衆議院

メインへスキップ



第5号 平成27年4月8日(水曜日)

会議録本文へ
平成二十七年四月八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 土屋 品子君

   理事 秋葉 賢也君 理事 大野敬太郎君

   理事 島田 佳和君 理事 辻  清人君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 寺田  学君

   理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君

      赤枝 恒雄君    小渕 優子君

      大塚 高司君    小林 鷹之君

      佐々木 紀君    鈴木 隼人君

      薗浦健太郎君    渡海紀三朗君

      中根 一幸君    前川  恵君

      松島みどり君    武藤 貴也君

      宗清 皇一君    緒方林太郎君

      吉良 州司君    鈴木 貴子君

      長島 昭久君    木内 孝胤君

      吉田 豊史君    岡本 三成君

      穀田 恵二君    島津 幸広君

      玉城デニー君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   外務副大臣        中山 泰秀君

   環境副大臣        北村 茂男君

   外務大臣政務官      薗浦健太郎君

   外務大臣政務官      中根 一幸君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       尾池 厚之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 岡田  隆君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 岩井 文男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 滝崎 成樹君

   政府参考人

   (財務省大臣官房参事官) 三田 紀之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           三又 裕生君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 田中 聡志君

   外務委員会専門員     辻本 頼昭君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月八日

 辞任         補欠選任

  河井 克行君     前川  恵君

  鈴木 隼人君     宗清 皇一君

  星野 剛士君     赤枝 恒雄君

  青柳陽一郎君     吉田 豊史君

  穀田 恵二君     島津 幸広君

同日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     星野 剛士君

  前川  恵君     河井 克行君

  宗清 皇一君     鈴木 隼人君

  吉田 豊史君     青柳陽一郎君

  島津 幸広君     穀田 恵二君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案(内閣提出第一二号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

土屋委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房地球規模課題審議官尾池厚之君、大臣官房審議官岡田隆君、大臣官房審議官岩井文男君、大臣官房参事官滝崎成樹君、財務省大臣官房参事官三田紀之君、経済産業省大臣官房審議官三又裕生君、環境省大臣官房審議官田中聡志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

土屋委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田佳和君。

島田委員 おはようございます。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日の案件、緑の気候基金、いわゆるGCFについて質問させていただきたいと思います。

 昨年十一月、安倍総理が、G20のブリスベーン・サミットにおいて、最大十五億ドルの拠出を行うと方針を表明されました。非常に大きな金額でありますが、ことし、COP21が控えておりますし、二〇二〇年以降の新しい環境枠組みについての議論が行われていく中で、今回、十五億ドルという非常に大きな金額の拠出を行う意義というものをどのように考えられているのかお伺いしたいのと、十五億ドルとした根拠があれば、そちらをお示し願いたいと思います。

薗浦大臣政務官 お答えを申し上げます。

 今、いわゆる温室効果ガスの排出量は、途上国が先進国の排出量を量において逆転する状況というものが生まれております。したがって、我が国としては、途上国も含めた世界全体の温室効果ガスの排出量の削減を行うことが急務であるというふうに認識をしております。

 委員今御指摘いただきましたとおり、本年末、COP21で、全ての国が参加する新しい枠組み交渉が今まさに行われているところでございまして、その過程において、我が国が基金への拠出を通じてさまざまなレベルで働きかけを行っていくことが重要だと考えております。

 一つには、我が国が主導的な役割を果たす形での、島嶼国それからいわゆる後発の開発途上国の支援を実現して、これらの国々から支援をいただきまして、全ての国が参加する枠組みをつくっていくこと、そして二つ目には、我々が非常に重要視をしております島嶼国の支援、それから防災分野におけるこれらの国々への支援といったものが可能になるというふうに考えておりまして、意義が高いと考えております。

 後段の十五億ドルの根拠でございますけれども、まず、基金自体が、主要国の間で、非公式の目標ではございましたけれども、総額百億ドルを目標とするというふうに定められておりました。一方で、環境全般に関する基金でございます地球環境ファシリティー、これの拠出実績が、我々が各国全体の大体一五%をこれまで拠出しておりました。そのことによって、国会の承認が得られれば、最大十五億ドルの拠出を行うという表明をしたところであります。

 加えて言うならば、我が国は、米国に次いで、イギリス、フランス等々に比べると排出量がまだ二倍以上という現状がございまして、特に英国が十二億ドルを拠出するという表明を行っていることから、これを上回る額の拠出が必要であるというふうに考えている次第でございます。

島田委員 ありがとうございます。

 ちょうど今、AIIBの議論が盛んに行われているところでありますけれども、昨日の参議院の答弁で、大臣の方から、AIIBにもし参加するとすれば約一千億円以上という試算、目標が示されましたけれども、今回、十五億ドル、一ドル百二十円で換算しても千八百億円、非常に大きな金額の拠出であります。

 しかし、AIIBの参加を見送った理由の一つに、基金の運営の透明性の担保がされていないといった理由がありましたけれども、逆に、今度、GCFに関しては、その辺の運営の透明性であったり、また、案件の優先順位をどういうふうにつけていくのかといったところをどのように理解されているのか。

 また、今度、実際運営が始まった後、日本がどういう立場で、例えば理事会のようなものがあるのか、そういったところでどのような立場で主張をしていくのか、その辺のお話を聞かせていただきたいと思います。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 緑の気候基金の支援対象国は、気候変動枠組み条約における全ての開発途上締約国となってございます。ただ、実際には、実施機関からの案件の申請を受けまして、GCFの理事会が支援案件を決定する、そういうメカニズムでございます。

 一方で、国際社会におきましては、島嶼国や後発開発途上国といった脆弱な国々に対する支援、これが非常に重要であるということが広く認識をされてございます。

 また、GCFの支援の内容につきましても、一つは、中進国、中国もそうですが、大きなポテンシャルを有する温室効果ガスの削減だけではなくて、脆弱な国々に影響の大きい気候変動の影響への適応という分野についても、重視をされていることになっております。また、適応分野への支援に限って申しますれば、その五〇%以上を小島嶼国ですとか、あるいは後発開発途上国といった脆弱な国々に配分するということも決まってございます。

 さらに、支援案件の選定基準の中には、その他の資金の利用可能性、つまり、GCFのお金を使わなくても、ほかにも使えるお金があるかどうかということが審査基準の中に含まれてございます。

 こうしたことから、GCFの理事会において適切な支援案件が選定されるものと考えてございます。

 なお、我が国といたしましては、小島嶼国ですとか後発開発途上国といった脆弱な国々に資金が渡るように、GCFの理事会におきまして議論に参画をしていきたいと考えてございます。

島田委員 ありがとうございます。

 資料も配付させていただきましたし、先ほど薗浦政務官からもお話ありましたけれども、今、CO2の排出が非常にアジアで伸びているという現状があります。OECDも伸びてはいたんですけれども、二〇〇〇年以降、減少トレンドにある中で、アジアの環境問題、非常に重要に考えていかなければいけないと思います。

 そういった中、先ほどAIIBの話もさせていただきましたけれども、シンガポール人の方で、国連大使を二回務められたキショール・マブバニさんという方が著書の中で指摘しているんですけれども、今アジアで、中国、インドで、膨大な数のいわゆるミドルクラス、中産階級が誕生している、そういった層が、生活水準が向上するにつれて、自動車を購入したり、冷蔵庫であったり洗濯機であったり電気製品を大量に購入して、これが一つのCO2の増加の原因になっているというふうに指摘されています。また、開発支援、そして環境支援、これは二者択一の問題ではなくて、両方同時にやっていかなければいけないというふうにも指摘されています。

 そういった中、AIIBの方は、非常に注目も浴びて、報道量も非常に大きい。一方、このGCFに関しては、報道量も非常に少ないですし、きょうも取材のマスコミの方もほとんどいないという状況でございます。非常に残念な思いをしているわけです。

 AIIBに参加を見送ったことを、中国外交の勝利で日本外交の敗北だみたいな論調もありますけれども、日本は、ADBなり独自のODAなりを通じて開発支援もやるけれども、環境支援もしっかりやっていくというこの日本の外交姿勢をしっかり示す必要があるのではないかと思います。

 ちょっとこれは通告にはないんですが、ぜひ外務大臣からも今回のGCFの拠出の積極的な情報発信をしていただきたいと思いますし、ぜひ官房長官の会見の中にも入れていただきたいと思いますし、日本がしっかり国際社会の中で、環境問題において、アメリカに次ぐ拠出額を出して、リーダーシップをとりながら対応しているということを、ぜひ積極的な情報発信をしていただきたいと思います。大臣、その辺。

岸田国務大臣 御指摘のように、インフラ整備の分野におきまして、AIIBが大きな話題にはなっています。我が国としましても、ODA、開発協力につきましても、新しい開発協力大綱を示し、インフラ整備に向けてもしっかりと努力を続けていきたいと思いますが、一方で、ことしは環境の分野におきましても大変重要な年です。COP21に向けて多くの国々が環境分野において協力をしていかなければいけない、こうした機運が高まっています。環境分野における日本の貢献、こうしたグローバルな課題における日本の貢献の重要性を改めて感じています。

 その中にあって、今お願いしております基金のありよう、全ての国が参加して公正な枠組みをつくるという意味で大変重要であると認識をしております。ぜひ、お願いしている基金の重要性を多くの方々に御理解いただきたいと思いますし、日本もしっかり貢献していきたいと考えています。

島田委員 ありがとうございます。

 先ほどからお話が出ていますとおり、これまでは、いわゆる先進国と開発途上国という二元論的な形で環境問題が取り上げられていましたけれども、今ではアジアの開発途上国が非常にCO2も排出量がふえているというところもあって、全世界が参加する新しい枠組み、これは非常に大切だというふうに思っておりますが、今回、中国や韓国といった国が拠出国の方には入っていません。

 今後、この気候変動問題に関して、やはりこういった国を巻き込んでいく必要があると思いますけれども、中国、韓国に対して日本政府はこの後どのような働きかけをしていこうとしているのか、その辺の戦略をお聞かせ願いたいと思います。

薗浦大臣政務官 委員御指摘いただきましたとおり、中国、それから韓国、加えて言うならばインド、インドネシア等々、アジアの国が非常にCO2の排出量がふえてきているというのは、もう厳然たる事実であります。したがって、本年末に策定が予定されております新たな枠組みというのは、いかにアジアの国も含めて全ての国が参加する公平かつ実効性の高いものにしていくのか、これが非常に重要な観点であるというふうに私どもは考えております。

 これまでも、具体的なやりとりは控えますけれども、さまざまなレベル、外交ルートを含めて、さまざまな機会を通じて、両国、中国、韓国への働きかけは委員御指摘の方向で行ってきておるところでございまして、これを引き続き行ってまいることによって、全ての国が実効的な枠組みに入るような働きかけを主導してまいりたいというふうに考えております。

島田委員 ありがとうございます。

 まさに、環境問題を考えるときによく使われる例えですけれども、それぞれの各国は船でいえば船室のようなものであって、船室を守っても、船自体が沈んでいっては船室は守れない、船全体を守る必要があるという例え話がありますけれども、ぜひ全世界の枠組みで今後進めていただきたいと思いますし、先ほどありました島嶼国、後発開発途上国等からの早期稼働の期待があると思います。

 今後の見通し、スケジュールを最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

岸田国務大臣 今後の見通しですが、各国は、二〇一四年十月のGCF理事会の決定に基づいて、COP21までの案件採択を念頭に、本年四月三十日までに拠出のための取り決めを取り交わすことが求められております。

 そして、GCF理事会の決定では、拠出表明総額の五〇%相当について取り決めが結ばれることが、GCFが個別プロジェクトの審査を開始する条件とされています。要は、拠出総額の五〇%以上がコミットされることが、こうした審査がスタートする条件とされております。よって、島嶼国や後発開発途上国への支援ですとか、あるいはCOP21において全ての国が参加する枠組みの形成を目指す努力を進めるためにも、早期にこの拠出を取り決めなければなりません。

 先ほど日本の拠出額の話がありましたが、全体における日本の拠出額の割合を考えますと、日本の参加というのは、このプロセスがスタートする上で大変重要な要素になってきます。ぜひ、このGCFにつきまして、国会においてしっかり御審議をいただき、一日も早くこの拠出のために日本の取り組みをスタートさせたいと考えております。

島田委員 ありがとうございます。

 この環境問題に関して、日本が強いリーダーシップで進めていただいて、またそういう実績を世界に発信していただけることを願って、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

土屋委員長 次に、岡本三成君。

岡本(三)委員 おはようございます。公明党の岡本三成でございます。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。十五分という限られた時間ですので、簡潔に質問をさせていただくように努めますので、答弁に関しましても御配慮をいただければと思います。

 まず、今回の緑の気候基金、先進国を中心に途上国の温暖化防止の取り組みを強化するために、このような取り組みは大変に意義があるというふうに思いますし、先ほどの御答弁を伺いましても、十五億ドルという基金についても、拠出には十分な正当性があると思います。

 その上で、今回、カンクンの合意に基づきましてそれぞれの国が任意で削減目標をつくるわけですけれども、既に発表されている国を拝見いたしますと、それぞれの国で基準の年が違っておりまして、例えば、ある国は一九九〇年対比、別の国は二〇〇五年対比であったりいたしますので、一律に比較するのがすごく困難だと思います。

 一方で、全世界的な取り組みですから、今後、日本が発表をするその取り組みの目標につきましても、全体のバランスの中で、他国から見ていただいたときにも、十分に高い目標にチャレンジをしているというふうな評価をかち取らなければいけませんので、その適切な目標水準を今後決めるに当たりまして、現在発表している国の水準をどのように我が国として評価をしているかということをお伺いできればと思います。

田中政府参考人 お答え申し上げます。

 それぞれの国、他国の約束草案につきましては、我が国といたしましても情報収集を行いまして、我が国の約束草案を検討しております合同専門家会合にも概要をお示しし、検討を進めているところでございます。

 御指摘の各国の削減目標でございますが、その野心度につきまして、それぞれ、現状から削減率がどうかですとか、さまざまな観点から分析ができるわけでございますけれども、それを他国との比較で一律に評価するということは、先生御指摘のとおり、なかなか困難なところもあるというふうに認識をしてございます。

 COP20の合意によりまして、各国の約束草案を提出する際、その削減目標が公平で野心的であるということの説明を含むことができるというふうにされておりますので、我が国といたしましても、約束草案をお示しする際にこうした点についても説明をするように検討を深めてまいりたいというふうに思っております。

岡本(三)委員 今回の削減目標は、カンクン合意のときと違いまして、削減義務が課されるというふうに伺っておりますけれども、義務というからには、もし達成できなかったときにはペナルティーが科されるというような議論がされているんでしょうか。

田中政府参考人 お答えを申し上げます。

 二〇二〇年以降の新たな枠組みでございますけれども、二月に開催をされましたいわゆるADPの会合におきまして、各国のさまざまな意見を統合したいわゆる交渉テキストが策定をされたところでございます。この中には、先生御指摘の、どのように遵守を確保するかというようなオプションについても、さまざまなオプションが盛り込まれております。

 これまでの京都議定書におきましては、削減目標が不遵守だった場合の措置として、いわゆる強行的な、先生がおっしゃるようなペナルティーを含むような遵守規定が設けられているわけでございますけれども、この新たな枠組みのもとでどういう遵守のメカニズムを構築していくかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、交渉テキストの中にさまざまなオプションがまだ混在している状況でございますので、これからCOP21に向けまして、まさに交渉が進められていくという状況でございますので、現時点でこうなるだろうということを申し上げることは、非常に難しゅうございます。

 我が国としては、新しい枠組みのもとで、全ての国が削減目標を提出して、その達成に向けた対策を実施するということで、実施状況に関する点検、評価を受ける、こういう三つの義務をぜひ盛り込みたいと考えておりますが、こういった義務の遵守につきましては、全ての国の参加を確保するという観点から、対応の改善を促すような、むしろ促進的な仕組みとしていくことが望ましいのではないかというふうに考えているところでございます。

