衆議院

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第10号 平成24年8月3日(金曜日)

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平成二十四年八月三日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 生方 幸夫君

   理事 大谷 信盛君 理事 川越 孝洋君

   理事 近藤 昭一君 理事 矢崎 公二君

   理事 田中 和徳君 理事 吉野 正芳君

   理事 江田 康幸君

      柿沼 正明君    金森  正君

      工藤 仁美君    篠原  孝君

      空本 誠喜君    田島 一成君

      高山 智司君    玉木 朝子君

      玉置 公良君    三浦のぼる君

      森岡洋一郎君    山花 郁夫君

      横光 克彦君    吉川 政重君

      井上 信治君    岸田 文雄君

      近藤三津枝君    丹羽 秀樹君

      福井  照君    古川 禎久君

      町村 信孝君   斎藤やすのり君

      佐藤ゆうこ君

    …………………………………

   環境大臣         細野 豪志君

   環境副大臣        横光 克彦君

   環境大臣政務官      高山 智司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           唐澤  剛君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         佐藤 一雄君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           後藤  収君

   政府参考人

   (環境省大臣官房長)   谷津龍太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   環境委員会専門員     高梨 金也君

    ―――――――――――――

委員の異動

八月三日

 辞任         補欠選任

  森岡洋一郎君     金森  正君

  吉川 政重君     玉木 朝子君

同日

 辞任         補欠選任

  金森  正君     森岡洋一郎君

  玉木 朝子君     吉川 政重君

    ―――――――――――――

八月二日

 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)(参議院送付)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

生方委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。細野環境大臣。

    ―――――――――――――

 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

細野国務大臣 おはようございます。

 ただいま議題となりました特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 平成十年六月十六日以前に行われた不法投棄等による支障については、その除去等を計画的かつ着実に推進するため、都道府県等が行う特定支障除去等事業に対し、平成二十五年三月三十一日を期限として財政支援を行ってきたものであります。

 しかしながら、実施計画策定時の見込み以上の量の産業廃棄物が確認されるなど平成二十五年三月三十一日までに特定支障除去等事業を完了させることが困難な事案や、新たに都道府県等が特定支障除去等事業として実施することを希望している事案があります。

 この法律案は、こうした状況に鑑み、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の有効期限を平成三十五年三月三十一日まで延長する等の措置を講ずるものであります。

 次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、有効期限についてであります。

 特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の有効期限を平成三十五年三月三十一日まで延長することとしております。

 第二に、基本方針の策定についてであります。

 環境大臣は、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成三十四年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本方針を定めることとしております。

 第三に、実施計画についてであります。

 都道府県等は、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する実施計画について、平成二十五年三月三十一日までに環境大臣に協議しなければならないこととしております。

 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

生方委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

生方委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房審議官唐澤剛君、農林水産省大臣官房総括審議官佐藤一雄君、経済産業省大臣官房審議官後藤収君、環境省大臣官房長谷津龍太郎君、環境省大臣官房審議官梶原成元君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

生方委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

生方委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福井照君。

福井委員 おはようございます。自由民主党の福井照でございます。

 本日、質問をさせていただきまして本当にありがとうございます。感謝を申し上げます。

 この長い名前の法律につきまして御質問をまずさせていただきますが、最初、伊藤部長の方から淡々と解説をお願いしたいと思います。

 財政支援、やってきました。計画どおりずっとしてきたんだけれども、まだまだたくさんやり残したことがあるということで、今、十年間延長しますという大臣からの御説明がございました。

 では、何で十年間なんだと。どうして五年じゃなくて十五年じゃなくて十年間かということにつきまして、伊藤部長の方から解説をお願いいたします。

伊藤政府参考人 この産廃特措法、平成十五年の法制定時におきましては、平成十年六月以前に行われた産業廃棄物の不法投棄などの不適正処理によって大規模な生活環境保全上の支障が生じていた事案があり、その支障を除去することが課題となっておりました。

 こうした状況を背景に、国の支援のもとで着実に事業を進めることを目的として、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法が制定されたわけでございます。その際に、この法律は、恒久法としてではなく、十年間の時限立法として制定されたわけでございます。

 これは、香川県の豊島や青森・岩手県境といった平成十年六月以前の大規模な事案について、当時の知見に基づいて行った調査の結果、十年間で処理できる、こういうふうに判断されたためでございます。

 同法に基づきましてこれまで十五の事案について支障除去等事業が進められており、四事案については既に事業が完了し、生活環境保全上の支障を取り除くことができました。また、継続中の事案についても、地域住民を含めた関係者の合意のもとで支障除去事業が着実に進められてきたわけでございます。

 しかしながら、香川県の豊島において支障除去等事業を実施したところ、当初の想定以上の廃棄物が存在し、事業を平成二十五年三月三十一日までに完了することが困難な事案が発覚するなど、継続中の事案の中には、さらなる期間を必要とするものがあることがわかってまいりました。

 また、今後新たに都道府県等が支障の対象とすることを希望している事案の中には、例えば三重県の四日市市大矢知・平津などのように、非常に大規模な事案があります。その結果、最長どれくらいかかるのかということを調べましたところ、十年間の期間を要するというものがある、こういうふうなことがわかったわけでございます。

 このような状況を踏まえまして、過去の負の遺産を除去し、これをできるだけ将来に残さないという観点から、本法の期限を十年間延長する、こういうふうな法案を提出するに至った次第でございます。

福井委員 ありがとうございました。

 とにかく十年以上には絶対にならないということを今部長がおっしゃったわけで、それをこの場では信じさせていただきたいと思います。

 余りにも大量な廃棄物が居住環境周辺に存在するということで、国の財政支援というのが発案され、そしてこの法律ができたわけですけれども、その周辺環境をいかに守っているか、モニタリングしているか、重金属はないのか、大気質、水質においてどのような状況になっているのか、全箇所という御説明は無理かと思いますか、簡単にサマリーで教えていただけますでしょうか。

伊藤政府参考人 御指摘のとおり、産廃特措法の対象となる不適正事案の中には、廃棄物の中に重金属が含まれているといったことがございますし、その重金属が漏れ出まして周りの土壌を汚染しているというものがございます。ただ、こういったものにつきましては、現在の技術で十分にその除去事業ができる、こういうふうな状況にあるわけでございます。

 産廃特措法に基づく支障除去事業では、廃棄物の処理はもちろんですけれども、廃棄物により重金属によって汚染された土壌の処理についても支援の対象にしているところでございます。

 例えば香川県の豊島では、廃棄物の焼却処理をすることに加えて、鉛などの重金属に汚染された土壌の処理についても行う、こういうふうにしているところでございます。

 また、モニタリングでございますけれども、周辺環境のモニタリングにつきましては、この法律に基づきまして環境大臣が基本方針を定めておりますが、その中で、「特定支障除去等事業の実施に際して、周辺の生活環境のモニタリングを行うとともに、その結果を公表するものとする。」こういうふうにしているわけでございます。

 これに基づきまして、産廃特措法のこれまでの全ての事案におきまして実施計画をつくり、それに基づきまして適切にモニタリングを実施している、こういう状況にございます。

 また、この事業終了後も住民の安心の確保を図る、こういった観点から、都道府県等の判断によりモニタリングを引き続き実施している、こういう事案もあるところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 やるべきことはやっているという御答弁だったと思いますけれども、この財政支援、十年間延長しますということで、この委員会で、そして本会議で、参議院を通りましたので、衆議院で通りますと延長されるわけですが、それでめでたしめでたしというわけにはいかないということを今から御質問させていただきたいと思うんですね。

 それはどういうことかというと、もともと、ごみは市町村の固有の事務だということで今は整理されておりますけれども、では、量だけで国が財政支援というのを決めたのか。あるいは東北のごみは、量だけで自治法ののりを破って、県が発注できる、国もできるという法律を定めたのか。放射能は、今大臣が一番苦労されている特定区域と八千ベクレル以上は国がやる、それは、その由来と物、ごみといいましょうか、そのごみから発生する放射能を除去するのはもう国の責任においてしかでき得ないからということなのか。そこの精神というか思想をこの際整理しておかないといけないと思うので、この場で国会答弁という形で、環境省としては廃棄物について、特定の大量の、少なくとも今タックルしている豊島を初めとして、大量の廃棄物を処理するに当たっての国の役割というのは一体何だったのかということなんですね。

 災害対策もそうなんですけれども、市町村がやるべきであって、国はお金を支援してやるという形でしか今ないんですけれども、徐々に徐々に国が直接グリップする、国が直接出ていく、たとえ市町村からの救援という要請がなくても、その事態に応じて国が直接すぐ行けるということに向かって災害対策基本法も今進もうとしているんですね。進もうとしている。

 一方で、ごみはまさに現代文明の病理、病とでもいうべきものであり、しかし、捨てた者がいるわけですから、自分自身を見詰める、この現代社会、日本社会全体を見詰める一つの鏡でもあるということで、では、日本人と日本のこの現状、この現代社会を見て、環境省としては一体この十年間何をやってきたのかと。

 国民運動を起こしたのか、メディアで、インターネットで何かPRしたのか、一体全体私たちの価値観をどう変えてきたのかということについて、もしやったことがあったらお答えいただきたいし、やったことがないんだったら、今から心を改めて、環境省として、行政として、むしろ政治にちょっと一歩入るかもしれませんけれども、しかし、霞が関として、環境省としてできることはありますので、これからの文明の病理を解く決意を伊藤部長の方から御説明をいただきたいと思います。

伊藤政府参考人 廃棄物につきましては、これはどうしてもぞんざいに扱われやすいということで、これをしっかり法律でその処理について規制をしていく、あるいは、不法投棄をした者に対しては厳罰をもって処していく、こういったことが必要だろうということで、環境省では、不法投棄の撲滅に向けまして、排出事業者の責任の徹底でありますとか、あるいは廃棄物処理業の許可要件の強化でありますとか、あるいはマニフェスト制度の強化、さらには不法投棄等に対する罰則の強化などを、数次にわたりまして廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正を行ってきたところでございます。

 最近でも、平成二十二年の廃掃法の改正におきまして、排出事業者が産業廃棄物を事業所の外で保管する際の事前届け出制度の創設でありますとか、あるいは、建設工事に伴い生ずる廃棄物について元請業者に処理責任を一元化する、さらには、従業員等が不法投棄等を行った場合に、当該従業員等の事業主である法人に課される量刑を一億円以下の罰金から三億円以下の罰金に引き上げたとか、こういった措置を講じてきたところでございます。

 さらに、国民運動ということとも関連すると思いますけれども、毎年度、私どもとしては、五月三十日から六月五日をごみ不法投棄監視ウイークとして、都道府県、関係省庁とともに、この不法投棄撲滅に向けた監視活動の強化などを行っております。

 また、不法投棄ホットラインを設けまして、市民から環境省が直接不法投棄に関する通報を受ける、そういう体制を整備しているということでございます。

 こうした取り組みによりまして、平成十年度から十三年度にかけて不法投棄件数は年間千件を超えていたわけでございますが、今、減少しておりまして、平成二十二年には二百十六件となっておるわけでございます。

 しかしながら、いまだに撲滅には至っていないということも事実でございます。都道府県等と協力して、さらに強力に取り組んでいく必要があると考えております。

 私ども環境省の事務方としましても、不法投棄を撲滅するという強い覚悟のもとであらゆる努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

福井委員 市町村は住民と一番近いところにいるので、特にごみなんというのは、市町村の固有の事務、自然人と同じように、自然の市町村に与えられた義務だというのはよくわかるんですね。大量であるから財政支援しろというのも、今までの経緯から見てわかるんです。

 しかし、もっと根源的に政治の思想として、さっきからうなずいて聞いていただいているので、通告しておりませんけれども、もしコメントがありましたら大臣からぜひ聞いてみたいんですけれども、新しい黄金律というのがありますね。今までの黄金律は、なんじの欲せざるところ人に施すことなかれというので、人と人との関係、自分のやってもらいたいこと、してもらいたくないことをそのまま相手に対してもというのでは不足だということで、新しい黄金律というのは、自分がもらいたいと思う尊厳とかリスペクトと同じように、自分が存在している、属している社会に対して、コミュニティーに対して尊厳を与えなさい、自分が欲しいものをそのまま社会に対しても与えなさい、それは尊厳であるということで、コミュニタリアンというので、最近、サンデルの白熱教室というので、ハイエクの新自由主義からだんだん変わってきまして、まだ日本は新自由主義かもしれませんけれども、そのコミュニタリアンという政治思想というのが出てきて、徐々にふえているという、もちろんマジョリティーじゃないんですけれども、という状況です。

 だけれども、個人個人には理性の限界があって、私自身も完全にでは本当に分別しているかと言われると、燃えないものも燃えるところへ入れたり、それは少しはしたということを告白せざるを得ないんですね。

 理性と徳においてやはり個人個人は限界があるということについて、まさにそれが集団となって存在するときに、一人一人の個人のその限界をカバーするのは国しかないんだ、市町村でもできない、県でもできない、国という大きな権力でしか個人個人の限界を超えることはできない、だからあの東北のごみの法律、放射能の法律、そして今回の財政支援があるんだということを、政治思想として大臣在任中にぜひ明らかにしていただきたいと思うんです。

 そういうふうに、政治思想として伊藤部長なり環境省全体をぜひ主導していただきたいなと。次の総理大臣として期待をしておりますので、そういう意味で、少なくとも環境省はそういうガバナンスがきいているということでリーダーシップを発揮していただきたいのと、それから、もうちょっと言うと、二つあって、一つはその政治思想の問題と、それからもう一つは、ガバナンスの問題がありまして、御存じでしょうけれども、昭和二十二年にGHQが日本をして廃止せしめたものが代表的に三つあって、一つは財閥、一つは内務省、一つは町内会なんですよね。

 もともと町内会というのは、個人個人のインターフェースとして、完全に国の機関としてグリップしていたわけですね。戦争遂行ということは除いて積極的評価すると、こんないい仕組みはないわけ。こんないい仕組みがないから、GHQが日本をしてわざわざ命令書を出して廃止させたわけですね。

 町内会、それから、都市でないところはそれぞれの集落ごとの会をつくったわけですけれども、そのガバナンス、特に、内務省も解体、町内会も解体ということで、それは原子力村がいいかどうかというのは別として、村社会、村落共同体というのが日本人の美徳であり、そこでお互いにチェックし合って、アイコンタクトがあって、だから、ここでぽいとごみを不法に捨てるということができないような仕組みが、内務省としてもあったし、町内会としてもあったわけですね。

 内務省の呪縛というのがあって、それが解体されて厚生省になり、環境省になり、建設省になり、運輸省になりということになって、それぞれ、これは県のことです、それは市町村のことですということで、後ろを振り返れば誰かが答えるということで、直接の行政というのをやってこなかった。

 ガバナンスとして言いたいことは、さっき言いましたように、国が直接やるんだ、税務署という国の組織が直接税金を取らせていただくように、国が直接直轄で、環境事務所でいいんです、環境事務所が発注をしてごみの処理をするという事案だと思うんですよ、この豊島とか、今抱えている大量の廃棄物というのは。環境省が直轄で業者に発注をして処分をするんだというぐらいの事案だと思うんです。

 そこまでいっていなかったから十年前にこの法律ができて、とにかく少なくとも財政支援はしましょうということでやってきて、十年間これから続けます、それはそれでいいんですけれども、同じようなことが起こった場合、あるいはそれ以上の場合、東北と同じような場合、あるいは東北以上の場合、放射性物質であろうがなかろうが、人々の個人の理性を超えて処理しなければならない、国が直接出ていかなければならないということに対して、今後考えていく、いやいや、そんなものは全然必要ない、地域主権だからという御答弁もあり得るんですけれども、いや、だからこそなんですよ。

 だからこそ、国の機関が果たすべき役割というのが逆にふえていて、そして、社会全体が複雑化して、多階層、多段階になってきて多価値化になってくると、まさに国が本当にいかないと、密着している組織じゃできないんですよね。

