衆議院

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第11号 平成25年4月26日(金曜日)

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平成二十五年四月二十六日(金曜日)

    午前九時四分開議

 出席委員

   委員長 石田 真敏君

   理事 江崎 鐵磨君 理事 奥野 信亮君

   理事 土屋 正忠君 理事 ふくだ峰之君

   理事 若宮 健嗣君 理事 田嶋  要君

   理事 西田  譲君 理事 遠山 清彦君

      安藤  裕君    池田 道孝君

      小田原 潔君    大見  正君

      門  博文君    神山 佐市君

      菅家 一郎君    菅野さちこ君

      黄川田仁志君    小島 敏文君

      古賀  篤君    今野 智博君

      新開 裕司君    長坂 康正君

      根本 幸典君    鳩山 邦夫君

      林田  彪君    三ッ林裕巳君

      宮澤 博行君    盛山 正仁君

      湯川 一行君    泉  健太君

      枝野 幸男君    辻元 清美君

      松本 剛明君    足立 康史君

      今井 雅人君    西根 由佳君

      西村 眞悟君    丸山 穂高君

      伊佐 進一君    大口 善徳君

      椎名  毅君

    …………………………………

   法務大臣         谷垣 禎一君

   法務副大臣        後藤 茂之君

   外務副大臣        鈴木 俊一君

   法務大臣政務官      盛山 正仁君

   最高裁判所事務総局民事局長

   兼最高裁判所事務総局行政局長           永野 厚郎君

   最高裁判所事務総局家庭局長            豊澤 佳弘君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            佐村 知子君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  岩瀬 充明君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 諸橋 省明君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    深山 卓也君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 新美  潤君

   政府参考人

   (文部科学省国際統括官) 加藤 重治君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           鈴木 俊彦君

   法務委員会専門員     岡本  修君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十六日

 辞任         補欠選任

  菅家 一郎君     菅野さちこ君

  黄川田仁志君     根本 幸典君

  末吉 光徳君     新開 裕司君

  鳩山 邦夫君     長坂 康正君

  枝野 幸男君     松本 剛明君

  階   猛君     泉  健太君

  今井 雅人君     足立 康史君

  西村 眞悟君     丸山 穂高君

  大口 善徳君     伊佐 進一君

同日

 辞任         補欠選任

  菅野さちこ君     菅家 一郎君

  新開 裕司君     湯川 一行君

  長坂 康正君     鳩山 邦夫君

  根本 幸典君     黄川田仁志君

  泉  健太君     階   猛君

  松本 剛明君     枝野 幸男君

  足立 康史君     今井 雅人君

  丸山 穂高君     西村 眞悟君

  伊佐 進一君     大口 善徳君

同日

 辞任         補欠選任

  湯川 一行君     末吉 光徳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出第二九号)


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     ――――◇―――――

石田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府男女共同参画局長佐村知子君、警察庁生活安全局長岩瀬充明君、総務省大臣官房審議官諸橋省明君、法務省民事局長深山卓也君、外務省大臣官房参事官新美潤君、文部科学省国際統括官加藤重治君及び厚生労働省大臣官房審議官鈴木俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、最高裁判所事務総局永野民事局長兼行政局長及び豊澤家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松本剛明君。

松本(剛)委員 おはようございます。

 きょうは、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案の審議ということで質疑をさせていただきたいと思います。

 まず冒頭、大臣に、御通告申し上げておりませんが、私どものとき、政務三役ということで、大臣、副大臣、政務官とチームになって、いろいろ事に当たってきておりましたけれども、今、大臣のもとでは、大臣、副大臣、政務官が定期的に集まられる会議とかそういったものは進めておられますか。

谷垣国務大臣 定期的に、二週間に一回、御一緒になりまして、いろいろ当面の問題であるとかあるいは国会運営に対するいろいろな感想であるとか、そういう協議をして、協力体制を整えてやっていく、こういう体制でやっております。

松本(剛)委員 政務三役という言葉が死語になったという話も聞くわけであります。言葉にこだわるわけではないのですが、きょうこのことをお聞きいたしましたのも、この条約の批准に向けて国会にお諮りをする、そして関連をする実施法案の策定の準備に入っていくに当たっては、やはり政務レベルで随分と活動というんでしょうか、させていただいたということがございますものですから、ぜひそういった面も御理解をいただきたいなというふうに思っております。

 政治主導という言葉にはさまざまな評価がこの間のことで出てきておりますが、本来、国民に選ばれた政治家が政治、行政を主導するというのは、国民主導であるためにはやはり必要なことであるというふうに思っておりますし、また同時に、政治主導を行うことによって、従来、組織的にはなかなか大きな判断で判断をし切れなかったものが判断をしていくことができる。それからもう一つは、組織でありますから、縦割りを乗り越えていくことができる、こういうことの有効性はやはりあるのではないかというふうに思っております。

 とりわけ、長く続いた自民党、途中からは自公政権と申し上げた方がいいのかもしれませんけれども、その中で、いわゆる官僚組織と政治との関係をどういうふうにしていくのかという中で、やはり任せる度合いが比較的大きかったのと、我々は少し自分たちでやるべきではないか。これは両方の面がありました。政策課題を政治が決断していくという部分と、それから税金の使われ方を含めて中身をチェックしていくという部分と、二つの側面があったわけであります。

 いずれの面、今回の場合は政策課題だと思いますが、やはりある意味では残された課題というのは、縦割りの問題であったり、また何らかの大きな判断をしなければいけないという問題があったかというふうに思います。

 実際に、なぜ条約ができてからこれだけ時間がかかったのか、また、諸外国からの求めもあったのになぜここまでかかったのかということについては、例として、例えば外務委員会で、岸田大臣だったと思いますが、中央当局を決定するという問題が残っていたりした、こういうことでありました。

 このあたりは、まさに判断をさせていただいたチームの一員でもありますので、本当に悩みながらさせていただいた部分ですが、ぜひそこを引き継いでいただいて、お願いをしたいと思っております。

 衆議院の調査室がつくられた経緯の中にも、平成二十三年の一月から関係省庁の副大臣会議が行われていると書いてありますが、まさにそのときの担当副大臣をさせていただいておりました。

 私どもも、私一人ではありませんけれども、同僚の議員と当事者の方に、また当事者たり得る方に直接お会いをしたりしました。新しい制度を、特にこういった家族にかかわる制度をつくるということは、やはり制度が新しいといっても変わるわけですから、当然それによって何らかの影響がないということはあり得ないわけで、それによってどういうプラスがあるのか、ひょっとしたら不利益をこうむり得る方が出てくるのか、そういった方をどういうふうに守ることができるのか、本当に、率直に言えば呻吟しながら一つ一つ判断をしてここに至ったというふうに思っておりますので、ぜひその思いをでき得れば引き継いでいただいて、日本国と日本国民のためにいい仕組みをこれから発していけるようにお願いをしたいということを重ねてお願いしたいと思います。

 できるだけ重複を避けながら質問をさせていただきたいとこれまでの質疑の経緯もありますので思っておりますが、その中で、きょうは、外務省、法務省には改めてお聞きをするといたしまして、内閣府、警察庁、総務省、文科省、厚労省からも関係をするところからおいでをいただいております。これに、外務省、法務省が、まさにこの条約を批准し、また実施をしていこうと思ったときには関係をする省庁ではないかということで、関係の副大臣会議を設けたときにお集まりをいただいた各省庁であります。

 ここにおいでの各大臣、副大臣、政務官の方々は、お役所の勤務の経験がおありだったり、閣僚の経験がおありだったからよくおわかりだと思いますが、集まってもらって話をするところに至るまでそれなりに大変であります。ぜひ、これは、谷垣大臣もおいででございますから、また、きょうも、各省の事務方の話を聞いていただいて、しかし、これは本当に連携をとっていただかなければいけないことになりますので、準備の状況、それから連携についての意識、確認をいただきながら、引き続きの御指導をお願いしたいと思います。

 それでは、内閣府から順に、この条約の実施についての準備の状況、それから御認識いただいている課題などについて、時間に限りがありますから、要点をお話しいただきたいと思います。

 まず、内閣府からお願いいたします。

佐村政府参考人 お答えいたします。

 ハーグ条約とその批准のための法制化に向けた検討には、内閣府といたしましても、配偶者からの暴力の被害への配慮という観点から参加してまいりました。同条約批准のための国内担保法では、子の返還に係る裁判で、配偶者からの暴力の被害への考慮がなされるということとされたものでございます。

 また、同じく国内担保法では、子などの所在等の情報収集に関して、外務大臣から地方自治体の配偶者暴力相談支援センターに対しても情報を求めるということが想定されることから、具体的な運用方法につきまして関係省庁とともに検討してまいります。