岡本(三)委員 今回の基金の目的が、途上国等に対するさまざまな被害を最小限に食いとどめていくということですから、絵に描いた餅にならないように、ぜひ義務化を、遵守するような取り組みに、日本も積極的に発言をしていただきたいと思います。

 続きまして、この基金ですけれども、主に資金力の低い国々に対しまして支援がなされる目的で使用されますけれども、支援プロジェクトの選定は、このGCFの理事会が決定をされるということになっております。

 そこで、理事会がプロジェクトを選定する基準のガイドラインをどのようにつくり込んでいくか、日本がそこにさまざまな知恵を入れていくかということは重要だと思うんですけれども、その際に、ぜひ、世界最高水準の技術を用いるというふうな文言を組み込むことによりまして、結果的に日本のすぐれた防災技術や環境技術が生かしていただけるような形をつくり込んでいきたいというふうに期待をしたいんです。

 ガイドラインに対する、日本の仕組みづくりのための事前の意見を申し出るような形がどのように今なされているか、そして、どのような水準までガイドラインのクオリティーを高めていけるかということに対しまして、現在の状況をお聞かせいただければと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、温室効果ガスの削減効果の実効性を高めるためには、利用可能な最良技術、BATと呼ばれていますが、こうした技術が有効であり、日本企業のすぐれた環境技術の活用が期待されます。我が国としましては、GCFが支援する案件において、すぐれた環境技術がより多く活用されることが重要であると考えています。

 そして、ガイドライン等、この文書の中に明記はされていませんが、例えば、気候変動枠組み条約のもとにある技術諮問委員会、TECという委員会があります。この委員会の議長は日本人です。また、気候技術センター・ネットワーク、CTCNというものが既に存在いたしますが、ここにも多くの日本のメンバーを送り込んでいます。

 こうした場を通じまして、ぜひ、日本の企業を初めとする世界のすぐれた環境技術がしっかり活用されるように提案をすることによって、結果を出すよう努力をしていきたいと考えています。

岡本(三)委員 そのようなガイドラインができれば、これは日本の企業の輸出促進という目的ではなくて、結果的に、途上国に日本の技術の高いところを享受いただくことによって、さまざまな形での途上国支援が実現できると思いますので、ぜひ、今大臣が御答弁いただいたことの実現をお願いしたいと思います。

 続きまして、今回のGCFの事務局は、実は韓国の仁川に置かれることになっております。我が政府の基本的な取り組みといたしまして、世界の国連機関を日本、とりわけ、できれば東北に誘致をしたいということがあるというふうに私は認識しておりますけれども、仁川に決定をされた経緯についてお伺いをしたいのと、今後の取り組みについてお伺いをしたいんです。

 事前に事務局の方に伺いましたら、今回、公募がなされたというふうに伺っております。そして、その公募に我が国は申し込まなかったそうです。ですから、結果的に戦いに挑まずに負けてしまったような状況になっておりますけれども、なぜゆえに公募に申し込まなかったのか。それと、今後さまざまな国連機関また基金等が立ち上がるときに、ぜひとも我が国に誘致をすることによって、我が国全体の取り組みを強化したいこともありますし、日本全体の発展に活用もしていきたいというふうに思いますけれども、今後の国際機関の設立に当たる誘致の取り組みについて、お伺いをしたいと思います。

 加えて、その関連で、現在このGCFの事務局には日本人が一人だけいらっしゃるというふうに伺っていますけれども、今回の拠出が実現をすれば、全体の拠出においての日本の拠出の比率というのは一五%ですけれども、このまま日本人のスタッフの比率が変わらなければ、日本人スタッフの比率は二%ということになってしまいます。

 国際機関全般に対する日本人の比率を上げていこうということも、我が政府の大きな目的の一つだと思っておりますので、事務局に日本人のスタッフを、拠出金に正当化がなされるように、一人でも多くの日本人を参加させるような取り組みもお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 緑の気候基金のホスト国の選定につきましては、委員御指摘のとおり、六カ国が応募をいたしまして、二〇一二年十月の第二回GCF理事会において、ホスト国として韓国が選定されたわけでございます。

 日本がなぜ応募しなかったのかという御質問でございますけれども、この当時GCFは、二〇一〇年十一月の設立決定以降、まだ準備に向けた議論の途上でございました。加えて、GCFのホスト国となるためには、GCFに対する法人格の付与ですとか、あるいは職員の特権・免除の付与、あるいは資金や物品などの支援、こういったことが条件になってございました。こうしたことから、我が国は、さまざまな条件を総合的に勘案いたしまして、このたびはホスト国には応募しなかったという次第でございます。

 これからどうしていくのかという御質問がございましたけれども、委員御指摘のとおり、国際機関の事務局を我が国に誘致することは、当該国際機関が取り扱っている分野において日本の積極的姿勢を示すという意味では、大変に効果的なことだと考えてございます。他方で、先ほども申し上げましたとおり、国際機関の本邦誘致については、地方自治体を含む受け入れ体制の構築や、長期にわたって相当な財政負担を求められるということもございますので、こうした点にも留意をしていく必要があるかと思います。

 いずれにいたしましても、今後、国際機関の事務局が設置される場合には、我が国として、こうした諸点を総合的に勘案しながら、前向きに取り組んでまいる所存でございます。

 最後に、GCFにおける日本人の問題でございますが、御指摘のように、現在は、約五十名の職員のうち一名の日本人がいるという状態でございます。

 我々といたしましても、実は、固有名詞も含めて日本人を送り込むべく、今働きかけを始めてございます。ぜひとも成果を上げるように努力したいと思います。

岡本(三)委員 先ほど御指摘いただきました、例えば法人格の付与であったり、職員に特権を与えることであったり、物品提供については、どのような国際機関を誘致するときでも当然議論となることですから、聞いて初めてそれに対応することが、準備ができなくてアプリケーションを出せませんでしたということが今後ないように、ぜひ事前事前のお取り組みをいただければと思います。

 最後に、今回、十二月、パリで行われる予定のCOP21、多くの国が参加する取り組みであるという点におきまして、画期的な会議だと思います。

 実際に安倍総理も、COP21に向け、積極的にリーダーシップを発揮していくと述べていらっしゃいますし、岸田大臣御自身も、二〇二〇年以降の国際的枠組みの合意に向けて積極的に貢献しますと述べていらっしゃいますけれども、まだ今の時点で目標も発表されず、どのタイミングで発表されるかということが言及できていないということに関しましては、こういう総理や大臣のお言葉が、言葉だけになってしまってはいけないというふうに若干危惧をしております。

 その意味で、現在議論中だとは思いますが、どのタイミングでどれぐらいの目標を発表できるかということに関して、現在議論がなされているんでしょうか。とりわけ、報道によりますと、先日、イギリスの担当大臣から、六月のG7までにはぜひこの目標を発表してくださいというふうな書簡が届いたというようなことも聞いておりますので、言える範囲で結構ですが、どのタイミングでどの水準を目指すという議論をしていらっしゃるかということを御答弁いただければというふうに思います。

北村副大臣 我が国の新たな削減目標については、その検討を加速化すべく、昨年十月から中央環境審議会と産業構造審議会の合同専門家会合で議論を行っていただいているところであります。これまでに六回の会合を開催いたしまして、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの導入、地球温暖化防止のための国民運動などについて議論をいただきました。

 今後も、COPの決定、各国の動向や将来枠組みに係る議論の状況、エネルギー政策やエネルギーミックスに係る国内の検討状況等を踏まえて、新たな削減目標をできるだけ早く取りまとめることを目指して、今検討を深めていきたいと考えているところでございます。

岡本(三)委員 COP21、そしてこの緑の気候基金に関しまして、日本が全体をリードしていくようなお取り組みをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

土屋委員長 次に、寺田学君。

寺田(学)委員 寺田学です。質問をさせていただきたいと思います。

 大臣、連日、国会答弁、お疲れさまでございます。大臣のお姿を見ていますと、民主党が政権をとっているときも、非常に閣僚の方々が国会に縛りつけられて、もう一つの、まあ本来的な業務でもある外遊を含めて、さまざま支障があったということは、政権時代も感じておりました。これは、与党も野党も含めてさまざま議論をした上で、建設的な方向に向かわなきゃいけないと思いますが、いずれにせよ、国会審議、いろいろあると思いますが、よろしくお願いします。

 今回、緑の気候基金という非常に具体的な法案、拠出する法案を審議するんですが、さまざまな具体的なことに関しては、それに連なると申しますか、考え方の基礎みたいなものがあった上で、さまざまな具体的な施策が施されると思います。

 今回、緑の気候基金という具体的なものではありますが、大臣所信をちょっと読み返してみまして、基本的に外交姿勢の一番の大もとの部分は何かというところは、大臣所信の冒頭部分でお話をされていますが、国際協調主義に基づく積極的平和主義を具体的に実践する外交に取り組む、そのもとに柱が何本かあった上で、加えてこういう環境外交もやっていこうということでありました。

 具体的な質問は後ほどさせていただきたいと思いますが、この一番大もとに掲げられている積極的平和主義という言葉に関して、どうしても私自身、その意味というものを十分理解することはいまだ至っておりません。せっかくの機会ですので、この外交方針の一番の大もとに掲げられた積極的平和主義というものは何であるのかということを、大臣みずから御説明をいただければと思います。

岸田国務大臣 積極的平和主義とは何かという御質問ですが、国際的な安全保障環境の変化が指摘をされています。テロの脅威ですとか、さらには大量破壊兵器、弾道ミサイルといった技術の拡散ですとか、また、宇宙、サイバー、こうした新しい脅威も指摘をされています。

 こうした状況を見るときに、今や脅威は容易に国境を越えてくる時代になった、どの国であっても一国のみでは自国の平和と安定を守ることができない時代になってきた、こうした認識が広がりつつあります。自国の平和と安定を守るためには、アジア太平洋地域、さらには国際社会、世界の平和と安定を確保することが必要になってきている、こういった認識が広まっています。

 このため、我が国としましても、地域の、そして世界の平和と安定及び繁栄のために、これまで以上に積極的に貢献していきたいという考え方、これが積極的平和主義の基本理念であると考えています。

 そして、この積極的平和主義の具体的な中身としては、今御議論いただいておりますエネルギー、環境問題への対応も含まれますし、また、人道支援など人間の安全保障の促進ですとか、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、あるいは開発援助協力、軍縮・不拡散の推進、海洋安全の保障、法の支配の強化、女性の権利を含む人権の擁護、こうしたさまざまなグローバルな課題に対するあらゆる外交努力がこの積極的平和主義の中には含まれると認識をしております。

寺田(学)委員 安保環境が変わりまして、国に対する脅威というものが国境を越えて、そういう環境に今あるということはそのとおりだと思いますし、それに関して、一国では守れないので国際的に協調していきましょうということも事実だと思います。

 今御説明いただきましたけれども、それでも私はちょっと、もう一問、この件に関して御質問したいんです。

 国際協調主義だということは、そのとおりだと思います。その上で、積極的平和主義に立つんだ。その中身は何かということは今御説明いただきましたが、過去の政権、比べる意味では、民主党政権と比べると比較対象としては余りよくないかもしれませんので、過去の自民党政権と比べて何を積極的に行おうという意味で積極的平和主義というような主義を掲げられているのかということを、もう一段掘り下げて御説明いただきたいと思います。

岸田国務大臣 まず、過去の政権との比較において、時代の変化、環境の変化というものがあります。それは、今申し上げたとおりであります。そして、こうした時代の変化にどう対応していくのか。

 積極的平和主義という考え方を示しているわけですが、その考え方に基づいて、一昨年の十二月、我が国におきましては初めて国家安全保障戦略というものを発表いたしました。この中でもこの考え方を示していますが、まず、基本的な取り組みの第一は外交であると考えています。外交において、今申し上げました時代の変化にどう対応していくのか。先ほど申し上げましたさまざまなグローバルな課題にもしっかりと貢献することによって、地域や国際社会において望ましい、安定した国際環境をつくっていく、こういった考え方を第一に掲げています。

 そして、その上で、備えとしてさまざまな安全保障体制、安全保障法制の整備を進めていかなければならない、こういった考え方を示していますが、こうした時代の変化の中で、改めて我が国の考え方を整理しているわけですが、その柱になりますのが積極的平和主義であると認識をしています。

寺田(学)委員 大臣、申しわけないですけれども、大臣自身も、この積極的平和主義という非常に抽象度の高い主義というものに対して、この外務委員会においても具体的に御説明をできるほど何か気持ちが入っていないのではないかな、そう感じざるを得ません。

 私自身、今まで議員をやって、二年間落ちてまた戻ってきて、落ちている間にこの積極的平和主義という言葉が躍って、何なんだろうということで、議員として戻ってきた上でいろいろなところから調べていますが、まあよくわかりません。

 何となく出てくる雰囲気はわかるんですが、本当に、これから安全保障の環境自体が今までに比べて非常に深刻化し、劇的に変わっている中において、国民の皆さんにどうやって伝えていくのかということを主眼として、こういうような理念というものをしっかりと説明していただきたいというふうに思います。

 緑の気候基金ですので、もう一段具体度を上げて、またキャッチフレーズの説明をいただきたいんです。

 攻めの地球温暖化外交戦略というものを掲げて、外務省としては頑張る、政府としては頑張るということでした。この攻めの地球温暖化外交戦略とは何ですか。

岸田国務大臣 我が国は、二〇一三年十一月に、ポーランドのワルシャワで開催されましたCOP19におきまして、攻めの地球温暖化外交戦略、アクションズ・フォー・クール・アース、頭文字をとってACEという戦略を発表いたしました。

 この戦略、三つの柱から成っておりまして、イノベーション、アプリケーション、そしてパートナーシップ、この三つの柱を立てております。イノベーションとして、気候変動対策への取り組みを加速化させる革新的技術の開発に取り組む。また、アプリケーションとして、日本の技術の海外展開を推進する。そして、パートナーシップとして、二〇一三年より三年間で官民合わせて計一兆六千億の途上国支援の資金コミットメントを行う。こうした戦略を二〇一三年十一月に発表しています。このうち、資金コミットメントは、昨年半ばに達成をしたということでございます。

 こうした取り組みをもって、本年末、フランスのパリで開催されますCOP21における気候変動の新たな国際枠組み構築に向けた議論にも積極的に貢献していきたいと考えております。

寺田(学)委員 本当にキャッチフレーズというか、言葉が躍るような感じで、何か実態が見えないんですが、もう一問、この攻めの地球温暖化外交戦略について質問をします。

 攻めというのは、何を攻めるんですか。どのような状態、具体的にどのようなことをもって攻めているというふうにお考えになられているんでしょうか。

岸田国務大臣 攻めとはどういうことなのか、何か決まった定義があるかどうか私は承知しておりませんが、その攻めの外交、あるいは攻めの地球温暖化外交戦略、こうした際に使われている攻めというのは、やはりこうした課題に我が国がみずから積極的に参加し、そして物事を提案し、議論をリードしていく、こういった姿勢を示しているのではないかと考えます。

 こうした議論においても、受け身に立ち、さまざまな議論を受け入れるという姿勢ではなくして、みずから、あるべき姿、あるいは日本にとって好ましい環境、こういったものをしっかり念頭に置きながら行動をしていく、こういった姿勢を攻めと称しているのではないかと理解をしております。

寺田(学)委員 御自身が掲げられているこの外交戦略を、他人事のように御説明されると違和感があるんですが。

 では、今大臣が御説明された攻めの認識のもと、今、攻めているんでしょうか。

 以後、具体的に質問しますが、非常に、攻めと掲げた割には、削減目標を含めていまだ出し切れていない部分もありますけれども、いやいや、違うんだ、確かに外交戦略どおり攻めているんだということであれば、大臣の口から、その攻めの実績、今の現状というものを御説明していただければと思います。

岸田国務大臣 先ほど申し上げましたACEという戦略、攻めの地球温暖化外交戦略につきましても、二〇一三年に発表しましてから、この戦略を進めてまいりました。資金コミットメントを初め、具体的な結果を出していると認識をしています。そして、ことし十二月にはパリでCOP21が開催されます。国際的にも大きな注目を集め、そして大きな議論が行われています。

