衆議院

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第4号 平成19年3月15日(木曜日)

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平成十九年三月十五日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 西川 公也君

   理事 岩永 峯一君 理事 金子 恭之君

   理事 近藤 基彦君 理事 谷川 弥一君

   理事 並木 正芳君 理事 篠原  孝君

   理事 松木 謙公君 理事 西  博義君

      赤城 徳彦君    伊藤 忠彦君

      小里 泰弘君    小野 次郎君

      岡本 芳郎君    木原 誠二君

      北村 茂男君    斉藤斗志二君

      坂井  学君    杉田 元司君

      中川 泰宏君    永岡 桂子君

      西銘恒三郎君    鳩山 邦夫君

      広津 素子君    福井  照君

      福田 良彦君    古川 禎久君

      御法川信英君    森山  裕君

      渡部  篤君    岡本 充功君

      黄川田 徹君    小平 忠正君

      佐々木隆博君    高山 智司君

      仲野 博子君    福田 昭夫君

      山田 正彦君    菅野 哲雄君

    …………………………………

   農林水産大臣       松岡 利勝君

   農林水産副大臣      山本  拓君

   農林水産大臣政務官    永岡 桂子君

   農林水産大臣政務官    福井  照君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮坂  亘君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           町田 勝弘君

   政府参考人

   (林野庁長官)      辻  健治君

   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十二日

 辞任         補欠選任

  辻元 清美君     菅野 哲雄君

同月十五日

 辞任         補欠選任

  赤澤 亮正君     杉田 元司君

  飯島 夕雁君     坂井  学君

  今津  寛君     西銘恒三郎君

  丹羽 秀樹君     木原 誠二君

同日

 辞任         補欠選任

  木原 誠二君     丹羽 秀樹君

  坂井  学君     飯島 夕雁君

  杉田 元司君     赤澤 亮正君

  西銘恒三郎君     今津  寛君

    ―――――――――――――

三月十四日

 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

西川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣松岡利勝君。

    ―――――――――――――

 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

松岡国務大臣 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 政府においては、これまで、簡素で効率的な政府の実現を図る観点から行政改革を積極的に推進してきたところであり、この行政改革の一環として、平成十七年十二月に閣議決定された行政改革の重要方針等において、平成十七年度末に中期目標期間が終了した独立行政法人の組織、業務全般の見直しを行うこととしたところであります。

 この法律案は、こうした政府の方針を受け、平成十七年度末に中期目標期間が終了した農林水産省所管の独立行政法人のうち農林水産消費技術センター等三法人の統合及び森林総合研究所等二法人の統合を行うものであります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、独立行政法人農林水産消費技術センター法の一部改正であります。

 農林水産消費技術センター、肥飼料検査所及び農薬検査所の三法人につきましては、農林水産物や飲食料品あるいはそれらの生産に必要な肥料、農薬、飼料等を対象として、技術的な検査、分析等の業務を行っているとの共通性があることにかんがみ、検査、分析能力の一層の向上など業務の効率的、効果的な業務運営を推進する観点から、これら三法人を統合することとしております。

 第二に、独立行政法人森林総合研究所法の一部改正であります。

 現在、森林総合研究所において行っている森林・林業に関する試験研究等の業務と、林木育種センターにおいて行っている林木の新品種の開発等の業務について、両者の連携を図り、効率的、効果的な業務運営を推進する観点から、両法人を統合することとしております。

 以上が、この法律の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

西川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

西川委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長町田勝弘君、林野庁長官辻健治君及び厚生労働省大臣官房審議官宮坂亘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野次郎君。

小野(次)委員 おはようございます。また、松岡大臣、連日お疲れさまでございます。

 きょうは、党派を超えて、国民的関心が極めて高い問題を中心に質問させていただきたいと思います。

 最初は、この法案に関する一般的な質問でございますけれども、今大臣もおっしゃられたとおり、簡素で効率的な政府を目指して行政改革を進める、その一環だろうと思うのでございますが、今回、見直しの結果、検査関係の三法人を統合することによって、本当に見かけだけでなく、実質的にも役員、職員の数とか予算などについてどのような合理化が進められるのか、伺いたいと思います。

 あわせてですが、それは本部部局も当然でございますけれども、地方の組織、地方の事務所の組織についても統合が行われるのかどうか、合理化が行われるのかどうか、お伺いしたいと思います。消費・安全局長にお伺いいたします。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 今回のこの三法人の統合によります合理化の効果を出す観点から、統合時におきます役員数の削減を行いますとともに、統合法人の中期目標等において運営経費等の計画的な削減に努めること、こういったことを盛り込む方向で今検討しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、役員数につきましては、統合前の五法人の合計二十三名でございましたが、統合後は十三人に削減することといたしております。

