衆議院

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第10号 平成18年7月6日(木曜日)

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平成十八年七月六日(木曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 浜田 靖一君

   理事 赤城 徳彦君 理事 岩屋  毅君

   理事 寺田  稔君 理事 仲村 正治君

   理事 神風 英男君 理事 長島 昭久君

   理事 佐藤 茂樹君

      あかま二郎君    石破  茂君

      小里 泰弘君    大塚  拓君

      瓦   力君    北村 誠吾君

      高木  毅君    谷川 弥一君

      広津 素子君    福田 良彦君

      宮路 和明君    山内 康一君

      内山  晃君    津村 啓介君

      前田 雄吉君    渡辺  周君

      田端 正広君    赤嶺 政賢君

      保坂 展人君    下地 幹郎君

      西村 真悟君

    …………………………………

   外務大臣         麻生 太郎君

   国務大臣

   (防衛庁長官)      額賀福志郎君

   内閣官房副長官      長勢 甚遠君

   防衛庁副長官       木村 太郎君

   防衛庁長官政務官     高木  毅君

   外務大臣政務官      山中あき子君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山浦 耕志君

   政府参考人

   (内閣官房内閣参事官)  猪俣 弘司君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    大古 和雄君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    山崎信之郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 鶴岡 公二君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 八木  毅君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 梅田 邦夫君

   政府参考人

   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   中根  猛君

   政府参考人

   (外務省アジア大洋州局長)           佐々江賢一郎君

   政府参考人

   (外務省国際法局長)   小松 一郎君

   安全保障委員会専門員   三田村秀人君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月六日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     あかま二郎君

  山崎  拓君     広津 素子君

  細野 豪志君     津村 啓介君

  辻元 清美君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  あかま二郎君     安次富 修君

  広津 素子君     山崎  拓君

  津村 啓介君     細野 豪志君

  保坂 展人君     辻元 清美君

    ―――――――――――――

六月十六日

 一、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)

 二、国の安全保障に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の安全保障に関する件(北朝鮮のミサイル発射問題等)


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     ――――◇―――――

浜田委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件、特に北朝鮮のミサイル発射問題等について調査を進めます。

 この際、防衛庁長官及び外務大臣からそれぞれ報告を聴取いたします。額賀防衛庁長官。

額賀国務大臣 浜田委員長初め各先生方には、休会中にもかかわりませず審査を行われまして、心から敬意を表する次第であります。

 まず、今般の北朝鮮による弾道ミサイル発射事案につきまして御説明をさせていただきたいと思います。

 昨日、午前三時三十分ごろ、午前四時ごろ、午前五時ごろ、午前七時十分ごろ、午前七時三十分ごろ、午前八時二十分ごろ及び午後七時二十分ごろ、北朝鮮から日本海に向かって弾道ミサイル各一発が発射されたものと考えられます。第三発目はテポドン2と見られ、北朝鮮東部沿岸地域の大浦洞地区より発射されたと考えられます。また、その他につきましては、ノドンまたはスカッドと見られ、北朝鮮南東部沿岸地域の旗対嶺より発射されたと考えられます。

 落下推定地点につきましては、いずれについても、ロシア沿海州南方の日本海であります。第一発目は三時四十分ごろ、第二発目は四時十分ごろ、第三発目は五時十分ごろ、第四発目は七時二十分ごろ、第五発目は七時四十分ごろ、第六発目は八時三十分ごろ、第七発目は十七時三十分ごろであります。

 これらの情報は、米軍からの早期警戒情報を含む現時点におきまして得られた情報を総合的に勘案した結果であります。

 なお、現時点において、我が国領土内への落下物は確認されておりません。

 防衛庁・自衛隊といたしましては、我が国の平和と安全の確保のため、事案発生後、直ちに私を本部長とする対策本部を設置いたしまして、情報の収集、分析と対応に万全を期すこととしております。さらに、本件事案の事実関係についての詳細を把握するとともに、引き続き、北朝鮮の動向に関する情報収集態勢の強化、自衛隊関係部隊の警戒態勢の強化を行うように指示したところであります。

 また、昨日、二十三時十分ごろ、ラムズフェルド米国防長官と電話で会談をし、情報交換や対応措置につきまして、引き続き密接な連携をとっていく旨を確認したところであります。

 防衛庁といたしましては、国内関係機関や米国を初めとする関係国とも引き続き情報収集などの点につきまして連携を密にしながら、適切に事態に対応し、国民の生命財産の確保に万全を期してまいりたいと考えます。

 先ほど、発射事案について、午後七時二十分ごろと言いましたけれども、午後五時二十分というふうに訂正しておきます。

 以上です。

浜田委員長 次に、麻生外務大臣。

麻生国務大臣 今回の北朝鮮によりますテポドンを含む弾道ミサイルの発射に関し、これまでの経緯及び現状を説明させていただきます。

 今、防衛庁長官の話がありましたように、七回にわたり、北朝鮮からテポドンを含む弾道ミサイルが発射をされております。今回のミサイル発射は、我が国の安全保障に直接かかわることでもあり、国際社会の平和と安定及び大量破壊兵器の不拡散の観点からも極めて遺憾であり、国際社会において厳しく糾弾されるべきものであります。

 また、日朝平壌宣言にも違反するものです。北朝鮮側に対しては、五日午前、北京ルートを通じ、厳重に抗議をしております。

 今回の発射を受けた当面の対応ぶりにつきましては、官房長官が既に五日朝及び正午の声明で発表されたとおり、万景峰号の入港禁止や北朝鮮に対する出入国の制限等、一連の厳しい措置をとりました。外務省といたしましても、発射後、速やかに緊急対策本部を立ち上げ、情報収集等に努めるとともに、関係各国と緊密に協議をいたしております。

 今後は、国際社会全体としての対応が極めて重要であると考えており、六者会合参加国を初めとする関係各国との連携を進めていく考えであります。既に、日米同盟に基づく米国との緊密な協力連携の一環として、ライス国務長官とも昨日午前、午後の二度にわたり連絡し、今後とも緊密に協議していくことを確認いたしております。

 また、五日午後には、潘基文韓国外交通商部長官、李肇星中国外交部長、ラブロフ・ロシア外相、ドゥースト・ブラジー・フランス外務大臣、ベケット英国外務大臣とも電話会談を行い、いずれも引き続き密接に連絡、協議を行っていくことを確認しております。

 国連安保理での対応につきましては、日本の要請に基づき、現地時間五日午前十時、日本時間昨日の午後十一時になります、安保理会合が開催をされております。国際社会としての意思が安保理決議の形で迅速に表明されるべきと考えており、米国を初めとする関係国と緊密に連携をしていく考えです。

 なお、今回の発射を受けて、外務省としては、渡航情報として北朝鮮全土に対して発出しております危険情報を引き上げ、北朝鮮への渡航自粛を要請することとしております。

浜田委員長 以上で報告は終わりました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山浦耕志君、内閣官房内閣参事官猪俣弘司君、防衛庁防衛局長大古和雄君、防衛庁運用局長山崎信之郎君、外務省大臣官房審議官鶴岡公二君、外務省大臣官房審議官八木毅君、外務省大臣官房参事官梅田邦夫君、外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長中根猛君、外務省アジア大洋州局長佐々江賢一郎君及び外務省国際法局長小松一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。

