第3号 平成22年9月8日(水曜日)
平成二十二年九月八日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 筒井 信隆君
理事 石津 政雄君 理事 梶原 康弘君
理事 小平 忠正君 理事 森本 和義君
理事 森本 哲生君 理事 北村 誠吾君
理事 宮腰 光寛君 理事 石田 祝稔君
相原 史乃君 石田 三示君
石原洋三郎君 奥野総一郎君
川越 孝洋君 京野 公子君
佐々木隆博君 篠原 孝君
玉木 朝子君 玉木雄一郎君
道休誠一郎君 中野渡詔子君
中屋 大介君 野田 国義君
福島 伸享君 松木けんこう君
皆吉 稲生君 柳田 和己君
山岡 達丸君 和嶋 未希君
伊東 良孝君 江藤 拓君
小里 泰弘君 金田 勝年君
坂本 哲志君 柴山 昌彦君
長島 忠美君 保利 耕輔君
山本 拓君 西 博義君
吉泉 秀男君 石川 知裕君
…………………………………
農林水産大臣 山田 正彦君
厚生労働副大臣 細川 律夫君
農林水産副大臣 篠原 孝君
総務大臣政務官 小川 淳也君
財務大臣政務官 大串 博志君
財務大臣政務官 古本伸一郎君
農林水産大臣政務官 佐々木隆博君
政府参考人
(農林水産省総合食料局長) 高橋 博君
農林水産委員会専門員 雨宮 由卓君
―――――――――――――
委員の異動
八月二十四日
委員後藤英友君が退職された。
九月三日
補欠選任
中屋 大介君
同月八日
辞任 補欠選任
石山 敬貴君 川越 孝洋君
金子 健一君 奥野総一郎君
高橋 英行君 皆吉 稲生君
仲野 博子君 相原 史乃君
谷川 弥一君 柴山 昌彦君
長島 忠美君 坂本 哲志君
同日
辞任 補欠選任
相原 史乃君 仲野 博子君
奥野総一郎君 金子 健一君
川越 孝洋君 石山 敬貴君
皆吉 稲生君 高橋 英行君
坂本 哲志君 長島 忠美君
柴山 昌彦君 谷川 弥一君
―――――――――――――
八月六日
一、農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第五〇号)
二、国産の農林水産物の消費を拡大する地産地消等の促進に関する法律案(山本拓君外四名提出、第百七十四回国会衆法第二一号)
三、農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案(加藤紘一君外四名提出、第百七十四回国会衆法第三五号)
四、農林水産関係の基本施策に関する件
五、食料の安定供給に関する件
六、農林水産業の発展に関する件
七、農林漁業者の福祉に関する件
八、農山漁村の振興に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
農林水産関係の基本施策に関する件
――――◇―――――
○筒井委員長 これより会議を開きます。
農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省総合食料局長高橋博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○筒井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○筒井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福島伸享君。
○福島(伸)委員 おはようございます。民主党・無所属クラブの福島伸享でございます。
十五分という短時間でございますので、時候のあいさつもなく、早速質問を始めさせていただきたいと思っております。
本日、概算要求が出たということで、米の戸別所得補償の本格実施の話と、今話題になっている米の需給対策、特にことしはモデル事業が始まった節目の年ということがありまして、生産者、市場関係者、大きな、混乱とは申し上げませんけれども、不安の中で今過ごされているということを踏まえて質問をさせていただきたいと思っております。
まず、そもそもの戸別所得補償の理念ということでございます。
お手元に配りました資料のうちのカラーじゃない方、「コメ価格センター年産別全銘柄平均価格の推移」ということでございますけれども、前政権時から、作況の違いによる価格の多少の変動はありますけれども、大まかに見て、ずっと米の値段が下がっているということは、これは否定できない事実であるというふうに思っております。
前政権のもとでは、生産調整を行う、そして時には需給対策を行うことによってさまざまな対策を講じてきたわけでありますけれども、一貫した米の下落のトレンドは変わらない。それは、私は根本的な原因は、米の需給のギャップというものにあると思っております。これはもう皆さん御承知のとおりだと思いますけれども、需要に対して供給が常に過剰である、それを生産調整でやろうとしたけれどもなかなかできなかった。短期的には需給対策を講じてきたけれども、しかしながら、トレンドとしての下落傾向は変わらなかった。
そこで、私たちの掲げる戸別所得補償というものは、生産価格と販売価格の差額、これを補てんすることによって農家の経営をまず安定させる。そのためには、主食用米だけじゃなくて、米、麦、大豆、新規需要米、そうした主食用米以外のものをつくったとしても経営が安定できるという水準を、販売価格、生産費の差額を補てんすることによって補償する。そして農家に安心を持って主食用米以外の生産を奨励していただく。そこに私は戸別所得補償の理念があると思っております。
その結果、北風ではなく太陽政策として、需給のギャップが引き締まって、米の下落のトレンドがおさまっていくというのが、私は米の戸別所得補償の理念だというふうに思っているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。(発言する者あり)なっているか、なっていないかは別として、理念です、まず。
○篠原副大臣 福島委員の御質問に大分熱気のこもった議論が既に行われているようでございますが、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
この戸別所得補償制度、今、北風ではなく太陽といういい例えがございましたけれども、私はそのとおりのことを考えております。
従来、いろいろ、農林水産省、農政にかかわる方はみんな同じで、きちんと農業全体を元気にしなけりゃいけないと。そのときにいつもネックになっているのが、米が過剰で、米の価格が不安定だし下がってしまっている。これは一体どこに原因があるか。福島委員御指摘のとおり、米の需給ギャップにあるのではないかと思います。従来は、これを何とかして少なくしよう少なくしようと、これは当然のことだと思いますけれども、米が余っているので米の生産過剰にならないようにと苦労してまいりました。
我々民主党が考えたことは、米をつくらなければいいというような政策から、最終的な目的は同じなんですけれども、米以外の作物がつくれるところでは米以外の作物をなるべくつくっていただいて、そのかわり、米と同じぐらい、米並み、あるいはそれ以上の所得を補償することによって米をつくっていただく。そうすることによって、米しかできない湿地帯、あるいは、北陸とか東北の日本海側とかは米に向いているわけです、米以外の麦とかというのはつくりにくいわけです。そういうところで安心して米をつくっていただく。言ってみれば、時間をかけた、太陽ですね、太陽政策でいこうという形で考えたのが戸別所得政策でございます。その点では福島委員のおっしゃったとおりでございます。
○福島(伸)委員 今年度の麦、大豆の作付は減っております。確かに新規需要米はふえております。そうした意味では、麦、大豆に対する補償の水準というのが十分かどうかというのは検証していかなければならないと思っております。本当はもっと聞きたいんですけれども、時間がないのでこの点をはしょります。
そうはいいながらも、きょうのこのカラーのページでございますけれども、この青い線が二十一年産米でございます。昨年の九月から一貫して二十一年産米の価格が下がっている。また、今年度、二十二年産米の概算金も昨年より下がっているということで、私は、これは必ずしも戸別所得補償の実施による影響かどうかというのはきちんと検証しなければならないとは思っておりますけれども、しかしながら、新しい制度が入った年にこのように米の価格が下落するというのは、現場に大きな不安が広がりつつあるものというふうに認識しております。
そうした意味で、今、米の値段が下がっている、二十一年産の米が下がっている、そして二十二年産の概算払いも下がる予兆があるということについて、その原因、認識をどのようにお考えになっているのか、副大臣の答弁を求めたいと思います。
○篠原副大臣 福島委員の資料でございます、カラーの資料を提出いただきましたので、これにのっとって御説明させていただきたいと思います。
福島委員御指摘のとおり、青い色の二十一年産米のところを見ていただきたいんですが、平成二十一年の九月、一番左端の方ですけれども、一万五千百六十九円ということで、緑色の三角と全く同じで、前年同月比一〇〇%です。その後ずっと右肩下がりで下がってしまいまして、平成二十二年の七月では一万四千二百十四円というふうになりまして、六月の一万四千百二十円と比べますと九十四円上がって、対前年同月比九四%の水準になってしまっております。
それから、今御指摘になったとおりでございまして、二十二年産米の農協系統の概算金の設定状況は、我々が承知していますところでは、前年に比べて千円から二千円低い状況だと聞いております。これは、価格動向が現時点ではよくわかりませんし、消費者が低価格志向を、このデフレ、景気低迷の状況の中、傾向を強めておりますので、よくわかりませんけれども、農協は計画的な販売を行うために概算金をいつもの水準よりかた目に設定しているのではないかと思っております。
このような状況にありますけれども、これは何も農業者戸別所得補償を始めたからというのではなくて、全般的なことでいいますと、景気低迷、デフレ傾向で、例えばパンの価格などは対前年同月比で三・五%低くなっているんです。それから、めん類も一・六%、それから食料品全体で〇・五%低くなっている。食料品価格全体が下がってきております。
生産の方で申し上げますと、米の卸売、小売業者の皆さんは余分な在庫を持たずに当座の調達に徹しておりまして、ですから、販売段階の在庫が減った一方、出荷段階では、きのうの参議院の農林水産委員会でも山田委員から御指摘がありましたけれども、東北地方を中心として一部の産地で売れ残りが発生しておる状況になっているのではないかと思います。
米の戸別所得補償が価格に大きな影響を及ぼしているということは私はないと思っております。
○福島(伸)委員 時間がないので、全部議論をはしょって先に行くんですけれども。
私は、やはり今回の所得補償制度で一番大事なのは変動部分の予算の確保だと思っております。今の額ですと、大体幾らまでたえられるということがマーケットにとっては予測水準になって、やはりそれが米の値段を下げる圧力になるのは否めないと思っております。ですから、私は、毎年度、変動部分として幾ら用意します、それは逆に、幾らまで下がって大丈夫なんですということをアナウンスするような制度にするのではなくて、そうじゃない、定額の基金のような形で積み増して、何があっても農家の所得は補償されるんだという制度を実施すべきだと思っております。本格実施に当たっては、この変動部分の予算要求は、来年度要求ではなく再来年度要求であるという話でございますので、ぜひとも私は下がっても大丈夫なんだというメッセージを発していただきたいと思います。
きのうの国会審議を見ていると、大臣は、戸別所得補償、米の値段が下がれば余計所得補償に加入のインセンティブが高まると言っていますけれども、これは北風なんですよ。それを大臣として言っちゃいけないと私は思うんです。補償します、何があっても農家の所得は補償します、そのための制度の構築に万全を講じますというメッセージをぜひ大臣に対してお願いしたいと思います。大臣、答弁をお願いします。
○山田国務大臣 福島大臣から教えられまして、ありがとうございます。
まさにそのとおりでして、今回の戸別所得補償、まず恒常的な赤字で、十アール当たり一万五千円補てんされて、さらに、平成十八年、十九年、二十年の相対取引の平均価格、六十キロ一万四千八百円、それよりも下がった場合にはその変動部分も補てんしますということになっています。
ですから、その変動分の予算を千三百九十一億円予定したわけですが、福島委員がおっしゃっているように、特別会計にこれを、ことし、今年度の予算を算入して、その特別会計の中で、いわゆる下がっても安心して米づくりができる、当然のことなんですが、まさに安心して米づくりをすることができるという形で、これから先、需給、これからの作柄によって市場で決まっていくことになってまいりますが、そういう意味ではしっかりとした制度に構築していきますので、心配要らないと思っているところです。
○福島(伸)委員 ありがとうございます。時間がないので済みません。もっとじっくりと大臣の御高説をお伺いしたいんですけれども、先に進めていきたいと思います。
とにかくことしは所得補償の導入の年ということで、市場はいろいろな思惑で動くと思うんです。
きのうの審議でも、一切過剰米対策はとらないとおっしゃいましたけれども、私は、その政策的な理念、理論は大事だと思います。先ほどの戸別所得補償の理念も大事だ。しかしながら、私は、戸別所得補償制度というものを安定させるためには、別に棚上げ備蓄の前倒しとかなんとか言うつもりはございません、ただ、それはいろいろな方策があると思うんですよ。来年度初めて、棚上げ備蓄方式の予算をとっております。四月からこれは執行できるんです。それも含めて、米価の下落に対しては、ことし限りは、戸別所得補償という制度が入った年に限っては、農家に安心を与えるための措置はあらゆる手段を講じるという決意をぜひとも私はお示しいただきたい。
とともに、せっかく大串政務官もいらっしゃっておりますので、財務省の皆様方には、やはり我々の政権は、米を買い支えることによって米価を維持する、そうした政策はとってはいけないと思うんですね。その意味でも、やはりこの変動部分、農家に安心を与える、ある意味保険的な部分の財源はしっかり確保していただきたいんです。一律に何%シーリングとか、特別会計の廃止だとか、基金はつくるなとか、そういうけちくさい財務官僚の論理ではなく、地元に農家を抱える政治家として、農家に安心を与えるためのこの変動部分の、先ほど私が申し上げ、また、基金も含めた予算の確保のために全力を尽くすという決意を、あわせて大串政務官にもお聞きしたいと思います。
大臣と政務官の答弁を求めます。よろしくお願いします。
○大串大臣政務官 福島委員にお答え申し上げます。
戸別所得補償のモデル対策、今年度の米に関する議論でございます。
変動部分に関しては、るるこの委員会でも議論をいただきましたけれども、今年度予算、先ほど大臣からもお話のありましたように、千三百九十一億円の変動部分の予算を措置しており、これに関しては、ことしいろいろなシミュレーションなり検討もした結果、今年度、二十二年度においてはこの予算で十分なレベルに達しているというふうな考えで措置しているところでございます。
さらには、今大臣からも話がありましたように、今後に向けて、例えば特別会計において予算を措置する等々の工夫も凝らしながら適切な対応をしていけるようにというふうに考えております。
さらには、農水省においては、先ほど来、副大臣の方からも米の価格動向についての要因分析がありましたけれども、米の価格動向に関しては極めて注意深く注視をしていってもらっているところでございますので、これらを踏まえながら、私も米どころの出身でもありますし、けちくさい財務官僚の論理ということではなく、国全体の方向性を見据えながら、財政のことも考えながらやってまいりたいというふうに思います。
○福島(伸)委員 大臣の答弁もお願いします。
今年度に限っては、万全の、農家の所得を補償するためのあらゆる手段を講じるという決意をお示しいただきたいと思います。
○山田国務大臣 米は確かに下がる下がるとか言われておりますが、七月、九十円ほど上がっておりますし、これから二十二年産米、これは作柄によってどうなっていくかまだわかりません。そういう意味で、私どもは、今回、戸別所得補償制度のモデル事業をやりますので、しっかりと米農家を守っていく決意は述べさせていただきたいと思っております。
○福島(伸)委員 ぜひとも、この所得補償制度を安定するためにも、政治家として農家に安心感が伝わるメッセージを、北風ではない、太陽を照らしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わりにします。
どうもありがとうございました。
○筒井委員長 次に、皆吉稲生君。
○皆吉委員 民主党・無所属クラブの皆吉稲生でございます。
本日は質問の機会をいただきましたことに、委員長初め各理事、委員の皆様方に心から御礼を申し上げます。
さて、私は、この夏発生をしました八代海における赤潮被害の問題と口蹄疫の問題について触れさせていただきます。
八代海そして有明海、橘湾において、この夏、史上最大級の赤潮被害が発生をいたしました。御承知のことと存じます。熊本、長崎、鹿児島、合わせて二百五十万尾を超え、そして五十億円を超える被害が発生をいたしました。うち、私の地元鹿児島県は、百七十万尾、三十六億円の被害が発生をいたしました。また、昨年も百二十万尾、二十億の被害が発生したところでございます。
