衆議院

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第5号 平成13年3月27日(火曜日)

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平成十三年三月二十七日(火曜日)

    午後零時三十三分開議

 出席委員

   委員長 堀込 征雄君

   理事 木村 太郎君 理事 岸本 光造君

   理事 二田 孝治君 理事 松下 忠洋君

   理事 小平 忠正君 理事 鉢呂 吉雄君

   理事 白保 台一君 理事 一川 保夫君

      相沢 英之君    岩崎 忠夫君

      金田 英行君    上川 陽子君

      北村 誠吾君    栗原 博久君

      小島 敏男君    後藤田正純君

      七条  明君    園田 博之君

      高木  毅君    西田  司君

      福井  照君    後藤 茂之君

      佐藤謙一郎君    津川 祥吾君

      筒井 信隆君    永田 寿康君

      楢崎 欣弥君    三村 申吾君

      江田 康幸君    高橋 嘉信君

      中林よし子君    松本 善明君

      菅野 哲雄君    山口わか子君

      金子 恭之君

    …………………………………

   議員           津川 祥吾君

   議員           筒井 信隆君

   議員           三村 申吾君

   農林水産大臣       谷津 義男君

   農林水産副大臣      松岡 利勝君

   農林水産大臣政務官    金田 英行君

   農林水産委員会専門員   和田 一郎君

    ―――――――――――――

三月二十二日

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出、衆法第一一号)

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(筒井信隆君外二名提出、衆法第一一号)




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     ――――◇―――――

堀込委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び筒井信隆君外二名提出、農業者年金基金法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣谷津義男君。

    ―――――――――――――

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

谷津国務大臣 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 農業者年金制度は、昭和四十六年一月に発足して以来、経営移譲年金等の給付を行うことにより、専業的農業者の老後生活の安定とともに、適期の経営移譲を通じた農業経営の近代化と農地保有の合理化の促進に寄与してまいりました。

 他方、農村における高齢化が著しく進展していることにかんがみ、経営移譲を通じて農業経営の若返りを促進するよりも、中高年齢者を含めた幅広い農業者を確保することが重要となっております。

 また、現行制度においては、加入者数に対する受給者数の割合が高まり、今後、受給者を支える加入者の負担が著しく大きくなることが見通されております。

 このような最近の農業を取り巻く情勢の変化、年金財政の現状に対応して、農業者年金制度を農業者の確保に資するものに改めるとともに、現行制度の受給者等に係る年金給付について適正化措置を講じた上で、その費用を国庫で負担する等の措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、目的規定の改正であります。

 農業者年金基金の目的を、農業者の老齢について必要な年金等の給付の事業を行うことにより、その老後の生活の安定及び福祉の向上を図るとともに、農業者の確保に資することに改めることとしております。

 第二に、加入要件の変更であります。

 農業者を幅広く確保する観点から、農業経営者のみならず、農業に従事する者にも加入資格を認めることとするとともに、農業者からの申し出に基づく任意加入制とすることとしております。

 第三に、財政方式の変更であります。

 加入者数等に左右されにくい安定した年金とするため、年金給付に必要な費用をその時々の現役世代の保険料で賄う賦課方式から、将来の年金給付に必要な原資をあらかじめ積み立てておく積立方式に改めることとしております。

 第四に、農業者老齢年金の支給要件の変更であります。

 農業者老齢年金については、保険料納付済み期間を有する者が原則として六十五歳に達したときに支給することとしております。

 第五に、特例付加年金の創設であります。

 効率的かつ安定的な農業経営を担うべき者として、長期間農業に従事する加入者について、通常の保険料の下限額を下回る額の特例保険料の納付を認めることとします。一方、国庫は、毎年度、農業者年金基金に対し、通常の保険料の下限額と特例保険料の差額を補助し、農業者年金基金は、この国庫から補助された額を積み立て、特例保険料を納付した者に特例付加年金として支給することとしております。

 第六に、制度の変更に伴う経過措置であります。

 財政方式の変更に伴い、受給者等に係る年金給付について適正化措置を講じ、具体的には、受給者について平均九・八%の年金額の引き下げを行うとともに、加入者についていかなる世代においても掛け損防止が図られるよう措置することとします。その上で、現行制度に関する給付の財源を国庫で負担することとしております。

 また、現行制度が継続したとすれば年金の受給資格を得たであろう現行制度の加入者に対し、その者の選択により、年金給付にかえて、納付済み保険料総額の八割に相当する額を特例脱退一時金として支給することとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