岩屋委員 自由民主党の岩屋毅でございます。

 まずは、今般の事案を受けまして連日連夜御尽力をいただいております額賀防衛庁長官、麻生外務大臣、そしてきょうは長勢官房副長官もお見えいただいておりますが、心から敬意を表させていただきたいと思います。

 時間が限られておりますので、私の方からは、政府の基本的な考え方を数点に絞ってお伺いさせていただきたいと思います。

 今般の事案は、言うまでもないことでございますが、まずは日朝平壌宣言に違反をしている、さらには六カ国協議の共同宣言の内容も無視した、まさに私は暴挙と言わざるを得ないと考えております。国民の皆さんの間にも、今までにないような動揺、不安あるいは怒りといったものが広がっているわけでございます。

 私は、今回の政府の初動態勢はしっかりできたというふうに評価をさせていただきたいと思いますが、問題はこの後でございまして、かかる瀬戸際外交は決して効果を上げることはないということを北朝鮮にしっかりと知らしめる必要があるのではないか、このように思っております。

 私はもともと制裁には慎重派でございまして、というのは、このような国柄の北朝鮮でございますから、制裁というのは、為政者を苦しめるのではなくて、国民だけを塗炭の苦しみに遭わせるということになりはしないか、こう思っていたからでございますが、事ここに至っては、私は、やむを得ない、我が国の安全を著しく脅かされたわけでございますから、政府として毅然たる対応をとるべきだ、こう思っております。

 政府の対応は既に発表されておりますが、私は、場合によっては、送金、貿易の全面停止などの厳しい対応をとることも視野に入れるべきではないか、こう思っております。きょうは官房副長官お見えでございますが、政府の基本的な姿勢についてお伺いをさせていただきたいと思います。

長勢内閣官房副長官 今回の事態はおっしゃるとおりだと思います。連続して七発も撃ち込まれるという事態については、全く許しからざることであり、政府としても毅然たる態度で臨むべきものと考えております。

 そういう観点から、このたび早期に、先般、御承知のとおりの対応策を発表したわけでございますが、同時に、こういう事態は国際社会においても当然強い批判があるところでありますし、関係国の状況等も見きわめながら対応していくことも必要なことだと思います。

 今、安保理等々でも御議論がなされるやに伺っておりますし、そういうことを踏まえながら、また、それ以上に、北朝鮮そのものが今後どういう対応をするのかということも見きわめながら、おっしゃるようなことも含めて、毅然たる態度で臨んでまいりたいと思っておる次第でございます。

岩屋委員 言うまでもないことでございますが、一方で冷静さも失ってはいけないと思います。かかる事案を通じて、偏狭なナショナリズムを逆に政府があおるようなことになってはいけない、冷静さを保ちつつ、毅然たる対応をしっかりとっていただきたい、こう思います。

 次に、防衛庁長官にお伺いをいたします。

 国民の皆さんが今回の事案を受けて一番心配をしておられるのは、我が国がいまだミサイルの迎撃能力を持っていないということだと思います。このことにつきましては、既にもう法律も準備をさせていただいておりますし、日米の共同研究開発、これは着々と進めていただいているわけでございますが、やはり場合によっては計画を繰り上げて、一日も早くミサイルの迎撃体制を整える必要もあるのではないか。また、それに至らない段階においては、日米安保体制というのはこういうときのためにあるわけでございますから、ミサイルの監視体制の強化あるいは迎撃体制の整備、日米でしっかり連携協力をしていくことが大事だと思っておりますが、この点についての防衛庁長官のお考えを聞かせていただきたいと思います。

額賀国務大臣 岩屋委員のおっしゃるとおりだと思っております。八年前にテポドン1のミサイル発射が行われたときの防衛庁長官が私であります。それ以後、すぐに米国との弾道ミサイル防衛についての研究体制を発足させて、今日に至っておるわけであります。

 したがって、現在のところでは、おっしゃるように、監視体制はそれなりに努力をしつつありますけれども、迎撃体制は全く、いかなるミサイルに対しても、我々が国民を守るすべを今持っておるわけではありません。したがって、今その監視レーダー網の整備に注力すると同時に、迎撃面におきましても、米国と協調の上に立って、この体制を一刻も早く形をつくっていきたいと思っております。

 今考えておりますことは、上層型、イージス艦のBMDシステムと、陸上型、下層型のPAC3の整備でございますけれども、このPAC3については、当初は十九年度からきちっとしようと思っておるわけでありますけれども、これを前倒しして十八年度末にはきちっとしていきたいというふうに今考えているところでもあります。そのイージスBMDシステムについても、これは十九年度末までにとりあえずしっかりとさせるということで、おっしゃる意向を踏まえて、今後も国民の皆さん方の理解を得ながらこの体制をつくっていくことが、我が国の安全ばかりではなくてこの地域の安定にも資していくものと思っておりますので、各先生方の御支援もいただいて、きちっとしてまいりたいというふうに思っております。

岩屋委員 今長官の、前倒しをしてでもミサイル防衛体制の整備を急ぎたい、こういう御発言をいただきまして、大変心強く思っているところでございます。私どもとしても最大限の支援をさせていただきたいというふうに思っております。

 次に、外務大臣にお伺いをしたいと思いますが、今般の事案と同時期に韓国の調査船が我が国EEZ内に侵入し、海洋調査を行っております。まさか申し合わせてのことではない、こういうふうに思いますけれども、これまた大変遺憾なことでございます。既に外務大臣からは韓国外相に対して電話でしっかりとこの件、抗議をしていただいたというふうに聞いておりますが、また、調査船の方も既に我が国EEZを離脱したというふうに承知をしておりますけれども、中国とも同様の問題を我が国は抱えているわけでございまして、この問題は決してうやむやに済ますわけにはいかないのではないか、このように考えております。

 この調査船事案について、今後どのように臨むおつもりか、外務大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

麻生国務大臣 今、岩屋先生からお話がありましたように、まさか示し合わせたことはあるまいという御意見がありましたけれども、一連のミサイルの騒ぎでこちらの話の方がかすんでおりますけれども、大きな問題であります。

 昨日、私の方から、潘基文韓国外交通商部長と電話で会談をして、今のミサイルの件と同時に、この海洋の科学的な調査の問題に関して、日本からの再三にわたる中止もしくは延期の要請にもかかわらず、韓国側が調査を実施したということに対して抗議をすると同時に、中止を求めたところでもあります。先方からは、調査実施は適切であるとの韓国政府の立場につき、改めて説明はありました。

