衆議院

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第5号 平成19年3月20日(火曜日)

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平成十九年三月二十日(火曜日)

    午後二時二十九分開議

 出席委員

   委員長 西川 公也君

   理事 岩永 峯一君 理事 金子 恭之君

   理事 近藤 基彦君 理事 谷川 弥一君

   理事 並木 正芳君 理事 篠原  孝君

   理事 松木 謙公君 理事 西  博義君

      赤城 徳彦君    赤澤 亮正君

      伊藤 忠彦君    小里 泰弘君

      小野 次郎君    岡本 芳郎君

      北村 茂男君    斉藤斗志二君

      田中 良生君    中川 泰宏君

      永岡 桂子君    丹羽 秀樹君

      西銘恒三郎君    鳩山 邦夫君

      広津 素子君    福井  照君

      福田 良彦君    古川 禎久君

      御法川信英君    森山  裕君

      渡部  篤君    岡本 充功君

      黄川田 徹君    小平 忠正君

      佐々木隆博君    高山 智司君

      仲野 博子君    福田 昭夫君

      山田 正彦君    井上 義久君

      菅野 哲雄君

    …………………………………

   農林水産大臣       松岡 利勝君

   農林水産副大臣      山本  拓君

   総務大臣政務官      河合 常則君

   農林水産大臣政務官    永岡 桂子君

   農林水産大臣政務官    福井  照君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           町田 勝弘君

   政府参考人

   (林野庁長官)      辻  健治君

   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十日

 辞任         補欠選任

  飯島 夕雁君     田中 良生君

  今津  寛君     西銘恒三郎君

同日

 辞任         補欠選任

  田中 良生君     飯島 夕雁君

  西銘恒三郎君     今津  寛君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


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     ――――◇―――――

西川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長町田勝弘君及び林野庁長官辻健治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲野博子君。

仲野委員 民主党の仲野博子です。

 独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案に関しまして、何点か質問させていただきたいと思います。

 私は、昨年、この委員会で、独立行政法人の問題についても、私の地元にある独立行政法人に勤務されている方々の立場に立って質問させていただきましたが、ことしもまた、この改正案につきまして、まだ疑問点や明確にすべき点が何点かございますので、その観点から質問させていただきたいと思います。

 この独立行政法人制度は、中央省庁改革の一つとして、政策実施に係る一定の業務を効率的、効果的に実施することを目的として創設されました。

 本制度は、平成十三年に導入されてからはや六年が経過しようとしております。この間、政府は、簡素で効率的な政府の実現を図る観点から、行政改革を積極的に推進し、この一環として、独立行政法人制度において、各法人の中期目標期間の終了時に、組織、業務について抜本的な見直しが行われてまいりました。しかしながら、こうした見直しは、最初に予算の削減ありき、職員数の削減ありきで検討がなされてきたのではないかと考えております。国家の厳しい財政事情はよく承知しておりますが、重要なことは、必要とされているところにきちんと予算措置と人員配置が行われるところでございます。

 そこで、行政ニーズを踏まえた適切な予算措置、人員配置が行われているのかどうなのか。また、各法人の業務量を的確に把握した上で、効率的、効果的な人員配置が行われているのか。大臣にお尋ねいたします。

 あわせて、農林水産省として、この六年間をどのように総括されているのかもお尋ねしたいと思います。

松岡国務大臣 仲野先生にお答えいたします。

 先生、御指摘ございましたように、効率的、効果的、まさにそのことを最大のねらいとしてこのような整理統合ということをやったわけでございますが、改革として進めてきたわけでございますが、今回、検査三法人を統合いたしまして発足いたします農林水産消費安全技術センターは、農場から食卓までの一連の過程を対象に検査等業務を一体的に実施する、こういう目的で行うものでございます。

 新法人の発足に当たりましては、達成すべき業務の内容や組織のあり方について、国として、これまでの業務の実績等も十分踏まえまして、中期目標を定め、これに基づきより効果的な業務運営に努めるよう指示するということにいたしております。

 なお、検査三法人におきましては、これまで、食品表示の監視や肥飼料及び農薬の安全性の検査など、食の安全の確保と消費者の信頼を確保するために重要な役割を果たしてきた、このように考えております。

仲野委員 それでは、まず農林水産消費技術センター、肥飼料検査所及び農薬検査所の統合について、お尋ねしてまいりたいと思うんです。

 近年、国内外でのBSE及び鳥インフルエンザの発生、食品の偽装表示などを契機として、食品の安全や食に対する消費者の信頼が大きく揺らいでいるという実態にあるわけであります。このような状況のもと、国として、食品の品質や表示の適正化を図るとともに、科学的知見に基づいた食品安全行政の推進を図っていくことが大変重要な課題となっているわけであります。

 そこで、二点についてお尋ねしてまいりたいと思います。

 その一点目でありますが、今般の検査・検定三法人の統合によって、食品安全行政がどのように強化され、食品の安全性や食に対する消費者の信頼の確保にどのような役割を果たすのか。二点目は、各法人の事務事業の一体的実施の効果として、管理業務の効率化のほか、統合によって相乗効果を期待しているとのことですが、どのような効果が期待できるのか。

 この二点について、まず大臣の見解を求めたいと思います。

松岡国務大臣 まず、検査・検定三法人の整理統合によってでございますが、先ほども申し上げましたように、新法人におきましては、農場から食卓までの一連の過程を対象に検査等の業務を一体的に実施するということで効果があるわけでございます。

 それから、法人の運営に当たりましては、何といっても、まず、端的に申し上げまして、管理業務の、管理部門の簡素化を行う、そしてまた一方で、検査部門を強化していく。管理部門は簡素化するが検査部門は強化をする、こういったところに力点を実は置いておるわけでございます。

 それに対しまして、消費者の関心の高い農薬等の安全性や原産地など食品に関する情報の一元的な提供、それからスケールメリットを生かした検査、分析能力の向上、さらには緊急時における総力の結集、こういった食の安全と消費者の信頼確保のための大きな効果がこの統合によって期待できる、このように考えております。

仲野委員 今大臣から、統合によってメリットが非常に大きいということでお答えをいただいたんですけれども、しかしながら、一方では、統合によってデメリットも大きくなってくるのではないのかなということも懸念されるわけであります。

 なぜなら、この三法人の統廃合については、統合により、業務が逆に肥大化し、迅速な意思決定や着実な業務の実施に支障が生じることが懸念されるのではないのかと。また、三法人のそれぞれの業務内容や求められる専門性も大きく異なっているため、これらの法人を統合した場合、マネジメントの方法や職員の資質に相違があることから、緊急時の対応などにおいて支障が生じるおそれもあると考えるわけであります。

 その上、独立行政法人は、人件費についても国家公務員に準じた削減に取り組むこととされており、各法人が今後五年間で五%以上の人件費の削減を求められているわけであります。こうした目標は統合後の新法人にも引き継がれるとされているわけでありますが、この人件費の削減によるしわ寄せは、すべて現場で働いている職員に及んでしまうのではないのかどうなのか。このように、効率化を図る余り、現場の職員に大きな負荷がかかり、むしろ業務に支障が生じてしまうことが懸念されるわけであります。

 そこで、統合によるこのデメリットについてどのように考え、業務に支障が生じてしまうことが最も懸念される緊急時への対応についてはどのような方策を考えているのか、福井政務官の御答弁をお願いいたします。

福井大臣政務官 御指名、本当にありがとうございます。

 今、三法人統合のデメリット、特に、人件費、現場のしわ寄せについて、いかに配慮しているかということでございます。

 今回の統合では、組織論では、一本部五地方組織、これまでの実態に着目いたしまして、六ブロックに組織を置きます。そして、検査業務を実施していくということにしておりまして、現場を大事にするという意味で、特段の問題は生じないと考えておりますし、生じないように指導させていただきたいというふうに思っております。

 また、緊急の問題への対応ということでございますけれども、例えばということで、統合前においても、未承認の遺伝子組み換えトウモロコシBt10の水際での緊急検査については、実際に肥飼料検査所で行いました。そして、農林水産消費技術センターで連携をして実施をしたということで、このような事例をもとに、また、これからも緊急の問題に対処していくということで、食の安全の確保のために迅速な対応に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。

 そして、いろいろ専門性が別々の人に分かれてマネジメントが心配だということでありますけれども、統合後において、こういう緊急の問題が生じた場合には、検査、分析技術に係る知見を結集するということ、そして、理事長のトップマネジメントのもとで、これまで以上に機動的かつ効果的に対応できるものというふうに考えておる次第でございます。

 以上です。

仲野委員 今回の再編統合に当たっては、まず国、地方公共団体などの役割分担を踏まえて、統合後の法人が担うべき役割を明らかにしておく必要があると思います。その上で、その任務、役割との関係を踏まえた重点化や効率化に向けた取り組みを行うことが必要であると考えるわけであります。

