衆議院

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第2号 平成25年10月31日(木曜日)

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平成二十五年十月三十一日(木曜日)

    午後四時二十一分開議

 出席委員

   委員長 江渡 聡徳君

   理事 今津  寛君 理事 左藤  章君

   理事 薗浦健太郎君 理事 中山 泰秀君

   理事 武藤 容治君 理事 長島 昭久君

   理事 中丸  啓君 理事 遠山 清彦君

      岩屋  毅君    大野敬太郎君

      勝沼 栄明君    門山 宏哲君

      木原  稔君    笹川 博義君

      田畑 裕明君    東郷 哲也君

      中谷 真一君    野中  厚君

      浜田 靖一君    武藤 貴也君

      若宮 健嗣君    中川 正春君

      渡辺  周君    今村 洋史君

      宮沢 隆仁君    伊佐 進一君

      杉本かずみ君    畠中 光成君

      赤嶺 政賢君    玉城デニー君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   防衛大臣         小野寺五典君

   外務副大臣        三ッ矢憲生君

   防衛副大臣        武田 良太君

   外務大臣政務官      石原 宏高君

   防衛大臣政務官      木原  稔君

   防衛大臣政務官      若宮 健嗣君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    小松 一郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  北崎 秀一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 秋葉 剛男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 新美  潤君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山田 滝雄君

   政府参考人

   (防衛省大臣官房審議官) 吉田 正一君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  徳地 秀士君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  中島 明彦君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  山内 正和君

   安全保障委員会専門員   齋藤久爾之君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月三十一日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     田畑 裕明君

  畠中 光成君     杉本かずみ君

同日

 辞任         補欠選任

  田畑 裕明君     中谷 真一君

  杉本かずみ君     畠中 光成君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十三回国会閣法第六三号)


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     ――――◇―――――

江渡委員長 これより会議を開きます。

 第百八十三回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案につきましては、去る第百八十三回国会におきまして既に趣旨の説明を聴取いたしておりますので、これを省略するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江渡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

 自衛隊法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

江渡委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北崎秀一君、外務省大臣官房審議官秋葉剛男君、外務省大臣官房審議官新美潤君、外務省大臣官房参事官山田滝雄君、防衛省大臣官房審議官吉田正一君、防衛省防衛政策局長徳地秀士君、防衛省運用企画局長中島明彦君及び防衛省地方協力局長山内正和君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江渡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島昭久君。

長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。

 きょうは、小松一郎法制局長官にもお越しをいただいております。

 安倍政権によって異例の抜てきというか、フランス大使でおられたわけでありますけれども、国際法の権威として名は知れ渡っておりまして、私も長官の物された国際法の御本を拝読させていただきました。委員会でも、国際法局長のときに何度か質疑をさせていただいたことがあります。新聞紙上もにぎわせた人事でありますが、私は非常にポジティブに受けとめさせていただいております。ぜひ、法制局長官として頑張っていただきたいというふうに思っております。

 その上で、改めて、法制局の役割について冒頭にお伺いをしておきたいと思います。

 法案の審査はもちろん法制局の最大の任務だと私は思いますけれども、法律問題に関して内閣に対して意見を述べる、意見事務と呼ばれるものももう一つの柱としてあるというふうに伺っております。

 政権が重要な判断をする、あるいは法律問題の存在が察知された場合に、内閣に対して法的な観点から意見具申をする、これは法制局長官の大変大事な責務であると認識をしておりますが、小松長官の御認識を伺いたいと思います。

小松政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、内閣法制局も行政機関でございますので、設置法に基づいて仕事をするわけでございます。内閣法制局の役割につきましては、例えば平成十五年に民主党の伊藤英成議員からいただきました質問主意書に対する答弁書というのがございまして、短く関連部分だけ読ませていただきますと、

  行政府としての憲法解釈は最終的に内閣の責任において行うものであるが、内閣法制局は、内閣法制局設置法に基づき、「閣議に附される法律案、政令案及び条約案を審査し、これに意見を附し、及び所要の修正を加えて、内閣に上申すること」、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べること」等を所掌事務として内閣に置かれた機関であり、行政府による行政権の行使について、憲法を始めとする法令の解釈の一貫性や論理的整合性を保つとともに、法律による行政を確保する観点から、内閣等に対し意見を述べるなどしてきたものである。

以上でございます。

長島(昭)委員 ぜひ、ここぞというときには果敢に、法律の専門家として、法制局長官として意見具申をしていただきたい、このように思っています。

 それでは、自衛隊法の改正案の質疑に入りたいと思います。

 私は、この武器使用権限をめぐっては、本会議でも、あるいはこの委員会でも予算委員会でも外務委員会でも、ありとあらゆる場所で、もう何回やったか覚えておりませんけれども、させていただきました。防衛大臣にも何度か質問させていただきました。余り暗い顔をなさらないでいただきたいと思いますが。

 きょう皆さんにお配りをしたこの三角形の構造の図も、皆さんももう見飽きたのではないかと思いますが、きょうもまたこれを使って少し質疑をさせていただきたいと思います。

 まず、おさらいをしておきたいと思いますが、この三角形の意味するところであります。国に準ずる組織か否か判別できない武装集団が保護対象の邦人を襲撃しようとしている場面、つまり邦人がまだその加害者側の集団の支配下にも入っていない、助けに行く、輸送しようとして近づいていく自衛隊の保護下にも入っていない、そういう三角形の構造にあった場合に、自衛隊は、邦人をみずからの保護下に入れるために必要な、つまり加害者側からの攻撃を阻止するに必要な最小限度の武器使用すら行うことができない、こういう法案のたてつけになっている。これは、予算委員会で安倍総理自身が認められた欠陥、じくじたるものがある、こういうことまでおっしゃっておられました。

 確認ですけれども、これは、今申し上げたように、治安維持活動に抵抗する部隊に対する抵抗抑止のための武器使用とは違いますね。つまり、任務遂行型の武器使用とは違う、あるいは人質を奪還するためにする武器使用とも異なっている概念だというふうに私は思っております。自衛隊に人質の奪還とかあるいは平和の執行のための武器使用の任務を付与せよと私はこれまで言ってきたことは一度もないわけであります。

 防衛大臣、その点はここで共有をしていただけるんでしょうか。

小野寺国務大臣 これは安倍総理も、「現在、安保法制懇において、今のような事態に対して、どこまで本当に憲法が禁止しているのかということも含めて議論をしてまいります。」と答弁をされております。私も議員の問題意識は同じく共有をさせていただいております。

長島(昭)委員 私が一番こだわっているのは、日本人が仮に目の前で襲われているというような状況にあっても、これは警職法七条で認められている行為でありますが、他人に対する正当防衛が成立し得るような状況であっても自衛官だけが手が出せない、こういう状況で本当にいいのか、これが私の問題意識であります。

 それでは、二枚目の資料をごらんいただきたいと思います。

 これも私が以前御紹介をさせていただきました、梶田法制局長官の答弁です。これはどういう答弁だったかというと、ちょっと読み上げますけれども、平成二十三年の十月二十七日、参議院の外防委員会。「我が国の公務員がいわゆる自衛権発動の三要件が満たされる場合以外において武器の使用をすること、これが全て憲法第九条が禁ずる武力の行使に該当するかどうかというと、そういうわけではございませんで、武器使用の相手方が先ほど言いました国又は国に準ずる組織であった場合でありましても、憲法上の問題が生じないという武器使用の類型がある」、それは自己保存と武器等防護だ、こう言っているわけです。

 何が言いたいかというと、国または国に準ずる組織かどうかということが武器使用を認めるか認めないかの、絶対とは言いませんが唯一のメルクマールだ、こう言っているわけです。

 それで、これをこのマトリックスにまとめさせていただきました。

 一段目を見ていただきたいんですけれども、この三角形の構造の中で、相手が国または国に準ずる組織でないことが明らかになった場合、これは武器の使用を認められる。これはマルですね。しかし、そうでない場合、つまり相手が誰だかわからない。相手の主義主張などが事前にわかるはずがないので大体はこういうケースなんですけれども、そういう場合には憲法九条に抵触するおそれがあるということでバツだと。これが梶田法制局長官の答弁の骨子であります。

 一方、次の段を見てください。

 これは、私が平成二十年十月の質問主意書でも確認し、さきの通常国会でも海上保安庁長官から補足的な御答弁をいただいております。

 最初の三角形の図に戻っていただきたいんですが、仮に公海上を航行する日本関係船舶に対して、これは保護対象、日の丸のところですね、無国籍船から襲撃が加えられたとして、まさに付近に海上保安庁の巡視船が居合わせたとします。その場合、無国籍船と日本関係船舶そして巡視船が三角形をなす位置関係にあるわけです。この構造のもとで、海上保安官は襲撃から日本人を守るために無国籍船に向けて武器使用ができる、こういう御答弁でありました。

 しかも、海上保安庁長官の御答弁はこのようなものです。「海上保安庁では、もちろん、国籍不明の不審船が日本船舶を襲撃した場合、これにつきましては、この合理的な範囲において武器の使用はできます。そして、その際はどうするかというのは、襲撃されたという外形的事象に基づきまして判断をして行うということでございます。」外形的事象があれば武器使用を認める、こういうことを言っているわけです。

