるべきだと思っていますので、ぜひ副大臣、セキュリティ本部長である官房長官にもきょうのお話、我が党ではもう幹事長、政調会長からそういうのを出すようにという指示を受けておりますので、しっかり出させていただきますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
それでは、もう余り時間がなくなってしまったんですが、実はもう一度この法案の質疑の機会をいただけそうなので、改めてその場でまた有村大臣にはたくさん聞きたいと思っていますが、一つ。
私は、今回いろいろ御質問があるんですけれども、一番大きな点は、今回、内閣府なり内閣官房の権限が各省に移ったときに総合調整権限を付与するというのが規定されておりますが、これが本当にうまくいくのかなと。内閣府なり内閣官房にあるからこそ総合調整というのは各省庁も言うことを聞くのであって、別の一省庁からそれが本当にできるのかというのを疑問に思っています。
具体例があった方がいいと思うので、特に私が関心があります犯罪被害者等施策、これが今回内閣府から国家公安委員会に移管されるんです。
実は、私の地元、岡山でも、被害者サポートセンターおかやま、通称VSCOという団体が二〇〇五年からもう十年間活動をしております。弁護士の高原先生という方が初代、そして今、平松先生という方が二代目を継いでおられて、先般、十年目の総会に私も行ってまいりました。
そこに、全国被害者支援ネットワークというところの平井理事長が来られて講演をしていただいて、御自身も大学生の御子息を殺害されて、そして、そのとき、北京で殺されたんですけれども、北京大使館から一報が入ったのが午後三時ぐらいだったでしょうか、ただ殺されましたという事実だけ、ほかには何も伝えられていなかった。
しかし、その状態なのに、その日の夜からマスコミからじゃんじゃん電話がかかる。夜中の二時までかかり続けたそうです。後から知ったけれども、夜中の二時というのは新聞の朝刊の締め切り、そこまで電話が鳴り続けた。そして翌日の朝も待っていて、そして、北京で殺されたので、空港まで行くときは、空港にもカメラの列が並んでいる。
そういう非常につらい体験をされたお話をしていただいたんですが、この平井理事長からも、今回の警察に移管、警察が一番中心にやっているんですけれども、この犯罪被害者等施策推進室という室は、今、室長は、警察から来ている方が審議官クラス、そして課長クラスの参事官は、法務省から来ている方がされている。こういう、何というか人事がうまくミックスされているからこそ、総合調整をするときにも、法務省にも警察にもうまくいくのではないか。今回、国家公安委員会に移管されて、これが本当にうまくいくのかなということをやはり現場の皆さんは心配していると思うんです。
きょう、移管される警察庁に来ていただいておりますので、これは今後もうまくいくんでしょうか、決意というか、全国の犯罪被害者支援の方々は非常に心配していますので、ぜひお聞かせください。
○沖田政府参考人 犯罪被害者対策につきましては、政府を挙げてこれまで推進してきたところでございまして、今回業務移管がなされたとしても、その取り組み方針に変更はないものと認識いたしております。
また、警察は、犯罪被害者の方々に身近に接する立場から、これまでも、犯罪被害者の安全確保ですとか、犯罪被害給付制度の運用、あるいは今御指摘がございました民間ボランティア団体のサポートなど、さまざまな施策を推進してきたところでございますけれども、犯罪被害者等施策が国家公安委員会に移管された場合には、こうした警察みずからが実施する業務はもとより、関係府省庁と十分連携いたしながら、犯罪被害者等施策が引き続き総合的、計画的に推進されるよう、全力を挙げて努めてまいります。
○高井委員 確かに、この被害者サポートセンターに私も行くと、県警の方がいつも来られていろいろお話をされているので、やはり警察が中心になってやっていくんだと思いますが、せっかくきょう来ていただいていますので、今後この犯罪被害者対策としてどういった点に力を入れていこうと思われているのかもあわせてお聞かせください。
○沖田政府参考人 現在、政府におきましては、犯罪被害者等施策推進会議のもとに置かれております有識者等の検討会において、平成二十八年度から実施される第三次犯罪被害者等基本計画の策定に向けて検討を行っているところでございます。
