衆議院

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第9号 平成14年12月4日(水曜日)

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平成十四年十二月四日(水曜日)
    午前九時十二分開議
 出席委員
   委員長 池田 元久君
   理事 今村 雅弘君 理事 河野 太郎君
   理事 水野 賢一君 理事 首藤 信彦君
   理事 中川 正春君 理事 上田  勇君
      伊藤 公介君    岩倉 博文君
      植竹 繁雄君    高村 正彦君
      下地 幹郎君    新藤 義孝君
      武部  勤君    土屋 品子君
      松宮  勲君    宮澤 洋一君
      伊藤 英成君    金子善次郎君
      桑原  豊君    前田 雄吉君
      吉田 公一君    丸谷 佳織君
      松本 善明君    東門美津子君
      松浪健四郎君    鹿野 道彦君
      柿澤 弘治君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   防衛庁副長官       赤城 徳彦君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   内閣府大臣政務官     大村 秀章君
   外務大臣政務官      新藤 義孝君
   外務大臣政務官      土屋 品子君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  村田 保史君
   政府参考人
   (防衛庁防衛局長)    守屋 武昌君
   政府参考人
   (防衛庁運用局長)    西川 徹矢君
   政府参考人
   (防衛施設庁施設部長)  大古 和雄君
   政府参考人
   (防衛施設庁建設部長)  生澤  守君
   政府参考人
   (外務省大臣官房外務報道
   官)           高島 肇久君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 奥田 紀宏君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長
   )            西田 恒夫君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局長
   )            田中  均君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    海老原 紳君
   政府参考人
   (国際協力銀行理事)   志賀  櫻君
   外務委員会専門員     辻本  甫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月四日
 辞任         補欠選任
  中本 太衛君     岩倉 博文君
同日
 辞任         補欠選任
  岩倉 博文君     中本 太衛君
    ―――――――――――――
十二月三日
 沖縄の新米軍基地建設反対に関する請願(中林よし子君紹介)(第五九〇号)
同月四日
 アメリカのイラクへの先制攻撃反対に関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第七〇〇号)
 国際法や国連憲章に反する米国のイラク攻撃反対に関する請願(穀田恵二君紹介)(第七〇一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 会計検査院当局者出頭要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――
池田委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際情勢に関する件の調査のため、来る十二月六日金曜日、参考人として、財団法人国際開発センターエネルギー・環境室長畑中美樹氏、防衛大学校総合安全保障研究科教授立山良司氏及び軍事評論家江畑謙介氏、それぞれの出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
     ――――◇―――――
池田委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、会計検査院事務総局第一局長石野秀世君の出席を求め、説明を聴取し、また、政府参考人として外務省大臣官房外務報道官高島肇久君、同じく大臣官房審議官奥田紀宏君、同じく総合外交政策局長西田恒夫君、同じくアジア大洋州局長田中均君、北米局長海老原紳君、内閣官房内閣審議官村田保史君、防衛庁防衛局長守屋武昌君、同じく運用局長西川徹矢君、防衛施設庁施設部長大古和雄君、同じく建設部長生澤守君、海上保安庁次長津野田元直君、国際協力銀行理事志賀櫻君、それぞれの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
池田委員長 御異議はないと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
池田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下地幹郎君。
下地委員 では、質問させていただきます。
 大臣は勝負のときには赤い洋服を着られるようでありますけれども、私はネクタイは鯨のネクタイしかしないんですけれども、鯨のネクタイでも赤い鯨のネクタイというのはなかなか探してもないんですけれども、きょうはやってまいりました。ということは、勝負のときだと。
 ちょっとこういう質問はしたくないんだけれども、きのう沖縄で出まして、きょうの新聞の一面を飾っているんですけれども、また婦女暴行未遂があった。海兵隊の少佐がやったということでありますけれども、非常に残念な思いであります。こういうことが続くと、安全保障に対する理解ももう全く深まらないし、日米安保条約そのものが、何でこんな状態までして日米安保を守らなければいけないのかという話になりかねない。そういうふうな感情的なものにならないようにしていくためには、やはりきちっとした対応をやっていかなければいけないと思うんです。
 大臣にお聞きしたいんですけれども、きょうの新聞なんかでも、日米地位協定の中で十七条の五項の(c)にある起訴前の身柄の引き渡しはできない、だけれども、殺人と強姦に関しては起訴前の身柄の引き渡しはやるというふうなことであります。今回は強姦の未遂でありますけれども、沖縄側からすれば、今度の場合、起訴前の身柄の引き渡しを日米合同委員会にお願いするというふうなことを言っておりますけれども、大臣の考え方をお願いします。
川口国務大臣 委員がおっしゃいましたように、この婦女暴行未遂の事件につきましては、これは少佐という立場の、幹部と言っていい方の事件でありまして、非常に遺憾であり、残念であると私は思います。この件につきましては、外務省の竹内事務次官や橋本大使あるいは海老原局長から先方のそれぞれのカウンターパートに対して、この旨はきのうの段階で話をして、遺憾の意を表明しています。
 それで、お尋ねの合同委員会ですけれども、これはきょうの午前中に日米の合同委員会を開いて、平成七年の刑事裁判手続に関する日米合同委員会の合意に基づいて、アメリカ側に被疑者の起訴前の拘禁の移転を要請する予定でございます。
 それから、昨日の段階でこちら側から申し入れた遺憾の意に対しましては、ベーカー駐日大使等からは、それぞれ事実関係についてはまだ十分に承知をしていないけれども、この件を深刻に受けとめている、捜査へは全面的に協力をしたい、そういう旨の発言がございました。
下地委員 被害に遭った女性がフィリピンの方だということで、アロヨ大統領が日本に国賓として招かれている時期にこういうことがあったということは非常に残念であるということをもう一度申し上げさせていただきたいと思います。
 起訴前の身柄の引き渡しの要求はぜひしていただきたい。そして、地位協定に関しては、安全保障上、住民が納得できるような地位協定の改定が必要だ。きょうは論議しませんけれども、運用の改善だけではなくて、地位協定の改定というものをやらなければいけない時期に来ているということもぜひ頭に入れておいていただきたいなというふうに思います。
 それと、二点目ですけれども、この前、九・一一があってからテロ特措法を私どもはつくったわけであります。なぜ周辺事態法じゃなくてテロ特措法になったかという経緯の中で、インド洋におけるアメリカ側への支援というものが周辺事態法ではできないというふうなことがあってテロ特措法になったというふうに認識をしているんですけれども、今度のイラクの問題が起こって、イラクへの攻撃が万が一あったとして、テロ特措法でそれができるのかできないのか、もしできないとするならば、またテロ特措法と同じような新しい法律をおつくりになる思いがあるのかどうなのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
川口国務大臣 テロ対策特措法に基づく協力支援活動等は、あくまでも、平成十三年九月十一日のテロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊等の活動を支援するためのものでございます。
 米国政府の情報によれば、アフガニスタンから逃亡したアルカーイダのテロ分子がイラクの北部に存在をしているというふうに言われていますけれども、我が国としてこれまで主体的に収集をいたしました情報、これを総合いたしますと、現時点でイラク政府が組織的にアルカーイダの活動に関与をしてきたという確たる証拠には接しておりません。
 委員のおっしゃったように、全く仮定のお話として、これは一般論でございますけれども、イラクが関連をしている国連の安保理の決議、これに対して重大な違反を行う、そして諸外国の軍隊による軍事行動が行われるという事態になった時点で、この軍事行動が平成十三年九月十一日のテロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国連憲章の目的の達成に寄与する諸外国の軍隊等の活動に該当しないと判断されれば、このイラクに対する軍事行動についてテロ対策特措法を適用した協力支援活動等を行うことはできないわけでございます。
 いずれにいたしましても、イラクが関連する国連安保理決議の重大な違反を行い、諸外国の軍隊による軍事行動が不可避となった場合の我が国の対応については、イラクによる大量破壊兵器の保有、拡散の問題は、我が国を含む国際社会全体の問題であるという認識に立ちまして、邦人の安全確保に万全を期するための体制についての検討のほか、国際社会の責任ある一員として我が国がどのような役割を主体的に果たすべきかとの観点から、例えば難民支援、周辺国支援等の分野を含めまして、あらゆる選択肢を念頭に置いて、現在、種々検討を行っているところでございます。適切に判断していきたいと考えています。
下地委員 つくるのかつくらないのかわからないような答弁でありますけれども、これは必ず論議を呼んできます。だから、そのことを頭に入れて、外務省としてどういう対応になってくるのか、インド洋からイラクまで二千キロの地理的違いがあるわけでありますから、それはぜひ検討する時期が必ず来るんではないかなというふうに思っております。
 それで、もう一つですけれども、イージス艦の派遣であります。これに関して今いろいろな論議を呼んでおりますけれども、私の考えをまず述べると、イージス艦は派遣すべきであるというのが私の考えでありまして、集団的自衛権にはそれは当たらない。やはり、ディフェンス上、イージス艦が能力を発揮することは私は必要だというふうに思っておりまして、海賊船の問題だとか航空機の探知の問題だとか、そういうふうなことをやる。そして、スムーズに給油を行うためにも、私は、正しいディフェンスができるような環境づくりをするというのは必要だという認識を持っているんですけれども、大臣の御認識はいかがでしょうか。
川口国務大臣 テロ対策特措法に基づきまして、協力支援活動等を行う上でどのような部隊を派遣するかについては、現地の情勢、協力支援活動の実績等を勘案しつつ、我が国自身の問題として、国際テロ根絶のための取り組みにいかに寄与していくかという観点から、主体的に判断をするものでございます。
 イージス艦を派遣するか否かにつきましても、このような考え方に立ちまして、今後の状況も踏まえて、慎重に判断することになると考えております。
下地委員 お立場上、なかなか答えにくいところがあろうかと思いますけれども、このイージス艦という問題で、集団自衛権にまで発展した論議になるというんじゃなくて、隊員がどうやったら任務が遂行しやすいか、安全が確保できるか、そういうふうな概念で考えていい問題だというふうに思っていることを、私の考えとして述べさせていただきたいと思っております。
 それで、SACOの合意事項についてちょっと質問させていただきたいんです。
 私の家内が、私のことを評価するとき、いつもこう言うんですね。決断力がないとか、やると言って約束を守らないとか、やらないくせにやるふりをするとか、よくこういう表現で家族に怒られるわけなんですけれども、そういうふうなことで表現される人間が一番だめな人間だと言うんですね。だから、そういうふうな意味でも、やはり私たち政治家においても、国においても、外務省においても、各省庁でもそうですけれども、やれるものとやれないものというのははっきりとお話をしていくことが非常に大事なことだというふうに思っておりますから、そういう概念を持ちながら、ちょっと沖縄の基地の問題を質問させていただきたいと思います。
 防衛施設庁が来ていますので、一つだけ整理しておきたいと思うんです。普天間の基地の辺野古への移設の問題がありますけれども、着工までにクリアしなければいけない問題は何と何なのか、クリアするものにかかる期間はどれぐらいか、クリアをする環境アセスだとかなんとかにお幾らぐらいの予算がかかるのか、この三つ、端的に言ってください、時間がないですから。
大古政府参考人 お尋ねの代替施設の整備につきましては、環境影響評価を実施した後、公有水面の埋立承認に係る手続を行いまして、これらの手続が終わった後、工事に着手することになります。
 工事着手前の環境影響評価等に要する期間でございますけれども、現時点で正確に見積もることは困難でございますが、環境影響評価には少なくとも三年程度はかかるものと認識しております。
 また、環境影響評価に要する費用につきましては、今後、法令の手続を講じつつ、具体的に見積もっていくこととしております。
下地委員 部長、ちゃんと答えてくださいよ。これは岩国の問題でも三年六カ月ぐらいかかると言っていますので、それは事例を持ちながら、これから質問する上でも、この部分、非常に大事なんですから。
 三年以上かかる、埋め立てで一年ぐらいかかる、四年間の時間がかかる。それで、この環境アセスの調査には十億以上のお金がかかるというふうに私は存じ上げているんですけれども、いかがですか。
大古政府参考人 まず、環境アセスの費用でございますが、先生御指摘のように、岩国の飛行場の滑走路移設事業に際しましては、八億四千万ほど要しております。そういう意味では、今後具体的に見積もるわけですけれども、この普天間代替施設についても相応の経費を要するというふうに認識しております。
