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第1号 平成15年2月19日(水曜日)

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本国会召集日(平成十五年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 小平 忠正君
   理事 稲葉 大和君 理事 金田 英行君
   理事 二田 孝治君 理事 松下 忠洋君
   理事 鮫島 宗明君 理事 楢崎 欣弥君
   理事 白保 台一君 理事 山田 正彦君
      相沢 英之君    青山  丘君
      荒巻 隆三君    石田 真敏君
      岩倉 博文君    岩崎 忠夫君
      梶山 弘志君    金子 恭之君
      北村 誠吾君    熊谷 市雄君
      小泉 龍司君    近藤 基彦君
      七条  明君    高木  毅君
      西川 京子君    宮本 一三君
      後藤  斎君    今田 保典君
      齋藤  淳君    津川 祥吾君
      筒井 信隆君    堀込 征雄君
      吉田 公一君    江田 康幸君
      藤井 裕久君    中林よし子君
      松本 善明君    菅野 哲雄君
      山口わか子君    佐藤 敬夫君
      藤波 孝生君
平成十五年二月十九日(水曜日)
    午後零時十分開議
 出席委員
   委員長 小平 忠正君
   理事 稲葉 大和君 理事 金田 英行君
   理事 二田 孝治君 理事 松下 忠洋君
   理事 鮫島 宗明君 理事 楢崎 欣弥君
   理事 白保 台一君 理事 山田 正彦君
      相沢 英之君    青山  丘君
      荒巻 隆三君    石田 真敏君
      岩倉 博文君    岩崎 忠夫君
      梶山 弘志君    金子 恭之君
      北村 誠吾君    熊谷 市雄君
      近藤 基彦君    七条  明君
      高木  毅君    谷本 龍哉君
      西川 京子君    後藤  斎君
      今田 保典君    齋藤  淳君
      津川 祥吾君    筒井 信隆君
      堀込 征雄君    吉田 公一君
      江田 康幸君    藤井 裕久君
      中林よし子君    菅野 哲雄君
      山口わか子君    佐藤 敬夫君
      藤波 孝生君
    …………………………………
   農林水産大臣       大島 理森君
   農林水産副大臣      北村 直人君
   農林水産大臣政務官    熊谷 市雄君
   農林水産委員会専門員   和田 一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十九日
 辞任         補欠選任
  小泉 龍司君     谷本 龍哉君
同日
 辞任         補欠選任
  谷本 龍哉君     小泉 龍司君
    ―――――――――――――
一月二十日
 農業経営再建特別措置法案(平岡秀夫君提出、第百五十一回国会衆法第二〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――
小平委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産関係の基本施策に関する事項
 食料の安定供給に関する事項
 農林水産業の発展に関する事項
 農林漁業者の福祉に関する事項
 農山漁村の振興に関する事項
以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
小平委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣大島理森君。
大島国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。
 我が国農林水産業と農山漁村は、人の「いのち」を支える食料の供給という使命を担い、農地、森林、海を通じた資源の循環、環境との共生を実現する重要な役割を果たしております。私は、この「いのち・循環・共生」の基本的な枠組みづくりを国の責務として受けとめ、生産、加工、流通、消費を一体的にとらえた食料のあり方、環境の保全を初め多面的機能を十分に発揮できる農林水産業や農山漁村のあり方を常に意識するとともに、食の国際化の中での国民の食料確保に向けた中長期的戦略を持って事に当たってまいる決意であります。
 このため、食料・農業・農村基本法及び食料・農業・農村基本計画に基づき、昨年発表した食と農の再生プランの着実な進展を基本としつつ、食の安全と安心の確保、米政策改革の着実な推進、WTO交渉等への対応など、当面する課題に積極果敢に取り組んでまいります。
 まず、食の安全と安心の確保についてであります。
 BSEの発生、食品の不正表示、無登録農薬問題等により国民の皆様から食の安全と安心について厳しく問われている中、現在、政府として、国民の健康の保護を第一に、食品の安全性の確保等に向けて取り組んでいるところであり、本国会に、行政及び事業者の責務の明確化、リスク分析手法の導入、食品安全委員会の設置等を内容とする食品安全基本法案を提出したところであります。
 農林水産省としても、これに対応しつつ、リスク管理のための施策や組織を総合的に見直し、国民の皆様の安心や信頼の回復に努めてまいります。
