第18号 平成27年7月8日(水曜日)
平成二十七年七月八日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 井上 信治君
理事 秋元 司君 理事 亀岡 偉民君
理事 田村 憲久君 理事 谷川 弥一君
理事 中山 展宏君 理事 泉 健太君
理事 河野 正美君 理事 高木美智代君
青山 周平君 赤枝 恒雄君
池田 道孝君 池田 佳隆君
岩田 和親君 越智 隆雄君
大岡 敏孝君 大隈 和英君
岡下 昌平君 鬼木 誠君
神谷 昇君 木内 均君
熊田 裕通君 小林 鷹之君
田中 英之君 田畑 裕明君
武部 新君 寺田 稔君
長尾 敬君 平口 洋君
ふくだ峰之君 牧島かれん君
松本 洋平君 宮崎 政久君
若狭 勝君 逢坂 誠二君
近藤 洋介君 津村 啓介君
古本伸一郎君 松原 仁君
本村賢太郎君 山尾志桜里君
小熊 慎司君 小沢 鋭仁君
高井 崇志君 升田世喜男君
輿水 恵一君 濱村 進君
池内さおり君 塩川 鉄也君
…………………………………
議員 土屋 正忠君
議員 濱村 進君
議員 遠藤 敬君
議員 高木美智代君
内閣府大臣政務官 越智 隆雄君
内閣府大臣政務官 松本 洋平君
衆議院警務部長 近藤 博人君
最高裁判所事務総局経理局長 笠井 之彦君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 山崎 重孝君
政府参考人
(宮内庁長官官房審議官) 和田 裕生君
政府参考人
(警察庁警備局長) 高橋 清孝君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電気通信事業部長) 吉田 眞人君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電波部長) 富永 昌彦君
政府参考人
(経済産業省製造産業局長) 糟谷 敏秀君
政府参考人
(国土交通省航空局安全部長) 島村 淳君
内閣委員会専門員 室井 純子君
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委員の異動
七月八日
辞任 補欠選任
池田 佳隆君 鬼木 誠君
石崎 徹君 小林 鷹之君
加藤 寛治君 田畑 裕明君
宮崎 政久君 熊田 裕通君
若狭 勝君 田中 英之君
緒方林太郎君 本村賢太郎君
佐々木隆博君 逢坂 誠二君
山尾志桜里君 松原 仁君
小沢 鋭仁君 小熊 慎司君
同日
辞任 補欠選任
鬼木 誠君 池田 佳隆君
熊田 裕通君 宮崎 政久君
小林 鷹之君 赤枝 恒雄君
田中 英之君 牧島かれん君
田畑 裕明君 池田 道孝君
逢坂 誠二君 佐々木隆博君
松原 仁君 山尾志桜里君
本村賢太郎君 緒方林太郎君
小熊 慎司君 小沢 鋭仁君
同日
辞任 補欠選任
赤枝 恒雄君 石崎 徹君
池田 道孝君 加藤 寛治君
牧島かれん君 大岡 敏孝君
同日
辞任 補欠選任
大岡 敏孝君 若狭 勝君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案(古屋圭司君外五名提出、衆法第二四号)
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○井上委員長 これより会議を開きます。
古屋圭司君外五名提出、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案を議題といたします。
この際、本案に対し、泉健太君外二名から、民主党・無所属クラブ提案による修正案が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。泉健太君。
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国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○泉委員 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案に対する修正案提案理由説明を行います。
ただいま議題となりました国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
第一に、対象施設として、次の二つの施設を追加することとしております。
一つ目は、危機管理機能を担う行政機関の庁舎であります。これは、危機管理に関する機能を担う国の行政機関であって政令で定めるものの庁舎であって当該行政機関の担う危機管理に関する機能を維持するため特に必要なものとして政令で定めるものであります。
二つ目は、対象原子力事業所であります。これは、原子力事業所であってテロリズムの対象となるおそれがあり、かつ、その施設に対してテロリズムが行われた場合に、広域にわたり、国民の生命及び身体に甚大な被害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるもののうち、公共の安全の確保の観点から国家公安委員会が保護する必要があると認めて指定するものであります。
第二に、飛行を禁止する対象として、次の二つを追加することとしております。
一つ目は、ラジコンモーターパラグライダー等の航空法上の航空機以外の形態の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものを小型無人機に含めることであります。
二つ目は、パラグライダー、モーターパラグライダー、ハンググライダー等の航空法上の航空機以外の航空の用に供することができる機器のうち、高度または進路を容易に変更することができるものとして国家公安委員会規則で定めるものを用いて人が飛行することを禁止の対象として追加することであります。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○井上委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――
○井上委員長 この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山崎重孝君、宮内庁長官官房審議官和田裕生君、警察庁警備局長高橋清孝君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長吉田眞人君、総務省総合通信基盤局電波部長富永昌彦君、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀君、国土交通省航空局安全部長島村淳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局笠井経理局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内均君。
○木内(均)委員 おはようございます。自由民主党の木内均です。
本日議題となっております議員提出法案につきまして、順次質問をいたします。
今回の国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行に関する法律案につきまして、まず、目的として、国の重要施設等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行を禁止することによって、危険を未然に防止して、国政の中枢機能や国際関係の維持ということがうたわれております。
これは、官邸ドローン事件を背景とした、こういったことを考慮すれば、今回、自民党、維新の党、公明党、そして次世代の党が共同提案として議員立法を出され、そして、本日、民主党が修正案を出され、こういった素早い、そして積極的な対応をしていただいていることに関しまして、まずもって敬意と感謝を申し上げます。
この官邸ドローン事件は、ことしの四月の二十二日に事案が発見をされたわけでありますけれども、これも、たまたま官邸職員が屋上に上ってヘリポート付近でドローンを発見したというふうにありました。後になって、福井県小浜市在住の四十代の男性が小浜署に自首をしたわけでありますけれども、そのときに、もう四月九日の午前三時半にはこのドローンを飛ばしていたということがわかりました。事案の発生から発見まで約二週間という時間が経過をしているわけであります。
そういった意味では、国家の中枢機関である総理官邸の上空が脅かされていた。しかも、これはセシウムまで、微量ではありますけれども、積まれたドローンが官邸上空におり立っていた。危機意識という点では、本当に、私たち、これからの対応に大きな教訓を残しているというふうに思っております。
今回、閣法を待たずに議員立法とした背景とそれから経緯につきまして、提出者を代表して自民党の土屋正忠代議士にお尋ねをいたします。
○土屋(正)議員 ただいまの木内議員の御質問にお答えを申し上げます。
本年の四月の二十二日に、御指摘のとおり、内閣総理大臣官邸の屋上に小型無人機が落下し、放置されていたことが発覚をしたわけであります。その後の調査により、四月の九日にドローンを飛ばしたということがわかったわけでありますが、まことに、これが大事に至らなかったことを了としつつも、大変ショックを受けた事件でありました。
このような事態を受けて、我が党におきましては、小型無人機飛行規制に関する小委員会を急遽立ち上げまして、国政の中枢機能を維持するための緊急の立法措置として、まず国会や官邸などの上空における小型無人機の飛行を禁止すべく、政府と緊密な連絡に入ったわけであります。
小委員会において連休を挟んで精力的な検討、議論を得て、国政の中枢機能を維持するための緊急立法として、ひとまず、必要性が高く、かつ選択が早期に可能だったものを対象といたしまして対象施設として、その敷地や周辺おおむね三百メーターの地域の上空における小型無人機の飛行を規制する内容の法案を取りまとめたところであります。
無論、ほかにも小型無人機の飛行を規制すべき重要な施設が想定し得ることなど、さまざまな可能性についても検討したわけでありますが、そういった総合的な観点は、政府においてさらに検討して、閣法によって後日対処していただきたいと考えたところでございます。
○木内(均)委員 今、土屋代議士から経緯や背景について御説明をいただきました。私も党内の議論に参加をさせていただいておりました。特に、国土強靱化をライフワークといたしております二階俊博総務会長、さらには今回の提出者の一人であります前防災担当大臣の古屋圭司代議士、こういったところが先頭に立たれて、危機管理を強く抱いている、そういった素早い対応であるというふうに評価をさせていただいております。
今、土屋代議士の方から答弁がありましたが、閣法との整合性を持ってという御発言、御答弁がございました。
そこで、国土交通省にお伺いをさせていただきます。航空法の一部改正案との整合性についてお聞きをいたします。
五月の二十六日の記者会見で、太田昭宏国土交通大臣は、ドローン規制策として、航空法の改正について言及をされております。一つとして、無人航空機の飛行に当たって許可を必要とする空域を決めていく。二つ目として、無人航空機の飛行の方法。そして、三つ目として、その他ですが、適用除外の規定ですとか罰金が検討されております。
今回の議員立法とこれから国土交通省がまとめられていく航空法一部改正案、閣法との整合性確保についての所見をお願いいたします。
○島村政府参考人 お答えいたします。
今回の議員立法は、国政の中枢機能等を警備する観点から小型無人機の重要施設の上空飛行を禁止し、また警官等による即時強制等の措置を設けるといったものであると承知しております。
一方、国土交通省では、警備の観点とは異なり、小型無人機の落下による地上の人または物件への影響を防止するなど安全上の観点から小型無人機の基本的な飛行ルールを早急に定めるべく、現在必要な航空法の改正法案の取りまとめを進めております。
○木内(均)委員 今、国交省島村安全部長から御答弁をいただき、国交省、国では基本的なルールを定めていくという答弁がありました。
私は国政に出る前に長野県議会議員として二期八年務めさせていただきましたが、今回、五月の善光寺の御開帳の行事の最中にドローンが落下をするという事件が起こりました。
そこで、実は長野県議会でも、九月の県議会を目指して県の都市公園条例を改正する予定であります。長野県の建設部によりますと、国の動きとも整合性をとり改正の内容を検討するというふうにされておりますので、恐らくこれに合わせてそれぞれ対応する都道府県が出てこようかと思います。国の方の案がまとまりましたらなるべく早急に示していただいて、九月のそれぞれの定例都道府県議会には間に合うような対応をしていただきたいと改めてお願いを申し上げます。
三つ目として、期待される効果と今後の課題について土屋代議士にお伺いをいたします。
今回の議員立法案によりますと、対象施設の敷地上空で小型無人機を飛行させた場合は、直ちに一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するという大変厳しい直罰規定が設けられております。この規定を設けたことによる発生抑制に対しての期待される効果についてお伺いをいたします。
また、一方では、産業分野を初め多様な分野における利用促進、これも大いに期待をされているわけであります。
今後の検討事項として、重要施設に対する上空からの危険の未然防止のあり方、小型無人機の安全な飛行の確保のあり方、多様な分野における利用促進施策を踏まえる等が触れられておりますが、今回の議員立法とこれら諸課題解決に対する御所見もあわせてお願いをいたします。
○土屋(正)議員 今回の議員立法の効果についての御指摘でございます。
本法案は、国家の危機管理という観点から、今後類似の事案が発生することのないようにということで抑止効果を狙ったものであります。いわゆる直罰規定、直ちに一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処するとし、さらに、三百メーターのバッファーの地域内においては、警察官等の指示に従わなかった場合の罰則規定を設けたわけであります。
このようなことによって、従来は何もこのドローンを規制する、またさらにドローンが重要施設に飛来する、こういうことに対する法規制は全くなかったわけでございますので、極めて、何といいますか、明示的な、飛ばしてはいけないんだよという国民の中における方向性が示されたもの、このように考えております。
なお、御指摘のありました今後のドローンの積極的な活用面におきましては、附則において、今後、政府が、総合的な利活用についても含めて、技術の進歩を踏まえながら取り組むよう規定をしているところでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○木内(均)委員 今回大変厳しい直罰規定を設けましたので、こういったことをやると大変厳しい罰則があるんだということの周知徹底が非常に大事だと思います。
そして、最後に触れていただきましたけれども、利用促進という観点も、これは大いに進めていかなければいけないことであるというふうに考えております。
よく、公園で、お昼、お弁当を食べたい、注文をしたらドローンが運んできてくれる、こんなような報道もなされておりましたけれども、これはまた本末転倒なことであって、そもそもドローンというのは何のために開発をされたのかということになってきますと、もともとやはり軍事目的であったわけですね。
我々がふだん民生用に便利に使う技術というのは、大概がそういった軍事技術から発生をして、民生用に転換をして、今日普通の技術として使わせていただいているわけでありますけれども、そもそも軍事用に開発をされたということを考慮すれば、どういったことが危険でどういったことには利用ができるということを明確に我々自身も理解をしていかないと、とんでもないことになると思います。
ちょっと話はそれますけれども、例えば自動車の自動走行なんというのも、もう技術としては完成をされているわけですけれども、それは目的地から目的地まで運転もせずに、しかも新聞を見たりテレビを見たりして目的地に自然に着くんだよ、そういう側面だけを見れば、これはありがたいことですから、すぐに自動走行の車を開発していただきたいということになるわけですが、一方、自動走行を設定してあって、そのまま例えば日本であれば首相官邸に突っ込んでいってしまう、国会議事堂に突っ込んでいってしまう、そのときにも自動走行であって、乗っている皆さんは別の行動も今度はできるわけであります。そういったことを、技術の進歩には両面あるということを注意しながら進めていかなければいけないと思っています。
しかしながら、負の面を恐れる余りに、プラスの面、利用促進の観点というものを忘れてはいけないと思っています。特にドローンは、私の地元で、長野県でありますけれども、御嶽山が噴火した後も二回飛んで、上空から火口を監視しているという実績もあります。そういった使い方をすればこれは有効ですし、また、農作物の、それぞれがどうやって育っているのか、ここは肥料が行き届いている、ここは肥料が行き届いていないというのも、実は今、上空から監視がもうできるような社会になっています。こういったことに利活用していけば大変有効な機械というのがこのドローンであるということも忘れてはいけないというふうに思っています。
きょう民主党案が提出をされましたけれども、原子力事業所を追加するですとか、小型無人機の定義の修正とかがうたわれております。きょう提出をされまして、また慎重審議をさせていただいて、我々もよい対応をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
以上をもちまして、自由民主党を代表しての質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
○井上委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げます。
それでは、早速でございますが、ただいま議案となっております法律案につきまして質問をさせていただきます。
この小型無人機、いわゆるドローンは、ラジコンショップなどで誰でも入手でき、免許も要らずに操縦できるものであり、航空法上は空港等の近くでなければ二百五十メートルまで飛行制限はなく飛ばすことができる。このドローン、基本的にはコントローラー等で操作、操縦できるものでございますが、GPSなどを搭載していれば、位置情報を使いながら自分でその設定されたところまで飛んでいける、そのような装置でもあります。
そして、本年の四月二十二日、総理大臣官邸屋上に小型無人機、ドローンが落下した事件を受け、その対策の必要性が浮き彫りになりました。
