衆議院

メインへスキップ



第7号 平成19年4月13日(金曜日)

会議録本文へ
平成十九年四月十三日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 山口 泰明君

   理事 小野寺五典君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 三原 朝彦君 理事 山中あき子君

   理事 長島 昭久君 理事 山口  壯君

   理事 丸谷 佳織君

      愛知 和男君    伊藤 公介君

      猪口 邦子君    宇野  治君

      浮島 敏男君    小野 次郎君

      亀井善太郎君    河野 太郎君

      高村 正彦君    篠田 陽介君

      新藤 義孝君    鈴木 馨祐君

      中野 正志君    西本 勝子君

      松島みどり君    川内 博史君

      笹木 竜三君    田名部匡代君

      田中眞紀子君    津村 啓介君

      長妻  昭君    長安  豊君

      笠  浩史君    東  順治君

      笠井  亮君    吉井 英勝君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         麻生 太郎君

   外務副大臣        岩屋  毅君

   外務大臣政務官      松島みどり君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 谷  重男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 猪俣 弘司君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君

   政府参考人

   (外務省国際協力局長)  別所 浩郎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           村田 貴司君

   外務委員会専門員     前田 光政君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十三日

 辞任         補欠選任

  嘉数 知賢君     中野 正志君

  山内 康一君     亀井善太郎君

  笹木 竜三君     長安  豊君

  前原 誠司君     田名部匡代君

  笠  浩史君     川内 博史君

  笠井  亮君     吉井 英勝君

同日

 辞任         補欠選任

  亀井善太郎君     浮島 敏男君

  中野 正志君     嘉数 知賢君

  川内 博史君     笠  浩史君

  田名部匡代君     津村 啓介君

  長安  豊君     笹木 竜三君

  吉井 英勝君     笠井  亮君

同日

 辞任         補欠選任

  浮島 敏男君     西本 勝子君

  津村 啓介君     前原 誠司君

同日

 辞任         補欠選任

  西本 勝子君     山内 康一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)

 イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)

 核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

山口委員長 これより会議を開きます。

 イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の締結について承認を求めるの件、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件及び核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官猪俣弘司君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君、国際協力局長別所浩郎君、内閣府大臣官房審議官谷重男君、文部科学省大臣官房審議官村田貴司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口壯君。

山口(壯)委員 民主党の山口壯です。

 きょうはイーターの話ですし、そのことについては事前の通告どおり、イーターのような大型科学プロジェクトを外交戦略の中でどう位置づけているか、そして二番目に、長い間に七者のうちどこか脱退する国が出るのではないか、これは後でちゃんと聞きます。

 しかし、それに先立って、きのうのあの米軍再編法案の採決は、少し私は違和感を感じます。大臣に、きょうは後の質問通告はほとんどしていません。確かに、米軍再編法案について、北朝鮮の核問題について、イランの核問題について、日本版NSC法案について、これしか私は言っていませんから、そういう意味では、きょうはまたある意味で細かいことは抜いて哲学的な討論をさせていただきたいと思います。

 大臣、まず伺いますけれども、日本の外交で一番大事な関係はどこだと認識されておられますか。

麻生国務大臣 国名の話でしょうか、機関の話でしょうか。(山口(壯)委員「国の名前です」と呼ぶ)国の名前。今ただいまですと、日米安全保障条約という、日本にとりましては、少なくとも安全保障とか防衛とかいうものを同盟を結んでおります国はアメリカということになろうと存じますので、ただいま現在ということを前提での御質問で国名ということになりますと、日米関係が最も大事な関係になろうと推察されます。

山口(壯)委員 大臣の言われるとおり、私も同感です。アメリカとの関係が土台に、我々の戦後、そしてこれからの戦略も、基本がそこにあるんでしょう。そして、今大臣も言われたとおり、安保条約がその土台にあることも間違いないでしょう。

 大臣の祖父に当たられる吉田茂さんがこのことについては腐心されて、当時いろいろな議論があった中で、国連につこうかというのが外務省の事務方のペーパーの趣旨でした。それに対して当時の吉田首相兼外務大臣は、野党の口ぶりのごとし、経世家としての見識に欠ける、無用の議論一顧の値だになし、再検討を要す、次官にぼんと投げつけたわけです。

 その当時は、朝鮮戦争が行われていた。アメリカと組んだらまた巻き込まれるのではないか、世論はそう思っていたわけですね。その中で、母親に当たられる和子さんと吉田当時の首相は非常に迷われて、当時の回想も残っていますね、大好きな葉巻も断って、これでいくんだと、迷いながらも最後まで行かれた。これは間違いないと思うんです。

 最近、それについて非常に大事な法案が議論されたと私は思うんですけれども、この米軍再編法案ですね。大臣は、この米軍再編法案の議論に何回出席されましたか。

麻生国務大臣 正確な記憶ではありませんので、調べればわかると思いますが、二、三回だと記憶します。

山口(壯)委員 きのうの採決までに十二時間の質疑時間があったと私は聞いています。十二時間というのは非常に短いと私は思いますけれども、その中で大臣が出席されたのは、私自身の聞いているところでは、実は最後の日であったというふうに私は聞いておるんです。それまでは大臣は来られなかったと聞いておるんですが、私は間違っていますでしょうか。

麻生国務大臣 基本的には副大臣対応だったと記憶いたします。ちょっと正確ではありませんけれども、副大臣対応だったと記憶します。

山口(壯)委員 副大臣が出席されて、大臣は最後の採決の日に出席された、こういうことですね。よろしいですか。

麻生国務大臣 そうだそうです。

山口(壯)委員 日本の外交の根幹がこの日米安保条約にあるのであれば、そしてまた、一つの縁でしょう、祖父に当たられる吉田茂さんがこれをつくられた、そしてそれが今度、米軍再編という格好で大きく議論されるときに大臣が最後の採決にやっと出られたというのは、私には非常に違和感があります。平たい言葉で言えば、残念です。

 安全保障委員会について、特にこの日米安保条約について、それは外務省が主管である、この安保条約は外務省が主管であるという認識を何度も聞きました。そのことについて変化はありませんか。

麻生国務大臣 出ました会議に民主党の方が欠席された方が私にとってはかなりショックだったのも事実ですよ、正直言いますけれども。正直言って、そっちはショックではありましたけれども、しかし、今言われましたように、日米安全保障条約、これは条約でもあります。少なくとも外務省が主管をしたように。

山口(壯)委員 この辺はきちっと守っていただきたいんです。

 というのは、グアムの移転の経費についても、私は、あの当時河相北米局長と大分やり合いましたね。私は、彼はよく知っているんだと思っていた。だけれども、現実には守屋さんが独走しているということが後でだんだんわかってきた。こういうことを外務省はきちっと押さえておかなきゃいけない。安保条約は防衛庁の主管ではありません、外務省の主管です。今、大臣がそのことをきちんと言われたから私はそのことでよしとしますけれども。

 そうであるならば、審議の際に、岩屋さんは立派ですけれども、やはり大臣がきちっと出られて、この大事な法案についてはおれがコントロールするという決意を見せていただくことが望ましかった。私は、まだ時間が十分あると思ったから、そういう意味では、大臣はこれから最後の部分では出られるのかなと思っていたら、最後になってぽろっと出てきて、我々は審議時間が十分じゃなかったということでそのときはいなかったかもしれないけれども、採決には出たはずですね。そういう意味では、大臣、日米安保条約を外務省がきちっと見ていくんだ、このことの認識が大ボスにあるのであれば、やはりその委員会にもきちっと対応していただきたいと私は思います。

 グアムへの海兵隊の一部移転、これはよく沖縄の負担軽減ということで大義名分になっていますけれども、いなくなるんだったらわかりますよ。しかし、部隊の一部が行ったって、それは実質上の負担軽減にはほとんどならない。沖縄から海兵隊全部が移転するんだったら別です。しかし、一部でしょう。そういう意味では、日本とアメリカが対等の同盟関係どころか、アメリカでぽっと言われたものを日本がああそうですかというのが防衛庁の対応だったんですよ。外務省だったらこんなことはなかったですよ。だから、私は、ここで国民的な議論をしっかりすべきであったのにと。

 十二時間で大臣は国民的な議論が尽くされたとお思いですか。

麻生国務大臣 この移転の話につきましては、負担の軽減にほとんどならないというのは認識というか感触の違いなんだと思いますが、私は、少なくとも、隊員というかアメリカの軍人が九千人だか八千だかがいなくなるというのは、やはり負担の軽減としては大きいし、嘉手納以南の土地が返還されるということに関しましても、少なくとも、沖縄は七五%でしたか、というのが七〇を切るところまでいくというような点、少しずつではありますけれども、確実に負担の軽減につながっていっている、私はそう認識いたしております。

山口(壯)委員 沖縄から海兵隊が移転することが一つのポイントですね、負担軽減という議論である以上。例えば、日本の中でこれを受け入れるところが本当になかったかどうか、どこまで聞かれたかどうか。

 例えば、私は今思いつきで言っているんですけれども、夕張市にこれを持っていくということも、彼らが受けれるか受け入れないかというのは、ひょっとしたら受け入れるかもしれない。そういう意味では、グアムだけとは限らないわけですね。日本の中に基地が行くということは、普通は確かに難しいでしょう。しかし、今、夕張市のようなケースも出てきた中で、私はいろいろな可能性があり得ると思うんです。大臣、こういうことは検討されなかったんでしょうか。

麻生国務大臣 少なくとも二点考えないかぬのだと思いますが、一点は、私のところに、一部沖縄から福岡県の築城に、飛行隊というか飛行機が移ってくるところになりますが、沖縄の人たちは築城の人たちに、自分たちの負担になった分が築城にふえているというのを余りよしとしないという形の話は何回となく沖縄の方から伺ったのが一点。もう一点は、夕張と沖縄ですと三千キロぐらい離れていますかね、二千何キロ以上か離れていると思うんですが、それだけの時間差というものは、物理的な点が一点、機能的な点が二点、いろいろなことを考えますと、ちょっと夕張という発想はありませんでした。

山口(壯)委員 もちろん、夕張の話も、ある意味で我々の耳目に達するに至ったのは最近ですから、これはもう十年ほどいろいろ議論されている中ですから、それはなかったでしょう。

 他方、距離の問題だけからいえば、グアムと沖縄の距離なんというのはすさまじい距離ですね。夕張と沖縄の距離の比じゃないと私は思います。別に私は夕張に持っていけと言っているんじゃないんですから、別にそこはいいんですけれども。沖縄の負担軽減というロジックがまやかしにすぎないのではないかと私は指摘しているわけですね。アメリカの御都合が先にあったのではないかということを指摘しているわけです。

 例えば、このアメリカの米軍再編、何のためにしているんだろう、北朝鮮の脅威のためにしているんだろうか。違いますね、多分。中国の増大するプレゼンスに対してどうアメリカは対応すべきかが一番念頭にあるでしょう。きのう温家宝さんが来られてすばらしいスピーチもされましたけれども、中国の軍事力については依然透明度が非常に欠けている。そんな中でどんどんふえているわけですから、アメリカとしては、封じ込めるのか、エンゲージさせるのか、あるいは場合によっては自分たちが孤立主義に戻るのか、いろいろな悩みはあるんでしょう。

 アメリカの戦略的な方向というのが、この米軍再編の中で、中国の方がむしろ念頭にあって、北朝鮮の話というのは彼らの頭の中では中国の存在に比べるとずっと低いと米軍再編のいろいろなペーパーを見て私は思っていますが、大臣はどう感じておられますか。

麻生国務大臣 少なくとも、この種の話を考えるときに、最低十年、十五年の先を計算して、軍事技術の向上を含めて、いろいろなその他の諸案件を考えて再編とか構築とかいうのはするのが常識だと存じます。

 したがいまして、北朝鮮、朝鮮半島の話はもちろん入っていると思いますが、中国の海軍の増強等々、また、この十九年間にわたって年間一〇%以上、二けた台の軍事費の伸びというものを考えたときにおいては、いろいろなそういった点も配慮していないということはないのであって、配慮していなきゃおかしい、私はそう思います。

山口(壯)委員 大臣、このことは同盟の長期的な戦略の方向にとって極めて基本的なことですから、今大臣はある意味で観察的な表現をとられたので、私には若干、大丈夫かな、本当に議論というか、協議というか、お互いに相談というか、されているんだろうか。アメリカが勝手に決めたものを、日本が、ああそうですかと受け入れさせられているんじゃないだろうかと感じるわけです。

 あるレポート、ゴールドマン・サックスのレポートですけれども、二〇四一年には中国の経済力がアメリカの経済力を抜いてしまうだろう、そういうレポートも出ています。もうこれはよく知られたことですね。三十四年後には、アメリカより中国の方が大きくなっているという端的なレポートです。

 そういうことを見通した場合に、アメリカがいろいろ考えようとしているのは、それはわかる。しかし、本当にアメリカの発想というのはそうなのか、それに対して日本の国益というのは本当にそういうことなのかということが私は議論されなきゃいけないと思うんです。このことが、実は十二時間の安全保障委員会での議論でどこまで尽くされているんだろう。国民には、米軍再編とは何なんだろう、多分、今その辺のレベルでしょう。閣議で勝手に決めて国民には議論が伝わっていない、これが今の姿にかなり近いんじゃないかと私は思うんです。

 大臣として、今回の、きのうの採決、あれは正常な形とお思いですか。

麻生国務大臣 審議の場において野党が出てきておられなかった、野党というか民主党が出てこられなかったというのが正確でしょうけれども、そこのところの採決のときだけ出られて、質問のときには出てきておられなかったという実態……(山口(壯)委員「最後のときですね。採決のときにいたんですから」と呼ぶ)大事なことですよ。座らず質問して。だめなんです、ちゃんと立たないと、ここのルールは。だから、採決のときにきちんと出てこられたという話ですけれども、私に言わせると、そのときに、出てきたときには私には質問がないというお話でしたので、私どもとしては、御質問される話がないのかなと私の方が考えたとしてもおかしくはないということになろうと存じます。

