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第1号 平成13年2月22日(木曜日)

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本委員は平成十三年一月三十一日(水曜日)議長の指名で、次のとおり選任された。

      相沢 英之君    岩倉 博文君

      岩崎 忠夫君    金田 英行君

      上川 陽子君    木村 太郎君

      岸本 光造君    北村 誠吾君

      栗原 博久君    小島 敏男君

      後藤田正純君    七条  明君

      園田 博之君    高木  毅君

      西田  司君    浜田 靖一君

      福井  照君    二田 孝治君

      松下 忠洋君    小平 忠正君

      古賀 一成君    後藤 茂之君

      佐藤謙一郎君    津川 祥吾君

      筒井 信隆君    永田 寿康君

      楢崎 欣弥君    鉢呂 吉雄君

      堀込 征雄君    三村 申吾君

      江田 康幸君    白保 台一君

      一川 保夫君    高橋 嘉信君

      中林よし子君    松本 善明君

      菅野 哲雄君    山口わか子君

      金子 恭之君    藤波 孝生君

一月三十一日

 堀込征雄君が議院において、委員長に選任された。

平成十三年二月二十二日(木曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 堀込 征雄君

   理事 木村 太郎君 理事 岸本 光造君

   理事 二田 孝治君 理事 松下 忠洋君

   理事 小平 忠正君 理事 鉢呂 吉雄君

   理事 白保 台一君 理事 一川 保夫君

      相沢 英之君    岩倉 博文君

      岩崎 忠夫君    金田 英行君

      上川 陽子君    北村 誠吾君

      栗原 博久君    小島 敏男君

      後藤田正純君    七条  明君

      園田 博之君    高木  毅君

      西田  司君    浜田 靖一君

      福井  照君    井上 和雄君

      古賀 一成君    後藤 茂之君

      津川 祥吾君    筒井 信隆君

      永田 寿康君    楢崎 欣弥君

      三村 申吾君    西  博義君

      高橋 嘉信君    中林よし子君

      松本 善明君    菅野 哲雄君

      山口わか子君    金子 恭之君

      藤波 孝生君

    …………………………………

   農林水産大臣       谷津 義男君

   農林水産副大臣      松岡 利勝君

   農林水産副大臣      田中 直紀君

   農林水産大臣政務官    金田 英行君

   農林水産大臣政務官    国井 正幸君

   農林水産委員会専門員   和田 一郎君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十二日

 辞任         補欠選任

  佐藤謙一郎君     井上 和雄君

  江田 康幸君     西  博義君

同日

 辞任         補欠選任

  井上 和雄君     佐藤謙一郎君

  西  博義君     江田 康幸君

    ―――――――――――――

二月二十二日

      木村 太郎君    岸本 光造君

      二田 孝治君    松下 忠洋君

      小平 忠正君    鉢呂 吉雄君

      白保 台一君    一川 保夫君

 が理事に当選した。

    ―――――――――――――

二月十九日

 激増する野菜等の緊急輸入制限の発動に関する請願(中林よし子君紹介)(第二〇号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二一号)

 国民の食糧と地域農業を守るための緊急対策に関する請願(中林よし子君紹介)(第二二号)

 同(松本善明君紹介)(第二三号)

 自主流通米の値幅制限の復活に関する請願(松本善明君紹介)(第二四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の互選

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件




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     ――――◇―――――

堀込委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 このたび、農林水産委員長に就任をいたしました堀込征雄でございます。

 御承知のとおり、農林水産業は、食料の安定供給の確保のほか、国土、自然環境の保全など、各般にわたり多面的な機能の発揮を求められ、大変重要な役割を担っております。しかしながら、今日、我が国の農林水産業を取り巻く内外の諸情勢は極めて厳しいものがございます。

 このような状況のもと、農林水産業発展のため、本委員会に課せられた使命はまことに重大でありまして、改めてその職責の重大さを痛感しております。

 甚だ微力ではございますが、委員会の公正かつ円満なる運営に努めてまいる所存でございますので、委員各位の御支援、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

堀込委員長 これより理事の互選を行います。

 理事の員数は、議院運営委員会の決定の基準のとおり八名とし、その選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀込委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      木村 太郎君    岸本 光造君

      二田 孝治君    松下 忠洋君

      小平 忠正君    鉢呂 吉雄君

      白保 台一君 及び 一川 保夫君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

堀込委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀込委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