 目標発表につきましては、先ほど環境省の方からも答弁がありましたように、我が国において、今、有識者も交えて議論が行われているところであり、まだ発表には至っておりませんが、それ以外の部分において、例えば今議論をお願いしております緑の気候基金への取り組みなど、さまざまな取り組みにおいて、我が国は、COP21において全ての関係国、全ての国々が参加できる枠組みをしっかりつくっていかなければならない、先進国あるいは途上国、そして新興の国々、こういった国々が全て協力しなければ結果を出すことはできないということで、具体的な取り組みに参加し、努力をしています。

 日本は、日本の立場から、COP21成功に向けてしっかり努力をしていかなければならないと思っていますし、今そういった取り組みを進めつつあると認識をしております。

寺田(学)委員 具体的な質問に入っていきますけれども、およそ、お題目というか主義として掲げられた攻めの外交戦略というのは、なかなか厳しい状態にあるんじゃないかなと思います。第一次安倍政権にもあったんですが、とにかく、フレーズだけが躍って中身は伴わないということがないようにしていただきたいと思います。

 今大臣が御説明されているACEですか、アクションズ・フォー・クール・アース、なぜか、クールアースが「美しい星への行動」という形になって、やや安倍総理の御趣味をそんたくした、役所がつくったのかどうかわかりませんけれども、本当に、こういうかけ声だけではなくて、実態的に、外交的に攻めて、日本のプレゼンスを高めていくということをやっていただきたいというふうに思います。

 今、目下議論されている気候変動枠組み条約、COP21に向けてのさまざまな動きがあります。昨年から続いている中において、例えば、潘基文さんからも、ことしの三月末までにも、削減目標を頑張って日本はリードして出してほしいというような話を受けながら、結局、現時点において出せない状況が続いている。お金を出すということを今議会の中で議論しているんですが、多くのところから期待を寄せられながら、それに応えられていない現状があるのではないかという報道の指摘もあります。

 さまざまなことに関していろいろ言われていますけれども、まずは、現状の取り組みについてどのような評価が他からされていると政府自身として認識されているのか、御答弁いただけたらと思います。

尾池政府参考人 お答えを申し上げます。

 我が国は、これまで、すぐれた低炭素技術の普及ですとか、途上国支援を含む攻めの地球温暖化外交戦略などの気候変動におけるさまざまな貢献策を発表してきておりまして、この点については他国からも評価を得ているところでございます。

 約束草案、温室効果ガスの削減目標でございますけれども、これにつきましては、いまだ提出できていない状況ではございますが、今後とも、世界の温暖化対策をリードすることを目指して、新しい削減目標と具体的な行動計画をできるだけ早期に策定していきたいと考えてございます。

寺田(学)委員 何をしました、これから頑張りますではなくて、現状において、他国を含め、報道を含め、環境NGOを含め、どのような評価が今日本に対してされていると政府自身として認識しているのかということを聞いたんです。御答弁ください。

尾池政府参考人 各国の評価ということでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、これまでのさまざまな貢献策については、各国から非常に高い評価を得ているということでございます。

寺田(学)委員 評価を受けていると言ってしまえば、それで評価を受けているような現実があるように見えますけれども、少なからず、法案を審議する上でさまざまな資料を取り寄せて、もちろん、国内の報道しかり、海外の報道しかり、あとは、環境分野ですから非常にNGOの方々のプレゼンスが高いんですが、環境NGOの方々から非常に辛辣な御批判を今受けていますよね。

 そのような指摘を受けている認識に立っているのか、立っていないのか、いやいや、そういうのはNGOだからいいんだ、いや、海外のメディアは海外のメディアだ、国内の報道もわかっていないということであれば、いや、本当に評価を受けているんだと御説明されればいいと思いますよ。私が調べれば調べるほど、非常に今、現状は厳しいです。

 もちろん、先ほどから質問しているとおり、削減目標を期待されながら出し切れていない。お金を今回出そうとするわけですけれども、それ自体が果たして、一千五百億も出しますけれども、それをもって評価されるかどうかも私は怪しいなと思っているんです。

 ですので、まずは謙虚に、客観的に、現状、厳しいなら厳しい、だからこそこうやって頑張っていくんだということであれば納得ができると思いますけれども、いや、各国からは評価は高いんですよというような態度に立っているのであれば、今、巷間さまざまなところで言われていることをしっかり打ち消すような答弁をしてください。

 今、政府は、この環境問題においてどのような評価を受けていると認識しているんですか。もう答弁できないんだったら、大臣に聞きますけれども。では、大臣、どうぞ。

岸田国務大臣 委員御指摘のように、我が国に対しまして、さまざまな国々、またNGOを初めさまざまな関係者から御指摘をいただいている、さまざまな批判もいただいている、こういったことについては謙虚に受けとめなければならないと思います。

 ただ、我が国に対してこうした指摘がされるということは、これは期待の裏返しでもあると考えています。今日まで我が国がこの分野においてどのような貢献をしてきたのか、その評価があり、そして、だから日本にはより期待をしている、そういった期待があるからこそさまざまな指摘にもつながっている、こういった実態をしっかり受けとめながら、我が国として、どこまで貢献しなければならないのか、これを考え、努力をしていくべきだと考えます。

 こうしたさまざまな指摘について、今申し上げたような形で受けとめながら、ぜひ、COP21に向けて、我が国としての責任を果たすべく努力をしていきたい、こう思います。

寺田(学)委員 本当に厳しい声が寄せられている一面もあるということは事実だと思います。イギリスの気候変動大臣の方から書簡が届いたという報道もありました。内容は非常に厳しいものであったというふうに報道では聞いています。

 環境NGO、NGOといってもさまざまなところがありますので、その評価一つ一つを真に受けることは全部はできないと思いますが、特別化石賞ですか、非常に日本はおくれているという評価を受けていたり、環境に対する取り組みのランキングでは、まさかアメリカ、中国よりも下にランクインしてしまうというような厳しい評価が、今、一面ではされているということは事実だと思います。そこは、大臣、御発言の中で、謙虚に受けとめられた上で、期待の裏返しだと。そこは私もそう思います。

 ということで、頑張っていただきたいと思いますので、もう一個、掘り下げて申し上げると、では、このような厳しい評価がある理由は何だというふうに政府として捉えられているんでしょうか。参考人でも結構です。

尾池政府参考人 先ほど大臣の方から答弁したことに関連いたしますけれども、やはり現段階において約束草案が出ていないということが、一つ、批判の大きな原因になっているんだと思います。それは、先ほど大臣から申し上げましたように、期待の裏返しでもあるということで、現在の批判に対しては、我々の削減目標を出すことで対応していくということであると思っております。

寺田(学)委員 それでは、その削減目標草案をいつお出しになられるんでしょうか。

田中政府参考人 御説明いたします。

 御質問の我が国の新たな削減目標でございますけれども、その検討を加速するということで、昨年十月から、中央環境審議会と産業構造審議会に合同の専門家会合を設けまして、議論を行ってきているところでございます。これまで六回の会合を開催いたしまして、省エネルギー、再生エネルギー、それから温暖化防止のための国民運動などについて御議論をいただいてまいりました。

 今後とも、COPの決定ですとか、各国の動向でありますとか、それから将来枠組みに係る国際的な議論の状況、それから、国内でも、エネルギー政策、エネルギーミックスに係る検討状況、こういったことを踏まえまして、新たな削減目標をできるだけ早く取りまとめるということを目指しまして、検討を深めていきたいと考えているところでございます。

寺田(学)委員 先ほども申し上げたとおり、潘基文事務総長からは、できればことしの三月末までに削減目標を出してほしいという、期待を込めた上での要請を受けられたと聞いていますが、現状、今、出ていない。今、努力しているという経緯はお話をいただきましたが。

 これは当初政府として想定していたタイミングよりもおくれているのか、想定の範囲としての時期なのか、いまだ提出されていないことに関して、どのような判断なんですか。これはおくれているんですか、おくれていないんですか。どなたが答弁されてもいいですよ。

田中政府参考人 お答えを申し上げます。

 国際的にも、COP21に十分先立って提出をするということ、できる国は第一・四半期までに提出するように求められているところでございます。

 政府として明確にいつまでにというような想定はございませんでしたけれども、現在の考え方として、とにかく、政府としてしっかりしたものをつくっていく必要があるということでございまして、関連の審議会で丁寧な議論を行っていただいているところでございます。

 とにかく、この新しい目標をできるだけ早く取りまとめるということを目指して検討を深めているところでございます。

寺田(学)委員 厳しい評価が一面においてされていることの原因自体が、削減目標を提出できていないことだという御答弁があった上で、今、一生懸命頑張ります、丁寧にやりますとはいいながら、周りから期待されているタイミングよりもやはりおくれているからこそ、先ほど言ったとおり厳しい評価を受けている、日本のプレゼンスが、残念ながらですが、この局面においては低下していっているということだと思います。

 おくれている原因は何ですか。

田中政府参考人 御説明を申し上げます。

 約束草案につきましては、先ほども申し上げましたけれども、政府としても、実現可能性のきちんとした裏づけのある、しっかりとした目標をつくっていく必要があるということでございまして、関係者もたくさんございますので、関連審議会で一つ一つ丁寧な議論を積み重ねているところでございますので、今の検討状況になっているというふうに考えております。

寺田(学)委員 それは、ほかの国を含めて同じような考え方を持ってやっているわけで、かつ、異例なのかどうかわかりませんけれども、事務総長から、三月末までに日本はイニシアチブをとって出してくれと言われている、期待にも応えられていないわけですよ。国内の作業においてそのような議論の丁寧さが必要だという一面はありながらも、まさしく攻めの外交をやると言っておきながら、結果的には海外からの評価は、決して高い、評価されている環境にないというのが今の現実だと思います。

 新聞等々で、きのう、与党の中でエネルギーのあり方に関しての議論が一定の結論を得て、政府に対して提案されたという報道もありました。実際のところ、非常に遅きに失していると私は思いますけれども。

 今回、一千五百億円を超える日本の税金を使う法案の審議をしながら、結果的に海外から、プレゼンスを高めることができない、厳しい評価をもらっているのが、お金を出す云々よりもその前に、この削減目標を出していないというところに厳しい問題点があるので、それも出していないのに拠出する法案だけを審議して通すということに非常にじくじたる思いがあります。

 大臣、どうなんでしょう。現時点でも私はおくれていると思います。これを本当に、次の区切り、六月なのかもしれませんが、どれぐらいのタイミングでしっかりと国際社会に対して提案していける、そういうような、ある種、覚悟というものをお示しすることはできないでしょうか。

岸田国務大臣 削減目標の発表については、あれはたしか、COP19の時点での議論から今日までの議論の結果として、三月末をめどに発表するということが確認をされていたと承知はしていますが、今、各国の動きを見てみますと、既に具体的なものを出した国もあります、まだ発表に至らない国もあります、発表していますが内容において十分なのかという指摘をされている国もあります。各国とも、こうした一つの目安を念頭にさまざまな努力をしているのが現状だと認識をしています。

 その中にあって、我が国に対してもさまざまな期待が寄せられている、指摘が寄せられている、このことは事実でありますし、しっかり受けとめなければならないと思います。

 我が国としましては、削減目標の発表につきましては、ぜひ、こうした状況の中で、できるだけ早く、先ほど来答弁させているような形で作業を進めて、目標発表につなげていきたいと思います。

 そして、削減目標の発表とあわせて、こうした緑の気候基金などさまざまな努力を続けることによって、COP21、全ての国が参加するこうした枠組みをつくる、こうした大切な会議の成功に向けて努力をしていきたいと考えます。

寺田(学)委員 後ほど他の委員から質問があると思いますが、中国主導の投資銀行を含め、環境分野においてはこの問題を含め、やはりスピード感というものが、日本外交、現時点においては私は残念ながら十分とは言えない状態にあると思います。言葉としては、攻めの地球温暖化外交戦略だという立派な標語は掲げながらも、実態としては、国内的な理由がいろいろあるのかもしれませんけれども、世界の流れにおいて、しっかりと追いついてやっていけない、評価を高めるような現状にないということになっていると思います。

 アメリカや中国、今まで環境分野においては非常に後ろ向きな国だと言われながら、出している内容が果たして十分なものかどうかは別として、さまざまなアイデアと知恵とたくらみを持って、先んじて一つの考え方を発表し、共同会見をすることによって、私たちの国は非常に環境に対してはこれから前向きにやっていくんですというような見え方ができるようになっている。

 そういう意味において、日本の外交というのは、非常に、お金を出しますと今法律の議論はしていますけれども、知恵を絞った外交戦略というものが本質的にはなされていないということは、私は厳しく指摘をしたいと思います。

 残りの時間なんですが、緑の気候基金に拠出する額等々は与党の議員の方々から御質問されたので割愛しますが、このような国際貢献のあり方、国際的にどのように自国としてプレゼンスを高めていくのかということを、行った後にどのように検証していくのかというプロセスも非常に大事であると思いますし、そのプロセスがないからこそ、今、外交的にスピード感が十分とは言えない現状にもなっているというふうに思います。

 ですので、これからこの委員会で、一般質疑等いろいろあると思うので、私自身、今国会のテーマとして考えているのは、イラク派遣に対して日本政府はどのように検証しているのかということを、しっかりと議論し、国民の皆さんに真摯に説明をした上で、安保法制の中で新しい局面というものを議論しなければならないと思っています。過去やってきたことに対しての真摯な検証がない上で新しい活動を広げていくということは、私は到底許されるべきものではないと思っています。

 ですので、国際的な貢献に対する検証はどうあるべきか。この緑の気候基金に関しても、以後、一千五百億円の日本の税金を拠出し、そしてその中においてさまざまな活動をされるわけですから、将来的には検証されると思います。

 今までの中で一番検証が大事だと思うのは、私はイラク派遣だと思いますので、それをあわせて聞きたいと思います。

 国会に戻ってきて、外務委員会に配属をされて、一番最初に外務省の方々に聞いたのは、このイラク派遣に対して政府としてどのような総括をされているんでしょうか、これから集団的自衛権の議論を含めて国会の中での大きな議論が待っている状況において、どのような総括をされているんでしょうということをお話ししたところ、私自身、同じ政府の中にいながらわからなかったんですが、民主党政権のときに、当時の松本大臣からの御指示を受けて、玄葉当時の外務大臣に対して報告はされたと。ただ、その内容に関しては、私がいただいたものはA4の紙四枚、ほとんど内容のないもので、内容というよりは、概括的に、どういうことに対して気を使って調査をしました、しかし、内容は言えませんという内容でした。

 去年の七月一日、一番大事な閣議決定の文書の中にも、武力との一体化の議論の中において、過去の自衛隊の活動実績を勘案しながら今後のことは議論していくということですので、最も重要な過去の実例であるこのイラクの派遣に関しては十分な勘案がされるものだと思っていますので、そのことに対してお伺いをしたいと思います。

 まず、大臣にお伺いしたいんですが、このイラク戦争に対する日本国の対応に対して報告書が出されていますが、その報告内容に関してのポイント等含めて、まずは御説明いただければと思います。

岸田国務大臣 今委員の方からも御指摘がありました、二〇〇三年のイラク戦争に関する我が国の対応については、前政権のもとで外務省が検証を行い、二〇一二年十二月、その検証の主なポイントを発表いたしました。そして、その中で、二〇〇二年初めから二〇〇三年三月の米英等による対イラク武力行使に至るまでの外務省内における検討や意思決定過程について検証したということでございます。

 そして、報告書においては、その対象期間の外務省の対応について、関係国、特に米国との意思疎通を緊密にし、外交的働きかけに努力したこと、そして、政治サイドに情報を提供し、随時必要な指示を得、また政治的判断を仰いだこと、そして、外務省内で関係各局間の連携を強化し、情報収集、共有を図ったこと、こうしたことについては、おおむね適切な対応が評価されたとされています。他方で、情報収集、分析能力、あるいは対外広報の強化といった外交力強化に関して課題が示されております。