そこで、まず確認の意味で、今回の小型無人機の飛行禁止に関する法律案の提出の背景と概要について、提出者に伺いたいと思います。
○濱村議員 お答えいたします。
本法案は、本年四月二十二日の、総理官邸の屋上に小型無人機が落下し放置されていたことが発覚するという事案が発生したことを受けて、国家の危機管理等の観点から、今後類似の事案が発生することのないよう緊急の立法措置を講ずるため、立案が進められたものでございます。
本法案では、まず、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等といった対象施設及びその周囲おおむね三百メートルの区域における小型無人機の飛行を禁止することとしております。その上で、これに違反して小型無人機の飛行をさせた場合には、警察官等による退去等の命令や即時強制の対象とするとともに、対象施設及びその敷地の上空の飛行並びに退去等の命令違反について刑事罰を設けております。
なお、本法案で定めた措置は、官邸の事案を端緒として、対象を限定した上で緊急に定めたものでありますので、検討条項において定めたとなっており、ドローンについてのより包括的な施策を今後政府において検討し、必要な措置を講じていただくということにしております。
以上です。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
そして、今回のこの法律案に加え、国土交通省より、小型無人機、ドローン規制を盛り込んだ航空法改正も進められております。人口密集地や空港周辺また原子力施設の上空等について、国交省の許可がなければ飛行が禁じられることになり、これらの法案により当面の対策がなされるものと理解をしているところでございます。
このドローン、世界じゅうにおける関連支出は、ある推計によりますと、向こう十年間で最大百億ドル近くに上る可能性がある、そう言われております。日本でもドローンが成長産業として国内企業の注目を集め出しており、適切な規制や法整備が必要となっております。
先ほども御答弁にありました、当該法案の附則の中に、国は、速やかに、小型無人機の安全な飛行の確保のあり方について、小型無人機の多様な分野における利用の促進のための施策も踏まえ、かつ、小型無人機に関する技術の進歩を勘案しつつ、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとあります。
そこで、まず、航空法上の措置として、今後の小型無人機の安全な運航のための規則等のあり方、並びに、規制の対象となる機体の性能や規格についてどのように考えているのか、政府参考人に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○島村政府参考人 お答えいたします。
小型無人機が急速に普及し、また、今後さまざまな分野での利活用が期待される中、現に落下事案が発生するなど、安全上の懸念が指摘されているところであり、その運航方法に関する規則の導入が喫緊の課題となっているところでございます。
そのため、国土交通省では、まず、小型無人機の落下等による地上の人または物件への影響を防止する観点から、諸外国の規制のあり方等も踏まえ、緊急的な措置として、基本的な飛行ルールを早急に定めるべく、現在必要な航空法の改正法案の取りまとめを進めておるところでございます。
この際、規制等の対象となる小型無人機について、墜落等における地上の人または物件への影響等も考慮し、玩具のような軽量なものまで一律に規制するのではなく、技術的合理性のある範囲となるよう検討してまいります。
また、基本的な飛行ルールを早急に定めた後、既に小型無人機を活用している関係者等と十分調整を図った上で、機体の機能、操縦者の技量など、また、小型無人機を使用した事業について、小型無人機の利用促進と安全確保を両立させるための制度を引き続き検討し、必要な措置を講じてまいります。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
本当に、まず、ドローンによってそういった危険な行為が行われないようなそういった規制とともに、先ほどもお話がありましたが、今、農業の分野でももう既に活躍している、そういった機械でもございますし、今後は、橋梁などの設備の保守点検や工程管理、またまさに災害発生時の被害状況の調査等、さまざまな形で活用が期待されるところでございます。このような多様な分野における利用の促進のため、安全にそして事故がないように、そういった適切なルールの設定をお願いしたいと思います。
次に、いわゆるドローンの操作に係る電波法上の規制について、一般的なドローンにおいてどのような電波で操作が行われ、どのような規制があるのか、政府参考人にお尋ね申し上げます。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
小型無人機の操作等に係る電波利用につきましては、現在、電波法において特別な規制はなく、一般的な無線設備として電波法の規律が適用されております。
電波法では、電波を発射する場合は、電波の公平かつ能率的な利用を確保する観点から、原則、無線局免許を取得することを必要としておりまして、無線局免許状に記載された周波数、空中線電力の範囲内で運用しなければならないことになっております。
ただし、電波の出力が著しく微弱な無線設備や、総務省令で定める周波数や空中線電力等に合致しており、他の無線局へ混信を与えずに運用でき、かつ技術基準適合証明等を受けた無線設備につきましては、無線局の免許を不要としております。
なお、現在市販されております小型無人機の多くでは、その無線操縦や画像伝送に無線局免許を要しないWiFi機器や、これと同様の無線設備が使用されております。
以上でございます。
○輿水委員 ありがとうございました。
ということは、今使われているドローンは、大半がWiFiの、そういった規制のない電波で操縦をされているということでございます。
では、ここで、ちなみにこのWiFiについて、送信出力はどの程度なのか、具体的にはどの程度までの距離の伝送ができるのか。また、受信状態の強弱におけるドローンの操作の概要等について、わかる範囲で結構ですが、お聞かせ願えますでしょうか。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
現在市販されております小型無人機の多くで使用されておりますWiFi機器ですとか、これと同様の無線設備の送信出力ですが、一メガヘルツ当たり十ミリワット以下と定められております。
無線の通信距離につきましては、周囲の環境、受信設備の性能などにより左右されるため、一概に言うことは難しゅうございますが、見通しのきく電波の到達条件のよい環境で性能がよい受信設備を使用した場合に、無線操縦で三キロメートル程度、画像伝送で三百メートル程度と考えられます。
操縦用の電波の受信状態が悪くなり通信ができなくなった場合の小型無線機の挙動でございますけれども、その機能次第でございますが、例えば、GPSを活用し、あらかじめ設定された帰還場所に自動で帰還するですとか、ホバリングと申しまして、その場にとどまるとかであると聞いております。
以上でございます。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
そして、このドローン、まさに上空でさまざまな画像を撮影する、そういった機能を持たせることができるわけでございますが、撮影された映像等についてのプライバシーへの配慮、これはもう非常に重要な問題であると思います。
そこで、ドローンで撮影された映像情報のインターネット上等での取り扱いについて、現状の取り組みについてお聞かせ願えますでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
小型の無人機、いわゆるドローンで撮影した映像等をインターネット上に公開する場合に、特に被撮影者の同意なくそういう映像が撮られているような場合につきましては、プライバシー侵害等の問題を惹起する可能性がございます。
総務省では、そういうプライバシー侵害等とならないための目安を示すという意味で、このたび、「「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」の案というものを取りまとめまして、現在意見募集中でございます。
その中では、住宅地近辺での撮影においては一定の撮影方法への配慮をすること、あるいは、人の顔やナンバープレートなどが映り込みのあった場合には、その削除ないしはぼかしを入れるなどの配慮をするのが望ましいといったような内容を盛り込んでおります。
私どもといたしましては、この意見募集中の意見なども踏まえまして、最終的にガイドラインとして確定をし、公表をしてまいりたいというふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
最後の質問をさせていただきますが、やはりドローン、今後は高速で移動したり長距離を移動して、先ほどの災害、事故などの発生時の被害状況の調査、あるいは軽貨物の輸送、また海上の監視、先ほどの火山活動の観測など、その活用も大いに期待をされているところであると思います。
そういった中で、先ほどの、微弱な電波ではなかなか活用が難しい、そういった現状の中で、今後、ドローンの長距離伝送等における高出力電波の利活用について、現在どのような検討がなされているのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
小型無人機につきましては、災害時の被害状況の把握、道路インフラの管理などでの利活用が期待されておりまして、高画質で長距離の画像伝送など、電波利用の高度化、多様化のニーズが高まってきております。
総務省では、小型無人機を含むロボットに対するこのような新たなニーズに応えるため、電波利用の環境整備に取り組んでいくことといたしまして、本年三月十二日に情報通信審議会に諮問をいたしました。
情報通信審議会では、ロボットのさまざまなニーズを踏まえ、無線機器の低コスト化を勘案しながら、使用する周波数、電波の出力などについての技術的な議論を進めております。具体的には、災害用、産業用などの用途に応じた通信距離や画像品質などの要求条件、使用周波数や空中線電力などの技術的条件、既存の無線システムとの周波数共用条件についての検討を行っております。
総務省といたしましては、情報通信審議会で審議が完了した部分から順次制度整備を行うなど、ロボットのさまざまなニーズに速やかに応えられるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
これからそういった高性能なもの、そして、先ほど、どの程度のものを規制の対象にするか、そういったこともきちっと決めていただきながら、そして、確かに、ドローンに対して受け身の対策じゃなくて、まず水際というか、どういう人がどういう操作をする、それをどう許すのか、そういったところを適切に決めていただいて、こういったものが安全に、そして、適切に運航できる、活用できる、そういった社会を目指して頑張っていただきたいと思います。また、私もそういったものを目指して頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○井上委員長 次に、泉健太君。
○泉委員 民主党の泉健太でございます。
先ほどもお話がありましたが、四月九日にドローンが落下をしただろうというふうに言われ、そして、四月の二十二日に発見ということでありまして、現在七月ですので、当初、このドローンが発見されて、社会的インパクトはかなり大きかったわけでありますが、しかし、やはり法律をつくるというのはなかなか難しいことでありまして、特に私権を制限するということも伴うような法律でありますので、緊急性を要しながら、慎重にこの法案の作成は進められてきたというふうに理解をしております。
そういった中できょうに至ったわけでありまして、現段階における可能な限りの案を策定されたのかなというふうに理解をしているところであります。
しかしながら、問題点ということについてはやはりしっかりと真摯に受けとめて、また、ドローンそのものは利活用も大変期待をされているものでありますので、その利活用の方も我々はよく考えながらこの法案の審議をしなければいけないというふうに思っております。
考えてみますと、ラジコンヘリ、これはもう以前からずっと多くの愛好者がおられ、我々の社会にも存在をしているわけですね。しかし、そのラジコンヘリを使ってテロが頻発したかといえば、決してそんなことはないわけであります。
ラジコンヘリはプロペラが一つか二つ、ドローンは四つぐらいついている、そういう新しさの違いですとか、それで物を運べるだとか、いろいろな空撮ができるという、今風の楽しみ方はできるのでありましょうが、ラジコンヘリも機能的には同じようなものを持っていて、しかしながら、それはほぼ問題なく運用されてきているし、多くの愛好者がおられるわけですから、そういった方々も、以前からずっと社会的なルールを守りながら、危険じゃない場所で自分たちの楽しみをやはり続けてきたということであると思います。
そういった意味では、法律で厳しく定めることは確かに必要かもしれませんが、そこに重きが置かれるのではなくて、やはり自主ルールというか、それぞれ市民、国民の意識の中でそういったものが適切に運用されていくというのが高度な市民社会、また健全な市民社会ではないのかなということも私は改めて感じるわけであります。
さて、質問に入らせていただきますけれども、まずは、このドローンの利活用が期待される中での、ある種の規制法ということになります。
まず、立法に至る経緯、そして今、私も少し私の思いを述べさせていただきましたけれども、ドローンに対する見解というものを提出者の方にお伺いをしたいと思います。
○土屋(正)議員 お答えを申し上げます。
ただいま御指摘がありました経過とその立法趣旨について申し上げます。
御指摘があったとおり、四月の二十二日に発見をされました。その後、さらに、四月の九日に既に落下していたということがわかったわけであります。しかも、場所が内閣総理大臣官邸の屋上でございますから、そういう意味では、非常にさまざまな警告を結果として与えた、危機管理に対する警告を与えたということになるのではなかろうかと存じます。そのことによって緊急の立法措置ということが考えられたわけであります。
御指摘がありました、法律で厳しく規制する理由でございますが、これは一般的に厳しく規制をしているわけではございません。国家の中枢機関、三権と、並びに憲法上のお立場の皇居、さらにまた外国主権、こういったことに限定して厳しく規制をしているわけでありまして、この法律の趣旨は、ドローン全般について厳しく規制するという趣旨ではございませんので、そのところを御理解いただきたいと存じます。
今後のドローンの利活用についての御指摘もございました。
従来行われているところでありますが、農薬散布とか、風景、工事現場等の空撮、報道、レジャー、インフラの点検や災害の調査といったようなことが考えられ、さらに、さまざまな研究が進められているようでありまして、離島に対する運搬のようなことも可能性としてあると承っております。
今後の利用拡大についても大いに期待されているところでございまして、本案では、重要施設に対する規制をすると同時に、政府に対して、附則の中で、利活用について総合的に進めるようにという趣旨の文言を入れているところでございます。
したがいまして、政府におきましては、規制と利活用の適切なバランスをとりつつ、総合的な施策に期待をいたしたい、このように考えているところでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○泉委員 ありがとうございます。
これはぜひ、その利活用も我々は積極的に進めていかなければいけない。
私は、きのうの夜、新幹線でちょっと地元に戻って、また東京に戻ってきたんですけれども、その途中にも、いろいろな広告物を見ましたら、恐らくドローンで撮影したんだろうなという風景を使った広告が、非常にインパクトのある広告でありましたけれども、そういったことも制作をされていたりですとか、やはり新しい視覚、視点からというか角度から物を見ることができるというのはドローンの特徴ではないのかなというふうに思います。
そして、今回、民主党も修正案という形でこの案を出させていただきましたけれども、原案に対しても理解をしながら、しかし、よりよいものをつくろうということで修正案を提出させていただいているところでございます。
ただ、そのときに、今回、いわゆる閣法で提出をされるところの航空法改正案、そして今回の議員立法で提出されている案、先ほども質問の中で少しありましたが、この役割分担がどういう仕切りになっているのかなというのははっきりさせていきたいなというふうに思っております。
先ほど、今後は閣法でというような御表現も土屋答弁者の方からお話があったというふうに認識をしているんですが、私もいろいろと国土交通省ですとか、あるいはこの法案をつくるために衆議院の法制局等々と話をしてきた中では、一方では、小型無人機の落下や危険防止ということの一般的なルールを定めるという航空法を主に使った考え方での閣法、あるいは、総務省のさまざまなプライバシーに配慮するという意味でのガイドライン、こういう政府側の取り組みがある。そして一方で、議員立法の方では、重要施設における中枢の安全の確保ということを主眼にし、対象施設を指定する、こういう切り分けをしているわけですね。
これが今後もやはりずっと続いて、二頭立てというか、別々で続いていくのか、それともどこかで閣法に一つになっていくのかというところをはっきりさせていくべきじゃないのかなと。
そう考えていろいろと役所の方なんかに聞くと、やはりこれは、答弁者の皆さんはおわかりのとおり、一度議員立法で作成され、それが成立すると、その後の面倒も基本的には議員立法で見てねと。それに対する対応は政府もとりますが、例えば警備対象の施設になれば当然警備はしますが、その警備対象施設をどう定めていくかということについてはこれからもずっと議員立法でやってくださいねというお答えを実はいただいておりますし、とかく、特に国会なんかもその対象施設に入っていればなおのこと、政府側としては、そういうものの指定を外す外さない、あるいは広げる広げないも含めて、これはもう議員立法で永続的にやってくださいというお答えではないのかなと思います。
そういった意味で、今後は閣法でとおっしゃっていることと今の切り分けとをもう少しはっきりさせたいなと思っておりまして、その点について御答弁をいただければと思います。
