第20号 平成27年8月28日(金曜日)
平成二十七年八月二十八日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 井上 信治君
理事 秋元 司君 理事 亀岡 偉民君
理事 田村 憲久君 理事 谷川 弥一君
理事 中山 展宏君 理事 泉 健太君
理事 河野 正美君 理事 高木美智代君
青山 周平君 池田 佳隆君
石崎 徹君 岩田 和親君
越智 隆雄君 大隈 和英君
岡下 昌平君 加藤 寛治君
神谷 昇君 木内 均君
鈴木 隼人君 武部 新君
寺田 稔君 長尾 敬君
平口 洋君 ふくだ峰之君
松本 洋平君 宮崎 政久君
若狭 勝君 緒方林太郎君
近藤 洋介君 佐々木隆博君
津村 啓介君 古本伸一郎君
山尾志桜里君 小沢 鋭仁君
高井 崇志君 升田世喜男君
吉村 洋文君 輿水 恵一君
濱村 進君 池内さおり君
塩川 鉄也君
…………………………………
国務大臣
(国家公務員制度担当) 有村 治子君
内閣府大臣政務官 越智 隆雄君
内閣府大臣政務官 松本 洋平君
政府特別補佐人
(人事院総裁) 一宮なほみ君
政府参考人
(内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室次長) 二宮 清治君
政府参考人
(内閣官房内閣人事局人事政策統括官) 三輪 和夫君
政府参考人
(人事院事務総局職員福祉局長) 江畑 賢治君
政府参考人
(人事院事務総局給与局長) 古屋 浩明君
政府参考人
(財務省主計局次長) 可部 哲生君
内閣委員会専門員 室井 純子君
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委員の異動
八月二十八日
辞任 補欠選任
松本 洋平君 鈴木 隼人君
小沢 鋭仁君 吉村 洋文君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 隼人君 松本 洋平君
吉村 洋文君 小沢 鋭仁君
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八月二十六日
特定秘密保護法の撤廃に関する請願(池内さおり君紹介)(第三九一二号)
同(志位和夫君紹介)(第三九二七号)
同(志位和夫君紹介)(第三九八七号)
同(清水忠史君紹介)(第四一〇九号)
同(本村伸子君紹介)(第四一二八号)
TPP参加断念に関する請願(本村伸子君紹介)(第三九一三号)
同(志位和夫君紹介)(第三九二八号)
同(梅村さえこ君紹介)(第四〇二六号)
憲法違反の特定秘密保護法の撤廃に関する請願(畑野君枝君紹介)(第三九二六号)
マイナンバー制度実施を延期し、廃止を求めることに関する請願(池内さおり君紹介)(第四一一〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件(人事院勧告)
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○井上委員長 これより会議を開きます。
公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、特に人事院勧告について調査を進めます。
去る八月六日の一般職の職員の給与についての報告、勧告及び一般職の職員の勤務時間についての報告、勧告並びに公務員人事管理についての報告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。人事院総裁一宮なほみ君。
○一宮政府特別補佐人 人事院は、八月六日、国会と内閣に対しまして、国家公務員の給与に関する報告及び勧告並びに国家公務員の勤務時間に関する報告及び勧告を行い、あわせて公務員人事管理に関する報告を行いました。
このたび、その内容について御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。以下、その概要を御説明いたします。
まず、給与に関する報告及び勧告について御説明いたします。
月例給につきましては、行政事務を行う国家公務員と事務・技術等の業務を行う民間の従業員の四月時点の給与について、精確に調査をいたし、比較いたしました。その結果、本年の春季賃金改定における民間事業所の賃金引き上げの動きを反映し、公務員給与が民間給与を千四百六十九円、〇・三六%下回ることとなりました。この較差を解消するため、俸給表の水準を引き上げるとともに、給与制度の総合的見直しにおける地域手当の支給割合の引き上げの一部を実施することといたしました。
特別給につきましては、公務における年間の平均支給月数と民間事業所における昨年冬と本年夏の賞与を含む直近一年間の支給割合を比較いたしました。その結果、民間事業所における好調な支給状況を反映いたしまして、公務が民間を下回ったことから、〇・一月分の引き上げを行い、年間四・二〇月分とすることといたしました。特別給の引き上げ分につきましては、勤務実績に応じた給与を推進するため、勤務成績を反映する勤勉手当に配分することとし、本年十二月期分から引き上げることといたしました。
このように、本年は、月例給、特別給ともに、昨年に引き続き、引き上げを勧告することとなりました。
続きまして、給与制度の総合的見直しについて御説明いたします。
国家公務員給与における諸課題に対応するため、昨年の一般職の職員の給与に関する法律の改正に基づき、本年四月から、俸給表水準を平均二%引き下げた上で、地域間の給与配分、世代間の給与配分及び職務、勤務実績に応じた給与配分を見直すことを内容とする給与制度の総合的見直しを三年間にわたって段階的に実施しているところです。
本年度は、四月から既に実施している改定のほか、先ほど申し上げたとおり、地域手当の支給割合の改定を行うこととしております。平成二十八年度は、地域手当の支給割合や単身赴任手当の支給額の改定等を行うことといたしました。
次に、勤務時間に関する報告及び勧告について御説明いたします。
近年のワーク・ライフ・バランスに対する意識の高まりや働き方に対するニーズの多様化の状況等を踏まえ、平成二十八年四月から、適切な公務運営の確保に配慮しつつ、原則として全ての職員を対象にフレックスタイム制を拡充することとしております。拡充するフレックスタイム制は、適用を希望する職員から申告が行われた場合、公務の運営に支障がないと認められる範囲内において、職員の申告を考慮して、勤務時間を割り振ることができる仕組みとすることとしております。
最後に、公務員人事管理に関する報告について御説明いたします。
国家公務員の人事管理の基本となる職員の在職状況は、退職管理の見直しや採用抑制等により、四十歳代と五十歳代の在職者の割合が二十歳代と三十歳代の在職者の割合を相当に上回っており、将来にわたって能率的で活力ある公務組織を確保する観点から、諸課題に対応する必要があるものと考えております。
本報告では、有為な人材の確保及び育成、柔軟で多様な働き方の実現と勤務環境の整備、高齢層職員の能力及び経験の活用など、採用から退職に至るまでの公務員人事管理全般にわたって、中長期的視点も踏まえた総合的な取り組みを進めていくことを報告しております。
以上、本年の報告及び勧告の概要を御説明申し上げました。
委員長初め内閣委員会の委員の皆様におかれましては、人事院勧告制度の意義や役割に御理解を賜り、この勧告を速やかに実施していただきますようお願い申し上げます。
○井上委員長 以上で人事院からの説明は終わりました。
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○井上委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室次長二宮清治君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官三輪和夫君、人事院事務総局職員福祉局長江畑賢治君、人事院事務総局給与局長古屋浩明君、財務省主計局次長可部哲生君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○井上委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 民主党の佐々木でございます。
ただいま人事院から勧告並びに報告を聴取させていただいたところでありますが、何点かについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず、給与改定の勧告についてでありますが、今ほども報告がありましたが、二年連続の月例給、一時金の引き上げという勧告になったわけでありますが、その中で、非常勤職員の給与についてお伺いをさせていただきます。
まず、常勤職員は四月遡及ということになっているわけでありますが、常勤職員と異なって非常勤職員の場合は府省によって改善の実施時期が異なる、つまり、ばらばらに実施をされているのではないかということが言われておりますが、その実態並びに認識についてお伺いをいたします。
○古屋政府参考人 非常勤の職員の給与につきましては、給与法の二十二条二項の規定によりまして、「各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」とされているところでございます。
人事院におきましては、平成二十年八月に、各府省に対しまして、非常勤職員の給与について、類似する職務に従事する常勤職員の俸給月額を基礎として決定することなどを内容とする指針を発出いたしまして、当該給与について適正な取り扱いが行われるよう指導等を行ってきているところでございます。
本年の勧告に基づき月例給、特別給が引き上げられた場合の非常勤職員の給与の改定の時期ということでございますが、これは、各府省において、非常勤職員の勤務実態や予算の状況を踏まえながら判断されるものというふうに考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 実態についてはどうなっているんでしょうか。
○古屋政府参考人 本年三月に事務補助を行う期間業務職員の給与の実態ということでの調査をしたところでございますが、昨年の給与法改正に伴う非常勤職員の給与の改定につきましては、これは、実施時期を含め、機関によりさまざまであったというところでございます。
○佐々木(隆)委員 非常勤についてはそのような実態があるやに聞いてございますので、ぜひ、これは政府においてしっかり指導していただきたいというふうに思います。
次に、期末手当と勤勉手当という、いわゆる一時金についてお伺いをいたします。
常勤職員については支給の勧告はあるわけでありますが、非常勤職員の勤勉手当については勧告の中に盛り込まれていないというふうに承知をしているわけであります。その実態、並びに、常勤職員には勤勉手当が引き上げられて、非常勤職員にはそれがないということになると、結果として、同じ仕事をしていながら格差ができてしまうということになるのではないかというふうに思いますが、その実態についてお伺いをいたします。
○古屋政府参考人 先ほど申し上げた指針の方でございますが、ここにおきましては、非常勤職員の期末手当に相当する給与につきましては、「相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与を、勤務期間等を考慮の上支給するよう努めること。」としておりまして、各府省において予算の確保に努めるなど改善が進んできておりまして、フルタイム勤務の非常勤職員については、ほぼ全ての機関で支給しているというところでございます。
また、勤勉手当に相当する給与につきましては、指針では直接触れてはいないわけでございますけれども、フルタイムの非常勤職員については多くの機関で支給しているというところでございます。
○佐々木(隆)委員 そこのフルタイムの関係については、後ほど少しお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
もう一つ、ガイドラインに基づいて通勤手当というのがあると思うんですが、その通勤手当についての支給実態はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
○古屋政府参考人 同じくその三月の調査結果によりますと、通勤手当に相当する給与につきましては、調査対象であった全ての機関において支給されていたところでございます。
ただ、その際、通勤手当に相当する給与につきましては、支給限度額が常勤職員と異なる扱いをしている機関というのが一部あったというところでございますが、今後とも、支給の状況等を把握しながら、指針に基づいた適切な運用が行われるよう、必要に応じ指導等をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 今、三点について伺ったんですが、まずは改善の時期の問題、それから、とりわけ一時金のうちの勤勉手当、あるいはまた通勤手当、いずれについても、一般職の常勤職員との間ではやはり若干の差があるわけであります。同じ職場で同じ仕事をしているという状況の中でそういう実態が生まれるということは、できるだけ早くこれは改善をしていただかなければならないというふうに思うわけでありますので、後ほどお伺いしますが、ぜひ、政府にはそのことをしっかり踏まえていただきたいというふうに思うところであります。