 配偶者からの暴力の被害の状況にも配慮された運用となるように、私ども、引き続き関係省庁としっかり取り組んでまいりたいと思っております。

松本(剛)委員 続いて、警察庁、お願いいたします。

岩瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 警察庁におきましては、本条約の国内担保法で規定されております子等の所在特定における外務省への協力、また、裁判所等における子の返還申し立て事件の審理に際しての情報提供等に関しまして、その具体的運用方法につきまして関係機関との検討等を進めているところでございます。

 また、それを踏まえまして、各都道府県警察に対する制度の周知及び具体的指示を行うことを予定しているところでございます。

 警察といたしましては、中央当局たる外務省を初めとする関係機関等と緊密に連携いたしまして、制度の円滑な運用に向けて努めてまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 それでは、総務省、お願いいたします。

諸橋政府参考人 総務省でございます。

 今回の法案では、日本国内に所在する子供の面会交流等につきまして、中央当局たる外務大臣が援助を行うこととされていることに伴いまして、子供等の所在を特定するため、中央当局への住民基本台帳ネットワークシステムによる住民等の情報提供が可能になるように、住民基本台帳法の改正を盛り込んでおるところでございます。

 総務省といたしましても、住民基本台帳法を所管する立場から、円滑な施行に向けまして、関係機関と連携をしてまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 自治体が関連する部分も多々出てくるかと思いますので、意識を高くお願いしたいと思います。

 それでは、文科省、お願いいたします。

加藤政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省におきましては、子の外国返還援助申請があった場合に、法案第五条に基づきまして、外務大臣が関係教育機関などに対して当該子の住所等に関する情報の提供を求めるための枠組みにつきまして、現在、関係省庁とともに検討を進めてございます。

 また、この法律が制定された際には、関係教育機関等に対する周知など、適切な情報提供の措置を講じてまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 それでは、厚労省、お願いします。

鈴木政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省の関係といたしましては、各地方自治体の厚生労働関係部局におきまして、必要な業務を行っていただくことになります。

 具体的には、第一に、日本に連れ去られた子供が日本で虐待を受けているおそれがある、こういった通告を外務省から受けた場合に、そのお子さんを保護すること。

 第二に、日本に連れ去られた子供の返還に関しまして、子供の所在を特定するための情報を外務省に提供すること。

 第三に、外国に連れ去られたお子さんに関しまして、外国政府から、その子供が日本で虐待を受けていたかどうか、そういった点につきまして情報提供の要請がございました場合に、外務省に提供を行うことでございます。

 これらの業務が的確に進みますように、今現在、外務省と具体的な実務の取り扱いの調整を進めております。

 本法制定に当たりまして、自治体にも周知徹底を図って、円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 厚労省は、子供のことに関して、福祉に関しては、やはり専門的なこれまでの知見の積み重ねもあろうかというふうに思います。ぜひ協力をお願いいたしたいと思います。

 これについては、当委員会でも、前回の審議で、我が方の辻元議員からもお願いをさせていただいたことがあろうかというふうに思います。

 谷垣大臣、そしてまた鈴木副大臣、それぞれ各省の答弁を聞かれたと思います。関係省庁と密接に連携をすると、作文と言ったら語弊がありますけれども、文章としてはありますが、それぞれの言葉の意味するところはよく御理解のとおりだろうと思います。

 今回、中央当局は外務省ということになりました。ですから、外務大臣もしくは外務省から要請があればこうするというお話でありましたし、また、それぞれの所掌の範囲でと。これは組織ですからある程度そうならざるを得ないのは確かだと思いますが、新しいことでもあります。エアポケットのように何か間に入ってしまうこともあろうかというふうに思います。また、外務、中央当局がある意味では細心の注意を払ってやっていただくと思いますが、他の省庁の方が早く情報を収集する可能性のある案件もあろうかというふうに思います。

 やはり、これを幅広くカバーするためには、何らかの、関係をする省庁、事務方が定期的に集まる機会を設けるとか、お互いに遺漏のないようにさらに尽くすとか、そういう体制をこれから実施するに当たってはぜひ御検討をいただきたい。中央当局である外務省、そしてまた閣僚の谷垣先生も、ぜひ、このことは銘記をして、お願いしていただきたいと思います。

 どうしても、組織というのは、一旦動き出したら自分の家の中へ帰りがちと言ったら変ですけれども、なりがちだと思いますので、そのことを強く御要請申し上げたいと思いますし、関係の省庁の皆さんも、関係省庁と密接に連携をいたしますと言いましたが、何らかの協議体なりを設けなければ皆さんも動きにくいということがあろうかというふうに思いますので、ぜひ、そういうことはお進めをいただきたい。これは、今この機会にやりませんと、さっき申し上げたように、新たに関係省庁を集める場をつくるというのはなかなか、そのことそのものにまた大変な調整が必要になってきますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 それでは、内閣府、警察庁、総務省、文科省、厚労省、私の方がお願いをした各参考人の方はこれで御退席いただいて結構でございます。

 続いて、先ほども少し触れましたが、本件については、私どもも取り組むに当たっては、中央当局をどこにするのかということで、内閣もしくは内閣府、もしくは外務省もしくは法務省ということが可能性としては考えられたわけでありますが、最終的には外務省と法務省で協議をいたしまして、ある意味では、いろいろ悩んだ末でありますが、やはりこの条約は批准して、実施する法律をつくらなければいけないだろう、こういう判断を私が外務省におる側でさせていただいて、政府としてどこかが中央当局を受けなければ始まらないということで、外務省で中央当局ということに決めたスキームを策定しまして、提示をさせていただいたというのがこれまでの経緯でありますが、私自身は、法務省がお受けをいただいてもよかったのではないかと今でも思っているところがあります。

 この辺の経緯とかお考えについて、谷垣大臣のお考えがあれば承りたいと思います。

谷垣国務大臣 松本委員が最初におっしゃったことをちょっと振り返らせていただきますと、大臣、副大臣、政務官の協力という点でございますが、かつて政務次官というものがあった当時は、よく盲腸などと言われておりまして、必ずしも大臣と政務次官の連携がうまくいっている場合が多いとは限らなかったと私も思います。その後、副大臣という制度ができまして、どういうふうに大臣、副大臣、政務官の協力関係をつくっていくかというのは、そういう制度のもとで大きな課題でございました。

 私は、政権交代がありまして、民主党政権のもとで、この点では随分工夫された点があったのではないかと思っております。ですから、政権交代がありまして、違うところは違うとはっきり言わなければなりませんが、今おっしゃったようなことは私どもも引き継いでいく面があるのではないかと思っております。

 そして、今、中央当局を外務省に決めたことについてどう思うか、経緯はどうかというお尋ねでございますが、当時、大臣、副大臣としてその所管をしておられた松本委員からお尋ねがありますと、昔よく竹下総理が、国会というところは一番よく知っている者が知らない者に質問するところだとおっしゃっていたのを思い出すわけでございます。しかし、お尋ねでございますから、私は、今までいろいろな経緯があって、外務省が中央当局を引き受けていただく体制になった、それにはそれだけの理由があったんだと思いますね。

 当然、常居所地国と中央当局との間のいろいろな情報の収集、それから、その常居所地国の国内法制の情報を収集する、こういう外交関係の情報の交流、やはり外務省はお力をお持ちである。それから、多くの場合に申請人は外国人である場合が多いわけですから、その円滑な連絡調整ということもあると思います。それから、在外公館を通じてハーグ条約関係等のいろいろな情報を集めるという点でも外務省が知見、ノウハウ、手段をお持ちである。こういうことから中央当局は外務省ということになったんだろうと思います。

 今、松本委員は、法務省が引き受けた方がよかったというお考えを今もお持ちだということでございますが、こういう調整で進んでまいりましたから、先ほど委員がおっしゃいましたように、いろいろな官庁が関係してまいりますので、連携をよく保って、この制度が一番よく生かされるように努めていくというのが私どもの責務ではないか、このように考えております。

松本(剛)委員 どちらも主たり得るような案件であったとは思います。ただ、逆に言うと、実際に動かしていこうと思えば、どちらも主でなければいけないということで、特に法務省においては、もう外務省が中央当局になったんだからということにならないようにぜひお願いをしたいというふうに思います。

 やはり、この案件は、私もかかわってきたこともあって気になって状況をお聞きすると、どうしても各省庁、少なくとも事務方の方が来られると、外務省以外は、それは中央当局の方でということでよく言われます。特に法務省さんにおいては、これはやはり本当に主であるという認識を持ってしていただきたいというふうに思っております。

 谷垣大臣は、財務大臣もお務めになられました。主であるということで、これは、厳しい財政状況の中で、予算をどこからひねり出すかということ一つとっても、どこが受けるかということで、やはりなかなか悩ましいものがありました。

 そういう意味では、もちろん、財政状況が厳しい中ですから、スクラップ・アンド・ビルドというか、ペイ・アズ・ユー・ゴーとか、いろいろあろうかというふうに思いますが、閣僚のお一人としても、こういうものには巨額の予算がかかるわけではありませんが、やはり必要な、実務的な予算は確保されるように進めていただきたいというふうに思っております。

