衆議院

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第11号 平成15年5月30日(金曜日)

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平成十五年五月三十日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 松本  龍君
   理事 稲葉 大和君 理事 田村 憲久君
   理事 西野あきら君 理事 柳本 卓治君
   理事 近藤 昭一君 理事 牧  義夫君
   理事 田端 正広君 理事 高橋 嘉信君
      小渕 優子君    阪上 善秀君
      鈴木 恒夫君    西川 京子君
      野田  毅君    鳩山 邦夫君
      菱田 嘉明君    松浪 健太君
      松野 博一君    松宮  勲君
      三ッ林隆志君    水野 賢一君
      望月 義夫君    山本 公一君
      大畠 章宏君    小林  守君
      小宮山洋子君    鮫島 宗明君
      長浜 博行君    青山 二三君
      中井  洽君    藤木 洋子君
      中川 智子君
    …………………………………
   環境大臣         鈴木 俊一君
   環境副大臣        弘友 和夫君
   環境大臣政務官      望月 義夫君
   政府参考人
   (文化庁文化財部長)   木曽  功君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  高原 亮治君
   政府参考人
   (水産庁増殖推進部長)  弓削 志郎君
   政府参考人
   (経済産業省貿易経済協力
   局貿易管理部貿易審査課長
   )            中山 泰則君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局次
   長)           豊田 正和君
   政府参考人
   (国土交通省河川局次長) 塩島 高雄君
   政府参考人
   (環境省大臣官房廃棄物・
   リサイクル対策部長)   飯島  孝君
   政府参考人
   (環境省自然環境局長)  岩尾總一郎君
   環境委員会専門員     藤井 忠義君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十八日
 辞任         補欠選任
  木村 太郎君     松野 博一君
同日
 辞任         補欠選任
  松野 博一君     木村 太郎君
同月三十日
 辞任         補欠選任
  木村 太郎君     松野 博一君
  星野 行男君     西川 京子君
  松浪 健太君     松宮  勲君
  長浜 博行君     大畠 章宏君
同日
 辞任         補欠選任
  西川 京子君     星野 行男君
  松野 博一君     木村 太郎君
  松宮  勲君     松浪 健太君
  大畠 章宏君     長浜 博行君
    ―――――――――――――
五月二十九日
 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案(内閣提出第一一四号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八八号)
 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案(内閣提出第一一四号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――
松本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文化庁文化財部長木曽功君、厚生労働省健康局長高原亮治君、水産庁増殖推進部長弓削志郎君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課長中山泰則君、経済産業省製造産業局次長豊田正和君、国土交通省河川局次長塩島高雄君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長飯島孝君及び環境省自然環境局長岩尾總一郎君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
    ―――――――――――――
松本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鮫島宗明君。
鮫島委員 民主党の鮫島宗明です。
 今国会もいよいよ会期末がだんだん近づいてきましたが、ずっとこの委員会に出ていて、これまで質疑時間が二十五時間あったというふうに認識していますが、率直に言って、私ども、この環境委員会が余りおもしろくない。なぜおもしろくないのかと思ったら、質疑時間のうちの約半分近く、四割ぐらいが廃棄物の処理、特に産廃の処理関係の法案審議に四割ぐらいの時間がとられていて、何となく本来の環境行政じゃないんじゃないかと。
 産業廃棄物の処理は、本来それぞれの産業省庁が廃棄物処理まで考えて取り組むべきで、動脈産業と静脈産業が一体となるのが環(わ)の国ではないかと思いますが、後始末だけ全部環境省に渡せばいいやという風潮は、この廃掃法が全部環境省の所管になっていると、ますますそういう風潮になるんじゃないかと思います。
 一方で、環境関係の本来の課題である、例えば地球温暖化対策なんというのは、大変今危ないところに来ているわけでして、原発が、柏崎の七号機が動き始めましたが、まだ十六基とまったままですし、十三基ふやすはずなのが今マイナス十六になっているわけで、このままだと、恐らく第一約束期間での六%削減の国際公約が果たせないことはもう明らかですので、そういう問題に集中してこの委員会はやるべきで、余り廃棄物処理ばかりに時間を割くのはいかがなものかという気がいたします。
 私は、一番急ぐべきは、環境税の導入をやはり急がないと、多分第一約束期間への十分なインセンティブがつかないんじゃないかと思います。既に北欧からは十二、三年日本はおくれているわけですから、ぜひこの環境委員会で、余り産廃処理の話ばかりしないで、本来の環境行政の問題、新しい環境調和型の二十一世紀の社会をどう切り開くのかというところに審査の力点を置くべきだと思いますが、大臣の御感想はいかがでしょうか。
鈴木国務大臣 廃棄物行政は、今環境省を中心にやっているということでございますが、そのことについてのお尋ねであると理解をいたしました。
 御承知のとおり、平成十三年に省庁再編がありまして、この廃棄物行政は、環境省に一元化をされたわけであります。環境省、先生から御指摘のとおり、地球温暖化の問題を初め大変幅広い問題が今目の前にあるわけでありまして、それぞれ大切なものである、そのように認識をいたしておりますけれども、この廃棄物行政も環境省の行政の中核の一つである、そのように認識をしているところであります。
 生活環境保全を図るということ、これは大切なことであると思いますが、そのためには、業種にかかわらず、また廃棄物として出される物品の種類が何であれ、統一的な視点から廃棄物について発生抑制を図り、適正な処理を確保していくことが大切であると思いまして、そういう観点をしっかり環境省として担っていかなければならないと思っております。
 今国会におきまして廃棄物に関する質疑が多かったわけでありますが、これは、今国会にいわゆる産廃特措法それから廃棄物処理法の改正案をお願いして議論をいただいたということもございますが、今国会にもそのような法案を提出して今後とも取り組んでいきたいと思っております。
 いずれ、循環型社会の形成に努めなければいけないわけでありまして、環境省が統一的な視点からリーダーシップをとって努力をしてまいりますし、それから環境基本計画、これを道しるべにいたしまして、容器包装リサイクル法、建設リサイクル法など幾つかのリサイクル法がございますが、これを業所管の大臣と共管するものでございますので、こうしたものの着実な施行もあわせまして、廃棄物・リサイクル行政、これを総合的、計画的に進めてまいりたいと思っております。
鮫島委員 五分もとられて、聞かなきゃよかったという気がしますが。
 料理をつくった人が後始末をするのがやはり当たり前で、後始末は全部環境省に任せるという風潮は、私は一刻も早く断ち切るべきだと思います。これは個人的な意見ですからいいですが。
 きょうは、多くの参考人の方々に御答弁いただくことになっていますが、ぜひ答弁を短くお願いしたいと思います。
 まず、練習的な入り方をしますが、日本はワシントン条約の締約国でしょうか。
岩尾政府参考人 締約国でございます。
鮫島委員 文化庁の方にお伺いしますが、天然記念物に指定されている動物種は、絶滅危惧種でしょうか。
木曽政府参考人 天然記念物に指定されているものと絶滅危惧種は、重なっているものもございますが、そうでないものもございます。
鮫島委員 経済産業省、今インドゾウの輸入申請がなされているところで、本来は、ワシントン条約附属書1なものですから、野生のものは学術目的利用以外は日本に輸入することはできないということになっていますが、今申請が出されているのは熊本県にある阿蘇くま牧場というところですが、この阿蘇くま牧場というのはインドゾウの受け入れに適切な施設でしょうか。
中山政府参考人 先生御指摘のとおり、阿蘇くま牧場というところから、スマトラゾウを五頭借り受けたいという話がございますが、そこの受け入れ先の施設につきましては、この牧場が社団法人日本動物園水族館協会の会員でございまして、特に問題がないと承知をしておりますが、一応、審査に当たりまして、収容設備につきまして図面や写真等なども提出してもらっております。それから、象の世話をする人員も確保されているというふうに承知いたしております。
鮫島委員 だから、これは経済産業省が判断すればいいのか。では、今の場合、阿蘇くま牧場は、学術目的として輸入される野生種の受け入れ先としても十分ふさわしいという意味でしょうか。それとも、今申請されている、スマトラゾウという種類はないと思いますが、今申請されているインドゾウは野生じゃなくて人工環境で繁殖したものだ、だからいいんだということなんでしょうか。それとも、野生種であっても、この阿蘇くま牧場は受け入れられる施設なんでしょうか。
中山政府参考人 今、私どもに申請が参っておりますのは、この象は、学術研究目的ではございませんで、サーカスそれから展示等のために借り受けるということでございます。
鮫島委員 文部科学省に伺いますが、では、学術目的として野生種を導入したいというとき、その動物園の備えるべき要件というのは、法律的にどう規定されているんでしょうか。
木曽政府参考人 御質問の件でございますが、文化庁としては、文化財保護法の体系の中で保護を図るということでございまして、学術的な観点というのはもちろん文化財保護法の体系の中に入っておりますが、文化財保護法の観点というのは、何より……(鮫島委員「ちょっと違う。答弁が違う、内容が」と呼ぶ)
鮫島委員 もう一回質問し直しますから。
 ワシントン条約の附属書1に記載されている種は輸入禁止なんですが、特に商業目的の国際取引は禁止ですが、学術目的の取引は例外的に可能。
 それで、その場合に、例えば動物園で、社会教育のために受け入れますという場合は可能なわけですね。ところが、では、動物園という看板があればどこでもいいかというわけでもないと思うんです。クマ牧場みたいのもあり、シカ牧場みたいのもあり。だから、その場合、この動物園はちゃんと学術目的、つまり社会教育的機能を果たす動物園として認知されている、その認知は何を根拠に行うのかと。
木曽政府参考人 失礼いたしました。
 社会教育的な観点で、博物館法というものがございます、その博物館法で規定された博物館ということであれば、基本的に社会教育あるいは学術目的に資するというふうに判断をしておるところでございます。
鮫島委員 もう一回経済産業省に。
 熊本県の阿蘇くま牧場というのは、今の博物館法で動物園というふうに認知されている動物園でしょうか。
中山政府参考人 恐縮でございますけれども、博物館法上の動物園という定義に当たっているかどうかというところは私ども確認いたしておりません。
鮫島委員 このホームページで見ると、クマと犬ぐらいしか、あと馬とか、子供の触れ合い広場とかがあって、クマに芸をさせて見せているところでして、余り博物館法に基づくいわゆる学術的な施設じゃないわけですね。だから、多分これは博物館法に基づく施設ではないと思います。
 ですから、この動物、象が野生種だったら大変なことになるわけですよ、学術目的じゃないのに輸入されちゃうということになりますから。だから、これは野生種なのか、それとも人工環境で繁殖したものなのかというのを厳密に審査しなければいけないんですが、今、経済産業省はどういう審査をしているんでしょうか、この阿蘇くま牧場の社長さんから申請書が出されたと思いますが。野生種か繁殖種かというのは、どういう審査をしておりますか。
中山政府参考人 おっしゃるとおり、展示、サーカス等のために輸入する場合には野生由来のものは認められないということでございまして、この場合、私ども今審査をしておりますのは、輸出国側で輸出許可書を発給してもらう必要があるんでございますが、この輸出許可書には、当該個体の由来に応じて、野生か繁殖かといういわゆるソースコードを記載することになっております。これは輸出国側の責任において記入するものでございますけれども、そのようなものを含めて確認をさせていただいているということでございます。
鮫島委員 今の阿蘇くま牧場に導入される予定のインドゾウ五頭についてはソースコードがCというふうになっていますから、これは繁殖でふやした象だということになっていますが、大体、この野生動物の輸出国は、言っちゃ悪いけれども、開発途上国が多くて、リベートのききやすい国が多い。リベートがききやすい。ですから、書類にソースコードでCと書いてあっても、本当に野生種か繁殖種かというのは、なかなか確かめるのは悩ましいところがあると思いますが、書類審査以外のことはやっていないんでしょうね。
中山政府参考人 基本的には書類審査でございます。
鮫島委員 厚生労働省高原健康局長にお伺いしますが、インドゾウは検疫の対象になるでしょうか。
高原政府参考人 動物検疫につきましては私どもが答える立場ではございませんが、感染症法上の検疫対象にはなっておりません。(鮫島委員「なっていない」と呼ぶ)はい、検疫法上。
 失礼いたしました。感染症予防法上の検疫対象動物にはなっておりません。
鮫島委員 健康局長、何か腰が痛くて不健康で出られないという話だったけれども、きょう、出ていただいて恐縮でございます。
 今話題になっているハクビシンは検疫の対象になっているんでしょうか。
高原政府参考人 動物検疫ではなく新感染症法におきます体系で御説明申し上げますと、現在、WHOから、中国において食用に販売されている野生のハクビシン及びタヌキからSARS類似コロナウイルスが分離された、イタチアナグマからSARSに対する抗体が検出されたということで、注意喚起が出ております。これを受けまして、私どもといたしましても、共通感染症対策ガイドラインに沿って注意喚起を行っておる次第でございます。