 また、職員数でございますが、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律に従いまして、業務運営に支障を来さないよう配慮しながら、統合後の中期目標期間中に平成十八年一月一日における常勤職員数を基準として五%削減することとしております。

 運営経費につきましても、管理部門等の要員の合理化、業務の重点的な実施等によるコスト削減に努めますとともに、こういったことによりまして、人件費を含めまして運営費交付金の効率化の目標を定め、統合後の目標期間中に適切に削減していくこととしております。

 組織体制についてもお尋ねがございましたが、効率的かつ効果的な運営を確保する観点から、管理部門、これは一体化を図りますとともに、現在、三本部十二地方組織ありますが、これを一本部五地方組織に再編統合するといったことで、統合のメリットをきちっと出していきたいと思っております。

小野(次)委員 私も役人を長くやっていたという経験から、そういう改革が行われた際に、どうしても役所というのは、実質的には焼け太りとか、いろいろな潜り込ませたりする方法がないわけではないんだと思いますけれども、ぜひ、その運用、実行においても、法改正をしてまで合理化、統合を進めようとしている趣旨が本当に体現できるような、そういう施策を進めていただきたいと思います。

 きょうの私のこれから質問していきたいと思うのは、杉花粉、花粉症の問題でございます。

 私は、実は、多摩地区に家族と公務員の時代から住んでいまして、基本的には電車で通勤していくのでありますが、二月、三月の電車の通勤風景を見ますと、カラスてんぐのようなマスクをつけた人が結構いまして、電車の中でもくしゃみをしている、あるいは、はなをずるずるしているという方が大変目立つわけでございます。

 私がちょっと聞いたところでは、いろいろな統計があるようですけれども、花粉症で悩んでいる方が国民の一割とか一五%とか、二割近い地域もある。そうすると、ざっと考えても二千万人とか、そういう数の方が花粉症というものを体験されているんだとすれば、これは大変な国民的な問題だろうと思うわけでございます。

 私自身も、朝、目が覚めるのは、目覚ましで目が覚めるんじゃなくて自分のくしゃみで目が覚めたりしますし、また、ティッシュが近くにないとハンカチではなをかんだりすると、家内から汚いと家に帰ってから怒られたりすることもあるんですが、だれもが、どんな人でもそういう不快感というか非常に悩んでいるということについて、政府というか行政はどういう対応をとっているかということをお伺いしていきたいと思うわけでございます。

 きょうは、厚生労働省の方にもお越しいただきましたので、まず最初に、杉花粉症という、患者というんですか、花粉症の広がりについて、日本国内で地域的な格差が見られるのかどうかということ、また、私は外国では余りこういう話を聞いたことはないんですが、諸外国での花粉症の広がりについて、日本と差があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。

宮坂政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、我が国の杉花粉症の現状でございますが、財団法人日本アレルギー協会というところがございまして、この二〇〇一年の全国調査によりますと、杉花粉症の有病率は、三歳から七十九歳までの国民の間で、全国平均では約一二%という報告をされております。

 地域別でございますが、地域別では、実は東海地方が二八・七%と最も高い状況になっております。一方、杉が少ない北海道とか沖縄では、北海道では四・八%、沖縄では二・七%と少ない状況になっております。

 諸外国の関係でございますが、花粉症につきましては、各国の植物の生育状況によりまして、杉の花粉だけではなくていろいろな原因物質が今ありますので、現段階で、杉花粉症の患者数に関する国際的なデータはないという状況でございます。

小野(次)委員 今、比較できる外国の方のデータはないというふうにお答えがございましたけれども、私自身もヨーロッパに五年ほど暮らしましたけれども、そもそも、人の話のうわさになる、話題になることとして、杉花粉症なんという話は出たことがないんですね。ですから、多分、そういう比較できるものがないというのは、余り日本ほど大きな話題になっていないんだろうと私は思うわけでございます。

 そこで、今回の統合法案にも関係いたしますけれども、林木育種センターが開発してきた無花粉杉の開発状況、花粉の少ない杉と無花粉杉と両方あるようですけれども、きょうは特に無花粉杉の開発状況及び完成度、どれぐらい実用化というんですか、工業製品じゃないんだけれども、使えるようになっているのかということの状況についてお伺いしたいと思います。

辻政府参考人 お答えいたします。

 林木育種センターでは、花粉発生源対策の一環といたしまして、今先生のお話がございました無花粉杉あるいは花粉の少ない杉等の新品種の開発に都道府県と連携して取り組んでいるところでございまして、遺伝的に花粉を全く生産しない特性を持つ無花粉杉、これにつきまして、爽春という品種名でございますけれども、一種類開発をいたしたところでございます。それから、花粉の少ない杉につきましては百二十一品種を開発しているところでございます。

