衆議院

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第5号 平成24年6月15日(金曜日)

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平成二十四年六月十五日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 東  祥三君

   理事 神山 洋介君 理事 川島智太郎君

   理事 吉良 州司君 理事 楠田 大蔵君

   理事 宮島 大典君 理事 今津  寛君

   理事 岩屋  毅君 理事 東  順治君

      小原  舞君    下条 みつ君

      神風 英男君    高橋 昭一君

      橘  秀徳君    玉城デニー君

      萩原  仁君    福嶋健一郎君

      松宮  勲君    渡辺  周君

      江渡 聡徳君    大野 功統君

      木村 太郎君    武田 良太君

      中谷  元君    浜田 靖一君

      赤嶺 政賢君    渡辺 義彦君

      照屋 寛徳君    浅野 貴博君

    …………………………………

   防衛大臣         森本  敏君

   内閣官房副長官      齋藤  勁君

   外務副大臣        山口  壯君

   防衛副大臣        渡辺  周君

   防衛大臣政務官      下条 みつ君

   防衛大臣政務官      神風 英男君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  岩瀬 充明君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  西  正典君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  山内 正和君

   安全保障委員会専門員   湯澤  勉君

    ―――――――――――――

六月十五日

 尖閣諸島を守るための法整備に関する請願(園田博之君紹介)(第二一〇六号)

 同(平沼赳夫君紹介)(第二一〇七号)

 南スーダンでの国連平和維持活動に自衛隊を派兵する決定、命令は撤回し、撤収することに関する請願(服部良一君紹介)(第二一〇八号)

 沖縄・高江でのヘリパッド工事中止を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二三〇一号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第二四二〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国の安全保障に関する件


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     ――――◇―――――

東委員長 これより会議を開きます。

 国の安全保障に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長岩瀬充明君、防衛省防衛政策局長西正典君及び防衛省地方協力局長山内正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

東委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橘秀徳君。

橘(秀)委員 おはようございます。

 冒頭、去る六日に薨去されました寛仁親王殿下に心より哀悼の誠をささげます。

 森本新大臣、御就任おめでとうございます。実は、東祥三委員長が座長を務められます勉強会の方に講師として先月お越しいただいて、私たちも、日米安保の歴史的背景と役割、基本構造について、たくさんのことを教わったところでございました。本日は、先生に胸をおかりするつもりで質問させていただきたいと存じます。

 まず、一問目でございますが、東アジアをめぐる情勢と多国間協力についてということでの質問であります。

 大臣は、御就任の挨拶の中で、特に重視する課題として、日米同盟の深化、拡大を挙げられています。大臣のメールマガジンも拝読をさせていただいたんですが、中国の海洋活動が非常に活発になってきている状況、ことしの四月、五月にかけては、東海艦隊そして南海艦隊が大隅海峡及び沖縄南西方面から進出して沖ノ鳥島北部海域で演習を行いというくだりがございますが、私は、特に中国の海洋活動について、これをどうしていくんだということが非常に大きな日本の課題だと思っております。尖閣諸島にも、あの漁船の衝突事故以来、二回にわたって中国政府の公船が領海に侵入する事件が起こっておりまして、言葉をちょっと激しくすれば、非常に傍若無人な振る舞いと考えています。

 同じく、フィリピンを初めとする、中国の圧迫にさらされているような東南アジア諸国、それから、九日には地元の神奈川県の相模湾沖で、インド海軍と自衛隊との初の両国の演習というものが行われたんですが、こうしたインドを初めとして周辺諸国との連携ということ、日米同盟の深化というのは非常に基軸になるものでありますが、日本が戦略を持って、中国と、二国間だけではなくて、多国間で対峙をしていくということが必要だと思っております。

 漏れ伝わるところですと、東南アジア諸国は、二国間でやったときには、本当に中国に対してなかなか物が言えないという状況も伺っております。ぜひ、この多国間の防衛協力、大臣も就任御挨拶の中で言われておりますが、大事なものと思っております。

 まず冒頭、大臣にお伺いしたいのが、東アジアをめぐる現在の国際情勢について御認識をお伺いしたいということが一点、それから、この多国間協力についてどのようにお考えになるか、このことをお聞かせいただければと思います。

森本国務大臣 大臣に就任いたしまして、この委員会に初めてお招きをいただき、いろいろ所見を申し述べる機会が与えられたことは大変光栄に存じます。

 私自身がこの分野の専門家として仕事をしてきましたので、できるだけ大臣という職務の範囲の中で率直に、自分の考え方、特に政策の重点事項についてお話をしてみたいと思います。

 御承知のとおり、冷戦が終えんし、東西の大規模な戦争が起こるという蓋然性は少なくなったものの、東アジアの安全保障環境を見ますれば、中東湾岸、北アフリカと並んで、世界の中で最も軍事力が集中をし、かつ、各国が軍事力の近代化に努め、国防費の増強に努め、場合によっては、領域の外にその軍事力を活発に活動させているという状況もありますので、この地域というのは、いわば極めて不透明で不確実な状態が続いており、この状態はまだ続くのではないかと考えます。

 我が国は、こういったこの地域の安全保障環境を極めて丁寧に注視しながら、情報収集や警戒監視に努め、日本の防衛力というものを確固としたものにするとともに、日米同盟をより拡充、充実させることによって各種の事態に迅速かつ柔軟に対応できる体制と能力を整えていきたい、このように考えております。

 お尋ねのいわゆる多国間協力についてでございますが、アメリカも、国防費のみならず、全体の国力が低減するという傾向にあり、決してアメリカだけでこの地域の安定を維持するといった状況にはないことをアメリカはよく理解していると思います。

 日本としても、日米同盟をこの地域の安定のために役立てるとともに、できるだけ、日本・アメリカ・韓国、日本・アメリカ・豪州、日本・アメリカ・インド、日本・アメリカ・ASEANなど、東アジア・太平洋の多国間安全保障協力のもとでこの地域の安定を図るために、各種の防衛交流、防衛協力、あるいは共同訓練、共同演習を通じてこの地域の安定のために役割を果たしたい、そのことによってこの地域の安定をより確保できるのではないか、このように考えております。

橘(秀)委員 どうもありがとうございました。

 それでは、以降の質問については、私は地元が厚木基地、それで、きょうはこの安全保障委員会にも、沖縄選出、同僚の玉城デニー議員がいらしていますが、これからの質問は、ぜひ基地の周辺の自治体、住民の皆さんへの御配慮をお願いしたいという趣旨で御質問させていただいてまいります。

 まず一点目ですが、オスプレーについて、昨日午後四時過ぎに、ちょうど議員会館で質問の準備をしていましたら、防衛省さんの方から、フロリダ州のエグリン射撃場でオスプレーが墜落したとの一報をいただきました。非常に素早く御報告をいただいたことを感謝申し上げますが、その後得られた追加情報について、それから事故の詳細についてお伺いさせていただければと存じます。

 あわせて、今後の沖縄の配備計画等々にどういう影響があらわれるのか、そうしたところも御答弁をいただきたいと存じます。

森本国務大臣 十三日、アメリカ時間で午後六時四十五分ごろ、御指摘のように、フロリダ州で訓練飛行中の米空軍のオスプレーが事故を起こしたということについては、報道をもって私は一番最初に知りました。

 事故の詳細はまだわかっていません。通常、このような場合に、アメリカ空軍は、事故調査委員会を速やかに設置して事故の調査に取りかかり、必要な期間を経て各級の司令官に事故の調査報告を行うという手続が一般的な手続であると理解しております。

 この点については、先生御指摘のように、これはこれから搬入しようとしている岩国並びに沖縄の地元において、県民の皆様に御心配、御懸念が広がっていることを大変重く受けとめています。

 この点については、その前、四月十一日、モロッコで起きた事故についても、事故の調査結果についてアメリカ側から情報を速やかに提供していただきたい旨を、一昨日、パネッタ国防長官との電話会談でアメリカ側に申し上げ、パネッタ長官から、この点については努力する旨の約束をいただきました。

 昨日、ルース大使がおいでになり、ルース大使には、このモロッコの事故のみならず、今回起こったフロリダ州の事故について、できるだけ速やかにアメリカから事故の原因の調査を、暫定的なものであれ情報を提供していただくようお願いし、大使としては約束をしていただいたものと理解しています。

 なお、ワシントン時間で昨日、我が方藤崎大使からカーター国防副長官に対しても、日本の国内でこの事故が非常に深刻な状況になっているので、事故の内容について速やかに日本側に通報していただくよう申し入れ、アメリカ国防省の方からも約束をいただいたものと考えています。

 ただ、事故が起きてちょうど二十四時間ぐらいたったところなのですが、正式に今回の事故がどのようなものであったのかということについて一般的な情報以上の情報を我々は得ているわけではありません。アメリカ側から情報が提供されれば、速やかに、各関係のところ並びに地元には丁寧に御説明しよう、このように考えております。

橘(秀)委員 次に、厚木基地におけるFCLP、いわゆる空母艦載機の離発着訓練についてであります。

 実は、私も厚木基地のすぐ近くに住んでおりまして、先月の五月二十二日から二十四日まで、硫黄島ではなくて、五年ぶりに厚木の基地で訓練が行われました。百デシベルという数値をはるかに超える、騒音、爆音と言われるものなんですが、午後八時まで訓練をやるということが原則でありましたが、私が午後十時に帰宅しても、ちょうど自宅の窓から戦闘機がおりていくのが見えるようなありさまでありました。

 神奈川県内では三千件以上苦情が殺到して、学校の授業にもならない、それから受話器の音も聞こえない、インターホンを押しても相手の声が聞こえない状況になります。綾瀬、大和の市役所の電話の回線はパンクしたような状況になりました。私のところにも電話が相次いで、とにかくおまえ何とかしてこい、政権与党の議員だろうということで、さんざん悲鳴にも似た声をいただいたわけであります。

 すぐさま防衛、外務省に飛んでいきまして、政務三役御不在ということでありましたので、地方協力局長、日米地位協定室長とお話を聞かせていただきました。この両省の皆さんが、とにかく人口二百万人を超える住宅密集地の厚木基地での訓練を回避するために、本当に一生懸命やってくださったことは理解をいたしました。一方で、この米軍からの通知ということ、訓練の前日の夜の通知で、もう地元の自治体も準備のしようもないというような状況でありました。

 お願いしたいのは、米軍から少しでも感触があったとき、可能性があったときには、途中段階でも速やかにお伝えをいただきたいということがお願いの一点であります。

 私たち周辺に住む者についても、国を守るということの大切さは重々理解はしているつもりであります。ただ、頭ではわかっているつもりでも、体ではちょっと理解が、特に耳であります、それから心の面で、腹の部分で落ちないところがやはり地域で暮らす者としてはございます。

 綾瀬市長の言葉が非常に心に残っておるんですが、笠間城治郎綾瀬市長は、市民の切なる思いが踏みにじられているということをおっしゃっておられます。大和市長も、極めて遺憾で、厚木基地では絶対にやめてほしいということを言われています。

 そこでお聞かせいただきたいのが、米軍側に申し入れた内容というものと、それと、その前日の夜というようなことがありましたが、運用の改善に向けての取り組みについてお願いをしたいと思います。

 あわせて、できるだけ早い時期に、実は今回政務三役の方にお会いをしたいということを申し入れさせていただいているところでありますが、なかなかまだ実現しておりませんので、できるだけ早い時期に地元の大和、綾瀬市長にお会いをいただきたいということ。

 下条みつ政務官におかれましては、アデン湾から海賊の対処活動で帰ってみえた自衛隊員の方々の帰国の式典に御出席をいただきました。そのときに少しお声がけはいただいたこと。

 それから、九条交付金を初め御配慮いただいていることには感謝をいたします。このことについて答弁を求めます。

森本国務大臣 御質問の趣旨、大変ありがとうございます。

 日ごろから厚木基地周辺の、特に綾瀬市、大和市等の市民の方々には、厚木基地の騒音、安全で大変な御迷惑をかけていることはもう従来からよく知っております。私も外務省時代は安全保障課に勤務してこの問題を担当していましたし、その後も絶えず、神奈川県庁に依頼をされて、綾瀬、大和等に出かけていって、この基地問題のお話をしてきましたので、私にとっても人ごととは思えません。

 今回の艦載機訓練については、先生御指摘のように、二十二日から二十四日まで行われたわけでありますが、訓練の前日の夜に在日米軍から連絡があって、これを受けて、訓練の当日の朝に地方自治体にその旨をお知らせするとともに、同日、我が方の地方調整課長から在日米軍司令部第三部長に対し、訓練実施時間を縮小してほしいということなど、周辺地域の方々に騒音の軽減について最大限努力するよう協力を要請したところでございます。

 また、地方自治体からの要請や訓練の状況を踏まえて、二十三日に、当省の地方協力局長から在日米軍司令官に対して、可能な限り早い時期に訓練を終えるなど、さらに騒音の軽減に最大限の努力をするよう要請したところです。

 御指摘のように、訓練の前日になって通報があるというのはアメリカ側の何らかの事情によるものと思いますが、アメリカ側に対して、今後このような事態が発生しないように、空母の出港のスケジュールとともに、硫黄島における訓練のスケジュールなどを十分に調整して、できるだけ艦載機の訓練を、厚木ではなく、硫黄島で実施するよう努力をしていきたい、このように考えております。

 いずれにせよ、今回は正直なところ、訓練の前の日の夜になって通報を受けるという状況でありましたので、我が方も対応に非常に苦慮したところですが、地元に大変な御迷惑をかけたことについては、我々は真摯に受けとめて、今後こういうことがないようにアメリカ側にきちっと申し入れたいと思いまして、また既にアメリカ側にもその旨念を押しております。

 以上でございます。

橘(秀)委員 時間がなくなってまいりましたので、先ほどの両市長にお会いいただきたいということも、あわせて強く申し入れをさせていただきたいと存じます。

 それから、最後の一問でありますが、住宅密集地に、おととしにも棒状の戦闘機の部品が落下して雨どいを突き破るということがございました。このときには、たまたま騒音の防音工事をされていて、家の中に大工さんがいて助かったということだったんですが、本当に部品落下事故も相次いでいるところであります。風によって北から南から滑走路へおりていくんですが、どっちをとっても物すごい住宅密集地の低空を飛行していくことになります。この点、岩国の方は海上からアプローチができるということでありますので、二〇一四年に岩国へと速やかに移駐をしていくこと、このロードマップの実行ということをまたお願いをしたいと思います。

 いずれにせよ、オスプレーにあっては沖縄県民の心、それから厚木基地にあっては神奈川県民の心に響くような、そうした御配慮をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

東委員長 次に、今津寛君。

今津委員 自民党の今津寛であります。

 大臣、体は大丈夫ですか。

森本国務大臣 昨日は、ずっと十日間の緊張が続いて、いささか見苦しいところを見せて、訓練不足とみずから反省しております。

今津委員 体に気をつけていただきたいというふうに思います。

 大臣は、民主党政権の安全保障政策あるいはその姿勢を絶えず批判してまいりましたよね。例えば、鳩山内閣による海上自衛隊のインド洋での補給活動の撤退、あるいは菅内閣による沖縄尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の対応、それから福島第一原発事故の際には危機管理のセンスがないと批判をしましたね。野田内閣になりましても、北朝鮮のミサイル発射時の情報発信のおくれについて不適切だと厳しい批判をいたしましたね。

 そういう非常に厳しい御意見を言っていた民主党内閣になぜ大臣として入閣されたのか、そこら辺の気持ちの整理をどういうふうにされたのか、簡単にお聞かせ願いたいと思います。

森本国務大臣 確かに、国の安全保障、防衛を専門とする者として、その時々の政策の中で、国の防衛、国の安全保障の観点から見て受け入れがたい問題については、自分の専門分野の視点からこれを指摘したり、あるいは意見を述べたりすることはしてきました。また、それが専門家としての本来のあるべき姿であると考えます。政府が行っているその時々の政策を全て丸のみ、受け入れしていたのでは、これは専門家としては成り立たないわけであります。

 他方、政府の一員として入り、閣僚として日本の政策の責任を負うという立場から、私が今まで持っていた考え方をできれば現実の政策の中にこれから生かしていきたい、またそれにたえ得る政権であるというふうに現在の野田政権の政策を私なりに考え、評価し、また総理からも、いろいろと国の安全保障政策について意見をひとしくするところがあるので、その面を生かして頑張っていただきたいという申し出を受けましたので、これを心の頼りにして大臣としての職を引き受けたわけでございます。

