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第1号 平成25年3月13日(水曜日)

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本国会召集日(平成二十五年一月二十八日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 森山  裕君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 小里 泰弘君

   理事 北村 誠吾君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮腰 光寛君 理事 大串 博志君

   理事 村岡 敏英君 理事 石田 祝稔君

      井野 俊郎君    池田 道孝君

      加藤 寛治君    川田  隆君

      菅家 一郎君    清水 誠一君

      末吉 光徳君    鈴木 憲和君

      武井 俊輔君    武部  新君

      津島  淳君    中川 郁子君

      長島 忠美君    西銘恒三郎君

      橋本 英教君    福山  守君

      堀井  学君    簗  和生君

      山本  拓君    渡辺 孝一君

      後藤  斎君    玉木雄一郎君

      寺島 義幸君    鷲尾英一郎君

      鈴木 義弘君    高橋 みほ君

      百瀬 智之君    稲津  久君

      佐藤 英道君    林  宙紀君

      畑  浩治君

平成二十五年三月十三日(水曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 森山  裕君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 小里 泰弘君

   理事 北村 誠吾君 理事 葉梨 康弘君

   理事 宮腰 光寛君 理事 大串 博志君

   理事 村岡 敏英君 理事 石田 祝稔君

      井野 俊郎君    池田 道孝君

      加藤 寛治君    川田  隆君

      菅家 一郎君    清水 誠一君

      末吉 光徳君    鈴木 憲和君

      武井 俊輔君    武部  新君

      津島  淳君    中川 郁子君

      長島 忠美君    西銘恒三郎君

      橋本 英教君    福山  守君

      堀井  学君    簗  和生君

      山本  拓君    渡辺 孝一君

      後藤  斎君    玉木雄一郎君

      寺島 義幸君    鷲尾英一郎君

      鈴木 義弘君    高橋 みほ君

      百瀬 智之君    稲津  久君

      林  宙紀君    畑  浩治君

    …………………………………

   農林水産大臣       林  芳正君

   農林水産副大臣      江藤  拓君

   農林水産副大臣      加治屋義人君

   農林水産大臣政務官    稲津  久君

   農林水産大臣政務官    長島 忠美君

   農林水産委員会専門員   栗田 郁美君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

森山委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 農林水産関係の基本施策に関する事項

 食料の安定供給に関する事項

 農林水産業の発展に関する事項

 農林漁業者の福祉に関する事項

 農山漁村の振興に関する事項

以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

森山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

森山委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣林芳正君。

林国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。

 私は、昨年末に農林水産大臣を拝命し、農林水産政策に携わることとなりました。農は国の基という言葉があるように、農林水産業は、食料生産のみならず、国土や自然環境の保全、集落機能の維持といった多面的機能の発揮を通じ、国民の暮らしに重要な役割を担っています。農林水産大臣としての任務の重大さに身が引き締まる思いであるとともに、職務に邁進する決意を新たにしているところであります。

 現在、農林水産業、農山漁村は、農業生産額の減少や担い手の高齢化など課題が山積しております。一方で、私は、農林水産業は潜在的に非常に大きな可能性を持っていると考えており、その潜在力を最大限に引き出すためには、生産現場みずからが需要の動向を敏感につかんで高付加価値化等を積極的に進めるなど、攻めの農林水産業を推進することが必要だと考えています。

 一月二十九日には、私が本部長となり、攻めの農林水産業推進本部を農林水産省に設置いたしました。需要サイドのニーズや生産現場の声を徹底的に吸い上げ、施策の具体化を加速してまいります。

 以下、農林水産行政に関する主要な取り組みについて申し述べます。

 第一は、攻めの農林水産業の展開であります。

 今後の世界の食市場の規模の急速な拡大、国内のライフスタイルの大きな変化を好機と捉え、我が国の経済成長を牽引するべく、農山漁村に受け継がれた豊かな資源を活用して、我が国農林水産業、農山漁村の発展を図ってまいります。

 このためには、まず、担い手、農地等の生産現場を強化する必要があります。農業の構造改革を加速化するため、各地域における農業者等の徹底した話し合いによる人・農地プランの作成を強力に推進するとともに、耕作放棄地対策等に取り組んでまいります。農業生産の効率化、高付加価値化を目指して農地の大区画化、畑地かんがい、施設整備等を進めるとともに、農業水利施設の長寿命化、耐震化を含む防災、減災対策を推進します。