 それから期間の問題でございますが、これも、岩国飛行場の滑走路移設事業につきましては、埋立承認手続には一年二カ月を要したところでございます。ただ、現在は承認手続の一部が短縮されております。そういう状況がございましても、いずれにしても、この代替施設の埋め立てについても相応の期間を要するというふうに考えております。
下地委員 時間がないから。全部で四年という歳月がかかるのか、かからないのか。
大古政府参考人 先ほど申しましたように、環境アセスそのものにつきましては、三年程度は少なくともかかるというふうに認識しております。その後、埋め立て手続がございますが、これについては、県の審査等の期間もございますので、現時点で具体的に申し上げることは困難であるということで御理解いただきたいと思います。
下地委員 これは四年以上かかるんですよ。結果が出てくるわけですから、今答弁でこうやって逃げても、何回でもやりますから、まじめに答えないと、それは本当にだめになりますよ。
 それで、この埋立申請を行ってから着工していくわけですけれども、この着工する辺野古の案、建設部長、来ていますから、今三千三百億とやっている案は、埋め立てだけの案ですよね。滑走路もついてなければ管理棟もついてない。上物は全部ついてない。埋め立てと橋だけのあれで三千三百億といって防衛庁は出しておりますね。
生澤政府参考人 お答えいたします。
 本年七月二十九日に開催されました第九回代替施設協議会におきまして、着工から完成までの工期につきましては九・五年、建設費につきましては三千三百億円を示したところでございます。
 なお、この建設費の積算の対象となっておりますのは、護岸、埋め立て及び連絡橋等でありまして、いわゆる上物工事であります建物や滑走路等については含んでおりません。格納庫等の建物や滑走路等を含む全体の建設費用につきましては、現時点では具体的に見積もっておりませんが、今後、米軍とも調整しつつ、施設配置の検討等を行った上で算出してまいりたいと考えております。
下地委員 これは上物は全く入ってないんですよ。今飛び交っている数字は三千三百億という話だけれども、これはもう全然そんな数字じゃない。それに滑走路をつけて、管理棟をつけて、僕が計算したら、軍民共用で四百億ぐらいかかりますね。それからまた、七十二機のヘリの格納庫だとかそういうふうなものがかかる。今の普天間は陸地にあるから、海上基地の、海の近くになってくると、それも四百億ぐらいかかるでしょう。これをやるだけで八百億。私が試算している数字では、三千三百億にならずに三千九百億になっているんですけれども、それに八百億を足して四千七百六十億。
 そして今、地元が相当にこの問題に関してシビアになっておりまして、今の位置ではだめだ、百メートルずらせと。百メートルずらしたら、そのずらした分だけで千五百億円追加の予算がかかるというふうなことになっておりますけれども、この、私が言った四千六百億から四千七百億という数字と、ずらすだけで一千五百億かかるという数字は、それはどうですか。
生澤政府参考人 お答えいたします。
 現時点では具体的に見積もっておりませんが、先生が今おっしゃられた上物等につきましては相応の経費がかかるものと思っております。
下地委員 そういうふうな予算になって、最悪というか、百メートルずれて全部をやると六千億も予算が辺野古の埋め立ての問題でかかってくるんですね。
 もう一個だけお聞きしますけれども、軍民共用という話があるんですが、民に関してどれだけの使用をするか。きょうは内閣府が来ておりますので、お願いします。
大村大臣政務官 お答えいたします。
 下地委員御指摘のとおり、この普天間の移設の代替施設につきましては、軍民共用空港ということで沖縄県知事の表明もありましたし、また閣議決定もさせていただきましたし、また、ことしの七月二十九日に基本計画を決定した際も、軍民共用空港というのを念頭に、これを基本に決定させていただいたわけでございます。
 その際の利用計画でございますけれども、この点につきましては、沖縄県知事、沖縄県の方から、平成十二年の第二回協議会、また十三年の第六回協議会におきまして、年間の利用客は約二十万人、ここから関東、関西、中部方面に一日当たり六便、三往復の就航を見込んでいるということでございまして、これをベースにいたしまして、二千メーターの滑走路を中心にこの施設計画をつくっているということでございます。
 採算等を含めて、いろいろなことにつきましては、これからもさらに地元、沖縄県等々と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
下地委員 大臣、ちょっと聞いてもらいたいんですけれども、軍民共用空港と言ってつくるんですよ。軍だけでつくると、僕の試算では二千九百四十億円です。軍だけでつくると大体これぐらいのお金。軍民共用にすると四千七百億以上お金がかかるんですね。民を入れることによって一千七百億円の増になるわけですよ。その一千七百億円の増は、その百メートルがずれないでという考えで一千七百億円なんですよ。
 一千七百億円の増になりますけれども、那覇空港は一日に四百二十五便がアッパーなんですよ。今四百回まで来ている。それで那覇空港を延長して空港をつくりたいといっても、大体二千五百億ぐらいで平行滑走路がもう一個できるんじゃないかという話なんです。ということは、那覇空港は一千回になるんですね。沖縄の観光に資する。これが小泉内閣が言う効率的な公共工事だとかというものになるわけです。
 だけれども、この軍民共用は、軍民共用だ、軍民共用だと沖縄県が要望するからやらざるを得ないといって今進めているかもしれないけれども、一日六便ですよ。一千七百億円も民のためにお金を投資して一日六便の空港が、果たしてこれが効率のいい空港なのかどうなのかと考えたら、これはやはり多くの皆さんが疑問を持つんじゃないかと思うんですね。
 私が申し上げたいのは、沖縄県が要望するから何でもやるというのではなくて、軍民共用等をおやりになるんだったら、何で効率のいい、民としての役割がもっとしっかりしたものをお考えにならないのかというふうなことははっきりと言っていかないと、年間二十万人、一日六便のために一千七百億円以上も国税を使ってやるというのは、この問題の一点から見てもなかなか難しい、理解に苦しむところになるんではないかなというふうに私は思っております。
 それと、ここからは大臣に質問なんですけれども、十五年期限問題というふうなことがあります。この前、ある質問を聞いておりましたら、十五年期限問題というのは、その質問者が言っているのは、新たな基地をつくるときにその期限を、初めて沖縄の人が認めてつくるときに期限をつけろという沖縄の人の気持ちだよという質問に、大臣も、その辺のところはよくわかっていますというふうな答えでありました。しかし、先ほど申し上げたように、稲嶺知事が次やられるかやられないかは別にしまして、この問題には四年以上の歳月がかかるんです。
 大臣が知事とよく話をする、知事が言っている着工前、この着工前という認識、着工前というのは、どの時点を着工前とお考えになっていますか。
川口国務大臣 稲嶺知事とは、私は、環境庁長官をしていたころから、さまざまな沖縄についての課題、今外務大臣として扱っている課題とは若干違いもありますけれども、いろいろお話をさせていただいております。
 着工前ということをおっしゃられていらっしゃいまして、どの時点が着工前かとおっしゃられても、この時点ですと申し上げるのは非常に難しいんですが、着工前は着工前であると私は思っております。
下地委員 着工前は着工前なんですよ。それは当たり前のことで、着工前というのは、大臣は環境庁長官をなされているから、アセスが通って埋立許可ができて、ちょうどこのところを着工前と私は認識しているんですね。
 いただきますと御飯を食べるときには、スーパーに買い物に行っているときにはいただきますを言う時間じゃないんです。全部お母さんがつくって、まあ私もつくりますけれども、その食べる瞬間をいただきますの前の時間だというんです。
 ということは、着工前というと、大臣、五年ぐらい、四年以上の歳月になると、稲嶺知事、三期やるかやられないかは政治家だからわかりませんけれども、この任期中じゃないことだけはもう確かなんですよ。それで、今言ったように、数十億の予算がかかるという話がある。
 私は、大臣、稲嶺知事は着工前と言っているんだけれども、先ほど申し上げましたように、十五年問題というのは、できるかできないかをもうはっきりとしなければならない。着工前までにできるかできないかをやるということは、これはある意味では無理、むだ。お金も使いながら、無理になるのか、できるのかできないのかというのじゃなくて、今、その環境アセスをやってスタートする前までに、逆に十五年問題を解決させることが非常に大事なことだと私は思っています。
 それで十五年問題が解決できなければ、稲嶺知事はやらないと選挙公約でもおっしゃっているし、議会でもおっしゃっているわけだから、そのことに国が、できるかできないかの期限を来年の十月ごろまでに、十二月の予算要求をするまでに、一年間をめどに国が努力をして、できなければできないなりの発言をきちっとするというのが必要だと私は思っております。それでできないとなれば次の選択を新たに考えていく。そういうふうなことが、これが沖縄に対する優しさなんですよ。さっき言ったように、できないことをできると言う、やらない、できないかもしれないことをやれるように言う。今の安全保障の状態では、十五年問題、そう簡単なものじゃありませんよ。そういうふうなことをはっきりと申し上げることが沖縄の基地問題の前進につながるんです。
 十二月の二日で沖縄のSACOの問題は六年目を迎えましたけれども、六年間でSACOが進んでいるのは一つですよ。これはなかなか難しい。そういうふうな状況も踏まえながら、六年も七年もやって進まないものを、同じ策を進めることが正しいやり方ですとずうっといくんじゃなくて、いや、できませんよ、新たなものをお互いで考えましょうというふうなことを国から言っていく。一年間、来年の十月までに私たちは努力しますけれども、それでできなかったら十五年問題に関してはできないということで、それであなたが着工しないと言うならば違う選択をしましょう、そういうふうな提案をするのが国の役割ではないかなというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
川口国務大臣 今の委員のお話につきましては、これはきちんと傾聴をさせていただきました。そういう御意見もおありだと思います。それからまた他方で、時間を最大限使って努力を最大限にすべきだというふうにお考えの方もいらっしゃると思います。
 政府としては、今まで申し上げておりますように、これは平成十一年末の閣議決定に従いまして、この問題については真剣に対処をしていきたいと考えております。
下地委員 難しいことは難しいと言うのが正しいですね。
 僕は野球の選手だったんですけれども、うちの監督が、甲子園まで行った監督が僕に言うんですよ、僕が大学をどうするか悩んでいるとき、下地、おまえをキャプテンにしたのもおまえを選手で使ったのも、おやじがPTA会長だったからだよ、それ以外の何物でもないと。だから、僕に野球をあきらめて違う道を選択せいと。だから僕は国会議員になれたかもしれないですね。あのときずっと野球に終始していたらどうなっていたかわかりませんけれども、それがあの先生の愛情なんです。だけれども、今先生とお会いしたら、あんたの指導が悪かったから野球がうまくならなかったと文句言うんだけれども。しかし、冗談みたいだけれども、そこがやはり優しさ。そこを間違えたらだめ。
 何でも沖縄が要求してきたら物をやる、お金もつけてあげる、そうじゃなくて、基地の整理縮小、そういうような思いをしっかりとやるためには違う選択もありますよと。こういうむだじゃなくて、三十年間たっても九・四%の失業率があって、三十年間たっても一〇%以上も県外に売り上げを伸ばしている企業がなかなかいないという今の現状を見たら、やり方を変えなければいけないというのはだれでもわかることじゃないですか。
 そういうふうに、私たちは沖縄の方にも言うべきことを言って、そういうふうなやり方をしていくことが最終的には沖縄のためになる。行ったら行ったで聞きっ放しで、やったふりをして、地位協定もなかなか変わらないというやり方じゃないやり方が、これから沖縄と国の中でははっきりと物事を言っていくというやり方が必要だということを大臣にぜひ御認識いただいて、しっかりと、はっきりと物を言っていく、それが大臣に期待することでありますから、ぜひお願いしたい。
 最後になりますけれども、新藤政務官がこの前ロシアに行ってきたようでありますけれども、一九九三年のG8、G7ですかの合意の中で、ロシアの原潜の問題、非常に大事な問題であります。ロシアの原潜の放射能漏れなどがあれば間違いなく日本海にまで影響して、漁業の問題にも観光にも、いろいろなものにも影響することは間違いないと思うんですけれども、そういう問題の今の現状はどうなっているか、少しお聞きをさせていただきたいと思います。
新藤大臣政務官 これはもう非常にありがたい御質問をいただいたというふうに思っております。
 今お話がございましたように、ロシアの非核化支援、ソ連の解体に伴いますところのロシアの余剰兵器、特にその核兵器に関して非核化を進めていかなくてはならない、これは大きな取り組みでございます。そして、一九九三年から日本の国といたしましてもいろいろな準備をしておりまして、これまでに総額約二百億のお金を用意して、そして、国際機関である日露非核化協力委員会に拠出をしているわけなんでございます。
 現状で、昨年、液体核物質の処理施設である「すずらん」という船が建設できまして、これで約四十二億かかりました。しかし、残念ながらこれ以外のものについてはなかなかロシア側との調整が進まずに、この非核化が進んでいない。巨額のお金を積んでありながら進まないことはどういうことなんだ、私はこの問題意識から現地へ行ってまいったわけでございます。そして、行ってわかったわけですが、この私のようなレベルの者が現地に入ったのはこの問題が始まって以来初めてだったということでございまして、非常に意義ある視察をさせていただいたんではないかな、このように思っています。
 そして、その視察の中でわかったことは、これまでに二十八隻の原子力潜水艦が解体をされました。ここのところの九九年以降、十隻、原子力潜水艦が解体されております。二種類あるんです。一つは核戦略ミサイルを積んだ戦略原潜です。それから、核のミサイルは積んでおりませんけれども原子力の潜水艦であるという、こういう通常型の潜水艦。今、ここのところで解体をされたのは、核戦略ミサイル搭載型の原子力潜水艦のみが十隻解体をされているということなんですね。
 それで、現状では、今四十一隻、まだ原子力潜水艦が解体をしなければいけないものが残っておりまして、うち三十六隻は自力で浮上することもできないというような状態で、この極東の湾の奥の方につながれているわけなんでございます。そして、これは一九八五年と聞いておりますが、過去においては放射能漏れの事故も起こしておる原潜が三隻、まだ最終処理が終わっていないものがあるんでございます。日本海に対する環境汚染という意味で、これはロシアの問題だけではなくて日本においても大変大きな問題であると思っております。
 ですから、この部分を、とにかくお金は用意しているわけですから、ロシア側と日本側と協力して、徹底的にこれは早く進めようじゃないか、こういうお話をしてまいりました。そしてまた、向こうの造船所の所長だとか原子力省の人間、それから海軍の太平洋艦隊の司令官ですとか、いろいろお会いをして、現地もやりたくてしようがないんです。でもどういうわけか、国際機関であるこの非核化協力委員会の中での技術的な詰めがなかなか終わらない、こういう問題点もわかってまいりましたから、これは早速手を打って、一日も早く私たちがやらなくてはいけない。
