衆議院

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第3号 平成25年11月5日(火曜日)

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平成二十五年十一月五日(火曜日)

    午前十時三十分開議

 出席委員

   委員長 伊藤信太郎君

   理事 泉原 保二君 理事 うえの賢一郎君

   理事 田中 和徳君 理事 盛山 正仁君

   理事 吉野 正芳君 理事 吉田  泉君

   理事 河野 正美君

      赤枝 恒雄君    穴見 陽一君

      井野 俊郎君    井林 辰憲君

      井上 貴博君    石川 昭政君

      岩田 和親君    小倉 將信君

      大久保三代君    小林 史明君

      助田 重義君    藤原  崇君

      牧原 秀樹君    荒井  聰君

      生方 幸夫君    伊東 信久君

      百瀬 智之君    浮島 智子君

      中島 克仁君    小宮山泰子君

      野間  健君

    …………………………………

   環境大臣         石原 伸晃君

   経済産業副大臣      赤羽 一嘉君

   環境副大臣        北川 知克君

   環境副大臣        井上 信治君

   環境大臣政務官      牧原 秀樹君

   環境大臣政務官      浮島 智子君

   政府特別補佐人

   (原子力規制委員会委員長)            田中 俊一君

   政府参考人

   (内閣官房原子力規制組織等改革推進室長)     鎌形 浩史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 広瀬 行成君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 岡   浩君

   政府参考人

   (水産庁増殖推進部長)  香川 謙二君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  関 荘一郎君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (原子力規制庁次長)   森本 英香君

   政府参考人

   (原子力規制庁審議官)  山本 哲也君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役副社長)       相澤 善吾君

   環境委員会専門員     仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月五日

 辞任         補欠選任

  小沢 鋭仁君     伊東 信久君

同日

 辞任         補欠選任

  伊東 信久君     小沢 鋭仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 独立行政法人原子力安全基盤機構の解散に関する法律案(内閣提出第一六号)


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     ――――◇―――――

伊藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、独立行政法人原子力安全基盤機構の解散に関する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役副社長相澤善吾君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房原子力規制組織等改革推進室長鎌形浩史君、外務省大臣官房審議官広瀬行成君、外務省大臣官房審議官岡浩君、水産庁増殖推進部長香川謙二君、環境省地球環境局長関荘一郎君、環境省水・大気環境局長小林正明君、原子力規制庁次長森本英香君、原子力規制庁審議官山本哲也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。生方幸夫君。

生方委員 おはようございます。質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 日曜日ですか、楽天が優勝して、東北の被災者の皆さんも大変勇気づけられたと、明るいニュースが出ておりました。

 また、きょうの新聞で、原賠法それから原賠機構法を全面的に見直すというのが政府から出ているというのが報道されておりました。

 汚染水の問題を見ても、東電だけに任せていたのではなかなかうまくいかないなというのは、もう皆さん御承知のとおりだというふうに思っております。それから、除染の問題も、当初は来年の春までには除染が終わるということになっておりましたが、どう見ても来年の春までに終わりそうにないことも明らかでございます。

 したがって、国が積極的に関与していくということについては、私は異議はないというふうに思っております。国が関与するということは、国民の税金がそれだけ支払われるということでございますので、東電の責任もまたより一層重くなるというふうにも思っております。

 まず、石原大臣にお伺いしたいんですが、原賠法、原賠機構法を全面的に見直すという政府の意図というのが報じられておりますが、環境大臣としては、全面的に見直すということについてどのようにお考えでございましょうか。

石原国務大臣 あくまで報道ベースで、私も新聞を拝見いたしましたが、この記事の根本は官房長官の講演によるところが大きいと思いますけれども、政府の中で今正式に、原賠法等々を見直す、こういうような動きはまだございません。

 その一方で、総理が、前面に出ていく、これは汚染水の話でございますけれども、汚染水の問題で、総理が明確に国会等々でも、前面に出てこの問題の解決に当たっていくという強い決意を示されておりますので、きょうは規制庁の委員長もおいででございますので、規制庁としてどのような尽力がなされているのかという点につきましては、規制委員会の方にお尋ねをいただければと存ずる次第でございます。

生方委員 それでは、委員長にお伺いしたいんですけれども、原賠法、原賠機構法を見直そうという政府の意図があるようでございますが、規制庁としてはどのようにお考えになっていますでしょうか。

田中政府特別補佐人 原子力損害、いわゆる原賠法につきましては私どもの所掌ではございませんので、私から何か申し上げることはございません。

生方委員 いずれ見直さなければいけないのは明らかでございますので、環境省としても、今、菅官房長官が言っているからということではなくて、ぜひ、石原環境大臣におかれましても、積極的に、どのように見直したらいいのかというお考えを早目におまとめいただいて、この委員会で披露していただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

石原国務大臣 そのような事態が起こりましたら、また当委員会等々、また、これは主に経産委員会になると思いますけれども、経産委員会等々で与野党の先生方で闊達な御意見がなされる、そのときに私も、これは所掌外ではございますが、何かコメントを求められましたら、そのときまでに、そういう事態になりましたら、そういうことにも対応できるような体制だけはしっかりとさせていただきたいと考えております。

生方委員 きょう、東電の副社長にお越しをいただいておりますが、基本的には原賠法で当事者である東電が全てをやらなければいけないということになっておりますが、現実問題としては、事故の規模が大き過ぎた、東電では全てを担うことができないということで、これは復興を早めるという観点から、東電だけに任せていたのでは復興が早められないということで、国が負担するということで、あくまでも第一当事者は東電であるということは間違いないことでございます。国の関与が深まるということは、それだけ東電の責任というのが若干軽くなる面もあるやには思います。

 そこでお伺いしたいんですが、東電は、この間、一兆円の補助がなされまして、実質上、国が持っている会社と言ってもいいというふうに思うんです。東電が実際には、債務と債権を合わせれば、私は債務超過に陥っているというふうに思いますので、本当は破綻処理をしなければいけないというふうに思いますが、破綻処理をするといろいろ金融面やら何やらで問題が出てくることで、今までずるずると引き延ばしをされてきたわけでございますが、東電の責任というのはいまだに明らかにはなっていないわけですね。

 東電の最大の株主は銀行でございますし、東電の社債を保有しているのも銀行である。銀行がどうなるのかというのが非常に皆さん、気にかかっていることでございまして、東電の破綻処理がなされていないということであるというふうに思います。したがって、株主も、それから貸し手である銀行も、基本的にはいまだ責任を問われていないということでございます。

 その件について、赤羽副大臣、お越しいただいておりますが、経産省としては、その責任についてどのようにお考えになっているでしょうか。

赤羽副大臣 まず、済みません、実質破綻状態ということについて、ちょっと言及させていただいてよろしいでしょうか。

 平成二十三年の八月に原子力損害賠償支援機構法が成立をいたしまして、機構から東電に対し、賠償のための資金交付がなされているほか、昨年七月には一兆円の出資も行われたところでございまして、それを踏まえて東電はこの十月三十一日に発表した第二・四半期決算において資産超過となっておりまして、財務上は破綻状態に陥っているということはないという認識でまずおります。これが私たちの考えでございます。