 マトリックスに戻ってください。

 二段目。国または国に準ずる組織でないことが明らかな場合は、先ほどの梶田答弁と同じ、公務員ですから、当然これはマルです。しかも、国または国に準ずる組織であるかどうかがわからない不審船とか、あるいは無国籍船であるとか、こういった場合でも、事前に相手がそうであるかどうかということを調べるわけではなくて、外形的事象に基づいて武器の使用が認められるということですから、これはマルなんですね。

 さて、ここで、ぜひ小松長官に御見識を伺いたいと思っているんです。

 三段目。自衛隊は、今のところ、国または国に準ずる組織でないことが明らかであれば武器使用が認められる、こういうことになっています。これはマルです。

 しかし、この法案で私が再三議論をしてまいりましたように、国または国に準ずる組織であるかどうかが不明な場合には、憲法違反のおそれがあるので、つまり国際紛争を解決する手段としての武力の行使に当たる可能性があるということで、ここは限りなくバツに近いクエスチョンマークに実はなっているんです。

 このクエスチョンマークがマルかバツかということを、今ここで小松長官にお伺いしようと思っていません。それはなぜかというと、内閣がまだ判断していないからです。内閣がどういう判断をされるかというところを見届けて、冒頭に私は確認をさせていただきましたけれども、小松法制局長官の立場から意見具申をしていただきたいと思います。

 ここで伺いたいのはその話ではなくて、この一段目のマルとバツ、二段目のマルとマル、これをどう法制局長官としてごらんになるかということであります。

 梶田答弁は、国に準ずる組織かどうかがわからない場合には武器の使用を認めない、これは公務員一般に対して認めない、こういうことを言っている。海上保安官も入るだろう、自衛官ももちろん入る、警察官も入る。「我が国の公務員が」と言っているんですね。

 ところが、二段目を見ていただいたらわかるように、私の質問主意書でも確認をさせていただいた、海上保安庁長官にも先ほど御紹介したように御答弁いただいたとおりでありまして、外形的事象によって、襲撃の事実があれば武器使用は認められる。

 しかも、私は、これは当時の外務省の国際法局長に、ある委員会で質問させていただきましたけれども、平成十三年に、不審船、工作船と追いかけっこをして最終的には沈没させた、そういう事例がありました。あのときは武器使用をしていました。しかし、あのときは、国または国に準ずる組織かどうかということを確認しないまま、不審船ですからもちろん確認なんかできませんよ。それで武器を使用して、その結果沈没して、引き揚げてみたら北朝鮮の工作船だった。まさに国だったわけですね。国または国に準ずる者どころか、国そのものだった。しかし、それがさかのぼって違法になることはない、こういう御答弁もいただいております。

 そこで、長官に改めて御質問申し上げたいんですが、この一段目の内閣法制局の判断つまり内閣の判断と、二段目の海上保安庁のこれまでやってきた法解釈も内閣、政府の判断でありますけれども、この二つの、一段目と二段目のバツとマルの矛盾というのはどう考えたらいいのでしょうか。論理的にこれが矛盾していると考えることができるのかどうか。この点はいかがでしょうか。

小松政府特別補佐人 御質問ありがとうございました。お答え申し上げます。

 私は本年八月に現職に発令されたばかりでございますが、委員が本年の常会において、予算委員会や外務委員会で本件について質疑を行われた議事録を精読いたしまして、委員の問題意識はよく理解しているつもりでございます。

 まず申し上げる必要があると思いますのは、小野寺大臣も御答弁になりましたけれども、安倍総理御自身が、私の現職発令後今日まで、内閣の憲法解釈に関連して、基本的に次のような趣旨を述べておられると私どもとして理解しているところでございます。

 現時点で、憲法第九条に関する政府の解釈は従来どおりである。他方、現在、積極的平和主義の観点から、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、安全保障の法的基盤の再構築の必要性につき、憲法との関係を含めて検討が行われているところであり、政府としては、懇談会における議論を踏まえて対応を改めて検討していく。私どもといたしましては、以上が現在の内閣の立場であると考えているところでございます。

 したがいまして、御提示になりました陸上と海上についての憲法上の解釈というところでございますけれども、そこは、今、私の立場として、以上を踏まえますと、従来の法制局長官が述べたとおりでございます、こうお答えせざるを得ないわけでございます。

長島(昭)委員 つまり、梶田法制局長官の答弁が正しくて、この二段目の、海上における邦人保護に係る海上保安庁の解釈あるいはそれに基づく行動、これは、法制局のこれまでの解釈と違うということになるんですか。

 同じ政府の中で行われていることで、明らかにこの一段目と二段目というのは違うと思うんですけれども、そこのそごについてはどう理解したらよろしいでしょうか。

小松政府特別補佐人 お答え申し上げます。

 現時点における政府の憲法解釈については申し上げたとおりでございますので、繰り返しません。

 そこで、あえて、御指摘のございました海上における事案につきまして、若干のことを申し上げることができるとしましたら、御指摘のございました質問主意書に対するお答えでございますけれども、こういうふうに言っております。

 お尋ねの事例が定かでなく、一概に述べることは困難であるが、例えば、お尋ねの国籍不明の不審船が、国籍を有していない船舶である場合、海上保安官が、海上において我が国の法令上の犯罪を取り締まるため、海上保安庁法に基づき武器を使用することは、国際法上問題になることはない。また、このような武器の使用は、憲法第九条が禁ずる武力の行使に当たらない。こういうことを言っているわけでございます。

 また、不審船を取り締まって、銃撃戦の末、沈没させたという件でございますけれども、これについても、私の先輩でございます宮崎法制局長官の答弁がございます。この答弁は、武器使用を行う時点で、対象となる不審船というのが漁船の姿を装うなど偽装をして、我が国の管轄権の及ぶ水域、排他的経済水域でございますが、ここで我が国の法令に違反する行為をしているという外観があって、相手方の船舶に対して我が国の管轄権を及ぼすことができることが明らかである。そういう合理的に認定される場合であるので、武器使用を行ったとしても、当該船舶が国に準ずる組織に属するものであることが事後的に判明したとしても、当該武器使用がさかのぼって憲法第九条の禁ずる武力の行使であったと判断されることはないということを言っていると思います。

長島(昭)委員 長官、長官がおっしゃったことは、国籍不明船であるから武器の使用ができる、すなわち、それが国または国に準ずる者かどうかわからなくても、国籍不明船だったらいいということですか、武器は使用できるということですか。逆に言うと、国籍不明船だったら、国に準ずる者である可能性は排除されるということなんでしょうか。

小松政府特別補佐人 小野寺大臣からも御答弁がございましたように、安倍総理が常会の予算委員会で御答弁になっておりましたように、委員の有しておられるような問題意識について、ここは、どこまでが憲法に違反するものであるのかということを安保法制懇で十分議論をしてもらう、それに基づいて政府として改めて検討する、こう言っているわけでございます。

 その上で、今の御質問、前者のケースでございますけれども、質問主意書の方でございますが、時間がございませんので余り長々と申し上げませんが、委員も御案内のとおり、公海上で旗国主義の原則がございまして、船籍国以外はある船に管轄権を及ぼしてはならないと。ただ、その例外がございまして、海賊でございますとか、麻薬取引でございますとか、それから国籍のない、無国籍船であるということが明らかな場合には、いずれの国の公船、軍艦も管轄権を行使することができるわけでございます。質問主意書に対するお答えはそういうことを言っているのではないかということを申し上げた次第でございます。

長島(昭)委員 無国籍船というと、国籍がわからない、国籍不明船ですよね、さっきの私の答弁書は。これは同じ概念ですか。国籍が不明ということは国籍がわからないということですから、場合によっては国籍があるかもしれない。もっと言えば、国に準ずる者が乗っているかもしれない。可能性があるわけでしょう。無国籍船とか海賊とかというのは別の概念じゃないんですか。ちょっとそこだけ、一言。

小松政府特別補佐人 申しわけございません。国籍を持っていないということと、外観上明らかでないということは、一応別のことではないかと思います。

長島(昭)委員 そういうことだと思うんですよ。ですから、それは陸だろうが海だろうが同じことでありまして、相手の、襲撃している主体の国籍がわからない、国なのか国に準ずる者なのかわからない、こういう状態では、手も出せない、足も出せない、こういうことなんですよ、今の法解釈は。

 ですから、ここはやはり、安保法制懇でしっかりやっていただいて、安保法制懇の報告を待つだけじゃなくて、最後は政治家の決断ですから、これは、小野寺大臣、僕は問題意識をずっと共有していただいていると思いますので、ぜひ法制局長官も、意見事務というのがあるそうですから、しっかり内閣に対して、内閣総理大臣に対して意見具申をしていただきたいし、防衛大臣も、自衛隊を出される責任者なんですから、そこはきちっと現場が混乱しないようにしていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

