衆議院

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第3号 平成28年2月26日(金曜日)

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平成二十八年二月二十六日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 西村 康稔君

   理事 亀岡 偉民君 理事 平  将明君

   理事 武井 俊輔君 理事 中根 一幸君

   理事 平井たくや君 理事 緒方林太郎君

   理事 柿沢 未途君 理事 佐藤 茂樹君

      青山 周平君    池田 佳隆君

      石崎  徹君    岩田 和親君

      大隈 和英君    岡下 昌平君

      神谷  昇君    神山 佐市君

      木内  均君    北村 茂男君

      高木 宏壽君    武部  新君

      辻  清人君    中山 展宏君

      長尾  敬君    ふくだ峰之君

      牧島かれん君    松本 洋平君

      宮崎 政久君    若狭  勝君

      阿部 知子君    大串 博志君

      岸本 周平君    小宮山泰子君

      後藤 祐一君    高井 崇志君

      古本伸一郎君    江田 康幸君

      濱村  進君    池内さおり君

      島津 幸広君    河野 正美君

      鈴木 義弘君

    …………………………………

   国務大臣

   (内閣官房長官)

   (沖縄基地負担軽減担当) 菅  義偉君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (行政改革担当)

   (国家公務員制度担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (規制改革担当)     河野 太郎君

   国務大臣

   (海洋政策・領土問題担当)

   (クールジャパン戦略担当)            島尻安伊子君

   国務大臣

   (経済再生担当)

   (社会保障・税一体改革担当)

   (経済財政政策担当)   石原 伸晃君

   国務大臣

   (一億総活躍担当)

   (女性活躍担当)

   (再チャレンジ担当)

   (少子化対策担当)

   (男女共同参画担当)   加藤 勝信君

   内閣府副大臣       松本 文明君

   厚生労働副大臣    とかしきなおみ君

   内閣府大臣政務官     牧島かれん君

   内閣府大臣政務官     高木 宏壽君

   内閣府大臣政務官     古賀  篤君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  小野 功雄君

   政府参考人

   (内閣官房一億総活躍推進室次長)         新原 浩朗君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           末宗 徹郎君

   政府参考人

   (内閣府賞勲局長)    幸田 徳之君

   政府参考人

   (内閣府国際平和協力本部事務局次長)       石川  武君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 宮地  毅君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         清水喜代志君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局公共交通政策部長)     蒲生 篤実君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 青木 由行君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  前田  哲君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  真部  朗君

   内閣委員会専門員     室井 純子君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  松本 洋平君     辻  清人君

  若狭  勝君     神山 佐市君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     若狭  勝君

  辻  清人君     松本 洋平君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣参事官小野功雄君、内閣官房一億総活躍推進室次長新原浩朗君、内閣府地方創生推進室次長末宗徹郎君、内閣府賞勲局長幸田徳之君、内閣府国際平和協力本部事務局次長石川武君、総務省大臣官房審議官宮地毅君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君、国土交通省大臣官房技術審議官清水喜代志君、国土交通省総合政策局公共交通政策部長蒲生篤実君、国土交通省道路局次長青木由行君、防衛省防衛政策局長前田哲君、防衛省整備計画局長真部朗君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平将明君。

平委員 おはようございます。自由民主党の平将明です。

 きょうは、行革に関して河野大臣、そしてクールジャパンに関して島尻大臣と議論をさせていただきたいと思います。

 まず、河野大臣でございますが、振り返ると、行革を私も河野さんとずっとやってまいりました。

 福田、麻生内閣では、無駄撲滅プロジェクトチームといって、多分、自民党としては初めて歳出削減というのに取り組むチームをつくり、さらには、当時、構想日本が地方自治体で取り組んでいた事業仕分けを初めて国政に採用して、歳出削減をやってまいりました。

 麻生内閣のときには、国立メディア芸術総合センター構想、国立漫画喫茶とマスコミから批判をされた構想に関しては、今はクールジャパンの発信拠点ということで議論になっているわけですが、当時は河野さんや私で潰したという経緯もございます。

 また、野党時代には、自民党のシャドーキャビネットで河野さんが行革担当大臣、私が副大臣ということで、当時、大村秀章さん、今の愛知県知事が衆議院の決算行政監視委員会の委員長の際に、この事業仕分けを国会でやりたいというふうに提案されまして、当時は民主党政権でありましたが、復興予算のところの執行を国会の中で、当時、階さんが民主党の筆頭理事でありましたが、与野党協力して切り込んでいったという経緯がございます。

 そういった意味では、ずっと河野さんと行革に取り組んできたわけでありますが、基本的に自民党というのは、予算をつけろという圧力の非常に強い政党であって、その中にあって予算を削れというのはかなり異色な存在でありまして、我々、ほぼ自民党の中では正規軍というよりはゲリラ部隊のような扱いでありましたけれども、今、政府に河野さんが行革担当大臣で入られて、また、私も河野さんの後を受けて自民党の行政事業レビューPTの座長、これも正規軍として認めていただいてということで、隔世の感があるわけであります。

 まず、行政事業レビューでありますけれども、民主党政権時代、行政事業仕分けということで導入をされました。非常にこれは重要なことだと思います。行政改革をする際に、歳入と歳出、あとは運営コストというところを見ていくわけでありますけれども、あわせてストックのところもしっかり見ていく必要があると思っておりまして、基金とか特別会計、さらには各政府関係機関が持っている資産、こういったところをしっかり見ていく必要があると思っております。

 そういった意味では、昨年だと思いますが、河野大臣が基金に着目をして、かなりしっかりと行政レビューをやっていただいて、不用なものは返していただいたということは評価ができると思います。

 そこで、お尋ねをしたいというか御提案をしたいのは、まず行政事業レビューでありますが、これは政権がかわっても引き続きしっかり取り組むべきであるというふうに思います。この行政事業レビューシートを各省に書かせることを義務づけた、これは民主党政権時代の功績だというふうに私は思いますので、しっかり続けていただきたいんです。

 一方で、行政事業レビューシートの質に非常にばらつきがあると思います。特に、重要なアウトカム指標なんというものは、できているところと、できていないところが多くて、私は沖縄の担当副大臣で沖縄の行政事業レビューを見ましたけれども、例えば、そのアウトカムの指標のところに、予算をちゃんと一〇〇%使いましたみたいなことを書いてあったりして、ほとんど理解していないなというようなことも散見をされるわけであります。

 ぜひ河野大臣にお願いをしたいのは、行政事業レビューシートのクオリティーをやはり一定のところまで引き上げていただきたいと思っています。

 行政事業レビューシートは全部で五千ありますから、全部を見るのは大変なんですが、各省庁で行政事業レビューをやる仕組みが今ビルトインをされているわけなので、その中で、クオリティーの高い行政事業レビューシートもしくはクオリティーの低い行政事業レビューシートのベストとワーストをみずから各省庁から上げさせて、そして、よくできている行政事業レビューシートは大臣に褒めていただいて、ワーストのところはつるし上げをするということで、少し全体の底上げをしていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

河野国務大臣 ありがとうございます。

 今、平さんからお話がありましたように、何かゲリラ部隊の親分が閣僚席に座っているというのは隔世の感がありますが、しっかりやってまいりたいと思っております。

 レビューシートを五千の政府の事業について書いていただいているわけでございますが、今お話がありましたように、かなりレベルにはばらつきがありますし、大きな予算を一枚のレビューシートに無理やり押し込んでいるというようなものもございましたので、行革事務局で気づいたものについては改善を要請しておりますが、まとめてしっかり見て底上げをするというのは非常に大事だと思っております。

 各役所でいいものを褒めてもらうというのは、ぜひやってまいりたいと思っておりますし、自民党、与党の行革推進本部の中には、平さんを初め、ふくださんやら、これまでゲリラとして活躍してきた百戦錬磨の議員の皆さんがおりますので、与党の中でも可能な限りこのレビューシートのチェックをやっていただいて、びしびしと御指摘をいただきたいと思っております。

 悪いものをつるし上げるというのはどうかと思いますが、いいものはきちんと公表をして、国民の皆様にレビューシートの見方を説明し、大勢の国民の皆様にそれぞれ自分に関係のある、あるいは興味のあるレビューシートを見ていただくための参考にしてまいりたいと思いますので、ベストプラクティスを褒めるということは大いにやってまいりたいと思います。

平委員 悪いものをつるし上げるのは、なかなか政府内では厳しいと思いますので、ぜひベストのところを大臣に褒めていただく、党の方は悪い方をつるし上げるという役割分担でいきたいと思います。

 それと、いわゆるゾンビ事業というか、一回仕分けをして、これはだめだと言ったのに、看板をかけかえて出てくるというパターンが結構あって、それが疑われるのが大体百件ぐらいあるんですよね。ですから、そういったものを抽出する仕組みというものも行政事業レビューの書式の中で反映できるのではないかと思いますので、引き続き議論をさせていただきたいと思います。

 次に、行革で私が最近感じるのは、例えば、私はまち・ひと・しごと創生本部、地方創生の担当副大臣をやっておりましたが、情報支援ということで、RESAS、リージョナル・エコノミー・アンド・ソサエティー・アナライジング・システムというビッグデータのポータルサイトをつくったんですね。このポータルサイトに、例えば民間の帝国データバンクだとかナビタイムだとか、あとは携帯電話の位置情報とかを、政府が協定を結んでビッグデータを見られるようにして、それを分析してKPIを設定してPDCAを回すという仕組みをつくりました。

 今後、中小企業政策なんかも、例えば、地域に貢献するコネクターハブ企業という概念をつくったんですが、ビッグデータが整備をされて初めてコネクターハブ企業を具体的に抽出することができるようになりました、去年からことしにかけて。このコネクターハブ企業を抽出してそこを応援することによって、地域経済が活性化するという相関関係にあるので、今までざっくりやっていた政策の精度が飛躍的に上がるんだと思います。

 社会保障においては、マイナンバーを入れましたね、来年からマイナポータルが入ります。

 ここで問題は、民間であれば、顧客の方に付番をされているのであれば、当然、商品の方にも付番がされていて、そこでマッチングがあったり、何が無駄だとか、どういう在庫が多過ぎるとか、商品がないとか、そういうのはわかるわけですが、本来用意すべき政策、マイナンバーは整備したんですけれども、行政の側のサービスが、カテゴライズして付番がされていないんですね。ですから、これに付番がされることによって、飛躍的に行政の効率がよくなると思います。

 そういった意味では、今まで、大きな政府とか小さな政府とか、役所の天下りとか給料とか、そういうところにフォーカスをしていたわけですが、やはりビッグデータを使って、IT技術を使って、異次元の行革、飛躍的に行政の効率化を図ることができると思いますので、そういった意味では、行革は別次元に入ってきたと思います。

 その辺について、河野大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

河野国務大臣 これまで、行革というと、無駄な予算を削るところにどうしてもフォーカスされ、また、メディアの興味もそういうところにあったと思いますが、これからは、やはりそれだけにとどまらない、企画、政策の高度化ですとか、行政サービスの品質の向上、あるいは行政運営の効率化というところに、今お話がありましたようなビッグデータあるいはICT技術を活用して、どんどんそういうところへやっていかなければいけないと思っておりますので、行革二・〇という感じで取り組んでまいりたいと思っております。

平委員 ここは、政治家が一番ついてきていないような感じがしますので、一方で、行政サービスをカテゴライズして付番するというのは、実は、国だけじゃなくて都道府県、市町村にもわたるものですから、これは総務省も含めてかなり政治がリーダーシップをとらないと環境は整わないと思いますので、ぜひ大臣のリーダーシップをお願いしたいと思います。