小野(次)委員 割と、何かさっぱりとしたお答えなんですが、では、開発されたその無花粉杉というものは、時間的にあるいは量的に、どういうスピード感を持って普及していくお考えなのか、その計画をもう一遍伺いたいと思います。

辻政府参考人 無花粉杉の爽春につきましては、現在、採穂園であるとか、こういうところの台木の生産、これは接ぎ木でそういう台木を生産しているわけでございまして、十八年の十二月現在で二百三十本を台木として生産しているというところでございまして、この後、この台木を活用いたしまして、短期間に大量の苗木増殖が可能な組織培養、これは芽の部分を組織培養するということで苗木の生産を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

小野(次)委員 実験室の中で技術の専門家が何かこうやっていますという話を私は聞いているんじゃなくて、それをその花粉症対策にどうやって役立てていくのかということをきょうは聞きたいと思って伺っているので、ぜひ、事務方の方も、そういう問題意識で聞いているんだということを踏まえて、お答えいただきたいと思うんです。

 だれでもわかることですけれども、木材というのは、五十年とか六十年とかですよね、一本の苗木が切り倒されてまた次の世代に変わっていくというのは。そういう長い時間の中で、毎年、当然、植えかえというか、切った後にまた植えていくんだと思うんですね。そういう毎年毎年必要になっている量の中で、一体この無花粉杉というのはどれぐらいの割合に今なりつつあるのか、その状況をもう一遍伺いたいと思います。

辻政府参考人 今、苗木を生産いたしましてそれを山で植える段階ということになりますと、無花粉杉ではなくて、花粉の少ない、その苗木を生産しているといったような状況でございまして、無花粉杉につきましては、先ほど言いましたように、採穂園を造成してこれから苗木を生産していくということでございます。

 無花粉杉の苗木の生産がしばらくかかるということで、現時点では、花粉の少ない杉の生産量を増大していこうということと、もう一つは、十八年から二十年度にかけまして、どういうところが花粉の発生源か、こういう地域の推定をする調査をやってございまして、ここで花粉の発生源地域だというのがある程度推定できれば、この地域を重点的に、一つは、花粉の少ない杉を植えていく、それからもう一つは、雄花の着花量の多い杉について間伐をしていく、それから広葉樹林化を図っていく、こういったことにつきまして、ボランティアの方たちとも連携をしながらやってまいりたいというふうに考えているところでございます。

小野(次)委員 何か、なかなか手間がかかるというかあれですけれども、杉の植生というのは、だって、全国的にもうわかっているんじゃないんですか。東京なら東京にどこから飛んでくるかという調査は時間がかかるのかもしれませんが、杉が日本じゅうのどこに多く植わっているのかというのはもうおおむね把握できているんだと思うので、ちょっと今の、まず調査してからみたいな話は、なかなか、花粉症に悩んでいる人間からすれば、ああそうですかというふうに言えない部分がございます。

 私が思うのに、今、長官も、都道府県の協力も得ながらと最初おっしゃったように思いますけれども、やはり全国の自治体だとかあるいは民間企業なんかにも、それがボランティアというのではなくてビジネスとしてでも参加してもらってでも、全国的に、国民運動的に、無花粉杉が一番いいと思いますけれども、花粉の少ない杉、もしくはその植生自体を杉から違うものに変えていくということについて、そのエネルギーを、参加させるべきだ、促進していくべきだと思うんですが、それについて、そういう動きがあるのかどうか、そういう考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。

辻政府参考人 一つは、花粉の少ない杉の生産技術につきまして、今までは、採穂園を造成してそれから苗木を生産して山で植えるという形をとっていたわけでございますけれども、極小の穂から挿し木をするという技術開発を今やってございまして、これの技術につきまして苗木生産業者に普及をしてまいりたいというのを一つ考えてございますし、ボランティアだとか企業だとか、こういうところにつきましては、緑の募金のところで、限定型の緑の募金ということで、これにつきましては、花粉の少ない杉を植えるということのために緑の募金を使うということと、十九年度予算で、ボランティアの人たちの参加を得て花粉の少ない杉を植えるということについて予算を計上しているところでございます。

小野(次)委員 私は、これはある意味でビッグビジネスにもなり得る分野じゃないかなと思っているわけです。

 こういう質問をしたいということを友人に話したら、経済浮揚効果も実は花粉症の方にはあるんじゃないかと。マスクが売れるとかティッシュが売れるとか鼻炎の薬が売れるとか、短期的というか、お店としてはあるのかもしれませんが、一方で、やはり、千五百万とか二千万の人が花粉症になって、それが医者に行けば、健康保険を使ったりすれば医療費の負担にもなるわけでございますから、その潜在的な負担を考えれば、これを少なくしていく、予防していくために、発生源対策の面に限って言っても、それを少なくしていくという努力は大変大きな可能性を含んでいる、やらなければいけない部分が多いというふうに思うわけでございます。

