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第1号 平成18年2月14日(火曜日)

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本国会召集日(平成十八年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 石原 伸晃君

   理事 早川 忠孝君 理事 平沢 勝栄君

   理事 高山 智司君 理事 平岡 秀夫君

   理事 漆原 良夫君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      近江屋信広君    太田 誠一君

      倉田 雅年君    笹川  堯君

      柴山 昌彦君    下村 博文君

      棚橋 泰文君    西川 公也君

      松島みどり君    三ッ林隆志君

      水野 賢一君    森山 眞弓君

      矢野 隆司君    保岡 興治君

      柳澤 伯夫君    柳本 卓治君

      石関 貴史君    枝野 幸男君

      河村たかし君    玄葉光一郎君

      津村 啓介君    伊藤  渉君

      保坂 展人君    滝   実君

      今村 雅弘君    山口 俊一君

平成十八年二月十四日(火曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 石原 伸晃君

   理事 倉田 雅年君 理事 棚橋 泰文君

   理事 西川 公也君 理事 早川 忠孝君

   理事 平沢 勝栄君 理事 松島みどり君

   理事 高山 智司君 理事 平岡 秀夫君

   理事 漆原 良夫君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      近江屋信広君    太田 誠一君

      笹川  堯君    柴山 昌彦君

      下村 博文君    三ッ林隆志君

      水野 賢一君    森山 眞弓君

      矢野 隆司君    保岡 興治君

      柳本 卓治君    石関 貴史君

      枝野 幸男君    河村たかし君

      三谷 光男君    鷲尾英一郎君

      伊藤  渉君    辻元 清美君

      滝   実君    今村 雅弘君

      山口 俊一君

    …………………………………

   法務大臣         杉浦 正健君

   法務副大臣        河野 太郎君

   法務大臣政務官      三ッ林隆志君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  玄葉光一郎君     細川 律夫君

二月二日

 辞任         補欠選任

  津村 啓介君     北神 圭朗君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  北神 圭朗君     鷲尾英一郎君

  細川 律夫君     三谷 光男君

  保坂 展人君     辻元 清美君

同日

 辞任         補欠選任

  三谷 光男君     細川 律夫君

  鷲尾英一郎君     北神 圭朗君

  辻元 清美君     保坂 展人君

同日

 理事三原朝彦君平成十七年十一月一日委員辞任につき、その補欠として倉田雅年君が理事に当選した。

同日

 理事吉野正芳君平成十七年十一月二日委員辞任につき、その補欠として松島みどり君が理事に当選した。

同日

 理事田村憲久君平成十七年十一月二十四日委員辞任につき、その補欠として棚橋泰文君が理事に当選した。

同日

 理事平沢勝栄君同日理事辞任につき、その補欠として西川公也君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十日

 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百六十三回国会閣法第二二号)

二月二日

 国籍選択制度の廃止に関する請願(河村たかし君紹介)(第一三号)

 同(荒井聰君紹介)(第四七号)

 同(仙谷由人君紹介)(第四八号)

 同(西村真悟君紹介)(第四九号)

 同(寺田学君紹介)(第五八号)

 同(仲野博子君紹介)(第五九号)

 同(丸谷佳織君紹介)(第一四六号)

 成人の重国籍容認に関する請願(河村たかし君紹介)(第一四号)

 同(荒井聰君紹介)(第五〇号)

 同(仙谷由人君紹介)(第五一号)

 同(西村真悟君紹介)(第五二号)

 同(寺田学君紹介)(第六〇号)

 同(仲野博子君紹介)(第六一号)

 同(丸谷佳織君紹介)(第一四七号)

 国の訴訟代理人の適正な職務遂行に関する請願(大前繁雄君紹介)(第一四四号)

 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案の廃案に関する請願(辻元清美君紹介)(第一四五号)

同月九日

 国籍選択制度の廃止に関する請願(高木美智代君紹介)(第一八八号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一八九号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第二三六号)

 同(岩國哲人君紹介)(第二三七号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第二三八号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第二三九号)

 成人の重国籍容認に関する請願(高木美智代君紹介)(第一九〇号)

 同(土肥隆一君紹介)(第一九一号)

 同(市村浩一郎君紹介)(第二四〇号)

 同(岩國哲人君紹介)(第二四一号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第二四二号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第二四三号)

 共謀罪新設反対等に関する請願(辻元清美君紹介)(第二三五号)

 外国人住民基本法の制定に関する請願(阿部知子君紹介)(第三二九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

石原委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し述べさせていただきたいと思います。

 このたび、法務委員長のお役を拝命いたしました石原伸晃でございます。

 きょうを迎えるに当たりまして、私が改めて胸に期す法律に関する二つのことを、この場をおかりしまして御紹介申し上げたいと思っております。

 福沢諭吉の「学問のすゝめ」の中の二つの説なんでございますが、福沢翁はこのように述べております。

 「元来人民と政府との間柄はもと同一体にて、その職分を区別し、政府は人民の名代となりて法を施し、人民は必ずこの法を守るべしと、固く約束したるものなり。」

 そしてもう一つ、「政府にて法を立てるは勉めて簡なるを良とす。既にこれを定めて法と為す上は、必ず厳にその趣意を達せざるべからず。」

 法務委員長の重責を担うに当たりまして、私はこの福沢翁の言葉にあるように、私たちの持つ権限というものはあくまでも国民の皆さん方の負託に基づくものであること、そして、現代の社会を眺めたときに、複雑化、多様化する時代にこそ、より簡素で公平なルールが必要であるとの認識に立たせていただき、円満、公正な委員会運営に努めてまいりたいと存じております。