江渡委員長 次に、宮沢隆仁君。

宮沢(隆)委員 日本維新の会、宮沢隆仁であります。

 私は、もともと脳外科医なんですが、実は、防衛医科大学校病院というところに十六年間いまして、非常にこの委員会には親しみを感じておりますので、よろしくお願いいたします。

 最初は、ちょっと基礎的な質問になると思うんです。

 在外邦人の危機管理に際して、外務省が中心になると思うんですが、在外公館が機能しなければ動かない。ある外交官に聞いたところでは、外務省職員はいわゆる駐在武官がいないところでも結構丸腰で頑張っているというようなお話を聞いたことがあるんですね。その辺の事情と、あと、危険度に応じて外務省職員がどのような行動規範にのっとって動いておられるのかというのをちょっとお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

山田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、邦人保護業務におきましては、外務省の在外公館の職員その他関係職員が二次災害または二次被害の危険性がある危険な場所に赴かなくてはいけない、そういうケースは多々ございます。

 そういうことも想定しまして、私どもとしては、特に危険な地域におきましては、例えば防弾車、防弾チョッキ、無線機等の配備を行う、警備体制を強化する、また、在外職員の対応が的確なものとなるように、内外の専門家の御協力を得まして、危機管理要員研修というのを例えばイギリスの高名な危機管理会社などの協力を得まして実施する、そういうことをやっております。そういうことで、在外邦人保護の実効性を最大限上げるとともに、我々の要員の安全確保にも意を用いてまいっている次第でございます。

 ただ、危機は多様でございまして、統一的な対応方針というのをあらかじめ全ての危機について設けるということは、その性格上なかなか難しい。私どもがやっておりますのは、いろいろな危機がある、それに対して対応できるような能力、体制を強化するために、日ごろ、人的にも物的にも体制を強化している、そういうことでございます。

宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。

 外務省の職員の方も非常に苦労されているということですので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それで、今回の法案はアルジェリアの事件を契機に出されたということなんですが、もうちょっと昔にさかのぼって、イラン・イラク戦争時の事件のことをちょっと思い出していただきたいんです。

 一九八五年、イラン・イラク戦争時、イラクは日時を決めて、それ以降上空を飛行する航空機は警告なく撃墜すると宣言しました。テヘランに残された邦人二百十六人の一日も早い離脱が必要であった。日本政府は、民間航空会社に臨時便の要請をしたが、危険であるという理由による組合の反対により実現しなかった。日本人仲介者の努力により、トルコ政府の承認のもと、トルコ航空が特別機を出して救出してくれた。

 私は、改めてこの事件を思い出しまして、やはりトルコに感謝すると同時に、日本の対応はどうだったかなという疑問もちょっと持ったんですが、いずれにしても、外国で起こることですので、ほかの国との協調関係というのは非常に大事だと思うんですね。そうなると、ふだんからの各国との信頼と情報を得る努力というのが非常に重要だと思われるんですが、その辺の事前の対策はどのようにやられているかというのをお答えください。

山田政府参考人 お答え申し上げます。

 確かに、邦人保護につきまして、イラン・イラク戦争のときは、まだ自衛隊の本体業務として邦人輸送が規定されていたわけでもございません。そのころまでさかのぼって考えますと、実は、第三国にお願いして邦人の保護をしていただいたケース、または民間のチャーター機、これも、日本以外の航空会社をチャーターしたケース、または陸路もございます、陸上の輸送をチャーターで行ったケース、多々ございます。

 そういうことで、まず第一義的には相手国政府、これは外交当局だけではなくて治安機関、情報機関、軍との関係、それから第三国との関係、また外国の民間の関係する航空会社との関係、これを緊密に、信頼関係をふだんから不断に築いてまいる努力が必要だというふうに考えております。

宮沢(隆)委員 どうもありがとうございました。

 ちょっと具体的なお話になるんですが、アメリカとかヨーロッパのいわゆる先進国とは比較的スムーズに関係を保っていけると思うんですが、アフリカとか南米とかという地域との国同士のやりとりという意味ではちょっと特殊かなと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

山田政府参考人 御指摘のとおり、やはり先進国と比べますと、アフリカにおけるいろいろなインフラストラクチャー、また関係機関のいろいろなキャパシティー、いろいろな面で問題がございます。大使館員はそういう中で全力は尽くしておりますが、確かにハンディキャップがございます。

 ただ、私どもは、最近、アフリカの公館をふやすという方針で、政治的な御支援をいただきつつ努力してまいってきておりますし、今後もそういう能力をさらに高めてまいりたいというふうに考えております。

宮沢(隆)委員 わかりました。

 特にアフリカを念頭に置いた場合に、駐在武官というのはそうたくさんはいないとお聞きしたんですが、駐在武官がいる場合といない場合でどのような対応の違いがあるのかということと、駐在武官がいることによって、機能面でどのようないい点があるのかというのをちょっとお答えいただきたいと思います。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、委員御指摘のいわゆる駐在武官でございますけれども、現在、我が国の在外公館、いわゆる大使館、総領事館等三十八の在外公館、これは兼轄といいまして、一つの公館で複数の国を見ているところもございますので、そうすると、五十九館に計四十九名の防衛駐在官が置かれております。

 ちなみに、御指摘のありましたアフリカにつきましては、今、エジプトとスーダンに置かれております。

 そして、私自身も実はアフリカ勤務経験がございますけれども、やはり、防衛駐在官がいるということになると、特に、相手の国の国防関係者、制服同士のカウンターパートのつき合いというのが非常に大事でございます。そういう意味で、防衛駐在官がより多くの在外公館に配置されれば、特に相手の国の軍隊あるいは軍の関係者との関係で、一層緊密な関係を構築できると考えております。

 ただ、今申し上げたとおり、もちろんまだ、全ての大使館、公館に防衛駐在官を配置することは財政上も含めいろいろな事情があって困難なわけでございまして、そういうときは、制服ではないわけですけれども、我々在外公館の館員がその任国の国防当局や治安当局との間で可能な限り連携して、情報の入手等を図ろうと努力しているところでございます。

宮沢(隆)委員 駐在武官は非常に重要だろうと思いますが、駐在武官のあり方を機能的に変えていくとか、あるいは数をもっとふやしていくという意思はもちろんおありということでよろしいんですか。

新美政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛駐在官の派遣先公館の拡大につきましては、在アルジェリア邦人に対するテロ事件への対応に関する検証も踏まえつつ、国際情勢の変化に対応するため、派遣元である防衛省とも連携して検討を行っております。

 これを受けまして、現在、特に、委員からも御指摘のありましたアフリカ主要国、あるいはアフリカと密接な関係にある国への防衛駐在官の派遣に関しまして、防衛省から増員要求を行っているものと承知しております。

小野寺国務大臣 今、外務省から報告がありましたが、今回、アフリカ地域におきましては、アルジェリア、エチオピア、ケニア、ジブチ、ナイジェリア、南アフリカ及びモロッコの七カ国への新たな派遣に関しての増員要求を行っております。

 特に、今回のアルジェリア事案におきまして、政府専用機がアルジェに着陸する場合において、空港のさまざまな装備、施設等の情報収集はフランスにおりました駐在武官を含めヨーロッパの駐在武官が当たり、そして専門的な知識を持って、ここは政府専用機が無事に着陸できるという判断をさせていただきました。

 今後ともこのような役割もあると思っております。

宮沢(隆)委員 大臣答弁、ありがとうございます。私も、この駐在武官はやはりもっとふやしてもいいと思っております。

 次に、ここで法案の中身にちょっと入っていきたいと思うんです。

 輸送案件の要件に、「外務大臣と協議し、当該輸送を安全に実施することができると認めるときは、」という文章があるんですが、この安全という言葉の定義と、あるいは安全と認定する上での判断基準は何であるのかというのをお答え願いたいと思います。よろしくお願いします。

武田副大臣 我々の日常生活においても一〇〇%安全を担保することは難しい、これが大前提になるわけです。

 御質問にお答えしますが、正常な運航というものが可能な状況、これを安全と我々は位置づけております。外務大臣そして防衛大臣が協議の上これを決定するわけでありますけれども、その判断基準に対する御質問であります。

 やはり、施設利用、輸送経路、港湾、そしてまた滑走路、管制も含めて、いろいろな要件があると思うんですけれども、そうした安全というものがしっかりと確保されているかどうかということをまず見なければなりません。そして、航空機等が危険にさらされないかどうかということも判断材料の一角を占めると思っております。

 基本的に、この隊法改正というのは実質的な要件というものを変更するものではないし、また、慎重に総合的に両大臣が判断して命令を下すという形になろうかと思います。

宮沢(隆)委員 わかりました。

 ちなみに、最終的に安全であることを認定するのはどなたになるんでしょうか。

小野寺国務大臣 これは外務省、防衛省が協議してやることになると思いますが、今回の邦人輸送につきましては、基本的に外務大臣の要請があり、そして防衛省として政府専用機を含めた航空機を出すということになりますので、やはり外務省、防衛省、両方の協議が大事だと思っております。

