衆議院

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第11号 平成18年11月15日(水曜日)

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平成十八年十一月十五日(水曜日)

    午前十時三分開議

 出席委員

   委員長 七条  明君

   理事 上川 陽子君 理事 倉田 雅年君

   理事 棚橋 泰文君 理事 早川 忠孝君

   理事 松浪 健太君 理事 高山 智司君

   理事 平岡 秀夫君 理事 大口 善徳君

      赤池 誠章君    稲田 朋美君

      近江屋信広君    奥野 信亮君

      後藤田正純君    柴山 昌彦君

      杉浦 正健君    鈴木 馨祐君

      松本 洋平君    三ッ林隆志君

      宮腰 光寛君    矢野 隆司君

      保岡 興治君    柳本 卓治君

      吉川 貴盛君    石関 貴史君

      大串 博志君    河村たかし君

      細川 律夫君    三谷 光男君

      横山 北斗君    伊藤  渉君

      保坂 展人君    今村 雅弘君

      滝   実君    山口 俊一君

    …………………………………

   法務大臣         長勢 甚遠君

   法務副大臣        水野 賢一君

   国土交通副大臣      望月 義夫君

   法務大臣政務官      奥野 信亮君

   最高裁判所事務総局家庭局長            二本松利忠君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房タウンミーティング担当室長)   谷口 隆司君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  竹花  豊君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           久保 信保君

   政府参考人

   (消防庁審議官)     寺村  映君

   政府参考人

   (法務省大臣官房長)   池上 政幸君

   政府参考人

   (法務省大臣官房司法法制部長)          菊池 洋一君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    小津 博司君

   政府参考人

   (法務省矯正局長)    小貫 芳信君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           布村 幸彦君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    中谷比呂樹君

   政府参考人

   (国土交通省自動車交通局次長)          桝野 龍二君

   法務委員会専門員     小菅 修一君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十五日

 辞任         補欠選任

  笹川  堯君     吉川 貴盛君

  武藤 容治君     鈴木 馨祐君

  大串 博志君     三谷 光男君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 馨祐君     松本 洋平君

  吉川 貴盛君     笹川  堯君

  三谷 光男君     大串 博志君

同日

 辞任         補欠選任

  松本 洋平君     武藤 容治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

七条委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房タウンミーティング担当室長谷口隆司君、警察庁生活安全局長竹花豊君、警察庁交通局長矢代隆義君、総務省大臣官房総括審議官久保信保君、消防庁審議官寺村映君、法務省大臣官房長池上政幸君、法務省大臣官房司法法制部長菊池洋一君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省刑事局長小津博司君、法務省矯正局長小貫芳信君、文部科学省大臣官房審議官布村幸彦君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長中谷比呂樹君、国土交通省自動車交通局次長桝野龍二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

七条委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局二本松家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

七条委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

七条委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢野隆司君。

矢野委員 おはようございます。自由民主党の矢野隆司でございます。さきの通常国会に引き続きまして、今国会でも法務委員を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

 また、大変おくればせながら、長勢大臣、水野副大臣、そして奥野大臣政務官には、御就任まことにおめでとうございました。

 きょうは、十五分という限られた時間しかございませんので、二つテーマを絞って質問をさせていただきたいと思っております。

 まず一点目は、去る十月二日に業務を開始されました日本司法支援センター、いわゆる法テラスについてお尋ねをしたいと思っております。

 この日本司法支援センターと申しますのは、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会の実現を目指そう、こういうことで、法務省が一丸となってこの開設に当たられたというふうに伺っておりますけれども、その段取りといたしまして、まずコールセンターというところに電話をかけるということからスタートをするというふうに伺っております。このコールセンターの利用状況、開設以来、十月二日から今日までの利用内容といいますか、相談内容の多いもの、それから利用者数、そういった利用状況をまずちょっと教えていただきたいと思います。

菊池政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、日本司法支援センターは十月二日に業務を開始いたしました。その業務の中で、相談内容に応じまして適切な相談窓口とか関係機関を御紹介するということを中心といたします情報提供業務というのは非常に重要でございます。業務開始以来、一昨日の十一月十三日までの間に、コールセンターに対するお問い合わせの件数はおおよそ四万六千件になっております。

 相談内容を多い順から三つほど申し上げますと、一番多いものは、金銭の借り入れに関する御相談でございます。二番目は、離婚など夫婦、男女関係に関する問題でございます。三番目は、遺言とか遺産分割など相続に関する問題、この三つが大きな相談内容になっております。

 支援センターでは、このようなお問い合わせを受けた場合、それぞれ御相談の内容、お問い合わせの内容に応じまして、弁護士会の法律相談窓口とか、あるいは司法書士会の相談窓口、または消費生活センターなど、相談内容に応じまして適切な関係機関を御紹介申し上げているというふうにお聞きをいたしております。

矢野委員 ということは、まず電話がかかってきて、それで、実は多重債務で困っておりますとか、あるいは、なかなか別れようと思っても別れられないとか、それぞれの内容に応じて、それぞれ専門の弁護士さんを、いわゆるコールセンターといいますか司法支援センターの方でリストアップしておる弁護士さんに仲介する、こういう理解でよろしいんでしょうか。

菊池政府参考人 御指摘のとおり、支援センターの情報提供業務といいますか、相談窓口提供業務につきましては、適切な相談窓口との協力関係を築くということが非常に大切でございます。現時点で、おおよそ二千ほどの関係機関と協力関係といいますか連携関係をつくっております。

 お尋ねの点でございますが、相談内容に応じまして、例えば、これはもう裁判をやるのが適切だ、そうであれば弁護士さんに相談されるのがいいだろうという場合には、支援センターでは、個々の弁護士さんというよりは地元の弁護士会の方を御紹介申し上げているというのが実情であるというふうにお聞きをいたしております。

矢野委員 ここで、ちょっと伺いにくい質問に入っていくわけですが、十一月三日の各新聞に「法テラス開業一カ月」ということで記事が掲載されております。東京新聞あるいは日本経済新聞等々で「想定の半数以下」「ペース、見込みの半分」と大変厳しい見出しの記事が出ておりますが、なかなか、想定と実際との乖離というものはえてして、これに限るわけではございませんので、あるかとは思いますけれども、こういった実情をどのように踏まえておられるのか。

 それから、私の知っている人の中でも、知っている人と知らない人と非常に分かれておりまして、中には裁判員制度とごっちゃにしているような人もいるわけですけれども、その辺の見解といいますかお考えをちょっと教えていただきたいと思います。

菊池政府参考人 御指摘のとおり、支援センターが業務開始前に試算をいたしましたお問い合わせの件数よりも、業務開始後一月余りの間の実績はやや下回っております。

 事前に推計をいたしましたのは、実は、支援センターにおきまして、業務開始前に横浜と東京で試みのテストをやってみたわけでございます。コールセンターでお問い合わせを受ける、そのテストの数から一年間のお問い合わせの件数を推計したわけでございますが、ふたをあけてみると、実際は推計件数よりも少なかったという実情でございます。

 ただ、まだ業務を開始して一月余りの実績でございますので、その一月の数字ですべてを評価するのはまだちょっと早いのではないかと私どもは考えております。

 ただし、今御指摘のとおり、日本司法支援センターが国民の皆様の間にまだ完全には浸透していないのではないかという問題はあろうかと思います。特に、支援センターでは、ウイークデーは午前九時から午後九時まで問い合わせを受け付けておりますし、土曜日もオープンしておりまして、午前九時から午後五時まで業務を行っております。ただ、支援センターは独立行政法人に準じた法人ですので、役所と同じように五時以降とか土曜日はやっていないのではないかという国民の皆様のお考えもあるのかもしれません。

 私どもとしては、そういった点も含めまして、今後さらに、政府広報等を利用して広報に努めてまいりたいと思いますし、支援センターにおきましても同様に、広報に努めていくとお聞きしております。

 特に、支援センターは全国五十カ所に地方事務所がございますので、それぞれの地方事務所で、地元の自治体の広報とか地方の新聞なども利用して、さらに広報に努めていく予定というふうにお聞きをいたしております。

矢野委員 今お話の出ました地方事務所ですが、ここへの問い合わせというのはコールセンターの分とはまた別というふうに伺っておりますが、この地方事務所には、今のところ、全部で何件ぐらい問い合わせが来ておるのでしょうか。

菊池政府参考人 今手元にございます数字は、最新のものではなくて十月の一カ月分でございますが、コールセンターがおおよそ三万五千件、地方事務所全体に直接お問い合わせがあった件数がおおよそ九千件というふうにお聞きをいたしております。

矢野委員 ということは、三万五千件に九千件を足して四万四千件が一カ月にあったということは、ざっと一日千五百件ぐらいの問い合わせ、相談があった、これはもう大変な数だと思いますし、やはりそれだけ設立の意義はあったのかなと思っております。

 その中で、新聞の中に一部あったのでございますが、苦情も若干出ておるというようなことも仄聞するわけでございます。実際に開設をされて、今後整備すべきテーマもそういう苦情という形で出ておるのかなと思うのでございますが、そのあたり、整備すべきテーマあるいは苦情の対応といったものについて伺いたいと思います。

菊池政府参考人 御指摘のとおり、これまでコールセンターの利用者からは、相談先の電話番号を教えられただけだったとか、電話がなかなかつながらなかったとか、紹介先の対応が必ずしも適切ではなかったといった御意見といいますか苦情もちょうだいしているところでございます。

 支援センターの根拠となっております総合法律支援法では、支援センターは、その業務が、これを必要とする方にとって利用しやすいものとなるよう配慮しなければならないという規定がございます。そういった観点もございますので、支援センターでは、何か毎日オペレーターを集めてミーティングをやっておりまして、電話をかけた方一人一人の相談内容なりトラブルをよくお聞きして親切な対応をするようにという指導、教育を徹底しているというふうにお聞きをしております。

 また、支援センターにおきましては、利用者の方の御意見といいますか苦情を踏まえまして、それをお聞きしてどう対応するのか、今後の業務にどう生かしていくのかということを検討するためのセクションといいますか部局を設けるという方向で今検討をしているとお聞きしております。

 またもう一点、先ほど地方事務所が全国五十カ所にあるというふうに申し上げましたが、各地方事務所単位で、関係機関などにお集まりいただきまして、協議会というものを開催いたしております。その場で利用者の方の御意見などもお伝えして、より一層適切な対応ができるよう努力しているところであるというふうに承知をいたしております。

矢野委員 インターネットのホームページを拝見しますと、「法テラス 迷うあなたの 道しるべ」こういうことが大きく出ておりますので、まさに国民にとっての道しるべということで、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それから次にもう一点、もう余り時間がございませんが、簡潔にお尋ねをしたいと思います。

 私は近畿比例ブロックの選出でございます関係からお尋ねをいたしますけれども、過日、大阪拘置所におきまして、職員の暴力団関係者等への便宜供与がございました。その関係で、収賄で逮捕された職員がおるわけでございますが、その便宜供与事案解明の状況、それから、そういった職員に対する信頼失墜に対して、矯正局の方で再発防止と申しますか、どのように取り組むのかといったことを簡潔にお尋ねしたいと思います。

小貫政府参考人 大阪拘置所の刑務官が逮捕された直後に、矯正局、大阪管区局合同で調査チームを立ち上げました。このチームを中心としまして、事案の背景事情を含めた実態の解明と改善策などについて、今、調査検討を継続しているところでございます。

 何しろ、関係者が多数であることと、調査対象期間が長いということなどもありまして、調査に手間取っておりますが、可能な限り早急に調査を遂げて報告申し上げたいと思います。

 なお、とりあえずの再発防止に対する取り組みでございますけれども、本年の十月十二日に、全国の管区長を霞が関に招集いたしまして、同種事案の各施設の実情に応じた防止策の検討と早急な実施を指示したほか、本月の一日、二日と、臨時に刑事施設長の会同を開催いたしまして、本件事案の途中経過の報告をするとともに、施設に応じた改善策の検討と実施を指示したところでございます。

 矯正局としましては、全国規模での改善策を、調査をにらみつつ今検討しているという実情にございます。

矢野委員 ぜひしっかりと、信頼回復に向けて頑張っていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。

七条委員長 次に、伊藤渉君。

伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉です。

 十五分間時間をいただきましたので、資料をまず配らせていただいております。去る十月二十二日の新聞の記事でございます。

 親が一身上の都合から子供の手術を拒んで、それが、児童相談所長の通告等によって、親権を一たん停止して手術をして子供の命を救ったという概要の記事でございます。ちょっと若干、記事の線を引いてあるところを読ませていただきたいと思います。

  関係者によると、赤ちゃんは昨年、関西地方の病院で生まれたが脳の病気で容体が悪化。主治医は再三にわたって手術を勧めたが、両親は「神様にお借りした体にメスを入れることはできない」と拒み続けた。

  赤ちゃんを連れ帰ろうとする様子も見せたため、病院が「手術を受けさせないのはネグレクト(養育放棄)に当たる」と児童相談所に通告。相談所も「親権の乱用だ」として、両親の親権喪失宣告と、緊急措置として親権者の職務執行停止(親権停止)の保全処分を大阪家裁に請求した。

  大阪家裁は、ほかに適切な治療手段がないことや、手術しなければ重い障害が残ったり生命に危険が及んだりする可能性を検討。「生命の安全や健全な発達のためには早期に手術をする必要がある」として、親の意思より子どもの福祉を優先すべきだとの判断を示した。

