衆議院

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第17号 平成20年6月6日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十年六月六日(金曜日)

    午前九時十一分開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 河野 太郎君 理事 高木  毅君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 三原 朝彦君

   理事 山中あき子君 理事 近藤 昭一君

   理事 武正 公一君 理事 谷口 和史君

      愛知 和男君    伊藤信太郎君

      猪口 邦子君    宇野  治君

      小野 次郎君    木村 隆秀君

      塩崎 恭久君    篠田 陽介君

      鈴木 馨祐君    中山 泰秀君

      山内 康一君    山口 泰明君

      篠原  孝君    西村智奈美君

      野田 佳彦君    鉢呂 吉雄君

      松原  仁君    上田  勇君

      笠井  亮君    保坂 展人君

    …………………………………

   外務大臣         高村 正彦君

   内閣官房副長官      大野 松茂君

   総務副大臣        谷口 隆義君

   外務副大臣        小野寺五典君

   防衛副大臣        江渡 聡徳君

   外務大臣政務官      宇野  治君

   外務大臣政務官      中山 泰秀君

   厚生労働大臣政務官    松浪 健太君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  鈴木 敏郎君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    倉吉  敬君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       鶴岡 公二君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 秋元 義孝君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 梅本 和義君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 新保 雅俊君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 田辺 靖雄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 小原 雅博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 廣木 重之君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            奥田 紀宏君

   政府参考人

   (外務省国際協力局長)  別所 浩郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           村木 厚子君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           佐々木昭博君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  南川 秀樹君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  徳地 秀士君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月六日

 辞任         補欠選任

  田中眞紀子君     西村智奈美君

  照屋 寛徳君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  西村智奈美君     田中眞紀子君

  保坂 展人君     照屋 寛徳君

    ―――――――――――――

五月二十七日

 核兵器禁止条約の早期締結に関する請願(斉藤鉄夫君紹介)(第三二二八号)

 同(三谷光男君紹介)(第三二二九号)

 同(寺田稔君紹介)(第三二五三号)

 同(平口洋君紹介)(第三二五四号)

 同(河井克行君紹介)(第三三二〇号)

 核兵器の廃絶に関する請願(笠井亮君紹介)(第三三二一号)

六月三日

 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三四八五号)

 同(石井郁子君紹介)(第三四八六号)

 同(笠井亮君紹介)(第三四八七号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三四八八号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第三四八九号)

 同(志位和夫君紹介)(第三四九〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三四九一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三四九二号)

 同(吉井英勝君紹介)(第三四九三号)

 同(辻元清美君紹介)(第三五四〇号)

同月六日

 沖縄での米兵による少女・女性性暴力事件に抗議し、地位協定の抜本改正を求めることに関する請願(重野安正君紹介)(第四〇〇六号)

 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(小宮山洋子君紹介)(第四〇〇七号)

 同(小宮山洋子君紹介)(第四一六九号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房地球規模課題審議官鶴岡公二君、大臣官房審議官秋元義孝君、大臣官房審議官梅本和義君、大臣官房審議官新保雅俊君、大臣官房審議官田辺靖雄君、大臣官房参事官小原雅博君、大臣官房参事官廣木重之君、中東アフリカ局長奥田紀宏君、国際協力局長別所浩郎君、内閣官房内閣審議官鈴木敏郎君、法務省民事局長倉吉敬君、厚生労働省大臣官房審議官村木厚子君、農林水産省大臣官房審議官佐々木昭博君、環境省地球環境局長南川秀樹君、防衛省運用企画局長徳地秀士君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野次郎君。

小野(次)委員 おはようございます。

 きょう、私は、世界的な食料価格の高騰を中心とする食料安全保障の問題についてお伺いいたします。

 ただ、けさ起きまして、主要な新聞を広げてみましたら、どの新聞も一面のトップに掲げているのは、財務省の官僚、主計局中心かもしれませんが、タクシー券を利用していながら、逆にタクシーの運転手さんから金品の提供を受けていたという報道でございました。

 私は、その記事を見たときに、全く時代も隔てたある本を思い出しました。ハインリッヒ・シュリーマンというトロイの遺跡を発掘した人がいます。この方が、実は幕末に日本と中国を訪問して記録を残しているんですね。中国のことを悪く言うわけにいきませんけれども、特に公務員の廉潔性というんですか、清潔さについて、すごく日本のことを褒めています。

 当時、どこの港かわかりませんが、シュリーマンが上陸しようとしたら税関の役人が長時間とめる。これはそでの下を渡さなきゃいけないという意味だなと思って、そでの下を渡そうとしたら突き返してきた。こういうものは受け取らないのが我々のプライドだということを言われたということがあるんですね。今度、荷駄というか荷物を積んでもらうのに人夫の方にまたいわゆるチップを払おうとしたら、人夫の方もそれを返してきた。これは一個何文と決まっているので四個だから何十文だと言われて、それ以上は受け取りませんというふうに言われた。

 中国では全く違った印象を持っておられたわけで、すべて官も民も全部それはチップの世界だと思っていたのに対して、日本は、官も民も、職業に貴賤があるわけじゃありませんけれども、単純労働をされている方ですらきちっとその辺は守っているんだということにすごく感激したということを書いているんですね。それで、麻布の何とかというお寺に泊まって日本の見聞を広めて帰っているんです。

 その本の記述を思い出したときに、どこまで日本のお役人というのはなってしまっているんだ、悪い意味でですね、よりによって、タクシーの運転手さんから金品を受け取っているというのは余りにも締まらない話じゃないかと私は思うんです。

 この記事は、委員の方も、委員長も、あるいは小野寺副大臣もお読みになったと思いますが、この記事を読んでの感想をお聞かせいただきたいと思います。

小野寺副大臣 国土交通省の件が報道された時点で、私ども、タクシー券の使い方について確認をいたしました。外務省改革の折、さまざまな提案がなされ、現在は、基本的には、終電が終わった後、個々の職員がタクシーチケットを持っているのではなく、守衛さんにその引きかえ券を渡して、そこで守衛さんからタクシーチケットをもらうという形で厳密に管理をしているという報告を受けております。

 また、今回の金品のことについては調査をするように働きかけておりますが、現在のところ、そのような心配はないというふうに私どもは信じておりますが、なお、きちっと精査していきたいと思っております。

小野(次)委員 僕はこの記事を読んで二重にあきれたんですけれども、というのは、私は自民党の中で、一円たりとも税金の無駄遣いを許さない若手議員の会というのを組織しまして、調べてもらっていた相手が悪かったんですね、国土交通省のタクシー券の使い方を財務省主計局に調べてもらっていたんです。だから、私たちが仕事をお願いしたその夜もあれを使っていたのかなと思うと、非常に、腹が立つというよりもあきれてしまっているんです。

 何を言いたいかというと、今回も、野党の議員からの御指摘で、かなり時間を要したようですけれども実態が出てきたということがあります。ぜひ、外務省については、小野寺副大臣もそういうことは十分お考えの上で省内の掌握をされているというふうに印象を受けましたけれども、何か外から指摘を受けて実はというのではなくて、そういうことはないと信じておりますというのは、やはり財務省も信用はあるけれども外務省だって一般国民から見たら大変高い信頼があるので、そういうことを、わずかな金額のことであっても大きく信頼を失うようなことのないように、まずきちっと省内の実態調査をされるなり必要な措置をとっていただくようにお願いを申し上げておきます。

 それでは、質問に入らせていただきます。

 きのう、食料サミットと言われていますローマでの首脳級の国際的な会合が終わったわけですけれども、今大変大きな問題になっています世界的な食料安全保障の問題というのはどういう性格の問題だと理解すればいいのか、お話をお聞かせいただきたいと思います。

小野寺副大臣 世界の食料需給をめぐる状況は大変厳しい局面を迎えております。食料価格が高騰し、多くの国での食料の安定供給の確保が困難になり、食料安全保障の懸念が出ているものと認識しております。今回の世界的な危機で、新たに一億人以上の人々が飢餓に追い込まれると見積もられておりまして、我が国としても、この状況を大変憂慮しております。

小野(次)委員 今さらっとお答えになったんですが、食料の価格が高騰しているということが大変大きな要因だと思うんですけれども、価格高騰の現状、そしてまた、それはどういう要素、エレメントから価格高騰となっているのかについてお話を伺いたいと思います。

小野寺副大臣 高騰の要因ですが、米、小麦、トウモロコシ、大豆等の国際価格は、最近上昇基調で推移しておりまして、これらの価格は現在も高水準にございます。当面、この水準の継続が見込まれるため、飢餓人口の増加、途上国の社会不安等が懸念されます。

 この原因でございますが、複雑なものであります。一つの要因ではなく、複合的であると認識しております。例えば、新興国の高い経済成長による食料需要増大、バイオ燃料生産の増加、需要構造の変化、主要穀物生産国での不作、昨今の原油価格高騰に伴う輸送費の増加、投機的資金の流入等が考えられると思います。

小野(次)委員 価格高騰の原因、複合的だというお話をされて、その中で二番目の要因としてバイオ燃料の話をされたと思うんですが、私どもも、バイオ燃料は、食物あるいは飼料として使える穀物、その他の野菜を原料として燃料に使うということだというふうに了解していますけれども、これがどうして価格高騰の一因になってしまっているのか、そう見られているのか、その点についてもう一度お伺いしたいと思います。

小野寺副大臣 現在の価格高騰の状況、特にバイオ燃料の御指摘がございました。トウモロコシ等、燃料に大変有益な穀物ということが現在評価されておりますが、そのトウモロコシ生産のために、例えば小麦の畑をトウモロコシにかえていくとか、そのような需給関係の変化ということがあると思います。

小野(次)委員 きょうは環境省もお見えなので、一度聞いてみたいと思っていたことですけれども、化石燃料、石油などと比べて、バイオ燃料というのは、つくるときにもやはりある程度CO2は排出すると思うんですが、そしてまた、燃やすときも、エタノールといってもCが入っているわけで、CO2が出るように思うんですけれども、化石燃料と比べて、バイオ燃料をつくって使うという両面において、CO2の排出量削減効果というのは全体としてどれぐらいあると認識されているのか、お答えいただきたいと思います。

南川政府参考人 お尋ねのバイオ燃料でございますが、まず、京都議定書上は、バイオ燃料はバイオとして成長する際にCO2を吸う、そしてそれを燃焼の際に吐き出すということで、CO2の排出量としてカウントしないということになっております。ただ、委員御指摘のとおり、原料の生産から燃料としての使用に至るプロセスの中で、当然、化石燃料由来の電力などのエネルギーを利用しているわけでございます。したがいまして、ライフサイクル全体を見た削減効果ということも大事な視点だと思います。

 これは、物によって相当違います。例えば、国内で廃木材から製造したエタノールでございますと、CO2の排出量はガソリンを使った場合に比べて八八%少ない、また、ブラジルでサトウキビから製造し、それを輸入してエタノール燃料として使うという場合には、全体としてガソリンよりも八一%少ないという試算をしております。ただ、この試算が、小麦とかトウモロコシになるとこういった大きな数字にはならないということでございまして、バイオ燃料といっても、物によって相当効果の違いがあるということでございます。

小野(次)委員 一般論で申し上げて、人間が食べる用に使う、あるいは動物の飼料として使う、さらには燃料の原料にするという使い方を考えたときに、一般的に考えて、価格の面でやはり食物として栽培する方が高く売れると考えるのが当然だと思うんですが、現実に、世界の中でバイオ燃料にするために穀物等を利用するということが起きているわけでございます。

 そのバックグラウンドとして、私は、やはり石油価格が物すごい勢いで高騰しているということがあるから、そういうコストをかけてもバイオ燃料にする、バイオ燃料をつくるということが価格的にペイしてくるという状況になっているのかなと思うので、その面で、バイオ燃料の問題の背景には石油価格の高騰の問題があるんじゃないかと思うんですが、両者の関連について認識をお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 各国における近年のバイオ燃料の生産拡大でございますけれども、一つは地球温暖化抑止に効果があるということ、そして原料の供給や新たな雇用の創出により農業や地域の振興に寄与するといった見方、そしてエネルギー供給源の多様化に寄与するなどの利点がございます。こうした点を踏まえまして、各国政府が補助制度や税制の優遇、そしてバイオ燃料の使用の義務づけなど、政策的な誘導を行ったことが大きな要因というふうに考えております。

 こうした中で、御指摘の近年の大幅な原油価格の高騰がバイオ燃料の価格競争力を相対的に高めておりまして、バイオ燃料生産拡大の背景の一つとなっているというふうに考えております。

小野(次)委員 私として確認しておきたいのは、やはり今お答えにもありましたとおり、関係する各国政府の政策的なというか制度的な後押しがあってそういう状況に、バイオの燃料に穀物その他の植物を回すという仕組みが完全に採算がとれているのかどうかわかりませんけれども、そういう方向に、インセンティブになっているということは、かなり行政的なというか政治的な後押しがあるんだろうと私は思うわけです。それを確認しておきたいと思います。

 ただ、おとといですか、福田総理がローマで演説された内容でも、報道で聞いているところでも、そういった人間が食物として使うという用途とバッティングしない、ぶつからない形でのバイオ燃料の生成なり活用というのを考えるべきだという趣旨のことを御発言になったように理解しています。

 その意味で、第二世代のバイオ燃料というらしいんですけれども、食物として使う用途と矛盾しないあるいは競合しない、バッティングしない第二世代のバイオ燃料に関する技術革新というのは世界的に求められている技術だと思うんです。それを我が国としてもぜひ加速すべきだと私は思っておりますが、こういった第二世代のバイオ燃料の開発、技術革新に対する我が国の取り組みの姿勢についてお伺いしたいと思います。

