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第1号 平成16年2月20日(金曜日)

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本国会召集日(平成十六年一月十九日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 松本  龍君    

   理事 大野 松茂君 理事 桜井 郁三君

   理事 竹下  亘君 理事 西野あきら君

   理事 近藤 昭一君 理事 石田 祝稔君

      宇野  治君    大前 繁雄君

      加藤 勝信君    川崎 二郎君

      木村 隆秀君    鈴木 淳司君

      砂田 圭佑君    鳩山 邦夫君

      船田  元君    三ッ矢憲生君

      望月 義夫君    小沢 鋭仁君

      奥田  建君    鮫島 宗明君

      島田  久君    田島 一成君

      武山百合子君    長浜 博行君

      伴野  豊君    村井 宗明君

      高木美智代君    土井たか子君

      川上 義博君

    ―――――――――――――

一月十九日

 松本龍君委員長辞任につき、その補欠として小沢鋭仁君が議院において、委員長に選任された。

平成十六年二月二十日(金曜日)

    午後零時二十分開議

 出席委員

   委員長 小沢 鋭仁君

   理事 桜井 郁三君 理事 竹下  亘君

   理事 西野あきら君 理事 奥田  建君

   理事 近藤 昭一君 理事 長浜 博行君

   理事 伴野  豊君 理事 石田 祝稔君

      宇野  治君    江崎 鐵磨君

      大前 繁雄君    加藤 勝信君

      鈴木 淳司君    砂田 圭佑君

      西村 康稔君    鳩山 邦夫君

      古川 禎久君    保坂  武君

      望月 義夫君    鮫島 宗明君

      島田  久君    田島 一成君

      武山百合子君    松本  龍君

      村井 宗明君    高木美智代君

      土井たか子君    川上 義博君

    …………………………………

   環境大臣         小池百合子君

   環境副大臣        加藤 修一君

   環境大臣政務官      砂田 圭佑君

   政府特別補佐人

   (公害等調整委員会委員長)            加藤 和夫君

   環境委員会専門員     遠山 政久君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十日

 辞任         補欠選任

  川崎 二郎君     西村 康稔君

二月二十日

 辞任         補欠選任

  木村 隆秀君     保坂  武君

  船田  元君     古川 禎久君

  三ッ矢憲生君     江崎 鐵磨君

同日

 辞任         補欠選任

  江崎 鐵磨君     三ッ矢憲生君

  古川 禎久君     船田  元君

  保坂  武君     木村 隆秀君

同日

 理事小宮山洋子君及び牧義夫君一月十六日委員辞任につき、その補欠として伴野豊君及び奥田建君が理事に当選した。

同日

 理事近藤昭一君同日理事辞任につき、その補欠として長浜博行君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

二月三日

 自動車排出ガスによる大気汚染公害被害者に対する救済制度の創設に関する請願(小宮山洋子君紹介)(第九九号)

 同(松野信夫君紹介)(第一〇〇号)

 同(松野信夫君紹介)(第一一六号)

同月十三日

 自動車排出ガスによる大気汚染公害被害者に対する救済制度の創設に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二五七号)

 同(石井郁子君紹介)(第二五八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二五九号)

 同(佐々木憲昭君紹介)(第二六〇号)

 同(志位和夫君紹介)(第二六一号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二六二号)

 同(島田久君紹介)(第二六三号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二六四号)

 同(山口富男君紹介)(第二六五号)

 同(吉井英勝君紹介)(第二六六号)

 同(金田誠一君紹介)(第二八七号)

 同(近藤昭一君紹介)(第二八八号)

 同(土井たか子君紹介)(第四三一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 環境保全の基本施策に関する件

 公害紛争の処理に関する件


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     ――――◇―――――

小沢委員長 これより会議を開きます。

 この際、一言ごあいさつを申し上げます。

 このたび、環境委員長に就任いたしました小沢鋭仁でございます。

 御承知のとおり、環境問題は、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、大気汚染、種の減少、野生生物の保護、熱帯雨林の再生、水質汚濁、廃棄物・リサイクル問題、ダイオキシン問題、食の安全等々、取り組むべき課題が山積をしております。また、地球温暖化問題に代表されるように、環境問題は国境を越えたグローバルな問題になっており、国際社会の協力、連携が不可欠でございます。