  請求から約一週間で、親権停止としては異例のスピード。

というような概要でございます。

 この記事に関連して、まず最高裁判所にお尋ねをいたします。

 一般に、この親権喪失宣告の申し立てがあった場合に、その宣告までに、要するに、親権が完全に喪失するまでに要する時間はどの程度か、今までの事例から平均のようなもので御教示をいただければと思います。

二本松最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 親権喪失宣告事案の審理期間に関する司法統計はとっておらず、正確な数値は把握しておりませんが、約四十件のサンプル事例に基づく調査によれば、平均審理期間はおよそ四カ月間となっております。

 なお、各家庭裁判所では、急速を要する事案について、迅速な審理を行って、短期間の審理で親権喪失宣告をしたり、申し立てにより、保全処分によって親権者の職務の執行を停止するなどして対応しているところです。

 以上です。

伊藤(渉)委員 今回の事例は、親権喪失宣告の手続が進行している間、家庭裁判所による審判前の保全処分として親権者の職務執行停止を請求し、これが請求から約一週間で受理されたというものでございます。最終的に親権喪失宣告の申し立てを取り下げたために、親権の喪失宣言には至っていないと理解をしております。

 一般論として、この申し立ての取り下げの時期が数カ月あるいは数年程度経過後、取り下げが遅くなった場合に、親権が喪失してしまう、喪失宣言がされてしまう可能性はありますでしょうか。これは法務省にお伺いをいたします。

寺田政府参考人 あくまで理論的な一般論として申し上げるわけでございますけれども、この八百三十四条、民法の規定でございますが、要件といたしましては、「父又は母が、親権を濫用し、又は著しく不行跡であるとき」、こういう規定の仕方をしているわけでございます。

 したがいまして、どのぐらい時間がたつかというようなことは、こういうことに影響する場合もあれば、ない場合もあるわけでございますけれども、あくまで、この調査をし、証拠調べを行った結果、最終的に、この要件があるかどうかということだけで判断されるわけでございますから、理論的な可能性としてはそれは否定できないということでございます。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。

 今回の新聞の事例は医療ネグレクトと言われるものですけれども、全般論として、この児童虐待、現場では、余りにも悲しいことに、子供たちの命を守るために一時的に親子の縁を法律上引き裂かねばならないという現実がございます。しかし、あくまでも一時的にであって、本当に親子を引き裂くことは相当な理由がない限り望んではいないと私は考えます。

 現行法下では、さきに申し上げたとおり、一時的に親権を停止したいだけであっても、親権の喪失宣言の申し立て、加えて、親権停止の保全処分という手続をとるしかありません。つまり、だれも望んでいない親権の喪失という結論に至る可能性をゼロにすることができないと私は理解をしております。

 親権を喪失しても、家裁が、親及びその親族が請求をすれば親権喪失宣言を取り消すことができるということもお聞きしておりますけれども、そもそも、親権喪失までは望んでいないのにその手続しかないというところに、まだまだ勉強不足のところもございますけれども、現行法と現実のギャップを私は感じております。

 本来、法律により、親を親でなくするような手続をしなければならないこと自体が悲しいことでございます。しかし、親が子を死に至らしめてしまうという現実に対処するために、やむを得ないケースが実在することもまた事実でございます。

 ここで法務大臣に御所見をお伺いしたいと思います。

 こうした意味におきまして、親権を喪失させるのではなくて一時的に停止させることができるようにすることも、ここまでもさまざま検討されてきておりますけれども、より緻密に再検討をしなければならない時期に来ているのではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

長勢国務大臣 御指摘のとおり、親権喪失宣告の制度はございますけれども、親権を一時的に停止させる制度というものは現在つくられておりません。それは、一時停止ということになりますと、どの期間停止をするかということをあらかじめ家庭裁判所が判断をしなきゃならない。これは事実上極めて難しい問題、実務上大変難しいという問題があります。

 また、一時停止の期間を定めてそれが満了した場合、ではどうするのか。また再度申し立てをしなきゃならぬ、こういうことになりますと手続ということも大変煩雑になる、こういう問題もありますので、今設けていないわけでございます。

 そういうことでありますので、今先生おっしゃったようなケースにおいては、保全処分を活用することによって対応しておるというのが現在でありますので、現時点で直ちに法改正が必要かと言われると、なかなか難しいなというのが現実でございますが、しかし、今先生御指摘のように、本来の目的とは違った使われ方で保全処分が使われておるのはおかしいんじゃないかというのは十分理解できるところでございます。

 ただ、そういう使われ方というものが、親権喪失制度全体の中で、どういう部分なのか。今おっしゃったような児童虐待のような制度においては若干あるんだろうと思いますけれども、そういうことも含めて、どういう場合にどうするのかということを少し検討する必要はあろうかと思います。

 児童虐待ということであれば、厚生労働省等関係機関とも十分に協議をしながら、親権喪失制度と保全処分制度のあり方、あるいは一時停止のあり方というものを少し検討していきたいと思います。

伊藤(渉)委員 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。

 親権を一時停止するということの難しさは、素人の私でも十分にわかるところもありますし、一方で、期間の設定が難しいということもお聞きしましたけれども、果たしてその期間というのは数字でなければいけないのか。例えば、親が親たり得るときまでとか、これは非常に素人的な発想ですけれども、そういう日本語による期間の設定というのも本当にないのだろうかとか、そんなことを考えたりしていますので、ぜひともまたお力添えをいただければと思います。

 あとは若干、事実関係だけお伺いしますけれども、諸外国の事例で、こうした親権というものを一時停止する、こういった制度が存在をするのかどうか、法務省にお伺いいたします。

寺田政府参考人 私どもが承知している範囲では、今委員が御指摘になったような意味での親権の一時停止という制度はないようでございます。我が国と比較的近い法制をとっておりますドイツあるいはフランスでも、基本的には親権の喪失とその回復という形での制度の組み立てをしているようでございますし、アメリカやイギリスでも、一時停止というような形での制度はございません。

 ただ、これらの国の一部には、裁判所が別のやり方、つまり、例えば緊急の保護命令等を出しまして、これらの命令に抵触する限度で本来の親権が反射的に停止されるというような形での制度のつくり方はあり得るようでございます。

 例えば、イギリスは緊急保護命令あるいは指導監督命令等の命令が機能しているようでございますし、あるいはドイツやフランスでは、福祉行政機関その他の第三者が一定の権限を与えられて、裁判所によってでございますけれども、そういう権限を与えられる反射的な効果といたしまして親の親権が一時的に機能を停止している、こういうことは制度としてはあり得るようでございます。

伊藤(渉)委員 もう一点、これも事実関係で、現行法規のことにつきまして、先ほど来申し上げたとおり、親権喪失宣告の申し立てプラス親権停止の保全処分ということで、親権喪失宣告の申し立てをせずに保全処分としての親権者の職務執行停止だけを要求できないようにしている現行法規の考え方、哲学を御教示いただきたいと思います。

寺田政府参考人 これは、家事審判法の十五条の三の第一項というところに、今委員がおっしゃった職務執行停止の保全処分の規定があるわけでございます。

 それで、これは、実際親権喪失ということになりますと、保全処分の段階で、最終的に親権喪失されるということが当事者の意思としてわからないと、実際の、子供に生じた生活上の危険の状態を排除するというようなことを判断することはなかなか難しいという意味であります。その申し立てがされない段階で仮の処分を行うということは本来の趣旨に合わないのではないか、こういう意味でございます。

 また、実際上の問題といたしましても、親権喪失の申し立てというのはそれほど難しい手続でもあるいはコストのかかる手続でもありませんので、それについてそう手間をおとりになることもない、こういう理由から、今はこういう構成で適切であると判断されているというように理解をいたしております。

伊藤(渉)委員 ありがとうございました。

 いずれにしましても、児童虐待から子供たちの命を守るために、私も立法府の一員として不断の努力を払わなければならないと考えております。その意味で、法務大臣を初め、法務省の皆様の一層の御協力をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

七条委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 ただいま伊藤委員の児童虐待、親権の一時停止、私たちも超党派で児童虐待防止法に取り組んでおりますので、ぜひ法務省の方もしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 きょうは一般ですので、前回聞きましたタウンミーティングの問題を取り上げたいと思います。

 法務省とタウンミーティングはどう関係があるのかということでございますが、司法制度改革タウンミーティング、これは広島のチラシのコピーですが、全七回でしょうか、行われております。配らせていただきました、全七回。この全七回なんですが、これは一回約一千万かかっているそうでございます。だから、単純計算すると七千万。そのほかにもう少しかかっているかもしれません。大変なお金をかけて開催をしている。

 そして、この司法制度改革ということにおいては、裁判員制度という大変な制度がこれから始まるわけですね。これからより深めていかなければいけないという時期に、このタウンミーティングはどうだったのかということを検証したいと思います。

 内閣府から来ていただいていますが、それぞれの開催地における参加人数、どうだったんでしょうか。応募人数などはわかりますか。わかればで結構ですけれども、応募人数、参加人数をお願いします。

谷口政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、参加の人数、それから第二点目は、一般の参加者の人数ということでよろしゅうございましょうか。(保坂(展)委員「はい。ちょっと大きな声で」と呼ぶ)まず、参加の人数でございますが……(発言する者あり)

七条委員長 御静粛にお願いします。

谷口政府参考人 至急に、今調べておりまして、ちょっとここから抜き出しのようなことで申し上げますので……(保坂(展)委員「じゃ、一、二言ってください、最近のものを」と呼ぶ)はい。

 それでは、最近の、平成十八年五月二十日の広島で行われましたタウンミーティングにつきまして、参加者の人数を申し上げます。二百六十人参加でございます。これの内訳につきましては、先ほどお尋ねをいただきまして、今調べておる最中でございますので、調べがつき次第、この委員会中においても御説明をと思っております。

保坂(展)委員 タウンミーティング室長も今、ここ連日、なかなか寝不足の状態だと思いますので大変なことなんですが、やはり国民との直接対話という、小泉内閣が支持を得てきた根拠というんですかね、直接やるんだ、情報透明化でやるんだということなんで、大事な問題だと思います。

 では、法務省の方に伺いますが、それぞれ、七回開催をされたタウンミーティングに法務省の職員は当然参加をされたと思うんですが、大臣も行っていますからね、何人参加されたのでしょうか。官房長、お願いします。

池上政府参考人 内閣府の主催されましたタウンミーティングのうち、司法制度改革タウンミーティング七回については、それぞれ法務大臣等に随行するような形で職員が出張して、その開催等に御協力申し上げたところでございますが、ちょっとその人数等具体的なところは、まだ現時点では把握しておりません。

保坂(展)委員 これはちょっとあり得ないと思うんですよね。司法制度改革というのはほかのタウンミーティングよりも難しいテーマで、これは、国民が意見を出すといってもなかなか大変なテーマなんですね。これに対して、やはり各地で法務省の職員も応援してあげなければいけない、そういう性格のものだと思いますが、そういう意味で、法務省職員のフォロー、参加はなかったんでしょうか。

池上政府参考人 司法制度改革関連のタウンミーティングにつきましては、法務省としましても、裁判員制度あるいは総合法律支援制度等の広報のため非常に大事なことだと考えておりまして、先ほど申し上げましたとおり、法務大臣を含め、関係職員等が出張しているところでございます。

 なお、その詳細につきましては、本日、内閣府の方に調査委員会が設けられ、調査が始まっているようでございますので、その過程で正確に把握したいと考えております。

保坂(展)委員 これはやはり、法務省の職員の方が、実は教育の世界で起こっているのは、教育改革タウンミーティングで起こっているのは、学校の先生やあるいは教育委員会の人たちが大量にいたというんですね、百人とかそのぐらいの規模で。法務省の職員はそんなにたくさん入らないと思いますけれども、しかし、十人、二十人、三十人は入っていたんじゃないかなと思いますが、それは調べると言っているので、調べていただきたい。

 次に、内閣府の方にお聞きします。

 こちらは、教育改革タウンミーティングに関して幾らかかったのかという、民主党の中井筆頭理事が要求した全八回分の、それぞれ幾らかかっていますという支出があるんですね。これは、司法制度改革のタウンミーティングについて、例えば今直近のものでも幾らかかっているかとか、わかりますか。わからなければ、全七回分、一応細かく、代理店に対して幾ら払ったのか、それぞれに対してどういう項目で幾らだったのかというのを当委員会に出していただけますか。どうぞ、答弁。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 現在の調査の状況でございますが、本日八時から調査委員会をいたしまして、早速にも立ち上げたという状況でございまして、いわゆる全数調査を至急行うという点に全精力を注入しているという状況でございまして、その中で、ただいまの点について個別に、直ちにお答えできるような状況に今ないという点を御理解いただければと思っております。

 今、至急の調査を全体にわたって行うべく全力を挙げて行っている状況にある、さような状況にございます。

保坂(展)委員 委員長、司法制度改革は、法務委員会というのが一番根幹の委員会だと私は思っていますから。

 司法制度改革で、一回幾ら使われたのかというのはちゃんと出ているわけですよ、教育改革については。このぐらいの薄さですよ。これをつくるのに徹夜するとは思えない。パソコンでプリントアウトすればいいわけです。そういうものを出してくださいと言っているんですよ、今ないのはしようがないから。それを、今会議やっていますから、その後にしてくださいと。これは委員会に対して軽視だ。委員長から出すように命じてください。