この会議におきましては、特に、地方公共団体における犯罪被害者支援の充実、あるいは民間団体による被害者支援活動の促進などを論点として検討を行っておりまして、警察庁もこの検討に積極的に参画しているところでございます。
したがいまして、警察庁といたしましては、この施策が国家公安委員会に移管された場合には、今申し上げました第三次犯罪被害者等基本計画の推進を担う立場から、関係府省庁と十分連携しながら、同計画で定められた施策の実現に鋭意取り組んでまいりたいということでございます。
○高井委員 今御指摘いただいたように、民間の支援団体というのはもう全国で、恐らく全部の都道府県でやっていますし、また、それを取りまとめる全国の組織というのも非常にしっかり、そして本当に皆さん一生懸命やっていますので、ぜひそこは手を緩めることなく、また、法務省を初めいろいろな各省庁と連携をして、人事交流なんかもぜひ大いにやっていただいて進めていただけたらと思います。
有村大臣にもやはりお聞きをしなければ失礼かと思いますので。最後の質問になるかもしれませんが。
今のこの犯罪被害者については、ある程度今の答弁で安心するところもあるんですが、しかし、今申し上げましたとおり、人事というものはやはり大きな力の源泉じゃないかなと。
私は、この後時間があれば質問したかったのはIT戦略本部、次回御質問したいと思うんですけれども、これは移管されませんけれども、ああいうようなところは、やはり総務省、経済産業省等関係するところがあって、そして、それぞれ参事官なり審議官を各省から出してうまくいっているというようなところもありますので、それが、一つの省に入って、どこか一つの省になって、そして総合調整機能というのが与えられたとしても、それで本当にうまくいくんだろうかという点はちょっと本当に不安なところがあります。
やってみなければわからないというところもあるかもしれませんけれども、そこはぜひうまくいくように、私も、内閣府がどんどん肥大していけばいいとは思っていません。これ以上、内閣府、内閣官房が肥大するのは違うと思いますので、移管してほしいんですけれども、しかし、そのときにどうやってそこをうまく総合調整機能が発揮できるようにするのか、あるいは人事交流なんかもうまくやっていくのかというようなあたりを、大臣の御見解、決意をお聞きしたいと思います。
○有村国務大臣 御指摘のとおり、人事というのはパワーの源泉だというふうに思っております。その中で、各省による総合調整というのは、この法案で改正する国家行政組織法、各省庁設置法において、各省の固有の事務を行う立場ではなく、内閣の事務を助けることを目的として行うというふうに位置づけます。そして、その総合調整を行う際には、閣議決定をした基本的な方針の中で、対象となる事項、内閣としての方針、そして他省庁との関係などを可能な限り具体的に定めてその省庁に任せていくことになります。
そういう意味では、各省庁の総合調整は内閣の意思に従って政府全体の見地による調整が行われなければならない、それゆえに、省庁の利益を優先することは許されないというふうに認識をしておりますが、万々が一、各省庁が総合調整を行った結果、政府全体の見地から適切でないと考えられる場合には、内閣法第六条に基づき、内閣を代表する内閣総理大臣が必要な指揮監督を行うという手段も用意してございます。
そういう意味では、人事的交流ということも引き続き温めながら、内閣官房、内閣府の経験、あるいはそういう発想を持った省庁の方々が総合調整に当たっていただけるような、そういう体制を強化したいと思っております。
○高井委員 ありがとうございます。
おっしゃるように、やはり内閣総理大臣の大きなリーダーシップというものでそこを担保していかないと、各省任せ、特に官僚任せでは、縦割り行政、縄張り争いというのは、以前に比べればなくなったんですけれども、まだ残っていると思いますので、そこはしっかりと担当大臣としてやっていただきたいと思います。
繰り返しになりますけれども、サイバーセキュリティーは本当に喫緊の課題でありますので、特に地方自治体、総務副大臣、ぜひ平副大臣とも御相談いただいて、来年度の予算要求までにしっかりとした対応を、制度的にもつくっていかなきゃいけないと思いますので、また一緒に取り組ませていただけたらと思います。
では、これで質問を終わります。