 少なくとも、この米軍再編の話というのはいろいろ論議を尽くされた、それは、時間がかかっていないから、十二時間だから足りている、十二時間だから足りていない、いろいろ御意見があろうかとは思いますけれども、少なくとも、私どもとしては、きちんとした対応でこの問題に関して採決をさせていただいたと理解しております。

山口(壯)委員 きのう、ある意味で、職権でもう採決しちゃうということが決まって、その意味での対応です。そうでなくて、きちっと議論するのであれば、当然我々の同僚議員たちも議論をしなければいけなかった、したいと思っていた、そういうことですから、余りねじ曲げて言わないでください。

 それから、一体幾らかかるのかということに対して国民はわからないわけですよ、この法案、正直言って、勝手に通されたけれども。国民は、二兆なのか三兆なのか、はたまたその数字が間違っているのか、わからないわけですよ。二兆、三兆か、幾らかわからないにせよ、そのお金はどこから出すんですか。自民党のお金ですか。

麻生国務大臣 お金の額については、真水で最大二十八億ドルでしたっけ、ちょっと正確には数字を忘れましたけれども。その種の話の、上限は決めてあるというところからまずスタートさせていただいて、あとは融資の部分ということになろうと思います。六十何億でしたので、二十八億を引きました残り三十二億ドルの分は融資。

 アメリカに融資するんですから、少なくともそれは返ってくるお金と考えるのが常識的だと存じますので、そういった意味では、私どもとしては、そのお金は融資であって、いわゆる向こうに渡すドネーション、寄附ではありません。我々としては、二十八億ドルと上限を決めてこれからいろいろお話をしていくということになろうと思いますので、上限を決めてそれ以上は行かない、それから先、今から交渉してさらに安くなっていくということも十分に考えられるところだと思っております。

 細目につきましては、今から、我々としては、なるべく早い時期の方が沖縄の方にとっても負担の軽減というものを感じていただけると思いますので、なるべく早くこの問題を決着していく、負担の軽減を進めていくということを考えたときにおいては、少なくとも今の段階で、基本設計の段階であって詳細設計まで至っていないという点は確かだと思いますけれども、きちんと詰めていく、その段階でもう一回議論に付していくということだと思っております。

山口(壯)委員 大臣、今のはグアムへの移転の話ですね。私はちょっと質問の仕方が混同したような格好になったかもしれませんが、米軍再編全体について二兆とも三兆とも言われる数字が歩いている。そういう中で、それも全部国民の税金がかかわる話ですから、きちっとした議論がされるべきであったけれども、この辺の議論はすべてはぐらかされていますね。積算根拠どころか、一体幾らになるのかも明らかにされていない。その点についてはいかがお感じですか。

麻生国務大臣 在日米軍再編案のいわゆる詳細設計、計画につきましては目下検討中だと聞いておりますので、具体的な経費につきまして申し上げられる段階ではない、何回もこれは申し上げているところだと思います。

 いずれにいたしましても、在日米軍の再編の話ですから、在日米軍の再編の話を聞いておられるんだと思いますので、地元の負担を軽減するというのが最大の目的の一つ、かつ抑止力を維持するという二次元方程式みたいなことをやっていくことになりますので、少なくとも地元の負担を軽減するということになりますと、いろいろな形があろうと思いますが、今普天間の話がよく主に出てきておりますけれども、移転をされる先のところの地元の声等々も十分に踏まえるということが必要だと思います。そういった方々の気持ち、要望にもこたえて、新たに負担をおかけする方々に関しての対応が我々としては必要ですので、そういったことも考えながら実現をさせていかなければならぬものだと思っております。

山口(壯)委員 在日米軍の全体の額について、今回の安全保障委員会で大臣ははっきり言われましたですか。あるいは岩屋さんでもいいですけれども。

麻生国務大臣 全体の枠が幾らかというのがまだ説明がないというお話ですか。全体の枠につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、今から詳細設計をやっていくという段階でありますので、うわさで三兆だ、いろいろお話はありますけれども、少なくとも、そういったものに一体幾らかかるかということに関してはまだきちっと詰まっているわけではありません。したがいまして、全体の枠というものもまだお示しできる段階にはないということだと存じます。

山口(壯)委員 今大臣が言われたとおり、まだ詰まっていませんということですね。まだ詰まっていないものを出して、しかも強行に採決する、国民には知らされていない、この矛盾については、私は幾ら強調してもし過ぎることはないと思います。大臣もわかった上でお答えになっておられるんだろうから、そういう意味では、このことについては、もう既にきのう強行に採決されてしまったんだし、今私が幾らここでわんわん言ったってひっくり返ることはないので、これ以上言ってもしようがないと思いますけれども。

 しかし、大臣、シビリアンコントロールということを私はよく強調しています。国会が軍事をコントロールする、いろいろな解釈がありますけれども、私はそういうふうにとっています。シビリアンというのは市民です。その代表は国会です。国会が軍事をコントロールする。その中の、しかも一番大事な根幹である日米安保条約、そのことについて国会できちっとした詰めがまだできていないものを強行に採決してしまうというのは、まさにみずからの首を絞めているようなところがあります。

 ぜひ大臣、これからさらに上の方に行かれるという報道もあるわけです、私もそれは興味を持ってずっと追いかけていますけれども。そういう立場になられたときにやはり国会を大事にして、軍事というのは、最後は戦うのは、シビリアンというか、総理とか外務大臣が最前線で戦うんじゃないんですから、みんなの納得がなければ軍事は成り立ちません。そういう意味では、今回の採決については非常に私は違和感があるということを申しておきます。

 先ほど辺野古の話も触れられました。でも、辺野古についてもおかしいですね。詳細な議論はしません。しかし、先日もオスプレーの話がありましたけれども、今のヘリコプターのための施設であれば、五百メートルもあれば十分なわけですね。しかも内陸部分で十分つくれる。あえて千五百プラス三百の滑走路をV字形につくるというのは、今のヘリコプターじゃないということは余りにも明らかじゃないですか。

 私は、答弁としてこういう答弁が正しいと思うんですよ。あのときの答弁は、アメリカからまだ正式なそういう決定があったとは聞いていない、こういう答弁だったように私は理解しましたけれども、そういう答弁よりも、アメリカからはオスプレーの話も確かに同盟国としてはちゃんと聞いている、聞いているけれども、いろいろな安全性の問題もまだあるから正式なものにはなっていない、日本としては安全性の確認が十二分に納得いくまで認めることはない、こういうことが正しい答弁じゃないんですか。聞いていないなんてうその答弁を言うよりも、当然聞いているわけでしょう、同盟国なんですから。

 アメリカの向こうの軍の関係者はみんな当たり前のごとく言っている。言っていることが悪いんじゃないんですよ。日本の行政当局が、いかにも国会で、今まで五十年間続いてきたような国会答弁の手法、テクニックを駆使して、正式にはまだ聞いていませんと言う方が私にはフラストレーションを感じるんです。もっときちっと言えばいいじゃないか。アメリカからはこんな話は当然同盟国として聞いている、聞いているけれども、安全性にまだ問題があるから我々としてはまだ認めていないし、安全性が確認できるまで絶対認めることはない、こういう答弁の方が正しいんじゃないでしょうか、大臣。

麻生国務大臣 答弁の仕方に御指導いただきまして、ありがとうございました。

 山口先生の言われるところはお気持ちとしてわからぬではありませんけれども、少なくとも今言われたように、CH46だ、それから53、この後の新しいヘリコプターというのは当然開発されている。軍事技術はどんどん進歩しますので、そういったものを新しく進めていこうとするのは軍事技術としては当然だと存じます。その中の一つにオスプレーというものが出てきている、MV22というのが出てきているんですが、その22が実戦配備をされるという段階にはとてもではないけれども至っていないというのは確かだと思います。

 危険というのは乗らされる方がもっと危険ですから、そういった意味では、私どもとしては、今外務省として、正式にこれが沖縄に配備されるのかと聞けば、向こうの方としては、今まだ正式に決まっていない、第一我が方だって、我が方というのはアメリカ国内でも実戦配備にとても至っていない代物だからというのが正式な向こうの答えというのであって、我々としてはそれ以上答えようがない。いろいろな話で実務者がいろいろやっているという可能性が制服の間であり得る可能性は僕は否定はしませんけれども、少なくとも政府として向こうの政府から正式に聞いたことがあるかといえばないという意味から、ないと答えざるを得ないというのがまず第一点です。

 それから、先ほども御説明しましたように、軍事というのはある程度十年先ぐらいのことを考えますから、少なくとも二〇〇〇年から後、今二〇〇七年か、あと五年とか十年とかたった段階で、技術がさらに進歩して、このオスプレーという新型の飛行機だかヘリコプターだかが実戦配備し得るほど安全性が高まったという段階になった段階で正式に向こうから話が来るというのが通常だと思いますので、その段階で考えないかぬ。しかし、それまでの間、時間がありますから、そういったものもいろいろなことも考えてやっておかねばならぬということは確かだと思います。

 いろいろな意味で、私どもとしては、外交とかいうものの中に防衛というものが大きく組み込まれてきておるというのは事実であろうと思います。したがって、その点は十分に同盟国として詰めておかねばならぬのではないかという御指摘は全く正しいと思います。

 もう一点は、シビリアンコントロールの話がその前に出ていましたけれども、少なくとも今の防衛省とか昨今の防衛庁の中で制服が突っ走っているというイメージは私には正直ありません。今の段階で、少なくとも、私は今防衛省の中に入っているわけじゃありませんけれども、いろいろ説明やら何やら、また安全保障会議等々に出てくる先方の話というのは、時々話をするときがありますけれども、どう考えてもそういった感じではないというのが私どもの率直なところです。

 いずれにいたしましても、この種の話は、シビリアンコントロールというのがきちんとされているかしていないかという点では、民主主義国にとっての最も根幹をなすところの一つだと存じますので、十分に配慮して今後ともやっていかねばならぬと思っております。

山口(壯)委員 今大臣からシビリアンコントロールという非常に大事な話がありましたので、もう少し私はそこを突っ込ませていただきたいんです。

 私が言っているのは、制服が突っ走っているかどうかではないんですね。私も二年間外務省から出向して、当時の防衛局運用課というところで頑張ってやりました。大韓航空機の後始末とか、あれはいわゆる航空自衛隊の担当だったから空幕の人たちとも大変な議論もしましたけれども、別に制服が突っ走っている感覚は、私もそのときに持った覚えはありません。そして、今もそういうふうには見ていません。

 しかし、別に制服だけじゃないんです、防衛省全体が、例えば守屋さんを初めとして、次官が官邸の意を受けたかどうか私は知りませんけれども、外務省をほとんど外しながら、例えばグアムの移転の話についても、これは私は突っ走っていると。外務省は全くおざなりにされているところがよくあったはずですよ。外交が防衛をコントロールするというのも、シビリアンコントロールの一つの形だと思います。そういう意味で、別に制服だけじゃないんです、防衛省が突っ走ることがないようにということを、私は先ほども、安保条約に関しては外務省が主管だということを何度も何度も繰り返して確認を求めたのも、その趣旨です。

 したがって、大臣、シビリアンコントロールについてはいろいろなとり方がありますから、今の防衛省は、制服組を背広組が、内局がコントロールするのをシビリアンコントロールだと昔はそう思っていた。そんなものじゃないですね。大臣あたりは、例えば選挙で選ばれた人が大臣をやっているからシビリアンコントロールじゃないかと言われますけれども、私はそれも十分じゃないと思うんです。市民の代表の国会が軍事をコントロールするというのが究極のシビリアンコントロールだと思うんですね。アメリカも、そういう意味で、軍隊というか軍事力を動かすときには議会の承認というものを非常に重要な部分として要件づけているわけです。それはその趣旨です。

 そういう意味では、別に制服出身の人が大臣になったって何も問題はないんです。国会、議会が軍事をコントロールできていればそれでいいんです。ぜひそういう議論を共有させていただければと思うんです。

 米軍再編については、ラムズフェルドという例のおじさんが一生懸命やっていた。もう彼は首になっているわけですね。しかも、このことに対しては、いわゆるアメリカの制服組の人たちも非常に反対が強かった。彼は首になって、しかも、もともとの制服組の人たちが反対が強いのであれば、日本が何も律儀に、いろいろなアメリカ領土内の住宅までつくってさしあげるということは全く必要ないと思うし、祖父、吉田茂さんが生きておられたら、私は絶対にこんなことはしなかったと思うんです。彼は、マッカーサーの前でも、対等の同盟だということを国民にアピールするために一生懸命非常に努力したわけですね。その系譜の大臣のときに、米軍がアメリカに帰っていくのに、向こうでの住宅とかいろいろな施設、場合によっては道路や橋についてもと聞いていますけれども、そういうものまでつくるということ自体が、これは極めて本当はおかしいことなんだという認識がなきゃいけないと思うんです。

 今、何か国会の中では、会計検査院が入るのかどうかなんてしていますけれども、もともと出しちゃいけないお金なんですよ。会計検査院がそれの使い道がどうかという、本当はそんな次元の話じゃないと思います。そのこともちゃんと理解していただいていると思うけれども、私としては切に言いたいですね。

 米軍再編の問題で大分時間を使ってしまいましたけれども、きょうはイーターの話ですから、イーターのことも今から聞きましょう。

 もともと、中根さんと私は上司と部下の関係でした。アメリカから帰ってきてすぐ中根さんが上司でいて、大分鍛えられましたよ。別にきょうはそのお礼をするつもりでもないんですけれども、できるだけきつい質問をしようかなと思って、きのう大分考えたけれども、これはいい条約なんだから余り変な質問をしてもいけないなと思って、大きな質問だけします。

