衆議院

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第12号 平成23年5月26日(木曜日)

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平成二十三年五月二十六日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 山田 正彦君

   理事 梶原 康弘君 理事 佐々木隆博君

   理事 津島 恭一君 理事 仲野 博子君

   理事 柳田 和己君 理事 谷  公一君

   理事 宮腰 光寛君 理事 石田 祝稔君

      網屋 信介君    石田 三示君

      石原洋三郎君    石山 敬貴君

      今井 雅人君    岡田 康裕君

      加藤  学君    金子 健一君

      近藤 和也君    田名部匡代君

      高橋 英行君    玉木雄一郎君

      筒井 信隆君    道休誠一郎君

      中野渡詔子君    野田 国義君

      松木けんこう君    山岡 達丸君

      吉田 公一君    伊東 良孝君

      今村 雅弘君    江藤  拓君

      北村 誠吾君    橘 慶一郎君

      谷川 弥一君    保利 耕輔君

      山本  拓君    西  博義君

      吉泉 秀男君    石川 知裕君

    …………………………………

   農林水産大臣       鹿野 道彦君

   農林水産副大臣      筒井 信隆君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   外務大臣政務官      菊田真紀子君

   農林水産大臣政務官    田名部匡代君

   農林水産大臣政務官    吉田 公一君

   政府参考人

   (内閣官房原子力発電所事故による経済被害対応室審議官)          加藤 善一君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       梅田  勝君

   農林水産委員会専門員   雨宮 由卓君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十六日

 辞任         補欠選任

  大串 博志君     岡田 康裕君

  小里 泰弘君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  岡田 康裕君     大串 博志君

  橘 慶一郎君     小里 泰弘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)

 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政局及び北海道農政事務所の地域センターの設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)


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     ――――◇―――――

山田委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、農林水産省設置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、地方農政局及び北海道農政事務所の地域センターの設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房原子力発電所事故による経済被害対応室審議官加藤善一君及び厚生労働省医薬食品局食品安全部長梅田勝君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

山田委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮腰光寛君。

宮腰委員 皆さん、おはようございます。

 鹿野大臣初め政務三役の皆様方には、震災対応、連日、本当に御苦労さまでございます。心から敬意を表したいと存じます。

 まず、農林水産省本省の組織改正についてお伺いをいたします。

 事故米の不正規流通事件、それから農水省職員の無許可専従問題がきっかけとなりまして、昨年の通常国会に農水省設置法改正案が提出をされました。ところが、与党・民主党の反対という前代未聞の事態に陥りまして廃案となった、いわく因縁つきの法案であります。民主党の党内手続にルールというものはあるのか、それ以上に与党としての自覚があるのかどうか、首をかしげざるを得ません。

 昨年の改正案には、今回の改正案に盛り込まれている地域センターの設置、北海道農政事務所の分掌事務の見直しに加え、農林水産行政監察・評価本部の設置と農林水産技術会議の廃止が盛り込まれておりました。今回の改正では後の方の二つを見送りました。私は賢明な判断だと思いますけれども、見送った理由について大臣からお聞かせいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今のお話につきましては、昨年の通常国会で提出をいたしました設置法案が、結局、農林水産省の行政監察・評価本部を設置する一方で農林水産技術会議を廃止するというのは技術政策の軽視ではないか、こういうような異論もございました。

 そのようなことから、農林水産技術会議を存続させまして技術政策に専門家の知見を生かす体制というものを維持していく一方、法律ではなく政令改正によって大臣官房に評価改善課を設置いたしまして、農林水産行政監察・評価本部と同等の五十人程度の人員を配置するということを通じて、農林水産省の業務全般の信頼性を高める体制というものをつくっていかなきゃならない、このようにしたところでございます。

 このようなことから、農林水産行政監察・評価本部の設置と農林水産技術会議の廃止は今回この法案に盛り込まないというふうなことになっているところでございます。

宮腰委員 私は、賢明な判断だと思うんですよね。やはり技術というのは農林水産行政の柱でもあるというふうに思っておりまして、ここを廃止するというのは誤った判断だったんではないかというふうに思います。

 今回の法改正には、地域センターの設置と北海道農政事務所の分掌事務の見直しだけが法律に盛り込まれているんですけれども、実際には、平成二十三年度において、本省について組織改正を考えておいでになると思います。

 組織改正の内容とその考え方について、今ほど一部は御説明ありましたけれども、基本的な部分についてお聞かせをいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生からお触れいただいた件につきましては、本省の組織改正については、総合食料局と生産局を、産業局と、これは仮称でございます、生産局に再編をするというのが主な内容でございます。

 生産局は、米麦を含めた農畜産物に関する政策を一元化において担当する。体制といたしましては、農産部と畜産部の二つの部を設けまして、農産部におきましては、米麦や水田農業に関する政策を担当する三つの課を追加する。さらに、需給、価格等の重要事項を総括する生産振興審議官というふうなものを新たに設置するということでございます。

 また、産業局というのは、六次産業化というものを中心に担当することといたし、食品産業政策を所管する課に加えて、知的財産、あるいは地域ブランド化、輸出促進、地産地消、バイオマス利活用などを担当する三つの課を設置する、こういうふうなことでございます。

 なお、戸別所得補償制度については、政策全体の総括と、米なり畑作物の交付金などを経営局で担当する、こういう考え方でございます。

宮腰委員 これまでも、生産局は、野菜、果樹、あるいは花卉、砂糖、こういうものの農産物に加えて畜産物まで担当をしております。その生産局に米麦まで担当させるということについては、私は無理があるのではないかというふうに思います。

 米麦について、かつては食糧庁という大きな組織で担当をしていたわけでありますが、生産局の中に吸収して本当に十分機能するのかどうか。農産部を置くということになっておりますけれども、部の所掌範囲としては広くなり過ぎて機能しなくなるおそれがあるのではないかというふうに思っておりますけれども、大臣、どうお考えでしょうか。

筒井副大臣 済みません、私から答弁させていただきます。

 先生おっしゃるとおり、今まで水田農業の振興が生産局で、米麦の需給対策については総合食料局がやっていたわけでございますが、これらの生産、流通問題対策全体を、畜産を含めて生産局の業務としたところでございます。

 しかし、そういう形でふやしましたが、同時に、生産局がやっていた、これも今大臣が答弁されたとおりでございますが、地産地消とかあるいは知的財産権とか、これらの重要課題を生産局の業務から外したわけでございます。地産地消は、六次産業化との関係で極めて重要な業務で、非常に多大な責務を伴うわけでございまして、この点では与野党一致していると思うんですが、それらを生産局から外したということでございます。

 それで、組織に関しても、これも今大臣が答弁されたように、二つの部と審議官を新たに設置したという形で、それらの業務をきちんとやっていかなければいけないし、やっていけるものというふうに考えております。

宮腰委員 つまりは、今度の生産局が、旧食糧庁と、それから以前あった農産園芸局と畜産局と、一庁二局をあわせたようなものになるわけであります。それが、畜産だけでも相当大きな問題を抱えて手足が必要なときに、一つの局にして果たして本当に機能するのかということだと思うんですよ。

 逆に一方で、今、筒井副大臣からいろいろなお話がありました産業局、これについては、六次産業化、地産地消というような重要性はわかります。我々も昨年の秋の臨時国会で二つ合体させて法律を仕上げたわけでありますから重要性はわかるんですけれども、生産局と比べて所掌範囲が狭過ぎるのではないか、局としての体をなさないのではないかというふうな感じがするんですよ。