堀込委員長 次に、農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣谷津義男君。

谷津国務大臣 農林水産大臣の谷津義男でございます。

 委員長初め委員の諸先生におかれましては、日ごろから農林水産行政の推進に格段の御理解と御支援をいただき、この機会に厚く御礼を申し上げます。

 松岡、田中両副大臣、金田、国井両大臣政務官ともども、力を尽くして農林水産行政の推進に全力を挙げてまいる考えであります。

 委員長初め委員各位の御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 それでは、農林水産大臣としての所信を申し述べます。

 我が国農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもとより、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的な機能を有しております。とりわけ、健康で充実した生活の基礎となる食料について、新鮮で安全なものを安定的に供給することは、国の基本的な責務であります。

 こうした役割を担う農林水産業と農山漁村について、生産と消費との共生という考えのもとに、その健全な発展を図ることは、将来にわたり国民が安心して暮らせる豊かな社会を築いていく上で不可欠であると確信をしております。

 このため、二十一世紀における我が国農林水産業及び農山漁村が、希望にあふれ、活力に満ちたものとなるよう、各般の施策を積極的に展開してまいります。

 まず、食料・農業・農村基本法に基づく新たな農政の推進であります。

 同法は、二十一世紀における農政の基本指針として制定されたものであり、その基本理念を具体化するため、昨年三月には食料・農業・農村基本計画が策定されたところであります。この基本法及び基本計画に即し、新たな時代の食料・農業・農村政策を着実に推進してまいる考えであります。

 平成十三年度におきましては、以下に述べる施策を着実に推進していく考えであります。

 第一に、食料の安定供給の確保に関する施策であります。

 食料・農業・農村基本計画に掲げられた食料自給率の目標の達成を図るためには、生産者、食品産業の事業者、消費者等の関係者が一体となって取り組んでいくことが不可欠であります。

 こうした取り組みを促進するため、食生活指針の普及、定着を図り、食生活のあり方を見直す国民的な運動を展開するとともに、麦、大豆等の需要に応じた生産の拡大を図るための生産対策や水田の汎用化、畑地かんがいなどを積極的に推進してまいります。

 また、国民の主食である米につきましては、十二年産米の作柄等を踏まえて昨年九月に取りまとめた平成十二年緊急総合米対策に基づき、生産調整の緊急拡大に対する支援等の措置を実施してまいります。

 近年、食料の安全性や品質について消費者の関心が高まってきておりますが、こうした状況を踏まえ、生産から消費に至る各段階において、HACCP手法の導入等により食品の安全性や品質の確保を図るとともに、消費者の合理的な選択に資するよう、遺伝子組み換え食品を含め食品の表示、規格に関する施策の充実強化を図ってまいります。また、動物検疫及び植物検疫につきましても、これを適切かつ適正に実施してまいります。

 食料の安定供給に重要な役割を果たしている食品産業につきましては、その事業基盤の強化、農業との連携を推進するとともに、食品廃棄物のリサイクルによる環境への負荷の低減等を図るための施策を推進してまいります。また、食品流通の合理化を図るため、卸売市場の機能及び体制の改善、強化を図るとともに、ITの活用等により、集出荷、流通システムの高度化等を推進してまいります。

 さらに、世界の食料需給の安定に資するため、国際協力の推進に努めてまいります。

 なお、最近、野菜等の農林水産物の輸入が増加し、地方議会や農業団体から野菜等に関するセーフガードの発動を求める声が高まっておりますが、こうした状況を踏まえ、実態の把握に努めた結果、現在、ネギ、生シイタケ及び畳表の三品目について、セーフガードに係る政府としての調査を進めているところであり、できるだけ速やかに結論を得たいと考えております。また、これらの品目以外につきましても、輸入動向や国内農林水産業への影響等の把握に努め、必要に応じ、政府調査の開始について検討を行ってまいります。

 第二に、農業の持続的な発展に関する施策であります。

 基本法が目指す望ましい農業構造の確立を図るため、意欲ある農業者が創意工夫を生かした経営を展開できるよう、総合的な経営対策を講じてまいります。その一環として、意欲ある担い手に対し、経営実態に応じたきめ細やかな資金の融通を行うこととしており、このため、農林漁業金融公庫資金制度を含め、所要の見直しを行うこととしております。

 さらに、農業経営を担う人材の育成、確保に努めるとともに、女性や高齢者がその能力を十分に発揮し、誇りと生きがいを持って生産活動等に参加できるような環境の整備に取り組みます。

 また、農業者年金制度につきましては、農業者の信頼を得ることを基本としつつ、基本法の理念や政策の展開方向に即した抜本的改革を行うこととしております。

 さらに、果樹について、需給調整機能の強化を前提とした果樹経営安定対策を創設するとともに、加工原料乳について、需給変動等による価格低落に備えるため、加工原料乳生産者経営安定対策を創設するなど、価格、経営安定対策の見直しを着実に進めてまいります。