七条委員長 今の御答弁について、もう一度答弁できますか、タウンミーティング室長。

谷口政府参考人 鋭意作業させていただきます。

保坂(展)委員 鋭意対応していくと何がわかるかというと、この中に、項目を見ると、有識者に対する謝礼というのがあるんですよ。これは三万円ですね。それから、登壇依頼者という項目があって、これは二万円なんですね。その他の協力者というのがあって、これは五千円なんです。その他の協力者というのは、実はきのう確認したところによれば、発言がないときに口火を切って発言していただく方だそうですね。それに対して五千円払ったという扱いをしたことがあった。

 司法制度改革では、そういう人はいたんですか。

谷口政府参考人 まず最初に、先生が御指摘されました各謝礼金の性格について、一般的な御説明をさせていただきます。非常に取り違えが起こりやすい用語でございますので、最初に御説明をさせていただきます。

 まず、依頼登壇者謝礼金でございますが、これは、一般の参加者でありますけれども、登壇といっていますように、壇の上に上がって有識者と同じような状態で発言してください、こういう方に対しての謝礼でございます。壇上の有識者と同じような発言をお願いします、こういうことでございます。最近は余りやっておりません。過去、タウンミーティング発足当初のころに……(保坂(展)委員「司法制度改革でやっているのか、わからないですか」と呼ぶ)はい。恐れ入ります。

 それからもう一点の、その他の協力者謝礼金というものでございます。これは、例えばパネルディスカッションとか講演会とか、ああいうもので申し上げますと、冒頭、基調の講演をします。この場合には講演じゃございませんですけれども、冒頭に基調のスピーチみたいなものをやってもらう。具体的には、これは登壇してじゃございませんから、一般の席の中にいる人、一般の人なんですけれども、紹介をしまして、例えば、町おこしとか産業振興で活躍しているだれだれさんです、最初に発言をしてもらいますということで御発言をいただくというようなお方でありまして、それをその他の協力者といっております。(保坂(展)委員「司法制度改革ではあったのかと聞いているんです」と呼ぶ)

 最近は、全体の状況として行われておらないのではないかという私どもの記憶でございますが、いずれにしましても、今回きちんと把握、検証しなきゃなりませんので、現在行われております全体調査の中できちんとチェックしていきたい、このような状況にございます。

保坂(展)委員 早急にこれは、鋭意というのは、ずうっと鋭意努力するのじゃなくて、できればきょうじゅうにでも出していただきたい。

 その出していただくものの中でわかるんですが、あと、結局、業者さんとの、一回当たりのタウンミーティングを大体幾らでやるかという契約があるんですね。この契約を見ると、例えば、内閣府との調整だけで九十六万円とか四十二万円とか、そういう金額を使っているんですね。これは司法制度改革のタウンミーティングでも同じだと思います、通し契約ですから。

 そういう中で、私が問題だと思うのは、事前に、タウンミーティングの参加者募集ですね、これをめくると、こうやって意見を書くところが書いてあるわけです。意見を書くところをよく見ると、会場において発言できない場合があるから書いてください、会場においてこれを紹介する場合もあります、こう書いているんですね。これは司法制度改革も同じです。

 教育の場合、何が起こったのかというと、すごいことが起こっていまして、これは事前御意見ということで全部リスト化されているんです、事前御意見。この中に、教育基本法を変えろという意見がなかったんですね。ないので、これを今度は文科省の方が丸とか三角をつけたりして模範意見というのをつくっちゃったということが、今問題になっているわけですね。

 ということは、司法制度改革でも同じように、マニュアルどおりに、国民の声をいわゆる委託業者が一たん全部引き取って、締め切りが過ぎたときに内閣府に投げているわけですね。こういった実態も解明していかなきゃいけない。

 ですから、これは法務省にも言いたいんですけれども、官房長、司法制度改革、まさに裁判員なんということをやっていくには、タウンミーティングにおいてしっかり透明化してやっているんだということを調査する意思と意欲を持ってくださいよ。今、内閣府でやっていますからというんじゃなくて、法務省として、できる限り資料もまず自分たちがとるということを、しっかりそういう姿勢を持つべきだと思いますよ。官房長、お願いします。

池上政府参考人 司法制度改革、とりわけ先生御指摘の裁判員制度については、制度の概要を周知するとともに、国民の皆様の不安、参加するについての不安や心配な点などを十分お聞きして御理解を深めていただくという趣旨でこの司法制度改革タウンミーティングに協力した過程がございますので、内閣府の方で総合的な調査をされると聞いておりますので、その調査の過程で事実関係の把握に十分努めてまいりたいと考えているところでございます。

保坂(展)委員 これは、司法参加に対する信頼が失墜しかねない内容を含んでいるのかもしれないんですよ。

 教育改革タウンミーティングの、内閣府が出してきた文書にはいろいろなことが書いてあって、内閣府のターゲットは若者、女性、学生だと書いてあるんですね。通常は四十代の男性が中心だと。この教育改革については、若者、女性、学生ということで、事前に発言を、なるべく女性、若者、学生を引っ張ってこい、こういうことを書いているんですね。これは一体どういうことなんですか。何か、世論を政府がつくっちゃう、若い人も教育改革しろみたいなことを言う状況を偽装するというような話じゃないですか。

谷口政府参考人 タウンミーティングへの国民の方の御参加といたしましては、地域的にも偏りなく各地で開いていきたいという意欲がございますが、年齢階層あるいは男女別という点で見ますと、参加の実態を見ますと学生あるいは女性の割合が少ないということがありますので、できる限り、そういう学生の方、それから女性の方の意見もその場に反映される、そういうさまざまな意見を提出される、そういう対話であれば一層活発化した対話が実現するであろう、こういうような考え方のもとにそういうような方の積極的な参加も期待しているという趣旨で書かれているものでございます。

保坂(展)委員 確かに、女性、若者、学生も必要ですよ、政治への参加も社会問題の参加も。だけれども、国民全体に対して公平に呼びかけるものについては、ここを優先みたいなことをしちゃいかぬのですよ。

 もう一回聞きますけれども、例えば教育改革の大分会場では抽せんをやっているでしょう。どうやって抽せんしたんですか。くじ引きですか。それとも、女性、若者がここにいるから来てもらおう、この人は何か意見がかたいからとか、みんな教育基本法反対だからこの人は引っ込んでもらおう、こういうふうにやったんですか。どっちですか。

谷口政府参考人 一般からの参加者につきましては、参加の申し込みがありました順にリストに並べてまいります。抽せんにする場合、そこからいわゆる無作為抽出によりまして、落選にする分、これの抽出を行うという、いわゆる無作為抽出方式によって行っております。

保坂(展)委員 実際上は、教育基本法について何か問題があると言った人たちが大量に入れないというか、はがきが来ないという事態が大分でもあったというふうに聞いています。

 この問題については、前回、法務省の方で多分、いわゆる発言依頼ですね、これは一番根幹ですよ、今回の。つまり、司法制度改革は多分、なかなか意見は出にくいですよ。出にくいから、事前に頼んで発言を依頼する。依頼をして、してもらう。これは公務員だったり、あるいは場合によっては法務省職員なんということはないだろうとは思うけれども、わからない。

 そういうことがあったかないかというのは、実は、この契約書を見ると、運営マニュアルというのをつくらなきゃいけないんです、業者は。納品しなきゃいけない。この運営マニュアルを見ると、司法制度改革タウンミーティングは公平、公正、透明に行われていたかどうかがわかるんです、たちどころに。

 進行台本と運営マニュアル、それを委員会に出してもらえますか。

谷口政府参考人 お答えをいたします。

 先生ただいま御指摘の運営マニュアルと申しますのは、本番に向けまして、参加者の方をどう誘導するかとか、会場がどうなっているかとかという、事細かなことを書いているものでございます。

 個人情報の関係などもあろうかと思いますが、今の御趣旨を踏まえまして検討いたします。(発言する者あり)

七条委員長 不規則発言、済みません。

保坂(展)委員 これはなぜ聞くかというと、発言依頼者に対して教育の場合はどうしたかというと、例えば文科省が頼んだ人は、文科省の職員が、その発言依頼者が来たら、どうぞようこそと、受付も別なんですね。そして、席は決めないけれども、どこに座ったのかを確認するんですよ。そして、進行側はその席から手が挙がったらその人だというのがわかる仕組みになっているわけ。だから発言依頼者は指名されるわけですよ。それがマニュアルを見れば書いてあるわけです。

 だから、こういう司法制度改革にちゃんと国民が、もうそういうことは一切なかったというふうに信じたいですよ。だから、そのマニュアルを出してもらえばわかるわけです。だから、出してください。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 先生が御指摘の資料も含めまして、現在、いわゆる先ほど申し上げました全数調査の中でいろいろな資料、それから担当者、関係者に確認をするという作業をこれから精力的に進めていくという中において取り扱われるということでございますので、この全体調査の中で明らかにされる、その作業を今鋭意進めているところという状況を御理解いただきたいと思っております。

保坂(展)委員 それじゃだめです。

 これは、法務大臣はどうお感じになりますか。発言依頼なんということはあっちゃいけないことですね、司法制度改革で。あっちゃいけないことがあった場合には、すぐさま、これは官房長官は今全部うみを出せと言っているわけですから、法務省だけが例外じゃないんです。これは法務省の信頼の問題ですよ。だから、法務大臣からも、うちの場合はどうなっていたのか、早く見せてくれということを言うべきじゃないですか。

長勢国務大臣 今各省統一的なやり方で、しかも早急に調査をする体制を整えているところでございますので、それに沿った中で法務省としても調査に協力していきたいと思っています。

保坂(展)委員 これはちょっと委員長、事は重大ですから、今言ってきている資料について、しっかり委員長として、実際の審議を進めていくためにも、そしてあと三年かけて司法制度改革というすごいことをやるんですよ、特に裁判員の導入。これがうまくいくかどうかというのはほとんど、今いろいろな声も上がっていますよ、これを早くやらないともう間に合わない、そういう事態なんです。だから聞いているんですね。

 だから、これは重要な資料なので、ぜひ委員長の方からも、内閣府の方にできるだけ努力するように言ってください。

七条委員長 法務省官房長にお話ししますけれども、あるいは今のタウンミーティング室長等々、資料が出せるものがあるのか、あるいは資料を出せる状況にあるのかどうかということを、もう一度ここでお二人から御答弁願えますか。

 では、先に室長。

谷口政府参考人 先生のおっしゃいます御趣旨を踏まえまして、今大至急ということで全数調査の作業を進めておるところでございますので、その中で検証すべき資料と位置づけまして、鋭意できるだけ早期に検証を行うという作業を進めてまいりたい、こんなふうに考えており、また、そのような状況にございます。

池上政府参考人 この司法制度改革タウンミーティングをめぐるお尋ねの問題につきましては、先ほど来内閣府からも御答弁ありましたように、本日の朝から、午前八時ごろからと聞いていますが、第三者、有識者を入れた調査委員会が設置され、調査が始められたと聞いておりますので、法務省といたしましても、その調査に誠意を持って協力いたしまして、法務省としても事実の把握にさらに努めてまいりたいと考えているところでございます。(発言する者あり)

七条委員長 お静かにお願いします。

保坂(展)委員 これは、小泉内閣が圧倒的な支持のもとに誕生したんですよね。それで、私たちの周りにも、ずっと野党を支持していた人の中にも、小泉さんに期待したいと。何がその人気のもとだったかというと、国民に近い、国民と対話する、国民にあまねくオープンにして、そしてタウンミーティングなどを百七十六回やっているんですよ。これが評価された。これは非常に効果的だったと思います。

 ただ、いろいろわかってきているのは、全部に皆さん呼びますといっても、まず開催地が決まってからタウンミーティング・サポーターというわけのわからない非公開の組織があって、五十五人登録されていて、約百人については事前に通知しちゃうんです。

 そういうこともわかってきたし、動いている金についてもすごいです。平成十三年度九億三千九百三十二万円、これは電通と随契ですよ、随意契約なんですよ。随意契約で平成十三年度九億使っているんです。その後は、大体二億台ですね。何でこれは九億かかったんですか、室長。何で随契なんですか。

谷口政府参考人 開催の全体像をタウンミーティングの発足時からごらんいただきますと、特に初年度につきましては、できるだけ早期に全国を一巡して、各地で、各都道府県で、すべての都道府県で開催をするという方針のもとに、以降の平常年度の倍以上の回数を重ねておるということがございます。

 そのほか、タウンミーティング、抽象理念から具体の事業の展開に落としていかなきゃなりませんので、そのためのさまざまな検討を行ったというような事情から、初年度に限りましては随意契約を行ったものでございますが、平年度化されました以降におきましては、これは先生御指摘のとおりでございますけれども、一般競争入札によっているというような経緯でございます。

保坂(展)委員 倍開いたというんだけれども、ふだんは二億、今回は九億。これは倍じゃないんですね。倍開いて四億ということじゃないんですね。四倍以上。それが随契だということで、これは、室長、この資料もちゃんと出してもらえますね。どういう内容で、どういう契約をしたのか。いかがですか。