 片っ方でぐっと所掌範囲を広げて、一部、あちこちからかき集めてきたものを別の産業局という、こう言ってはなんでありますけれども、所掌範囲がほかの局と比べて狭い局を新たにつくるということについては、私はバランスを欠いておるのではないかと思いますが、局としての体をなさないのではないか、この点についてお伺いをいたします。

筒井副大臣 先生の心配は、今までの取り組みから見ると理解できるわけでございますが、しかし、先ほどもちょっと申し上げました、先生も今御同意をいただきました、地産地消、六次産業化、これは、今の農水省としての農政三本柱の一本を賄うわけでございますから、十分局としての取り組みの価値と量がある業務であるというふうに思っております。

 そして、先ほどとも、また大臣の答弁とも重複するかもしれませんが、地産地消、ブランド化、輸出、バイオマス、これらの問題もここで取り扱うわけでございますから、私としては、心配はわかるわけでございますが、局として、取り扱う業務の質と量を持っているというふうに考えております。

宮腰委員 私はとてもそう思えないですね。一つの局として十分な質と量を持っているとは考えられないと思います。

 農水省は、いろいろな不祥事が過去にありましたけれども、その都度、組織ばかりいじってきたんですよね。我々も反省すべき点があると思います。

 昨年の口蹄疫対策特別措置法、与野党協議をしておりましたときに、どの政党とは言いませんけれども、消毒を義務化した上で違反者に罰則を科すという案が出ておりました。我々も、この消毒の義務化というのは法案に盛り込んでおりましたけれども、罰則をつければ、それを確実に担保するために、警察などの人員を数多く配置しなければならなくなる、逆に本体の消毒作業に支障を来して本末転倒になるということで、罰則を盛り込まなかった、そういう例が過去にあります。何よりも、農水省の仕事の本体は、生産をまず振興すること、そのための技術の開発普及、基盤の整備、それから経営体の育成、こういうことが仕事の本体だと思いまして、本末を転倒してはいけないというふうに私は考えます。

 今回の農水省本省の組織改正につきましても、今ほどお聞きした限りでは、やはり本末転倒の部分があるのではないか、そういうことをしてはいけないのではないかというふうに思いますが、これは大臣に所見をお聞かせいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 今回の本省のいわば組織改正というのは、お米の生産なり流通対策について、生産局と総合食料局に分割されてきたものを生産局に一元化する、六次産業化を戦略的に推進するための核となる産業局を設置する、戸別所得補償制度は経営局で総括するというのが基本的な考え方。そしてまた、生産局には、先ほど申し上げますとおりに、二つの部、農産部と畜産部を、そして、生産振興審議官、こういう生産局の専任の審議官を置いて、業務量に応じた執行体制を整備する、こういうふうな考え方でございます。

 私自身、今先生からいろいろ御指摘をいただいたところでございますけれども、とりわけ、これからの我が国の地域、地方の核となる産業は何かといえば、やはり当然第一次産業。その中でも、第一次産業を起点として六次産業化を進めるというふうなことが相当重いものになってくるのではないか、そういう基本的な考え方の中での組織改正というふうなことでございまして、これらの体制によって農政の重要課題にきちっと対応してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

宮腰委員 六次産業化、地産地消は重要だと私も思っておりますけれども、まず、もとがあっての話だと思うんですよね。その視点が、今回の組織改正、まだ決まっていないと思いますけれども、抜けておるのではないかという気がいたします。

 本省の組織については、局ごとの仕事のバランスも重要であります。そうでなければ、目の行き届かないところで不祥事が起きる可能性がやはり出てくると思います。さらには、組織の総合力の発揮という意味でうまくいかないケースも出てくるのではないかというふうに思っておりまして、このようなことを踏まえて、本省の組織のあり方について、今の法律で、この法改正で決めるわけではありませんので、法律が通ったとしても、中身についてはもう一度考え直す必要があるのではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

鹿野国務大臣 基本的に、いろいろとお考え、御指摘いただいたことは大変重要なポイントだと思います。

 しかし、そういう中でも、食料自給率をどう高めていくか、あるいは農業の多面的機能の発揮をいかにして維持していくか、あるいは農山漁村の活性化など、こういう重要な項目というふうなもの、課題というふうなものを総合的に推進していくということを重点的に考えながら、今回の組織改正をやるというふうなことに至ったわけでございますので、いろいろな御指摘をいただいた点を私ども本当に十分頭に入れながら、今後、この農林水産行政というものを推進する上で取り組んでいかなきゃならない、こう思っておるところでございます。

宮腰委員 選挙公約で、六次産業化というのが一つの柱だったと思います。我々も中身についてよく検討して、佐々木理事もおいでになりますけれども、お互いにすり合わせをして、法案の形でまとめさせていただきました。しかし、政権をおとりになってからもう二年近くになって、もう少しやはり冷静に、かなえの軽重といいますか、考えてみられる必要があるのではないかと私も思います。そう思います。

 次に、地方組織についてでありますけれども、今回、地方組織について、都道府県単位の農政事務所をなくして地域センターを置くということになっております。

 この都道府県単位の農政事務所をなくして、これまでよりもいい仕事ができるのかどうか、私は疑問があるというふうに思います。農政の推進に当たりましては、都道府県との緊密な連携が不可欠である。これは、去年の口蹄疫のときも、ことしの鳥インフルエンザのときも、やはり都道府県との緊密な連携が本当に必要であったというふうに言えるのではないかと思います。今後その役割をだれが果たすのか、農政局なのか、地域センターなのかということが出てくると思いますが、この点、いかがですか。

筒井副大臣 地域センターが複数ある県が十七ほどになりますから、先生が言われるような問題点が出てくるわけでございます。

 県庁所在地の地域センターが県との連絡、連携を主として担うという体制を考えております。そして同時に、重要かつ緊急的な問題、広い地域にわたる問題に関しては、従来どおり、農政局が県庁所在地の地域センター等々と協力しながら県と連携関係をとっていく、こういう体制を考えております。

宮腰委員 配置転換で、有能な人材がかなりほかの省に流出をしたのではないかというふうに思われます。そうした中で、都道府県単位よりも細分化した地域センターが本当にうまく機能するとはちょっと思えないんですよね。

 ですから、今、地方分権ということでいろいろ進んでおりますけれども、都道府県との連携が、例えば県庁所在地にある地域センターが担当すると言っていても、きちっと人材の手当てがなされて、ちゃんとした仕事ができるのかどうか、私は不安があると思います。本当にうまくいくとはなかなか思えないと思いますが、筒井先生、どうですか。人材の問題。

筒井副大臣 御心配は私も理解しますし、それが大きな課題だと思います。ですから、人材の量といいますか配置する人数、それと質の問題が今後大きな問題になってまいります。また、問題ごとには他の地域センターからのいろいろな応援等も機動的にできるように考えていかなければいけない。先生のおっしゃる問題が今後の大きな課題だろう。まさに人材次第の問題でございますから、そういうふうに私たちも考えております。