 まず、施策の面では、農薬、肥料、飼料などの生産資材の適正な使用の確保等のための制度の見直し、食品製造過程でのHACCP手法導入の促進、食品が、いつ、どこで、どのように生産、流通されたかなどについて消費者がいつでも把握できるトレーサビリティーシステムの牛肉への導入と、これに続く青果物、米等その他品目への導入等を図ってまいります。
 さらに、国民一人一人がみずからの食について考える食育を推進する国民的な運動の展開を図るとともに、わかりやすい食品表示の実現や食品表示の適正化等に取り組んでまいります。
 一方、農林水産省の組織について、産業振興部門から独立して消費者行政とリスク管理業務を担う新局、消費・安全局(仮称)を設置するとともに、スクラップ・アンド・ビルドの観点から食糧庁組織の廃止を行うなどの改革再編を進めてまいります。
 なお、これら食の安全と安心の確保に向けての取り組みを確実に進めるため、昨年十一月、省内に北村副大臣を本部長とする推進本部を設置したところであり、今後、国民の皆様に食の安全と安心に関する施策の方向を明らかにしていくための食の安全と安心のための政策大綱(仮称)を策定することとしております。
 今後の農業の生産については、消費者の動向や視点をしっかり踏まえなければならないと確信しており、また、このことが食料自給率の向上に資するものと考えております。こうした観点に立ちつつ、消費者の評価を踏まえ、日本の産地ならではの特色を生かした新鮮でおいしいブランド・ニッポン食品の供給体制の確立等に取り組んでまいります。
 また、生産者と消費者を結び、安全で安心な食料の安定供給を実現する上でかなめとなる食品産業について、地域の農林水産物の需要先として極めて重要な地位を占め、地域の経済の活性化に大きな役割を果たしていることも踏まえながら、消費者ニーズの変化、技術の進歩、国際化の進展などの新たな状況に対応するとともに、環境との調和にも十分意を用いつつ、総合的な施策を推進してまいります。
 次に、米政策改革の着実な推進を初めとする農業の構造改革の加速化であります。
 消費の減少、生産調整の限界感、担い手の高齢化等まさに閉塞ともいうべき米をめぐる状況を打開し、水田農業の未来を切り開くため、昨年十二月に米政策改革大綱を策定したところであり、本年は、この大綱の確実なる実行に向けた万全の準備を行っていく年となります。
 具体的には、担い手が大宗を占める生産構造の確立、農業者、農業者団体による主体的な需給調整の実施、消費者が求める安全、安心な米など多様なニーズにこたえ得る生産体制づくりや流通改革の推進に向けて、食糧法等の改正を含め、生産構造対策、需給調整対策、流通対策等に整合性を持って取り組んでまいります。
 あわせて、広く国民の皆様に対し、今般の改革の考え方、内容について周知徹底を図ってまいります。
 こうした改革の実現によって、生産者がつくる喜びを感じられるとともに消費者の多様なニーズにこたえられるようにしつつ、我が国農業の礎である稲作農業の将来にわたる発展に向け、全力を尽くします。
 また、米政策改革にとどまらず、農業の構造改革の加速化を図り、意欲ある経営体が活躍する環境条件を整備いたします。
 具体的には、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を担う望ましい農業構造を実現するため、チャレンジ精神を持った新規参入者の確保、認定農業者や集落型経営体等の担い手の育成、また、これら担い手への農地の利用集積による経営規模の拡大、農業経営の法人化等に集中的、重点的に取り組むとともに、その基礎となる農地の確保、生産基盤の整備、技術の開発普及などを推進してまいります。また、組合員の期待にこたえ得る健全な農協経営の確立、消費者ニーズへの的確な対応など時代の要請に合わせた新たな農協へと脱皮を図るための農協改革を促進します。
 こうした取り組みの一環として、農業経営の法人化及び担い手への農地の利用集積の一層の促進、農業共済に関する農業経営の実態に応じた選択の拡大等、また、植物の新品種の権利保護の強化に向けた所要の制度の改正についても進めることとしております。
 次に、農山漁村で人々が誇りを持って生きていくことを基本とする農村政策についてであります。
 農山漁村は、そこに生きる人々のコミュニティーを通じ、それぞれの国の歴史、文化のオリジナリティーを生み出すという極めて重要な役割を担っております。このため、国民共通の財産としての農山漁村について、その美しい景観の維持を図りつつ、利便性の高い村づくりの推進に向けて、e―むらづくり計画の策定や自然と共生する田園環境の創造、棚田、里地里山、海辺の保全等を進めるとともに、都市と農山漁村のつながりの強化などのための対策を総合的に進めてまいります。
 また、持続的に発展可能な社会を実現していくためには、農山漁村を中心に我が国に豊富に存在する、食品廃棄物、稲わら、家畜排せつ物、未利用の木材や廃材、貝殻、海藻等の生物系資源、いわゆるバイオマスをエネルギーや製品として総合的に利活用することが不可欠です。このため、昨年十二月、農林水産省が中心となり、環境省を初めとする関係府省と連携し、政府一丸となってバイオマスの利活用の促進を図る国家戦略、バイオマス・ニッポン総合戦略を閣議決定いたしました。
 今後、地球温暖化防止、循環型社会の構築、農林漁業、農山漁村の活性化等に向けて、関係府省との連携を一層深めつつ、民間の創意工夫を取り入れながら、この国家戦略に掲げる具体的施策を実行に移し、自然と共生する美しい日本の実現に取り組みます。