 また一方で、東電の法的整理という、今、生方委員言われたような主張につきまして、我々が考えているのは、電事法の定めでは、今、社債の返済が優先されるということになっておりますので、これをやると、被害者の方々への賠償、また、現場で困難な作業に必死で当たっている関係企業の取引債権が十分支払うことができないというおそれがございますし、加えて、直ちに東電と同等の電力供給を行える体制を確保できなくなるおそれもあると考えております。

 以上、そういうことを勘案して、私は、国民の生活に悪影響や負担が及ばないように、東電は引き続き民間企業として損害賠償、廃炉、汚染水対策、そして電力安定供給などを確実に実施していくべきである、そう考えているところでございます。

生方委員 東電の法的処理というと、すぐに今の電事法の話が出てまいりまして、社債が優先的に返還されなければいけないということで、被害者に対する賠償がおくれるんじゃないかということが東電の破綻処理をさせない一番の原因というふうに思われているんですが、私は、そうであれば、別に電事法を変えればいいと思うんですね。こういう大きな事故が起きる前に電事法ができているわけでございますから、電事法を変えて、社債を優先するということを取り除く、あるいは修正をするということによって、法的処理をすることができるというふうに思っております。

 私は、今、東電が非常に中途半端な状態に置かれていることが、意思決定をどこまで東電自身ができるのかも含めて、東電の対応を曖昧なものにしているというふうに思うので、赤羽副大臣は破綻はしていないんだというふうに申しましたが、原子炉自体を、これが資産であるのか負債であるのかというふうに考えるだけでも、負債であるというふうに考えれば、これから廃炉までの全部の事業費を仮に計上するというふうになれば、債務超過に陥っているということは明らかだ、これは誰もがそう思っているはずでございます。

 やはり一度きちんと法的整理をして、東電の責任というものを明らかにした上で、では、東電は今後何をするのかというふうな段取りをとらないと、いつまでもこのような形でぐずぐずぐずぐず、一体、生かすのか殺すのかわからないような状態でおくというのはよくないというふうに私は思うんですけれども、赤羽副大臣、いかがですか。

赤羽副大臣 まず、電気事業法を改正すればいいという御趣旨でありましたけれども、しかし、現状は、電力会社が発行する社債につきましては、電気事業法に基づいて優先的な弁済権が付与されておりますし、これを事後的に剥奪するということは、極めて法的な安定性を阻害することになって、私は、適切ではない、こう考えております。

 加えて、私は、毎週二日間、就任以来、原発の事故現場並びに被害地域を訪れておりまして、大変重要なことは、いまだに毎日数千名の現場で御苦労されている方たちがいて、その方たちの士気を維持するとか、緊張感と責任感、またそのプライドを持って対応に当たっていただくということは大変重要であるというふうに考えているんです。

 そういったことの視点を抜きにして、法的な整理をすればいいというような意見だと、到底現実的な今の廃炉プロセスが進まない、私はそう考えておって、適当ではないと考えております。

生方委員 法的処理のうちには、東電そのものを分社しようという案もある。これを法的処理と呼ぶのかどうかは別として、分社化しなければいけないというのも政府内部でも議論されているというふうに聞いております。

 例えば、廃炉であれば、今の東電にそのまま廃炉を全部やらせるといっても、廃炉をしなければいけないのは東電だけじゃなくて、ほかの電力会社も廃炉をしなければいけないわけで、廃炉そのものも、どのような技術がこれから確立されるのかわからないということで、廃炉を専門とする、これは会社という組織になるのか、あるいは機構という組織になるのかわかりませんが、そういうふうにした方がいいとか、除染についても、東電全体でやるといっても、もうこれは限界があるのは明らかで、除染を専門にする会社をつくったらどうかというような話もございます。

 この分社化ということについて、経産としてはどのようにお考えになっていますか。

赤羽副大臣 分社化につきましては、分社化を含めた東電のあり方につきまして、まず、東電自身が適切に判断していくべきものであると考えております。

 また、加えて、与党内でも議論がされていると、これは報道で承知をしておりますが、その内容もまだ定かではありませんし、それが定まってから検討すべきだというふうに考えております。そういうことですね。

 ただ、生方委員御指摘のように、今回の場合、福島第一の廃炉につきましては、ある意味では、人類史上初めての挑戦という大変難しい作業であるということは言うまでもないことでありますし、国内外のあらゆる技術と知恵を取り入れて、IRIDを中心にしてそういったことも、汚染水対策についても含めてでございますが、また、加えて、国としての予算も計上しながら、最新の技術を駆使して、何とかこの難局を乗り越えていきたい、こう考えているところでございます。

生方委員 東電の副社長にお越しいただいておりますのでお伺いしたいんですが、東電御自身としては、分社化ということについてはどのようなお考えをお持ちですか。

相澤参考人 分社化につきましては、いろいろと議論がされているというふうには認識しております。我々社内でも、そういう選択肢も一つあるということは認識しておりますが、我々としての方向性とか、あるいは希望とか、さらには我々の決意とか決議とか、そういったものはまだ具体的には一切ございません。

 ただ、実際に廃炉の現場あるいは汚染水対策の現場を預かる者として、いずれにしましても、どんな形になろうとも、我々として、賠償、廃炉、そして安定供給というのは我々の責務であって、最後までなし遂げるという気持ちは、社内一丸となった気持ちであります。

 また、廃炉等、厳しい職場の中で、現場で作業している社員あるいは作業者の方々の気持ちとしましては、やはり、自分たちの現場だから、最後まで自分たちが、必ず決着をするまで責任を持ってやり抜くんだ、こういう気持ちは間違いなく大きくありまして、ぜひ、その気持ちを大切にした今後の仕事の進め方をさせていただければというように考えている次第であります。

 以上であります。

生方委員 東電の置かれている立場が非常に微妙だということはわかるんですけれども、分社をするのかしないのかなどということに関しては、東電がやはり積極的に、我々はここまでできるけれども、ここからはできないんだというようなことを発するしかないと思うんですね。その上で、では、国はどういうふうに関与していくのか、あるいは国民はどういうふうに負担していくのかということを考えないと、あくまでも東電は誰かが決めたことをやるんだというような態度では、一歩も進まないと思うんですね。

 これに関連しますが、そうじゃなくて、東電がきちんとした意思を示しているというのは、除染に対する費用を東電が一部しか支払っていないという報道がなされております。除染全体としては今四千七百億円ぐらい使っている、環境省はこの中の四百四億円を東電に対して請求したということなんですけれども、ちょっとわからないんですが、四千七百億円かかって、これは原則として全部東電が払うということになっている中で、何で四百四億円しか請求しなかったんですか。

小林政府参考人 除染については大きな予算をいただいております。執行額は、二十四年度末では二千数百億というように認識をしておりますが、今御指摘ございましたように、求償額としては、何次かにわたりまして四百四億円を請求し、支払いをいただいているのは六十七億円ということでございます。

 求償につきましては、事業が終わった段階で、全体の書類などを整理して東電に請求をいたしまして、それで逐次やっている、そういう事務的な手続の関係でそういう数字になっているというところでございます。