 イーターというのは核融合。核分裂を起こしていわゆる核爆弾をつくる物質ができるあれとは全然違うわけですね。核融合というのは、残りはある意味で気体とかそんな話だけです。だから、これは正直言って一番安全なものでしょう。これを日本が進めていくというのは非常に大事なことだと思うんだけれども、いかんせん五十年かかるというから、話が十年、二十年どころじゃなくて半世紀かかるというんだから、それに対して莫大なお金を出すという点で、確かに国民にもいろいろな説明が必要でしょう。

 大臣は、このイーターのような大型プロジェクトを外交戦略の中でどう位置づけておられますか。

麻生国務大臣 日本のような、いわゆるエネルギーというか化石燃料等々が石炭というものぐらいしかなかった国にとって、やはり核融合という、四海、海に取り囲まれておりますので、そういった意味では、こういう科学技術の進歩によって少なくとも新しいエネルギーというものが確保される可能性が出てきたということは、これはすばらしいことだ、基本的にはそう思っております。

 それからもう一点は、このイーターの事業を立ち上げるに当たりましては、EU初め多くの国々がこれに参加をして、少なくとも地球規模の課題に取り組む国際機関を一個つくることになったというのも、これもユニークな事業なんだと私も思っております。

 こういった地球規模の問題解決、エネルギーがないからみんなとり合うという話を、少なくとも新しく核融合というものによって、それを融合させることによって新しいエネルギーということになると、これはほぼ無尽蔵ということになろうと思いますが、そういったようなものが新しくでき得る可能性を今追求して、今から二十年、三十年かけてやっていくということになるんだと思います。

 これができるのに、日本が非常な勢いで、技術の分野で、サイエンス、科学の分野で貢献をするという可能性もある、その中の事務局もやる、そういったような形で出てくるということは、これは日本の技術というもののすごさを世界に見せることにもなり得るでしょうし、また、これができ上がったときにおきましては、日本の場合は海を周りに持っておりますので、核融合等々の話をやっていきますと、水素等々いろいろなものを考えたときに非常に大きな可能性が出てくると思いますので、日本というところの地位というものを考えましたときにも非常に大きなものになると思って、これは成功するのが前提ですよ、成功するという段階になった場合においては結構大きな影響力というものを持って、やはり日本というのが入ってくれたおかげでこれがこんなにできたというような形になっていくとするならば、日本のためには非常に大きな力になり得ると期待をいたしております。

山口(壯)委員 大臣、せっかくだから中根さんにも質問させてください。(麻生国務大臣「一番苦労したから」と呼ぶ)一番苦労しましたね。

 今回、日本に持ってくるかあるいはどうかというときに、フランスがとってしまったわけですね。フランスがとるに至ってはロシアと中国がついた、こっちはアメリカと韓国がついた、何か最近の地政学的な傾向がもろ出てきてしまっているような図柄ですけれども、中根部長、この辺の経緯について、何でだめだったのか、日本がとれなかったのか、そのことについてどう思っておられるのか、お答えいただけますか。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 イーターの誘致につきましては、当初、四カ国、日本とフランス、スペイン、カナダが立候補地を提示しましたけれども、二〇〇三年の十二月以降は日本と欧州ということで、具体的には青森県の六ケ所村とフランスのカダラッシュへの誘致をそれぞれ主張しましたけれども、なかなかまとまらずに交渉が膠着状態に陥ったということでございます。

 そのため、日本とEUは、交渉の行き詰まりを何とか打開しようということで、双方が勝者、ウイン・ウインになるような関係を構築すべく、イーターが建設される国、これはホスト国と呼びますけれども、それとそうでない国、非ホスト国との役割分担について、双方ともが利益を得られるような形ということで協議を続けてきましたけれども、最終的に共通の理解に達したということでございます。

 日本としましては、なぜ誘致を断念したかということでございますけれども、国際的な協力事業であるイーター事業がこれ以上、建設地の誘致問題をめぐって膠着するということですと、早期の実施が妨げられるという観点、それからイーターを我が国に誘致した場合の財政負担等を考慮して、大局的な見地から国際協力を進めるという視点に立ちまして、イーターがフランスに建設されることを受け入れました。

 他方、日本としましては、イーターのホスト国になることはできませんでしたけれども、他方におきまして、イーター機構事務局長のポスト、それから、日本とEUとの間で、いわゆるより広範な協力の実施を日本で行うということについて確保してございます。そういう意味では、日本の利益は十分確保できていると考えております。

山口(壯)委員 大臣、ぜひ中根さんのことをよろしくお願いします。

 今お聞きいただいたように、フランス、ロシア、中国、ユーラシアですね、それに対して日、米、韓、結局、ある意味でユーラシアに譲ったという格好ですけれども、私は、もう少し文脈を広げていくと、アメリカが一極で全部牛耳っていたということがいろいろな方面で崩れてきているんじゃないかと思うんです。

 東西冷戦が終わった直後は、もう歴史が終わったとフランシス・フクヤマも言ったぐらいで、確かにそうだったかもしれない。しかし、今、二〇〇一年の九月以降、アメリカは、イラクでさえ、イラクでさえ自分の意のままにならない。

 昔、アメリカは、日本に勝ったときに、マッカーサーがやってきて、彼は自分のことをアメリカン・シーザーと呼んだわけですね。シーザーは、征服したところでどんどんローマの文明を根づかせていった。自分はアメリカン・シーザーだ、デモクラシー、クリスチャニティーを日本に植えつけるんだ、こうやってきた。

 日本では、デモクラシーについては極めてうまくいっているんでしょう。私にとっては、きのうの採決のようなことがある限り、非常に前途まだ途中という気もしますけれども、しかし、かなりうまくいっているんでしょう。だから、そういう意味では、アメリカは、あの強大な日本でさえこうやって、きのうの敵はきょうの友ぐらいにまで持ってきたんだから、イラクなんて何ともないよと多分思ったかもしれない。ベトナムのときに一回失敗しているんだけれども、その失敗も、のど元過ぎて熱さ忘れて、今回、もう一回やっているんでしょう。

 しかし、やはりおかしいなということになってしまっている。だから、そういう意味で、アメリカの一極支配というのは終わろうとしている一つのあらわれがこれだと私は思うんです。

 日本として、今までのように、アメリカとさえうまくやっていればほかのこともうまくいくだろうという図式は変えなければいけない。多極化しているわけですね、世界の実態が。大臣は、この中で、これからの外交ビジョンとして、今までのとおりではどうもいかぬだろう。おじいさんのときにその一つの仕組みをつくったけれども、あれから五十年以上たって、新しいパラダイムが必要になっているんだろう。

 これについて、大臣はビジョンをどういうふうにお持ちでしょうか。

麻生国務大臣 一極、二極、いろいろ御説がありますが、少なくとも、山口先生、やはり基本的には、軍事においてはまだ一極なんだと思うんですね、今現在の状況を見ましたときに。その軍事面というのは非常に大きいので、これはまず日本としては、日米安全保障条約でもってきちんと確保した上でどうするかという話なんだと思います。

 今、例えばアフガニスタン等々で、北大西洋条約機構、いわゆるNATOと、洋上等々の給油、給水活動に従事して、少なくともNATOとの関係というのは、日本は急速にその関係をよくしつつあると思います。

 御存じのように、NATOもアメリカの影響の極めて大きいところだと存じます。そのNATOと日本というのが、今まで関係がほとんどなかったものが、NATOも周辺の事態を考えて東に、日本もアフガニスタンの関係等々で西へという形になって、結果として、今、アフガニスタンで双方がそこに接点を持ったという形になって、新しい方向に我々も、アメリカだけどうのこうのというんじゃなくて、状況に応じてやっておるのが一点。

 また、今、自由と繁栄の弧の中で、例えばパレスチナなんというところは全く膠着状態みたいな形になっておる中にあって、日本は日本独自で、少なくとも政治とか軍事とかは関係なく、経済の面からという形で、シモン・ペレスを呼び、パレスチナの交渉局長を呼び、ジョルダンの国王顧問を呼んで、日本で話し合いをさせ、いろいろな形でここに新しいプロジェクトというのを立ち上げていくに当たって、アメリカの高官にこの話をしたときに、少なくともアメリカにはできない、おれたちにはそれはとてもできないプロジェクトなので、日本が成功するというのはすばらしいと。やはり、向こうもできないと認めているところは多々あろうと存じます。

 そういった意味では、アメリカもいろいろな意味で、湾岸戦争以降かれこれ十七年がたちますけれども、その間にいろいろなものをやはり学びつつある。国家として、行くも地獄、退くも地獄みたいなところに国を追い込んじゃうというのは、やはりなかなか後が難しいことになりますので、そういった意味では、今きちんとした形で、新しいこういったアプローチもあるというのを目を広げて見ている中、少なくとも、日本は日本としての動きをやり、カンボジア、ベトナム等々で日本の影響力が非常に大きなものになってきている事実というのは、日本はそこに軍事力を使ったわけでは全くありませんけれども、そういったものが少しずつ芽を吹き出しつつあるかなと思っております。

 そういった意味で、ユーラシア大陸の周辺部分の国々に対して日本は、うちはこういうことをできますので、これは命令でもオーダーでもない、一緒にこういうことをやる気はありませんか、少なくともこのやり方でアジアは成功してきたんですという話はしていける。そういった意味では、いわゆるアメリカとの関係をきちんとしながらどうしていくかということに関しては、それなりに今いろいろな努力をしつつあるというところだと理解しております。

山口(壯)委員 今、大臣はとても大事なことを言われたんですね。私は今、次の内閣の外務大臣ということになっていますけれども、私が今外務大臣をやらせてもらっていても同じことをやるでしょう。

 ある意味で、イスラエルに非常に気を使わなければいけないアメリカになっている。これが、ネオコンとかいろいろな形で出てきました。その中でアメリカに気を使わなければいけない日本。何かいかにも、イスラエル、アメリカ、日本、こういう図柄になってしまいがちに私には思えてしまう。

 しかし、今大臣が言われたように、昔、ユダヤ系のアインシュタインが、日本は、軍事力でもない、あるいは経済力でもない、ずっと続いてきた天皇陛下の系譜でずっと続いてきた伝統ゆえに、日本の風土、文化、文明ゆえに、きっと世界の高峰になるだろうと言ったと言われている。そういう意味では、今大臣がやっておられることは、私は非常に共感しているんです。アメリカには絶対できませんから。イスラエルに物すごく気を使っている。だから、相手方の方に手を差し伸べるというかお互い話そうやということは、非常にやりにくい。だから、ぜひそこは、日本の新しいビジョンとして、そのためにも実はアメリカにきちっと物を言わなければいけないわけですよ。そうでないと説得力がないから。アメリカの子分が何を言っているんだと言われないようにしなければいけない。

 だから、新しい国際秩序が出てきつつある国際秩序の中で、日本がきちっとメッセージを出せるように、そして平和をつくっていけるように、アメリカにもきちっと物を言うということが非常に大事で、そのためには、米軍再編についてはもっともっときちっと議論をすべきだったわけです。

 私の時間も来ましたからここで終わりますけれども、大臣、このイーターについては、私は民主党として賛成するつもりです。そして、五十年先の話ですけれども、ぜひ、日本として、外交戦略の中でしっかり位置づけてください。そして、それとともに、新しい国際秩序の中で日本のプレゼンスを順番に高めてください。よろしくお願いします。

山口委員長 次に、宇野治君。

宇野委員 自由民主党の宇野治でございます。

 きょうは、外務委員会でイーターの質問をさせていただくことになったわけでありますけれども、私も、昨年一年間、自民党の科学技術の部会長という立場で、イーターのこの話について非常に思い入れを強くしております。そういう中で、きょう質問させていただくことを本当にありがたく思っております。

 そこでまず、私は、昨年の五月だったと思いますが、カダラッシュに行きまして、イーターの建設候補地を見せてもらいました。カダラッシュに行ったときに、やはり六ケ所と比較したら格段の差だなという思いをしておりました。確かに、日本はイーターを誘致することに一生懸命頑張ってきたわけでありますけれども、残念ながらとれなかった。ただし、結果としては、機構の機構長等々、さらには今度は日欧の原子力、幅広のものをとってきた。こんなことで、私からすれば、費用負担が少なくて結構いろいろなことができるのかな、非常にうまい外交戦略をやっていただいたなという評価をしたいと思っております。

 そういう中で、まず質問に入りたいんですが、イーター、イーターといったって、きょうの委員の皆さん方は十分御承知いただいていると思うんですが、まずおさらいをしておきたいなと思います。

 私のイーターに対する考え方、要は新たな原子力エネルギーだということになるわけですけれども、今まで原子力というのは、あくまでウランを使って核分裂を起こすということで、軽水炉なり、これから高速増殖炉なりという形で動いているわけですけれども、原子力というのは安全基準も大変厳しいですし、今いろいろなトラブルが起こっております。そういう中で、この核融合という新しいエネルギーを出すということについては、非常に大きな前進なのかなという思いであります。

 そういう中で、一九八五年にレーガン・ゴルバチョフの米ソ首脳会談のときにこの核融合を何とかしようよという話が出て、非常に長い時間をかけてきたわけですけれども、まず、核分裂エネルギーと核融合エネルギーの違いというか、いいところ、悪いところ、その辺を少し簡単に、余り技術的な話じゃなくて一般の人がわかるようなことで教えていただきたいと思います。

