衆議院

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第15号 平成18年6月6日(火曜日)

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平成十八年六月六日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 稲葉 大和君

   理事 岡本 芳郎君 理事 梶山 弘志君

   理事 原田 令嗣君 理事 二田 孝治君

   理事 松野 博一君 理事 黄川田 徹君

   理事 山田 正彦君 理事 西  博義君

      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君

      伊藤 忠彦君    飯島 夕雁君

      今津  寛君    小野 次郎君

      金子 恭之君    亀岡 偉民君

      近藤 基彦君    斉藤斗志二君

      冨岡  勉君    中川 泰宏君

      並木 正芳君    丹羽 秀樹君

      西村 康稔君    鳩山 邦夫君

      福井  照君    御法川信英君

      渡部  篤君    泉  健太君

      川内 博史君    小平 忠正君

      佐々木隆博君    神風 英男君

      仲野 博子君    松木 謙公君

      森本 哲生君    山岡 賢次君

      丸谷 佳織君    菅野 哲雄君

      古川 禎久君    森山  裕君

    …………………………………

   農林水産大臣       中川 昭一君

   農林水産副大臣      宮腰 光寛君

   農林水産大臣政務官    金子 恭之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 木寺 昌人君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       松本 義幸君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 白須 敏朗君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 正典君

   政府参考人

   (農林水産省総合食料局長)            岡島 正明君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  西川 孝一君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  井出 道雄君

   政府参考人

   (林野庁長官)      川村秀三郎君

   政府参考人

   (水産庁長官)      小林 芳雄君

   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月六日

 辞任         補欠選任

  佐藤  錬君     亀岡 偉民君

  谷川 弥一君     冨岡  勉君

  岡本 充功君     泉  健太君

  森本 哲生君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  亀岡 偉民君     佐藤  錬君

  冨岡  勉君     谷川 弥一君

  泉  健太君     岡本 充功君

  川内 博史君     森本 哲生君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

稲葉委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房長白須敏朗君、大臣官房総括審議官佐藤正典君、総合食料局長岡島正明君、消費・安全局長中川坦君、生産局長西川孝一君、経営局長井出道雄君、林野庁長官川村秀三郎君、水産庁長官小林芳雄君、外務省大臣官房審議官木寺昌人君及び厚生労働省医薬食品局食品安全部長松本義幸君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

稲葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

稲葉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。

赤城委員 おはようございます。自民党の赤城徳彦です。

 きょうは、民主党の小沢党首が誕生しまして、大変農政についても大胆な御発言がありますので、ちょっとそのことを取り上げたい、こう思うのであります。

 新聞を見ますと自民党の反応というのも出ていまして、その中で自民党農政の大先輩である加藤紘一先生が、小沢氏の農政は目を覆わんばかりの古さ、相手にする必要はない、こういうふうに言われていますけれども、そうはいっても野党第一党の党首であります。大変驚くような内容でありますけれども、しかし、そのことが現場や国民に混乱とか誤解を与えてはいけない、こう思いますので、幾つか取り上げて、政府の見解も伺いたい、こう思います。

 最初に、小沢さんが言われているのは、食料自給率一〇〇%、大変な数字でありますけれども、これを目指すということであります。では、一〇〇%の自給率というのはどういうことになるのか、こう考えますと、国民が輸入品を全く買わない、すべて国産を選択する、単純に考えると、まずこういう場合です。それから、輸出というのはこの自給率にプラスにカウントになりますので、半分は国内で生産、消費される、それと同じぐらいの量を輸出で稼ぐ、そういうケースもあると思うんですね。ただ、いずれにしても、今国内生産している量と同じぐらいのものをまた別途つくらなきゃいけない、その農地はどうするんだ、人はどうなるんだ、そういうことがあるわけです。

 例えば、飼料穀物とか油糧種子、そういうものの生産には大変広大な農地が必要であります、これらの原料を初め我が国の主な輸入農産物の生産に必要な農地は約千二百万ヘクタールと試算され、これは我が国の農地面積四百六十九万ヘクタールの二・六倍に相当する、このような広大な農地を国内で確保することは不可能であります、これは農業白書に出ている話であります。

 目標としては大変大胆な話でありますけれども、実際にはそういう現実、実現不可能な話であります。

 これは、民主党さんの試算自身にもはっきり出ていまして、先ごろの法案審議のときに、これは仮定の計算だということでありますけれども、過去最大の作付面積に過去最大の単収を掛けた数字でも六〇%の自給率。それがいかに大変かという話は、この間も議論をいたしました。過去最大の農地面積で最大の単収を掛け合わせたとしても六〇%だと。そういう中で、一〇〇%というのはどれほどの数字かというのが明らかであると思います。

 ただ、さはさりながら、国内で完全に自給しなきゃならないような事態というのも一方で考えておかなきゃいけない、こう思うんです。それは、天変地異とか、戦争が起こったとか、輸入が途絶したという状況、考えたくはないんですけれども、そういうときには、今の農地に芋を植えるとか、どういうものをつくってこの一億二千万国民のカロリーを提供しなきゃいけないか、そういう事態も想定する必要があるのではないか。そのときの体制、どういうふうに政府としては考えておられますか。

中川国務大臣 おはようございます。

 今、赤城委員が御指摘になった、一〇〇%を目指す。これは、ある意味では耳ざわりがいいんですけれども、一〇〇%を目指してどうするのかということをもう少し考える必要があるのじゃないかというふうに思います。一〇〇%、あるいは一五〇%、あるいは輸出、何となくいい言葉ですけれども、では、どうするんだ。

 一つは、消費者から見て売れるものを生産者がつくらなきゃいけない、あるいは農業者が一生懸命売れるものをつくる、そのバランスの中でカロリーベースで一〇〇%を目指していこう。方向としてはいいんですけれども、何となく今の四〇が悪いから、五〇だ、六〇だ、七〇だ。何となく一〇〇%を目指すということを、もう少ししっかり考える必要があるんじゃないかというふうに私は思うわけであります。

 そういう中で、もちろん、今、赤城委員がおっしゃったように、四〇が五〇になり六〇になり、そして、衆議院でもいろいろ御審議いただきました、いろいろな方策をやってふやしていこうということでありますけれども、万が一のときにどうしていったらいいかということを、過去の経験あるいは先人たちに対して、どういうふうにしていったらいいかということを考えたときに、食料の自給率の向上、これを一生懸命国民が考えていかなければいけない。

 そういう意味で、自給率の向上に、これからも当委員会あるいは農林水産省が一生懸命頑張っていかなければいけないということは言うまでもないことでございますので、この提議は非常に大事な、国民が考えなければいけないポイントだというふうに考えております。

赤城委員 政府も、また与党自民党も、自給率を上げていこうという方向は同じでありますけれども、大臣おっしゃるように、供給があって消費があって、その中での自給率ですから、それを細かく積み上げていって、どこまでできるのか、そういう努力をしなきゃいけない、そこへぽんと高い数字を出せばいいんだということではない、まさにおっしゃるとおりだ、こう思います。

 私がちょっと触れたのは、いざというときの体制、そのときのために、きちっとした供給力というのか優良な農地、人、技術、そういうものを確保していく。スイスでは有事のときの冊子というのを国民みんなが持っているそうですけれども、その中には、核攻撃を受けたときにどう対処するんだということまで書いてあって、周りに何もなくてもコンクリートの塀の陰に隠れてください、本当に何もなかったら地面に伏せてください、核攻撃という中で、そこまでのマニュアルがあるということでありますから、そういうことも国民の皆さんに、食料の供給、食料の安全保障、そういう大切さというのもまた知っていただく。それは、繰り返しになりますけれども、きちんとした積み上げがあっての話だ、こういうことではないかと思っております。

 ところで、自給率の話で、ヨーロッパ、特にイギリスは一度自給率が大きく下がったけれども今回復してきている、フランスやイタリアや、同じような先進国で、なぜヨーロッパは自給率が高く、日本は四〇%と低いのか。このことについて、需要面では食生活が洋風化したとか米の消費が減ったとかというのはわかるんですけれども、生産の面で何が違うのかということについてお答えいただきたいと思います。

岡島政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のとおり、まずヨーロッパと日本を比較した場合、食生活、消費面におきまして、日本はいわゆる洋風化していくといったような食生活の急激な変化があったわけですけれども、ヨーロッパ諸国の消費面を見ますと極めて安定的に、従来と同様の消費をしている。

 一方で、生産面につきまして、例えば国民一人当たりの農地面積で見ますと、日本が三・七アールであるのに対しまして、イギリスは日本の約八倍、ドイツは約六倍、フランスは約十三倍という大きな格差が存在しております。

 また、国土面積に対する農地面積の割合について見ますと、日本が一二・六%であるのに対しまして、イギリスは六六・〇%、ドイツは四七・六%、フランスは五〇・六%となっております。

赤城委員 なるほど、一見すると国土条件はそんなに変わらないように見えても、一人当たり農地面積とか国土に対する耕地の割合は大分大きく違う、そういう国土条件の違い、これは大きいんだなというのはわかります。

 例えば畜産で、もう既にヨーロッパ並みの規模を達成して、特に北海道、大臣のお地元はそうだと思いますけれども、では、それだけの規模を達成した分野は競争力を持っているのか。要するに、規模だけなのかなという気がしますけれども、そこはどうでしょうか。

西川政府参考人 酪農について比較をしてみますと、北海道の酪農につきましては、一戸当たりの搾乳牛頭数を見ますと四十八頭ということで、オーストラリア、豪州の二百四頭には及ばないものの、EUの三十三頭、これを上回る水準となっております。

 一方、牛乳・乳製品の競争力ということについて見ますと、飲用乳でありますとか生クリームなどの、特に鮮度が重視される品目については一定の競争力があると考えられておりますけれども、脱脂粉乳でありますとかバターにつきましては、これは実は品質の格差が余りないわけでございますが、二ないし四倍の内外価格差がある、これも事実でございます。

 その要因として何があるのかということでございますけれども、一つは、先ほど来委員御指摘のように、土地条件の制約が大きいということで、購入飼料への依存度が我が国は高いということがあります。それと、労賃も我が国は高い。もう一つ、乳製品ということになりますと中小零細規模の乳業工場が多くて、牛乳・乳製品の製造コストも高いということ、こういったことがもろもろ考えられるわけでございます。

 こういったことに対しまして、酪農の競争力をつけるということで、国産粗飼料利用の拡大でありますとか、技術革新であるとか、各種の生産対策を講ずるほか、需要が見込まれる生クリーム、チーズ等への生乳の供給拡大、そういった取り組みもしているというのが現状でございます。

赤城委員 もう一点、これはちょっと看過できない話なんですけれども、農産物の自由化を進めるんだ、完全自由化だというふうな話をされています。

 これはまさに、今WTO交渉でぎりぎりの交渉をしていて、上限関税は拒否する、大幅な関税引き下げもだめだ、特に重要品目、どれだけの品目を重要品目に位置づけるか、そういう交渉を大変大臣御苦労されている中、そういう中で野党第一党が、いや、自由化していいんだと言うことがどれほどその交渉にマイナスかというのは、あの法案審議のときもそうでしたけれども、もうそれ以上ですね。自由化だ、こうはっきり言われる。

 細川政権のときのことを思い出すんですけれども、あのときは、日本新党の党首は細川さん、日本新党は米の自由化を言っていた政党であります。その党首が総理になった。そして、WTOのウルグアイ・ラウンド交渉を迎えて、もうこれは早々とミニマムアクセスという形で米の輸入を受け入れた、そういう結果を招いたわけであります。

 完全自由化、農産物の自由化を訴える政権が誕生したらというのはちょっと想像もしたくない話でありますけれども、問題は、そういう政権が誕生しなくても、今の状態でも、野党の第一党が自由化していいぞ、こう言っているじゃないか、どうだ、こう言われたときに、もうこれは交渉にならなくなってしまうんですね。そういうことはぜひ自覚をしていただきたいと思っております。

 それから、さらに、自由化しても大丈夫だという理屈でいろいろ言われるんですね。国際市場は限りがあるから、開いてもそんなには輸入品が入ってこないとか、日本のものは品質がいいから大丈夫だとか、さらには、丸々補助すれば生産は続けられるからいいんだ、特に、農林水産物の国内生産額は約十二兆円だ、それを全部面倒見たって大した額じゃない、こういうふうに言われるんですが、これは大した額ですね、十二兆円。

 では、予算がもう幾らでもあるというふうにして、それを助成したら国内生産は続いていくのかと考えると、そうはならないだろうなと思います。

 それは、自由化して、国内の農家が、もうそれで撤退しちゃうという農家は大分出るだろうし、品質格差というのは助成してすぐに埋まるものでもないし、輸入障壁がなかったら、要するに壁がないのにそこで水が保たれているという状況、それは本当につくれるんだろうか。それから、もう一つの問題点は、自由化しているのに輸入品が入らない、助成をしているために輸入品が入ってこない、こういう助成というのは、WTOの規定上、いいんだろうかという問題が考えられると思いますけれども、どうでしょうか。

中川国務大臣 今赤城委員が御指摘のように、交渉の真っ最中で、民主党の提案が一兆円だ、二兆円だ、三兆円だ、自給率一〇〇%を目指す、一兆円だ、二兆円だと言いながら自給率一〇〇%を目指すというのは、正直言って私はよくわからないわけでございます。