 日本としては、この問題は、このままほっておくと一層深刻化することになるのを避けるためには、早急に海洋の科学的調査に関する暫定的な協力の枠組みというものを、交渉を開始する必要があると考えております。きちんとやるには、こちらでこうするという、枠組みのつくり方を。同時に、日韓間で、EEZという例のゾーンの話ですが、境界画定交渉の早期妥結に向けて早急に双方で真剣に対応していく必要があるのではないかという話をしてきのうの電話会談を終えておりますが、御指摘のとおり、きのうのテポドンの騒ぎがなければこれが多分一番の大きな問題になっただろうと思いますので、いろいろな意味でこの問題は、日韓間に横たわっております大きな今現状の問題であります。

岩屋委員 この問題も、外務大臣、しっかり対応していただきたいと思っております。

 時間がありませんので、最後にもう一点、外務大臣にお伺いをしたいと思います。

 昨晩、既に国連安保理でのこの北朝鮮ミサイル事案に関する協議が始まったわけでございます。この問題については、我が国のみならず、国際社会の一致協力した対応が必要だというふうに私は思うわけでございまして、この際は、北朝鮮に対する明確な非難あるいは警告、これをあらわす決議を採択していただきたい、こう思っているわけでございます。

 外務大臣は、P5の外相と矢継ぎ早に電話会談していただくなど、積極的な活動を展開していただいておるわけでございまして、評価をさせていただきたいと思いますが、かぎを握っている中国、ロシアなどの反応も含めて、今どういう状況にあるのか、また決議採択の見通しについて、最後に聞かせていただきたいと思います。

麻生国務大臣 御指摘のように、各国、既に、イギリス、フランス、アメリカ等々、外務大臣の声明を発表いたしておられます。その中にあって、今、一応の反応は、皆、各国同じかといえば、かなり温度に差があります。それは事実だと存じますが、少なくとも、今回、このような緊急の安保理を即日開けるというのは、各国、十五カ国全員がこの問題に関する意識は高いというように思いますが、温度差があるのは事実だと存じます。

 電話の会談の内容に関しましても、いわゆる制裁をやるということに関しましては、何となく、即やるという国と、制裁まではちょっとやり過ぎじゃないかという国やら何やらいろいろありますので、決議を採択するときには、みんながのめる案ということになりますと、そこのところがかなりやわらかいものになる、急いでやろうとするもっとやわらかくなるというところだと思いますので、実効あらしめるようなきちんとした決議文というのを採択するためには、少々、数日間時間をかけねばならぬだろうとは覚悟しております。

 ただ、いずれにいたしましても、関係各国との話を詰めながらこれはやっていかねばいかぬところだと思いますが、何となく、九三年のノドンの話でしたが、あのときも決議文とはいかず、あのときは議長声明というような形になったと思いますので、今回は決議文というようなことをきちんと採択されるように、アメリカ、イギリス、フランス等々、一様にこの話に乗ってきておるところでもありますので、中国、ロシアにつきましても、この決議文に乗ってくるように、いろいろ今から国連代表部を頑張らせねばならぬところだと思って、きちんと国際世論というもののメッセージが明確に北朝鮮に伝わる、伝えるというのが、この決議文に込められておる、国際世論というのを伝える必要がこの際一番肝要なところだと思って、努力させていただきたいと存じます。

岩屋委員 今大臣おっしゃったように、今般の事案は、ただ我が国に対する脅威ということだけではなくて、大量破壊兵器の運搬手段である弾道ミサイルを立て続けに七発もぶっ放した、これは世界の安全を脅かす行為だと思います。

 したがって、中国、ロシア等にもしっかりとお話をしていただいて、まずは国際社会が一致協力してこの事案に対応する、こういう体制をつくるべく引き続いての御努力をお願いさせていただきまして、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、佐藤茂樹君。

佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。

 昨日、北朝鮮がテポドン2を含む弾道ミサイルを七発発射いたしました。北朝鮮が、我が国を含む関係諸国並びに国際社会の事前の警告並びに自制を求める声を全く無視したこういう暴挙に出ましたことは極めて遺憾であります。私ども公明党も、昨日、北朝鮮ミサイル問題対策本部を設置いたしまして、今後ともこの問題につきましては毅然とした対処をしていく決意でございます。

 岩屋委員と同じような角度の質問が、幾つか用意しておったんですけれども、なるべく重ならないような質問をさせていただきたいと思うんです。

 まず最初にお聞きしたいのは、昨日、七発のうちの三発目の、先ほど防衛庁長官の御報告でもありました、テポドン2であると見られるこのミサイル発射自体がどうだったのか、そこをどう評価しているのかということをお聞きしたいわけでございます。

 本来であれば、テポドン2と言われるのは六千キロから一万キロの射程がある、そのように言われているわけでございますが、実際には、どう考えても五百から六百キロメートルの地点で落下しているわけでございます。さらには、発射後、ミサイルが、本当は二段式であれば切り離されなければいけないのが切り離されないまま、そういう形跡がないまま落下しているということから、発射が失敗したのではないのか、これはアメリカのハドリー大統領補佐官もそのようなことをすぐに言われているわけでございます。

 そういう見方がある一方、また、日本のいろいろな有識者のある一部には、これは北朝鮮が意図的にあの地点に、例えば燃料をほとんど積まずにあの地点に意図的に落としたんだ、そういうことを言われる方もいらっしゃいますけれども、今、政府として、また防衛庁として、この三発目のテポドン2は失敗したのかどうなのか、どのように見ておられるのか、まず伺いたいと思います。

額賀国務大臣 これはなかなか難しい判断でございますけれども、七発撃ったうちの三発目のミサイルについては、我が国もアメリカもこれはテポドン2ではないかという見方では一致をしております。しかもなおかつ、これが日本海に着弾したという点についても共通の見方をしているわけであります。

 しかしながら、テポドン2というのは、恐らく六千キロメートル以上の飛距離を持つミサイルであろうという認識を持っているわけであります。そのテポドン2のミサイルが日本海に落ちたということは、そんなに飛んでいないわけでございますから、それをどういうふうに評価するかということでございます。

 したがって、常識的に言うと、やはり大浦洞という地域から発射されるのはテポドン1、テポドン2、テポドンミサイルであろうというのが常識的な見方であるし、テポドンは六千キロメートル以上の飛距離があるだろうということから、これはテポドン2には間違いがない。しかもなおかつ、六千キロメートル飛んでいないことでありますから、常識的に言うと、成功したわけではないんじゃないか、だから失敗した可能性が強いというふうに思っております。

 しかし、なぜ失敗したのか。それは、佐藤委員がおっしゃるように、わざとそうしたのかという見方もあるわけでございますけれども、常識的には、六千キロメートル以上も飛ばすミサイルを燃料操作とかさまざまな制御で短い距離で落とすということは、相当な技術が進んでいるか、それともそういうことが果たして合理的なことなのかどうかということを考えると、やはり失敗した可能性の方が強いんじゃないかと我々は見ております。

 それは、意識的にそういうことをしたとなると、またこれは評価が、別の視点から考えなければなりませんので、冷静に分析をして、我々は評価をしていかなければならないというふうに思っております。