 また、農地を農地として維持するための日本型直接支払い及び担い手総合支援の制度検討を関係各方面の御議論と連携して進めてまいります。

 さらに、農山漁村の六次産業化等を通じた農林水産物の生産から消費までのバリューチェーンの構築や都市と農山漁村の共生・対流の拡大、すなわち食品産業を初めとする異業種との新結合により、農林水産物等の価値を大きく高めながら消費者につなぎ、農業、食料関連産業の国内生産額九十五・三兆円の規模を拡大し、その多くを地域に引き込めるよう取り組んでまいります。このため、先日設立された農林漁業成長産業化ファンドの拡充、活用等により、産業間の連携をさらに拡大してまいります。

 加えて、内外に日本の強みを生かせる市場を創造し、需要を拡大する必要があります。日本の農林水産物、食品の輸出を促進するとともに、食文化、食産業の海外展開を図る方策について検討してまいります。また、癒やし、健康志向など、日本国民の新たなライフスタイルに即応した農林水産物、食品の開発、地域資源を活用した再生可能エネルギーの導入拡大等を推進いたします。

 第二は、東日本大震災からの復旧復興であります。

 東日本大震災からの復旧復興については、安倍総理から、閣僚全員が復興大臣であるとの意識を共有して取り組むようにという御指示がありました。復興担当大臣とも連携しながら、全力で復旧復興に取り組んでまいります。一月十三日に宮城、福島両県を、二十六日に宮城、岩手両県をそれぞれ訪れたところであり、日本の食料供給基地でもある東北地方を一刻も早く復興するため、農地や主な漁港の復旧をおおむね二十五年度までにするという目標を実現するとともに、農地の大区画化や先進的技術の導入など、よりよい復興のための施策を講じてまいります。また、瓦れき由来の再生資材を活用した海岸防災林の再生を進めてまいります。

 原発事故対応については、安全な農林水産物を安定的に供給することを最優先とし、生産現場における放射性物質の吸収抑制対策を徹底しつつ、除染や各都県における放射性物質検査の実施を支援してまいります。

 第三は、食品の安全性の向上と消費者の皆様からの信頼の確保であります。

 国民生活にとって最も重要な食品の安全性を向上し、消費者の信頼を得ていくことは、全ての施策の基本となる重要な課題です。国民の健康を守ることを第一に、食品に含まれる有害物質等の含有実態の把握や、これに基づく管理の徹底など、農場から食卓にわたり、科学的根拠に基づいた取り組みを推進してまいります。また、農薬や飼料等の生産資材の適正な使用の徹底を図るとともに、消費者の信頼を確保するための情報提供や食品表示の適正化に努めてまいります。

 第四は、経済連携への対応であります。

 経済連携の推進に当たっては、情報を国民に提供し、議論をしていただき、理解を得ながら進めていくことが重要であると考えております。環太平洋パートナーシップ協定については、聖域なき関税撤廃が前提でないことを、総理が日米首脳会談において確認いたしました。今後、政府として交渉参加について判断することになります。引き続き、国民の皆様への情報提供に努めてまいります。

 第五は、森林・林業政策の推進であります。

 森林・林業については、戦後に造成された約一千万ヘクタールの人工林が資源として本格的に利用可能な時期を迎えております。公共建築物等への地域材の活用や耐火・耐震性能の高い部材等の開発、未利用間伐材等の利用拡大等を推進してまいります。また、森林施業の集約化や路網の整備を図って、地域の実情に応じた持続的な森林経営を確立するとともに、地球温暖化対策として、森林吸収量の確保に向けた森林の整備、保全等を推進してまいります。

 第六は、水産政策の推進であります。

 水産業については、まず、計画的に資源管理に取り組む漁業者に対する資源管理・漁業経営安定対策を推進するとともに、担い手の確保や養殖業の強化等に取り組んでまいります。また、地球環境の保全、漁村文化の継承等、水産業、漁村が有する多面的機能の発揮のため、漁業者等が行う活動を支援します。さらに、産地から消費地までの流通過程の目詰まりを解消するため、販売ニーズや産地情報の共有化等を支援し、水産物の消費拡大と流通促進に取り組んでまいります。

 以上、農林水産政策に関する基本的な考え方を申し上げました。また、施策の展開に必要な法整備については、今後、御審議をよろしくお願いいたします。

 こうした政策の実現のためには、組織が一丸となって取り組むことが重要であります。両副大臣、両政務官、そして職員全員と一つのチームとなって、諸課題に取り組んでまいります。

 森山委員長を初め委員各位におかれましては、農林水産行政の推進のため、今後とも一層の御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

森山委員長 次に、平成二十五年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣江藤拓君。

江藤副大臣 平成二十五年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。

 平成二十五年度における農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて、二兆二千九百七十六億円となっております。その内訳は、公共事業費が六千五百六億円、非公共事業費が一兆六千四百六十九億円となっております。農林水産予算の編成に当たっては、攻めの農林水産業の展開に向けた第一歩とするため、農林水産基盤の整備、輸出拡大対策や競争力強化対策、経営所得安定対策等に予算を重点的に措置したところです。