 次に、省庁再編。

 河野さんといろいろな議論をしてきましたが、大臣ですから慎重に御答弁いただいてもいいんですが、例えば農林水産省。農業はやはり成長産業だと私は思います。今、国家戦略特区のところでいろいろな議論をしていますが、私は、農水省と経産省はくっつけるべきだなと思っていて、昔、日本は、明治時代は農商務省であったと思います。

 そういうことであったり、あと財務省も、内閣人事局といって人事を内閣に持ってきたわけですから、人事と予算がパワーの根源なので、予算編成局を内閣に持ってきて、いわゆる税収を得るところは年金とくっつけて歳入庁にして、資産を持っている理財は資産なんてそんなに持っている必要はないのでどんどんもう整理をすれば、ほぼ財務省解体となるというふうに思います。

 いずれにしても、省庁再編の議論がないのかなというふうに思っておりますが、その辺は、大臣、どうなんでしょうか。

河野国務大臣 橋本行革から十五年近くたっておりまして、やはりいろいろ問題点というのは出ているんだと思います。

 平議員も内閣府の副大臣を経験されているからおわかりだと思いますが、この内閣委員会でも、八人の大臣が所信を申し上げました。

 内閣府というところは、大臣の数の方が副大臣より多いという逆ピラミッドになっておりまして、これはなかなか行政運営の中でも大変でございます。副大臣にお願いしようと思っても、私についてくれている松本副大臣、酒井政務官は、ほかの大臣あるいは官房長官のサポートもしているということで、この肥大化した内閣府、さらに、そこにどんどん業務が集まってくるものですから、昨年、スリム化法をやらせていただいて、内閣官房、内閣府のスリム化をやらせていただきましたが、やはり、もう少しここはきちんと整理することが必要だろうというふうに思っております。

 今、いろいろなお話、各省庁ございましたが、少し政府全体を見て、効率的、効果的な組織運営というのはどうしたらいいのかということを今いろいろ検討しているところでございますので、また御指導を賜りながら、しっかりやってまいりたいと思っております。

平委員 これは問題提起ですが、あと、手がついていないところで、やはり租税特別措置があるかなというふうに思います。

 これはまさに自民党税調インナーの聖域でありますが、一方で、本当に効率的に行われているのか、惰性でやっていないか、ごくごく一部の人たちのために税体系全体がゆがめられていないか。これは大変厳しい分野だと思いますが、租税特別措置の方も仕分けをするというようなことも今後の課題かなと思います。答弁は必要ありません。

 それでは、あと五分なので、クールジャパンの話をお伺いしたいと思います。

 私は、副大臣として、クールジャパン戦略推進会議という新たな有識者会議をつくりまして、昨年の六月にクールジャパン戦略官民協働イニシアティブをまとめさせていただきました。山口大臣の協力のもとに進めさせていただきました。

 島尻大臣にお伺いしたいのは、ちょっと一つ質問が飛びますけれども、官民連携プラットフォームというのをつくりました。私は、ここはやはり官僚主導、政治主導ではなくて、クールジャパンというのは感性の世界なので、センスのない政治家とか官僚が出張っていくと結果としていいものができないので、この官民連携プラットフォームで民間の知恵をしっかりと活用する、そして、その連携のベストプラクティスを創出することが大事だと思います。

 一方で、クールジャパンファンドというのをつくりました、株式会社海外需要開拓支援機構。私が副大臣になったときに、内閣府の司令塔とクールジャパンファンドが何か別々に動いているなという印象を受けたので、政治家が変な圧力をかけては絶対にいけないんだけれども、民間の知恵を使って連携をして、そこで司令塔の役割がされるのであれば、そこでファンドがちゃんとしっかりかんでくる。

 さらには、投資家の視点で事業性を検証することによってブラッシュアップ、要は、補助金が終わったらその事業は終わりじゃなくて、将来的に拡大をしていくというクールジャパンの政策の取り組みができると思うんですが、官民連携プラットフォーム、そしてクールジャパンの役割と連携についてお尋ねをいたします。

島尻国務大臣 お答え申し上げたいと思います。

 今まさに平先生からございましたように、昨年の六月、クールジャパン戦略官民協働イニシアティブが、平直前副大臣、そして山口直前大臣のもとで取りまとめられたところでございます。

 このイニシアチブを推進することで、クールジャパン戦略を通じて我が国の成長戦略を強力に後押ししていきたいというのが、まず私も強い思いでございます。

 その中で、今御指摘のございましたクールジャパンの機構の方とか、いろいろな取り組みはあるんですけれども、今御指摘がありましたように、そこが有効に、有機的に連携していい政策が実行されるということは、これが一番だというふうに思っておりまして、その点、また御指導いただきつつ、しっかりと頑張っていきたいというふうに思っております。

平委員 ぜひ、官民連携プラットフォームを活用していただきたいというふうに思います。

 最後にしますが、クールジャパンの発信拠点という議論が出てまいりました。超党派のMANGA議連でも、拠点をつくるべきだ、ナショナルセンターをつくるべきだという話になりました。

 冒頭申し上げたとおり、当初の国立漫画喫茶構想は河野さんと私が潰した経緯がありますので、やはり箱物をつくるというのはナンセンスだと思っていて、つくる以上は、アーカイブだけではなくて、世界のクリエーターがそこに集まってきて新しいものが生み出されるとか、そこを拠点にして日本のクールジャパン産業が振興されるとかいうのが大事だというふうに思います。

 そこで、一つの考え方というか御提案ですが、国家戦略特区というような政策オプションもその拠点に活用する。例えば、今いわゆるフェアユースの議論をしていますが、映像見放題特区、ここに来ればその映像は見放題ですよ、いわゆる著作権の縛りは外れます、コピーは当然できないわけですけれども。日本の映像を調べたかったら、そこに行けば映像が見られるというような特区であったり、あと、いわゆるクリエーティブ人材のビザの問題。クリエーティブ人材のビザを特区限定で緩和する、そのことによって世界じゅうから人が集まってくる、クリエーターが集まってくるという仕掛けをつくれば、我々が潰したものとは全く別物になりますし、日本の経済成長戦略に資するものになると思いますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。

島尻国務大臣 まさに、クールジャパン推進のためには、我が国の魅力的な商材や文化などクールジャパンに関する情報を集積させて、観光振興や人材の集積など、多面的な役割を持つ拠点の構築が有効だというふうに思料しております。

 先ほども申し上げましたが、クールジャパン戦略官民協働イニシアティブにおいても、拠点の構築を目指す民間の取り組みを政府が支援するという旨が記載されているところでございます。これを踏まえまして、官民連携プラットフォームの枠組みのもとで、御指摘のいろいろな特区制度の活用も念頭に置きつつ、拠点構築に向けた動きを後押ししてまいりたいと考えております。

平委員 時間が参りましたので、ぜひクールジャパン、特区も活用して進めていただきたいと思いますし、河野太郎大臣も、非常に安定した答弁になっておりますが、切り込みをしっかりやっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、宮崎政久君。

宮崎(政)委員 自由民主党の宮崎政久です。

 早速質問に入らせていただきます。

 まず、私の地元沖縄の基地負担軽減の関係で、菅官房長官にお尋ねをしたいと思っております。

 報道で知るところでありますが、米軍のハリス太平洋軍司令官の発言についてであります。二十三日、アメリカ議会上院の軍事委員会公聴会で、米軍普天間基地の移設の計画について、二年ほどおくれて二〇二五年になると見ていると発言をしたと伝えられております。

 普天間飛行場の返還がおくれることがあってはならない。日米両政府の返還合意から、実に二十年の月日が流れました。平成八年の四月十二日、当時の橋本総理大臣とモンデール大使との会談で、五年から七年と言われてから二十年がたったわけであります。普天間を抱える宜野湾市民九万七千名余りの生命、生活の安全という面からも、返還期日が延びることがあってはならないと私は考えております。

 沖縄基地負担軽減を担当されている官房長官にお尋ねをいたします。この発言は事実なのか、また、これに対する政府の見解を教えてください。

菅国務大臣 普天間飛行場の辺野古移設を含む米軍再編計画については、米側とさまざまなレベルで緊密に連携をとらせていただきながら進めております。米側には、この計画をしっかり進めていくという我が国のかたい決意を伝えているところであります。

 今御指摘いただきました米太平洋軍司令官の発言は、私も報道で承知しておりますけれども、日本側から米側に対して、移設計画が当初よりおくれて二〇二五年になるという見通しを伝えたことはありません。

 辺野古移設に向けた工事については、昨年の十月、埋立本体工事に着手をしました。政府としては、普天間飛行場の一日も早い返還のために、引き続き、関係法令に基づいてこの工事を着実に進めてまいりたいというふうに思います。また、移設までの間における普天間飛行場の危険除去、このことを中心とした負担軽減については、極めて重要なことであるという認識のもとに、できることは全て行う、その総理の強い指示のもとに、私も、沖縄の皆さんの負担軽減、実感として目に見える形でできるように懸命に取り組んでまいりたいと思います。

宮崎(政)委員 ありがとうございます。

 さきの宜野湾市長選挙、一月二十四日において佐喜真市長が再選をされました。私は、この選挙で新しい民意が示されたと理解をしています。それは、この選挙では、翁長知事とともに辺野古新基地建設を阻止する、こればかりに終始した相手方候補者が、それこそ、ポスター、チラシ等を含めて、翁長知事ばかり前面に出してきた。この選挙で、五千八百五十七票という大差で敗れたという事実であります。

 この選挙結果が出るまでは、私どもの地元沖縄では、翁長知事とオール沖縄でやるということを言われると、これに反対する言説を唱えるというのは、特に一般の市民の皆さんの中でははばかられるような、何か同調しないといけないような空気感というのがありました。

 それは、オールという言葉の意味なんですね。オールというのは全てという意味ですから、その主張が県民の全てであって、言ってみれば、これに反対する者は県民にあらずというような意識を浸透させていく。これによって、反対しにくい、同調しないといけないような空気がつくられているわけであります。

 しかし、沖縄も民主主義の社会であります。さまざまな意見があっていいわけであります。オールと言われても、それがオール沖縄だと言われても、いや、そうではないんだ、宜野湾市民の生命や安全、生活に密着をした政策を実現してくれるのはこのオール沖縄という勢力ではないんだ、オールと言われても反対をしてもいいんだ、私たちは普天間の固定化を回避することが一番大事なのであって、普天間の返還を一番に考えてほしいし、そのことをストレートに訴えていいんだ、こういう民意が示されたんだと私は理解しています。

 これは沖縄県民の心の叫びだと思うんです。大きな声を上げるわけでもない、デモンストレーションをするわけでもない。でも、今を生きている者として、私たちの責任で普天間問題は現実に解決をしたいと思っている、子供たちの時代にはもう普天間はなくして引き継ぎたいと思っている。あのフェンスは私たちの手で取り払って、あの場所を取り戻して、そこで生活をしたい。騒音もない、危険もない、普通に生活をしたいんだ。だから、政治的なイデオロギーじゃなくて、現実もよく見て、冷静に普天間飛行場の返還をかち取りにいく。一日も早く普天間を返還してもらいたいという原点に忠実に行動していいんだ、そういったサイレントな心の叫びであったと理解をしています。だからこそ、返還先延ばしというのはあってはいけないと考えています。

 政府におかれても、先延ばしにならないことを具体的、目に見える形でお示しをいただきたいと思っております。その意味で、普天間飛行場負担軽減推進会議、その下に作業部会があるわけでありますけれども、これは県政交代されてから一年半、開かれていないんです。