谷口政府参考人 契約の資料については、確認をしてお出しをする方向で検討させていただきます。

保坂(展)委員 法務大臣に感想を伺いたいんですが、つまり、国民と直接対話する、国民が司法に親しんでもらう、まさに……(発言する者あり)そうですね、そういえば官房副長官。今こういう問題が起きてきているということをどう思いますか。そういえば、官邸でお会いしましたね。

 そういうことで、こういう、やはり国民からちょっとおかしいなと思われるようなことは、特にこの司法であっちゃいかぬ、もちろん教育であってもいけないんですけれども。この司法においてなぜいけないかというと、裁判員制度が始まるんです。そういうときに、何か一回一千万かけて、あるいは随契で九億かけてなんというような話が出てきて、これはやはりうみは出してほしいですよね。そういうことについて、御自身の足跡も踏まえて答弁いただきたいと思います。

長勢国務大臣 官房副長官時代のお尋ねでございますけれども、タウンミーティングについては、結果の報告は聞いておりましたけれども、実施には全く関与しておりませんでしたので、それは御容赦をいただきたいと思いますが、いずれにしても、司法制度改革、当時は、いわゆる司法支援センターそのものも余り国民によく知られていない、裁判員制度も知られていないという状況でありましたので、その周知徹底の一環として、いろいろ苦労もしたんだろうと想像はしております。

 これから十分、先生御指摘のように、裁判員制度、あと二年半ですから一生懸命やっていかなきゃならないわけで、ただこれは、裁判員制度というのは心配ないんだ、必要なことなんだということを一生懸命広報することになるわけでありますから、それが、反対の方がおられるとすれば非常に不愉快なことだということになるかもしれませんけれども、その点は我々としては、これは必要だ、またこういう問題についてもいろいろ考えているんだということを十分国民の皆さんに理解されるようにやっていきたいと思っております。

保坂(展)委員 ですから、裁判員制度というのが始まって、これは指名がどういうときにされるかわからないわけですよね。それについてはあまねく国民が知っていなければいけないということについて、こういうどんぶり勘定のことをやっていちゃだめだということですよ、このタウンミーティングみたいな。中でお金がどう使われているのかわからないような、そういう実態じゃなくて、もっとしっかりとした対話なり、国民への正確な情報伝達というのは必要だということです。

 最後に官房長に伺いますが、これから調査されて、例えば、司法制度改革でやる、人も余り集まっていない、では、地方の法務局や関係の職員の方、ちょっと来てくださいという場合に、例えば仮に十人の方が客席にいた、あるいは受付を手伝った。これは土曜日です。これのときに、運悪く何か看板がひっくり返ってきて頭を打って負傷したとか、帰りに交通事故に遭っちゃった。こういう場合は公務員災害になるんですか。

七条委員長 時間が過ぎておりますので、簡潔明瞭に。

池上政府参考人 司法制度改革タウンミーティングは、法務省にとっても、裁判員制度あるいは総合法律支援制度等の周知広報に役立つということで、大臣等を含め関係職員が出張していたところでございますけれども、そういった過程で、公務として、仮定の御質問でなかなか答えがたいのでございますけれども、公務遂行中に何らかの傷害等があった場合は、それなりの補償といいますか、公務災害として認定され得るものと考えているところでございます。

保坂(展)委員 公務として観客席に客のふりをしていたということはまさかないと思いますけれども、その辺も含めて調べていただきたいと思います。

 終わります。

七条委員長 次に、河村たかし君。

河村(た)委員 河村たかしでございます。

 ずっともう三年半にわたって質問を続けておりますが、また、平成十三年十二月十四日、十五日に発生した名古屋での放水事案と言われるものについて質問を続けたいと思います。

 まず、大臣とちょっときのう話をしまして、きのう言っておいたけれども、誤解されておるといかぬもんで、変なふうには責めませんから、当然変わってまいりますので。

 まず、この事案の概要、放水の方だけに絞ってちょっと言っていただけますか。違っておっても責めませんから。

長勢国務大臣 放水の事案について、私が着任してから詳しく聞いたというよりも、むしろ、前々から大変な事件でありましたので、報道等で私が知っておった印象を言いますと、ゴムホースを……(河村(た)委員「ゴムホース」と呼ぶ)ゴムホースでしょう。(河村(た)委員「それは、普通の水道用なのか、消防用なのか」と呼ぶ)そういう詳しいことまでは、一般論で聞きましたけれども、詳しいことまでは理解していませんが、おしりの穴から入れて放水をした、腹部に水を注入したという事件であった。

 私は、その事件、報道を聞いて、ちょっとひどいなという印象を強く持ちましたので、今もそういうことだったんだというふうに、誤解かもしれませんが、思っています。

河村(た)委員 もうちょっとでかい声でしゃべってほしいんだけれども、今責めないと約束しましたので言いませんけれども、これは事実が大分違っておりまして、ホースを使ったのは、後で出てきますけれども、実は消防用設備ではないんです。水道の通常の栓から消防用ホースを使って、今大臣が言って、きのう言ったじゃないですか、要するに、ちょっとこういう場ですから言いにくいですけれども、事案だからちゃんと正直に言いますと、しりの、肛門の中にホースを入れたわけではない。これは、事実認定でも、一・五メーターほどの距離から、ふん尿まみれになっている受刑者に放水して体を洗ったということだよね、大臣。

 もう一回ちゃんと、今のところは、ホースを肛門の中に入れたのと違いますからね、これは全然。そこは、よくわかったと言っておいてちょうだい。

 それと、これはごく当たり前のことなんですけれども、今もいろいろな真相解明をやっていますよね。保坂さんのも真相解明ですよ、あれ、タウンミーティングがどうと。それから、大阪の拘置所で暴力団と癒着があったかどうか、あれも真相解明ですから。

 当然、法務省には、ないしそれをチェックするというのか、行政権は国会に対して連帯して責任を負うということになっていますので、国会議員は、いわゆる再発防止に向けた、刑務所の中で事故が起こらぬように真相解明の義務がある。これは何遍も答弁していますけれども、もう一回、この二つ、誤解しておったところと今の義務のところだけ言ってください。

長勢国務大臣 ちょっと思い込みがありましたので、その点はおわびをしたいと思います、ホースの件はですね。(河村(た)委員「肛門に入れておったわけじゃない」と呼ぶ)はい。それは、当初からそう思い込んでおりましたので、ちょっと思い込みが強過ぎたのをおわび申し上げます。

 それから、刑務所内、矯正施設内のいろいろな事件が今後とも再発しないように、必要な調査は十分に行いたいと思います。

河村(た)委員 ということでございまして、これほどまでに誤解されておるほど、やはり通常では起こり得ない話なんですね、ぱっと見れば。それこそホースを肛門の中に入れないことには普通は考えられないことを、平成十五年の国会では、きょう、資料をつけておきましたけれども、何遍も言っていますけれども、全党だで、これは。自民党さんは殺人事件、公明党さんも殺人事件、民主党も高圧放水、社民党も高圧放水、共産党も殺人ということで、延べ何回か、数を数えるとすごいですよ。

 それから、新聞もすごいですね。テレビはわかりませんのであれですけれども、私も覚えていますけれども、もう全新聞、マスコミが、いわゆる刑務官が高圧放水で暴行して受刑者を死に至らしめた、ひどいところは殺人だというような、まあ、殺人とはっきり言ったマスコミはないかもわかりませんけれども、そういうことをやってきたということです。

 せっかく文書をつくっていただきましたので、まず、ちょっと法務省に、きのういただいた文書を、記録に残さないかぬものですから、頭から全部読んでいただけますか。プラスチック製飲料用容器についてから始まる文書です。済みません、ちょっと時間がないので、早口で言ってください。

小貫政府参考人 それでは読ませていただきます。

 プラスチック製飲料用容器について。

 平成十三年十二月十四日当時、名古屋刑務所の保護房で一般に使用されていたプラスチック製飲料用容器は、現在の飲料用容器よりかたいものが使用されていた。なお、当時の飲料用容器が割れるおそれがあったことについては、当局への報告がなされておらず、その危険性の有無は承知していないため、危険性についての指導も行っていない。

 また、事案発生当時、当局では、名古屋刑務所からの報告などにより自傷行為により死亡したものと推定されるとの報告を受けていたことから、死亡原因をそのように認識していた。

 同刑務所では、平成十五年四月十六日の衆議院法務委員会の視察に際して、河村委員から、放水事案当時保護房内にあったものを準備してほしい旨依頼を受けたが、保護房の飲料用容器は平成十四年九月に変更されており、事案発生後時間が経過していたため、既に放水事案当時のものはなくなったと思い込んでいたことから、保護房で使用していた飲料用容器を準備した。

 平成十六年二月十八日、翌日の衆議院予算委員会に当たり、河村委員から、放水事案当時保護房で使用されていた飲料用容器が今も名古屋刑務所にあるのではないかとの質問通告があり、ない旨応答したところ、再確認の要請があった。名古屋刑務所において再確認したところ、翌十九日朝、放水事案当時一般に保護房で使用していた飲料用容器と同種のものが保護房以外の居房で使用されていたことが判明した。そのため、同日の同委員会において、矯正局長が、委員会の質疑に至る経緯における前日の説明には誤りがあった旨謝罪した。

 名古屋刑務所におけるプラスチック製飲料用容器の整備状況は、平成十一年十一月にストローボトル、同十二年十月にハンドクーラー、同十三年七月にラストロコップつきクーラー、同十四年九月にスクイズボトルが購入されている。ちなみに、スクイズボトルは、それ以前の容器よりやわらかい素材である。

 放水について。

 名古屋刑務所における放水事案以前に消防用器具を用いて汚物の付着した受刑者の体を洗った事例は、当局への報告がなされていないため承知していない。

 なお、名古屋刑務所における放水事案以前の洗浄事例は、中間報告によれば、平成十三年十二月十日から同月十三日までの間、乙丸副看守長においては、意図的に受刑者Xの身体に直接放水することがあったとされている。

 当局では、保護房内や居室内の汚物のついた受刑者に対する特定の対処方法は示していないが、一般的には、状況に応じて職員がタオルで当該被収容者の体をふいたり、入浴させたりしていると承知している。

 平成十三年十二月ころ、名古屋刑務所の給水状況は、水の使用が集中する時間帯に、収容棟二階以上において断水状態になることがあった。また、井戸水をくみ上げた後の送水圧力は、一平方センチメートル当たり約四キログラムで設定されていた。蛇口の水圧の計測データはない。放水事案当日の水温等の記録はないが、毎月一回の定期水質検査を行った平成十三年十二月三日の水温は十八・六度、外気温は九・四度であった。

 以上です。

河村(た)委員 では、これは後で質問しますけれども、もう一つ、きょうは消防庁から来ていただいておりまして、そのときのいわゆる消火栓と消防用設備と言われておるものがどういうものであったのかということで質問をしておりますので、それについて文書でいただいておりますが、一応、議事録に残すために、ちょっと文書どおり読みますので、回答してください。

 平成十三年の名古屋刑務所事案で使用された消火栓は、加圧ポンプも使用されていなかったが、消防用設備等の屋内、屋外消火栓設備と言えるのかという問いについて、お答えをお願いします。

寺村政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の消火栓につきましては、名古屋刑務所が存する地域を管轄する消防機関に確認したところ、加圧ポンプの使用の有無にかかわらず、消防法令に基づいて設置された屋内消火栓設備でも屋外消火栓設備でもないとの報告を受けております。

河村(た)委員 ありがとうございます。

 ちょっと消防庁の方からあれしますと、これはどういうことかといいますと、きょう委員の方にお配りしました資料がありますね。資料を見ていただけますか、皆さん。資料、これは後に残るのかな、会議録かなんかで。残らぬのかね。残らぬとなるとこれは何ともならぬのですけれども。

 「放水圧比較表」というものの一番下の注二のところにありますけれども、注二というのは何かといいますと、くくりの一番下から二つの、一審判決の認定事実の判決要旨のところを使っております。その注二の初め、「上記消防用設備を用いてその身体に放水を直接当てる」、こういうふうに判決書に書いてあるわけですね。「上記消防用設備を用いて」ということですけれども、いわゆる消防法令に基づいた消防用設備ではないということですね、これは。もう一回ちょっと言ってくれますか。

寺村政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、当該消火栓につきましては、消防用の設備ではございません。

河村(た)委員 ということなんです。これは、裁判もあれですけれども、国会も当然そうですけれども、裁判所も間違えまして、どうしても、消防用ホースがついていますから、それをひっつけた消防用の蛇口というのが消防用設備だと間違えやすいんですね。これを誤解したと。

 それからもう一つ、きょうのものにつけておきましたけれども、一番最後に、樋渡刑事局長さんの「名古屋刑務所事件に関する「消防用設備」発言」のところで、これはどういうことかといいますと、これはちょっと答弁を求めてもよかったと思います、聞いておりますけれども。

 要するに、消防用設備をすぐ直しているんですよね。直しちゃっているんですよ、事件が、事件というかこういう話が出てから。そんなものをすぐ直しちゃって何ということだと聞いたときに、この樋渡さんという刑事局長がどういう発言をしたか。これは、今の刑事局長ですか、同じ答弁でいいですけれども。資料が残らぬようですから。二回ですね。