 そういう中で、WTO交渉を今やっているわけでございますから、この委員会でも何回も私申し上げましたが、米についてもあるいは四品目についてもきちっと対応を考えますけれども、でも、いわゆる緑や黄色の政策の対象外にするかしないかということは、これは今後の話としてきちっと今やっているということを前提にお話をしているわけで、さあどうするんだと言うことは、WTOの交渉にも影響がありますから、ぜひともその辺を御配慮いただきたいということを申し上げているわけでございます。

 私は、日本の農業を守り、つくり育てていきたいと思っておりますので、ぜひとも強い日本の農業、強い日本の食料政策をやっていくという前提と、それからWTO交渉をやっていく、両方で今私の頭の中はいっぱいでございますので、ぜひとも赤城委員初め当委員会の皆さん方にもその辺を御配慮いただいて、御審議をいただきたいというふうに思います。

赤城委員 今何点かお話をさせていただいたんですけれども、全体を総合しますと、自給率は一〇〇%、輸入は自由化、国内助成は十二兆円なのか、丸々もう全部面倒を見ますという、これは並び立たないですね。ですから、政策としての形にもなり得ない。また、最初の入り口のところで、では農地はそこにあるんですか、こういうことですから、絵そらごとだ、こういうことだと思います。

 最後にもう一点、大きな一番基本的な話ですが、今の農村の姿をどういうふうに持っていくのかという農政の基本方向について、これも大きく違っているんですね。(発言する者あり)

稲葉委員長 御静粛に。

赤城委員 小農や兼業、今のような農業構造でいいじゃないか、こういうふうに言われているんです。それは農村、農家にとってみたら、今のままでいいよ、こう言われるのは非常に楽かもしれません。しかし、今のままで今のままが維持できるかというと、そうはならないのでありまして、もう既に七十歳以上の方が大宗を占めるようになっている中で、十年、二十年今の状況をほっておいたら、もう完全に農村、農家は崩壊してしまう。

 そういう中にあって、しっかりとした担い手を育てていく、そこへ集約をしていく、そういう方向をもって今施策を行っているわけで、その背景にある考え方というのは農業も産業であるということ。産業である以上は自立しなきゃいけないし、他産業に負けないような所得、要するにもうかる、こういうことを目指していこう。そのためには、ではどういう作物がどのぐらいの規模必要なのか、地域的にはどうなのかということを随分細かく各地域試算して出されています。そういう姿を目指そう、こういうことでやっているわけであります。

 改めてになりますけれども、なぜ今の農業構造を改革しなきゃいけないのかということについて、副大臣からですか、お考えを伺いたいと思います。

宮腰副大臣 赤城先生御指摘のとおり、農業従事者の減少、高齢化、あるいは耕作放棄地の増加など、農業の生産構造の脆弱化が進む中で、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う強靱な農業構造を構築することが、我が国農政にとって待ったなしの課題であるというふうに考えております。

 このような中で、従来のようにすべての農業者を対象とした対策を引き続き継続していたのでは、我が国農業に明るい展望が開けず、もはや手おくれとなるおそれも大きいのではないかというふうに考えております。

 このような観点から、農業の構造改革を進めるには、これまでの幅広い農業者を一律に対象とする施策体系を見直し、やる気と能力のある担い手に対して各種施策を集中的、重点的に実施していくことが重要であり、このような担い手に対象を絞った新たな経営安定対策を十九年産から導入するということで、今全力で取り組んでいるところでございます。

赤城委員 方向はそういうことで、しっかりとした担い手を育てていこう、そのために品目横断、施策も集中してと。

 そこで、一方で、今格差社会ということがよく言われます。育てていく農家、集中してその施策の対象になる農家、それはいい。しかし、その対象にならない農家もいるでしょう。そのことが結果として農村における格差、大地主と小作とか、使用者と労働者というふうな関係になっていきはしないかということに対してはどういうふうに考えていますか。

中川国務大臣 私は、瞬間的に格差があってもいいと思うんです。格差があって、しかし、それを埋めていく、埋められるというシステムがきちっと機能することが政治の責任であろう。

 だから、茨城県、全国で二位、三位の農業粗生産。北海道、千葉、茨城、東京、地域でいろいろ農作物を生産している。そういう中で、農業の格差が瞬間的にある。でも、将来に対して頑張っていこうということに対して埋めていけるような農政、あるいは一般的な格差の是正をどうやってシステムとして埋めていくかということが一番ポイントではないかというふうに考えております。

赤城委員 今度の品目横断対策で、要件に当たらなかった人をどうやって格差を埋めていくのかというと、これは非常に難しいのかなという気がします。

 というのは、四ヘクタールとか十ヘクタールとか一定の規模を持ってやっている農家と、それから外れる農家がいます。この農家も規模拡大をやりましょうというと、こちらとバッティングしますし、それだけの意欲があれば初めから要件に該当していく道を模索するだろう。そうすると、やはり要件に当たらない農家が固定化されていく、あるいはその人たちはいずれリタイアされてしまう、そういう形で誘導するということの反面が起こるのかなという気がしてならないんですね。

 そこで、今度の施策の中で、最初に要件に当たるのは、農家数で三割、面積で五割という話が言われて、これは大変だ、もうほとんど要件に入らないじゃないかということになったんですけれども、実はそうではなくて、これから実施するまでの間に特例もありますし、集落営農という方法もありますし、受託組織もありますし、いろいろな形で、農家全体を包含していくような形で、その地域全体がまさに農業の担い手である、こういう形を目指していこうということだと思うんですね。

 ですから、初めから要件に合う人、合わない人ということで切り分けるのではなくて、全体がそういう集落営農とかいろいろな形で参画できる、そういう仕組みをつくったのかな、こういうふうに思っているわけですけれども、そういう考え方で間違いはないでしょうか。

井出政府参考人 お答えいたします。

 全国の農業の実情の多様性ということにかんがみまして、認定農家のほか、集落営農組織もその対象にする、あるいは所得特例でありますとか、生産調整の転作作物を担っている転作集団も一定の要件を満たせば対象にするとういうことで、門戸としては地域の実態に合わせてかなり広目に開かれていると私どもは理解をいたしております。

 また、万が一集落営農組織にも参加していただけないというような場合でございましても、委員の御指摘もありましたように、例えば、少量多品目の野菜類を生産してかなり付加価値を高め所得を上げていらっしゃる方もいらっしゃいますし、一方では有機農業等で付加価値を上げていらっしゃる方もいる、あるいは、これを機に付加価値の高い施設園芸等へ転換される方もあるでしょう。そういうことで、本対策の対象にならなかったからといって、そういった人たちが農業の現場からリタイアしていくということではないと思いますし、私どもはこの品目横断的対策だけで日本の農業を律していこうとは思っておりませんので、また別に、野菜であれ果樹であれ畜産であれ、品目別対策はそれとして従来にも増してしっかりとやっていく、そういうことが相まって日本の農業が成り立っていくんだというふうに考えております。

赤城委員 今、井出局長言われたように、いろいろな形で農業を振興し、農家を育成していくんだということをぜひ現場にもよくわかるように浸透していただきたいと思います。変な誤解や混乱を招きかねない部分があると思いますので、そこはよく現場にも説明をしていただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

稲葉委員長 次に、御法川信英君。

御法川委員 おはようございます。自由民主党の御法川でございます。赤城委員に続きまして質問をさせていただきたいと思います。

 私の地元は秋田でございまして、米どころのような話になりますが、昨今、大変痛ましい事件が実は秋田で起こりました。選挙区ではなかったわけですけれども、二人の子供が亡くなるということで、今、逮捕者も出たようなところでございます。

 あの町は大変小さな町でございまして、町が人口減を食いとめるために新しい団地というか、こういう新興団地をつくった。そこに入ってきた人たちの中でああいう痛ましい事件が起こったということで、日本の地方の本当の田舎でもコミュニティーの存在がもう危うくなってきているんだということを象徴するような事件で、私は、本当に戦慄も覚え、そしてこれを政治の場でどうするかということも、これはきょうの農林水産委員会に直接関係ないんですけれども、しかし、農村コミュニティー、これをどうやって維持していくか、守っていくかということもあわせていずれは考えていかなくてはならない重要な問題ではないかなということを冒頭申し上げたいと思います。

 最初に、今回は、これも現場に即した、最近のさまざまな制度施行に伴う現場における不安というか、そのようなものを中心にお伺いをしていきたいというふうに思っております。

 まず、先月の、五月の二十九日から施行されましたポジティブリストの制度についてお伺いをしたいというふうに思っております。

 これについては、ここで改めて申し上げるまでもございませんけれども、各農業生産者が使った農薬に関してすべてちゃんと報告をする、簡単に言えばそういうことでポジティブリストという話になっておるわけでございます。懸念されておりますのは、例えば、流通業者とかスーパーとか、そういう小売店なんかの段階においては、逆のネガティブリストを要求してきているのではないかという話でございます。簡単に言えば、生産者はこういう農薬を使いましたという登録はしているわけですけれども、ほかの農薬を使っていないという証明はちゃんとあるのかというような話をされると、これはとてもではないけれども、生産者側の方として、すべての農薬を使わなかったという証明は、コスト的にもいろいろな意味でもできる話ではございません。

 このポジティブリストについては、生産者だけでなくて、そういう流通業者等のさまざまな関連する業界に対しても説明を行っているという話は聞きましたけれども、これについてどうであろうかということをまず最初にお伺いしたいと思います。

中川政府参考人 ポジティブリスト制についてでございますけれども、農林水産省では、厚生労働省と連携協力をしながら、主要な流通団体あるいは食品産業の事業者の方々に対しまして、このポジティブリスト制のねらいについて、いろいろと丁寧に情報提供、説明を行ってきているところであります。

 このポジティブリスト制の本来の目的というのは、農薬等の検査や検査結果の提出を義務づけるものではありません。それから、一番大事なことは、生産の現場で農薬等のきちっとした使用を行っていただくこと、また、どういう農薬を使ったかということをきちっと記録していただくこと、そういうことにつきまして、これまでも消費者あるいは食品産業界の方々を対象とした説明会の開催だけでも三十四回行ってきているところでございまして、五月二十九日の施行を控えましたこの五月一カ月間だけでも、全国九カ所で今申し上げましたような意見交換会を開催しておりまして、この仕組みのねらいというものについて御理解をいただいて、できるだけ冷静に対応いただくようにということで要請もしてきております。

 私ども、今承知している限りにおきましては、大手の流通業界等から今先生がおっしゃいましたような要求を生産サイドに行っているということは聞いておりませんけれども、引き続き、これからも流通業界あるいは食品産業界の方々に対しまして、これまでと同じように説明会あるいは意見交換会を開催いたしまして、本制度の適切なかつ円滑な実施に向けて努力をしていきたいというふうに思っております。

 それから、万一そういう要求をされたというような具体的な例がありますれば、私ども、その方々に対しまして丁寧にそういうことではないんだよということを御説明申し上げて、理解をいただきたいというふうに思っております。

御法川委員 ありがとうございました。

 始まってまだ一週間でございますので、具体的にどういう問題点があるのかということは、もしかするとまだ出てきていないんだろう。ただ、そういうことが出てきたときには、今おっしゃいましたようなことで、ぜひ生産者の方が困らないように指導というか御説明をよろしくお願いしたい、このように思っております。

 次に、検査官の制度についてちょっとお伺いをしたいと思います。

 食糧事務所というのがございまして、ここに検査官がおって、毎年収穫の時期になるとお米なりいろいろなものの検査をするということが従来は行われてきたわけでございますけれども、これについて、ことし、十八年度から基本的に民営化したということでございます。

 数年前から民間の検査官というものを養成してきたという経緯があるのは御案内だと思います。実は、私の実の弟もこの検査官になっておりまして、秋は大変忙しいということで、一生懸命本人は頑張っているわけでございますけれども、この民営化について若干の心配があるということで、御質問させていただきたいと思います。

 野菜とか果物であれば、これの規格あるいは品質等については完全に民間が責任を負っておるわけでございまして、例えば、サイズであるとか品質については、もし何か問題があった場合にはちゃんと民間で処理できるというシステムがもう確立しているんだと思います。ただ、例えばお米とか大豆、麦、こういった産品については基準を出してくるのは国の方でございまして、それについて、民間の検査官がそれに基づいた検査を行っていくというのが今の状況なんだと思いますし、これからも基本的な構図はこのままなんだろうなというふうに思っております。

 そうなりますと、この検査官というものの確保あるいは維持というのをどのように考えていらっしゃるのか。勝手に民間で養成してください、基準について、あるいは検査の部分については国の基準をもって、これでやってくださいということになると、現場でちょっと心配されている話としては、後継者といいますか、この検査官というのをどんどん養成していく、そういうシステムができ得るのかということを心配している向きがございます。

 これはちょっと仄聞したんですけれども、ことしから完全民営化されたといいますけれども、若干の予算措置はことしもあったのではないかという話でございますが、来年度からは本当にこういうものは全くなくなるという話でございます。