 日本が必要としている四十一隻の残りの原潜をやりたい。これはフル稼働していきますと、一年間に大体六、七隻の原子力潜水艦が解体できることになるんです。ですから、そうすれば十年以内にこの問題は全部、日本海の脅威は取り除かれる、こういうことがございまして、ぜひこれは委員にも御支援と御協力をいただければありがたい。
 そして、特に来年、カナナスキス・サミットで、グローバルパートナーシップ、このお金はもっと大きなロシア全体の非核化支援をしていこうよというのが、これは先進国の取り組みで決まりました。そうなってまいりますと、ロシア全体には、ヨーロッパの方にも、それから中の方にも、いろいろとまだ原子力潜水艦以外の核兵器があるわけですが、我々がやらなければいけないのは、まずこの極東における非核化というものを進めていかなければいけない、大きな取り組みの前に、我が国としてはこの部分をきちっとやっていくことが必要だ、このように思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
下地委員 政務官の答弁にしては長過ぎますね。もっと短くやってください。
 先ほど申し上げましたように、大臣には、辺野古の基地の問題は、環境の問題から、経済の活性化の問題から、基地の整理縮小の問題からチェックをして、既成概念にこだわらない形でもう一回やる、そういう発想が僕は必要だと思っておりますから、ぜひ、十二分にそのことを考えることが沖縄のためになる、そういう認識を持っていただきたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。
池田委員長 次に、伊藤英成君。
伊藤(英)委員 民主党の伊藤英成でございます。
 まず最初に、イラクの問題についてお伺いをいたします。
 実は私自身も、他の委員会でもそうですが、この委員会でもそうなんですけれども、外務大臣にも何度も申し上げたりしているつもりなんですが、この国会の場でなかなか率直にいろいろお話をしていただけないんではないかということで、やはりそれが非常に問題だという話を今までもしてきたりしているんですが、まさに国会の場がどんなに重要かという意味でも、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 最初に、先ほどもちょっとお話が出ておりましたけれども、イージス艦の派遣の問題についてなんですが、ある報道では今月中にでも派遣する方針を固めたとか、いろいろなことが報道されたりしているんですが、現在この派遣の方針は決定をされたのかどうか、現在の検討状況はどういうことなのか、まず伺います。
赤城副長官 お答えいたします。
 イージス艦の派遣の検討状況はどうか、こういうお尋ねでございました。
 まず、テロ特措法に基づき協力支援活動を行う上でどういう部隊を派遣するかということについては、現地の情勢や協力支援活動の実績などを勘案して、我が国自身の問題として国際テロの防止、根絶のためにいかに寄与していくかという観点に立って主体的に判断していきたい、こういうことでございます。
 そこで、実際にイージス艦を派遣するか否かにつきましては、艦艇の実際の派遣のローテーションや派遣活動における安全確保の必要性の高まりなど、今後の状況を踏まえて慎重に判断していきたい、こういうふうに考えております。
伊藤(英)委員 今後の状況を踏まえてということなんで、どういう状況になったら送るということなんでしょうか。
赤城副長官 具体的にどういう状況があればということを予断を持ってお答えするのは困難でございますけれども、イージス艦を派遣した場合のメリットとか今のローテーションの状況とか、そういうことを判断してまいる、こういうことになります。
 特に、現地の状況が、補給艦で補給するというのは非常に時間もかかるし、その間回避活動がとりにくい、そういう状況がございます。具体的に申しますと、補給艦と補給を受ける艦の間、三十メーターから五十メーターの幅でずっと並走していく。それが最長で六時間にも及びますので、その間、緊急に何かが起こっても急な回避活動がとれない。そういう中で、イエメン沖でタンカーに不審船がぶつかってくる、こういう状況もございました。
 そういった現地での安全確保とか、あるいはローテーションが今非常に困難になっていることでありますとか、あるいは現地は非常に高温で、また砂じんが舞うような、そういう中で隊員が非常に緊張を強いられる、そういう隊員の負担をいかに軽減していくかとか、そういったことを勘案しながら慎重に判断をしてまいりたい、こういうことでございます。
伊藤(英)委員 今までも何度も議論をされたりしているんですが、イージス艦の持っている機能といいましょうか、それがどんなに高性能のものであるかということについて過去ずっと言われたりしました。それから、米軍との情報のデータリンク等々の問題も含めて言われてきたりするんです。今いろいろお話をされたのは、どちらかというと、きのうの新聞でしたかどこかに、最近は理由が、イージス艦の方が隊員の居住性がいいからというような感じのことがいろいろ言われたりします。私はその記事を見まして、ああそうか、なるほどと。
 この間、防衛庁に、あのインド洋における実際の活動がわかるようなもの何かありませんかと言ったら、ビデオがありますと言ってビデオを見せてくれました。そのとき僕は見て、このビデオは一体何のビデオなんだろうかと思ったんです。どういうことかというと、本当にどういう活動を、どういう機能を果たしてやっているかというような部分はほとんどない。何があるかといいますと、砂じんが舞ってくるとか、温度がどうだとか、そこにはちょっと出てこなかったんですが、ほかのには卵焼きができるんです、そのくらい熱いんですというような話ばかりなんですね。
 私からいたしますと、そこの隊員の皆さん方の環境といいましょうか、それももちろん重要である、しかし、そこで補給活動をしている等の、どういう機能を果たしているのかという話の方がずっと重要だよね。何でその重要なところがほとんど出てこないんだろうか。そのビデオを平然と持ってきて、これがそうですとやるその神経が僕は全くわからないという感じだったんです。これは防衛庁にも申し上げましたけれども。ということです。副長官も、私が今申し上げているのはそのとおりだと多分思われると思うんです。多分二本あるんだと思いますが、そのうちのそういう一本を持ってきたんですよ。
 今回、なぜ本当にあれを出そうとするのか、イージス艦を。その理由は何だろう、理由は。もしも出すとすれば、今出すと決めたわけじゃないんでしょうが、出すという場合は、なぜなんだろうか、どういう状況なんだろう。私の感じでは、実際にあそこはほぼ、いわば米軍が制空権を持っていて、イージス艦のあの能力を必要とするということではないんだろうと私は思っているんです。少なくともその必要性は何だろうかと、今まで幾ら聞いても全然わからない。どうですか。
赤城副長官 委員から御指摘ありましたように、まさにイージス艦派遣を決めたわけではございませんし、最初に申し上げましたように、テロ特措法の目的とか現地の情勢を見つつ慎重に判断をしてまいる、こういうことで、一般論としてイージス艦が派遣された場合にどういうメリットがあるのかとか現地の必要性上どうか、こういうことでお答えをさせていただきます。
 まさに委員御指摘のように、イージス艦についていろいろな評価はあろうかと思いますけれども、現地での必要性とかメリットということを問われた場合にやはり一番大事なのは、現地で補給活動をしているということに対してイージス艦があれば具体的にどのようなメリットがあるのか、こういうことが大事だと思います。
 先ほどちょっと私から御説明申し上げましたけれども、特に安全性の問題、これが何よりも大事だ、こう思います。何時間にもわたって補給艦と並走して、その間識別ができない船、飛行機が飛び交っているという状況の中で、今までは隊員が手作業でそれを識別しながら、これが安全なものであるのか、どういう船であるのか、飛行機であるのかということを判断しなければならないという、大変これは神経を使う作業でございます。その点、イージス艦の高いレーダー捜索能力とか情報処理能力、こういうものがありますれば隊員の負担を軽減することができるわけで、先ほどお話がありましたような居住性ということも、こういう非常な悪条件の中で緊張を強いられる隊員の負担を軽くしていくという意味で、これもまた一つのメリットだと考えております。
 それからもう一点は、ローテーションの関係でございまして、今司令部機能を持つ護衛艦が四隻しかございませんので、どうしてもこの中で回していきますと派遣期間が長期化していくという状況がございます。ここへイージス艦が加わりますと非常にローテーションが緩和できる、こういうメリットもございます。
 いずれにしましても、テロ特措法の目的に基づいて現地で活動をしているというその活動に対して、どういうふうにこれを十分に果たし得るのか、それに対してイージス艦というものがどういうふうなメリットを発揮できるのかということが大事でございまして、今申し上げましたような安全性の確保でありますとか、隊員の負担の軽減でありますとか、あるいはローテーションの緩和、こういうことがこの必要性ということだ、こういうふうに思います。
伊藤(英)委員 米軍との情報提供云々という話は今はほとんどお話をされなかった、こう思うんですが、そういうのは全然ないんですか。今まで米軍の情報提供の問題について、これは集団的自衛権との絡みで何回も議論になったり、内閣法制局長官もそれについて、いわば抵触するおそれがある等々の問題についていろいろ話をされてきたりしているんですが、そうした活動は全然想定していないんですか。
赤城副長官 お答えいたします。
 あくまでもイージス艦が派遣された場合にということでありますので、予断を持ってお答えできないということになろうかと思いますけれども、いずれにしましても情報の問題については、これまでたびたび答弁、議論がありました。
 既にリンク11という、これは普通に情報をリンクしてあるわけでございまして、イージス艦が持つものはリンク16という、能力的には上がりますけれども、質的には、情報を共有しているという面では変化はない、こういうことでございます。集団的自衛権との関係で問題があるのかどうかということにつきましても、一般的な情報の提供というものはおよそ集団的自衛権の問題ではない、こういうことも答弁をさせていただいております。
 ただ、イージス艦の必要性、こういうことをお尋ねでございますので、これはあくまで我が国のテロ対策支援活動、特に補給活動との関係で、安全性の確保とか隊員の負担軽減とかあるいはローテーションの問題とか、そういう点でメリットがございます。こういうことがイージス艦の特にメリットとして挙げられる点でございます。
伊藤(英)委員 いや、私はメリットも聞きましたけれども、実際にどういう活動をするかというような意味で申し上げたんです。
 本件で今から、きょうそんなに細かくやろうとは思っていないんですが、実は私は、憲法にも抵触しなくて法律上も可能ならば、本当に必要ならば機能させればいいという感じを持っているんです。しかし、最近の我が国の状況を見たとき、私は今こういう印象を非常に持っているんですね。いいですか。
 もう一度言いますと、逆の言い方をいたしますと、日本が実力部隊を持っている、どういうふうにそれを活用させようかといったときに、本当に必要なことであれば、しかも憲法上、法律上可能ならば使えばいい。しかし、そのときに、あえて言えば、いわゆるシビリアンコントロールがしっかりときいているなら、ちょっと言い方を変えますと、勝手に防衛庁等がと言った方がいいかもしれません、あるいは実際に自衛隊などがと言った方がいいかもしれませんが、どんどん活動を拡大していくというようなことがないようなシステムがちゃんと機能しているなら、私はそういういろいろなことを考えた方がいいと思っているんです。
 ところが、この間のテロ特措法の延長問題でもしかり、あるいは、最近のずっといろいろなことを聞いたときに、私が政府にいろいろなことを聞きます、本当に説明しない、答えない。仮定の話にも答えない。いいですか。国会の場では本当に答えない。そのくせ、ある意味じゃ勝手に政府部内でぼんぼん進めていったり、あるいは外国に行ったときには、いろいろな人が日本はこうしようと思っているんですとかいろいろな話をするんですね。
 国会が機能していない、本当のことを説明しない、そんな状況のときに、ひょっとしたらいろいろな活動ができるかもしれない、例えばイージス艦などを持っていって云々というようなのは、私からすれば危険きわまりないと思っているんです。危険きわまりないというのは、日本の自衛隊は一体どういうふうになっていくんだろうかというような意味で非常に心配なんですね。だから、断固許せない、許可することなんかできないという感じになるんですよ。そういう意味で私は申し上げたんです。
 イージス艦の問題は、また詳しく検討したいと思っていますが、そういう意味で、例えば今副長官の説明されたことだけで、ああ、そうだな、これは出した方がいいなととても私には思えません。思えないということです。そのくらい、実は今政府は情報を出さない、私たちに説明しない。議会で率直に、いろいろなケーススタディー風なことも含めて、いろいろなシナリオも含めて説明をしない。
 先回ですか、先々回でしたでしょうか、河野先生も同じように言っておられました。私から言わせれば、野党はしょっちゅう言っておる。この間は与党の理事が言ったから問題になったんでしょうが、与党の方だってそう思っているんでしょうね、きっと。(発言する者あり)今村さんが思っていないと言ったら、僕はおかしいと思っているよ、それは。議会人としておかしい。立法府は何をするかということについて理解していないんじゃないかとさえ私は思いますよね。ぜひお願いします。
 それから、このイージス艦の話で、北朝鮮が今膠着状態にある、交渉は膠着状態でしょう。ある意味じゃおどしみたいな話も出たりしている。イージス艦は日本周辺ではどういうふうに、配置されている必要があるんですが、現在どうなっているんですか。
西川政府参考人 お答えいたします。
 イージス艦にありましては、現在、ざっと言いますと七五%ぐらいの率で稼働しておりまして、そのうちの二五に当たるものがドック入りということをやむなくされておりまして、これは他の船に比べまして、大分長い間ございます。
 その他のものにありましては、一部は慣熟訓練、そのほかは有事と申しますか、先ほどいろいろ先生から御指摘ございましたような事態がある、おそれがあるとかいう意味の、いわゆる情報がいろいろありました場合の対応ができるような待機だとか、あるいはその他の訓練とかいう形で現在運用しておるところでございます。
伊藤(英)委員 余り詳しくは説明していないんですけれども。
 日本は四隻のイージス艦を持っていますよね。そのうちの四分の一、要するに一隻は大体ほとんどはドック入り。私は、それも物すごく奇妙なぐらいに思っているんです、実は。そういうふうに言いますと、いやいや、大体世の中こんなものですというような感じで説明されますが、そんな常識はおかしいと私は思っています。四隻のうち一隻は大体ほとんどがドック。残り三隻も、さっきの話でローテーションどうのこうのと。日本を守ろうとしたときに、本当に大丈夫なのかな。
 防衛庁の言う中期防等で六隻になった状況なら、また話は違うのかもしれません。それがいいというわけじゃないんですよ。いいということを言っているわけじゃないですが、本当に日本を守るためにどうなんだろうということも問題提起として言っておきます。
 きょうはここまでにしますが、このイージス艦の問題は、私は、今のような状況でそれは認めるわけにはいかないということであります。
