衆議院

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第16号 平成17年5月20日(金曜日)

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平成十七年五月二十日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 山岡 賢次君

   理事 今村 雅弘君 理事 西川 京子君

   理事 二田 孝治君 理事 松野 博一君

   理事 黄川田 徹君 理事 楢崎 欣弥君

   理事 山田 正彦君 理事 白保 台一君

      赤城 徳彦君    石田 真敏君

      岡本 芳郎君    梶山 弘志君

      金子 恭之君    上川 陽子君

      川上 義博君    木村 太郎君

      城内  実君    北村 直人君

      後藤 茂之君    後藤田正純君

      田中 英夫君    津島 恭一君

      西村 康稔君    原田 令嗣君

      森  英介君    一川 保夫君

      岡本 充功君    鹿野 道彦君

      岸本  健君    鮫島 宗明君

      神風 英男君    仲野 博子君

      堀込 征雄君    松木 謙公君

      山内おさむ君    大口 善徳君

      高橋千鶴子君    山本喜代宏君

    …………………………………

   農林水産大臣政務官    大口 善徳君

   参考人

   (牛の月齢判別に関する検討会座長)

   (日本獣医畜産大学応用生命科学部食品科学科教授) 沖谷 明紘君

   参考人

   (食品安全委員会プリオン専門調査会専門委員)   山内 一也君

   農林水産委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

山岡委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 本件調査のため、本日、参考人として、牛の月齢判別に関する検討会座長・日本獣医畜産大学応用生命科学部食品科学科教授沖谷明紘君、食品安全委員会プリオン専門調査会専門委員山内一也君、以上二名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにいたしております。

 この際、両参考人に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、調査の参考とさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、沖谷参考人、山内参考人の順に、お一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑に対してお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御了承願います。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。

 それでは、沖谷参考人にお願いいたします。

沖谷参考人 おはようございます。

 御紹介いただきました日本獣医畜産大学の沖谷でございます。

 本日は、厚生労働省及び農林水産省によって開催されました牛の月齢判別に関する検討会に関して、検討会座長として意見を求められましたので、本委員会の場において、検討会における議論の経緯、検討結果の概要などにつきまして御説明させていただきたいと思います。

 なお、お手元には、資料として、「「牛の月齢判別に関する検討会」報告書」、それから委員の名簿、それから米側の最終報告書の資料の一部を用意してございます。

 では、まず初めに、本検討会の位置づけについて御説明させていただきます。

 平成十五年の十二月、米国においてBSE感染牛が確認されたことに伴いまして、厚生労働省及び農林水産省は、米国産牛肉の輸入停止措置を決定しました。その後、輸入再開に向けた日米の政府間協議が行われまして、平成十六年の十月には、日米牛肉貿易再開に向けた日米政府間の認識が一致しまして、この中で、米国産牛肉の日本向け輸出再開に関しては、検討すべき主要点の一つとして、二十カ月齢以下の評価のために牛枝肉の生理学的月齢の検証を目的として、枝肉の格付及び品質属性に関する協議を継続することとされたと承知しております。

 このため、米側は、記録月齢が二十カ月を超える去勢牛及び未経産牛を日本への輸出のための証明プログラムから除外することを確保するような、成熟度格付の最大値、つまりエンドポイントを決定するための特別研究を実施することになりました。

 このような状況を踏まえて、厚生労働省及び農林水産省は、科学的な見地から、枝肉の生理学的成熟度による月齢判定法の有効性の検証等を行う体制を整備するとともに、その内容を国民にわかりやすく示すために、牛の月齢判別に関する検討会が設置されました。

 経緯ですが、第一回目の検討会は、平成十六年の十一月十二日、厚生労働省及び農林水産省において開催されまして、この中で六名の委員が承認されました。委員のリストは資料に添付しております。また、座長選出も行われまして、私が本検討会の座長に選出されました。

 さらに、検討会の趣旨と進め方について確認するとともに、その後、米国農務省が実施する牛枝肉の生理学的成熟度、マチュリティーに関する研究に関する技術的な意見交換を実施してきました。

 平成十七年の二月八日、厚生労働省及び農林水産省は第三回の検討会を開催しまして、平成十七年一月十九日に米側から提出され、さらに、二月八日に追加情報の提出のあった最終報告書について、検討会として、獣医解剖学などの自然科学の観点及び統計学の観点から検証を行いまして、検証結果を検討会の報告書として取りまとめました。

 検討結果ですが、三回にわたって開催され、すべて公開で行われましたが、その検討結果についての報告を、お手元の資料に従って説明したいと存じます。

 まず、米側からいただきました最終報告書について、概略を御説明します。これは、二〇〇五年一月十九日に提出され、さらに、追加資料が二月八日に出されたものをあわせた概要でございます。

 米国の背景情報なんですが、米国牛肉生産に関する背景情報に関しましては、米国の肉牛の多くは米国牛肉生産システムのもとに生産、飼養され、一般的には、肉用牛の育成については、生産農家、繁殖農家ですが、そこで約六カ月、それから育成牧場で六から八カ月、それからフィードロット、肥育場ですが、そこで三、四カ月間飼養されまして、その結果として、屠畜場においては十五カ月から十八カ月齢で屠殺されて、食肉に加工されていると説明しております。

 米国における牛枝肉の格付制度については、米国農務省は、一九二七年以降、公的機関による牛肉の品質の格付制度を整備して、米国内の共通の指標として実施してきております。

 現在、一九九七年に定められました米国格付基準に基づきまして、米国農務省が雇用する約百六十人の格付検査官によって、肉質等級を、生理学的成熟度、マチュリティーと、それから脂肪交雑の状況、サシの多い少ないによって、プライム、チョイス、セレクトなどの八等級に区分しております。プライムは一番サシの多いものです。

 マチュリティーは、一つとして、背骨などの骨化の進みぐあい、つまり骨格の成熟度と、それからもう一つ、肉断面の色、きめ、これを肉質の成熟度と言っていますが、それらをあわせて総合的な成熟度として判別しております。

 マチュリティーは、AからEまでの五つの区分に、それぞれ00から90までの十段階がありまして、合計で五十段階あることになります。一般的には、Aは若く、Eが高齢な牛であるとの傾向があるとされています。

 格付検査官の研修、監督官の配置、格付結果の内部及び外部監査等を実施し、A40においては、腰椎の棘突起上部軟骨の骨化が部分的にしか見られないなどの明瞭な評価決定ポイントがあって、A50以上との間で高い精度で判別が可能であるとしております。入手可能なデータによれば、肥育牛のうちA40以下に評価される枝肉は、現在一割未満と推定されています。

 それから、サンプリングとデータの収集に関しましては、米国側は、平成十四年十一月の四週間に、九つの食肉処理施設で、生産農場と出生記録を確認できる肥育牛四千四百九十三頭について、通常の操業過程で十一人の格付検査官が実施しまして、データ収集が行われました。

 統計学的分析に当たっては、米側は出生日を六十二日以下の間隔で確認できるサンプル三千三百三十八頭を使用しましたが、月齢確認が可能なものが限られている上、調査期間の制約があったため、サンプルには、月齢、性別、管理方式等に関して、ある程度の偏りが生じたとの記載が米国報告書にありました。

 米国が行った統計学的分析については、資料の一番最後のページにあります、マトリックスの資料がついておりますが、それを参考にしていただきたいと思います。

 それを見ていただくと、上のラインですが、二十一カ月齢、それを縦に合計していきますと二百三十七頭の枝肉があるわけですが、すべてこれはA50以上と評価されており、A40以下と評価されたものは含まれていませんでした。また、十八カ月から二十一カ月の、そこを合わせますと一千七百四十八頭の枝肉になります。ここでもすべてA50以上と評価されまして、A40以下と評価されたものは含まれておりません。

 この結果をもちまして、ノンパラメトリックな統計学的分析、つまり、母集団の分布型について一切の仮定を設けない統計学的分析手法によりますれば、二十一カ月齢以上の牛が、A40以下に評価される可能性は、九九%の信頼度で〇・二六%以下、これは千七百四十八頭のデータを用いたときの数字です。それから、より厳しく見た場合、これは二百三十七頭の枝肉の結果を用いたときですが、より厳しく見た場合は一・九二%以下であると評価しており、二十カ月齢以下の牛から生産されたことを保証するためには、A40が適当な基準として機能すると考えられると彼らは述べております。

 それで、それらの報告を受けまして、我が方の検討会による評価を行ったわけであります。

 まず、生物学的な観点からの意見を申し上げます。解剖学等の、あるいは生理、あるいは肉質等の観点から検討したわけです。

 検討結果として、枝肉の成熟度は生物学的にも実際の月齢との間に一定の相関があることが認められました。

 A40の評価決定ポイントとされている腰椎棘突起上部の軟骨の骨化状況等の特徴と実際の月齢の推定については、日本国内や外国において研究されてきたことはこれまで知られておらなかったんですが、その相関の程度、月齢推定の確かさなどについては、本研究の統計学的分析も踏まえて判断する必要があるとの結論に至りました。

 それから、枝肉格付の観点からの意見でありますが、米国の格付基準によれば、A40とA50の骨の評価決定ポイントには明確に識別できる差異があります。精度の高い判別が可能であることが確認できました。これにより、A40は成熟度の判別基準としては適当であると考えられました。