 先ほど申し上げたように、これはぜひ両方主でお願いをしていきたいと思っております。

 加えて、これは委員会の質疑を確認させていただいたら幾つか出てきておりますので、お願いだけさせていただきたいと思います。

 一つは、中央当局に福祉や子供の専門家などをぜひ取り入れていただくべきではないかということについては、公募をするなど前向きに御検討いただいているように泉議員との質疑でも鈴木副大臣は御答弁をいただいていたというふうに理解をいたします。

 また、具体的に案件が発生をした場合に、かなり専門性が高いということであれば、これは枝野議員との質疑だったと思いますが、専門性の高い弁護士を個別の当事者にどういうふうに紹介をするなりしていくのかといったことについては、これはむしろ、外務省は中央当局としては関与しなければいけないのかもしれませんが、法務省、日弁連さんなりとよく御相談をいただいて、まず入り口のところで、言葉を選ばずに言えば、つまずくとか、そういったことのないようにしていただきたいということを強くお願いを申し上げたいと思います。

 ここからは少し実務的なことになりますが、何点か、いろいろ検討して策定をしてきましたけれども、まだ詰めなければいけない課題があるということを認識を共有していくという意味でも、これから少し何点かお伺いをしてまいりたいというふうに思っています。

 一つは、子供の返還に関連をしてでありますが、この委員会でも、また議事録を確認すると外務委員会でも、代替執行については幾つか議論になってきておるかというふうに思います。この点については一、二お伺いをしていきたいと思いますので、御答弁をお願いしたいと思います。

 一つは、この委員会でも、代替執行のマニュアルの話が取り上げられておりました。手続をどのようにしていくのかというようなことと、それから執行官を具体的にどう養成していくのかということ、この点について、現在の検討状況そして基本の考え方について御答弁をいただきたいと思います。

永野最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 委員の方から御指摘がございましたけれども、現在、国内の事案におきましても、子の引き渡し執行が毎年百二十件余り行われております。

 国内事案におきましても、子の福祉に十分配慮した執行が行われますように、全国の執行官を対象とした協議会を開催し、運用のあり方を検討しているところでございます。

 一部の庁におきましては、研修において、児童心理の専門家を招いて講演を行うなどの工夫も行ってきているところであります。

 ハーグ条約の実施法のもとにおきましては、子の心情、福祉に十分に配慮する必要があり、こういった観点から具体的な規律が置かれておりますので、この趣旨につきまして、具体的執行場面で適切な運用が行われるよう執行官を対象とした協議会を開催するなどして、法の趣旨を周知していきたい。

 さらに、マニュアルの作成においても、専門性を反映させた形でやっていきたいと思っておりますし、また、研修においても工夫を図ってまいりたいと考えております。

松本(剛)委員 マニュアルの策定であるとか執行官の養成に当たって、子供、児童福祉、さらには心理とか、そういったことだろうと思いますが、専門家の知見、力をかりるというお話であったというふうに思いますが、実際の実務の場面、具体的な例でも、そういった専門家と協力をする、そういった体制などについて御検討されているということはありますでしょうか。

永野最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 ハーグの実施法案の中におきましては、中央当局による協力として、中央当局においてソーシャルワーカーなどの専門家を立ち会わせるということを検討されているというふうに承知しております。

 したがいまして、具体的な執行の場面において、中央当局との緊密な連携のもとに適切な執行が行われるように検討していきたいと思っています。

 そういう意味では、関係省庁との事前の協議を十分図っていくという検討を行っているという状況でございます。

松本(剛)委員 これは、中央当局の方が協力をする体制であればということですか。先ほど、国内の一般の子の引き渡しの話もありましたけれども、具体的な事例においても、法の専門家である方々と同時に、ある意味で、子供の専門家という言葉が使えるのかどうかわかりませんが、そういった方々の協力を得られることは、むしろ、執行される立場からも御検討をいただくというのは一つの考えではないかと思いますが、いかがでしょうか。

永野最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 国内の子の執行の場面におきましても、執行の事前の準備段階におきまして、家庭裁判所の方と十分打ち合わせをするなどの体制を検討しているところでございますが、そういった専門的な観点から、執行の場面において適正な執行が行われるようなことを今後検討してまいりたいと思っております。

松本(剛)委員 やはり子供というのは大変傷つきやすいものでもありますので、ぜひ、専門家の力を具体的な場面場面でもかりることも柔軟に御検討いただきたいと思います。

 また、冒頭で申し上げましたけれども、もうこれは中央当局とボールをあちこち投げずに、やはり今回の、もちろん、間接執行が前置されていますから、そういった代替執行に至るケースがどのぐらいあるのかというのはこれから考えてみなければわからないと思いますが、制度として置かれている以上は、そのことが、やむなくと言うべきなのかもしれませんけれども、行われる場合にも、円滑かつ、代替執行のいい形という言葉が使えるのかどうかわかりませんけれども、そういう形になるようには、あらゆる協力をとってベストの体制をとっていただきたいということを御要請申し上げたいと思っております。

 次に、子供についても意思を表明するなどさまざまなことがあるんですが、代理人を置くことができるというふうに理解をしております。この費用は、やはり通例のケースと同じようになってくるという理解でよろしいんでしょうか。これは法務省ですか。

深山政府参考人 御指摘のとおり、子供に手続代理人が選任される場合が、この実施法案で予定されております。

 これは大きく二つの場合がありまして、一つは、子供がみずから手続代理人を選任する場合。未成年者ですので、法的には、法定代理人である親が子のために代理人を選任するということに実際にはなります。これが一つ目です。二つ目は、裁判所の方で裁判長が、事件の内容等を勘案して、必要と認めるときに選任を命じたり、あるいは職権で選任をする場合、こういう場合も予定されております。

 まず、前者の場合、子供がみずから、実際には親がですけれども、選任する場合の手続費用というのは自己負担になります。自分で弁護士さんを頼んで、その費用を負担する。実際には親御さんが負担することになります。法律上の手続費用にもなりません。

 他方、裁判所が選任を命じたり職権で選任する場合、これは趣を異にしていまして、裁判所が定める相当額の報酬を手続代理人に支払わなければならないというルールが置かれていますけれども、子に手続代理人に対する報酬を支払う能力がない場合、こういう場合は少なくないと思いますけれども、こういう場合には、子供の方は手続上の救助の制度というのが別途ございますので、これによって手続代理人に対する報酬の支払いの猶予を受けることができますし、最終的に子供が手続代理人に支払うべき報酬額の負担については、子供の返還の可否を決める最終的な裁判において負担者が定められて、子供以外のいずれかの親御さんが最終的には負担者とされる場合もあると思います。

 こういう形で、この法律案では費用負担の仕組みを設けて、子供の手続代理人の制度が費用の点でつまずかないように、実効性を失わないように、さまざまな配慮をしているということでございます。

松本(剛)委員 今後の運用とかそういったものを見ていかなければいけないのかもしれませんが、一例として子供の代理人の費用を今取り上げさせていただきましたが、ハーグ条約に基づく、子供を常居所地に返還するかどうかということが動き出した場合には、当事者の方々には、国と国の間の移動なども含めてかなりの費用がかかることも考えられます。逆に申し上げれば、費用のゆえに本来の権利が行使し切れないという懸念もないわけではないということになってまいります。

 そういう意味では、この案件が動き出すに当たっては、そういったものも、もちろん公費というものは逆に国民の税金でありますから、何でも公費を使えばいいというふうに申し上げるつもりはありませんが、どういう形でカバーできるのか、もしくは支援できるのかということは、広い意味で、法的な保護もしくは支援を受けるために必要な費用をどの時点で誰が持っていくのかということにもなってこようかと思います。

 そういう意味では、これもやはり、中央当局、それから法に当たる法務省にはぜひ御検討をいただくべき課題ではないかというふうに思いますので、ここで一つ問題提起をさせていただきたいと思っております。

 もう一つ、これはむしろ外務省なんでしょうか、返還をした後、例えば、何らか、向こうの裁判所で監護決定がなされるなどのことがあると思いますし、どういう状況になっていくのかというのがあると思います。この返還後のフォローについても、辻元議員があべ外務大臣政務官とやりとりをしております。

 もちろん、個別の情報というのは家族の情報ないしはプライベートな情報でありますから、公開、非公開という意味では非公開性の高いものというところがあるかもしれませんが、他方では、当初申し上げたように、この条約に入るに当たってさまざまな懸念であるとか心配、不安が寄せられてきた中で、実際に動き出してどうなってきたのか。

 私は、その意味では、今でも、やはりこれは国際的なルールでありますから、批准をし、国内において実施をすることというのはあるべき道だと思っておりますが、その後これを動かしてどうなったのかということに政府としてもきちんと答えられなければ、むしろ、国民の皆さんから、本当によかったのかという心配が逆にまた募るおそれもあろうかと思います。

 そのためには、私自身、それぞれの方々をフォローするという意味でも実態を把握する必要があると思いますが、政府としても、ある程度匿名性を確保しながら実態を把握する必要があるのではないかというふうに思います。