堀込委員長 次に、提出者筒井信隆君。

    ―――――――――――――

 農業者年金基金法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

筒井議員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました農業者年金基金法の一部を改正する法律案について、なぜ政府案に反対をして対案を提出しているのか、その趣旨と主な内容を御説明申し上げます。

 本会議における趣旨説明のとおりでございますが、そこで御説明申し上げたこと以外に特に強調したい点が二つございます。

 一つ目は、政府案の新しい政策年金は政策年金として成立していない、こういう点でございます。

 若い担い手がたくさんいるが、しかし、高齢者がなかなか経営移譲しない場合に、高齢者に対し経営移譲すればメリットがあるという年金制度を創設することによって経営移譲を推進する、これが現行の政策年金の趣旨でありました。効果はほとんどなかったにしろ、政策年金として成立していたことは確かでございます。担い手の若返りという政策目的の実現に障害となる高齢者の経営続行をやめさせるというインセンティブが働くからでございます。

 しかし、現在のように、担い手がいない中で、高齢者向きに経営移譲すればメリットがあるという年金を創設しても担い手の確保は全くできません。担い手がいない中で、必要なのは担い手向きのメリットがあるという、担い手に対する制度でございます。もともと経営移譲したくても移譲する担い手がいないために経営を続けざるを得ない高齢者に経営移譲すればメリットがあると言ったところで、担い手確保という目的には何の意味もありません。したがって、政府提案の新制度は政策年金としてそもそも成立していないものでございます。

 もう一点は、支給年金額のカットは政府の約束違反であり、政府への信頼感をなくし、公的年金への不信感をますます高めますから、絶対にとるべき政策ではないという点でございます。

 政府の約束だから心配ないという信頼感が国民にあるという状態にしなければ、政治は国民からますます離れてしまいます。農業者年金基金法によって国民に支給額を約束し、国民はその約束を信頼して加入し、保険料を支払ってきたわけでございます。法律を通じて国民と政府の間に成立した合意であり、契約でもあります。特に、裁定によってその権利が具体的請求権となります。これを一方的に破ることは、その金額いかんにかかわらず、その財源いかんにかかわらず、財源というのは国庫補助であるか保険料であるか、そういう財源にかかわらず、約束違反であることに違いはありません。

 財政問題を理由にしても約束を破るべきではありませんが、今回の場合は、財政問題は特に理由になりません。政府案のように、支給額九・八%カットすれば六十年間前後の間に三千億円ぐらい財政負担が少なくなりますが、新政策年金への国庫補助により約一兆円近く財政負担が多くなります。民主党案の方が財政負担が六千億円以上大幅に少なくなるのですから、財政問題は政府案の根拠にはなりません。さらに、民主党案のように、脱退一時金も一〇〇%支給すれば脱退者はよりふえるでしょうから、なおさら財政負担は少なくなります。

 そもそも政策年金として成立しないものを多額の財政負担で創設することをやめて、政府の約束だから心配ないという国民の政治への信頼感を回復していただきたい。

 年金支給額はカットしない、政府の約束は約束どおり一〇〇%履行する、高齢者の生活は基礎年金とみどり年金という二階建て体制で確保するというのが民主党案の内容でございます。

 担い手の確保は、担い手が農業に従事しようという気持ちを起こさせるような政策、担い手になればメリットがあるという政策によって実現すべきです。担い手になってほしい、しかし減反があるから、三年のうち一年は農業をしないでほしいというのが現在の農政です。少なくともこのような農政では担い手が出てくるはずがありません。

 だから減反廃止を提案しています。減反廃止をすれば、米価が大幅に下がり農家の所得も減りますから、農林水産省予算の中で賄う本格的な所得補償政策を提案しています。

 日本の農政は、農家のために多額の予算を使っておりますが、農家から感謝されているとは決して言えません。その最大の原因は減反です。減反を廃止し、農林水産省予算を所得補償に集中した方がずっと感謝されるでしょう。

 減反廃止により大量に出てくる余剰米は、本格的な国際備蓄体制で処理するべきです。国際備蓄体制はWTO農業交渉の中で日本政府が提案しているものです。この正しい提案を官民一体、与野党一体となって実現すべきです。

 今どん底にある農業ですが、これを再生することは、農家や農村のためだけではなく、日本と地球の再生のためにも必要であると考え、以上の提案をいたします。

 どうか慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 以上です。(拍手)

堀込委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

堀込委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堀込委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、明二十八日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十四分散会




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