 この資料についております後ろから二枚目と三枚目の写真をごらんください。コピーでちょっと見にくいんですが、これはA40とA50の腰椎の断面の写真でございます。それで、下の方が頭のところになります。この二十二ページのものがA40で、一番下の背骨から飛び出している骨が、とげみたいになっているのが棘突起なんですけれども、その一番上部がちょっと白くなっているのがごらんいただけるかと思います。軟骨の状態です。

 それから、その次のページがA50です。その一番下の骨の先端ですね、左端のところ、一番上に白い帽子がかぶって、その次が濃い赤色になっている。先ほどのところはまだ白かったんですけれども、そこが骨化している。軟骨が今度は硬骨化しているということがはっきりわかっております。我々も明らかにそうであるというふうに認識しました。

 しかしながら、枝肉の格付は、格付検査官の目視で判別するものであり、ある程度の誤差は排除できないものとなっています。このため、高い格付精度を確保するために、評価決定ポイントの明確化、あるいは格付検査官への研修、周知徹底、標準作業手順等の導入を通じた評価・格付結果の記録とその保存が必要であるというふうにしました。

 それから次は、統計学的観点からの意見でありますが、今回の米国の研究は、月齢を確認できる肥育牛が限られていることなどから、ある程度の偏りを伴うサンプルとなっており、統計学的分析に当たっての制約はあるとの検証結果が示され、これは米国側報告書の内容と同じ認識になっております。

 それでありますけれども、先ほど申しましたように、月齢と成熟度にある程度の相関関係があることは全員が認めました。

 今回、米国側から調査結果の生データを全部提供していただいて、日本側でも専門家による幾つものモデルでの統計学的な分析の方法について考察を行いました。

 この中で、ノンパラメトリックな統計学的分析が最も適当な分析手法であるという結論に至り、この結果では、二十一カ月齢以上の牛の枝肉が、A40以下に評価される可能性は、九九%の信頼度で一・九二%以下、さらに、十八カ月齢から二十カ月齢までにA40以下が確認されなかったという事実をさらに加えました事後解析によれば〇・二六%以下であるという米国側と同じ結果が導き出されました。

 それで、最後に、それらに基づいて総合的な評価をしたわけですが、一番目、A40とA50の間には高い精度での判別が可能である、枝肉の成熟度を客観的に判別する基準としては適当であると考えられること。

 それから二番目として、A40を基準として用いた場合、統計学的分析からは、二十一カ月齢以上の牛由来の枝肉が、A40以下に評価される可能性は、九九%の信頼度で一・九二%以下。さらに、十八カ月齢から二十カ月齢までにA40以下が確認されなかったという事実を用いた事後解析によれば〇・二六%以下であるということが実証され、米国の結果と一致したこと。

 それから、この結果を踏まえまして、二十一カ月齢以上の牛由来の枝肉を排除する基準としてA40を採用し得るか否かの判断に当たっては、米国産牛肉のBSE感染リスクの程度を考慮する必要があり、このリスク評価を踏まえて、この結果がリスクの観点から許容し得るものであると評価できるならば、二十一カ月齢以上の牛由来の枝肉を排除する基準としてA40を採用することは可能と考えられること。

 それから最後に、以上の評価を踏まえて、A40を基準として採用する場合には、一、成熟度を用いた月齢判別を行う場合、A40の評価決定ポイントの明確化、格付検査官への周知徹底、評価結果の記録とその保存等が必要であること、二、二十一カ月齢以上の牛由来の枝肉を排除するための基準としてのA40の有効性を確認するため、追加的検証または実施後のフォローアップが必要であることに留意する必要があることということが、今回の検討会での結論であります。

 以上でございます。(拍手)

山岡委員長 ありがとうございました。

 次に、山内参考人にお願いいたします。

山内参考人 山内でございます。

 本日は、BSEのリスクと我が国における安全対策について、私の見解を述べさせていただきたいと思います。お手元に私の原稿をお配りしてあると思います。

 まず最初に、BSEがもたらすリスクを整理してみたいと思います。

 BSEは、牛の神経疾患で、牛を確実に死亡させる重要な家畜伝染病です。人は、BSE牛の脳や脊髄が含まれる食肉を食べたことでBSEに感染し、変異型ヤコブ病を発症しています。変異型ヤコブ病の患者は、これまでに英国で百五十五名、フランス十一名のほか、日本を含む七カ国で一名ずつ見出されています。英国では、一九九六年までに七十万頭ぐらいのBSE牛が食用に回されたと推定されています。多くの人がBSEプリオンの含まれた牛肉を食べた可能性があると推測されるのですが、なぜ患者の数がこのように少ないのか、その科学的理由は全くわかっていません。

 発病する人の数は限られているとはいっても、変異型ヤコブ病では、ほかの人に血液などを介して感染を広げるリスクが問題になっています。英国では、発病はしていないが感染している人が三千八百名いるという推定もあります。そして、変異型ヤコブ病の人が発病する二、三年前に献血した血液を輸血されたために感染したと考えられる人が二名見つかっています。さらに、英国では九名、フランスでは二名の変異型ヤコブ病の人の血液からつくられた血液製剤が多くの人に投与されていたことが問題になっています。

 このように、BSEには家畜伝染病としての牛に対するリスク、牛から人への感染リスク、人の間での伝播リスクと三つの側面があります。しかも、牛、人のいずれでも、発病すれば一〇〇%死亡します。ほかの食品中毒などとは全く異なる難しい問題を抱えた病気ということをはっきり認識しなければなりません。

 さて、BSE対策の基本は、牛の間での蔓延防止です。

 肉骨粉を牛に与えなければBSEは広がりません。科学的には単純な話のはずですが、BSE牛の脳を健康な牛に食べさせた英国の実験では、わずか一ミリグラムの脳でも牛は感染しています。そのため、肉骨粉が市場に出回っている限り、牛のえさに混入して交差汚染を起こすおそれがあります。そこで、日本とEUでは、肉骨粉の使用はいかなる動物に対しても完全に禁止されていて、間違って混入する交差汚染を防ぐ対策が実施されています。

 ここで、日本でのBSE対策の経緯を振り返ってみたいと思います。

 牛から人への感染防止は、屠畜場での全頭検査と特定危険部位、SRMの除去の二つで行われています。

 二〇〇一年九月に日本で最初のBSE牛が見出され、十月十八日から屠畜場での全頭検査と全月齢の牛についてのSRM除去が開始されました。これより前、EUでは、二〇〇〇年十月から十二カ月齢以上の牛についてSRM除去、回腸遠位部は全月齢、そして二〇〇一年一月からは三十カ月齢以上の牛すべてについての迅速BSE検査を始めていました。

 そこで当初、日本でもEUと同じ条件での対策が予定されましたが、政治的決断で、月齢を問わず食用に回るすべての牛について迅速BSE検査を行うことになり、十月九日に厚生労働省は、「食肉処理時のBSEスクリーニング検査の対象拡大について」という通知で、全頭検査の方針を発表したのです。

 振り返ってみますと、当時は牛の月齢を確認するためのトレーサビリティーシステムがなく、三十カ月齢以上という判断は牛の歯並びで行わなければなりません。その際に起きたかもしれない混乱は、全頭検査を採用したことで回避できました。さらに、二十一カ月齢と二十三カ月齢という若い牛での感染も確認できました。このようにして、現在では、全頭検査は正しい判断であったと評価できます。

 ところで、わずか一カ月という短期間で全国の食肉衛生検査所で一斉に全頭検査が実施できたのは、一九七〇年代終わりから厚生省の難病研究班で、ヤコブ病の研究、次いでスクレイピーの研究が始められ、その研究の蓄積を土台として、一九九七年からは農林水産省と厚生労働省がそれぞれBSEについての全国的研究班を結成して、BSEの診断法、不活化法もしくは病原体の性状、そういった面での研究を進めていたためです。日本でBSE発生が確認されたとき、研究面では直ちに対応できる状態であったのです。

 一方、もう一つの対策であるSRM除去は、当初は不十分なものでした。私たちプリオン専門家は、脊柱の中にある背根神経節もSRMに加えるべきと考えていました。しかし、厚生労働省は、OIEの基準がBSE低発生国の場合には脊柱をSRMに加えていなかったことを参考にして、脊柱は取り上げなかったのです。OIEが低発生国についても脊柱をSRMに指定したことで、二〇〇四年二月にやっと脊柱の除去は実施されました。

 屠畜解体法にも問題がありました。この作業の際に、食肉にSRMが混入するおそれのあるのは、牛を気絶させるために行われるスタンガンによるスタンニング、続いて、気絶した牛の運動反射を防ぐために脳からワイヤを差し込んで脊髄を破壊するピッシング、そして、背骨を切断する背割りの三つの段階です。

 スタンニングについては、現在の方法よりも安全なものはできていませんので、その改善は今後の問題です。ピッシングはまだ七割ぐらいの屠畜場で続けられています。背割りの際には、その前に脊髄を吸引除去することが必要ですが、その装置を開発しなければならず、段階的に導入されて、現在九割ぐらいの屠畜場で行われるようになりました。全頭検査と異なり、SRM除去に関連した対策は段階的に改善されてきているのです。