次に、人事管理に関する報告の中で、「柔軟で多様な働き方の実現と勤務環境の整備」というものを人事院は提言をしているわけでありますが、その中の仕事と家庭の両立支援の制度について、特に男性の育児休業取得についてであります。これは平成三十二年度までに一三%という目標を掲げたわけでありますが、実態は四・六%程度というふうに聞いておりますが、この進まない理由というものをどのように分析しているのか、お伺いをいたします。
○江畑政府参考人 育児休業を取得しなかった三歳未満の子を持つ男性職員を対象といたしました平成二十五年度の意識調査では、育児休業について、取得する必要がないと思ったと回答した職員が全体の七割存在しておる一方で、取得したかったが取得できなかったと回答した職員が約三割で、その主な理由は、業務が繁忙である、収入が少なくなり家計が苦しくなる、代替要員がいないという理由となっております。
また、仕事と育児、介護の両立に関して、職場の理解が余りない、または全くないとする職員は全体の約二割、理解があるかどうかわからないとする職員は全体の約二割から四割存在しており、幹部職員や人事当局の理解がない、またはどのような考えなのかわからないと受けとめている職員が存在することが明らかになっており、これらのことが相互に連関し、男性職員の育児休業の取得率が低いものとなっているというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 今特に、安倍政権のもとで、女性が輝くというのが大きなテーマになっているんですが、それとは若干逆の現象だというふうに思うんです。親が子供の成長というものにちゃんと触れていくというのは当然のこと、権利でもあると思うんですね。そういった意味では、男親の方がその権利をちゃんと取得されていない、子供の成長に触れていないということになるわけで、子供の寝た顔しか知らないというようなことになってしまうわけですね。
これはかつてドイツの人たちに言われたんですが、そんなに仕事をしていると地域のことも家庭のこともわからなくなるというふうに言われたときに、大変私はカルチャーショックを受けたんですが、ある意味当然のことを言っていたわけであります。
今説明をいただいたように、業務が繁忙、収入が少なくなる、代替要員がいないなどという理由を挙げられているようですが、それはある意味で職場環境としては大変問題でもあるわけであります。
これは総裁、今後これについてどのように取り組んでいくべきかというようなことについて、ぜひお伺いをしたいというふうに思います。
○一宮政府特別補佐人 男性職員の育児参加の促進のためには、男性職員の意識改革というものはもとより、幹部職員や人事当局等の職場の理解が非常に重要であるというふうに考えております。
そこで、特に、各府省の幹部職員を対象としたワーク・ライフ・バランスに関するシンポジウムを開催いたしまして、幹部職員の、男性職員の育児参加に対する理解を醸成し、男性職員が育児休業等の両立支援制度を取得しやすい職場環境をつくりたいというふうに考えております。
また、例年開催しております、各府省の人事担当者を対象とした、仕事と育児・介護の両立に関する連絡協議会におきまして、男性職員の育児休業等両立支援制度の取得促進が図られるよう各府省に要請しますとともに、男性職員が利用可能な両立支援制度を周知するための資料を各府省に配付するなどして、男性職員の育児参加の促進が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○佐々木(隆)委員 ぜひ進めていただきたいんですが、男性がというか、男親が自分の子供を育てるというのはこれはある種当たり前といえば当たり前の話であって、その当たり前のことが行われていないということでありますので、そういった意味では、職場の意識改革ももちろんなんですが、全体の風潮として、女性だけ輝けばいいという問題ではなくて男性も輝いてもらわなきゃいけない、それは仕事で輝くということではなくて、家庭という一番最小の単位の中でしっかり輝いてもらうことも重要だと思うんですね。
そういった意味で、せっかく勧告の中で取り上げたわけでありますので、ぜひしっかりそれは進めていただきたいというふうに思います。政府の方においてもぜひそれは進めていただくように、政府の方にも申し上げておきたいというふうに思います。
今回の大きなもう一つのテーマ、フレックスタイムについてもあるんですが、これは私の後、古本委員がしっかりとこのことについてお伺いをさせていただきますので、私は次のテーマに移らせていただきます。
次は、雇用と年金の接続についてであります。
今年度の定年退職者は無年金期間が最長二年となるというようなこともあり、先ほどありましたように、五十歳代、四十歳代が多いというようなことも含めて、この後そのことは大変大きな課題、今も課題ですが、これからも課題になるというふうに思います。
フルタイムの希望者がフルタイムの勤務というものを確実に実施するということが何よりもまず大切なわけでありますが、国が定年延長というものを実施してきているわけでありますけれども、それにかかわって、二点、質問をさせていただきたいというふうに思います。
一つは、民間企業と公務員の定年退職後の継続雇用の実態についてであります。聞くところによると、フル雇用は民間に比べて相当低いというふうに伺っているんですが、その辺の実態について、まずお伺いをさせていただきます。
○古屋政府参考人 民間企業につきましては、平成二十六年の厚生労働省調査によりますと、約八二%の企業が再雇用制度等の継続雇用制度の導入により高年齢者の雇用の確保ということを図っているというところでございますが、民間企業の再雇用者の勤務形態につきまして本院が昨年実施した調査によりますと、フルタイム勤務が約九二%、短時間勤務は八%というふうになっております。
一方、国家公務員につきましては、本年度の再任用職員の総数は約九千七百人となっておりまして、昨年度に比べて一二%、一昨年度に比べますと四二%の増加となっております。その勤務形態につきましては、行政職俸給表(一)の適用職員で見ますと、昨年度定年退職し、本年度再任用された職員というところで見ますと、フルタイム勤務が三〇%、短時間勤務が七〇%となっているところでございます。
○佐々木(隆)委員 今、その実態について答弁いただいたわけでありますが、再任用そのものの率ということも問題なんですが、フルタイムに関して言うともっと格差があるということになるわけであります。
さらに、国の再任用の実態では下位級の方々が短時間勤務が極めて多いというふうに伺ってございます。職員の経験や能力の活用あるいは伝承、あるいは生活水準の確保、あらゆる面でそのことは大変問題なのではないかというふうに思うのでありますが、このことについてお伺いを申し上げます。
○古屋政府参考人 御指摘のとおり、再任用職員がついているポストということを見ますと、定年前より職責が低い係長級または主任級というところで八割を超えているという状況にございます。
また、行政職(一)の再任用職員で見ますと、昨年度定年退職し、本年度再任用される職員については、先ほど申し上げたように、約七割の方、七〇%の方が短時間勤務となっておりまして、この短時間勤務職員のうち二七%は希望に反して短時間勤務となったということになっております。
これに対してということでございますが、人事院といたしましては、今後さらに再任用希望者の増加が見込まれるという中で、現在のような再任用の運用ということでありますと、公務能率や職員の士気の低下でありますとか、生活に必要な収入が得られないなどの問題が今後深刻化していくおそれがあるというふうに考えております。
このような問題に対処するためには、公務においても民間企業と同様に、フルタイム中心の勤務を実現することを通じて再任用職員の能力及び経験を本格的に活用していくことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○佐々木(隆)委員 フルタイムの希望者が必ずしもその希望どおりになっていないというようなことも、それから、そのことによる格差が拡大をしていくわけでありますので、特に、今は年金との間のつなぎの期間ということがまだ解消されていないというか、むしろ今ちょっとふえる傾向にあるところでありますので、このことについてはやはりぜひ改善をしていただきたいということを強く求めておきたいというふうに思います。
時間がなくなってきましたので、もう一つは、今、公務員だけではないんですが、職場でのストレスということが大変問題になっておりまして、ストレスチェック制度の導入についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
精神行動障害による長期病休者が高どまりしているというふうに言われているわけであります。ストレスチェック制度の導入というものが大変重要な課題だというふうに考えるのでありますが、これには一定の費用もかかるし、新たな予算も考えなければなりません。しかし、これは大変重要な課題でありますので、ストレスチェック制度導入の考えについてお伺いをさせていただきます。
○江畑政府参考人 労働安全衛生法の改正によりまして、民間の事業者等には、常時使用する労働者に対して、医師等による心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に応じて本人からの申し出による面接指導の実施を義務づけること等を内容とするストレスチェック制度が創設されたところでございます。
一般職の国家公務員につきましても、心の健康の問題による長期病休者は長期病休者全体の六割を超えておりまして、心の健康づくり対策を総合的に進めていくことが重要であるというふうに認識しております。特に、心の不調者の発生を未然に防止する一次予防を強化するために、公務におきましてもストレスチェック制度を導入することが適当と考えておりまして、各府省や職員団体等の意見を聞きながら検討を進めているところでございます。
○佐々木(隆)委員 病休者のみならず、休んではいないんだけれども、大変ストレスを感じて、いわゆるうつとまではいかないんですが、そういう状況にあるというような方々も、これは公務員だけではありませんけれども、いろいろな職場で大変今ふえているということが言われてございます。職場としてそういうもののケアというものはやはりちゃんとやっていかないと、その人たちの能力を十分に発揮していただくというためにも、ぜひその制度をしっかりとつくって導入していくということが必要だと思います。
今いろいろお伺いをしてきたわけでありますが、今の問題も含めて、それから、最初にお伺いしました非常勤職員の扱いの点について、あるいはまた再任用の仕組みなどについて、これから政府として改善をしていかなければならない点がたくさんあるということが、今実態としていろいろ報告をいただいたところでありますが、その担当をしておられる大臣として、これを今後進めていく上で、ぜひその決意も含めてお考えを伺いたいと思います。
○有村国務大臣 お答えいたします。
佐々木委員の御質問、問題提起を担当大臣として心して拝聴いたしておりました。また、共感するところも多々ございました。
男性の育児休業取得については、隗より始めよで、国家公務員が率先して取り組む必要があると思います。父親としてというお立場も御紹介いただきました。担当大臣として、各閣僚に対し積極的な取り組みを依頼しているところであります。
男性の育児休業の取得目標一三%、これは既に厚生労働省、環境省、人事院が達成をしておられますが、残りの各省庁に対しても、少子化担当大臣としても、これが達成していただけるように全力で取り組んでまいります。
民間で、育児休業一〇〇%を達成している七万人以上の社員を抱える企業があります。そこの成功の秘訣は、人事部門が、ぜひとった方がいいということを、とるのをためらっている社員にも必ず連絡をとっていく、あるいは、社長が経営戦略の一環として休みがとれる体制をつくるということにコミットしておられるということを学ばせていただいております。
次に、雇用と年金の接続について申し上げます。
少子高齢化の進展のもとで長期的に持続可能な社会をつくり上げていくことは、特定の分野や世代だけに関係する問題ではなく、我が国の全ての分野、全ての世代にとって避けては通れない重要な課題であると認識しています。
六十歳を超える職員の知識や技能を活用するための再任用職員の職務のあり方等については、適切に必要な検討を進めてまいりたいと存じます。
また、ストレスチェックについての御質問をいただきました。
働きやすい職場環境の整備を進め、心身の健康管理、安全確保は重要だと考えております。職員の皆さん一人一人の心の健康の保持増進、また、なかなかに健康が保てないとなった場合の職員の皆さんへの早期発見、早期対応等について、重点を置いて種々の取り組みを行っているところでございますが、やはり肝は長時間労働の是正だと認識をしております。