 情報収集については、在外公館で、相談に来られた部分についてはしっかり記録を残していきたいというお話でありましたが、さらに、何らかの理由で中央当局として返還をした場合に、その後どうなったのかというのは、やはりフォローする意思を持って対応していただく必要があろうかというふうに思いますが、鈴木副大臣にお伺いしたらよろしいでしょうか、伺いたいと思います。

鈴木副大臣 松本先生におかれましては、外務大臣として、ハーグ条約締結に向けて大変な御努力をいただいたということをお聞きいたしました。その御努力に感謝を申し上げたいと思います。

 ただいまの御質問は、条約上の手続に従って返還された子の返還後の状況も意識を持ってきちっとフォローアップするべきだ、こういうことでございますが、ハーグ条約の子の返還手続のもと、子がもともと居住していた国に返還された後に、仮に、子や子とともに戻った親がDV被害や児童虐待を含む何らかの家庭内の問題に巻き込まれるおそれがある場合、または実際に巻き込まれた場合、在外公館はこうした当事者からの家庭問題の相談につきまして適切に対応をしなければなりません。

 任国の保護、救済制度を説明し、弁護士や福祉専門家、シェルターの紹介など、解決に向けた支援を実施してまいります。また、当事者の安全が懸念される場合には、在外公館が現地の保護機関または司法当局に通報することにいたしております。

 外務省といたしましては、こうした対応を通じまして、御指摘の実態把握に努めて、得られた経験をその後のハーグ条約のより適切な実施に活用していきたいと考えております。

松本(剛)委員 個別の支援も後ほど幾つかお願いをしようと思っておりますが、制度として、動き出してから、やはりどういう形で動いているのかという全体像をある程度政府としてぴしっと答えられる形に適宜しておいていただくことが、いたずらな不安とまでは言いませんけれども、制度に関する理解を定着させていくのにやはり必要なことではないかと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 管轄の裁判所についても、実務的なことを一、二お伺いしたいと思っております。

 これは、特に、連れ去られた側が申立人になって、連れ戻した方に対して常居所地へ戻すように要求することになるわけですが、連れ去られた側はどこに連れ戻っているかという住所を把握していないケースというのは想定をされる。DVなどのケースで、懸念のケースはむしろ把握をしていないというふうに思います。実際に、この情報の管理についてはこの委員会でも何度か議論になって、かなり厳格にやるということですし、そういう制度のたてつけになっていて、非常に大事なことだと私も思います。

 その前提で、今回、管轄裁判所が東京と大阪ということになっておりますが、裁判所、高等裁判所単位だったと思いますけれども、西側なら大阪、東なら東京ということに定められていたというふうに思いますが、住所地を把握していないと、東京と大阪とどちらに申し立てをしていいのか。どうするのか。もしどちらかで、ある意味で、えいやで申し立てをした場合に、変な話ですけれども、中央当局、裁判所は住所地を把握していて、あけてみたら、東京に申し立てがあったけれども、管轄は大阪ですよということがあります。

 承知をしている限り、裁量によってそのままできるというケースもあるように聞いておりますし、移送するということも可能だと思いますが、どちらにしても、離れた場所で逆に、実際には西の管轄であったのに東京でやられた場合であれば、今度は連れ去られた側からすれば、かなり遠隔地で裁判が行われるということになろうかと思いますし、移送すれば弁護士さんがかわるのか、かわらないのか。かわらなければ、東京の弁護士さんが毎回公判ごとに大阪まで行ってもらわなきゃいけないとなった場合の費用をどうするのか。こういったことがあろうかというふうに思います。

 この点については一つ残された課題になっているのではないかと思いますが、御認識を伺いたいと思います。

深山政府参考人 確かに、申立人が子の住所地を把握していないケースですと、管轄に関する情報が十分ないために、東京、大阪のいずれに申し立てていいかがはっきりしないという場合もあり得ると思います。そういう場合には、どちらかに、恐らくこちらだろうと思われる方を選択していただくしかない、二つしか裁判所がありませんので、ということになります。

 申し立てを受けた裁判所の方は、その事件が管轄に属するかどうかの判断資料とするために、中央当局に子の所在の特定情報を求めることになって、この場合には中央当局は子の所在情報を提供できることになっているのは御案内のとおりです。そこで、ふたをあけてみたら管轄が間違っていたということもあり得ます。その際の取り扱いも、先ほど委員御指摘のとおりで、原則は管轄裁判所に移送するということですが、しかし、自庁処理といいまして、事案の内容やさまざまな事情を考慮して、同じ裁判所で続けてやった方がいいというときには、管轄は違うけれども同じ裁判所でやり続けるということもできるようになっています。

 その自庁処理をするかどうかというときの判断の事情としては、実際にどこにお住まいなのか、どれほど不便さ、便利さが違うのかということや、当事者の意思、ぜひ東京なら東京でやり続けてほしいと言うか、いやいや、移してもらうなら移してもらって結構だ、いろいろなケースがあると思いますので、当事者の意思や今言った客観的な事情を勘案して、裁判所が最終的には移送するかしないかを適切に判断していただくという形で、その限度でフォローをしていこうというたてつけになっている、こういうことでございます。

松本(剛)委員 手続としてはそうだと思いますけれども、実際には、ある意味では、移送した場合だと、やり直すと言ったら変ですけれども、入り口のところからというような不便さもあろうかというふうに思います。

 他方で、我々もこの仕組みをつくっていくときに、申し立てを受けた側の、申し立て側に対しては住所地を明らかにしていない場合の情報の管理というのは相当厳格にやる必要があるということで、このたてつけ、法の仕組みをつくってきたわけでありますが、今申し上げたことは、実は法曹の実務の方から御指摘があって、どうなってくるんだ、こういうお話でありました。こういったことを走りながらきちっと考えて対応をしていかないといけないのではないか。

 先ほども申し上げたように、この仕組みをつくっていく中でそれぞれの権利がしっかり行使されるようにということが必要だと思いますが、それなりの費用がかかってくるわけですけれども、こういったことでもまた追加的に費用がもしかかるとすれば、それは何らかの対応が必要になってくる課題かもしれない。この点はぜひ対応を今後の課題としてテークノートしていただきたいということを申し上げたいと思います。

 これ、西か東かは、結局、今お話があったように、裁判が始まったらわかるわけですよね。その意味では、いつお知らせをするかという意味で、申し立てを受ける、もしくは申し立てを相談する時点で知らせるということも、著しく情報を教えないというか、教えてはいけない情報の範囲を超えるとも思えないような感じがいたしますから、法律上、今こうなっているものをどうこうということにはなると思いますが、ぜひこれは、法改正が必要であれば法改正も含めてお考えをいただかねばいけないということを申し上げて、テークノートしていただくということでいいですか。はい、お願いします。

 管轄の裁判所の数についてもかなり議論をいたしました。いろいろな意見がありました。特に沖縄からは、ぜひ沖縄にもという声を具体的にいただいたこともありました。

 かなり専門性が高いということで、まずは東京と大阪で始めるということは一定の合理性があると私どもも判断をしてそういう仕組みにさせていただきましたが、走っていく中で、国によってはもっと数が多いところもありますので、制度が定着をするとかそういったことを見ながら、管轄裁判所について見直すということは考える余地があるのかどうか。これはそちらでよろしいですか、かなり政治的な判断もあろうかと思いますけれども。では、どうぞ。

深山政府参考人 現在の管轄の仕組みは、まさに今委員御指摘のとおりです。

 沖縄の家庭裁判所は管轄裁判所になっておりませんけれども、この法律が実施された後の実際の事件数や運用状況を見て、管轄を拡大する必要性、相当性が生ずることももちろん否定できません。

 したがって、今後、そういった運用状況を見て、必要な場合には管轄についてのルールを見直すということもあり得ることだと思ってはおります。

松本(剛)委員 新しい仕組みですから、一つ一つがやはり個別の事情を含んだ案件でありますから、それをきちっと受けとめられる制度にしていくにはどうしたらいいのかということは、よく事例を見ながら御対応をお願いしたいと思います。

 それでは、次に外務省にお伺いをしてまいりたいと思います。

 実際にこの仕組みが動き出すということでありますが、一つは、この仕組みが動き出すということで、この仕組みそのものをやはり海外におられる方々によく理解していただく必要があると思います。これも泉議員との質疑の中でも、パンフレットをつくったりしているというお話でありました。

 後で、多分副大臣はごらんになったことがあると思いますけれども、外務省のホームページなどを見てもすぐわかりますけれども、例えばテロ対策、赴任者のための安全小読本とか、外務省から幾つかもらったのを副大臣に差し上げるのも変な話ですので、また谷垣大臣にも見ていただいたらというふうに思います。あと、「海外で困ったら 大使館・総領事館のできること」といったのがありますが、まだこの中にはハーグの話であるとか家族の問題の支援の話であるとかいうのは余り重きを置かれて記載はされておりません。むしろどちらかというと安全とかテロ対応といったものについての中心の記載になっております。