 平成十七年の総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告の方向性においても、検査・検定三法人の統合について、食品の表示、監視業務の実施に当たっては、地方公共団体はもとより、国などとの役割分担を踏まえ、農林水産消費技術センターが担う任務、役割をまず明確にし、重点的かつ効率的に行うこととされているわけであります。

 そこで、この統合後、見直しが予定されている中期目標などに、具体的に国、地方公共団体と統合後の独立行政法人の役割分担はどのように明記される予定なのか、政務官にお尋ねしたいと思います。

福井大臣政務官 先生御指摘の、中期目標の中での国と地方と独立行政法人の役割分担ということでございます。

 今先生御指摘のように、消費者の信頼の確保のためには、食品に正しく表示がなされているということについて、科学的な知見に基づいて適切に確認されているということが必要であるという認識は共通していると思います。

 このため、新しい法人におきましては、食品表示の監視に当たりまして、DNA解析技術を用いた原産地の確認とか、専門的な知識や高度な分析手法を用いた検査を実施するということとしております。その旨、この新法人の御指摘の中期目標にも明記をしたいというふうに考えてございます。

 一方、国や都道府県におきましては、この新法人の検査データを活用しながら、店頭における調査、そして仕入れ伝票などの確認、仕入れ先への遡及調査などを実施するということによりまして、不適正表示の摘発、その改善に取り組むということが国や都道府県の役割でございます。

 以上のような役割分担のもと、国、地方、新法人がJAS法上の連携を行いながら、食品表示の適正化を図るため、監視の徹底に努めてまいりたいということでございます。

仲野委員 しかし、国、地方公共団体、独立行政法人の役割を分担するに当たっては、食品表示監視業務に係る行政の主体をどこに置くのかという問題があると思うんです。

 農林水産消費技術センターが所管している食品の検査などについては、実際には各都道府県の検査技術のレベルが異なっていることから、農林水産省が都道府県に対して資金や技術の提供を行い、レベルの底上げを図っているところであり、将来的には地方自治体に移譲すべきだという御意見も聞こえてくるわけであります。

 しかしながら、私は、政府が国から地方への観点から行政改革を進めているからといって、食品表示監視業務を安易に地方自治体に移譲することには賛成できません。地方自治体に完全に移譲してしまえば、機能不全を来すリスクが生じてくるのではないのかどうなのか。食の安全、安心を確保していくためには、地方自治体の対応だけでは不十分で、国が最後の一線を守る体制を保持すべきではないのかと考えるわけであります。その上で、それぞれが緊密な連携を図り、それぞれの役割を果たしていくことが大変重要であると考えているわけであります。

 将来的に、都道府県の検査業務と、国と統合後の法人の業務との関係をどのように整理されていくのか、政府の基本的な考え方を、また政務官にお尋ねいたします。

福井大臣政務官 再度、特に検査業務について、国の役割が非常に重要であるという御指摘、まさにそのとおりでございまして、正確に役割分担を表現させていただきたいと存じます。

 まず、食品に対する消費者の信頼を確保する観点から、食品に関する情報が正確に伝えられることがまず重要だ、これはおっしゃるとおりでございまして、そのためには、食品表示の監視が、着実に行われる必要があるというのが課題認識でございます。

 このような中で、新しい法人は、DNA解析技術などの科学分析を用いた食品表示の確認など、専門的な知識や高度な分析手法を用いた検査を担当するということでございます。そして、国や都道府県は、小売店舗や卸業者において品質表示が適切に行われているかを調査して、不適正表示の摘発、その改善に取り組むということでございます。

 特に、今、国と都道府県との役割分担という御質問でございましたので、都道府県域を超えて事業を営む業者は国が、そして、都道府県域内の業者は都道府県が、それぞれ監視、指導を実施するという役割分担をさせていただきたいと存じます。

 まさに、食品表示の監視業務につきましては、さきに申し上げたとおり、新法人と国、地方が連携しながら推進してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

仲野委員 検査・検定三法人の地方組織などについても、この統合メリットを最大限発揮するとともに、効率的かつ効果的な運営を確保する観点から、再編統合することとされているわけであります。

 しかしながら、農林水産消費技術センターと肥飼料検査所では、いずれも迅速な立入検査が必要であり、今後、地方組織を再編統合すれば、立入検査などの現場対応の効率性や迅速性が損なわれる地域が生じたり、特定の地方組織の業務が膨大になり、施設などの面で対応が困難になるなどの不都合がまた生じることも危惧されるわけであります。

 また、地方組織の再編統合によるしわ寄せは、先ほど申し上げましたけれども、すべて現場で働いている職員に及んでしまうのではないのかどうなのか。このように、効率化を図る余り、また職員に大きな負荷がかかり、業務に支障が生じてしまうことも懸念されているわけであります。

 これらを踏まえて、三法人の地方組織などの再編統合について、農林水産省の基本的な考え方と今後のスケジュールについて、松岡大臣にお尋ねしたいと思います。

松岡国務大臣 先生の今の御指摘の点でございますが、まず、現在は、三本部、十二の地方組織から成っております。農林水産消費技術センターが一本部七センター、肥飼料検査所が一本部五事務所、農薬検査所が一本部。この三本部十二組織から一本部五地方組織へ整理統合をする、このような計画でいるわけでありますが、今回の検査三法人の統合におきましては、統合メリットを最大限発揮いたしますとともに、効率的、効果的な運営を確保するということにいたしております。

 検査三法人におきましては、検査対象の事業が多く所在する地域に地方組織を設置するなど、業務量に応じた適切な組織配備を行っているところでございます。

 新法人におきましても、これまでの実態に着目いたしまして、六ブロックに組織、一本部五地方組織を置きまして、検査業務を実施していくこととしておりまして、引き続き業務の適切な実施ができる体制は維持できる、また維持する、このように考えております。

 いずれにいたしましても、地方に必要な組織を存置する、そういうことで整理統合を行ってまいる、不都合のないように対処できるようにしてまいる、こういう考え方でございます。

仲野委員 どうしても、こういった法案を上程する場合には、やはり上程する責任として、これは力強くお答えをいただくわけであります。

 検査・検定三法人の職員の身分についてお聞きしてまいりたいと思うんですが、平成十七年度末に中期目標期間が終了した独立行政法人の見直しの結果、整理統合後、四十二法人のうち三十八法人が非公務員型の独立行政法人となりました。統合後のこの農林水産消費安全技術センターは、公務員型として残された四つの法人のうちの一つになるわけであります。

 独立行政法人通則法では、特定独立行政法人は、その業務の停滞が国民生活または社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものその他法人の目的、業務の性質などを総合的に勘案して、その役職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるものと定義されているだけであり、特定独立行政法人とする具体的な基準が明らかにされておりません。

 検査・検定三法人について、統合後の法人を特定独立行政法人とする理由とともに、特定独立行政法人とする具体的な基準について大臣の見解をお尋ねしたいと思います。

松岡国務大臣 先生の御指摘のとおりでございまして、公務員型の独立行政法人、これに該当するということでございますが、今回統合いたします検査三法人につきましては、まず、BSEの発生等によりまして、国民の関心が非常に高い、食品の安全性等に関する検査等を行っていること、これが一つでございます。それから、食品の安全性を確保するために、肥料取締法、農薬取締法、飼料安全法等に基づく、強制力を背景とした立入検査や、広範で多数の検査、分析等の業務を行っていることなどから、統合後の法人の身分につきましては、平成十七年十二月二十四日に閣議決定されました行政改革の重要方針によりまして、引き続き国家公務員とすることとされたところでございます。

 いずれにいたしましても、国民の生命、健康に直結する、食品の安全性、そういったことに関する検査である、こういったことから、公務員型の独立行政法人として存置をする、このようになった次第でございます。

 それから、先生がおっしゃいました公務員型の独立行政法人とする基準ということでございますが、これは、「その業務を国家公務員の身分を有しない者が担う場合にどのような問題が生じるのかを具体的かつ明確に説明できない場合、当該法人を特定独立行政法人以外の独立行政法人とする。」と。ちょっと言葉上何となく、もう一遍言わないとわからないようなところでありますが、このような考え方によりまして基準を設けている、この基準によってそのような仕分けをしているということでございます。

 また、独立行政法人通則法第三十五条によりまして、中期目標期間終了時において事務事業の見直しを行うということにもなっております。

 以上によりまして、これを公務員型の独立行政法人として存置をする、こういうことでございます。

仲野委員 今お答えをいただいたんですけれども、平成十七年の総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会の勧告の方向性において、検査・検定三法人の事務及び事業の一体的実施に当たっては、次期中期目標期間においては公務員が担うこととされておりますが、当該事務及び事業は、次期中期目標期間の終了時には改めて見直しの検討対象とすることとされております。

 今回、検査・検定三法人の非公務員型への移行は見送られているわけであります。新しい中期目標期間は平成十八年度から二十二年度までとされていますので、日夜働いている職員は、それまでは公務員という身分で勤務することになるはずでありますが、その後の身分は約束されておりません。