小津政府参考人 ただいま委員御指摘の委員が配付されました資料に記載のとおりの答弁をしたと承知しております。(河村(た)委員「それをちょっと言わぬと、資料が残らぬようだから。答弁しておいてもらわないかぬ」と呼ぶ)この部分だけですか。(河村(た)委員「はい」と呼ぶ)

 「あくまでも一般論として申し上げますれば、消火栓は消防用設備として防火の目的を達し得るものである必要がありますから、」と。(河村(た)委員「そういうことを二回答弁されている。日にち、ちょっと言っておいてください」と呼ぶ)平成十五年四月二十三日衆議院法務委員会がただいま申し上げたとおりでございまして、平成十五年六月四日衆議院法務委員会、同じ内容の答弁でございます。

河村(た)委員 こういうことでございまして、これも二回とも消防用設備と答えているんですね。

 それから、ちょっと消防庁さんに、この質問の中で、加圧ポンプも使用されていなかったが、消防用設備等の屋内、屋外消火栓設備と言えるかということがありますが、これは、消防用設備と言えるかということでも同じことですかね。この文書をいただいたところが、屋内、屋外消火栓設備ではないと書いてあるでしょう。これは消防用設備ではないと。

寺村政府参考人 法令上、消防用設備等の中に屋外消火栓設備、屋内消火栓設備という形で位置づけられております。

河村(た)委員 ということは、屋内、屋外消火栓設備ではないということは、消防用設備ではないということですね。もう一回答弁してください。

寺村政府参考人 屋内消火栓設備または屋外消火栓設備でなければ消防用設備等ではありません。

河村(た)委員 ありがとうございました。

 ということで、まず、この刑事局長の答弁も違っておるんですね。申しわけない、申しわけないことないよ、これは。間違っております、説明は。そうでしょう。

 刑事局長、どうですか。

小津政府参考人 この当時の御説明につきまして、議事録で改めて見させていただきましたけれども、検察の捜査の状況についてのお問い合わせがあって、あくまでも一般論として申し上げるときにこの言葉を使ったというふうに承知しております。

河村(た)委員 私、こうくるだろうと思うんだけれども、だから、これは本当にごまかしたんじゃないかと思いますよ。当該消火栓について、これは私、視察で言っていましたから。あの消火栓について、直したのではないかと聞いているんですよ、小津さん。あの消火栓についてですよ。それも、事案のあった日もはっきり特定してですよ。わざわざ視察まで行って、これは委員会ですけれども、その前視察まで行って、名古屋刑務所の中でみんなが言っているんですよ、直すとは何事だと。

 そうやって質問しておるときに、突然今言われたような、一般論としてはという逃げを打たれるようなことを言っておるということになると、法務省は、これは本来の消火栓ではなかったということを知っていたのではないのか。実は、いやいや、あれは本来の消防用設備でなかったと。ただ水道の管が同じで、同じ管に、今、これは消防庁、はっきりしていますから。あれは消防用設備じゃないんです。

 ただ普通の受刑者さんが飲む水道の水や便所の水とみんな同じ配管が、パスカルの原理、知っておるでしょう、大臣。同じ水圧が出るんですよ。管のあるところだけがたくさんの水圧が出るというのはないんです、そんなのは。これはみんなつながっていますから。

 だから、その直した水道の栓ですよ。たまたまつながっておるのは消防用ホースだけ、それは実は消防用設備ではないと知ってこういう答弁をしたんじゃないの、今考えると。こんなところでなぜ一般論が出てくるんですか、具体的に聞いておるのに。全く必要ないですよ、一般論は。

 どうですか、刑事局長。

七条委員長 元職ということだと思いますけれども、では、小津刑事局長。

小津政府参考人 ただいまの問題の栓が消防法上の消火設備ではなかったのではないかということについてのお尋ねでございますけれども、その当時の刑事局長は、具体的な捜査にかかわることについての御質問がございましたので、できる限り具体的な捜査についてのコメントを差し控えつつ御答弁申し上げるために、一般論としてというふうに御答弁申し上げたのではないかなというふうに考えております。

河村(た)委員 一応、これは事実だけ言っておきますよ。本当に、だんだん危なくなってきますよ。いろいろ水圧の問題が、途中からおかしいんですよ、法務省は。これは後で出てきますけれども、初めのところだけ、加圧されたとか、そういうことを言って、途中から言わぬようになったりするんですよ。

 この間、答弁をもらっておるけれども、一応矯正局長さんに聞きますけれども、いわゆるこの水道栓は、今消防庁から聞きましたけれども、いわゆるこのホースをつないだ栓は、別個にちゃんと、スタンドアローンというんですかね、別個に本管がつながれたいわゆる消防用設備ではなくて、刑務所内の一般の受刑者がみんな使う同じ水道管の蛇口であったんですね。そこにただ消防用ホースをつないだだけということですね、前に聞きましたけれども。

小貫政府参考人 御指摘のとおりでございます。

河村(た)委員 ということですから、委員長、本当に、これはよく聞いていてくださいね。こういう話です。そこから、大臣が言われたような、直接肛門に差し込んだのではなくて、一・五メーターの距離から水道の水をかけたということです、はっきり言いまして。

 そうしたら、プラスチックボトルの話に行きましょうか。

 一番最初、文書を読んでいただきましたけれども、平成十三年十二月十四日当時、名古屋刑務所の保護房で一般に使用されていたプラスチック製飲料用容器は、現在の飲料用容器よりもかたいものが使用されていたということで、まず、一般にが入っていますけれども、これはどういう意味ですか。十二月十四日に使われていたのはどういう容器なんですか。

小貫政府参考人 先ほど、各購入日、詳しく朗読させていただきました。

 したがいまして、十四年の九月にいわゆるやわらかいものにかえておるわけですが、それ以前のものが使われておった、いわゆるかたいものが使われておった、こういう趣旨でございます。

河村(た)委員 すなわち、一般にをとって読んでもいいんですね。一般にというのをわざわざ注意書きしただけであって、十二月十四日においてはいわゆるかたいものが使用されていたということでいいですね。

小貫政府参考人 そこのところが極めて微妙な問題がございまして、ある者の話によると、紙コップを使っていたんじゃないかというような話もあったものですから、一般的にという修飾語で正確を期した、こういう趣旨でございます。

河村(た)委員 紙コップは別に使っているんですよ。紙コップのほかに水分補給用で、両方です、紙コップは別に入れているわけです。水分補給用で入れておったのは、いわゆるやわらかいのはまだ買っていませんから、かたいボトルだということでいいですね。

小貫政府参考人 正確に申し上げますと、仮にボトルが使われていたとするならば、かたいものが使われていた、これが正確な表現かと思います。

河村(た)委員 これは本当に、何から言ったらいいか知らぬけれども、今、たまたま本物を持ってきましたけれども、これがいわゆるかたいタイプの、これは何遍もやっていますから、間違いないですね、ビデオで映っておるかどうか知りませんけれども。

 まず、それを答弁いただいて。

小貫政府参考人 私が、かたいペットボトル、こう申し上げた型の一つがそれでございます。

河村(た)委員 ここに破片がたくさんありますけれども、これは簡単に割れるんですよ。目の前でやってもいいですけれども、足で踏んだりするとぱりんと割れるんです。大臣、よう見ておいてちょうだいね、今は割りませんけれども。

 割りますと、いろいろな、こういうようなプラスチックのかたい切片ができます。一遍、大臣、ちょっとさわってみて。委員長もひとつ。

 割るとこういうようなものができる。こういうものを自分で切ったり、仮に肛門に入れますと、これは括約筋が切れますよ。そういう危険なかたいもの、こういうボトルというふうに認識していいですか。

小貫政府参考人 破砕されれば皮膚破断を起こす危険なものである、こう思います。

河村(た)委員 いわゆる保護房というのは、自殺とか自傷、そういうおそれがある人を保護するところですね。

 答弁してください。

小貫政府参考人 保護房は、一般的に申し上げまして、異常な行動等により自傷他害のおそれがある、こういう者を保護する房であります。自殺については、別途二種房というものが御案内のとおりございます。

河村(た)委員 だから、自傷行為から守らなければならないと。保護房もそうですよ、自殺も。一応後で訂正しておいてくださいね。

 ですから、今言われたように、自傷行為に使える、自分で傷つけることができますわね、こういうものは入っていてはいけないですよね。

小貫政府参考人 まず、先ほどの答弁から正確に申し上げておきます。

 保護房にも自殺のおそれのある者は入れることがございます。

 そういう保護房にそういった器具を入れるというのは好ましいことではないというふうに常識的には考えております。

河村(た)委員 ちょっと待ってちょうだい。好ましいことではないということではありませんよ、やってはいけないんですよ、これは。もしこれで自傷行為に、今回、事実はこれだったんですよ、はっきり言いましてね。

 肛門が切れたり、これはちょうど長さも同じですし、肛門の切れた写真がありますけれども、この切片でつくるのと全く同じ格好です。ちょうどこの角度が若干円がついていまして、こうなっています。全く同じです。それから、肛門の奧十一センチでしたか、十一センチのところから五センチでしたか、ちょうど距離が同じぐらいになります、手でちょっと持って入れますと。これはぴったりなんです。

 だから、望ましいんじゃないでしょう、こういうものを入れてはいけないんでしょう、違法というかどうか知りませんけれども。

 こういうものを入れて、少なくとも保護房内で自殺ないし自傷行為が発生しないように注意する義務が刑務所側にはある、これは間違いないですね。

小貫政府参考人 保護房内を安全に保つ義務が刑事施設にはございます。

河村(た)委員 よし、わかった。

 もう一回言っておきますけれども、では、こういうかたいものを何でやわらかいものにかえたかというと、この後にやわらかいものになぜかえたか、あるでしょう。

 だから、容易に自傷行為に使えるような、自分を傷つけるのは凶器というかどうか知りませんけれども、道具になるようなものを入れないように注意する。したがって、このプラスチックペットボトル、こういうものは入れてはいけなかったんだということなんでしょう。

小貫政府参考人 保護房内に入れる容器としては適当じゃなかった、こう思っております。

河村(た)委員 そういうことでございまして、そういう話というのは、これも通告してありますのでちょっと親切過ぎたんですけれども、事前にほかの受刑者からも警告があったんじゃないですか。そういう危ないものを実は保護房内で使っているんだよということを、受刑者の手紙というのは全部検閲されていますから、わかっていたんじゃないですか。

小貫政府参考人 委員御指摘の手紙というのは、平成十五年四月の手紙だろうと思います。その中には、そういったかたいボトルを、受刑者は二種房でございましたけれども、二種房で使っておる、保護房でも使われているという趣旨の指摘がございました。

河村(た)委員 まあ、これはサービスで、知らなかったんですけれども、余り言うと感じ悪いけれども、教えてあげたんですよ。余りつまらぬことでけんかしてもしようがないものですから。

 十五年四月といいますと、この事故の発生した後ですけれども、これはちょうど委員会で質問なんかがかなり頻繁に繰り返されておったときですね。

 ですから、少なくとも、そういうようなことについて、国会の皆さんに、最低のモラルなり道徳というか、これは、道徳よりも法務省の義務を守っていただければ、いやいや、盛んに高圧だ高圧だと言っていますけれども高圧は違いますよ、こういうこともあって、こういうボトルによって事故を起こす可能性があったかもしれないということは言うべきじゃなかったんですか。

小貫政府参考人 平成十五年当時、保護房内でこのペットボトルが使われ、破砕していたという事実までは確認できておりませんでした。

 そういうことで、ペットボトル成傷器説に乗っかったそういう答弁はし得なかった、こういう事情にございました。

河村(た)委員 悪いけれども、割れている写真というのはあったんですよ。割れている写真は、刑務官が写真を撮って刑務所長に渡していますよ、刑務所長か何かわからぬけれども幹部に、実際に、きれいに撮ったものを。こういうふうに、房内にあるもの、ちょっと異常なものは撮って渡すんですよ。渡していますよ。

小貫政府参考人 何度かその写真についての御指摘を受けまして、いろいろ現場施設等々で調査をしましたけれども、手元にはございませんでした。そういうことで、私自身はその写真なるものを確認はできておりません。

 ただ、考え得るのは、検察庁の捜査においてあれを押収されたのではなかろうかというふうに思っております。

河村(た)委員 押収されたといって、まず局に、自分たちに出しますからね、当然。

 だから、わしは本当は、こういう偉い人だけ答弁するのは反対なんです。本当は、固有の行政権としてちゃんと、課長補佐でも、今後ろにおる刑務官の方でも、名古屋の刑務所長でも、その担当の人がちゃんと出てきて、国会に向けて堂々と言う。あと、政治的責任は、ここに何もしゃべらぬ副大臣なんかおりますけれども、こういう人らがやるのはいいですよ。だけれども、何か質問の内容までこっちに聞くというのは、わしは昔から反対なんです。これは国会の審議を著しく真相解明から遠ざけますね。こんなことをやっておったってわかりゃせぬですから、はっきり言いまして。

 これは、当時の名古屋刑務所の所長を呼んでくれば一番いいわけですよ。そうでないと国民のためにならぬ。政治責任とは別です。そう思うでしょう、大臣。まあ、ええですよ。そういう流れがありましたからね。

