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第21号 平成17年6月29日(水曜日)

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平成十七年六月二十九日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 山岡 賢次君

   理事 今村 雅弘君 理事 西川 京子君

   理事 二田 孝治君 理事 松野 博一君

   理事 黄川田 徹君 理事 楢崎 欣弥君

   理事 山田 正彦君 理事 白保 台一君

      赤城 徳彦君    石田 真敏君

      岡本 芳郎君    梶山 弘志君

      金子 恭之君    川上 義博君

      木村 太郎君    城内  実君

      北村 直人君    後藤 茂之君

      後藤田正純君    田中 英夫君

      谷  公一君    津島 恭一君

      中山 泰秀君    森  英介君

      山際大志郎君    一川 保夫君

      岡本 充功君    鹿野 道彦君

      岸本  健君    小平 忠正君

      鮫島 宗明君    神風 英男君

      仲野 博子君    堀込 征雄君

      松木 謙公君    山内おさむ君

      大口 善徳君    高橋千鶴子君

      山本喜代宏君

    …………………………………

   農林水産大臣政務官    大口 善徳君

   農林水産委員会専門員   飯田 祐弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二十九日

 辞任         補欠選任

  上川 陽子君     中山 泰秀君

  西村 康稔君     山際大志郎君

  原田 令嗣君     谷  公一君

同日

 辞任         補欠選任

  谷  公一君     原田 令嗣君

  中山 泰秀君     上川 陽子君

  山際大志郎君     西村 康稔君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 参考人出頭要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

山岡委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、米国における牛肉処理等・食の安全に関する実情調査議員団を代表いたしまして、御報告を申し上げます。

 私どもは、去る六月二十日から二十七日まで、米国において牛肉処理等・食の安全に関する実情について調査をいたしてまいりましたので、その概要につきまして御報告をし、委員各位の参考に供したいと存じます。

 議員団は、私、山岡賢次を団長に、自由民主党から二田孝治君、今村雅弘君、民主党・無所属クラブから山田正彦君、公明党から白保台一君、日本共産党から高橋千鶴子さんがそれぞれ参加され、合計六名の議員をもって構成されました。

 米国におけるBSEについては、一昨年十二月の発生以来、当委員会においてたび重なる議論を行ってまいりました。米国産牛肉の輸入再開問題については、食の安全と安心の確保を大前提として、我が国の国民の十分な理解が得られるよう行われることが重要であります。このため、今回の調査においては、米国政府、業界団体等との意見交換、屠畜場や飼料工場等の関連施設の視察などを通じ、米国におけるBSE対策の実態をつぶさに把握するとともに、我が国の考え方を強く申し述べてきたところであります。

 以下、調査内容につきまして、その概要を調査日程に基づき御報告いたします。

 まず、六月二十日及び二十一日、ワシントンDCにおいて、農務省幹部等の政府関係者、生産者や食肉処理の関係団体、消費者団体等と意見交換を行いました。

 農務省のペン次官等政府関係者との意見交換においては、先方より、政府、議会、食肉業界の忍耐は限界に来ている、今や本件は農業問題、通商問題を超えて二国間の大きな政治問題となっている、科学及び国際基準に則した早期の解決を求める旨の発言がありました。

 これに対して、当方より、本件の解決には日本の消費者の理解が不可欠であり、要は日本の国民が納得できる対応が必要と強く反論したところ、先方より、日本は米国産牛肉の最も重要なマーケットであり、政府、業界を挙げて日本の消費者の理解が得られるよう努めたい旨の回答がありました。

 次に、政府の担当者から、米国におけるBSE検査、特定危険部位、SRMの除去、サーベイランス、飼料規制の実効性等について説明を聴取するとともに、当方から問題点を鋭く指摘し、約四時間にわたって実りのある議論を行いました。

 生産者や食肉処理の関係団体との意見交換においては、先方より、米国はBSE対策の先進国であり、日本よりBSEリスクが低い、事実二億八千万人の国民が自国産の牛肉を食べているのだから安全であるとの見解が示されましたが、当方としては、検査方法の問題、飼料規制の実効性等について日本の国民が納得できるような説明が必要であると強く反論しました。