 それから、イラクの査察の問題等で今いろいろやったりしているんですが、このイラクの安保理決議の一四四一の問題について、今申し上げたように査察も行われている、これからどういうふうになっていくかということで非常に心配されているわけであります。
 そこで、今査察等が行なわれていて、そしてそれが、いろいろ問題があれば安保理の場に持ってくることになるでしょう。そのときに、もしもいわゆる武力行使というような話のときには、これは改めて安保理決議は必要だというふうに政府は考えているんでしたかね。外務大臣、どうですか。
川口国務大臣 先月の二十七日からイラクの査察が始まっているわけでございまして、委員が今おっしゃられましたように、これは今後イラクによって重大なる不履行があった場合は、重大なる違反があった場合には、一四四一によって安保理が即時に招集をされるということになっているわけでございます。
 今査察をやっているということでして、これまた重大なる違反があったら云々ということは非常に難しいわけでございますけれども、我が国としては、そういうような事態があれば安保理が再び集まって議論をするという一四四一の決めていること、これをやっていくことになると思います。そして、その状況を見守る必要があると思っております。
伊藤(英)委員 もしも武力攻撃ということを考えたときに、安保理決議がどうしても必要か、安保理決議がなければ賛成できない、支持できないという考え方かどうか、イエスかノーかで。
川口国務大臣 今申し上げましたように、もしもイラクによって重大なる違反があったとしたら、その場合、国連の安保理が再び集まるということに一四四一では書かれているということでございます。そして、そこで議論が行われるのだろうと思います。いろいろな形の展開がそこであり得ると思いますので、我が国としては、その状況を見守る、そういうことがまず第一である、その上で考えるということだと思います。
伊藤(英)委員 私は、あるいは私ども、我が党は、安保理決議はその場合は必要だというふうに考えています。今のは見守る、見守ると言うのですが、見守ってばかりいてどうするんですかね。日本は一体どういうスタンスなんだろうか。それは、新たな決議がなくてもあり得ますよと。あり得ますというのは、賛成するのでありますということなんですか。どうなんでしょう。
 安倍副長官、どうですか。突然で申しわけありませんが、次期総理ともいろいろ報道もされたりするぐらいなので。それはそれとして、副長官としてどうですか。
安倍内閣官房副長官 ただいま川口外務大臣が御説明されたとおりでございまして、一四四一決議によれば、安保理が集まって、そこで協議をするということになるわけでございます。
 当然、私どもとしては、米側と密接な意見の交換というのは行っております。その中で、私どもは、私どもの立場はアメリカ側には伝えているわけでございます。その中で、我々は同盟国であり、また友人であるわけでありまして、友人としての立場、また同盟国としての立場、そして日本の立場を米国側には伝えているわけでございます。
 そうしたことをいろいろと勘案した上で米国も判断をするということでございますが、大切なことは、この一四四一決議に武力行使というものが組み込まれているということではなくて、安保理が招集されることになるということでございますから、当然、そこで話し合われることは重要な意味を持ってくるんだろうということだと思います。
伊藤(英)委員 外務大臣、今のお話で、米国に友人として話をされているんでしょう。そのときには、安保理決議がなかったら武力攻撃はできません、武力攻撃をしようと思ったら安保理決議が必要です、日本としてはそう考えておりますというふうに伝えているんですか。
川口国務大臣 アメリカとの間では、このイラクの問題については頻繁にさまざまな意見の交換をやっているわけでございます。そこで我が国として密接な情報の交換はやっていますけれども、その内容については、まさにこれはアメリカと日本と話し合っていることですので、具体的な内容を申し上げることはここでは控えさせていただきたいと思いますけれども、今イラクが、国連の決議に従って査察、あるいはその他の過去の決議を全部守る、そのために国際社会が一致して圧力をかけるということが非常に大事である、そういう段階にあり、我が国としても、そのために特使を派遣する等々の外交努力をやっている、そういうことでございます。
伊藤(英)委員 それはいいんです。査察をしっかり受けさせるために努力は必要。それは、私も何度もそういう話をしたりしています。しかし、何ではっきりと言えないんですか。安保理決議についての解釈の問題でしょう、これは。大体、外務省あるいは日本政府はどういうふうに解釈しているんですか。なぜそんなことが答えられないんですか。
 日本は、国連外交を最も重要な柱としてやっているわけでしょう。世界の平和を国連でということを最も中心に考えるんでしょう。テロの問題でも、あるいは世界の紛争の問題、あるいは平和のために、どんなにか国連をということで、論議を国連憲章をもとにしてやっているんでしょう。なぜそんなのに答えられないんですか。いや、答えられるかじゃなく、なぜそんなことを考えないんですか。
川口国務大臣 我が国としては、国連における議論は当然、委員がおっしゃるように重視をしてきているわけでございます。また、国連改革等、国連をよくするための努力も一生懸命にやっているということでございます。
 今の委員の御質問との関連で申し上げれば、これは、イラクに重大なる不履行があったときに、一四四一によって集まるということになっているわけでございますね。そこでいろいろな議論があり得るだろう。今の段階で、我が国として、その議論を予断をして何か申し上げるということはできないという意味で申し上げているわけです。
伊藤(英)委員 予断をと言うんですけれども、こういう話は、ここでも何度も議論されたりしています。
 例えば、これからの世界はどうなるんだろうか、あるいは朝鮮半島はどうなるんだろうか、台湾海峡はどうなるんだろうか、イラクの辺はどうなるんだろうか、どういうシナリオが考えられるんだろうか、そのことを考えて、じゃ、日本はどういうふうにしていこうというのが外交なんじゃないんですか。それが予防外交じゃないんですか。いかにして紛争を未然に防いでいくかということこそが大事なんじゃないんですか。見守って、見守ってと、今言ったような平和を守るために何ができるんですか。
川口国務大臣 委員がおっしゃるように、予防外交、これは非常に意味のあることだと私どもも考えております。
 したがいまして、現在、これが平和的に解決されるように、イラクが決議を守るということになればそういうことになるわけですから、イラクが守って、それから、一四四一だけではなくて過去の決議全部、査察だけではなくて過去の決議で言っていることを全部守るように外交努力をしているわけでございます。その外交努力の一環として、中山太郎元外務大臣、高村元外務大臣、そして茂木副大臣に回っていただいてそういうことをやった、そういうことでございます。
 国連の決議、いろいろな仮定を置いてその議論をいろいろしてみるということを委員はおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、重大なる不履行があったときに国連の場でどういう議論の展開があるか、これはさまざまな可能性があるわけでございまして、その一つを取り出して、その場合はこうであるというふうに今の段階で申し上げるには時期尚早であるというふうに申し上げているわけです。
伊藤(英)委員 ここで何度やっても、外務大臣はよう答えないんでしょう。考えていないのかどうか知りませんが。
 いいですか。ついこの間も、ある大学教授が新聞の一面に文章をずっと書いていました。読まれたかもしれません。日本の外交はと。今度も対外関係タスクフォースのメンバーでもありますよ、外務省か官邸の。日本の外交は、そのころの次々と起こるいろいろな事態について、いつも、起こるかもしれないからどういうふうにするという対応の問題について議論をしない。結局、起こってからどうする、その場限りの。そして、湾岸戦争のときもそうだったと。それが、そこにるる書いてありました。
 十年たっても二十年たっても全く同じというか、私は最近はより退化していると思っている、日本の外務省は。あるいは、外務省か政府かと言った方がいいかもしれません。何でこんないいかげんなことをしているんだ、なぜ。
 さっき、特使の話も出ました。いいですか。私が、十一月十一日だったと思いますが、事態特の委員会でやりました、特使でも派遣したらどうですかと。私だったら出しますね、日本には元総理も元外務大臣もいっぱい優秀な方もいらっしゃる、特使でも派遣したらどうですか、こういうふうに言いました。何と答えたか、そのときに、そのことを。真剣に考えてみようというなら、まだいい。全然そんなことはしない。
 そして、しばらくたったら、それは茂木さんもそうでしょう、中山先生も、あるいは高村先生も特使として行かれたりしました。私は、行ってくださったのは非常にいいと自分も思うんですよ。なぜ国会の場で何も議論しようとしないんだろうか、これは。――何かありますか。どうぞ。
茂木副大臣 私も先週、ヨルダン、シリア、トルコと、特使として回ってまいりましたが、そういった委員会での議論も踏まえて特使の派遣が決まった、そのように承知をいたしております。
伊藤(英)委員 ちょっと僕の時間も余りないものだからあれですが、さっきの一四四一の解釈の話にしても、僕からすると、何でこんなに、世界の中のプレゼンスということを考えてみても、日本の姿勢がわからないんだ。そして、平和のためにと思ったら、あるいはイラクに戦争を起こさせないようにすると思ったら、イラクに戦争が起こったらどんな影響があるか、私もいろいろここでも議論もいたしました。世界がそのときどうなるんだろうか、テロの問題もどうなるんだろうか、あるいはイラクについても、イラク自身の問題もそうだし、中東もパレスチナも、本当にそこをどうした方がいいんだろうかと真剣に思ったら、私は先ほどの答弁なんて考えられない、日本の政府の今のやり方は。
 それは本当に、この間の話じゃありませんが、僕は辞表を出してほしい。そんな外務大臣は要らない、日本には。(発言する者あり)いや、それは前からあれしているんだけれども、たまたま与党が言ったからニュースになっているだけであって……(発言する者あり)
池田委員長 不規則発言は慎んでください。
伊藤(英)委員 ちょっと時間があれだから、ほかのに移りますが、北朝鮮の問題についてちょっとお伺いするが、まず最初に、この間の日本外交協会の食糧支援の問題について、これは相手はどこが受け取ることになっていて、これは一般国民にちゃんと届くんでしょうか。まず伺います。
茂木副大臣 日本外交協会によります今回の支援、これはNGOとしまして、人道的見地から、協会独自の判断で行ったものであると承知をいたしております。
 同協会よりは、支援物資は、北朝鮮において食糧を必要とする孤児院、病院等に配付されることになっている旨の説明は受けております。
伊藤(英)委員 安倍副長官は、この食糧支援、日本外交協会が送るということについては、これは事前に副長官は御存じだったのですか。
安倍内閣官房副長官 日本外交協会から私どもには連絡はございません。
伊藤(英)委員 では副長官は、今北朝鮮問題で大変な御努力をされていらっしゃるんですが、今回のこの問題についてどう思いますか。
 きょうの新聞によれば、綿貫衆議院議長は、この会長をされていらっしゃるんですが、その責任をとって、新聞では責任を感じていると書いてありましたね。そして、それは送るのは不適切であったというふうに考えて辞表を提出したということが出ておりますが、この問題について、この問題というのは食糧支援を日本外交協会が行ったということについて、副長官はどう思いますか。
安倍内閣官房副長官 実は、前の外交協会の会長は私の父が務めておりまして、浅からぬ縁があるわけでございますが、こうした食糧の支援については、国の基本的な今の置かれている状況の中での姿勢ということも御理解をいただきたいなと思うわけでございます。ただ、NGOという立場で自主的に判断をされたんだろうと思います。
 ただ、ここでやはりもう少しよく考えていただきたかったことは、これが本当に貧しい人たちの手に渡るかどうか、これが北朝鮮においては極めて困難であるというのもいろいろなNGOの方々の話を聞いた真実でございまして、先般中国で拘束された加藤氏とも私はお目にかかって、彼がどんな困難の中でそうした本当に困っている人たちの手に渡るような努力をしているかということを考えたときに、ただぽんと渡すということがよかったかどうかという思いはございます。
伊藤(英)委員 外務大臣はどういうふうに責任を感じていらっしゃいますか。
池田委員長 茂木外務副大臣。(伊藤(英)委員「ちょっと待ってください。外務大臣に私は聞いたんですが」と呼ぶ)はい、では川口外務大臣にお願いします。(茂木副大臣「私、さっき指名を受けたんです」と呼ぶ)いやいや、委員長が指名し直しました。済みません、茂木さん。(茂木副大臣「指名を受けたんですから、ちょっとそこのところを」と呼ぶ)だから、今指名をし直しましたと言ったじゃないですか。(茂木副大臣「ですから、私は手を挙げて指名を受けたので立ちましたということを申し上げたので、私は委員長の指示のもとでやっている話なんです」と呼ぶ)
 では改めて、川口外務大臣。
川口国務大臣 私も、安倍副長官がおっしゃったように、この協会の方でもう少し配慮があったらよかったなというふうに感じております。
伊藤(英)委員 実は、私はきょう、もう少し時間があれば人道援助ということそのものについて本当はしっかりと議論したかったんですが、時間がありませんので、それはまたの機会に譲ります。
 それで、ちょっと具体的な話になりますが、ジェンキンスさんの話ですね。曽我ひとみさんの、ジェンキンスさんの話について、私はこの間も病床にある姿もテレビで見たりしたんですが、この問題について、日本に来ていただいて早く治療をしていただくようにというふうに心から私も思います。
 そこで、ジェンキンスさんが日本に来た場合に、日本にずっととどまっている、要するに、アメリカに渡さずにというか、日本にとどまっていることは本当にできないのかどうか。それから二つ目には、米国が例外的な扱いといいましょうか、そういうことで、軍法会議等々の問題について、何らかの特別措置を彼に対して行うということを米国にしてもらうということができないのか、それについて今具体的にどうしているのか。今度近いうちに、八日でしょうか、アーミテージさんも来られるようですが、そういうことの話をする予定になっているのかどうかとか、その辺の考え方はどうですか。先ほど私が二点伺いました。
田中政府参考人 委員まさに御指摘のとおり、ジェンキンスさんの問題は私たちとしても大変重要な問題だと考えて種々のことを検討しているということでございますし、あらゆる可能性を念頭に置きながら米側と意見の交換をしているということでございます。結論は出ていません。
伊藤(英)委員 終わります。ありがとうございました。
池田委員長 次に、前田雄吉君。
前田委員 民主党の前田雄吉でございます。
 本日は、余りにも最近外務省のたがが緩み過ぎている、三点お伺いしたいと思っております。第一点として外務省認可の公益法人、これを二つ、第二点、外務省自体の公金意識について、三番目に国際協力銀行の環境ガイドラインについて、この三点について伺いたいと思っております。