 このような状況のもと、委員長といたしましても、その責務の重大さを十分認識し、甚だ微力ではございますが、委員各位の御指導と御協力をいただきまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

     ――――◇―――――

小沢委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事近藤昭一君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任による欠員のほか、委員の異動に伴い、現在理事が三名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      奥田  建君    長浜 博行君

   及び 伴野  豊君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

小沢委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 環境保全の基本施策に関する事項

 循環型社会の形成に関する事項

 公害の防止に関する事項

 自然環境の保護及び整備に関する事項

 快適環境の創造に関する事項

 公害健康被害救済に関する事項

 公害紛争の処理に関する事項

以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

小沢委員長 環境保全の基本施策に関する件及び公害紛争の処理に関する件について調査を進めます。

 この際、環境大臣から所信を聴取いたします。小池百合子環境大臣。

小池国務大臣 昨年、環境大臣及び地球環境問題担当大臣を拝命いたしました小池百合子でございます。第百五十九回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いしたいと存じます。

 私は、大臣就任以来、環境問題のさまざまな現場に足を運び、また環境問題に取り組まれているさまざまな方々との意見交換を続けてまいりました。中でも、昨年十二月にイタリアのミラノで開催されました気候変動枠組み条約第九回締約国会議、COP9の閣僚会合、中国の北京で開催された第五回日中韓三カ国環境大臣会合で、各国の閣僚の方々と非常に有益な意見交換を行うことができたと考えております。

 COP9閣僚会合では、共同議長を務めつつ、京都議定書の早期発効と、温室効果ガス排出削減に向けた地球規模の取り組みとして、特に技術の開発と普及の重要性などを訴えました。さらに、米国やロシアなどとの二国間会談を行い、京都議定書の早期批准などを強く働きかけました。

 一方、国内におきましても、世界遺産の新規登録に推薦した知床を昨年十一月に視察し、自然の恵みのすばらしさを実感してまいりました。また、事業者や有識者、NGO関係者など各方面の方々との意見交換を定期的に行っております。

 こうした中で、私は、環境問題の持つ難しさ、さらには奥深さを日々感じているところです。環境問題は、人類全体の問題であり、国家の問題であり、地域の問題であり、国民一人一人の問題でもあります。したがって、環境問題を解決するためには、国内外のあらゆる立場の方々と協力しながら取り組みを進めていかなければなりません。その際には、取り組みを進める上での指針となる考え方を明確に示すことが重要です。

 私は、環境の世紀と言われる二十一世紀は、これまで人類が経験してきた産業革命やIT革命に続く、いわば環境革命の時代であるととらえております。環境を基軸として、私たちのライフスタイルや事業活動のあり方を根本から見直し、社会や経済を大転換させていこうとする動きは、既に世界の新しい流れになっているものと考えます。そして、我が国は、環境を礎とした国づくりによって、この新しい流れの先導者として世界をリードすべきであり、またそれができる国であると強く信じております。

 このような基本姿勢を踏まえた上で、二つの分野横断的な視点を持って、持続可能な社会の構築を目指した取り組みを推進してまいります。

 一つは、環境と経済の統合という視点です。

 環境問題への積極的な取り組みは、新たな投資や技術革新を生み出し、雇用の創出や地域の活性化をもたらすだけでなく、企業や国の競争力を向上させることにつながります。

 このように、環境をよくすることが経済を発展させ、経済の活性化が環境を改善するという好循環を生み出すことが重要です。環境と経済が一体となって向上する社会、すなわち環境と経済の統合を世界に先駆けて実現することこそが、二十一世紀の我が国のあるべき姿と考えます。

 このため、事業者の自主的、積極的な環境配慮の取り組みが社会や市場で高く評価される条件を整備すべく、必要な措置を盛り込んだ法案を今国会に提出いたします。また、全国のモデルとなるような環境と経済の好循環を生み出す町づくりや、環境ビジネスの育成、振興に取り組んでまいります。

 さらに、ナノテクノロジーの活用を初めとする選択的、集中的な環境技術開発の促進や、先進的な環境技術の普及に取り組んでまいります。

 もう一つの視点は、地域からの環境問題への取り組みの促進です。

 日常生活や地域社会において一人一人が行う足元からの自発的な環境保全の取り組みは、経済や社会のさまざまな課題の解決に向けた原動力であり、新たなライフスタイルの創造へとつながっていくものです。