ストレスチェック制度の円滑な導入に向けて、人事院や各府省と連携をとって、着実に準備を進めてまいりたいと思います。
もう一つ御質問をいただきました非常勤職員の給与については、各府省において、常勤職の給与との均衡を考慮して支給しているところでありますが、人事院とも連携をして、各府省における非常勤職員の処遇の実態把握に努めるなど、今後も非常勤職員の適切な処遇の確保、やはり士気ということも大事でございますので、検討させていただきたいと考えます。
○佐々木(隆)委員 これは秋に向けてこれから検討されるんだというふうに思いますが、今回、人事院として勧告をされた立場で、働き方については特に重点的に提言をされたようでありますが、提言を行うあるいは勧告を行うに当たって、総裁として、経過も含めて、ぜひ政府に実現をしていただきたいという思いがあると思うんですが、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○一宮政府特別補佐人 御指摘のとおり、今、働き方をどういう形にしていくかということについては、時代とともに変化がありますので、やはり男性の育休取得、そして、子育てに対してかかわっていくということは非常に大事なことだと思っておりますので、そのあたりに対しても、それから、フレックスタイム制についても導入することを勧告しておるわけですけれども、これについても、これからの時代は育児だけではなくて介護についても大変問題がある時期に来ていると思いますので、そのあたりを、仕事をしっかりと安心した形でしながら、かつ家庭についてもしっかりとかかわっていけるようにすることは非常に大事だというふうに考えておりますので、これからもその促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木(隆)委員 ありがとうございました。
時間ですので終わらせていただきますが、先ほど大臣の方から、男性のことについて、クオータ制みたいな話も、強制的にとってもらうというような話もちょっとあったんですが、ぜひそれぐらいな気持ちで進めていただかないと、なかなかこれは現実には進んでいかないのではないかというふうに思いますので、ぜひ秋にはその決意がちゃんと形になるように期待を申し上げて、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、古本伸一郎君。
○古本委員 おはようございます。民主党の古本伸一郎でございます。
関係の役職員の皆様は連日準備に当たられるわけでありまして、当委員会で女性の働き方の議論をした際に、質問通告は二日前に何とか実現したいなということで努力しているんですけれども、同僚の佐々木委員ともそういうことを強く意識しながら準備をしているんですけれども、きのう、追加の更問いを若干したわけであって、いろいろと準備に当たっていただいた人事院の西さん、御担当の方、あるいは人事局の諏訪さん等々、事務方にお礼を述べたいというふうに思います。
まず、フレックスを導入する目的は何ですか。
○江畑政府参考人 フレックスタイム制度の導入によりまして、職員に柔軟で多様な勤務形態の選択肢を用意するということになるわけでございます。その結果といたしまして、職員がその能力を十分に発揮して、高い士気を持って効率的に勤務できる環境を整備できる、また、ひいては公務能率の一層の向上にも資するということが言えると思います。
また、もう一つは、ワーク・ライフ・バランスの実現が求められている中で、柔軟な勤務形態を導入いたしまして働きやすい環境を整備するということによりまして、職員の仕事と育児や介護との両立を推進するということになるとともに、人材確保にも資するということが目的でございます。
○古本委員 今の説明は大体総裁談話に書いてあるコメントラインなんですけれども、実は、いただいたこの報告書、分厚いものを精査いたしますと、最後の方に肝心なことが書いてあるんですね。先生方もお持ちでしたら、フレックスのところの六ページなんですけれども、フレックスタイム制は、ワーク・ライフ・バランスの推進にも資するものであることに留意し、制度の充実を契機として、全ての職員について働き方の見直しを行い、超過勤務の縮減に向けて一層積極的に取り組んでいくと。
大体、昭和の時代には猛烈にやったんです。私は昭和の時代に社会人になりましたけれども、会社で徹夜したなんて武勇伝を語り合ったものですけれども、必ずしも椅子に座っていることにより成果が上がるかどうか、これはわかりません。
したがって、実はこのフレックスの成功の鍵を握るのは何だと思いますか、総裁。事務局でいいですよ。フレックスが二十六万役職員に定着する鍵は何か。
○江畑政府参考人 職員が、公務の運営に支障を来さないということの範囲内で、柔軟な勤務形態によりまして生活と仕事の調和をとれるということで、生活の充実面を仕事における能力の発揮に生かすということができるわけでございますので、フレックスタイム制が導入されましても公務の運営に支障を来さない形で職務が遂行されるということが非常に肝であるというふうに考えております。
○古本委員 局長も、そうかみしもを着ない方がいいと思いますよ。
総裁、鍵は絶対に上司と部下の信頼関係ですよ。
だって、定時で七時間四十五分。育児、介護フレックスをとった場合、コアタイムは二時間と伺っています。残りの五時間四十五分は、フレックス適用した期間内にリカバリーしなければ定時を満たさないということになります。五時間四十分たった職員が、ではお先にと立ち上がったら、誰かストップウオッチを持っていて、あと五分働けとやるんですかという話になるんですよ。実は、フレックスというのはそうなんです。
伺えば、勤務時間管理員なる方が既に公務員にはいらっしゃって、恐らくその方が管理するのかなと仄聞していますけれども、実は職種によりますよ。旧社保庁のように、窓口業務で、お客様たる国民が窓口相談に来ているのに、いや、その担当はきょうフレックスでいないんですよ、これは許されないですよ。
でも、片や、連日私たちへの質問取りやら答弁やら、そういったものを準備されている皆様はテレワークだってできますよ。場合によっては電話でやりとりしたっていい、携帯で。答弁のイメージもスマホで送ってもらったっていい。何だってできますよ。絶対に役所の机に座っておかなきゃいけないというものじゃないと思うんですね。
そこで、今回の報告の問題点を指摘しますよ。育児と介護のフレックスの場合、コアタイムがあたかも二時間になり、通常のフレックス五時間に対しすごく配慮してくださっているように映るんですけれども、子供が熱が出て、そして自宅で看護に当たっている方が、また二時間の面着のために満員電車に揺られて一旦出てこなきゃいけないということの煩わしさ。でも、そのときに、上司と部下の間に信頼関係があったならば、きょうはテレワークでいい、在宅でA4一枚書いてくれでもいいんじゃないですか。
この問題提起に対して、今後の方向感を教えてください。
○江畑政府参考人 先生御指摘のように、育児、介護を行う職員のフレックスタイム制につきましては、一般の職員に比べましてコアタイムを短くする、あるいは勤務時間の割り振り単位時間を柔軟にする、あるいは週休日を一日別建てで設けることができる、そういうより柔軟な仕組みがございます。
今お話にございましたそういった勤務時間の割り振りを行った後に生じた事由、そういうことにつきましても、職員の申し出によりましてその勤務時間の割り振りの変更が可能になる、そういう仕組みでございますので、適切な公務運営の確保に配慮をしながら、できる限り柔軟にこの制度を使っていくということは可能になるというふうに考えておるところでございます。
○古本委員 いや、かみ合っていないんですよ。
もう一度言いますよ。
まず、お子さんが熱が出て、男性職員でも女性職員でもいいです、急遽小児科に連れていかなきゃいけない。そのときに、きょう休ませてくださいという場合、多分現状のルールでは有休をとりますね、まず有休がありますね。
実は、小学生未満、つまり幼稚園の年長さん以下であったならば看護休暇という制度がありますね。これは小学生はとれませんよね。つまり、幼稚園の年長さんのお子さんならば看護休暇がとれるけれども、たった一カ月、四月に入学して小学一年生になって、インフルエンザか何かわかりませんが急病になったという場合には、この看護休暇は使えませんよね。まず、これは正しいですか。
○江畑政府参考人 御指摘のとおりでございます。
○古本委員 次に、では、この看護休暇を小学生のできれば低学年ぐらいまで延長する計画はありますか。
○江畑政府参考人 一般職の国家公務員の休暇につきましては、従来から情勢適応の原則のもと、民間における普及状況に合わせることを基本に、官民均衡の観点から必要があれば適宜見直しを行っているところでございます。
子の看護休暇につきましては、厚生労働省の行っている調査でも、対象年齢は法定の小学校就学の始期に達するまでとしている企業が八八・六%となっておりますので、私どもといたしましても、引き続き民間の動向等を注視してまいりたいというふうに考えております。
○古本委員 看護休暇ですけれども、直近のデータをいただいているんですが、平成二十四年実績を調べると、看護休暇、つまり小学一年生未満、つまり幼稚園児、保育園児以下のお子さんのいる、子の看護のための休暇を取得可能な職員数、つまり、小学校就学の始期に達していない子の調査はしていないため、取得率はわからないという答えをいただいたんです。
つまり、二十六万役職員がいらっしゃる中の、これから少子化でただでさえ大変だ、あるいは、ただでさえ結婚して出産、子育てというプロセスが若い人たちはなかなか大変な窮屈な時代になっているというときに、子育てで頑張っておられる職員の数を把握していないということなんです、まず。これは、総裁、指摘しておきますからね、把握すべきですよ。
その上で、実は、看護休暇の取得実績、数字だけは出ているんです。前回調査の平成十九年は、女性は三・五日、男性は二・六日でした。これが、直近の二十四年実績によると、女性四・三、同男性三・一に若干促進されていますね。
でも、これを、実は、一歳児、二歳児、三歳児、ゼロ歳児からグリッドを切って、乳飲み子であればあるほど、免疫もありませんから、病気になる確率は素人ながら容易に想像できます。だとすると、そこをきめ細かに分析すると、実は、六歳児より五歳児、五歳児よりは三歳児、三歳児よりは一歳児の方がにわかに熱が出て、役職員が急遽休まなきゃいけないというケースがあると思うんですよ。じいじとばあばと同居していればいいですよ。この都会でそういうことがなかなか難しい中で、皆さん、一生懸命頑張っていますよ。それも把握していないんです。率も把握していないんだから、しているわけがありませんよね。
お子さんの年齢別看護休暇取得率は把握していますか。
○江畑政府参考人 把握いたしておりません。
○古本委員 総裁、ぜひやってください。
その上で、私が言っている仮説が正しいならば、例えば傾斜配分するというやり方もありますね。ゼロ歳児、一歳児、二歳児という非常に母親の肌のぬくもりなり父親の父性なりを求めている年代ほど、五日といわず六日、七日というのを民間に先んじてやってみればいいじゃないですか。何でもかんでも民間に従わなきゃならないということはありませんよ。
ただでさえ、いろいろな子育て支援なり少子化対策なりを打っていきたいと政府を挙げてやるのであれば、我々も堂々と応援しますよ。これは問題提起しておきます。ぜひやっていただきたいんですね。
次に、子の看護休暇をとり切っちゃったという人は、次に有休になるんでしょうね。では、子育て世代の有休取得率なり、年代別、お子さんの属性別年休消化率は把握していますか。
○江畑政府参考人 年代別等の取得率は把握はしておりません。
○古本委員 総裁、これはぜひやってください。
何となれば、多分、イメージですよ。子育て世代で、もう本当にいつ子供が発熱するかわからないというある意味恐怖感を感じながら、冬の流感の季節なんてそうだと思いますよ。そういう親御さん方は、役職員は、有休をとっていると思いますよ、そのときに備えて。これでは年休の取得率は進みませんよ。ワーク・ライフ・バランスも何もありませんよ。データをまずは調べた上で、その上で、今言った問題提起をぜひ研究してもらいたいと思うんですね。
そこで、もう一度戻りますよ。
では、看護休暇をとり切っちゃったという人は、実は育児、介護フレックスをぜひ使おうと思ったときに、僕は、この二時間登庁しなきゃいけないというのが大変負担になると思う。恐らく、想定されているのは、保育園の送迎やら何やらをパートナーとの分担で、今月の第一週は私が行くから第二週はあなたが行ってねみたいなやりとりの中で、多分月間で計画を立てるということを想定されていると思いますけれども、せっかく育児フレックスなんて名前をつけるのであれば、にわかにそういった状況になった、つまり看護が必要になったケースも使えた方がいいと思うんです。