 感染症法の体系におきましては、知見がある程度集積されますと、政令指定をいたしまして、動物の輸入検疫を導入することができることになっております。
鮫島委員 いやいや、ちょっと、短く答えてくださいというのを守っていただきたいんです。
 では、もっと直接聞きますが、きょう現在、輸入業者がハクビシンを輸入しようとした場合、何らかの制約がありますか。
高原政府参考人 動物輸入業者等に対して自粛をお願いすることになると思います。
鮫島委員 厚生労働省として輸入禁止措置はとっていないわけですね。そういう行政指導は行っていないのですか。
高原政府参考人 近日中に新感染症法に基づきまして政令指定いたしまして、動物の輸入を含め検疫を強化する方向で検討しております。
鮫島委員 今、動物検疫の対象とするための根拠法は、食品として輸入される場合は食品衛生法に基づいてやります、それから、牛や豚など家畜との共通病害を持っているものについては家畜伝染病予防法に基づいてやります、それから、今おっしゃった人間と共通の病原菌を持っている場合は感染症法でやりますと。
 SARSは、この三つともまだ対象になっていないから、SARSを持っている動物が入ったとしても今日本では法的にはとめようがないという状況だと思いますが、割合のんびりしていますね。いいんですか。
高原政府参考人 新感染症法によりますと、新感染症という扱いができておりまして、これにおきまして、若干の知見が集積されますと政令指定を行いまして、動物の輸入検疫を導入できる仕組みとなっておるところでございまして、現在その方向で努力しております。
鮫島委員 確かに、まだ必ずしも、ハクビシンから見つかったSARSコロナウイルスが人間から見つかったものと同じだというところまでは進んでいないと思いますが、少なくとも抗原抗体の相互の反応はするということが確かめられている。つまり、人間のSARSウイルスの抗体がハクビシンから見つかったコロナウイルスと反応する、それから、ハクビシンから見つかった抗体が人間のSARSウイルスと反応する。
 それで、抗体として反応するというのは、非常に類似性が高くて、今、BSEの最終的な異常プリオンの判定もウエスタンブロット法というのでやっていますが、あれも抗原抗体反応を利用して最終的な同定をするわけですから。抗原抗体として反応するというのは、科学的に言えば非常に近い可能性があるわけで、その意味では、行政指導を日ごろからしょっちゅうやっているわけですから、ぜひ輸入業者に対してハクビシンの輸入禁止ぐらいとるのが当たり前だというふうに思いますが、まあこれ以上はいいです。
 ただ、このハクビシンとかこういう動物については、ペットショップにかなりいろいろなものが入っていると思います。ペット産業の育成に関しては経済産業省が所管していると思いますが、経済産業省は、こういう人畜共通病害のおそれのあるもの、つまりペットに付着して日本に入ってくる人間の健康に被害を及ぼすもの、これを防止する措置というのは経済産業省の貿易審査課として何かとっているんですか。フルーツコウモリなんというのも人畜共通病害の宿主として知られていますが。
中山政府参考人 大変に恐縮でございますけれども、私のおります貿易審査課というのは輸出入の規制という観点から見ておりまして、ペット業界への国内での指導という観点では行政を行っていないものでございますから、その点については、申しわけございませんが、お答えできないということでございます。
鮫島委員 ただ、こういういろいろな動物に対して輸入申請が出たときに、この書類は厚生労働省の方に自動的に回るんですか。こういう、今の阿蘇くま牧場から出てきたような、サーカスとしてインドゾウを入れたいみたいな話は回るんでしょうか。
中山政府参考人 厚生労働省の方には書類は回らないようになっております。
鮫島委員 そうすると、いろいろな動物がペットとして入ってくる場合、厚生労働省として対象とする動物の範囲というのは、さっき言った感染症法。家伝法、家伝法は違うんですね、農林水産省だから。食品衛生法。そうすると、かなり対象外の動物、いわばフリーパスでどんどん日本の税関に入っちゃう。経済産業省は、これは動物というより物として、おもちゃとして扱うから、別に厚生労働省に書類も回さない。かなりフリーパスの範囲というのが広いんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
高原政府参考人 委員御指摘のほかに、狂犬病侵入予防の観点から、狂犬病予防法に基づきまして、犬、猫、キツネ、アライグマ、スカンク、エボラ出血熱、マールブルグ病に関しまして猿、プレーリードッグについてペスト、そういうふうな観点で現在やっております。その他さまざまな動物関係感染症に関しまして議論がなされておるところでございます。
鮫島委員 では、逆な聞き方をしますが、今問題となっているハクビシンは狂犬病予防法の対象外でしょう。それから、ニパウイルスで問題になっているフルーツコウモリも、この四つの法律と関係ないですよね。だから、いろいろなものがフリーパスで入っているという事実を国民にもちゃんと知らせるべきだし、こういう行政の欠落部分を何らかの形で埋める措置を早急に私は厚生労働省にとってもらいたいと思います。
 そういうことを環境省の方からも、そういう点をぜひ、調整官庁としての側面も強いわけですから、厚生労働省にそういう要請を行うのは私は全然おかしいことじゃないと思いますので、ぜひ大臣からもそういう督励をよろしくお願いいたします。
 先ほど、ワシントン条約附属書1記載の動物、日本はワシントン条約の締約国、ワシントン条約附属書1記載の動物は、これは絶滅危惧種という御認識でしょうか。
弘友副大臣 御承知のように、ワシントン条約の附属書1につきましては、現在絶滅の危機に瀕していると科学的報告がある種でありまして、一定期間を超える国際取引により、その種が絶滅しかねない影響を受けている、または受けるおそれがあるものが掲げられております。これは、ジャイアントパンダだとかチンパンジー等でございます。
 なお、掲載種は、二年に一度開催されます同条約締約国会議において見直しが行われているというところでございます。
鮫島委員 二年に一回ずつ見直すというので、本当は日本からもいろいろな意見を述べるべきだと思います。
 ただ、この附属書1記載の動物の中に、ツキノワグマ、アジアン・ブラック・ベアというのが入っていると思います。ヒマラヤにいるヒマラヤグマと日本のツキノワグマがアジアン・ブラック・ベアとして分類されていますが、この附属書1に記載されているツキノワグマが、鳥獣保護法のもとでは狩猟の対象、狩猟鳥獣というふうになっているんですが、これは、日本はワシントン条約締約国として、ワシントン条約軽視あるいは無視ではないんでしょうか、附属書1の絶滅危惧種であるにもかかわらず、ツキノワグマを狩猟対象にしているというのは。
鈴木国務大臣 御指摘のツキノワグマでございますが、先生御指摘のとおり、ワシントン条約の附属書1に掲載されているものでありますが、日本国内におきましては絶滅のおそれが認められないということ、それから農林業被害も出ているということから、国内希少種には指定をせずに、鳥獣保護法による規制のもとで一定の捕獲を認めつつ保護管理を行っているところであります。これはワシントン条約で禁止をされるところではございません。
 私どもといたしましては、国内において絶滅のおそれが生じないようしっかりと措置をするとともに、ツキノワグマにつきまして、ワシントン条約の目的である種の保存を十分に踏まえて、輸出入の管理、これについて的確に行ってまいりたいと思っております。
鮫島委員 では、ツキノワグマについては、国内での商取引も一定の条件のもとで許可されているわけですね。イエスかノーかだけでいい。短く答えてください。
岩尾政府参考人 捕獲されることもございます。(鮫島委員「いやいや、国内の商取引は許可されていますね、一定の条件のもとで」と呼ぶ)捕獲した後の毛皮利用の目的ですとか、肉を目的とする理由ということでは、そのような目的があると思います。
鮫島委員 そうすると、ワシントン条約では絶滅危惧種として附属書1に記載されていても、日本の政府の判断で、これは別に絶滅のおそれはないと思えば狩猟の対象にして、クマノイをとるために殺してもいい。そうすると、ワシントン条約の附属書1というのはそれほど軽いものなのか。
 ここにはジュゴンも入り、アマミノクロウサギは入っていないんだな、ジュゴンとかタンチョウヅルとか、みんな附属書1に入っていると思いますが、つまり、非常に日本は不思議で、天然記念物として指定されている希少種もあり、あるいは鳥獣保護法の中で規定されている希少種もあり、それから今度環境省が希少野生動物種として指定した六十二種もあり、ばらばらの根拠法によって、いろいろな動物がいろいろな指定のされ方をしている。例えばジュゴンとかアマミノクロウサギというのは特別天然記念物にも指定され、そして鳥獣保護法の中でも希少鳥獣として指定されていますが、今度環境省が指定した国内希少動物種には入れていないんですね、アマミノクロウサギもジュゴンも。これはなぜでしょうか。
鈴木国務大臣 アマミノクロウサギを国内希少野生動植物種に指定していないということでございますけれども、アマミノクロウサギ、これは学術的にも重要な種であるというふうに認識をしておりますので、環境省といたしましては、現在、出先機関を通じまして、アマミノクロウサギの生息情報の収集を行っているところでありまして、今後さらに詳細な生息状況の把握に努め、それと同時に、保護の重要性について関係地域や関係機関の理解を得るよう努めまして、アマミノクロウサギの国内希少種指定に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
鮫島委員 これはBSEのときもこういうことがさんざん問題になったんですが、いわゆるアセスメントとマネジメントを分けて考えないと、混乱するわけですよね。
 アマミノクロウサギが絶滅の危機に瀕している、世界的に見ても希少種だというのは、もうこれは共通認識だと思いますが、開発側の官庁、国土交通省、農水省との調整があるので保護区の指定ができない、したがって環境省の腰が引けちゃうというのはリスクマネジメントの話で、リスクアセスメントとしては希少動物種あるいは要観察種として何らかの形でリストアップすべきであって、最初からほかの役所の顔色うかがって、どうも金と力がない環境省としてはそこまで言えないというので、その六十二種に縮んじゃうということ自身、私は大変おかしいと思います。
 それから、先ほど、ワシントン条約の附属書1に記載されていても国内的には絶滅の危機に瀕していないんだから、商取引しようがある一定の条件で撃とうが自由だというのは、約三十年考え方がおくれていて、そういうことをやっていると絶滅しちゃうからやめましょうというのが、ワシントン条約を一九八〇年につくったそもそもの理由なんですよ。だから、商取引の対象にするとどんどん減っちゃうのは当たり前なんですよね、家畜以外は人工環境下でそう簡単に繁殖しないんだから。だから、三十年おくれているんですよ。
 ワシントン条約が間違っているんなら間違っているということで附属書1から外さなくちゃいけないし、載っている以上は絶滅危惧種として、そんな、毛皮とかクマのなべとか、クマノイとかをとったり商業利用しちゃいけないということをちゃんと、私は、環境省として、野生動物に責任を持つ省庁なら。ツキノワグマも非常に困っているわけですね。ワシントンでは高く評価されているけれども、日本にしたら狩猟の対象、僕はどうすりゃいいんだというツキノワグマの声をお伝えして、私の質問を終わります。
松本委員長 近藤昭一君。
近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。
 今回の法律の一部改正案につきまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 早速、質問に入りたいと思いますが、今回の法改正は、従来国が指定する公益法人に行わせることができるとされていた国際希少野生動植物に係る登録、認定関係事務について、国により登録された機関に行わせるものとする、こういうものであります。
 確かに、この改正によって行政裁量の余地がなくなるという側面もあるのかもしれませんが、想定されている今回の登録基準で、いわゆる今まで政府が果たしてみえた、政府が目標としてみえた責任というものを維持することができるとお考えなのか。例えば、登録、認定関係事務を行う登録機関が、違法な原材料、例えば象牙とかから成る製品をつくった業者と裏で結託をして虚偽の認定を行う、こういうこともあるのではないかと思いますが、こういうことに対していかにチェックをされていかれるのか、御説明をいただきたいと思います。
弘友副大臣 今回、認定事務を行う機関の登録の要件といたしまして、象牙業者など認定関係事務の利害関係者が認定機関の親会社となっていないこと、また認定機関の役員または職員に利害関係者の役員または職員を含まないことの二点を法律上定めております。認定機関の登録を受けることができる者を関係業界から中立で公正な業務を行うことができる者に限り、その中立性、公正性を担保しているところでございます。
 なお、これに加えまして、認定機関に対して主務大臣による報告徴収及び立入検査も行えることになっていることから、環境省といたしましては、こうしたチェックを適宜実施することによりまして、認定業務が適法に実施されるように努めてまいりたいというふうに考えております。
近藤(昭)委員 いろいろと基準ができても、そういうところをくぐってくる、そういう業者も出るのではないかと大変に心配をしておるわけであります。
 ただ、私自身の思いとしては、行政改革の側面、あるいは今私の質問の中でも申し上げさせていただきました一方での行政裁量、これが一方で強過ぎると、またこれも問題だという観点からすれば、方向性としては今回の改正もあるのかなというわけであります。
 ただ、今副大臣の方からいろいろ御説明があった、そういったチェックをしっかりやっていただきたいという側面と、これはもちろんお願いをするわけでありますが、一方で、先ほど鮫島議員の方からもいろいろと話がありました、環境委員会としては、やはり環境、この法案に関しますと、絶滅のおそれのある野生生物をきちっと守っていく、こういう側面からきちっとこの委員会はあるべきだと思うわけであります。そういう観点から考えますと、今回の法改正、これはどちらかというと、保護そのものというよりも、そういう行政のあり方の側面が強いと思うんですね。
 そういう意味では、私は、やはり将来的には、今回こういう改正案が出てきたわけでありますが、今、鮫島議員の質問の中でも、いろいろと私も聞いておりましても、また私自身も今回の質問に関していろいろと関係方面からお話を聞いたり、私自身も勉強させていただくと、なかなかきちっといっていないところがあるのではないか。ですから、私なんかの思いでは、環境委員会の本来の仕事は、今回のこういった事務の関係だけではなくて、もっと法そのものの問題点、その方面をチェックし改正していくときではないかなというふうに改めて思ったわけですね。
 そういう観点から、今の副大臣にお答えいただいたことももちろんしっかりやっていただくとともに、将来的な、今回の改正案とは違うところをもっともっとやっていくべきだという思いを持ちまして、ちょっと幾つか質問をさせていただきたいというふうに思うんです。