 このため、昨年成立した環境保全活動・環境教育推進法を受けて、環境教育や人材育成による人づくりを推進してまいります。また、取り組みのネットワークの構築、地域の環境資源を生かしたコミュニティーづくりの支援などを通じて、環境保全の取り組みに関する意識の醸成、能力の向上を目指します。

 この二つの視点を基本として、個別の施策分野についても、着実に取り組みを進めてまいります。

 まず第一に、人類の存続にかかわる重大な課題である地球温暖化対策の推進です。

 京都議定書における我が国の六%削減約束の達成のため、燃料電池や風力発電などの温暖化対策技術の普及やライフスタイルの変革に向けた国民運動の展開など、対策を総合的かつ強力に実行してまいります。

 また、本年は、政府全体の温暖化対策の評価、見直しを行う年です。地球温暖化対策推進大綱に基づく対策、施策の進捗状況を評価し、今後必要な追加的対策、施策を講じてまいります。その中で、温暖化対策税の導入が必要とされた場合に備え、温暖化対策税について国民的議論を展開し、国民や関係者の理解を深めてまいります。

 京都議定書については、その早期発効に向けて、いまだ締結していない国々に強く働きかけてまいります。また、二〇一二年までの第一約束期間の後も視野に入れ、すべての国が参加する共通ルールの構築を目指し、各国との政策対話を積極的に進めてまいります。

 第二に、我が国の社会経済の健全な発展を図るため、大量の廃棄物の排出、最終処分場の逼迫、不法投棄の多発といった問題を解決し、循環型社会の形成を図ることが喫緊の課題となっております。このため、循環型社会形成推進基本計画に基づき、廃棄物等の発生抑制と適正な循環的利用、処分を総合的かつ計画的に推進してまいります。

 また、ごみゼロ社会の実現に向けて、不法投棄防止対策を強化し、大規模な不法投棄を五年以内に撲滅いたします。その一環として、広域的な不適正処理事案に対処するための国の役割の強化や不法投棄の厳罰化などの措置を盛り込んだ廃棄物処理法の改正案を今国会に提出いたします。

 さらに、廃棄物処理・リサイクル施設の効果的な整備や、市町村による浄化槽の整備を充実してまいります。

 第三に、多種多様な化学物質による環境汚染を防止し、国民の安全で安心な生活を確保することも重要な課題です。

 自動車排ガス対策については、ディーゼル車について世界最高水準の排出ガス規制の実施、自動車NOx・PM法に基づく施策の総合的な推進、低公害車の普及促進を図ります。また、排出ガス規制の一層の強化を初めとする追加的対策を検討、実施してまいります。

 浮遊粒子状物質などの原因となる揮発性有機化合物については、その排出を抑制するため、大気汚染防止法の改正案を今国会に提出いたします。

 国内の毒ガス弾等に関する問題については、昨年十二月に閣議決定した今後の対応方針に基づき、関係省庁と連携しながら、環境調査や情報収集など必要な対策を着実に推進してまいります。茨城県神栖町における汚染源調査についても、さらに調査を進めてまいります。

 海洋汚染の防止については、廃棄物の海洋投入処分を厳格に管理するためのロンドン条約改正議定書の締結に向け、海洋汚染防止法の改正案を今国会に提出するなど、国際協調による取り組みを強化してまいります。

 このほか、化学物質による環境リスクの低減とリスクコミュニケーションの推進、健全な水循環・水環境の確保に向けた取り組みの推進、公害健康被害の補償と予防の着実な推進を図ってまいります。

 第四に、生物多様性の保全及び自然と共生する社会の実現も重要な課題であります。

 生態系などへの新たな脅威である外来生物については、生物多様性への被害を防止するための措置などを盛り込んだ法案を今国会に提出いたします。

 また、環境保全、観光、地域振興の推進につながり、環境教育にも役立つエコツーリズムは、持続可能な社会を形成する上で非常に重要な取り組みであると考えております。このため、私が議長となり、有識者、関係者を交えた推進会議を昨年十一月に設置いたしました。今後、エコツーリズムの一層の普及、定着に向けた取り組みを進めます。