○井上委員長 次に、池内さおり君。
○池内委員 日本共産党の池内さおりです。
いわゆる内閣官房・内閣府見直し法案について質問します。
まず初めに、有村大臣に質問します。
安倍内閣が今回の法律案の提出を決定したのは、一月二十七日の閣議決定、「内閣官房及び内閣府の業務の見直し」です。その基本的な考え方について、内閣官房及び内閣府については、平成十三年の中央省庁等改革の理念を踏まえ、内閣機能強化の観点からその充実が図られてきたが、重要な政策課題の多くが府省横断的な対応を要するため、近年、さまざまな業務が集中してきている、このため、内閣が取り組もうとする政策課題により機動的に対応し、重要政策に関する司令塔機能など本来の役割を十分に発揮できるよう、既存の事務の見直しを行い、できるだけ組織を効率的なものとしていくことが重要となっていると述べています。
今回の見直しについて、近年、さまざまな業務が集中してきたため、司令塔機能の発揮のためには既存の事務の見直しが必要と基本的な考え方では述べていると思いますが、内閣官房及び内閣府のさまざまな業務の増大の大きな要因の一つは、安倍政権の官邸主導の中で、安倍内閣の政策課題を内閣官房及び内閣府に担わせたことにあるのではないでしょうか。
〔委員長退席、亀岡委員長代理着席〕
○有村国務大臣 池内委員にお答えをいたします。
御指摘のとおりでございます。省庁再編時に、内閣、内閣総理大臣の指導性を強化するため、これを助ける機関として、内閣官房、内閣府を位置づけました。その後の社会情勢変化、あるいは官邸のリーダーシップということに、その求心力ゆえに、さまざまな新たな課題が生じて、それを内閣官房、内閣府で取り扱いの主導の調整をしてきたということであろうというふうに思います。
これは、安倍内閣というよりも、そのように志してきた結果、その信用や実績もあって、官邸がおのずから内閣官房、内閣府で調整を担わせたということでございまして、その方向性が間違っていなかったという証左でもあろうかと思います。
ただ、これからもふえ続けるかもしれないという中では、このように機動的に、多く担った場合には、時々の政府、その政権によってスリム化をするという意思も辞さないということでの改正の提出に至ったというふうに理解をいたしております。
○池内委員 二〇一二年の安倍政権の発足によって、内閣官房と内閣府の業務、事務がどのようになってきたのかを具体的に確認をしたいと思います。
内閣官房の組織、体制についてですけれども、定員、併任者、また、併任者については、常駐併任者、それ以外をお聞きします。内閣官房のこうした数ですけれども、中央省庁再編時の二〇〇一年のときと、安倍内閣発足の二〇一二年、そして二〇一三年、二〇一四年、それぞれ何人になっていますか。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
内閣官房の定員、それから併任者、常駐併任者につきましては、まず、二〇〇一年度、平成十三年度につきましては、定員が五百十五名、併任者が五百三十九名、常駐併任者については、当時集計しておりませんでしたので把握しておりません。
それから、二〇一二年度、平成二十四年度でございますが、定員が八百七名、併任者が千五百二十四名、そのうち常駐併任者は八百六十六名でございました。二〇一三年度でございますが、定員が八百十八名、併任者が千六百四十五名、そのうち常駐併任者は八百四名でございました。そして、二〇一四年度でございますが、定員が千二十四名、併任者が千九百五名、そのうち常駐併任者は九百十名でございました。
○池内委員 内閣官房は、二〇〇一年度のスタート時は定員が五百十五人、安倍政権が発足した二〇一二年は八百七人と、十一年間で二百九十二人の増加です。安倍政権が発足した二〇一二年度から二〇一四年度にかけては八百七人から千二十四人へと、わずか二年間で二百十七人が増加しています。
併任者を見ると、二〇〇一年度から二〇一二年度までに五百三十九人から千五百二十四人と、十一年間で九百八十五人の増加ですが、二〇一二年度から二〇一四年度には千五百二十四人から一千九百五人へと、わずか二年間で三百八十一人も増加をしています。
いずれも、安倍政権のもとで飛躍的に増加し、過去最高になっています。
