衆議院

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第17号 平成22年6月16日(水曜日)

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平成二十二年六月十六日(水曜日)

    午前八時五十分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 宗男君

   理事 木内 孝胤君 理事 小宮山泰子君

   理事 空本 誠喜君 理事 中野  譲君

   理事 和田 隆志君

      大山 昌宏君    吉良 州司君

      齋藤  勁君    阪口 直人君

      末松 義規君    武正 公一君

      中津川博郷君    西村智奈美君

      萩原  仁君    浜本  宏君

      早川久美子君    藤村  修君

      松宮  勲君    横粂 勝仁君

      横光 克彦君    渡辺浩一郎君

      笠井  亮君    服部 良一君

    …………………………………

   外務大臣         岡田 克也君

   外務副大臣        武正 公一君

   外務副大臣        藤村  修君

   外務大臣政務官      吉良 州司君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   外務大臣政務官      徳永 久志君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 本部 和彦君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月九日

 辞任         補欠選任

  平岡 秀夫君     藤村  修君

同月十六日

 辞任         補欠選任

  吉良 州司君     渡辺浩一郎君

  西村智奈美君     横光 克彦君

同日

 辞任         補欠選任

  横光 克彦君     西村智奈美君

  渡辺浩一郎君     吉良 州司君

    ―――――――――――――

六月三日

 徳之島への米軍基地移設案の撤回を求めることに関する請願(徳田毅君紹介)(第一一三二号)

 普天間基地の無条件返還を求めることに関する請願(佐々木憲昭君紹介)(第一一七一号)

 核兵器禁止条約の早期締結に関する請願(河井克行君紹介)(第一一九四号)

同月七日

 普天間基地の無条件返還を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三四二号)

 同(笠井亮君紹介)(第一三四三号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一三四四号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一三四五号)

 同(志位和夫君紹介)(第一三四六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一三四七号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一三四八号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一三四九号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一三五〇号)

同月八日

 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五〇八号)

 同(笠井亮君紹介)(第一五〇九号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一五一〇号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第一五一一号)

 同(志位和夫君紹介)(第一五一二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一五一三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一五一四号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一五一五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第一五一六号)

同月九日

 普天間基地の無条件撤去に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一七一六号)

 核兵器禁止条約の早期締結に関する請願(菅川洋君紹介)(第一七一七号)

 普天間基地の無条件撤去を求めることに関する請願(中島隆利君紹介)(第一七九〇号)

 普天間基地の無条件返還を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一八四三号)

同月十日

 普天間基地の無条件返還を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一九四〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二〇五八号)

 普天間基地の無条件撤去に関する請願(志位和夫君紹介)(第一九四一号)

 普天間基地の無条件撤去を求めることに関する請願(笠井亮君紹介)(第一九四二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 閉会中審査に関する件

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)(参議院送付)

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党所属委員に御出席の要請をしたいと思いますので、若干時間をかしてください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鈴木委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請いたしましたが、残念ながら御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 この際、藤村外務副大臣及び徳永外務大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。外務副大臣藤村修君。

藤村副大臣 おはようございます。このたび外務副大臣に就任いたしました藤村修でございます。

 国民の皆さんの理解と信頼に支えられた力強い外交を実現するために、岡田大臣をしっかりと補佐しながら外交上の諸課題に取り組んでまいります。

 鈴木委員長を初め委員各位の御支持、御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 次に、外務大臣政務官徳永久志君。

徳永大臣政務官 おはようございます。このたび外務大臣政務官に就任をいたしました参議院議員の徳永久志でございます。

 国民の理解と支持を得られる外交を進めてまいりたいと思います。

 どうか鈴木委員長を初め委員の先生方の御指導、御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、一言のごあいさつとかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

鈴木委員長 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件及び国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣岡田克也君。

    ―――――――――――――

 特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件

 国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

岡田国務大臣 ただいま議題となりました特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 政府は、平成十六年十月に、国際移住機関との間でこの協定の交渉を開始しました。鋭意交渉を行った結果、本年二月二十三日にジュネーブにおいて、我が方在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使と先方事務局長との間で、この協定の署名が行われた次第であります。

 この協定は、国際移住機関並びにその加盟国の代表者、事務局長、事務次長及び職員が享有する特権及び免除等について規定するものであります。

 この協定の締結により、我が国において、国際移住機関が一層円滑に活動を行うことのできる環境が整備されることが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 次に、国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 この憲章は、平成二十一年一月にドイツで開催された国際再生可能エネルギー機関の設立会合において採択されたものであります。