 以下、予算の重点事項について御説明いたします。

 第一は、国土強靱化、農林水産業の競争力強化です。

 老朽化した農業水利施設、漁港施設等の長寿命化、耐震化対策や山地災害対策等を進めるとともに、担い手への農地集積の加速化、農業の高付加価値化のための水田の大区画化、汎用化、畑地かんがい等を進めます。また、農畜水産物の安定供給のための施設の整備や、高性能林業機械の整備等を推進します。

 第二は、経営所得安定対策等の推進です。

 農地を農地として維持するための日本型直接支払いや担い手総合支援の制度検討に向けた必要な調査を進めるとともに、平成二十五年度は、農業者が農業を継続できる環境を整え経営安定を図る対策について、経営所得安定対策として実施します。また、中山間地域において農業生産活動を継続して行うための支援、地域共同における農地、農業用水等の管理等の活動への支援等を進めます。

 第三は、担い手・農地総合対策です。

 各地域において、人と農地の問題を解決し、安定的に農業を継続できる体制を構築するための人・農地プランの作成、実行を推進するとともに、就農前後の青年に対する給付金の給付や法人雇用を進めてまいります。また、農地の規模拡大に対する支援や農地集積に協力する人への協力金の交付、耕作放棄地対策を進めることにより、農地集積を加速化してまいります。

 第四は、国産農林水産物の消費、輸出対策です。

 先般設立された農林漁業成長産業化支援機構の活用、農林漁業者と多様な事業者とのネットワークの構築等を進めることにより、生産、流通、加工等の異業種が連携した取り組みを拡大してまいります。

 また、日本の農林水産物、食品の輸出、食文化、食産業の海外展開を進めるため、川上から川下に至る総合的なサポート体制を構築するとともに、現場発の発想で国産農林水産物の消費拡大、輸出促進等の取り組みを支援します。

 第五は、生産振興対策です。

 野菜、果樹・茶、畜産・酪農、甘味資源について、品目ごとの特性に応じた対策を講じるとともに、各地域で深刻化している野生鳥獣による農作物被害に対して、地域ぐるみの被害防止活動、都道府県が行う広域捕獲活動等の取り組みを支援します。

 第六は、再生可能エネルギーの展開です。

 農山漁村には、土地、水、風、バイオマス等のエネルギー資源が豊富に存在しています。こうした資源を地域が主導して活用し、再生可能エネルギー発電事業による収入を地域の農林漁業の発展に活用する取り組みを支援するとともに、地域のバイオマス資源の活用等を進めます。

 第七は、食の安全、安心、都市と農山漁村の共生・対流等の取り組みの推進です。

 国産農畜水産物の安全性の向上や、家畜の伝染病、農作物の病害虫の発生予防、蔓延防止のための取り組みを支援するとともに、消費者に農林水産業や食への理解を深めていただくため、食材提供の場を活用した実践的な取り組み等、食料の生産から消費にわたる各段階における食育を進めます。

 また、農山漁村の活性化に向け、都市と農山漁村の共生・対流を進める取り組み、農山漁村における定住等を促進するための取り組みを支援するとともに、都市における市民農園の整備、防災農地の保全等を進めます。

 第八は、森林、林業、山村振興対策です。

 戦後に造成された約一千万ヘクタールの人工林が資源として本格的に利用可能な時期を迎えております。公共建築物等への地域材の利用拡大を図るとともに、森林吸収量確保のための間伐や路網の整備等の森林施業を進めます。また、森林の有する多面的機能の発揮や山村地域の活性化のための取り組みを支援するとともに、林業への就業前の青年に対する給付金の創設等による人材確保、育成を進めます。

 第九は、水産業、漁村振興対策です。

 計画的に資源管理に取り組む漁業者に対する収入安定対策を引き続き講じるとともに、漁業への就業前の青年に対する給付金の創設等による人材確保、育成を進めます。また、地球環境の保全、漁村文化の継承等、水産業、漁村が有する多面的機能の発揮のための取り組みを支援するとともに、産地から消費地までの流通過程の目詰まりを解消するため、販売ニーズや産地情報の共有化等を支援し、水産物の消費拡大及び流通促進を進めます。

 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に、それぞれ所要の予算を計上しております。

 最後に、財政投融資計画については、株式会社農林漁業成長産業化支援機構への出資のほか、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借り入れなど、総額二千二百五十六億円を予定しております。

 以上で、平成二十五年度農林水産予算の概要の説明を終わります。(拍手)

森山委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十六分散会


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