 まず初めに、私のもとに参りました内部告発より、この八月から外務省認可の公益法人についての調査をやらせていただきました。今皆さんのお手元に配付いたしました質問状を全公益法人を対象に出させていただいております。この質問に最後まで抵抗してなかなか答えていただけなかったのが日本外交協会と、そして最後に出してきたここの亜細亜友之会でございます。きょうは、この二つの公益法人についてまず伺います。
 まず初めに、先ほど伊藤委員も質問されましたけれども、十一月二十六日に、社団法人日本外交協会より、食糧援助が北朝鮮に対してなされました。この援助というのは、地方公共団体から無償で、乾パンそして強化米を受けて、合計四十万食の支援でありました。確かに、在日の篤志家の要請ということで、同胞を思う気持ちは私もよくわかります。しかし、日本の外交となると、これもそうは言っていられません。
 そこで、こうした協会の行った食糧援助に関して、私は、これはあってはいけないことであると思っております。拉致事件もあり、そして核の疑惑もあり、核に関しては国際公約違反でありますので、アメリカも重油の供給ストップへと動き、日本の方もKEDOの事業の見直しに入っているという中で、厳しい対応を迫らなきゃいけない、その中で、公的機関にこのようなことがあってはいけない、日本の国益に反し、そして我が国の国民感情にも反する行為であると思っております。
 小泉総理も、その協会はおかしい、事実だったらよく調査する、こう言っておられます。小泉総理の調査を含め、この対北朝鮮交渉の足並みを乱す日本外交協会の食糧援助に対して、安倍官房副長官はどのようにお考えでございますか。
安倍内閣官房副長官 先ほど答弁いたしましたとおり、この日本外交協会もNGOでございますから、自主的な判断をしたと最終的にはなるわけでございますが、今私ども北朝鮮側とまさに大変厳しい交渉をやっている最中でございまして、私どもは日本にやっと帰ってくることのできた五名の被害者の方々の子供たち、家族を何とか日本に戻してもらいたい、日本に返してもらいたい、このように今北朝鮮に強く要求をしているところでございます。その中で、北朝鮮側もいろいろな困難な状況にある、そういうことを見ながら交渉をしていこうというところでございます。
 そういうことをやはりこの外交協会の方々にも御理解をいただけなかったというのは大変残念でならないわけでございますし、先ほども申し上げましたように、こうした援助物資が本当に必要としている飢餓の状況にある子供たち、家族たちに渡るかどうかということについては、国際社会は疑問を持っているということも留意をする必要があったのではないか、このように思います。
前田委員 この日本外交協会でありますけれども、外務省との関係について、私はよく見たいと思っております。
 十二月の二日に、社団法人日本外交協会からコメントが発表されました。そこの中に、ちょっと読み上げますけれども、「日本外交協会は公式には外務省の外郭団体ではありません。正式には「外務省認可の公益法人」であります。私どもの団体は、外務省から一切の補助金やそれに類する補助は頂いておりません。」こういう答えを発表しておりますけれども、この外交協会自体が、読売新聞の取材に対して、機密費を受け取っていた、三百万円から六百万円、十年以上にわたって受け取っていたという記載がありました。寄附は十年以上続いている。
 これは、ここの専務理事さんが「外務省からいろいろな協力を求められた時に走り回ったりするので、その「協力金」だった」という言い方をされておられますけれども、実際に、ここの事業は、内容を見ますと、在外公館の設備のメンテナンス、これが二億円。全く、お金の面でも外務省とつながっている、そういう機関であります。そして、理事長は元スペイン大使であります。人事もつながっており、お金の面でもつながっている、こうしたところが外務省の意に反して動いているわけないじゃないですか。
 ちょうど、この食糧援助がなされた十一月二十六日、この前に当たります十一月二十三日、二十四日、田中局長は、大連での秘密交渉に当たられています。私は、この食糧援助が実は今の対朝交渉のデッドロックを何とか突破したいという一つの外務省の方策ではなかったかと思うんですけれども、田中局長、どうですか。
田中政府参考人 全く関係ございません。私が中国で非公式な形で折衝を行いました理由は、五人の被害者の家族の方が一刻も早く日本に戻ってもらいたい、このためにはどうすればいいかということで、虚心坦懐に話をしたということでございまして、この協会の食糧支援と私の出張というのは全く関係がございません。
前田委員 私は対朝交渉を見ておりますと、もともと大きな二つの流れがあるのではないか。先ほど、安倍官房副長官は強い態度で臨まれているとおっしゃられましたけれども、どうも外務省が弱腰過ぎる。
 例えば、ジェンキンス氏の、こちらへ戻るようにという要請も、安倍官房副長官は初めに外務省に指示をされた、しかし外務省の方は、川口大臣も田中局長もなかなかそれは北朝鮮に伝えにくいと言ったという報道がなされております。
 これについて、安倍官房副長官、初めに外務省に指示をなさって、外務省がやはりそういうように伝えなかった、北朝鮮に対してなかなか伝えなかったという印象をお持ちでございますか。
安倍内閣官房副長官 外交については、一体となって相手側に声を一つにして伝えていくということが極めて重要でございますから、当然、官邸も外務省もよく相談をし、意見を言い合いながら、一体となって現在交渉を行っております。
 御指摘の点でございますが、その点については、当然、私どもも外務省も同じ考えであったというふうに私は思っております。
前田委員 初めに川口大臣が、それは北朝鮮に対して通告するのはなかなか難しいということを言われたと私は聞いておりますけれども、大臣、いかがですか。
川口国務大臣 そういう事実はございません。
前田委員 わかりました。とにかく一本になって、強い態度の交渉で北朝鮮に対しても当たっていただきたい。
 そこで、対外関係タスクフォースが二十八日に報告書を出されました。首相直属の外交安全保障戦略会議の設立を言われておりますけれども、官房副長官、この設立についてどのようにお考えでございますか。
安倍内閣官房副長官 これは考え方の一つでございまして、今私どもがこの戦略会議を具体的に検討しているということはございません。
前田委員 とにかく筋の通った一つの外交を展開していただきたいと思っております。
 そこで、北朝鮮に対して強い態度で臨む意味も含めまして、十一月の二十九日、IAEAの理事会で北朝鮮の核に対して査察を要求するという決議がなされております。これに対して、私は、川口大臣も強い態度で北朝鮮の核に対する査察を要求すべきであると思いますけれども、いかがお考えですか。
川口国務大臣 IAEAが、委員のおっしゃる決議をしたわけでございます。この決議を中心になってまとめたのは日本でございます。これがコンセンサスという形で「北朝鮮との保障措置協定の実施」という決議になったということは非常によかったと思います。
 それで、この決議の趣旨ですけれども、これはまさに核兵器開発について即時かつ検証可能な形で放棄を求めるということを言っているわけでございまして、それまで、例えばAPECでの首脳会談等々の場でも言ってきたことと軌道を一にしている話でございます。
 北朝鮮が、こういったIAEAの決議も含めさまざまな国際社会の意思を真剣に重く受けとめて、北朝鮮のやっている核に関連した開発を検証可能な形で即時やめるということがまた日朝平壌宣言の要求しているところでもございまして、それを実行してくれるということが何よりも重要であるというふうに私は考えます。
前田委員 北朝鮮に対して核の査察を求めるということでいいわけでございますね。
 では次に、公益法人亜細亜友之会について伺います。
 皆さんに資料をお配りしましたけれども、ここは、本当に、私が要求したことに関して、公的資金をお受けいたしておりません、何とかはしておりませんというのがずっと続きまして、実際には資本金すら食いつぶしている。そして、アジアからの研修生を迎え入れている。その研修生が、例えば平成八年に十八人見えて、その十八人全員が日本で失踪されてしまった。つまり、呼ぶだけ呼んで外国人の不法就労者をつくっているということでございます。何年かにわたってこれが続いているような団体でございます。
 会計報告も上がっていないというような状況でありますので、一体外務省としてどのような指導をこれまでなさってきたのか、伺います。
田中政府参考人 お尋ねの亜細亜友之会でございますが、平成十三年の三月十四日に定期の立入検査を行いました。これは事前に立入検査の実施、検査項目を通報してあったわけでございますけれども、それにもかかわらず、法令で義務づけられている書類、帳簿等の存在を確認することはできませんでした。
 その後、平成十三年の四月四日付文書をもって、この法人に対し、立入検査の結果は、財団法人の業務の運営状況、事業の内容及び実施状況、会計処理、収支及び資産の状況、予算及び決算の状況のすべての項目において法律や定款または寄附行為に反する重大な行為があり、早急に改善すべきものであるという通知を文書で行いました。
 この検査結果を踏まえ、財団法人の業務の運営は公益法人として適切な状況でないということで、必要文書の提出並びに立入検査で回答がなかった質問事項への回答を行うように要請をいたしました。これに対して、四月二十七日付で文書による回答が出されたということでございます。
 その後も、事務所の移転に伴う届け出がなかったということがございまして、平成十四年六月十七日付文書をもって、法令にのっとり届け出を出すなどの対応をするように申し入れを行ったわけでございます。
 その後も、各種の書類について、十月の二十四日付文書をもって書類の提出を求め、これは十一月の十五日に書類が提出をされたということでございます。
 私どもとしては、公益財団法人に対しては、さらに資料の提出その他を求めて、指導監督を徹底していく、かように考えているわけでございます。
前田委員 では、失踪者の数の推移と、これに対して外務省は警察、入管とどのように連携をされてこられたのか。
 やはり、研修生として来られて失踪されて、外国人の不法就労者を生んでいるこの状況に対して、何とか対処しなければいけないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
田中政府参考人 失踪者の数についてお尋ねでございますけれども、平成八年に研修生の受け入れを五十名し、そのうち十九名が失踪をしている。それから、平成九年、十年、十一年については、約四十名ぐらいそれぞれ受け入れておりますけれども、合計六名の失踪者がいる。平成十二年については、十二名の研修生の受け入れに対して一名の失踪者、平成十三年においては、七名の受け入れに対して三名の失踪者ということで、この六年の間に百六十八名の研修生を受け入れて二十九名失踪をしている、そのうち三名は所在が判明をしているということでございます。
 研修生の失踪に対しましては、原則として当該受け入れ団体が対応することが基本でございます。具体的には、次のような手続をとっている。まず第一に、財団の職員が失踪者の受け入れ先企業に赴き事情を聴取する。本当に失踪してしまったのかを確認、調査をする。二番目に、失踪の可能性が高いことが判明した場合、直ちに所轄の警察署に連絡をする。警察署に連絡をすると同時に、所要の手続に従い地方の入国管理局等への報告を行った上で、他の研修生、本国の家族に問い合わせることなどにより失踪者の所在の把握に努める。こういうことでございます。
 私ども外務省といたしましても、当該所管の財団法人が受け入れた研修生が失踪しているということは極めて遺憾なことであると考えておりますし、今後とも入国管理局等と密接に連携をとって、このような事態の発生を防止したいというふうに考えております。
    〔委員長退席、中川(正)委員長代理着席〕
前田委員 私は、こうした民法三十四条による公益法人、今後、こんないいかげんなことをしていたのでは全くいけないと思うのですね。認可の取り消しを含めて厳しく対処すべきであると思いますけれども、いかがですか。
茂木副大臣 今後とも指導監督を徹底していきたいと思っておりますが、それにもかかわらず、同財団法人におきまして何ら改善が見られず、重大な法令や寄附行為違反が継続する場合には、関係法令に基づきます設立許可取り消しも含めて検討せざるを得ない、そのように考えております。やるべきことはやっていきます。
 先ほども委員の方からいろいろな、例えば公益法人に対して、また取り組みに対して外務省の対応が甘いのではないか、先ほどの日本外交協会に対してもあたかも後押しをしているんじゃないか、こういう印象の発言があったようでありますけれども、そんなことは全くありません。
 例えば、この日本外交協会に対しても、事前に連絡があったときに、もちろん個々の活動については許可する立場にありませんけれども、同協会に対しまして、北朝鮮に対する食糧支援に対する政府の考え方、現段階では検討していない、こういうことも言っていますし、たとえ民間が行う支援であっても、当面実施を見合わせる等慎重に対応してほしい、こういうことはきちんと申し上げておりますので、決して弱腰の外交は展開いたしておりません。
前田委員 そうした姿勢でぜひ対朝交渉に臨んでください。
 次に、外務省の公金意識、これについて伺っていきたいと思っております。
 これは、余りにもひどくありませんか。最初、九つの国際機関に対して三百四十二億円の拠出金の使い残しがある。そして、在外公館未使用の土地、十億円以上がむだ。そして、きわめつけが今回のプール金の事件であります。どうしてこんなお金のむだ遣い、税金で飲み食いしておったんですから、こんなこと許されるわけないですよ。
 会計検査院、どういう経緯でこれは発見されたのか、そしてどういう手口でこのプール金が生まれたのか、説明いただきたいと思います。
石野会計検査院当局者 昨年外務省が行った調査では、取引先の会計帳簿等をもとにしまして、職員がそのプール金をどういう目的で幾ら使ったかという費消の面に着目した調査だったというふうに思います。これに対しまして、検査院では、プール金の、その積み立てる段階に着目をして検査を実施したということでございます。
 外務省が七年度から十三年度までに取引先に支払った約九千件の支払い、これを対象にいたしまして、支払い一件ごとに外務省の支出決定決議書と取引先の会計帳簿等を照合するということを行いまして、外務省の調査において既に取引先から取り寄せていた会計帳簿等のほかに売掛金台帳等の書類の提出も新たに求めまして、プール金がどういう支払いから幾ら積み立てられたかということを精査したところでございます。
 その結果といたしまして、そのうち約千二百件の支払いにおきまして、約二億八千六百万円のプール金が積み立てられていたということが判明したものでございます。このほか、取引先の会計帳簿におきまして一定金額が積み立てられたという事実は確認できますが、外務省の支出決定決議書とのつながりという面でいきますと判然としないということで、どのようにして積み立てられたかという特定にまで至らなかったというのは約六千六百万円ございます。
 さらに、七年度当初に既に積み立てられていたというものが一億七百万円ほどありまして、これも書類等が残存していないため、どのようにして積み立てられたのかということを解明するに至らなかったということでございます。
 以上、総合いたしますと、四億五千九百万円という数字になります。
 このようなプール金がどのような方法により積み立てられたかということでございますが、外務省の各課室等では、会議や接遇等の行事に当たりまして、特定の取引先にその人数あるいは数量等を上乗せするという形で余裕を見込んだ形の見積書を提出させておりました。実際には、この見積書の人数、数量等を下回った場合でも、これに相当する金額を減額することなくそのまま請求書を提出するように指示し、こういったことが半ば慣例化していたということでございます。