 この憲章は、再生可能エネルギーの持続可能な方法による利用の促進等を目的とする国際機関として国際再生可能エネルギー機関を設立することについて定めるものであります。

 我が国がこの憲章を締結することは、再生可能エネルギーの分野における国際協力に積極的に貢献するとともに、我が国の関連産業の国際競争力を一層強化するとの見地から有意義であると認められます。

 よって、ここに、この憲章の締結について御承認を求める次第であります。

 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 この際、お諮りいたします。

 両件審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁次長本部和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阪口直人君。

阪口委員 民主党の阪口直人でございます。

 さて、我が国は、エネルギー自給率が四%という大変に脆弱なエネルギー事情にございます。また、化石燃料の多くを輸入に頼っておりまして、特に石油は九〇%近くが中東に依存をする、このような状況でございます。したがって、私たちの次の世代、さらにそのまた次の世代に持続可能な状態でエネルギー確保をしていく、これは世界で最も真剣に考えていかなくてはならない、日本はこういった状況に置かれていると思います。

 そういう意味では、この問題については党派を超えて、あるいは省庁を超えて議論すべきであると思いますが、本日、野党の方々が議論に参加していただけないということについては、大変に残念に思います。

 さて、二〇〇〇年ごろ、民主党を中心とした超党派で、再生可能エネルギーの固定買い取り制度の導入について検討をしておりました。ところが、当時の自公政権が実施をしなかったということで、太陽光エネルギー、特にこの分野については、日本が市場を切り開き、まさにトップランナーとして圧倒的なシェアを占めていたにもかかわらず、二〇〇〇年当時約四五%あったシェアが、二〇〇八年には一八%と低下をしております。その結果、ドイツにはシェアにおいて逆転され、日本が再生可能エネルギー市場で世界をリードする機会を失うという大変に憂慮すべき事態になってしまいました。

 そこで、こういった貴重なチャンスを逃した反省を踏まえて、今後どのような戦略を展開していくのか、ぜひお聞きをしたいと思います。

本部政府参考人 御説明を申し上げます。

 世界的に太陽光発電の導入が拡大する中で、我が国の導入量は二〇〇〇年から二〇〇八年の間に六・五倍というふうに着実に拡大をしてまいりました。一方、この間に、導入量の世界に占めるシェアにつきましては、二〇〇〇年に四六%でございましたけれども、二〇〇八年には一六%と低下していることは事実でございます。

 太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギー源の多様化、地球温暖化対策の観点といったのみならず、環境関連産業の育成の観点からも非常に重要でございます。特に、今御指摘いただきました太陽光発電は、技術開発による価格低減が期待をされております。同時に、産業のすそ野が広く、経済効果が期待できますことから、需要拡大や研究開発に対する支援などを従来以上に講じまして、さらなる導入拡大を進めていくことが必要だと考えております。

 従来以上の導入拡大を図るために、インセンティブというものを私どもは考えておりまして、全量買い取り制度の導入につきまして、経済産業省におきまして、現在、再生可能エネルギーの全量買い取り制度に関するプロジェクトチームを立ち上げ、制度に関して検討を進めているところでございます。

 さらに、再生可能エネルギーの利用拡大のための設備の設置の促進あるいは規制の適切な見直し、発電コストの低減を可能としますような技術開発の促進などを総合的に講じてまいりたいというふうに考えております。

阪口委員 このテーマにつきましては、鳩山前総理が就任早々に国連総会において、二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%の温室ガス削減という大変に大きな目標を掲げました。これは、再生可能なエネルギーを日本の成長戦略の中心に持ってくることで、この環境分野というものが、決して足を引っ張るべきものではなくて、経済の活性化における大変に重要な役割であるということを同時に世界に向けて宣言した、私はそういった意味を感じています。

 その上で、日本の戦略、つまり再生可能エネルギーを有効活用することで経済発展につなげていくという点にもう少し特化した日本の戦略ということについて、御見解をいただきたいと思います。

本部政府参考人 若干重複になる点をお許しいただきたいと思います。

 従来以上の導入拡大を図ってまいりますためには、どうしてもインセンティブというものを強化していく必要がございます。このためには、設置に対する補助金といったようなものに加えまして、生み出されました電気を全量買い取るという制度について導入をすることが必要というふうに考えておりまして、経済産業省におきまして、その検討のためのプロジェクトチームといたしまして、再生可能エネルギーの全量買い取り制度に関するチームを立ち上げまして、詳細に今検討を進めているところでございます。