 二月の四日に、佐喜真市長と一緒に私も官邸にお邪魔をさせていただいて、官房長官に直接、普天間飛行場の固定化はあってはいけないんだ、目に見える形で負担軽減を進めてほしいんだ、この推進会議もやってほしいんだということをお伝えいたしました。

 例えばこの会議を年度内に開催するとかは考えられないのか、普天間を中心とした沖縄の基地負担の軽減を担当されている官房長官の御所見をいただきたいと思っています。

菅国務大臣 今、オール沖縄ということについて委員の意見がありました。私も、常日ごろ、オール沖縄というのは現実と比較をして極めて乖離している、そういうことを言っておりました。

 と申しますのは、沖縄に十一の市があって、九人の市長さんが参加をしていないんです。それがどうしてオール沖縄なのかということを私はありとあらゆる機会に主張していたのでありますけれども、ある意味で、今回、その実態というのが明らかになってきたんじゃなかったのかと、あの選挙結果を見て私もそのことを改めて再認識したところであります。

 今御質問がありました普天間飛行場負担軽減推進会議でありますけれども、これは、沖縄県の仲井真知事時代に、知事と佐喜真宜野湾市長の要望に基づいて、平成二十六年の二月に設置をされました。

 政府としては、普天間飛行場の辺野古移設に必要な埋立承認を得て工事を進める中で、特に移設までの間における普天間飛行場の危険除去を中心とした負担軽減というのは極めて重要な課題であるという中で、沖縄県と宜野湾市との間で協議を行ったことであります。

 その結果として、空中給油機KC130十五機を全部岩国に移転することができました。あるいは、緊急時の航空機の発着の受け入れも、これは九州の二つの基地で受け入れることが既に決まっていますし、また、そういう中で、辺野古移設までの間、普天間飛行場に残るオスプレイの運用でありますけれども、これについても、沖縄県以外のさまざまな首長さんにお願いをさせていただいて、着実に訓練ができるように今進めているところであります。

 そしてまた、千葉県木更津の自衛隊の駐屯基地においては、オスプレイの定期整備を行うことが決定いたしております。地元からも御理解を得ているわけであります。

 しかし、残念ながら、翁長知事となってから、これは双方の都合もあって、政府が拒否しているわけでもありません、沖縄県側の事情もあります、それで今日まで開かれていなかったわけでありますけれども、先般、佐喜真市長から、速やかに協議会を再開するようにという御要請をいただきました。

 今後、沖縄県、そして宜野湾市側の意向を踏まえながら、ここは早急にできるように努めたいと思います。

宮崎(政)委員 ありがとうございました。

 今のお話にありましたように、目に見える形での負担軽減という意味でも、ぜひ会議の開催をよろしくお願いいたします。

 官房長官は公務がおありと伺っておりますので、御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございます。

 それでは、ちょっと順番を変えまして、クールジャパンの関係を次に質問させていただきたいと思っております。

 沖縄絡みでちょっと質問させていただきますと、実は、沖縄国際映画祭というものがございます。ことしで八回目を迎える。これまでは三月に開催しておりましたが、ことしは、ゴールデンウイーク前の観光の谷間を埋めるという意味もありまして、四月の二十一日から二十四日の開催となっております。去年までは宜野湾市を主会場としてやっておりましたが、実は映画祭自体は全県を舞台にやりますので、宜野湾市はその役目を一定程度終えたと理解をしまして、今度は、映画祭というイベントを超えて、エンターテインメントを通じた町づくり、人づくりというものを具体的に、こういう実行委員会の皆さんと取り組んでいきたいと思っています。

 実は、これまでも、本物のエンターテインメントに触れるということで、私も芸能に余り詳しくないんですけれども、ブロードウェーでトニー賞を三回受賞しているヒントン・バトルさん、毎年来ていただいているんですけれども、小学校でやるオープンスクールに来ていただいたり、ダンスだとか音楽だとか、アイドルも本物が来たりとか、お笑いなど、第一線の人が講師になるエンターテインメントのスクールをやったりしているんですね。

 こういったエンターテインメントを切り口として、世界に通用する表現力であるとかビジネススキームとかを身につけていく常設のスクールを設置していくことで、エンターテインメントを文化として発信するだけではなくて、クールジャパンの集積地や産業拠点へと進化させていくことができるんじゃないかというふうに考えているわけです。

 クールジャパンについて、こういった地域づくりであるとか人づくりという視点も不可欠であると思っておりますが、クールジャパンを担当する島尻大臣の御所見を伺いたいと思います。

島尻国務大臣 宮崎先生御指摘のとおり、このクールジャパン戦略は、地域に眠る魅力的な商品やすぐれた人材の発掘を通じて地方の活性化に資する取り組みであるとともに、地域づくり、人づくりにも貢献し得るものであると考えております。

 先ほど別の委員にもお答えをいたしましたけれども、昨年六月に、クールジャパン戦略推進官民連携イニシアチブというものがまとめられております。この中にも地方が重要な視点の一つに掲げられておりまして、政府といたしましても、今後、地方の魅力の発掘、発信に取り組むこととしております。

 なお、このイニシアチブの推進を通じて、地域の魅力の発信を後押しするなど、地域に根差した積極的な取り組みを、エンタメによる地域振興という構想も含めて応援していきたいというふうに考えております。

宮崎(政)委員 ありがとうございます。

 次に、一億総活躍について、女性活躍担当もされており、少子化対策も担当されている加藤大臣にお伺いをしたいと思います。

 日本人が一億総活躍ということになりますと、日本全国津々浦々で人々が活躍していかなければいけない。そうすると、全国津々浦々にある課題にも留意して進めていかないといけないということになるわけであります。

 では、沖縄にどんな課題があるのか。五歳児保育の問題というふうに言われていることがあります。沖縄では今、公立小学校に幼稚園が併設をされておりまして、基本的には五歳のお子さんがそこに入っていく。これは実は、二十七年間の米軍統治下における保育に関するアメリカの政策の残りというような側面もあるわけです。

 今、市町村では、学校幼稚園と僕らは呼ぶんですけれども、学校幼稚園で何とか三年預かれるようにしていこうというようなことも進め始めたんですが、予算の兼ね合いなどもありまして、なかなか全部進んでいないという状況もあります。

 また、もう一つ、学童保育の問題もあって、沖縄県だけが民設民営の学童保育が非常に多いという実情があります。所得が全国で一番低い沖縄で、学童保育に子供を預けて働こうと思ったら、実は全国で一番お金を払わないと子供を預けられない、こんなような何か矛盾が残っているというわけです。

 五歳児保育にしても学童にしても、子供を持つ世帯で、特に女性が、女性だけに限定はしませんけれども、女性が働きやすい環境を整えていくという意味でも、こういう課題も解決をしていかないといけない。

 地域の数だけ課題があるというふうに言えるわけでございまして、大臣にはぜひ、今沖縄の例を出しましたけれども、それぞれの地域にある課題に目を当てて一億総活躍の実現をしていただきたいと思っております。大臣の御所見を伺いたいと思います。

加藤国務大臣 委員御指摘のように、それぞれの地域の課題と日本が持っている構造的な課題、これをどういうふうに進めていくのかという意味において、これまでも、地方創生をされている石破大臣、あるいは、沖縄であれば、沖縄の振興に取り組んでおります島尻大臣とも連携をとらせていただいているところであります。

 今、沖縄の問題、いろいろお話がありました。かなり子育てに係る問題が多かったというふうにお聞きをさせていただきました。

 一億総活躍の実現に向けては、一つの柱として、希望出生率一・八というのを挙げさせていただいております。結婚や子育ての希望を阻むそうした制約を一つ一つ取り除いていくということが、少子高齢化という構造的な問題を解決していく上でも必要不可欠だと思っております。

 そういう意味では、先般十一月に取りまとめました緊急対策においても、若者の雇用、経済的な基盤の改善をしていく、あるいは、非正規雇用労働者の育児休業取得促進、保育所の待機児童の解消、さらには、結婚、妊娠から出産、子育てまでの切れ目のない支援といったことを盛り込み、先般成立をさせていただいた平成二十七年度補正予算、さらに、今御審議いただいております二十八年度当初予算案にも必要な予算を盛り込んでいるところでございます。

 冒頭申し上げましたように、そうした予算執行も含めて、これから、日本全体としてどう進めていくのか、そしてそれが地域においてどういう形になって進んでいくのか、そういったものも関係大臣とよく連携をとりながら、しっかりと進めていきたいと思っております。

宮崎(政)委員 ありがとうございます。

 実は、沖縄のことを触れましたけれども、島尻沖縄担当大臣としても、沖縄の子供の貧困対策にすごく取り組んでいただいておるという実情もございます。ぜひ加藤大臣のもとで連携をしていただければ大変幸いだと思っております。

 最後になりますが、栄典制度についてお伺いしたいと思います。

 皆さん、国会議員は誰でもそうだと思いますけれども、地元では、いろいろな分野において、多年にわたって御尽力いただいているいろいろな先輩方と知り合い、御縁を通じて学びをいただくことは非常に多いわけであります。そういった皆さんからお話を聞いて、栄典になかなか浴しないことについて、何とかならないですかというふうな趣旨の御相談を地元から受けることも実は多いわけであります。

 いろいろ聞いてみますと、今の制度だと、女性、民間経験者、地方で活躍した方の受章がどうしても少なくなっている。ちょっと調べてみますと、例えば女性だけですけれども、ここ三回の叙勲の受章比率は、二十六年の秋、二十七年春、二十七年秋と、およそ九%台、全体の一割弱なんですね。褒章の方は少し多いんですけれども、褒章も大体二割から三割ぐらいの間であるというのが実情であります。

 官房長官のもとで有識者の懇談会が開催されて、さまざまな栄典制度について見直しが図られるという知らせを聞いております。多年にわたって活躍をして社会で貢献をした女性、民間で経験を積まれた方、地方で活躍をされた方、こういった方々の実績にぜひ光を当てていただきたいと思っております。政府の御所見を聞きたいと思っております。

松本副大臣 先生には、この栄典制度に強い関心を持っていただいて、心から感謝をするところであります。

 栄典の授与につきましては、平成十五年の改革以来十年以上が経過したことがあります。本年一月七日に、内閣官房長官の決定によって、時代の変化に対応した栄典の授与に関する有識者懇談会が官房長官のもとに開催をされ、ただいま見直しの検討が行われているところであります。

 この懇談会におきましては、これまで栄典授与が必ずしも十分でなかった分野、これをどうするか、地域における活躍、あるいは外国人、あるいは産業分野、女性の活躍等について検討をするということにしております。

 先日開催された第一回懇談会に私も出席をいたしました。そこでは、例えば女性の受章者をふやしていくことが大事であるという御意見や、地域で活躍されている方について、さまざまな活躍を総合的に評価する仕組みができないか、こういった御意見など、各界の有識者の先生方に活発な御議論をいただいているところであります。

 有識者懇談会はおおむね夏をめどに提言を取りまとめていただくということとしておりますが、ただいまの先生の御指摘をしっかり踏まえながら、政府として取り組んでまいります。

宮崎(政)委員 松本副大臣、ありがとうございました。

 この栄典一つとってみても、一億総活躍、地方創生という理念にもつながるわけでございまして、ぜひとも広範な御議論をお願いしたい、見直しもお願いしたいと思っております。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