佐々木政府参考人 国産のバイオ燃料の生産につきましては、食料や飼料の供給と競合しない稲わらや間伐材等のセルロース系の原料を積極的に活用して、大幅な生産拡大を図る日本型バイオ燃料生産拡大対策に取り組むこととしております。

 農林水産省では、平成二十年度から新たに、ソフトセルロース利活用技術確立事業によりまして、稲わら等のソフトセルロース系原料を用いたバイオエタノール生産の実証、もう一つ、森林資源活用型ニュービジネス創造対策事業によりまして、林地残材や間伐材等の未利用森林資源から、バイオ燃料等のエネルギー利用やマテリアル利用に向けた製造システムの構築に取り組むこととしております。

 本年三月にはまた、農林水産省と経済産業省が連携してバイオ燃料技術革新計画を策定し、経済的かつ多量にセルロース系原料からバイオ燃料等を効率的に生産する画期的な技術革新の実現を目指すこととしております。

小野(次)委員 世界の食料価格の高騰を招いている要因のもう一つの側面として、食料生産、穀物生産の多い国で輸出規制をしているという事実が挙げられているわけです。

 この穀物の輸出規制を実施している諸国の状況と、それがどういうふうに食料価格高騰に影響を及ぼしているのか、それについてお尋ねしたいと思います。

小野寺副大臣 すべての状況、国を把握しているわけではありませんが、輸出国の中には、自国の国民の食料安全保障を優先させざるを得ないとの認識から、穀物等の輸出規制を課している国があると承知しております。

 具体的には、輸出国の中には、米、小麦等、特定の穀物の輸出禁止、輸出枠の上限や輸出税の賦課を設定している動きがあると聞いております。これらの輸出規制は、農産物の円滑な取引を妨げ、これがさらなる食料価格の高騰を招く一因となると認識をしております。

小野(次)委員 今お話を伺ってきて、バイオ燃料の問題も、関係国の政治的というか行政的な後押しというのがそういう事態の一つの要素になっている。また、食料価格高騰のもう一つの側面であります輸出規制を行っている状況を伺いましたけれども、その点でもやはり各国政府の対応措置というのがその要因になっているということがありまして、いずれにしても、何か、各国政府の食料安全保障というか食料価格の高騰に対する対処として、各国政府の対応というのが要素になっている、自然環境の問題だけではないということがわかってきているわけでございます。

 そのしわ寄せはやはり一番経済的に弱いところにあらわれるのが必定だろうということで、実際、アフリカではさまざまな社会問題にまでなっているようでございますけれども、食料価格高騰がアフリカ諸国へ与えている影響についてお伺いしたいと思います。

小野寺副大臣 御指摘ありますように、開発途上国の中でもアフリカ諸国は食料生産力が弱く、すべての国が食料純輸入国であります。アフリカ諸国では、食料援助に依存しているか、ぎりぎりの生活を維持している人口が多く、現在の食料価格の高騰は多くのアフリカ諸国に深刻な影響を及ぼしております。

 この高騰の結果、モーリタニア、ブルキナファソ、モザンビーク、カメルーン、コートジボワール、ソマリア等では物価上昇に端を発する暴動が起き、死者も発生している様子です。

小野(次)委員 先般、我が国でTICAD4という大変ハイレベルな、しかも多数国間の会合を開かれたわけですけれども、この場で、アフリカ地域における食料価格高騰の対策として、農業分野でどういった短期的あるいは中期的な支援策が打ち出されたのか、その内容をお伺いしたいと思います。

小野寺副大臣 アフリカでは、厳しい自然状況や干ばつなどにより農業生産が低い上、人口増加などによる穀物輸入量の増加が進んでいることもありまして、昨今の世界的な食料価格の高騰が食料安全保障に重大な影響を及ぼしております。

 このような状況を踏まえ、我が国は、先般行われましたTICAD4におきまして、食料価格高騰の問題に対処する短期的な対策として約一億ドルの緊急食糧援助を実施、この相当部分をアフリカに向けていくことを表明いたしました。

 また、中長期的な対策としましては、アフリカの米の生産量を倍増させることを念頭に、さまざまな国や国際機関と連携しつつ、かんがい施設の整備、作物の品種改良、農業関係者の能力強化等の分野で協力していく考えにあります。

小野(次)委員 我が国が技術開発に大変大きな貢献をしたものとしてネリカ米というのがあるわけですけれども、特にアフリカの干ばつや病虫害に強いとされているネリカ米を活用した我が国の支援方策について、具体的にお話ができるのならお伺いしたいと思います。

小野寺副大臣 御指摘ありましたように、近年アフリカでは米の消費が大きく伸びておりまして、この間のTICADでも、幾つかの政府首脳からは米についての提案がございました。

 ただ、これだけ消費が伸びている米ですが、アフリカ域内での生産が追いつかず、輸入が増加しているということになります。このため、稲作の振興というのは、アフリカにおける食料安全保障や貧困農民の所得向上につながることが期待をされます。

 我が国は、九〇年代より、関係国際機関と協力しつつ、陸稲を中心としましたネリカ米の開発に協力し、その後もJICA等を通じてその普及を支援してきました。その結果、ウガンダ等では一定の成果が上がっておりますが、ネリカ米を活用した支援が一層の効果を上げるためには、アフリカの農業に共通した多くの課題を解決していく必要があります。

 こうした観点から、我が国としましては、これまでの経験を生かして、ネリカ米を含む稲作分野での支援を行うとともに、人材育成、かんがい等のインフラ整備、品質管理を通じた市場アクセスの向上など、アフリカにおける食料増産及び農業生産性の向上に必要な、幅広い分野での各国の努力を支援していく方針であります。

小野(次)委員 昔私が警察に勤めているとき、砂漠の国から見えた人が、警察で使っている署活系無線というパトロールのお巡りさんが使っている無線があるんですね、それを見て、ああ、これは便利だ、買って帰りたいと言うから、アンテナを張らなきゃ使えませんよという話をしたことがあるんです。

 やはり農業も似た面があると思うので、これはソフトというか、構造調整というんですか、農協がいいかどうか、農協的な組合組織をどうするかとか、あるいは行政が耕作者に対してどういう指導や助成をするのかという問題、そういった仕組みについてやはり指導しないとその成果が上がらないと思うし、また、日本にとっては、そういうことの方が他国に比べてもすごく細かいノウハウを持っているんじゃないかと思うんです。

 そういった農業の構造調整、行政組織自体あるいは組合組織などによる指導体制の充実というかレベルアップに対して日本として何か貢献できるものはないのかどうか、その点についてのお考えがあればお伺いしたいと思います。

小野寺副大臣 日本の場合、水稲、稲作、陸稲に関してもさまざまな技術を持っております。さらに、制度の問題ですが、アフリカの農業分野におきましては、これまで、生産技術向上のための支援のほか、農業政策の策定支援や住民参加型の農業開発、日本が得意としている分野の支援を行ってまいりました。

 特に、行政による農業政策の策定、実施支援につきましては、タンザニアにおいて中央政府の農業政策策定及び実施体制強化に関する支援を実施しているほか、エチオピアやザンビアに対して農業政策アドバイザーを派遣し、農業政策改善、実施促進に関し協力を行っております。

 また、住民参加型の農村開発につきましては、マラウイにおいて小規模かんがい施設の支援を実施しているほか、タンザニアやケニアにおいて、中核農民への技術移転により、住民が主体となった生産指導体制の普及を図っております。

 我が国としましては、今後とも、このような協力等を通じまして、アフリカの農業開発を支援していく考えであります。

小野(次)委員 大臣がお見えになったので、最後の質問に幾つか入りたいと思いますが、きのう終わりましたFAO、ローマでの閣僚級のハイレベル会合における主な論点について。大臣、お見えになったばかりで大変恐縮でございますが、きのう終わりましたFAOの閣僚級ハイレベル会合において議論されました主な論点についてお答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

高村国務大臣 今回のハイレベル会合では、現在の食料価格高騰問題に対応するため、短期的、緊急的に国際社会として何ができるか、また、中長期的にいかなる対策をとるべきかという点が議論されたわけでございます。個別の論点としては、幾つかの国でとられた輸出規制の是非及び食料生産とバイオ燃料普及の関係をどう見るか、そういったことが議論されたわけであります。

 輸出規制については、食料輸入国の多く、特に開発途上国の輸入国側でこれを非難する声が強かった一方で、輸出国側からは、緊急時に自国民を優先させざるを得ないと強い反発があったわけであります。

 バイオ燃料については、食料生産への悪影響を懸念する声が強かった一方で、バイオ燃料推進国は、そのような悪影響はないと否定をしておりました。他方、産油国は、国際社会がバイオ燃料に傾倒することに消極的見解を示した、そういうことでございます。

小野(次)委員 きょうの報道ぶりを見ていますと、どの報道も、大きな成果がなかなか上がらなかったというふうに言っています。バイオの問題についても意見が分かれたまま、輸出規制についても、輸出規制している方は正当性を主張したということで、確たる方向性というのが出せなかったように報道している例が多いわけでございますけれども、一方で、洞爺湖サミットも近くなってきまして、議長国である日本として、環境の問題もありますし、食料の問題でもリーダーシップを発揮したいところでございます。

 こういう、国際的な世論というか、特に食料価格の高騰問題に対する各国政府の対応がなかなか一本化しにくい状況にあるようにお見受けしますけれども、今回のローマでのハイレベル会合の成果と、それから、総理も演説をされたわけですが、我が国のこれからの取り組みの方針についてお伺いしたいと思います。

高村国務大臣 本会合におきまして、福田総理は、食料価格高騰問題に対し、緊急対応から中長期にわたる包括的かつ一貫性のある対策を国際社会が一致団結してとる必要がある、こう主張したわけでございます。

 まず、緊急対応としては、既に発表した約一億ドルの追加的緊急食糧援助に加えて、貧困農民に対する約五千万ドルの食料増産支援や、三十万トン以上の輸入米放出といった新たな緊急措置を発表いたしました。また、食料市場の投機的側面の監視に言及するとともに、農産物の輸出規制等の措置の自粛を呼びかけたわけであります。中長期的施策としては、各国がみずからの潜在的な資源を最大限活用して農業生産を強化することを呼びかけました。

 本会合では、国際社会の協調行動についての政治的メッセージとして宣言が採択されました。食料価格高騰問題に対して国際社会で一致した取り組みを示せたことは大きな成果であったと考えます。

 確かに、個々の問題では違った方向の意見も出ましたけれども、この問題に対して強い決意で取り組むという大きなところで一致した取り組みを示せた、大きな成果があったと考えております。

小野(次)委員 我が国として、アフリカなど特に弱い立場で、この問題のある種被害者的な立場に置かれている国に対する経済協力なども進めていただきたいと思いますし、また、先ほど触れましたように、技術協力なりソフトの面での協力も必要だろうと思いますが、一番大事なことは、今大臣は、ある種の共通の認識、この問題が大変重要だということについて国際的な認識が一致したんだ、これは成果だとおっしゃいましたけれども、ぜひ洞爺湖サミットでは、さらにもう一歩、主要国の間で何か共同の歩調がとれるかということについても努力をしていただきたいと思うわけでございます。

 大臣がおられなかったときに、冒頭、小野寺副大臣に、けさの各紙報道トップに出ています財務省のタクシー券問題について、外務省の方でも、ないように、あるいは調査をしていただきたいということをお願い申し上げました。さっき小野寺副大臣、秘書官の方からサポートを受けておられましたけれども、さっきの話は守衛さんのところで時間を打ってもらうという話でしたけれども、今度の事例は、自分で特定の、無線を使っていないタクシーを呼んでいたという例ですからね。だから、それはもう一度、外務省改革のときの一般論の改革ではなくて、そういう職員があってはならないと私は思っていますが、そういう特定の関係ができた人から金品をもらっていたというのは、事実だとすれば本当に嘆かわしいと私は思います。

 ぜひそれは外務省においても、外から指摘されてというんじゃなくて、私は別に何も、何かあるから聞いているんじゃないんですけれども、ないことを期待しているんですけれども、まず御確認いただくことが必要かなということをまた大臣にもちょっと報告を、ディブリーフィングさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。

 きょうはどうもありがとうございました。

平沢委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正公一です。きょうは一般質疑ということでお願いをしたいと思います。

 今、同僚委員からも指摘があったタクシーチケットのキックバック、大変遺憾なことでありまして、これでまたいろいろと事実が明るみに出てまいると思うんですが、これは例の公務員制度改革の関連法案のときに私も指摘をしましたが、やはり法律なり制度なり、まだまだ実は不備がある。

 先ほど財務省主計局に頼んだと言いましたが、財務省が各省各庁の契約に横ぐしを入れられないという会計法の問題とか、あるいは、公務員が民間から考えてもおかしなことをしても罰せられない、予算執行責任者に関する法律の問題点とか、やはりそうした法律、制度を改めていくということも同時にやっていくとともに、真相解明を、外務省も含めて、お取り組みをお願いしたいと思います。

 そこで、まず今回の国際緊急援助隊の派遣について、総務また防衛のそれぞれ副大臣もお見えいただきまして、ありがとうございます。官房副長官もおくれておいでいただくということで、感謝を申し上げます。また、厚生労働大臣政務官も、ありがとうございます。

 お手元に、今回の緊急援助隊の救助チームの活動概要と医療チームの活動概要、そして四川省における大地震、テントの支援状況という資料を配付させていただきました。

 今回、緊急援助隊で、まず救助チームということで送られたわけでありまして、その内訳は、一ページの資料に書いてあるように、六十一名の派遣、外務省、警察庁、消防庁、海上保安庁、JICA、医療関係者ということでございますが、御案内のように、その派遣の場所が、日本が得意とするビルの倒壊等というような場所ではなかったということとか、移動に大変時間を要したことなどで、やはり一つ教訓が、今回この緊急援助隊の救助チームではあったのではないのかなというふうに思っております。

