第7号 平成17年4月6日(水曜日)
平成十七年四月六日(水曜日)午前九時三十分開議
出席委員
委員長 山岡 賢次君
理事 今村 雅弘君 理事 西川 京子君
理事 二田 孝治君 理事 松野 博一君
理事 黄川田 徹君 理事 楢崎 欣弥君
理事 山田 正彦君 理事 白保 台一君
赤城 徳彦君 石田 真敏君
宇野 治君 岡本 芳郎君
梶山 弘志君 上川 陽子君
川上 義博君 木村 太郎君
北村 直人君 小西 理君
後藤 茂之君 坂本 哲志君
田中 英夫君 津島 恭一君
西村 康稔君 原田 令嗣君
森 英介君 一川 保夫君
岡本 充功君 鹿野 道彦君
岸本 健君 小平 忠正君
鮫島 宗明君 神風 英男君
仲野 博子君 堀込 征雄君
松木 謙公君 山内おさむ君
若泉 征三君 大口 善徳君
高橋千鶴子君 山本喜代宏君
…………………………………
農林水産大臣 島村 宜伸君
農林水産副大臣 岩永 峯一君
農林水産大臣政務官 大口 善徳君
政府参考人
(厚生労働省健康局長) 田中 慶司君
政府参考人
(厚生労働省医薬食品局食品安全部長) 外口 崇君
政府参考人
(農林水産省消費・安全局長) 中川 坦君
政府参考人
(農林水産省生産局長) 白須 敏朗君
政府参考人
(農林水産省経営局長) 須賀田菊仁君
政府参考人
(水産庁長官) 田原 文夫君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術参事官) 中尾 成邦君
政府参考人
(環境省環境管理局水環境部長) 甲村 謙友君
農林水産委員会専門員 飯田 祐弘君
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委員の異動
四月六日
辞任 補欠選任
金子 恭之君 坂本 哲志君
城内 実君 宇野 治君
後藤田正純君 小西 理君
松木 謙公君 若泉 征三君
同日
辞任 補欠選任
宇野 治君 城内 実君
小西 理君 後藤田正純君
坂本 哲志君 金子 恭之君
若泉 征三君 松木 謙公君
―――――――――――――
四月五日
農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)
同月六日
特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)
同日
食料自給率の抜本的向上に関する請願(黄川田徹君紹介)(第六八九号)
同(鹿野道彦君紹介)(第七二五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
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○山岡委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審議のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長中川坦君、生産局長白須敏朗君、経営局長須賀田菊仁君、水産庁長官田原文夫君、厚生労働省健康局長田中慶司君、医薬食品局食品安全部長外口崇君、国土交通省大臣官房技術参事官中尾成邦君及び環境省環境管理局水環境部長甲村謙友君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○山岡委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡本充功君。
○岡本(充)委員 おはようございます。民主党の岡本でございます。
本日は、水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
私、地元に金魚という名産の水産物資源がありまして、この問題についてもぜひ大臣に最後にお聞きをしたいと思っておりますが、まずその前に、これまでの水産動物の輸入に関して、我が国では、残念ながら、これまで十分な防疫体制がしかれていなかった実情があり、さまざまな輸入感染症の侵入を許してきた、こういった過去があると思っております。
これは、本日、厚生労働省の方にも来ていただいておりますが、感染症予防法が改正された、今回、本年九月からの施行となっておりますけれども、こういった動物の防疫体制、輸入に関しての検疫体制とも相まってでございますけれども、日本に新たな感染症の輸入を許さない、人はもちろんですが、動物そして水産動物、植物、そういったあらゆる生物体系において、こういった新たな輸入感染症の侵入を許さない、こういった決意のもとにこれまで改正がなされてきたと思います。
今回の水産防疫の体制について、まず私、一番最初に疑問に思いましたのは、実は、我が国においていろいろな防疫体制がしかれています。例えば、家畜では家畜伝染病予防法において家畜保健衛生所、また、植物防疫法において、植物においては病害虫防除所等が各県に設置を義務づけられておりまして、それぞれ設置されております。
その一方で、水産資源についてはどうかというと、残念ながら、県へ必置の命令、いわゆる法律で決められた、県に義務が課せられていないのが現状であるようでございます。私は、水産試験場がこの代役を担っていることは存じておりますけれども、ぜひ水産資源についても同様の設置を義務づけるなり、もしくはそういった検疫、防疫体制について、地元の、そして地域に根差した情報収集をする意味でも、こういった施設、設置をする必要性があるのではないかと思いますが、御答弁願えますでしょうか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
水産の防疫につきましては、今先生がお話しされましたように、家畜保健衛生所のような、そういった専門の機関は存在しておりませんで、各都道府県の水産試験場などが魚病の指導機関の役割を担っておりまして、ここに配置をされました魚類防疫員を中心とした組織体制によりまして、国内の防疫体制の実施など、魚病全般の対策を推進しているということでございます。
魚の病気の一つの特色といたしまして、人に感染するものではありませんので、家畜の伝染性の疾病のように人の移動あるいは家畜の移動等に伴って広がるということもございません。そういう意味からいたしますと、リスクに応じた適切な管理措置をとっていくということからいたしまして、こういった水産動物などの伝染性疾病の特色を踏まえた、それに必要な対策をとっていくということが基本であろうかというふうに思っております。
これまで、平成八年の水産資源保護法あるいは十一年の持続的養殖生産確保法によりまして、それぞれ、水際措置それから国内の防疫体制という体制をとってきたわけでありますけれども、今般、コイヘルペスウイルスという、海外からの侵入を許したということでありまして、この経験を踏まえまして、既存の家畜保健衛生所にいる獣医さんなどとの連携、そういった強化、あるいはまた人材の有効活用を図りまして、水産防疫体制の強化に努めていきたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 質問の順番が変わってしまいますけれども、私、それは後で聞こうと思っていたんですが、今局長が人と魚との共通感染症がない、人畜共通感染症がないと言われた。おっしゃるとおり、魚にも発病して人にも発病するというものはないんですが、きのう、かなり消費・安全局の若手の官僚の方が一生懸命お話を聞いてくださいましたけれども、実は、人には発症するけれども魚には発症しない、いわゆる魚を宿主とする、こういう寄生虫病が幾つもあるわけでありまして、その発生状況、そしてまた、そういった病気がどのくらい、つまり寄生虫ですけれども、寄生虫がどのくらいいるのか検査をするという意味においては、人への感染症を水際で防止する重要な役割を担えると思うんですね。
そういった観点で考えると、やはり把握する必要はあるんじゃないでしょうか。どうでしょう。
○中川政府参考人 今先生がおっしゃいましたいろいろな寄生虫のことでございますけれども、確かに、魚に寄生をする、そしてまた人間に、例えば寄生虫がある魚を食べたことによって胃炎を引き起こすとか、そういった疾病というんでしょうか、寄生虫があるのは承知をしておりますけれども、こういった魚介類の食品を媒介といたします寄生虫の対策、これは厚生労働省が都道府県などの衛生部局を通じて地域の住民の方々にいろいろ正しい知識を普及したり、あるいは対策をとるというふうなことをしている、いわゆる普及啓発をしておりますのは各都道府県の衛生当局でございます。
私どもといたしましては、厚生労働省の所掌でありますので、寄生虫についてまで農林水産省の魚病の中の対策としてやることはちょっと範囲を逸脱しているのではないかというふうに思っております。ただ、魚食と健康というふうな形で、一般的な情報提供はこれからいろいろと考えていきたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 寄生虫でもいろいろあるわけでして、今局長が言われたアニサキス、胃炎を起こすと言われた。そのほかにも顎口虫症だとか肝吸虫症だとか、肝吸虫症なんというのは、肝膿瘍をつくって、場合によっては命にかかわるような病気なんですね。こういった病気がどういった魚にあるのか、どういった魚を生食するとこういった病気になるのか、正直言って多くの国民は知らない、御存じないと思う。
つまり、普及すると言っている、啓発すると言っているけれども、料理屋さんでは、泳いでいるイカを食べちゃいけないというわけじゃない、泳いでいるサケを食べちゃいけないというわけじゃないけれども、そういった情報提供はなされないまま提供されているのも事実でありますから、こういった情報を普及していく必要はあると思います。
今、普及という話が出ましたので、今度、ちょっと視点をずらして、今のは指摘にしておきますが、実際に、養殖業者さんへの、いろいろなこういった輸入感染症に対しての周知徹底もしくは感染症が起こったときの対処方法について、厚生労働省としてはどのような指導体制をとられているんですか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
感染症法によりますと、動物のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして厚生省令で定めるもの、あるいは動物の死体のうち感染症を人に感染させるおそれがあるものとして省令で定めるもの、これは六つほど定めておりますけれども、齧歯類とかウサギとかあるいは鳥でございますけれども、こういうものに関しまして、輸出国の衛生証明を添付させるというような格好で安全確保を図ることにしているところでございます。
実際には、ことしの九月からこれが施行されるという予定になっております。
○岡本(充)委員 厚生労働省の所管してみえる感染症予防法の中には、魚は入っていないわけですよね。
では、魚から、魚由来で人に感染する可能性のある寄生虫、しかも命にかかわるような病気、こういったものの発生の周知徹底、またもしくは養殖業者さんへの指導、こういったものは農林水産省の方ではどのように行われているんでしょうか。
○中川政府参考人 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、直接感染症にかかるもの、人との関係ということになりますと、実際は、やはり食品の衛生ということで、厚生労働省が中心になって行政をされるものだというふうに理解をしておりますが、農林水産省としてできますことは、やはり魚食に関するいろいろな情報につきまして、例えば食育の一環としていろいろな情報を提供するとか、そういった面でやるべきことがあるというふうに思っておりますし、これまでも情報提供はいたしておりますけれども、情報提供というあたりを中心とした消費者の方々への啓発というのが中心的な活動分野になるというふうに思っております。
○岡本(充)委員 今の御答弁で、私、指摘をさせておいていただきたいということにとどめますけれども、厚生労働省は、水産関係のことについては感染症予防法の対象になっているわけではない、それは事実であります。その一方で、いや、わかりますよ、消費者に対しての普及もしくはお知らせについては厚生労働省だというのはわかるんだけれども、じゃ、こういう病気が発生しているんだ、こういう病気が出ているんだということを養殖業者さんへフィードバックするのはだれの仕事かといったら、私は農林水産省だと思っています。
そういった意味で、こういった病気がよく発生している、最近サケでこういう病気が出ているんだ、イカでこういう病気が出ているんだという情報提供をどのようにしているのか、そういったところがはざまに陥ることのないようにぜひしていただきたいということでございます。重要な話ですけれども、これは指摘にとどめておきます。
さて、話題を少し変えまして、今回の法律の中で指定をされている魚種が、コイそしてまたクルマエビなど、幾つかの魚に限られておりますし、また、今回、輸入防疫対象になっていない疾病、OIEが指定をしておきながら我が国では指定をされていない幾つかの病気があるやに見受けられます。
こういった病気に対しては、今後どのような指導をしていくか、もしくは、今後省令でさらに追加をしていくおつもりなのか、ぜひ御答弁いただきたい。
○中川政府参考人 現在、水産資源保護法の対象疾病というのは十一ございますけれども、今後どうしていくかというお尋ねでありますが、国際獣疫事務局、OIEの水産動物衛生規約に指定されている疾病というのは三十五あったかと思います。この中には、もう既に残念ながら日本に侵入し相当の広がりを持っているというふうなものがございますので、一つは、まだ日本に入っていなくて、それが万一入ってきたときには水産資源の保護に重大な被害を及ぼす、そういうおそれのあるものということで、こういったOIEのリストなどを参考にしながら、現在、十一の疾病が指定されているということでございます。
今後の具体的な、追加するかどうかといったそういう方向でありますけれども、私ども国あるいは水産総合研究センターの養殖研究所などが中心になりまして、大学ですとか海外の専門家の方々との情報交換を密にしていきたいというふうに思っております。海外において新たな疾病の発生が報告される、そういうふうなこと、あるいは我が国の水産資源との関係で、その海外での発生ということがリスクが大きいか小さいか、そういうことも含めて、情報収集あるいは検討をいたしまして、さらに追加あるいはまた見直しをする、そういうことを定期的にやっていきたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
また、今回の法律の中で指定をされていない海産資源、こういったものについても、例えば一九九三年に北米産ヒラメの寄生虫、ネオヘテロボツリウム、これがヒラメに対してかなりの被害を出したとか、またマダイイリドウイルス病とか、こういった病気も海産物にもあるようでございまして、日本に侵入していないこういった病気、もちろん人に感染するわけではないにしても、水産資源がかなり損害を受けますし、実際の漁業者の皆様方にも多大な御迷惑をかけますので、こういった病気についても、ぜひしっかりとした防疫体制を築いていただきたいという指摘にさせていただきます。
続いて、条文の中の項目について少しお尋ねをしたいと思います。