 そういった形で、その見積書どおりの人数、数量等による請求書が発行され、それに伴って経費が支払われ、実際に要した経費との差額を取引先にプール金として積み立てた、こういう経緯でございます。
前田委員 ありがとうございました。聞いていて、もう飽き飽きするぐらいなあり方じゃありませんか。
 外務大臣、ことしの八月に外務省改革「行動計画」、ここに外務省員行動規範というのがありまして、「公私の別を厳格にし、常に納税者の視点に立って誠実に業務を行う。」うそばかりじゃありませんか、こんなもの。こんなうそを書いてもしようがないじゃないですか。実際やっていることは何ですか。プール金をためておいて、自分たちは飲み食いしておったわけでしょう。どうやってこれをまた返還してもらえるんですか。
 そして、この理由を外務省が事務的な理由なんということを言っているようですけれども、これに対してもっと厳格な姿勢で臨むべきであると思っているんです。去年の一月に一億円、十一月に二億円、そしてことし四億円、何でこんな公金の使い込みの倍々ゲームが始まるんですか。絶対に許せませんよ、納税者は。国民の皆さんは苦しい生活をしておられて、その中でも税金を出される。それで飲み食いしておったんですから、許されるものじゃありませんよ。外務大臣、どうですか。
川口国務大臣 私も、許されることではないと思っています。したがいまして、これは誤解があってはいけないので申し上げさせていただきたいと思いますけれども、私が就任する前にプール金事件について処分が行われた。今回行いましたのはそれと同じプール金でございまして、前回の処分以降プール金をさらに積み立てていたということでは全くないということを明確に申し上げておきたいと思います。
 前回処分をしていたのに何でその後さらに処分をすることになったのか、何で金額がふえたのかということですけれども、それについては理由がありまして、これは二つ理由があります。
 まず、前回、これは去年の十一月ですけれども、そこで調査を報告したわけですが、そのときに事件の関係で捜査当局に押収されていて手に入らない書類があった、その分が金額的にはかなり大きく抜けていたということです。
 それからもう一つは、前回やった調査は、これは外務省が任意でヒアリングをやったということでございまして、その後会計検査院が会計検査院の力をもって調査をしたということがありまして、その後外務省も、先ほど会計検査院からもお話があったように、別途さらに調査をしたわけですけれども、そこで企業が前回の調査、昨年の十一月三十日の調査よりは協力的になった、その分、より金額がわかり、その分ふえたということでございます。
 それで、前回の調査と比較して、その後わかった分については、この間私が発表しましたような処分を行っております。この処分については、私は二月に就任をいたしましたときに、もしその時点でまだお金について何か言ってきていないことがあるんだったらば直ちに言ってください、もしそこで言ってこないような状況があってその後新しいことがわかったらば厳正に処分せざるを得ないということを言っておりました。ということで、厳正に処分をさせていただきました。
 これ以上再発をしてはいけないということで、これは昨年の十一月に処分をした段階で再発防止策は講じておりまして、例えば、それぞれの課ごとに発注をするということではなくて、一元的に入札を行って調達をする、そういうことをやっております。これは一例でございまして、まだほかにたくさんございます。
前田委員 いずれにしましても、とにかく公金であります。しっかりと、一円までむだなく使っていただきたい。
 次に、JBIC、国際協力銀行の環境ガイドライン、これにおける異議申し立てについて移らせていただきます。
 先般の十三日の外務委員会で私は質問させていただきまして、その後十八日に提示されたJBICの要綱案で、円借款業務については、私が申し上げたとおり、融資契約調印前であっても本行としての評価を示したとき以降は異議申し立ての受け付けを行うというふうに大幅に改善していただきまして、これは本当に私ども、納得できる、いいことであると思っておりますので、ぜひやってください。
 そこで、融資契約調印前に受け付けた案件に関して、ガイドラインの遵守、不遵守について調査が終わって報告書が作成されるまで、当然、融資契約の調印は見送られるべきものであると私は思っております。要綱案にはこれが明記されておりません。外務大臣、このことについてどうお考えでしょうか。
茂木副大臣 委員御指摘のとおり、先日委員の方からも御質問いただきまして、円借款業務については、今後、融資契約調印前においても異議申し立てを受けること、そういうふうになったわけでありますが、融資契約調印前に異議申し立てを受けた場合は、申し立ての内容や個別案件の事情等を勘案の上、当該案件への対応が検討されることとなる、そのように承知をいたしております。
 この場合でありますが、申し立てに対する報告書が提出されるまでの間、融資契約の調印を見合わせるとの対応をとることの可能性も排除されておりませんが、一律に審査結果が出るまで融資契約を調印しない、こういうことは適切ではないと考えております。
前田委員 JBICの方はどうお考えですか。同じ質問です。
志賀政府参考人 御指摘のとおり、円借款業務につきまして、融資契約調印前においても異議申し立てを受け付けることとしておりますけれども、融資契約調印前に異議申し立てがなされた場合は、申し立て内容によるわけでありまして、申し立て内容に加えて、相手国政府との信頼関係、個別案件の事情などを勘案いたしまして、日本政府と協議の上、当該案件への対応を検討することとなると思います。
 したがいまして、要綱案に一律に審査結果が出るまで融資契約を調印しないと規定することは、やや適当でないと考えておるところでございます。
前田委員 ということは、もしも甚大なる被害が融資によって起こる可能性があった場合に、被害を事前に食いとめることが非常に難しくなるんじゃありませんか。私は、この点を指摘させていただきたいと思っております。
 そして、民間企業の支援、これについてちょっと話させていただきます。
 昨日、政府は、政府系金融機関の統廃合を先送りされることになりましたけれども、国際協力銀行の大手商社向けの融資を廃止する、できることは即やるという発表をされております。
 そこで、民間企業支援を行っている国際金融等の業務において、相変わらず融資契約調印前の異議申し立ては行わないという方針があるようですけれども、私はこの点もぜひ勘案していただきたいと思うんですね。とにかく間違った融資がなされないような形で行っていただきたい。
 そのために、先般、第十二回のパブリックコンサルテーションが十一月十八日に行われて、ここの中で、融資契約調印前に折り合いのつかない案件に関して、国際金融等業務においても融資契約調印前に異議申し立ての受け付けを行う、受け付けた案件は環境担当審査役による調査を行い、報告を作成し、公開する、そういう意見が一つ。そして、情報公開の具体的な内容とその時期について明示する。三番目に、異議申し立てについての報告書を総裁に提出した後、一カ月後のJBICの投融資部門による意見書を待たずに、速やかに報告書を公開するべきではないか、投融資部門の方においても意見書を作成し、公開する。
 その三つが話されているわけでございますけれども、ぜひJBICもこの辺を再検討していただいて、この第十二回のコンサルテーションで示された意見をもとに要綱案の修正をぜひ行うべきであると私は思いますけれども、国際協力銀行、いかにお考えですか。
    〔中川(正)委員長代理退席、委員長着席〕
志賀政府参考人 御指摘の諸点につきまして、第十二回のコンサルテーションの場でもさまざまな御意見がありました。本行といたしましては、議論の全体的な流れを踏まえまして、現在の案としているところでございます。ただ、一部の参加者からは反対の御意見もありましたので、その旨は記録にとどめることとしつつ、案文の修正は行わない方針であります。
 いずれにしても、今後、本要綱案について借入人となる途上国政府に説明した上で、来年二月ごろのパブリックコメントの募集に続きまして、パブリックコンサルテーションを実施する予定でありまして、今後とも皆様の御意見を承りながら、現在の案を基本としつつ検討していく考えであります。
前田委員 これは、今最後に皆さんの御意見を承りながらと言いつつも、要綱案は変えぬと言っておるんですよ。では、このパブリックコンサルテーションを開く意味がないじゃないですか。しっかりと、いわゆるNGOの皆さんも、そして外務省の意見もそうでしょうけれども、関係企業もそうかもしれません、意見を聞いていただく以上、この要綱案に反映させるのは当たり前じゃありませんか。
志賀政府参考人 本行といたしまして、皆様の意見を承りながら現在の案を最良のものとしてお出ししておるわけでございますけれども、もちろん、パブリックコンサルテーションを開くものであります以上、議論の結果を踏まえた最良のものをつくっていこうという姿勢に変わりはございません。
前田委員 これで最後ですけれども、とにかく、意見を聞く以上、しっかりと直してくださいよ。これを最後に申し上げて、私の質問を終わります。
池田委員長 次に、松本善明君。
松本(善)委員 まず最初に、外務大臣にお聞きをいたします。
 十二月一日、政府が十一月三十日にイージス艦をインド洋に派遣することを決めて、十二月十六日の防衛、外務担当閣僚による日米安全保障協議委員会でアメリカに伝える考えだということが大きく報道されまして、その翌日、福田官房長官が記者会見で派遣を検討していることを認め、小泉首相も与党の調整がつけば派遣に踏み切る考えを示唆したという報道もされました。
 政府は、イージス艦の派遣を検討しているのでしょうか。
川口国務大臣 テロ対策特措法に基づいて協力支援活動を政府は行っているわけですけれども、どのような部隊を派遣するかといったようなことにつきましては、現地の情勢、協力支援活動の実績等を勘案しつつ、我が国自身の問題として国際テロ根絶のための取り組みにいかに寄与していくかとの観点から、主体的に判断をするということでございます。そのために必要なことを今やっているということです。
松本(善)委員 イージス艦は、航空機から潜水艦まであらゆる標的に対する探知能力が格段にすぐれて、多数の目標への同時連続攻撃が可能であり、収集した情報はデータリンクシステムで米軍に自動的に流されるようになっております。この情報提供は、米軍がイラク攻撃をした場合の米軍の武力行使と一体になる提供であります。
 そういう点で、自民党の幹事長をやられ、官房長官もやられた野中さんだとか、元幹事長の古賀さんなども批判をしている、憲法違反の集団的自衛権の行使ではありませんか。
安倍内閣官房副長官 一般情報についてのデータのリンク等については、もう既に今出ているDDHにおいてもそれは行っているわけでございまして、当然それを行うことは憲法違反ではない、こういうふうに考えております。
松本(善)委員 これは大変な答弁であります。
 まず、テロ特措法三条の協力支援活動の内容についてお聞きしますが、特措法三条の別表には七つの項目が挙げられております。その中には情報収集、提供は入っておりません。基本計画の中にも入っておりません。テロ特措法を根拠に米軍に対してイージス艦による情報提供はできないのではありませんか。
安倍内閣官房副長官 イージス艦を出すということはまだ決定をしているわけではございません。しかし、イージス艦の特性につきましては、既にこの委員会でるる御説明を申し上げているとおりでございます。
 これまでも、協力支援活動を実施するために何隻かの護衛艦を補給艦とともに派遣をしているわけでございますが、これらの護衛艦は、協力支援活動として給油活動の安全を確保すること等を目的として、テロ対策特措法に基づき派遣されたものでございます。この観点から、もしイージス艦が必要となれば、テロ特措法にのっとって派遣がなされるというふうに承知をしております。
松本(善)委員 テロ特措法には、協力支援活動は、「協力支援活動として行う自衛隊に属する物品の提供及び自衛隊による役務の提供は、別表第一に掲げるものとする。」ということで、それは、補給、輸送、修理及び整備、医療、通信、空港及び港湾業務、基地業務、この七つになっているんです。その中に情報提供はないんです。テロ特措法に基づいてアメリカ軍に情報提供をするということはできませんねと。
 今安倍長官の言われたことは別のことを答えておられます。別の根拠を答えている。まず、私の聞いていることは、テロ特措法に基づいてはこれはできませんねということを言っているわけです。それについて正面からお答えいただきたい。
安倍内閣官房副長官 そもそも、私が御説明申し上げましたとおり、情報提供のために行くわけではなくて、護衛艦としての機能を有するがゆえに、もし決定がなされれば派遣がされるということでございます。今行っておりますDDHも、そのとおりでございます。
 そして、当然、給油活動等を行うためには、これは連絡をし合わなければ給油活動なんかできるわけがないわけでありまして、そうした協力活動の一環としてそうした通信等は行うということなんだろうと思います。
松本(善)委員 給油活動の一環として情報の提供が行われる、こういうお話ですが、そのようなことはテロ特措法の審議の中では一言も答弁がありませんでした。
 この問題について、私たちの党の山口委員が当時の中谷防衛庁長官にお聞きをいたしましたらば、このテロ特措法の別表の中にはないと。根拠の一つとして防衛庁設置法を挙げられました。防衛庁設置法の第五条第十八号、「所掌事務の遂行に必要な調査及び研究を行う」、この調査研究の中に情報収集があるんだ、こういう答弁だったんです。給油の中に情報交換というようなことは一言の答弁もありません。
 これは、政府は解釈を、考え方を変えたのですか。また、テロ特措法のときの審議の内容について安倍長官は十分御存じなのか、御存じの上で今の答弁をしておられるのかどうか、お答えをいただきたい。
安倍内閣官房副長官 これは、どういう中身について情報の共有を行うかということにもかかわってくるわけでございますが、給油活動を行うという中においては、その地域の安全が確保されているかどうか、そして、うまく結合部分を結合させて給油を行う、速度についても合わせなければならない、天候についてはどうだろうか、こういう情報を共有するというのは、これは至極当たり前のことであって、常識であると思っております。
松本(善)委員 そうしますと、給油活動ということを行う以上は米軍と情報交換を行う、これは当たり前のこととして、イージス艦を派遣した場合には、現在も護衛艦がやっているのと同じように米軍と情報交換を行う、こういうことですか。
安倍内閣官房副長官 これは当然、そこで同じオペレーションを行うわけでございますから、そうした情報を共有するということは、安全を確保する上においてもオペレーションを行っていく上にも必要であるということでございます。
松本(善)委員 といいますと、給油を行う上で安全を確保するために情報交換をやると。
 私は、けげんなことに、アフガニスタンで戦闘が行われているときにはこのイージス艦の派遣は全く問題にならなかった。にもかかわらず、今イージス艦の派遣が問題になる。むしろ、アフガニスタンでは新しい政府ができて、そして、私どもは認めておりませんけれども、支援内容も変わってきていると思います。もしもっと危険な状態になっているとすれば、テロ報復戦争が失敗だったということです。前よりも危険になっているところで給油活動をやっているんですか。