 また、医療チームについては、二ページにございますように、二十三名の派遣が行われました。外務省、医師、看護師、薬剤師、医療調整、業務調整ということであります。この医療チームの派遣についても、既に報道されているように、できるだけ被災地に近い場所でという希望でありましたが、最初に行った病院は、ある面、そうした急性期の対応ではなかったということで、二番目の病院での対応ということでありました。

 緊急援助隊の皆様にはそれぞれ大変な御努力をいただいたことに心から敬意を表するわけでありますが、やはり何か教訓が今回あったとすればそれを次につなげていかなければならないというふうに思って、それぞれ関係省庁、おいででございますので、御質問をさせていただきたいと思います。

 まず総務省さん、お見えでございますので。

 消防庁から、今回まず救助チームとして派遣をされております。また、聞くところでは、松阪の消防署の方が医療チームに個人の資格でも参加をされたということも聞いております。

 まず、救助チームとして参加をした折に、その資機材については、救助チームというのは基本的にJICAが用意をすることになっているんですけれども、人命探査機を東京消防庁の方が持っていって、それが非常に有効であったという話を聞いておりますので、その事実関係と、それから医療チームで、私もなぜだろうと思ったんですけれども、個人の資格で、特に松阪の消防署の方は多いようですが、過去も参加をされているようなんですが、医療チームにどうして消防署の方が個人の資格で参加をするのかも含めて、それぞれの消防庁としてのかかわりを御説明いただけますでしょうか。

谷口副大臣 総務省でございます。

 武正委員の御質問でございますが、今回行ったわけでありますけれども、そもそも総務省で消防隊員が国際消防救助隊、IRTに登録しておりますのは、六十二本部五百九十九名が登録をいたしておりまして、その中から今回、四川大地震の救助に行ったということでございます。

 何点か質問が今ございましたが、消防庁の方は、国際緊急救助隊というのがありまして、これは二つに分かれて、人的救助、また物的、資金援助というような形になるわけでありますが、この人的援助の中に救助チームと医療チームと専門家チームというのがございまして、このうち、消防庁の方は救助チームと専門家チームのところに入っております。

 それで、今委員がおっしゃった医療チームの中には本来消防庁は入っておらないわけでありますが、中には、先ほどおっしゃったような松阪のところであるとか、また千葉県香取であるとか、個人で登録をしていただいて医療チームの中に入って、救急救命士の資格を持っていらっしゃる方が現場に赴いていらっしゃるというようなことがございます。

 今委員がおっしゃったように、例えば医療チームの参加は、二〇〇三年五月のアルジェリア支援以降今回のミャンマーの支援まで、これまで五回行われておる。二〇〇三年五月にはアルジェリアの地震で松阪地区の方が二名行かれた。二〇〇四年はスリランカの津波で二名、松阪地区の方が行っていらっしゃいます。また、二〇〇五年十月にはパキスタンの地震で松阪地区の二名が行っていらっしゃいます。二〇〇八年五月には中国地震で、これは千葉県香取でありますけれども、一名行っていらっしゃる。二〇〇八年五月、ミャンマーの暴風雨に対して松阪地区の方が一名行っていらっしゃるということで、本来消防庁といたしましては医療チームに入っておらないわけでありますけれども、このような救助活動を精力的にやっていただいている方がいらっしゃるということでございます。

武正委員 先ほどもう一つ聞いた、東京消防庁が人命探査機を持参していった、それが非常に効果を上げたという点についてはいかがですか。

谷口副大臣 先ほど先生がおっしゃったように、そもそも成田国際空港におきましてJICAが救助資材を置いております。

 それで、特に今おっしゃった東京消防庁が携行した資機材で申し上げますと、一般的にある資機材以外に今回東京消防庁が持っていったのは、電磁波探査装置、二酸化炭素探査装置及び地震警報機、このような三種の資機材を各一台ずつ携行した、これが大変効果を発揮したということを聞いております。

武正委員 厚生労働政務官もお見えなんですが、医療支援委員会というのがあって、医療チームの派遣については協議をしているようなんですけれども、どのぐらいの間隔で協議をしているのかというのと、今、個人の資格で松阪の消防署員が参加しているようなんですが、私はやはり、消防庁として、例えば厚生労働省と一緒の医療支援委員会に入ってもいいんじゃないかなというふうに思うんですが、どの程度の頻度でやっているかおわかりですか。

松浪大臣政務官 お答えを申し上げます。

 医療チーム支援委員会というのが年に大体二、三回のペースで行われているわけであります。その中には、ただいま、文科省、当然厚労省、それから医師会、赤十字等と連携をして、どのような装備にするのかとかいうことも含めながら協議をしているところでありまして、その中のほとんどの方が、文科省などを除けば、医師の資格もお持ちであるということで、専門的にこうした対応をお考えになっている。

 委員おっしゃるように、消防庁との連携等については、今後、課題があればそれに対応したいと思います。

武正委員 いただいた資料では、年に一回、医療支援委員会が開かれているようであります。

 外務省さん、外務大臣、よろしいでしょうか。今お聞きになって、松阪の消防署の職員の方が医療チームには個人の資格で参加をしている、それから医療支援委員会という関係省庁の打ち合わせには消防庁は入っていない、こういったことがあるわけなので、この後も類似の質問をいたしますが、実は、やはりもうちょっと省庁の協力体制を強化していく必要があるのではないか、こういうような指摘なんですね。

 もう一つ続けて伺って、それで御所見を伺いたいと思います。

 そこで、在外公館に国際緊急援助担当官というのがそれぞれ二名ずつ置かれているらしいんですが、今回やはり事前の情報収集、こういったものが、災害が起きてからではなくて、事前に在外公館としてもっと行われていたのかどうかというのが、これは中国に限らず全世界そうなんでしょうが、伺いたいなというふうに思うんですけれども、この点いかがでしょうか、外務省。

高村国務大臣 担当官はいざというときにやるということでありますが、いざというときにそういう職務を尽くせるように、ふだんからそういう人的関係を築くとか、そういうことはやっていると思うんですが、例えば中国みたいな広大なところで、どこで起きそうだとか何だとか想定してやるというのは、それはなかなか難しい。だから、どの程度かということはともかく、いざというときに動きやすい人的関係、だれに言うかとか、そういうことは担当官として当然やっている、こういうことであります。

 それから、先ほどの御質問の消防職員が個人としてということについては、どういう事情かちょっと私自身としてわかりませんし、ふだんからチームの中に入って検討していることが必要か必要でないか、どの程度必要か、そういうことについてもさらに検討をさせていただきたい。関係省庁間で検討する必要があろうかと思いますが、今、私から明確にこうであるということはちょっと申し上げられないということでございます。

武正委員 いざというときというよりも、事前から、在外公館で国際緊急援助担当官というのが二名ずつ置かれていますので、やはり関係省庁等との連絡調整とか、日本はこういう得意分野がありますよとか、今回であれば、日本はビルの倒壊に対する対応は非常にいいけれども、百メートルも土砂が堆積したような場所はなかなか難しいんだ、そういうようなことの情報共有なんかがあってしかるべきだったのではないのか、こういうことであります。

 そこで防衛省、副大臣もお見えなので、この国際緊急援助隊には自衛隊も、四類型のうちの一つに自衛隊派遣も入っているんですけれども、先ほど厚生労働政務官からは、関係省庁で医療支援委員会も開かれておりますと。あと、五者協議というのも開かれているんですね。この一ページにあるような派遣を行っている外務省、警察庁、消防庁、海上保安庁、JICA、五者協議が行われている。ただ、ここに医療関係者もいますし、医療チームというものもあるわけですから、私はこの五者協議にも例えば厚生労働省さんが入っていいんじゃないかということもここで申し上げておきたいと思います。

 防衛省さん、自衛隊の派遣ということも国際緊急援助隊には当然あるわけですが、日ごろからそうした協議、特に外務省を初めとする関係省庁間、これを定期的に行っているのかどうか、お答えをいただければと思います。

江渡副大臣 委員にお答えさせていただきたいと思います。

 この国際平和協力業務、自衛隊も、防衛省が省に移行いたしまして本来任務化したわけでございまして、そのことに関して、外務省さんとはるる、その時々におきましていろいろな協議をさせていただいておるわけでございますけれども、あくまでも、防衛省として自衛隊を派遣するといった場合においては、外務大臣から我が省の防衛大臣の方に協議の要請がございまして、それを受けて行うというような形になるわけでございます。

 それでも、委員御承知のとおり、自衛隊というものは自己完結的な形で、医療にしても、物資の輸送あるいは給水等ができるわけでございまして、これまでもスマトラ沖の地震とか津波、あるいはパキスタンの地震等に活動してきたという実績もございます。

 そしてまた、防衛省におきましては、この国際緊急援助活動を行うという場合に備えまして、平素より陸海空の自衛隊におきまして所要の体制というものをしっかりと維持させていただいておりまして、その即応体制というものはきちんとさせていただいておりますけれども、まさに委員御指摘のとおり、日ごろから各省庁とどうかといいますと、外務省さんとはかなり情報共有とか連絡を密にしておりますけれども、ほかの省庁さんとそうであるかというと、なかなかまだそこまで至っていないところがあるかと考えております。

 ですからこそ、防衛省といたしまして、国際緊急援助活動につきまして自衛隊の本来任務とされたことを踏まえまして、今まで以上に、外務省を核としながら、より積極的に取り組んでいきたい、そのように考えております。

武正委員 関係省庁との連絡協議というのはもっともっと密に行うべきであるということであります。

 実は、この国際緊急援助隊の予算というのは八億円というようなことでありまして、総合訓練というのが年に一回、例えば警察、消防、海上保安庁などが参加して行っているんですけれども、そういった費用なども含めると、さっき総務省さんに聞いた人命探査機は一つ五千万円ぐらいするそうで、八億円の中で二億円ぐらい使って訓練もする、あるいは研修もする、そのほか、こうしたもろもろでやると、なかなか資機材でそうした一つ五千万円の人命探査機はそろえられない。これは実際、事務局、JICAがやっているわけなんですけれども。

 そういったところもあるんですが、国際緊急援助隊の予算を私はもっともっとやはり充実をしていくことと、それから関係省庁がもっと、先ほどの医療支援委員会へ消防庁も加えたり、あるいは五者協議にも厚生労働省が加わったり、そうした体制が、予算も含めて必要だと思うんです。

 官房副長官、食料サミットからお帰りいただきまして、委員会の方にも出席いただき、ありがとうございます。

 食料サミットについてもお伺いしたいところでありますが、国際緊急援助隊の活動をもっともっと充実していく必要が、国際社会の要請もこれあり、必要だと思うんです。予算が年間八億円、あるいは省庁の協力体制ももっともっと総合的にやっていいと私は思うんですが、御所見があれば伺いたいと思います。

大野内閣官房副長官 出席がおくれまして、御理解いただいてありがとうございます。

 国際援助隊につきましては、もう既にさまざまな対応をさせていただいておりますし、また、関係省庁との十分な連携の中で、情報収集を初め素早い対応をということで進めておりますので、引き続き、そのような体制をもって、さまざまな緊急の課題に対応してまいりたいと思っております。

武正委員 外務大臣、予算について、八億円という予算なんですが、さっき言ったように、五千万円の人命探査機なんか、JICAさんに聞いたら、八億円の中で研修もやり総合訓練もやりということで、とても、なかなか資機材としてそろえられないという話も聞いておるんですが、私はもっと予算の充実が必要ではないかと思うんです。

 外務大臣として、限られた、財政規律というのがあるんですけれども、今官房副長官もやはり充実をというような御所見もありますので、お考えを伺いたいと思います。

高村国務大臣 予算が十分か足りないかと言われれば、足りないということは言えると思うんです。一方で、外務省は、いろいろな分野で、あらゆる分野でかなり足りないという面があるわけでありますが、この分野は本当に国際社会から、出るたびに感謝されているということでありますから、非常に予算の使い方として有意義なものだと思いますので、委員の御指摘も踏まえて、今度の概算要求等についても前向きにふやす方向の検討をさせていただきたい、こういうふうに思います。

武正委員 ぜひそうした取り組みを政府としてお願いしたいと思います。

 特に先ほど、なぜ個人の資格かというお話がありましたが、緊急援助隊の医療チームのスキームというものが、外務省、JICAから要請をして、それぞれの出身、派遣元の了解を得て、消防署とかの了解を得て個人の資格で行くということですから、どうしても期間も二週間ぐらいで限られてしまう。今回、報道では、ドイツの対応が、ベッドを二百ぐらい持っていって、言葉をかえれば野戦病院みたいな形でつくる、半年間ぐらいずっといられる。それは、個人の資格で、ある面ボランティアと言ってもいいのかもしれませんが、二週間という限られた期間での医療チームということですとやはり限界があるということですので、ぜひ政府を挙げて総合的にお取り組みをいただきたいと思います。

 そこで官房副長官、引き続きお答えをいただきたいんですが、今回、資料の三枚目で、テントを送るに際して、二十八日の午後の官房長官記者会見で、二十七日、北京大使館に中国政府の方から要請があったということで、自衛隊機でのテントの輸送というものも検討するということを記者会見で述べられたものですから、二十九日の朝刊各紙が、自衛隊機、中国へ派遣ということを大きく報じられたわけでございます。

 ただ、三十日の午前中の記者会見で、同じく官房長官は、今回はチャーター機により輸送することにいたした次第でございます、実際に何で自衛隊機という話が立ち消えになったかということにつきましては、中国国内で一部慎重論が出始めていることも考慮して日中間で協議をした結果、自衛隊機による輸送は見送るということにしたわけでございます、こう記者会見で述べておられます。