 この検証につきまして、ポイントは以上であると認識をしております。

寺田(学)委員 ポイントを説明していただいても、実際、では、あのときの政治的な判断過程、そしてそれの評価というものがどうであったかということが全くないです。

 大臣、今のこの報告、前政権、民主党政権でやっているものですが、国民に対する説明としては十分だとお考えですか。

岸田国務大臣 この検証を、私も就任しましてから改めて見せていただきました。外務省における意思決定過程等を検証したものであります。従来から、この意思決定過程についてさまざまな問題意識を持っておられました民主党政権において、あえてこの問題をしっかり取り上げて、そして検証されたものだと認識をしています。

 そうした問題意識を持った民主党政権のもとで検証されたこの検証結果については、しっかり我々も受けとめなければならないと思いますし、この検証自体も評価しているところであります。

寺田(学)委員 答えていないです。

 国民の皆さんに対しての説明責任はこの報告書で果たされていますか、十分ですかと聞いているんです。十分ですか。

岸田国務大臣 この検証自体が、政策決定過程について検証されたものであります。こうした政策決定過程を検証するというこの報告書、これは、国民に対しても、そういった過程を説明する上で重要な検証であると考えています。

寺田(学)委員 答えていないです。

 現状の検証結果で国民に対する説明責任は、本件、イラク派遣に関して十分果たされたという認識ですかということです。

岸田国務大臣 当時の外務省における意思決定過程を検証したものです。その意思決定過程の検証という意味においては、国民に対しても大変大きな意味がある検証であると思っています。

寺田(学)委員 答えていないです。

 検証自体に意味があるかと聞いているのではなくて、現在出ているこの検証結果で国民に対する説明責任は十分かという、そのことを聞いているんです。十分ですか、これで。

岸田国務大臣 当時の意思決定過程を検証したものとして、国民に対して大きな役割を果たしている検証だと思っています。

寺田(学)委員 では、その意思決定過程を全部公表してくださいよ。公表していないじゃないですか。公表していないから十分じゃないんですよ。

 大臣、御就任されてからこの内容を見ましたと先ほど答弁されましたけれども、公表されているこの内容以上の、本当の、公表されていない部分も全部ごらんになられたんですか。

岸田国務大臣 公表について御指摘がありました。

 この検証自体、作業方法として、外務省内から、当時の公電、調書等の多数の関連書類を集め、これらの文書を基礎に、一連の事実関係、情報収集及び分析、政策判断過程、そして、情報発信及び広報作業を調査し、これらの妥当性の検証を行いました。そして、文書から得られる情報を補完する形で、より正確な事実関係を把握するため、当時の省内の関係者にインタビューも行っています。

 こうした報告書作成のために参照した文書及びインタビューは、関係国政府とのやりとりなど、そのまま公表した場合には各国との信頼関係を損なう、こうした情報が含まれています。

 そういったことから、この報告書につきましては、ポイントを発表するという形で公にしたものだと承知をしております。

寺田(学)委員 答えていないです。

 公表されているものは当然のことながら、公表されていないものも含めて、御就任されたとき見たというお話ですから、この公表されているもの以上に、本体と言えばいいんですか、結果本体に対してごらんになられていますか。それは役所に聞くことじゃないでしょう。ごらんになられているんですか。

岸田国務大臣 まず、公表されたポイントを見た上で、その原本、資料につきましては拝見をいたしました。

寺田(学)委員 ごらんになられた上で、これは国民の皆さんにはお見せできないと。現状、ポイントと、簡単なA4四枚程度の紙が公表されている内容物でありますけれども、本体をごらんになられて、これは国民の皆さんにはお伝えする必要はない、大臣に御就任されてそうお考えになられましたか。

岸田国務大臣 公表する必要がないという観点ではなくして、内容としまして、文書あるいはインタビュー、こういったものにつきましては、各国との信頼関係を損なう、そういったおそれのある情報も含まれているということであります。

 この検証報告自体、そもそも対外公表を前提として作成されたものではない、こういったことから、この発表の対応につきましては、適切であると認識をしております。

寺田(学)委員 諸外国の例を持ち出して、ほかの国はやっているからどうだということを安直に言うつもりはありませんが、同じように当時派遣をし、さまざまな犠牲を伴った、イギリスでありオランダであり他の国も含めて、第三者委員会をつくり、戦争後、しばらくたった後含めて、じっくりと検証をし、ホームページに載せる、国民の皆さんに発表する、何百ページにも及ぶような検証結果を皆さんに示し、当時の総理まで検証委員会に呼び出して議論をしています。

 私も、四年前、官邸にいて、原発事故の対応に当たって、国会の事故調、政府の事故調、民間の事故調、さまざまなところでお話ししたことが全部外に出ています。そして、そういう当時の証言やら政策判断の経緯が明らかになったからこそ、その場で国民の皆さんとともに議論し、よかった、悪かったという議論があったんだと思います。だからこそ次に進むことができると思うんです。

 今回、昨年七月一日に大きな閣議決定をし、これから安全保障法制、有史以来最大の転換点だと思いますよ、そのことを議論するにもかかわらず、過去、イラクに派遣した内容、政策判断、それに対する評価の議論をこの程度にとどめた上で次に進もうとするのであれば、私は大変ゆゆしき問題だと思います。

 岸田大臣、これは民主党政権でやりましたよ。十分なものでは全くないと私も思います。大臣としてしっかりと検証を行うというおつもりはありませんか。

岸田国務大臣 まず、各国の検証について御指摘がありました。

 米国、英国等で検証を行ったということ、当然のことながら承知をしています。ただ、その検証のあり方につきましては、軍事的な行動を行った国と我々のように人道復興支援を行った国、これは当然のことながら立場が違います。対応が異なるということは当然あるんだと思っています。

 そして、十分かという部分につきましては、まず、政策決定過程についての検証ということについては、民主党政権時代、外務省としてしっかり取り組んだと考えております。

 そして、イラク戦争に関する検証ですが、戦争自体における核心は、やはり、イラク自体がクウェートに侵攻して国際社会の信頼を失っている中、査察への協力を通じて大量破壊兵器の廃棄をみずから証明すべき立場にあったイラクが、即時無条件の査察受け入れを求める安保理決議に違反し続けて、大量破壊兵器が存在しないことをみずから積極的に証明しなかったことであった、このように考えています。

 こうした核心部分につきましては、今後ともしっかり説明をすることは続けていきたいと存じます。事実、この核心部分につきましても、私も、外務大臣に就任してたびたび御質問を受けております。こうした公の場等を通じまして、ぜひしっかり説明は続けていきたいと考えます。

寺田(学)委員 今御答弁されている冒頭に、いや、イギリスは武力行使を行った、うちは人道復興支援だ、立場が違うんだというお話がありました。立場が違うと説明の違いがあるんですか。なぜ立場が違うと検証のあり方に対して違いが出るんですか。その理由を教えてください。

岸田国務大臣 政策決定過程について検証をするということで、それぞれ取り組んでおります。そして、報告の仕方がそれぞれ違いがあるということについて申し上げさせていただきました。我が国の立場から政策決定過程を検証するということにおいては、我が国の検証のあり方、これは適切な方法の一つであったと考えております。

寺田(学)委員 時間ですので次の回に回しますけれども、立場が違うから公表のあり方が違うというのは、私はしっかり理由を説明してもらわないと理解できないですね。

 軍事作戦をやったところは、公に、長年時間をかけてしっかりとした検証を行い、人道復興支援をやったところは、申しわけないですけれども、このような瑣末な検証結果だけで十分だというのであれば、その理由をちゃんと教えてもらいたいと思います。

 時間が来ましたので次の回にしますけれども、最初の、冒頭の部分に戻りますけれども、うちの国の弱さは、失敗に対しての真摯な向き合い方ができない。それは、もしかしたら、与党、野党の立場いろいろありましたけれども、野党が悪いのか、マスコミが悪いのか、素直に認められない与党が悪いのかわかりませんけれども、過去やってきたことに関して、いや、これは失敗だったと正直に認めて改善をしていくということが強さにつながると思うんですが、失敗はしていないと言い続けなければならないような環境があるからこそ、強さが伴わないんだと私は思います。

 次の展開に進むに当たっては、過去の問題をしっかりと反省しなきゃいけないと私は思っていますので、次の一般質疑でまた聞きたいと思いますので、よろしくお願いします。

 きょうは終わります。

土屋委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 維新の党の小熊慎司です。

 緑の基金についてお聞きをいたします。

 今ほど寺田委員のちょっと厳し目の質疑もありましたけれども、この気候変動対策、地球温暖化対策は、これは全世界を挙げて取り組まなきゃいけない喫緊の課題でもあります。この分野において日本がどのように国際的に貢献していくのか、その期待のあらわれもあるところであり、今回の基金に十五億ドル拠出するということは、これは一定の評価をされるべきだろうというふうに思っています。

 ただ、一方で、今ほど寺田委員の言ったとおり、自分に甘く他人に厳しくではやはりよくなくて、国内の対策もしっかりとっていかなければいけないと思うんですけれども、ただ、私はこの気候変動、温暖化対策には、日本としてはその技術力、また人材、能力といったものも、これは世界のトップを走れるものがしっかりと備わっているんだろうと思っています。

 この基金に対して日本が積極的に関与するということを通じて、先ほどの島田委員の質疑にもありましたけれども、今後の、世界の環境政策をリードする、また、日本の、国内的にはまだまだ、国際的な評価が厳しいのは寺田委員との質疑の中で明らかになったとおりでありますけれども、ただ、やはりこの温暖化対策には日本はしっかり取り組んでいく、基本政策の一つであるということをアピールするためにも、今後、ほかの国に対しても、これは同様の質疑がありましたが、どのように取り組んでリーダーシップを発揮していくのか、その基本姿勢についてお伺いをいたします。

中山副大臣 緑の気候基金に拠出することにより、我が国が主導的な役割を果たす形で島嶼国や後発開発途上国への支援を実現し、本年末のCOP21において、これらの諸国の支援を得て、全ての国が参加する枠組みの形成につなげることを目指すことや、日本が重視する島嶼国や防災分野を含め、途上国の気候変動対策を支援することが可能になると考えております。

 また、GCFは気候変動対策への民間資金の動員に向けた取り組みを行うこととなっておりまして、官民合わせた気候資金の増加に資することも期待しているところであります。

 先生御指摘の今後に関しましては、我が国からの今後のさらなる拠出につきまして、GCFの活用状況や途上国の気候資金ニーズの動向を踏まえ、検討していくことになると考えております。

 いずれにしましても、我が国としては、緑の気候基金を有効に活用しつつ、本年末のCOP21における、全ての国が参加する公平で実効的な枠組みの実現を目指して、積極的に貢献していく考えでございます。

小熊委員 百億ドルを目指して基金を集めたわけですけれども、途上国側からいうと、もっとなきゃいけないんだ、百五十億ドルぐらいなきゃいけないんだという声もありますから、今ほどの答弁のあったとおり、しっかり関係国と連携をして、この使い道や金額についてもしっかりと取り組んでいただきたいんです。

 先ほども中国の話が出ました。この緑の基金のときに、一方で中国は、それは先進国で勝手にやってくれみたいな感じで、我々は我々でやるんだ、別個に基金をつくるんだということを、中国首脳、政府の人間が言っているわけですよ。先ほど島田委員の質疑の中でも中国、韓国という言葉が出てきましたけれども、これも働きかけていくということではあるんですが、一方で、もうこれはやると言っているわけですよ。

 ある意味、アジア開発銀行とAIIBの対立みたいな感じで、せっかくこうやって国際的に全ての国が今かかわっていこう、本当に価値観を共有して、問題意識を共有してこの温暖化対策を世界を挙げてやっていこうというときに、一方の基軸を立てているわけです、中国は。立てようとしているわけですよ。これは、こっちで一緒にやろうよという話じゃなくて、こっちでやるよという、ここでイニシアチブを発揮しようとしているわけですよね、中国は。

 これに対してどう対策をとっていくんですか。

中山副大臣 先生御指摘のように、平成二十六年十一月の二十五日に、中国国家発展改革委員会副主任、これは当時ですけれども、による記者会見において、気候変動分野で、小島嶼国やアフリカ諸国等に対する支援を目的とした気候変動南南協力基金なるものを設立するということを発表されておられるということを承知いたしております。ただし、制度の概要それから規模など、この詳細は全く不明だということも我々は同時に考えております。

 昨年十一月に、中国が気候変動分野における小島嶼国やアフリカ支援を目的とした南南協力基金の設立を発表した、これは同時に、中国を含むより多くの途上国が支援、協力を行えるようになることは基本的には望ましいんだろう。総じて、世界全体で地球環境に対する、二酸化炭素の排出削減等、自然にプラスの貢献ができる形というのは、全体的な底上げという意味では一定の評価をすることができるんじゃないかというふうに考えております。

小熊委員 本来的には、これは全世界が共有して問題意識を持たなきゃいけないところで、今、ある意味、二つあればお互い切磋琢磨して底上げになるというところもありましたけれども、この緑の気候基金をつくる、やるというときに、そのときにこの発言が出てきているわけですね。

 それはそういう前向きな発想ではなくて、そういうところもあるかもしれません、そういう側面が、実際、設立されて運用し始めてそういう効果もあるかもしれないけれども、やはり中国の意図するところとして言えば、そちら側のイニシアチブじゃなくて、中国がこれをイニシアチブをとってやっていくんだという、まさに外交戦略としての、自国の利益というか、そういうことも考えていると思うんですよ。

 だから、今どういう運用をしていくかわからない、そのとおりですけれども、ただ、この基金の話が出たときにカウンターを当ててきているわけですよね。そうすると、狙いは、そういったことがあるなというのが推測できるわけじゃないですか、単に前向きに一緒にやっていきましょうという話じゃなくて。

 だから、中国のやり方はどうなのかというのをもっとしっかり情報を把握して、この緑の気候基金についてリーダーシップを発揮していく、日本国内の問題はあるけれどもやっていくという今までの大臣の答弁もあるわけですよ。であるならば、こっちの中国側の基金に対して、どういった対策をとっていくのか。本当にそういうお互いが切磋琢磨するものになっていくのか。ならないのであれば、極端な中国の、変な開発につながったり、なっちゃいけないわけですよ。

 だから、いいものであれば、これは別に同じステージに乗ってもいいはずなんですよ、中国も。乗らないところの裏の意図をしっかり見れば、もっとこれは日本として、またほかの関係国として、これをどうしようというのは対策をとらなきゃいけないんじゃないですか。もっと情報収集をしてやっていかなきゃいけないんじゃないですか。

 どうですか、再度答弁をお願いします。

中山副大臣 今の先生の御質問と、お気持ちも含めてちょっと大きく捉まえさせていただくと、中国自体は、この南南協力基金を設立するという一方で、GCFへの拠出というのは義務づけられないのかということも同時に考えなきゃいかぬなと。

 GCFは、気候変動枠組み条約のもとに設置された機関であるが、その気候変動枠組み条約においては、同条約が策定された九二年の状況に基づく附属書によって、条約上、資金供与の義務を負わない開発途上締約国として実は分類されている、現時点では中国はGCFに対して拠出表明を行っていないものということも同時に認識をいたしております。

 他方で、今般の資金動員では、GCF理事会の決定により、先進締約国だけではなくて開発途上締約国や民間企業を含む多様なものが拠出を行うことができるものとされているので、今後もより多くの途上国が拠出を行うことを政府としては期待いたしております。

 我が国としては、気候変動枠組み条約における附属書に基づく分類は、現在及び将来の世界経済の状況の変化に適切に対応していないと考えており、条約上の開発途上締約国を含む全ての締約国が参加する、公平かつ実効的な枠組みというものの合意に向けて、引き続き積極的に交渉に参画していくということに尽きるのではないかというふうに思います。

小熊委員 温暖化対策は、いわゆるエネルギーのいろいろなインフラ整備もあるわけですから、そうなってきたときに、こっちの基金と向こうの基金とで、変な意味で、そういうインフラ整備のときの大きなお金も動くわけですよ、これで変な競争になったりしていかないように、これはしっかりと情報収集して対応していかなきゃいけないというふうに思いますよ。