 私は、昨年の独立行政法人関係法律の見直しの際、本委員会において、今回の見直しに係る実質的な議論は、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会や行政改革推進本部独立行政法人に関する有識者会議と、主務省である農林水産省との間で行われているだけで、一番肝心な現場の対象法人で実際に働いている研究員や職員との話し合いが十分に行われていないとの指摘をさせていただきました。次の見直しの検討においてもトップダウン方式による一方的な見直しが行われれば、再びその決定過程に対象となる法人職員は参画できません。

 このような状況において、現場の職員は常に不安にさらされながら業務を行うこととなるわけであります。これでは、職務上の士気にも影響が及び、業務にも支障が生じてしまうのではないのかどうか。安全な食料の安定的供給を図り、国の安全、安心と消費者の信頼を確保することは、国の最も基本的な責務であります。先ほどから、このことに関しては責任を持って責務を遂行するということで御答弁いただいておりますが、このような最重要課題を担う職員の業務がおろそかになるようなことがあってはならないと思います。

 そこで、現場で働いている職員のためにも、次期中期目標期間の終了時における見直しの検討の際、農林水産省としてどのような姿勢で臨むのか、大臣の決意を含め、見解を求めたいと思います。

松岡国務大臣 仲野先生の御指摘の点につきましてでございますが、今回の見直しに際しましては、その内容につきましては法人の職員の十分な理解が得られるように、そういう説明を行ってきたところでございまして、各法人においても、現場の職員の皆様方の意見を踏まえつつ、統合後の組織、業務のあり方について検討がなされてきたと承知いたしております。

 ちなみに、私の手元にありますのは、独立行政法人の職員に対する説明等の実施でございますが、独立行政法人の事務事業の見直しにつきましては、評価委員会等の開催の都度に職員に対する説明、意見集約を行ってきた、このように聞いているところでございます。

 平成十七年十二月二十四日の閣議決定に至るまでに十二回の実施をした。平成十七年七月二十二日に全農林の皆様方に対しまして御説明をして以来、八月五日、八月九日、九月十三日、十月十三日、十月二十日、そして十月二十一日から二十四日には一般職員の皆さん、それから十月二十七日はまた全農林の皆様方、十一月一日にも全農林の皆様、それから十一月の二日にも全農林の皆様、十一月十五日から二十五日までには全農林の皆様及び一般職員の方、そして十一月二十四日に全農林の方々に、都合十二回の御説明を行って十二月二十四日の閣議決定に至った、こういうことでございます。これが経過でございます。

 さらに、今、先生から今後についてというお尋ねがございました。そこで、今後についてでございますが、時期の見直しにつきましても、関係者や現場の意見を踏まえつつ適切な検討を行ってまいりたい、このように考えております。

仲野委員 十二回ほど、皆さん方の、働いている方たちのお声を聞かれたということで、また、時期についても、そういったことをおろそかにしないでやっていただくという旨のお答えをいただきました。

 実際、私の地元釧路市でも、北水研という試験研究機関がございまして、今、国の三位一体改革絡みで、財政難ということもあって、やはりいろいろな意味で食の安全、安心を多くの方に提供するということは、きちんとした試験研究の成果を図られた上で、しっかりとこのことについてやっていただきたいことを期待して、私、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

西川委員長 次に、高山智司君。

高山委員 民主党の高山智司でございます。

 きょうは、農水委員会で、独立行政法人の問題に関連して、まず大臣に伺いたいんですけれども、また最近、自民党の偉い人が、役所に忠誠を尽くす官僚というのはもう想定外だ、総理の言うことをちゃんとやってくれ、これは公務員の天下りのことだと思うんですけれども、これに関連して大臣にまず伺いたいんですけれども、農林水産省のいわゆる事務方から、この天下りの件に関して、大臣に何か報告がありましたか。

松岡国務大臣 特別何も報告はございません。

高山委員 大臣、いわゆる天下りというか再就職の問題について、絶対天下りは許されない、それこそ独立行政法人だとか、あるいはその他団体に食いぶちをただ見つけるだけの無駄な仕事じゃないかというような意見もあるんですけれども、大臣は、この再就職の問題について、どういう御見解をお持ちか、教えてもらえますか。

松岡国務大臣 ちょっと最初の言葉がよく聞き取れなかったんですが、またちょっと最初から正確にお願いできますか。

高山委員 だから、この天下りについての大臣の見解ですよ、公務員の再就職、こういうことに関して、大臣は今どのようにお考えか。総理からは、押しつけ的な天下りはもうだめだ、そしてまた、一元化して、各省の人事担当者が采配していくのではなくてというような案が出ていますけれども、大臣は、御自身の考えとして、まずこの再就職を一般論としてどう考えているか。また、今回の政府案というんでしょうか、総理案というのかな、これについて、どのようなお考えを持っているか。

松岡国務大臣 この問題につきましては、安倍総理の大原則、大方針が示されております。その基本は、押しつけ的な、そしてまた制度や予算やそういったことを背景にした、いわゆる強制的なものであってはならない、これは全く私もそのとおりだ、このように認識をいたしております。

 それから、具体的な内容につきましては、渡辺担当大臣の方で案をつくる、その案をつくって、その上で各閣僚に示すということになっておりますので、今、どのような具体的な案ができるのか、それを見守っているという段階であります。

高山委員 ちょっと所管外ではあるんですけれども、松岡大臣のお考えを伺いたいんですけれども、再就職のあっせんに関して、内閣府なのかどこなのかわかりませんけれども、どこかに一元化してそこが行う方がいいのか。それとも、やはりこの人の、例えば農水省の公務員であれば、農水省の人が一番よく知っているわけですから、その人の特性とかを。農水省の人事担当者が、いや、この人はこういう人なんでねと少し関与してやられる方がいいのか。どちらがいいというふうに大臣は考えていますか。

松岡国務大臣 それはまさに政府全体として、その担当大臣が、今そのどちらがいいかということも全部総合的に勘案、判断しながら案をつくっておられますので、それができるのを私どもは見守っている、こういうことでございます。

高山委員 何か最近、大臣は随分慎重な物言いがふえてきたなという印象がするんですけれども。

 大臣、それでは、またきょう五時からもう行かれてしまうということですので、五時から海外に行かれるということなので、WTO、それは頑張っていただきたいんですけれども、その前に聞かなきゃいけないことを何点か聞いておきます。

 事務所費の問題ですけれども、この事務所費の点に関して、いわゆる水とかを含めての光熱費の問題というので、大臣、最近取りざたされていますよね。これに関して、我が党の中井議員が先週の金曜日、記者会見を開いて、また収支報告書を訂正されたわけですけれども、こういったことを受けて、安倍総理の方から何か松岡大臣に指示がありましたか。

松岡国務大臣 事実関係だけお答えいたしますが、特別指示はございません。

高山委員 この政治と金の問題で、最近やはり随分国会でも審議が多いですし、これは、みずから進んで明らかにしなきゃいけないなと思っているんですけれども、この点に関して、まず、中井議員がみずから進んで明らかにされた、法律で求められていること以上の、領収書なんかを全部持ってきて、今回つけかえを認めて訂正をされたわけですけれども、この件に関して、では松岡大臣自身はどうお考えですか。再度、これはお伺いします。

松岡国務大臣 特段申し上げることはございません。

高山委員 松岡大臣のこの光熱費の部分について、ちょっとターゲットを絞ってお話を伺いたいんですけれども、これは、何度もほかの委員会でも答弁されておりますけれども、光熱費に入れてはいけないようなもの、そういうのを入れてしまっているということはありませんね。これは確認なんですけれども。

松岡国務大臣 会計責任者の方からは、適切に整理をし報告をしていると聞いておりますし、また個別の内容に関することにつきましては、これは何度も申し上げておりますように、現行の法令、制度で求めていることではございませんので、それ以上のことは控えさせていただきます。

高山委員 まず前段の会計責任者から適切に処理しているという報告があったということですけれども、これは何をもってして適切と言うのか、もう少し詳しく説明してください。

松岡国務大臣 要するに、適切に報告をしているということであります。

高山委員 いや、光熱費がゼロの議員会館で、六百万とか五百万の光熱費を計上しているのは不適切じゃないですかというふうに世間で今言われているわけですよね。それで、今、何をもってして適切と言うんですかというふうに聞いていて、適切は適切だというのでは答弁になっていないので、その適切の中身を具体的に説明してください。

松岡国務大臣 その中身ということは、個別のこれは内容にかかわることでありますから、それは現在の法令、制度ではそこまで求められておらぬということを申し上げているわけでありまして、したがいまして、報告を受けていることが、これはそれをもって適切である、このように申し上げておるわけであります。