政府からいただいた資料を見ると、内閣官房の定員及び併任者の増加については、重要な政策課題の多くが府省横断的な対応を要するため、近年、さまざまな業務が集中してきていることによると考えられるとあって、なお、近年、内閣官房に新たに設置をされた組織は以下のとおりであるとありました。国家安全保障局の設置、内閣人事局の設置、サイバーセキュリティセンターの設置です。
それぞれの組織について、二〇一三年度及び二〇一四年度の定員と併任者、常駐併任者の数はどうなっていますか。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
国家安全保障局の定員、併任者、常駐併任者につきましては、二〇一三年度、平成二十五年度におきましては、定員が十名、併任者が五十七名、そのうち常駐併任者は五十六名でございました。そして二〇一四年度は、定員が四十八名、併任者が四十五名、そのうち常駐併任者が二十八名でございました。
内閣人事局でございますが、これは二十六年、二〇一四年の五月に設置されております。内閣人事局の定員、併任者、常駐併任者につきましては、二〇一四年度は、定員が百六十一名、併任者が十七名、そのうち常駐併任者は十七名でございました。
そして、内閣サイバーセキュリティセンターでございますが、これは平成二十七年一月に発足しております。この定員、併任者、常駐併任者でございますが、二〇一四年度につきましては、定員が四十名、併任者が九十一名、そのうち常駐併任者は二十二名でございます。
○池内委員 二〇一二年度から二〇一四年度には、内閣人事局が百六十一人、サイバーセキュリティセンター四十人、国家安全保障局四十八人、合計二百四十九人の定員がふえています。この間の内閣官房の定員の増加が二百十七人ですので、内閣官房の定員増というのは、これらの新しい機関の設置によるものだということがわかります。
いただいた資料によると、千九百五人の併任者のうち、内閣官房副長官補付の併任者は千八十一人となっていて、内閣官房副長官補付の併任者が全体の五七%になります。
いただいた資料の中に内閣官房の概要というのがあって、一、内閣官房の概要、二、内閣官房の事務体制の変化についてと。その三番目に、副長官補室における分室の設置状況が示されていました。
副長官補室における分室というのは、内閣官房でどのような役割を果たしていますか。また、どのような分室が現在幾つありますか。
○林政府参考人 お答え申し上げます。
分室とは、内閣官房に内閣総理大臣決定により設置され、特定の政策課題について企画立案及び総合調整を担当するものでございます。
お尋ねの第二次安倍内閣発足以降設置された分室は十七でございます。(池内委員「現在は、全部で」と呼ぶ)全体につきましては、三十でございます。
○池内委員 今御答弁いただいたように、副長官補室における分室というのは、総理、官房長官等が構成員となっている本部、会議等の事務を処理するための機関として設置をされている。例えば、安倍政権では、安倍総理を本部長とした日本経済再生本部が設置をされ、その事務局として日本経済再生総合事務局が副長官補室の分室として設置をされています。政権や政策課題が変われば、これらの分室も、新規につくられたり、また壊されたりということが繰り返されるということになると思います。
現在、この副長官補室における分室は三十あるという答弁でしたけれども、そのうち、安倍政権のもとで設置されたのは、先ほど答弁があったように十七だと思います。副長官補室における三十の分室のうち、半分以上が安倍政権によってやはり設置をされたものだということだと思います。本務者と併任の合計人数で人数の多い分室について、多い順に、分室名、人数を五つお答えください。
○林政府参考人 それでは、お答えいたします。
併任を含む職員の多い分室は、順に、TPP政府対策本部で百一名、次に、まち・ひと・しごと創生本部事務局で八十二名、情報通信技術総合戦略室で六十二名、日本経済再生総合事務局で五十六名、行政改革推進本部事務局で五十二名でございます。
○池内委員 一番多いのがTPP政府対策本部、次にまち・ひと・しごと創生本部事務局、次に情報通信技術(IT)総合戦略室、次に日本経済再生総合事務局となっている。これらは言うまでもなく、アベノミクス、新成長戦略の政策課題を推進する本部などの事務局です。これらの副長官補室における分室に多くの職員を投入しているということがわかります。
次に、本務者も常駐併任者もいない分室というのはありますか。