生方委員 このうち六十七億円しか東電は支払っていないというふうに報道されておりますが、四百四億円の六十七。例えば、四百四億円が仮に認められないとしても、普通はその一〇%ぐらい、四十億ぐらいは支払わないよというのならわかりますけれども、逆に六十七億円しか支払わないで、あとは支払う理由がないということを述べているというふうに報道されておりますが、副社長、これは何で六十七億しか払わないんですか。

相澤参考人 お答えします。

 これまで環境省殿よりいただきました御請求については、個別の事業ごとに証憑あるいは事業内容等を確認させていただいて、そして、その上で合意ができたものにつきましてお支払いをさせていただいておりますが、この証憑あるいは事業内容の確認というものになかなか時間を要しておりまして、遅くなっているところであります。

 大変申しわけないところではありますが、今後、この中身につきましてよくよく協議をさせていただいて、この御要求に対するお支払いについて積極的に進めてまいりたいというふうには考えております。

 以上でございます。

生方委員 いつごろまでにその結論は出て、一部の報道では延滞金まで要求するというような話もございますが、東電としては、いつぐらいまでにその精査を終わって四百四億円を支払うつもりなんですか。

相澤参考人 現在、不足しているエビデンスあるいは事業内容の中身につきまして、いろいろと御相談をさせていただきながら、あるいは必要な情報をいただきながら精査をしているところでありまして、今後、協議を進めながら、お支払いに向けて進んでいくというふうに考えております。

 時期については、今後の協議によるところが大きく、現時点では何とも申し上げられないというのが実態でございます。

生方委員 協議という言葉を何度も使っておりますが、協議次第では払わない部分もあるという認識でいいんですか。

相澤参考人 お答えします。

 内容につきまして、これが特措法に該当する内容であるかどうかということについて協議、調整をさせていただいているところでありまして、その内容にそぐわない場合には、そういうものも出てくる可能性はあるというふうに考えます。

 ただ、我々としては、できるだけ、証憑あるいは事業内容について確認をしつつ、お支払いを進めるというような努力を全力でしてまいりたいというふうに考えております。

生方委員 東電にしてみれば大した額じゃないのかもしれないですけれども、普通の国民からすれば大きな額ですよね。四百億円請求して七十億円しか支払っていないというのは、普通、考えるとなかなか理解できないんですね。我々は、税金の督促が来たらすぐ払わなきゃいけないのに。

 今のおっしゃり方だと協議をするということになっておりますので、全体は四千七百億円で、これは全て東電が払うということになっているんですからね。東電は何か黒字になったというような報道もなされている中で、今の副社長のお話は余り私は納得はできないんです。払うべきものは払わなければいけない、これは当たり前の話で、東電が払ったといったって、東電が払うわけじゃなくて、最終的には電気料で我々が払うわけですからね。不当な言いわけで払わないというようなことで延滞金を求められるというようなみっともないことはやるべきではないというふうに思っております。

 関連して、副社長がお越しでございますのでお伺いさせていただくんですけれども、汚染水漏れが相次いでおりますよね。多くは人為ミスだ、簡単な人為ミスもあるということで報道されておりますが、きのう、たまたま、ちょっとテレビを見ておりましたら、チェルノブイリで事故処理に当たっている作業員、この作業員の方たちに徹底的な安全教育をしている。安全教育をして国家資格を得た人間だけが作業に従事するようにチェルノブイリではなっているというふうに聞いておりますが、東電では、作業に当たる従業員、たくさん従業員がおりますが、中には、余りこれまでそういう作業をしていない方もたくさんいらっしゃるようでございますが、どのように教育をしてから現場に送り込んでいるんでしょうか。

相澤参考人 お答えします。

 初めて福島第一の現場に入る方につきましては、入構に必要な安全教育、あるいは業種によっては放射線関係の教育をさせていただいて、十分な基礎知識あるいは基礎体力を持って現場にお入りいただくようにお願いをしているところであります。チェルノブイリのような、基本的にはそういったことで、安全教育あるいは放射線関係の教育というものを実施しておる次第であります。

生方委員 それは何日ぐらいやっておるんですか。

相澤参考人 基本的には、両方含めますと、長い場合で二日間、短い場合で半日ぐらいになります。

生方委員 きのうのテレビ番組、きのうのは再放送で、もっと前にやったようなんですが、ごらんになっていないかもしれませんが、あれはかなりの長い時間、きちんと安全教育を行って、国家試験を受けて、それに受かった人間でなければ構内に入ることができないというふうにしている。それぐらいまでやらないとやはりいけないんじゃないですかね。緊急ということがあるから、誰でも、とりあえず人手が要るから入れてしまおうということになれば、作業上のミスも起こるし、あるいは被曝しなくてもいい部分、超過して被曝をするというようなことにもなりますので。

 もう間もなく三年になるわけですから、これから作業はまた長期にわたって続けられなければいけないということになりますので、教育の仕方についてももう考え直すべきだというふうに私は思うんですが、規制庁の委員長は教育についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

田中政府特別補佐人 現場作業でさまざまな、御指摘のようないわゆる人為的なミスが続いておるということで、先日も社長と直接お話しして、そういったことのないように十分な教育、作業員の質の確保に努めていただくよう申し入れた、指導したところでございます。

生方委員 石原大臣にお伺いしたいんですけれども、チェルノブイリでは国が国家試験を受けさせて作業に当たらせているということなんですけれども、この問題について、石原大臣としては、これはどこかで国が関与しないと、東電だけに任せておいたのでは、教育をしろといっても大変で、なかなか進まないと思うんですが、チェルノブイリでやっている、国家試験を通らせてから作業につけるという制度について、日本でもいずれ導入しなければいけないというふうにお考えかどうか、お伺いしたいんです。

石原国務大臣 先ほども御答弁をさせていただきましたが、国が積極的に関与をしていくというこの汚染水の対処の問題については、総理は強い決意は示されておりますが、一義的には、現段階で、東電が中心になって現在行っております。

 また、その中で、二次的、三次的といったような初歩的なミス、ボルトの締め忘れとか、計量していなくて傾いていたとか、こういうことが起こっておりますと、これからの課題として、そこで働く方々の水準をどのように上げていくのかという形の中で、ただいま委員が御指摘をされました点も議論の俎上にこれから上がってくるものではないかと私は思っております。

 先ほど、ちょっと私、原賠法等の所掌を経産省と申しましたが、これは文科省でございますので、最後に訂正をさせていただきたいと思います。

生方委員 人間ですから、ミスがあるのは当たり前でございまして、幾ら教育しても、ミスが起こるのは事実だというふうに思います。

 私も現場へ行かせていただいたときがございますが、眼鏡をかけてヘルメットをして、非常に重装備の中で作業をしなければいけないという大変な環境の中で作業をしているわけで、ボルトを五回ねじるところが三回で終わってしまったというようなことがあるのは、私は、ある意味では当然だと思うんですね。したがって、ミスがあるのを前提とした作業というのを考えていかなきゃいかぬというふうに思うんですね。