 この辺も含めまして、この検査官制度について農水省としてどのようなお考えであるか、お聞きしたいと思います。

岡島政府参考人 農産物検査の御質問でございますけれども、委員御指摘のとおり、平成十二年に農産物検査法を改正いたしまして、平成十三年度から五年間で検査の実施主体を国から民間の検査機関に移行することとして、平成十八年度から完全民営化へ移行したところでございます。

 そうした中で、農林水産省といたしましては、農産物検査法に基づき、農産物検査の信頼性を確保し、農産物の公正かつ円滑な取引に資するよう、御指摘のように、検査規格でございますとか検査方法の設定、改廃など、基本ルールにつきましては策定するということ、それから、登録検査機関に対して、適切な業務運営を確保するための監査でございますとか検査現場の巡回点検、農産物検査員の技能確認などを行っているところでございます。

 特にその中でも、委員御指摘のとおり、農産物検査員の育成、確保、これが非常に重要なことだということでございまして、これまで、平成十三年度から十七年度の五年間で農産物検査の実務業務の民間移行を行うための育成として、国による育成研修によって、既に当初計画の一万一千人を上回る一万五千人の農産物検査員を育成したところでございます。

 ただ、個別登録検査機関を見た場合には、必ずしも、所属数にばらつきがあることから、十分な検査員が確保されていると言いがたい検査機関も全体の三割程度を占めている状況でございます。

 こうしたことから、体制の脆弱な登録検査機関の農産物検査員の拡充を図るため、本年度は、これらの機関等を重点とした、国による農産物検査員育成研修を実施することとしております。また、本年度から、民間機関みずからが農産物検査員の育成を実施できるよう、検討を進めているところでございます。

御法川委員 ありがとうございます。

 その最後の育成の部分でございますけれども、民間が自分らでちゃんとそういう検査官を育成するような体制であればいい、現在のところ、ばらつきがあるとはいいながら、全体の人数としては一万数千人という数が確保できているという話でございますが、ことしはよくても、十年後、二十年後ということを考えたときにやはりこの育成というのは大変重要な問題でございまして、これを全く民間に任せられるものかという心配が実は現場にはあるわけでございます。

 要は、政府として何らかの援助というか、これに対する助けをしてくれるものか、くれないものかという話でございますが、この辺の見通しについてはいかがでございましょうか。

岡島政府参考人 現時点におきましては、先ほど申し上げましたとおり、マクロとして検査員の方はかなりの数がいらっしゃる。ただ、個別に見るとまだまだばらつきがあるということでございまして、質的向上等を図っているということでございまして、その結果を見ながら、また現場の実態もよく踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。

御法川委員 これについては、ぜひ鋭意御努力をお願いしたいなというふうに思っております。

 次に、私は自分の無知をさらけ出すような話で大変恥ずかしい部分もあるんですけれども、五月の半ばにある新聞の夕刊記事に農業版の産業再生機構ができるというような記事が出ました。これをちょっと私も先輩の先生ですとかいろいろな方に聞いたら、えっという反応が実は結構ありまして、こんなのができるのかと思っていましたら、実はもうできていたということでございます。

 経営が困難となった担い手の農業者について、その有する農地あるいは施設等の経営資源が有効に使用されるということを目指し、十七年度からの予算措置としてこのスキームを始めているということでございまして、新聞の一面に出たものですからこれは大変なことだなと思ったら、実はもうやっていた、スキームとしてはもう始まっているという話でございます。

 そこで、この再生支援事業の内容について、大まかなところで結構でございますので、若干の御説明をいただきたいと思います。

井出政府参考人 農業再生支援機構といいますか、農業再生支援事業についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、経営が困難となりました認定農業者に対しまして、その人が持っております農地や施設等の優良な経営資源が有効に活用されることを目指しまして、平成十七年度から予算で実施している事業でございます。

 具体的には、都道府県域に、行政や金融機関、あるいは公正な第三者ということで公認会計士や弁護士さんにも入っていただいた農業再生委員会というのをつくりまして、その場で経営困難な農業者の経営を見きわめる。その結果に基づきまして、再生可能という判断であれば、債権放棄や新規融資を通じまして事業の再生を図る。もし再生が困難であるというふうに認められる場合には、その方の持っております経営資源を他の担い手の方に円滑に承継するための支援を行うというものでございますが、いわゆる産業再生機構とは違いまして、そこで支援をどうするかとか、例えば債権の買い取りを決めるとか処分を決めるとか、そういった権能は持っておりません。

 つまり、先ほども言いましたように、経営困難な農業者の方の経営をどちらにするかという見きわめを、公認会計士や弁護士の方などにも入っていただいてしていただく、その上で、農業者の方がそれを是とすれば次の手続に進むというシステムでございます。

 この事業は、農業経営の改善ですとか農地等の経営資源の有効活用を目的とするものでございまして、そういうことを通じて担い手の育成、確保につながる制度だと考えております。

中川国務大臣 私も、御法川委員と同じように、いきなり夕刊の一面トップで見てこれは一体何だと調べたんですけれども、再生機構というよりも、四十七都道府県にあります中小企業再生支援協議会、秋田県にもあると思います、その農業版というイメージで去年からスタートしたというふうに私は理解しております。実質的には北海道が既にスタートしているようであります。

 今、井出局長から話がありましたように、優良な農地あるいは農業をよくしていこうということを第三者が客観的に応援するということでありまして、ある意味では非常に厳しい、と同時に非常にプラスになることだと思っておりますので、私も経済産業省におりましたので、そういうシステムが農業版でもできたということは、ある意味では非常にいいことかなというふうに理解しております。

御法川委員 ありがとうございます。

 それで、具体的に、十七年度から始まったこのスキームが運用されている例があるかどうかはいかがでございましょうか。

井出政府参考人 この事業は、我が方の強い農業づくり交付金事業のメニューの一つとして各都道府県の裁量によって採択されるという仕組みになっておりまして、十七年度については、先ほど大臣からもお答えしましたが、この農業再生委員会を設置しているのは北海道のみでございます。具体的に最終的な支援までいったという実績はまだ出ておりませんが、現在、事前審査中の案件はもう既にあるというふうに聞いております。

 今後、本年度におきましても、先ほど申し上げたような事業の趣旨を踏まえまして都府県に説明を行いまして、他の府県でも採択をしていただいてスタートしていただきたいということで今働きかけを行っているところでございます。

御法川委員 ありがとうございます。

 そうすると、具体的には実績はまだ出ていないということですが、このスキーム自体は耕作放棄地あるいは農業資源というものを有効に使っていくというスキームでございまして大変有効なものだと私は思っておりますが、例えば現在ある全国の休耕地の中でこのスキームによって有効活用され得るというそのような目途というか、大体どれぐらいの部分をこのスキームによって有効活用しようと思っているか、この点に関してはいかがでございましょうか。

井出政府参考人 先ほども申し上げましたけれども、この事業は経営が困難となった認定農業者について措置をするということでございまして、つまり、現在それなりの農業経営をなさっていたけれども何かの風向きで非常に経営が逼迫している方をみんなで救うか、それとも、これ以上お金を入れたりするとかえって被害が大きくなるかという判断をするということになっております。

 耕作放棄地との関係は、ほっておけばそういう認定農業者の方がリタイアされてしまいますと耕作放棄になってしまうおそれが非常に強いわけでございますから、そういうことを防ぐという意味でも大きな意味がございますが、その目途としては、対象が認定農業者でありますので、一般的には皆さん立派な経営をされているだろうということでありますので、このスキームが動き出したときにどの程度耕作放棄地が回避されるかという見通しについては、現在のところは、ちょっと数字的には見きわめがたいものがございます。

御法川委員 このスキームが実は本当は利用されない方が担い手の方々が農業を引き続き行うという意味ではいいんだろうとは思いますけれども、もしそういうケースが出てきたときに有効な運用ができるように、ぜひ希望をいたしたいと思います。

 次に、先ほど赤城委員の方からもるる御質問がありましたけれども、食料自給率ということにかんがみまして若干御質問をさせていただきたいと思います。

 食料自給率については、いろいろな角度から、いろいろな立場からの意見、考えがあると思いますけれども、我々が今ここで議論しなくてはいけないことの一つに、やはり日本の農業製品、農産品をどれぐらい多くつくっていくんだ、どれぐらい生産を大きくしていくんだということは、基本的に当たり前のことなのでございますが、これがやはり肝要な部分だろう。

 それで、これは農水省の方で、平成二十七年度における生産努力目標ということで、各品目について数字と若干の説明、その分野によって、こういうふうにすればこの生産量が達成できるだろうという話が書いてありますが、すべての政策は、やはり実現可能性というか、具体的にではどうすることによってその各品目ごとの農産品の生産量を上げていくかという部分にあると思います。

 例えば、主食でございますので米に関して言わせていただきますと、「市場シグナルに鋭敏な担い手が相当程度を占める水田農業構造を確立するとともに、農業者・農業者団体が主体的に地域の販売戦略に基づき、需要に即応した米づくりを展開」と。

 これを読んでいると、当たり前というか、こうしなくちゃいけないという話なんですが、これを達成するために具体的に何をするんだ、例えばその部分についての、これをもっと落とした形での具体的な施策というものがあるのかどうかについてお伺いしたいと思います。今は米の話をしましたので、この件に関してどうかということでお伺いしたいと思います。

西川政府参考人 米に関する生産努力目標の、具体的に何をするのかというお話だったと思います。

 お米につきましては、これは何としても食育等によりましてまず需要を確保する、これ以上減らないようにするというのがまず第一番でございます。

 生産努力目標といたしましては、一方で、これは全品目に共通しますけれども、コストダウンを追求するというのがありますが、それに加えまして、一つは、外食とか中食等の多様なニーズがあるわけでございまして、最近着目されているものとしては、ギャバ米といったような巨大胚芽米であるとかあるいは低たんぱく米とか、いろいろな形質のものもございます。そういったものについて商品化等に向けた市場化調査を具体的に企業と産地で行う、そういった取り組みを、コスト低減も含めて、産地も含めまして関係者団体とも一緒になりまして、十八年度はどういうことをするんだという、工程管理の中の一つだろうと思いますけれども、具体的な取り組み計画を関係団体と一緒になってつくりまして、それに基づいて施策を展開して、また評価をして、さらにそれを十八年が終われば十九年度にとローリングしていく、そういう仕組みの中で生産努力目標を達成するということで行っております。

御法川委員 ありがとうございます。

 特に米の場合、需給の部分について来年度以降大きく変わってくるということで、国が需要についての話をするのではなくて、今までは国が言っていた分を生産者がつくるという形でやっていたわけですけれども、ここを今回は大きく変えていくということでございまして、そういう部分も含めて、やはり最終的に自給率の向上につながるような施策を切れることなく続けていただくというのは非常に大事な部分ではないかなというふうに思っております。

 最後の質問でございますけれども、平成十九年、来年度からのこの経営安定化対策、法案が成立いたしまして、来年度からということで、現場においては、担い手あるいは集落営農をできるだけ多くつくっていってこの政策に乗るようにという今努力を鋭意やっているというのは、これは全国一緒ではないかなというふうに思っております。

 たまたまこの間我々の地方公聴会で行ってまいりました帯広でございますけれども、ここに関してだけは面積要件なんというのは問題にならない、当たり前だというようなことで、全く違った農業風景が見られたということで大変勉強になったわけでございますけれども、例えば秋田は米どころと言われておりますが、平均的な耕作面積でいきますと一・八ヘクタールという実はそんなに大きくない農業経営をやっている方が多いということで、この経営安定化対策が成功するかどうかは、本当に日本のこれからの農業について極めて大事な話ではないかなというふうに思っております。

 その中で、一つ、これは具体的な施策としてではないんですけれども、やはり日本の政府は日本の農業を守るんだというメッセージがなくては、いろいろな施策はあるんでしょうけれども、その土台としてのメッセージ、日本の農業を守るんだ、育てるんだというものが伝わってこないとなかなか農業をやっている方々も真剣に取り組めない、本当に大丈夫なんだろうかという不安が先に立ってしまってなかなか本格的に取り組めないというような方々が多くいらっしゃるのも現実ではないかなというふうに思っております。

 そういうことも含めて、日本の農業を政府が守っていくんだというメッセージと、そして、その文脈において、いろいろな施策がある、特に来年からの経営安定化対策がある、これを必ず成功させなくてはならないというその辺の政府側の取り組みに向けた意気込みといいますか思いを最後にぜひお願いしたいと思います。

宮腰副大臣 昨年十月に決定いたしました経営所得安定対策等大綱、特に今委員御指摘の品目横断的経営安定対策、これは戦後農政の最大の転換ということでありまして、不退転の決意で今取り組んでいるところでございます。何よりも、すべての農家を対象にした仕組みから担い手に支援を集中していくという転換でありますから、これは農家の理解、協力、あるいは国民の理解、協力、こういうものも必要であるというふうに考えております。

 やる気と能力のある担い手の育成、これは各農政局ごとにきめ細かく取り組んでおりまして、先日も九州農政局の管内に行ってまいりましたし、今、数字の上では順調に伸びてきている、しかし、中身が、詰めが残っているということでありまして、カバー率も、今は農家で三割、面積で五割ということでありますけれども、きめ細かな取り組みによって、このカバー率もぜひこれからスタートするまでの間、しっかりと伸ばしていきたいというふうに考えております。