宮沢(隆)委員 わかりました。

 それで、具体的事例、ちょっと想像なんですが、シミュレーションをしてみたいと思うんです。

 車で邦人を輸送中に、前方あるいは斜め前方あたりから明らかに自分たちの車を狙っている集団、ライフルを向けているとか、そういう状況下では武器を使用してよろしいと解釈していいのでしょうか。

中島政府参考人 先生がおっしゃっている状況はいろいろなシチュエーションがあろうかと思いますけれども、自分の管理下に置きます隊員ないしは保護すべき方々の身体の安全のために必要であれば、武器を使えるということになります。

宮沢(隆)委員 武器使用の判断については、長島先生もおっしゃっていたように難しいところがあるとは思うんですが、少なくとも今のお話で安心はいたしました。

 最後に、これも武器使用が絡んでくるとは思うんですが、過去に、先ほどのように、外国の軍隊によって在外邦人を救出してもらった事例があります。そのようなことがある中で、有事の交戦規則を定めて、国際法に従って危険地域の自国民を救出するのが理想ではないかなと私は考えるんですが、現時点で、邦人輸送ではなくて邦人救出へのスタンスをどのようにお考えになっているかについて、外務省、防衛省、双方からお聞きしたいと思います。

小野寺国務大臣 まず私からですが、外国で拉致、拘束されている邦人を実力をもって救出する目的で自衛隊を活用するための法的根拠というのは自衛隊法には置かれておりません。また、今回の法改正によっても、自衛隊がそのような救出をできるようになるわけではありません。

 一般論として、外国において拉致、拘束された邦人の救出、奪還といった任務を自衛隊に付与することについては、国際法や憲法との関係など各種課題があると考えております。

石原大臣政務官 宮沢委員にお答えいたします。

 在外邦人の保護は政府の重要な責務であり、その体制につき不断に検証を行うとともに、よりよい方法について検討を行うことは重要であります。

 御指摘のように、外国の領域における我が国の国民の救出については、今現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において幅広い分野で議論が行われているところから、政府としては、まずこの懇談会における議論をもって、適宜判断をしてまいりたいというふうに考えています。

宮沢(隆)委員 非常に難しい問題だとは思うんですが、私は、もう少し武器使用等についても、少しずつ考察しながら広げていってもいいのではないかと思います。

 私がこの法案についてちょっと勉強しましたところ、自民党が野党時代に小野寺大臣が大分かかわっていたということをお聞きしまして、いずれにしても、その点について敬意を表しますし、もう少し武器使用の点について議論を進めていただければと思います。

 どうもありがとうございました。

江渡委員長 次に、杉本かずみ君。

杉本委員 みんなの党の杉本かずみであります。

 安全保障委員会で初めて質問させていただきます。

 冒頭、東日本大震災で大変な活動をしていただいた自衛隊の皆様、特に、みちのくALERT二〇〇八というような形できちっと準備をしてくださっていたというところ、そしてまた直近の大島の台風における救命、捜索活動を活発に、本当に昼夜を分かたずしていただいて、そういった日夜の活動に対して敬意と感謝を心から申し上げたく存じます。

 私ごとですが、私の親族も自衛隊に籍を置かせていただいておりますので、親しみを込めて、またエールを送る意味でも、細かい大切な点を質問させていただきたいと思っております。

 まず、今回の件はアルジェリアの事件を奇貨としてということ、また、小野寺大臣が大変御尽力くださったと今も伺いましたけれども、今回のアルジェリアを除いて、地球は広いんですが、想定している地域というのが具体的にあるのか、あるいはあらゆるところなのか、ちょっと改めて確認させてください。

若宮大臣政務官 お答え申し上げます。

 杉本委員におかれましては、御親族が自衛隊にいらっしゃるとのことで、ますます力強い御支援を賜れればと思っております。

 御質問の件でございますが、現行の自衛隊法八十四条の三では、外国におけます災害、騒乱その他の緊急事態に際しましては邦人等の輸送を行うことができることとされてございます。輸送を行う地域が特定されているものではございません。また、事態の態様はテロ事件等に限定されるものでもございません。

 以上でございます。

杉本委員 ありがとうございます。

 災害等も含めて、あらゆる可能性を考えておく必要があるということで確認をさせていただきました。

 それで、常会でも参考人質疑等を含めて質疑が活発に行われ、その質疑を読ませていただきましたけれども、派遣したい先の国の同意といったものが前提になっております。しかし、派遣したい先の国というのは当然主権国家であるわけであります。

 この同意を得るに当たって、具体的にどういう形で確認するのか。例えば書面なのか、あるいは、公電を日本側が受けたところで初めて確認するのか。こういった具体的な同意の確認手続、並びに、相手の国のどういったレベルの方から同意を取りつけることを想定しておられるのか、確認させてください。お願いします。

山田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、一般に、自衛隊を他国の領域に派遣する際には派遣先国の同意を得る必要がある、これが私どもの立場でございます。

 同意の取りつけの方法でございますけれども、基本的には外交チャネルを通じて同意の取りつけを行ってきておりまして、一般的な形式としては、いわゆる口上書、外務省と在外公館との間でやりとりする文書でございますけれども、外交的な公文書のやりとりによって行われることが多いというふうに考えております。

 ただし、事態によっては、非常に緊急性が高いとか、そういったいろいろな状況がございます。したがいまして、形式については、国際法上こうでなくてはいけないという固まったルールがあるわけではございませんので、私どもとしては、相手国と十分相談の上、最もふさわしい形式によって同意の取りつけを行ってまいりたい、このように考えております。

杉本委員 ありがとうございます。

 次に、冒頭、若宮大臣政務官からお話がありましたけれども、災害等を含めて、あらゆる地域ということを考えなければならないんですが、どうしても直近のアルジェリアの事案があったので砂漠とかそういう地域を想定しがちなんですけれども、地球を広く考えると、例えばジャングルの奥地とか、あるいは天候不順が続くような気象条件とか、そういったところも想定しておかなければならないと思いますし、日ごろ舗装道路を走りなれた我々がいきなり北方領土に入ってみると、舗装道路は全くなくて、ジープのようなものに乗っても、体が揺れる感じというのが非常に残るんです。

 そういったところにお邪魔して、色丹島のイナモシリ海岸というところに行ったことがありますが、そちらに連れていっていただくに当たって、自然の川を車で渡るという。そこはたまたま浅かったんですけれども、本当に深い川といいますか、ある程度車で踏破できるような川を考えた場合に、例えば橋がない、あるいはジャングルの奥地だ、こういったところを想定すると、いろいろ質疑を聞いている限りは、高機動車、軽装甲機動車、九六式の装甲車等を想定しているやに伺っております。

 例えば、水深がちょっと深目のところを踏破して、救出というか、現地に行かなければいけないというようなときを想定した場合に、現行の装備で十分足り得るのか。装備を借りるというような議論もありますし、認められていると思いますけれども、そういった意味で、現行の装備で十分かどうか、今後充実していく意向があるかどうか、教えてください。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 車両による在外邦人等の輸送に当たりましては、今先生御指摘いただいたような車両を使用することを想定しているところでございます。

 これらの車両につきましては、一定の登坂能力、それから今御指摘ございました川を渡る渡渉能力を有しておりまして、運用といたしましては、輸送機等によりまして近傍の飛行場などまで展開する、それとあわせて運用することによりまして、さまざまな状況に対応できるというふうに考えております。

 なお、今般の法改正を踏まえまして在外邦人等の輸送の活動能力をさらに強化するということのためには、今御指摘のあった輸送、それから情報収集、通信など、必要な対応能力の向上について不断に検討していく所存でございます。

杉本委員 またちょっと関連する質問になります。

 想定は、意外と距離が短いとか、今回のアルジェリアでも五十キロ、それでも遠いということだったと思うんです。もっと山岳地帯で、もっともっと長距離というような厳しい自然条件の場合には、ひょっとすると、今議論させていただいた装備の車では燃料に不足が出るとか、あるいは食料等いわゆる兵たんと言われるものが補給を必要とするようなことがあったりするのではないか、あるいは野営をしなければならないのではないか、こういうことも想定しておく必要があると思いますけれども、その点についていかがなのかということ。

 それと、輸送という議論をしておりますけれども、その輸送の議論の中の定義上、輸送対象者を一旦待機させるというような、現地に行ってそのまま、なかなか運送ができにくい場合に、待機という状況を考えなきゃいけないと思います。

 この待機をしている状況下で、これは自己保存型の武器使用ということについてですけれども、この自己保存型の武器使用を認めることができるかということを確認させていただきたいと思います。

中島政府参考人 お答えいたします。

 車両による陸上輸送ですが、先ほど申し上げましたように、輸送の安全の確保、効率性の観点から、集合場所に可能な限り近い場所に飛行場等の輸送拠点といったものを確保した上で輸送を実施することになろうかと考えております。

 この場合、自衛隊の保有する車両の走行可能距離につきまして申し上げれば、例えば、高機動車では五百六十キロメーター以上ございます。これで、輸送機などによる近傍の飛行場などまでの展開とあわせて運用することにより、かなりの状況に対応できるのではないかというふうに考えております。