 ということを含めて、先ほどから伊藤部長にもお答えいただいたことも含めて、御感想があったらぜひちょっとお聞かせをいただきたいと思う。

細野国務大臣 いろいろ思うところがございまして、うんうんとうなずきながらお話を聞いておりました。

 まず、やはり廃棄物、特に生活に直結をしたようなものの場合は、もう一度、地域でそれをどう解決していくのかというのは、考えていただけるような仕組みなり、もしくは、もしかしたら町内会のような生活ということになるかもしれませんけれども、そういうものが必要だと思います。

 私の地元の三島などは、私のいるところなんかは、かなり古い町内なものですからそういう慣習が残っていまして、地域みんなでどぶさらいをするとか、ごみの集まっている場所についてはみんなで交代で掃除をするとか、そういう習慣があります。そういったところというのは、やはり、そこで育つとなかなかごみをぽいと捨てにくいという、そういうふうになるものなんですよね。そういう町内会単位だけではなくて、ごみをみんなで拾おうというような運動は全国あちこちでありますけれども、ああいうものに参加をしていると、なかなか捨てないですよね。

 ですから、そこの部分での地域のモラルであるとか、そういったものを育てるような仕組みというのは、しっかりと本当は地域でつくっていただきたいなというふうに思うんですね。

 ですから、そういった意味で、そういったことも含めて日常の廃棄物について、ごみについては、これは、自治体がしっかりやってもらうというこの原則はゆるがせにしてはいかぬだろうと思います。

 一方で、昨年、私が環境大臣に一年ほど前にならせていただいたときに感じましたことは、今回のような大きな津波があった場合においても、自治体だというその考え方に若干固執し過ぎていたところがあるのではないかということを感じました。

 したがいまして、環境省の職員の諸君にも、ここはもう国の出番であると。例えば、自治体ごとに処理をし切れないところが他の自治体にお願いをして、環境省はマッチングをするというような言葉がよく使われておりました。

 ただ、マッチングというと、まさにそれぞれで相対で話をするのをお手伝いをするということであって、主体者ではないですよね。そこは、むしろ環境省、国が処理をする実質的な主体であって、直接処理場を持っていないですから、また焼却施設も持っていないですから、そこは、例えば他の自治体にお手伝いをいただいたり民間の施設にやっていただいたりということで、そこはむしろ環境省が直接要請すべきだということでやってまいりました。

 力及ばず、時間がかかってしまいましたけれども、自民党の皆さんを含めて国会の皆さんにも大変お世話になりまして、広域処理について随分進展をしてきたというふうに思っています。

 ですから、これから少しやらなきゃいかぬなと思っていますのは、どこからが国の責任で、どこまでが自治体なのかと。そのちょうど間のあたりに今回のような大規模な産廃のものがあると思うんですね。ですから、余りこれ以上国が前に出過ぎてしまって、今申し上げたような地域のモラルというようなものまでそれは全部国がやれというようになるのもよくない。しかし、やはりいざ何か有事という場合は、まさにそこは国が出ていって責任を持ってやるのである。

 そういう姿勢も持つという意味で、この線引きをある程度どこかでしておく必要はあるなというようなことを感じながら、この一年、やってきたところでございます。

福井委員 ずばりの御答弁をいただきまして本当にありがとうございました。細野派に入りたいなと思うぐらいでございます。

 では、利根川の質問をちょっと省略させていただいて、今大臣から御答弁いただいたので。

 それでは、私ども今、国土強靱化というのをやっていまして、防災、減災だけじゃなくて、精神論、今の政治思想論というのもそうだけれども、短期的にはとにかくデフレ脱却だと。五年ぐらいかかってもいいんですけれども、とにかく絶対にデフレギャップを解消するんだということを目標にしなければならないということを言っていまして、では、環境省としてはどう、日本再生戦略の医と農と食はどうというのをとりあえずきょう聞いていただいて、そして細野大臣としては、攻める役所としての環境省がどうこれから日本経済を立て直していくのかということについての御答弁をいただくのと、それから最後に、金曜日の夜、もう車も通れないですね、あの国会議事堂と役所との間の道が。ああいう、ネットが今日本の世論を左右するといいましょうか主流を占め始めているということについて、何が正しくて、今、為政者としては、内閣としてはどの世論に対して向き合っていくべきなのかということ、どうお感じになっているのかということを最後にお聞きしたい。

 環境省の攻める戦略、厚生労働省の攻める戦略、農水省の攻める戦略を順番に聞いていきますので、ちょっとそこで聞いていただきたいなと思います。

 まず最初に、法律は通りましたが、都市鉱山ですね。

 今私たちが一番タックルをしなければならないのはデフレ脱却。だけれども、今は三十一年ぶりの貿易赤字になっておりまして、この貿易赤字、三十一年前は次の年にすぐ解消したんです。だけれども、今回は、来年、再来年、解消しそうもないですね。この前の四分の一は貿易赤字が解消しましたけれども、だけれども、一年トータルとして貿易赤字が解消するかというと、絶対にならないんです。四国電力ですら毎日四億円の石油代を払っていまして、四国電力ですら値上げせなあかんのかなというぐらいの今危機に瀕しているわけです。全部が全部、石油代というわけではないんですけれども。

 しかし、千五百兆円の個人の金融資産があって、もっと法人の金融資産があって、たかだか九百兆円の、たかだかと言いたいんですけれども、国債の残高があってまだまだすき間があるから、日本の国債というのが一番世界で信用されるから、円高になり、国債が買われているという状況が、貿易赤字というのは一瞬にしてそれを壊すんですね。毎年毎年三十兆減っていったら、今まで築いてきた、高度経済成長で昭和三十年あるいは昭和二十年から一生懸命先輩がやってこられた国富というのが一瞬にしてその信用をなくしてしまうというぐらいのことなので、貿易赤字の原因をとにかく一つ一つ全部潰していかないといけないというのが、今まさに焦眉の急なんです。

 せっかく持っている、この数十年間、世界じゅうから集めに集めた銅や金やレアメタルや、全てこの都会に存在しているということなので、都市鉱山というのを輸出産業にするとか、あるいは期待収益率どれぐらいの商売にするとか、攻める都市鉱山について、この戦略を伊藤部長の方からまず御紹介いただきたいと思います。

伊藤政府参考人 この都市鉱山、例えば使用済み製品に含まれる有用金属などを鉱山に見立てまして、これを都市鉱山というふうに呼んでいるわけでございますけれども、これはどのくらいの量のものがあるかということにつきましては、環境省が推計いたしますのが、我が国で一年間に新たに使用済みとなる小型電子機器等に含まれる有用金属の量、これを試算しておりまして、重量で約二十七・九万トン、金額で約八百四十四億円に相当するというふうに試算しております。

 小型電子機器以外のものも含めた都市鉱山全体の数値につきましては、今、私ども、詳細なデータは把握しておりませんが、例えば、我が国への資源の輸入の累積量と輸出の累積量の差から推計いたしますと、金や銀の蓄積量は、世界全体の一年間に新たに使用される量の約三年分に匹敵する、こういった試算もあると承知しております。

 使用済み小型家電のリサイクル法につきましては、今、処分場に捨てられている有用金属をできるだけ回収してこれを使っていこうということを主な趣旨としております。法律も、できるだけ国内で資源を確保しそれを有効に使っていく、なかなか輸出のところまでいくかどうかはあれですけれども、そういう方向であの法律も一つの出発点になるのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。

福井委員 ありがとうございました。

 では、続いて官房長から、日本再生戦略の中で環境省全体で攻める戦略、では雇用がどのぐらいふえるんだ、ではGDPに幾ら寄与するんだということについては、ちょっと説明をお願いいたします。

谷津政府参考人 御説明申し上げます。

 日本再生戦略におきましては、グリーン成長戦略、これを強力に推進するということにしてございます。再生可能エネルギーの普及拡大・産業化、省エネ・節電の徹底と産業競争力の維持、また、グリーン成長を支える強靱な資源・エネルギー基盤整備、こういった施策を盛り込んでおるわけであります。

 具体的な中身ということでございますが、例えば太陽光でございますけれども、パネルの生産以外にも、設置とかメンテナンスで各地域の工務店のような方々の雇用を生んでいるというふうに考えております。また、風力でございますが、これは部品点数が約二万点ということで非常に多いということでございまして、その生産を通じて多くの雇用がある。また、地熱利用、これにも大きなポテンシャルがあると考えております。

 リサイクル産業はある種のレーバーインテンシブの分野でございまして、分別、解体、これに人手を要するわけでございます。こうした制度、このたびの小型家電もそうでございますが、こういったリサイクル制度の運用を通じまして、例えば北九のエコタウンのような、地域の中核となるような産業の集積、これも図られているところでございます。

 一方で、中山間地で見てみますと、バイオマスの利用、これも大変重要だと思っております。中山間地域で新たな雇用を生むという点で、バイオマスの利用にも積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。

 こうしたことで、成長戦略によりまして、二〇二〇年までに約五十兆円の環境関連の新規市場が生まれるというふうに推計しておるところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 五十兆円と言われても、具体的に、では、どこの地方のどの町のどういう人を何人雇うのかというふうに言われると、これはなかなか答えられないんですよね。先ほど言いましたが、霞が関で内務省の呪縛というのがありまして、多段階、多層になってしまって、実際に発注業務をしていませんから。実際にしているのは、旧建設省の工事事務所とそれから税務署ですね。だから、実際にしている役所と県任せ、市町村任せにしている役所というのは、これは全然情報量が違うんですね。そこのところをまさに政務三役でカバーしていただきたいなと。

 政治思想もそうですけれども、実際の情報、実際に戦略を立てた、では、具体的に何万人ふえて、どこでどうその付加価値ができてきているのかということをおまえら調べに行けということを、少なくとも省内の会議があったらおっしゃっていただきたいんですよ。もう局長、課長になったら忙しくてそんな地方なんか行けないんですけれども、役所の出張旅費、税金を使って土日に行けと命令していただければ、もちろん意味がある仕事ですので、まず現場に霞が関の特に課長以上の管理職が行くというのはすごく意味がありますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そういう意味でいくと、棚卸しをしたら、自然環境、国立公園なんか、だから絶対的に誰も立ち入らないという地域もそれはもちろん必要ですけれども、地熱もそうだし、立ち入って観光資源として外国人が何百万人と来るような目的地をつくるという意味だと、今の国立公園というのは物すごい財産なんですね。そこをぜひ生かしていただきたいというのもあります。

 それから、ジオパークというのがあって、ジオロジーのジオのパークというのがあって、日本も少しずつ指定をし始めたんですけれども、日本丸ごとジオパークですから。大規模海溝型、南海トラフの地震は絶対起こる、津波も絶対来る、火山も一万年に一回は大噴火があるということはもうわかっているわけなので、日本全体ジオパークで、これを生かして、日本は強靱化しているので回復力は高い、物すごく災害を勉強し、回復力の勉強をするために世界じゅうからやってくるというのは、これは、環境省が攻める官庁で、自分で、事業官庁でやるしかないんですね。

 ぜひそういうふうに衣がえを、規制する官庁から、やや反権力的な官庁から、もう権力そのもの、事業官庁、国体そのものという、そういう環境省にぜひなっていただきたいなというお願いを申し上げたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、あと経済産業省。エネルギーは先ほど言いました。エネルギーが一番大事ということなので、エネルギーに関する日本再生戦略、簡単で結構ですので、御紹介をよろしくお願いしたいと思います。

後藤政府参考人 お答え申し上げます。

 今、先生お話にありましたように、私どもはやはり、グリーン成長の中で分散型システムをつくるというための重要技術であります蓄電池の開発、それから、グリーンエネルギーの部素材の製品化というところの技術開発を見据えたところを中心に、再生可能エネルギーや省エネルギーの拡大ということをやっていきたいというふうに思っております。

 二十五年度予算には、そういう方向へ向けて新たに事業を精査していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

福井委員 ありがとうございました。

 では、続きまして厚生労働省の唐澤審議官から、医で、医療で、では何ぼもうかるんかという話をお願いいたします。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの日本再生戦略におきましては、柱は二つございまして、一つは地域包括ケアシステムの構築、もう一つは医療イノベーションの推進でございます。これによりまして、二〇二〇年までに、医療・介護・健康関連サービスで約五十兆円、この新市場と二百八十四万人の雇用の創出、こういうものを目指しているわけでございます。

 具体的には、地域包括ケアにおきましては、医療・介護需要増に対応したサービス量の確保と、それから、特に病院のスタッフの強化、あわせて在宅医療・介護の推進、こういうものを進めてまいりまして、医療、住まいをベースにいたしまして、医療、介護、予防、生活支援、こういうサービスを組み合わせた地域包括ケアのシステムを推進をしていきたいと考えているところでございます。これによって、医療・介護従事者の雇用を量、質ともに拡大をしてまいります。

 さらに、再生医療、個別化医療、こういうものを中心といたしました医薬品、医療機器、こういう医療イノベーションにも積極的に取り組んでまいりまして、こうした産業を経済成長の牽引産業として日本の再生を図るという総合的なビジョンをお示ししているところでございます。

 こうした戦略を着実に進めてまいりまして、今後の戦略、我が省の政策を組み立ててまいりたいと考えているところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 続いて農水省の佐藤審議官の方から、食と農についてお願いいたします。

佐藤政府参考人 福井先生のお問い合わせにお答えいたします。

 日本再生戦略で農林水産業が取り上げられてございますが、その中で大きく四つに分けられるかと思っておりまして、一つは、先ほどからお話にございますように、我が省におきましても、やはり地域の資源を見直しまして、高付加価値化を進めた新しい六次産業化による地域の活力の向上というのが一つでございます。

 もう一つは、意欲ある若者あるいは女性が安心して農林漁業に参入して、継続して農林水産業に携わるための環境を整備していくということが二つ目でございます。

 三つが、安全でおいしい、健康的な国内農林水産物の輸出の積極的な推進といったことが三つ目でございまして、四つ目が、日本の食文化につきまして、健康、教育、観光、こうした様々な分野と連携した、世界への幅広い発信、こういったことについて盛り込まれておりまして、この具体的な施策につきまして、平成二十五年度の概算要求に反映していくということで現在検討しているところでございます。

福井委員 ありがとうございました。

 さらっと聞いても全然ぴんとこないわけですので、ちょっと一瞬だけ、お配りした資料を大臣にもごらんいただきたいと思います。

 私ども、先ほど申し上げた国土強靱化というのに取り組んでおるわけですけれども、この「政策評価クライテリア」の(2)をごらんいただきたいと思います。

 「きれいな水と空気」、大地というのがちょっと抜けていますが、これは、公共事業で防災、減災というふうに言われているから、ケインジアンの古い亡霊みたいなのが出てきたというふうに言われているんですけれども、このきれいな水と空気と大地というのは、今まさにオリンピックが行われているイギリスのジョン・ラスキンという思想家、政治学者のクライテリアなんですね。それをもとにしてケインズが出てきたわけで、もともと我々はそういうところに存在しているわけですので、ケインジアンだからといって、何も環境を大事にしないというわけじゃないということをぜひわかっていただきたい。

 きれいな水と大地がどれだけ回復したということが物差しで、それがポリティカルエコノミーの目標なんだということを、もう一度この歴史を振り返って、ケインズの前に、今、イギリス政治思想史上、最大の人物じゃないかと言われているぐらいの人が言った物差しは、きれいな水と空気と大地なんですよね。だから、美しい日本と美しく暮らす日本人を回復しなきゃ、もう何の防災、減災もないんだ、何の産業廃棄物処理もないんだということをぜひわかっていただいて、それこそが、私どもが今やっている国土強靱化といういわば運動論なんです。国民運動を起こす以外に、今の抱えている矛盾を解決する道はないんだと。

 これも、全ての哲学者が言っているのは、矛盾を解決するのは運動しかない、とにかく高速で動くことしかないんだと。

 今、だから、自由と平等という相矛盾する、そして、均衡ある発展に賛成する、反対するという矛盾、いろいろな矛盾を抱えて、先ほど言いました社会と自由と規律という問題、それはもう抱えるしかないんです。国全体としては抱えて、それで次の時代に、次の日本によいしょと持っていくしか私たちはない。だから、国民運動をしなければならないということなんですね。