今津委員 もしかすると、極めて短期間の大臣になるかもしれませんね。自民党は、今度の選挙公約の中の安全保障基本法、その中に選ばれた文民という言葉を使っていますから、自民党は選挙で選ばれた人を大臣に指名するということになります。これからの政局のことはわかりませんが、極めて短い大臣になる可能性もゼロではない。

 そういう中で、今意欲を述べられましたけれども、とりわけその中で、大臣が今まで研究を重ね、あるいは世界的な行動の中でお考えになっている、これはぜひやってみたいんだ、これを推進するんだというものがあれば、お示しいただきたいと思います。

森本国務大臣 この点については、昨日、大臣就任に当たり、当委員会で私の考え方については所信をお話し申し上げたとおりで、それに尽きるわけでございますけれども、特に、在任中、どれぐらいの期間になるのか、私自身全くつまびらかにしませんが、少なくとも、総理からは、日米同盟の拡充、深化に特に心を重くしてといいますか、重視してこの仕事を進めるようにという強い指示があったことを考えると、まず、日米同盟を民主党政権で少し、当初の政権のときに日米間がぐずぐずした分野を何とか立て直していくところまで持っていきたい、これが第一です。

 それから、やはりこの数年の日本を取り巻く安全保障環境を考えると、海洋に出てくる中国というものに対して、確固とした気概と意思を持って、断固これを排除する、そういうきちっとした方針で南西方面の防衛力を強化する、そのために大臣として何ができるか、ここを防衛力整備の面で特に重視をしていきたいと思います。

 また、昨日申し上げたとおり、やはり今、大震災もありましたし、北朝鮮のミサイル発射もありましたし、内外にかなりリスクの高い状態に我が国が取り囲まれていますので、この内外のリスクに対して、国家の危機管理体制というものを確実にするために防衛大臣として何ができるのかということを、関係大臣と調整しながら、自分の役割をその中で探しながら、この点について努力をしていきたい、かように考えている次第でございます。

今津委員 日米同盟を初め、幾つかの政治的課題に果敢に臨んでいきたい、挑戦していきたいというお話でありました。

 報道によりますと、大臣が受諾をしたときに、天意、天の意だと言ったんですか、天命に従うとおっしゃったんですね。私はまさにそのとおりだと思うんですね。坂本竜馬が中岡慎太郎とともに討たれて命をなくすとき、司馬遼太郎は、まさにそれは天の意だ、こう言ったんですね。私はそんなような感じを大臣に思います。ぜひ、渡辺副大臣、政務三役を初め、防衛省の人たち、あるいは関係者の人たちは、大臣の意に沿って支えていただきたいと私からもお願いをしたいというふうに思います。

 さて、ちょっと大事なことなんですが、誰が国を守るかということなんですね。自衛隊の方々、あるいは消防とか警察とか、そういう震災のときの大活躍を見て、そして感謝をしている、これはもう当然のことだというふうに思うんです。

 内閣府大臣官房政府広報室、自衛隊・防衛問題に関する世論調査を見ますと、外国から侵略された場合、自分はどうするのかということに対して、自衛隊とともに戦うという人がだんだんふえてきています。だけれども、それは高齢者の方に多くて、若い人は必ずしも多い人数ではない。そして、もう一つの調査によりますと、国を守るという気持ちを教育の場できちっと教え込む必要があるのではないか、これも年々上がりまして、かつては、十年ぐらい前は五〇%以下だったんですが、今は七〇%を超えています。ドイツでさえ、ドイツでさえと言ったらおかしいんですが、ドイツは、国を守るために戦うという数字はすごく低いんですね。日本は、それよりもまだ低いんです。世界最下位です。

 国を守るという気持ちの教育が必要という圧倒的多数の声にどのように応えていくのか、どのようにこれから実践していくのか、お考えがあれば端的にお聞かせいただきたいと思います。

森本国務大臣 国を誰が守るかというのは、国の防衛の任についている防衛省・自衛隊が与えられた任務の中で、国を守る一番先頭に立つ、これはその任務と役割に鑑みれば当然のことでございますが、しかし、国を守るというのはそういった防衛力を持っている実力組織だけでできるものではありません。民主主義下において、まさに国民が一致団結して国を守るという強い気概と支援があってこそ、初めて防衛省・自衛隊がその実力を行使して、国を守るためみずからの犠牲を払ってその任につけるということだと思います。

 他方、先生御指摘のように、若い方々を中心に、国を守るべきだという気持ちを持ちながら、実際には、自分のことのように受けとめない国民感情というのがあることは確かに事実であると思います。

 我々は、国というものが危機に瀕したときに、その任務をいかに困難な中で遂行するかということをもってみずから防衛の任に任じ、これを国民の強い支持や協力を得るために、どのようにその勤務に精励する姿とその実績を積み重ねていくかということにひたすら努力をするべきだと考えていますし、また、その方向を通じて、国民の方々に自衛隊あるいは防衛省に対する幅広い支持や協力が得られるものである、かように考えております。

今津委員 自衛隊もさることながら、やはり国民なんですよね。国民がみんなで力を合わせて家族を守る、国を守るという気持ちを持たなければだめだというふうに思いますし、いろいろな場面でそれをぜひ強調していただきたいと思います。具体的に、教育の場でそういうことが指導できるような体制を目指していただきたいと思います。

 防衛大綱、中期防について御質問します。これは近く本会議あるいはこの委員会の集中審議が予定されておりますので、簡単に、一、二お聞かせをいただきたいと思います。

 大臣は、防衛大綱の論点のまとめの中で、基盤的防衛力構想によることなく、動的防衛力を構築するというけれども、次元の違う話のようで違和感がある、これはとても大切なことだと思うんですね。それから、新聞などにも、いろいろ読ませていただいたんですが、前こう言ったからどうだということではなくて、大臣のお気持ちをお聞かせ願いたいのです。

 日米防衛協力のための指針、ガイドラインや周辺事態法を見直し、中国や北朝鮮の変化を受けて防衛大綱、中期防を改め、それらを日米共同声明の形にまとめるには、南西方面の防衛戦略が確立していなければならない。大臣、我々も全く同感でありまして、これから防衛大綱の議論の中でこの趣旨に沿って議論をしたいというふうに思うんですが、大臣の真意をお聞かせいただきたいと思います。

森本国務大臣 いかなる国でも防衛政策、防衛戦略、アメリカの言葉で言うと国防戦略というのは、その時々の安全保障環境と将来の脅威の見積もりをベース、基礎にして、常続不断に見直しが行われているものと考えます。

 我が国も、防衛大綱、中期防を確かにつくりましたけれども、それを額に飾って毎日見ている、そういうことではありません。常続不断にこの防衛大綱、中期防が真に機能するためにどうすればよいのか、これの前提となっている安全保障環境と新たな変化というものが起きていないのか、もし起きているとすれば、どこをどのように検討すべきかということを常に部内で検討している、そういう性格を持っているものだと思います。

 したがって、これをどのようなタイミングで見直しを行うのかというのは、これは、日本の行政組織の中で、防衛省だけではできませんので、関係各府省のいろいろな協力と合意を得て見直しの手続をするということになるんですが、今のところ、今の新大綱、今の中期防、これをどのようにこの計画に従って中身を充実していくかということに最大限の努力をしておるところでございまして、現時点でこれを見直す、修正するという考え方は、今は持っておりません。

今津委員 集団的自衛権のこともそうなんですが、御自身の御持論を述べられて、しかし、閣内に入ったために、今度はちょっと慎重な言葉に言いかえられているんですね。我々は、野党だからといって、大臣をいろいろと言葉尻を捉えて攻撃する気持ちは全くありません。

 むしろ、大臣をなされている期間の中で、かねてからの持論であった幾つかの政策が一つでもできるように、我々も一致するならば応援していきたいというふうに思っておりますし、その方向性は全く同じで、状況が変われば大綱も変える、状況が変われば人員も装備も考えていかなければいかぬ、当然のことでありますから、その方向で一緒にやってみましょう、そういうことを御提案申し上げたいと思うんですが、どうですか。

森本国務大臣 確かに、先生御指摘のとおりだと思います。

 集団的自衛権という問題も、これは、集団的自衛権が現在の憲法のもとで認められていないという基本的な解釈については十分理解しておりますし、閣内の一員として、総理が考えておられる基本的なラインに沿ってこの問題には対処していきたいと思います。

 他方、あえて言うならば、集団的自衛権とは何かというと、本質的にはこれは同盟関係に係る問題なので、現在の日米同盟をどのような形で、どこをどのようにこれから充実、拡充していくかということをまず優先的に考えるべきであるというふうに考えております。すなわち、集団的自衛権はそのずっと先のところにある問題だというふうに私は個人で頭の中を整理しているところでございます。

今津委員 日米同盟の深化と同時に、先ほど大臣の御答弁の中にありましたが、日韓、日豪、ASEANなどなど、いろいろな同盟関係を構築しながら、そして協力しながら、中国や北朝鮮などの核の抑止などに協力しなきゃならぬという状況ですから、私は、日米同盟だけを考えて集団的自衛権じゃなくて、これから日本は、まさにアメリカの新防衛戦略、それから国防費の削減の中で、日本が新しい役割を見出し、それを責任を持ってやっていくんだという意味では、集団的自衛権を、やはり憲法の改正を待たずに、今現実に行使できる、我々が持っている必要最低限度の自衛権なんだというのが私どもの考え方なので、それを私たちは今度の選挙の政権公約の中心にいたしております。

 先ほどの防衛大綱、中期防を見直して、自衛隊の人員、装備、予算を拡充すると同時に、集団的自衛権の行使を可能とし、国家安全保障基本法を制定する、これを今、党の決定を受けて、そして選挙に臨みます。ですから、政権をとったときは、これを法律にして議会に提出をするという覚悟を持っておりますので、その決意だけ申し上げておきたいというふうに思います。

 さて、その中で、またもう一つ大事なことがあるんですが、必要な人員、必要な予算なんですよね。

 これは大臣も再三御指摘なさっているんですけれども、ことしの新年度の予算に当たりまして百九人の人員を予算要求しているんですね。財務省からはねられて、それは一人も増員していないんですね。そして、自衛官の今の充足率は九二%。

 第三次中曽根内閣のときに、三木内閣が閣議決定したいわゆるGNP一%の枠を外して、その時代に合った予算をきちっと検討するというようなことが決められたのですが、外国から見ましても、極めて日本の予算は、時間の関係で省いていきたいというふうに思いますが、予算額も少ないのでありますし、また、GNP比から見るともう最低のところにある。

 そして、過去十年間の諸外国の国防費の予算を見れば、大臣、これはどこの国だって財政が豊かなわけではありませんが、日本と同じですから、そういう中においても、国を守るという予算だけはきちっと捻出をして確保している。ロシアは五・八六倍、中国は三・六八倍、中国は実質的にもっとあると思うんです。アメリカが二・三〇倍、これは多少これから減ってきますが、EUでさえ一・三九倍、日本はマイナス〇・九五倍、これでは、先ほど言った、この東アジアにおける日本の役割を十分に果たすことができるのかどうか。

 それから、人員の分、予算の分、装備の分。例えば、装備でいうと、先般のテポドン2の改良型、これの探知をアメリカの早期警戒衛星に頼りましたけれども、これはみずから持つべきだという意見がありながらも、しかし、防衛省の予算は限られているのでなかなか予算要求できない。それからグローバルホーク、これだって南西諸島の、あるいは災害の対策としてはすぐ必要なんだ、これもお金がかかるから要求できない。

 そして何よりも、この間の災害のときに大臣も陸上自衛隊の数が必要だ、足りないとおっしゃっているじゃないですか。これなどは、陸上自衛隊はマンパワーですから人件費、お金がかかる、これは減員をしている、こういう状態で日本はその責任を果たしていけるのか。

 相変わらず、昔の一国平和主義とは言いませんが、自分たちの国の事情を言いわけにして、東アジアにおける我が国の果たすべき役割を十分に果たしていないのではないかというふうに言わざるを得ないのですが、それについても端的にお答えいただきたいと思います。

森本国務大臣 どこの国であれ、それぞれ置かれた安全保障環境の中で、国内の事情を踏まえて所要の国防費を計上しているということだと考えますが、先生まさに御指摘のとおり、我が国としても、周辺の環境その他、国内の財政事情等を踏まえて、計画的な防衛力整備を効果的に行うという考え方で、現在の大綱、中期防に基づいて年度の予算を編成しているわけでございます。

 平成二十四年度の防衛予算は四兆六千四百五十三億円であり、先生御指摘のように、十年連続で前年度に比べて減少してきておりますけれども、これは、厳しい我が国の財政事情のもとで、どのように防衛力を選択し、集中し、その中で真に効果のある防衛力に予算を計上するか、こういう観点から必要な予算を確保しようとしてきたものであって、少なくても今の計画で効果的な防衛力を効率的に整備することができるのではないかというふうに考えております。

 確かに、全体として周辺諸国が国防費をふやしている中、我が国の防衛費が十年ふえないという事情については、これはいろいろな事情によるもので、一概に一つの理由でこうなったということは申し上げられませんが、その予算の中でプライオリティーを決めて、最も効果的な防衛力をどのようにしたら持てるのか、ここに意を尽くしているところでございます。

今津委員 大臣のもとで来年度予算を編成するとすれば、ぜひそのところには大重点事項として取り組んでいただきたいというふうに思います。

 日本の領土を守るために行動する議員連盟というのがあります。これは超党派なんです。中国の丹羽大使の更迭を求める決議をしました。これは官房長官などから一定の見解が出ているんですが、納得できません。国益を損ないます。それは、国民誰もが恐らくそう思っていると思います。大臣の見解をお聞きしたいと思います。

森本国務大臣 この点については、既に衆参両院の予算委員会で、内閣総理大臣及び外務大臣から累次の御答弁があったということでございますけれども、私は基本的に、総理と外務大臣の御答弁と同じ印象を持っております。

今津委員 いや、大臣、そこがやはり、ちょっと踏み込んでもらいたい。せっかく天命で、天の意で大臣に御就任されたんですから、そういうことではなくて、総理あるいは官房長官は、やはり閣内、政府という立場でそういうコメントがあったのかもしれませんが、私はこう思うんだということは言うべきだし、それを国民は期待しているし、そのために大臣になったのじゃないでしょうか。そういう大臣なら私たちは支えていくし、しかし、そうではなくて、やはり総理の言うとおりだとか、閣内にいるからそういう表現はできませんということであれば、我々はまた大臣とは意見を異にするものであるというふうに思います。

 そこで、官房副長官、お見えになっておりますか。御苦労さまです。

 東京都が購入をする、国民の皆さん方がもう十億円以上、寄附をされているんですね。東京都議会の議論も新聞に出ていますので、読ませていただいております。

 そこで、石原東京都知事が、まず調査をして、自然状態とか動物の状態だとか、いろいろ調べてみるんだ、それからだ、こう言っているんですが、東京都からそういう申請が出た場合に、もちろん許可をするということになるんですよね。

齋藤内閣官房副長官 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、東京都での動きについては、政府としても承知をしているところでございます。

 そして、現在までの政府の基本的なこの尖閣諸島をめぐる調査についての考え方につきましては、随時それぞれの委員会でそれぞれの大臣がお答えさせていただいたとおりであります。

 いずれにしましても、仮に、東京都から尖閣諸島への上陸要請があった場合には、その時点で、上陸の必要性や所有者の意向、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のためという政府の賃借の目的等を総合的に勘案し、内閣においてその対応を判断することにさせていただきたいというふうに思っております。

 現時点で、東京都から正式にそのことについて申請、要請があったという事実はございません。

今津委員 時間になったのでやめたいと思いますが、副長官、それはやはり官僚答弁みたいな感じで、政治主導と言う割には、恐らく個人的な御意見を聞けば、知事を応援したい、ましてや、将来は国が買うべきだというふうにお考えになっているというふうに思うんです。