今回の法律の中で、水産資源保護法の方についてですが、十三条の三第一項の中に、輸入防疫対象疾病の潜伏期間を考慮して農林水産省令で定める期間当該水産物等を農林水産省令で定める方法により管理すべきことを命ずることができる。これは、輸入水産物に、残念ながら、輸出する国の事情等から、検査証明書またはその写しのみによっては輸入防疫対象疾病の病原体を広げるおそれがないとは認められないときというふうになっています。
この考え方、実際に輸出してくるその当該国が、言い方は悪いですけれども、その疾病の汚染国であるかないかということについてどのようにして判断して、逆に言えば、こういった措置が恣意的に拡大をしていかない、そういった措置はとられているのかどうか、確認をしたいと思います。
○中川政府参考人 管理命令を出す場合の基準についてのお尋ねかというふうに思います。
魚病につきましては、先ほども申し上げましたが、空気伝染をするわけでもありませんので、水系が異なれば、ある国で病気が発生していたからといって、直ちにその国からの輸入をとめるということは現実的ではないというふうに思っております。そういうことから、法定の輸入防疫対象疾病が発生をしている、だけれども、違う水系なり非常に隔離された状態で卵なり稚魚、稚苗がとられたということで、そういう場合には、検査証明書をつけて輸入が一応されるということになります。
ただ、当該国で、輸入先国でもう発生をしているというふうな情報がある、あるいはその国には発生していないまでも隣の国で発生をしていて、そこが国際河川のようなものでつながっているというふうな場合、そういうふうに幾つか疑われる場合におきまして、一定の期間の管理命令をしたい。これは具体的には省令で定めることになりますけれども、今申し上げたようなケースを想定して、省令の方で定めたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 ぜひ、恣意的な運用をしないようにシステムを構築していただきたいと思います。
続いて、持続的養殖生産確保法の改正の方ですが、第八条の第一項の第三号、こちらの方に、養殖水産動植物を所有し、または管理する者に対し、当該養殖水産動植物の移動を制限し、または禁止することを命ずることができるというふうになっています。
要するに、感染した水産物の移動を制限するということでございますけれども、これは当然個人も含まれるわけでございましょうが、私がここでお聞きをしたいのは、魚がどこへ出荷をされ、そしてその魚が、逆に言えばどこから入荷をされたか、これについては、いわゆるトレーサビリティーというものについては、残念ながら魚の場合には十分でないように見受けております。実際にどこへ出荷をした、もしくは実際にどこから輸入をしたということがある程度明確にならないと、実は十分な実効性を確保できないのではないか。
要するに、魚のトレーサビリティー、牛肉ほどとは言いませんけれども、ある程度確保する必要性があるのではないかという指摘をしておるわけでございますが、局長の御見解をいただきたいと思います。
○中川政府参考人 国内の防疫対応の基本にもかかわることでございますけれども、特定疾病が発生をしたとなりますと、まず何よりもやるべきことは、できるだけ早期にそのことを把握して、そして発生しているところの魚の移動を禁止する、それから、そういった感染している疑いがあるものを含めて処分をするということが一番大事なことでございます。
今回のコイヘルペスウイルス病につきましても、各都道府県の知事さんがそういった移動制限等の徹底をしていただいたわけでございます。
出荷先等について、きちっとそれぞれの流通業者、あるいは出荷した養殖業者の方々に、その出荷先等について義務づけをするべきではないかというふうな御趣旨かというふうに思いますけれども、先ほど申し上げましたように、この特定疾病等については、やはり蔓延防止のためにきちっと先に、その発生地域から動かさない、あるいは処分をするということが大事でありまして、どこに出荷をしたかということを、万一その疾病が発生したことを想定して全関係の業者の方々に帳簿等に記録を義務づけるというのは、ちょっと全体のリスク管理からいたしますと、私はやや過剰な義務を関係の方が負担することになるのではないかというふうに思っております。もちろん、望ましいことは望ましいということではありますけれども、そこまで義務として関係者の方々にお願いをするというのはちょっと難しいというふうに私は考えております。
○岡本(充)委員 出荷それから入荷についても、それぞれ伝票があるわけですから、伝票を保存していただくということであれば、それほど大きな負担にはならないのではないかなというふうには思うわけでございますが、ぜひこういった点についてもまた省内で御検討いただきたいと思います。
続いて、少し観点を変えまして、養殖業者の皆さん方が実際に魚が病気にかかったときにどういった薬を使われるか。今、抗生物質がやはり主流のようでございまして、抗生物質もえさにまぜて使うんだそうですね。そして、予防接種も大分普及してきている。
実際に使われている抗生物質は何があるんですかということで教えていただいたら、人間に使われている抗生物質も結構あるようです。このある種の抗生物質、特にきょうちょっと話題にしようと思ったのは、例えばよく使われている塩酸オキシテトラサイクリン、これは結構人間にも同様の薬が使われているわけでございますが、人間に対してはどういうふうな使用上の注意があるか、そしてまたどういった副作用があるか、こういったことについて養殖業者さんに普及そして指導する、こういった回数、余り頻回ではないように見受けます。
先ほども指摘をさせていただきましたが、実際にこういった薬はどういう副作用があるか、少し御披露させていただくと、例えばこの塩酸オキシテトラサイクリン、これは胎児への催奇形性が指摘されておりまして、妊婦さんへの投与は基本的には使用禁止でございます。病院では使っていません。
えさにまぜて養殖のところにまくとどういうことが起こるかというと、たくさんまいた方がいいだろうと思ってまけば、周りに出ていくわけですね。そのテトラサイクリン入りのえさが出ていく。それを周りの魚も食べちゃうわけですから、生けすの中の魚は三十日間出荷停止にしていても、周辺の食べている魚が出ていかないとは限らない。また、残念ながら、このテトラサイクリンは大変半減期が長うございまして、蓄積性もある。つまりは、その近辺の魚が食べてすぐ体外に出ていくような薬品でもないということを考えると、私は、こういった今の抗生物質の使用方法についてもぜひ周知徹底をしていっていただく必要があると考えています。
ちょっと先日教えていただいた話では、魚類防疫士という方がみえて、農業の普及員のような役割をしているといいますが、これは国の資格でもないようですし、これは民間団体の指定する資格にすぎないということでございますが、実際に、養殖業者さんを含めて、こういった漁業関係者の皆様方への、農業で言う普及員のような方を今後創設していく必要性、どのようにお考えでしょうか。
○中川政府参考人 まず最初に、水産用の医薬品の適正使用についてのお尋ねがございました。
抗生物質などの水産用の医薬品につきましては、やはり養殖業者の方がきちっと薬事法に基づきます使用基準を守っていただくということが何よりでございます。
これは原則としてそういうことでありますけれども、それをどう現場で実際実践していただくかということに工夫が要るわけでありまして、私ども、パンフレットの配布をする、あるいはまたフィルムなどの映像の資料を使って説明会、これは養殖業者の方を対象とした説明会の開催。それだけではなくて、県の職員が養殖現場を巡回して指導をする、あるいは実際に魚病発生時の対策指導等を行うというふうなことも行っておりますし、また、サンプリングでありますけれども、養殖魚の出荷前に医薬品の残留検査の実施なども行っております。こういったことはなお一層徹底をしていきたいというふうに思っております。
これは、現場でやはり守っていただくことが何よりも大事なことでありますので、私どもとしても努力をいたしたいというふうに思います。
それから、魚類防疫士についてのお話がございました。これは日本水産資源保護協会で一定の期間研修を受けた方に、資格といいますか、民間の資格でありますけれども、そういうものを与えるというものでありますが、実は、この研修に当たりまして、私ども国の方から財政的な支援をいたしておりまして、そこできちっと研修をしていただくということであります。
既に六百六十人ぐらいの方がこの魚類防疫士になっておられますけれども、これからの課題といいますか、私どもがやりたいことといたしまして、既に一回こういう研修を受けた方であっても、また最新の知見を得ていただく必要も出てくるかと思います。そういう場合に、さらに高度な技術を習得していただく、そういう意味での委託事業の拡充も図っていきたいというふうに思っております。
○岡本(充)委員 ぜひこういった情報提供、そしてまた新たな知見の普及、こういったことについても前向きに取り組んでいっていただきたいと思います。
さて、ここから大臣にちょっとお尋ねしたいんですが、大臣のお地元も金魚があるというふうに伺っております。今の内水面水産業の中での観賞用魚類、特に金魚についての今の業者さんの現状、そしてまた産業としての今後の展望、こういったものについて、大臣、今どういう御見解をお持ちでしょうか。
○島村国務大臣 お答えいたします。
金魚を初めとした観賞魚は、古くから国民に親しまれ、国民生活に豊かさや潤いをもたらしてきたところでありますが、農林水産省といたしましては、国民への普及啓発と養殖技術の研さんを図るための品評会の後援、あるいは観賞魚飼育管理マニュアルの作成支援、あるいは魚病の防疫対策の推進等を通じまして、金魚等の観賞魚の生産振興とその普及に努めてまいりたいと考えております。
この日曜日に実は観賞魚フェアがございますので、また実地にいろいろな現場の実情を伺い、またいろいろな関係者の意見等も伺っていきたい、こう思っております。
○岡本(充)委員 大臣もいろいろ御存じだと思いますが、私が伺ってきた私の地元の金魚の漁業協同組合の組合長さんからのお話として少し御披露させていただきますと、金魚については、輸出は残念ながら今ほとんどない、昭和四十年代、五十年代は盛んだった金魚の輸出も、今は衰退してきている。円高や航空運賃の高騰などで、残念ながら国際価格に太刀打ちができない現状。その反面、金魚の輸入は盛んで、シンガポールや香港、中国から輸入されて、今の観賞魚の分野ではこの輸入金魚がなければパンクをしてしまうような現状の中で、実は私の地元、弥富の金魚の生産者は、昭和五十一年には三百二十一人の組合員がいたが、今では百七十一人。養殖面積も、二百二ヘクタールあったのが百十ヘクタールまで減っている、こういうような現状です。大臣のお地元の江戸川の金魚業者さんも、実は組合員は何人かみえますが、実際に飼育業者さんは三、四軒ではないかと伺っております。そういう現状です。
こういう現状の中で、なおかつ業者さんの平均年齢も六十七歳という高齢化になっています。生産振興策をぜひ早急にやはり打っていっていただく必要性があるやに思いますけれども、特に大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○島村国務大臣 私も同じ考えに立っておりまして、なるほど今金魚の輸出はほとんどもうないに等しい状況に追い込まれてはおりますが、委員も御承知のように、最近は、例えば日本のリンゴが二千円で売れるという時代が招来しておりますし、アジア地域にもかなり経済的にはいわば豊かな人たちが生まれているわけでございますから、世界の水準の中でも並すぐれた日本の金魚というのは輸出の機会が持てるのではないか、ひそかにそう思っております。
ニシキゴイの例を見るまでもなく、我々は、こういう日本の生んだ文化の中にまた新しい前進の糧を見出したい、そう考えておりますので、ぜひまたこれからもこの推進に当たっていろいろ御意見等、お教えいただきたいと思います。
○岡本(充)委員 最後に一つだけ。
大臣、私も実はこれを持っている、第二十三回日本観賞魚フェア。僕、大臣に差し上げようかと思って二枚持ってきたんですけれども、私も行こうと思っています。
実は、こういったところで品評会が行われて、もちろん農林水産大臣賞というものがあるようでございます。その一方で、観賞魚の世界ですから、その品評をする、その認定をする、こういった資格をある程度確立をして、農林水産大臣の方で資格として出せるような形をとっていくということについては、最後に一点ですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○島村国務大臣 そのお考えも大賛成でありまして、我々は、こちらの宣伝とかそういうのでなくて、実際の励みになっていただくならどのような支援もしていきたい、そう考えておりますから、ぜひまたお知恵も拝借したいと思います。
○岡本(充)委員 ありがとうございました。
○山岡委員長 次に、若泉征三君。
○若泉委員 民主党の若泉でございます。
本日は、委員会の皆様の御了承を得まして貴重な時間をいただきまして質問させていただきますことを、厚く御礼を申し上げます。
私は、答弁は十六年ぐらいやったことありますが、質問をしたことは余りございませんので、非常に未熟なものでございますから、私の質問に対しましては誠意ある御答弁をいただきたい、このように思います。よろしくお願いいたします。
本日は、水産防疫関係の法律案の審議ということでございますが、過日、民主党の水産振興議員連盟が福井県の漁業の現地を視察いたしまして、これからの漁業に対する問題が山積しておりますことを再認識いたしました。
そこで、本日は、大変厳しい状況に置かれている地元の福井県の漁業者の声を踏まえ、水産業をめぐる課題について質問させていただき、大臣の御見解をお伺いしたい、このように思っている次第でございます。
水産物の安定的供給の確保ということで、水産物は、国民への供給総たんぱく質の二割、動物性たんぱく質の四割を占める重要な食料であり、また非常にすぐれた栄養特性を有しております。例えば、近年話題となっておりますユビキチンというたんぱく質も多く含まれておりまして、ユビキチンは、生体内で不要になったたんぱく質を細胞から除去するために重要な役割を果たしており、この仕組みにもし欠陥ができれば、がんやパーキンソン病などの病気を起こすことが判明いたしております。私やら大臣はまだ若いですから、そのような心配はないということでございますが、予防のためにこういったものが必要である、そういうたんぱく源でございます。
このように、水産物は、我が国の栄養バランスのとれた健全な食生活、いわゆる日本型食生活にとって不可欠なものであり、将来にわたってその安定的な供給を確保していくことが必要である、このように考えております。
そこで、まず大臣にお伺いいたします。
日本型食生活において重要な位置を占める水産物の自給率は現在五七%、このように伺っておりますが、よりそれを向上させていくためには、今後どのように取り組んでいかれるか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○島村国務大臣 委員も御承知のように、日本人の長寿社会あるいは非常に健康な、いわば健康社会というものは、偶然できているものではなくて、これは多分に食生活に負うところが大きい、こう言われております。