西村委員長 次に、神谷昇君。

神谷委員 自民党の神谷昇でございます。

 本日は、質問の機会をつくっていただきまして、心から感謝を申し上げたいと存じます。

 私は泉大津市でございますけれども、最近、泉大津市に南海中央線という道路がつながりまして、高石市あるいはその近辺とつながったわけでございます。この道路がつながることによりまして、近くまで行くのに十五分ぐらいかかっていたのが四、五分で行けるということで、地域の方から、本当に便利になったというふうに喜んでいただいております。

 これが予想以上の反響でございまして、ああ、地域の道路をちょっとつけるだけ、つなぐだけ、そしてそれが延伸する、それが地域の活性化につながる、利便性が上がる、また経済活性化につながる、これこそ、道路行政も一億総活躍社会の実現に寄与するんだなというふうにつくづく思ったところでございます。

 そのような観点におきまして、泉州における道路網につきまして質問をさせていただきたいと思っております。

 三年前に、日本の国の大目標でございました、外国人観光客訪日一千万人を突破したわけでございまして、その翌年が一千三百四十一万人、そして昨年は何と、もう二千万人に届く一千九百七十四万人の方々が訪日されておりまして、その中でも関空へは一千十万人の方々が訪れて、南海電車に乗りましても、難波の方へ行きましても、中国の方々そしてまた韓国の方々、いわば、本当に訪日の観光客が多くなったなということは実感してわかるわけでございます。

 ところが、それについていっていないのが泉州の道路網でございまして、その点につきまして質問をさせていただきたいと思っております。

 かつて、関空が平成六年に完成したわけでございますけれども、その前に、国は、関西国際空港関連施設整備大綱なるものを昭和六十年に発表し、そしてまた六十一年には府が同様なことを発表して、関空に伴っていろいろと鉄道網、道路網を整備するんだというようなことをこういうふうに出しておられるわけであります。

 その中でも、私は、きょうまず最初に取り上げたいのは泉州山手線の南伸でございます。

 これも、今は和泉中央駅まで、鉄道と道路、道路は何と六十五メーターの幅員でございまして、それが南に都市計画決定をされておりますが、二十年手つかずでございます。

 大阪府の予算を見ますと、平成八年のときに大阪府の建設事業費が何と六千三百億円あったわけでございますが、最近で千八百億円、何と三分の一以下に激減しているわけでございまして、そのような情勢の中で、なかなか厳しい。そして、去年は、箱物をつくらない、何と極端なことをしているのかなというふうに驚いているわけであります。

 泉州山手線の南伸につきましては、六十五メーターの幅が要るかと言われますと、私も甚だ疑問でございますけれども、それであるならば、早く、幅を多少縮小してでも、都市計画決定を変更して、そして南伸に全力を挙げていただく。これは国と府の共同事業でありますけれども、まず、この泉州山手線の南伸につきまして御答弁を賜りたいと思っております。

清水政府参考人 御質問いただきました泉州山手線は、大阪府和泉市から泉佐野市に至る延長十八・五キロメートルの都市計画道路でございます。泉州地域の丘陵部における広域幹線道路であるとともに、地域の連携と活性化を支える重要な路線として位置づけられております。

 このうち、和泉市から岸和田市に至る延長四・四キロの区間につきましては、平成六年までに、府道として暫定供用、暫定といいますのは、八車線分のうちの四車線が供用されております。

 残りの延長十四・一キロメートルの区間につきましてでございますが、昨年十月に、関係三市一町、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、熊取町から成ります泉州山手線整備推進協議会が設立され、早期事業化に向けた要望書が同協議会から大阪府に提出されたと承知しております。

 現在、大阪府と関係市町が道路ネットワーク、道路の機能のあり方を含めました整備方針につきまして検討を行っていると聞いております。

 国土交通省といたしましては、当該路線に係る整備方針が定まり、大阪府等から要望がございましたら、必要な支援をしてまいる予定でございます。

神谷委員 ありがとうございます。

 大阪府が要請してくるということよりも、やはり、かつて国と府が、関空ができたらこのようにするんだということを地域の方々に示しているわけですから、これは大阪府だけではなく、国も積極的に取り組む必要がある。

 先ほど申し上げましたように、インバウンドの方がもう関空だけで一千万人を超えているんですよ。国土交通省も観光立国を目指しているわけです。そのためには、また一億総活躍社会実現のためにも、この道路が非常に基幹的な道路になってきているわけですから、ひとつ、国からも積極的な働きをしていただいて、三市一町の皆さん方の御期待に応えていただきたい、そのように要望いたします。

 今答弁をいただきました。こうして和泉市から南伸していく中で、和泉市までは、中央にいわば泉北高速鉄道というのが通っておりまして、これをその道路の真ん中に、和泉市まで来たように通過させていくのか、あるいはほかの手段を考えていくのか。

 私も、いろいろと聞いておりまして、試算をいたしました。この道路の中に泉北高速鉄道を南伸していくことは一番理想だと思うんです。ところが、これには二千億を超える多額の事業費用がかかってくるわけであります。そうなってまいりますと、地元負担もありますし、南海電鉄さんの負担もございますから、これはなかなか、はい、そうですねと言うことはできないと思うんですね。

 そうしますと、いわばコストの安い交通手段がないのかというようなことも、私も一生懸命最近考えておるんですが、そういう電鉄、電車にかわる交通網の整備について、どのようなものが考えられるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

蒲生政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる軌道系の中でも、比較的整備コストが低いものとして、例えばLRTというものもございます。一方で、バスを使いました形での高速輸送システムということでBRTというようなものもございまして、そういったものが、各地で整備が進んでいるところもございます。それも一つの考え方かと思います。

神谷委員 今答弁をいただきますと、LRTそれからBRT。今、富山市で竣工しているし、また宇都宮市でも完成したんですかね。そういうことで、設備投資ですから、割と建設コストが安いということで、これが脚光を浴びてきておりますね。私も近々宇都宮市に行って、これを勉強させていただこうというふうに思っているんですけれども、BRTは連節バスですね。

 そういう中で、いろいろなことがある。やはりこれは、地方創生、一億総活躍社会、そしてまた観光立国、これらのことを考えると、あながち国も、ただ市町村が言ってくるだけと違って、先ほどのお話のように、国も積極的になって、これをつくることにはこういう手段がありますよ、ああいう手段がありますよということを提供していただくことは地元の大きな参考になるわけですから、これから、建設コストは十四キロだとどのぐらいですね、そういうことも含めて、ひとつ地元に情報を提供していただきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

 続いて、そういうふうな中で、いろいろとつけていただきたい道がありまして、もう一つは、大阪外環状線の四車線化の実現でございます。

 和泉市に、まだ片側一車線が一キロ余り残っております。最近、ここに、コストコとか、ららぽーととか、巨大商業施設が完成いたしました。それで、このところは大野町北交差点というんですけれども、大野町北交差点からずっと、鍋谷峠、そしてかつらぎ町まで抜ける道の鍋谷トンネルを今掘っていただいておりまして、来年三月にこれが竣工する。そうなってまいりますと、かつらぎから外環状線までどっと早く来られる。そういう、いわば一つの、地域的に言えば大変重要なところでございますけれども、いまだ一車線が残っているんですね。

 府の方も、少ない予算の中で、ちょっと調査費とかいろいろとしていただいているんですが、これも国の方から積極的に働きかけていただいて、和泉市だけでなく熊取にも残っているというふうに聞いておりますので、この外環状線の四車線化の早期実現についての心意気を聞かせていただきたいと思います。

青木政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘になりました外環状線、国道百七十号でございますけれども、これは、高槻市を起点といたしまして、大阪東部を南下いたしまして泉佐野市にまで至ります、総延長が七十二・二キロの大阪府が管理をしてございます幹線道路でございまして、観光、経済、地域間の交流を支える大変重要な道路でございます。

 御指摘がありましたように、百七十号につきましては、約九割が四車線で整備されているところなんですけれども、和泉市域それから熊取町域など一部の区間においては、暫定二車線ということで整備されているところでございます。

 この区間の暫定二車線の四車線化につきましては、この区間の南側を京奈和自動車道が走ってございます。先ほど御指摘もありましたけれども、京奈和自動車道から、いわば、国道百七十号のエリアにアクセスをする四百八十号のバイパスが平成二十八年度に開通予定ということになりますと、交通量が増加することも想定されるわけでございます。こういったその後の交通状況を見きわめた上で検討を行っていくというふうに、大阪府の方からはお伺いをしているところであります。

 国交省といたしましては、こういった大阪府の御意向も踏まえまして、事業実施に際しましては、社会資本総合整備金などで支援をさせていただきたい、このように考えております。

神谷委員 来年の三月に鍋谷峠トンネルが開通するんですね、竣工するんですね。もう来年三月ですよね。それをこれから検討するということになると、またさらにおくれるんですね。

 やはり、昭和六十年、六十一年のころ、三十年ほど前に地元に示して約束をしていることが、一部まだ未竣工部分が残っている。これについては、もう検討の余地がないんですよ。今やるかどうかの話なんです。検討なんて、怠慢もいいところなんですね。

 ですから、国としては、これは検討するよりもすぐさますべきだ、こう言うべきですよ。最初のいわば山手線のこともございましたけれども、泉州に対してやはり国はもう少し府を指導して、しっかりと町づくりをして、そして一億総活躍社会の実現に、あるいは観光立国に資することをしっかりと伝えていただきたいというふうに思っておるところでございます。

 それ以外にも、泉州の課題といたしまして、第二阪和国道の早期実現、岬のところ、いっぱいありますね。これもおくれています。これは計画よりも何十年とおくれているのと違うんですかね。

 そしてまた一つ、インバウンドがふえてまいりました。一昨日も堺市で、岡下先生が中心になって、クルーズ船を泉州にどう誘致していこうかということで、九市四町の方々そして商工会議所の方々、関係者で集まりました。残念ながら、最近、この泉州、堺から以南でございますけれども、クルーズ船が着いたことがないんですね。これをどうしていくかという話もありました。

 そしてまた、その中でインバウンドが来て、観光資源、九市四町で例えば泉州王国というのをつくって誘致合戦。そのためには、いわば免税店とかいろいろなことを整備する必要があるわけでございますけれども、それもしながら誘致に努めようと。

 もう一つは、紀州。泉州と紀州がつながってくると、一層そういうことが出てくる。

 その中で、一つ、ちょっと小さいですが、地図を持ってまいりました。

 泉州山手線が和泉から空連道まで来る、そして、空連道、阪和道の上之郷から京奈和道路の紀の川インターまでつながってくる、こういうことですね。こうなってまいりますと、紀州と泉州は一体感が出てくるわけです。

 これによって、例えば紀の川市が朝とれのイチゴをすぐさま、この道路ができると関空まで持っていって、関空から沖縄へ行って、沖縄から世界に輸出することができるんですね。

 そしてまた、この道路ができることによって、紀州の観光資源が物すごく近くなってくる。泉州と紀州が一体となって、インバウンドの皆さん方に楽しんでいただけるゾーンができてくるわけであります。

 そこで、これは道路局の方もお聞きいただいていると思いますが、平成二十七年七月、京奈和関空連絡道路建設促進期成同盟、泉州並びに和歌山の九市八町の皆さんが相集って大会を開いております。その中には、我が派閥の二階会長もお出ましいただいて、しっかりとこれをすることによって紀州と泉州がつながってくるということをお願いしているところであります。