 農場の牛での対策にも年月がかかりました。サーベイランスのための死亡牛検査が一〇〇%のレベルで行われるようになったのは二〇〇四年四月です。生産履歴を管理するためのトレーサビリティーシステムができ上がったのは二〇〇三年十二月で、これが流通段階までに広げられたのは二〇〇四年十二月でした。この時点でBSE対策がほぼ出そろったとみなせます。

 ここで、日本で行われている二重の安全対策の意義を考えてみます。

 安全対策の柱の一つは、SRMの除去を確実に行うことです。屠畜解体時にSRMが食肉に混入することも防止しなければなりません。SRM除去の実態について、厚生労働省は、これから定期的点検を行う仕組みを構築することになりました。一方、BSE牛についての科学的知見は限られており、まだ見つかっていない未知のSRMも感染源となります。例えば最近、日本の死亡牛検査では、末梢神経など、これまでSRMに指定されていない組織でも病原体が見つかっています。研究の進展に伴って、ほかの組織でも病原体が見つかる可能性があります。すなわち、食肉に混入するSRMと未知のSRMも感染源となり得るのです。全頭検査で陽性になった牛は、個体全部が焼却されますので、これらの感染源が食用に回ることはありません。

 一方、全頭検査を行っても、潜伏期中の牛すべてを検出することはできません。これはBSEに限ったものではなく、どのような感染症でも同じことです。BSEの場合には、検出限界以下のために検査で陰性と判定される牛によるリスクは、SRM除去で低減しています。ただし、未知のSRMや屠畜解体時に混入するSRMによるリスクは残ります。しかし、検出限界以下の牛の場合には、脳に蓄積している病原体の量が非常に低いため、未知のSRMや混入するSRMがもたらすリスクは非常に低いものと推測されます。

 このようにして、全頭検査とSRM除去が相補って食肉の安全性を確保しているのです。すなわち、フェールセーフシステムということになります。

 さて、ここで、スクリーニングとサーベイランスについてお話ししたいと思います。

 日本では、前に述べましたように、屠畜場でのBSE検査、すなわち全頭検査は、感染牛を市場に出さないためのスクリーニングとみなしています。スクリーニングとは、審査して選別することです。ところが、二〇〇二年十二月に米国でBSE牛が見出されてから、BSE検査はスクリーニングではなくサーベイランスのためであって、安全対策はサーベイランスとSRM除去で十分であるという見解が突然出てきました。その背景を考えてみたいと思います。

 サーベイランスとは、医学用語で、感染症の発生を常時監視する対策のことです。BSEでは農場での死亡牛検査がサーベイランスの中心になっており、これにより、農場でのBSE汚染の実態を推測することができるわけです。さらに、サーベイランスを毎年続けることによって、肉骨粉使用禁止措置の実効性を推測するのにも役立ちます。

 米国のBSE対策は、農場ではリスク評価とサーベイランス、屠畜場ではSRM除去で行われています。BSE検査はサーベイランスのために行うものとみなしています。BSE検査の目的が、日本ではスクリーニング、米国はサーベイランスと、全く異なっています。もちろん、日本の屠畜場での全頭検査の成績は、汚染の実態を把握するという意味でサーベイランスにも役立っていますが、それは副産物であって、主目的ではありません。日本でのサーベイランスは農場での死亡牛検査が主体です。日本と米国の間には、スクリーニングの必要性について根本的認識の違いがあるのです。

 国際的にはどうでしょうか。一九九六年に変異型ヤコブ病が初めて見出されたとき、WHOの専門家会議では、BSEの症状を示した牛のいかなる部分、製品も人の食物チェーンに入れてはいけないという勧告を出しました。EUの科学運営委員会は、一九九九年に、消費者の保護のための理想的レベルは感染動物の排除であって、これが合理的に保証できない場合の次善の策はSRMの除去と述べています。二〇〇一年一月に、EUが三十カ月齢以上の牛のすべてについて迅速BSE検査を行うことを決めた際、EUの消費者健康保護委員長は、EU議会で、この措置は感染牛をできるだけ市場に出さないことの確保のためと発言しています。ことしの四月にオランダで最初の変異型ヤコブ病の患者が見つかった際に、担当大臣は、屠畜場での検査で陽性の牛はすべて市場には出していないのでオランダの牛肉は安全であると言明しました。英国では、三十カ月齢以上の牛すべてを殺処分しています。これらはすべてスクリーニングの考え方です。スクリーニングを全く行っていないのはスイスだけです。

 一方、BSEにかかわる牛由来食品の輸出入の際の国際基準は、OIEの国際動物衛生規約で決められています。そして、この中で取り上げられている対策は、リスク評価とサーベイランス、それに屠畜場でのSRM除去です。スクリーニングの考えは全く入っていません。WTOの枠組みのもと、円滑な国際貿易を行う立場から、スクリーニングの考え方は取り上げられないものと思います。

 サーベイランスは、最初に述べましたように、汚染状況の把握と肉骨粉対策の効果を確認するためのものです。その結果、BSE牛がほとんどいなければ屠畜場での対策はSRM除去だけで十分という考えです。この考え方の根底には、集団としての家畜を相手としてきた獣医学的視点があります。しかし、変異型ヤコブ病のような悲惨な病気につながる問題の場合、人の健康保護の立場からは個人の安全を考えるべきであり、それにはスクリーニングの考え方が必要です。

 日本では、この三年半の間に、獣医学と医学の両分野の専門家が協力して、BSEにかかわる食の安全対策を確立してきました。その結果、世界に誇れる安全対策ができました。しかし、このすぐれた安全対策が、貿易の妨げという観点から見直しを迫られているのです。

 最後に、食品安全委員会プリオン専門調査会での議論を振り返ってみたいと思います。

 私は三年前、BSE問題に関する調査検討委員会の最後で、各委員が感想を述べた際、リスク評価に我々科学者が参加できるようになることを高く評価するとともに、科学者は責任を自覚しなければならないと発言しました。今回、プリオン専門調査会での中間とりまとめと月齢見直しの諮問についての審議でもって、改めて責任の重さを感じさせられました。

 中間とりまとめでは、「結論」の文言に私たちの意見を正確に反映させることができなかったこと、そして、その文言が月齢見直しの諮問の根拠になったことは大変残念に思っています。

 月齢見直しは、米国産牛肉輸入再開を目的としたものと国民は受けとめていながら、専門調査会では、諮問の目的を尋ねた私たちの質問に対して、国内対策における科学的合理性の確保という行政側の回答しか得られず、納得がいかないまま、月齢見直しの審議を行わざるを得なかったことも残念です。

 一方、リスク評価の作業は、私たちにとって初めての経験で、かなり苦労しましたが、その結果、客観的な定性的評価の方式ができてきたことは大きな成果であり、この面ではある程度責任を果たせたものと考えています。

 最後に、諮問に対する報告書の「結論」について一言つけ加えたいと思います。

 諮問の審議の過程で、SRM除去の監視や輸入配合飼料に関する問題点が明らかになり、それらの改善策が実施されることになりました。そこで私は、「結論」に、検査月齢の線引きがもたらすリスクは非常に低いレベルの増加にとどまるという判断のほかに、一連の対策の実効性が確認された後に月齢の線引きを行うのが合理的という判断を併記するよう提案したのですが、諮問は現在の対策のもとでのリスク評価を求めたものとみなされるため、この時期尚早という判断は「結論」ではなく、留意すべき附帯意見として「おわりに」の項に入れられたのです。この附帯意見について、リスク管理側がこれからどのように留意されるのか見守りたいと思います。

 以上です。(拍手)

山岡委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

山岡委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。

北村(直)委員 自民党の北村直人でございます。

 両先生におかれましては、本当に専門的な立場から日々御指導を賜り、また今回、それぞれの立場できょうこのように御発言と御報告をいただいたことに、まず感謝と御礼を申し上げる次第でございます。

 与えられた時間が十五分でございますので、端的に何点かお聞きをさせていただきたい、このように思います。

 まず最初に、牛の月齢判別検討会の座長をお務めをいただいた沖谷先生にお聞きをしたいと思いますが、ただいま先生から御説明をいただきました、アメリカは枝肉の骨格や肉質を見て二十カ月齢以下を判別するという提案をしておりますが、私たちのこの日本の消費者を含めて国民の間には、そのような方法で本当に正確な月齢判別が果たして可能なのかという素朴な疑問が依然としてあるわけでございます。

 といいますのは、沖谷先生は肉質の評価の専門家でいらっしゃいますけれども、私の知る限り、日本では牛肉の肉質と月齢との関係に関する研究とかそういった学問があるというようなことは、私は余り聞いたことがございません。つまり、学問として、一般の国民もあわせて認知をされているというんでしょうか、そういうようなものがあるというふうには私は聞いてはいませんし、評価をしていないわけでございます。

 そこで、沖谷先生に、肉質の専門家として、先ほど先生からお話のありましたA40といった基準で本当に月齢の判別ができると思われるのかどうか。先ほどの先生のお話では、アメリカのそういったデータを含めて検討委員会としてはこれは認めざるを得ないというような結論を出されておりますけれども、先生の、本当に御自身の御判断として、率直な御意見をまずお聞かせをいただきたいと思います。

沖谷参考人 お答え申します。

 先ほども申しましたように、生理学的な成熟度による月齢判別については、資料の「生物学的観点からの意見」のところに、(1)、(2)それから(4)に示されたとおりであります。特に、色とそれからきめについてはそういう研究がないというわけではなくて、もう既に公知の事実として全世界の肉の研究者が理解しているところで、日本の格付においても、色が濃いものは老齢牛ということで格が低くなっております。ですから、肉質については研究をもうやる必要がない状態になっている。