その場合に、やはり、二時間出てこいと言われたら、イメージ、小学校一年、二年生ぐらいの子を、高熱でうなっていてですよ、お昼を用意したから、お母さん行ってくるからねというのは、これは忍びないですよ。でも、六年生ぐらいになれば何とか分別がつくんじゃないかな。何とか、不安だけれども、ちょっとお母さん夕方には帰ってくるからね、お父さん夕方には帰ってくるからねというのはありかもしれない。でも、一年生、二年生、三年生はまだまだ要りますよ。
そのことを考えると、実は、その瞬間にテレワークに切りかえるということができたら、劇的にこの制度は運用がよくなると思うんですけれども、現在、テレワークの実施率はどのくらいなんですか。
○二宮政府参考人 お答え申し上げます。
国家公務員のテレワークに関しましては、二十府省庁に対して実態調査を実施したところでございますけれども、テレワーク実施割合、これは本省分でございますが、平成二十六年度におきまして、全職員の一%強でございます。また、一人当たりの実施日数は年間四・五日でございます。
○古本委員 お寒い限りでありまして、このテレワーク、伺えば、情報漏えいとかいろいろなものがありますので、端末を皆さんに、ポータブルを持たさなきゃならないとか、その端末がやはり公費がかかりますので、その辺がいろいろな課題があるというのは承知しています。
その上で、鍵を握っているのはやはり上司なんです。
どうしてもこの二時間、面着、今来いと言われたら、課長、私、もうとてもじゃないけれども子供を置いて行けません、きょう在宅で認めてくれませんか、在宅勤務を認めてくれませんかといったときに、気にするな、そのかわり、夜、子供が寝静まったころでいいから、A4一枚、俺のところにファクスを送れよ、スマホでデータで送ってくれればいいからな、その一言が言える上司か、またかみたいな、そういうことを、心ないことを言う上司かで全く変わるんですよ。
井上委員長、公務員キャリアを経験されている委員長、現場の上司のメンタリティーからいうと、やはり、そんなもの、俺の時代は徹夜したものだみたいなおじさん上司がいる限り、あるいは場合によっては、そういうちょっとミドルより上の女性上司がいる限り、私のころは徹夜したものよみたいな女性上司だっているかもしれない、これは上司が鍵を握っているんですね。
これは、秋の臨時会に、恐らく勤務時間法あるいは人事院の中の内規、政省令等々に書き込まれていくと思うんですけれども、実際の運用に当たり。今のやりとりを聞いていただいて、ハウスとして、委員長も賛同していただけるならば、ぜひ政府側に、よく検討するように今この場で指示していただきたいんですけれども。
○井上委員長 理事会で協議したいと思います。
○古本委員 もう少しお願いしたいんですけれども、では、そもそも、今、委員長が国交省の幹部職員だったとしたら、部下からそういう相談があったら、ちゃんと言えますか。在宅でいいよ、あるいは、きょうは休め、いろいろなことを言ってあげられますか。
○井上委員長 ちょっと答える立場にはないですが、でも、言うべきだとは思いますね。
○古本委員 ありがとうございます。それが大事なんです。
そのときに物すごく鍵を握るのが、評価なんです。
だって、役所にいてずっとパソコンに向かってやっている人からしたら、何であいつだけ認められるんだ、何であの人だけ認められるんだと、やがてなりますよ。でも、在宅にいながらも、翌朝、完璧なA4一枚を送ってくる彼、彼女がいるならば、机にしがみついているということが何となく意味ないなということに、働き方改革のパイオニアになれますよ。そのことを評価するかどうかなんです。逆に、情実的にそればかり許し、アウトプットが伴わないのならば、テレワークなんてやっちゃだめですよ。税金で運用しているんですから。
だから、つまり、冒頭申し上げましたけれども、これの成否の鍵を本当に握るのは、上司と部下の信頼関係並びに成果の評価ですよ。裏返せば、フレックス勤務をばんばんとる職員は評価は下がりますか、あるいは、そういうことがあってはならないという今回の報告なり今後の人事院規則になっていきますか。評価について。
○江畑政府参考人 人事評価制度におきましては、職員が実際に発揮した能力、上げた実績に基づき公平に評価されなければならないわけでございますので、こうしたフレックスタイム制などの制度を利用したことが評価に影響することがあってはならないというふうに考えております。この旨、人事評価制度を所管する内閣人事局に対しまして周知をお願いしたいというふうに考えております。
なお、人事評価制度の運用に当たりまして、昨年十月から、本府省等課室長相当職以上の職員について、ワーク・ライフ・バランス推進に資するような効率的な業務運営や良好な職場環境づくり等について、目標設定に当たって留意するとともに、評価に当たって適切に勘案することとされているというふうに承知しているところでございます。
○古本委員 最後に、まとめまして、総裁、このフレックスというのは、結局、職場で面着するということにコアタイムの設定の趣旨があるんですよ。民間で随分前に導入しましたから、私もかすかに覚えています。だとすると、今、役職員で、朝の朝礼で全員集まって、何か社訓か社是のようなことをみんなで読み上げて、ラジオ体操するという職場はありますか。
つまり、質問取りに行って、帰っていって、必死で資料を調べて、局長に、あしたの答弁ラインはこうですとちゃんと報告して、職員のこの動きを見ていたならば、こういう限定的な職場を想定していますけれども、そうすると、やはりこの面着の意味というのは、直属上司と部下の信頼関係、これが本当に担保できるならば、あらゆる柔軟な働き方を実現できますよ。
最後に、最前からやりとりしていますけれども、二時間のコアタイムはテレワークに置きかえるみたいな運用も射程に入れるということでいいですね。絶対、是が非でも二時間来なきゃいけないということではないですね。ここまで問題提起しているんですから、よろしくお願いします。
○江畑政府参考人 コアタイムの趣旨は、職員が勤務をしなければならない時間というふうに認識しておりますので、その時間においてテレワークを業務で命じられて在宅で勤務するということもあるというふうに考えております。
○古本委員 人事院も、今、腹を決めて、大変方向感を出していただいたと思います。役職員の皆様が結果が出せる働き方改革になることを期待いたしまして、また、委員長にも、ぜひ与党側へそういった働きかけ、我々野党も発言していきますけれども、お願いを申し上げまして、終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前九時五十九分休憩
――――◇―――――
午前十時五十五分開議
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。吉村洋文君。
○吉村委員 維新の党の吉村洋文です。
私からは、人事院の勧告、それから公務員の人件費についてお伺いしたいと思います。
まず、今の我が国の現状、例えばこれが本当に我が国が黒字で、あるいは財政が本当に問題がない、そういった状況であるのかそうではないのかによって、やはり公務員の人件費あるいは公務員の評価のあり方というのは変わってくるんだろうというふうに思っております。
先日もニュースがございましたけれども、国家予算、概算要求で百兆円を超えていると。では、その百兆円はどういうふうに賄われるかというと、一般会計の予算がそうですけれども、ざくっと言うと半分が税収で半分が借金で毎年賄っているという現状です。国の借金、これは一千兆円を超えている、GDP比でいっても二〇〇%を超えているような、そんな状態なんですね。今後、先行きを見通したときに、ではこれが本当に大幅に改善されていくような状況にあるのかといえば、そういった楽観的な見通しは全くない。
特に私が危機意識を持っておりますのは、人口構造なんです。これはかねがね言われていることではございますが、二〇五〇年には一億人を切って、働き手が約半分、約四千万ぐらいですかね、それで高齢者の方が半分、四千万ぐらいになる、ざくっと言えばそのぐらいの数字になる。つまり、一人で一人を支えるような社会になったときに、なることがほぼほぼ確定している中で、今この現状を変えておかないと、将来世代、あるいはその子供の世代が立ち行かなくなるという非常に強い危機感を持っております。
それは今の政治家がどれほど強い危機意識を持つかどうか、そしてそれをどう政策に反映させていくのかというのが大切だろうというふうに思っております。その危機意識が今の政府には非常に弱いのではなかろうかというふうに思っているわけでございます。
大きくそういった観点から御質問していきたいとは思いますけれども、公務員人件費に関して言えば、国が約六兆円、地方が二十一兆円あります。すなわち、国と地方を合わせて二十七兆円ぐらいが毎年公務員の人件費というふうになっております。この地方分については、人事委員会で、それぞれ地方で決まるわけでございますけれども、その給与を決める仕組みというのは国に倣っているわけですね。人事院と人事委員会が共同の調査をして、そして同じラスパイ比較をやって、それで算出していく。すなわち、仕組みは一緒、大もとはやはり国だろうと私は思っております。
そういった、今の国の債務状況を踏まえて、それと将来世代のことも踏まえて、この公務員人件費のあり方、あるいは制度のあり方というのは、今の時点で変えるところは変えていかなければならない、正すところは正していかなければならないという強い危機意識を持っているわけでございますけれども、このあたりの大臣の大きなお考えをお伺いしたいと思います。
○有村国務大臣 吉村委員にお答えいたします。
財政に対する危機感を持ち、財政健全化を具現化していくというのは、極めて大事な価値だと思います。少子化で若年層が減り、また高齢層も、ふえてはいきますけれども、今後五十年ではその層も減っていくという中で、生産労働人口が最も減っていくという中で、持続可能な社会にしていく不断の努力をするということは心から共感をいたします。
国家公務員の総人件費については、現下の厳しい財政事情に鑑みて、その抑制を図るということに努めていかなければなりません。国家公務員の総人件費については、これまでも、簡素で効率的な行政組織や体制の確立に努め、また昨年夏の人事院勧告を踏まえ、地域間、世代間の給与配分を見直す給与制度の総合的な見直しを着実に進め実行することにより抑制を図ってきたところであり、今後もその抑制に努めたいと考えます。
○吉村委員 総論では恐らく変わることはない。つまり、危機意識をどれほど強く持っているかということだと思うんです。
先ほど、総人件費の改善を図っていきたいということでございましたけれども、今回の人事院勧告でもふえているわけなんですね。
具体的に、その方法論についてなんですけれども、我々維新の党の基本的な政治理念、政治思想として、将来的には、いずれこれは財政上、国民に負担を求める政治になってこざるを得ないと思っています。あれもこれもできる、そして事業をあれもこれもつくるという政治にはならないというふうに思っておりまして、いずれ国民に負担を求めなきゃいけない。ただ、その前にやはり順番というのがあるだろうというのが維新の党の考え方でございます。
まずは国会議員の身を切る改革、これを出させていただいております。衆議院の定数の三割の削減、それから歳費の三割カット、歳費の自主返納ができないということで、せめて我々だけでもやらせてくださいという自主返納を可能にする法案、あるいは文通費の公開だったり、そういったことを提案しているわけです。
これについては、どれほど財政効果があるかといえば、ほとんどないと思います、国家財政と比べていえば。ただ、まず国会議員がそこをしっかりやって、次に負担をお願いするのはやはり公務員、行政に負担をお願いする、そして最後が国民に負担をお願いする、この順番だろうというふうに思っております。
そういう意味で、将来世代にツケ回しをしない、そういった負担の順番として、国会議員、公務員、そして国民、これが大きな基本的な考え方であるべきだというふうに思っておりますけれども、この負担の順番、道のり、方法論について、大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○有村国務大臣 先ほど、方向性に関しては吉村委員と同じ方向を向いていると共有させていただきました。
国家公務員の総人件費については、現下の厳しい財政状況を鑑みて、その抑制を図るということは極めて大事な価値だと存じます。同時に、適切な行政サービスを国民に提供し、その体制を維持し続けるということ、限られた資源で行政機能や政策効果を最大限に発揮できるように、能力主義、実績主義に応じた処遇に留意して職員の貢献に適切に報いることも、これまた大事なことだと思います。その両方の価値を鑑みて、しっかりとした設計をして実施していくことが大事だと存じます。
順番に関しては、国会議員の身を切る改革とおっしゃっていただきましたが、これは議員のステータスにかかわることであり、立法府としての国会でさまざまな議論がなされ、方向性が出されるものだと理解をいたしております。
○吉村委員 このあたりの危機意識というか、危機感のレベルというのが随分差があるのかなというふうに思っております。