 森本大臣も、かつて、私有地である尖閣諸島を国有地にする手続を踏み、船舶の停泊施設や警戒監視施設、対艦ミサイル基地を建設するなど対応に万全を期しておくべきだ、こういうことを産経新聞の方に書かれているのでありまして、これは私どもは政権公約にも書いてあるんですが、我々が政権をとったときは、速やかに国が買わせていただいて、国が管理をするということを言っておりますので、その決意を申し上げて終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

東委員長 次に、岩屋毅君。

岩屋委員 自民党の岩屋毅です。

 大臣、御就任おめでとうございます。

 大臣とは、私ども、長きにわたって一緒に勉強をさせていただきました。また、自民党の防衛政策をつくるに当たっては、大臣からたくさんの御指導や御示唆をいただきました。そういう意味でいうと、私どもは、これから森本大臣との間で、防衛政策に関する共通認識というものをさらに広げていくことができるのではないかというふうに期待をさせていただいております。

 ただ、森本大臣で、これで民主党政権になってから四人目なんですね。この委員会は、毎回大臣所信質疑ばっかりやっているわけですね。確かに、我々もやめろとは言った。しかし、やめろと言わざるを得ない大臣を次から次に任命してきた。やはりここは、この政権の防衛に関する取り組みの姿勢に、我々は厳しくその不真面目さを指摘せざるを得ないというふうに思っているんですね。

 それだけに、今、今津委員から、まさに天命を受けて森本大臣は就任されたというお話がありましたが、もういよいよここで日本の防衛を立て直していかなくちゃいかぬ。そのためには、森本大臣と私どもの間で、できるだけ防衛政策に関する共通認識をふやしていって、一つでも政策を実現していく、前に進めていくということをさせていただきたいなというふうに思っているところであります。

 世上、民間人防衛大臣はいかがなものかという議論がありました。私は必ずしも不適切だとは思っておりません。ただ、自民党は、今も話がありましたように、選ばれた文民が防衛大臣をすることの方が望ましいというふうには思っておりますが、民間人の防衛大臣だから必ずしも不適切だというふうには思ってはおりません。内閣総理大臣が最高指揮官なわけですから、そういう意味ではシビリアンコントロールは担保されているものと考えております。

 ただ一点、懸念をしているのは、大臣の知見や経験は疑いは持っておりませんが、交渉力なんですね。この間、オスプレーの件で、民主党沖縄県連から、早速大臣の罷免要求が出されました。これは、政治的基盤を持っておられる大臣であれば、すぐさまこのようなことには私はならないんじゃないかなと。こういう対沖縄交渉力、対国内交渉力、対国外交渉力において、やはり政治的基盤を有しておらないというところに、大臣が必ずしもリーダーシップを発揮できない、しにくい、こういうおそれがあるのではないかと心配しているんですけれども、その点はいかがでしょうか。

森本国務大臣 先生御指摘のとおり、私は政治家としてバッジをつけている者ではありませんので、シビリアンコントロールが制度として確立しているということについて何ら疑義を持っておりませんが、立法府や政党に対するいろいろな働きかけ、根回し等で力量が不足するのは、私は自分の持っている非常に大きなハンディだと考えております。この点は、副大臣、政務官の協力を得ながら補佐をしてもらいつつ、総理、官房長官並びに関係の大臣にいろいろと教わって、自分の職務を遂行してまいりたいと考えております。

 交渉力については、国内は、確かに議員バッジをつけていませんが、これは、防衛の任に任ずる者として隊務を統括するという立場から、各地元に自分の仕事の大半をつぎ込んで、できるだけ緊密に、地元というか地方自治体にいろいろな理解をしていただくため、自分の専門的知識だけに頼らずにこの問題に取り組んでいこうと思っています。

 対外的な交渉力というのは、まだ深刻な外交交渉をやっていませんけれども、少なくてもアメリカやロシアあるいはイタリアやフランスなど、国防大臣はほとんど議員でもありませんので、また歴代のアメリカの国防長官も、その多くが議員ではない人が国防長官となって国防の任に任じておりますので、そのことに余りハンディは感じておりません。

 ただ、先生御指摘のように、確かに国内に対する説得力、交渉力というのは、これは相当いろいろな方の協力を得ないと、私一人でできるものではないなと、この点については、そのハンディを十分認識しているところでございます。

岩屋委員 私どもも、民間人を防衛大臣にしたことはありませんが、例えば外務大臣、民間から自民党政権時代も登用したことがございます。外交も日本の国益に直結する極めて重要な分野ですよね。それだけに、私ども、民間人の方に大臣になっていただいたときはしっかり支える体制をつくっておりました。だから、民主党さんにおかれても、森本防衛大臣、政治的基盤を持っておられないわけですから、しっかりと支えて、交渉力に揺るぎないように、遺漏なきようにやってもらいたいなということをお願いしておきたいと思います。

 それから、大臣、集団的自衛権についてです。

 これは今津委員からも指摘がありましたが、大臣は、就任前に、熱心なというか、確信的な集団的自衛権容認論者であったと私どもは承知をしております。我々も今同じ考え方に立って、さっき話が出た安全保障基本法の策定を検討中なんですね。

 一方で、我が党は既に憲法改正草案をまとめました。その中で、第九条においては、第一項「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。」第二項「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。」という草案を書かせていただいております。

 この意味するところは、もう大臣御賢察のように、集団的自衛権の行使を排除しないという考え方を、我が党は憲法改正草案をつくるに際して採用させていただいたところであります。

 その意味でいうと、大臣のあの就任直後の発言には、これは失望を禁じ得ないものがあったんですね。集団的自衛権の考え方を変更する考えは毛頭ありませんと発言をされたわけですね。これは大臣のこれまでの主張と余りにもかけ離れているのではないかと私どもは感じました。

 一方で、一昨日でしたか、参議院予算委員会の答弁で、大臣は、同盟関係を拡充する観点から、この問題をどう扱うことが正しいのか、野田総理に率直に意見を申し上げようと考えていると述べておられます。

 そのように閣内において働きかけをされるお考えはございますか。

森本国務大臣 ここで、集団的自衛権とは何かという議論を大臣として申し上げる考えはありませんが、御承知のとおり、これは国連締約国全てに認められた自衛権の一つでありまして、この集団的自衛権が国連憲章第五十一条に定められた趣旨は、あくまで集団安全保障、集団防衛を可能とするための締約国の権利をこのような形で五十一条の中に書き入れたものだと考えています。

 この集団的自衛権は、我が国の憲法解釈上、これを行使することが許されないという有権解釈を我が国がとってきたことは御承知のとおりで、閣内にいる限り、少なくとも総理が集団的自衛権の問題について考えておられる、また答弁をしておられる枠の中で、閣僚の一員としての業務を果たしたいと思っています。

 他方、集団的自衛権の本質に鑑みれば、これは少なくても同盟関係をどのように拡充するかということについて考えてみた究極的な手段としての自衛権の行使でありますので、日米同盟を拡充し、充実させ、深化させるという政策を進めていくことをまず考えて、その行き着いた先に集団的自衛権問題があり得るんだろうと思います。

 まず、私は、集団的自衛権というものを、政策としてこれを考えるよりも、日米同盟の中身を深化し拡充させることを今の憲法の枠の中で進めながら、どうなったら集団的自衛権問題というのが起こってくるのかということについて、個々の政策につき、必要な場合、総理にいろいろな提言をしようと考えているという趣旨のことを申し上げたつもりでございます。

岩屋委員 大臣、答弁が慎重ですね、ある意味ではそれでいいんだと思いますが。

 しからば、この問題について更問いを一つさせていただきます。

 今、大臣がおっしゃったようなことを過去に検討したことがございますね。柳井懇談会というところで、これはもう言うまでもなく、米国に向けて飛んでいるミサイルを迎撃できるかどうか、公海上に浮かぶ米国艦船が攻撃されたときに近くに自衛隊の船があった場合にどうするか、こういう具体的な事例について過去に検討した経過がございますが、これは今大臣がおっしゃったような話だと思うんですけれども、こういうものを具体的に検討されるおつもりはございますか。

森本国務大臣 まだ、あの当時、自民党、たしか安倍政権のもとでやった四類型の作業に匹敵するような作業を民主党政権下で行った、あるいはこれから行うという計画はないと思います。

 これは、防衛大臣として、繰り返しになりますが、日米同盟を深化させるためにどのような政策があり得るのかということを、既に行っているもの、これから取り組んでいくものを類別をして、その作業をした結果、どこかで集団的自衛権問題という壁にぶつかってくるのではないかなと。そのときには、どうすればどこまで日米同盟を深化、拡充できるのかということを個々の政策に当てはめて検討していきたい。そのときに、どうしても自分の判断だけでできそうにないときは率直に総理に申し上げてみたい、このように思っているわけでございます。

岩屋委員 せっかく専門家が大臣になられたわけですから、やはり、今まで未解決の問題、あるいは検討が不十分な問題が半歩でも一歩でも前に進むということであっていただきたいと思うので、ぜひとも大臣も積極的にこの問題の前進に御尽力をいただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。

 それから、F35の問題です。

 これは、大臣、機種の選定については肯定的な評価をしておられたと承知をしております。もちろん、主力戦闘機というのは性能が一番大事ですから、そういう意味ではF35を選んだという妥当性はあったんだと思いますが、ただ、当時から私どもは、このF35については余りにも不確定要因が多過ぎる、機体もまだできていない、試験飛行もできない、納期も定かではない、価格が幾らになるかわからない、これは下手をしたら日本の防空体制に穴があくおそれがありますよということはずっと指摘をさせていただいてきたところでございます。案の定、その危険性が増しつつあるというふうに私は思っているんですね。

 そこで、具体的に伺います。

 この納期と価格というのは守られるんですか。

渡辺副大臣 これは一川大臣時代に検討した経過がございますので、当時おりました私の方からプロセスについても御説明をさせていただきたいと思います。

 もう御案内のとおり、F35AのいわゆるLOA、引き合い受諾書、これは見積もり価格であるとか出荷予定時期というものについて条件が記載されたものに署名をするわけですけれども、今月まで、六月二十九日、二週間後のきょう、金曜日ですので、月末ですので、このときに多分署名をするという話になると思います。

 そこで、それだけに、もう既に大分最終段階での詰めになっておりまして、あとは署名をするという段取りまで来ていますので、この点については、五月二十二日から二十六日に神風政務官がアメリカにも参りまして、これまでのいきさつのとおりに納入するよう要請をいたしました。これについては守るということを、努力するという確約をいただきましたので、この点については、納期と価格については守られるものというふうに我々としては現時点で確信をしております。

岩屋委員 ただ、納期が守られるといっても、一部報道によれば、所有権だけは日本に移転するけれども、機体はしばらく米国に据え置くというような話もありますね。だから、書類上、形式上だけの納期が守られるという話なんじゃないですか、それは。

渡辺副大臣 五月十四日の一部新聞にそのようなことが書かれておりますけれども、このことについても防衛省内でこれはどういうことなんだという話をしました。結論から申し上げますと、そのようなことはない。いわゆるできていないものが、所有権だけが日本で、しかし納入はされないというような報道については、それはないということは我々も確認をしております。

岩屋委員 どこに確認したんですか。

渡辺副大臣 これは、防衛省内で、このような報道を受けて、どうなんだということについても当然話をしておりますので、書かれているような事実はないということについて確認をしております。

岩屋委員 何か、定かじゃないですよね。

 我々が心配しているのは、運用開始がおくれた場合、実際に日本の防空体制に穴があいていくおそれがあるということなんですね。もし納期がおくれ、運用開始がおくれるということになった場合には、どういう穴埋めをされるお考えですか。

渡辺副大臣 この質問は田中大臣のときにもございましたけれども、我々としては、とにかくそのようなことがないように、最大限、納入の時期については、そしてその後の運用については、とにかく当初の計画どおり進めるということが大前提でございまして、それに向かって努力するということでしかお答えしようがないんですが、ただしかし、もし仮定の話としてどうしても答えよというのであれば、ここは今ありますF4の有効活用ですとか、あるいは日米協力のもとで日本の防空体制に穴をあけないように、先生の言葉をかりれば、防空体制に穴があくのではないかというような御指摘であるならば、そうならないように、既存の勢力の中でそのような場合にはどうするかということを当然考えていかなければいけないと思います。

 その旨のことは田中大臣の時代にも答弁しておりますが、どうしてもそうなった場合にはどうするのかと今問われれば、そういう現実的な対応をするしかないというふうに思っております。

岩屋委員 だから、空のバランスが崩れるというのは、やはり我が国の抑止力、防衛力に極めて深刻な影響を及ぼすわけですから、そこは、そうなったらそうなったで考えるという程度のことでいいのかなと私は正直感じますよ。

 F35がどうしても開発がおくれているので、いろいろな国が方針を転換していますよね。納入をもうやめたり、あるいは機数を減らしたり、そのぐらい各国とも防空体制に穴があかないように真剣な取り組みをしているわけですが、我が方は、最終的に四十二機を購入するという計画に変わりはないんですか。

渡辺副大臣 四十二機を配備するという計画には変わりはございません。

 そして、二十四年度予算に計上した四機については、平成二十八年度末、ですから平成二十九年の三月までに納入されることとなっておりまして、とにかくこの順調なスケジュールを前提に、F4の減勢をベースにして、ペースを勘案しつつ、平成三十年代の前半には一個飛行隊の部隊建設を実現したい。

 そういうことでございまして、そういうスケジュール感の中で、もし防空体制に穴があくというようなことで、途中で大きな変化があるようなことがあれば、これはその場合にはいろいろなことも考えなきゃいけませんが、今はスケジュールにのっとってとにかく進めていくということで、順調に今までのところは考えているということをここで申し上げておきたいと思います。

岩屋委員 四十二機、計画どおりに買っていくということですが、その際、全部で八千億円ぐらい予定していたと思うんですけれども、しかし、これはフォーリン・ミリタリー・セールス契約、FMS契約ということですから、最初の四機はほぼ予定どおりの価格になるんでしょうけれども、一機当たりの価格というのはどんどん高騰していくんじゃないですか。これは国民の貴重な血税を投入していく話ですから、その点はどういうふうに考えておられますか。

渡辺副大臣 今御指摘のありました、機体価格とそれ以外の例えばシミュレーターであるとかパイロットの訓練費であるとか、そういうものをひっくるめて日本円にして八千億円ぐらいになるのではないか。報道の中には、一機当たり二百億円ぐらいではないかというふうにありますが、それは全てを込みで考えた場合にそうなるというのが、アメリカの中の議会の方でそのように報告をされているということは承知しております。

 今後、これまたことし中には、日本の企業、特に今話し合いをしているのは、主翼であるとか尾翼であるとか胴体の後ろの方だとかエンジンの部品の一部であるとかそういうものを、日本の企業が参画をすることによってどういうコストになるのか、その辺についても、ことしの末までにはある程度のめどをつける方針でございます。

 それによってどうなるかということですけれども、来年度以降のことについては、どのようになるか、今ここで確たるお答えはできませんが、ただしかし、今御指摘のような、国民の血税を使って大変高い買い物をするわけですから、これについては、当然、アメリカと議論をする中で、今月末までに結ぶ、署名をする引受書もそうですけれども、とにかく単価を一つずつ積算して、どういう金額の積み重ねでこの値段になっているかということについて、とにかくアメリカと交渉するときにはそれを忘れないでくれと政務三役の方から交渉に当たる人間に言いまして、言い値ではなくて、一つ一つの積算根拠、どういう積み重ねでこういう価格になったかということについてはかなり厳密に議論をさせました。

 ですから、その点については、今後もこういう姿勢で臨んでいって、とにかく国民の血税を使って高い買い物をする、しかし、それがひいては日本の防空あるいは安全保障につながるものでありますけれども、それにしても、やはりそこにコスト意識というものをしっかり持って、納得いく説明ができるような交渉をしてきてくれということでございますので、その点については同じ認識を持って取り組むことをお約束したいと思います。

岩屋委員 とにかく抜かりなきようにやってください。

 そこで、大臣、主力戦闘機の調達、これから将来に向かってどうしていくべきかということを真剣に考えざるを得ないと思うんですよ。よその国がつくったものを言い値で買う、ブラックボックスつきで買う、いつできるかわからない、価格がどうなるかもわからないという調達の仕方というのは、やはり将来に向けては考え直すべきなのではないかというふうに思っております。大臣も、以前には、主力戦闘機の国産開発の道をぜひとも模索すべきだと主張しておられたと思います。