 やはり一般市民として関心があるのは、では、一体何年待ったら毎年の春先の不快な現象というものが改善されるのか、軽減されるのかということだと思うんです。今後、林野庁として、この花粉症の発生源対策にどのように取り組んでいくのか、もう一度お伺いしたいと思います。

辻政府参考人 林野庁といたしましても、このくらいの目標年次でこういうふうにやっていきたいというのが言えればなかなかいいんですけれども、といいますのは、全国に杉の人工林は四百五十万ヘクタールございます。今、花粉の少ない杉の苗木の生産を、平成二十八年度で百万本強の生産をやっていこうというふうに思ってございますけれども、植栽本数からいくと、植えることができる面積というのは非常に、何百ヘクタールにしかならないというふうに思ってございまして、先ほど御説明いたしましたように、花粉の発生源の地域を推定いたしまして、この地域を重点的に、花粉の少ない杉を植えたり、あるいは雄花の多い杉を間伐してみたり、それから広葉樹林化を図っていきたい、こういう取り組みをいたしたいと思ってございます。

小野(次)委員 それでは、何か二階から目薬というんですか、焼け石に水というのか、とても、万ヘクタールの話に対して何百ヘクタールで対応するというのでは、私ら、ここにいる人間がかなり長寿で暮らしても、その間に目に見えた軽減、改善が図られるめどが立っていないということだと思うんですよ。

 私は、だれがどうという責任まできょう追及する気はないですけれども、広い意味でいう行政の責任というのはやはりあると思うんです。

 これまで杉を植え続けてきたということ、それをとめなかったということ、もしくは、私たち、ずっと子供のころは杉花粉症という言葉は知りませんでしたけれども、その言葉を耳にするようになってやはりもう十年、二十年たっているわけで、その間も、不作為というんですか、それを変えようとしてこなかったことについて、ここで厳密な意味での責任の問題を言うつもりはありませんけれども、要するに、行政なり政府なりがやるべき実質的な責任は大きいと思うんです。それが今のお話ではとても、何か人ごとのようにおっしゃっているので、何とも納得できないところでございます。

 私、ちょっと事前に情報をとりましたら、何か大臣も若干は花粉症に似た症状がおありだということなんですが、間違いないですか。(松岡国務大臣「はい、そうです」と呼ぶ)それでは、話が早いというか、ぜひ率直にお伺いしたいと思うんですけれども、このままではいつになったら、目に見えて花粉が減少したとか症状が軽くなると実感できるか、めどが立たないわけでございます。

 ぜひ数値とか期限を示した花粉症対策、中でも、国民が効果を実感できる、そういう目標をちゃんと示した発生源対策の計画を策定して、きのうからお伺いしていると、一林野庁というのではできないんですよという話もよくわかりますけれども、大臣にも今からお伺いしますけれども、関係省庁とも連携して、総花的にこんな対策をメニューのようにとっていますよというのではなくて、いつまでにどれぐらいの花粉を減少させていくのかという何らかのわかりやすい目標をきちんと示した計画をつくっていただくように、その取り組みを積極的に進めるべきだと私は思うわけでございますが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

松岡国務大臣 今、小野先生のお話をお伺いいたしておりまして、本当に御指摘はごもっともでございます。

 実は私も、去年までは花粉症には縁がないと思っておったんです。といいますのは、私は山の中で育ちましたし、子供の時代、中学、高校ぐらいから大学までですが、下草刈り、私らのところでは方言で小払いと言うんですけれども、そういう作業も随分手伝いましたし、木も植えましたし、したがって、そういったところでもう免疫ができていて、ないのかなと思っておったんですが、実はあれは全然違っていて、ある一定の容量にアレルギーがたまってくると、その容量を超えればみんななるそうなので、去年がどうもそのときの容量を超えたのかな、そんなようなことでありまして、まだひどい人に比べると楽な方なんだろうと思うんですが、そういう状況でございます。

 そこで、今先生の御指摘を聞いておりまして、二階から目薬を差す、そのことに、隔靴掻痒といいますか、そんな思いで受けとめられているのが、私も聞いておって非常によくわかりまして、ひょっとしたら長官は花粉症じゃないのかもしれないんですけれども、それはともかくといたしまして、御指摘のとおりで、やはり全体で四百五十万ヘクタール、杉林がある。しかし、やはりこの大都会、先ほどの話ですと、愛知とかそういったところが多くてということで、それはわかっているわけですね。どの程度で飛んでくるか、飛散してくるか、これも恐らくわかるんだろうと思います。