宮腰委員 申請の受け付けだとかそういうことはそんなに問題はないと思いますけれども、政策的な部分で、あるいは緊急時の対応の部分で、果たして都道府県単位の農政事務所がなくなって地域センターに細分化してきちっと機能できるのか。そういう視点も踏まえて、具体的にどうするのか、お考えをいただきたいなと思います。

 それから、今回、震災対応のために地域センターの管轄区域を弾力化する修正が加えられました。支援チームを設置して職員を派遣することというふうになっておりまして、この点は評価をいたしたいというふうに思います。

 そこで、宮城県の亘理町、山元町のイチゴ産地の復興再生についても、職員を派遣し、ことしのクリスマスまでにはイチゴを再出荷することを目標に努力されている。これも高く評価をさせていただきたいというふうに思います。

 今の亘理町、山元町のイチゴ産地、この復興再生について現状はどのようになっているのか、また具体的にどのような支援策を講じておいでになるのか、お聞きをいたしたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生からの、亘理町あるいは山元町の地域というのは、私も参りましたけれども、先生御案内のとおりに、本当にすばらしい穀倉地帯でもあり、また恵まれた農業の農産物を生産する、そういう作物をつくるには本当に絶好の地域ではないか、こんな思いをいたしておる中で、あれだけの被災を受けたということに対して、私も参りましたときには本当に言葉も出なかったわけであります。しかし、そういう中で何とかイチゴ生産の方々がもとに戻るような、またさらにそれ以上の生産体制を築いていきたいという思いをひしひしと感じました。

 とりわけ、四十年以上にわたってイチゴ生産をなされてきたということでありますから、私ども、農政局長にもしっかりと指示をしてきたところでございますけれども、地域センターや支所に加えて、復旧、復興を促進するための支援チームというものを編成いたしまして、派遣する方針であります。これは岩手県、宮城県、福島県、それぞれの現場の支援拠点というふうなものが網羅的にカバーできるようにしたい、こういうことでございます。

 支援チームは、生産技術や農業経営、あるいはまた農業土木等の専門職員で構成する、こういうふうな考え方でございまして、とにかく現地の人たちがどういう考え方でおるかということ、あるいはまた状況というふうなものをどうとらえていったらいいかということに対してしっかりと応ずることができるような、そういう取り組みをしていかなければならないと思っております。

 今先生から御指摘の亘理町、山元町というところにおきましては、五月中旬から支援チームを発足させまして、職員等が現地に常駐いたしております。引き続き、現地の方々からの意見を聞きながら、いろいろな農業の経営の再開についての取り組みについて、私どもは、何としても一部、クリスマスの時期までに間に合わせたいというような気持ちも大事にしながら、私どもも一体的な考え方のもとに取り組んでいきたいな、こんなふうに思っております。

宮腰委員 私も先月、現地に行ってまいりまして、被災の現場、あのハウスの惨状を見た上で、夜、若手のイチゴ農家の皆さん方五十人ぐらいと意見交換会を開かせていただきました。

 やはり、お聞きをすると、何とか残ったハウスを復旧して、親苗を確保して苗を出荷できるようにして、その上で十二月までに何とか出荷したいという思いの若手の農業者の方はたくさんおいでになりました。こういう方々を支援しないといかぬ、そういう思いで帰ってきたわけであります。

 それには、やはりいろいろな生産資材も必要になってくる、あるいは最終的に出荷の段階になれば選果場のラインの再整備も必要になってくるということでありまして、基盤整備、あるいは経営資源といいますか資材の問題、さらには出荷に至るまでの一体的な支援が具体的に必要だというふうに思っております。ぜひ、できる限り地域の負担を軽くした上で、間違いなくクリスマスには出荷できるようにお願いをいたしたいと思います。

 被害が甚大なあの地域で復興再生の芽が出てくれば、ほかの地域でも復興再生に向けた希望が生まれてくるというふうに思います。あの地域でできるのであれば我々も頑張ればできる、そういう思いが出てくるのではないかと思っておりまして、そのためのシンボル的なケースとして、ぜひしっかりとした御支援をお願いいたしたいと思います。

 まだ時間がありますので、二次補正について若干お聞きしたいと思います。

 被災地の復興のための二次補正予算、これについて今、二次になるのか一・五次になるのか、よくわからない状況になっておりますが……(発言する者あり)一・五は問題ですよ。二次補正予算の必要性について、大臣はどうお考えになっておられますか。

鹿野国務大臣 二次補正につきましては、先生方からもいろいろな面で御指摘をいただいております。

 まず、一次補正につきまして、今日の段階でございますけれども、おおむね順調に執行が行われているというふうなことでございまして、そういうことを考えますと、今後、二次補正をどうするかというのは、本格的な復旧、復興ということでありますから、非常に大事なことになってくると思います。

 そういう意味で、いかに現場の声をしっかりと把握するか、そして同時に、そういう考え方をお聞きしながら、被災地の状況というふうなものを踏まえて必要かつ十分な対応を行っていくということが最も大事なことではないか、こんなふうに思っております。

宮腰委員 タイミングが問題だと思います。

 いっとき、六月二十二日で店じまいをして、二次補正予算については秋の臨時国会回しという声が出ておりました。被災地の皆さんは、あいた口がふさがらないという思いでおいでになりましたよ。それが一・五というような話になって、一・五というのはどういう意味か、私もよくわかりませんけれども、本当に必要な手当て、タイムリーにやっていくべきときに小出しにする。これは被災地の心に響きません。

 なぜ一・五だとかという話が出てくるのか。私は、戸別所得補償などのばらまき四Kを政府・与党があきらめ切れないから復興に向けての本格的な補正予算が組めない状況に陥っているのではないか、そう思いますが、大臣、いかがですか。

鹿野国務大臣 まだ、具体的に二次補正をどうするかというふうなことは決まったわけでもございません。しかし、私自身は、政務三役の会議におきましても、また事務方に対しましても、特に話をいたしておるのは、とにかく、一次補正がこうやって組まれたけれども、その執行状況と同時に、次に何を被災地の人たちが求めているのかということを徹底して酌み取る、このことを指示しております。

 当然のことながら、私どもとしては、今先生が言われたような二次補正的な今後の取り組みというものは、やはり継続的にやっていかなきゃならない、こういうようなことの考え方を基点として置いておるところでございますので、今後、いろいろと具体的な御提案等々もお聞かせいただきながら、私どもも農林水産委員会の先生方の御指導もいただき取り組んでいきたい、こういう考え方でございます。

宮腰委員 今の内閣の中で、鹿野大臣の姿勢だけは評価できるのではないかというふうに私は思っております。

 ばらまき四Kをあきらめないと、恐らく公債特例法案は通らない。これが通らなければ、次の予算が組めない。だから、いまだにあきらめ切れない部分があって、結局、被災地の皆さん方の声にこたえられないというのが、残念ながら、今、政府・与党の姿ではないかというふうに思っております。まずは、あきらめが肝心ですよ。このことを申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)法案も出ていないんですよね。

 そこで、我々自民党は、今国会に、農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案、通称担い手総合支援法案を提出するということにいたしております。赤松元大臣は、戸別所得補償の仕組みそのものに規模拡大のインセンティブが含まれていると答弁される一方で、担い手関係予算を大幅に削減しておいでになりました。今の内閣になり、TPPへの参加検討が唐突に表明をされ、農村現場に大きな混乱を招いていることは、山田委員長を初め皆さん方御承知のとおりであります。