 なお、育成すべき農業経営に対し、今後、諸施策をより一層重点的、集中的に講じていく観点から、関連施策全体の見直し、再編を進めるとともに、その一環として、経営を全体としてとらえ、その安定を図る観点から、価格の変動に伴う農業収入または所得の変動を緩和する仕組み等につきましても、品目別の価格政策の見直しや経営安定対策の実施の状況、農業災害補償制度との関係等を勘案しつつ、その確立に向けて検討を進めてまいります。

 また、国内農業生産に必要な農地の確保、農地の区画の拡大やかんがい排水施設の整備等の農業生産基盤の整備につきましても、引き続き着実に推進してまいります。

 なお、土地改良制度につきましては、環境との調和に配慮することを事業実施に当たっての原則に位置づけるとともに、地域の意向をより的確に踏まえるための手続を導入するほか、土地改良施設が適切に維持保全されるような手続とするなど、所要の見直しを行うこととしております。

 生産性や品質の向上等を図る上で重要な役割を果たす技術開発につきましては、地域特性に応じた高品質の麦、大豆等の育成、普及など、水田を中心とする土地利用型農業の確立に向けた技術開発を総合的に実施するとともに、イネゲノム研究を初め、バイオテクノロジー等の革新的技術の開発を積極的に推進してまいります。

 また、農業に本来備わる自然循環機能の維持増進を図るため、環境と調和のとれた農業生産を推進するとともに、家畜排せつ物、稲わら等のリサイクルを促進してまいります。

 農協系統の事業、組織につきましては、地域農業の振興に重点を置く農協への再構築、農家が安心して貯金できる信用事業体制の構築等を図ることが必要であり、農協系統の改革を支援する観点から関係法制度の見直しを行うこととしております。

 第三に、農村の振興に関する施策であります。

 農業者を含む地域住民の生活の場である農村が活力と魅力に満ちたものとなるよう、農業その他の産業の振興を図るとともに、関係府省と連携を図りつつ、農村地域の情報化、高齢者の福祉の向上など、地域の多様なニーズに対応した総合的な施策を講じてまいります。

 中山間地域等につきましては、地域の特徴を生かした新規作物の導入や特産物の生産、販売を通じ農業の振興等を図るとともに、生活環境の整備による定住の促進等を図ってまいります。また、耕作放棄の発生を防止し、多面的機能を確保するために昨年創設しました中山間地域等直接支払いについて、その着実な推進に努めてまいります。

 さらに、農業、農村体験活動を支援するとともに、都市住民に安らぎの場を提供する市民農園の整備を推進すること等により、都市と農村の交流を一層促進してまいります。

 次に、森林・林業・木材産業に関する施策について申し上げます。

 森林は、我が国の国土の七割を占め、木材の供給のみならず、国土の保全、水資源の涵養、地球温暖化の防止、自然環境の保全など多様な機能を有しており、特に近年、国民からの要請は公益的な機能を中心に一層の高まりを見せております。しかしながら、林業の採算性の悪化等により森林の適切な管理が行われなくなっていることから、森林の多様な機能の発揮に支障が生ずることが危惧されております。

 このため、これまでの政策を抜本的に見直すこととし、昨年十二月には、林政審議会等における議論も踏まえて林政改革大綱を取りまとめ、林政の基本的な考え方を、木材生産を主体としたものから森林の多様な機能の持続的発揮を図るものに転換することとしたところであります。今後、この大綱に沿って、本国会に林業基本法の改正法案等を提出するとともに、国民の理解と協力を得ながら着実に施策の具体化を図ってまいる考えであります。

 また、気候変動枠組み条約第六回締約国会議において、森林等の吸収源の取り扱いが重要な課題として取り上げられ、地球温暖化防止に果たす森林の役割が再認識されたところであります。今後の国際協議においても、森林の重要性が理解されるように努めてまいる考えであります。

 次に、水産施策について申し上げます。

 我が国水産業については、本格的な二百海里時代を迎えるとともに、資源状況の悪化や担い手の減少、高齢化が進展するなど、内外の情勢が大きく変化しております。こうした中で、水産物の安定供給を初め、豊かな国民生活の実現にとって不可欠な役割を果たす我が国水産業について、その健全な発展を確保していくためには、政策の抜本的な見直しが必要となっており、一昨年十二月に、今後の水産政策の指針として水産基本政策大綱を取りまとめたところであります。