 それから、給油の御指摘をいただきました。

 こういうふうな運用をすることによりまして、給油を伴わないような形であっても、可能な限り短い時間で陸上輸送が実施できる状況を確保するよう努めることとなります。ただ、状況に応じまして長距離の輸送を実施するということになりますと、自衛隊の車両に搭載した燃料により途中で給油を行うといった対応をすることが考えられると思います。

 二点目でございますけれども、待機場所での待機の際に武器が使えるかということで御質問をいただきました。

 待機につきましては、主として、輸送対象者が空港や港湾などまで移動する車両に乗車するため集合する在外公館、日本学校などの一時集合場所を想定しているものでございます。

 一例を申し上げますれば、一時集合場所と空港や港湾などの間を複数回に分けて車両による輸送を実施するということが考えられようかと思います。

 そのときの武器使用ですけれども、一時集合場所に待機して状況把握ないしは連絡調整ということを実施する自衛官が所在するわけですけれども、それは武器の使用が認められる自衛官に含まれるものというふうに考えております。

杉本委員 ちょっと質問の順番が相前後するかもしれないんですが、自己保存型の武器使用で、報道によると、小型重火器、無反動砲、俗にバズーカ砲と言われるようなものなのかもしれないですけれども、ここについても使用可能な範疇に入ってくる、あるいは、それを閣議決定する方向にあるやに聞いておるんです。その辺の可能性、方向感について教えていただければと思います。

若宮大臣政務官 お答え申し上げます。

 現行の閣議決定は、在外邦人等の輸送の手段として航空機及び船舶を規定した現行法を前提とするものでありますことから、車両による陸上輸送を可能とする今般の改正案が成立した場合には、まずこれを見直すこととなります。

 今先生御指摘されました小型重火器、無反動砲に関してでございますが、これは、使用する武器の種類を含めまして、当該閣議決定をどのように見直すかにつきまして、現在、政府部内で検討を行っているところでございます。

 以上でございます。

杉本委員 次に、平成十一年五月二十八日の、法案が成立した後の閣議決定の方針五において、戦闘機は使用しないということを決めておられます。

 これからまた先の予定を伺って恐縮なんですが、あえてきちっと区分けをしていく必要があるという意味でお尋ねをするわけです。今次法改正後に、この車両という表現で戦車も想起できるので、戦車は使用しないということは当然そう考えられるわけなんですけれども、そういったことを決める予定があるかどうかを確認させていただきたいと思います。

若宮大臣政務官 今般の法改正によりまして、陸上輸送を行うに際しまして使用する車両、これは、条文におきましては、輸送に適する車両というふうに限定されてございます。戦車といいますと、先生御存じのとおり、中には三名ほどしか乗れませんものですから、余り輸送に適するとはちょっと思えないかなとは思っておりますが、これに該当しない戦車を使用するということは想定いたしてございません。

杉本委員 御答弁ありがとうございます。

 積極的平和外交という視点からも、我々は平和国家であるということを改めて認識していただくためにも確認させていただいた次第でございます。

 次に、実際にオペレーションに入ったときに輸送中の状況等を中間報告する必要があると思いますけれども、この情報伝達あるいは指揮命令の実行の状況の確認、これは防衛大臣と外務大臣が当然共有されると思います。

 そこの流れが、防衛省は防衛省で情報は流れてちゃんと報告が行っております、外務省は外務省で情報は流れてきちっと行っておりますみたいな形なのか。本質的に、国が一つになって邦人の身柄の安全輸送に当たるについて、情報の一本化、あるいは情報が二本あってもいいんですが、正と副の役割分担とか。こういったところを、車両を使えるという以前の航空機であったり船舶であったりという従前からの問題でもあると思うんですけれども、情報の一元管理というか掌握、分掌、このあたりについては今どんな形できちっと整理しておられるか、教えていただきたいと思います。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 在外邦人等の輸送の実施に際しましては、防衛省と外務省を中心といたしまして、政府全体で緊密な連携を図りながら行うことになります。

 自衛隊の派遣部隊に対する指揮命令、これは防衛大臣の一元的な指揮のもとで行われますけれども、情報収集それから各種の連絡調整などの政府全体としての連携につきましては、およそ三つのレベルでお考えいただければというふうに思います。

 本邦におきましては、政府の対策本部などを中心といたしまして、情報共有また各措置についても協議、調整が行われることになります。

 それと現地の活動拠点でございますけれども、ここにおきましては、在外公館と派遣部隊の現地司令部、この両者が必要な連絡調整を行うことになります。

 あとは活動の現場ですが、この際、輸送対象者のスクリーニング、誘導、引き継ぎ、輸送への同行、こういったものにつきまして、在外公館職員と派遣部隊の隊員が緊密に連携を図り、輸送の任務に対応するということになろうかと思います。

 以上です。

杉本委員 今るる伺ったんですけれども、ぴしっと一本、大丈夫ですよという感じが何となく理解できなかったので、ひとつきちっとお願いしたいということを改めてお願いしておきます。

 法案については以上で終わらせていただきたいんですけれども、今、NSC法の審議もしていただいている中で、九大臣会合、現行も行われておりますけれども、先般、防衛大臣が、防衛秘密に指定した文書の廃棄問題について省内に御指示をされたというようなことを伺っております。

 この九大臣会合、現行です、議事録はどうやら作成していないようなんですけれども、そこには内閣官房としての何らかのルールあるいは法的な縛りがあって議事録等をつくっていないやに伺っておるんです。その根拠をちょっと改めて確認させていただきたいと思います。

 私どもの立場からすると、やはり国民の生命財産を守っていただくためにバランスのとれた御判断をいただきたいと思いますが、一方で、大臣のようなバランスのとれた方でない方が着任している状況で、どういうふうに決まっていったのか、後世の人が少なくとも知る必要があるのかなというふうにも感じますので、この点について改めて確認をさせてください。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 今現在やっております安全保障会議におきましては、一つは審議内容が機微でありますこと、また一つは、関係閣僚の方の闊達な意見交換を確保する必要があることなどから議事録は作成していない、御指摘の状況でございます。

 ただし、安全保障会議の審議の概要は、事後の官房長官の会見におきまして可能な限り公表させていただいてきたところでございます。

 以上であります。

杉本委員 ルールはわかるんですけれども、その論理的な根拠というんですか、法的なのか、あるいは規則なのか、内閣によっての考え方なのか。何をもって、議事録はつくらないで闊達な議論をするということが決まっているんでしょうか。

北崎政府参考人 お答えいたします。

 公文書につきましての取り扱いのガイドラインが政府の中で決まっておりまして、安保会議につきましては議事録というものがそれに該当していないという取り扱いになっておるところでございます。

杉本委員 時間となりましたので、終了させていただきます。どうもありがとうございました。

江渡委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。法案について質問をいたします。

 六月四日の本委員会で、自衛隊による在外邦人等の輸送の要件である派遣先国の同意に関して、派遣先国が国際的な武力紛争下にある場合に、武力紛争の相手国の同意も得る必要があると考えているのか、あるいは派遣先国が内戦下にある場合には、紛争当事者である反政府勢力の同意も得るのか、政府の見解をただしました。

 法律の要件に関する政府の見解を聞いたわけですが、そのときには具体的な答弁はいただけませんでした。

 防衛大臣に改めて、政府の見解をお示しいただきたいと思います。

小野寺国務大臣 現行の自衛隊法八十四条の三において、自衛隊が他国の領域において在外邦人等の輸送を実施する際には、国際法上、派遣先国の同意が必要となります。

 今般の改正案においても、自衛隊が他国の領土において車両を用いて在外邦人等の輸送を行う際には、航空機や船舶による場合と同様に、派遣先国の同意を得ることが活動の前提となります。

 御指摘の状況がいかなる状況であるかにもよるので一概には申し上げられませんが、仮にそうした場合に、派遣先国政府から同意を得ていたとしても、輸送において予想される危険及びこれを避けるための方策を考慮した上で、当該輸送を安全に実施することができると認められない場合であれば、当該国において在外邦人等の輸送を実施することは困難だと思っております。

 このような状況で判断をしていきたいと思います。

赤嶺委員 在外邦人の輸送活動を陸上にまで広げるわけですが、相手国政府や反政府勢力の同意は、今回の法改正の中では要件とはされていないということですか。

小野寺国務大臣 あくまでも派遣する相手国政府の同意というのが前提となります。

赤嶺委員 法律上どうなっているのかということを繰り返し聞いているわけです。輸送を安全に実施することができると認められる場合というのは、これは別の要件なんですね。

 私が繰り返し聞いているのは、派遣先国の同意が、法律の要件としては文字どおり派遣先国の同意が必要なのであって、そこはおっしゃるわけですが、相手国政府やあるいは反政府勢力の同意は要件ではない、このように理解してよろしいですか。

小野寺国務大臣 あくまでも、要件としては、派遣先国の同意ということになります。

赤嶺委員 法案は、相手国政府や反政府勢力の同意がない状況のもとで、自衛隊を外国の領土に派遣し、陸上輸送を実施するかどうか、この判断を防衛省や外務省の協議という形で政府に委ねる仕組みになっているということが問題であります。