 夏の概算要求時点では計上されていなかった規模加算、それから集落営農の法人化予算が、年末の予算編成時に、これまた唐突に計上されました。民主党農政はどの方向を向いているのか、まるで一貫性がありません。

 既に、我々の法案について大臣のお手元にペーパーが渡っていると思いますけれども、この法案について、大臣は賛成されるお気持ちはありませんか。

鹿野国務大臣 私もかつて自由民主党という政党におきまして、農林関係におきまして、きょう保利先生もおいででございますけれども、保利先生の場合は農林族というふうな言葉が適切かどうかわかりませんけれども、農業問題に対する取り組みの最も中心的存在として活躍をされてきた。そういう中で、農業問題について、自由民主党という政党が大変熱心に取り組んでこられたということも承知をしております。今、宮腰先生が部会長として取り組んでおられる。

 そういう中で、担い手というものをどう位置づけするかというようなことから、担い手の新法というふうなものをおつくりになっておられるということは承知しておるところでございますけれども、私どもも、まだ具体的にしっかりとそういうものの中身についてまでとらえておる段階でございません。

 しかし、少なくとも、国内農業の体質強化というふうなものをどうこれから図っていくかということを考えたときに、担い手の育成あるいはまた確保というふうなものがいかに大事かということだけは、私どもはそういう認識に立っておるということを申させていただきたいと思います。

宮腰委員 食と農の再生本部などで、担い手の育成についても議論がなされていると聞いておりますが、先ほど申し上げたように、当初は、担い手予算について大幅にカットしてきたんですが、TPPの話が出た途端に、担い手、担い手とこの政府で言い出した、そういうことなんですよ。これはやはり一貫性がないと私は思います。これからこの点についてもしっかり議論をさせていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。

 私の質問は、きょうは以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

山田委員長 次に、石田祝稔君。

石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 きょうは、大臣ほか皆様に質問をいたしたいと思います。

 まず、法案の関係でお伺いをいたしたいんですが、法案そのものというよりも、地方支分部局の設置のところの問題です。

 今回の東日本大震災、その関係で、福島県の部分の管轄地域、ここをどうしても変えなきゃならない、そういうこともあっただろうと思いますが、地方自治法で、地方支分部局については国会の承認が要る、そこのところを、大臣が認めればいいよ、こういう項目が入ったわけです。本来明確に、国会の承認を得なきゃならないという部分を、大臣が認めればいい、これはもう、考えようによっては、ある意味では法定主義から大きく外れる話ではないのか、こういう心配もするわけであります。

 ここの、大臣の特別な事由ということ、これはどういうことをお考えになっているのか、ある程度明確にしていただかないと、わかりました、こう言うわけにはなかなかまいらないんですが、大臣のお考えをまずお聞きいたしたいと思います。

鹿野国務大臣 今先生から御指摘の特別の定めというものにつきましては、いわば大臣の権限で特別に定めたというふうなことでございますけれども、このことにつきましては、「災害その他特別の事由」というようなことでございまして、今回の東日本大震災のような、大変な大きな規模の災害のほか、災害以外の人為的な事故による交通網の途絶など、極めて限定的な場合を想定しておりまして、今後、この条項の運用に当たりましては、国会承認の意義というものを損なわないように対応してまいりたいと思っております。

石田(祝)委員 今回はどなたが見ても、東日本大震災は特別の事由だ、これはもうだれもわかるわけでありますけれども、しかし、そういう項目を一つ入れ込むことによって、では具体的には次から次にこの案件はどうなのかといった判断を求められるときに、国会が、ある意味で承認の手続をとることができないわけですね。大臣が定めればいい、こういうことになりますから。これについてはよくよく、国会の承認という大変重い判断を排除するわけですので、まさしく特別な事由、与野党からもだれからも認められる事由以外は使わない、こういうことでぜひお願いをいたしたいというふうに思います。

 そして、今回、地域の拠点を随分集約なさるわけですね。私の住んでいる四国、高知県もそうでありますし、また、特に北海道を見ますと、広い北海道の地域で幾つか分散をしておって、集約するということもわからないではないんですけれども、ある意味でいえば、なくなるところの地元の方々にすると、国の今まで親しんできた機関がなくなってしまう、こういう御心配もあろうかと思います。

 これについては、地元の方の意見をどういうふうに今までお聞きになってきたのか、またそのことについて御理解は得られているのか、このことをまずお聞きをいたしたいと思います。

筒井副大臣 これも、先生おっしゃるように、全国で拠点がなくなるのが百十三市町あるわけでございまして、それらの地元からは、非常に残念なことである、ただ、現在の状況から見てそういう再編が避けられないことも理解できる、できる限り不便さがないような、そういう措置をとってほしい、これらの意見あるいは要望が寄せられているところです。

 ですから、それらに対しましては、一つは、出張サービスを機動的に行う措置、さらには、ファクスを含めたIT関係のものである程度の手続が可能となるような措置、さらには、先ほど宮腰先生の質問でありましたが、最終的には人材の問題でございますから、職員の能力向上、これらの点を組み合わせて、拠点がなくなった地域に対して、できる限り不便さを縮小していく、こういう努力をしなければならない、こう考えております。

石田(祝)委員 ぜひ、こんなはずじゃなかったと言われないように、重々御留意をいただきたいというふうに思います。

 私は、この法案は我々は賛成ですからもうこれ以上お聞きをいたしませんが、震災関係で少々お伺いをいたしたいと思います。

 実は私も東日本の復興特別委員会の理事を務めておりまして、昨日は、青森、岩手、宮城、福島、茨城と、通常被災三県と言われているところに加えて青森と茨城にもお声かけをいたしまして、商工業の代表の方、また農業、また水産業の代表の方、各県三名ずつ十五名参考人に来ていただきまして、いろいろな御意見をお伺いいたしました。

 そういう中であったお声として、先ほど宮腰委員からもお話がありましたが、二次補正について、やはりこのお声もありました。今の一次補正も大変評価をされているお声も多うございます、正直申し上げて。しかし、その執行が、いろいろ考えてみると、災害の査定があったりいろいろなことで、結局、実際はもう七月になるのではないか、ですから、予算の成立と実際の執行までの間にどうしてもタイムラグができるので、二次補正についても早くやってほしい、こういうお声がございました。

 今大臣からの御答弁もお聞きをいたしましたが、私からも改めて、大臣、今回、地震と津波と、原子力災害ということはありますけれども、特に水産関係の被害が多いのはもう、今回の補正が水産関係では本予算を超えている、こういうこともありますが、二次補正を早くやっていただいて、切れ目のない復旧、復興をぜひやってほしい、こういうお声がございました。

 二次補正の早期提出について、また私たちは今国会に提出すべきだ、こういう意見を持っておりますが、大臣の率直な思いをお聞かせいただきたいと思います。

鹿野国務大臣 石田先生からの御指摘というのは、先ほど宮腰先生からもお話がございましたけれども、大変重要なことだと思っております。

 とにかく、一次補正、いろいろ御協力をいただきました。成立をいたし、執行されているところでございますけれども、その今の状況というもの、それぞれの現場でどのように活用されているかというようなこともフォローしていかなきゃならない、こういうふうに今思っておるところでございます。