 これだけがインセンティブではございませんので、それに加えまして、供給に資するための電力系統の整備の促進、例えばこれは新しい次世代の送配電のネットワークを研究するといったようなことでございますけれども、そうしたことまで含めまして総合的に政策を展開いたしまして、低炭素社会の構築に向けまして全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

阪口委員 ありがとうございます。

 日本の再生エネルギー技術の海外進出を促進していく、これも大変に重要な視点だと思います。その上で、この分野での国際標準化戦略、ここにぜひ力を入れていただきたいと私は思います。

 なぜならば、企業がいかにすぐれた技術や製品を持っていても、国際標準化された技術、製品でなければ、国際基準に適合させるための大変なコストが発生する、また開発された技術、製品が国内でしか利用できない、こうなると、国際市場においては大変に不利な状況になってまいります。

 したがって、今後、我が国の再生可能エネルギー関連産業の国際市場のシェアを拡大するためには、我が国の技術を国際標準化する必要があるということで、ぜひ、我が国の企業が不利になることがないように、むしろ日本仕様が国際基準になってくる、こういった戦略が必要であると思います。

 もっと端的に言えば、ルールは守るものではなくてつくるものである、こういった気概を持って取り組むべきであると思いますけれども、その上での日本の戦略について、ぜひお伺いをしたいと思っております。大臣に伺えれば幸いです。

武正副大臣 お答えいたします。

 標準化、これが日本の企業にとっても、あるいは日本の産業にとっても、あるいはまた先ほど阪口委員が述べた成長戦略等にとっても大変大事であるというのは、まさにその御趣旨、同感であります。

 そういった標準化の試みを、日本政府としていろいろと試みているわけでありますが、今回の再生可能エネルギーの国際標準化の動きについては、我が国が有する水準の高い技術が活用され、それが関連産業の国際競争力の強化に資するよう、政府としてしっかりと関与をしていきたいというふうに思っておりますし、それが重要だというふうに思っております。

 ただ、きょう、この提案のIRENAという関係について、直接の想定はされておりませんけれども、非常に影響力のある国際機関ということでありますので、そのことについても臨んでまいりたいというふうに思っております。

阪口委員 ただいま武正副大臣から御指摘、御回答いただきましたが、国際再生可能エネルギー機関、IRENAを再生可能エネルギーの持続可能な方法による利用の促進を目的にして新たに設立するということでございますが、このIRENA発足の意義をどのように考えているのか、また、この加盟によって日本にどのような利益がもたらされるのか、また、その上で日本としてIRENAの発展にどのような貢献を考えているのか、ぜひお考えをお聞かせいただきたいと思います。

武正副大臣 このIRENAでございますが、再生可能エネルギーの利用の促進、これは日本にとってもエネルギー安全保障の強化、低炭素社会実現に資するものというふうに考えております。

 IRENA憲章の締結により、このような再生可能エネルギー分野における国際協力に積極的に貢献するとともに、我が国関連産業の国際競争力の一層の強化が期待されております。

 具体的には、IRENAの活動に積極的に取り組むことを通じまして、再生可能エネルギーに関するベストプラクティスを共有するとともに、技術力の水準の高さを生かしつつ、我が国企業による海外市場への進出、とりわけ途上国による我が国製品の導入が促進されることが期待をされております。

 私も、この二月に暫定事務局長になりますペロスさんにお会いをしました。そのときに、我が国がアジア大洋州に位置をするということで、こうしたIRENAにアジア大洋州の国も積極的な参加を暫定事務局長から求められましたが、今のところ、二十六カ国のうち六カ国がアジアに所属をするということもありまして、やはりこうした面での日本の役割というものも強く期待をされるというふうに思っております。

 また、拠出金についても、その割合からいって日本の貢献が強く期待をされておりまして、今年度の予算でも既に所要の措置がとられておりますが、こうした分担金、そしてまた、これから理事会なども、発効後、秋に予想される総会のときに構成が決まってまいりますので、理事あるいはまた職員も、今大体百名ぐらいの事務局に日本から四名でしょうか、派遣というか出向ということになっておりますけれども、より積極的なかかわりを日本として果たして、日本が掲げる再生可能エネルギーの実現、そして地球温暖化対策に資していきたいというふうに思っております。

阪口委員 ありがとうございます。

 もう少し突っ込んでお聞きをしたいと思うんですが、IRENAへの署名ということに関して、二〇〇九年一月の時点では見送ったけれども六月の時点では署名をしたということの理由。