村田政府参考人 努力いたします。

 核融合も核分裂も、原子核が変換する過程で出てくるエネルギーを使うという意味で、いずれも原子力エネルギーと言うことができると思います。ただ、そのエネルギーを発生させる仕組みというかメカニズムが違うということでございます。

 核分裂でございますが、核分裂の方は、中性子を例えばウランとかプルトニウムのような重い元素の原子核に当てて、その原子核を二個とか三個とか、そういう形で分裂する、そういう現象をいいます。その過程でエネルギーが発生しますから、そのエネルギーを利用する原子力発電所のシステムであります。

 それに対して核融合でございますが、例えば重水素とかトリチウムというような軽い原子核同士を衝突させまして融合させる、そういう現象であります。そういう現象は核融合炉という形で実現するわけですけれども、一億度以上という非常に高い温度のプラズマ、プラズマというのはこういう蛍光灯とかそういう中に入っているような、そういう物質の状態をいいますけれども、そういうプラズマにおいてこのような核融合反応が引き起こされて、そのときに非常に大きなエネルギーが発生して、それを熱に転換する、まさに発電とかそういうのに使う、そういうようなものでございます。

    〔委員長退席、小野寺委員長代理着席〕

宇野委員 わかったのか、なかなか難しいことを言ったと思うんですけれども、要は私は、核分裂というのは、今でいうと放射能を発生する、融合というのはその放射能、放射能と言ってはいけないんでしょうけれども、微量なものが出てきて、その安全性は非常に高いんだというふうに理解をしているんですね。だから安全性という意味では核融合は非常にいいんじゃないか。

 それから、資源的な部分ですね。これは今話題になっていますが、ウランがだんだん少なくなって、それを再利用しようということで動いています。ですから、大変希少なものを使うことですから、将来的にはちょっと心配だな。ただ、核融合の場合には、今言った重水素、これは海の中にいろいろあるものを使えばある意味では無尽蔵だというようなことも言えると聞いているんですけれども、そういう意味では資源的にも非常にいいものだということである。

 それで、もう一つは環境という面、これはもう核分裂も核融合もそんな変わらないかな。ただ、核分裂の方が、さっき言いました放射能という部分があるものだから、環境はいいんだろうけれどもちょっと心配だということはある。

 私は、この核融合というのは、そんな非常に大きな利点を持っているものだと思うんですよ。これを私は早く実用化するということを願う一人なんですけれども、そういう中で今回この協定が結ばれてイーター機構ができ、また幅広のアプローチと呼ばれるものの協定ができということで、非常に日本にとって大きなインパクトのある核融合戦略がスタートするわけであります。

 では、まず外務省に、今のイーター機構の協定、それともう一つの幅広の協定、これで具体的に何をするのかというものを簡単にこれも教えてください。

岩屋副大臣 まず、先生にはこの問題について非常に熱心にお取り組みいただいておりますことを心から敬意を表したいと思います。

 私も署名式にはパリに行ったんですけれども、カダラッシュにまだ行ったことがなくて、そのうちぜひ行ってみたいと思っているところでございます。

 今のお尋ねですが、イーター機構設立協定、このもとでは核融合エネルギーの科学的及び技術的な実現可能性を証明するために、カダラッシュに核融合実験炉を建設し、核融合反応を実際に起こさせる実験研究を行うわけでございます。

 また、もう一つの日・欧州原子力共同体核融合エネルギー協定、このもとでは、イーター事業及び核融合エネルギーの早期の実現を支援する活動として、イーターの次世代の原型炉を設計する、あるいはその材料研究等を行うブローダーアプローチと言われております、より広範な取り組みを行うということになっております。

宇野委員 その中で、機構の関係でありますし、また幅広もそうなんですけれども、相当なお金がかかると聞いているんですね。全部合わせると一兆四千億ぐらいという話がある。その一兆四千億というものを投資して、本当に私が望んでいる新たな原子力エネルギーというのが実用化されるのかというところが私は一番心配をするわけであります。

 具体的に、これからの大まかなスケジュールと、それにかかるお金、全体のお金、さらにはそれに日本が負担をするお金、これを簡潔明瞭に教えてください。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 イーター本体の方の予算の関係でございますが、何分にもイーターは長い期間をかけて行うものでございますので、現時点で確たるというか、これだけという確定的なことを申し上げることはなかなか難しいわけでございますけれども、イーター事業本体の方でございますが、これについては、一ユーロ百五十一円で換算した場合でございますけれども、全体で一兆七千二百四十億円かかるというふうに言われております。

 それから、日本の負担でございますけれども、まず、イーター事業本体の方でございます。これは建設段階で約五百四十億円が日本の分担というふうに言われております。それから、運転段階で約一千百八十億円、除染段階で五十五億円、全体で約一千八百億円ということであります。

 それから、より広範な取り組みについての協力の方でございますけれども、これは日本とEUとの間で約四百六十億円、十年間でかかるというふうに見積もられております。

 それから、実現性の話でございますけれども、これも、私ども必ずしも専門家ではございませんけれども、今世紀後半以降には実用化できるのではないかということを聞いております。

宇野委員 大変な大きなお金をかけるわけです。それをうまく今回の機構をつくって欧州、アメリカ等々と分けてやるということは、日本にとっては負担が随分軽減されるのかなという中でこれから動くわけです。そういう機構が今回のこの協定を決めることによって正式に動き出すわけでありますけれども、具体的に、ではいつから本格的に機構というものがスタートするのか。それはほかの国の状況もあるでしょうけれども。

 その機構が動き始めたときの機構長というのは我が日本の池田さん、元クロアチア大使がやっていただくわけでありますけれども、今言った全体の一兆七千億、これを池田さんにコントロールしてもらわなきゃいけないわけです。この辺、私も昨年お会いして、いろいろお話しさせていただきましたけれども、非常に元気満々の方でありまして、私も安心してお任せすることができるんだと思うんです。

 その池田さんになった理由、どういう形でこの選挙で選ばれて、選挙というか、機構の方でなったのかなということも、ちょっと興味があるだけなんですけれども、もしそれがわかれば教えていただきたいと思います。池田さんがいつ正式に就任をして、たしかこれ、任期五年という話だったと思うんですけれども、さあ、その五年間でどこぐらいまで行くのかなということも気にはなるんですけれども、池田さんについての人となり等、もしわかったら教えてください。

中根政府参考人 池田事務局長候補の選定に至った経緯でございますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、もともと日本とEUとの間で、イーターの建設地の誘致ということでいろいろ議論をしてきた中で、ホスト国と非ホスト国になった場合に、イーターの誘致をした方の国は、相手の非ホスト国が事務局長を選定する、これを支持するということがございます。何といっても、EUと日本、資金面でも多大な貢献をするということでございますので、そういう意味においてはこれをほかのイーター参加者も認めております。そういうことで、日本が事務局長を出すということがイーターの締約者の間で合意をされているということでございます。

 池田事務局長候補につきましては、もともと旧科技庁で科学審議官までやられて、大変にこの原子力分野について造詣の深い方だというふうに伺っておりますし、外交面でも、クロアチアの大使をされたということで、非常に経験豊富な方でございます。

 次に、イーターの発効でございますけれども、これは、日本、ユーラトム、中国、韓国、インド、ロシア、米国の七者すべてが協定を締結することによって発効することになっております。発効した後三カ月以内に理事会の第一回会合が行われまして、ここで池田イーター機構長、事務局長でございますけれども、正式に任命をされるという予定になってございます。

宇野委員 今の七カ国がすべて署名しなければ発効できないわけですけれども、これは具体的にいつごろになるのかなということをちょっと聞きたかったんですけれども、そこまでは追及しませんから、日本はやったんだぞということで、早く他国もやれよということを頑張って外交上早くやって、正式に機構がスタートするようにしていただきたいですし、池田機構長が晴れて機構長として日本に凱旋をして、何かどこかで演説をしていただくような場があってもいいのかなということで、ぜひ池田さんには頑張っていただきたいというエールを送らせていただきたいと思います。

 その次に、今の七カ国が入っているわけですけれども、その中を見るとアジアが多いんですね。中国、韓国、インド、ロシアも入っているわけですけれども、アジアと呼ばれているところ、そういう、ロシアを除けば私は日本はリーダーになっている部分であると思うんですけれども、私はちょっと解せないのは、解せないというのは失礼な言い方ですけれども、中国、韓国がこれに積極的に入ってきているということについて、これからのいろいろな科学技術に対しての思い入れが強いんだろうなという思いをしております。

 韓国は確かに相当頑張ってやってくれていることは私もよくわかるんですけれども、中国もこういう形で入ってくるとなると、日本にとって大変な脅威になるんではないかなということなんですが、中国、韓国、インド、この三カ国の原子力というかこういう核融合なり核分裂なりに対する今の国情というのか、それをわかったら教えてもらいたいし、本当に彼らはここに入って何をしようとしているのか、仮定だと思いますけれども、そんなことまでわかれば教えてください。

岩屋副大臣 足らざる点はまた事務方から補足をさせていただきたいと思いますが、先生、今回、これは七者の協定なんですけれども、この七者の人口を足すと大体世界人口の半分ぐらいになるということでございまして、言うまでもなく、その中で十三億の中国、十一億のインドというのは極めて大きな部分を占めるわけでございます。

 中国やインド、韓国の意図を我が方として断定的に申し上げるわけにはいかないと思いますが、やはり中国、インドに関しては、将来のエネルギーということを非常に心配しているということだと思います。中国、いわゆる資源外交と言われるような活発な活動をしていることも御承知のとおりでございまして、やはり自国のそういうエネルギー事情ということにも重大な関心があるんだろうと我々は見ております。

 それから、韓国はこういう最先端技術については非常に熱心な国でございまして、宇宙などもそうですけれども、やはり核融合というのは将来極めて有望な分野であるというふうにお考えになって参加をしてきているのではないか。それから、韓国では、核融合の施設というか研究を既にやっている国の一つでもございますので、非常に重大な関心を持った上で参加をしてきているんだというふうに考えております。

 ただ、人類全体といいますか地球全体のための新エネルギーをつくろうということでございますので、余りそこで国益をがちがちぶつけ合うということではないのではないかと思っておりまして、日本はブローダーアプローチをここでしっかりやるわけですから、ぜひこの七者のグループの中でもリーダーシップをしっかり発揮していきたいというふうに思っております。

宇野委員 最後に言われた、全世界のエネルギー資源のためにこれをやるんだ、まさに私はそこに尽きるのかなと思います。ぜひこれを日本がリーダーとして頑張ってやって、早く開発をしてもらいたいという願いはあるんですけれども、いろいろとこれの協定に至る話を聞かせていただいていると、これは随分長いんですよね。建設までに十年かかる、それから二十年いろいろやっていく、それから実用炉ができてくるという話、これから三十年から四十年先に初めてこれで我々のところに電気が来るということになるのかなという思いなんです。

 そこで、きょう、経産省に来ていただいているんですね。日本のエネルギーの関係なんですが、今、原子力、日本は大変活発に動いておりますし、昨年のアメリカの教書ではアメリカも原子力を頑張ろうということになってきて、世界が原子力に目を向けてきた。そういう中で、アメリカあたりは原子力産業という面では非常に今弱くなってきて、日本がやはりトップランナーになっているというのが今の状況だと思うんですね。

 そういう中で核融合が今度新たに入ってくるわけですけれども、私が心配するのは、今の原子炉、もうできてから三十年近くたっているのがありまして、そろそろ老朽化でリプレースという話が出てくる。そのリプレースをするのに当たって、今の軽水炉でリプレースをするというのが基本的なんだと思うんですけれども、それにFBR、高速増殖炉をつけ加えていこうというのが今の動きだと思うんです。そうなると、その後にこれが、イーターというか核融合炉というのが出てくるのかなという思いなんです。

 経済産業省、エネルギーとして、この核融合に対する思い入れ、要は原子力産業に対して、どういうふうに核融合というものを日本のエネルギーの位置づけにしていくのかというところを少しお聞かせいただいて、そうだから、先ほど一千八百億なり、全体でいうと、世界でいうと一兆七千億の中に入ってやる意味があるんだということを我々に安心させていただきたいんです。これは実験だけで終わったら何の意味もない。これは実用化してもらわなきゃいけない。本当に実用化できるのかどうかということもひっくるめて、経産省の方から教えていただきたいと思います。――ごめんなさい、内閣府ですね。

    〔小野寺委員長代理退席、委員長着席〕

谷政府参考人 お答えいたします。

 平成十七年の十月に策定されました原子力政策大綱、ここでは、原子力発電というのは、二〇三〇年以降も総発電電力量の三割から四割程度、もしくはそれ以上の供給割合を担うということが適当とされているところであります。この中で、既設の原子力発電施設、先生御指摘のとおり代替問題というのが出てきますけれども、この代替については、二〇三〇年ごろから改良型軽水炉の導入を目指していく。そのほか、二〇五〇年ごろから高速増殖炉の商業ベースでの導入を目指すこととしているところでございます。

 この核融合研究開発でございますけれども、平成十七年の十月に原子力委員会の核融合専門部会、こういう部会が取りまとめた報告書、タイトルは「今後の核融合研究開発の推進方策について」という報告書でございますけれども、この報告書に基づいて今研究開発を行っておりますけれども、同報告書では、核融合エネルギーは、資源量、供給安定性、安全性、環境適合性、核拡散の抵抗性、それから放射性廃棄物の処理処分の観点等々、すぐれた可能性と社会受容性を有するというふうに考えられていまして、恒久的な人類のエネルギー源として魅力的な候補であるというふうに位置づけられております。

 こうした観点から、この部会報告書では、正確な実用化の時期は示していないんですけれども、核融合研究開発というものを未来のエネルギーの選択肢の幅を広げるものとして位置づけておりまして、今後の研究開発において相当の成果が得られるならば、今世紀中葉までに、半ばでございますけれども、実用化の見通しを得ることも視野に入れることが可能というふうにこの報告書ではされているところでございまして、そういった報告に基づきまして今鋭意研究開発が進められている、こういう状況になっているところでございます。