 官房副長官として、この官房長官の記者会見の事実関係を改めて伺いたいと思います。

大野内閣官房副長官 自衛隊機による援助物資の輸送をめぐりましては、実はさまざまな報道がされておりまして、その一つ一つについて政府としてコメントすることは適当ではない、こう思っております。

 いずれにいたしましても、申し上げられますのは、中国側より援助物資の供与につきまして要請がなされました。その後、中国側と相談する過程で、自衛隊機の活用も一つのアイデアとして検討されたところでありますし、自衛隊機による輸送について合意したという経緯はありませんで、今回は民間チャーター機による輸送をすることにいたしたものでございます。

武正委員 その要請というのは、いつどこから来たか、お答えいただけますか、自衛隊機による輸送もアイデアの一つということについて北京大使館の方に要請があったというのは。いかがでしょうか。

高村国務大臣 自衛隊機で送ってくださいという要請があったというふうには理解をしておりません。こうこうこういうものを下さい、そういう場合に、送る手段としていろいろ話している中で、自衛隊機という可能性もあるね、そういうような話が出たということで、自衛隊機で送ってくださいという要請があったというふうには全く理解していないところでございます。

武正委員 官房副長官、わかりましたか。日時と、どちらからそういう話が、自衛隊機でとは言わなくても、自衛隊機も輸送の手段の一つということも含めてですね。

大野内閣官房副長官 五月の二十七日に、在中国日本国大使館のしかるべき担当者に対しまして、中国側のカウンターパートから要請があったものでございまして、大使館として要請を受けたものでございます。

武正委員 カウンターパートというのはどちらでしょうか。

大野内閣官房副長官 殊さらに個人名を明らかにすることについては、差し控えさせていただきたいと思います。

武正委員 報道では、国防部の方から、在北京大使館の自衛官、アタッシェ、特に陸自の方でしょうか、その方にそうしたやりとりが、発災後から当然、それぞれカウンターパート同士、外交部と北京大使館、あるいは民生部と北京大使館以外にも、北京に派遣をされているアタッシェの方々はそれぞれカウンターパートと連絡をとっていたというふうに伺っているんです。

 防衛副大臣、事実確認をしたいんですが、中国の国防部と自衛官、アタッシェとやりとりがあって、その中でこうした提案というか投げかけがあったという報道があるんですが、その点はいかがでしょうか。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 今委員の御指摘のことでございますけれども、あくまでも外交的なやりとりでございますので、我が省が主体的にどうのこうのということではございませんので、そこのところは外務省さんに聞いていただければありがたいな、そのように思っているところでございます。

武正委員 外務省さんはいかがですか。

 報道では、国防部とそれから自衛官、アタッシェとのやりとりの中で、こうした、テントを緊急に送ってくれ、では送りましょう、ただ自衛隊機を活用するというのもやはり素早く送る一つの選択肢ですよと、当然そういうやりとりの中でこういった話が出てきて、二十八日午後の官房長官の記者会見につながっていったというふうに報じられております。

 今外務大臣が言われたように、官房長官も、例えば、中国側から明示的に自衛隊の派遣の要請があったのかということについては、自衛隊の派遣というよりも、緊急物資を運ぶとき、運ぶものが、多分テントというものですが、自衛隊がたくさん持っております、そういうものを含めて、緊急援助というものをお願いしたい、こういうことだと理解しております、こういうようなことを述べておられますが、カウンターパートのそうした国防部とアタッシェ、自衛官とのやりとりの中でこうしたアイデアが出てきたということでよろしいでしょうか。

高村国務大臣 だれとだれということではなくて、日本政府側と中国政府側というふうに御理解をください。いたずらにどこでどうだという、中国側でもまた、中でもいろいろ連絡とか縦割りとか日本と同じようにある中で、ここがこう言ったからこうだとか、ああ言ったからこうだとかいうことを日本政府の人間として言うということはちょっと差し控えたい、こういうことでございます。

 いずれにしても、要請は、テント等こういうものをというのが要請でありまして、それを達成するためにどうしたらいいねという担当官同士の話の中で、一つの手段として自衛隊機ということもあり得るねという話が出たので、最初から自衛隊機を送ってくれという要請があったというふうには全く理解していない、こういうことでございます。

武正委員 先ほど触れた国際緊急援助隊のスキームの中で、自衛隊の部隊の派遣については特に必要があるときという括弧書きがあって、なかなか大臣の協議とかも、そうした特に必要があるときというふうに書かれているものですから、日ごろからのルーチンの、外務省さん、防衛省さんの国際緊急援助隊に対する先ほどの医療支援委員会とか五者協議のような定期的な会合が持たれていないというふうに私は理解をするものです。

 国際緊急援助隊のちゃんと法律で位置づけている自衛隊の派遣ということで、過去も実績も重ねておられますので、やはり日ごろから定期的な協議を行うことと、それから、特に必要があるときというようにわざわざ括弧書きしてしまうと、こうした何かのときにスムーズな動きが、官邸もちょっと何かどたばたしたなという印象を対外的にも非常に与えたと思うんです。

 私は、法律に基づいてやるべきことをやっていくということがスムーズに行えるような、国際緊急援助隊の法律の滑らかな、速やかな執行ができるような、そんな体制の見直しあるいは強化、これがやはり今回の一つ教訓ではないかなというふうに思うんですね。その点はいかがでしょうか。最後に外務大臣にお聞きして終わりたいと思います。

高村国務大臣 一般論として、常に見直し、反省をしていかなければいけない、こういうふうに思っております。

 ただ、先ほど防衛副大臣からもお答えしましたように、政府部内全部で十分なふだんからの連携ができているかという点は大いに反省しなきゃいけないと思いますが、外務省と防衛省の間では割とよく、これで十分だとは申しませんけれども、割とよく連携はできているというふうに承知をしております。さらによくなるように頑張っていきたいと思います。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 きょうも幾つか国際問題について質問させていただきたいと思います。

 まず冒頭、先般のダブリンでの会議、オスロ・プロセス、クラスター爆弾の全面禁止に向けて大きく踏み出したということで、大変に歓迎をしておるわけであります。私もこの外務委員会で質問をさせていただきまして、残念ながら、当時の質問の中では、なかなか難しいのかな、こういう印象も持ったわけでありますが、日本も賛成をしてこれが大きく踏み出した、歓迎をしたいというふうに思います。

 ただ、そういう中で、防衛省として江渡副大臣もきょうお越しいただいておりますが、当時のこの委員会の質問の中では、旧型のクラスター爆弾について、私は、まずそういったものを日本が廃棄してこのオスロ・プロセスを進めるべきではないか、後押しをするべきではないかと。こういうことに対しては、そういうことは考えていない、こういうお答えだったわけであります。しかし、全面禁止に向けて大きく踏み出した、旧型の禁止されるものは廃棄をしていかなくてはならない。かつて対人地雷の処理の問題もありました。ぜひ効率よくしっかりと廃棄の処理をしていただきたい、そう思うわけであります。

 いずれにしろこの問題が大きく進展したことを歓迎するわけでありますが、先般、五月十六日、ASEAN貿易投資観光促進センターも視察をしました。そして、二十一日には、本委員会において関連する協定の改正の承認をしたということでありますが、委員会の中でも何人かの委員が指摘をしたこのASEAN貿易投資観光促進センター、課題がたくさんある。しかしながら、ASEANのことを考えていく、日本が経済の発展あるいはこの地域の和平ということに対して重要な役割をぜひ果たしてほしい、そういう思いで私は改正には賛成をしたわけであります。

 私が申し上げたいのは、今のクラスター爆弾についても関連するわけですが、日本はぜひこうした平和な部分での国際貢献を積極的に進めていただきたい、そう思うわけであります。そして、そういう中で、今申し上げたASEAN貿易投資観光促進センター、こうしたものもしっかりと役割を果たしてほしい、こういうふうに思います。

 そして、そういう中で、今私どもの武正委員も質問をしたさきの中国での大地震、そこでの緊急援助、これについても、幾つかのこれからの問題点等々も今指摘があったわけでありますが、こうしたところでぜひしっかりとした体制をつくっていただきたい、こういうふうに思っているわけであります。

 そういう中で、もう一問。五月二十二日に、国際交流会議「アジアの未来」の晩さん会で、「太平洋が「内海」となる日へ 「共に歩む」未来のアジアに五つの約束」と題して福田総理がスピーチを行った。その中で、まさしく防災協力外交、防災についての協力外交を進めていこう、また、これは鳥インフルエンザ等々のことも念頭に置かれてだと思いますが、アジア防災・防疫ネットワーク、こういうものをつくっていこうということを提唱されました。このことについて大臣はどういうふうに評価というかお考えになっていらっしゃるか、お話を聞かせていただきたいと思います。

小野寺副大臣 アジアでは、頻発する自然災害や鳥インフルエンザを初めとする感染症が大きな脅威となっております。これらの課題に対して、我が国はこれまで、二国間、多国間のさまざまな支援を行うとともに、アジア防災会議などの場を通じまして各国との連携を図っております。特にASEANとの関係では、日・ASEAN統合基金を活用しまして、防災や鳥インフルエンザ対策の分野で各種協力を行いつつ、ASEAN各国との連携を深めております。

 福田総理がスピーチで提唱しましたアジア防災・防疫ネットワークにつきましては、こうした取り組みを基礎としつつ各国との連携を強化して構築しようと考えており、今後、内外の関係者と相談してまいります。

 大臣からも、六月十四日に開催予定の日中韓外相会議やASEANプラス3外相会議等の場において、各国への呼びかけをされる予定になっております。

近藤(昭)委員 今後の取り組みについて副大臣から御答弁をいただいた、これからアジアの各国と相談をしていくということでありますが、もう少し具体的に、こういったことをやっていくとか、こういった仕組みをつくっていく、そういうようなことはないでしょうか。

小野寺副大臣 例えば、防疫の問題について重要な課題となります鳥インフルエンザの問題などですが、この対策につきましては、我が国は、発生地での対策強化を支援することが重要だと考えております。このため、アジアの発生地を中心に、迅速な封じ込めの体制の整備や感染防止のための協力を実施し、鳥インフルエンザの蔓延を食いとめる体制づくりを進めてまいりたいと思っております。

 具体的に申し上げれば、我が国は、対ASEAN協力として、ASEAN地域に向けて五十万人分の抗ウイルス剤及び七十万人分の防護用品の備蓄を既に実施済みであります。さらに、昨年十一月の第三回東アジア首脳会議におきまして、ASEAN各国に対する五十万人分の抗ウイルス剤の追加支援を表明し、その準備は最終段階にあります。さらに、ASEAN域外のアジア諸国で発生した場合に備えても、五十万人分の抗ウイルス剤及び防護用品を備蓄する予定であります。

 こうした地域協力を基礎にしまして、アジアにおける鳥インフルエンザ対策における各国の連携を強化するなどしまして、このようなアジア防災・防疫ネットワークの構築につなげていきたい、そのように思っております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 福田総理も、先ほど触れましたスピーチの中でアジアの協力ということをうたっていらっしゃる、ぜひ具体的に進めていただきたいと思うんです。

 そういう中で、少し教えていただきたいことがあります。こうしたアジアの協力の中で、海上での交通、残念ながら海賊の事件が起きている、こういうことに対して、アジア海賊対策地域協力協定、ReCAAPというんですか、これに基づいてシンガポールに情報共有センターを既につくっておられる、こういう状況であります。これでどのような情報共有と実際の協力体制が行われているのかということについて教えていただきたいと思います。

田辺政府参考人 委員御指摘のReCAAP、アジア海賊対策地域協力協定、これが平成十八年の九月に発効しておりまして、この協定に基づきまして、シンガポールに情報共有センター、ISCが設置されておるところでございます。そして、初代の事務局長として伊藤嘉章国連代表部の公使が選出されておるところでございます。

 このISCは、事務局長を初めスタッフの努力もありまして活動を本格化させておるところでございまして、実際に海賊事件が発生した際に、このISCを通じて直ちに締約国間に関連情報が共有されるようになっておりまして、これら関係国が迅速かつ適切な対策をとる上で極めて重要な役割を果たしているというふうに認識しております。

 また、ISCの主催によりまして、締約国の法執行機関等の間で取り締まり能力の向上を図るため、種々のワークショップ等が計画、開催されておるところでございます。

 日本といたしまして、このISCがアジアの海賊対策において果たしている役割を評価し、今後とも同センターの活動を支援していく考えでございます。

近藤(昭)委員 こうしたアジアでの取り組み、共有センター、日本のメンバーが事務局長をしている、御活躍いただいている、ぜひ頑張っていただきたいわけであります。

 こうしたアジアの協力で、いろいろな方面でそうした具体的な協力の窓口みたいなものができているわけです。そういう意味で、国際緊急救助隊、先ほど武正委員も幾つか関連で質問されておられましたが、国際緊急救助法ですかが日本にもある中で、各国に向けて救助隊を出していく、そういう仕組みがあり、かなりいろいろと部門をつくって準備をしておられる。

 ただ、先ほどもありましたが、せっかく中国に対して、中国も異例だと思いますけれども、日本の緊急救助隊を受け入れた。少し遅かったわけでありますが、今まではちょっと想像できなかったのかなという形で受け入れた。しかしながら、現地で日本の救助隊がどういうところが得意だとか、あるいは向こうに行ってからも、必ずしも十分に情報がうまく共有できなかった側面もあるのではないかなと思うんです。

 そういう意味では、大臣、どうでしょうか、先ほど冒頭質問させていただきました福田総理のアジアの防災また防疫ネットワーク、防災協力外交、こういったものについての大臣のお考え。