 消費者団体との意見交換においては、自国のSRM除去などのBSE対策が不備であるとの強い懸念を表明しておりました。さらに、二頭目のBSE感染疑惑牛やBSE検査方法について意見交換を行いました。

 また、会計検査院、GAOを訪問し、本年二月に公表した食品医薬品局、FDAによる飼料規制が適切に行われていない旨の報告書について意見交換を行いました。先方からは、飼料規制に関する調査は継続的に行っており、さらに、数カ月後に報告書として取りまとめることになっている、報告書の指摘に従うかどうかはFDAが決定する等の説明がありました。

 次に、二十二日から二十四日にかけて、コロラド州デンバー近郊において、屠畜場、肉用牛肥育場、飼料工場等の関連施設を視察し、関係者と意見交換を行いました。

 カーギル社フォートモーガン屠畜場においては、SRMが適切に除去されているかどうか、枝肉の肉質による月齢判別は適切に行われているか等について視察を行いました。

 この屠畜場では、SRMの除去については、脊髄の吸引除去なしに背割りが行われ、その後、高圧洗浄が行われておりました。

 他方、月齢判別については、枝肉の肉質による方法は、我々の目視では判別が簡単ではなく、専門家による判定がなければならないとの印象でした。また、枝肉の肉質による判別方法では、結果が出るまで内臓を個体が判別できる状態で保管するコストがかかる一方、生産履歴による判別方法では内臓も同時に販売できるという採算性の点からも、生産履歴による判別が主流になっていくのではないかとの印象を受けました。

 ファイブリバー社肉用牛肥育場においては、生産履歴による個体識別はどのようになされているか、飼料による交差汚染対策は的確に講じられているか等について視察を行いました。

 生産履歴によって個体識別ができるのは、現在、全体の約三割とのことでしたが、生産農家から提出される出生証明書や耳標の装着が適切に扱われていれば、一応個体識別として信頼できる方法ではないかとの印象を受けました。

 また、飼料による交差汚染対策については、この肥育場では、牛に与える飼料には肉骨粉等の動物性たんぱくは使用していないとの説明がありました。

 ランド・オ・レークス飼料工場においては、牛用飼料の原料として何が使われているか等について視察を行いました。この工場では、牛用の飼料に豚、鶏由来の肉骨粉を使ってはいないとのことでした。また、飼料規制後、牛由来の肉骨粉については、一部のペットフード用として使用しているとの説明がありました。

 その後、調査団は二手に分かれ、二十五日にワシントン州シアトル市内及び近郊において、市場やデットリング・デイリー・ファーム酪農場の視察を行うとともに、カリフォルニア州サンフランシスコにおいて、プリオン研究者であるサファー助教授と米国におけるBSE検査の実態等について意見交換を行いました。同助教授からは、米国での検査頭数が少なく、その詳細なデータの公表も行われていないとの指摘がありました。

 我々がこうした調査を行っている中、六月二十四日に、米国で二例目のBSE感染牛が確認されました。我々としては、米国における確認検査の方法には問題があり、日本と同様のウエスタンブロット法を採用することを現地で強く要請してきたところであります。

 今回の調査では、米国産牛肉の輸入再開問題については、飼料規制の一層の徹底、生産履歴による月齢判別法の普及、定着が緊要であると改めて認識した次第であります。

 現在、我が国では、食品安全委員会において、科学的知見に基づき、米国産牛肉輸入の安全性評価が進められているところでありますが、我々は、政治家として、国民的な視点に立って、食の安全と安心を確保し、安全な牛肉の安定的な供給を確立する義務があります。今後とも、BSE問題については、当委員会において幅広く議論を行っていきたいと存じます。

 以上が調査の概要でありますが、この調査の詳細をまとめた調査報告書は、後日委員各位のお手元にも配付をいたす所存でございますので、ごらんいただきたいと思います。

 なお、今回の調査に御協力いただいた関係各位に心から御礼申し上げ、御報告といたします。

 お諮りいたします。

 ただいま報告いたしました内容の詳細につきましては、これを会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

山岡委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 本件調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時九分散会


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