宇野委員 何とも夢のあるというか、先の長い話だなという思いなんですけれども、何とかこれを一年でも五年でも早くという思いがあるんです。

 最後になりますけれども、イーター、いわば核融合発電というものの可能性ですね。また、いろいろなちまたのうわさでは、これはなかなか難しいんだ、これからまたいろいろな新しい開発をしなきゃいけないということも言われていまして、なかなか難しい、これは実験で終わるんじゃないかと言う人もいるわけですね、学者の中では。だけれども、そんなことはない、ここまで来たんだから、私は絶対実用できるんだという思いを持っているんですけれども、その辺のところを、技術的な部分を文科の方からでも聞かせていただいて、絶対実用できますよという言葉を最後にいただきたいと思うんですけれども、それを何年ごろにということ、それを聞かせていただいて、今回のこの協定をすることが本当にいいんだということを理解したいと思うんです。よろしくお願いします。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 若干技術的なお話になってしまうかと存じますが、核融合はやはりまだ何と申しましても基礎的な段階にある、現状ではそういう段階でありまして、いつまでに実用化というのは、今議論が進んでいますが、いわゆる高速増殖炉のような議論はまだできない、そういう状況であることは確かでございます。

 ただし、一般的には、やはり技術を開発する際には、必要な目標をしっかり立てて、数値を設定して、それに向かってステップ・バイ・ステップで進めていく、そういう手法が非常に重要だと思いますが、核融合炉に関連いたしましては、例えば一つの指標として、プラズマを閉じ込める、そういう性能が一つ考えられると思いますけれども、例えば一九六〇年ごろに比べて、その三十年後ということで、前世紀末といいますか、二十世紀末ぐらいには百万倍以上の性能の向上があったわけであります。

 今議論になっておりますイーター計画、建設十年、それから二十年の運転、そういうことでございますけれども、一定期間運転を行った時点、つまりこれから三十年後にはということでございましょうか、やはりこのプラズマ閉じ込め性能ということについて言えば、現状の十倍程度は向上させることを目標にしているということであります。さらにその後、原型炉、そういう議論があるわけでございまして、それはその先の議論ということで、二十一世紀の半ばごろ、そういうふうな議論になるかと思いますが、そのころにはやはりイーターよりも五倍程度の性能向上を目指す、そのような流れでございます。

 そういうようなことで、今から着実に技術開発を国際協力の中で進めながら、人類の夢のエネルギーを実現するために、私ども最大限努力してまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

宇野委員 どうもありがとうございました。

 大変まだまだ、海のものとも山のものともと言ったら失礼かもわからないですけれども、まだその決意がちょっと弱いのかなと思いますけれども、ぜひ立派なものにしてもらいたいと思いますので、二つだけ要望をしておきます。

 一つは、今のお話の中でもあったんですけれども、やはり技術開発をしなきゃいけない、まだまだいろいろな未知の部分がいっぱいあるんだ。そのためには、人材です、人材。今原子力、要は核分裂のための、学生というのは今までずっとそれで来たわけですね。これもだんだん各学部が少なくなってきたという問題が非常にあるんですけれども、これを何とか、今度各大学にでも言って、今度は核融合という。私は分裂と融合はやはり違うと思うんですね。だから、そこの融合に対する人材育成というものをしっかりと、これはまだまだ先の長い話ですから、今のうちからやるということをまずお願いしておきたいと思います。

 それともう一つ、機構がこれでスタートするわけですけれども、スタートしてから、これはカダラッシュが主体になるわけですから、日本は六ケ所もあります、那珂もありますけれども、ちょっと見えないところに行ってしまうものですから、やはりこれは定期的にこの場でその推進状況等々、年に一回か、少なくとも二年に一回ぐらいは報告をしていただくということもお願いをして、早く核融合エネルギーでの発電を見ることを夢見て、私の質問を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

山口委員長 午前十一時十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十時十七分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時十一分開議

山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。川内博史君。

川内委員 川内でございます。早速質問をさせていただきます。

 本日は、国際熱核融合実験炉イーターに関して、イーターがタックスイーターになっているのではないかという観点で質問をさせていただきます。

 まず、我が国の核融合研究開発というのは、今から約四十年前、昭和四十三年から始まったというふうに聞いておりますが、これまでの間、このトカマク型の研究開発に現在まで税金を幾ら投入してきたのかということについて教えていただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生が今御質問のすべての経費ということではなかなか算定しづらいのでございますけれども、トカマク方式に関連いたしましては、独立行政法人の日本原子力研究開発機構の主要な装置でございますJT60というのがございます。そこの研究が進められておりまして、このJT60につきましては、昭和五十一年度より建設が開始され、所要の研究等が行われているわけであります。それに係る経費でございますが、総額約六千八百五十億円ということでございます。

川内委員 それでは、同様に、ヘリカル型の核融合研究開発には今までどのくらい税金を投入してきていらっしゃるのか。

村田政府参考人 ヘリカル方式について申し上げます。

 ヘリカル方式は、大学共同利用機関法人というのがございまして、そこの核融合科学研究所において大型のヘリカル装置というのがございます。それが日本における主要な装置でございますが、それは平成二年度より建設が行われております。それで実験等が行われておりますが、総額約千八百十億円というふうに承知しております。

川内委員 大阪大学ではレーザー型の研究開発もしているというふうに聞いておりますけれども、このレーザー型の研究開発に今まで幾ら投入していらっしゃいましたか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生おっしゃられますとおり、大阪大学のレーザーエネルギー学研究センターというところがございまして、そこで激光12号というのがございます。その装置は昭和五十五年度より建設が行われ、実験等が行われているわけでございますが、総額約三百五十億円と承知してございます。

川内委員 トカマク型、ヘリカル型、レーザー型についてそれぞれ金額を教えていただいたわけでございますが、トータルすると九千億ぐらい、それぞれの型の合計が九千億ぐらいということでございますが、熱核融合全体についてはこれよりもちょっとふえる、研究が始まって以来の総額ということについて言えばこれよりもっと多いということになるわけですね。

村田政府参考人 そういうことになると思います。

川内委員 今までこの開発に直接かかわる部分だけで九千億のお金を使っていらっしゃる、税金を使っていらっしゃる。今後、イーターは三十五年間で千八百億。イーター以外のトカマク型研究開発も今後も続けていくということになると思いますし、また、米国はレーザー型に大変力を入れているようでございますけれども、レーザー型にも当然研究開発のための税金をつぎ込むということになるわけでございます。

 イーター以外のトカマク型の研究開発には今後十年間でどのくらい資金を、税金を投入されるおつもりなのか、レーザー型にはどのくらいの資金を投入されるおつもりなのかということについて、御予定をお聞かせいただきたいと思います。

村田政府参考人 現在、私ども、そのような数値を持ち合わせているわけではございませんが、我が国における核融合の開発をどのような考え方で進めているかということを若干申し上げることで説明させていただきたいと思います。

 核融合に関する研究開発は、原子力委員会が定めます基本計画、第三段階の核融合研究開発計画というのがあるんですが、平成四年にまとめられたもののもとで進められておるわけでございます。

 その中で、今先生おっしゃられましたようないろいろな方式、トカマクとかヘリカルとかレーザーとかいう方式についての評価がなされてございまして、トカマク方式につきましては、実験炉イーターの工学設計が確定するとともに、原型炉に向けた本格的な研究開発が進められる、そういう段階に達しているというふうに評価されておりますし、ヘリカル型それからレーザー型につきましては、トカマク方式に次ぐ性能を実証された、そういう評価がされております。

 こういう評価をもとに、今後の基本方向として、核融合エネルギーの実現を早期に目指す、そういう観点からの開発研究として、トカマク方式を推進するということ。それから、核融合エネルギーのいろいろな選択肢を広げるという観点から、ヘリカル方式やレーザー方式についても学術研究としての活動を行い、その科学的基礎の確立を目指す、そういうような状況になってございます。

川内委員 トカマク、ヘリカル、レーザー型、それぞれについての評価はまたちょっとお聞きするとして、それでは、我が国ではトカマク型を推進していくというお言葉が今あったわけでございますが、トカマク型で何年後に何万キロワットの発電を行うというようなことを目標にしていらっしゃるのかということについて教えていただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 核融合は将来のエネルギー源の有望な候補の一つとして認識されてございますが、まだ基礎的な段階であることには違いありません。したがいまして、現段階において、本格的にどの時点で実用化されるかというような意味での確たる時間を申し上げることはできないのでございます。

 今イーター建設が目前になっているわけですが、イーターの次の段階として、発電実証を行うための原型炉を建設いたしまして、一定期間の運転経験を経て実用化の見通しが得られる。そのようなことでございますので、それが今世紀半ばごろというふうに考えられるわけであります。また、その成果を踏まえまして、核融合の実用段階での発電炉の建設が可能になる。そういう意味での実用化ということでございますと、それは今世紀の後半以降として期待されている、そういうふうなものでございます。

川内委員 今の答弁を国語のテスト風に十文字ぐらいでまとめなさいというと、まだよくわからないというところだろうと思うんです。

 小柴先生などは、このトカマク型について大変な懸念を、核融合全体に対してもそうなんでしょうが、懸念を表明されておりまして、トリチウムというんでしょうか、トリチウムの爆発というか反応に耐え得る材質がないのではないかというようなことを盛んにおっしゃっているようでございます。過去の国会での答弁を見ますと、文部科学省は、ステンレス鋼で耐え得るのだというように断定をしていらっしゃいます。

 しかし、今、実験装置の段階でやられていることと、今後、イーターという実験炉というんでしょうか、その段階に入っていくときの材質とは、おのずと違うことが想定をされるわけです。現状では、実験装置の段階では、理論的にステンレス鋼で耐え得た。しかし、今後は、ステンレス鋼で材質が耐え得るものであるかどうかということに関しては、そこも含めて研究開発をしていかなければならないというのが私は正しい認識であるというふうに思いますが、いかがですか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 小柴先生から、以前、中性子に耐えられる素材が開発されていないのではないか、そういう御意見があったことは私どもも承知してございます。

 イーターにつきましては、これまでのイーターの工学設計活動、各国の専門家を集めて行われた工学設計活動を経て、ステンレス鋼がイーターの運転の際に発生する中性子の照射に十分耐えられるものであるということが確認されてございます。

 このステンレス鋼の強度に関連いたしましては、フランスのスーパーフェニックス等の高速炉についても実績がある、そういうデータもございますし、例えば、日本原子力研究開発機構とアメリカのオークリッジの研究所との共同研究の成果等々を通じまして、イーターの運転期間、これは二十年ということでございますけれども、その間において中性子による損傷が最も多いと思われる箇所の部材が受けるであろうところの照射エネルギー量が計算できるわけですが、それの二倍ないし三倍のエネルギー量の照射にもステンレス鋼が耐えられる、そういうような結論が得られている。そういうことから、ステンレス鋼が使えるというふうに認識しておるわけでございます。

 ただし、イーターの次の段階、イーターは発電をいたしませんので、次の段階で発電の実証をするということになるわけですが、そのための原型炉では、イーターの十倍以上の中性子照射量が想定をされています。したがいまして、今後、中性子に対する耐性がよりすぐれている材料の開発が必要であるというふうに認識しております。

 このため、いわゆる幅広いアプローチの活動、そのような一環で実施することになります研究活動によりまして、これから材料開発に向けた研究開発を行って、核融合エネルギーの実用化に向けて努力したいというのが今の状況でございます。

川内委員 まだまだ材質についても課題は多いということでございます。

 それでは、トカマク型については、政府として、推進をしていくということで高い評価をし、やっていかれるんであろうというふうに思いますが、毎年、科学技術関係予算でSABC評価というものをやっているわけでございますけれども、Sがつくと次の年の予算も倍増する、積極的に推進するという言葉が使われるわけでございます。Aだと着実に推進するという言葉が使われて、大体同じぐらいの予算で推移することになるんだろうというふうに思いますが、ヘリカル型、レーザー型については、このSABC評価の対象になっているんでしょうか。そして、対象になっているとすれば、毎年どのような評価になっているのかということを教えていただきたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のSABCは内閣府の総合科学技術会議で行われる活動でございますが、今先生がおっしゃられましたヘリカル方式でありますとかレーザー方式は、大学法人でありますとか共同利用機関法人で行われている、いわゆる運営費交付金の中で実施されている活動でございますので、それが個別に直接SABCという評価の対象にはなっていないと承知しております。

川内委員 冒頭の答弁では、ヘリカル型、レーザー型にも目配りをしながら取り組んでまいりたいということであったわけですが、今の答弁では、ヘリカル型、レーザー型については、運営費交付金の中の一環のものであって、運営費交付金、その大学全体の評価の中で決まっていくものであろうというような御答弁であったと思います。

 そうすると、私は、ヘリカル型、レーザー型に政府が目配りをしながらこれも取り組んでいくのだという冒頭の答弁と矛盾するのではないかというふうに思っております。ちょっと、最後まで聞いてくださいね。

 そういうことをなぜ申し上げるかというと、レーザー型は、米国が国立点火施設という形で二〇〇三年に施設を、大変な巨費を投じて既に開始をし、熱核融合の最初の点火をするのは米国であるという意気込みで、これはレーザー型にある意味特化して大変な勢いでやっていらっしゃる。