結局、今利益を受けている、今行政サービスを受けている、それを維持するということを常におっしゃるんですけれども、将来世代にわたって、先ほどの人口構造、今の国の債務状況を見ると、これは維持できないのは事実だと思うんです。これはもう国民にある程度ちゃんと明らかにして、今の財政状況だと今は維持できません、そういうことを言っていかなきゃいけないときに来ているんだと思います。特に、子供、孫の世代のことを考えると、やはり今の政府あるいは政治家が責任を持ってやらないと、本当に将来の世代にとって日本は不幸になるんじゃないのかなという危機意識を持っております。
具体的にどう政策に反映させるかが一番ポイントになってくると思うんですけれども、そういう意味では、私は、人事院勧告のラスパイ比較というのはもうやめるべきじゃないかという意見です。もちろんその比較方法がおかしいという理由ではなくて、今の日本の状況を考えたときに、この比較が果たして民間準拠として正しいのかどうか、そういった政治思想に基づきます。
そういう意味で、この危機的な意識の中で、ラスパイ比較がちょっとおかしいんじゃないのかということを質疑させていただきたいというふうに思っております。
まず、今回の勧告に出ていますけれども、人事院勧告の別紙第一の二ページ、ここに基本的なことが書かれております。
給与の考え方、これは当然、法律に基づいてやるということになりますので、その法律の範囲内でどこまで、法律を変えることも必要ですけれども、法律に基づいてどういうことがされて、そしてどういう改善ができるかということかと思うんです。
まず、国家公務員法二十八条ですね、国家公務員の給与については「国会により社会一般の情勢に適応するように随時変更することができる」。社会一般の情勢に適応するように随時変更するということでございます。
給与勧告においては、「国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること(民間準拠)を基本としている。」ということ、つまり、民間と比較して民間に依拠する、そういうことを基本としているわけでございます。それを根拠にラスパイ比較をしているということです。
まず、結論の金額の部分から、ちょっと大臣のお考えをお伺いしたいと思うんです。
今回、ラスパイ比較で出た民間の給与というのは月額で四十一万四百六十五円、これはボーナスとか退職金とかそういうものを抜きにして月額給与で四十一万四百六十五円、これが国家公務員に相当する民間の給与水準だということです。これはずっと今まで脈々とやられてきた比較なんですけれども。現在の公務員給与は四十万八千九百九十六円で、差額千四百六十九円、これが足りないからアップしようということでございます。
ボーナスとか退職金は確実に支給される公務員の就労体制、そして倒産リスクが何よりないという中で、民間給与がさらに月額四十一万円。これは民間人の普通の感覚として、民間に依拠している金額とは思えない、私は思えないんですけれども、そのあたり、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○有村国務大臣 国家公務員給与については、人事院において民間企業の給与を精緻に調査し官民比較を行った上で勧告が行われております。この官民給与比較においては、官民の給与の単純に平均をしたものを比較するのではなくて、民間企業において、公務と類似した職種について、主な給与決定要素とされている役職の段階、それから、どこで勤めるか、勤務地域、年齢、学歴を同じくする者同士の給与を比較してどうかということの考察がなされていると理解をいたしております。
人事院勧告で示された民間給与の平均額というのは、第三者機関としての人事院が判断した調査、比較方法に基づいて適切に算出されたものであり、大臣としては妥当な方法だと認識をしております。
○吉村委員 当然、人事院が第三者機関であるというのは私も承知しておりますし、労働基本権の代替機能を持つということも認識しておりますし、なぜ第三者機関かという趣旨も存じ上げております。ただ一方で、よくある、第三者機関に委ねればそれでいいというのは私は政治の放棄だというふうに思っておりまして、先ほどの国家の将来のあり方、今の財政などなどを見たときに、大きな方向性の転換ができるのはやはり私は政治家だろうというふうに思っております。
そういう意味で、第三者機関である人事院が専門的にやっているからいいんだというのは、私は、今、それにくみする時代ではない、国の状況ではないというふうに認識しております。
では、具体的に、専門機関がやっている人事院の比較のやり方が正しいのかという中身についてお伺いしたいんですけれども、まず、人事院勧告の比較対象、民間と比較してこの四十一万円というのが出てきているわけですけれども、では、その比較対象の企業はどういうところを引っ張ってきているんだというところなんです。
その企業の規模あるいは数についてなんですが、これは数字なので私の方からちょっと御説明させていただきますけれども、人事院の勧告の別紙第一の六ページに出ておりまして、結局どこと比較しているのか、どのぐらいの数の企業と比較しているのかというと、企業規模が五十人以上かつ事業所規模が五十人以上の事業所ということです。
後で議論させていただきますけれども、私はこの「かつ」というのが大変問題だというふうに思っておりますが、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の全国の民間事業所、これが約五万四千あるわけですね。これが母集団企業。そして、そこから無作為に抽出して現実に比較対象にしている企業、事業所は一万二千三百。つまり、一万二千三百の事業所を比較の対象とし、この四十一万円という金額を出しているわけです。
では、この一万二千三百という数字、これが果たして一番最初に申し上げた民間準拠ということ、適切に反映しているのかどうかというところに疑問がありまして、極めて大きな、普通ではないような超大企業だけを取り上げているというふうに思っております。つまり、比較の母集団が少な過ぎるというふうに思っているんですね。
日本全体の企業数と事業所規模、これは総務省と経産省が出しております経済センサスに出ております。平成二十四年の経済センサスによれば、我が国の全ての企業数は四百十二万八千二百十五企業ある。そして、事業所数は五百七十六万八千四百八十九事業所ある。
つまり、全国に五百七十六万事業所がある中で、公務員が民間比較だと言っている対象は一万二千三百しかその中から抽出していない。対象においても五万四千しかないということなんです。割合でいえば、事業所が五百七十六万あって、その母集団の対象となる事業所が人事院の基準でいけば五万になるということは、五百七十六分の五、約でいうと〇・八%ぐらい、一%にも満たないわけですね。実際は、さらに、調査の対象にしているのは一万二千の事業所ですから、五百七十六万事業所をベースにして考えると〇・一%。日本にあまたある民間企業の中からわずか〇・一%の大企業だけを抽出して、それを民間比較だと言っている。これがまず、ラスパイの母集団の問題だというふうに思っております。
比較母集団が非常に少ない、適切な比較になっていないんじゃないのかというふうに思うんですけれども、これについて大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○有村国務大臣 吉村委員からは、人事院による官民給与比較におけるサンプルの規模の割合、またサンプルの標準とするその質がいかにということの御質疑をいただきました。
この官民の比較においては、公務員の組織構成ということを考えていかなければなりません。公務員の組織構成に似たような職種、また似たような役職段階、それぞれの従業員に照らし合わせて、一定数の部下を持つ者を調査する必要があります。ということで、一人の事業ということと比較するというのはフェアではないと考えます。その意味での一定の数ということを、五十人という数を持っています。企業規模五十人以上の民間企業を調査すれば、従業員の給与を、世代、いろいろ幅広く把握できることから、企業規模五十人以上、事業所規模五十人以上の事業所を調査対象としていると思います。
その数ということでございますが、やはり人事院において緻密に調査をしていただいて、当然、調査のための行政コストもかかりますので、現在の人事院において適切にその設計また実施が図られているものというふうに認識をいたしております。
○吉村委員 調査のコストということなんですけれども、全国でどのぐらいの賃金水準があるのかということについては、もう厚労省が賃金センサスでも出しているわけなんです。ほかにもいろいろ指標はある中で、そこのコストというのは私は理由にならないだろうというふうに思っております。
それから、よく理由にされるのが、公務員の職と相当するようなということが出てくるんですけれども、果たしてそれも、では、どういったものが相当するのかということは非常に不明瞭だと思います。
そして、何より、全国あまたある企業の中で〇・一%しか対象にならないような、母集団でいえば〇・八%しか対象にならないようなそんな調査で、果たして、民間と一緒、そして四十一万円というのを出して、それが公務員給与に相当するというのは、私は本当に違うんじゃないのかなというふうに思っております。
何度も申し上げますけれども、ラスパイ比較という比較の方法があることは存じ上げておりますし、そこの方法、手段が間違えているとか、そういう議論じゃなくて、今のこの国の状況を見て、そして将来の子供とか孫たちの、今のこの状況を考えたときに、そういったやり方を採用するのは果たして適切なのかという、そこの政治家としてのあるべき論、それを大臣からお伺いしたいというふうに思って今回は質疑させていただいているわけでございます。
そういう意味で、比較母集団が少なくないというのは、明らかに、最初に申し上げた危機意識が我々と今の政府と決定的に違うのかなというふうに思っております。
では、この基準というのが、過去、ずっと人事院ではラスパイを使ってきたわけですけれども、変わったことがあるのかという、過去の実績なんですけれども、昭和三十年代に企業規模が百人以上でかつ事業所規模五十人以上の基準があって、そこから、三十年代からずっと、たしか変わってこなかったというふうに認識しております。違っていれば、言っていただいてもいいんですけれども。
つまり、昭和三十年代からずっと基準は変わってこなかった。そして、一回だけ、平成十八年に、企業規模百人というのはちょっと多過ぎるでしょうということで、企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の基準に改められたというふうに認識しておりますけれども、平成十八年に基準を変更した経緯についてお伺いしたいというふうに思います。
○古屋政府参考人 今お話ありましたとおり、昭和三十九年から企業規模百人以上という調査対象企業規模で進めてまいったわけですが、平成十七年当時、比較の方法について、規模だけではなく、いろいろな形での議論が行われていたということで、人事院といたしましても、十七年八月の給与勧告時の報告におきまして、官民給与の比較方法の見直しについて、学識経験者の研究会を設けて検討を行うということを表明したところでございます。
その後、人事院におきまして、研究会それから給与懇話会といったものを設置するなどにより慎重に検討を行った上で、平成十八年の勧告の際の官民比較における比較対象企業規模を、従来の百人以上から五十人以上に見直したところでございます。
なお、平成十八年七月の閣議決定等におきまして、比較対象企業規模の見直しの人事院に対する検討要請等が行われているところでございます。
○吉村委員 最後にちょっとおっしゃいましたけれども、閣議決定もあって、そういった公務員改革としてすべきじゃないかという、そこには、やはり政治決定、政治の思いというのもあったというのは事実だと思います。
我々は少数野党でございますので、問題点をどんどん指摘させていただきますけれども、やはり、政府がしっかりと政治的な意思を示すということも必要なんだろうというふうに思っております。危機意識をもっと強く持つべきじゃないのかなと。今がよければ、僕も今で別にいいんですけれども、将来のことを考えると、それは今変えるべき時期に来ているんじゃないのかなというふうに思います。
そういうふうに基準がいろいろな要素があって変わったわけでございますけれども、実は、ここはいろいろ効果というか、実際の面においては不十分であっただろう。変わったことは本当に大きく評価するんですけれども、不十分であっただろうというふうに私は思います。それは、やはり事業所規模五十人以上というのが変わらなかったということなんですね。
先ほどの基準で、企業規模百人以上かつ事業所規模五十人以上から、企業規模が五十人以上に変わったわけでございますけれども、普通に考えると、比較対象の企業が広がるわけだから、超大企業を比較しているという基準も少し緩む、それによって、比較すべき民間給与の水準も下がって、勧告も引き下げになるのかなというふうに思うんですけれども、実際、平成十八年の新基準のもとでの比較として、その水準改定の勧告があったのかなかったのかについてお伺いしたいと思います。