○土屋(正)議員 今の御指摘は、今出している議員立法、これから出されるであろうと思われる閣法との役割の分担を、どう役割として位置づけるか、あるいは将来統合するのかどうか、総合化するのかどうかということの御指摘であります。
先ほど答弁を申し上げましたように、今回の議員立法は、重大な国家秩序に対する危機、違反の可能性、また重大なテロにも結びつくような可能性のある、こういう角度から規制をするものでありまして、あくまでもこれは規制法であります。したがって、刑事罰も、一年以下の懲役、五十万円以下の罰金、このようになっているわけであります。
しかし、これから恐らく閣法で、それが時には航空法、あるいは農林関係の法律、あるいは災害関係の法律となるかもわかりませんが、これは我々立法府に最終的にはかかるわけでありますが、これは閣法でありますから、閣議が総合的に、総合行政として取り組むべきものだろうと思います。
その中において、今御指摘のあった利活用のお話等も含めてあるわけでありますから、言ってみれば、今回の議員立法は重要施設の規制法、これから出されるのは、規制の面も含むかもしれないけれども、いわゆるドローンの総合的な利活用も含めたものだ、このように切り分けられると考えております。
以上でございます。
○泉委員 今のは、確認をさせていただくと、やはり重要施設の指定ということについては、今後も必要があれば議員立法の改正なりを通じて続けていくということでよろしいでしょうか。
○土屋(正)議員 御指摘のとおりであります。民主党の皆さんもそのようにお考えになって修正案を出されている、このように理解しております。
○泉委員 さて、閣法の方の航空法改正案、これは、提出時期はどうなっていますでしょうか。国交省に聞きにくい話かもしれませんが、お答えいただければと思います。
○島村政府参考人 お答えいたします。
小型無人機に関する関係府省庁連絡会議で取りまとめられました「小型無人機に関する安全・安心な運航の確保等に向けたルールの骨子」においては、緊急の対応が求められる小型無人機の運航方法の規制について、「速やかに必要な法案を取りまとめ、今国会にも提出するよう目指す。」とされております。
国土交通省としては、この方針に従い、現在、航空法の改正案の取りまとめを早急に進め、今国会に提出することを目指しております。
○泉委員 今回、小型無人機の定義ということですけれども、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものとなっております。
まず、国交省の方にお伺いしたいんですが、国交省の方で今検討している中で、この対象に含まれる無人機、これは委員各位も御承知のとおり、ドローンというのは多岐にわたっているわけですね。本当に小さな昆虫のようなものから大きなものまでドローン、軍事用なんというのはもう何メートルというドローンもあるというと、日本語に訳したときに、小型無人機で本当にいいのかというふうにも言えなくもないわけですね。旅客機に比べれば小型ということかもしれないぐらいに思っておかないと、非常に多様なものがドローンとして存在している。
となったときに、国交省、改めて、この対象に含まれる無人機の大きさや重さということについては、具体的にお示しいただくことは可能でしょうか。
○島村政府参考人 最初に、国土交通省として、今回の議員立法における小型無人機の定義についてお答えする立場にはございませんが、国土交通省で取りまとめを進めている航空法の改正法案の検討に際し、規制の対象となる小型無人機については、遠隔操作または自動操縦による飛行が可能な機器という要件に加えて、人が乗ることができないものを対象としております。
また、この際、墜落等の場合における地上の人または物件等への影響も考慮し、玩具のような軽量なものまで一律に規制するのではなく、技術的合理性のある範囲となるよう検討をしているところでございます。
○泉委員 具体的な数字はこれからということなのかもしれません。
今お話があったように、国交省から受けている説明ですと、これは無人航空機という言い方を使われるわけですね。一方で、議員立法の方は小型無人機という使い方もしているわけでして、実は、そういう微妙なニュアンスの違いもあるのかなというふうに理解をしておりまして、その辺、私も修正案の提出者ですから、あくまで今回は原案のみに質問をしているわけですが、やはり、政府・与党の中で、文言の整理と申しますかそういったものも、今回は間に合わないかもしれませんが、ぜひしっかり連携をしてやっていただく必要があろうかなというふうに思うところであります。
提出者の方も、現在のところで、この小型無人機の定義というところで、この無人機の大きさや重さというものについて、もし何か具体的なことがあればお教えいただきたいと思います。
○土屋(正)議員 ただいま御指摘がありましたいわゆる小型無人機については、この法律、今提出した法律の中で規定をいたしております。
ただ、そこは、どのくらいの大きさにするかといったようなことは議論の過程の中では出ませんでしたが、一方で、内閣の中に置きました連絡会議も同様な名称がついておりますので、そのようにいたした次第でございます。同時並行に進んでおります。
○泉委員 確かに、六月二日、関係府省庁連絡会議で示されている言葉としては、小型無人機に関する関係府省庁連絡会議でありますし、そして、この骨子の中では、小型無人機という使われ方がされているということを理解いたしております。そういったことで、その文言ですとかを今後また整理していっていただきたいというふうに思います。
さて、今度は、首相官邸の警備のことであります。
これは、我々議員たちも、ただ単に警備側を批判することもできない部分もあると思っています。
議員会館というのは首相官邸の真隣にございます。首相官邸の屋根を見渡せる位置に部屋もたくさんあるわけですが、四月の二十二日まで、どの議員事務所も気づくことはなかったわけですね。ですから、屋根に乗っかっているものを最初に見つけた官邸が、遅い、遅いという批判もあるかもしれませんが、やはり人間、通常そこに何もないものだと決め打ちをしてしまうと、なかなかあるものも見えないということはよくある話なのかなと。しかし、これは重要な施設ですから、今後はそういったことに目を光らせていかなければいけないということであろうと思います。
さて、官邸の屋上警備は続けられていると理解しております。しかし、今回、議員立法で対象としている重要施設が幾つかあるわけですが、それは皇居であり国会でありというところを初めとしてなんですが、そういうところも、首相官邸と同様の屋上警備というか、頭上の警戒ぐらいはしていますかと言えば、していますとおっしゃると思うんですが、今、首相官邸はたしか屋上を常時見張らせているというくらいに警備をしているわけであります。
それと同様に、屋上を警備する、上空を警備するという新たな体制をしいているかということを、宮内庁、衆議院、最高裁、それぞれからお答えいただきたいと思います。
○和田政府参考人 お答え申し上げます。
皇室関係の施設の安全の確保につきましては、施設管理の責務を有しております私ども宮内庁と、皇居等の警備をつかさどっております皇宮警察本部と連携して、遺漏のないように努めているところでございます。
小型無人機につきましては、総理官邸の事案を契機といたしまして、当庁でも、皇居内等の重要な建物の屋根等に不審物がないかどうか点検を行い、まず異常のないことを確認いたしております。それ以後も、日常の施設の点検、巡回時に不審物の有無等について一層の注意を払うということで、警備当局とも連携をいたしながら皇居関係施設の安全の確保に努めているという状況でございます。
以上でございます。
○近藤参事 お答えいたします。
衆議院におきましては、警務部の衛視が毎日、毎時間、国会構内を巡視しておりまして、不審者や不審物がないかどうか確認をいたしております。
国会議事堂の屋上につきましても、国会構内の巡視の一環といたしまして、毎日、毎時間、巡視を行っております。
○笠井最高裁判所長官代理者 最高裁判所の庁舎につきましても、小型無人機の飛行によって施設に対する危険が生ずることのないように、見回り等警備をさせていただいているというところでございます。
○泉委員 ありがとうございます。
さて、提出者にお伺いをします。
「国の重要な施設等」ということで、今回そういった国会議事堂や首相官邸等々を指定されているわけです。この「重要」の判断基準が何だったのかということであります。
といいますのも、私たちもこれは、重要施設、例えば防衛省や警察庁や海上保安庁、危機管理に関係する省庁はやはり重要施設ではないかということで、修正案を出させていただいております。
あるいは、今回は「事務を処理するために使用する建築物」という書かれ方をしているわけですが、何が重要かといえば、そこにある書類も大事かもしれませんが、そこにいる幹部であったり要人であったりというのが大事だという考え方も、これは当然ありますよね。そうなったときに、例えば議員宿舎みたいなものは、議員会館は指定されるけれども議員宿舎は指定されないということが果たしてよいのかという話や、議長公邸は指定されるけれども副議長公邸は指定されなくてよいのかという話ですとか、考えるといろいろな可能性というものがあると思うんです。
そういった意味で、「国の重要な施設等」の「重要」というものの判断基準が何だったのかということを原案の提出者にお伺いしたいと思います。
○遠藤(敬)議員 おはようございます。
泉先生、本当にこのドローンに、またこの法案に大変深くかかわっていただいたということで感謝申し上げたいと思います。
本法案では、国政の中枢機能等を維持するための緊急立法であることから、多々想定し得る重要施設のうち、ひとまず、必要性が高く、かつその選択が早期に可能であったものを対象施設とするといたしました。
具体的には、まず、国政の中枢機能等にかかわる対象施設については、三権の中枢を防護する目的から、主たる執務場所を対象とすることを原則とし、特別の事情がある場合に限って、例外的に住居である施設も対象にすることといたしております。
その上で、本法案では、附則二条として検討条項を設けており、今後、小型無人機の多様な分野における利用促進のための施策を踏まえ、国の重要な施設に対する上空からの危険の未然の防止のあり方や、小型無人機の規制等を検討していく中で、必要があれば適宜見直しを行われるものと考えております。
○泉委員 恐らく、実際上の危険ということも当然大事でありますし、あとは、起こす側の社会的インパクトを狙ったという特質というか、そういうものを考えると、やはり、さっきお話をしたような議員宿舎ですとか、あるいは副議長公邸ということも十分に今後検討されなければいけないというふうに思っているところであります。
関連して、例えば、この法律の書きぶりですと、内閣総理大臣と官房長官の公邸は官邸敷地内にあるというふうに理解をしておりますが、法律ではわざわざ、官邸並びに内閣総理大臣及び官房長官の公邸という書き方をしております。敷地一帯的に、いわゆる官邸の敷地を指定すればよいのかなというふうに思うわけですが、これは、わざわざというか、別々に書いてあります。
特に、官房長官公邸というのは、その公邸機能というよりも、よっぽど何かがあった場合の官房長官の宿泊場所というような性質のものでありまして、日常的にはほとんど使用されていません。そういった意味では、官邸の敷地一帯のみを指定すれば、それで足りたような気もするんですが、ここの趣旨、言わんとすることが何なのかということをお教えいただけますでしょうか。
○濱村議員 お答え申し上げます。
まず端的に申し上げますと、法律としてのわかりやすさの観点から、このようにさせていただきました。
内閣総理大臣と官房長官の公邸は、二条一項一号で官邸を対象施設として掲げさえすれば、官邸と同一の敷地内にあるため、その上空における小型無人機の飛行は直罰の対象となります。
ただ、理論的にはそのようになりますけれども、法文上、内閣総理大臣官邸とのみ規定した場合、比較的よく知られている施設である公邸が対象となるのかが一般の国民の皆様にはわかりにくいのではないかという御懸念があるところでございます。
そういった意味で、わかりやすさの観点から、まず総理公邸を明記させていただいたわけでございまして、同様に、同じ敷地内にございます官房長官公邸につきましては、対象外でないかとの反対解釈を防ぐため、同じく明記することとさせていただいた次第でございます。
このように、法律として、わかりやすさの観点から、両公邸を対象施設として明記させていただいたものでございます。
○泉委員 大変わかりやすい御説明をありがとうございました。
先ほど話をしましたように、副議長公邸ですとか最高裁判所長官の公邸、これは現在は含まれていないということでありまして、今後対象にすることも検討してくださいということは、質問ではなく、要望というか提言としてお伝えをさせていただきたいというふうに思います。
さて、確認でありますけれども、続いては、「皇居及び御所であって東京都港区元赤坂二丁目に所在するもの」ということの法文上の記載がございます。これは、宮家の皆様の居住施設全てがこの御所の敷地内であり対象となるということでよろしいでしょうか。
○濱村議員 お答えいたします。
本法案におきましては、「御所であって東京都港区元赤坂二丁目に所在するもの」、すなわち東宮御所を対象施設としております。二条一項一号ニにあるとおりでございます。
その上で、東宮御所の敷地としていわゆる赤坂御用地を指定することとなるため、元赤坂二丁目の宮家の皆様の居住施設につきましては、全て敷地内にあるものとして保護の対象となる次第でございます。
○泉委員 続きまして、対象施設周辺地域。その三百メートル以内で飛行させてはいけないということでありますけれども、この三百メートルの根拠。これは、敷地または区域及びその周辺おおむね三百メートルの地域を対象施設周辺地域として指定するものとするという記述があるわけですけれども、この三百メートルの根拠について御説明をいただきたいと思います。
○土屋(正)議員 この三百メーターの根拠でございますが、小型無人機による危険を未然に防止するためには、小型無人機が対象施設に到達する前の段階でこれを阻止しなければならないわけであります。法律上は、飛行停止を命じ、さらに、いわゆる即時強制、小型無人機の飛行の妨害または破損その他の措置をとる必要があるわけであります。
それでは、この措置をとるために必要な距離というのはどのぐらいかということを専門家とも種々協議をいたしましたが、おおむね三百メーターならばということで、これは警備当局並びに専門家の意見を聞いてこのようにしたわけであります。
念のため申し上げますが、小型無人機に搭載のカメラの画像を見ながら遠隔操作するタイプについては、一般的には、小型無人機と操作する者との間の距離が、上限がおおむね二百メーターから三百メーターであるという専門家の意見を聴取いたしております。
また、本法案の契機となった官邸ドローン事件は、その後の調査で、おおむね二百メーターから飛ばした、こういうことがございますので、新しい法律をつくることによって十分規制の中に入る、こんなふうに考えております。
しからば、五百メーターとか六百メーターはどうなんだ、こういうふうな御指摘もあろうかと思いますが、これは範囲を広げれば広げるほど国民の権利の自由を制限するということになりますので、これらのことを兼ね合わせた上で三百メーター、このようにいたした次第でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○泉委員 ありがとうございます。
これは百点の答えというのは恐らくないんだろうなと。常に、答弁者がおっしゃられたように、国民の自由と警備の両方のバランスの中で、どこかで決めていかなければいけないものであろうし、ドローンの能力ということでいえば、いろいろなものがあるというのはもう当然のことでありますけれども、だからといって、それをただ単に広げればいいということではないということに基づいて、おおむね三百メートルというふうに理解をしているところであります。それはまた私も理解をしているところであります。
さて、法律の中では、外国公館もこれは指定の対象でありますし、また、政党事務所、党の事務所、これも指定をされることができますが、主たる事務所が複数になるということは想定されているか、あるいは可能であるか。
これは維新の提出者にお伺いしたいんですね。政党本部は大阪でございまして、しかし、東京にも全く拠点がないわけではないというふうに理解をしております。どちらが最重要な施設かは、これは我々他党ではなかなか判断しにくいところでありまして、維新さんがどのような申請をされるのか、あるいはそれは二カ所申請するということもあり得るのか、その点を含めて、維新の提出者にお伺いをしたいと思います。
○遠藤(敬)議員 ありがとうございます。
とりあえず、本法案では、対象とする政党は政治資金規正法の政党要件を満たす政党、つまり、政治資金規正法により政党である旨を総務大臣に届け出たものに限ることとしており、対象政党事務所として指定される主たる事務所も、総務大臣に届け出た主たる事務所一カ所に限られているとしております。
お尋ねの維新の党でありますけれども、維新の党としては、主たる事務所は大阪に所在をしておりますため、対象政党事務所としての指定を受けることができるのは大阪であるというふうに思っておりますし、実際に指定を要請するか否かについては、法案が成立した後に判断をしてまいりたいと思っております。
○泉委員 もちろん、その政党が申請をすることでありますので、ほかの党がどうこう言うことではありませんが、よく理解をいたしました。ありがとうございました。
さて、一応、法案の書きぶりとして確認としてお伺いをするんですが、総務大臣は、要件を満たした対象政党の事務所指定に当たり、警察庁長官、場合によっては、海に隣接していれば海上保安庁長官と協議をするということになっております。しかし、政党からの要請ですので、協議をするというのはこれは何を協議されるのか、そして、その協議の結果、指定が不可となることがあるのかということなんですね。やはり、政治資金規正法に基づく政党ということでありまして、そこからの要請がある中でどんな協議をすることが想定されるのか、お答えください。
○遠藤(敬)議員 お答え申し上げます。
総務大臣が対象政党事務所に係る周辺地域を指定する際に警察庁長官等と協議を行うこととしているのは、対象施設周辺地域としてどの街区まで指定するのかを判断するに当たり、圏域警備の容易さなど、当該地域における警戒警備等を実際に担うこととなる警察当局が有する専門技術的な知見を踏まえる必要があるためでございます。
したがって、総務大臣は、政党から要請があったにもかかわらず、警察庁長官との協議の結果により、そもそも当該政党の主たる事務所を対象施設と指定しないという対応をすることはございません。また、この点につきましては、条文上も、総務大臣は要請があったときは指定するものとしております。