鹿児島の、被害を受けました長島地区というところですが、日本一のブリの養殖産地として、養殖業を中心に発展をした地域でございます。アメリカやカナダ、EUにも輸出を積極的に展開し、そして中国へもその販路を広げるための努力がされているところでございます。また、養殖業の担い手も、養殖業者百四十一名のうち六割以上が担い手が育っている、そういう地域でございます。また、漁業共済へも、漁協の指導で一〇〇%加入をしている地域でございます。
地理的には大変辺地で、近隣の漁船漁業を営む地域は高齢化が進み、本当にひっそりとしておりますが、この地域は子供の声が聞こえる大変活気にあふれた地域になっています。農水省が目指します水産行政、漁業地域のあり方のモデル地域になるような地域であるのではないか、そんなふうに思っています。
このような地域に二年連続の赤潮被害、さらには八年前にも被害を受けたところでございます。出荷間際のへい死魚を処理する養殖業者の皆様方は、本当に声もかけられないほど憔悴し切っておられるわけであります。現地の養殖業者の皆さん方との対話集会でも、共済の補償だけでは立ち直れない、あるいは、昨年の被害で借り入れをして、もうこれ以上借り入れができない、養殖業者だけでなく、温暖化や地球海水の富栄養化などが原因と考えられるので国も責任を持って対応してほしい、種苗の購入やえさ代など考えるとこれ以上続けられない等、さまざまな切迫した意見、要望が出されたところでございます。
山田大臣におかれても、早速橘湾に視察に行かれ、また長島の方へは水産庁の部長が視察をいただいたところでございます。また、さまざまな対策を講じておられることに感謝を申し上げます。
しかし、これは必ずしも十分であるとは言えない状況でございます。このような、辺地にあっても自立に向けて懸命に取り組んでいる地域こそ、今回のような災害への政府のしっかりとした対応、迅速な対応があるべきだと考えています。
そこで、お尋ねをしますが、この間、農水省としても関係省庁との連携をとりながら対策を講じられ、後で触れさせていただきますが、新年度概算要求では積極的に防除対策を展開しようとされておられます。しかし、史上最大の赤潮被害への国の対策として、養殖業者の皆さん方が立ち直れるような、本年度におけるあと一歩突っ込んだ対策を検討いただけないか、御要望として、見解をお伺いしたいと思います。
○山田国務大臣 赤潮被害は本当に大変で、私も現場も行かせていただきましたが、そういう意味で今一番困っているのは、次、再開に向けての資金繰りだ、そう思っております。
そういう意味では、緊急保証として、無担保無保証、これを、無条件で千二百五十万、無担保で八千万円、有担保で二億八千万までの保証を可能にしておりまして、えさ代等々についての支払いの返済猶予等々についても、公庫その他金融機関に私どもの方から通知をいたしております。
さらに、加工業者に及ぶまでいろいろと及んでいるとお聞きしておりますので、政策金融公庫からセーフティーネット資金、既に八月に入ってから、そういう加工業者も含めて個別に面談も行わせていただいておりまして、きめ細かい対応を金融面でもいろいろやらせていただいております。
そのほかにも、漁場保全、整備のための農水省としてのいろいろな仕事、そういったことも今検討させていただいておりますが、新たに今度の概算要求で、あるいは、ここ二年続いてやっていますので、また来年発生するかもしれない、漁場を変えたいという要望もありますので、副大臣から説明があるかと思いますが、新しい予算も今回概算要求しておりますので、万全の措置をとらせていただきたい、そう思っております。
○皆吉委員 次に質問したいと思いますが、実は養殖業者の皆さん方、今大臣からありましたように、本当に今の収入を断たれているという現状にあるわけであります。そういう意味では、今、県としては緊急雇用対策によって一部土木工事などに就労の対応をしていただいておりますが、農水省としてさらに対策をしっかりと打てないかどうか。
特に、今お話ございましたように、赤潮防除対策は、来年、予算が具体的にされた場合に、赤潮は六月から発生をします、しますと、そのための今の段階からの準備の作業が必ず必要になるというふうに思います。そうしなければ来年の赤潮は防げないというふうに思っています。そういう意味では、今年度中に相当な準備作業を官民力を合わせて行っていくべきではないか。それを、農水省としてしっかりと予算を組んでいただいて、雇用対策の観点も含めて事業を展開いただけたらというふうに考えますが、そのことについての御見解をお伺いしたいと思います。
○篠原副大臣 私は、赤潮の被害というのは、山間地域における鳥獣被害と同じで、皆さん非常にがっくりくる被害じゃないかと思います。これは絶対防止しなければならないと思っておりますが、もう既に発生してしまっておるわけでございます。
皆吉委員の御指摘のとおり、今年度からいろいろ事業を準備していかなくちゃいけないんじゃないかということでございますけれども、来年度に向けては予算要求をしておりますが、今年度も、資源回復・漁場生産力強化事業というものがございまして、海底の耕うん等によりまして漁場環境保全活動が行えるようになっております。
ですから、こういったものを活用いたしまして、例えば今雇用というお話がございましたけれども、この五十九億円の予算の中で、こういった海底の耕うんをやったりする場合、この予算で、定額でございますけれども、一日一万二千四百円の補助ができるようになっております。それから、小さな船が用船で雇われてその作業をするわけでございますけれども、その場合は一日二万一千円払うというようなことで援助ができるんじゃないかと思っております。
それから、来年度の新規漁場、回避漁場の選定とかに必要な、シスト、赤潮プランクトンの休眠細胞の分布調査、来年六月から発生すると、休眠細胞が急に起きて赤潮が発生するわけですから、その調査等に一定の雇用が確保されるんじゃないかと思っております。
それから、そのほかに、漁協等が赤潮を回避するための養殖施設の移動、設置に関する計画を作成するに当たりまして、養殖生産管理高度化事業というのがあります。これは養殖業者の作業船等を活用して流れや海底の状況等の条件調査を行うことになっておりますので、こういった事業も代替的にやっていきたいと思っております。
それから、鹿児島県はきちんとしておりまして、既に赤潮が発生したことし、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金という、国の全体の予算では百四億円ほどでございますけれども、こういった、雇用が急に失われた地域においてある一定の条件で事業をやる場合に雇用対策を実施してよという、それの事業に該当していまして、長島町、私も行ったことがあるわけですけれども、既に二十一年度で二百三十人ほど雇用しておると聞いております。来年度も同じようにやっていく予定と伺っております。
○皆吉委員 ぜひ政府としても、景気対策として新たな補正予算等を検討されているとお伺いいたしておりますので、その中にしっかりと足らざる部分を組み込んでいただいて対応いただくように要請させていただきます。
時間がありませんので、総務省の関係も簡単に質問させてください。
総務省の特別交付税として、どのような経費を見込んでおられるのか。そして、十二月支給に間に合うのか。さらには、赤潮対策分として、その特交の内訳として明示ができるかどうかをお伺いしたいと思います。
○小川大臣政務官 お地元におかれましては、本当に、春先の口蹄疫から夏の赤潮と、大変な御苦心かと思います。心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
今の御質問ですけれども、昨年の赤潮被害に対しましても、地元鹿児島県を含めて七つの県市町に対して特別交付税による措置をさせていただきました。この対象経費でございますが、主に養殖業者の皆様の資金繰りを支援する際の、借り入れ、これに対する利子補給、それから、へい死をした魚の埋設処理に伴います漁協へのその費用の補助、これらを対象経費として措置をいたしております。
あわせて、去年までは三月分で措置をしてきたわけですが、今回の御指摘もございますので、ぜひ十二月分として措置をする。当然そのためには省令改正なども必要になりますので、それらも含めてぜひ検討をさせていただき、その際には当然明示をすることを前提に検討させていただきたいと思います。
○皆吉委員 最後に、口蹄疫の問題について御質問させていただきます。
鹿児島県は、御承知のように、肉用牛、豚とも飼養頭数が全国一位の畜産県でございます。宮崎における口蹄疫の発生は鹿児島県全体を震撼させてまいりました。一頭の患畜も出さないために懸命の対策を講じてまいったところでございます。そして、消毒ポイントの設置やあるいは競り市の中止、そして五月のゴールデンウイーク以降すべてのイベントが中止をされ、そしてまた地域のさまざまな集まりも自粛をされてまいりました。また、夏のシーズンの観光客も激減をしたところでございます。地域の経済に大きな打撃を与えています。
そこで、お尋ねをいたしますが、宮崎においては基金の創設など復興に向けた協議がなされておりますが、隣接県などの被害の状況について把握をされておられるのか、そして各県の方々をお呼びして政府として事情の聴取をする意向があるのかどうか、また基金については宮崎に限ったものなのかどうか、それらについて政府の考え方をお聞きしたいと思います。
○篠原副大臣 基金についてのお尋ねでございます。
この点については、昨日の参議院農林水産委員会でもいろいろ質問を受けておりますし、きょうも、小里委員それから江藤委員からも宮崎の関係で御質問が来ております。
鹿児島県からも基金の設置については要望がございます。ですから、我々は事務的に要望を伺っているところでございます。できますならば、宮崎県だけじゃなくて、隣接の熊本県、大分県等でも被害が生じているわけですから、こういったものに柔軟に使えるような基金を創設したいと思っておりまして、なるべく早く取りまとめるべく政府全体で準備しているところでございます。
○皆吉委員 ありがとうございました。
ぜひ、基金について、今のお考えに基づいて早急に結論を出していただき、対応をいただきますようにお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○筒井委員長 次に、小里泰弘君。
○小里委員 自由民主党の小里泰弘でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
前回に引き続きまして、赤潮被害についてお伺いをしてまいります。
本年六月、熊本県、長崎県そして鹿児島県域において発生をいたしました赤潮被害、被害尾数にして二百八十四万尾、被害額にして五十三億円と、養殖漁業者にとりまして、まさに前代未聞、広範囲に甚大な被害が発生をしたところでございます。
もとより養殖漁業者は、魚価の低迷あるいは餌料価格の高騰を大きな背景といたしまして経営が大変厳しい環境に置かれてきたわけであります。そこに、一昨年そして昨年に続きまして、さらに大きな被害が発生をいたしました。養殖漁業経営は今や危機的な状況にあると言わざるを得ない状況でございます。事態は、養殖漁業者の自助努力で解決できる範囲をはるかに超えております。そしてまた、共済等の現行の制度では補い切れない、まさに従来の救済策だけでは経営再建は困難な状況にあると判断せざるを得ないと思います。
我が国近海におきまして水産資源が減少傾向にある中で、地域の基幹産業としての養殖漁業者の経営の再生と安定を図り、食料供給基盤を確保していくことが、国の食料安保にとりまして、また地域振興の観点から、欠くべからざる重要な課題となっているところでございます。
以上の観点から、深刻な赤潮被害に対応して養殖漁業者の維持存続を図っていくためには、柔軟かつ果敢な政治決断、あるいは新規立法も含めた恒久的、抜本的な対応が必要になってくると考えますが、大臣、いかがでありましょうか。
○山田国務大臣 赤潮被害について、大変深刻であるということはよく承知しております。あらゆる形で、先ほどの質問の中、答弁の中で副大臣も答えましたように、いわゆる金融面での融資とか、あるいは圃場、いわゆる養殖場を、場合によっては、熊本、鹿児島の場合に新たなところに移すというお話も伺っておりますが、そういったもの等々含めましても、いろいろな資金の需要、あるいは助成金が必要になってくるかと思います。
そういったものに対応できるようなものは、私どもが調べてみる限りでは、今の農水省のいろいろな諸制度、いろいろな諸政策等々において十分対応していけると考えておりまして、今のところそれでやっていけると思っておりますので、ぜひ、私も現場を見てまいりましたし、これから立ち直るべく、しっかり取り組ませていただきたいと考えているところです。
○小里委員 現場の認識、現場から上がってくる声とはかなり隔たりがあると言わざるを得ないと思います。今後のことももちろん大事ですけれども、今をどう乗り切るか、そこで現場は今大変な状況にあるということをまず認識いただきたいと思います。
鹿児島では平成十四年に大規模な赤潮が発生をいたしました。その余波もおさまり切らないうちに、昨年さらにそれを上回る被害、そして、ことしさらにそれを上回る未曾有の被害であります。熊本は三年連続、長崎も御案内のとおり二年連続であります。これ以上の借金は到底難しい状況にある。そして、養殖共済があるとはいっても、なかなか、例えば熊本側はこの加入率は三割ぐらいと伺っておりますし、仮に一〇〇%これに加入をしていても、損失の六割弱しか共済金では補われない、そういう状況であります。年内の資金はあっても来年の資金がない、そういう現場の状況にあるということを認識いただきたいと思います。現場から、これ以上はやっていけない、そういった悲鳴が聞こえてくるのであります。
そこで、一定規模以上の赤潮については、損失のうち共済で補い切れない部分について国と県とで補てんをするという措置がどうしても必要であります。現場からはもちろん、県の方からも、その用意があるということで具体的なスキームも交えて、要望が上がってきているのであります。
いかがでしょうか。補てんについて、大臣の決断なり、また促進をお願いしたいと思います。
○山田国務大臣 今回の場合には異常な赤潮被害ですので、共済、鹿児島の場合にはほとんど共済に入っていたとお聞きしておりますが、その共済の掛金も、国が三分の二、県が三分の一で、生産者には負担がないと聞いております。それでも共済は六割ぐらいしか出ないじゃないか、あと四割の補てんはどうしてくれるかというお話のようです。
実際に今までのいろいろな被害も調べてみましたが、いわゆる津波でもって三陸沖で被害があったとき、あれも養殖等々にかなりの被害が出たんですが、そのときも、その被害について全額を共済以外で補てんされるということはございませんでした。今回において特別にすべてを補てんしていく、二年続きだから、三年続いているからということができるかというと、必ずしも今の段階ではそうは言えない。
ただ、考えられるのは、知事さんも私のところに来られましたので、いろいろお話ししましたが、県の方で幾らか補てんする。県が補てんする部分について、国でその二分の一を負担できないかというお話は伺っておりまして、今、地方特別交付金でそれを賄えないかということで、総務省と相談させていただいているところです。
○小里委員 三陸沖の津波被害のお話がございました。
ただ、大きな違いがあると思います。三陸沖の津波による被害、これにつきましては激甚災害の適用になっております。そしてまた、赤潮被害の場合は、二年連続、三年連続という連続する被害によりまして、まさに養殖経営が壊滅的危機に瀕している、そのことに思いをいたしていただきたい、そのように思います。
また、今、県がある程度補てんをする、そのまた半分を国が特交でというお話でありますが、これは全く、県からの要望、また現地からの要望とさらに大きな隔たりがあると言わざるを得ません。我々が県と意見交換をして調整した上でつくったスキームによりますと、まず、共済が及ばない部分の損失について、国が五分の四を国庫支出負担金において負担する、五分の一を県が補てんする、そして、その県の五分の一についても、当然のことながら特交の対象とする、そのようなスキームを思い描いているわけであります。
今まで漁業に対する支援は農業に比べて薄かったということを、反省を交えて今思っているところでございます。
水産資源が枯渇をしていく中で、魚価の低迷、餌料価格の高騰などによりまして大変な厳しい中で頑張っておられる養殖漁業者、そういった漁業者をしっかりと支援して、資源管理を国としてしっかり支援していくことが求められると思います。特に、つくり育てる漁業として養殖経営の普及と安定化を図り、国として支援していくべきは当然であると思います。若い後継者も多い、そして地域の基幹産業となっております。その養殖経営が今、連続する赤潮被害で存続の危機にあります。国の食料安全保障と地域振興の観点から、ここは何としてでも養殖経営の再建と安定化を図っていかなければなりません。
県においては、申し上げましたように補てんの用意があります。できることは何でもやっていこうという県からの切なる声が上がってきているわけであります。そして、国における理解と支援を求めておられる。どうか、そのことに思いをいたしていただきたい。再度、大臣の答弁をお願いします。
○山田国務大臣 この赤潮被害もさることながら、養殖業全体、今えさ代が高騰し、大変厳しい状況にあることは委員も御承知だと思っております。こういった養殖業も含めて、今回、平成二十三年度の概算要求で漁業所得補償、いわゆる収入共済制度を思い切って構築したいと考えております。