○林政府参考人 お答えいたします。
ございます。
○池内委員 具体的にお答えください。
○林政府参考人 常駐者がおりません分室は、沖縄連絡室、原子力発電所事故による経済被害対応室、東日本大震災対応総括室等でございます。
これらのところは、非常駐の者がおりまして、それぞれがほかの仕事を兼務しながらこうした業務を遂行させていただいております。
○池内委員 常駐者がいない分室というのが、東日本大震災対応総括室、原子力発電所事故による経済被害対応室、沖縄連絡室との答弁だったと思います。こちらは、看板はかかっているけれども常駐者がいない。
法案は、内閣官房で実施されていた事務、知的財産戦略、総合海洋政策、地域活性化、道州制特区、宇宙開発戦略を内閣府に移管、そして一元化するというものですけれども、この移管、一元化により、現在の分室はどうなりますか。
○林政府参考人 お答えいたします。
法案が成立、施行されますと、新たに内閣官房副長官補が担当するような分室の追加とか廃止が別途起こらない場合には、分室の数は二十三になります。
○池内委員 分室の数が減るということで、ただ、これは、安倍政権発足直前の民主党、野田政権の最後の分室数と比べても、決して減ってはいないというふうに思うんです。
次に、内閣府の組織、体制について具体的に確認をしていきたいと思います。
内閣府本府の定員と併任者は、中央省庁再編時の二〇〇一年度、安倍内閣発足の二〇一二年度、そして二〇一三年度、二〇一四年度というのはそれぞれ何人ですか。
○山下政府参考人 内閣府の定員及び併任者の人数でございます。
二〇〇一年は定員が二千二百十名、併任が二百二名、二〇一二年は定員が二千二百八十三名、併任が五百七十四名、二〇一三年は定員が二千二百七十三名、併任が六百十六名、二〇一四年は定員が二千三百十四名、併任が七百二名となっております。
○池内委員 私も見た資料では、内閣府本府というのは、二〇〇一年のスタート時では定員が一千百七十一人、安倍政権が発足した二〇一二年は千三百五十二人と、十一年間で百八十一人の増加でした。安倍政権が発足した二〇一二年度から二〇一四年度にかけて千三百五十二人から千四百十四人へと、わずか二年間で六十二人が増加をしました。
併任者は、二〇〇一年度から二〇一二年度までに百八十二人から五百六十四人と、十一年間で三百八十二人の増加ですが、二〇一二年から二〇一四年度には五百六十四人から七百七十七人、わずか二年間で二百十三人も増加をしています。
内閣府本府も内閣官房と同様に、安倍政権のもとで顕著に増加し、過去最高になっています。
私も見た資料、いただいた政府の資料ですけれども、内閣府の定員及び併任者の主な増加要因として、二〇一二年度から二〇一四年度の間には、二〇一四年十月、政策統括官、原子力防災担当、二〇一四年十二月、情報保全監察室が挙げられています。
それぞれ、定員と併任者は何人ですか。
○山下政府参考人 原子力防災担当の政策統括官及び情報保全監察室については、いずれも二〇一四年度に新たに設置をされております。
原子力防災の方は、定員が五十一名、併任が百二十四名、うち、常駐併任は十六名でございます。
情報保全監察室においては、独立公文書管理監以下二十名の体制となっております。
○池内委員 次に、内閣府の政策課題について聞きます。
内閣府についてという、ことし五月の内閣府の資料で、二〇〇一年の内閣府発足以来、追加されてきた政策課題の一覧が、追加時期に従って掲載されています。これらの内閣府に追加されてきた政策課題において、現在も所管しているものが幾つで、安倍政権時に追加されたものが幾つですか。
○山下政府参考人 平成十三年一月、省庁再編、内閣府発足以降、今日までに内閣府に追加された政策課題であって、内閣府が現在も所掌しているものとしては四十二の事務がございます。そのうち、平成二十四年十二月の第二次安倍内閣発足以降に追加されたものは十二でございます。
○池内委員 安倍政権以前に追加されていた内閣府の事務は三十で、安倍政権時代に十二が追加をされ、現時点で四十二になっている。
今回の法案の事務の移管で、内閣官房から内閣府に移管をされるもの、内閣府から各省等に移管されるものを足し引きすると、最終的には、内閣府の事務は安倍政権発足前の三十と比べてふえているのか減っているのか、お答えください。