 ちょっと話題があれですけれども、AIIBも、参加するしないというのはいろいろな判断がありますけれども、どう見てもこれは、ちょっとスルーしていた、情報が少なかったというのは否めない状況であるので、この件に関してもそういうことがないように、中国の動き、または関係国との連携というのをこれから図っていくことによってこそ、先ほど言った気候変動分野、温暖化対策分野で、日本がしっかりと、我が国の姿勢をアピールして、そして世界をリードしていくということになっていくわけですから、そこをしっかりと注視していただきたいなというふうに思っています。

 また一方で、脱炭素社会、化石燃料を日本は大分使っていますけれども、これをどうしていこうかというときに、これは日本国内でも議論がありますけれども、二酸化炭素排出を削減するためにやはり原発なんだという議論にも、我が国内でもなっていますけれども、私は、絶対あっちの方が低コスト、クリーンで環境に優しいという原発の、これはもう神話だと思っています。これは、私の地元の福島の事故でもう崩れたというふうに思っています。

 他方で、火力発電をばんばんやっていればこれは温暖化につながってしまって、どうすればいいんだというところがありますけれども、いわゆる気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書でも、原発じゃなくてもしっかりと温暖化対策、そんなにコストをかけずにやれるんだという報告書も出ているところです。

 国際的にも、低炭素社会、日本は、先ほどの寺田委員の質疑でもあったとおり、国際的には厳しい評価を受けているところの一つの要因は、原発事故で原発がとまってそれで火力を稼働したからということ、それも多少ありますけれども、やはり、ほかの先進国に比べて再生可能エネルギーの進みぐあいが遅いというのもあります。

 途上国の温暖化対策のときに、大規模な電力施設が欲しいといった場合に、原発というのは一つの選択に入るんですか、途上国の温暖化対策支援ということで。これはどうなんですか。

中山副大臣 我が国の気候変動分野での途上国への支援といたしましては、二〇一三年の十一月、これはCOP19において発表しております、攻めの地球温暖化外交戦略というものにおきまして、二〇一三年より三年間で官民合わせて計一兆六千億円、約百六十億ドルの気候変動対策に関する途上国支援の資金コミットメントを行い、これを一年半余りで達成いたしております。

 このコミットメントにおきましては、原発建設に対する支援を気候変動対策として含めていたことはないということを申し上げておきたいというふうに思います。

 先生のお地元が福島であるということも考え、そしてまた、先生が過去に、平成二十五年の四月五日ですけれども、外務委員会でも同じような御意見、地元の皆様の意識を代弁されておられたというふうに記憶しておりますが、我が国としては、相手国の事情や意向というものを踏まえつつ、高い安全性を有するものを提供していくことについて、各国それぞれのケースに応じて判断をしていくという考えでございます。

 また、我が国としましては、福島第一原発事故に関する経験と教訓を世界と共有することによって世界の原子力安全の向上に貢献していくことは、これは我が国の責務であると同時に考えておりますので、先生からも御地元の御意見としてこれからも御指導を得たいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

小熊委員 地元の意見というか、これは日本全体の意見にしていかなきゃいけないわけですから、しっかりそこは今後もやっていただきたい。

 やはり、そうした日本の発言が重みを増すためには、先ほど来質疑で出ているとおり、国内はどうなんだ、自分のところでやっていないくせに他人に厳しく言うなというのが普通ですよ。やはり、自分にも厳しく、他人にもしっかりやってください、他国にもやってくださいと言うのが温暖化対策であります。

 だから、日本においても、今、これは所管ではありませんけれども、やはり揺り戻しがあって、それは、しっかりとした国民生活を、安定的に電力を供給していくということは私も否定するものではありませんけれども、やはり、温暖化対策に対しても、原発に対する姿勢に関しても、再生可能エネルギーとかそうしたもの、省エネの技術とかというものにまだまだ日本は取り組んでいかなきゃいけない。そういうものが結局は途上国への支援の技術力になっていくわけですから。これをどんどんどんどん国内においても、これは環境省だけではないんですけれども、やっていかなきゃいけないというのがこれからの対策であります。

 今、世界にもアピールするということで、やっていきますと言うんですが、先週の質疑でも申し述べましたけれども、先月の世界防災会議で、そうやって福島の事故の知見を踏まえて発言をしていくといっても、総理は、たった一言で終わったんですよ、原発事故の話は。だから、来月の島サミットのときは、しっかりそれを踏まえてやらなきゃいけない。先週、大臣には、それは前向きに捉えていただいたところではあるんですけれども。

 島サミットも、一つのテーマとして気候変動というのが大きく柱になっていますけれども、まさに、島サミットを通じて、こうした緑の気候基金の部分でも、世界へのアピール、また、日本がこういう分野でしっかりと世界に貢献していくということのきっかけになるわけです。そのアピールの場として、島サミットも十分にそうした場として情報発信をしなきゃいけないというふうに思っています。

 ここで、特に島サミットでいうと、ずっと私も、何回も質疑していますけれども、南太平洋地域環境計画、いわゆるSPREP、所属している国が多いわけでありますけれども、これに気候変動センターの建設の計画があって、今、大臣のお計らいによって調査員も派遣していただいているところであります。こうしたこともやっているんだと。これは本当は中国がやりたいやりたいと言っていたんです。でも、やはり日本にやってほしいという関係国の思いもあって、おくればせながら、日本はやっと動き出しているところではあります。

 島サミットでも気候変動についてがテーマになるわけですから、日本がしっかり情報発信するという意味では、こうしたSPREP、PCCCの取り組みなんかも、しっかり具体的に言ったらいいんじゃないですかね。大臣、どうですか。

岸田国務大臣 五月の二十二日と二十三日、第七回太平洋・島サミットが開催をされます。参加する太平洋島嶼国にとって、環境あるいは気候変動問題、これはもう最優先の課題の一つであるということ、これをまずしっかり認識した上で、我が国はこの会議に臨んでいかなければならないと思います。

 環境、気候変動分野におきましてしっかり議論を行うということで、例えば、GCFの事務局長にも参加をしてもらってワークショップを当日開催する、こういったことも予定をしております。

 環境、気候変動問題を中心とするさまざまな諸課題に対する取り組みを通じまして、ぜひ、太平洋島嶼国と日本のパートナーシップをより高い次元に引き上げる、こういった機会に今回の太平洋・島サミットを活用しなければならないと考えます。ぜひ、そうした思いで、しっかりと準備をしていきたいと考えております。

小熊委員 細かい話ですが、今言ったとおり、この気候変動センターについても言及したらいいんじゃないですか。こういうところに日本はしっかり支援していきますということを、どこかの機会に。どうですか。

岸田国務大臣 我が国は、環境、気候変動分野で知見を有するSPREP、太平洋地域環境計画の活動、これを高く評価しておりますし、また、広域の技術協力を中心に、これまでも協力を進めてきました。

 SPREPが計画している太平洋気候変動センターの建設については、これも先ほど委員から御紹介がありましたが、近くJICAの専門家を派遣した上で、同センター建設のための調査を実施する予定にしております。

 引き続き、SPREPとの協働を進めていきたいと思っていますが、ぜひ、こうした気候変動、環境に大きな関心を持つ太平洋島嶼国に対しましても、我が国のこうした取り組みをしっかり紹介する機会に今回のサミットをしなければならないと認識をいたします。

小熊委員 ぜひ何かのタイミングで、日本がしっかり関与しているんだ、取り組んでいるんだ、支援しているんだということを言った方がいいと思います。

 PCCC、気候変動センターはサモアにできるからサモアの関係者は知っているわけですけれども、ほかの国々また世界の人たちが知らないという場合もありますから、これはしっかり、いい取り組みなので、ぜひ具体的に言及をサミットの中でしていただきたいというふうに思っています。それが日本の気候変動に対する姿勢をアピールする絶好の場面になるというふうに思いますので、抽象的に、気候変動に関与していますとかじゃなくて、具体的にこういうことをやっていますという中の一つの事例として挙げていただきたいというふうに思います。

 また、あわせて、先週の質疑でも言いましたけれども、先ほど中山副大臣からもあったとおり、福島の事故を踏まえてと言っていながら、なかなかそれが先月の防災会議では少なかったわけですよ、発言としては。これはまさに福島でやるわけですから、この原発事故を踏まえた防災の部分、それを踏まえた自然災害の部分というのを、この間の仙台での会議はそれはそれで成功だとは思いますが、単に福島への言及という意味では、どこか風化しているなというのは否めませんから、しっかり、今回の島サミットでは、福島の事故を踏まえていろいろな政府関係者の発言もしていただきたいというふうに思います。

 この二点、しっかりと踏まえて、島サミットの成功に向けて努力をしていただきたいと思います。

 最後に、再度、福島でやるわけですから、前回は沖縄、本当の島ですね、福島は本州にありますけれども、名前が福島だから来たのかもしれないけれども、この後、大臣の広島に次はなるのか、どうなのかわかりませんが、ぜひ、先週も言ったこの点、しっかりと福島の事故を踏まえた日本政府の発言が出るように御期待を申し上げますが、最後に一言、大臣からお願いいたします。

岸田国務大臣 先日の国連防災世界会議におきましても、共同文書全体あるいは会議全体の中にあっては、御指摘の福島での原発事故、こうした事案をしっかり受けとめていたと認識をしておりますが、今回の太平洋・島サミットにおきましても、こうした原発事故を踏まえた環境問題について、しっかりと発言をする、アピールをする、議論をする貴重な機会にするよう努力をしたいと考えます。

小熊委員 以上で終わります。ありがとうございました。

土屋委員長 次に、木内孝胤君。

木内(孝)委員 維新の党、木内孝胤でございます。

 本日は、緑の気候基金について質問させていただきます。

 きょう五人目の質問者ということで、私も十個ほど質問を用意してきたわけですけれども、何か十個とも聞かれてしまったような気もしないわけではありませんけれども、ちょっと違う角度で似たような質問、重複する部分もあるかもしれませんけれども、質問させていただきます。

 先ほど寺田委員からも、過去の日本の気候変動、環境分野における世界の評価がどうなのかというような御質問がございましたけれども、私、世界の中で、現在、気候変動の課題の重要性、こうしたことを考えた場合、利害を調整するのは非常に難しい。要するに、みんな総論としては、これは大切だとどの国も言っていると思うんです。

 しかしながら、各国が、内政問題あるいは財政の問題、いろいろな制約がある中でこれに取り組んでいる中で、しかも、アメリカ、中国といった大きな国がなかなか後ろ向き、必ずしも前向きと言えないような状況の中で、日本が今まで行ってきた動きというのは、非常に国際貢献として日本らしいいい外交を行ってきたと、私は個人的には高く評価をしているところです。

 こうした中で、一つ、今回の件でお伺いしたいんですが、百二億ドル、非常に大きな金額です。地元でも、これは千五百億円だとかあるいは千八百億円今回拠出をするというような説明をしても、なぜ今の日本の財政状況の中で、この金額を本当に出すのかという声が一つ。

 それともう一つは、やはり新興国、いわゆるBRICSと言われているような国がなぜこれに拠出をしないのか。これは既に出た質問ですので、ここは重複するので聞きませんけれども、やはり、これを正当化するには、国民を納得させるためには、この百二億ドルでどういった成果を出していくのか。この中身、緑の基金というと、風力発電の支援をするとかいろいろ中身は説明を受けておりますけれども、中身についてお伺いをしたいというのが一つ。

 あともう一つは、せっかく百二億ドルという大きな金額ですので、これをレバレッジさせる、要するに、てこの原理を使って、一兆二千億円だったとしても、例えばファイナンスをくっつけることによってこれを十倍の効果を引き出すとか、こういった工夫が私は求められているのでないかと思っております。アジア開発銀行、あるいは今話題になっているAIIBもそうですけれども、彼らも、資本金の部分があって、市場で一定の調達をして、金額を大きくした上で国際貢献をするというのがこうした金融機関のやり方でもございます。

 具体的に言いますと、例えば風力発電において、一プロジェクト三十億円かかるとすれば、基金が五億円を拠出すれば多分事業は賄えると思うんですね。それで、真水の五億円の補助金があればこうした風力発電というのは実現可能。そういう意味では、全部支援してしまうと三十億円使い切ってしまうわけですが、たった五億円の支援金で三十億円分の効果のあるプロジェクトを実現できる。

 したがいまして、今後、先ほどもガバナンスの話が出ておりましたけれども、どういう方が、どういう体制で、どういう知見を持った人が理事会に入るかというのは、非常に重要だと思っております。こうしたガバナンス、ちょっと重複する部分はあるかもしれませんけれども、こうした金融の知識とかファイナンスの知識を持った知見のある方も、投資感覚を持った人もこうしたチームの中に入れていただきたいというふうに思っておりますけれども、そうした面も含めたガバナンスの体制について御答弁をお願いいたします。

    〔委員長退席、三ッ矢委員長代理着席〕

中山副大臣 今、木内先生からは、大きく分けて三点、御質問をいただいたと思います。

 まず、我が国の拠出額に関してでございます。

 拠出額に関しましては、今回の緑の気候基金、いわゆるGCFに対する各国の拠出総額として、主要国の間で百億ドルが非公式に目標とされていたこと、また、地球環境ファシリティー、GEFの方ですけれども、日本の拠出実績等を参考に、各国拠出総額の一五%を念頭に置いて、国会の承認が得られれば最大十五億ドルの拠出を行うとの意図表明を行っていたということであります。

 現時点における我が国の拠出額は、米国三十億ドルに次ぐ第二位の、御承知のとおり一四・七%となっておりますが、我が国の貢献につきましては各国からも十分な御評価を賜っているということ、そしてまた同時に、他方で、CO2など温室効果ガスの排出量を見ますと、日本は、先進国では米国に次ぎまして、英国、そしてフランスの二倍以上のCO2を排出しているという点から、特に、十二億ドルを拠出する英国の額を相当程度上回る必要があると考えられたのも、数値から見て事実ではないかと思います。

 以上を踏まえますと、十五億ドルという拠出額は、バランスがとれた考え方のもとで行われているというふうに認識をいたしております。

 二点目は、GCFの資金、これは具体的にどのような案件に使われるのかという御質問を得たと思います。

 緑の気候基金、GCFの資金は、GCF理事会の決定によりまして、開発途上締約国の温室効果ガス削減と、気候変動の影響への対処、この支援へ、それぞれ五〇対五〇の割合で配分されていると承知いたしております。

 具体的な案件としましては、例えば、緩和に関して言えば、太陽光発電また風力発電導入等の案件、適応に関しては、護岸工事や洪水対策などの防災案件が想定されております。

 実際の個別案件の選定につきましては、GCFが認証する実施機関からの案件申請に基づきまして、GCF理事会において適切に選定されていくものであると考えております。

 そして、三点目の、いわゆるGCFが支援する案件の実施において、いわゆる理事会を含めた、どういう形で我々が国家として、政府としてリードをしていけるのかという可能性についてでございます。

 先生御指摘のとおり、温室効果ガスの削減効果の実効性というものを高めるためには、利用可能な最良技術が有効であるというのは当然であります。日本企業のすぐれた環境技術の活用が、当然、世界からも期待をされているところであります。

 日本政府、我が国といたしましては、GCFが支援する案件におきましてもすぐれた環境技術がより多く活用されますように、理事会での議論にしっかりと参画をしていきたい、このように考えてございます。

木内(孝)委員 今回拠出を決めたときは為替レートが百二円で、そのときのレートでいうと多分千五百四十億円ぐらいだと思います。現在、百二十円ぐらいの為替レートだとした場合、実際、百二十円のレートで今転換しますと、三億ドルほど資金が目減りしてしまうような気がするんですが、この場合、百二億ドルが九十九億ドルになるとか、目標が下回るというような、円安により拠出額が減るという、ちょっとテクニカルな話で恐縮ですけれども、これはどういうことになるんでしょうか。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 GCFへの拠出につきましては、為替レートにつきまして、GCFの理事会で、昨年九月の時点でのレートを使う、このように決まってございます。したがいまして、日本の拠出は、当時の十五億ドル、したがって千五百四十億円ということでございまして、この千五百四十億円という額がGCFに対する義務となっております。この額は変わりません。