 今、鮫島議員の方からも質問がありました。もう一度改めてお聞きしたいわけでありますが、ワシントン条約附属書1に記載されている動植物、すなわち絶滅のおそれのある動植物は、学術目的外の輸入は原則として禁止されておる、学術目的か否かはどのように審査するのか。先ほどの質問の中にもあったんですが、改めて経済産業省そして環境省に、流れといいましょうか手続をお聞きしたいと思います。
中山政府参考人 先生御指摘のとおり、ワシントン条約の附属書1に掲載されている動植物の国際取引につきましては、条約の発効前に取得されたものあるいは人工的に繁殖されたものを除きまして、学術研究目的の場合にのみ認められております。
 具体的には、研究内容が当該種の繁殖その他の生物学的研究に関するものであること、それから、申請者の要件といたしまして、これらの研究を行う能力を有する動物園などまたは試験研究機関であることとしまして、また、生きた個体を輸入する場合には、十分な受け入れ施設が整備されているかどうかという点についても審査を行っております。
岩尾政府参考人 環境省の役割といたしましては、今の経済産業省のように輸入許可書を発給する機関に対しまして、私ども、科学当局という言い方を条約の中で言われておりますが、助言する立場にございます。
 陸生動物に関しては、この科学当局が環境省でございますので、個々の輸入が種の存在を脅かす目的のために行われるものではないことを確認すべく、このような学術目的輸入の審査に当たっては、輸入申請者のこれまでの研究実績、研究計画書などから、学術研究目的と認められるか否かを総合的に判断して、その結果に従いまして、管理当局たる経済産業省等に助言を行うということになっております。
近藤(昭)委員 第一義的には、輸入の手続でありますので、まずは経済産業省がチェックをする。そこに環境省も、科学当局ですか、何か助言をするというふうにお聞きした。
 ところで、先ほども鮫島議員の質問の中でお答えもありました、これは書類審査以外はどのようなチェックを具体的にされているのでしょうか。もう一度お答えをいただきたいと思います。
中山政府参考人 具体的な審査方法でございますけれども、先生御指摘のとおり、基本的には書類審査でございますけれども、特に生きた個体を輸入する場合におきましては、施設が適正であるかどうかを確認するために、飼育舎の図面でございますとか写真を添付させる、それから場合によっては必要に応じて現地調査なども行いまして、受け入れ体制が十分であるかどうかということについて審査を行っているところでございます。
近藤(昭)委員 悪い方へ悪い方へと考えるのはよくないのかもしれませんけれども、実際問題で、不正輸入が発覚した事例がありますね。表向きは動物園が輸入するという書類、立派な施設の写真、今、飼育舎の図面のお話も出ましたが、多分これは図面としては立派な図面がついていたのではないかなと想像するわけでありますが、そういった施設の写真が添付され、ところが、実際は個人でやっている動物園で、不正輸入の隠れみのに動物園という名称をつけていたというケースがあったのは御存じだと思いますが、いかがでしょうか。
中山政府参考人 過去においてそのような例があったということは承知いたしております。
近藤(昭)委員 そうしますと、その後、何か輸入手続につきまして改善をされたのか。今、お答えの中にも、場合によっては現地調査をされるとおっしゃっておられましたけれども、場合によってはというのは、どういうような場合をおっしゃっているのか、あるいはどれぐらいの割合でそういうことをやっていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
中山政府参考人 どのくらいの比率というのは、ちょっと今、手元にあれがございませんけれども、例えば、先ほどもお名前が出ました動物園水族館協会の会員の施設であれば基本的には大丈夫なのではないかという想定で行っておりますが、逆に申し上げると、それ以外の施設の場合には、ケース・バイ・ケースで、先ほど申し上げたような現地調査も必要であると判断する場合にはするようにいたしております。それから、書類審査と申しましても、実際に輸入の申請をしていただくときには、大体、基本的には窓口においでいただくということになっておりまして、その際に十分なヒアリングなどを行うように努めているところでございます。
近藤(昭)委員 何か動物園協会ですかに加盟をしていればそれは大丈夫じゃないかという想定というお答えがありましたが、先ほど私が質問しました動物園については、協会に加盟をしておられたんでしょうか。そのことをお聞きしたいと思います。
 それと、もう一度、ケース・バイ・ケースということでは場合と同じでありまして、どういう場合にもう一度チェックを入れられるのか、そのことをお聞きしたいというふうに思います。
中山政府参考人 過去に不正の輸入があった事例に関しましては、私どもに申請があったのは、この協会の会員の施設に輸入する、置くという申請であったのですが、それが虚偽であるということが後になってわかったという事例でございます。
 それから、ケース・バイ・ケースということでございますが、これはなかなか一律に申し上げるのは難しいんですが、基本的には、ヒアリングそれから書類審査で、いろいろな目で審査をいたしまして、疑いが出てきた場合にはためらわずにやるという方針で臨んでいるところでございます。
近藤(昭)委員 今のお話ですと、私がお聞きをした不正輸入にかかわった動物園というのは協会には入っていたということですね。これは、動物園協会の主管というのは文科省になるんですか、どちらになるんですか。
 そしてまた、その事例では、協会の会員という方が、ある意味大変に問題があるというところがその協会として認定をされていたということでありますが、そのことについては何か改善とか、先ほどもちょっと申し上げましたが、一義的にはいろいろと審査をして面談もして、そういう中で、疑わしきは現地にも行ってチェックをするということだと思うんですが、何かもう少しいろいろと審査の条件を厳しくするとか、あるいは疑わしきものをどういう条件の場合にはチェックするとか、そういうことは何か新たにお決めになったのかどうかをお聞きしたいと思います。
中山政府参考人 その不正輸入の事件がありました後に、私ども、必ずしも善意のものでない者による輸入ということがあり得るということを学んだものですから、基本的に、書類上それからヒアリングで疑義が出てきた場合には、現地調査も含めまして前向きに対処していくということを実施してきているところでございます。
近藤(昭)委員 そうしますと、やはり、この事件が発覚してからは、現地調査みたいなものはふえたんですか。あるいは、環境省にもお伺いをしたいんですが、環境省の立場から、経産省とどのように連携をしてというか、環境省の立場からどのようにこの問題について改善をされたのか、お伺いをしたいと思います。
岩尾政府参考人 私ども環境省が輸入等々の助言を行うに当たりましては、従来から、経済産業省の保有している情報ですとか関係者の意見、過去の経緯など、判断に必要な情報を得て実施していたところであります。
 先生御指摘のようなことがあるということで、これらの措置を通じて一層実効のあるチェックが行えるよう、経済産業省と環境省が連携して対応していくということが必要だろうと思っています。
中山政府参考人 先生から今御指摘がございましたような点も踏まえまして、経済産業省としても、今後一層、前向きに努力してまいる所存でございます。
近藤(昭)委員 質問時間も限られておりますので、次の質問に行きますが、今お言葉の中にあった前向きにとか、あるいは実効あるチェックというのはなかなか中身がはっきりしないわけでありまして、先ほど、私の質問の冒頭といいましょうか途中で申し上げましたように、このチェックが実効あるものにできるようにする、それは法改正が全部ではないと思いますが、やはり、そういう法改正、そして法改正に関連してさまざまな現場での改善をお願いしたいというふうに思うわけであります。
 次の質問に行きたいと思いますが、不正に輸入をされた動物がいたということが発覚すると、その後の取り扱いについてちょっとお伺いをしたいと思います。
 ことしの四月に、シンガポールから関西国際空港に到着した乗客の荷物から、ワシントン条約で商取引が規制されている希少なカワウソ九匹が見つかった、こういう事例があったわけであります。現在、これらの生き残ったカワウソのうち、かわいそうに、カワウソ三匹しか残っていないわけでありますが、海遊館に預託されていると聞きます。この三匹は、これらは希少な動物でありますね、原産国に返される予定なのかどうかをお伺いしたいと思います。
中山政府参考人 今御質問にありました、我が国の水際で摘発されました生きている動植物につきましては、ワシントン条約上は、輸出国と協議の上、輸出国に返送するか、もしくは輸入国側において適切と判断する保護施設で保護しなければならないというふうに規定されております。
 しかしながら、実際には、輸出国側における受け入れ体制や費用負担などの問題がございまして、輸出国側への返送には困難が伴うケースが非常に多うございます。大半は、国内の動物園、水族館、植物園などにおいて寄託管理されているところでございます。
 今先生御指摘のありましたカワウソでございますが、当初、海遊館というところに保護されておりましたけれども、種の保存の観点から、保護増殖に資する最も適切な保護を行うという観点から、動物園水族館協会の調整によりまして、国内の複数の水族館において保護飼育されているところでございます。
近藤(昭)委員 そういう規定がある中で、そのカワウソは国内で飼育をしているということなんでありましょうが、ただ、規定としては、返すこともできるという規定があるわけであります。
 そこで、お伺いをしたいと思うんですが、今までに、この返還規定に基づいてどれぐらいの希少動物が原産国に返還されたのか、お話を聞きたいと思います。経済産業省また環境省、お答えください。
中山政府参考人 種の保存法の第十六条第一項で、経済産業大臣は、外為法に基づく輸入の承認を得ないで希少野生動植物等の個体などが輸入された場合において、必要があると認められる場合には、その個体を、輸出国内または原産国内の保護のために適当な施設や場所を指定して返送することができるとされております。
 これまでに、この規定に基づいて返送命令を行った実績はございません。
 ちなみに、平成五年の種の保存法施行後、相手国政府の要請などに基づきまして、返送命令によらずに輸出国に返還した例としましては、平成十一年にオランウータン等をインドネシアに返送した例がございます。
近藤(昭)委員 返送された例がないというのは、規定はあっても行われていない、ほとんど返送されていないということですね。
 ただ、今御指摘のあったオランウータンの、これは一九九九年六月の四匹のオランウータンの返送のことをおっしゃっているのかもしれませんが、これは随分とNGOの皆さんが努力をされてやられたというふうにお聞きしておりますというか、それを送り返すための努力をされた実行委員会でしょうか、そういうグループのパンフレット等も、私、見させていただきました。これにつきましても、NGOの皆さんがきっちりと努力されなければ、日本の国内の動物園に預託されたままではなかったのかなと、大変に危惧をするわけであります。
 そういう意味では、それぞれ、場合によっては返還するものもあって、あるいはそうでないものもあるのかもしれませんが、これについて、やはりきちっとガイドラインをつくるべきだと思いますし、私は、当時のことで言えば、オランウータンのことは、もっと環境省、経済産業省とも連携をして、国がリードをして返還するべきではなかったかと思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
鈴木国務大臣 先ほど来御答弁をしておりますとおり、違法に輸入された生きた動物、これが押収された場合には、一つは、国内で保護飼育をする、それからもう一つは、原産国へ返送を行うということが考えられるわけであります。
 先ほどもございましたが、種の保存法第十六条、原産国への返送命令の規定というのが整備をされているわけでありますけれども、単に返送命令をかけましても、種の保存上の観点から好ましくない場合もある。それは、個体の状況がどうであるか、あるいは原産国のいろいろな社会事情とか経済事情、そういう原産国の事情によって、種の保存の観点から、送り返すということがいいのかどうか、そういう点もございますので、個別の事案の状況を踏まえて、まず相手国と連携をして返還する、そういう対応をとってきたところでございます。
 先生から、ガイドラインを作成する必要があるのではないかという御指摘でございますが、まず、こうした事例を積み重ねて、適切な対応の方法について知見の蓄積を図ってまいりたいと思います。その上で、先生御指摘のガイドラインの作成ということにつきましても、これは一つの課題である、そういう認識を持って検討を進めてまいりたいと思っております。
近藤(昭)委員 ぜひ、相手国との連携も大事だと思うんですが、やはり、本来、生まれ、もともといたところに返すということが大事だと思いますし、大臣からは課題だというふうに御認識をいただいたわけでありますので、そのことについてはきちっとやっていただきたいと思いますし、今申し上げましたように、オランウータンの件は、やはりNGOの努力がなければ、本当にそのまま動物園に預託されていたのではないかという、私も見た、あれだけのパンフレット等々をつくってやっと返ったんだということを考えると、もっと国が、環境省がリードをしていただきたいという思いをするわけであります。
 時間も限られておりますので、次に進みたいというふうに思います。
 法律の対象についてということであります。私の手元にもコピーがあるわけでありますが、平成四年ですね、当時の環境庁と水産庁とが覚書を交わして、水産資源保護法の対象となっている水産動植物を種の保存法に定める国内希少野生動植物等の対象から外すという覚書を交わされているわけでありますが、そのことについて、どうしてこういうことになったのか、御説明をいただきたいと思います。環境省、水産庁、お願いします。
弓削政府参考人 種の保存法の対象についてのお尋ねでございますけれども、種の保存法、つまり絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の制定時におきまして、既に水産資源保護法では、水産動植物の採捕、所持及び販売の禁止という、種の保存法と同様の規制を行っていたところでございます。このため、法律上及び行政上の整合性を図る観点から、環境庁と水産庁との間で調整し、漁業対象の水産動植物や混獲されるものについて、種の保存法に定める国内希少野生動植物等の対象から除外することとしたものでございます。
岩尾政府参考人 法の制定当時、環境省として生物学的なデータが十分蓄積されていなかったということがございました。したがいまして、今の答弁にもありましたように、水産資源保護法との適切な役割分担がされるべきという考えで、そのようなものができたというふうに承知しております。
