衆議院

メインへスキップ



第1号 平成17年2月15日(火曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(平成十七年一月二十一日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 山岡 賢次君

   理事 今村 雅弘君 理事 西川 京子君

   理事 二田 孝治君 理事 松野 博一君

   理事 黄川田 徹君 理事 楢崎 欣弥君

   理事 山田 正彦君 理事 白保 台一君

      赤城 徳彦君    石田 真敏君

      大野 松茂君    岡本 芳郎君

      梶山 弘志君    金子 恭之君

      上川 陽子君    川上 義博君

      木村 太郎君    北村 直人君

      後藤 茂之君    後藤田正純君

      田中 英夫君    津島 恭一君

      西村 康稔君    原田 令嗣君

      森  英介君    一川 保夫君

      岡本 充功君    鹿野 道彦君

      岸本  健君    小平 忠正君

      鮫島 宗明君    神風 英男君

      仲野 博子君    堀込 征雄君

      松木 謙公君    山内おさむ君

      大口 善徳君    高橋千鶴子君

      山本喜代宏君

平成十七年二月十五日(火曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 山岡 賢次君

   理事 今村 雅弘君 理事 西川 京子君

   理事 二田 孝治君 理事 松野 博一君

   理事 黄川田 徹君 理事 楢崎 欣弥君

   理事 山田 正彦君 理事 白保 台一君

      石田 真敏君    梶山 弘志君

      金子 恭之君    上川 陽子君

      川上 義博君    木村 太郎君

      城内  実君    北村 直人君

      後藤 茂之君    後藤田正純君

      田中 英夫君    津島 恭一君

      西村 康稔君    葉梨 康弘君

      原田 令嗣君    森  英介君

      一川 保夫君    岡本 充功君

      鹿野 道彦君    岸本  健君

      小平 忠正君    鮫島 宗明君

      神風 英男君    仲野 博子君

      堀込 征雄君    松木 謙公君

      山内おさむ君    大口 善徳君

      高橋千鶴子君    山本喜代宏君

    …………………………………

   農林水産大臣       島村 宜伸君

   農林水産副大臣      岩永 峯一君

   農林水産大臣政務官    大口 善徳君

   農林水産委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十四日

 辞任         補欠選任

  大野 松茂君     城内  実君

二月十五日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     葉梨 康弘君

同日

 辞任         補欠選任

  葉梨 康弘君     岡本 芳郎君

    ―――――――――――――

一月二十一日

 牛海綿状脳症対策特別措置法の一部を改正する法律案(鹿野道彦君外五名提出、第百五十九回国会衆法第二三号)

 輸入牛肉に係る情報の管理及び伝達に関する特別措置法案(鹿野道彦君外五名提出、第百五十九回国会衆法第二四号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

山岡委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

山岡委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣島村宜伸君。

島村国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。

 昨年は、地震、台風、大雪など、多くの自然災害が発生しました。農林水産業が自然を相手にして営まれ、自然の力から大きな影響を受ける産業であることを改めて痛感させられました。被災された関係者の皆様に心からお見舞い申し上げますとともに、本年が、自然災害がなく、実りの多い年となることを心から祈念いたしております。

 昨年九月に農林水産大臣に就任して以来、農林水産分野において、消費者、生活者の視点を重視した構造改革や、WTO、EPAを初めとする国際交渉などに全力で取り組んでまいりました。

 農林水産業と農山漁村は、人間の生命の維持に欠くことができない食料の安定供給のほか、国土、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承といった多面的な機能を有しております。このような農林水産業、農山漁村の健全な発展を図ることが、真に豊かな国民生活と我が国経済社会の繁栄の基盤になるとの信念に基づき、今後とも内外にわたる諸課題の解決に果敢に取り組んでまいる所存であります。