 そして今、そういった国際救助の情報、確かに先ほど大臣もお答えになっているように、中国も国土は広いわけですし、日本の国内においても、例えば地震が起きても、起きた時間によって全く対応が違うということだと思います。朝、学校あるいは仕事に行く前に、まだ出かける前に家で被災する、あるいは通勤途中の高速道路の上で被災をする、全く想像もできないようなそれぞれの場面があるわけであって、そういう意味では難しいとは思いますが、だからこそ、できる限りの準備、情報共有というものが必要ではないかと思います。

 そういう意味では、先ほどちょっと触れさせていただいた海賊対策だけではなく、こういった防災についても、少しでも情報共有ができるような、今の日本にある協力法だけではなくてもう少し大きな仕組みがあってしかるべきではないかなと私は思っているんですか、いかがでありましょうか。

小野寺副大臣 アジアにおきまして、自然災害や鳥インフルエンザ等の感染症の蔓延への対抗力を強化するためには、各国における取り組みの強化とともに、各国間で各種情報共有を推進し、関係当局の協力体制を強化するということ、委員御指摘のとおりだと思っております。

 そのような観点から、今御指摘ありました海賊対策での情報共有センターにおきます取り組みというのは参考になるものだと思いますので、今後の検討に役立てていきたいというふうに思っております。

近藤(昭)委員 少し大臣にもお話を聞かせていただければなと思いますが、私は、やはりどんなに準備しても補えない部分があると思うんです。そういう部分をカバーというか、より綿密にしていくために、いざ起きたときに、やはり関連の国際NGOあるいは日本のNGO、そういう部門の得意なNGO、あるいは、JICA等、国にかかわる組織でいろいろと現地で活動していらっしゃる組織があるわけで、そういったところとの連携も含めてそういった枠組みをつくっていくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

高村国務大臣 最も効率的に、効果的に日本の国際緊急援助隊が活動するためには、情報というのは委員がおっしゃるように絶対に必要なものでありますから、いざ起こってからどう効率的に集めるかということだけでなくて、事前にも、やはりそれぞれの国が何が足りなくて何をやってほしいのか、それと日本は何が得意なのか、そういうことの意見の交換等を事前にできるだけやるための枠組みを考えられるかどうかということも含めて、検討してまいりたい、こういうふうに思っています。

近藤(昭)委員 ぜひ、できる限りのことをしていただければと思うわけであります。

 続きまして、イラクに関する幾つかの質問をさせていただきたいというふうに思います。イラクの国内情勢であります。

 報道によりますと、イスラム教シーア派の反米強硬派指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織マフディ軍の拠点となっている首都バグダッド東部のサドルシティーで、米軍とイラク軍が続けていた民兵の掃討作戦をめぐって、マリキ政権とサドル師派が先月十日に停戦に合意したということでありますね。これで少しはこれからバグダッド、イラクの治安が改善していくのかなと期待をしていたわけであります。

 しかしながら、一方で同時に、同時というかすぐ、イラクの首都バグダッド、イスラム教シーア派住民の多い南部の地域において、残念ながら、すぐにサドル師の支持勢力が反マリキ、反デモを繰り返す、こういう行動を見たわけであります。残念ながら、治安が進むのかなと思うと、そうでない状況があらわれてきている。一進一退かと思うんですが、このあたりを政府はどのように認識しておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

奥田政府参考人 イラクの治安情勢でございますけれども、昨年の夏以降、バグダッド及び西部アンバール県といったスンニ派地域を中心に、全体としては改善傾向にあるということでありますけれども、今御指摘のとおり、引き続き情勢は厳しいと認識しています。

 他方で、北部クルド地域は比較的安定しているということですし、また、最近の傾向として、六月一日の発表でありますけれども、駐留米軍が、五月の米軍の死者数が十九人であって、これは二〇〇三年の対イラク武力行使後最少であるというふうに発表しております。

 本年の三月末に、マリキ首相のイニシアチブによりまして、バスラでサドル派のマハディ軍の掃討作戦が行われまして、その際には衝突がバグダッド、それから南部シーア派地域に拡大をしたことがございましたけれども、三月三十日に、ムクタダ・サドル師が支持者に対して、武力活動停止の声明を発表したということがございました。

 我が国は、このようなマリキ首相のとった措置を、宗派の利益ではなくてイラク国家としての利益を優先させたものであるということで評価しております。

 その後、主にバグダッド東部のサドルシティーで、米軍とイラク軍が民兵掃討作戦を継続するということが続きました。

 そしてまた、委員の御質問の中にありましたけれども、五月十日にマリキ政権とサドル派が武力活動停止に合意をしたという事実がございました。

 しかしながら、この後、サドル師は、五月二十七日の声明でございましたけれども、米軍のイラク駐留継続に向けた米・イラク政府の交渉に反対の意思を示すということのために、毎週金曜日の礼拝の後に抗議デモに参加するように支持者に呼びかけたという事実がございます。

 その後、五月三十日の金曜日に、イラク南部の複数の都市でデモが発生をした、このように承知しております。

近藤(昭)委員 御説明いただいたわけでありますが、私は、そういういろいろなことが起きている状況で、政府がどのように認識しているのかなということが一番の関心なんですけれども、またそれは改めて御質問させていただくとして、少しまだ知りたいことがありますので、教えていただきたいと思います。

 昨年の六月にイラク人道復興支援特措法が改正されて、七月に基本計画における派遣期間の一年延長が決定されたわけであります。それからさらに一年が経過をするわけでありますけれども、同法に基づいて航空自衛隊のC130輸送機が三機現地に派遣され、空輸を今行っている。昨年七月以降の空輸実績を多国籍軍に向けてと対国連輸送支援に分けて簡潔に御説明いただきたいと思います。

江渡副大臣 お答えさせていただきたいと思います。

 空自派遣部隊は、クウェートのアリ・アルサレム飛行場を拠点といたしまして、イラク国内のアリ飛行場、バグダッド飛行場、エルビル飛行場に対しまして、御指摘のとおり、C130機により、対国連支援及び対多国籍軍支援として、人員のほか物資の輸送を実施しているところでございます。

 国連への支援の実績につきましては、平成十八年九月の国連支援開始以降、四半期ごとに公表しておりまして、昨年七月から本年三月末までの間、延べ一千三百七十三人の人員及び三十八・七トンの物資を輸送しておりまして、空輸回数は四十八回でございます。

 また、この間の国連支援実績の月別平均につきましては、人員数については月ごとに平均で百五十二・六人、物資につきましては四・三トン、空輸回数については五・三回でございます。

 また、全体の空輸実績につきましては、昨年の五月から本年五月二十八日までの間に、物資につきましては七十二・二トン、空輸回数については百九十三回でございまして、同期間の月別平均実績につきましては、物資については月平均八トン、空輸回数については月平均二十一・四回でございます。

 なお、多国籍軍の人員数につきましてでございますけれども、これを明らかにした場合に、航空自衛隊のC130の目的飛行場及び運航ルートが限定されているということから、人員の移動状況をもとに多国籍軍のオペレーションの状況がより比較的容易に推察されるおそれがありまして、それによりまして空自機が攻撃の対象とされるおそれが大きくなるものですから、非公開とすべき情報であるというふうに考えておりまして、公表しておりません。

 あと、済みません、訂正させていただきたいと思います。先ほどお答えさせていただきました全体の空輸実績につきましては、昨年の五月と発言したかもしれませんけれども、昨年の七月から本年五月二十八日までの間でございますので、訂正させていただきたいと思います。

近藤(昭)委員 国連の輸送支援について御説明をいただいて、多国籍軍に対してどのような空輸実績をしておられるのか、それが知りたかったわけでありますが、今のようなお答えであったわけで、私は、我が国の予算を使ってどのようなことが行われているかということは、やはり国会の場でしっかりと公開されて議論というかチェックをされていくべきだと思うんですね。

 そして、今、国連輸送のことについては御説明、御報告をいただきまして、平均をすると八トンということかもしれません。しかし、ここ数カ月は、本当に少ないときは一カ月で何回かで、〇・二トンとか非常に少ない状況になっている、こういうわけであります。

 そういう中で、私は、間もなく現行の基本計画、七月三十一日ということであって、これを改定というか新計画をつくるということである。そういう中で、どうなんですか、政府は今のC130による人員、物資の輸送を継続する、こういうおつもりでさまざま進めておられるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

鈴木政府参考人 御質問のイラク特措法の現行の基本計画でございますけれども、御指摘のように七月末までとなっております。これ以後この計画をどういうふうにするかということにつきましては、現段階で最終的に政府としての判断を決めているわけではございません。検討を鋭意進めております。

 かかる上で申し上げれば、先ほど来御議論もありますように、イラクの復興支援、イラク自身による国づくりの努力を主体的に支援していくということは、これが国際社会共通の重要課題であるということとか、また、我が国の国益に直結している中東地域の安全、安定にも直結しているということなどから、これを支援していくということが我が国政府の基本的な立場であるわけでございます。

 また、現下のイラクの情勢は、引き続き、国づくりのかぎを握る非常に重要な時期にあるということもございます。国連関係者にしてみましても今後とも活動を継続する意向を示しておりますし、部隊派遣を含みます各国のイラク復興支援も着実に継続しております。こうした中、航空自衛隊の輸送活動というものが、イラク復興を支える国連や多国籍軍の活動を適切に支えているというふうに評価しております。

 こういったことを踏まえまして、基本計画の期限終了後の対応については検討を急ぎたいというふうに考えております。

近藤(昭)委員 今お答えになったようなことで、検討中ということであるわけですが、私は、そういう検討の中で、さらに政府はどのように考えていらっしゃるのかなということがあるのでお聞かせをいただきたいと思うんですけれども、今の多国籍軍の駐留根拠は国連決議一七九〇号だと思います。それがことしの十二月末には失効するわけであります。マリキ政権はその延長に反対している。こういう中で、それ以降の多国籍軍駐留を認める国連決議の採決は行われないだろう、こういう見通しだと思います。

 ところが、そういう中で、これは五月六日付の共同通信ですけれども、政府は、イラクに派遣された航空自衛隊員の法的な身分を規定する地位協定の締結に向け、イラク政府と交渉する方針を固めたとある。そうすると、日本とイラクの間に結ぶ地位協定に基づく自衛隊のイラクにおける活動を継続する、こういう方針を決定しておられるのかなというふうに思ってしまうわけでありますが、今、七月以降の検討をしていると。しかしながら、来年一月以降、そういう地位協定の締結に向けて動いている。一体どのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

高村国務大臣 我が国政府が地位協定の締結に向けてイラク政府と交渉する方針を固めたという事実はございません。

 いずれにいたしましても、今後のイラクにおける空自部隊の活動については、イラクの政治状況、現地の治安状況、国連及び多国籍軍の活動や構成の変化等の諸事情をよく見きわめつつ、イラクの復興の進展状況等を勘案して、適切に対応していく考えでございます。

近藤(昭)委員 決定していないということであれば、最後、時間もなくなってまいりましたので、改めて私の考え方を申し上げさせていただきたいと思います。

 決定していないなら、やはり一刻も早く撤退をすべきだというふうに思うんです。十二月に国連決議が切れる、そういう中で、切れるから撤退するとかということではなくて、積極的にというか、やはり日本が主導的にきちっと決定をして撤退すべきで、そしてそういう状況に来ていると思うんですね。

 先般、この外務委員会で私も質問させていただきましたが、名古屋高裁のイラク派遣の違憲訴訟。大臣は傍論であるということでお答えになったわけです。ただ、当時の原告は、派遣は違憲だ、おかしいということであの裁判を起こした。傍論であっても、その部分について裁判所はきちっと答えて、これはおかしいということを説明というか結論しているわけであります。

 そういう意味では、私は、原告が訴えたことに対して、裁判の判決ではないかもしれないけれども傍論の中で触れている、それはやはり大きいんだと思うんですね。分権、裁判所の権威ということであれば、すごく影響が大きいことだと私は思うんです。そういう意味では、私は、切れるからとかいうことではなくて、ぜひ一刻も早く、しっかりと判断をして撤退していただきたい、撤退すべきだというふうに思います。

 以上です。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 民主党の西村智奈美です。どうぞよろしくお願いいたします。

 中国の四川省の大地震とミャンマーでのサイクロン被害には本当に心を痛めておりまして、民主党の中でも災害対策本部を設置いたしました。また、私は、民主党の党内のNGO海外活動推進議員連盟というところの事務局長を務めておりまして、この災害対策本部とその議連と二つでヒアリングをしてくる中で、やはり人道的な問題であるので、この二つの災害についてはNGOの方から積極的に支援を行っていきたい、そういう強い要望がございました。

 外務省の方でも、ここのところNGOとのパートナーシップという言葉が非常に頻繁に聞かれるようになってまいりまして、喜ばしいことだとは思うのですが、しかし、日本の中では、例えばアメリカのようなNGO、NPOに対する寄附文化というのはなかなか醸成されておりません。また、欧米諸国などでは、政府からNGOに対して財政支援を非常に大きな額、大きな割合で行っているんですけれども、それに比べて、日本政府からのNGOに対する支援は本当にわずかなものだと。(発言する者あり)ありがとうございます。結果として、スタッフの数も非常に少ない。

 いろいろな方々のお話を伺うと、日本のNGOは海外で非常にいい活動をしていると聞いています。欧米のNGOなどは、大きな財政力と人員をもってどんと現地に出ていって、それで打ち上げ花火もちゃんと上げるんですけれども、日本というのは、そういうやり方というよりは、むしろじっくりとその地域社会に入っていって、地域の人たちとの信頼関係を得ながら、こつこつと持続的な活動を行っているということなんです。