近藤(昭)委員 それぞれの省、庁の立場、立場というか考え方もあるのかもしれませんが、やはりこれは法はその立場を反映するんだと思うんですけれども、ただ、水産資源保護法というのは、水産資源の保護培養を図り、かつ、その効果を将来にわたって維持すること、漁業の発展に寄与するということで、この絶滅のおそれのある種の保存ということとは趣旨が異なるわけであります。特に、水産資源保護法には保護増殖という規定はないんですね。
 平成四年でこういう覚書を交わしたわけでありますが、大臣、いかがですか。これはちょっと見直すべき、環境省の立場から考えると、それぞれの法が違う。また、あと、細かく調べると、水産庁とのあれで外した、例えばある種のカメとか鯨というものは、ワシントン条約附属文書の1に入っていたりとか、重なってないわけですね。
 ですから、水産庁と当時の環境庁がお互いに、ある意味のすみ分け、こっちはこっちの法律でやると言いながら、その法律の中には、すべてが、環境庁が種の保存法で言ってきた、ワシントン条約の中で言ってきたものはダブっていないわけですね。そういう意味では大変に問題があると思うんです。大臣、いかがでしょうか。
鈴木国務大臣 当時の環境庁と水産庁の覚書につきましては今両省から御答弁のあったとおりでありますが、それによって心配されますのは、絶滅のおそれのある海生野生生物の種について、これがどうなるのかということであろうかと思います。
 これにつきましては、今まで十分な科学的知見が不足していた、それから、分布状況、生息数など詳細なものが十分把握をされていなかったということでありますが、今後、そういうものの把握に努めまして、必要があれば関係機関との協議を得た上で、種の保存法に基づく保護措置を講じることも検討していかなければならない、そういうふうに思っております。
 それで、野生動植物の保護について、先生御指摘のとおり、今は幾つかの法が、それぞれ目的は別でありますけれども、しかし実質的に保護されている、保護の規定があるということで、それぞれの法律に基づいて行われているわけでありまして、統一的なものは今ないというのが実情でございますが、これにつきましては、かねがね御指摘もされているわけでありますので、一つの課題としてとらえてまいりたいと思っております。
近藤(昭)委員 その覚書を交わした時点からいろいろと研究等も進んだと思います。そういう意味で、大臣も課題だと御認識をいただいておりまして、きょう私が質問をさせていただいた中でも課題という言葉が出てまいりました。
 冒頭申し上げましたように、そういう意味では、この種の保存法、行政裁量が余り大きくならないようにという部分での法改正でありますが、そういう抜け穴みたいなところで保護が漏れていってしまうということがやはり一番問題だと思うんです。大臣、そういうことでいうと、今おっしゃられた課題について、今後の法改正、今考えておられるのか、あるいは検討を行っていらっしゃるのか。もう時間も参りましたので、手短にお答えいただければと思います。
鈴木国務大臣 今回お願いを申し上げました法案は、いわば行政改革の観点からの、そういう部分に限っての法改正であるわけでありますけれども、今、この法律の持っているさまざまな課題について幅広く御指摘をいただいているところであります。こうしたものは、今の段階では制度の適切な運用によって対応が可能である、そういうふうに考えておりますけれども、現行制度の分析等を行い、また海外の事例等も収集しつつ勉強してまいりたいと思っております。
近藤(昭)委員 ありがとうございました。
松本委員長 高橋嘉信君。
高橋(嘉)委員 自由党の高橋嘉信でございます。
 種の保存法に入る前に、産廃のことについてお伺いいたします。
 産廃二法は、衆議院を通って、現在、参議院で審議中であります。そのような中で、なぜあえてこの問題について御質問を申し上げるかといいますと、過般の参考人質疑の際に今まで払拭できなかった点をお聞きいたしましたところ、十分なお答えをいただかなかったからであります。
 それは、問題の三栄化学工業は堆肥化の中間処理施設を有しており、直接集運業者から持ち込まれたものがあるはずなのに、そのマニフェストの存在が不明確であったという点であります。青森県の前田部長の見当たらなかったとの話に得心がいかず、再度、詳細な説明を五月二十二日に求めたところ、意外な事実が浮かび上がってきたのであります。
 青森県の県境不法投棄検証委員会は、なぜかはわかりませんが、平成十一年十一月三十日の青森、岩手両県警による合同強制捜査までを検証の対象範囲としており、検証結果の報告書にはこの点については一切触れられておりません。
 平成十一年十一月三十日、両県警は強制調査に着手、三栄化学工業源新社長は翌年五月に逮捕され、その直後に措置命令を下されております。そして、判決は十三年の五月に出ております。
 以下、委員各位に資料として一連の流れを配付いたしましたが、参考にしていただければと思います。
 概略を御説明いたしますと、平成十二年十一月十日、二戸署において承諾を得て青森県はマニフェストの一部を撮影しております。その後、警察、検察当局に一切のコンタクトもとらず、押収資料還付情報の提供依頼もせず、平成十三年十月に三栄化学の社長から情報を得て、押収資料が返却されたことを知るに至っています。
 この間、実に十一カ月もの空白があります。実際に検察庁から証拠品の還付がなされたのは十三年の八月六日ということですから、それにしても丸々二カ月間の空白があるわけであります。その後、ごらんのとおり、再三にわたり押収資料の確認及び借用を要請する。この間、一カ月あります。
 そして、平成十三年十一月、日にちは不明だそうでありますが、弁護士から、提供は拒否、資料はすべて焼却する旨の回答を得たのだそうであります。五年間の保管義務を主張しても、弁護士は、資料提供による不利益を考慮すれば法違反による罰則を受けることを選択する旨の主張をしたといいます。そして、すべての帳簿類、マニフェストの入った段ボール箱、二十八箱あったそうでありますが、すべて焼却されてしまったのであります。焼却の確認のためと称して、それから半年後に報告の徴収をかけているんです。全くお粗末なてんまつであります。
 今、排出者責任を遡及しているのは、証拠品還付の連絡を二戸署から受けて、これは依頼していたそうですから。受けて即座に行動をとった、岩手側の縣南衛生のもの。三栄化学については青森側と話が交わされていたということを環境省からも聞いております。そういった状況の中で、このマニフェストは、中間処理施設は堆肥化のものですから、原料となる廃棄物以外の持ち込まれたものはすべて委託基準違反となるわけでありまして、遡及を容易にする可能性があったわけであります。また、廃棄物処理法上の報告徴収をかけるタイミングは何度となくあったと思いますし時間もあったわけであります。大臣にお伺いしたいんですが、この点についてどのような御感想をお持ちか、また御見解をお持ちか、お伺いいたします。
鈴木国務大臣 ただいま高橋先生からるる経過の御説明もあったわけでありまして、私もそのことを聞きながら、端的に感想をということを問われれば、極めて遺憾なことである、そういうふうに思っているわけであります。
 ただいま先生からも経過の御説明がございましたが、私どもといたしまして考えて把握しておりますのも同様でありまして、三栄化学工業のマニフェスト等の資料について、青森県は押収中の資料の確認作業というのは行っておりますが、これは一度だけであったということでありまして、その後の警察との情報交換等の連絡が十分でなかった。それから、押収書類が三栄化学工業に還付されてから二カ月後にその事実を知りながらも、三栄化学工業から任意に提出されるだろう、そういう甘い認識から法に基づく報告徴収を行わなかったところから、こういう資料が焼却されるというような事態に至ったと思っております。
 もし青森県が節目節目におきましてきちんと対応をしていたならば、排出事業者責任の追及のための貴重な資料が失われることがなかったと思われるわけでありまして、これはまことに遺憾なことである、私はそのように認識をするところであります。
高橋(嘉)委員 現行法では、最終処分業及び中間処理業にはマニフェストの写しの保管義務はあっても罰則規定がありません。これは非常に問題であると思っております。また、報告徴収の義務違反も、このように、事実、弁護士から罰則を受けることを選択するとまで言われているわけであります。この報告徴収の義務違反は三十万円以下の罰金、ただこれだけであります。現実に同様の事態があしたにでも起こる可能性は否定できないと思うのでありますが、これに対してどのように対応されていくおつもりなのか、大臣にお伺いします。
鈴木国務大臣 先生が御指摘になりましたように、マニフェストの保存義務でございますけれども、処理業者におきましては、現行法でもこの保存義務というものは課せられているわけでありますが、しかしながら罰則はなし、行政処分で対応ということでございます。
 先ほど、弁護士さんのそういう発言も聞いたわけでございますけれども、そういうことを考えますと、これは廃棄物行政を預かる者として、まことにゆゆしきものである、そのように思うわけでございまして、こうした義務違反についての罰則強化などの制度的対応、そういうものにつきましても検討をしていくべきである、そのように思っております。
高橋(嘉)委員 いや、まずは、あすにでも起こる話でありますから、しっかりと、報告徴収をだらだらかけないでいたとかそういうことに対して、本当にあしたにも起こる話でありますから、具体的にはどのようにされるお考えなのか。検討だけで済まない話かもしれません。それについては具体的にはないんですか。
鈴木国務大臣 青森、岩手両県で合同委員会を開いておりますけれども、そこでの検討のものにつきまして、これから特措法が成立した際に基本計画を出していただくわけでございますが、そのような中において、またこの両県の検討報告書を受けまして、どのように両県が対応をするのか、そういうことを両県から報告するよう要請をするところでございますが、報告の際に、今御指摘の件、これも含めて排出事業者責任の追及についてもしっかりと報告をし、環境省としてもそれを把握して、全国的に、こういう事例があったということで、二度とこういう事例が起こらないような、そういうしかるべき対応を検討したいと思います。
高橋(嘉)委員 早急にお願いを申し上げます。
 また、両県の検証委員会の検証対象範囲はいずれも、これは両県も同じようなことのようでありますが、強制捜査直前またはその直後にとどまっております。迅速に、的確に、いかに対応するか、そこらが行政責任に含まれる話であろうと思いますので、両県からの報告だけではなくて、これからの廃棄物行政のあり方に資するのであれば、環境省もしっかりと検証する必要があろう、そう考えます。
 私がなぜそれを申し上げるかといいますと、五月二十二日に環境省を通して詳細説明を強く求めたところ、その直後に「管理票を焼却処分」という記事が出ていまして、これでありますが、ただし詳細については触れていないんですね。これはうまくリークしたのかどうかわかりませんが。さきの参考人の質疑の答弁のように、見当たらなかったという回答で真実を濁そうとする体質、わかられたから、こういうこともあったことを委員会で質問される前にちょっと伝えておこうみたいな話で、こういう体質が問題であると思うんですね。厳しく指摘しておきたいと思います。
 なお、帳簿の保管義務に関しては義務違反がありますから、青森県は何もしていないようでありますけれども、この点についても御検討いただきたい、これをお願い申し上げておきます。
 では、種の保存法に入ります。
 生物多様性の新国家戦略が平成十年に閣議決定し、生物の多様性の現状分析、保全、保護が明確に方向づけをされたわけであります。種及び生態系の保全はもとより、絶滅の防止と回復を図ることとされております。これを受け、昨年鳥獣保護法が改正される際に、目的条項の中に「生物の多様性の確保、」という文言が入りました。また、生物の多様性の確保を通じて自然と共生する社会の実現を図るべく、過去に損なわれた生態系の自然環境を取り戻すことを目的とした自然再生推進法も成立しております。
 そこで、お伺いしますが、絶滅のおそれのある種を守る法律はこの種の保存法しかないにもかかわらず、生物多様性の確保あるいは回復という視点が弱いと考えます。今回、登録、認定制度の見直しだけが出てきておりますけれども、生物多様性の確保、回復に向けた議論はあったのかどうかを含め、大臣の御見解をお伺いします。
鈴木国務大臣 今回提出して御審議をお願いしております法案は、これは、規制緩和の観点から、政府全体で見直すことの一環として行うものでございまして、そこに限定をされておりまして、目的規定の検討等は行っていないわけであります。
 ただいま御指摘の目的、生物多様性の確保、これの明示的なことをする必要があるのではないかという御指摘もございますが、こうした生物多様性の確保の観点での見直しにつきましては、まず法の運用を着実に行っていくことが重要であると思いますが、それでも制度全体の見直しが必要ということになれば、海外の事例も収集しつつ、そのことについても勉強をしてまいりたい、そういうふうに考えているところであります。
高橋(嘉)委員 いずれ、非常に、この間の化審法の審議の際もですけれども、環境省、しっかりしてくださいよと言いたくなる。以下、そういう流れを申し上げますから。
 環境省のレッドデータブックには、絶滅のおそれのある種を、動物六百六十九種、植物等千九百九十四、合わせて二千六百六十三種として公表しております。種の保存法により、捕獲、譲り渡し等が規制され、生息地保護の対象となる我が国の希少種はわずかに六十二種で、沖縄で確認されているジュゴンも、さっきからずっと話がありましたが、天然記念物のアマミノクロウサギもいまだ指定されず、哺乳類においてはわずかに二種類のみであります。そして、生息地等保護区は七地区八百六十七ヘクタールであります。保護増殖事業は計画を含めて二十一種、まことに寂しい限りの現状と思います。
 これに対し、一概に比較できないとしても、アメリカの保護対象とした種は九百八十七種、オーストラリアは千五百九十五種、イギリス三百九十一種。それで、求めたところ、けさ届いた資料によれば、ニュージーランドは、絶滅のおそれがある種のうち、優先して保護施策を講じるべき種を優先度の高い順にA九十八種、B二百十七種、C九十一種に分類、毎年五百四十の事業が実施されている、そして回復計画を行っているという報告が出てきております。
 このように、諸外国においては、しっかりと保護対象が決められ、そして指定され、回復プランによって保全及び保護増殖措置がしっかりと講じられている。この点についてはいかがお考えですか。
鈴木国務大臣 先生いみじくもおっしゃったように、諸外国の法制度等、それは微妙に違うところがございますから、一概に比べることはできないと思いますが、環境省として、こうした絶滅危機の動植物の保全を図っていくための対応というものを今後強化していかなければならない、そういう認識は十分に持っているところであります。
 環境省として、絶滅のおそれのある野生動植物種を保護するために種の保存法に基づいて施策を進めているわけでありますけれども、この法律で、絶滅のおそれのある動植物を指定した上で、捕獲や譲渡の原則禁止、生息地の保護、保護増殖事業の計画及び実施などの段階的な手法を今とっているところでございます。