 さらに、世界に誇れる国立公園づくりや、里地里山の保全、再生に着実に取り組んでまいります。

 第五に、地方における事務体制を初めとした環境省の組織体制の充実強化を図ってまいります。

 これらの施策の実施に当たり、環境省は、国民に信頼される環境行政を進めてまいります。そのためにも、国民、民間団体、事業者、地方公共団体など各主体とのパートナーシップを構築し、幅広い力の結集に努めてまいります。また、国民に対し積極的に情報を提供し、環境行政の透明性の確保に努めてまいります。

 山積する環境問題は、いずれも待ったなしの状況であり、早急に取り組みを進めていかなければなりません。しかし、広範な環境問題を一気に解決することは難しく、むしろ一つ一つの取り組みの確実な積み重ねこそが重要と考えます。私は、環境行政の責任者として、これからも全力で取り組んでまいります。

 委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

小沢委員長 以上で環境大臣の所信表明は終わりました。

 次に、平成十六年度環境省所管予算及び環境保全経費等の概要について説明を聴取いたします。加藤修一環境副大臣。

加藤副大臣 昨年九月に環境副大臣を拝命いたしました加藤修一でございます。

 環境省が、小池大臣のもと、その責任を十分に果たしていくことができるよう、最大限力を発揮して環境行政に取り組む所存であります。

 小沢委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして、平成十六年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について御説明申し上げます。

 まず、一般会計予算では、総額二千八百三十七億一千四百万円を計上しております。

 次に、特別会計予算につきましては、石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に一般会計から百二十五億円の繰り入れを行い、歳入歳出予算を計上しております。

 以下、その主要施策について御説明申し上げます。

 第一に、総合環境政策については、環境と経済の統合に向けた取り組みの推進を図るほか、環境教育、環境学習の充実などに必要な経費として百一億六千九百万円を計上しております。

 第二に、地球環境保全対策については、京都議定書の温室効果ガス六%削減約束達成に向けた地球温暖化対策に取り組んでまいります。あわせて、地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しにおいて温暖化対策税の導入が必要とされた場合に備え、温暖化対策税について国民的議論を展開し、国民や関係者の理解を深めてまいります。また、米国や途上国との環境協力を含む地球環境保全対策の推進を図ることとし、これらに必要な経費として百四十五億九百万円を計上しております。

 第三に、廃棄物・リサイクル対策については、産業廃棄物の不適正処理対策の強化と支障除去の計画的実施等を図ることとし、これらに必要な経費として七十六億六千二百万円を計上しております。

 また、市町村の廃棄物処理・リサイクル施設、浄化槽の整備等に必要な経費として一千三百四十億八百万円を計上しております。

 第四に、大気汚染等の防止については、低公害車の普及促進や自動車排出ガス対策の一層の推進などに必要な経費として二十七億円を計上しております。

 第五に、水質汚濁等の防止については、健全な水循環・水環境の確保に向けた取り組み、閉鎖性水域における水質悪化の機構解明等の調査を進めるとともに、土壌汚染対策法の円滑な運用に必要な経費として四十七億七千七百万円を計上しております。

 第六に、公害による健康被害者の救済等については、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、茨城県神栖町など国内における毒ガス弾等に関する問題への対応などに必要な経費として二百五十四億六千九百万円を計上しております。

 第七に、環境保全に関する調査研究、技術開発については、選択的、集中的な環境技術開発の促進と先進的な環境技術の普及に必要な経費として百九億三千八百万円を計上しております。

 第八に、自然環境の保全対策については、移入生物対策等自然との共生に向けた総合的、体系的施策の推進、世界に誇れる国立公園づくりとエコツーリズムの推進や里地里山の保全、再生の推進などに必要な経費として百七十五億九千万円を計上しております。

 以上が、平成十六年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要であります。

 次に、各府省の平成十六年度環境保全経費等の概要について御説明申し上げます。

 まず、環境保全経費につきましては、平成十二年十二月に閣議決定をいたしました環境基本計画に盛り込まれた施策の効果的な実施に資する観点から取りまとめております。

 平成十六年度における環境保全経費の総額は二兆五千七百七十二億円であり、前年度の当初予算に比べ千六百五十二億円、六%の減となっております。

 これを事項別に見ますと、地球環境の保全のために六千三百二十四億円、大気環境の保全のために二千六百九十七億円、水環境、土壌環境、地盤環境の保全のために一兆三百四十七億円、廃棄物・リサイクル対策のために千六百七十三億円、化学物質対策のために百五十六億円、自然環境の保全と自然との触れ合いの推進のために三千五百七十四億円、各種施策の基盤となる施策等のために千二億円が計上されております。