 これらの状況についてのお考えをお聞かせ願いたいと思っております。

青木政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生から今お話がございましたように、いわゆる紀の川のエリアを、今後の地域の活性化ということで関空のエリア、こういったところとつなげていくということにつきましては、紀の川地域の例えば業務拠点、生産拠点から関空への円滑なアクセスといったことを図っていくことによりまして、広域的な生活圏の形成、それから、御指摘がございましたように、観光ですとか農業を初めといたしましたような地域活性化の観点から見ましても大変重要なことであろう、こういうふうに認識をいたしております。

 現在、国土交通省におきましては、京奈和自動車道などの周辺道路のネットワーク、交通の状況、それから主要な産業の動向などについて調査を進めさせていただいております。

 引き続き、周辺道路ネットワークの整備状況ですとか地域における計画、こういったものを踏まえながら、大阪府さん、和歌山県さんとも連携をいたしまして、ネットワークの必要性についてさらに調査を進めてまいりたい、このように考えております。

神谷委員 そうしますと、この期成同盟がお願いしている連絡道路についての調査費はもうついておるんですね。どうですか。その点についてお聞かせください。

青木政府参考人 お答えを申し上げます。

 個別の道路整備の調査費というよりも、全体、ネットワーク、網としての調査ということで今進めさせていただいている段階でございます。

神谷委員 しっかりと調査をしていただいて、そしてまた、どういうルートでトンネルを含めて道を決定していくか。用地買収もありますし、なかなか難しいところはあると思うんですけれども、ひとつ早く取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 今、泉州そしてまた紀州との連携につきまして、いろいろとお願いをいたしました。今申し上げたことは、紀州との連携は別といたしまして、泉州はもう三十年前に地元の皆さんにお示しして、期待感を持たせているんです。

 これについては、府が、地元がというよりも、国もしっかりと約束したことを守るという観点の上に立って、しっかりと国主導でやっていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、岡下昌平君。

岡下委員 自由民主党の岡下昌平でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。また、質問の機会をお与えいただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。

 私が衆議院に初当選させていただきまして、早いもので一年余りがたちました。この間、地元でよく使う言葉が二つございます。

 一つ目は、やはり国土強靱化であります。

 私の地元市であります堺市におきましても、現在、国土強靱化地域計画の策定に向けて取り組んでいるところでございまして、国土強靱化によりまして市民の防災意識というものも高まってきておるところでございます。

 そして二つ目が、地方創生であります。

 私は、自由民主党のクルーズ船観光振興議員連盟の事務局長を今仰せつかっておりまして、クルーズ船を地域の港に呼び寄せることで地域の経済や社会を活性化させまして、日本の伝統文化や豊かな自然を海外に発信し、地方創生につなげることを目的とした活動を現在させていただいているところでございます。

 議員連盟におきましては昨年八月に提言書を取りまとめまして、平成二十七年度補正予算におきましては、大型クルーズ船の受け入れ環境改善のための予算を約二十九億円獲得することができました。

 さらに、クルーズ旅客施設への無利子貸し付けの創設や、CIQ、税関、出入国管理、検疫の職員の増員、あるいは地域の農林水産物をお土産として持ち帰れる制度を新たにつくるなど、さまざまな施策を今前に推し進めているところでございます。

 こういった経験を生かしながら、ことしは地元、堺・泉州地域に大型クルーズ船を誘致したいと今考えておりまして、早速一昨日、堺・泉州地域におけるクルーズ船誘致に関する連絡会議を国交省、関係各市、地元経済界と立ち上げたところで、地域の産業の再生あるいは雇用創出というところに主眼を置きまして、一生懸命頑張っていきたいと考えているところでございます。

 そこで、まず、地方創生交付金についてお尋ねをさせていただきます。

 平成二十六年度補正予算におきまして、プレミアムつき商品券などの地域消費喚起・生活支援型交付金が約二千五百億円ございました。地方創生の戦略づくり、地域の活性化策を支援する地方創生先行型交付金が約一千七百億円。

 そして、先日成立いたしました二十七年度補正では、地方創生加速化交付金は国費が一千億円となっており、現在、私の地元市の堺でも三つの事業を申請しておるところで、二月十七日の締め切りで、三月末に交付決定される流れとなっていると伺っております。

 一方、二十八年度予算では、地方創生推進交付金がございまして、事業費が二千億円。内訳を見ますと、国費が一千億円で地方負担が一千億円となっておりまして、こういった新たな交付金が導入され、政府は切れ目なく支援を展開されているものと考えます。

 しかし、最初のプレミアムつき商品券などの地域消費喚起・生活支援型交付金が非常に話題になりまして、ワイドショーなどでも連日取り上げられたという経緯があって、その後の交付金が余り注目されていないように感じている次第でございます。

 そこで、平成二十七年度補正の地方創生加速化交付金の申請状況と、今まで出てきたアイデアの中でこれはすばらしいなというものがあれば、ぜひ御紹介いただきたいと思います。

末宗政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の地方創生加速化交付金でございますが、二月十七日に締め切りをいたしました。申請状況でございますけれども、都道府県は全四十七団体から、また市区町村で申し上げますと千五百七十八団体、全体の九一%から申請がありまして、両方合わせますと千六百二十五の団体から、事業数にいたしますと二千七百四十四事業、額にいたしまして千二百五十三億円という非常に多くの申請がございました。

 全体からいたしますと、仕事づくりですとか、あるいは移住、定住、さらには結婚、出産、子育て、町づくり、非常に幅広い内容でいただいておりまして、委員御指摘のように、現在、自立性ですとか官民協働、地域間連携、政策間連携という先駆性の観点から内容を見させていただいているところでございます。

岡下委員 ありがとうございます。

 いろいろなアイデアが出てきて、人気が高いということもよく理解することができましたけれども、私もインターネットでいろいろなものが出てきていることを見させていただいているんですが、しかし、単なるイベントの事業で、何でもかんでも地方創生だというふうなものが結構見受けられます。

 そこで、そういった点も踏まえて、新型交付金制度がスタートして二年ほどたちますけれども、政府としてこの制度を今後どのように改善していくのか、あるいは見直していかれようとしているのかをぜひ教えていただきたいと思います。

末宗政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、地方創生の取り組みについて一定の成果を出していくためには、一過性の事業ではなくて、自立を目指した継続性のある取り組みが大事だと思っております。

 そういう意味で、二十六年度補正の交付金のうちでも上乗せ分につきましては、官民協働あるいは地域間連携、政策間連携といった先駆性と自立性、将来的に自立していくんだという観点を重視して交付決定を行ったところでございます。

 こういう基本的な考え方のもとで、二十八年度以降の地方創生推進交付金につきましては法律に位置づけをいたしまして、それから地域再生計画というものをつくっていただくんですが、複数年度、五年度以内にわたりまして取り組む先駆的な事業を支援しようと考えておりまして、これまで以上に安定的、継続的に支援をしていきたいと考えております。そのためにも、地域再生法の改正法案を今国会に提出しているところでございます。

岡下委員 ありがとうございます。

 地方創生に向けてすばらしいアイデアというものを出していくのはなかなか難しいものでありますけれども、今の御答弁を伺いますと、将来的に自立していくという観点が非常に大事になってくる、あるいは複数年にわたりましてその地域を再生していく事業というものに重きを置くということでございます。

 そういう観点から、私は今、先ほど申し上げましたけれども、堺・泉州域にクルーズ船を誘致いたしましてインバウンドを呼び込んで、観光客、観光振興を行うことによって地方創生をなし遂げていきたい。これは単年度でできることではございませんし、やはり複数年にまたがる話でありますので、そういった観点からも、地元市とよく相談しながらまた交付金申請等々を行っていきたい、このように考えておりますので、その際はぜひ御相談に乗っていただけたらと思います。

 続いて、次の質問に入らせていただきます。

 次に、マイナンバー制度についてお尋ねをさせていただきます。

 昨年五月に内閣委員会で、個人情報保護法改正とマイナンバー法について、私も質問に立たせていただきました。その中で、情報が集まると確かに利便性が高まる反面、情報管理というリスクが課題となるということも指摘させていただきました。

 さまざまな課題も御指摘いただきましたけれども、マイナンバー制度はこの一月からスタートいたしております。

 皆様方もマイナンバー普及のこのポスターをさまざまなところでごらんになられたと思いますけれども、このマイナンバーのキャラクターのマイナちゃんは、私はちょっと存じ上げなかったんですけれども、女の子で設定されているということで、このマイナちゃんが、至るところ、地域でさらなる普及啓蒙活動を行っていってもらいたいと応援している者の一人でございます。

 質問に入らせていただきますけれども、昨年十月以降にマイナンバーの通知カードが各世帯に郵送されましたけれども、現在までの交付率はどのようになっておるか、教えていただきたいと思います。たしか、当初マスコミ等々で五百万通ほど返送されたというふうな報道がされておりましたけれども、現在の交付率について少しお聞かせいただきたい。

宮地政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省の調査によりますと、二月十九日の時点で五千八百六十二万通の通知カードが送付されております。市区町村における窓口での交付あるいは再送を通じまして現在未交付となっております通知カードは約二百四十九万件、約四・三%となっているところでございます。初回に送付した通知カードのうち約一〇%が返戻されておりますので、一〇%から現在は四・三%となっているところでございます。

岡下委員 一〇%から四・三%、徐々に徐々にではありますけれども皆様方のお手元に行っているということで、今安心しました。

 私も実は、堺市から来まして、スマホで個人番号カードの申請をさせていただきましたけれども、その受け取りについての通知がまだ来ておりません。

 そこで、教えていただきたいんですけれども、個人番号カードに関しまして、その申請件数及び発行件数は今現在どのようになっておりますでしょうか。

宮地政府参考人 マイナンバーカードにつきましては、二月二十四日時点の数字になりますが、約八百二十万件の申請受け付け処理が完了しております。

 そして、これは市区町村から委任を受けたJ―LISの方でカードを作成いたしまして、市区町村の方にその作成されたカードを送付いたします。二月二十四日までに、この作成されたカード約五百一万枚が各市区町村に発送済みとなっております。

 さらに、市区町村で手続が必要になりますので、これを経て、申請された方に交付済みとなっておりますのは、二月二十四日時点で約六十二万枚でございます。

岡下委員 約八百万件の申請をいただいて、実際に発行されている枚数は六十二万枚ということでよろしいですね。そう考えると、まだまだ少ないですね。

 都内在住の個人カードを申請した方にお話をお伺いしたんですけれども、これを受け取るのも結構大変なんですよ。交付の準備が整いましたという通知、お知らせが来たら、自身の予約番号というものも同時にいただくんですが、まずコールセンターに連絡をして、その予約番号をコールセンターに伝えて、指定された日時の中から選んで区役所にとりに行くという流れなんですね。

 また、その指定された日時のとりに行く時間帯が一時間で区切られているんですね。ヤマト便とかさまざまな宅急便でも二時間とか午前中とかの指定配達みたいなものをやっていますけれども、この場合は、さまざまなケースがあると思いますけれども、一時間でとりに来てくださいということでやられているそうなんですよ。したがって、受け取る期間が非常に短い。

 実際、先週この通知をいただいた方がいつまでにとりに行かなければならないかといいますと、三月十日までという縛りがかけられていまして、その間にとりに行かなければならない。

 では、例えば海外旅行等々に行かれていらっしゃる方が気づくのがおくれて受け取りの期限日が仮に過ぎてしまった場合、この個人番号カードはどのようになってしまうんでしょうか。地元でもそういった質問を結構たくさんいただきますので、ぜひわかりやすく御回答いただきたいと思います。無効になってしまうのか、そういったことも心配されていますので、お願いいたします。