 あと、今副大臣の方から、アジア諸国の参加が少ない、六カ国にとどまっているということでございますが、やはりアジア諸国の参加を促進するという役割を日本として果たしていく必要があると思います。このことに関するお考え、戦略等があればお聞きをしたいということ。

 それと、百名職員がいる中で四名というのは、日本の拠出金、その負担の割合からすると少し少ないのではないかと思います。そういう意味では、日本人職員、特に幹部職員への登用も含めてやはり政府として積極的に働きかけていく、日本がこのIRENAの発展の推進力になっていくというような決意と戦略も必要だと思うんですが、その点について御見解をいただければと思います。

武正副大臣 今、阪口委員から御指摘ありましたように、昨年の一月、ボンでの署名、当初七十五カ国、その後ふえて百四十四カ国でありますが、その内訳を見ますと、地域別ではアジアが十三カ国ということが最初日本がすぐ署名に応じなかった一つの理由でもあったわけでありまして、それが今、二十六カ国のうち六カ国にアジアが入っているということですから、やはり積極的な働きかけが求められるというふうに思っております。

 今、職員の数は百名規模を目指しておりますが、三十四名ということでありますので、その中で四名の出向者というふうになっております。これから、今御指摘の幹部レベルへの登用なども、暫定事務局長を初め、これからの理事会の構成も含めて積極的な働きかけをして、よりIRENAにおける日本のプレゼンス、これを高めていく、そうした働きかけを政府としても行っていきたいというふうに考えております。

阪口委員 ありがとうございました。

 私は、この環境分野というのは、社会保障等と並んで、成長の足を引っ張る存在ではなくて、本当に今後の成長分野にしていかなくてはいけない、そして、そうするためにも党派を超えて省庁間を横断した形で前向きな議論をしていかなくてはならないと思います。そんな決意と皆さん方への御協力を呼びかけまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時二十四分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時二十九分開議

鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 再開に先立ちまして、自由民主党・無所属の会、公明党の所属委員に出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 質疑を続行いたします。小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 本日、国会最終日ということでもございまして、また政権交代をして通常国会最終日、このような質疑をさせていただけること、心から重い思い、そして厳粛な思いで質疑をさせていただきたいと思います。

 さて、最後に参議院先議でおりましたこのIRENA憲章、またIOMの特権免除協定の締結、この点に関しましては、やはり日本が国際化の中において大変重要な問題だと思っております。

 この点に関しまして、IRENA憲章締結について今国会会期中に承認を求める意義、必要性について、また同じく、IOM特権免除協定の締結について今国会会期中に承認を求める意義、必要性について、御説明をいただければと思います。

武正副大臣 お答えをいたします。

 IRENA憲章、二十五番目の批准書が寄託された日の三十日後、効力を生ずる、発効するということになっております。六月八日にイスラエルが二十五番目の批准書を寄託したことから、本憲章の発効は七月八日となります。

 これを受けて、IRENAの活動の本格的な開始に向けて準備を加速することとなりますが、IRENAの理事会の構成員は、発効後最初に開催される総会において選出されることとなります。

 今後、我が国が再生可能エネルギー分野での国際協力においてリーダーシップを発揮し、また我が国関連産学の国際競争力を一層強化していくためには、理事会の構成員になることなどを通じて、同機関の活動に初期の段階から主体的かつ効果的に取り組んでいくことが必要と考えております。

 そのためにも、でき得る限り早期に本憲章を締結し、初回の総会に加盟国として参加することが重要であり、今国会での御承認を求めているところでございます。

 IOM特権免除協定の締結も急ぐという理由について申し述べますと、IOMは国際的な人の移動の問題を扱う国際機関であり、我が国は九三年にIOM憲章を締結し、加盟国となりました。

 これまで我が国は、移民、難民、被災者等への支援といった分野においてIOMとの間で協力関係を築いてまいりました。近年では、スマトラ沖地震被災者支援、あるいはまた外国人子女の就学支援、国内で保護された人身取引被害者の帰国支援に係る協力等を通じ、IOMとの連携が従来にも増して緊密になってきております。

 こうした関係にあるIOMが今後、我が国において一層円滑な活動を行う環境を整備することが適切であり、いつ発生するかもしれない国際的な災害にIOMと連携しつつ機動的に対応することを確保する上で、本協定の早期締結が必要でございます。