 次に、WTO交渉等への対応であります。
 WTO農業交渉につきましては、各国の立場や主張の違いが鮮明になってきており、来月には交渉の大枠、いわゆるモダリティーの確立の期限を迎えることとなります。
 我が国は、このモダリティーの確立に向けて、交渉結果がバランスのとれた現実的、包括的なものとなるよう、多様な農業の共存を基本哲学として具体的な提案をしてまいりました。
 私自身、昨年以来、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、カナダを訪問して主要国の閣僚やWTO関係者と意見交換を行い、我が国の主張に理解を求めるとともに、連携国との協力関係を強化してきたところであります。また、北村、太田両副大臣も、それぞれジュネーブのWTO本部に赴き、日本の立場を伝えたところであります。
 このような折、先般、ハービンソン農業委員会特別会合議長より、モダリティー一次案が提示されたところですが、本一次案は、削減の数字が極めて大きく、野心的過ぎる内容であり、かつ、ルールの要素でも柔軟性が確保されておらず、バランスを欠いており、総体として受け入れがたい内容となっております。
 去る二月十四日から十六日にかけて、東京でWTO非公式閣僚会議が開催され、農業交渉はその重要な議題の一つとなったところであります。
 本会合において、米国、ケアンズ諸国は、一次案は今後の交渉の基礎や出発点になると好意的に評価しつつ、さらなるハーモナイゼーションが必要と主張したのに対し、我が国を初め、EU等フレンズ国は、一次案は一部の輸出国に特に有利になっており、著しくバランスを欠いているとの立場を明らかにしました。
 私は、我が国として一次案は総体として受け入れがたい内容となっていること、モダリティーのあり方として、柔軟性、継続性、バランスの確保が必要であり、数字の問題以前に、ハーモナイゼーションを農業に当てはめることの是非や輸出規律の強化など、原則やルールの問題をきちんと議論すべきことなどを明確に指摘したところであります。
 また、本会合に当たって、十カ国の閣僚と会談を行い、我が国の意見や立場を強く主張するなど、率直な意見交換を行ったところであります。
 我が国としては、今後ともEU等と連携し、一律で大幅な支持、保護の削減を主張する米国、ケアンズ諸国に対抗するとともに、途上国の関心に適切に対応しつつ、各国が合意し得るバランスのとれた現実的かつ包括的なモダリティーを来月末までに確立すべく全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 また、林野、水産分野についても、地球規模の環境問題や有限天然資源の持続的利用といった観点に立った提案を昨年十二月に提出したところであり、引き続き交渉に尽力してまいりたいと考えております。
 さらに、WTOを中心とする多角的貿易体制の維持強化を基本としつつ、これを補完するものとして、経済連携も我が国にとって重要な課題であり、私は、我が国の食料安全保障や国内農林水産業が進めている構造改革の努力に悪影響を及ぼすことのないよう十分に留意しつつ、現在行われているメキシコとの協定交渉を初め、各国との協議に引き続き積極的に参画していく考えであります。
 次に、森林の有する多面的機能の発揮、林業の持続的かつ健全な発展を基本とする森林・林業政策の展開についてであります。
 地球温暖化の防止に向けて、京都議定書で我が国が約束した温室効果ガスの削減目標を達成するため、二酸化炭素の吸収源としての森林の果たす役割の発揮に向けて、昨年十二月、地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策を策定しました。これに基づき、緑の雇用の推進などを通じて担い手の育成を推進しつつ、多様で健全な森林の整備保全等をより重点的に推進していく考えであります。
 こうした森林の整備保全への取り組みを含め、森林・林業基本法及び森林・林業基本計画に基づく新しい森林・林業政策を着実に推進する観点から、効率的かつ安定的な林業経営への施業や経営の集約化を進める一方、住宅、公共施設等における地域材の利用や木質バイオマスの利活用の促進等を通じた林業・木材産業の構造改革の促進、活力ある山村づくりなどについても総合的に取り組んでまいります。
 これらの取り組みに即し、森林の整備保全の一体的な推進と、林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化に向けた所要の制度の改正を進めてまいります。
 次に、資源の持続的利用の確保を基本とした水産政策の展開であります。
 水産政策については、これまでも、ロシア、韓国、中国などの周辺諸国との間で資源管理の推進に努めるとともに、多国間の協力が必要なマグロ漁業等の問題について関係国との協議を行ってきたところでありますが、今後とも、我が国周辺水域の資源回復に着実に取り組むとともに、世界の国々と協調し、手に手を携えながら、水産資源を科学的観点に立って適切に管理していくことが必要であります。海洋国家日本として、世界の海はどうあるべきかということを常に意識しつつ、資源管理の推進について世界の中でリーダーシップを発揮し、海の恵みを持続させる水産外交をこれまで以上に積極的かつ総合的に推進することが重要と考えております。
 こうした考え方のもと、水産資源の持続的利用の確保を図るため、水産基本法及びこれに基づく水産基本計画に即し、安全で安心な水産物の供給体制の構築、水産業の構造改革の推進、魅力ある漁村づくりの推進などの施策に取り組んでまいります。