佐藤(茂)委員 引き続き、きちっとした分析をお願いしたいと思うわけでございます。

 続いて、当面の対応としてとられた経済制裁等の措置の考え方につきまして、ぜひ官房副長官に御答弁いただきたいわけでございます。

 昨日、合計十二項目、そのうち北朝鮮に対しては九項目の措置をとられるということでございます。万景峰号の入港半年間禁止を初めとした経済制裁を直ちに措置としてとられたということは私は評価をいたしますけれども、しかし、朝の段階でも昼の段階でも言われていた、厳しい措置をもって臨むとか毅然とした厳しい対応をとると言われている割には、内容的には余りにも緩やかであって、必要最小限の経済制裁を一応とられたという印象しか私自身は受けません。党としてはそんなことは言っておりませんけれども、私個人としてはそういう印象しか受けないわけでございます。

 私どもは、日本の国会の意思として、政府が本当にやる気になるならば経済制裁のカードを切ってとれる、そういう手段というものを法律としてつくらせていただいたわけでございます。特に、今回やはり一番危険にさらされている日本の対応として、本当に厳しさを示すためには、最初からもっと強力な経済制裁、例えば万景峰号だけじゃなくてほかの船舶も含めた入港禁止措置をとるとか、さらには送金停止の措置をとるとか、そういうこともとられてしかるべきだったんじゃないのか、そのように私は思いますけれども、昨日二回ほど、役所の皆さんにその理由を聞きますと、諸般の事情を総合的に勘案してという御説明でございますが、どういう理由からこの程度の措置にとどめられたのか、総合的に勘案したというのは何を総合的に勘案されたのか、御答弁をいただきたいと思います。

長勢内閣官房副長官 今回の事態は、先ほど来お話がありますように、許しがたい行動でありますから、我が国として毅然たる態度をとらなければならないということは言うまでもないことだと思っております。

 同時に、関係国、特に隣接国等の行動等も見きわめながら行動することが、我が国が制裁措置を講ずる中で有益なことであるという観点も必要でありますし、これからの北朝鮮の対応がどういうふうになるのかということもあります。また、安保理等も含めて、国際情勢がどう変わっていくか、どういう対応になるかということを見きわめながら、より有効な、我が国の安全に問題のないような形をつくっていくことが大事だと思っております。

 そういう観点から、今回、今諸般の事情という説明をせよということでございましたが、総合的に勘案をして、当面の措置として今回の内容を決定したところでございます。

 今後、いろいろ、北朝鮮の対応、国際社会の動き等々あると思いますので、それに対応しながら、今おっしゃったことも含めまして、追加的な措置が有効であるという場合には、毅然としてそういう措置を講じていくということを検討していきたいと思っております。

佐藤(茂)委員 これ以上質問いたしませんけれども、その十二時ごろに発表した夕方には、また五時二十分ごろに、この日本のとった対応をあざ笑うかのように、北朝鮮は七発目のミサイルを発射しているわけでございます。ということから考えると、私は、もう即夕方の段階で、一の九で示されておりました、北朝鮮の対応を含めた今後の動向を見つつ、さらなる措置につき検討するという、そういうことについて早急に検討すべきではないのか。さらには、さらに残り少なくとも二発発射をする兆候がある、そういうことも言われているわけでございますから、そういう動向を見て、やはり制裁措置をさらに厳しく、毅然とした対応をするべきであると思いますけれども、簡潔で結構ですので、副長官、もう一度答弁いただければありがたいです。

長勢内閣官房副長官 まさに夕刻に至ってさらに七つ目を発射するということ、本当に不愉快なことでございます。

 同時にまた、どういう意図でそれをやったのか、今後、どういうことになるのかということを見きわめながら、追加的な措置が必要であるかどうか、きちんと対応を検討しなきゃならぬと思っております。おっしゃるとおりだと思います。

佐藤(茂)委員 続いて、現段階で北朝鮮政府から、また報道機関を通じて発射の事実や意図を表明しておりません。しかし、唯一、北朝鮮外務省の李炳徳という日本担当研究員が、たまたま訪朝中の日本人記者と会見して次のように言ったというように各紙は昨日報道しております。外交官は軍隊のやることは関知していないので知らないとしつつ、ミサイルの問題は我が国の自主権に関する問題で、だれにも是非を問う権利はない、いかなる合意文書にも拘束されるわけではない、そのように言ったというように報道されている。

 国際社会へのこれだけの脅威を与えておきながら、自主権に関する問題だなどと強弁するのは、平和を願う国際社会に対するあからさまな挑戦でありまして、断じて許すことはできませんし、また、平成十四年九月の日朝平壌宣言で合意したミサイル発射のモラトリアムに反する行為をしていながら、いかなる合意文書にも拘束されるわけではないなどと居直られることは許すわけにはいかないと思いますが、外務大臣、北朝鮮側のこの主張に対しまして、外務省としてどのように考えておられるのか、見解を伺いたい。

麻生国務大臣 今お話のありました研究員の発言、プラス、公式なものとしては、本日十三時、北朝鮮外務省スポークスマンから、記者からの質問に答え、ミサイル発射は自衛的国防力強化のための軍事訓練の一環と述べております。

 弾道ミサイルの発射自体は、御存じのように、これは禁止する法律や国際法というものはありません。しかし、この弾道ミサイルの発射そのもの自体が日朝平壌宣言に違反していることは事実です。はっきりいたしておりますので、ミサイル発射モラトリアムそのものにこれは違反しておるわけです。

 特に、核開発を進めようとしております北朝鮮、自分で核は持っておると言っているわけですから、そうした国が大量破壊兵器の運搬手段になるミサイルというものをさらに開発するということに関しましては、これは日本の安全保障上の脅威になることは明らか。また、国際社会の平和と安定に著しい害を与えるというものであって、一つの挑戦と考えております。

 したがって、挑発的な行為と、きのう、ブッシュ、アメリカ国務長官の話があっておりましたけれども、甚だ遺憾なことなのであって、北朝鮮が国際社会の責任ある一員ということをやっていこうとするのであれば、こういう行動というものは明らかにそれに反するということははっきりしておりますので、北朝鮮の一層の国際的な中における孤立につながっていって、失うものの方が大きい、そのように考えております。

佐藤(茂)委員 それと、岩屋委員も御質問されておりましたけれども、私は、ぜひ国連の場で、前回の九八年のようなプレスステートメント、報道声明という段階でとどまるのではなくて、やはり一番拘束力のある決議、ここにまできちっと持っていっていただきたい。もうこれ以上質問いたしませんが、その上で、国連の場とともに、やはり近々行われますサンクトペテルブルクのサミット、主要国首脳会議、その場でも北朝鮮の弾道ミサイル発射問題を主要議題の一つとして取り上げるように日本として働きかけるべきではないか。私は、そのようにあらゆる機会を通じてこの問題を取り上げていくべきであると考えますが、麻生外務大臣の見解を最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