小宮山(泰)委員 大変重要な、そして今国会で採決をする大きな意義を今御説明いただいたかと思います。

 特に、今国会におきましては、新内閣が発足をし、その間委員会を進めることができなかったこと、十分な審議時間がとり切れなかったということに関しては、私も与党の筆頭理事として大変残念な思いはございますが、だからといって、十日間ほどおくれたからといって、それをさらにおくらせていいという状況ではない。議会としても、日本が世界の中でしっかりと外交をやり、日本がその誇りある国家として、またその誇りある地位をきちんと確保するためにも、やはりここは、最終日でありますが、この時間でもございますけれども、しっかりとこの点を議会でも議決し、そして先へ進んでいただきたい、そういう重い思いがございます。

 また、それだけの採決をする、議会の側も、私たちもこうしてこの採決に臨んでいること、外務省におきましても、大臣におきましても、ぜひその点に関しましてはお酌み取りをいただければと思っております。本来であれば、IRENAに関しては二十五カ国のうちに先に入りたかったという思いは、本日来ておりません委員においても同じ思いでいるかと思います。その点もぜひお酌み取りいただきまして、今後、これをどう生かしていくのか、この点の決意、そして思いというものを、大臣、お聞かせいただけないでしょうか。

岡田国務大臣 まず、それぞれの必要性については今、武正副大臣の方から御答弁申し上げたところであります。

 こういう国会の状況になりまして、大変厳しい中で、あえてそういう中で、参議院においては可決された両条約について御審議いただくことは大変ありがたいことだというふうに思っております。そして同時に、それぞれについて今、武正副大臣言いましたように、これは日本にとってぜひとも早く御承認いただくことが重要なことでありますので、委員長初め委員の皆様の御理解の中でこういう形で御議論いただいておりますこと、大変ありがたいことだと思っております。

小宮山(泰)委員 大臣、ありがとうございます。

 今、政権の交代をさせていただいて、過去の外交というものの検証も始まっているかと思います。これは今国会においてのいわゆる密約問題の解決に向けての動き、そういったものから見ても、日本は新しい外交政策というのに動き始めている。また、ハイチの地震などがございました。海外での災害支援外交というような新しい発想、即応力を求められている。そういう時代において、今回のIOMの特権免除協定などは大変即応性がある。いつ災害が起こるかもわからない、そういった中では早急にこの点も採決し、進めなければならないということもあるかと思っております。

 また、今後、国会においても、委員会日程の協議をする中においては、党利党略や手続主義、そして慣例重視というようなこと、これも大変一理はありますけれども、そういったことをやっていられる時代ではない。特に、今、こうやって歴代の方々の肖像を目にしていますと、本当に、時代も社会も動いている中、世界も今も動き続けている中で、議会の責任というもの、そしてこれから日本の政府がしっかり担っていかなければいけないということも痛感をするところでもあります。この点は、国会においても、今お出ましいただいております野党も含めて、国会運営のあり方、審議のあり方というのは、さらに私たちも議論を深めていかなければならないということを、この条約の審議を通じ教わったものだと私自身思っております。

 そして、今回でありますけれども、私自身、この協定において、特に特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結につきましては、IPU、列国議会同盟の会議に行ったときに人身売買の問題がございました。これにおいて、犯罪組織や暴力団など、そういったところとの交渉や訴訟問題のことを考えますと、やはり訴訟手続の免除などを含めても、今まではなかなか人権をしっかり守るということもできない、勇気がなかなか持てないというような、そういったこともあるからこそ、この協定に関してはさらに先に進めていただきたいという思いがございます。

 この点に関しましての取り組み、人身取引対策における取り組みの現状を簡潔にお聞かせいただければと思います。

武正副大臣 人身取引は重大な犯罪かつ人権侵害であると認識しておりまして、我が国は、昨年十二月、人身取引対策行動計画二〇〇九を策定、同計画に基づき、関係機関が連携しつつ、人身取引の防止、撲滅、被害者保護の分野にわたり、包括的に施策を実施しております。

 外務省としては、同計画に従って水際対策としての査証審査を一層厳格化するとともに、政府協議調査団の派遣を通じ、諸外国との連携を推進しております。特に、東南アジア諸国において、被害者の保護及び社会復帰支援を目的に、国連の薬物犯罪事務所、UNODCを通じて人身取引対策プロジェクトを実施しております。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、この条約を通じ、そして締結を通じ、しっかりとした世界におくれをとらない外交、そういったものを目指していただきたいと思いますし、国会もそれにしっかりとこたえられるような、そういった場であっていきたいということをお伝えさせていただき、また、今回、改選後の理事会での申し合わせで、これは野党の理事との申し合わせもございました、ドント方式という形が実際にはございましたが、この点に関しましてなかなか周知徹底ができていなかったこと、本来の形でやったこと、そういうことも、委員会運営に臨む者においても、しっかりとこれからまた協議ができるような場があればと考えております。

