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第18号 平成19年6月5日(火曜日)

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平成十九年六月五日(火曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 西川 公也君

   理事 岩永 峯一君 理事 金子 恭之君

   理事 近藤 基彦君 理事 谷川 弥一君

   理事 並木 正芳君 理事 篠原  孝君

   理事 松木 謙公君 理事 西  博義君

      赤澤 亮正君    伊藤 忠彦君

      飯島 夕雁君    今津  寛君

      江渡 聡徳君    小里 泰弘君

      小野 次郎君    北村 茂男君

      斉藤斗志二君    中川 泰宏君

      永岡 桂子君    丹羽 秀樹君

      西銘恒三郎君    鳩山 邦夫君

      広津 素子君    福井  照君

      福田 良彦君    古川 禎久君

      御法川信英君    森山  裕君

      渡部  篤君    石川 知裕君

      黄川田 徹君    小平 忠正君

      佐々木隆博君    園田 康博君

      高山 智司君    井上 義久君

      菅野 哲雄君

    …………………………………

   農林水産大臣       赤城 徳彦君

   農林水産大臣政務官    永岡 桂子君

   農林水産大臣政務官    福井  照君

   農林水産委員会専門員   渡辺 力夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月一日

 辞任         補欠選任

  赤城 徳彦君     江渡 聡徳君

同月五日

 辞任         補欠選任

  岡本 芳郎君     西銘恒三郎君

  岡本 充功君     園田 康博君

  仲野 博子君     石川 知裕君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     岡本 芳郎君

  石川 知裕君     仲野 博子君

  園田 康博君     岡本 充功君

    ―――――――――――――

六月五日

 食の安全と自給率向上を求めることに関する請願(菅野哲雄君紹介)(第一三五八号)

は本委員会に付託された。


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     ――――◇―――――

西川委員長 これより会議を開きます。

 この際、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。農林水産大臣赤城徳彦君。

赤城国務大臣 農林水産大臣を拝命いたしました赤城徳彦でございます。

 委員長初め委員の諸先生には、これまで農林水産行政の推進に格段の御理解、御支援をいただいてまいりました。この機会に厚く御礼を申し上げます。山本、国井両副大臣、福井、永岡両大臣政務官ともども、農林水産行政の推進に全力を挙げてまいる考えでございます。委員長初め委員の皆様の格段の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 農林水産委員会の開催に当たりまして、当面の課題に対する私の考えの一端を申し上げます。

 まず、去る五月二十八日に逝去された松岡利勝前大臣の御冥福を謹んでお祈り申し上げるとともに、深く哀悼の意を表します。

 農林水産業と農山漁村は、食料の安定供給はもとより、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成といった多面的な機能を有しております。農林水産業を健全な姿で維持発展させるとともに、活力ある農山漁村づくりを推進することが、豊かで安定した国民生活を実現し、美しい国づくりを進めるに当たっての基本であると考えております。

 現在、農林水産行政をめぐっては、WTOやEPA交渉への対応や、品目横断的経営安定対策を初め本年度から開始した農政改革の円滑な実施、さらなる改革としての農地政策の具体化など、内外にわたる多くの政策課題に直面しております。

 こうした折、農林水産大臣を拝命し、その任務の重大さを痛感しております。全力を傾注し、農林水産政策を推進する考えでありますので、よろしくお願い申し上げます。

 以下、当面する主な課題と取り組み方針について申し上げます。

 その第一は、国家戦略としての食と農に関する基本政策の推進です。

 現在、大詰めを迎えつつあるWTO農業交渉については、各国との連携を図りつつ、食料輸入国としての我が国の主張が交渉結果にできる限り反映されるよう、全力を挙げてまいります。また、日豪を初めとしたEPA、FTA交渉については、WTOを中心とした多国間貿易体制を補完するものとして、国内農林水産業への影響を十分踏まえ、守るべきものはしっかり守るという方針のもと、政府一体となって、各国・地域との交渉に戦略的に取り組んでまいります。

 また、最近、途上国の経済成長、バイオ燃料需要の増大、地球温暖化の進行など、国際的な食料事情が変化している中で、我が国は、世界最大の食料純輸入国として新たな食料戦略を確立していく必要があります。このため、国際的な食料情報を一元的に収集、分析する国内体制を整備するとともに、食料をめぐる諸問題について国民全体で認識を共有するため、国民的な議論を喚起していきます。

 さらに、我が国の農林水産物や食品の輸出促進については、平成二十五年までに輸出額を一兆円規模にするという目標の達成に向け、輸出環境の整備、品目別の戦略的な取り組み、日本食、日本食材の海外への情報発信等に重点的に取り組みます。

 第二は、国内農業の体質強化です。

 本年四月から、品目横断的経営安定対策の導入、米政策改革推進対策の見直し、農地、水、環境保全向上対策の導入という三本の柱から成る政策改革を一体的に実施に移しているところです。農業従事者の減少、高齢化や経済のグローバル化の進展など、我が国の農業を取り巻く状況が変化する中で、関係機関、団体と連携協力しつつ、担い手への施策の集中化、重点化により構造改革を一層推進し、競争力を備えた農業経営の育成、確保を加速化いたします。

 また、農業の最も基礎的な生産基盤である農地の政策改革は、残されている大きな課題であります。担い手への農地の面的集積を加速化するとともに、新規参入の促進、優良農地の確保、耕作放棄地の発生防止など総合的な観点から、農地政策の全般にわたる改革を進めます。