 現行の法令、制度に基づいたことであります。

高山委員 会計責任者から適切に報告を受けているというのがその適切の中身だということなんでしょうか、大臣。これは確認なんですけれども。

松岡国務大臣 現行の法令、制度に基づいて報告を受けております。

高山委員 現行の法令、制度に基づいてというようなことを他の委員会でも答弁されておりますけれども、例えば、我が方の中井議員は、現行の法令以上のことを公開して、国民に納得していただこうということで公開したわけですけれども、現行の法令以上のことをどうして松岡大臣はみずから進んでやらないんですか。

松岡国務大臣 私は、中井先生のことを事実関係もよく承知いたしておりませんので、それに特別申し上げることはございませんが、中井先生がやられたことが法律以上のことなのか、法律の範囲で言われたのかよくわかりませんが、いずれにいたしましても、現行法令、制度で定められたそれ以上のことということであれば、私は、その基準なり、またどういう形で対応するのか、そのことについて、ルールを各党各会派で整理していただければ、それに従って対応いたします。法令の運用にかかわることでもありますから、その法令の、どのように運用した対応をしていくのかというルールをつくっていただければ、それに従って対応いたします。それは、各党会派によって法令の運用としてのルールをおつくりいただければ、このことを申し上げておるわけであります。

高山委員 前回、予算委員会でも、これは総務省の方からもう答弁いただいているんですけれども、現行法では今の収支報告以上のことを公開することを別に禁じてはいないわけですけれども、なぜ松岡大臣は必要最小限のことでいいんだ、それ以上みずから積極的に公開することをしないのか、そこの部分をなぜか教えてください。

松岡国務大臣 やはり一定の基本、一定の基準といいますものは法令が基本になると思っております。したがって、法令にのっとってやっておるということを申し上げておるわけでありまして、また新たな、それ以上の対応ということになりますと、一定のルールを各党各会派で協議の上お示しいただければ、それに従って対応するということを申し上げております。

高山委員 大臣、我々国会議員はまさにルールである法律をつくっている立場でありまして、その国会議員である、大臣もそうですけれども、我々が、いや、法律がこれだからこれでいいんだということでは、国民の目から見てお手盛りの感を否めないと思うんですけれども、この点は大臣はどうお考えですか。

松岡国務大臣 まず何よりも、基本は法令に基づいているかいないかだと思っています。したがって、法令に基づいて対応しているということがあくまでも基本だ、このように考えております。

高山委員 それはあれですか、大臣は、では法律でここまでやっているんだから、もうそれで十分じゃないか、別にそれ以上はやる必要はないんだ、このように考えているんでしょうか。もう一回、確認なんですけれども。

松岡国務大臣 何度も申し上げておりますが、法令に基づいて対応をし、既にそのことはすべて尽くしております。現行の法令、制度で定められ、求められたものは、すべて尽くしております。

 それ以上の対応につきましては、その基準やあり方につきまして、どのような形でやるのかというあり方につきまして、各党各会派でルールを整理していただければ、各党各会派で整理されたルールに従って対応する。一切しないとは申しておりません。それに従って対応する、このように申しております。

高山委員 いや、それは、各党会派でやったらそのルールに従うなんて、そんなの当たり前のことじゃないですか。それでさらに従わなかったら、それは本当にそれこそ問題なんですけれども。

 この点、この点というか、これは安倍総理のメールマガジンというのがあって、この中に「海に平気で空き缶を捨てる子供に対しては、」安倍総理が言っているものですよ、これは。「法律で禁止されていなくてもそうした行為は恥ずかしい、やってはいけないのだという道徳や規範意識を身につけさせることが必要です。」こんなようなことが安倍総理のメールマガジンに書いてあるんですけれども、今回の松岡大臣の対応というのは、まさに、空き缶を捨てて、いや、そんなの法律で捨てていけないなんてどこにも書いていないからとうそぶく子供のような、そういう印象を持たれかねませんので、ぜひ、法律で規定してあるからそれでいいんだというのではなくて、それ以上の対応を大臣に求めたいと思うんですけれども、これはもう繰り返しの答弁になりますので。

 これは確認なんですけれども、大臣は、光熱費に関して、これはもう他の項目に入れるべきところを光熱費に入れてしまったというような、いわゆるつけかえですね、つけかえ。これはわかりますね、つけかえがどういうことかというのは。つけかえはもうないということでよろしいですか。

松岡国務大臣 何度も申し上げておりますように、個別にわたることにつきましては、個別のことでありますから、既に報告したとおり、それ以上のことにつきましては、法律で求められていることでありませんので、新たなルールがあればそれに従って対応するということでございます。

高山委員 大臣、済みません。個別の事柄と言いましたけれども、光熱水費という項目と、あるいは事務所費という項目、あるいは消耗品という項目、これは法律で仕分けをするように求められていますので、どういうふうに仕分けしているか、これは答弁してください。

松岡国務大臣 それは会計責任者が、必要に応じて総務省や、総務省やといいますか、以前は自治省でしょうけれども、相談をし、適切に判断をして整理していると思います。

高山委員 ですから、ずばり伺いますけれども、光熱水費のところにつけかえはありませんね。確認です。

松岡国務大臣 何度も申し上げておりますが、またおわかりの上でお聞きになっていると思いますが、それは適切にその担当者が判断をして、整理をして報告しておる、このように聞いております。

高山委員 適切に会計責任者が判断しているというのは、つまり光熱水費のことに関してつけかえはない、こういう理解でよろしいですか。

松岡国務大臣 先ほど言いましたように、どのように整理して報告するかということについては、必要に応じて総務省や旧自治省の担当のところと相談をして報告をいたしておるということでございまして、内容にわたることをここで申し上げるという必要はないと思っております。

高山委員 済みません。内容にわたることということをおっしゃいましたけれども、光熱費等のところに光熱費のものを入れるというのは、これは法律の求めるところなので、つけかえがあるかないかということを聞いているんですよ、大臣。きちんと答えてください。

松岡国務大臣 何度も答えておりますが、内容につきましては、そのことを整理いたしておるということでありまして、全部総務省や旧自治省と相談の上、整理をして報告いたしておる。

 以上であります。

高山委員 前回、予算委員会でも聞きましたけれども、総務省は実質的にはこれは教えてくれないわけですよね。この一本五千円するミネラルウオーターをどっちに入れたらいいですかと言って、これは、いや、こっちですね、これは言ってくれないわけですよ、総務省は。だから、それはその会計責任者の人の判断でただやっているだけですよね。

 それで、今これだけ問題になって、いろいろ先生の事務所でも、これで本当に間違いがあったらえらいことだろうと思って多分精査をされていると思うんですけれども、その中でつけかえがあったんですか、なかったんですかということを聞いているんですよ。

 中井議員はつけかえがあったことを認めて、これは訂正しているわけですよね。だから、松岡大臣はつけかえがあったのかな、なかったのかな、そこを聞いているんですけれども。つけかえがあったかなかったかだけですよ。

松岡国務大臣 何度もお答えいたしておりますが、その個別の内容についてはきちんと整理をし報告いたしておるわけでありまして、その内容について、あなたのおっしゃることに対して右か左かということをお答えする必要はないと思っております。

高山委員 ちょっと待ってください。ちょっとおかしい。

 個別の内容というのは、一本五千円のミネラルウオーターをどこに入れているんですかとか、これが個別の内容ですよ。今聞いているのは、大臣が適切に全部報告されていると言うから、つけかえがあったんですか、なかったんですかということを聞いているんですよ。光熱水費が五百万だ、これは本来ほかのところに入れるべきお金を何かつけかえて光熱費に入れちゃったのかどうか、そこを聞いているんですよ。

 だから、もう一回聞きますけれども、つけかえがあったんですか、なかったんですか。これは内容にわたることではないので、答弁してください。

松岡国務大臣 つけかえがあったかなかったかということも含めて、私は、適切に報告をされているということを申し上げておるわけでありまして、それ以上の答えはないと思っております。

高山委員 今の大臣の答弁を論理的に聞くと、つけかえがあったかなかったかということも含めて適切に報告されている、こういうことですね。つまり、つけかえはなかったんだ、こういうことでよろしいですね。

松岡国務大臣 いずれにいたしましても、現行の法令、制度に基づいて、そして必要に応じて総務省や旧自治省とも相談をし、整理をし、報告をしておる。したがって、適切に報告をされている、このように聞いております。(発言する者あり)

西川委員長 いや、挙手されれば指名いたします。

 高山智司君。

高山委員 それでは、大臣に伺いますけれども、適切に報告されているということですから、大臣は今後、収支報告を訂正されませんね。

松岡国務大臣 されるされないということまで、ここであなたにそのようなことを報告する必要もありませんし、それはここでお答えをする範囲を超えていると思っております。

高山委員 大臣、それはここで答えていただく範囲ですよ。だって、適切に全部公開しているのであれば、訂正する必要ないじゃないですか。だから、もう訂正する必要ありませんね、大臣のこの使途報告は、収支報告は。