 骨についてはそういう研究は、我々経験したことがないんですけれども、アメリカ側ではそれを使っていたということで、実際にそういうデータとか現物を見せていただいて、研究として成り立つかどうかデータを出していただいて、その判定を我々の検討会でやったということで、ここで、結論はそういうことで判定できるということを出しました。

 以上です。

北村(直)委員 先生の科学的な知見というのは大変評価ができるものだと私は思っておりますが、一方で、米国の事例を見ますと、一日に五千頭規模を処理する屠場等々で、六秒ぐらいの時間の中で枝肉の格付官はこれをする、こういう短い時間で本当にこれらをやれるのかどうかなという私は心配を持っているわけでございます。そういうところも、今後国民に向かって、アメリカのやり方はわかった、しかし、日本の国民に向かってそれらをしっかり理解をさせられないと、せっかくの立派な格付であっても、私は何となく不安をぬぐい切れないのではないかという、実は私は個人的な考え方を持っているところでございますので、なお一層、先生方の御指導をいただきたいと思います。

 余り時間がございませんので、次に、山内先生に、お答えというよりも御意見を賜りたいと思います。

 私は、一般的に日本の消費者というのはいわゆるゼロリスクを求めているんだと思いますね。つまり、原因は何だ、日本人の消費者は原因がわからないと不安になる、つまり、先生が先ほど言ったスクリーニング、これを非常に国民は求めているのではないか。そのことによって、ああ、原因がこういうことだ、その原因が取り除かれるような、そういう措置がとられていれば安全でそして安心だ、こういうことだと思います。

 しかし一方で、今回の食品安全委員会の最後の、これはどうも私の目から見て、サーベイランス、つまり、いわゆるプリオンの専門家の方々が、原因が何だかということについての議論をしているのが、いつの間にか、最終的に疫学的な、そういう統計学的なものでくくられてしまったのではないのかなという私は危惧を持っているところでございまして、その辺について、大変見識の高い山内先生の御見解をまずお聞かせをいただきたいと思います。

山内参考人 まず、ゼロリスクの問題でございますが、私が先ほど申し上げましたように、BSEに関しては科学的にわかっていないことが非常にある。そして、例えば特定危険部位に関してもまだわかっていないところがある。

 それで、そういったもののリスクというのは、これは、今いかなる安全対策をやったって、結局残っていくわけです。したがって、ゼロリスクにはならない。ただし、科学的に可能な対策はすべてやるべきである。少なくとも、国民がそういったものの負担に応じるのであれば、私は全部やるのが正しい考え方であろうと思います。そこでもゼロリスクにはならないんだということをやはり認識してもらう必要があるんだろうと思います。

 それから、食品安全委員会での議論でございますが、原因究明というのはこれは大変難しい。科学的にやっていけばやっていくほどわからない問題がいっぱいある。その中で、どういう安全対策をやっていくかということを議論してきたつもりでおります。

 ただ、リスク評価には、定性的なリスク評価と定量的なリスク評価と二つありまして、より科学的、もしくは客観的なものは定量的なリスク評価です。ですから、なるべくそういったものに持っていきたいと思ったわけですが、これは残念ながら、できるだけのデータがない。その議論の中で、疫学的な面がかなり強くなってきたのではないかというふうに思います。

 そして、定性的な評価においては、少なくとも、個々のいろいろな汚染の要因とか人への感染をもたらす要因、これは実際には、生体牛の汚染度と食肉の汚染度というのをいろいろな要因について調べていく、その段階では、疫学的というのではなくて、かなり客観的なと言ったらいいかどうかわかりませんが、定性的な判断をしてきました。

 最後のまとめのところになりますと、やはり疫学的もしくは確率論的な考え方にならざるを得なかった、それが今の御質問で指摘された面であろうと思います。

北村(直)委員 ありがとうございます。

 確かにゼロリスクということはあり得ないと。私たちがおぎゃあと生まれればリスクをしょって生きるわけでありますので、そのリスクをいかに自分が回避をしていくか、あるいは社会がそのリスクをゼロに近づけていく、そういう政策や、あるいは対策をとっていくかということが大切だというふうに私は思っております。食育等々を含めて、生まれてから、小さいときから義務教育等々の中で、そういったことをきちっと教育を通じて知らしめていくということが私は大切なことだというふうに思っております。

 その上で、今後、アメリカの輸入に対する諮問、そして答申が出されるわけであります。先ほど来先生が、サーベイランスとスクリーニングのことを報告書の中でも詳しく述べていただいて、私は先生のおっしゃることはそのとおりだというふうに思います。と申しますのは、アメリカの専門家は、先ほど私が言ったように、疫学の学者が出てくる、日本からはプリオンの専門家が出てくる。そうしますと、レールのように、どこまで行ってもこれは交わらないというようなことになる。私はそのように危惧をしております。

 ですから、本当に日本が輸入を再開するのであれば、アメリカの方は、やはりプリオンの専門学者が出てきて、先生方と議論をした上でどうするかということが必要になってくるのではないかな、このように私は思いますが、先生のその辺の御見識をお聞かせをいただきたいというふうに思います。

山内参考人 私は、日米BSE作業部会に参加しまして議論をいろいろ行ったんですが、プリオンの専門家は一人もアメリカ側ではおりませんでした。そして、現実に今、USDAもしくはアメリカの獣医大学で、BSEないしプリオンの研究を行っている人は、USDAでは全くいないと言っていいと思いますし、獣医大学の方でも、シカの慢性消耗病という別のプリオン病の研究を行っているグループはいますが、BSEについては行っていない。結局、日米BSE作業部会をやって一番痛切に感じたのは、私たちのカウンターパートがいないということ。ですから、科学的な議論をしようにも、行政官を相手に議論をしているわけでして、そこですれ違いが起こっております。その感は今も非常に強く持っております。

北村(直)委員 山内先生の率直な御意見、大変ありがとうございます。これは貴重な御意見でございますので、今後、そのことについては、やはり我が国も毅然とした態度でアメリカに対して物を申していかなければならない、私はそう思っている一人でございます。

 その上で、もう時間がございませんが、最終的に、どうも物を買う側が売る側の条件に合わせるというのは、何か私はおかしいなと。本来は、売る側が買う側の条件を満たして、これだけあなた方の条件を満たしたのですから、どうぞ何とか買ってくださいと最敬礼するのが普通であって、胸を張って、おまえたち買う側がおれたち売る側の条件をのめというのは、非常に横暴な意見であるような気が私はいたします。

 本日、専門家のお二人の先生から御意見をお聞かせをいただきました。我が国としても、本当に毅然として、ぜひ、両先生の御意見のもとに、米国に対しても明確な意見を言って、第一義的に日本の消費者の安全ということに、ここに的を絞って、専門的な両先生の知見を堂々とお述べいただくことをお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山岡委員長 次に、岡本充功君。

岡本(充)委員 民主党の岡本です。

 本日は、たくさん質問を用意しておりますので、端的にお答えいただきたいと思います。

 私もつい最近までモレキュラーバイオロジーをやっていましたので、ぜひそういった観点で、科学的な知見でのお答えをいただきたいと思います。

 まずは、沖谷参考人の方に御質問させていただきたい。

 まずは、一月十九日に、日本政府に対する最終報告書がアメリカ農務省から提出されました。この報告書、あたかも科学的なデータになっているかのような取り扱いをされておりますけれども、私は、このデータについて幾つか疑問を持っています。

 実は、私自身はこれを政府に対して質問主意書で質問したんですが、政府は答弁を回避してまいりました。その内容について、ちょっとお答えをいただきたいと思っております。

 まず、この提出してきた報告書、成熟度の研究となっていますが、この研究には、いわゆる論文に必要なマテメソ、マテリアル・アンド・メソッドという部分ですね、そしてまた、これはまず再現性を保証するものなんですが、この再現性の保証がない。もっと言うと、科学論文で参照文献がない、リファレンスがないというものは、私はこの方見たことがないんですけれども、こういう観点からいうと、これは研究の体裁をとっているとお考えですか、それとも、とっていないと思われますか。

沖谷参考人 こういう研究は今までなくて、初めて公開されるということなんですけれども、予備的なデータを、私がこの検討会の前に一回BSEの専門家会議に参加したときに、予備的な研究結果というのですか、そういうのを見せていただきました。それが出ました。それを見て、これは本格的に、サイズを大きくしてやる価値があるというような印象を持っていたんですけれども、それから、生理的マチュリティーと月齢にかなりの関係があるということを、皆さんそういう意見を出したものですから、それじゃ、向こうが研究をやってみましょうといって初めてやったわけで、これが最初の公開された研究結果。だから、おっしゃるとおり、必ず検証が必要だということを私たちは考えて、最後の報告書の後ろには、検証もしくはフォローアップということ。

 それから、マテリアルについては、現状の、今屠殺しているそれを使ってやる以外にこの研究はできそうもないということです。膨大な数を研究用の牛として育てて、ある期間を決めてやるという大がかりな研究は、差し当たっては、すぐにはできないということで、プラクティカルにはこれで統計的な数字まで計算してみようということになって、こういう結論になったわけです。