 このほか、生産や流通などの各段階を通じた食料供給コストの縮減の取り組みを強力に推進するとともに、農協の経済事業改革を進めます。

 以上のような政策推進に当たっては、イノベーションや知的財産の力を活用していくことが重要です。ITやロボット等の先端技術を活用して生産性や品質の向上を図るほか、知的財産の戦略的な創造、保護、活用を進めます。

 第三は、国民、消費者の視点に立った食料政策の展開です。

 食品の安全に対する国民の関心が高まっている折、食品企業に対し、関係法令の遵守を徹底するとともに、衛生管理の改善等の取り組みを支援します。また、食品の安全と消費者の信頼の確保に向け、農業生産や食品加工への工程管理手法の導入推進や食品表示の適正化等を進めます。

 さらに、食育を一層推進するため、教育ファームや農山漁村での子供たちの長期宿泊体験活動を一層推進し、食や農への理解の増進を図ります。

 米国産牛肉の輸入については、昨年七月に輸入手続を再開し、現在日米間で合意した対日輸出プログラムの検証を行っているところであります。我が国としては、食の安全と消費者の信頼確保を大前提に、科学に基づいたステップをきちんと踏んで対応することが重要と考えており、厚生労働省と連携して適切に対応してまいります。

 第四は、地球温暖化対策等の資源、環境対策の推進です。

 農林水産業は、バイオマスなど再生可能な資源の生産活用などを通じ、循環型社会の実現や地球環境の保全に貢献するものです。

 バイオマスの利活用については、平成二十三年までに国産バイオ燃料を五万キロリットル生産することを目指すとともに、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けて、技術開発等を推進します。

 また、食品関連事業者が農林漁業者やリサイクル業者等と連携して行う食品リサイクルを一層推進します。

 さらに、農林水産分野における地球温暖化防止策等に関する総合戦略を策定するなど、地球環境保全に積極的に貢献する農林水産業の実現を図ります。

 第五は、美しい国の原点である農山漁村地域を守り、活性化する政策の推進です。

 農山漁村の活性化に関しては、本国会で成立した農山漁村の活性化のための定住等及び地域間交流の促進に関する法律に基づき、地域の創意工夫による取り組みを総合的に支援してまいります。

 また、野生鳥獣による被害については、農林水産業のみならず、農山漁村に暮らす人々の生活にも大きな影響を与えることから、被害の広域化、深刻化に対応した対策の充実強化を図ります。

 第六は、森林・林業政策の推進です。

 我が国の国土の三分の二を占める森林は、安倍内閣の進める美しい国づくりの礎であります。先人から引き継いだこの財産を、守り、次の世代に引き継いでいくため、幅広い国民の理解と協力を得ながら、政府一体となって、美しい森林づくりを展開していきます。

 また、昨年九月に閣議決定された新たな森林・林業基本計画に基づき、多様で健全な森林の整備保全、国産材の利用拡大を軸とした林業・木材産業の再生、国民の安全、安心の確保のための治山対策を柱に、具体的な施策を総合的に推進してまいります。

 特に、地球温暖化防止に向けた国際約束達成のため、間伐の推進など森林吸収源対策の取り組みを加速してまいります。

 なお、談合問題を起こした緑資源機構については、廃止する方向で検討することといたします。受注法人や林野庁の事業、人事、組織のあり方も含め、幅広い検討を行っている第三者委員会の議論を踏まえ、早急に再発防止策を取りまとめ、一刻も早く国民に対する信頼の回復を図ってまいります。また、これに関連して、官製談合の再発防止や再就職のあり方について検討してまいります。

 第七は、水産政策の展開です。

 本年三月、新たな水産基本計画を策定しました。これは、水産物の安定供給、環境、生態系の保全、居住や交流の場の提供など、水産業、漁村の有する多面的機能が適切に発揮され、国民の期待にこたえる水産業、漁村を確立するための新たな政策指針となるものです。

 この基本計画に基づき、水産資源の回復、管理の推進、漁船漁業や水産物流通システムの構造改革、新たな経営安定対策の導入や新規参入の促進、漁港、漁場、漁村の総合的整備の推進を初めとする水産政策の改革を早急に進め、力強い水産業の確立を図ってまいります。

 以上、当面の課題に対する私の考えの一端を申し上げました。

 我が国は、国土が急峻、狭小で、経営規模が小さいなど農業生産にとっての制約が多くある一方で、国土は南北に長く、亜寒帯から亜熱帯まで気候や風土が多様であるなど自然環境に恵まれている面もあります。そうした中で、我が国は、購買力が高い消費者が数多く存在する、世界でも有数の食料消費市場となっており、消費者のニーズにこたえ、高度な技術やノウハウに基づき、世界に誇れるすぐれた農産物を生産、供給できる農業者も数多く存在しています。こうした我が国の農林水産業や農山漁村が有している潜在能力を最大限に発揮すれば、これを二十一世紀にふさわしい戦略産業として発展させることが可能であると考えております。

 農林水産業が大転換期にあるときだからこそ、私は、あらゆる面において攻めの姿勢で、我が国農林水産業の将来展望を切り開いていきたいと考えています。その際、関係者が、これらの改革の先に明るい展望を見通せ、よし、やってみようと前向きに取り組むこととなるような政策展開に努めてまいりたいと考えております。

 委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう、切にお願い申し上げる次第です。(拍手)

西川委員長 次回は、明六日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十時十四分散会


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