安倍内閣官房副長官 私ども、まだこのイージス艦を派遣するかどうか決めたわけではございません。もしこのイージス艦を出すとすると、どういう特性に着目をしてイージス艦を出すか、また、それによる効用についてはもう既に述べているとおりでございます。そうしたイージス艦の特性、メリットを勘案した上で、今自衛隊が行っているオペレーションをベストな状況の中で行うためにはどうすればいいかということを検討するというのは、これは至極当然のことなんだろう、こう思うわけでございます。
 情勢の変化ということもあるわけでございますし、また、行ってみなければ、行ってその地域で活動してみなければわからなかったことというのも種々あるわけでございます。そうしたことも含めて、今後判断すべきであれば判断をするということだと思います。
松本(善)委員 情勢の変化の最大の問題は、八日からでも場合によってはアメリカ軍が武力行使をするかもしれない、これが重大な情勢の変化です。アフガニスタン問題だけを見るならば、アフガニスタンで戦闘が行われているときにイージス艦は出さない、この問題についての安全強化はしない、むしろアフガニスタンが落ちついた段階で給油艦の安全を守るためにイージス艦を出すというのは全く解せないことでありますが、その点については安倍官房副長官、どう考えているんですか。
安倍内閣官房副長官 アフガニスタンの情勢につきましては、落ちつきを取り戻しているというふうな認識を我々は持っているわけでございますが、しかし依然として種々の戦闘も行われているわけでございます。また、海上におきましては、先ほど赤城副長官が御説明をいたしたわけでございますが、イエメン沖でのフランス・タンカーへのテロ事件の発生もあるということでございまして、それなりの緊張があるというように我々は理解をしているわけでございます。
 そうした状況をいろいろと判断して、どうするか、またローテーションの問題もあるということでございまして、もしこのイージス艦の四隻を加えればローテーションが非常にスムーズにいくということもあるわけでございます。
 そうしたことを勘案して、これは作戦運用上のことでございますが、もちろん、シビリアンコントロールということにおきましては、シビリアンである防衛庁長官がシビリアンである総司令官の総理の承認を得て命令を下すということでございます。そのシビリアンコントロールのもとで何がベストな選択であるかという判断をする、今の段階では決めていないということでございます。
松本(善)委員 アフガニスタン問題だけをとって言うならば、これは戦闘をやっているときと今とが比較にならないような安全な状態になっているということはもう明白であります。
 別の問題を聞きますが、そもそも安全が問題になるような、イージス艦を派遣して給油の安全を守らなければならないというようなところに自衛艦が行くということは、テロ特措法で認められていないんじゃないですか。危険があれば撤退をする、それがテロ特措法の考え方ではありませんか。これは中谷前防衛庁長官も、攻撃を受けるような危険があれば撤退するんだということをはっきり言っている。だから、この点では、もしイラク支援をするとすれば、今の状況でそういうことをやるとすれば新法が必要だということを与党の皆さんも言っておられたんです、これをやれば憲法違反だと。そこなんです。
 私の質問している点にきちっとお答えいただくためにもう一度お聞きをいたしますが、テロ特措法では、輸送の安全が危惧されるようなところ、そういうところへ自衛艦が行くということ、そもそもそれは許されていないのではありませんか。安全なところだから行くということで決められている。輸送業務そのものが危険であるようなところへは、このテロ特措法で自衛艦を派遣することはできないというのが当然ではないかと思いますが、その点は安倍官房副長官、どう考えていますか。
安倍内閣官房副長官 自衛隊が活動を行っている地域は、これは戦闘の行われていない地域であるということでございます。ですから、そこで戦闘が行われるという状況になれば、これは中谷長官が委員会でお答えをしたとおり、撤収をするということになるんだろう、こう思うわけでございます。
 しかし、そこが全く何の危険もないところであるかといえば、これはそうではないわけでございまして、例えば瀬戸内海とその地域が同じかといえば、それは違う。であるから、これは護衛艦が行くということでございます。
松本(善)委員 条文どおり言いましょう。「我が国領域及び現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる」地域で実施するんですよ。戦闘が行われると思われる地域には行けないんです。あなたの言うのでは、瀬戸内海とは違うんだ、戦闘が行われるかもしれぬけれども、それでも行くんだということですよ。それは明白にテロ特措法に違反しているじゃないですか。どう思いますか。
安倍内閣官房副長官 私の答弁を勝手につくらないでいただきたいわけでございますが、私は、戦闘が行われるかもしれないとは言っていないわけでございます。しかし、そこはそれなりの危険があるということでございます。ですから、護衛艦がついていっているということでございます。そして、その抑止力によって、これは予測し得ないかもしれないけれども、こちら側からは予測し得ないかもしれないけれども、もしかしたら起こるべき危険もこれは抑止をされるということにもなるんではないかと思います。
松本(善)委員 私どもは、テロというのは国際犯罪で、なくさなければならないけれども、犯罪として対処をすべき、国連を中心にして対処をすべきものである、世界のテロを許さないという世論の中で、テロ組織がどの地域でも存在できないような、そういう状態をつくらなければならないというふうに思っておりますが、政府の考え方は、またアメリカの考え方も、テロに対して戦争をするんだ、戦闘をするんだ、それの支援をするんだという考え方。テロの攻撃というのは戦闘なんでしょう。テロを受けるということは、戦闘する、このテロ特措法では戦闘に入るでしょう。どう思いますか。
安倍内閣官房副長官 今質問されていることは全く質問通告にはなかったことでございますが、これは本来極めて法律的に細かな分析をしなければならないわけでございますが、例えばあの九・一一のテロ行為が戦闘であったかどうかといえば、これは戦闘が一瞬行われて、その段階で終わった状況である、そういうことになるわけでございます。
 そういう意味におきましては、武力攻撃をどう認定するかといえば、政府の公式の見解があるわけでございます。これは組織的な、国際的な意図によって、規模によって行われるということでございます。ですから、テロ全般にすべてそれが当てはまるかどうかということは一概には言えないわけでございますが、これは、そのテロ一つ一つの事案によって判断をしなければならないと思います。
松本(善)委員 安倍官房副長官、歯切れがいいと思ったけれども、何を言っているかわからないというような答弁になりました。
 もちろん質問通告はしていませんが、そんな細かい質問通告をしなくたって、こういうことを考えなければイージス艦の派遣などということは到底できないことなんですよ。私どもは、イージス艦の派遣どころか自衛艦を撤退すべきだ。もうアフガニスタンでの戦闘は終わっている。私どもの立場とは違うけれども、もうあとはイラク戦争が問題になっているんですよ。だからこれは撤退すべきだ。
 もう時間も余りありませんので聞きますが、外務大臣、前回の質問の終わり、池田委員長がまとめられて、「安保理事会の決議なしにアメリカが武力行使をした場合に一切の協力を拒否するか」という私の質問に答えませんので、委員長が再答弁を求められました。委員長の御判断に改めて敬意を表しますけれども、外務大臣は再答弁で「米国は、国際社会の責任ある国家として、国際法にのっとって行動をとる国家であると私は考えております。」という答弁をされました。外務大臣のこの答弁を文字どおり受けとめれば、アメリカは安保理事会の決議なしに武力行使はすることはないということだと思います。
 ブッシュ大統領を初めネグロポンテ国連大使も、公式発言で、決議はなくても単独で攻撃をする場合があることを述べております。そういうことはないんだ、アメリカは安保理事会の決議なしに武力行使をすることはないんだ、こう考えているのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
川口国務大臣 先ほどの安倍副長官のせりふのまねではないんですけれども、私の答弁を委員なりに御解釈なさったというのが今おっしゃったことだと思います。
 私が申し上げたのは、アメリカは国際法を守って行動する国家と私は考えるということを言ったわけでございまして、安保理の決議が必要かどうか、安保理の決議がなければ武力行使をするということが国際社会として不可能か、安保理の決議を国際社会としてつくるべきではないか、そういう御質問でおっしゃっていらっしゃるんだと思いますけれども、我が国として考えていますのは、国際社会が協調をして、大量破壊兵器等の疑惑のあるイラクが、この大量破壊兵器の問題あるいは他の決議の違反、これをそういう違反がない状況にする、決議を守っていくということにすべき立場であると考えております。
 アメリカは武力行使をするということを決めたわけでは全くありませんけれども、全く仮定の話、非常に抽象的な仮定の話として、イラクに重大なる違反があって安保理が集まるということになっているわけですけれども、ここで国際協調のあり方というのはいろいろあると思いますし、それから安保理の議論においては種々の、さまざまなことがあり得ると思います。したがいまして、我が国として新たな決議が必要か必要でないかということについて、今予断をする立場ではない、予断すべきではないと考えている、そういうことでございます。
松本(善)委員 河野さんならここでもうストップするところですけれども、そんな甘っちょろい考えで外務大臣をやっておられるのは本当に困ると私は思うんですよ。
 ブッシュ大統領は、二日、国防総省で演説をして、十二月八日までにイラクが十分かつ正確な申告を行わなければ、米国は連合軍を率いて、彼を武装放棄させると。これは、安保理事会決議なしに武力行使をするぞという宣言じゃないですか。だから、八日にもいろいろなことが起こり得るということで各国が対応をして、そして、世界の世論は戦争を起こさせまいということでやっているわけですよ。
 外務大臣にせよ、安倍官房副長官にせよ、私は、そういう世界の平和という問題についての考えが本当に欠如をしている、日本が、国連憲章中心、そして戦争をしないという憲法を持っているということを一体どう考えているのかというふうに思います。
 これは、イージス艦の派遣どころか、自衛艦のインド洋からの撤退をして、それは日本の意思表示なんです。このイージス艦を派遣するということは、いろいろへ理屈を言っていますけれども、アメリカのイラク戦争を支援するぞ、そういう意思表示なんです。これを撤退するということは、戦争をしないで解決をしろという意思表示なんです。その辺をあいまいにしているから、河野さんのような質問が与党の中からも出てくるんですよ。
 私は、イージス艦の派遣はもちろんのこと、自衛艦の撤退を要求して、質問を終わります。
池田委員長 次に、東門美津子さん。
東門委員 社会民主党の東門です。よろしくお願いいたします。
 地位協定の問題に関連してということで通告しておりますが、最初に二点ほどお伺いいたします。
 大臣、SACO最終報告は着実に進捗しているとの御認識でしょうか。まずそこからお伺いいたします。
川口国務大臣 そのように認識をいたしております。
東門委員 具体的に、こういう面で着実に進捗していると認識しているということをお挙げいただきたいと思います。
川口国務大臣 例えば安波については既に返還が行われたということでございますし、あとのことも日程が、例えば楚辺でしたでしょうか、平成十六年度というふうになっていると思いますけれども、そういうことに向かって努力が今なされている、そういうことだと思います。
東門委員 大臣のSACOへの御認識、今伺いましたけれども、SACO最終報告では、普天間飛行場を初めほとんどの施設が県内移設条件つきであるということ、あるいは、日米地位協定の取り扱いが抜本的見直しではなくて運用改善にとどまっているなど、不備な点が多いことから、SACO2の策定が必要だという声が稲嶺県知事の方から上がっていますが、大臣、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
川口国務大臣 いろいろな意見があるということは承知をいたしておりますけれども、今大事なことは、このSACOの最終合意を着実に実施していく、そのことだと思っています。
東門委員 SACOの最終合意の着実な実施、いつも聞いている言葉ですが、決してそれが県民の負担軽減にはつながらないということは何度も申し上げていますが、きょうは時間がありませんので、この点は省きます。
 地位協定の問題について伺います。
 まず、きょうの委員会の冒頭で同僚委員からもありましたけれども、昨日、沖縄県警具志川署は、女性暴行未遂などの容疑で在沖縄米海兵隊所属の海兵隊少佐の逮捕状をとって、さらに、起訴前の身柄引き渡しについての運用改善に関する日米合同委員会合意に基づき、米側にこの少佐の起訴前の身柄引き渡しを要求したと、けさの新聞は報じています。
 この事件は、十一月二日未明、路上にとめた車の中でこの少佐が外国籍の女性に対し乱暴しようとしたとされるものであり、この少佐は現在、米軍基地内にいるようです。
 この沖縄県警の要請に対して政府はどのように対応し、現在どのような状況になっているのか、お伺いします。
海老原政府参考人 お答えいたします。
 昨日の二時過ぎに、警察庁の方から、今委員がおっしゃいました事案につきまして逮捕状が発出をされた、ついては、被疑者の身柄を引き渡してもらうべく合同委員会を通じて米側に要請を行ってほしいという話がありまして、こちら側からすぐ米側の方に合同委員会を開催したいということを申し入れまして、今まさに十一時過ぎから合同委員会が開催されている。そこで、我が方から、先ほど委員がまさにおっしゃいました合同委員会の合意に従いまして、身柄の引き渡しを行ってほしいというふうに米側に要請を行っているということであると理解をいたしております。
 また、それ以外のことにつきましても、きのう外務大臣の談話も出させていただきましたけれども、同時に、竹内次官、それから現地の橋本大使、それから私からも、ベーカー大使、米軍の関係者に対して遺憾の意を表明いたした、それに対して向こうの方から、しかるべく話があったということでございます。
東門委員 昨年六月末に北谷町で発生した女性暴行事件の際に、容疑者の起訴前の身柄引き渡しを要求しましたが、逮捕状が出てから身柄引き渡しが行われるまで四日間もかかっております。今回はこのようなことがないように、迅速な対応をお願いしたいということですが、いかがですか。
海老原政府参考人 先ほど御答弁いたしましたように、現在、身柄の引き渡しを米側に正式に要請をしているという段階でございまして、それを受けて米側の方で対応が検討されるというふうに理解をいたしております。
東門委員 外務省としては、私はその件はしっかりと対応していただきたいと思います。
 昨年の北谷町での女性暴行事件を踏まえて、迅速な対応のための運用改善の協議が行われたはずですが、まだ結論が出たという話は聞いておりません。さらに、それより前の昨年二月、沖縄県で連続放火事件を引き起こした米兵の身柄引き渡しを米軍が拒否したことから、放火犯の起訴前の身柄引き渡しについて、運用改善のための日米間の協議が行われていると理解しております。
 私は、この問題について、本委員会で十回以上も質問をしてきました。そのたびに政府は、運用改善の方が機敏に対応できる、それで十分効果的でない場合は地位協定改定も視野に入れるという答弁を繰り返すのみで、既に二年近い月日が経過しました。