○泉委員 続いて、外務大臣が指定する対象外国公館等の「等」にはどのようなものが含まれるか、お答えください。
○土屋(正)議員 この「等」でございますが、わかりやすく言うと、サミットのような外国要人が所在する施設を考えております。
と申しますのは、御承知のとおり、この法律の主要な部分というのは、施設に対する規制になっているわけでありますが、それでは重要な会議などが開かれた場合にそれをどうするのかという警備上の問題が発生をいたします。
これをつくるに当たって警察庁とも協議をした結果、サミット警備などにも適用されるということを法の予定するところにしてほしい、こういう御要請もあり、この「等」をつけ加えたものでございます。
○泉委員 一問飛ばしまして、今のものに関連して、天皇の例えば御用邸ですとか、あるいは天皇や三権の長等が滞在するホテル、これも外国要人と同様に大事だと思うんですね。特に、公務で三権の長なんかが御移動されて滞在をするという場合に、そこを期間を定めて指定するということが可能なんでしょうか。
○土屋(正)議員 三権の長の施設以外に、先ほど御説明申し上げましたとおり、「等」ということによって外国要人等の施設としたわけでございますが、この法文上は、天皇陛下の御用邸や天皇陛下や三権の長等が滞在するホテルあるいは移動の上空等について、この法律では直ちに読み込めるわけではございませんが、あらかじめ決まったサミットのような場合は、当然、これを読み込むということになっております。
とはいえ、天皇陛下や三権の長等については、広く、警察法や警察官職務執行法に基づき、既に警察において適切に警護を行っていると承知をいたしているわけであります。
よろしくお願いいたします。
○泉委員 続いて、ちょっと質問の順番を変えまして、報道の規制について質問させていただきたいと思います。
これは、重要施設であっても、やはり、そこに直罰規定を伴うルールができるということは、報道や取材の自由というものが一部規制されるというふうに解釈をしております。
これは、報道機関には理解を得られているというふうに考えられていますでしょうか。また、今後、どのように報道機関に対する周知を行っていく予定でしょうか。
○高木(美)議員 お答えいたします。
報道機関が十分理解しているかどうかについて答弁する立場にはございませんが、本法案は、限定された重要施設等とその周辺の上空においてのみ小型無人機の飛行を禁止するものであること、また、施設の管理者の同意を得れば小型無人機の飛行は可能であること、また、従来から飛行できたヘリコプターや飛行機による取材には何ら影響を与えるものではないこと、こうしたことから、報道や取材の自由への規制はかなり限定的と考えております。
今お話ありました周知につきましては、議員立法を成立させていただけましたら、政府に周知の徹底を求めてまいりたいと思います。
○泉委員 今は、ヘリ、飛行機で映像を撮っている。しかし、ドローンが本当に使われるようになればというか使いやすくなれば、やはりヘリを一機飛ばすというのはとても手間と費用がかかることですね、それからすると、ドローンによる取材というのは割かし手軽に軽費で実行できるという利点もありまして、そういった意味では、報道各社もこういったものに使いたいという思いは私は持っているというふうに思います。
そういった意味で、ぜひ報道機関にも周知をしていただきたいし、議員立法を作成されたメンバー等々で、修正案も含めてでいえば私もなんですが、やはり報道機関と、どのような報道の最新の手法があり、またそれがどのように調和していくのかということは、ぜひ今後一緒に検討していただきたいということもお願いをしたいと思います。
さて、報道機関が施設管理者や敷地所有者の同意を得た場合はドローンによる取材ができるわけですね。敷地所有者の同意を得れば、その上ではドローンによる取材ができます。
あらかじめ都道府県公安委員会に通報するとなっているんですが、例えば、政治家でいいますと、いわゆる街宣車を日常使う場合には、一カ月に一遍、地元の警察署に街宣車の届けをします。これは月一遍の頻度でそういう届けをするわけです。
今回のあらかじめ都道府県公安委員会に通報するというのは、その取材のたびに通報するようなものなのか、それとも、例えば、TBSさんとか日経新聞社さんとかそういうところが、一カ月に一遍、我々は取材に使いますよということを届け出ればよいのか。まず、何をどのような頻度でどのように通報すればよいのかというのを警察庁にお伺いしたいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
本法案によりますと、例外的に認められる小型無人機の飛行を行おうとする者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、都道府県公安委員会に通報しなければならない旨規定されております。
また、当該通報に関する国家公安委員会規則では、対象施設に対する危険の未然防止のため、警察が確認する必要があると思われる通報の内容や方法等を規定することとなっております。
いずれにしましても、本法案が成立した場合には、本法案の趣旨及び国会での御審議の内容を踏まえて合理的で適切な通報に関する規則を検討することとなるものと考えられますが、委員御質問の具体的な内容は今後の検討ですけれども、対象施設周辺地域の上空において小型無人機等の飛行を行おうとする者の氏名とか予定日時、目的等について、飛行の都度警察が確実に把握することができるように、国家公安委員会規則の内容を検討してまいりたいというふうに考えております。
○泉委員 これは、一方では、取材によし行くぞというのは、本当に突発的に取材が行われる可能性というのは十分考えられるわけですね。そういった意味では、そのときに、仮に、手続をしてからドローンを飛ばしますなんて話になると、これは実際起こっていることには間に合わないというようなことになりますので、その辺のルールづくり、報道機関も公器でありますので、十分にその辺は、自主的なルールなんかもつくることも可能ではないかなというふうに思いますので、そういった取り組みも含めて、警察の皆さん、手間にならないような形でよく協議をしていただきたいと思います。
さて、最後の質問ですけれども、対象施設や同意を得た敷地、ここでドローンを飛ばした場合に、そこから外の映像、隣の敷地の映像ですとかを撮影して報道に利用するということは自由なのかどうかを、総務省そして提出者、よろしくお願いします。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
一般的に、ドローンにより映像を撮影する場合に、これは被撮影者の同意がない場合にそれをインターネット上に流通させた場合に、プライバシー上の問題が生じる可能性というものはございます。
私ども総務省といたしましては、個別に撮影行為等あるいは飛行行為等について何らかの規律をする立場にはございませんけれども、インターネット上のそういう情報の流通、健全な流通の発展というものに資する観点から、今現在、「「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」の案というものを作成いたしまして、プライバシー上の問題が生じないような取り組みの目安を整理することによりまして、健全なインターネット上の映像の流通を促進したいというふうに考えているところでございます。
現在、意見募集中でございまして、さまざまな寄せられた意見を踏まえましてガイドラインの成案を確定いたしまして、公表をしてまいりたいというふうに考えております。
○高木(美)議員 お答えいたします。
本法案は、対象施設に対する危険を未然に防止するために対象施設及びその周囲三百メートルの範囲における小型無人機の飛行を制限するものでありまして、管理者等の同意を得て飛行させているドローンを使った撮影、報道等に関しては特段の規定は設けておりません。
そのため、御指摘のような事例につきましては、本法案の成否にかかわらず問題となる事項と考えておりまして、例えば、プライバシー保護等の観点から、政府におきまして、一般的なルールについて検討し、必要な措置を講ずるといった対応が必要と考えております。
○泉委員 今、松原委員から少し時間をいただきましたので、もう一問。
今総務省の御答弁で少し気になったのは、今総務省で考えられているのは、インターネットを通じた映像の利用ということの観点と伺いましたが、そうしますと、報道に使うために撮影した映像というのは、今回のそのガイドライン云々の中では、インターネット報道ということはあるかもしれませんが、そうではなく、一般のテレビの映像に使うということについては想定をされていないというか、対象外だということでよろしいんでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘のとおり、今回、私どもで検討いたしておりますガイドラインは、撮影映像がインターネット上で流通するということを想定いたしまして、その際にプライバシー侵害のおそれがないように、それを未然に防止するという観点から、そういう意味でいいますと、新たに何らかの規制を課すということではなくして、ドローンの映像を利活用されようとする方が、プライバシー侵害のおそれがなく、より健全に利活用が図れる、そういう観点から一種の目安をお示しする、そういう観点からのものでございます。いわゆるテレビの放送等に使われるものを想定しているということではございません。
○泉委員 ありがとうございます。
一つは、私は、ドローンによる映像が使われる使われないということのガイドラインというのは、かなりドローンに特化した話でありますけれども、一般的にやはり最近どこでも被害が出ている盗撮という行為、これそのものが、いわゆる盗撮防止法的なものがまだないということについての問題も一方ではあろうかな、これは警察の方にもよく考えていただけないかなというふうに思います。
そしてもう一問、きょう警備局長がお越しでありますのでお伺いしたいんですが、逆に警察でドローンを活用して、捜査の方は警備局長に聞く話じゃないかもしれませんが、例えば警備なんかで逆にドローンを活用するということはお考えになられているということでよろしいでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
委員御質問のとおり、警察としましても、特に災害警備でありますとか警戒警備、そういう場面でぜひドローンを使いたいということで、現に配置して使っている都道府県警察もございます。今後とも活用してまいりたいと思っております。
○泉委員 私もきょう質問する前にインターネットでいろいろなドローンの新聞記事を見ていましたら、ネットで流れている記事ですけれども、アメリカの方では、犯人を発見できたという使われ方もある一方で、何か山火事の現場で、ドローンが飛んでいたことによって消防がやろうと思っていた活動に支障が出て、そして延焼の面積が広がってしまったなんという両方の話がやはり出ていまして、民間の皆さんにどういうルールを守っていただくか、また、行政機関、特に危機管理に携わる行政機関はどのようにドローンを使うのか、またその周知もしっかり図られなければ、いざというときに問題が起こるということも十分あり得ると思いますので、そういった点、特に危機管理関係行政機関はいろいろと想定をしていただいて、今後のドローンの利活用にも取り組んでいただきたいというふうに思います。
質問を以上とさせていただいて、これからは答弁側に移らせていただきます。ありがとうございました。
○井上委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 このドローンでありますが、これは、考えるときにさまざまな考えるべきことがあるわけであります。
冒頭、遠藤議員に質問したいわけでありますが、今回、官邸の上にドローンがいたということであって、そのことで、こういうことはちょっと日本は手薄である、日本がいかに危機対応に対して曖昧であるかということになって、ある種の恥でもあって、これはいかぬということで、急遽、維新も、自民、公明等と一緒になってこの法律案をつくった。
私は、やるならば、立法の本来の趣旨である部分というものは貫徹をしなければいけないと思っているわけであります。今、特にテクノロジーの発展によってさまざまな器具が生まれている。それは、今回はドローン法案ではありますが、本来はそういったことをトータルで考えるということが、私は、やるならば必要だっただろうと、我々党内で議論をしていても、そういう声が出ているわけであります。
そうした中において、例えばイメージとして、官邸も当然、管が入っていて、水道、下水道等、そういうところから入っていくようなものもあるだろう、壁を伝わっていくシャクトリムシみたいなものもあるだろう、こういうことを具体的に言う方もおられる。
さまざま、そういうことに対して、何で今回、ドローン法案というこれだけなのか。今後、その問題意識のもとに、他のさまざまな、官邸なり、今回ドローンで、守ろうとしている部署に対してそういったものを寄せつけないような他の法律も考えるべきではないか。なぜドローンだけで今回、それは衝撃的だったのは事実ですよ。衝撃的だったから、あっちっちあっちっちといって手を離すようなことじゃなくて、きちっと全体で考えなきゃいかぬ、こういう話でありますが、遠藤さん、お答えください。
○遠藤(敬)議員 松原先生、ありがとうございます。わざわざ御指名をいただきまして、感謝申し上げます。
先ほどから松原先生とも外でお話をしておりましたが、さまざまな動くものはありますので、どういったものが対象なのかということでございますけれども、空中に飛び出るものが本法における小型無人機として対象となります。水中にとどまるものやら、先ほど松原先生からありましたが、はうだけなもの、シャクトリムシみたいなものもあることは承知しておりますが、本法の規制対象ではございません。
附則二条においては、多岐多様なドローンの種類に応じて、政府においても検討、見直しが行われるとともに、立法府としても適切な対応を進められることを承知しております。
○松原委員 この問題意識というのは、恐らく、今おっしゃったように、今後速やかに、ドローン以外においても、さまざまなそういった侵入者ですね、総称して侵入者と言うなら侵入者に対する防御というものに関して、これは本来であれば閣法で考えるべきかもしれませんが、やはりこれは日本の国を、議員も当然そういったことを考えなきゃいかぬ。
きょうは、修正案をあれしている泉議員もひな壇に座っているわけでありますが、全員で、まさにこれこそ、ある意味でさらにウイングを広げて超党派で、ドローンはドローン、しかし、ドローン以外のものもやる、本来ここでやるべきだったけれどもと、これぐらいのことを私は思っておりますが、遠藤さん、その辺、どう思います。
○遠藤(敬)議員 御指摘のとおりだと思いますので、これからも松原先生の御指南をいただきながら進めていきたいと思います。よろしくお願いいたしたいと思います。
○松原委員 土屋さん、これをどう思います。
○土屋(正)議員 今、松原先生の御指摘は、私流に整理をさせていただきますと、既存の法律で予想されないようなものが出た場合とか、あるいは、例えば今御指摘のありましたようなものが直ちに何法に当たるのかということについてまだ未確定の場合に、それをあらかじめ包括的な法をつくっておく必要があるのか、あるいはそういう備えを立法府としても行政府に対して求めることをすべきではないかという二つの意味を含んでいるんだろうと思います。
今回、この議案の提出者として申し上げますれば、今回の議案は、直ちにそのような対応する法律案にはなっておりませんが、松原先生などから具体的な示唆があれば、また立法府の一員としてお互いに切磋琢磨して必要な法律をつくっていくことにやぶさかではございません。
○松原委員 これはイマジネーションの問題だと思うんですよね。官僚の方々を私は、本当にきちっきちっと物事をやるという点では高く評価しながらも、時々抜けているところがありますが、しかし、やはりイマジネーションは非常に不足していると思うんですね。やはり彼らにイマジネーションを求めるのは酷であって、そもそも、その本来の立ち位置というのはそういうものですから。
であるがゆえに、インベーダーというふうに言ってもいいかもしれない侵入者に対して、その一般に対してどういう備えをするか。これから泉議員に対しても質問しますが、テクノロジーはどんどん進んでいる。想像できないものが入ってくるわけです。できてから後づけ後づけで守っているというのでは間に合わないわけですよ、技術は日進月歩ですから。ドローンだって、でかいドローンからちっちゃいドローンまで、さっきの定義、あれでいきますと、無人であって、そして遠隔操作であると。でかいのからちっちゃいのから、どんなものだってできてくる。シャクトリムシみたいな話もできてくる。
ドローン以外のそういった侵入者に対しても、それは、我々が、新しいテクノロジーの進化の状況と、同時に、それに対しての、こういうふうに悪意を持った連中が使うかもしれないというイマジネーションを持たなければ、やられた後では遅過ぎる。このことを私は言っていて、それはまさに政治家がイマジネーションを持ってやらなければいけない。
泉さん、この辺、どうですか。
○泉委員 御質問ありがとうございます。
まさにイマジネーションというのは大変重要だというふうに思います。
やはり、どんな危機管理も、これは天災の場合は、その起こった天災に対応するということが必要でしょうけれども、人災というか外部からの侵入や攻撃ということについては、それはあらゆるものを想定する、イマジネーションするということで、まずその堅牢性を確保するということも大事だと思います。
しかし、その堅牢性を確保してもなお、やはり被害が起こるかもしれないという前提に基づいて、避難であったり、あるいは安全確保であったり、あるいは業務継続であったり、そういったものの想定もしっかりしておくということが大事であろうと思います。
それは、やはり、どんな危機によるかということを個別に後追いで考えていくのではなくて、どんなものが来るかもわからないということに基づいて堅牢性の確保とそして安全の確保を図っていく、こういう視点を特に政治の側が持つ必要があると思っておりますので、引き続き、その視点で対応していきたいというふうに思っています。
○松原委員 非常にいい答弁だったと思います。