 環境省は昨年九月に、スイゲンゼニタナゴなど五種につきまして国内希少野生動植物種に指定をしたところでありまして、引き続き、生息状況の詳細な把握、また関係者との合意形成に努めまして、御指摘の国内希少野生動植物種の指定が着実に増加できますように取り組んでまいりたいと思いますし、また、指定した種につきましては、保護増殖事業の推進等に努めてまいりたいと考えております。
高橋(嘉)委員 いずれ、生息地が広範囲に及ぶ鳥類や哺乳類でも、保護指定区は一カ所も日本はまだありません。公益との関係、各省庁との関係を言われるかもしれませんが、指定基準があいまいなんです。その点だけを申し上げておきます。
 次に、ほかの質問に移りますが、一九九二年にリオデジャネイロの地球サミット、これで採択された生物多様性条約には、生物多様性を、遺伝子、種、生態の三つのレベルでとらえ、保全する必要があると指摘されたわけであります。これを受けて、希少野生動植物保存の基本方針を閣議決定しています。
 この中には首をかしげる部分も多いのでありますが、例えば、国内希少種選定に当たり、「その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種」、また「個体としての識別が容易な大きさ及び形態を有する種を選定すること。」とされているなど、あいまいな点が多くあります。
 そして、閣議決定をして翌年の一九九三年に条約に加盟したわけであります。そして生物多様性国家戦略が策定されたわけでありますが、それから九年後、これを根本的に見直したものが新生物国家戦略、現在のものであります。しかしながら、国内希少種の保存基本方針は、平成四年十二月の、十一年前の閣議決定のままであると思いますが、このようなことでよろしいのでしょうか。新生物国家戦略に基づいて基本方針をつくるべきであろうと私は考えますが、いかがお考えですか。
鈴木国務大臣 これは、生物多様性国家戦略に基づくといいますよりも、私は、まさに種の保存法に基づいて考えるべきものである、そういうふうに思っております。
 先ほども答弁をさせていただきましたけれども、生物多様性の観点から、この種の保存法の見直しを考えることについて、今後、必要があれば、海外の事例も収集して検討してまいりたいと思っておりますけれども、そうした種の保存法の制度全体、これを見直す場合には、御指摘の希少野生動植物基本方針を含めて、これを変えていくことを検討したい、そういうふうに考えております。
高橋(嘉)委員 例えば、この基本方針は種の保存、本当に絶滅に瀕しているというものだけの対象になっていますよね。ですから、僕は最初に生物多様性の確保というものを目的条項に加えるなり、新生物多様性国家戦略ができたわけですから、それに即応した形の形態を考えるべきだろうと。
 例えば、さっきニュージーランドの話もしましたけれども、多段階的に考えてもいいわけですね。絶滅危惧種の中にも、1、2と分類されていますけれども、そういうものに対する保護のあり方、あるいは保護指定区のあり方、そういう基準をしっかり定めていく必要があるのであろう、そういう検討を今まで全然してこなかったのか、しよう、してきたという部分があって、これからそれを前向きにやっていこうとされているのか、今の話だとよくわからないのですが、もうその時代に入っているからこそ、新生物多様性国家戦略ができ上がったわけではないのですか。
 僕は、そういった意味では、しっかりと多段階的に、本当に生態系の保全、動植物の保全、保護、そういった視点を入れなければいけない。全くなくなるかもしれないというものだけ、わずかに六十二種だけを指定したままにして、環境省が、レッドデータブックに載っているものは指定そのものだけに終わっている、その状況を打開するお考えを持って検討されるのかどうか、その点をもう一度お伺いします。
鈴木国務大臣 先ほど先生からの御質問が希少野生動植物基本方針についてのお話でございましたから、危機に瀕したものについての種の保存法絡みでのお話をさせていただいたところではございますけれども、これは、新生物多様性国家戦略にありますとおり、多様な生態系、そういうものが大切であるわけでありまして、もちろん危機に瀕したもの以外のものも含めて幅広く考えていかなくてはならないわけでございます。そういう視点はしっかり持って進めてまいりたいと思っております。
    〔委員長退席、近藤(昭)委員長代理着席〕
高橋(嘉)委員 では、それはそのようにぜひお願いしたいですし、次に、その希少種保存基本方針には、先ほども話ありましたが、国際希少種についてはワシントン条約の附属書1に掲載された種と規定してあります。1に限定せず、2、3についても国際希少種の幅を広げるべきとの考えはないのか。以前より指摘され、附帯決議に何回も、参議院の附帯決議にもこれは挙げられているということを聞いておりますが、この点、問題であろうと思うのであります。
 そうすることによって、譲渡規制の強化にもつながっていきますし、希少種のペット輸入における違法取引を未然に防ぐ効果も考えられると私は思うのですが、この点についてはいかがですか。
弘友副大臣 ワシントン条約、先ほど来の附属書1は厳格に輸入の場合も国内の取引の場合も規定がございますけれども、附属書2または3に掲載される種の場合は、商業的目的での取引が認められているのは附属書2とか3でございますので、条約の趣旨を超えて、これらの種を現在のところ規制するということは考えていないところでございます。
高橋(嘉)委員 いや、それはわかりましたが、僕が言っているのは、例えば先ほどから議論されているように、附属書2のものであっても希少種であるという判断を、商取引がどうのこうの聞いているんじゃないです、そういう判断を環境省みずからが下していく姿勢も必要なのではないかということを申し上げたのですが、それについては全くそうじゃないんですか。そういう姿勢の話をしているんです。
弘友副大臣 希少の、附属書1とか2とか3、そういう考え方もございますけれども、全体的にわたって生物多様性というものを考えに入れますと、そういうことも、保護のためにいろいろな施策をとっていくというのは考えられることだと思いますけれども、2と3を規制するということは直ちにはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
高橋(嘉)委員 では、例えば密輸して入ってきた、そして入ってきたものの所有権といいますか、これは、入ってきてしまえば、もうあとは経産省じゃなくて環境省ですよね。その所有権。
 これは、とにかく見つからないで入ってしまったら、それはそれでいいと。所有権に関して規制するとか、あるいは見つかったら没収、要はそういう話でしょうが、所有権自体を持たせないというような法規制をしていけば、密輸自体に対して抑止力になるという部分もあるのではないかと思うのですが、この所有権の問題に対してどのようにお考えですか、密輸されたものに関しての所有権について。
弘友副大臣 入ってくる場合は外為法等の法律でございますけれども、国内に入りましたら、種の保存法によってですから、これは、違反して入ってきた、一回入れば済むというものじゃございませんので、入ってきたものに対して、それがはっきりわかりましたら摘発されるということでございます。
高橋(嘉)委員 これで終わりますが、先ほど大臣からお話ありましたけれども、いずれ、生物多様性の確保ということをこの法律の視点に入れていく、本当に強く入れていくべきであろうと思います。
 今までは確かにワシントン条約や渡り鳥の関係のものが前身でありますから、またその商取引に関するもの、そういったことに主眼を置いていたのかもしれませんが、これからは新しい時代です。まさに環境の時代、環境保全、生態系の保全の時代になってきているわけでありますから、そういった意味では、しっかりと先ほどお話しいただいたことを検討していただいて、僕は、いつも後から後からついてくる環境省ではなくて、鳥獣保護法にも生物多様性の確保としっかり入れているわけですから、それと、自然再生推進法においてもあれだけやってきているわけでありますから。
 そういった意味では、今回そういう改正案が出されてしかるべきであったのではないか、私はそう考えておりますので、早急な検討をお願い申し上げ、私の質問を終わります。
近藤(昭)委員長代理 藤木洋子さん。
    〔近藤(昭)委員長代理退席、委員長着席〕
藤木委員 日本共産党の藤木洋子でございます。
 国内外の絶滅のおそれのある種を体系的に保存することを目的とする本法は、施行から抜本的改正がされることなく、既に九年もの歳月が経過いたしました。
 本法に関しては、一九九二年の法案審議の際に付された附帯決議と、一九八七年の譲渡規制等に関する法律案に対する附帯決議も含めますと、二度も附帯決議が付されておりますけれども、今なお抜本的に実効ある措置はとられておらず、希少野生動植物種は増加し続け、生息地の保護も進んでいないなど、さまざまな問題が残されたままになっております。
 今回の法改正については、公益法人改革の一環ということで、登録等の事務について現行制度を見直すという非常に限定された内容であります。
 本来、過度の国際取引により絶滅のおそれのある野生動植物種の保存を目的としたワシントン条約に対応する国内法として制定されたことから見ても、国際的に求められている水準に近づける抜本的な改正を行うことが何よりも急務です。まず初めにそのことを指摘し、具体的な問題について伺ってまいります。
 今回の法改正は公益法人改革の一環で他省庁と横並びと言いますけれども、私は、そもそも、二〇〇二年の三月二十九日の閣議決定、公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画そのものについて重大な問題があるというふうに考えております。
 しかし、その中でさえも、委託等に係る事務事業の改革についての基本的考え方として、国民の生命財産の保護、国際的責務の履行等の観点から、公正中立な第三者機関で難しい事務事業については、国または独立行政法人において実施することを原則とするとしております。
 今回、法改正の対象になっているのは、原則的に禁止とされております国際希少野生動植物種の取引について、例外的に認めるとして行っている非常に重要な業務です。
 ですから、閣議決定の改革実施計画の基本的な考え方にある国際的責務の履行という観点から見ても、今回、改正の対象となっている業務については本来は国がやるべき仕事であろう、このように考えますけれども、大臣の御認識はいかがですか。
鈴木国務大臣 種の保存法に基づきます登録、認定の事務、これは、条約上の責務を果たしていく上で適正に実施する必要がある事務でありまして、国際的な信頼性を確保することが求められている、そういうふうに第一に思うわけであります。
 先生御指摘のとおり、今回の法改正は規制緩和に伴うものでありまして、政府全体として取り組むものの一つであるわけでありますけれども、今までの登録、認定関係の事務、これを国の指定した公益法人が行っていた制度を改めまして、公正性でありますとか専門性を備えた登録機関が実施することとするものであります。
 今まで、国にかわって公益法人がこの事務を実施してきたわけでありますが、特に問題は生じておりませんでした。今回の改正におきましても公正性及び専門性を同等以上に保つよう必要な要件を法に明記いたしまして、また、国によります改善命令、登録取り消し等の担保措置も位置づけたところであります。
 また、国で直接執行する場合には、登録、認定の申請件数が大変膨大であることから新たにまた体制整備が必要であるということでございまして、国が直接やるべきである、こういう御指摘でございますけれども、必要な要件を備えた機関による実施が適当である、そのように考えております。
藤木委員 今大臣おっしゃいましたけれども、私、先日、国の指定機関である財団法人自然環境研究センターへ行ってまいりました。登録、認定制度に関して詳しくお話を伺ってきたわけです。
 聞けば聞くほど非常に大変な仕事でございまして、登録について言いますと、取り扱い数が最も多く比較的対応しやすいのがアジアアロワナと言われておりますけれども、それ以外の本邦内繁殖しているもの、それから条約締結前の取得などは、判断がしがたいというものが非常に多いということでございました。
 センターには百十人の職員がおりまして、直接、登録、認定事務にかかわっている職員というのは二人、そしてその関連業務が二人、こういう体制で業務を行っているわけですけれども、本当に難しい対象物については、それぞれ非常に詳しい専門家がいるので、その都度その人と相談をして判断できるんだということでございました。
 今回の法案では、機関登録が申請できる者として、今おっしゃったような専門性、実務経験などの要件について定めてはおりますけれども、この資格要件だけで本当に、適正に入手されたものかどうかという判断など、これまでの水準を下げることなく登録や認定の審査業務ができるとはとても私は考えがたいのですが、大臣はどのようにお考えですか。
鈴木国務大臣 登録、認定の事務を実施するためには、動植物の種の同定でありますとかあるいは年齢の判別、そして、象牙につきましては、それが本物か、にせものなのか、そういった判断をしなければならないわけでありまして、専門的な能力が必要でありまして、そのための要件をこの法律にも明記しているところであります。
 また、この事業を行うには、事務の実施体制それから方法等に関する業務規程を定めて環境大臣がそれを認可するということが必要になるわけでございます。例えば、業務規程に種の同定に関する助言者リストの明記を求めるなど、登録機関の業務遂行能力を慎重に確認した上で、その上で認可をすることとなります。こうしたことから、実際上、登録される機関といいますものは、必要な水準の事務を実施できるもののみになる、そのように考えているところであります。
藤木委員 確かに、いろいろおっしゃいましたし、事前の規程認可の段階で厳しくチェックをするというようなことも伺っておりますけれども、その業務が実際に適正に行われているか、これまででしたら、毎事業年度開始前には事業計画と収支予算を環境大臣に提出して認可を受けるということになっておりました。毎事業年度経過後も三月以内に事業報告書と収支決算書を環境大臣に提出しなければならないとなっておりました。
 ところが、改正案では、事業年度の事前、事後に環境大臣に提出する必要がなくなりまして、とにかく五年間事務所に備えておけばよいということになりました。この部分だけを見ても、私は国の監督責任について大幅に後退すると言わざるを得ないというふうに思うわけですね。
 また、これまでは、「規定の施行に必要な限度において、」「監督上必要な事項を命ずることができる。」として、適正な運営のために幅広く運用改善を求めることができましたけれども、法改正では、登録要件に適合しなくなったと認めるときには「必要な措置を執るべきことを命ずることができる。」となっておりますから、違法状態にならなければ改善命令が出せなくなるということになるのではありませんか。
 幾ら事前の規程が大事だといっても、実際にどのような運用、取り扱いになっているのかというチェックをしなければ、実態がわからないと思います。これでは国の監督責任が果たせなくなるのは明らかだと考えますが、環境省いかがですか。