 他方で、評論家でありジャーナリストであり知の巨匠と言われる立花隆先生は、ことし三月十四日付の文章で、「従来、核融合の主流はトカマク方式と考えられ、ヘリカル方式はあくまで二番手の技術と考えられてきた。研究費なども圧倒的な差がつけられていたが、」ここの部分については、先ほど具体的に数字を挙げていただいて、圧倒的に差がついているということは本委員会の委員にも御理解いただけたと思いますが、「この一、二年のヘリカル方式の進歩には驚嘆すべきものがあり、みるみるトカマク方式では実現不可能な記録を次々に達成している。」と書いていらっしゃいます。こういう立花先生などの見解もあるわけでございます。

 私は、ヘリカル、それからレーザー、それぞれ独自に評価の対象とし、そしてまた、大学が行う研究開発の一つとして取り組むのではなくて、政府としてそれらに予算をつけていくという姿勢が、やはり科学技術というのは日進月歩で変わるものでしょうから、必要なのではないかというふうに思いますが、御見解をお聞かせいただけますか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 SABCにつきましての事情は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、我が国全体の核融合の研究開発につきましては、原子力委員会がその進捗度合いをチェック・アンド・レビューをしてございます。

 そこの考え方を踏まえれば、トカマク型を我が国の研究開発として進めるということでありますし、ヘリカル型ですとかレーザー型についても、学術の研究として基盤を確立、しっかりやっていくというような評価をしてございますので、そういうことでしっかりやっていくということでございます。

 ちなみに、レーザー方式についてでございますけれども、一つの指標といたしまして、核融合の性能を判断する際に、核融合を起こすために入力するエネルギーの何倍のエネルギーが核融合で発生するか、そういうような数値がございます。エネルギー増倍率、そういう数値でございますが、レーザーの場合では、現段階では、核融合反応が起こることを原理的に実証するということを目指す、そういう段階でございまして、そのエネルギー増倍率ということでいえば〇・一程度でございます。これは比較で申しますと、トカマク方式のJT60は既に達成しておりますのが一・二五、そういう値でございます。

 レーザー方式につきましては、レーザーそれ自体をつくり出すために大きな電力が必要になるということでございますので、プラズマを閉じ込めてやる方式、トカマク型とかヘリカル型とはちょっと異なりまして、発電実証するというレベルの原型炉の段階では、現段階では〇・一を目指すというその値に対して一〇〇程度でなければならない、そういうような性格のものだと承知してございます。したがいまして、現段階では、当面の目標であるところの〇・一という増倍率を目指す、達成するということに注力をし、その後さらに三けた程度アップする研究というふうにつながる、そういうような理解をしてございます。

川内委員 私は余り技術的なことは、文系の人間ですからよくわからぬのですけれども、しかし、今まで一兆円ぐらいお金を入れてきて、今後もさらに、今世紀末が実用化だと、そこに向けてどのぐらいお金を入れるのかわかりませんが、すべて税金でございますので、研究者はそれぞれの分野で一生懸命研究をされるんでしょうが、どこに資金を入れることが最もその夢のエネルギーの実用化を早め、そしてまた国民生活の向上あるいは世界の平和につながっていくのかという視点で、余り短視眼的におなりになられない方がいいのではないかということでこういう議論をさせていただいているわけでございます。

 同じ先ほどの立花先生の文章の中には、「トカマク方式のプラズマには安定性の点において決定的な難があり、すぐディスラプションと呼ばれる自己破壊現象が起きて数十秒から数分単位の時間しか持続させられない。その点ヘリカル方式は構造上原則としてディスラプションが起きないという長所があり、とっくに、一時間を楽に超える持続時間記録を持っている。長時間運転の実験は、大変なコストがかかるため、実は予算上の制約から記録を伸ばすための実験がこれしかできないのであって、予算さえあれば、記録を伸ばすことは、まだまだ可能」というふうに、このことしの三月十四日付の文章で書いていらっしゃいます。

 夢のエネルギーの実現に向けて政府を挙げてお取り組みになられる、しかしそれはすべて国民の税金を使っているのだということを肝に銘じてやっていただきたいというところで、イーター担当の岩屋副大臣に御所見を賜りたいというふうに思います。

岩屋副大臣 税金を使ってやることですから、そのことを肝に銘じてやれという先生の御指摘は全くそのとおりだと思っております。

 今世紀の後半というと、えらい先の話という感じがしますが、地球の寿命はあと五十億年ぐらいだというふうに言われておりますが、そういう人類全体のエネルギーということを考えるならば、時間がかかるようにあっても、そう私は短い時間ではないような気がしておりまして、長い時間をかけてこれから夢のエネルギーの開発に向かうわけでございますが、先生の御指摘のとおり、貴重な税金を使ってやることでございますので、無駄のないように鋭意注意をしながら取り組んでいきたいというふうに思います。

川内委員 情報はさまざまありますし、技術も日進月歩で変わっていきますから、ぜひ、さまざまな点に目配りをしながらやっていただきたいというふうに思います。

 それではもう一つ、タックスイーターという点で大変な問題があるのではないかというふうに私は感じておりますが、ODAについて質問をさせていただきたいというふうに思います。

 一昨日の財務金融委員会で、私は尾身財務大臣と松元財務省主計局次長に、ODAの無償資金協力に対する予算執行状況調査に、これは毎年財務省がやるわけでございますが、質問をいたしました。財務省の調査結果及び分析によれば、「事業者による競争入札の効果が限定的であり、コスト削減が不十分。」「無償資金協力においては、政府間の交換公文で供与限度額が定められた後、その額の範囲内でコンサル企業とコンサル契約を、ゼネコン・商社等事業者と事業・機材調達の契約を締結。」「無償資金協力に係る入札参加者は通常二〜三社程度であり、一社しか参加していない事例もあるなど、入札によるコスト削減効果は限定的。」と書いてあります。入札に大変疑義があるということを財務省からこのODAの実施に対して言われているわけでございますが、さらには、「実際にも、落札額がコンサル契約料を含むと、供与限度額にほぼ一致している事例が多い。」とも書いてございます。

 そこで外務省にお尋ねをいたしますが、まず、平成十六年度の無償資金協力が何件あって、その平均落札率は何%でしょうか。

別所政府参考人 お答えいたします。

 平成十六年度の一般プロジェクト無償及び水産無償資金協力の閣議決定案件、百八十五件ございますが、その中で九九%を超えたものが百九件ございます。

川内委員 もう既に次の質問に答えていただいて。

 麻生外務大臣、いいですか、平成十六年度の一般プロジェクト無償が百八十五件あった、そのうち落札率が九九%を超えている案件が百九件である。落札率九九%、ちょっと考えられないですけれどもね。

 さらには、平成十七年度の一般プロジェクト無償の件数、そして九九から一〇〇の落札率は何件ありましたでしょうか。

別所政府参考人 先ほどの質問にきちんと答えていなかったようでございます。失礼いたしました。

 平成十六年度の平均落札率、先ほど申しました一般プロジェクト無償及び水産無償でございますが、全案件で九三・五三%でございました。

 それから、落札率の話、十七年度、十八年度でございますけれども、平成十七年度につきましては、百二十一件中七十一件が九九%を超えておりました。平成十八年度につきましては、まだ全部の契約が契約認証を了しておりませんが、契約認証を了したものの中で申し上げますと、五十二件中二十四件ということでございます。

川内委員 落札率が九九から一〇〇、これはもう予定価格そのものと言っていいですね。私、一覧表をいただいたんですけれども、九九・九九%とか九九・九七%とか、九九%台でも後半が多いのはなぜだろうとか思ったりするわけでございますけれども、このような、ある種、異常な数字であるというふうに私は思いますが、平成十六年度の無償資金協力の総額は幾らになりますか、一般プロジェクト無償の。

別所政府参考人 無償資金協力の数字でございますが、平成十六年度一般プロジェクト無償は七百八十四億円でございます。

川内委員 その七百八十四億円のうち、六割近くが九九%以上の落札率で落札をされている。

 それでは、具体的にちょっと事例を取り上げたいと思うんですけれども、これは財務省の調査報告書に書いてある事例でございますが、ラオスの地下水開発及び機材供与事業(建設工事費等)、すなわち井戸の掘削事業、地下水開発というのは井戸掘りです。ラオスにおける井戸掘りを日本のスーパーゼネコンが受注した。三百五本の井戸を掘削するのに十一・七億円供与をしています。

 しかし、先日の私の財務金融委員会での松元政府参考人、すなわち財務省主計局次長の答弁では、当時の執行調査における現地での聞き取りなどを踏まえますと、より割安、具体的には、一定の試算を行いますと、約四割程度で施工できた可能性もあるのではないかと考えておりますというふうにおっしゃっていらっしゃいます。

 十一・七億の四割だと、大体多目に見積もっても五億ですよね。六億、税金を無駄遣いしていると財務省に指摘をされているわけでございまして、この財務省の指摘に対して、外務省としては何か反論がありますか。

岩屋副大臣 足らざる点は後で事務方から説明させたいと思いますが、この件はちょっと前に報道されたことがありまして、私も非常に気になりまして、すぐ担当者を呼んで説明を聞いたところでございます。

 先生おっしゃるように、ラオスの南東部二県、チャンパサック県というところとサラワン県というところで井戸を掘ったという事業でございますが、先生が今おっしゃった財務省の答弁でございますけれども、財務省からは、当初の見積もりの積算資料がないこと、また、仕様、設計の違いなどを考慮する必要があることなどから、正確な検証、厳密な対比は困難であると考えているという説明があった上でその答弁がなされたものだというふうに思います。

 私も担当者から話を聞きましたが、財務省の試算においては、地質にかかわりなく、どこでやるかにかかわりなく、単純に一メートル当たりの掘削費を五十米ドルぐらいに計算しているというところがございます。それから、深い井戸を掘るために必要となる現地の雇用者、日本人技能者などの労務賃や資機材費が過小に低く見積もられていると見受けられるわけでございまして、さらに掘削機の輸送費、水質検査の費用等が算入されていないという試算だと思いますので、私も説明を聞いた限りにおいては、しっかりと正しい積算がされているというふうに判断をしているところでございます。

川内委員 外務省副大臣としては、このラオスの井戸掘削事業は正しい金額であったという御答弁なわけでございます。

 それでは、事務方に答えていただきますが、このラオスの井戸掘削事業並びにほかのODAでもいいですが、積算の、見積もりの根拠になる数字は、どこから引いてきてつくっていらっしゃいますか。

別所政府参考人 先生の御質問の、どうやって積算をするのかということでございますけれども、まず、御案内のとおり、経済協力案件を実施する前に、当然ながら設計調査ということをやるわけでございまして、それに基づいて積算するわけでございますけれども、積算が出てきた段階で、それを踏まえまして、JICA及び外務省でそれを精査するということでございます。

川内委員 今の答弁は答弁になっていなくて、積算が出てきた段階でそれを精査すると。積算をするのは、どうやって積算しているんですかと僕は聞いたんです。

別所政府参考人 一般無償資金協力の場合にはコンサルを雇用するわけでございまして、そのコンサルによる積算が出てくるということでございます。

川内委員 だから、私もいろいろ調べましたから、コンサルがかかわっているというのはわかっていますし、コンサルが見積もりを出してくるというのもわかっていますが、それも問題だと思いますよ、コンサルに全部積算させているわけですから。

 それも問題だが、それはまた別な機会にやるとして、そのコンサルは何に基づいて積算しているんですか。その資料は、積算の根拠になるさまざまな建築物価が載っているその資料集は、何という資料集ですか。

別所政府参考人 何というものといって、辞書のようなものがあるというより、やはり個々の場合に応じまして調べるしかない。この場合は、ラオスの話の、こういった特定の人たちの人件費などを調べていくしかないだろうと思っております。

川内委員 そういうことを本当に言っていいんですか。ラオスの人たちの人件費を積算しているんですか。それはコンサルに確認しましたか。後で大変なことになりますよ。

別所政府参考人 ラオスで井戸を掘る際には、当然ながらラオス人の雇用もございますし、日本人の技術者の雇用もございます。済みません、そういう意味では舌足らずな発言だったと思います。

 ただ、この具体的なラオスの件につきましては、積算についての資料というのが今残っておりませんので、具体的にどういうことをしたかというのは、済みません、申しわけございませんが、今の時点で私、把握しているわけではございません。

川内委員 積算の資料がないからわかりませんと逃げるわけですが、恐らく国土交通省が、建築物価に関する物すごい分厚い、さまざまな材料の金額を積算のために提供している、これは市販の本ですけれども、あります。これらに基づいて積算をしているのではないかと私は思います。

 そこで、本委員会に、私は、外務省から資料の提出を求めたいというふうに思います。

 それは、現に存在する積算資料、一般無償に関する積算の資料で、予定価格に対する落札率が九九・九九とか九九%以上であったものの積算の資料を、では、具体的にこれ下さいというのを言いますから、資料を提出してください。平成十八年度のものは、絶対これは積算資料があるわけですからね。平成十八年度モンゴル東部幹線道路建設及び道路建設機材整備計画、契約額十七億四千万円、落札率九九・七九%、認証日平成十八年九月十五日、この予定価格の積算資料を本委員会に提出していただいて私に下さい。私がすべてを精査して、あなた方がきょうおっしゃったことが本当かどうか、確認をさせていただきます。

 私は、このODAにはさまざまな問題があるのではないかというふうに思います。九九から一〇〇の落札率などというのはもう談合以外の何物でもない。そしてまた、それに外務省が、それは別に問題ないのだという答弁を、きょうは岩屋副大臣がされたわけでございますが、私は、これは官製談合を海外に輸出しているのかというぐらいに、ちょっと腹立たしい思いをしております。

 本来であるならば四割から五割で、私は財務省が言っていることの方が正しいというふうに思いますが、できたはずの案件である。そうすると、毎年、一般プロジェクト無償が、先ほど平成十六年度が七百八十四億とおっしゃいましたが、四百億ぐらい無駄遣いをしているのではないかというふうに想定をされるわけでありまして、これは国民の税金を使っているわけですし、もっとしっかりした有効な使い方があるのではないかというふうに考えます。