 そうすれば、どういう発生源がまずあって、そこを重点的にどういうふうに対策を組むかということだろうと思いますので、そういうちょっと全体的な論理を整理して、そしてそれに向かって、今、無花粉杉というのは、これは苗木を育てることも大事なんですが、杉は、あるいは品種によって違うのかもしれませんが、挿し木で芽が出るんですよね。芽が、根といいますか、つく。だから、これは全くクローンでありまして、それは挿し木でやれば、そっくりそのままその性質を受け継いでいく、こういうことですから、九州なんかは全部、とうの昔は挿し木でやったんです。ぱんと切って、それを挿して、それが木になっていく。だから、そういった方法もあると思うんです。

 いずれにいたしましても、小野先生の思いといいますか、御指摘の内容は痛いほどよくわかりますので、ちょっときょうを契機に、今までやっていなかったんじゃないのでありますけれども、なおさらに、やはりこういったところで答弁して、時間はかかるけれども、では、そういう取り組みなら効果が時間とともにあらわれてくるな、こういった御納得がいただけるような、ひとつそういう対策をしっかり林野庁としてつくるように、もちろん、関係各省が厚生労働省、文部科学省、気象庁、環境省とまたがっておりますが、いずれにしても、杉を所管する一番の役所としてしっかりした取り組みをしていきたい、小野先生の御指摘を本当に十二分に受けとめた形で取り組んでいきたい、このように思っております。

小野(次)委員 大臣、御丁寧な答弁、どうもありがとうございます。

 安倍総理は美しい日本づくりということを言われています。けさはたまたま東京は気温が低くて、風も余り強くないようで、電車の中でも、さっき僕が冒頭申し上げたような悲惨な状況というのは余り見られませんでした。

 私も実は、きょう質問と決まりましたから、症状があるときは薬を飲んでくるんですけれども、あえてきょうは飲まないで、この場でくしゃみの一回も出ればいいなと思ったんですが、なぜか、やはり緊張しているせいか、鼻水もくしゃみも出ません。

 そういう波はあるんでしょうが、美しい日本づくりというものを考える中で、妙齢のというか美しい女性の方が涙目で、また鼻の頭が赤くなってお化粧がとれちゃっているみたいなものを見て、余りこれは春先の日本というのは美しくないなという面もあるので、今大臣、前向きにお取り組みいただくというお話がありましたけれども、美しい日本づくりの一環だとぜひお考えいただきまして、御努力いただければ幸いでございます。

 ちょっと話題をかえます。

 大臣、大変生意気と言われるかもしれませんが、一言だけ私の印象、感想を別の問題について申し上げさせていただきます。

 私は、政治を志す前に、政治は正義を実現するものだという言葉を聞いたことがございました。私の前の仕事、大臣も御存じだと思いますので、ある方に、政治家と正義というのは、言葉の取り合わせがどうも私には似つかわしくないように思うんですがということを話しましたら、政治というのは世の中の不条理あるいは世の中の不公正というものを正すということが使命なんだ、それが、もしそのときの法律によって許されてしまっている不条理や不公正があるならば、その法律自体を直すことができるのが政治家の責任であり権限なんだと。だから、私が考えていたような、駐車違反をしているかとか、ちょっとスピード違反を一回しましたとか、そういう意味の正義、不正義のことを言っているのではなくて、社会的に本当に正さなきゃいけないものを正すのが政治家の使命だ、また政治の使命だということを聞きました。

 私は、その言葉を信じまして、今までの仕事をかえて政治を志した人間でございます。この前の選挙で自民党にもかなりたくさんの新人議員が生まれましたけれども、そのすべてかどうか、私は話し合ったわけではございませんが、かなりの人間が、やはり政治にそういう明るいものを期待して入ってきたという人間が少なからずございます。

 その意味で、連日大臣が御苦労されていることが、やはり大きな正義を実現するために耐えておられるんだというふうにお祈りするわけでございます。それが、大変、本当に生意気かもしれませんが、私も一応政治家になりました、政治家同士のこととして、どういう評価を受けるかということが、今申し上げたような正義を実現するということに照らして、多分、評価を自後にも受けるんだろうと思います。

 地元を回っておりまして、私は同じ党の一年生でございますけれども、やはり大変厳しい批判が、納得できない、説明尽くしていると思えないという声を直接、連日耳にしております。後輩として言われっ放しで聞き捨てならないなと思うんですけれども、何とも、同じことを繰り返して御説明するしかないわけでございます。

 何とぞ、現場を回ってそういう大変厳しい声があるということと、政治家の使命というものについて、理想を持って新たに政治の世界に入ってきている人間もたくさんいるんだということをお受けとめいただきまして御対処いただきますよう心からお祈り申し上げまして、ちょっと時間は三分ほど短いですが、私の質問を終わらせていただきます。