 また、これは十九年で間に合わなければ適用されないということではありませんので、引き続き農家の方々の理解、協力をしっかりと求めていきたいというふうに考えております。

御法川委員 ありがとうございます。

 今副大臣がいみじくもおっしゃられましたように、これは来年から始まるけれども、来年一年ですべてが決まってしまうわけではなくて、この後ずっとこの政策に基づいて農業をやっていくという話でございますので、ぜひ大臣を初め農水省の皆さんの、いい意味での指導を引き続きお願いするようにお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

稲葉委員長 次に、丸谷佳織君。

丸谷委員 おはようございます。公明党の丸谷佳織でございます。

 本日は、六月十六日からIWC総会がセントクリストファーネービスの方で開かれるということもございまして、商業捕鯨再開推進の立場より幾つか質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 昨年の十二月からことし一月にかけまして南極海で実施をされました我が国の調査捕鯨に対しまして、環境NGOでありますグリーンピースと主に反捕鯨活動に取り組んでいますシーシェパードが、あたかも連携したかのような妨害活動を行っております。こういった活動につきまして、政府が調査捕鯨を委託しております日本鯨類研究所の方では、グリーンピース・ジャパンに対しましてオープンレターを発出し、グリーンピースによる妨害行動の即刻中止を求めております。

 そこで、グリーンピースとシーシェパードがどのような妨害活動を行ったのか、その一連の妨害活動の実態からまず水産庁の方に御説明願います。

小林政府参考人 今御指摘ございました、昨年の十二月二十一日から約一カ月間にわたりまして、グリーンピース、こちらは船舶二隻であります、それからシーシェパード、こちらは船舶一隻、こういった船が、大型ボートとか小型ヘリコプターも使いまして、南極海におきます我が国の鯨類捕獲調査を妨害したということでございます。

 その妨害活動の内容でありますが、主に、採集船から調査母船への鯨の受け渡しの妨害、それから採集船と鯨の間を横切って捕獲を妨げる、こういったことでありましたけれども、特に、昨年の十二月二十一日及びことしの一月八日の二度にわたりまして、調査船とグリーンピースの船舶との間で接触事故が発生しております。

 それから、シーシェパード側におきましても同様の妨害活動を行いますとともに、調査母船のプロペラに巻きつけることを意図しましてワイヤロープなどを流したり、それから運搬船に体当たりする、そういった妨害活動を行っておりました。

 こういった妨害活動による負傷者は幸いに出ませんでしたけれども、こういった活動は、調査団員それから妨害活動をする方の活動家双方の生命を危うくする極めて危険なものであったというふうに考えておりまして、すべて外交ルートを通じて関係国に協力を求めるなど、政府としてできる限りの対処を行ってきたところでございます。

丸谷委員 そもそも、このグリーンピースとシーシェパードというNGOがどういったNGO団体であるのか、その性質というものについてお伺いしたいと思うんです。

 最近は、国連の場ですとかあるいは我が国のODA案件などでも、非常にNGOの活用ということを推進して、各国際機関とNGO団体の密接な活動を推進しているところでございますが、そのNGOの行動あるいは主張に一切の暴力性が伴ってはならないというのは当然のことだと思います。

 グリーンピース自身は、二〇〇一年のジェノバ・サミットに向けましたプレスリリースの中で、グリーンピース自身は、環境保護活動のキャンペーンを行っていく上で、いかなるときも非暴力を基本理念にしているというふうにおっしゃっておりまして、暴力的な活動を行うシーシェパードとグリーンピースとは一切関係がないという主張をされております。

 一方で、日本鯨類研究所は、オープンレターの中で、グリーンピースの暴力性を非難するとともに、グリーンピースとシーシェパードが緊密な協力を保ちながら妨害活動を行っていることを指摘しておりますし、また一方で、エコ・テロリストというような表現を使い、かなり強い主張、非難をしております。

 政府としては、これらNGOの暴力性について、またグリーンピースとシーシェパードとの関係についてどう把握をしているのか、この点についてお伺いをいたします。

小林政府参考人 まず、グリーンピースでございますが、こちらは、一九七一年、アメリカで設立されまして、そもそもは、アメリカの核実験の抗議行動をきっかけとして、いわゆる環境保護を標榜して設立した団体でございますけれども、事捕鯨につきましては、資源的に問題がない鯨資源、こういうものにつきましても、絶滅に瀕しているといったいわば科学的根拠に基づかない宣伝活動を行っているというふうに私ども承知しておりまして、そういう意味で、捕鯨についての一貫した反対の立場を継続しているという活動でございます。

 それから、シーシェパードでございます。こちらは、グリーンピースの創始者の一人がグリーンピースから分離独立して立ち上げた団体でございます。このシーシェパードでございますけれども、過去におきまして、捕鯨船への体当たりとか、それからアイスランドの捕鯨船の爆破事故を引き起こしたということがございまして、こういった危険活動を理由にしまして、IWCへのオブザーバー参加、これを一九九四年以降禁じられているというふうに承知しております。

 そういう意味で、今先生御指摘ございました、まさに環境とか資源ということと、この今の南氷洋等の調査捕鯨の際に行っている活動ということにつきまして、私ども非常に懸念を持って、先ほど申しましたようないろいろな働きかけをしているというところでございます。

丸谷委員 今御説明をいただきましたとおり、シーシェパードが我が国の調査船に対して体当たりをしてくるといったような事故も実際に発生しているわけでございまして、これが本当に大きな事故につながった場合、その法的責任というのがどこにあるのかという問題が出てくると思います。

 先ほど水産庁の方から御説明がございましたけれども、例えば、ことしの一月八日に発生をしましたグリーンピースの監視船アークティック・サンライズ号と日本の調査捕鯨船との衝突事故に関しましては、日本鯨類研究所とそしてグリーンピースともどもにビデオや写真を公開しまして、両方が相手側がぶつけてきたという主張をしております。

 私もこのビデオあるいは写真を見ました。日本の調査船の横にそのグリーンピースの船先が当たっているわけでございまして、どう考えても、海の中で日本の調査船が横に走っていって、そしてそのグリーンピースの船先に当てるということはあり得ませんし、何のメリットもないわけでございますから、私は、日本のグリーンピース側がぶつかってきたという主張が、写真を見、あるいはビデオを見る限り、当然正しいものというふうに確信をしておりますが、どちらがぶつけたかというそれ以前に、我が国が国際捕鯨取締条約に基づく正当な権利の行使として実施をしている調査捕鯨を物理的に妨害することを目的として、グリーンピースが調査捕鯨船の近くに船を派遣すること自体が、これは不当な行為であるというふうに考えております。

 したがって、それに伴う事故等の責任はグリーンピース側が負うべきであると私は考えますが、この点について政府はどのようにお考えになっているでしょうか。

中川国務大臣 丸谷委員がおっしゃるとおり、グリーンピースであろうが、シーシェパードであろうが、率直に言ってむちゃくちゃです、むちゃくちゃ。私が前回農林水産大臣のときも、たまたま調査捕鯨をやっていた船で急病が出まして、それを港におろすために港に着いたところを、グリーンピースがいかりに体を巻きつけて、それで、さあ、殺せみたいなことをやったことがあるんですね、今から七年ぐらい前に。

 ですから、彼らの主張は主張としてあるんでしょうけれども、権利を濫用しているということ、お互いに対等ではないということを、彼らの主張は主張として仮に認めたとしても、丸谷さんがおっしゃるように、お互いに主張が違うんですから、だから、それは対等にやっていかなければいけない。

 あるいは、資源調査、調査捕鯨、こういうものをきちっとみんなでやっていきましょうというIWCの本来のきちっとした目的を前提にして、我々もIWCの中で主張をし、各国の皆さん方の御賛同をいただいてやっていくということが大事であって、日本の鯨に対するいろいろな主張があることはもう丸谷委員が御指摘のとおりでございまして、日本としてもその前提に立ってきちっとやっていきたい、IWCもその前提に立ってきちっと議論を進めていただきたいというふうに思います。

丸谷委員 大臣、ありがとうございました。

 今おっしゃっていただきましたとおり、いかなる主張であれ、またその主張に違いがあれ、暴力的な行為、破壊行為に出るのはそちら側の責任であるという趣旨であったかというふうに思いますけれども、例えば法的責任を問う場合に、国連海洋法条約第九十四条ということを考えることができると思います。これは、旗国の義務ということでございますけれども、本件の場合であれば、グリーンピースのアークティック・サンライズ号の旗国はオランダであります。また、シーシェパードにつきましてはファーレー・モワ号の旗国はカナダでございます。

 このオランダとカナダについて責任があるというふうに考えますが、外務省にお伺いをいたします。両国の責任の有無、そして責任があるとする場合どのような責任を負うのか、この点についてお伺いをいたします。

木寺政府参考人 お答え申し上げます。

 丸谷先生御指摘のようなNGOによります船舶に対する妨害活動、公海上におきまして合法的な活動に従事いたします船舶の安全に不当な危害を加えようとする是認しがたい行為と認識しております。

 国際法上、船舶は公海におきまして旗国の排他的管轄権に服するとされておりますとともに、先生御指摘のように、海洋法第九十四条で、旗国は、自国を旗国とする船舶に対しまして、基本的に有効に管轄権を行使することとされております。したがいまして、一般論としては、例えば、これらNGOの船舶の旗国には衝突の予防を含む海上における安全を確保するために必要な措置をとる義務があるとされております。

 このような事情を踏まえまして、政府といたしましては、関係国に対して各国国内法に基づいて適切に対応するよう協力を速やかに要請したところでございます。

丸谷委員 今外務省の方から、オランダあるいはカナダに対しまして、国内法に基づいて適切に措置するようにという申し入れをしたということでございますけれども、具体的にはこの両国政府の方からどういった回答というか返答が、リアクションがあったのでしょうか。また、知っている限りで、両国政府はこれらNGOに対してどのような措置をとってきたのか、この点はいかがでしょうか。

木寺政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、オランダ及びカナダ政府に対しまして、在外公館を通じましてそれぞれの国の国内法に基づいて適切に対応するよう協力を速やかに要請したところでございますが、総じて両国よりは国内法に従って適切に対応するとの反応がございました。

丸谷委員 先ほども申し上げましたけれども、国連とかあるいは国際社会の舞台においてNGOの重要性が非常に大きくなってきている中において、NGOの活動内容、非暴力性というのは当然のことでありますけれども、これは本当にしっかりと確保されなければいけませんし、しかしながらこういった実態があるということに対して、私は、どういった形でこのNGOの非暴力性ということを担保、確保していくべきなのかなということも最近考えております。

 私は結構悪いものに対しては悪いというふうにすぐ思ってしまうものですから、何か国際的な、法的な枠組みの中でそういったNGOの非暴力性というのを確保していく必要があるのではないかというふうに考えてしまうわけでございますけれども、実際には、NGO、非政府組織でございますので、その行った活動を本当に情報公開の中でしっかりと各国あるいは世界の人々によくよく知ってもらって、一人一人にそのNGOの評価を出していただく、あるいは、IWCで行ったように、暴力を伴った場合にはそういった総会から除外していくということでしかNGOの活動というのは、非暴力性というのは担保できないのかなというふうにも思っております。この点についても、引き続き私自身も議員としてしっかりと考えてまいりたいと思います。

 さて、IWCでの非難決議、日本政府としまして、こういったNGOの活動に対し非難決議を採択するように働きかけているということでございますけれども、この見通し及び日本政府の取り組みについて御説明を願います。

小林政府参考人 IWC総会でのこの妨害行為に関係する取り組みでございますが、先ほども外務省からの答弁がございましたように、今回の妨害活動、これは本当に、公海上での合法的な活動に従事して調査をやっているその船舶などに対しまして、不当な危害を加えようとする是認しがたい行為であるということでございまして、こういったことをこのIWC、今セントクリストファーネービスで始まっていますし、六月十六日からは総会になりますけれども、そういった場でこの妨害活動について議論をしていく、そういったことで臨みたいと思っております。

 さらに、その上で、こういった人命を危険にさらすような危険な妨害活動を阻止する、こういった観点で、鯨類捕獲調査、こういった調査活動に対する妨害活動につきまして、自粛決議というものの採択ができるよう努力していきたいと思っております。

 それから、今先生御指摘ございました、こういった活動についてのいわば国内それから国外含めたいろいろな世論喚起といいますか、そういうことも大事でございまして、先ほどビデオの話が出ましたけれども、鯨類研究所等では、現実にそういったフィルム、ビデオはホームページ等で公表しながら、そういった実態についていろいろ説明をしているということでございまして、まず、そういった取り組みを踏まえながら、私ども、この総会での取り組みに努めてまいりたいと考えております。

丸谷委員 では、このIWCについては最後に質問をさせていただきますけれども、先ほど大臣の方から御答弁をいただいた内容と少し重なってしまうと恐縮なんですけれども、このIWC、そもそも、私が言うまでもなく、適正な資源管理のもとで商業捕鯨を担保する国際機関でありました。過去形で言うのは非常に悲しい現実でございますけれども、残念ながら、今、非科学的に商業捕鯨を禁止するような、いわゆる鯨類保存機関となってしまっていると言っても過言ではないと思います。