 したがいまして、為替レートが変動いたしますと、確かに、各国の通貨によって一旦決定したものは、その後、レートによって、ドル建ての価額というのはふえたり減ったりするということにはなることがございます。

 いずれにいたしましても、昨年九月の時点のレートで一旦決定して、拠出をすることになっております。

 以上でございます。

木内(孝)委員 拠出額が一緒だというのは理解できるんですけれども、当初一五%ぐらいの割合で拠出をするという話が、結果としてその金額は減るわけですから、そうすると、例えば一二%ぐらいの拠出額に割合が落ちるという理解でよろしいんでしょうか。

三田政府参考人 現実的なまさに拠出額といたしまして、ドル建てにいたしますと、そのときのレートによってパーセンテージは変わるということにはなります。

木内(孝)委員 先ほどの説明ですと、欧州勢とアメリカのほぼ間ということで一五%程度という話だったのが、これによってイギリス並みに落ちてしまうということなんですけれども、そうすると、日本の存在感として、この額のままで大丈夫なのかということをお伺いいたします。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のシステムでございますけれども、拠出期間は四年ございまして、拠出期間四年にわたって日本国債を先方に交付をいたします。これが実際に、先方、GCFの資金ニーズに応じて、約九年間をかけて現金化をされてまいります。

 したがいまして、確かに今は円安でございますが、この九年間の間において、どういう為替レートになるかということは、その時々で違ってまいりますので、それはそういうものとして御理解をいただきたいと存じます。

    〔三ッ矢委員長代理退席、委員長着席〕

木内(孝)委員 二年間で約五割円安になったので、そこら辺の影響も含めて、場合によっては追加拠出になるのかというのはちょっと心配しているところですけれども、日本の拠出額が円建てで千五百四十億円で固定をされているということであれば、それはそれで結構だと思います。

 それと、一つお伺いしたいのが、ほかの国にも、全ての国に参加をしてもらう枠組みをつくるということで、COP21、目指しているということでございますけれども、今、中国がアジアインフラ投資銀行を構想しているという段階で、例えば、日本がAIIBに参加する、それとの引きかえに、逆に、こっちのCOP21に、きちっとした枠組みで中国に参加をしてもらう、こうした交渉というのは、なかなか、現実問題容易ではないというのは想像はつきますけれども、こうした交渉過程の中で、そうした枠組みというのは考えられるのでしょうか。

岸田国務大臣 そういったリンクする形での交渉というのは、現実全く考えておりませんし、なかなかそう簡単ではないとは思います。それぞれの意義があります。それぞれの課題があります。それぞれに対応しなければならないと思っています。

 AIIBにつきましても、アジアにおけるインフラ需要の高まりの背景の中で、このAIIBというものが注目を集めているわけですが、やはり我が国としまして、国民の税金を拠出するということであるならば、ガバナンスの確立等をしっかり確認した上で対応しなければならない、慎重な対応を引き続き続けているわけでありますし、このGCFにつきましては、途上国に対してしっかり支援することによって全ての関係者にこの枠組みの中に参加してもらうために、重要な基金であると認識をしています。

 先進国、新興国、そして途上国の気候変動におけるその重みの変化等も勘案しますときに、全ての国が参加することの意味は大変重要であると考えています。そうした枠組みづくりに資するこの基金というものについてしっかり取り組んでいく、それぞれの課題についてしっかりと対応していきたいと考えています。

木内(孝)委員 時間も少しありますので、二週続けて質問してきましたAIIBについても、ちょっと追加で質問させてください。

 その後、三月末の期限が過ぎまして、先週も、福田元総理が、もう少し積極姿勢でもいいのではないかというようなことを講演の中で述べられました。恐らく、自民党さんの中でも、党内でもさまざまな意見があろうかと思います。

 私は、もう三月末のデッドラインが過ぎたわけですから、ここは腰を据えてじっくりと、リスクをきちっと判断してやればいいのかなというふうには思っている一方で、次のデッドラインというのがあると思うんですね。余り悠長に構えていても仕方がない。

 あと、やはり今までの経緯を見ていると、緊密に連携をしてきたと言いながら、ある日突然、英国が参加をしたりということで、必ずしも情報を密にしてくることができていなかったのではないかというふうに思っております。

 それの原因の一つが、もしかしたら、この間も大臣に質問したときに、主たる所管は外務省なのか財務省なのかと聞いたときに、ちょっと明確な答えでもなかったんですね。本件につきましては、やはり米国も非常に大きな影響力があるわけですから、そうすると、ある意味、アメリカ任せの交渉になっていたのではないか。二つの意味で、情報が密にというのがおくれた理由はここにあるのではないかなと推察をしているところです。

 現状、米国との対話の状況、なかなか開示できない部分もあろうかと思いますけれども、主たる交渉窓口というのは、現在、財務省なのかあるいは外務省なのか、これはどちらにあるんでしょうか。

岸田国務大臣 まず、所管については、前回も最後にお答えしたと思いますが、財務省であります。

 そして、アメリカとの意思疎通ですとか協議につきましては、財務省と外務省が責任を持って対応しているというのが現状でございます。

木内(孝)委員 わかりました。

 それと、先般の福田元総理のお話あるいは党内の議論、こうしたスケジュール感というのは、いつごろをめどにやろうとしているのか。

 慎重に党内で議論を進めてほしいということで安倍総理も指示を出したというふうに理解しておりますけれども、その中で、一定程度、四月末なのか五月末なのか。あるいは、六月末を目指すのであれば、その前の調整も必要でしょうから、逆算して、いつごろをめどに党内の方針を出し、いつごろ政府としての方針を出そうとしているのか。あるいは、全ての問題点がクリアにならない限り当然参加できないという理屈は理解できますけれども、どういった段階で仮の期限を定めているのか、そのスケジュール感について教えてください。

岸田国務大臣 まず、AIIBにつきましては、今日まで多くの国々と意思疎通を図ってきました。連携不足だったのではないかという指摘がありますが、実際、さまざまな外相会談等において、私自身も各国の外相と意見交換をし、意思疎通を図ってきましたし、さまざまなレベルで、AIIBに対する意見交換、考え方の開陳等は行ってきました。

 今回、多くの国々がAIIBに参加を表明しているという点が指摘をされていますが、参加の表明に関しましても、私の知っている限りで、英国、フランス、ドイツあるいは豪州、こういった国々は、参加表明する前に、事前に我が国に通告をしてきた上で参加の表明を行うということでありました。そして、こういった国々とは、従来から、AIIBのガバナンスの確立等、問題意識、問題点につきましては共有をしてきました。

 今後とも、参加を表明した国、そして外側に存在する国、立場の違いはあっても、AIIBのガバナンスの確立等、問題点については問題意識を共有して、中国側に働きかけるという点においては同じ立場に立っていると思っています。今後とも、AIIBへの取り組みについては、こういった関係国としっかりと連携しながら、中国側に働きかけを続けていきたいと考えています。

 そして、こうした問題点を明らかにするということは、我が国として、もし参加を決定したならば、推計ではありますが、一千億円単位の大きな国のお金が拠出されることが予想もされています。こうしたことでありますので、問題点をしっかり明らかにしなければ、我が国として慎重な立場を続けなければならない、これは、国として当然の対応ではないかと考えています。

 時期につきましては、区切る、あるいはめどを立てることなく、まずは、こうした問題意識を各国とともに共有しながら、中国に対して働きかけを続けていきたいと考えています。

木内(孝)委員 今、千億円単位という話がございました。非常に大きな単位だと思うんですが、これは千億円から、大体、幅でいうとどれぐらいを今イメージされていますでしょうか。もとの資本金の想定額もございますので、ある程度は想定ができると思うんですけれども、千億円単位というと、千から五千なのか、千から三千なのか。もう少し幅のある金額を御開示お願いいたします。

岸田国務大臣 今申し上げましたように、これは推計であります。そして、推計にもいろいろな推計があります。その推計を見た上で、一千億円単位という表現を使わせていただきました。

 それ以上、詳細につきましては、あくまでも推計でありますし、いろいろな推計があるのが現実ですので、こうした公の場で申し上げるのは控えたいと存じます。

木内(孝)委員 私も、この件、三週目、同じことを聞いてはいるんですが、幾つか指摘はさせていただいてはいるものの、やはりアメリカときちっと歩調を合わせるということは極めて大切なことだと思っておりますので、三月末というところに合わせて駆け込みでやるよりも、この際じっくりとそのリスクを検討して、参加するべきだとかするべきでないというのは、情報が限られている中では言うべきではないとは思っておりますが、とにかく、きちっとスピード感を持って短期間で御判断をいただきたいというふうに思っております。

 それと、一つ、AIIBについてお伺いしたいんですが、ガバナンスがきいていないというのが一番大きな理由だというふうに理解しているんですが、AIIBとかアジア開発銀行とかは、市場で一定程度資金を調達するわけですから、これはもう再三申し上げている話なんですが、一定程度市場原理が働くんですね。ここできちっとしたガバナンスがないと市場から資金が調達できませんので、そうすると、実質的に機能しない国際金融機関になります。

 だから、ガバナンスを非常に心配するべきであるというのはそのとおりではありますけれども、ある程度ガバナンスがきく蓋然性が高いのではないかと推察されますので、そこについては、大臣、もちろん国民の税金を使っているわけですから、ガバナンスがしっかりしているかどうかを判断するべしというのは当然のことながら、私は、そこはちょっと過度に警戒をし過ぎるのもいかがなものかなと。

 私は、福田元総理がコメントされていた内容というのは至極もっともだと思いますし、ある意味では、参加するしない、どちらの選択であったとしても、とにかく短期間のうちに決めていただきたいというふうに思っております。

 これは全部、アジア開発銀行、AIIB、そして今回の緑の気候基金も、全て連動している話だと思います。

 最後に、緑の基金、これも千五百億円と非常に大きな金額でございますので、COP21に向けての大臣の御決意を最後にお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 まず、環境そして気候変動問題、グローバルな課題として大変重要な課題です。そして、この分野における国際的な状況を見ますと、近年大きく変化をしています。先進国と新興国とそして途上国、こういった国のバランスも、十年、二十年前とは大きく変わってきている。こういった中でありますので、やはりあらゆるプレーヤーがこの問題に参加し、取り組むことが重要だと思います。ですから、COP21においては、やはり全ての国が参加できる、参加する、こういった枠組みをつくっていかなければなりません。

 そして、今、緑の気候基金について御審議をお願いしているわけですが、この基金は、途上国に対してしっかりと支援をすることによって、途上国にも理解をしてもらい、この枠組みにしっかり参加してもらう、こういった考え方において大変重要な基金であると思います。

 ぜひ、こうした基金を活用することによって成果を上げ、そして、全ての国々、全てのプレーヤーが参加できる、しっかりとした気候変動における枠組みづくりに我が国としてもしっかり貢献していきたいと考えます。

木内(孝)委員 最後に、この千五百四十億円は貴重な国民の血税ですから、ぜひ最大限に有効活用して、COP21等に向けて活用していただければと思います。

 以上で質問を終わります。

土屋委員長 次に、島津幸広君。

島津委員 日本共産党の島津幸広です。

 地球温暖化対策は、待ったなしの課題です。本法案では、開発途上国の温室効果ガス削減と気候変動の影響への適応を支援する基金、緑の気候基金、GCFに対して、我が国が最大で十五億ドルを拠出することになります。

 地球温暖化に伴い、世界各地で激しい気候変動が引き起こされています。途上国が海面上昇や気象災害の増加といった気候変動に適応するために必要な費用は、毎年数百億ドルから数千億ドルと見積もられています。

 これまで、多くの途上国、とりわけ後開発途上国、島嶼国などから支援の要望が出され、GCFの早期稼働が期待されています。国連気候変動枠組み条約第二十一回締約国会議、COP21で、先進国と途上国がそろって新たな枠組みの合意を進める上でも、今回のGCFでの途上国への支援は喫緊の課題であり、私たち日本共産党も本法案には賛成です。

 その上で、幾つかの問題について質問いたします。

 まず、前提として、地球温暖化対策と日本政府の取り組みについてお聞きします。

 安倍総理大臣は、COP21での新たな枠組みの合意に向けて、「日本は、全ての国が参加する公平で実効的な枠組みの実現を目指して積極的にリーダーシップを発揮してまいります。」と昨年十月二日の参議院本会議で述べています。また、岸田外務大臣も、ことし二月十二日の本会議で同様の答弁をしています。本日の答弁でも、再三表明しているところです。

 このスタンスはこれからも変わりありませんね。

岸田国務大臣 御指摘の点、これからも変わることはないと考えております。

 今、我が国において開催される太平洋・島サミットの準備を進める中にあっても、また、COP21に向けて国際社会の議論が高まっている様子を見る中にあっても、気候変動の重要性を改めて強く認識しております。

 安倍総理も、施政方針演説において、世界の温暖化対策をリードすることを目指して、COP21に向け、温室効果ガスの排出について、新しい削減目標と具体的な行動計画をできるだけ早期に策定すること、こうしたことを施政方針演説の中でも明らかに表明しています。

 我が国としまして、COP21に向けて、全ての国が参加する公平かつ実効的な国際的枠組みに合意できるよう、積極的に貢献してまいりたいと考えております。

島津委員 そういう姿勢なんですけれども、これまでも議論がありましたけれども、昨年十二月のペルーのリマで開催されたCOP20では、出席した望月環境大臣が、できるだけ早期に提出することを目指すと述べるにとどまって、温室効果ガス削減目標を提示できませんでした。これに本当に多くの国民が失望しているところです。リーダーシップを発揮すると言いながら、温室効果ガスの削減目標を示す見通しすら明らかにできない、この日本政府の消極的姿勢が浮き彫りになっています。

 昨年十二月のCOP20に先立って、世界の二大排出国である中国、アメリカ、そしてEUという主要国が削減目標を早々に示しました。それぞれの削減目標はどのようなものですか。

尾池政府参考人 お答えを申し上げます。

 EUは、二〇三〇年に一九九〇年比で四〇%削減、米国は、二〇二五年に二〇〇五年比で二六から二八%削減、その中で、できるだけ二八%に向けて最大限に努力をするという目標を提出してございます。

 中国は、約束草案という形では提出をしてございませんけれども、昨年十一月に発表されました気候変動に関する米中共同宣言におきまして、中国は二〇三〇年ごろにCO2排出量のピークを達成するということを表明してございます。

島津委員 潘基文国連事務総長は、COP20に際してのビジネスフォーラムでのスピーチで、特に主要経済国及び先進国については、各国が自主的に決定する約束草案を二〇一五年第一・四半期までに提出するよう求めると呼びかけました。この主要経済国、先進国には、当然、日本も入っています。

 この二〇一五年第一・四半期というのはことし三月末までということですけれども、これに応えて、日本は、出そうとそもそも努力したんでしょうか、だけれども間に合わなかったのか。その辺のところをお聞かせください。

田中政府参考人 御説明を申し上げます。

 委員御指摘のように、昨年末のリマにおけるCOP20において、そもそも約束草案をつくる上で必要な情報ですとか外延などが明らかになったところでございます。

 我が国におきましては、COP20に先立つ昨年十月から、中央環境審議会と産業構造審議会に合同専門家会合をつくりまして、そこで議論を行っているところでございます。これまで六回会合を開催いたしまして、各種の政策について御議論をいただきましたし、そういう意味で、潘基文総長の呼びかけにも応えて、検討を加速化しているということでございます。

島津委員 再三聞いても、できるだけ早くとしか言いません。削減目標をいつまでに示すかさえ明言できない日本政府の責任は、非常に重たいと言わざるを得ません。原発の比率をどのぐらいにするか、いわゆるエネルギーミックスの見通しが確立していないことなどを削減目標が定まらない口実にするのは、国際的には通用しないと言っておきたいと思います。

 国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCは、地球の平均気温の上昇を、産業革命後、二度未満に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を二〇五〇年までに二〇一〇年比で四〇から七〇%削減する必要があると指摘しています。これは間違いありませんね。