 ここで外務大臣にお尋ねいたしますが、落札率が九九から一〇〇というようなものが総件数の中で六割を超えるというのは異常だというふうに外務大臣はお思いになられないですか。

麻生国務大臣 競争入札をする場合には競争する相手が必要であり、競争をするためには、少なくとも十社ぐらいの応札をしてくる人たちがいないと競争はなかなか成り立たないというのが現状だと思います。

 私はアフリカに住んでいたから言うわけじゃありませんけれども、まず応札してくる人はいません。ほとんどいないのが現状なんです。私は自分の住んでいた経験で、今は大分違ってきたかもしれませんけれども、いない、それがまず一つです。したがって、競争はなかなか難しい。

 それから、EN、ENというのはエクスチェンジノートのことですが、交換公文というのが最初に取り交わされますので、その分で、ある程度の額の予想はできるということもあろうと存じます。それは交換公文ですから、やむを得ぬところだと存じます。

 それから三つ目は、これは川内先生、ちょっと正直私どもの経験でいくと、荷物が着いた、よし来たぞと思って朝起きると、大体二割から三割ぐらいはもうなくなっております。これで、お巡りさんをつけて何とかしてくれって、その人たちも組んでいますから、またなくなるというのが、私らがそこにおりましたときの経験であります。したがって、それはある程度そこをかけておかないと、とてもではないけれどもやれないだろうなというのが現実であります。国によって違うと思いますよ。

 したがって、全部が全部九九・九%ということはないでしょうが、応札するところがたくさんになればなるほど競争原理が働くというものだと思いますので、そういった意味では、なるべく応札してくれる業者の数が多くなるようにするためにどうするかというので、応札期限の期限を延長するとかいろいろな工夫が今後とも要るんだと思います。

 日本も企業が海外に出ていくということがふえてきているような気がしますので、応札する人の数もふえるというのであれば、それはそれで喜ばしいと思いますし、日本の技術、土木技術等々、極めて優秀なものがありますので、そういったものがさらに世界に広まっていくというのはいいことだと思いますので、そういったことも考えなければいかぬと思いますが、基本的に、競争入札をいわゆる本当の意味で成り立たせるためには、極端なことを言えば、たたき合いという言葉がありますけれども、そういった十社、二十社になってくると、わあっと下がってくるというのが普通でありますので、数社の場合ということになると、そこのところは競争入札の本来の目的はなかなか達しにくい状況にあるというようなことではないかな、最近の現場をよく知っているわけじゃありませんけれども、そのような感じがいたします。

川内委員 最近の現場を御存じないのであれば、長々と御答弁されなくてもいいと思うんですが、私が聞いたのは、九九から一〇〇の落札率は異常であるというふうに大臣としてはお思いになりませんかということをお聞きしたわけですね。異常ではないと思われるからいろいろ御答弁をされたんだろうというふうに思いますが。

 私は、これは国民の税金を使っていることですから、それはいろいろな言いわけはできますよ、しかし、いやしくも国民の税金を使っていることに関して、では、財務省のこの予算執行状況調査の中で、供与物品リストが存在しない、所在の確認ができない、供与機材が使用されていない、供与された機材が当初の目的外の使途にも利用されているとか、もうさまざまに指摘を受けているわけですね。これだけじゃぶじゃぶ、一体何にお金を使っているんですかということを指摘されているわけです。

 それにもかかわらず、いや、それはしようがないのだということで事を済ますというのは、私にはとても、これで納得をしろということにはならないのではないかというふうに思いますが、もう一度、最後に大臣、もう私の質疑の時間は終わりましたけれども、落札率九九から一〇〇という落札率が六割を超えているというのは、これは異常だというふうに思いませんか。

麻生国務大臣 これは、川内先生以外これまでもたびたびあちこちで答弁をしてきていると思いますが、九九・九%はこちらが仕切っているわけでも何でもないのであって、結果としてそうなっておるという状態になるという背景を先ほどから御説明申し上げておるんであって、これが、応札してくれる企業がふえてくれば間違いなく下がります。だから、数がないという前提でやりますと非常に難しいのが事実、これがまず一点です。

 九九・九九%だ何だかんだというのは異常だ、それは間違いなく私もそう思いますけれども、これまでもそう答えてきていると思いますが、それになる背景というのが、私どもとしては、こちらから十社にしろ二十社にしろと言ったってなかなか出てこない現実というのが難しいところではないかというのが、現場にいた経験からいくとそのような状況だと察して答えさせていただいております。

川内委員 今後もこの問題に取り組むということを申し上げて、終わらせていただきます。ありがとうございました。

山口委員長 次に、吉井英勝君。

吉井委員 日本共産党の吉井英勝でございます。

 私、イーター関連三協定について最初に基本的な考え方というものを申し上げておきたいと思いますが、原子核の研究とか原子力エネルギーの平和で安全な取り出しの研究というものについては、これは非常に大事なことだというふうに考えておりますから、当然、核融合の研究というものは必要だというふうに考えております。

 その上に立って、問題は、原発の場合ですと高レベルの放射能の問題とか出てきますが、では核融合だったら全く心配ないのかといったら、そうじゃないわけですから、ですから、高速中性子を大量に発生させるタイプなのか、原理的に中性子を発生しない反応というものはもちろんあるわけですが、そういう基本的な研究というものが本当は必要だと思うわけですし、著名な物理学者の間からもそういう意見というのは出されております。

 そこで、文科省の政府参考人に最初に伺っておきますが、イーターに特化しないで、広くこの分野については基礎的な研究を進めていくということは非常に大事なことだと思いますが、この点について、まず簡潔に考えを聞きたいと思います。

    〔委員長退席、山中委員長代理着席〕

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 核融合に関連しましては、極めていろいろな技術の方式もございますし、原理もございます。そういうことで、現段階では基礎的な研究から積み上げていきながら、最終的にはエネルギーの利用ということを、私たちは未来のエネルギーということで考えておりますので、先生御指摘のとおり、基礎的なことにも十分目くばせをしていきたいというふうに思っております。

吉井委員 それが二重水素同士のDD反応か、二重水素、三重水素のDT反応かという、このことになってくるわけですが、フランスで今度建設するイーターというのはDT反応でいくわけですから、高速中性子線照射に耐えられる炉材料の開発ということ、これは決定的に大事な課題ですし、かなり見通しを持たないと、プラズマ実験装置だったらいいわけですけれども、将来を展望したものをやっていこうと考えるならば、やはりブランケットが長期にわたって交換なしに使えるだけの炉材料の開発というものについてかなり見通しを持つ必要があると思うんですが、この点についてはどういう状況ですか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 イーターは、いわゆる重水素とトリチウムを使うタイプの核融合でございます。DT反応というものでございますが、この反応は、エネルギーが取り出しやすい、そういう利点がある反面、先生の御指摘のとおり高速中性子が発生するということでございますので、材料の問題が出てくるということはございます。

 しかし、イーターの建設に関して申し上げれば、必要な炉材料というのは既にあるというふうに認識されておりますが、その後、いわゆる原型炉というふうな段階になりますと、さらに新しい材料を開発していくということが必要か、こういうふうに思っております。

吉井委員 炉材料の方が、イーターに関しても開発済みというふうに考えるのは少し考え過ぎといいますか、早過ぎるというふうに思いますが、問題は、あわせて長時間プラズマの安定性の実現ということがこれは問題になってくるわけですが、当初考えていたイーター計画からコストを半分にするということになって、コンパクトイーターに変わってきて、プラズマ主半径はうんと小さくなってきたわけですね、縮小したわけです。その結果、当初の実験目標が達成できるのか。もともと考えていたモデルの、実験目標そのものを小さくしなければいけないということが現実には出てきております。

 その議論をやり出すと長くなりますからきょうはおいておきますが、プラズマ制御の困難性とともに、やはりトリチウムの遮へいと高速中性子によって放射化された機器の補修とか解体、廃棄の際の作業者の安全性、それから周辺住民の安全を確保することについては、これはこれとして相当大きな努力が必要な課題だと思います。

 そこで、これは文科省でも外務省の科学担当の方でも結構なんですが、そのことは協定上何かきちっと確認していることがあるのかどうか、伺います。

村田政府参考人 私の方から、協定というよりは事実の方で御説明申し上げたいと思います。トリチウムの安全性の確保の関連ということでございます。

 トリチウムは、先生御承知のとおり放射性物質の中では比較的に取り扱いが容易な核種であるとされておるわけでございます。すなわち、放出される放射線のエネルギーが弱くて、紙一枚で遮ることができるような、そういうものでありますので、いわゆる体外被曝という観点からすると、さほど問題に上がるわけではない。ただし、トリチウムを飲み込んでしまうとか、トリチウムを含む水という形で体の中に入ってしまういわゆる体内被曝ということでありますと、それなりの注意が必要であります。しかし、それにしても、新陳代謝によってよく透過、それで放射能が半減するというような、そういう性格のものでございます。

 そういう性格のトリチウムではございますが、いずれにしても、核融合を行うということであります。イーターはフランスにつくられるわけでございますけれども、そのいろいろな研究は日本でもあるわけで、それは安全確保が大前提でございます。日本の場合であれば、放射線障害防止法がございますので、その法律の運用によって日本国内での活動については適切に対応していくということでございますし、フランスについていえば、現地法でしっかりやれるというふうに認識してございます。(吉井委員「協定上の確認はありませんね」と呼ぶ)それはちょっと、私の方ではなくて、外務省から。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 イーター協定の第十四条に「イーター機構は、公衆及び職業上の衛生及び安全、原子力の安全、放射線からの保護、許可制度、核物質、環境保護並びに害のある行為からの保護に係る接受国の関係国内法令を遵守する。」ということが規定されております。

吉井委員 そうなんですよ。だから、これは国内施設を持ってくるにしても、やはり安全についてはきちんと対応しなきゃいけないということを強調しておかなきゃいけないと思うんです。

 次に、協定附属書1で国際核融合材料照射施設、附属書2で研究センターをともに六ケ所へというふうになっていますね。それから、附属書3ではJT60を改良する先進超伝導トカマク、サテライト・トカマクを那珂市に設置するということになっております。

 そこで、外務省に伺っておくんですが、それぞれのこの事業費と日本負担がどうなるか、聞かせてください。

中根政府参考人 より広範な取り組みにかかわる日本側の負担でございますけれども、先生先ほど言われました三つの事業を合わせて、十年間で約四百六十億円ということでございます。

    〔山中委員長代理退席、委員長着席〕

吉井委員 時間が限られていますから、その個々の施設ごとを言っていますので、それは後ほど資料で持ってきてください。数字は一応は聞いておりますけれどもね。

 次に、大型の国際共同プロジェクトについてどう考えるかという問題については、かつて、アメリカのSSC計画に日本が参加するとなると二千億円の負担を考えなきゃいけないということで、私もこれは予算委員会で、もう随分前になりますが、十年ぐらい、もっと前ですか、議論したことがあります。このときにも問題にしたことですが、研究内容に意味がある場合でも、きちんとした国際的共同の枠組みを決めることとか、費用分担を適切な話し合いで決められているかどうかということとともに、やはり国内の基礎研究など、他の研究分野を財政的に圧迫することはないかどうかということは、これはどんな場合もきちんと考えなきゃいけないことです。

 それで、日本の科学のつり合いのとれた発展を実現していくということからすると、イーター予算が異常に膨らんで、他の分野を圧迫することになっちゃいけないし、また、国内の大学や独法化された国公立の試験研究機関、そこで進めてきた幅広い基礎研究分野の研究費を圧迫することがないのかどうかということはきちっとしておかなきゃいけないと思うんですが、この点はどうですか。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 イーター計画につきましては、平成十四年五月に、そのときの総合科学技術会議が決定いたしました文書がございまして、それは「国際熱核融合実験炉(ITER)計画について」というものでございますが、その中で、「他の科学技術上の重要政策に影響を及ぼすことがないよう、既存の施策の重点化、効率化を図り、原子力分野の予算の範囲内で確保すること。」そういう基本的な考え方が示されてございます。

 そういうことで進められてございますので、私どもとしては、他の科学技術分野の大きな資金的なしわ寄せにならないようにイーター計画を進めていくということで考えてございます。

吉井委員 当初の見通しは、さっきおっしゃったように四百六十億ということを考えておっても、例えば原子力船「むつ」、当初六十億で考えたんですね。最終的に二十倍以上に膨らんで、一千億円超えたんですね。だから、国際協定を結ぶとき、また費用負担を適切にやることは必要だということで、さっき私、国際共同巨大プロジェクトをやるときのことを申し上げましたけれども、同時に、見通しを誤ると、「むつ」のときのように二十倍に膨らんでしまったと。それは結果的に、財政は限られていますから、国内における他の核融合の研究分野についてもそうですし、他の基礎科学の分野、基礎研究の分野についても圧迫することになっちゃならないと思うんです。

 だから、それはきちんと見通しを持ってやっているのかどうか、ここはもう一度聞いておきたいと思います。

村田政府参考人 お答えを申し上げます。

 イーターのような非常に長期的な、二十年、三十年かかるような計画を国際的な中でやっていくということについては、チェック・アンド・レビューと申しましょうか、評価をしっかりやっていく体制づくりが非常に重要だと思っています。

 イーターの運営体制の中でもそういうメカニズムが用意されてございますし、私どもも、毎年の予算案を作成する過程において、いろいろ先生方の御指導もいただきながら、無駄な経費が発生しないよう十分注意してやっていきたいと思っております。