 この大綱に沿って、本国会に新たな政策の理念と基本的な施策の方向を示す水産基本法案及びその関連法案を提出することとしており、国民全体の十分な合意を得ながら、順次改革が具体化されるよう全力を尽くす考えであります。

 国際漁業問題につきましては、一昨年の韓国との間での新しい漁業協定の発効に続き、昨年六月には中国との間でもようやく新しい協定が発効し、海洋法時代にふさわしい資源管理体制の基盤が確立されたものと考えております。また、国際的な資源管理を要するマグロ漁業や捕鯨の問題につきましても、引き続き関係国との協議を行ってまいります。

 次に、有明海のノリの不作について申し上げます。

 有明海沿岸は、全国のノリの生産の約四割を占める生産地でありますが、今期は例年にない不作となっているところであります。

 私も、一月二十九日に現地に赴き、関係者の声を直にお聞かせいただいたところでありますが、余りの被害の大きさに心を痛めております。今回被害に遭われた関係者の皆様には、改めて心よりお見舞い申し上げます。

 今回の被害の深刻な実態にかんがみ、被害を受けたノリ養殖業者の方々に対し、無利子融資、貸付限度額の引き上げ等の緊急支援策を講ずることとしたところであります。

 また、ノリの不作の原因につきましては、現時点では明らかではありませんが、予断を持たずに、まず緊急調査を実施するとともに、十三年度からは有明海の海域環境やノリの不作原因の究明を目的とする総合的な調査を実施し、遅くとも九月末を目途にできるだけ早く中間取りまとめを行うこととし、これらの結果を踏まえ、関係者の皆様が将来に明るい展望を持てるよう、有明海の漁場環境の改善に万全を尽くす考えであります。

 次に、WTO交渉への取り組みについて申し上げます。

 農業分野につきましては、昨年十二月、多様な農業の共存という基本哲学のもと、農業の多面的機能や食料安全保障の確保等を追求する観点から、我が国の対応方針をWTO農業交渉日本提案として取りまとめたところであります。今後、提案内容の実現に向け、EU、韓国など我が国と立場の近い国々との連携を強化しつつ、特に途上国を中心に積極的な働きかけを行い、我が国の主張に対する国際的な理解が促進されるよう、関係府省と一体となって取り組んでまいります。

 また、消費者等からの関心の高まりに対応し、国民的合意のもとで交渉を行うという観点から、引き続き農業交渉に関する積極的な情報提供を行っていく考えであります。

 さらに、さまざまな国の異なる関心にこたえるため、農業以外の分野も含めた新ラウンドを早期に立ち上げ、農業交渉をその一環として位置づけることが不可欠であるとの認識のもと、関係府省と連携し、国際会議等の場でこの新ラウンドの早期立ち上げを主張してまいります。

 林野、水産分野につきましては、引き続き、地球環境の保全、資源の持続的な利用といった観点を踏まえ、適切に対処していく考えであります。

 以上のような農林水産施策を展開するため、平成十三年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いたところであります。

 また、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後御審議をよろしくお願いいたします。

 以上、所信の一端を申し上げました。

 農林水産行政は国民生活に密着したものであります。常に現場の声に耳を傾け、また、生産の側面だけではなく消費の側面にも十分に目を配りながら、生産に携わる方々が将来に向け希望を持って歩んでいけるよう、また、国民が安心と豊かさを享受できるよう、全力を尽くしてまいる考えであります。

 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 次に、平成十三年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣松岡利勝君。

松岡副大臣 農林水産副大臣の松岡利勝でございます。

 谷津大臣を補佐いたしまして、田中副大臣、金田、国井両大臣政務官ともども、力を尽くして農林水産行政の推進に全力を挙げてまいる考えであります。

 委員長を初め委員の皆様方の御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

 平成十三年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。

 平成十三年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて、三兆四千三億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千四百億円、非公共事業のうちの一般事業費が九千六百五十一億円、食料安定供給関係費が六千九百五十二億円となっております。

 平成十三年度の農林水産予算は、新たな基本法に基づく食料・農業・農村基本計画を受けた初年度予算であるとともに、林野、水産分野におきましても新たな基本政策の具体化を図るための予算であることを踏まえ、食料自給率向上対策等に思い切った予算配分を行うなど、新たな政策展開に即して編成いたしました。

 以下、予算の重点事項について御説明いたします。

 第一は、食料・農業・農村基本計画の推進であります。

 食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展及び農村の振興といった基本計画の基本的な理念に即した政策展開を図ってまいります。