 民主党政権になって、さきに武器輸出三原則の緩和が行われましたね。これは、私どもは評価をさせていただいております。これによって、兵器の国際共同開発に、一歩一歩進んでいかなきゃいけないんでしょうけれども、道が開かれたということは事実だと思うので、私は、将来のFXXをどうするかというときには、やはり日本も研究、開発、生産に参加をしていくという体制をとってしかるべきなんじゃないか、こう思っているんですけれども、いかがでしょうか。

森本国務大臣 今、我々は減勢するF4の後継機として、いわゆるFX問題というものを解決し、F35Aをどのように計画どおり納入するかということに全力を傾注しているところですが、先生御指摘のように、その次の戦闘機というのは、F15でありF2の後継機のことだと思いますが、これは、新しい戦闘機を選ぶというプロセスは、そのときの安全保障環境、将来の脅威の見積もりをまず基礎にして、先生今お話がありましたように、国内の経済状態あるいは国内産業の育成、国内産業技術基盤のこれからの育成というものを重視して、どのようなシステムをどのような形で生産をしていくのが真に日本の国益になるのかということを考えて検討すべきものであると思います。

 今のところはとてもそこまでいっておりませんで、まずFXを予定どおり導入して、F4の減勢をどのようにしてこれから補充するかということに最大限の努力をしているところでございます。

岩屋委員 そうですね。まずは目の前の課題をしっかりと解決していかなきゃいけないわけですが、そういう将来における考え方も念頭に置いていただいた上でこれからの政策を遂行していただきたいと思います。

 米軍再編問題に移ります。

 大臣は、就任前から、日米両政府が二度も合意文書を交わした意味は大きく、同盟国としての信頼性の問題もある、移転先は辺野古がベストであると確信すると再三にわたって述べておられたと思いますが、そのお考えに変わりはありませんか。

森本国務大臣 普天間飛行場の移設については、十六年前の春、日米間で普天間飛行場を日本側に返還するという日米合意を結んだことは御承知のとおりであります。

 私は、市街地の中にある普天間飛行場をできるだけ速やかに日本に返還をするということを実現したいという一念でこの問題に取り組んでいきたいと考えておりますが、そのためには、何度にもわたって日米間で合意をした辺野古周辺に代替飛行場をつくるというのが唯一の有効な解決策であるということについては、私自身、あるいは大臣として確信を持っており、この点については、この目標を達成するために、一方で抑止力というものの強化を図りながら、沖縄の負担を軽減しつつ、この問題を一歩でも解決の方向に進めていきたい、このように考えております。

岩屋委員 お考えに変わりはないということを確認させていただきました。

 その一方で、大臣は、就任直後のこれは民放番組だったでしょうか、沖縄の意見を入れて、場所、位置、方向を真剣に考える可能性はあるということをおっしゃって、場合によってはこの合意案を変更する可能性についても触れておられます。これはいろいろな物議を醸しましたが、その発言の真意をちゃんと説明しておいていただく必要があるんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがですか。

森本国務大臣 普天間飛行場の代替施設を辺野古周辺につくるということについて日米間で合意をし、既に基本設計等については日米間で約束をし、これに基づく環境影響評価も、既に評価そのものは終わっているということでございます。

 ただ、今後、事態が進展する際、仮に沖縄の方々の強い御意見があったら、今の移設計画を一ミリ、一センチたりとも動かさないなどということを私は考えておりませんで、全体の枠組みがきちっと守られ、新しい環境影響評価などをする必要がないという前提条件を幾つか考えつつ、そもそもの現在の普天間飛行場の移設計画を実現するためには、あらゆる柔軟な考え方をとりたいという趣旨のことを申し上げたわけでございます。

岩屋委員 よくわかりました。大きな考え方は変わっていない、また、合意案の全体が守られるという前提で、沖縄側の意向やいろいろな要素を考えて微修正、微調整は柔軟に考えていきたい、またその余地はある、こういうことでよろしいですね。

 もう長きにわたる懸案でございまして、大臣が冒頭に述べられた、日米関係、日米同盟をより強固に充実したものにしていくためにも、やはりこの問題にそろそろ答えを出していかなきゃいかぬと私どもも強く思っているところでございますので、今おっしゃったような考え方に基づいて、しっかりとお取り組みをいただきたいと思います。

 しかし、アメリカ側の動きも鈍いですよね。特に議会がこの日米合意案について非常に冷淡な態度をとっておることは御承知のとおりであります。

 アメリカの上院は、沖縄海兵隊グアム移転経費の新規計上を一切認めず、過去分の執行も引き続き凍結をしている状態にあります。

 また、上院軍事委員会、レビン委員長さんは、一昨日、国防権限法案に関する報告書をまとめ、その中で普天間移設問題に関して、過去の決定にとらわれず、変化する地域情勢により的確に対応した米軍の態勢をつくる必要性を強調し、現行計画の見直しを求めております。

 こういった米側の動向を大臣としてはどのように受けとめておられますか。

森本国務大臣 米国議会というのは、上下両院とも大変複雑な予算のプロセスを経て審議が行われ、決定が行われるということであり、特に、日本の制度と幾つか違う点があり、全ての法案は、政府提出、提案というのではなく、議会から提出をされて、法案であれ予算であれ審議されるという、我が国とは相当違った手続を通じて審議が行われるものだと私は理解しています。

 確かに、今まで議会は、アメリカの極めて厳しい財政赤字、財政難の事情を受けて、海兵隊のグアム移転の経費については比較的否定的な動きをしてきました。既に計上されている予算の一部の凍結という措置も行われてきました。しかし、いわゆるアメリカのフィスカルイヤー、二〇一三年度の国防予算については、これからまだ引き続き審議が行われ、上下両院で最終的にどのような決定になるかということについては、十一月に行われる大統領選挙、議会選挙との関連もあり、どのような方向になるのかということについて我が方は大変注視して、この問題を見守っているところでございます。

 したがって、アメリカの議会が結果としてどういうことになるのかということは、今この段階では断定できないのではないかというふうに考えております。

岩屋委員 それ以外にも厳しい環境が幾つかございますよね。

 先般、沖縄では県議選が終わりました。沖縄の先生方は皆真っ黒になって帰ってきておられます。激戦だったんだと思いますが、結果は知事の与党が負けたという形になったようでございます。

 こういう沖縄県議選などの結果をどのように受けとめ、今後、沖縄側とどういう形で交渉を進めていきたいとお考えでございますか。

森本国務大臣 さきの沖縄県議会の選挙結果、先生御指摘のとおりでありますが、これは県民の皆様の御意見というものがこの選挙結果にこのような形で反映されたものだと思って、この問題は重く受けとめております。一般論として言えば、普天間問題を取り巻く沖縄県の状況は依然として厳しいものがあるなということをつくづく感じております。

 しかしながら、冒頭申し上げたように、普天間飛行場というものが持っている危険性は依然として変わっておりませんので、市街地の中にある普天間飛行場を一日も早く返還してもらうということを実現するため、今後とも引き続き努力をしてまいりたい、このように思っております。

    〔委員長退席、楠田委員長代理着席〕

岩屋委員 防衛大臣が次から次にかわったということもありますが、私は、沖縄に対する誠心誠意の姿勢というものは、この政権になって以降、決して十分なものではなかったというふうに感じております。そういう意味で、厳しい環境ではあっても、大臣がおっしゃるように、まずは誠心誠意を示して、説得へ向けて努力をしていっていただきたいというふうに思います。

 それから、米軍再編に関しては、大臣は以前に自衛隊のグアム移転論ということをおっしゃったことがあると思います。私も新聞で拝見をした覚えがありますが、この自衛隊のグアム移転論、今でもそのお考えに変わりはないんでしょうか。そういうアイデアというものを持っておられるんでしょうか。

森本国務大臣 今回の2プラス2において、海兵隊のグアム移転については、普天間飛行場の問題の進展と切り離してこれを行うということを日米間で約束したところでございます。

 その際、テニアンなど北マリアナ諸島の地域において、どのような訓練を行い、どのような施設が必要であるかということについては、これから日米間で協議を行い、今年末までに結論を見出していきたいということになっております。

 周辺の、例えばテニアン等に何らかの訓練施設をつくるということが、真に日本の自衛隊のこれからの訓練環境や日米協力にどのような意味があるのかということは慎重に検討しつつ、日米間で協議を進めたいと思いますが、グアムそのものに自衛隊の基地をつくるということは、これは確かに大臣就任の前に研究者、学者としてそのような意見を申し述べたことがありますが、今は、まず海兵隊のグアム移転、それからテニアン等の地域での訓練及び訓練に必要な施設をどのように日米間で取り決めていくか、これをまず取りかかりたい、こういうふうに考えております。

岩屋委員 これは大臣、我々が政権をとっていたときも、そもそもグアムに米軍の施設をつくるのに何で日本が金を出さないかぬのか、おかしいじゃないか、こういう議論がございましたが、これは、沖縄の負担を軽減するということを目的として、あくまでもやむを得ない措置として国民の皆さんにも御理解をいただく以外にない、こういう説明をしておりました。

 ただ、グアムにしてもテニアンにしても、いよいよ本当に、日本がお金を投じて恒常的に自衛隊も使うような施設をつくる、あるいは基地をつくるというふうになる場合は、これはやはり、丁寧な手続と国民の理解と納得が要る話だと思うんですね。

 一説によれば、テニアンにつくる施設は自衛隊が共同使用するということが前提で、だから国費を投入してもいいんだ、しかも、これまでのグアム協定の内数でそれは見ればいいんだみたいな話が進んでいるやに聞いておりますけれども、一体どういう施設をつくるのか、幾らかかるのかわからぬのに、これまでの内数で処理するんだなんといういいかげんな説明をしたのではよろしくない、こういうふうに私は思っているんですけれども、いかがでしょうか。

    〔楠田委員長代理退席、委員長着席〕

森本国務大臣 今回の日米合意というものを結ぶ際、先生御指摘のように、テニアンを含むあの地域にどのような施設をつくり訓練を行うことが必要かということについては、何も見ないでこの合意をしたのではなく、事前に必要な要員を現地に派遣をして、アメリカ側との協議及び現地の視察等を踏まえて、我が方としてどのような方向があるのかという検討を始めておりますし、また、そのプロセスの中で、今後日米協議を進めて結論を得たいというふうに考えております。

岩屋委員 今、海賊対策のために臨時で海外に自衛隊が駐屯する施設をつくっていたりすることも事実ですが、いよいよ海外に本格的な、自衛隊がある意味、一部常駐しなければいけないような施設をつくるという場合には、これはやはり丁寧な手続を踏んで、私どもは、それに決して否定的だということを申し上げているわけではなくて、十分な丁寧なプロセスが必要だと考えておりますので、そのことを踏まえて協議を進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、オスプレーの話に移りたいと思います。

 さきのモロッコでの墜落事故に続いて、さっきもお話がありましたが、昨日もフロリダ州で訓練中に墜落事故が発生をしております。大臣、こういう事態が続けば、事故の原因究明がなされていないうちに沖縄への配備を進めるということは、やはり私は理解が得られないのではないかというふうに思っております。これは、オスプレーの配備に我々が否定的だということを申し上げているわけではなくて、やはりこれだけの事故が重なっている最中に、計画どおり、予定どおり進めるというには無理があるのではないかなと感じているところであります。

 前大臣は、事故の原因究明がなされなければ進めないんだということを言っておられたが、森本大臣は、モロッコの事故の原因究明は年末になるが、機体には問題がないんだという説明をきのうまでされてこられたと思いますが、この新しい事態を受けて、今どう考えておられますか。

森本国務大臣 今回のフロリダの事故については、ちょうど今から二十数時間前に、アメリカ東海岸、フロリダ州で起こった事故でありまして、今回の事故を受け、昨日、私の方からルース駐日大使に対して、また、アメリカ時間で昨日、我が方藤崎駐米大使からカーター国防副長官に対し、事故に関する詳細な情報をできるだけ速やかに提供していただきたいということを申し上げ、これに対し、先方から、事故について情報が入り次第共有したいという回答があったところでございます。

 今、我が方としては、一般に報道されているもの以外、事故の詳細がまだ伝わってきておりませんので、いろいろなルートを通じて、アメリカ側に事故原因の調査の結果を、暫定的なものであれ、一報を通報してほしいということを強く申し入れているところであります。

 アメリカ側がどのような形で岩国に搬入してくるのかということについては、この提供された事故の情報の内容を待って対応したい、このように考えております。

岩屋委員 普天間の移設を含む米軍再編全体をできるだけ円滑に進めていくためにも、このオスプレーの問題の扱いも丁寧に進めていただくことが大事なのではないか。やはり政府の姿勢や取り組む手法に不信感を持たれると、進むものも進まなくなっていくおそれがあると思うので、この新しい事態を深刻に受けとめていただいて、より丁寧な手続をとっていただくようにお願いをしたいと思います。

 ところで、岩国には神風政務官が行かれたんですかね。岩国での理解は得られそうですか。必要があれば大臣みずからが出向いて説明したいというお話も聞いておりますけれども、行く予定がございますか。さらに、沖縄についてはいかがですか。

神風大臣政務官 先日、六月十一日に、岩国市役所、また山口県庁を訪問いたしまして、二井知事、また福田市長にお会いをしてまいりました。話の中身は、オスプレーの陸揚げについて、岩国飛行場をぜひとも使わせていただきたいという趣旨でございます。

 十一日に伺って、その時点で初めてこちらの方からその申し入れをした段階でありますので、それを受けて、今県と市の方で協議をされているところであろうかと思っております。

岩屋委員 大臣は、場合によっては行くおつもりがございますか。

森本国務大臣 アメリカ側から提供される情報の内容を待って、山口県及び沖縄県と協議をして、行くかどうか、時期も含めて相談してまいりたい、このように考えております。

岩屋委員 必ずしもすぐ行かなくちゃいけないということではないかもしれませんが、やはり節目、折り目には大臣が直接現地の皆さんに説明をするという努力をしていただきたいと思います。

 それでは、今、政府ではPKO法の改正の検討を進めておられると聞いておりますが、大臣、そもそも私どもは、もうとうの昔に、自衛隊の国際貢献のための一般法、あるいは邦人救出のための自衛隊法の改正案、さらに国際緊急援助隊法の改正案を国会に提出しておるんですけれども、政府・与党側の検討が遅々として進まずに、今日までたなざらしになっておるという状態にございます。

 大臣は、就任前から、日本としては、国際協力を広げるために一般法を制定し、国際協力の基準をつくって、特別措置法をつくらずに自衛隊を領域外に派遣できるようにすることが求められる、その際、武器使用権限を現地指揮官に大幅に認めて、他国が行っているような武器使用を可能とする法体系を整備することが国際協力を実効性のあるものにするであろう、これは二〇一二年、ことしの一月、「海外事情」という中で述べておられます。また、邦人救出に関しても、大臣は、海外に赴任している日本人は、最後に自衛隊が特別機で来てくれることを期待しているわけです、憲法を改正して、自衛隊が名実ともに軍隊となった場合、まずこれに対応してほしいと思います、これは二〇〇八年の「日本防衛再考論」という中での御主張でございますが、こういうお考えを持っておられました。

 我々も同じ考え方に立って、さっき申し上げたような法案をつくって、既に国会に提出をしているわけでございます。

 大臣、今申し上げたようなPKO法の改正も含めて、一連の自衛隊の国際協力のための法改正や法整備を、今まで大臣がおっしゃっておられたような考え方に基づいて、これから一つ一つ進めていくというお考えでよろしいですか。

森本国務大臣 確かに、先生御指摘のとおり、我が国が各種の国際平和協力活動を拡大していくということは、これは国際の平和と安定のために日本が果たすべき重要な役割であると考えています。同時に、海外にいる邦人の救出というのでしょうか、必要な場合に輸送等を含む救出に日本として邦人の安全を確保することも国の重要な責務であるというふうに考えております。

 PKO法については、これは防衛省だけではなくて、政府、関係省庁が今どのような法改正をするのが真に我が国のPKO活動をより有効にあるいは効率的にできるのかということで、現在鋭意検討していると考えておりまして、防衛省だけでできるわけではありませんが、これは、内閣も含めた関係省庁と緊密に連携して、できるだけ筋の通った法案の改正に取り組んでいきたいと考えております。