○古屋政府参考人 平成十八年四月における官民較差ということでは、公務員給与が民間給与を十八円下回っていたということでございます。この官民の給与較差は、俸給表で定める俸給月額の最低単位である百円と比べても小さいということで、適切な改定を行うことは困難であるということで、月例給の改定を見送ったというところでございます。
それから、平成十八年の比較対象企業規模の見直しによる較差への影響ということ、これについては不明ということでございます。
○吉村委員 結局、事業所規模五十人以上というのは企業規模ではないわけですね。つまり、企業が、例えば十人、十人、十人、十人足して、それぞれの事業所で例えば十人おっても、それでは対象にならない。つまり、そこの事業所単位で見たときに五十人以上いるかどうかということになる。事業所で五十人以上いるというのは本当に我々の感覚からすると超大企業だというふうに思っております。そこの基準を変えていかないと適切な民間比較にはならないというふうに思っております。
特に地方に目を向けたときに、事業所規模五十人以上というとどれだけあるのかなということなんですけれども、これも都道府県別の一覧表がございます。これを見ると、大体百ぐらい、百台が非常に多い。調査事業所が百ぐらいですね。政令市になると三百、四百ぐらいになってきます。私は大阪出身でございますけれども、大阪府で六百二十が対象事業所。日本で二番の都市と言われているところが六百二十の対象。ほかの都道府県、例えば九州なんかを見ると、福岡を除けば全部、百四十とか百三十とかそういったのが調査事業所。これをもって民間比較になっているということなんですね。
では、実際、都道府県別にどれほど総事業所数があるのかなと見ますと、これも先ほどの経産省と総務省が出している事業所の分でいうと、大体何十万単位というところがあるわけですね。例えば九州であれば、福岡が二十二万、それを除けば大体七万とか六万とかがあるわけです。大阪を見れば、四十四万ですね。先ほど、例えば大阪でいうと六百二十の事業所しか比較していない。でも、では大阪にどれだけあるんですかというと、四十四万の事業所がある。その中でわずか六百二十を対象にしているということですね。
都道府県単位でなぜここを御指摘させていただくかというと、実は、地方公務員、内閣の担当じゃないので地方公務員についてはお伺いしませんけれども、基本的な給与決定の仕組みは、ラスパイ比較を使って人事院と人事委員会が一緒にやっている調査で出していっているわけです。都道府県別の地方公務員については、それぞれの、その県の中の対象事業所から算出している。それで地方公務員の給与の額を決定していく。つまり、何万、何十万とある都道府県の中の百とか二百とか、そういった本当に超々優良大企業、大事業所だけを比較してそこの地方公務員の金額を算出している、これがラスパイ比較の実態なんですね。
そういう意味で、人事院がやっているラスパイ比較というのは本当におかしいというふうに思いますし、仮にラスパイ比較をやるというのであれば、やはり私は、事業所規模五十人以上、これが適切な民間比較ができていない根拠になっているんだろうというふうに思います。
そういう意味で、事業所規模五十人以上という超大企業基準をもうなくして、企業規模五十人以上を民間比較の対象とすべきでないのか、そうすべきであると私は思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○有村国務大臣 御意見、心して伺いました。
同時に、繰り返しになりますが、やはり第三者機関としての人事院ということを尊重すべき立場にございます。
御指摘のように、かつてその比較方法について変更がなされたというのは、それ自体が実績でございますし、歴代の内閣は、やはりどのような状況においても人事院勧告を尊重するということ、そしてそれが満額かなわなかった時代も尊重し続けるということで、労働基本権の制約ということで、いろいろな立場の方々の信用の上に成り立っている人事制度でございます。そういう意味では、大臣としてとやかく言えるところではない。
ただ、その制度に関しては、総裁もいらっしゃいますし、緻密な比較というのが人事院の責任のもとでなされていく、そしてそれを信じてしっかりと国家公務員制度を整えていくというのが私の職責であろうかと考えます。
○吉村委員 第三者機関として、専門家として、そしてそれを決定していくというのは人事院、それはもう間違いないし、教育委員会と同じようなことだと思うんです。だけれども、そこをまるっぽ信用して、その制度を専門家ということでうのみにしていくというのは私は本当に、国が右肩上がりであればまだしも、こういった右肩下がりのときにするべきではないと思っています。
では、誰が人事院、あるいはそういったところに意見を持ち、そして影響力を持って、大きな国の方向性を示せるのかというのはどこにあるのかということをぜひとも大臣にお考えいただきたいというふうに思いますし、そのあるべき姿に向けて、今の仕組みの中でも、しっかりと政治的な意思があれば、前に基準が変わったことがあるように、変えることができるわけですから、今は発言できないような子供、孫の世代のことも考えて、今の人件費のあり方でいいのかどうかというのは真摯に考えていただきたいというふうに思っております。
ラスパイ比較について、職務給、今度は民間との対応の問題なんですけれども、民間に対応する職種等で比較の金額を出していっているということなんですけれども、職務給とそれに対する民間対象企業の職種の比較対照が果たして適正になされているのかどうかということの問題があるかと思います。対応関係がきちんとなっているのかどうか。
これは、公務員の職務の級がきちんと詳細設計されているのかどうかということなんですが、この点、見ていくと、職務の級の基準というのが非常に曖昧だというふうに私は思っております。この職務の級というのは、標準職務表をもとに決められるわけでございます。
その標準職務表なんですけれども、一級から十級までありまして、どういうふうに分類されているかというと、例えば二級でいけば「主任の職務」。では、三級、「困難な業務を処理する主任の職務」、これは「困難な業務を処理する」というところが入っただけなんですよね。五級、「本省の課長補佐の職務」。四つぐらい、いろいろあるんですけれども、例示で一つ挙げると、「本省の課長補佐の職務」。六級はどう書いているかというと、「本省の困難な業務を処理する課長補佐の職務」。ここも「困難な業務を処理する」というのが加わっただけで、この標準職務表自体が非常に曖昧で、もっと詳細設計しないと適切な官民比較、ラスパイ比較、いうところの官民比較ができないんじゃないのかと思うんですが、そのあたりについて御所見をお伺いしたいと思います。
○古屋政府参考人 給与法におきましては、その職務の級というのは職員の職務の複雑、困難及び責任の度を示す段階ということになっておりまして、ただいま御指摘の標準職務表というのはこの各職員の職務の級を決定する場合の基準となるべきものということでありますが、これは全ての職務の内容をここで定めているというものではなく、いわば職務の級の標準的な尺度としての職務内容を定めているということで、別途、級ごとの数ということでの級別定数で数を定めているということになっております。
一方、官民の給与比較におきましては、同種同等の者同士を比較するということで、公務の方には、今申し上げたとおり、組織・定員等の関係法令に基づいて定められている課等の行政組織を前提として定めているという職務の級を指標とするという一方、民間におきましては、形式的には同一の職名であっても、企業によって職務、職責はさまざまであるということから、こちらの方はより詳しく、ライン職について課、係等の組織階層とそれぞれの階層の構成員数等の定義を設けるということで詳しく設定させていただいているということで、さらに、職能資格等から見てその職責が当該ライン職と同等と認められるスタッフ職等についても比較対象としているということでございます。
○吉村委員 対応が適切になされているのかということを見ますと、参考資料の平成二十七年八月の人事院、今回出された分と同じですけれども、そういったところを見ると、やはり標準職務表をかなり、もうちょっと詳細に設計しないとなかなか適切な比較にはならないのじゃないのかなというふうに思います。
そういう意味で、ラスパイ比較をやるのであれば、やはり事業所規模五十人以上ということを撤廃すべきだと思いますし、実際、では民間の賃金はどのぐらいなんですかというふうな賃金センサスというのがあるわけですね。これによると、平成二十六年の調査の概要でいけば二十九万九千六百円、これが平均賃金だというふうに出ている。
ここは思想になりますけれども、国家財政を考えても、ラスパイ比較というのはやめて、賃金センサスをベースにして特殊事情を加えるとか、何か違ったやり方で考えていかないと、今の日本の危機的な状況に対する、総論では言われますけれども、政策の反映にはならないんじゃないのかなというふうに御指摘させていただきます。
この点に関して言えば、賃金センサスを比較するのはまだ尚早だという御意見だというふうに思いますので、大臣の御意見はお伺いしませんですけれども、そこは意見としてお願いしたいというふうに思います。
次に、給与表の重なりの部分についてお伺いしたいと思います。
お金がじゃぶじゃぶあれば、それは私もこんなシビアなことというか、本当は言いたくないんですよ、こんなことは。だけれども、お金が本当にないような状況で、かつ公務員の皆さんの士気を何とか保つ方法というのを知恵を出して考えていかないといけないというふうに思っております。
その中で、給与表、これが非常に問題だというふうに思っておりまして、この評価ですね、それぞれ今、公務員の評価というのは五段階評価になっているわけです。しかしながら、その公務員の評価の五段階評価、S、A、B、C、Dとあるわけですけれども、実質は真ん中のA、Bで九〇%以上が評価されて、事実上の二段階評価になっている、そういったなれ合い評価、そしてそれに基づく昇給がされているわけでございます。
この分布、これに対して、おかしいと私は思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
○有村国務大臣 吉村委員の今の世代の責任という意味からの真摯な表明は心して拝聴いたします。
国家公務員の人事評価は、任用、給与、人材育成などさまざまな側面において人事管理を行う基礎になっています。すなわち、評価がそのまま処遇だけにつながるわけではないということを明確に申し上げます。
職員一人一人の能力や実績をできる限り客観的に把握して適切に評価する仕組みにする必要があります。これを絶対評価により行うということでございまして、あらかじめ評語分布の割合が決まっているわけではありません。それゆえに、適切に人事評価がなされた結果として、委員が表明されたような現状になっているというふうに認識をしています。
さはさりながら、やはり評価者訓練の充実などをして、努力を惜しまずに人事評価の公平性、透明性を図っていくということは当然のことだと認識をしております。
○吉村委員 数字で申し上げますと、そういったうちに入っている評価、二つの評価は九〇%以上になっている。では、毎年給与が上がっているのはどのぐらいの割合かというのを見ますと、四号以上上がっているというのが、これも結局九七%。毎年九七%以上の公務員が確実に四号俸以上上がっているという仕組みなわけでございます。
果たしてそれが今のこの何度も申し上げます状況の中で適切なのかということなんです。年功序列システム、そういったものは変えていかないといけないというふうに思っていますし、頑張っている公務員が適切に評価される仕組みにしないと、そうじゃない公務員が確実に評価されて総人件費が膨らむというのが実は今の実態だと思っていまして、それを変えていかないといけない時期に来ているというふうに思います。
そして、重なりの点の根源は、やはり俸給表が重なり合っている点がすごく多いということなんですね。つまり、責任、役割の重たい級の方が、責任、役割の軽い級よりも給与が少ないという逆転現象が起きているというのが今の実態、その程度が余りにもひどいということなんですね。
人事院勧告の資料の別紙第二、職員の給与改定に関する勧告の二十四ページを見ても、例えば、三級の一号俸は二十二万六千四百円、二級の二十三号俸、ここに来ると二十二万七千八百円で、二級の二十三号俸以上、それから、号俸がすごくあるんですけれども、百二十五号俸までは三級よりも給料が高いという現状、こういった状況では本当に、今の日本の財政状況を考えたときに、もたないというふうに思います。
最後に、この点について大臣の御意見を求めて、私の質疑は終わりにしたいと思います。
○有村国務大臣 時間の制約があるので短くいたしたいと思います。