 同じ問題を何度も聞くのかという思いもあるんでしょうが、しかし、私としては、今度は少しは進んだのか、もうそろそろ合意の見通しが立っているのではないかという期待感を持ってやはり質問をしていきたい。それと同時に、外務省が本当にその気があるのかどうかということも私は見ていきたいという思いで質問をしております。
 事件が発生した当時の内閣は森内閣、外務大臣は河野外務大臣でした。小泉内閣になって、田中外務大臣から川口外務大臣にかわって、もう既に十カ月以上になりますね。できるだけ速やかに効果が出るように米側と鋭意話し合いを行っており、引き続き鋭意努力を重ねて、何とか日米間の合意を達成したいという答弁を毎回繰り返してきた藤崎北米局長は、結局この問題の解決を見ないまま、外務審議官に栄転なさいました。内閣二代、外務大臣が三代、北米局長も二代、この問題が発生した当時から携わっていた方々はすべてかわってしまい、年月だけが過ぎている。これで本当に機敏な対応と言えるのかということなんです。
 放火犯の起訴前の身柄の引き渡し、さらに北谷町の事件を踏まえての迅速な引き渡しについて、日米間の協議はどのような状況にあるのか、もうそろそろ解決のめどは立っているのか、まずそこからお伺いいたします。
海老原政府参考人 お答えいたします。
 今まさに委員がおっしゃいましたように、特に昨年の事案を受けまして、合同委員会合意のいわゆる「その他の特定の場合」について明確化をしたいということを中心といたしまして、米側と協議を行っております。このための刑事裁判手続に関する特別専門家委員会というのを設立いたしまして、これは日本側の主な参加者は外務省、警察庁、法務省、施設庁、海上保安庁でございますけれども、現在、三回開催されております。
 私といたしましても、一日も早く合意に達したいということで鋭意努力をしているつもりでございますけれども、それぞれの立場というものもございまして、いまだ合意には至っていないということで、私も非常に残念であるということで、なお協議を加速化させたいというふうに思っております。
東門委員 特別専門家委員会が設置された、そこで会議を重ねている、そして三回とおっしゃったのでしょうか、会合が行われましたという御答弁だったと思うんですが、その特別委員会の会合の行われた三回の日にち、ぜひ教えていただきたい。それと、議事録がしっかりとあると思います。それを公表していただきたいと思いますが、どうですか。
海老原政府参考人 まず、日にちでございますけれども、第一回会合は昨年の五月十五日、第二回、昨年の八月二十三日、第三回、昨年の十二月六日でございます。
 議事録というものにつきまして、特にしっかりしたものがあるとは承知しておりませんが、いずれにせよ、御承知のとおり、中でかなり率直なやりとりをいろいろと行っておりまして、先方の立場もございますので、それを表に出すということは差し控えさせていただきたいと思います。
東門委員 今の答弁で、会合が三回行われた、ことしは一度も行われていないですよね。それでどのように解決していくんでしょうか。どういうふうに合意に持っていくんでしょうか。理解できません。
 そして、公表はできないということはわかりました。でも、私は一つどうしても聞きたい。米国側は、放火犯の起訴前の身柄引き渡しについて、どのような理由で難色を示しているのかということをお伺いします、なぜできないのかということを。
海老原政府参考人 今まさに日米間で協議をしておるところでございますので、余り私から詳細を申し上げるのは、先方の立場もあり、差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一つだけ申し上げさせていただきますと、放火だからとか、罪状との関係が今一番の問題になっているということよりも、これは一般的な言い方で言わせていただきますけれども、むしろ日米の間で刑事手続につきまして相当な相違があるわけでございまして、そういう問題を中心に協議が行われているということでございます。
東門委員 では、先ほど、三回しか会合を持っていない、ことしは一度も持たれていない、この事実はどうなんでしょうか。担当者として、これからどのように進めていくお考えですか。会合も持たなければ何も進まないですよね。
海老原政府参考人 これは、この特別専門家会合の正式な会合ということでは三回ということを申し上げたわけでございまして、確かに、ことしに入ってから一度も開かれていないということでございます。
 他方、三回の専門家会合を経まして、かなり問題点も明らかになってきておりまして、その辺につきまして、日米間で非公式といいますか、会合という形ではなくて協議というのは相当行っている、現に私も話をしたことがございますけれども、ということでございます。
東門委員 今の時点でお聞きするのもあれかと思いますけれども、局長、では、いつごろまでには大体のめどが出てくるかなという見通しみたいのがあったら教えていただきたい。大体このあたりまでなら何とかしてそこまでいけるかなという見通しを。
海老原政府参考人 この見通しにつきましては、ぜひ私もいつごろまでと申し上げたいところなんでございますけれども、残念ながら、私から責任を持って申し上げられることは、一日も早く合意に達したいということでございます。
東門委員 大臣、お聞きのとおりです。運用改善の方でうまくやれると、ずっと大臣も北米局長も、前任者も今も同じような答弁なんですが、いかがですか。アメリカ側としっかりと協議をしている、日本側も主張している、それでも全然前が見えない、それで運用の改善でいいというふうにお考えですか。
川口国務大臣 東門議員がいろいろお考えになられるというお気持ちはわかりますけれども、政府といたしましては引き続きベストを尽くしていく、そういうことでございます。
東門委員 地位協定の改定は困難である、だから運用改善でいく、しかしそれがうまく機能しなければ改定も視野に入れるという答弁は何度も聞いてきましたけれども、ところが、アメリカ側からの要請がある場合には結構簡単に見直してしまうという事例もあるわけですよね。地位協定第二十四条に基づく経費の負担の問題です。
 地位協定第二十四条一項は、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費は、二十四条二項に規定するところにより日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担をかけないで合衆国が負担することが合意されると規定しています。この中の、二項に規定するところにより日本国が負担すべきものとは、御存じのとおり施設・区域の提供です。
 しかし、政府は米国に要求されると、昭和五十三年に基地労働者の福利費等を負担したのを手始めに、米軍の住宅、隊舎や基地労働者の格差給など、いわゆる思いやり予算を負担し、さらに、この地位協定第二十四条では絶対に認めることができない基地労働者の基本給などを負担するよう米側に求められると、昭和六十二年、特別協定を締結し、現在では電気、ガス、水道、光熱費まで負担するに至っているわけです。この特別協定により、地位協定第二十四条は既に空文化していると言わざるを得ないと思います。
 我が国の要請に一向にこたえようとしない米国に対し、我が国は余りにも物わかりがよ過ぎるのではないか。この特別協定は経費負担に関するものであり、安保条約の根幹にかかわるものではありません。これを断っても、米国が本来の協定に定められた規定に基づいてみずから経費を負担すればよいというだけのことだと思うんですが、いかがでしょうか。これは大臣にお願いします。
海老原政府参考人 恐縮でございますが、私からちょっと事実関係をまず答弁させていただきたいと思います。
 確かに、今委員がおっしゃいましたように、特別協定、これは地位協定の二十四条では読めないという理由によりまして、まさに国会の御承認もいただいて特別協定で一部を負担しているということでございまして、平成十二年に新協定ができております。その際には、我が方の財政事情にも考慮をいたしまして、例えば、アメリカ側による節約の努力、あるいは日本負担労務費の上限の労働者数を据え置く、あるいは光熱水料の上限を一割カットするというような形で新協定をつくっております。
 政府といたしましては、今後とも日米安保体制の円滑で効果的な運用の確保のために、一方において、当然のことながら厳しい財政事情にも配慮をいたしまして、この在留経費負担について適切に対応することが必要であるというふうに考えている次第でございます。
東門委員 局長、私が聞いているのはそのことじゃないのですよ。
 日本側は主張して、あそこは全然聞いてくれない。それに対して、相手があることだから、先方があることだからということで、常に足踏みをしている。いや、後ろ向きなのかもしれませんが。アメリカ側が要求してきたら、第二十四条で読めないからといって特別協定、確かにそれは国会の承認も得たというのもわかっています。私が言いたいのは、地位協定が守られていないじゃないですか。まず、そこから始まるべきだと思う。それが守られていない。ところが、日本のサイドは、アメリカ側に物も言えない。言っているかもしれませんが、あそこから一蹴されたらもう終わっているというふうな印象しか受けない。その裏で、いや、その裏でか横でかわかりませんが、沖縄県民の負担は軽減しますと言う。そんな理屈は成り立ちませんよ、全然。
 私は、それを申し上げているんですよ。決して、特別協定がどうのこうの、思いやり予算が削減されたどうのこうのの話は一切していません。私は、そこのところをお聞きしているんですよ。もう一度、その点だけお聞かせください。細かいのは結構です。
海老原政府参考人 地位協定との関係で申し上げれば、今の駐留経費の話につきましては、これはあくまでも暫定的、限定的なものであるということで、時間を限って、事項も限った形で、例外的に補足する協定を結んだというものでございます。
 アメリカの言いなりという御意見もございましたけれども、私どもといたしましては、日米間で十分な話し合いをした結果、両方の合意という形でこういう形をとらせていただいたというふうに考えております。
東門委員 全然違うと思うんですけれども、あと、別の機会にさせていただきます。
 もう一点、どうしてもお伺いしておきたい。
 思いやり予算や第二十四条に関する特別協定以外にも、地位協定が実質的に守られていないという事例があります。地位協定第二条三項は、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなつたときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」と規定されています。
 しかし、実際には、遊休地化しているのにいまだに返還されない米軍基地が数多くあります。神奈川県の上瀬谷通信基地、深谷通信基地、富岡倉庫地区などは国会においても過去に何回も取り上げられており、しかも、野党からだけではなく与党議員からも指摘があるわけです。現地の実態を見ている者の目からすれば、与党も野党も一致して、これらの基地は遊休地化しており、地位協定に基づいて返還すべきものであると映っているわけです。
 上瀬谷通信施設訴訟に関する報道などを見ていますと、政府は、施設の必要性は米国が判断するものという立場をとっているようですが、米国に判断する権限があるからといって、使用の実態がないのに使用していると米国が言いさえすれば認められるというものではないと思います。米国側は、その施設を使用することが必要であることを絶えず日本側に説明する義務があります。これは、昭和四十八年一月十六日の衆議院内閣委員会において、当時の大河原アメリカ局長も認めています。長くなりますので、その大河原アメリカ局長の答弁は読みませんけれども。
 これらの施設、いわゆる上瀬谷通信基地、深谷通信基地、富岡倉庫地区のその必要性について、地位協定の条文や大河原アメリカ局長の答弁を踏まえれば、当然、米国側から説明がなされなければならないはずですが、そのような説明はあったのでしょうか。それはいつなされているのか、その説明はどのような内容なのか、ぜひ教えていただきたいと思います。
海老原政府参考人 いわゆる遊休地の返還につきましては、今委員がおっしゃったとおりの地位協定の規定になっております。したがいまして、アメリカ側として必要でなくなった場合には返還しなければならないという考え方ですし、また、二条におきましては、こちら側から、日本側からも要請を行うことができるという規定にもなっております。
 今おっしゃいました神奈川県のあの富岡、上瀬谷、深谷等の施設につきましては、前にも国会におきましてそういう御指摘がありまして、時間の関係で詳しくは申しませんけれども、まさに私の前任者、北米局長、それから北米局の審議官も現地に視察に行ったというような経緯もございます。そういう形で、今、防衛施設庁等ほかの省庁とも一緒に現状の把握に努めているということでございます。
 その一環といたしまして、米側に対しても、現在の使用状況それから今後どういうような計画があるのかというようなことについて、問い合わせは行っております。ただ、これも、ちょっと今先方との関係もございますので、内容については差し控えさせていただきますけれども、米側への問い合わせも踏まえて、関係省庁とともに現状把握に努めているということでございます。
東門委員 もう時間が参りますので終わりますが、この件なんですけれども、地位協定によりますと、米側は絶えず日本に説明しなければならないとなっているんですよ。ということは、絶えず、頻繁に説明があったはずなんです。それでも今、使用計画があるのかどうか、こちらから問い合わせをしているという局長の御答弁だったのですが、私は、これはアメリカ側からしっかりと説明を受けなければいけない立場だと思います。それが、いつも先方が先方が。いや、先方はあります。それはあちら側からも先方ですよ、日本側は。そうですよね。そのために局長がおられると思うので、そこのところをしっかりと協議していただいて、早目に結論を出していくべきだと私は思います。
 以上、要望して、終わります。
池田委員長 ここで委員長から確認をさせていただきたいと思います。
 先日の委員会で、河野委員の質問をめぐり、政府見解を出すこととなっていましたが、本日、下地委員から、イラク問題におけるテロ対策特措法の適用可能性等について質問があり、外務大臣が答弁しました。この答弁を政府見解と理解してよろしいかどうか、確認をしたいと思います。(発言する者あり)
 速記とめて。
    〔速記中止〕
池田委員長 速記を起こしてください。
 外務大臣が、先ほど下地委員からの質問について答弁されました。この答弁を政府見解と理解してよろしいかどうか確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。川口外務大臣。
川口国務大臣 私がお答えをいたしましたのは、外務省が中心になって関係の省庁と調整いたしましてまとめた結果を御答弁いたしました。
池田委員長 では、外務大臣から改めてその見解を述べていただきたいと思います。(発言する者あり)
 速記をとめて。
    〔速記中止〕
池田委員長 速記を起こして。
 ただいまの問題、外務大臣の答弁等については、速記を見た上で理事会等で協議してまいりたいと思います。
 これにて本日の質疑は終了いたしました。
 次回は、来る十二月六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時七分散会


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