 邦人の安全というのは、これは邦人の安全を確保するためにできるだけのことをするわけで、既に自民党から出ておりますいわゆる邦人救出のための法案も内容をよく勉強させていただきました。内容については大変重要な指摘も幾つかあるわけですが、この内容をいわゆる日本の今までの法体系の中でどのように取り扱えるのかということについてはこれから鋭意検討していきたい、このように考えております。

岩屋委員 大臣も御承知のように、私どもが出している一般法、恒久法は、PKO活動を包含するような形の提案になっております。したがって、まずPKO法の改正を検討しようということであれば、なかなか一足飛びに一般法、恒久法というわけにはいかないかもしれません。

 ただ、邦人救出のための隊法の改正については、これは政府においても至急検討していただきたいと思うんですね。そもそも、その規定自体がおかしいですよね。安全が確保されなければ自衛隊は行かないなんということになっているわけですから、これは安全ではないから自衛隊が行かなきゃ邦人は救出できないということであって、また、使える手段も、船舶と回転翼機だけに固定しているなんという考え方もリアリティーのない話だと思うんです。

 北朝鮮情勢も非常にまだ不穏ですよね。シリアもどうなるかわからない。自衛隊を派遣している南スーダンだって一触即発の危険もある。こういうときですから、邦人救出については政府においても至急検討をしていただきたい。我々はもう既に案を持っていますから、議論をさせていただいて、結論をぜひ得たい、こう思っていますので、よろしく御検討をいただきたいと思います。

 それから、もう時間がなくなってきましたので最後になりますが、これも今津委員から御指摘がございました、大綱、中期防ですね。まず、一年半もたって国会で議論もできていないというのは、国会の責任もあるけれども、政府も余りにも怠慢だと、これはもう厳しく指摘をせざるを得ないというふうに思っております。

 田中前大臣は見直しの必要がないと強弁しておられ、また、森本大臣も、さっきの答弁では、どうも不断の検討をしていけば見直す必要がないんだというような型どおりの答弁になっておったと思いますが、大臣は、ことしの二月、日本経済新聞において、米軍再編計画の見直しにより、相対的に日本の南西諸島方面の抑止力は低下するであろう、しかし日本に代替案は見えない、現行の防衛大綱や中期防は見直すべきだというふうに述べておられます。また、昨年の三月には、新防衛大綱をつくる際になぜ防衛省内の反対を押し切って陸上自衛隊の定員を削減したのか理解に苦しむ、政権に国家の安全や防衛について知識と展望が欠落していたと言わざるを得ない、こう述べておられます。全く同感でございます。

 大臣として、中期防、大綱の見直しに着手するお考えはございますか。

森本国務大臣 先ほど申し上げたとおり、国の防衛政策あるいは国防戦略と言ってもよいと思いますが、そういうものは、生き物のごとく、国家が置かれている客観的な安全保障環境と将来の見通しを基礎にして、そのとき、国内における諸事情、この諸事情の中には、もちろん財政の事情や世論の動向というものもありますが、それをトータルで勘案しながら、そのときの防衛計画がどこまで効率的に、あるいは効果的に実施できるかというのを常に観察をし、注視をし、評価をし、検討しているということが必要であり、また我々はそれに取り組んでいるところです。

 今のところ、今の大綱と中期を、まだこれを充実させるために相当やらなければならない仕事が残っており、これをまず優先させつつ、次の大綱と中期をどのような環境下で見直すという時期が来るのか、冷静に見きわめようと考えております。

 今の時点でこの作業に取り組むという考えはなく、今申し上げたように、まず今の新大綱、中期を鋭意進めることに意を尽くしたい、こういうふうに考えております。

岩屋委員 正直ちょっと納得できません。この大綱ができた後、米国の戦略もかなり大きく変わってきたと私は思うし、だからこそ再編計画も変わってきているわけで、やはりそういうものを踏まえた上で、あるいは去年の震災の教訓も踏まえた上で、早期にこれは見直ししてしかるべきだというふうに思っておりますので、私どもはその考え方で今後もしっかりこの問題については議論をさせていただきたいと思います。

 最後に、法案が提出されておりまして、大臣の所信の中にもありました日豪ACSAなどは、早期にこれを発行せしめなきゃいかぬなと我々も思っているんですね。だけれども、さっきの陸自の定員の話など、我々としてどうしても納得できないものも、この法案の中に含まれております。これは国会で決めることではありますけれども、やはり政府側の理解や譲歩がなければ、できるものもできません。法案の内容について、改めるということを検討するおつもりはございますか。

森本国務大臣 設置法については、今までなかなか、国会での御審議、難しい経緯を経て今日に至っておりますけれども、先生御指摘のように、例えば日豪のACSAというのは、これからのアジア太平洋の中で非常に大事な協定だと考えております。他方、設置法の中に入っている各種の項目をどのように審議をしていただき、かつこれを成立させていくかということは我々の大変大きな課題でもありますので、中身をよく精査して、改めて各党に御協力を求めつつ、御審議をお願いしたい、このように考えております。

岩屋委員 よく御検討いただきたいと思います。

 大臣、防衛大臣は二十四万人の指揮官ですからね、健康が第一ですから、お体に気をつけて、頑張っていただきたいと思います。

 終わります。

東委員長 次に、東順治君。

東(順)委員 森本大臣、御就任まことにおめでとうございます。

 私は、公明党の東順治でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 森本大臣は安全保障政策の第一人者の一人という、知らない人はいないわけで、今日まで、それこそ、日曜日にテレビをつけますと、討論番組でどこかの局に必ず顔を出しているというぐらいに、やはり大変な安保政策の発言を出し続けてこられた方でございます。その方が防衛大臣という立場になられた、こういうことで、まず最初に伺いたいのは、きょうのこの場は大臣所信に対する質疑なんですね。この所信という言葉は、大臣、どのように御理解されていますか。

森本国務大臣 その任に当たり、みずから信じるところというふうに理解しております。

東(順)委員 私も国語辞典を調べたんです。やはり信念と出ているんですね。みずからの信念、その表明をして、それに対して質疑をする、こういうことがこの場だと思います。

 大臣の、いわゆる大臣という前に、森本敏という日本の安全保障政策の第一人者の信念というものは、活字やテレビ媒体、いろいろなもので、もう我々はよくわかっているつもりです。さあ、その森本敏という方が防衛大臣になられて、先ほども、冒頭ですか、大臣という職分の範囲の中ででき得る限り率直に発言をしていきたい、こう御発言された。御自分の職分の範囲の中ででき得る限り率直に、大変難しい言い回しですよね。先ほどから、岩屋氏やあるいは今津氏の質疑、それに対する答弁を伺っていますと、やはり慎重にブレーキを踏みながら、かつ脱線しないように若干のアクセルも踏むという、非常に難しい、大変高度な運転技術を発揮されている、そういう感じを僕は覚えました。

 そこで、こういう場は先ほどのような議論にどうしても集中すると思います。私も、これまでお述べになってこられた、あるいは活字として書いてこられたことと、これから御自身のそういう信念に基づいて、大臣という職分にあって、そこをどうされるかという基本的なところをまず認識しなきゃいけないものですから、幾つかそこからお伺いしたいなというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 先ほど聞いていましたら、さはさりながら、もうほとんど出てきたなという感じがいたします。集団的自衛権、丹羽発言、あるいは尖閣問題、あるいはまたF35、それから普天間、オスプレー、PKO、邦人救出、中期防等々、大体出てきたなという思いはあるんですけれども、重なるかもわかりませんけれども、お答えをいただきたいと思います。

 そこで、まず最初に、率直にお伺いしたいんですが、これまでの民主党の外交、安全保障政策ということを結構御批判をされてこられましたよね。そういう印象を持っているんですけれども、昨年九月五日付の産経新聞の「正論」で、民主党政権の二年、外交、安全保障政策で一貫した理念、方針を示せなかった、こう述べておられます。したがって、森本大臣の目から見られて、民主党政権の二年九カ月の外交、安全保障政策、先ほど率直にとお言葉がございましたので、ちょっとえげつない聞き方をするかもしれませんけれども、例えば、百点満点で何点ぐらいというふうに大臣はお思いになっておられますか。

森本国務大臣 私は、大臣として自分の所掌の範囲の中でお答えできることを、できるだけ自分の頭で考えて、率直に説明を申し上げたいというふうに考えているわけです。

 その趣旨で今の御質問にずばり答えると、テレビのバラエティー番組だと何点とかということを言うわけですけれども、しかし、安全保障政策とか防衛政策というのは幾つもの側面がありますから、例えば、こういう分野についてはとにかく満足、こういう点についてはいささか不満足、こういう点については改善ありというふうにもし分ければ、やはり民主党政権になってからの最初の二年間、日米同盟というものは、アメリカから見ても日本側から見ても、少し自民党時代よりも、これは非常に不安定な状態になって、アメリカ側から見て、この民主党政権とどのように政策を進めていくのかということに一定の戸惑いがあったことは、これは皆様お認めいただけるんだろうと思います。

 一方、日本の防衛政策については、これは恐らく北澤大臣の御尽力もあると思いますが、大変きちっとした防衛政策が進められ、その成果は、大震災のときの自衛隊の対応や、今回の北朝鮮のミサイル発射でも発揮されたように、日本の防衛政策と自衛隊の活動については、ますます国民の高い評価を受けつつあり、これからどう取り組むかということについては、これはこれからの問題ですが、今までやられたことについては、これは私は違和感がありません。

 しかしながら、危機管理については、これは情報管理だとか情報連絡だとかというものについては、まだまだこれから改善の余地があり、これは完全、完璧ということはありませんので、これは引き続き取り組んでいきたい、かように考えているわけです。

東(順)委員 日本の防衛政策あるいは自衛隊の活動については大変高い評価をしている。他方、日米同盟というものは、アメリカ側に戸惑いを与えるような不安定感をもたらしたのではないか、こういう的確な評価がございました。

 そこで、私も、何点かというような聞き方をしちゃったものですから、その勢いの中で聞くんですが、日米同盟の深化というのはこれから非常に大事な課題ですよね。先ほどから何度もおっしゃっている拡充、深化、その観点から見たら、ほぼ何点ぐらいだなというふうに今率直に思っておられますか。

森本国務大臣 同盟の拡充、深化というのは、私は二つのダイメンジョン、次元を持っているのではないかと思うんです。

 同盟というものをどのような範囲に及ぼすかということと、同盟協力の中身、つまり、縦の次元で言うと、中身をどのように充実するかということと、つまり、横の広がりと縦の深さというのは二つの異なる次元をもって同盟というのは論じられるんだろうと思います。

 第一の、広がりについては、これは民主党政権になってからでも、相当日米同盟が、例えばテロ対策だとか海賊対処だとか不拡散だとか、あるいは北朝鮮やイランの核開発、ミサイル開発への取り組みだとか、国連協力だとか、それ以外に、いろいろな、海洋の安定など、同盟の範囲がどんどんと広くなり、その意味において、同盟が広範囲にわたる活動として受けとめられるようになったことは一つの成果があると思います。

 しかし、同盟というのは、範囲を広げるだけではだめで、本当に内容のある日米同盟協力というものを進めるという観点では、私は、その一番根幹にある普天間基地問題、特に米軍の我が国における抑止力をどのように機能していくのかという最も肝心な問題が民主党政権になって少し基礎ががたがたと崩れてきた。これは日米両国政府が真剣に受けとめなければならないような事態であり、そのような事態をもたらしたことは、私は事実としてこれを受けとめ、これをどのようにしてこれから、戻していくかというか、もとの信頼ある日米関係に戻していくか、そのために日米協力の質をどのように改善していくか、このことは今後真剣に取り組んでいかなければならない。私が同盟の深化、拡充と言っているのは、まさにこの点にあるわけでございます。

東(順)委員 まさにそこを僕は伺いたかったんです。

 端的に言って、県外移設という鳩山発言ですね、ここから一気に日米同盟関係というものに傷が入ったという感じがいたします。

 「普天間の謎」という御著書をあらわしておられますね。この「普天間の謎」で、傷ついた日米同盟を速やかに修正せよ、こういうふうに訴えておられるということは、この「普天間の謎」を出版されたのが二〇一一年、昨年七月ですから、その前の二〇一〇年五月、2プラス2合意で、あの鳩山発言以後、辺野古移設に戻った。戻ったとは言いながらも、依然として日米同盟関係は傷ついたままである、今もこういう御認識ですか。

森本国務大臣 このときの2プラス2以降、今年結ばれた2プラス2に至るこの一年余の間、アメリカは、特に野田政権になって、実務的な、いろいろな日米関係を進めることができる政権だというふうに、アメリカ政府も今の民主党政権を大変前向きに捉え、それ以降に進んできた日米協力と今回の日米間で結んだ2プラス2の合意は、まさに今までややぎくしゃくした日米関係を日米両国で戻すために大変大きな意味合いを持っていたというふうに私は考えております。

東(順)委員 では、もう傷は癒えたんだ、こういうふうに認識をされているということですね。つまり、もうマイナス状況を脱してゼロに戻ったんだとお考えだ、こういう認識をしていいんですね。

森本国務大臣 相当に民主党政権の二年間の傷を癒やして戻りつつありますが、これから取り組むべき課題が非常に多いということについては日米間で真剣に受けとめているということだと思います。

東(順)委員 続きまして、在沖海兵隊のグアム移転問題、これについて伺いたいと思います。

 沖縄にとっての抑止力という観点から、もう一つ重大な課題として海兵隊のグアム移転問題がございます。

 大臣は、ことし二月十六日付産経新聞、ここへの寄稿文で、海兵隊の移転によって西太平洋全域の抑止力は高まるものの、沖縄を含む南西方面にとって抑止力は減殺される、こういうふうに言っておられます。グアム協定承認案件の国会審議時においても、その後の民主党政権下での国会答弁においても、政府は、これに対して一貫して、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担を軽減する、こういうふうにされている、つまり、この在沖海兵隊のグアム移転によって抑止力は低下をしないというふうに政府は主張しているんです。大臣は、むしろ南西方面にとっては減殺をされる、こう言っておられる。これが大臣の御主張ですね。したがって、この二つの考え方、どちらをおとりになるんですか。

森本国務大臣 先生の御指摘の新聞の記事というのは、まさに研究や学問をやっているときの私個人の見方でした。しかし、アメリカ海兵隊の2プラス2合意に基づくいわゆるリロケーション、再配置というのは、この記事の中に私が指摘しているように、アジア太平洋全域における抑止力を高めるものである。すなわち、海兵隊をあるところに集中するのではなく分散配備することによって広域のリスクに柔軟に対応できる体制をとり直そうとするものであり、この地域全体の抑止力に貢献する、その結果として、日本の安全保障にも裨益するということであります。

 非常にミクロ的に言うと、南西方面の抑止力、南西方面の防衛というものについて、もしかしたら薄くなっているかもしれないという問題意識を持っていることは確かでありますが、これは、よく考えてみると、日米間でこれから動的防衛協力を進め、日本として、南西方面の防衛というものを現在の新防衛大綱及び中期防に基づいてこれから整備することによって補い得るものだというふうに考えております。

東(順)委員 つまり、抑止力は低下しないと今は認識されている、こういうことですね。重ねて。

森本国務大臣 日米トータルの抑止力をもって南西方面全体の抑止力は維持できるし、これを確保することができる、かように考えています。

東(順)委員 そこはこれからいろいろと聞かせていただきます。

 同じこの寄稿文の中で、沖縄を含む南西方面で減殺される抑止力を補完するのは日本の責任だ、こういうふうに大臣はされていますね。要するに、抑止力が減殺されるんだから、その部分を補うのは日本の責任だ、つまり抑止が減殺されるということを前提として展開をされているわけです、この寄稿文の中で。

 そこで、我が国の南西方面の防衛力の強化をしなきゃいけないということで、その具体策として、日米の基地共同使用あるいは共同管理、米軍と自衛隊との役割分担などを決めているガイドラインの見直し、これが不可欠なものである。同時に、自衛隊による武力行使を視野に入れた周辺事態法の改正というところまで言及をなさっている。