 まず、今後の農政推進の基本方向を定める新たな食料・農業・農村基本計画の策定についてであります。

 現在我が国は、少子高齢化が進行し、間もなく人口が減少局面に入るなど、今まで経験したことのない社会構造の変化に直面しております。また、国際化、情報化の進展が経済活動に大きな変革をもたらしております。さらに、安全、安心、ゆとりや安らぎ、健康等を求める声が高まるなど、国民の意識や価値観にも変化が見られます。

 食料・農業・農村政策は、国民生活や経済社会のあり方と深く結びついているものであります。したがいまして、こうした変化に的確に対応した新たな食料・農業・農村基本計画を策定し、今後の政策展開の方向を明確にします。この計画に基づいて、我が国農業、農村の持続的発展を図るとともに、これを通じ、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮が実現されるよう、スピード感を持って各般の政策改革を推進してまいります。

 次に、個別の政策課題について申し上げます。

 第一に、望ましい農業構造の確立についてであります。

 我が国の農業が今後とも健全に発展していくためには、効率的かつ安定的な農業経営を育成、確保し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う、望ましい農業構造を確立することが急務であります。このため、地域の話し合いと合意に基づき、将来にわたって地域農業を担う、やる気と能力のある経営の育成運動を強力に展開します。地域における担い手の明確化に当たっては、認定農業者制度を活用するとともに、小規模な農家や兼業農家等も参画し得る集落営農の組織化、法人化を促進します。

 また、こうした担い手に対しては、経営の発展や安定を図るための各種の施策を集中的、重点的に実施します。その一環として、現在幅広い農業者を対象に品目別に講じている対策につき、担い手の経営に着目して、その安定を図る対策に転換することとし、対策の具体化を進めます。

 農地制度に関しては、担い手の育成、確保等を通じた農地の効率的利用と構造改革の加速化を促進するため、特に土地利用型農業を中心に、集落営農の組織化、法人化や、担い手への農地の面的な利用集積を促進してまいります。さらに、リース特区制度の全国展開を含め、耕作放棄地の発生防止、解消に向けた施策の充実強化や、農業への新規参入の促進を図るとともに、優良農地を確保するための計画的な土地利用に資する措置を講じてまいる所存です。

 第二に、消費者の需要に応じた農業生産の推進と食品産業の振興についてであります。

 近年、環境問題に対する国民の関心がますます高まる中で、農業に対する国民の信頼を得ていくためには、我が国農業生産全体のあり方を環境保全を重視したものに転換していく必要があります。このため、農業者が環境保全に向けて最低限取り組むべき規範を設定して、その実践を促します。また、農業生産活動に伴う環境への負荷の大幅な低減を図るため、モデル的な取り組みに対する支援を具体化するために必要な調査を実施します。

 また、昨年から実施している米政策改革を着実に推進し、需要に応じた売れる米づくりを徹底します。

 さらに、農業生産基盤の整備を推進するとともに、現場に密着した新技術や新品種の開発普及を推進してまいります。

 食品産業は、国民への食料の安定供給や食生活の多様化、高度化を支えるとともに、地域経済の活性化や地域の農林水産業の発展にも重要な役割を果たしております。このため、国内農林水産業との連携を強化するとともに、その競争力強化を図ることとし、機能性食品の開発や鮮度保持等に関する新技術の開発導入等の促進、卸売市場の再編合理化や、最新技術を活用した集出荷・流通システムの高度化等を推進します。また、事業者による食品廃棄物等の発生抑制やリサイクルの推進等の取り組みを促進してまいります。

 第三に、食の安全と消費者の信頼の確保、食育の推進についてであります。

 国民に対し、良質で安全な食料を安定的に供給することは、国の最も基本的な責務であります。とりわけ、BSE等を契機に食の安全に対する国民の関心が高まっている中で、食の安全と消費者の信頼を確保することが急務となっております。

 国民の健康保護を最優先とし、リスク分析に基づき食の安全確保を推進するとともに、トレーサビリティーの導入の促進、生産・流通情報等に係るJAS規格や食品表示の充実などを通じて、食に対する消費者の信頼の確保に努めてまいります。