 例えば、タンクだって、普通のタンクから水漏れをするというのは、日本の技術者、日本の技術からいったらあり得ないんですね。あり得ないことが起こるということは、やはりそういう厳しい環境の中でやっているから、ああいうミスが起こるのであって、ミスが起こっても重大なミスに至らないような仕組みというのをやはりこれからつくっていかないかぬというふうに思うんですね。

 だから、人為的なミスをなくすために、さっき言った私の、教育というのはまず第一であって、それ以前に、やはりミスがあっても汚染水が漏れて海に出るようなことがないような措置をとるということが大事だというふうに思うんですけれども、これは、大臣、いかがでございましょうか。

石原国務大臣 この問題は、一義的に今東電が行っているというお話はさせていただきましたが、委員の御指摘はもっともでございまして、最悪の事態を考えて、絶えずその事態に対処していくというのが、このような大きな問題が起こったときの一番のポイントだと私も思いますので、きょうは幸いにも東電の方も参考人として参っておりますので、委員の御趣旨というものは十分に伝わったのではないかと考えております。

生方委員 安倍総理は、福島第一の汚染水について、完全にコントロールされているというような発言をした。誰が見ても、コントロールされているというふうには思わないんですけれども、コントロールされているというふうにおっしゃいました。

 私が一番心配しているのは、汚染水が外洋、海に流れ出てしまっているのではないかと多くの方が心配している。福島県漁連では、魚をとって、魚に汚染がないということは証明をされているんですが、海ですから、大地みたいに、はかればすぐそこで数値が出るというものじゃなくて、聞いたところによれば、仮に海底が汚染されていたとしても、十センチ行けば濃度というか汚染度は十分の一になって、表面まで行ったら非常にその濃度というのは少なくなってしまうというふうなことを聞きました。

 では、どのように海ではかっているのかというと、表面のところだけはかっているというようなことを聞きましたので、表面だけはかったら、仮に海底が汚染されていたとしても、表面ではほとんど数値が出ないのは当たり前なんですね。

 したがって、私は、その周辺にある、例えば海藻、海藻は水産庁が事故直後に調査をしたらしいんですが、そのとき海藻はたくさん汚染されていた、ところが、その後は一切出ていないということなんですけれども、海藻についても、その後、湾内とかその近くでお調べになっているのかどうか、その数値はどうなっているのか、水産庁にお越しいただいているので、お答えいただければと思います。

香川政府参考人 水産物の放射性物質調査につきましては、原子力災害対策本部が策定いたしました「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」に基づきまして、自治体が中心となって検査計画を策定しており、福島県においても海藻調査の対象として実施しているところでございます。

 福島県におきましては、これまで、海藻類を八十五検体調査しております。平成二十三年十一月までに二十検体が基準値百ベクレルを超過いたしましたが、その後、海藻の放射性物質濃度は急激に減少し、基準値を下回っているところでございます。

 引き続きまして、農林水産省としましても、福島県と連携し、海藻を含む水産物について調査をしてまいりたいと考えております。

生方委員 魚ももちろんなんですけれども、海藻についても非常に心配をしておりますので、引き続き慎重な調査をしていただきたいというふうに思っております。

 それから、四号炉の使用済み燃料を今月中にも取り出すというようなことが報道なされておりますが、これは事実であって、それから、取り出した使用済み核燃料はどうするんですか、それをお伺いしたいと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、福島第一の四号炉につきましては、使用済み燃料プールの中に約千五百体の使用済み燃料、それからあと一部新燃料がございます。これについては、やはりそこに貯蔵していることのリスクが高いということから、使用済み燃料プールから使用済み燃料を取り出しまして、地上にあります共用プールの方に持っていく、こういう作業を予定しているものでございます。

 それで、現在、その取り出しのためのクレーンとか燃料取り扱い装置、こういったものは完成をしておりまして、私ども規制庁におきましては、いわゆる検査を実施しておりまして、それらの設備の、きちっと動くかどうか、こういったものを確認しているところでございます。

 いつごろからになるかはまだわかりませんけれども、恐らく今月の半ば以降には取り出しが開始になるのではないかというふうに予定しているものでございます。

 したがって、そういう取り出しに当たりましても、私ども規制庁としましては、検査官が現場の確認をいたしまして、きちっと安全確認をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

生方委員 四号炉に今保管されている使用済み核燃料もそうなんです。使用済み核燃料全体では、一万七千トン、全国ではあるというふうに聞いております。プルトニウムも国内外で四十四トン蓄積している。もう既に保管場所そのものは満杯に近い状況になっているということが報道なされているんですけれども、これは今後どうするおつもりですか。

赤羽副大臣 高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題につきましては、次の世代まで先送りすべきではないと当然考えております。

 御承知だと思いますが、我が国は、現在、原子力発電に伴い発生する使用済み核燃料を再処理し、ウラン、プルトニウムを回収した後に生ずる高レベル放射性廃液を、安定的な固形化、ガラス固化しまして、三十年から五十年間冷却のため貯蔵管理した上で、地下三百メートル以深の地層に埋設処分をすることとしております。

 これは、生方委員、もうよく御承知だと思いますが、専門機関のさまざまな研究によりまして、二〇〇〇年、原子力委員会に地層処分が実現可能と評価をいただいた上で、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律が成立をしたということに基づいているわけでございます。

 二〇〇二年より、この法律に基づきましてNUMOが全国市町村を対象に最終処分場立地に向けた調査の公募を開始しましたが、残念ながら現在も処分地選定調査に着手できないというのが実情でございまして、このことにつきまして、昨年九月、日本学術会議から高レベル放射性廃棄物の処分についての御提言をいただき、また同年十二月、原子力委員会によります、今後の高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る取り組みについての見解をいただきました。

 こうしたことを踏まえて、本年五月から、総合資源エネルギー調査会、放射性廃棄物のワーキンググループを立ち上げさせていただきまして、この最終処分の取り組みの方針に向けた検討を行っている途上でございます。

生方委員 手を挙げる市町村がないということですし、地層処分ができるんじゃないかというのが二〇〇〇年の話で、その後に福島の事故が起こっているわけで、この狭い日本国内に地層処分ができる土地があるのかどうか。仮にあったとしても、私がそこの地域を担当する首長だったら、とてもじゃないけれども、手を挙げられない。

 前に、原発のときは、原発は安全だという神話があったから、お金をもらうかわりに過疎対策として原発を受け入れるという土地があったかもしれませんけれども、地層処分で、何万年もこの先、子孫に迷惑をかけるかもしれぬというようなことになったら、手を挙げるところはないと思うんですね。

 ない場合はどうするんだ。ない場合でも、再稼働させれば、どんどん使用済み核燃料というのは出ていくわけですから、そこが決まっていないのに、使用済み核燃料をこれから先もどんどんつくり出しちゃっていいのか。プルトニウムについては、原爆の問題やらその他、もっと難しい問題が発生するということがございます。

 まず、これは本当に地層処分ができるのかどうか、それに適した土地があるのかどうか。あった場合、本当にどこかそれを引き受けてくれるのかどうか。現実論で考えると、あり得ないと思うんですね。あり得ないことをあり得るという前提で事を進めるというのは大変無責任だというふうに思うんですけれども、いかがでございますか。