 ということでございまして、そうすれば、次は、いろいろ非常に細かく、三十八項目にわたって質問通告をきちっとしておりますので、そのことについては一応大まかに文書で回答をいただいたけれども、これはまた一遍文書で細かく一問一答で出していただけるか、いただけぬ場合は質問主意書で提出しますので、どっちか、ちょっと返事をしてください。

小貫政府参考人 どういう形がいいのか、委員とまた御相談させていただきたいと思います。

河村(た)委員 では、水圧の方に行きますけれども、結論だけ言っておかぬと、わからぬといかぬのでちょっと言っておきますよ、プラスチックボトルの話。

 要するに、先ほど大臣、委員長にも見せたのが入っていたんです。使うと、やわらかいボトルは下から入れると水がぴゅっとはみ出てやりにくかったということで、本当はよくないけれどもかたいのを入れておったというところが、結局、やはり事故を起こしてしまったということです。自分で割って起こしてしまった。

 ところが、それは本当のことを言えないわけですよ、今言ったように。そういう事故を起こしては、そういう自傷行為をしないように保護房に入れているんですから、自傷行為が起こるような器具があっちゃだめなんです、上の管理責任になるわけです。

 だから、いろいろな要素が重なっていますけれども、今回の冤罪の一つの大きな要素は、要するに、危険なものを漫然と入れ続けておった、いわゆる上の管理責任を逃れるために、現場のとんでもない犯罪をでっち上げたというのが真相でございます。これは結論だけ言っておきます。

 それで、国会にとんでもないうその説明をして、ある程度まで、全マスコミも一緒に、水でけがをしたと。ただ、水でけがをするためには高圧放水でないといかぬですから。水道の水で一・五メーターからかけて肛門が切れたなんてだれも信じませんよ、そんなもの。日本じゅうのふろ屋は全部操業停止せないかぬです。だから、高圧放水ということだけを仮装して、しばらくその説明をして、国会が動いて、マスコミが動いて、全部世論づくりが終わったら、もうそれでさようならと。それからの説明は加圧とか多量とか言っていません、全部数字だけを言っております、〇・六キロ。

 こういうことで、このままいって八人の刑務官だけが犠牲になればすべてよかった、上の人はみんな助かったというのが、残酷な、残酷物語といいますかね。

 だから、私は、この間最後に言いましたけれども、民主党の永田さんが幹事長の息子さんのことで予算委員会で質問したことで、免責特権の話が出ていますけれども、関係ないですよ。あれは院外において責任を問われないということ。なぜ院外において国会議員は責任を問われないかといったら、院内において、あなたは自分の政治的責任で、国会の自浄機能というか、当たり前のことなんです、最高権威ですから。自分のところできちっと責任をとりなさい、だからいいですよという意味ですね。それで、永田さんは辞職したじゃないですか、武部さんの息子さんを名誉毀損したということでですよ。

 それでは、今回、八名の刑務官が、もし死に至った理由が全然違っていたとしたら、実は殺人でも何でもなかったとしたら、責任とらぬでもいいんですか、皆さん、法務省も。もし責任とらぬでもいいとするんだったら、そうですか、武部さんの息子のような立派な方だったら責任とるんですか。末端の刑務官のような名もない、自分たちは末端公務員だと言っていますけれども、そういう人だったら何もしなくてほったらかしでいいんですか、国会は。そういうことになりますよ、大臣、本当に。大臣の部下だよ、これは言っておきますが。

 いいですか、今、この八人の方、地獄の思いをされていますよ、六割給料が出ていると言っていますけれども。当時もここで聞きましたけれども、いわゆる普通の殺人事件でなくて、これは陵虐的な話、サディズムですから、高圧放水をしりにかけたと。だから、子供さんが小学校の上ぐらいですけれども、みんなどれだけ悲しんだか。死のうと思った人もおりますよ、刑務官で、聞いていますけれども。それに対して、もし委員会やら大臣が何もしないでもええというなら、許されぬことだと思いますよ。

 ちなみに、私も二回暴行だと言っていますから、ちゃんと三回目に謝罪していますけれども。自民党は殺人、民主党も、悪いけれども、皆さんの言うことを聞いて通常な放水をやったから、十倍の放水だったわけですよ、実際やったのは。

 こういうことですから、だれがということは言いませんけれども、この際、やはり国会と法務省のきちっとした、社会的というよりも政治的責任をとろうじゃないかということを僕は言っているんですよ。末端の人間だから虫けらのように扱うということは許されぬ。特に、大臣、あなたの部下だよ。いいですか。

 では、それで、あと放水についてですけれども、樋渡さんと森山さんがこれに、今回も資料につけておきましたけれども、一応報道と発言一覧をつけておきましたが、森山法務大臣、その前に朝日新聞が、これはいわゆる特だねだと言われております。「全裸受刑者に高圧放水」、いずれも違っております。全裸受刑者ではありません。それから、高圧放水でもありません。中日も両方書いて、その後に森山さんが、平成十五年二月十八日に、「加圧した水を多量に放水する暴行」と。それから、政府側でいきますと、ずっと下がって平成十五年二月二十一日衆議院予算委員会、樋渡刑事局長が、「加圧した水を多量に放水する暴行」と言っています。

 これはこの間言いましたけれども、どうやってこれを認定されたんですか。まず法務大臣の方。

小津政府参考人 委員御指摘の平成十五年二月十八日の森山法務大臣の答弁、それから二月二十一日の樋渡刑事局長の答弁で「加圧した水」という表現を使っております。(河村(た)委員「多量にだよ」と呼ぶ)「加圧した水を多量に」という表現を使っておりますが、これは、この時点での、逮捕された被疑事実の内容がこうであるということを申し上げたものと承知しております。

 三月二十日の参議院法務委員会において樋渡刑事局長が「多量に放水する暴行を加え、」と言っておりますが、これは、その後の起訴をした起訴状に書かれている公訴事実の表現をそのまま御説明した、御答弁させていただいたというように承知しております。

河村(た)委員 まず、この事実について、これは何遍も私が調査したものを出していますね。放水一覧表を出していただくとわかりますけれども、「放水圧比較表」というものです。

 自分で言うのもなんですけれども、これは大変な力作ですよ。何でこれをおれがやらないかぬのか。法務省がやらないかぬじゃないですか。あなたたちがいろいろ調査して、こっちがその欠陥を突くというのが普通ですよ。調査、何で僕がこれをやっておるんですか。

 まず、これはどう思いますか、大臣。

長勢国務大臣 私も法務大臣就任以来もう一カ月半近くたちますが、当初から先生が大変御熱心に取り組んでおられることに敬意を表しております。

河村(た)委員 そう言ってもらわぬよりはありがたいけれども、物すごいエネルギーですよ、言っておきますけれども。これは三年半前。いろいろなことがようやくわかってきた。

 何遍も言っていますが、私はこのために法務委員会におるんですから、この一言のために。自分が野党筆頭理事として間違った追及をしてしまったために、その罪を償うためにやっているんですから。

 ここにありますように、何遍もあります、「放水圧比較表」で、名古屋刑務所の放水圧〇・六、一番下から二番目。それで、それでは、水道でいきましょうか。東京都が今度新しく出してくれました、下から四番目、東京都の水道蛇口、三階部分の吐出水圧で〇・六、同じです。三階でですよ。一階だと一・三、一メーターに〇・一ずつ下がっていきますから。こういうことですよ。

 それから、その上の方ずっと、何がいいですかね、名古屋市もありますけれども、まあ、自分の党のことを言うと高山氏が余り言うなと言うかもわからぬけれども、自分のところだけ格好いいというわけにいきませんので。

 一番上から二番目、民主党放水実験、平成十五年三月三日、六キロ。その三番目、この間、静岡で放水事故がありました。男性が肛門裂傷した事故で使用された消火栓の圧力四・五キロ、これは松崎町役場に照会しております。四・五キロぐらいだったら、やはりなります。それから、その下にあるのが、これは民主党の実験で男性秘書が背中に放水を受けて耐え切れなくなった水圧、これは三・五です。ちょうどぴしっと合うでしょう。耐え切れない圧力をかけると、やはり傷になるんです。

 それから、ずっと下がってきまして、この間も言いましたように、下から六、七番目の、木更津の温泉で採用されている打たせ湯、一キロ、八百リッター。これはこの間写真をお見せしましたね。言っておきますけれども、これは暴行じゃないですよ、レジャーランドで楽しみに行くんですよ、一キロの八百でざあっと出るのを。

 名古屋刑務所が〇・六、二百一リッター。これが、加圧したと言っていますけれども、それは逮捕事実に書いてあると言うけれども、調べるのは何でもいいんですよ、私立探偵が調べても、何でもいいんですよ、法務省は。だけれども、法務省としてやはり認定せないかぬでしょう。一つの事故が起こった、では事故原因は何であるのかと。今、当然わかっていますけれども、これは義務がありますよ、言っておきますけれども。裁判と関係ないですよ、これは。

 では、検察庁が言ったことはいいけれども、それはそれで法務省としての事実認定なんですねということですよ。事実認定の事実なんですねということですよ。

小貫政府参考人 質問の趣旨を正確に理解していないかもしれませんが、〇・六キログラム・パー・平方センチメートルでの放水が暴行に当たる……(河村(た)委員「加圧されたと」と呼ぶ)加圧された云々というのは、これは評価の問題でございますので、私からコメントする能力はございませんが、ただ、従来から繰り返しておりますとおり、暴行に当たるかどうかというのは、やはり具体的な事案の中で個別的に判断されるべき事柄である、このように認識しております。

河村(た)委員 では、事案をもうちょっと進めましょうか。

 それでは、〇・六キロというのは、これでわかりましたように、東京、今二階ですから、二階だと一・〇五ですか、そこで蛇口をあけてもらってもいいですけれども、それが多分東京都の平均値で、その六〇%ですよ。その六〇%で、要するに、水道のところで蛇口を大きくすれば水は出るわけですよ、当然。圧力は、一定の圧力がかかっていますから。だから、ゴムホースより大きくすれば、ばあっと出るわけです。

 そうなると、暴行だと言ったら、結局、同じ水道からとっても、ゴムホースでやったら暴行でなくて、ゴムホースでふん尿まみれの受刑者に、普通の植木に水かけるやつね、あれでやったら暴行じゃなくて、消防用ホース、いわゆる口径が大きいの、十九ミリだったと思いますけれども、二十ミリか、倍ぐらいあるわけですよ、それでやったら暴行になるんですか。その違いなんですか、これは。

小貫政府参考人 繰り返し繰り返し恐縮ですが、暴行の定義としては先ほど申し上げたとおりでございますので、具体的な事案の中で、違法な有形力の行使になるかどうかは判断されるべき事柄だというふうに思っております。

 ですから、同じ水圧で放水したとしても、不法な有形力の行使になる場合もあるであろうし、そうではない場合もあり得る、このように私は理解しております。

河村(た)委員 そうしたら、ふん尿まみれになった受刑者に対してどうやって処遇するんですか、ふろも行かぬ人に。ふろも行けない。ふろへ連れていくんですか、無理やり連行して、腕を抱えて、ふん尿まみれになった人を。

小貫政府参考人 私が知っている限りの一般的なことを申し上げますと、そういった保護房被収容者に対しては、ぬれタオル等々でふく、あるいはまた、暴れていない状態のときには浴場に連れていって刑務官が洗ってあげる、さらに、最近の保護房、近くにはシャワーができておりますので、シャワー等で洗い流す等の方法をとっていると承知しております。

河村(た)委員 だから、この事故の後に、横にシャワーをつけたわけですよ。そういうことでしょう。この事故の反省を受けて、その後につけたわけでしょう、横にシャワー。それを答弁してください。

小貫政府参考人 シャワー設置は事故の後であったと記憶しておりますが、ただ、北九州医療刑務所はそれよりも前であったんじゃないかというふうに記憶しておりますが、ちょっとこの場に資料がありませんので、不正確だったら申しわけなく思いますが。

河村(た)委員 時間がないですけれども、タオルでふくといいましても、全身ふん尿まみれになったり、これは乾くとこびりつくわけですよ、結構。そういう人に対しては、上の人だってよくわかっていないんじゃないの、現場が、その苦労が。ふろへ連れていくといっても、真っ裸で連れていくんですか、本当に、毛布でもかけて。それで、はい、私はふろへ行きますよ、一緒に行きましょうという人は保護房にいるんですか。そういうことを聞かない人が保護房にいるんじゃないですか。

小貫政府参考人 私がさっき申し上げたのは、保護房に入っていた被収容者がおとなしくなって保護房を解除できる段階になった際に浴場に連れていく、こういうことを申し上げました。

河村(た)委員 だから、保護房を解除できない場合は浴場に連れていけないわけだ。そういうことですね。そういう場合はタオルでふくしかないわけですね。そういうことですか。

小貫政府参考人 実際の実務では、通常そういうふうに行われていると承知しております。

河村(た)委員 ここはちょっとまた文書で出してくださいよ。

 私の聞いたところでは、少なく、本当に一部だけが汚れている場合はそれはできるけれども、全身とか保護房じゅう、とにかくひどい状況の場合はタオルではふけないと。よっぽど多人数が入っていって完全に押さえ込んでふん尿まみれのものをやるかということになりますわね。時間がかかったら、暴れたりしてかえって危険なので、なるべく短時間で処遇する必要があります。