 霞が関というのは、今までずっとやってきたけれども、法治国家ということにとらわれ過ぎて、国民運動というのはできなかったんです。だから、政権交代が起こって国民運動が起こるかなと思ったんです。国家戦略本部でそれをやってくれるかなと思ったので、今からでも遅くないので、ぜひ、国民運動としての政治思想の具現化というものについて、細野大臣として、これはもう個人としてで結構ですので、それをやれば、今はもう幾らアンケートをしても、東京も埼玉も、自民党もあの選挙の直前ぐらいの感じらしいですよ。自民党支持なんか全然ふえていませんから御心配なく、民主党も減っていますけれども。きょうの新聞に書いてありましたように、今選挙をやったら自民党が大勝するなんてことは絶対ありませんので、このまま政権にいらっしゃるとした場合の、日本をどこに持っていっていただけるのか、デフレをどう脱却するのか、明るい希望というのをどう表現していくのかについて、今、デフレ脱却そして日本再生戦略というのを各省庁から聞いて、ちょっと乾いた説明だというふうに感じられたと思うので、少ししっとりとした、ウエットな感じの、細野大臣が為政者としてのもし総理になったらこうするんだということも含めて、若干、今は鳩山派から何かありましたけれども、ちょっと時間もないので、短くて結構です。よろしくお願いいたします。

細野国務大臣 いろいろありがとうございました。

 まず、ちょっと環境省について一言だけ申し上げますと、環境省というのは、これまでやはり規制官庁としての矜持みたいなものがありまして、時流に流されない、きっちりとめるところをとめるということで頑張ってきたんです。私は、それはそれで本当に存在意味が公害の問題や国立公園の問題なんかであったというふうに思っています。

 しかし、これだけの災害が起こった以上、現実の問題を解決をしなければなりませんので、例えば廃棄物の問題や除染の問題などは、事業官庁としてやり切る、現場をしっかり見てそれに取り組むという、そういう覚悟が必要だというふうに思いました。環境省も、やはり時代に即してそこは変わってきたと思います。

 例えば、事業官庁としては国交省などはその代表的な例だと思うんですけれども、そういうやり方も含めて吸収するべきところは吸収して、環境省自体も変わらなければならない時代がまさに来ているのではないかというふうに思います。

 その上で、今後の日本経済なんですが、ちょっと時間もなくなってきたようですので、国民の中に、特に今、この原発の問題で大変な危機感なり思いというのがまさに金曜日などに出てきているわけですね。あれはあれで我々しっかり受けとめなきゃならないと思うんですけれども、そこから先の何か新たな段階に行けないかなと常に考えているんです。

 その一つの方法は、例えばエネルギー問題も変わってきました。今は、再生可能エネルギーで個人個人が節電をしていただいてエネルギーを出していただければ、それが日本全体の強さにつながります。ですから、どうすれば日本が次の段階に行くのかというのは、真剣にこれは政党関係なく考えないといかぬのじゃないかなということを今常に考えています。

 その上で、しかし難しいのは、仮に地産地消で分権エネルギーになったとしても、最後、国家の屋台骨を支えるのは国家ですから、そこの部分のエネルギーの備蓄とか化石燃料の確保であるとか、また、原子力をどうするのかという悩ましい問題から逃げることは許されないと思いますので、そこは政治の役割として依然として残っているということを忘れてはならぬのではないかと、そんなことを考えながら今、日々やっております。

 ありがとうございました。

福井委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、先ほど配らせていただいた紙の「爛頭の急務」というのは、緒方竹虎が保守合同の際に檄文を書きまして、自由党も解党、民主党も解党して自由民主党、人数が多い方の民主党は下にして、鳩山一郎としてはすごい太っ腹で、吉田茂の方を上にして自由民主党という名前にしたぐらいの保守合同が昭和三十年。そのときは、政治の混乱を終わらせて、政治から経済、政治から経済というのがキャッチフレーズでした。今回、もしそういう政界の大編成が起こるとしたら、経済から何とかという、そういう時代に来ているという意味を含めて「爛頭の急務」と先ほど書かせていただいた。

 だからこそ、ネットなり、あるいは金曜日の夜の皆さん方の声というのをどう受けとめるかというのがすごい大事だなと。つまり、経済から情報なり、経済から文化なり、経済から社会なり、そういう次の段階に移るときに、ネットでシニシズムとニヒリズムだけじゃないので、そこをどう解いていくかというのを議論したかったんですけれども、ちょっと時間が参りましたので次の機会に、もしありましたらよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

生方委員長 次に、金森正君。

金森委員 民主党の金森正でございます。

 きょうは質問の機会をこのような形でいただきまして、大変光栄に思っております。委員長を初め関係者の皆さんに厚くお礼申し上げたいと存じます。

 きょうは、テーマになっております諸点に絞って、私の思いも込めて、少しおとなしく質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げたいと思っています。

 実は、今回テーマになっております諸点につきましては、私の居住県に四つ実は処理場がございまして、今話題になっている中での十一の中の四つということでございますから、大変問題意識を持たざるを得ないというふうに思っております。しかも、結構歴史が古くなっておりますし問題構造が複雑になっておりまして、今度のこの改正を契機に、新たなステップへ着実に入っていきたい、入っていかなければ地域の皆さんにも申しわけない、そんな思いで実は過ごしておりまして、そんなところに思いを込めて皆さん方が、きょうは質問せいとこういうふうにおっしゃっていただいたんだろうと思って、感謝を申し上げるわけでございます。

 今の状況、四つについて、少しかいつまんで申し上げたいと思うんです。

 実は、桑名というところに二つございます。それから、私の四日市に二つございますが、いずれも、歴史的に見ますと、一番古いのが昭和四十八年に端を発しておりますし、次に古いのは昭和五十六年、大変年月がたっております。新しいのでは平成の三年、七年ということでございます。

 いずれも、不法投棄あるいは予想外の量を捨てたということで、しかも、中にはちょっと不穏当なものもまじっている。結果として、いろいろな調査の結果は、下流の地域に汚水を発生させる、あるいはその危険性が大である、もっと行けば硫化水素が実は出てくるというようなところも含めて、大変大騒ぎになった経過がございます。私も四日市市会に在籍いたしているときに事の発端が一部ございました。責任を感じながらきたことがあるんですけれども、今もってこの問題が収束をしておりません。大変複雑でございます。

 先ほどの福井先生の話にもありましたけれども、やはり道のりが非常に長いですね、この取り組みは。ですから、当時の話というのを知る人は少なくなってきている。極めて複雑怪奇にわたっておりまして、どういう形でこれからやっていったらいいかというのは、やはり、それぞれに思いがございます。

 しかし、結論は何かといえば、生活環境ということをどうやはり守っていくか、同時に、そのことは恒久対策をつくらなきゃならない、こういうところに落ちついてまいります。

 現実には、一部代執行をやって少し始めたところもあったわけでございますけれども、やはり次から次へと問題構造が浮き彫りになってくる。そういったところで、やはり本格的に恒久対策をやらなきゃならない、そういうところへ問題が行っているというふうに思います。

 ですから、今度の改正というのは大変大きな意味を持っておりますし、私は、各自治体の願いもそこにあろうと思いますし、ぜひこれからの十年にかけたい、こういう思いが相当あるのではないかな、このように思っているところでございます。

 大臣ちょっと行かれましたので、きょうは副大臣とじっくり話もしてみたいんです。

 全国的にも、大変多くのところに問題があります。先ほども実は田島さんと話をしておったんですが、滋賀県の栗東にもあります。全部顔が違います。歴史も違います。複雑ですけれども、私は、そこのところをやはり読み取りながら、このこれからの十年というものは、相当やはり環境省も力を発揮して後押しをしていただく、そういうときに来ているのじゃないかなと。

 先ほど、線引きはどこだという話が実はありましたけれども、やはり、国も大事、それから機能していただかなきゃならぬ、自治体も今まで以上に力を込めてやっていかなきゃならない、そこのところは確実に言えると思うんですね。そういう状況の中でこの問題は今提起いただいています。

 どうぞひとつ副大臣、この辺、総括的に、どういう方向でどういうふうにこれから持っていくのか、まず最初に総合所見をお聞かせいただくとありがたいな、こんなふうに思うんです。よろしくお願いします。

横光副大臣 お答えをいたします。

 そもそもこの特措法、これが制定されましたのは平成十五年でございますが、今、金森委員お話しのように、当時は本当に産業廃棄物の不法投棄などで、不適正な処理によって大規模な生活環境保全上の支障が生じていた事案が数多くあったわけでございます。

 その支障を除去することが大変重要な課題となっていたわけで、そうした状況を背景に、国の支援のもとで着実に事業を進めることを目的として特措法が制定されたわけでございますが、その際、地域の住民の皆様方のことを考えて、早急に、できるだけ早く対処しなきゃならないという意味もありましたし、そういった意味からも、恒久法としてではなく、十年間の時限立法として制定されたわけでございます。

 また、香川県豊島や青森・岩手県境といった平成十年六月以前の大規模な事案について、当時の知見に基づいて行った調査の結果、十年間で処理できる、そう判断されたために十年間の時限立法ということになったわけでございます。

 この法律によって多くの事業が着実に進められてきたわけでございますが、しかしながら、例えば香川県豊島におきましては、支障除去等事業を実施したところ、当初の想定以上の廃棄物が存在した。このことによって、平成二十五年三月三十一日までに完了することは困難であるということが発覚したわけでございます。

 また、継続中の事案の中には、さらなる期間を必要とするものがあることも判明をいたしました。

 また、今後新たに都道府県等が支援の対象とすることを希望している事案があるわけでございますが、その中には、先生のお地元でございます三重県四日市市大矢知・平津などのように、非常に大規模な事案がございます。最長十年間の期間を要すると考えられているわけでございます。

 このような状況を踏まえて、過去の負の遺産を除去し、これをできるだけ将来に残さない、こういう観点から、本法の期限を十年間延長する法案を提出したところでございます。

 これから新たに事業を実施する事案があることにつきましては、産廃特措法が時限的な法律として制定された経緯から、ちょっと遅過ぎるのではないか、もっと早くやるべきではなかったかという指摘もあるわけでございますが、大矢知・平津のように、対策の基本的な方針の策定などについては地域住民との調整に大変な時間を要した、そしてようやくその同意が得られたというような事案もあると聞いております。

 これまで長時間を要したことを踏まえて、今回、法が改正され次第、早急に本当に支障除去等事業が開始できるよう実施計画を策定していただくことが必要であると考えておりますし、環境省といたしましても、事業の開始に向けて協力をしてまいりたい、このように考えております。

    〔委員長退席、川越委員長代理着席〕

金森委員 ありがとうございました。

 ポイントのところまではお触れいただけなかったと思うんですが、今度のこの新たな改正によって、文字どおりこれを一つのばねに、どうしても完遂していきたい、完成させていきたい、こういう思いが強くなってきております。

 もちろん、今副大臣がおっしゃるように、地域が結構やはり協議に時間をかけてきました。いろいろな意見がありまして思うようにいかなかったというのも確かにございます。しかし、ここでまとまった以上は、何としてもこれはやり遂げていかなきゃいけない、こういう思いでございますし、先般、私も関係者にいろいろ聞いてみますと、その思いは一致点がございます。ですから、これ以上いたずらに時間をかけると、これはやはりまた問題が出てくるのかな、こんな感じもいたしました。

 先ほどの説明もしかりでございますけれども、やはり、環境省、国という立場それから地域という立場でこの問題はしっかりやっていく、そういう色分けをきちっとして連携をとるというそういう姿を求めていかないと、とてもじゃないが、またぞろ延ばさなきゃならぬというようなことになっては、これはもうにっちもさっちもなりませんので、ひとつ、その辺にシフトしていただくための体制もぜひつくっていただかないといけないのかなと。国がそこまでやらなくてもいいよと言われるかもしれませんが、やはり、国と地方自治体、関係自治体がドッキングすればかなりのことができると思っていますし、そのことを通してすばらしい知恵が私は出てくるんだろうと。

 突き詰めていきますと、例えば技術的なもので劣っている部分があるんですよね。ですから、例えば覆土をしましても、ある程度それでよしとできる部分もあるんでしょうけれども、日時がたちますと、いや、実は変なものが出てきたよというような話になって、やはり技術論というのが徹底的に追求されていない、そういう部分もあろうと思っています。

 ですから、これからの十年というのは、やはり国としてもそこにメスを入れていただきたいし、地方もそのことをしっかり受けとめてやっていく、こういう流れをぜひつくっていかなければいけないと思っております。どうぞ、いろいろなところでまたお力をかしていただきたいなと、こう思っています。

 さて、去る六月の十八日ですか、参議院で実は先議をいただいています。そして附帯決議が付されております。これはこれで、私も拝見いたしましたけれども、相当小まめにその思いを書いていただいています。これはやはり大変重いものだという受けとめ方もいたしました。

 少し要約いたしますと、責任の追及という問題もあります。あるいは、費用の求償の問題もございます。総じて取り組みを強化していくということ、それから、関係自治体にそのことをぜひ求めていくんだということ、さらには、第三者による検証の問題も触れられております。再発防止の問題もしかりであります。いずれにも責任の明確化を迫る内容ということででき上がっておるわけでございます。まことにもっともなことでございまして、私も大変重いものだというふうに受けとめております。

 この点で具体的に何かコメントをいただくものがありましたら副大臣からいただきたいと思うんですが、大変難しい話だと思うんですけれども、どうでしょう。

横光副大臣 参議院で多くの附帯決議が付せられております。ここで、政府が講ずべきことの一つとして、これまでに行われてきた特定支障除去等の事業について総点検を行った上で、産廃特措法の有効期限である平成三十四年度末までに特定支障除去事業が完了するよう、都道府県等に対して計画的かつ着実な実行を求めるということでございます。

 事業の進捗状況をしっかり把握して、そして助言、そしてまた、今言われました技術的支援を十分に行ってまいりたい、このように考えております。

金森委員 御答弁ありがとうございました。

 既に申し上げていますけれども、やはり、国と地方の連携は、この十年間の流れをきちっと決めていく時期だろうというふうに思っています。そんな意味では、単なるサポートというよりも、両方の姿というものをきちっとコンクリートして、しっかりその俎上にのせていく、そういう流れをつくっていただかないと、従来の感覚ですといささか問題あり、こういう感じがいたしますので、あえて触れさせていただきます。

 次に、事業の推進について、それから自治体の報告義務といいますか、さらに検証について少し触れさせていただきたいと思っています。

 先ほど来申し上げていますけれども、計画どおり推進できるかどうかの鍵は、やはり、それぞれの現場にふさわしい事業手法といいますか手だてができるか、こういうところにかかっていると思うんですね。

 したがいまして、それぞれの場所、処理場のやり方といいますか手法を十分セットしていただきまして、恒久対策につながるようなプログラムを組んでいただきたい。相当踏み込んだ内容としてやらないと、繰り返しになってしまうのかなと。そこに技術力という話を先ほどもしましたけれども、ぜひ、そのことを通して事業の推進を図っていただきたい。

 それから、必ず自治体から適宜適切に、今こういう状態にありますということを報告をさせる義務というのは、この十年は大変重要だと思っています。そうしないと、今までのまた轍を踏むということにもなります。ですから、その辺については、ぜひ指導力を発揮して環境省として対応していただくことがいいのではないかな。

 そうでないと、これはもう大変心配が出てまいりますし、いたずらに時間を費やすことになりますので、ぜひ、くれぐれもよろしくお願い申し上げておきたいと思っています。

 その辺についてどうでしょう、副大臣。

伊藤政府参考人 先生御指摘のとおり、まず、適切な技術、手法を採用していくということが非常に重要だろうというふうに考えております。

 この特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する法律の第三条に基づき、環境大臣は基本方針を定めておりますが、この基本方針の中で、都道府県等が行う支障の除去等の実施に当たっては、「当該産業廃棄物の種類、性状、地域の状況及び地理的条件等に応じて、支障の除去等に係る効率、事業期間、事業に要する費用等の面から最も合理的に支障の除去等を実施することができる方法によるものとする。」こういうふうにしているところでございます。