 きょうは、どうもありがとうございました。

西川委員長 次に、西博義君。

西委員 公明党の西博義でございます。

 初めに、大臣に何点かお聞きをさせていただきたいと思います。

 先日、公明党にバイオマス推進プロジェクトチームというのがございまして、そのチームで、つくば市の森林総合研究所それから産業技術総合研究所をそれぞれ訪問して、木質バイオマスからバイオエタノールを効率的に生産する、こういう研究施設を視察させていただきました。

 バイオマスの利用というのは、エネルギー問題の一環として大変今注目されているんですけれども、消費地に近いところで木質バイオマスが生産される。それから、その成分には硫黄がほとんど含まれていない。だから、有害ガスの発生が少ない。それから、燃やした後の灰はそのままそっくり無機質肥料として土壌に還元することができる。それから、木材を加工して、製材をしたりした切れっ端、それから残った木材等については、そのまま有効に利用できる。それから、価格が海外情勢などの外的要因に左右されにくい。そんなさまざまなメリットがあると言われております。国内でバイオ燃料を効率よく生産することができれば、これにこしたことはない。特に、資源エネルギー源の少ない日本では大変注目されるべき資源である、このように思っております。

 先日、ブラジルの農牧大臣は、対日輸出を見込んで、エタノールの生産を拡大する用意があるというふうに表明されたと言われております。訪日された際に、日本政府にエタノール燃料の本格導入を促す考えを示したというふうに報じられている紙面がございました。

 バイオ燃料の問題について、ブラジル農牧大臣との会談は、大臣との間でどのようなことが行われたのかということをまずお聞きしたいと思います。

 続いて、現在、バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議を中心に、国内生産の拡大に熱心に取り組んでおりますが、実用化段階ではバイオエタノールの所要量をどのように調達していくのかということを考えた場合に、日本だけで全量を賄うというよりも、輸入ということも検討しなければいけない、こんな状況も指摘されております。

 所要量の確保とバイオエタノールの輸入の問題について、あわせて、大臣にお伺いをしたいと思います。

松岡国務大臣 今、西先生から御指摘がございましたバイオ燃料のことでございますが、これはいろいろな角度があると思います。

 まずは温暖化対策に資する、そして地球環境を守っていく、そのためには緑の原料をもとにしたクリーンなエネルギーとしてのバイオ燃料を拡大していく。もう一つは、エネルギーの供給源の多角化を図っていく、エネルギー対策という点もあると思います。それからまた、そのことによって新たなエネルギー産業が起きて、これが農業を初め地域全体にも大きな雇用の効果、所得の効果をもたらしていく、地域活性化にもつながっていく、そういう幾つもの観点があると思います。

 そこで、私ども日本といたしましても、これに大々的に積極的に取り組んでいく。安倍総理も、特にバイオ燃料の生産の加速化を図る、こういうことを大きな方針として柱にしておられます。それを受けまして、私ども、工程表をつくれという御指示をいただきまして、それから何カ月かはかかりましたが、各省庁に御協力をいただきまして、工程表を二月の二十七日に総理に御報告を申し上げたところでございます。

 そして、そこでは二〇三〇年には六百万キロリットル、この六百万キロリットルというのは日本の車のガソリンの使用量六千万キロリットルの一割に当たる、それを何としてもバイオの燃料で賄おう、こういう目標を立てたところでございます。まだまだ今現在は研究段階ということで、実際の実用化段階には入っておりませんが、十九年度には予算措置も拡充をいたしまして、実用化に向けた第一歩を踏み出そうということで取り組もう、こういうことになった次第であります。

 そこで、ブラジルのゲデス農牧大臣との会談はどうであったかということでございますが、ブラジルは、このバイオ燃料、エタノールにつきましては、世界の一番先進国でありまして、ずっと以前からサトウキビを原料にしたエタノールを生産して、二五%をガソリンとまぜるというのをスタンダードにいたしまして、中には一〇〇%バイオ車というのもございますが、スタンダード二五%、これをいたしまして、それをもとに全車に及ぼしている、こういう一番のバイオエタノール燃料の先進国でございます。

 そこで、いろいろ会談をいたしまして、お互い情報の交換というか、向こうは大先進国、こちらはまだ今からということで、そういう程度の差はあるんですが、情報交換をいたしました。そこで、ブラジルの状況はよくよくお聞きをいたしましたし、我々の取り組みをどうやっていくかということもお話を申し上げ、今後、連携協力をしていただきながら、我々もこれを進めていきたい、このような話をしたところでございます。

 それから、今先生二番目にお尋ねの、輸入についてどうかということでございますが、この点につきましても、これは世界の環境問題、温暖化対策ということになりますと、こういったバイオ燃料の分野を広げていくということは世界全体の方向でございます。アメリカも、二〇一七年にはエタノールでもって一億三千万キロリットル、こういうことで、実に日本の二十二倍、日本は三〇年ですが向こうは二〇一七年で、二十二倍にも及ぶ生産をしよう、それにいろいろな意味であらゆる力を注ごう、こういう方針でございますし、世界全体がそういう方向に動いています。