 私も、こういった話を聞きながら、やはり日本政府として、もちろん、民間資金の流入というのはNPO法の改正などでもっともっと促していかなければならないことだと思っておりますけれども、現時点では、やはりNGOに対する政府からの資金協力、これは大変必要なのではないかというふうに考えております。

 今回、私もいろいろ調べまして、このNGO連携無償資金協力ですか、これの中で、緊急人道支援という項目がありました。この枠組みに沿って多くのNGOは政府からの資金協力を要請してくると思われますけれども、かなり要件が厳しいのです。限度額は一億円とし、そして二千万円を超えるものは、事業費総額の八〇%か二千万円のいずれか高い方の金額を上限としますということですから、これは結局二千万円が上限ということなんですかね。そしてまた、事業期間も六カ月以内であるということでありました。

 今回は、非常に大きな災害でございます。前回のインド洋のスマトラ沖の津波のときも、それからパキスタンの大地震のときも、民主党の災害対策本部から政府に、この件について中長期的な支援ができるように改善すべきだというふうに要請をしてまいりましたけれども、この点、なかなか改善をされていないようであります。今回は、非常に大きな災害である、しかも人道支援が求められるというところから、この限度額の枠を取り除いたり、あるいは期間を延長したりするなどして、中長期的に活動が行えるように支援をしていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。

別所政府参考人 お答え申し上げます。

 日本のNGOについて、非常にいい仕事をしているのではないかというお話でございますが、私どももそのように思っておりますし、さらに力をつけていただきたいと思っております。

 私どもの日本NGO連携無償資金協力の予算規模とかそういうことにつきましては、まだまだ限られているわけでございまして、その中でどういうことができるかということはあるわけでございますけれども、許容上限額の緩和とか、中長期的な支援を可能にするとか、そういったことはぜひ今後とも進めていくように努力してまいりたいと思っております。

 特定の災害に際してどうだというだけではなくて、より中長期的な視野を持って、より柔軟な、積極的な活動をしていただけるように、また、より力をつけていただけるように、私どもとしても支援、協力、連携していきたいと思っております。

西村(智)委員 ちょっと大臣の見解を伺いたいと思います。

 今の局長の答弁、中長期的にできるように努力をしていきたいということなんですけれども、大臣のお考えはいかがですか。

高村国務大臣 日本NGO連携無償資金協力では、緊急人道支援や保健分野などの人間の安全保障の理念が強く反映されている分野においては、一億円までを限度として供与することが可能となっているわけであります。

 また、予算については単年度主義が原則ですが、まさに事業を複数年にわたり切れ目なく行うような仕組みに、本年度、改善をしたところでございます。

 日本NGO連携無償資金協力の制度については、NGO・外務省定期協議会などの場を通じて、NGOからの提案も踏まえて改善の努力を行ってきているところでございますが、今後ともそうした努力を継続していきたい、こう思っております。先ほど政府参考人が述べたような方向で努力をしていきたいと思っております。

西村(智)委員 ぜひ大臣もそうしたNGOの方々と直接意見交換をしていただいて、一体この政府の資金協力の要件でどこが厳しいのか、そして、中長期的なプランの中で活動していくことがどれだけ必要なのかということをぜひ御理解いただきたいと思います。

 今回のことでも懸念をされるのは、例えば、子供たちだけではないんですが、被災者の方々の精神的なトラブル、トラウマなどの問題です。短期的に六カ月だけでこの緊急人道支援が終わるわけはないと思っておりますので、ぜひその点は改善をしてくださるように強く要請をいたします。

 続いて、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、これは他国政府のことになるんですが、ミャンマー政府が先ごろ、緊急支援の時期は過ぎた、これからは復旧復興の時期に入ったのだという声明を出しているようです。日本の政府の枠組みの中では緊急人道支援、またJICAの草の根パートナー型の枠組みということで支援を行っていくことになるのでしょうか。

 この緊急という言葉の認識について伺いたいと思うんですけれども、ミャンマー政府の緊急支援の時期を過ぎたという宣言を受けて、日本政府の、日本のNGOに対する緊急支援の資金協力、これも考え方が変わっていくのでしょうか。それとも、そうではないということなのでしょうか。確認をさせてください。

高村国務大臣 五月二十五日にヤンゴンにおきまして開催されたサイクロン被害に関する支援国会合において、おっしゃるように、テイン・セイン・ミャンマー首相が、現在、緊急支援の第一フェーズから復旧復興の第二フェーズへ移行したと述べた、それはそのとおりでございます。

 他方で、ミャンマー政府は、同会合の後においても、食料や医療等といった緊急性の高い分野における国際社会からの支援を受け入れております。我が国の国際緊急援助隊医療チームも、現在被災地で活動をしております。今後とも引き続き、人道上緊急性の高いと思われる分野への支援については、現地のニーズに応じて検討してまいる所存でございます。

 緊急人道支援の実績を多く持つ多くのNGOがジャパン・プラットフォームに加入しており、ODA資金を活用してサイクロン被害に関する支援事業を現在も実施しているわけであります。また、ジャパン・プラットフォームに参加していない団体でも、日本NGO連携無償を活用することが可能であります。

 ミャンマー政府が復旧復興の第二フェーズへ移行したと述べたことと、日本が緊急支援をするということと、そこは必ずしもミャンマー政府の考え方に拘束されるわけではないし、それからミャンマー政府自体も、そう言いつつ、やはり緊急支援として受け入れている、こういうことに理解をしております。

西村(智)委員 日本政府の主体的な判断によってNGOに対する緊急人道支援の資金協力はこれからも行っていくということを確認させていただきました。

 しかし、冒頭も申し上げたんですけれども、この日本のNGOと申しますか、市民社会と申しますか、そこをどう育てていくのかという発想に立ったときに、やはり私は、今の外務省のサポート体制はいろいろ改善すべき点があるのではないかというふうに考えております。

 一つ、中身のことで、これは政府参考人の方からお答えをいただきたいんですけれども、JICAの草の根パートナー型資金協力の枠組みですね。これは実績や経験のあるところが対象になっていると伺っております。私は、例えば、一つの団体が長らく政府の資金協力に依存し続けるのも、それはまたそれで問題があって、やはり呼び水として最初のころの資金協力は必要だろう、しかし、その後は自立していってほしいというふうに思います。

 この草の根パートナー型というのは、もともと実績や経験があるところを対象にしておりますので、一団体が繰り返しこの枠組みで資金協力を得ていくことは妨げられるものではないと思いますけれども、そこは確認をさせていただいてよろしいでしょうか。

 もう一つ、大臣の見解を伺いたいと思うんですけれども、やはりNGOとのパートナーシップというのは、これは日本だけではなくて国際的に言われていることであります。今は大体どこの国際会議に行っても、政府とNGOが互いに連携をし合いながら会議への参加協力をしているということなんですね。先日横浜で開かれましたTICADでも、NGOとの連携というのが一つ課題ではあったわけなんですけれども、そうしたパートナーシップについての認識は外務省の中でも深まっているというふうに考えるんです。

 この後、この連携をもっと進めていくために資金協力の仕組みというのがどうあるべきだと、どう進めていくべきだというふうに大臣がお考えになっているのか、この二点を伺います。

別所政府参考人 JICAの具体的な制度についての御質問がございましたけれども、もちろん、税金を使っていただく以上、それなりのしっかりした団体で、きちんとした仕事をしていただくように私どもとしてはお願いしたいと思っているわけでございまして、そういうことからも過去の経験といったことも言うわけではございますけれども、今の具体的な御質問で、繰り返しというのはいいのかということについては、それは大丈夫でございます。

 私ども、そういったNGOの方々がしっかりとした、例えば会計処理ができるかとか、案件形成ができるかといったことについていろいろ経験を積んでいただく、あるいはそのやり方、例えばほかの国際NGOから学んでいただくといったことについても支援をするという形で、ここ何年間か努力しているところでございます。

高村国務大臣 NGOによる国際協力活動は、現地の状況に応じたきめの細かい援助や、迅速かつ柔軟な緊急人道支援活動の実施という観点から、極めて重要だと考えているところでございます。

 このような考え方に基づいて、外務省は従来から、我が国NGOとの連携を推進すべく、我が国NGOが途上国で実施する事業への資金提供、また我が国NGOの能力強化策を実施してきたところでございます。

 また外務省は、我が国NGOを国際競争力を有するNGOに育成するとの観点から、平成十八年にNGOとの連携強化に向けた五カ年計画を策定し、その一環として、平成十九年からNGOスタッフの海外実務者研修などを新たな事業として実施しているところでございます。

 これらの施策の推進により、我が国NGOが競争力を培い、国際協力の重要なパートナーとして一層活躍することを期待しているわけであります。これからも重要なパートナーとしてやっていきたいと考えているところでございます。

西村(智)委員 次の質問に移ります。

 子どもの権利条約の第三回政府報告がようやくこの四月に出されました。今回の第三回政府報告、提出が非常におくれたのではないかと思っております。

 この政府報告は、子どもの権利委員会からも、提出の際にはNGOとの連携をきちんととって、その上で提出しなさいということになっているわけなんですけれども、今回の政府報告がこれほどおくれた理由は一体何でしょうか。

梅本政府参考人 お答え申し上げます。

 本件政府報告の作成の過程におきましては、関係する府省庁が多数にわたっております。また、報告内容も広範な分野にわたっておりまして、包括的で、作業に時間を要したということがございます。

 また、項目ごとに関係省庁と和文及び英文について調整する必要があったということで、時間を要した次第でございます。

 また、特に今回は、本条約の報告に加えまして、第二回報告提出以降に我が国が締結をいたしました同条約に係る二つの選択議定書、つまり、武力紛争選択議定書及び児童の売買選択議定書についての第一回政府報告を同時に提出すべく作業を進めたということで、作業が増大した結果、提出期限を遅延する結果となりました。

 若干言いわけがましいようなことになろうかと思いますが、実は、ドイツ、イタリア、カナダ、イギリス、フランス等の主要国においても、報告の提出というのが何年か遅延をしております。これは、児童の権利条約を含めまして主要国際人権条約がそれぞれ定期的な報告の提出を義務づけているということで、恒常的な作業がある。そこで、この作業負担をどうするかということが締約国各国の共通の課題となっておりまして、この合理化についてもいろいろな議論が行われているということで、私どもとしては、このような報告をできるだけ早く提出するということを努力するとともに、報告及び審査の合理化についても、国際的な議論に積極的に参加をしていきたい、こういうふうに思っている次第でございます。

西村(智)委員 言いわけがましいとおっしゃいましたけれども、まさしく言いわけですよ。それは、他の人も遅刻しているから自分も遅刻していいんだというのと同じ理屈ですよね。そういうのは、あってはならない言いわけだと思います。

 今回の政府報告の提出がおくれたことですけれども、先ほどいろいろおっしゃったのは、率直に言って、理由になっていないと私は思います。本当に作業が膨大で大変だというんだったら、NGOとの意見交換会が終わってから二年間も時間がたつなんていうことはないわけじゃないですか。NGOとの意見交換会をやって、二年も待たされたというのは、これは別の事情があったというふうに見なければならないと思っております。

 次の質問は、子どもの権利委員会からの勧告に対しての政府報告ということになっているわけなんですけれども、いろいろな勧告が出されております。勧告といいますか、いろいろな懸念を表明されたりしているものですね。これについては、きちんと答えたものになっているというふうに外務省は認識しておられるんですか。簡潔に答弁ください。

    〔委員長退席、三原委員長代理着席〕

小野寺副大臣 政府報告の作成に当たりましては、外務省から関係各省に対して、児童の権利委員会から提出された最終見解を十分に踏まえて、また、その後の進展を含めて記載するように依頼をしております。

 御指摘の最終見解はさまざまな項目にわたっており、我が国がとってきた個々の施策についてお答えすることは困難ですが、前回の審査以降、例えば児童虐待防止に資する法改正や施策等、進展があった部分が反映されたものとなっていると理解をしております。

西村(智)委員 前回より前進をした部分は、確かに児童虐待の部分などあると思います。しかし、やはり基本的な子供の市民的な権利、社会的な権利、そこをどう守るかということについては、残念ながら、これはほとんど前進が見られない。

 例えば婚外子に対する差別でございます。これは子どもの権利委員会からも法改正そのものを求められている。その中身も、婚外子という差別用語を何とかしろというふうに勧告をされているわけですね。

 念のために申し上げておきますけれども、私自身は法律婚を尊重する立場です。ですけれども、生まれた子供一人一人には何の差別もあってはならないというふうに思うわけでして、今回、前進をした点もあったということなんですけれども、この婚外子差別については今後どういうことで政府の方は対応していこうとされるのか、特にこの点は法務省に伺いたいと思います。

 一昨日、国籍法の違憲判決も出されて、昨日午前中、参議院の委員会で国籍法の見直しを言明されましたけれども、しかし、問題は国籍法に限ったことではなくて、これは婚外子差別全体に関してのことであります。その点で答弁をお願いします。

倉吉政府参考人 最高裁の大法廷判決、国籍法三条一項が違憲であるという判決を受けまして、厳粛に受けとめております。

 その点に関しては、今御指摘のとおり、国籍法の改正を含めて検討しなければならないということで、国籍法の改正を念頭に置いて検討を進めているところでございます。

 それで、今の御指摘の点は、嫡出でない子についての、むしろ民法の規定についての取り扱いということであろうかと思います。

 御指摘の点、よくわかりまして、特に民法の関係、法務省の民事局が所管しております民法の関係では、嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分に対して二分の一になっているというところが問題にされているところでございます。