 また、水産防疫については、輸入防疫の対象や措置を拡充するとともに、重大な疾病が発生した際に届け出を義務づけるなど、蔓延防止のための措置を強化することとしております。

 BSEに関する国内措置の見直しについては、現在、食品安全委員会において審議が行われているところであります。一方、米国産牛肉の輸入再開問題については、今後とも、米国に対して我が国と同等の措置を求めるという基本方針に基づき対応してまいります。こうしたBSE対策については、科学的知見に基づき、食の安全と安心の確保を大前提として、消費者を初めとした関係者との意見交換を十分に行いながら対応してまいります。

 国民一人一人がみずからの食について考える習慣を身につけ、生涯を通じて健全な食生活を実現することができるようにするため、文部科学省、厚生労働省を初めとする関係府省と連携して、食育を力強い国民運動として展開してまいります。また、地域の農業に対する消費者の信頼を深めるため、地域で生産された農産物を地域内で消費する地産地消の取り組みを推進します。

 第四に、農山漁村の振興についてであります。

 国民がゆとり、安らぎ、心の豊かさなどの価値観を重視するようになってきている中で、多面的な機能が発揮され、豊かな自然環境や美しい景観、伝統文化に触れ合うことのできる個性的、特徴的な農山漁村空間に対する国民の理解と期待が高まっております。このため、都市と農山漁村の共生・対流に向けた国民的な運動を推進するとともに、国民共有の財産とも言える農山漁村の振興に当たっては、これまでのように都市との格差を是正するという画一的な考え方から地域の個性、多様性を重視する形に転換し、各種取り組みについても、地域住民だけでなく、価値観を共有する都市住民等の参画を得て進めてまいります。

 また、農山漁村における地域資源を活用した先駆的事例を全国に発信、奨励することなどを通じ、地域みずから考え行動する、意欲あふれた農山漁村づくりを推進してまいります。

 集落機能の低下により、その適切な保全管理が困難になりつつある農地、農業用水等の資源については、地域住民等の共同の取り組みにより、将来にわたって適切に保全できるように施策を具体化してまいります。

 第五に、攻めの農政への転換についてであります。

 以上のような農林水産政策の実施に当たっては、いかに国内農業を保護するか、どのように輸入を抑制していくかといった、これまでのような守りの姿勢から、生産者や地域の創意工夫に基づく意欲的な取り組みをいかに後押ししていくかといった攻めの政策へ転換することが重要であります。

 世界的な日本食ブームやアジア諸国の経済発展等が見られる中で、高品質で安全な我が国の農林水産物や食品の輸出、バイオマスの有効利用による農林水産業の活性化、農産物の産地直販の成功など、今までにはなかったような意欲的な取り組みが一層促進されるよう、積極的な政策展開を図ってまいります。

 また、こうした意欲的な取り組みを側面から支えるためにも、知的財産権の活用を促進することとし、植物の新品種の育成者権の適切な保護を図ってまいります。

 次に、森林・林業政策についてであります。

 森林は、林産物を供給するだけでなく、雨水を一時蓄えることにより、洪水などの災害を防止したり、栄養分に富む良質な水の供給を通じて豊かな海をはぐくむなど、多様な役割を果たしております。緑の募金を初めとする国民参加の森林づくりの機運も高まっており、最近は漁業者が山づくりを行う取り組みも各地で見られます。

 また、本年二月十六日に発効する地球温暖化防止のための京都議定書における国際約束を達成するためには、森林による二酸化炭素の吸収量を確保することが不可欠です。このため、森林・林業政策については、新たな間伐対策の推進等による多様で健全な森林の整備保全、木材や木質バイオマスの利用促進、緑の雇用等の担い手の定着促進と山村の再生、命と水を守る緑の緊急保全対策の推進などを図るとともに、安定的な財源が確保されるよう、環境税の実現に向け取り組んでまいります。