 IWCの科学委員会が九年という長い月日をかけまして九二年につくり上げたRMSの導入を反捕鯨国の方が、数の論理というか多数決で拒否した結果、当時のフィリップ・ハモンド科学委員会委員長が、こういったRMSの方式を本会議は正当な理由もなく反対し、なきものにしようとしたということで、みずから辞任をされているという現実を見るにつけ、科学の数字というものがまるっきり無視されている会議になってしまったと言ってもいいと思います。

 一方では、日本政府としまして、商業捕鯨の再開を支持する国だけの会合を設置し、IWCの枠外で議論をしていこうという動きもしているようでございますけれども、あくまでもこのIWCを科学的機関として再生させることも大事でございますし、日本の主張を科学的な根拠に基づいて広く国際世論に広めていただくことを期待いたしますけれども、そのことに関しまして大臣の御所見をお伺いいたします。

中川国務大臣 もう丸谷委員が御指摘のとおりでございまして、もう少し頭を冷やして考えましょうよと。IWCというのは、もちろん鯨という大事な、貴重な資源を守るということも大事でありますけれども、そのために、今丸谷さんがおっしゃられたように、何となく捕鯨をしちゃいけないという方向に、多くの加盟国の中で一部の国々がそういうふうになっているということはちょっと違うんじゃないか。もちろん日本も、大事な鯨を、資源を守りましょう。でも、逆に言えば、鯨を守り過ぎて生態系もある意味では逆になっていますねという専門家の御指摘もあるわけであります。

 IWCがそういうことになっちゃいけない。まして、先ほどのグリーンピースなりほかのNGO、NGOが何を主張しようと勝手でありますけれども、しかし、それにきちっとした専門機関あるいは政府が影響されちゃいけないということももう一度しっかり考えてみましょうよということで、我々は、鯨を愛し、鯨とともに生きてきた日本として、きちっとした主張を、丸谷さんがおっしゃるとおり世界じゅうの国々にする。

 どうも鯨に関しては、もりを撃たれたら私の娘がもりを撃たれたような気分になるという、ある欧米の議員に直接聞いたことがありますけれども、それはそれで、そういう気持ちは御自由かもしれませんけれども、各国がもう少し客観的に、貴重な資源を政治家としてあるいは責任者として冷静に議論をしていくということが大事ではないか。

 そういう意味で、丸谷さんの今回の御指摘はまことにある意味で冷静かつ大事な資源の提案だというふうに受けとめさせていただきたいと思います。

丸谷委員 ありがとうございました。

 では最後に、貝殻島周辺におけます昆布操業について一つだけお伺いをさせていただきます。

 既に六月一日から操業されているべきこの貝殻島周辺におけます昆布操業でございますけれども、ロシア側の手続のおくれにより交渉の開始がおくれたということもございまして、いまだ操業開始に至っておりません。

 五月二十三日、ドーハにおけます日ロ外相会談においても、外務大臣の方からラブロフ外務大臣に働きかけをしていただいておりますし、中川農水大臣からも六月二日にはゴルデーエフ農業大臣あての書簡を発出していただいていまして、政府からの圧力をかけているところではございますが、昨日も、根室市長初め関係者の皆様に陳情にわざわざ来ていただきました。この点に関しましては、一日も早く操業を開始していただきたいという思いでございますけれども、現在の段階、また御決意等をお伺いして、終わらせていただきます。

中川国務大臣 きょう時点の細かいことは水産庁長官から必要があれば答弁させますけれども、二十九日から日本とロシアの民間の交渉が実質的に始まっております。

 ただし、これは政府、水産庁も関与しておりまして、貝殻島の昆布は民間でありますけれども、ロシアにとってもメリットがあるんですね。と同時に、資源をきちっと管理するということですから、こっちが頭を下げてお願いするというだけの交渉じゃないので対等にやっていく、だからロシアもしっかりしなさいよということを私は前から申し上げているところであります。

 そういう意味で、今御指摘のように、農漁業大臣に対して手紙を出しました。ずるずる延ばしていることはロシア側にもメリットはありませんよということを申し上げました。

 きょう、この後、ロシア大使を呼んで、このことも丸谷さんの御指摘を受けてロシア大使にもお話をしたい。今、急遽準備をしているところでございまして、これは、資源の問題あるいは日ロの漁業のプラスになるように、丸谷さんも私も北海道ですから、目の前で、見えるところでございますので、一刻も早くこの交渉が妥結するように全力を挙げて努力していきたいというふうに思います。

小林政府参考人 今大臣からお話がございましたように、民間交渉でございますけれども、私どももオブザーバーという形で参加いたしまして、それから外交ルート、外務省ともども、この交渉の促進方について引き続き努力しております。

 貝殻島の昆布、これは非常に歴史のある大事な地域にとっての産業でございますし、また毎年毎年こういった形で交渉の努力をして、それで地域の業者の皆さん初めいろいろな地域の産業としても大事なものでありますから、そういったことをよく私ども頭に置きながら、引き続き外交ルートともどもこの協議の促進方ということを図っていきたい。先ほど大臣がおっしゃいましたように、きょうはロシュコフ大使を大臣が招請してまた働きかけをするという予定でございます。

丸谷委員 どうもありがとうございました。

 こういった交渉のルールとか取り決め事も守れないのであれば、本当にロシアのWTO加盟というのもいかがなものなのかなというふうに考えるきょうこのごろでございまして、また、大使に会われたときに大臣の方からしっかり、一日も早く操業を開始できますように、どうぞ御尽力いただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

稲葉委員長 次に、川内博史君。

川内委員 おはようございます。川内博史でございます。

 きょうは、米国産あるいはカナダ産の牛肉輸入再開問題について質問をさせていただきます。

 まず、中川大臣にお尋ねをさせていただきますが、輸入再開というか再々開について確認をさせていただきます。

 私は、きのう札幌で行われた農水省さん、厚労省さんが主催をする米国産牛肉の輸入再開問題に関するリスクコミュニケーション、意見交換会にも出席をし、会場の雰囲気なども体験してまいりましたが、大変に白熱した議論が展開されておりました。

 この資料がそのときに政府側から配付をされておった資料でございますが、この資料の三十五ページに、「今回新たに要請した追加措置」ということで「輸入再開前に全ての対日輸出認定施設における日本側の事前調査を実施し、問題のないと判断された施設のみを輸入手続き再開の対象。」とするという言葉が出ておりますし、三十六ページには、「全ての対日輸出認定施設について、実際の輸入再開前に日本側が調査を実施。」というふうに書いてございます。

 これらの文言の意味というのは、政府の意思として輸入再開を決定する前にアメリカの対日輸出の三十五の施設のすべてを調査する、すなわち、三十五の施設のすべてを調査し、その調査結果を精査し、国民に報告し、それから後、政府としての意思を決定するという理解でよろしいかということをまず確認させていただきたいというふうに思います。

中川国務大臣 今日本がやっている作業は、川内委員も御承知だと思いますけれども、アメリカ側の作業を踏まえて、今川内委員が御指摘のように、六月一日から全国十カ所でいわゆるパブリックコメントをやっているところでございまして、御指摘のようないろいろな御意見を踏まえて、その上できちっとしたリスク管理をどういうふうにやっていったらいいかということで今作業を進めております。

 そういう前提で、日本側の作業としてこういうことが必要だ、ああいうことも必要だという中の一つの例として、今御指摘のようなことをアメリカ側にも言っているわけでございまして、日本としては、再開前に三十五の施設についてきちっと厚生労働省、農林水産省がチェックをするということも必要ではないかということをアメリカ側あるいは日本の国民の皆さん方に考え方をお示ししているわけでございます。

 そういう意味で、御指摘のように、日本が消費者の皆さん、国民の皆さんに必要なことを何ができるのかということを今お示ししているところでございまして、そういうことも踏まえて日本としてはこれからやるべきことをきちっとやっていくということでございまして、必要なことはきちっとやっていかなければいけないというふうに考えております。

川内委員 必要なことはしっかりとやっていくということでございます。

 もう一度わかりやすく確認をさせていただきたいのですが、輸入再開決定前に三十五の対日輸出施設のすべてを調査することが意思決定の前提になるという理解でよろしいかということをもう一度確認させてください。

中川国務大臣 川内委員、これはぜひ肯定的に考えていただきたいんですけれども、気持ちは同じだと思います。これはどうだ、あれはどうだと今からやるというよりも、むしろそういうことも含めて大事なんだということで、そういうことも当然念頭に入れていろいろなことをやっていきますということですので、そういうことも含めてもっといっぱいあります、大事なことはいっぱいあります。

 ですから、そういうことも含めてやっていくということで、それも含めていろいろなことをこれから考えていきたいと思いますので、決してこれを否定的に御理解いただかないように、できれば前向きに御理解いただきたいと思います。

川内委員 大臣、何かちょっとはぐらかされているような気がするんですよ。私が聞いたことに、では真正面から答えていただけますか。

中川国務大臣 そういうことも含めてイエスですよ。もっといろいろある、そういうことも含めてもっとイエス。それだけじゃないでしょう。では、川内さんはそれだけでいいんですか、もっとほかにあるでしょう。もっとイエスなんです。

川内委員 いや、大臣、私が聞いているのは、さまざまにいろいろな問題をこれから聞くんですよ。これから聞きます。聞かせていただきますが、その中の一つとして、政府として輸入再開の意思を決定する前に対日輸出施設の調査というものが必要ですよね、まず、そのいろいろある中で一つそうですよねということをお聞きしているわけで、それについては、そうだ、政府の意思として、意思決定をする前には対日輸出施設を調査するということでよろしいかということなんですけれども。

中川国務大臣 川内さんが今おっしゃったように、その中の一つとしてイエスであります。

川内委員 それでは、その次の論点に移らせていただきたいと思います。

 その対日輸出施設を調査する際に、日本向けの牛がどのような飼料で肥育をされているのかということについてはヒアリングをすべきである。

 これは、中川大臣もジョハンズ農務長官に飼料規制の強化について申し入れをされていらっしゃるわけでございますが、本委員会でもたびたび議論になっておりますけれども、鶏のふんあるいは鶏舎のごみ、チキンリッターなどが牛の飼料として与えられている。すなわち、その鶏には牛のSRM入りの肉骨粉がえさとして使われているわけですから、そのSRM入りの牛の肉骨粉を食べた鶏がふんをし、それがまた牛に戻ると交差汚染の可能性が非常に高いというふうに思われるわけでございますが、それらの鶏ふんやチキンリッターあるいはレストラン残渣などを日本向けの牛が食べているのかどうか、そういうもので肥育をされているのかどうかということについてはヒアリングをすべきであるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

中川政府参考人 まず申し上げたいと思いますけれども、米国の現在の飼料規制、これは確かに日本の現在やっておりますものと若干違いがございます。こういう点につきましては、食品安全委員会の答申の中におきまして、こういった現状を踏まえた上で総合的にリスク評価をされまして、そして、輸出プログラムが遵守されたと仮定した場合に米国産牛肉とそれから国内産牛肉等のリスクの差は非常に小さいという結論が得られた。こういう結論を踏まえて、昨年の十二月十二日に輸入再開を決定したわけであります。

 一方、その答申の中に附帯事項といたしましてSRMの飼料利用の禁止等について指摘がされておりまして、この点につきましては、輸入再開に当たって、食品安全委員会の附帯事項でもあるので飼料規制の強化について特段の配慮をお願いしたいということでアメリカ側にも伝えてありまして、この点については、中川農林水産大臣から直接ジョハンズ農務長官にもお伝えしているわけでございます。

 このように、飼料規制そのものはBSEをアメリカから根絶するという意味で大変重要なものだと思っておりますので、今回の事前調査、事前確認調査に行くということを我々は考えておりますけれども、その際に、鶏ふんやチキンリッターなどの使用を含むアメリカの飼料規制の実態、遵守の実態等につきましてあわせて情報収集はしたいというふうに思っております。

 この点につきましては、そういう調査をすることについてアメリカ側と具体的なことはこれから調整をするということでありますけれども、我々としましては、そういった情報収集はこの際行いたいというふうに思っているところでございます。

川内委員 情報収集というのは、対日輸出施設に持ち込まれる牛が鶏ふんやチキンリッターで肥育をされているかどうか、えさとして鶏ふんやチキンリッターが与えられているかどうかを聞くということでよろしいですね。

中川政府参考人 問題意識としてはそうでありますけれども、それですべてわかるか、確認できるかどうかということについては、私ども、今現在確証を持っておりません。

 それから、川内委員からも既にこういった点についてアメリカ側に照会をしてもらいたいという御要請も受けておりまして、これはこれで、別途アメリカ側にも情報提供の依頼を既に行っているところでございます。今回行くとなりますと、給与の実態がどうかということはできるだけ現場に行って確認をしたいというふうに思っております。

川内委員 聞いたことにストレートに答えていただけないと、めちゃめちゃ不安になるんですよ。できるだけとか言われると、やはり聞いてもらえないのかなとか思っちゃうものですから。