これはまさに泉議員が言うような部分が重要でありまして、ぜひ、きょうひな壇に並んでおられる、この問題に対して深い造詣と問題意識を持っている議員の皆様には、引き続き、そういったイマジネーションの中で、さらなる危機、侵入者に対する備え。今、泉さんが言ったのは、備えだけではありません、そのことによって、それでも防ぎ切れないことはあると。よく、災害、防災で言うところの、ハード、ソフトの多重防御というものですね。そういった意味では、それに対してどのように、業務継続をすぐにし得るかというようなことも含め、ぜひそういった本質的な議論に立ち返ってやっていただきたいと思います。
私は、今回、むしろ、このドローン法案で一件落着というのではなくて、これはこれで経緯の中で必要かもしれない、しかし、官僚の皆さんが覆い切れない部分において、やはり議員が、まさにイマジネーションを働かせて、さまざまな可能性の中で議論をし、もっと骨太のものを構想してもらいたいな、こう思っているところであります。
次の質問に入りますが、ドローンを初めする技術進歩により、法律等で規制することを想定していなかった事態が生じている、今申し上げたことですね。今後、新しく生み出される技術、機械について、社会的なプラス、マイナスの両面が生じる。
政治というのはこういったものに対して、極めて総論的な骨太の議論でありますが、どのように対応していくのか。つまり、技術を萎縮させてはいけない。しかし、それが変な方に行くのはとめなければいけない。極めて複雑な、難しい、モラルとそして緊張感を必要とする議論でありますが、泉委員に御質問いたします。
○泉委員 ありがとうございます。
我々もこうして法案を提出しておりますが、例えば、国会議員の中でも実際にドローンを操縦したことのある議員というのは少ないということが現実であろうかと思います。これが、例えば自衛隊の装備を操縦するしないというのは、これは自衛隊員に限られることですからそれでいいんですが、ドローンですとかというのは、広く一般国民誰しもが購入でき、そしてそれを操作することが可能であり、またその種類も多様になってきているということでありまして、先日、我が党の議員も、ドローン展という大きな展示会に行ってまいりまして、多くの知見を得てきたというか、刺激を得て戻ってきたというふうに聞いております。
そういった意味では、従来からお話がありますように、農薬散布ですとかあるいは空撮、これは趣味から仕事から、さまざまなことに今後ドローンが活用されていくわけであります。いろいろな角度からの映像を撮影できる。今までにない映像を作成することができる。そういった魅力もありますし、そして、それは調査にも使えるということもありますので、これまで不可能だったことが可能になってくるというその利点というものは、やはりしっかり生かしていかなければいけないというふうに思います。
そういうことができるようになればなるほど、逆に言うと、危険な行為にも使われかねない、この両方でありまして、プラスの部分は大きく伸ばすという考え方、そして一方では、マイナスの部分で考え得るものについてやはり想定をして、必要であれば規制をしていくという、この両方をしっかりと大きな目で見ていきたいというふうに思います。
○松原委員 遠藤議員がこの後また用事があると聞いておりますので、先に一問質問しておきましょう。
この法律の中の第五条の五項に、「外務大臣は、対象外国公館等及び」という、先ほど泉さんからも御質問がありましたが、こういった話であります。
イメージとしては、例えば、これは私のイメージで言っているんですが、米大使館であるとか中国であるとかロシア大使館が入るのかなと思っておりますが、これはほかにどんな大使館が可能性として入る可能性があるか、遠藤さん、考えて答えてください。
○遠藤(敬)議員 今承知しているところによりますと、法律上は国の限定はしておりません。外務大臣が必要に応じて指定するものと承知をしております。
以上でございます。
○松原委員 それはそうなんです。そうすると、可能性として、例えば、今、日本に大使がおいでる国というのは非常に多いですよね、五十とか。この全てがなり得る可能性がある、こういうことですか。お答えいただきたい。
○遠藤(敬)議員 法律上はそのようなことだと思っております。
○松原委員 外務大臣がこれを定めるということでありますが、例えばある国から、我が大使館はドローンのこれの一つの対象にしてくれといった場合、外務大臣がそれを拒否することは可能であると思いますか、思いませんか。
○遠藤(敬)議員 行政執行上の問題ということで、外務大臣が御判断されるものだと思っております。
○松原委員 余り遠藤さんばかりに言ってかわいそうなんですが、ということは、判断して拒否することもあるということですね。
○土屋(正)議員 基本的に外国の大使館というものは、外国の主権がその中には及ぶということでありますし、また、ウィーン条約その他で適切な警護等も当然義務づけられているわけでありますから、これは主管の外務大臣がその主権国であるその国との関係を重んじてやっていくべきものだと思いますが、当然、その過程の中には、警備上の必要性についても意見が聴取されるもの、このように考えております。
我々としては、提案者でございますから、それ以上は差し控えたいと思います。
○松原委員 いや、これは我が党の部会で非常に議論になった点なので、ちょっとただしておかなきゃいかぬのです。
外務大臣は、今の話で、検討すると。検討した上で、そういう要請があって、ノーと言うことがあり得るということですよ、さっきの話は。それだけ、遠藤さん、ばしっと言ってもらえばいいですよ。それを私は聞いているんですから。
○遠藤(敬)議員 松原委員にいじめられまして、大変もう……(松原委員「いや、いじめていない」と呼ぶ)
外交上の大きな問題もありますので、その国との信頼関係に基づいて外務大臣が判断するものだと思っております。
○松原委員 ここは、これ以上私も申し上げません。その辺はまさに外交でありますから、さまざまなケースがあり得るという中での議論だというふうに思っております。これ以上はこれは質問しませんから、意のあるところでよく検討してください。
それでは、次に参ります。
次は、上空の飛行規制。これは与党提案者に聞きますが、本法律案では飛行禁止区域を指定している、これは横ですね、横に向かって指定をしている。縦はどうなんだろう、こういうことなんであります。
今後、高性能のドローン等が開発をされ、そして飛行禁止区域百五十メートル以上を飛行する場合、これはどういうふうな禁止の対象になるのかということをお伺いしたいわけであります。
さまざまな法律の文章を物しますと、空間、空域には国際法上の定義はないとか、しかしある程度の上以上は現実には飛行機も飛んでいる。しかし、これもテクノロジーの進歩によっては極めてさまざまなことを議論しなきゃいけなくなる。所有という概念も含めてでありますが、この辺で、今冒頭申し上げた点について提案者に御答弁をいただきたい。
○濱村議員 御質問をいただき、ありがとうございます。
テクノロジーの進歩に従ってしっかりと規制をしていかなければいけないという松原先生のお考え、非常に共感するものでございます。
その上で、今回の法案におきましては、七条第一項に、「何人も、対象施設周辺地域の上空において、小型無人機を飛行させてはならない。」と規定しておりまして、上空の範囲については、特段定めはございません。したがって、ドローンが百五十メートル以上上空を飛行する場合も、飛行禁止の対象となります。
実際上、かなりの上空から物を投下するなどして、テロを想定することができるわけでございますので、しっかりと規制に合理性はあるというふうに考えているところでございます。
○松原委員 極めて重要な答弁で、百五十メートルを超えても禁止なんですね。何メートルまで禁止なんですか。
○濱村議員 特に何メートルまで禁止という定めはございません。
○松原委員 これは別に禅問答をやっているわけじゃないですが、非常に重要な話で、そうしたらどこまで禁止なんだろうという話になってきますよ。
私は、例えば概念として考えたときに、いわゆる立方体というものの発想というのがあって、では、縦横百メートルだったら、高さも百メートル。でかい敷地ですから。でかくないか、百だと。縦横一キロ一キロだったら縦も一キロとか、そこは、一つの柔軟性を持った空域というものを判断する。ドローンだって、でかいのから小さいのまで飛んでいる。この辺がやはり、この法律の一つの盲点になってくると思うんですよ。これでいったときに、では、上を飛んでいる飛行機はどうなんだ、あれはいいですよと。では、どこまでいいんだという話になってくる。
私は、横だけ見ているのではなくて、縦を見るということは極めて重要だと思うので、単純に百五十以上は云々というだけではなく、そこら辺も含め大いに議論してもらいたいと思います。
泉委員、この辺についての所見をお伺いします。
○泉委員 ありがとうございます。
やはり、今、例えば、おとついぐらいですか、衛星で「ひまわり」、新しい衛星が投入されて、解像度が物すごく上がったという話がありました。ですから、従来考えられていた距離から撮影できる映像の質というのは随分変わっておりますので、そういった意味で、どういうものがプライバシーの侵害になるですとか、あるいはどういうものを規制の対象にしなきゃいけないかというのは、時代によって変わってくるところもあります。
今お話のあった立方体のルール、原則ですか、そういったものもお話しいただきましたので、そういったことも考慮に入れながら検討していきたいというふうに思います。
○松原委員 それでは、戻りまして、対象施設の追加ということであります。危機管理担当行政機関の庁舎の追加ということで、「政令で定めるもの」とすると。
泉さん、修正案でどのような施設が対象として追加されることが想定されるんでしょうか。
○泉委員 主に二点ございます。
一つは、危機管理担当行政機関の庁舎を追加ということで、具体的には、防衛省、警察庁、海上保安庁等を対象危機管理行政機関というふうに定めたいというふうに考えております。その他、どういう形でどれぐらいのものが必要になってくるのかということは、「特に必要なもの」という文言を踏まえて適切に定められるというふうに考えております。
もう一つの方は、原子力事業所は、後にまたお話しします。
○松原委員 ちょっと時間がなくなってきたので簡単にいきますが、原子力発電所のこともあわせてどういうふうに扱うかということ。それから、いわゆる飛行を禁止する対象の追加、小型無人機の定義の改正について。すなわち、この修正案において、ラジコンモーターパラグライダー等を新たに小型無人機に含め、規制の対象としている、この必要性をお伺いしたい。
○泉委員 原子力事業所なんですけれども、広範にわたって大きな影響を生ずる可能性がある施設として、例えば大規模テロということでは、大きな工場であったりあるいは交通機関であったりということが想定されるわけですが、やはり放射能というものの拡散、影響力の大きさ、これはもうずば抜けて大きい、何かがあれば数十万人が避難しなければいけない、これはもう国家の中枢に大きな影響を与えるということと同等だというふうに考えておりますので、まず原子力事業所等を追加させていただいております。
そして、二点目、御質問のありました、対象に加える小型無人機のところですけれども、先ほど松原委員から御質問ありましたように、要は、あらゆるものに対応しなきゃいけない。ですから、ドローンだけに対応してほかの侵入を許すということはあってはならないことだというふうに思っております。
そういった意味で、現在想定し得る外からの飛来物ということに関しては、やはり幅広にこれを防止していこうという考え方で、ラジコンモーターパラグライダーあるいはいわゆる人が乗るモーターパラグライダー、そういったものも想定をさせていただいて、現に、過去、皇居の上をモーターパラグライダーが通過をしていったという事例もあったと認識をしておりますので、いわゆる高度または進路が容易に変更できる飛行物、そういったものについてやはり追加をしようということで、今回の修正案を出させていただいております。
○松原委員 時間が来ましたので、最後に一問質問して終わります。
与党提出者にお伺いしますが、この議員立法及び修正案と政府提出法案、政府も今提出を予定しております。このものがともに必要な理由、整合性、こういったものがやはりちょっと問われている、本当は一本でやるべきじゃないかと。こういったことについて、提出者から御答弁いただきたい。
○土屋(正)議員 政府提出が予定されている法案とのすみ分け、先ほどもちょっと御質問がございましたが、改めて整理をして申し上げます。
政府が予定をしている航空改正法案では、いわゆるドローンに関して、一般的なルールを定め、例えば住宅密集地上空などの飛行に許可を要する区域とか夜間の飛行禁止などを織り込むと伺っております。まだ出ておりませんので、伺っておりますということにいたしておきます。
これに対して、本法案は、国政の中枢機能を維持するための緊急立法でありまして、国の重要な施設等、特定の限られた施設を対象として、対象施設及びその周囲の上空に関する小型無人機の飛行を規制することといたしているわけであります。
このように、ドローンの一般的な飛行ルールのあり方についてさまざまな議論があろうと思いますが、その議論の結果を待つまでもなく、まず緊急を要する施設に限って飛行の禁止を定める措置をとった点で本法案には大きな意義がある、このように考えております。どちらかといえば、国の主要施設に対する秩序維持を観点に置いたものでございます。
○松原委員 あと山ほど質問をしたいことがあるわけでありますが、時間が参りましたので終わります。
よろしくお願いします。ありがとうございました。
○井上委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。
ただいま議題となっておりますいわゆるドローン規制法に関しまして、我が党からは四十五分間の持ち時間で質問をさせていただきます。先ほど泉議員の方から、国会議員になかなかドローンを使った人はいないという話がありましたけれども、まず私が質問した後、ドローンユーザーであります小熊議員が質問に立たせていただくようにしております。
まず、法案の名称にもありますとおり、小型無人機が国会議事堂や内閣総理大臣官邸などの国の重要施設や在外公館等の周辺地域の上空を飛ぶことを禁止するための法案だというふうに理解をしております。ことし四月二十二日に官邸の屋上で、小型無人航空機、いわゆるドローンが発見されてから急いで法規制を進めた形で、結果的に対応が後手に回ったのかなという印象は否定できないというふうに思います。
まず初めに、これまで規制されてこなかった理由について、政府としての見解を伺いたいと思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
総理大臣官邸は国家の行政機関の中枢でありますことから、平成十四年の現官邸の供用開始以降、官邸事務所に所属する警務官が警視庁の官邸警備隊、機動隊と緊密に連携しつつ警備を行ってきたところでございます。
官邸としては、警視庁との連携のもと、これまでもあらゆる事態を想定して警備に当たってきたところではございますが、今回、結果としてこのような事案が発生したことについては重く受けとめているところでございます。このため、今回の事案の発生を受けて、直ちに関係機関により官邸周辺や上空の監視の強化を行っているところでございます。
今後とも、官邸の警備体制については、不断の検証と見直しを行いまして、所要の対策を講ずることにより危機管理に万全を期してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○河野(正)委員 結果的にはこういうことになりましたし、当内閣委員会におきましても、理事懇談会等でさまざまな説明を受けましたけれども、非常に責任の所在も曖昧であったかなと思っておりますので、きちんと認識して、しっかりとした対応をとっていただきたいと思います。
次に、今回は議員立法として提出されたわけであります。閣法に先んじて議員立法を提出された理由について、先ほども質問がありましたけれども、改めて与党提出者である土屋議員にお伺いいたしたいと思います。
○土屋(正)議員 河野議員もお感じになったと思いますが、四月の二十二日にああいう事件が起こり、正直言って、えっと思いました。同時に、今、官邸の警備当局から一定の見解が示されましたが、それだけではなく、これを禁止する法規制が何もないということが我々はわかりました。
そういうことである以上、立法府にある者として、速やかに、官邸に限らず、今回提出しておりますような重要施設の範囲に関して、ひとまず国家秩序の立場からも規制をしよう、こういうふうなことに至ったのが今回のことであります。
一方で、先ほど来たびたび御議論をいただいておりますように、利活用の問題とか、現に利活用をしている話とか、あるいはこれが産業に与える影響とかといった幅広い観点が必要でございますので、これは、立法府の責任と同時に、内閣がまさに内閣制度の中で行政権を総攬しているという立場から総合的に判断していただくものとして、附則でこのような規定を置いたわけであります。
そういう意味では、立法府としての責任、あるいは閣法を提出する立場の内閣の責任というふうに切り分けたというふうに考えております。
○河野(正)委員 ありがとうございました。
我々維新の党も、現在野党の立場にあるわけでございますけれども、本法案提出に際しましては共同提案者となっております。国の重要施設に危機管理上の抜け穴があってはならないというふうに思っておりますし、今回官邸屋上でドローンが発見された例を踏まえて、一刻も早く、それを許さない法的な対応が求められていると考えています。そういったことから、本法案の提出に共同提案をさせていただきました。
国の危機管理においては、与党も野党もないというふうに思っております。国にとって重要な施設の周辺に自由に小型無人機、いわゆるドローンを飛ばせる状況というのは問題がありますし、一刻も早い法的な規制が必要だというふうに認識をしているところであります。
具体的な内容について伺いたいと思います。
本法案は、対象施設の範囲を絞り込んだ法律となっております。一方で、七月二日の報道によれば、国土交通省が自民党に提示した航空法改正案によって、人口密集地域や空港周辺などの上空を飛行禁止空域と定め、国土交通大臣の許可がなければ飛行を禁止するものとされているということであります。
今回の法案において対象施設を限定した理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○土屋(正)議員 先ほども若干同様な趣旨に触れたわけでございますが、今回は、あのような官邸にドローンが落ちるということが契機になったものでございますから、まず国政の中枢にあるものについての規制を行おう、このように考えて、三権の長並びに皇居あるいは外国の公館あるいは政党本部を指定したわけであります。