我々、子供のころからずっと教わったのは、動物性たんぱく質の半分を水産物に負うていることは非常に大きいんだと。これはどうも科学的にも事実のようでございます。しかしながら、かつては動物性たんぱく質と約半々と言われたものが、今は大体四〇対六〇、水産物が減っております。その理由は、食に対する嗜好が変わったというよりは、むしろ水産物が非常に少なくなって非常に割高になってきて、そういう意味と、もう一つは、いわば実際の調理その他に時間がかかる、こういう手間暇に対するあれもあって、肉に多少偏っているのかな、こんなふうに考えておりますが、さはさりながら、やはり水産物というのは我々の世界に誇る食料でありますから、この上ともに資源の確保というか向上を図らなきゃいけません。
従前のものを調べてみますと、かつて、昭和三十九年には、食用の魚介類を例にとりましても、実に一一三%の自給率を持っていた。これがだんだん減りまして、昭和四十年に一一〇、昭和五十年にちょうど一〇〇%で、これからどんどん割り込んでいって、実は平成十二年から十四年にかけての三年間は五三%であります。そこを、我々も、いよいよこれはほうっておけないということから、平成十四年の三月に閣議決定で、水産基本計画において、食用魚介類の自給率を向上させなければいけない、そこで、基準年度になった平成十一年の五五%を一つの基本に置きまして、目標年度である平成二十四年度には六五%まで引き上げよう、こういう目標を掲げて今取り組んでいるところでございます。
ちなみに、平成十五年度におきましては、輸入量の減少もございましたが、その一方で、サンマ、カツオなどの国内生産量が増加いたしまして、食用魚介類の自給率五七%、今委員が御指摘になった数字になっているわけでありますが、このことはすべてが政策の結果とも言えませんので、この上ともに万全を期してこの自給率を高めていく必要が、これは国策として絶対に必要なんだろうと思います。
そういう意味で、資源状況の悪化など、我が国の水産業をめぐる情勢は必ずしも易しくはないわけでありますが、それらを克服し、自給率の向上を図るために、今後とも各般の施策を総合的に展開していきたいと。そういう意味で、元気が出る水産業の確立に今努めているところでございます。
○若泉委員 大臣のそういうようなお考えを聞きまして、安心しているわけでございます。
質問がちょっと変わりますけれども、私は今の北朝鮮の拉致の問題につきましては、まだ拉致されてはいないと言われているころからこの運動をしてきておりました。
そういう中におきまして、今、北朝鮮からの魚介類の輸入額が約九十一億五千万円、全体の約四五%を占めておりまして、特にアサリにつきましては、魚介類の中でほぼ半分に当たる約四十五億円を占めているわけでございます。
いわゆる拉致議連なんかでも、また各政党でも経済制裁をすべきだというようなことを言っておりますが、この経済制裁措置を発動したとしましても、これは決して単なる圧制的なものじゃなくて、人道的にすばらしいことであるということを私は申し上げたいと思います。それは、北朝鮮の人民を苦しめることにはならないということなんです。つまり、北朝鮮ではアサリなどの魚介類が主なたんぱく源でありまして、我が国が買わなければ北朝鮮の子供たちが助かる。北朝鮮の子供たちを救うために経済制裁をやる、そして子供たちはそれを食べることができる。たんぱく源がもうこれしかないんだ、そういうことを私は存じております。そういう中におきまして、北朝鮮のアサリについては、経済制裁措置を発動することは、金正日の資金源を断ち、北朝鮮の子供たちにとってもよいことである。
しかしながら、さらには日本の漁場で、だったらアサリをもっと生産すればいいじゃないか。このことを調べてみますと、どうも日本の漁場は非常にアサリが成長しにくい。しかし、それならば、それをさらに研究し、開発するというような考えにおきまして、大臣はこの点についてどのような御所感をお持ちか、お聞きしたいと思います。
○島村国務大臣 初めての御質問だそうですから、お答えしたいと思います。
実は私のところも、江戸川区でございますが、東京湾に面しておりまして、かつては有力なアサリやハマグリのとれたところでございます。それが、戦後の経済復興の過程で工場排水等で汚染されまして、めっきりとれなくなってしまった。現在、我々の地域の人は、みんな房総半島の先の方まで行って潮干狩りをやっているという現況にあります。しかし、最近は水がすっかりきれいになって、魚が戻ってきて、しかも戻ってきた魚を食べても大丈夫、そういうふうにまで改善がなされましたので、やはり再びこういうことに対する活況を呼び戻すことは不可能ではないと考えています。
そういう意味で、今御指摘がたまたまありましたけれども、私も同じ考えを持っておりますし、ぜひそういうことを進めて、これは優良なたんぱく源でありますし、何も北朝鮮に依存するだけでなくて、そういう面でも、国内でさらにまた養殖等の技術を発揮することも非常に大事なことだ、こう思っています。
その一方で、前段において委員が御指摘になったことは、私は全く賛成であります。
○田原政府参考人 事務的な点につきましてお答えをさせていただきたいと思います。
アサリの国内生産は、約二十年前であります一九八三年ごろは全国で十六万トンとれておりました。これが逐年減ってまいりまして、一九八〇年代の後半には十万トンを切るということで、先生御指摘のように、最近では全国で生産量が三万トン水準とか、かなり激減していると言ってもいいような状況でございます。
こういったことを踏まえまして、水産庁といたしましては、平成十五年度から十七年度の三年間にかけまして、水産総合研究センターを中心といたしまして、都道府県とも連携しながらアサリ資源全国協議会というのを開催しております。
この中で、アサリの生態の解明、どういう時期にどういうやり方をすればそうした資源の増大に寄与していくのかどうか、こういったことの解明等をやっているわけでございますけれども、ただ、なかなかまだそういった実態の解明に至っていないというのが率直な現実でございまして、現在は、そうした増殖手法、あるいは増殖手法の検証、そういったこともひっくるめまして、この三年間の全国協議会でやっているというところでございます。
また、我々といたしましては、こうした調査研究のほかにハード事業ということで、例えば覆砂でございますとか、そういったものがアサリの資源回復に有効であるというような話もありますので、研究とあわせまして、そうしたハード事業を組み合わせながら、何とかアサリの資源回復に取り組んでまいりたい、かように努力をしているところでございます。
○若泉委員 大臣の御答弁も事務局の御答弁も、非常にいい御答弁ですね。
では、これから本論に入りますが、この次も大臣から、ぜひこれは賛成したい、こうやりたいというお答えを聞きたいと思いますけれども、実は、プレジャーボートと漁業の調整問題でございます。
皆さんのお手元に資料が行っていると思いますが、全国にプレジャーボートというのは何台あるかというのはそこに出ておりますので、これは私は今説明いたしませんが、基本的には、私の考え方としては、プレジャーボートは、観光にも、またレジャーとして人々のいやしにもなるという意味では、私は決して否定するものではございません。しかし、漁業者がこれによって食べていけなくなるというような、生活苦になるというような、こういったことに関しまして私は非常に遺憾に思うわけでございますが、これについての質問をしていきたい、このように思っています。
福井県三国町の松出シ瀬海域、その図面にも出ております。私の地元福井県には、問題になっておりますプレジャーボートと漁業の調整問題につきまして、福井県三国町の沖合の松出シ瀬、そこに出ておると思います。ここは天然魚礁の、国内でも有数の漁場となっておりますが、十五年ほど前から石川県からのプレジャーボートがふえ始め、多いときは百隻ものプレジャーボートが押し寄せるなど、百隻というと大変な数なんですが、そして福井県の漁業者との間でトラブルが続出しております。今までの経過をずっと見ておりますと、プレジャーボートと漁業者の船が一緒に囲んで対立するような場面も写真で見ております。いつ事故が、どんな事件が起きるかわからないというような状況は、これは福井県だけじゃなくて全国であると思います。実は、きょうも、私がこの質問をするということで全国の漁業者がインターネットで見ておりますので、誠意ある御答弁をいただきたいと思います。大臣の御答弁を全国できちっと見ております。
それで、このため、石川県の遊漁者のプレジャーボート連絡協議会と福井県の漁業者の福井地区漁場利用協議会が話し合いをいたしまして、県境を越える国内で初めての漁場利用協定が締結されまして、昨年五月には、福井海区漁業調整委員会の指示に基づく規制が実施されました。ところが、プレジャーボート側は、昨年、遊漁区域の拡大、期間の延長を主張し、本年三月末に漁業者側が押し切られる形で新しい協定が締結されることになったと聞いております。
その図面でごらんになりますと、祝祭日のときには一応ここは使用しないということになっているんですが、そこで漁業させてくれない、プレジャーボートが入らせてくれないんだったらということで、後でこの協定を壊すというようなそんな意気込みで、非常に漁民はおびえておりまして、それに承諾した、そういうような形でございます。
松出シ瀬のようなケースのように、海域や魚種によっては遊漁は資源管理上無視し得なくなっている状況が生じてきている。平成十四年の遊漁船業適正化法改正案に対する衆議院農林水産委員会の附帯決議におきまして、国は、「近年のプレジャーボートによる遊漁者の増加に対処し、水産資源の持続的な利用を図る観点から、その実態をさらに把握するとともに、プレジャーボートを含む遊漁・漁業間の漁場利用の調整を図ること。」とされているところであります。
国としては、こういった附帯決議に基づき、今回の松出シ瀬の問題についてどのような対応をしたのか、お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○田原政府参考人 お答えいたします。
松出シ瀬海域における問題につきましては、福井県等からの報告によりますと、平成十一年六月に福井、石川両県の関係者によりまして、まず広域海面利用協議会が設置されまして、協議が行われました結果、平成十四年四月にこの松出シ瀬海域の遊漁に関する協定が締結された、これに基づきまして共存が図られてきたというところでございますが、具体的な遊漁が可能な区域ですとか期間、その後、意見の相違が出てきたということで、本年二月に一たん協定が失効したという経過の報告を私ども受けております。
その後、関係者の間でいろいろと話が行われまして、協定の一部見直しが行われまして、この三月二十三日には正式調印が行われたという報告を聞いておりますけれども、私どもといたしましては、やはり、あくまでも漁業者の漁業操業というのは、生業、なりわいにかかわる問題でございますし、ぜひそういった点につきましては、漁業と遊漁の共存といいますか、漁業者のためになるようなことでやっていただくということで、関係県とも緊密に連絡をとりながらそうした指導に努めたい、かように考えている次第でございます。
○若泉委員 これからそういう努力をしていただきたいと思いますし、きょう、そのような発言をしていただきましたので、今後またずっとその推移を私は見ていきたい、このように思っております。
漁業者が必死になって朝早くから夜遅くまで取り組む一方で、プレジャーボートなどによる大量漁獲が続いていけば、いずれ国民に対する水産物の安定的な供給に支障を来す事態も起きてくるであろうと。
そこで、国による何らかの規制が必要と考えますが、遊漁を含めた水産資源の管理について、どのように対応していかれるのか、お聞かせいただきたい。今のお答えも一緒かもしれませんが、大臣にもぜひお考えをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○島村国務大臣 今委員のお話を伺っていて大変鮮烈に思い出すのは、例の日韓漁業協定破棄の時期の問題、我々三党では、みんなが、これはもう絶対に破棄をしなきゃいけない、その条項はきちんとあるわけでありますから、これを破棄して、もう一回出直しをし、日本と韓国の漁業のいわば規律といいますか、お互いに秩序ある漁業を営むために出直しをすべきだという意見にもかかわらず、当時、正直言って外務省とはかなり意見を異にいたしまして、私はそれを強引に押し切って一たん破棄をさせていただいてやり直しました。
決して我々は争いを好んだわけでなくて、再三韓国側に誠意ある対応を求めたんですが、全く漁業に関して手が及ばないというような非常に頼りない返事しか得られなかったので、私は、やむを得ず、予告をして破棄に至ったわけです。当時は、まさに今のプレジャーボートじゃありませんが、日本海沿岸の漁場の目の前に、日本と大変比較にならないような大きな船がだあっと横並びになって漁業を営む、漁業者は、これほど国が対応してくれないならば、むしろ鉄砲を撃ち込んで、事件を起こして国に対応してもらおう、そう言うまで息巻いていたことも現実の問題としてありました。
私は、私を信用してほしいということをお願いして、再三にわたって協議をし、最後には、やはり総理も官房長官もみんな納得をして破棄をした。当時、表向きだけでも一対八と言われましたけれども、実際は十倍以上とっていたんだろうと思いますし、船の大きさも全然違う。大変な漁業被害が及んでいたわけですが。結果は、今は非常に正常化されて、三年間で両者が同量の漁獲量に結びつけるということになりました。
その後の管理について、さらにこれは監督していかなければいけませんが、プレジャーボートの問題も、大きさって大小ありますけれども、やはりある意味では同種のものではないかと思います。なるほど、レジャーも大事です。私も、レジャーを楽しむことにおいては人後に落ちないんですけれども、そのレジャーを楽しむために公の利益が損ねられていいのかどうか。やはり公益はあくまで優先されるべきでありますし、プレジャーボートで楽しむ人たちの人数も全国的にはかなりおられるかもしれませんが、むしろ漁業、例えば三国沖なんというのは日本の有力な漁場でありますけれども、これは別に三国に限ったことでない。
要するに、水産資源がこれだけ枯渇してきているときに、漁業関係者が、遊びのためにいろいろな被害を受けて十分な漁業が行えないというのは、これはまずいですし、単にその方たちの生業を守るということだけでなくて、その背景には、まさに水産物によって我々の動物性たんぱく質を賄えるという面も大きいわけですから、これは大局的に見て、プレジャーボートよりははるかに優先されるべきものだと思いますし、私は、漁業関係者がこのことにおびえて、プレジャーボート側に押されておかしな取り決めをすること自体がおかしな話だろうと思います。
こういうことは、ぜひ超党派で、こういう問題に関しては毅然たる国の姿勢を示して、やはり一般の方々の理解を求めるということがあるべき姿なんだろう、私はそう考えます。
○若泉委員 いつも大臣は共通する意見をおっしゃいますので、本当にありがたいと思いますが、尖閣諸島や竹島やら北方領土で漁業権益で争っているときに、国内でプレジャーボートと漁業者がやっていておかしくなっているなんというのは、これはとんでもない話でございますので、これは、大臣も今おっしゃいましたように、ただ御答弁だけじゃなくて、何らかの形でこれをお示しいただきたい、このように思います。よろしくお願いいたします。