 ぜひこういったものも、これを改訂するのか、新しいものをつくるのか。私はできるだけ、海外に行かれる方は一つを見たら何か入り口なり窓口がわかるということにしていただくのがいいと思うので、また省内の縦割りでテロ対策室とハーグ条約室が別々のものをつくるということではなくて、邦人保護の観点から統一的につくるとか、そういうことでお考えをいただきたいと思いますが、ぜひお願いをしたいと思っております。

 また、外務省の側には、領事業務に携わる方々の研修というんでしょうか、それから、大使館もしくは領事館にわかりやすい窓口を設ける。それは、物理的な窓口も、また例えばホームページなどの電子的な窓口も含めて設けていただくことで、非常に入り口を広くとっていただくことが必要だと思います。

 その際には、ハーグ条約そのものについての説明も必要でありますが、邦人保護の観点からは、こういった法律問題となり得る家族の問題、そうでない家族の問題まで政府がフォローすることはできないかもしませんが、ぜひ、法律問題となり得る家族の問題については早目の対応ができるような形をとっていただきたいと思います。

 今回は違法に連れ帰った、連れ戻した子供を常居所地国で法律的な管轄にするということでありますが、違法に連れ帰る自体そのものを防ぐことも邦人保護の視点ではないかというふうに思います。

 ぜひこれについては副大臣から、やっていきたいという決意を私からお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

鈴木副大臣 松本先生御指摘のとおりに、ハーグ条約についての広報、これは極めて重要であると思います。先ほどお示しをいただいたパンフレットの中にはハーグ条約そのものについては触れていない、こういう状況でございますので、まず、ハーグ条約の締結を見据えまして、今年度、ハーグ条約についての個別の広報冊子を作成する予定といたしております。予算要求も来年度予算に約三百三十万円でありますけれども要求をしておりまして、これにおきまして広報冊子をつくってまいりたいと思っております。

 それから、領事担当者に対する研修、そういうことも極めて大切である、そのように思っております。これまでも、領事初任者研修、領事中堅研修、赴任前個別研修等におきまして、領事局及び総合外交政策局の担当者が講師となりまして、在外公館赴任予定者及び在外公館担当者に対して研修を行っているところでございます。

 子の親権問題に関する研修の経費でございますが、平成二十四年度は三百六十八万八千円、そして来年度につきましては三百七十九万二千円を要求しているわけでありますが、こうした財政的な裏づけを持って、しっかりと研修も進めてまいりたいと思っております。

 それから、海外在住者の家族問題への在外公館のサポートでございますが、これにつきましては、現在さまざまな対応、例えば、在留邦人から家族問題の相談を受けた場合につきましては、任国の保護、救済制度の説明、弁護士や福祉専門家、シェルターの紹介などを行っております。さらに、在外公館が相談を受けた記録を作成いたしまして、本人が希望する場合には当該記録を提供する。さらに、生命に危害が及ぶ場合等には、現地の警察や裁判所に通報、救援要請も行っております。

 これらの在外公館は領事窓口において行っているわけでございますが、こうした領事窓口においてこうした問題の相談を受け付けているということを在留邦人にもしっかりと周知してまいりたいと思います。

 先ほどの答弁がちょっと間違ったようでございますが、パンフレットにつきましては、今年度の予算要求でございます。私、先ほど、来年度と申し上げましたので、その点を訂正させていただきます。

松本(剛)委員 もう残り時間がわずかになっておりますので……

石田委員長 いや、もう終了いたしておりますので、まとめてください。

松本(剛)委員 いや、今確認したら、あと一分はあるのに、終了の紙だけ先に回ってきたということで、この点は議事録に書かなくていただいて結構ですけれども。

 今お話ししましたけれども、パンフレットとか相談とかの入り口にたどり着くことがすごく重要なことなので、そこのところをぜひ外務省にもお願いをしたい。つまり、そこへたどり着くことを容易にすることが極めて大事なことですので、それは副大臣なりの御指導をいただいて、省内の縦割りを超えてやっていただくことが必要だと思います。

 もう一つお願いをしようと思っていたのは、実際の裁判ということになると、外国からの情報収集が極めて重要になってくると、これはまさに外務省が中央当局としての本領を発揮していただかなきゃいけない部分だと思います。協定を結んでいる国もあるというふうにお聞きをしますので、さまざまな御検討をいただきたいとお願いしたいと思います。

 時間が来ております。最後に、谷垣大臣に。

 返還拒否事由の解釈など、ここでもさまざま議論がありました。通常の場合であれば、具体的な判例の積み重ねなどを見て解釈を固めるというお話になろうかと思いますが、ぜひ何らかの形で、解説を出していただくとかそういう形で、予測可能性というか透明性を高めるような御努力をしていただきたいと思っております。

 お聞きをいただいたように、走り出していく中でも、各省庁、冒頭に申し上げたように、政治がリーダーシップを発揮していただいて取り組んで解決していただかなければいけない課題が多々あろうかと思います。今の解説の件と加えて、お願いをさせていただきました。もし一言おありであれば、承って終わりたいと思います。

谷垣国務大臣 きょうは、外務大臣、副大臣として、ハーグ条約、そしてそれを国内でどう制度をつくっていくか、大変心を砕かれた松本先生からのお考えを承りまして、それを私どもも生かしていくように努力をしたいと思っております。

 そして、解釈の透明性や運用の予測可能性を確保していくということは極めて大事でございまして、既に当委員会の議論でも、かなりいろいろな問題が議論をしていただいて明らかになってきております。

 どういう形にするかはまだ十分検討しておりませんけれども、今度の法律の趣旨というものをできるだけ周知徹底していくような手法、それから、実際に幾つかやっていきますと、例が積み重なってくると思います。そういうものをどう分析していくか、これも世の中にわかりやすいように伝えていく努力が必要だろうと思っておりますので、十分検討させていただきたいと思います。

松本(剛)委員 終わります。ありがとうございました。

石田委員長 次に、丸山穂高君。

丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。

 先日の一度目に引き続きまして二回目となりますが、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案に関しまして質疑させていただきます。

 本日、締めくくり質疑としまして、これまでかなりいろいろな論点につきまして議論されてまいりました。そういった意味で、きょうお伺いすることは、その中でも少しまだ私の中で気になっている点、疑問が残る点に関しましてお伺いしていきたいと思いますが、まずは、締めくくりの質疑ということでございますので、本条約と本法案の意義について改めて再度お伺いしたいと思います。

谷垣国務大臣 ごくコアのところを簡潔に申し上げますと、要するに、国境をまたぐ不法な連れ去りあるいは留置、こういったものに起因する紛争について、子の利益を最重要視した国際的なルールのもとで適切な解決を図っていくことを可能にしていく、これがハーグ条約そして本法案の持つ意義だろうと思います。

丸山委員 ありがとうございます。

 この観点に関しましては、非常に大事な観点でありますし、これまでさんざん他国から言われてきたことでもございますので、速やかに今国会で、我々も審議していって、必要であるということであれば賛成していくことが非常に大事だと感じております。

 そういった意味で、細かい点になりますけれども、今後、お話をさせていただきたいんです。

 一つ、子の所在に関しまして、子の所在がわからない、特に国内においてこれを捜す場合に、具体的にどのようにやれば子供が見つかるという認識であるのかということに関しまして、少しお伺いしたいと思います。

 警察や司法のような機関ではない中央当局、つまり外務省さんは、そういった司法機関ではないんですけれども、そういった意味で、かなり捜すということには限界があると思います。

 法文を見ると、具体的な手法は政省令で定めると。特に、情報の提供を求めることができるということと、もう一つは、都道府県警察に対しまして、これらの者の所在を特定するために必要な措置を求めることができるというふうに書かれておりますが、これに関しまして、現時点でどのような連携をとっていくのかということをもう少し詳し目に、都道府県の捜査と中央当局の外務省との関係も含めまして御説明いただければと思います。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 まさに委員御指摘されましたとおり、子の所在の特定のために全ての適当な措置をとること、これはハーグ条約上の義務でございます。それを踏まえまして、実施法案におきましても、中央当局、外務省でございますけれども、子の所在を特定するために、国内の関係機関が有する必要な情報の提供を求めることができるとされております。

 まさに、子の所在の特定の方法については、これから具体的に政令で定める予定でございますけれども、法律では五条の一項と三項に書いてございますとおり、例えば、例でございますけれども、法務大臣に対して出入国管理に関する情報の提供を求めたりとか、あるいは、市町村長に対して戸籍の付票あるいは住民票の写しの提出を求めるというようなことが想定されると思います。

 いずれにしても、これから関係省庁とも調整、協力をして、どういうスキーム、どういう手続をとるべきかということを議論、調整していきたいと思っておりますけれども、中央当局は、このような関係機関の協力を得ながら、子の所在を特定するために全ての適当な措置をとるということを考えております。