宮地政府参考人 市区町村に届きましたカードにつきましては、カードが到着した後に、交付の準備が整い次第、住民の方へカードの受け取りに関するお知らせ、それが交付通知書になりますが、これを送付することとなります。窓口における混雑緩和のために、これはそれぞれ市区町村において取り扱いを独自に考えておられるところでございますが、交付通知書において来庁していただく期限を設定したり、あるいは、先ほどもございましたように事前の予約システムを導入して、予約していただく等の取り組みを行っていただいているものと承知しております。

 しかしながら、一般的に、こうした来庁の期限や予約時間はあくまでも目安であると考えておりまして、仮にこの期限を過ぎましても、再度市区町村に連絡をとっていただいたり、あるいは来庁いただくことなどによりましてカードの交付は受けられるものと考えております。(岡下委員「過ぎてしまっても無効にはならない」と呼ぶ)はい。過ぎてしまいましても、また連絡をとっていただいてとりに来ていただければ交付はされるということになろうかと考えております。

岡下委員 無効にはならないということで、少し安心いたしました。

 現在、民間におきましても、マイナンバーを社員の方からいただいて、職場に提出するということが各企業でも始まっていると聞いております。

 ちなみに、この衆議院におきましても、書類が配られまして、私も家族全員の分を含めて提出をさせていただきましたけれども、衆議院議員の方々四百七十三人中、今現在既に約四〇%ぐらいが提出されているそうであります。

 秘書さんはといいますと、総勢約千三百人ほどいらっしゃるんですけれども、七百人ほどが提出されている。パーセンテージにすると約五三%の方々が既に提出されているということでございます。提出期限はないそうなんですけれども、ことし、年末調整の手続をする際に必要になりまして、源泉徴収票にマイナンバーを記入して税務署に届けることになっていると聞いております。

 また、衆議院職員の方は、ことしの三月で退職する方もいらっしゃるために、本日が提出期限ということになっているようでございます。

 また、私の知っている企業側の方に話を伺ってみますと、マイナンバーの集まりが現在まででざっと六割程度にとどまっている。

 四割、五割、六割ぐらいということが実態だそうでございます。

 そこで、ちょっと心配になりまして、国税庁のホームページ、QアンドAを確認させてもらったんですけれども、支払いを受ける方から番号の提供が受けられなかった場合、番号を記載せずに法定調書を提出することとなりますけれども、その場合、摘要欄に何か表示する必要はありますかとのQ、問いに、国税庁は、番号の記載がない理由を摘要欄に記載する必要はありませんけれども、記載のない理由を確認させていただく場合がありますので、記載できない理由等を記録するなど、わかるようにしておいていただくようお願いしますというAをホームページ上で公開しておりまして、言いかえれば、記載がなくても受け取るということにされております。

 しかし、これはこれからやはり何らかの対策を講じていかないと、マイナンバーの普及という観点から、提出されない方に対しても提出を促すようにしていかなければならないと思いますが、そういった検討はされておるのでしょうか。お聞かせください。

古賀大臣政務官 岡下委員、マイナちゃんの紹介、ありがとうございます。

 また、先ほどの堺市の事例も大変参考になりました。各自治体がそれぞれ工夫して市民、住民の方に届けることをされておりますので、そういった中でいろいろな不都合がありましたら、また教えていただきたいと思います。

 そこで、今御質問がありました、マイナンバーを従業員の方から聞き取るという点でありますが、国税のホームページにある、そういった答えをしている、それは確かでございます。

 ただ、今御指摘があったように、社会保険の資格取得届あるいは源泉徴収票、こういったものにおいて民間事業者の方が従業員の方のマイナンバーを記載して提出していただく必要がある、これは法令上の義務になっております。そういった中で、どうしても聞き取れないというときに各関係機関がそれぞれ判断するというのはありますけれども、あくまで法令上の義務でありますので、提供の求めに従業員の方は応じていただきたいというふうに考えております。

 ですので、これまでも、関係省庁でホームページ、あるいは先ほどリーフレットを紹介いただきましたけれども、そういったことで周知を行っているところでありまして、そういった認識が広がっていくように、進むようにこれからも徹底していきたいというふうに考えております。

岡下委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

西村委員長 次に、佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 きょうは、先日の大臣所信に対しての質疑ということでお時間を頂戴しましたので、内閣委員会に関係する大臣及び副大臣にお越しいただきました。政府参考人の皆さんも来ていただいておりますが、余り細かいことは聞きませんので、ぜひ大臣、副大臣でお答えいただければありがたいと思います。

 まず最初に、きょうは六本ぐらい大きく質問を用意したんですけれども、一つ目には、一億総活躍社会の実現ということについてお尋ねをしたいと思います。

 まず、総論的にお伺いしたいのは、安倍総理は施政方針演説で、一億総活躍社会への挑戦を始めます、そのように明言をされました。また、加藤一億総活躍社会担当大臣も先日の所信表明で、一億総活躍社会の実現は安倍内閣の最重要課題です、このように述べられたわけでございます。

 私は公明党の一億総活躍推進本部の事務局長を仰せつかっておりまして、昨年十一月二十四日に党として提言をまとめまして、総理に申し入れをさせていただきました。

 我が党は、安倍総理が掲げる一億総活躍社会とは一人一人が輝き活躍できる社会、そのように位置づけて、全ての人が自己実現できる社会を目指して取り組みを進めたいと考えておりまして、そういう視点から、一億総活躍社会の実現に与党としてしっかりと協力し、また政策についても、さらに磨いてさらなる提言等を行ってまいりたい、そのように考えているわけでございます。

 きょうは、給与法は別にして、今国会初の内閣委員会でございますので、安倍内閣の最重要課題と言われております一億総活躍社会について、ぜひ加藤大臣の方から、一億総活躍社会とはどういう社会で、安倍政権は何ゆえその実現を目指すのかということについて御答弁をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 公明党におかれても一億総活躍推進本部を設置いただきまして、また委員におかれては、事務局長をお務めになり、先般の緊急対策をまとめるに当たってもいろいろ議論をリードしていただいておりましたこと、改めて感謝申し上げたいと思います。

 その上で、この一億総活躍社会でありますけれども、安倍総理も申し上げておりますように、これからの我が国の経済成長というものを考えたときに、やはり少子高齢化という構造的な問題がございますし、きょう発表された国勢調査でも、大正以来初めて国勢調査での人口が減少するということになっております。また、さらにこれからの先行きを見ても、高齢化は進み、人口が減少するという試算が出されているわけであります。

 そうした少子高齢化さらには人口減少ということになってまいりますと、労働供給が減少していくということのみならず、将来の経済規模の縮小、生活水準の低下そして経済の持続可能性を危うくするのではないか、こういう将来に対する不安、懸念というものが出てきている、それが今における消費や投資にも大きな影響を及ぼしているのではないか。

 それを乗り越えていくためにも、少子高齢化という構造的な問題に正面から取り組み、そして、やはり我々の目指す社会というのは、先ほどお話がありましたように、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、さらには一度失敗をされたような方々も、それぞれが包摂をされ活躍できる、そういう一億総活躍社会というものを実現していくことが必要だと思っております。

 また、そうした一億総活躍社会を実現するに当たりましては、今回の新しい三本の矢、第一の矢で強い経済を実現し、その成長果実をもって第二、第三の矢である子育て支援や社会保障の基盤を強化していく。

 こういうことを通じて子育てや介護と仕事が両立しやすくなっていくことによって、さまざまな方々が例えば働くという形で参加をされていく。そして、そのことによって単に労働参加率が上がるというだけではなくて、さまざまな方々が参加することによっていわゆる多様性が社会により持ち込まれ、そのことが、イノベーションを通じて生産性の向上を図っていくという意味においてまた成長に寄与し、経済が社会基盤の安定を持っていく、そういう成長と分配という新たな好循環をつくっていく。

 そういう意味では、新たな経済社会システムを構築していこう、そういう意味における元年であり、またそれを目指すという意味において最重要課題だというふうに位置づけているところでございます。

佐藤(茂)委員 成長と分配の好循環という言葉に象徴されるように、後で申し上げますけれども、アベノミクスの成果も一つ一つ出てきまして、ひところよりは、デフレも脱却できるのではないか、そういうような段階になってきました。

 こういうときに、少子高齢化社会という構造的な日本の社会の問題にどう取り組んでいくのか、一億総活躍社会というのはそういう意味での非常に挑戦的な取り組みではないかと思っておりまして、またこれからも政策をしっかりと議論させていただきたいと思っているわけでございます。

 ことしに入りまして、一月二十九日にことし初めての、全体としては第四回の一億総活躍国民会議というのが行われました。

 そのときに安倍総理はプランについて、プランというのは、これからニッポン一億総活躍プランというのをどうしていくのかということが焦点になるわけですね。昨年の十一月二十六日には緊急に実施すべき対策ということで取りまとめられて、これは、補正予算であるとか来年度予算案、あるいはこの通常国会に関連する法案という形で一つ結実しているわけですが、これからニッポン一億総活躍プランというものをどういうものにしていくのか、これが焦点に当たるわけです。

 それについて安倍総理は、一月二十九日の国民会議の際に、プランについて、生産性向上問題のほか、特に次の三点を骨格としたいと考えます、第一に働き方改革です、第二に子育て、介護の環境整備です、そして第三に成長と分配の好循環のメカニズムを示すと述べられ、三つの骨格を明らかにされ、その上で、第一の矢については石原経済再生担当大臣を中心に、第二、第三の矢については加藤一億総活躍担当大臣を中心に策定を指示された、そのように伺っております。

 そこで、策定を指示された両大臣に、きょうは総論的で結構ですので、お答えいただければありがたいと思うんです。

 まず、成長と分配の好循環のメカニズムという骨格を含め、第一の矢を担当される石原大臣は、総理の指示を受けて、プランの内容としてどういうものを策定されるつもりなのか、所見を伺いたいと思います。

石原国務大臣 佐藤委員にお答えしたいと思います。

 もう御存じのとおり、第二ステージの第一の矢は、これまでの三本の矢を束ねて一層強化して、名目GDP六百兆円という目標を明確にさせていただきました。そんな中で、今委員が御指摘になりましたように、昨年の十一月に一億総活躍社会実現のための緊急対策というものを加藤大臣を中心に取りまとめられた。

 御質問は、この後、第一の矢の部分の担当者としてどんなことを考えているのかということだと思うんですけれども、今、春闘、花盛りでございますけれども、賃金、所得の向上を引き出す供給側の強化ということがやはり一つ重要ではないかと認識しております。

 そして、賃金、所得の向上や潜在ニーズの顕在化を通じて、昨年の十―十二のQEを見てもやはり消費が残念ながら弱いわけですから、消費を喚起する政策をつくっていく。そして、今、佐藤委員が御指摘されたように、成長と分配の好循環を実現するための新しいシステムを構築していくというような形で検討を進めさせていただいているわけでございます。

 経済財政諮問会議におきましても引き続き精力的に議論を今の点に関してさせていただきまして、ニッポン一億総活躍プラン、これは加藤大臣を中心に取りまとめられますけれども、そこに反映できるよう、もう少しブラッシュアップをこれから進めてまいりたいと考えております。

佐藤(茂)委員 もう一点、指示をされました加藤大臣にお伺いしたいのは、そのときに総理から、働き方改革及び子育て、介護の環境整備という骨格を示されました。そういう骨格も含めて、第二、第三の矢を策定される加藤大臣としては、このプランの内容としてどういうものをこれから検討されていくのか、御答弁をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 今、第一の矢については石原大臣から御説明がありましたけれども、第二、第三の矢については私を中心に策定させていただいております。