 そういう中で、日本としては、生産だけではなくて、当然、輸入ということも考えられるわけでございますので、この点については、経済産業省が主になると思いますが、条件の整備等を図りながら、条件の整備というのは税制の問題とか車にどれくらいの割合で使用するかとか、こういった条件が諸外国に比べてまだ整っておりません。

 したがって、経産省が中心になると思いますが、私どももこういった点については、原料で輸入する、製品で輸入する、いろいろあると思うんです。そういったことに向けて、今後、十分そのことを認識しながら、各省とも協議をして進めていくことになる、このように思います。

西委員 今、大臣の見識のある御答弁をいただきました。

 石油関連製品のように、一たん燃やしてしまうとなかなかもとに戻らない、いわゆる循環しない、そういうエネルギー源に比べて、バイオマスというのは、再び土地に戻って、そしてまた生えてくるという循環ができる、これは環境にとっても大変重要な論点だと思います。さらに、日本では、バイオマス資源となる木がおかげでたくさん生育をしているという条件もありますので、やはりこのエタノール、バイオマス系の燃料を日本で独自に生産していく方法を、これから政府を挙げて確立していけるように、お願いをしていきたいというふうに思います。

 続いて、独法における外部資金の獲得について御質問申し上げたいと思います。

 「独立行政法人森林総合研究所の中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果」という書類がございますが、平成十三年から十七年にかけて、外部資金の獲得状況の推移がそこで示されております。受託研究については、少しずつ伸びておりますが、最終的には平成十七年度九件の受託を受けたというふうにございます。どこから受けたのか、どの程度であったのかということをお示し願いたいと思います。

 つまり、これから独立行政法人としてひとり立ちしていくためには、外部資金をどれだけ導入できるかということがその独立行政法人の将来を決することでございますので、どういう状況かということをお聞きしたいというふうに思います。

 それから、総合研究所がつくった「木質資源を有効に利用するための新しい技術」と題するパンフレットをちょうだいしました。研究所の職員に、こうした成果を例えば製材の会社、ハウスメーカーなどに営業する、せっかく立派な、そういう研究で種々の新しい方式を実験され、そして証明をされているんですが、それを売り出そうとする人はいるのだろうか。それから、実用化に向けた取り組みを具体的にどうしているのか。

 先ほど質問もありましたけれども、研究ということだけではこれからは社会的な責任を果たせないのではないか、こういう観点からの質問でございます。御答弁よろしくお願いします。

辻政府参考人 お答えいたします。

 森林総合研究所における平成十七年度の民間等の受託研究でございます。先生のお話のように、九件の委託になってございまして、その委託元は、財団法人等の公益法人が五団体、それから県が二県、独立行政法人が一団体、特殊法人が一団体でございまして、受託金額につきましては約五千九百万ということになってございます。

 それから、森林総合研究所におきましては、研究開発の成果の実用化とその普及を促進するために、研究成果選集などの配布あるいはデータベースの提供等によりまして、その利活用の促進を図るとともに、実用化等のために住宅メーカー等との共同研究も行っており、外部資金の獲得にも努力しているところでございます。

西委員 御説明いただきましたように、公益法人五件、県二県、独法、特殊法人、計九件ということで、まだまだ民間に対するアプローチが少ないんじゃないか。いわゆる公との関係で受託研究を受けているという、言えば税金がぐるぐる回っている、こういう感じの印象が強いわけですけれども、せっかくの研究ですから、もっと民間にも十分アタックをしていっていただきたいと思います。

 続きまして、生物多様性条約に基づく国家戦略に基づいて、林木、樹木に関することに関して、林木育種センターが、国内の絶滅危惧種の樹林を現場とそれから種子、遺伝子等で保存するという林木のジーンバンク、つまり種子をそのまま保存するということをやっております。

 この林木のジーンバンク事業、これはどのような樹木を対象に保存をされているのかということをお聞かせ願いたいと思います。あわせて、この事業のメリット、将来についてどのような構想をされているのかということについて、お伺いをいたします。

辻政府参考人 お答えいたします。

 先生のお話の林木育種センターのジーンバンク事業でございますけれども、これにつきましては、林木の育種事業を行う上で必要な樹木を対象といたしまして、その収集、特性評価、保存、増殖、提供等を行っているところでございます。

 具体的には、絶滅の危機に瀕している種等の希少あるいは貴重な林木遺伝資源を対象に、平成十三年度から平成十七年度までに、種子それから花粉、苗木の状態で七千五百六十一点を収集しているところでございます。