 その点がいろいろな御指摘を受けているということはよく承知しているところでございますが、実は平成十八年にこの相続分について世論調査の結果が出ました。それによりますと、相続できる金額を嫡出である子と同じにすべきであるという意見が全体の二四・五%であったのに対し、現在の制度を変えない方がよいとする意見が全体の四一・一%を占めている、こういう結果も出たところでございます。

 相続分の見直しについて、現在、委員の御指摘はよくわかるわけでありますけれども、大方の国民の御理解を得ることができるような状況には今はないのかなと言わざるを得ない。そこで、法務省としては、引き続き国民の意見の動向、それから各界の意見等を注視していきながら見守っていきたい、こう思っているところでございます。

西村(智)委員 法務省が時々引用される国民に対する世論調査の結果ですけれども、今この場で聞いた方々は、ああ、そうかと思うんですよ。ところが、データの分析の仕方によっては違う結果が出ることもあるということを、私はここで強く申し上げておきます。

 別の点、選択的夫婦別姓の問題で同様のことがありましたので、今の数字を私はそのまま受けることはできないということだけ申し上げて、ここは外務委員会ですので、外務省の方にもう一回、この点について伺いたいと思うんです。

 今回の政府報告には、前進した部分も少しはあった。だけれども、まだ未到達の部分が多い。やはり今後この条約をどうやって実施していくかということにもっと傾注をしていただきたい、力を注いでいただきたいと思うんです。そのために、これまで熱心に取り組んできたNGOなど、いろいろな団体があります。そうしたNGOときちんとした話し合いの場をつくっていくべきではないかと考えますが、この点、いかがでしょうか。

梅本政府参考人 児童の権利条約の実施に当たりましては、児童をめぐる問題に関心を有する現場の方々の声を聞くことが重要であるというふうに私どもも思っております。また、人権分野に関心を有するNGO関係者によるさまざまな活動の重要性というのも、私どもは十分認識をしているつもりでございます。

 このような観点から、条約の履行に当たりましては、NGOを初めとする各方面の御意見をいかに生かしていくことができるのかということで、よく検討して工夫をしていきたいというふうに考えております。

西村(智)委員 ぜひやってください。お願いいたします。

 最後に、障害のある人の権利に関する条約について伺いたいと思います。

 二〇〇六年の年末に国連総会で採択されて、日本政府も二〇〇七年、去年の九月二十八日にこれは署名をしているわけです。今後、国内法の整備をして締結ということになるわけですが、特に注意をしていただきたいのは、条約上の法的義務の最低限の部分だけを形式的に履行して、その必要な限りで国内法令を変更するというのではなくて、積極的にここは国内法の整備を図っていただきたいという思いでいるんです。

 これは主にほかの省庁にゆだねられる部分が多いとは思うんですけれども、その前提となるのがこの障害のある人の権利に関する条約でありまして、また、この実践ということになると、もともとこれは英文ですので、日本語にして、広くみんなから見てもらって、今後、国内法の整備にみんなで取り組んでいこうということになってくるわけです。

 ところが、その政府仮訳が、これはどうかな、おかしいんじゃないかなと、条約の訳文などは余りやったことがない私などが見ても思うことがありますので、ざっと伺っていきたいと思います。

 まず一つ目なんですが、タイトルです。パーソンズ・ウイズ・ディスアビリティーズが「障害者」と訳されていますが、後に出てくる文言で、ウイメン・アンド・ガールズ・ウイズ・ディスアビリティーズとチルドレン・ウイズ・ディスアビリティーズがそれぞれ「障害のある女子」「障害のある児童」と訳されていますので、このタイトルは、障害のある人の権利に関する条約とすべきだと思います。

 第二点目、パーソンズ・ウイズ・インペアメンツというのが前文で出てきます。これも「障害者」と訳されています。パーソンズ・ウイズ・ディスアビリティーズも「障害者」と訳されていて、つまり、障害者に対応する英語が二つあるわけですね。これはどっちなんでしょうか。インペアメンツの方は機能障害のある人というふうに訳すべきだと思います。

 三つ目、インクルージョンについてです。「受け入れられること」となっていますけれども、これは違うと思います。インクルージョンというのは、差別の禁止に加えてポジティブアクションを措置することだと思いますので、これはそういうふうに書くべきだと思います。

 四つ目、インテグリティー、第十七条です。これは不可侵性なんですけれども、「健全であること」などというへんてこな訳になっています。ここのところは全く逆に解釈されるおそれがありますので、改めるべきだと思います。

 こういうふうに訳語はなっておりますけれども、これはやはりホームページに出ているものを改めてほしいと思うんです。改めるべき必要な手続をとってほしいと思うんですけれども、まず政府参考人の答弁を伺って、その後、大臣にこのことについての見解を伺いたいと思います。

梅本政府参考人 ただいまこの条約の仮訳文につきまして、いろいろと御意見を賜りました。

 この条約の仮訳文につきましては、本条約が障害者の人権及び基本的自由の完全な実現を確保し、促進する上で重要な意義を有していることを十分に踏まえまして、昨年九月の署名に際し、正文テキスト、これは国連の言語ということで英語等でございますが、正文テキストの文言の意味を正確に反映するように、また、我が国が既に締結しておりますほかの条約、また国内法令における用語との整合性等を勘案し、関係省庁とも協議をしつつ慎重に作成したものでございます。

 御指摘の、例えばパーソンズ・ウイズ・ディスアビリティーズの仮訳につきましては、今申し上げたような観点、それから国内法令においても幅広く障害者という言葉が使われているということも踏まえまして、「障害者」というふうに訳したわけでございます。

 また、パーソンズ・ウイズ・インペアメンツということにつきましても、我が国が既に締結をしておりますほかの条約におきまして、人のインペアメンツということを障害というふうに訳出しておりますし、また、同じ障害者分野の条約でございます障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約、ILO第百五十九号におきましてもフィジカル・オア・メンタル・インペアメントということを身体的または精神的障害というふうに訳出をしているということを踏まえまして、「障害者」というふうに訳出をしたわけでございます。

 また、インクルージョンということにつきましては、これも今申し上げたようなプロセスを経まして、確かに文脈上、含めることと訳すると不自然となるということもありまして、いろいろな観点にかんがみまして、「社会に受け入れられること」ということで訳出をしたということでございます。

 また、インテグリティーということの仮訳につきましても、これは我が国が既に締結しております他の条約等においてもいろいろな訳例がありますが、その中で、本条の内容、文脈にかんがみて、「健全であること」というのが本条約の趣旨を反映しているのではないかというふうに考えまして、そういうふうに訳したわけでございます。

 いずれにいたしましても、これから締結に向けて作業を行っていくわけでございまして、その際に、仮訳ではなく訳文を作成するということでございます。その作成に当たりましては、本条約の意義を十分に踏まえ、いただいた御意見も参考としつつ、さらなる検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

    〔三原委員長代理退席、委員長着席〕

平沢委員長 小野寺副大臣。簡潔にお願いします。

小野寺副大臣 私も、超党派でございますこの推進議連の事務局長として、この団体から仮訳文に関してさまざまな御意見をいただいております。このような御意見を踏まえつつ、可能な限り早期の締結を目指して、訳文の作成を含めて検討を進めていきたいと思います。

西村(智)委員 やっていただけるという意味なのか、やっていただけないという意味なのか、どっちなのかわかりませんけれども、これは本当に障害者の基本的な、今後の政策の根幹にかかわるところですので、ぜひそこは見直してくださるように要請して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

平沢委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 政府は先ごろ、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、いわゆる女子差別撤廃条約の我が国としての実施状況について、国連に対して第六回報告を提出しております。提出に当たっては、女性団体を初めとして、各界からさまざまな要望や意見が出されております。条約の締約国として、各分野で一層の取り組み強化が求められていることは言うまでもありません。

 そこで、外務省、条約の第十二条には、保健サービスを享受する機会や、妊娠、分娩及び産後の期間中の適当なサービス(必要な場合には無料にする)等の確保などの規定があります。

 今回の報告、私もここにありますけれども、この報告にもあります保健の分野における差別の撤廃の取り組みの意義や重要性についてどのようにとらえているか、簡潔にお答えください。

梅本政府参考人 ただいま委員御指摘のように、政府はこの四月三十日に女子差別撤廃条約第六回政府報告を国連に提出したところでございます。この報告は、締約国の義務として、締約国が本条約の実施のためにとった立法上、司法上、行政上その他の措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する報告を行うものでございます。

 御指摘の条約第十二条は、締約国が保健の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとり、また、女子に対し、妊娠、分娩及び産後の期間中の適当なサービス等を確保する旨規定しております。

 政府としては、この条項のさらなる実施に努めていくことが重要であるというふうに考えております。

笠井委員 今回の報告の中にあります妊娠、出産等に関する健康支援について言いますと、さまざまな問題がありますが、経済的負担の軽減が大きな課題となっております。

 そこで、厚生労働省、妊婦健診の公費助成について私がことし二月の衆議院予算委員会の分科会で質問したのに対して、平成二十年度の公費助成の実施状況について再度実態調査をしたいという答弁でありました。その結果の概要と、それをどう受けとめているかという評価について報告をしてください。

村木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生の御指摘も受けまして、私ども、妊婦健診等の公費負担の状況について調査をいたしました。

 二十年四月一日現在の状況について、公費負担回数でございますとか、里帰り先での妊婦健診の公費負担の実施状況、あるいは助産所における公費負担の有無などについて、各市町村の取り組み状況について調査をいたしております。

 この結果でございますが、まず公費負担の回数でございます。全国平均で五・五回でございました。十九年八月に回数についての同じ調査をしておりますが、このときは二・八回ということでございましたので、回数については大幅な増加があったというふうに思っております。私ども、公費負担については最低限でも五回はということをお願いしてまいりましたので、そういった意味では大きな進歩があったというふうに思っております。

 また、里帰り出産の場合の妊婦健診でございますが、六割を超える市町村におきまして、これに対する公費助成の取り組みが行われておりました。

 それから、助産所に対する公費助成でございますが、三割程度の市町村におきまして、管内に助産所があるにもかかわらず公費助成の対象としていないということも明らかになっております。このようなところについてはまた趣旨の徹底が必要かというふうに考えているところでございます。

笠井委員 昨年の調査から、二・八回から五・五回へと前進したことは重要だと思います。切実な願いに基づく草の根の運動がある。そして、自治体への働きかけが大きな役割を果たした。政府も、通知をして大いにということで言ってきた。

 しかし、お手元の資料にありますように、各県ばらつきがありまして、福島県でいいますと十・八回、滋賀県十・七回と高い県もあれば、和歌山県のように二・六回にとどまっているところもあります。依然として、一回から四回という市町村が百七十二あるというふうになっております。

 新日本婦人の会という女性団体が、ことし三月から四月にかけて妊婦健診受診に関するアンケート調査を行っております。四十七都道府県、二千二百八十人から回答が寄せられて、妊婦健診を受診しなかったことがあるという場合の理由のトップは、経済的に大変ということで、五七・三%にも上っております。そして、健診にかかる費用総額が平均十四万七千百十円にも上っている。若い世代にとって健診費用が大きな負担になっていることを裏づけております。

 具体的な声を紹介しますと、「とにかく費用が高すぎる。一回五千円は経済的に大変。三十六週以降の健診は週一で一万円以上。月に三万から三万五千円にもなる。受診したくないなと正直思ったことはある。」「次の子が欲しいと思うにつけ、まず健診費用をためなくてはと積み立てている状況。」などと、状況は非常に切実であります。

 労働組合でも、全国労働組合総連合、全労連の女性部が昨年、妊娠・出産・育児に関する実態調査を行っております。例えば、異常出産というのが二三・八%で、五人に一人という状況でありました。産前、産後の休暇もなかなか十分に取得できない実態もある。妊娠と出産をめぐる状況も変化をしておりまして、働く女性の置かれた実情からも、妊婦健診をきちんと受けられるようにする意義は非常に大きいと思います。

 そこで、厚生労働省にさらに伺いますが、国は、昨年一月の都道府県、政令市、特別区への通知で、妊婦健診の公費負担については十四回程度行われることが望ましいとした上で、先ほどありました、まず最低限五回程度の公費負担を実施することが原則というふうにしてきました。

 二月の私の質問の際に、村木審議官は、まずは、財政措置がされている五回は何とかどこの自治体でも実施していただけるように努力を重ねながら、さらに来年度の調査実態も踏まえまして、その後の施策について検討させていただきたいというふうに考えておりますと答弁されました。その調査結果が出て、平均五回を超える五・五回になったわけですから、国として、望ましいという十四回程度に向けて、例えば最低限、医学的に見ても必要な次なる目標は何回であるということを示すなどしながら、一層の努力をすることが必要だと私は思うんですけれども、今後、具体的にどのような施策を検討して進めていかれるつもりか、お答えください。

村木政府参考人 私ども、最低限五回、それから望ましい回数としておよそ十四回ということを言ってきたわけでございます。そういう意味では、五回の次、例えば七回があるか八回があるかということでございますが、そこは、今のところそういう考え方には立っておりません。

 一つは、先生も御指摘になられましたように、五回を下回っているところがまだございます。これは、市町村の割合で申しますと九・四%ということで、先生が個別の都道府県名もお出しになられましたけれども、地域差もかなりございますので、まずは、地方財政措置もかなりやっておりますので、それをうまく活用して、とりあえずどの自治体でも五回というところに力を入れなければいけないと思っております。

 ただ、望ましいのは十四回でございますので、妊婦健診の重要性について、また自治体とよく協力をしながらこれを周知して、それぞれの自治体で公費負担の回数を上げていっていただけるようにお願いをしていきたいというふうに考えております。

笠井委員 妊婦健診については、助産所での健診や里帰り先での健診についても公費助成の対象にしてほしいという強い要望が出されております。しかし、厚生労働省の調査結果で、先ほどもありましたが、この点について逆の面からいいますと、助産所での妊婦健診については公費負担なしが七五・三%、里帰り先での健診では公費負担なしが三六・一%というふうになっているわけです。