 このような考え方に基づきまして、都道府県等が実施計画を策定する際には、先生御指摘もございましたけれども、最新の技術を採用する、こういったことも含めて、最も効率的に支障の除去等を実施することができる技術や方法を検討し、これを採用していくことが必要であるということは考えておりまして、環境省としても、実施計画に関する都道府県等からの協議に際しては、適正な支障の除去等の方法が選定されているかを十分確認してまいりたいというふうに思います。

 また、都道府県からの報告を聴取していくということにつきましても、これは国と県が連携していく上の最低条件といいますか、前提条件になるものでございます。この点につきましても、先生の御指摘を踏まえて、ぜひ連携を密にし、十分報告をいただきながら、相談しながらやっていきたいというふうに考えております。

金森委員 ぜひ、よろしくお願い申し上げたいと思っています。

 あわせて、今までなぜこうなったのかということを含めて、さらなる検証をしていただきたい、こう思っております。

 私からいろいろな話をさせていただきますと、なぜここまでこういう形になったんだ、なぜというのがよく返ってまいります。なかなか答えにくいんですが、やはりいろいろな要因が重なっていますけれども、そこには、経済の高度成長期のこともありましょうし、あるいは法律的に甘かったという問題もあるでしょう、さまざまなことが重なって今日につながっていると思うんですね。あれよあれよという間に二十年も二十五年もたっている。その姿を見ると、やはり、きっちりした形でこの十年で再建していかないといけないんだろうと。そのためには、やはり検証がそれぞれ要ると思います。

 ぜひこの点についてもしっかりと対応していただきたいな、あえてお願いを申し上げておきたいと思っております。

 同時に、私は地元のことばかり申し上げていますけれども、それぞれ全国にいろいろの形で存在するわけですから、私が申し上げた精神、ぜひとも次なる改正の中で生かしていただいて、今までの汚点を回復する、こういう努力をぜひこの十年で続けていただかなければいけないと強く申し上げておきたいと思っています。

 それから、責任論の問題が一つありますね、これは参議院の附帯事項の中にもありますけれども。どういう責任を負わせるか、いろいろ考えてみますけれども、もう時間がたっていますし、排出者はわからない、捨てた業者はわからない。正直申し上げて、そこを探求するのは難しい情勢でございます。それをやるわけにはもはやいかないだろう。そこに関係自治体の困惑が実はございます。

 だからこそ、いろいろの支援策を講じていただいているというふうに思っています。だんだんと深みを込めていただいているのも事実でございますので、それはそれとして評価をさせていただくところでございます。

 ただ、自治体の負担もかなりあるわけですし、これからもその流れが続くとすると大変でございます。どうぞひとつ、新しい対応を考えていただきながら、次なるステップへ入っていただくことが必要ではないかな。

 この私どもの四事案だけで、総額的に見ると、現場で聞いてみると百七十億ぐらいかかる、こういうふうにも言われています。相当な金額であります。もちろん、それぞれに国で補填をいただいているといたしましても、今後を想定すると大変なことがある。だから、責任論の追及ということも当然ですが、関係自治体への負担という問題、これもよくよく考えていただかないといけない問題かなと、こんな感じもいたしますが、この辺、いかがお考えでしょうか。

    〔川越委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤政府参考人 支障除去事業を実施するということは、これは多額の血税によって実施されるということでございますので、まずもって、原因者にその責任追及を徹底していくということがぜひとも必要だというふうに思っております。

 もちろん、大分時間も経過したということで、先生御指摘にありましたとおり、なかなかそれを打っていくということは難しい面もございますが、できるだけのことはやっていくということが必要で、徹底して原因者に費用負担を求めていくということが必要だというふうに考えております。

 行政代執行に要した費用につきましては、「国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。」こういうことにされております。徹底した費用求償をするよう、国としても都道府県等に働きかけてまいりたいというふうに思っております。

 また、原因者につきましては、責任という意味では、廃棄物処理法に基づき厳罰に処していく必要があるというふうに考えております。廃棄物処理法が制定された昭和四十五年には五万円以下の罰金であった罰則につきまして、順次、罰則の強化をしております。現在では、五年以下の懲役または一千万円以下の罰金、法人に対しては三億円以下の罰金、こういうふうにしているところでございます。

 今後とも、各都道府県等が原因者等に対する責任追及を徹底して行えるよう、環境省としても、県と十分連携し、必要な助言等も行ってまいりたいというふうに考えております。

金森委員 ありがとうございました。

 くどいようでございますけれども、排出事業者への規制義務が緩かった、これはもう避けて通れないし、そのことはもうありのまま申し上げておきたいと思っています。それから、業界への指導というものがどうだったのか。これも少し甘かったのではないか。いいことを幸いに、相乗りしていたような気がしてなりません。

 ですから、この過ぎた年月はしようがありませんけれども、緩かった部分をさらに強めていただいて対応していただかないと、また繰り返すことになってしまうのではないかな、このように思っておりますので、ぜひひとつそこのところを、部長、よろしくお願い申し上げたいと思っています。

 余り時間もありませんので少し次に進みますが、副大臣、これからの十年でやり遂げますよという決意を一言言っていただけませんか。

横光副大臣 この産廃特措法はもともと十年間で支障除去等をする予定であったわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、当初予定した期間で終了できない事案や、また新たに事業を実施する事案等がありまして、今回、十年間の延長をお願いしたわけでございます。

 このように、もともとの産廃特措法の趣旨を踏まえまして、今回の法改正で、将来世代に過去の負の遺産を残さないように、そのために、この法案の期限でありますこれからの十年間で必ず事業を完了させるよう努力してまいりたい、その責任を全うしてまいりたい、このように考えております。

金森委員 ありがとうございました。

 副大臣に総括していただくと次が申し上げにくいんですけれども、いろいろ聞いてみますと、まだまだこの種の事業が全国的にも発生している。何かどこかに問題があるんだろうと思うんですが、やはりこれを契機に、関係業界との連携とかあるいは業者の育成、相当根強いものがあるんでしょうから、少し環境省としても力を注いでいただいて、この辺の連携を深める、このことにはやはり気を使っていただきたいなと。

 もうこれ以上こういう問題を起こしたくありませんし、ぜひそういった面での新たな挑戦をお願いしたいし、あわせて、既にやっていただいていますが、監視体制というのはこれは車の両輪でございますから、そのこともぜひ力点を置いていただきたい、こんなふうに思っている次第でございます。

 先ほど副大臣が言われたように、私はそれぞれ関係する地域におりますので本当に恥ずかしい限りでございますけれども、きょうのこの流れを関係する町に申し上げながら、ぜひ力を入れていくようにとこう申し上げたいと思っていますし、全国のいろいろの取り組みとあわせて円滑に進むことを期待をしたいし、きょうの議論がそのことにつながればと、こんなふうに思っておるところでございます。

 いずれにいたしましても、きれいな地域がごみで知らないうちに汚染される、住民が本当に嘆く姿がずっと続いてまいりました。ぜひひとつそのことに思いをはせていただいて、これからの取り組みを期待申し上げたいと思っています。

 時間がもう来ましたのでこれで終わりますけれども、こういった機会をつくっていただきましたので私は本当にありがたかったので改めてお礼も申し上げたいし、環境という問題をしっかりこれからやらせていただいて、新しい国づくりのために尽くしていこうかなと、こう思っています。ぜひとも、関係する皆さん方の一層の御奮闘をひとつお願い申し上げたいと思っています。

 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。

生方委員長 次に、斎藤やすのり君。

斎藤(や)委員 国民の生活が第一・新党きづなの斎藤やすのりと申します。

 きょうは、改正産廃特措法の質疑と、そして後ほど、今、国会を二分しております原子力規制委員会の人事について大臣にまだまだ聞きたいことがあります。やはり国民に示しをつけなければいけないということで、後ほど詳しくお聞きしたいというふうに思います。

 まずは、改正産廃特措法の質問をさせていただきます。

 我が宮城県の村田町には、竹の内産廃処分場という処理施設がございます。この施設は、ある建設会社によって平成二年に設置届が出されまして、埋め立てが開始されました。設置されてから八年ぐらいたってから悪臭などの苦情が頻発しました。この悪臭の正体というのが硫化水素でございまして、火山ガスなどに含まれる、腐った卵のようなにおいを持つ有毒なガスでございます。

 なぜ硫化水素が発生したのかといいますと、そもそもこの竹の内処分場で扱う廃棄物というのは、建設の残土だとか、それから、コンクリートの殻だとかくず類だとか廃プラスチック類、いわゆる安定五品目のみを埋める、そういう処分場だったんですけれども、それであれば硫化水素というのは本来は発生しないはずなんです。ところがボーリング調査をしたら、出るわ出るわ、布きれだとか紙切れだとか木片、それから注射針なども出てきました。それからガーゼ、重油の猛烈なにおいがする吸着マットとか焼却した灰、ありとあらゆるものが不法投棄されていて、それで硫化水素が発生したということでございます。

 その後、この竹の内処分場は、いわゆる産廃特措法の適用を受けまして対策費用の二分の一の支援を受ける、きょう審議されている産廃特措法の適用を受けて工事が進められて、悪臭はしなくなったわけでございます。

 これで終局したのかと思いきや、ただこの工事自体が、実は、違法なごみを全部撤去する工事じゃなくて、一部まだ残っていて、封じ込める工事をした。だからだと思うんですが、二年前に、ボーリングの穴二カ所からガスを伴った汚水が噴き出した、そういうことがありました。こういった噴出現象が、県が把握しているだけでも、〇三年の十二月以降十回以上発生しているということでございます。

 そんな中で、今回の産廃特措法の一部を改正する法案、平成三十五年まで有効期限を延長するということなんですが、どうもこの竹の内産廃の支援は適用から外されるんじゃないかということで、宮城県の方は大分心配をしております。

 率直に政府に聞きます。打ち切られてしまうんでしょうか。

伊藤政府参考人 この宮城県村田町の事案につきましては、平成十九年三月に環境大臣が宮城県の実施計画に同意し、これまで宮城県が支障除去等事業を実施してきたところでございます。

 宮城県の実施計画におきましては、第一段階として、雨水浸透やガスの放散を防止するための工事を実施するとともに、地下水のモニタリングを実施するということにしておられるところでございます。

 また、第二段階は地下水モニタリングの結果を踏まえて実施することとしておりまして、地下水モニタリングの結果、地下水環境基準を超えるおそれが顕著となった場合に浸出水の拡散防止対策を行う、こういうふうにしているというふうに承知しております。

 当該事案につきましては、第一段階の工事終了後二年間にわたってモニタリングを実施してきておるわけでございますけれども、安定的に地下水の環境基準を満たしている、こういうふうな報告を受けております。

 したがいまして、平成二十五年度以降は支援の対象とする必要はないのではないかというふうに考えておりますが、しかし、仮に県が第二段階の工事が必要と判断をされて、実施計画の変更について本年度中に環境大臣に協議していただくということになれば、我々としても支援について検討してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

斎藤(や)委員 それで、この今の事業で一番お金がかかっているのがモニタリング事業です。実は、この竹の内産廃というのは、掘削だとか浄化処理による手法と異なりまして、廃棄物が安定化するまでに長期間を要することになるということなので、当分の間はモニタリングが必要だと。このモニタリングだけでもどうも年に三千万コストがかかる、維持管理で六百万かかるので、県はここを何とかしてくれないかなということを言っているんですが、それはどうでしょうか。

伊藤政府参考人 本法律に基づく国の支援につきましては、モニタリングにつきましては、それが安定しているかどうか、大体ほかの地域でも二年間くらいのモニタリングということはこれまで見てきたところでございますけれども、それ以上につきましては、他の案件の例を見ましても、これで大丈夫だということで、それ以降は国の方からの支援はしていないという状況にございますので、他の案件とのバランスとか、そういったことも十分考えていかなければいけないというふうに考えている次第でございます。

斎藤(や)委員 モニタリングのコストはちょっと難しいのかなというそういう答弁だったと思いますけれども、今、震災で宮城県の自治体は本当に予算のやりくりが大変になっております。それから、震災そのものでも、村田は結構地震で揺れまして、かなり地盤が不安定なので、そういった地盤沈下の調査もしなければいけないということもあると思いますので、ぜひ特段の配慮をよろしくお願い申し上げます。

 この話は終わりまして、私、一昨日、陸前高田の方に行きました。陸前高田の役場の方が言っていたのが、瓦れきの処理にやはり困っているという話です。

 今回の東日本大震災の瓦れきというのは、地域地域、市町村ごとに全くその特徴が違っております。特に陸前高田の場合は、海から来たごみ、つまりヘドロ、それからヘドロのついたごみ、こういうものの処理に大変困っているということを言っていました。

 そして、その瓦れきの担当者が言ったんですけれども、陸前高田市の方で、このヘドロについては海に戻してもいいんじゃないかとか、あるいはこういう処理をしてもいいんじゃないかということを環境省に言うんだけれども、環境省は何だかんだ言って全てだめだと言う、一方では国から解決策というものが示されない、もうお手上げだ、一体どうすればいいんだと。

 私が今週環境委員会で質問するので、斎藤さん、ぜひちょっとそれを環境省にぶつけてくださいということを言われましたので、ぜひ答弁をお願いします。

伊藤政府参考人 今回の東日本大震災では、先生御指摘のとおり、大量の津波堆積物が発生しまして、その中には、災害廃棄物と混然一体となったものも相当量あるわけでございます。

 これらの処理の進め方でございますけれども、これを適正に進めるという観点から、環境省では、昨年の七月に東日本大震災津波堆積物処理指針を策定し、その処理方法を示して各自治体に通知しております。

 その中身はどういうことかと申しますと、この津波堆積物というのもいろいろな種類がございまして、分別をせずにそのまま土木資材として活用できるもの、それから、ほかのものとまざっていて、分別をすることによって土木資材として利用することができるもの、それから三つ目として、有害物質などを含んでおるものにつきましては、焼却とか、あるいは洗うとか、あるいは管理型最終処分場で処分するとか、そういう一応三つのものにいろいろ、まずは目視で、必要なものは分析をして分けて、それぞれ、例えば分別しなくていいものは土木資材として利用してもいいですし、場合によってはそれはそのまま海に戻すということも決して不可能ではないと。ただ、そういうきれいなものはなるべく土木資材で使っていただくことが適当だろうというふうに考えておりますけれども、一応そういうふうな指針を示しております。

 また、岩手県を含む三県に職員及び技術者を常駐させておりますし、定期的に被災市町村を巡回訪問しております。それで各市町村に技術的なアドバイスを行っているということで、宮城県につきましても、ごく最近にいろいろ巡回訪問している状況でございます。

 いずれにしましても、今後とも、処理に困っている市町村に対しては積極的な支援を図ってまいりたいと思っていますので、ぜひいろいろまた御相談をいただければというふうに考えておるところでございます。

斎藤(や)委員 わかりました。それでは今の答弁をそのまま陸前高田の担当者にぶつけますので、またフィードバックがされてきたら、今度はヒアリングかなんかで、個別でぜひよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

 さてそれでは、規制委員会の人事について細野大臣にお伺いしたいと思います。

 一昨日のニュースでもやっておりました。細野大臣も直接福島に行かれて、福島の皆さんと議論をしておりました。その中で、規制委員会の人事についての意見があって、その中で福島の方が、また原子力村で固めるつもりなのかという厳しい言葉があった。これはニュースで見ました。

 この日は、実は私は、官邸前のデモに来ている方々の中心的な方々と懇談する機会があったんですけれども、そこでもやはり、これだけの事故があったにもかかわらず、何でこんな人事が出てくるのか、こんなことばかりで、本当に今の日本政府に対して、日本社会に対しては絶望感しか感じないという、悲壮感のある訴えをしている方が何人もいたんです。

 確かに、この規制委員会の人事を見ますと、危険なものを危険だというふうに言える方というのがほとんど見当たらない。しかも、このチームで何をやりたいのかというのも、私ははっきり言って見えてこない。

 そもそも、このチームの編成それから人選というのは、官邸の誰が主導して、どういうフローで決まったのかということをお聞かせいただきたいんです。今回の人選というのは、透明性の確保というのを徹底させるというふうにうたっていると思います。ですから、この人選の経緯を詳しく教えてください。