 このようなジーンバンク事業は、貴重な遺伝資源が滅失することを防ぐとともに、多様な林木育種ニーズに対応した新品種を開発すること等に大きな役割を果たしているところでございます。

 また、ジーンバンク事業で得たノウハウを活用いたしまして、天然記念物や巨樹、名木等の樹木を対象に、所有者等の要請により後継樹、クローンを無料で増殖するサービス、林木遺伝資源一一〇番というふうに称してございますけれども、これを平成十五年十二月から開設をしておりまして、高齢等で衰弱し枯損の危機にあった巨樹等について、平成十六年度末現在で四十八件の里帰りが行われているところでございます。

西委員 充実した事業をお願いしたいと思います。

 続きまして、私ども公明党は、先日、少し紹介しましたけれども、農山漁村地域の再生とともに、安全で安心な農作物の提供体制を構築するということを農林水産政策の大きな柱として掲げさせていただいております。

 安全で安心な農作物の提供体制を構築するために、環境保全型の農業を推進する、そして生産、加工、流通という全体を通して安全性を確保するということが大事だということを申し上げてきました。今回、肥料、農薬の検査を統合することによって、農場から食卓まで一連のプロセスを対象とした検査業務について、一体的に三つの独立法人が連携をするという体制ができるということにつきましては大いに評価をさせていただきたいと思います。

 今まで、農薬だけ、肥料だけという目で見てきたものが、組織の交流それから情報の交換等により全体観に立って物を見ることができるようになった、このことによって検査の見直しなんかにつながっていけばいいというふうに思っております。最終的には、その食べ物を口にする我々の安全ということに一つの集約点があるんだというふうに考えておりまして、組織の名称に安全という名称も今回入ることによって、実質的な意義を持たせることになったというふうに考えております。

 今回のこの統合によりまして、横断的な人事交流、それから情報が共有化され、そしてそれがフィードバックする組織づくりをぜひともやっていただきたい、こう考えておりますが、御見解をお願いしたいと思います。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 統合後の農林水産消費安全技術センターでございますが、御指摘いただきましたように、農場から食卓に至るまでの一連の過程を対象に検査等の業務を実施するということでございます。

 統合のメリットはというお尋ねでございますが、幾つかあるわけでございますが、例えば、スケールメリットを生かしました検査、分析能力の向上のための人材の育成、さらには、今までのノウハウを結集いたしまして分析技術の開発に一体的に取り組むこと、さらには、いろいろと国内で安全性の観点から承認がされていないような遺伝子組み換え体の流通が判明した、そういったような緊急時におきましては、総力を結集いたしまして迅速な検査または原因の究明を行う、こういったようなことが可能になるのではないかということを考えております。

 こうした効果的、効率的な業務運営をやりますれば、御指摘いただいたような人事交流ですとか情報の共有化といったことも進むと考えておりまして、しっかり統合メリットが出るように頑張っていきたいと思います。

西委員 一分早いんですが、これで終わらせていただきます。

 以上です。

     ――――◇―――――

西川委員長 次に、農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得ました。

 本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、御説明申し上げます。

 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として、昭和二十七年四月、議員立法により五年間の時限法として制定され、以後十度にわたり期限延長のための一部改正が行われました。これにより特殊土壌地帯における治山、河川改修、砂防、かんがい排水、農道整備、畑作振興などの事業が実施されてまいりました。

 今日まで半世紀以上にわたるこれら事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において改善がなされ、地域住民の生活向上に貢献してきたところですが、同地帯の現状は必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。

 すなわち、昨今の台風等による大雨災害に見られるように、甚大な自然災害が多発していること、また、農業をめぐる国内外の情勢の変化に対応し、特殊土壌地帯においても地域の特色を生かした競争力のある農業振興を図る必要があることなど、いまだに対応すべき多くの課題に直面しているところであります。

 これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続きこれら事業を強力に推進していく必要があります。

 こうした観点から、本案は、所期の目的を達成するため、本年三月三十一日をもって期限切れとなる現行法の有効期限をさらに五年間延長して、平成二十四年三月三十一日までとするとともに、法律の題名の一部を漢字表記に改めるものであります。

 以上が、本案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

西川委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。農林水産大臣松岡利勝君。

松岡国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の払われた御努力に深く敬意を表するものでございます。

 政府といたしましては、特殊土壌地帯の現状にかんがみ、本法律案については特に異存はないところであります。

 この法案が御可決された暁には、農林水産省といたしましては、関係府省と連携を図りながら、その適切な運用に努め、特殊土壌地帯対策を一層推進してまいる所存であります。

 委員長初め、委員各位の御指導、御協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。

西川委員長 お諮りいたします。

 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付いたしております起草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西川委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とするに決定いたしました。

 なお、ただいま決定いたしました法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十六分散会


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