赤羽副大臣 生方議員があり得ないという御意見を表明されるのは私は別に制止するつもりもございませんが、三・一一、福島の第一原発の事故を踏まえて、先ほど申し上げましたように、現在、ワーキンググループ、精力的に議論をしていただいております。

 この中で、一つは、現時点で最も有望とされている地層処分の安全性また技術的信頼性について、改めて評価を行っていくということが途中経過になっておりまして、現実に十月の二十八日から地層処分ワーキンググループも専門的に開始をしていただいているところでございます。

 こうしたように、国民との問題認識の共有化に向けた取り組みの強化を図るべきだという御提言がございます。

 もう一つは、将来世代が最良の処分方法を常に選択できるように、例えば地層処分と決めたとしても、可逆性ですとか、また回収可能性を担保する処分方法に見直すべきという意見が示されているところでございまして、今後、私たちも、こうしたワーキンググループの審議内容を踏まえて、国がより前面に立って、最終処分の実現に向けて必要な見直しを行っていく。これは、先の世代に先送りしてはならないという思いで取り組んでいきたい、こう考えております。

生方委員 今話があったように、使用済み核燃料の問題、それから高レベルの放射能汚染物の問題とか、あるいは廃炉の問題とか、いろいろな問題があるわけですよね。

 こういう問題がある中で、安倍総理は非常に原発の輸出というのに熱心で、この間もトルコに二度目の訪問をなさって、トルコとの間で、原発を輸出するという方向で話し合いがついたというふうに聞いております。

 トルコは、御承知のように、日本と同じような地震国です。これは民間と民間がやるのであれば、それは民間同士の話になるんですけれども、政府が絡んで、政府間協定を結んで原発を輸出するということになると、仮に原発の事故がトルコで起こった場合に、日本にも当然責任が発生すると私は思うんですよね。

 日本は、原発が地震によって仮に事故が起こった場合、どういう責任をとるおつもりなんですか。

岡政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、一般論として、原子力発電施設におきまして万が一事故が起こった際の責任につきましては、当該施設が存在します国の原子力損害賠償に関する国内法、また企業の契約内容等に照らして判断されることになります。

 トルコにつきましては、原子力損害に関するパリ条約を締結しておりまして、このパリ条約の中では、原子力事業者への責任集中などが定められております。こうした規定を踏まえまして、現在、トルコ政府は原子力損害賠償に関する法案を整備しているところというふうに承知してございます。

生方委員 それは一般論ではいいと思うんですよ。民民でやる場合は、別に政府が関与することじゃないからいいとは思うんですけれども、現実には、安倍総理が行って、日本の原発は世界一安全だ、だから輸出するんだということを言っているわけで、その原発が万が一事故を起こした場合、当然日本にも責任があるというふうに私は思うんですよね。

 日本国内だって、あれだけの事故を起こして、東電だけに任せられないから国がやらなきゃいかぬということになっているわけで、こういう厳しい状況の中で、幾ら経済活性化だ、成長戦略だといっても、余り前のめりになって原発を輸出するというのは、私は好ましいことではないというふうに思う。これは、民間企業がやるのは自由ですけれども、政府が積極的に関与するというのは、政府の責任というのが、これは今の世代じゃなくて、これからいつ事故が起こるかわからないわけで、将来世代に対しても非常に大きな責任があると思うんですよ。

 きょうは、茂木大臣にお越しいただきたかったんですが、来ていないので、赤羽副大臣で結構でございますが、政府の責任というのは当然あると思うんですよ。ないというふうに考えているのか、あるというふうに考えているのかだけお答えいただきたいと思います。

赤羽副大臣 万が一当該国で事故が起こった場合、その責任がどこにあるかというのは、今の外務省からの御答弁のとおりだと思っております。

生方委員 それは、法律上はそうかもしれないけれども、現実的に考えれば、安倍総理が言ったのは、日本の原発は世界一安全だというふうに言って、その前提のもとに送るわけですから。我々は、世界一安全だなんて思っていないんですよ。思っていないけれども、安倍さんは、思っていると言って売ったわけですから、当然責任は発生すると私は思いますよ。

 法律上がどうの、条約上がどうの、協定上がどうのということじゃなくて、当然政治的な責任は発生するというふうに思いますので、余り前のめりになって、成長戦略だからといって、原発が、事故前なら私も原発は安全だというふうに思っていましたけれども、今現在、ここで委員会でも議論されているように大変な問題になっている。一度事故が起これば大変な問題になるということがわかっていながら積極的に輸出するというのは、私は余り好ましいことではないという意見を表明させていただきまして、質問を終わらせていただきます。

伊藤委員長 次に、伊東信久君。

伊東(信)委員 皆様、改めて、おはようございます。日本維新の会、大阪第十一区、枚方、交野市で御支持を得て国会に送っていただきました伊東信久です。

 本日は、このような質疑の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 私は、経産委員会、科学技術・イノベーションの特別委員会の方に属しておりまして、さきの通常国会におきましては厚生労働委員会に所属しておりました。

 実は、私は医師免許を持っておりまして、医療従事者として患者様と日々向き合っておりますけれども、今回の質疑にちょっと関係しますので、私の専門ということを簡単に御説明させていただきますと、椎間板ヘルニアのレーザー治療というのをやっております。簡単に申しますと、これぐらいの長さの一ミリぐらいの針を、皮膚と筋肉と貫いて椎間板の中に差し入れて、光ファイバーを通してレーザー光線で椎間板の内部を焼いて空洞をつくるということなんですけれども、その際に、レントゲンのモニターをずっと見ながらやります。

 つまりは、私も、今回資料の方をちょっと用意させていただいたんですけれども、外部被曝というのを受けております。経産委員会の、汚染水の問題でもこの資料は提示させていただいたんですけれども、この外部被曝線量測定個人報告書、これは私の毎月の報告書です。

 クイクセルバッジというのを使いまして、エックス線とガンマ線とベータ線を毎月はかっております。一と三という、二つあるのは、鉛の一キロのエプロンを私はつけまして、エプロンの外と中ではかっております。

 簡単に申しますと、この実効・等価線量の方で、単位はミリシーベルトなんですけれども、五年の累積で三・一ミリシーベルトでして、トータルの累積が二十一・六。これをはかり出して七年になるんですけれども、余りに数字のギャップがあると思うんですけれども、実は、それプラス鉛のガラスをコーティングしたシールド、壁を用いるようになってこれだけ少なくなったわけなんです。

 ICRP勧告によると、五年間で百ミリシーベルト以下でなかったら体に害を及ぼすということで、私自身も、気をつけてというか、医療従事者であるので被曝することを余儀なくされているわけなんですけれども、医師といえども、やはり気持ちいいものではないんですね。

 先般、十月一日、福島の原発の視察を日本維新の会の方で行かせていただいて、現場で働いている方の御苦労というのは非常によくわかりました。そのような状況下でいろいろ質疑したいことがございます。

 まず、石原環境大臣にお伺いしたいのは、我が国は世界第三位の原子力の発電国でありまして、エネルギー安全保障の確立や地球環境の問題の観点から安全だと推進されてきた原子力政策は、残念ながら、今回の東京電力福島第一原発の発電所事故によって、国際原子力事象評価でレベル7という暫定の評価をされる事故となりました。