 細野大臣は、この前、私のところにおりてきたので私は了としたという判断をされたということだったんですが、では、落ちてくる前に誰が議論をして、どうやって決まって落ちてきたのかというそこをちょっと詳しく聞きたいんですが、よろしくお願いします。

細野国務大臣 原子力規制委員会の設置法におきましては、次のような規定がなされております。「人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」という形になっております。

 したがいまして、任命者たる内閣総理大臣が最終決定をされたわけでありますが、最終決定というか、お出しをする人選についての最終決定をされたわけでありますが、その前段で人選をいたしましたのは私でございます。

 もちろん、いろいろな関係者の協力を得ながらでありますけれども、これはやはり、情報をどう秘匿をするかということも含めて最終的には御迷惑をおかけをしてしまいましたけれども、その前の段階において、それこそ多くの人間が関与するということはできませんでした。したがって、私のところでさまざまな人に直接、間接に話を聞いて、その中で人選をしたということであります。

 二人は原子力の専門家、そして一人は放射線防護、いわゆる線量の評価などについての専門家、これを入れなければならないと思いました。あと、若干議論は分かれたんですが、日本の場合には、やはり地震国家ですので、地震、津波というものについても相当のやはり専門性というのが求められるだろうということで、そういう専門家の方にも入っていただきました。

 その中で、国際性やセキュリティーであるとか、さらにはセーフガード、補償措置、そういった分野についてもさまざまな経験がある方がいた方がいいだろうということで、そういう方にも一人入っていただいた、そういう経緯であります。

斎藤(や)委員 細野大臣が主導してこの人事案は決められたという、そういう答弁がございました。

 この人事というのは、言うまでもなく日本のエネルギーの未来を決めるものですから、当然、政権与党、民主党の考えというものもやはり盛り込まなければいけなかったんじゃないかなというふうに私は思うんですが、前原政調会長が与党民主党の政調などには何の説明もなかった。この委員候補の方の資質を見きわめる以前に、やはり国民の皆様に、なぜこの方を選んだのかということも含めて説明しなければ、国会議員にも説明しなければいけなかったのではないかなというふうに私は思います。

 そういったこともありまして、この環境委員会の委員の方も含めまして、民主党では、今三十人以上の方がこの人事については反対しているということなんですけれども、このことについて細野大臣はどういうふうに感じておられるでしょうか。

細野国務大臣 この国会の同意人事の仕組みというのは、各党各会派の事前の調整をもってやるという仕組みではなくて、政府としてはベストと思われる人選をし、それを国会で御議論をいただいて、それぞれ皆さんで御判断をいただく、それぞれの会派で御判断をいただくという、そういう仕組みになっております。したがいまして、今回もそういうプロセスをとらせていただきました。

 さまざまなお考えがあるのは承知をしておりますけれども、政府としては、それぞれの専門性も考えて案を出させていただいておりますので、ぜひ御承認をいただきたいというふうに思っているところでございます。

斎藤(や)委員 この人事案には、私だって、他党のことを余り言うことはやってはいけないかもしれないですが、自民党の中でも相当数異論が出ているというふうに聞いております。

 当然、私たち国民の生活が第一・新党きづなは、きのう政策会議をやりまして、全会一致で、この四人については全員反対しようということを決めました。

 民主党の中でもこれだけ多数の反対がある。自民さん、公明さんはどうかわかりませんけれども、仮にこの人事案が否決された場合、もしとか仮にとか、そういうことはなかなか難しいかもしれませんけれども、これはやり直しということになります。そうなった場合に、細野大臣、もう一回主導して選ばれるかと思うんですけれども、そういったことは考えておられるでしょうか。

細野国務大臣 今出しております人選がベストの人選というふうに考えておりますので、ぜひこの案を御承認いただきたいというふうに思っております。

斎藤(や)委員 今の段階ではそういった答弁しか多分できないかとは思いますが、相当国会内でも紛糾しているということをぜひ理解していただければというふうに思います。

 今回の福島の事故というのは、メーカー、それから電力会社、研究機関、大学の御用学者、原発推進の官庁、政治家、こういった持ちつ持たれつのなれ合いが安全神話をつくって福島事故につながった。これは、電気事業者だけでなく、原子力は危険だけれども安全だと言って推進していった固まり、これを恐らく原子力村というんだと思いますけれども、細野大臣はこの一カ月前に、原子力村からはこの人事は選ばないということをおっしゃりました。細野大臣の頭の中にある原子力村というのは、どういうことを言うんでしょうか。

細野国務大臣 まず、一番言えることは、事業者としっかりとけじめをつけることができるということです。一番それは何といってもしっかりけじめをつけなければならないのは、発電をしている電力会社です。原電を含めてですが、原電を含めて発電をしている電力会社とはけじめをつけて、そこに対してはしっかりと物が言える人でなければ規制をすることができないということであります。

 原子力村というのを原子力を専門としている全ての人というふうにとってしまいますと、原子力規制委員になる人はいなくなってしまいます。ですからそこは、ついてはいけない人というのは、事業者とのけじめをつけることができない人というふうに考えております。

斎藤(や)委員 そういう意味では田中さんは、きのう内閣の方からありましたけれども、報酬を受け取っていたということです。昨年度、原稿料や講演料として、日本原子力文化振興財団、これは原子力推進の団体から報酬を受け取った。田中さんはこれを除染に使うということを言っていましたけれども、こういったことが報道されますと、どう見たって、これは推進側あるいは事業者側にかなり寄った方じゃないかというふうに国民が思うのは当然でございまして、やはりそこはしっかりと受けとめていかなければいけないんじゃないかな。

 過去三年間で同一の原子力事業者から年間五十万円以上の報酬を得るなどした人物は起用しない、ここが規定だそうなんですけれども、二十九万、電力事業者じゃないといっても、原子力を推進した文化振興財団、原子力を推進していた財団からの報酬であるということは、やはり国民感情からすれば、これはどう見ても原子力村の人だよね、原子力村の村おこしをした原子力村の村長に近い人なんじゃないかというふうに思うのが当然なのではないかなというふうに残念ながら私は思ってしまいます。

 ぜひ細野大臣、こういったことも含めて野田総理に、野田総理は、何がいけないのかみたいなことを報道で私は伝え聞きました。原子力委員会の組織の方だったということと、こういった金銭の授受をしていたということ、それから過去の発言も含めて、野田総理に細野大臣から、田中さんは、こういう意見が出ていますしこういう発言がありましたということをもう一回ぜひぶつけてみていただきたいと思います。野田総理にはきちんとした情報が行っていないのではないかなというふうに私は危機感を持っているわけでございます。

 今回の規制委員会の組織に必要なのは、細野大臣は、この田中さんは汗を流して一生懸命動いているということを言っておられましたけれども、私はやはり、その人がどういう組織で働いていたのか、利用側と規制側を明確に分離するよ、それから、倫理観や理念というものが必要だと思います。

 特に、今我が国は原発依存からの脱出ということをうたっているわけでございます。規制委員会の方々にこの理念というものを共有させるべきだというふうに私は思っているんですが、細野大臣の見解をお聞かせください。

細野国務大臣 まず短く、報酬についてでありますけれども、田中氏というのは、原子力の専門家の中では非常に珍しく、事業者と非常に厳しい、対立関係とは言いませんけれども、けじめをつけてきた人なんです。だからこそ、過去においてそういう何か蜜月関係になるようなことはなくて、逆に言うと、そういう方々からは、ある種、あえて言葉を選ばずに申し上げると、警戒心を持って今でも見られているところがあります。

 その中でなぜ田中氏が去年からそういう報酬を受け取ることになったのかといえば、原子力のさまざまな関係団体も除染についてやらなければならないということで、講師として招かれたということなんですね。そこで二十九万円ですかの報酬というのは、これは、もちろん国民の皆さんから見れば、金額そのものについてはいろいろ評価はあるかもしれないけれども、毎週のように手弁当で福島に行っている中で、除染について話をし、そしてそれを実費で使うということ自体を、いや、この人間は原子力村だからけしからぬと言うのは、私は、若干バランスを欠いた評価ではないかなと、そんなふうに感じております。

 御質問の部分でございますけれども、野田総理にはいろいろな情報が入っているだろうというふうに思います。ですから、もちろん私も、機会があれば、こういう声がいろいろなところであるということはお伝えをしたいというふうに思っておりますが、そこはベストの人選をしているという判断自体は私も変えておりませんし、総理も変えておられないというふうに承知をしております。

 その中で、御質問にはありませんでしたけれども、一点だけ申し上げると、今回の原子力規制委員会が明確に理念として持ち続けなければならないのは、福島の教訓を忘れない、あの事故を二度と起こさない、これに尽きると思うんですね。それを実行するための手段として、例えば透明性であるとか、さらには危機管理であるとか、そういったことはあると思うんですが、共有すべき理念はもうそこに尽きると思うんです。

 そこについては、もちろん私も事あるたびに申し上げておりますが、こうしたメンバーの皆さんはまさに骨身にしみて感じてやっておられますので、しっかりとそれに基づいてやっていただけるのではないかというふうに思います。

 いろいろな評価がおありなんだとは思いますが、おとついの議院運営委員会での話を私自身聞いておりまして、非常に厳しい規制を導入をされる決意を持っておられる方だというふうに思っておりまして、ぜひそこも含めて御理解をいただきたいというふうに思っております。

斎藤(や)委員 今ちょっと一つ抜けていたんですが、福島は忘れないということは共有するべきだということなんですが、それでは、脱原発というコンセプトは共有しなくてもいいということでしょうか。

細野国務大臣 ここは田中氏自身も非常に慎重な物言いをしていたんですが、原発を推進をするか、原発をやめるかということを決めるのが原子力規制委員会の役割ではないんですね。それは政府として責任を持って決めなければならないことであり、国会でもいろいろ議論をしなければならないところだと思います。

 例えば、脱原発をするために原子力規制をするということになってしまうと、一番いいのは全部動かさないことですから、それだと専門的、科学的な評価にならないわけですね。一方で、推進側にそれこそ蜜月関係があって、電力会社におもねって判断をするということになると、これはもう論外という話になりますので、そういう考え方ではなくて、それぞれの原発について安全性が確保できているのかということについて厳しい目でしっかりと見るというのが、これが規制委員会の役割ですので、そこは役割が違うんだということをぜひ御理解をいただければというふうに思っております。

斎藤(や)委員 よくわかりました。

 ただ、一方では、やはり原子力は危険なものだ、それから放射能は危険なものだというそういう認識は、私はあるべきだというふうに思っています。

 そういう意味でいえば、今回の委員の中には原子炉の専門家がいないというのも一つ大変私は気になるところでございますし、それからもう一つ、この田中さんが言っていることで気になったことが、百ミリシーベルト以下なら健康への影響は大きくない、野菜不足、運動不足、肥満などは百ミリシーベルトの被曝よりリスクが大きいという統計がある、一番のリスクは被曝を恐れるストレスと言われているというふうに説明をされているわけでございます。

 放射能に対しては、これはもう細野大臣よくわかっていらっしゃるように、非常にその知見が少ないわけで、本当にこれが安全か危険かということがよくわからない中で、いや、百ミリシーベルト以下だったらこれは安全だよという放射能安全論者じゃないですか、この方は。

 こういうバランスの欠けた方を本当に委員長にしてもいいものなのかというふうに私は思いますが、そこはどうですか、細野大臣。

細野国務大臣 百ミリの問題というのは、まさにICRPの、これは複数の、非常に世界の数多くの学者の中でコンセンサスとして出ている、百ミリ以上については疫学的な差が出ているけれどもそれ以下については他のリスクに隠れるという、そういう考え方を田中氏も述べたものというふうに思います。

 百ミリ、あとは二十ミリということについても田中氏自身がいろいろ発言をしているんですが、二十ミリでもう問題ないということを本人が言っているわけではないんですね。そこで生活をしている方々には、大丈夫ですよ、私がちゃんと除染しますからと、政府に対しては、除染のスピードが遅いと常に我々には厳しい指摘をしてこられているわけです。

 ですから、そこで生活をされている皆さんの立場に立って何が必要なのかということについて考えながら発言をしてきたことが、いろいろなとられ方をしているということにつながっているのではないかというふうに思っています。

 もちろん、福島の皆さんが直接田中氏の行動を全てごらんになっているわけではないというふうに思いますが、彼がこの一年数カ月の間にとってきた行動自体は、それをしっかりと見てきた皆さんからすると、私は一定の評価をいただいているのではないかというふうに今でも思っております。

斎藤(や)委員 それから、今回の人事のバランスにおいて、やはり放射能は危険なものだ、そして原発は危険なものだという、原発事故が起きてからそういう観念というものが日本国民で今共有化されているわけですから、少なくても、脱原発、あるいは放射能は危険なものであると言うそういう委員を、やはり委員の中でも一人か二人入れるべきなんじゃないかなというふうに私は思います。

 そういったこともバランスを欠いた人事だというふうに私は言わざるを得ませんので、ぜひ、規制委員会の人事、否決された場合は、私も含めて、それから議運で議論されたことも含めて、そういったところを受けての人事案のやり直しというものをぜひ細野大臣にも考えていただければというふうに思います。

 私からの質問は以上です。ありがとうございました。

生方委員長 次に、井上信治君。

井上(信)委員 自由民主党の井上信治です。

 きょうは産廃特措法の法案審議ということで、けさから私で四人目の質疑者になるんですけれども、それぞれの皆さん、この法案審議とあわせて、原子力の話でありますとか、いろいろなことを交えて質問をされておられました。もちろん、原子力の問題も本当に重要なことだと思います。

 しかし、私はきょう、原則的には法案審議ですから、この産廃特措法の法案に限って、少し丁寧に、集中的に、細かく質問をしたいと思っています。

 それはなぜかといいますと、この産廃特措法、本当に大切な法案ですよ。やはりこの対象事業地となっているところ、大変な苦労をされている、困っている。そもそも不法投棄ですからね。違法行為が行われて、少なくとも十四年以上前、物によっては三十年、四十年前からこれが始まっているわけですからね。これをなぜ、今までの地方自治体、国も含めて行政はこのままにしていたのか。

 もちろん、いろいろ複雑な経緯もあるでしょうから、それなりの努力はしてきたと思います。しかし、今もってなお、何十年たっても、それぞれの地域で生活環境の汚染が進行しているんですよね。これはやはりとんでもないことですよ。環境を守る、そして住民の健康と命を守る、これは全ての行政の、あるいは我々政治家の責任ですから、これは本当にちゃんとやってもらわなければ困る、そういう強い思いを持っております。

 そういう意味では、この法案、もちろん延長することを私は賛成ですよ。これはむしろやらなければいけない。もっと早くやれ、ちゃんとやれ、環境省頑張ってほしい、そういう思いですからね。

 そういう思いを込めて、むしろ、ただ単純にこれを十年間延長するだけでいいんだろうか、それで必要十分なのか、もっといろいろなことをやらなければいけないんじゃないか、そして、本当にこれからの十年間でちゃんとやれるのか、疑問に感じるところも多々ありますので、そういった質問をさせてもらいたいと思っております。

 まずは、これはいろいろな方も聞いておられますけれども、やはり、何でこの十年で解決できなかったのかということですよね。それをまず御説明いただきたいと思います。

細野国務大臣 前向きな御発言、ありがとうございました。非常に重要な法案ですので、しっかりと御審議をいただいて通していただければ、本当に今度はこの期間の中でしっかりとやるということで努力をしてまいりたいと思っております。

 なぜできなかったのかということでありますけれども、当初は、十年間の時限立法というこの期間の間に、例えば香川県の豊島であるとか、これは一番有名というか、大変御心配がたくさん地元であった事例でありますが、青森・岩手県境といった事案について処理を行うことができると判断をしておりました。

 実際に、この法律に基づきましてこれまで十五件の支障除去事業が進められてきたわけでありますが、このうち四事案については既に事業を完了し、生活環境の支障は取り除かれたということであります。ただ、継続中の事案というのもまだございまして、関係者の合意のもと、事業が着実に進められてきたという、そういう経緯であります。