岩尾政府参考人 先ほど大臣から御説明申し上げたとおりでございますが、登録機関は事前認可を受けた者に限られます。加えまして、登録機関の遵守事項が法律上具体的に明記され、かつ罰則で担保された業務停止命令を含む各種命令や登録の取り消し措置がございます。したがいまして、そのようなもので遵守促進されると思っております。機関が登録された後も違法状態が抑止されるよう、所要の規定も整備しております。
 このような措置によりまして、登録機関に事務を適正かつ確実に実施させるための国の監督責任が十分果たせるものと考えております。
藤木委員 いろいろ言われて、立入検査などのこともありますけれども、実際には現在でも三年に一回しか立入検査はやっておりません。こういう状況では、実態についてリアルに把握できるとはとても思えませんね。もし問題があっても長期に放置するということになってしまいます。
 また、今回の法改正で指定制から登録制に変わることによって、この立入検査についても、さらに頻度も内容も貧弱になるのではないかと懸念いたします。
 先ほどの質問とも関連いたしますが、一方の登録機関では審査が厳しく、もう一方は審査が緩いというようなことになれば、動物を譲り渡す業者というのは審査が緩い方に登録申請をすることは想像にかたくございません。そもそも登録、認定業務について、まじめにやっていればもうかるというような仕事ではございませんから、ですから、この業務だけで収益を上げるというようなことになりますと、取扱数をふやすために審査を緩くするとか手間をかけないなどのことが懸念されます。
 また、アジアアロワナのように比較的審査しやすい扱いやすいものを集中的に取り扱って、審査の面倒なものは取り扱いを拒否したり、適当に審査をしたりしてしまうという登録機関が出てくるのではないかという懸念もございます。
 このような場合、いずれにしても結果的に野生生物取引の需要喚起につながってしまいますから、法改正によって、このような問題を起こさないようにする担保があるのでしょうか。環境省いかがですか。
岩尾政府参考人 先生御指摘の登録機関、登録事務の的確性を担保する上では、先生の御指摘は重要であると認識しております。
 私ども、例えば個体等の登録要件の確認につきましては、輸入許可証などの公的書面で原則行うこととするなど、環境大臣が認可をする業務規程の中で、申請に当たってこれら添付書類の基準について明らかにさせることとしております。これによって登録機関の適正な事務実施を担保できると考えております。
藤木委員 それは当然ですけれども、幾つもの参入者がいた場合、欠かすことのできない問題があると思いますよ。そもそも審査基準の統一化を図らなければなりませんし、これまで蓄積されたデータや今後のデータも含めて、情報の共有化などは不可欠の課題ではないでしょうか。これは前提条件だということを申し上げておきたいと思います。
 加えて、実際の業務の取り扱い状況、運用などについては、先ほども指摘をいたしましたけれども、野生生物取引の需要喚起に直結する、そういう重要な問題と位置づけて、数年に一度の立入検査などで解決できるというような安易な対応ではなくて、根本的チェック体制の確立などを強く求めたいと思います。
 今回の法改正では、政府責任を維持した上でとしながらも、その内容を見ますと、現行法から国の監督を弱めることしか見えてまいりません。そもそも、現在の登録、認定制度でもさまざまな問題があることを指摘しないわけにはまいりません。
 その一つとして、器官登録で一番多い象牙についてです。密猟者がマフィアだとか密輸組織と結びついて違法に入手したものを流通させているという話など、後を絶たないわけですが、象牙の現在の取り扱いはどうなっているのか。
 登録申請に当たっては、先ほどもお話があったように、登録申請書、写真、それから取得経緯を明らかにした書面が必要になっております。この取得経緯を明らかにした書面としては、納品書あるいは輸入先が作成をした譲渡証明書になりますけれども、譲り受けた際の書類が存在しないという場合もあるわけですね。こういうときには、譲渡人が不明な場合、現在行われている運用としては、家族以外の第三者、法人の場合は職員以外の第三者が作成をした所有確認証明書と、申請者が登録申請に至るまでの経緯を説明すればそれでよいということになっております。
 これでは、違法に入手された象牙であっても合法化してしまうということになるのではないですか。象牙に関して、昨年度の取扱数は八十八となっておりますけれども、このうちで所有権証明書によるものはどのくらいの割合になっておりますか、環境省。
岩尾政府参考人 八十八本の象牙のうち、先生御指摘の所有権証明書により登録されたものは四十三本でございます。
藤木委員 ですから、ほぼ半分はわからないわけですよ。納品書もなければ譲渡証明書もついていないということになるわけです。
 資料によりますと、そもそも登録申請数と実際の登録数について、昨年度は同数であります。先ほど登録取り消しというようなお話がございましたけれども、登録できなかった個体、器官、加工品は全くございません。ここ数年の実績を見ても、登録できなかった例はごくごくまれでございます。
 先ほど指摘した実態からも、現在の審査のやり方だけでは適正に入手されたものかどうかについて真実性を担保できない、このように考えます。譲り受けたときの書類も存在せずに、譲渡人が不明な場合にも登録をできるだけ認めるべきだということになれば、これは法律の趣旨に反することになるのではないでしょうか。疑わしい申請については排除するということであるとか、未然に取引を防止するためには、現物確認や関係者へのヒアリング、登録を断念した疑わしい申請者にはその後の追跡調査などを行うということも必要になってまいります。
 疑わしいものを排除できないということは、先ほども述べたとおり、違法なものを合法化してしまうという大変危険な問題点を持つことになります。そこを重視して、税関、環境省、警察など、縦割りだけではなくて、違法に入手された野生生物の流通を許さないために、環境省として追跡調査などを行うことができるような体制がぜひ必要であろうと私は考えますが、大臣、いかがですか。
鈴木国務大臣 種の保存法では、象牙を加工、販売する事業者に対しまして、環境大臣等への届け出及びその取引記録の保存を義務づけるとともに、環境大臣等はその事業者に対し報告徴収及び立入検査を行うことができることとしておるわけでありまして、これによりまして、象牙の流通は把握ができて、基本的なデータは入手できるものである、そういうふうに考えております。
 そして、これに加えまして、適正に入手されたことを示す登録票を得ないまま象牙を取引した場合、先生が御指摘の不正のものということでございますが、そういう場合には罰則がかけられますし、さらに、違法な象牙製品を消費者による選定によりまして市場から締め出すために、適正に入手された象牙からつくられた製品の認定制度というものをそのために設けているところでございます。
 こうした措置を通じまして、象牙の不正な取引を防止し、適正な管理がし得るものである、そのように考えております。
藤木委員 立入検査は、先ほども私申し上げましたけれども、三年に一遍しかやられていないんですからね。そういうことではだめなんですよ。違法な取引を排除する前提として、今回、今言われた登録、認定事務を行う登録機関として、公正中立な第三者機関であるということが私は非常に重要なポイントになるというふうに思います。
 そこで、法案では、動植物譲渡業者と、資本的、人的につながりのある者による機関登録申請を排除しておりますけれども、それでは、宝飾、貴金属業、服飾メーカー、この場合特に毛皮などですが、商社、古物商、漁業、水産加工業、水産物流通業など、国際希少野生動植物種の個体または器官、加工品で利益を上げている業種について、排除されている動植物譲渡業者等の「等」の中に含まれることになりますか。環境省、どうですか。
岩尾政府参考人 今回の公正性の要件にも利害関係者を排除するような規定がございますが、種の保存法の規制の実効性を維持し、登録機関の公正中立性を確保する上では、幅広く動植物取扱業者等を定めまして、これらの者を登録機関の役員または職員から除外することとしております。
 具体的に、この「等」でございますが、動植物の個体、器官、加工品を問わず、これらの採取、加工や流通をいずれかでも扱う者であり、一般的には、ペット販売業、園芸業者、総合商社などを初め、サンゴを扱っているような宝飾業なども該当すると考えております。
藤木委員 加えて、動植物譲渡業者等から、取引以外の業務委託、例えば、動植物に関する調査業務であるとか、取引緩和のためのPR活動などの業務委託を受けている者は、取引先である受託者の利益を図ろうとすることも予想できるわけです。こうしたことも踏まえて、私は、登録機関の排除規定である動植物譲渡業者等の対象業種については慎重な検討が必要だということを確認しておきたいと思います。
 そこで、絶滅のおそれのある野生動植物種の保存にかかわる補助金の支出についてお聞きをしたいと思います。
 今回の法改正は、最初にも話しましたように、公益法人改革の一環としての改革となっていますけれども、本来、公益法人改革というのであれば、事業の公共性、補助金の適正支出などについてどうなっているのかというところが重要な検討項目のはずでございます。
 そこで、経済産業省所管の補助金で、べっこう産業救済対策という施策がございます。社団法人日本べっ甲協会に、一九九九年から二〇〇一年度までは各年間約二億五千万円前後、二〇〇二年度と二〇〇三年度は各年間一億五千万円の補助金が出ております。
 この施策で現在実施されている主な事業は三つございまして、一つ、国内タイマイ保護・増養殖事業、二つ目に、原産国等資源保護調査事業、三つ目に、ワシントン条約対策委員会及び国際機関等派遣事業の三事業です。
 この三番目ですね、これは、二〇〇二年の十一月に作成をされました二〇〇三年度の事前評価書によりますと、タイマイのダウンリストを実現するため、海外の野生動物の専門家等を招集した国際会議の実施、業界関係者等の国際会議への派遣、海外に対する我が国のべっこう産業、べっこう製品及び象牙の国内流通管理制度のPRについて、経費の三分の二を補助すると説明しております。
 皆さん御承知のように、タイマイはワシントン条約の附属書1類でありまして、国際自然保護連合のレッドリストでは絶滅寸前種なんですね、絶滅寸前ですから、一番強い、きついわけですよ、に分類されております。
 この事前評価書によりますと、この間、一九九七年と二〇〇〇年のワシントン条約締約国会議で、二回にわたってキューバは我が国による調査結果に基づいてダウンリスト提案をしておりますけれども、否決され続けております。
 ワシントン条約の締約国会議は二年ないしは二年半に一度行われておりますけれども、昨年の会議では、キューバはダウンリスト提案をいたしませんでした。キューバがダウンリスト提案を断念したのは八月に既にわかっておりました。ところが、十一月の予算要望で、ダウンリスト実現のためとして、前年度と同様の一千六百万円の予算を計上している。これはどう考えても適正とは言えないと思うのですが、経産省、いかがですか。
豊田政府参考人 先生御指摘の派遣事業費でございますが、これは、ワシントン条約締約国会合で、タイマイのダウンリスト提案を議論される可能性が平成八年度ごろに高まったことから、専門家を国際機関などに派遣いたしまして、我が国におけるべっこう産業の重要性について御説明をし、国際的な理解を得るために実施しているものでございます。
 御指摘のように、平成十四年のチリにおける第十二回ワシントン条約締約国会合におきましては、事前にキューバがタイマイのダウンリスト提案を撤回しておりまして、関係国の意見内容や国際会議での議論の推移など、国際状況をフォローしつつ、我が国の今後の立場について国際的な理解を得ることが引き続き重要であろうというふうに考えまして、本事業により専門家を当該会合の場に派遣したわけでございます。このように、国際状況をフォローしておくということは、国際世論を十分に踏まえた上でべっこう産業の原料確保を適切に図ることが可能になるということから、私どもは今後も意義があるものだというふうに考えております。
 このような観点から、平成十五年度の予算要求におきまして、本事業の予算要求額は前年同額としておりますけれども、本事業、派遣事業も含めまして、べっこう産業対策予算につきましては、関係各方面からの御意見を伺いながら、より充実したものにすべく努力してまいりたいと考えております。
藤木委員 随分長々と御説明になりましたけれども、しかし、二〇〇二年の十一月に作成をした二〇〇三年度事前評価書で、評価指標として、今言われたように、現在、本年、つまり二〇〇二年十一月に予定されているワシントン条約締約国会議におけるタイマイのダウンリストに向けた各国の態度等について情報収集に努めているところと、今も御説明されました。
 しかし、既にダウンリストの提案をしないということがわかっている国際会議での情報収集のための派遣というのは、そもそもその前提が崩れているんじゃありませんか。私は、補助金の支出内容が今のように厳しく検討されているというこの御時世で、本事業の事前評価のあり方を左右するような重要な事実を知りながら記載しなかったというのは極めて責任大だというふうに思いますよ。私はそういうことはあってはならないと思いますね。
 そこで、大臣に伺いたいと思うんですが、評価書でも、本人負担など適正化に努めているところとございますけれども、そもそも絶滅寸前種として分類され、個体がふえているなどと科学的な確固としたデータも国際的には認識されていない、そういうタイマイについても、そのダウンリストのための人の派遣事業に対して国が三分の二もの補助金を入れるということについては議論があるところでございます。べっこう産業の救済対策というのであれば、私は、養殖だとか技術の保存や発展や代替品などのところに思い切って予算を使うという施策こそ必要ではないかと思うわけですよ。
 今回のワシントン条約締約国会議で、キューバがダウンリストの提案そのものをしなかったということを見ても、今後同じ提案がされるかどうかもわからない。もし提案されたとしても採択されることは厳しい見通しであるということは、二〇〇三年度の事前評価書でも明記をされているところです。このように、国際的批判も強くて、実現する見通しが極めて低いという事業に対する補助金そのものについて、今後慎重な検討を加えることが必要ではないか、このように考えております。
 そこで、今の補助金そのものは経済産業省の所管ですけれども、先ほども指摘をいたしましたように、補助金の予算要求のやり方が適正かどうかということも含めて、絶滅のおそれのある野生動植物の保存という観点から、特に環境大臣としての御見解を伺いたいというふうに思いますが、いかがですか。
鈴木国務大臣 ただいまのタイマイのダウンリスティングに関する補助金につきましては、経産省の方のお話でございますので、そこについては私から申し述べることはございませんけれども、いわゆる絶滅の危機に瀕した国際的に保護が必要な野生生物の保全についてどういうふうに対応していくのかということであれば、基本的な立場をお話しさせていただきたいと思います。
 まずは、やはりワシントン条約の遵守である、そういうふうに思っております。
 ワシントン条約といいますのは、絶滅のおそれのある野生動植物について、過度の商業的国際取引を抑制するということでございますので、これを通じて、これをしっかり守って、こうしたものをまず国際的に担保していくということであろうと思います。そしてまた、国内におきましても、この条約に即応しました種の保存法、これに基づきまして、国際希少種に指定した動植物の譲渡規制を行っておるわけでございます。