 妊娠や出産では、全国どこに住んでいても、どこでも健診を受けて出産しても経済的な心配がないということが大事になってくると思います。助産所での健診とか里帰り先での出産についても公費助成が広がることが望ましいというふうに思うんですが、これは当然だと思いますが、その点についていかがか。また、そのために国としてもさまざまな努力をすべきだと思うんですが、どのようなことを考えておられるか、お答えください。

村木政府参考人 里帰り出産、それから助産所の活用、これは大変重要なことだというふうに私どもも思っております。

 里帰りの場合は、各自治体でいろいろな工夫をされておりますので、まずは、いろいろなやり方、好事例などをきちんとそれぞれの自治体にお示しをして、ぜひ工夫していただくということを周知していきたいというふうに思っております。

 それから、助産所でございますが、これは私どもにも助産所が公費助成の対象から外れているというお声が届きましたので、昨年の六月に、助産所も公費助成の対象になるということを自治体に対して通知しまして、ぜひ地域の医療資源の有効活用を図ってほしいというお願いをしたところでございます。

 ただ、残念ながら、結果としましては、公費負担があるところが二四・七%、公費負担がないところが七五・三%で、このうちの半分ぐらいは助産所そのものがないということでございますが、その残りは、助産所があるけれどもそれが対象になっていないということでございますので、重ねて、安心、安全なお産の場の確保ということで、地域にある資源をぜひ有効に活用してほしい、公費助成の対象になるということを徹底してまいりたいというふうに考えております。

笠井委員 通知、周知を図る、あるいは工夫していろいろやっているところの経験を広げるというのは大事だと思うんですが、そもそも、地方自治体自身が厳しい財政運営を強いられている中で公費負担の拡充を図るためには、やはり国としてもその面でも財政支援の強化が不可欠だと思うんです。

 そこで、まず一つ伺いたいのは、およその目安で結構なんですが、日本全国、全体で妊婦健診の公費助成をやっていくためには、例えば五回ということになると大体総額幾らの規模が必要なのか、それから全国で十四回程度やるようにするためには大体総額どれぐらいの規模のお金が必要なのかということについてお答えください。

村木政府参考人 妊婦健診にかかる費用につきましては、幅がありますものですから正確な数字を申し上げるのは難しいのですが、粗々の推計を私どもでいたしますと、十四回全部を助成した場合には大体千三百億程度、最低限の五回で計算をいたしますと四百六十億程度の経費になろうかと思います。

笠井委員 そうしますと、そういう規模が必要だということなんですが、現在、地方交付税上の措置をどれぐらいの規模でこれにかかわってやっているのか。

 それから、先ほどもありましたが、ばらつきがある。最低五回ということも困難な地域あるいは自治体があるわけで、それぞれ事情があると思うんです。一方では、東京の二十三区でいいますと、運動も広がって、いろいろとまた努力もある中で、もうほとんどが十四回というところまでは来ています。

 そういう点でいいますと、今の交付税上の措置というのはどんなことでやっているのか。それから、十四回が望ましいと国として言っているわけですから、到達点を踏まえて、財政的にもさらに枠を広げるというか増額すべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

村木政府参考人 公費助成に対する財政上の措置でございますが、これは平成十年度から一般財源化をしているという状況でございます。

 ただ、少子化対策については非常に重要な施策であるということで、地方財政措置、かなり充実をしてきていただいておりまして、少子化対策に対する自治体の単独事業に対する財政措置でございますが、平成十八年度に三百三十億でございましたものを、十九年度、これは二回から五回にと回数を上げたときでございますが、七百億程度、それから本年度、二十年度につきましては七百三十億まで増額をしていただいたところでございます。

 そういった意味では、まだ十分ではありませんが、大変財政事情が厳しい中では、少子化、それから、とりわけ妊婦健診はかなり高い額が全体としてはかかるものですから、それについては大変総務省にも御努力をいただいていると思います。

 私どもも、これからもさらに、こういったことでどれだけの充実ができるかということを検討してまいりたいと思っております。

笠井委員 国が望ましいと言っている十四回程度には千三百億ということですから、少子化対策枠全体でその中でということで七百三十億ですから、まだまだこれは足りないわけですね。大いにこれは財政的な措置も含めて具体化を強く要望しておきたいと思いますし、関係省庁ともよく相談してもらいたいと思います。

 最後に、大臣、女子差別撤廃条約とのかかわりで今この問題を特に質問してきたわけですが、この問題、直接にはもちろん所管は厚生労働省ということになりますが、財政的な問題を含めてこれも関係省庁の調整が要る、あるいはこの問題を大いに進めるという点でも調整が要ると思うんです。

 この条約で保健の分野における差別の撤廃ということがうたわれて、締約国としての責任も、そして一層の努力が必要になってくるというふうに思います。国際的にも女性の人権としての共通認識となっています、安全な妊娠、出産、子供が健康に生まれ育つことを保障するというリプロダクティブヘルス・ライツの観点から見ても、これをやはり大いに進める必要がある。そして、次回また報告を出すわけです。格段に進展したという具体的な報告がやはり国連にもできるようにしなきゃいけない。

 大臣としても努力をしていただきたいと思うんですが、この際、大きな見地での所見を大臣に伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

高村国務大臣 厚労省中心に取り組んでおられますので、積極的に応援していきたいと思っています。

笠井委員 ぜひ国を挙げて、政府を挙げての取り組みとして強化をしていただきたいと思います。

 終わります。

平沢委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 私は、きょう、国連広報センター、UNICの問題について取り上げたいと思います。

 日本消費者連盟が外務省に対して質問書を送付して、この表題は、UNICの業者癒着不正経理疑惑、こういうものでありました。

 二十三日付で外務省は、前払いは国連財政手続違反というふうにしながらも、個人が不正に金を着服したなどの疑惑はなく、支出目的そのものには逸脱はないという回答をしているんです。

 また、五月十五日には、国連本部でも赤阪事務次長がブリーフィングをしておりまして、同趣旨の、特に東京の職員自体が、この予算、つまりUNICの予算は年末に使い切りをしなければならなくて、つまり繰り越しというような処理をできることがわかっていなかった、そういう技術的なミスであるというような説明をされているということなんですね。

 そこで質問なんですが、私たちの調査では、実は、このUNIC東京では九九年には繰り越しの処理を行っている。九九年には、二〇〇〇年のプログラムに繰り越す申請を国連本部の方に、翻訳、旅行、ホームページ等一万五千ドルですけれども、繰り越ししたい、こういう申請をされて、そうされたという事実があるのではないか。あるのだとすれば政府の調査不足ではないかと思いますが、いかがですか。

小野寺副大臣 東京国連広報センターの一九九九年の決算報告によれば、同年の予算額は十二万九千米ドル、支出額は十二万五千米ドルであり、四千米ドルの残高がありました。

保坂(展)委員 ということは、繰り越し処理をすることもできるということを、この職員等が全員おやめになってかわったのでなければ、当然それはあり得るわけで、そこの点はさらに調査を求めたいということを指摘します。

 もう一点なんですけれども、お配りをした資料に、外務省に出してもらった、一番最後のページですけれども、施設費ということで、平成十二年以降、これは十七年から政府の拠出というふうに書いてあります。

 昨日説明を聞いたところだと、平成十七年から、このUNIC東京に対して千九百十九万円の施設費を外務省から国連大学に振り込んでいるということなんですね。ところが、国連大学というのは、東京都が無償で土地を提供して、国が建設してそれを貸し出している、そこで施設費というのは発生しないのではないかと思いますけれども、他の国連大学にある機関に施設費を払っているのか、なぜ十七年から施設費を払うようになったのか。これは事務方で結構ですので、答えてください。

秋元政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、平成十七年までは国連が施設費を負担していたわけでございますけれども、当時、国連におきまして世界各地の国連広報センターの統合、合理化が議論される中で、国連は、ホスト国が施設費を支援することを強く求めてきたわけでございます。

 それを受けまして、政府としましては、東京のUNICを存続させるために、平成十六年度予算から施設費の拠出を始めることになったわけでございます。

保坂(展)委員 この施設費千九百万円は、実際には何に使われているんですか。それを外務省は把握していますか。つまり、これまではなかったわけですよね、政府の負担は。その千九百万は何に具体的に使われているんですか。

秋元政府参考人 お答えいたします。

 この施設費は、国連大学の本部施設の使用料としまして、国連大学におきますUNIC東京を含む施設全体の維持管理費に充てられると承知しております。

 具体的な項目としましては、警備や清掃にかかわる費用、エレベーター、エスカレーター保守費及び修理、修繕にかかわる費用、備品、整備等の維持管理費等であると承知しております。

保坂(展)委員 外務大臣に伺います。

 国連というと、国連改革というと、我が国では常任理事国入りのことがよく話題になりますけれども、政府の公金を国連大学にあるUNIC東京というところに支出をし、そこが今経理の問題で国連から調査が入ったり、その調査についての報告について今質問主意書を出したりしてやりとりをしていますが、やはりこれは、国連の機関であってもしっかり説明をしてもらう、我が国から出した公金については、何に使われ、そしてどういうルールに基づいて処理をされているのか、しっかり把握してもらいたいと思うんですね。その点、いかがですか。

高村国務大臣 できる限り把握していくように努力したいと思います。

保坂(展)委員 外務大臣に、続いて、日本が国連人権理事会の理事国に百五十五カ国から支持を受けて再当選をしたということなんですけれども、まず、ことし二月に国連理事会に提出された自発的な誓約において、相互の理解と尊重に基づく対話と協力の促進と大規模かつ組織的な人権侵害への対応、障害者権利条約あるいは強制失踪条約の早期批准、人権関連条約体との協力、NGOとの協力など誓約をされているというふうに聞いています。これはそのとおりなのかということについて、お願いします。

小野寺副大臣 人権理事会選挙に際しましては、立候補国が自発的誓約を行うことが期待をされております。我が国も、本年五月に行われました人権理事会選挙への立候補に伴い、二月に自発的誓約を発出いたしました。この自発的誓約におきまして、御指摘の諸点も含め、今後の取り組みにつきましては記載をしております。

保坂(展)委員 では、外務大臣これから次へ行かれるということなので、最後に答えていただきたいんですけれども、日本は、いわばその理事国となって、各国の模範となるような立ち振る舞いを求められているのではないかと思います。

 他方で、五月にこの普遍的審査というものがあって、国連の理事会の場で、我が国の人権状況についてさまざまな他国からの勧告がございました。間もなく、来週でしょうか、十二日の国連人権理事会本会議において、日本国政府はこの勧告を、どう対処するのか、受け入れるのかどうかについての態度表明をする。そこをどういう基本姿勢で行っていくのかということについて、基本姿勢、つまり、模範的に人権理事国として他国からの勧告に謙虚に耳を傾け、正すべきところは正すという姿勢が出せるのかどうか。これをお願いします。

高村国務大臣 五月十四日に、国連人権理事会が各国の人権状況を定期的に審査する普遍的、定期的レビューの作業部会において、五月九日行われた我が国の審査に関する報告書が採択されたところであります。同報告書は、六月十二日に人権理事会で正式に結果文書として採択される予定であります。

 作業部会で採択された報告書に記載されている各国からの勧告に対する我が国の立場については、内容を精査しつつ、現在関係省庁と協議を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、六月十二日の人権理事会での報告書の採択に向けて、しっかりと対応してまいる所存でございます。

平沢委員長 よろしいですか。では、外務大臣、どうぞ御退席ください。

 保坂君。

保坂(展)委員 それでは、先ほどのUNICに戻って、もう一度確認をします。

 私が受領した質問主意書の答弁書におきましては、UNIC東京職員が年末に予算を使い切る必要があると理解をしていたから、結局、使ってもいないお金を前払いという形で処理をしてしまったんだということです。しかし、先ほどの答弁でも、九九年にはちゃんと繰り越しをしているわけですね。

 お聞きしますけれども、その時点で職員が全部総取っかえでかわったんでしょうか。そうでないとすれば、その年内中に予算を使い切らなければいけないという理解がなぜ生まれたのか、それは一種の言い抜けではないか、この答弁書は不十分じゃないか、もっと調査しないのかと思います。いかがですか。

小野寺副大臣 今の御指摘の点も含めて、現在国連本部に照会をしております。

保坂(展)委員 ということは、この指摘の趣旨は理解できるということですね。

小野寺副大臣 その御指摘の趣旨を踏まえて、国連本部に照会をしております。

保坂(展)委員 もう一点なんですが、国連大学の口座に確かに千九百万円振り込まれているんですが、昨日までは、これはUNIC東京についての施設費だというふうに理解をしてきたんですね、千九百万円というお金はUNIC東京の施設費だと。先ほど事務方の答弁だと、そうではない、いわゆるUNIC東京も含んだ国連大学全体の施設の運営なり維持なりに使われていると。これは正しいんですか。

秋元政府参考人 お答えいたします。

 御承知のとおり、東京UNICは国連大学の中に所在しているわけでございまして、国連大学の施設の一部を使用しているわけでございます。その使用料を、これまでは国連本部から支払っていたんですけれども、先ほど申し上げましたように、平成十七年に、国連側の要請に基づいて、その施設費を日本側が拠出金として出すことになった、その支払い先が国連大学であるということでございます。

 その用途は、先ほど申し上げましたように、UNIC事務所も含んだ国連大学全体の維持管理に充てられているということでございます。

保坂(展)委員 時間になりました。質問主意書をまた再提出していますので、しっかり調査をして答えていただきたいということを申し上げて、終わります。

平沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十七分散会


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