 そういう中で、水産業の方々のお話もございましたけれども、どういうニーズ、要請、要望というふうなものがあるか、これは当然のことながら、私どもといたしましても常に把握をしなければならないわけでありまして、それが一刻も早い段階で措置をしていかなきゃならないというようなことならば、当然のことながら、それはあらゆる努力をそこに傾注していくということになるわけでございます。

 いよいよ、応急措置、緊急措置から本格的な復旧、復興に向けてというのがいわば二次補正ということになるところでございますので、このことについて、大変重要なテーマでありますから、今後とも、農林水産委員会のメンバーの方々、あるいはそれぞれの地域の方々、都道府県、市町村の方々の考え方というものをお聞きしながら、農林水産省としての考え方をこれからも明確に打ち出していきたいと思っておるところでございます。

石田(祝)委員 先日、総理大臣、菅総理は、参議院の委員会で、必要だったら三次も四次もやるんだ、こういう御答弁をなさっているんですね。

 一次補正については、今年度中の復旧については手当てをした、当初、こういう提案理由の説明がありました。ですから、復興について、これからの復興を全部一つの補正予算でやろうとするのではなくて、やはり、今出てきている課題について、総理が二次も三次も四次もやると言っているわけですから、別に二次補正で復興をすべてやるという考えで、いろいろな要求をとにかくまとめよう、まとめよう、抜けているものはないかという、準備に時間をかけて実際の補正予算の提出なりまた成立なりがおくれると、先ほど申し上げたように、国会の審議が終わって成立をして、さらに実際執行になるというのは随分タイムラグがある、そういう現場の心配があるわけですね。

 ですから、今手当てをされている一次補正の復旧の部分、それ以外で、やはり来年に向けてのいろいろなことで今やらなきゃいけない、こういうことが出たら、これは、全部が出そろうのを待つというよりは、二次、三次、四次という総理の御答弁もあるわけですから、これは大臣、もうちょっと、農林水産省、特に積極的にこの二次補正について閣内でも御発言をいただいてリードしていくべきではないか、私はこのように思います。

 大臣のお気持ちはわかりましたけれども、特に今国会で大臣として出した方がいいんじゃないか、こういうお考えがあるかどうか、ちょっとお伺いいたします。

鹿野国務大臣 今の段階で、私から具体的にということはまだこの場で申し上げるところまで至っておりませんけれども、しかし、少なくとも、今後、緊急的な、あるいはニーズがどういう状況であるかというふうなことをとらえる中で急がなきゃならないというようなことでありますならば、当然これは予算を計上して事業に結びつけていかなきゃならないわけであります。

 今先生から、総理大臣としての三次補正、四次補正というふうな考え方も示されておるということもございました。私どもとしては、いわゆる一般的に言われている二次補正で、これで終わりだというわけでもございませんので、先生のおっしゃるとおりに、これから、とにかく次から次と、一刻も早い復旧、復興が望まれるわけでありますので、それに支障がないようにしていくということが非常に大事なことだと思っております。

石田(祝)委員 では、具体的に若干お伺いをいたしたいと思いますが、一つは、二重ローンの問題であります。

 これは、農林水産関係だけではなくて、商工業者の皆さん、また住宅ローンで国土交通省、また政府系の金融機関では財務省だとか、いろいろなところでこの二重ローンの問題があるわけですが、農業者、漁業者、今までいろいろと借金をしてきている、さらに、今回生産基盤が大変傷んで新たに借金をしなきゃならない、今までの借金に借金を重ねる、二重の借金ということになりますけれども、しかし、お金を借りて生産を始めない限り収入の道がないわけですね。ですから、今までの借金もある、さらに借金をしなくちゃならないという大変なお苦しみの中で今いらっしゃると思います。

 そこのところを、特に農林水産関係、農業、水産業について、二重ローンの問題、農林水産省としてどういう対応をなさろうとしているのか、このことについてお伺いいたします。

筒井副大臣 基本的には、農地、農業用施設の債務については、償還猶予、その間の利子助成、あるいは実質的な無利子化、これを図っていく。そして同時に、農地、農業用施設の復旧、再生に関しましては、農家負担を限りなくゼロという方向でやる。それだけではなくて、経営再開ができるまでの間、いろいろな作業に従事していただくことによってそのための対価を支払うという形を考えているわけでございまして、今度の一次補正でもその方向で予算がつきました。

 ですから、二重ローンという形にはならないという方向で、何とか農業の再生を農家の皆さんに図っていただきたい、こういうふうな思いでございます。

石田(祝)委員 この問題は、官房長官が、政府全体として考えていかなきゃならない、そしてその解決については各省に指示をしたと。総理が指示したんでしょうか。こういうお考えもお聞きをいたしております。大変大きな課題になってきますので、農業者、水産業者、漁業者に安心していただけるような方法を、ぜひ知恵を絞っていただきたいというふうに思います。

 それで、畜産で少々お伺いしたいんですが、警戒区域等に野放しにされた家畜が、えさがないものですから餓死をしている、その処分について、きのうも参考人からもお話がありましたけれども、結局、移動ができないので片隅に積み上げてブルーシートをかけている、そういうことでいいんだろうかという率直な疑問もありました。

 この処分について、また処置についての指針というのはあるんでしょうか。また、なければ私は早くつくるべきであると思いますが、いかがでしょうか。

吉田(公)大臣政務官 石田先生にお答え申し上げます。

 今お話がありましたように、現段階では、適切ではない、そうは思っておりますけれども、現在、移動も処分も、廃棄物を移動してはいけないということもございまして、家畜につきましてもそれに準じて行っているわけでございますので、当面の間は消石灰をまいてブルーシートで覆っているということでございます。

 今後、厚労省、環境省そして経済産業省等で処分の方法が決定すれば、私どもはその決定に従って処理していきたい、そういうふうに思っております。

石田(祝)委員 だんだんと暖かくなってもまいりますので、早く処分方法を決めてあげないと、そのまま牛、豚等が野積みになっている、こういう状況ですから、これはぜひ早くしていただきたいというふうに思います。

 続いて、瓦れきの処理にかかわる話でありますが、こういうお声がありました。海の方の瓦れきについては、後ほど若干聞きますけれども、日当的なものについてお伺いいたしますが、海の方の瓦れきの処分については一日一万二千百円、そして船を出した場合は船にもお金が出る、こういうことであります。ですから、ある意味でいえば、どうしても毎日のお金がない、自分のところの漁港、漁場を片づけて、そしてそこからお金をいただいてまず日々生活をつないで、漁場、漁港の復興から漁業の復興へ、こういうお考えで頑張っていらっしゃると思います。

 漁業の場合は日当という形で出ておりますが、農業の場合、十アール当たり三万五千円の、片づけるお金というんでしょうか。それで、実は昨日も農業者の方から意見開陳がありまして、漁業のように日当という形でやってもらえないだろうか、こういうお声が実はございました。十アール当たり三万五千円、一ヘクタールで三十五万、こういうことでありますけれども、一体自分の手元に幾ら入ってくるのか。これは、私たちがわからない、毎日のお金に大変困っている、そういう中での話でございますから、そういう切実なお声も出ました。

 これは、漁業の方が日当みたいなことで、農業は十アール三万五千とか、こういうふうに、なぜ同じ農林水産省の中で分かれているんでしょうか、ちょっとお答えをお願いします。