丸山委員 外務省さんにお答えいただきましたけれども、これはやはり外務省さんだけでは限界があるというのが皆さん共通の認識だと思います。先ほどの松本委員のお話でもありました、連携がいかに重要かということがキーでございまして、外務省さんがいかに頑張っても、それに対して、法務省さんの方だとか、もっといけば警察が、手は抜かないとは思うんですけれども、余り前向きでなければ、結果としてその所在はわからないままということもありますので、このあたりに関しましてはしっかり連携していただけますよう、法務省さんにも、また警察の方にもお願い申し上げます。

 次に、ハーグ条約の第五条に書かれております監護の権利に関しまして、詳しくお伺いしたいと思います。

 これに関しまして、具体的に何を意味するのかということに関しまして政府の方の認識をお伺いしたいんですけれども、これは、そもそも、子がもともと居住していた国の法令に基づいて判断されるという理解でよろしいんでしょうか。

新美政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘がありました条約第五条のaは「「監護の権利」には、子の監護に関する権利、特に、子の居所を決定する権利を含む。」と規定しております。したがって、監護に含まれる具体的内容として居所の決定を挙げておりますけれども、条約上、それ以外に監護の権利の内容について具体的に定める規定はございません。

 また、条約の三条の第二項におきまして、監護の権利は、子が常居所を有していた国の法令の適用により、司法上もしくは行政上の決定により、または子が常居所を有していた国の法令に基づいて法的効果を有する合意により生ずるものとするとされております。したがって、子の居所を決定する権利以外の監護の権利の内容につきましては、委員から御指摘ございましたとおり、子がもともと居住していた国における法令や決定、あるいは合意に基づいて判断されるということでございます。

丸山委員 これは、やはり、この委員会でも何度も審議されております共同親権の問題と単独親権の制度の問題のところにかなり関係してくるところかなというふうに感じます。

 共同親権制度と、我が国は単独親権制度をとっているということでございますけれども、この違いにおいて生じるであろう問題が幾つか予測されるんですけれども、それに関してかなり不安を感じていらっしゃる当事者の方も多いのではないかということでございます。

 現状におきまして、事実関係を確認したいんですけれども、ハーグ条約加盟国において、共同親権制度をとっている国と単独親権制度をとっている国の数について、それぞれどの程度なのか、また、もしくはその他の制度が何かあるのかどうかという点に関しまして、事実関係をお伺いしたいと思います。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 ハーグ条約が対象としておりますのは、締約国が離婚後の共同親権制度あるいは単独親権制度のいずれを採用しているかにかかわらず、もともと居住していた国への子の返還の可否を決定するということについてでございます。したがって、条約との関係で申し上げれば、各締約国の親権制度の違いが問題になることはないと考えます。

 御質問の件につきまして、ハーグ条約の締約国、現在八十九カ国でございますが、親権制度について、私ども、四カ国についてはちょっとまだ調査中なのですが、それ以外、把握している八十五カ国につきましては、離婚後にいずれか一方の親にのみ親権が認められるという締約国は、アルゼンチンやチリを含む十四カ国でございまして、他方、離婚後に共同で親権を有することが認められるとしている国は、欧米諸国を主として七十一カ国でございます。

丸山委員 先ほどの御答弁で、単独親権制度と共同親権制度の違いにおいて生じるであろうと予想される問題を想定されていないということなんですけれども。

 例えば、共同親権国、例を挙げればアメリカのような国から子供を日本国内に、この法の表現では連れ去った場合のことを考えますと、ハーグ条約の手続に基づいてもしそういう訴えがあれば、邦人である片親の、この場合は日本人の意思や思い、もしかすると子供の意思にも反する可能性もありますが、いずれにしろ、片親の意思に反して、まずは無理やり、いた国であるアメリカに対して戻さなければならないという案件が生じたときに、そういう判断が出たとしたときに、逆に、さらに日本からアメリカに連れ戻されてしまった場合には、そのときに、アメリカでの手続内において、例えば日本の今の現状の制度では、日本人が親権を持たない配偶者に対しては、アメリカの手続で日本に戻すことができないとか、そういった意味で、アメリカの国内法のそごと日本の国内法のそごというものは十分にあり得るような形が考えられると思うんです。

 一つの例を挙げましたけれども、幾つかは考えられる中で、その点に関しまして、もしそういったものが生じた場合に、本法案の制定によって環境が大きく変わるわけですから、その不利益に対してどのようにフォローしていくのか。不安を感じていらっしゃる国民もいらっしゃる中で、安心できるようにどのような対応をしていかれるおつもりなのか、政府の御答弁をいただければと思います。

谷垣国務大臣 確かに、先ほど外務省の新美参事官が答弁されましたように、これは、違法な連れ去りの場合、常居所地国に戻す手続を決めたもので、その国の親権制度のあり方は基本的には関係ないんですね。

 ただ、今委員が指摘されましたが、ハーグ条約が適用されるためには、連れ去りまたは留置により監護の権利が侵害されたということが必要でございますから、離婚後単独親権制度のもとでは、一般的には、離婚後に親権者である親が連れ去るまたは留置しても、親権者でない親の監護の権利を侵したことにはならないということになりますね。ですから、親権者でない親は、ハーグ条約に基づいて子の返還を求めることはできない。さっき御指摘の事案は、確かにあり得るんだろうと思います。

 しかし、そこでどうするかという問題ですが、離婚後の親権制度の枠組みというのは、これはハーグ条約そのものとは直接関係ない、直接関係ないと言うと変ですが、もっとほかに幅広い影響が及ぶ問題でございますから、離婚後の親権制度をどうしていくかということは、幅広い観点からの議論が必要だろうと私は思います。

丸山委員 問題意識を感じていらっしゃるということで、幅広く議論をしていただきたいんです。

 現状の制度をお伺いしたいんですけれども、現状で、このような状態に対してフォローできるようなものがあるのか。少し通告を出てしまうかもしれませんが、御知見ある中で、政府参考人、ございましたらお答えいただきたいと思います。

深山政府参考人 大臣も今御答弁されたとおり、単独親権国と共同親権国の間で、どちらかの親が離婚後どちらかに連れ去ったという場合に違いが生ずるというのは、これはそれぞれの国の国内法における離婚後の親権制度の違いが反映したもので、それ自体はやむを得ないと思います。

 ただ、ハーグ条約の国境をまたぐ事案でも、監護権があるなしにかかわらないのが面会交流の援助です。ですから、面会交流についての援助をこの条約あるいは実施法上のスキームで求めるというときには、監護権侵害があるかどうかという点は問われていませんので、この限りでは平等に扱える。ただ、返還申し立て事件については、先ほど申し上げたとおり、国内法の違いがどうしても反映してしまう、これはやむを得ないことではないかと思います。

丸山委員 やむを得ないということで、法律の枠というものがあって、それを逸脱するのは難しいという理解かもしれないんですけれども、やはり現実面としまして、それに対して心配をされて、現実にそういう事例が起こる可能性があって、起こった場合に、当事者の方は著しく人権を侵害される可能性もありますから、しっかり政府の方でも、そういった事例があった場合、取りこぼし、漏れのないようによろしくお願い申し上げたいと思います。

 先ほど面会権のお話が出まして、面会権のお話を少しお伺いしたいんですけれども、今回ハーグ条約に加盟することによりまして、日本人の親が親権を持っている場合においても、外国人の親の方が面会権の保障や援助を要求してきた場合に関しましては、政府はこれに対し協力する義務を負うのでしょうか。条約上、どのようになっておりますでしょうか。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 条約上は、「一の締約国の法令に基づく監護の権利及び接触の権利が他の締約国において効果的に尊重されることを確保すること。」というのが目的の一つとして規定されております。したがって、御指摘の面会権に相当すると考えられます接触の権利、これは親権等の監護の権利とは別の権利とされております。

 したがって、親権等の監護の権利の有無にかかわらず、ある締約国の法令に基づく接触の権利が他の締約国において侵害されているという場合であれば、子との接触、すなわち面会交流でございますけれども、それにかかわる援助の申請がなされれば、政府は条約上の規定に従って援助を行うということになるわけでございます。

丸山委員 一方で、国内法の話なんですけれども、日本の民法においては、親権や監護権のない親が面会権を、強制力の伴う形での保障規定というのは、もちろん民法上はありません。

 親が外国人であれば、離婚後の子供への面会権を政府が援助するということですけれども、日本人同士の離婚であれば当事者間の問題として政府による強制力が発動されない状況でございまして、一方で親が外国人であれば面会権を援助するということになって、日本人であれば援助されないという二重の状況になってしまう形なんですけれども、このあたり、ハーグ条約によって国際間での運用と国内制度での運用が不整合が生じるというふうに感じるんですが、このような不合理に関しましてどのようにお考えか、また、どのように御対処されるおつもりでしょうか。