やはり、頑張っている人に報いていく、また、組織の仕組みにぶら下がっている人を少なくしていくというのは共感をいたします。それゆえに、従来からの年功的な給与水準の上昇を国家公務員の給与についても抑制してきています。実際に、実績としては、昨年の給与法改正においても、二十歳代の若年層の給与を引き上げる一方で、五十代後半にありました、その給与を平均よりも大きく引き下げるなどの見直しを行っております。
そういう意味では、セニョリティーということをしっかりと、そのウエートを少なくしていくということはこれからも努力をしていきたいと思います。
ただ、人事院の調査によれば、民間企業においても、定期昇給制度のある企業は約八割という現状がございますので、役職が上がる場合に限らずに、経験や能力の向上を反映して給与額が上がる仕組みというものは、私はこれは大事な価値ではないかと考えております。
○吉村委員 将来世代のための強い危機意識、これをよろしくお願い申し上げて、質疑を終了したいと思います。
○井上委員長 次に、池内さおり君。
○池内委員 日本共産党の池内さおりです。
人事院勧告の報告の中身について質問をします。
通告していた順番を入れかえて、まず、フレックスタイム制の問題から質問したいと思います。
今回の職員の勤務時間に関する報告において、フレックスタイム制の拡充というのが提起をされていますが、フレックスタイム制の拡充とは、新たにどのような仕組みを導入するものなのか、最初にその概要について確認します。
○江畑政府参考人 今回拡充するフレックスタイム制は、適切な公務運営の確保に配慮しつつ、原則として全ての職員を対象とし、適用を希望する職員から申告が行われた場合、各省各庁の長が、公務の運営に支障がない範囲内において、始業及び終業の時刻について職員の申告を考慮して、勤務時間を割り振る仕組みとしたいと考えております。
また、育児または介護を行う職員については、当該職員が育児や介護の時間を適切に確保できるようにすることを支援するため、より柔軟な勤務形態となる仕組みとすることとしております。
○池内委員 職員の勤務時間に関する報告では、今回のフレックスタイム制について、適用を希望する職員から申告が行われた場合、各省庁の長が、公務の運営に支障がない範囲内において、始業及び終業の時期について職員の申告を考慮して、勤務時間を割り振る仕組みとするとあります。
今回の制度は、その実施において、適用を希望する職員から申告が行われることが最初の条件であって、職員の申告がない限り、職員にその仕組みは適用されないという理解でいいでしょうか。
○江畑政府参考人 御質問のとおり、あくまで本人の申告によるものでございます。
○池内委員 次に確認したいんですけれども、適用を希望する職員から申告が行われた場合において、始業及び終業の時期については、今度は職員の申告そのものでなく、職員の申告を考慮して、勤務時間を各省庁の長が割り振る仕組みというふうになっていると思うんです。実際の勤務時間の割り振りにおいては、職員の申告どおりでなくて、あくまで申告を考慮して実際に割り振りを決定するのは長ということになっていると思います。
これは、実際の割り振りは職員の希望どおりにはならないよということだと思うんですが、その場合、その割り振りが希望どおりでないとき、申告そのものを取り下げてその割り振りを拒否するということはできるのか、それとも、一旦申告したら希望どおりでなくても長の割り振りに従わなければならないのか、どちらですか。
○江畑政府参考人 本人の申告による始業、終業の時間について、公務の運営に支障があるという場合においては、本人の申告とは異なる勤務時間を割り振るということがあり得るわけでございます。その割り振った勤務時間について、本人がその勤務時間の割り振りを受け入れられないということがあるとすれば、本来の、フレックスタイム制を適用されない形での勤務時間の割り振りがなされるということになるというふうに思っております。
○池内委員 割り振りは本人が拒否することができるということだったと思います。
人事院総裁に質問します。
今回のフレックスタイム制については、各省庁の長は公務の運営に支障がない範囲内において時間の割り振りを行うであるとか、組織的な対応を行うために全員が勤務しなければならない時間帯、コアタイムを長く設定して各省庁の長が必要な執務体制を確保できるようにする、こういったフレックスタイム制のマイナス要因への言及がなされていると思います。
とりわけ全員が勤務しなければならないコアタイム設定については、それが組織的な対応を行うために不可欠であって、必要な執務体制を確保できるようにするために長く設定するというふうにあります。言いかえれば、フレックスタイム制を導入して全員勤務する時間帯が少なくなれば求められる組織的対応が困難ともなり、また、必要な執務体制が確保できなくなるということになると思います。
フレックスタイム制を導入して、かえって仕事の効率が悪くなるということも起こり得るのではないか、その場合は、超過勤務の縮減どころか、増加を招くことにすらなるのではないか。総裁の認識をお伺いします。
○一宮政府特別補佐人 フレックスタイム制は、始業及び終業の時刻について職員の申告を考慮して勤務時間を割り振る制度でありまして、超過勤務によって当該時刻どおりの勤務ができなければ職員にとってフレックスタイム制を利用する実益が低いため、この枠組みを生かすためには、フレックスタイム制の実施に伴い超過勤務が増加しないようにする必要があるのみでなく、超過勤務を縮減する方向での働き方を推進していくということが重要となると考えております。
このために、各省各庁の長は、勤務時間管理の徹底や管理職員の意識改革を含めた業務の合理化、効率化等の取り組みを進めるほか、フレックスタイム制がワーク・ライフ・バランスの推進にも資するものであるということに留意して、フレックスタイム制の拡充を契機として、全ての職員について働き方の見直しを行い、超過勤務の縮減に向けて一層積極的に取り組んでいく必要があるということを考えております。
○池内委員 有村大臣にも質問いたします。
今回のフレックスタイム制拡充については、そもそも昨年十月に女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会において、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針が決定されました。この中で、フレックスタイム制の導入について、その検討を人事院に要請したことを端緒としていると思います。
人事院はこの要請に対して政府に追随する報告、勧告を行いましたが、その中身というのは、私は手放しではないと思います。それは言いかえれば、全員勤務する時間帯が短縮していけば求められる組織的対応が困難となり、必要な執務体制が確保できなくなるという言及です。
現場の声を聞くと、長時間過密労働に超過勤務、果てはサービス残業も存在をして、既に現在、今でさえぎりぎりの体制で回っているのではないかというふうに私には思えます。いわば全員の協力で何とか回っているところで、フレックスタイム制の導入、その全員の協力が困難な時間をふやせば、かえって回らなくなってしまうのではないか、超過勤務の縮減どころか、かえって増大させる危険性があるのではないか。
この点について有村大臣の認識を伺います。
○有村国務大臣 池内委員にお答えいたします。
フレックスタイム制はその名のとおり、フレキシブルかどうか、柔軟性というところに特徴があると思います。柔軟で多様な選択肢を用意して、職員がその能力を十分に発揮することで公務の能率の一層の向上に資する制度であると考えます。
同時に、委員が御指摘のように、フレックスタイム制が適切に運用されることに関してはさまざまな配慮が必要かと思います。
長時間労働の是正というのは、先ほど御紹介いただきました、女性活躍やワーク・ライフ・バランスの推進の観点、また少子化対策の観点からも進むべき重要な課題だと認識をしています。
高度経済成長時代に、本当に猛烈に、昼夜を問わず、土日を問わず、家族を顧みずやってきた長時間労働の成果が高度経済成長につながったかと、そのときの功績あるいは利益ということを認めますけれども、果たして長時間労働であり続けるのが本当にこれから持続可能かどうかということをいま一度立ち返って、新しい働き方、すなわち、時間の長さだけではなくて、限られた時間で成果を出して、そしてその時間を切り上げて帰れる、帰りやすい風土をつくっていくということを同時に進めてこそ、フレックスタイムの効用が生きてくるものだというふうに思っております。
現在、公務員では、朝型の勤務を進める、そして退庁時間を促すゆう活に取り組んでいますが、さまざまな取り組みを通じて一層、超過勤務の縮減とともに、フレックスタイムというものの適切な運用に何ができるかということを考えていかなければならないと考えております。
○池内委員 フレックスタイム制については、現場の働く皆さんからはこのような声が寄せられています。現場で増員が図られる見込みがない以上、官庁執務時間や窓口取扱時間などの関係で、特定の時間帯での体制が脆弱となって、労働強化を招き、さらに公務、公共サービスの質が低下することが強く懸念をされる、こういう声が寄せられているということを私は紹介しておきたいと思います。
現場がいかに余裕なく回っているか、それを示す一つの指標は、男性の育児休暇の取得率だと思います。
人事院に伺いますが、二〇一三年に子供が生まれた男性職員のうち、配偶者出産休暇を使用した男性職員の割合、また育児参加のための休暇を使用した男性職員の割合というのはどのようになっているか、あわせて、それぞれの休暇の中身といいますか、どういう休暇であるか、位置づけを答えてください。
○江畑政府参考人 二十五年度の人事院の調査によりますと、男性職員に対し、妻の出産に伴う入退院の付き添い等を行うために二日の範囲内で与えられる配偶者出産休暇の取得率は六七・八%となっており、妻の産前産後期間中に、その出産に係る子または小学校就学の始期に達するまでの子を養育するために五日の範囲内で与えられる育児参加のための休暇の取得率は四一・四%となっております。
○池内委員 配偶者出産休暇というのが六七・八%、育児の参加のための休暇四一・四%。これはどちらも有給休暇でありながら、一〇〇%の男性職員がとることができていません。
二〇一三年の育児休業の取得率は、男女それぞれどうなっていますか。
○江畑政府参考人 一般職国家公務員におきまして、男性の育児休業の取得率は四・六%となっております。(池内委員「女性もお願いします」と呼ぶ)女性の取得率は九八・一%となっております。
○池内委員 育児休業の取得率、女性はほぼ一〇〇%、これに対して男性は五%に満たない。
問題は、さらに、その育児休業の取得期間の長さだと思います。育児休業期間の状況というのは、男性と女性でそれぞれどうなっていますか。
○江畑政府参考人 お答え申し上げます。
男性職員につきましては、一カ月以下が五七・九%と最も多く、次いで、一カ月超三月以下が一九・二%、三月超六月以下が七・九%などとなっております。
女性につきましては、十二月超二十四月以下が一番多く三六・五%、九月超十二月以下が三五・四%、二十四月超が一三・二%となっております。
○池内委員 育児休業期間の状況は、女性は九カ月以上とっているという方が八五%、長期間の取得が当たり前のこの状況に対して、男性は一月未満が六割となっているんですけれども、この一月未満が実際のところ何日なのか。一日とか二日とか、この実態はどうですか。
○江畑政府参考人 実態といたしましては、一日単位では調査しておりません。
○池内委員 有村大臣にお尋ねしますが、男性職員の育児休業の取得率がわずか五%で、その六割が一月未満、もしかしたら一日という人もいるかもしれないという状況です。
これは、男性職員が子育てに積極的でないから取得率が低いのか、それとも、本当であればかかわりたいけれども職場の環境がないのか。育児休業の取得率、なぜこうなっているのか、大臣の認識をお伺いします。
○有村国務大臣 恐らく、委員のおっしゃった選択肢の中では、後半の方だと思います。
男性の育児休業の取得促進などは、男性の育児へのかかわりを進めると同時に、夫婦のきずなや信頼関係を深めて、男性自身や子供のためにもプラスであると同時に、女性の活躍推進の観点からも非常に重要だと私も考えております。
去年十月に各府省の事務次官の会議で決定した、国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針に基づいて、今具体的な取り組みを進めているところでございます。
また、この六月、国家公務員に限らず、日本社会全体として、男性の配偶者、奥さんの出産直後の休暇を取得する取り組みとして「さんきゅうパパプロジェクト」ということを立ち上げました。これは、パパ、サンキューということで、パパ、父親が産休をとるということ、そして産んでくれた妻と子供にありがとうと、サンキューを言うというのをかけているんですけれども、その育児、出産休暇と休業ということを高めていけるように、どちらも、一三%そして八〇%、そこには、半日でもいいから休暇をとってほしい、半日でもとった人は八割に数えようということで、地道な努力をしたいと思います。