それで、このプレジャーボートがあちこちに放置されているということで、実はマリーナはあちこち全国各地にできております。このマリーナ、いわゆる係留でございますが、この係留が、実は三国の海岸のすぐ近くの九頭竜川のところに三百隻のマリーナが四月一日に開港されたんです。この前、国土交通省の河川課の方にお聞きしましたら、あれは地元の漁業者やら何々協議会とちゃんと打ち合わせして、きちっとそういうものはしたと言われるのは、実は役所の言葉ですね。役所は役人のためにあるんじゃなくて国民のためにあるんです。
でありますから、当然、私は、漁業者が本当にどんな気持ちでいるのかと、私が漁業者から聞きましたら、あれは余りやってほしくないんだと。では、放置したボートはどうするのかと。そんなのは罰則かなんか与えて罰金かなんか取ればいいわけなんですよ。私は、そういう意味では、マリーナをつくっていけばどんどんどんどんふえていくんじゃないか、そのような気もいたします。
これが、水産庁の方、または漁業者と国交省の河川課の方は、ちゃんとそのための覚書をつくったと言われていますが、管理に対する覚書がまだまだできていないというふうに私は聞いています、四月一日から開港になっていますが。これについて、そういう横の連携で協議をしたのかどうか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○中尾政府参考人 九頭竜川マリーナについてお答えいたします。
福井港とかあるいは九頭竜川河口付近には、港湾とか河川とか水域管理者の許可を得ずに係留している、いわゆる放置艇でございますけれども、これが昨年の十二月現在で約三百二十隻あります。これら放置艇によりまして、付近への騒音とか駐車違反とか、あるいは治水上の問題を生じさせております。
このため、これら放置艇を収容することを目的に、九頭竜川マリーナ、正式には九頭竜川ボートパークといいますけれども、これを港湾整備事業と河川事業が連携して平成十二年度より整備を行ってきておりまして、委員御指摘のとおり、ことしの四月一日から供用を開始したところでございます。
このボートパークの整備に当たりましては、港湾と漁港、河川の各水域管理者とか警察、海上保安庁、利用者団体、それと漁業関係者がもちろん入りまして、九頭竜川河口域プレジャーボート等対策検討会を平成七年に設置いたしまして、協議を行ってきております。これからの利用におきましても、この検討会で協議が行われるものと認識しております。
以上でございます。
○若泉委員 そういう答弁が返ってくるというのは大体私はわかっていたんですが、余り現場の漁業者の気持ちを十分にお聞きになっていないということがわかります。これがお役所仕事だなというふうに感じるところもありますので、現地の漁業者の気持ちをもっと聞いてやってください。やはり怖いんですよ。お役所に逆らったら、変なことを言ったら、もう補助金がつかないんじゃないかとかといってぶるぶる震えているんですよ。そういう状況の中で、現地へ直接行って、現場で聞きますと全然また意見が違いますから。もう時間がありませんので、また次に質問させていただきます。
次に、ナホトカ号の重油の流出事故の漁業への影響、もう時間がありませんから、ちょっと私の質問をずっと読ませていただきます。
平成九年の一月に発生しましたロシアタンカーのナホトカ号の重油流出事故では、搭載した六千二百キロリットルの重油が流出し、被害が日本海側の九府県にも上る未曾有の事故となりましたが、多数の地域住民、ボランティアなどの関係者の努力によりまして、非常にきれいな海を取り戻すことができました。
重油流出による被害が大きかった三国町を現地調査した中原紘之京都大学教授は、油の処理剤が魚介類の粘膜に付着すれば、生態系のバランスを崩すことも考えられるとし、十年単位の長期的な観察の必要性を指摘いたしております。油流出の影響を明らかにするためには、ある種の生物種の寿命や生活環を考慮すれば、できれば十年くらいの期間、調査を行うことが望ましいのではないでしょうか。ナホトカ号重油流出事故にかかわる調査について、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたい。
また、最近、集中豪雨によりまして、散布されました消毒の薬が土砂とともに大量に海中に流出したおそれもあり、生態系への影響が非常に心配されるところであります。ぜひ、きめ細かい調査をしていただき、水産資源の回復につながるよう努力をしていただきたい。
もっと細かく御質問申し上げたいんですが、また次の機会に質問いたしますが、とりあえずそちらの方のお考えをただしたい、このように思います。
○田原政府参考人 ナホトカ号の重油流出に関します問題でございますけれども、まず、平成九年一月の事故直後から十年度にかけまして、私どもの水産庁の日本海区水産研究所、ここが調査を行いまして、この調査結果によりますと、調査海域におきます中和剤、これは非イオン界面活性剤ということでございますけれども、これはほとんど検出されなかったというのがその報告でございます。したがいまして、こういった報告からしますと、中和剤の使用が現在まで影響しているということは考えにくいのではないかというのが、率直なところ、私どもの考えでございます。
また、平成十六年の集中豪雨時に使用された消毒液につきましては、水産庁としては特に調査しておりませんし、福井県でも特段の環境影響調査等は行っていないというふうに聞いておりまして、ここら辺の状況につきましては、県ともよく連絡をとらさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
○若泉委員 時間がありませんので、それに対してもっと御質問したいことがございますが、実は、水質検査は、海水をバケツでちょんとくんで、これは地球上の海の水はいつも動いているわけですから、海水をとって水質検査をしたって何にもならないんです。実は、放魚をして、例えば一年ぐらいなら一年間、網で放魚をしたものがどれぐらい成長したかとか、そういうものを調査しなければいけないんですよ。それはやっていらっしゃらないということも伺っています。今後、そういったことについて、非常に大変なことになっていますので、ぜひとももう一回、再調査をお願いしたいと思います。
最後に、もう時間がありません。質問ではございません。私がきょう質問するというので、漁師の家族から一通の手紙が来ましたので、大臣、これをよくお聞きいただきまして、漁師のために、漁業者のために、ぜひともお考えいただきたい。
「消費者優位で漁業生産者不在の市場と政治」ではないかと思う。
漁獲量が減れば、消費者に合わせて輸入量が増え、食卓は潤いますが、海が戻る事はありません。
また、エチゼンクラゲのような自然被害や釣り船や韓国船などによる人的被害など、昔からある事を訴えていても政治的な動きは少なく、負担を背負うのは漁業生産者だ!
漁業者への漁獲制限だけで海を守れるわけではないし、ましてや、そこで命がけで生計を立てる漁業生産者を守ってくれるものはないように思います。
以上でございます。よろしく。じんときますね。
○島村国務大臣 全くおっしゃるとおりですよ。やはり目先目先を追っちゃいけない。
しかし、我々政治家もこれを考えなきゃいけないと思うんです。先ほどのプレジャーボートの問題ではないけれども、やはりプレジャーボートに厳しい判断をすれば、若い人の人気は落ちるのかもしれない。だから、私は小選挙区制に反対したんです。
○若泉委員 ありがとうございました。
○山岡委員長 次に、仲野博子さん。
○仲野委員 民主党の仲野博子でございます。
今、我が国は世界最大の食料輸入国であり、かつ、日々多くの動植物が世界各国と行き来をしているわけであります。今後も、さらに新しい病気が日本に侵入する可能性は高いと言っても過言ではないと思います。今回、国内のコイヘルペスウイルス病、いわゆるKHVの発生を踏まえ、輸入面での水産動物の防疫体制の強化を図るための水産資源保護法改正案と同時に、国内防疫体制を強化するために、持続的養殖生産確保法を改正する法案が本委員会に付託されました。
私の地元は、三つの国立公園を有する恵まれた自然環境にありますが、そのうちの釧路湿原公園の周辺には多くの湖沼が散在しており、内水面を利用した漁業も営まれております。先日、その地元の内水面漁業協同組合にお邪魔をし、地域の方々と直接お話しする機会を得ました。地域の漁業者の皆さんからは、昨年当地で発生したKHVの対策にかかわって、多くの切実な声が私に寄せられました。また、これもつい五日ほど前でありますが、沿岸部でアサリなどの養殖生産に携わっておられる漁業者の方々から、北朝鮮産のアサリが福岡県のスーパーで熊本産として売られ、農水省が日本農林規格、JAS法に基づき再発防止を指示したという事件に関連して、外国からの稚貝を含む貝の輸入に対する防疫体制の不安も訴えられました。
これらの生産者の皆さんの思いを代弁させていただく気持ちで、これより質問に入らせていただきたいと思います。限りある時間でありますが、誠意を持った御答弁をよろしくお願い申し上げます。
初めに、天然水系におけるKHV蔓延防止対策について質問いたします。
昨年は、全国各地でこのKHVによる被害が発生をし、養殖業を中心に多くの生産者の方々が甚大な被害を受けられました。先ほどお話をしました私の地元の湖でも、KHVの発生に伴い、北海道内水面漁場管理委員会が、漁業法に基づいて、コイの水系からの持ち出しの禁止や放流の制限などの指示を出しました。そして、その周知のために、地元関係者による看板の設置作業や、連日のコイの回収に追われました。
しかし、こうした天然水域におけるKHVを原因としたコイの焼却や埋却に要した費用は、持続的養殖生産確保法の対象とはなっておらず、全く補てんされませんでした。地元の漁業者の方たちは、漁もできない中で、一日一万円近くの燃料代をかけて、へい死したコイの回収を行ったとお聞きしました。もうお金のことは言っていられない、何とか自分たちの豊かな自然を守っていきたいと、必死な思いだと言ってもおられました。こうした焼却などの処分費用は地元の自治体が全額負担をし、その費用の一部は前年度に限り特別交付税で措置をされました。
持続的養殖生産確保法は養殖業の発展と水産物の安定的な供給を図ることを目的とした法律であることは、もちろんわかっておりますが、しかし、海中や水系を自由に泳ぐために、防疫を行うのが困難であることも承知しております。しかし、KHVに関しては、天然魚についても大きな被害が発生しているのも事実であります。天然水域におけるKHVの発生状況について、まず大臣にお聞きいたしたいと思います。
○島村国務大臣 KHVにつきましては、いわば病原体が我が国に侵入してからまだ間もないわけでありますが、その発生が確認されているのは、平成十七年三月現在で、二千八百三十一の一、二級河川水系の約三%に該当する七十五の水系にとどまっており、発生水域は今のところ限定されています。これは水温が十八度から二十五度ぐらいの状態で出やすいそうでありますが、農林水産省としては、今までの経験に立って、専門家による技術検討会の助言を受けつつ、引き続き的確な蔓延防止の措置に努めているところでありまして、こういうことが余り先行きに広がりを見ないように最善を尽くしていきたい、こう考えております。
○仲野委員 今大臣からお答えいただきましたけれども、昨年発生した水温が十八度から二十五度の間でありますが、これから春以降、再度このKHVが発生するおそれがあるということが大変危惧されているわけでございます。養殖魚と異なって、感染魚の処分と施設の消毒が困難な天然水系における再発防止の対処方法について、もう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。あわせて、KHVが人体に影響がないことを積極的にPRする必要があると思いますが、この風評被害対策についても、再度政府の見解を求めたいと思います。
○中川政府参考人 天然水域におきますコイヘルペスウイルス病の蔓延防止対策についてどうかというお尋ねでございます。
これまで、KHVが発生をしました天然水域につきましては、これは根本からその病原体を根絶するという有効な手段は、残念ながらございません。したがいまして、このウイルスに感受性を持つコイにつきましては、天然水域に新たに放流をするだとか、あるいはまた、別の水系にこれを持っていくとか、こういったことを制限する、移動制限をかけるというのが唯一の有効な蔓延防止対策。そういうことの蔓延防止対策として一番大事なのは、やはり移動制限をかけていくこと、早期に発見をして、そして移動制限をかけるということだというふうに思っております。
それで、先生も今御指摘ありましたけれども、内水面漁場管理委員会等の指示によりまして、発生地域からのコイの持ち出しの禁止、あるいは、新たに放流をする場合には、その放流をする種苗が既にコイヘルペスウイルス病にかかっていないかどうかということをきちっと確認して、正常なものをやるという、そういった制限をするなり禁止をするといったことを徹底するのが何よりも大事なことだというふうに思っております。
そこで、そういったことをきちっと守っていただくために、これは漁業者の方もそうですし、釣りをする方もそうでありますので、パンフレット、これを数十万部つくりましたけれども、こういったものを一般の方も含めて配布いたしまして、そして、こういった適切な対応をしていただくように、私どもとしては、普及それから啓発、あるいはまた必要な場合には指導助言を行っているところでございます。
それから、風評被害につきましては、今水産庁長官の方からお答え申し上げます。
○田原政府参考人 先生の方から、後段、KHVの風評被害対策ということで御指摘がございましたので、御説明させていただきたいと思いますが、先生も先ほどおっしゃられましたように、このコイヘルペス病というものは人には感染しない、人魚共通病ではないということがまず基本でございますし、当然のことながら、仮に感染したコイを食べましても、安全であるというか、人間には健康上何の問題がないということでございまして、これは私どもも、一昨年の発生以来、機会あるごとにPRに努めているところでございます。
具体的には、農林水産省のホームページですとかパンフレットの作成、こういったことによりまして、こうしたKHVに関します情報の発信ですとか、さらに生産者団体におかれましても、風評被害対策ということでいろいろなイベントですとか資料の作成、こういったことをされておりまして、こうしたことに対します支援、さらには出荷いたしますコイの健康証明の検査費用の支援、こういったことに取り組んでいるところでございます。
私どもといたしましては、引き続きこうした取り組みを進めることによりまして、できる限り風評被害が生じないようにということで努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○仲野委員 今、残念ながら根本からの対策がないということで、そこで、これの対策をしていかなければならないということでありますけれども、これについて、例えば予防に効果があると言われております水産用ワクチンの開発状況について、現在どのような状況になっているのか、お聞きいたします。