というのは、共済では六割までしか補てんされません。しかし、収入共済、国の方がかなりの部分を負担する形になっていくんですが、六割ではどうしても安心して次に続けていくということができませんので、このような場合に、少なくとも八割まで、さらに、年齢等の条件もすべて撤去して、九割まで積立ぷらすができるような形での、養殖においてもいわゆる収入共済制度、漁業所得補償制度の一環として今検討しているところでございまして、これから先、養殖業全体について、いろいろな、経営において持続できるような形でのものを抜本的に考えて取り組んでいきたいと考えているところです。
○小里委員 全く、現状をどう乗り切るかということに対する答えにはなっておりません。来年の話を今現場に向けてしても、今現場の人たちが、ここで奮い立って頑張っていこうという気になるわけではありません。
もちろん共済制度については、これをさらに加入しやすい、さらにまた充実したものにしていく必要がある、そのことは私どもも認識をしております。これは改めてまた提案を申し上げ、委員各位の、また、国会議員各位の党派を超えた対応をお願いしたい、そのように思っているところでございます。
なおまた、共済制度をある程度充実したものにした、そのことによって所得補償という表現をされるのは、これはいささか奇異に聞こえる。なかなか、現場の感覚として、また、我々の、国政に携わる者の感覚として、名称と一致していないんじゃないか、そんなふうに思いますので、そこのところはまた注意して今後の取り運びをお願いしたいなと思っているところでございます。
いずれにしましても、今をどう乗り切るか、そこに着目をした補てん措置をぜひお願いしたい、そのように要望申し上げる次第でございます。
赤潮被害に対処するための費用の特交措置について、再度確認をさせていただきます。
地方自治体におきましては、死魚の埋却費用、雇用対策費、あるいは利子補給、あるいはまた被災養殖業者の国民健康保険の保険料等の減免、さらに、損失の補てんを行った場合に要した費用など、赤潮被害に対処するための多くの出費が予定をされるところでございます。
赤潮被害対策のために地方自治体が支出をした費用について、当然、特殊財政事情として特別交付税の対象とすべきと考えます。また、しっかりとほかの分と分けて、これが赤潮の分だとわかるように、そして早期にお願いをしたいというのは当然のことでありますが、あわせて確認をさせていただきたいと思います。
○小川大臣政務官 先ほども御答弁申し上げましたとおり、これまでの実績から申し上げますと、資金繰り支援のための利子補給、それから、へい死をいたしました魚の埋設処理に係る費用等を特別交付税措置の対象経費として措置をしてまいりました。
これに加えて、今委員から御指摘のさまざまな経費については、十分、関係する地方公共団体の実情についてまずよくお聞きをいたしたいと思います。その上で、財政運営に改めて支障が生じることのないように適切な対処をさせていただきたい、農林水産省とも十分調整をさせていただきたいと思っております。
○小里委員 補てんとあわせて、金融上の措置も必要になってまいります。養殖漁業者の経営の再建に向けまして、例えば、種苗購入費、施設整備費等の費用につきまして、無利子貸し付け、償還期限の延長、貸し付けに係る保証限度額の引き上げ等の措置が求められるところであります。目下の対応状況についてお伺いをいたします。
○山田国務大臣 融資関係について私からお答えしますと、先ほど皆吉さんにもお話ししましたが、とりあえず無担保無保証で千二百五十万、無担保で八千万。今、この八千万でほとんど対応させていただいているようです。さらに、有担保で二億八千万まで今緊急に融資して、そしてつないでいただくという措置をとっているようです。
種苗についてもそれなりの、人工種苗の活用についても、技術の実用化に向けていろいろな形での支援を今検討しているところのようです。
○小里委員 ちょっと答弁が錯綜しておりまして、理解が難しいところでありますが、可能な限りの金融措置をとっていただくように、現場の声を大事にしていただくように、切にお願いをしたいと思います。
そこで、今回の赤潮被害を振り返りましたときに、生けすを沈下させる、このこと自体は従来は効果があると考えられてきました。しかし、今回は、赤潮の被害が長期にわたりました。細胞数が増大であった。そして、潮が動かなかった。最盛期において小潮だったんですね。そういった悪条件が重なりまして、最終的には生けすの沈下もさほど効果がなかったのであります。しかしながら、この生けすの沈下と、比較的安全な新たな養殖漁場とを組み合わせていきますとかなり効果があるんじゃないか、そういった検証結果が出てきておるわけであります。また、これを我々は訴えてまいりました。
そこで、新規の養殖漁場の整備、あるいは沈下式の生けすの設置、既存の生けすの避難のための曳航支援など、これをしっかりと国が図っていかなければならない、そのように認識をしております。当然、概算要求の中で盛り込まれていると認識をしておりますが、そこのところをさらに詳しく、また確答をお願いしたいと思います。
○佐々木大臣政務官 新規の養殖場の整備、あるいは赤潮被害の回避のための来年度に向けての対策についてのお尋ねでございます。
新規養殖場の整備、それから赤潮被害の回避について、二十三年度の概算要求でありますが、赤潮・いそ焼け緊急対策として約七十億円要求をさせていただいてございます。
具体的に申し上げます。
一つには、赤潮を回避するための養殖施設の移動、設置の実証、今委員御指摘のことでございますが、これの定額助成。それから二つ目には、赤潮発生海域における底質改善のための覆砂、あるいは薄層しゅんせつ、いわゆる吸い上げでありますが、等によるシストの除去の実証、これの定額補助。それから三つ目でありますが、赤潮発生時の代替の養殖場のための共同利用施設の整備、これは補助事業でございますが、以上のものについて計上させていただいてございます。
○小里委員 要は、新規養殖漁場をしっかりつくる、そこに沈下式の生けすをしっかり整備する、既存の生けすもそっちへ引っ張っていく費用も見ます、そしてまた、よく菌の存在状況を調べて、その濃いところには海底に覆砂をして押し込めますよ、そういうことでいいんですね。うなずかれましたので、答弁は要りません。
先ほど大臣から、人工種苗のお話が若干ありました。赤潮被害回避のための対策として、人工種苗の開発、活用によりまして出荷の前倒しをやっていく、これが有効性があるんじゃないかと期待をされるところでありまして、大臣お触れになりましたのでもう答弁は求めません。しっかりと人工種苗の開発、活用のための支援も図っていっていただきたい、要望しておきたいと思います。
なおまた、赤潮発生の原因究明及び防除対策につきましても、今後の大きな課題として望まれるところであります。抜本的に赤潮被害を解決していく、そのために原因を究明して発生防止のための対策を講ずるべきは当然であります。赤潮の発生原因となる有害プランクトンのシスト、種の分布状況を調査して、赤潮の発生メカニズムの究明を図り、そして赤潮の発生防止のための有効な措置を講ずる必要があると思います。簡単に、取り組み方針をお伺いします。
○佐々木大臣政務官 赤潮の発生の原因究明、それから防除対策についてのお尋ねでございます。
今委員からも御指摘ございましたが、赤潮それから貧酸素水塊漁業被害防止対策事業という事業の中で、水研センター、それから県の試験場、大学、それぞれ連携をさせていただいて、漁場環境のモニタリング、赤潮発生のメカニズムの解明など、調査に取り組んでいるところであります。
今委員からも御指摘がございましたが、今後の対策として、避難漁場の選定のためのシストの分布状況の調査、それから、移動や沈下の可能な生けすの改良など、既に現地の皆さん方と検討を開始させていただいているところでございます。なお、赤潮の発生に間に合うように、来年度に即実施できるように、今、現地の皆さん方と検討させていただいているところでございます。
○小里委員 どうかよろしくお願いしたいと思います。
ここまで、赤潮被害に対応しまして、養殖経営の再建と安定化のために必要な措置についてお伺いをしてまいりました。
特に現行制度に補てんの用意はありません。補てんを行うツールとして立法化が求められると思料いたします。給付を行う場合には、行政に任せず国会でルールを定める、そして公正を期していくべきは、法治主義の原則に照らしまして当然のことであろうと思います。また、補てん措置を法に定める以上は、これと一体のものとして、講ずべき措置をあわせて法において明確にし、運用上行政に注文をつけていくということが国会の意思として肝要なことであろうと思います。
そして何より、今後も同じような事態が起きた場合に、必要な措置を定めることによりまして、養殖漁業者が将来への不安なく、安定的に、夢と希望を持って経営に取り組んでいける、その環境づくりに立法化がつながっていくんじゃないか、そのように確信をするところであります。
以上の観点から、先般、自民党の水産部会におきまして、仮称ではありますが、赤潮被害対策特別措置法の制定に向けまして、方針を確認し、作業を進めているところでございます。今後、細目を詰めて、来る臨時国会においてこれを提案申し上げたい、そのように運んでいるところでございます。
災害には、当然のこととして党派を超えて対応し解決を図っていく、これは申し上げるまでもないことであろうと思います。そして、食料安保と地域振興の観点から、今回、国による特段の対応が望まれると思うところでございます。早期の成立を期して、委員各位の御賛同、御協力を心からお願いしたいと思います。
最後、口蹄疫関係を若干お伺いしたいと思います。
基金についてのお話、今副大臣から前向きの答弁をいただいたところでございます。
前回の質問の中で、基金の規模、対象地域、内容、窓口、スケジュールを明確にしていただきたい、そのようにお願いをいたしました。前回の質問から一カ月余り経過をしているわけであります。まだ詰まっていないということであれば、これをいつまでに明確にされるか、お伺いをしたいと思います。
○山田国務大臣 いつまでにというか、今早急に詰めている、そうお答えをきのうもさせていただいたところなんですが、きのうもまたいろいろと検討させていただきました。
内容が、畜産関係、農業関係だけでも五十六億ほどの要求が宮崎県側から上がってきたわけですが、その中で、農水省のこれまでの予算、制度で対応できるものとか、あるいは基金からやった方がいいものとか、いろいろと検討させていただいて、私ども農水省としてはこれこれだということで、各省庁、観光とか云々もそれぞれ上がってきております。
中でも一番問題なのは、宮崎県から上がった二百億の、公園とか道路とか、いわゆる公共事業は口蹄疫とは直接関係ないんじゃないか、こういったところまで基金ではどうかというような、いろいろなところで、先般うちの小川総理補佐官が行ったときにまた新たな提案もいただいたようですが、それも含めて今検討しているところでして、できるだけ早く結論を出したいと考えているところです。
○小里委員 この基金の問題は、昨日、参議院の農水委員会におきましても、我が党の野村哲郎委員から再三再四にわたりまして質問を繰り返したところでございます。全く今の答弁と同じような答弁でございました。
現場はいつまでも待っておれない。今までの対策がそうであったように、さらに再生に至るこの方策まで遅きに失するということであっては、地域がさらにこれから頑張っていこうという気には到底なっていかないと思いますので、ぜひ具体的に、目に見える形でお示しをいただくようにお願いをしておきたいと思います。
また、口蹄疫対策、今後さらに中期、長期にわたって続けていかなければならぬと思います。例えば、人工授精を一カ月、三カ月中止をしました。この影響というのは、まず十、九カ月後前後ぐらいにあらわれてくるということは、大臣も副大臣も御案内のとおりであろうと思います。その他いろいろな、今回の口蹄疫による後遺症、ひずみというものが中長期にわたって生じてきます。しっかりとそれぞれの段階において国として支援を行っていただけますようにお願いを申し上げまして、質問を閉じさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○筒井委員長 次に、江藤拓君。
○江藤委員 宮崎県の自由民主党、江藤拓でございます。
きょうは、閉会中審査、委員長、ありがとうございます。両筆頭、御苦労いただきまして大変感謝をいたしております。筆頭にお土産までこの間いただきまして、ありがとうございました。
八月二十七日、長い長い時間がかかりましたけれども、ようやく終息宣言を宮崎県は迎えることができました。やっと宮崎県民の顔にも笑顔が戻ってまいりました。イベントが一斉に再開されまして、復興イベント、焼き肉イベント、頑張れ宮崎イベント、たくさんの方が集まって、本当に盛り上がりを見せております。しかし、でもそれは、表面的なものであるというのは言い過ぎかもしれませんけれども、本当の意味で畜産がいやされたのか、地域経済がいやされたのかというと、決してそうではありません。ただ、一つの区切りを迎えてほっとしたというのが正直な宮崎県民の感想であります。
最初にお尋ねをいたします。
この節目の日を迎えて、大臣は、口蹄疫がここまで蔓延した、終息宣言まで百二十九日間もかかった、ワクチンを接種することまで農家に強いなければならなかった、そのことについて責任をお感じになっていらっしゃいますか。前にも聞きましたが、改めてお聞きをします。
○山田国務大臣 今回、宮崎県で口蹄疫が発症して、ようやく終息を迎えることができました。それについては、二十九万頭の牛、豚の殺処分をするに至った、いわゆるワクチン接種という日本の歴史で初めてのことをやらざるを得なかった、そういう意味では、今回、口蹄疫の発生をそこで食いとめることはできたものの、本当に非常に重い責任は感じております。
○江藤委員 責任を感じているというお言葉をいただいて、ほっといたしました。そのお気持ちがまずなければ、これからの再建に向けての建設的な議論は私はできないんだろうというふうに思っております。
この第三者委員会による、口蹄疫対策検証委員会、これは一生懸命ばりばりやっていただいた方がいいと思います。もう二度とこういうことが起こらないように、精いっぱいの努力をしていただきたい。ただ、メディア等で伝わってくる、そういうマスコミ情報でしか私はありませんけれども、お聞きをすると、一義的な責任は、どうも、宮崎の対応が遅かった、市町村の対応が悪かったんだというような表現が随所に見られる。
でも、法定伝染病である以上、日本国に口蹄疫ウイルスが侵入した時点でまず国に責任があるということは、釈迦に説法かもしれませんけれども、もう一度委員の皆さん方も、三役の皆さん方も胸に刻んでいただきたい。このことをまずやらなければならない。空港をどうするのか、港をどうするのか、これからきちっとした議論をしていきたいというふうに思います。
現場は必死でやりましたよ。ある県庁職員、四十数歳ですけれども、子供が二人、奥さんのおなかの中には三人目の子供がいる。毎日埋却処分、灼熱の太陽の中で。家から出た途端に倒れて、そのまま亡くなりました。そういうことは報道されませんけれども、みんな自分たちのできることを必死にやったんですよ、必死に。
今回の口蹄疫、私も含めて口蹄疫にかかわった人間はすべて反省すべき点がある。政府の責任がすべてであると言うつもりは私は決してありません。ですから、反省をもとにして、これから二度と起こらない議論をぜひしていただきたいというふうに思います。
ただ、非常に私は不満な点がある。私も、前、石破大臣のときに政務官をやらせていただきました。事故米の問題が発生をいたしましたね。そのとき、民主党の先生方から徹底的に追及されましたよ、徹底的に。そして、私たち政務三役、そして官房長、それから事務次官、みんな給料の返納をいたしました、一〇%か二〇%。我々は一カ月分丸々返納いたしました。
責任を感じているとおっしゃいますけれども、国民の皆さん方がわかるような具体的な責任のとり方を、銭金の問題だと言っているんじゃないんですよ。口では反省しているとおっしゃるけれども、その反省が姿に見えないということを非常に私は残念に思います。
そういうことをする、この節目に当たって、一応終息した節目に当たって、そういったことをお考えがあるかどうか、御答弁を一度求めます。
○山田国務大臣 どういう趣旨かよく理解できませんが、いずれにしましても、今回、ワクチン接種するという、本当にまだ口蹄疫にもかかっていない、疑似患畜でもかかっていない農家に対しても犠牲を強いさせた、そういう意味では重い責任は感じております。
しかしながら、何とかこうして皆さんの努力で、皆さんが本当に献身的にやっていただけたからこうして口蹄疫を食いとめることができた。
では、こういう口蹄疫の発生が、どこに原因があったのか、どういう事情があったのかということになりますと、疫学調査の結果によっても、既に三月の中旬には宮崎県にウイルスは侵入してきている。そして、四月の三十日には宮崎県の家保に検体は持ち込まれている。そして、四月の二十日、国にその報告がなされた時点においては実際に十農場以上でウイルスの発症が認められる、抗体検査の結果では。
そういう状況の中において、県も一生懸命努力した、そしてその後、国も一生懸命努力した、そんな中で、国の指針どおりにやったえびの市とかあるいは都城はきちんとそれをおさめることができた。そのために宮崎県の方々も随分頑張られた、そういうことではありませんか。