 まず第一に働き方改革でありますけれども、同一労働同一賃金の実現など、非正規雇用労働者の待遇改善、また定年延長企業の奨励等の高齢者雇用の促進、そして総労働時間抑制等の長時間労働の是正、これらについて具体的な方向性を取りまとめたいと思っております。

 第二点の子育て、介護の環境整備でありますけれども、保育、介護人材の確保のための介護職及び保育士の待遇改善の具体的な方向性を取りまとめたいと思っておりますし、あわせて、こうした保育や介護分野における生産性の向上と働き方改革についても取り上げていきたいと考えております。

 第三に、若者、女性、障害や難病のある方々の就業の促進、あるいは格差を固定化させないための子供の教育問題、こういったことも取りまとめたいというふうに思っております。

 この中身については、一億総活躍国民会議で毎回テーマを決めて、有識者の方々に入っていただいております、そういう方々を含めて集中的に御議論いただき、この春のプラン策定につなげていきたいと思っております。

佐藤(茂)委員 今、両大臣から、これからのプランの構想というか、どういうものを入れていくのかということも大体御答弁いただきましたので、また引き続き与党の一角として、私も党に持ち帰って、そういう政策を我が党内でもしっかりと議論させていただきたいと思っております。きょうのところはこれぐらいにいたします。

 大きな二点目として、きょう、就任されて間もない石原経済再生担当大臣に質問をさせていただきたいと思うんです。

 一月二十一日、これは大臣に就任される前、前大臣のときですが、本年第一回の経済財政諮問会議が行われまして、こういう資料、資料二とつけられているんですが、アベノミクスの三年間の成果、こういうデータが示されました。中身を拝見いたしますと、十項目にわたって、安倍政権が誕生する政権交代前と比較しての成果がわかりやすく示されたものだと思っております。

 例えば、概要では、十五年以上続いたデフレ状況を転換、物価の基調はプラスに転換、名目GDP、実質GDPはともに増加と、この段階でございますが。さらに、GNIについて見ると、実質では二〇一二年十―十二月期と比べて約二十一兆円増加したであるとか、あるいは企業収益は過去最高であると。さらに、倒産・失業、賃金のところでは、二〇一五年の倒産件数は二〇一二年と比べて約三割減少し、二十五年ぶりの低水準であるということであるとか、失業者は五十三万人減少というように、わかりやすい数字をしっかりとまとめていただいているわけですね。さらに、有効求人倍率も、全国は確かに上昇したんですが、全都道府県で上昇している、地方七県においては過去最高水準を記録しているということであるとか、あるいは女性、少子化ということでいうと、女性の就業者数は百二万人増加した、正規雇用者数は三十一万人増加したというような、数字的に本当にわかりやすい、アベノミクスとしてこれだけの数字を上げてきたんだ、そういう成果が一月に出されているわけでございます。

 ただ、それと比較いたしまして、ことしの一月以降だけ見ても、幾つかマスコミで世論調査をしているわけでございますが、なかなかその数字のような実感が国民に伴っていない。

 例えば、ちょうど同時期の一月二十二日から二十四日に調査した一月二十五日付の日経新聞を見ますと、アベノミクスによって今後も景気がよくなると思わないは四九%、よくなると思うが二七%なんですね。つい先週の例えば読売の世論調査、二月十六日付で見ますと、安倍内閣のもとで景気の回復を実感していますか、実感していませんか。実感しているが一六%、実感していないが七七%。きょうも同じく読売の朝刊に、アベノミクス、評価せずが五七%だという見出しで、今後景気回復を期待できると答えた人は三四%、期待できないは六五%だった、景気回復を実感していないは八四%に達した、そういう報道が出ているわけであります。

 石原経済再生担当大臣にぜひお聞きしたいのは、前大臣から政策を継承されて、数字上の経済再生とともに、大事なのはやはり、今企業業績が上がっているという一部上場企業だけではなくて、地方の中小企業あるいは商店街、そして国民が景気の回復を実感できるような、そういう経済再生のかじ取りをぜひお願いしたい。ことしはそういう意味では正念場ではないかと思っておるんですが、その方策も含めて、石原大臣の見解をお伺いしたいと思います。

石原国務大臣 ただいま佐藤委員が、大変わかりやすくアベノミクス三年の成果を御説明いただいたと思います。

 やはり大きく変わってきているのは、所得と雇用の環境というものが改善している、そして、委員御指摘のとおり、大企業は過去最高益を記録する。

 これからはやはり、今委員御指摘のように、中小零細そして地方の方々が、先ほど好循環の中での果実という形が重要であるというような御認識をお示しされておりましたけれども、そういうものを多くの方々が感じていただけるような成果を出していかなければならないと思っております。

 まだマクロの数字で分析がし終わっていないんですけれども、佐藤先生等々も応援をしていただきました地域振興券は、私、大臣をさせていただく前まで党の方の中小企業・小規模零細事業調査会の会長で全国を回った感じでは、どこへ行きましても、これは大変よかったよ、消費を喚起する政策としてはよかったんじゃないかというようなお褒めのお言葉をいただきました。

 その一方で、地方に行きましても労働人口が非常にタイトになってきている。もう悲鳴に近いような、人が足りないよというような話も聞いております。それによって人が足りないのであるならば、いい人を雇うために中小でも自信を持って賃金を上げていただいて、いい人を採っていただいて仕事をしていただく。それがまた消費の好循環につながるというのが、二十年間デフレが続いていて、やっとアベノミクスでデフレではない状態をつくり出すことはできたんですけれども、やはり心理としてはデフレマインドが強く出ている、これを払拭するところがこれからもう一つ大切なアベノミクスの政策ではないか、こんなふうに考えているところでございます。

佐藤(茂)委員 ありがとうございます。

 官房長官はもうちょっとお待ちください。最後にお聞きしたいんです。

 きょうは、ちょっとこれから同一労働同一賃金の実現について加藤大臣にお伺いしたいと思うので、石原大臣、もし公務等がおありでしたら。よろしいですか。

 それで、先ほどの一月二十二日の安倍総理の施政方針演説の中で「本年取りまとめるニッポン一億総活躍プランでは、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えであります。」、そういうように明言されました。政府の方でも既に一億総活躍国民会議等の場で議論を開始されたと伺っておりますし、公明党も、私が本部長をしております雇用・労働問題対策本部の中に同一労働同一賃金の実現に向けた検討小委員会を設置いたしまして、我が党の古屋範子さんに小委員長になっていただいて、議論を開始したところでございます。

 最初に、共通して持っておかないといけないのは、同一労働同一賃金という考え方とはどういうことなのかということ、何かということだと思うんですね。

 私は、一般に、この同一労働同一賃金というのは、労働に対して同じ賃金を支払うべきという考え方だと認識しております。つまり、職務内容が同一あるいは同等の労働者に対しましては同一の賃金を払うべきという考え方だと考えておりますけれども、この同一労働同一賃金というのを進めるということであるならば、その考え方について、これはどういうことなのかということについて、まず政府の見解を伺いたいと思います。

加藤国務大臣 今お話がありましたように、同一労働同一賃金とは、職務内容が同一あるいは同等の労働者に対して同一の賃金を支払うべきだという考え方だというふうに思っております。

 また、これから正規、非正規の労働者間の問題あるいは今の非正規労働者の待遇改善といった問題を考えるに当たりましては、基本的に、非正規労働者であるということをもって賃金が低いということについては、合理的な理由がない限りやはり問題があるのではないか、こういう観点から議論していくべきじゃないかと思っております。

佐藤(茂)委員 ありがとうございます。

 そういう観点から、昨年十一月の段階での緊急に実施すべき対策には入っていなかった同一労働同一賃金にまで踏み込まれたのだろうなというように推測いたしますので、次に質問を予定していたことは飛ばします。

 一般に、同一労働同一賃金という考え方はEU諸国に定着しておりまして、特にEU諸国において、性別、人種などの個人の意思、努力で変えられない属性等を理由として賃金等の労働条件に関する差別的取り扱いを禁止する原則として確立してきた概念と言われております。

 そういう意味では、これからヨーロッパを参考にしていかないといけないと私も思っているんですが、ただ、一説には、日本とヨーロッパの賃金に関連する雇用慣行の違いというものがありまして、欧州は職務給が広く普及し、日本は職務給が普及しておらず職能給である、要するに職務プラスキャリア展開ということが一般的なので、つまり、職務給というのは職務の困難度、重要度を評価し賃金を決定するんだけれども、職能給は労働者の職務を遂行する能力により賃金を決定する、そういう慣行の違いから日本への同一労働同一賃金原則の導入は難しい、そういう議論をされる方も学者やあるいは経済界の中にもいらっしゃるわけでございます。

 政府としては日本とヨーロッパの雇用慣行の違い及び同一労働同一賃金原則の日本への導入の難しさをどのように認識しておられるのか、きょうはとかしき厚労副大臣が来ておられますので、御答弁いただきたいと思います。

とかしき副大臣 お答えさせていただきます。

 今、佐藤委員から御案内いただきましたように、欧州の方では、職務の困難度や重要度を加味して賃金を決定していく職務給が中心でございまして、日本の場合は、職務の内容ではなくて、むしろ勤続年数や職務を遂行する能力を加味して賃金を決定していく職能給が一般的でございます。

 ということで、ちょっと考え方にそれぞれ違いがございますので、すぐそのまま一緒にしていくというのはなかなか難しい現状があるというのが今の状態でございます。

 以上でございます。

佐藤(茂)委員 そういうことなんですが、ただ、やはり先を行っているヨーロッパの事例というものをつまびらかにこれから研究していく価値はあると私は思うんですね。

 ヨーロッパ諸国の同一労働同一賃金に関する制度というものを見ますと二つに分かれておりまして、一つは、先ほど申し上げました、性別、人種等を理由とする差別的取り扱い禁止原則、こういう原則と、それとともに、二つ目は、雇用形態を理由とする不利益取り扱い禁止原則というのがございます。雇用形態というのは、まさにパートタイム労働であるとか有期契約労働、あるいは派遣労働等の雇用形態を理由として賃金等の労働条件に関する不利益取り扱いを禁止する。

 こういう二つの原則がヨーロッパの場合はあるということなんですが、この二つ目の方に客観的あるいは合理的理由があれば例外が許容される、そういう制度にヨーロッパはそれぞれなっております。

 例えば、フランスでは、提供された労働の質の違い、あるいは勤務年数の違い、キャリアコースの違い、企業内での法的状況の違い、採用の必要性、緊急性の違いなどでこの例外が許容される。あるいは、ドイツでは、学歴であるとか資格、職業格付の違いなどによって、賃金の違いを正当化する客観的な理由と認められているというようにされているわけでございます。

 ですから、先を行っていると言われるヨーロッパでも、同一労働に対し常に同一の賃金を支払うことが義務づけられているわけではなくて、今申し上げましたようなさまざまな、労働の質であるとか勤続年数あるいは学歴、資格、そういうものの違いによっては不利益取り扱い禁止原則の例外ということにされているわけでございます。

 こういう欧州の事例も参考にしながら、どういうものが賃金等の労働条件に関する不利益取り扱い禁止原則の例外になり得る合理的な理由なのか、どういうものが不合理な理由なのかということをしっかりとやはり精査していくというか研究していく必要があるんじゃないのか。

 というのは、日本の場合、最終的にもしこれを導入したとしても、今度、使用者といいますか会社側にも、あなたの賃金をこういうように差をつけたのはこうこうこういう理由からですということも明確にしてあげる、そういうルール、ガイドラインというものを明確に示すことによって、理論的には日本にも欧州のような同一労働同一賃金原則の導入は可能になってくるのではないか、私はそのように思うんです。