○中川政府参考人 我が国でコイヘルペスウイルス病の発生が確認されましたのは平成十五年の十一月の一日であったと記憶しておりますが、十六年度の予算編成の最終局面ということもありまして、急遽平成十六年度から、ワクチンの開発を含めまして、いろいろなKHVの対策、これはワクチンだけではなくて、まず早期に確定診断をするための技術開発その他いろいろございますけれども、こういったものを独立行政法人の水産総合研究センターの中の養殖研究所などを中心としまして、至急、技術開発、研究開発をしていただくための予算措置も講じたところでございます。これを三カ年程度の間、集中的に、今おっしゃいましたウイルスに対しますワクチンの開発も含めまして、技術的な検討をしていきたいというふうに思っております。
○仲野委員 そのことについては、今やっているということで評価をしたいと思います。
いずれにいたしましても、今、天然水系で内水面漁業を営まれている方たちの思いを、きょうは大臣にちょっとお尋ねしていきたいと思います。
この内水面漁業というのは、言うまでもないんですが、河川や湖沼などで営まれる淡水漁業とも呼ばれている漁業であって、大雨による土砂や、あるいは農薬や生活排水の流入など、周辺部の環境の影響を強く受ける特性を持っております。したがって、漁獲の対象となる水産資源の減耗を招きやすいために、漁期や漁法などの制限が行われ、加えて、漁業権管理者には稚魚の放流などの増殖義務が課せられているわけであります。そして、海面漁業と異なり、水産資源の繁殖保護を条件に漁業権が許可をされているという特殊性も有しているわけであります。
昨年、私の地元で発生したKHVは、他の地域から購入をし放流したコイが原因でないかと言われております。
そこで、質問いたします。
持続的養殖生産確保法に基づく蔓延防止命令及び損失補償の対象範囲について、漁業権に基づく内水面漁業にかかわる者についても検討することができないのかどうなのか、大臣の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○島村国務大臣 持続的養殖生産確保法に基づく損失補償は、焼却処分等の蔓延防止措置の対象となった養殖水産動植物の所有者等に対し、その命令により通常生じる損失補償をするためのものであります。漁業権に基づき内水面漁業を行っている者は、天然水域の水産動物を所有しておらず、また、蔓延防止措置の命令の対象ともならないことから、損失補償を行うことは困難であると考えております。
○仲野委員 今、困難であるというお答えだったんですけれども、この内水面漁業というのは、養殖事業にある意味で準じた形で繁殖保護というものが義務づけられているわけであります。法律の対象とならないからという考え方ではなくて、法に準ずるという考え方を持って、KHVに感染してへい死したコイの処理費用等について損失補償の対象にすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○中川政府参考人 今のお尋ねは、いわゆる養殖ではなくて天然水域においての話でございます。
そうしますと、天然水域での死亡魚などの回収あるいは処分等につきましては、河川の管理者がございます。現実に、昨年などもその管理者を中心としまして、都道府県あるいは市町村で、それぞれの現場の状況に応じて、協力してそういった処分をしていただくというのが原則というふうに私ども考えております。
現に、都道府県あるいは市町村がコイヘルペスウイルス病対策に要した経費につきましては、財政運営に支障が生じないように、特別地方交付税の交付が行われ、それによって対応されたというふうにも聞いておりますし、私どもとしては、そういった形で現場で対応いただくのが適切ではないかというふうに思っております。
○仲野委員 この方は中川安全局長さんでいらっしゃいますね。今のお答えを聞いていると、随分冷たいなと思いました。副大臣、笑い事じゃないと思います。
現場で解決するべきだと。では、あなた方の仕事というのは一体何なんですか、こう問いたくなりますね。消費・安全局、消費者に安全を提供していく。
きょうは皆さん、インターネットを地元で見ておられます。これでしたら、消費者に対して、安全というよりか、不安を与える不安局長と言った方が、議事録を精査されるかもしれませんけれども、本当に誠意のある答弁ではないと私は思っております。
この内水面漁業の一つの側面として、一般に公開をされ、広く国民の憩いやレジャーの場としても利用され、その公共性が高いという特性も挙げられております。法律で規定された特定疾病の拡大を防ぐためには、利用者や地域住民に対して広く啓蒙活動も行わなければなりません。先ほど紹介したへい死したコイの回収も、湖沼の利用者に不快感を与えないために、必死のそのコイの回収作業に時間を要したと言っているわけであります。
そして、本当にこうした公益性という観点から、この回収費用等に対する何らかの措置をとっていただくことができないものかどうなのか、強く答弁を求めたいと思います。大臣にお尋ねいたします。
○島村国務大臣 補償は厚ければ厚いほど喜ばれますし感謝されますが、すべてのことに補償、補償、補償ということが果たして可能かどうか。例えば、昨年は大変な災害が起きました。激甚災の指定を受けたところも、そうでないところもございますが、それぞれに、大変厳しい自然の猛威の被害を受けているわけですね。我々はすべての人にたっぷり補償したいというのは本当のことです。しかし、やはり国民からいただく税金にもおのずから限りがあるわけでありますから、その辺は、我々は我々なりに現実に即して可能な限りのことに努めているという意味でございまして、中川局長は極めて情のある、誠実な官僚であると私は敬意を表している人間であります。
○仲野委員 大臣が御自分の部下の方たちをそのように評価されることは、それは私は否定するものでも何物でもありません。しかし、大臣はだれのために仕事をされているのか。国民のためでありますでしょう。いい水産行政、あるいは本当に消費者の方たちに対して安全、安心、そういった食料の供給を推進していくという立場にあるわけでございます。そういった立場から、きょう私も質問させていただいているわけであります。
これは大臣、昨年十一月に、内水面漁業で初めてとなるブラックバス、アユ冷水病問題の早期解決を求める総決起集会が開催されて、島村大臣もこの集会に駆けつけられたとお聞きしております。
その集会宣言の中では
種苗放流事業に依存する内水面漁協の経営は危機的状況に追い込まれ、我が国の内水面漁業は消滅寸前の窮状におかれている。
これらの難題は、すべて外部からもたらされたものであり、その原因、要因は、国の責任において対策が講ぜられてしかるべきであるにもかかわらず、未だに原因の究明、被害に対する納得できる施策が講ぜられていないことについて、我々の不満は強い憤りに変わっている。
と訴えられている。これが全国の六十万人と言われる内水面漁業者の偽りのない気持ちだと思います。
大臣もこの集会に参加をされた。大臣は、本当に今この内水面漁業の置かれている現状を、何とか打開の道を切り開くためにこの集会に参加された、私はそのように思っているわけでございます。したがいまして、ぜひ昨年の十一月を、あなた、思い出してください。きょうこの場において、内水面漁業における、例えばこういった病気が発生したときに、そこで生産をされている漁業者がいるのであります。したがいまして、こういった現状をどのようにとらえられて、どのような将来展望を持っているのか、今後どのような支援を行っていくのか、不退転の決意でお答えいただきたいと思います。
○島村国務大臣 いろいろなケースがあるわけですから、すべてのことに皆さんに御満足いただく答弁をしていたのでは国家が破産してしまいます。やはり私たちは、例えばあの会にも伺いましたし、私の親しい議員が与野党、党を問わずたくさんおられました。私は常に、自分は至らない人間であることは重々承知ですけれども、誠実に事に当たっていることだけは自信がありますし、その裏側に汚れたものがないこともまた事実であります。常に正直に、誠実に事に当たりたいと、自分をいつも戒めているところであります。
○仲野委員 大臣、私は昨年十一月の臨時国会のときに初めて、大臣が就任されてまだ間もなく、水産に関してお尋ねをしたことがあります。私は、前亀井農林水産大臣もすごく尊敬をしておりましたし、今の大臣もそのように、すごく温かいハートで仕事をしていきたいという旨のお答えも、酪農関係の質問をしたときに、いただいているわけであります。でも、きょうの御答弁を聞いていますと、いや、やはりちょっと私の洞察力がなかったのかなと、そのように思っているわけでございます。やはりこれは役所の縦割り行政がこういった弊害を招いているのではないのかなと思うのであります。
大臣は昨年のこの集会のあいさつの中で、農林水産省も環境省、きょう環境省はいらっしゃらないと思うんですが、環境省と連携して内水面漁業の抱える諸問題に取り組んでいる、今後も十分な役割を果たしていきたいと述べられた旨の報道がされておりました。
私は、やはり農林水産省の中においても、この魚の病気の対策は消費・安全局、経営支援は水産庁という、それぞれ縦割りの感覚がまだあると思うのであります。この現場の実態をとらえた、総合的な内水面漁業にかかわる施策のさらなる充実を強く要請したいと思います。
時間がないので次の質問に入らせていただきます。
この持続的養殖生産確保法第十三条に基づく魚類防疫員の任命やその配置が、本当に不十分と言わざるを得ません。魚の病気を診断し治療する専門家、獣医師などの育成とその絶対数の確保を今後どう進めていくのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○中川政府参考人 済みません。事実関係のことも含めまして、私の方からお答えをさせていただきます。
水産防疫につきましては、主として都道府県の水産試験場等がそういった魚病指導機関の役割を担っているわけでございまして、ここで都道府県知事が任命をいたします魚類防疫員が中心となって実際の防疫措置を行っております。
こういった魚類防疫員などの専門家の方々の資質を高めるために、農林水産省といたしましては、日本水産資源保護協会、これは民間の団体でありますけれども、そこに委託をしまして、具体的な専門的知見を研修していただくための研修事業というものを実施いたしております。この研修事業を受けられて、既に魚類防疫士という資格をお取りになった方が六百六十人ほどいらっしゃいます。こういった方々に対しまして、さらに必要があれば、新たな知見を獲得するための研修強化、そういったものもこれからやっていきたいというふうに思っております。
現に、コイヘルペスウイルス病が一昨年の秋から昨年にかけて発生をいたしましたので、各都道府県におきましても、この魚類防疫員の方々の数をかなりふやしておられます。平成十五年の十月と平成十六年の十月、この一年間を見ますと百二十名程度、数もふえております。
そういったことで、現場での対応のために都道府県も一生懸命やっていたいだいているというふうに私ども思っておりますし、さらに、農林水産省としてできることは、こういった魚類防疫員の方々の資質を向上させるために研修の中身を充実していく、そういったことを中心に対応していきたいというふうに思っております。
○仲野委員 農林水産省、国としては研修の充実に当たっていきたい、しかし、その任命権は都道府県にあると。
いずれにいたしましても、今都道府県は財源がございません。やはり財源を何とか都道府県に移譲できるような、そういった予算措置をしっかりとやっていただきたい、そのようにお願いをするわけでございます。
時間ももうなくなってきたのでありますけれども、今我が国は水産物やその他の食料、飼料の世界一の輸入国であります。したがって、検疫やサーベイランスを幾ら強化しても、疾病が国内に侵入する可能性はこれから高くなっていくと思われます。特に家畜や観賞魚を含めたペットや実験動物等の移動、汚染された食品などの輸入、人の交流や旅行者の増加による人畜共通感染症、いわゆるズーノーシスが侵入してくる危険度も高まっております。
危機管理とは、事故の発生を未然に防止することで安全を講じるとともに、発生した場合にその対応を支障なく遂行することだと言われているわけであります。国民の命の糧を供給する食の安全や、一度失えば取り返しのつかない可能性がある環境保護に対する危機管理体制の確立はとみに重要であり、そのための制度や予算の施策の充実を今後もさらに政府において追求していかなければならないことだと思います。
大臣、きょう、御答弁がありましたけれども、最後にこの質問にあなたの御答弁を改めていただきたいと思います。
○島村国務大臣 御趣旨に沿って、我々も最善を尽くして頑張っていきたい、こう思います。
○仲野委員 今国会、まだまだこの委員会が開会されると思いますけれども、そのたびに問題点を指摘されたときには、十分に誠意を持った御答弁をお願いして、いずれにいたしましても、天然水域におけるKHV対策についてもよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○山岡委員長 次に、山内おさむ君。
○山内委員 民主党の山内おさむでございます。
境港市のように水産業を基幹産業とするような地域では、魚の水揚げによってその地域の経済が左右されます。その水揚げされた魚をそのまま商品として、あるいは加工品として消費者の多様なニーズにこたえていくということは、その地域の存立そのものにかかわってくる大変重要な問題だろうと思っております。
最近、国の方で日本海沿岸のベニズワイガニの資源回復計画が策定されまして、七、八、九、この三カ月間を禁漁とするということが決定されました。まずこの点について、大臣から効果のほどをお聞きしたいと思います。
○島村国務大臣 お答え申し上げます。
これは、要するに、従前は二カ月であったものを今度はもう一カ月休漁期間を延長させた、こういうことなんでございますが、その意味は、日本海のベニズワイガニの漁獲量が近年大幅に減少しておりまして、ちょっと信じがたいことですが、三年後には漁獲対象となるサイズの資源が枯渇することすら懸念されているという状況にあるわけであります。
ちなみに、数字を申し上げますと、例えばピーク時には、大体昭和五十八、五十九年当時でございますが、約五万四千トンぐらいとれていたものが、今や一万五千トンと、極端な減少を見ておりますし、この数字を見ますと、年々落ち込んでいるわけであります。
そういうことにかんがみまして、農林水産省としては、三十日間の休漁の追加を柱とする日本海沖合ベニズワイガニ資源回復計画を先月取りまとめたところであります。本計画の着実な実施により、雄ガニの資源量の増加を図りまして、平成二十三年までの七年間で資源量の減少に歯どめをかける効果がある、そう考えておるところであります。
○山内委員 確かに、ズワイガニにつきましては、漁の期間とか、それから一隻の船がとる箱数、それもきちんと制限し合って資源回復に努めたということもあって、悪かったときの約倍ぐらいの漁獲量があるようですけれども、事ベニズワイに関しましては、今大臣おっしゃっていただきましたように、EEZ外の漁獲を含めても、もう一万五千トンを割るような数字になっておりますので、これは大変深刻な問題だと思うんですが、この辺の数字になった事情というのはどういうふうに把握しておられますか。
○田原政府参考人 お答え申し上げます。
まずズワイガニでございますが、具体的な漁獲量ということで申し上げますと、ただいま先生も御指摘になられましたけれども、一番の最低でありましたのが一九九二年でございまして、このときは二千トン未満であったというものが、最近では、これは我が国のEEZの内外を合計いたしますと六千トンを超えるというような状況になっております。