 食料の安定供給の確保関係では、まず、食料自給率の向上に向けて、消費、生産両面からの取り組みを強化する観点から、望ましい食料消費の実現に向けた食生活指針の普及、定着を図るとともに、麦、大豆、飼料作物の生産の拡大、定着を目指した生産対策、水田汎用化、畑地かんがい等を重点的に推進してまいります。

 また、ITの活用により農業生産、経営の高度化や食品流通の効率化を図るなど、農林水産分野におけるIT革命を積極的に推進するとともに、食品の売れ残りや食べ残し等の食品廃棄物や家畜排せつ物のリサイクル対策を強化いたします。

 次に、農業の持続的な発展関係では、まず、総合的な経営対策の展開を図る観点から、意欲ある担い手に対し、経営診断をもとに、経営状況に応じた低利融資等のきめ細かな経営支援対策を講じてまいります。

 また、農業者年金制度につきましては、制度の抜本的改革を行い、食料・農業・農村基本法の理念に即した政策年金として再構築してまいります。

 さらに、技術開発の重点的推進を図る観点から、稲の有用遺伝子の機能の解明や活用等、イネゲノム研究の強化等を進めてまいります。

 次に、農村の振興関係では、地域住民を初め、多様な主体の参画を得て策定された基本計画のもとで、農村地域の情報化、高齢者の福祉の向上など地域の多様なニーズに対応した整備を総合的に実施してまいります。

 また、昨年創設をいたしました中山間地域等直接支払いの着実な推進により、中山間地域等における農業生産条件の不利を補正し、多面的機能を確保してまいります。

 さらに、都市と農村の交流を一層促進するため、農業、農村体験活動を支援するとともに、緑豊かな田園滞在空間の創造や都市住民に安らぎの場を提供する市民農園の整備を推進してまいります。

 第二は、森林の多様な機能を持続的に発揮させるための新たな森林・林業・木材産業政策の推進であります。

 成熟期を迎えつつある人工林整備の新たな方向として、抜き切りを繰り返しつつ徐々に更新を図る長期育成循環施業等の導入を図るとともに、崩壊等が発生するおそれのある保安林等について治山事業等公的関与による森林整備を推進してまいります。

 また、森林の適正な管理を図るため、多様な担い手を育成し、これらの者へ経営、施業を集約化するとともに、木材の品質確保が緊急に求められている中、国産材の利用を促進していくため、乾燥施設の整備、乾燥技術の普及等により乾燥材供給体制を緊急に整備いたします。

 さらに、国有林野事業の抜本的な改革について、引き続き着実な推進を図ってまいります。

 第三は、新たな水産政策の方向に沿った資源の持続的利用の推進と水産業、漁村の活性化であります。

 国連海洋法条約の締結や韓国、中国との新たな漁業協定の発効等本格的な二百海里時代の到来を踏まえ、漁業の担い手の確保、育成を図るための、青年漁業者を中心としたグループの創造的な取り組み等を支援してまいります。

 また、資源管理等の課題に対応した漁協の組織、事業の再編を進めてまいります。

 さらに、効率的、効果的な水産基盤の整備と漁業地域の振興を図るため、漁港漁村整備事業と沿岸漁場整備開発事業を水産基盤整備事業に再編統合し、漁港、漁場、漁村の整備を一体的に行ってまいります。

 次に、特別会計につきましては、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上いたしております。

 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による財政融資資金等の借り入れ等総額三千五百四十六億円を予定しております。

 以上、平成十三年度農林水産予算の概要の説明を終わります。ありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、農林水産副大臣及び農林水産大臣政務官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。農林水産副大臣田中直紀君。

田中副大臣 農林水産副大臣の田中直紀でございます。

 谷津大臣の方針のもと、松岡副大臣、そして金田、国井両大臣政務官と力を合わせて農林水産行政の遂行に全力を尽くしてまいります。

 委員長を初めとする委員の先生方の御指導、御協力を心からお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 次に、農林水産大臣政務官金田英行君。

金田大臣政務官 農林水産大臣政務官を拝命いたしました金田英行でございます。

 谷津大臣そして両副大臣の御指導をいただきながら、山積する諸課題に真剣に取り組ませていただきたいと思っております。

 堀込委員長そして委員各位の皆さん方の御指導をよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。(拍手)

堀込委員長 農林水産大臣政務官国井正幸君。

国井大臣政務官 農林水産大臣政務官を拝命いたしました国井正幸でございます。

 谷津大臣のもと、松岡、田中両副大臣のもと、金田政務官ともども力を合わせて農林水産行政の推進に全力で取り組ませていただきたいと思います。

 委員長を初め先生方の御指導をよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 次回は、来る二十七日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十分散会




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