 具体的にはわかっていないんじゃないの。これはほかの事案でもやったことがあるんですよ。

 では、最後のところで、今言いました加圧した水というのは法務省の認定した事実なんですね、検察ではなくて。検察の逮捕事実をそのまま言ったようですけれども、それはそれで、これはあなたのところの、独立した、認定した事実ですね。

小貫政府参考人 中間報告でそのような記載をした報告書を提出しておりますので、これを法務省として御報告申し上げたということになります。

河村(た)委員 今、報告と言っていたよ。そういう認定をしたということですね。はっきり言ってください。ただ検察庁のを垂れ流ししたんだったら意味ないですよ。材料は何でもいいですよ、私立探偵でも検察庁でも。だけれども、あなたのところが独自に、再発防止のために真相解明せないかぬですから、それはその事実ですね。

小貫政府参考人 調査検討委員会において、当時の資料に基づいてそのように認定したということでございます。

河村(た)委員 それでは、どこが加圧ですか、一体何に対して加圧なんですか。加圧して多量と言っている。何に対して加圧で、何に比較して多量なんでしょうか。

小貫政府参考人 先ほどの答弁、正確に読み上げて申し上げます。(河村(た)委員「大臣答弁でいいですわ。大臣答弁の中で言っているから、加圧と。中間報告には書いていない」と呼ぶ)中間報告には書いていないということを今申し上げるつもりだったんです。(河村(た)委員「大臣が言っていますから、大臣と刑事局長が」と呼ぶ)大臣の答弁をちょっと把握しないままここへ参りましたので、ちょっと答弁は差し控えさせていただきます。

河村(た)委員 いやいや、それはいかぬ。それはちょっと待ってちょうだい。これは何遍も言っているんだ、大臣と刑事局長が、加圧したということを。

 それで、その答弁として、それは逮捕事実を言ったと言うんだけれども、それはだめですよ。逮捕事実をただ言っただけで済まそうというのか。法務省としては、ちゃんと自分のところとしての再発防止についての真相解明義務があるわけですよ。それは自分のところの認定なのか、自分のところの認定でないのか、言ってくださいよ。

七条委員長 法務省に申し上げますが、一度問題を整理して御答弁いただきたい。

小津政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、法務大臣あるいは刑事局長が加圧あるいは多量という表現を用いて御答弁申し上げましたのは、その時点で逮捕の被疑事実がこうであったということを御答弁申し上げた、あるいは公訴事実に記載された事実がこうであったということを御答弁申し上げたわけでございます。

 法務省としての調査につきましては、中間報告の形で取りまとめて御報告申し上げ、その中間報告で不十分であった点につきましては、さらに改めて報告書を取りまとめて御報告させていただいたというふうに承知しております。

河村(た)委員 それはインチキですね。中間報告は中間報告。大臣は大臣で、刑事局長まで言っているんですから。それを法務省の見解ではないと。ほかの国会議員がみんな全部高圧だと言わされて、それで、これは私のところではないと。

 法務省というのは国会に対してちゃんと説明義務があるんでしょう。説明していないじゃないですか、こんなの。こんなことだったら何にも質問できぬですよ。実際は何にもやっていない、ただ検察庁がこう言っています、こういうことなんですか。

七条委員長 法務省に申し上げます。

 今お話がありましたことに関して、今現在話ができることを整理してもう一度御答弁いただけますか。

小貫政府参考人 平成十五年の三月でございましたか、先ほど刑事局長が申し上げたとおり、中間報告で法務省の報告をまず申し上げました。これに対しては、表現が断定的過ぎる、あるいはまた別な調査すべき事項も多々ある、こういう趣旨の御指摘を受けまして、その後、平成十五年の七月に、問題点の整理ということで再度御報告を申し上げたところでございます。

河村(た)委員 そこには、水圧の評価、何にもわけがわからぬじゃないですか。だけれども、大臣と刑事局長から一たんはそういう話だけしておいて、それは別ですという言いわけは通らぬと私は思いますよ。

 ちょっと時間がないので、一般質疑でとめておってもしようがないんだけれども、ちゃんと一遍、今、どういう事実を認定しているのか。再発防止に向けた真相究明義務がありますから。これがないと恐ろしくて刑務所に入れませんよ、言っておきますけれども。そうですよ。

 いいですか、電車事故があって、これも前に言いましたけれども、電車事故の原因究明は裁判が終わるまでやらないといったら、最高裁の確定判決が出るまで怖くてだれも電車に乗れませんよ。そうでしょう、大臣。(発言する者あり)

 いや、刑務所だって全く同じですよ。刑務所だって、受刑者、保護房の中でだれか死んだ、その事故が、なぜ死んだのか、水であったのかボトルであったのかということをはっきりしないと、受刑者は本当に困りますよ。本当に差別ですよ、そんなことはええと言うんだったら。

 だから、悪いですけれども、今の現状でいいですよ、放水圧とか、もう一回、原因といいますか、水でいいでしょうか、原因も含め、なぜ死んだのか。それから、今の水に対する、放水というのは、今わかってきたように、消防法上の消火栓ではないんですから、加圧されたとか多量だとか言ったのはどうだったのかということを、きちっとやはり今の時点での真相解明をしていただきたい。

 理事会でちょっと議論してほしいんだけれども。

七条委員長 理事会で引き続き協議をいたしますけれども、河村委員に申し上げます。

 この問題、長年にわたって真摯にライフワークとして河村先生が罪を償いたいという思いでやっておられること、あるいは国会と法務省に対する責任を問うということも先ほど言っておられたこと、あるいはそれらのことについてもう一度理事会でも協議をいたしますが、できれば御党の理事の方へもう少し説明をしていただいて、そしてそれを整理していただいて理事会に出していただけるように私の方からは要請をいたしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

河村(た)委員 承知しました。ありがとうございます。

七条委員長 そういうふうにやらせていただこうと思いますので、整理をして出してください。よろしくお願いします。

河村(た)委員 ありがとうございました。

七条委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時二分開議

七条委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。高山智司君。

高山委員 衆議院の高山でございます。皆さん、お待たせして申しわけございませんでした。

 それで、午前に引き続き、まずはタウンミーティングに関してですけれども、先ほど、内閣府で調査委員会ですか、何かそういうのが今開かれているというようなことがあるそうですけれども、まずそのメンバーをちょっと教えてください。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 調査委員会でございますが、メンバーは五名から構成されておりまして、外部の専門家の知見を得て調査を行う、こういう趣旨で設けられている委員会でございます。長は林内閣府副大臣でございまして、メンバーを申し上げますと、川上和久明治学院大学教授、政治心理学が御専攻であられます。それから、国広正、これは弁護士の先生でありまして、内閣府の法令遵守対応室の法令顧問であられます。それから、郷原信郎桐蔭横浜大学法科大学院教授、コンプライアンス研究センター長、それから世耕弘成内閣総理大臣補佐官、それから冒頭申し上げました林芳正内閣府副大臣、以上の方々によって構成される調査委員会でございます。

高山委員 あと、先ほど法務省関連の、つまり、司法制度改革のときにタウンミーティングが何回か行われていますねという質問を社民の保坂議員からもさせていただいたと思うんですけれども、その際に、これも内閣府にまず伺いますけれども、やはり内閣府のタウンミーティング室というのは、基本的には場所を押さえたりですとか、そういうロジスティクスというか、そういう部分を随分中心でやられていると思うんです。要は私が言いたいのは、司法制度改革の政策面というか内容面に関して、これは当然法務省にはどういう内容なのかとかと聞いたり、政府の方針としてはどうなのかと確認したり、こういうことをしなきゃいけないと思うんですけれども、その窓口はどの部署ですか。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 法務省側の窓口は、これは各省庁いずれも同じでございますけれども、タウンミーティングの担当の窓口というふうにいたしておりまして、ちょっと手元にございませんが、広報担当部局において御担当しておられるというふうに思います。

高山委員 それで、内閣府の方にお尋ねですけれども、先ほど保坂委員からも要求がありました、ここに、私の手元にもありますけれども、経費及びその内訳、こういったもの。あと、これは仮にあればですけれども、これももう教育特の方で出していただいたんですけれども、こういった感じの質問をしてくださいねというメールの依頼書、こういったもの、対法務省といいますか、法務省から来たものというのは出していただけますか。

 では、経費及び内訳、これに関してまず伺いますけれども、この経費及び内訳に関しては当委員会に提出していただけますでしょうか。

谷口政府参考人 経費の面、そのほか運営を含めまして、先ほど委員から御指摘のありました調査委員会のもとで、今、このデータを集めまして検証していくという作業をいたしているところでございまして、そちらに全力を挙げたい、このように思っております。

高山委員 林副大臣、世耕補佐官ですとかが中心となったこの調査委員会の方から、調査委員会の方で取りまとめるので委員会の審議には協力するな、こういう指示が出ているということなんでしょうか。

谷口政府参考人 私が申し上げましたのは、事務的な検証のためのデータあるいは資料の収集の作業に今全力を挙げている、こういう状況について申し上げた、そんな趣旨で御答弁を申し上げた次第でございます。

高山委員 それじゃ、まず伺いますけれども、この経費及び内訳の司法制度改革に相当の部分、いいですか、室長、経費及び内訳のやつがありますね、教育特で出てきたもの。これの司法制度改革の部分のこういう内訳というか仕様書というんですか、これは今、探せばありますね。

谷口政府参考人 教育改革関係につきましては、委員も御案内の経緯によりまして、先行して調査をいたし、取りまとめをいたしたということで、さまざまな資料が今手元にそろっているということでございますが、調査委員会のもとで精密な調査を行うという中で、それらの資料につきましてもきちんと収集し、検証する、こういう作業をこれからしてまいりますので、今委員御指摘の資料も含めまして検証をきちんと行う、こういう運びで……(高山委員「いや、あるかどうかだけ言ってくれれば、内容は聞いていないから」と呼ぶ)今、手元にはございません。

高山委員 今、手元にはないということでしたけれども、一回当たり一千万もの税金を使っているわけですから、それが不正に支出されていないかどうか、当然これは記録をとっておいていただいていると思うんですけれども、その記録は何年ぐらい保存して、それで、破棄をしていないものは、ではまだ内閣府の方に残っているということなんでしょうか。

谷口政府参考人 三年ないし五年、いずれであったか、ちょっと判然といたしませんで恐縮でございますが、保存をされるべき資料でございます。

高山委員 今、室長の答弁にもありましたように、少なくとも三年以内のものは保存されているということで、今、混乱があるのか、上からの指示があるのかわかりませんけれども、今は出せない、そういうようなことなんでしょうか。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 早速に調査委員会の立ち上げがございまして、今、全体にわたる調査を全精力で行っているという状況の中で、先ほどのような御答弁を申し上げた次第でございます。(高山委員「では、資料はあるわけね」と呼ぶ)確認いたしますが、それらの資料はあると思われます。

高山委員 次は、法務大臣や法務副大臣等の皆さんにちょっと伺いたいんですけれども、いろいろ新聞記事を見ますと、文部省でタウンミーティングやらせとかといろいろ出ていたんですけれども、これはたしか十一月の一日ぐらいから記事がいろいろ出ていたと思うんですけれども、まず、大臣はこれはいつお知りになりましたか。

長勢国務大臣 日付ということであればちょっと正確に記憶をしておりませんが、報道等で出たときに知りました。

高山委員 副大臣、政務官は、それぞれいつごろこれはお知りになりましたか。どうもタウンミーティングでやらせがあったらしいということで、随分ここのところずっと報道がありますから、いつごろお知りになりましたか。

水野副大臣 私も大臣と同じで、日付については別に正確に覚えているわけではございませんけれども、報道等でそういうようなことが世の中で問題になっているんだなというような認識を持ったという程度でございます。

奥野大臣政務官 私も、新聞を読んで知ったということであって、具体的な日時は記憶しておりません。

高山委員 これだけ騒ぎになっていますので、もう既に、一週間以上前にはわかっていたことだと思うんですけれども、大臣は、この記事を見るなりあるいはこういう報告を受けるなりして、法務省のタウンミーティングではどうだったのかということで、法務省内に対してどういう指示を出されましたか。

長勢国務大臣 特に私は新聞を読んですぐ指示はしていませんでしたけれども、これは各省それぞれ問題になるんだろうなとは思っておりました。

 その後、当委員会でも御質問があって、タウンミーティングと法務省との関係について一応聞くという約束をしていますので、少しは聞いてみました。

高山委員 大臣、その聞いた結果を教えてください。

長勢国務大臣 司法制度改革に関して七回タウンミーティングをしたということでありましたので、それをすることになった経過、あるいはかかわり合いがどういうことをしていたのかということを聞きました。

 御案内のように、司法制度改革は、これから国民の皆さんによく知ってもらわなきゃならない。そういう意味で、広報という意味で大変大事な時期になっておりまして、また、司法センターなり裁判員についても、国民の皆さんにまだ知られていない段階でありましたので、タウンミーティングという活動が内閣府全体で行われているということでしたので、法務省としても、ぜひ広報の場として活用したいということで申し出もしたようであります。

 しかし、この司法制度改革については当省が広報の専門というか担当でありますので、いろいろの具体的なしつらえ、例えば、ちょっとよくわかりませんが、ポスターとかそういうようなものをつくるときの相談とか、講師の選定の相談とか、こういうようなことは相談にあずかって協力をしておったというふうに聞いております。