松岡国務大臣 それも含めて、いずれにいたしましても、適切に対処してまいりたいと思っております。

高山委員 ちょっと今の意味がよくわからなかったんですけれども、だから現時点では、訂正は、松岡大臣のは訂正箇所があるのかなといったら、何とかというNPOからですね。WBEFというところの収入百万円あったというのを追記しただけで、今のところ訂正はないんですよ。今後、じゃ、もう訂正はされないということですか、それともされるかもしれないということですか、どちらですか。

松岡国務大臣 あのときは、全く記載すべきものがミスで記載をされておりませんでしたので、記載するべく修正をいたしたところでございます。また、返還もいたしましたから、そのことも含めて、あわせて修正もしたわけでございます。したがって、そういった意味合いにおきまして、適切に対処してまいりますと言っております。

高山委員 いや、だから今後のことを聞いているんです。今後のことを聞いているんですよ、今後のこと。今後のことを今答えていない。今後のことを答えてない。

松岡国務大臣 今後のことは、そこにそうやって言っておられる方々も含めて、今後のことはどうなるか、それはわからないんじゃないですか。だからといって、こっちは適切に対処するということを申し上げておるわけであります。

高山委員 いや、そんなことないですよ。大臣、大臣はこれだけ、だって、会館で事務所費が本来ゼロだろう、光熱水費だって全部ただだ、そこで五百万円も光熱費を計上している、怪しいじゃないかというふうに今思われていて、だから、御自身でいろいろ調べて、本当に適切なんだったら、訂正する必要ないじゃないですか。訂正するんですか、これから。しないんですか。どっちなんですか。

松岡国務大臣 したがって、それは法令に基づいて適切に対処するということを申し上げておるわけでありまして、それに尽きます。

高山委員 ちょっと確認なんですけれども、あと、法令上に求められていることなんですけれども、会計帳簿類の保管についてなんですけれども、これは政治資金の十六条ですけれども。

 これは、大臣の事務所は今どういうふうになっていますか。きちんと保管されていますか、会計帳簿類は。

松岡国務大臣 法令に定められた必要な範囲において、それも適切に保管をいたしておると聞いております。

高山委員 記者会見では、その帳簿に領収書もついているんだ、領収書も全部保管されているというようなことを言っておられましたけれども、これは委員会なのでもう一回確認なんですけれども、その帳簿に、光熱水費の領収書等、こういうものは添付されていますか。

松岡国務大臣 法令で定められた必要なものにつきましては、適切に保管をしてあるというふうに聞いております。

高山委員 法令で帳簿はとっておく、それを示す計算書類のたぐいですね、領収書だとかあて名が書いてあるとかそういうこと、政治資金のところにいろいろ書いてあるんですけれども、では、こういうのがあるということでいいんですか。領収書のたぐいが保管されている、こういうことでいいんですか。

松岡国務大臣 法令で定められた範囲の必要なものは適切に保管をされている、このように聞いております。

高山委員 大臣も、ただ法令に定められたのは適切にやっています、この答弁で今後全部逃げ切れる、このように考えていますか。

松岡国務大臣 いずれにしても、法律に基づいてやっておるということを申し上げるということが私はすべて基本だ、そのとおりやっていることが基本だと思っております。

 法治国家ですから法令が基本でありまして、それに基づいてやっている、それ以上のことはちょっと言うべき言葉を持ちませんので、私は法令に基づき適切にやっておる、そのことを申し上げているところであります。

高山委員 いや、だけれども、大臣、それでは国民はみんな納得しないと思いますよ。やはり、家賃もゼロ、光熱費もゼロでしょう。そこで事務所費が何千万も、あるいは光熱水費だけで五百万も計上されている。これは政治資金規正法の趣旨、もう何度も、これは大臣わかっていると思うんですけれども、公明正大に全部出して、それで国民の判断を仰ぐということが政治資金規正法の趣旨だと思うんですけれども、その趣旨に照らせば、やはり今の大臣の答弁は不十分だと思うんですけれども、大臣自身、やはりこのままじゃいけないな、これはちゃんと公開しなきゃいけないなというふうに心を改めてもらうという、そういうことはありますか。

松岡国務大臣 法令の趣旨とか目的というのは大体第一条に掲げられておるわけでありますが、その一条に掲げられた趣旨、目的を体して中身が定まっていると思っております。したがって、その中身に従ってきちっと対応するというのが私は基本だ、このように思っておりますので、今後とも、法令に基づき、それを基本として適切に対処してまいりたい、このように思っております。

高山委員 では、これはまたちょっと繰り返しになりますけれども、大臣、参議院の方の予算委員会で、いわゆる何とか還元水だとか暖房という問題を言われていましたけれども、こういったものというのは今大臣の事務所にあるわけですか。

松岡国務大臣 内容にかかわるものにつきましては個別の事柄に属しますので、それにつきましては控えさせていただきたいと思っています。

 それは、最終のところで私があのときのやりとりで申し上げておりますのは、必要な範囲において確認をして、必要があればその点はお答えいたします、このように申し上げてきたところでございます。

高山委員 その必要性はだれが判断するんですか。確認して、必要があれば答弁するということですけれども、その必要性はだれが判断するんですか。

松岡国務大臣 その必要性というのは、法令に定められたその報告を求められておる、その必要の範囲について、こういうことであります。

高山委員 いやいや、だって、こんな何とか還元水だとか暖房だとかの、そんな物すごい細かいことまでは別にもちろん法律で要求されていませんけれども、大臣が委員会で答弁しているので、それで、そんな何とか還元水、五百万もするんだろうか、あるいは何か暖房の機械が五百万もするんだろうか、どうなんだろうなとみんな不思議に思っていますよ、大臣。

 それで、我が方の参議院が先生の事務所の方にお邪魔して、これはいろいろアポなしで失礼な部分もあったかもしれないと私も思っていますので、私、きょうでも、この後、大臣の事務所に伺ってみたいなと思うんですけれども、大臣、いつならいいですか。大臣の事務所を見学に私伺おうかと思っているんですけれども、大臣、いつだったら見せてもらえますか。

松岡国務大臣 高山先生に収支報告書の内容まで確かめていただく必要はないと思っております。

高山委員 いや、収支報告書の内容というのじゃなくて、私、一国民としても全然納得いかないわけですよ。暖房費とか光熱水費が無料のところで五百万も計上していて、何とか還元水だとか何か暖房だとか、そういうのをいろいろ使っているんですというから、いや、一体、五百万もするのはどんなものなのかな、一回それを確認したいなと思っているので、ぜひこの後でも、もし大臣がお時間なければ、事務所を見せていただくだけで結構ですので。

 大臣、いつならいいですか。

松岡国務大臣 高山先生にわざわざ御足労いただかなくても結構であります。

高山委員 いやいや、私が御足労いただかなくても結構とかじゃなくて、大臣、見せられないものでも何かあるんですか。見られちゃまずいんですか。

松岡国務大臣 特別ここでそれにお答えする必要もないと思いますが、高山先生の見たいという気持ちは、それはお気持ちとして、私どもとしてあえてあなたに見せて、何といいますか、やる必要もないと思いますので、先生のせっかくのお申し越しでありますが、これは遠慮させていただきたいと思っております。

高山委員 いや、大臣、これは笑い事じゃないですよ。やはり国民の皆さんだって、これはどこへ行ったって聞かれますよ、あんな一本五千円もするミネラルウオーターを飲んでいるのと。あるいは、家賃も無料、光熱水費が当然無料であってしかるべきところを事務所にしていて、五百万とか七百万とか年間計上しているわけですよね。それで、適切にということは、つけかえもないんだということであれば、物すごい不思議じゃないですか。

 そんな薄ら笑いを浮かべて、高山先生に来ていただく必要はありませんなんて言いますけれども、これは私個人で言っているんじゃなくて、国民みんなが、何だ、不思議だなと。松岡先生の事務所を見てみたいなと思っている人は大勢いると思いますよ。どうしてそうやって逃げるんですか。別に何にも恥ずかしくなかったら、見せたらいいじゃないですか。何で見せないんですか。よっぽど不思議ですよ、見せない方が。何で見せないんですか、本当に。大臣、これはおかしいですよ。法律上どうだこうだとかという問題じゃないですよ、これは。常識でおかしい、大臣の行動は。なぜ見せないんですか。

松岡国務大臣 何度も申し上げておりますとおり、収支報告につきましては、現在の法令で決められたことにつきましては、すべて報告をし実行いたしております。

 したがって、それ以上の、法律で定められた以上のことについての説明や報告ということであれば、これは一定のルールを各党各会派でおつくりいただいて、それに従って対応をさせていただくことが基本である、このように実はさっきから申し上げておるわけであります。

 そのことを基本に申し上げておるわけでありまして、あえて高山先生から、わざわざ内部に立ち至って、報告のことに触れていただかなくても結構でございます、このように申し上げております。