筒井副大臣 農業の場合に、十アール当たり三万五千円という基準で出すわけでございますが、これはしかし復興組合に一括して支払います。ですから、復興組合の方で各農家に支払う際に、労働時間に応じた形、つまり日当という形でもって支払うことは十分可能でございます。

 同時に、試算したんですが、試算によれば、一万二千円前後の金額を支払うことに十分たえられる金額だというふうに考えております。

石田(祝)委員 これは、副大臣、そういうお答えですから、ぜひ、そういうこともできるということを連絡してあげた方がいいと思うんです。

 分かれている。片一方は日当だよ、仕事に出て瓦れきを片づけたら、そのまま、一万二千百円が高いか低いか、そういうお声があるかもしれませんけれども、わかりやすい。しかし、この十アール三万五千円、では一日一生懸命やって自分のところに幾らいただけるんだろうか、こういう、わかりにくいわけですね。ある意味では、組合的なものをつくってやりますから、そこの判断でいろいろと左右される、多分そういう御心配もなさっているんじゃないかと思うんですよ。

 だから、どうしても、漁業者と比べてこれは一体どうなんだろう、そういう声がありますから、ここのところは、そういう声があるということは私は大事にお聞きになった方がいいと思うんですよ。農林水産省はちゃんと考えているんだからこういうことでやってくれればいいんだよというのではなくて、そういうお声があるということが、農業者たちの気持ちの中ではどういうふうに受けとめられているのか、このことは私は大事にお考えになった方がいいと思いますから、そういうお声があるということをお伝えしておきたいというふうに思います。

 それで、時間も余りなくなってきましたので、きょうは農林水産省以外から来ていただいておりますので、他省庁の方にちょっとお伺いをいたしたいというふうに思います。

 一つは、これも昨日の参考人からの意見でありましたが、中国からの実習生、中国だけではないかもしれません、たくさん来て、実習という形をとりながら、一生懸命仕事を覚えつつ、現実の仕事の手伝いもしてもらっていた、その方々が今回の原子力発電所の事故の問題で一斉にいなくなっちゃった、そして、どうも個人個人というよりは、何かまとまった、そういう指示なりが来て、帰りの飛行機の切符も考えてもらって帰ったのではないだろうか、それで大変に困っていると。

 これはわからないわけでもないんですよね。放射線という、放射能という目に見えないもので大変なことになっている。私たち野党の立場からすると、初動の体制を含めて、今の政府の原子力の事故に対する発表は大変あやふやであるし、情報も小出し、後出し、そして訂正が多いと私たち自身が不審に思っているわけですから、外国から見たら、言葉がわからない中で、さらに不安を持っていると思います。

 ですから、これは帰る気持ちもわからないではありませんけれども、今の現状について、外務省として、国対国でしっかりと正確な情報を発信して、現実に日本人はそこで生活をして仕事もしているわけですから、そういうことについて、安全性について発信をすべきではないのか、こういうふうに思っておりますが、外務省のお考えはいかがでしょうか。

菊田大臣政務官 お答えいたします。

 我が国の研修・技能実習生は、平成二十一年度末現在で約十七万五千人でございます。受け入れ国で多いのは、今御指摘がございましたとおり、やはり一番多いのが中国で約十三万五千人、続いてベトナム、一万三千人、そしてフィリピン、九千九百人でございます。

 法務省の調べによりますと、今回の震災の影響で技能実習半ばで途中帰国した技能実習生は、三月末現在で約一万三千人になりました。その後も出国が相次いでいたことから、最終的に途中帰国した技能実習生は約二万人にも上るのではないかというふうに推定されているわけでございます。また、JITCOによりますと、東北六県に千葉と茨城そして栃木を加えた地域における参加団体においては、約二万一千人が在留していた技能実習生のうち約六千人が途中帰国したものと見られているところでございます。

 そうしますと、技能実習生が全体に占める割合からしますと、推認でありますが、被災地域全体で約一万人にも上る技能実習生が帰国したことが見込まれるわけでございます。

 先生御指摘のとおりでございまして、外務省といたしましても、こうした事態に対してしっかりと対応していかなければならないと認識をいたしております。震災発生以降、各国・地域の政府等に対しまして最新かつ正確な情報の伝達とともに、関連情報の対外発信に全力で取り組んでいるところでございます。

 中国に対しましては、先般も日中首脳会談を行わせていただきましたけれども、ハイレベルでの説明及び働きかけ、さらには外務省のホームページにおける中国語での震災関連情報の発信、中国紙への寄稿などを通じまして、日本の安全性のアピール、そして風評被害の払拭のために全力を尽くしているところでございます。

 ただ、地震発生後は非常に混乱した中で、再入国のビザをとらずに慌ただしく帰ってしまった研修生も多いというふうに聞いておりますので、日本側からは、四月の十八日付でございますけれども、再入国の手続をせずに入ってこられるように規制緩和を行っておりまして、それを受けて、また中国政府の方でも、四月二十九日以降、渡航条件を緩和していると聞いております。

 かなり、最近……(石田(祝)委員「もうちょっとコンパクトに言って」と呼ぶ)済みません。

 そうした効果、働きかけもございまして、最近では東北地方の方にも研修生が少しずつ戻りつつある、流れができてきているというふうに報告を受けております。

 長くなって恐縮です。

石田(祝)委員 これについて、外務省、いろいろと便宜を図っていただいているようです。法務省についてもです。

 注意してもらいたいのは、再入国ビザをとらずに帰っちゃった人に規制緩和をする、これは私は、当人が帰ってくればいいんですけれども、まさか、そういうことを利用して全然違う人が入ってくることがないように、これはぜひしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 経済産業省にお伺いをいたしたいと思います。

 原発の被害についてですが、実はきのうも茨城県の方がお話がありましたが、四月分として十八億円の損害賠償の要求を出している、しかし何の反応もない、そろそろ五月分もまとめて、四十数億円ですか、茨城の方は出すと言っていましたけれども。これは、第一次指針では、実害については支払うことになっていますよね。それでまとめて出したのに、何の反応もない、音さたなしだ、一体これはどうなっているんだ、こういう怒りにも似たお声もありました。

 これは、本当は私はきょう東電に来てもらいたかったんですが、東京電力は農林水産省の委員会にはどうも来ないようであります。今後、委員長を含め、ぜひ御検討していただいて、農業、水産業、大変被害を受けているわけですから、これは東電が来てしゃべるのが当然だと私は思いますから。これは今後の課題でありますが。

 まずきょうのところは、松下副大臣に来ていただいておりますから、これは一体どうなっているんですか、こういうことを申し上げたいんです。

松下副大臣 お尋ねの件ですけれども、五月中にはお支払いしたいということで、JA含め、今、鋭意、整理、取りまとめをしておりまして、おくれましたけれども、そうしたいと思っております。きょうの新聞でも、第二回目の請求もあったという報道を知りましたけれども、大変御心配をおかけしておりますけれども、そういうことで努力してまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。

石田(祝)委員 副大臣、何か今知りましたみたいなお話をしていますけれども、そうではないんですよ、もうとっくに出しているんですから。今出そうとしているのは、五月分のものを出そうとしているんですよ。

 ですから、これについてはやはり、全部の農家に電話しろというわけじゃないんですから、JAがまとめているわけでしょう。だから、こういうふうになりそうですよとかいう連絡をしてあげないと、これはもう全然反応がないということで、一体どうなっているかということをおっしゃっておりましたから。これはぜひ、五月中ということですから。