 何が起きるかといえば、相手国政府や反政府勢力の側からすれば、理由も判然としないまま第三国の軍隊が入り込んでくることになります。自衛隊を派遣すること自体が敵対行為とみなされ、攻撃の対象となるおそれは否定できないのではありませんか。

    〔委員長退席、左藤委員長代理着席〕

小野寺国務大臣 あくまでも、私どもとしては、派遣先国の同意ということが前提ということになりますし、またさらに、輸送の安全というもう一つの私どもの考慮もありますので、そういう面については万全を期していきたいと思っております。

赤嶺委員 外国軍隊による自国民保護のための輸送活動というのは、みずからが紛争当事国になりかねない、極めて危険きわまりないものであります。派遣先国政府と紛争状態にある相手側からすれば、許可なく領土に入ってきた軍隊、武器の使用等で、たとえ自分の生命、安全の防護であっても、軍隊の応戦ということになりかねません。自衛隊自身が紛争当事者になることを恐れるものであります。今までは、イラク特措法やテロ特措法というのは、法律の要件として、これらのことがきちんと書かれておりました。

 次に、陸上輸送を実施する自衛隊が携行する武器についてであります。

 これまで、外国の空港や港湾に派遣される自衛隊が携行できる武器については、先ほども御説明がありましたが、九九年五月の閣議決定で、「拳銃、小銃又は機関銃に限る」とされてきました。

 今回、陸上輸送を認めることにより、携行できる武器に変更はあるのか、対戦車、対車両用の火器の一つである無反動砲を追加するとも報じられておりますが、そういうことも検討しているのか、この点はいかがですか。

    〔左藤委員長代理退席、委員長着席〕

小野寺国務大臣 在外邦人輸送に際して自衛官が携行する武器の種類については、現在、閣議決定において、「拳銃、小銃又は機関銃に限るものとする。」とされております。

 現行の閣議決定は、在外邦人等の輸送の手段として航空機及び船舶を想定した現行法に基づくものであるということでありますので、車両による陸上輸送を可能とする今般の改正案が成立した場合には、当該閣議決定を見直すこととなります。

 なお、使用する武器の種類を含め、当該閣議決定をどのように見直すかについては、現在、政府部内で検討を行っております。

赤嶺委員 陸上輸送となると、いろいろ見直していかなければいけない分野が多々出てくる、こういうことだろうと思うんです。

 それで、六月の委員会の質疑で、戦闘ヘリを派遣する可能性について、防衛省の運用企画局長は、ただいますぐに戦闘ヘリを海外に展開させて運用することまでは想定していない、このように答弁をしておりました。想定していないだけであって、法律上できないというわけではないわけです。

 そもそも、自衛隊法上、邦人輸送を実施する自衛隊が携行する武器に関する規定そのものがありません。どういう武器を携行するかは、全て政府に白紙委任した状態になっているわけであります。翻って、PKO法では、自衛隊が携行する武器は小型武器であることが法律で決められております。

 陸上輸送を含めて邦人輸送を実施する自衛隊が携行する武器について、なぜ法律に明記しないのですか。

小野寺国務大臣 あくまでも、今般の邦人輸送に関する法律のたてつけの中で現在私どもが審議をいただいておりますのは、陸上輸送という枠を広げていただきたいということであります。

 そして、これはあくまでも邦人の輸送ということ、邦人を輸送する中でしっかりと自衛隊に課せられた任務を果たすということであります。

 その際に使用する武器の種類を含めて、この法案が成立後、閣議決定をどのような形で行うかということは、現在、政府部内で検討を行っております。

赤嶺委員 邦人輸送の範囲でずっと議論が進んできておりますけれども、先ほどの派遣先国の同意でも、海外に自衛隊を派遣するときには同意が法律の中できちんと要件となっている。今回の場合は手続の問題になっているわけですね。

 しかも、今回の法律というのは、外国領土にまで入っていって陸上輸送を実施することを認めるものであります。しかし、派遣先国の同意は、この法案の中では明記されないままであります。

 これまでの自衛隊の海外派遣にかかわる法律では、外国の領域においては当該国の同意が要件であることが明記されてきました。テロ特措法でも、イラク特措法でもそうでした。在外邦人の輸送の場合にはなぜこれを明記しないのですか。

小野寺国務大臣 今回の自衛隊法の審議をいただいておりますのは、従来の船舶、航空機による輸送に加えて陸上輸送ができるという内容でございます。

 今回、私どもがその改正に必要な審議のお願いをしている内容については、先ほど来お話をいたしておりますが、使用する武器の種類を含め、法案成立後、閣議決定を見直していくということであります。

赤嶺委員 自衛隊が外国領土に入り、これまで以上の武器の携行が認められる可能性があるにもかかわらず、そのことさえ明記されていない法律をそのまま認めることは、国会が国会の役割をみずから否定するものではないか、このように指摘せざるを得ません。

 最後にもう一点伺いますが、防衛力の在り方検討に関する中間報告では、「国際平和協力活動を柔軟に実施するため、既存の拠点の活用も含め、海外における拠点の中長期的な在り方について検討を行う。」このようにしています。

 これは具体的にどういうことを指しているのですか。既存の拠点とはどこのことで、どういう活動のために活用することを考えているのか、この点を説明していただけますか。

小野寺国務大臣 これは、御指摘ありますように、防衛力の在り方検討に関する中間報告を、現在委員長をされておりますが、江渡副大臣を中心にまとめていただきました。

 その中で、自衛隊のこれまでの活動経験に鑑みれば、今後の国際平和協力活動に関して、以下のような課題がある。今後ともアフリカなど遠隔地での活動が想定され、迅速に現地に展開し、早期に活動を開始するため、輸送面を含めた体制整備に引き続き取り組む必要があるということ、また、長期にわたるPKO活動も想定される中、派遣部隊が活動を適切に継続し得るよう、後方補給、衛生、通信、情報収集といった面で体制整備に引き続き取り組む必要があるということであります。

 こうした課題を踏まえ、国際平和協力活動を適切に実施するため、ジブチなど既存の拠点の活用も含め、海外拠点のあり方について検討していくことが必要と考えております。

赤嶺委員 場所はまだ特定できるはずがないという御答弁かなと思いましたら、ジブチと。森本元防衛大臣もおっしゃっておりますが、ジブチというのは、海賊対処のために建設した活動拠点であるわけですよね。それを別の目的に使用すると。自衛隊の海外の活動を無制限に広げていくということになりませんか。最後にお答えをお願いします。

小野寺国務大臣 この活動というのは、国際平和協力の一環として日本として行うべき活動だと思っております。積極的平和主義を含めたさまざまな支援をこれからしていこうとする安倍内閣におきまして、私どもとしても、国際平和に積極的に貢献する、その役割は重要だと思っております。

赤嶺委員 終わります。

江渡委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党の玉城デニーです。

 自衛隊法の一部を改正する法律案について、まず質問をさせていただきたいと思います。

 今回の改正案につきましては、さきの国会でもさまざまな議論、意見がございました。

 自衛隊による邦人輸送は、緊急事態において邦人輸送を安全かつ実施可能な場合に行うこと、あるいは、自衛隊が他国の領土において車両等を用いて在外邦人等の輸送を行う際には、航空機や船舶による場合と同様、その国の同意を得、事前に十分な情報を得ることが前提となること、そして、武器使用についての権限は、その職務を行うに伴い、自己の管理のもとに入った者の生命等の防護のため、やむを得ない場合等に限られるということで確認をしたいと思います。大臣、それでよろしいでしょうか。

小野寺国務大臣 今回の改正法の意義でありますが、今委員がおっしゃったように、本年一月に発生したアルジェリア邦人に対するテロ事案を受けさまざまな検討が行われました。

 改正内容の四点について、概要を説明させていただきます。

 一点は、自衛隊が在外邦人等の輸送を行う際の要件である輸送の安全についての規定を、予想される危険を回避し、輸送を安全に実施できるときと改めて、その目的をより明確に表現したということ。

 二番目は、輸送対象者の範囲を拡大し、政府職員や医師、企業関係者、家族などを輸送できるようにするということ。

 三点目は、自衛隊が用いる輸送手段として、現行の航空機、船舶のほかに車両を加えるということ。

 そして、四点目は、以上の改正に伴い、武器使用に係る規定につきまして、防護対象者を拡大し、武器使用できる場所を追加するということ。ただし、武器使用権限は自己保存型のままということであります。

玉城委員 では、大臣、これは通告にはないんですが、今回本法案が改正されることは、企業が諸外国で活動しているということを考えますと、やはり自衛隊による責任も同時に伴う。言いかえると、国益にかなうために活動している企業の活動をサポートする国全体の方向性、姿勢になるというふうに思いますが、大臣の考えをお聞かせください。