 もう一度確認をさせていただきますが、政府が調査をする項目はたくさんあると思います、さまざまにあると思います。その中に、私が申し上げた鶏ふんやチキンリッターがえさとして給与をされているかどうかということも調査項目の一つであるということについて、調査項目の一つであるというふうに答えていただけますか。

中川政府参考人 屠畜場に搬入される牛にはいろいろなものがございます。いろいろなものと申し上げますのは、トレースできるものもありますし、月齢確認のところでA40というふうな手法で月齢を確認するような場合には、個別には判別が難しいものもあると思います。

 そういう意味で、えさの給与についても、わかるものとわからないものがあるであろうというふうに思うわけであります。したがって、わかる限りにおいて調査をしたいということでございます。

川内委員 この飼料規制については、先ほどから何回も出ておりますが、中川大臣御自身がジョハンズ農務長官に申し入れをしておりますし、食品安全委員会の答申の結論の部分にも、飼料規制の強化は求めるべきであるという意見が出ております。アメリカ側に、飼料規制の強化は必要なんだということをしっかり理解していただく意味においても、これらの質問というものはぜひともしていただきたいというふうに思いますし、また、FDAは、不十分ではありますが、飼料規制の強化をしたいということで、政策を発表し、パブリックコメントを求めておりましたけれども、その飼料規制の強化策さえまだ実現をしていないという段階でございますので、これらはアメリカの消費者のためでもあるし、アメリカの食肉業界全体の健全な発展のためにもぜひともしていただきたいというふうに思います。

 それでは、次の論点でございます。

 中川大臣は五月二日、ジョハンズ長官に直接サーベイランスの維持拡大についても申し入れをされたそうでございますが、これは食品安全委員会も当然に求めていることでございます。五月十七日から十九日の日米会合でもこのサーベイランスの維持拡大はアメリカ側に申し入れをされたのか、そしてまた、アメリカ側はどう答えたのか、御説明をいただきたいというふうに思います。

中川政府参考人 去る五月の十七日から十九日まで東京で行われました日米の専門家会合におきましても、日本側の方からこのサーベイランスについて継続を要求したところでございます。

 これに対しましては、アメリカ側としては、現在、これまでの強化されたサーベイランス、平成十六年の六月からずっと続いてきておりますけれども、この一応の結果について今専門家のレビューを受けているところである、そういう結果も踏まえて判断をしたい、そういう回答があったというふうに承知をしております。

川内委員 これらの、サーベイランスの維持拡大についてはアメリカ側の方でまだ検討中であるということでございます。これも前々から議論になっているわけでございますが、予算的にも、アメリカの政府の中でサーベイランスの予算については縮小されているというふうに聞いておりますし、今後、サーベイランスが縮小されるというようなことになると、これも食品安全委員会が求めるサーベイランスの維持拡大という附帯事項に反するということになりますので、飼料規制の強化あるいはサーベイランスの維持拡大というものについては、アメリカ側に強くこれからも申し入れをしていかなければならないというふうに思います。

 そこで、私は、輸入再開の条件とするには飼料規制の強化あるいはサーベイランスの維持拡大というものについては、政府は、それはできない、輸入再開の条件は、SRMの除去と二十カ月齢以下、この二つの条件であるというふうにおっしゃられるのでありましょうけれども、私は、飼料規制を強化していただきたい、あるいは、サーベイランスの維持拡大というものが必要であるということを輸入再々開の条件とすべきであるというふうに思いますが、大臣の御所見を、答えはわかっているんですけれども、ちょっと一言いただきたいと思います。

中川国務大臣 リスク評価は、もう川内委員も御承知のとおり、食品安全委員会で専門家の皆さん方がやるわけでございまして、先ほどから何回もおっしゃっておられるとおりでございます。特定危険部位の除去、二十カ月以下、そして附帯意見として、こういうふうにした方が望ましいということもあるわけでございまして、それについては、私からも、日本政府からもいろいろと向こうにお伝えしておりますけれども、そういう前提のもとで、これからまた再開をするかしないかを判断していきたいというふうに考えております。

川内委員 再開の条件については、今中川大臣が御答弁されたとおりであろう、それが政府側の認識であるということはわかりました。

 他方、飼料規制の強化が必要である、あるいはサーベイランスの維持拡大が必要であるということについても、輸入再開の条件ではないが、米国側のBSE対策の状況としてこれらは必要なことであるというのも日本政府の認識であるという理解でよろしいでしょうか。

中川国務大臣 再開の条件じゃございませんけれども、日本側が、私含めてアメリカ側に要望を出しているということは御指摘のとおりでございます。

川内委員 であれば、昨今非常に話題になっている年次改革要望書というものがございますが、アメリカ側から日本側に対して毎年出されるものだけが大きな話題になるわけでございますけれども、日本側からも、日本の政府も米国政府に対して年次改革要望書は毎年出しているわけでございますから、この年次改革要望書に飼料規制の強化、あるいはサーベイランスの維持拡大、この二つの項目についてはこの要望書にしっかり載せて、お会いしたときにただ口頭で伝えるだけではなく、政府の正式文書、しかもしっかりと取り交わす文書の中に日本政府の認識をアメリカに伝えるという作業が必要ではないかというふうに思いますが、これについての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

中川国務大臣 私が言ったことは政府の公式見解ですから、当然、そういうふうに文書においても今後きちっとやっていかなければいけないというふうに思っております。

川内委員 それは、年次改革要望書に載せるということですね。うなずいていただいています。大臣そうだと言ってください、そうだと答弁してください。

中川国務大臣 そうします。

川内委員 ありがとうございます。

 では、年次改革要望書に、今後、飼料規制の強化、サーベイランスを維持拡大してもらいたいということを米国側に要求していくということで確認をさせていただきました。

 さて次は、大臣、昨年十二月に対日輸出施設を調査したときの、これは詳細な報告書でございます。大臣、これはごらんになられたことはございますか。

中川国務大臣 詳細な報告書をいただきました。ただし、詳細に検討は、申しわけございませんが、読んでおりません。

川内委員 いや、いいんです、いいんです。大臣はお忙しいですから。だから私も、ごらんになられましたかと聞いたわけで、読みましたかとはお聞きしていませんので。

 ごらんになられれば一目瞭然で、めちゃめちゃにこういう黒塗りが多いわけでございます。ほとんど、私たちが望む情報さえも黒塗りで塗られているということでございますけれども、私は、この調査報告書を見て思うのは、今回もまた、三十五の施設を事前に調査する、そして報告書がつくられる、しかしそれは、国民にはこういう形で必要な情報が開示されないということに、この報告書を見ると思ってしまうんですね。それでは、本当の意味の安心、安全というものが担保できないのではないかというふうに思うんです。

 まず、この昨年十二月の報告書がなぜこのような黒塗りだらけの報告書になってしまったのかということについて、局長からちょっと御説明をいただきたいと思います。

中川政府参考人 昨年十二月に実施をいたしました日本側の査察結果報告書につきましては、その中身といたしまして、それぞれの屠畜場、いわゆる企業の営業に関する情報が含まれております。また、アメリカ政府との協議の中身にかかわることも含まれておりまして、いわゆる国が行います査察あるいは監査に関する情報がございます。こういったものは、本来、公表ということではなくて、仮に情報公開法に基づいて開示請求があった場合でも、これまでのいろいろな例を見ますと、不開示とする、そういう性格のものだというふうに私ども基本的な性格としては思っております。

 しかしながら、この査察結果報告書につきましては、米国産の輸入牛肉問題に対しまして、消費者の方々、国民の方々への説明責任を果たしていくというもう一方の大事な役割もあります。そこで、アメリカ政府と協議をいたしまして、情報公開法の考え方に従って、営業情報など開示すべきでない情報以外の情報についてはすべて公表していく、こういう姿勢で、今回一部について黒塗りをした上で公表したものでございます。

川内委員 情報公開法の第五条二号のイ、公にすることにより、当該法人等または当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものに当たる部分については黒塗りにしたということでよろしいでしょうか。

中川政府参考人 基本的には今委員がおっしゃったとおりでございます。

 該当の情報公開法の条文でいきますと、第五条の二号、それから第五条の三号あるいは第五条の六号なども該当するかというふうに思います。

川内委員 ところが、大臣、この黒塗りの報告書を詳細に読みますと、例えば、ある屠畜場について、「国内規制を含む食品衛生対策」としてFSIS検査、これは農務省の一部局、日本語で言うと食品安全検査局とかそういう名前の公的な局ですけれども、FSIS検査、検査官何名のうち、獣医官何名。官というのは公務員ということでしょうから、そこの屠畜場に何人の公務員がいるのかということも黒塗りしてあるんですね。さらには、BSE検査として、受け入れ時にFSIS検査官が歩行困難牛等を確認し、排除している。歩行困難牛は週何頭だが、発生頭数は気候にも依存している。神経症状牛は年何頭程度。その頭数が黒塗りにされているんですね。

 私は、これらの情報、その屠畜場に何人の検査官がいるのかとか、あるいはダウナー牛が何頭出ているのかとか神経症状牛が何頭いるのかということが情報公開法上の非開示情報に当たるとは思えないですね。なぜならば、情報公開法上は、ただし書きで「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。」というふうに書いてございます。

 もう一度局長に御答弁いただいてから大臣に聞かせていただきたいんですが、これらの検査官の人数とか獣医官の人数とか歩行困難牛の頭数などが黒塗りをされていることが営業情報、先ほどは営業情報等とおっしゃいましたが、営業情報に当たるのか、なぜ営業情報なのかということについて御答弁をいただきたいと思います。

中川政府参考人 日本の報告書についてどこを非公開とするかということにつきましては、アメリカ政府と事前に協議をして、その上で該当箇所を決めたものでありますけれども、今具体的な例として御指摘がありましたFSISの検査官の数でありますが、これはそれぞれの屠畜場の規模といいましょうか処理頭数、処理能力に応じて検査官の数というものも決まっておるというふうに承知をいたしております。そういうものからいたしますと、検査官の数がわかればおよそその施設の処理能力がわかる、そういうことでアメリカ側としてはこの部分について非公開としてほしいという具体的な指摘があったわけでございます。

 後段の、人の生命、健康云々というお話でありますが、基本的に、アメリカから入ってくる、輸入を認める牛肉というものの安全性については、もう既に大臣からもお答え申し上げているとおり、リスク評価をして、一定の条件のもとであればそこは安全性において日本で流通しているものと差がない、そういうことになっているわけでありますので、今御指摘のあった人の健康との関係でということについては、この場合、当たらないというふうに私ども思っているところでございます。

中川国務大臣 中川局長から今説明がありましたけれども、申しわけないけれども、聞いていてわからないですね。でも、事務的にはそういう答弁でしょう。

 つまり、我々は情報が欲しい。でも、アメリカは出さない。それはそれでアメリカのルールがあって、出さない。結果的に、仮に輸入再開になっても、消費者が、わからないから買わない、食べないということになりますから、これはアメリカにとっても決してプラスにならないというふうに思いますので、アメリカも日本が要求しているデータはきちっと出してもらいたいというふうに思いますね。

川内委員 そこで、大臣、私からの提案なんですけれども、今中川局長は、人の健康を害するという言葉をお使いになられたんですが、情報公開法上は、「人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、」保護するためという言葉を使っていて、害するという言葉はどこにも出ないですね。「保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。」と。だから、政府として、人の健康、生命などを保護するために必要だという情報であれば情報公開をしてもいい、営業情報であってもしてもいいというふうに情報公開法には書いてある。

 すなわち、これはアメリカ側に対して、大臣、今回調査する三十五施設の調査報告書は原則すべて公開させてもらいますよということぐらいはまずアメリカにぶつける、こちら側の言い分を。その方があなたたちのためだよ、情報を隠したら、もうその時点で疑われますよということを言っていただきたい。そのことをまず、それは交渉ですから、結果としてどうなるかは別にして、とりあえず、三十五施設の調査報告書は原則としてすべて公開させてもらいますよということを日本の政府がまず言うべきだ。

 この十二月の報告書は、なぜこれだけ黒塗りになったかというと、アメリカにどこを消しますかと聞いたからですよ。そうじゃなくて、まず全部公開しますよということを言わなきゃいけないというふうに思うんですね。そこを申し入れをするかどうか、あるいは、するべきだという私の意見に対して御見解をいただきたいと思います。

中川国務大臣 前段は今、中川局長から答弁が必要であればさせますけれども、川内さんがおっしゃった意味はそのとおりなんですね。趣旨は同じなんですよ、日本側もアメリカ側も。ですから、一時停止をやっているものを再開する作業ということを進めていく、つまり、アメリカ側にとってもメリットがある、日本にとっても、作業をしなければいけないということであれば、日本側としてはアメリカ側に必要な情報を出してくださいということになるわけでありますから。

 しかし、アメリカにはアメリカの事情、ルールがあって出せない、黒塗りがある。でも、それは日本の消費者あるいは購買者にとって決してプラスになりませんよね。そのことを私は、アメリカ側にも常に、ジョハンズさんにも、USDAにも申し上げているわけでありまして、アメリカ側にとってもマイナスでしょうということを申し上げているわけであります。