 これは本当に大丈夫ですか。五月中に振り込みましたけれども、着くのは六月ですということはないですよね。きょう二十六日ですよ、あした金曜日で二十七日。二十八、二十九というのは土日で休みですから、これはもう今週中にやってもらわないとお金は行きませんので。

 きょうはもう時間もありませんからこれ以上聞きませんが、松下副大臣が請け負った、こういうことでよろしいですか。

山田委員長 どこまで支払うかを明確にお答えいただければ。

松下副大臣 JAが中に入って取りまとめ、整理をしていただいておりまして、この面では、個々一人一人にやるということではなくて、まとめてしっかりと整理してやっているということでございますので、しっかりお約束は守れる、そう考えています。

石田(祝)委員 それで、この問題については、山田委員長を初め、農業、漁業を大変心配なさっている方は、これはもう政府が立てかえ払いしろ、そういう思いを持って、私も同じなんですけれども、じっと推移を見守っているわけです。ですから、これは五月中に来なかったら、委員長、もう法案を出してやった方がいいですよ。今まで抑えていたと思いますけれども、これはもう、これ以上待っていたら農業者、漁業者は干上がっちゃいますから。

 このことについて、国がそういう場合立てかえ払いしないのか、このことを、内閣官房、きょう来てくれていますか。では、ちょっと答弁してください。

加藤政府参考人 御説明いたします。

 農林漁業者を初めといたしまして、今回の事故によって厳しい環境に置かれている被害者の方々に、当面必要とする資金を、東京電力は速やかに仮払いの形でお支払いできるように取り組みを進めるようであります。先ほど松下副大臣から御説明がございましたように、避難された方に一時金を現在払ってございますし、五月末に農林漁業者に払えるように現在準備を進めてございます。

 私どもとしては、原子力損害賠償法の賠償責任を一義的に持っております東京電力がスピード感を持って仮払いを実施していくということが、被害者の方々に迅速に当面必要な資金を支払う上で最も実効性が高いというふうに考えてございまして、その方向で努力していきたいと考えてございます。

 以上でございます。

石田(祝)委員 スピード感を持ってなんて、政府が東電に言える義理じゃないんですよ。政府の方がもっとスピード感を持ってやらなくちゃいけないんだから。ぜひ五月中ということをきょう御答弁いただきました。あと日がありませんので、支払いを全部のところにしていただける、こういうことを松下副大臣が約束いただきましたから、以上で質問を終わりたいと思います。

 厚生労働省、済みません、ちょっと時間がありませんでしたので。よろしくお願いします。

山田委員長 次に、吉泉秀男君。

吉泉委員 社民党の吉泉秀男です。

 今回提案されているこの設置法案については、基本的には、反対をする、そういう立場ではございません。

 しかし、この二年間の中において大変な事故が続いているわけでございます。チリ地震における三陸の激甚災害、そして高温の陸奥湾のホタテ、口蹄疫、それから鳥インフル、そしてまた新燃岳の爆発等々を含めて、大変な、各被災というところの対応というものについて問われる状況にあるというふうに思っています。ましてや、今回の東日本の大震災において、大変大きな状況の中において、今、復旧、こういう状況の中で動いているわけでございます。

 この時期に、今の地方事務所を廃止しながら地域センターを設置しなければならない、この中身、その理由、こういった部分については、どういう考え方でこれを今やらなきゃならないのか、このことについてまず冒頭お伺いいたします。

鹿野国務大臣 拠点を集約いたしまして地域センターを設置するということのメリットは、限られた人員を効率的に活用できる組織体制が確立されまして、そして機能強化につながる、こういうふうな考え方に立つわけであります。

 他方、支所の設置や積極的な出張対応によりまして、行政サービスが低下しないように努めていかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。

吉泉委員 私もきのう復興の委員会の方に出席をさせていただきまして、それぞれ三県の、農業、そして水産業、そしてまた商工会、それぞれの代表の方から意見をお聞かせいただきました。やはり、現場の段階においてそれぞれ頑張っているわけですけれども、なかなか見えない、こういうお話なんかも率直に出されたところでもございます。

 今、政府・与党内の中で、地域主権改革、こういう一環として国の出先機関の廃止や地方移譲、こういう部分がなされているというふうに、自分自身もこのことについては聞いているところでございますけれども、しかし、地方組織の改編、これを実施する、そういうときに、それぞれ、農林省単独でやる、こういう状況には、少し私、疑問も持っているわけでございます。

 特に、六次産業化の問題、さらには今の自然エネルギーの問題、いろいろな面の中で、特に東北については、今の第一次産業という部分について大きく転換をしていく、産業として伸ばしていかなきゃならない、こういう状況について、地方の、それぞれの国の機関の役割、これは大変重要な任務を持つ。ただ、そのときに、それぞれ、農林は農林、それから経産は経産、環境は環境、こういう一つ一つの縦割り的な、そんな状況には少し疑問を持つわけでございます。

 そしてまた、今大臣の方から出張等の話がなされました。しかし、例えば私の山形の場合、行くだけでもう二時間、三時間かかる、こういう地域もあるわけでございます。往復六時間で一つの出張に出させていただいて、会議一時間で帰ってくる、やはり、こういう状況のときに本当にきめ細かな対応ができるのか、こういうものについても不安を持っているところでございます。

 今、宮腰筆頭理事の方からイチゴの対応の問題についてもお話があったわけでございますけれども、現状の中において被災地における農林省としての一つの指導体制、さらには、そこにおいて現地事務所みたいな部分をきちっと置いてやる、こういう状況に今回のこの改正でなった以降の段階について、被災地における対応というものについてはどういうふうに考えているのか、お伺いをさせていただきます。

吉田(公)大臣政務官 吉泉委員にお答え申し上げます。

 農林水産省からは、人的支援につきましては、本省並びに地方農政局から既に人員を派遣いたしまして、復旧、復興に向けた努力をしているところでございます。

 東北三県の被災地を網羅的にカバーできるよう、地域センターの支所を設置する地域に加えまして、岩手県陸前高田市、福島県相馬市などを中心に活動する支援チームを編成いたしまして、現地に駐在させる予定でございます。また、宮城県と山元町に既に支援チームを派遣してございます。

 水産関係については、水産業復興プロジェクト支援チームを立ち上げるとともに、それぞれ、現地の統括本部を仙台に設置いたしまして、被災地域への調査員の派遣等を実施しているところでございます。

吉泉委員 今、支援チームというふうな答弁、そのことについても自分自身も理解をしています。しかし、今度、今の事務所を廃止して、地域センターを各県に大体二カ所、こういうことで設置をする、そのところの関係について、やはり本来であれば地域センターでやらなきゃならない、そういう任務にもなるんだろうというふうに思っています。

 そういう、今までの、常に恒常的な事務、仕事、その辺に加えて、被災地、さらには災害の対応、こういったところをリンクしてやるというふうになったときに、やはり、今の現状の中において、大震災に対応しているときに、この地域センターをこれからつくってまたやっていく、人事異動もやっていく、そういう部分が今なのか、もう少し落ちついて先が見えてからやっていいんでないか、こういうふうにも私は思うものですから、そういう考え方を少し自分は持っているということについてぜひ御理解もいただきながら、まずは東北の復興、そのことについて御努力をお願い申し上げたいと存じます。