麻生国務大臣 一週間ほど前に行われましたモスクワにおけますG8外相会合の際にも、あの当時、G8の主要国のほとんどはヨーロッパの国でありますので、核といえばイランの核の話が主たる議題でありました。その中にあって、日本としては、地理的なことからいえば理解できないことはないが、日本としては北朝鮮の拉致、核の話の方がよほど深刻な話なんだということを我々の方から言っても、それはなかなか地理的な感覚の差というのはぬぐいがたいものがあったと思って、アメリカのみがかなり力強く応援してもらったと思っております。

 しかし、結果としてこのような形になりましたので、昨日いろいろ、先ほど岩屋先生の御質問にもありましたように、各国、G8出席の外相と随分電話で話をしたけれども、確かにそのとおりになっておりますものですから、改めてG8の、いわゆる常任理事国を含めて、緊急理事会の開催に直ちに乗ってくることになってきた背景はそれだと思っております。

 いずれにいたしましても、こういった問題に関しましては、これは国際社会の断固たる意思というものをきちんと表明する必要というのが結果として力を発揮するのであって、日本一国のみよりは、多くの国の方がより力を発揮するのは当然と存じます。

 したがいまして、議長国がロシアでもありますので、非常にこれは苦労をいたしましたけれども、今後、G8サミットにおいてもこの問題が取り上げられるように、引き続き努力を続けたいと思っております。

佐藤(茂)委員 外務大臣、防衛庁長官、また長勢副長官、今後ともこの問題についての御健闘をお祈りするとともに、我々も緊張感を持って対応してまいることを述べまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

浜田委員長 次に、長島昭久君。

長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。どうぞよろしくお願いします。

 両大臣、そして長勢副長官には、連日、大変お疲れさまでございます。

 今回、先ほど岩屋委員からもお話がありましたけれども、初動は非常に迅速で的確であったというふうに私も、野党でありますけれども、評価をさせていただいているところでありますし、昨日、民主党でも対策本部が立ち上がったわけでありますけれども、その冒頭で、これは我が国の国民の生命と財産にかかわる安全保障上の重大な危機である、この危機にあっては与党も野党もないんだということを鳩山本部長を中心に確認させていただいたところでもございます。

 ただ、そうでありますけれども、けさまでの政府の対応について、二点、どうしても納得がいきませんので、外務大臣に御質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、日朝平壌宣言についての政府の姿勢であります。

 先ほど岩屋委員の方からも少しお話がありましたけれども、確かにこの日朝平壌宣言というのは小泉外交にとってアジアでは数少ない成果の一つだということは私も理解しておりますし、それだけに、大切にされたい、なさりたいという思いがあるのもよく理解できるところでありますが、しかし、振り返ってみると、この四年間の間に、拉致の問題でも核の問題でも、この日朝平壌宣言の精神は踏みにじられてきたわけです。辛うじて唯一残っていたのがこのミサイルモラトリアムの条項だったわけですけれども、今回、物の見事にこれをほごにされた。しかも、報道によると、北朝鮮の当局者は、我々はいかなる合意にも拘束されないんだ、こんなステートメントを発表しているわけです。こうなりますと、何のための宣言か、何のための日朝合意かということになりかねないと思うんです。

 これはもう既に今回の件で決定的に死文化したと私は思います。きのうの総理のお話を伺っても、あるいは安倍官房長官のお話を伺っても、この日朝平壌宣言についてはこれをまだ堅持するという姿勢を持っておられるようですが、外務大臣、外務大臣のお立場から、この日朝平壌宣言に対する率直な御見解をいただきたいと思います。白紙に戻すとなぜおっしゃっていただけないのか、ぜひ御説明いただきたいと思います。

麻生国務大臣 先ほど一部申し上げましたけれども、本日の北朝鮮の外務省スポークスマンの話として、自衛的国防力強化のために我が軍隊が正常的に行った軍事教練の一環であると主張した上、今後も自衛的抑止力の強化の一環としてミサイル発射訓練を継続するであろう、その上で、だれそれがこれに言いがかりをつけて圧力を加えようとするなら、我が方はやむを得ず他の形態のさらに強硬な物理的な行動措置をとらざるを得ないだろうと強調したというのが、これが本日、北朝鮮のいわゆる外務省が朝鮮中央通信の質問に答えて回答した内容です。

 したがいまして、いわゆるこのミサイルのことに関しては当然という主張ですが、これは平壌宣言のミサイルのモラトリアムに違反しておることは明らかです。あのモラトリアムの中には、いわゆる六千キロとかいう距離に達するからミサイルであって、距離がそこまで行かなければミサイルじゃないとかいろいろな話がよくありますけれども、ノドンというものは明らかに日本に到達する距離にありますので、この中にノドンが含まれていることも明確。

 したがいまして、今回の三発目の失敗したと言われておりますものも、明らかにその距離というものを逆算してみれば十分に届く距離でありますので、そういった意味では、モラトリアムに違反した行為であって、これは甚だ遺憾な行為と申し上げざるを得ません。

 御存じのように、この宣言に関しましては、拉致を含めましていろいろなことを包括的に解決していわゆる国交の正常化というものを図るということをもって基本原則としておるわけですが、日本としては、今後ともこれは対話と圧力という、圧力と対話になってきているような感じがしないわけでもありませんけれども、考え方に立ちまして、六者会合等々、同宣言について懸案解決を図ることが最も効果的なやり方なのであって、これがなくなりますと、完全に破棄をしますと、今度はいわゆる会話の糸口が全くなくなるという可能性が出てくるというところがありますので、何らかの形で対話のもとになるものはある程度持っておかねばならぬというのが基本的な考え方だろうと思っております。

 したがいまして、引き続き、この北朝鮮というものに対しては、この宣言の履行というのを強く迫っていくというのが基本的姿勢です。

長島(昭)委員 これは恐らく見解の相違ということになると思いますが、中途半端な対話の窓口を維持するぐらいだったら、一回御破算にして、本当に真剣に対話できるような場をもう一度つくり直すというのも一つの手だと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それから、今、対話と圧力という話がありました、圧力の話でありますが、制裁についてであります。

 先ほど来お話が出ておりますように、なぜああいう小出しの制裁の手段を選ばれたのか、これはなかなか私どもには理解できないわけであります。なぜ本格的な制裁をどかんと最初にかけなかったのか。

 これは釈迦に説法になりますが、経済制裁というのは、最初にどかんとかけて、相手の行動が改善されるたびにだんだんレベルを下げていくというやり方と、今回のように、相手が悪さをするたびにじわじわじわじわと上げていくやり方とあると思いますが、なぜ後者を今回選んだのか、外務大臣のお立場から御説明をいただければありがたいと思います。

麻生国務大臣 いろいろ御意見の分かれたところではありますけれども、一番の問題は、まず何といっても国連のいわゆる安保理の決議の内容、これがあの九八年のときは、九八年の八月三十一日に御存じのようにテポドン1が飛びましたときには、あれはプレスステートメントという、記者発表、プレスリリース、いろいろな表現がありますけれども、そういった形のものしかできませんでした。