中川政府参考人 基本的な姿勢は、今大臣の方からも御答弁がございました。

 私ども具体的にアメリカの施設を事前確認調査をする者の立場からいたしますと、日本側としてチェックすべき項目についてはできるだけ多く、また正確に点検をしたい、確認をしたいというふうに思っております。

 その際に、片一方で、すべて原則公表ということであれば、その点について、むしろ、アメリカ側の国内のルールとしてそこは日本側に示せないとなると、必要な、我々として知りたい情報もまた、その調査の上で支障が生じるという場合もございます。

 できるだけ公表するという姿勢は私どももきちっと守っていきたいというふうに思いますけれども、他方でまた、確認という事柄の性格上、できるだけアメリカ側からあるいは施設から、たとえそれがアメリカのルールであった場合には非公表というふうな扱いのものであっても、我々としては点検すべきところをきちっと点検していきたい、そういう姿勢もまた大事だというふうに思っております。

川内委員 できるだけ公表するという言葉は、原則公表するということじゃないんですか。

 要するに、私が言っているのは、どの情報を公表するかは、アメリカ側の事情もあるし、我が方の公表すべきであるという世論もある。その中で、日本の政府として、情報公開法に基づいてどこにバランスを置くかということになるんだというふうに思うんですけれども、その際に、アメリカ側と交渉するときには、例外が九〇%になることだって世の中にはいっぱいあるわけですから、原則と言っていても例外が九割だ、あるいは例外が九割九分だということだってあるでしょうから、しかし、原則は調査した項目すべてを公表させてくださいというところから、どの情報を公開するかという話し合いについては始めるべきであるという私の主張なんですけれども。

 だから、中川局長はできるだけという言葉をお使いになられたが、それは、アメリカ側にまず黒塗りさせてから日本側の判断を加えるという意味にとれるわけですね。アメリカ側にまず黒塗りさせて、いや、ここは公開させてくださいよということを今度は日本側が言うのかということではなくて、とりあえず全部公表しますよと日本側が言った上で、アメリカ側が、いや、ここだけは勘弁してくれ、ここは消させてくれということを向こうに言わせるというのが交渉の手順ではないかというふうに思うんですけれども、もう一度ちょっと御答弁いただけますか。

中川国務大臣 川内さんのおっしゃるとおりだと思いますね。

 これは、要求する話じゃないんですよ。日本のルールにのっとってきちっとやる。それで、向こうがだめだったら、それはもう日本の判断、そして消費者の判断ということであります。そこから先は、若干、アローアンスというか、判断があるんだろうと思いますけれども、これはアメリカにお願いして、これを黒塗りにしないでくれとか、してもいいよという話じゃないと思います。

 けれども、それはあくまでも、日本としては、特に農林水産省、厚生労働省としてはリスク管理機関としての判断をきちっとやっていくということが大前提だというふうに考えております。

川内委員 大臣の御意思というのは、調査した結果というのは原則国民にも明らかにすべきである、ただし、アメリカ側との交渉もそこにはあるという理解でよろしいでしょうか。

中川国務大臣 情報を欲しがる側、つまり、日本であり日本の消費者は、もう一〇〇%欲しいんだと思いますよ。だけれども、アメリカ側にも事情があるという中で、そのアメリカ側の事情というものも前提にしなければいけないということで、日本の立場からいえば、それはもう、全部黒塗りにしないでくれと、逆に、黒塗りにすればするほど消費者は不思議に思いますよね。これは自然な気持ちだと思います。

川内委員 ぜひ、今の大臣の御答弁を踏まえて、局長、お仕事に当たっていただきたいというふうに思います。

 それでは、次の論点でございますが、情報公開についてもう一つ、これは具体的な質問なんです。

 お手元に資料をお配り申し上げておりますが、この資料の二をちょっと見ていただきたいんです。この資料の二は、これは何かというと、昨年の十二月十六日からことし一月二十日までの牛肉の輸入業者名と製造者名、加工業者名などのリストでございます。ごらんのとおり、非常に空欄が多いわけでございます。これも、企業秘密ということで、同意が得られたものしか公表されておりません。

 しかし、万々が一、輸入再々開となれば、後は消費者の選択にゆだねられるというわけで、米国産の牛肉を食べたくない消費者、選びたくない消費者にとっては、生肉だけではなくて、外食産業あるいは加工品についても米国産牛肉がどこに使われているのかということは非常に重要な情報であります。

 ついせんだって、JALの機内食に米国産牛肉が使われていたという事例がございまして、JALもきちんと調べて発表をし、謝罪をしておりましたけれども、そのとき、JALは、どこから買ったと工場まできちんと報告をしているし、その工場、米国側の企業も、企業名の発表に対して何ら異議を唱えていないわけでございます。

 米国産牛肉を、今後、もし輸入再々開となった場合に、どの輸入業者が輸入し、そしてそれはどこから買っているのか、そしてどのような牛肉を買っているのかということについて消費者に情報が開示されてしかるべきであるというふうに思いますが、農水省としての御見解というものをお尋ねさせていただきたいと思います。

中川政府参考人 個別具体的な企業の輸入の実績、あるいはどういう部位かというふうなところにつきましては、これはやはり、それ自身が安全性に直接かかわるものではございません。

 食品衛生法上の安全の問題というふうに私ども見ておりませんので、先ほど言いましたが、人の生命、健康を保護する観点から、輸出施設ですとか、輸入者あるいは輸入の部位、数量等の情報を逐一公開するというその必要性はないものというふうに考えております。

 もちろん個々の、先ほど申しました外食産業等で、それを一つの消費者に対するサービスの一環としてメニューの中を公表する、そういうことは大いにやっていただくべく、また業界でもそういう取り組みが既に行われておりますけれども、それぞれ業界に対してこういうものを公表すべきであるという形で一律に指導助言をするということは適切でないというふうに思っております。

川内委員 中川局長、私は思うんですけれども、食の安全、安心という場合に、今局長が御答弁されたように、法令上はあるいは家畜衛生条件などの国際約束上は安全が担保されている、法令上は安全だということが言える。しかし、安心というのは法令では規定できない。安心というのは、受け手の感覚の問題というものが非常に大きいわけですよね。しかし、法令で国がこうやって決めて、これで安心だということになっているんだから安心だと思えという、安心という言葉に法的拘束力は恐らくないと思うんですけれども。

 そうなると、では、どうやって安心を担保していくのかということについて、今外食産業などを指導することは考えていないという趣旨の御答弁があったわけでございますが、外食産業の業界団体そのものが積極的にトレーサビリティーを明らかにすると言っているわけですから、みずからこれらの情報、自分たちはアメリカから買っているというだけではなくて、アメリカのこの会社から買っている、そしてこの牛はこのように飼育されているというような情報について、それこそ開示できるものはどんどん開示すべきである、してちょうだいねという指導、あるいは業界に対するお願いぐらいはしてもいいんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

中川国務大臣 川内さんがおっしゃっていることはよくわかるので、逆に言うと、特に外食産業のように、競争の中で一生懸命頑張っている業界の皆さんは、ある意味ではトレーサビリティーなり原産地表示なりをすることでプラスになる、そういう努力を今一生懸命しているんですね、ガイドラインで。

 ですから、それを後押しすることはあっても、こうしなさい、ああしなさいということはなかなか現段階では、そういう方向に行きたいんですけれども、なかなか難しいという段階で、そういうふうにしていきたいというふうに思っているわけで、政府があるいは行政がこうしなさいと言う以前に、プラスとして外食なり消費に近いところが一生懸命やっていくということを後押しするということも一つの方法ではないかというふうに思っておりますので、そういうふうに我々としてもプラスになるような方策をとっていきたいというふうに考えております。

川内委員 今大臣の御答弁がございましたけれども、大臣、外食産業も努力しているという御認識を示されたわけでございます。私も努力されているんだと思いますよ。しかし、例えばきのうのリスクコミュニケーションの会場で、私は驚くべき発言を聞いたんです。外食産業の方が、業界団体の会長さんだとおっしゃっていましたが、牛でどこが一番うまいか皆さん知っていますか、脊髄ですよと、脊髄は特定危険部位ですよ、脊髄が一番うまいんだ、脊髄を食ったって平気だというようなことを、いらついていらっしゃったんだと思いますが、リスクコミュニケーションの会場で御発言をされる。そして、さらには、輸出入の企業名、どこからどういうふうに買っているのかということを公表してくださいと言っても、これは企業が拒絶したから農水省も発表、公表することができないわけですよね。

 そういう、一方でトレーサビリティーをしっかりやりますと言いながら、実際には、では、どこから、どのパッカーから買っているか公表させてもらっていいですかと農水省が聞くと、いや、それは困るから勘弁してくださいと言うというのでは、私はちょっと行動が矛盾しているんじゃないかというふうに思うところもあるものですから、ちょっときょうはもう時間がなくなりましたので、この件についてはまた次の機会に議論を譲らせていただきたいというふうに思います。

 最後に、もし輸入再開を決定して、施設を調査し、問題がないとなったら、輸入が始まるわけでございますけれども、その際には、日本国内において新たに講じようとする措置として、日本の水際での検査の強化という言葉が出ております。検査というのは、質と量があると思うんですね。今回、リスクコミュニケーションで説明をされているのは開梱数のさらなる強化というような形で、数だけが強化されるということになっておる。しかし、私は質的にもこれは検査を強化しなければならないというふうに思います。

 そこで、一度聞かせていただいているんですが、SRMの、特定危険部位の付着検査、これはイギリスにおいても目視による付着検査がしっかりと行われていて、特定危険部位が、これは目で見て結構よくわかるんだそうですね、熟練してくると。そうすると、これは特定危険部位が付着をしているお肉であるということで排除される。最近は、イギリスでもそれが大変に功を奏して、もう付着をしているお肉がなかなか出回らなくなってきたということでございます。

 日本においても、各検疫所において、目視によってSRMの付着を判別できる熟練した検疫官というものをしっかりと養成をすべきである、そして目視による付着検査をすべきであるというふうに思いますが、きょうは厚生労働省から来ていただいておりますので、最後に御答弁をいただきたいと思います。

松本政府参考人 まず、対日輸出条件を確保するための輸出プログラムということの遵守は、まずは米国政府の責任と認識しておりますが、枝肉等の特定危険部位の除去につきましても、国内と同様に、FSISの検査官や施設において目視で確認すると理解しております。

 日本側におきましては、米国側の遵守状況を検証するために、検疫所におきまして、昨年十二月十二日に輸入再開を決定した後、全ロットを対象に一定数の抽出、開梱をして、SRMの混入等について現場はやってきておりますけれども、この混入等につきましても、再開時と同様に、通常の輸入食品よりも開梱数をあけるということをやっていきたい。また、さらに現場での目視により確認を行うことなど、輸入牛肉の検査体制を強化してきたところでありまして、さらにその方向に努めていきたい。

 新人については、やはりいきなりそれを熟練しろというのは無理でございますので、当然、新人についても、熟練した者からトレーニングをしながら、その熟練度を高めていく、それで輸入体制を強化していくということで進めていきたいというぐあいに考えております。

川内委員 ありがとうございました。終わります。

稲葉委員長 次に、佐々木隆博君。

佐々木(隆)委員 私は、きょうは主に森林行政についてお伺いをしたいわけでありますが、その前に、農水省の定員の純減についてお伺いをいたしたいというふうに思います。

 先日までずっと論議をしてまいりました農政改革、いわゆる担い手法などを含めて、新たな行政の転換のときを今迎えているわけでありますが、そうした中でも、例えば農家戸数をどのぐらいにするかとか、面積がどうだとか、相当論議をしてきましたけれども、結構、その中でも、データが必ずしも今の段階で十分でないとかというような話が随分あったというふうに思うんです。そのときに、今出先機関である農政局とか農政事務所、農林統計、食糧管理部門、約一万二千四百人いるそうでありますが、これを四千六百人削減する、三七%の削減で七千八百人にするというふうになっているわけであります。

 今後、農政を展開していく上で、さきの論議も踏まえて、私は非常に不安に思うわけでありますが、そういう点、大丈夫なのかどうかについてお伺いをいたします。

白須政府参考人 ただいまの委員のお尋ねでございます。

 お話しのとおり、現在、私ども、担い手を対象といたしました経営安定対策への転換でございますとか、そういった農政改革あるいは米政策改革というふうなことで、農政の抜本的な見直しを進めているところでございます。

 ただいまお話しの、例えば農林統計業務でございますとか、あるいは食糧管理業務、そういったことにつきまして、今回大幅な定員の純減を行うということにいたしているわけでございますが、これは、こういった農政改革を進めます結果、行政需要が大きく変化してくるといったような見通しを踏まえまして行うというふうに考えているわけでございます。

 具体的に申し上げますと、ただいま委員からもお話のございました、例えば農林統計をとってみますと、私どもといたしましても、やはり必要な統計調査につきましては、これはしっかりと維持してまいる、しかしながら、国の職員によります実地調査というものは原則廃止をいたしまして、調査員による調査でございますとか、あるいは郵送調査による調査といったようなことで、いわゆるアウトソーシング化ということでございます。したがいまして、そういった意味で業務の効率化を図ってまいりたい。