 もちろん、日本の国力、日本の経済力その他の観点から、原子力、原発というのが寄与していた部分はやはり否定はできません。しかし、今回の事故を契機に、残念ながら、正の遺産、ポジティブな遺産であるところから、負の遺産となってしまうことを残してしまったのですけれども、環境大臣としての石原大臣の認識の方をまずお伺いしたいと思います。

石原国務大臣 委員も、医療関係者として、エックス線等々を利用し医療に従事している中でこのような累計の線量を被曝される、外部被曝、これは健康的には問題ないということであります。

 そういう中で、個々人の方々が、原子力が目に見えませんので、委員は、非常に科学的に、またドクターとして多くの方々を救済する観点で、線量に見合った以上の仕事をされている。しかし、それが安全だと御本人が認識されても、では、みんな同じような線量を浴びていても、安全だと言っても、納得してくださる方々、ない方がいるというのが、今のこの三・一一の大きな事故の後の現状であると私は認識しております。

 そして、委員が御開陳されましたように、いろいろなメリット、デメリット等々があったことも事実だと認識をしておりますが、三・一一の後、環境省の外局に、原子力規制庁といって、原子力を規制する官庁を、三条委員会という形でつくりました。そういう委員会が環境省の外局にある立場として、これから、原子力の利用、あるいは過去の利用についてどうであった、こうであったと言うことは、三条委員会を抱える所管大臣としては、これ以上の御発言は御勘弁いただきたいと考えております。

伊東(信)委員 ありがとうございます。

 その御答弁の上でのというかベースでの、今回の法案に関しての質疑に入らせていただきたいと思います。

 私自身も、当選前はほぼ毎日のように、目の前に機械がございまして、その目の前で外部被曝をこうむりながら、いわゆる手術というか仕事の方に従事していたわけなんですけれども、石原大臣おっしゃるように、目に見えないわけなんですね。機械は見えますけれども、放射線というのが見えるわけでない。日々の体調というのは、人間ですから、調子がいい日もあれば悪い日もある。だけれども、それの影響というのは、実感としてはわかりません。

 ただ、データが送られてきたら、数字としてその蓄積が見えていくわけです。では、その数字を解析する立場、それを評価する立場、それを指導する立場ということで、原子力規制委員会も原子力規制庁も非常に国民の皆さんにとって大事な組織であることは間違いないとは思うんですけれども、統合前の原安機構が有していた原子力規制庁に対する緊張感が引き継がれるかどうかがまず懸念されるところであります。

 つまり、統合後も専門的技術、事務レベルの維持がまずできるか。それと、やはり外部にあっていた委員会が内部にあることによって、風通しはよくなったりとか連絡のスムーズさというのはあるかもしれないですけれども、その分の、言葉は悪いですけれども、なれ合い、なあなあとかという、いわゆる緊張感がなくなるのではないかというような危惧もされます。

 原安機構の業務を原子力規制委員会に統合後の組織の独立性を確保できるかどうかについて、まずは政府にお聞きしたいと思います。

田中政府特別補佐人 このたびの原子力安全基盤機構との統合は、私ども原子力規制委員会、規制庁全体として見れば、専門性を高めるという点で歓迎すべきことというふうに考えています。

 異なる組織、特に原子力基盤機構はどちらかというと研究とか科学的な、科学者的な、それから私どもの方は行政的な。しかし、私どもに与えられているのは、科学的、技術的な知見に基づいて、原子力の安全、あるいは、この春からは、いわゆる先生が御専門の、我が国は実は医療被曝が世界で一番多いんですが、そういった点の安全についてもこれから審査をし、そういった弊害をなくすように努めていくという意味で、双方の特徴を生かして、お互い中でよく議論をし合って、プラス、俗に言うと、一足す一が二以上の成果を生み出すように努力していきたい、そういうふうに考えています。

伊東(信)委員 先ほどの御答弁で専門性ということを強調されていたわけなんですけれども、専門性についてはこの次の質問でさせていただきたいと思うんですけれども、まずは、いわゆる外部であれば、提言という形になったり、技術的な検証、つまりチェックができると思うんですね。検査に対して報告がされているか、その上で支援をするということなんですけれども、例えば報告にしても、内部からの報告はやはり外部に対してよりも早いというのはまさにそのとおりだと思うんですけれども、逆に、内部からの報告であれば、ちょっと簡略化されたりサボタージュされたりする懸念もあったりもするわけなんです。

 そのあたりの、中にあって、技術的なこと、法律的なこと、オーバーラップすること等ありますけれども、そこで、もう一つ、その交通整理とかコミュニケーションとかをチェックする機関なり役職なりが中にあるのかどうか、そういった、外部にあった緊張感が保たれているのかどうかということをお聞きしたいのですけれども。

森本政府参考人 原子力規制委員会の今回の統合につきまして、その組織についてはこれからさらに関係省庁とも調整しながら進めたいと思いますが、今先生の御指摘のような点は非常に重要な点だというふうに考えております。

 ただ単に二つの組織を組み合わせるということではなくて、それを相互にチェックするような仕組み、あるいはコミュニケーションを深くしてさらに高めていくような仕組みというのは今後つくっていきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 それでは、原安機構を廃止して規制庁の中に統合するということなんですけれども、いわゆる今回は独法から国家公務員になるわけなんですけれども、その場合、専門性の技術とか事務の処理能力とかは、旧体制と変わらず、科学的な技術面だけじゃなく、事務面もそれを果たして維持できるのでしょうか。

森本政府参考人 今回の統合に当たりまして、やはり人材の育成あるいはその専門性を生かした活用というのは非常に重要なポイントであろうというふうに考えてございます。

 特に、この組織をつくるに当たりまして、先ほど申し上げましたような相互の交流とかを高めると同時に、いわゆる人材育成の部門は強化したいというふうに考えてございます。人材育成をする機関を中につくりまして、いわゆる専門性を生かしたようなキャリアパスの構築であるとか、あるいはそれをさらに高めるための研修であるとか、そういったものを加えまして、今先生の御指摘のような点を生かしていきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 中でのいわゆる社内研修、公務員になられるので研修でもいいと思うんですけれども、中でのいわゆる教育に関して、例えば先ほどの民主党の先生からの御質問でも、チェルノブイリでの国家資格の話もありましたけれども、その専門性の研修というのが、具体的にはどのようになされるのでしょうか。

 また、評価も、例えば、どうしても懸念されるのは、国家公務員の評価というのは絶対評価でありまして、相対評価ではありません。そういったところに関して、果たしてしっかりとした人材を教育できるのかどうかについて、もう少し詳しく御説明をお願いいたします。

森本政府参考人 御指摘のとおり、原子力の分野での専門性を高める上で、国際的な観点からの教育というのは非常に重要だと考えてございます。

 今回、原子力規制委員会設置法の中でも、海外との交流というのが法律に位置づけられてございます。今回の研修に当たりましても、国際機関あるいは海外の規制機関への研修派遣、あるいは国際機関の方々から知見をいただく、そういったことはふやしていきたいというふうに考えてございます。