 ぜひ加藤大臣に、欧州のような同一労働同一賃金原則の導入の可能性と課題について御答弁をいただきたいと思います。

加藤国務大臣 先ほどとかしき厚労副大臣からお話がありましたように、欧州は職務給、日本は職能給、そして雇用環境が異なるから、日本への同一労働同一賃金をそのまま、今言ったそういう認識のもとではめ込むのは難しいのではないかという議論は確かにあります。

 しかし、今委員御指摘のように、ヨーロッパにおける特に判例等々をいろいろと研究させていただきますと、同一労働同一賃金と言われているヨーロッパにおいても、労働の質、勤続年数、キャリアコース等の違いは考慮に入れている、またそういったことをベースとした判決が出されているというふうに承知をしております。

 そういったことを考慮すれば、日本でもそういった意味での同一労働同一賃金の導入というのは可能ではないかというふうに思います。

 大事なことは、どのような賃金格差が正当でないと認められるのかといったことを一つ一つ整理して、やはりガイドラインをまとめてそうした事例を示していくということがまず必要になってくるんじゃないかな。

 そういう意味からも、法律家などから成る専門的検討の場を立ち上げて欧州での法律運用実態の把握等を進めていきたいと思っておりますし、また、先般の国民会議で安倍総理からは、その上で、できない理由は幾らでも挙げることはできる、大切なことは、どうやったら実現できるか、ここに意識を集中していただきたいという指示がございましたので、そういった方向にのっとって対応していきたい、こう思っております。

佐藤(茂)委員 私も、総理が強い決意で、どうやったら実現できるのか、そういう新たな一歩を踏み込もうとされていることについては与党としてもさらに議論をしてまいりたいと思うんですが、具体的にやはり数字の上で成果を上げないといけないと思っているんですね。

 というのは、最近厚生労働省から、フルタイム労働者に対する非正規の一つのパートタイム労働者の賃金水準の国際比較というものをいただきました。フルタイム労働者の時間当たり賃金に対するパートタイム労働者の時間当たり賃金の割合というのが、フルタイム労働者を一〇〇とすると、日本は二〇一三年時点で五六・八である。ところが、ドイツは二〇一〇年時点で七九・三、フランスは二〇一〇年時点で八九・一等々、ほかは割愛しますが、ヨーロッパは、日本のような五六・八ではなくて、大体八〇%前後あるんですね。パートタイム労働者という一点で見ても、賃金の割合というのは八〇%ぐらいいただかれている、日本は五六・八%と、非常に賃金差が大き過ぎるわけでございます。

 今回、政府の中で、そういう国民会議等でされている欧州の事例を学んで同一労働同一賃金の議論をされる中で、結果として、最終的にそういうパートタイム労働者も含めた非正規労働者の皆さんの賃金差が少しでも縮まって待遇改善に結びつけることというのは極めて大事であって、その具体策をぜひニッポン一億総活躍プランに盛り込んでいただきたい、そのように考えますけれども、再度、加藤大臣の決意を伺いたいと思います。

加藤国務大臣 御指摘のように、我が国の場合、欧州各国と比べて正規で働く方々と非正規で働く方々の格差はやはり大きいというふうに私も認識をしております。また他方で、例えば女性においては、結婚、子育てもあって、三十代半ば以降はみずから非正規雇用を選択されているという方が多い、こういう実態もあります。そういったことを踏まえて、さまざまな多様な働き方の選択を広げていくためにも、非正規雇用で働く方の待遇改善をさらに徹底していく必要があるというふうに思います。

 そういった観点に立って、これから取りまとめますニッポン一億総活躍プランにおいても同一労働同一賃金の具体的な方向性を示していきたいと思っておりますし、また公明党内においてもいろいろ御議論があろうかと思いますので、そういった御示唆もいただきながら取りまとめたいと思っております。

佐藤(茂)委員 ここでがらっとかわりまして、官房長官、済みません、お待たせいたしました。

 一つは、北朝鮮の核実験、弾道ミサイルへの対応について二点ほどお伺いしたいんです。

 米中が、特に二十三日にアメリカのケリー国務長官と中国の王毅外相がワシントンで会談されて、北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議について、結果的には、彼らが語っている言葉で、重要な進展があり、近く合意する見込みだ、そのように強調されて、これまでよりも強い内容の決議案が近くまとまる見通しである。きょうの朝もさらに、今度は国連の中でもそういう方向になってきているという趣旨の報道がございました。

 この米中の大筋合意で北朝鮮への制裁決議が前に進むことについての日本政府としての受けとめ方を、ぜひ菅官房長官にお伺いしたいと思います。

菅国務大臣 対北朝鮮制裁に係る安保理決議でありますけれども、今委員から御指摘がありましたように、米国と中国との間で採択に向けて大きな進展があったということは私も報告を受けています。その後、日本時間の本日未明に安保理非公式会合が開催をされて、現在は、関係国間で採択に向けた最終調整が行われるという報告を受けています。

 我が国としては、安保理非常任理事国として、日米韓の強固な連携を保ちつつ、他の主要国とも緊密に協力しながら、強い措置を含む採択を一貫して目指し、今日まで全力で取り組んでまいりました。

 今回、現実問題として、採択に至るまでの今は最終段階だというふうに思っていますので、今後もその目的のために全力を尽くして関係国と取り組んでいるというのが今の実情であります。

佐藤(茂)委員 ぜひ、官房長官、今、吉川国連大使だと思うんですが、出先を含め、外務省も、日本政府も挙げて取り組んでいただきたいと思うんです。

 ちょうど二〇〇九年に北朝鮮が同じように核実験、前の麻生政権のときですけれども、また弾道ミサイルを飛ばしましたときに、私も与党でこの分野の公明党の責任者をしておりましたので、当時の山崎拓さんと今の中谷防衛大臣と私の三人、とにかく日本は、政府・与党は怒っているんだということを国連に行って言ってこい、そういう指示をいただきまして、国連の、今もロシアのチュルキンさんという大使はかわりませんが、ロシアであるとか中国あるいは韓国、もちろんアメリカもですけれども、強い決議をということで働きかけた思い出があります。

 本当に今それが思い出されまして、それ以来の大きな厳しい決議になるのではないかということを期待しておりますので、ぜひ進めていただきたいなと思います。

 もう一つ、二月七日に行いました北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けまして、私は、北朝鮮のミサイル発射に的確に対応するためには、やはりまずは日本とアメリカと韓国の防衛体制を結果的に連携といいますか、こういうものを強化していくということが何よりも大事だと思うんですが、それとともに、今回も言われておりますように、ミサイル発射を重ねるごとに北朝鮮は技術力というのをどんどん向上させている実態がございます。そういうことからすると、我が国の自衛隊の迎撃能力というものもさらに高めていく努力をしていく必要があるのではないか、そのように考えます。

 一つは、今、日米両政府が共同開発中のSM3ブロック2Aが配備されると、例えばイージス艦も、今は日本全体を守るのに三隻必要なんですけれども、二隻で大丈夫になるというようなこともあります。

 もう一つは、さらなる迎撃態勢を考えていってもいいのではないかと思うんですね。

 というのは、十年以上前にアメリカへ行きましてミサイル防衛庁へ行きましたときに、一つはSM3ブロック2Aの話と、もう一つは、今、韓国に米軍が導入しようとしていると言われているTHAADの話を伺いました。今、日本は二段構えです。イージス艦からSM3で撃ち落とす、次に、着弾に近くなって、それでだめなものをPAC3で撃ち落とす。このちょうど間に入る高さぐらいで落とす、これがTHAADだと私は認識しておるんです。

 二段構えから三段構えで北朝鮮等が飛ばしてくる弾道ミサイルをしっかりと迎撃できる、そういう構えというものも研究していく価値はあるのではないかと思っております。ただ、防衛関係費というのはやはりどこまでも青天井というわけにいきませんから、費用対効果の面であるとか、あるいは自衛隊全体の装備体系というものとの関係をしっかり考慮に入れないといけないと思うんです。

 そういうTHAADの件について検討していくということについて、ある報道では、官房長官も、今回の北朝鮮の事案を受けて、研究しつつ検討を加速すると語られたとされているんですけれども、NSCを担当されている菅官房長官の見解をぜひ伺いたいと思います。

菅国務大臣 北朝鮮は、我が国初め関連国のたび重なる指摘にもかかわらず、核実験そして弾道ミサイルを発射した。これに対して、当然、我が国としては、国民の命と平和を守るための防衛をするのは私どもの役割だというふうに思っています。

 現状は、今委員の御指摘がありましたように、イージス艦とPAC3のミサイルで今回も対応させていただいたわけでありますけれども、しかし、北朝鮮の技術力というのは間違いなく向上していることも事実だろうというふうに思っています。

 そういう中で、防衛大綱及び中期防整備計画においては、現在の弾道ミサイル防衛システムの能力を強化するとともに、新たな装備品も含めて、将来の弾道ミサイル防衛システム全体のあり方について検討する、こういうことになっております。現段階においては今御指摘いただきましたTHAADを導入する具体的な計画はありませんけれども、このような新たな装備品の導入というのは具体的な能力強化策の一つであるというふうに考えています。

 いずれにしろ、政府としては、我が国の弾道ミサイル防衛システムの将来的あり方について精力的に検討し、弾道ミサイル、核の脅威から国民の皆さんの安全を守るために全力で取り組んでまいる所存であります。

佐藤(茂)委員 あと二分時間がございますので、もう一つ。

 最初の自民党の宮崎委員の方から御質問のありました、アメリカ太平洋軍のハリー・ハリス司令官が二十三日にアメリカの上院軍事委員会の公聴会に出席されて、これは公の場でございます、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設の完了について、二〇二三年までに代替施設が完成する予定とすれば約二年おくれており、二五年に終える、そういうふうに語ったという報道がございます。要は、これまでの計画よりも二年おくれる、そういう見通しを示されました。

 もともと今の統合計画では普天間飛行場の返還時期を二〇二二年度またはその後とすることで合意していたんですけれども、アメリカの太平洋軍司令官、米軍幹部がこういうおくれを公の場で発言されるというのは異例のことでございますし、先ほど官房長官も、日本からそういうことを言ったことはないんだと言われました。

 ただ、それで、しかしアメリカの上院軍事委員会というのはそれなりのところですから、その公聴会で言われたことがそのままひとり歩きしてしまうと困るわけでございますので、日本政府と認識が異なっているということだけではなくて、そごのないようにどこかでしっかりとやはり調整していく必要があるのではないかと私は思うんですけれども、そういうことも含めて、官房長官の見解を伺いたいと思います。

菅国務大臣 まず、これまで日本側から米国に対して、辺野古移設について、当初よりおくれて二〇二五年になるという見通しを伝えたことは一切ありません。現時点においては、日米で合意した計画というのは、委員から御指摘がありましたように、二二年度またはその後に返還されるということになっております。

 この移設につきましては、米国とさまざまなレベルで緊密に協議をしながら進めているところであります。こういう中で、計画はしっかりと進めていくという日本のかたい決意も米国に当然伝えるところであります。

 政府としては、引き続き、米側と緊密に連携をとりながら、このことをしっかり実行に移すように努力してまいりたいというふうに思います。

 当然、米側のこの発言については、外交ルートを通じて、そこは全く今までと違うわけでありますから、我が国からもしかるべき抗議をしているところであります。

佐藤(茂)委員 時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

西村委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四分散会


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