高山委員 今回、この独法三つを一本化するに当たっても、全然その運営費交付金も減っていないし、なかなかこれは難しい問題だなと思いましたけれども、こういう大事な問題に入る前に、大臣が繰り返しの答弁をされるので、なかなか時間が使えませんでしたけれども、これで質問を終わります。

西川委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 では、続きまして質問させていただきます。

 資料をお配りしてありますか、早く配ってください。

 独立行政法人問題に最初触れさせていただきたいと思います。今資料を配っておりますが、ごらんいただきたいと思います。

 総務省の河合政務官においでいただいておりますので、先に河合政務官の方にお尋ねしたいと思います。

 政務官には渡っていると思いますけれども、資料の三ページ、三枚目のところを見ていただきたいと思います。

 独立行政法人、あちこちで独法、独法と言うので、皆さん知らない人がいないぐらいの言葉になっております。こんなものは、十年前、十五年前、だれも知らなかったんです。

 私は、行政改革とかこういうのは、だらだら組織が肥大化したりするのはよくないとは思っておりますけれども、つらつら見ておりますに、行政改革という名がつけばもうそれでいいんだ、国はよくないんだ、国の研究所はよくないんだ、国の機関はよくないんだ、独立行政法人にすれば何でもいいんだという形で、行革特権のようなものが生まれてしまって、それをチェックするという考え方がほとんど消えうせちゃったんじゃないかと思って心配しております。

 それで、今回、また独立行政法人が統合されるわけですけれども、一体どういう考え方で独立行政法人にし、どういう考え方で統合するのかというのがさっぱりわからないんです。だんだん混乱してきたわけです。五年ごとの見直しとかやっていますけれども、余りきちんとした基準がないんじゃないかと思います。

 この表を見ていただきたいんです。研究所を、今回の改正にかかわる部分を私はわざと選び出しました。これは私がつくったオリジナルの資料です。

 「国立のまま独法化しない研究機関等」、検査所もありますからね、そこに書いてあるんですけれども。そして、その理由、同じ研究所とかいうのであっても、一番左側を見てください、国家機密に属するようなものは国がきちんと責任を持つべきだというので、科学警察研究所、防衛研究所は国の機関のままです。

 次、国民の生命、安全にかかわるようなものは、とてもじゃないが民間には任せられない、国がやるべきである。皆さん覚えておられるかどうかわかりませんが、消防研究所が一たんは独法化になったのに、去年またもとに戻ったんですね。消防はよくないと、国で責任を持ってやるべきだというのがあります。

 その下を見ていってください。太字は今も国の機関なんです。括弧は国立の方がふさわしいと考えられる独立行政法人、私の提案です。

 生命、安全にかかわるもの、例えば国立感染症研究所、これなんかも、病気が蔓延したりしたら、そこを動いちゃいけない、交通もストップしなくちゃいけないというようなことをしなくちゃいけないんです。そういう観点からこういうふうになっているはずなんです。おわかりになりますでしょうか。

 次、右側はちょっと基準が明確じゃないんですけれども、研究所と名はついているけれども、構成はというか、人が行っているのは行政官がそのまま行っているだけだ、国の政策の企画立案の延長線上であるということでそのまま、研究所じゃなくて行政の一部だということで国のままになっています。

 ところが、今度統合される肥飼料検査所、農薬検査所、農林水産消費技術センター、動物衛生試験場、これはみんな括弧書きで薄い字で書いてあります。影が薄くなったのか、独立行政法人化されているわけです。

 動物の病気、鳥インフルエンザ、これは松岡大臣も、ここの点については非常に神経を悩ましておられるというか、自民党の事務局長もやられたりして携わってこられました。この鳥インフルエンザがいつ人間のところにうつっていくかもしれないという問題があるわけです。そういう問題があるにもかかわらず、もう独立行政法人化してしまっている。

 この間、宮崎県の清武町に行きましたら、何の権限も与えられていない、独法化しているので、町長さんがどうやって交通をストップしたり移動をストップしたらいいのかわからない、そういうことを言っておられました。

 つまり、ちゃんと考えてやっていないんですね。総務省が今現在において、どれを独法化すべきかどうかというのを、きちんとした基準があるのでしょうか。

    〔委員長退席、近藤(基)委員長代理着席〕

河合大臣政務官 お答えいたします。

 簡素で効率的な筋肉質の政府を実現するために国の事務事業の見直しを行っていまして、必要性の低下した事務事業については積極的に廃止、縮小を進めております。

 また、必要性はありますが、国が直接行う必要のない事務事業については、民営化、民間委託、独立行政法人への移管を進めております。

 特に独立行政法人について言えば、公共性の高い事務事業のうち、国が直接実施する必要はないが、民間の主体にゆだねると必ずしも実施されないおそれのあるものについては独立行政法人として、そして、中期的な目標管理のもとで、業務の効率性、質の向上、自律的な業務運営の確保と業務の透明性の確保を図るということによって実施しておるものでございます。

 政府においては、この方針に基づき、各省、各府の事務事業について、それぞれ慎重に見直しを進めているところでございます。

 総務省としては、今後とも、簡素で効率的な政府の実現に向けて努力してまいりたいと思っています。

 以上でございます。

篠原委員 そういう抽象的なことを伺っているんじゃなくて、今私は具体的な表でお示しして、お渡ししてあるんです。この試験研究機関について、どれを独立行政法人にし、どれを国の機関にしておくかについての基準、私が知る限りにおいてこういう分類でこのようにしたんですが、これについてはいかがでしょうか。

 支離滅裂な基準でやっておられるだけじゃないでしょうか。あるいは、農林水産省や原省に、ただひたすら独立行政法人化しろしろと言って高圧的に要求しているだけ、行革特権を振り回しておられるだけじゃないでしょうか。その点はいかがですか。

河合大臣政務官 試験研究機関の中でも、国のやるべきものと、それから民間でやれるもの、そしてさらに、その中で独立行政法人でやらねばならぬものというふうに分けたわけでございます。

 そこで、今、農薬検査所とそれから肥飼料検査所、そしてこの統合についてのお話もございましたが、この農薬検査所とそれから肥飼料検査所は、公共性が高い事務事業ですが、国が直接実施する必要がないのではないか、それで独立行政法人化したものです。

 それで、政策評価・独立行政法人評価委員会では、食品の安全の確保に係る総合力の発揮、管理部門等の効率化及び一層の検査、分析能力の向上などの相乗効果が発現できるのではないかといって検討した結果、平成十七年の十一月に、農林水産消費技術センターと合わせて事務事業の一体的な実施を指摘した、そういうところでございます。

 以上でございます。

篠原委員 私は、統合するのが悪いなんて言っていないんです。統合していった方がいいと思っています。それはいいんですが、では、もう結構です。農林水産省の方にお伺いいたします。

 二枚目の紙を見てください。「先進国の農薬・肥料・飼料の検査及び食品の研究・検査」、林業のはどちらでもいいですが、ちょっと今出ているので表にしたんですが、一体、アメリカ、イギリス、ドイツ等で、それぞれどういう機関が責任を持っているか、見てください、国民の生命、安全にかかわるんです。この農薬は使っていいかどうか、安全かどうかというのは、それは民間に任せられない話だと思います。

 見てください。行革の先進国、独立行政法人の先進国イギリスですら、農薬検査、肥料検査、飼料検査は全部国ですよ。それを日本は、これはでたらめにですよ、何でも独法化すればいいということで独法化しちゃっているんです。どこにも独法化している国なんてないんです。だから、ちゃんと考えていただきたいということなんです。

 農林水産省は、この点いかがでしょうか。私のリクエストです。ちゃんと考えて、是は是、非は非として、これは国の機関としてやっていくべきだ、責任を持ってやっていくべきだという断を下して、総務省の強引な主張をねじ伏せて、国で責任を持ってやっていってもらいたいんです。明確にお答えください。

福井大臣政務官 元国家公務員として、志高く国の役割をおっしゃっていただいているということで、私自身も元国家公務員で、本当に共感するところがございます。

 今お配りいただいた三ページが事実かどうかは、ちょっと検証する能力が今私にはございませんけれども、このままのみ込ませていただくとして、確かに、諸外国においては、国そのものが国家としてこの検査をしているという状況については認識をさせていただいたところでございますが、今回の独法の法人についての基本的な考え方について、農薬の検査登録について、国の役割、独法の役割についてもう一度整理をさせていただきたいと存じます。

 独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要であるという業務のうち、国がみずから主体となって直接に実施する必要がないもの、これは逆定義になっておりますけれども、国がみずから主体となって直接に実施する必要がないものについて独法で行うということでございます。

 農薬の安全性確保については、農林水産大臣が農薬取締法に基づいて登録、処分を行って、そして登録された農薬のみ製造、販売が許される仕組みとなっているところは御存じのとおりでございます。