 先ほどから議論になっている日米同盟の深化、拡充、その一つの具体的な手として、今私が述べたようなことを認識なさっておられるんですか。

森本国務大臣 日米間で決めました日米防衛協力ガイドラインというのは、そのときの安全保障環境のもとで、これから日米防衛協力をどのように進めるかということについての一般的な指針を示したものであることは御案内のとおりであります。これは、国の防衛政策、アメリカの国防戦略とともに常続不断に見直しを行うべきものであると考えています。

 今のガイドラインのもとで、RMC協議を含め、まだまだ取り組むべきことが多うございますが、その前提となる国際環境が変わるのであれば、ガイドラインをどのような形で見直すべきかということについての検討は、いずれ近い将来起こるのではないかと思います。今すぐあのガイドラインを、すぐに手を入れなければならない、そういう趣旨で述べたのではありません。

 このガイドラインを見直しますと、将来のことですが、それに基づいて、日本が領域の外でどのような対米協力をするかということに係る法的な根拠をもう一度見直すということが必要であり、それがその言葉にある周辺事態法ということです。

 周辺事態法は、アメリカとの関係で決まるのではなく、我が国が独自に持つべき法体系でありますので、先生御承知のとおり、この周辺事態法の条文をお読みいただくとわかるように、この中で取り組め得る我が国の対米協力が今のような状態でよいのかどうかということは、そのときのガイドラインに基づいて真剣に検討すべき課題であり、その検討はいずれの日にか来るのではないか。

 つまり、今のガイドラインでずっと未来永久続けてよいというふうに私は考えておりませんで、まさに日本を取り巻く環境の中でガイドラインを常続不断に見直す中で、これは検討に値する課題なのではないか、こういう趣旨で私は述べたわけであります。

東(順)委員 いつの日か、その必要が来るのではないか、こう今おっしゃいましたけれども、この中ではこうおっしゃっているんですね。今言うガイドラインの見直しだとか、あるいは周辺事態法の改正等を挙げられて、これらの対策は時間との闘いになる、そういうふうに述べられて、当時の田中防衛大臣にできるのかと憂慮している、こうおっしゃっている。

 いつの日か来るということよりも、先ほどからおっしゃっている日米同盟深化、拡充の先に集団的自衛権という問題が必ず惹起してくるだろうという趣旨の答弁をされておられましたが、このガイドラインの見直し、周辺事態法の改正等を挙げられて、これは時間との闘いになる、今の防衛大臣、つまり田中防衛大臣にできるのかと憂慮している、ここまでおっしゃっている。

 ということは、大臣となられて、さあ、これをやられるつもりですかどうですかということを伺いたいんです。

森本国務大臣 現在のガイドラインが成り立っている、我が国を取り巻く安全保障環境がこれからどのように変化を遂げるのか、さらに、アメリカが、大統領選挙の後にできたアメリカの新しい政権の国防戦略がどのように変化をしてくるのかということを見きわめてこの問題は取り組んでいきたい、このように考えております。

東(順)委員 まだ時間があるという認識ですか。わかりました。

 それから、尖閣諸島問題について伺いたいと思います。

 尖閣諸島の実効支配を強化するための法的措置が必要だとも訴えておられますね。これは具体的にどのようなことを想定なさっておられるんでしょうか。

森本国務大臣 これは一般的な形で、我が国領土というのは、先生御承知のとおり、六千二百以上の島々でできており、特に領域周辺にある島嶼を、みずからの領土でありますので、これを確実に我が国の領土とみなして、これに対する一切のリスクを排除するに必要な法的措置というのは今の法体系の中ではなかなか認めがたいので、これは尖閣に限らないのですが、我が国周辺のこういう島々を含めた個々の領土、これを確実に我が国として守るために、例えばそのような島々を簡単に外国系の企業などに売買される、譲渡されるなどということを防ぐための法体系があり得ないのかということを念頭に置いた考え方であります。

 もちろん、これは国の防衛大臣だけでできるような話ではなく、かつ、そのようなことを仮に考えたとしても、これは防衛省の所掌とはいささか違う問題だろうと思いますが、一国民として、かつまた専門家として、当然のことながら、領域を確保するに必要な法体系は考えておかなければならないという問題意識を持って書いたつもりです。

東(順)委員 それで、石原知事が買いたいと、こう明言されている。

 この尖閣問題について、森本大臣はどう見ておられますか。あるいは、防衛大臣として、野田内閣として関与していくおつもりがありますか、どうですか。

 石原知事は買いたいと、しかし国が買うのが最も理にかなった話なんだ、国が動かないから東京都として買うんだと。寄附金まで十何億集めておられる。

 この問題に対して、国防の、安全保障の責任者として、どういうふうに今見ておられるのか。どうすべきだと見ておられますか、国として。いかがでしょうか。

森本国務大臣 尖閣は我が国の固有の領土であることには一切の疑義はありません。我が国の領土ですから、我が国が我が国の手でこれを防衛するのは、国防の任に任ずる防衛大臣の重要な責任の一つです。

 他方、この尖閣諸島については、一貫した考え方に立って、周辺海域の状態を注意深く見つつ、厳正かつ適切な警備を実施しておりまして、この点については、従来から、例えば周辺海域の情報収集を含めて、防衛省・自衛隊として必要に応じて対処してきているところです。

 今回の都知事の発言については、政府部内において、引き続きこの購入計画の具体的内容の把握に努めるとともに、尖閣諸島の安定的な維持及び管理を継続するための方策については、その必要性などを勘案しながら、いろいろな検討が行われているものと理解しております。

東(順)委員 随分慎重ですね。歯切れよく、具体的に直球勝負で、ずばっずばっずばっとおっしゃるのが森本敏という方の大変な魅力だったんですけれども、立場が変わるとこんなにあれですか。もう少し率直に答えていただきたいなと思いますね。大臣という職分の範囲の中で、でき得る限り率直にというふうにおっしゃっているわけですから、そんなに慎重に言わなくても結構ですよ。

 それで、もし仮に東京都がこれを購入ということになった場合、無線基地とか避難港の建設など、こういうものをつくっていきたいということまで言及されていますよね。そうすると、この尖閣諸島を含む南西諸島の防衛の重要性というのが今以上にぐんと高まってくる。そうすると、自衛隊の防衛体制というようなものが具体的に問われることになる。

 これは何も奇想天外な話ではなくて、実際に買うんだ、国が買わなかったら都が買っちゃうんだ、買ったら無線基地とかさまざまなものを設置して実効支配しちゃうんだと。そうなってくると、危険性が一気に高まる。仮にそういう状況になったときに、自衛隊の防衛体制というのは具体的にイメージを持っておられますか。いかがですか。

森本国務大臣 尖閣諸島を、国であれあるいは都であれ、私有者、主権者から購入するということになったとしても、尖閣諸島を含む沖縄の防衛が、先生の御指摘のようにわっと大きくなるというふうには私は必ずしも考えていません。

 つまり、何を我々は考えるべきかというと、確かに一時期、周辺諸国に少し反日感情その他が出て、警戒監視を強めなければならないような事態というのが起こるんだろうと思います。他方、御承知のとおり、今年度の予算で、与那国島に警戒監視部隊をこれから配備するに必要な準備のための予算をいただいて、必要な手続を踏んでいるところです。

 これだけではなくて、恐らく、陸海空のトータルな防衛力を現在の大綱及び中期防に基づいて整々と進めていくということであり、その結果として、尖閣諸島の周辺の防衛がより効率的にできるようにしたいということであり、単に、尖閣諸島を国あるいは都で買ったから、一挙に今までの防衛計画の構想が全部ひっくり返るというような、そういう性格のものではないなというふうに私は思っております。

東(順)委員 よくわかりました。

 申し上げておきますが、私は、きょうの質疑で私の主張性というのは一切入れていませんので。私も公明党という政党に所属していて、客観的に、大臣がどのような基本的な姿勢で、スタンスでこれから大臣職を全うされようとしているのかということを、個々具体的なものを通して伺っているわけですから、したがって、きょうは、あえて私の主張というのは抑えた上で伺っているということを御認識いただきたいと思うんです。

 そこで、オスプレーについて、先ほどから何度も出ていますけれども、これは大変難しい状況になっちゃいましたね。これは本当にどうされるんですか。場合によっては全く違う判断だって要求されかねないというぐらいの、私は大変切実な状況が惹起したというふうに思います。

 大臣は、記者会見で、沖縄の安全性への懸念は理解している、十分な安全性が担保されるよう政府としてできるだけ努力したい、こう述べておって、岩国で一旦引き受けて、そして八月にも沖縄に、そういうスケジュールで進めておられたんだと思いますけれども、ところが、きのうフロリダでああいうことが起こっちゃった。ちょっと、このオスプレーというのは事故が多過ぎちゃいませんか、過去に。

 よくモロッコが例に出されるんですけれども、その前に、アフガニスタン南部で、夜間着陸を試みて地面に接触して転覆、これはいまだに原因がわかっていないという話じゃないですか。フライトレコーダーが故障したために原因が究明できていないというようなこととか、これでもって過去三十人ぐらい兵士が死んでいますね、訓練とか実験段階で。そしてまた、きのうのフロリダでしょう。これは恐らく、沖縄の人たちは、もう冗談じゃないよ、こういう心境になっていると思います。

 それで、この問題が起こったときに僕はもうとっさに連想したのが、沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落しましたね、あのときのことを思い出したんです。この問題で、沖縄の人から聞いた話で僕は非常に鮮明に心に残っているのは、あの国際大学に米軍ヘリが墜落したときに、不幸中の幸い、僕らはこう思う、死者が出ていない、けがをした人が出ていなかったと。内地の人は普通にそう思うでしょうと。不幸中の幸いですね、よかったね、ほっとしたねと。

 ところが、沖縄の人は、冗談じゃない、そんなふうに思う人なんか一人もいないよと。もう心の底に、ずっと危険と隣り合わせで生き続けてきて、基地問題というのが自分の人生の中に何割も占めている、そういう人生を送ってきた沖縄の人たちにしてみれば、何にもないときはそれはコップの底に沈んでいるような感情かもしれないけれども、一たびああいうヘリ墜落、炎上ということが起こっちゃったりしたら、マグマのように心の中にある反基地の思いというのがどおんと噴き上げてくるんだと。だから、誰も傷つかなくてよかったね、不幸中の幸いだねなんて、そんな捉え方をする人は誰もいませんよというふうに僕は伺ったことがあるんです。

 まさにこれからオスプレーを搬入するという直前のときに、いきなりフロリダでこんな事故が起こってくるということは、これは大変なことだと思います。大臣も大変だと思います、御就任の直後ですから。本当にこれはどうされますか。率直に伺いたい。

森本国務大臣 率直に言えということなので率直に申し上げようと思いますが、このオスプレーという飛行機を開発する発想というのは、これは飛行機というものの開発の歴史の中でやはり画期的な発想なんだろうと思うんです。そもそも、回転翼という、ヘリコプターという航空機の一種と固定翼による普通の飛行機という、ダイメンションといいますか、揚力の全く異なる二つの機能を一つの飛行機の中に持たせ、しかも同じブレードでそれを果たさせようという発想は、発想としては確かにユニークなものですが、それを実際の兵器体系の中に取り入れようとして開発をし、先生御指摘のように、幾つもの開発途上での事故を繰り返しながら改善を行って、やっと二〇〇八年に運用ができるようになり、中東湾岸に持っていって部隊配備をして、実際に部隊でこの飛行機を運用し、にもかかわらず、御指摘のように戦場で事故が起きているということは、全くそのとおりです。

 ただ、正式にアメリカ国防省がこの航空機を運用することを決定してから、アメリカ空軍及び海軍、海兵隊でこの航空機を納入して部隊に配備をするという計画をつくり、この計画に基づいて、現在、順繰りに部隊に展開をさせようとしているところです。

 その間に、去る四月に起きたオスプレーの事故は、アメリカ側から、まだ最終的な事故調査が終了していませんけれども、少なくても機械上のふぐあいによって起こったものではなく、飛行機そのものはアメリカ軍が決めたマニュアルどおりに機能していたとの報告を受けています。

 昨日起きた事故は、正直言って、我が方としては、岩国に受け入れていただこうと思って努力をして、地方自治体に御説明を申し上げている途上で起こった事故なので、私自身は大変ショックを受けました。

 このように、開発をしてきた一つのシステムが正式に運用されるという決定を受けたものの、やはり飛行時間がまだ少ないときに、運用上のといいますかパイロットとしてのオペレーション上のいろいろなミスもあり得るので、この事故についてはまだ調査結果を何ら我が方は情報として手に入れていませんけれども、しかしアメリカも大変難しい状態に実は直面しているのではないかというふうに考えます。

 できるだけ早く、この事故の原因については、アメリカ側から通報していただくようアメリカ側に強く要請しているところであり、まずこの情報をつぶさに分析してからその後の対応措置を考えたい、こういう考え方を持っておりまして、その考えに今のところ変更はありません。

東(順)委員 ここは、私は主張させてもらいます。アメリカに待ったをかけるべき、待ちなさい、時期尚早だ、オスプレーというものを入れる条件が全くそろっていない、待て、日本の防衛大臣として明確にそういう意思表示を僕はすべきだと思う。

 確かに、技術的には、速度が二倍とかエンジン出力三倍とか航続距離四倍とか、今の輸送ヘリに比べたらありますよ。しかし、住民が密集して住んでいるところの基地に持ってこようとするわけだから、こんなものは危なっかしくて入れられるなんてできやしない。だから、僕は、防衛大臣として、これは待ちなさいと言わせていただくということで、毅然たる態度をアメリカ側にきちんと表明すべきというふうに思います。ここは私の主張とさせていただきます。

 以上で終わります。

東委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 森本防衛大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。

 早速ですが、オスプレー配備の問題について質問をします。

 米本土フロリダ州でオスプレーが墜落をしました。四月にモロッコで墜落事故を引き起こしたばかりであります。政府はこれまで、オスプレーの安全性について、量産開始以降は問題ないと説明をしてきました。ところが、二カ月の間に二度の墜落事故を引き起こすという極めて重大な事態であります。

 防衛大臣に聞きますが、これだけ墜落事故を繰り返している以上、これまでの配備方針を一旦白紙に戻して、一から再検討すべきだと思いますが、大臣はどういう認識ですか。

森本国務大臣 本年四月にモロッコで起きた事故については、先ほど御説明申し上げたように、先週、アメリカ側から航空機事故安全調査の報告書、これは暫定的なもので、最終的にはまだ出ておりませんが、少なくとも、機体そのものがアメリカ軍が決めたマニュアルどおりに作動し、機体に機械的なふぐあいがあったというふうには聞いておりません。ただ、この調査結果についても、今申し上げたように、法的な側面での調査も含めて、最終的にはまだ出ておりませんが、少なくとも現時点では、いわゆる機体にメカニカルなトラブルで故障が起きたというふうには考えていないとの通報をアメリカ側から受けたところです。

 昨日のフロリダ州の事故については、一般的な情報が出ておりますけれども、通常、このような場合、アメリカは、これは空軍のオスプレーでありますが、部隊の中に航空機事故調査委員会なるものが設置され、その委員会で事故調査に取り組むというふうに聞いております。

 どのようなタイミングでとりあえずの事故調査の結果が我が方に知らされるのかということについてもまだ予断を許しませんが、少なくとも、昨日、私の方からルース駐日大使に、そしてワシントンでは藤崎駐米大使がアメリカ国防省の副長官に、それぞれ事故の原因については速やかに通報していただくよう要請し、相手の快諾を得たところです。

 事故が起きてちょうど一日半ぐらいで、まだ我が方としてとりあえずの事故原因についての調査結果も聞いておりませんが、この航空機の事故がどのような原因でどのような状態で起きたかということをアメリカ側からきちっと説明を受けて、その後、今後の対応ぶりについては、これは外務大臣、官房長官ともお諮りをして決めていきたい、このように考えております。

赤嶺委員 大臣は昨日の発言で、事故原因もまだわかっていない段階であるから、淡々と計画どおりに進める、このように発言をされています。一方、藤村官房長官は昨日の記者会見で、日本政府としては、事故の詳細がわからない限り、何ら新たな行動は起こさない、このように発言をしております。どちらが政府の見解ですか。