こうしたズワイガニの資源の回復傾向というものは、基本的にはズワイガニにつきまして省令によります採捕の規制を行っておりますけれども、このほかに漁業者の方々が自主的な資源管理の取り組みを行っておられまして、適正な漁獲圧力といいますか、漁獲圧力が過大にならないようにという取り組みをなされているためではないかというふうに思っております。
他方、ベニズワイガニは、先ほど大臣からもお答えがございましたように、二十数年前は五万トンを超えるものが、もう一万五千トンを切るような漁獲量というふうになっておりますけれども、このベニズワイガニにつきましては、省令で禁止しているもの以外のそういった自主的な取り組みというものはございません。
したがいまして、私どもといたしましては、この再生産に悪影響を与えないような資源管理が必要ではないかということで、今回は、漁業者の方々に話をしていただきまして、平成十七年度からはそうした休漁期間の増大といいますか、そういったことによりまして日本海におけるベニズワイガニの資源回復計画を定めたいということで対応させてもらっているところでございます。
○山内委員 大臣がそろそろ参議院の方に行かれないといけないようですので、大臣に最後の質問をさせていただきます。
日韓暫定水域の問題についてはいろいろ論点がございますので、また後日まとめてお伺いをすることにしまして、このベニズワイガニの問題、これは日韓暫定水域で随分たくさんとれていたんですね、昔は。ところが、日本の漁船がおろしたカニかごの上に韓国がかごを乗せるとか、あるいは日本の漁船がおろしたかごの綱を切ってしまうとか、随分、もう操業できなくて、最近は竹島の問題でももめているものですから、暫定水域内で日本の漁船が操業することがもう困難を強いられているんですね。そのあたりの事情と、それから暫定水域内での漁業についてどう改善をされる御決意があるのかをお伺いしたいと思います。
○島村国務大臣 今御指摘の竹島周辺水域を含む北部暫定水域におきましては、近年、我が国のベニズワイガニ漁船が六隻程度操業しておりまして、その漁獲量は二千二百トンであります。この北部暫定水域では韓国漁船の漁具設置が多く、我が国の漁船が十分に操業し得ない状況にありまして、資源状況の悪化も同時に懸念されているところであります。
お互いが将来を考えるならば、やはり秩序ある漁業というものを、お互いにその道を探って、お互いが粛々と漁業を営まなきゃいけないのですが、なかなか、韓国を相手にいろいろな交渉を長年やりましたけれども、相手はそう日本のようにしゃくし定規な対応をしてくれるというようなものではありません。
さはさりながら、私たちは、漁業関係者が安んじて漁業をきちんと営める環境を用意していくことも我々の責務でもありますから、そういう意味では、ただいま委員も御指摘になりましたけれども、日韓両国の漁業者による民間協議として操業秩序維持に向けての話し合いが行われてはおりますけれども、それらを単に支援するのみではなくて、我が国として、北部暫定水域を含めた日韓両国の関係水域における漁業秩序の確立と資源管理に関して政府間協議を行うように、今、強力に働きかけているところであります。
御存じのとおり、今、日韓関係、かなりぎくしゃくいたしておりますのでまだ結論に至っておりませんが、我々はこれから忍耐強くといいましょうか、これらについて精力的に取り組んで、一日も早くこれらについての話し合いをし、お互いの漁業の基本を確立していきたい、こう考えております。
○山内委員 どうもありがとうございました。
日韓漁業交渉の問題については、今、民間ベースで頑張ってくれというようなことで、国が前面に出ていないという状況がございますので、もう少し国の方で、日本の水産業を守っていくという視点から、取り組みをもっと積極的に行っていただきたいと思っています。
先日、法務委員会の方で、船主責任制限法という法律を改正いたしました。これは、船がいろいろ事故を起こしたりすることによって莫大な損害が発生するものですから、船主の責任を制限するということが世界各国の条約になっておりまして、日本もそうなっていたんですけれども、その責任範囲をもう少し上げようというような法案なんですね。もう一つは油濁防止条約、防止法という法律が制定されたものですから、百トン以上の、まあロシアとか北朝鮮とか、保険に入っていない国の漁船が日本に入港しにくくなった。そして今回の資源回復計画。つまり、水産業で生計を維持しているような地域にとってかなり酷なというか、状況にはなっているんですね、その業者の皆さんにとっては。その業者の皆さんだけの経営だけ考えているわけじゃなくて、やはり日本じゅうの消費者の皆さんに安定的に食料を供給するという義務もあるものですから、国として政策的な考慮も必要じゃないかと思うんです。
先ほどから同僚議員の議論をお聞きしていますと、確かに国の財政も厳しい、そして、補助とか交付金とかということをなかなか全部が全部政府としてとれる手段ではないという議論は、それはよくわかります。わかりますが、例えば、ベニズワイガニを海外あるいは日本の漁業者から仕入れて加工している、そういう人たちに対しての、何か、支援するとか援助する仕組みというのは、ひとつ検討をしていただくことはできないものでしょうか。
○田原政府参考人 お答えいたします。
ただいま先生から、ベニズワイガニを中心といたしまして、外国産の原料それから国内産の原料ということで、主として水産加工、流通関係の方々への影響という点でのお問い合わせということではないかというふうに理解しております。
まず一つ、ちょっと追加して申し上げたいと思っておりますのは、先ほどの国内のベニズワイガニの資源回復計画でございますが、この計画につきましては、加工業者の方々からも十分御意見をちょうだいいたしまして、加工原料の安定供給ということで、休漁期間の開始時期、これは、加工の実態に合わせるということで、来年の四月から六月の間の三十日間ということで合意もなされております。
こういったことによりまして、なるべく加工業者の方々には影響が、大きくはならないようにということでやっておりますし、そもそも資源回復計画自体の休漁も、資源量の回復を目指す、増大を目指すということでございますので、こういった対応で加工業者の方々の経営の安定にも資するのではないか、かように考えております。
また、先ほど改正油濁法の話ですとかいろいろな御指摘がございましたのですけれども、私ども、基本的にはこうした加工にかかわる点につきましては、関係県ですとかあるいは関係市、こういったところと連携、協調いたしまして、例えば原料転換によります新商品の開発ですとかブランド加工品の普及、こういったことをやりたいということであれば、強い水産業づくりの交付金を使うということですとか、さらには水産加工資金制度もございます。あるいは、運転資金の融通に関します水産加工経営改善促進資金制度、こういったこと等もございまして、実態に合わせまして、関係県とよく協議をしながら、どうした対応をやっていくのかという点については、そこはきめ細かく対応させていただけたらというふうに思っている次第でございます。
○山内委員 鳥取県については資源回復計画の禁漁期間の定めを一年先送りしていただけるようですし、その点も含めて、地元の要望も十分に聞きながら、これからの施策を推進していただきたいと思っています。
今回の水産資源等の法律の問題に入らせていただきますが、その前に、ちょっと残念な事件が北海道の方で起きているようでございます。カルビーポテト事件について、水産資源の問題に入る前に若干お伺いをしたいと思います。
カルビーの子会社であるカルビーポテト株式会社が、種バレイショについて植物防疫官による検査なしに譲渡をした。北海道庁が、この事件については一度、二〇〇〇年に実態を把握して会社に対して指導をしたところ、会社の方から、加工用に使うものではなくて、試験的に農家に栽培をしてもらっていたんだというような弁解を、実は、真に受けられたのでしょうか、もうそれ以上の指導をされなかったという事実が起きている。この点が一点。
それから、報道によりますと、道から農水省の方には二〇〇〇年の段階で一たん報告が上がっている、しかし、農水省の方では、その報告に対して全く、道あるいはカルビーに対して指導をしていなかったということが言われています。もしそれが事実だとしたら、これから考えていくいろんな農産物あるいは水産資源について、海外から物を仕入れようというときの防疫体制というのを根本から揺るがすような事実ではないかと思うんですが、そのあたりの説明を求めたいと思います。
○岩永副大臣 大変残念なことであったわけですが、北海道庁が平成十二年にカルビーポテト株式会社に対してバレイショの供給状況について確認をした、その中で発覚したわけでございます。それで、バレイショを販売していることはなく、カルビーとしては、試験用のバレイショを自己完結で生産して、試験用に供給している旨の説明をしてきたわけでございます。しかしながら、同社がこうした説明をしたことから、農林水産省では当時植物防疫法に違反しているということの確認はできなかったわけでございます。
しかしながら、今回このような事件が発生したことを踏まえまして、今後、同様の違反が生じないように、バレイショ検疫制度について関係者へ周知徹底を図って再発防止に努めてまいりたい、このように思っています。
また、カルビーポテト株式会社に対しましては、三月十八日に農水省が告発しておりまして、今立件をしている最中でございます。以後こういうことのないように努めてまいりたい、このように思っております。
〔委員長退席、楢崎委員長代理着席〕
○山内委員 ジャガイモセンチュウですか、この虫は人体には害がないということで、私もですけれども、子供たちも本当に好きな食べ物なものですから、新聞記事を見たときにはびっくりしましたけれども、後で人体に影響はないということを聞いて、本当に父親としてほっとしました。
しかし、この人体に無害ですというのを実はカルビー本社がホームページで宣伝しているんですね。いや、それはよくない、自分たちが悪いことをやっていながら、人体に影響がないからどんどん買ってくださいみたいなおわびの仕方は私はないと思うんですね。
だけれども、かといって、このまま北海道での優良企業というか日本でも一流の企業だと思いますし、バレイショをつくっている農家も北海道にたくさんおられると思いますので、バレイショの生産というか、そういう地域の経済が壊れていってもいけないと思うんですが、そのためには風評被害を防止しなくちゃいけないということが、まず起きた後は至上命題だと思うんですが、そのあたり、省としてはどう考えておられますか。
○中川政府参考人 先生が今おっしゃいましたように、ジャガイモシストセンチュウは、バレイショなどの根に寄生をするということで、農作物の生産では大変重大な被害を与える虫でありますけれども、人の健康に影響することはないわけでございます。
三月十八日に農林水産省がカルビーポテトを告発いたしました際にプレスリリースをしたわけですが、その際にも、風評被害の防止に十分配慮いたしまして、今回の違反事例というのは食品の安全性の問題ではないということ、植物防疫法上の違反の問題だということを報道関係者の方々に丁寧に御説明をし、また、報道に当たってはこの点十分注意していただくようにお願いをしたところでございます。
これは農林水産省でも行いましたし、それから、現地の北海道庁でも、同日、同じようなプレスリリースがされておりますけれども、その際に、人の健康の問題ではありませんということを、きちっとプレスの関係者の方々に伝えているところでございます。
○岩永副大臣 先生、済みません、先ほど三月の十八日に告発したと言いましたけれども、北海道警察本部に告発したのは三月十一日でございまして、三月十八日は廃棄を農水省がカルビーポテトに命じたということでございますので、ちょっと、日を訂正させていただきます。
○山内委員 植物防疫については、例えばアメリカのレタスにも害虫がついていたという事例も最近ありますし、コガネムシを子供たちが、お父さんも一緒になって日本に輸入した、昆虫の標本に似せて輸入したというような事件も起きております。やはり防疫というのは、関税と同じで、外国からの変なものの侵入を必ず防がなくちゃいけないという仕組みだと思います。そういう意味では、防疫という問題に対しての省の心構えが今問われていると思うんですね。
その点で一点お伺いしたいんですけれども、この四月の十四日から施行されます植物防疫措置の見直しということがあるんですが、これは、日本にその害虫がいる場合には、防疫というか検査をしなくてもいい、そういう仕組みをとられるようなんですけれども、これこそまさに法令遵守精神というのをないがしろにするものじゃないかと私は思うんです。
日本にその害虫がいれば、外国から入ってくるかどうかまで検査しなくてもいい、そういう仕組みをつくることによって、先ほど述べたような、一流企業が検疫を受けないで物を販売していく、あるいは子供たちが輸入禁製品であるコガネムシを輸入してしまうというような事態が発生するんじゃないかと、私は大変危惧をするんですけれども、その点についての省の見解を伺いたいと思います。
○岩永副大臣 検疫の対象とするのは、我が国において既に発生している病害虫などについて、国内での分布状況がどうなっているのかというようなことを科学的な見地からリスク評価を行った上で、農業生産上悪影響を及ぼすかどうかという観点で判断するわけでございます。
それで、こういうような考え方につきまして、本年の四月一日には、このリスク評価に基づいて、農業生産上悪影響を及ぼさない、こういうことで判断された病害虫四十六種を植物検疫の対象から除外した、このことなんですね。
それで、本措置の決定に対しましては、公聴会を開いたり、また学識経験者による科学に基づく意見を加えたりしながら、利害関係者の意見も聞いて実施したわけでございます。
ただ、ポイントになるのは、先生、SPS協定でございますよね。これはWTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定、ここで、必要以上に貿易制限的な措置となってはならないということを言われているわけです。それで、こうした国際的なルールというのが、重要な病害虫の我が国への侵入を防止するためにリスクに応じた的確な植物検査措置を講じることが重要だ、こういうことになっているわけでございますので、このSPSに基づいて対応していかなきゃならぬということが第一義的ではないか、このように思っております。
○山内委員 副大臣のおっしゃることは私もわかるんですけれども、例えばこのジャガイモシストセンチュウですか、この病気にしても、もともと北海道に何年か前からいる病気だったんですよね。だけれども、やはりその検疫が必要だということで、今回のカルビーの事件みたいに摘発、告発まで行ったわけでして、やはり、そういう病気が日本にもともとあるからといって検疫体制を緩めるということのないように、これからも引き続き水際対策はやっていただかなければいけないと思っています。
残念ながら、コイヘルペスなんかにしてもそうですよね。このコイヘルペスの問題も、日本の文化というのは、昔からコイを食べる食文化があったと思うんですよ。だから、そういう方々に対しても、それから観賞用に飼っておられる方々もたくさんおられて、コイヘルペスの蔓延で甚大な影響を与えられた方もおられるわけなんですが、そもそも根絶というのはこの病気については無理なんでしょうか。