 具体的に事例を申し上げますと、やはり豊島の例ということになるわけですが、支障除去等事業を実施をいたしましたところ、当初の想定を超える廃棄物というものが下に埋まっていた、上から見たらなかなかわからなかったということでありますが、そういったことがございました。事業を平成二十五年三月三十一日までに完了することが困難な事例があったということであります。そうしたものについては、さらなる期間を必要とするということが判明したということであります。

 さらに、法制定後に、つまり、これが平成十五年に制定されておりますので、その制定の後に新たに発覚をした事案というのもございます。そして、その事案については、当該都道府県などが支援の対象とすることを希望しておりまして、住民の皆さんとの調整も必要だというそういう状況になってまいりました。実施計画の作成に時間を要している事案もあるということであります。

 そうした新たな事案が発生をしたことも踏まえて、本法の期限を十年間延長する法案を提出させていただいたところでございます。

井上(信)委員 大臣、十五件、そのうち四件完了しましたと胸張って言われたって困りますよ。だって、法律制定するときにはその十五件、当然全部できるということで十年の期限を設定したわけですからね。これは不法投棄ですから、もちろん悪いのは、やはり、違法行為をした処分者であったりあるいは排出事業者であったり、また、直接的な権限を持つ都道府県でしょう。

 だけれども、当然環境省にもその責任がある、重大だと思いますが、この環境省の責任についていかがお考えか、大臣、お答えください。

細野国務大臣 御指摘のとおり、十五件のうち四事案のみしか完了していないということについては、とても胸を張れる結果ではないというふうに思っております。

 そうした意味では、将来の見通しについて法制定当時に甘さがあったということについては率直にこれは認めた上で、この法律を出す以上は、しっかりとやり切るという体制をつくらなければならないというふうに思っております。

 都道府県の役割としてやっていただく部分と、そして環境省として踏み込んで取り組むべき部分と、これはもう一度しっかりとそこの部分の連携を強化をすることも含めて、非常に大きな責任が環境省にあると考えております。

井上(信)委員 非常に大きな責任が環境省にあると率直にお答えをいただきました。その責任を本当に大いに感じて、そして取り組んでもらわなければ困ります。

 ただ、それであれば、では、この法案で本当に必要十分なのかということを私は率直に感じますよ。単純延長ですよね。条文数も非常に少ないですよね。

 本来であれば、この十年間、この処理についていわば失敗したわけですよ。そうしたら、いろいろな反省点はある、何か改善しなければいけない点もある。そういったものを盛り込んで延長と一緒に法改正をすべきですよね。

 ですから、この特措法の延長以外のほかの条文であるとか、あるいは、そのもともとの本法である廃掃法、こちらの方を同時に変えて、これからこういう制度改善をします、だから十年間で処理することができるんです、延長をお願いします、そういう態度が本当の責任ある対応だと思いますが、いかがですか。

横光副大臣 時限立法でありますこの産廃特措法の立法趣旨が、法の期限内に確実に支障の除去等を完了するというものであります。である以上、今後新たな支援事業がいたずらにふえていくことは法の趣旨に反するものである、まずこういうふうに考えております。

 このため、今回の改正法案におきましては、井上委員御指摘のように、単にこの法律の期限を十年間延長するだけでなく、都道府県等が策定をいたします実施計画の環境大臣への協議、これにつきましては、平成二十五年三月三十一日までに行わなければならないとする規定を新たに盛り込んでおります。つまり、平成二十五年度以降の支援対象事案を限定するとしたところでございます。

 また、先ほどお話にございました廃棄物処理法につきましても、平成十七年改正におきましては、マニフェスト制度違反に対する措置命令等の規定を追加したほか、平成二十二年改正におきましては、不法投棄の原因者である法人に対する罰金の上限を三億円に引き上げるなど、規制の強化や厳罰化も同時に進めてきているわけでございます。

 今後も、不法投棄の状況を踏まえつつ、より、委員のお考えのように実効性のある制度のあり方について検討してまいりたいと考えております。

井上(信)委員 その、大臣協議について期限を切ったという話は後で質問させてもらいたいと思います。

 いたずらにその処理件数をふやすということがよくないとおっしゃられましたけれども、それは私は違うと思いますよ。あるいは、そういった要請もあるかもしれないけれども、私が言っているのは、十年間できちんと処理できなかった、そこを反省して制度に踏まえろと言っているんです。やはり、守るべきは生活環境であり、住民の健康や命なんですよ。だから、そういう前向きな改正をちゃんとやれということですよ。

 確かに、廃掃法の中でこの十年間随時改正してこられましたよ。でもそれだって、最後の改正は二年前でしょう。この特措法を制定したときは、同じ国会に一緒に廃掃法を出した。やはり、そういう態度が真摯な態度でしょう。だから私は、申しわけないが、副大臣の答弁には納得はできません。ただ、もう国会に提出をしておりますから、それを修正しろと余りむちゃを言うつもりはありませんけれどもね。

 これから基本方針を策定しますよね、この法律が通れば。基本方針は大幅に変更するということも聞いておりますので、少なくとも、その基本方針にちゃんと十年間の反省というのも盛り込んでもらいたい。あるいはそれから、今後の廃掃法の改正、こちらの方もしっかり考えてください。随時、数年おきにやっていますからね。また次の国会に出してもらっても結構ですよ。やはり、そういう前向きな姿勢をぜひお願いしたいというふうに思っております。

 前向きな姿勢ですから、今後十年間の前向きな話をしたいと思いますが、まずは、この延長幅、何で十年なんですか。お答えください。

横光副大臣 今回のこの法改正を検討する際に、平成二十五年度以降、この事業の実施を希望しておられる都道府県等に対して、事業の完了までにどれだけの期間が必要かという調査を行いました。その結果を踏まえると、最も長い期間を要する事業であっても、十年間で事業を完了できる、このように考えたわけでございます。

 このような状況から改正法の期限を十年間延長することにしたところでございますが、十年間という延長ではございますが、環境省としては、できるだけ早期に事業を完了する必要がある、このように考えておりまして、新たに策定する基本方針にもその旨を明記していきたい、このように考えております。

井上(信)委員 私の趣旨は、十年間、もちろん早く解決できればいいですよ。だから基本方針にその旨を書くとおっしゃった。それはそれでいいんですが、そんなにうまくいくだろうかと。むしろ、本当に十年で足りるのかと、そっちの心配をしているんですけれども。

 何で十年にしたかということの御答弁については、これは十年でできると見込まれるというそういうお答えでしたが、多分、現行法の制定のときもそういうお答えだったと思うんですよ。だから反省していないと言っているんです。そしたら工夫してくださいよ、同じ考え方で十年で設定したら失敗したんだから。

 それでは大臣に伺いますが、では、この十年の設定をした、もし十年でできなかったらどうするんですか。また単純に延長すればいいや、そういういいかげんな気持ちで法案を提出されたらもちろん困りますよね。当然のことながら、十年で解決できなかったら、それはまた環境省の責任、あるいは制定時の大臣としての責任ということにもなると思う。それは十年後にならないとわからないかもしれない。でも細野大臣は、将来を嘱望されて十年後は総理大臣になっているかもしれませんから。

 そういう意味で、今後のことも含めて、大臣、もし十年でできなかったらどうするんですか。お答えください。

細野国務大臣 十年後というのは、私がこの世界にいるかどうかもこれもわかりませんので、そういう意味で、十年後どうしているかということはちょっと何とも申し上げられませんが、大事なことは、十年でやり切ることだと思います。

 先ほど副大臣の答弁もありましたけれども、しっかりと対象を明確にして、そしてそれぞれについて、もちろん自治体の皆さんといろいろ協議をしながら計画をつくり、やり切るという体制をつくることだというふうに思います。

 しっかり対象事業を絞り込めば、それをどう具体化していくのかというのもおのずと見えてまいりますので、それをやり切ることで責任を全うしてまいりたいというふうに思っております。

井上(信)委員 確かに先のことはわかりませんけれども、本当に、だからしっかりやっていただきたいんですね。

 環境省としても、例えば廃掃法の四条三項、国の責務というのがありますよね。さまざまな支援などを都道府県に対しても十分に行うということ。ですから、そういった事業がきちんと完了ができるように、事業の進捗状況など把握して、そして、必要とされる助言、技術的支援などを十分に行うということ、これを確約してもらいたいと思いますけれども、いかがですか。

横光副大臣 今委員の御指摘、しっかり賜って努力してまいりたいと思います。

井上(信)委員 どうもありがとうございます。

 これは私からの提案なんですけれども、十年間頑張る、でも、頑張っても、できなくなる可能性はそれはありますわね。だから、そういうときを考えて、最近の立法だとよくあるんですけれども、普通、見直し規定というのを入れることが多いじゃないですか。十年間の時限立法であれば、三年後の見直し、五年後の見直し、それをやります、それを踏まえて、また延長など必要な措置を検討するということになることが多いと思うんですけれども、この見直し規定というものを入れたらいかがですか。

伊藤政府参考人 この法律は、平成十年以前に起こった廃棄物の不法投棄等の不適正処理について対処していく法律でございますので、新しい不法投棄に対して対処していくという法律ではございませんので、私どもとしましても、平成十年までのものでこの十年でやり切ることを前提でやってきて、そのためには、当然、都道府県においても、どこをやらなきゃいけないのか、十年間は国の支援をしますよという法律でもともとやっていた法律でございますから、それをあえて今回は十年間延ばすという特例措置を設けるわけでございますので、これ以上延ばすとかそういうことは、国民に負の遺産を将来残さないという意味でもあってはいけないというふうに思いますので、これは五年後に見直すということではなくて、長くてもこの十年間にやり切る、こういうふうなことでやるべきではないだろうかということで、特段そういった見直し規定は置かなかったということでございます。

井上(信)委員 そんなことはわかっていますよ。それは過去の事案でしょう。でも、過去の事案だから見直し規定を置かなくていいという話ではないですよね。

 私はむしろ逆だと思っているんですよ。今ある不法投棄だったら、それはいろいろ、新しい事案だから状況も把握しているでしょう。でも、古い事案だからこそ、想定していなかったことが見つかったりとか、いろいろなことが想定される。だから、やはりそういうこともちゃんと前向きに考えてもらいたいということですね。

 だから、私はこの見直し規定というのも提案もしましたが、これまた条文修正の話になるので、はいわかりましたとはなかなか言えないでしょうから、私は、法案が成立した後もしっかり見守っていきたいと思います。それで、随時この環境委員会でも質問をさせていただいて、もしそれがちゃんと進んでいなかったら、見直せとまた言わせてもらいたいなと思っておりますので、そういうことでお願いをいたします。

 それから、さっき副大臣からちょっと答弁をいただきました、大臣協議の期限の話。

 ただ、私なんかから見ると、むしろこれは異様に映りますよ。この法案、短い改正法案で単純延長だけ。しかし、その中で唯一中身のあるといいますか新しいことが、この期限なんですよ。

 この期限というのは、大臣協議はもちろん現行法にもある、しかし、現行法は期限を切っていない。今回は、期限を切ったのを新たに新設をした。何でこんなことをしたんですか。

横光副大臣 改正法では、環境大臣への都道府県等の実施計画に関する協議は平成二十五年三月三十一日までとすると新たに加えました。

 これは、過去の負の遺産であります不法投棄等による支障を、新たな法改正のもとで今後十年間以内に一掃する、そういった強い決意を示したものであると御理解いただきたいと思います。

井上(信)委員 短い御答弁をありがとうございました。

 決意はいいんですが、私が申し上げたいのは、これは大臣協議でしょう。ということは、都道府県に対して義務を課しているわけです、期限を切っているわけです。環境省は受け手側ですよ。だから、俺のところに協議してくるのは早くやれよということだけ義務づけている。

 例えば、環境省がやらなければいけない基本方針の策定であったり、あるいは、協議があった場合には同意をしなければいけませんよね。そういった環境省がやるべきことについては期限を切っていないんですよ。都道府県にだけ期限を切って義務を課す。これはおかしい。

 しかも、そういったことというのは一連の流れなわけですよ。その一連の流れの中途段階のそこだけ、しかも都道府県にだけ義務を課す、期限を切る。おかしいと思いますよ。それについていかがお考えですか。

横光副大臣 委員御指摘のように、確かにこれは一連しているわけですので、連動しているわけです。

 ですから、この改正法が成立した場合には、早急にまず環境大臣の基本方針を策定する。期限が書かれていないとおっしゃいましたが、早急にこの環境大臣の基本方針を策定することになるわけですね。そうしなければ都道府県等からの協議が進まないわけです。まず基本方針を策定する。そして、都道府県等から新しいその基本方針にのっとった実施計画を提出していただきたい。その提出があった場合に、必要な調整を踏まえて、そしてまた、内容が妥当であれば早急に同意していきたいと考えておりますので、連動しております。

 まず都道府県の期限を決めました。そのためには環境大臣の基本方針を当然つくらなきゃなりませんので、それが先に来るということで考えているわけでございます、当然のように。

井上(信)委員 余り私の質問にお答えをいただいていないんですけれども。やはり、これは私はおかしいと思いますね。期限を切るなら、基本方針の策定にも期限を切り、そして同意だって、協議があってから何日以内に同意しなきゃいけないとかということを私はやらなければいけないと思います。

 では、スタートとなる基本方針、早急に策定するというふうにおっしゃいました。それで、現行法の制定のときは、法案の成立から基本方針の策定まで大体三カ月半ぐらいたっているんですね。今回、いつこの基本方針を策定されますか。

横光副大臣 基本方針は、改正法が成立した場合には、まず、学識経験者の助言等を求めながら、パブリックコメントなどの必要な手続を行います。その上で、今委員言われましたように、二、三カ月をめどに環境大臣の基本方針を策定したい、このように考えております。

井上(信)委員 二、三カ月をめどということですね。これは本当になるべく早くつくってもらいたいと思いますので、それはしっかりやってもらう。

 ただ、今回のこの特措法の四条五項、大臣協議を「二十五年三月三十一日までにしなければならない。」こういうふうになっていますよね。二十五年三月三十一日って、もう八カ月もないですよね。これ、十年間期限を延長すると言いながら、実際には、大臣協議の締め切りというのはもう七カ月半ぐらいで来ちゃうわけですよ。その大前提となる基本方針をつくるのに二、三カ月かかるということであれば、実際に与えられた時間というのは四、五カ月ですよ。

 十年間の期限延長と言いながら、実際には四、五カ月しか猶予を与えないって、これは何か私はとんでもないと思う。何でこういうことをしているのか、よく意味がわからぬですよ。今継続している案件、そして新規に二件あるんじゃないかと言われている。まるで、その件以外は受け付けませんよと言っているようにしか聞こえませんよ。

 これでは、法律の読み方として、二十五年三月三十一日以後に事案が発生して、そして大臣協議をしてくれと言ってきたら、それはもう全部拒否をする、それは支援できない、そういうことになるんでしょうか。

横光副大臣 この法律は、先ほどから言われておりまして、平成十年六月以前に不法投棄が行われた事案を支援の対象としているわけでございます。そのような事案でありまして、平成二十五年三月三十一日までに実施計画を協議しないものがある場合には、これは法に基づく支援は行いません。そういうことです。

 なお、平成二十二年二月あるいは二十三年七月に全都道府県と政令市に調査を行いました。それは、法に基づく財政的な支援を希望する事案は、今後実施計画の提出を予定している二事案だけでございます。一つは三重県四日市市大矢知・平津事案、そして三重県桑名市源十郎新田事案以外にはございません。

井上(信)委員 副大臣、それはやはり余りにもしゃくし定規というか、冷たいというか、上から目線というか、ちょっとそれは困りますね。

 先ほど、三人の委員の方の中で、御地元の方もいらっしゃいました。いろいろな経緯がある、複雑な事情があるというお話もされておりました。事案が発生してから何十年たって新たな原因が見つかったりとか、あるいは、環境省の環境基準が変わったことによってこの事案の対象事業となったりとか、いろいろな事案がありますよね。そういうことを副大臣はよく御存じだと思いますけれども。