田中政府参考人 御説明申し上げます。

 委員御指摘の気候変動に関する政府間パネル、IPCCでございますけれども、その時々の気候変動とその影響及び関連する政策に関しまして包括的な評価を行うことを目的としている国際的な組織でございます。

 IPCC自体が、特定の政策ですとか特定の数字ですとか、これについて提言を行うということではございませんが、各国の政策決定において適切な、そういう科学的な知見を提供してきております。

 昨年公表されましたIPCCの第五次評価報告書でございますけれども、将来の世界の平均気温や温室効果ガス濃度などについてさまざまなシナリオがございますけれども、こういったシナリオについての評価を行っております。

 例えば、二一〇〇年に温室効果ガス濃度が二酸化炭素換算で約四五〇ppmまたはそれ以下となる排出シナリオですと、工業化以前の水準に対する気温上昇を二十一世紀にわたって二度未満に維持できる可能性が高いというようなこと、それから、こうしたシナリオですけれども、世界全体の人為起源の温室効果ガス排出量が二〇五〇年までに二〇一〇年と比べて四〇から七〇%削減されるという特徴があるというふうなことを客観的に示しているところでございます。

島津委員 ところが、そういう指摘があるわけですけれども、日本政府の対応はどうか。

 一九九七年に締結された京都議定書では、日本は、二〇〇八年から五年間で温室効果ガスを一九九〇年比で六%削減することを約束してきました。しかし、その後、京都議定書から離脱し、二〇一三年に暫定的に示した目標は、二〇二〇年までに二〇〇五年比で三・八%削減するというものですが、これは国際基準になっている一九九〇年比では逆に三・一%の増加になることから、国際的に批判を浴びています。

 気候変動に関する国際会議の会期中、世界各国の環境保護団体でつくる気候行動ネットワーク、これが化石賞という賞を各国に与えています。日本もこの化石賞というのをもらったことがあるんでしょうか。

尾池政府参考人 我が国が化石賞を受賞したことはございます。

島津委員 この化石賞というのは、前向きな取り組みを見せない国に対して贈られる不名誉な賞です。日本は、産油国と並んで、この化石賞の常連国になっています。京都議定書の基準年となった一九九〇年比で、排出量を減らすのではなく、三・一%もふやすという日本の目標に、気候行動ネットワークは、通常の化石賞では不十分だ、こう言って、日本に特別化石賞を与えました。何とも情けない話ではありませんか。

 通告しませんでしたけれども、外務大臣、日本が国際舞台でさらしているこのような事態をどのように思われますか。

岸田国務大臣 化石賞の受賞の経緯について詳細に申し上げることは控えたいと存じますが、こうした環境あるいは気候変動の議論、大変重要な議論であり、今日までさまざまな努力が続けられてきました。そして、この分野をめぐる環境自体が刻々と変化をしています。

 今現状の中で、そして本年、COP21を迎える大切な年に当たって、ぜひ、未来に向けて、日本としてのしっかりとした貢献を示していきたいと思っています。

島津委員 積極的にリーダーシップを発揮するという言葉にふさわしい、野心的な、それこそ世界をリードする積極的な削減目標を早く決めて早く出す、それでこそ世界の行動をリードする役割を果たすと思います。

 いろいろ、いつ出すかという議論がありましたけれども、COP21の議長国フランスのオランド大統領は、削減目標、欧州で合意が得られずにどうして大量排出国である中国やアメリカを説得できるのか、こう言って、四〇%というEUの目標合意を訴えています。そして、合意したわけです。そして、これまで後ろ向きだった二大排出国の中国、アメリカも、先ほどあったように、不十分さを残すとはいえ、目標を明らかにしました。これは、COP21での合意づくりへの前向きの姿勢を明らかにしたことは間違いないと思います。

 日本も、合意づくりに貢献するために、せめて、いつまでに出すのかということを明らかにすべきではありませんか。これも議論がありましたけれども、改めてどうでしょう。

田中政府参考人 我が国の二〇二〇年以降の削減目標でございますけれども、種々のCOPの決定、それから各国の動向、将来枠組みに関する国際的な議論の状況、こうしたこととあわせて、国内でのエネルギー政策、エネルギーミックスに関する検討状況、こうしたことを踏まえまして、できるだけ早く取りまとめるということを目指して、現在、関係府省庁で検討を深めているところでございまして、これをさらに深めていきたいというふうに思っております。

島津委員 何度聞いても同じような答えなんですけれども。

 期待の裏返しという議論がありました。期待に応えて、削減目標は、積極的にリーダーシップを発揮する、これにふさわしい、野心的な数値になると思うんですけれども、そのように作業していると思いますが、どうでしょう。

岸田国務大臣 削減目標については、今現在、既に目標を提出する国もあります、まだ提出していない国もあります。提出した中身について、いろいろな評価もあります。この中にありまして、ぜひ、我が国としまして、責任ある削減目標をしっかり策定するべく、しっかりと努力を続けていきたいと存じます。

 そして、この削減目標も含めて、COP21成功に向けて、さまざまな努力が求められます。さまざまな課題にしっかり取り組むことによって、全体としてCOP21成功に向けての議論全体をリードできるよう、努力を続けていきたいと考えています。

島津委員 ぜひ、ふさわしい、野心的な数値を出していただきたいと思います。

 次に、今回の法案で、我が国は緑の気候基金に最大で十五億ドル、円換算で、いろいろレートの問題はありますけれども、およそ一千五百四十億円、この拠出をすることになります。

 米国に次ぐ二番目という表明額なんですけれども、これは国によって対象期間が異なります。日本の場合は四年間でこの金額なんですけれども、二年という国もありますから単純な比較はできないわけなんですけれども、いずれにしても百二億ドル。

 これは、これまでもお答えがありましたけれども、改めて、この拠出されたお金はどのように使われるのか。プロジェクトの内容など、具体的にもう一度お答えください。

薗浦大臣政務官 お答え申し上げます。

 拠出された資金についてでございますけれども、GCFの理事会の決定におきまして、開発途上締約国の温室効果ガス削減、いわゆる緩和の部分に五〇%、そして、気候変動の影響への対処、いわゆる適応分野ですけれども、こちらに五〇%の割合で配分をされることになっております。

 具体的な案件としましては、緩和の部分に関しては、例えば太陽光発電また風力発電の導入等の案件、そして、適応の分野に関しては、いわゆる島嶼国における護岸工事また洪水対策等が想定をされております。

 いずれにしても、このGCFが認証する実施機関からの申請に基づいて、理事会において選定をされるものと考えております。

島津委員 昨年十二月のリマでのCOP20の会場で、日本がインドネシアに建設する石炭火力発電所への支援として拠出した約十億ドルが、温暖化対策を目的とする基金から出ていた、このように批判されました。緑の気候基金の事務局長も、資金が限られている中で、気候変動にどれだけよい影響を与えるかで優先順位を決める、こういう表現で、日本が輸出拡大を狙う高効率の石炭火力発電への投資に否定的な考えを表明しています。

 このインドネシアへの石炭火力発電の支援というのは本当なんでしょうか。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま、インドネシア、バタン、こちらにおきまして石炭火力発電所の計画がございまして、これにつきまして、現在、国際協力銀行におきまして融資を検討しているところでございます。

島津委員 このCOP20で、日本の気候資金援助にインドネシアの石炭火力発電所建設が含まれた、これが報道されて、事務局長が懸念を表明する。国際的にも大きな反響を呼んでいます。この件でも化石賞を受けているわけです。

 石炭火力発電所は、どんなに高効率でも、天然ガスの発電に比べれば、キロワット当たり二倍のCO2を排出します。アメリカは、国内の石炭火力発電所の規制とともに、公的資金供与による途上国への支援で石炭火力発電はしないことを決めました。イギリスなども同様です。各国のエネルギー開発などの融資を行う世界銀行も、石炭火力発電所への融資制限方針を決定し、再生可能エネルギーにかじを切っています。

 日本の政府出資一〇〇%の国際協力銀行があります。海外での石炭火力事業への投資を行ってきましたけれども、二〇〇三年から二〇一四年までに、どの国に何件の石炭火力発電所建設を、融資して、手がけているのでしょうか。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 国際協力銀行の石炭火力発電所に関する支援でございますが、把握できる限りの情報といたしまして、二〇〇三年から二〇一四年十二月までの間、インド、インドネシア、ベトナム等の石炭火力発電関連事業向けに、二十五件の融資等の承諾実績がございます。

島津委員 それでは、その発電総量はどれだけになるんでしょうか。

三田政府参考人 これらのプロジェクトの総発電容量は、合計で約二十五ギガワットでございます。

島津委員 時間がなかったものですから事前にレクを受けられなかったものですから、私、独自に調べたんですけれども、「環境・持続社会」研究センターというところの試算では、二十一件で二十ギガワット、それ以上だという話なんですけれども。この二十一件に限ってみても、石炭火力発電の推定年間CO2の排出量は約一・二億トン、日本国内の年間CO2排出量の約一割に当たります。国内の石炭火力発電所排出量の半分以上。

 JBICは、海外の石炭火力融資制限を発表していない世界最大の金融機関になっています。こうして日本は、海外での石炭火力発電所建設を促進する役割を果たしてきました。

 このJBICが融資を予定しているインドネシアのバタンで、石炭火力発電所建設に反対する運動が起きています。これは御承知ですか。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のございましたインドネシアにおける石炭火力発電所につきましては、用地取得につきまして、現在までに八割以上の取得を終えているところでございますが、残りの二割弱につきまして用地買収に応じない住民がおり、デモなどの反対運動も行われている、このように承知しております。

島津委員 バタンでは、石炭火力発電所の建設計画が、住民や、環境に与える深刻な影響を訴える環境NGOの皆さんや、豊かな農地、漁場を奪われる住民の皆さんが力を合わせて運動を進め、推進派による脅迫や暴力をはね返して、四年間にわたって計画をとめてきています。

 昨年秋には、バタンの現地の住民の方が来日して、外務省やJBICに直接中止を要請しています。このときに、外務省はどのような対応、返事をしたんでしょうか。

滝崎政府参考人 お答えいたします。

 抗議を受けたというのは、外務省ではなくて財務省ではないかと思いますので、財務省の方から答弁はさせていただきます。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 財務省は、昨年九月十日に、本プロジェクトに反対する住民より要請書を受領いたしました。

 これを受けまして、財務省といたしましては、所管官庁として、国際協力銀行が、同行が定める環境社会配慮確認のためのガイドライン、これにのっとりまして、引き続き、現地住民の声を聞きつつ適切に環境社会配慮の確認を行うよう、監督をしております。

島津委員 そういう対応だったそうですが、ことしの三月二十四日付で、バタン・コミュニティーがJBICに対して、融資拒否の意思を示すレター、要請書が送られてきました。このレターの最後には、このように訴えているんです。

 私たちバタンのコミュニティーは、例えば、ハイブリッドソーラーや風力、バイオマス施設、ソーラー配電網、エネルギー効率機器など、再生可能エネルギーが私たちの村や県で計画されるのであれば、歓迎する用意があります。また、インドネシアで私たちが持つすばらしい地熱や、その他の潜在性の高い再生可能エネルギーに対して、貴行が融資支援をすることを歓迎します。私たちは、バタン石炭火力発電所への投資よりも、そうした投資が私たちのコミュニティーや国にずっと多くの恩恵をもたらすと考えます。

 こういう訴えです。

 この訴えに応えて、環境温暖化を促進し、現地の方にも歓迎されない石炭火力発電ではなくて、温暖化対策にもストレートにつながり、現地の方からも歓迎される再生可能エネルギーの支援に切りかえるべきじゃないんでしょうか。

三田政府参考人 お答え申し上げます。

 本プロジェクトにつきましては、インドネシア側におきまして、急速に増加する電力需要に対応すべく、さまざまな発電方式や燃料の比較検討がなされた結果、高効率な石炭火力発電を推進する、そのような結論になった、このように理解しております。

 我が国といたしましては、本プロジェクトにおいても、国際協力銀行が適切に環境社会配慮の確認を行うよう、監督していく所存でございます。

島津委員 国の要請があったそうですけれども、日本のスタンスとして、やはり石炭火力じゃなくて再生可能エネルギーという方向にぜひかじを切っていただきたいと思います。

 それでは、緑の気候基金では、基金を使って行う事業を理事会で決めるわけなんですけれども、コンセンサスが得られない場合の意思決定の手続というのはどのようになっているんでしょうか。

薗浦大臣政務官 お答え申し上げます。

 現時点においては、理事会の決定はコンセンサスにより行われることになっておりまして、基本的に、それが得られない限り、事業が支援対象として理事会で決定されることはないというふうに私どもは認識をしております。

 いずれにしても、得られない場合のルールについては、現在理事会において議論をされているところでございますので、この議論の推移を見守っていきたいと考えております。

島津委員 国際環境NGOなどは、石炭火力発電を初め化石燃料系事業を投資対象から外す要望を出しています。世界の動きからも逆行する石炭火力も投資対象にすべきなどと日本が主張すれば、世界の笑い物になってしまいます。まさかそんなことはこの理事会で主張しないでしょうね。

薗浦大臣政務官 同基金において、案件の選定基準において、特定の技術に対する是非というのは示されておりません。理事会の決定にはコンセンサスが必要とされているところでございますので、我が国としては、今後、基準に沿った適切な支援案件が採択されるように努めてまいりたいと考えております。

島津委員 ですから、日本としても、温暖化対策に逆行する石炭火力発電を途上国の支援から外すよう主張すべきだと思います。

 繰り返しますけれども、確認しますけれども、緑の気候基金では、日本が拠出した資金が途上国で石炭火力発電に使われることはないですね、ないようにしますよね。

薗浦大臣政務官 繰り返しで大変恐縮ですけれども、この基金における基準については、どれがよくてどれがだめだという選定基準というのは、技術に対する是非が示されておりませんので、いずれにしても、さまざまな御意見を参考にしながら、我が国として、適切な案件が採択されるように努めてまいりたいと思っております。

島津委員 繰り返しますけれども、たとえ高効率でも、キロワット当たりLNGの二倍のCO2を排出する石炭火力発電所の新設、この支援を気候支援資金に含める先進国は日本のみと言っていい状況です。気候変動の科学からも大きく乖離していることを改めて指摘したいし、緑の気候基金でも、その姿勢を、これから石炭火力は含めないという姿勢を貫いていただきたいと思います。

 次に、資金の投入先や透明性、事業の詳細に関する情報公開、これはどのようになっているんでしょうか。

薗浦大臣政務官 お答え申し上げます。

 基金の情報公開ポリシーに従いまして、可能な限り、理事会の文書及び決定というものをホームページ上で公開することになっております。

 また、理事会の議論については、いわゆる市民団体の方々、また、民間企業の方々の中で登録をされたオブザーバー機関からの参加者も傍聴することが可能になっております。また、これらの団体の代表については、理事会において発言をすることも可能になっておりまして、発言権が与えられる仕組みになっております。

 我が国といたしましては、理事会の協議及び決定が理事国及び締約国を初めとする多様なステークホルダーにとって透明性のあるものになるよう、これからも対応してまいりたいと考えております。

島津委員 理事会の議論の際に、市民参加の保障という点でオブザーバーとしての参加ということなんですけれども、そうすると、発言権はないということですね。

薗浦大臣政務官 済みません。このいわゆるオブザーバー機関の参加者も、傍聴が可能になっているとともに、理事会での発言権も与えられております。

島津委員 いずれにしても、議論がオープンに行われ、基金の活用先、事業内容などに環境団体を初めとした市民の声が反映されるよう、日本としても力を尽くすよう求めます。

 緑の気候基金の事務局は、四月末までに各国の契約金額の半分の調達を目指しています。そのためにも日本の迅速な手続が不可欠です。

 地球温暖化は、将来の話ではなく、熱波、熱中症、デング熱など、また、台風の巨大化、集中豪雨、土砂災害など、あるいは農漁業への影響など、今生きている私たちがその影響を目にするところまで来ています。