 これらの取り組みの一環として、水産加工資金の融資対象の拡充等のための制度の改正を進めてまいります。
 以上のような農林水産施策を展開するため、平成十五年度の農林水産予算の編成に際しましては、十分に意を用いたところであります。
 また、施策の展開に必要な法制の整備につきましては、今後御審議をよろしくお願いいたします。
 以上、私の所信の一端を申し上げました。
 人の生きる基本である食をつかさどり、国民の生活に密接した農林水産行政の展開に当たっては、特に国民の皆様の御理解、そして信頼をいただくことが重要であります。今後とも、国民の皆様の御意見を真摯に受けとめ、二十一世紀のしっかりとした農林水産業の姿をつくるため、全力を尽くしてまいります。
 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。(拍手)
小平委員長 次に、平成十五年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣北村直人君。
北村副大臣 平成十五年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成十五年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて、三兆一千百十四億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆四千三百七十八億円、非公共事業費が一兆六千七百三十五億円となっております。
 平成十五年度の農林水産予算は、食の安全と安心の確保、農業の構造改革の加速化、都市と農山漁村の共生、対流を推進するとともに、地球温暖化防止等に資する森林整備の推進を中心とした森林・林業政策や、安全で安心な水産物供給体制の整備等の水産政策を展開するとの観点から、重点施策に思い切った予算配分を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、人の命を支える食料について、生産者のみならず、消費者の視点をも重視し、食の安全と安心の確保を図るための施策を推進してまいります。
 このため、食品がいつ、どこで、どのように生産、流通されたかについて消費者が情報を把握できるようにするトレーサビリティーシステムについて、牛肉に導入するために必要な体制の整備を図るとともに、青果物、米等その他の品目についても順次同システムの導入を推進してまいります。
 また、食品表示ウオッチャーや食品表示一一〇番の充実等不正を見逃さない監視体制の整備により、食品表示に対する信頼の回復を図るとともに、国民一人一人が食の安全と安心についてみずから考えるための全国及び地域段階の食育活動等を展開してまいります。
 第二に、意欲ある経営体が躍進できる環境条件の整備に向けて、農業の構造改革の加速化を推進してまいります。
 このため、総合的な新規就農支援システムの構築や農業経営の法人化の加速化等による多面的戦略の展開を図るとともに、既存ストックの有効活用による生産基盤や農業水利施設の整備、産学官連携による革新的技術の開発等を進めてまいります。
 第三に、都市と農山漁村の共生、対流を通じて地域の活性化を推進してまいります。
 このため、新たなグリーンツーリズムの展開や農業・農村体験学習の推進、農山漁村のIT化を目指すe―むらづくり計画の推進等を通じて、農山漁村の振興を図ってまいります。
 また、循環型社会の構築と地球温暖化防止に向けて、食品廃棄物、稲わら、家畜排せつ物、未利用木材等の生物由来の有機性資源であるバイオマスを利活用する社会の実現を目指し、新たなモデル施設の整備、利活用システムの構築等を推進してまいります。
 第四に、森林・林業政策については、特に、京都議定書に定められた二酸化炭素などの温室効果ガスの削減目標を達成していく上で、我が国の森林を適切に整備保全していくことが極めて重要となっていることから、多様で健全な森林の整備保全を積極的に推進してまいります。
 また、住宅、公共施設等における地域材の利用や木質バイオマスの利活用の促進等により、林業、木材産業の構造改革を進めてまいります。
 さらに、地域資源の活用による魅力ある山村づくり、森林環境教育を初めとする森林の多様な利用の推進等により、都市と山村の共生、対流を促進いたします。
 第五に、水産政策については、まず、水産物の消費から生産に至る各段階での衛生管理水準の向上等を図り、安全で安心な水産物供給体制の整備を推進してまいります。
 また、水産資源の回復やつくり育てる漁業の推進、漁業の担い手の確保育成やその経営を支援するための対策、流通の効率化、加工業の事業基盤強化を通じ、水産業の構造改革を進めてまいります。
 さらに、都市と漁村の共生、対流による地域の活性化を図るため、漁村体験学習施設の整備や交流活動の推進等により、魅力ある漁村づくりに取り組んでまいります。
 次に、特別会計については、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等による財政融資資金の借り入れ等、総額二千四百九十八億円を予定しております。
 以上、平成十五年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
小平委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十一分散会


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