○江藤委員 責任を感じていらっしゃるとおっしゃったから、それをわかりやすい形で示すのが、やはり大臣としての歳費、給与なりの国庫への返納。宮崎県民も大変な痛みをこうむったんですよ。地域経済も大変な痛みをこうむったんですよ。職を失った人もいるんですよ。だから、それに対してこたえる対応をする気がないのかと聞いたけれども、全く意味がわからないという答弁ですから、もういいですよ、もっといっぱい聞きたいことがありますから。
そして、八月二十八日、「新生!みやざきの畜産」の総決起大会が開かれました。(山田国務大臣「ちょっと、委員長」と呼ぶ)だめです。総決起大会が開かれました。農家や行政関係者の、ほぼ千三百人……(山田国務大臣「委員長、ちょっと先に一言言わせて。さっきの質問について」と呼ぶ)質問中ですよ。聞いてないもん。聞いたことに答えればいいんですよ、大臣は。
○筒井委員長 これが終わったときに、一緒に答えてください。
はい、続けてください。
○江藤委員 言いたいことを言うのは、この場じゃありませんよ。私の質問に答えてください。
一千三百人が集まって、みんなで立ち直って頑張ろうという大会を開いたんですよ。そして、高校生たちが畜産農家を励ます歌を歌い、スクリーンには死んでいった牛や豚の姿が映されて、祭壇でみんなで献花をして、そして畜産の後継者、肥育、繁殖、養豚、そういう青年たちが、必ず我々は再起するという力強い決意表明もありました。そして、川上典子さん、川南の酪農家ですよ、女性一人で十六頭のホルスタインの面倒を見てきた人。四年前にはがんも患って、一度は酪農をやめようかと思った。だけれども、彼女が追悼の言葉を述べられました。無念の思いで死んでいった牛や豚のためにも、みんなが手をとり合って畜産を営んでいくことを約束する、私ひとりぼっちだけれどもと。私と同世代ですよ。
そういう場面に、私は当然、対策本部長である内閣総理大臣が御出席いただけるものだと思っていました。それが無理なら、大臣がお越しいただけるものだと思っていた。百歩、千歩譲って副大臣、政務官かと思っていた。政務三役、だれも来なかったじゃないですか。そのとき宮崎県民がどれほどがっかりしたと思いますか。みんな愕然としていましたよ。
小川さんが来てくれた。小川さんは、壇上に立たれて、誠意を込めておわびを言ってくれました。そして、一生懸命取り組むという言葉も言ってくれた。小川さんの言葉は、これは了として私は認めます。小川さんじゃ役不足だとか、そういう批判をしているんじゃないんです。ただ、県民としては、最初に発生したとき、私が言ったでしょう、私なんかを畜産農家は待っているんじゃないんだ、赤松大臣、あなたが現場に駆けつけることをみんな待っていたんですよということを言いました。
この終息のタイミングに国のしかるべき方が来て、ともに頑張りましょう、国も頑張ります、県も市町村も関係団体も農家の皆さん方も、二次的、三次的被害を受けた方々も、全力を尽くしますからともに闘いましょうというお言葉が私はいただきたかった。どうして来てくれなかったんですか。その日、何をされていたんですか、大臣。副大臣は何をされていたんですか。政務官は何をされていたんですか。政務三役は五人もいるじゃないですか。何でだれ一人来れないんですか。
○篠原副大臣 僣越でございますが、副大臣の私の方からお答えいたしたいと思います。
おわびいたします。すべての非は私にございます。私の健康管理不行き届きで風邪を引いてしまいまして、先ほども二回ほど大きなくしゃみをして皆さんに御迷惑をおかけしていると思いますけれども、風邪を引いてしまいまして、急遽行けなくなってしまいました。それで、八月二十六日に急遽宮崎県に連絡して、私が行けませんということで。
それで、今、江藤委員御指摘のとおり、ほかにおられたわけですけれども、余りにも急だったということで、ほかの政務三役もそれぞれもうイベントがありまして、出席が決まっておりました。山田大臣は、日中ハイレベル経済対話に出席するために、二十七日の金曜日から三十日の月曜日まで中国へ出張予定でございまして、もともと出席できなかったんです。それで、現地対策本部長として指揮をとっておりました私が「新生!みやざきの畜産」の総決起大会に参加するように、大臣から特別に指示がございました。
実は私も楽しみにしておりました。そして、現地の方々に感謝申し上げるとともに、二十九万頭の家畜の霊を慰めて、復興対策に向けて皆さん頑張っておられるので激励しようと思いまして、私がちょっと手を入れましたペーパーを用意しておったわけですけれども、急遽参加できませんで、すべての非は私にございます。
そのときに、今御指摘のとおり、農林水産省からだれか一人ということはあったんですが、副本部長として行っておられました小川勝也総理補佐官がおられるので、総理補佐官にお願いしますということで、我が方から一人も政務三役が出席できなくなってしまったことは深くおわび申し上げます。
○江藤委員 今度、質問主意書で、五人の方々がその日どこにおられたか、大臣のはわかりましたけれども、きっちりお尋ねをさせていただきたいと思います。
やはり農林水産省なんですよ、来ていただきたいのは。さっきも言いましたでしょう。小川さんじゃだめだと私は言っていません。彼は私に控室で正直に言われましたよ、きょうは副大臣が来られないので、私になってしまいました、申しわけないと。非常に誠実な方だ。ですから、彼を責めるつもりは全くない。ただ、宮崎県民がどれだけ落胆したかということは胸に刻んでください。
それで宮崎県民が何を感じたか。宮崎のことは真剣に考えてくれていないんじゃないか、もう基金もできないんじゃないか、課税問題も解決していただけないんじゃないか、そういうふうに私にみんなが言った。(発言する者あり)揚げ足取りなんかじゃないよ。だれが揚げ足取りをしているんだ。私は地元の人たちの声を代弁しているだけ。揚げ足取りなんか全くしていない。
それでは次に、基金の問題についてお尋ねをさせていただきます。
基金の問題ですけれども、これは先ほど小里委員から質問がありましたから、くどくはもうやりませんけれども、これはちゃんと特措法にのっとって設置されるんですね。それだけ、簡略にお答えください。
○山田国務大臣 設置いたします。
○江藤委員 先ほど、早急にという御答弁がありましたが、早急にというのは、いつを想定していらっしゃいますか。御答弁願います。
○山田国務大臣 前々から申しておりますように、これは農水省の、私が大臣の決断でできる話ではございません。農水省もですが、厚生労働省も、それから経済産業省も国土交通省も絡んでまいりまして、今それこそ各省庁で、官邸を中心として各省庁での調整をやっているところです。
もう少し、その経緯、プロセスをお話しさせていただこうかと思っております。
なぜ今おくれてきているかということも、いろいろあるんですが、一つは、宮崎県側から取り崩し型で三百億要求しております、これは。ところが、その三百億のうち二百億というのは、公園とか道路とか、いわゆる口蹄疫とは、全くとは言いませんが、直接関係のないそういう工事が含まれておりますし、畜産関係におきましても、大きく三つあります。今後の種畜の造成支援、これが約八億円、地域を主体とした消毒体制の整備六億円、防疫体制に係る施設の整備、そういったもの十二億円、いろいろあります。
しかし、その中で、消費・安全対策、その他いわゆる整備対策で農水省でできるもの、そして、農水省としては、この基金でできるものとしては、今後の種畜の造成支援約八億円という形になります。(江藤委員「それは資料を全部私は読んでいますから、委員長、いいです」と呼ぶ)ちょっと聞いてください。そういう形で、私ども、この基金については細かく、今それぞれの省庁の、例えば経済産業省ではどの事業についてどのように、そういう詰めを今やっている段階なんです。
ところが、宮崎県側の要望では、総額三百億で取り崩しで欲しいという話をしているところで、なかなか宮崎県側の要望と折り合っていないというところでおくれていると考えていただければ結構です。
○江藤委員 早急にという言葉を広辞苑で引いてくださいよ。早急にという言葉を小里委員の質問に対して答えたんですよ。早急にというのはすぐということじゃないですか。今のお話を聞いていると、いつになるやらわからぬというふうにしか聞こえませんよ。
いいですか。八月二十三日、対策本部長である菅総理大臣、民主党の対策チームの要望に対して官邸で、早ければ八月中、遅くとも来月初めには結論を出したいと。総理大臣ですよ、一国の。政治主導なんでしょう。総理大臣、対策本部長がそう明言されているんですよ。党内で、民主党の先生方、あなた方にそう約束したんですよ。それをやらないのは民主党議員に対する裏切りでもないんですか。
だから、私は、早急にできるものだとこのとき思いましたよ。もう九月の第二週じゃないですか、きょうは。しかも、代表選挙か何か知りませんけれども、もう政治そっちのけで、わあわあわあわあやっていらっしゃいますよね。
それから、言いたいことはもう山ほどありますけれども。
いろいろお話がありました、二百億の公共事業がどうのこうの。先ほどちらっと言われましたね、新しい提案を宮崎県から受けたと。八月二十八日、小川補佐官が東国原知事から新しい提案を受けていますよ。
最初は三百二十二億三千万円、取り崩し型でお願いしたいということだけれども、補助金適正化法の問題とか、いろいろクリアしなきゃ、問題があるからこれは難しいと。それから、国土交通省から、具体的な箇所づけがないのでいいとも悪いとも判断しようがない、そういう返事をもらいました。県に聞いてみたら、どこの工事をどれぐらいの規模でやるか出せというならすぐ出せると言っていますよ。そういう指導が国交省からまずない。
それで、折れたというのは言い過ぎかもしれませんが、新しい提案の内容は、百二十億円規模の取り崩し型の基金を頼みたい、農畜産業の再生のために緊急的な対応が必要な事業を三年間でやらせてくれと。だから、公共事業を削ったわけですよ。そして、国で三千億程度の基金を設置して、基金は補助金適正化法の対象になりませんから、これは宮崎だけじゃなくて、鹿児島も熊本も、もしかしたら長崎も、市場閉鎖されたわけですから、使える。そういう国の大きな基金を使って、その運用益、十年間で、国に、やらせてほしいという提案をしたわけであります。
このことについて、早く結果を出してください。宮崎県にとっては、三百二十二億の取り崩し型ですよ、でも、東国原知事も県も、余りにも国のガードがかたいので、折れて、第二の提案をしているんですから。しっかりこれを受けとめてください。
適正化法とか何とかかんとか言いますよ、一括交付金がだめだとか言いますよ。だけれども、例えば、平成二十年八月、リーマン・ショックのとき、麻生内閣で、平成二十一年五月、地域活性化・経済危機対策臨時交付金というものを補正予算で計上しました。そのときには宮崎県には九十一億円来たんですよ、宮崎県に九十一億円。大変助かりました。そのうちの二十七億円を宮崎県は基金にして、それで公共事業をやったという実績があるんだから。過去実績がないと言うような役人もいるみたいだけれども、このことも党内で、閣内で、きちっともう一回、今すぐにでも、この委員会が終わったら議論をして、早く結論を出してください。このことは要望にとどめておきます。もう答弁は要りません。
次に、手当金についてお願いをします。
手当金、きょう返事をください。課税するのか非課税なのか。一千万もらおうが二千万もらおうが三千万もらおうが、後で五〇%課税されて持っていかれるんだったら、使えませんよ、この金は。(発言する者あり)
今筆頭からも言われましたけれども、特措法の二十七条、読みましょうか。「国及び地方公共団体は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延が牛、豚等の家畜の所有者に与える影響に配慮し、必要な税制上の措置を講ずるものとする。」。全会一致ですよ、皆さん。委員長提出法案ですよ、特措法は。皆さん方も賛成したんですよ。やらなかったら法律違反ですよ。やることがありがたいとかなんとかいう話じゃなくて、立法府は責任を果たしたんですよ、行政府がちゃんと法律にのっとって、ちゃんとやってくださいよ。
早く農家は経営再建計画を立てたい。競りが再開になった、牛を買いに行っていますよ。(山田国務大臣「委員長」と呼ぶ)まだ終わっていないから、待ちなさいよ。(山田国務大臣「そんなに興奮しないで、ちゃんと冷静に話しましょう」と呼ぶ)興奮させるようなことを言うからですよ。
では、もうちょっと冷静にやりましょう。
今、いわゆる概算金をもらいましたけれども、肥育農家は大分使っちゃいましたよ、今回の競りが再開されたことによって。価格が高いから。予想された、自分で買いたい頭数も買えない、そういう状況の中にあるんですよ。物すごい不安ですよ。もしかしたら、五〇パー、これは所得とみなされて持っていかれるかもしれない。会う人、会う人が、江藤君、手当金はどうなるの、いつ結論が出るのと。
きょう返事してくださいよ、非課税にすると。御答弁を求めます。
○山田国務大臣 法律で、非課税にする、そういうふうにしているわけですから、当然非課税になります。ただ、それを早くやってくれということで、これも法案を通さなきゃいけませんので、次の臨時国会で出してほしいと私の方で財務省にお願いしているところです。
○江藤委員 それでは、そのことが宮崎県の農家の方々にきちっと伝わるような形で、必ず法案という形で提出をして、課税はいたしませんということを、総理大臣談話でもいいですよ、対策本部長なんだから。これをやってください。やっていただけますか。
○山田国務大臣 それは総理大臣がやるべきことではありません。
○江藤委員 内閣の一員なんですから、そういうふうに働きかけをしてくださいよ。冷静に話しますから。
それでは次に、共済金の話。これも何度もしました。患畜、疑似患畜のところは、五分の一の部分は県が見舞金という形で出した。しかし、ワクチン接種農家のところはそれが出ない。無事戻しの分しか出ない。物すごい不公平感ですよ。最近、ようやく百二十九日を過ぎて、私は呼ばれるんです、いろいろなところで、江藤の話を聞きたいといって。しょうちゅうを飲みながら、ビールを飲みながら、ざっくばらんな話をしています、いろいろなところで。おかしいじゃないか、共済金を払っていた人間も払っていなかった人間も同じ扱いなのかい、おかしいじゃないかと。
そうであれば、私はここで一つの提案をしたいと思います。県は見舞金という形で払いました、見舞金という話で。国は、ワクチン接種協力金、ワクチン接種に賛同してくれて、受け入れてくれてありがとうという形で、それに相当する額を出したらいかがですか。そうすると不公平感がなくなる。御感想だけで結構ですから、御答弁を求めます。
○篠原副大臣 江藤委員の御指摘の問題は、私が現地対策本部長で行ったときに一番最初に皆さんから要請を受けた問題でございます。そのときから不公平感があって、こういうふうになってしまうと……(江藤委員「不公平」と呼ぶ)不公平になってしまうということで問題になっておりまして、あちらの方でその期間中に何とかしろという指示を私もいたしまして、やっとでき上がったものが、これは不十分かもしれませんけれども、共済の掛金として払ってしまったものをお返しするというのを、宮崎県の共済の規定を変えて手当てしたところでございます。
それでも、返るのは大体数千円でございまして……(江藤委員「二、三千円ですよ」と呼ぶ)数千円というのは、ほかの皆さんは五万円とか六万円とかの見舞金が行っている。そうすると、十倍以上の差があるということで、その不公平感がずっとあるのは承知しております。
しかし、今のところは全く同じですし、その問題は解決しておりません。
○江藤委員 非常に率直な、正直な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
これは、もう日本で口蹄疫が発生しないということを私は神に祈りますし、そのために、我々政治も、防疫体制を含めて、マニュアルも含めて万全の体制を組んでいかなきゃいかぬと思う。
だけれども、起こってしまったときには、ワクチン接種をやはりお願いしなきゃいけない場面も出てくる可能性があるわけですよ。そのときに、ちゃんと国はやってくれるからワクチン接種を受け入れようという体制を、副大臣、築いておいた方がいいと思いませんか。そう思うでしょう、正直なところ。うなずいていらっしゃいますよ。ですから、ここのところは、将来の口蹄疫発生に備える意味でも、ワクチン接種農家が割りを食わないように、きちっとした改正をもう一度政務三役の中で御議論ください。ぜひよろしくお願いをいたします。
次に、今回の競り、全部三十八万以上です、今のところ。きのう東臼杵がちょっと下がってしまいましたけれども、ほかのところは非常に高い。さっきも言いました百万円以上の繁殖雌牛も出ております。その数字、平均価格だけを見れば、ああ、宮崎、口蹄疫の影響が少なかったね、よかったねというふうに思われるかもしれませんけれども、決してそんなことはありません。
高千穂の例だけを紹介しますけれども、雌で四百三十四日齢、四百三十四ですよ、それで十二万八千円しかしていない、十二万八千円しか。去勢でも、三百六十日やって二十五万しかしていない。だから、私は、一頭一頭に着目をして、再生産可能価格の四十万の差額を払ってあげないと農家はつぶれますよという話を再三この委員会で申し上げたんですよ。
そういうことを、もう一度、今回の競りの結果を見て、よろしければこれをあげますから、競りの名簿を、御検討していただく考えはありますか。大臣、副大臣、どちらでも結構です。
○篠原副大臣 この点につきましても、前回の農林水産委員会でも御指摘を受けております。