 だから、そういうことを考えたら、今年度末以降に出てこないわけがないでしょう。受け付けないというふうに言いましたが、それは、もう発生しないと思っているんですか、それとも、発生したって、法律だからそんなものは受け付けない、周辺環境がどうなろうが、住民の健康が害されようが環境省は知らぬ、そういう意味ですか。お答えください。副大臣、お答えください。

横光副大臣 これは先ほど申し上げましたように、何回も何回もお示ししておりますように、平成十年六月以前の不法投棄等が行われた事案をこの支援の対象としているわけでございます。

 ですから、平成二十五年三月三十一日までに実施計画を協議しないものがある場合は、それは法に基づく支援は行うことができないわけでございます。そういうことでございます。

井上(信)委員 いや、私は別に現行法の解釈を聞いているわけじゃない。ここは法律改正の法案審議の場ですよ。だから、法案の解釈としてはそうなっているかもしれぬが、やはり、政治家として副大臣としてそんなことでいいのですかと、私はそれを聞いているんですね。

 さっきの部長の答弁もそうなんですが、私と認識が違うのは、少なくとも十四年以上前の古い事案だ、古い事案だからいいだろうじゃないんですよ。古い事案だから、やはり現場もわからなくなってきているんですよ、昔のことだから。だから、いろいろ新しい事情が見つかることもあるかもしれない。あるいは、環境基準だってどんどん変わっているわけですよ。当時適法だとされていたそんな投棄が、新しい基準からしたらやはり危険だということがこれから出ることだってあるでしょう。

 だから、その事案が出ることは、そこは否定をしていないわけですよね。しかし、法律はこうなっていますから支援はしません。役人の答弁ならいいですよ、法律を執行するのは役人だ。しかし、やはり政治家としてはちょっとそれは違うと思いますよ。どうですか。

横光副大臣 先ほど支援しないと申し上げましたけれども、平成二十五年三月三十一日までに実施計画を協議してほしいという趣旨でございます。

井上(信)委員 それはほしいんでしょうけれども、でも、期限を過ぎちゃったらそれを受け付けないということですよね。だからそこが問題だと言っております。もうこれ以上言っても同じ答弁だと思うのであれですが、本当にそういう問題意識を持っています。

 恐らく全国で、今対象となっている、想定されている事案だけじゃなくて、いろいろ不法投棄がある。しかし、その中でこの特措法を使うかどうか、これはまた判断がありますよ。しかし、少なくとも、その不法投棄の現場でいろいろ悩み苦しんでおられる方々がいる。住民の方々、自治体の方々、そういう方々の声をよく聞いてもらいたいと思いますよ。やはり、そういうことで随時考えていっていただきたい。

 少なくとも、今年度末というのは本当に八カ月後に来ちゃうから、その後、必要ならやはり見直しもしてもらいたいなと私は思いますけれども、まあいいですよ。

 そうしたら、少なくとも、大臣協議を今年度末になるべくやれ、やってほしいという話でしたから、そのための協力というのは当然やってもらいたいと思います。

 例えば、都道府県に対していろいろな情報の提供ですとか説明会の実施、そういったことに対して環境省としても支援をしていただく、これは大事なことだと思いますけれども、これぐらいはやってくれるということ、それは明言してください。

横光副大臣 それは当然のことでございますし、この法案が成立しますと、大臣の基本方針を早急に策定していく。これは今もう準備に入っております。そして、早急に基本方針を打ち出しまして指定都道府県との協議に入るわけでございますが、その場合、今委員が言われたような問題点には積極的に環境省は対応してまいりたい、このように考えております。

井上(信)委員 よろしくお願いいたします。

 それから、時間もなくなってきたんですが、中身の話をしっかりしていきたいと思うんです。

 先ほど、大臣の答弁を聞いておりまして、国と地方との役割分担の話、これは本当に私も大事だと思いますね。確かに、廃棄物行政というのは基本的には自治体の役割、権限になっておりますよ。しかし、やはり私は、むしろ環境省にもっともっと出張ってほしい、頑張ってほしいと思っています。もちろん、何かモラルハザードが起きるとか、あるいは地方分権に背くとか、地域の事情とか、いろいろなことはあると思いますよ。でも、大臣もおっしゃっていた被災地の瓦れきの広域処理の話、本当に大臣、環境省には頑張っていただいて、そしてあれがうまくどんどん前に進んだわけじゃないですか。だから、やはりそれをこの不法投棄に関してもどんどんやってもらいたいんです。

 それはなぜかというと、ある意味、都道府県の事務であって、それがうまくいっていないのがこの事案なんだから。だから、その都道府県を助けてやってくださいよ。どんどん出張ってほしいんです。それが私の思いなんです。

 そういう意味では、今回の事案、やはり徹底的な調査を国が責任を持って私は本当はやってもらいたいんです。環境省に伺ったら、毎年都道府県が調査をやって、それをきちんと環境省としてはいろいろ集約をしているという話でしたが、しかし、毎年調査をやっている割には、随時、調査で新しいものが見つかったりしているわけですよね。

 だから、本来であれば、今回ここで法律を新しくする、期限延長する、しかも十年という幅を設けたわけだから、この法案を提出する前に環境省が徹底的な全国調査を行って、それは手足は都道府県にやってもらったっていいですよ、しかし、もっと責任を持って前に出張って、それできちんと環境省が把握をする。それで、副大臣がおっしゃるように、もうこれでありません、絶対にないんですと自信を持って言えるように、本当はそれをやってもらいたいと思うんです。いかがですか。

細野国務大臣 この産廃特措法は、先ほど来何度も副大臣が答弁をしておりますけれども、平成十年の六月以前に不法投棄が行われた事案を支援の対象としているんです。

 したがって、もちろん十年ということですので、十四年前というのを、大昔と言うかどうかは別にして相当前の事案ですから、そういったものについて大規模な不法投棄がないかというのは、相当いろいろ調べて、およそこれぐらいだろうとめどが立っているので、そこにできるだけしっかり絞り込んで処理をするというのがこの法案の考え方でございます。

 ただ、御指摘のとおり、期限が来年の三月三十一日までに協議ということになっていますので、そこまでにもし平成十年の六月以前のものがあるということであれば、とにかく徹底的に見つけるべきだと思いますね。

 ですからそこは、毎年都道府県から協力をいただいて把握をしておりますが、体制としてどういう形で見つけられるか、少し考えてみたいと思います。

 私は、廃棄物の問題というのは、自治体で、身近なところでやるのが一番いいと思うんです、モラルの問題も含めて。ただ、この大規模な不法投棄の場合は、越境で、相当悪質な業者が遠く離れたところに捨ててくるということもありますので、この部分に関して言うと、やはり、一歩二歩前に踏み込んで徹底的にやっていくということが必要だというふうに思います。

 既に、地方環境事務所の職員がパトロールを都道府県と協力してやっていますが、そこの強化も含めて、特にこの産廃特措法に基づく問題については、積極的に対応してまいりたいというふうに思っております。

井上(信)委員 前向きな御答弁を本当にありがとうございます。

 確かに、本当はだから、この法案が成立する前にいま一度徹底調査をしてもらいたいんですが、それは時間的にも無理だろうし、法案をとめるわけにもいきませんので。

 ただ、大臣はいいことをおっしゃっていただいた。今年度末、二十五年三月三十一日の大臣協議の締め切りの前に、環境省、力を入れて調査をやってください。やるとおっしゃった。そして、もしそのときに今まで想定していなかった事案の可能性が出てきたら、やはり、これは勇気を持ってまた法律改正してくださいよ。大臣協議の期限、これを延ばしてもらいたいと思っておりますけれども、いかがですか。

細野国務大臣 かなり把握をできているということが我々の認識なんですね。ですからそこは、三月三十一日という期限の中で協議をしていただきたいというふうに思います。

 ただ、その前提は、平成十年というこのときまでのものが把握をできているということですから、そこで何がこれからそれまでの期間にできるのかということは、井上委員から非常に貴重な御指摘をいただきましたので、しっかりと考えた上で対応してまいりたいというふうに思っています。

 ですから、三月三十一日までにしっかりと協議をしていただけるような環境を我々の力を尽くして整えるということであります。

井上(信)委員 ぜひよろしくお願いします。

 それから、私がもう一つ違和感を覚えるのは、これ、具体的な基準がないですよね。「生活環境の保全上の支障」ということが特措法に書いてあります。では、この「生活環境の保全上の支障」とは一体何なのかということ。

 廃掃法の方にその規定があって、それを引っ張ってもいないんですけれども、でも、一応廃掃法のをいわば準用しているんでしょう。廃掃法については、行政処分の指針というのもあります。でも、この指針も本当に抽象的なことばかりで、要は、具体的、明確な基準になっていない。そうなるとやはり都道府県も、では、これを事業としてきちんとやっていこうかどうかというところを非常に悩まれると思いますし、そんなことでいいのかなということを思いますね。

 いろいろな行政でこういった仕組みというのはよくあるじゃないですか。やはり地方分権の時代ですから、それは市町村や都道府県がやっていく。でも、基準の設定というのは国が行うというのが普通は通常ですよ。

 ましてや、これは通常の廃掃法と違って、特措法で国費を入れるわけだ。国民の貴重な税金を個別の事案、地域に入れるわけですよ。それを、基準もまともに国が設定していないというのは、私は非常に違和感がある。この点についていかがですか。

横光副大臣 委員御説明ございましたように、廃掃法には行政処分の指針というものがございまして、これは非常にわかりにくいというお話でございましたが、人の生活に密接な関係がある環境に何らかの支障が生じ、または通常人をしてそのおそれがあると思わせるに相当な状態が生じる、このことを「生活環境の保全上支障が生じ、」ということでくくっているわけでございます。

 この支障があるかどうかの判断は、例えば、不法投棄されました廃棄物の量あるいは性状、つまり、タール状であるとか液状であるとか、いろいろな質が違います。そしてまた、不法投棄が行われた現場から人家までの距離、さまざまございます。そしてまたさらに、地下水の利用状況といった個別の事情が違うんですね。

 ですから、それぞれの個別のことを踏まえて判断するしかないというのが現状であろうと思っておりますし、委員が言われるように、環境保全上の支障について一律に示すことは非常に困難な状況で、今説明したように、個々の事案でございますので、そういったことで、個別の実情に合わせて都道府県が判断することが適当である、このように考えております。

井上(信)委員 もう時間が来ますので、全量撤去の問題でありますとかマニフェストの義務づけの問題、ちょっといろいろ質問したいと思っていたんです、大臣にも御準備いただいたのに大変申しわけないんですけれども。

 きょうは、実は私の地元、私は東京の一番西の方なんですが、奥多摩町というところがあります。これは山梨や埼玉と県境のところでして、二千メーター級の山まである、東京とは思えない、本当にすばらしいところなんです。秩父多摩甲斐国立公園がすっぽり覆っているようなところでありまして、きょうはそこの人たちに傍聴にも来てもらいました。

 何でかといいますと、この奥多摩町でも、これは一般廃棄物ですけれども、ごみ問題というのが大きな政治課題になりました。小さな町ですから、なかなか自分のところだけで処分できない、限界が出てきている、何とかしなければいけないということで、町長さんを初め関係者の方々が努力して、何とかして周辺自治体の処分組合に入れてもらうことができたんですね。そういう意味では非常によかったですよ。住民も本当に安心をしました。

 でも、やはり廃棄物の問題というのは、それだけ住民の関心事も高い。また、今回のこの特措法の案件のように、不法投棄なんかされてしまったらとんでもないことになる。きょう子供たちも来ましたけれども、これからの子供たちの世代にも本当にツケを残すことになるわけですよ。だから、こういうことは絶対にやっちゃいかぬ、繰り返しちゃいかぬのです。

 さっきから、大臣、副大臣あるいは事務方の答弁を聞いていますと、申しわけないが、それは国と地方の役割分担もあるでしょう、あるいは、モラルハザードを引き起こしちゃいかぬでしょう、財源にも限りがありますよ。期限を区切らなければ真面目にやらない、そういうこともあるかもしれぬ。しかし、残念ながら思いが伝わりません。

 それはそれぞれ地域地域の問題かもしれぬが、やはり国全体として、あるいは、それはどこの地域だって日本国の一部ですよ、それをきちんと守っていくのは、これは国の責任でもあり、環境省の大きな責務であるんだということ、その思いをやはりもうちょっと伝えてほしかった。

 だから、最後になりますけれども、ぜひ大臣、そういった思いを、決意を最後にお述べいただきたいと思います。

細野国務大臣 奥多摩からいらしているということでございますが、私も、町田の方、多摩のもうちょっと手前の方、こちら側ですけれども、住んでいたことがございまして、結構、本当に東京でも奥多摩の方に行くと投棄があるというのは私も承知をしております。また私の選挙区の話で恐縮ですけれども、私の選挙区のかなりの部分は富士山でございまして、富士山もそういう不法投棄が物すごく多くて、大変な苦労をしています。そういった状況をつくらないということについて、私どもは政務三役ということですが、環境省というのはそこはずっとやってきていますから、相当思いはあるんですね。

 きょう答弁の中でそれが出ていなかったとすれば、法律という枠がありますから、その枠の中でできることとできないことを説明するのに若干説明口調になってしまったところがありましたけれども、思いは非常に強く持っております。しかも、非常に真面目に取り組んできたということもございます。

 したがいまして、これから日本の環境問題を考えたときに、この廃棄物の問題というのは、古くからあるけれども、ずっとこれからも存在し続ける課題ではありますから、そこにしっかりと向き合って国民の皆さんの期待に応えることができるように、省を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思っております。

井上(信)委員 最後にすばらしい御答弁をいただいて、ありがとうございました。

 もう冒頭申し上げたように、私はむしろ環境省に頑張ってもらいたい、そういう思いですから、その大臣の決意のもと、ぜひ皆さん方に頑張っていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

生方委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、皆様に引き続いて、産廃特措法の改正案について質問をさせていただきます。

 不法投棄というのは、それがなされた場合には、環境を破壊して、そして、国民、住民の健康に甚大な被害を及ぼすおそれのある、こういう、あってはならない事案でございます。これに対して、しっかりとそれを未然に防止していくこと、また、それに対しての適切な対処を図ることが今、国に、また県に要請されているところでございますので、しっかりと取り組んでいただきたいという思いを込めて質問をさせていただきます。

 産業廃棄物の不法投棄については、不法投棄を行った行為者が撤去するのが原則であります。ところが、行為者が死亡したり資金がないといった場合には、廃掃法、廃棄物処理法に基づいて都道府県等は行政代執行を行うことができるとされています。

 平成十年六月十六日以前に行われた不法投棄を対象として、平成十五年に特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法が成立をいたしました。法制定以降これまで、香川県の豊島、青森・岩手県境といった不法投棄による支障の除去を県が行ってきたところであります。

 本来であれば十年間で完了させるべき事業であるにもかかわらず、さらに十年間の延長をせざるを得なくなったためにこの法律の改正が必要になったと理解しております。

 そこで質問をいたしますが、まず、本法律案を提出するに至った経緯とその意義について、細野大臣に所見をお伺いをいたします。

細野国務大臣 法制定の経緯につきましては、ただいま江田委員の方から非常に的確な御説明をいただきましたので、そこは省略をさせていただきます。

 そういった考え方に基づいて特措法というのができまして、努力をしてまいりました。十五事案のうち、支障除去等事業が実際に完了したものが四事案ということでございます。残念ながら、これは見込みの甘さもあったかと思います。

 今、例として挙げられました香川県の豊島におきましては、当初の想定以上の廃棄物が存在をしていることが判明をいたしまして、結果といたしまして、平成二十五年三月三十一日までに完了することが困難だということがわかりました。そうしたものについては、さらなる期間をやはり設定をする必要があると考えたわけであります。

 加えまして、今後新たに都道府県等が支援の対象とすることを希望している事案というのが出てまいりました。例えば三重県四日市市の大矢知・平津などのように、これがまた非常に大規模な事案でありまして、そうしたものの処理については、やはり最長十年間の期間を要するというふうに考えられているところであります。