 以上です。

岡本(充)委員 本当に端的にお答えいただきたい。

 これが科学的な論文として、体裁として先生のところに来て、ジャーナルに載せる、これはアクセプトしますか。

沖谷参考人 します。結論はそれだけです。

岡本(充)委員 私が問いかけたいのは、ジャーナルにもいろいろあると思いますけれども、科学的なデータに基づいていると言うけれども、例えば、いただいたこのサンプルの、どういう頭数をどれだけ屠畜して評価したか、このエバリュエーションのところを見ても、残念ながら統計的なばらつきがある。つまり、升でいうとAの40の十八、十九、二十、二十一、そしてまた、この表、エージ・イン・マンススと書いている右下のあたりですね、Bの段階と二十六から三十の段階、この部分の統計的な数が落ちている。

 これは、私は時間がないので指摘できないけれども、統計的に検討すると、この部分は不十分だ。それはもちろん検討会の中でも話が出たと聞いていますけれども、こういうようなサンプルをもとに評価をしていくというのは、極めて限られた科学的データであって、これを純粋に科学的に考えたときに、本当であれば、リジェクトとは言わなくても、もう一回やり直せと普通来るんですよ。それで、もう一回、しようがないから私たち実験し直す、追加実験を載せてジャーナルに載せるのが普通だと私は思うんですね。どうですか。

沖谷参考人 簡単にできるような実験であればそういうことになりますけれども、これは大変な研究だというふうに我々は評価したわけですね。現状において収集できるデータ、この一頭一頭についての履歴はちゃんともらっております。雌、雄、それから飼養条件については。それはもちろんフルのペーパーには出ているわけです。マテリアルの説明はちゃんとできると思います。

 ただ、いろいろなばらつきがあるとかなんとかというのは、これはやってみて初めてわかったことであって、この実験計画はそういうやり方でやって得られた結果であるという、その限定つきでもちろん報告書は出している。

 以上です。

岡本(充)委員 繰り返しになりますけれども、本来であれば、こういうものは、できることであればサンプルだって偏りがなくやらなきゃいけないし、もっと言えば、その施設、牛についても、無作為抽出をしてこれを評価していくというのが、私は研究の精度としてより高いはずだというふうに思っています。

 今、先生は、これでもアクセプトされると。それは、いろいろジャーナルはあるでしょうけれども、本来であれば、私は、これについて追加実験を求めるべきであるし、この報告書にも載っているけれども、追加実験なくしてはこれを最終的に認められない、もっと追加実験をやってくれと言うべきだったんじゃないかというふうに思うんですが、今回の最終的なこの話の中で、検討会の結果として農水省が持ってきた、基準としての有効性を確認するためには追加的検証または実験後のフォローアップが必要だというのは、まさにこれを先生方御自身も認識をされたからじゃないかと私は思うわけなんです。それは違いますか、イエスかノーか。

沖谷参考人 そのとおりであります。

岡本(充)委員 そうすると、基準としての有効性を確認するための追加的検証または実験後のフォローアップが必要だと言っていますが、このフォローアップも、単なるフォローアップではない、追加的検証となり得るようなフォローアップじゃなければいけないというふうに考えるわけなんです。それは、イエスかノーか、どちらでございましょう。

沖谷参考人 そのとおりです。

 それで、追加の検証データをいただいております。生データで、まだ統計処理をしていない、最終的なものじゃないので、それをやってくださいということで待っております。検証のデータが来ております。フォローアップについては、これから、実施してからの話ですから、あれですが。

 以上です。

岡本(充)委員 どうもありがとうございます。

 それは、当然のことながら、このエイジ・イン・マンススの統計的ばらつきを埋めるものでなければいけないというふうに私は思いますけれども、その点についても同様の考えでよろしいでしょうか。

沖谷参考人 結構です。

岡本(充)委員 続いて、山内参考人の方にもお伺いしたいと思います。済みません、早口でいきますが。

 二十カ月齢以下の牛のBSE検査をやらない方向になるこの最終結論が出てきたという中で、今回の検討に当たって、私は質問でもこれはさせていただいたんですが、定性的評価をされている。しかし、定量的に検定をする有意差を出すことが不可能だったのか。

 つまり、私が質問した当時は、三百五十万頭の屠畜した牛がいて、そして、さらに二十カ月齢以下はその一割ぐらいの牛で、そして、そのnで実際にBSEだと言われたのは、実は二十カ月齢以下では出ていなかった。これは統計学的に検定することができるということで、カイの検定を使って、カイの検定ではできないけれども、特殊な検定を使ったらできるんだということを私はこの委員会でもお話をさせていただきました。そうすると、今より倍以上の検定をしないと有意差が出てこないんだ、本当は二十カ月齢以下でBSEがいないとは言えないんだということを私はこの委員会でやらせていただいたんですが、この定性的評価になる中で、今私がお話をさせていただいた統計学的な検証、特に有意差を出すための統計学的な検証というのはなされたんでしょうか。

山内参考人 定性的評価の場合に、統計学的な検討は行っていません。できるだけのデータがありませんでしたから。

岡本(充)委員 私もきっとそういうことだったと思います。

 さて、それでは、理論的には二十カ月齢以下の牛でもBSEになるのではないかと私は思っています。暴露する量によって私は変わると思っているんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

山内参考人 おっしゃるとおりです。暴露量が多ければ、二十カ月齢以下でもあり得る。一番若い発病例が、英国で二十カ月齢というのがあります。この牛は、今の検査法でやれば、条件次第では十三カ月齢でも陽性になっている可能性があるというEUの科学運営委員会の報告もございます。

岡本(充)委員 次の質問ですけれども、そういった中で、今のウエスタンブロットだけじゃなくて、異常プリオンと言うべきか、幾つかの新しい、その検出法が出ています。ことしの五月にも、イスラエルの方から出ているジャーナル・ニューロイムノロジーの中には、尿の中のイムノグロブリンのライトチェーンでわかるんじゃないかとか、三月には、いわゆるCDI法のさらに進んだサンドイッチ・イムノアッセイが報告されています。それぞれ、ジャーナル・オブ・イムノ・メソッドですか、の中でも報告されております。

 こういったものを見ると、新しい検査方法が今後出てくる可能性が十分あると思うんですけれども、そういった中で、今回の二十カ月齢以下の牛でも検出が可能になってくる可能性はあるとお考えでございましょうか。

山内参考人 十分ございます。そして、報告書の附帯意見の中でも述べてありますが、二十カ月齢以下を検査から外してしまった場合に、実際に新しく開発されてくる検査法の評価ができなくなるという、そういう矛盾のあるような諮問であるということも述べております。

岡本(充)委員 もう一つの重要な対策、SRM除去。

 確実なSRM除去、均一で正確なSRM除去は私は不可能だと思っているんですね、最終的に、パーフェクトなものは。不可能だという私の考えに、どうお考えでしょうか。

山内参考人 私の話で申し上げましたように、既に指定されているSRM、それから混入してくるSRM、未知のSRM、こういったものを全部考えた場合、それをすべて取るということはできません。

岡本(充)委員 続いて、もう時間も残り少ないんですが、豚の肉骨粉の使用について今回再開されました。これは実は、同様に論文が出ていて、種の壁を考える上で極めて重要だと思うんですが、「ジャーナル・オブ・ゼネラル・バイオロジー」の中に、これは二〇〇三年ですが、「スタディーズ・オブ・ザ・トランスミシビリティー・オブ・ザ・エージェント・オブ・BSE」、豚の、これが出ているんです。

 この中で見ると、種の壁を一たん超えると、豚の中でもBSEが広がるということが示唆されています。種の壁があるから豚には行かないけれども、一たん豚に行ってしまったら豚の世界でもBSEが広がると考えるんですが、それについての御見解はいかがですか。

山内参考人 今引用された文献は、これは豚への脳内摂取実験であって、そして、その場合には豚が感染した、要するに、豚には感受性はある。ただし、現実に、農場とか野外でもって経口で豚が感染した可能性はまず考えられないということと、経口摂取と脳内摂取の感染性の差、これが非常に大きい、この二つの点から、豚で、自然界でもっての経口感染は起こり得ないだろう、そういうふうに判断をしております。

岡本(充)委員 済みません。最後にちょっと伺いたい。

 今回の食品安全委員会の結論について、るる最後に述べられました。先生は中間報告の中で御意見を述べられた。それが残念ながら結論に載らなかったり、そしてまたその載った結論が、残念ながら官僚にいいように利用されて、最終的な結論になったのではないか。私は先生は、強くというか、じくじたる思いで今回見ていると思います。

 今回のこの最終報告書に至る過程。官僚に利用された、もしくは、言葉は悪いけれども、だまされたという思いはありませんでしょうか。

山内参考人 おっしゃるとおりです。

 これは私たちの反省でもあるわけですが、結局、例えば中間とりまとめの結論のところで、最後に二つの事項、こういったことは今後の対策を考える上で重要な点であるといったようなことが、座長一任後につけ加えられて、それに基づいて月齢見直しの諮問が出てきた。そういう点について、我々科学者としては、そこまでの読みはできなかった。ある意味では確かに利用されたんだというふうに思います。

 今後、そういったことがないように、今回も、例えば諮問の報告書に関しては、科学者、専門家だけで行政は一切入らずに報告書を書いています。そういったところで対応していきたいというふうに思います。