今後提出される法案等については、一般法として、先ほど申しましたように、幅広く総合的な法案が出てくるもの、このように理解をいたしております。
○河野(正)委員 もう先ほど来から御答弁がありますけれども、検討されている航空法改正案と本法案、重なる部分も多々あるように思われます。質問を用意しておりましたけれども、今もうかなりお答えいただきましたので、この設問については割愛させていただきます。
対象施設を詳細に見ていきますと、第二条におきまして、内閣総理大臣官邸、内閣総理大臣、官房長官の公邸が対象とされています。
安倍総理は、新聞等、総理の動向を見ますと、現在、渋谷区の私邸から通勤されているのではないかというふうに認識しております。そちらが対象とならないのかどうか。あわせて、総理が別荘に滞在される場合や、先ほどもちょっと質問にもありましたが、視察などで地方に宿泊される場合もあると思います。また、安倍総理におかれましては、健康管理上もあり、頻繁にゴルフ場に行かれているんじゃないかというふうに思われております。それらの施設の上空は規制の対象になるのでしょうかということで、お聞かせいただきたいと思います。
○土屋(正)議員 今回の法律は、先ほど申しましたように、国政を執行するという施設型の規制となっております。しかし、今、河野議員から御指摘がありましたような、内閣総理大臣の所在する場所についても、これは当然のことながら執務場所その他を対象にしているわけでございます。
それ以外の、私邸、別荘、視察先の宿泊先といった、いわゆる所在場所についてまで対象とはこの法律ではしておりませんが、しかし、先ほど他の委員の方の御質問にもお答えいたしましたように、広く警察法や警察官職務執行法に基づき、既に警察において適切な警護を行っている、このように理解をしております。
これを一言で言いますと、今回の法律はいわゆる施設を中心に、しかし、重要人物についての警護については従来の一般法で、こういうことになると思います。
○河野(正)委員 いろいろな場面が想定されると思いますので、しっかりそれは考えていただかなきゃいけませんし、警察庁の方もきょう来ていただいておりますけれども、そちらの方も連携して頑張っていただきたいと思います。
大勢の人々を集めて行われるイベントやライブなどの音楽活動は、上空に無人飛行機を飛ばして映像を撮影するニーズもあるのではないかと思います。また、それを二次的にいろいろ、DVDその他で販売される例もあると思います。
繰り返しにもなりますけれども、こういったイベントに総理大臣が参加されたり、あるいは重要人物と言われる方々が参加されたり、自分でお金を払って行かれることもあるでしょうし、御挨拶等で行かれることもあると思います。そういった場合、小型無人機の使用は特に規制を受けないということでよろしいんでしょうか。
○高木(美)議員 お答えいたします。
ただいま御指摘の大勢の人が集まるイベント会場につきましては、本法案の対象施設とはしておりません。本法案における小型無人機の飛行規制の対象とはなっておりません。
ただし、航空法におきましては、国交大臣の承認を受けた場合可能としておりますので、承認を受ければそれは可能となります。
○河野(正)委員 飛行禁止の例外についてお尋ねをいたしたいと思いますが、本法律案によって、小型無人機が対象施設の上空を飛行することが禁じられることとなります。一方で、施設を管理する側が警備などの理由で目的を持ってそこに飛ばしたい、小型無人機を飛行させたいというふうに考えた場合、これは可能になるんでしょうか。
○高木(美)議員 御指摘のような事例につきましては、対象施設の管理者やその同意を得た者が飛行させる場合に該当いたします。これは、本法第七条第二項で対象施設周辺地域の上空における小型無人機の飛行禁止の適用除外を定めておりまして、その一つとして、同項第一号で、対象施設の管理者やその同意を得た者が飛行させる場合となっておりますことから、これに該当すると考えられるため、小型無人機を対象施設の上空で飛行させることは本法案では禁止をしておりません。
なお、この場合でも、警備に当たる警察官等が適法に飛行させているものであると識別できるよう、事前に警察等に通報しなければならないとしております。
○河野(正)委員 国会内の問題について伺いたいと思いますが、第八条におきまして、対象施設の安全の確保のための措置というのが定められているかと思います。そこでは、警察官や皇宮護衛官、海上保安官が小型無人機の対象施設上空からの退去、危険を未然に防止するための措置を命じることができるというふうになっております。
国会議事堂においては衛視の方々が警備を担当されているわけですが、この規定の対象となっていないのはなぜでしょうか。
○土屋(正)議員 本法案では、対象施設の安全を確保するための措置として、退去等の命令のほか、即時強制、すなわち小型無人機の飛行の妨害や破損などの措置について定めているわけであります。
小型無人機の飛行の妨害や破損等の措置を実効的に講ずるためには、そのための機器や装備、そして搭載されている可能性のある危険物等に関する知見も必要となるところであります。また、こうした知見なしに措置を講ずることは危険ですらあるわけであります。
こういう観点から見ると、衛視よりも警察官が飛行妨害や破損等の措置を講ずることが適当と考えたところであります。
なお、この敷地の中における管轄権は衆議院議長並びに参議院議長にあるわけでありますので、その指示に基づいて、衆議院規則二百八条において、議長が衛視に命じて適切な危険除去のために、あるいは混乱防止のために行う措置については、当然、それはまたそれとしてあることも申し上げたいと存じます。
○河野(正)委員 次に、衆議院においては、小型無人機が敷地内に入り込んだ場合、どのように対応されるのかということについてお聞きしたいと思います。
衆議院の警備において、参議院側との連携や敷地外の警戒に当たる警察との連携がどのようにとられているんでしょうか。衆議院と参議院の境目とか、非常に難しい問題もあるかと思います。
また、今月五日日曜日、さきの日曜日には、いわゆる六〇年安保以来、実に五十年ぶりとも言われているようですが、制服警察官が国会議事堂に入ってテロを想定した合同訓練が実施されたと報道されております。お亡くなりになりました町村前議長が非常にこういったことを考えて企画をされていたというふうにも報道されておりましたが、いわゆるドローン対策としての参議院及び警視庁との連携、さらにはテロ対策合同訓練の意義と成果について詳しくお聞きいたしたいと思います。
○近藤参事 お答えいたします。
まず、ドローン対策でございますけれども、衆議院警務部といたしましては、ドローン対策に万全を期するため、日ごろより参議院警務部や警視庁との連携を密にしておるところでございます。すなわち、参議院や警視庁との情報交換を迅速かつ緊密に行い、不審なドローンを発見した場合にも相互に情報提供を行う体制をとっております。
それから、万が一、不審なドローンが国会構内に落下した場合でございますけれども、警務部におきまして、周辺への立入禁止など安全確保に必要な措置をとった上で、警視庁に対し不審なドローンの処理などを要請するということを考えております。
それから、合同訓練の意義と成果ということでございますけれども、今回の訓練は、テロ対策として国会の安全確保に万全を期するために行ったものでございます。
院内の秩序保持権は、先生御案内のとおり、議長に属しておりますけれども、一義的には衛視がそれを執行するものでございます。ただ、銃器や爆発物の所持者に対しては衛視だけでは対応が困難であり、警察との連携が不可欠でございます。
訓練は、国会へのテロ行為に対する衆参警務部、それから警視庁との連携を確認したものでございまして、非常に有意義であったというふうに思っております。
なお、今回は銃器や爆発物の所持者が侵入するという想定でございましたけれども、参議院警務部や警視庁との連携を確認できたという点においては、不審なドローンへの対処にも役立つものと考えております。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
まず、テロ対策訓練でございますけれども、これにつきましては、昨年カナダの国会議事堂におけるテロ事件等を踏まえまして検討を進めてまいりまして、七月五日に訓練を実施したというものでございます。
今回の訓練を通じまして、事案発生時の連携でありますとか在館者の避難誘導等の安全確保に向けた連携等が確認できたものであり、有意義なものであったというふうに考えております。
今回の訓練を踏まえまして、今後もテロ等への対処に万全を期すために、衆参両議院警務部と緊密に連携し、警戒警備の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
それから、国会に対して外からドローンが飛んできた場合の措置ということでございますけれども、ドローンの飛来が、そういう事態が起こらないように、現在、国会議事堂の周辺エリアにおきまして機動隊員を配置して警戒をし、それらの発見に努めているところでございます。
ただ、仮に国会に外から飛行してくる小型無人機がある場合には、操縦者をできるだけ早期に発見、捕捉すること、それから、接近してくる小型無人機に対しては、資機材を有効に活用して対処することなどによりまして、その危害を早急に排除することとしております。
また、衆参両議院警務部において、国会来訪者の避難誘導等の安全確保のための措置を早期に講ずることができるように、衆参両議院警務部に対して、その旨を速報することとしております。
以上です。
○河野(正)委員 侵入者はあれですけれども、また、ドローン等で上空を飛んできたものであれば、ネットを使って捕獲したりとかいうこともいろいろ検討されているようにお聞きしておりますけれども、どこからが衆議院なのか、どこからが参議院なのか、上空を飛んでいれば非常に難しいと思いますし、やはりそういったことはきちんと衆参両院で検討した上でやっていただかなければいけないのかなと思いますので、非常に難しい問題だと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、国会議事堂周辺では、大勢の方々が集まってデモを行うということがもう日常的に見られる光景となっております。大規模な場合は、報道機関が上空からヘリコプターによって取材している光景をよく見かけるものであります。
先ほどの質疑の中で、法案成立後に周知徹底を図っていくというふうに言われておりましたが、実は、五月二十八日に、一般社団法人日本民間放送連盟が、「小型無人機「ドローン」の規制に対する意見」ということで発表されております。やはりマスコミの方々も、非常にこういったことについて職務上大きな関心を持っておられるのではないかなと思います。
報道機関が小型無人機を使って国会議事堂周辺で取材する場合、それは可能になるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○高木(美)議員 お答えいたします。
本法案第七条第二項では飛行禁止の適用除外を定めておりまして、その一つとして、同項第一号で、対象施設の管理者やその同意を得た者が飛行させる場合を定めております。
したがいまして、報道機関として国会議事堂等の管理者に同意を得ることで、国会周辺のデモを小型無人機を使って取材、撮影することが可能となります。
なお、この場合でも、警備に当たる警察官等が適法に飛来させているものであると識別できるように、事前に警察等に通報しなければならないこととさせていただいております。
○河野(正)委員 ありがとうございました。
先ほどお話ししましたように、ドローン展というのがあって、ドローンを勉強しに行った方はいろいろおられるというふうに認識をしておりますけれども、実際にドローンユーザーとして、ドローンを活用してどういったことをされているかはわかりませんけれども、そういった小熊委員に実際のところで質問していただきたいと思います。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、小熊慎司君。
○小熊委員 維新の党の小熊慎司です。
今御紹介いただきましたドローンユーザーでもあります。
大体もう議論は出尽くしたところもありますけれども、今回の立法に当たっては、提出者の皆さんには大変な御努力をされたことに敬意と感謝を申し上げる次第であります。
これはずっと議論も出ているんですけれども、日本の場合、規制、規制となっているんですが、海外でもいろいろな事故が起きているのも事実ではありますけれども、やはりいろいろな、先般も日本でドローンの見本市が開催されたところでもあるんですが、日本はどっちかというとやはり規制の方が先に立って、利活用をどうするかという議論がなかなか足りていない。
もちろん、無秩序なままではいけないわけでありますけれども、これは新たな成長産業にもなっていくわけですし、また、いろいろな社会情勢の変化の中で、これが有効に役立つということもあるわけでありますから、本来であれば、利活用が先に立って、その中で規制をどうしていくかという議論の進め方の方が本当はよかったんですけれども、なかなかそういうふうになっていないというところが残念なところではあります。
まず初めに、規制と利活用についての基本的な考えをお伺いいたします。
○濱村議員 小熊委員がドローンを常日ごろから利用されているということで、しっかりと御答弁申し上げたいと思います。
御指摘のとおり、ドローンの利活用をしっかりと促進していかなければなりません。まず、今想定されているところでございますが、もう既に活用されているところもございますけれども、農薬散布であったり、空撮、あるいは空撮による報道、そしてまたレジャー、あるいはインフラ点検や災害の調査、こういったところもございますし、あるいは、軽重量のものについても運搬できるというようなことも想定されているわけでございます。
こうした利活用の拡大というものは、いよいよこれからだということで大いに期待されているものでございますけれども、一方で、本法案におきましては、附則に検討条項を設けまして、政府に対しまして、重要な施設に対する上空からの危険の未然防止のあり方や小型無人機の安全な飛行の確保のあり方等を検討するに当たって、小型無人機の多様な分野における利用の促進のための施策をも踏まえてということを求めているところでございます。
政府においては、規制と利活用の適正なバランスをとりつつ、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものと期待しておるところでございます。
○小熊委員 今答弁があったように、災害なんかも、昨年、大変痛ましい広島での被害がありましたけれども、そのときも国交省が飛ばしてやっていたりするのを私もニュース等で拝見しました。この間も、私の地元でちょっと春先に土砂崩れがあったところの町に行ったら、空撮の資料をいただいたんですけれども、これは県の防災ヘリを使って撮影しましたと。ドローンを使えばいいんじゃないですかと言ったら、えっ、そんなこともできるんですかと言っていた。
これは本当は、この委員会とはまた別ですけれども、地方創生でも何でも、国交関係でもいいんですけれども、市町村ごとにこれを一機ぐらい補助して、何かあったときにはしっかり調査できるように、一回一回ヘリを飛ばすといってもお金がかかるし、民間に委託したって金がかかるし、都道府県ごとの防災ヘリを一々出すというのもこれは大変な状況ですから、そういうのはどんどんやっていっていいんじゃないかなというふうに思っています。
今、仙北市とかの特区でやっていますけれども、これは国際的な流れを言うと、日本のこの取り組みは非常に遅いというふうに思います。日本でもドローンの見本市がありましたけれども、ことしの正月にラスベガスで家電の見本市をやったときに、私の支援者が行ったんですけれども、多くのブースがドローンだったというふうに言うんですね。これは、だから非常にもったいないなというふうに思います、日本としては。
規制と利活用のバランスと言いましたけれども、日本の場合は慎重に物事を運ぶ嫌いがありますので、バランスというよりも利活用をどんどんやっていかないと、これは規制の方がやはりちょっと重くなってしまうんじゃないかなというふうに思います。
附則についているということでありますが、今回は議員立法ですから、ぜひ与党の皆さんにおいては、与党の中で、政府の中で、利活用の促進といったものをしっかり打ち出していける、成長産業の中に入れ込む、日本の成長戦略に入れるということがないと、ブレーキの方が大きくなり過ぎるなと思っています。
今回、立法にかかわった皆さんはドローンは持っていない。まずは、みずからぜひ購入をしていただいて、今私も持っていますけれども、今はこういうふうに騒ぎになっちゃったので、官邸に落ちたときも、地元の人からおまえかと言われたんですけれども、今飛ばして何か怪しまれるのは嫌だなと思って、今なかなか私自身が利活用できていないんですけれども、しっかり、そういう利活用というのがもっと前面に出るように、また議員立法で利活用促進の法案をつくったっていいぐらいの話ですよ、本当に。
そういう意味では、ここを、とりわけアクセルを踏むことをこれから、これは与野党ともにやっていかなきゃいけないですし、答弁者の皆様のみならず、この委員会の皆様、ぜひ御購入いただいて、いろいろな議員活動の中でも、これはいろいろな資料としても有効な資料が得られますので、ぜひやっていただきたいと思います。
やる上では練習も必要だと思いますから、そういう意味では、私は三台持っているんですけれども、ぜひ、これは議員連盟でもつくってやっていきたいと思いますが、会長になっていただけますか、どうですか。
○土屋(正)議員 貴重な御意見、ありがとうございました。
実は、我が党でも十台持っているという方がいらっしゃいます。それからもう一つ、私の友人で、ある市長ですが、三台持って、農業をやっているので、上から花のつきぐあいだとかそういうのを見させているということでございました。
総じて、私が感じますのは、比較的広いところがあるところは利活用が盛んだけれども、私どものような選挙区は、下手に利活用するとえらいことになりそうな感じでございます。
なお、貴重な御提案として承っておきたいと思います。
○小熊委員 では、次に移りますけれども、これはまだ始まりの法案ですから、今回、積み残された課題というのもあると思います。規制にしても、もっと配慮しなきゃいけない観点も、これまでの議論の中でも、公的施設といっても副議長公邸が入っていないとかいろいろありますから、積み残された課題、そして、今後、その積み残された課題に対してどう対応していくべきかということをお聞きいたします。