○山下政府参考人 今回の見直しによりまして、内閣官房から内閣府へ五つの事務が移管、一元化されるとともに、内閣府から各省には、法案では九つでございます。そのほか、閣議決定で、法律事項でないものを含めますと十でございますが、この事務が各省に移管されるということでございます。
○池内委員 安倍内閣のもとでふえた内閣府の事務には、中身を見ると、国家戦略特別区域などのやはりアベノミクス、成長戦略関連の事務が入っています。
大臣にお伺いします。
これまで、安倍政権発足以降、内閣官房、内閣府の職員の数、新しい機関の設置や新たに追加されてきた事務をきょう見てきたわけなんですが、内閣官房、内閣府の職員の数の増加は、安倍政権発足後の増加がやはり顕著で、いずれも過去最高の人数に到達をしています。
その中には、特定秘密保護法制にかかわるもの、国家安全保障会議などとともに、日本経済再生総合事務局やTPP政府対策本部など、アベノミクスに関連する事務局体制の整備があることも明らかになっています。
これらは、まさに、安倍政権の政策課題を、内閣官房、内閣府の機構を使って推進をしてきた、いわゆる官邸主導で行ってきたあらわれではないかと思います。
そして、増大してきた官邸の事務を官房から内閣府に移し、内閣府からはじき出された事務が、犯罪被害者施策、消費者問題、食品安全、自殺対策、食育推進、交通安全対策など、国民生活に関連する事務を中心とした九つの事務となっています。
内閣官房、内閣府の見直しというのは、一般に、内閣官房、内閣府をスリム化することではなくて、この間の安倍政権の官邸主導で内閣官房、内閣府の事務を増大させてきた、一方、府省横断的な対応という内閣府の本来の課題として行われてきた生活に関連する事務を内閣府からスリム化させる、そういう中身ですよね。どうですか。
○有村国務大臣 先ほどから池内委員のロジックを拝聴しておりますと、あたかも、安倍内閣のというところが枕言葉に多うございますけれども、当然ながら、御指摘のとおり、官邸主導ということを進めてきた結果、現在の布陣になっているということで、そこに何ら私たちは瑕疵を認めるものではありません。むしろ、官邸で主導でやってもらいたいというようなものがたくさんあっての現在の布陣になってきていると、これを肯定的に認められる評価の証左でもなかろうかと思っています。
同時に、何でもかんでも内閣官房や内閣府でということを私たちも是認しているわけではありません。だからこそ、今回の国家行政組織法等の改正に臨んでいる次第でございます。
この間には、民主党政権下でございますけれども、東日本大震災が起こってしまったり、その後の福島第一原発の対応ということ、あるいは内外の情勢の変化によるもの、また食品安全や犯罪被害者、食育あるいは自殺対策など、共産党、御党も含めて、院も含めて、超党派で議員立法が出されてきて、それを官邸あるいは内閣府で取りまとめよ、そういう法律に基づいた、議員立法に基づいたものも大変少なくないということも御報告させていただきたいと存じます。
○池内委員 残りの時間で、安倍内閣発足以降、どういう政策課題で内閣官房と内閣府の事務と機構を活用し、増大させてきたのかを具体的に確認したいと思います。
その一つの柱は、現在、違憲立法が研究者からも指摘をされ、特別委員会でも最大の争点となっている安全保障法制、私たちは、日本を海外で戦争する国につくりかえる戦争法案が正体だと考えていますが、この法案につながる一連の官邸主導の流れです。
その始まりは、秘密保護法、そして国家安全保障会議、NSCの設置です。安倍首相は、国家安全保障会議設置法の審議に際して、秘密保持に不可欠のものとして秘密保護法を位置づけていました。二〇一三年十二月に秘密保護法が強行採決され、昨年の十二月に施行されました。これに伴い、特定秘密の保護に関する企画立案、総合調整の事務が内閣官房に追加をされています。
この事務を担うのが内閣官房内閣情報調査室ですけれども、二〇一五年度の定員において、秘密保護法の実施に伴い、それに係る定員はどうなっていますか。
○能化政府参考人 お答えいたします。
特定秘密保護法の施行を受けまして、内閣情報調査室におきましては、平成二十七年度、特定秘密保護法の総括・運用支援事務に伴う増として専門職一名、次に、特定秘密保護法の施行による内閣官房職員等の適性評価等実施に伴う増として専門職一名、さらに、特定秘密保護法の施行による適性評価実施に伴う増として再任用短時間勤務職員一名をそれぞれ増員したところでございます。