 委員各位の御指導、御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

石原委員長 それでは、理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事平沢勝栄君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      倉田 雅年君    棚橋 泰文君

      西川 公也君   松島みどりさん

を指名させていただきます。

     ――――◇―――――

石原委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 裁判所の司法行政に関する事項

 法務行政及び検察行政に関する事項

 国内治安に関する事項

 人権擁護に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

石原委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、法務行政等の当面する諸問題につきまして、法務大臣から説明を聴取いたします。杉浦法務大臣。

杉浦国務大臣 昨年十月、法務大臣に就任いたしました杉浦正健でございます。委員長を初め委員の皆様方には、平素から法務行政につきまして格別の御尽力を賜っており、厚く御礼申し上げる次第でございます。通常国会の冒頭に当たり、一言ごあいさつと所信の一端を申し述べます。

 就任に当たり、小泉総理から、一つ、犯罪に強い社会の実現のための行動計画に基づき、各種犯罪対策の充実強化を図り、世界一安全な国日本の復活に向けて全力を挙げて取り組むこと。二つ、犯罪者の矯正処遇の充実などにより、再犯防止対策を積極的に推進すること。三つ、不法滞在者半減の目標の達成に向け、体制の構築など出入国管理対策の強化を進めること。四つ、一連の司法制度改革の成果を国民が実感できるよう、改革の本旨に従った運用についてリーダーシップを発揮することの四点について、格別の御指示がありました。いずれも法務行政の喫緊の重要課題ばかりであり、私としても全力で取り組む所存でございます。

 私は、年頭、職員に対し、本年を治安回復元年と位置づけ、全国五万一千人の法務省職員が一丸となってこれら諸課題に取り組んでいくよう訓示をいたしました。また、就任早々から本年初めにかけまして、副大臣、大臣政務官と手分けをし、全国八ブロック、合計百六十カ所余りの法務省関係施設を視察し、現場の声に耳を傾けました。その結果、第一線の士気は高く、皆が心を一つにして事に当たれば諸課題を十分克服できるとの思いを深めることができましたし、職員一人一人の力をさらに引き出すとともに、法務行政を支える多くの民間ボランティアの方々から一層の支援を得られるよう諸施策の充実に努めたいとの決意を新たにした次第でございます。

 現在、政治家の目で改めて検討を要すると思われるテーマを、中長期にわたるものを含め選定し、私を首席とする刑事施設収容人員適正化プロジェクト、副大臣を首席とする今後の外国人の受け入れ等に関するプロジェクト、大臣政務官を首席とする再犯防止対策プロジェクトをそれぞれ立ち上げ、省内で活発な議論を始めたところでございます。諸課題に対し、積極的かつスピーディーに対応を図る所存です。皆様の一層の御指導、御鞭撻をお願いいたしますとともに、今国会に提出する予定の諸法律案については、いずれも慎重審議の上、速やかに成立させていただきますようお願い申し上げます。

 以下、幾つかの具体的施策について申し述べます。

 司法・法務を取り巻く現下の諸情勢に対応し、また、裁判員制度を初めとする新制度の導入に的確に対応していくためには、司法・法務の各部門の充実強化が不可欠です。このため、今国会には、裁判所職員の増員を図るための裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び仮釈放審理等を担当する地方更生保護委員会の委員数の上限を改定するための犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案を提出させていただきました。

 刑法犯の総認知件数、同検挙数等の数値には改善の兆しが見られるとはいえ、路上における児童の誘拐、殺人等、国民の身近で発生する凶悪重大事犯がなお後を絶たず、多くの国民が肌で感じている体感治安は依然深刻な状況にあると言わざるを得ません。これを改善するためには、各種犯罪対策、非行対策に係る法整備に緊急な対応が求められていると考えます。

 このため、継続審議中である犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案のほか、窃盗罪に選択刑としての罰金刑を導入することなどを内容とする刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案、触法少年等に係る事件の調査手続の整備などを内容とする少年法等の一部を改正する法律案を新たに今国会に提出することとしております。

 再犯防止対策については、現在、矯正、更生保護の両面で処遇の充実強化に取り組み、中でも性犯罪者に対する処遇については、性犯罪者処遇プログラム研究会の成果を踏まえ、平成十八年度から本格的な処遇プログラムを実施することとしています。更生保護については、地方更生保護委員会を含めその体制強化を目指すとともに、保護司に対する実費弁償金の充実を図るなどの措置を講ずることとしておりますが、より抜本的な改革に向け、現在、有識者会議を設けて幅広く御議論をいただいているところであり、その御提言をも踏まえ、時代の要請により即応できる更生保護制度の確立のための施策を早急に取りまとめたいと考えております。