 さらに、森林組合の、森林施業の促進を初めとする機能強化等に向けた所要の制度改正を進めてまいります。

 次に、水産政策についてであります。

 我が国水産業は、国民に対する安全で多様な水産物の安定供給を通じ、健康で豊かな日本型食生活の一翼を担うとともに、地域経済の振興に大きな役割を果たしております。このような役割を果たしている水産業の健全な発展を図るため、経営改善を図る漁業者への支援を行い、元気が出る水産業づくりに取り組んでまいります。

 また、水産物は米と並んで日本人の食生活の根幹をなすものであります。こうした食生活を将来にわたって維持していくため、資源回復計画の着実な実施等による資源管理を徹底するとともに、良質で安全な水産物の生産、供給に取り組んでまいります。

 さらに、水産業、漁村の有する多面的機能が適切かつ十分に発揮されるよう、離島漁業の再生への支援や水産基盤の整備を実施してまいります。

 次に、WTO、EPA交渉への対応についてであります。

 農林水産物をめぐる国際ルールを策定するに当たっては、各国が有する自然条件等の違いを踏まえることが重要であります。

 まず、WTO農業交渉については、本年十二月の香港閣僚会議に向け、今後交渉の本格化が見込まれます。このため、食料輸入国グループとの連携をさらに強化しながら、多様な農業の共存を基本理念とする我が国の主張を反映した、柔軟性があり、輸出国と輸入国のバランスのとれた現実的な貿易ルールの確立を目指して交渉に取り組む所存です。あわせて、林野、水産分野につきましても、地球規模の環境問題や有限天然資源の持続的利用の重要性を踏まえた貿易の推進を目指し、交渉に全力を尽くしてまいります。

 また、EPA交渉については、フィリピンとの間では、昨年十一月に大筋合意に至りましたが、残るタイ、マレーシア、韓国との交渉が行われるほか、本年四月からはASEAN全体との交渉が始まります。各国との交渉に当たっては、昨年十一月に策定したみどりのアジアEPA推進戦略に沿って、戦略的かつ前向きに交渉に取り組むとともに、我が国の基幹品目、地域の農林水産業における重要品目など守るべきものを守り、譲れるものは譲るとの考え方で粘り強く交渉に臨んでまいります。

 以上のような農林水産政策を展開するため、平成十七年度の農林水産予算の編成に当たりましては、十分に意を用いたところであります。その際、地方分権の理念に沿って国の関与を縮小するという三位一体改革の趣旨にのっとり、骨太な目的ごとに補助金を統合、交付金化するとともに、公共事業について省庁連携を強化することなどにより、地域の実情に応じて地域の自主性、裁量性が発揮できる仕組みに改革することとしております。

 また、施策の展開に必要な法整備につきましては、今後御審議をよろしくお願いいたします。

 以上、私の所信の一端を申し上げました。

 農林水産行政は、現場に密着した政策課題であると同時に、毎日の国民生活に深くかかわっているものであります。このため、地域の実情や現場の取り組みを積極的に政策に反映させながら、透明性の高い政策運営により、国民の信頼と支持が得られる政策を推進する所存であります。

 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げます。

 ありがとうございます。(拍手)

山岡委員長 次に、平成十七年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣岩永峯一君。

岩永副大臣 平成十七年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。

 平成十七年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて二兆九千六百七十二億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆三千百二十四億円、非公共事業費が一兆六千五百四十八億円となっております。

 平成十七年度の農林水産予算は、消費者重視の食料供給・消費システムの確立、農業構造改革の加速化と農業環境・資源保全対策の確立、未来志向の取り組みに対する積極的な支援を図るとともに、森林吸収源十カ年対策第二ステップの推進等の森林・林業政策や、元気が出る水産業の確立等の水産政策を展開するとの観点から、重点施策に思い切った予算配分を行うなど、新たな政策展開が図られるよう編成いたしました。

 以下、予算の重点事項について御説明いたします。

 第一に、消費者が安心し納得できる食生活が実現できるよう、消費者重視の食料供給・消費システムの確立に努めてまいります。

 このため、家畜の伝染性疾病の発生防止の徹底や発生時の蔓延防止対策の充実等による産地段階から消費段階にわたるリスク管理の確実な実施を図るほか、最先端の情報処理技術を活用した、食の安全・安心システムの開発導入を推進するとともに、食育については、関係府省と連携し、さらに力強い国民的な運動となるよう尽力してまいります。