 藤村副大臣も就任されまして、これから外交におきましてさらに活躍も願っております。どうぞ、御健康に気をつけていただき、活躍されることを祈りまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鈴木委員長 これより自由民主党・無所属の会の質疑時間に入ります。

 これにて自由民主党・無所属の会の質疑時間は終了いたしました。

 これより公明党の質疑時間に入ります。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

鈴木委員長 これにて公明党の質疑時間は終了いたしました。

 次に、共産党、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 まず、本日の委員会設定について、与党民主党が一方的に押し切って、委員長が開会を強行したことに強く抗議したいと思います。

 本日の議題として一方的に設定された特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定と国際再生可能エネルギー機関憲章の二つの承認案件は、本来、全会派出席のもとで必要な時間をとって審議されれば、全会派一致で承認することができたはずのものであります。しかも、今国会でその機会は十分にあったと言いたいと思います。

 両案件が当委員会に付託されたのが五月二十五日でありました。ところが、五月二十六日に委員会が開催されて以降三週間もありましたが、五回の定例日、五月二十八日、六月二日、四日、九日、十一日、ほとんどが政府・与党の都合、とりわけ鳩山前政権の退陣によって開かれなかったのであります。

 この間、今回の二案件はもちろんのこと、日米合意を受けて、沖縄普天間基地問題など、委員会できちんと審議すべき事項は山ほどあり、十分時間をとって委員会を開催すべきでありました。大体、会期末になって政府提出案件が残っているのに、その委員会の開催が、与党の都合で五回も開けなかったことは極めて異例であり、こうした政治空白の事態を招いたのは挙げて与党の責任だと言わなければなりません。

 加えて、そもそも、この国会最終盤での与党の暴挙には目に余るものがあります。民主党は、一たんはみずから提起した予算委員会質疑を一方的に撤回し、予算委員会での論議を封殺したまま閉会しようとしています。会期中に新首相が選ばれたもとで、総理、外務大臣を初め全大臣出席の予算委員会での論戦抜きに国政選挙を行うというのは、この二十年来なかったことであります。それは、金権疑惑を隠し、争点を隠し、そうしたままで選挙をやり過ごそうとしていると見られても仕方がありません。

 新内閣ができたら、本会議、予算委員会での質疑を経て各委員会を行うのが当然の順序であります。各党がそれぞれ国政の中心問題をただして、国民の審判を仰ぐことが最低限必要なことであります。そうした会期延長の中で、この案件もきちっと扱うことができたはずであります。それさえ無視して一方的に強行したことは絶対に許されないことを強く指摘しておきたいと思います。

 しかも、その一方的に開催された本委員会の質疑割り当ても、一方的に、民主三十分、自民、公明、共産各五分という驚くべき時間配分の通告でありました。先ほど、ドントを基礎にしたということがありましたけれども、こんなやり方は、かつての自公与党の時代の強行のときでさえやらなかったことであります。野党時代に、武正副大臣も理事会で一緒に我々やってきたようなことで、そういうやり方は許さないということでやってきた。ところが、こんなことが行われたわけであります。

 これまで積み重ねてきた配分のやり方さえ踏みにじって、何の合意もなく委員会を設定した与党と委員長の責任は重大だと言わなければなりません。こんなやり方で今回の二案件を扱うことは大きな禍根を残すということを厳しく指摘し、わずか五分の時間が来ましたので、私、終わります。

鈴木委員長 和田隆志君。

和田委員 動議を提出いたします。

 これにて両件の質疑を終局し、討論を省略し、直ちに採決されることを望みます。

鈴木委員長 和田隆志君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 まず、特権及び免除に関する日本国政府と国際移住機関との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、国際再生可能エネルギー機関憲章の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

鈴木委員長 この際、御報告いたします。

 本会期中、当委員会に付託されました請願は十種六十件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に検討いたしましたが、委員会での採否の決定はいずれも保留することになりましたので、御了承願います。

 なお、お手元に配付いたしましたとおり、本会期中、当委員会に参考送付されました陳情書は十二件、また、地方自治法第九十九条の規定に基づく意見書は八百九十九件であります。

     ――――◇―――――

鈴木委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。

 国際情勢に関する件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。

 まず、閉会中、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間及び派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後三時五十七分散会


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