 自分自身、山形の穀倉地帯の庄内平野の生まれでございます。最近うちへ帰っていないんですけれども、今の時期、大体田植えが終わりまして、平野がグリーンのじゅうたん、こういうすばらしい風景がもう間もなく見える、そういう時期でございます。

 一方、米どころ仙台平野、これは今どうなっているのか。もうまさに、瓦れき、先祖代々の水田を、撤去した瓦れきの置き場に提供している、こういう状況。大変、自分自身、何とかしなきゃならない、こういうふうにも思うわけでもございます。

 そんな中で、農林の理事会として視察も行ったわけでございますけれども、特に、今、仙台平野、その中において、除塩の仕事を一生懸命それぞれやっているわけでございますけれども、そのときに、農家さらには土地改良区の人たちが、地盤が下がってきているわけでございます。今回の補正予算では地盤沈下のものについては対応できていない、ただ単に除塩ということで、それで何回も水を満杯にして、そしてまた水を流して、そして塩分を取れ、こういう作業に今汗をかいているわけでございますけれども、やはり、今の地盤沈下の問題、これをかさ上げしなきゃならない。

 こういう状況を、どういうふうに政府の方としてお聞きをしながら、そしてそれをどういうふうに対応しようとしているのか、お伺いさせていただきます。

筒井副大臣 今の先生の御質問は、瓦れき撤去、あるいは除塩、さらには除染等が必要であること等、それらが終了した段階で復興ビジョン、復興計画に入っていくわけでございますが、それらをどういうふうに全体として考えているかというふうな御質問だと理解をしております。

 今、復興構想会議の方で、全体の復興の構想、これを議論しているわけでございまして、それによってある程度、その後政府が、そのことを、国としての考え方を示すわけでございますが、しかし、これはあくまで国としての考え方であって、最終的にどういう構想でやっていくかを決めるのは各地元だというふうに考えておりますから、各地元と検討をしながら、農地はどこに置くか、あるいは住宅地はどこに置くか、それらのことを検討して最終決定をしなければいけないというふうに考えております。それらについて、農水省としてもいろいろな意見を今出して、各省連携をしながら努力しているところでございます。

 その際に、農水省として一つ強調しているのは、今度は太平洋岸を中心とした被災でございますが、復旧の過程において、食糧支援等々も含めて日本海側からの連絡というのも非常に役に立ったわけでございまして、今度の復興に当たっても、日本海側を完全に分離して、それを無視して、太平洋側だけ分離した復興計画というのは適切ではない、全体を総合して考えていかなければいけないというふうに考えております。

 そして、それら、どういう復興計画になるにしろ、先生も今おっしゃられた、各省が縦割りのままでは物すごい手続もかかるし、大変なことになる。都市計画法と、農振法にしても、あるいは海岸法にしても、あるいは森林法にしても河川法にしても、それぞれ各省庁別々なわけでございますが、それを一つ一つみんな手続をとらないと復興計画の実施ができないということになっては大変ですから、それらをワンストップでできるような、そういう体制は今からでも考えて整備をしていかなければいけない。これも農水省としても並行して取り組んでいるところでございます。

吉泉委員 ありがとうございました。次の質問も含めて答弁をいただいた状況でございます。本当にありがとうございます。

 やはり、今、被災地の方として、どういうふうに町をつくっていくのか、そしてまた土地をどうつくっていくのか。まさに宅地か農地かわからない、そういう状況の中において、これからの計画、ビジョン、そういう部分を、復旧と含めながらこれからの復興の計画を決めていかなきゃならない、そういう状況にあろうかと思います。そのときの、今回のいわゆる体制のものについて、もっともっと地域の声が聞こえるような、やはりそういうセンターになってほしいなというふうな思いの中でお話をさせていただいたところでもございます。

 もう時間が五分しかございません。

 今回の東電の事故において、大変悲惨ですし、甚大だな、いつ収束するのか大変見通しがつかない、こういう状況にあろうかと思います。そういう中において、これからの私たちの産業にとっても、暮らしにとっても欠かせない大事なエネルギー、これをやはりどうしていくのか、このことが問われているんだろうというふうにも思っております。そんな中において、自然エネルギー、この部分についてもっともっと普及をしていかなきゃならない、これが私の考え方でございます。

 きょうの新聞さらにはマスコミの方にも載ったようでございますけれども、ソフトバンクの社長を中心としながら、各自治体が一緒になりながらこれから自然エネルギーを普及していく、こういう一つの思いが出されているようでございます。

 その中において、この間農林省としては、バイオマス、このところを中心としながら進めてきたんだろうというふうに思っておりますけれども、とりわけ太陽光の問題、休耕田さらには不耕作農地、いろいろなところで太陽光の利用、さらには風力、いろいろな部分が農林省管轄の中でできるんだろうというふうに思っております。

 そうした面の中で、農林省としての再生可能エネルギーに対するこれまでの取り組み、さらには、これから進めていく上での課題、こういった部分が明らかにはなっているというふうに思っておりますけれども、筒井副大臣の方からお伺いいたします。

筒井副大臣 先生と全く同じ認識でございます。再生可能エネルギーの重要性と意義、私も、どんなに強調しても強調し過ぎることはないというふうに思っております。太陽光、風力、小水力それにバイオマス、これらのエネルギーを最大限活用することが今度の復旧、復興においても必要だと思います。

 特に、福島県は小水力発電の適地がたくさんあるというふうにも聞いておりますし、風力発電、ずっとこの海岸沿いにも十分適地があるわけでございます。

 ただ、これらの再生可能エネルギーの一番の欠点は、最初の設置費用がかかる、なかなかコスト的に採算が合わないという点でございます。ただ、これを解決する最大の手段として、今、固定価格買い取り制の実施法が国会に上程をされております。経済産業省所管でございます。これが成立することによって、これらの再生可能エネルギーが基本的に採算が合うという状況に根本的に変わるわけでございますから、ほかのいろいろな課題もあるわけでございますけれども、しかし、これが推進のための大きな力になるというふうに思っております。

 農水省としても、バイオマス関連、これはエネルギーだけではなくて、ほかの燃料やあるいはマテリアルの製造も含みますが、バイオマス関連の産業については、五千億円規模の市場に二〇二〇年までにつくり上げていく、その間に二千六百万トンのバイオマスの活用を図っていくというふうな計画を前から立てております。しかし、今の状況では、これはなかなかまだまだ遠慮深い、遠慮深過ぎる計画だ、もっとこれを大幅に伸ばしていかなければいけないと私自身は考えているところでございます。

吉泉委員 もう時間になりましたので、要望だけさせていただきたいと思います。

 この自然エネルギーの問題についても、それぞれ農林省、環境省そして経産省、そういうところの中で、最終的にはエネルギー庁が一つは大きくまとめているわけでございます。

 しかし、この自然エネルギー、再生エネルギーを普及していくためには、海上の問題も含め、さらに陸地、いろいろな部分でのこれまでの法の縛りがあるわけでございます。そういった点を乗り越えて、そして普及をしていくためには、やはり法整備の問題も含めて変えていかなきゃならない。

 だとすれば、やはりある程度三省が一体となって、そして、ある程度農林省がリードをするような方向の中で、この再生可能エネルギーの普及拡大に向けて御努力をお願いしたい、この要望を申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

山田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二十五分散会


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