 こうした中で、農薬検査所においては、農林水産大臣の指示に基づいて、農薬に関する専門的かつ高度な技術を活用して、申請時に提出された試験成績が適切な試験機関、方法で実施されているかどうか、そして試験結果が妥当であるかどうかの確認を行って、農林水産大臣にその結果を報告しているというところでございます。

 以上のように、農薬検査所は、独立行政法人が果たすべき業務を実施しておりまして、統合後においても、当該業務を引き続き担うべきものであるというふうに考えておる次第でございます。

 諸外国においても、いろいろな組織改編が時系列で行われているというふうに承知をさせていただいておりますので、今回このようにやらせていただいて、そしてまた、今後とも先生の御指導をよろしくお願いしたいというふうに思っております。

    〔近藤(基)委員長代理退席、委員長着席〕

篠原委員 皆さんにおわかりいただくために具体的に申し上げますけれども、鳥インフルエンザですよ。鳥インフルエンザがいつ人間の病気に変わるかもしれない、人間にもうつっていくかもしれないというので、家畜と人間の境目の病気なんです。片方、国立感染症研究所は国の機関で、動物衛生試験場は独立行政法人だと、連携もとりにくくなるわけです。ほかの国は、みんな国がぴしっとやっているわけです。こういうことを見本にしてきちんと対処していただきたいと思います。

 それから次に、全く違うことですけれども、今、同僚の高山委員が松岡農林水産大臣にいろいろ伺っておられました。私は、この点は非常に気になっておりました。ですから、私は農林水産委員会で触れるべき問題ではないかと思って一切触れませんでした。

 二月二十一日の所信表明でも、私は何回も質問に立たせていただきましたけれども、松岡大臣と私のやりとり、私が国会議員になって一番充実した議論をできたんじゃないかと思っております、松岡大臣はどのように思っておられるか存じ上げませんが。

 私は、歯の浮いたようなことは申し上げるのは苦手でして、そういうことは申し上げませんでしたけれども、松岡大臣の就任を心からお祝い申し上げておりました。それはなぜかというと、プロだからです。農政の根幹について松岡大臣とここでいろいろ議論して、よりよい農林水産行政を確立するということは、私は望むところでありました。

 そこへ降ってわいたのが一連のこういう問題です。私は、これはよくないなと思いました。

 それで、三月一日の予算委員会のときも続きをやらせていただきました。これは農政問題です。最後に申し上げました。長らく、心置きなく質疑応答をしていきたい、だから松岡大臣、説明責任を必ず果たしてくださいという要望をいたしました。

 それから三週間、私は、事態は変わっていないんじゃないかと思います。そういう意味では、この点について私は失望を禁じ得ません。

 どこが問題か、なぜここで申し上げるかというと、皆さんもおっしゃいません、安倍内閣の支持率とか、そんなことをおっしゃいます。政治家に対する不信、それもあるかもしれません。私が最も心を痛めるのは、農政の推進の妨げになっておるんじゃないかと思います。ここで現に高山委員が三十分も時間を費やす、みんな気になっているからです。私は、できれば農政の問題についてだけ、今の問題を掘り下げて、松岡大臣、どうしますかというふうに質問したいと思う。しかし、その前に、どうしても、そうじゃないところに話題が行ってしまう。

 私は地元に帰って、県会議員選挙とか行っています。ですけれども、声は同じです。農林水産大臣を何とかしたらいい、何とかしてくれ、篠原さん、こんなところにいないで、ちゃんと松岡大臣を何とかしてくれ、農政をきちんとやらなくちゃいけない、あなたが本物の大臣になった方がいいとかいって余計なことまで言う人がいます。

 しかし、私も松岡さんも、日本の農政をきちんとしたい、日本の国民が安心して生きていけるようにという思いは同じです。その妨げになっているということを、松岡大臣、真剣に考えていただきたいと思います。

 私は、松岡大臣の力をだれよりも評価している一人です。農林水産大臣になられました。私は、今、農政が停滞していると思います。これが許しがたいことです。残念なことです。このことをきちんと考えていただきたいと思います。

 先ほど高山さんが言っておられました、大臣というのはより高い倫理性が求められると。法律のとおりにやっているからいいんだ、それで済まされるものでは私は絶対ないと思います。ぜひきちんと説明責任を果たしていただきたい。これが私の一番の望むところです。そして、大臣をきちんと続けていただきたい。その説明責任を果たせなかったら、これ以上の農政の停滞は私は許すわけにもまいりませんから、大臣を辞任していただきたい。

 このどちらかを選択されることをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

西川委員長 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社会民主党の菅野哲雄です。

 最初に、三法人の統合で新たに生まれる農林水産消費安全技術センターについてお伺いいたします。

 対象となる三法人とも検査、検定を行う法人ということで共通しておりますが、農林水産消費技術センターの主要な業務は、食品表示やJAS規格にかかわる検査ということで、他の二つの法人のように、直接に安全にかかわる検査を行うものではありません。

 統合で、先ほども答弁ありましたけれども、農場から食卓に至るまでの食の安全に貢献できるとの説明を受けておりますが、この三法人の業務内容や専門性が異なることから、かえって私は支障が生ずるような気がしてなりません。そのような可能性はないのでしょうか、御説明願いたいと思います。

町田政府参考人 お答えいたします。

 検査三法人でございますが、これまで御指摘いただきましたように、食品の表示の監視や飼料、農薬の安全性の検査、こういったことを通じまして、食の安全の確保と消費者の信頼確保のために重要な役割を果たしてきたというふうに考えております。

 今般、この三法人を統合いたしまして、新たな農林水産消費安全技術センターを設けるわけでございますが、御指摘いただいたとおり、農場から食卓まで一連の過程を対象に検査等一体的に実施するということにいたしております。

 この法人の運営に当たりましては、管理部門の効率化を図りながら検査部門の強化を図るということで、スケールメリットを生かしました検査、分析能力の向上ですとか、緊急時における総力の結集、こういったことが可能となるというふうに考えておりまして、三法人が統合することによりまして、食の安全と消費者の信頼確保、この面で大きな効果が期待できるというふうに考えております。

 そういったことで、これまで三法人で行ってきた検査等の業務、こういったことに支障が及ぶことはないというふうに考えております。

菅野委員 今も篠原委員がこのことで質問、議論しておりますけれども、私は、最初に独法の統合ありきから出発しているというふうにずっと行政改革特別委員会でも指摘してまいりましたし、まさに、そういう方向で進んできているというのが今の実態だというふうに思います。

 確かに、管理部門の統合ということを言っておりますけれども、そのことによってどういう支障が生ずるのかという議論が私はされるべきだというふうに思っております。単にやることが違っている部門を統合して管理部門を統合するんだという形でのこういうやり方というのは、私は見過ごすわけにはいかないというふうに思っております。

 それからまた、同様なんですが、林野庁長官、来ていますけれども、この森林総合研究所と林木育種センターの統合について、これもまた森林関係ということで共通があるということで統合という方向に行っていますけれども、森林総合研究所は試験研究機関であり、一方の林木育種センターは作業施設法人です。業務内容は必ずしも共通しておりません。

 どうも、先ほども言ったように、行革ありき、独立行政法人の削減ありきに立った数合わせの印象が払拭できません。とりわけ、今回森林総合研究所に林木育種センターが統合されるような形になっておりますが、林木育種センターの業務は、無花粉杉や松くい虫に強い木材の普及、あるいはクローン材対策など大変に重要な役割を担っております。

 今回の統合で、作業施設法人である林木育種センターの役割、業務が縮小されるようなことがあってはならないと私は考えているんです。統合で林木育種センターが担っている役割が維持強化されていくのかどうか、このことをしっかりとお答え願いたいと思います。

辻政府参考人 森林総合研究所と林木育種センターの統合に当たりましては、企画、総務関係組織の統合などを実施いたしまして、管理部門の効率化を図るということにいたしてございますけれども、これまで林木育種センターが担ってきた役割、業務のすべてを森林総合研究所に引き継ぐというものでございまして、例えば必要な検定林については残していく、こういったことでございまして、林木育種センターが果たしてきた新品種の開発等の機能は従前どおり発揮されるものというふうに考えてございます。

 また、統合によりまして、森林総合研究所の遺伝子工学等の基礎的研究の成果を品種開発手法に取り入れることによりまして、一層すぐれた品種の開発や開発期間の短縮を図るなど、試験研究と林木育種事業との一体的な業務の実施を図ってまいりたいと思います。

菅野委員 林野庁長官、両方とも共通しているのは管理部門の統合という形で今答弁されています。

 この簡素で効率的な政府という流れの中で、そういうふうな進み方をしているんですけれども、管理部門だけじゃなくて、管理部門を統合することによってのデメリットがどうなっていくのかというのが、私は発生するんだというふうに思っています。幾ら理事長が両方を見るといっても、理事長のお考え、資質によって一方がおろそかになっていくという形が出てくるんじゃないのかなというふうに危惧しているんです。このことが起こらないような体制強化というのは、一方で図る必要があるんだろうというふうに思います。