岡本(充)委員 お忙しい時間、どうもありがとうございました。終わります。

山岡委員長 次に、白保台一君。

白保委員 きょうは、沖谷先生、山内先生、大変御苦労さまでございます。公明党の白保でございます。

 この委員会には非常にこの問題に詳しい方が何人かおられて、もちろん科学者じゃないと思いますけれども、いらっしゃいます。私は、その域には達しておりませんけれども、素朴な疑問をお聞きしていきたい、こういうふうに思います。

 初めに、沖谷参考人にお伺いしたいと思います。

 我が国は、全頭検査という消費者の安全、安心に対する要請にこたえる、こういう体制でBSEに対する対処をしてきた結果として、世界でも非常に珍しい二十一カ月齢の感染牛を見つけ出して、そしてまた生後二十カ月以下をBSEの検査対象外とする大きな根拠になったんだろう、こういうふうに思います。しかしまた、アメリカでは牛は群れで飼育されていて、我が国のように個体管理がされていなくて、正確な月齢は確認できない、こういうお話です。

 輸入再開交渉で、米国は、枝肉の成熟度によって判別可能、こういうようなお話を先ほども伺いました。流れ作業の中で検査員が目視で確認するという検査方法というのは米国関係者からも不備が指摘されている、こういうふうにも聞いております。

 年間三百五十万頭、こういった牛を処理するアメリカで、今後も月齢判別が有効かどうかという検証は時間がかかっても行う必要があると思いますが、まず、どのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。

沖谷参考人 格付のその時間については、そのとおりであって、見てきたんですけれども、最終的には、報告書の最後に書いてありますように、A40を採用するというふうに決まった場合に、もっとはっきりマニュアルをつくるということができるようにと、現状は、A40にするかということを何も決めないで調査した結果としてこの数字が出てきたということで、今、A40ということとA50をきちっと識別できるようなことに決まれば、いろいろな手だてをやっていくということを期待しているわけです。

 それで、我々は、その手順とか、いろいろやったらいいというふうに提案しているわけですけれども、この間、農水省とそれから厚生省の関係者が現地調査に行きまして、こういうことの考えが出されたというふうに聞いております。

 A40を月齢判別に使う場合には、格付検査員がAの00からAの50までの標準写真サンプルを携行することや、通常の格付工程で対日輸出用に選別した牛枝肉を対日専用作業ラインにさらに移して再確認する、改めてA40以下かどうかを再度確認して最終判定するという考え方が示されております。

 以上です。

白保委員 アメリカ農務省は、全米における家畜の個体識別、追跡制度を段階的に導入して、二〇〇九年から義務づけると発表したようですけれども、このような制度が本当に導入されれば米側の月齢判別の仕組みも整う、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。

沖谷参考人 はい。まさにそのとおりだと思います。個体識別の制度を導入するというメリットは、必ずしも単純に月齢だけを知るためじゃなくて、病気が起こったときのトレーサビリティーあるいは飼養条件等々、新しい技術の開発とか、いろいろなものに役に立つわけで、それらも含めた利点だと思います。月齢については、出生時に個体識別のマークをつければ確実にできることは明らかであります。そのとおりだと思います。

 以上です。

白保委員 では、次に、山内参考人にお伺いいたしたいと思います。

 山内参考人は、新聞で見ましたけれども、「人の健康こそ重要」、そしてまた「日本の対策で世界貢献を」、こういうような新聞のインタビュー記事を見ました。

 そこで、お伺いしたいと思います。

 どちらも感染していない、感染している可能性がない牛、どちらも感染している可能性がないとは言えない牛肉で、どちらも特定危険部位を除去した検査済みの三十六カ月齢の牛と未検査の十八カ月齢の牛では、大変失礼な話ですけれども、参考人はどちらをお選びになりますか。感染している可能性がないと言えない牛肉で、特定危険部位を除去して検査済みの三十六カ月齢の牛と十八カ月齢の牛では、もしお選びになるとするならどちらの方をお選びになりますか。

山内参考人 済みません。私、耳が余りよくないので、ちょっと、今の御質問をもう一度。

白保委員 どちらも感染している可能性がないと言えない牛肉で、特定危険部位を除去した検査済みの三十六カ月、それと十八カ月、選ぶとしたならどちらをお選びになりますかという、大変失礼な話ですけれども。

山内参考人 済みません、ちょっと。どちらも感染していない……。ちょっと……(白保委員「言い切れない」と呼ぶ)言い切れない……。(白保委員「ただ、検査は済んでいますよ」と呼ぶ)

 私は、ともかく、検査をするということと特定危険部位の除去のこの二段構えをやったものしか選べないというふうに考えております。さらにもっと若い牛の場合にどうなるかという意味でしたならば、これは最終的には確率論の問題。ですから、非常に低い確率であると考えればいいのかもしれません。

白保委員 我が国の消費者の七割が全頭検査を必要と答えています。二〇〇一年にBSEが発生し、牛肉の消費量が激減しました。安全、安心を求める声にこたえる形で全頭検査の体制が確立したわけですね。

 今日、全頭検査によっても、検出に限界があって、絶対安全、こういうふうに保証されているわけではないということも多くの消費者は承知はしておりますけれども、なおかつ全頭検査を必要としているのはどういう理由なのかということが一つ。それからもう一つは、全頭検査が二十一カ月齢のBSE感染牛を発見したことは大きな意味があったというふうに言えるのではないかな、こう思いますが、この二つについてお伺いします。

山内参考人 全頭検査を消費者が支持しているというのは、やはり二〇〇一年十月からの全頭検査採用によって、あの時点では確かに安全、安心というふうな形で社会にはPRされました。

 我々専門家は必ずしもそうは思っておりませんで、全頭検査と特定危険部位の除去と両方である。ただし、特定危険部位の除去に関しては、きょう申し上げましたように、まだ幾つか問題点が残っていた、それを全頭検査がカバーしている、そういうとらえ方をしてまいりました。そういった点については、機会があるたびに、いろいろな講演会などでも、なるべくそういう知識を皆さんに伝えるように努力もしてきたつもりです。

 ですから、現在、全頭検査を支持するという立場の人たちは、当初の安心、安全ということと、さらにもう一つ、もっとしっかりとした理解のもとに支持するという、両方の方がいるんだろうというふうに私は思います。

白保委員 厚労省、農水省両省から、米国産牛肉の輸入の再開条件を諮問される場合も、そもそも日米の考え方の違いというのがありますから、評価はなかなか難しいんじゃないかな、こういうふうに思うんです。アメリカの方針というのは、先ほどもお話がありましたが、獣医学的な観点で一定のリスクを容認する。我が国の食品安全委員会は、先ほどの新聞にもありましたように、人の健康を前提に、医学的知見から評価する、こういう相違がありますね。

 この違い、これでもって評価とかあるいは諮問とか言われても、これは大変なことだと思いますが、この違いについて、どういうような影響が諮問された場合に出てくるのかな、こういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

山内参考人 人の健康を重視する立場。まず、日本の場合には、薬害ヤコブ病、百人以上の患者を出したということで、国民の中でこのヤコブ病の悲惨さというのはかなり認識があると思います。そういったことがやはり根底にはあるだろうと思います。そして、アメリカの場合には、多分、そういうことよりはもっと多くの、いろいろな背景の人たちがいる国ですから、ヤコブ病そのものに関する認識も日本のように十分に普及できているとは思えません。

 基本的な考え方の違いのもとに今後諮問が出てきたときどうするのかということに関しましては、先ほど申し上げましたが、リスク評価における定性的な評価の手法、これを一応つくってまいりました。これはそのままアメリカの場合にも当てはめられます。考え方の違いとは関係なしに、客観的にそれぞれの要因を判断していくことは可能だと思いますので、技術的には十分に対応できるというふうに考えております。

白保委員 アメリカは、北米の方の大陸で見つかった牛はみんなカナダ産だ、BSEが見つかったのはカナダ産であると、こういうふうな言い方をする。みずからは、要するに暫定的な清浄国だ、こういうような言い方をしておりますが、国際的にはBSE発生国とみなされると思います。したがって、今後、アメリカのBSE発生の可能性について、この辺はどのようにお考えでしょうか。

山内参考人 アメリカ政府がつくった国際調査委員会の結論でも、北米全体として見た場合に、アメリカにおけるBSEとみなしているわけです。ですから、アメリカで見つかったのがカナダ産であるということは、これは何も理由にならない。

 それから、暫定清浄国というのは、これは自分の国が勝手にそういうふうに言うだけのことであって、輸入する国がそうは思わないということであれば、十分にそれは対応できる話だろうと思います。

 そして、アメリカでのBSEがどうかと言われると、少なくとも、EUの地域的BSEリスク評価、これは昨年でしたか出ましたので、アメリカはレベル3ということで、日本と同等の汚染の可能性があるといったような評価もされています。それはえさの問題が特に大きいわけですが、かなりBSEの広がっている可能性も考えざるを得ない、そういうふうに考えられるんだろうと思います。

白保委員 まだまだお聞きしたいことがいっぱいありますが、時間でございますので、これで終わらせていただきます。

山岡委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 きょうは、両先生、お忙しい中を御出席いただきまして、本当にありがとうございます。