森本国務大臣 官房長官の記者会見の内容をもう一度丁寧にごらんいただきたいのですが、何らかの行動をとらないというのは、これは必ずしも配備の計画をおくらせる、中止する、中断するという趣旨で述べられたものではなく、まず、事故の内容をアメリカ側から情報提供を受けて、その後の対応策はその後に考えたいという趣旨のことを述べられたものだと聞いておりますし、その旨、本朝、閣議の後、官房長官に直接お伺いして確認したところです。

赤嶺委員 モロッコのときもそうですが、事故の詳細がわかるのは事故報告書であります。少なくとも、二回の墜落について事故報告書が公表され、事故原因が特定されるまで配備手続を中断するのが当然だと思います。この点についてはどういう認識ですか。

森本国務大臣 事故の調査というのは、これはアメリカ軍の中で起きた事故なので、アメリカ軍の中の手順に従って行われるものだと考えますが、私の持っているわずかな知識を念頭にすれば、先生御指摘のように、最終的な調査報告書というのはいずれ出るんですが、それまでの間に、中間的に幾つかの段階で、とりあえずの事故の原因については、例えば機械的なトラブルがあるという場合には、同種の機種を全部ダウンして、飛行を停止して、必要な故障点検などをする必要があるので、そういう基本的なマニュアルどおりで機体が動いていたのか、あるいは機械に何か基本的な欠陥があるのかを調査結果の中間報告としてまず明らかにして、それから部隊に必要な措置をとり、最終的な報告が出るのは少し時間がかかると思いますが、最終報告が出るまで一切のものが出てこない、そういうことではないのではないかというふうに考えています。

赤嶺委員 それでは、事故の中間報告が出るまでは配備を中止するというのはいかがでしょうか。

森本国務大臣 中間報告と私は簡単に言いましたが、暫定的な何らかの報告というか、情報が提供される時期がどのようなタイミングになるのかということについては全くまだ予知できませんので、お答えしかねるところです。

赤嶺委員 配備の方針はそのままだ、事故原因を客観的にアメリカが説明することについて日本側から求めていかない。モロッコの事故でも、機体に原因があったのではないというのは、何かそれは客観的なデータがあって、そういうことが日本政府に示されて大臣はそのように理解しているということなんでしょうか。

森本国務大臣 このモロッコで発生したオスプレーの事故については、まだ航空機事故安全調査が続いているところであり、とりあえずアメリカ側から、先ほど申し上げたように、機体に機械的なふぐあいがなかったという断定をアメリカがしているので、その内容について通報を受けたところです。

 詳細は恐らく後日アメリカ側から通知があるものと思いますが、この事故について言えば、この飛行機は空軍のものではなく海兵隊のオスプレーでありますが、この時点で、この海兵隊が使っている機体の安全性に何ら問題はない、かように判断しているものでございます。

赤嶺委員 ですから、根拠はアメリカの方から示されているんですかということです。

森本国務大臣 繰り返しになりますけれども、米国側から航空機事故安全調査の暫定的な報告について我が方に通報があったということであり、その通報の内容を見て、機体の安全性に問題がないというアメリカ側の判断について、我が方に連絡があったところでございます。

赤嶺委員 オスプレーについては、一方的にアメリカ側から、データや根拠も示されずに、安全だという都合のいい情報ばかりが流されて、日本政府はそれをまた国民に伝えるというやり方なんですね。私は、そもそもそういう姿勢が許されないと思います。事故原因も明らかにならない、そして、機体に原因がなかったといっても、それは通報であり、データも何も出てこない。そういう都合のいい情報だけ流すやり方は改めていただきたいというぐあいに思います。

 それで、政府が公表した米軍の環境レビューによってもオスプレーの危険性がいよいよ明らかになっております。

 これまで政府は、海兵隊のオスプレーの事故率について、現在のCH46よりも低い、このように説明をしてきました。ところが、発表されました環境レビューによると、モロッコでの墜落後、CH46の事故率は一・一一、オスプレーは一・九三と逆転をしております。そうした中で、今回、フロリダで空軍のオスプレーによる墜落事故が起こりました。空軍のオスプレーは、二〇一〇年にもアフガニスタンで墜落事故を起こしています。

 これまで政府は、海兵隊と空軍のオスプレーは別だ、このように言って、空軍のオスプレーを含めた事故率は示してきませんでした。しかし、今回の環境レビューを見ますと、CH46の場合は、CHだけでなくH46という形で、そのほかのモデルを合わせた、モデル全体の事故率も示しています。CH46については全てのモデル全体の事故率を示しているのに、なぜオスプレーについては示さないのですか。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま先生御指摘のとおり、今回の環境レビューの中で、CH46に関しましては、H46ということで全体のデータが示されておるのはそのとおりでございます。

 他方、オスプレーの方に関しましては、これは、空軍と海兵隊のそれぞれ合計したデータというのを私ども手にしてございません。これに関しましては、空軍の側にも事故の状況の詳細を問い合わせ、かつ、事故率について問い合わせをしているのでございますが、そういったもののデータのリリースを受けていない、こういった状況にございます。

赤嶺委員 あなた方は、空軍を合わせない低い事故率をあえて示して、それを安全の根拠にしてきたんですよ。安全の根拠に使ってきているのに、オスプレー全体のデータをまとめて事故率というやり方はとらない。これはやはり国民に対する背信行為だと思いますよ。

 空軍は別だとこれまで言ってきたわけですが、空軍の事故も海兵隊のオスプレーには関連がないとは言えません。アフガニスタンの事故報告書は、事故原因の一つにエンジン出力の低下を挙げています。これは空軍のオスプレーだけに特有の問題なのですか。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 機体の特性というものが、当然、エンジン出力との関係でいろいろな影響を及ぼすということは容易に御想像いただけるかと思います。残念ながら、私ども、海兵隊型、空軍型、それぞれのエンジンの仕様を細部まで承知しておりませんので、そういった点もあわせて今後とも調べをかけていきたい、かように思っておるところでございます。

赤嶺委員 あなた方が知らないのに、オスプレーは安全だというんですか。空軍と海兵隊のオスプレイは電子機器などが違うだけだ、このような指摘もあります。空軍も含めたV22の事故率を示すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

森本国務大臣 基本的にオスプレーというのは、基本設計は先生御指摘のとおり同じでございます。細部は装備品その他が少し違いますが、基本設計は同じです。

 どういう方法で御説明すればよいのか、速やかに検討をしたいと思います。

赤嶺委員 少なくとも、今までの説明のやり方は国民を納得させるものではない。事故率が低いこと、海兵隊のものだけをもって安全だと言ってきた、この姿勢を改めてもらわなければなりません。

 次に、環境レビューの中にある夜間飛行の問題であります。

 普天間飛行場では、オスプレーの配備に伴って、夜十時から翌朝七時までの飛行回数が、現在の七十六回から二百八十回に増加するとしています。三・七倍であります。そもそも、この時間帯は、九六年の騒音防止協定で飛行を最小限に制限することが合意されたはずの時間帯であります。これまでも、運用上の所要を抜け穴として、結果として守られてきませんでした。

 しかし、これでは、騒音防止協定など最初から守る気などないということではありませんか。一体何でこんな中身になっているんですか。

山内政府参考人 御質問のございました、オスプレーの配備に係る環境レビューに関する普天間飛行場におきます夜間の飛行回数の増加についての御質問でございます。

 まさに、環境レビューにおきましては、委員御指摘のとおりの数字等となっているところでございますし、また、普天間飛行場におきましては、まさに先ほど委員が御指摘になりましたように、日米合同委員会において飛行規制等の措置が合意されているところでございます。

 今回、環境レビューの説明を受けるに当たりまして、私ども日本側からは、同飛行場におきます、まさに合同委員会合意で示されております航空機騒音規制措置の内容を示した上で、現在、その増加の理由につきまして米側へ確認を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、環境レビューにおいてMV22の夜間飛行の所要が増加するとされていることにつきましては、それが仮に運用上やむを得ないものであったとしても、普天間飛行場近傍の住民の方々に与える影響が最小限となるような配慮がなされなければならないことは当然でございます。

 私どもとしまして、今後とも引き続き、できる限り夜間飛行を行わないよう米側に強く働きかけてまいりたいと思っております。

赤嶺委員 環境レビューというのは、オスプレーを配備しても安全ですよ、自然環境は守られますよという説明としてあなた方が今まで言ってきたことですよね。その中に、夜間という条件下でオスプレーを使って訓練をする必要があるんだということで、今までの協定さえ守っていないのに、それをもっと増大させるような表現ですね。

 増加の理由についてアメリカに聞くなんというものじゃないですよ。こんな数字を出してきて、これは絶対受け入れられないということを日本政府は言うべきですよ。だって、夜間はやらないという協定を日米両政府で結んでいるじゃないですか。絶対おかしいですよ。こんなやり方でオスプレーを配備するのは到底認められないと思います。

 まだあります。

 環境レビューは、普天間飛行場を飛び立ったオスプレーが、伊江島補助飛行場、北部訓練場、中部訓練場など、沖縄本島の全域で訓練を行うことも明記しています。これによると、オスプレーが訓練に使用する戦術着陸帯は五十カ所としています。ところが、その五十カ所のうち五七%、つまり二十八カ所は、使用はまれだとしています。年間十四回使用するのみであります。狭い沖縄にこれだけのヘリの着陸帯があり、多くは使用がまれであるなら、そのヘリ着陸帯は撤去すべきであり、基地を縮小すべきであります。

 ところが、政府は、それとは逆に、東村高江区を取り囲むようにして新たに六カ所も着陸帯を建設しようとしております。建設の必要などないのではありませんか。

山内政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の環境レビューにおきますヘリパッドの数あるいは使用される数と申しますのは、あくまでMV22が運用を計画されている施設の数を示したものでございます。他方、現在、普天間飛行場におきましては、CH53DでございますとかAH1S等、その他の機種も存在しているところでございまして、そういったヘリの使用というものも当然予想されるところでございまして、現在あるヘリパッド等が過剰であるということは必ずしも考えていないところでございます。

 いずれにしましても、こうしたMV22の配備に伴います着陸帯の使用に伴います周辺住民の皆さんへの影響というものにつきましては、今後とも、私どもとして、必要最小限となるように米側にも要請してまいりたいというふうに考えているところでございます。

赤嶺委員 ヘリパッドが、オスプレーが使うのが五十カ所、全部で八十カ所ぐらいあるんですよね、沖縄本島に。八十カ所のヘリの着陸帯、しかも山の上ですよ。山の上というのは、大体その地域の人にとっては信仰の対象ですよ。先祖代々敬ってきたその場所に、ヘリパッドが八十カ所もある。五十カ所をオスプレーが使う。それでも過剰とは思っていないと言う。これは幾ら何でもあんまりじゃないですか。

 大臣はどういう認識ですか。過剰でないという認識ですか。

森本国務大臣 今回の環境レビューにおいて、この種のヘリパッドを使うという計画が書いてございます。そのことはそのとおりでございますけれども、先生御指摘のように、これは地元にもいろいろな御事情があると思いますし、とにかく飛行の安全、あるいは地元住民の方々の理解を得ながら、この飛行の訓練をやらせるため、アメリカ側にどのような申し入れをきちっとするべきかということについては省内で速やかに検討していきたい、このように考えております。

赤嶺委員 環境レビューについては省内でも、申し入れる点はこれから検討していきたい、あのとおりじゃないという認識ですか。もう一度御答弁をお願いします。

森本国務大臣 あのとおりではないということではなくて、この環境レビューの中にアメリカ側が指摘している各種の訓練を行う際、日本側としてどのような注意事項をアメリカ側に要請すべきかということについて、速やかに部内で検討したい、このような趣旨で申し上げたつもりでございます。

赤嶺委員 終わりますが、環境レビューというのは、いわばオスプレー配備についてアメリカ側の説明責任として出されてきたものですが、実際は、環境アセスという法律の手続にもよらず、自然にも影響を与えない、社会の生活にも影響を与えない、そして、ヘリパッドを使う数もどんどんふえていっている、夜間の訓練もふやす、こんなことで、安全だから受け入れてくれということは県民は絶対に納得いきませんし、先ほど公明党の東先生のお話にもありましたが、公明党も含めて、自民党も含めて、沖縄では、オスプレー配備反対の県民大会も開くべきじゃないかというような声も盛り上がっているということを紹介しまして、質問を終わります。

東委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社会民主党の照屋寛徳です。

 森本大臣は、前任の素人二大臣に比べて防衛問題の知識は豊富でありましょう。それは私も認めます。沖縄の言葉に、大臣、シミヤシッチムノーシラン、要するに、知識、学問はあっても、事の道理や本質、人情の機微は知らない、こういう言葉がありますので、大先輩に失礼ですが、老婆心ながら忠告をしておきます。というのは、先ほど来の質疑応答を聞いていると、大臣御自身は安全運転の答弁とお思いでしょうが、聞いている私や沖縄県民からすれば、もう詭弁としか思えない。

 さて、きのうアメリカ・フロリダ州で、アメリカ空軍のCV22オスプレーが墜落をしました。最初に大臣に尋ねますが、空軍のCV22オスプレーと海兵隊のMV22オスプレーは、その機体の構造と性能は同じですね。

森本国務大臣 オスプレーは、まず基本的に設計をして、これを空軍と海軍と海兵隊が使用するということが決まり、それぞれ三軍に調達計画が示されて、予算が計上され、認可を受けたものが徐々に部隊に配置されていると聞いています。

 空軍と海軍はそれぞれ任務が違いますので、したがって、機体の基本設計は同じですが、当然のことながら、海兵隊の持っている任務は、海兵隊要員を中に入れて輸送するというのが主任務で、空軍というのは、輸送というより、むしろ特殊作戦あるいは偵察等その他の任務を行うために必要な装備品をつけているということなので、航空機そのものの基本設計は先ほど申し上げたように同じですが、中のいろいろなイクイップメントというか装備品はその任務に応じて少し異なる、このように理解しております。

照屋委員 私は、空軍と海兵隊の任務を聞いているんじゃないですよ。だから、あなたは知識に溺れて詭弁だというんですよ。もっと誠実に答えてくださいよ。

 空軍と海兵隊のオスプレーの機体の構造と性能は同じでしょう。違いますか。

森本国務大臣 機体の性能と機能は、先ほど申し上げたように、そもそもユーザーであるものが違うものですから、例えばエンジンは同じですが、航続距離は違うと思います。それから、任務が違うわけですから使い方が違うので、使い方に応じて中の装備品が違っている。これは、ユーザーとしての空軍と海兵隊がそれぞれ何のために使うかによって機体の設計を決めるわけで、それによって違うのは、私は軍の仕様としては当然だと思います。

照屋委員 大臣、酢のコンニャクと言わないで、質問には誠実に答えてください。

 きのうも、オスプレー事故を受けて、先ほどもありましたように、藤村官房長官は、事故原因の詳細がわからない限り、何ら新たな行動は起こさないと言い、大臣は、わからない事故原因を基礎に今までの配備計画案をすぐに変える客観情勢にない、淡々と計画どおりに進める、要するに、スケジュールどおりに進めると言っております。これは重大な食い違いでしょう。違いますか。

森本国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、昨日、官房長官が、詳細がわからない限り、何ら新たな行動を起こさないと申し上げられましたのは、その後のやりとりでもおわかりのとおり、政府として、今回の事故の事実関係がわからない段階では、地元にこれ以上の説明をどのようにしたらよいのかということを含めて、どのように対応したらよいのかということが今の段階では確定できないという趣旨のことを述べられたものだと思っています。

 この点については、先ほど申し上げたように、本朝、閣議の後で官房長官に直接お会いして、発言の趣旨を確認したところでございます。

照屋委員 現段階で、モロッコを含めて、きのうのフロリダを含めて、日本政府として事故原因を詳細に知っているわけじゃないんでしょう。

森本国務大臣 モロッコの事故については、既にアメリカ側から暫定的な報告を受けていて、機体そのものはマニュアルどおりに作動し、機体そのものの機械的なふぐあいがなかったということであり、したがって、機体そのものの機械上の問題から事故が起きたのではないので、安全性というものについてはアメリカ側は大丈夫だという通知を受けております。