 ただ、それは、政府の手を離れて独法という、独立行政法人という形になっていく中で、ややもすればひとり歩きしていくような気がしてならないわけですから、しっかりとした議論というものを、今後ともそうならないような方向での議論というのはしっかり行っていただきたいということを強く申し上げておきたいというふうに私は思っています。

 次に、法人の役員数についてお尋ねいたします。

 統合前の五法人の理事長と理事の総数は、現状十二人だと思います。全員が公務員を退職して役員になられています。この十二人のうち七人が農水省出身者です。失礼な言い方かもしれませんが、五法人については、数字だけを見る限り、農水省の官僚の方々の重要な天下り先になっていると言われても仕方がない状況です。

 一方、今回の統合で、農林水産消費安全技術センターの理事定員は四人以内です。統合される前の三法人の理事総数と変化がありません。森林総合研究所と林木育種センターの統合でも理事数は統合前から一人減るだけです。これでは、天下り先だけはしっかりと確保されているんだなと見られかねません。

 なぜ理事数の削減にもっと踏み込めなかったのでしょうか、統合法人の理事は旧法人からの横滑りになるんでしょうか、このことについてお答え願いたいと思います。

町田政府参考人 統合後の両法人の理事数についてのお尋ねでございます。

 まず、農林水産消費安全技術センターでございますが、御指摘いただきましたとおり、四人以内ということで、統合前の理事数と同数ということでございます。

 理事数を四人以内とした理由でございますが、統合後の法人におきましては、JAS法に基づきます検査業務に加えまして、肥料取締法、飼料安全法及び農薬取締法、こういった法律に基づく広範な検査業務を行うということから、まず、統合の効果の発現等の企画、調整、財務部門の業務を担当する理事を一人、JAS法等の消費者対応業務を担当する理事一人、肥料、飼料及び飼料添加物などの検査業務を担当する理事一人及び農薬の検査業務を担当する理事一人、この四人ということを置きまして、広範な業務を適切に管理するとともに、統合のねらいであります業務の効率化や相乗効果の発揮を図るための体制を整えたことによるものでございます。

 次に、統合後の森林総合研究所でございますが、統合前の四人から一人削減して三人以内ということでございます。

 この三人以内とした理由につきましては、統合後の法人が基礎研究から林木の新品種の開発、優良な種苗の配布までを効果的、効率的に実施する必要があるということから、企画調整、総務を担当する理事一人、森林・林業に関する総合的な試験研究を担当する理事一人、林木の育種事業を担当する理事一人、合わせて三人置くということで、試験研究部門、育種事業部門、おのおのの機能を従来どおり維持するとともに、両業務の相乗効果の発揮を図るための体制を整えたということによるものでございます。

菅野委員 今のは大体わかりました。

 ただ、次に、昨年成立した行革推進法の五十三条は、独立行政法人に対しても五年間で人件費を五%削減する義務を課しております。法案の審議の際にも指摘いたしましたが、削減幅である五%の根拠、さらには、非公務員型独立行政法人に対して、なぜ国が人件費削減を強要できるのか、いまだに理解できません。

 いずれにいたしましても、統合される五法人は、果たすべき役割、業務が増大している法人です。統合によって生まれる二つの新たな法人と人件費五%削減の関係はどのようになっているんでしょうか。御説明願いたいと思います。

町田政府参考人 法人の統合に当たりましては、職員の皆様の雇用の安定や労働条件に配慮した上で行うということにしておりまして、現在の職員は原則として新法人に引き継がれるということとなるわけでございます。

 一方、行革推進法の五十三条におきまして、役員及び職員の人件費の削減を図るということが求められておりまして、新法人におきましても、人件費の削減に取り組んでいくということとしております。

 具体的には、統合前の法人の平成十七年度の総人件費をベースに、平成二十二年度末までに五%削減をすることとしているところでございます。

菅野委員 法案を審議するときにそういう議論は行ってまいりました。ただ、一律に五%削減ありき、平成十七年度をベースにして二十二年度まで五%削減していくんだ、これが大命題なんですね。

 ただし、一方で、業務内容を見たときに、今業務が増大している中でどのようにして五%削減を達成していくんですか、できないんじゃないですかという指摘を私はしているんです。だから、一律五%削減、こういう目標というのは個々の部分を見たときにおかしいんじゃないですか、そのことをどう思っているんですかと私は聞いたんです。

 答弁願いたいと思います。

町田政府参考人 お答え申し上げます。

 統合によりまして、私ども、事務事業の効率化を図る一方で、きちっとしてやるべきことはやるということで、検査業務の強化を図っていきたいというふうに考えております。

 そういった中で、行革推進法で求められております人件費削減、これも独立行政法人共通に求められていることでございますので、こういったことも果たしていきたいということで、統合の効果を上げながら、事務事業の効率化を図って、何としてでもきちっと法人に共通に求められていることは達成していきたいというふうに考えております。

菅野委員 この五%削減という大義名分は、行革推進法の中で一律に定められています。ただ、個々の部分を見たときにこれが妥当なのかどうかというのは議論の余地のあるところですから、私は、主張するところは主張していって、業務量が増大していくんだ、そして国民の食の安全、安心という部分をしっかりと確立していくんだという観点からすれば、やはり主張するところは主張していくという立場に立っていただきたい、このことを強く申し上げておきたいというふうに思っています。

 総人件費改革の関係で質問いたします。

 行革推進法によって、農水省の旧食糧、統計部門は二〇一〇年末までに四千六百二人の定員純減と二千八百三人の府省庁間配転が必要とされました。昨年十月には二〇〇七年度分として七百人を超える職員の配置転換が内定したとされていますが、まず、その内訳はどうなっているのでしょうか。その省庁のどのような業務へ何人くらいが配転されたのか、大まかな数字で結構ですので、お答え願いたいと思います。

 また、職員の方々の雇用不安は大変に大きなものがあります。特に、地方へ行けば行くほど配転の受け皿は少なくなっていますから、格段の配慮が必要だと考えます。もちろん、これは農水省だけというよりも、政府の雇用調整本部の責任が極めて大きいことは承知した上です。

 そこで、今後の配転につきましては、地方の受け皿をしっかりと確保すること、配転の強要は行わず、職員や職員団体との合意形成をしっかりと図ること、配転先は職員の希望がかなうよう全力を挙げることについて、農水省にしっかりとお約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 二点についてお伺いします。

町田政府参考人 農林水産省からの主な受け入れ先でございますが、大きいところで申しますと、法務省、百七十九名内定をいただいております。財務省、百八十三名でございます。また、国土交通省、九十二名ということで、合わせまして六百九十八名、受け入れを内定いただいたところでございます。

松岡国務大臣 今菅野先生お尋ねのそれぞれの配転の内容につきましては、今事務方からお答えをいたしたとおりでございます。

 そして、先生からの御指摘は、今後の配置転換で、地方の受け皿確保、職員との合意形成、職員の希望の最大限の重視等に全力を挙げろ、こういうことであるというふうにお聞きをいたしております。

 そこで、食糧管理、農林統計等の職員につきましては、平成十九年度から平成二十二年度までの四年間で、二千八百三人を配置転換させることとなっておりまして、平成十九年度は、目標を達成いたしたところでございます。

 平成二十年度におきましても、職員の意向を尊重しつつ、配置転換の目標を確実に達成すべく、全力を挙げていく考えでございます。このため、他府省にも地方支分部局ポストの重点的な確保、処遇の確保など、円滑な配置転換のための条件整備について、責任ある取り組みをお願いしているところでございます。

 いずれにいたしましても、菅野先生の御指摘は重要な点だ、このように私ども受けとめ、認識をいたしまして対処してまいりたい、このように考えております。

菅野委員 質問は終わりますけれども、松岡大臣、事務所費問題等、ずっと尾を引いております。私も、国民の立場から見れば、この問題は大臣は説明責任をしっかり果たしているとは言えないというふうに思っております。

 先ほども篠原委員もおっしゃいました、今の農林水産行政の抱えている問題というのは非常に大きいわけであります。四月から品目横断的経営所得安定対策が始まっていく、そのためにも国民の理解を得ないと、これは進んでいかないというふうに思います。

 大臣は、当初は説明責任を果たそうとして一生懸命答弁していたと思うんです。ある時期から、説明責任を果たすということじゃなくて、同じ答弁をずっと繰り返すようになった。これではおかしいというふうに私は思うんです。しっかりとした説明責任を果たすべきだと思いますし、そのことがなされないというならば、農林行政の停滞を来すことのないように、私は、大臣みずから辞職すべきだというふうに思っております。

 このことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

西川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

西川委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、独立行政法人に係る改革を推進するための独立行政法人農林水産消費技術センター法及び独立行政法人森林総合研究所法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

西川委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

西川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十分散会


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