我々もそのことは承知しておりまして、困るんじゃないかということで、宮崎県、鹿児島県、熊本県につきましては、全国の平均が三十八万円だったわけですけれども、そうじゃなく、今は下がっている、県ごとに算定して、そしてその地域の平均販売価格と比べて支援金を出せるように手当てしておりまして、三県につきまして……(江藤委員「だからもう意味がないんだから、全部三十八万以上なんだもの」と呼ぶ)でも、下がっている場合も、下がる場合もあるわけですよ。あるわけですから、高く売れている場合は問題がないわけですね、下がった場合について手当てしておくということで御了承いただけたらと思います。
○江藤委員 これでやめますけれども、認識が違うんですよ。平均では確かにいいんですよ、平均では。だって、十万円の牛がいても、百万円の牛がいれば、平均五十五万でしょう。平均を見ちゃだめなんですよ。この名簿を見て、一頭一頭見なきゃだめなんですよ。これがきめ細やかな政治なんですよ。それが求められているんですよ、今回は。民主党さんは、自民党政権時代に、小規模農家切り捨てだといって随分責めたじゃないですか。小規模農家が切り捨てになっちゃうからこういうことをしないでくれというお願いですから、御検討をお願いします。このことはこれで終わります。
それで、今回、前回も言いましたけれども、自家保留、これについて、私は、どうしても支援が欲しいです。高千穂の競り、二日間行われましたけれども、自家保留頭数は百四十四頭ですよ。自家保留しました、それは、将来の、自分のところにいい雌を残したいという気持ちだから、自分の勝手だといえば勝手かもしれない。だけれども、競りで牛を売らないということは、その分収入がなかったということだから、経営は苦しいということですよ。
今の国の制度でありますよね、優良繁殖雌牛更新促進事業。これは導入費用の三分の一を補助する、上限二十万。自民党政権時代につくったものですけれども。でも、これは自家保留は認めていない。農協等が買って、リースで出した場合だけは認めましょうというものですよね。これを、特例で、自家保留をした人にも何らかの手当てを私はぜひしていただきたい。これはいい考えだと私は思っておりますが、いかがですか。大臣でも副大臣でも結構です。
○篠原副大臣 この点についても、手当事業なんだけれども、自家保留については面倒を見ていないのという、たしか前回これを御指摘があったかと思います。しかし、これは、出荷遅延等により自家保留している牛も対象にしてほしいという要請、やはり私がいたときからありました。
その理由は二つあります。経営外からの導入でないということ。二つ目ですけれども、新たな費用が発生していないんです、ですから現金支出を伴わない。ですから、先ほどの上限二十万円、導入費用の三分の一というのを、一体これはどうやって計算するのかという問題が生じてしまいます。
これは一度試みたことがあるわけでございますけれども、自家保留していると、売買がないもので、それで会計検査院から不適切だという指摘を受けまして、そういった売買行為がないものまで対象にできないということで今の形になっております。
○江藤委員 今の御答弁は、副大臣のおっしゃるとおりです。全く間違いがありません。
しかし、今回は、口蹄疫というものが発生して、たった各市場一回の競りだけですから、これから恒久的に続けてくださいという話をしているわけではないわけですよ。今回一回目の競りだけでいいわけですよ。もしかしたら二回目、三回目ぐらいまでで、済んでしまうわけですよ。そんな、ずっとやってくれという話じゃないんですよ。口蹄疫の影響を受けた牛についてお願いしたいということでありますから、検討はしてください。御要望をさせていただきたいと思います。
串間の市場では百五万ですよ。これを買ったのは西都の人。小林の市場、百十六万、みんな雌ですけれども、これは児湯。そして延岡、百七万、これは尾鈴。全部、殺処分を受けて空白になったところですよ。みんな必死になって、いい雌を自分のところに引いて帰りたい。しかも、今委託していますからね。まだ持って帰るのが怖いんですよ。委託料を高千穂の農家に払って、そしてその分をお金をさらに払って、今まだ買った牛は高千穂にいます。そういう状況を御存じですか。そういうこともやはりきめ細かく私は知ってほしいと思う。
この価格が高いというのは痛しかゆしなんです。今まで二十キロ圏外で、ようやく市場が再開された人たちにとっては、高く売れてよかった。私も市場に行っていて、やはり、ばばばばばっと値段が上がっていくとうれしくてたまらぬですよ。いい気持ちですよ。思わず拍手をしましたよ。だけれども、逆に、目線を変えて、これから導入しようという人の立場に立って考えてみると、高過ぎて買えない。かといって、県外業者も来ていました、三重とか、そういう本場の人たちが。県外には出したくない、もう熾烈な争いで百十七万という価格になったわけです。
ですから、二十三カ月月齢になったら八十一万ということになっていますよね、評価が。それに、例えばA評価だったら七万円つけましょう、血統加算とか能力加算をつけましょうということになっていますけれども、十カ月で購入して、それで百日後に屠殺をしたとすることになれば、八十一万の五〇%ですから、こうなってこうなっている。もう政務三役には釈迦に説法ですけれども。それに加算がついたって六十万そこそこですよ。
その人たちが百万円以上の金をかけて、今再生のために牛を買っているんですよ。実際、この八十一という数字も難しいと思う。でも、現状、私は市場を全部回ってみて、これは八十一じゃ足らぬなという感想を率直に持っておりますので、これも検討課題として、ぜひ御検討をいただきたいと思います。
そして、出荷遅延対策、次、私がやらせていただく時間がもうないので、答弁は求めませんが、野村先生がきのうは随分やっていただきましたのではしょりますけれども、おかしいですよ、四百円。家族労働費が入っていないということ自体が畜産政策の理念自体に外れているじゃないですか。マル緊事業のは家族労働費を入れていますよ。何でこれは入っていないんですか。
そして、これは東臼杵のこの間の競りのものです。赤い線がちょっと引いてありますね、委員の皆さん。この赤い線が引いてあるのは全部日齢が四百日超えちゃっているんです。子牛じゃありません。つないである場所が繁殖農家というだけであって、育て方は肥育農家の育て方をしていますよ。なれないけれども、農協とか肥育農家の方々の御指導をいただいて、絶対肉質を落とさない、いい牛をつくるんだということで、金をかけて手間をかけて繁殖農家の方々が一生懸命やったんですよ。だったら、三百日ぐらいを超えてから後のえさのやり方というのは、肥育は六百円でしょう。四百日から四百五十日を引いた部分の百五十日は少なくとも六百円払うのが普通じゃありませんか、だって、そういう育て方をしたんだから。
このことは今御答弁は難しいと思う。これは絶対検討すべきですよ、繁殖農家が大赤字ですから。検討しますか。では御答弁を求めます。
○山田国務大臣 きのうも参議院の委員会でお答えしたと思いますけれども、あれから出荷月齢と増体及び価格の変動等々を見てみましたけれども、三十日、そこにして……(江藤委員「そのことは私は触れていません」と呼ぶ)家族労働費のこと。家族労働費を入れていないじゃないかというお話のようですが、よく考えていただきたいと私は思うんです。
というのは、今回出荷しなかったのは、確かに、宮崎県も鹿児島県も熊本県も大分県もそうです。しかし一方、沖縄も長崎も佐賀も、例えば沖縄の島々も五島列島も、みんなこれは出荷できなかったんです。しかし、そういう方々は、こういう四百円とか一日とかえさ代、もちろん家族労働費は入っていませんが、そういったものも一切もらっていないんです。だから、そういう意味では、今回の口蹄疫被害というのは、何も宮崎県だけじゃないんです。これは全九州に及んでいるわけです。
しかし、本当に今我々が、宮崎の今回のこの対策のために国がどれだけのお金を投じてきているか、それはしっかりわかっていただきたいと思っております。
○江藤委員 私は零点だと言っているわけじゃないですよ。評価すべき点ももちろんあります。そうやって、例えば五島列島あたりで払っていないということであれば、みんなに払えばいいじゃないですか。それは基金でやればいいじゃないですか。もっと広げればいいじゃないですか。簡単な話ですよ。
もう時間がないのでどんどん行きます。ここは飛ばします。(発言する者あり)もういいです、まだ聞きたいことがあるから……(発言する者あり)何だって。帰れ……(発言する者あり)今から聞きます、では先に厚労省に聞きます。済みません。失礼しました。
雇用調整助成金について聞きます。
副大臣に私は感謝をしているんです。この口蹄疫が発生したときに、私は政務官と同期ですから、相談に行きました、本会議のときに。雇用調整助成金が使えるようになったけれども、畜産は使えない、大変だ、何とかしてくれと言ったら、よし、では、副大臣のところに一緒に行こうと。行きましたよね、副大臣のところに。副大臣は、最初はちょっと嫌そうな顔をされていましたけれども、その後、真剣にお話を聞いてくださって、なるほど、江藤君、よくわかった、省内で十分相談をして、御要望にこたえられるように頑張ってみるよと言ってくださいました。私は本当に副大臣には感謝をしております。ありがとうございました。
しかし、結果はちょっとだめだったですよね、結果は出ませんでした。でも、ゼロではありませんでした。そのときにいただいた結果が、移動制限解除直後からは使えますという御回答をいただいた。これは三歩前進とは言わないけれども、二歩前進ぐらいですよ。ゼロ回答ではなかったことを私は感謝しました。本当にありがとうございます。
そして、いよいよ百二十九日が過ぎて、今おとりを入れたり、そういうことが始まっているわけでありますけれども、尾鈴の畜産法人が申請書を作成しまして、宮崎労働局に持参したんですよ。そうしたら、市町村の導入の許可が出ていないので実質的には移動制限状態と同じだから、受理できないというふうに言われちゃったんですよ。これは話が違うと思われませんか、副大臣。御答弁を求めます。
○細川副大臣 江藤委員にお答えいたします。
結論から申し上げますと、許可が出ていないということで対象にならないということではなくて、雇用調整助成金の対象となります。(江藤委員「直後から」と呼ぶ)はい、直後から。
○江藤委員 ありがとうございました。
きのう役所から聞いた返答と副大臣から聞いた返答が違いますので、政治主導ですから、ぜひよろしくお願いします。
時間が来ましたからこれで終わりますけれども、本当の意味での口蹄疫の終息、それは百二十九日じゃありませんよ。経営が再建されて、二次被害、三次被害、四次被害、観光とかトラックとか、トラックなんて宮崎県外ナンバーを取って仕事をしているんですよ、入ってくるなと言われて。そういう人たちがそういう障害なく仕事ができるようになったときが本当の意味での口蹄疫終息でありますので、委員の皆様方には、ぜひ風化させることなく、これからも口蹄疫問題、必要なことはどんどんこの委員会で提案してまいりますので、前向きな御協力を賜りますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○筒井委員長 次に、坂本哲志君。
○坂本委員 自由民主党の坂本哲志でございます。
私は、現在下落中の米価の問題、そして、これからの戸別所得補償のあり方の問題を中心に質問させていただきます。
八月四日、さきの参議院の予算委員会でありますけれども、民主党の櫻井議員が次のような質問を農林水産大臣にされました。米の価格は下がっていいと思っている、一義的には消費者のためだと思っている、米の所得補償政策が米だけではなくてほかの農産品にも広がってくれれば、日本はおいしく安全な農産物を安く買うことができる、内外価格差がなくなるから、結果的に外国から物をもう輸入しなくて済むようになって、結果的に自給率は上がっていく、所得補償の財源はどうするんだという話は、農産品の価格が下がってくれば家計からの支出が減るわけであるから、消費税を一%上げていただいて二兆五千億円確保すればいい、一回物を下げて、その上で消費税を上げさせていただく云々というようなことで、大臣に質問があったと思いますけれども、大臣はそれに対して明確なお答えは、私は議事録をひっくり返して見ましたけれども、ありませんでした。
こういう考え方に対してどう思われますか。お答え願います。
○山田国務大臣 櫻井さんがおっしゃっているのは誤解しているものだと思っておりまして、私どもは、今回の、消費者にメリットがあるというのは、恐らくいずれ近い将来食料危機を迎えるときに、安定して米を生産者が供給できる。今、米づくりの農家も平均六十六歳になってまいりましたから、恒常的な赤字分を補てんすることによって、そして変動分まで補償することによって、安心して米づくりを続けられれば、それが、安定して供給できるという意味で消費者にメリットがある、そういうふうに私は櫻井議員にはお答えさせていただいているところです。
○坂本委員 民主党の皆さんたちには、こういう考え方が多いんですね。物が安くなりさえすればいい、そのことによって内外価格差が縮まるではないか、輸入もなくなるではないか、消費者も喜ぶではないか、すべてハッピーではないかというたぐいの考え方が多いんです。残念ながら、今の戸別所得補償もそちらの方に向かって走っているというふうに言わざるを得ません。
こういう考え方は、とにかくやはり汗水流して働いて、そして物をつくるということ、そのつくった喜びに対して消費者がそれ相応の対価で買い取るということ、そういうところに経済というのが生まれる、そこから日本の農業というのが成り立っていく、こういう基本的な考えをやはりきちっと持っておいてもらわなければ、農林水産の審議などは到底できないというふうにも思います。
消費税を上げて二兆五千億確保して、それを所得補償に回せばいいじゃないかと。しかし、価格が安くなる、所得が減ってくる、そして払う税金もなくなる。税だけは残るけれども、しかし税収はないわけですよ。税だけは残るけれども、税金を払う所得が減っていくわけですから。そういうふうになりますと、税だけが残ってくる、生活ができない、こういう悪のスパイラルになってまいります。
しっかりそこはやはり、日本の、我が国の国会議員として、これからの日本の経済のあり方や、あるいは農林水産業のあり方、初歩的なものでございますので、こういったものを理解していただいてほしいなというふうに思います。
私たちの先達が何のために、今、江藤先生、必死になって言われましたけれども、おいしい肉を目指して改良してきたか、おいしい米をつくるためにいろいろな苦労をしてきたか、おいしい安全な果樹をつくるためにどれだけ努力してきたか、それは何のためであるか。やはり自分がつくったものを少しでも高く買ってほしい、そしてそれを喜んでほしい、買った方もしっかりとそれに対して感謝をしてほしい、こういう中で経済活動や農業政策というのがしっかりと根づいておるわけですので、そこを基盤にしてやはり政策というものを考えていかなければすべてが壊れてしまう、日本の経済も国土もすべてが壊れてしまうというふうに思います。
そういう中で、今、米が安くなっております。米価が下がっております。
昨日の参議院の農林水産委員会で、大臣は、過剰米対策はとらないと明言をされました。質問された山田議員も、なぜあれほどまでにとらないということで突っ張られるのか、自分もよくわからないというふうに言われました。六十キロ当たり千二百円の下落ならば予算措置をしてやるというふうにも言われました。価格が下がれば来年からの戸別所得補償制度への参加者がふえるということも言われました。戸別所得補償制度至上主義であります。まさに硬直した考え方であると私は思います。
そのことは、残念ながら、さっき言いましたような櫻井議員の考え方、発想、その延長線上にあるというふうに思います。これは、円高が進みながら、何ら手を打たない政権と全く一緒ですよ。円高は円が強くなるからいいじゃないか、輸入が促進され、安いものが入ってくるからやはり消費者にとってはいいじゃないか、海外旅行も格安にできるからいいではないか、日本は悪いことばかりじゃないんだ、いいことがいっぱいあるんだというような考え方と一緒であります。何もしないことがハッピーであるならば政治は要らないんです。
その間、円高の影響で国内産業が空洞化する、どんどん海外に出ていく、そして取り残された地方の、地域の中小企業が倒産する、失業がふえ、雇用の機会が全く失われる、デフレスパイラルに陥って日本の産業構造そのものが崩壊するというような状況になる。このことが今、米の世界でも行われようと、そういう状態になろうとしているわけであります。
そういうことがあってもなお、過剰米対策はやられませんか。もう一度、過剰米対策についての考え方をお聞かせください。
○山田国務大臣 ここで過剰米対策はいたしません。
○坂本委員 今言われましたように、過剰米対策をしません、それですべてが解決できるならそれでいいんです。国民は納得しないんです。農家が納得しないんです。農業団体もそうです。百万人、百五十万人、二百万人という米をつくっている農家がいるんです。今不安でいっぱいなんです。極致に達しているわけです。
この十カ月で千円米価が下がっています、二十一年産米ですよ。所得補償のモデル事業が適用される二十二年産米、さらにこれは下がってくるでしょう。大臣が言われた六十キロ当たり千二百円の下落、これではとどまらないことは確実であります。過剰作付が三万八千ヘクタールあります。そして、二十一年からの持ち越し在庫が三十万トンあります。これで安くならないはずはないんです。下落しないはずはないんです。どんどんどんどん下落しているんです。