 再犯の防止は、法務行政のみにより果たし得るものではありません。このため、昨年来、省庁間の垣根を取り払った取り組みを進め、出所者等についての警察との情報共有や、犯罪を犯した者に対する就労支援についてのハローワークとの連携等を進めてまいりました。出所者等が職を持って勤労に励むことが立ち直りの出発となることは、だれしも異論のないところと思われます。実際にも、出所後に職がなかった者は再犯に至る可能性が高く、他方で、出所後に職を得ることができた者については再犯に至る可能性が極めて低いと言うことができます。このため、行政として今以上に何ができるか、これに民間からどのような支援を得ることができるか、地方自治体の協力をどのように仰ぐか、そのためにはどのような仕組みが必要かなどについて一層真剣に検討してまいりたいと思います。

 犯罪被害者やその御家族などのための施策については、政府において、昨年、犯罪被害者等基本計画を策定しました。その着実な実施に努めるほか、今後の検討が求められた課題については、犯罪被害者等の方々を初め各方面の御意見を十分伺いながら、積極的に検討を進めてまいります。そして、犯罪被害者の被害回復を支援するため、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の一部を改正する法律案及び犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律案を今国会に提出することとしております。

 テロにつきましては、昨年、サミット開催中の英国における事件のほか、各国でテロが頻発するなど、国際テロの脅威は拡散しております。我が国もアルカイダ等によってテロの標的として名指しされており、国際テロ組織の攻撃対象とされる可能性があります。こうした状況を踏まえ、国内外の情報の収集に努めるとともに、テロの未然防止のため、厳格な入国審査を実施してまいります。これを担保するためには、バイオメトリックスを活用した入国審査制度を導入することが不可欠であり、そのための措置等を盛り込んだ出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしております。

 出入国管理及び難民認定行政につきましては、他方で、観光立国等の観点から、出入国審査の一層の円滑化が求められております。前記法案において、あわせてそのための措置を講ずるほか、利便性の向上、国際協力・協調にも配慮した取り組みを進めてまいります。

 民事行政につきましては、現在、行政改革大綱等に基づき、基本法制の現代化の作業を進めてきておるところでありますが、社会経済活動の多様化や国際化に対応すべく、法の適用に関する通則法案及び信託法案を今国会に提出することとしております。

 また、都市再生の円滑な推進に寄与するため、全国の都市部における登記所備えつけ地図の整備を強力に推進いたします。

 司法制度改革につきましては、一連の改革の成果を国民が十分に実感できるよう、さらなる努力を積み重ねていかなければなりません。本年は、改革の重要な柱の一つである総合法律支援構想の中核をなす日本司法支援センターが発足いたしますが、真に国民に愛され、頼りにされるセンターとすべく、関係諸団体や自治体との連携を深め、その準備に万全を期する所存でございます。また、裁判員制度については、国民に制度の意義を御理解いただき、快く参加していただけるよう、その広報啓発と環境の整備に努めてまいります。そして、これらの新たな制度を円滑に実施していくための基礎となるのが法教育であると考えております。新たな時代の自由かつ公正な社会の担い手をはぐくむため、法教育を普及発展させてまいります。

 矯正行政につきまして、刑務所の過剰収容問題は、法治国家である我が国の根幹を揺るがしかねない問題であると認識しており、その解消のため、引き続き全力で取り組んでまいります。また、懸案となっておりました監獄法改正につきましては、昨年、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律を成立させていただきました。その施行準備に万全を期してまいります。また、残された課題である未決拘禁者等の処遇等に関する法整備を行うため、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしております。

 このように、法務行政の課題はメジロ押しでありますが、すべての法務行政の根底には、国民の権利擁護の理念が流れております。二十一世紀は、人権の世紀とも言われております。人権啓発に関する施策を推進するとともに、現実に生起する人権侵害の適正かつ迅速な処理及び実効的な予防を図ってまいります。人権侵害被害者の実効的な救済を図ることなどを目的とする人権擁護法案については、できるだけ早期に提出できるよう努めてまいります。

 政府が推し進める構造改革、規制緩和の時代においては、国民の社会生活を規律するルールの明確化と、事後監視・救済の充実が強く要請されるところであり、その屋台骨を支える司法・法務の役割はますます重大であります。広く国民の理解をいただく中で、法務行政を強力に推進するよう努めてまいります。重ねて、御説明申し上げました今国会提出予定法案につきましては、慎重御審議の上、速やかに成立させていただくようお願い申し上げます。委員長を初め委員の皆様の御理解と御指導をよろしくお願いし、ごあいさつといたします。

 ありがとうございました。(拍手)

石原委員長 なお、平成十八年度法務省関係予算及び平成十八年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付してございます関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。

 次に、河野法務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野法務副大臣。

河野副大臣 法務省の副大臣を拝命することになりました河野太郎でございます。

 杉浦大臣の指示を受け、三ッ林大臣政務官とともに職務にいそしんでまいりたいと思います。

 今後とも、御指導、御鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。(拍手)

石原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十七分散会


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