 最初に沖谷先生に伺いたいと思うんです。

 委員会やあるいは予算委員会の中でもこの格付の問題を質問してまいりました。直接検討会の先生にお伺いする機会をいただいて本当によかったなと思っているところなんですけれども、格付はその国固有のやり方であると思います。私は、これを月齢とリンクさせることには非常に無理があると。先ほど来、質問にもあるように、この月齢と格付をリンクさせるという考え方について特別な研究をされた学術論文などもいまだ世に出ていない、そういう中で初めての試みがされたわけです。

 そこで、検討会にはアメリカが幾つかのサンプルを出して、月齢が明確にわかるものと、格付との比較をする中で、たとえばらつきがあっても間違いなく二十カ月齢以下となれるのがA40という形で結論を出された。ですから、そのこと自体は、要するに、その与えられたサンプルの中では確かに信憑性があったかもしれないと思うんですね。ただ、アメリカには交配種が圧倒的に多い。ですから、サンプルというのは本当はもっともっとさまざまな種類を実際は見なくちゃいけないだろう、肉質もさまざま違うだろう。まして、日本では全く違う種類でありますから、日本で格付をやっている方がそれを見ても、イコールそうだというふうにはできないものでありますよね。

 この点を踏まえて、検討会ではどうしてこれを正確だと言えるのか、伺いたいと思います。

沖谷参考人 我が国の場合は出生日はわかっておりますけれども、その格付というのは、肉のおいしさというのですか、かたさとか、そういうもので、肉の食品としての価値を決めるために格付をやっております。

 その格付、かたさ、特にアメリカの場合はかたさなんですけれども、高齢の牛ほどかたくなる、これは世界全部共通なんですけれども、年齢のわからないものについては、マチュリティーを知ることによってかたさを推定するということで、完全に、ぴったり一対一の関係ではないですけれども、ある幅を持って相関があるということはもう既にわかっていて、それを使っているということで、全くそういう研究がないということじゃなくて、格付自身が、もともとそういう生理的なものの状況が年齢によって変わっていくということに基づいて格付というものがつくられているというふうに僕らは理解しております。

    〔委員長退席、山田委員長代理着席〕

高橋委員 ですから、アメリカが示した月齢がわかるサンプル三千数百ですよね。これだけで照らし合わせたら大丈夫だというふうに判断するのではなくて、さまざまな交配種がある、そういうことも踏まえて、なるほど、格付というものがどの種でも成り立つものだな、A40が成り立つものだなという判断が可能ですかと伺っております。

沖谷参考人 仮定の話はちょっとできないんですけれども、今もらったサンプルデータの中ではいろいろな品種がまざっていることは事実であります。

 アメリカの全部の、今存在している牛のそれを、母集団を完全に反映している、そういうことは保証はできませんけれども、また、そういうことはサンプリングの場合は不可能だということを認識して、あの報告書を検討して結論を出したということであります。

高橋委員 当然、たくさんある品種の中でやはり不可能があるということがお話しされたかと思います。

 もう一つですけれども、当然、アメリカのラインに乗せる上で、枝肉で判別をするわけですけれども、枝肉になる時点でもう頭は切り離されておりますよね。それから、部分肉をどんどん切り離していくわけで、日本に輸入されるのはほとんど部分肉である。

 アメリカが屠畜処理をしているのは三千五百万トンであります。日本に入ってくるのは全体の、量で言うと三%、でも牛の数で言うと九割ですよね。つまり、それだけ細かい肉をいろいろな牛から集めて、パッキングされて日本に入ってくるという、アメリカ人が食べないショートプレートなども含めて、そういう日本の事情がある。逆に言えば、だから、アメリカは、それだけの牛を全頭検査するのはコストがかかって、輸出する分と同じ額くらいかかるということをおっしゃっているわけですけれども、それだけ細かくされるものに対して最後までA40がついてくるのか、その点についていかがでしょうか。

    〔山田委員長代理退席、委員長着席〕

沖谷参考人 日本に入ってくる牛肉についてはトレーサビリティーが確実にできるようになっております。国産の牛は当然もう義務なんですけれども、輸入する牛についても、JASの任意規格として生産履歴を追及するシステムができております。

 私の個人的な希望なんですけれども、もしアメリカから入る場合においては、そのシステムを使っていただきたい。ランバートさんも会議の中でそういう発言をしておりまして、記録には残っております。

 以上です。

高橋委員 要するに、検討会で判断できたのは、多分そのサンプルの範囲内であって、最後までついてくるかどうかということまでは、先生は多分責任を負えないんだと思うんですよね。ですから、期待したいというお話があったと。ここで、やはり検討会がお墨つきをつけた、月齢はいいんだというふうにはならないということが確認できたのかなと思っております。

 時間がありませんので、今度、山内先生にお伺いしたいと思います。

 先生の御発言の中で、まず、フェールセーフの考え方が紹介されたことは私も大変同感であります。

 私どもも、全頭検査万能論ということは、一度もそういう立場に立ったことはございません。幾つかの対策が組み合わさってこそ、安全、安心、リスクを限りなくゼロに近づける、そういうことが可能である取り組みが本当に必要、求められているのかなと思っております。

 また、結論の部分に当たって先生方の意見が正確に反映させられなかったということについて、非常に率直な、残念であるという御意見をいただきました。

 私は、やはりこのことで、科学者がお墨つきを与えたからもう線引きはできたんだというように利用される、こういうことがやはりあってはならないし、そのことによって科学者の良心がゆがめられる、このことに対して強く怒りを感じているものであります。

 そこで、まず伺いますが、食品安全委員会が全国でリスクコミュニケーションを行って、多数の意見が出され、また文書でもたくさん寄せられました。その処理の状況を五月二日の報告書を見ますと、千二百五十ですよね、さまざまな角度がございます。それなのに、非常に一くくりにして調査会の回答を与えているものが多いなと思ったんですけれども、実際、この回答についてはどういう処理を行ったのか。つまり、だれがどうやってこの回答をつくったのか、委員の了解を得ているのか、具体的に伺います。

山内参考人 まず、結論のところで、諮問に対して、月齢見直しの方でリスクが変わらないといったようなことは私たちは言っていなくて、そのことについてお答えしたいと思うんですが、リスクは上がる可能性があると言っているわけです。ただ、そのレベルは非常に低いであろう、そこまでしか私たちは言っていません。

 しかしながら、あの報告書自体を出したときに、マスコミも原則容認ということで、あとはレールの上をどんどん走っていっているのが現状であろうというふうに思います。その非常に低いレベルのリスクの増加が人の健康にどういう影響を及ぼすのか、これは私たちはよくわからない、科学的にはまだはっきりは言い切れないという立場です。

 それから、リスクコミュニケーションに関しまして、これは、まずどういう手順でということに関しては、私も詳しいことはわかりませんが、あれは事務局の方で全部整理したんだと思います、非常に膨大な回答に対して。そして、回答案が一応座長の承認のもとにという形で我々のところに回ってきて、そして、各委員がまたコメントを述べております。私も重要と思われる点に関してはコメントを出して、そういったところは採用されております。ただ、すべてに関してどうなっているかというのはちょっとわかりません。

高橋委員 委員の方に意見の回答が回ってはいるけれども、多分すべてに対して了解という形ではないのではないかなと今のお話を聞いて思いました。

 その点でも、やはり話し合いの、せっかく国民の意見を踏まえて安全委員会はやるというスタンスで来たわけですから、その点についても、私はこの回答を読んでいてそう思いますので、非常に残念だなと思っております。

 そこで次に、いよいよ今度アメリカ産牛肉が輸入されるとすれば、日本の牛肉と比べてリスクが同等であるかということが食品安全委員会に諮問されるということが考えられるわけですけれども、そのときに、アメリカからのデータが余りにも少ないのではないかということが大変言われています。

 また、農水省は、飼料規制についてはアメリカのリスク評価の対象としないということも委員会で明言をしております。この点についての見解を伺いたいと思います。

山内参考人 アメリカの場合のリスク評価を行うときに、先ほど申し上げましたが、私たち、定性的評価の方式は前の諮問のところでつくっております。これは十分に利用できると私は考えています。

 そうなりますと、定性的評価では、生体牛における蓄積度それから食肉への汚染度、この二つの立場から評価をすることになります。そうしますと、飼料規制や何か、そういう項目について評価するしないというのを、これは私たちが決めることですし、当然あの評価の方式の中には入ってくるはずです。

高橋委員 ありがとうございます。

 項目に入ってくるはずですということで、非常に困難かと思いますけれども、リスク評価に関してまた、食品安全委員会の、時期を決めたということではない慎重な審議を求めたいなと思っております。

 それで、山内先生は、二〇〇一年の日本でのBSE発生以来、調査検討委員会などずっとかかわっていらっしゃったと思うんですけれども、いわゆるルートの解明、これについてはいまだされていないと思うんですね。その後もBSEの発生がありますし、死亡牛からも発生があるということで、貴重なデータの蓄積は得られていると思うんですね。私は、これはあいまいにするべきではないと思うんです。その点が、最近とにかく二十カ月齢のところに集中していますので、一体どうなっているのかなということと、ルートの解明をしていくことや、まだ不十分だと言われている飼料規制などをしっかりやっていっていわゆる清浄国へのプロセスというのが見えてくるだろう、そのことについて、つまり日本が清浄国を宣言するまでのプロセス、これがどういう見通しがあるかということの先生の見解をぜひ伺いたいと思います。私は、それまでは今の体制を維持するべきだという意見を持っているんですけれども、ぜひその点で見解を伺いたいと思います。