 おっしゃるとおり、国家公務員については、人事評価については絶対評価ということでございますが、その中で、そういった研修のキャリアであるとか、あるいは専門性を持った資格の評価であるとかというのは生かしていきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 最後、ちょっと語尾が聞き取れなかったんですが、生かしていきたい……(森本政府参考人「いきたい」と呼ぶ)いきたいということですよね。

 ぜひとも、なかなか、いきなり全公務員の皆さんに対して相対評価をしてくださいというのは、手続上の問題もあろうかと思います。ただ、日本維新の会としては、いわゆる絶対評価自体を全く否定するものではないですけれども、やはり相対評価というのは、何かの基準があって、つまり、人と人との競争原理というのも大事なことだと思っていますので、そのあたりのことをよろしくお願いいたします。

 先ほどから、御答弁で、やはり専門性のことが出てくると思います。やはり、人間というのは、知らないことに対しての不安、目に見えないことに対しての不安、未知なるものに対しての不安があると思います。

 この事故に関して、原子力、放射線に関しての不安の中に、目に見えない、それの将来的な影響というのも、もちろん急激なる被曝というのも放射線障害を引き起こすことになりますけれども、慢性的な被曝で、人間の体に、DNAを含めて、将来的にどのような障害があるのかも含めて、やはり専門性というのは大事だと思います。

 また、今、いわゆる規制のシステムに関しても、法律的なことに関しても、経済的なことに関しても、いろいろな面で専門性が必要となってくるんですけれども、現在の機構の職員の専門性が保たれるのであれば、いわゆるマスターとPhD、修士と博士の割合もしくは人数、常勤、非常勤職員の割合、年齢構成がどのようになっておられるのか、可能な範囲でお答えください。

森本政府参考人 済みません、手元の資料で大変恐縮でございますが、原安機構におきましては、全体で四百一人の職員がございますが、その中で、修士号取得者は百三十二名、それから、博士号取得者は四十八名というふうになってございます。

 ちなみに、原子力規制庁の場合ですと、修士号の取得者は百二十六名、それから、博士号取得者は六名となってございます。

 今御指摘の細かい点は、ちょっと今手元に持ち合わせてございません。申しわけございません。

伊東(信)委員 専門性ということを強調されていて、こういったことを申し上げるのもまことに申しわけないんですけれども、やはりちょっと諸外国に比べて、特にヨーロッパに比べて少ないように感じます。

 いわゆる大学の専門の学部を出られただけで、特に科学技術に関しては、なかなか対応できないと思います。もちろん、実務経験というのも、社会に出てからの経験というのも大事であることはよくわかっておりますけれども、専門性、ロジック、セオリーに関してかなり勉強しなければならない範囲で、本当に申しわけない話ですけれども、修士であってもまだ足らない。やはりPhDレベル、博士レベルの専門性が必要になってくるのではないかと思うんですけれども、そのあたり、今後どのようにお考えであるのかというのをお答えいただけますか。

森本政府参考人 先生御指摘のとおり、今後、規制委員会が規制あるいは防災対策を的確に科学的にやっていくためには、専門性が重要でございます。

 採用に当たりまして、例えば、中途採用もございますけれども、中途採用では、原子力関係の施設整備にどういった点に専門的知見や経験があるのかとか、あるいは、どのような調査研究実績があるのかということを見ていきたいというふうに考えてございます。

 今御指摘の、いわゆるキャリア、博士号という観点でございますけれども、博士号取得者の割合については先ほど御説明させていただいたところでございますが、そういった人が入りやすくなりますように、例えば、原子力工学分野に専門的知見を有する学生の採用にこれまで以上に力を入れるために、規制庁の採用試験として、来年から新たに原子力工学分野というものを追加させていただきたいということで調整をしているところでございます。

 そういった形などを使いまして、そういった人材を確保していきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 加えて、先ほど、中での研修とかとおっしゃっていましたけれども、例えば、修士を持たれている方が同時に博士号を持てるように、我々ドクターでしたら、働いてからもう一度博士課程に進む、大学院に進んだりとか、論文を書いて、それで博士を取得するというコースもあるんですけれども、中でそういったレベルアップということは考えておられないのでしょうか。

森本政府参考人 研修の機会として、先ほど海外の例を申し上げましたけれども、国内留学制度というのも、現在もございますけれども、それを活用して、今先生の御指摘のような形、例えば博士号を取るような仕組みというようなものを今後構築していきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 ぜひともお願いします。

 資料をいただいて、平成二十四年度のラスパイレス指数、一一九・六と、一二〇ぐらいあるんですけれども、やはり、ちょっと、私の印象としては、この価値に見合うだけの専門性というのを向上していただきたい。まずはそれがベースです。それがあったら全てじゃないですし、必要十分条件ではないと思いますけれども、専門性があって当たり前という考え方を私は持っていますので。そこからです。そこからの経験なり、実地経験なり、その中に人間性とかいろいろなコミュニケーション能力とかも入ってくるのだと思いますけれども、そのあたりをよろしくお願いします。

 原安機構に関してお話しいただきましたけれども、それでは、原子力規制委員会における専門性というのはどのようになっておるのでしょうか。加えて、年齢構成を教えてください。

田中政府特別補佐人 現在、原子力規制委員会は、私を含めて五名から構成されています。

 私ともう一人、更田委員は、いわゆる原子力の専門です。私は放射線の方もカバーしています。それから、医学部を出られた先生もおられますし、東京大学の地震研究所の名誉教授である先生もおられます。それから、核物質防護とか保障措置とか、そういった極めて外交的な面も含めますような点については、元国連大使をなされた大島先生というような、そういうメンバーから今成っておりまして、私どもに与えられたミッションは非常に幅広いものですから、そういった五人が中心になって、規制庁の職員とともに、私どもの使命を果たすべく、今、日夜奮闘しているところでございます。

伊東(信)委員 田中委員長、ありがとうございます。

 実は、資料の三ページに、田中委員長も含め原子力規制委員会の委員というのが、このようにプロフィールの方を、これはホームページから引用させていただいたわけなんですけれども、確かに、かなりの、多岐にわたる専門性を有しておられると思います。いわゆる物理学的な方、法的な方、そして、科学の中でも、地学の範囲の方もおられれば、原子力、核医学の方もおられます。

 やはり、現在、皆さんが精鋭であることは、いろいろ見させていただいたんですけれども、それは間違いないと思います。ただ、一つ懸念されるべきこと、まず一つ目は、先ほどお名前が出ましたけれども、一番若い方は更田さんという方なんですけれども、この方でも五十六歳の方でございまして、六十代以上の方がやはりたくさんおられると思います。

 こういった原子力の問題、いわゆる復興に関して申し上げますと、これからの稼働、再稼働の議論に関しては、ここでは申し上げません。だけれども、これが五年、十年で済むものではないと思います。まさに三十年後、五十年後も考えていかなければなりません。

 ここに書いてある現時点で五十年後であれば、田中委員長も百十八歳になってしまいまして、一応、細胞学的には、iPS細胞も含めてですけれども、百二十五歳までは生きられるんですけれども、何も病気がなければ。だけれども、現実的に言うと、やはり、だったら、この原子力規制委員会の中にも、もう少しお若い方を入れるように検討していただいた方がいいのではないかなと思うんですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