小野寺国務大臣 自衛隊に与えられた役割というのは、あくまでも陸上輸送も今回の邦人輸送の中に含まれるという中身であります。

 今回の中で、輸送の範囲を企業関係者、家族などというのは、実際、あのアルジェリア事案の場合に、当然、企業が何らかのテロ事案に遭ったとき、その企業の関係者が現地に赴くということは重要だと思います。また、御家族も現地に行きたいという場合、あくまでも安全が確保されている場合でありますが、従来の場合は企業関係者あるいは家族の方を含めた、例えば航空機の輸送というのもなかなかできなかったことに関して、今回はそれができるということになります。

玉城委員 ありがとうございます。

 前に委員会でもそのような質問をさせていただきましたが、あえて重ねて確認をさせていただきました。

 しかし、私は、海外における自衛隊の活動に関しては、やはりこのようなさまざまな議論を重ねて、抑制的でなければならないというその方針は確認をしておかなければいけないのではないかと思います。

 といいますのは、国際協調主義による積極的平和主義という言葉が、最近、安倍政権の中で特によく上がってきます。積極的平和主義。この積極的平和主義を、従来の日本の国益にかなう以外の間違った方向に絶対に進めてはいけない。自衛隊をその方向に向かわせてはいけないということは、これは最大限確認をしておかなければいけないことではないかなというふうに思います。

 大臣、その点について、見解を一言お願いします。

小野寺国務大臣 考え方としては、政府全体として進めることでありますが、もちろん、私ども実力組織を預かる防衛省としましては、自衛隊としましても、このような問題については、より慎重に、しっかりとした体制をとることが大切だと思っております。

玉城委員 ありがとうございました。

 では、法案についてはこれまでとさせていただきます。

 今度は、垂直離着陸機の調査について等々、少し聞かせていただきたいと思います。

 自衛隊は、離島における展開作戦や、災害時における機動的な活動等を目的として、平成二十五年度から垂直離着陸機の導入に向けた調査を行うという費用を計上し、次二十六年度もさらに増額して計上を要求する方向であるというふうに承知しております。

 二十五年度、二十六年度のそれぞれの計上額をお示しください。

徳地政府参考人 お答えいたします。

 二十五年度の調査事業につきましては約八百万。それから、二十六年度、今現在概算要求しておりますのは約一億でございます。

玉城委員 やはり一億円の調査費用というと、かなり本格的な予算で組んでいるなというふうに私は思います。そして、二十七年度にも導入しようと中期防に書き込んでいくというふうな報道もあるんです。

 ここでこういう報道があります。アメリカの海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの任務遂行率、稼働率に関する報告をアメリカ国防総省監査室がまとめていると、今月二十七日に報道されております。

 これは、これまでの海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの任務遂行率、稼働率に関する記録が不適切で、海兵隊がこれまで示してきたデータを信頼できないと結論づけているんですね。簡単に言うと、機体の整備が不十分なまま配備された可能性なども指摘しているということなんですが、このことについては情報を持ち合わせておりますでしょうか。

小野寺国務大臣 御指摘のような内容が記載されております国防総省内部監査報告書の要旨については、国防総省のウエブサイトに掲載されており、承知をしております。

 この報告書において、普天間飛行場に配備されたMV22オスプレイは評価の対象にはなっておりませんが、いずれにせよ、我が国における同機の整備、運用及び安全性については昨年九月の日米合同委員会合意で確認をされており、当該合意が遵守され、安全が最大限配慮されるよう、日米両国は協力していくということが共通の認識になっております。

 なお、国防総省のウエブサイトに公表されております国防総省内部監査報告書の内容、要旨につきましては、現在、米国政府に確認をしております。

玉城委員 こういうふうな情報を私がなぜ話をさせていただくかというと、監査の対象期間、二〇〇八年十月から一一年九月までの三年間、オスプレイの稼働率の算出根拠となる目録と作業記録を向こうで照合したわけですね。その結果、機体の現状が不適切に入力されていたと認められたのが二百回のうち百六十七回、九百七回のうち百十二回は整備が不十分であるということが納得できないということになったわけです。

 今大臣がおっしゃったように、この調査対象期間のオスプレイはアフガニスタンやイラクなどに配備されていたということで、この不備のあった機体がどこに行っていたのかということまでは報告はされていないそうでございます。

 しかし、米国防総省のギルモア実用試験評価本部長が二〇〇九年五月から九月に行った試験の評価結果をまとめた報告書では、オスプレイの戦闘作戦参加の信頼性を示す任務遂行率は、必要基準八二%を下回る五七%で、部品の欠陥や供給不足などが指摘されていたと。

 半分はオスプレイは飛んでいないということになるわけですね。あるいは、飛んでいないはずなのに飛んでいる。監査をした結果、そういう数字になっています。これは納得できない。

 さて、先ほど、防衛省は垂直離着陸機の調査に関して予算を計上しているということですが、アメリカ海兵隊は軍隊ですから、戦闘作戦参加の信頼性を示すのは任務遂行率というふうになっています。自衛隊の場合には、この任務遂行率というのをどういうふうにあらわしていますでしょうか。確認をしておきたいと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 国防総省内部監査報告書に記述されました任務遂行率の定義は必ずしも明らかにされてございませんけれども、米国防省が発行しております軍事関連用語辞典を参考といたしますと、任務遂行率は、特定の航空機について、付与された任務の全てもしくは一部を遂行できる機数を分子といたしまして、在籍機数を分母といたしました比率であらわしていると考えられます。

 自衛隊におきましても、運用能力を評価するため、米国とほぼ同様に、ある時点またはある期間において使用可能な状態なものをその在籍数で割ったものを稼働率というように考え、こういったものを指標としておるところでございます。

玉城委員 このような安全保障に関する情報については、国民からの信頼に応えるためにも公表すべき情報として捉えておくべきではないかというふうに私は思うんです。

 なぜなら、現在、沖縄県でオスプレイが運用されています、海兵隊によって。しかし、その運用されている事実そのものも、日米で合意、確認されている件について、違反であるということで昨年沖縄県から三百十八件について国の回答を求められています。そして、ことし十月一日から十五日までに、十二市町村から沖縄県に百二件、オスプレイの目視報告が上がってきておりまして、そのうち七十九件が、可能な限り人口密集地を避けるとの合意の違反であると。

 つまり、住宅密集地の上空を飛んでいるということ、あるいは住宅地上空ではヘリモードで飛行することを避けるとか、あるいは運用上必要な場合を除き夜間の飛行訓練を避けるなどなど、決められていることが守られていない上に、オスプレイの整備が不十分であるというアメリカ側の監査報告の内容を見ると、国の安全保障上、これからこういうこともしっかり調査をして、既に発生しているこのような合意違反についての調査報告等も含めて、国民、県民の生命及び生活や財産等にいかなる影響も与えないという姿勢を持って、原因を追求し、経緯、経過の確認、並びにその結果については隠匿せずしっかりと公表すべきであるというふうに思いますが、大臣、その点はいかがお考えでしょうか。

小野寺国務大臣 防衛省としましては、昨年十月にオスプレイが普天間飛行場に配備されて以来、沖縄防衛局が目視や撮影などでオスプレイの飛行状況の把握に努めております。その中で、今御指摘のあった報道を私も見ております。今後、沖縄県からも、このようなことについて、私どもの方に、さまざま要請なり回答を求める内容が来るんだと思います。

 私どもとしましては、現在私どもが調査している内容も含めて、これからも誠意を持ってお答えをさせていただきたい、そのように思っております。

玉城委員 ありがとうございます。

 今、NSCの特別委員会では、情報の管理などについて非常に厳しい論議が行われている真っ最中でもあります。ですが、国家の安全保障ということを考えると、そこに、国民が知るべき、あるいは国民に開示するべき情報までもが開示されず隠蔽されたまま、秘匿されたままになってしまうことになっては、国民自身の安全保障に対する考えというものを醸成することは不可能だと思うんですね。

 ですから、あるべき情報はしっかりと提示をし、そのために防衛省や国がどのような努力を行っているかということも、私は真摯に情報開示していくべきであるというふうに思います。

 きょうは、大臣には、通告していない部分まで答えていただき感謝をしておりますが、これからもしっかりと、自衛隊の活動が間違った方向に行かないために、抑制的に、平和的な、調和的な、私はあえて調和的と言いたいんですが、各国と調和した世界の平和外交に資するべき体制をとっていただきたいというふうにお願いいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。ニフェーデービタン。

江渡委員長 次に、照屋寛徳君。

照屋委員 社民党の照屋寛徳です。

 去る十月八日から十八日までの間、滋賀県の陸上自衛隊饗庭野演習場で日米共同訓練が実施され、同月十六日には普天間飛行場所属のオスプレイ二機が使用されました。

 小野寺大臣にお伺いします。

 今回の日米共同訓練の結果を受けて、防衛省が、オスプレイの安全性が示された、あるいは沖縄の基地負担軽減に資するものだとする根拠をお聞かせください。

武田副大臣 照屋先生、大臣への御質問でしたけれども、当日、国会の都合で、大臣のかわりに不肖私が饗庭野の演習場に行ってまいりましたので、ちょっと状況を御説明させていただきたいと思います。