自民党はきょうの朝、緊急経済危機対策を特命委員会でまとめました。それを発表しました。総額四・二兆円です。財源は、経済危機対応・地域活性化の予備費、この中から九千二百億円、〇九年度の決算の余剰金から八千億円、国鉄の清算事業団やあるいは独法の資産売却で一兆五千億、建設国債で九千三百億、財源を用意いたしました。
そして、その中で「地域経済を支える農林水産業の基盤強化」ということで、米価下落に対応するために、緊急需給対策として五百億円を提言しております。米の買い上げ、棚上げ備蓄の前倒し、集荷円滑化対策基金の活用、三百二十四億円、こういったあらゆるものを駆使しながら、円高も含めた日本の経済対策をやっていこう、そしてなおかつ、地方や農林水産業の、農業者の不安を払拭するためにこの経済活性化緊急対策をやっていこうというふうに私たちは提言をしているんです。
六十キロ当たり千二百円を下回っても、それでも過剰米対策はやられませんか。もう一度お伺いします。今の、やる、やらないの問題だけではやはり国民は納得しないんです。農家も納得しないんです。なぜか、その後に何が待っているのか、どういう対策があるのか、そこまでぜひお聞かせいただきたいと思います。
○山田国務大臣 過剰米対策をなぜしないか、申し上げさせていただきます。
先ほど福島委員もおっしゃいましたように、高いときは六十キロ二万二千円ぐらいあったものがどんどんどんどん下がってきました。今やまさに恒常的な赤字に米づくり農家はなっております。それに対して初めて今回、米においてモデル事業、戸別所得補償を始めたわけです。十アール当たり、この恒常的な赤字部分、一万五千円をまず今回補てんします。十二月には支払いされると思います。
その中で、今度、米価が上がるか下がるか。いかにもこれからはもう下がるんだと言わんばかりの言い方をされておりますが、まだ作柄が、早場米では平年作ということになっておりますが、いわゆる後場米、この状況はこれから先まだどうなるかわかりません。
その中で、確かに今二十二年産も下がっています。しかし、これは、全体に今食料品価格もデフレで下がっております。こういったいろいろな要因と、在庫、その在庫が確かにあることも、いろいろございます。確かに、今まで卸とか小売が持っていた在庫を、今、当用買いといって、ほとんどそれが、東北等の農協等においてまだ在庫を抱えているという事情も聞いております。
そういったもろもろの事情もありますが、今回、戸別所得補償で、少なくとも、六十キロ一万四千八百円、それより下がったら一万五千円に加えて変動部分まで補償しますよ、これは今のところ、十分できると考えております。
もし仮に、ここでそれを我々が買いに入ったら、今まで戸別所得補償にも参加しないで、勝手に消費者とかその他で売っていた、そういった人たち、あるいは早く何とか売った人たち、そういった人たちに対する不公平感も出てきます。
今回、戸別所得補償で五千六百十八億という予算を満額、私ども確保していただきましたが、この趣旨は、あくまで生産者に直接支払いをする、生産者の生産費を米づくりで所得補償していくんだ、それにおいて国民の理解を得て得たものですから、それをさらにまた買うということ、さらにまたそれに国民の税金を使うということは理解は得られるものではない、私はそう考えております。
あくまで生産者は本当に安心して米づくりが続けられるような制度ですから、そんなに、どこまで下がるかと、まだこれからの作柄の状況も見なきゃなりませんから、今私どもは、これを、在庫を買い上げるとかということはいわゆる戸別所得補償制度の根幹を覆すもので、そういうことはできません。
○坂本委員 全く対応策がない、無策であるということを今とうとうと答弁されたのと同じであります。ほかの食料品も下がっているから米も下がるんだ、あるいは、これからどうなるかわからないということを大臣そのものが言われる、それに対してどう努力をしようかということではなくて、これからどうなるかわからないということも言われる。そのことについて、私は到底理解がいきません。もちろん国民の皆さんたちも理解がいかないというふうに思います。まさに教条主義というのはこのことであり、角を矯めて牛を殺す、戸別所得補償制度だけに固執して、最終的に日本の農業そのものを崩壊させる、その始まりであるということを改めて感じます。
それから、価格が安くなればさらに来年は戸別所得補償制度に参加する人が出てくるだろう、そういうことはないですよ。それは、今この所得補償に参加していないという人は、千葉やあるいは茨城を中心とする東京近郊の農家、あるいは小規模農家です。二反、三反、四反やっている方が中心です。こういう方々は自分なりのやり方をやっていきますよ。ですから、下がれば所得補償に参加するなんていう考え方、発想そのものが、これは農林大臣として、あるいは日本の農業を担う政治家として、やはり非常に本末転倒であるということを私は言っておきたいと思います。
そして、今言われた、米の価格を維持する。平成二十三年度からまた新たな制度が始まります。それは、一万五千円の面積払い、固定払い、それに価格変動補てん金制度、これを積み上げて、そして価格を維持するということでありますけれども、矛盾がいっぱいあります、これには。
私もこの二、三日考えてみましたけれども、価格が下がるんです。下がらざるを得ないんです。これだけ、経営費プラス家族労賃の八割を差額補てんいたします、そういう中で、価格は下がっていくんです。そして、その中で標準販売価格をまず決める。標準販売価格というのは、過去五年において三年の中庸をとる、五中三で計算する。しかし、だんだん下がっていくわけですから、この標準価格も下がっていくわけです。そして、当年産の価格がまた下がるんです。結局、農家の所得そのものが全体的に下がっていくんです。
ですから、これは、変動の補てん交付金、価格変動補てん交付金、この財源は確保できるかもしれない。しかし、全体の所得が減っているわけですから、これは農家の所得そのものが非常に減退してくる、疲弊してくるということにつながってまいります。まさに負のスパイラルです、所得減のスパイラルであります。
そういう中で、これが米だけにおさまっているならば、これはこれでまた考え方があるかもしれませんけれども、これが麦や大豆や、あるいは飼料米や、あるいはさまざまな水田利活用の分野にもやはり影響を及ぼしてくる。こういった負の、所得減のスパイラルが必ず起きてくる。このことについて大臣はどう思われますか。
○山田国務大臣 坂本委員、大変そういう懸念をしておられるようですが、決してそんなことはございません。
よく考えてみてください。直接支払い、農家に直接いわゆる所得補償が行くわけなんです。その金額だけでも、麦、大豆も、あるいは飼料米、新規需要米、あるいはそういった畑作も含めまして、大体一兆円近い規模まで今回戸別所得補償の概算要求をいたしております。そういう形で、いわゆる麦、大豆も大幅に単価を上げていく予定でおりますし、飼料米、WCS等々において、生産した農家については今回利益が非常に上がったというようなお話も随分聞いております。
そういう形で、トータルとしても十分農家の所得はこれから上がっていく、そして何とか農業で食べていけるような、そういう、民主党のいわゆる農業所得補償政策を完成させていきたい。それをぜひ御理解いただければと思います。
○坂本委員 よく考えてみますけれども、わかりません。
考えてみてください。確かに直接支払いです。所得補償です。ですから、そっちをまず固定するならば、それはそれで農家の所得はそのままになるかもしれません。しかし、差額補てんという発想でありますので、財源がもちますか。五千億から六千億そして一兆、どんどんどんどん、農業の生産額そのものが、粗生産そのものが減退していくわけですから、これは所得を直接支払いにすれば、その差額支払いでいえば、財政負担が膨大になる、このことは火を見るよりも明らかではないですか。
結局、私たちがやらなければならないのは、いかに農業の生産効果を上げるのか、農業の粗生産額を上げていくのか、そして皆さんたちのやる気を出していくのか。所得を固定すれば、所得を補償すればそれで農業が持続できるということではないんです。その中で、そういうことをずっとやっていると、農業そのものはもう小さなものにしぼんでしまうんです。これはやはり財源的にも非常に無理があるし、将来は確実に、私は言っておきます、二年、三年すれば確実に、財源的にも、あるいは農家の士気、そういったことからしても行き詰まってしまうというふうに私は考えます。
そういう中で、来年の概算要求の中で二つ、それを仮に是認するとして、二つ気がかりなところがあります。
一つは、今言われた面積支払いの十アール当たり一万五千円、これが維持できるかどうかということです。昨年のときに、この固定払い、面積払いを幾らにするかというときに、一万円から一万五千円までの段階が出ました。初年度であるからということで多分一万五千円、一番高い一万五千円ということになったんだと思います。しかし、今後さらに米価そのものが低くなって、安くなって、低下してしていった場合に、果たしてこの一万五千円、確実に守っていくのかどうか、これをここでお約束してください。
それから、補てん交付金で気になる文言があります。差額を補てんするという文言になっておりません。差額をもとに補てんする、もとにがついております。これはどういうことでしょうか。端数を切り捨てるのでしょうか、差額をもとにまた改めて新たな計算手法を見つけられるのでしょうか、御質問いたします。
○山田国務大臣 いわゆる所得補償の考え方なんですが、いわゆる農業生産額を上げることと坂本委員は言われましたが、私は、農家の所得を上げること、例えば、ヨーロッパの農家所得の平均七八%は国からのいわゆる所得補償なんです。アメリカの場合にも、アメリカの農家所得の平均三三%は不足払い、国からの助成金で賄われているんです。
そうして考えていくと、日本の場合には、やはり先進国型農業においては、所得補償がないと農家はやっていけないんです。だからこそ、今、六十六歳以上の農家が辛うじて農地を維持しているわけなんです。だから、どうしても所得補償は必要なんです。その財源はどんなことがあっても確保していくんです。そのために、私ども、農業予算、一〇%の組み替え基準等々言われて、そんな厳しい中でも、漁業所得補償とかそういうことも含めまして、今、農水予算の中で約二千億ほど無駄を削らせていただきました。そういったものを充てながら、そして何としてもこの所得補償を確実にやっていく。
したがって、この十アール当たり一万五千円というのは、我々は、ことし、来年限りのものではありません。そして、その財源についても、所得補償にほとんどの米農家が参加してくれれば、必ず需給は締まっていくはずです、この二年、三年後には。そうしたときには変動分も要らなくなってくるはずなんです。
私どもにとってみれば、これは本当にこれから、麦、大豆、飼料米等々も含めて、農家の所得をしっかりと支えていく意味では非常に大事な制度ですので、財源もしっかり確保してまいります。
○坂本委員 ヨーロッパで、EUでも七八%の所得補償がある、あるいはアメリカでも三三%がある、何かといえば欧米のことを例に出しますけれども、欧米の農業構造と日本の農業構造はやはり違うんです。
欧米の場合には、やはり、FTA、あるいは貿易自由化、そして輸出産業、輸出補助金という形でのことを頭に入れて、そしてさまざまな助成をしている。私たちは、この小さい国の中でいかにして農村集落を守っていくのか、農地を守っていくのか、その中でどういう知恵を出していくのか、こういうことからスタートしなければ、我が国の農業というのは守られていかない。原点が、発想が、スタートが全く違う。それを、継ぎはぎだらけに欧米の所得補償その他を同じように持ってきても、日本の農業というのは成り立ち得ないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
そこで、やはり私は、集落を維持、機能させていく、そして集落営農を今後法人化していく、これは非常に大事なことである。しかし、今回、集落加算というのはありません。また、集落営農に対しての今回の予算措置につきましては、十アール当たり二千円をやって、そして法人をふやす、このことだけであります。集落営農について、私はもう少し論議を深めていきたいと思う。
副大臣、あなたが考えるこれからの集落営農のあり方、あるいは集落営農の法人化、それをぜひ聞かせていただきたいと思います。
○篠原副大臣 お答えいたします。
坂本委員の御指摘の、日本には日本型がある、集落営農が大事だという点、全く私も同感でございます。
集落営農は、特に後継者が少ない中山間地域等では重要になっておりまして、五年前、二〇〇五年ですけれども、一万六十三だったんですが、今三千五百ほどふえまして一万三千五百七十七になっております。こういった集落営農等が、小規模農家や兼業農家も入れまして、地域の農業をちゃんと維持してくれていくのではないかと思っております。
ですから、我々も前から集落営農というのを一生懸命バックアップしているわけですけれども、集落営農の組織化、法人化に必要な農業用機械の導入等について支援をする事業等を行っております。
○坂本委員 集落営農に対する考え方が私とは違います。
私の方の例を言います。
私の地元で、二つの集落が三年前に集落営農を組織化しました。株式会社です。株式会社といっても、一戸当たり一株の株式会社でありますので、株式会社という形態をとりながら、事実上は協同組合と同じような組織形態であります。そして、四十三戸が四十五ヘクタールの農地を持って、そこで集落営農を始めました。
初年度は七千万円の収益があって、五百万円の黒字が出ました。二年度、三年度、七千八百万円の収益があり、そして三百万円の黒字が出ました。
それぞれ、やはり兼業がほとんどであります。社長は養豚農家であります、専務は花卉農家であります。そして、あとはほとんど兼業農家の方々が参加をいたしております。七千万から七千八百万円の歳出のうち、人件費が三〇%から三五%。これはオペレーター代も含みますので、その地域の品代とは別に、人的な所得になっているわけであります。
そして、ことしから女性の参加者が加工を始めました。小麦によるパンの加工、あるいはニンジンや大根によるさまざまな商品化を始めて、そしてアンテナショップで売るようになりました。
私は、この三年間の集落営農の進化を見ながら、やはりこれから、今言われた中山間地とか兼業対策ということではなくて、農業全体の集落営農の法人化、それも、しっかりしたリーダーがいて人材がいる集落営農のあり方というのは一番大事であるというふうに思います。
その集落営農ができれば、地域に特別養護老人ホームがある、あるいは保育園がある、そういったところの送り迎えを受託作業としてやる、これも、形態として株式会社でやっているならば、農事組合法人とは違いますのでできるはずであります。一階建てをしっかりと農地の集約といったものに向けて、基盤整備に向けて、二階建てをみずからの商品開発や経営、こういったものにする、そして別棟を農業以外の分野からの受託作業にする。こういうことが、農協の合併や町村合併で失われた地域の自治機能を復活させることになるというのが私の考え方であります。この方向はぜひとっていかなければいけない。
そのためには、人材を育成すること。十アール当たり二千円出して、そして、とにかく法人化しなさい、とにかくいっぱいつくりなさい、法人化さえすれば何とかなりますというような理念なき集落営農の法人化ではなくて、やはり、将来の自治機能や将来の農村集落のあり方も含めた、新たな、本当に実のある集落営農の法人化が必要であると私は思います。
こういうような対策をやっていれば、まさに粗製乱造の法人化が進むだけであって、何ら、農業あるいは地域の自治機能を高める、あるいは地域の共同体を高めるような集団にはならないというふうに私は断言しますけれども、副大臣、いかがですか。
○篠原副大臣 その点、坂本委員と全く同感でございます。
今、我々は、集落営農を大事だと思っております。ですから、ついでと言ってはなんですが、戸別所得補償制度の中にもこれを組み込もうというので苦労してやりましたけれども、本来、戸別所得補償のついでにというのじゃなくて、大きな柱として集落営農の推進があるべきだということ、私も全く同感でございます。
来年度、再来年度に向けてそのような政策を打ち立てられたと思っております。
○坂本委員 終わりますけれども、ことしの初めは、民主党の方々が、来年の戸別所得補償のモデル事業を通して集落加算をやるんだ、環境加算をやるんだと、いろいろなところで、ミニ集会等で言っておられました。集落加算もありません、担い手加算もありません、あるいは環境加算もありません。ただ単に集落だけをつければいい、戸別補償だけをすればいい、そういうふうに思えてなりません。もっと思想のある農政をぜひお願いして、質問を終わります。
○筒井委員長 次に、石田祝稔君。
○石田(祝)委員 質問をさせていただきたいと思います。公明党の石田祝稔です。
まず、口蹄疫についてお伺いをいたしたいと思います。きょうは財務省からも来ていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
いろいろと質問もありましたが、基金の設置について、大臣はできるだけ早くやりたい、こういうお答えでしたが、一つはどのような基金にしていくのかということと、そして、いつまでに設置をするのか、このことをお聞きいたしたいと思います。
この基金の設置については、当委員会でも相当な議論がありまして、最終的には委員長がさばいていただいて、まず立法者の意思を尊重すべきであるということで、基金の設置も政府としてはやる、こういうお答えがあったように思います。