 気候変動に関する政府間パネルのジム・スキー共同議長は、EUが決めた四〇%削減目標についても、二〇五〇年までに世界の平均気温上昇を二度未満に抑えるとしたCOPの最終目標から見ると、二〇三〇年までに四〇%削減では少な過ぎるし遅過ぎる、このように指摘しています。仮に三〇年までの目標を達成しても、その後の二十年間はさらに三倍のペースで削減する必要がある、こういう見通しも述べています。

 温室効果ガスの削減のためには、省エネなど低エネルギー社会への転換や、温室効果ガスを排出しない太陽光など再生可能エネルギーの活用が不可欠です。日本はこの面でもおくれています。

 日本にまず求められるのは、原発依存への固執をやめることです。一旦事故が起これば、取り返しがつかなくなるだけでなく、建設そのものに莫大なエネルギーを必要とし、省エネや再生エネルギーの取り組みも妨げます。IPCCの報告書も、原発は各種の障壁とリスクが存在すると指摘しています。

 福島第一原発の事故で大量の放射性物質を漏れ出させ、環境を破壊してもなお原発に固執するのであれば、日本政府の異常さを証明するだけです。原発ゼロを実現し、原発も温暖化もない世界の実現に貢献すべきです。

 本法案を契機に、世界第五位の温室効果ガス排出国である日本が、文字どおり積極的にリーダーシップを発揮する、この決意を改めて大臣に最後にお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、ことし、国際社会にとって環境、気候変動問題が大変重要な課題の一つとして、ますます注目が集まっております。

 我が国としましても、しっかり責任を果たすよう努力をしていきたいと考えます。

島津委員 終わります。ありがとうございました。

土屋委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党と山本太郎となかまたち、玉城デニーです。

 緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案について、きょうは各委員からさまざまな質問が出ておりますので、その質問と重なるところがあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、このGCFと関連して、日本がこれまで取り組んできた途上国支援についてを、もう一度、少しおさらいといいますか、聞かせていただきたいと思います。

 国連気候変動枠組み条約が、九二年に採択、そして九四年に発効になりました。これは、百九十五カ国一地域が締約国となり、先進国と途上国の取り扱いを区別して、それぞれに責任ある対応をしていくということで、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることということが目的となっております。

 まず、国連気候変動枠組み条約の九四年発効以降の流れについて、日本が取り組んできた途上国への支援についてを改めてお伺いいたします。

岸田国務大臣 我が国は、気候変動分野における途上国支援として、開発途上国の温室効果ガスの削減ですとか気候変動の影響への対応、こうしたものを支援してきました。

 最近では、昨年九月の国連気候サミットにおいて、安倍総理より、三年間で合計一万四千人の人材育成策、そして適応イニシアチブを発表いたしました。

 今御審議いただいておりますGCFへの拠出も、我が国の気候変動分野における途上国支援の一環として行うものであると考えております。GCFに拠出することにより、我が国が主導的な役割を果たす形で、島嶼国や後発開発途上国への支援を実現し、本年末のCOP21において、これらの諸国の支援を得て、全ての国が参加する枠組みの合意につなげていきたいと考えております。

玉城委員 今大臣が答弁になりました日本の適応イニシアチブも、戦略的に見ると、日本の先進性といいますか、あらゆる可能性を、途上国における適応分野の支援をしっかり進めていくということで、特に小島嶼国特有の脆弱性に対する支援、それから適応対策実施の支援、これは、水資源、防災分野、自然環境、生態系分野などなどにおかれても、このように、細部にわたるまで日本がリーダーシップを発揮していくということがこのイニシアチブでも述べられております。

 他方、これまでの京都議定書を初めとする国連気候変動の枠組みについては、それぞれの締約国の間で枠組みを設定するというふうな内容で、一定数の削減を設けて取り組むということになっているんですが、この中で法的拘束力を有する場合というものがありまして、この法的拘束力を有する場合の内容や実効性、ルールについてが、いま一つ不明確ではないかと思います。

 そのことについて確認をしたいと思います。

尾池政府参考人 お答えを申し上げます。

 京都議定書では、先進国と各国は、二〇〇八年から二〇一二年までの五年間におきまして、数量化された約束、我が国の場合は六%でございますが、これに従って温室効果ガスの排出を抑制または制限する法的義務を負うということを規定してございます。また、各締約国における義務の遵守を促すための遵守制度というものも設けられてございます。

 なお、第一約束期間における我が国の達成状況といたしましては、基準年比、一九九〇年比で八・四%減となり、六%の削減目標を達成したところでございます。

玉城委員 この枠組みにおいて、これからもその目標を達成するために取り組んでいくということが、今後、COP21でも、国際合意の枠組みに向けてさらにハードルが高くなっていくということが思料されますが、平成二十五年十一月、総理が二〇〇七年、「美しい星へのいざない」、クールアース50を発表してからということで、攻めの地球温暖化外交戦略という方針がまた新たに示されております。そのことについて質問をさせていただきたいと思います。

 このACE、アクション・フォー・クール・アース、「美しい星への行動」、攻めの地球温暖化外交戦略では、新興国などが急速な発展を続け、中国は世界最大の温室効果ガス排出国となるなど、世界規模で経済成長や貧困撲滅と両立した形で温暖化対策を進める重要性が増しているという「理念」、そして、その「行動」の中には、日本は東日本大震災及び原発事故を乗り越えて、エースとして、アクション・フォー・クール・アースの、文字どおり、リーダー、エースとして目標達成の努力を主導するということで、イノベーション、アプリケーション、パートナーシップの三本柱におけるアクションをもって、技術で世界に貢献していく、攻めの地球温暖化外交を実行するというふうに行動指針でも語られています。

 この攻めの地球温暖化外交戦略について、それぞれ、この三本柱、イノベーション、アプリケーション、パートナーシップのおのおのの目標に係る取り組み状況についてお伺いいたします。

岸田国務大臣 二〇一三年十一月に発表したACEですが、この三本柱として、イノベーション、アプリケーション、そしてパートナーシップを掲げています。

 そして、イノベーションとして、気候変動への取り組みを加速させる革新的技術の開発に取り組むということ、アプリケーションとしては、日本の技術の海外展開を推進するということ、そしてパートナーシップとして、二〇一三年より三年間で官民合わせて計一兆六千億円の途上国支援の資金コミットメントを行っております。

 そして、それぞれ取り組みを進めているわけですが、資金コミットメントの部分につきましては、昨年九月の国連気候サミットにおいて、安倍総理から、二〇一三年から一年半余りで、当初表明していた官民合わせて一兆六千億円の支援を達成したことを既に発表させていただいております。

玉城委員 では、このイノベーション、アプリケーション、パートナーシップのそれぞれの取り組みについて、少し具体的に話を聞かせていただきたいと思います。

 まず、イノベーションは、革新的技術の開発を推進し、将来にわたって大幅な温室効果ガス排出削減を確実にするというふうなことがありまして、イノベーション、技術革新がうたわれています。

 その中の項目で、CCS、二酸化炭素回収、貯留技術というものがあります。このCCS、二酸化炭素回収、貯留技術に関する到達はどのような状況になっているか、お聞かせください。

三又政府参考人 お答えいたします。

 CCSについての御質問です。

 CCSは、火力発電所などから発生する排ガスからCO2を分離回収し、地下に貯留する技術であります。CO2の削減効果が大きな技術として世界的にも期待されており、我が国では、二〇二〇年ごろの実用化を目指して研究開発や実証事業等に取り組んでいるところでございます。

 具体的には、北海道苫小牧市において、石油精製プラントから排出されるCO2を地下に貯留する大規模実証事業を実施しております。二〇一六年度からCO2の貯留を実施することとしておりまして、現在、そのためのプラントの建設や井戸の掘削を行っているところであります。また、CO2の分離回収等に関する技術の研究開発も実施しているところでございます。

 さらに、将来的にCCSを国内で展開するためには、CO2を貯留できる地層を特定することが不可欠でございまして、二〇一四年度から、環境省とも連携をしまして地質調査を行っているところでございます。

 このCCS技術は、国内のみならず世界的な地球温暖化対策に貢献できる革新的技術でありますので、その実用化を目指して、今後さらに研究開発等を推進してまいりたいと考えております。

 以上です。

玉城委員 ありがとうございます。

 まさに、この攻めの地球温暖化外交戦略のイノベーションの部分が最もコアになっていくということで、そこに日本の技術、そして当然ですが予算もしっかり投下していき、それを国内のみならず世界に広げていくということが、最も日本らしい姿を世界にアピールできるのではないかと私は思うわけですね。

 それでは、次に、アプリケーションについてお伺いいたします。

 その日本の誇る既存の低炭素技術の世界への応用を図っていくということになっておりますが、このアプリケーションにおいて、JICAと連携して取り組む支援対策についてが述べられています。このJICAが支援するプロジェクトと連携しつつ排出削減を行うプロジェクトについて、お聞かせください。

田中政府参考人 御説明申し上げます。

 いわゆる二国間クレジット制度、JCMという事業につきまして、攻めの地球温暖化外交戦略でも重要な位置づけとして今取り組みを進めているところでございます。

 御指摘のJICAとの連携でございますけれども、環境省におきましては、昨年度よりJICAが支援するプロジェクトと連携しつつ、二酸化炭素の排出減を行うプロジェクトに資金支援をすることによって、二国間クレジット制度、JCMとODAとの連携を図ってきているところでございます。

 このことは、資金面のみならず、途上国支援に関して実績のあるJICA等との連携によりまして、より効果的にJCMの案件の形成及び実施を進めることができるという点で、大変有効なものだと考えております。

 現在、この事業につきましては、申請のありました案件を審査し、もちろんJICAですとか現地のプロジェクトの検討状況もございますけれども、具体的なJCMプロジェクトの実施に向けて着実にプロセスを進めているところでございます。

玉城委員 ぜひ有効なプログラムが選択されるよう期待をしたいというふうに思います。

 それでは、この攻めの地球温暖化外交戦略のもう一点、先ほど大臣からもありましたが、パートナーシップの構築についてですが、さまざまなステークホルダーとの連携、パートナーシップを強化し、途上国支援のコミットメントを行うほか、アジア各国との連携の強化にも努めていく、さらには技術革新と技術普及の基礎を形づくっていくというふうに述べられています。

 そして、そこに、先ほどありましたとおり、緩和、適応分野でODA、OOF、民間資金などを総動員し、二〇一三年から二〇一五年の三年間に計一兆六千億円の支援を行うということが達成されたというふうになっておりますが、その支援の状況についてお聞かせください。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど大臣から申し上げましたとおり、二〇一三年から二〇一五年までの三年間で官民合わせて一兆六千億円の途上国支援を実施することを表明した件でございますが、これは昨年七月の時点において、約一年半余りの期間で既に達成をしたというところでございます。

玉城委員 達成したということについては先ほどお伺いした次第なんですけれども、これから、達成をし、それからどのような形でそれを効果的に運用していくか、資金を集めただけあるいは乗せただけではなくて、そこからどのように取り組んでいくかということについて、もしその達成の方向の状況などが報告できることがあれば、お聞かせいただけますか。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 この達成をした額でございますけれども、これは、例えば円借款ですとか、無償資金協力ですとか、JBIC融資ですとか、あるいはこれらに関連する民間の融資から成り立ってございます。これらのものは、基本的に一つ一つのプロジェクトについています。例えばトルコの地熱発電所ですとか、個別のプロジェクトごとに資金がついている形になっておりますので、今後はこれらが着実に実施をされていくということだと承知しています。

玉城委員 ありがとうございます。

 それでは、緑の気候基金の件について質問いたします。

 この緑の気候基金の目的と支援のあり方について、まず、それぞれ取り組んでいこうとする、国別、あるいは途上国別に見た場合、資金配分に関してはそれぞれの国ごとのグルーピングがなされているものというふうに思料いたします。その件について、内容をお聞かせください。

尾池政府参考人 お答え申し上げます。

 緑の気候基金の理事会の決定によりまして、開発途上締約国の温室効果ガスの削減と、それから気候変動の影響への対処、適応でございますが、それぞれ五〇、五〇の比率で融資をされることが決まっておりまして、さらに、このうち適応分野に関しましては、その五〇%以上を後発開発途上国、いわゆるLDCでございますけれども、それから小島嶼国及びアフリカ諸国を含む気候変動に脆弱な国に配分することということが決まってございます。

玉城委員 それでは、次に、この中で、中国、韓国、インドなどへの資金配分がなされるということについて、その対応についてお聞かせください。

尾池政府参考人 GCFの支援対象国は、気候変動枠組み条約における全ての開発途上国となっておりますので、これらの、今御指摘の、中国、韓国、インドのような国々も、条約が締結された二十年以上前、一九九二年時点でございますが、この時点から開発途上国であるという位置には変更がございません。したがって、理論的には、委員御指摘の国々も対象として含まれてはございます。

 ただ、一方で、国際社会におきましては、小島嶼国や後発開発途上国といった脆弱な国々に対する支援の重要性、これは非常に広く認識をされてございます。

 また、支援の内容につきましても、中進国が大きなポテンシャルを有する温室効果ガスの削減だけではなくて、脆弱国にとって深刻な問題であります気候変動の影響への適応、こちらの支援も非常に重視をする、同様に重視をするということになっておりますし、また、適応分野におきましては、先ほど申し上げましたように、その五〇%以上を小島嶼国や後発開発途上国といった脆弱な国々に配分することになってもございます。

 また、支援案件の選定基準の中で、その他の資金の利用可能性といった基準が含まれてございます。つまり、これは、その他の資金を使うことができる国にはGCFの資金をできるだけ回さないようにするという趣旨でございます。

 こうしたことから、GCF理事会において適切な案件選定が行われると思いますし、また、我が国といたしましても、小島嶼国や後発開発途上国など脆弱な国々に支援が行くよう、理事会の場などで主張していきたいと考えております。

玉城委員 まさに今答弁の中にありましたとおり、例えば、中国を例に挙げますと、対中国のODAは、平成二十三年で、無償資金協力それから技術協力を合わせて約三億ドル、三百億円の拠出がなされているわけですね。

 しかし、その一方で、このGCFの拠出国には、途上国であります、例えばインドネシア、チリ、ペルーなどが表明をする一方で、中国やロシアなどが拠出しないということについては、そこにこの枠組みの不安もあるのではないかと思うのですが、その件についてお聞かせください。

尾池政府参考人 委員御指摘のとおり、GCFは気候変動枠組み条約のもとに設置された基金でありますけれども、この気候変動枠組み条約におきましては、同条約が策定された一九九二年の状況に基づいてつくられた附属書によりまして、中国やロシアは、条約上、資金供与義務を負わない国として分類されてございます。こうした中で、現時点では中国やロシアはGCFに対して拠出表明を行っていないということでございます。

 他方におきまして、今般の資金動員のプロセスでは、GCF理事会の決定により、先進国だけではなく、開発途上国や民間企業を含む多様なものが拠出を行うことができるということが定められてございます。

 今後、より多くの開発途上国が拠出を行うことを期待しているところでございますが、それにいたしましても、我が国といたしましては、気候変動枠組み条約における附属書に基づく分類は、現在及び将来の世界経済の状況の変化に適切に対応していないというふうに考えておりまして、条約上の開発途上締約国を含む全ての締約国が参加をする、公正かつ実効的な枠組みの合意に向けて、引き続き積極的に交渉に参加していく所存でございます。

玉城委員 時間になりましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思いますが、十二月のCOP21における国際合意枠組みでは、日本がリーダーシップとなる、その二〇二〇年以降の取り組みについて、積極的に参加する、かかわっていくということが求められると思いますし、また、これまでにもそのような発言があると思います。改めて大臣の所見をお伺いしたいと思います。

岸田国務大臣 御指摘のように、ことし十二月に予定されておりますCOP21は、これからの気候変動の分野における枠組みを決定する大変重要な会議だと認識をしております。

 その際に、この現状を考えますときに、全ての国が参加する公正な枠組みでなければなりません。こうした枠組みをつくる上において、我が国もしっかりと責任を果たしていかなければなりません。覚悟を持って臨んでいきたいと思います。

玉城委員 終わります。ニフェーデービタン。

土屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

土屋委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、緑の気候基金への拠出及びこれに伴う措置に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

土屋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

土屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.