 また、担い手等生産者と食品産業の連携強化による、安全、安心な国産農産物の利用拡大のための支援を実施してまいります。

 第二に、食料自給率向上の前提となる人と農地、水を確保するため、農業構造改革の加速化と農業環境・資源保全対策の確立を図ってまいります。

 このため、担い手への施策の集中、重点化を一層推進するとともに、農地の利用集積の加速化と総合的な遊休農地解消対策を推進してまいります。

 また、担い手を対象とした品目横断的な経営安定対策の導入に向け、新制度導入のシミュレーション、交付システムの設計を実施してまいります。

 さらに、環境や農地、農業用水を適切に保全する政策体系を構築するため、どのような手法が効率的、効果的か、調査を実施してまいります。

 このほか、本年度に引き続き、米政策改革の関連施策を着実に推進してまいります。

 第三に、農業者、農村が創意工夫を発揮しながら前向きな取り組みに挑戦していけるよう、未来志向の取り組みに対する積極的な支援を行ってまいります。

 このため、農林水産物、食品の輸出促進に向けて、海外における通年型販売拠点の設置等による販路創出、拡大や産地づくり、輸出検疫条件の整備等を総合的に実施してまいります。

 また、国内外における新品種の権利侵害への対応や、産官学一体となった商品の開発促進等を通じ産地ブランドを確立してまいります。

 さらに、産地における競争力強化に向けた攻めの取り組みを支援し、国産農畜産物の力強い生産供給体制を確立してまいります。

 このほか、国際競争に打ちかつための新技術の開発と成果の普及を推進するとともに、バイオマス・ニッポン総合戦略の強力な推進を図るほか、農山漁村地域の再生に向け、地域の個性や創造力を生かした取り組みに対し、地域の裁量性、自主性が発揮されるような形での支援を推進してまいります。

 第四に、森林・林業政策については、森林の有する多面的機能の発揮及び林業の持続的かつ健全な発展に向けた施策を引き続き推進し、特に地球温暖化防止森林吸収源十カ年対策の第二ステップを強力に推進してまいります。

 このため、団地化による効率的な間伐を一層推進する新たな間伐対策による、多様で健全な森林の整備保全を重点的に進めてまいります。

 また、間伐材を中心とする地域材の利用拡大に向けたキャンペーンの開催や木質ペレットの規格化等による木材、木質バイオマス利用を推進するとともに、緑の雇用の着実な実施と地域資源を活用した起業支援による担い手の定着と山村再生を推進してまいります。

 このほか、近年の台風、地震等による激甚な災害の多発を踏まえ、山地災害の発生の危険性の高い地域で治山施設と森林の整備を一体的、重点的に行ってまいります。

 第五に、水産施策については、水産物の安定供給の確保と水産業の健全な発展を実現するための水産施策を総合的に推進してまいります。

 このため、経営の改善を図る漁業者等への支援、魚価の安定と漁協等の販売力、体質の強化、内水面漁業振興の支援を通じた元気が出る水産業の確立を図ってまいります。

 また、我が国周辺水域における水産資源管理の強化や、つくり育てる漁業の推進等による海の恵みの持続的な利用を推進するとともに、漁港における衛生管理機能の充実等による安全で安心な水産物の生産供給体制の強化を図ってまいります。

 さらに、離島漁業の再生を図る取り組みに対する支援や、都市と漁村の共生・対流等により、多面的機能を発揮する水産業、漁村への支援を推進してまいります。

 次に、特別会計については、食糧管理特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。

 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫等による財政融資資金の借り入れ等総額二千二百五十億円を予定しております。

 以上、平成十七年度農林水産予算の概要を説明いたしました。よろしくお願いいたします。(拍手)

山岡委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.