 いわゆる決議案というのができなかったというのがあのときの経緯なんですが、今回は、ぜひともきちんとした形で、事は重大であって、あのときとは状況がかなり違っているということから、プレスステートメントではだめ、いわゆる採決だということで、今申し込んで事を進めつつあるんですが、それに反対の国もなかなかありまして、議長声明、プレスステートメントと採決の間ぐらいのところですけれども、そこらぐらいでいいじゃないかというような御意見を持っておられる国もある。

 そういった状況の中にあって、日本としてはきちんとした対応ができた、その内容を見た上でちょっと次のステップを考えていかねばならぬのではないかと私どもは基本的にそう思って、第一回としては、法律をこの間通していただいておりますので、まだ手のうちを全部今この段階で見せることもないのであって、やり方は今いろいろあるのではないか、これからと思っておるところであります。

長島(昭)委員 まだこれからカードがあるんだというお話は私も全くそのとおりだと思いますが、一つお考えいただきたいのは、今回北朝鮮は何でこんなことをしたのかという、理解に苦しむという報道がちまたにあふれているんですが、私はかなり冷静に計算をしてやってきているという気がするんですね。日朝の関係もよくない、あるいは日韓の関係もよくない、こういうところをついてどんとやってきましたね。

 ですから、北朝鮮としては、この発射直後の国際的な非難というのは恐らく想定の範囲内だというふうに思うんです。その次の一手を北朝鮮は何を考えているかというと、しばらくしてから、では、いろいろ言うから六者協議に戻ってやるよと。六者協議に戻るのは全然恩着せがましく言われるような筋合いではないんですが、恐らく中国も韓国もほかの国も、もうそろそろこんな野放しにしておかないで、六者協議に戻ったらどうだと言うはずなんですね。だんだんだんだん国際世論が鎮静化したところを見計らって、では出てやるかと。

 きのうの官房長官の声明を見ても、六者協議への無条件復帰というふうに言っていますね。そうなった場合は、今回このような、ある意味で安全保障上の暴挙を日本はこうむって、しかし、一月や二月して、半年かかるかもしれませんが、北朝鮮が六者協議に戻ると言った。我々としては、そのときに何も彼らと交渉する手だてを持っていないというのは非常に問題が残るのではないかと思うんですね。

 そのときに、もしマキシマムに制裁を科していたとすれば、拉致の問題を認めたらこの制裁をやめてやろう、核の問題をやめたら、中止したらこの制裁を解いてやろうということで、彼らの譲歩に応じて制裁を落としていくことができると思うので、この点、ぜひ、もちろん送金の問題なんかは日本一国でやっても余り意味がありませんので、安保理の状況も含めて日本として動いて、制裁をまずかける方向にひとつ動いていただきたいということを御要望しておきたいと思います。

 それでは、時間がありませんので、防衛庁長官にミサイル脅威について伺いたいと思います。

 先ほどこれも岩屋委員からお話がありましたように、今回の問題で国民の皆さんが驚愕をしたのは、こういった弾道ミサイルに対する脅威に我が国は全く無力だということなんだと思うんですね。

 そこで、一つ伺いたいのは、対処能力は持っていないけれども、しかし、北朝鮮のミサイルの弾道の軌跡とか警戒監視、情報収集については我々はこれぐらいやってきたんだというところをぜひ国民の皆さんに示していただきたいんです。

 私どももきのう政府から資料をいただきました。テポドンの失敗の落下地点はいいんですけれども、ノドンとかスカッドと言われているところの落下地点が各一カ所ずつ地図に示されていたんですね。しかし、御承知のとおり、ノドンというのは胴体から弾頭が切り離されて、弾頭が飛んでいきますよね。そうしますと、我々が目にした、あるいは新聞で皆さんが目にしているあの落下地点というのは多分胴体が落ちた地点だと思うんですけれども、そこから発出された弾頭の行方はどうなったのか、そこは防衛庁としてどう把握されているのか、お答えいただきたいと思います。

額賀国務大臣 私も、長島委員がおっしゃるように、落下地点というのは非常に大事だと思っております。それは、スカッドミサイルにしても、ノドンミサイルにしても、テポドンにしても、どこに落ちたのかということは非常に重要だと思っておりまして、これは日米協力できっちりと分析をしていかなければならない。短いなら短いなりにその距離がきっちりと出ている、場所がはっきりしているということは、我々にとってこれは極めて、脅威としてどの程度受けとめることができるかどうかということに密接に絡んでくることだと思いますから、大事なことだと思っております。

 今、テポドン2の話でございますけれども、先ほども話しましたように、これは六千キロメートル以上の飛距離が……(長島(昭)委員「長官、ノドンです」と呼ぶ)ああ、ノドンの話。

 ノドンについては、これは一定の範囲内に着弾をしているという感じで受け取っておりますけれども、これについてまだそこまで、我々も一定の把握をしているところがありますので、日米の間でよく照らし合わせながらきっちりと分析をして、そして今後の対応に役立てていくようにする必要があると思っております。長島委員のおっしゃるとおりだと思っております。

長島(昭)委員 これは対処能力を、これから我々が配備を検討していくわけですから、ぜひきちんと分析していただきたいと思います。

 最後に一点、この対処能力なんですけれども、今回、まさに専門家が驚いているのは、五時間のうちに六発連続で撃っていますね。しかも、最短の発射間隔は二十分。これは全部ノドンなのか全部スカッドなのか、ノドンとスカッドが交互に入っているのか、まだそれは判然としていないわけですけれども、ノドンの場合は移動式で、仮に同一のランチャーから一回撃ち出したやつをもう一回再装てんして再発射しているとすれば、北朝鮮のミサイル発射能力というのはかなり高いものだというふうに言えると思うんです。

 先ほど防衛庁長官が御説明になったPAC3、SM3という新しいミサイル防衛システム、我々が導入しようとしているミサイル防衛システム、これをそのまま導入することで、今申し上げたようなノドンの連発発射みたいな事態にきちんと対処できるのかどうか。あるいは、もし対処が難しいというのであればもう少し別の手段も考えざるを得ないと思うんですけれども、そこは防衛庁長官としてどういう御見解、展望を持っておられるか、お答えをいただきたいと思います。

額賀国務大臣 今、七発、テポドン以外のスカッドミサイル、ノドンミサイルがどういう形で発射されているのか、それがまたきちっとした形で発射され着弾をしているのか、どういう航跡を描いているのか、そういうことについてきっちりと分析中でございます。しかもなおかつ、それを我々の情報網がしっかりととらえることができているのかできていないのか、そういうことも含めて総合的にきちっと把握することが重要であると思っております。

 その上で、今おっしゃるように、イージス艦、PAC3でこれがきちっと迎撃できるような形の能力があるのかどうか、そういうことを精査していかなければならない。そして、不完全であればそれを補う形をつくっていかなければならない。それは、探知、追跡そして迎撃、すべての面において能力をどの程度我々が持っているのかどうかということをきちっとしていく必要があると思っております。

長島(昭)委員 抑止力という点においては、前の防衛庁長官、石破さんがおられますけれども、長官のときに御答弁の中でも一度あったと思いますが、もしかしたら策源地に対する攻撃というようなことも日米で共同して考えなければならないような事態になっているのかもしれないということを考えますと、これからも、私どもも真剣に対応していきたいと思いますので、ぜひしっかり対応していただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