 そうした現状を踏まえまして、十年間延長する法案を提出をさせていただきました。

江田(康)委員 この不法投棄に対しては、先ほど述べたとおり、そもそも原因者にその責任があって、原因者が不法投棄した廃棄物を撤去すべきであります。仮に行政が行政代執行を行った場合でも、その費用を負担させる必要があると考えます。これまで本法に基づいて行政代執行を行った自治体は、原因者に対して今までどのような責任追及をしてきたのか、お伺いをいたします。

 また、不法投棄が行われる地域で、地方自治体が迅速に厳しく対応しておれば、ここまで大きくはならなかったというものもあったのではないか。この産廃特措法にて財政支援を受けている事業において、都道府県等の行政対応については、環境省としてどのように考えておりますか。

高山大臣政務官 江田委員にお答えいたします。

 重ね重ねのことですけれども、不法投棄の責任はまず原因者にあるということはもう間違いない話でございます。都道府県は、責任者に対しても措置命令を出すということができます。

 平成九年の廃棄物処理法の改正によりまして、都道府県による原状回復の手続のまず簡素化を行った結果、都道府県知事等が迅速に行政代執行を行うことが可能となりました。その結果、原因者に対する費用求償を迅速に行うことが平成九年以降は可能になっていたということでございます。

 さらに、不法投棄の原因者につきましては廃棄物処理法に基づき厳罰に処するべきと考えておりまして、廃棄物処理法が制定された昭和四十五年には五万円以下の罰金ということでしたが、これは順次強化されてきまして、現在は、個人に対して五年以下の懲役刑もあります、また一千万円以下の罰金、そして法人に対しましては三億円以下の罰金というふうに、罰則も強化をされてきております。

 先生御指摘のとおり、もちろん原因者が一番の責任者ではございますけれども、行政対応のおくれということも指摘されております。産廃特措法の対象となります事業に関しましては、都道府県等の行政対応について、第三者である学識経験者等を交えて検証をします。そして、その検証の結果を明らかにすることが基本方針では求められております。

 あわせて、都道府県等は検証結果を踏まえてこの再発防止策を明らかにするとともに、特に不十分であるとされた事項については、検証結果を踏まえた対策を充実することを図り、公表するということとこの基本方針の中でなっております。

 環境省といたしましても、都道府県から協議のあった実施計画について同意を与える際には、学識経験者の助言等を求めながら当該都道府県からヒアリングを行い、その検証結果の確認も行っております。

 今後とも、都道府県等が行政対応について厳格な検証を行い、再発防止を有効に行えるように、環境省といたしましても協力していきたいと考えております。

江田(康)委員 本法律案でございますけれども、十年間の時限立法となっております。今回の法改正で期限をさらに十年間延長することとしたわけですね。しかし、この十年間で処理が進捗していない案件もあって、処理を進めるにつれて今後も未知の不法投棄が発覚する可能性が捨て切れない中で、法の期限を決めるのは難しいのではないかと一方で危惧します。

 質問でございますが、法制定には、十年で事業が完了するものとこれまで考えて進めてきたわけですけれども、ここまで遅くなるということは、事業を行う都道府県も、事業の同意を行う国も、当初の見通しが甘かったと言わざるを得ません。それぞれどこに問題があったと考えますか。また、国は都道府県の事業に対してこれまでどのような支援を行ってきたのか、何が足りなかったのか、政府の見解をお聞きいたします。

高山大臣政務官 江田委員御指摘のとおり、十年間で完了するということだったわけなんですけれども、この点、本当に見通しが甘かったという御指摘はごもっともだと思います。

 産廃特措法により、これまで十五の事案について支障除去事業が進められております。このうち四事業については既に事業が完了し、生活環境保全上の支障を取り除くことができたとなっております。

 また、継続中の事案についても、地域住民を含めた関係者の合意のもとで支障除去事業が着実に進められてきたという一面もございます。

 しかし、御指摘のような豊島の問題、この問題は、従来、ボーリング調査をもとに予測していた廃棄物の底面よりさらに深い部分に廃棄物があったことが、これは廃棄物の撤去が進んだ段階で判明をし、当初想定をいたしておりました期限内に事業が完了できないということになりました。

 平成十五年の産廃特措法制定時には、当時の知見に基づいた調査を行った結果、十年で処理できると判断したものですけれども、これはもう率直に、見通しが甘かったというふうに反省もしております。豊島の事例のようなことは、廃棄物の撤去がある程度進まなければなかなか実態が把握できないということがございます。

 環境省としては、都道府県等が実施する支障除去事業に関しまして状況把握や技術的な支援を行うとともに、より正確な実態把握に向けて、この調査のあり方そのものについても検討していきたいと今考えているところでございます。

江田(康)委員 調査の結果、期待しますが、この見通しが甘かった、それに対して実態把握していくことが非常に今後大事になってくるかと思います。

 もう一つ、十八年度以降の同意事案に対しては、三位一体改革によって国からの直接の補助金が廃止されて交付税により措置されることとなったわけですが、都道府県が対策費用の五五%を負担しなければならないとなっています。地方負担を軽減することで都道府県が本法のスキームに乗りやすくなるように、国からの補助金の復活を検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。

 補助金の復活が難しければ、グリーンニューディール基金等の活用も考えていいのではないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。

細野国務大臣 この三位一体改革というのは、まさに自公政権のときにやられた、補助金からそういう交付税へということでございまして、そこはいろいろと当時の御判断があったんだろうというふうに思っております。

 お考えとしてはそういう考え方もあり得るんですが、今やっております交付税措置というものも、実はこれは、特措法に基づく特例として地方債をもって財源に充てることができるという制度になっておりますので、その元利償還金について交付税措置をするという形になっております。

 したがって、補助金でやっていた当時の状況と、交付税措置でやっているというこの現状とにおいて、大きな財政的な負担が地方に行っているということでは必ずしもないということであります。例えば負担割合ということでいいますと、三位一体の改革前と後で大きな変化はないということであります。

 そういった意味で、これは、基本的にはこの制度でやらせていただいて、地方の負担が過度に行くことがないようにしっかりと配慮を継続していくということでやらせていただければというふうに考えております。

江田(康)委員 次に、三重県桑名市の五反田の事案では、既に特定支障除去等事業が完了した後に環境基準が変わったために、改めて、特定支障除去等事業の大臣同意を得ることとなりました。

 全量撤去を行わずに現場に封じ込めるだけでは、今後もいつ有害物質が検出されて対策を講じなければならなくなるかわかりません。住民の安全、安心を確保するためにも、できるだけ全量撤去する方向で都道府県を指導すべきではないかと思います。

 また、十年延長することで、地元住民の皆さんからは、既存の実施計画を全面的に見直して全量撤去を改めて求めてくる動きも十分あり得ますが、この既存の実施計画の内容を変えないままでは地元住民の理解が得られないのではないでしょうか。

 さらに、平成十三年五月十五日の行政処分の指針というものがございますが、これが自治体による全量撤去の選択を阻害している一因ではないかとも思われます。この指針についても、これは見直す考えはありませんか。

細野国務大臣 環境大臣が定める基本方針におきましては、支障の除去等の実施計画の策定に際しましては、当該特定産業廃棄物の種類、性状であるとか地域の状況、すなわち住宅が近くにあるかどうかとか、そうした地理的な条件に応じまして支障の除去をどのように効率的にやることができるのか、さらには事業の期間はどうか、そして、やはりどうしても費用の問題というのもございます。そういったものから考えて、最も合理的に支障の除去をできる方法を採用するということになっております。

 そして、具体的な方法の検討に際しましては、都道府県が地元の住民への説明会や広報を通じまして、各現場の実態に応じた処理の方法について理解を求めていくことが不可欠であるというふうに考えております。国ももちろん全面的にお手伝いをするわけですが、やはりどうしても、地元の住民の皆さんとの対話ということになりますと、都道府県の皆さんに力を発揮をしていただく必要があるということであります。

 そして、都道府県等が策定をした実施計画につきましては環境省が同意をすることになるわけですが、その際には、学識経験者による第三者委員会に意見を聞いて判断をするという、そういう形をとらせていただいています。

 すなわち、全量撤去、それは全部なくなるという意味では望ましいという考え方もあるわけですが、こういう実情に応じて、それ以外の方法についてもこうした経緯で採用する可能性があるということでございまして、御理解をいただければというふうに思っております。

 指針につきましては、これは、そうした経緯も踏まえて対応してまいりたいというふうに思っております。

江田(康)委員 豊島と、青森・岩手県境以外の事案では原位置封じ込め方式がとられましたけれども、現状では支障がないとしても、廃棄物が地中に残ることとなるため、今後も大震災の発生が予測される中で、将来にわたって安全であるとは言えません。

 もし仮にこういった事案において平成二十五年四月以降に有害物質が流出した場合でも、この産廃特措法に基づく国の支援を得ることはできなくなるんですか。そこを明確にしてください。

高山大臣政務官 江田委員にお答えいたします。

 このいわゆる封じ込め方式に関しましては、想定される地震等のさまざまな災害に対応できる構造となっており、簡単に破壊されずに、有害物質が流出するものではまずありません。

 実際にこの東日本大震災に際しましても、現在、封じ込め方式によりまして支障除去事業を行っている事案について、これは宮城県だったと思いますが、特段の影響や問題は生じていないという報告もあります。

 しかし、仮に有害物質が流出した場合には、これは、関係者の皆さんと協議して個別に対応はさせていただきたいというふうに思っております。

江田(康)委員 それでは、産業廃棄物管理票、マニフェストについてお聞きをいたします。

 この産業廃棄物の不法投棄防止策として有効と考えられるのがこのマニフェストでございますが、平成十八年一月に取りまとめられたIT新改革戦略においては、平成二十二年度までにマニフェスト五〇%を電子化するという目標が掲げられました。にもかかわらず、平成二十三年度末における電子マニフェストの普及率は、約二五%にとどまっております。

 この電子マニフェストの普及率は、毎年数%上がってきております。そして、最近では確かに上がってきているわけでございますけれども、電子化の必要性が十年以上前から参議院の環境委員会の附帯決議でも指摘されていたにもかかわらず、電子化が進んでいない理由は何なのか。

 これまで、マニフェストの電子化は事業者の自主的な取り組みに委ねられてきており、電子化の普及に向けた政府の取り組みが不十分だったのではないかと思いますが、いかがですか。

伊藤政府参考人 御指摘のとおり、電子マニフェスト制度というのは非常に有効な制度であり、国としてもその普及に努めてまいりました。

 また、IT新改革戦略では、平成二十二年度までにマニフェストの五〇%を電子化するという目標が掲げられたわけでございます。この目標に対し、平成二十三年度末現在における電子マニフェストの普及率は二六%となっておりますが、最近五年間では、年間三%から五%ずつ着実に普及率は上昇しております。

 電子化が進んでいない主な要因といたしましては、小口の排出事業者や小規模の産廃業者が、コストの割には導入効果が低いと考え、導入をちゅうちょしているということが一番大きな理由ではないかというふうに考えております。

 このため、環境省では、電子マニフェストの加入者が増加してきたことなども踏まえまして、本年四月に、少量・少頻度排出事業者の利用料金の引き下げによる経済的負担の軽減を図り、小口の排出事業者が加入しやすい料金体系に改めたところでございます。

 また、携帯電話での利用を可能とするなど、利便性の向上のためのシステムの改良を行ったほか、排出事業者や処理業者に対し、説明会を毎年度数カ所で行うなど、電子マニフェストの普及促進に努めてきたところでございます。

 今後とも、スマートフォン等の最新のIT技術を活用したシステムの改良により、利便性の向上を図るとともに、引き続き、説明会等を通じて普及促進に努めていきたいというふうに考えております。

江田(康)委員 大臣、これ以上不法投棄を起こさないためにも、このマニフェストの電子化を期限を区切って義務化して、早急にトレーサビリティーの確保を図る必要があるのではないですか。いかがでしょうか。

細野国務大臣 先ほども伊藤部長の方から答弁をいたしましたけれども、この電子マニフェストというのは、情報をできる限り共有化をして、そういった意味で、チェックをしやすくするという意味では非常に有効な手段だというふうに思っておりまして、しっかりとこれを進めていくことを、政府としても環境省としてしていかなければならないというふうに思っています。

 先ほど答弁でありました、小さい業者などがどうしてもコストがかかるであるとか、一部IT化について対応できない業者があるであるとか、そういう個別の問題はあるんですが、逆に、それが進むことによって不法投棄などを防げる、適正に処理を進めることができるというメリットは非常に大きいですから、しっかりとそういう方向で進めてまいりたいというふうに思っております。

 義務化するかどうかというところは、まずはそういう個別の問題をできる限り解決をさせていただいて、その中で検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

江田(康)委員 パソコンまた携帯電話が広く普及している現在でございますから、排出事業者また処理事業者に対して電子マニフェストを義務づける、この支障はもうそれほど多くはないと思うんですね。そういうようなことにも鑑みて私は申し上げておるわけで、政府はその義務化に向けたロードマップを速やかに作成していくべきだということを申し上げておきたいと思います。

 住民からの訴えがあっても都道府県がこれを認めない、こういう事案がございます。不法投棄の実態として把握されていないケースがあります。こうした住民の訴えを取り合わない都道府県があった場合、国が都道府県にかわって積極的に不法投棄の実態調査を行った上で、住民の意見が正しいときには、都道府県等の不作為に対して、国が都道府県に支障の除去等を求めていく等によって、事案の早期解決に向けて国が中心的な役割を果たしていく必要があると思いますが、これについて大臣、どのように思われますか。

細野国務大臣 廃棄物、特に産業廃棄物については、都道府県に一定の責務と権限があります。都道府県の場合は、当然、国以上に住民に近いところにいるわけですので、これは、それこそ何らかの支障がある場合には当然対応をとっていただきたいというふうに思います。また、全くとらないということも、都道府県の場合はこれはなかなか考えにくいのではないかというふうにも思います。

 ただし、そうした中で、産業廃棄物処理において、不適正な処理により生活環境保全上の支障が生ずることを防止するための緊急の必要があると認める場合には、環境大臣は都道府県知事に対して措置命令に関する必要な指示をすることができる旨の規定は存在しております。

 したがいまして、先ほど江田委員が指摘をされたような、都道府県がそれこそ対応しない、そのことによって住民の皆さんが本当にお困りになっているということであれば、この規定の活用についても検討していく必要があるというふうに考えております。

江田(康)委員 ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 この法律案において、平成二十五年三月三十一日までに環境大臣への協議が必要であると示されております。しかし、協議を行うためには、実施計画案について地元住民や県議会等々の同意を取りつけていく必要があり、このことを考えると、なかなかこれは厳しい。

 そこで最後の質問でございますけれども、現在も問題が解決していない不法投棄等の残存事案については、この法律の施行後の約十年間で同意のための協議にたどり着けなかった事案ではないのかと思うわけであります。協議の期限まで一年を切っている中で、地元住民や県議会の同意を取りつけるというのは果たして可能なのか。私は国が全面的にこれを支援していくべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。

高山大臣政務官 江田委員にお答えいたします。

 議員御指摘のとおり、十年間これを延長ということは、非常に長い延長にもなります。この中でしっかりと処分をしていかなければいけないという、これは決意のあらわれでもあります。

 実際、現在、環境大臣への実施計画の協議を行う見込みのある事案は、三重県の源十郎新田と大矢知・平津、こちらの二件は住民との合意も得られているということになっておりますが、ただ、委員が当初御指摘いただきましたように、本来、この一番の原因は排出した原因者にありますが、その責任をみんなが押しつけていたのではなかなか解決できないということで、今回のこの十年延長を機に、住民の合意を取りつけるところも含めて、国も県も、そして住民の皆さんも一丸となってこの問題に取り組んでいけるように、環境省としても協力をしていきたいと思っております。

江田(康)委員 きょう、いろいろと産廃特措法、十年間の延長の中でなすべきことについて、国が取り組むべきことについて議論をさせていただきました。不法投棄については、これはもう本当にあってはならないことでありますけれども、それに対して的確な対応がとっていかれるように、しっかりと国においては、また、大臣においてそのリーダーシップを発揮していただきますことを念願して、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

生方委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

 次回は、来る七日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時一分散会


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