森本政府参考人 原子力規制委員の任命は内閣総理大臣ということになってございますので、規制委員会として、それについてお答えをすることは難しゅうございますけれども、原子力規制委員会の事務局であります規制庁について申し上げますと、現在、定員が五百四十五名おりまして、その定員でやってございます。

 今度、原安機構が統合されたときに、確かに高齢の方が入られるんですけれども、そういった人のいわば知見を若い人に移植しつつ、新規採用を続けていきたいと思ってございます。

 ちなみに、来年度に関しましては、数十人規模での新規増員、JNESも合わせてですけれども、ということができますので、そういった形で若い人をこの分野で育てていきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 若干、誤解のないように御説明させていただきながら、質疑をさせていただきたいと思います。

 二点ありまして、一点は、総理大臣の任命であることは存じ上げておりまして、だけれども、いわゆる候補者なり、委員会なりというのがあると思いますので、委員会内部からの推薦という形ではないですけれども、つまり、意見を言う場とかそういったところで、若い人材の登用について御検討いただければという意味でございます。

 加えて、私は、全部若い世代にかえてほしい、そういうことを言っておりません。それは、経験値というのは、これは医療の現場でもそうなんですけれども、科学の現場でも、仕事の現場でも、社会経験上も、やはり得がたいものでありますので、いわゆるミックスさせていくというのが大事なので、定員が五名ですので、なかなかその割合というのは難しいというのはわかっておるんですけれども。

 そういった委員会、原安機構は、規制庁を含めて、これから政府として、チェックは大事ですけれども、やはりポジティブに進めていくのが大事だと思います。現場でばりばり働く、原子力に関する専門の方々がやっていると、それをやはりこれからの若い世代の方も見ていかれると思います。

 文科省に聞くべきことだと思うんですけれども、今は、原子力関連、それにまつわる勉強をされているドクター、せっかく博士号を取った方も、行き先がないというのが現状なんですね。だから、新組織において、そのポスドクの積極的な活用推進、若手の研究者が将来的に希望を持てるようなモデル組織となっていただきたいというのが、科技特も含めて、科学者である私の希望なんです。

 統合後の職員採用について、いわゆる採用基準について、採用手続に関して具体的にどのようなことになっていくのか、お教えいただければと思います。

森本政府参考人 お答えいたします。

 統合によりまして、原安機構の職員については、これを規制委員会の職員とするということでございます。

 その後の採用につきましては、もちろん、過去の経歴、業績あるいは人物というものを見て採用させていただくわけでございますが、先ほど先生から御指摘のあったとおりでございまして、いわゆるポスドクと言われる方、そういう方も積極的に採用していきたいというふうに考えてございます。先ほど申し上げました、原子力工学という枠で採用するというのも一つのその目的でございます。

 おっしゃるとおり、原子力関係学科というものは今必ずしもたくさんございませんけれども、そういうところで勉強された方を積極的に採用していきたいというふうに考えてございます。

伊東(信)委員 済みません、先ほどの答弁に関する確認というかチェックなんですけれども、独法が解散されて公務員になる上で、法的なことも手続上もそのままの移行になるんですか。たしか、この資料をいただくと、一応公募のような形をとられると思うんですけれども。

森本政府参考人 補足して御説明申し上げます。

 今回の原子力安全基盤機構の職員を原子力規制委員会の職員として採用するに当たりましては、次のような手続でございます。

 まず、現在の出させていただいています法案の附則三条におきまして、原子力規制委員会職員の職務の内容その他採用に関する事項を提示して行う職員の募集というのを規制委員会で行います。その募集を受けまして、原子力安全基盤機構が行う応募書類の作成及び提出というのがございます。その応募書類に基づきまして、今度は原子力規制委員会委員長が行う選考採用、そういう形でございます。

 その選考に当たりましては、やはり過去の経歴、業績及び人物というのを見させていただく、そういう手続になってございます。

伊東(信)委員 ということは、その時点で、今までの業績とか今までの成績がちょっとという方は採用されなかったりするケースもあるわけですか。

森本政府参考人 いわゆる国家公務員法に基づく選考採用という形になりますので、それに基づいて採用手続を進めさせていただきたいと考えてございます。

伊東(信)委員 全体的に今回の質疑に関しての御答弁は、私、申し上げていますように、決して悪いところばかりを指摘したいわけじゃなくて、どちらかというとポジティブにこの問題は進めていきたいと思っておるわけなんですけれども、しかる後に、先ほど内部のチェックという話をしましたけれども、統合後の、独立行政法人から国家公務員に移行するメリットは大体理解できました。この際、逆に、皆さんの方から想定できるデメリットというのは何かございますでしょうか。

田中政府特別補佐人 先生御案内のように、公務員というのはいわゆる研究開発を主として行う機関ではありませんので、次々と研究をしながら人材というのは育っていくものですけれども、そういった部分については、若干私も今後の課題として心配しているところでございます。

伊東(信)委員 田中委員長、割と科学者としての共感できるお答えだと思います、私自身も。

 しかる後に、いわゆる独法から国家公務員に移るわけなんですけれども、この第一条の方を見させていただきますけれども、統合後、資産そして負債までも国が継承すると、そこで規定されています。その場合、具体的な会計処理自体が適切かつ整合性があるものかというのが危惧されるところなんですけれども、そのあたりはいかがなものでしょうか。

森本政府参考人 独立行政法人の資産、債務につきましては国に承継されるという形になるんですけれども、国における資産、債務の管理というのは、その種類に応じまして、国有財産法あるいは物品管理法等の会計法令に基づいて管理されることとなってございます。

 今回の独立行政法人の原子力安全基盤機構が保有している資産についても、その会計法令に則して分類、整理をして、原子力規制委員会に引き継がれて管理していくということでございます。

 また、債務についても、契約上の支払い債務でございますので、原子力安全基盤機構の解散後、原子力規制委員会がその債務を承継して支払いを行う、そういうルールになって、ルールに沿って進めていきたいと考えてございます。

伊東(信)委員 いわゆる国の管理になるわけなんです。その際、政府の会計も単式簿記になるわけなんですけれども、現在、独法においての会計処理は、普通の法人と同じように複式簿記でやられていますでしょうか、それともやはり単式簿記なのでしょうか。一応通告したと思うんですけれども。

森本政府参考人 独立行政法人安全基盤機構は、独法の会計基準に基づきまして、財務諸表、貸借対照表であるとか業務費用計算書等を作成してございます。

伊東(信)委員 BS、PLがあるのでしたら、試算表とかもつくってあるのであれば複式簿記ではないのかなとは思うんですけれども、その場合、単式簿記に移行した場合、その辺の整合性がやはり危惧されるところでありますね。しっかりとその辺のところはチェックしていただければと思っております。

 冒頭から申し上げていますように、この問題は、国を挙げて、民間を挙げて、外部の委員会も外部機関も挙げて、本当に国が一丸となって解決していかなければならないという問題ですので、その際のいわゆる疑念、懸念というのは本当にフランクにお応えいただいて、前に向いて進めていければという私の願いを最後にしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

伊藤委員長 次回は、来る八日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十三分散会


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