○濱村議員 委員の指摘のとおりでございまして、ドローンによってもたらされ得る危険をどのように未然に防止していくのか、そしてまた、小型無人機の一般的なルールをどうするのか、こういった点については積み残された課題であるというふうにも認識をしておるところでございます。
未然に防止するという意味では、私は操作をシミュレーターでしかやったことはございませんけれども、なかなか技能の向上については取り組みを行っていくということが非常に脆弱な体制しかないというふうにも聞いておるところでございます。あるいはまた、機体によっては、ジャイロセンサーのようなもの、自律飛行ができるようなものもあるというふうにも伺っておりますが、マニュアル操作をすると、なかなかどこに行くのかコントロールしづらいということもあり、落下の危険が非常に高いということも聞いておるところでございますし、私自身も、シミュレーターでは簡単に落下をさせてしまったところでございました。
一方で、一般的なルールといたしましても、保険に加入するであったりとか、いわゆる技適マークに適合していないものについても、海外からインターネットで輸入できるという状況もございます。こうした点も考えていかなければならないということもございます。
あるいは、無線帯域、恐らく今は二・四ギガヘルツ帯を多く利用しているということもございますし、あるいは五ギガ帯域を使っているというものもございます。二・四ギガに関して言うならば、WiFiについて非常に多用されている帯域でございますし、混在するということでなかなか難しい部分もあるということで、帯域の整備も必要なのではないかというふうにも聞いているところでございます。
我々の法案といたしましては、附則二条におきまして検討条項を設けておるところでございますので、必要な措置が講じられるものというふうに考えておるところでございます。
○小熊委員 ちょっとドローンの名誉のために。ドローンは実は操縦しやすいんですよ。同僚の泉健太議員は普通のヘリを持っているというんですが、私もヘリを持っているんですけれども、これはめちゃくちゃ難しいですけれども、ドローンは比較的簡単で、安いものでも落下しないようなとか、いろいろ安全装置もついているところでありますから、マニュアル操作にしても結構簡単な方なので、ぜひそこはイメージアップを、損ねないようにしていただきたいなというふうに思いますが。まあ、そういうことをやっていかなきゃいけないんですけれども。
では、規制というか、利活用も含めてなんですけれども、いろいろな意味で確かに無秩序になってはいけないので、これはどうやっていったらいいかというと、今、一般財団法人の日本ラジコン電波安全協会というのがあって、これは任意なんですけれども、買うと、大体そこに入会しませんかというのが入っていて、それをやると自動的に保険も入る。保険というのは、機体が壊れたというのじゃなくて、人にぶつけてしまったときにそれがちゃんと出るというような保険なんですけれども、こういったものももう民間の団体でありますので、規制という意味では、所有者把握という意味では、こういった登録制度というのも利活用していくべきだというふうに思います。自転車だって防犯のがあったりしているわけですし。
こういう、登録をしてしっかり所有者を把握していくということも必要なんじゃないでしょうか。この点についてはどうですか。政府から。
○糟谷政府参考人 小型無人機活用のルールの整備につきましては、政府の中では、内閣官房副長官を議長とする関係府省庁の連絡会議において、ことしの六月に、「小型無人機に関する安全・安心な運航の確保等に向けたルールの骨子」というものを決定したところでございます。
その中で、委員御指摘のような購入者の把握につきまして、店舗で購入できるような大きさの小型無人機について、民間団体等による購入者、使用者の自主的な把握の強化を促すというふうにしたところでございます。
先ほど御指摘いただいたラジコンヘリのような団体もございますし、また、農薬散布などに用いられる産業用無人ヘリコプターについては、一般社団法人の農林水産航空協会、ここで、機体の登録ですとかオペレーターの認定、管理、そんなことをやられておるというふうにも聞いております。大体二千七百台ぐらいの登録がもうなされておるというようなお話もあります。
こういうさまざまな既存の取り組みを参考にしながら、関係府省ですとか民間団体等と連携をしながら適切な仕組みを整備してまいりたいというふうに考えております。
○小熊委員 これは、やると決めればすぐできると思うんですね。自転車なんかよりも高い機材もあったり、ユーザーといえば、自転車に乗る人よりは多分少ないので、これの把握は容易にできるというふうに思います。
だから、ここは、民間団体でやるのか、義務づけにしていくのか。また、昨今では自転車の方も、もう自動的に自治体によっては保険に入るということもやっているようでもあります。それから、各国のいろいろな事故、事件の例を見ても、人にぶつかって、それが事故になって、その賠償の問題とかも出ていますから、そういうところもきちっと対応しているということが利活用促進にも、進むというふうに思いますので、こうした登録制度、あとまた保険のあり方なんかも早急に整備をすることが利活用につながりますので、この対応をしっかりお願いしたいというふうに思っています。
今、濱村議員からもWiFiの話も出ましたが、実は、無線操縦だけじゃなくて、私が持っているものも、自動追尾のものがあったり、あと、GPSを使ってアプリで自動飛行できるようなものも、別にそんなに高級な機材じゃなくてもあるんですね。
であれば、これはアプリの制作会社にも、今回規制の入ったようなところとか飛ばせない住宅地とかというのは、そこから、プログラミングするときに外れる、そこの地域は飛ばせないと飛ぶ路線を描くというのも技術的には可能なはずですから、こうした自動操縦の場合のアプリとかそういったもの、ソフトプログラムへのこれも規制をかけなければ今回の法律が一〇〇%生かされてこないというふうに思うんですけれども、こうしたソフトとかアプリとかいったものに対して、自動操縦に対しての規制というものに対しては、今後、どう対応していきますか。
○糟谷政府参考人 先ほど御答弁申し上げました政府の関係府省庁の連絡会議で決めたルールの骨子におきましては、利用促進と安全確保の両立を図ることが大事であるというふうにした上で、特に小型無人機につきましては、技術開発がこれから相当進む可能性があるということ、また、利用事業の発展もいろいろ見込まれるということ、こういうことに応じて柔軟に対応できる制度設計をやっていくということとしたところでございます。
したがいまして、先ほどのGPS等についての御指摘につきまして、この骨子では、小型無人機の製造者や販売者において、GPSを活用してあらかじめ設定された飛行が制限された空域で飛行を停止するなどのプログラムを導入するように取り組みを働きかけるということを決めたところでございます。
今後、少なくとも取り組みの働きかけはこういう形でやってまいりますが、先ほどの柔軟な制度設計をやることが大事だということを決めたこととの関係で、さらにそれから進んで規制に踏み込むのかどうするのか、そういうことについては、今後、関係省庁とも連携をしながら、また相談をしながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小熊委員 これは、政府の方ではそういう検討があったといいますが、今回は議員立法ですから、そうした議論というのは立法者の中でありましたか。そういったことを想定して、どうしようという話はありましたか。
○濱村議員 大事な御指摘ではございますけれども、今回の議員立法につきましては、緊急的措置ということで、そうしたところまで踏み込んでの議論はなかなかしておらないところではございます。
しかしながら、御指摘のとおりでございますので、今後政府におかれては、あるいはまた業界団体の皆様ともしっかりと協議をしていくことが重要であるというふうに思っておる次第でございます。
プラモデルと同様、しっかりと協議会なりをつくって、団体を立ち上げ、保険適用していきたいとおっしゃっているような事業者さんも私も聞いておりますし、しっかりと裾野を拡大しながら、本当に災害の事前予防のために、例えば橋梁のクラックの調査などもされておられる、仕事として依頼を受けているというふうにも聞いております。しかしながら、その場合は二千五百万画素ほどのレベルを持たなければいけないということで、随分、五メートル以上、近づけなければいけないということで、大変高度な技量も必要であるというふうにも聞いております。
裾野の拡大とともに、そういった業務用に使える技術の向上、こうしたところを両輪で進めていく必要があるのではないか、このように考えているところでございます。
○土屋(正)議員 我が党の中での議論を申し上げたいと思います。
ちょうど四月の二十二日から一カ月を目標に頑張ろうということだったので、間に連休が入りましたので、正直なかなか、まず法案をつくることが先行いたしましたが、それと並行して、いよいよ提出するという段階になってから、我が党でも、専門家の先生、千葉大学の先生やなんかをお招きして、いろいろ知恵をお聞きいたしました。
その中には、例えば、時速百五十キロで飛ぶような、また長距離まで飛ぶようなドローンもあったり、あるいは、ペイロードで一定のものを持ち上げること、それは性能によって違うようですけれども、そういうもので、例えば離島などに運ぶことができるとか、いろいろな可能性があることがわかりました。
また、党内でも、先ほど申しましたように、十機も持っている方もいらっしゃいますので、こういった方々、ユーザーの方々、小熊先生などとも御相談申し上げながら、これから立法府全体としてどうしていくか、こういうことではなかろうかと存じます。
○小熊委員 今度また法案をつくるときはぜひ私も呼んでいただきたいなというふうに、今回から呼んでいただければもう少しいろいろな意見を言えたと思うんですけれども。
これは、世界的にもまた新しい技術、製品でもありますし、さっき業界団体と言いましたが、残念ながら、まだメーカーは海外が多いですし、私が持っているのも三台とも海外製であります、中国と、あとヨーロッパ系のものなんですけれども。だから、これは、業界団体とも、製造メーカーでいえば、国際的にもいろいろな統一ルールみたいなものも今後は本当はつくっていかなきゃいけない、国際規格みたいなものもあった方がいいというふうに思います。
そういう意味では、逆に、ドローンの世界においては我が国も先進国になれるように、これから、利活用と、あと適正な秩序といったものを構築するためにも、私自身もぜひとも尽力をしてまいりたいと思いますので、いつでも声をかけていただきたいというふうに思いますし、また、皆さんの御地元でいろいろな空撮等が必要なことがありましたら、私も率先して御協力を申し上げますので、そういった意味でも、いつでも声をかけていただいて、ドローン立国を目指せるように、ぜひとも皆さんで力を合わせて、これは野党、与党関係なくやっていきたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。
どうもありがとうございました。
○井上委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
ドローンに関する衆法の提出者に質問をいたします。
最初に、この原案に対して修正案が出されております。原案の提出者の方、この修正案は賛成をされるというふうに承知をしておるんですが、その点、確認だけさせていただけますか。
○土屋(正)議員 これは、私は当該委員ではございませんので、しかと申し上げるわけにはいきませんが、それぞれの交渉事項の中で方向が見えつつあると承っております。
○塩川委員 朝の理事会で確認しておりますので。そういう意味では、修正案と一体に原案、修正案を含むこの法案ということで、一体のものとして議論するという意味で今確認をさせてもらったわけであります。
最初に、国交省に確認でお聞きします。
ドローンなど小型無人機が一般に購入できるようになって、人口密集地での墜落事故ですとかあるいは盗撮によるプライバシー侵害などが起きているもとで、やはり今必要なのは、国民生活への具体的な被害に対応し、国民の安全対策の観点からのルールづくりであります。
政府提出の法案として準備されています航空法の改正案は、国民生活の安全、安心の確保を図る観点から、小型無人機に関する安全、安心な運航の確保に向けたルールづくりを行うものと聞いております。どのような措置を講じようとしているのか、概要について説明をしていただけますか。
○島村政府参考人 お答えいたします。
無人航空機が急速に普及し、また今後さまざまな分野での利活用が期待される中、現に落下事案が発生するなど安全上の懸念が指摘されており、その運航方法に関する規制の導入が喫緊の課題となっているところでございます。
このため、国土交通省では、第一段目の対策といたしまして、無人航空機の落下等による地上の人または物件への影響を防止する観点から、諸外国における規制のあり方も踏まえつつ、緊急的な措置として基本的な飛行ルールを早急に定めるべく、現在、必要な航空法の改正法案の取りまとめを進めております。
また、基本的な飛行ルールを定めた後は、第二段階目といたしまして、既に無人航空機を活用している関係者と十分な調整を図った上で、機体の機能や操縦者の技量、無人航空機を使用した事業など、無人航空機の利用促進と安全確保を両立させるための制度を引き続き検討し、必要な措置を講じてまいります。
さらに、三段階目といたしましては、国際民間航空機関、ICAOで、現在、計器飛行方式で国際運航をする遠隔操縦航空機を対象に国際規則について議論が進められております。これに対応して、我が国として必要な措置を講ずることとしております。
○塩川委員 第二弾、第三弾を含めて必要な措置を講ずるということでの対応をされているということであります。
その第一弾の中身のところですけれども、私がお聞きしているところでは、具体的には、空港周辺や人または家屋が密集している地域の上空は許可なく飛行できないとか、夜間飛行はだめですよとか、また目視で飛ばすとか、人または物件との間に距離を保って飛行させる、こういう中身だと承知しておるんですが、そういうことでよろしいか、確認だけ。
○島村政府参考人 お答えいたします。
現在、検討を進めております航空法の改正につきましては、引き続き、現状検討中のところではございますけれども、無人航空機の飛行を制限する区域、また一般的な飛行ルールなどについて定めることとしております。
○塩川委員 今お話ししたような中身は、国交省の法案の概要の中でお聞きしていることなんですが、それでいいかという確認なんです。
○島村政府参考人 現在、国土交通省で検討を進めている内容につきましては、先生のおっしゃるとおりで結構でございます。
○塩川委員 まだ出されておらないということが前提ではありますけれども。
そうなりますと、この政府提出法案が仮に出されるということになれば、それで措置する内容として、例えばドローンによるマラソン大会での墜落事故でけがをしただとか善光寺でのドローンの落下の事故とかいった、こういった危害を予防することにはつながるというふうに考えますが、いかがですか。
○島村政府参考人 お答えいたします。
今先生のおっしゃられたような、一般的な飛行ルールを定めることにより、無人航空機の落下による地上の人または物件に対する影響、被害というものは防げるものと考えております。
○塩川委員 この法案では、安全確保の体制をとった事業者等に対し飛行を許可する仕組みをつくるものとも承知をしております。もちろん、提出されていないので、法案全体についての評価をする段階ではありませんが、国民生活の安全、安心の確保を図る観点からの措置を講じることが目的となっております。小型無人機の飛行を規制する空域を設定するとともに、安全確保の体制をとった事業者等に対し飛行を許可する仕組みということであります。
そこで、法案提出者にお尋ねをいたします。
今回の法案は、四月二十二日に総理官邸屋上で小型無人機、いわゆるドローンの落下が発見されたことを契機としたものであります。
内容は、国会議事堂、総理官邸、最高裁等をレッドゾーンと設定し、国政の中枢機構だからという理由で、その上空で小型無人機を飛行させる行為を禁止し、処罰するものであります。
そこで、実際の飛行による危険や被害の内容を問わず、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに懲役刑を含む刑罰を科すものとなっている。レッドゾーンの場合には直罰ということであります。ですから、類似の事例を考えても、このような罰則というのはちょっと例がないんじゃないかなと率直に思うんですが、その点については、いかがですか。
○土屋(正)議員 これは、直罰規定は、上空を飛ばした場合には一年以内または五十万円以下ということになります。それから、三百メーターのいわゆる規制区域に入った場合には、やめてくださいという、しかるべき行為に対してやめなかった場合、こういう構造になっているわけであります。
これらについては、やはり罰則を科した法律をつくることによってこれらの危険を未然に防ぐということを念頭に置いたものであります。実際に、我々、法律を提案する立場としては、善意の、何か間違って入っちゃったみたいな、そういうことを前提にして法律をつくっているわけではございませんので、悪意を含めた、テロなども含めたこういう危険を未然に除去するためにはどうしたらいいか、こういう前提で法律をつくっておりますので、しかも、具体的な事実として、四月の二十二日に起こった中には放射性物質まであったということもこれあり、したがって、一定の抑止効果を含めて、国政の中枢に対する一律の禁止をいたしたわけであります。
○塩川委員 善意、悪意のあるなしにかかわらず一律に飛行禁止、これに対しての罰則をかけるということであります。
国交省の方にお聞きしますが、現行の航空法における、例えば飛行禁止区域とか飛行制限区域があります。そこへの飛行を行った場合についての罰則というのは、どんなものでしょうか。
○島村政府参考人 航空法八十条は、航空機の飛行それ自体に危険が生ずることを未然に防止する観点から、航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれのある区域の上空を飛行禁止としております。これを犯した場合の罰則については、五十万円以下の罰金としております。
○塩川委員 五十万円以下の罰金ということです。
今準備中の航空法改正案で、違反行為に対する罰則というのはどのようにしようということを国交省内では検討しておられますか。
○島村政府参考人 御指摘のとおり、まだ国交省内での検討段階でございますが、他の航空法に求められている罰則の量刑と勘案して定める予定にしております。