 それから、もう一つ、我が国の貢献としては、海外における貢献、こういうものも重要であると思っております。現在も、海外の生息地の保全、それから保護繁殖事業への技術的支援、こういったようなものも行っているところでありますが、今後とも、こうした貢献を通じまして、海外における絶滅のおそれのある野生種の保全にもさらに努力をしてまいりたいと思っております。
藤木委員 今回は、時間の制約もありまして、違法な国際取引を規制する条約の効果を高めるための国内譲渡にかかわる問題に限って確認をしてまいりました。登録、認定業務を登録制に移行するに当たっての問題点を見ても、予算の執行について見ても、また希少野生動植物の種の保存という観点からも、全く国の責任を果たしているとは言えないということが明らかになった、そのことを指摘させていただいて、質問を終わります。
松本委員長 中川智子さん。
中川(智)委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
 私は、前々回の鳥獣保護法の改正といいますか、その議論のときには環境委員会におりまして審議にかかわらせていただきましたが、そのときにいろいろ、動物たち、特に野生動物というのは言葉が話せない、訴えることもできない、けれどもこの地球上で人間とともに共生していく、だけれども余りにも人間がおごっているのではないか、本当に自分たちがこの地球のあるじとして、動物たちへの保護や、そしてともに生きていく存在ということをすっぽり忘れてしまっているような法案の中身だと思いながら、動物たちの悲鳴が聞こえてくるなという思いで審議をしたことを思い出します。
 今回もまた、やはり種の保存法の中で、野生生物、主には絶滅危惧種、そして、本当に野生で生きていながらも、乱獲されてペットブームのこの日本にどんどん輸入されている現状に対して、歯どめをきっちりかけていかなければいけないという思いで質問をさせていただきます。
 五月の二十八日の日本経済新聞に、「外来生物輸入 審査制導入へ」ということで報道がございました。私は、やっと取り組み始めるのだなということで期待を持ってこの検討を見守りたいし、また、最後には、環境省は法制化も視野に入れながらの検討だというコメントがございますが、法制化も視野に入れるということではなく、きっちりと、いわゆる外来生物の輸入の審査というものに対して厳しくしていく。今のように野放しの状態では本当に後悔することになると思うのですが、この法整備に関する環境大臣の決意を伺いたいと思います。
鈴木国務大臣 移入種の問題でございますけれども、本来生息する地域を超えて生息するいわゆる移入種でありますが、マングースの例等さまざまあろうかと思います。これらが生態系に与えます影響は大変大きなものもございますし、多様な生態系を確保する上で極めて重要な問題である、そういうふうに認識をしております。
 これについて、今環境省でどのように取り組んでいるかをまずお話し申し上げたいと思うわけでありますけれども、移入種対策の具体的な措置のあり方につきましては、本年一月に中央環境審議会に諮問をいたしました。そして、専門の小委員会で議論が行われているところでありまして、ことしの秋をめどに答申をいただこうと思っているところでございます。
 小委員会におきましては、現在、移入種を導入する前に実施するリスク評価のあり方等の議論が進められているところでありますけれども、現時点におきましては、具体的にどのような措置が必要であるかという成案が得られているものではございません。しかし、環境省といたしましては、審議会の最終的な答申の内容を踏まえた上で、必要があると考えられますときには、法律も視野に入れまして具体的な制度化について検討をしてまいりたいと考えております。
中川(智)委員 私が今伺いましたのは、新聞では法律も視野にということですので、今の大臣は、やはり法律をきっちりつくっていくという決意のあらわれというふうに受けとめてよろしいんですか。
鈴木国務大臣 まず、どういう答申が出るか、それをしっかりと見たい、そういうふうに思っております。しかし、諮問をしたということでございますから、かなりのいろいろな具体的なものが答申をいただけると思いますので、そういうのを見て最終的に判断をしたいと思っております。
中川(智)委員 主に、その中身を検討するときに、中環審、審議会、そしてその中の野生生物部会やまた移入種対策小委員会というところでの議論というのがかなめになってくると思うんです。
 私も、昨日夕方、どういう方々が委員になっていらっしゃるんですかということで、名簿をいただきました。それなりにちゃんと見識のある、一人一人きっちりと委員に選ばれたとは思うのですが、二十二人のうち数えますと半分、十一人は大学の教授なんですね。大学の教授というのは、なりたくても余りなれない、私どもからすれば偉い人たちなんだと思いますが、二十二人のうち十一人教授で、あとは株式会社、財団法人、社団法人、財団法人というふうにずらっとございます。
 この野生生物部会の委員の中で、NPOの代表というのは何人いらっしゃるでしょうか。
岩尾政府参考人 名簿を見た感じでございますが、元NPOの代表という方が一人おられるというふうに理解しております。
中川(智)委員 とても大事な審議会であり、やはり未来の日本のいわゆる生態系そのものに大きな影響を及ぼす、法制化も視野に入れた答申をなさるわけです。
 今、自然保護団体、アサザ基金やさまざまなものもそうですが、NPOの活躍というのは、それは本当に私たち、頭が下がるものがございます。私も、鳥獣保護法のときは、小さいグループでしたが日本熊森協会という方々や、WWFや自然保護協会、いろいろな方々といろいろ議論を重ねましたけれども、現実に現場に行ってそのような活動をし、それを市民、地域の方々に広げ、より広い活動になっているNPOを、本当に申しわけないんですが、大学の教授の先生方に半分ぐらいお引き取り願って、NPOをきっちり入れていくべきだと思います。
 NPOを入れるときには、あそこを入れたらこっちから文句が出るとか、そういうくだらないことばかりおっしゃっているんですね。そういうことに対して、まず勇気を持って、こういう委員会にNPOをしっかり入れていく。元NPOがお一人いらっしゃるということでは、私は、本当に野生生物をきっちり、すべて国もあわせて守っていく、そしてそれについての具体的なきめ細かな施策を講じていくには、NPOの力を利用という言葉はおかしいですが、しっかりとパートナーシップをとってやっていくという姿勢が委員の選び方一つとっても感じられないんです。
 今回は、その答申などは新たな検討会をもう一度立ち上げてされるのか、この従来の委員で議論されるのか、そこをまずはっきりさせていただいて、今私が申しましたように、NPOをしっかり入れていくのかどうか、そこをお答えください。
岩尾政府参考人 移入種の検討会でございますが、中環審にかける前に、私どもの中で移入種に係る検討会というのを既に設けておりました。その節でも、各界の方々からのお話は聞いております。
 今回の審議会の中に組織いたしました小委員会でございますが、先生御指摘の方々に加えまして、既に四回ほど開催しておりますが、ヒアリングも入れて、それぞれ個別の問題に対応しておりますNPOの方々からのお話も聞こうということを想定しております。具体的には、次回、第五回になりますが、六月の九日にさまざまなNPOの方々からのヒアリングをするという予定になっております。
中川(智)委員 私が申し上げているのは、ヒアリングではなくて委員としてきっちり入れるべきだと言っているんです。と申しますのは、私もさまざまな検討会やいろいろなものの傍聴に行っておりますが、最終的な答申や意見というのは委員会のメンバーが作成するわけです。間の意見というのは、聞きおきましたということはもう非常に多い。委員の中にしっかりNPOをもっと入れてくださいということの答弁をお聞きしているのであって、ヒアリングでお呼びしますというお話では納得できません。
岩尾政府参考人 審議会令という中でメンバーを選定していくということもございますが、私ども、先ほど申しました、何回か現場の方々のお話を聞くことと、それから最終的には広くパブリックコメントもいただくということで、最終的な審議の結果に生かしていくようなことも考えておるところでございます。
中川(智)委員 大臣、環境行政というのは、やはり今、NPOの存在というのは無視できない。いつも使いたいときには使って、そしていざというときはもう本当に大学の先生ばかりですよ。あとは財団法人とかそういうのです。専門委員にしても、ほとんど、教授、助教授、事務局長、種苗部長、これは会社ですね、そして教授ですよ。NPOの意見をただ聞くんじゃなくて、委員会の中にやはりNPOを入れていかないと、これからの日本の環境というのはしっかりと守っていけないと思います。
 大臣、現場ではそのようなことですが、大臣はやはり、どうするのかという最後のリーダーシップは大臣です。NPOの方を入れてください。
鈴木国務大臣 この小委員会のことということでなしに一般論でお答えさせていただきますけれども、それぞれの分野の方々から参加をしていて、多面的な検討というものが必要であると思います。それは専門家の方もおられると思いますし、また専門性を持ったNPOの方もおられると思います。そういう意味において、それぞれの小委員会が果たす目的に即した方々に入っていただくということ、これが重要である、そういうふうに思います。
 そういう中において、環境問題においてNPOの方々がそれぞれ大変専門性を持ってしっかりやっていただいているということは、我々環境省としても評価をしておりまして、私は環境行政を進める中で、環境省ほどNPOの方々とよくパートナーシップを持ってやっているのはないと思いますし、そういう意味では、それぞれの委員会にもNPOの方々にも委員として入っていただく場合もあれば、またいろいろのヒアリングで貴重な御意見をいただいて施策を決めていくということで、今までも努めておるところであります。
 それぞれの委員会について何か差しかえてこれをどうこうするというのは、今決まって動いているあれですから、そこまでは言及いたしませんが、一般論としては、私は、それぞれの専門性から委員が選ばれるべきものであって、その中でもNPOの方々の役割は大変大きいし、今までも委員に入っていただいている委員会もたくさんありますし、これからもそういう方向で進めていくということを申し上げたいと思います。
中川(智)委員 今の大臣のお話は前向きなのはとてもよくわかるんですが、私が申し上げているのは、今回のこの委員会というのはとても大事だ、法制化の土台になる答申を秋ごろ出される、それを決める場所であると。大臣、後で局長からこの委員の名簿をもらってください。そして、バランスがいいかどうかということをちょっと見てください。
 これに参加されている方々に聞きますと、過去数回の会議でたった一言の御発言もなさらない方もちゃんと座っていらっしゃる。やはり、お給料というか日当は出ていると思うんですね。座るために日当を出すのは税金のむだ遣いです。物すごい議論をそこで闘わせる、そのようなことができる人を、具体的な戦力として委員として活動できる人を選んでください。それはまた、きっちりと大臣もう一度見てください、どのような方がメンバーで、そしてどれぐらいの議論をしているか。その場に行けなければ、テープの一回でも聞いていただきたいと思います。
 私は、ペットの業者は玉石混交であるとも思いますが、今のところ野放し状態というか、その中で気になるのは、例えば私がペット業者といたします。中川ペット株式会社よりも、中川動物園などと書きましても、それはどんな名前をつけてもいいわけですから、動物園というふうにして申請しますと、ああ動物園かと。私たちの動物園のイメージというのは、やはり上野動物園であり、私の場合は王子動物園でありというような動物園なんですが、そのようなスペース、スタッフ、また動物の飼い方に関しての専門性というものを有していなくても動物園という名前をつけることができまして、そして動物園だと割と審査もスムーズだということで、特に最近ペット業界などでは、動物園という名前を自分の商標に使いまして輸入しているということなんですね。
 やはり動物園法を、EUでは動物園法というのがちゃんとございまして、いろいろ規定もあります。日本は動物園の規定というものはどのようになっているのかということと、そのような動物園という業者はどれぐらいあるかは把握していらっしゃらないと思いますが、そのあたりのところで、私の懸念を払拭していただけるような御答弁がいただけたらと思いますが、どうでしょうか、もう野放しになっていると思いますが。
鈴木国務大臣 数字等のものにつきまして必要であれば、また参考人の方から答弁させていただきますけれども、まず、どういうような規制と申しますか適正化を図るためになっているかということでありますが、動物園につきましては、平成十一年に動物愛護管理法が改正をされまして、新たに動物取扱業として法律の対象と十一年からなったということでございます。
 具体的には、その業務を行うに当たって都道府県知事等に届け出を行う、動物の健康及び安全を保持するために環境省が定める基準、これは飼養施設の構造及び動物の管理の方法等に関する基準というものでありますが、これを遵守しなければならないということになったわけであります。都道府県は、動物園等の動物取扱業者がこの基準を遵守するよう、必要に応じて立入検査や改善勧告をすることによりまして、適切な指導を行うことができることとされております。
 環境省といたしましては、動物園等において、法に基づく基準の遵守が徹底されていれば、十分に適正な動物飼養が行われることと考えております。仮に、この基準に適合しないなどの問題があるケースが発生した場合には、都道府県等と連携をいたしまして、基準の遵守の徹底を図ってまいりたいと考えております。
中川(智)委員 それでは、岩尾局長に伺いますけれども、今、輸入されて、ペットを個人が購入した場合、どこの国から、どこに、どれぐらいの量というのは把握はできているんでしょうか。
岩尾政府参考人 ペットということで、動物愛護及び管理に関する法律に基づいてのお尋ねだろうと思いますが、外国から来るものその他ということでまとめているものはございませんのと、法律自体が都道府県知事への届け出ということでございますので、ちょっとまとまった数字は私のところにはございません。申しわけございません。
中川(智)委員 今はそれは全然把握できていないと思います。それを把握しなければいけないという法律や条例がありませんので、本当に、どこの国から、野生の、ジャングルなどで密猟してきて、そして輸入されても、いわゆる検疫のところでの対象になっていなければ、どういう動物が、そしてどこの業者が、どこにというのは全く把握できていないと思うのですね。
 これらが野放しになっていれば、やはり先々本当に大変なことになるし、今もそのような野放し状況が続いているので、私は、ここにきっちり、もっと罰則も強化して、そして動物のマニフェストのようなものをつくっていくことも検討していただきたい、これは要望にとどめておきます。
 おととい、ちょっと霞ケ浦に環境委員会の視察で行ってまいりましたので、アサザ基金のことで質問をいたします。