 昨日の事故については、まだ何も通報を受けておりません。

 繰り返しになりますけれども、我が方としては、アメリカ側に、いろいろなルートで、今回の事故の原因について調査ができ次第、暫定的なものであっても情報を提供するよう、強く申し入れているところでございます。

照屋委員 大臣、きのうのフロリダの事故を受けて、沖縄ではもうオスプレーの安全性への不信感は増大しているんです。それでも進めるというのであれば、大臣はまさしくウチナーンチュの人命軽視ですよ。そう思いませんか。

森本国務大臣 まず、オスプレーは、今回、沖縄に持っていく前に岩国に荷揚げをして、そこで必要な準備を行い、慣熟飛行を行った後に沖縄に展開をするという計画をつくってきたわけであります。

 先生御指摘のように、このような事故が続いていますので、これをどうしたらよいのかということについては、先ほど御説明したように、まずアメリカ側の事故調査の報告を受けてから、今後の対応について検討をしたい、このように考えております。

照屋委員 大臣は、オスプレーを岩国に陸揚げして一時駐機をさせたからといって、本格配備の普天間基地を抱える沖縄じゅうにオスプレーを飛び交う、そういう中で、沖縄の強い抵抗、反対が和らぐとでも思っているんですか。そんなペテンじゃいかぬですよ。

森本国務大臣 いや、そのようには考えておりません。今回の事故は大変深刻な事故であると我が方は受けとめております。

 しかしながら、どういう状態でどういう種類の事故が起きたのか、その真の原因は何であるのかということをきちっとアメリカから情報提供を受けて、それから判断をし、対応を詰めてまいりたい、このように先ほどから申し上げているところでございます。

照屋委員 大臣、私は率直に申し上げますが、沖縄へのオスプレー配備は不可能です。配備を強行すれば、日米安保体制を認める立場の県民も反安保、政府の防衛政策反対に決起するであろうことを私は申し上げたい。

 その上で、オスプレーの研究開発段階の墜落、負傷事故。実戦配備後のモロッコ、フロリダの事故でオスプレーの安全神話は完全に崩壊、私はそう思います。

 そこで、具体的な質問ですが、大臣は、戦地のような地域と、そうでない沖縄、岩国のようなところと、オスプレーはどちらが過酷な運用を強いられると思いますか。

森本国務大臣 航空機の過酷な運用というお言葉でございましたが、航空機というのは任務を持っておりますので、その任務に応じて、任務を遂行する際、どのような条件下でこの任務を遂行するかということによって条件が過酷であるかどうかということが決まると思います。

 すなわち、例えば、安定したところであっても、極めて難しい作戦のために極めて困難な環境下で転向をして飛ぶということもありますし、あるいは、単純な訓練飛行といえども、市街地を飛んだり、あるいは難しいところを飛行して、一見楽なように見えるが大変難しいという状況もあり、航空機が持っておる任務に応じて過酷であるかどうかということが決まるのではないかというふうに私は理解しております。

照屋委員 大臣、オスプレーの機体整備環境でもアメリカ本国の方が整っているでしょう、戦地や普天間などに比べて。しかも、アメリカの広大な基地と、市街地のど真ん中にある普天間、小さな島沖縄本島の全域を飛び交う、全然違いますよ。アメリカで安全だから、沖縄で、普天間で安全と大臣は本当に言えるんですか。

森本国務大臣 私も航空機部隊に十五年以上勤務して戦闘機の運用にかかわってきましたが、今回、例えば、オスプレーを普天間に配備する際、この整備に係る隊員が数百人配備をされ、どこに部隊があるかによって運用上の困難性が決まるのではなく、例えば戦地であっても、十分な整備、運用の要員が行って必要な支援体制を整えることもあるが、他方、例えば、全くそのような支援体制がないところに飛んでいって難しい任務を負わないといけない、いろいろな環境があり、少なくとも、今回、普天間に配備する際、本土と同等の整備支援体制が確立できて配備されるものだと理解しております。また、そのように通報を受けております。

照屋委員 大臣、冒頭言ったように、幾ら大臣が防衛問題の知識や法を説いても、そういう詭弁で、安保委員会の委員や、それからウチナーンチュを含めて、国民はだまされません。

 質問を変えますが、大臣は就任直後の六月四日夜の記者会見で、普天間飛行場の辺野古移設問題に関して、現在の辺野古案が今日考え得る最善の適切な一つの解決策だ、そういう趣旨のことを述べております。

 去る十日の県議選で当選をした議員のほとんどが普天間基地の県内移設に反対、国外、県外の移設を求めておりますが、大臣の考えに変更はありませんか。また、仲井真知事、県会、県民世論が強く県内移設に反対する中で、辺野古への移設が実現できると本気で思っておりますか。

森本国務大臣 これからオスプレーが普天間飛行場に配備されるという計画を現在日米で進めているところでございますが、市街地の中にある普天間飛行場を十六年もの前、日米間で約束したとおり、できるだけ速やかに日本側に返還をしてもらうということがこの問題の全ての最優先課題であると思います。これを実現するため、日米間で約束をした辺野古周辺への移設というのが現時点で考え得る唯一の有効な解決策であるということについては、繰り返し申し上げてきたとおりであります。もちろん、先生御指摘のように、この問題を取り巻く客観情勢は大変厳しいものがあり、また、地元の沖縄の方々にも強い反対があることはよくよく理解しているつもりです。

 しかしながら、この問題は日米間の約束でもあり、在日米軍が日本に持っている抑止力というものをますますきちっとしたものにするためにはぜひとも必要な施策であると考えておりまして、これを実現するために、その任に任ずる間、全力でこの問題に取り組んでいきたい、かように考えております。

照屋委員 大臣は六月六日の民放テレビの番組で、普天間飛行場の移設先について、辺野古案は若干沖縄の意見を取り入れ、場所、位置、方向はこれから真剣に考える可能性はあるかもしれないと述べて、辺野古建設計画修正の含みを持った発言をしておりますが、辺野古移設案は修正するんですか。

森本国務大臣 辺野古周辺の移設については、日米間で約束した合意を忠実に実行するべきであると思いますし、また、したいと考えます。

 しかしながら、この日米間で約束したものを一センチ、一ミリといえども変えないなどという、かたくなな考え方は私個人は持っておりません。もし、沖縄の方々の多くに強い意見があって、今の移設計画をもう少し柔軟に変更してほしいという要望があれば、それに対しては柔軟に対応していきたい、かような自分の意見を述べたつもりでございます。

照屋委員 私は、一センチ、一ミリ動かしても、辺野古移設には断固反対であります。また、今や沖縄の世論、県知事を含めて、一センチ、一ミリ動かして、辺野古案が実現できるなんというのは全く考えられない。大臣、そう思いませんか。

 では、大臣は、いつごろをめどに普天間飛行場の辺野古移設を前提にした埋立許可申請を県知事に行うつもりなんですか。

森本国務大臣 現在、沖縄県知事からいただきました意見書の、補正作業に取り組んでいるところでございます。

 この全ての作業が終わった後に埋立工事申請をするという手続になると思いますが、それがいかなるタイミングになるかは、現時点でまだ申し上げられるような状況にはない、かように考えております。

照屋委員 去る二月二十一日、金武町金武の路上や専門学校の学生寮駐車場など三カ所で発生をした米兵の器物損壊事件で、在沖米海兵隊法務部が県警金武交番に被害生徒と職員を呼び出して示談を強要したことが発覚をして、今沖縄じゅう怒りまくっている。

 防衛省は、このような海兵隊の示談交渉のあり方をどのようにお考えでしょうか。

森本国務大臣 先生御指摘の、このいわゆる米兵による器物損壊事件でございますが、この事件は、本年二月二十一日、金武町において沖縄海兵隊キャンプ・ハンセン所属の上等兵が駐車中の車両十一台のフロントガラス、サイドミラーなどを破損した事件だと承知しております。

 この問題については、公務外の事案でありますので、原則として、加害者と被害者との間で示談が交渉され解決されるべきものだと考えております。

 もちろん、防衛省としては、このような被害者が在籍する学校から強い申し入れがあったことを受けまして、米軍に対して、事故の再発防止とともに、担当者の言動に誤解を招くような状況があったのであれば極めて遺憾であるということについて、強い指示をしたところでございます。

照屋委員 大臣、交通事故や器物損壊や基地内からの飛来物による民間人への被害等について、アメリカに基地を提供している防衛省もいろいろ被害者の立場に立って示談交渉をやっていますよ。もう少し毅然とした態度で防衛省がやらないから、アメリカの言いなり、米兵の事件、事故が絶えなくなるんですよ。

 さて、きょうは警察庁も来ておられると思いますが、私も四十年以上弁護士をして、示談交渉というのは、まず加害者が被害者に謝って、事件によっては、加害者、被害者双方の弁護士が示談交渉する、あるいは弁護士を選任していなくても、もっともっと、被害者が希望する場所での示談とか、あるいは、加害者がまず謝るべきでしょう。それをしないで、被害者本人を呼び出して、関係施設の職員を呼び出して示談を強要する、しかも、その場所に県警の交番が使われる、交番には勤務中の警察官二名もおったと言われている。こういう交番使用のあり方が適切だと思いますか。

東委員長 質疑時間が終了しておりますので、岩瀬生活安全局長の答弁で終わりにさせていただきます。

岩瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 今回、米軍の示談のため交番が使われたことにつきましては、適切とは言えないと考えております。したがって、沖縄県警察におきましても、警察本部及び石川警察署から米軍側に、示談交渉場所として警察施設を使用しないことを申し入れたものと承知をしております。

照屋委員 終わります。

東委員長 次に、渡辺義彦君。

渡辺(義)委員 新党きづなの渡辺義彦であります。

 長時間、大臣、御苦労さまでございます。最後の質疑者でございます。十分でございますが、最後までよろしく御審議をお願い申し上げます。

 大臣のきょうの冒頭のお話の中でも、取り組みたい課題として、防衛力の強化と日米同盟の深化、そして危機管理体制の確立、この三つをお挙げになっておられます。また、いろいろマスコミ等のインタビューを見せていただきますと、私が特に注目いたしましたのは、北朝鮮の弾道ミサイル開発も大変進んでいる、この問題についても、日本にとっては深刻な状況が引き続き起こり得るぞというような御認識を語られておられます。

 私は、四月の予算委員会で総理に対しまして、北朝鮮のミサイル問題に関連して、自衛隊の敵地攻撃能力について総理に御質問をさせていただきました。そのとき総理は、自衛隊に敵地攻撃能力はないんだ、攻撃は米国がやってくれるので、我が国は攻撃能力を保有することはもう全く考えておられないというような趣旨を述べられました。

 私は、自力で自国民を守るというか、そういう観点からしても、私自身それでいいのかなという疑問を持っておりますのですが、そこで防衛大臣にお尋ねをさせていただきますが、我が国は敵地攻撃能力等を持つ必要はないと総理のようにお考えになっておられますでしょうか。

森本国務大臣 我が国に対して今先生御指摘のような急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段として我が国土に対し、例えばミサイル攻撃が行われた場合、座して国家の自滅を待つというのは、決して憲法の趣旨とするところではないと私は考えます。

 そういう場合には、そのような攻撃を防ぐため、万にやむを得ない必要最小限度の措置をとること、例えば、このミサイル攻撃を防御するのに他に全く手段がないと認められる場合、この基地をたたくことは、国際法上からも、あるいは憲法解釈からも十分に認められるというふうに考えておる次第です。

 他方、それではそういう能力を今持つのかということについては、今、我が国としてかような能力をすぐに装備体系の一つとして保有するということは考えておりませんし、この点については、従来から防衛省がその立場を明らかにしたところでございます。

渡辺(義)委員 ありがとうございます。

 専守防衛ということで、攻撃を受けなければ、我が国が敵地を攻撃するようなことは当然ないわけではございますけれども、もしそういうことがあればやむなしという御答弁であったと思いますけれども、適地攻撃能力を持つことは考えていないと。ここは少し矛盾するのではないでしょうか、大臣。

森本国務大臣 いや、矛盾するとは思いません。

 我が国として法理的に他に手段がないと認められる場合に限って、例えば敵のミサイル基地をたたくということが国際法上認められる権利であり、同時に我が国憲法が認める自衛の範囲の中に含まれるということは、それは我が国の権利として厳にあるんだろうと思います。

 しかし、これを実行するに必要な装備体系を今持つべきかどうかということについては、今の時点で、日本の自衛隊の装備体系としてこれを持つということは考えていないということだと思います。

 ということは、国際法上及び憲法の解釈から、その権利は持っている。しかし、今持っていないということは、むしろ、そのことは、いつでも持つかもしれないということを相手に思わせる、ある種の抑止機能を果たしているということなので、それは論理的には矛盾しないんだろうと思います。

渡辺(義)委員 何か釈然としませんのですが、盾と矛と総理もおっしゃいました。盾の部分は自衛隊である、矛の部分は米軍で、それは全く米軍にお任せするようなことをおっしゃっておられたんですけれども、日米同盟のことも先ほどおっしゃっておられました。集団的自衛権のこともおっしゃっておられました。集団的自衛権とは同盟にかかわる問題であり、それを優先すると考えておられるとおっしゃっておられましたけれども、それはあくまで米軍に委ねるということでございますか。

 北朝鮮に危機を感じておられるという大臣の今の御見識の中で、またそういう実験を繰り返すかもしれない、そういうことが起こり得るかもしれないという、備えあれば憂いなしという、有事がいつあるかわからないけれども、それに備えるということが、我が国の国民国家を守ることにつながるんじゃないでしょうか。持たないということはやはり無責任、また、考えないということは無責任なんじゃないでしょうか。

森本国務大臣 いや、そういう趣旨で申し上げたのではありません。

 国の抑止というのは、必要な場合に確実に対応できるという能力があって初めて抑止という機能を果たすのであり、抑止と対応というのは、いわばコインの裏表だと思います。

 他方、あらゆるリスクに対応できる能力を全て日本が持つということは、日本の防衛体制の中で、限られた予算の中でどのようにプライオリティーを考えるかという問題であって、法的には可能であるが、例えば、持たない、今は持っていないということは、相手から見ると、いつ持つかもしれないという可能性を秘めているわけですから、したがって、それは一定の抑止の機能を果たすという趣旨のことを申し上げたわけです。

渡辺(義)委員 もう時間がございませんので、この問題は、また続いて御質問させていただきたいと思います。

 岩屋理事が先ほど御質問されました、渡辺副大臣がお答えになっておられましたが、FXのことでございます。

 防空体制に穴があいたら大変だ、けれども、大丈夫だというようなことをおっしゃっておられましたが、私も田中大臣にもその質問をさせていただいたことがあります。そのときに申し上げましたのは、穴があいたら大変だという部分で、予定どおり、F35の納期というものが間に合わなかった場合、あくまでもリザーブというか代替で確保していくために、別の機、私はF18と申し上げたんですが、そういうこともあくまで予備としてお考えになるということは現時点ではございませんですか。

森本国務大臣 FXとして選定した航空機としてF35Aを選定しましたので、それ以外の航空機を導入するという考え方はありません。

渡辺(義)委員 それは、万が一、運悪く納期がおくれて、F2の後の防空体制に支障があるとしても、予定どおり、やはりF35を待つということでございますか。

森本国務大臣 アメリカは、価格であれ納期であれ、予定したとおり、計画をきちっと守ってくれるものと思っておりますし、また、そのように強くアメリカ側に申し入れているところです。

 仮設の問題として、仮にそのように納期がおくれたらどうなのかということについては、これは渡辺副大臣より御答弁申し上げたとおり、例えばF15の近代化をより進めて、それを補う措置をとるなどの方法によってこれをカバーするという考え方があろうかと思います。

渡辺(義)委員 ありがとうございます。

 けさも、アメリカのシンクタンクからメールをいただいたんですが、オバマ大統領の国防費の予算削減の中に、FX開発プログラムから二〇一三年からは十六億ドル削減される、今後五年で百五十億ドルの削減が盛り込まれているそうでございます。これも一つ開発がおくれるマイナス材料でもありますし、今後五年で四百二十五機分の発注分の予算もオバマさんの国防費の予算の中からはやはり削減されるということのようであります。

 そのことも考えますと、マイナス要因が大変多いということは、やはり備えあれば憂いなし、先ほども申しましたけれども、その辺、もう少し万全の策をお考えいただくように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

東委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十八分散会


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