○池内委員 秘密保護法の実施に伴い、内閣府ではどのような事務が追加になり、そのための定員はどうなりましたか。
○佐藤政府参考人 特定秘密保護法の施行にあわせまして、内閣府には独立公文書管理監及び情報保全監察室が置かれまして、特定秘密の指定等について検証、監察を行うこととされております。
情報保全監察室は、独立公文書管理監である私以下二十名体制でございます。
○池内委員 特定秘密の指定についてチェックをする独立公文書管理監、情報保全監察室を内閣府に置くということについては、私たちは、内閣官房の特定秘密の指定者は内閣総理大臣であり、それをチェックする独立公文書管理監、情報保全監察室を指揮監督するのも内閣府の長たる内閣総理大臣であり、この仕組みは事実上、内閣総理大臣がみずからの秘密指定をみずからチェックするものだということで指摘をしてきました。
今、秘密保護法実施の中枢機関が内閣官房と内閣府に置かれるということが確認されています。
この秘密保護法と一体に国家安全保障会議が設置をされ、その事務局として国家安全保障局が内閣官房に設置をされました。先ほど、国家安全保障局の体制について、二〇一四年度、定員四十八人、併任四十五人と聞きました。この人数の中には今回の安全保障法制法案作成に携わる職員が含まれていると聞いていますが、どのぐらいの人数が法案準備の人員としてカウントされていますか。
〔亀岡委員長代理退席、委員長着席〕
○増田政府参考人 お答え申し上げます。
国家安全保障局の定員及び併任者のうち、現在、平和安全法制の業務に従事している者は四十七名でございます。
○池内委員 今回の内閣官房・内閣府見直し法案に関連をして、安倍政権発足以降、官邸主導で進められた内閣官房、内閣府の人事、事務、機構の増大を具体的にきょうは確認してきました。その一つの流れは、アベノミクス、成長戦略関連のものですが、もう一つは、今確認をした、秘密保護法、国家安全保障会議、国家安全保障局、安全保障法制法案、私たちは日本を海外で戦争する国につくりかえる戦争法案と指摘をずっとしているものですけれども、この流れがあります。
政府の情報への、とりわけ政府の武力行使、戦争への参加に係る情報へのアクセスを重い罰で遮断し、いわば国民の目、耳、口を塞いで、大多数の憲法学者が違憲と指摘をしている集団的自衛権を行使する、まさに海外で戦争する国づくりを進める、これが、内閣が取り組もうとする政策課題により機動的に対応し、重要政策に関する司令塔機能など本来の役割を十分に発揮できるようにするというこの法案の狙いの一つだと私は考えますが、有村大臣の見解を伺います。
○有村国務大臣 御意見の一つとして承りました。
○池内委員 今回、戦争法案につながる秘密保護法が強行採決をされたとき、それは二〇一三年の十二月でしたが、私は国会を包囲する市民の一人でした。アメリカとともに戦争をする、その国づくりのための国民の目、耳、口を塞ぐ秘密保護法への不安と怒りがそのとき国会を大きく取り囲んでいたことは皆さんも御存じだと思います。そして、そのときをはるかに上回る怒りが今回の戦争法案で今、日本じゅうに広がっています。
憲法を専門とする研究者の大多数が、これは違憲立法だと厳しい批判の声を上げています。各種世論調査でも、今、国会での成立に反対が多数を占めている。私たちは、政治家の戦争につながる暴走を断固として許しません。国民とともに廃案に追い込んで闘っていく決意です。
今回の法案のもとになっている一月二十三日の与党の提言は、今般、総理が取り組もうとしている政策課題により機動的に対応できるよう、省庁再編後、第二次安倍政権発足以前までに内閣官房、内閣府に追加された業務を中心に点検、見直しを行うと述べていました。
そして、今まさに安倍政権が官邸主導で取り組もうとしている政策課題の柱の一つは、集団的自衛権を行使するための安全保障法制、戦争法案そのものであり、内閣にその司令塔としての国家安全保障会議を設置する、秘密保護法をつくってきました。これは、平時から切れ目なくアメリカと一緒に戦争をする国づくりを進めるものだ。
そうした安倍政権の官邸主導をさらに推進するための今回の見直し法案についてもさらに徹底審議をしていくことを表明して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十三分散会