吉井委員 ITER計画推進検討会とかこういうのを何度も開かれてきて、私もその会議録や資料等をずっと読んでまいりました。この間の議論の中でも、例えば、二〇〇五年九月の一日の第二回のITER計画推進検討会の記録によれば、今度のBA、ブローダーアプローチについても、当時の有馬座長が、遠隔実験センターは本当に要るのか、こういう提起をされて、森委員の方から、絶対必要かというと、要するに、絶対必要かというと必ずしもそうじゃないというニュアンスを込めた御意見も出されたり、また、有馬さんの方から、いろいろなものを何となくBAにほうり込んだということにならないか、こういう御発言もあるんですよね。

 そこで私、時間も迫ってきましたから外務大臣に伺っておきたいと思うんですが、そういう技術的な話は別にして、実は、イーターの六ケ所誘致がまだ問題であったころ、このころ学者の方の批判の声を私は国会でも紹介したことがあるんですが、エネルギーに名をかりた公共事業の発想に走っているという批判がありました。それを取り上げましたら、当時町村さんが文科大臣のときで、地域おこし的観点が少し走り過ぎているなという感じがしますという答弁もありました。

 今回の協定の中で、ブローダーアプローチが要するに六ケ所へ、さっきの協定文書の1、2であるわけですが、施設建設ということを伴ってくるわけですが、これが科学技術に名をかりた公共事業誘致の発想にならないようにしないと、本来の精神から離れると思うんです。

 それからもう一つは、さっきもありましたように、中性子線とかトリチウムなどによる、トリチウムの場合は紙一枚で遮へいできるにしても、体内に取り込んだら大変なことになりますから、住民被害が出ない、そういうことで進めていかないとやはりこれはうまくないわけです。

 ですから、政府として、国際協定の趣旨の中では、エネルギーに名をかりた公共事業的なものにしちゃならないということ、あるいはまた住民の安全をきちっと守る、そういう立場に立って進めていくという、その基本をきちっと踏まえてやらなきゃいけないと思うんですが、この点は最後に、外務大臣の方に考え方を伺いたいと思います。

麻生国務大臣 少なくとも、京大の原子物理学部の方と学習院大学政治学部が、ちょっとこの原子力の話で話をされると困るなと思って、きょうは朝えらく時間をかけて勉強したんですけれども、幸いにして今のお話をいただきましたので、安心して答弁をさせていただければと思います。

 今おっしゃるように、公共事業というような話というのは、あの当時いろいろ言われたことは確かです。特に場所が青森だったりしたものですから、またそれだけで何か公共事業的な雰囲気も出たりなんかしたのも確かです。これはもう青森の人にも面と向かって言ったこともありますから、だからもう間違いなく、そういったことは確かです。

 御存じのように、これは欧州協力体から中国から、全部含めましたところで全人口の約七割ぐらいが参加する形のプロジェクトになっておりますので、そういった意味では公共事業とはちょっと違った形になってきていると思いますし、また、いわゆる一番金がかかると言われておりますイーター本体じゃなくて、BA、ブローダーアプローチの方に移っておりますので、その種のことにならないと存じますし、基本的にこっちの方が日本には向いていたんじゃないかなと、正直、私自身はそう思っております。

 いずれにいたしましても、今言われましたように、そういったようなことを十分に考えないかぬし、今いわゆるトリチウムの話が出ておりましたけれども、そういった話に関しましても、ちょっと余りにもないがしろにされてきて、ここまですごいという話ばかりがわあっと走っておりますけれども、基本的なところは、核の話でいくと何となくみんな一応意識がおありのようですが、これがトリチウムとかいうふうになった途端に、全然意味が取り違えられたり、中性子とかいう話になるとさらにわからなくなったり、いろいろしますので、こういった点に関しましても、きちんとした話をさせておく、知らしめておくという必要性についての吉井先生の御指摘は、まことに正しいと思います。

吉井委員 時間が参りましたので、終わります。

山口委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 質問に入る前に、社民党のエネルギー政策の概要を申し上げます。

 社民党は、日本の主要政党の中で唯一、脱原子力の立場を明確にしている政党です。もちろん、現実には我が国において電力エネルギーの三分の一程度を原子力が担っていることは無視できません。直ちにすべての原子力発電を廃止することは現実的ではありません。だが、原子力発電は、万が一事故が発生した場合の危険が極端に大きく、その被害が甚大なものになることが予想されます。国土の狭い日本においては、国家の存続にもかかわる事態になりかねません。

 電力総需要の抑制や省エネの推進、代替エネルギーの開発、プルトニウム利用計画の廃棄、自然エネルギーの促進問題とも関連し、イーター国際核融合エネルギー機構への参加は余りにも問題が多過ぎます。

 以下、質問に入ります。

 イーター計画は、人類究極のエネルギー源と言われる核融合エネルギー実現へ向けた世界的取り組みと思われます。一方、イーター事業には莫大な費用を要し、そもそも核融合エネルギー実現の可能性はないとの指摘もあります。

 現時点における核融合エネルギー実現の可能性を示す根拠、科学的知見についての見解を尋ねます。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 核融合は、先生御指摘のとおり、将来のエネルギー源の有力な候補の一つでございます。多くの国においてその研究が進められているところでございます。特に、イーターと同じトカマク型と呼ばれる核融合実験装置の性能の進歩は、近年目覚ましく、九〇年代の半ばには、核融合により、入力したエネルギーよりも大きなエネルギーを発生させることに成功しております。

 我が国の核融合専門家による原子力委員会核融合専門部会の報告書におきましては、核融合エネルギーについて、今世紀中葉までに実用化の見通しを得ることも視野に入れることが可能であると判断されております。

 今後、イーター事業やブローダーアプローチの実施により、核融合エネルギーの実現が確かになるものと考えております。

照屋委員 イーター事業は三十五年という長きにわたるプロジェクトです。協定上、建設段階、運転段階における参加国の脱退の自由について御説明ください。イーター事業からのカナダの撤退、アメリカの撤退と再参加の背景に関連する知り得る情報を含めて、お答えください。

麻生国務大臣 今、照屋先生御指摘のありましたとおりに、多額の金がかかるということは、時間と同時に金もかかるということは御指摘のとおりであります。したがって、締約をいたしております国から脱退が出るとかいうことになりますと、これは事業全体に多大な影響を及ぼすということはもうはっきりいたしておりますので、協定上、各締約国は、建設段階に相当いたします協定発効から十年間は脱退できないというルールというか、規則というか、締約になっております。

 また、運転期間中に脱退する場合も、イーター施設のいわゆる廃止になりましたときについては、廃止するのにかかわる経費の分担をいただきますというルールにもしております。したがって、当然のこととして、この主締約国でありますユーラトムそのもの自体ですけれども、ユーラトム自体は脱退はできないというルールにいたしております。

 いずれにいたしましても、今おっしゃいましたように、いわゆる人類の究極のエネルギーと言われておりますものですので、これは国際的な協力事業でやらないととてもできないということだと思いますので、我々としては、その枠組みができるだけ維持できるように今後ともいろいろ努力をしてまいります。

 それから、今お話のありました一九九九年のアメリカのイーターからのことは、これは議会の承認が得られなかったのがたしか八年前のことだったと存じます。したがって、その後イーター工学設計活動から離脱ということを承知しておりますが、四年前の二〇〇三年にイーター事業に関する協力の枠組みに復帰をいたしております。

 それから、カナダにつきまして御指摘もありましたが、カナダにつきましては、イーターの誘致をやっておりましたけれども、二〇〇三年にイーターの誘致を断念しておりますので、政府間協議から離脱ということになっておるというのが背景だと理解をいたしております。

照屋委員 イーター事業に対する建設期十年間、運転期二十年間の経費負担割合は幾らを想定しているのか、なお、建設期における経費の物納とは具体的に何を指すのか、明らかにしてもらいたいと思います。

中根政府参考人 お答え申し上げます。

 イーター事業につきましては、三十五年にわたる長期間の事業でございますので、現時点におきまして確定的な総額を算出することは困難でございますけれども、イーターの建設期の我が国の経費負担割合は、総建設経費、総費の九・〇九%でございます。これは、文部科学省の試算によりますと約五百四十億円と見積もられております。

 それから、この建設期間、物納でどういうことをするかについては後ほど文科省の政府参考人から御答弁があると思いますけれども、ちなみに、イーターの運転期間の我が国の経費負担割合でございますが、これは運転総経費の一三%でございまして、これも文部科学省の試算によりますと、我が国の負担は全体で約一千百八十億円と見積もられております。

村田政府参考人 物納の具体的なことについてお答え申し上げます。

 イーターの建設に関しましては、先生御承知のとおり、各参加国が機器を分担作製し、イーター機構がフランスのカダラッシュの地で組み立てる、そういう構造になってございまして、日本の物納の分担ということでございますと、例えば、強い磁場を発生する高性能の超電導コイルとか、プラズマの加熱装置、あるいは保守作業を自動で行うような遠隔操作ロボットなど、我が国の産業界が強い競争力を持っているようなハイテク分野の機器を多く分担することとなってございます。

照屋委員 日本と欧州との核融合の将来の幅広いアプローチはイーター協定とは別個のようですが、なぜイーター事業とは別に日本と欧州間の幅広いアプローチ協定が必要なのか、また、その実施期間十年の後も自動的に更新されるのか、更新の期間はあらかじめ何年を想定しているのか、尋ねます。

岩屋副大臣 先生、イーター事業は将来の核融合エネルギーの実現に向けた中核的な事業、実験炉ということだと思います。一方、実験が終われば、今度は次世代の炉をつくっていかなくちゃいけないわけですが、イーター事業に加えてイーターの次世代の原型炉の設計をやらなくちゃいけない、それから材料の開発などをやらなくちゃいけないということで、したがってイーター事業本体とは別に幅広いアプローチが必要だということでございます。

 それから、日本とユーラトム、日本と欧州の協定でございますが、先生御指摘のように十年間の期間、効力を有しているわけでございますが、その後は、いずれか一方の締約者がこの協定を終了させない限り引き続き効力を有することになっている、つまり、どっちかがやめたと言わない限りは引き続き効力を有するということになっております。したがって、十年後の更新期間については、この段階であらかじめ決まっているわけではございません。

照屋委員 最後に、我が国における核融合研究開発の現段階における具体的な取り組み状況を明らかにしてもらいたいと思います。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 現在の我が国における核融合研究開発は、原子力委員会が定めました基本計画、第三段階における核融合研究開発基本計画に基づいて進められてございます。それは、平成十七年に原子力委員会において進捗状況が評価されております。それによりますれば、核融合方式になった後、イーターに採用されておりますトカマク方式の開発研究を推進する一方で、核融合エネルギーの選択肢を広げる観点から、ヘリカル方式ですとかレーザー方式についても、学術研究として、それぞれの特色を生かしつつ研究開発を進めるということになってございます。

 このうちのトカマクでございますけれども、核融合エネルギーの早期実現に向けて、次の段階につながる研究開発の具体化ができる基盤ができているというふうに判断されてございまして、研究開発を一層推進する必要があるとされてございます。イーターは、それを具体化するものであるということでございます。片や、ヘリカル方式やレーザー方式による核融合研究開発につきましては、学術研究として、その科学的な基礎の確立を目指すための研究が進められているということでございます。

 いずれにいたしましても、核融合エネルギーの早期実現のために、開発研究と学術研究を適切に目くばせしながら、総合的に研究開発に取り組んでまいりたいというのが現状でございます。

照屋委員 終わります。

山口委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより各件に対する討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党を代表して、イーター事業関連三協定に対し、反対の立場から討論を行います。

 まず最初に申し上げたいのは、消費地から遠く離れた巨大施設で発電する大規模な集中型のエネルギー供給システムは既に時代おくれだということであります。本協定が実現を目指している核融合や原子力のような巨大な一極集中型のエネルギー源は、一つの事故で大きな範囲が影響を受ける極めて脆弱なシステムであります。私は、各消費地近隣に太陽光発電やコージェネレーションなどの分散エネルギー源を配置し、これをネットワーク化し、電気や熱を総合的に、効率的に、安定的に運用する方向を目指すことが、新しい時代のエネルギー供給体制としてふさわしいと考えております。

 イーターの核融合エネルギーは、核分裂による原子力発電と比べてクリーンだとされていますが、決してそうではありません。イーターの燃料として使われるトリチウムは、わずか一ミリグラムが致死量とされる猛毒物質であり、酸素と結合して重水となって流れ出すと極めて危険であります。トリチウムの持つ放射線量は極めて大きく、チェルノブイリ事故時に匹敵するとも言われるものです。また、イーターで生じる中性子によって炉壁や建造物が放射化し、四万トン余りの放射性廃棄物が生まれると考えられており、実験終了後は、放射化された装置と建物によって大きな環境汚染が引き起こされるおそれがあります。

 さらに問題なのは、イーター計画に要する費用が莫大だということであります。現時点でイーター事業にかかわる経費は一・七兆円と見積もられており、このうち十年間の建設期に五百四十億円、二十年間の運転期には毎年六十億円が日本の負担と予定されています。しかし、今後の実施段階でこの金額が膨らむ可能性が高く、イーター機構長を日本が担当することが予定されているだけに、日本の負担は際限なく拡大する可能性があります。イーター計画に果たしてそのような莫大な負担をする価値があるのか、大いに疑問と言わざるを得ないのであります。

 差し迫る地球温暖化やエネルギー問題に対処するためには、分散型エネルギーシステム、再生可能エネルギーの開発、普及、エネルギー効率の向上にこそ資金や人材を振り向けるべきであり、環境汚染の可能性が高く、危険で将来の不確かな巨大プロジェクトに、限られた資金を投入するべきではないということを申し上げて、三協定案に反対の討論といたします。

山口委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山口委員長 これより採決に入ります。

 まず、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の特権及び免除に関する協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山口委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

山口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.