 次に、財政投融資計画における環境保全関係経費については、主なものとして、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設等の事業を推進するため、地方債計画において一兆九千二百五十三億円を予定しているほか、日本政策投資銀行等において地球環境対策、循環型社会形成推進対策等所要の融資を引き続き行うこととしております。

 以上、平成十六年度の各府省の環境保全経費等の概要につきまして御説明申し上げました。

小沢委員長 以上で説明は終わりました。

 次に、砂田環境大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。砂田圭佑環境大臣政務官。

砂田大臣政務官 昨年の九月に環境大臣政務官を拝命いたしました砂田圭佑でございます。

 就任して以来、日々、環境問題の重要さを痛感しているところでございます。今後とも、小池大臣、加藤副大臣を十分に補佐しながら、環境行政に全力で取り組む決意でございます。

 小沢委員長を初め、委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げる次第でございます。

 ありがとうございます。(拍手)

小沢委員長 次に、平成十五年における公害紛争の処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたします。加藤和夫公害等調整委員会委員長。

加藤政府特別補佐人 公害等調整委員会が平成十五年中に行った公害紛争の処理に関する事務及び平成十六年度公害等調整委員会の歳出予算要求額について御説明申し上げます。

 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要についてであります。

 第一に、平成十五年に当委員会に係属した公害紛争事件は、兵庫県の住民から国等を相手方として申請のあった尼崎市大気汚染被害防止あっせん申請事件、熊本県の住民から国等を相手方として申請のあった九州新幹線騒音被害防止等調停申請事件、福岡、佐賀、長崎、熊本の四県の漁民及び漁業協同組合から国を相手方として申請のあった有明海における干拓事業漁業被害原因裁定申請事件等合計二十二件であり、これらのうち、平成十五年中に終結した事件は、同年六月にあっせんが成立しました尼崎市大気汚染被害防止あっせん申請事件等十一件であります。

 以上のほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に申請人の症状に変化が生じたとして慰藉料額等の変更を求める事件が一件あり、同年中に終結いたしております。

 第二に、平成十五年に都道府県公害審査会に係属した公害紛争事件は八十八件であり、工場、事業所、道路及び廃棄物処理場に係る事件が多くなっております。これらのうち、同年中に終結しました事件は三十七件であります。

 公害紛争処理法においては、当委員会と都道府県公害審査会はそれぞれが独立の機関として職務を遂行することとされておりますが、公害紛争の迅速かつ適正な解決のため審査会との間に緊密な連携を図っているところであります。

 第三に、平成十四年度における全国の地方公共団体の公害苦情相談窓口に寄せられました公害苦情は、調査開始以来最高の約九万七千件に上っております。

 これを苦情の種類別に見ますと、いわゆる典型七公害に関する苦情は約六万七千件で、それ以外の苦情は約三万件であります。

 公害苦情につきましては、都道府県及び市区町村がその処理に当たっておりますが、当委員会としては、この事務を担当する職員の研修、苦情処理に必要な情報の提供等を積極的に行っているところであります。

 続きまして、平成十六年度公害等調整委員会の歳出予算要求額について御説明申し上げます。

 当委員会の歳出予算要求額は六億二千百万円であり、これを前年度の当初予算額六億四千二百万円と比較いたしますと、三・二%、二千百万円の減額となっております。

 次に、その内訳でありますが、第一に、当委員会に係属する公害紛争事案の審理経費等として五億八千二百万円を計上し、第二に、公害紛争の処理を担当する都道府県公害審査会委員及び担当職員との連絡協議のための経費等として三千九百万円を計上しております。

 以上が、平成十五年における公害紛争の処理に関する事務の概要及び平成十六年度の歳出予算要求額の概要であります。

 公害等調整委員会といたしましては、今後とも、公害紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願いします。

小沢委員長 以上で説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十七分散会


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