○塩川委員 国交省の説明のペーパーでは罰金を科すと書いてあるんですが、そういうことですね。一応確認です。
○島村政府参考人 現時点で国交省で検討している案の中では、罰金を科すということにしております。
○塩川委員 そうしますと、航空法の場合というのは罰金刑であります。それなのに、今回の法案は、実際の飛行による危険や被害の内容を問わずに一律に、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに懲役刑を含む直罰を科す、レッドゾーンの場合であればそういうものとなっています。
提出者の方にお聞きしますが、これは、航空法の場合と今回の法案との罰則との兼ね合いでも、刑罰法規としての合理性を欠くんじゃないかと率直に思うんですが、いかがですか。
○土屋(正)議員 先ほど申しましたように、国政の中枢と思われる三権の長並びに関係者が勤務するところ、あるいはそれと同様の皇居その他については、これはまさに国政の中枢に関する一定の悪意を持った侵害と言える可能性があるわけでありまして、もちろん、例えば、たまたま飛ばしちゃったみたいな、操作してみたらたまたま飛んでいってしまったといったような場合には、これらの法律を必ず一連に全部処さなければならないということはないわけでありますから、これは、先ほど申しましたように、悪意の攻撃者、そして現実にテロ行為、こういうことを想定した場合には、やはり抑止効果ということを考えているわけであります。
航空法の規定がどのような狙いかどうか、私は了知しておりませんが、とりわけ三権の長及びそれの関連施設としては抑止効果としてはこれが適切なのではないか、このように考えた次第でございます。
○塩川委員 先ほどの土屋議員の答弁にありましたように、善意、悪意のあるなしにかかわらずという点で一律にということであるわけです。それを前提に考えたときでも、航空法との対比でも、刑罰法規としての合理性を欠くんじゃないのかということを率直に申し上げたいと思います。
結局、今回の議員立法というのは、国民生活の安全、安心の確保を図る措置ということではなく、国政の中枢機構について、政府の重要施設等の警戒警備体制の強化を図るということが目的ということだというものであります。
次に、小型無人機の定義についてお尋ねをいたします。
修正案の提出者に、小型無人機の定義も若干変更されておりますので、その変更部分も含めて、小型無人機の定義というのはどういうものかについて簡単に御紹介いただけますか。
○泉委員 ありがとうございます。
小型無人機の定義ということについては、今回、我々、修正案の方では少し追加をさせていただいています。
先ほども松原委員の質問のときに答えさせていただきましたけれども、飛来するものを総じて防ぎたいという思いから、モーターパラグライダーですとかラジコンモーターパラグライダーというものを追加させていただきましたけれども、この小型無人機、この法案においては、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものをいう。」というふうに定義をさせていただいております。
○塩川委員 国交省にお尋ねします。
政府が提出を準備しております航空法の改正案において、国交省内の検討においては、この小型無人機、無人航空機の定義というのはどういうふうになっておりますか。
○島村政府参考人 お答えいたします。
国土交通省で取りまとめを進めております航空法の改正法案の検討に際し、規制の対象といたしましては、遠隔操作または自動操縦による飛行が可能な機器という要件に加え、人が乗れないものを対象としております。また、この際、墜落等の場合における地上の人や物件への影響等も考慮し、玩具のような軽量なものまで一律に規制するのではなく、技術的合理性のある範囲となるよう検討をしているところでございます。
○塩川委員 玩具のようなものまで規制の対象とはしない、超軽量のものを除くということも指摘をしているところです。
そうしますと、国交省が準備している閣法における小型無人機、無人航空機と言っていますけれども、その定義と、この衆法における小型無人機の定義というのは同じなのか違うのか。その点はどうですか。
○土屋(正)議員 私どもが出した法律案の小型無人機と、このたび提出が予定されている航空法改正案、閣法との差でございますが、我々が出しました本法律案は、いわゆるドローンについて、現行の航空法における航空機の定義などを参考にしつつ、本法案の目的や趣旨に照らして、飛行規制の対象として適切に規定できるよう小型無人機の定義を定めたところであります。
提出が予定されている閣法においても、いわゆるドローンの一般的な飛行ルールが定められるものと承知しておりますが、閣法においては、本法律案における小型無人機の定義を初めとする関係法令の規定を参照した上で、当該改正案の目的や趣旨等に照らして適切に定義をなされるのではなかろうか、このように考えております。
○塩川委員 閣法の方について、同じか違うか、どうですか。
○島村政府参考人 国土交通省といたしまして、今回の議員立法における小型無人機の定義についてお答えできる立場にはございません。
一方、国土交通省で取りまとめている小型無人機の定義といいますのは、先ほど申し上げたとおりでございます。
○塩川委員 仮の話ですけれども、例えば原発の上空への飛行を禁止、規制しようといった場合に、政府の閣法、航空法でかける場合と、皆さんの方の衆法でかける場合と重なるようなときがあるといったときに、小型無人機の定義に差があるようだと、これはまずいんじゃないのかと思うんですけれども、どうですか。
○土屋(正)議員 小型無人機の定義について、原案の提案者としてお答えを申し上げますれば、原案では、原子力発電所は附則等でもって今後検討してもらうということになっております。そういった前提の上で小型無人機の定義をしているところであります。
ただ、修正案が同時に出されて、そして、そのことの中では対象範囲等が広がっておりますので、それらについては、もしお尋ねするのであれば、修正案の提案者によろしくお願いをいたしたいと存じます。
○塩川委員 別に仮の話なので。要するに、特定の施設について衆法で対応する場合と閣法で対応する場合が重なるときがあるじゃないか、そういったときに、双方の小型無人機の定義に相違があったら、これはまずいんじゃないかという質問なんですけれども、どなたか。
○高木(美)議員 ただいまの国交省提出予定の航空法におきましては、そうした詳細につきまして、国土交通省令の中でその判断をすることとなると思いますので、その段階で連携をしながら整理をしてまいりたいと考えます。
○塩川委員 ただ、国交省の方は、それは衆法は衆法でという話をされておりますので、そういう点でも、私、率直に、この二法案が同じ小型無人機を扱う法律なのに、その小型無人機の定義が異なるようなことであれば、これはやはり執行の面でも大きな問題、そごを生ずることになるということを申し上げ、あと、関連して、法案提出者に、この小型無人機の小型というのは、定義はどうなっているんですか。
○土屋(正)議員 小型という定義についてでありますが、一般に流通しているいわゆるドローンについて、飛行物体としては小型のものが多く、また、いわゆる官邸ドローン事件を受けて設けられた政府の連絡会議の名称についても、小型無人機に関する関係府省庁連絡会議とされているところから、小型無人機という名称を用いたわけであります。
もっとも、小型無人機については、大きさや重さといった基準で具体的な数字を用いて定義をしておりませんので、小型という意味を具体的な数値等では示すことはできないところでありますが、ただ、非常に大型の機器については、一般的に、構造上人が乗ることができると解され、小型無人機には該当しないことも多いのではなかろうかと存じます。
したがって、そのような使い方をして小型と言っておりますので、どうぞ趣旨をお酌み取りいただきたいと存じます。
○塩川委員 重さ、大きさの定義を置いていないということであります。一般的にドローンを小型無人機といい、政府の方でも小型無人機と使っているから、そういう意味でここで上げているということですけれども、そういう点でも、その定義が置かれていないということ。
あと、閣法の場合には、超軽量のものを除く、玩具のようなものは除くという裾切りがあるんですけれども、議員立法の場合はそこはどうなっているんですか。
○土屋(正)議員 法文上は明快に足切りはしておりませんけれども、これは、いわゆるラジコン、玩具のようなものがこういう行為に及べるのかどうかということについては、事実の、法の執行の中での議論になっていくかと存じます。法文上はやっておりません。
○塩川委員 法文上にはそういうのはないということでもあります。
そういう点で、例えば人が乗ることができないものという定義の要素もあるんですけれども、これもどこで線を引くのかというのもなかなか実態としてわからないところでもあるわけですよね。そういう意味では、定義の曖昧さというのは残されております。
実際の飛行による危険や被害の内容を問わずに、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに懲役刑を含む直罰を科すのに、その小型無人機の定義が曖昧ということは許されないのではないのかということです。
次に、対象施設の拡大の関係で、その対象危機管理行政機関には、防衛省、警察庁、海上保安庁というのが入るのか、さらに対象をふやすお考えがあるのか、そのことについてお願いします。
○泉委員 これは、修正案の方で対象施設を追加させていただいております。
原案の方もさまざま検討はされていたと思うんですが、なかなか時間的な猶予もなかったというふうに伺っておりますけれども、やはり、重要施設ということについては、特に危機管理を担う機能を有する行政機関、その幹部職員というのも大変重要な意味合いを持っていると思っておりまして、そういうところについてはやはり対象にしていこうということを修正案の中に盛り込ませていただいております。それが、具体的には、防衛省、警察庁、海上保安庁を想定しております。
その他については、逆に言うと、特に必要とするものというふうにあえて限定を課して、省庁押しなべて全部が対象になるということではなくて、特に危機管理に関する機能を維持するため特に必要なものを対象施設に追加するという考え方です。
○塩川委員 例えば、自衛隊施設や米軍施設は入らないということですか。
○泉委員 これはまさに今後の検討課題であると思っておりますが、現在のこの修正案においては、防衛省、そして警察庁、海上保安庁のいわゆる本庁と言われるそのところを対象にしております。
○塩川委員 現在の段階では、防衛省、警察庁、海上保安庁というお話で、その他については今後の検討課題というお話でした。
私は、こういった直罰を含む罰則を科すのに対象施設の指定というのが今後も広がる場合があり得るという点でも、それでいいのかということもありますし、外国要人の所在場所の問題についても、そこを随時指定するということで周知ができるかということと、逆に、指定するということが外国要人の警護との関係でも差しさわりがないのか、そういう懸念なんかも覚えるところです。そういったことも申し上げ、指定の随時指定とか、限定なく広がるということであれば、こういったものというのは認められないということは当然だろうと思っています。
最後に、メディアの問題との関係なんですが、小型無人機を利用したメディアのいろいろな取材の活動なども行われているところです。
この間の事例としては、米軍基地の取材活動について制限が加えられるという事件も生じていると聞いています。
ことしの四月二十三日、沖縄県名護市の辺野古沖でのアルジャジーラのドローン撮影を海上保安庁が制限したという話をお聞きしました。アルジャジーラの取材班は、海上保安官の求めに対して、ドローン飛行については中止したものの、基地の外側でのドローンの使用を禁ずる法的根拠について疑問を呈し、撮影記録の消去は拒否したということです。海上保安官は、米軍が撮影記録の消去を求めている旨を繰り返し伝え、法的措置もほのめかしましたが、アルジャジーラ取材班は、今後、放送局の上層部が禁止の法的根拠について米軍に照会するとして、最終的にその場での消去に応じなかったということであります。
提出者にお尋ねしますが、この法案によって取材活動が制約されることにはならないと言えるでしょうか。
○高木(美)議員 報道機関が施設管理者やまた施設所有者の同意を得てドローンの取材を行う場合、当然ながら、管理者等の同意を得て飛行させているドローンを使った撮影、報道等に関しましては特段の規定は設けておりません。
ですので、ただいま御指摘ありました事例につきましても、本法成立の後には、そのルールに従って適切に対応されるものと承知しております。
○塩川委員 四月二十四日付の琉球新報の社説では、ドローンを悪用させないためにはある程度の規制も必要だろう、だが、過度な規制はあってはならない、国民の知る権利、報道の自由を侵害しないよう最低限の規制にとどめるべきである、例えば、名護市辺野古沿岸部の新基地建設予定地でのドローン飛行を禁止するような規制はあってはならない、このように、国民の知る権利、報道の自由の侵害につながるような懸念が拭えないという声が上がっているところであります。
民放連が意見書を出している、これは自民党に出したんでしたかね。小型無人機の使用目的には、報道、学術、設備点検、測量、映像制作など国民の利益に資する正当な業務があり、一方で、テロなどの違法行為が考えられるとしています。しかし、法案は、先ほども申し上げましたように、小型無人機の使用者を一律に捉え、同じ規制をかけようとしているが、合理性がない、これは民放連も指摘をしているところであります。
取材、報道活動に配慮した規定がない、国民の知る権利、取材、報道の自由の妨げになるおそれがある、こういった声についてはどのように受けとめておられますか。
○土屋(正)議員 自民党には、五月二十七日付で、一般社団法人日本民間放送連盟のお名前で一定の御意見を承っております。
○塩川委員 こういう、取材、報道活動に配慮した規定がない、知る権利や取材、報道の自由の妨げになるおそれがあるという要望を出されていますが、いかがですか。
○土屋(正)議員 これは、御承知のとおり、個別の法律で取材の自由とか影響がないというようなことを決めているものではない、このように考えております。
もともと日本国憲法の根本的な、表現の自由、報道の自由、こういうところから、基本的な権利から発するものでございまして、個別の法でいいとか悪いとかという性格のものではないんじゃなかろうか、こんなふうに思って、なお、我が党としては、報道の自由は最大限尊重することを党是といたしておりますので、重ねて申し上げておきたいと存じます。
○塩川委員 そういう懸念が実際のものとなりかねないような事態が最近起こっているということも申し上げ、取材活動など正当な業務とテロを一律に捉えて規制をかけるということには合理性がない、警備強化を口実にした国民の知る権利や正当な業務を制限する法案というのは認められないということを申し上げて、質問を終わります。
○井上委員長 これにて原案及び修正案に対する質疑は終局いたしました。
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○井上委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、重要施設等の周辺地域上空における小型無人機の飛行禁止法案の原案及び修正案に反対の討論を行います。
本案は、ことし四月二十二日に総理官邸屋上で、小型無人機、いわゆるドローンの落下が発見されたことを契機としたものです。
内容は、国会議事堂、総理官邸、最高裁等をレッドゾーンと設定し、国政の中枢機構だからという理由だけで、その上空で小型無人機の飛行をさせる行為を禁止し、処罰するものです。実際の飛行による危険や被害の内容を問わず、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに懲役刑を含む刑罰を科すことは、刑罰法規としての合理性を欠くものです。
肝心の小型無人機の定義について、「航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」と抽象的に定めているだけで、小型としながら、その大きさの規定もないなど、規制する対象は不明瞭です。この点で、修正案は、対象とする機器の範囲を広げていますが、定義が不明瞭であることに変わりありません。
定義に関して、本案の小型無人機と、政府が提出予定の航空法改正案における無人航空機では、定義が異なるということが審議を通じても明らかとなりました。法律によって定義が異なれば、混乱を招きます。
レッドゾーンに指定する外国要人の所在する場所は、国賓来日や国際会議などの期間を区切って各地で指定するものであり、これを周知できるのか疑問が残ります。同時に、外国要人の所在場所を周知することにもなり、かえって要人警護に支障が生じる懸念も残ります。
法案は、対象施設敷地の周辺三百メートルをイエローゾーンと設定し、この地域で小型無人機を飛行させた場合、排除命令違反に対して懲役を含む刑罰を科すことにし、イエローゾーンでの警備強化を行うものです。こうした警備強化が、国会、官邸周辺での国民の請願行動や集会等に影響を及ぼす可能性も否定できません。
日本民間放送連盟は、「取材・報道活動に配慮した規定がなく、非常時における国民の情報アクセスの妨げになるおそれがある」と憂慮しています。国民の集会の自由、言論の自由、表現の自由が脅かされないかとの懸念は拭えません。
修正案は、危機管理行政機関などにレッドゾーンを拡大していますが、このような法体系のままレッドゾーンを拡大することは、国民の知る権利や正当な業務を広範囲に制限することにつながり、認めることはできません。
最後に、ドローンなど小型無人機が一般に購入できるようになり、人口密集地での墜落事故や盗撮によるプライバシー侵害などが起きているもとで、今必要なのは、国民生活への具体的な被害に対応し、国民の安全対策の観点からのルールづくりです。官邸周辺の警備強化のために、とにかく刑罰規定を導入することに突出した本法案は認められません。
以上の理由から、本案原案及び修正案に反対を表明し、討論を終わります。
○井上委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○井上委員長 これより採決に入ります。
古屋圭司君外五名提出、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
まず、泉健太君外二名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十一分散会