谷垣国務大臣 確かに、御指摘のとおり、国境を越える場合と越えない場合では扱いの違いというのはあるわけです。

 そこで、ハーグ条約は、結局、国境を越えた親子間で面会交流事案についてどうするかというのは、これは国内の場合よりもはるかに連絡あるいは折衝等難しいことがありますので、そこで中央当局がバックアップする、こういうたてつけになっているわけですね。だから、そこに違いが出てくる。

 しかし、もっとも、ハーグ条約が適用される事案であっても、常居所地国に戻る、ところが、当事者間で面会交流を実現する合意が形成されないという場合も十分あり得るわけです。その場合は、我が国の調停や審判手続を利用することができる、そういうことになるわけですね。この点では、日本国内における面会交流事案と同じなわけです。

 したがって、国境を越えた面会交流の困難さを軽減するという観点から中央当局が出てくるわけですが、そのことをもって極めて不均衡が起こるということではないんだろうと私は思います。

丸山委員 極めて不均衡が起こることはないということでございますが、極めてを除いて不均衡という形で見れば、やはり当事者の方にとっては、どうしてやねん、何でなんだというふうに思われる方もいらっしゃると思います。

 そういう意味で、前回の質疑でも見直しの件に関しまして御質問させていただきました。前回の質疑でのお答えでは、ハーグ条約自体に改正条項がないということと、他国において、その国内法においても見直し規定を置いていない等の理由によって、本法にも見直し規定は設けていないということですけれども、改めて、国境を越えた子の連れ去りの実態だとか、本法に基づく子の返還等の実施状況についてはきちんと調査検討をしていただくとともに、そうした中で、そごが出てきたときに、また、私が先ほど来申し上げたようなところに関しましても、やはり問題があるし、声も出てきているということであれば、必要な場合には本法の見直しをお願いしたいと思いますけれども、御見解、よろしくお願いします。

谷垣国務大臣 前回の御議論で、今現在、では見直しする必要があるかと考えているわけではありません。しかし、具体的な運用を通じて何か問題が生じたときは、それは見直しの議論が起こることは当然のことである、私はそう思います。

丸山委員 ありがとうございます。

 まさしく、運用によってよい法律にも悪い法律にもなりかねない大事な法律でございますので、しっかり運用していただいて、なおかつ、必要なときには見直していただけますようお願い申し上げまして、私、丸山穂高の質疑を終わらせていただきます。

石田委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 おはようございます。みんなの党の椎名毅でございます。

 本日は、一昨日に引き続きまして質疑時間を頂戴いたしまして、まことに感謝を申し上げたいと思います。我が党は法務委員が私一人しかおりませんので、毎回私ばかりで大変恐縮しておりますけれども、どうぞ御容赦いただければというふうに思っております。

 一昨日の質疑、及び与党側の四月十二日の質疑、及び本日の質疑において、恐らく論点は大体整理されてきたかというふうに思っております。私から一昨日提示させていただきました問題意識を含めて、恐らく問題になるであろう論点ということを改めて確認させていただきます。

 結局、本法の運用の問題なんだろうというふうに思っております。運用に当たりまして、DV被害、それから児童虐待等で被害を受けている子供を保護するためにこの返還拒否の事由というものを運用していくということについては、基本的には当然なんだろうというふうに思っております。

 そして、二十七条、二十八条のたてつけ、これは、原則としては、常居所地国の法律それから司法制度を信頼して、要件がそろったら原則として返還、そして例外として、二十八条二項の返還拒否に該当する事由があった場合には返還されない、こういう法のたてつけなわけですけれども、これに乗じて、DV等、それから児童虐待等というところについて、虚偽ないし疑惑のあるものについてこの運用が拡大解釈されて、虚偽などのDV、それから児童虐待といったものについて拡大解釈されて、これが返還拒否されてしまうということについての運用面の懸念があるといったところだというふうに思います。この返還に関する例外に関しても、せんだっての棚瀬参考人からも、なるべく限定的に解釈されるべきであろうというふうに御指摘をいただいたところでございます。

 この運用のあり方について、私自身、最後に締めくくりとして改めて質疑をさせていただきたいというふうに思っております。

 実は、一昨日に質疑を行った後、また新しく私のもとに話を聞いてほしいという方がやってきまして、その方からいろいろ話を聞いてまいりました。

 日本人同士の結婚で、米国にいたんですけれども、子供を連れて一時帰国をしたいと配偶者の方から申し入れられて、子連れで一時帰国ということをしたわけですけれども、その結果、結局、やはり米国には戻りたくないというようなことでございまして、日本の家裁に離婚の調停等を申し入れられた。離婚の調停が申し入れられて、結局不調になり、その後、監護権者の指定に関する審判、それから面会交流の審判と立て続けに行っている。結局、面会交流の審判を含めて、トータル四年間ぐらいずっと子供に会えていないという状況があるということだそうです。特に、面会交流に関し、最終的には連れ去った側が監護権者という形で確定したところでございますが、面会交流については審判としてずっと係属しているという状況なんだそうです。

 こういったところで、時間について伺いたいわけです。

 棚瀬参考人は、子の返還に関する審判については時間が敵であるというようなことを指摘していたと思います。そして、ハーグ国際私法会議において統計がとられている中で、国際的な事案において大体どのくらいの時間が子の返還の手続にかかっているという話は、せんだって、一昨日の質疑で外務省の方々からお話をいただいたかと思います。大体、返還拒否事由がない事案で百数十日、それから返還拒否事由がある事案で二百数十日というような形で争いがなされているというようなことだと思います。

 私自身が伺いたいのは、今、本法施行に当たりまして、法務省として、大体どの程度の時間で子の返還手続が運用されることを想定しているのかということが聞きたいわけです。

 特に日本の家裁につきましては、私も少ないながら家事手続をやったことがあるわけですけれども、家事の申し立てをすると、大体一カ月半後ぐらいに第一回の審判の期日等が入るわけです。それから、大体月に一回ぐらい期日が入っているわけです。気づくと大体六月ぐらいになっていて、六月になると、裁判所は夏休みですからとか言われて、七月、八月は何となく期日が入らないで、九月ぐらいに期日が入るという形になったりするわけでございます。こういった形で、気づいたら家事の手続をやっている中でどんどんどんどん時間がかかってしまうという運用が実務的になされていることもあろうかと思います。

 他方で、例えば今、刑事の世界で、特に公職選挙法のお話で百日裁判という裁判がございます。法律の運用で、要するに、裁判にかかる時間を短くしていくことというのも法の定めとしてはできるわけでございます。

 そんな中で、本法について、こういった百日裁判みたいな形で期間をなるべく早くするような運用を指定しないで、現状の家事の運用に基づいてやるということなんでしょうけれども、どのくらいの時間がかかるという想定でしょうか。

深山政府参考人 子供の返還申し立て事件につきましては、この実施法の中で、子の返還の申し立てから六週間が経過したときは、事件が係属している裁判所に対して、審理の状況について説明を求めることができるというルールが設けられています。この趣旨は、御案内のとおりで、迅速に処理されるということを期待してこういう説明義務を課しているということで、ハーグ条約あるいは実施法が、全体として、できる限り速やかに処理すべき事件であるという前提で組み立てられているということをあらわしているものでございます。

 ただ、他方で、先ほどハーグの国際私法会議の事務局の統計を紹介されましたが、先日外務省の方からお話があった、子の返還がされた場合で平均百六十六日、返還拒否の判断がされた場合で平均二百八十六日というのは、それはそのとおりなんですが、実は中央当局に援助申請してからの時間です。今委員がお尋ねなのは、具体的な裁判手続に入ってからその終局までということだと思いますが、それですと、二〇一一年のハーグ国際私法会議の統計ですと平均百五十三日というふうになっております。

 では、これからやる日本の家庭裁判所はどうなのかということなんですが、もちろん、返還拒否事由が主張されるかどうかといった個別の事情によることが大きいので、一概に何日ぐらいということを予測しているわけではございませんし、それはちょっと難しいと思っています。

 ただ、この法律の趣旨が六週間を過ぎたら説明義務があるという形で迅速な処理を目指しているということを家庭裁判所の方も踏まえた上で、他方で諸外国の処理時間なども参考にしながら、できる限り迅速な処理がされるというふうに思っております。

椎名委員 ありがとうございます。

 本当に、時間が敵だというのはそのとおりだと思いますし、もし仮に返還をするというのであれば、長期間固定して学校それから幼稚園等に子供さんが通われた後で返還という形になってしまうのは、それはやはり難しい状況になってしまうので、本当に時間というのは急いでやらなければならないということを厳に命じて運用を行っていただきたいというふうに思います。

 特に、私が司法修習をやっていた時代、家裁でも修習をやったわけですけれども、裁判官の机の上に既済と未済という箱があって、未済事案が山のように積み上がっていたりするわけでございます。そんな山のように積み上がっている未済事案の中に本事案等がどういうふうにすり込まれていくかというのは、やはり家裁の運用次第だと思います。ぜひ本当に、厳に命じてというのをお願いしたいなというふうに思います。