 先日、本当にいいお天気で、霞ケ浦が、自然再生法の一環として本当に生き返ってきているな、よみがえっているなというのを実感したんですけれども、あそこで精力的にやってきたアサザ基金の方々からのお話も、国土交通省の所長のお話も伺いましたが、懸念されますのは、昨年の七月以来、霞ケ浦河川事務所の主催で、さまざまな人たちが検討会をつくって霞ケ浦再生のための事業に取り組んでいるんですが、その検討会が中断しているということを伺いました。中断していることによって、事業評価ができなくなっている、順応的な管理ができない、情報の公開もできないし、モニタリングの分担作業ができない。また、一番深刻なのは、国土交通省とNPOとの信頼関係が本当に崩れていくということをとても私は懸念いたしました。
 再生法のモデル事業とされているこの霞ケ浦の事業がこのような状況では、同法の成立そのものが問われるのではないかと思いますが、この検討会はなぜ中断をしているのか、そのことを教えてください。
塩島政府参考人 アサザプロジェクトに関する検討会について御質問いただきました。
 御指摘の検討会は、霞ケ浦のアサザ群落を含む湖岸植生の減退の原因を究明し、保全対策を検討するため、平成十二年十一月に設置された霞ケ浦の湖岸植生帯の保全に係る検討会のことと存じます。
 この検討会では、水辺植生の減退要因は、水位を初め底質、波浪及び水質などが考えられますが、今後ともさらなる調査分析、データ収集、発掘、実験、研究等によりまして、霞ケ浦の水辺植生を保全、復元、再生するための知見を開拓していくことが不可欠であるという結論を得まして、平成十四年七月に終了したところであります。
 この事業、平成十二年度から平成十三年度にかけまして湖岸植生が急激に減少した地区を対象にしまして実施しました緊急対策による、霞ケ浦の湖岸植生帯の保全状況についての評価はどうするのかということでございますが、それにつきましては大変重要なことと認識しております。現在、モニタリングの調査を行っているところでありますが、このデータを得た段階で分析、評価を行ってまいるところであります。
中川(智)委員 ただいま終了とおっしゃいましたが、それは国土交通省が終了だと思っているだけでありまして、終了という認識はございません。
 本当に、先ほども大臣が、NPOと一番やっているのは環境省だとおっしゃいまして、それが国土交通にも伝染いたしまして、国土交通もちゃんとNPOとの関係をよくして一緒に取り組んでいる事業だと期待して見ておりました。終了という認識はNPOの方にはありませんので、そのような認識はおかしいと思いますが、いかがでしょうか。
塩島政府参考人 昨年七月の結論を取りまとめた会合におきまして、座長の方からそのような終了だという趣旨の説明をしたところであります。
中川(智)委員 その最後の日とおっしゃる日は、NPOのアサザ基金がどうしてもその日は出席できない、だからほかの日にしてくれというのを強引に、出席しない、欠席裁判のような形で一方的に国土交通がそれを終了した、解散したということはおかしいし、これに対して、国土交通はそのような認識なんですが、再開をぜひとも検討していただきたい。それは省内に持ち帰って、きっちり返事を下さい。再開しなければ、せっかくあそこまでいったものがもとのもくあみですよ。
 また、子供たちも、私どもがおととい行ったときも、本当に楽しそうにあそこに入って、霞ケ浦の水の中に入って、環境教育としてもしっかり楽しんで、これが本当の環境教育だと思いました。自然再生推進法は、申しわけないんですが社民党は反対したようなんですが、私はとてもいい法律だと思っておりまして、あれは議員立法で、出された議員の皆様は本当に魂を入れて一生懸命つくられたわけですから、それをないがしろにするようなことがあってはならない。
 この間、所長には、一週間以内にその検討会をもう一度きっちり開いてくれということを要望しておきましたので、現地の所長と国土交通省、もう一度議論して、少なくともアサザ基金が入っているときに検討会の今後のことを議論していただきたい。それを一週間以内に返事を下さいとおととい言いましたので、来週の前半には下さい。それは宿題です。
 環境大臣、このように、自然再生推進法で事業をやっているにもかかわらず、昨年の七月に一方的に中断して、何をおっ始めるかと思いましたら、私どもも見たんですが、もう石がどんどんどんどん、石積みというんでしょうか、これは、波浪対策、波しぶきが家にかからないような対策だというふうにおっしゃっていたんですが、完全に自然再生事業に逆行する石積みによる波浪対策事業がその中断の後わあっとやられまして、よくもこんな環境破壊のことをやるなと思いましたが、ここは、環境大臣、国土交通がそのような姿勢ならば、環境省として、環境破壊、自然再生法に逆行する、そのような事業であるということでこれにしっかり物を申していただきたいし、このプロジェクトに対して、環境省もしっかり乗り込むというか、協力体制でやっていっていただきたいんですが、大臣、お願いいたします。
鈴木国務大臣 詳細にわたりまして理解をしておりませんので、個々具体なことは申し上げることはできませんけれども、生態系を守るということは大切でございますので、必要に応じて国土交通省ともよく連携をとりたいと思います。
中川(智)委員 もう一度、国土交通省の塩島さんに伺いますが、新たな公共事業、私はやはり公共事業というのは大事だと思うんですよ。それは、これから二十一世紀の公共事業というのは、やはり霞ケ浦のあそこを見て、地域の雇用の創出になっている、間伐材の有効利用になっている、いろいろなことで、市民型の新たな公共事業としてとてもすばらしいと思いますが、そう思いませんか。
塩島政府参考人 石積みによる波浪対策というのは、地元の要望に基づきまして、そして水しぶきがかかるということじゃなくて、水が入ってくるということに対する意味も含めておりますし、検討会の終了とはまた別の議論でございます。
 今アサザプロジェクトの例を挙げられまして、新しいタイプの事業ということでございますが、本年一月に施行されました自然再生推進法では、自然再生事業は地域の多様な主体が参加して実施されるボトムアップ型の事業として位置づけられるものでありますし、アサザプロジェクトのようなものも、そのような多様な主体が参加し、創意にあふれる地域主導型の事業であるというふうに認識しておりますので、今後とも、いろいろなところで、いろいろな地域で多様な市民参加型の取り組みが出てくることを期待しております。
中川(智)委員 勝手に使って、都合が悪くなったらほっぽり投げるようなことはやめてください。
 以上です。
松本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
松本委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。藤木洋子さん。
藤木委員 私は、日本共産党を代表して、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、今回の改正は公益法人改革の一環としていますが、その改正内容を見ると、省庁から関連業界・団体への天下り人事の禁止、官業癒着の解消、経営体や事業の健全性、透明性の確保など、この間、その問題点について国民から大きな批判を受けた核心部分には全く一切手をつけておらず、これでは、公益法人改革とは名ばかりのものと言わざるを得ません。
 第二に、国際希少野生動植物種の譲渡規制に係る登録、認定という、国際的責務の履行という観点からいっても非常に重要な業務を、規制緩和により指定制から登録制にすることは、国による監督、関与が弱められ、野生生物の譲渡規制の弱体化、ひいては需要喚起につながることが懸念されることです。
 そもそも、正規の輸入ルートだけでなく、密輸でも野生生物の輸入、消費が世界一、二と言われている我が国で、このような規制緩和を行うことについて国際的批判は免れません。
 今回の法改正は、本法の目的である絶滅のおそれのある種の保存を図るという趣旨から照らして、到底賛成できるものではありません。
 以上で反対討論を終わります。
松本委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
松本委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
松本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決まりました。
    ―――――――――――――
松本委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、稲葉大和君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び社会民主党・市民連合の五会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。田端正広君。
田端委員 私は、ただいま議決されました絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、平成五年の本法の施行時以降、野生動植物の生息地の破壊や改変によって、絶滅のおそれのある野生動植物の種がさらに増加している現状にかんがみ、生物多様性の確保の観点から、本法の問題点を整理するとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 平成十四年三月二十九日に閣議決定された公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画の趣旨を踏まえ、国際希少野生動植物種の登録及び認定関係事務を行うため機関登録申請をした法人等については、その業務運営の透明化及び効率化を図ること。
 二 中央環境審議会野生生物部会において、科学的な観点から国内希少野生動植物種の指定について一層の検討を行うこと。
 三 国内希少野生動植物種については、失われつつある生息地及び生育環境の悪化を考慮して、さらに指定を進めていくこと。
 四 国内希少野生動植物種の生息地等保護区については、関係省庁及び関係地方公共団体等と協力し、さらに生息地等保護区の指定を進めていくこと。
 五 過去の附帯決議(昭和六十二年及び平成四年)を踏まえ、ワシントン条約の効果的な実施に資するため、条約附属書に掲載されている種については、科学的根拠と資源状態に照らして国際希少野生動植物種に指定することを検討すること。
 六 国庫に帰属した、生きた個体については、原産国への返還を含め、必要な措置を検討すること。
 七 移入種が、我が国固有の在来種を捕食することや農作物等に被害を与えることなど様々な問題を引き起こしている現状にかんがみ、早急に法整備を含めた移入種対策に関する施策を講じること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
松本委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
松本委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決まりました。
 この際、ただいま議決いたしました附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木環境大臣。
鈴木国務大臣 ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力する所存でございます。
    ―――――――――――――
松本委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
松本委員長 次に、内閣提出、参議院送付、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。鈴木環境大臣。
    ―――――――――――――
 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
鈴木国務大臣 ただいま議題となりました遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主な内容を御説明申し上げます。
 人類の存続の基盤である環境が成り立つためには、生態系が健全に維持される必要があります。生物の多様性はその生態系の基礎となるものであり、その確保を図ることは、人類の福祉に貢献するとともに、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものと考えています。
 この法律案は、生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、環境中への拡散を防止しないで行う遺伝子組換え生物等の使用等について承認制度を創設するとともに、遺伝子組換え生物等を施設内等で使用する者に対し適切な拡散防止措置をとることを義務づける等の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、主務大臣は、生物多様性影響を防止するための施策の実施に関する事項、遺伝子組換え生物等の使用等をする者が配慮しなければならない事項等を定めた基本的事項を公表することとしております。
 第二に、環境中への拡散を防止しないで遺伝子組換え生物等の使用等をしようとする者は、その使用等による生物多様性影響を評価した上で、その使用等に係る規程を提出して主務大臣の承認を受けなければならないことといたします。
 第三に、施設内での遺伝子組換え生物等の使用等をする者は、遺伝子組換え生物等が環境中に拡散することを防止するために主務大臣が定めた措置をとらなければならないこととするとともに、その措置が定められていない場合には、あらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置をとらなければならないことといたします。
 第四に、遺伝子組換え生物等を輸出しようとする者は、相手国に対し通告をしなければならないこととするとともに、その使用等の内容等を表示したものでなければ輸出してはならないことといたします。
 このほか、これらの措置を確実に実施するための措置命令、この法律案に基づく施策に広く国民の意見を反映させるための措置等を定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその主な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
松本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
松本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る六月三日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。
 次回は、来る六月三日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十三分散会


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