ちなみに、八割にしたいと思っているその半日でもいい休暇というのは、今まで数値さえとっていなかったという状況でございますから、現状は極めてお寒い。その中から、休暇をとるのが、生まれてきたときに父親がそこにいるのは当たり前という新しい文化をつくりたいと思っております。
○池内委員 答弁いただきました。
半日でもというのはやはりお寒いと私も思いますので、ぜひとも実態がわかる統計のとり方なども工夫をしていただきたいと思います。私も、この問題については取り上げていきたいと思います。
次に、非常勤職員の労働条件の改善について質問します。
民間でも公務職場でも、今やもう非常勤の皆さんのいない現場というのは考えられません。非常勤職員の正規職員への転換、また労働条件の改善が強く求められていると思うんです。
今回の勧告は、月例給について引き上げの勧告を行っていますけれども、この勧告の範囲に非常勤は入っていないと思います。ことしは、昨年に続いて、二年連続の引き上げ勧告ということですけれども、こうした賃金の引き上げ、非常勤の給与にも同じように適用されるべきだと私は思うんですが、これはどのようにやっていく仕組みになっていますか。
○古屋政府参考人 非常勤の給与につきましては、給与法二十二条の規定によりまして、「各庁の長は、常勤の職員の給与との権衡を考慮し、予算の範囲内で、給与を支給する。」というふうになっているところでございます。
これを受けまして、人事院は、非常勤の給与につきまして、まず、基本となる給与については、類似する職務に従事する常勤職員の俸給月額を基礎として決定すること、通勤手当に相当する給与を支給すること、また、相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与を、勤務期間等を考慮の上支給するように努めることといった内容の指針を、平成二十年八月に各府省に対して発出しているというところでございます。
○池内委員 そういう指針があるというのは私も知っているんですけれども、ほかにも、通勤手当に相当する給与を支給するとか、いろいろ定めがあると思うんです。この指針を諸省庁は守っているのか。昨年も賃上げ勧告でしたけれども、この指針に沿って賃上げを非常勤職員の給与に反映させたのかどうか、人事院の評価を伺います。
○古屋政府参考人 指針に対する対応ということで、本年三月に、事務補助を行う期間業務職員の給与の実態についての調査を行ったところでございます。その結果は、おおむね指針の内容に沿った運用が確保されていることが確認できたところでございます。
ただ、今御指摘のあった、例えば通勤手当に相当する給与といった部分につきましては、必ずしも、上限額が違うといった部分もございますので、必要に応じて指導等を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○池内委員 有村大臣に質問します。
有村大臣は、八月七日の給与関係閣僚会議で、今回の給与勧告は、民間の賃金の上昇を反映し、月例給、ボーナスともに昨年に引き続き、引き上げ勧告になりました、政府としては、労働基本権制約の代償機関の根幹をなす人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢に立って、国政全般の観点から給与関係閣僚会議において誠意を持って検討を進め、早急に結論を出す必要があると考えます、このように発言をされています。
非常勤労働者の給与については、勧告の中にないんですけれども、人事院の指針において、当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の職の級の初号俸の俸給月額を基礎というふうに今答弁があったと思うんですけれども、今回の勧告における初号俸の改定額を基礎として非常勤職員の給与の引き上げが行われることが求められていると思うんです。そして、勧告は、その初号俸の改定を四月にさかのぼって実施することを勧告している。
今回の勧告の賃上げ、非常勤職員への対応も同様に四月にさかのぼって実施すべきだと思うんですけれども、大臣の認識を伺います。
○有村国務大臣 本年度の人事院勧告において、常勤職員の給与について俸給表の引き上げが勧告されました。そして、それに対する私の認識は、今ほど池内委員から御紹介いただいた関係閣僚会議での発言と同じスタンスでございます。
その上で、お尋ねをいただきました非常勤職員の毎月の基本となる給与については、人事院の通知において、常勤職員の俸給月額を踏まえて、職務経験等を考慮して決定、支給することとされております。人事院勧告どおり俸給月額の改定が行われた場合には、各府省において、この通知を踏まえ、適切に対応していくことになると考えております。
○池内委員 初めにも述べたんですけれども、やはり民間でも公務の職場でも、非常勤の方々の労働によって成り立っているということはもう明らかだと思います。今回の勧告でも正規職員の賃上げ勧告がされておりますし、同じ賃上げが非常勤職員にもちゃんと適用されるように私は強く求めますし、また政府の対応を注視していきたいと思います。
次に、給与の引き上げ勧告について質問します。
民間では、ことしの春季賃金改定でベースアップを実施した民間企業の事業所の割合というのが増加をしたと。四月分の月例給において民間給与が国家公務員給与を平均千四百六十九円上回るということです。人事院はこの結果に基づいて月例給の引き上げの勧告を行ったわけですが、どのようにそれをやっていくのか確認します。
○古屋政府参考人 月例給につきましては、今御指摘のように、本年四月時点での官民の比較という結果、額にして千四百六十九円、率にして〇・三六%公務の方が下回っているということから、月例給の引き上げ改定を行うこととしたわけでございます。
本年は、民間給与との較差が〇・三六%であったということを踏まえまして、まず基本的な給与である俸給につきまして、この較差に相当する平均で〇・四%分の俸給表の引き上げ改定を行うこととしたところでございます。
ただ、しかしながら、本年におきましては、大半の職員が、この四月に実施されました給与制度の総合的見直しにおける俸給表水準の引き下げに伴う経過措置額を受けているということから、この較差に相当する額を原資とした俸給表の引き上げ改定を行っても、多くの職員には実際に支給される額は増額しないということになるため、民間給与との較差が相当程度残るということになるわけでございます。
この較差を解消するために、給与制度の総合的見直しを円滑に進めるという観点から、地域手当の全ての級地区分につきまして、平成二十八年度以降に予定していた地域手当の支給割合の引き上げの一部を本年四月に遡及して実施することとしたというところでございます。
○池内委員 月例給の改定については、俸給表の水準を引き上げるとともに、給与制度の見直しにおいて二〇一六年度以降に予定していた地域手当の支給割合の引き上げの一部を実施するということだと思うんです。
現在、給与制度の見直しの経過措置がとられていて、給与制度の見直しのもと、平均二%カットされた部分に現給保障がされている。俸給表が引き上げられても、現給保障の額に達しない職員にとっては実際には賃上げにならないわけで、今回の俸給表の改定によって、行政職俸給表(一)、いわゆる行(一)の職員においては何割の職員が実際にも給料が上がることになるのか、人数と割合を示してください。
○古屋政府参考人 今回の俸給表水準の引き上げによりまして俸給の実支給額がふえる職員ということにつきましては、行政職俸給表(一)の適用職員については一万九千六百六十四人、割合では約一四%となっております。
○池内委員 俸給表が上がって実際に月々の給料が上がっていくという行(一)の職員は一四%。俸給表が上がっても多数の職員の給料が実際に上がらないとなれば、それだけでは民間と国家公務員の給与の較差というのは埋まらないと思います。
今回の改定では、その分を給与の総合的見直しで改定する地域手当の支給割合の一部引き上げに回すということ。民間給与との差額千四百六十九円のうち、俸給表の引き上げに三百十三円、地域手当の一部引き上げに千百五十六円、差額の約八割は地域手当の引き上げに回る計算になりますけれども、行(一)の職員において、この地域手当の引き上げによって賃金引き上げになる職員というのは何%ありますか。
○古屋政府参考人 今回の地域手当の改定によりましてその支給割合が上がる、実支給額がふえるという職員は、行政(一)適用職員では七万三千五百七十二名ということで、割合では五二%となっております。
○池内委員 民間との較差、平均千四百六十九円の賃上げを行うという勧告ですけれども、俸給表が引き上げられても、現給保障の額に達しない職員にとっては実際には賃上げにはならない。行(一)の職員ではその割合は八六%に及ぶということになると思います。
その中で、地域手当の引き上げの対象とならない職員は実際には月給は上がらないということです。今回は月例給について賃上げの勧告だけれども、その賃上げ原資の八割を給与の総合的見直しで改定する地域手当の支給割合の一部引き上げに回して、月例給においては実際には上がらない職員もいるという配分になりました。
こうした配分について、当事者である労働組合などからはどんな意見が来ていますか。
○古屋政府参考人 勧告を行うに当たりましては、配分を含めた給与改定の内容につきまして、職員団体、各府省等の関係者の意見、要望等を丁寧に聞きながら検討を行っているところでございます。
個々の意見、要望、具体的なやりとりといったことにつきましては、さまざまな御意見もあるということなので、この場での御紹介は差し控えさせていただきますが、本年におきましても、職員団体等の意見を聞いた上で勧告を行ったというところでございます。
○池内委員 公務員労働組合連絡会は声明を出して、「結果として原資の多くを地域手当の四月遡及改定に充てたことは制度上やむを得ないとしても、不満が残るものであった。」こういうふうに声明で言っています。公務労組連絡会は、「本年四月からの「給与制度の総合的見直し」の賃下げを激変緩和する現給保障により実際の賃金は上がらず、地域手当の支給割合の引き上げで地域間格差がさらに広がる。」という幹事会声明も出しています。
不満が残るとか、実際に賃金が上がらない、地域格差がさらに広がるというのが当事者たちの声だと思います。この不満、批判のもとになっているのが地域手当の引き上げ、今回の賃上げ原資の八割を回すわけですけれども、この地域手当の支給割合の変更というのは、昨年度人事院が勧告した給与制度の総合的見直しによるもので、平均二%の賃金カットとセットで導入をされています。
人事院総裁に質問します。
ことしの人事院勧告の翌日に行われた政府の給与関係閣僚会議では、この給与制度の総合的見直しについて、麻生大臣が、今回の人事院勧告を実施した場合の所要額が総額六百八十億円として、国、地方の公務員人件費につきましては、給与制度の総合的見直し等を着実に進めることにより、総額の増額の抑制に努めなければならないと考えておりますと発言をしています。
賃上げ勧告を実施すれば給与総額は増加することになるわけですけれども、この給与制度の総合的見直しを進めていくと総額の増加を抑制する効果があると。つまり、麻生大臣の発言は、給与制度の総合的見直し自身は給与総額を減らす効果があるという意味になると思いますが、人事院総裁は、給与制度の総合的見直しがそういう効果があると認識をされていますか。
○一宮政府特別補佐人 国家公務員の給与は、最も一般的な俸給表である行政職俸給表(一)について官民比較を行って、給与水準及び具体的な改定の内容を決定し、ほかの俸給表については、行政職俸給表(一)との均衡を基本に改定を行っております。
このため、一般職給与法適用職員全体で見た場合には、必ずしも行政職俸給表(一)と同じ結果になるとは限りませんが、多様な職種を抱える国家公務員については、適用される職員数が最も多く、また同種同等の者同士で官民比較を行うということができる行政職俸給表(一)を基本として給与改定の内容を決定することが現実的かつ合理的な方法であると考えております。
給与制度の総合的見直しにおいても、このような考え方のもとで対応しております。その結果、金額的に抑制される結果になる部分があるのかと認識はしております。
○池内委員 時間ですので終わりますが、この給与制度の総合的見直しについては、昨年の十月三十一日の内閣委員会で我が党の佐々木憲昭議員への答弁でも財務省に答弁いただいていまして、人件費がカットできるという試算をされているということは答弁としては確定しています。
やはり、ことしの勧告においても、全体としては下がる人も多いということ、労働基本権制約の代償機関である人事院が導入を勧告したものとしては、公務員全体を見れば、決して公務員全体にとって有益なものではないことを勧告したという点については厳しく指摘をして、質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○井上委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。
次回は、来る九月二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十分散会