浜田委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 政府は、北朝鮮から七発の弾道ミサイルあるいは何らかの飛翔体が発射されたと昨日は表明しておりました。

 我が党は、昨日、志位委員長が、これを受けまして、国際ルールと国際的取り決めを無視した北朝鮮によるミサイル発射に厳しく抗議するとともに、北朝鮮が無法な行為を直ちに中止して、国際ルールと日朝平壌宣言を遵守することを強く求める、こういう談話を発表しております。

 そこで、事実関係について確認しておきたいんですけれども、きのうの安保委員会理事懇の席上での額賀長官の説明は、北朝鮮から弾道ミサイルまたは何らかの飛翔体各一発が発射されたものと考えられる、そういうことでありました。きょうは弾道ミサイルというぐあいになっているわけですが、弾道ミサイルと特定できたわけですか。特定した判断の根拠になったものは何ですか。

額賀国務大臣 昨日は確かに弾道ミサイルまたは何らかの飛翔体という表現を使わせていただきましたけれども、その後の我々の入手した情報を総合的に分析いたしました結果、これはいずれも弾道ミサイルであるというふうに我々は認識を持ったところでございます。九八年のときは人工衛星であるというコメントがありましたけれども、北朝鮮ではそういうコメントをしておりませんで、先ほど外務大臣もおっしゃっておりましたけれども、これは自己防衛のためのミサイルであるというふうに北朝鮮自身もそういうメッセージを発しているわけでありますから、我々が言っていることを裏づけているのではないかと思っております。

赤嶺委員 その弾道ミサイルの落下地点の話が先ほどからありましたが、落下地点について、すべて公海上という認識でいいのか、あるいは排他的経済水域、ロシアも含めてなんですが、そういうこととのかかわりではどのようになっているでしょうか。

額賀国務大臣 恐らく、これはまだ確認をしていかなければならないことでございますけれども、ロシアのEEZ管内に着弾した可能性があるということは言えると思います。

赤嶺委員 次に、対北朝鮮の措置について聞きますが、万景峰92号を入港禁止にした、そこの理由について説明していただきたいことと、それから、当然、そういう措置を通して六者協議に北朝鮮を引き戻していくということが重要だと考えられるわけですが、そういうかかわりで、今回とった措置はどういう位置づけを持っているのでしょうか。

猪俣政府参考人 まず最初の、前段の質問の方についてお答えしたいと思います。

 なぜ万景峰号の入港を禁止する措置をとったのかということでございますが、従来から、先ほど長勢官房副長官の方からも答弁しておりますとおり、今回のミサイルの発射ということが我が国の平和と安全の脅威であって、今回の事案を初めとしますいろいろな我が国を取り巻く国際情勢にかんがみて、かつ諸般の事情を総合的に勘案して今回発表した措置を決めたということでございますが、その中で、まさに、一昨年に成立させていただいております法律に基づいて万景峰号の入港を禁止するということの方法をとりました。

 この理由としては、まず、今回のミサイル発射ということ自身が平壌宣言にも違反する。それから、我が国の安全保障や国際社会の平和と安定、さらには大量破壊兵器の拡散防止という観点から重大な問題であるという認識のもとに、かつまた我が国の船舶、航空機の航行の安全にとって極めて危険な行為であるということもございますし、我が国の平和と安全を脅かすものでありますという前提に立った上で今回の措置をとって、特定船舶、かつまたその中でも万景峰92号というものが特別な意味合いがあるということもありまして、万景峰92号についての入港を禁止するという措置をとったものでございます。

赤嶺委員 六者協議とのかかわりは。

梅田政府参考人 お答えいたします。

 六者協議につきましては、関係各国ともに、日本も含めまして、それをできるだけ早く開催することが核問題を解決するために有効な枠組みであるということについては依然として認識の一致はございます。それにつきましては、我が国の官房長官が発表されました声明の中にも、北朝鮮に対しまして六者協議への早期復帰を呼びかけているところでございます。

赤嶺委員 その六者協議とのかかわりで、我が国は対北朝鮮措置、入港禁止というものをとったわけですが、六者協議に参加している国の中で、入港禁止措置やあるいはその他の制裁措置、そういうものをとった国があるんでしょうか。あるいは、今回の北朝鮮の行為について、六カ国協議に参加している国はどういう見解を表明しているんでしょうか。

梅田政府参考人 お答えいたします。

 ミサイルの発射に関連しましては、六者協議すべての国が、遺憾なことである、ないしは、非常に重大な関心を持って見守らざるを得ないという意向を既に表明しております。ただ、何らかの具体的な措置をとった国は、今、日本のみでございます。

 他方、安保理事会におきましては、御承知のように、既にいろいろな決議案をめぐりまして議論が開始されておりますけれども、その中で何らかの措置についても議論があり得るものと想定をしております。

赤嶺委員 日朝平壌宣言ではミサイルについてのモラトリアム、これは明記されているわけですけれども、六者協議にも違反している、私たちもそう思っているわけですが、しかし、六者協議の文面を見るとモラトリアムというのは出てこないわけですね。

 政府はどの点を指して、六者協議の合意文書にも違反している、このような見解をお持ちなんですか。

梅田政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、六者協議の声明の中にはモラトリアムについての文言は明記されておりません。

 他方で、その宣言の中に、「六者は、北東アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。」という文言がございますが、今回の北朝鮮のミサイル発射はこの文言に抵触するといいますか、合致しないものと考えております。

赤嶺委員 最後の質問ですが、先ほどからミサイルの脅威にどう対処するかというお話がありました。逆に、沖縄では、今回の脅威を口実に嘉手納基地への迎撃ミサイルの配備、これが強行されるのではないかという不安と懸念の声が起こっております。在日米軍基地への迎撃ミサイル・パトリオットの配備について検討しているということなわけですが、嘉手納基地への配備、今どのような検討が行われているんでしょうか。

額賀国務大臣 これは、先般、日米の間で合意をいたしました米軍再編に伴う日米合意の中に、日本の安全を補強していく、日本の安全を確保していくために米軍のPAC3を日本本土に配備する、米軍基地の中に配備するということが書かれておりまして、これについては、できるだけそういう形をつくるということになっておりまして、今検討中でございます。

 したがって、具体的にどこどこにということは決まっておりませんけれども、今回のような北朝鮮のミサイルの無謀な発射というものが、我々の立場からすれば、国民の安全と国家の安全を守っていくためにどうしたらいいかということについて、日米の協力関係があって初めてその防御体制ができるということについては国民の皆さん方も御理解をしていただけるのではないかと思っておりまして、その意味では、我が国の防衛にとって一番ふさわしい日米の協力、その一つの協力の形として、米軍の基地におけるPAC3の配備をどうするかということは極めて大事なことだと思っておりますので、よく検討してまいりたいということであります。

赤嶺委員 負担の軽減ということで検討の対象になっていた嘉手納基地に、兵員の増員や家族部隊の増員を含む新たなミサイルの配備、これは負担の増加であり、到底許しがたいということを指摘しまして、質問を終わります。