高山委員 今の大臣のお話にもありましたように、法務省の方としても、先ほどの内閣府の方と協力しながらこれは進めてきたことだと思うんですけれども、私も、政府が進めている政策を広報というか宣伝しなきゃいけない場が当然必要だろうなと思います。そして、それには一定程度の演出が当然あるだろう、壇上をライトアップするであるとか、当然演出はあってしかるべきだと思うんですけれども、大臣は、どの程度であればこの演出は許容できるというふうにお考えですか。

長勢国務大臣 程度というか、余り程度とか深く考えたことはありませんが、タウンミーティングにかかわらず、これから我が省としては、裁判員制度の国民への周知徹底に、一つの大きな課題になっておりますけれども、まず制度の中身をよく知ってもらわなきゃいけない、また、それについての不安についてお答えして、その不安を国民の皆さんが抱かないようにしなきゃならぬということについて、わかりやすくしていくということをこれから一生懸命やらなきゃいかぬと思っています。

高山委員 きょうは、ちょっと細かい資料を昨日いろいろ要求しておったんですけれども、なかなか出てこないものですから、それだったら細かいことを聞く必要はないなと思っておったんですけれども、まず、ちょっと一つ伺いたいのは、タウンミーティングは内閣府が主催ということですけれども、法務省主催の、それこそ法テラスを告知するですとか法の日の実施だとか、結構いろいろなイベントを、法務省主催のものをやられているようなんです。

 この点に関して、大臣、これはどういう部局がやって、またどの程度の演出がなされているかということは御存じですか。

長勢国務大臣 すべてを承知しておるとは言いがたいのが現実でありますが、それぞれ、法テラスであれば担当が司法法制部でしょうか、それから裁判員制度であれば刑事局ということになるんでしょうか、そこを中心にやっておるわけでありまして、裁判員のフォーラムというのをやっておるんですが、そのときには演出等もありますので、会場のしつらえ等については、しかるべき業者にも委託をしてやらせておるというふうに承知をしております。

高山委員 その業者の選定等に当たってどういう方式でなされているかということを大臣が承知している必要まではないと私も思うのですけれども、今これだけ政府広報のあり方ですとかこういったことが問われている中で、大臣としても、法務省主催のそういうイベントあるいは広報関係がどのような発注状況になっているか、またそれはどの程度演出がなされているのかということは、これは当委員会に報告していただけますか。

長勢国務大臣 どの程度のものがどういうふうになっているか、私、今承知しておりませんが、必要なものは、提出できるものは提出したいと思います。

高山委員 あと、もう一回ちょっと内閣府の方なんですけれども、先ほどの調査委員会というのは、いろいろ伺いますと、随分メンバーが、世耕さんですとか、政府のもともとの広報に携わられていた方が入っていると思うんですけれども、これでは全く内輪に甘いといいますか、調査をしたところで、また何かこの調査委員会の報告そのものをショーアップして、政府がきちんとしたことをやっていますというアピールに使うつもりなんじゃないのかなという疑念がぬぐい去れないんです。

 むしろ、その前に、国民から直接選ばれたこの議会に資料等あるいはいろいろなものを出すべきだと私は思うんですけれども、何かこれは上からの命令あるいは与党側からの圧力か何かがあってこの委員会には資料は出せない、そういうことなんでしょうか。どちらですか、その理由は。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 ただいまの委員の御指摘は、一点目はこの委員会の構成に関すること、それから二点目は資料の御提出に関する私どもの態度のことについての御指摘であったと思います。

 第一点目について申し上げますと、私、この委員会の設置の御説明をいたしました際に、外部の知見を得てというふうに申し上げましたが、先ほど申し上げましたようなコンプライアンス関係の御担当の方あるいは外部の有識者の知見を得るという体制にしておるという点、それから、このもとに当然この委員会をサポートするチームというのが設けられるわけでございますが、これは、内閣府の職員ではなくて他省庁、具体的には総務省の行政評価局からの職員などによって構成をされますサポートチームがこの委員会を直接支えるというような体制をとりまして、その公正性、透明性という点の担保がきっちりなされるというような趣旨のもとに設置をされておるということでございます。

 それから、資料の御提出に対する態度でございますが、先ほど来繰り返しで恐縮でございますけれども、現在、いわゆる全数調査に当たっておりまして、それらの調査をきちんと行うということに全精力を注いでおるという状況にあることを御理解賜りたいという趣旨で申し上げている次第でございます。

高山委員 済みませんけれども、透明性ですとかいいますけれども、だって、これはもう調査委員会のメンバーの中に政府の広報の担当者の人が入っていて、今、政府広報のあり方が問われているわけですよね。ある程度の演出はいいかもしれないけれども、ちょっと行き過ぎじゃないかと。そういうことを自己反省するのに、政府広報の責任者の人が入っていたら、これは自己反省できないんじゃないんですか。

 だから、これはまさに、我々のような議員や、そういう国民から直接選ばれた議会で物事を明らかにするべきだと思いますので、ちょっと委員長、少なくとも法務省関係分については、法務省も協力していただければ出せることですし、そんなに時間がかからないと思うんですけれども、これは、今解決しないで、また防衛施設庁談合のときのように、閉会中になってからふっと資料が出てくるようなことになったら私はいけないなと思いますので、これは我々が審議をしている間に出せるように、委員長、お取り計らいをいただきたいと思うんですけれども。

七条委員長 法務省関係ですね。(高山委員「法務省関係の司法制度改革のタウンミーティング」と呼ぶ)法務省の方の関係の資料が今ということでございますが、どなたかこれに対して御答弁できますか。(高山委員「いや、もう委員長の方からお取り計らいをお願いします」と呼ぶ)はい、わかりました。

 では、私の方からも法務省に対して、資料が提出できるものを、速やかに提出をしていただけるように要請いたしておきます。

高山委員 それでは、あともう一つ。

 これは政府広報とも少し関係があるんですけれども、法務省でもよくパブリックコメントというのを行っていると思います。このパブリックコメントに関して、これは結構反対する意見の人もよくメールを送ったりなんだりしているものですから、それほどやらせですとか依頼はないと思うんですけれども、これは、きのう既にお願いしてありますので、大臣に簡単に御答弁をお願いしたいんですけれども、パブリックコメント等の募集に際して、こちらの当局者の方から、こういうパブリックコメントを出してくれよというような依頼をしたことはありますか。

長勢国務大臣 そういう事実は承知をいたしておりません。

高山委員 もし当局の方から、こういう質問というか、こういう考えでメールを送ってくださいよとか、あるいはそういう依頼があった場合には、大臣としてはどういたしますか。

長勢国務大臣 そういうことはないだろうと思いますが、あるということであれば適切ではないと思いますので、注意したいと思います。

高山委員 あと残り時間が短くなりましたので、全く違う質問をしたいと思います。

 今話題になっておりますいじめの問題なんですけれども、これは大臣に伺いたいと思うんですけれども、もう本当に、新聞記事とか、最近非常にいじめの問題がすごくいっぱい出てきて、いじめ苦に自殺ですとか友達からお金を要求されたとか、いろいろな事件が出てきているんです。このいじめというのは、人を殴ったり、人からお金を取ったりですとか、これは犯罪じゃないかなと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えですか。

長勢国務大臣 いじめにも態様、また内容、規模、程度、いろいろありますから一概には言えませんけれども、それが暴行とか傷害とかに当たれば当然犯罪でありますし、そういうことにかかわるケースも、新聞報道等ではそれにかかわっておるいじめ問題もたくさんあるように聞いております。

高山委員 警察庁の方にも伺いますけれども、あと、せっかくですから副大臣等にも伺いたいと思うんです。

 まず、警察の方に伺いますけれども、新聞記事なんかを見ていますと、悪質だな、随分ひどいじゃないかという事例が結構あるんですけれども、これはあれですか、いじめだから、子供と子供の問題だからそんな親が出ていくような話じゃないよというようなことなんでしょうか。それとも警察の方で、これはちょっと余りにも、犯罪として摘発しなきゃいけないということで、今まで摘発した事例等があるのでしょうか。

竹花政府参考人 お答え申し上げます。

 いじめに関しましては、警察は相談をしばしば受けることがございます。その中には、非常に度を越したもので、刑罰法令に触れる疑いのあるものもあるわけでございまして、そうしたものにつきましては、被害少年や保護者、学校関係者等から十分事情を聴取いたしまして、どうも犯罪に当たりそうだという場合には、十四歳以上の少年については犯罪少年として、十四歳未満の少年については触法少年として、それぞれ少年法あるいは児童福祉法に規定されました手続に従って措置をいたしております。

 私ども、いじめに起因した事件というものを各都道府県警察から年次報告を受けておりまして、平成十七年中に受けました報告は、百六十五事件を検挙したというものでございます。検挙、補導した少年は三百二十六人となっております。

高山委員 これは大臣にも副大臣にも伺いたいんですけれども、新聞とかを見ていると、同級生からお金を要求されて払ったですとか、また自殺当日にも二万払えと言われたとかいろいろあるんですけれども、大人同士の話であれば、これはただの恐喝だと思うんですよ。それで、何かいじめだということで、急に教育の問題であるとか文科省がなんという、あるいは学校の先生がという話になっていますけれども、これはもう恐喝事件として十分やっていいんじゃないのかなと私も思うものもあるんです。

 まず、副大臣に伺いたいんですけれども、今まで、ドメスティック・バイオレンスですとかストーカー、あるいは痴漢ですとかこういうのも、何か、その程度いいじゃないかと。あるいはドメスティック・バイオレンスといったって、それは家庭の中の問題だから警察が入ることじゃないよ、あるいは幼児虐待もそうかもしれない、あれはしつけなんだよ、だから入ってはねというふうなことがあったと思うんですけれども、やはり事件が多発してきたり、また被害が、もうこれは看過できないねというのがふえてくると、世の中の基準も変わると思うんですね。

 いろいろこれを役所に聞きますと、法と証拠に照らして適切に対応していますですとか、事件になり得るものがあればというような言い方を多分されると思うんですが、ここは政治家としてちょっとまず伺いたいんですけれども、いじめはただの教育の問題を少し離れているなという印象を私は持つんですけれども、ドメスティック・バイオレンスやストーカー、痴漢なんかと一緒で、例えば痴漢は犯罪です、あるいはそういうようなことになれば、もうみんなが声を上げやすくなるし、そういう犯罪化をした方がいいと思いますか、どうですか。

水野副大臣 先ほど来のお話にもありますように、いじめというふうに一口に言った場合にも、確かに、いろいろな程度のものもありましょうし、いろいろな態様のものがありましょうから、一概化することはできないと思うんですけれども、中には、非常に犯罪と言っても過言ではないようなものもあると思いますし、そこは法と証拠に照らしながらというふうにしか申し上げられないと思います。

高山委員 では、大臣にお願いします。

長勢国務大臣 いじめといってもいろいろな態様があることは御案内のとおりですから、厳密に刑事の構成要件に当たるかどうかを、殊さらにほか以上に厳しくするというわけにもいかないんだろうなと思いますし、また、教育現場との関係でいろいろな、先生のような御意見もありますけれども、やはり年少者の問題として考えるべきだという御意見もあるわけで、そこは慎重に考えなきゃならぬ面もあると思います。

 いずれにしても、犯罪に当たるものは当然、司法警察当局において厳しくきちんと対応していただける、してもらわなきゃいけないと思います。

高山委員 せっかく大臣、副大臣から、前向きなんだけれども、ちょっと官僚的な答弁でございましたけれども、やはり時代が動いていますから、ドメスティック・バイオレンスあるいはセクハラなんかもそうですけれども、昔は、まあその程度しようがないよとか子供同士で解決しろと言っていた問題がどんどん、親あるいは地域で解決能力がなくなって、渋々ながら国が介入しなきゃいけないときもあるかもしれないなとは思います。

 それと、ちょっとタウンミーティングの問題、また今、他の委員会ですけれども、教育特で、何か十分に国民の意見を聞かないまま、無理無理政府の意見を一方的に押しつけるようなことが政府広報でも行われているし、また委員会審議においても随分行われているようで、全く、何というんでしょうか、うちの法務委員会のように穏健に委員会運営がなかなかなされないようで、大変私はこの政府の態度に不満を抱いておりますけれども、時間が来たようなので終わります。

七条委員長 次に、細川律夫君。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 今、野党の方から、民主党の方から申し入れがありましたが、時間をもってして、もう一度審議に応じるように要請をしたいと思いますから、その場でお待ちをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。電話でかけて、あるいは要請をしてください。その間理事の皆さんは、できるだけ入っていただけるように要請をしてきていただきたいと思います。お待ちいたします。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

    〔委員長退席、上川委員長代理着席〕

    〔上川委員長代理退席、委員長着席〕

    〔委員長退席、倉田委員長代理着席〕

    〔倉田委員長代理退席、委員長着席〕

    〔委員長退席、倉田委員長代理着席〕

    〔倉田委員長代理退席、委員長着席〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 ただいま、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。

 事務局をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 事務局をして御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。

 理事をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

七条委員長 速記を起こしてください。

 理事をして御出席を要請いたさせましたが、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 これより細川律夫君の質疑時間に入ります。

    〔委員長退席、松浪(健太)委員長代理着席〕

    〔松浪(健太)委員長代理退席、委員長着席〕

七条委員長 これにて細川律夫君の質疑時間は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十九分散会


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