○大口大臣政務官 お答えさせていただきます。
コイヘルペスの根絶、これにつきましては、自然水系でそれをさらうというようなことは非常に困難である、こういうことが現実としてはあるわけですね。このコイヘルペスウイルス病につきましては、平成十五年の十一月に我が国で初めて確認されて以来、平成十七年三月まで、全国のコイの養殖経営体一千六百経営体のうち百二経営体、そしてまた、一級、二級河川二千八百三十一のうち七十五水系、約三%において発生が確認されているわけでございます。都道府県でいきますと、四十七都道府県のうち三十九都道府県なわけですね。でありますけれども、パーセントで言いますと、こういうところでございまして、病原体が我が国に侵入してまだ間がない、他の国内の常在疾病と比較すれば、発生水域はなお限定されている、こういうことでございますので、これからしっかりと対策を打っていくことが大事だと思うんです。
農林水産省といたしましても、専門家による技術検討会、これはコイヘルペス病に関する技術検討会というものを設置いたしまして、的確な蔓延防止策の実施について検討しているところでありますが、影響を最小限にするために、新たな水域への拡散を可能な限り防止する観点から、引き続き蔓延防止措置を継続すべき、こういうところでございます。
なお、今後の対策を効果的に進めるために、コイヘルペスウイルス病の防疫技術の研究開発について、独立行政法人の水産総合研究センターを中心に、産学官の協力で取り組んでいるところでございます。
今後とも、専門家の助言を得つつ、都道府県や関係者と連携協力を密にして、早期の発見、それから迅速な診断技術、あるいはワクチンの開発、こういう蔓延防止措置を的確に実施してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山内委員 時間が来ましたので最後にさせていただきますけれども、霞ヶ浦で最初に見つかったものですから霞ヶ浦が一番悪くなっていて、かわいそうに思うんですけれども、そもそも霞ヶ浦で発生したのが何なのかということをやはり考えないといけないと思います。
それから、霞ヶ浦に何かコイを捨てたということがもし原因だったら、ペット一般じゃなくても、例えばコイに絞ってでも、そういう大切な湖沼に捨てることについて、罰則というかそういうものも考えていく必要があるのではないかと思うのですが、そのあたりの検討はされているんでしょうか。
○中川政府参考人 二点お尋ねがあったかと思いますけれども、まず後の方の、個人が飼っているコイについて何か規制をする必要があるのではないかということでございます。
現にコイヘルペスウイルス病の発生の状況を見ますと、自然の河川や湖だけではなくて、公園の池などでも相当発生をしておりますし、こういったところでの感染については、やはり、趣味としてコイを飼っておられる一般の方が、感染に気づかないままコイを放流したというのも要因の一つではないかというふうに私ども考えております。
農林水産省といたしましては、こういった飼育をしているコイあるいはまた河川で釣ったコイなどを、むやみに他の水域に放流することがないように、パンフレットなど六十万部も作成をいたしまして配布をし、また各都道府県の広報誌なども活用して、一般の方々への啓発に努めてきたところでございます。
清浄性が確認されていないコイを天然水域などに放流することにつきましては、漁業法に基づきます都道府県の内水面漁場管理委員会の指示によりまして、一定の制限あるいは規制をすることができることになっております。現に各都道府県でそういった措置も結構とられておりますので、こういったことにつきましてさらに指導を徹底していきたいというふうに思っております。
○山内委員 BSEを初め、植物あるいは水産物について食の安全が今まさに問われていると思っておりますので、これからも農水省として全力でこの問題について取り組んでいただきたいことを最後にお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○楢崎委員長代理 次に、山本喜代宏君。
○山本(喜)委員 社民党の山本であります。
水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部改正案について質問をいたします。
一昨年以降のコイヘルペスの発生によってコイの養殖業者は甚大な被害を受けたわけでございます。廃業に追い込まれる業者ということで、深刻な事態に陥っているところもございますが、三十九の都道府県に蔓延をして、防疫体制の強化ということが求められているわけでございますが、このコイヘルペスは水温の上昇に伴って多発するというふうに言われておりますから、今後の監視活動が非常に重要になっているのではないかというふうに思います。
この病気は、日本にはなかった新しいウイルスであります。グローバル化が進む中で、これから海外からの新しい病気の侵入ということが非常に心配されるわけでございますが、これを水際で食いとめていくということが非常に重要になっているというふうに思います。
そこで、輸入検査手続についてでございますけれども、今回の法改正によって、現行の検査証明書に基づく輸入許可手続について、農水大臣は、検査証明書のみによっては安全性を確認できないとき、輸入後一定期間、他と区別して管理を命ずるというふうになりますが、この検査証明書のみによって安全性を確認できない場合というのはどういう場合が考えられるのか、お願いします。
○中川政府参考人 海外から輸入をいたします水産動物につきまして、水産資源保護法で指定をされております輸入防疫対象疾病の発生が何らかの情報で確認をされている、ですけれども、魚の病気といいますのは、ある国で発生があったとしても、閉鎖系で養殖されたり、あるいは稚魚をとった場合には、そこは基本的には安全だということになっておりますので、一概に輸入制限をすることはいたしておりません。
そこで、現に発生が確認されている国から輸入する場合、あるいは隣で発生をしておって水がつながっているような場合、その他OIE等のいろいろな情報を見ますと発生情報も確認できます。そういったもの、もろもろ情報を勘案いたしまして、輸入される水産動物がこういった疾病にかかっている可能性が否定できない場合には、検査を命ずることにしたいというふうに思っております。
○山本(喜)委員 そこで、安全性が確認できないと判断された場合、他と区別して管理をするというふうな場合、これは隔離でありますから、水の流入をとめられるような、そういう施設というのがあらかじめ必要になってくると思うんですよ。これは潜伏期間の問題がありますから、あなたすぐ隔離しなさいというふうに言われて、すぐにやろうとすれば、あらかじめそうした施設が必要になるのかどうか。その場合、業者だけが負担することになるのか。現在の家畜防疫ということでは、国が輸入検査をしているわけでございます。そうした輸入業者あるいは養殖業者に対する経済的負担というのはどうなるのか、お伺いします。
○中川政府参考人 今先生がおっしゃいましたように、こういった隔離施設につきましては、病原体を広げないために必要な一定の条件、水がきちっと管理されているとか、そういった条件を備えていることが必要でありますけれども、ただ、普通、海外から輸入されますのは稚エビですとか、あるいは発眼卵、その他それほどボリュームをとるものでもありませんので、特別の、非常に大がかりな施設まで必要だとは私どもも、現実問題として考えてはおりません。具体的には、倉庫その他一定の場所で輸入に際して輸入者の方が手当てをしていただくということで対応できるのではないかというふうに思っております。
こういった場合の費用でありますけれども、これはやはり輸入業者の方が実際に一定のリスクの可能性のあるものを輸入するということに伴う費用でございますので、海外から疾病が入ってこないための必要な措置ということで、やはりかかる費用につきましては輸入者の方に負担していただく必要があるかというふうに思っております。
今、家畜防疫の場合と比較をされてお話になりましたけれども、動物を海外から輸入する場合も、動物検疫所で一定期間係留する場合がございます。この場合も、えさ代ですとか一定期間そこで係留するために必要な経費というのはやはり輸入者の方に負担をいただいておりますので、そういう意味では同じような考え方でございます。
○山本(喜)委員 水際対策は大変重要でございますが、養殖業者に余り過度な負担がかからないような対応が必要ではないかというふうに思っております。
近年、BSEの発生を含めて、食の安全、安心というのが国民の関心になっているわけでございます。水産動物についても、かつて九〇年代、輸入エビとか輸入のウナギに対する抗生物質の使用というのが問題になったときもありますし、あるいはトラフグの寄生虫の関係で、未承認のホルマリンというふうなこともございました。
そうした意味で、この水産用医薬品、これの人体に与える影響なり、あるいはそれに対する対策ということについてはどのように対応されているのか、お伺いします。
○中川政府参考人 水産用の医薬品を含みます動物用医薬品全般についての話でございますけれども、こういった動物用の医薬品につきましては、薬事法に基づきまして農林水産大臣の承認が必要でございますし、その承認に当たりましては、有効性あるいは安全性あるいは残留性といったものにつきまして審査をしてございます。
また、食品としての安全性を確保する観点からは、食品衛生法によりまして残留基準値が基本的に設定をされております。こういうふうな残留基準値が設定されているもの以外で、例えば抗生物質などの例をとりますと、これはもう食品中に残留してはならないという規定がございますので、そういったところできちっとチェックをしているわけでございます。
このような食品衛生法の規制に伴いまして、原則として、薬事法では、水産用医薬品の水産物への残留を防止する観点から、養殖業者の方々に守っていただくべき使用方法なり使用の量、あるいは休薬の期間、そういったものを定めた使用基準というものを設定しております。これをぜひ現場においてきちっと守っていただくように、私どもは意識の啓発その他に努めてまいりたいと思っております。
○山本(喜)委員 今、使用基準が定められているということで、例えば、抗生物質を使用した場合は使用記録を帳簿に残すということが努力規定になっているわけでございます。これを義務化するというふうな方向なり、あるいは抗生物質の投与量が消費者にわかるようなシステム、そうしたものの検討とか、あるいは水産物トレーサビリティー、こうしたものの導入の検討等についてはどのように進んでいるのか、お伺いします。
○中川政府参考人 トレーサビリティーのところにつきましては後ほど水産庁長官の方からお答え申し上げますが、医薬品の関係で、使用記録等を記録に残すのを義務化すべきではないかということでございます。
先ほど申し上げましたように、水産用医薬品等につきましては、現行の使用基準、これをきちっと守ってもらうということがまず第一でございまして、この点につきましては、それが守られなかった場合には、直罰といいますか、罰則まで含めて規定が設けられているわけでございます。
平成十五年の四月に動物用医薬品の使用に関します省令を改正いたしまして、使用に関する記録につきましては努力をする、努めるべきという意味での規定を設けましたけれども、この点について義務化をすべきではないかという御趣旨の御質問でございますが、直接、適正に使用するところについて使用基準というものが決められておって、それを守っていただくというのがまず第一でございます。その次に、その記録のところまで義務化をするというのは、そういう意味ではやや過剰な負担を現場に課することではないかというふうに思いまして、現状では、むしろきちっと使われるようにというところで指導を徹底してまいりたいというふうに思います。
○田原政府参考人 後段の水産物のトレーサビリティーという御指摘がございましたので、若干お答えさせていただきたいと思います。
私どもも、養殖水産物を中心といたしまして、食品としての安全性を確保し、国民の方々に安心していただくということは極めて重要な課題であるというふうに認識いたしております。
このため、平成十五年度から十九年度までの五年間の事業ということで、養殖生産履歴情報開示検討事業というのを行っておりまして、どういったものを記録項目というふうにするのか、あるいはこういったものの管理手法、どういうふうにしていくのか、こういったことの検討を進めておりまして、私どもといたしましては、まずこうしたシステムを早期に開発いたしまして、そうした普及を図っていくということによりまして、養殖水産物に対します国民の方々からの信頼感、こういったことに努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
〔楢崎委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(喜)委員 業者の方に過度な負担を強いるということは避けなきゃならないわけですけれども、消費者が望んでいる情報ということについても検討していく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
ことし二月十日に発表されました平成十六年度食料・農林水産業・農山漁村に関する意向調査という中で、水産物養殖経営の展開に関する意向調査、これがありますけれども、養殖業を営んでいくに当たって経営の安定化に関して国や県等に望む取り組みという質問に対して、七六・四%が養殖生産物の価格を安定させるための取り組みというふうに要望しているわけでございます。
これは、魚価の低迷とかあるいは漁業所得の減少というのがこのような回答の背景にあると思うんですが、この魚価の低迷の原因の一つとして輸入の増大ということが指摘されておりますが、世界最大の水産物の輸入国ということで、この現状についてはどのようにお考えでしょうか。
○田原政府参考人 お答えいたします。
これまでですと、水揚げ量が増加いたしますと価格が下がり、逆に水揚げ量が減少すると価格が上がるという経済学の教科書みたいな動きだったわけでございますけれども、ここ数年、動きを見てみますと、水揚げ量が減少しても魚価がなかなか回復しないというのは御指摘のとおりであるというふうに思っております。
この原因につきましては、いろいろな方がいろいろ言っておられますけれども、何点か申し上げますと、一つは、やはり我が国経済自体がデフレ傾向といいますか、価格がどんどん上がっていくという時代ではないということを背景といたしまして、特に高級品を中心といたしましてなかなか価格が上がっていかない。逆に、価格が高くなると需要が減少するという面がございます。
また、近年の形態でいきますと、調理食品ですとか外食が増加しまして、販売形態がスーパー等の量販店に移行しているということで、こうしたいわゆる大口需要者ですとか量販店は低価格志向が強い、これが産地価格を抑えているという、購買行動につながっているという面もあろうかと思います。
こういったことで、むしろ大口のロットというのが輸入物に流れているという面がありますけれども、私どもといたしましては、こうした傾向を踏まえますと、国産水産品のよさ、こういったことを十分に国民の方々にPRしていくと同時に、生産者サイドもそういったことが付加価値のもとになるということを十分意識していただいた行動をとっていただくことも必要ではないか、かように考えている次第でございます。