 それで、次に参りますが、先ほど申し上げた事案というのは、家族全員が日本人同士ではありますが、米国から日本に連れ去られたというような事案でございます。これ自体は、ハーグ条約にもし既に加盟されている、発効されているということであれば、一応、本法及びハーグ条約の適用のある事案なんだろうというふうに思います。そうすると、米国に連れ戻した上で、米国の裁判所で、離婚、それから親権、監護権者の定めということを行うことができた事案なんだろうと思います。家族全員日本人なので、適用される家族法は必ずしも当該地の法律ではないかもしれませんけれども。

 他方で、先ほど申し上げた事案の、配偶者が一人でも米国人だったりしようものなら、また話は全然変わってくるんだろうと思います。米国人と日本人が米国で婚姻していた場合、本条約加盟前に、本法施行前に子供を日本に連れ去ってきてしまった、そういった事案について、保護の手段というのがなくはないわけでございます。米国に残された方の配偶者の方が日本の家裁に対して、離婚、それから子の監護権者の指定、そして面会交流の審判といったことを申し立てることができることになろうかと思います。これ自体は、今現状、係属して、外交ルートを通じて米国から申し立てられている百九十何件という案件についても、こういう手続はとろうと思えばとれるんだろうと思います。

 しかし、現実問題としては、結局、日本の家裁で行う以上、日本に引っ越してこなければ現実的に手続を行うことはできないとか、日本に仮に引っ越してくるとしても、なかなか日本の家裁の実務では、やはり継続性の原則とかそういった原則が適用されて、どうしても現状肯定で、単独親権、連れ去った方勝ちというような運用になってしまいがちであるというところから、なかなかそういったことは行われないわけでございます。

 こういった中で、今まで既に起きている事案についての保護というか、具体的に、外交ルートを通じての面会交流援助だけではなくて、実際に面会交流を行っていくための保護の方法、それから、今私が申し上げたような日本の家裁の手続をとった場合と本法、条約施行後の手続との整合性といいますかふぐあいというかについて、もし御所見があれば法務省、大臣からいただければと思います。

深山政府参考人 本法施行前の連れ帰り事案と本法施行後とで取り扱いが変わるというのは、議員御指摘のとおりです。

 これは、ハーグ条約、そしてこの国内担保法もそれに倣っていますけれども、遡及適用を禁止しているために、ハーグ条約施行後と施行前で法律関係が変わってしまうということに起因することでございますので、これは条約の建前がそういうことになっているものですから、どうしても施行の前後で取り扱いが変わってしまうというのは、またこれもやむを得ないのではないかなと思っております。

椎名委員 ありがとうございます。

 今おっしゃることはよく理解できるんですが。

 他方で、私のところに相談に来てお話を教えてくれた女性がいるんです。現在においてハーグ条約は当然日本は加盟していないわけでございますけれども、日本で国際結婚していた方で、配偶者、男性の方ですけれども、某国にお子さんを連れて帰ってしまったということがありました。

 それに対して、その方は、その某国の家事の手続に申し立てをして、返還を申し立てたそうです。日本とその某国は当然ハーグ条約の加盟の対象範囲ではないわけですけれども、その某国の裁判所は我が国に帰すという手続をとったそうです。それによって我が国に返還をしてきた上で、我が国の家事の手続で、実際に離婚、それから子の監護権の指定、その他もろもろの手続をやっているそうです。それで、その連れ去ってきた配偶者の方は、我が国に戻ってきて実際に仕事をしていると。

 そのお子さんは今現状どういうことかというと、外国人の御子弟が通われる学校に通われている、その連れて帰ってきた側の配偶者のもとにそのままいるということで、日本の家事の手続、今係属中だそうですけれども、恐らく、現状肯定のまま、結局、連れ去った者勝ちで、せっかく戻ってくるというような手続がなされたのに、やはりこういった連れ去られてしまった者は負けてしまうというような運用がなされているそうです。

 なので、何が申し上げたいかというと、確かに、遡及効がない、条約の適用がないということで、それはしようがないというのはわかるんですけれども、条約の適用がなくてもこういった運用をしている国もあるということで、必ずしも我が国も同じような手続をとれないことではないんじゃないかというふうに考えるところでございます。

 という私の所見だけ申し述べて、時間もないので、次に申し上げます。

 最後のところで論点として整理されてきたのは、日本維新の会の先生方も提示しておりましたし、我々みんなの党の側からも提示をしておりましたけれども、この返還拒否事由、二十八条の一項、二項の部分の判断の中で、結局、現状の日本の家事の運用と同じような扱いがされてしまうことに対する多大なる懸念というところなんだろうと思います。二十八条の返還拒否事由の判断の過程で裁判所がどの程度実体判断をしていくことになるのかというところに結局尽きるのかなというふうに思います。

 特に、先ほど来私が申し上げている、親権者を定めていく、それから監護権者を定めていく中で実務上使われていると言われている継続性の原則という考え方、こういった考え方がこの返還拒否事由の判断においてどの程度参照され、使われていくのかということを大臣及び裁判所の方々に伺いたいと思います。特に、せんだっていただきました渡辺参考人それから棚瀬参考人の意見に対する所見も含めていただければと思います。

谷垣国務大臣 今、委員がおっしゃったことが今度のこの法案に対する懸念のかなり大きな部分を占めている、私もそういうふうに思います。

 そこで、今、実体判断とおっしゃったのは、申立人と相手方のどちらが親権者あるいは監護者として適当であるかという判断だと思うんですね。だけれども、この法律は、本来、紛争があって違法な連れ去りがあった場合に常居所地国に戻す、これが原則である、それに対して一定の返還拒否事由がある。だから、その返還拒否事由の判断は、継続性の原則というようなことが言われますけれども、継続性の原則というのは誰が親権者として適当かという判断ですね。それで、返還拒否事由があるかどうかというのは、誰が親権者であるのが適当かという判断とは違います。

 したがいまして、この問題で、ハーグ条約に基づく子の返還申し立ての事件で継続性の原則ということは、事柄の性質上、それを採用していくというのは判断基準として違うんだと私は思います。

豊澤最高裁判所長官代理者 お答えを申し上げます。

 このハーグ条約実施法に基づく子の返還手続におきましては、ただいま法務大臣から御答弁がありましたとおり、不法に連れ去られた子供を常居所地国に返還する、それが原則であり、また、拒否事由が認められる場合にはそれが否定される、その辺の判断を行う、そういう手続でございまして、そこでは、条約に定められた返還事由がそろっているのか、あるいは返還拒否事由のどれか一つが認められるのか、こういったところが審理の中心になってまいります。親権者や監護権者の指定、変更の事件におけるような双方の親のどちらが子供を監護するのが適当か、そういった観点からの判断がされるものではないというふうに考えております。

 御指摘の監護の継続性の原則と申しますのは、親権者や監護権者の指定や変更の判断の際に、親子の心理的な結びつきを重視して、それまでの監護状態を継続させるのが子の利益にかなうという考え方を指しておられるんだと思いますけれども、子の返還手続におきましては、先ほど申し上げましたとおり、条約上の返還事由、返還拒否事由が争われる、そこが問題になるというわけでございまして、御指摘のような考え方が返還拒否事由の判断の際に用いられることはないものと考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 ありがたいお言葉だと思います。本当にそのように運用していただければというふうに思います。

 もう時間がないので、共同親権の話についてのみ最後に伺わせていただきたいと思います。

 一昨日の大臣の答弁で、共同親権につきましては、平成二十三年の民法七百六十六条の改正のときに附帯決議としてつけられていたもの、それを踏まえて今検討しているということでございましたけれども、今現状、役所の中での検討の状況、そして検討の方向性、それから最後に、改めて大臣の所見をいただければと思います。

谷垣国務大臣 確かに、平成二十三年のときの改正で国会の附帯決議にそういう御指示がございまして、現在やっておりますが、まだ各国に状況を問い合わせて照会している段階でございまして、一定の方向性というものが出ているわけではありません。

 ですから、今、まだその調査の状況を十分お答えする段階には至っていないということでございます。

椎名委員 どうもありがとうございます。

 引き続き、どうぞ共同親権についても御検討をいただければと思います。どうもありがとうございます。

石田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

 午後一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時三十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十分開議

石田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 ただいま議題となっております内閣提出、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案について審査を進めます。

 本案に対する質疑は、先ほど終局いたしております。

 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

石田委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、奥野信亮君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。田嶋要君。

田嶋委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。

    国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行後、当分の間、一年ごとに、国境を越えた子の連れ去り事案の実態及び本法の運用実態を調査、検証し、その内容を国会に報告するとともに公表すること。また、本法の施行後三年を目途として、本法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

石田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、順次これを許します。谷垣法務大臣。

谷垣国務大臣 ただいま可決されました国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

石田委員長 次に、鈴木外務副大臣。

鈴木副大臣 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案を御可決いただきまして、まことにありがとうございました。

 外務省といたしましては、ただいまの附帯決議の御趣旨を踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと存じます。

    ―――――――――――――

石田委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

石田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十四分散会


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