山内参考人 ルートの解明は非常に重要な点でして、前に一回報告書を出しましたが、今度新たに、研究班という形で、農林水産省が中心になって発足します。実はきょうの夜、第一回目の会合を開きます。そこで新しく出てきたBSE例なども含めての検討を行ってまいります。

 次に、えさの問題。これは本当に重要だと思うんですが、今度の諮問の審議の段階でも、輸入配合飼料に関しては今まで全く実態をつかんでいなかった。国内対策というのは、私は、これはかなりしっかりしたものができてきていると思いますが、世界的なBSE汚染がある現在、やはり輸入飼料に関してもしっかり対策を講じていかなければ、それは清浄国という道はなかなか難しいんではないか、そういうふうに認識しております。

高橋委員 時間が来たので終わります。ありがとうございました。

山岡委員長 次に、山本喜代宏君。

山本(喜)委員 社民党の山本です。きょうは、沖谷先生、山内先生、お忙しいところ、貴重な御意見を賜りまして、大変ありがとうございます。

 そこで、まず最初に、両先生にお伺いをいたします。

 科学者の立場でBSEの解明についていろいろ努力されてきたと思いますが、しかし、昨年の十月には、日本とアメリカの両政府によって、牛肉製品の貿易の再開に関する共同記者発表というのが既に行われておりました。その上で、二十カ月以下とか、あるいは特定危険部位の除去という形で、もう初めからその結論が政府の方から示された上でのそれぞれの委員会での審議ではなかったのかというふうに私は考えるわけでございます。

 そうした政府の進め方、あるいはさらには、ことしになってから、例えば外務省なんかから、委員会の審議が遅過ぎるとか、そういった雑音も聞かれました。そうした政府の今までの取り組み方、科学者としてこうしたやり方についてどのようにお考えか、まず両先生からお伺いしたいと思います。

沖谷参考人 二十カ月以下を云々かんぬんということについては、私自身は全く討議する立場の場所には参加しておりません。

 ただ、二十一カ月、月齢をマチュリティーで判定できるかどうかということについては、今でも科学者としての興味を持っております。ですから、アメリカのフォローアップも、結果を楽しみにしておって、学問としてきちっと定着して、成書としてその本が出ることも当然期待しているということで、大変恐縮なんですけれども、私に与えられた役目だけできちっと果たしていきたいというふうに思っています。

 以上です。

山内参考人 今指摘されましたように、政府関係の方では、何かもう初めにどんどんいろいろなことを決めていかれる。我々専門調査会はそういったこととは関係なしに審議はしておりますが、マスコミ報道はそうではない。要するに、こちら側が審議している一番大事な点ではない月齢見直しだけに絞って、アメリカ産牛肉輸入の方向につなげてのものしか行われていなかった。それで我々は非常に当惑をしておりました。

 ただ、審議が遅いというようなことも聞こえてはきましたけれども、一切そういったことには振り回されずに、我々は独自に自分たちのペースでやってきたと思います。

山本(喜)委員 沖谷参考人にお伺いしますけれども、今回の検討会の報告書の中で、A40を基準として採用し得るか否かの判断に当たっては、米国産牛肉のBSE感染リスクの程度を考慮する必要があるというふうに述べられておりますが、このような判断をされたのはなぜでしょうか。

沖谷参考人 その数字を見ていただくと、かなり大きな数字だと思うんですね、一・九。普通は、ゼロリスクを期待している向きもあるんですけれども、そういうことはあり得ないんですけれども、もっと小さい数字ということでしょうか。この数字は、生物を対象にした統計の結果としては非常にいい数字というふうに判断しております。ですから、あとはその数字を何かに掛けてリスクを計算するわけですけれども、それはBSEの方です。

 我々は、アメリカのそのことについてのデータを持っておりません。個人的には皆さん知っておりますので、この数字では、使える、計算をしてみる値があるなという判断はしており、ですから、お使い、検討してくださいというふうに提案しているわけであります。

 以上です。

山本(喜)委員 A40の検討会ですけれども、解剖学、生理学あるいは統計学、この三つの観点から研究されまして、三回目の、最終回の議事録は公表されておりますけれども、それぞれの三つの分野で分析の強調点が違うと思うんですが、こういった点について、どのようにそれぞれ違うのか、素人にわかりやすいようにちょっと紹介していただきたいと思います。

沖谷参考人 解剖学的あるいは生理学的、統計学という観点があるんですけれども、生物学的に、先ほども申しましたように、色とかきめというのは、もう既に全員が研究者はみんな知っている事実であって、さらに、それは納得するというか、初めにもう共通の知見として、知識として持っているわけです。

 あと、解剖学については、解剖の先生が二人参加してくださって、現物をお一人の方は見ていらっしゃいますし、ああ、確かに言われているようなことが実際に起こっているという確認、我々はそれが年齢に応じて変化するものだということを委員が了解したということであります。

 それから、生理学的には、性ホルモンが出てくるときがちょうどそのAの40と50のところなんですけれども、そこで軟骨が骨化するという、がくっと変わるということ、それも我々がすごく興味を持って認識したということであります。

 それから、統計については、何回もサンプルに偏りがあるというふうに出てきますけれども、母集団がどうなっているかということを知るのはほとんど不可能だということで、現状を受け入れるということであの数字を出したということであります。

 以上です。

山本(喜)委員 次に、山内参考人にお伺いしますけれども、五月にOIEの総会が開かれまして、マスコミ等の報道によりますと、特定危険部位を除けばあとは全部いいんだというふうな話し合いがなされるというふうなことが報道されておりますけれども、このOIEの基準ということについてはどのようにお考えでしょうか。

山内参考人 いわゆる、条件をつけない、無条件物品として、骨を取った、脱骨した牛肉、特定危険部位を取った上ですが、それはもう条件をつけないといったような提案がなされるということになっておりますが、日本側として、少なくとも私たちもこのリスクコミュニケーション等で意見を出しましたが、例えば、最近日本で、末梢神経に特定危険部位というか、末梢神経でも異常プリオンたんぱくが見つかってくる。そういったようなことを考えた場合に、今のような条件で肉が安全であるということは言い切れない。

 それから、やはり国際的な安全対策に関する基準、考え方、原則というのは、WHOなどが言っているような、要するに感染している牛は一切食物チェーンには入れない、こういう原則があるわけです。したがって、やはり無条件というのは、これは受け入れられないというふうに考えております。

山本(喜)委員 重ねて山内先生にお伺いしますけれども、日本とアメリカの間で結んだ中身ですけれども、特定危険部位の除去とそれから二十カ月齢ということで、飼料規制については、日本政府はアメリカに対して求めない、それを条件としては盛り込まないというふうに言っています。特定危険部位の除去は牛肉そのものの安全性を直接確保するものではないということで、政府の答弁は再三されているわけですが、このことについてはいかがお考えでしょうか。

山内参考人 まず、特定危険部位の除去、これはどこまで確実に行われるかということが大事だろうと思います。その上での二十カ月齢以下という話であろうと思います。

 それから、飼料規制に関しての、求めないというのはどういうことになるのか、私もこれは全く知りませんが、先ほどもお答えしましたが、飼料規制の面も、定性的評価の中における要因の一つとして重要な要因ということになっていくというふうに私は考えております。

山本(喜)委員 山内先生にお伺いしますけれども、今後、アメリカからの輸入条件についていろいろと諮問され、これから進んでいくわけですが、マスコミ等では、七月再開かとかあるいは九月再開かとかいうふうに、もう既に報道されていますね。今後調査会の中で審議するに当たって、そうした雑音について、どのように考えていくんでしょうか。

山内参考人 前の諮問の、月齢見直しを含めた諮問のときも大変な雑音がございました。この次のもあったとしても、これは私たちは全く気にしません。その点は、ある意味では科学者というのはかなり独立性を持っているというふうにお考えいただきたいと思います。

山本(喜)委員 そこで、アメリカからの輸入再開に向けた諮問がされた場合、諮問を受けて調査する項目があると思いますが、どのような点を調査していくのか、そうしたことについてお伺いします。

山内参考人 リスク評価の諮問だと思いますし、定量的評価は、日本の場合もできなかったわけですから、アメリカの場合もできないだろう。私たち、今のところ定量的評価はできないし、定性的な評価ですから、定性的な評価の方式というのは、一応これまでにつくったもの、それをアメリカの場合にも当てはめていく。どういうふうに当てはめるか、それはこれからの作業にかかってまいりますが、十分に対応できるであろうというふうに考えております。

山本(喜)委員 次に、再度沖谷参考人にお伺いしますが、検査官の目視によって検査が進められるわけですが、百六十人の検査官で何百万頭ですけれども、この検査官の労働条件とか労働時間とか、そうしたものについての配慮も含めて、検討の中に入っているんですか。

沖谷参考人 実際にどうやるか、そういうことについては一切検討しておりません。当然、正確を期してやるシステムをお考えくださると、執行する場合。私たちは、科学者としての、生物のデータを見て、それで得られる結果を提示しただけであります、期待するところはもちろんありますけれども。

 以上です。

山本(喜)委員 どうもありがとうございました。終わります。

山岡委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。

 本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。(拍手)

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十八分散会


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