これで、特措法をつくりまして、施行されて、もう三カ月過ぎました。いろいろと議論をなさっていることはよくわかるんですけれども、ちょっと時間がかかり過ぎているんじゃないのか。いろいろな各省庁が関係しているということで、そこと詰めているということでありますけれども、これは、窓口というか、きょうは答弁を山田大臣がなさるようでありますが、政府を代表しての御答弁だろうと思いますけれども、いま一度、どのような制度にするのか、いつまでに設置をするのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○山田国務大臣 石田委員にお答えいたします。
きのうから参議院の委員会でもその話を聞かれておりまして、きょうもずっとこの基金の問題なんですが、官邸とも、きのう参議院の委員会の後も私も相談させていただきました。できるだけ早く結論を出して、この基金の創設を宮崎県のためにも早くやりたい、そういう思いは皆さん方と一緒なんです。
実際に、その中身について、一度、三百億の取り崩し型という話もあったんですが、これについては、先ほど言った、二百億は公共事業等々で無理だということになってきて、県側には一度そのことは話しております。そのことについて、小川補佐官に対して県側が、新たな提案をいただいております。今これについて細かい検討をしているところなんです。
実際に、これについても、今国の方で県側に対して、金額は確かに少し下がってきたのと、運用益の部分といわゆる取り崩し型と併用型の要求かと聞いておりますが、それについても、その中身の詳細について各省庁で今持ち帰って検討しておりますが、さらにその詳しい内容を県に問い合わせしているというのが現状なんです。その上で、県側に対して、最終的にこれでいいか、そういう話し合いで、いずれ近いうちに決着できるものと考えておりますが、いずれ近いうちの、近いうちがいつかということは今ここで定かに申すわけにはまいりません。
○石田(祝)委員 いずれ近いうちにという御答弁ですが、近いうちはいつかは言えないと。結果としては何もおっしゃっていないのと同じじゃないでしょうか。
基金をつくるということは、先ほど申し上げたようにいろいろ議論もありましたけれども、これはつくるということであります。それと、その中身をどうするかということは、これは当然、ある意味でいえば、基金の姿をまず見せて、そしてどういう事業をやるかというのはその後でもできる話じゃないでしょうか。基金の金額を決めるために今事業がどういうものがふさわしいかと、それが積み上がらないと基金そのものを設置ができないというのは、ちょっと私は違うんではないかと思います。
まず、この基金をつくろうという議論をしたときに、やはり国がしっかり関与するんだという姿、また、複数年度にわたる場合もあるので、予算措置ではなくて基金をつくれば機動的にできるんじゃないか、こういう議論が議員立法のときに各党であったように私も記憶をいたしております。
ですから、これは、中身を積み上げて、その結果、では幾らでつくろうというんじゃなくて、まず、基金を国がしっかり、これだけまず基金を積む、実際の事業については、これは当然直接関係ないものとかふさわしくないものがあるかもしれません。それについて議論をするのは結構だと思いますけれども、それが、各省庁が全部話が終わらないと基金そのものの設置がいつになるかわからないというのでは、ちょっとこれは国の姿勢として私はいかがなものかな、このように思います。
積み上げじゃなくて、まず基金の設置をして、その後、どういう事業が本当に復興に対していいのかという議論にしていかないと、いつまでも基金ができない、こういうことになりはしないかと思いますが、山田大臣、もう一度御答弁をお願いします。
○山田国務大臣 運用益だったら補助金適正化法の適用はありませんので、自由に宮崎県側としても使えるわけですが、取り崩し型になりますといろいろな制約がありますし、非常に一つ一つ詰めていかなきゃいけないという形になってまいります。
運用益に関しましても、では運用益型にしても、幾ら積むかということは、運用益を年間幾らという形で何年間にするかというところで、その使用目的についてもある程度県側とそれぞれの対応ができなければ難しいという話もありまして、やはり、農水省の私どもの判断だけで、ではこれですぐ基金でこうしましょうというわけにはまだ至っていないというところなんです。
ただ、いずれにしても、今、併用型を私としてはまとめたいとは思っておりますが、できるだけ早くそうしたいと考えております。
○石田(祝)委員 大臣、ちょっと確認させてもらっていいですか。今、併用型を目指したいとおっしゃったのは、これは基金型と取り崩し型を折衷した基金をつくるというお考えということですか。
○山田国務大臣 これは私の考えなんですが、まだ本当に、各省庁の理解も、財務省、総務省の理解も得なきゃいけませんから、私は併用型でどうかと考えているところです。
○石田(祝)委員 大臣のお考え、そういうお考えということでありましたら、それはしっかり主張していただいて、今の段階では、一日も早くつくってくれ、こう申し上げるしかないですね。残念ですけれども、百日がもう過ぎようとしているわけですね、法が施行されてから。いまだ具体の姿がお示しできないというのはまことに残念なことだろうと私は思います。
基金はそういうことで、ぜひ一日も早くということの要望をする以外ございませんが、手当金の非課税措置についてお伺いをしたいと思いますけれども、二十三年度の税制改正要望にも農林水産省としてお挙げになっていらっしゃいます。これは、現在の検討状況と、いつまでにこれをはっきりできるのか、このことをまず農林水産大臣または農水省にお伺いします。
委員長、時間とめてよ。(山田国務大臣「聞こうと思っていたら、後ろからいろいろメモが出されて」と呼ぶ)政治主導だからメモを入れるなと言えばいいんだよ。
○山田国務大臣 済みません。今、手当金の非課税措置についての質問だったんですかね。(石田(祝)委員「そのとおり」と呼ぶ)失礼いたしました、どうも。
これにつきましては、ぜひ私もそうしたいと思っておりまして、法律でもそうなっておりますし……(発言する者あり)はい。できるだけ臨時国会でお願いしたい、早くそうしないと宮崎県民は安心しないからという話はさせていただいておりますが、先ほど後ろからメモが入りまして、臨時国会にできるかどうか財務省としてはわからないけれども、二月まで、いわゆる申告時期には間に合うように頑張りたいというお話でございます。
○石田(祝)委員 大臣、何という答弁をなさるんですか。結局、財務省が後ろでいろいろ言うとおりやるということですか、それは。いや、だから、メモが入ってきて、財務省がこう言っている、ああ言っていると。ちょっと何か政治主導とは違いますね。何か情けないような気が私は正直いたします。
これは法律にも書いているからということですから、財務省、政務官が来ていますから、財務省はそういうお考えですか。
○古本大臣政務官 お答えいたします。
まず初めに、大変な被害の中で大変な御苦労をされておられます畜産農家の方々に心からお見舞いを申し上げますと同時に、諸先生方におかれましては大変真摯な御議論をいただいておりますことに敬意を表する次第です。
お答えいたしますと、今大臣からお話がございましたが、今般の口蹄疫につきましては、口蹄疫の対策特措法に基づきまして、発生農場に対して交付される手当金や、ワクチン接種を行った勧告農場に交付される補てん金など、さまざまな措置が行われるというふうに理解をいたしております。
その上で、これらの手当金あるいは補てん金につきましては、口蹄疫対策特措法第二十七条に規定いたしました。この規定につきましては、実は、諸先生方御案内のとおり、過般の、まさに自民党の宮腰先生初め野党の諸先生方から御提案いただき、そして、与党の先生方とも協議をされた結果の議員立法で措置がされた特措法だと承知をいたしております。(発言する者あり)失礼いたしました。委員長提出の特措法だと承知をいたしております。
しかるに、その特措法に定めております二十七条のポイントは、「国及び地方公共団体は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延が牛、豚等の家畜の所有者に与える影響に配慮し、必要な税制上の措置を講ずるものとする。」こううたっております。この点につきまして、恐らく、いつまでに、どのように、こういうことだと思いますので、少しお答えいたします。
家畜の評価額を発生農場や予防殺農場に交付するものと、あるいは経営再開を支援するために発生農場や予防殺農場に交付するもの、それぞれによってこれは性格や対象が異なるというふうに理解をいたしております。
その上で、こうした各手当金などの性格やその交付の実態なども踏まえまして、どのような税制上の措置が一番適当なのかということを、まさに現在、農水省の原局の方でその要望を、諸先生方からも恐らくヒアリングをなさりながら取りまとめをいただいているというふうに承知をいたしておりまして、財務省としては、そうした農水省の要望をまずは聞かせていただいた上で今後の対応を判断していきたい、こういう立場でございます。
○石田(祝)委員 これは、私、先ほど言いましたよ。農林水産省の二十三年度、まあ二十三年度は私は遅いと思うんですけれども、明確に税制改正要望の中に入っています。それで、大臣は、これは当然やりたい、そして、ちょっと答弁を修正なさったんでしょうか、臨時国会で法案を出したい、こういうお話でございましたけれども、古本政務官もお聞きになっていたと思いますよ。そういう御答弁の後の答弁を求めているわけですから、農林水産省のお考えをまとめてなんという段階じゃないんじゃないですか。
ですから、これは、大臣がそういう意思がある、そして立法者の意思も当然そういうことで全会一致で、これは課税すべきではない、それを「税制上の措置」と書きましたけれども、そういう趣旨なんですね。
ですから、これは、ぜひ立法者の全会一致の意思を尊重していただくと同時に、農林水産大臣もそのお考えである、また現地の皆さんもそれを当然期待なさっている、こういう、地元と、そして国会の全会一致と、そして行政府の農林水産省、全部一致しているわけですから、これは別に財務省がどうこう言う必要は全然ないんじゃないでしょうか。お認めをいただく以外の選択肢は私はないと思います。
○古本大臣政務官 失礼いたしました。
先ほどの大臣の答弁はもちろん私も伺っておりました。その上で答弁をもちろんさせていただいておりますけれども、先ほど申し上げましたように、先般の特措法は、まさに諸先生方の御議論の中で、委員長提案という形で御提出をいただいている経緯がございます。その中で、第二十七条で、別途「税制上の措置を講ずる」、こううたっております。したがいまして、臨時国会がそもそもいつ召集されるか等々も含めて、これはハウスの御意思も当然あるわけでありますので、この臨時国会においてどういう措置をするかということをこの時点で財務省として何やらお約束するということは、これは責任を超えているというふうに受けとめております。
その上であえて申し上げれば、これは閣法で提出をするのが適切なのか、引き続いて、これはハウスの問題ですので、極めて僣越でありますが、先生からのたってのお尋ねでありますのでお答え申し上げるならば、過般の対応と同様のような対応もこれはあり得べしというような状況の中で今いろいろと御議論をいただいている、こういうことだと思っております。
○石田(祝)委員 政務官、税制の問題を議員立法でやっていっても大丈夫なの、これはいいですか。やればできますよ、当然。しかしそれは、もう議員立法で何をやってもいいですよということを行政府のあなたがおっしゃるというのはどうですか。これはやはり、内閣が責任持って法律をしなくちゃいけないんだったらするべきではないんですか。
○古本大臣政務官 お答えいたします。
議論を少し整理した方がいいと思うんですね。
今現在宮崎で大変御苦労なさっている方々が、大体大宗を占めているのは個人所得課税が対象になると思います、ほとんどの方が個人所得税が対象になると思う。一部法人系の方もいらっしゃいますね。
ですから、個人所得課税の申告のタイミングになるのは来年の二月、三月にかけてだというふうに思います。しかるに、措置をするならば、恐らく、臨時会が催されるだろうタイミングに合わせて議論をしなければ来年の個人所得課税の確定申告に間に合わない、これは御指摘のとおりでありますし、そのことは重々承知をいたしております。他方、法人税につきましては、それぞれ決算月によって変わりますので、これは、場合によっては、既に決算月を迎えるだろう法人においては何も三月決算とは限りませんので、この点についての対応もあわせて御議論をいただかなければならないと思っています。
税を議論いただくのは、政府税調で議論をし、そしてそれに基づいた議論で別途法律を手当てしていくというやり方が第一ではありますけれども、過去において、極めて臨時で、かつ緊急で必要な場合において、極めてまれでありますけれども、議員立法あるいは委員長提案等々の、ハウスの御意思で対応いただいた例もあるやに承知をいたしてございます。
○石田(祝)委員 これは、二月が確定申告ですから、それに間に合わせるようにというお答えだと私は受けとめました。
考えてみたら、通常国会の召集が一月になったときに、大体開会の冒頭で米の臨特の非課税措置をやった記憶も今よみがえってまいりまして、それは、確定申告に間に合わせよう、こういうことで、全会一致で政府提案を、私たちも当時野党の時代からも賛成をしてまいりましたので、これについてはぜひ遺漏のないようにお願いをいたしたいと思います。
それで、所得税というのは結局、例えば国民健康保険とか、いろいろなところにはね返るんですよ。ですから、税の議論だけではなくて、いろいろなものにはね返っていくということもこれは念頭に置いておいていただかないと、例えばさっき言った国民健康保険だとか、そういう保険料、保険税の金額、また、例えばどこかのところに入居する、使用する、そういうときの課税標準になりますから、そういうことも踏まえて、臨時国会ということであれば、ぜひ、これは政府が召集されるかどうかよくわかりませんけれども、早く処理をして安心をしていただく。
これはやはり安心をしてもらわないと、使っちゃったんだけれども、だめだったから税金を払えと来たら、これはもう皆バンザイになりますから、ぜひこの点についてはお願いをいたしたいというふうに思います。
それでは、古本政務官は結構でございます。
それで、あと、米の需給と米価対策についてお伺いをいたしたいと思いますが、これは今まで議論がずっとございました。これは、見通しとしては、下がるだろうという見通しだというふうに思います。
それで、大臣は、きのうの参議院、そしてきょうの当委員会でも、いわゆる需給対策をやらない、こういうことを明言なさっております。私は、予算委員会等を含めまして、前の赤松大臣にもお聞きをしてまいりました、出口対策が必要じゃないんですかと。そのときに、必要がないとおっしゃるお答えは、需給が締まる、これがお答えだったんですね。
しかし、どうも、需給が締まるから必要がないというところから、若干、必要がないというところは一致していますけれども、それは、需給が締まろうが締まるまいがやらないんだ、自由放任だ、こういうふうに私は大臣のお考えが変わってきていると思いますけれども、この点は、需給が締まるから必要がないということでよろしいんですか。
○山田国務大臣 需給が締まるからやる必要がない、そう言い切るべきものではないと思っておりまして、需給がこれからどうなるか、まだ本当にわからないわけなんです。ただ、言えることは、生産費の補償は米農家はやっておりますから、いわゆる変動部分まで含めて戸別所得補償、だから、それで農家の所得は安定して、米づくりについては心配せずに、来年もまた米をつくることができるようになると考えておりますので、長い目でというか、来年、再来年と見ていきますと、私は、やはり今度の戸別所得補償制度そのものは需給が引き締まっていく制度だ、そう考えております。
○石田(祝)委員 私がさっきお話ししたように、何度もお尋ねをして、一貫して変わらないのが、需給が締まる、だから出口対策は必要ないんだ、こういうお考えでずっと答弁は一貫しているんですね。今大臣は、需給が締まることがわからないなんて言って、もう変わっていますよ。そして、さっきのどなたかの質問への答弁に、二、三年後に需給が締まるから、そのときには変動部分は要らなくなるだろう、ここまでおっしゃったんですよ、さっき答弁で。ですから、どんどんどんどんおっしゃっていることが変わってきているじゃないですか。
首を振っていますけれども、これは、今までの予算委員会での前大臣また山田大臣の御答弁をもう一度見直していただければ、間違いなく、需給が締まるからやる必要はないというお答えで一貫していますよ。ところが、にわかに、久しぶりに閉会中審査、きょう来ていただいたら、需給はどうなるかわからない、そしてさらには、さっき言ったように、二、三年後には変動部分も要らなくなるんじゃないかと。こういうことを言っちゃっていいんですかというぐらいに私は驚きました。
これは、大臣、その答弁でよろしいんですか、本当に。
○山田国務大臣 二、三年後に変動部分が要らなくなるかもしれないというその発言については少し修正しておきたいと思います。