 また、食糧管理につきましても、必要な主要食糧の備蓄業務、こういったものはしっかりと維持するわけでございますが、事務手続の効率化には努めてまいるといったようなことでございますので、国として最低限実施をいたします業務ということにつきましては、これはやはり国が責任を持って実施をしてまいるということでございます。農林統計業務なり食糧管理業務、そういったものが担っております重要な業務というものは何ら変わるところはないということでございますので、私どもとして、農政の推進に支障が生じるということはないというふうに考えている次第でございます。

佐々木(隆)委員 さきの行革特の中でも、公務員の総定員五%純減ということに対して、中馬大臣は出血整理はしないというふうに答弁をされているわけであります。

 先ほどもちょっと論議になっておりましたけれども、例えば食の安全のところの、水際対策とか行政ニーズというのもどんどん変化をしてきていると思うんですね。そういうところは逆に、空港も港も、どちらかというと、支障ないとさっきは言っていましたけれども、新たな需要として人を配置しなければならない分野も起きてくるし、当然農水省にもそういうものがあるというふうに思います。

 行政がやるプラン・ドゥー・チェックの、どこをどう民間に出すのかというのも、これもまた非常に検討しなければならない課題だというふうに思うんですが、出血整理はしないということでありますので、農水省をつかさどっている大臣としての決意をお伺いいたします。

中川国務大臣 今佐々木委員が御指摘のように、民でできるところは民でということでありまして、最初に四千六百人なり、林野も含めて七千人をカットすべきではなくて、そういうことができるという結果として、平成二十二年に向けてああいう提案を出したわけでございます。

 他方、農林水産行政においても、これからますます人手が必要な分野については、省内のやりくりも含めまして、これからの需要に手当てをしていかなければいけないわけでございますので、一律に何%カットということではなくて、必要な部分については、カットするあるいはプラスにするという限定をやってまいりましたし、これからもやっていきたいというふうに考えております。

佐々木(隆)委員 農水省は、積み重ねた結果だというお話でありますけれども、どうもこの公務員総定数の話に関して言えば、数が先にありきというような論議になって、国民にその部分の説明が十分になされていたかということでいうと、全体の話として、少し私は疑問も持っているところであります。

 それと、農林統計などについて言えば、特に個人情報にもかかわるものでありますので、そういった点にも支障のないように、ぜひお取り組みをいただきたいというふうに思ってございます。

 一つ、検討いただきたいことがあるわけでありますが、北海道の農業総生産額というのは約一兆円であります。全国の総生産額が約九兆円ぐらいだというふうに思うんですが、全国の一割以上を北海道は占めているわけであります。実は、全国農政局長会議というのがあるんだそうでありますけれども、北海道の農政局は局でなくて農政事務所なものですから、そのメンバーではないそうなんですね。

 今言うように、新たな農政の展開をしようというときでありますので、そういったときに、農政事務所であるがゆえに北海道がメンバーでないというのは、私はこの機会にやはり見直すべきではないかなというふうに思うんですが、その点についてお伺いいたします。

中川国務大臣 御指摘のように、日本の農業の中の主力、佐々木さんも私も北海道ですから、言葉を慎んでいかなければいけないんでしょうけれども、そういう中で、行政においても北海道のきちっとした対応をこれからしていかなければいけないというふうに思っております。

 これからも、全国の出先の責任者の中に北海道の出先もきちっと入れるということは、ある意味では当然でございますので、そういうふうにしていきたいと思っております。

佐々木(隆)委員 前向きな御答弁をいただきましたので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 次に、林業政策についてお伺いをいたします。

 林業政策の中で、つい先日林業白書も出ましたけれども、森林・林業基本計画についてお伺いをいたします。

 五年ごとの見直しということでありますので、〇七年スタートに次期対策はなるというふうに思うんですが、現在その検討中というふうに承知をしております。その中で、基本計画の中で、日本国じゅうにいろいろな森林があって、それぞれの森林について、一つは自然条件、あるいはまた地域のニーズというようなことに応じて、三つに区分をしようということで計画がスタートしたというふうに思います。

 水土保全林、それから森林と人の共生林、それから資源循環利用林という三つに区分するというふうにされたと思うんですが、十三年度末までに市町村の森林整備計画において実施するというふうにその当時なっていたわけであります。ちょうど今度見直しの時期でもありまして、都道府県、あるいは市町村、それから民有林、こうしたところとの連携がさらに必要だというふうに思うわけであります。

 そうしたことを踏まえて、この見直しについてどう取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。

川村政府参考人 お答えいたします。

 委員の御質問がございましたように、現在、森林・林業基本計画の見直しの作業をしてございます。九月の策定を目指して今鋭意検討しているところでございます。

 森林はさまざまな機能を持っておりまして、これは、広く国民が享受している多面的機能、こういうものがあります。こういうものを、将来にわたって、持続的に、いかに機能を高度発揮していくかという観点から検討しておるわけでございます。

 まさに、日本も、北から南までさまざまな樹種がございますし、御指摘のように自然条件もかなり異なっております。また、林業の動向もそれぞれの特色がございます。そういうことからいたしますと、やはり、この策定に当たりましては、広く国民の方々の御意見を聞くということが不可欠でございます。特に、地方公共団体と国との連携、これもその一番重要な部分であろうと思っておりますので、林政審議会の中の委員に全国町村会の副会長にも参加をしていただいております。また、先月でございますけれども、有識者として林業県の知事からもヒアリングを行ったところでございます。

 また、つい先般でございますけれども、審議会の委員の皆様に地域の実情をつぶさに見ていただきたいということで、森林、山村を抱えます町長との現地視察、それから町長との意見交換、こういったことも行われました。

 今申し上げましたように、そういう地域との連携というのは非常に大事だと思っておりますので、それを十分踏まえながら検討をさらに進めてまいりたいというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 長官、市町村森林整備計画というのを立てるというふうになっていたと思うんですが、それと三つの区分というのは連動しているんだというふうに私は思うんですけれども、その辺の進捗状況はどうなんでしょうか。

川村政府参考人 現行の森林計画でございますが、今御指摘がございましたように、森林の有する多面的機能をできるだけ健全な形で発揮していくということで、三つの区分を現行計画から導入をいたしました。水土保全林、森林と人との共生林、それから三番目が資源の循環利用林ということでございます。

 そして、この数字の目標でございますが、水土保全林、これは千六百二十九万ヘクタールで全森林の約七割、森林と人との共生林は三百二十四万ヘクタールで全森林の一割、それから資源の循環利用林は五百三十四万ヘクタールで全森林の約二割ということで、地域的に、これを市町村計画までおろして確定しているところでございます。

佐々木(隆)委員 ぜひ今度の計画でもそのことを、この三つの区分をせっかくつくったわけでありますから、市町村と、地方公共団体との連携を深めていっていただきたいというふうに思います。

 農業でも時折使われますし、今長官のお答えの中にもあったんですが、持続的な発展とか持続可能なとかという言葉がよくこのごろ出てくるんです。これは余り使いなれ過ぎて耳なれし過ぎたのではないかというふうに思うんですが、持続可能なということは、このまま放置しておいたら持続できなくなるよ、だからみんなで何か努力しないと持続可能な発展ができないよということの裏返しだと思うんですね。そういった意味では、もう少しそういった危機感も含めて、ぜひ連携を深めていただきたいというふうに思います。

 計画の中で、木材の供給及び利用の確保というところなのでありますが、平成十一年に二千万立米というふうに木材供給量の計画になっているわけです。平成二十二年の目標年次では、今長官が言われた三区分合わせて二千五百万立米というふうになっているわけであります。

 一つは、その達成の見通し、それからもう一つは、林業振興上重要なテーマでありますいわゆる国産材の利用拡大の対策などについてお伺いをいたします。

川村政府参考人 この国産材の適切な利用ということは、今申されたように、森林を持続的かつ健全に発展、維持していくという意味では極めて重要なことでございます。

 今委員が申されましたような目標を現行計画は掲げておりますが、この点、非常に残念ではございますけれども、我が国の木材需要自体が、最近におきます住宅着工戸数、こういったものの減少等によりまして約九千万立方メートル前後で推移をしておりまして、その中で、国産材の供給は、策定時点で二千万立米あったわけでございますけれども、ユーザーのニーズに十分対応できていないといったようなこともありまして、千六百万から千七百万といったところまで落ち込んだわけでございます。

 例えば、合板でありますとか集成材、そういう技術も進みまして、需要がふえまして、最近やや回復の兆しはあるわけでございますが、極めて低位にとどまっているということでございますので、この点、非常に今後力を入れて需要拡大に努めていく必要があるだろうと思っております。

 一番重要なのは、大量に木材を消費します住宅メーカー等の川下の需要に応じて、いかにメーカー等が要望される大ロットでの、また品質が安定し量も安定する体制をつくっていくかということが、今復活しかかっております国産材、こういうものを振興していく上で極めて重要なポイントになるというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 国産の需給が今は二〇%を切っているような状況だというふうに思うんですが、その中でもさらに国産材の利用が減っているということであれば、これは、もちろん多面的機能としてのほかのニーズもありますけれども、何といっても、それは木材が潤沢に循環していかなければならないわけでありますので、公共施設などの利用とかを含めて、ぜひ一層の利用拡大というものを進めていただきたいというふうに思います。

 次に、森林整備の方でありますけれども、公益的機能の発揮あるいは地域農山村の振興ということで、それぞれ三区分に応じた整備が必要だというふうに思うわけであります。その中では、どうしても公的な関与による森林整備というのが必要になってくる。とりわけ、水土保全林などは、そこからも木材は生産されますけれども、できるだけそのまま残そうというところでありますから、公的な関与による整備というのが非常に重要だと思うわけでありますので、その進め方、あるいはまた、例の独法化されました緑資源機構などの役割も含めてお伺いをいたします。

川村政府参考人 お答えいたします。

 先ほど来申し上げておりますけれども、森林の国民生活あるいは国民経済に果たします非常に重要な役割、こういうものを考えますと、森林を重視すべき機能に応じて、水土保全林、それから森林と人との共生林、資源の循環利用林の三つに区分して、それぞれの区分に応じた整備を推進するということの方針で今取り組んでおるところでございます。

 そして、今委員が特に申されました水源涵養機能それから国土保全機能を有します水土保全林でございますが、これにつきましては、基本的には森林所有者等によります林業生産活動、これがやはり基本になることは当然のことでございます。

 ただ、この水土保全林は、どちらかというと脊梁地帯、奥の方にある森林がかなり多うございます。ただ、かといって、これは非常に公益的機能の需要も高い森林でございますので、森林所有者の自助努力によっては対応が進まないという場合もあるわけでございます。そういう場合、今申されたように公的関与、例えば国の治山事業でありますとか都道府県の実施します事業、それからまた緑資源機構もございますので、こういったものを活用してやっておりますし、また、県の公社等を活用して分収林方式で整備も進めております。

 そして、緑資源機構でございますが、これは特に森林所有者等の自助努力によっては森林造成が困難な地域、こういうところを中心に水源林を造成する事業を実施しているところでございまして、これは御案内のとおりでございますが、今後は、森林に対する、地球温暖化を初めいろいろなニーズも非常に多様化しておりますので、そういったものを踏まえまして、針葉樹と広葉樹の混交林の造成なども含めまして、しっかり多様な森林整備ということに取り組んでまいりたいと思います。

 今申し上げました機能を十分、その区分に応じまして効率的な森林整備が図られるように努めてまいりたい、こういうふうに思っております。

佐々木(隆)委員 今、日本の国土の七〇%、それから公益的評価で七十兆円などということがよく言われているわけでありますが、とりわけ今森林は地球温暖化対策でも大変重要な役割を担っていくわけであります。森林に対して、私は、過度な期待とは言いませんけれども、期待されているのは大変うれしいことなんですけれども、木は、成長していく過程ではどんどん二酸化炭素を吸収していくわけですが、一定程度成長すればそれ以上はもう吸収しなくなるわけですね。そういったことからいうと、植林とか育林とかということがきちんと繰り返されなければ、あの目標を達成することも非常に難しいのではないかというふうに私は思いますし、さらに、公益的な財産だとよく言われるわけでありますが、そういった意味でいえば、森林は、環境教育とか健康づくりとか、そういったニーズもあるわけであります。

 先ほどちょっと触れましたが、平成十七年の林業白書でも、急がれる森林の整備、保全、あるいは、それぞれの取り組みの中では林業の循環というようなことを強くうたっているわけでありますので、ぜひそういった意味での取り組みを進めていただかなければならないというふうに思います。大臣も、WTOなんかでも、これは農業分野とは違うんだというふうに思いますが、森林も大変難航されているというふうに伺っているんです。もし、御所見があればいただきたいというふうに思います。

中川国務大臣 生き物相手、自然相手の農林水、とりわけ林業は三十年、五十年という視野でやっていかなければならない。しかも、果たす役割は大きいわけでございますので、そういう日本においての林業のあるいは森林の果たす役割、あるいは、世界においての森林が破壊されている、守っていかなければならないということをWTOの場においても大いに主張していきたい。佐々木さんのおっしゃるとおりだというふうに思っております。

佐々木(隆)委員 時間が参りましたので終わらせていただきますが、ぜひ一層の御努力を期待して終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

稲葉委員長 次回は、明七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時四十四分散会


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