○山本(喜)委員 水産基本計画によりますと、我が国の漁業生産量はピーク時の半分に減少している、水産物の自給率は五割近くまで低下している、漁業生産の担い手については、若い漁業者を中心に従事者が減少するとともに、高齢化が進行しており、漁村の活力も低下をしているというような分析になっているわけです。ぜひ漁業の振興ということについて農水省として全力を挙げていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
○山岡委員長 次に、高橋千鶴子さん。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
平成十五年十月の霞ヶ浦、北浦でのコイヘルペス病大量発生を受けて、水産動物輸入の検疫強化と蔓延防止のための国内措置を強化する二つの法律改正は、基本的には賛成できるものだと考えております。
ただ、水産資源保護法が平成八年、持続的養殖生産確保法が十一年、また、コイヘルペスがその中で特定疾病に指定されたのは平成十五年六月であります。その後の大量発生を防ぐことができなかったことは、この分野での対策が、どうしても発生してから対策を強めるという後追いになっていたことがまず反省点としてあるのではないかという点について、まず所見を伺いたいと思っております。
とりわけ、書面による検査証明の審査のみでは、輸出国の検査をうのみにする以外にありません。この点では、今回の改正で、書面検査であることは変わりがないわけですね。輸出国の事情があって必要だとなった場合は隔離をするというようなことが措置されたわけですけれども、これは業者の方に、別個に隔離施設を設けなければならない、その他という新たな負担を求めるという点でもありますので、もっと踏み込んだ水際での対策がやはり求められるのではないかと思っております。
この点で、大臣の所見を伺いたいと思います。
○中川政府参考人 今回御審議をお願いしておりますこの水産資源保護法等の改正案につきましては、平成十五年秋のコイヘルペスウイルス病の発生、それからその後の対応等を踏まえまして、専門家の方々にも半年間にわたりまして御検討いただいて、そういった検討の結果も踏まえて提案をさせていただいているところでございます。
輸入防疫につきましては、やはりこれまでの法律での規定の仕方あるいは実際の対応という点では必ずしも十分ではなかった、そういう反省点も踏まえまして、一つは、用途なり成長段階を問わずにきちっと指定ができるように、指定の範囲を拡充をいたしましたし、また、検査証明書を補完する措置としまして、現に、その輸入先国の疾病の発生状況等の情報をきちっと踏まえて、必要があれば一定の隔離措置を命ずることができる、そういう措置を今回導入することとしたところでございます。ふだんから海外でどういう疾病が発生しているかといった点も踏まえまして、情報をきちっと把握をし、そして必要な対策をとっていくというのが大事だというのは先生のおっしゃったとおりだというふうに思っております。
私どもといたしましては、今回の法改正案による対策に加えまして、全般的な水産防疫に必要な施策をきちっと講ずることによりまして、対策に抜かりがないようにしていきたいというふうに思っております。
○高橋委員 抜かりがないようにしていきたいというお言葉をいただきました。
それに加えてですけれども、今回、新潟で非常に震災があったということで私も養鯉業者の方に施設を見せていただいた経緯がございましたけれども、天水を使っての大規模な養鯉施設で、その中でも、やはり水が絶対にまじってはいけないんだと、コイヘルペスを警戒して徹底した水管理がやられているという、そういうプロ意識というんですか、そういうものに対して非常に敬服をいたしました。
同時に、ニシキゴイが世界を相手にしている商売であるという点で、日本は輸入よりも輸出の方が大きく上回っているという点でも、これは輸出においても、検査の徹底ということが当然ブランドを高めるという点でも求められているけれども、それがどうかということが一つと、それから、さっき天然水域の問題が出されましたけれども、やはり、こうした養殖施設というのはコイヘルペスが発見された中の六・五%にすぎないわけですよね。圧倒的に天然水域であると。だとすれば、やはりこの分野でのルートの解明、封じ込めというのが今後の対策においては決定的な意味を持つと。当然、それがあって、なければ一方的に河川管理者にだけ責任が負わされるというのは非常に大変なことであります。そういう点でのこの二点の責任、いかがでしょうか。
○中川政府参考人 先ほども御答弁申し上げましたけれども、やはりコイヘルペスウイルス病、まず発生を早くキャッチをして、そして移動制限等の適切な措置をとるというのが、その基本をきちっとやるということに尽きるかというふうに思います。
もちろん、ワクチンの開発とかそういった対処措置についての研究開発もいたしておりますけれども、今申し上げましたような基本のところが、現場、それから都道府県、そしてまた国民、国の段階におきましてきちっとできますように、改めて注意をしていきたいというふうに思います。
○高橋委員 やはり、それだけ被害が甚大だったという、起こってわかる被害の甚大さということをあわせて言わなければならないと。霞ヶ浦、北浦の業者の多くが全量処分に二千四百六十七トンを余儀なくされ、また十三業者が廃業という非常に甚大な被害になったこと、また三十九都道府県に影響を及ぼしました。山形県などでは、養殖業は百四十七トンなんですけれども、加工においては九百四十トン、十四億一千万の売り上げがございまして、この分野がやはり大きなウエートを占めているわけです。
ただ、例えば、では、霞ヶ浦に大きく依存していたと。新たな養殖施設を自前で模索をするということもされたわけですけれども、実際には、やはり気候的なハンデが大きい、コスト面のハンデも大きいということで、これをやろうとしているのは今二つの経営体にすぎないということを伺っております。また同時に、コイのうま煮を出しているわけですけれども、それによって料亭が選ばれるという、そういう食文化ということが根づいてきた上での被害なんだということもあるわけですね。
ですから、単純に魚種の転換や、あるいは施設を別個に移しかえるということが容易ではないという事情が非常に多く横たわっているんだと。そういうことをしっかり踏まえて、養殖業の被害の対策と同時に、関連する加工業者などに対する対策についても十分な措置を求めたいと思いますけれども、この点で大臣の所見を伺いたいと思います。
○田原政府参考人 お答えいたします。
まず、養殖業者の方々の経営対策ということでございますが、コイ養殖業者の方が養殖を実際に再開するという場合でございますと、例えば、取水施設など防疫に配慮した共同利用施設の整備ですとか、出荷する際の検査や安全性に対する普及啓発の取り組みに対する支援ですとか、さらには長期低利の資金の融通、こういったこと等によりまして、養殖経営の再開といいますか、そういったことの支援等を行っておりますし、また、コイ養殖を廃業する場合に、漁場環境の保全、改善を図るための網生けすの撤去ということでの支援、こういったこと等も行っておりまして、こういったことを各地域の実態に合わせながら、御相談申し上げていきたいと思います。
また、先生の方から、加工の方あるいは流通の方といふうな御指摘がございましたけれども、これにつきましても、現在、加工資金でございますとか、いろいろな施設助成という仕組みがございまして、これは各県とも実態をよくお聞きしながら、どういう御支援ができるかという点についてはよく協議をさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
○高橋委員 これから気温が上がるにつれて再発に対する不安が非常に大きくなっておりますので、十分な対策をお願いしておきたいと思います。
次に、ノロウイルス対策について伺いたいと思うんです。発生においてサルモネラに次いで多く、患者数では第一位と言われているわけです。高齢者の施設で発生が起き、また死亡者があったということで非常に注目をされたわけですけれども、そういう施設で生ガキを食べたというものではないだろう、単純なものではないと思うんですけれども、カキが非常に悪者にされて、それによる風評被害などということもまた聞こえてきているわけです。
そうした点で対策を求めたいと思いますが、まず一点目に、厚生労働省に対して、輸入魚介類が非常にふえている中で、その検疫におけるノロウイルス基準を明確にして水際対策を強めるべきだと考えますが、その点で伺いたいと思います。
○外口政府参考人 厚生労働省では、これまでノロウイルス食中毒対策に資するために、ノロウイルスによる食中毒の発生状況を適切に把握するため、平成九年から食中毒統計の対象に追加し、食中毒が発生した際に被害の拡大を防止するため、輸入食品を含め、生食用カキに採取海域の表示を平成十年から義務づけ、研究費補助金により食品等からの高感度検出法の開発、食品やカキの養殖海域等における汚染実態調査等を行い、さらにノロウイルスによる食中毒や感染症の予防に資するため、最新の知見を踏まえたQアンドAを作成し、厚生労働省のホームページや都道府県等を通じた国民への情報提供を行ってきたところであります。
現在の課題は、ノロウイルスについては、どの程度ウイルスを摂取すると発症するのかについての知見が限られており、カキに含まれるウイルスの効果的な不活化方法やウイルス培養系も確立していないこと等から、食品衛生法における規格基準を作成するために必要なデータ等が不足しており、また、国際的な基準等も存在しない状況であることであります。
厚生労働省としては、今後とも、ノロウイルスに関する調査研究を重ねて、リスク管理方法等について検討するとともに、食中毒発生状況も踏まえながら、国産及び輸入魚介類の食品安全対策に努めてまいりたいと考えております。
○高橋委員 この点は強く要望しておきたいと思います。
せんだって、三陸の広田湾の方にカキの問題でいろいろなお話を伺ってきたわけです。築地から個別の料亭で特別に選ばれるようなブランドとして発送されていると。非常にそのための努力、また同時に、ノロウイルス対策としては、自主検査を行い、出荷前の検査や、徹底してそれを侵入を防ぐ問題や、あるいは沖合漁業での浄化試験などを県として取り組んでいるなど、そうした努力がされているということがよくわかりました。
また同時に、漁業者の皆さんから出された要望として、下水処理とカキの汚染の関係なんですね。カキを汚染させる経路として、下水処理場や個別浄化槽などで処理し切れず残存したまま河川に流入し、養殖海域でカキに取り込まれることが原因の一つという指摘もされ、それに対するいろいろな研究なども現在されているところだと思いますが、そこで、養殖海域に直結する河川の集落排水等の検査や、あるいは処理水の浄化を高める対策について当然とるべきと思いますが、その点の見解を伺いたいと思います。
○田原政府参考人 お答えいたします。
御指摘のように、特に漁業集落排水施設ということになりますと、養殖漁場に近いということでございまして、ノロウイルス対策上、そうした問題も非常に喫緊の課題であると私どもも認識いたしております。
ただ、このノロウイルスの問題は、先ほどの厚生労働省からのお答えにもありましたけれども、活性ウイルスと不活化したウイルスの区別の測定、こういったことの技術が確立されていないというような問題ですとか、実験室での培養ができないとか、いろいろな、なかなかわかっていないような点も多いということでございまして、いまだ有効な処理方法は確立されていないという状況であるというふうに伺っております。
水産庁では、平成十四年度から学識経験者を交えまして、漁業集落排水施設におきます紫外線を利用したノロウイルスの不活化に関する調査検討、こういったことも行っておりまして、こうした調査結果を踏まえながら、私どもが行います集落排水施設に対する対策、こういったことを講じていけるように努力していきたい、かように考えている次第でございます。
○高橋委員 時間が来ましたので、よろしくお願いいたします。
○山岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○山岡委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○山岡委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、二田孝治君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。仲野博子君。
○仲野委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
まず、案文を朗読いたします。
水産資源保護法及び持続的養殖生産確保法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
我が国において初のコイヘルペスウイルス病(KHV病)が発生するなど、最近における海外からの疾病の侵入及び国内でのまん延のおそれは高まっており、その対策が緊急の課題となっている。
よって政府は、本法の施行に当たり、水産防疫体制の強化に万全を期すため、左記事項の実現に努めるべきである。
記
一 輸入防疫を的確に実施するため、海外における疾病の発生状況及び疾病に関する情報の収集・知見の集積を図り、これらをもとに、輸入業者等に対する管理命令等を適切に実施すること。
二 国内防疫体制を強化するため、水産防疫担当者の資質向上を図るとともに、国、都道府県、関係機関、養殖業者等の一層の連携を促進すること。また、疾病発生の届出やまん延防止措置が迅速に行われるよう、養殖業者等に対する知識の普及・啓発、養殖魚の履歴保存の徹底に努めること。
三 疾病の発生及び伝播の防止を図るため、迅速な診断技術やワクチン等の開発に関する試験研究を積極的に推進すること。
四 KHV病については、感染源及び感染経路の究明に努めるとともに、天然水域も含め、的確なまん延防止対策を実施すること。また、KHV病発生により厳しい状況にある内水面漁業等の持続的かつ健全な発展が図られるよう必要な対策を講ずること。
右決議する。
以上の附帯決議案の内容につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと存じますので、説明は省略させていただきます。
何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○山岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○山岡委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣島村宜伸君。
○島村国務大臣 ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後、最善の努力をいたしてまいります。
―――――――――――――
○山岡委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
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○山岡委員長 次回は、明七日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時七分散会