 伊豆大島でも大変な被害が出ましたが、台風二十六号の影響を受けた、非常に天候としては悪い状況の中で訓練が行われました。米海兵隊ウィスラー司令官御自身がオスプレイに乗り込まれて演習に参加されたわけでありますけれども、その悪天候の中にもかかわらず、飛行の安定性、そして降着時にも極めて安定した降着、そうしたことを我々は確認できたわけであります。これはやはり、抑止力等に資するということはもとより、何と申しましても、災害時、厳しい天候の状況の中においても人命救助等にこの能力が十分に発揮できるということを我々は確認できた。

 あわせて、御当地には大変お世話になりましたけれども、嘉田県知事、そして福井市長等も、その能力の高さ、安全性というものを高く評価されておったということをお伝え申し上げたいと思います。

小野寺国務大臣 このように、今訓練に二機のMV22が使用されました。

 本土におけるこのような訓練は、これが一番初めということになります。私は、沖縄の負担軽減の第一歩になるように、これからも、本土での訓練についてさまざま計画し、また、地元自治体の御協力を得るように努力していきたいと思っております。

照屋委員 私は、沖縄に住む者として、わずか一日、しかも数時間の、たった二機を使った訓練で沖縄の負担軽減になるとはちっとも思っていません。県民もそう思っているだろうと思います。

 さて、きのうから沖縄で騒然となっている問題があります。

 米空軍嘉手納基地で、駐機場を拡張し、シミュレーターや格納庫などを増設する第三五三特殊作戦群エリア開発事業の計画があることが、昨日の地元二紙の報道で明らかになりました。

 当該事業計画を防衛省は把握しておりますか。事業の内容と事実関係について伺います。

山内政府参考人 委員のお尋ねにお答え申し上げます。

 沖縄防衛局から米側に確認したところ、現在、第三五三特殊作戦群の区域には、開発事業として承認されている建設工事はないという旨の回答がありました。

 あわせて、米側からは、第三五三特殊作戦群の施設は老朽化しており、将来、開発計画を検討するための情報収集が必要であり、その一環として文化財調査を予定しているとの説明があったところでございます。

 いずれにいたしましても、本件開発事業の詳細につきましては引き続き米側へ照会しているところであり、情報提供が得られれば、関係自治体へお知らせするとともに、必要に応じ米側とも協議をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

照屋委員 沖縄タイムスが報道して明らかになりました二〇一〇年作成の米軍資料、空軍特殊作戦に関する配備計画によりますと、嘉手納基地の第三五三特殊作戦群に、二〇一四年十月以降、CV22オスプレイ九機が配備されるとなっております。

 第三五三特殊作戦群エリア開発事業で嘉手納基地の機能を強化するのは、MC130特殊作戦機にかわって、空軍仕様のCV22オスプレイを配備するためではありませんか。

秋葉政府参考人 お答えいたします。

 CV22オスプレイにつきましては、米側からは我が国に配備するとの通報はなく、日本政府としては承知しておりません。

 また、御指摘の嘉手納飛行場に係る報道を受けまして改めて米側に確認いたしましたが、米国政府としては、我が国におけるCV22オスプレイの配備につきまして、いかなる決定も行っていないとの説明を受けております。

照屋委員 非常に良心的な大臣に申し上げます。私は非常に信頼しているんだ。だから言いたい。

 CV22オスプレイは、第三五三特殊作戦群に属することになっているんですよ。それを知らない知らないと外務省や防衛省が言ったら、もう沖縄県民は怒りますよ。それから、普天間に配備されたMV22オスプレイ、これにもシミュレーターが付随したんだ。今度は嘉手納にも格納庫やシミュレーターをつくると米軍は既に言っているんじゃないですか。そのための文化財発掘作業に立ち会えと言っている。しかも、急いでいるから金は米軍が出すと言っている。

 この現場は、国道五十八号線に面して、住宅街までわずか四百メートルの距離なんです。私はフェンスから約四、五キロのうるま市に住んでいますけれども、今でも殺人的な爆音がすごい。

 今、嘉手納町長を含めて嘉手納町の人みんなが、この第三五三特殊作戦群エリア開発事業に注目し、心配をしているんです。地元二紙もきょうの社説で取り上げて、計画の図面も示して報道しているのに、外務省や防衛省は、アメリカから連絡はありません、聞いておりませんと。普天間も、そう言いながら、既に二十四機も配備されたでしょう。

 どうかお願いですから、防衛大臣、そして外務省も、この百四十万県民の思いを、恐怖をぜひ取り除いてくださるように意見を述べて、質問を終わります。

江渡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。笹川博義君。

笹川委員 自由民主党の笹川博義です。

 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の自衛隊法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。

 委員各位を初め、皆様には記憶にとどめておられると思いますが、本年一月に在アルジェリア邦人に対するテロ事件が発生し、九人ものとうとい命が犠牲となられました。改めて、犠牲になられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

 この事件は、我々に、海外でのテロ等の緊急事態は日本人にとって対岸の火事ではないという教訓をとうとい犠牲の上に残しました。在外邦人の保護及び在外日本企業の安全確保のなお一層の充実強化は急務であり、政治の重い責任であると思います。

 また、この事件を契機に、自衛隊において、在外邦人等の輸送の任務につく際に、派遣先国におけるさまざまな輸送ニーズに対応できるようにすることの必要性を説く声が広く上がりました。

 今日までの議論を踏まえれば、自衛隊が在外邦人等の輸送を行う際の対象者の範囲を拡大し、自衛隊が用いる輸送手段に車両を追加し、外国におけるさまざまな緊急事態に自衛隊がより柔軟に対応できるようにすることは、まさに必要不可欠なことであると思います。それに伴い、武器使用に係る規定につき必要な改正を行うことも適切なものと考えます。

 第二に、自衛隊が在外邦人等の輸送を行う際の輸送の安全に係る規定について、その本来の趣旨をより明確かつ簡潔に示す表現に改める必要があり、現行規定については、これまで、あたかも民間機による輸送も可能な程度に安全な場合にしか自衛隊を派遣できないとの意味に解されることがありましたが、本法案により、そのような誤解を招かない表現へと改められます。この点についても評価すべきであると考えます。

 重ねて申し上げますが、海外における邦人を対象としたテロ事件はいつでも起こり得る喫緊の課題であり、本法案に含まれる各改正の内容は、速やかに審議を行い、迅速な成立を図るべきであります。

 以上、自衛隊法の一部を改正する法律案について賛成することを表明して、自由民主党を代表しての私の賛成討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

江渡委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 私は、日本共産党を代表し、自衛隊法一部改正案に反対の討論を行います。

 本法案は、海外における地域紛争、内戦、内乱を含む緊急事態に際して、邦人輸送のためとして派遣された自衛隊の活動場所を従来の空港、港湾から外国領土にまで広げ、輸送手段に車両を加え、さらに武器使用の防護対象者と使用場所を拡大するものです。

 政府は、派遣先国の同意を得て安全に実施できることが前提だと言いますが、国家間の地域紛争や内戦、内乱下において、相手国政府や反政府勢力の同意が要件とされているわけではありません。そのような状況のもとで、第三国の軍隊が外国領土にまで足を踏み入れることになれば、それ自体が敵対行為とみなされ、攻撃対象とされる危険は重大であります。自衛隊自身が紛争当事者になりかねず、かえって邦人を危険にさらす陸上輸送は断じて認められません。

 しかも、重大なことは、今回、自衛隊の活動場所を外国領土に拡大するにもかかわらず、派遣先国の同意も、携行する武器も法律に明記せず、全て政府に白紙委任されていることであります。これは国会の役割と責任を否定するものと厳しく指摘しなければなりません。

 在外邦人の保護については、在留外国人の安全確保に対する責任を各国政府が果たすことが基本であり、万一、邦人を退避させる必要が生じた場合には、民間の航空機や船舶、車両の借り上げで対処すべきです。

 以上、自衛隊の海外活動と武器使用権限を拡大する本法案は断じて容認できないことを強調し、討論を終わります。(拍手)

江渡委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 これより採決に入ります。

 第百八十三回国会、内閣提出、自衛隊法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江渡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、中山泰秀君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党及び生活の党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中丸啓君。

中丸委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    自衛隊法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺漏なきを期すべきである。

 一 自衛隊が既に活動を実施している地域以外の地域において、車両により在外邦人等の輸送を実施する場合には、当該輸送に係る情報収集や現地当局との緊密な連携等に一層配慮し、当該輸送を安全に実施することに遺漏なきを期すこと。

 二 在外邦人の保護に係る政府全体の情報収集及び危機管理に関する態勢の強化に努めること。

 三 陸上輸送を含めた在外邦人等の輸送の実施に際しては、自衛隊による輸送にこだわることなく、政府として取り得る手段の中から状況に応じ最も適切と考えられる手段を用いて、当該邦人等の安全確保に努めること。

 四 海外で活動する自衛隊の適切な武器使用の在り方については、引き続き検討を行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

江渡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

江渡委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小野寺防衛大臣。

小野寺国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたし、努力してまいります。ありがとうございました。

    ―――――――――――――

江渡委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

江渡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

江渡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十一分散会


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