浜田委員長 次に、保坂展人君。

保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。

 社民党は、昨日の北朝鮮によるミサイル発射について強く遺憾の意を表明し、また抗議をする福島党首の声明を出しました。日朝平壌宣言におけるモラトリアム、これに明確に違反をし、また、昨年の六者協議声明で述べられた北東アジア地域の永続的な平和と安定に背くものであるという認識で、党としても、対策本部を設置し、北朝鮮は即時無条件に六カ国協議に戻るようにという立場で努力をしていきたいと思います。

 また、政府は、偏狭なナショナリズムにくみするようなことなく、冷静に対応していただきたいということをまず申し上げて、額賀長官に、今情報を収集し分析しているというところだと思いますが、なぜこの七発にわたるスカッド、ノドン、テポドンというミサイルが発射をされたのか、この意図、形態ですね、今わかっている範囲でお願いしたいと思います。

額賀国務大臣 最高指導者のコメントが明らかではないので、私から何とも申し上げようがありませんけれども、私の率直な考え方、感じからすれば、全く北朝鮮の国民を無視した形で、まして他国のことは一顧だにせず、そして通告もせず、警告もせずこういう無謀なことをやることは、全く理解に苦しむ、みずからを苦しめるだけではないのかということであります。

 したがって、我々は、そういうあらゆることに対しても、しっかりと我が国の国民とそしてこの地域の安定を図っていかなければならない、そういう立場にありますから、どういうふうにすればいいのかということについて朝から晩まで考えているところであります。

保坂(展)委員 外務省に伺いますが、平壌宣言に違反するだけではなくて、一般的な国際条約にも違反するのではないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。

山中大臣政務官 ただいまの保坂先生の御質問にお答えいたします。

 当然のことながら、先ほどから出ておりましたように、日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラトリアムに違反します。

 さらに、今回のミサイル発射に関して北朝鮮から事前通報がなかったということをただいま防衛庁長官もおっしゃいましたが、その点を考えますと、以下の三点のことが指摘されると思います。

 まず一点は、国際海洋法条約の公海の自由という点でございます。

 国際法上、公海の自由は、先生御存じのように、他国の利益等に妥当な考慮を払って行使するとされております。今回のミサイル発射は、漁業活動なども盛んに行われている日本近海及び沿海州の近海でございますから、この場所におきましては、航路通告告示といったような事前の通報なしに行ったミサイルの発射というのは、他国の利益に妥当な考慮を払ったとは決して言いがたい、その意味でこの条約にもとるものである、これが第一点でございます。

 それから、第二点目は、いわゆるシカゴ条約と呼ばれておりますけれども、国際民間航空条約との関係でございます。

 今回の北朝鮮によるミサイル発射に当たっては、事前通報については何ら確認されておりません。日本を含む民間航空機の航空の安全に対する重大な危険を発生させ得るものでございます。したがって、国際航空における飛行の安全の増進というものを基本的な目的としておりますシカゴ条約、この点からも問題があると考えられます。

 そして最後、三点目でございますけれども、国際海事機関条約、いわゆるIMOと言われているものがございますが、これは九一年十一月に総会で決議を採択いたしました。

 その内容といたしましては、世界的航行警報サービスの指針というものでございます。この決議は、航行する船舶への安全情報や航行警報の伝達のために、海上の安全に影響のある事態を、指定された調整者に対して事前に通報するということなどを求めております。この決議は、実は法的拘束力というものはございません。しかし、今回のミサイル発射が事前の通報なく行われ、船舶の安全を脅かしたということは事実でございまして、この決議との関係でも問題があると考えられます。

 日朝平壌宣言の違反に関しましては、先ほど麻生外務大臣がおっしゃいましたが、やはり、私ども日本といたしましては、対話と圧力ということで、この全体を履行するように、諸懸案の解決を求める上でも、最も有効なやり方で北朝鮮に対して同宣言の履行を求めていく、そういうスタンスでおります。

保坂(展)委員 外務大臣に伺います。

 先ほどの御答弁にもあったように、平壌宣言の扱いですが、この宣言、明確に違反を今回相手国がしたわけですけれども、しかしまた、この宣言をしっかり履行するようにと、宣言を糸口に粘り強く迫っていくということは正しい選択だと私どもも考えます。

 そこでなんですが、同国に、北朝鮮に強く影響を持っている中国、そして国境を接している韓国、この双方の首脳レベルのやはり深い対話、サミットもあるわけですし、こうした大変な事態が起きたということを、六カ国協議を、ただ形のものだけではなくて、こうしたことを二度と繰り返さないということを実効性あるものにするために、中国や韓国の首脳との会談も含めて緊密な連携を図るべきではないか、こう考えるわけですが、その点はいかが準備されているでしょうか。

麻生国務大臣 六カ国協議に出てこいということに関しましては中国も韓国も同じでありまして、これは北朝鮮の方が一方的に出てこなくなったという話でありますので、前提条件は、保坂先生、これは五カ国はそろっておるわけです、足並みが。一カ国だけそろっていないというのがまず大前提であります。

 加えて、北朝鮮に対する経済圧力、制裁という話がよくありますけれども、この五年間の間、日本と北朝鮮との間の経済関係は、定型的なことを言えば五分の一ぐらいに減っておると思います。その分だけ中国との貿易等々が五倍ぐらいになっておるという、日本の減った分がそっちの方に、向こうに行ったということになろうとは存じますが、そういった感じになっておりますので、中国に関しまして、中国の方が北朝鮮に関しましてはより影響力が、数字の上からあるというのははっきりしておる。

 また、国境を接しております分だけ、そっちから、脱北者含めていろいろな問題を抱えておりますのは、中国も同様なものを、豆満江を含めていろいろ抱えておりますのは御存じのとおりだと存じますので、中国ともきのうの電話などで私どもとしては話をしておりますけれども、私どもの感じで、一番北朝鮮の話し合いたい相手というのはアメリカであって中国ではない、電話の感じでそのような感じがいたします。

 したがって、アメリカとの関係は、アメリカは、米朝協議に出てこない限りは話すことはできないということを言っておりますので、その点につきましては、中国側からも重ねて北朝鮮に対して、この米朝、済みません、六者協議に出てこない限りは、アメリカとの交渉は公式、非公式含めてなかなか難しいのではないか、だから、直接話したいならこれに出てくるようにすべきだということを中国側からも言ってもらったらどうだ、そっちの方がよほど現実的ではないかという話は、この間のカタールのドーハでも、また今回も同じような話をして、努力をする意欲は向こうにあるけれども、肝心の御当人というか、北朝鮮の方がなかなか乗ってこぬというのが今の現状だというように分析をいたしております。

保坂(展)委員 そういった難しい状況だからこそ、日韓中が基軸となって、この六カ国協議を早期に開催すべく、首脳会談も含めて努力をされてはどうかということを申し上げたかったということです。

 時間になりましたので、終わります。

浜田委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時十六分散会


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