私が言っているのは、いわゆる所得補償に参加して生産数量目標に、確かに、今回かなりの方がペナルティーなしで所得補償に参加してくれましたので、約一万ヘクタールはいわゆる過剰作付がなくなったわけです。だから五万トンぐらいはいわゆる供給は減っているわけです、最初の需要目標に比べて。ところが、需要の方も、デフレとかいろいろな状況で、こっちの予測しているよりもちょっと下がっているかもしれません。そういう意味で、非常に、需給のバランスというのは本当に締まるのか締まっていないのか。
在庫の量も、六月の在庫量は毎年明らかになるわけですが、前々年に比べて五十万トンの在庫量があったのが、六万トン在庫量がやはり過剰にあるわけで、全体で今三十万トンぐらいは在庫があるんじゃないかと思っておりますけれども、普通、二十万トン、三十万トンというのは、この時期在庫はあることはいつもあるわけですから。
あとは作柄の問題なんです。それによって、需給が本当にどうなっていくかというのはこれから決まっていくものじゃないか、そう思っておりまして、需給が締まるから云々ということは、今の時点で、今の状況ではちょっと。
ただ、戸別所得補償制度そのものは、今言ったように、過剰作付は一万ヘクタール、五万トン減っているわけですから、需給が締まる方向で動いているのは間違いないんです。
○石田(祝)委員 大臣、いろいろとおっしゃいましたけれども、一万ヘクタール減ったと。しかし、それは五万残っているうちで減ったわけでしょう。だから四万あるということですよね。それを言わずに、一部、一万減った、一万減ったというおっしゃり方をするんだけれども、四万はまだ残っている。それで、需要も、八百十三万トンで計算していたのが、ことし八百五万トンだというふうにもう直しているでしょう。そのあたりも正確におっしゃっていただかないといけませんね。それから、在庫も、民間を入れたら三百十六万トンでしょう。ですから、そのあたりの数字はみんなわかっていて私たちも質問をしているわけです。
ですから、この戸別所得補償を、私は頭から零点だとは申し上げておりません。しかし、こういう生産数量目標を決めても、人為的に計算をしてやっても、いわゆる自然相手の部分が残るじゃないか、これについて対応はどうしても考えておかなくちゃいけないんじゃないですかと、これは私はずっと言っていますよ。要するに、生産数量目標を守ってもらう人がふえてきている、喜ばしい、それはそれで結構でしょう。しかし、自然という部分は私たちがどうこうできない、そういう不確かな要素があるからいわゆる出口対策は考えていた方がいいんじゃないか、こういうことを私は春からずっと申し上げていますよ。
しかし、需給が締まる、需給が締まる。しかし、ここになったら急に、いや、需給がどうなるかわからない。これは政策としておかしいんじゃないですか。また、大臣の御発言としても、そういう一貫して言ってきた、これは間違いだった、自然相手の部分は、これは私たちがどうもできない、そういう不確かな要素はあるからいろいろと備えは考えなきゃいけない、これが普通じゃないんですか。それを、締まる、締まる、その一辺倒で、思考停止なんですよ。
私は、それはおかしい、いざというときにいろいろなことを考えておくのが当然の政治の務めじゃないか、こういうことを申し上げて、ちょっと次に一つ聞きたいことがありますから、お聞きしたいと思うんです。
野菜と果樹、これについて、一時、収入保険という議論が与党の中でもあったようでありますが、これが、今回の概算要求を含めて、収入保険という言葉がどこにも私は見当たらないように思いますが、野菜、果樹また花卉農家に対してどのような収入の安定策をお考えなのか。時間ももうすぐ来ると思いますから、お答えを端的にお願いしたいと思います。
○佐々木大臣政務官 お答えさせていただきます。
野菜、果樹等の収入保険についてでありますが、野菜は、今現在は野菜価格安定対策で行われておりますし、果樹については、改植支援という形で現状は行われてございます。
二十三年度からについてでありますが、新たな制度にすべきという今のような御指摘もいただいてございますが、我々が目指している戸別所得のところは恒常的に生産費を販売価格が下回っているということになっておりますから、今委員から御指摘がありましたように、収入保険というものを考えてはどうかというようなお話をいただいております。
概算要求についてでありますが、野菜については、下落時の経営安定に資する価格安定対策の機能強化という意味で、生産者の負担軽減、対象者の拡大ということを目指して、今新しく予算要求をさせていただきました。それから、果樹については、優良品目あるいは品種への改植を促進するというのは今もあるんですが、未収益期間に対する新たな支援をまずは創設させていただきたいというようなことで、果樹共済の加入をさらに進めるというようなことで、関連制度全体の中で経営安定に資する方向で今進めさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
○石田(祝)委員 済みません、最後に一言だけ。
我が党も、野菜、果樹、花卉農家の収入保険、これを提案しております。生産者と国が一対一で、こういう積み立てをしてと思っていましたけれども、今回、漁業補償について、積立ぷらすという、今までは一対一を、今度は、国が三そして漁業者が一と、いわゆるマル緊と同じようにしたわけですね。ですから、ここまで漁業やいろいろなところでやっているわけですから、果樹、野菜、花卉についてもこの収入保険はしっかり検討すべきだ。改植の手当金は、これはまた別の話だというふうに私は思います。
以上で終わります。
○筒井委員長 次に、吉泉秀男君。
○吉泉委員 社会民主党の吉泉秀男です。
今、私の地元、米どころの庄内平野は、まさに黄金色に輝いて、収穫時期を迎えております。しかし、米の下落が続いている、ましてや在庫、相当の量を抱えている中で、収穫の喜びよりも、これらに対する不安さらには悩み、こういった部分が蔓延をしております。
冒頭、福島委員の資料、相対取引価格の推移が資料として出されたわけでございますけれども、私の手元に、日本農産情報の九月六日の新米の取引価格、この資料を今持っておるところでございます。この資料によれば、新米の価格がすべて一万円台、一万一千円、こういう台で取引がされている現状にもございます。
規模拡大をしてきた生産者、集落営農の中でリーダー的な存在を果たしている若手経営者、そしてまた法人を立ち上げてきた人たちの悩み、まさに深刻でございます。スーパーで、自分たちがつくったお米が目玉商品になっている、悔しい。そしてまた取引をしているお米屋さんがつぶれてしまう。こういう状況を現実の問題として生産者がとらえていったときに、自分たちの今後の行く道、このことについて深刻に今悩んでいるのが現状でもございます。そんな中で、六十五平均の米農家のいわゆる生産者、こういう状況から、どんどん昭和一けた台がいなくなっていく、そういうふうになっていったときにどう農地を守って、そして主食の米、これをだれがつくっていくのか、このことが本当に今真剣な、また深刻な課題になっているというふうに思っております。
そんな中で、農林省が次代を担う担い手を育てようということで農業大学校を設立したわけでございますけれども、それに伴って、それぞれ各道府県、四十二、ここのところの中でも農業大学校に、その方向、位置づけながらも、各県の中でも大学校を運営している、こういう現実にもあります。そして多くのリーダーが育ってきた、こういうのも現実でもございます。
しかし、今、事業仕分けの中で、この農業大学校が危ない状況になっているのでもございます。こういうお話を自分自身お聞きをしたときに、やはり、これから私たち日本の農業はだれがつないでいくのか、このことを真剣に考えていったときに、自分自身、この大学校の存在というものは大きいものだ、こういうふうに思っております。
そんな面で、今農業大学校の置かれている状況、事業仕分けに基づいた形で、本当になくなっていくのかどうか、このところの今の現状についてまずお伺いをさせていただきます。
○篠原副大臣 お答えいたします。
農業者大学校、吉泉委員御指摘のとおり、事業仕分けにおきまして、廃止、ただし、廃止時期については在学者に配慮して別途決める、配慮するという評価が行われまして、この評価に対応いたしまして、農林水産省は、来年、二十三年度の入学生の募集は中止しております。
その際ですけれども、当然のことながら、今在学生がおりますので、修業期限が二十三年度までありますので、責任を持って教育を実践することとしております。
それで、農業者大学校ですけれども、ちょうど私は団塊の世代でございますけれども、そのころにできまして、あちこちに有為な人材がたくさんいるのをよく存じ上げております。ちょっと御紹介させていただきますと、今、六次産業化の担い手ですけれども、これは多分、言うと皆さん御存じの方がおられるんじゃないかと思います。
六次産業というのじゃないんですけれども、この学校の同窓生の会長が金子さんという方で、埼玉県で有機農業をずっとやっている方がございまして、私はずっと、二、三十年おつき合いしております。それから、六次産業に取り組んでいる人としては、よく出てこられるのは佛田さんという方、石川県でぶった農産、この方も卒業生でございます。それから、静岡県の掛川市で、「しばちゃんちのジャージー牛乳」という、柴田佳寛さんという方がおられる、十五期生です。それから、木内さんという、千葉県の香取市ですけれども、和郷園という野菜の冷凍工場とかリサイクルセンターとかをやっておられる。それから、伊藤幸蔵さん。木内さんも伊藤さんも二十期生ですけれども、このころになると有機農業に取り組んでおられまして、産直をやっておられるという方。非常にいろいろな人材を輩出しているんじゃないかと思います。
理由は、県の農業大学校とよく比較されるんですが、あちらは技術的なこととかなんです。国の農業者大学校はそうじゃなくて、農政とか農業そのものを、技術的なことじゃなくて、もっと有為な人材ということで、農業をもうやっている人、そういう人たちから募集して、そして半年間何を研究してもいいというユニークなシステムもあります。ですから、いろいろ、みずから考えてみずから行動する機運というのがこの大学校の授業の中で醸成されているんじゃないかと思います。
そういったことを知らずに、こんなことを言ってはなんですが、事業仕分けで余り知らない人たちからぎゃあたあ言われて廃止というのは、私はもってのほかだと思っております。私が政権内にいないときにこういうふうになっておりますけれども、この重要性をきちんとまた説明して、人材育成の基幹センターとして復活させていきたいと思っております。
○吉泉委員 ありがとうございます。
自分自身も農業大学校の卒業生と少しお話もさせてもらっています。
今、副大臣から、メンバー、いろいろな方々の紹介があったわけでございますけれども、私たち、その人方を見た場合の、いわゆるリーダーの資質、この部分が、やはり共通している部分は、一つは高い志、これはほかの人よりも相当強い、こういうふうに思っています。それから二つ目は目的達成に対する粘り強さ、これもやはり私は特筆されるのでないかなというふうに思っています。それから、いろいろな今の、米価の下落、さらには病害虫、さらには人と人との関係の中で問題が出てきている、そういうような問題なんかも含めて臨機応変に対する才能、こういった部分も持ち合わせているし、何よりも事業や地域に対しての責任力、これがすごく高いな、こういうふうに思っています。そしてまた、長く続けてきた、そういう中において、農業だけでなく、多くの人たちとの、産業界、みんな含めて、人脈をうまく構築している。こういう部分が今、大学校の人方の、成功している者が持ち合わせている一つのものなんだな、こういうふうにも自分自身思っております。
しかし、この間、四十年間、千数百人を輩出して、全国の地域にそれぞれ送り出してきたわけでございますけれども、しかしこの間の状況というふうに見たときに、この農業大学校、まさに魅力ある学校として、そういうふうな部分についてはなかなか見えてこなかったんではないか、そういうふうにも思っております。そして、地域で頑張れるんだ、頑張るんだ、そういうリーダー養成という視点がこの大学校の部分について少し少なくなってきたんじゃないかな、こういうふうに思っております。
今、副大臣の方は、この大学校にかわり得るもの、こういうふうな部分をもう一回再起していきたいというふうな考え方があったわけでございます。しかし、来年度募集停止をして、そして、今の一年生が二年生、来年はそうなるわけでございますけれども、それ以降のところについては、恐らく廃止になるんだろうかなというふうな思いも自分自身持っているわけでございます。
そのことを含めた、今新たな、一つの人材を育成する機関の立ち上げ、このことについて、今の現状のことについて副大臣の考え方というものについて少しお伺いさせていただきます。
○篠原副大臣 一般的な考えについては先ほど申し上げたとおりでございます。
二十四年度以降の、農業経営者、有為な人材の教育につきましては今省内で検討中でございます。
○吉泉委員 検討中だということでもございますけれども、しかし来年度は生徒を募集しないわけですから、このままいくとなくなるわけですね。ですから、農業大学校が、私はその存続云々かんぬんというものも必要なんだろうと思うんですけれども、もし廃止をするんだったらば、それにかわり得る、人材の育成をするそういう国としての機関、これをつくるのかつくらないのか、そのことについてお伺いしたい。
○篠原副大臣 そういうことも含めまして、農業者大学校についての役割というのはわかっている方がおられまして、御存じかと思いますけれども、農業関係の学者あるいは食に非常に関心のあるNPOの皆さん方、この人たちが署名活動をしたりいたしまして、存続の要請書を持ってきたりされております。
そういったこともありますので、この役割、運営方法についてはもう一度検討をし直して、再スタートという形で今検討しているところでありまして、具体的なことはまだ見えてきておりませんけれども、何とか同じような人材育成機関を復活させたいと思っております。
○吉泉委員 今、全国に、大学の段階に、いわゆる六十六の大学に農学部があるというふうにもお聞きをしています。しかし、そこの四年を終わりますと、就農するのはわずか五%、こういうふうにも聞いています。ほかのところの研究機関なり、さらには商社なり、そんなところに就職をする、こういうのが今の現状だ、こう伺っております。
今のこの厳しい状況の中において、まさにこれから、土と一緒になって、そして産業として、地域の再生、このことをかけて、農業の役割も含めてそのことを担う、こういう人たちが、高等教育機関を卒業してもたった五%、これしかつかない。こういう現状の中において、私は、今、副大臣が農業大学校の現状、今の状況も含めていきながらもこれからの検討だという状況では、ちょっと情けないんでないかなというふうに思っています。
国として人材に投資をする気があるのか、人材をどういうふうな視点でつくっていくのか、このことについて改めてお伺いします。
○篠原副大臣 農業をどうやって振興していくかということを考えた場合に、農地をきちんと確保するというのも大事だろうと思います。それと同時に、先ほど坂本委員からも集落営農について御指摘がありましたけれども、集落全体のことを考えて、この村をどうしていくのかということを考えて引っ張っていっていただくリーダーが絶対必要だと思います。
そういったことから、我が農林水産省の政策というのは、担い手という言葉、ほかの分野では余り使われないと思います、こういう言葉を使いまして、自立経営農家とか中核的農家とか認定農業者とかいうことで、農業、農村を担う人材の育成ということに相当意を注いできたのではないかと思っております。しかしながら、残念ながら、ほかの経済情勢がそうだったんだろうと思いますけれども、それが余り功を奏していないというところがあったのではないかと思います。
そうした中では農業者大学校は、先ほど農学部の卒業生の就農率が五%と、私はそんなにあるのかなとちょっと思いましたけれども、それと比べたら、農業者大学校の就農率というのは、正確な数字は今持ち合わせておりませんけれども、もともと農業をやっていた人の中から選んだりしておりますから、九割近くだろうと思います。こういった教育機関、人材育成機関はないはずですし、こういったものをちゃんと維持していくというのは政府の大事な役割ではないかと思っております。
○吉泉委員 私自身思うんですけれども、農業の六次産業化、これからまた議論がずっと続くんだろうというふうに思っていますけれども、やはりそれぞれ、私方の年代の場合は、家業が農家だから長女なり息子は農家をやらなきゃならない、こういう一つの宿命であったわけでございますけれども、しかし今は徐々に変わってきている、こういうふうに思っています。そういう中において、どう変わったのかというふうになれば、やる気のある人たち、そういう人たちがみずから集まって、そして法人を立ち上げて、そこから社員も雇い入れて、そして産業として農業という視点で今頑張っている、そういう人たちがふえてきているのも事実なわけでございます。
そういった面の中からいえば、やはり私は、もう少しきちっと、国としてこれからどう人材を育てていくのか、さらには人材に対してどういうふうに手だてを打つのか、このことについては少し力を入れた施策が今求められてもきている、こういうふうに思っています。そんな面の中で、ぜひ一段と人に対して投資をする、そういう視点の中でこれからの農政、この部分について考えていただきたい、このことを要望申し上げまして、終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○筒井委員長 本日は、これにて散会いたします。
午後零時十一分散会